実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、所定個(例えば、3個)の賞球が遊技者に払い出される。なお、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときと、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときとで、遊技者に払い出される賞球の数を異ならせるようにしてもよい。例えば、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときに、1個の賞球が遊技者に払い出されるようにしてもよい。このように1回の入賞に対して賞球の数を少なくする場合には、代わりに、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすいように構成することができる。つまり、遊技者にとっては、1回の入賞により払い出される賞球の数が少なくなるものの、第1特別図柄の変動表示が行われやすくなるため、遊技を楽しむことができる。ただし、この場合には、連荘中の賞球の獲得期待値が所定値(例えば、6400個)以下となること、特別図柄の可変表示の表示結果が大当りとなる大当り確率が所定値(例えば、260分の1)未満であることが望ましい。なお、連荘中とは、例えば、大当り遊技が開始されてから大当り遊技後に通常状態に制御されるまでの期間、大当り遊技が開始されてから大当り遊技後に制御される確変状態が終了するまで(時短状態や通常状態の制御が開始されるまで)の期間、または大当り遊技が開始されてから、大当り遊技後に制御される確変状態もしくは時短状態が終了するまでの期間(通常状態の制御が開始されるまで)のことである。また、大当り確率が所定値(例えば、260分の1)未満であるとは、大当り確率が所定値であるときよりも、大当りとなる割合が高いことである(例えば、100分の1の割合で大当りとなる)。
また、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときにも、1個の賞球が遊技者に払い出されるようにしてもよい。ただし、この場合にも、連荘中の賞球の獲得期待値や、特別図柄の可変表示の表示結果が大当りとなる大当り確率が適切に調整されることが望ましい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
また、演出表示装置9の表示画面の下部の左端には、変動対応表示領域180が設けられている。変動対応表示領域180には、第1開始条件または第2開始条件が成立して第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が開始されることに伴い、当該実行される変動表示に対応した変動対応表示が、所定の表示態様(例えば文字やエフェクトが施されていない通常態様、または文字やエフェクトが施された特定表示態様)で表示される。即ち、変動対応表示は、変動表示が実行されていることを示唆するものある。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、予告演出(可動物予告演出)やスーパーリーチ演出が実行されるときに動作する。なお、可動物予告演出やスーパーリーチ演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出において可動部材78が動作するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、可動物予告演出やスーパーリーチ演出が実行される場合には、後述するように、可動部材78の可動に加えて、導光板の発光制御が行われる。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出(演出羽根役物予告演出)が実行されるときに動作する。なお、演出羽根役物予告演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出やスーパーリーチ演出において演出羽根役物79a,79bが動作するようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。高確率状態。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当り(本例では、15R確変大当り、5R確変大当り、突然確変大当り)となった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、高ベース状態に移行される場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)にも移行される。そのように時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25などに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R通常大当り、5R通常大当り、15R確変大当り、5R確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、ステップS27の普通図柄プロセス処理では、ゲート32への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように遊技機を構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R通常大当り、5R通常大当り、15R確変大当り、5R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当り、確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R通常大当り、5R通常大当り、15R確変大当り、5R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15ラウンド(15R)通常大当り」、「5ラウンド(5R)通常大当り」、「15ラウンド(15R)確変大当り」、「5ラウンド(5R)確変大当り」、および「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、以下の説明において、「15R通常大当り」および「5R通常大当り」を「通常大当り」と称する場合があり、「15R確変大当り」および「5R確変大当り」ならびに「突然確変大当り」を「確変大当り」と称する場合がある。また、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には「突然確変大当り」に対して1個の判定値が割り当てられている(40分の1の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15ラウンド(15R)通常大当り」、「5ラウンド(5R)通常大当り」、「15ラウンド(15R)確変大当り」、「5ラウンド(5R)確変大当り」、および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、5ラウンド、および2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、10ラウンドの大当り遊技に制御する10R確変大当りや、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15ラウンド(15R)通常大当り」、「5ラウンド(5R)通常大当り」、「15ラウンド(15R)確変大当り」、「5ラウンド(5R)確変大当り」、および「突然確変大当り」の5種類である場合を示しているが、5種類にかぎらず、例えば、6種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別を5種類よりも少なくしてもよく、例えば、大当り種別として4種類、3種類、または2種類のみ設けられていてもよい。
「15ラウンド(15R)通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、低確率/高ベース状態に移行した後、特別図柄の変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると低確率/高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態となる。なお、変動表示を所定回数終了する前に次の大当りが発生した場合にも、低確率/高ベース状態を終了する。
「5ラウンド(5R)通常大当り」とは、「15R通常大当り」とはラウンド数が異なる通常大当りであって、5ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、低確率/高ベース状態に移行した後、特別図柄の変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると低確率/高ベース状態が終了して低確率/低ベース状態となる。なお、変動表示を所定回数終了する前に次の大当りが発生した場合にも、低確率/高ベース状態を終了する。
「15ラウンド(15R)確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
「5ラウンド(5R)確変大当り」とは、「15R確変大当り」とはラウンド数が異なる確変大当りであって、5ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行させる大当りである。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
また、「突然確変大当り」とは、他の大当り(「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、および「5R確変大当り」)と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、および「5R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に高確率/高ベース状態に移行される。そして、次の大当りが発生するまで、高確率/高ベース状態が継続する。
このように、この実施の形態では、大当り遊技状態に制御されている期間における遊技者にとっての有利度が異なる複数の大当り種別が存在する。具体的には、15R通常大当りや15R確変大当りは、5R通常大当り、5R確変大当りおよび突然確変大当りと比較して遊技者が獲得可能な遊技媒体数が多い。すなわち、15R大当り(15R確変大当りおよび15R通常大当り)は、大当り遊技状態において5R以下の大当り(5R通常大当り、5R確変大当り、および突然確変大当り)よりも遊技者にとって有利な大当りであるといえる。また、この実施の形態では、大当り遊技状態終了後における遊技者にとっての有利度が異なる複数の大当り種別が存在する。具体的には、15R確変大当り、5R確変大当りおよび突然確変大当りは、15R通常大当りおよび5R通常大当りと比較して、大当り遊技状態終了後に高確率状態に制御されることにより、次の大当りが発生しやすい。すなわち、確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当りおよび突然確変大当り)は、大当り遊技状態終了後において通常大当り(15R通常大当りおよび5R通常大当り)よりも遊技者にとって有利な大当りであるといえる。
なお、この実施の形態では、5R大当り(5R確変大当りおよび5R通常大当り)と15R大当り(15R確変大当りおよび15R通常大当り)とで、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が共通であり、大入賞口の開放回数が異なる例を示しているが、このような形態に限らず、大入賞口の開放回数が共通であるが大入賞口の開放時間が異なる複数の大当り種別が存在するようにしてもよい。例えば、大入賞口の開放回数はいずれも15回であるが、そのうち5回は大入賞口の開放時間が最長29秒であり残りの10回は大入賞口の開放時間が最長0.1秒である大当り種別(所謂実質5ラウンドの大当り)と、15回全てについて大入賞口の開放時間が最長29秒である大当り種別(所謂実質15ラウンドの大当り)とが存在するようにしてもよい。このような場合には、大当り遊技状態に制御されている期間において後者(実質15ラウンドの大当り)は前者(実質5ラウンドの大当り)よりも遊技者にとって有利な大当りといえる。このように、大当り遊技状態に制御されている期間における有利度は大入賞口の開放回数のみによって決定されるものではなく、遊技球が大入賞口に入賞可能な期間にもとづくものである。
第1特別図柄の変動表示が行われるときに用いられる図8(D)の大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、および「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
第2特別図柄の変動表示が行われるときに用いられる図8(E)の大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、および「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示が行われるときには、大当り種別が5R通常大当りに決定されることがないように判定値が設定されているが、このような形態に限らず、第1特別図柄の変動表示が行われるときに大当り種別が5R通常大当りに決定される場合があるように判定値を設定してもよい。また、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が行われるときには、大当り種別が15R通常大当りに決定されることがないように判定値が設定されているが、このような形態に限らず、第2特別図柄の変動表示が行われるときに大当り種別が15R通常大当りに決定される場合があるように判定値を設定してもよい。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り(15R通常大当り、5R通常大当り)」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図10(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図10に示す例では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Cを用いる場合を示しているが、確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図10(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図10(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、擬似連や滑り演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、擬似連や滑り演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A005(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド〜大当り開始4指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「5R通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「15R確変大当り」である場合には大当り開始3指定コマンド(A003(H))が用いられ、「5R確変大当り」である場合には大当り開始4指定コマンド(A004(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A005(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「15R通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「5R通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、大当り終了3指定コマンド(A303(H))は、「15R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA304(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了4指定コマンド:エンディング4指定コマンド)である。なお、大当り終了4指定コマンド(A304(H))は、「5R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA305(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング5指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「5R通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「5R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「06(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄7指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図16および図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図16および図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図9(A)〜(D)や図10(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態や時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り(15R通常大当り、5R通常大当り)」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図9、図10参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7またはスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して、後述する保留予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図16および図17に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「保留予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行されるいわゆる先読み予告演出の一種であり、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおける保留表示を通常とは異なる表示態様で表示することにより行われる予告演出である。この実施の形態では、保留予告演出は、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したことにもとづいて後述する出現演出や保留表示が表示されたタイミングで実行される。なお、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したことにもとづいて後述する出現演出や保留表示が表示されたタイミングでは通常の表示態様で保留表示の表示を一旦開始し、その後の所定タイミング(例えば、保留のシフトのタイミング)で通常とは異なる表示態様に保留表示を変化させることにより保留予告演出を実行するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、時短状態(高ベース状態)であるときに第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合を除いて(ステップS1215A,S1216A参照)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図15に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに図16および図17に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出を実行する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図18および図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図31参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図20は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図20(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図20(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図20(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214A)。なお、ステップS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1215A)。セットされていれば、そのままステップS1220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままステップS1220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220A)。
なお、ステップS1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してステップS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、ステップS1215AまたはステップS1216AでYと判定したことによりステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が低ベース状態である場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS1217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS1217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS1217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305参照)から大当り終了処理(ステップS307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図21(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1214B)。なお、ステップS1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1217B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220B)。
なお、ステップS1218B,S1219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してステップS1217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1215Aと同様の処理を行い、時短状態であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態(低ベース状態)である場合にのみステップS1217Bの入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS1216Aと同様の処理を行い、大当り遊技中であればステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。
図22は、ステップS1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)や突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグや時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で確変状態であるか否かおよび時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)や突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図16および図17に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態や時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「06(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1214A,S1214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「5R通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「5R通常大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「5R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「5R確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、「通常大当り(15R通常大当り、5R通常大当り)」と判定した場合には、閾値74および149を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下でない場合(すなわち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)」と判定した場合には、閾値38および79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図9、図10参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図16および図17に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する保留予告演出を実行するようにしてもよい。
(変動対応表示領域180、第1保留記憶数表示部9aおよび第2保留記憶数表示部9bの表示)
図23は、演出表示装置9の下部に設けられる変動対応表示領域180、第1保留記憶数表示部9aおよび第2保留記憶数表示部9bの詳細を示す説明図である。これら変動対応表示領域180、第1保留記憶数表示部9aおよび第2保留記憶数表示部9bは、演出図柄(この例では「777」)が表示される演出図柄表示領域の下方に位置しており、実行されているまたは実行されることが決定されている変動表示各々に対応した丸型のオブジェクトである変動対応表示または保留表示が表示される領域である。ここで、演出表示装置9の下部の左端に位置する変動対応表示領域180には、実行されている変動表示(開始条件が成立した可変表示)に対応した変動対応表示が表示される。また、演出表示装置9の下部の遊技者側から見て変動対応表示領域180の右側に位置する第1保留記憶数表示部9aおよび第2保留記憶数表示部9bには、実行されることが決定されているが未だ実行されていない変動表示(始動条件は成立したが開始条件が成立していない可変表示)に対応した保留表示が表示される。
第1保留記憶数表示部9aおよび第2保留記憶数表示部9bは、変動対応表示領域180の右側から画面右端に向かって順に、保留表示領域181A,181B,181C,181D,181E,181F,181G,および181Hにより構成され、このうち、保留表示領域181A〜181Dが第1保留記憶数表示部9aを構成し、保留表示領域181E〜181Hが第2保留記憶数表示部9bを構成している。
第1保留記憶数表示部9aまたは第2保留記憶数表示部9bに表示されていた保留表示に対応する変動表示の開始条件が成立したときに、第1保留記憶数表示部9aまたは第2保留記憶数表示部9bに保留表示として表示されていたオブジェクトが変動対応表示領域180にシフトされ、変動対応表示として表示されることになる。このとき変動対応表示領域180にシフトされるオブジェクトの表示態様は維持されるものとする。すなわち、第1保留記憶数表示部9aまたは第2保留記憶数表示部9bに表示されていた保留表示の表示態様が特殊態様であれば、該保留表示が変動対応表示領域180にシフトされて変動対応表示として表示されることになっても、当該変動対応表示の表示態様は特殊態様となる。
図24および図25は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図22に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、確変状態(高確率状態)における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「15R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「5R通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「5R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「05」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「5R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R通常大当り」に決定した場合には「2」を特別図柄の停止図柄に決定し、「5R通常大当り」に決定した場合には「4」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図26は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、この実施の形態では、通常大当り(15R通常大当り、5R通常大当り)にもとづく大当り遊技終了時に時短状態に移行されるときに時短フラグがセットされるとともに、確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)にもとづく大当り遊技終了時にも確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行されることから時短フラグがセットされる。従って、ステップS95でYと判定された場合には、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後に時短状態にのみ制御されているときに加えて、確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に確変状態とともに時短状態に制御されているときがある。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS96)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(ステップS97)。そして、ステップS100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS100に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S97、S98またはS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS100)。
次いで、CPU56は、ステップS100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して保留予告演出を行うように構成することが好ましい。
図27は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS120に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「15R通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、「15R通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「5R通常大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、「5R通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。
また、CPU56は、大当りの種別が「15R確変大当り」であるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115,S116)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「5R確変大当り」であるときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117,S118)。なお、「5R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「04」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」および「5R確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS119)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS120)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS121)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS120のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS122)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS123)。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグ、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「15R通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「5R通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が「15R確変大当り」である場合には大当り開始3指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。また、大当りの種別が「5R確変大当り」である場合には大当り開始4指定コマンド(コマンドA004(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA005(H))を送信する。なお、大当りの種別が「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「15R通常大当り」や「15R確変大当り」の場合には15回。「5R通常大当り」や「5R確変大当り」の場合には5回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、15R通常大当たりや5R通常大当り、15R確変大当り、5R確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、時短フラグをリセットする(ステップS140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA005(H))を送信する(ステップS142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS146)。
図30は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、「15R通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「5R通常大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「15R確変大当り」であった場合には大当り終了3指定コマンド(コマンドA303(H))を送信し、「5R確変大当り」であった場合には大当り終了4指定コマンド(コマンドA304(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA305(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、今回終了する大当り遊技が通常大当り(15R通常大当り、5R通常大当り)にもとづくものであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」または「02」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば(ステップS166のY)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットする(ステップS168)。
通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合でなければ(すなわち、確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)または突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
なお、この実施の形態では、以上の処理が実行されることによって、確変状態に制御される場合には時短状態にも制御されることから、遊技状態として、通常状態(低確率/低ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、および確変状態(高確率/高ベース状態)の3つの状態があることになる。
図31は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図32は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図33は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図34〜図36は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A004(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。この場合、例えば、大当り開始1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始3指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始3指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始4指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始4指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA005(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A304(H))であれば(ステップS625)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。この場合、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了3指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了3指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了4指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了4指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA305(H))であれば(ステップS627)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている図柄指定コマンド格納領域に一時格納する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納する(ステップS654)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS656)。また、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに一時格納されている図柄指定コマンドと、変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納されている変動カテゴリコマンドと、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドとを、RAMに形成されている第1始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS657)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS658)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS659)。また、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに一時格納されている図柄指定コマンドと、変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納されている変動カテゴリコマンドと、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドとを、RAMに形成されている第2始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS660)。
