JP2016037777A - 固定具、トンネル覆工用型枠の支持構造 - Google Patents

固定具、トンネル覆工用型枠の支持構造 Download PDF

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Abstract

【課題】覆工体の品質を確保しつつ、施工の迅速化を図ることができる。【解決手段】地山Gに形成された掘削孔Hの内方に型枠装置20を支持固定する固定具40であって、一端側が、地山G側に固定され、先端部41sが掘削孔Hの内方に突出するとともに、型枠装置20を貫通して設けられる定着部材41と、型枠装置20を貫通した定着部材41の先端部41sに着脱可能に設けられ、型枠装置20を係止する係止部材42と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、トンネル覆工用型枠等を支持するための固定具、トンネル覆工用型枠の支持構造に関する。
トンネル形成技術として、NATM(New Austrian Tunneling Method)工法や矢板工法があり、現在はNATM工法が採用されている。
NATM工法においては、地山に形成した掘削孔の内周面は、一次覆工体、二次覆工体によって覆工する。これには、まず、掘削孔の内周面に、コンクリートを吹き付けて一次覆工体を形成する。次いで、一次覆工体の内周側に間隔をあけて型枠を設置する。そして、型枠と一次覆工体との間にコンクリートを打設充填することによって、二次覆工体を形成する。二次覆工体の形成後、型枠を撤去する。
特許文献1には、このようなNATM工法において、掘削孔内における型枠の支持及び搬送にガントリーを用いる構成が開示されている。このガントリーは、掘削孔内に設置した型枠と一次覆工体との間にコンクリートを打設充填し、さらに打設したコンクリートが硬化して所定の強度が発現するまで間、型枠を支持する。さらに、ガントリーは、コンクリートの硬化後に、取り外した型枠を搭載し、掘削孔の前方に搬送する。
しかし、ガントリーを用いたNATM工法においては、コンクリートが硬化して所定の強度が発現するまでは、ガントリーを型枠から取り外し、前方に移動させて次の打設作業に移ることができなかった。このため、施工の迅速化には限界があった。一方、施工の迅速化のため、型枠の取り外しを早期に行うと、覆工体の品質低下に繋がるという問題があった。
特開2008−308855号公報
本発明の目的は、覆工体の品質を確保しつつ、施工の迅速化を図ることのできる固定具、トンネル覆工用型枠の支持構造を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、地山に形成された掘削孔の内方に型枠装置を支持固定する固定具であって、一端側が、前記地山側に固定され、他端側が前記掘削孔の内方に突出するとともに、前記型枠装置を貫通して設けられる定着部材と、前記型枠装置を貫通した前記定着部材の他端側に着脱可能に設けられ、前記型枠装置を係止する係止部材と、を備えることを特徴とする。
このような固定具を用い、掘削孔の内方に間隔をあけて型枠装置を支持することで、型枠装置と掘削孔との間に二次覆工コンクリートを打設した際に、二次覆工コンクリートの圧力や荷重を支えることができる。したがって、ガントリーを用いることなく、型枠装置の支持を行うことができる。また、ガントリーを用いた場合であっても、型枠装置は固定具によって支持されているので、二次覆工コンクリートが完全に硬化しなくとも、ガントリーを型枠装置から取り外すことが可能となる。
また、前記定着部材の先端部に、雄ネジ部が設けられ、前記係止部材は、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有するようにしてもよい。
このような構成によれば、定着部の先端部に設けられた雄ネジ部に、係止部材の雌ネジ部を螺合させることによって、係止部材を定着部材に対し、容易に着脱することができる。これによって、型枠装置の設置作業、および型枠装置の取り外し作業を効率よく行うことが可能となる。また、取り外した係止部材は、繰り返し使用することが可能となるので、コスト低減を図ることができる。
また、前記定着部材の先端部が挿入される挿入穴と、前記挿入穴に挿入された前記定着部材の先端部を固定する固定部材と、前記雄ネジ部と、を備えた雄ネジ部材が前記定着部材の先端部に着脱可能に設けられているようにしてもよい。
