JP2016031546A - 緑地評価システムおよび緑地評価方法 - Google Patents

緑地評価システムおよび緑地評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】自然が人間に対して与える多面的なサービスの各々に対応して、人間が緑地によって行う行動に基づいた心理的及び経済的に感じる自然資本に対する価値の評価を行うことを支援する緑地評価システムを提供する。
【解決手段】本発明の緑地評価システムは、緑地を利用する行動の種類を示す利用行動により緑地を利用する人間のクラスタ分析を行い、緑地を利用する人間を複数の行動クラスターに分割するクラスター分割部と、複数の行動クラスター毎の緑地の環境に対する価値である環境価値と当該環境価値に対する人間の意識との間の回帰分析を行い、人間の心理的及び経済的な環境価値を求める価値解析部とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、緑地評価システムおよび緑地評価方法に関する。
樹林の存在する緑地には、ヒートアイランドの緩和、雨水保持、大気浄化等の環境に対する効果が存在するのみならず、心身の健康や癒し等の人間に対する効果が存在すると考えられている。特許文献1には、人間が森林浴を行うことによる生理的効果を評価する方法が記載されている。
この特許文献1は、既に存在する緑地の生理的効果を評価する方法を示されているが、緑地をどのように整備すれば、より人間に対する心理的、生理的効果が高くなるかを示すものではない。ここで、公園や広場等における緑地を、人間にとってリラックスできるような場所にしようとする場合、より人間に対する心理的、生理的効果が高くなるように整備することが望ましい。
このため、緑地を人間に対する心理的、生理的効果が高くなるように整備することを支援する方法が提示されている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、会社の活動は自然に依存している部分があるとして、自然を資本の一種として、人材とお金と同一に扱って、自然を配慮した経営を行う考えが出始めている。
例えば、自然を資本として考え、環境を整備する会社への投資の金利を安くする銀行も出現するなど、自然資本を投資対象とする普及が広がりを見せている。
特許第3942186号公報
那須守、岩崎寛、高岡由紀子、金侑映、石田都、"都市域における緑地とその利用行動が居住者の健康関連QOLに与える影響"、日緑工誌、J.Jpn.Soc.Reveget.Tec.,38(1),3−8,2012
しかしながら、上述した特許文献1及び非特許文献1の各々には、既に存在する緑地の生理的効果を評価する方法は記載されているが、自然資本に対する価値の評価については記載されていない。
自然に対して投資を行う場合、その自然がどの程度の価値があるか、すなわち自然がストックとして人の福祉に対して与える多面的なサービス(供給サービス、調整サービス、文化的サービス)がどの程度の経済的な価値があるかを人間が感じる指標として評価することができない。
ここで、供給サービスは、農業、水産業などである。調整サービスは、ヒートアイランドの抑制や二酸化酸素の酸素への変換などの環境改善である。文化的サービスは、人間の健康、子供に対する情緒、学問などである。
また、特許文献1及び非特許文献1の各々には、人間の行動に対応した心理的及び経済的な価値が考慮されていないため、人間が緑地によって行う行動に基づいた心理的に感じる自然資本に対する価値の評価を行うことができない。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、自然が人間に対して与える多面的なサービスの各々に対応して、人間が緑地によって行う行動に基づいた心理的及び経済的に感じる自然資本に対する価値の評価を行うことを支援する緑地評価システムおよび緑地評価方法を提供する。
上述した課題を解決するために、本発明の緑地評価システムは、緑地を利用する行動の種類を示す利用行動により緑地を利用する人間のクラスタ分析を行い、緑地を利用する人間を複数の行動クラスターに分割するクラスター分割部と、前記複数の行動クラスター毎の緑地の環境に対する価値である環境価値と当該環境価値に対する人間の意識との間の回帰分析を行い、人間の心理的及び経済的な緑地の環境価値を求める価値解析部とを備えることを特徴とする。
本発明の緑地評価システムは、 緑地環境の評価と、利用行動によって認知された影響と、緑地の環境価値に対する人間の意識を計測する計測部と、前記計測部によって計測された、前記緑地環境の評価と、前記利用行動によって認知された影響と、前記緑地の環境価値に対する人間の意識とに対して因子分析を行うことによって、前記緑地環境及び前記緑地環境の評価間の関係を表す第1の因子と、前記利用行動及び前記利用行動によって認知された影響間の関係を表す第2の因子と、前記緑地の環境価値と前記環境価値に対する人間の意識との関係を表す第3の因子とを、求める因子分析部と、前記緑地環境と前記利用行動と前記環境価値との関係を表すモデルに基づいて、前記第1の因子に関連付けられている前記緑地環境と、前記第2の因子に関連付けられている前記利用行動と、前記第3の因子に関連付けられている前記環境価値とを関連付し、緑地・環境価値影響構造モデルを構築するモデル構築部と、構造方程式モデルに基づいて、前記緑地・環境価値影響構造モデルを分析し、各因子の影響度合いを表すパス係数と、決定係数と、因子得点とを算出する構造方程式モデリング部とを備えることを特徴とする。
本発明の緑地評価システムは、前記価値解析部が、パラメトリック法及びノンパラメトリック法の各々により、前記行動クラスター各々の環境価値と当該緑地の環境評価との間の回帰分析を行うことを特徴とする。
本発明の緑地評価システムは、前記環境価値が前記緑地を維持管理するための負担金を支払う賛成率であることを特徴とする。
本発明の緑地評価システムは、前記価値解析部が、規模の異なる前記緑地毎に、人間の心理的及び経済的な環境評価を求めることを特徴とする。
本発明の緑地評価方法は、クラスター分割部が緑地を利用する行動の種類を示す利用行動により緑地を利用する人間のクラスタ分析を行い、緑地を利用する人間を複数の行動クラスターに分割するクラスター分割過程と、価値解析部が、前記複数の行動クラスター毎の緑地の環境に対する価値である環境価値と当該環境価値に対する人間の意識との間の回帰分析を行い、人間の心理的及び経済的な緑地の環境価値を求める回帰分析過程とを含むことを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、自然が人間に対して与える多面的なサービスの各々に対応して、人間が緑地によって行う行動に基づいた心理的及び経済的に感じる自然資本に対する価値の評価を行うことを支援することが可能となる。
