[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図9を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の平面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図7は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図8はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図8及び図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951(図142を参照)からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図8及び図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後側に取付けられておりパチンコ機1の遊技を制御するための主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、遊技パネル1100の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット(図示は省略)と、基板ボックス1200の上側で遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図10乃至図15を参照して説明する。図10はパチンコ機における外枠の正面図であり、図11は外枠の右側面図である。また、図12は外枠を前から見た斜視図であり、図13は外枠を後ろから見た斜視図である。図14は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図15は(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材20及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている(図18等を参照)。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図15(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図15に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図17を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図17を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上がっている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部11内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30又は右枠部材40に固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30又は右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図16及び図17を参照して説明する。図16は(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図17は外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体63の前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック部材66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方突出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について、図18を参照して説明する。図18(a)は図1におけるA−A断面図であり、(b)は(a)において外枠に対して扉枠と共に本体枠を開いた状態を示す断面図である。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上がっている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、図18(b)に示すように、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、右排出孔52、及び左排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図25を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の背面図である。図21は扉枠を右前から見た斜視図であり、図22は扉枠を左前から見た斜視図であり、図23は扉枠を後ろから見た斜視図である。図24は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図25は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドルユニット500と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、図24及び図25に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられていると共に扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿液晶表示装置244、遊技者が操作可能なタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
扉枠3のトップユニット350は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
扉枠3の左サイドユニット400は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
扉枠3の右サイドユニット450は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース460と、ユニットベース460の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース460と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット500は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドルユニット500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサ507(図142を参照)と、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサ509(図142を参照)と、を備えている。
扉枠3のファールカバーユニット520は、図24、図25、及び図54乃至図56等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
扉枠3の球送りユニット540は、図24及び図25等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイド551(図142を参照)と、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
扉枠3のガラスユニット560は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
[3−1.皿ユニットの全体構成]
扉枠3の皿ユニット200について、図26乃至図41を参照して詳細に説明する。図26は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、図27は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図28は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図29は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図30(a)は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図31は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、図32は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。図33は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図34は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
また、図35は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図36はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図37は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図38はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図39は皿ユニットの平面図であり、図40は図39におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、図41は図39におけるC−C断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
更に、図42(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、図43(a)は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図44は、図42(b)の扉右下演出ユニットにおけるD−D断面図である。図45は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図46は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図47は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図48は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図49(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
また、図50(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。図51は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図52は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図53(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板1510との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
[3−1a.皿ユニットベース]
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、図28及び図29に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
[3−1b.上皿本体]
皿ユニット200の上皿本体212は、図28及び図29に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212は、底面が全体的に右端が低くなるように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができると共に、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
[3−1c.下皿本体]
皿ユニット200の下皿本体214は、図28及び図29に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができると共に、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
[3−1d.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、図30乃至図32に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができると共に、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
[3−1d−1.取付ベースユニット]
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、図31乃至図34に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられると共に後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状のユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(図41を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びていると共に上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(図40を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース230の貫通口230a内に挿入されると共に、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237aの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
[3−1d−2.タッチユニット]
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、図35及び図36に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うと共に下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿液晶表示装置244と、上皿液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びていると共に、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部213aの内形と対応しており、収容凹部213a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通していると共に一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
ベース部材243は、上皿液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(図40を参照)と、を備えている。
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができると共に、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシートと、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバーと、を備えている。
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接すると共に、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防止水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
[3−1d−3.ボタンユニット]
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、図37及び図38に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされていると共に下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出すると共に、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
[3−1d−4.演出操作ユニットの特徴]
本実施形態の演出操作ユニット220は、図40に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
また、演出操作ユニット220は、図41に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
また、演出操作ユニット220は、図30等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
この上皿液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させると共に、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者がタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチパネル220Bの後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図41に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
[3−1e.皿ユニットカバー]
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、図26乃至図29に示すように、左右に延びていると共に、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドルユニット500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
詳述すると、組立てた状態では、タッチユニット220Bの前端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約25mmに、タッチユニット220Bの後端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約50mmに、上皿下被覆部262の前端からタッチユニット220Bの後端までの前後の距離が約60mmに、夫々形成されている。また、タッチユニット220Bの上面が、水平に対して約20度傾斜している。これにより、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間を、遊技者の手で掴むことができる。
[3−1f.扉右下演出ユニット]
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、図42乃至図49に示すように、ハンドルユニット500の上側、且つ、演出操作ユニット200の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転すると共に発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板1510との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
回転体内部ユニット290は、図47及び図48に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクタベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できると共に、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ275は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(図49(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(図49(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができると共に、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動すると共に、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
[3−1g.演出ユニットカバー]
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、図28及び図29に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
演出ユニットカバー300は、全体が後方が開放された容器状で、透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されると共に、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
[3−1h.上皿球抜きユニット]
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、図50乃至図52に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されていると共に後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239cの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口していると共にベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びていると共に後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、図50(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導部315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
[3−1i.下皿球抜きユニット]
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、図53等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体212に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体212との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325aの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持すると共に、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325aが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
[3−1j.球貸操作ユニット]
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、図28及び図29等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。
この球貸操作ユニット330は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン333を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
[3−1k.上皿トップ装飾部材]
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、図28及び図29等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット200の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
[3−1l.皿ユニットの特徴的な作用効果]
本実施形態の皿ユニット200は、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させることができるため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができると共に、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿液晶表示装置244を備えているため、上皿液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ機1の正面に位置している遊技者によって上皿液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができると共に、上皿液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
また、上皿液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット200を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿液晶表示装置244へ移すことができ、上皿液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット200を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット200(上皿液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出操作ユニット200にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されていると共に、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
また、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図41に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、皿ユニット200の演出操作ユニット220において、加振装置242によってタッチパネル246と上皿液晶表示装置244とを備えたタッチユニット220Bを振動させた際に、タッチユニット220Bが複数(二つ)のダンパ222を挟んで浮いた状態で取付ベースユニット220Aのユニットケース231に取付けられているため、タッチユニット220B(加振装置242)の振動がダンパ222によって吸収・減衰されて取付ベースユニット220Aに伝わることとなり、取付ベースユニット220Aの振動を低減させることができる。従って、タッチユニット220Bのタッチパネル246をタッチ操作した際に、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させると、タッチユニット220Bのみが振動することとなるため、遊技者に対してタッチユニット220Bのタッチパネル246の操作感を十分に付与することができ、遊技者にタッチパネル246のタッチ操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させることができるため、遊技者に対してタッチパネル246の操作感の他に、タッチユニット220Bの振動によって驚かせたり、タッチパネル246を操作するタイミングを示唆したりすることができ、タッチユニット220Bのタッチパネル246による操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によって下側から支持しているため、タッチユニット220Bを上側から叩いたり強く押したりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が加えられても、ダンパ222によってその衝撃等を吸収することが可能となるため、衝撃等によってタッチユニット220Bや取付ベースユニット220A等が破損してしまうのを低減させることができ、タッチユニット220B等の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの操作する部位をタッチパネル246としていることから、遊技者が操作する際には、ボタンを押圧操作する場合と比較して、タッチパネル246に触れている時間が長くなるため、タッチパネル246に触れた時に加振装置242でタッチユニット220Bを振動させると、その振動を遊技者の指(手)に確実に伝達させることができる。従って、遊技者の指が振動することでタッチパネル246を操作していることを遊技者に実感させることができるため、十分な操作感を付与することができ、遊技者にタッチパネル246の操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に表示される画像を変更することで、タッチ操作(ボタン)の種類を簡単に変更することができ、多様な演出に対応することが可能となり、多様な演出によって遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。更に、タッチユニット220Bにタッチパネル246を備えているため、従来の押圧ボタンと比較して、タッチ、タップ(シングルタップ、ダブルタップ)、ドラッグ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、スワイプ、タッチアンドホールド、等の様々な操作を行うことができる。これにより、より多彩な操作演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを、取付ベースユニット220A(ユニットケース231)に対して上方へ移動不能且つ下方へ移動可能に取付けるようにしており、複数のダンパ222の弾性力(付勢力)によってタッチユニット220Bが上側の移動端に押し付けられた状態となるため、タッチパネル246の操作中にタッチユニット220Bを動き難くすることができ、タッチパネル246の操作を的確に行い易くすることができる。また、タッチユニット220Bが動き難くなることから、遊技者に対してタッチユニット220Bが動かないものであると思わせることができ、動かないと思っていたタッチユニット220Bが遊技状態に応じて加振装置242により振動することで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させるようにしているため、例えば、タッチパネル246において遊技者が操作する部位に近い位置の加振装置242を駆動させることで、強い振動を伝達させることができる。従って、タッチパネル246において、遊技者が操作すべき位置と異なる位置を操作した場合、遊技者に伝達される振動が異なることとなるため、遊技者に対して、操作を間違えていることを知らせることが可能となり、遊技者に対して正しい操作を行わせることができ、タッチパネル246を用いた操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242を備えているため、各加振装置242の振動の周波数や強さ等を適宜制御することで、タッチパネル246の任意の位置で共振現象を発生させることができる。従って、遊技者が操作した任意の位置で共振現象が発生するように各加振装置242を制御することで、より一層の操作感を付与したり、遊技者を大いに驚かせたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が作用した場合、タッチユニット220Bの左右両端側がダンパ222を挟んでユニットケース231に取付けられているため、ダンパ222とタッチユニット220Bの撓りとによって上側からの衝撃等をある程度吸収して(減衰させて)ユニットケース231側へ伝達させることができる。また、ユニットケース231側では、ユニットケース231の外縁が下側の取付ベース230に取付けられているため、ユニットケース231を介したタッチユニット220B側からの衝撃や荷重等を、取付ベース230に対して広く分散させて伝達させることができる。この際に、ユニットケース231の下面から下方へ突出した受突部231eの外周壁と、取付ベース230の取付側受部230aの底面において受突部231eが挿入されている筒状受部230cの内周壁との間に隙間が形成されているため、タッチユニット220Bからの衝撃や荷重等によって、ユニットケース231が下方へ撓んだ後に、受突部231eと筒状受部230cとが当接してユニットケース231から取付ベース230へ衝撃等が伝達されることとなり、ユニットケース231の撓みによって、衝撃等が更に減衰された状態で取付ベース230に伝達される。この受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、下方へ窄まっているため、受突部231eと筒状受部230cとが当接すると、受突部231e(ユニットケース231)側からの衝撃や荷重等が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に対して斜め方向へ伝達され、取付ベース230の取付側受部230aの底面に垂直な方向と底面に沿った方向とに分解されることとなり、取付ベース230を撓ませようする底面に垂直な方向(下方向)の力が小さくなって取付ベース230側へ伝達される。従って、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしても、複数のダンパ222、ユニットケース231、取付ベース230によって、その衝撃等を効果的に減衰させることができ、タッチユニット220Bや取付ベースユニット220Aが破損するのを抑制することができる。
[3−2.ファールカバーユニット]
扉枠3のファールカバーユニット520について、図54乃至図56を参照して詳細に説明する。図54(a)は扉枠のファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図55(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、図56は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
本実施形態のファールカバーユニット520は、図示するように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口528と、を備えている。
また、ファールカバーユニット520は、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
更に、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522及び蓋部材524とによって、満タン球受口528及びファール球受口530と球放出口532との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路533と、貯留通路533の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体522に取付けられている平板状の可動片534と、可動片534の貯留通路533から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ535と、可動片534を貯留通路533の中心側へ付勢しているバネ536と、を備えている。
このファールカバーユニット520は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球で一杯になって、球放出口532から遊技球が下皿202側へ放出されなく無くると、貯留通路533内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路533内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片534の上端が貯留通路533から遠ざかる方向へ移動するように可動片534が回動し、その回動が満タン検知センサ535によって検知される。これにより、下皿202が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ535により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522の後側で貫通球通路526の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部537を備えている(図79を参照)。扉開閉当接部537は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部537は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路扉部材863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部537に誘導路開閉部863の作動突部863eが当接することで、誘導路扉部材863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、図57乃至図60を参照して説明する。図57は本体枠を前から見た斜視図であり、図58は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、図59は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図60は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、図57乃至図60に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
また、本体枠4は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の低音スピーカを前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
更に、本体枠4は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
また、本体枠4は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿通口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、図46乃至図49を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠4の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられて下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用下ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用下ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、図46乃至図49を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、図57、図59及び図60を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット500のハンドルレバー504の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット540から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドルレバー504を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット520のファール球受口530へ落下し、ファールカバーユニット520内を通って下皿202に排出される。