このような構成によれば、雄ネジ部材の挿入穴に定着部材の先端部を挿入した状態で、固定部材により定着部材の先端部を固定することによって、雄ネジ部材を定着部材の先端部に装着することができる。
そして、この雄ネジ部材の雄ネジ部に、係止部材の雌ネジ部を螺合させることで、係止部材の定着部材に対する着脱を容易に行うことができる。
しかも、固定部材による定着部材の先端部の固定を解除すれば、定着部材の先端部を雄ネジ部材の挿入穴から抜くことができるので、定着部材から雄ネジ部材を容易に取り外すことができる。これにより、二次覆工コンクリートの打設充填後、型枠装置を取り外す際に、係止部材とともに固定部材を容易に取り外すことができる。したがって、これら係止部材および固定部材を、繰り返し使用することができ、コスト低減を図ることができる。
前記係止部材は、前記定着部材の外周部で前記型枠装置に突き当たるとともに、前記定着部材の先端部が貫通するベース部材と、前記ベース部材を貫通した前記定着部材の先端部の前記雄ネジ部に螺合する前記雌ネジ部を有したナットと、を備えるようにしてもよい。
このように、定着部材の先端部がベース部材を貫通するので、ベース部材は、定着部材の外周側で型枠装置に突き当たる。したがって、定着部材および係止部材から作用する応力が、ベース部材によって分散して型枠装置に作用する。したがって、応力集中を避けることができる。
また、前記定着部材の先端部が、照明装置又は換気設備を吊り下げる引き止め部を構成してもよい。
また、本発明は、トンネル覆工用型枠の支持構造であって、地山に掘削された掘削孔の内部に配置され、前記掘削孔の内周面に対向した型枠面を有する型枠装置と、前記型枠装置を固定するために、その一端側が前記地山側に固定され、他端側が前記型枠装置に係止された上記したような固定具と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、覆工体の品質を確保しつつ、施工の迅速化を図ることができる。
本実施形態に係るトンネル覆工用型枠の支持構造の概念的な構成を示す断面図である。 本実施形態に係る固定具の概念的な構成を示す断面図である。 固定具による型枠装置の設置工程の流れを示す図であり、定着部材を設けた状態を示す断面図である。 固定具による型枠装置の設置工程の流れを示す図であり、型枠装置およびベース部材を設けた状態を示す断面図である。 固定具による型枠装置の設置工程の流れを示す図であり、定着部材の先端部に雄ネジ部材を設けた状態を示す断面図である。 複数の型枠装置を用いたトンネルの覆工方法を概念的に示す側断面図である。 固定具の他の例を示す概念的な断面図である。 固定具のさらに他の例を示す断面図である。
以下、本発明による固定具、トンネル覆工用型枠の支持構造を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るトンネル覆工用型枠の支持構造の概念的な構成を示す断面図である。
図1に示すように、トンネルTは、NATM工法によって施工される。
すなわち、トンネルTを構築するには、まず、地山Gを削岩機や発破により掘削し、掘削孔Hを形成する。そして、掘削孔Hの内周面にコンクリートを吹き付け、このコンクリートを硬化させることで、一次覆工コンクリート11を形成する。
また、一次覆工コンクリート11を通して、掘削孔Hから周囲の地山Gに、複数本のロックボルト12を放射状に打ち込む。この場合、掘削孔Hの内周面には、トンネルTの軸線方向に間隔をあけて、図示しない鋼製支保工を設置してもよい。
その後、掘削孔Hの内周面を覆う一次覆工コンクリート11の内周側に、後述する型枠装置20を設置する。次いで、型枠装置20と一次覆工コンクリート11との間に、コンクリートを打設充填し、このコンクリートを硬化させることで二次覆工コンクリート13を形成する。二次覆工コンクリート13について所定の強度が発現した後、型枠装置20を撤去することで、トンネルTの覆工体15が構築される。
このようにして構築された覆工体15は、一次覆工コンクリート11、ロックボルト12、二次覆工コンクリート13からなる。一次覆工コンクリート11および二次覆工コンクリート13は、地山Gに打ち込まれた複数本のロックボルト12により、地山Gと一体化している。