本実施形態による緑地評価システム10の構成を示すブロック図である。 本実施形態による、周辺住民における緑地に対する心理的な価値に対する影響構造モデルの構成例を示す概念図である。 本実施形態による、周辺住民における緑地に対する心理的な価値に対する影響構造モデルを構築する際の考え方を示す概念図である。 本実施形態の因子分析部103による、緑地環境の評価に関する因子(第1の因子)を示す図である。 本実施形態による、緑地環境の影響構造を示す概念図である。 本実施形態の因子分析部103による、利用行動によって認知された影響に関する因子(第2の因子)を示す図である。 本実施形態による、利用行動の影響構造を示す概念図である。 本実施形態の因子分析部103による、環境価値に対する人間の意識に関する因子(第3の因子)を示す図である。 本実施形態による、環境価値に対する人間の意識の影響構造を示す概念図である。 本実施形態のモデル構築部104により構築される、緑地・環境価値影響構造を示す概念図である。 本実施形態の構造方程式モデリング部105による、緑地・環境価値影響構造の分析結果を示す概念図である。 周辺住民の公園の利用行動の実施状況に対するアンケートの集計結果を示す図である。 クラスター分割部110が3クラスターに分割した行動クラスター各々における利用行動毎の行動実施率を示す図である。 価値解析部111により作成される心理的指標による環境価値の評価を示すグラフ(棒グラフ)を示す図である。 価値解析部111が求めた行動クラスター毎の賛成率曲線を示す図である。 価値解析部111が求めた各行動クラスター毎のWTP(支払意思額)値を示すテーブルの図である。 公園の種別毎における行動クラスター各々のWTPの数値を示した図である。 図17の公園の種別毎における分析に用いた公園のデータを示すテーブルである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による緑地評価システム10の構成を示すブロック図である。図1において、緑地評価システム10は、インターネットなどのネットワーク20に接続されている。該ネットワーク20には、複数の端末装置30−1、30−2、…、30−nが接続されている。複数の端末装置30−1、30−2、…、30−nは、パーソナルコンピュータや、携帯情報端末などからなり、ネットワーク20を介して、緑地評価システム10に接続(アクセス)することによって、緑地の生活に対する影響などの結果を表す情報を、ユーザからの操作に応じて入力し、緑地評価システム10に送信する。
緑地評価システム10は、通信部101、計測部102、因子分析部103、モデル構築部104、構造方程式モデリング部105、入力部106、出力部107、観測結果記憶部108、構造モデル記憶部109、クラスター分割部110、価値解析部111及び環境価値記憶部112を備えている。通信部101は、ネットワーク20に接続し、複数の端末装置30−1〜30−nとの間で各種情報の送受信を行う。計測部102は、緑地環境の評価、行動によって認知された影響、環境価値に対する人間の意識を計測する。具体的には、計測部102は、ネットワーク20を介して接続された端末装置30−1〜30−nの入力画面(後述)から、ユーザによってアンケートにおける各調査項目に対する回答を入力してもらい、これを集計することで計測する。ここで、環境価値に対する人間の意識とは、自然資本の環境価値に対する人間の心理的及び経済的に有用性を感じる意識を示している。
因子分析部103は、計測部102によって計測された、緑地環境の評価、行動によって認知された影響、環境価値に対する人間の意識に対して因子分析を行うことによって、緑地環境とその緑地環境の評価との関係を表す第1の因子と、利用行動と行動によって認知された影響との関係を表す第2の因子と、環境価値と環境価値に対する人間の意識との関係を表す第3の因子とを求める。また、因子分析部103は、緑地環境の評価と第1の因子とを関連付けし、行動によって認知された影響と第2の因子とを関連付けし、環境価値に対する人間の意識と第3の因子とを関連付ける。なお、第1の因子、第2の因子、及び第3の因子の詳細については後述する。
モデル構築部104は、緑地環境と利用行動と環境価値との関係を表すモデルに対し、第1の因子に関連付けられている緑地環境と、第2の因子に関連付けられている利用行動と、第3の因子に関連付けられている環境価値とを関連付けすることによって、緑地・環境価値影響構造モデルを構築する。
構造方程式モデリング部105は、構造方程式モデリングに基づいて、緑地・環境価値影響構造モデルを分析し、各因子の影響度合いを表すパス係数と、決定係数と、因子得点とを算出する。具体的には、構造方程式モデリング部は、緑地環境から環境価値に対するパス係数と、緑地環境から利用行動を介して環境価値に対するパス係数とを算出する。入力部106は、因子名の入力や、因子間を結ぶパスの編集指示の入力などを行う。出力部107は、因子分析部103の分析結果や、モデル構築部104により構築された緑地・環境価値影響構造モデル、構造方程式モデリング部105により算出されたパス係数や、因子得点、決定係数などの表示装置への出力や、図示しない外部機器への出力を行う。
観測結果記憶部108は、計測部102により計測された、緑地環境の評価、行動によって認知された影響、環境価値に対する人間の意識を記憶する。構造モデル記憶部109は、モデル構築部104により構築された緑地・環境価値影響構造モデルや、構造方程式モデリング部105により算出されたパス係数や、因子得点、決定係数などを記憶する。
<概要>
図2は、本実施形態による、周辺住民における緑地に対する心理的な価値に対する影響構造モデル(緑地・環境価値影響構造モデル)の構成例を示す概念図である。また、図3は、本実施形態による、周辺住民における緑地に対する心理的な価値に対する影響構造モデル(緑地・環境価値影響構造モデル)を構築する際の考え方を示す概念図である。図2において、「利用行動60」、「緑地環境70」、「環境価値80」が潜在変数を示し、矢印が因果関係、矢印近傍の数字がパス係数、楕円の右上の数字が決定係数を示している。パス係数は、影響の度合いを表す数であり、例えば、観測変数と観測変数の間、観測変数と潜在変数の間、潜在変数と潜在変数の間の影響度合いを表し、決定係数は、観測変数や潜在変数を説明できている度合いを表す。
本発明は、図2に示すように、「利用行動60」という緑地での行動によって認知される影響、「緑地環境70」という緑地の物理的環境、「環境価値80」という環境に対する心理的な価値の3要素(潜在変数)によって構成されることを特徴とする、緑地の環境価値の質に対する影響構造モデルによって、周辺住民の環境価値に配慮した緑地の設計方法を支援する、周辺住民の緑地の利用行動に基づく心理的及び経済的な緑地に対する環境価値を数値的に評価する緑地評価システム10、及び緑地評価方法を提供する。
ここで、環境価値の定義について簡単に説明する。
本実施形態においては、アンケートにおいて、例えば、公園(緑地)での利用行動、公園環境の評価(緑地環境の評価)、利用行動によって認知された影響、公園に対する環境価値意識(緑地の環境価値に対する人間の意識)、公園の維持管理に対する負担金(維持管理費)、負担金の支払い理由といった項目が調査された。
