JP2016045121A - 沸騰水型原子力発電所 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原子炉格納容器101を有する原子炉建屋100と、その原子炉建屋100の外部に独立して設置された耐ハザード性を有する外部建屋200とを備える。外部建屋200は、原子炉建屋100とは独立した電源202及び操作盤201を有する。そして、外部建屋200の内部に設置した注水ポンプ211、212と、その注水ポンプ211、212から原子炉建屋100内の少なくとも原子炉圧力容器102または原子炉格納容器101に対して注水を行う代替注水配管110,120、130,140,150と、代替注水配管110,120、130,140,150に接続された弁とを備え、シビアアクシデントが万一発生した場合に代替注水ができるようにした。
【選択図】図1
Description
そして、本発明の沸騰水型原子力発電所は、外部建屋の内部に設置したポンプと、そのポンプから原子炉建屋内の少なくとも原子炉圧力容器または原子炉格納容器に対して注水を行う代替注水配管と、代替注水配管に接続された弁とを備える。
以下、本発明の第1の実施の形態例を、図1〜図4を参照して説明する。
[1−1.沸騰水型原子力発電所の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態例の沸騰水型原子力発電所の全体構成を示す図である。
沸騰水型原子力発電所は、原子炉建屋100を備える。原子炉建屋100内には、原子炉格納容器101と、原子炉圧力容器102と、使用済み燃料プール103と、原子炉ウェル104と、圧力抑制プール105と、ドライウェル106とが配置されている。
原子炉圧力容器102には、注水配管170が配置され、注水配管170を使用して原子炉圧力容器102に注水が行われる。注水配管170には、逆止弁171,172とゲート弁173が接続されている。
なお、図1では、原子炉建屋100内の配管として、本実施の形態例を説明する上で必要な配管だけを示す。図1には特に示さないが、原子炉建屋100は、設計で想定すべき各種の事故や事象が発生した場合であっても、原子炉建屋100内で十分な注水が行える設備を備える。
代替注水配管110による注水は、原子炉建屋100内の使用済み燃料プール103に対して行われる。原子炉建屋100内の代替注水配管110には、逆止弁111とゲート弁112とが配置される。
代替注水配管120による注水は、原子炉建屋100内の原子炉ウェル104に対して行われる。原子炉建屋100内の代替注水配管120には、逆止弁121とゲート弁122とが配置される。
代替注水配管130による注水は、原子炉建屋100内の原子炉格納容器101に対して行われる。代替注水配管130は、原子炉格納容器101に注水を行う注水配管161に接続される。原子炉建屋100内の代替注水配管130には、逆止弁131,132とゲート弁133とが配置される。
代替注水配管140は、上り勾配の注水配管148を経て原子炉建屋100内の注水配管180に接続される。注水配管180は、さらに別の注水配管170に接続され、原子炉圧力容器102内に注水される。注水配管170には、逆止弁171,172とゲート弁173とが配置される。注水配管180には、ゲート弁181と逆止弁182とが配置される。上り勾配代替注水配管148は、このゲート弁181と逆止弁182との間に接続される。原子炉建屋100内の代替注水配管148には、ゲート弁141と逆止弁142,143が配置される。代替注水配管140が注水配管180に接続される構成の詳細は、後述する(図2)。
代替注水配管150による注水は、原子炉建屋100内の下部ドライウェル106に対して行われる。原子炉建屋100内の代替注水配管150には、逆止弁151,152とゲート弁153とが配置される。
図2は、代替注水配管140の注水配管180への接続部の詳細を示す図である。
代替注水配管140は、上り勾配の注水配管148を経て、注水配管180に接続される。すなわち、図2に示すように、バックアップ建屋200を起点とした代替注水配管140は、原子炉建屋100内で注水配管148に接続し、上り勾配に設計された注水配管148を経て、注水配管180に接続される。この場合、上り勾配の注水配管148の途中に、ゲート弁141と逆止弁142,143が配置される。
このように流水制限器145やドレン147を設けたことで、炉水や炉蒸気が格納容器隔壁の機能を持つ逆止弁142,143,182から漏洩して、代替注水配管140を伝って原子炉建屋100の外やバックアップ建屋200に炉水や炉蒸気が排出されることを防止できる。したがって、炉水や炉蒸気に含まれる放射性物質が、原子炉建屋100の外部に拡散することを防ぐことができる。
図1の例の沸騰水型原子力発電所によると、原子炉建屋100内で通常使用される注水配管170などによる注水ができない非常時には、バックアップ建屋200から代替注水配管110〜150を使用して注水を行うことができる。例えば、地震、洪水、積雪等のシビアアクシデントが発生して、通常の配管を使った注水ができない場合、バックアップ建屋200内のポンプ211,212を起動させることで、バックアップ建屋200から代替注水配管110〜150を使用して注水ができる。バックアップ建屋200内のポンプ211,212は、バックアップ建屋200内の電源設備202から電源が供給されるため、原子炉建屋100側の電源設備に異常がある場合でも、確実に注水を行うことができる。
図3は、図1に示す代替注水配管140に、他の代替注水配管130,150からのバイパス配管10,20を設けた変形例を示す。
すなわち、図3の例では、代替注水配管130と代替注水配管140の間に、バイパス配管10を接続し、そのバイパス配管10の途中に、弁11と逆止弁12を配置する。また、代替注水配管150と代替注水配管140の間に、バイパス配管20を接続し、そのバイパス配管20の途中に、逆止弁21と弁22を配置する。
各逆止弁12,21は、代替注水配管140から代替注水配管130,150への水の流れを阻止する。