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、図57乃至図60を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出しており前側から挿入した開錠鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、図61乃至図72を参照して説明する。図61は払出ユニットを前から見た斜視図であり、図62は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図63は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図64は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図65(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図66は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、図67(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、図68は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、図69は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図70(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるE−E線で切断した断面図である。また、図71(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。図72は、払出装置における払出羽根の部位を拡大して示す説明図である。
また、図73(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図74(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図75(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図76は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図77は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図78(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、図79は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。図80は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
本実施形態の払出ユニット800は、図61及び図62等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(図80を参照)によって、前後二列に整列させる。
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、図65及び図66を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後レース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース内及び後ケース内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821dから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822dから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820を組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(図80を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825,826aが良好に回動できるようになる。
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,825cが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,825cへ向かって遊技球を誘導させる導入部822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、図67乃至図72を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している後箱832、を備えている。
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して後箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材837を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び後箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
更に、払出装置830は、前箱831と後箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと後箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と後箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び後箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
後箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、後箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、後箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、後箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
前箱831及び裏箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、後箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と後箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部387cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている(図72を参照)。つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが後箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び後箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び後箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている(図61を参照)。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b,839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び後箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、本体部843cのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(図71を参照)と、を備えている。
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(図71(a)を参照)。
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び後箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(図60(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路381e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、図73及び図74を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(図80を参照)。
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
扉枠3の上皿201内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿202に送られることとなる。
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿201での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿201から下皿202へ振分けることができる。
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、図75乃至図79を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下カバー867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット520における貫通球通路526、満タン球受口530、及び扉開閉当接部537と対向する位置に取付けられている(図79を参照)。そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(図78(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(図78(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の貫通球通路526及び満タン球受口528が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路526及び満タン球受口528側へ遊技球を受渡すことができる。
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿201が遊技球で一杯になり、上皿201へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット520を通って下皿202へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿201に加えて下皿202も遊技球で一杯になって下皿202へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路533内に遊技球が貯留されることで可動片534が回動して満タン検知センサ535により検知されると、上皿201及び下皿202が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ535による可動片534の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
なお、満タン検知センサ535による可動片534の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に可動片534が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路533、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿201や下皿202が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技に専念させて楽しませることができる。
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、図57乃至図60を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
払出制御基板ボックス950内に収容された払出制御基板951によって、払出装置830が制御されている。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、図81乃至図87を参照して詳細に説明する。図81は、遊技盤の正面図である。図82は遊技盤を右前から見た斜視図であり、図83は遊技盤を左前から見た斜視図であり、図84は遊技盤を後ろから見た斜視図である。また、図85は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図86は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図87は、遊技盤における前構成部材及び表ユニットを遊技領域内の前後方向の略中央で切断した正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット500のハンドルレバー504を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図142を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に取付けられている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能なメイン液晶表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。裏ユニット3000の後面にメイン液晶表示装置1600が取付けられていると共に、メイン液晶表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。第二大入賞口2006は、遊技球が流通する一つの流路に配置された第二上大入賞口2006aと第二下大入賞口2006bとの二つの大入賞口により構成されている(図87を参照)。
また、表ユニット2000は、技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に取付けられており第一始動口2002及び第一大入賞口2005を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられているサイドユニット上2300と、遊技領域5a内の略中央に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び第二大入賞口2006を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010内の所定位置に配置されており表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球を検知する複数の一般入賞口センサ3015と、裏箱3010の後面に取付けられておりメイン液晶表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010内の正面視右端に取付けられておりセンター役物2500の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられた遊技球を排出するための右球通路ユニット3030と、裏箱3010内の正面視右下隅の前端付近に取付けられておりセンター役物2500の第二大入賞口2006や第二アウト口2543cに受入れられた遊技球を排出するための右下球通路ユニット3035と、を備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の後面に取付けられている上中継基板3040と、上中継基板3040の後側を覆う上中継基板カバー3041と、裏箱3010の後面に回動可能に取付けられている箱状の演出駆動基板ボックス3042と、演出駆動基板ボックス3042内に収容されている演出駆動基板3043と、裏箱3010の後面に取付けられているパネル中継基板3044と、パネル中継基板3044の後側を覆うパネル中継基板カバー3045と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端で正面視左辺側の上下方向中央から上寄りに取付けられている裏左中装飾ユニット3050と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏箱3010の後壁付近に取付けられている裏下後可動演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で正面視左側に取付けられている裏上左可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左側に取付けられている裏左可動演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向中央から正面視右端までにかけて取付けられている裏上中可動演出ユニット3400と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3500と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、主に図85及び図86を参照して説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
[5−2.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、主に図85及び図86を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。遊技パネル1100のパネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を後側から着脱可能に保持している。また、パネルホルダ1120は、裏ユニット3000を取付けるための取付孔と、位置決め孔とが後面に複数形成されている。
遊技パネル1100を前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネル板1110のアウト口1111が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1111へ誘導され、アウト口1111を通って遊技パネル1100の後側へ排出される。
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、図82乃至図86を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態では、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1111を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201(図85を参照)から下方へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、図82乃至図86、及び図142を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板1310と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、図81乃至図83を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図示するように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。この機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(図1を参照)。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果に基づいて二つのLEDを点滅制御することにより普通図柄を変動表示した後にこれら二つのLEDを普通抽選結果に応じた点灯態様で表示させる普通図柄表示器と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る普通図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、第一始動口2002への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第一特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第一特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第一特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球の受入れに係る第一特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第二特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第二特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第二特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る第二特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する二つのLEDからなるラウンド表示器と、を主に備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1500について、図84及び図86を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図142を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための液晶表示制御部1512と、を備えている(図142を参照)。
[5−7.メイン液晶表示装置]
次に、メイン液晶表示装置1600について、図81乃至図87を参照して説明する。メイン液晶表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。詳述すると、メイン液晶表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。このメイン液晶表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。このメイン液晶表示装置1600は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの表示装置であり、静止画像や動画を表示することができる。
メイン液晶表示装置1600は、図85及び図86に示すように、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1601と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1602と、を備えている。このメイン液晶表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニットの全体構成]
次に、表ユニット2000について、主に図81乃至図83、図85乃至図87を参照して説明する。遊技盤5の表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端が開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。本実施形態の表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球の受入れが可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、三つが遊技領域5a内の下部に配置されており、残りの一つが遊技領域5a内における正面視右上付近に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右上で衝止部1006の略直下に配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下から正面視右寄りに配置されている。上述した複数の一般入賞口2001のうち遊技領域5a内の正面視右上付近に配置されている一般入賞口2001は、第二始動口2004の直上に配置されている。第一大入賞口2005は、第一始動口2002とアウト口1111との間に配置されている。第二大入賞口2006は、第一始動口2002の正面視右方で第一大入賞口2005よりも上方に配置されている。
表ユニット2000における第二大入賞口2006は、図87に示すように、遊技球が流通する一つの流路に沿って配置された第二上大入賞口2006aと第二下大入賞口2006bとにより構成されている。第二大入賞口2006は、第二上大入賞口2006aが遊技領域5a内における正面視右下付近に配置されており、第二下大入賞口2006bが第二上大入賞口2006aの正面視左側で下方に配置されている。
また、表ユニット2000は、技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に取付けられており第一始動口2002及び第一大入賞口2005を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿って取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット下2200と、サイドユニット下2200の正面視左端上方に取付けられているサイドユニット上2300と、遊技領域5a内の略中央に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び第二大入賞口2006を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
[5−8a.始動口ユニット]
次に、表ユニット2000の始動口ユニット2100について、主に図88を参照して説明する。図88(a)は表ユニットにおける始動口ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は始動口ユニットを後ろから見た斜視図である。始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1111の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002及び第一大入賞口2005を有している。
始動口ユニット2100は、パネル板1110の前面に取付けられ左右に延びた矩形状で前後に貫通している第一大入賞口2005を有した平板状のユニットベース2101と、ユニットベース2101における第一大入賞口2005の上方で左右方向略中央の上部から前方へ突出しており第一始動口2002を形成している球受部2102と、ユニットベース2101の後側に取付けられており第一始動口2002に受入れられた遊技球を下方へ誘導する球誘導部2103と、球誘導部2103に取付けられており第一始動口2002に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ2104と、第一大入賞口2005を閉鎖するようにユニットベース2101の後面に取付けられている第一アタッカユニット2110と、を備えている。
始動口ユニット2100の第一アタッカユニット2110は、第一大入賞口2005を後方から閉鎖するようにユニットベース2101の後面に取付けられ前端が第一大入賞口2005と略同じ大きさで前方に開放されている箱状のユニットケース2111と、第一大入賞口2005を開閉可能にユニットケース2111の前端で下辺が回動可能に支持されている横長矩形状で平板状の第一大入賞口扉部材2112と、ユニットケース2111内に取付けられており第一大入賞口扉部材2112を開閉駆動させる第一アタッカソレノイド2113と、ユニットケース2111内に取付けられており第一大入賞口2005に受入れられた遊技球を検知する第一大入賞口センサ2114と、ユニットケース2111の上面に取付けられており第一始動口センサ2104、第一アタッカソレノイド、及び第一大入賞口センサ2114と主制御基板1310との接続を中継する始動口ユニット中継基板2115と、ユニットケース2111の下部に取付けられており第一大入賞口2005を発光装飾させるための始動口ユニット装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
第一始動口2002を形成している球受部2102は、遊技球を一度に一つのみ受入可能な大きさで上方に向かって開口している。ユニットベース2101を貫通している第一大入賞口2005は、遊技球を一度に複数(例えば、4個〜6個)受入可能な大きさで前方に向かって開口している。
始動口ユニット2100は、球受部2102により形成されている第一始動口2002が上方に向かって開口しており、第一始動口2002に受入れられた遊技球を、球誘導部2103によりユニットベース2101の後側で下方へ誘導し、第一始動口センサ2104に検知させた後に、第一アタッカユニット2110を貫通して下方へ排出させることができる。本実施形態では、第一始動口センサ2104が二つ備えられており、主制御基板1310では、所定の時間範囲内で二つの第一始動口センサ2104が遊技球を検知すると、第一始動口2002に遊技球が受入れられたと判断するようになっている。これにより、第一始動口2002への不正な工具の挿入による不正行為を検知することができる。
始動口ユニット2100では、ユニットベース2101の後面に第一アタッカユニット2110を取付けることにより、第一アタッカユニット2110の第一大入賞口扉部材2112が、ユニットベース2101に開口している第一大入賞口2005内に後方から挿入されて、第一大入賞口2005を閉鎖している。この第一大入賞口扉部材2112は、第一大入賞口2005を閉鎖している直立した状態で、下辺の左右両端部がユニットケース2111によって回動可能に取付けられており、上辺が前方且つ下方へ移動するように回動させることで第一大入賞口2005を閉状態から開状態とすることができる。
第一アタッカユニット2110の第一大入賞口扉部材2112は、通常の状態(第一アタッカソレノイド2113が非通電の状態)では直立して、第一大入賞口2005を閉鎖している。そして、第一アタッカソレノイド2113が遊技状態に応じて通電されると、上辺が前方且つ下方へ移動するように第一大入賞口扉部材2112が回動して、上辺が下辺よりもやや上方へ位置した状態となる。つまり、第一大入賞口扉部材2112が、第一大入賞口2005の下辺から前方へ向かって高くなるように傾斜した状態となる。
この状態で第一大入賞口2005の前方を遊技球が流下して第一大入賞口扉部材2112に当接すると、第一大入賞口扉部材2112の傾斜により遊技球の流通方向が下方から後方へと変化し、第一大入賞口2005に受入れられてユニットケース2111内に進入することとなる。そして、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球は、第一大入賞口センサ2114により検知された後に、ユニットケース2111の下面から下方へ排出される。
[5−8b.サイドユニット下]
次に、表ユニット2000のサイドユニット下2200について、主に図89を参照して説明する。図89(a)は表ユニットにおけるサイドユニット下及びサイドユニット上を前から見た斜視図であり、(b)はサイドユニット下及びサイドユニット上を後ろから見た斜視図である。サイドユニット下2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿って円弧状に延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット下2200は、三つの一般入賞口2001を有している。
このサイドユニット下2200は、パネル板1110の前面に取付けられ内レール1002に沿うように円弧状に延びている平板状のユニットベース2201と、ユニットベース2201の前面から前方へ突出していると共に上方及び後方が開放されており夫々が一般入賞口2001を形成している三つの球受部2202と、球受部2202の後端と連通していると共にユニットベース2201の後面から後方へ突出しており一般入賞口2001に受入れられた遊技球を後方へ誘導する樋部2203と、を備えている。
ユニットベース2201は、正面視左方へ向かうに従って高くなるように円弧状に延びている。三つの球受部2202は、互いに左右に離間してユニットベース2201の前面から突出している。一般入賞口2001を形成している球受部2202は、遊技球を一度に一つのみ受入可能な大きさで上方に向かって開口している。
サイドユニット下2200は、遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で、正面視最も左側の一般入賞口2001が、サイドユニット上2300の右端よりも若干右方に位置している。このサイドユニット下2200は、三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、樋部2203により夫々パネル板1112の後方へ誘導することができる。そして、パネル板1112の後方に誘導された遊技球は、裏ユニット3000の裏下前可動演出ユニット3500における裏左下球誘導ユニット3505内に取付けられている一般入賞口センサ3015(図125を参照)により検知されて下方に排出される。
[5−8c.サイドユニット上]
次に、表ユニット2000のサイドユニット上2300について、主に図89を参照して説明する。サイドユニット上2300は、遊技領域5a内において、サイドユニット下2200の正面視左上方で上下方向中央からやや下寄りに前方からパネル板1110に取付けられている。
サイドユニット上2300は、パネル板1110の前面に取付けられる平板状のユニットベース2301と、ユニットベース2301の前面から前方に突出していると共に正面視右端側が低くなるように左右に延びている棚部2302と、を備えている。棚部2302は、ユニットベース2301の左端から右端まで延びている。
サイドユニット上2300は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、棚部2302の左端が内レール1002に接近しており、内レール1002に沿って流下してきた遊技球を、棚部2302により右方(遊技領域5aの左右方向中央)へ誘導させることができる。
[5−8d.センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図90乃至図93を参照して説明する。図90は表ユニットのセンター役物を前から見た斜視図であり、図91は表ユニットのセンター役物を後ろから見た斜視図である。また、図92は、センター役物における右側の流路を断面で示す説明図である。更に、図93(a)はセンター役物における第二アタッカユニット付近を拡大して示す正面図であり、(b)は(a)におけるF−F線で切断した断面図である。
センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、及びサイドユニット下2200よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置されたメイン液晶表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている演出ユニット等を前方から視認することができる。センター役物2500は、一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び第二大入賞口2006を有している。
センター役物2500は、パネル板1112の中央で大きく前後に貫通している開口部1112の周縁に沿ってパネル板1110の前面に当接する平板枠状のフランジ部2511と、フランジ部2511から前方へ突出しており枠内への遊技球の浸入を阻止する前周壁部2512と、フランジ部2511から後方へ突出して開口部1112内に挿入される後周壁部2513と、を有している枠状のセンターベース2510を備えている。前周壁部2512は、下辺の一部を除いてフランジ部2511の略全周に亘って形成されている。また、前周壁部2512は、上辺における左右方向中央からやや左寄りの位置が最も高くなっている。
また、センター役物2500は、センターベース2510の前周壁部2512において正面視左辺における上下方向の略中央の外周面で遊技領域5a内の遊技球が進入可能に開口しているワープ入口2520と、ワープ入口2520に進入した遊技球を前周壁部2512内で正面視左辺の下端に誘導するワープ通路2521と、ワープ通路2521を流通した遊技球を放出可能とされワープ通路2521の下端において後方に向かって開口しているワープ出口2522(図87を参照)と、ワープ出口2522から放出された遊技球をフランジ部2511よりも後方且つセンターベース2510の枠内で下辺に沿って左右方向の中央側へ誘導する誘導路2523と、誘導路2523により誘導された遊技球が正面視左端から供給可能とされていると共にセンターベース2510の左右方向の中央部の枠内で下辺に沿って左右に延びており供給された遊技球を左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出するステージ2530と、を備えている。
ステージ2530は、正面視左右両端が高く遊技領域5aの左右方向中央に対応する部位の左右両側が最も低くなるように湾曲しており、最も低くなっている部位の間が若干高くなるように膨出している。つまり、ステージ2530は、緩い傾斜のW字形状に形成されている。ステージ2530は、遊技領域5aの左右方向中央に対応し若干高くなっている部位の頂点に形成されており前方へ向かって低くなると共に左右に若干広がる扇状の中央誘導部2531と、中央誘導部2531の左右両側の最も低くなっている二つの部位に夫々形成されており前方へ向かって低くなると共に左右へ広がる扇状のサイド誘導部2532と、を備えている。
このステージ2530は、遊技盤5を組立てた状態では、遊技領域5a内においてワープ入口2520に進入し、ワープ通路2521、ワープ出口2522、及び誘導路2523を経てステージ2530に供給された遊技球が、ステージ2530の中央誘導部2531又はサイド誘導部2532の何れかから前方へ放出されて再び遊技領域5a内に戻される(還流される)。また、ステージ2530は、遊技盤5を組立てた状態では、中央誘導部2531の直下に第一始動口2002が位置しており、中央誘導部2531から遊技領域5a内へ遊技球が放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
センター役物2500は、は、図92に示すように、センターベース2510の上辺における正面視右端から上下方向の略中央付近まで前周壁部2512の一部が下方へ略垂直に延出している右上垂壁部2512aと、右上垂壁部2512aの下端から遊技盤5を組立てた状態で遊技領域5aの内周付近(前構成部材1000の右レール1005付近)まで右端側が若干低くなるように前周壁部2512の一部が右方に延出している右上横壁部2512bと、右上横壁部の右端からステージ2530と略同じ高さまで前周壁部2512の一部が下方に延出している右下垂壁部2512cと、右下垂壁部2512cの下端から左右方向中央側に向かって若干低くなるように前周壁部2512の一部が左方に延出している右下横壁部2512dと、を備えている。