図37は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。このうち、図37(A)は、第1始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示し、図37(B)は、第2始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示している。図37(A)に示すように、第1始動入賞時コマンド格納領域には、第1保留記憶数の最大値(この例では4)に対応した領域(格納領域1〜4)が確保されている。また、第2始動入賞時コマンド格納領域には、第2保留記憶数の最大値(この例では4)に対応した領域(格納領域1〜4)が確保されている。この実施の形態では、図20の第1始動口スイッチ通過処理のステップS1218A〜S1220Aおよび第2始動口スイッチ通過処理のステップS1218B〜S1220Bで示したように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドがセットで送信される。そのため、図37に示すように、第1始動入賞時コマンド格納領域および第2始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜4には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを受信したときに、それぞれ図柄指定コマンド格納領域および変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納する。そして、保留記憶数加算指定コマンドを受信すると、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば第1保留記憶が1増加した場合であることが分かり、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば第2保留記憶が1増加した場合であることが分かるので、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば一時格納した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドとともに第1保留記憶数加算指定コマンドを第1始動入賞時コマンド格納領域に格納し、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば一時格納した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドとともに第2保留記憶数加算指定コマンドを第2始動入賞時コマンド格納領域に格納する(なお、図37では、第1始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4の全ての格納領域にコマンドが格納され、第2始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4のうちの格納領域1のみにコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図37に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述するステップS664,S668で順次削除される。この場合、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先実行するので、まず、図37(B)に示す第2始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1の記憶内容が削除される。次いで、新たに第2保留記憶が発生しなければ、第1保留記憶のみが記憶されている状態となるので、次に演出図柄の変動表示を開始するタイミングで図37(A)に示す第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、第1始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図37(A)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされる。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図22参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS662)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示を1つ消去し、その消去した第1保留記憶以降の残りの第1保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留記憶数表示を更新する(ステップS663)。例えば、第1保留記憶表示部9aの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には1つ目の第1保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた第1保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第1保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。次いで、演出制御用CPU101は、第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、第1始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS666)。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を1つ消去し、その消去した第2保留記憶以降の残りの第2保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶表示部9aにおける第2保留記憶数表示を更新する(ステップS667)。例えば、第2保留記憶表示部9bの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には1つ目の第2保留表示を消去するとともに、2つ目に表示されていた第2保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第2保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。次いで、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、第2始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(ステップS668)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS670)。従って、この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)である場合には、通常状態に応じた背景画面が表示されることによって通常状態に応じた演出モード(以下、通常演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS671)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS672)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS673)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、時短状態に応じた背景画面が表示されることによって時短状態に応じた演出モード(以下、時短演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS674)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS675)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の背景色の背景画面)に変更する(ステップS676)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、確変状態に応じた背景画面が表示されることによって確変状態に応じた演出モード(以下、確変演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS677)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS678)。そして、ステップS611に移行する。
図38は、図32に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS800A)。確変状態フラグおよび時短状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、通常状態であれば)、演出制御用CPU101は、先読み演出として後述する保留変化演出や背景変化演出を実行するか否か、および保留変化演出や背景変化演出を実行する場合の演出態様(保留表示の表示態様を第1特殊態様または第2特殊態様のいずれにするか、あるいは演出図柄の背景画像を第1特別態様または第2特別態様のいずれにするか)を決定する先読み演出決定処理を実行する(ステップS800B)。確変状態フラグまたは時短状態フラグがセットされていれば(すなわち、確変状態または時短状態であれば)、演出制御用CPU101は、保留表示の表示制御を行う保留表示制御処理を実行する(ステップS800C)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図39は、保留変化演出の特殊態様表示および背景変化演出の特別態様表示のそれぞれの具体例を示す図である。
「保留変化演出」とは、第1保留記憶数表示部9aおよび第2保留記憶数表示部9bに表示される保留表示の表示態様を、所定の条件において通常態様とは異なる特殊態様で表示する演出である。この実施形態において、特殊態様は、図39(a−1)で示される第1特殊態様(「『熱』文字」ともいう)および図39(a−2)で示される第2特殊態様(「炎エフェクト」ともいう)の2種類がある。図39(a−1)に示すように、第1特殊態様の「熱」文字は、保留表示に「熱」の文字が施された表示態様である。また、図39(a−2)に示すように、第2特殊態様の炎エフェクトは、保留表示に炎の画像エフェクトが施された表示態様である。
「背景変化演出」とは、演出表示装置9に表示される演出図柄の背景画像の表示態様を、所定の条件において通常態様とは異なる特別態様で表示する演出である。この実施形態においては、特別態様は、図39(b−1)で示される第1特別態様(「晴天モード」ともいう)および図39(b−2)で示される第2特別態様(「落雷モード」ともいう)の2種類がある。図39(b−1)に示すように、第1特別態様の晴天モードは、太陽が出た晴天の天気を示す背景画像を表示するモードである。図39(b−2)で示すように、第2特別態様の落雷モードは、雷雲から落雷が発生した天気を示す背景画像を表示するモードである。
これらの保留変化演出および背景変化演出が実行される処理について、以下に具体的に説明する。
図40は、先読み演出決定処理(ステップS800B)を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、1セットの始動入賞時のコマンド(すなわち、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)のセット)を新たに受信したか否かを確認する(ステップS1001)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域に1セットの図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)が新たに格納されているか否かを判定することによって確認することができる。1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していなければ、そのまま処理を終了する。
1セットの始動入賞時のコマンドを新たに受信していれば、演出制御用CPU101は、演出用乱数を抽出する(ステップS1002)。ここで抽出された演出用乱数は、後述の入賞時決定処理、保留変化演出決定処理、および背景変化演出決定処理における、保留変化演出および背景変化演出を実行するか否か、ならびに実行する場合の保留変化演出および背景変化演出の態様の決定に使用される。次に、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブル(後述の図43)を参照し、保留変化演出フラグおよび背景変化演出の両方のフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1003)。保留変化演出フラグは、後述する入賞時決定処理または保留変化演出決定処理において保留変化演出を実行することに決定されたことにもとづいてセットされる。また、背景変化演出フラグは、後述する入賞時決定処理または背景変化演出決定処理において背景変化演出を実行することに決定されたことにもとづいてセットされる。すなわち、演出制御用CPU101は、保留変化演出および背景変化演出の両方が実行することに決定されているか否かを確認する。なお、この実施の形態においてステップS1003でYESと判定されるケースは、保留変化演出および背景変化演出の両方が既に実行されている場合、または保留変化演出が既に実行されており背景変化演出は未だ実行されていないが実行されることが決定されている場合のいずれかである。演出フラグテーブルに保留変化演出フラグおよび背景変化演出フラグの両方がセットされていた場合(ステップS1003のY)、演出制御用CPU101は、新たに受信した1セットの始動入賞時のコマンドに対応する新たな保留表示を、特殊態様ではない通常態様(例えば文字も画像エフェクトも施されていない丸型の表示態様)で表示する処理を実行する(ステップS1010)。
次に、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブル(後述の図43)を参照し、保留変化演出フラグおよび背景変化演出のフラグのいずれもがセットされていないかどうかを確認する(ステップS1004)。演出フラグテーブルに、保留変化演出フラグおよび背景変化演出フラグの両方ともがセットされていなかった場合、すなわち保留変化演出フラグも背景変化演出フラグも一切セットされていなかった場合(ステップS1004でY)、演出制御用CPU101は、後述の入賞時決定処理(ステップS1005)を実行する。演出フラグテーブルに、保留変化演出フラグまたは背景変化演出フラグのどちらかがセットされていた場合(ステップS1004でN)、演出制御用CPU101は、背景変化演出フラグのみがセットされているか否かを確認する(ステップS1006)。演出フラグテーブルに背景変化演出フラグのみがセットされていた場合(ステップS1006でY)、演出制御用CPU101は、後述の保留変化演出決定処理(ステップS1007)を実行する。演出フラグテーブルに、背景変化演出フラグがセットされていなかった場合(ステップS1006でN)は、保留変化演出フラグのみがセットされていると判定される。このとき演出制御用CPU101は、保留記憶数の数を確認する(ステップS1008)。なお、この場合、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されるのであるから、遊技状態が低ベース状態(本例では、通常状態)であれば第1保留記憶数の数を確認し、遊技状態が高ベース状態(本例では、確変状態または時短状態)であれば第2保留記憶数の数を確認する。保留記憶数が3未満であった場合(ステップS1008でN)、演出制御用CPU101は、新たに受信した1セットの始動入賞時のコマンドに対応する新たな保留表示を、特殊態様ではない通常態様で表示する処理を実行する(ステップS1010)。保留記憶数が3以上であった場合(ステップS1008でY)、演出制御用CPU101は、後述の背景変化演出決定処理(ステップS1009)を実行する。
なお、演出制御用CPU101が背景変化演出フラグのみがセットされているか否かを確認するステップS1006の処理を実行するときには、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグおよび背景変化演出フラグの少なくともどちらかのフラグがセットされていないこと、ならびに保留変化演出フラグまたは背景変化演出フラグのどちらかのフラグがセットされていることは既に確認済みであるため(ステップS1003およびステップS1004)、ここで背景変化演出フラグがセットされていることが確認できれば、その時点で背景変化演出フラグのみがセットされていると判断可能である。
(入賞時決定処理(ステップS1005)、図41)
前述のとおり、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグおよび背景変化演出フラグがいずれもセットされていないことを確認したら(ステップS1004でY)、入賞時決定処理(ステップS1005)を実行する。図41は、この入賞時決定処理(ステップS1005)の具体的な処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御用CPU101は、入賞時決定テーブルにもとづいて、(1)先読み演出(保留変化演出および背景変化演出)を実行するか否か、および(2)先読み演出を実行する場合には実行する先読み演出の種別と演出態様と、を決定する(ステップS1020)。これらは、具体的には、演出制御用CPU101が、受信した1セットの始動入賞時のコマンドのうちの図柄指定コマンド(図15参照)、保留記憶数、および抽出した演出用乱数(ステップS1002)と入賞時決定テーブル(図42)とを比較参照して決定される。すなわち、演出制御用CPU101は、保留記憶数にもとづいて使用すべき入賞時決定テーブルを決定し、図柄指定コマンドの内容にもとづいて入賞時判定結果を判断し、それぞれの入賞判定結果毎に予め定められた割合にもとづいて、(1)先読み演出を実行するか否か、および(2)先読み演出を実行する場合の演出態様を決定する。これらの処理について、より具体的に説明する。
まず、保留記憶数が3以上の場合、演出制御用CPU101は、図42(a)の入賞時決定テーブルを利用することに決定する。なお、この場合、遊技状態が低ベース状態(本例では、通常状態)であれば第1保留記憶数が3以上であるか否かを確認し、遊技状態が高ベース状態(本例では、確変状態または時短状態)であれば第2保留記憶数が3以上であるか否かを確認する。
ここで、図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞時判定結果が「はずれ」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を5%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を1%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を2%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を2%、先読み演出を実行しない割合を90%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)の場合には、入賞時判定結果が「15R通常大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、先読み演出を実行しない割合を45%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC402(H)の場合には、入賞時判定結果が「5R通常大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、先読み演出を実行しない割合を60%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC403(H)の場合には、入賞時判定結果が「15R確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、先読み演出を実行しない割合を30%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC404(H)の場合には、入賞時判定結果が「5R確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、先読み演出を実行しない割合を45%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC405(H)の場合には、入賞時判定結果が「突然確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を5%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を20%、先読み演出を実行しない割合を45%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
保留記憶数が3未満の場合、演出制御用CPU101は、図42(b)の入賞時決定テーブルを利用することに決定する。この入賞時決定テーブルは、保留記憶数が3以上の場合の入賞時決定テーブルと異なり、背景変化演出を実行しないように設定されている。すなわち、本実施形態では、保留記憶数が3未満の場合には背景変化演出を実行しないこととしている。
ここで、図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞時判定結果が「はずれ」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を5%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を1%、先読み演出を実行しない割合を90%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)〜C405(H)の場合には、入賞時判定結果が「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、または「突然確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、先読み演出を実行しない割合を70%とするよう、先読み演出についての決定処理を実行する。
上記のように、所定の割合で先読み演出を実行させるために、実際の処理は、例えば以下のようになる。すなわち、演出用乱数を例えば0〜99の範囲の乱数として定義し、保留記憶数が3以上であって入賞時判定結果が「はずれ」の場合を例にすると、演出用乱数が0〜4の範囲だった場合は第1特殊態様の保留変化演出、演出用乱数が5だった場合は第2特殊態様の保留変化演出、演出用乱数が6または7だった場合は第1特別態様の背景変化演出、演出用乱数が8または9だった場合は第2特別態様の背景変化演出、そして演出用乱数が10〜99だった場合は先読み演出を実行しないよう、演出制御用CPU101が処理する。なお、演出用乱数として定義される数値範囲は任意であり、結果的に所定の割合で各先読み演出が実行されるように設定されればよい。
なお、本実施形態では、保留変化演出は大当りの可能性を示唆し、背景変化演出は大当りの種別を示唆するよう設定されている。すなわち、保留変化演出のうち、第1特殊態様よりも第2特殊態様が実行される場合のほうが大当りの可能性が高く、はずれの可能性が低くなるよう設定されている。また、第1特別態様の背景変化演出が実行された場合、5R大当り(5R通常大当りおよび5R確変大当り)よりも15R大当り(15R通常大当りおよび15R確変大当り)の可能性が高くなるよう設定されている。また、第2特別態様の背景変化演出が実行された場合、通常大当り(15R通常大当りおよび5R通常大当り)よりも確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り、および突然確変大当り)の可能性が高くなるよう設定されている。
このように、保留変化演出および背景変化演出がそれぞれ大当りの可能性および大当りの種別を示唆するよう入賞時決定テーブルを設定することで、遊技者が保留変化演出や背景変化演出により注目するようになり、興趣を向上させることができる。
図43は、演出フラグテーブルの一例を示す表である。演出フラグテーブルは、変動対応表示や、各第1保留表示および各第2保留表示が、それぞれ先読み演出のターゲットとなるか否か、および先読み演出のターゲットとなる場合の、先読み演出の種別(保留変化演出または背景変化演出)および態様(第1特殊態様もしくは第2特殊態様、または第1特別態様もしくは第2特別態様)を記憶する記憶領域である。また、この実施形態については開始条件が成立した保留記憶(すなわち変動対応表示)についても、上記情報が記憶されている。
図43に示すように、演出フラグテーブルには変動対応表示や、各第1保留表示および各第2保留表示のそれぞれに対応した、保留変化演出フラグ、および背景変化演出フラグが記憶されている。
保留変化演出フラグには、第1特殊態様フラグと第2特殊態様フラグとがあり、背景変化演出フラグには第1特別態様フラグと第2特別態様フラグとがある。前述の入賞時決定処理において、演出制御用CPU101は、始動入賞時の判定で先読み演出を実行することに決定したとき、当該始動入賞にもとづく保留記憶を含めた保留記憶数に対応したフラグをセットする。例えば、第1保留記憶数が3のときに新たな始動入賞が発生して第1保留記憶数が4となり、係る始動入賞に対して先読み演出決定処理を実行する場合であって、第2特別態様の背景変化演出を実行することに決定された場合、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて第1保留表示4に対応する背景変化演出フラグの第2特別態様フラグをセットする(図43参照)。
以上が、入賞時決定処理のステップS1020の処理である。演出制御用CPU101は、このステップS1020の処理の結果、保留変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(ステップS1021)。その結果、保留変化演出を実行することに決定した場合(ステップS1021でY)、上述のとおり、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したことにもとづく加算更新後の第1保留記憶数または第2保留記憶数)に対応させて、演出制御用CPU101が演出態様に応じたフラグをセットする(ステップS1022)。そして、演出制御用CPU101は、当該決定対象の保留表示を、決定された第1特殊態様または第2特殊態様のどちらかで表示し(ステップS1023)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、演出制御用CPU101が、保留変化演出を実行することに決定していなかった場合(ステップS1021でN)、次に演出制御用CPU101は、背景変化演出をどの変動表示まで連続して実行するかを決定する。本実施形態では、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には15Rの大当り、すなわち15R通常大当りまたは15R確変大当りであることを確定させ、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には確変大当り、すなわち15R確変大当り、5R確変大当りまたは突然確変大当りであることを確定させるため、以下のステップS1026〜S1032の処理を実行する。
演出制御用CPU101は、保留変化演出を実行することに決定していなかった場合(ステップS1021でN)、ステップS1020の処理の結果、背景変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(ステップS1025)。背景変化演出を実行することに決定していなかった場合(ステップS1025でN)、新たな保留表示を通常態様で表示して(ステップS1033)、入賞時決定処理を終了する。背景変化演出を実行することに決定した場合(ステップS1025でY)、演出制御用CPU101は、次にその背景変化演出の態様を確認する。
当該背景変化演出が第1特別態様(晴天モード)であった場合(ステップS1026でY)、演出制御用CPU101は図柄指定コマンドを確認し、決定対象の変動表示が15R以外の大当りか否か、すなわち、はずれ、5R通常大当り、5R確変大当り、または突然確変大当りであって、15R通常大当りまたは15R確変大当りではないことを判定する(ステップS1027)。この判定の結果、決定対象の変動表示が15R以外の大当りであった場合(ステップS1027でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数−1(当該決定対象のひとつ前の保留表示)に対応する第1特別態様の背景変化演出フラグをセットする(ステップS1028)。当該処理の後、演出制御用CPU101は決定対象の保留表示を通常態様で表示して(ステップS1033)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、決定対象の変動表示が15Rの大当りであった場合(ステップS1027でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数(当該決定対象の保留表示)に対応する第1特別態様の背景変化演出フラグをセットする(ステップS1029)。当該処理の後、演出制御用CPU101は決定対象の保留表示を通常態様で表示して(ステップS1033)、入賞時決定処理を終了する。
背景変化演出が第1特別態様(晴天モード)でなかった場合(ステップS1026でN)、背景変化演出は第2特別態様(落雷モード)であると判断される。このとき、演出制御用CPU101は、決定対象の変動表示が通常大当りか、すなわち、15R通常大当りまたは5R通常大当りであって、はずれ、15R確変大当り、5R確変大当り、または突然確変大当りではないことを判定する(ステップS1030)。この判定の結果、決定対象の変動表示が15R通常大当りまたは5R通常大当りであった場合(ステップS1030でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数−1(当該決定対象のひとつ前の保留表示)に対応する第2特別態様の背景変化演出フラグをセットする(ステップS1031)。当該処理の後、演出制御用CPU101は決定対象の保留表示を通常態様で表示して(ステップS1033)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、決定対象の変動表示が通常大当りではなかった場合、すなわち、はずれ、15R確変大当り、5R確変大当りまたは突然確変大当りであった場合(ステップS1030でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数(当該決定対象の保留表示)に対応する第2特別態様の背景変化演出フラグをセットする(ステップS1032)。当該処理の後、演出制御用CPU101は決定対象の保留表示を通常態様で表示して(ステップS1033)、入賞時決定処理を終了する。
以上が、先読み演出決定処理(図40)の入賞時決定処理(ステップS1005、図41)の具体的処理である。
上記のような処理を行うことで、15R大当り(15R通常大当りまたは15R確変大当り)以外の変動表示に対応する保留記憶があった場合、その前の変動表示までで第1特別態様の背景変化演出の連続演出が終了する。これによって、遊技者は、第1特別態様の背景変化演出が実行されている間に大当りとなる場合には15R大当りが確定すると理解することとなり、遊技者は背景変化演出に注目するようになり、興趣を向上させることができる。確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り、または突然確変大当り)と第2特別態様の背景変化演出の関係についても同様に、遊技者は、第2特別態様の背景変化演出が実行されている間に大当りとなる場合には確変大当りが確定すると理解することとなり、遊技者は背景変化演出に注目するようになり、興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が優先実行されることから、遊技状態が低ベース状態(本例では、通常状態)であるときに第1保留記憶を予告対象として背景変化演出が実行されている場合に途中で第2特別図柄の変動表示が割り込む場合も考えられる。この場合、例えば、割り込んだ第2特別図柄の変動表示に応じて背景変化演出の実行期間を延長するようにしてもよい。また、例えば、第2特別図柄の変動表示が割り込んだ場合には、背景変化演出を途中でキャンセルするようにしてもよい。
(保留変化演出決定処理(ステップS1007)、図44)
前述のとおり、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルに背景変化演出フラグのみがセットされていることを確認したら(ステップS1006でY)、保留変化演出決定処理(ステップS1007)を実行する。図44は、この保留変化演出決定処理(ステップS1007)の処理を示すフローチャートである。図45は、保留変化演出決定テーブルの具体例を示す図である。
まず、演出制御用CPU101は、保留変化演出決定テーブルにもとづいて、(1)保留変化演出を実行するか否か、および(2)保留変化演出を実行する場合には実行する保留変化演出の演出態様を決定する(ステップS1040)。これらは、具体的には、演出制御用CPU101が、受信した1セットの始動入賞時のコマンドのうちの図柄指定コマンド(図15参照)、および抽出した演出用乱数(ステップS1002)と保留変化演出決定テーブル(図45)とを比較参照して決定される。すなわち、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドの内容にもとづいて入賞時判定結果を判断し、それぞれの入賞判定結果毎に予め定められた割合にもとづいて、(1)保留変化演出を実行するか否か、および(2)保留変化演出を実行する場合の演出態様を決定する。これらの処理について、より具体的に説明する。
図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞判定結果が「はずれ」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を2%、先読み演出を実行しない割合を88%とするよう、保留変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)〜C405(H)の場合には、入賞判定結果が「15R通常大当り」、「5R通常大当り」、「15R確変大当り」、「5R確変大当り」、または「突然確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を40%、先読み演出を実行しない割合を40%とするよう、保留変化演出(先読み演出のひとつ)についての決定処理を実行する。
このように、図45の保留変化演出決定テーブルでは、図42の入賞時決定テーブルと比較して高い割合で保留変化演出が実行されるようになっている。すなわち、保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていない場合(ステップS1005の入賞時決定処理が実行される場合)よりも、背景変化演出が実行されている場合(ステップS1006でYESと判定されてステップS1007の保留変化演出決定処理が実行される場合)の方が、保留表示が第1特殊態様または第2特殊態様に変化する割合が高められるようになっている。
なお、ここで演出制御用CPU101の実際の処理は、演出用乱数を利用して行われるが、その処理は入賞時決定処理の際の処理と同様である。すなわち、上記の所定の割合で保留変化演出が実行されるよう、演出用乱数の数値範囲と、それに対応する第1特殊態様の保留変化演出と第2特殊態様の保留変化演出とをそれぞれ実行する数値範囲、および保留変化演出を実行しない数値範囲とを、設定すればよい。
以上が、保留変化演出決定処理のステップS1040の処理である。なお、以下に保留変化演出決定処理のステップS1041〜S1047の各処理を具体的に説明するが、この処理は入賞時決定処理(図41)のステップS1021〜S1023およびステップS1033の処理とそれぞれ同様である。
演出制御用CPU101は、上述のステップS1040の処理の結果、保留変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(ステップS1041)。その結果、保留演出を実行することに決定していない場合(ステップS1041でN)、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を通常態様で示して(ステップS1047)、保留変化演出決定処理を終了する。保留変化演出を実行することに決定した場合(ステップS1041でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数(当該決定対象の保留表示)に対応させて、演出態様に応じたフラグをセットする(ステップS1042)。そして、演出制御用CPU101は、当該決定対象の新たな保留表示を、決定された第1特殊態様または第2特殊態様のどちらかの保留変化演出で表示し(ステップS1023)、保留変化演出決定処理を終了する。
以上が、先読み演出決定処理(図40)の保留変化演出決定処理(ステップS1007、図44)の具体的処理である。
(背景変化演出決定処理(ステップS1009)、図46)
前述のとおり、保留記憶数が3以上であった場合(ステップS1008でY)、演出制御用CPU101は、背景変化演出決定処理(ステップS1009)を実行する。図46は、この背景変化演出決定処理(ステップS1009)の具体的な処理を示すフローチャートである。
まず、演出制御用CPU101は、背景変化演出決定テーブルにもとづいて、(1)背景変化演出を実行するか否か、および(2)背景変化演出を実行する場合には実行する背景変化演出の演出態様を決定する。これらは、具体的には、演出制御用CPU101が、受信した1セットの始動入賞時のコマンドのうちの図柄指定コマンド(図15参照)、および抽出した演出用乱数(ステップS1002)と背景変化演出決定テーブル(図47)とを比較参照して決定される。すなわち、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドの内容にもとづいて入賞時判定結果を判断し、それぞれの入賞判定結果毎に予め定められた割合にもとづいて、(1)背景変化演出を実行するか否か、および(2)背景変化演出を実行する場合の演出態様を決定する。これらの処理について、より具体的に説明する。