掘削孔H内に設置される型枠装置20は、掘削孔Hが連続する方向に沿って、所定長を有している。この型枠装置20は、掘削孔Hの内周面の一次覆工コンクリート11に対し、掘削孔Hの径方向に間隔を空けて対向した型枠面20fを有している。
この型枠装置20は、掘削孔Hの周方向に沿って複数連結された型枠部材21を備えている。各型枠部材21は、断面円弧状をなしている。型枠部材21は、掘削孔Hの周方向で隣接する他の型枠部材21と、ヒンジ22を介して回動自在に連結されている。型枠装置20は、隣接する型枠部材21どうしの連結部分を、ヒンジ22で回動させることで、型枠装置20を展開して拡径させたり、型枠装置20を折り畳んで縮径させたりすることができる。
各型枠部材21は、掘削孔Hの周方向で隣接する他の型枠部材21との連結部分に、ヒンジ22に対して内周側に、ジャッキ受圧部23が形成されている。周方向で隣接する型枠部材21、21のジャッキ受圧部23、23間には、ジャッキ24を着脱自在に介在させることができるようになっている。ジャッキ24によりジャッキ受圧部23、23どうしが互いに離間する方向の押圧力を付与することで、型枠装置20は、展開して拡径した状態で維持される。
なお、型枠装置20の両端部に位置する型枠部材21Dは、掘削孔Hの周方向の一端側のみが他の型枠部材21に連結され、掘削孔Hの周方向の他端側には、掘削孔Hの底面14に接地する接地面21fを有している。
固定具40は、型枠装置20の周方向に間隔を空けて複数箇所に設置しても良い。
図2は、固定具40の構成を示す断面図である。
図2に示すように、固定具40は、地山G側に定着された線状または棒状の定着部材41と、定着部材41の先端部41sを型枠装置20に係止させる係止部材42と、を備えている。
定着部材41は、例えば鋼製のロックボルトからなり、地山Gに穿孔された穴内に挿入されて定着されている。定着部材41の先端部41sは、掘削孔Hの内周面から掘削孔Hの内方に突出している。
定着部材41の先端部41sには、外周面にネジ溝(雄ネジ部)43nが形成された雄ネジ部材43が設けられている。定着部材41の先端部41sは、雄ネジ部材43に対し、着脱可能に固定されている。このため、雄ネジ部材43の一端部には、定着部材41の先端部41sが挿入される挿入穴43hが形成されている。この挿入穴43hに向けて雄ネジ部材43の外周面から貫通する雌ネジ穴43mが複数形成されている。それぞれの雌ネジ穴43mには、イモネジ43cがねじ込まれるようになっている。
これらイモネジ43cの先端部が、挿入穴43hに挿入された定着部材41の先端部41sに押し付けられることによって、定着部材41の先端部41sに対して雄ネジ部材43を固定できるようになっている。
なお、イモネジ43cに替えて、固定部材として通常のネジを用いてもよい。また、定着部材41の先端部41sに孔あるいは窪みが設けられ、イモねじ43c(固定部材)の先端部が孔あるいは窪みに嵌る構成としてもよい。
係止部材42は、ベース部材44と、ナット45と、を備えている。
ベース部材44は、第一平板部44aと、第一平板部44aの両側から立ち上がる側板部44b、44bと、第一平板部44aに間隔をあけて平行に設けられた第二平板部44cと、を有している。これら第一平板部44a、側板部44b、44b、第二平板部44cにより、ベース部材44は、側面視角筒状をなしている。
第一平板部44aには、ベース部材44の外周側に向けて突出する突部44tが形成されている。突部44tは、第一平板部44a側から離間するにしたがってその外径が次第に縮小する円錐台形状をなしている。この突部44tおよび第一平板部44aには、定着部材41を挿通させる挿通孔44hが貫通形成されている。
また、第二平板部44cには、挿通孔44hと対向する位置に、雄ネジ部材43を挿通させる貫通孔44kが形成されている。
このようなベース部材44は、第一平板部44aを型枠装置20の内周面20gに突き当てるとともに、突部44tを型枠装置20に形成された貫通孔25に挿入させて配置される。ここで、第一平板部44aは、その外形寸法が貫通孔25よりも大きく、貫通孔25の外周側で型枠装置20の内周面20gに突き当たるようになっている。
そして、ベース部材44には、定着部材41の先端部41sに装着された雄ネジ部材43が、貫通孔44kを通して第二平板部44cからベース部材44の外方(掘削孔Hの径方向内周側)に向けて突出するよう配置される。