また、センター役物2500は、右上垂壁部2512a及び右上横壁部2512bの外周側で前構成部材1000の右レール1005と協働して形成し遊技球が流通可能な右上流通空間2541と、右上流通空間2541と連通し右下垂壁部2512cの正面視右側において遊技球が下方へ流通可能な右流通路2542と、右流通路2542と連通し右下横壁部2512dの下方に形成され遊技球が流通可能とされると共に遊技領域5aと連通可能な右下流通空間2543と、を備えている。これら右上流通空間2541、右流通路2542、及び右下流通空間2543により、遊技領域5a内における右打遊技領域2540を形成している。
右上流通空間2541は、上下方向及び左右方向の寸法が遊技球の外径よりも十分に大きい所定広さの空間とされており、遊技球を自由な経路で流下させることができる。右流通路2542は、垂直に下方に延びた下端部付近が、正面視斜め左下に延びるように折れ曲がっていると共に、左右方向の寸法が遊技球の外径よりも若干広い幅の通路とされており、上下に一列で遊技球を流下させることができる。
右下流通空間2543は、右流通路2542の下端と連通する部位の直下から正面視左端側が低くなるように左方に延びた後に、左方に開口している第二アタッカ通路2543aと、第二アタッカ通路2543aの正面視右端と連通していると共に下方に延びている排出通路2543bと、排出通路2543bの下端において遊技球が通過可能にフランジ部2511を貫通して後方に開口している第二アウト口2543cと、を備えている。右下流通空間2543の第二アタッカ通路2543aは、上下方向の寸法が遊技球の外径の約2倍の高さの通路とされており、排出通路2543bは、左右の寸法が遊技球の外径よりも若干広い幅の通路とされている。この右下流通空間2543は、遊技盤5に組立てた状態で、第二アタッカ通路2543aの左端(下流端)が、始動口ユニット2100の正面視左方で、第一始動口2002と第一大入賞口2005との間の高さで左方に向かって開口しており、第二アタッカ通路2543aの左端から遊技球が遊技領域5a内に放出される。一方、排出通路2543bに進入した遊技球は、排出通路2543bの下端に開口している第二アウト口2543cを通ってフランジ部2511(遊技パネル1100)の後方に送られ、遊技領域5a内に戻されることなく遊技盤5から排出される。
右上流通空間2541は、全体的に前方が開放されており、後方における上下方向の略下半分の部位において、右上垂壁部2512a及び右上横壁部2512bの外周面の後端から延出しているフランジ部2511により閉鎖されている。右流通路2542は、前方が右下垂壁部2512cの外周面の前端の位置から正面視右方に延出している平板状の透明な右前装飾板2544により閉鎖されており、後方が右下垂壁部2512cの後端から延出しているフランジ部2511により閉鎖されている。右下流通空間2543は、前方が右下横壁部2512dの外周面の前端の位置から下方に延出している平板状の透明な右下前装飾板2545により閉鎖されており、後方が右下横壁部2512dの外周面の後端から延出しているフランジ部2511により閉鎖されている。
センター役物2500は、右流通路2542及び右下流通空間2543の内部に突出しており、遊技球の流通方向に対して直角方向に延びている複数の減速リブ2546を備えている。右流通路2542では、複数の減速リブ2546が、遊技球の流通方向に対して、右前装飾板2544とフランジ部2511の互いに対向している面から所定間隔で交互に突出している。この右流通路2542内の複数の減速リブ2546は、右前装飾板2544側とフランジ部2511側とで、減速リブ2546同士の間隔が、遊技球の外径と略同じ間隔とされている。また、右前装飾板2544から突出した減速リブ2546の突出端と、フランジ部2511から突出した減速リブ2546の突出端との間の間隔は、遊技球の外径よりも狭く形成されている。これらにより、垂直に延びている右流通路2542内では、遊技球が必ずジグザグに流下して、重力による加速に対して十分な減衰力を作用させることができる。
一方、右下流通空間2543では、複数の減速リブ2546が、遊技球の流通方向に対して、右下装飾板2545とフランジ部2511の互いに対向している面から所定間隔で交互に突出している。この右下流通空間2543内の複数の減速リブ2546は、右下装飾版2545側とフランジ部2511側とで、減速リブ2546同士の間隔が、遊技球の外径よりも若干大きい間隔とされている。また、右下装飾板2545から突出した減速リブ2546の突出端と、フランジ部2511から突出した減速リブ2546の突出端との間の間隔は、遊技球の外径よりも狭く形成されている。これらにより、右下流通空間2543内でも、遊技球が必ずジグザグに流下し、遊技球の流通速度を減衰させて、遊技球の流通速度が早くなり過ぎるのを防止している。
本実施形態では、右上流通空間2541に、一つの一般入賞口2001と、ゲート部2003と、第二始動口2004とが備えられており、右下流通空間2543に、第二大入賞口2006が備えられている。
詳述すると、ゲート部2003は、右上垂壁部2512aの上部後端から正面視右方に延出しているフランジ部2511の前面から前方に突出するように備えられており、遊技球が一つのみ上下方向に通過可能に形成されている。このゲート部2003には、遊技球の通過を検知するゲートセンサ2547が取付けられている。このゲート部2003は、遊技盤5を組立てた状態で、前構成部材1000の衝止部1006の直下に対して正面視やや左寄りに配置されている。
センター役物2500の一般入賞口2001及び第二始動口2004は、ゲート部2003の下方で、右上流通空間2541の後方の略下半分を閉鎖しているフランジ部2511の前面から前方に突出するように備えられている。詳述すると、センター役物2500は、当該フランジ部2511の前面から前方に突出し、上端において一般入賞口2001が上方及び後方が開放された容器状に形成されていると共に、一般入賞口2001の直下で正面視左側面において第二始動口2004が左方に向かって開口するように形成されている球受部材2548と、球受部材2548とフランジ部2511とによって下端が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており第二始動口2004を開閉可能に閉鎖している第二始動口扉部材2549と、フランジ部2511の後面に取付けられており第二始動口扉部材2549を開閉駆動させる始動口ソレノイド2550(図142を参照)と、第二始動口2004に受入れられた遊技球を検知する第二始動口センサ2551と、を備えている。
センター役物2500の一般入賞口2001は、ゲート部2003の直下に対して正面視右方で上方に向かって遊技球を一つのみ受入可能な大きさで開口している。この一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、フランジ部2511よりも後方に誘導された後にセンター役物2500から正面視右方へ排出される。
第二始動口2004は、一般入賞口2001の直下で正面視左方に向かって開口しており、第二始動口扉部材2549が正面視反時計回りに回動することで、左方に開放されて遊技球の受入れが可能となる。第二始動口扉部材2549は、正面視の外形形状が、下部を構成している基端円と、その基端円よりも外側の一点からその基端円に接するように延びた二つの辺とで構成されているような所謂「流滴状」に形成されており、基端円の中心において回動可能に取付けられている。
第二始動口2004は、通常の状態では、始動口ソレノイド2550が非通電となっており、第二始動口扉部材2549が、先端側が基端円の略直上に位置した直立した状態となって、第二始動口扉部材2549により遊技球が受入れられないように閉鎖されている。そして、ゲート部2003を遊技球が通過することで抽選された普通抽選結果に応じて始動口ソレノイド2550が通電されると、第二始動口扉部材2549の先端側が正面視左方に移動するように、第二始動口扉部材2549が回動し、先端側が若干高い状態で回動停止する。これにより、第二始動口2004が開いた状態となり、遊技球の受入れが可能な状態となる。なお、第二始動口扉部材2549が回動して開いた状態では、第二始動口扉部材2549の先端が、ゲート部2003の中心を通る垂直線と略一致した状態となる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球は、フランジ部2511の後方に誘導された後に、第二始動口センサ2551に検知されて、下方に排出される。
第二大入賞口2006は、右下流通空間2543における第二アタッカ通路2543aの底面において、上方に向かって開口するように配置されている。詳述すると、第二大入賞口2006を構成している第二上大入賞口2006aが、第二アタッカ通路2543a内における正面視右端において上方に向かって開口しており、同じく第二大入賞口2006を構成している第二下大入賞口2006bが、第二アタッカ通路2543a内における第二上大入賞口2006aの正面視左方且つ下方において上方に向かって開口している。第二上大入賞口2006a及び第二下大入賞口2006bは、左右の幅が、遊技球の外径の3倍〜4倍の範囲内に形成されている。
センター役物2500は、上方に向かって開口している第二上大入賞口2006aを開閉可能とするようにセンターベース2510により前後方向にスライド可能に支持されていると共に前端がフランジ部2511の前面よりも前方に突出して第二上大入賞口2006aを閉鎖しており正面視左端側が低くなるように傾斜した平板状の第二上大入賞口扉部材2552と、センターベース2510の後面に取付けられており第二上大入賞口扉部材2552を開閉駆動させる第二上アタッカソレノイド2553と、第二上大入賞口2006aに受入れられた遊技球を検知する第二上大入賞口センサ2554(図142を参照)と、上方に向かって開口している第二下大入賞口2006bを開閉可能とするようにセンターベース2510により前後方向にスライド可能に支持されていると共に前端がフランジ部2511の前面よりも前方に突出して第二下大入賞口2006bを閉鎖しており正面視左端側が低くなるように傾斜した平板状の第二下大入賞口扉部材2555と、センターベース2510の後面に取付けられており第二下大入賞口扉部材2555を開閉駆動させる第二下アタッカソレノイド2556と、第二下大入賞口2006bに受入れられた遊技球を検知する第二下大入賞口センサ2557(図142を参照)と、を備えている。
また、センター役物2500は、第二上大入賞口2006aと第二下大入賞口2006bとの間に跨って左右方向に延びていると共にフランジ部2511の前面から前方に延出しており、正面視左端側が低くなるように傾斜し第二アタッカ通路2543aの底面の一部を形成している平板状の渡板部2558と、フランジ部2511の前面から前方に延出していると共に第二下大入賞口2006bの正面視左端から第二アタッカ通路2543aの左端まで左端側が低くなるように左右方向に延びており第二アタッカ通路2543aの底面の一部を形成している平板状の放出板部2559と、を備えている。渡板部2558は、左右方向の長さが、遊技球の外径の2倍〜3倍の範囲内に形成されている。放出板部2559は、左右の長さが、遊技球の外径の3倍〜4倍の範囲内に形成されている。
第二アタッカ通路2543a内では、複数の減速リブ2546が上下に延びており、右下装飾版2545及びフランジ部2511の夫々の側では、遊技球の外径よりも若干広い間隔で左右方向に列設されている。この第二アタッカ通路2543a内には、図93に示すように、遊技球の流れの上流側から、第一減速リブ2546a、第二減速リブ2546b、第三減速リブ2546c、第四減速リブ2546d、第五減速リブ2546e、第六減速リブ2546f、第七減速リブ2546g、第八減速リブ2546h、第九減速リブ2546i、及び第十減速リブ2546j、の十個の減速リブ2546が備えられており、奇数番の減速リブ2546がフランジ部2511の前面に備えられていると共に、偶数番の減速リブ2546が右下装飾板2545の後面に備えられている。
更に、これら第一減速リブ2546a〜第十減速リブ2546jと、第二上大入賞口2006a及び第二下大入賞口2006bとの位置関係について詳述する。第一減速リブ2546aは、第二上大入賞口2006aの正面視左端のやや右寄りに配置されている。第二減速リブ2546bは、第二上大入賞口2006aの正面視左端の左側で渡板部2558の右端付近に配置されている。第三減速リブ2546cは、渡板部2558の左右方向略中央に配置されている。第四減速リブ2546dは、第二下大入賞口2006bの正面視右端の右側で渡板部2558の左端付近に配置されている。第五減速リブ2546eは、第二下大入賞口2006の正面視右端の左側に配置されている。第六減速リブ2546fは、第二下大入賞口2006bの左右方向中央の正面視右寄りに配置されている。第七減速リブ2546gは、第二下大入賞口2006bの左右方向中央の正面視左寄りに配置されている。第八減速リブ2546hは、第二下大入賞口2006bの正面視左端よりも右寄りに配置されている。第九減速リブ2546iは、第二下大入賞口2006bの正面視左端から放出板部2559の右端付近にかけて配置されている。第十減速リブ2546jは、放出板部2559の左右方向略中央に配置されている。
第一減速リブ2546a〜第十減速リブ2546jのうち、フランジ部2511の前面には、第一減速リブ2546a〜第九減速リブ2546iまでの奇数番の減速リブ2546が備えられており、それら奇数番の減速リブ2546は、第二アタッカ通路2543aの底面から天井(右下横壁部2512d)までの全高に亘って延びている。また、第一減速リブ2546a〜第十減速リブ2546jのうち、右下装飾板2545の後面には、第二減速リブ2546b〜第十減速リブ2546jまでの偶数番の減速リブ2546が備えられており、それら偶数番の減速リブ2546は、第二アタッカ通路2543aの底面よりも上方の部位から天井付近まで延びている(図93(a)を参照)。
右下装飾板2545の後面に備えられている偶数番の減速リブ2546のうち、第二上大入賞口2006a及び第二下大入賞口2006bの夫々正面視左端に最も近い第二減速リブ2546b及び第八減速リブ2546hは、図93(a)に示すように、下端が第二アタッカ通路2543aの底面(第二上大入賞口扉部材2552の上面、及び、第二下大入賞口扉部材2555の上面)から上方に、他の減速リブ2546の下端よりも大きく離間している。詳述すると、第二減速リブ2546b及び第八減速リブ2546hの下端は、第二上大入賞口2006a及び第二下大入賞口2006bの正面視左端部から夫々遊技球の略外径と同じ距離、離間するように形成されている。
これにより、第二上大入賞口2006a又は第二下大入賞口2006bが遊技球を受入可能な開状態から、受入不能な閉状態へ移行する際に、前方へスライドする第二上大入賞口扉部材2552又は第二下大入賞口扉部材2555の前端と、第二上大入賞口2006aの正面視左端部又は第二下大入賞口2006bの正面視左端部と、第二減速リブ2546bの下端又は第八減速リブ2546hの下端と、の間に遊技球が挟まれる球詰り(球噛み)の発生を防止することができる。
なお、第二上大入賞口扉部材2552や第二下大入賞口扉部材2555が前方へ突出して第二上大入賞口2006aや第二下大入賞口2006bを閉鎖している状態では、第二上大入賞口2006aや第二下大入賞口2006bの左端部及び右端部の上面に第二上大入賞口扉部材2552や第二下大入賞口扉部材2555が載置されている状態となるため、第二上大入賞口扉部材2552や第二下大入賞口扉部材2555の上面と第二減速リブ2546bや第八減速リブ2546hの下端との間の隙間が、遊技球の外径よりも狭くなり、第二上大入賞口扉部材2552や第二下大入賞口扉部材2555の上面を流通(転動)している遊技球が、第二減速リブ2546bや第八減速リブ2546hに必ず当接し、十分な減衰効果が維持される。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、前周壁部2512の上辺の左右方向略中央から正面視右側の部位と、遊技領域5aの内周面(前構成部材1000の外レール1001)との間に、遊技球が一つのみ流通可能な幅の空間が形成される。従って、遊技球が外レール1001に沿ってセンター役物2500の上部における左右方向中央よりも正面視右方に打込まれるように打込む(所謂、右打ちする)と、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の正面視右側の右打遊技領域2540内に遊技球を流通させることができる。
また、遊技盤5に組立てた状態では、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の左方と下方、及び右打遊技領域2540の右上流通空間2541内に、図示しない複数の障害釘が植設されている。従って、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、複数の障害釘に当接することにより、様々な経路を通って下方に流通する。
[5−9.裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図94乃至図97を参照して詳細に説明する。図94は裏ユニットを前から見た斜視図であり、図95は裏ユニットを後ろから見た斜視図である。図96は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図97は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図98(a)は遊技盤における裏箱等を前から見た斜視図であり、(b)は裏箱等を後ろから見た斜視図である。
裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられている。また、裏ユニット3000の後側にメイン液晶表示装置1600及び周辺制御ユニット1500が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010内の所定位置に配置されており表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球を検知する複数の一般入賞口センサ3015と、裏箱3010の後面に取付けられておりメイン液晶表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010内の正面視右端に取付けられておりセンター役物2500の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられた遊技球を排出するための右球通路ユニット3030と、裏箱3010内の正面視右下隅の前端付近に取付けられておりセンター役物2500の第二大入賞口2006や第二アウト口2543cに受入れられた遊技球を排出するための右下球通路ユニット3035と、を備えている。
複数の一般入賞口センサ3015のうちの一つが、右球通路ユニット3030に取付けられている。右球通路ユニット3030は、センター役物2500の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられた遊技球を、裏箱3010内の底部に誘導してから、その底部に沿って左右方向中央付近に誘導した後に、裏箱3010の前端に誘導して、裏箱3010の前端から基板ホルダ1200の排出部1201上へ落下させて排出する。右下球通路ユニット3035は、センター役物2500の第二大入賞口2006や第二アウト口2543cに受入れられた遊技球を、裏箱3010内の底部に沿って正面視左方に誘導し、裏箱3010の左右方向中央付近から基板ホルダ1200の排出部1201上へ放出して排出する。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の後面で開口部3010aの上方で背面視左側に取付けられており周辺制御基板1510と接続されている演出駆動基板3043と裏上左可動演出ユニット3200の裏左上装飾基板3253との接続を中継する上中継基板3040と、上中継基板3040の後側を覆うように裏箱3010の後面に取付けられている上中継基板カバー3041と、裏箱3010の後面で開口部3010aの下辺に沿って左右に延びた軸周りに回動可能に取付けられている箱状の演出駆動基板ボックス3042と、演出駆動基板ボックス3042内に収容されており周辺制御基板1510からの制御コマンドに基づいて各駆動モータや装飾基板等を駆動する演出駆動基板3043と、裏箱3010の後面で背面視右下隅に取付けられており主制御基板1310と各入賞口センサや各ソレノイド等との接続を中継しているパネル中継基板3044と、パネル中継基板3044の後側を覆うように裏箱3010の後面に取付けられているパネル中継基板カバー3045と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内の前端で正面視左辺側の上下方向中央から上寄りに取付けられている裏左中装飾ユニット3050と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏箱3010の後壁付近に取付けられている裏下後可動演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で正面視左側に取付けられている裏上左可動演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口部3010aの正面視左側に取付けられている裏左可動演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向中央から正面視右端までにかけて取付けられている裏上中可動演出ユニット3400と、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前方に取付けられている裏下前可動演出ユニット3500と、を備えている。
[5−9a.裏箱]
次に、裏ユニット3000の裏箱3010について、主に図98等を参照して詳細に説明する。裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視左辺において枠内の内側から外方へ向かって窪んでおりメイン液晶表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視右辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
開口部3010aは、メイン液晶表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内にメイン液晶表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。
また、裏箱3010は、詳細な説明は省略するが、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[5−9b.裏左中装飾ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏左中装飾ユニット3050について、主に図96及び図97等を参照して詳細に説明する。裏左中装飾ユニット3050は、裏箱3010内における正面視左側で上下方向中央から上寄りで前端付近に取付けられている。裏左中装飾ユニット3050は、裏箱3010に取付けられる透光性を有したユニットベース3051と、ユニットベース3051の前面に取付けられ麻雀の「中牌」を立体的に模した装飾が形成されている透光性を有する裏左中装飾体3052と、裏左中装飾体3052とユニットベース3051との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏左中装飾基板3053と、を備えている。
この裏左中装飾ユニット3050は、裏左中装飾基板3053のLEDを適宜発光させることで、裏左中装飾体3052を発光装飾させることができる。
[5−9c.裏下後可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏下後可動演出ユニット3100について、主に図99乃至図105を参照して詳細に説明する。図99(a)は裏ユニットの裏下後可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏下後可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図100(a)は裏下後可動演出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏下後可動演出ユニットを主な構成毎に分解して後から見た分解斜視図である。図101は裏下後可動演出ユニットの回転駆動ユニットを分解して裏下後第一装飾体及び裏下後第二装飾体と共に前から見た分解斜視図であり、図102は回転駆動ユニットを分解して裏下後第一装飾体及び裏下後第二装飾体と共に後ろから見た分解斜視図である。図103は、裏下後可動演出ユニットの駆動系を正面から示す説明図である。図104(a)は通常の状態における裏下後可動演出ユニットの正面図であり、(b)は通常の状態から裏下後第一装飾体及び裏下後第二装飾体を一緒に回転させて裏下後第二装飾体の第二装飾面を正面に向けた状態の正面図であり、(c)は(b)の状態で裏下後第一装飾体及び裏下後第二装飾体を正面視左側の移動端まで移動させた状態の正面図である。また、図105(d)は図104(c)の状態で裏下後第一装飾体及び裏下後第二装飾体を一緒に回転させて裏下後第一装飾体の第一装飾面を正面に向けた状態の正面図であり、(e)は(d)の状態から裏下後第一装飾体を回転させて裏下後第一装飾体と裏下後第二装飾体とを開いて裏下後第一装飾体の第二装飾面と裏下後第二装飾体の第二装飾面とを正面に向けた状態の正面図である。
裏下後可動演出ユニット3100は、裏箱3010内において開口部3010aの下方で後壁の前面に取付けられる。この裏下後可動演出ユニット3100は、上下に延びている一つの側辺において上下に延びている軸線に対して同軸上でヒンジ回転可能に支持される裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120と、裏下後第一装飾体及び裏下後第二装飾体をヒンジ回転可能に取付けていると共に夫々を別々に回転駆動可能な回転駆動ユニット3130と、回転駆動ユニット3130を左右方向にスライド可能に取付けており裏箱3010内に取付けられるスライドユニット3150と、スライドユニット3150の前面に取付けられている裏下後固定装飾体3160と、を備えている。
裏下後第一装飾体3110は、互いに背向して配置され互いに異なる装飾が形成されており透光性を有している第一装飾面3111及び第二装飾面3112と、第一装飾面3111と第二装飾面3112とを互いに背向するように支持しており厚さの薄い直方体状の第一装飾体本体3113と、第一装飾体本体3113内に取付けられており表示画面が第一装飾面3111から外方に臨んでいるサブ液晶表示装置3114と、直方体状の第一装飾体本体3113における上下に延びている四つの辺のうちの第二装飾面3112と接する辺から外方に突出しており上下に延びた軸線周りに対して回転するように支持可能とされた二つの第一ヒンジ部3115と、サブ液晶表示装置3114と第二装飾面3112との間で第一装飾体本体3113内に取付けられており両面に複数のLEDが実装されている裏下後第一装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111は、枠状に形成されており、その枠内からサブ液晶表示装置3114の表示画面が前方に臨んでいる。裏下後第一装飾体3110の第二装飾面3112は、「聖」の文字の左半部が施された装飾が形成されている。サブ液晶表示装置3114は、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512により所定の演出画像(演出動画)を表示させることができる。
二つの第一ヒンジ部3115は、上下に離間しており同軸上に取付けられている。これら第一ヒンジ部3115は、裏下後第二装飾体3120の第二ヒンジ部3124によりヒンジ回転可能に支持される。裏下後第一装飾基板は、両面のLEDを適宜発光させることで、第一装飾面3111や第二装飾面3112を発光装飾させることができる。
裏下後第二装飾体3120は、互いに背向して配置され互いに異なる装飾が形成されており透光性を有している第一装飾面3121及び第二装飾面3122と、第一装飾面3121と第二装飾面3122とを互いに背向するように支持しており厚さの薄い直方体状の第二装飾体本体3123と、直方体状の第二装飾体本体3123における上下に延びている四つの辺のうちの第二装飾面3122と接する辺から外方に突出しており裏下後第一装飾体3110の二つの第一ヒンジ部3115を上下に延びた軸線周りに対して回転するように支持可能とし上下に離間している三つの第二ヒンジ部3124と、三つの第二ヒンジ部3124のうちの最も下側の第二ヒンジ部3124の下端から円筒状に下方へ突出している装飾体支持軸3125と、装飾体支持軸3125の下端外周に取付けられている第二装飾体側作動ギア3126と、装飾体支持軸3125の下端下面に取付けられている軸受部材3127と、装飾体支持軸3125の外周面から外方に延出している第二検知片3128と、第一装飾面3121と第二装飾面3112との間で第二装飾体本体3123内に取付けられており両面に複数のLEDが実装されている裏下後第二装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
裏下後第二装飾体3120の第一装飾面3121は、縦書きの「天運」の文字が施された装飾が形成されている。裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3122は、「聖」の文字の右半分が施された装飾が形成されている。裏下後第二装飾体3120の第二装飾体本体3123は、裏下後第一装飾体3110の第一装飾体本体3113と略梁次大きさに形成されている。つまり、裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111及び第二装飾面3112と、裏下後第二装飾体3120の第一装飾面3121及び第二装飾面3122とは、外形寸法が略同じ大きさに形成されている。
裏下後第二装飾体3120の三つの第二ヒンジ部3124は、夫々上下に離間していると共に同軸上に取付けられており、第二ヒンジ部3124同士の間に裏下後第一装飾体3110の第一ヒンジ部3115が位置して互いがヒンジ回転可能に取付けられる。これにより、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とは、ヒンジ回転により、互いに第二装飾面3112,3121同士が対面する閉じた状態と、互いの第一装飾面3111,3121及び第二装飾面3112,3122が略同一面上となる開いた状態との間で回転(ヒンジ回転)することができる。そして、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを開いた状態では、互いに第二装飾面3112,3122が第一ヒンジ部3115及び第二ヒンジ部3124を挟んで左右に並んだ状態となり、夫々の装飾が一体化して「聖」の文字が現れるようになる。なお、第一ヒンジ部3115及び第二ヒンジ部3124には、詳細な図示は省略するが、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120における夫々の第一装飾面3111,3121及び第二装飾面3112,3122に施された装飾と対応している装飾が施されており、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを開いた時に、第一ヒンジ部3115及び第二ヒンジ部3124を目立ち難くしている。
装飾体支持軸3125は、上端部に裏下後第一装飾体3110を裏下後第二装飾体3120とは独立してヒンジ回転させるための回転駆動ユニット3130の回転伝達部材3132が回転可能に挿入される。装飾体支持軸3125は、上端の回転伝達部材3132と下端の軸受部材3127とが、回転駆動ユニット3130における回転駆動ユニットベース3131の上軸受部3131cと下軸受部3131dにより支持される。この装飾体支持軸3125は、第一装飾面3111,3121及び第二装飾面3112,3122の高さに対して、75%〜95%の長さ(高さ)に形成されている。更に、詳しくは、80%〜90%の長さに形成されている。これにより、サブ液晶表示装置3114を備えることで重量の大きい裏下後第一装飾体3110等を、上下に延びた一方の辺側で偏芯させてヒンジ回転可能としても、裏下後第一装飾体3110等(装飾体支持軸3125)を倒れ難くすることができる。
第二装飾体側作動ギア3126は、図102に示すように、外周上に一か所にギア歯よりも突出したストッパ3126aを有しており、一回転させることができないようになっている。裏下後第二装飾体3120の裏下後第二装飾基板は、両面のLEDを適宜発光させることで、第一装飾面3121や第二装飾面3122を発光装飾させることができる。
裏下後可動演出ユニット3100の回転駆動ユニット3130は、前側が開放された箱状で装飾体支持軸3125を回転可能に支持すると共にスライドユニット3150に左右方向にスライド可能に取付けられる回転駆動ユニットベース3131と、回転駆動ユニットベース3131に回転可能に支持されると共に装飾体支持軸3125の上端部の外周に回転可能に取付けられる円筒状のスリーブ部3132a、スリーブ部3132aの上端から上方に突出し裏下後第一装飾体3110の下部に取付けられる連結部3132b、スリーブ部3132aの下端部外周において半周に亘って形成されている第一装飾体側作動ギア3132c、及び第一装飾体側作動ギア3132cの一方の終端から外方に延出している第一検知片3132dを有している回転伝達部材3132と、を備えている。
また、回転駆動ユニット3130は、回転伝達部材3132の第一装飾体側作動ギア3132cと噛合する平歯車状の第一駆動ギア3133と、第一駆動ギア3133を回転駆動させる裏下後第一駆動モータ3134と、裏下後第一駆動モータ3134が取付けられると共に回転駆動ユニットベース3131内に取付けられる第一駆動モータブラケット3135と、裏下後第二装飾体3120の第二装飾体側作動ギア3126と噛合する平歯車状の第二駆動ギア3136と、第二駆動ギア3136を回転駆動させる裏下後第二駆動モータ3137と、裏下後第二駆動モータ3137が取付けられると共に回転駆動ユニットベース3131内に取付けられる第二駆動モータブラケット3138と、を備えている。
更に、回転駆動ユニット3130は、第二駆動モータブラケット3138に取付けられており回転伝達部材3132の第一検知片3132dを検知可能な第一回転検知センサ3139と、第一回転検知センサ3139の下側で第二駆動モータブラケット3138に取付けられており裏下後第二装飾体3120の第二検知片3128を検知可能な第二回転検知センサ3140と、を備えている。
また、回転駆動ユニット3130は、回転駆動ユニットベース3131内に取付けられておりサブ液晶表示装置3114、裏下後第一装飾基板、裏下後第二装飾基板、裏下後第一駆動モータ3134、裏下後第二駆動モータ3137、第一回転検知センサ3139、及び第二回転検知センサ3140と、スライドユニット3150の裏下後中継基板3158との接続を中継している回転駆動ユニット中継基板3141を、更に備えている。
また、回転駆動ユニット3130は、回転駆動ユニットベース3131の前面を閉鎖している平板状のユニットカバー3142と、回転駆動ユニットベース3131の下面に取付けられており左右に長く延びたラックギア3143a、及びラックギア3143aの正面視右端に形成された平板状の検知片3143bを有したラック部材3143と、を備えている。
回転駆動ユニット3130の回転駆動ユニットベース3131は、横長の直方体状で装飾体支持軸3125や、裏下後第一駆動モータ3134及び裏下後第二駆動モータ3137等が収容される主部3131aと、主部3131aの略半分の高さの略立方体状で主部3131aの正面視左側に配置され回転駆動ユニット中継基板3141が収容される副部3131bと、を備えている。回転駆動ユニットベース3131の主部3131aと副部3131bは、互いの底面が揃えられた状態で連通している。
また、回転駆動ユニットベース3131は、主部3131aの天板部及び底板部に、前端側が開放され後方に向かって切欠かれているU字状の上軸受部3131c及び下軸受部3131dを備えている。上軸受部3131cは、上下に貫通しており、回転伝達部材3132のスリーブ部3132aが回転可能に挿入される。一方、下軸受部3131dは、上方から下方に窪んで上下に貫通しておらず、裏下後第二装飾体3120の軸受部材3127が挿入される。上軸受部3131c及び下軸受部3131dの開放されている前端側は、ユニットカバー3142により閉鎖される。
裏下後第一駆動モータ3134は、第一駆動モータブラケット3135を介して、装飾体支持軸3125の正面視右方の位置で、回転駆動ユニットベース3131内に取付けられる。裏下後第二駆動モータ3137は、第二駆動モータブラケット3138を介して、装飾体支持軸3125の正面視左方の位置で、回転駆動ユニットベース3131内に取付けられる。
裏下後第一駆動モータ3134は、第一駆動ギア3133を回転駆動させることで、第一駆動ギア3133と噛合している回転伝達部材3132の第一装飾体側作動ギア3132cと共に回転する連結部3132bを介して、裏下後第一装飾体3110を回転させることができる。一方、裏下後第二駆動モータ3137は、第二駆動ギア3136を回転駆動させることで、第二駆動ギア3136と噛合している装飾体支持軸3125下端の第二装飾体側作動ギア3126により、装飾体支持軸3125と共に裏下後第二装飾体3120を回転させることができる。
裏下後可動演出ユニット3100のスライドユニット3150は、図100に示すように、裏箱3010内に取付けられ前方及び上方が開放された箱状のユニットベース3151と、ユニットベース3151内の上部に取付けられていると共に前面に回転駆動ユニット3130の回転駆動ユニットベース3131が取付けられ左右に延びたスライドガイド3152と、ユニットベース3151内における左右方向略中央で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており回転駆動ユニット3130におけるラック部材3143のラックギア3143aと噛合するピニオンギア3153a、及びピニオンギア3153aと一体回転すると共にピニオンギア3153aよりも大径の平歯車状の従動ギア3153bを有した伝達ギア部材3153と、伝達ギア部材3153の従動ギア3153bと噛合する平歯車状の駆動ギア3154と、駆動ギア3154を回転駆動させユニットベース3151の後面に取付けられている裏下後第三駆動モータ3155と、ユニットベース3151内に取付けられており回転駆動ユニット3130におけるラック部材3143の検知片3143bを検知するスライド検知センサ3156と、ユニットベース3151における前方の開放されている部位の略下半分を閉鎖しユニットベース3151の前端に取付けられる横長平板状のスライドカバー3157と、ユニットベース3151の後面に取付けられており周辺制御基板1510と回転駆動ユニット中継基板3141との接続を中継する裏下後中継基板3158と、を備えている。
スライドユニット3150のスライドガイド3152は、回転駆動ユニット3130を左右方向へスライド可能に支持している。裏下後第三駆動モータ3155は、駆動ギア3154を回転駆動させることで、駆動ギア3154と噛合している伝達ギア部材3153の従動ギア3153bを介してピニオンギア3153aを回転駆動させ、ピニオンギア3153aと噛合している回転駆動ユニット3130におけるラック部材3143のラックギア3143aにより回転駆動ユニット3130を左右方向へスライド移動させることができる。