図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞判定結果が「はずれ」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を4%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を4%、背景変化演出を実行しない割合を92%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)の場合には、入賞判定結果が「15R通常大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、背景変化演出を実行しない割合を50%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC402(H)の場合には、入賞判定結果が「5R通常大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、背景変化演出を実行しない割合を80%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC403(H)の場合には、入賞判定結果が「15R確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、背景変化演出を実行しない割合を20%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC404(H)の場合には、入賞判定結果が「5R確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、背景変化演出を実行しない割合を50%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC405(H)の場合には、入賞判定結果が「突然確変大当り」であると判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を40%、背景変化演出を実行しない割合を50%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
このように、図47の背景変化演出決定テーブルでは、図42の入賞時決定テーブルと比較して高い割合で背景変化演出が実行されるようになっている。すなわち、保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていない場合(ステップS1005の入賞時決定処理が実行される場合)よりも、保留変化演出が実行されている場合(ステップS1006でNOと判定されてステップS1009の背景変化演出決定処理が実行される場合)の方が、背景画像が第1特別態様または第2特別態様に変化する割合が高められるようになっている。
なお、ここで演出制御用CPU101の実際の処理は、演出用乱数を利用して行われるが、その処理は入賞時決定処理および保留変化演出決定処理の際の処理と同様である。すなわち、上記の所定の割合で背景変化演出が実行されるよう、演出用乱数の数値範囲と、それに対応する第1特別態様の背景変化演出と第2特別態様の背景変化演出とをそれぞれ実行する数値範囲、および保留変化演出を実行しない数値範囲とを、設定すればよい。
以上が、背景変化演出決定処理におけるステップS1050の処理である。なお、以下に背景変化演出決定処理のステップS1051〜S1060の各処理を具体的に説明するが、この処理は入賞時決定処理(図41)のステップS1025〜S1033と同様である。本実施形態では、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う変動表示の際に大当りになった場合には15Rの大当り、すなわち15R通常大当りまたは15R確変大当りであることを確定させ、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う変動表示の際に大当りになった場合には確変大当り、すなわち15R確変大当り、5R確変大当りまたは突然確変大当りであることを確定させるため、以下のステップS1051〜S1059の処理を実行する。
演出制御用CPU101は、上述のステップS1050の処理の結果、背景変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(ステップS1051)。その結果、背景変化演出を実行することに決定していない場合(ステップS1051でN)、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を通常態様で表示して(ステップS1060)、背景変化演出決定処理を終了する。背景変化演出を実行することに決定した場合(ステップS1051でY)、演出制御用CPU101は、次にその背景変化演出の態様を確認する(ステップS1052)。
当該背景変化演出が第1特別態様(晴天モード)であった場合(ステップS1052でY)、演出制御用CPU101は図柄指定コマンドを確認し、決定対象の変動表示が15R以外の大当りか否か、すなわち、はずれ、5R通常大当り、5R確変大当り、または突然確変大当りであって、15R通常大当りまたは15R確変大当りではないことを判定する(ステップS1054)。この判定の結果、決定対象の変動表示が15R以外の大当りであった場合(ステップS1054でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数−1(当該決定対象のひとつ前の保留表示)に対応する第1特別態様の背景変化演出フラグをセットする(ステップS1055)。当該処理の後、演出制御用CPU101は新たな保留表示を通常態様で表示して(ステップS1060)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、決定対象の変動表示が15Rの大当りであった場合(ステップS1054でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数(当該決定対象の保留表示)に対応する第1特別態様の背景変化演出フラグをセットする(ステップS1056)。当該処理の後、演出制御用CPU101は新たな保留表示を通常態様で表示して(ステップS1060)、入賞時決定処理を終了する。
背景変化演出が第1特別態様(晴天モード)でなかった場合(ステップS1052でN)、背景変化演出は第2特別態様(落雷モード)であると判断される。このとき、演出制御用CPU101は、決定対象の変動表示が通常大当りか、すなわち、15R通常大当りまたは5R通常大当りであって、はずれ、15R確変大当り、5R確変大当り、または突然確変大当りではないことを判定する(ステップS1057)。この判定の結果、決定対象の変動表示が15R通常大当りまたは5R通常大当りであった場合(ステップS1057でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数−1(当該決定対象のひとつ前の保留表示)に対応する第2特別態様の背景変化演出フラグをセットする(ステップS1058)。当該処理の後、演出制御用CPU101は新たな保留表示を通常態様で表示して(ステップS1060)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、決定対象の変動表示が通常大当りではなかった場合、すなわち、はずれ、15R確変大当り、5R確変大当りまたは突然確変大当りであった場合(ステップS1057でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数(当該決定対象の保留表示)に対応する第2特別態様の背景変化演出フラグをセットする(ステップS1059)。当該処理の後、演出制御用CPU101は新たな保留表示を通常態様で表示して(ステップS1060)、入賞時決定処理を終了する。
以上が、先読み演出決定処理(図40)の背景変化演出決定処理(ステップS1009、図46)の具体的処理である。
なお、本実施形態では、入賞時判定結果を確認するために、演出制御用CPU101が図柄指定コマンドを確認する例について説明したが、必ずしもこの方法に限定されるわけではない。例えば、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに代えて変動カテゴリコマンドを確認することによっても、はずれか大当りかを確認することができる。
図48〜図51は、保留表示制御処理(ステップS800C)を示すフローチャートである。保留表示制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認する(ステップS6000)。なお、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かは、例えば、演出図柄の変動表示中でなく(例えば、後述するステップS8007でセットされる変動時間タイマの値が0であり)、第1保留記憶および第2保留記憶のいずれもない(例えば、ステップS656,S659,S662,S666で更新される第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれもが0である)ことを確認することにより判定できる。客待ちデモンストレーション表示中であれば、そのまま保留表示制御処理を終了する。すなわち、客待ちデモンストレーション表示中に新たに始動入賞が発生しても、直ちに変動表示が開始され殆ど保留表示を表示する時間がないことから、ステップS6001以降の保留表示を表示する処理を行うことなく(保留表示の表示を行わずに)、そのまま処理を終了する。
なお、演出図柄の変動表示中であっても、第1保留記憶および第2保留記憶のいずれもなく、実行中の変動表示の残り時間が極めて少なく変動表示の終了直前である場合(例えば、残り1秒以内である場合)にも、新たに始動入賞が発生しても実質的に保留表示を表示する時間が殆どないことから、ステップS6001以降の保留表示を表示する処理を行うことなく(保留表示の表示を行わずに)、そのまま処理を終了するようにしてもよい。
また、例えば、演出図柄の変動表示を停止してから直ちに客待ちデモンストレーション表示を開始するのではなく、最後の変動表示を終了してから所定期間(例えば、1分間)経過後に客待ちデモンストレーション表示を開始するように構成している場合であれば、この所定期間中も保留記憶がなく変動表示を実行していない期間なのであるから、ステップS6000でYと判定し、そのまま処理を終了するようにしてもよい。
なお、客待ちデモンストレーション表示中でステップS6000でYと判定して保留表示制御処理を終了した場合には、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を受信しても保留表示を増加させていないのであるから、その後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)を受信しても、コマンド解析処理のステップS663,S667の処理を実行せず保留表示を削除しないように制御する。この場合、例えば、コマンド解析処理のステップS655,S658でYと判定し新たな保留記憶数加算指定コマンドを受信したと判定した場合に、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認し、客待ちデモンストレーション表示中であれば、その旨を示すフラグをセットし、その後、保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに(ステップS661,S665のY参照)、そのフラグがセットされていればステップS663,S667の処理を実行しないようにすればよい。また、この場合、保留表示の増減の処理のみをスキップするのではなく、ステップS656,S659,S662,S666の処理もスキップして、第1保留記憶数や第2保留記憶数の増減の処理自体も行わないようにしてもよい。
客待ちデモンストレーション表示中でなければ、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞が発生して新たに始動入賞時のコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、図37に示す第1始動入賞時コマンド格納領域または第2始動入賞時コマンド格納領域において新たなコマンドが格納されていれば、新たに始動入賞が発生して新たに始動入賞時のコマンドを受信したと判定することができる。
新たに始動入賞時のコマンドを受信してれば(ステップS6001のY)、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)であるか否かを確認する(ステップS6002)。なお、遊技状態が確変状態であるか否かは、具体的には、確変状態フラグ(ステップS677参照)がセットされているか否かを確認することにより判定できる。
確変状態でなければ(すなわち、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)であれば(言い換えれば、時短演出モード中であれば))、演出制御用CPU101は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブルを用いて、新たに受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS6004)。
図52は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブルの具体例を示す説明図である。図52に示すように、各保留予告決定テーブルには、保留予告演出なし、および保留予告演出ありに対して、それぞれ判定値が割り振られている。
また、図52に示すように、保留予告決定テーブルには、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC607(H)を受信している場合)、および変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC612(H)またはコマンドC615(H)を受信している場合)にのみ判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出が実行されうる。この実施の形態では、図52に示すように、非リーチはずれとなる場合には5%の割合で保留予告演出を実行することに決定され、スーパーリーチはずれとなる場合には60%の割合で保留予告演出を実行することに決定され、スーパーリーチ大当りとなる場合には80%の割合で保留予告演出を実行することに決定される。
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、およびスーパーリーチ大当り以外の変動カテゴリとなる場合も保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、変動カテゴリコマンドにもとづいて大当りとなるか否かのみを特定し、その特定結果に従って保留予告演出を実行可能に構成してもよい。また、この実施の形態では、非リーチはずれとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合にも保留予告演出(いわゆるガセの保留予告演出)を実行する場合を示しているが、非リーチはずれとなる場合には保留予告演出を実行しないようにしたり、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出を実行するようにしたりしてもよい。
また、この実施の形態では、確変状態(高確率/高ベース状態)または時短状態(低確率/高ベース状態)である場合にステップS6004または後述するステップS6012の処理が実行されて保留予告演出を実行する場合があるのであるが、既に説明したように、時短状態(高ベース状態)である場合には、第1始動入賞口13への始動入賞に対する入賞時判定の処理は実行されず図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは送信されないので(ステップS1215A参照)、第2保留記憶に対してのみ保留予告演出が実行される場合がある。
保留予告演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS6005のN)、演出制御用CPU101は、通常の演出態様で出現演出の実行を開始する(ステップS6006)。
この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、通常態様の保留表示とは異なる特定保留表示を表示する。「特定保留表示」とは、所定の周期で動作表示する保留表示であり、この実施の形態では、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様の特定保留表示が表示される。なお、「特定保留表示」は、この実施の形態で示したものにかぎらず、所定の周期で動作表示するものであれば、例えば、所定の周期で左右方向や上下方向に揺動するものや、所定の周期で大きさが変化するもの、所定の周期で保留表示内の模様や色が変化するものであってもよい。
また、この実施の形態では、特定保留表示が表示される場合には出現演出が実行される。「出現演出」とは、特定保留表示の表示に伴って実行される演出であり、この実施の形態では、出現演出として、保留表示が濃淡が薄く視認しにくい状態から徐々に濃度が濃くなり視認しやすい状態に変化するような態様の演出が実行される。なお、この実施の形態では、出現演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示の濃度が最大となり視認しやすい状態になるものとする。
なお、「出現演出」は、この実施の形態で示したものにかぎらず、特定保留表示の表示に伴って実行される演出であれば、どのような演出態様の演出であってもよい。例えば、保留表示の濃度が徐々に変化しているものにかぎらず、出現演出として、保留表示の大きさが小さく視認しにくい状態から徐々に大きくなり視認しやすい状態に変化するような態様の演出を実行してもよい。また、出現演出において必ずしも保留表示が表示される必要はなく、遊技者が特定保留表示の表示に伴って実行されていることを認識できるのであれば、出現演出として、保留表示を表示することなく所定のキャラクタを表示するような態様の演出を実行してもよい。また、この実施の形態では、出現演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示が視認しやすい状態となる場合を示しているが、出現演出の演出期間は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、出現演出の演出期間が極めて短く(例えば、0.1秒)、殆ど直ぐに保留表示が表示されるように見えるものであってもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、出現演出の実行中から保留表示の動作表示を開始する。従って、確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、保留表示が動作表示しながら濃度が徐々に濃くなるような演出が実行され、出現演出の実行中から特定保留表示の表示が開始されるような態様の表示が行われる。一方、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、出現演出の実行後に保留表示の動作表示を開始する。従って、時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、保留表示が動作表示しない状態で濃度が徐々に濃くなるような演出が実行され、出現演出を終了した後に保留表示の動作表示が開始され、出現演出の実行後に特定保留表示の表示が開始されるような態様の表示が行われる。
また、この実施の形態では、保留予告演出を実行しないことに決定した場合には、通常の演出態様で特定保留表示や出現演出が実行されるのであるが、保留予告演出を実行することに決定した場合には、先読み予告態様で特定保留表示や出現演出が実行される。この実施の形態では、保留表示を白色の丸形表示の内部に白色の三角表示で表示する態様で通常の演出態様の特定保留表示や出現演出を実行するのに対して、保留表示を白色の丸形表示の内部に赤色の三角表示で表示する態様で先読み予告態様の特定保留表示や出現演出を実行する。以下、この実施の形態では、通常の演出態様の特定保留表示や出現演出をそれぞれ「通常特定保留表示」や「通常出現演出」ともいい、先読み予告態様の特定保留表示や出現演出をそれぞれ「先読み特定保留表示」や「先読み出現演出」ともいう。
なお、「通常特定保留表示」や「通常出現演出」、「先読み特定保留表示」、「先読み出現演出」の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、保留予告演出(先読み予告演出)が実行されているか否かを認識可能なものであればよい。例えば、「通常特定保留表示」や「通常出現演出」では保留表示を回転させるのに対して、「先読み特定保留表示」や「先読み出現演出」では保留表示を左右方向や上下方向に揺動するようにしてもよい。
ステップS6006では、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない通常出現演出の実行を開始する。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部9aの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部9aの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない通常出現演出の実行中であることを示す通常出現演出実行中フラグ(動作なし)をセットする(ステップS6007)。また、演出制御用CPU101は、出現演出の演出期間を計測するための出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6008)。そして、ステップS6027に移行する。
保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6005のY)、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6009)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない先読み出現演出の実行中であることを示す先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)をセットする(ステップS6010)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6011)。そして、ステップS6027に移行する。
遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)であれば(ステップS6002のY。言い換えれば、確変演出モード中であれば)、演出制御用CPU101は、ステップS6004と同様の処理に従って、保留予告決定テーブルを用いて、新たに受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS6012)。
保留予告演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS6013のN)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6014)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6015)。この実施の形態では、前述したように丸形表示の内部に三角表示で表示する態様で特定保留表示を表示するのであるが、その三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態が所定の基準動作位置となっている状態であるものとする。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、通常出現演出を直ちには開始せず、通常出現演出の開始を待機していることを示す通常待機フラグをセットする(ステップS6016)。そして、ステップS6027に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6014のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6015のY)には、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する(ステップS6017)。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部9aの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部9aの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6017で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行中であることを示す通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6018)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6019)。そして、ステップS6027に移行する。
保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6013のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6020)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6021)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、先読み出現演出を直ちには開始せず、先読み出現演出の開始を待機していることを示す先読み待機フラグをセットする(ステップS6022)。そして、ステップS6027に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6020のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6021のY)には、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6023)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6023で保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行中であることを示す先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6024)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6025)。そして、ステップS6027に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、通常待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6027)。通常待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6028)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、通常待機フラグをリセットする(ステップS6029)。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する(ステップS6030)。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部9aの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部9aに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部9aの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6030で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6031)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6032)。そして、ステップS6039に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6033)。先読み待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6034)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、先読み待機フラグをリセットする(ステップS6035)。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6036)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部9bの1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部9bに保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部9bの2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6036で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6037)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6038)。そして、ステップS6039に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理が実行されることによって、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を伴う出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)の実行を開始するように制御する。
なお、この実施の形態において、保留表示の動作表示が「同期する」とは、動作表示を伴う複数の保留表示間で、保留表示が所定の基準動作位置となるタイミングが同じタイミングとなるようにすることである。具体的には、この実施の形態では、特定保留表示が複数表示されている場合や保留表示の動作を伴う出現演出を実行する場合に、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となるタイミングが同じタイミングとなるように表示制御している。
なお、保留表示の動作表示を同期させる態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、複数表示されている保留表示の回転周期が1秒のものと2秒のものとがあるなど、動作周期の異なる保留表示が混在している場合であっても、保留表示が上方向を向いている状態となるタイミングが同じタイミングとなる(この場合、回転周期2秒の保留表示が1回転して再び上方向となるときに、回転周期1秒の保留表示は2回転して再び上方向となることになる)ものであってもよい。また、例えば、回転動作する保留表示と揺動動作する保留表示とがあるなど、動作態様の異なる保留表示が混在している場合であっても、一方の保留表示を上方向を向いている状態から回転動作を開始し、他方の保留表示を最下端の位置から上下方向に揺動動作を開始した場合に、1サイクルの動作周期後に、一方の保留表示が再び上方向を向いている状態となり、他方の保留表示が再び再下端の位置にいる状態となるものであってもよい。そのように、何らかの形態で保留表示が所定の基準動作位置となるタイミングが同じタイミングとなっているものであればよい。
また、この実施の形態では、ステップS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理が実行されることによって、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合に、新たな始動入賞が発生したタイミングで既に表示されている特定保留表示が所定の基準動作位置でなかった場合には、所定の基準動作位置となるまで待ってから保留表示の動作表示を伴う出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)の実行を開始することによって、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を伴う出現演出を実行するようにしている。そのため、始動入賞が発生したタイミングと保留表示の動作表示を伴う出現演出が開始されるタイミングとの間に時間的なズレが生じることになるが、この実施の形態では、保留表示の動作周期は1秒程度であるので、大きく違和感を感じることはない。
なお、始動入賞が発生したタイミングでは一旦動作表示を伴わない態様で出現演出(例えば、静止画像)を表示しておき、所定の基準動作位置となったタイミングで出現演出の動作表示を開始するようにしてもよい。また、例えば、所定の基準動作位置となるまで待つことなく、始動入賞の発生と同時に既に表示される保留表示と同期させて保留表示の動作表示を伴う出現演出を開始するようにしてもよい。この場合、例えば、常にバックグランドで保留表示の動作を伴う出現演出を実行するようにしておき、始動入賞の発生のタイミングで、そのバックグランドで実行していた出現演出の表示を開始するようにすればよい。
また、この実施の形態で示したように、新たな始動入賞が発生した後に所定の基準動作位置(動作表示の同期がとれる位置)となるまで待ってから保留表示の動作表示を伴う出現演出を実行するように構成した場合、動作表示の同期がとれる位置となるまで待っている間にさらに新たな始動入賞が発生するケースも考えられる。そのような場合には、例えば、待機中の保留に対する出現演出や特定保留表示の態様などの情報を一旦記憶し、最新の始動入賞に対してS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理を実行するようにすればよい。そして、保留が複数ある場合であっても、出現演出や特定保留表示における動作表示の同期タイミングは同じであるので、最新の始動入賞に対して動作表示の同期がとれる位置となったときに、最新の保留に対する出現演出と待機中であった保留に対する出現演出とを同時に開始することによって、保留表示の動作表示を伴う出現演出を同時に開始するようにすればよい。
次いで、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS6039)。出現演出期間計測タイマの値が0となっていなければ、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS6040)。そして、演出制御用CPU101は、減算後の出現演出期間計測タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS6041)。
減算後の出現演出期間計測タイマの値が0となっていれば(すなわち、出現演出の演出期間を終了すれば)、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされているか否かを確認する(ステップS6042)。通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作なし)をリセットする(ステップS6043)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6044)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6045)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を直ちには開始せず、通常特定保留表示の表示開始を待機していることを示す通常保留待機フラグをセットする(ステップS6046)。そして、ステップS6059に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6044のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6045のY)には、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6047)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6047で通常特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6047の処理が実行される前に実行されていた通常出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていなければ(ステップS6042のN)、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされているか否かを確認する(ステップS6048)。先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)をリセットする(ステップS6049)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6050)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6051)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を直ちには開始せず、先読み特定保留表示の表示開始を待機していることを示す先読み保留待機フラグをセットする(ステップS6052)。そして、ステップS6059に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6050のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6051のY)には、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6053)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6053で先読み特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6053の処理が実行される前に実行されていた先読み出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていなければ(ステップS6048のN)、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされているか否かを確認する(ステップS6054)。通常出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をリセットする(ステップS6055)。
次いで、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6056)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、この実施の形態では、ステップS6056の処理が実行される前に動作表示を伴う出現演出が実行されており、ちょうど1サイクルの動作周期の動作表示が行われたタイミングで出現演出の演出期間が終了してステップS6056の処理で通常特定表示に切り替わるので、複数の特定保留表示が表示されている場合であっても、他の特定保留表示の動作表示と同期して通常特定保留表示が表示されることになる。また、見た目上は、保留表示の動作表示を実行しながら保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となるような表示が行われる。
通常出現演出実行中フラグ(動作あり)もセットされていなければ(ステップS6054のN。すなわち、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされていれば)、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をリセットする(ステップS6057)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6058)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、この実施の形態では、ステップS6058の処理が実行される前に動作表示を伴う出現演出が実行されており、ちょうど1サイクルの動作周期の動作表示が行われたタイミングで出現演出の演出期間が終了してステップS6058の処理で先読み特定表示に切り替わるので、複数の特定保留表示が表示されている場合であっても、他の特定保留表示の動作表示と同期して先読み特定保留表示が表示されることになる。また、見た目上は、保留表示の動作表示を実行しながら保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となるような表示が行われる。
次いで、演出制御用CPU101は、通常保留待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6059)。通常保留待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6060)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、通常保留待機フラグをリセットする(ステップS6061)。
次いで、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6062)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部9aにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部9bにおいて通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6062で通常特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6062の処理が実行される前に実行されていた通常出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