公園(緑地)の経済的価値の評価には、環境などの公共財が人間にもたらす便益を評価するのに適している仮想市場評価法(CVM:Contingent Valuation Method)を用いた。仮想市場評価法においては、環境を保全する仮想の施策を提示し、この施策の実施に対していくら払う意思があるかをアンケートによって質問する。
したがって、環境価値の指標は、例えば「緑地(公園など)の便益を受けるために維持管理費を負担する」という維持管理シナリオに基づいた指標である。また、人間の心理的な環境価値の構成を把握するため、健康、自然環境、景観、環境改善、防災のいずれに対して負担金を支払うかの支払い理由を質問した。また、このアンケートには、支払う負担金の金額として、月額50円、100円、200円、300円、400円、500円、1000円、2000円、5000円の7段階に設定してある。
図3は、緑地の環境価値に対する人間の意識への影響を4つのフェーズで説明する図である。すなわち、図2に示す影響構造モデルは、緑地の環境価値に対する人間の意識への影響を、図3のように、P1)緑地利用の希求、P2)行動、P3)緑地の機能発現、P4)効果(環境価値に対する人間の意識)への影響の4つのフェーズで捉えることによって設定した。何らかの要因によって緑地への希求が発生し(P1)、この希求に応じて緑地環境との関係を持ち(「行動」が現れ)(P2)、その結果、機能が発現されることで心理的に良い影響を受け(P3)、居住環境全体に緑地のもたらす効果やその可能性を認識し、緑地の環境価値意識を形成していく(P4)というプロセスである。このプロセスにおいて、例えば緑が多い、少ない等の緑地環境の評価は、行動(利用行動)の選択に影響する。行動が行われる際、緑地の機能が発現し、この緑地の機能は、行動によって認知された効果(認知効果)に影響する。緑地の機能発現により、利用行動によって認知された影響が発生する。
上述したプロセスのインプット/アウトプットに、アンケート調査で得た緑地環境の評価、利用行動によって認知された影響、公園に対する環境価値意識のデータを用いた。それらを観測変数として環境価値意識を構造化した(後述)。
従って、図2と図3において、緑地環境70と「緑地環境の評価」、利用行動60と「行動によって認知された影響」、環境価値80と「環境価値に対する人間の意識」が関係し、それらの関係構造を構築することによって、緑地の環境価値に対する影響構造モデルの全体が完成する。
<計測・評価・設計の方法>
(A1)計測部102は、緑地環境の評価、行動によって認知された影響、環境価値に対する人間の意識を、緑地の利用者から計測し(インターネット上でのアンケートによる集計)、(A2)因子分析部103は、緑地環境とこの緑地環境の評価、利用行動と行動によって認知された影響、環境価値と環境価値に対する人間の意識を関係づけ、(A3)モデル構築部104は、緑地の環境価値に対する影響構造モデル(緑地・環境価値影響構造モデル)を構築する。
(A4)構造方程式モデリング部105は、緑地・環境価値影響構造のパス係数、決定係数、因子得点を計測データから統計的に算出し、(A5)緑地・環境価値影響構造の要素間の影響度合いをパス係数によって評価し、(A6)緑地・環境価値影響構造の要素の潜在変数(例えば、健康、自然環境など)による指標として因子得点の評価を行う。(A7)クラスター分割部110は、周辺住民を複数の行動クラスターに分割する。(A8)価値解析部111は、心理的指標(健康、自然環境、景観、環境改善、防災)による環境価値の評価を行う。(A9)経済的指標による環境価値の評価を行う。
<経済的価値評価>
本実施形態においては、緑地の経済的価値評価として、調査データから提示された緑地を保全するための負担金に対する賛成率曲線(賛成率の回帰曲線)をパラメトリック法により推定し、その曲線を積分することにより、経済的価値となる平均支払意思額(WTP:Willingness To Pay)を求めた。
価値解析部111は、上記平均支払意思額を算出する際、計算モデルを用いて行うパラメトリック法と、計算モデルを使用せずに直接的に用いるノンパラメトリック法との各々のアルゴリズムを用い、それぞれの方法により平均支払意思額を算出した。
ここで、パラメトリック法には、ランダム効用理論に基づく非集計モデルを用いた。維持管理の負担金に対して賛成する確率をP(yes)とし、確率分布関数としてロジスティック曲線に当てはめると以下の(1)式となる。
P(yes)=1/(1+e−ΔV) …(1)
上記(1)式において、
ΔV=a+b・lnT+Σc・x
である。この(1)式におけるΔVは観察可能な効用関数の差である。このΔVにおいて、Tは負担金を示し、aは定数であり係数b及び係数cの各々は偏回帰係数である。a、b及びcの各々はロジスティック曲線が求められる際に、それぞれ求められる。xは、「0」か「1」のいずれかを取り、環境価値を構成する要素に対する支払い意思である。例えば、x=0は支払い意思がなく、一方、x=1は支払い意思があることを示す。ここで、環境価値を構成する要素は、本実施形態において、後述する「健康」、「自然環境」、「景観」、「環境改善」及び「防災」の各々の因子である。価値解析部111は、オペレータの入力したアンケートの数値を(1)式に代入し、負担金の支払いに対する賛成率曲線を推定する。価値解析部111は、賛成率曲線の推定において、SPSS(登録商標)ver.22(エス・ピー・エス・エス株式会社製)のロジスティック回帰分析を用いた。
次に、本実施形態による計測・評価・設計の方法について説明する。
<評価のためのデータを計測>
本実施形態の計測部102によって計測される、緑地環境の評価を以下に示す。計測部102は、緑地環境の評価として、緑の量や種類、利用活動の容易性等(E1−E9)に関する意識を複数段階の水準で計測する。具体的には、計測部102は、E1:緑の量、E2:低中木の量、E4:草花の量、E5:自然に近い林や野原の量、E6:水辺の量、E7:自然に近い水辺の量、E8:交流できる場所、E9:地域活動への参加に関する意識を計測する。
ここで、緑地環境の評価については、図示しない端末装置3−1から端末装置3−nの各々の画面に対して、各調査項目に基づく評価結果(意識を示す複数段階の水準)がユーザからマウス等の入力装置からの操作に応じて入力される。また、複数段階の水準とは、5件法(5水準)、または7件法等である。
また、計測部102は、利用行動によって認知された影響として、緑地、植物、及びそれらに係わる活動によって得られる精神的充足、景観形成、健康・レクレーション、教育、交流等の効果(B1−B11)に関する認知を複数段階の水準で計測する。具体的には、B1:心が安らぎ・落ち着き、B2:気持ちを明るくする、B3:景色が良い、B4:自然と触れあえる、B5:身体を動かせ健康に良い、B6:新たな発見や気づき、B7:愛着を感じる、B8:人々を眺める楽しみ、B9:人との交流、B10:地域活動充実感、B11:利用による満足感に関する認知を計測する。