続いて、裏下後可動演出ユニット3100の動作について詳細に説明する。裏下後可動演出ユニット3100は、図103及び図104(a)等に示すように、通常の状態では、スライドユニット3150により回転駆動ユニット3130が左右のスライド方向に対して正面視右端に位置している。また、通常の状態では、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とが、互いに第二装飾面3112,3122を対面させて閉じた状態とした上で、裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111(サブ液晶表示装置3114の表示画面)を前方に向けている。この通常の状態では、上下に延びているヒンジ回転の軸線(装飾体支持軸3125)に対して、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120が、正面視右側に位置している。また、通常の状態では、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120のヒンジ回転可能に支持されている装飾体支持軸3125側とは反対側の側辺が、装飾体支持軸3125の中心よりも前方に位置するように、全体が回転している。詳細な図示は省略するが、通常の状態では、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120が、平面視において、時計回りの方向に約20度回転している。
この通常の状態では、図103に示すように、回転駆動ユニット3130におけるラック部材3143の検知片3143bが、スライドユニット3150のスライド検知センサ3156により検知されている。また、通常の状態では、裏下後第一装飾体3110と一体回転する回転駆動ユニット3130における回転伝達部材3132の第一検知片3132dは、第一回転検知センサ3139による検知が非検知の状態となっている。更に、通常の状態では、裏下後第二装飾体3120における装飾体支持軸3125の第二検知片3128が、第二回転検知センサ3140により検知されている。
また、通常の状態では、図81等に示すように、遊技盤5に組立てた状態で、裏下後可動装飾体ユニット3100の正面(前方)を向いている裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111(サブ液晶表示装置3114)が、メイン液晶表示装置1600の前方且つ正面視右方で、センター役物2500の枠内における正面視右隅下部に位置しており、遊技者側からサブ液晶表示装置3114の表示画面を視認することができる。また、この通常の状態では、上述したように、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の右辺側がヒンジ回転の中心よりも前方に位置しており、サブ液晶表示装置3114の表示画面が遊技パネル1100の面に対して遊技領域5aの中央を通る垂直線側を向くように傾斜している。
この通常の状態で、回転駆動ユニット3130の裏下後第二駆動モータ3137により、第二駆動ギア3136、第二装飾体側作動ギア3126、及び装飾体支持軸3125を介して、裏下後第二装飾体3120の後方を向いている第二装飾面3122が正面を向くように、裏下後第二装飾体3120を平面視時計回りの方向に(160度)回転させると、閉じられて裏下後第二装飾体3120の前方に位置している裏下後第一装飾体3110が裏下後第二装飾体3120に押されて一緒に回転し、「天運」の装飾が施された裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3122が正面を向いた状態となる(図104(b)を参照)。また、通常の状態で正面を向いていた裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111(サブ液晶表示装置3114)は、後方を向いた状態となり遊技者側からは視認不能となる。なお、この状態からは、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の何れも、平面視時計回りの方向へこれ以上回転させることはできないようになっている。
この図104(b)の状態では、裏下後第一装飾体3110と一体回転する回転伝達部材3132の第一検知片3132dが、第一回転検知センサ3139により検知された状態となり、裏下後第二装飾体3120と一体回転する装飾体支持軸3125の第二検知片3128が、第二回転検知センサ3140の検知に対して非検知の状態となる。
一方、スライドユニット3150の裏下後第三駆動モータ3155により駆動ギア3154を正面視時計回りの方向に回転駆動させると、伝達ギア部材3153の従動ギア3153b、ピニオンギア3153a、及びラック部材3143のラックギア3143aを介して、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120と一緒に回転駆動ユニット3130を正面視左方端の位置までスライド移動させることができる。遊技盤5に組立てた状態において、回転駆動ユニット3130を正面視左方端の位置にスライド移動させた状態では、ヒンジ回転の上下に延びている軸線(装飾体支持軸3125の中心線)が、遊技領域5aの左右方向の中央と略一致している。
図104(c)は、図104(b)の状態のままで正面視左方端の位置へスライド移動させた状態を示している。また、図105(d)は、図104(a)の状態で正面視左方端の位置へ移動させると共に、裏下後第一駆動モータ3134の駆動により、第一駆動ギア3133、回転伝達部材3132の第一装飾体側作動ギア3132c及び連結部3132bを介して、裏下後第一装飾体3110を平面視反時計回りの方向に所定角度(20度)回転させて裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111(サブ液晶表示装置3114)を真正面に向けた状態、或いは、図104(c)の状態から裏下後第一駆動モータ3134の駆動により裏下後第一装飾体3110を、平面視反時計回りの方向に180度回転させることで、裏下後第一装飾体3110と一緒に裏下後第二装飾体3120を回転させて裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111(サブ液晶表示装置3114)を真正面に向けた状態を、示している。
続いて、図104(c)の状態で、裏下後第二駆動モータ3137の駆動により、裏下後第二装飾体3120を平面視反時計回りの方向に180度回転させる、或いは、図105(d)の状態で、裏下後第一駆動モータ3134の駆動により、裏下後第一装飾体3110を平面視時計回りの方向に180度回転させると、図105(e)に示すように、裏下後第一装飾体3110の第二装飾面3112と裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3122とが互いに対面して折畳まれた状態から、ヒンジ回転して裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120が開いて、夫々の第二装飾面3112,3122が左右に並んで正面を向いた状態となる。
この図105(e)の状態では、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体310と互いに重畳させて閉じている時と比較して、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の夫々の第二装飾面3112,3122が左右に並ぶことで、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120により形成される装飾の面が倍の大きさとなり、遊技領域5a内において目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、大きな装飾の出現により遊技者を驚かせることができる。また、図105(e)の状態では、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の夫々の第二装飾面3112,3122の装飾が一体となり、「聖」の文字の装飾が視認できるようになる。なお、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の第一ヒンジ部3115及び第二ヒンジ部3124には、第一装飾面3111,3121及び第二装飾面3112,3122に施された装飾と対応している装飾が施されており、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを開いた時に、第一ヒンジ部3115及び第二ヒンジ部3124を目立ち難くすることができ、「聖」の文字を良好な状態で遊技者に視認させることができる。
なお、図示するように、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3112,3122により形成される一体の装飾には、「聖」の上に、「一」のような切出装飾3170が形成されている。この切出装飾3170は、一つの文字や絵柄の一部を切出して装飾としたものであり、切出装飾3170上側に、後述する裏上左可動演出ユニット3200の裏上左第一装飾体3210の固定装飾部材3211の装飾と裏上左第二装飾体3220の第二装飾部材3222の装飾とが左右に並んだ切出装飾3260が位置すると、「雀」の文字の全体が完成する装飾である(図134を参照)。
このように、本実施形態の裏下後可動演出ユニット3100によると、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを互いの面を重畳させて閉じた状態から、互いの第二装飾面3112,3122を並べて開いた状態とした場合、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とによる装飾の面が正面視遊技領域5a内において拡大(拡張)すると共に、閉じて遊技者側から見えなかった第二装飾面3112,3122が開くことで遊技者側から見えるようになる。詳述すると、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を閉じて裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111(サブ液晶表示装置3114)を前方に向けた状態で(図105(d)を参照)、裏下後第一装飾体3110を回転させて裏下後第二装飾体3120の正面視左側に並ばせると、当初は裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111のみであった装飾の領域が左方に延びるように裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3112,3122の二つとなり装飾の領域が二倍に拡大されると共に、これまで見えなかった第二装飾面3112,3122が遊技者側から視認可能となる(図105(e)を参照)。或いは、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を閉じて裏下後第二装飾体3120の第一装飾面3121を前方に向けた状態で(図104(c)を参照)、裏下後第二装飾体3120を回転させて裏下後第一装飾体3110の正面視右側に並ばせると、当初は裏下後第二装飾体3120の第一装飾面3121のみであった装飾の領域が右方に延びるように裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3112,3122の二つとなり装飾の領域が二倍に拡大されると共に、これまで見えなかった第二装飾面3112,3122が遊技者側から視認可能となる(図105(e)を参照)。このように、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を閉じた状態から開くことで、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120による装飾範囲を拡大させることができると共に装飾を変化させることができるため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120に強く引き付けて裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120により広がった装飾を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを互いに重畳させて閉じた状態で、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを一緒に回転させた場合、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120のヒンジ回転可能に取付けられている一方の上下延びている辺側を中心にして回転することから、当初の状態で後方を向いていた面(裏面)が前方を向くように回転させると、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の全体の位置がヒンジ回転の中心軸を挟んで反対側の位置に移動することとなる。詳述すると、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを閉じて裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111(サブ液晶表示装置3114)を前方に向けた状態で(図104(a)及び図105(d)を参照)、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を一緒に回転させると、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の全体が正面視左方に移動すると共に裏下後第二装飾体3120の第一装飾面3121が前方を向いた状態となる(図104(b)及び(c)を参照)。一方、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを閉じて裏下後第二装飾体3120の第一装飾面3121を前方に向けた状態で(図104(b)及び(c)を参照)、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を一緒に回転させると、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の全体が正面視右方に移動すると共に裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111が前方を向いた状態となる(図104(a)及び図105(d)を参照)。これにより、正面視遊技領域5a内おける裏下後第一装飾体3110又は裏下後第二装飾体3120による装飾の領域を移動させることができると共に、遊技者側から視認可能な装飾を変化させることができるため、遊技者の関心を裏下後第一装飾体3110や裏下後第二装飾体3120に強く引き付けることができ、裏下後第一装飾体3110や裏下後第二装飾体3120の動きや装飾を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを互いに重畳させて閉じた状態で、裏下後第一装飾体3110又は裏下後第二装飾体3120の一方を回転させて開いたり、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を一緒に回転させたりする場合、何れの場合でも、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120における遊技者側から視認可能な面が回転を開始するため、回転開始の当初では、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とが、開くのか、或は、一緒に回転するのかが、判り難く、遊技者に対して何れの動作をするのかでドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技者の期待感を高めさせることができる。また、当初の状態で視認可能な装飾に対して、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを、開いた場合と、一緒に回転させた場合とでは、遊技者側から視認可能となる装飾の変化が異なることとなるため、様々なパターンで遊技者に装飾の変化を楽しませることができ、多様な演出により遊技者を飽き難くさせることができる。
上記のように、本実施形態の裏下後可動演出ユニット3100は、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120をヒンジ回転させることで、異なる装飾が施された第一装飾面3111,3121又は第二装飾面3112,3122を正面に向けることができると共に、スライドユニット3150により裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を左右方向にスライド移動させることができ、多彩な演出を遊技者に提示することができる。
また、裏下後可動演出ユニット3100では、裏下後第二装飾体3120において四角形の外形の上下に延びている二辺のうちの一辺側(重心から偏芯している位置)でヒンジ回転の軸線と同軸上で下方に延びている装飾体支持軸3125の上端部と下端部とを、回転駆動ユニット3130における回転駆動ユニットベース3131の上軸受部3131cと下軸受部3131dとで夫々回転可能に支持しており、可及的に上下に離れた位置の二か所で回転可能に支持している。従って、装飾体支持軸3125が、裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の重心に対して偏芯した位置から突出していることで、装飾体支持軸3125の上側に取付けられている裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の重量により装飾体支持軸3125を傾けようとする偏荷重が作用しても、装飾体支持軸3125を傾き難くすることができ、装飾体支持軸3125を真っ直ぐに支持して裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を回転させることができる。換言すると、下方に延びた装飾体支持軸3125の上端部と下端部とを、回転駆動ユニットベース3131の上軸受部3131cと下軸受部3131dとで回転可能に支持していることから、装飾体支持軸3125が傾き難いため、互いにヒンジ回転可能に取付けられている重量の大きい裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120を、そのヒンジ回転の軸線と同軸上の位置でも問題なく回転可能に支持することができる。
[5−9d.裏上左可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏上左可動演出ユニット3200について、主に図106乃至図109を参照して詳細に説明する。図106(a)は裏ユニットの裏上左可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上左可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図107は裏上左可動演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図108は裏上左可動演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図109(a)は裏上左可動演出ユニットを通常の状態で示す正面図であり、(b)は裏上左可動演出ユニットにおける裏上左第一装飾体及び裏上左第二装飾体を正面視右方端の位置に移動させた状態で示す正面図であり、(c)は(b)の状態から裏上左第一装飾体と裏上左第二装飾体を展開した状態で示す正面図である。
裏上左可動演出ユニット3200は、裏箱3010内における開口部3010aの上方で、正面視左端から中央付近にかけて取付けられている。裏上左可動演出ユニット3200は、正面視の形状が四角形で前面に所定の装飾が施されている裏上左第一装飾体3210と、裏上左第一装飾体3210の正面視上下に延びている右辺においてヒンジ回転可能に取付けられており背向している二つの面に異なる装飾が施されている裏上左第二装飾体3220と、裏上左第一装飾体3210の上方に取付けられており裏上左第二装飾体3220をヒンジ回転駆動させる回転駆動ユニット3230と、回転駆動ユニット3230と共に裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220を左右方向にスライド移動させ裏箱3010内に取付けられるスライドユニット3240と、を備えている。
裏上左可動演出ユニット3200の裏上左第一装飾体3210は、前面に所定の装飾が施され透光性を有する平板状の固定装飾部材3211と、固定装飾部材3211の正面視右辺の前端側から外方に突出しており上下に延びた軸線に対して同軸上で上下に離間して三つ取付けられている円筒状の第一ヒンジ部3212と、固定装飾部材3211の後面全体を覆うように固定装飾部材3211の後側に取付けられており固定装飾部材3211よりも上方に突出している第一装飾体ベース3213と、第一装飾体ベース3213と固定装飾部材3211との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏上左第一装飾基板3214と、第一装飾体ベース3213の上面に接続されており側面視がL字状で第一装飾体ベース3213の左端から右端よりも右方の位置まで延出している接続部3215と、接続部3215の上端に形成されており左右に延びているラックギア3216と、接続部3215の正面視左端付近から前方に延出している平板状の検知片3217と、を備えている。
を備えている。
裏上左第一装飾体3210の固定装飾部材3211は、正面視の形状がやや縦長の四角形に形成されている。固定装飾部材3211は、左右に延びている辺の長さが、裏下後可動演出ユニット3100の裏下後第一装飾体3110や裏下後第二装飾体3120の左右に延びている辺と同じ長さであり、上下に延びている辺の長さが、裏下後第一装飾体3110や裏下後第二装飾体3120の上下に延びている辺の長さよりも短い。この固定装飾部材3211には、「雀」の文字の左半分が施された装飾が形成されている。なお、図109(c)に示すように、本実施形態では、「雀」の文字に対して、一番下側の「一」の部位の上側から下方が途切れている。
三つの第一ヒンジ部3212は、固定装飾部材3211の上下両端と、上下方向中央から上寄りの位置に夫々備えられている。また、三つの第一ヒンジ部3212は、固定装飾部材3211の正面視右辺から、右方及び前方に突出している。第一装飾体ベース3213には、固定装飾部材3211よりも上方に突出している部位の前面に回転駆動ユニット3230が取付けられる。接続部3215には、側面視L字状における上下延びている部位の後面に、スライドユニット3240のスライダ3243が取付けられる。ラックギア3216は、スライドユニット3240のピニオンギア3248と噛合する。
この裏上左第一装飾体3210は、裏上左第一装飾基板3214に実装されたLEDを適宜発光させることで、固定装飾部材3211を発光装飾させることができる。
裏上左可動演出ユニット3200の裏上左第二装飾体3220は、外形が四角形で表面に所定の装飾が施された透光性を有する第一装飾部材3221と、第一装飾部材3221の裏面に取付けられており第一装飾部材3221の表面と背向する面に第一装飾部材3221とは異なる装飾が施された透光性を有する第二装飾部材3222と、第一装飾部材3221の左右のうちの一方の上下に延びている辺から外方に突出しており裏上左第一装飾体3210の第一ヒンジ部3212にヒンジ回転可能に取付けられる二つの第二ヒンジ部3223と、二つの第二ヒンジ部3223のうちの上側の第二ヒンジ部3223から上方に延出している軸部3224と、軸部3224の上端に取付けられている平歯車状の作動ギア3225と、第一装飾部材3221と第二装飾部材3222との間に取付けられており両面に複数のLEDが実装されている裏上左第二装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
裏上左第二装飾体3220の第一装飾部材3221は、表面に「ドクン」の文字が施された装飾が形成されている。第二装飾部材3222は、第一装飾部材3221の表面と背向する面に「雀」の文字の右半部が施された装飾が形成されている。この第二装飾部材3222は、裏上左第一装飾体3210の固定装飾部材3211の正面視左側に位置することで、「雀」の文字として認識することができるようになる。詳しくは、固定装飾部材3211と第二装飾部材3222とによる装飾は、「雀」の文字に対して、一番下側の「一」の部位の上側から下方が途切れた切出装飾3260とされており、この下側に、裏下後可動演出ユニット3100における裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3112,3122の装飾(切出装飾)が位置することで、「雀」の文字が完成される。なお、裏上左可動演出ユニット3200側の切出装飾3260は、「雀」の文字の大半を占めているため、下部が切欠かれていても「雀」の文字として認識することができる。
二つの第二ヒンジ部3223は、第一装飾部材3221の表面を正面に向けた状態で、第一装飾部材3221の右辺側から右方且つ後方に突出している。また、二つの第二ヒンジ部3223は、上下に離間しており、夫々が第一装飾部材3221の上下両端から中央寄りの位置に備えられている。軸部3224は、裏上左第一装飾体3210の最も上側の第一ヒンジ部3212内に回転可能に挿入される。作動ギア3225は、軸部3224及び上側の第二ヒンジ部3223を介して、第一装飾部材3211と一体回転するように取付けられている。この作動ギア3225は、回転駆動ユニット3230の伝達ギア3233と噛合する。
この裏上左第二装飾体3220は、図示しない裏上左第一装飾基板に実装されたLEDを適宜発光させることで、第一装飾部材3211や第二装飾部材3222を発光装飾させることができる。
裏上左可動演出ユニット3200の回転駆動ユニット3230は、裏上左第一装飾体3210の第一装飾体ベース3213の前面に取付けられる回転駆動ベース3231と、回転駆動ベース3231との間に空間を形成し回転駆動ベース3231の上側に取付けられる回転駆動カバー3232と、回転駆動カバー3232と回転駆動ベース3231との間で回転可能に取付けられており裏上左第二装飾体3220の作動ギア3225と噛合する平歯車状の伝達ギア3233と、伝達ギア3233と噛合する駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアを回転駆動させ回転駆動カバー3232の上面に取付けられている裏上左第一駆動モータ3235と、回転駆動ベース3231と回転駆動カバー3232との間に取付けられており駆動ギアの回転位置を検知する回転検知センサ(図示は省略)と、を備えている。
回転駆動ユニット3230の回転駆動ベース3231は、裏上左第一装飾体3210の第一装飾体ベース3213における固定装飾部材3211よりも上側の位置に取付けられる。図示しない駆動ギアには、外方に延出した検知片を備えており、この検知片を回転検知センサにより検知することで、駆動ギアの回転位置を検知して、駆動ギア、伝達ギア3233、及び作動ギア3225を介して裏上左第二装飾体3220の回転位置を検知することができる。
この回転駆動ユニット3230は、裏上左第一駆動モータ3235を回転駆動させることで、駆動ギア、伝達ギア3233、及び作動ギア3225を介して、裏上左第二装飾体3220をヒンジ回転させることができる。
裏上左可動演出ユニット3200のスライドユニット3240は、裏箱3010内に取付けられる横長のユニットベース3241と、ユニットベース3241の前面に取付けられる横長のスライドレール3242と、スライドレール3242にスライド可能に取付けられており前面に裏上左第一装飾体3210の接続部3215が取付けられるスライダ3243と、ユニットベース3241との間に空間が形成されるようにユニットベース3241の前面に取付けられるベースカバー3244と、ベースカバー3244を貫通して回転軸がベースカバー3244とユニットベース3241との間に突出するようにベースカバー3244の前面に取付けられる裏上左第二駆動モータ3245と、裏上左第二駆動モータ3245の回転軸に取付けられる平歯車状の駆動ギア3246と、駆動ギア3246と噛合する小径の第一伝達ギア3247a、第一伝達ギア3247aと一体回転する大径の第二伝達ギア3247bとを有しユニットベース3241とベースカバー3244との間で回転可能に取付けられている伝達ギア部材3247と、伝達ギア部材3247の第二伝達ギア3247bと噛合していると共に裏上左第一装飾体3210のラックギア3216と噛合しユニットベース3241とベースカバー3244との間で回転可能に取付けられているピニオンギア3248と、ベースカバー3244に取付けられ裏上左第一装飾体3210の検知片3217を検知するスライド検知センサ3249と、を備えている。
また、スライドユニット3240は、ベースカバー3244の前面で正面視左部に取付けられ裏上左第一装飾基板3214、裏上左第二装飾基板、裏上左第一駆動モータ3235、回転検知センサ、裏上左第二駆動モータ3245、及びスライド検知センサ3249と演出駆動基板3043との接続を中継している裏上左中継基板3250と、裏上左中継基板3250の前面を被覆しベースカバー3244の前面に取付けられる基板カバー3251と、基板カバー3251の前面に取付けられる裏左上装飾ベース3252と、裏左上装飾ベース3252の前面に取付けられ前面に複数のLEDが実装されている裏左上装飾基板3253と、裏左上装飾基板3253の前方を覆うように裏左上装飾ベース3252の前面に取付けられ所定の装飾が形成された透光性を有する裏左上装飾体3254と、を備えている。
スライドユニット3240は、裏上左第二駆動モータ3245により駆動ギア3246を回転駆動させると、伝達ギア部材3247、ピニオンギア3248、及びラックギア3216を介して、裏上左第一装飾体3210を裏上左第二装飾体3220及び回転駆動ユニット3230と一緒に左右方向にスライド移動させることができる。また、裏左上装飾基板3253のLEDを適宜発光させることで、裏左上装飾体3254を発光装飾させることができる。
続いて、裏上左可動演出ユニット3200の動作について説明する。裏上左可動演出ユニット3200は、通常の状態では、図109(a)に示すように、裏上左第一装飾体3210の前面を裏上左第二装飾体3220が覆うように、裏上左第二装飾体3220が回転駆動ユニット3230により裏上左第一装飾体3210側に折畳まれた状態となっており、裏上左第二装飾体3220の第一装飾部材3221が正面を向いた状態となっている。また、通常の状態では、裏上左第一装飾体3210がスライドユニット3240により正面視左方端に位置している。この通常の状態では、回転駆動ユニット3230において裏上左第二装飾体3220の回転位置を検知するための図示しない駆動ギアの検知片を、同じく図示しない回転検知センサが検知している。また、裏上左第一装飾体3210の検知片3217が、スライドユニット3240のスライド検知センサ3249により検知されている。
通常の状態では、遊技盤5に組立てた状態で、裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220が、裏左中装飾ユニット3050の後方に位置しており、遊技者側からは視認不能な状態となっている(図81等を参照)。
通常の状態で、スライドユニット3240の裏上左第二駆動モータ3245により駆動ギア3246、及び伝達ギア部材3247を介してピニオンギア3248を、正面視反時計回りの方向に回転駆動させると、ピニオンギア3248と噛合しているラックギア3216により裏上左第一装飾体3210が、裏上左第二装飾体3220及び回転駆動ユニット3230と一緒に正面視右方にスライド移動し、右方端に到達するとスライド移動が停止する(図109(b)を参照)。この状態では、遊技盤5に組立てた状態で、裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220におけるヒンジ回転可能な上下に延びている軸線が、遊技領域5aの左右方向中央と略一致しており、裏上左第一装飾体3210がセンター役物2500の枠内を通して遊技者側から視認可能な状態となっている(図133を参照)。
そして、スライドユニット3240により裏上左第一装飾体3210を正面視右方端に位置させた状態で、回転駆動ユニット3230の裏上左第一駆動モータ3235により駆動ギア、及び伝達ギア3233を介して作動ギア3225を、平面視反時計回りの方向に180度回転させると、折畳まれて裏上左第一装飾体3210の前面を覆っていた裏上左第二装飾体3220が展開するようにヒンジ回転して、裏上左第一装飾体3210の正面視右側に並んだ状態となる(図109(c)を参照)。これにより、裏上左第一装飾体3210と裏上左第二装飾体3220とが左右に並ぶことで、通常の状態に対して約2倍の大きさとなるため、遊技領域5a内において目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、大きな装飾の出現により遊技者を驚かせることができる。
この状態では、裏上左第一装飾体3210の固定装飾部材3211と裏上左第二装飾体3220の第二装飾部材3222とが左右に並んで正面を向いた状態となり、夫々の装飾が一体となって「雀」の文字の装飾が視認できるようになる。なお、裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220の第一ヒンジ部3212及び第二ヒンジ部3223には、固定装飾部材3211及び第二装飾部材3222に施された装飾と対応している装飾が施されており、裏上左第一装飾体3210から裏上左第二装飾体3220を開いた時に、第一ヒンジ部3212及び第二ヒンジ部3223を目立ち難くすることができ、「雀」の文字を良好な状態で遊技者に視認させることができる。
なお、一体となって視認できる「雀」の文字の装飾は、一番下側の「一」の部位よりも上側の位置から下側が途切れており、裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220下方に位置した裏下後可動演出ユニット3100の裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3112,3122の装飾と一体となることで、「雀」の文字が完全な状態となる(図134を参照)。
このように、裏上左可動演出ユニット3200は、裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220を左右方向にスライドさせたり、裏上左第二装飾体3220を上下に延びた軸線周りにヒンジ回転させることで、裏上左第一装飾体3210の前面を覆うように折畳んだり、裏上左第一装飾体3210の正面視右側に並ぶように展開させたりすることができ、多彩な演出を遊技者に提示することができる。
[5−9e.裏左可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏左可動演出ユニット3300について、主に図110及び図111を参照して詳細に説明する。図110(a)は裏ユニットの裏左可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏左可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図111(a)は裏左可動演出ユニットを通常の状態で示す正面図であり、(b)は裏左可動演出ユニットにおける裏左可動装飾体を突出させた状態で示す正面図である。
裏左可動演出ユニット3300は、裏箱3010内における開口部3010aの正面視左方に取付けられている。裏左可動演出ユニット3300は、前面に立体的な所定の装飾が施されている裏右固定装飾体3310と、裏右固定装飾体3310の後方で左右方向にスライド可能に支持されており所定の装飾が施された枠状の裏右可動装飾体3320と、裏右可動装飾体3320を左右方向へスライド移動させ裏箱3010内に取付けられると共に前面に裏左固定装飾体3310が取付けられている裏左駆動ユニット3330と、を備えている。
裏左可動演出ユニット3300の裏左固定装飾体3310は、正面視の形状が縦長の略四角形に形成されている。裏左固定装飾体3310は、立体的な装飾が施されており透光性を有する固定側装飾部材3311と、固定側装飾部材3311の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏左固定装飾基板3312と、を備えている。固定側装飾部材3311は、図示するように、一部に「發」牌の装飾が形成されている。この裏左固定装飾体3310は、裏左固定装飾基板3312のLEDを適宜発光させることで、固定側装飾部材3311を発光装飾させることができる。
裏左可動演出ユニット3300の裏左可動装飾体3320は、正面視の形状が、裏左固定装飾体3310と略同じ大きさの縦長の四角形に形成されている。裏左可動装飾体3320は、前面に所定の装飾が施された枠状の可動側装飾部材3321と、可動側装飾部材3321の後面に取付けられている透光性を有する枠状の装飾フレーム3322と、装飾フレーム3322の後側に取付けられている枠状の可動ベース3323と、可動ベース3323と装飾フレーム3322との間に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏左可動装飾基板3324と、を備えている。
裏左可動装飾体3320の可動側装飾部材3321は、裏下後可動演出ユニット3100における裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111と同じ装飾が施されている。可動ベース3323は、下端側が可動側装飾部材3321及び装飾フレーム3322よりも下方に突出しており、この突出している部位が裏左駆動ユニット3330により左右方向にスライド可能に取付けられている。裏左可動装飾基板3324は、図示は省略するが、枠状の装飾フレーム3322における正面視左右方向の中央より右側の部位に沿うようにコ字状に形成されている。この裏左可動装飾基板3324のLEDを発光させることで、可動側装飾部材3321を発光装飾させることができる。
裏左可動演出ユニット3300の裏左駆動ユニット3330は、裏箱3010内に取付けられるユニットベース3331と、ユニットベース3331の下部前面に取付けられており裏左可動装飾体3320を左右方向にスライド可能に取付けている左右方向に延びたスライドガイド3332と、回転軸が前方に延びるようにユニットベース3331の後面に取付けられている裏左駆動モータ3333と、裏左駆動モータ3333の回転軸に基端側が取付けられており先端側が裏左可動装飾体3320に連結されている棹状の作動アーム(図示は省略)と、作動アームの回動位置を検知しユニットベース3331に取付けられているスライド検知センサ3335と、ユニットベース3331の後面に取付けられており裏左固定装飾基板3312、裏左可動装飾基板3324、裏左駆動モータ3333、及びスライド検知センサ3335と演出駆動基板3043との接続を中継する裏左中継基板3336と、を備えている。
裏左駆動ユニット3330のユニットベース3331は、正面視左端側において裏左固定装飾体3310を裏左可動装飾体3320よりも前方に取付けている。スライドガイド3332は、裏左可動装飾体3320における可動ベース3323の下端部を左右方向へスライド可能に取付けている。裏左駆動モータ3333は、ユニットベース3331における背面視右上隅部に取付けられている。図示しない作動アームは、裏左駆動モータ3333の回転軸に取付けられている基端側から先端側が枠状の裏左可動装飾体3320における下辺の背面視右端付近まで延びている。また、図示は省略するが、作動アームは、先端に前後に貫通しその長手方向に延びたスリットが形成されている。このスリット内に裏左可動装飾体3320の可動ベース3323における背面視右下隅付近から後方に突出している案内ピンが摺動可能に挿入されている。