ナット45は、雌ネジ部45nを有し、第二平板部44cから突出した雄ネジ部材43にねじ込まれている。このナット45によって、雄ネジ部材43がベース部材44の第二平板部44cに固定されている。ここで、ナット45のねじ込み量を調整すると、雄ネジ部材43が第二平板部44cに直交する方向に変位する。
次に、上記のような型枠装置20を用いたトンネルTの覆工方法について説明する。
図3〜図5は、固定具による型枠装置の設置工程の流れを示す図であり、図3は固定具の定着部材を設けた状態を示す断面図である。また、図4は、型枠装置およびベース部材を設けた状態を示す断面図である。図5は、定着部材の先端部に雄ネジ部材を設けた状態を示す断面図である。
(型枠装置設置工程)
トンネルTを覆工するには、地山Gに掘削した掘削孔H内に型枠装置20を以下のようにして設置する。
まず、地山Gに掘削孔Hを形成し、その内周面にコンクリートを吹き付けて、一次覆工コンクリート11を形成する。
その後、図3に示すように、地山Gに予め穿孔した穴に定着部材41を挿入し、モルタル等によって定着させる。定着部材41は、先端部41sを、掘削孔Hの径方向内周側に突出させる。
次に、図4に示すように、掘削孔Hの内周側に型枠装置20を組み立てる。そして、型枠装置20の周方向両端部において、係止部材42のベース部材44の第一平板部44aを型枠装置20の内周面20gに突き当てるとともに、突部44tを型枠装置20に形成された貫通孔25に挿入させて配置する。このとき、掘削孔Hの内周側に突出した定着部材41の先端部41sを、ベース部材44のワイヤ挿通孔44hに挿通させ、型枠装置20の内周側に突出させる。
そして、図5に示すように、掘削孔Hの内周側から掘削孔Hの内周側に突出した定着部材41の先端部41sに、雄ネジ部材43を取り付ける。これには、定着部材41の先端部41sを、雄ネジ部材43の挿入穴43hに挿入する。次いで、雄ネジ部材43の外周面に形成された複数の雌ネジ穴43mにイモネジ43cをねじ込み、イモネジ43cの先端部を、挿入穴43hに挿入された定着部材41の先端部41sに突き当てる。これによって、定着部材41の先端部41sに雄ネジ部材43が装着される。なお、イモネジ43cは、側面視角筒状をなしたベース部材44の開口部44xから、レンチ等の工具を挿入することによってねじ込むことができる。
装着した雄ネジ部材43は、ベース部材44の貫通孔44kを通して第二平板部44cからベース部材44の外方に突出させる。
なお、ベース部材44の側板部44bに窓部などを設けて、レンチ以外の工具によってイモネジ43cなどの固定部材をねじ込む構成としてもよい。
次に、図2に示すように、第二平板部44cから突出した雄ネジ部材43のネジ溝43nにナット45をねじ込む。
このとき、ナット45のねじ込み量を調整することによって、雄ネジ部材43が第二平板部44cに直交する方向に変位する。これによって、型枠装置20と掘削孔Hの内周面との間隔を調整することができる。さらに、ナット45のねじ込み量を調整することによって、定着部材41に付与するテンションを調整することもできる。
(二次覆工コンクリート打設工程)
このようにして、固定具40によって型枠装置20を支持して設置した後、図1に示したように、型枠装置20と一次覆工コンクリート11との間に二次覆工コンクリート13を打設する。
二次覆工コンクリート13の打設後、ナット45のねじ込み量を調整することによって、
各固定具40が支持する型枠装置20にかかる圧力や荷重を部分的に調整することもできる。
(型枠装置の縮径、前方への送り工程)
二次覆工コンクリート13に所定の強度が発現した後に、各固定具40において、ナット45を取り外す。
さらに、雄ネジ部材43のイモネジ43cを、側面視角筒状をなしたベース部材44の開口部44xから、レンチ等の工具を挿入することによって緩める。そして、雄ネジ部材43を、定着部材41の先端部41sから取り外す。
続いて、ベース部材44を、型枠装置20の内周面20gから取り外す。これにより、固定具40の定着部材41の先端部41sにおける型枠装置20の固定を解除することができる。
二次覆工コンクリート13から内周側に突出した定着部材41の先端部41sは、切断して除去してもよい。
そして、型枠装置20を構成する複数の型枠部材21を、連結部のヒンジ22で折畳み、型枠装置20を縮径させ、打設されたコンクリートから脱型させる。