通常保留待機フラグがセットされていなければ(ステップS6059のN)、演出制御用CPU101は、先読み保留待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6063)。先読み保留待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6064)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、先読み保留待機フラグをリセットする(ステップS6065)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6066)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおいて先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6066で先読み特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6066の処理が実行される前に実行されていた先読み出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
なお、この実施の形態では、ステップS6042〜S6053,S6059〜S6066の処理が実行されることによって、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、保留表示の動作表示を伴わない出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)を実行した後に、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を開始するように制御する。この場合、出現演出の演出期間が終了したタイミングで既に表示されている特定保留表示が所定の基準動作位置でなかった場合には、所定の基準動作位置となるまで待ってから特定保留表示を表示して保留表示の動作表示を開始するようにしている。なお、この実施の形態では、保留表示の動作表示を伴わない出現演出に用いる動画データは、出現演出の演出期間が経過した後も所定期間(例えば、動作周期の1秒間)濃度が最大となった状態の保留表示を表示できるだけのデータ長があるものとし、動作表示の同期がとれるタイミングまで待ってから特定保留表示の表示を開始しても途切れることなく保留表示を表示できるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6009,S6023,S6036,S6053,S6058,S6066が実行されて先読み出現演出や先読み特定保留表示が表示されることによって保留予告演出が実行されるのであるが、変動表示が開始され第2保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の先読み特定保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の先読み特定保留表示が消化されて第2保留記憶表示部9bから消去されることにより、保留予告演出が終了することになる(ステップS667参照)。
また、この実施の形態では、ステップS6014,S6044,S6050で既に表示中の特定保留表示があるか否かを判定する際に、その特定保留表示が通常特定保留表示であるか先読み特定保留表示であるかを特に区別していない。従って、この実施の形態では、既に通常特定保留表示を表示しているときに新たに先読み特定保留表示を表示したり、既に先読み特定保留表示を表示しているときに新たに通常特定保留表示を表示したりする場合があるものとなっており、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とを同時に表示させることが可能であり、通常特定保留表示の動作表示と先読み特定保留表示の動作表示とを同期させるものとなっている。
図53は、遊技状態(モード)と、保留表示の態様、出現演出の有無、および保留表示の動作表示の同期タイミングとの関係を示した説明図である。この実施の形態では、図48〜図51に示す保留表示制御処理が実行されることによって、図53に示すように、遊技状態が確変状態(確変演出モード)である場合と時短状態(時短演出モード)である場合に、保留表示として特定保留表示が表示され、その特定保留表示の表示に伴って出現演出が実行される。一方、遊技状態が通常状態(通常演出モード)である場合には、通常態様の保留表示が表示され、出現演出も実行されない。ただし、遊技状態が通常状態(通常演出モード)である場合には、先読み演出決定処理(ステップS800B)が実行されることにより、保留変化演出が実行され、保留表示が第1特殊態様や第2特殊態様(図39参照)で表示される場合がある。なお、通常状態(通常演出モード)である場合に、通常態様の保留表示が表示されるものの出現演出を実行するように構成してもよい。
また、図53に示すように、遊技状態が確変状態(確変演出モード)である場合には、既に特定保留表示が表示されている場合に、出現演出の実行中から、既に表示中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示の動作表示が開始される。また、図53に示すように、遊技状態が時短状態(時短演出モード)である場合には、既に特定保留表示が表示されている場合に、出現演出の実行後に、既に表示中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示の動作表示が開始される。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、先読み演出決定処理(ステップS800B)を実行して保留変化演出や背景変化演出を実行し、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、保留表示制御処理(ステップS800C)を実行して出現演出や特定保留表示の表示を行う場合を示したが、1つの予告対象の保留記憶に対して、これら保留変化演出や背景変化演出、出現演出、特定保留表示の表示を適宜組み合わせて実行可能に構成してもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、先読み演出決定処理(ステップS800B)を実行して保留変化演出や背景変化演出を実行するのであるが、その予告対象の変動表示が終了する前に大当りが発生して遊技状態が確変状態や時短状態に移行される場合もありうる。そのような場合には、遊技状態が変化した後であっても、先読み演出決定処理(ステップS800B)の決定内容に従って、その予告対象の変動表示が終了するまで保留変化演出や背景変化演出を実行するように制御することが望ましい。もしくは、遊技状態が途中で変化した場合には、保留変化演出や背景変化演出の実行をキャンセルするように構成してもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、保留表示制御処理(ステップS800C)を実行して出現演出や特定保留表示の表示を行うのであるが、その予告対象の変動表示が終了する前に大当りが発生して遊技状態が確変状態から時短状態に移行したり、100回の変動表示を終了して遊技状態が時短状態から通常状態に移行したりする場合もありうる。そのような場合には、遊技状態が変化した後であっても、保留表示制御処理(ステップS800C)の決定内容に従って、出現演出を実行するとともに、その予告対象の変動表示が終了するまで特定保留表示の表示を行うように制御することが望ましい。もしくは、遊技状態が途中で変化した場合には、出現演出や特定保留表示の表示をキャンセルするように構成してもよい。
図54は、図32に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図54に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図55は、図38に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図56は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図56に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り(15R通常大当り、5R通常大当り)」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果6指定コマンドまたは表示結果7指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、この実施の形態では、確変大当り(15R確変大当り、5R確変大当り)となる場合には左中右が奇数図柄で揃った状態で停止表示されることから、奇数図柄は確変大当りとなることを想起させる。そのように確変大当りとなることを想起させる図柄を確変図柄という。一方、この実施の形態では、通常大当り(15R通常大当り、5R通常大当り)となる場合には左中右が偶数図柄で揃った状態で停止表示されることから、偶数図柄は確変大当りとならない(通常大当りとなる)ことを想起させる。そのように確変大当りとならないことを想起させる図柄を非確変図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(保留予告演出以外の予告演出。例えば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。
次に、演出制御用CPU101は、変動パターンなどに応じたプロセステーブルの選択処理を実行する(ステップS8004)。プロセステーブルの選択処理の具体的な動作については後述する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図57は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図57に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップS8004において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
ここで、この実施の形態では、変動対応表示領域180における変動対応表示、第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9bにおける保留表示に関わる画像データは、プロセステーブルには設定されておらず、演出制御用CPU101により作成され、VRAMの所定領域に書き込まれる。VDP109は、変動対応表示領域180における変動対応表示、第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9bにおける保留表示に関わる所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータにもとづく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動における背景画像および演出図柄、ならびに変動対応表示および保留表示が表示される。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブル(図43)の変動対応表示、各第1保留表示および各第2保留表示に関連付けられた記憶内容(第1特殊態様フラグ値、第2特殊態様フラグ値、第1特別態様フラグ値、第2特別態様フラグ値)をシフトする(ステップS8008)。具体的には、第1特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第1保留表示1に関連付けられた記憶内容を変動対応表示に関連付けられた記憶内容にシフトするとともに、第1保留表示2〜4に関連付けられた記憶内容をそれぞれ第1保留表示1〜3に関連付けられた記憶内容にシフトする。また、第2特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示を実行するとき(具体的には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合)には、第2保留表示1に関連付けられた記憶内容を変動対応表示に関連付けられた記憶内容にシフトするとともに、第2保留表示2〜4に関連付けられた記憶内容をそれぞれ第2保留表示1〜3に関連付けられた記憶内容にシフトする。
ここで、この実施の形態では、第1保留表示1または第2保留表示1に関連付けられた保留変化演出フラグや背景変化演出フラグは記憶内容のシフト後に変動対応表示に関連付けられることになる。そして、前述した先読み演出決定処理のステップS1003、S1004、およびステップS1006において、保留変化演出フラグや背景変化演出フラグがセットされているか否かを確認する際には、第1保留表示や第2保留表示のみならず、開始条件が成立した変動表示に対応した変動対応表示を対象として保留変化演出フラグや背景変化演出フラグがセットされているか否かを確認することになる。また、演出制御用CPU101は、変動対応表示の記憶内容を参照することにより、実行されている変動表示について、変動対応表示が特殊態様であるか否かおよび特殊態様である場合の態様(第1特殊態様または第2特殊態様)、ならびに背景画像が特別態様であるか否かおよび特別態様である場合の態様(第1特別態様または第2特別態様)を確認することが可能である。
そして、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aまたは第2保留記憶表示部9bの1つ目に表示されている保留表示を変動対応表示領域180に表示させる(変動対応表示として表示させる。ステップS8009)。なお、それ以降に表示されている保留表示は、コマンド解析処理において保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を受信したタイミングで1つずつシフトされる(ステップS663,S667参照)。すなわち、表示制御テーブルの表示中フラグがセットされている表示領域にオブジェクトを表示する。ここで、第1保留記憶表示部9aまたは第2保留記憶表示部9bの1つ目に表示されている保留表示の表示態様は、変動対応表示領域180にシフトされたときにも維持され、それ以降に表示されている保留表示がシフトされるときにもその表示態様は維持されるものとする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8010)。
(プロセステーブル選択処理(ステップS8004)、図58)
図58は、プロセステーブル選択処理(ステップS8004)を示すフローチャートである。プロセステーブル選択処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出フラグテーブルを参照し、変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグ(晴天モードのフラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS2040)。この実施の形態では、プロセステーブル選択処理(ステップS8004)は、演出フラグテーブルのシフト(ステップS8008)前に実行されるようになっている(図43を参照)。そのため、当該プロセステーブル選択処理においては、これ以降に実行される変動表示に伴う背景変化演出が実行されるか否かを判定する際に、変動対応表示以外の背景変化演出フラグを確認するようにしている。
演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグがセットされていたら(ステップS2040でY)、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第1特別態様の背景変化演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS2041)、プロセステーブル選択処理を終了する。これにより、実行される変動表示において演出図柄の背景画像が晴天モードの態様となる。
演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグがセットされていなかったら(ステップS2040でN)、次に、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグ(落雷モードのフラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS2042)。演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグがセットされていたら(ステップS2042でY)、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第2特別態様の背景変化演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS2043)、プロセステーブル選択処理を終了する。これにより、実行される変動表示において演出図柄の背景画像が落雷モードの態様となる。
演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグがセットされていなかったら(ステップS2042でN)、すなわち、演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する背景変化演出フラグが一切セットされていなかったら、演出制御用CPU101は、背景変化演出を伴わない、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS2045)、プロセステーブル選択処理を終了する。なお、背景変化演出を伴わないプロセステーブルを選択する場合には、遊技状態に応じた背景画像となるプロセステーブルを選択するようにしてもよい。例えば、高確率高ベース状態、低確率高ベース状態、および低確率低ベース状態の各々に応じた背景画像を用意しておき、背景変化演出を伴わない場合には、現在の遊技状態に応じた背景画像のプロセステーブルが選択されるようにするとよい。
図59は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。また、この実施の形態では、ステップS8105の処理が実行されることによって、可動物予告演出を実行する際に、モータ86を駆動させることによって可動部材78を可動させたり、演出羽根役物予告演出を実行する際に、モータ87を駆動させることによって演出羽根役物79a,79bを可動させる演出が行われる。また、この実施の形態では、後述するように、スーパーリーチ演出が実行される際にも、モータ86を駆動させることによって可動部材78が可動される。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8106)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8107)。
図60は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。その後、演出制御用CPU101は、ステップS4040の処理に移行する。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理(ステップS4020)に移行する。このモード延長決定処理については後述する。次いで、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図54のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9の変動対応表示領域180に表示された変動対応表示を消去する(ステップS4040)。そして、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する演出フラグを全てリセットする(ステップS4041)。
(モード延長決定処理(ステップS4020)、図61)
本実施形態では、背景変化演出(連続演出)を実行中に保留変化演出も実行されている場合、実行中の背景変化演出を、当該保留変化演出に対応する変動表示が終了するまで継続するよう、演出制御用CPU101がモード延長決定処理を行っている。以下、モード延長決定処理について具体的に説明する。
図61は、モード延長決定処理(ステップS4020)の具体的処理を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブル(図43)を参照し、変動対応表示に対応する背景変化演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4060)。演出変化演出フラグがセットされていなかった場合(ステップS4060でN)、演出制御用CPU101はモード延長決定処理を終了する。
演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する背景変化演出フラグがセットされていた場合(ステップS4060でY)、演出制御用CPU101は、変動対応表示以外に対応する保留変化演出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4061)。保留変化演出フラグがセットされていなかった場合(ステップS4061でN)、演出制御用CPU101はモード延長決定処理を終了する。
演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する保留変化演出フラグがセットされていた場合(ステップS4061でY)、演出制御用CPU101は、変動対応表示に対応する背景変化演出フラグを確認するため、まずは、第1特別態様フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4062)。当該処理は、その時点で実行中の変動表示が、背景変化演出を伴っているかどうかを確認することを意味する。
演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する第1特別態様のフラグがセットされていた場合(ステップS4062でY)、演出制御用CPU101はステップS4062Aの処理に移行する。ここで、演出制御用CPU101は、1つ目の保留表示(第1特別図柄の変動表示を終了する場合は第1保留表示1、第2特別図柄の変動表示を終了する場合は第2保留表示1)に対応する変動表示が15R以外の大当り、すなわち5R通常大当りまたは5R確変大当り若しくは突然確変大当りとなるかどうか、を確認する(ステップS4062A)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドを参照して、図柄3指定(5R通常大当り指定)、図柄5指定(5R確変大当り指定)、図柄6指定(突然確変大当り指定)のいずれかに該当するか、またはいずれにも該当しない(図柄1指定(はずれ指定)、図柄2指定(15R通常大当り指定)、図柄4指定(15R確変大当り指定))かを確認する。そして、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドが、図柄3指定(5R通常大当り指定)、図柄5指定(5R確変大当り指定)、図柄6指定(突然確変大当り指定)のいずれかに該当する場合(ステップS4062AでY)、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理を終了する。このようにすることで、15R以外の大当りとなる変動表示が実行されるときには、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することを回避することができる。すなわち、第1特別態様(晴天モード)で大当りとなる場合には、必ず15Rの大当りとなるように制御する。遊技者は、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う変動表示の際に大当りになる場合は、15Rの大当りになることを予め期待することとなり、興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU101は、1つ目の保留表示(第1特別図柄の変動表示を終了する場合は第1保留表示1、第2特別図柄の変動表示を終了する場合は第2保留表示1)に対応する変動表示が15R以外の大当りとならない場合(ステップS4062AでN)、具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドが、図柄1指定(はずれ指定)、図柄2指定(15R通常大当り指定)、図柄4指定(15R確変大当り指定)のいずれかである場合には、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの1つ目の保留表示に対応する第1特別態様のフラグをセットする(ステップS4063)。これにより、次に実行される変動表示の背景画像が第1特別態様(晴天モード)となる。
一方で、演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する第1特別態様のフラグがセットされていなかった場合(ステップS4062でN)、すなわち、第2特別態様のフラグがセットされていた場合、演出制御用CPU101は、ステップS4062Bの処理に移行する。ここで、演出制御用CPU101は、1つ目の保留表示(第1特別図柄の変動表示を終了する場合は第1保留表示1、第2特別図柄の変動表示を終了する場合は第2保留表示1)に対応する変動表示が通常大当りとなるかどうか、を確認する(ステップS4062B)。具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドを参照して、図柄2指定(15R通常大当り指定)または図柄3指定(5R通常大当り指定)に該当するか、またはいずれにも該当しない(図柄1指定(はずれ指定)、図柄4指定(15R確変大当り指定)、図柄5指定(5R確変大当り指定)、図柄6指定(突然確変大当り指定))かを確認する。そして、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドが、図柄2指定(15R通常大当り指定)または図柄3指定(5R通常大当り指定)のいずれかに該当する場合(ステップS4062BでY)、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理を終了する。このようにすることで、通常大当りとなる変動表示が実行されるときには、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することを回避することができる。すなわち、第2特別態様(落雷モード)で大当りとなる場合には、必ず確変大当りとなるように制御する。遊技者は、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う変動表示の際に大当りになる場合は、15Rの大当りになることを予め期待することとなり、興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU101は、1つ目の保留表示(第1特別図柄の変動表示を終了する場合は第1保留表示1、第2特別図柄の変動表示を終了する場合は第2保留表示1)に対応する変動表示が通常大当りとならない場合(ステップS4062BでN)、具体的には、始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1に対応する図柄指定コマンドが、図柄4指定(15R確変大当り指定)、図柄5指定(5R確変大当り指定)、図柄6指定(突然確変大当り指定)のいずれかである場合には、すなわち確変大当りである場合には、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの1つ目の保留表示に対応する第2特別態様フラグをセットする(ステップS4064)。これにより、次に実行される変動表示の背景画像が第2特別態様(落雷モード)となる。
このように、背景変化演出を延長させるモード延長決定処理を実行することで、背景変化演出を実行中に保留変化演出も実行されている場合、実行中の背景変化演出を、当該保留変化演出に対応する変動表示が終了するまで継続することとなる。その結果、保留変化演出が実行中にもかかわらず背景変化演出がその前に終了してしまうことを避けることが可能となり、興趣が低下することを抑制することができる。
なお、上記モード延長決定処理のステップS4063およびステップS4064では、第1保留表示1または第2保留表示1に対応する第1特別態様または第2特別態様の背景変化演出のフラグをセットし、背景変化演出が次の第1保留表示または第2保留表示の変動表示まで継続するような処理を行ったが、保留変化演出のフラグがセットされた第1保留表示または第2保留表示に対応させて、この背景変化演出のフラグをセットしても同様の処理が可能である。
(保留変化演出および背景変化演出の具体例)
次に、本実施形態の保留変化演出および背景変化演出の具体例について、図62〜図65の保留変化演出および背景変化演出の具体例を示す説明図を参照して説明する。図62および図63は、先に保留変化演出が実行され、追って背景変化演出が実行される第1のケース、図64および図65は、先に背景変化演出が実行され、追って保留変化演出が実行される第2のケースに、それぞれ演出表示装置9に表示される演出画像の例を示す図である。
まず、第1のケースの演出画像について説明する。図62(a)に示すように、まず、第1保留記憶数が3であり、第1保留記憶表示部9aに3つの通常態様の保留表示が表示された状態で変動表示が実行されているものとする。この状態において、第1始動入賞口13への有効始動入賞が発生して、第1保留記憶数が4になったものとする。そして、始動入賞時の判定ではずれと判定され(図柄指定コマンドがはずれ指定)、保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていないことにより、入賞時決定処理(ステップS1005)が実行され、入賞時決定テーブル(図42)を用いて、第1特殊態様(「熱」文字)の保留変化演出が実行されることが決定されたものとする。その結果、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行が決定されたことに伴い、演出フラグテーブルの第1保留表示4に対応する第1特殊態様フラグをセットする。これに伴い、図62(b)に示すように、4つめの保留表示が第1特殊態様の「熱」文字で表示される。そして、図62(c)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「285」のはずれ図柄)が導出表示される。そして、図62(d)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、第1保留記憶表示部9aの保留表示がシフトされる。第1保留記憶数は4から3に減少する。このとき、第1保留表示がそれぞれシフトされるため、演出フラグテーブルのフラグ(図43参照)もそれぞれシフトされる。第1特殊態様の「熱」文字で表示された4つめの保留表示は、3つめの保留表示として表示されることとなる。
この状態において、第1始動入賞口13への有効始動入賞が発生して、第1保留記憶数が3から4に増加したものとする。そして、始動入賞時の判定で15R確変大当りと判定され(図柄指定コマンドが15R確変大当り指定)、保留変化演出が既に実行されていることにより、背景変化演出決定処理(ステップS1009)が実行され、入賞時決定テーブルよりも背景変化演出が実行される割合が高められた背景変化演出決定テーブル(図47)を用いて、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出が実行されることが決定されたものとする。演出制御用CPU101は、第2特別態様の背景変化演出の実行が決定されたことに伴い、演出フラグテーブルの第1保留表示4に対応する第2特別態様フラグをセットする。なお、既に第1特殊態様の保留変化演出が実行中であり、演出フラグテーブルには第1特殊態様のフラグがセットされているため、保留変化演出がさらに実行されることはない。その結果、図62(e)に示すように、4つめの保留表示が通常態様で表示される。そして、図62(f)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「376」のはずれ図柄)が導出表示される。
そして次の変動表示が開始されるとともに、第1保留記憶表示部9aの保留表示がシフトされる。第1保留記憶数は4から3に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの第1保留表示3に対応する第2特別態様の背景変化演出のフラグがセットされている。よって、図62(g)に示すように、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第2特別態様(落雷モード)で表示する背景変化演出を実行する。
このように、保留変化演出が実行されているときには、保留変化演出が実行されていないときよりも高い割合で背景変化演出を実行することに決定されるため、保留変化演出と背景変化演出の双方が並行して実行される割合が高められることになり、好適に遊技者の興味を向上させることが可能となる。また、この実施の形態では、始動入賞時において、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示をターゲットとした保留変化演出が実行されている場合に、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして背景変化演出を実行する割合が高められていることで、保留変化演出が終了した後にも背景変化演出が継続して実行されることになり、保留変化演出の終了後であっても遊技者の期待感を持続させることができる。
また、この実施の形態では、前述したように変動対応表示領域180の変動対応表示が第1特殊態様または第2特殊態様で表示されている場合にも、背景変化演出を実行する割合が高められているため、変動対応表示の表示態様と背景変化演出の双方によって好適に遊技者の興味を向上させることが可能となる。
次いで、図62(h)、図63(i)、および図63(j)に示すように、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う2度の変動表示の表示結果の導出表示、および第1保留記憶表示部9aの保留表示のシフトが実行される。図63(j)に示す変動表示の表示結果の導出表示の後、図63(k)に示すように第1保留記憶表示部9aの保留表示のシフトが実行され、第1特殊態様の保留表示が変動対応表示領域180にシフトされる。その結果、変動対応表示が第1特殊態様で表示されることになる。ここで、第1特殊表示(「熱」文字)の保留変化演出のターゲットとなった変動表示については、前述したように、図柄指定コマンドがはずれ指定であるため、図63(l)に示すように、変動表示の表示結果ははずれ図柄(ここでは「597」のはずれ図柄)となる。
次いで、図63(m)に示すように、背景変化演出のターゲットとなった変動表示に対応する保留表示が変動対応表示領域にシフトし、変動表示が開始される。始動入賞時の判定において、この変動表示に対応する図柄指定コマンドは、前述したように図柄4指定(15R確変大当り指定)であり、演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する第2特別態様フラグがセットされている状態である。そのため、図63(n)に示すように、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出およびリーチ演出を伴う変動表示が実行され、図63(o)に示すように、表示結果として15R確変大当りの図柄(ここでは「777」)が導出表示される。
このように、この実施の形態では、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には必ず15R大当りとなるように制御されている。これにより、遊技者は、特に第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示において大当りが発生することを期待するようになり、背景画像に対する遊技者の興味を向上させるとともに、遊技興趣を向上させることができる。また、この実施の形態では、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には必ず確変大当りとなるように制御されている。これにより、遊技者は、特に第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示において大当りが発生することを期待するようになり、背景画像に対する遊技者の興味を向上させるとともに、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、連続演出である背景変化演出を、先読み演出として実行するようにしているため、遊技者は、背景変化演出が実行されることにより、開始条件が成立していない変動表示について大当りが発生する期待感を有することになり、遊技者の期待感を高めることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留変化演出を実行するとともに、始動入賞時の判定において15R大当りと判定された場合には、15R以外の大当りと判定された場合よりも高い割合で第1特別態様の背景変化演出を実行するようにしている。すなわち、保留表示の表示態様によって大当りが発生するか否かを示唆するとともに、背景画像によって15R大当りとなるか否かを示唆することが可能であるため、保留表示の表示態様と背景画像の双方によって遊技者の期待感を効果的に高めて興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留変化演出を実行するとともに、始動入賞時の判定において確変大当りと判定された場合には、通常大当りと判定された場合よりも高い割合で第2特別態様の背景変化演出を実行するようにしている。すなわち、保留表示の表示態様によって大当りが発生するか否かを示唆するとともに、背景画像によって確変大当りとなるか否かを示唆することが可能であるため、保留表示の表示態様と背景画像の双方によって遊技者の期待感を効果的に高めて興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定において15R以外の大当りと判定され且つ第1特別態様の背景変化演出を実行することに決定した場合には、当該始動入賞に対応した変動表示が実行されるよりも前に第1特別態様の背景変化演出を終了させるようにしている。そのため、遊技者は、第1特別態様の背景変化演出ができるだけ長く継続することを期待するようになり、背景変化演出の興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態では、始動入賞時の判定において通常大当りと判定され且つ第2特別態様の背景変化演出を実行することに決定した場合には、当該始動入賞に対応した変動表示が実行されるよりも前に第2特別態様の背景変化演出を終了させるようにしている。そのため、遊技者は、第2特別態様の背景変化演出ができるだけ長く継続することを期待するようになり、背景変化演出の興趣をさらに向上させることができる。
次に、第2のケースの演出画像について説明する。図64(a)に示すように、まず、第1保留記憶数が2であり、第1保留記憶表示部9aに2つの通常態様の保留表示が表示された状態で変動表示が実行されているものとする。この状態において、第1始動入賞口13への有効始動入賞が発生して、第1保留記憶数が3になったものとする。そして、始動入賞時の判定ではずれと判定され(図柄指定コマンドがはずれ指定)、保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていないことにより、入賞時決定処理(ステップS1005)が実行され、入賞時決定テーブル(図42)を用いて、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出が実行されることが決定されたものとする。その結果、演出制御用CPU101は、第1特別態様の背景変化演出の実行が決定されたことに伴い、演出フラグテーブルの第1保留表示3に対応する第1特別態様フラグをセットする。これに伴い、図64(b)に示すように、3つめの保留表示が通常態様で表示される。そして、図64(c)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「178」のはずれ図柄)が導出表示される。
次いで、図64(d)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、第1保留記憶表示部9aの保留表示がシフトされ、第1保留記憶数は3から2に減少する。また、第1保留表示がそれぞれシフトされ、演出フラグテーブルのフラグもそれぞれシフトされる。このとき、先の有効始動入賞により、演出フラグテーブルの第1保留表示2に対応する第1特別態様フラグ(晴天モード)の背景変化演出フラグがセットされているため、演出制御用CPU101は、背景画像を晴天モードの画像にして変動表示を開始する。