また、計測部102は、環境価値に対する人間の意識として、身体、精神、社会関係、環境快適性、環境保全、災害対応性の項目等(V1−V15)に関する意識を複数段階の水準で計測する。具体的には、V1:身体の調子、V2:精神的楽しみ、V3:家族との繋がりを育む、V4:生物の生息場所、V5:保全すべき地域の自然、V6:生き物と触れ合える、V7:景観が良くなる、V8:地域を特徴づける景観、V9:歴史・文化の継承、V10:都市の暑さを低下、V11:騒音を低下、V12:空気を清浄、V13:災害時の避難場所、V14:集中豪雨の水害対策、V15:火災の延焼防止を計測する。
計測部102は、上述したように、ユーザにより入力される各評価項目に対する回答に基づき、緑地環境の評価、利用行動によって認知された影響、環境価値に対する人間の意識の集計を行い、観測結果記憶部108に対して書き込んで記憶させる。
<緑地環境、利用行動、環境価値と対応する計測データの関係を構築>
次に、因子分析部103は、緑地環境と緑地環境の評価との関係、利用行動と行動によって認知された影響との関係、環境価値と環境価値に対する人間の意識との関係を構築する。
まず、緑地環境と緑地環境の評価との関係について説明する。
図4は、本実施形態の因子分析部103による、緑地環境の評価に関する因子(第1の因子)を示す図である。図4では、因子No.と、観測変数と、因子負荷量との関係が表されている。図4に示すように、因子No.1は、「E4 緑の量」、「E2 低中木の量」、「E4 草花の量」、「E5 自然に近い林や野原の量」の観測変数と関係し、因子名「緑の豊かさ」が付与される。因子No.2は、「E5 自然に近い林や野原の量」、「E6 水辺の量」、「E7 自然に近い水辺の量」の観測変数と関係し、因子名「水辺の豊かさ」が付与される。因子No.3は、「E8 交流できる場所」、「E9 地域活動への参加」の観測変数と関係し、因子名「活動のし易さ」が付与される。
具体的には、因子分析部103は、調査項目(観測変数)を因子分析し、共通する因子(潜在変数)毎に分類し、その因子毎に因子No.を割り当てる。因子No.が割り当てられると、その因子No.のそれぞれに、因子No.によってグループ化された調査項目(観測変数)を元に、オペレータがこれらの調査項目(観測変数)に関連する概念を表す因子名を入力する。例えば、因子No.1には、「緑の豊かさ」、因子No.2には、「水辺の豊かさ」等を入力する。これらの名称は、植物・園芸のもたらすQOLの3要素や、百貨店の屋上緑地における効果検証等の既住研究の結果を参考にして決定する。
図5は、本実施形態による、緑地環境70の影響構造を示す概念図である。上述した3つの因子と緑地環境の評価とによって、図5に示す緑地環境の影響構造を構築する。図5において、緑地環境70は、緑地環境の評価を因子分析した因子No.1(緑の豊かさ)、因子No.2(水辺の豊かさ)、因子No.3(活動のし易さ)と、緑地環境の評価である観測変数とを関連付けることで、緑地環境の影響構造を構築する。図5において、緑地環境70は、緑の豊かさ71、水辺の豊かさ72、及び利用活動のし易さ73の3つの因子を包含する。緑の豊かさ71は、「E4 緑の量」、「E2 低中木の量」、「E4 草花の量」、「E5 自然に近い林や野原の量」に関連付けられる。また、水辺の豊かさ72は、「E5 自然に近い林や野原の量」、「E6 水辺の量」、「E7 自然に近い水辺の量」に関連付けられる。また、利用活動のし易さ73は、「E8 交流できる場所」、「E9 地域活動への参加」に関連付けられる。
次に、利用行動と行動によって認知された影響との関係構築について説明する。
図6は、本実施形態の因子分析部103による、利用行動によって認知された影響に関する因子(第2の因子)を示す図である。図6では、因子No.と、観測変数と、因子負荷量との関係が表されている。因子No.1は、「B1 心の安らぎ・落ち着き」、「B2 気持ちを明るくする」、「景色が良い」、「B7 愛着を感じる」、「B5 身体を動かせ健康に良い」、「B11 利用による満足感」の観測変数と関係し、ストレス軽減に係わる項目の因子負荷量が大きいので因子名「生理的健康」が付与される。因子No.2は、「B9 人との交流」、「B10 地域活動の充実感」、「B8 人々を眺める楽しみ」、「B7 愛着を感じる」、「B6 新たな発見や気づき」の観測変数と関係し、人とのつながりに係わる項目の因子負荷量が大きいので因子名「社会的健康」が付与される。因子No.3は、「B3 景色が良い」、「B8 人々を眺める楽しみ」、「B4 自然と触れ合える」、「B6 新たな発見や気づき」、「B5 身体を動かせ健康に良い」の観測変数と関係し、人間として本能が満たされることによって得られる心理的満足感に関する項目の因子負荷量が大きいので因子名「情緒的健康」が付与される。各因子No.の因子名については、上述した緑地環境と同様の手順でオペレータによって付与される。
図7は、本実施形態による、利用行動の影響構造を示す概念図である。上述した3つの因子と行動によって認知された影響とによって、図7に示す利用行動の影響構造を構築する。図7において、利用行動60は、生理的健康61、社会的健康62、及び情緒的健康63の3つの因子を包含する。生理的健康61は、上述したように、「B1 心の安らぎ・落ち着き」、「B2 気持ちを明るくする」、「B3 景色が良い」、「B7 愛着を感じる」、「B5 身体を動かせ健康に良い」、「B11 利用による満足感」に関連付けられる。また、社会的健康62は、「B6 新たな発見や気づき」、「B9 人との交流」、「B10 地域活動の充実感」、「B8 人々を眺める楽しみ」、「B7 愛着を感じる」に関連付けられる。また、情緒的健康63は、「B3 景色が良い」、「B8 人々を眺める楽しみ」、「B4 自然と触れ合える」、「B6 新たな発見や気づき」、「B5 身体を動かせ健康に良い」に関連付けられる。生理的健康61、社会的健康62、情緒的健康63は、植物・園芸のもたらすQOLの3要素に合致するので、健康を評価する指標とする。
次に、環境価値と環境価値に対する人間の意識との関係に対応する影響構造の構築について説明する。
図8は、本実施形態の因子分析部103による、環境価値に対する人間の意識に関する因子(第3の因子)を示す図である。図8では、因子No.と、観測変数と、因子負荷量との関係が表されている。図8に示すように、因子No.1は、「V4 生物の生息場所」、「V6 生き物と触れ合える」、「V5 保全すべき地域の自然」の観測変数と関係し、「自然環境」の因子名が付与される。因子No.2は、「V10 都市の暑さを低下」、「V11 騒音を低下」、「V12 空気を浄化」の観測変数と関係し、因子名「環境改善」が付与される。因子No.3は、「V15 火災の延焼防止」、「V14 集中豪雨による水害対策」、「V13 災害時の避難場所」の観測変数と関係し、因子名「防災機能(防災)」が付与される。因子No.4は、「V2 精神的楽しみ」、「V1 身体の調子」、「V3 家族との繋がりを育む」の観測変数と関係し、因子名「心身の健康(健康)」が付与される。因子No.5は、「V8 地域を特徴付ける景観」、「V7 景観が良くなる」、「V9 歴史・文化の継承」の観測変数と関係し、因子名「景観」が付与される。各因子No.の因子名については、上述した緑地環境や、利用行動と同様の手順で、オペレータによって付与される。