縮径させた型枠装置20は、不図示のガントリーや、型枠装置20に備えた走行車輪によって、掘削孔H内に敷設されたレールに沿って移動させ、掘削孔H内で掘削方向前方に送る。また、定着部41の先端部41sから取り外した係止部材42のベース部材44およびナット45、雄ネジ部材43は、型枠装置20とともに掘削方向前方に送り、型枠装置20の再設置時に繰り返し利用することができる。
この後は、掘削方向前方の所定位置で、再び、型枠装置20を設置し、上記一連の工程を順次繰り返す。
ここで、図6に示すように、上記型枠装置20は、複数組を用いることができる。複数の型枠装置20を用いた場合、たとえば次の工程を経る。すなわち、所定の位置に設置した第一の型枠装置20Aで二次覆工コンクリート13の打設を行っている間に、掘削方向前方に第二の型枠装置20Bを設置する。そして、第一の型枠装置20Aの位置で打設した二次覆工コンクリート13について所定の強度が発現した後、第一の型枠装置20Aを縮径する。縮径させた第一の型枠装置20Aは、第二の型枠装置20Bの位置で二次覆工コンクリート13の打設を行っていても、あるいは第二の型枠装置20Bの位置に打設された二次覆工コンクリート13について所定の強度が発現される前であっても、掘削方向前方へ移動させることができる。
このようにして、互いに前後する複数の型枠装置20間で、実施する工程を順次ずらして施工を行うことができる。なお、三組以上の型枠装置20を用いても良い。
上記のようにして施工を行う際、各型枠装置20は、固定具40により型枠装置20を支持することによって、型枠装置20は二次覆工コンクリート13による荷重や圧力を支持することができる。したがって、固定具40を取り外し、縮径させた型枠装置20は、その掘削方向前方で二次覆工コンクリート13を支えている他の型枠装置20の下方を通過させて前方に送ることができる。
上述したように、固定具40の定着部材41が地山Gに定着され、定着部材41の先端部41sに設けられた係止部材42により型枠装置20に支持されているので、型枠装置20は、地山Gに支持される。
これにより、型枠装置20は、ガントリー等での支持を要せずとも、二次覆工コンクリート13の荷重や圧力を支持することができる。したがって、二次覆工コンクリート13を支えている型枠装置20の下方を、縮径させた他の型枠装置20を通過させて前方に送ることができる。これにより、二次覆工コンクリート13が所定の強度を発現するまでの養生期間を十分に確保して、覆工体15の品質を確保しつつ、施工の迅速化を図ることが可能となる。
また、定着部材41の先端部41sに設けられた雄ネジ部材43に、係止部材42のナット45を螺合させることによって、係止部材42を、定着部材41に対して容易に着脱することができる。これによって、型枠装置20の設置作業、および型枠装置20の取り外し作業を効率よく行うことが可能となる。
また、取り外した係止部材42を構成するベース部材44およびナット45は、繰り返し使用することができるので、コスト低減を図ることができる。
また、雄ネジ部材43の挿入穴43hに定着部材41の先端部41sを挿入した状態で、イモネジ43cにより定着部材41の先端部41sを固定することによって、雄ネジ部材43を定着部材41の先端部41sに装着することができるようになっている。
また、イモネジ43cによる定着部材41の先端部41sの固定を解除すれば、定着部材41の先端部41sを雄ネジ部材43の挿入穴43hから抜くことができる。これによって、定着部材41から雄ネジ部材43を容易に取り外すことができる。したがって、雄ネジ部材43についても、繰り返し使用することができ、これによってもコスト低減を図ることができる。
また、係止部材42は、定着部材41の外周部で型枠装置20に突き当たるとともに、定着部材41の先端部41sが貫通するベース部材44と、ベース部材44を貫通した定着部材41の先端部41sの雄ネジ部材43に螺合するナット45と、を備える。
このような構成によれば、ベース部材44は、定着部材41の外周側で型枠装置20に突き当たる。したがって、定着部材41および係止部材42から作用する応力が、ベース部材44によって分散して型枠装置20に作用する。したがって、固定具40で型枠装置20を支持することによる、型枠装置20における応力集中を避けることができる。