この状態において、第1始動入賞口13への有効始動入賞が2回発生して、第1保留記憶数が2から4に増加したものとする。そして、1回目の始動入賞時の判定ではずれと判定され(図柄指定コマンドがはずれ指定)、2回目の始動入賞時の判定で15R通常大当りと判定された(図柄指定コマンドが15R通常大当り指定)ものとする。このとき、2回目の始動入賞時の判定ではさらに、背景変化演出が既に実行されていることにより、保留変化演出決定処理(ステップS1007)が実行され、入賞時決定テーブルよりも保留変化演出が実行される割合が高められた保留変化演出決定テーブル(図45)を用いて、第2特殊態様(炎エフェクト)の保留変化演出が実行されることが決定されたものとする。演出制御用CPU101は、この2回目の有効始動入賞で第2特殊態様の保留変化演出が決定されたことに伴い、演出フラグテーブルの第1保留表示4に対応する第2特殊態様フラグをセットする。その結果、図64(e)に示すように、3つめの保留表示が通常態様で、4つめの保留表示が第2特殊態様(炎エフェクト)で表示される。そして、図64(f)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「634」のはずれ図柄)が導出表示される。
このように、背景変化演出が実行されているときには、背景変化演出が実行されていないときよりも高い割合で保留変化演出を実行することに決定されるため、背景変化演出と保留変化演出の双方が並行して実行される割合が高められることになり、好適に遊技者の興味を向上させることが可能となる。また、この実施の形態では、始動入賞時において、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示をターゲットとした背景変化演出が実行されている場合に、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして保留変化演出を実行する割合が高められていることで、始動入賞時の判定において背景変化演出のターゲットとなった変動表示が終了した後にも保留変化演出が継続して実行されることになり、始動入賞時の判定において背景変化演出のターゲットとなった変動表示が終了した後であっても、遊技者の期待感を持続させることができる。
次に、図64(g)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、第1保留記憶表示部9aの保留表示がシフトされる。このとき、第1保留記憶数は4から3に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの第1保留表示1に対応する第1特別態様の背景変化演出のフラグがセットされている。よって、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第1特別態様(晴天モード)で表示する背景変化演出を実行する。そして、図64(h)に示されるように、変動表示の表示結果(ここでは「397」のはずれ図柄)が導出表示される。
次いで、図65(i)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、第1保留記憶表示部9aの保留表示がシフトされる。このとき、第1保留記憶数は3から2に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する第1特別態様フラグがセットされている。よって、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第1特別態様(晴天モード)で表示する背景変化演出を実行する。ここで、変動対応表示領域180には、始動入賞時に背景変化演出のターゲットと決定された変動表示に対応する変動対応表示が表示される。その後、図65(j)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「246」のはずれ図柄)が導出表示される。
これにより、始動入賞時に背景変化演出のターゲットと決定された変動表示が終了することになる。このとき、背景変化演出の対象となる保留記憶が存在しなくなる。しかしながら、この時点で演出フラグテーブルの第1保留表示2に対応する保留変化演出フラグ(第2特殊態様フラグ)がセットされているため、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理(図47のステップS4020、図61)において次に実行される変動表示の背景画像を第1特別態様とする処理(ステップS4063)を実行する。これによって、演出フラグテーブルの第1保留表示1に対応する第1特別態様フラグがセットされる。
次いで、図65(k)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、第1保留記憶表示部9aの保留表示がシフトされる。このとき、第1保留記憶数は2から1に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する第1特別態様フラグがセットされている。よって、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第1特別態様(晴天モード)で表示する背景変化演出を実行する。その後、図65(l)に示すように、変動表示の表示結果(ここでは「875」のはずれ図柄)が導出表示される。
このとき、背景変化演出の対象となる保留記憶が再度存在しなくなる。しかしながら、この時点で演出フラグテーブルの第1保留表示1に対応する保留変化演出フラグ(第2特殊態様フラグ)がセットされているため、演出制御用CPU101は、モード延長決定処理(図47のステップS4020、図61)において次に実行される変動表示の背景画像を第1特別態様とする処理(ステップS4063)を実行する。これによって、演出フラグテーブルの第1保留表示1に対応する第1特別態様フラグがセットされる。なお、次に実行される変動表示では、上記のとおり15R通常大当りとなるため、背景画像を第1特別態様とする処理(ステップS4063)が実行されるが、次に実行される変動表示で5R通常大当りまたは5R確変大当り若しくは突然確変大当りとなる場合、次に実行される変動表示の背景画像を第1特別態様とする処理(ステップS4063)は回避され(ステップS4062AでY)、その結果、背景変化演出は次の変動表示で実行されずに当該変動表示で終了することになる。
次いで、図65(m)に示すように、次の変動表示が開始されるとともに、第1保留記憶表示部9aの保留表示がシフトされる。このとき、第1保留記憶数は1から0に減少する。ここで、更新後の演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する第1特別態様フラグがセットされている。よって、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示される背景画像を、第1特別態様(晴天モード)で表示する背景変化演出を実行する。ここで、変動対応表示領域180には、第2特殊態様(炎エフェクト)の変動対応表示が表示される。始動入賞時の判定において、この変動表示に対応する図柄指定コマンドは、前述したように図柄2指定(15R通常大当り指定)であり、演出フラグテーブルの変動対応表示に対応する第1特別態様フラグがセットされている状態である。そのため、図65(n)に示すように、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出およびリーチ演出を伴う変動表示が実行され、図65(o)に示すように、表示結果として15R通常大当りの図柄(ここでは「222」)が導出表示される。
このように、この実施の形態では、背景変化演出の終了に係る変動表示が実行されたときに(変動対応表示に対応する背景変化演出フラグがセットされているときに)、保留変化演出が実行されているか否かを確認して、保留変化演出が実行されているときには、次に実行される変動表示についても背景変化演出を継続するようにしている。これにより、保留変化演出を実行中であるときに背景変化演出のみが終了してしまうことを防止し、興趣の低下を抑制するようにしている。
次に、この実施の形態で表示される特定保留表示の具体例について説明する。図66は、特定保留表示の具体例を説明するための説明図である。このうち、図66(A)は、通常特定保留表示の具体例を示している。また、図66(B)は、先読み特定保留表示の具体例を示している。
保留予告演出を実行しないことに決定され、通常特定保留表示が表示される場合には、図66(A)に示すように、保留表示を白色の丸形表示の内部に白色の三角表示で表示する態様で特定保留表示が表示される。そして、図66(A)に示すように、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様で動作表示が行われる。一方、保留予告演出を実行することに決定され、先読み特定保留表示が表示される場合には、図66(B)に示すように、保留表示を白色の丸形表示の内部に赤色の三角表示で表示する態様で特定保留表示が表示される。そして、図66(B)に示すように、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様で動作表示が行われる。
なお、この実施の形態では、通常特定保留表示および先読み特定保留表示の具体例として、図66に示すように、保留表示の形状が同じで表示色が異なるもの(本例では、特定保留表示中の一部の表示色が異なるもの)を示したが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とで保留表示の形状が異なるもの(例えば、丸形表示と矩形表示)であってもよい。また、例えば、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とで動作表示の態様が異なるもの(例えば、回転動作するものと揺動動作するもの)であってもよい。このように、通常態様の保留表示とは異なる特定保留表示であることを認識できるとともに、その特定保留表示の中の異なる種類のものであることを認識できるものであればよい。
次いで、この実施の形態における出現演出および特定保留表示の表示態様について説明する。図67および図68は、出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を説明するための説明図である。このうち、図67は、確変状態(高確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を示している。また、図68は、時短状態(低確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を示している。なお、図67および図68において、(A)(B)(C)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図67を参照して、確変状態(高確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様を説明する。図67(A)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて特定保留表示(図67では、通常特定保留表示)を2つ表示しているときに、図67(B)に示すように、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。この場合、図67(B)に示すタイミングでは、表示中の2つの特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていない(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態でない)ので(ステップS6015のN参照)、出現演出を直ちには開始せず、出現演出の開始を待機する。
次いで、図67(C)に示すように、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となる(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となる)と(ステップS6028のY参照)、保留表示の動作表示を伴う出現演出の実行を開始し(ステップS6030参照)、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示を動作表示させながら、濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で出現演出を実行する。
そして、出現演出の演出期間を終了し(ステップS6041のY参照)、保留表示が最大の濃度で表示されている状態となると、図67(D)に示すように、出現演出を実行していた位置で特定保留表示の表示を開始する(ステップS6056参照)
図67に示すような態様の表示が行われることによって、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示を動作表示させながら、濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で特定保留表示が表示されていくような演出が実行され、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に同期して新たな特定保留表示の動作表示が開始されるような演出が実行される。
次に、図68を参照して、時短状態(低確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様を説明する。図68(A)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて特定保留表示(図68では、通常特定保留表示)を2つ表示しているときに、図68(B)に示すように、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。この場合、図68(B)に示すタイミングでは、保留表示の動作表示を伴わない出現演出の実行を開始し(ステップS6006参照)、動作表示を伴わない保留表示が濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で出現演出を実行する。
次いで、出現演出の演出期間を終了し(ステップS6041のY参照)、図68(C)に示すように、保留表示が最大の濃度で表示されている状態となると、図68(C)に示すタイミングでは、表示中の2つの特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていない(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態でない)ので(ステップS6045のN参照)、特定保留表示の表示を直ちには開始せず、特定保留表示の表示開始を待機する。
次いで、図68(D)に示すように、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となる(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となる)と(ステップS6060のY参照)、特定保留表示の表示を開始し(ステップS6062参照)、保留表示の動作表示を開始する。
図68に示すような態様の表示が行われることによって、動作表示を伴わない保留表示の濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化し、最大の濃度まで変化した後に特定保留表示が表示されて動作表示が開始されるような演出が実行され、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に同期して新たな特定保留表示の動作表示が開始されるような演出が実行される。
なお、図67および図68に示す例では、特定保留表示として通常特定保留表示のみを表示する場合が示されているが、先読み特定保留表示が表示される場合も、一部または全ての通常特定保留表示が先読み特定保留表示に置き換わるだけで、同様の表示態様で出現演出や特定保留表示が表示される。
また、この実施の形態では、図67および図68に示すように、出現演出や特定保留表示を表示する場合において、表示中の特定保留表示の動作表示と同期がとれるタイミングとなるまで待ってから動作表示を開始する態様で出現演出や特定保留表示を表示する場合を示したが、例えば、そのタイミングで保留が消化されて保留表示のシフトが行われ、表示中の特定保留表示が消去される場合には、同期がとれるタイミングまで待つことなく、動作表示を伴う態様で出現演出を開始したり特定保留表示の表示を開始したりしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面が真っ暗になるような態様のいわゆるブラックアウト演出が実行され、保留表示が画面上から消えるような場合があるように構成されている場合には、同期がとれるタイミングまで待つことなく、そのブラックアウト演出の終了後に動作表示を伴う態様で出現演出を開始したり特定保留表示の表示を開始したりしてもよい。この場合、例えば、ブラックアウト演出の終了後に、全ての特定保留表示を所定の基準動作位置から動作表示をやり直すことによって、全ての特定保留表示の動作表示を同期させて表示するようにすればよい。
また、この実施の形態では、図67および図68に示すように、同期がとれるタイミング(本例では、所定の基準動作位置となったタイミング)までは動作表示自体を開始せず、同期がとれるタイミングで動作表示を開始することによって、特定保留表示の動作態様を同期させて表示する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、同期がとれるタイミングであるか否かにかかわらず、例えば、始動入賞したタイミングから動作表示を伴った特定保留表示の表示を開始するようにしてもよい。そして、例えば、既に表示されている特定保留表示とは異なる動作速度でその新たな特定保留表示を動作表示させるようにし、既に表示されている特定保留表示の動作表示に追いつくかまたは追いつかれたタイミングから、既に表示されている特定保留表示と同じ動作速度に変化させる(このタイミングは出現演出の実行中でもよいし実行後でもよい)ことにより、特定保留表示の動作態様を同期させて表示するようにしてもよい。また、例えば、既に表示されている特定保留表示とは同期がずれたまま新たな特定保留表示を動作表示させ、特定のタイミング(例えば、保留表示のシフトのタイミング)で、新たな特定保留表示の動作表示を既に表示されている特定保留表示の動作表示に同期させるようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、少なくとも、始動領域(本例では、第2始動入賞口14)を遊技球が通過した後に保留表示の表示に伴う特定演出(本例では、出現演出)を実行する。また、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))における保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示(本例では、図66に示す特定保留表示)を表示させることが可能である。そして、特定保留表示の表示中に始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて新たな特定保留表示を表示させるときに、特定演出の実行中から、または特定演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる。そのため、特定保留表示の動作表示を同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。すなわち、同時に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が不統一であったのでは保留表示の見栄えが悪く、特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうおそれがあるが、この実施の形態では、特定保留表示の動作表示を同期させることにより保留表示の見栄えを確保し、そのような特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうような事態を防止している。
また、この実施の形態によれば、所定の演出モード(本例では、確変演出モード(赤色の背景色の背景画面を表示する演出モード)、時短演出モード(緑色の背景色の背景画面を表示する演出モード))における保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示(本例では、図66に示す特定保留表示)を表示させることが可能である。そして、特定保留表示の表示中に始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて新たな特定保留表示を表示させるときに、特定演出の実行中から、または特定演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる。そのため、特定保留表示の動作表示を同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。
また、この実施の形態によれば、保留予告演出として、所定の周期で動作表示する特定保留表示(本例では、図66(B)に示す先読み特定保留表示)を表示させることが可能である。そして、特定保留表示の表示中に始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて新たな特定保留表示を表示させるときに、特定演出の実行中から、または特定演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる。そのため、特定保留表示の動作表示を同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。
また、この実施の形態によれば、特定保留表示として、第1特定保留表示(本例では、図66(A)に示す通常特定保留表示)と、該第1特定保留表示とは表示態様が異なる第2特定保留表示(本例では、図66(B)に示す先読み特定保留表示)とを同時に表示させることが可能である。そして、第1特定保留表示の動作表示と第2特定保留表示の動作表示とを同期させる。そのため、表示態様が異なる特定保留表示の動作表示も同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。
なお、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合や、所定の演出モード(本例では、確変演出モード(赤色の背景色の背景画面を表示する演出モード)、時短演出モード(緑色の背景色の背景画面を表示する演出モード))である場合に全ての保留記憶に対して特定保留表示を表示する場合を示したが、必ずしも全ての保留記憶に対して特定保留表示を表示する必要はなく、一部の保留記憶に対してのみ特定保留表示を表示するものであってもよい。例えば、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合に新たな始動入賞が発生すると、乱数を用いた抽選処理により特定保留表示とするか否かを決定し、特定保留表示とすると決定した場合には出現演出を伴って特定保留表示を表示し、特定保留表示としないと決定した場合には通常態様の保留表示を表示するようにしてもよい。そのように特定保留表示と通常態様の保留表示とが混在して表示される場合であっても、少なくとも一部に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が同期して表示されるものであればよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合や、所定の演出モード(本例では、確変演出モード(赤色の背景色の背景画面を表示する演出モード)、時短演出モード(緑色の背景色の背景画面を表示する演出モード))である場合にのみ保留予告演出を実行する場合を示したが、通常状態(低確率/低ベース状態)であっても保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、保留予告演出を伴わない通常態様の保留表示を表示する場合には、保留表示として白色の丸形表示を表示するのに対して、通常状態(低確率/低ベース状態)であるときに保留予告演出を実行することに決定した場合には、保留予告演出を伴う通常態様の保留表示として赤色の丸形表示を表示するなどして、保留予告演出を実行していることが認識できるものであればよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合や、所定の演出モード(本例では、確変演出モード(赤色の背景色の背景画面を表示する演出モード)、時短演出モード(緑色の背景色の背景画面を表示する演出モード))である場合に特定保留表示を表示したり、保留予告演出として特定保留表示を表示したりする構成を示したが、それら全ての構成を必ずしも備える必要はなく、いずれか1つのみの構成を備えるようにしてもよい。例えば、所定の遊技状態である場合にのみ特定保留表示を表示可能に構成したり、所定の演出モードである場合にのみ特定保留表示を表示可能に構成したり、保留予告演出としてのみ特定保留表示を表示可能に構成したりしてもよい。
また、この実施の形態では、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成と、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成とを示したが、それら両方の構成を必ずしも備える必要はなく、いずれか1つのみの構成を備えるようにしてもよい。例えば、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成のみを備えるように構成してもよく、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成のみを備えるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、確変状態(高確率/高ベース状態:確変演出モード)である場合に、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにし、時短状態(低確率/高ベース状態:時短演出モード)である場合に、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成する場合を示したが、逆に、時短状態(低確率/高ベース状態:時短演出モード)である場合に、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにし、確変状態(高確率/高ベース状態:確変演出モード)である場合に、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合を示したが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、所定の遊技状態として、高確率/低ベース状態である場合に特定保留表示を表示するように構成してもよいし、低確率/低ベース状態である場合に特定保留表示を表示するように構成しても構わない。
また、この実施の形態では、所定の演出モードが確変演出モードや時短演出モードである場合を示したが、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、通常演出モードである場合に特定保留表示を表示するように構成してもよい。また、確変状態に制御されているか否かを認識不能な演出や制御を行ういわゆる確変潜伏モードに移行可能な遊技機において、確変潜伏モードである場合に特定保留表示を表示するように構成してもよい。また、例えば、いわゆるミッションモードに移行してミッション演出(例えば、「5分以内にリーチをかけろ!」などの達成条件を提示する演出)を実行可能に構成した遊技機において、ミッションモードである場合に特定保留表示を表示するように構成してもよい。また、例えば、遊技状態などには関係なく、所定時刻となったことや抽選処理に当選したことなどの条件が成立したことにもとづいて演出モードを変更(例えば、所定時刻となったことや抽選処理に当選したことにもとづいて、山の風景の背景画面や海の風景の背景画面に変更)するように構成された遊技機において、特定の演出モードである場合に特定保留表示を表示するように構成してもよい。そのように、所定の演出モードは、少なくとも複数の変動表示にわたって何らかのモード変更を認識できるものであればよい。
また、この実施の形態において、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる制御を行う場合に、出現演出を終了してから、保留表示の動作表示を開始させるまでの期間は静止画像の保留表示を表示しておき、動作表示の次の周期の開始から動画像の保留表示に切り替えることによって、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるタイミングは、この実施の形態で示したように動作表示を同期させることができるタイミング(本例では、所定の基準動作位置となるタイミング)である場合にかぎらず、様々なタイミングが考えられる。例えば、出現演出を終了した後の次の保留表示をシフトさせるタイミングで、新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。また、例えば、スーパーリーチ演出やいわゆるブラックアウト演出などの所定の演出の実行中に保留表示を消去するように構成する場合であれば、スーパーリーチ演出やブラックアウト演出などの所定の演出の実行後の保留表示を再開するタイミングで、新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。また、これら保留表示のシフトのタイミングやスーパーリーチ演出やブラックアウト演出実行後の保留表示再開のタイミングで特定保留表示の動作表示を同期させる制御は、図53に示した出現演出の実行中や実行後に同期させる制御に代えて実行するようにしてもよいし、図53に示した出現演出の実行中や実行後に同期させる制御に加えて実行するようにしてもよい。
実施の形態2.
次に、第2実施形態に係る遊技機について、第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態に係る遊技機では、図40の先読み演出決定処理で説明したように、始動入賞時に演出制御用CPU101が背景変化演出決定処理(ステップS1009)を実行し、背景変化演出を実行するか否かを決定している(図46のステップS1050)。一方で、第2実施形態に係る遊技機では、始動入賞時ではなく、変動表示の変動開始時に、背景変化演出の実行について決定する。これにより、第2実施形態は第1実施形態と比較して、始動入賞時の先読み演出決定処理、および演出図柄変動開始処理についての相違点がある。また、第1実施形態では、入賞時判定結果(図柄指定コマンドの内容)によって背景変化演出の実行割合が変更されていたが、第2実施形態では、後述のように、背景変化演出の実行割合は入賞時判定結果(図柄指定コマンド)によって直接変更されることはない。以下、図69〜図76を参照して、第1実施形態との相違点を中心に、第2実施形態の説明を行う。
図69は、第2実施形態における、演出制御プロセス処理(図31)の先読み演出決定処理(ステップS800B)を示すフローチャートであり、第1実施形態の先読み演出決定処理(図40)に対応するものである。第1実施形態の先読み演出決定処理と異なる点は、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグのみがセットされている場合に(ステップS1006でN)、演出制御用CPU101が背景変化演出の決定に関する処理を行うことなく、先読み演出決定処理を終了させる点(すなわち、ステップS1008およびステップS1009の処理がない点)である。すなわち、演出制御用CPU101は、保留変化演出フラグのみがセットされていると判断した場合、新たに受信した1セットの始動入賞時のコマンドに対応する新たな保留表示を、特殊態様ではない通常態様で表示する処理を実行して(ステップS1020)、先読み演出決定処理を終了する。
図70は、第2実施形態における、上述の先読み演出決定処理の入賞時決定処理(ステップS1005)を示すフローチャートであり、第1実施形態の入賞時決定処理(図41)に対応するものである。第1実施形態の入賞時決定処理と異なる点は、背景変化演出についての処理が含まれていない点である。
入賞時決定処理において、演出制御用CPU101は、まず、図71に示す入賞時決定テーブルにもとづいて、(1)保留変化演出を実行するか否か、および(2)保留変化演出を実行する場合の演出態様を決定する(ステップS1020A)。当該処理について、以下具体的に説明する。
まず、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドを確認する。図柄指定コマンドがC400(H)の場合には、入賞判定結果が「はずれ」であったと判断されるため、演出制御用CPU101は、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を5%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を1%、保留変化演出を実行しない割合を94%とするよう、保留変化演出についての決定処理を実行する。
図柄指定コマンドがC401(H)〜C405(H)の場合には、第1特殊態様の保留変化演出の実行割合を10%、第2特殊態様の保留変化演出の実行割合を20%、保留変化演出を実行しない割合を70%とするよう、保留変化演出についての決定処理を実行する。
なお、本実施形態では、第1特殊態様の保留変化演出よりも、第2特殊態様の保留変化演出のほうが大当りとなる可能性が高く設定されており、第2特殊態様の保留変化演出のほうが第1特殊態様の保留変化演出よりも信頼度が高いということができる。
次いで、演出制御用CPU101は、保留変化演出を実行することに決定したか否かの確認を行う(ステップS1021A)。保留変化演出を実行することに決定していない場合(ステップS1021AでN)、演出制御用CPU101は、当該新たな保留表示を第1保留記憶表示部9aまたは第2保留記憶表示部9bに通常態様で表示して(ステップS1033A)、入賞時決定処理を終了する。
一方で、保留変化演出を実行することに決定した場合(ステップS1021AでY)、演出フラグテーブルにおいて現在の保留記憶数(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンドを受信したことにもとづく加算更新後の第1保留記憶数または第2保留記憶数)に対応させて、演出制御用CPU101が演出態様に応じたフラグをセットする(ステップS1022A)。そして、演出制御用CPU101は、当該新たな保留表示を、決定された第1特殊態様または第2特殊態様のどちらかで第1保留記憶表示部9aまたは第2保留記憶表示部9bに表示し(ステップS1033A)、入賞時決定処理を終了する。以上が、本実施形態の先読み演出決定処理である。
図72は、第2実施形態における演出制御プロセス処理(図31)の演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートであり、第1実施形態の演出図柄変動開始処理(図43)に対応するものである。第1実施形態の先読み演出決定処理と異なる点は、プロセステーブル選択処理(ステップS8004)の直前に変動開始時決定処理(ステップS8003A)が入っている点、およびプロセステーブル選択処理(ステップS8004)の内容が変更されている点であり、それ以外の点については第1実施形態と同様である。第2実施形態が、第1実施形態と比較して変動開始時決定処理(ステップS8003A)が追加されているのは、第2実施形態では、始動入賞ではなく変動開始のタイミングで、背景変化演出について実行するか否かおよび背景変化演出を実行する場合の演出態様を決定しているためである。
図73は、第2実施形態における変動開始時決定処理(ステップS8003A)を示すフローチャートである。当該処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出フラグテーブルに背景変化演出フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS2020)。演出フラグテーブルに背景変化演出フラグが既にセットされていた場合(ステップS2020でY)、背景変化演出フラグを重ねてセットすることはないため、演出制御用CPU101は変動開始時決定処理を終了する。一方で、演出フラグテーブルに背景変化演出フラグがセットされていなかった場合(ステップS2020でN)、演出制御用CPU101は、減算前の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)が3以上かどうか、確認する(ステップS2021)。ここで、減算前の保留記憶数を基準としているのは、この実施の形態では、変動開始時決定処理に先立って、第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンドの受信にもとづいて保留記憶数の減算処理が実行される一方、図72に示すように演出フラグテーブルはシフトされていないタイミング(ステップS2015の実行前のタイミング)で当該変動開始時決定処理が実行されるためである。すなわち、演出図柄の変動開始に伴う保留記憶数の減算が実行される前の保留記憶数を基準として、背景変化演出の実行についての決定をしているためである。この条件は、減算後の保留記憶数が2以上か否か、という条件に置き換えることもできる。なお、変動開始時決定処理が実行されるよりも前に演出フラグテーブルのシフト(ステップS2015)が実行されるようにしている場合には、減算後の保留記憶数(すなわち現在の保留記憶数)を基準とする。
ここで、減算前の保留記憶数が3以上ではなかった場合(ステップS2021でN)、すなわち3未満であった場合、演出制御用CPU101は変動開始時決定処理を終了する。一方、減算前の保留記憶数が3以上であった場合(ステップS2021でY)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS2022)。ここで、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされていなかった場合は(ステップS2022でN)、第1変動開始時決定テーブルにもとづいて(ステップS2023)、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされていた場合は(ステップS2022でY)、第2変動開始時決定テーブルにもとづいて(ステップS2024)、演出制御用CPU101は、それぞれ(1)背景変化演出を実行するか否か、および(2)背景変化演出を実行する場合にはその演出態様を決定する。
図74は、第2実施形態の第1変動開始時決定テーブルを示す図である。上記のとおり、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされていなかった場合には(ステップS2022でN)、この第1変動開始時決定テーブルが用いられる。演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドなどの始動入賞時のコマンドや表示結果指定コマンドが指定する内容にはかかわらず、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を4%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を4%、背景変化演出を実行しない割合を92%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
図75は、第2実施形態の第2変動開始時決定テーブルを示す図である。上記のとおり、演出フラグテーブルに保留変化演出フラグがセットされていた場合には(ステップS2022でY)、この第2変動開始時決定テーブルが用いられる。演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドなどの始動入賞時のコマンドや表示結果指定コマンドが指定する内容にはかかわらず、第1特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、第2特別態様の背景変化演出の実行割合を10%、背景変化演出を実行しない割合を80%とするよう、背景変化演出についての決定処理を実行する。
このように、保留変化演出が実行されているときには、第2変動開始時決定テーブルが用いられることになり、保留変化演出が実行されていないときに用いられる第1変動開始時決定テーブルよりも高い割合で背景変化演出を実行することに決定されるため、保留変化演出と背景変化演出の双方が並行して実行される割合が高められることになり、好適に遊技者の興味を向上させることが可能となる。
このように、第2実施形態では、入賞時判定結果や実行される変動表示の表示結果とは直接的には無関係に、背景変化演出の実行について決定される。ただし、既に説明したように保留変化演出が実行されているか否かによって背景変化演出の実行割合が変更され(図74および図75参照)、以下で説明するように、演出フラグテーブルにセットされたフラグの内容によって背景変化演出の実行を取りやめる場合がある。よって、背景変化演出の実行割合は、入賞時判定結果によって直接的に変化するものではないが、間接的には影響しているということができる。