図9は、本実施形態による、環境価値に対する人間の意識の影響構造を示す概念図である。因子分析部103は、環境価値を因子分析した因子No.1(自然環境81)、因子NO.2(環境改善82)、因子No.3(防災(機能)83)、因子NO.4((心身の)健康84)、因子NO.5(景観85)によって、環境価値の影響構造を構築する。図9において、環境価値80は、自然環境81、環境改善82、防災(機能)83、(心身の)健康84、及び景観85の5つの因子を包含する。
自然環境81は、「V4 自然環境」、「V6 生き物と触れ合える」、「V5 保全すべき地域の自然」に関連付けられる。また、環境改善82は、「V10 都市の暑さを低下」、「V11 騒音を低下」、「V12 空気を浄化」に関連付けられる。また、防災(機能)83は、「V15 火災の延焼防止」、「V14 集中豪雨による水害対策」、「V13 災害時の避難場所」に関連付けられる。また、(心身の)健康84は、「V2 精神的楽しみ」、「V1 身体の調子」、「V3 家族との繋がりを育む」に関連付けられる。また、景観85は、「V8 地域を特徴付ける景観」、「V7 景観が良くなる」、「V9 歴史・文化の継承」に関連付けられる。
なお、因子分析部103によって得られた因子から観測変数(調査項目)に対するパス(関連付け)は、マウスやキーボード等の入力装置(図示略)から入力される指示に従って、編集を行うことができる。例えば、図6に示す「利用行動によって認知された影響に関する因子」においては、因子No.1は、「B1 心の安らぎ・落ち着き」、「B2 気持ちを明るくする」、「B3 景色が良い」の3つの観測変数に関連付けされた結果が得られた場合が示されている。しかし、図6に示す結果をオペレータが見て、必要に応じて、この関連付けを編集することができる。例えば、図6において、因子No.2である「社会的健康62」の因子である「B7 愛着を感じる」や、因子No.3である「情緒的健康63」の因子である「B5 身体を動かせ健康によい」、及び新たに「B11 利用による満足感」を関連付けすることができる。図4に示す緑地環境の影響構造や、図8に示す環境価値の影響構造についても同様である。
<緑地・環境価値影響構造を構築>
次に、モデル構築部104は、図5に示す緑地環境の影響構造、図7に示す利用行動の影響構造、図9に示す環境価値の影響構造を、図2に示す緑地の環境価値に対する影響構造に基づいて組合せ、緑地の環境価値に対する影響構造の全体である緑地・環境価値影響構造を構築する。
図10は、本実施形態のモデル構築部104により構築される、緑地・環境価値影響構造を示す概念図である。なお、図5、図7、図9に対応する部分には同一の符号を付けて説明を省略する。モデル構築部104は、図10に示すように、図2に示す緑地環境と利用行動と環境価値との関係を表すモデルに基づいて、図5に示す緑地環境70と、図7に示す利用行動60と、図9に示す環境価値80とを関連付し、緑地・環境価値影響構造モデルを構築する。
この緑地・環境価値影響構造を構築において、緑地環境の評価、利用行動によって認知された影響、緑地の環境価値に対する人間の意識といったアンケートにおける調査データを観測変数として、以下の手順によりSEM(Structural Equation Modeling、共分散構造分析)を適用し、緑地環境の利用行動と環境価値との関係性を構造的に分析し、心理的価値を評価した。
a.観測変数の潜在構造を明らかにする(因子分析)。
b.観測変数からの潜在構造を組み合わせ、SEMを構築する。
c.構築したSEMから環境価値意識の構造を把握する。
d.構築したSEMの環境価値を指標に心理的価値を評価する。
モデル構築部104は、上述した処理によるSEMの構築に対し、例えば、AMOS(登録商標)ver.22(エス・ピー・エス・エス株式会社製)を用いた。
そして、観測変数の潜在構造を因子分析(最尤法、プロマックス回転)によって明確にし、次に得られた潜在構造をモデル構築のプロセスに従って関係付けることにより、緑地・環境価値影響構造モデルの全体を構築する。
因子分析の結果として、観測変数の潜在構造は、「緑地環境」の評価においては、「緑の豊かさ」、「水辺の豊かさ」及び「活動のし易さ」の3因子が関係付けられる。また、「利用行動」によって認知された影響においては、「生理的健康」、「社会的健康」、「情緒的健康」といった既往研究にも見られる3因子が関係付けられる。「公園に対する環境価値意識」においては、「自然環境」、「環境改善」、「防災」、「健康」、「景観」の5因子が関係付けられる。
<緑地・環境価値影響構造による計測データの統計的分析>
図11は、本実施形態の構造方程式モデリング部105による、緑地・環境価値影響構造の分析結果を示す概念図である。緑地環境の評価、行動によって認知された影響、環境価値に対する人間の意識の計測データに適合する緑地・環境価値影響構造を、構造方程式モデリングという統計分析法を用いて分析することによって、図11に示すように、影響構造を数値的に可視化する。構造方程式モデリング部105は、観測結果記憶部108に記憶されているアンケートの集計結果を読み出し、読み出した集計結果を観測変数の計測データとして、上記緑地・環境価値影響構造モデルの分析を行う。ここで、観測変数とは、計測データ(あるいは調査項目)であり、潜在変数とは、観測変数の影響関係を表すために設定した構成概念(因子)である。観測変数は、本実施形態において、「B1 心の安らぎ・落ち着き」〜「B11 利用による満足感」、「E1 緑の量」〜「E9 地域活動への参加」、「V1 身体の調子」〜「V15 火災の延焼防止」である。潜在変数には、計測データに対応した因子得点が算出される。
<構成要素間の影響度合いの評価>
次に、緑地環境と利用行動の環境価値への影響を評価する方法について説明する。図11において、影響の度合いを表すパス係数によって、環境価値80への直接影響が緑地環境70で0.04、利用行動60で0.74であることが分かる。緑地環境70には、利用行動60を通じた環境価値80へ間接影響が0.51(0.69×0.74)あるので、直接影響にそれを加えた総合影響が0.55(0.04+0.51)となることが分かる。また、環境価値80の決定係数が0.59であることから緑地環境70と利用行動60によって環境価値80の59%を説明できることが分かる。
緑地環境70、利用行動60と計測データ(観測変数)との関係(影響度合い)を分析する。緑地環境70、利用行動60が観測変数である「緑地環境の評価(E1−E9)」、「利用行動によって認知された影響(B1−B11)」に及ぼす総合影響を、パス係数から前記の間接影響と同様な方法にて算出する。
図11においては、本実施形態の構造方程式モデリング部105により分析された、緑地環境・利用行動と観測変数との関係の強さ(影響度合い)が示されている。ここでは、「緑地環境の評価」の項目において、例えば、「E1 緑の量」は、「緑地環境」を基点とし、「緑の豊かさ」の因子のパスを経由しており、その場合のパス係数は、0.49であることを表している。すなわち、この関係の強さは、パス係数を乗算した結果で求められる。例えば、「E1 緑の量」と緑地環境70との関係の強さは、緑地環境70及び「緑の豊かさ」の間のパス係数0.8と、「緑の豊かさ」及び「E1 緑の量」の間のパス係数0.61を乗算した0.49となる。