続いて、裏左可動演出ユニット3300の動作について説明する。裏左可動演出ユニット3300は、通常の状態では、図111(a)に示すように、裏左固定装飾体3310の後方に裏左可動装飾体3320が位置しており、正面からは殆ど視認不能な状態となっている。つまり、裏左可動装飾体3320が、視認不能な没入位置に位置している。この通常の状態では、図示しない作動アームがスライド検知センサ3335により検知されている。また、通常の状態では、遊技盤5に組立てた状態で、前側に配置されている裏左固定装飾体の正面視右端の一部がセンター役物2500の枠内に臨んでいると共に、裏左固定装飾体の前面の正面視左側の部位がセンター役物2500の左方で透明な遊技パネル1100を通して遊技者側から視認することができる。この裏左可動演出ユニット3300は、裏左可動装飾体3320が裏下後可動演出ユニット3100の裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120と同じ高さとなる位置に取付けられている。
この通常の状態で、裏左駆動モータ3333により作動アームを正面視反時計回りの方向に回動させると、作動アームの先端のスリット内に摺動可能に挿入された可動ベース3323の案内ピンを、作動アームが正面視右方に押圧し、スライドガイド3332を介して裏左可動装飾体3320が正面視右方に真っ直ぐスライド移動する。そして、枠状の裏左固定装飾体3320における正面視左辺を略残して右側の部位が、裏左固定装飾体3310の正面視後方から右方に位置すると右方へのスライド移動が停止する。これにより、枠状の裏左可動装飾体3320における左辺よりも右側の部位が、裏左固定装飾体3310の右方に位置して、正面から視認できるようになる(図111(b)を参照)。つまり、裏左可動装飾体3320が遊技者側から視認可能な出現位置に位置した状態となる。
裏左可動装飾体3320が右方にスライド移動して出現位置に位置した状態では、遊技盤5に組立てた状態で、裏左可動装飾体3320がセンター役物2500の枠内を通して遊技者側から視認可能となると共に、裏左可動装飾体3320の枠内を通して後方に配置されているメイン液晶表示装置1600の表示画面を視認することができる。従って、メイン液晶表示装置1600において、裏左可動装飾体3320の真後ろとなる表示領域に所定の演出画像(演出動画)を表示させると、遊技者に対して、恰も裏左可動装飾体3320の枠内に液晶表示装置が取付けられているように錯覚させることができる。これにより、裏下後可動演出ユニット3100の裏下後第一装飾体3110における第一装飾面3111のサブ液晶表示装置3114が左右に二つあるように遊技者を錯覚させることができる。
[5−9f.裏上中可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏上中可動演出ユニット3400について、主に図112乃至図123を参照して詳細に説明する。図112(a)は裏ユニットの裏上中可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上中可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図113(a)は裏上中可動演出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏上中可動演出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図114(a)は裏上中可動演出ユニットの裏上中装飾体ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上中装飾体ユニットを後ろから見た斜視図である。図115は裏上中装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図116は裏上中装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図117(a)は裏上中装飾体ユニットの駆動構成を正面から示す説明図であり、(b)は(a)におけるG−G線で切断した断面図である。図118(a)は通常の状態における裏上中装飾体ユニットの正面図であり、(b)は裏上中装飾体ユニットの一対の裏上中第一装飾体を外方へ半分開いた状態で示す正面図であり、(c)は裏上中装飾体ユニットの一対の裏上中第一装飾体を外方へ完全に開いた状態で示す正面図である。
また、図119(a)は裏上中可動演出ユニットの裏上中駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏上中可動演出ユニットの裏上中駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図120(a)は裏上中駆動ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏上中駆動ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図121(a)は裏上中駆動ユニットの裏上中回転ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は裏上中駆動ユニットの裏上中回転ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図122は、裏上中可動演出ユニットの駆動系を概略で正面から示す説明図である。図123(a)は通常の状態における裏上中可動演出ユニットの正面図であり、(b)は裏上中可動演出ユニットにおいて裏上中装飾体ユニットを下降させた状態で示す正面図である。
裏上中可動演出ユニット3400は、裏箱3010内における開口部3010aの上方で左右方向略中央から右端にかけて取付けられている。裏上中可動演出ユニット3400は、図113に示すように、開閉可能に取付けられている一対の裏上中第一装飾体3411、及び一対の裏上中第一装飾体3411の後方に取付けられている裏上中第二装飾体3412を有している裏上中装飾体ユニット3410と、裏上中装飾体ユニット3410の後面に取付けられている回転接続部材3430と、回転接続部材3430を介して裏上中装飾体ユニット3410が昇降可能且つ回転可能に取付けられており裏箱3010内に取付けられる裏上中駆動ユニット3440と、裏上中駆動ユニット3440の前面に取付けられている裏右上装飾ユニット3480と、裏上中駆動ユニット3440の後面に取付けられている裏上中中継基板3490と、を備えている。
裏上中可動演出ユニット3400の裏上中装飾体ユニット3410は、図114及び図115等に示すように、前面に所定の装飾が施され透光性を有する一対の裏上中第一装飾体3411と、一対の裏上中第一装飾体3411の後方に配置され前面に所定の装飾が施された透光性を有する裏上中第二装飾体3412と、一対の裏上中第一装飾体3411の後面に夫々取付けられている透光性を有する平板状の一対のスライドベース3413と、一対のスライドベース3413の後面に夫々取付けられており前面に複数のLEDが実装されている一対の裏上中第一装飾基板3414と、裏上中第二装飾体3412の後面に取付けられ前面に複数のLEDが実装されている裏上中第二装飾基板3415と、裏上中第二装飾基板3415の後面を覆い裏上中第二装飾体3412の後面に取付けられている基板カバー3416と、基板カバー3416との間にスライドベース3413がスライド可能に収容される空間を形成するように基板カバー3416の後側に取付けられている平板状のスライダカバー3417と、スライダカバー3417の後側に取付けられている装飾体ユニットベース3418と、を備えている。
また、裏上中装飾体ユニット3410は、装飾体ユニットベース3418の後面に取付けられているモータベース3419と、モータベース3419の後面に取付けられておりモータベース3419の前面に回転軸が突出している裏上中第一駆動モータ3420と、裏上中第一駆動モータ3420の回転軸に取付けられておりモータベース3419と装飾体ユニットベース3418の間に配置されている平歯車状の第一駆動ギア3421と、第一駆動ギア3421と噛合しており前端が装飾体ユニットベースよりも前方に突出するように装飾体ユニットベース3418に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア3422と、第一伝達ギア3422と噛合しており装飾体ユニットベース3418の前面に回転可能に取付けられている第一ピニオンギア3423と、を備えている。
更に、裏上中装飾体ユニット3410は、第一ピニオンギア3423と噛合しており左右に延びているラックギア3424a、及びスライダカバー3417を貫通して一対のスライドベース3413のうちの一方を取付ける取付ボス3424bを有し、スライダカバー3417と装飾体ユニットベース3418との間で左右方向にスライド可能に取付けられている第一スライダ3424と、第一スライダ3424のラックギア3424aとは第一ピニオンギア3423を挟んで反対側で第一ピニオンギア3423と噛合しており左右に延びているラックギア3425a、及びスライダカバー3417を貫通して一対のスライドベース3413のうちの残り(他方)を取付ける取付ボス3425bを有し、スライダカバー3417と装飾体ユニットベース3418との間で左右方向にスライド可能に取付けられている第二スライダ3425と、装飾体ユニットベース3418に後側から取付けられており第二スライダ3425のスライド位置を検知するスライド検知センサ3426と、を備えている。
裏上中装飾体ユニット3410の一対の裏上中第一装飾体3411は、夫々の正面視の形状が、左右に延びた四角形の長手方向の一方の端辺が外方に半円弧に膨らみ、反対側の端辺が内方に半円弧に窪んでおり、この半円弧に窪んだ部位が凹部3411aとされている。また、一対の裏上中第一装飾体3411は、内方に半円弧状に窪んだ凹部3411aが形成されている端辺を除いた外周辺が、後方へ板状に延出している。これら一対の裏上中第一装飾体3411は、凹部3411aが形成された端辺同士が対向する状態で取付けられている。また、一対の裏上中第一装飾体3411は、全体が透光性を有する乳白色に形成されており、一方の裏上中第一装飾体3411の前面には「龍」の頭部側の装飾が、残り(他方)の裏上中第一装飾体3411の前面には「龍」の尾部側の装飾が、金属光沢を有するように夫々形成されている。
裏上中第二装飾体3412は、正面視の形状が、左右に延びた平板状で、一対の裏上中第一装飾体3411同士を合わせた(閉じた)時の大きさよりも若干小さく形成されている。裏上中第二装飾体3412は、中央に裏上中第一装飾体3411の凹部3411a内に挿入可能とされた円形で前方に膨出している中央装飾部3412aと、中央装飾部3412aの左右両側で上下に離間して二つ夫々形成されている円形の中央横装飾部3412bと、中央横装飾部3412bの左右両外側に夫々形成されており中央横装飾部3412bと同じ大きさの円形の中間装飾部3412cと、中間装飾部3412cの左右両外側で左右の端部付近に夫々形成されており中間装飾部3412cよりも大径の円形の端装飾部3412dと、を備えている。裏上中第二装飾体3412は、全体が透光性を有する乳白色に形成されており、前面における中央装飾部3412a、中央横装飾部3412b、中間装飾部3412c、及び端装飾部3412dの外周等に、金属光沢を有する線状の装飾が形成されている。この裏上中第二装飾体3412は、「麻雀」の「点棒」を遊技者に想起させる装飾が施されている。
一対のスライドベース3413は、夫々が裏上中第一装飾体3411の外周形状と略対応した形状に形成されており、裏上中第一装飾体3411の後方に延出している外周辺の後端に取付けられている。これにより、裏上中第一装飾体3411とスライドベース3413とを組立てることで、裏上中第一装飾体3411の前面を形成している部位とスライドベース3413との間に、裏上中第二装飾体3412、裏上中第二装飾基板3415、及び基板カバー3416を挿入可能な空間が形成される。また、一対のスライドベース3413は、前後に貫通し左右に延びているスリット3413aを、夫々備えている。なお、一対のスライドベース3413のうちの、一方のスライドベース3413ではスリット3413aが上辺に近い側に、残りのスライドベース3413ではスリット3413aが下辺に近い側に、夫々形成されている。また、一対のスライドベース3413は、透光性を有する乳白色に夫々形成されている。
一対の裏上中第一装飾基板3414、及び裏上中第二装飾基板3415は、表面(全面)が白色の基板である。これにより、光を反射・拡散させ易くしていると共に、基板を目立ち難くしている。裏上中第一装飾体3414は、裏上中第一装飾体3411における前面を形成している部位から後方に離れたスライドベース3413に取付けられていることから、LEDからの光が裏上中第一装飾体3411の前面を形成している部位に届くまでに、光の照射範囲が広がるため、LEDの数が少なくても裏上中第一装飾体3411全体を均一に発光装飾させることができる。一方、裏上中第二装飾基板3415は、裏上中第二装飾体3412の全体を発光装飾させることができる他に、裏上中第二装飾体3412の中央装飾部3412a、中央横装飾部3412b、中間装飾部3412c、及び端装飾部3412dを、夫々独立して発光装飾させることができる。
基板カバー3416は、後面における左右両端付近から後方に円柱状に突出しておりスライドベース3413のスリット3413a内に挿入される取付ボス3416aを備えている。この基板カバー3416の取付ボス3416aは、スライドベース3413のスリット3413aを貫通した後端が、スライダカバー3417に取付けられる。また、基板カバー3416の取付ボス3416aは、回転可能に取付けられるブッシュ3427を介して、スリット3413a内を左右方向へ相対的に摺動する。この基板カバー3416は、透明である。
スライダカバー3417は、前後に貫通していると共に左右に延びており第一スライダ3424の取付ボス3424aが摺動可能に挿通される第一スリット3417aと、前後に貫通していると共に左右に延びており第二スライダ3425の取付ボス3425aが摺動可能に挿通される第二スリット3417bと、を備えている。第一スリット3417aは、正面視において左右方向中央より左側で下辺付近に形成されている。第二スリット3417bは、正面視において左右方向中央より右側で上辺付近に形成されている。
第一ピニオンギア3423は、正面視において左右方向中央からやや右寄りに配置されている(図117を参照)。第一スライダ3424は、第一ピニオンギア3423に対して下方からラックギア3424aが噛合するように配置されており、正面視左端から左右に並んだ二つの取付ボス3424bが前方に突出している。第一スライダ3424の二つの取付ボス3424bは、前端が、スライダカバー3417の第一スリット3417aを貫通して前方に突出し、「龍」の頭部側の装飾が施された裏上中第一装飾体3411に取付けられているスライドベース3413の後面に取付けられる。第二スライダ3425は、第一ピニオンギア3423に対して上方からラックギア3425aが噛合するように配置されており、正面視右端から左右に並んだ二つの取付ボス3425bが前方に突出している。第二スライダ3425の二つの取付ボス3425bは、前端が、スライダカバー3417の第二スリット3417bを貫通して前方に突出し、「龍」の尾部側の装飾が施された裏上中第一装飾体3411に取付けられているスライドベース3413のと後面に取付けられる。また、第二スライダ3425は、正面視右端付近の上部から上方へ平板状に突出している検知片3425cを備えている。この検知片3425cは、スライド検知センサ3426により検知される。
続いて、裏上中可動演出ユニット3400における裏上中装飾体ユニット3410の動作について説明する。裏上中装飾体ユニット3410は、通常の状態では、図118(a)等に示すように、一対の裏上中第一装飾体3411の凹部3411a側の端辺同士が互いに当接して閉じている。この状態では、凹部3411aにより形成される円形の開口を通して裏上中第二装飾体3412の中央装飾部3412aが前方の膨出しており、裏上中第二装飾体3412のその他の部位は前方から視認することができない。
この通常の状態では、図117(a)に示すように、第一スライダ3424の正面視左端部と、第二スライダ2425の正面視右端部とが、裏上中装飾体ユニット3410における左右方向の中央付近に位置している。また第二スライダ3425の検知片3425cが、スライド検知センサ3426により検知されている。通常の状態(閉状態)で、裏上中第二装飾基板3415により中央装飾部3412aを発光装飾させると、「麻雀」の「千点棒」を想起させる装飾を遊技者に見せることができる。また、通常の状態で、裏上中第二装飾基板3415により裏上中第二装飾体3412全体を発光装飾させると、裏上中第装飾体3412の前方を覆っている裏上中第一装飾体3411を全体的に発光装飾させることができる。更に、通常の状態で、裏上中第一装飾体3414のLEDを発光させると、その光が白色に形成された裏上中第二装飾体3415の後面、裏上中第一装飾体3414の前面、等で反射・拡散し、裏上中第一装飾体3411の外周等を発光装飾させることができる。
通常の状態から、裏上中第一駆動モータ3420により、第一駆動ギア3421、及び第一伝達ギア3422を介して第一ピニオンギア3423を正面視時計回りの方向に回転駆動させると、第一ピニオンギア3423に噛合している第一スライダ3424のラックギア3424a及び第二スライダ3425のラックギア3425aにより、第一スライダ3424が正面視左方へスライド移動すると共に、第二スライダ3425が正面視右方へスライド移動する。これにより、第一スライダ3424の取付ボス3424bを介して取付けられた「龍」の頭部側の装飾が施された裏上中第一装飾体3411が正面視左方へスライド移動すると共に、第二スライダ3425の取付ボス3425bを介して取付けられた「龍」の尾部側の装飾が施された裏上中第一装飾体3411が正面視右方へスライド移動することとなり、一対の裏上中第一装飾体3411が互いに離反する方向にスライドして開くこととなる。
一対の裏上中第一装飾体3411を互いに離反する方向へスライド移動させると、一対の裏上中第一装飾体3411の凹部3411a側の端辺同士の間から、裏上中第一装飾体3411の後方に配置されている裏上中第二装飾体3412の一部が前方に臨むようになる。そして、裏上中第二装飾体3412の中央横装飾部3412bが、一対の裏上中第一装飾体3411同士の間から前方に臨むようになった状態で、裏上中第一駆動モータ3420の回転駆動を一旦停止させる。この状態(中間開状態)では、図117(b)に示すように、一対の裏上中第一装飾体3411同士の間から、裏上中第二装飾体3412の中央装飾部3412aと四つの中央横装飾部3412bとが、前方へ臨んだ状態となる。この状態で、裏上中第二装飾基板3415により中央装飾部3412aと中央横装飾部3412bを発光装飾させると、「麻雀」の「五千点棒」を想起させる装飾を遊技者に見せることができる。
この状態から、裏上中第一駆動モータ3420により、一対の裏上中第一装飾体3411が互いに離反する方向へスライド移動させて、最も離反した状態で回転駆動を停止させると、図118(c)に示すように、一対の裏上中第一装飾体3411同士の間から、裏上中第二装飾体3412の略全体が前方に臨む状態となる(全開状態)。この状態では、裏上中第二装飾体3412の中央装飾部3412a、中央横装飾部3412b、中間装飾部3412c、及び端装飾部3412dのすべてが前方に臨んでおり、裏上中第二装飾基板3415により、中央装飾部3412a、中央横装飾部3412b、中間装飾部3412c、及び端装飾部3412dを発光装飾させると、「麻雀」の「万点棒」を想起させる装飾を遊技者に見せることができる。また、この状態で、裏上中第一装飾基板3414及び裏上中第二装飾基板3415により、裏上中第一装飾体3411及び裏上中第二装飾体3412を、全体的に発光装飾させることができる。
続いて、裏上中可動演出ユニット3400の回転接続部材3430は、裏上中装飾体ユニット3410における装飾体ユニットベース3418の後面で長手方向中央に取付けられると共に、裏上中駆動ユニット3440の裏上中回転ユニット3460における従動ピニオンギア3467の前面に取付けられる接続ベース3431と、接続ベース3431に対して回転可能に取付けられる円筒状の接続ブッシュ3432と、を備えている。接続ブッシュ3432の外周面は、裏上中回転ユニット3460における回転ユニットベース3461の挿入孔3461b内に挿入される。
続いて、裏上中可動演出ユニット3400の裏上中駆動ユニット3440について、説明する。裏上中駆動ユニット3440は、図120等に示すように、裏上中装飾体ユニット3410を回転駆動可能に取付ける裏上中回転ユニット3460と、裏上中回転ユニット3460を前面側で回動可能に取付けており裏箱3010内に取付けられるユニットベース3441と、裏上中回転ユニット3460よりも前方でユニットベース3441の前方を覆うようにユニットベース3441に取付けられているベースカバー3442と、ベースカバー3442の前面に取付けられており回転軸がベースカバー3442を貫通して後方に突出している裏上中第二駆動モータ3443と、裏上中第二駆動モータ3443の回転軸に取付けられている平歯車状の第二駆動ギア3444と、第二駆動ギア3444と噛合する大径で平歯車状の大径伝達ギア3445a、及び大径伝達ギア3445aと一体回転する小径で平歯車状の小径伝達ギア3445bを有しており、ベースカバー3442に回転可能に取付けられている第二伝達ギア3445と、第二伝達ギア3445の小径伝達ギア3445bと噛合する平歯車状のギア部3446a、及びギア部3446aの後面から後方に突出している円柱状の駆動ピン3446bを有しており、ベースカバー3442に回転可能に取付けられている昇降駆動ギア3446と、昇降駆動ギア3446の駆動ピン3446bが挿通されて後方に突出する円弧状のスリット3447aを有しており、第二駆動ギア3444、第二伝達ギア3445、及び昇降駆動ギア3446の後側を覆うようにベースカバー3442の後面に取付けられていると共にベースカバー3442と協働して第二駆動ギア3444、第二伝達ギア3445、及び昇降駆動ギア3446を回転可能に取付けている平板状のギアカバー3447と、を備えている。
また、裏上中駆動ユニット3440は、ユニットベース3441に取付けられており裏上中回転ユニット3460の回動位置を検知する回動検知センサ3448と、ユニットベース3441と裏上中回転ユニット3460との間に取付けられており裏上中装飾体ユニット3410が上昇する方向へ裏上中回転ユニット3460を付勢しているアシストバネ3449と、全体が帯状で前後に貫通すると共に長手方向に延びているアシストスリット3450aを有しており、基端側がユニットベース3441の前面に回転可能に取付けられているアシストアーム3450と、アシストアーム3450を前方からユニットベース3441側へ回転可能に押えておりユニットベース3441の前面に取付けられているアーム押え3451と、を備えている。
裏上中駆動ユニット3440の裏上中回転ユニット3460は、図121等に示すように、ユニットベース3441に回動可能に取付けられる軸受部3461a、前後に貫通しており所定方向に延びた長孔状で昇降駆動ギア3446の駆動ピン3446bが摺動可能に挿入される駆動スリット3461b、回転接続部材3430の接続ブッシュ3432が挿入される挿入孔3461c、及び後方に突出しておりアシストアーム3450のアシストスリット3450a内に挿入される円柱状のアシストピン3461dを有しており、後方が開放された浅い箱状の回転ユニットベース3461と、回転ユニットベース3461の開放されている後方側を閉鎖するように回転ユニットベース3461の後側に取付けられている後方カバー3462と、を備えている。
また、裏上中回転ユニット3460は、後方カバー3462と回転ユニットベース3461との間に回転軸が突出するように回転ユニットベース3461の前面に取付けられている裏上中第三駆動モータ3463と、裏上中第三駆動モータ3463の回転軸に取付けられている平歯車状の第三駆動ギア3464と、第三駆動ギア3464と噛合しており回転ユニットベース3461と後方カバー3462とにより回転可能に取付けられている平歯車状の駆動ピニオンギア3465と、駆動ピニオンギア3465と噛合しており回転ユニットベース3461と後方カバー3462との間で所定方向へスライド可能に取付けられている棹状の伝達ラックギア3466と、伝達ラックギア3466と噛合しており回転ユニットベース3461の挿入孔3461cと同軸上の位置で回転ユニットベース3461と後方カバー3462とにより回転可能に取付けられており前面に回転接続部材3430の接続ベース3431の後端が取付けられる平歯車状の従動ピニオンギア3467と、を備えている。
更に、裏上中回転ユニット3460は、従動ピニオンギア3467の回転位置を検知し回転ユニットベース3461に取付けられている回転検知センサ3468と、内側に回転ユニットベース3461のアシストピン3461dが挿入されると共に外側がアシストアーム3450のアシストスリット3450a内に摺動可能に挿入される鍔付円筒状のブッシュ3469と、回転ユニットベース3461のアシストピン3461dの後端に取付けられアシストピン3461dからブッシュ3469が抜けるのを防止する抜止キャップ3470と、を備えている。
裏上中駆動ユニット3440のユニットベース3441は、上下に延びた四角形の正面視左側辺の上部が左方に突出したような形状に形成されており、下部の前面から前方に突出し裏上中回転ユニット3460を回動可能に取付けるための回動支持ピン3441aを備えている。ユニットベース3441の回動支持ピン3441aは、裏上中回転ユニット3460における回転ユニットベース3461の軸受部3461aに挿入される。ユニットベース3441には、前面の上端部で正面視右端付近に回動検知センサ3448が取付けられると共に、正面視左端付近にアシストアーム3450が取付けられる。
裏上第二駆動モータ3463は、ベースカバー3442の前面における上端部付近に取付けられている。裏上第二駆動モータ3463の回転駆動が、第二駆動ギア3444、及び第二伝達ギア3445を介して伝達される昇降駆動ギア3446は、ユニットベース3441及びベースカバー3442の上下方向略中央の位置で回転可能に取付けられている(図122を参照)。
アシストバネ3449は、コイル状のトーションバネとされており、ユニットベース3441における回動支持ピン3441aの外周を囲むように取付けられている。アシストアーム3450は、アーム押え3451によってユニットベース3441側に押付けられることで、ガタツクことなく同一面上で回転することができる。
裏上中回転ユニット3460の回転ユニットベース3461は、左右に延びており、ユニットベース3441の回動支持ピン3441aが挿入される軸受部3461aが正面視右下隅に形成されている。この軸受部3461aは、金属製のベアリングにより形成されている。回転ユニットベース3461の駆動スリット3461bは、軸受部3461aの上方に形成されており、上下に延びている。回転ユニットベース3461の挿入孔3461cは、正面視左端付近に形成されている。この回転ユニットベース3461は、下辺に沿って左右に伝達ラックギア3466よりも長く延びており伝達ラックギア3466を摺動可能に収容するスライド溝3461eと、正面視右端上部から上方に突出しており回動検知センサにより検知される検知片3461fと、を備えている。
裏上中第三駆動モータ3463は、回転ユニットベース3461における軸受部3461aと挿入孔3461cとの間の略中央に取付けられている。従動ピニオンギア3467は、伝達ラックギア3466と噛合する外周のギア歯が、全周の約3/4の範囲内にのみ形成されており、一回転することはない。この従動ピニオンギア3467は、外周におけるギア歯の形成されていない部位から外方に延出している扇状の検知片3467aを備えており、この検知片3467aが回転検知センサ3468により検知される。
続いて、裏上中可動演出ユニット3400の裏右上装飾ユニット3480について説明する。裏右上装飾ユニット3480は、裏上中駆動ユニット3440における裏上中第二駆動モータ3443よりも前方の位置でベースカバー3442の前面に取付けられる装飾ベース3481と、装飾ベース3481の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏右上装飾基板3482と、裏右上装飾基板3482よりも前方に配置され装飾ベース3481の前面に取付けられている透光性を有する裏右上装飾体3483と、を備えている。
この裏右上装飾ユニット3480は、裏右上装飾基板3482のLEDを発光させることで、裏右上装飾体3483を発光装飾させることができる。この裏右上装飾ユニット3480の裏右上装飾体3483は、遊技盤5に組立てた状態で、センター役物2500の正面視右打遊技領域2540内における右打流通空間2541内のゲート部2003と一般入賞口2001との間に位置しており、右上流通空間2541内を透明な遊技パネル1100を通して後方から発光装飾させることができる。
裏上中可動演出ユニット3400の裏上中中継基板3490は、裏上中第一装飾基板3414、裏上中第二装飾基板3415、裏上中第一駆動モータ3420、スライド検知センサ3426、裏上中第二駆動モータ3443、回動検知センサ3448、裏上中第三駆動モータ3463、回転検知センサ3468、及び裏右上装飾基板3482と、周辺制御基板1510に接続されている演出駆動基板3043と、を接続している。
続いて、裏上中可動演出ユニット3400の動作について裏上中駆動ユニット3440の動作と共に説明する。裏上中可動演出ユニット3400は、通常の状態では、図123(a)に示すように、長手方向が水平となるように裏上中装飾体ユニット3410が左右に延びた状態で、その上辺が裏上中駆動ユニット3440におけるユニットベース3441の上辺よりもやや下方に位置している。この通常の状態では、一対の裏上中第一装飾体3411が互いに当接して閉じている。
この通常の状態では、図122に示すように、裏上中回転ユニット3460が上方側の回動端に位置しており、昇降駆動ギア3446の駆動ピン3446bが、回転ユニットベース3461の駆動スリット3461b内の下端に位置している。この状態では、裏上中回転ユニット3460に、裏上中装飾体ユニット3410等の重量により回動支持ピン3441aを中心として正面視反時計回りの方向へ回動させようとする回転モーメントが作用している。この回転モーメントにより、駆動スリット3461bを介して駆動ピン3446bが左方側へ押圧されている。そして、駆動ピン3446bが押圧されることで昇降駆動ギア3446が回転しようとするが、駆動ピン3446bが、昇降駆動ギア3446の回転中心を通り駆動スリット3461bの延びている方向に対して直交する線よりも下方に位置していることから、昇降駆動ギア3446が正面視時計回りの方向に回転しようとする。しかしながら、昇降駆動ギア3446の駆動ピン3446bが駆動スリット3461b内の下端に当接しているため、これ以上、昇降駆動ギア3446が時計回りの方向に回転することができず、裏上中回転ユニット3460が通常の状態で維持され、裏上中装飾体ユニット3410が上昇した状態でロックされている。また、この状態では、回転モーメントの作用にも関わらず昇降駆動ギア3446が回転しないため、第二伝達ギア3445及び第二駆動ギア3444を介して裏上中第二駆動モータ3443に負荷がかかることはなく、裏上中第二駆動モータ3443に通電していなくても裏上中装飾体ユニット3410を上昇端に維持することができる。
また、通常の状態では、回転ユニットベース3461のスライド溝3461eによりスライド可能に支持されている伝達ラックギア3466が、回動支持ピン3441a(軸受部3461a)が遠ざかった移動端に位置していると共に、伝達ラックギア3466と噛合している従動ピニオンギア3467が、正面視で時計回りの方向への回動端付近に回転位置している。また、通常の状態では、裏上中回転ユニット3460の回転ユニットベース3461の挿入孔3461c(従動ピニオンギア3467)の中心が、軸受孔3461a(回動支持ピン3441a)の中心よりも上方に位置している。更に、通常の状態では、アシストアーム3450が水平に延びており、アシストアーム3450のアシストスリット3450a内に摺動可能に挿入されている回転ユニットベース3461のアシストピン3461dが、アシストスリット3450a内の基端側の端部付近に位置している。
また、通常の状態では、回転ユニットベース3461の検知片3461fが、回動検知センサ3448により検知されていると共に、従動ピニオンギア3467の検知片3467aが、回転検知センサ3468により検知されている。また、通常の状態では、遊技盤5に組立てた状態で、水平に延びて閉じている一対の裏上中第一装飾体3411が、正面視センター役物2500の枠内におけるメイン液晶表示装置1600の表示画面よりも上方で遊技者側から視認可能に位置している(図81等を参照)。
この通常の状態から、裏上中第二駆動モータ3443により第二駆動ギア3444、及び第二伝達ギア3445を介して昇降駆動ギア3446を、正面視反時計回りの方向に回動させると、昇降駆動ギア3446の駆動ピン3446bが駆動スリット3461b内を上昇するように反時計回りの方向に公転する。この駆動ピン3446bが正面視反時計回りの方向に公転することで、駆動ピン3446bが駆動スリット3461b内を左方に押圧し、駆動スリット3461bを介して裏上中回転ユニット3460が、回動支持ピン3441aを中心にして正面視反時計回りの方向に回動することとなる。
この裏上中回転ユニット3460が正面視反時計回りの方向に回動すると、回動支持ピン3441a(軸受部3461a)よりも上方で正面視左方に位置している回転ユニットベース3461の挿入孔3461c(従動ピニオンギア3467)側が、下方へ移動する。これにより、回転ユニットベース3461の挿入孔3461cを通した回転接続部材3430を介して従動ピニオンギア3467に取付けられている裏上中装飾体ユニット3410が下降することとなる。この際に、回転ユニットベース3461のアシストピン3461dが、回動支持ピン3441aを中心に正面視反時計回りの方向に公転するため、アシストピン3461dによりアシストアーム3450が正面視反時計回りの方向に回動すると共に、アシストピン3461dがアシストスリット3450a内をその先端側に向かって摺動する。
そして、裏上中回転ユニット3460が、通常の状態から正面視反時計回りに約41度回動すると、裏上中第二駆動モータ3443の回転駆動が停止し、回転ユニットベース3461の挿入孔3461c(従動ピニオンギア3467)が、回動支持ピン3441aよりも下方に位置し、裏上中装飾体ユニット3410が下降端に位置した状態となる(図123(b)を参照)。この状態では、回転ユニットベース3461の一部が、ユニットベース3441に当接すると共に、アシストピン3461dが、アシストスリット3450a内の先端側の端部に当接しており、裏上中回転ユニット3460がこれ以上回動するのが規制された状態となっている。
裏上中回転ユニット3460を正面視反時計回りの方向に回動させて、裏上中装飾体ユニット3410を下降端に位置させた状態では、遊技盤5に組立てた状態で、裏上中装飾体ユニット3410の中心(裏上中第二装飾体3412の中央装飾部3412a)が、センター役物2500の枠内の略中央に位置している(図137を参照)。
裏上中装飾体ユニット3410を下降端に移動させた状態で、裏上中第三駆動モータ3463により第三駆動ギア3464を介して駆動ピニオンギア3465を正面視花時計回りの方向に回転駆動させると、駆動ピニオンギア3465と噛合している伝達ラックギア3466が、スライド溝3461e内で正面視右方向にスライドする。この伝達ラックギア3466が右方向にスライドすることで、伝達ラックギア3466と噛合している従動ピニオンギア3467が正面視反時計回りの方向に回転し、従動ピニオンギア3467の前面に取付けられている回転接続部材3430の接続ベース3431を介して裏上中装飾体ユニット3410も正面視反時計回りの方向に回転することとなる。
この裏上中回転ユニット3460では、伝達ラックギア3466がスライド溝3461eの正面視右端に到達するまで、裏上中装飾体ユニット3410を正面視反時計回りの方向に回転させることができる。本実施形態では、裏上中装飾体ユニット3410を、通常の状態から、反時計回りの方向に約193度回転させることができる。従って、裏上中装飾体ユニット3410を下降端に位置させた状態では、水平に延びている通常の状態に対して、正面視反時計回りの方向に208度回転することができる(図123(b)を参照)。そして、この図123(b)の状態で、裏上中装飾体ユニット3410の裏上中第一駆動モータ3420を駆動して一対の裏上中第一装飾体3411を、互いに離反する方向にスライド移動させる(図138及び図139等を参照)。
このように、裏上中可動演出ユニット3400は、一対の裏上中第一装飾体3411と裏上中第二装飾体3412を有した裏上中装飾体ユニット3410を、裏上中駆動ユニット3440により昇降させることができると共に回転させることができる上に、一対の裏上中第一装飾体3411同士を開いたり閉じたりすることができ、多彩な可動演出を遊技者に提示することができる。また、一対の裏上中第一装飾体3411の開く度合いにより一対の裏上中第一装飾体同士の間から前方に臨む裏上中第二装飾体3412の装飾により表現される「麻雀」の「点棒」の点数を変化させることができるため、その「点棒」の点数によって遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
[5−9g.裏下前可動演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏下前可動演出ユニット3500について、主に図124乃至図131を参照して詳細に説明する。図124(a)は裏ユニットの裏下前可動演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏下前可動演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図125は裏下前可動演出ユニットを裏下前装飾体ユニット以外を分解して前から見た分解斜視図であり、図126は裏下前可動演出ユニットを裏下前装飾体ユニット以外を分解して後ろから見た分解斜視図である。図127は裏下前可動演出ユニットの裏下前装飾体ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図128は裏下前可動演出ユニットの裏下前装飾体ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図129は、裏下前可動演出ユニットにおける装飾体ユニット昇降機構を概略で示す正面図である。図130(a)は裏下前装飾体ユニットを上昇させた時の装飾体ユニット昇降機構の状態を概略で示す説明図であり、(b)は(a)においてユニット昇降ピンの部位を拡大して示す説明図であり、(c)は(b)を更に拡大してユニット昇降ピンと昇降用スリットとの関係を示す説明図である。図131(a)裏下前可動演出ユニットを通常の状態で示す正面図であり、(b)は(a)の状態から裏下前装飾体ユニットを上昇させた状態を示す正面図であり、(c)は(b)の状態から裏下前装飾体ユニットの裏下前第一装飾体を上昇させた状態を示す正面図である。
裏下前可動演出ユニット3500は、裏箱3010内における開口部3010aの下方で裏下後可動演出ユニット3100の前面に取付けられている。裏下前可動演出ユニット3500は、所定の装飾が施されている裏下前装飾体ユニット3501と、裏下前装飾体ユニット3501を昇降させ裏下後可動演出ユニット3100の前面に取付けられる昇降ユニット3502と、昇降ユニット3502の正面視左端部前面に取付けられている裏左下装飾ユニット3503と、昇降ユニット3502の前面における正面視左右方向中央から左寄りに取付けられている裏下中装飾ユニット3504と、昇降ユニット3502の前面における裏下中装飾ユニット3504の正面視左方から下方にかけて取付けられている裏左下球誘導ユニット3505と、昇降ユニット3502の後面に取付けられている裏下前中継基板3506と、を備えている。