図76は、第2実施形態の演出図柄変動開始処理(図72)におけるプロセステーブル選択処理(ステップS8004)を示すフローチャートである。第2実施形態のプロセステーブル選択処理は、第1実施形態のプロセステーブル選択処理(図58)と比較し、ステップS2051〜S2053、S2060、およびステップS2061の処理が増加している点で相違しており、ステップS2054、およびステップS2062〜S2065は、第1実施形態のプロセステーブル選択処理(図58)のステップS2045、およびステップS2040〜S2043と同様である。以下、第2実施形態のプロセステーブル選択処理について具体的に説明する。
このプロセステーブル選択処理については、(1)第1特別態様(晴天モード)での背景変化演出を連続演出として実行しようとする際に、変動開始しようとする変動表示の表示結果が15R大当り以外の大当りである場合には、第1特別態様での背景変化演出の実行を取りやめ、(2)第2特別態様(落雷モード)での背景変化演出を連続演出として実行しようとする際に、変動開始しようとする変動表示の表示結果が確変大当り以外の大当りである場合には、第2特別態様での背景変化演出の実行を取りやめ、(3)上記いずれにも該当しない場合には、第1実施形態と同様に、変動パターンおよび演出フラグテーブルの背景変化演出フラグの状態に応じたプロセステーブルを選択するよう、演出制御用CPU101によって制御されている。すなわち、第1特別態様(晴天モード)は15R大当りを示唆し、第2特別態様(落雷モード)は確変大当りを示唆しているということができる。
演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが、大当り指定(表示結果2〜6指定)であるか否かを確認する(ステップS2051)。大当り指定でなければ(ステップS2051でN)、ステップS2062に移行する。一方、大当り指定であれば(ステップS2051でY)、15R大当り指定(表示結果2指定または表示結果4指定)であるか否かを確認する。そして、15R大当り指定であった場合には(ステップS2052でY)、ステップS2060に移行する。一方、15R大当り指定ではなかった場合には(ステップS2052でN)、演出フラグテーブルにおいて変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2053)。そして、演出フラグテーブルにおいて変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグがセットされていない場合には(ステップS2053でN)、ステップS2060に移行する。
一方、演出フラグテーブルにおいて変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグがセットされている場合には(ステップS2053でY)、開始される変動表示で15R以外の大当りとなるにもかかわらず第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出が実行されようとしていることになるため、セットされている第1特別態様フラグをリセットして(ステップS2054)、第1特別態様の背景画像とならない変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS2055)、プロセステーブル選択処理を終了する。このように、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示において大当りとなる場合には、15R以外の大当りとはならないように制限をしており、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には、15R大当りが確定することになる。
ステップS2060において、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドが、確変大当り指定(表示結果4〜6指定)であるか否かを確認する。そして、確変大当り指定であった場合には(ステップS2060でY)、ステップS2062に移行する。一方、確変大当り指定ではなかった場合には(ステップS2060でN)、演出フラグテーブルにおいて変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2061)。そして、演出フラグテーブルにおいて変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグがセットされていない場合には(ステップS2061でN)、ステップS2062に移行する。
一方、演出フラグテーブルにおいて変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグがセットされている場合には(ステップS2061でY)、開始される変動表示で通常大当りとなるにもかかわらず第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出が実行されようとしていることになるため、セットされている第2特別態様フラグをリセットして(ステップS2054)、第2特別態様の背景画像とならない変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS2055)、プロセステーブル選択処理を終了する。このように、第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示において大当りとなる場合には、通常大当りとはならないように制限をしており、第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には、確変大当りが確定することになる。
ステップS2062では、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS2062)。演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグがセットされていた場合(ステップS2062でY)、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第1特別態様の背景変化演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS2063)、プロセステーブル選択処理を終了する。これにより、実行される変動表示において演出図柄の背景画像が第1特別態様(晴天モードの態様)となる。
演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第1特別態様フラグがセットされていなかった場合(ステップS2062でN)、演出制御用CPU101は、演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS2064)。演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグがセットされていた場合(ステップS2064でY)、演出制御用CPU101は、変動パターンおよび第2特別態様の背景変化演出に応じたプロセステーブルを選択し(ステップS2065)、プロセステーブル選択処理を終了する。これにより、実行される変動表示において演出図柄の背景画像が第2特別態様(落雷モードの態様)となる。
演出フラグテーブルの変動対応表示以外に対応する第2特別態様フラグがセットされていなかった場合(ステップS2064でN)、演出制御用CPU101は、特別態様の背景画像とならない変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS2055)、プロセステーブル選択処理を終了する。
このように第2実施形態における連続演出は、第1実施形態と異なり、始動入賞時のコマンドにもとづいて判定される先読み演出ではないが、15R以外の大当りとなる場合には、第1特別態様の背景変化演出を終了させる制御を行い、通常大当りとなる場合には、第2特別態様の背景変化演出を終了させる制御を行うようにしている。これにより、結果として、第1実施形態と同様に、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には15R大当りが確定し、第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示で大当りとなる場合には確変大当りが確定することになる。これにより、遊技者は、背景変化演出を伴う変動表示において大当りが発生することを期待するようになり、背景画像に対する遊技者の興味を向上させるとともに、遊技興趣を向上させることができる。
また、第2実施形態では、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留変化演出を実行するとともに、変動開始時の判定において表示結果が大当りとなる場合には、15R大当りと判定された場合にのみ第1特別態様の背景変化演出を実行するようにしている。すなわち、保留表示の表示態様によって大当りが発生するか否かを示唆するとともに、背景画像によって15R大当りとなるか否かを示唆することが可能であるため、保留表示の表示態様と背景画像の双方によって遊技者の期待感を効果的に高めて興趣をさらに向上させることができる。
また、第2実施形態では、始動入賞時の判定において大当りと判定された場合には、はずれと判定された場合よりも高い割合で保留変化演出を実行するとともに、変動開始時の判定において表示結果が大当りとなる場合には、確変大当りと判定された場合にのみ第2特別態様の背景変化演出を実行するようにしている。すなわち、保留表示の表示態様によって大当りが発生するか否かを示唆するとともに、背景画像によって確変大当りとなるか否かを示唆することが可能であるため、保留表示の表示態様と背景画像の双方によって遊技者の期待感を効果的に高めて興趣をさらに向上させることができる。
なお、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、背景変化演出が先読み演出ではなく、始動入賞時に図柄指定コマンドなどを確認して背景変化演出を実行するか否かや、背景変化演出を実行する場合の演出態様を決定するといった処理が不要となる。そのため、背景変化演出をより簡素な処理で実現することができ、制御負担を軽減することができる。
最後に上記実施の形態とは異なる実施の形態について例示する。
上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で背景変化演出を実行すると決定された場合に、次に実行される変動表示(始動入賞後1回目の変動表示)から背景画像を特別態様(第1特別態様または第2特別態様)に変化させる例について説明したが、これに限らず、始動入賞時の判定で背景変化演出を実行すると決定された場合に、次に実行される変動表示よりも後に実行される変動表示(始動入賞後2回目以降の変動表示)から背景画像を特別態様に変化させるようにしてもよい。また、始動入賞後1回目の変動表示から背景画像を特別態様に変化させる場合もあれば、始動入賞後2回目以降の変動表示から背景画像を特別態様に変化させる場合もあるようにしてもよく、例えば乱数にもとづいていずれのタイミングで背景画像を特別態様に変化させるかを決定するようにするとよい。これによれば、背景変化演出のターゲットとなる変動表示を遊技者が把握し難くなり、遊技性を高めることができる。
また、始動入賞時の判定で背景変化演出を実行すると決定された場合に、当該始動入賞時に実行されている変動表示において背景画像を特別態様に変化させるようにしてもよい。すなわち始動入賞のタイミングで実行中であった変動表示において途中から背景画像を特別態様に変化させるようにしてもよい。これによれば、始動入賞時の興趣を向上させることができる。
上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で保留変化演出および背景変化演出のいずれも実行されていない場合には(図40のステップS1005)、図41のステップS1020および図42に示すように、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして保留変化演出または背景変化演出のいずれか一方のみを実行可能である例について説明したが、これに限らず、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして保留変化演出および背景変化演出の双方を実行可能であるようにしてもよい。例えば、保留変化演出を実行するか否かおよび実行する場合の態様と、背景変化演出を実行するか否かおよび実行する場合の態様とを、各々独立して決定するようにしてもよい。そして、その始動入賞時の判定対象となった変動表示をターゲットとして、保留変化演出のみを実行する場合や背景変化演出のみを実行する場合もあれば、保留変化演出と背景変化演出の双方を実行する場合もあるようにしてもよい。すなわち共通の変動表示をターゲットとして、保留変化演出と背景変化演出の双方を実行可能としてもよい。
例えば、図41のステップS1020に相当する処理において、保留変化演出を実行するか否かおよび実行する場合の態様と、背景変化演出を実行するか否かおよび実行する場合の態様とを、各々独立して決定すると共に、ステップS1023の処理の後にステップS1025に移行するようにするとよい。これによれば、始動入賞時の判定対象となった変動表示をターゲットして、保留変化演出のみが実行される場合や背景変化演出のみが実行される場合もあれば、保留変化演出と背景変化演出の双方が実行される場合もあるようにすることができる。さらに、ステップS1033の処理に代えて、保留変化演出を実行することに決定されたか否かを判定するようにし、保留変化演出を実行しないことに決定された場合には、新たな保留表示を通常態様で表示するようにし、保留変化演出を実行することに決定された場合には、新たな保留表示を決定された特殊態様(第1特殊態様または第2特殊態様)で表示するようにするとよい。
上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で、当該始動入賞に対応した変動表示をターゲットとして背景変化演出を実行するか否かおよび実行する場合の態様を決定する例について説明したが、これに限らず、始動入賞時に、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示をターゲットとして背景変化演出を実行するか否かおよび実行する場合の態様を決定するようにしてもよい。これによれば、背景変化演出のターゲットとなる変動表示を遊技者が把握し難くなり、遊技性を高めることができる。
上記の第1実施形態では、図42および図47に示すように、始動入賞時の判定結果がはずれである場合にも、所定の割合で第1特別態様(晴天モード)や第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定される例について説明したが、始動入賞時の判定結果がはずれである場合に、さらに変動カテゴリコマンドに応じて背景変化演出を実行する割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、変動カテゴリコマンドが指定する変動パターン種別がスーパーリーチはずれ(変動カテゴリ4)である場合には、非リーチはずれ(変動カテゴリ1)の場合よりも高い割合で背景変化演出を実行するようにしてもよい。
上記の第1実施形態では、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され(ステップS1026でY,ステップS1052でY)且つ判定結果が15R以外の大当りである場合には(ステップS1027でY,ステップS1054でY)、当該判定の対象となった変動表示よりも1つ前の変動表示で第1特別態様の背景変化演出を終了させる(ステップS1208,S1055)例について説明したが、当該判定の対象となった変動表示よりも2つ前あるいは3つ前の変動表示で背景変化演出を終了させるようにしてもよい。なお、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され且つ判定結果が15R以外の大当りである場合に限らず、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され且つ判定結果がはずれである場合にも、所定の割合で当該判定の対象となった変動表示よりも前の変動表示で背景変化演出を終了させるようにしてもよい。
上記の第1実施形態では、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定され(ステップS1026でN,ステップS1052でN)且つ判定結果が通常大当りである場合には(ステップS1030でY,ステップS1057でY)、当該判定の対象となった変動表示よりも1つ前の変動表示で第2特別態様の背景変化演出を終了させる(ステップS1031,S1058)例について説明したが、当該判定の対象となった変動表示よりも2つ前あるいは3つ前の変動表示で背景変化演出を終了させるようにしてもよい。なお、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定され且つ判定結果が通常大当りである場合に限らず、第2特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され且つ判定結果がはずれである場合にも、所定の割合で当該判定の対象となった変動表示よりも前の変動表示で背景変化演出を終了させるようにしてもよい。
上記の第2実施形態では、図73の変動開始時決定処理において、減算前の保留記憶数に対応させて背景変化演出の演出態様に応じたフラグをセットする(ステップS2026)例について説明した。これによれば、当該変動開始時決定処理に係る変動表示を含めて減算前の保留記憶数に相当する回数の変動表示を対象として背景変化演出が実行される。しかしながら、このような形態に限らず、減算前の保留記憶数を超える回数の変動表示を対象として背景変化演出が実行されるようにしてもよい。例えば、ステップS2026において保留記憶数とは関連しない第1特別態様フラグまたは第2特別態様フラグをセットして、第1特別態様フラグまたは第2特別態様フラグがセットされている期間は、演出図柄の背景画像が第1特別態様または第2特別態様となるようにプロセステーブルを選択するとよい。
ここで、例えば、第1特別態様フラグがリセットされるタイミングを、(1)15R以外の大当り(上記実施の形態では5R以下の大当り)となる変動表示の開始前のタイミング、(2)15R大当りとなる変動表示が実行されて表示結果が導出表示されたタイミング、および(3)リーチ(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を伴う変動パターンの変動表示が実行されて表示結果が導出表示されたタイミングとするとよい。これにより、背景変化演出が実行されるときの保留記憶数にかかわらず、(1)15R以外の大当りとなる変動表示の1つ前の変動表示が終了するまで、(2)15R大当りとなる変動表示が終了するまで、あるいは、(3)表示態様が特定表示態様(リーチ状態)となる変動表示が終了するまで、は当該背景変化演出が継続することになる。その結果、遊技者にとってみれば、あたかも背景変化演出が実行された場合には、その際の保留記憶数にかかわらず大当りやリーチが確定するかのような印象を抱くことになり、実際には表示結果の判定によらずに実行される背景変化演出の興趣を向上させることができる。
ここで、例えば、第2特別態様フラグがリセットされるタイミングを、(1)通常大当りとなる変動表示の開始前のタイミング、(2)確変大当りとなる変動表示が実行されて表示結果が導出表示されたタイミング、および(3)リーチ(ノーマルリーチまたはスーパーリーチ)を伴う変動パターンの変動表示が実行されて表示結果が導出表示されたタイミングとするとよい。これにより、背景変化演出が実行されるときの保留記憶数にかかわらず、(1)通常大当りとなる変動表示の1つ前の変動表示が終了するまで、(2)確変大当りとなる変動表示が終了するまで、あるいは、(3)表示態様が特定表示態様(リーチ状態)となる変動表示が終了するまで、は当該背景変化演出が継続することになる。その結果、遊技者にとってみれば、あたかも背景変化演出が実行された場合には、その際の保留記憶数にかかわらず大当りやリーチが確定するかのような印象を抱くことになり、実際には表示結果の判定によらずに実行される背景変化演出の興趣を向上させることができる。
また、第2実施形態において、第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を伴う所定回数(例えば10回)の変動表示が実行されたことにもとづいて当該第1特別態様の背景変化演出を終了させるようにしてもよい。また、第2実施形態において、第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を伴う所定回数(例えば10回)の変動表示が実行されたことにもとづいて当該第2特別態様の背景変化演出を終了させるようにしてもよい。
上記の第2実施形態では、図72のステップS8003Aに示すように、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで背景変化演出を実行するか否かを決定する例について説明したが、これに限らず、第1実施形態と同様に、始動入賞のタイミングで当該始動入賞に対応した変動表示が実行されるまでの変動表示(当該始動入賞に対応した変動表示を含む)を対象として、背景変化演出を実行するか否かを決定するようにしてもよい。
上記の実施形態では、保留変化演出の実行有無および実行態様(第1特殊態様(熱文字態様)や第2特殊態様(炎エフェクト))によって大当りの可能性を示唆すると共に、背景変化演出の実行有無および実行態様(第1特別態様(晴天モード)や第2特別態様(落雷モード))によって大当り種別を示唆する例について説明したが、このような形態に限らず、保留変化演出の実行有無および実行態様によって大当り種別を示唆すると共に、背景変化演出の実行有無および実行態様によって大当りの可能性を示唆するようにしてもよい。例えば、第1特殊態様の保留表示に対応した変動表示で大当りとなる場合には、通常態様や第2特殊態様の保留表示に対応した変動表示で大当りとなる場合よりも高い割合で15R大当りとなるようにするとよい。また、第2特殊態様の保留表示に対応した変動表示で大当りとなる場合には、通常態様や第1特殊態様の保留表示に対応した変動表示で大当りとなる場合よりも高い割合で確変大当りとなるようにするとよい。これに対して、例えば、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示は、背景変化演出を伴わない変動表示よりも高い割合で大当りとなり、第2特別態様の背景変化演出を伴う変動表示は、第1特別態様の背景変化演出を伴う変動表示よりも高い割合で大当りとなるようにするとよい。
このように、複数の変動表示に伴って実行される連続演出(例えば背景変化演出)によって変動表示の表示結果が特定表示結果(大当り図柄)となるか否かを示唆するようにしてもよく、保留表示の表示態様を通常態様とは異なる特殊態様(例えば第1特殊態様や第2特殊態様)に変化させることによって当該保留表示に対応した変動表示の表示結果が特定表示結果となる場合に、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御されるか否かを示唆するようにしてもよい。すなわち、(1)特定表示結果となるか否かを開始時決定手段による決定前(有効始動入賞に対応した変動表示の開始前)に判定する(有効始動入賞時に当該有効始動入賞に対応した変動表示で大当りとなるか否かを判定する(図22のステップS220〜S222))と共に、(2)特定表示結果となると判定した場合には、第1特定遊技状態(5R以下の大当り,通常大当り)または該第1特定遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2特定遊技状態(15R大当り,確変大当り)のいずれに制御するかをさらに判定する(大当り種別の判定(図22のステップS229)を行う)ような構成において、(2)第1特定遊技状態または第2特定遊技状態のいずれに制御するかの判定にもとづいて、当該判定の対象となった保留情報に対応する保留特定情報の表示態様を特殊態様とする表示態様制御を行うようにしてもよい。そして、このような表示態様制御を実行する場合には、(1)に示される始動入賞時における特定表示結果となるか否かの判定にもとづいて、連続演出を実行するようにしてもよく、このような特定表示結果となるか否かの判定によらず連続演出を実行するようにしてもよい。
上記の第1実施形態および第2実施形態を組み合わせた構成としてもよい。具体的には、第1実施形態のように始動入賞時の判定結果にもとづいて背景変化演出を実行するケースもあれば、第2実施形態のように始動入賞時の判定結果によらず背景変化演出を実行するケースもあるようにしてもよい。これによれば、背景変化演出が実行された場合に、遊技者が当該背景変化演出が始動入賞時の判定結果にもとづくものであるか否かを把握することができず、興趣を高めることができる。
上記の実施形態では、図42などに示されるように、保留記憶数によらず保留変化演出の実行割合が定められている例について説明したが、このような形態に限らず、保留記憶数に応じて保留変化演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。例えば、保留記憶数が多い程、保留変化演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。
上記の実施形態において、「一方のケースにおいて他方のケースよりも高い割合で所定の処理を実行する」ことには、一方のケースでのみ所定の処理を実行し、他方のケースでは所定の処理を実行しないことが含まれる。例えば、上記の実施形態では、始動入賞時の判定において、背景変化演出が実行されている場合には、背景変化演出が実行されていない場合よりも高い割合で保留変化演出が実行される例について説明したが、この「高い割合」で保留変化演出を実行することは、背景変化演出が実行されている場合にのみ保留変化演出を実行可能とし、背景変化演出が実行されていない場合には保留変化演出を実行しない場合も含んでいる。また、例えば、上記の実施形態では、始動入賞時の判定において、保留変化演出が実行されている場合には、保留変化演出が実行されていない場合よりも高い割合で背景変化演出が実行される例について説明したが、この「高い割合」で背景変化演出を実行することは、保留変化演出が実行されている場合にのみ背景変化演出を実行可能とし、保留変化演出が実行されていない場合には背景変化演出を実行しない場合も含んでいる。
これと同様に、上記の実施形態では、15R大当りとなる場合であっても所定の割合で背景変化演出を実行しない例について説明したが、15R大当りとなる場合には必ず背景変化演出が実行されるようにしてもよい。また、上記の実施形態では、確変大当りとなる場合であっても所定の割合で背景変化演出を実行しない例について説明したが、確変大当りとなる場合には必ず背景変化演出が実行されるようにしてもよい。また、上記の実施形態では、始動入賞時に背景変化演出のターゲットと判定された変動表示が終了したときに、以降に実行される変動表示に対応した保留表示が特殊態様で表示されている場合にのみ、背景変化演出を継続する例について説明したが、始動入賞時に背景変化演出のターゲットと判定された変動表示が終了したときに、以降に実行される変動表示に対応した保留表示が特殊態様で表示されていない場合にも所定の割合で背景変化演出が継続されるようにして、以降に実行される変動表示に対応した保留表示が特殊態様で表示されている場合には該所定の割合よりも高い割合で背景変化演出が継続されるようにしてもよい。
これと同様に、上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定され、且つ15R以外の大当りと判定された場合には、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示で第1特別態様の背景変化演出を終了させる例について説明したが、これに限らず、15R以外の大当りと判定された場合にも、当該始動入賞に対応した変動表示において第1特別態様の背景変化演出が実行される可能性があるようにしてもよく、その実行割合が、15R大当りと判定された場合よりも低くなるようにするとよい。また、上記の第1実施形態では、始動入賞時の判定で第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定され、且つ通常大当りと判定された場合には、当該始動入賞に対応した変動表示よりも前に実行される変動表示で第2特別態様の背景変化演出を終了させる例について説明したが、これに限らず、通常大当りと判定された場合にも、当該始動入賞に対応した変動表示において第2特別態様の背景変化演出が実行される可能性があるようにしてもよく、その実行割合が、確変大当りと判定された場合よりも低くなるようにするとよい。
これと同様に、上記の第2実施形態では、変動表示を開始するときの判定において、当該変動表示以降に対応した第1特別態様フラグがセットされており(第1特別態様(晴天モード)の背景変化演出を実行することに決定されており)、且つ当該変動表示の表示結果が15R以外の大当りと判定された場合には、当該変動表示に伴う第1特別態様の背景変化演出を実行しない例について説明したが、これに限らず、15R以外の大当りと判定された場合でも、当該変動表示において第1特別態様の背景変化演出が実行される可能性があるようにしてもよく、その実行割合が、15R大当りと判定された場合よりも低くなるようにするとよい。また、上記の第2実施形態では、変動表示を開始するときの判定において、当該変動表示以降に対応した第2特別態様フラグがセットされており(第2特別態様(落雷モード)の背景変化演出を実行することに決定されており)、且つ当該変動表示の表示結果が通常大当りと判定された場合には、当該変動表示に伴う第2特別態様の背景変化演出を実行しない例について説明したが、これに限らず、当該変動表示の表示結果が通常大当りと判定された場合でも、当該変動表示において第2特別態様の背景変化演出が実行される可能性があるようにしてもよく、その実行割合が、確変大当りと判定された場合よりも低くなるようにするとよい。
上記の実施形態では、連続する複数回の変動表示に伴う連続演出が背景変化演出である例について説明したが、これに限らず、例えば、連続演出として、(1)連続する複数回の変動表示にわたって演出図柄の表示態様が特定態様(例えば特定のキャラクタや文字)に変化する演出図柄態様変化演出や、(2)連続する複数回の変動表示にわたって演出図柄の停止図柄が大当り図柄ではない特定の演出図柄の組み合わせ(例えば「112」や「123」などの予め定められた組合せ(いわゆる「チャンス目」))となるチャンス目連続停止演出や、(3)連続する複数回の変動表示にわたってターゲットとなる変動表示までの残り変動表示回数(例えば「残り3」、「残り2」、「残り1」、「残り0」など)が表示されるカウントダウン演出や、(4)連続する複数回の変動表示にわたって演出表示装置9の周囲に設けられた可動部材(いわゆる「役物」)が動作する役物作動演出、が実行されるようにしてもよい。
上記の実施形態では、始動入賞時の保留記憶数が3以上である場合(第1実施形態)や、演出図柄の変動開始時における減算前の保留記憶数が3以上である場合(第2実施形態)に、背景変化演出を実行可能な例について説明したが、これに限らず、始動入賞時の保留記憶数が2以上である場合(第1実施形態)や、演出図柄の変動開始時における減算前の保留記憶数が2以上である場合(第2実施形態)など、連続する複数回の変動表示に伴って実行されるものであればよい。
上記の実施形態では、遊技者にとっての有利度が異なる複数の大当り種別として、5R以下の大当りと15R大当りの組合せ、および確変大当りと通常大当りの組合せの2組を例示したが、これらの組合せに限らず、例えば、大当り遊技状態終了後の高ベース状態に制御される期間が異なる組合せ(例えば、30回の変動表示が実行されるまで高ベース状態が維持される大当りと100回の変動表示が実行されるまで高ベース状態が維持される大当りの組合せ)であってもよい。
上記の実施形態において、大当り遊技状態に制御されることに伴い(例えば、演出図柄変動開始処理で停止図柄として大当り図柄を決定するとき(ステップS8002)や、演出図柄変動停止処理で大当り図柄を停止表示したとき(ステップS863でY)、あるいは大当り終了演出処理(ステップS807)で)、セットされている背景変化演出フラグをリセットするようにしてもよい。また、上記の実施形態において、大当り遊技状態に制御されることに伴い、始動入賞時コマンド格納領域の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを参照して、それ以降に実行される変動表示について全てはずれと判定した場合に、セットされている背景変化演出フラグをリセットするようにしてもよい。このようにすることで、大当り遊技状態終了後の所定数の変動表示以内に、はずれとなるにもかかわらず背景変化演出が実行されてしまうことにより、大当り遊技状態の発生により高められた遊技への興味を低下させてしまうことを防止するとともに、背景変化演出の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
また、上記の実施形態において、大当り遊技状態に制御されることに伴い(例えば、演出図柄変動開始処理で停止図柄として大当り図柄を決定するとき(ステップS8002)や、演出図柄変動停止処理で大当り図柄を停止表示したとき(ステップS863でY)、あるいは大当り終了演出処理(ステップS807)で)、当該大当り遊技状態に係る変動表示に伴う背景変化演出が実行されておらず、且つ、始動入賞時コマンド格納領域の図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを参照して、それ以降に実行される変動表示について全てはずれとなると判定した場合に、セットされている背景変化演出フラグをリセットするようにしてもよい。また、上記の第1実施形態において、始動入賞時の判定で大当りとなると判定されたにもかかわらず背景変化演出が実行されないことに決定された場合には、その大当りに係る大当り遊技状態が終了するまでは、始動入賞時の判定において背景変化演出を実行すると決定しないようにしてもよい。このようにすることで、表示結果が大当りとなる変動表示において背景変化演出が実行されていないにもかかわらず、その後に実行される表示結果がはずれとなる変動表示において背景変化演出が実行されてしまうことにより、背景変化演出に対しての遊技者の期待感を損なわせてしまうことを防止することができる。
上記の実施形態では、保留表示の表示態様を特殊態様(第1特殊態様または第2特殊態様)とするタイミングが、新たな保留表示を第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bに表示するタイミングである例について説明したが、これに限らず、保留表示の表示態様を特殊態様とするタイミングは、新たな保留表示を表示した後のタイミングであってもよい。例えば、始動入賞時の判定において保留変化演出を実行すると決定された場合に、新たな保留表示を通常態様で表示しておき、その後、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bの保留表示をシフトさせるタイミングでその保留表示を特殊態様に変化させるようにしてもよい。ここで、複数回のシフトが実行される場合には、そのいずれかに応じたタイミング(例えば1回目のシフトタイミング、2回目のシフトタイミング、または3回目のシフトタイミングのいずれか)で保留表示を特殊態様に変化させるようにするとよい。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、通常態様の保留表示に加えて、動作表示を伴う特定保留表示を表示する場合を示したが、複数のタイミングで複数種類の態様に保留表示を変化可能に構成するとともに、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出を実行可能に構成するようにしてもよい。以下、複数のタイミングで複数種類の態様に保留表示を変化可能に構成するとともに、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出を実行可能に構成する第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した第1保留記憶表示部9aおよび第2保留記憶表示部9bに代えて、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を備えるものとする。また、この実施の形態に示す入賞時判定結果記憶バッファとは、第1の実施の形態で示した第1始動入賞時コマンド格納領域および第2始動入賞時コマンド格納領域(図37参照)に相当する。また、この実施の形態で示す入賞時判定結果指定コマンドとは、第1の実施の形態で示した図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドに相当する。
この実施の形態では、図38に示した演出制御プロセス処理において、保留表示制御処理(ステップS800C参照)に加えて、先読み演出決定処理(第1の実施の形態や第2の実施の形態で示した先読み演出決定処理とは異なる処理を実行するもの)を実行する。図77は、第3の実施の形態における先読み演出決定処理を示すフローチャートである。先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS67101)。なお、先読み演出制限フラグは、後述するステップS67111においてセットされる。先読み演出制限フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(ステップS67116)。例えば、合算保留記憶表示部の1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を通常態様で表示するように制御する。
先読み演出制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を除く)を全て抽出する(ステップS67102)。
次いで、演出制御用CPU101は、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果であるか否かを確認する(ステップS67103)。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、ステップS67103において、抽出した入賞時判定結果が、全て変動パターンが「短縮非リーチはずれ」または「非リーチはずれ」になることを示す値であるか否かを判定する(すなわち、リーチを伴わないはずれ変動となるか否かを確認する)。
ステップS67103において抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果である場合には、演出制御用CPU101は、ステップS67104に移行する。一方、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(ステップS67116)。すなわち、この実施の形態では、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合には、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み演出を実行しないように構成されている。なお、図77に示す例に限らず、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合であっても、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて先読み演出を実行するようにしてもよい。
ステップS67104では、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出し、抽出した入賞時判定結果にもとづいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(ステップS67104)。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、図78(A)に示す先読み演出実行決定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
図78(A)は、第3の実施の形態における先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割り当てられているが、図78(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」)に決定する。したがって、図78(A)に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」または「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。