加えて、上記したような固定具40の定着部材41は、型枠装置20を撤去した後、トンネルTに設置する照明装置、換気設備等の機器類を支持する用途でも用いることができる。この場合、定着部材41の先端部41sに、雄ネジ部材43をそのまま装着しておき、この雄ネジ部材43によって機器類を支持するようにしてもよい。
なお、本発明のトンネル覆工用型枠の支持方法、トンネル覆工用型枠の支持構造、トンネルの覆工方法は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、固定具40において、定着部材41として、ロックボルトを用いたが、これに代えて、鋼棒や鋼製の棒ネジを用いてもよい。
さらに、図7に示すように、定着部材41に棒ネジを用いる場合、その先端部に筒状で内周面にネジ溝50nが形成されたスリーブ継手50の一端を接続し、スリーブ継手50の他端に、延長用棒ネジ51を接続してもよい。そして、延長用棒ネジ51の先端部に、ナット45をねじ込むことによって、定着部材41をスリーブ継手50および延長用棒ネジ51を介して固定することができる。このようにして、上記実施形態と同様、固定具40によって型枠装置20を支持することができる。
そして、このような構成によれば、型枠装置20を取り外すときには、ナット45、ベース部材44を取り外した後、さらに延長用棒ネジ51およびスリーブ継手50を取り外す。これにより、型枠装置20を撤去した後に、定着部材41が二次覆工コンクリート13の内周側に突出するのを、容易に抑えることができる。
また、図8に示すように、固定具40において、定着部材41の先端部41sを型枠装置20に係止させる係止部材42として、以下のような構成のものを用いることもできる。
すなわち、この係止部材42は、ベース部材60と、接続ロッド61と、ナット62と、を備えている。
ベース部材60は、プレート状の座金部63と、座金部63の外周部から型枠装置20の内周面20gに向けて延びる脚部65と、を一体に備えている。このベース部材60は、脚部65を型枠装置20の内周面20gに突き当てた状態でセットされる。
接続ロッド61は、その先端部に、定着部材41の先端部41sが挿入されて契合される挿入穴61hを備えている。定着部材41の先端部41sの外周面にネジ溝が形成されている場合には、挿入穴61の内周面にネジ溝を形成し、これらを互いに螺合させる。また、定着部材41がワイヤーケーブルや鋼棒である場合等には、挿入穴61に定着部材41の先端部41sを圧入することで、これらを互いに係合させてもよい。
接続ロッド61の基端部には、その外周面にネジ溝61nが形成されている。接続ロッド61の基端部は、ベース部材60の座金部63に形成された貫通孔63hを貫通し、座金部63から突出するよう設けられている。
また、接続ロッド61の基端部には、角柱状の工具係合部61tが形成されている。この工具係合部61tに、断面視矩形の孔を有した工具を係合させることで、この工具によって接続ロッド61をその中心軸回りに回転させることができるようになっている。
ナット62は、座金部63から突出した接続ロッド61の基端部のネジ溝61nにねじ込まれている。このナット62により、接続ロッド61が座金部63に固定されている。ここで、ナット62のねじ込み量を調整すると、接続ロッド61が座金部63に直交する方向に変位する。
このような構成によっても、上記実施形態と同様に、固定具40の定着部材41が地山Gに定着され、定着部材41の先端部41sに設けられた係止部材42により型枠装置20が支持されているので、型枠装置20は、地山Gに強固に支持される。
また、上記したような接続ロッド61は、Cボルト、Cタイプアンカー等と称される市販の汎用品を用いることができる。これにより、低コストで固定具40を構成することが可能となる。
なお、上記接続ロッド61は、図8に示したものよりも長尺化し、その先端部を、一次覆工コンクリート11の近傍、あるいは一次覆工コンクリート11を貫通して地山G中に配置し、定着部材41の先端部41sに連結するようにしてもよい。
また、固定具40を設ける数や位置は特に限定されない。打設するコンクリートの特性、地山Gの状態、採用する型枠装置20の形状などによって、固定具40の設置数、あるいは設置位置を変更することができる。