裏下前可動演出ユニット3500の裏下前装飾体ユニット3501は、図127及び図128等に示すように、左右に延びた板状で両面に異なる装飾が施されている裏下前第一装飾体3510と、裏下前第一装飾体3510を左右に延びている上辺においてヒンジ回転可能に取付けていると共に昇降ユニット3502に昇降可能に取付けられており前面に装飾が施されている裏下前第二装飾体3520と、を備えている。
裏下前装飾体ユニット3501の裏下前第一装飾体3510は、正面視の形状が左右に長く延びた四角形で前面に所定の装飾が形成されており後方側が開放された浅い箱状で透光性を有する第一表装飾部材3511と、第一表装飾部材3511の後面に取付けられていると共に後面に所定の装飾が形成されており前方側が開放された浅い箱状で透光性を有する第一裏装飾部材3512と、第一裏装飾部材3512と第一表装飾部材3511との間に取付けられており両面に複数のLEDが実装されている裏下前第一装飾基板3513と、第一裏装飾部材3512の上辺における正面視左右両端から左右に延びた軸線に対して同軸上となるように斜め上後方に突出している円筒状の二つの第一ヒンジ部3514と、第一裏装飾部材3512の正面視右側面から右方に円柱状に突出しており後述する裏下前第二装飾体3520における装飾体昇降アーム3533のスリット3533a内に摺動可能に挿入される装飾体昇降ピン3515と、第一裏装飾部材3512の正面視右辺から後方に突出している平板状の検知片3516と、を備えている。
裏下前第一装飾体3510は、二つの第一ヒンジ部3514のうち、正面視右側の第一ヒンジ部3514が、第一裏装飾部材3512の正面視右端よりも若干左方寄りに取付けられている。なお、詳細な図示は省略するが、裏下前第一装飾体3511の第一装飾部材3511は、「麻雀」の「牌」が左右に複数並んだ装飾が施されている。
裏下前装飾体ユニット3501の裏下前第二装飾体3520は、裏下前第一装飾体3510よりも左右及び上下が大きく形成されていると共に前面に所定の装飾が形成されており後方側が開放された浅い箱状で透光性を有する第二装飾部材3521と、第二装飾部材3521の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏下前第二装飾基板3522と、裏下前第二装飾基板3522の後方を覆いて第二装飾部材3521の後側に取付けられている平板状の基板カバー3523と、第二装飾部材3521の左右に延びている上辺における正面視左右両端部付近から左右に延びた軸線に対して同軸上となるように斜め上前方に突出しており裏下前第一装飾体3510の第一ヒンジ部3514をヒンジ回転可能に取付けるための円筒状の二つの第二ヒンジ部3524と、二つの第二ヒンジ部3524のうち正面視右側の第二ヒンジ部3524内に左側から右端側が挿入されると共に左端側が裏下前第一装飾体3510の正面視右側の第一ヒンジ部3514内に右側から挿入される円柱状のヒンジシャフト3525と、第二装飾部材3521の正面視左端の後面に取付けられ裏下前第一装飾体3510の正面視左側の第一ヒンジ部3514内に左側から挿入されるヒンジシャフト3526aを有したヒンジ押え3526と、を備えている。
また、裏下前第二装飾体3520は、第二装飾部材3521の正面視右側面に取付けられ右方が開放された浅い箱状のギアベース3527と、ギアベース3527を貫通して回転軸が右方に突出するようにギアベース3527の正面視左側面に取付けらている裏下前第一駆動モータ3528と、裏下前第一駆動モータ3528の回転軸に取付けられている平歯車状の第一駆動ギア3529と、第一駆動ギア3529と噛合しておりギアベース3527に回転可能に取付けられている伝達第一ギア3530と、伝達第一ギア3530と噛合しておりギアベース3527に回転可能に取付けられている伝達第二ギア3531と、伝達第二ギア3531と噛合しておりギアベース3527に回転可能に取付けられている第一昇降ギア3532と、ギアベース3527の正面視左方において第一昇降ギア3532と一体回転し左右方向に貫通していると共に回転中心を通る軸線上に延びており裏下前第一装飾体3510の装飾体昇降ピン3515が摺動可能に挿入されるスリット3533aを有している装飾体昇降アーム3533と、第一駆動ギア3529、伝達第一ギア3530、伝達第二ギア3531、及び第一昇降ギア3532の正面視右方を覆うようにギアベース3527の開放されている右端側を閉鎖しておりギアベース3527に取付けられている平板状のギアカバー3534と、を備えている。
更に、裏下前第二装飾体3520は、第二装飾部材3521の正面視左側面に取付けられており裏下前第一装飾体3510の検知片3516を検知可能な装飾体昇降検知センサ3535と、装飾体昇降検知センサ3535を覆うように第二装飾部材3521の正面視左側面に取付けられているセンサカバー3536と、第二装飾部材3521の正面視右端下部から下方に延出しているスライダ取付部3537と、基板カバー3523の後面の上部で背面視右端付近から円柱状に後方に突出しているガイドボス3538と、を備えている。
裏下前装飾体ユニット3501では、第一ヒンジピン3515、装飾体昇降ピン3515、第二ヒンジ部3524、ヒンジシャフト3525,3526a、裏下前第一駆動モータ3528、第一駆動ギア3529、伝達第一ギア3530、伝達第二ギア3531、第一昇降ギア3532、及び装飾体昇降アーム3533が、裏下前第一装飾体3510を左右に延びた軸線に対してヒンジ回転させて昇降させる装飾体昇降機構3501Aを構成している。
また、裏下前第二装飾体3520は、第二装飾部材3521における下部で正面視左右方向中央より左側に形成されており前後に貫通し左右に延びている長孔状の昇降用スリット3540を、備えている。この昇降用スリット3540は、図129及び図130等に示すように、左右に延びている両端が同じ高さに形成されており、左右に延びている上辺において正面視左端から右方寄りの部位に下方へ突出しているロック突起3540aを有している。このロック突起3540aは、正面視左側の辺が、昇降用スリット3540の左端の半円弧の上端から水平に延びた線に接する円弧状に形成されており、正面視右側の辺が、昇降用スリット3540の右端の半円弧の上端から水平に左方へ若干延びた部位の左端に向かって斜めに延びた直線状に形成されている。なお、昇降用スリット3540の左右に延びている下辺は、上辺との間で略一定の間隔を形成するように、上辺に倣った形状に形成されている。
裏下前可動演出ユニット3500の昇降ユニット3502は、裏下後可動演出ユニット3100の前面に取付けられる平板状のユニットベース3550と、ユニットベース3550との間に裏下前装飾体ユニット3501の裏下前第一装飾体3510よりも下側の部位を収容可能な隙間を空けてユニットベース3550の前面に取付けられているベースカバー3551と、ユニットベース3550とベースカバー3551との間に回転軸が突出するようにユニットベース3550の後面に取付けられている裏下前第二駆動モータ3552と、裏下前第二駆動モータ3552の回転軸に取付けられている平歯車状の第二駆動ギア3553と、第二駆動ギア3553と噛合しておりユニットベース3550とベースカバー3551とによって回転可能に取付けられている第二伝達ギア3554と、第二伝達ギア3554と噛合する円弧状の第二昇降ギア3555a、第二昇降ギア3555aの円弧と同心の略半円で平板状の本体部3555b、本体部3555bの中心で貫通しておりユニットベース3550とベースカバー3551とによって回転可能に取付けられる軸孔3555c、及び第二昇降ギア3555aから遠ざかる方向へ本体部3555bから延出しているアーム部3555dを有しているユニット昇降アーム3555と、ユニット昇降アーム3555におけるアーム部3555dの先端に前方から取付けられ裏下前装飾体ユニット3501の昇降用スリット3540内に摺動可能に挿入される円柱状のユニット昇降ピン3556a、ユニット昇降ピン3556aの前端からユニット昇降アーム3555のアーム部3555dに沿って軸孔3555c側へ延びている平板状の連結片3556b、及び連結片3556bの先端から後方に突出しており後端がユニット昇降アーム3555の本体部3555bの前面に取付けられる取付ボス3556cを有しているアーム補強部材3556と、を備えている。
裏下前第二駆動モータ3552は、ユニットベース3550の正面視左下隅の後面に取付けられている。第二駆動ギア3553は、外方に延出した平板状の検知片3553aを備えている。ユニット昇降アーム3555は、ユニットベース3550における正面視左右方向中央から左寄りで上部付近の位置を中心にして回転するように取付けられている。ユニット昇降アーム3555は、軸孔3555cからアーム部3555dの先端までの距離が、第二昇降ギア3555aの半径よりも長く形成されている。
また、昇降ユニット3502は、ユニットベース3550の前面に取付けられており第二駆動ギア3553の検知片3353aを検知可能なユニット昇降検知センサ3557と、ユニットベース3550の前面で正面視右端部に取付けられており上下延びているスライドベース3558と、スライドベース3558の前側に上下にスライド可能に取付けられている上下延びた棒状の中間スライダ3559と、中間スライダ3559の前側に上下にスライド可能に取付けられており前面が裏下前装飾体ユニット3501のスライダ取付部3537に取付けられる上下に延びた取付スライダ3560と、を備えている。
この昇降ユニット3502では、裏下前第二駆動モータ3552、第二駆動ギア3553、第二伝達ギア3554、ユニット昇降アーム3555、アーム補強部材3556(ユニット昇降ピン3556a)、スライドベース3558、中間スライダ3559、及び取付スライダ3560により、裏下前装飾体ユニット3501を昇降させる装飾体ユニット昇降機構3502Aを構成している。
更に、昇降ユニット3502は、ユニットベース3550の後面に基端側が回転可能に取付けられており前後に貫通し先端側へ向かって延びていると共に裏下前装飾体ユニット3501のガイドボス3538が挿通されるガイドスリット3561aを有しているガイドアーム3561と、ガイドアーム3561のガイドスリット3561a内に後方から摺動可能に挿入されると共に裏下前装飾体ユニット3501のガイドボス3538が挿入されるガイドブッシュ3562と、ガイドブッシュ3562の後方でガイドボス3538の後端に取付けられるバネベース3563と、ガイドアーム3561の基端側後面を回転可能に支持しておりユニットベース3550の後面に取付けられているアーム押え3564と、アーム押え3564とバネベース3563とに両端が夫々取付けられておりアヘム押え3564とバネベース3563とが互いに接近する方向へ付勢しているアシストバネ3565と、を備えている。ガイドアーム3561は、ユニットベース3550の正面視左上で右寄りの位置の後面に回転可能に取付けられており、先端側が右方に延出している。
裏下前可動演出ユニット3500の裏左下装飾ユニット3503は、ユニットベース3550の正面視左上隅に取付けられ前面に「麻雀」の「牌」を模した立体的な装飾が形成されている透光性を有した裏左下装飾体3560と、裏左下装飾体3560の後方でユニットベース3550の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏左下装飾基板3561と、を備えている。裏左下装飾ユニット3503は、裏左下装飾基板3561のLEDを適宜発光させることで裏左下装飾体3560を発光装飾させることができる。この裏左下装飾ユニット3503は、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット上2300の後方に位置しており、遊技領域5a内におけるサイドユニット上2300付近を発光装飾させることができる。
裏下前可動演出ユニット3500の裏下中装飾ユニット3504は、ベースカバー3551の前面における正面視左右方向中央より左側の部位に取付けられており「ドクン」の文字の装飾が形成されている透光性を有する裏下中装飾体3570と、裏下中装飾体3570の後方でベースカバー3551の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている裏下中装飾基板3571と、を備えている。裏下中装飾ユニット3504は、裏下中装飾基板3571のLEDを適宜発光させることで、裏下中装飾体3570を発光装飾させることができる。この裏下中装飾ユニット3504は、遊技盤5に組立てた状態では、正面視遊技領域5a内におけるサイドユニット下2200とセンター役物2500との間に位置している。
裏下前可動演出ユニット3500の裏左下球誘導ユニット3505は、サイドユニット下2200の三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、下方に誘導して排出することができる。この裏左下球誘導ユニット3505は、ベースカバー3551の前面に取付けられており前面が開放されている透明な通路部材3580と、通路部材3580の開放されている前面を閉鎖している透明平板状のカバー3581と、通路部材3580の後方でベースカバー3551の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているサイド後装飾基板3582と、を備えている。通路部材3580内には、サイドユニット下2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球を検知する一般入賞口センサ3015が取付けられている。また、裏左下球誘導ユニット3505は、遊技盤5に組立てた状態では、サイドユニット下2200の後方に位置しており、サイド後装飾基板3582のLEDを適宜発光させることで、サイドユニット下2200を発光装飾させることができる。
裏下前可動演出ユニット3500の裏下前中継基板3506は、裏下前第一装飾基板3513、裏下前第二装飾基板3522、裏下前第一駆動モータ3528、装飾体昇降検知センサ3535、裏下前第二駆動モータ3552、ユニット昇降検知センサ3557、裏左下装飾基板3561、裏下中装飾基板3571、及びサイド後装飾基板3582と、周辺制御基板1510と接続されている演出駆動基板3043との接続を中継している。
続いて、裏下前可動演出ユニット3500の動作について説明する。裏下前可動演出ユニット3500は、図131(a)等に示すように、通常の状態では、裏下前装飾体ユニット3501が下降端に位置していると共に、裏下前装飾体ユニット3501における裏下前第一装飾体3510が、下降するようにヒンジ回転して裏下前第二装飾体3520の前方に位置している。この状態では、裏下前第一装飾体3510の第一表装飾部材3511が前方に臨んでいる。
この通常の状態では、図129に示すように、昇降ユニット3502のユニット昇降アーム3555のアーム部3555dの先端が軸孔3555cよりも下方に位置していると共に、アーム部3555dの先端に取付けられ裏下前装飾体ユニット3501の昇降用スリット3540内に挿入されているアーム補強部材3556のユニット昇降ピン3556aが、昇降用スリット3540内の正面視右端付近に位置している。また、ユニットベース3550に回転可能に取付けられているガイドアーム3561は、先端を正面視右方に向けて略水平に延びた状態となっており、ガイドアーム3561のガイドスリット3561a内に挿入されている裏下前装飾ユニット3501のガイドボス3538が、ガイドスリット3561a内の正面視左端に位置している。この状態では、第二駆動ギア3553の検知片3553aが、ユニット昇降検知センサ3557により検知されている。
また、詳細な図示は省略するが、通常の状態では、裏下前装飾体ユニット3501の裏下前第二装飾体3520における装飾体昇降アーム3553が、先端側が回転中心から下方に延びた状態となっており、装飾体昇降アーム3553のスリット3533a内に挿入されている裏下前第一装飾体3510の装飾体昇降ピン3515が、スリット3533a内における回転中心に近い側の端部に位置している。この通常の状態では、裏下前第一装飾体3510の検知片3516が、裏下前第二装飾体3520の装飾体昇降検知センサ3535により検知されている。
この通常の状態では、遊技盤5に組立てた状態で、正面視メイン液晶表示装置1600の表示画面よりも下方で、センター役物2500の下辺の後方に位置しており、裏下前装飾体ユニット3501における裏下前第一装飾体3510の第一表装飾部材3511が、ステージ2530の上方に位置している。
通常の状態で、昇降ユニット3502の裏下前第二駆動モータ3552により、第二駆動ギア3553、及び第二伝達ギア3554を介して、ユニット昇降アーム3555を正面視反時計回りの方向に回転させると、アーム部3555d先端のユニット昇降ピン3556aが、軸孔3555cを中心にして上昇する方向へ公転することとなる。このユニット昇降ピン3556aが公転して上昇することで、ユニット昇降ピン3556aが昇降用スリット3540内を上方へ押圧し、裏下前装飾体ユニット3501が上昇することとなる。この裏下前装飾体ユニット3501は、正面視右端部が、スライドベース3558、中間スライダ3559、及び取付スライダ3560を介してユニットベース3550に取付けられていることから、傾くことなく真っ直ぐに上昇する。
この裏下前装飾体ユニット3501が上昇するのに伴って、昇降用スリット3540内に挿入されているユニット昇降ピン3556aが、昇降用スリット3540内を正面視左方へ摺動(移動)する。そして、ユニット昇降ピン3556aが、昇降用スリット3540内における下方に突出しているロック突起3540aの最も下方に突出した部位よりも正面視左側へ移動すると、裏下前第二駆動モータ3552の駆動が停止し、ユニット昇降アーム3555の回転(ユニット昇降ピン3556aの公転)も停止して、裏下前装飾体ユニット3501が駆動ユニット3502(装飾体ユニット昇降機構3502A)による上昇端に位置(第一上昇位置)した状態となる(図131(b)を参照)。
この状態では、ユニット昇降アーム3555のアーム部3555dの先端(ユニット昇降ピン3556a)が、ユニット昇降アーム3555の回転中心(軸孔3555c)に対して正面視右上に位置していることから、裏下前装飾体ユニット3501の重量により、アーム部3555dの先端にはユニット昇降アーム3555を正面視時計回りの方向へ回転させようする回転モーメントが作用している。そして、図130(c)に示すように、昇降用スリット3540の上辺におけるユニット昇降ピン3556aが当接しているロック突起3540aの正面視左側面では、当接している部位よりも右側の部位が、ユニット昇降ピン3556aの旋回範囲の境界線L(図中二点鎖線で示す)の内側に侵入しているため、ロック突起3540aが下方へ移動するように公転するには、その侵入している部位が旋回範囲の境界線L外側へ移動するようにロック突起3540a(裏下前装飾体ユニット3501)を、裏下前装飾体ユニット3501の重量に抗して上方に移動させなければならず、ユニット昇降ピン3556aに作用する回転モーメントが打ち消されて、ユニット昇降アーム3555が正面視時計回りの方向に回転することなく、上昇端に位置したままの状態で維持(ロック)される。
昇降ユニット3502により裏下前装飾体ユニット3501を上昇端に位置させた状態では、遊技盤5に組立てた状態で、裏下前装飾体ユニット3501の略全体が、正面視でセンター役物2500の枠内に位置した状態となり、遊技者側から裏下前第一装飾体3510の第一表装飾部材3511の装飾を良好に視認させることができる。
続いて、裏下前装飾体ユニット3501を上昇端に位置させた状態で、裏下前第二装飾体3520の裏下前第一駆動モータ3528により、第一駆動ギア3529、伝達第一ギア3530、伝達第二ギア3531、及び第一昇降ギア3532を介して、装飾体昇降アーム3533を、右側面視時計回りの方向に回転させると、装飾体昇降アーム3533のスリット3533aにより、スリット3533a内に挿入されている裏下前第一装飾体3510の装飾体昇降ピン3515が前方に押圧され、裏下前第一装飾体3510の下辺が前方且つ上方へ移動するように、第一ヒンジ部3514及び第二ヒンジ部3524を中心に裏下前第一装飾体3510がヒンジ回転することとなる。
そして、装飾体昇降アーム3533が右側面視時計回りの方向に約180度回転すると、裏下前第一駆動モータ3528の回転が停止し、裏下前第一装飾体3510が裏下前第二装飾体3520の上方に位置した状態となる(上昇位置、或は、開位置)。この状態では、当初前方を向いていた裏下前第一装飾体3510の第一表装飾部材3511が、後方を向いた状態となり、代わりに、後方を向いて裏下前第二装飾体3520の第二装飾部材3521と対面していた第二裏装飾部材3512が、第二装飾部材3521の上方で前面が第二装飾部材3521と略同一面上に位置して前方を向いている。これにより、第一裏装飾部材3512の装飾と第二装飾部材3521の装飾とが合体して一つの大きな装飾(「和了」の文字の装飾)を形成している状態となる(図131(c)を参照)。
裏下前装飾体ユニット3501を上昇させると共に、裏下前第一装飾体3510を上昇するヒンジ回転させて開いた状態では、遊技盤5に組立てた状態で、正面視において、センター役物2500の枠内(メイン液晶表示装置1600の表示画面)の略下半分を裏下前第一装飾体3510と裏下前第二装飾体3520とで閉鎖したような状態となる(図141を参照)。
このように、裏下前可動演出ユニット3500は、裏下前第二駆動モータ3552に通電していなくても、裏下前装飾体ユニット3501を上昇端の位置に停止させたままの状態で維持することができるため、裏下前第二駆動モータ3552に作用する負荷を低減させることができる。また、上昇方向に公転しているユニット昇降ピン3556aの途中でロックするようにしているため、裏下前装飾体ユニット3501を上昇端の位置でロックする際に、裏下前装飾体ユニット3501が下がるような不自然な動きをすることはなく、裏下前装飾体ユニット3501の動きを遊技者に楽しませることができる。
また、裏下前装飾体ユニット3501において、裏下前第一装飾体3510を上昇させる動作として、左右に延びた軸線に対してヒンジ回転させて、上昇させるようにしているため、直線的にスライドさせるようにした場合と比較して、遊技者側から見える裏下前第一装飾体3510の部位が刻々と変化することから、目立たせることができ、遊技者の関心を強く引き付けることができると共に、裏下前第一装飾体3510をヒンジ回転させて開くことで、通常の状態では見ることができない裏下前第一装飾体3510の第一裏装飾部材3512や裏下前第二装飾体3520の第二装飾部材3521を見せることができ、遊技者を驚かせることができる。
[5−10.遊技盤における演出]
次に、本実施形態の遊技盤5における主な可動演出について、主に図132乃至図141を参照して詳細に説明する。図132は、裏ユニットの裏下後可動演出ユニットにおいて裏下後第一装飾体及び裏下後第二装飾体を通常の位置で一緒に回転させて第二装飾面を正面に向けた状態で示す遊技盤の正面図である。図133は、裏ユニットの裏下後可動演出ユニットの裏下後第一装飾体と裏下後第二装飾体とを閉じて裏下後第一装飾体の第一装飾面を正面に向けた状態で遊技領域内の左右方向略中央にスライド移動させると共に、裏上左可動演出ユニットの裏上左第一装飾体と裏上左第二装飾体とを遊技領域内の左右方向略中央にスライド移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図134は、図133の状態から裏下後可動演出ユニットの裏下後第一装飾体をヒンジ回転させて開いて裏下後第一装飾体と裏下後第二装飾体の夫々の第二装飾面を正面に向けると共に、裏上左可動演出ユニットの裏上左第二装飾体をヒンジ回転させて開いて裏上左第一装飾体の固定装飾部材と裏上左第二装飾体の第二装飾部材を正面に向けた状態で示す遊技盤の正面図である。図135は、図133の状態から裏下後可動演出ユニットの裏下後第一装飾体をヒンジ回転させて開いて裏下後第一装飾体と裏下後第二装飾体の夫々の第二装飾面を正面に向けた状態で示す遊技盤の正面図である。
図136は、裏ユニットの裏左可動演出ユニットの裏左可動装飾体を正面視右方端の出現位置にスライド移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図137は、裏ユニットにおける裏上中可動演出ユニットの裏上中装飾体ユニットを下降端の位置に移動させると共に裏上中装飾体ユニットを正面視左下がりで斜めに延びるように正面視反時計回りの方向に回転させた状態で示す遊技盤の正面図である。図138は、図137の状態から一対の裏上中第一装飾体を離反させて半開きの中間開状態の位置にスライド移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図139は、図138の状態から一対の裏上中第一装飾体を更に離反させて全開状態の位置にスライド移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図140は、裏ユニットの裏下前可動演出ユニットの裏下前装飾体ユニットを上昇端に位置させた状態で示す遊技盤の正面図である。図141は、図140の状態から裏下前第一装飾体をヒンジ回転させて裏下前第二装飾体の上方に上昇させた状態で示す遊技盤の正面図である。
本実施形態の遊技盤5は、通常の状態では、図81等に示すように、センター役物2500の枠内を通して裏ユニット3000の後側に取付けられているメイン液晶表示装置1600の表示画面を、遊技者側(前方)から良好に視認することができる。この通常の状態では、裏ユニット3000の裏下後可動演出ユニット3100のヒンジ回転可能な裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とが閉じて裏下後第一装飾体3110の第一装飾面3111のみが遊技者側から視認できるように前方へ向けており、メイン液晶表示装置1600の表示画面の右辺下部の右側に第一装飾面3111のサブ液晶表示装置3114の表示画面が前方に臨んでいる。
また、通常の状態では、裏ユニット3000の裏上左可動演出ユニット3200の裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220が、ヒンジ回転により裏上左第一装飾体3210の固定装飾部材3211の前方に裏上左第二装飾体3220が位置する折畳まれた状態で、左右のスライド方向に対して正面視左方端である裏左中装飾ユニット3050の後方に位置しており、前側が裏左中装飾ユニット3050により遊技者側から視認不能に遮られている。
更に、通常の状態では、裏ユニットの裏左可動演出ユニット3300の裏左可動装飾体3321が、左右のスライド方向に対して正面視左方端である裏左固定装飾体3310の後方に位置しており、裏左固定装飾体3310の一部がセンター役物2500の枠内を通して僅かに前方に臨んでいる。また、通常の状態では、裏ユニット3000の裏上中可動演出ユニット3400の裏上中装飾体ユニット3410が、メイン液晶表示装置1600の表示画面の上辺よりも上方の上昇端に位置しており、正面視センター役物2500の枠内を通して一部が前方に視認可能に臨んでいる。
また、通常の状態では、裏ユニット3000の裏下前可動演出ユニット3500の裏下前装飾体ユニット3501において、裏下前第一装飾体3510がヒンジ回転により裏下前第二装飾体3520の前方側に下降するように折畳まれた状態で、裏下前装飾体ユニット3501がセンター役物2500の枠内から前方に臨まないようにメイン液晶表示装置1600の下辺よりも正面視下方の下降端に位置している。
この遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500が、所定の演出(可動演出や発光演出)を行う。
具体的には、例えば、裏ユニット3000の裏下後可動演出ユニット3100を用いた演出として、回転駆動ユニット3130の裏下後第二駆動モータ3137により、裏下後第二装飾体3120を平面視時計回りの方向に回転させて、後方を向いていた第二装飾面3122を正面に向ける(図132を参照)。この際に、閉じられて裏下後第二装飾体3120の前方に位置している裏下後第一装飾体3110が裏下後第二装飾体3120に押されて一緒に回転する。これにより、裏下後第一装飾体3110と共に裏下後第二装飾体3120が、正面視において、メイン液晶表示装置1600の表示画面の右下隅部の前方に位置し、メイン液晶表示装置1600に表示されている演出画像の一部を遮ることとなり、裏下後第二装飾体3120を目立たせることができると共に、裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3122に施された「天運」の装飾を遊技者に視認させることができ、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏ユニット3000の裏下後可動演出ユニット3100と裏上左可動演出ユニット3200とを用いた演出(可動演出)として、裏下後可動演出ユニット3100では、スライドユニット3150の裏下後第三駆動モータ3155により、裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを閉じたまま回転駆動ユニット3130を正面視左方端の位置までスライド移動させると共に、回転駆動ユニット3130の裏下後第一駆動モータ3134により裏下後第一装飾体3110を平面視反時計回りの方向に少し回転させて第一装飾面3111(サブ液晶表示装置3114)を正面に向ける。これと同時に、裏上左可動演出ユニット3200では、ライドユニット3240の裏上左第二駆動モータ3245により裏上左第一装飾体3210を、裏上左第二装飾体3220を裏上左第一装飾体3210に対して閉じて第一装飾部材3221を正面に向けたまま、裏上左第二装飾体3220と一緒に正面視右方端の位置にスライド移動させる(図133を参照)。
この図133に示す状態では、裏下後可動演出ユニット3100の裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220をヒンジ回転させるための上下に延びている軸線と、裏上左可動演出ユニット3200の裏上左第一装飾体3210に対して裏上左第二装飾体3220をヒンジ回転させるための上下に延びている軸線とが、同軸上に位置して遊技領域5aの左右方向中央と略一致している。この状態では、裏下後第一装飾体3110と裏上左第二装飾体3220とが、正面視においてセンター役物2500の枠内で斜めに並んだ状態で、メイン液晶表示装置1600の表示画面の前方に位置している。これにより、裏下後第一装飾体3110の中央側への移動と、裏上左第二装飾体3220の出現とにより、遊技者を驚かせることができる。
そして、裏下後第一装飾体3110と裏上左第二装飾体3220を、左右方向の中央に移動させた状態(図133の状態)で、裏下後可動演出ユニット3100における回転駆動ユニット3130の裏下後第一駆動モータ3134により折畳まれている裏下後第一装飾体3110を、裏下後第二装飾体3120から前方に開くように平面視時計回りに回転させて、裏下後第二装飾体3120の左側に裏下後第一装飾体3110を並べてそれらの第二装飾面3112,3122を正面に向けると共に、裏上左可動演出ユニット3200における回転駆動ユニット3230の裏上左第一駆動モータ3235により折畳まれている裏上左第二装飾体3220を、裏上左第一装飾体3210から前方に開くように平面視反時計回りに回転させて、裏上左第一装飾体3210の右側に裏上左第二装飾体3220を並べて固定装飾部材3211と第二装飾部材3222を正面に向ける(図134を参照)。
この図134の状態では、裏下後可動演出ユニット3100の左右に並んだ裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120と、裏上左可動演出ユニット3200の左右に並んだ裏上左第一装飾体3210及び裏上左第二装飾体3220とが、正面視においてセンター役物2500の枠内の中央で上下に並んで合体したような状態となり、メイン液晶表示装置1600の表示画面の前方を略覆っている。また、正面に向いている裏下後可動演出ユニット3100の裏下後第一装飾体3110及び裏下後第二装飾体3120の第二装飾面3111,3121と、裏上左可動演出ユニット3200の裏上左第一装飾体3210の固定装飾部材3211及び裏上左第二装飾体3220の第二装飾部材3222に、夫々施されている装飾により、縦書きの「雀聖」の文字が遊技者側から視認できるようになる。これにより、センター役物2500の枠内(メイン液晶表示装置1600の表示画面の前方)に、大きな装飾体が現れることとなるため、遊技者に大きなインパクトを与えて、「大当り遊技」等のチャンスの到来を強く示唆させることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
ところで、上記では、裏下後可動ユニット3100の裏下後第一装飾体3110と、裏上左可動演出ユニット3200の裏上左第二装飾体3220とを、同時に開く演出を説明したが、図135に示すように、裏下後可動演出ユニット3100の裏下後第一装飾体3110のみを先に開くようにしても良い。これにより、裏下後可動演出ユニット3100の裏下後第一装飾体3110と裏下後第二装飾体3120とを先にヒンジ回転により開いてそれらの第二装飾面3112,3122を正面に向けると、「聖」の文字が先に見えるようになる。この際に、「聖」の文字の上側に「一」のような切出装飾3170が施されているため、遊技者に対して、この上側に切出装飾3170を完成させるべき組となる装飾(切出装飾3260)があることを認識させることができ、その組となる装飾が現れるか否か(裏上左第二装飾体3220がヒンジ回転して開くか否か)で、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることが可能となり、遊技者の期待感を高めさせることができる。
また、裏ユニット3000の裏左可動演出ユニット3300を用いた演出としては、裏左駆動ユニット3330の裏左駆動モータ3333により裏左可動装飾体3320を正面視右方の出現位置にスライド移動させる。この状態では、裏左固定装飾体3310の真後ろに位置していた枠状の裏左可動装飾体3320の大半が、センター役物2500の枠内で正面視において裏左固定装飾体3310の右方に位置して遊技者側から視認可能な状態となる(図136を参照)。この状態で、後方に配置されているメイン液晶表示装置1600の表示画面における裏左可動装飾体3320の枠内と対応する領域に、所定の演出画像を表示させると、遊技者に対して、恰も演出画像が裏左可動装飾体3320の枠内に表示されているように錯覚させることができる。また、この裏左可動装飾体3320は、図示するように、裏下後可動演出ユニット3100における裏下後第一装飾体3110と同じ大きさで同じ装飾が施されていることから、裏左可動装飾体3320を出現させると、右側の裏下後第一装飾体3110(サブ液晶表示装置3114)と組となるように左側にも別の液晶表示装置が出現したように錯覚させて裏左可動装飾体3320と裏下後第一装飾体3110とに夫々表示される演出画像を大いに楽しませることができる。
更に、裏ユニット3000の裏上中可動演出ユニット3400を用いた演出としては、裏上中駆動ユニット3440の裏上中第二駆動モータ3443により裏上中回転ユニット3460を正面視反時計回りの方向に回動させて、その先端に取付けられている裏上中装飾体ユニット3410を下降端に位置させると共に、裏上中回転ユニット3460の裏上中第三駆動モータ3463により裏上中装飾体ユニット3410を反時計回りの方向の回動端まで回転させる。この状態では、裏上中装飾体ユニット3410の中央が、正面視においてセンター役物2500の枠内の略中央に位置しており、裏上中装飾体ユニット3410がその右端側が上がった斜めに延びた状態となっている(図137)。これにより、メイン液晶表示装置1600の表示画面よりも上方に位置していた裏上中装飾体ユニット3410が、回転しながら中央の位置に下降するため、その動きにより遊技者を裏上中装飾体ユニット3410に注目させることができ、「麻雀」の「千点棒」を想起させる形態の裏上中装飾体ユニット3410の移動により、何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
そして、図137に示すように、裏上中装飾体ユニット3410を下降端に位置させて斜めに延びた状態から、裏上中装飾体ユニット3410の裏上中第一駆動モータ3420により閉じている一対の裏上中第一装飾体3411を互いに離反する方向にスライドさせて中間開状態とする。この状態では、図138に示すように、一対の裏上中第一装飾体3411同士の間から、裏上中第二装飾体3412の中央装飾部3412aと四つの中央横装飾部3412bとが、前方へ臨んだ状態となるため、遊技者に対して「麻雀」の「五千点棒」を想起させることができ、「大当り遊技」が発生する可能性が高まったように思わせて、期待感をより高めさせることができる。
また、図138の状態から、裏上中第一駆動モータ3420により、一対の裏上中第一装飾体3411を更に離反する方向にスライドさせて全開状態とすると、図139に示すように、一対の裏上中第一装飾体3411同士の間から、裏上中第二装飾体3412の中央装飾部3412a、中央横装飾部3412b、中間装飾部3412c、及び端装飾部3412dのすべてが前方に臨んだ状態となるため、遊技者に「麻雀」の「万点棒」を想起させることができ、抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」であることを確信させることが可能となり、遊技者の興趣を高めさせることができる。
また、裏ユニット3000の裏下前可動演出ユニット3500を用いた演出としては、裏下前第一装飾体3510を裏下前第二装飾体3520の前方にヒンジ回転して折畳んだままの状態で、昇降ユニット3502の裏下前第二駆動モータ3552により裏下前装飾体ユニット3501を下降端の位置から上昇端の位置へ上昇させる。昇降ユニット3502により裏下前装飾体ユニット3501を上昇端に位置させた状態では、裏下前装飾体ユニット3501の略全体が、正面視でセンター役物2500の枠内に位置した状態となり、遊技者側から裏下前第一装飾体3510の第一表装飾部材3511の装飾が良好に視認することができる(図140を参照)。これにより、下方から裏下前第一装飾体3510が上昇してメイン液晶表示装置1600の表示画面の前面下部を覆うため、遊技者にチャンスの到来を示唆させることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。なお、詳細な図示は省略するが、裏下前第一装飾体3511の第一表装飾部材3511には、「麻雀」の「牌」が複数並んだ装飾が施されているため、この第一表装飾部材3511が上昇して視認可能となることで、遊技者が自分の牌を並べているように錯覚させて楽しませることができる。
そして、昇降ユニット3502により裏下前装飾体ユニット3501を上昇端の位置に上昇させた状態で、裏下前第二装飾体3520(装飾体昇降機構3501A)の裏下前第一駆動モータ3528により、裏下前第一装飾体3510が上昇するように左右に延びた軸線に対してヒンジ回転させて、裏下前第二装飾体3520の上方に位置させると、これまで見えなかった裏下前第二装飾体3520の第二装飾部材3521の上部と裏下前第一装飾体3510の第一裏装飾部材とが上下に並んだ状態となる。この状態では、正面視において、センター役物2500の枠内(メイン液晶表示装置1600の表示画面)の略下半分を裏下前第一装飾体3510と裏下前第二装飾体3520とで閉鎖しており、第一裏装飾部材3512の装飾と第二装飾部材3521の装飾とが合体して一つの大きな装飾(「和了」の文字の装飾)を形成している状態となる(図141を参照)。これにより、複数の「麻雀牌」が左右に並んだ装飾が施された第一表装飾部材3511が、左右に延びた軸周りにヒンジ回転して「あがり」を意味する「和了」の文字の装飾が現れるため、遊技者に対して抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」であることを確信させることができ、「大当り遊技」の発生に対する期待感により興趣を高めさせることができる。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図142を参照して説明する。図142は、パチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技機5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板951と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基いてメイン液晶表示装置1600や上皿液晶表示装置244等での演出画像の表示を制御する液晶表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板951は、遊技球の払出し等を制御する払出制御部952と、ハンドルレバー504の回転操作による遊技球の発射を制御する発射制御部953と、を備えている。