なお、この実施の形態では、図78(A)に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、図78(B)に示す最終表示態様決定テーブル、図79に示す先読み演出パターン決定テーブル、図80に示す先読み演出変化タイミング決定テーブルおよび図81に示す示唆演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するステップS67106、S67107、S67108、S67110、S67115においても、ステップS67104と同様に、演出制御用CPU101は、例えば、最終表示態様、先読み演出パターン、変化タイミング(シフト回数)または示唆演出の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行すると決定した場合には(ステップS67105のY)、ステップS67105aに移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(ステップS67105のN)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(ステップS67116)。
ステップS67105aでは、演出制御用CPU101は、先読み演出の対象となる保留表示を特定するための演出用合算保留記憶数カウンタに、合計保留記憶数をセットする(ステップS67105a)。演出用合算保留記憶数カウンタの値は、演出図柄変動開始処理のステップS1802aにおいて1減算され、ステップS1811において、先読み演出の対象となる保留表示を特定するために用いられる。例えば、合算保留記憶数をカウントするための演出用合算保留記憶数カウンタの値が4である場合には、合算保留記憶表示部の4つ目の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(ステップS67106)。この実施の形態では、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、特殊態様、第1特別態様および第2特別態様が設けられている。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されるまでに、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。したがって、ステップS67106では、最終的な表示態様は第1特別態様または第2特別態様のいずれかに決定される。以下、第1特別態様と第2特別態様とを特別態様と総称することがある。
図78(B)は、第3の実施の形態における最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。ステップS67106において、演出制御用CPU101は、図78(B)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(ステップS67107)。
この実施の形態では、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様または第2特別態様で表示される。なお、第1先読み演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留情報)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示されるものとを含む。一方、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。
図79は、第3の実施の形態における先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。ステップS67107において、演出制御用CPU101は、先読み演出パターン決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、先読み演出パターンを決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)である場合、図79(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図79(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合、図79(B)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図79(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
先読み演出パターンを決定すると、演出制御用CPU101は、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(ステップS67108)。この実施の形態では、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。したがって、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
図80は、第3の実施の形態における変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。ステップS67108において、演出制御用CPU101は、変化タイミング決定テーブルと合計保留記憶数とにもとづいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、ステップS67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図80(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図80(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、ステップS67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図80(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図80(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」または「小当り」)であり、ステップS67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図80(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図80(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、ステップS67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図80(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図80(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU101は、ステップS67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンである場合には(ステップS67109のY)、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(ステップS67110)。この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出がシフトタイミングで実行可能である。また、示唆演出は、第1演出態様または第2演出態様で実行される。ステップS67110では、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様が、第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定される。
図81は、第3の実施の形態における示唆演出態様決定テーブルを示す説明図である。ステップS67110において、演出制御用CPU101は、図81に示す示唆演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果にもとづいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、演出態様を第1演出態様または第2演出態様のいずれかに決定する。
示唆演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグをセットする(ステップS67111)。
先読み演出制限フラグがセットされると、ステップS67101の処理によって、先読み演出を重ねて実行しないように制御される。すなわち、この実施の形態では、いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、新たに先読み演出を実行しないように制御される。そのため、複数の保留表示が特殊態様で表示されることが制限される。したがって、複数の保留表示が特殊態様で表示されることで、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御する(ステップS67112)。なお、ステップS67112では、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御するとともに、ステップS67106で決定した最終表示態様を示す情報と、ステップS67110で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
また、ステップS67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンでない場合には(ステップS67109のN)、すなわち第1先読み演出パターンに決定した場合には、演出制御用CPU101は、ステップS67108で決定した変化タイミングが始動入賞時であるか否かを確認する(ステップS67113)。具体的には、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。そして、変化タイミングが始動入賞時であれば(ステップS67113のY)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、新たな保留表示をステップS67107で決定した最終表示態様で表示させるように制御する(ステップS67114)。
また、ステップS67113において変化タイミングが入賞時でなければ(ステップS67113のN)、演出制御用CPU101は、上述のステップS67110と同様に、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(ステップS67115)。次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する(ステップS67116)。なお、ステップS67116においても(例えば、ステップS67115から移行した場合のみ)、ステップS67112と同様に、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を表示させるように制御するとともに、ステップS67106で決定した最終表示態様を示す情報と、ステップS67115で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
図82は、第3の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(最も古い判定結果)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトするとともに、合算保留記憶表示部における1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部における合算保留記憶数表示を更新する(ステップS1800)。
次いで、演出制御用CPU101は、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(ステップS1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部に表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。したがって、ステップS1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(ステップS1801のN)、すなわち、シフト回数カウンタの値が0であって、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、処理をステップS1804に移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(ステップS1801のY)、すなわち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出用合算保留記憶数カウンタの値を1減算する(ステップS1802a)。また、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値を1減算する(ステップS1802b)。次いで、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1803)。ステップS1802bでシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部に表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。したがって、ステップS1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
ステップS1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU101は、処理をステップS1804に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、処理をステップS1808に移行する。
次いで、ステップS1804〜S1805の処理は、第1の実施の形態で示したステップS8001〜S8002の処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を決定する(ステップS1806)。ここで、ステップS1806の処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。したがって、ステップS1806では、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出の演出態様を決定する。なお、保留表示の表示態様が変化するときに実行される示唆演出(成功パターン)と区別するために、表示態様が変化しないときに実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。
ステップS1806では、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされていないとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれの保留表示も特殊態様で表示されていないときには、図82(A)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。また、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされているとき、すなわち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されているときには、図82(B)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、または第1演出態様もしくは第2演出態様で実行すると決定する。なお、示唆演出(通過パターン)決定テーブルには、決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に対応する判定値が割り当てられているが、図82(A)、(B)に示すに示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、示唆演出(通過パターン)の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」または「第2演出態様」)に決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した示唆演出(通過パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS1807)。
なお、ステップS1812〜S1815の処理は、第1の実施の形態で示したステップS8005〜S8010の処理と同様である。
ステップS1803でシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、すなわち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされていれば、それをリセットする(ステップS1808)。このような処理が実行されることによって、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されている期間は新たに先読み演出を実行することを制限することができ、複数の保留表示が特殊態様で表示されることを制限することができる。
次いで、ステップS1809〜S1810の処理は、第1の実施の形態で示したステップS8001〜S8002の処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、示唆演出の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する(ステップS1811)。そして、ステップS1812に移行する。
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示とともに、演出図柄の変動開始時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。この実施の形態では、実行する示唆演出(成功パターン)や先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。また、この実施の形態では、先読み演出決定処理において決定され(ステップS67110またはS67115)、記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様または第2演出態様)と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される演出対象の保留表示(例えば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が2のときには、合算保留記憶表示部における2つ目の保留表示)と、先読み演出決定処理において決定され(ステップS67106)、記憶されている最終表示態様(本例では、第1表示態様または第2表示態様)とにもとづいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定することができる。したがって、演出制御用CPU101は、示唆演出(成功パターン)の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
次に、先読み演出の具体例について説明する。図83は、第3の実施の形態における第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図83(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部に2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図83に示す例では、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングを始動入賞時(シフト回数0)またはシフト回数1と決定する。また、示唆演出(成功パターン)の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
この実施の形態では、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。また、保留表示が第1特別態様または第2特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングまたは任意のシフトタイミングである。そこで、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、図83(B1)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部に3つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)で表示される。また、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、図83(B2)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部に3つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)で表示される。
また、最終表示態様が第1特別態様または第2特別態様であっても、変化タイミングが始動入賞のタイミング(シフト回数0)ではなく、任意のシフトタイミング(ここでは、シフト回数1)に決定された場合には、図83(B3)に示すように、始動入賞のタイミングでは、合算保留記憶表示部に3つ目の保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図83(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図83(D1))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図83(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図83(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図83(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図83(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御がおこなわれる(図83(D2))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図83(E3)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図83(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図83(E4)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図83(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
既に説明しているように、この実施の形態では、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、第1演出態様であるときに比べて、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様になる割合が高くなるように構成されている。したがって、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるとき、すなわち黒い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の低い第1特別態様に変化する割合が高い。つまり図83(D1)から図83(E1)に移行する割合が高い。一方、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるとき、すなわち白い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の高い第2特別態様に変化する割合が高い。つまり図83(D2)から図83(E4)に移行する割合が高い。このように構成されることによって、矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン)であっても、第2演出態様で行われて欲しいと感じさせるとともに、示唆演出が第1演出態様で行われたとき、すなわち黒い矢が飛んできたときには、保留表示に刺さらずに通過して欲しい(示唆演出(通過パターン)であってほしい)と感じさせることができる。
図84および図85は、第3の実施の形態における第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出の具体例を示す説明図である。図84(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部に2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)および示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図84、図85に示す例では、先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様または第2特別態様と決定し、変化タイミングをシフト回数1またはシフト回数2と決定する。また、示唆演出の演出態様を、第1演出態様または第2演出態様と決定する。
この実施の形態では、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様に変化して表示される。そのため、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンと決定されると、図84(B)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部に3つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示される。
そして、演出図柄の変動表示が停止し(図84(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。このとき、示唆演出の演出態様が第2演出態様に決定されていると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御がおこなわれる(図84(D))。
ここで、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図84(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図84(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図84(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図84(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数2に決定されているときには、図84(E3)に示すように、シフトのタイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。なお、図84(E3)に示す示唆演出は、演出図柄変動開始処理において示唆演出(通過パターン)を第2演出態様で実行すると決定されたときに行われる。このように、この実施の形態では、示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)または白い矢(第2演出態様)が飛んでくる表示制御を行うことで、保留表示の表示態様が変化することを示唆し、矢が保留表示に刺さると(示唆演出(成功パターン)が行われると)表示態様が変化し、矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過すると(示唆演出(通過パターン)が行われると)表示態様が変化しない。
その後、演出図柄の変動表示が停止し(図85(F))、1つ目の保留表示に対応する保留情報にもとづく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御がおこなわれる(図85(G))。
そして、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図85(H1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の1つ目の保留表示(図84(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図85(H2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の1つ目の保留表示(図84(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われるとともに、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
図83に示すように、この実施の形態では、第1先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このとき、最終表示態様に表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングの他に、任意のシフトタイミングを含む。また、図84および図85に示すように、第2先読み演出パターンにもとづく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様または第2特別態様で表示される。このように、この実施の形態では、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでに、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞時演出処理等を実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果および変動パターンを判定する判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、判定手段による判定結果にもとづいて保留記憶に対応する保留表示(合算保留記憶表示部における保留記憶)を第1特別態様または第2特別態様で表示させる先読み演出を実行する演出実行手段を備えている。そして、演出実行手段は、複数のタイミング(始動入賞のタイミングやシフトタイミングなど)で保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であり、保留表示が特殊態様で表示されたときは、保留表示に対応する保留記憶にもとづく可変表示が開始されるまでに、その保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するように制御するように構成されている。そのように構成されていることによって、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができるとともに、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示を特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出(示唆演出(成功パターン)および示唆演出(通過パターン))を実行する示唆演出実行手段を備えている。そして、示唆演出実行手段は、保留表示が特殊態様で表示されているときには、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い頻度で示唆演出を実行するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、高い頻度で示唆演出が実行されるため、期待感を高めることでき、遊技興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示は、必ず特殊態様から第1特別態様または第2特別態様に変化させて表示されるが、例えば、特殊態様のまま変化させないようにしてもよい。この場合には、保留表示が特殊態様から特別態様に変化されることなく、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されたときには、特殊態様から特別態様に変化されたときに比べて大当りとなる割合が低くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が特殊態様から特別態様に変化することに対して、より関心を持たせることができる。また、この場合には、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が高くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が通常態様から特殊態様に変化することに対して関心を持たせることができ、さらに特殊態様で表示されているときの期待感を高めることもできる。また、逆に、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が低くなるように構成してもよい。このようにすることで、特殊態様から表示態様が変化することに対して遊技者に強く望ませることができる。
実施の形態4.
第1の実施の形態で示した遊技機において、可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときに第2始動入賞口14に始動入賞したことにもとづく変動表示が実行されているときに特殊演出を実行するように構成していもよい。以下、可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときに第2始動入賞口14に始動入賞したことにもとづく変動表示が実行されているときに特殊演出を実行するように構成する第4の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図86は、第4の実施の形態におけるコマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、第1の実施の形態で示した演出制御コマンドに加えて、遊技状態が高ベース状態であるときに第2始動入賞が生じたことを示す高ベース時第2始動入賞指定コマンドと、遊技状態が低ベース状態であるときに第2始動入賞が生じたことを示す低ベース時第2始動入賞指定コマンドとがある。図86に示すフローチャートでは、この実施の形態で示すコマンド解析処理のうち、高ベース時第2始動入賞指定コマンドを受信した場合の処理と、低ベース時第2始動入賞指定コマンドを受信した場合の処理の処理が示されている。なお、これらの処理以外のコマンド解析処理における処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ただし、この実施の形態では、保留記憶数を特定可能なコマンドとして、第1の実施の形態で示した第1保留記憶数加算指定コマンドおよび第2保留記憶数加算指定コマンドに代えて、または加えて、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドが用いられる。
この実施の形態では、コマンド解析処理において、受信した演出制御コマンドが高ベース時第2始動入賞指定コマンドである場合には(ステップS1601)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域において、演出実行情報として「0」(特殊演出を実行しないことを示す。)を設定する(ステップS1602)。
受信した演出制御コマンドが低ベース時第2始動入賞指定コマンドである場合には(ステップS1603)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域において、演出実行情報として「1」(特殊演出を実行することを示す。)を設定する(ステップS1604)。また、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域において「0」が設定されている演出実行情報がある場合には、それらを「1」に変更する(ステップS1605)。
この実施の形態では、基本的には、高ベース状態において当り遊技中に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が行われているときに特殊演出は実行されないが、ステップS1605の処理が実行されることによって、高ベース状態において当り遊技状態に制御されているときに記憶された保留記憶が記憶されているときに、当り遊技状態において第2始動入賞が生じた場合に、記憶されている保留記憶(高ベース状態において当り遊技状態に制御されているときに記憶された保留記憶)にもとづく識別情報の可変表示が行われるときに特殊演出が実行されるようになる。
なお、演出制御用CPU101は、ステップS1602,S1604の処理で、第2始動入賞時コマンド格納領域における、最後に変動カテゴリコマンドが格納された格納領域(つまり、最新の受信コマンドが格納された領域)において、演出実行情報を設定する。
図87は、第4の実施の形態における始動入賞時コマンド格納領域(第1始動入賞時コマンド格納領域、第2始動入賞時コマンド格納領域)の具体例を示す説明図である。この実施の形態では、図87に示すように、始動入賞時コマンド格納領域(第1始動入賞時コマンド格納領域、第2始動入賞時コマンド格納領域)には、第1の実施の形態で示した第1保留記憶数加算指定コマンドや第2保留記憶数加算指定コマンドに代えて、第1始動入賞指定コマンドや第2始動入賞指定コマンドが格納される。
また、この実施の形態では、低ベース状態において当り遊技状態(普通図柄の停止図柄が当り図柄であった場合に移行する。)中に記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が行われているときに特殊演出が実行される。図87に示すように、特殊演出を実行すべきか否かを示す情報(特殊演出を実行する条件が成立していることを示す情報)が、「演出実行情報」として、始動入賞時コマンド格納領域に格納される。
図88および図89は、第4の実施の形態における特殊演出を説明するための説明図である。図88(A1)〜(D1)には、特殊演出が実行される例が示され、図88(A2)〜(D2)には、特殊演出が実行されない例が示されている。
図88(A1)〜(D1)に示す例では、低ベース状態において、第2保留記憶が増加し(図88(A1),(B1)参照)、第2保留記憶にもとづく演出図柄の可変表示が開始されると、特殊演出が実行される(図88(C1),(D1)参照)。
なお、この実施の形態では、図88(C1),(D1)に示すように、特殊演出は、演出表示装置9における表示画面において特殊な(特殊演出の非実行時には表示されない。)キャラクタ画像(雲状のキャラクタ画像)9jが表示される演出である。
図88(A2)〜(D2)に示す例では、高ベース状態において、第2保留記憶が増加したが(図88(A2),(B2)参照)、第2保留記憶にもとづく演出図柄の可変表示が開始されるても、特殊演出は実行されない(図88(C2),(D2)参照)。
図89に示す例では、低ベース状態において第2始動入賞が生じたときに、高ベース状態において生じた第2始動入賞にもとづく保留記憶があるときには、その始動入賞にもとづいて開始される演出図柄の変動中に特殊演出が実行される。すなわち、高ベース状態において生じた第2始動入賞について、所定の条件が成立すると、その始動入賞にもとづいて開始される演出図柄の変動中に特殊演出が実行される例が示されている。
図90は、第4の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合(第2特別図柄の変動が開始される場合)には(ステップS8000A)、第2始動入賞時コマンド格納領域における、開始される変動に対応する格納領域(格納領域1)において演出実行情報として「1」が設定されているか否か確認する(ステップS8000B)。「1」が設定されている場合には、特殊演出(図88(C1)参照)を開始する(ステップS8000C)。そして、第1の実施の形態で示したステップS8001以降の処理に移行する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、通常状態(低ベース状態)で当り遊技状態において記憶された保留記憶にもとづく識別情報(特別図柄および演出図柄)の可変表示が行われているときに特殊演出を実行し、特別遊技状態(高ベース状態)で当り遊技状態において記憶された保留記憶にもとづく識別情報の可変表示が行われているときに特殊演出を実行しないが、遊技状態が通常状態であるときに、特別遊技状態で当り遊技状態において記憶された保留記憶が保留記憶手段に記憶されている場合に、遊技球が第2始動領域を通過したときには、保留記憶手段に記憶されている保留記憶(特別遊技状態で当り遊技状態において記憶された保留記憶)にもとづく識別情報の可変表示が行われるときに特殊演出を実行するので、特殊演出の実行頻度が上がり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態で示した構成は、特に、低ベース状態において、高ベース状態と比較すると可変入賞球装置15の開放頻度は高くないが可変入賞球装置15の開放時間が長い(例えば、高ベース状態では1秒や2秒程度しか開放しないのに対して、低ベース状態では5秒や6秒の長期間開放する)ような遊技機に適用すれば、特殊演出を実行することによる遊技の興趣を向上させることができる。
実施の形態5.