また、上記実施形態では、定着部材41を地山G内に定着させる構成を示したが、十分な支持強度が得られるのであれば、定着部材41は、地山G内に定着させず、アンカー部材を介して一次覆工コンクリート11に定着させてもよい。また、一次覆工時に、掘削孔Hの内周面に沿って設ける鋼製支保工に定着部材41の一端を固定してもよい。
さらに、定着部材41は、一次覆工コンクリート11の表面に突出したロックボルト12の先端部に接続される構成としてもよい。すなわち、地山Gに打ち込んだロックボルト12の先端部に、定着部材41の先端部41sとは異なる端部を接続させることによって、型枠装置20を支持してもよい。この場合、定着部材41を、ワイヤーケーブル、鋼棒、鋼製の棒ねじとしてもよい。
また、上記実施形態では、ガントリーを用いず、固定具40によって型枠装置20を支持する構成を示したが、固定具40とガントリーとの併用により型枠装置20を支持してもよい。このような構成では、二次覆工コンクリートの打設時には、これら双方の構成により、より確実に型枠装置20を支持することができる。また、ガントリーは作業足場としても利用することができる。このような構成によれば、型枠装置20は固定具40によって支持されているため、二次覆工コンクリート13の所定の強度が発現する前、すなわち二次覆工コンクリート13が若材齢であっても、ガントリーによる型枠装置20の支持を解除してガントリーを移動させることができる。その結果、施工の迅速化を図ることが可能となる。
また、固定具40は、上記実施形態で示したような構成の型枠装置20に限らず、他の様々な構成の型枠装置の支持固定にも有効に用いることができる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
11 一次覆工コンクリート
13 二次覆工コンクリート
20 型枠装置
20f 型枠面
40 固定具
41 定着部材
41s 先端部
42 係止部材
43 雄ネジ部材
43c イモネジ(固定部材)
43h 挿入穴
43n ネジ溝(雄ネジ部)
44 ベース部材
45 ナット
45n 雌ネジ部
50 スリーブ継手
51 延長用棒ネジ
60 ベース部材
61 接続ロッド
62 ナット
G 地山
H 掘削孔
T トンネル

Claims (6)

  1. 地山に形成された掘削孔の内方に型枠装置を支持固定する固定具であって、
    一端側が、前記地山側に固定され、他端側が前記掘削孔の内方に突出するとともに、前記型枠装置を貫通して設けられる定着部材と、
    前記型枠装置を貫通した前記定着部材の他端側に着脱可能に設けられ、前記型枠装置を係止する係止部材と、
    を備えることを特徴とする固定具。
  2. 前記定着部材の先端部に、雄ネジ部が設けられ、
    前記係止部材は、前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を有することを特徴とする請求項1に記載の固定具。
  3. 前記定着部材の先端部が挿入される挿入穴と、前記挿入穴に挿入された前記定着部材の先端部を固定する固定部材と、前記雄ネジ部と、を備えた雄ネジ部材が前記定着部材の先端部に着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の固定具。
  4. 前記係止部材は、前記定着部材の外周部で前記型枠装置に突き当たるとともに、前記定着部材の先端部が貫通するベース部材と、
    前記ベース部材を貫通した前記定着部材の先端部の前記雄ネジ部に螺合する前記雌ネジ部を有したナットと、を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の固定具。
  5. 前記定着部材の先端部が、照明装置又は換気設備を吊り下げる引き止め部を構成する請求項1から4のいずれか一項に記載の固定具。
  6. トンネル覆工用型枠の支持構造であって、
    地山に掘削された掘削孔の内部に配置され、前記掘削孔の内周面に対向した型枠面を有する型枠装置と、
    前記型枠装置を固定するために、その一端側が前記地山側に固定され、他端側が前記型枠装置に係止された請求項1から5のいずれか一項に記載の固定具と、
    を備えていることを特徴とするトンネル覆工用型枠の支持構造。
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