[6−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPUと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2002に受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ2104、第二始動口2004に受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2551、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ3015、ゲート部2003を通過した遊技球を検知するゲートセンサ2547、第一大入賞口2005に受入れられた遊技球を検知する第一大入賞口センサ2114、第二大入賞口2006としての第二上大入賞口2006a及び第二下大入賞口2006bに受入れられた遊技球を検知する第二上大入賞口センサ2554及び第二下大入賞口センサ2557、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気検出センサ、等からの検出信号が夫々主制御I/Oポートを介して入力される。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートから主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、始動口ソレノイド2550、第一アタッカソレノイド2113、第二上アタッカソレノイド2553、及び第二下アタッカソレノイド2556に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポートから機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器、第一特別図柄記憶表示器、第二特別図柄記憶表示器、普通図柄表示器、普通図柄記憶表示器、遊技状態表示器、ラウンド表示器、等に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ2104、第二始動口センサ2551、ゲートセンサ2547、第一大入賞口センサ2114、第二上大入賞口センサ2554、及び第二下大入賞口センサ2557には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3015には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ2104、第二始動口センサ2551、及びゲートセンサ2547による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ2104、第二始動口センサ2551、及びゲートセンサ2547には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、第一大入賞口センサ2114、第二上大入賞口センサ2554、及び第二下大入賞口センサ2557による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一大入賞口センサ2114、第二上大入賞口センサ2554、及び第二下大入賞口センサ2557にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3015による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3015には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板951に送信したり、この払出制御基板951からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、メイン液晶表示装置1600等で実行される遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板951からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、電源基板ボックス930内の電源基板から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板951にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、払出制御基板951等にも出力されている。
[6−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板951は、詳細な図示は省略するが、払出しに関する各種制御を行う払出制御部952と、発射ソレノイド682による発射制御を行うとともに、球送りソレノイド551による球送り制御を行う発射制御部953と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチと、球タンク802、タンクレール803、球誘導ユニット820、及び払出装置830内の遊技球を、パチンコ機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチと、を備えている。
[6−2a.払出制御部]
払出制御基板951における払出しに関する各種制御を行う払出制御部952は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部952の払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ535からの検出信号が入力されたり、球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、及び羽根回転検知センサ840からの検出信号が入力される。
払出装置830の球切れ検知センサ827、払出検知センサ842、及び羽根回転検知センサ840からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット520の満タン検知センサ535からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
払出制御MPUは、払出モータ834を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ834に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球の球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板に出力したりする。この外部端子板は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れ検知センサ827からの検出信号に基づいて払出装置830内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ840からの検出信号に基づいて払出装置830の払出通路381d,382dにおいて払出羽根839と遊技球とがかみ合って払出羽根839が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ842からの検出信号に基づいて払出検知センサ842に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ535からの検出信号に基づいてファールカバーユニット520内に貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板951からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン332からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン333からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、払出制御基板951にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を表示部334に表示するための信号を出力し、この信号が表示部334に入力されて表示される。
[6−2b.発射制御部]
発射ソレノイド682による発射制御と、球送りソレノイド551による球送制御と、を行う発射制御部953は、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド682に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送りソレノイド551に駆動信号を出力する球送りソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送りソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット500関係では、ハンドルレバー504に手のひらや指が触れているか否かを検出する接触検知センサ509、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出するストップボタンからの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドルレバー504の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル操作センサ507からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル操作センサ507からの信号に基づいて、ハンドルレバー504の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド682に出力する。一方、球送りソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送りソレノイド551に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球を球送りユニット540内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球を打球発射装置680側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド682に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送りソレノイド駆動回路から球送りソレノイド551に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板951に各種電圧を供給する電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板951のRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、払出制御基板951のRAMから完全に消去(クリア)される。
[6−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図142に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいてメイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244の描画制御を行う液晶表示制御部1512と、を備えている。
[6−3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから演出駆動基板3043に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから演出駆動基板3043に送信したり、扉枠3に設けられた加振装置242や扉右下駆動モータ272等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、メイン液晶表示装置1600や上皿液晶表示装置244に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
遊技盤5に設けられた各種演出ユニットの位置を検出するための各種位置検出センサからの検出信号は、裏箱の後面に取付けられた演出駆動基板3043を介して周辺制御MPUに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット220のタッチパネル246、演出ボタン押圧センサ258からの検出信号は、周辺制御MPUに入力されている。
また周辺制御MPUは、液晶表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて液晶表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3や本体枠4等に設けられたスピーカ921等から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックス1520から後方へ突出しているボリュームを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側の複数のスピーカと本体枠4の低音用のスピーカ921とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御MPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPUから液晶表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPUから裏箱の後面に取付けられた演出駆動基板3043に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
この演出駆動基板3043は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いた点灯信号又は点滅信号を、扉枠3に備えられた各装飾基板のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いた点灯信号又は点滅信号を遊技盤5に備えられた各装飾基板のLEDに出力したりする。
また、演出駆動基板3043は、受信した駆動コマンドに基いた駆動信号を、扉枠3に備えられた加振装置242及び扉右下駆動モータ272や、遊技盤5に備えられた各駆動モータ等に出力したりする。
[6−4.演出表示制御部]
次に、周辺制御基板1510におけるメイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244の描画制御を行う液晶表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、メイン液晶表示装置1600や上皿液晶表示装置244を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御してメイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従ってメイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出してメイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に出力する。またVDPは、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、メイン液晶表示装置1600や上皿液晶表示装置244に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されてメイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244は、液晶表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査としてメイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、メイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査としてメイン液晶表示装置1600、サブ液晶表示装置3114や上皿液晶表示装置244の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[7.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、主に図81、図87、図92及び図142等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット500のハンドルレバー504を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球の打込み強さは、ハンドルレバー504の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球、つまり、0.6秒間隔で遊技球を打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の前周壁部2512の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球が、センター役物2500の前周壁部2512の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ通路2521を通ってセンター役物2500の枠内に開口しているワープ出口2522から誘導路2523を通ってステージ2530に供給される。
ワープ出口2522からステージ2530に供給された遊技球は、ステージ2530上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央の中央誘導部2531、又は、その左右にあるサイド誘導部2532の何れかから後方に放出される。ステージ2530の中央誘導部2531から遊技球が遊技領域5a内に放出されと、この中央誘導部2531が第一始動口2002の直上に位置していることから、中央誘導部2531から放出された遊技球は、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿201に払出される。
ステージ2530を転動している遊技球が、サイド誘導部2532から遊技領域5a内に放出されと、始動口ユニット2100へ向かって流下する。センター役物2500のステージ2530から遊技領域5a内に放出された遊技球は、始動口ユニット2100の第一始動口2002や、開状態の第一大入賞口2005等に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、サイドユニット上2300の棚部2302により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット下2200の一般入賞口2001や第一始動口2002等に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の前周壁部2512の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(打込まれる)と、右打遊技領域2540の右上流通空間2541内に進入する。この右上流通空間2541内には、図示は省略するが、複数の障害釘が植設されており、遊技球が障害釘に当接してその流下方向を様々に変化させながら流通する。この右上流通空間3541内には、上部にゲート部2003が、下部に一般入賞口2001と通常は第二始動口扉部材2549により閉鎖されている第二始動口2004が備えられている。
右上流通空間2541内を流下した遊技球は、その下流側の右流通路2542を通って右下流通空間2543内に進入する。この右下流通空間2543に進入した遊技球は、第二大入賞口2006として左右に並んだ第二上大入賞口2006aと第二下大入賞口2006bを閉鎖している第二上大入賞口扉部材2552と第二下大入賞口扉部材2555の上面が底面を形成している第二アタッカ通路2543aを通り、低くなっている正面視左側の放出板部2559の左端から遊技領域5a内に放出される。第二アタッカ通路2543aの下流端(放出板部2559)は、始動口ユニット2100の第一大入賞口2005へ遊技球が向かうように開口しており、第一大入賞口2005が開状態の時に、第二アタッカ通路2543aから遊技領域5a内に遊技球が放出されると、高い確率で遊技球が第一大入賞口2005に受入れられる。
この右流通路2542及び右下流通空間2543を流通する遊技球は、複数の減速リブ2546により、流通速度の増加が抑制されながら流下する。なお、ごくまれに、右下流通空間2543内において、第二アタッカ通路2543aの上流端付近で分岐している排出通路2543bに進入することがあり、排出通路2543bに進入した遊技球は遊技領域5a内に戻されることなく第二アウト口2543cから遊技盤5外に排出される。
右打して右上流通空間2541内に進入した遊技球が、ゲート部2003を通過してゲートセンサ2547により検知されると、主制御基板1310において予め決められている数値範囲で更新される普通乱数の中から一の普通乱数を取得し、この取得した普通乱数を予め決められた普通当り判定テーブルと照合することで普通抽選を行う。後述する時短制御を実行していない場合にこの普通抽選の普通抽選結果が「普通当り」となると第二始動口扉部材2549が1回だけ正面視反時計回りの方向に回動して第二始動口2004を開状態とし、所定時間(この例では0.5秒)の間に亘り第二始動口2004への遊技球の受入れが可能となる。一方、時短制御を実行している場合には普通抽選にて「普通当り」として「第一普通当り」、「第二普通当り」、「第三普通当り」のいずれとなったかを抽選する。そして、時短制御を実行している場合に普通抽選の普通抽選結果が「第一普通当り」、「第二普通当り」、「第三普通当り」のいずれかとなると第二始動口扉部材2549が正面視反時計回りの方向へ回動して第二始動口2004を開状態とすることで所定期間に亘って第二始動口2004への遊技球の受入れが可能な状態とした後、正面視反時計回りの方向へ回動して第二始動口2004を閉状態とすることで第二始動口2004への遊技球の受入れが不可能な状態にする開閉制御を所定回数(この例では5回)に亘って繰り返す。なお、普通抽選の普通抽選結果が「第一普通当り」となった場合には第二始動口2004が遊技球の受入れを可能な状態とされる5回夫々の期間として「0.3秒」、「0.28秒」、「0.3秒」、「0.28秒」、「0.3秒」とされ、普通抽選の普通抽選結果が「第二普通当り」となった場合には第二始動口2004が遊技球の受入れを可能な状態とされる5回夫々の期間として「0.3秒」、「0.28秒」、「1.1秒」、「0.28秒」、「0.3秒」とされ、普通抽選の普通抽選結果が「第三普通当り」となった場合には第二始動口2004が遊技球の受入れを可能な状態とされる5回夫々の期間として「0.3秒」、「0.28秒」、「0.3秒」、「0.28秒」、「1.1秒」とされ、「第二普通当り」及び「第三普通当り」では「第一普通当り」よりも遊技者に有利(第二始動口2004への遊技球の受入れが容易)な当りとなっている。また、第二始動口2004に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿201に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球が通過したことに基づいて機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で行われる普通図柄の変動表示において、普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄を停止表示するまで(普通抽選結果を示唆するまで)にある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に第二始動口扉部材2549が回動して開状態となる。なお、後述する時短制御の実行中には通常(時短制御を実行していない状態)よりも普通変動時間を短縮させる制御を実行するようになっている。また、第二始動口扉部材2549を回動して第二始動口2004を開状態とする開放時間については、遊技状態に応じて変化させるようにしても良く、例えば、時短制御を実行していない場合には時短制御を実行している場合に比べて、第二始動口2004の開放時間を長い時間時間に変更するようにしても良い。
また、遊技球がゲート部2003を通過してから普通図柄表示器に変動表示される普通図柄を停止表示するまで(普通抽選結果が示唆されるまで)の間に、新たな遊技球がゲート部2003を通過すると、普通図柄表示器にて新たに普通図柄の変動表示を開始することができないため、普通図柄の変動表示開始を、先の普通図柄の変動表示が終了するまで(普通抽選結果の示唆が終了するまで)保留するようにしている。具体的にはゲートセンサ2547によりゲート部2003を通過した遊技球を検知したことに基づいて主制御基板1310にて取得した普通乱数を記憶しておき、普通図柄の変動表示を開始できる状態になるまで普通図柄の変動表示開始を保留する。なお、主制御基板1310にて記憶可能な普通乱数の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球が通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002に受入れられた遊技球が第一始動口センサ2104により検知されると、主制御基板1310において予め決められている数値範囲で更新される第一特別乱数の中から一の第一特別乱数を取得し、この取得した第一特別乱数を予め決められた大当り判定テーブルと照合することで遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「小当り」、等)を発生させる第一特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された第一特別抽選結果に基づいて第一特別図柄表示器の八つのLEDを所定の変動時間(例えば、0.1〜360秒)に亘って点滅制御した後に第一特別抽選結果に応じた点灯態様で表示する(第一特別図柄を変動表示した後に第一特別抽選結果に応じた停止図柄を表示する)ことにより第一特別抽選結果を遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002に遊技球が受入れられることで抽選される第一特別抽選結果には、「はずれ」、「小当り」、「2R大当り」、「8R大当り」、「10R大当り」があり、取得した第一特別乱数を大当り判定テーブルと照合することでこれらのうち何れであるかが判別され、さらには大当り遊技後に通常(低確率状態:本例では約395分の1の確率で大当りに当選する)よりも大当りに当選する確率(当選確率)を向上させる確率向上制御(高確率状態(確変状態ともいう):本例では約44分の1の確率で大当りに当選する)を実行するか否か(確変大当りか否か)と、少なくとも第一特別抽選結果がはずれの場合に通常よりも変動時間を短縮させる時短制御(時短状態)を実行するか否か(時短大当りか否か)及び時短制御を実行する期間(時短回数:特別図柄(第一特別打図柄及び第二特別図柄の変動回数))と、も判別されるようになっている。なお、「小当り」の当選確率は遊技状態に関わらず常に一定とされる(本例では約300分の1)。
また、第二始動口2004に受入れられた遊技球が第二始動口センサ2551により検知されると、主制御基板1310において予め決められている数値範囲で更新される第二特別乱数の中から一の第二特別乱数を取得し、この取得した第二特別乱数を予め決められた大当り判定テーブルと照合することで遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「小当り」、等)を発生させる第二特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された第二特別抽選結果に基づいて第二特別図柄表示器の八つのLEDを所定の変動時間(例えば、0.1〜360秒)に亘って点滅制御した後に第二特別抽選結果に応じた点灯態様で表示する(第二特別図柄を変動表示した後に第二特別抽選結果に応じた停止図柄を表示する)ことにより第二特別抽選結果を遊技者に示唆する。なお、第二始動口2004に遊技球が受入れられることで抽選される第二特別抽選結果には、「はずれ」、「2R大当り」、「4R大当り」、「5R大当り」、「6R大当り」、「7R大当り」、「8R大当り」、「16R大当り」があり、取得した第二特別乱数を大当り判定テーブルと照合することでこれらのうち何れであるかが判別され、さらには大当り遊技後に通常(低確率状態:本例では約395分の1の確率で大当りに当選する)よりも大当りに当選する確率(当選確率)を向上させる確率向上制御(高確率状態(確変状態ともいう):本例では約44分の1の確率で大当りに当選する)を実行するか否か(確変大当りか否か)と、少なくとも第二特別抽選結果がはずれの場合に通常よりも変動時間を短縮させる時短制御(時短状態)を実行するか否か(時短大当りか否か)及び時短制御を実行する期間(時短回数:特別図柄(第一特別打図柄及び第二特別図柄の変動回数))と、も判別されるようになっている。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、所定の変動時間の経過後に特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)の八つのLEDを特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させ、その後第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006の何れが所定の開閉パターンで遊技球の受入れが可能な状態となる。第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が開状態の時に、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出基板によって払出装置830から所定数(例えば、第一大入賞口2005に遊技球が受入れられた場合には11個、又は、第二大入賞口2006に遊技球が受入れられた場合には15個)の遊技球が、上皿201に払出される。従って、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006が遊技球を受入可能としている時に、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006に遊技球を受入れさせることで、多くの遊技球を払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」や「2R大当り」の場合には、第一大入賞口2005が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球を受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「4R大当り」、「5R大当り」、「6R大当り」、「7R大当り」、「8R大当り」、「10R大当り」、「16R大当り」の場合には、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が、遊技球を受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過するか、或いは、第一大入賞口2005へ予め決められている個数(例えば、7個)の遊技球が受入れられるか又は第二大入賞口2006へ予め決められている個数(例えば、10個)の遊技球が受入れられるか、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「4R大当り」であれば4ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「16R大当り」であれば16ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。また、特別抽選結果が「小当り」や「2R大当り」の場合に実行される開閉パターン(第一大入賞口2005が所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球を受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターン)では実質的に第一大入賞口2005へ遊技球を入球させることは困難である。これに対して特別抽選結果が「4R大当り」、「5R大当り」、「6R大当り」、「7R大当り」、「8R大当り」、「10R大当り」、「16R大当り」の場合に実行される開閉パターン(第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が、遊技球を受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過するか、或いは、第一大入賞口2005へ予め決められている個数(例えば、7個)の遊技球が受入れられるか又は第二大入賞口2006へ予め決められている個数(例えば、10個)の遊技球が受入れられるか、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターン)では第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006へ遊技球を入球させることは容易となっている。なお、特別抽選結果が「4R大当り」、「5R大当り」、「6R大当り」、「7R大当り」、「8R大当り」、「10R大当り」、「16R大当り」の場合には、上記第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006が、遊技球を受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過するか、或いは、第一大入賞口2005へ予め決められている個数(例えば、7個)の遊技球が受入れられるか又は第二大入賞口2006へ予め決められている個数(例えば、10個)の遊技球が受入れられるか、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターンが実行されるラウンド数を実質的な特別抽選結果としてもよく、特別抽選結果として第一大入賞口2005へ予め決められている個数(例えば、7個)の遊技球が受入れられるか又は第二大入賞口2006へ予め決められている個数(例えば、10個)の遊技球が受入れられるか、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターンと特別抽選結果が「小当り」や「2R大当り」の場合に実行される開閉パターン(第一大入賞口2005が所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球を受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターン)とを含む複数のラウンドを実行するものを設けるようにしてもよい。例えば、特別抽選結果として「実質4Rとする8R大当り」を設けて、第一大入賞口2005へ予め決められている個数(例えば、7個)の遊技球が受入れられるか又は第二大入賞口2006へ予め決められている個数(例えば、10個)の遊技球が受入れられるか、の何れかの条件が充足すると、遊技球を受入不能な閉状態とする開閉パターンを4回繰り返した後、特別抽選結果が「小当り」や「2R大当り」の場合に実行される開閉パターン(第一大入賞口2005が所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球を受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターン)を4回繰り返すようにしてもよい。
ところで、本実施形態では第二大入賞口2006が、左右に並んだ第二上大入賞口2006aと第二下大入賞口2006bとで構成されており、第二大入賞口2006が用いられる「大当り」の場合、例えば、初めのラウンド(1R目)は第二上大入賞口2006aが開いて遊技球を受入可能とし、受入不能とする条件の充足により閉鎖されて、次に受入可能とするまでの間(インターバルの間)、第二下大入賞口2006bを開いて遊技球を受入可能とする次のラウンド(2R目)を開始させ、第二下大入賞口2006bが受入不能となると、その間にインターバルの期間が経過しているため、第二上大入賞口2006aを再び開いて遊技球を受入可能とする。そして、第二上大入賞口2006aと第二下大入賞口2006bとを、所定ラウンド数の消化まで交互に開閉させる。これにより、第二アタッカ通路2543a内では、「大当り」中は第二上大入賞口2006a及び第二下大入賞口2006bの何れかが遊技球を受入可能な状態となっているため、この状態で右打して第二アタッカ通路2543a内に遊技球を流通させると、その遊技球が必ず第二大入賞口2006に受入れられることとなり、遊技球の取りこぼしをなくして、遊技者を楽しませることができる。
また、本実施形態では上記した複数種類の大当りのうち一部の大当りでは、大当り当選時の遊技状態に応じて大当り遊技の終了後に上記時短制御を実行するか否かを異ならせている。例えば、非時短状態(時短制御を実行していない状態)で第一特別抽選結果が大当り遊技後に確率向上制御を実行しない8R通常大当りである場合には、大当り遊技後に時短制御を実行しない。一方、時短状態(時短制御を実行している状態)で第一特別抽選結果が8R通常大当りである場合には、大当り遊技後に時短制御を実行するようになっている。また、非時短状態(時短制御を実行していない状態)で第二特別抽選結果が大当り遊技後に確率向上制御を実行しない2R通常大当りである場合には、大当り遊技後に時短制御を実行しない。一方、時短状態(時短制御を実行している状態)で第二特別抽選結果が2R通常大当りである場合には、大当り遊技後に時短制御を実行するようになっている。また、低確率非時短状態(確率向上制御と時短制御との両方ともに実行していない状態:通常状態ともいう)で第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が大当り遊技後に確率向上制御を実行する2R確変大当りである場合には、大当り遊技後に時短制御を実行しない。一方、確率向上制御を実行しているか又は時短制御を実行している状態、即ち通常状態以外の状態で第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果が大当り遊技後に確率向上制御を実行する2R確変大当りである場合には、大当り遊技後に時短制御を実行するようになっている。