緑地環境70と、「E1 緑の量」「E2 低中木の量」「E4 草花の量」「E5 自然に近い林や野原の量」「E6 水辺の量」「E7 自然に近い水辺の量」「E8 交流できる場所」「E9 地域活動への参加」の各々の関係の強さは、パス係数0.65の「E5 自然に近い林や野原の量」、パス係数0.55の「E4 草花の量」、パス係数0.55の「E7 自然に近い水辺の量」、パス係数0.51の「E2 低中木の量」、パス係数0.49の「E1 緑の量」パス係数0.46の「E6 水辺の量」、パス係数0.42の「E9 地域活動への参加」、パス係数0.41の「E8 交流できる場所」の順に関係が強く、緑の豊かさと水辺の豊かさと活動のし易さとの各々に関する項目の重要性が評価される。また、利用行動60によって認知された影響も、上述した緑地環境70と観測変数との関係の強さと同様に評価される。
なお、構造方程式モデリング部105によって得られた緑地・環境価値影響構造モデルについては、GFI(Goodness of Fit Index:適合度指標)、AGFI(Adjusted GFI:自由度調整済み適合度指標)、CFI(Comparative Fit Index)、RMSEA(Root mean Square Error of Approximation)によってその適合性を検討し、GFI、AGFI、CFI、RMSEAの各値において、所定の基準値を満たしていなければ、この構造モデルをオペレータが編集を行う。例えば、調査項目(観測変数)と因子とのパスを追加したり、あるいは削除したりして、再度、構造方程式モデリング処理を行う。このようにして適合性を確認してから評価結果を得る。
緑地・環境価値影響構造モデルを上述したようにアンケートデータに適用して、統計的指標を参照しながら適合するか否かを検討した結果、全てのパス係数が1%水準で優位となり、図11に示すように、パスによって接続された因子間に関連性が存在することが明確となった。緑地・環境価値影響構造モデルの適合度合いは、上述した各指標において、GFI=0.90、AGFI=0.88、CFI=0.93、RMSEA=0.052となった。一般的に、GFI、AGFI、CFIの各々は、0.9以上でモデルの適応度が高いと評価されている。また、RMSEAは0.1未満であるとモデルの適応度が高いと評価されている。したがって、モデル構築部104の構築した緑地・環境価値影響構造モデルは、統計的な範囲において十分なモデルであることが判る。
<クラスター分割>
図1に戻り、クラスター分割部110は、アンケートを採った周辺住人における各人の行動に基づいて、周辺住人の各々を行動が類似した人間の集合体である行動クラスターにクラスター分割する。
アンケートにおいて、クラスタ−分割するための項目として、公園を利用して行う利用行動として、「散歩」、「眺める」、「休息」、「自然観察」、「会話」、「運動」、「遊び」、「飲食」、「考え事」、「写真撮影」、「イベント鑑賞・参加」、「展示物鑑賞」、「読書」、「通勤・通学」、「緑の世話・管理」、「地域活動・ボランティア活動」及び「その他」の17種類の行動を調査した。
図12は、周辺住民の公園の利用行動の実施状況に対するアンケートの集計結果を示す図である。図12において、縦軸において利用行動の種類が示され、横軸にそれぞれの利用行動の実施割合を示す行動実施率が示されている。ここで、行動実施率としては、その利用行動を実施すると回答した人間の実施率がそれぞれの利用行動毎に示されている。さらに、この行動実施率は、利用行動を行う日が「平日休日」、「休日」及び「平日」のいずれかであるかに分類されている。図12に示すように、「平日休日」、「平日」及び「休日」の各々の公園利用の行動実施率を比較すると、いずれの利用行動においても「休日」の行動実施率が大きいことが判る。しかしながら、特異な違い、すなわち「平日」及び「休日」により特別に利用行動に大きな変化を示してはいない。また、「散歩」、「眺める」「休息」の各々は、行動実施率が7割以上であり、共通に実施されている状況であることが判る。
図1に戻り、クラスター分割部110は、上述した利用行動の種類を用いて、周辺住民のクラスター分割を行う。ここで、クラスター分割には、所定の行動実施率以上(本実実施形態においては10%以上)の利用行動の13種類、すなわち「通勤・通学」、「緑の世話・管理」、「地域活動・ボランティア活動」及び「その他」の4種類を除く、「散歩」、「眺める」、「休息」、「自然観察」、「会話」、「運動」、「遊び」、「飲食」、「考え事」、「写真撮影」、「イベント鑑賞・参加」、「展示物鑑賞」、「読書」の13種類の利用行動を用いた。
クラスター分割部110は、オペレータが入力する周辺住民ごとの利用行動の実施状態から、潜在クラスタ分析のアルゴリズムを利用して、周辺住民の各々を対応する行動クラスターに分類するクラスター分割を行う。
本実施形態において、クラスター分割部110は、行動クラスターを2クラスターから7クラスターまでの6つ独立なクラスター分割を行った。
この結果、2クラスターでは分類を特徴付けることができず、4クラスター以上では分割が細分化してしまい、クラスター間の違いを明確とすることができなかった。この判定は、行動クラスターにおける各行動の実施率の違いにより判定した。
3クラスターの場合、行動クラスターの分類としては、「共通型(クラスターC1)」、「散歩型(クラスターC2)」、「多様型(クラスターC3)」となる。「共通型」は、共通に実施される利用行動(眺める、休息、散歩)を主としている人間の集合である。「散歩型」は、散歩を利用行動の主とする人間の集合である。「多様型」は、多様な行動、すなわち利用行動の多くを実施する人間の集合である。「共通型」、「散歩型」及び「多様型」の各々の周辺住民全体における割合は、それぞれ52%、29%、19%である。また、「共通型」、「散歩型」及び「多様型」の各々の行動数は、それぞれ5.9、2.6、10.8である。
図13は、クラスター分割部110が3クラスターに分割した行動クラスター各々における利用行動毎の行動実施率を示す図である。図13は、縦軸が行動実施率を示しており、横軸が利用行動の種類を示している。
図13から判るように、「共通型」の行動クラスター(クラスターC1)は、動かない利用行動(眺める及び休息)及び動く利用行動(散歩)が共通して実施する人間の分類であることが判る。また、「散歩型」の行動クラスター(クラスターC2)は、利用行動として散歩を行う行動実施率が高い人間の分類であることが判る。「多様型」の行動クラスター(クラスターC3)は、分類に用いた多くの利用行動をまんべんなく実施する人間の分類であることが判る。
したがって、3クラスターの分類により、周辺住民の各々の利用行動のパターンに対応した行動クラスターにクラスター分割されていることが判る。
<行動クラスターによる心理的価値の比較>