第1の実施の形態で示した遊技機において、遊技機において異常が発生したことを示す異常情報を異常表示領域に表示可能に構成し、その異常表示領域が可動部材の可動によって覆われない領域となるように構成するようにしてもよい。以下、遊技機において異常が発生したことを示す異常情報を異常表示領域に表示可能に構成し、その異常表示領域が可動部材の可動によって覆われない領域となるように構成する第5の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、第1の実施の形態で示した処理に加えて、遊技機において異常が発生したことを報知する異常報知制御処理を実行する。
また、この実施の形態では、演出表示装置9の下側に可動可能な副画像表示装置51が設けられている(図92および図93参照)。副画像表示装置51は、例えば演出表示装置9よりも小型のLCD(液晶表示装置)などから構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。副画像表示装置51の表示領域では、演出表示装置9における可変表示と関連する演出画像などが表示される。この実施の形態では、副画像表示装置51は、演出画像を表示しないときには、遊技盤6の背面に隠れており、演出表示装置9の表示領域を覆わない位置(第2位置)にある。副画像表示装置51は、演出画像を表示するときに、演出表示装置9の表示領域の前面側(遊技者側)の所定位置(第1位置)に進出する。第1位置に進出した副画像表示装置51は、演出表示装置9の表示領域の一部を前面側(遊技者側)から覆うことになる。なお、演出表示装置9をメイン液晶、副画像表示装置51をサブ液晶ともいう。サブ液晶においてメイン液晶における可変表示と関連する各種演出画像を表示するため、また、サブ液晶はメイン液晶の前面側に進出するため、サブ液晶はメイン液晶の近傍に設けられていることが好ましい。
図91は、第5の実施の形態における異常報知制御処理の一例を示すフローチャートである。異常報知制御処理は、異常報知画像の表示や異常報知音の出力などによって、発生した異常を報知するため、および、報知の終了条件が成立した異常の報知を終了させるための処理である。なお、異常には、その種類ごと優先順位が設定されており、異常の報知では、当該優先順位の高い異常が優先して報知されるようになっている(特に異常報知音について)。優先順位を特定するためのデータなどは、ROMに予め記憶されているものとする。
図91に示す異常報知制御処理では、演出制御用CPU101は、異常判定処理を行う(ステップS1701)。異常判定処理は、パチンコ遊技機1における異常(例えば、異常入賞や、磁気異常、振動異常、満タンエラー、球切れエラー、扉開放エラー)の有無や異常終了の有無を判定する処理である。異常判定処理では、演出制御用CPU101は、例えば、遊技機に設けられている異常検出用センサ群からの信号などにもとづいて異常の有無や異常終了の有無を判定する。異常の発生条件や終了条件は、異常の種類ごとに予め定められているものとする。異常がある(異常が発生している)と判定した場合には、異常が検出されたことになる。異常の終了があると判定した場合には、異常終了が検出されたことになる。なお、発生条件や終了条件は、所定の操作部への操作によって変更可能としてもよい。また、演出制御用CPU101は、主基板31から異常検出指定コマンドが送信されている場合には、当該コマンドが指定する異常が発生していると判定する。また、演出制御用CPU101は、主基板31から異常終了指定コマンドが送信されている場合には、当該コマンドが指定する異常が終了している(異常終了あり)と判定する。なお、パチンコ遊技機1の電源がオフされるまでまたは所定期間経過まで異常の報知が継続される異常については、異常終了の有無の判定を行わない。
演出制御用CPU101は、ステップS1701のあと、新たな異常の発生があるかを判定する(ステップS1702)。例えば、演出制御用CPU101は、ステップS1701にて発生していると判定した異常のうちに、後述の演出側異常フラグがオフ状態になっている異常がある場合、当該異常が新たな異常であるので、新たな異常の発生があると判定する(ステップS1702;Yes)。このときには、新たな異常に対応する演出側異常フラグをオン状態にする(ステップS1703)。演出側異常フラグは、異常の種類それぞれに対応するように、RAMに所定領域に設けられる。演出側異常フラグは、当該フラグに対応する異常の報知の制御が行われている間においてオン状態になり、報知の制御が行われていないときにオフ状態になる。新たな異常は、複数発生することもある。また、他の異常の報知が終了する前に新たな異常が発生することもある。これらの場合には、複数の演出側異常フラグがオン状態になる。
ステップS1703のあと、演出制御用CPU101は、例えば演出制御基板80のVDP109などに対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、演出表示装置9の表示領域のうちの異常表示領域に、前述の新たな異常(ステップS1703でオン状態にした演出側異常フラグに対応する異常)に対応する異常報知画像を表示させる制御を開始させる(ステップS1704)。異常報知画像は、前述の新たな異常を報知する画像であり、異常の種類に応じた態様の画像である。異常表示領域は、例えば、異常の種類に応じて予め設定されている。異常表示領域は、演出表示装置9の表示領域(演出表示装置9において画像を表示可能な領域)のうちの、第1位置に位置する副画像表示装置51(図92および図93参照)に重ならない(覆われない)領域内に設けられる。異常表示領域は、例えば、演出図柄の可変表示の邪魔にならない比較的小さな領域であったり(図92など)、演出図柄の可変表示の代わりとなる比較的大きな領域であったりする(図93など)。つまり、異常報知画像は、異常の種類に応じて、大きく表示されたり、小さく表示されたりする。なお、前述の小さな領域の位置(演出表示装置9の表示領域における位置)は、例えば、異常の種類に応じて異なる。このため、異常報知画像は、異常の種類によって異なる位置に表示される。それぞれの表示位置は、例えば、予め設定されていればよい。異常報知画像を大きく表示する場合(異常表示領域が大きい場合)には、演出表示装置9の表示領域には他の画像(他の異常報知画像も含む。)が表示されない。なお、ここでは、異常表示領域が大きい場合には、異常表示領域は固定であるが、例えば、当該異常表示領域も、異常表示領域が小さい場合と同様に、異常の種類に応じて位置が異なってもよい。
異常報知画像は、演出表示装置9に表示される演出画像(例えば、可変表示中演出の画像やデモ画像)などに重畳して表示される。例えば、異常報知画像のレイヤー(演出表示装置9の表示領域と同じ大きさのレイヤー)が、演出画像のレイヤー(演出表示装置9の表示領域と同じ大きさのレイヤー)の前面(遊技者側)に位置するように、両者は重畳して表示される。このため、演出画像の表示の制御と異常報知画像の表示の制御とが、実際に画像が表示されるかとは別に、並行して実行される。前述の小さな領域に表示される異常報知画像のレイヤーは、異常報知画像以外の部分を透明にする(異常報知画像の表示位置は異常の種類に応じて異なるので、透明部分の形状などは異常の種類に応じて異なる。)。これによって、演出画像の少なくとも一部が視認可能になる。なお、例えば、前述の小さな領域の位置は、異常の種類に応じて異なるので、レイヤーにおける異常表示領域の位置(演出表示装置9の表示領域における異常表示領域の位置)も、異常の種類に応じて異なる。前述の大きな領域に表示される異常報知画像のレイヤーは、異常報知画像以外の部分を不透明(例えば、真っ黒)にする。これによって、演出画像は視認できなくなる。
複数の演出側異常フラグがオン状態になっているときには、当該複数の異常について複数の異常報知画像を表示する制御が行われる。この場合、複数の異常報知画像全てが前述の小さな領域に表示されるものである場合には、複数の異常報知画像全てが実際に表示される(異常報知画像の表示位置が異常の種類に応じて異なり、透明部分の形状なども異常の種類に応じて異なるため)。複数の異常報知画像に前述の大きな領域に表示されるものが含まれる場合には、大きな領域に表示される異常報知画像(複数の場合には、優先順位が再上位のもの)のみが実際に表示される。例えば、異常報知画像それぞれについてレイヤー(演出表示装置9の表示領域と同じ大きさのレイヤー)を作成し、各レイヤーを異常の優先順位が上位のものほど前面に位置するように重ねて表示するようにする。これによって、異常報知画像の表示の制御は、実際に画像が表示されるかとは別に、全ての異常報知画像について並行して行われ、優先度の高い異常の報知が優先して実際に表示されやすい。このため、新たな異常の優先度によっては、ステップS1704で表示の制御が開始されても、異常報知画像が実際に表示されない場合がある。この実施の形態では、異常報知画像が前述の大きな領域に表示される異常の優先順位は、異常報知画像が前述の小さな領域に表示される異常の優先順位よりも高くなっている。このため、異常報知画像が前述の小さな領域に表示されるレイヤーの方が、異常報知画像が前述の大きな領域に表示されるレイヤーよりも前面に来ることはない。ただし、優先順位は任意であり、異常報知画像が前述の大きな領域に表示される異常の優先順位が、異常報知画像が前述の小さな領域に表示される異常の優先順位よりも低い場合があってもよい。この場合、異常報知画像が前述の小さな領域に表示されるレイヤーの方が、異常報知画像が前述の大きな領域に表示されるレイヤーよりも前面に来るので、大きな領域と小さな領域とに2以上の異常報知画像が表示される場合も生じる。また、後述のように、1つのレイヤーで複数の異常報知画像を順次表示していく構成を採用する場合、当該1つのレイヤーで表示される複数の異常報知画像のうち最上位の優先順位が他のレイヤーの異常の優先順位と比較されればよい。
また、演出側異常フラグがオン状態となっている複数の異常報知画像が前述の小さな領域に表示されるもののみである場合には、異常報知画像が被らずに全て表示される(異常表示領域の位置が異常の種類に応じて異なり、異常報知画像の表示位置が異常の種類によって異なる位置になるため)。なお、異常表示画像が表示されるレイヤーにおける異常表示領域(前述の小さな領域)の位置は可変としてもよい。例えば、前述の小さな領域に表示される複数の異常報知画像についてのレイヤーをまとめて1つとし、1つのレイヤーで当該複数の異常報知画像を順次表示していく構成とする。この場合、異常表示領域も1つのレイヤーに複数用意し、当該複数の異常表示領域にも優先順位を設定しておき、1つのレイヤーで表示する複数の異常報知画像のうち優先順位が最も上位の異常報知画像を優先順位の最上位の異常表示領域に表示し、次順位の異常報知画像を次順位の異常表示領域に表示し、以下、各順位の異常報知画像を、対応する順位の異常表示領域に表示していくようにしてもよい。具体的には、例えば、複数の異常表示領域を縦に並べ(上の方が、優先順位が上位とする。)、異常の優先順位が最上位の異常報知画像を、上から1番目の異常表示領域に表示し、次順位の異常報知画像を上から2番目の異常表示領域に表示し、次次順位の異常報知画像を上から3番目の異常表示領域に表示していく。なお、このような場合には、新たに表示される異常報知画像の異常の優先順位によっては、当該異常報知画像の表示開始によって、すでに表示されている異常報知画像の表示位置を移動させる。また、1つのレイヤーにおける複数の異常報知画像の表示順に従って、複数の異常表示領域(それぞれが表示順に対応しているものとする。例えば、一番上の異常表示領域は表示が最も古い異常報知画像の表示領域で、上から二番目の異常表示領域は表示が2番目に古い異常報知画像の表示領域など)に当該複数の異常報知画像を表示していってもよい(例えば、上から順に表示していく。同時の場合には優先順位に従ってまたはランダムなどで順序を決定する)。なお、異常報知画像の表示位置を異常の種類に応じて固定とする場合に、例えば、全ての異常報知画像を表示したときの一枚の画像(例えば、レイヤーで、異常報知画像以外の部分を透明とした画像)の画像データを用意し、この画像データを用いて異常報知画像を表示するようにしてもよい。例えば、発生した異常に対応して実際に表示する異常報知画像以外の異常報知画像を前述の画像データの画像上で透明とするなどすることによって、表示すべき異常報知画像のみを表示するようにしてもよい。
なお、異常報知画像の表示の制御は、報知の終了タイミングまで継続される。例えば、演出制御用CPU101からの終了指令があるまで、異常報知画像の表示を継続させる制御を行う。また、演出制御用CPU101が当該異常報知制御処理を実行するごとにVDP109などへの表示制御指令を行うことで、異常報知画像の表示を継続させてもよい。
ステップS1704のあと、オン状態の演出側異常フラグに対応する異常のうち、新たな異常の優先順位が最も高いか(新たな異常が複数ある場合には、優先順位が最も高い異常が複数の新たな異常に含まれるか)を判定する(ステップS1705)。なお、オン状態の演出側異常フラグが1つで、当該1つのフラグが新たな異常に対応するものである場合には、当該新たな異常の優先順位が最も高いことになる。
新たな異常の優先順位が最も高い場合(ステップS1705;Yes)、当該優先順位が最も高い異常に対応する異常報知音を出力させることを開始する動作制御を行う(ステップS1706)。ステップS1706では、演出制御用CPU101は、音声制御基板70の音声合成用IC703などに対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から異常報知音を出力させる制御を音声制御基板70の音声合成用IC703などに開始させる。なお、この制御を行うときには、演出制御用CPU101または音声制御基板70の音声合成用IC703などは、演出音(可変表示中演出やデモ画面表示などに応じた出力される音声や効果音など)のボリュームを0にする制御を行う。これによって、演出音の音声出力はなされないが、制御的には、演出音の再生が継続されることになる(つまり、演出音を出力するための制御自体は継続する)。なお、当該動作制御前において、異常報知音が出力されていた場合、当該出力されていた異常報知音についての動作制御を終了させる。なお、異常が複数の場合に各異常についても異常報知音を再生する動作制御を行うが優先順位が最上位でない異常についての異常報知音のボリュームを0にして実際の音声出力をさせないようにしてもよい。なお、異常報知音の出力は、出力終了タイミングまで継続される。例えば、演出制御用CPU101からの終了指令があるまで、音声制御基板70の音声合成用IC703などが異常報知音の再生出力を継続させる。また、演出制御用CPU101が当該異常報知制御処理を実行するごとに音声制御基板70の音声合成用IC703などへの指令を行うことで、異常報知音の出力を継続させてもよい。
なお、異常報知画像の表示や異常報知音の出力などの異常の報知は、異常が終了したか否かに関わらず所定期間だけ行われる場合がある。ただし、異常報知音については、優先順位の高い他の異常が途中で発生した場合には、当該異常報知音の出力が終了する場合がある。このような異常は予め設定されていればよい。また、前述の所定期間は、異常の種類に応じて異なってもよい。演出制御用CPU101は、前述の新たな異常が、前述の所定期間だけ報知される異常である場合に、当該異常に対応する所定期間に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた所定のタイマ(異常ごとに対応して設けられるものとする。)に設定する。このような設定は、例えば、ステップS1704で行う。
ステップS1706のあと、新たな異常の優先順位が最上位でない場合(ステップS1705;No)、新たな異常発生が無い場合(ステップS1702;No)、報知を終了する異常があるかを判定する(ステップS1707)。
報知の終了タイミングは、例えば、当該報知が、異常が終了したか否かに関わらず所定期間だけ行われるものである場合には、当該所定期間の経過時である。また、それ以外の異常の場合には、例えば、異常判定処理にて異常終了と判定されたときである。演出制御用CPU101は、ステップS1707において、上記所定のタイマのタイマ値(0でないタイマ値)を1減じ、減じたあとのタイマ値が0である場合には、当該所定のタイマに対応する異常の報知が終了タイミングであると判定し、これによって、報知を終了する異常があると判定する(ステップS1707;Yes)。また、演出制御用CPU101は、対応するタイマがなく、かつ、演出側異常フラグがオン状態になっている異常について、ステップS1701の異常判定処理にて異常終了と判定されたときには、当該異常の報知が終了タイミングであると判定し、これによって、報知を終了する異常があると判定する(ステップS1707;Yes)。これらの場合(ステップS1707;Yes)には、報知を終了する異常の種類に対応する演出側異常フラグをオフ状態とする(ステップS1708)。その後、例えば演出制御基板80のVDP109などに対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、当該報知を終了する演出に対応する異常報知画像の表示を終了させて、当該異常報知画像が表示されないようにする(ステップS1709)。例えば、レイヤーを削除することによって、当該異常報知画像が表示されないようにする。上述のように、1つのレイヤーに異常報知画像を表示していく場合であって、各優先順位の異常報知画像を、対応する優先順位の異常表示領域に表示していく場合や、異常報知画像の表示順に従って、複数の異常表示領域に異常報知画像を表示していく場合、ステップS1709で異常報知画像が減るので、ステップS1709では、異常報知画像の表示位置(異常表示領域のいずれか)をこれらの規則に従って表示しなおすように制御するとよい。報知を終了する異常が複数ある場合、ステップS1708やS1709では、複数のフラグがオフされたり、複数の異常報知画像の表示が終了したりする。
ステップS1709のあと、報知を終了する異常の異常報知音が現在実際に出力されているかを判定し(ステップS1710)、出力されている場合に、音声制御基板70の音声合成用IC703などに対する指令の出力によりスピーカ27から異常報知音を出力させることを終了させる(ステップS1711)。なお、このとき、オン状態の演出側異常フラグがまだあるかを判定し、オン状態の演出側異常フラグがある場合には、その演出側異常フラグに対応する異常のうち優先順位が最も高い異常(オン状態になっている演出側異常フラグが1つの場合には当該フラグに対応する異常)に対応する異常報知音を出力させることを開始する動作制御を行う。例えば、演出制御用CPU101は、音声制御基板70の音声合成用IC703などに対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から当該異常報知音を出力させることを開始させる。なお、上述のように、優先順位が最上位の異常についての異常報知音以外の異常報知音のボリュームを0にして実際の音声出力をさせない制御を行っている場合には、今回実際の出力を開始させる異常報知音のボリュームを上げる制御を行ってもよい。
ステップS1711のあと、報知を終了する異常の異常報知音が現在実際に再生出力されていない場合(ステップS1710;No)、報知を終了する異常がない場合(ステップS1707;No)、異常報知制御処理は終了する。なお、異常の種類によっては、異常の報知において、異常報知画像の表示と異常報知音の出力とのいずれかが行われなくてもよい。この場合には、ステップS1704〜S1706、ステップS1709〜S1711の処理のいずれかが適宜省略されればよい。
上記一連の処理によって、異常が発生したときには、当該異常を報知する異常報知画像が異常表示領域に表示されることになる。また、異常を報知する異常報知音も再生出力されることになる。さらに、複数の異常が発生した場合には、画像については当該複数の異常それぞれについて異常報知画像が表示される場合がある。報知音については、優先順位が最上位の異常報知音のみ実際に再生出力される。また、異常の報知中であっても、可変表示演出などの実行はそのまま継続される(ただし、演出音は実施に出力されない。また、画像も実際に表示されない場合がある。)。
次に、この実施の形態における演出画像などの一例を、図面を参照して説明する。なお、図中、演出表示装置9の表示領域内の太線矢印は、演出図柄が可変表示されている様子を示す。
図92は、第5の実施の形態における、異常として、異常1および異常2が発生したときの演出画像などを示す図である。例えば、演出図柄の可変表示中に(図92(A)、出力される音は演出音)、異常1が発生すると、異常1が発生したことを報知する異常報知画像(「異常1発生」)を異常表示領域に表示する(図92(B)、出力される音は異常1の異常報知音)。その後、リーチが成立し、スーパーリーチCの演出が実行されると、副画像表示装置51が第1位置に移動し、副画像表示装置51に演出画像(「スーパーリーチC!!」)が表示される(図92(C)、出力される音は異常1の異常報知音)。その後、異常2が発生すると、異常2が発生したことを報知する異常報知画像(「異常2発生」)を異常表示領域に表示する(図92(D))。なお、これ以降、出力される音は異常2の異常報知音に代わる。異常1よりも異常2の方が、優先順位が上位のためである。その後、例えば、所定期間が経過すると、異常2の報知が終了し、異常2が発生したことを報知する異常報知画像が消去される(図92(E)、出力される音は異常1の異常報知音に戻る。)。その後、スーパーリーチCが実行された可変表示が終了して、次の可変表示(次変動)が実行される(図92(F)、出力される音は異常1の異常報知音)。このとき、スーパーリーチCが終了しているので、副画像表示装置51は第2位置に移動している。なお、このあと、異常2の報知が終了し、異常2が発生したことを報知する異常報知画像が消去される。
図93は、第5の実施の形態における、異常として、異常5が発生したときの演出画像などを示す図である。異常5では、演出表示装置9の表示領域では演出画像が表示されず、当該表示領域ではブラックアウトが行われ、異常5の異常報知画像が表示される。このように、異常の種類に応じて、異常報知の態様を変えてもよい。例えば、演出図柄の可変表示中に(図93(A)、出力される音は演出音)、スーパーリーチCの実行とともに異常5が発生すると、異常5が発生したことを報知する異常報知画像(「異常5発生」)を異常表示領域に表示する(図93(B)、出力される音は異常5の異常報知音)。このとき、異常報知画像は、異常1などの発生時よりも大きく表示され、可変表示中演出の画像などは表示されず、背景などは暗くなる。ただし、可変表示中演出などの実行は、画像などが実際に表示されないだけで、制御的には継続されている。その後、例えば、所定期間が経過すると、異常5の報知が終了し、異常5が発生したことを報知する異常報知画像が消去され、演出表示装置9の表示領域に表示される画像は、可変表示中演出の画像などに戻される(図93(C)、出力される音も演出音に戻る。)。
図92や図93のように、異常報知画像を表示する異常表示領域は、重り領域以外の領域に設けられる。この重り領域とは、演出表示装置9の表示領域のうち、副画像表示装置51と重なる領域であり、具体的には、第1位置に位置する副画像表示装置51によって覆われる領域と、第1位置と第2位置との間を移動する副画像表示装置51によって覆われる領域(副画像表示装置51の経路となる経路領域)と、によって構成される。すなわち、異常報知画像は、これら領域以外の領域において表示されることになる。このため、異常報知画像は、第1位置に位置する副画像表示装置51や第1位置と第2位置との間を移動する副画像表示装置51によって隠れないため、遊技者は異常報知画像を視認しやすい。さらに、異常報知画像を表示する異常表示領域を遊技機に設けられている保持部材によっても覆われない領域とすることで、異常報知画像が保持部材によっても隠れないため、遊技者は異常報知画像を視認しやすい。また、この実施の形態では、副画像表示装置51が第1位置と第2位置との間を移動している間に異常が発生して異常報知画像を表示する場合であっても、当該副画像表示装置51の移動は中断されない。これによって、副画像表示装置51の移動の制御を単純化できる。また、異常の報知が行われているとき、可変表示中演出(遊技の進行に対応した演出であり、特に、演出図柄の可変表示)は中断されないので、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示(異常報知画像の無い表示)などに復帰できる。さらに、異常表示領域を演出図柄が可変表示される領域以外の領域とすることで(図92)、演出図柄を視認可能に異常報知画像が表示されるので、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示などに復帰できる。また、異常報知画像を半透明としてもよく、このようにすれば、可変表示中演出の画像全体を視認可能になり、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示などに復帰できる。また、上記構成では、複数の異常が同時期に発生した場合、複数の異常について、互いに識別可能に異常報知画像を表示し、さらに、異常報知画像は、可変表示中演出の演出図柄とは異なる位置に表示されるので、可変表示中演出の画像の重要な部分を視認可能になり、複数種類(ここでは2種類)の異常が同時期に発生した場合であっても、当該複数種類の異常を個々に認識させやすく、かつ、遊技の進行も把握させやすい。さらに、異常報知画像を半透明とすることによって、可変表示中演出の画像全体を視認可能になり、遊技の進行を把握させやすい。また、複数の異常が発生したときには、優先順位の上位の異常報知音のみが出力されるので、異常報知音を聞き取りやすい。さらに、異常報知音の出力時には、演出音も出力させないので、異常報知音を聞き取りやすい。異常報知画像は、少なくとも副画像表示装置51が第1位置に位置するときに覆われない領域に表示することで、第1位置に位置する副画像表示装置51が存在しても異常報知画像を視認させやすくすることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、表示領域を有する表示装置(本例では、演出表示装置9)と、第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置との間を移動する可動部材(本例では、副画像表示装置51)とを備える。また、遊技機において発生した異常を検出し、異常を検出したことに応じて、異常が発生したことを示す異常情報(本例では、異常報知画像)を表示領域のうちの異常表示領域に表示させる異常表示制御を行う。そして、可動部材は、少なくとも第1位置に位置するときに表示領域の一部を遊技者側から覆い、異常表示領域は、第1位置に位置する可動部材によって覆われない領域であるように構成されている。そのため、第1位置に可動部材があっても異常情報を視認させやすくすることができる。
なお、この実施の形態において、表示装置の表示領域が演出表示装置9の表示領域であり、第1の実施の形態で示した保留表示が表示される表示領域と同じものである場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、保留表示が表示される表示領域とは別に設けられた表示領域に異常表示領域が設けられ、可動部材の可動によって覆われたりするものであってもよい。
また、上記の第2の実施の形態〜第5の実施の形態に示した構成については、いずれか1つの構成のみを第1の実施の形態で示した遊技機に適用してもよいし、いずれか2つまたは4つの構成を組み合わせて第1の実施の形態で示した遊技機に適用してもよい。さらに、上記の第2の実施の形態〜第5の実施の形態に示した全ての構成を組み合わせて第1の実施の形態で示した遊技機に適用してもよい。
また、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。