なお、図3の例では、代替注水配管130と代替注水配管150から代替注水配管140へのバイパス配管10,20を設けた。これに対して、その他の代替注水配管110,120から代替注水配管140へのバイパス配管を設けるようにしてもよい。
図4は、バックアップ建屋200を使用した注水ができない際に、可搬式ポンプ車500を代替注水配管110〜150に接続して注水する例を示す。
既に説明したように、バックアップ建屋200内には、ホース接続部243が配置され、バックアップ建屋200の外部には、ホース接続部253が配置されている。このため、バックアップ建屋200内のポンプ211,212を使用した注水ができない状況の場合に、車庫203内の可搬式ポンプ車500を使用して注水を行うことができる。例えば、図4に示すように、作業員が、可搬式ポンプ車500を非常用水源400の近傍に移動させる。そして、作業員は、可搬式ポンプ車500の吸込側のホース501を非常用水源400に接続し、吐出側のホース502をバックアップ建屋200の外側のホース接続部253に接続し、ホース接続部253の弁252を開く作業を行う。
また、図4に破線で示すように、作業員は、可搬式ポンプ車500のホース502aを、バックアップ建屋200の内部のホース接続部243に接続して、非常用水源400からの注水を行うようにしてもよい。あるいはまた、作業員は、可搬式ポンプ車500のホース502bを、原子炉建屋100の外に配置したホース接続部192に接続して、非常用水源400からの注水を行うようにしてもよい。いずれの接続を行った場合でも、作業員は、非常用水源400から各代替注水配管110〜150を使用した原子炉建屋100内への注水を行うことができる。
これらの作業を行う作業員(運転要員)は、バックアップ建屋200にて待機し、必要なときに可搬式ポンプ車500に移動して作業を行う。したがって、作業員は、安全性が確保されながら、可搬式ポンプ車500などでの作業を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施の形態例を、図5を参照して説明する。この図5において、第1の実施の形態例で説明した図1〜図4と同一の箇所には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
本実施の形態例の沸騰水型原子力発電所についても、原子炉建屋100とは独立した、耐ハザード性を有するバックアップ建屋200を備える。このバックアップ建屋200は、設備操作盤201及び電源設備202を備える。バックアップ建屋200と原子炉建屋100との間には、原子炉建屋100内に注水を行う代替注水配管110〜150を配置する。そして、バックアップ建屋200は、ポンプ211,212を作動させることで、原子炉建屋100内の各部に代替注水が行えるようにした点についても、第1の実施の形態例と同じである。
車庫700についても、耐ハザード性を有する構造であることが好ましい。すなわち、車庫700は、地震、洪水、積雪等の事象に耐えて内部の健全性を確保できる構造であることが好ましい。また、車庫700は、可能であれば、ハザード壁に囲まれた箇所に設置するのが好ましい。図5の例の場合、バックアップ建屋200内には車庫を設けない。
なお、車庫700は、可搬式ポンプ車500の他に、図4に示す電源車600や、瓦礫の除去を行う作業車を収納してもよい。
図2の例では、代替注水配管140の注水配管180への接続部の構成を示した。これに対して、その他の代替注水配管110,120,130,150が、原子炉建屋100内で他の注水配管に接続される場合には、図2の例と同様の接続構成としてもよい。すなわち、代替注水配管110,120,130,150についても、他の配管との接続部に、流量制限器やドレンなどの排水設備を配置してもよい。
Claims (10)
- 原子炉格納容器及び原子炉圧力容器を有する原子炉建屋と、
前記原子炉建屋の外部に独立して設置され、前記原子炉建屋とは独立した電源及び操作盤を有し、耐ハザード性を持った外部建屋と、
前記外部建屋の内部に設置した注水ポンプと、
前記注水ポンプから前記原子炉建屋内の少なくとも前記原子炉圧力容器または前記原子炉格納容器に対して注水を行う代替注水配管と、
前記代替注水配管に接続された弁と、を備えた
沸騰水型原子力発電所。 - 前記代替注水配管の途中に分岐部を設け、ポンプ車のホースを接続可能なホース接続部を前記分岐部から分岐した配管に設けた
請求項1に記載の沸騰水型原子力発電所。 - 前記分岐部を前記外部建屋内に設け、前記ホース接続部は、前記外部建屋内に配置した
請求項2に記載の沸騰水型原子力発電所。 - 前記分岐部を前記外部建屋内に設け、前記ホース接続部は、前記外部建屋の外に配置した
請求項2に記載の沸騰水型原子力発電所。 - 前記分岐部を前記原子炉建屋内に設け、前記ホース接続部は、前記原子炉建屋の外に配置した
請求項2に記載の沸騰水型原子力発電所。 - 前記外部建屋は、前記ポンプ車を保管する車庫を設けた
請求項1に記載の沸騰水型原子力発電所。 - 前記代替注水配管に接続される弁の内で、前記原子炉建屋内の弁は、常時開で運用される弁と、逆止弁とで構成した
請求項1に記載の沸騰水型原子力発電所。 - 前記代替注水配管は、前記原子炉建屋内で上り勾配の代替注水配管を経て注水口に接続され、
前記上り勾配の代替注水配管の最下点には、流量制限器からなる排水機構を設けた
請求項1に記載の沸騰水型原子力発電所。 - 前記代替注水配管として、前記原子炉圧力容器に対して注水を行う第1の代替注水配管と、それ以外の箇所に対して注水を行う第2の代替注水配管とを備え、
前記第2の代替注水配管から前記第1の代替注水配管への注水を行うバイパス配管と、前記バイパス配管の途中に設置された弁とを設けた
請求項1に記載の沸騰水型原子力発電所。 - 前記外部建屋とは別の箇所に、前記ポンプ車を保管する車庫を設けた
請求項1に記載の沸騰水型原子力発電所。
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