構造方程式モデリング部105は、周辺住民全体で緑地・環境価値影響構造モデルにおける影響度合いを示すパス係数の算出行う。また、構造方程式モデリング部105は、行動クラスター毎においても緑地・環境価値影響構造モデルにおける影響度合いを示すパス係数を算出する分析処理を行う。
価値解析部111は、構造方程式モデリング部105が求めた周辺住民全体及び行動クラスター毎における影響度合いから、心理的指標による環境価値の評価を行う。
ここで、心理的指標とは、「環境価値」、「健康」、「自然環境」、「景観」、「環境改善」及び「防災」の各々である。すなわち、SEMモデルにおける「環境価値」及びその構成因子である「健康」、「自然環境」、「景観」、「環境改善」及び「防災」を心理的価値評価の指標とする。
そのため、価値解析部111は、「環境価値」、「健康」、「自然環境」、「景観」、「環境改善」及び「防災」の各々の因子得点を算出し、心理的指標による環境価値の評価を示すグラフ(後述する図14)を作成する。
図14は、価値解析部111により作成される心理的指標による環境価値の評価を示すグラフ(棒グラフ)を示す図である。
「環境価値」、「健康」、「自然環境」、「景観」、「環境改善」及び「防災」の各々の心理的指標毎に、全体、「共通型」、「散歩型」及び「多様型」の各々の行動クラスター別に因子得点が示されている。
各心理的指標における行動クラスター間の因子得点の大小関係は、全ての心理的指標において「散歩型」、「共通型」、「多様型」の順番に増加していることが判る。この順序は、行動の多様性に相当することから、散歩を基本とした利用行動の多様化が環境価値の認識を向上させることが示唆している。
人間と環境との関わり方を質的にとらえるモデル(高橋鷹志、長澤秦、鈴木毅編(2008)、環境と行動、朝倉書店、162pp)において、「散歩型」は散歩という明確な目的を有して、その行動に専念する「意図遂行型」、「多様型」は目的がないわけではないが、それほど明確ではなく動いていく中で環境との多様な関係が作られていく「環境探索型」により近いと考えられる。したがって、「多様型」の行動クラスターは、多くの行動の中で緑地環境との多様な関わりを持つことにより、居住環境全体における公園のもたらす効果やその可能性を認識し、公園の環境価値の意識を向上させていると考えられる。
また、上述した心理的指標による環境価値の評価において、周辺住民の利用行動のパターンを明確にすることにより、公園(緑地)を設計する際に、緑地環境の評価(E1−E9)、及び利用行動によって認知された影響の項目(B1−B10)の緑地環境・利用行動との関連度合いを考慮して設計内容を決めることが可能となる。
<行動クラスターによる経済的価値の比較>
図1に戻り、価値解析部111は、心理的指標による環境価値の評価のみでなく、経済指標による環境価値の評価を行い、結果を環境価値記憶部112に書き込んで記憶させる。
価値解析部111は、行動クラスター毎に、パラメトリック法により、維持管理の負担金を支払うことに対する賛成率曲線を求める。ここで、オペレータは、アンケート結果から、支払う負担金の金額と、支払理由(環境価値を構成する要素である健康、自然環境、景観、環境改善、防災)とを図示しない入力手段により緑地評価システム10に入力する。あるいは、緑地評価システム110が端末装置30−1〜30−nの各々から入力する。
価値解析部111は、パラメトリック法により求めた賛成率曲線からWTPを推定し、行動クラスター毎に出力する。また、価値解析部111は、アンケートの調査結果である支払う負担金の金額と支払理由とにより、直接的にWTPを行動クラスター毎に推定した。
図15は、価値解析部111が求めた行動クラスター毎の賛成率曲線を示す図である。この図15において、縦軸が賛成率であり、横軸が負担金を示している。図15において、一点鎖線が散歩型の賛成率曲線であり、破線が共通型の賛成率曲線であり、点線が多様型の賛成率曲線であり、実線が全体の賛成率曲線を示している。また、図15において、○が散歩型の調査値から求めた数値であり、□が共通型の調査値から求めた数値であり、◇が多様型の調査値から求めた数値であり、△が全体の調査値から求めた数値を示している。
多様型においては、パラメトリック法によって求めた賛成率と調査値から直接に求めた賛成率との間に相対的な差が大きく、11%(負担金が200円の場合)から22%(負担金が1000円の場合)となった。
一方、支払い有無を予測する的中率は、80%以上であり、予測においては十分な数値を得ることができた。
図16は、価値解析部111が求めた各行動クラスター毎のWTP値を示すテーブルの図である。この図16において、行動クラスター毎に、パラメトリック法により求めたWTPと、ノンパラメトリック法により求めたWTPと、相対比と、賛成率曲線の的中率と、分析に用いた標本数と、有意確率とが示されている。相対差は、パラメットリック法に求めたWTPからノンパラメトリック法により求めたWTPを減算し、この減算結果をノンパラメトリック法により求めたWTPにより除算した数値である。
WTPにおいて、パラメトリック法により求めた数値とノンパラメトリック法により求めた数値とを比較すると、相対的な差は全体、共通型、多様型において5%以内であり、最も差が大きい散歩型においても8%であることが、この図16から判る。したがって、価値解析部111が行ったパラメトリック法(ロジスティック回帰分析)によるWTPの推定値は、目的とする行動クラスター間の比較に耐えられない相違を有さないことが判る。
パラメトリック法により得られたWTPを行動クラスター間において比較すると、散歩型、共通型、多様型の順番、すなわち行動の多様性の順に大きくなった。また、全体のロジスティック回帰分析(パラメトリック法)によって得られたオッズ比は、健康が2.0、自然環境が1.7、景観が1.5、環境改善が1.3、防災機能が1.2と求められた。本実施形態においては、このオッズ比は、負担金の賛成率、すなわちWTPと環境価値の構成要素に対する支払い意思との関係の強さを表している。このため、WTPは健康との関係が一番強く、自然環境、景観、環境改善、防災機能の順に低くなっている。すでに説明した心理的指標においても、環境価値は健康との関係が強かったが、経済的指標であるWTPにおいては、個人の志向が明確となり、健康との関係がより強くなったと考えられる。
一方、調査値から直接的にWTPを推定するノンパラメトリック法においても、各行動クラスターにおけるWTPの大きさはパラメトリック法による数値と同じ順となっていることが判る。全体のWTPに対する各行動クラスターの比率も、パラメトリック法とノンパラメトリック法との間に大きな差は見られない。
上述した結果は、散歩を基本とした行動の多様性が環境価値を向上させることを、心理的指標と同様に経済的指標においても示唆している。
<公園種別の経時的価値に対する利用行動の影響>
オペレータは、緑地評価システム10に対して、複数の場所で行ったアンケート調査の結果を入力することにより、価値解析部111に対して地区公園及び近隣公園の種別における経済的価値を行動クラスター毎に算出させる。
すなわち、アンケートを行った公園毎に、上述した緑地・環境価値影響構造モデルを構築し、環境価値に対する分析を行う。
図17は、公園の種別毎における行動クラスター各々のWTPの数値を示した図である。この図において、縦軸はWTPの数値を示し、横軸は構造クラスターの種別を示している。また、●が有栖川宮記念公園を示し、▲が世田谷公園を示し、◆が蘆花恒春園を示し、○が檜町公園を示し、△が若林公園を示し、◇が希望丘公園を示している。実線は地区公園(有栖川宮記念公園、世田谷公園及び蘆花恒春園)のWTPを示している。破線は近隣公園(檜町公園、若林公園及び希望丘公園)のWTPを示している。地区公園のWTPは、有栖川宮記念公園、世田谷公園及び蘆花恒春園の各々のアンケートをまとめて分析して求めている。近隣公園のWTPは、檜町公園、若林公園及び希望丘公園の各々のアンケートをまとめて分析して求めている。
この図17の場合、公園の周辺住民を行動クラスターによって分割すると、標本数が少なくなりパラメトリック法においては推定誤差が増加してしまうため、価値解析部111にノンパラメトリック法によりWTPを求めさせている。
以上により、大きさの異なる公園種別及び公園単体においても、行動の多様性が環境価値を向上させることが示唆された。この示唆により、面積の小さな公園においても環境との多様な関係を取り得る環境探索型の場として設計することにより、面積の大きい公園に匹敵するレベルへと、環境価値を向上させることが可能であることが判る。
図18は、図17の公園の種別毎における分析に用いた公園のデータを示すテーブルである。公園毎に、公園の名称と、所在地と、都心との位置関係と、面積と、周辺の緑被率とが記載されている。地区公園とは、面積が所定の数値より大きい公園を示している。近隣公園とは、面積が所定の数値より小さい公園を示している。
上述したように、本実施形態によれば、既存緑地(既存に設けられた公園など)の自然資本に対する社会的価値の評価(心理的評価、経済的評価)を行うことができ、これをデータベース化することにより、新たに公園を作成する場合、新たに公園を作成する地域と類似性を有する既存の緑地を検索し、そこでの周辺住民のアンケートを行うことにより、地域それぞれに対応する公園を高い精度で設計することが可能となる。
さらに、本実施形態によれば、例えば、既に構築された環境(公園、ビルの屋上等の緑がある環境)に対し、上記の調査項目に対する観測を行っておき、図10のような構造モデルを得て、調査項目(観測変数)と各因子間のつながりを、パス係数や決定係数、因子得点を参照することで、これから緑地化する環境について検討することが可能である。
また、例えば、図11に示すような測定結果が得られていたとしても、上述のような構造モデルを用いて緑地を評価することで、緑地がユーザのどのような心理(因子)に影響しているか、また、その心理(因子)の関係性の高さを評価することができる。このため、緑地とその評価結果の関係性を手がかりにし、ユーザに対しどのような心理的、生理的効果を与えたいかを考慮した新たな緑地の設計を行うことができる。
また、本実施形態によれば、企業が所有する既存緑地の価値をCSR(Corporate Social Responsibility)報告書などで発表することにより、企業の評判を高めることや、新たな緑地を作成する際に、費用対効果を判断する材料となる。
なお、本発明における図1の緑地評価システム10の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより緑地の評価を行う処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
10 緑地評価システム
20 ネットワーク
30−1,30−2,30−n 端末装置
101 通信部
102 計測部
103 価値解析部
104 モデル構築部
105 構造方程式モデリング部
106 入力部
107 出力部
108 観測結果記憶部
109 構造モデル記憶部
110 クラスター分割部
111 価値解析部
112 環境価値記憶部

Claims (6)

  1. 緑地を利用する行動の種類を示す利用行動により緑地を利用する人間のクラスタ分析を行い、緑地を利用する人間を複数の行動クラスターに分割するクラスター分割部と、
    前記複数の行動クラスター毎の緑地の環境に対する価値である環境価値と当該環境価値に対する人間の意識との間の回帰分析を行い、人間の心理的及び経済的な緑地の環境価値を求める価値解析部と
    を備えることを特徴とする緑地評価システム。
  2. 緑地環境の評価と、利用行動によって認知された影響と、緑地の環境価値に対する人間の意識を計測する計測部と、
    前記計測部によって計測された、前記緑地環境の評価と、前記利用行動によって認知された影響と、前記緑地の環境価値に対する人間の意識とに対して因子分析を行うことによって、前記緑地環境及び前記緑地環境の評価間の関係を表す第1の因子と、前記利用行動及び前記利用行動によって認知された影響間の関係を表す第2の因子と、前記緑地の環境価値と前記環境価値に対する人間の意識との関係を表す第3の因子とを、求める因子分析部と、
    前記緑地環境と前記利用行動と前記環境価値との関係を表すモデルに基づいて、前記第1の因子に関連付けられている前記緑地環境と、前記第2の因子に関連付けられている前記利用行動と、前記第3の因子に関連付けられている前記環境価値とを関連付し、緑地・環境価値影響構造モデルを構築するモデル構築部と、
    構造方程式モデルに基づいて、前記緑地・環境価値影響構造モデルを分析し、各因子の影響度合いを表すパス係数と、決定係数と、因子得点とを算出する構造方程式モデリング部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の緑地評価システム。
  3. 前記価値解析部が、パラメトリック法及びノンパラメトリック法の各々により、前記行動クラスター各々の環境価値と当該緑地の環境評価との間の回帰分析を行う
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の緑地評価システム。
  4. 前記環境価値が前記緑地を維持管理するための負担金を支払う賛成率である
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の緑地評価システム。
  5. 前記価値解析部が、規模の異なる前記緑地毎に、人間の心理的及び経済的な環境評価を求めることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の緑地評価システム。
  6. クラスター分割部が緑地を利用する行動の種類を示す利用行動により緑地を利用する人間のクラスタ分析を行い、緑地を利用する人間を複数の行動クラスターに分割するクラスター分割過程と、
    価値解析部が、前記複数の行動クラスター毎の緑地の環境に対する価値である環境価値と当該環境価値に対する人間の意識との間の回帰分析を行い、人間の心理的及び経済的な緑地の環境価値を求める回帰分析過程と
    を含むことを特徴とする緑地評価方法。
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