本実施形態では、第一始動口2002への遊技球の受入れにより第一特別図柄表示器にて実行される第一特別図柄の変動表示と、第二始動口2004への遊技球の受入れにより第二特別図柄表示器にて実行される第二特別図柄の変動表示と、は同時に実行されず、いずれか一方のみを実行するようにしている。そのため、第一始動口2002への遊技球の受入れにより第一特別図柄表示器に変動表示される第一特別図柄を停止表示するまで(第一特別抽選結果が示唆されるまで)の間と第二始動口2004への遊技球の受入れにより第二特別図柄表示器に変動表示される第二特別図柄を停止表示するまで(第二特別抽選結果が示唆されるまで)の間に、第一始動口2002や第二始動口2004に新たな遊技球が受入れられると、第一特別図柄表示器や第二特別図柄表示器にて新たに第一特別図柄や第二特別図柄の変動表示を開始することができないため、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示開始を先の特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が終了するまで(第一特別抽選結果や第二特別抽選結果の示唆が完了するまで)保留するようにしている。具体的には、第一始動口センサ2104により第一始動口2002に受入れられた遊技球を検知したことに基づいて主制御基板1310にて取得した第一特別乱数と、第二始動口センサ2551により第二始動口2004に受入れられた遊技球を検知したことに基づいて主制御基板1310にて取得した第二特別乱数と、を記憶しておき、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始できる状態になるまで特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示開始を保留する。なお、主制御基板1310にて記憶可能な第一特別乱数及び第二特別乱数の保留数は夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。また、主制御基板1310に記憶されている第一特別乱数及び第二特別乱数は、第二特別乱数の方を優先して消化させるようになっている。つまり、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球の受入れタイミングに関わらず、第二特別乱数が記憶されて第二特別図柄の変動表示開始が保留されていれば、第一特別図柄よりも第二特別図柄の変動表示が優先して実行されるようになっている。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)とメイン液晶表示装置1600とで行われる(サブ液晶表示装置3114も用いても良い)。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)を構成する上記した八つのLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、所定の点灯態様で停止して、この停止時に点灯しているLEDの組み合わせによって特別抽選結果を示唆する。
一方、メイン液晶表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号(変動パターンコマンド、判定結果通知コマンド等)に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され、演出画像によって特別抽選結果の示唆が行われる。具体的には、メイン液晶表示装置1600において、複数の異なる図柄からなる一連の装飾図柄列が複数列(例えば、左装飾図柄・中装飾図柄・右装飾図柄の三列)表示された状態で各装飾図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され(本例では左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止表示される)、最終的に全ての装飾図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄の組合せによって抽出された特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)の抽選結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞発生時に取得した特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)に基づく特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)に応じて、複数の装飾図柄列が変動表示された後に特別抽選結果(第一特別抽選結果、第二特別抽選結果)を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。なお、第一特別図柄表示器に変動表示される第一特別図柄や第二特別図柄表示器に変動表示される第二特別図柄よりも、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者はメイン液晶表示装置1600に表示された装飾図柄に注目することとなる。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、メイン液晶表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(図柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が短い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、メイン液晶表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、センター役物2500の装飾体、裏左中装飾ユニット3050、裏下後可動演出ユニット3100、裏上左可動演出ユニット3200、裏左可動演出ユニット3300、裏上中可動演出ユニット3400、及び裏下前可動演出ユニット3500、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[8.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図143(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板1310の主制御MPUによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図143(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板1310はまず、RAMクリアスイッチが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板1310に出力し、電源投入時に主制御MPUがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPUのRAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPUのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPUのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示に要する変動時間についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応してメイン液晶表示装置1600で実行される装飾図柄の変動表示にてリーチ(左装飾図柄と右装飾図柄を同一図柄で停止表示して中装飾図柄を未だ停止表示していない状態や、左・中・右の装飾図柄を全て同一図柄となるように同期して変動表示する状態)するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口扉部材2549の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される普通乱数等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2002に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図143(b)は、上記主制御基板1310の主制御MPUによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図143(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2547、上記第一始動口センサ2104、上記第二始動口センサ2551、上記第一大入賞口センサ2114、上記第二上大入賞口センサ2554、上記第二下大入賞口センサ2557、上記一般入賞口センサ3015など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPUのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS15の処理として、上記第二始動口扉部材2549の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、一部の大当りを除き大当り遊技の終了後の所定期間内は、上記第二始動口扉部材2549の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記大当り遊技の終了後の所定期間だけ上記普通図柄の当選確率を高くするとともに、上記普通図柄の変動表示に要する普通変動時間を短縮し、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2004の開放時間を延長するとともに、上記第二始動口2004の開放回数を増加することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPUのRAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(16R大当り、10R大当り)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS19の処理として、上記第一始動口センサ2104、上記第二始動口センサ2551、上記第一大入賞口センサ2114、上記第二上大入賞口センサ2554、上記第二下大入賞口センサ2557、一般入賞口センサ3015などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板951に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板951に搭載される払出制御MPUは、払出モータ駆動回路から払出モータ834に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。
また、同主制御基板1310の主制御MPUは、次にステップS20の処理として、保留数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図144は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図144に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ2104による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2551による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、大当り遊技に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「2R確変大当り」、「8R通常大当り」、及び「8R確変大当り」を示唆する態様となったことに基づいて第一大入賞口2005を開閉制御し、「10R確変大当り」を示唆する態様となったことに基づいて第二大入賞口2006を開閉制御する。また、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「2R通常大当り」を示唆する態様となったことに基づいて第一大入賞口2005を開閉制御し、「4R確変大当り」、「5R確変大当り」、「6R確変大当り」、「7R確変大当り」、「8R確変大当り」、及び「16R確変大当り」を示唆する態様となったことに基づいて第二大入賞口2006を開閉制御する。また、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「10R確変大当り」を示唆する態様となったことに基づく大当り遊技を終了するとき、及び第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「4R確変大当り」、「5R確変大当り」、「6R確変大当り」、「7R確変大当り」、「8R確変大当り」、「16R確変大当り」を示唆する態様となったことに基づく大当り遊技を終了するとき、時短状態中に第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「8R確変大当り」を示唆する態様となったことに基づく大当り遊技を終了するとき、通常状態以外の状態で第一特別図柄及び第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「2R確変大当り」を示唆する態様となったことに基づく大当り遊技を終了するとき、には時短フラグをセットすることで次に大当りとなるまで時短制御(時短状態の制御)を実行する。一方、時短状態中に第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「8R通常大当り」を示唆する態様となったことに基づく大当り遊技を終了するときには、大当り遊技後の特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動回数を計数する変動回数カウンタに「72」をセットすると共に時短フラグをセットすることで大当り遊技後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動回数が72回に達するまで時短制御(時短状態の制御)を実行する。また、時短状態中に第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「2R通常大当り」を示唆する態様となったことに基づく大当り遊技を終了するときには、第二特別抽選結果に応じて「18」、「36」、「54」、「72」のいずれかを変動回数カウンタにセットすると共に時短フラグをセットすることで大当り遊技後に特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動回数が18回、36回、54回、72回のうち第二特別抽選結果に応じた回数に達するまで時短制御(時短状態の制御)を実行する。また、確変大当り(2R確変大当り、4R確変大当り、5R確変大当り、6R確変大当り、7R確変大当り、8R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り)に基づく大当り遊技を終了するときには高確率フラグをセットすることで次に大当りとなるまで確率向上制御(高確率状態の制御)を実行する。主制御MPUは高確率フラグと時短フラグとの両方がセットされていれば高確率時短状態に制御し、時短フラグがセットされずに高確率フラグだけがセットされていれば高確率非時短状態に制御し、高確率フラグがセットされずに時短フラグだけがセットされていれば低確率時短状態(所謂時短状態)に制御し、高確率フラグと時短フラグとのいずれもセットされていなければ低確率非時短状態(所謂通常状態)に制御する。
一方、大当り実行中フラグがセットされていなければ、小当り遊技に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS36)、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技の制御を行う小当り制御処理(ステップS41)を実行する。なお、小当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「小当り」を示唆する態様となったことに基づいて上記第一大入賞口2005を開閉制御する。
また、大当り実行中フラグ及び小当り実行中フラグがいずれもセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図145は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ2104がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図145に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第一特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、新たに上記第一特別図柄の変動表示開始を保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS43の処理として、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示開始は保留されない。すなわち、ステップS42〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、新たに上記第一特別図柄の変動表示開始を保留の状態としない。
また、主制御MPUは、ステップS43で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りや小当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS45)、処理を終了する。
図146は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2551がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図146に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示開始を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS52〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS52の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS53の処理として、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS54の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示開始は保留されない。すなわち、ステップS52〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、新たに上記第二特別図柄の変動表示開始を保留の状態としない。
図147は、上記演出事前判定処理(ステップS45、S55)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPUは、演出事前判定処理を開始すると、図148(A)に示す事前判定テーブルと取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りや小当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS61)。
図148(A)に示す事前判定テーブルでは、上記第一始動口通過処理のステップS43で第一特別乱数を取得すると、高確率状態の制御を実行している旨を示す高確率フラグがセットされている場合には高確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否か特定し、高確率フラグがセットされていない場合には低確率の大当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否かを特定する。この高確率の大当り判定値(3857−3946)は、後述する高確率時の大当り判定テーブル(図152(A)参照)に設定されて第一特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされ、低確率の大当り判定値(3937−3946)は、後述する低確率時の大当り判定テーブル(図152(A)参照)に設定されて第一特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第一特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとなるか否かを正確に特定し、事前判定情報として大当りとする「大当り1〜12」、大当りとしない「はずれ」及び「リーチ1〜4」のいずれかに分類することができる。
また、図148(A)に示す事前判定テーブルでは、上記第一始動口通過処理のステップS43で第一特別乱数を取得すると、上記高確率フラグがセットされているか否かに関わらず同一の乱数値に設定される小当り判定値と第一特別乱数とを比較することにより小当りとなるか否かも特定する。これらの高確率時又は低確率時の小当り判定値(3800−3812)は、後述する高確率時又は低確率時の大当り判定テーブル(図152(A)参照)に設定されて第一特別乱数と対比される小当り判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第一特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、小当りとなるか否かを正確に特定し、事前判定情報として小当りが含まれる「大当り9〜12」に分類することができる。
また、図148(A)に示す事前判定テーブルでは、上記第二始動口通過処理のステップS53で第二特別乱数を取得すると、高確率状態の制御を実行している旨を示す高確率フラグがセットされている場合には高確率の大当り判定値と第二特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否か判定し、高確率フラグがセットされていない場合には低確率の大当り判定値と第二特別乱数とを比較することにより大当りとなるか否かを判定する。この高確率の大当り判定値(3857−3946)は、後述する高確率時の大当り判定テーブル(図152(A)参照)に設定されて第二特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされ、低確率の大当り判定値(3937−3946)は、後述する低確率時の大当り判定テーブル(図152(A)参照)に設定されて第二特別乱数と対比される大当り判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で第二特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとなるか否かを正確に特定し、事前判定情報として大当りとする「大当り1〜12」、大当りとしない「はずれ」及び「リーチ1〜4」のいずれかに分類することができる。
なお、本実施形態では第一始動口2002へ遊技球が受入れられたことに基づいて実行される演出事前判定処理は上記時短制御を実行する時短状態(時短時)には実行しないようになっている。一方、第二始動口2004へ遊技球が受入れられたことに基づいて実行される演出事前判定処理では上記時短制御を実行しない非時短状態(非時短時)には実行しないようになっている。このように、本実施形態では非時短状態に制御されている場合には第一始動口2002へ遊技球が受入れられたことに基づく演出事前判定処理だけが実行され、時短状態に制御されている場合には第二始動口2004へ遊技球が受入れられたことに基づく演出事前判定処理だけが実行されるようになっている。
また、図148(A)に示す事前判定テーブルでは、ステップS61で第一特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより大当りとなる旨を特定した場合、いずれの大当りとするかを示す判定値と第一図柄乱数とを比較することにより大当りの種類を特定し、第二特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより大当りとなる旨を特定した場合、いずれの大当りとするかを示す判定値と第二図柄乱数とを比較することにより大当りの種類を特定する。具体的には、第一特別乱数と合致することで特定1(2R確変大当り)の大当りとなることを示す判定値は、後述する図柄決定テーブル(図152(C)参照)に設定されて第一図柄乱数と対比される判定値のうち特定1の大当りとなることを示す判定値(0−16)と同一の乱数値とされ、第一特別乱数と合致することで特定6(8R確変大当り)又は非特定2(8R通常大当り)の大当りとなることを示す判定値は、後述する図柄決定テーブル(図152(C)参照)に設定されて第一図柄乱数と対比される判定値のうち特定6又は非特定2の大当りとなることを示す判定値(17−154,160−199)と同一の乱数値とされ、第一特別乱数と合致することで特定7(10R確変大当り)の大当りとなることを示す判定値は、後述する図柄決定テーブル(図152(C)参照)に設定されて第一図柄乱数と対比される判定値のうち特定7の大当りとなることを示す判定値(155−159)と同一の乱数値とされている。
同様に、図148(A)に示す事前判定テーブルでは、ステップS61で第二特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより大当りとなる旨を特定した場合、いずれの大当りとするかを示す判定値と第二図柄乱数とを比較することにより大当りの種類を特定し、第二特別乱数と事前判定テーブルとを比較することにより大当りとなる旨を特定した場合、いずれの大当りとするかを示す判定値と第二図柄乱数とを比較することにより大当りの種類を特定する。具体的には、第二特別乱数と合致することで特定1(2R確変大当り)又は非特定1(2R通常大当り)の大当りとなることを示す判定値は、後述する図柄決定テーブル(図152(C)参照)に設定されて第二図柄乱数と対比される判定値のうち特定1又は非特定1の大当りとなることを示す判定値(0−19,160−199)と同一の乱数値とされ、第二特別乱数と合致することで特定2(4R確変大当り)、特定3(5R確変大当り)、特定4(6R確変大当り)、特定5(7R確変大当り)、特定6(8R確変大当り)の大当りとなることを示す判定値は、後述する図柄決定テーブル(図152(C)参照)に設定されて第二図柄乱数と対比される判定値のうち特定2〜特定6の大当りとなることを示す判定値(20−55)と同一の乱数値とされ、第二特別乱数と合致することで特定8(16R確変大当り)の大当りとなることを示す判定値は、後述する図柄決定テーブル(図152(C)参照)に設定されて第二図柄乱数と対比される判定値のうち特定8の大当りとなることを示す判定値(56−159)と同一の乱数値とされている。
また、図148(A)に示す事前判定テーブルでは、大当りとなる旨を特定した場合、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより、複数種類のリーチ演出のうちいずれのリーチ演出を実行して大当りとなるかを特定する。具体的には、特定7,特定8の大当りにおいて、ノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値(0−4)は、変動乱数と対比される判定値のうちノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出(以下、これを弱SPリーチともいう)を実行することを示す判定値(5−29)は、変動乱数と対比される判定値のうち大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出(以下、これを強SPリーチともいう)のうち特定のスーパーリーチ演出(特定の強SPリーチともいう)以外を実行することを示す判定値(30−216)は、変動乱数と対比される判定値のうち特定のスーパーリーチ演出以外となる大当り期待度の高いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のうち特定のスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(217−240)は、変動乱数と対比される判定値のうち特定のスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされている。
また、特定2〜6又は非特定2の大当りにおいて、ノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値(0−4)は、変動乱数と対比される判定値のうちノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(5−29)は、変動乱数と対比される判定値のうち大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のうち特定のスーパーリーチ演出以外を実行することを示す判定値(30−216)は、変動乱数と対比される判定値のうち特定のスーパーリーチ演出以外となる大当り期待度の高いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のうち特定のスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(217−240)は、変動乱数と対比される判定値のうち特定のスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされている。
また、特定1又は非特定1の大当りにおいて、ノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値(0−89)は、変動乱数と対比される判定値のうちノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(90−189)は、変動乱数と対比される判定値のうち大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のうち特定のスーパーリーチ演出以外を実行することを示す判定値(190−216)は、変動乱数と対比される判定値のうち特定のスーパーリーチ演出以外となる大当り期待度の高いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のうち特定のスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(217−240)は、変動乱数と対比される判定値のうち特定のスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされている。
このため、ステップS61で第一図柄乱数又は第二図柄乱数と事前判定テーブルとを比較すること、及び変動乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りの種類を正確に特定し、事前判定情報として、ノーマルリーチからの特定7又は特定8の大当りとする「大当り1」、弱SPリーチからの特定7又は特定8の大当りとする「大当り2」、特定の強SPリーチ以外の強SPリーチからの特定7又は特定8の大当りとする「大当り3」、特定の強SPリーチからの特定7又は特定8の大当りとする「大当り4」、ノーマルリーチからの特定2〜6又は非特定2の大当りが含まれる「大当り5」、弱SPリーチからの特定2〜6又は非特定2の大当りが含まれる「大当り6」、特定の強SPリーチ以外の強SPリーチからの特定2〜6又は非特定2の大当りが含まれる「大当り7」、特定の強SPリーチからの特定2〜6又は非特定2の大当りが含まれる「大当り8」、ノーマルリーチからの特定1又は非特定1の大当りとする「大当り9」、弱SPリーチからの特定1又は非特定1の大当りとする「大当り10」、特定の強SPリーチ以外の強SPリーチからの特定1又は非特定1の大当りとする「大当り11」、特定の強SPリーチからの特定1又は非特定1の大当りとする「大当り12」のいずれかに分類することができる。
また、図148(A)に示す事前判定テーブルでは、はずれとなる旨を特定した場合、高確率状態の制御を実行している旨を示す高確率フラグがセットされている場合にはリーチを表示することを示す確変時のリーチ判定値とリーチ乱数とを比較することによりリーチを表示するか否か特定し、高確率フラグがセットされておらず時短状態(低確率時短状態)の制御を実行している旨を示す時短フラグだけがセットされている場合にはリーチを表示することを示す時短時のリーチ判定値とリーチ乱数とを比較することによりリーチを表示するか否か特定し、高確率フラグ及び時短フラグがセットされておらず通常状態の制御を実行している旨を示す場合にはリーチを表示することを示す通常時のリーチ判定値とリーチ乱数とを比較することによりリーチを表示するか否か特定する。この確変時のリーチ判定値(0)は、後述する確変時のリーチ判定テーブル(図152(B)参照)に設定されてリーチ乱数と対比されるリーチ判定値と同一の乱数値とされ、時短時のリーチ判定値(0−5)は、後述する時短時のリーチ判定テーブル(図152(B)参照)に設定されてリーチ乱数と対比されるリーチ判定値と同一の乱数値とされ、通常時のリーチ判定値(0−6)は、後述する通常時のリーチ判定テーブル(図152(B)参照)に設定されてリーチ乱数と対比されるリーチ判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61でリーチ乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、大当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するかを正確に特定し、事前判定情報としてリーチを表示(リーチ演出を実行)しない「はずれ」、リーチを表示(リーチ演出を実行)する「リーチ1〜4」のいずれかに分類することができる。
なお、時短時のリーチ判定値(0−5)及び通常時のリーチ判定値(0−6)には、確変時のリーチ判定値(0)と同一の判定値(0)が含まれており、これら同一のリーチ判定値とリーチ乱数とが一致したとき、確変時、時短時、通常時のいずれかの遊技状態でリーチを表示(リーチ演出を実行)するかを分類している。このため、ステップS61でリーチ乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、確変時、時短時、通常時のいずれの遊技状態において、メイン液晶表示装置1600で遊技演出としてリーチ演出を実行するかを特定することができる。
また、図148(A)に示す事前判定テーブルでは、メイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行する場合、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行する遊技演出の態様種別を特定する。具体的には、ノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値(0−163)は、後述するリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)に設定されて変動乱数と対比される判定値のうちノーマルリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(164−222)は、後述するリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)に設定されて変動乱数と対比される判定値のうち大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のうち特定のスーパーリーチ演出以外を実行することを示す判定値(223−235)は、後述するリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)に設定されて変動乱数と対比される判定値のうち特定のスーパーリーチ演出以外となる大当り期待度の高いスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされ、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のうち特定のスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値(236−240)は、後述するリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)に設定されて変動乱数と対比される判定値のうち特定のスーパーリーチ演出を実行することを示す判定値と同一の乱数値とされている。このため、ステップS61で変動乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、実行する遊技演出の態様種別を正確に特定し、事前判定情報としてノーマルリーチ演出を実行する「リーチ1」、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出を実行する「リーチ2」、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出(特定のスーパーリーチ演出以外)を実行する「リーチ3」、大当り期待度の高いスーパーリーチ演出(特定のスーパーリーチ演出)を実行する「リーチ4」のいずれかに分類することができる。そして、ステップS61でリーチ乱数と事前判定テーブルとを比較することにより、事前判定情報として「リーチ1」〜「リーチ4」のいずれかに分類することができる。
上記のように、図148(A)に示す事前判定テーブルと取得した乱数(特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、リーチ乱数、変動乱数)との比較の結果、大当りや小当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を特定し、図148(B)に示すように、事前判定情報として「はずれ」、「大当り1」〜「大当り12」、「リーチ1」〜「リーチ4」の17種類のいずれかに分類している。
そして、上記演出事前判定処理(ステップS45、S55)では、特定した事前判定情報(大当りや小当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数、第二特別乱数のいずれか)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS45で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一特別図柄の保留数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS62)。そして、上記特別図柄コマンド制御処理(ステップS16)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した始動口(第一始動口2002、第二始動口2004のいずれか一方)、該始動口に対応して記憶される保留数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りや小当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御MPUのRAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域と、第二特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第二保留記憶領域と、が設けられている。また、第一保留記憶領域及び第二保留記憶領域はそれぞれ保留数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御MPUは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示開始を通知する変動パターンコマンド(第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンド、第二特別図柄の変動表示開始を通知する第二変動パターンコマンド)を受信すると受信した変動パターンコマンドに応じて1番目の記憶領域(第一変動パターンコマンドを受信していれば第一保留記憶領域の1番目の記憶領域、第二変動パターンコマンドを受信していれば第二保留記憶領域の1番目の記憶領域)に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域(第一変動パターンコマンドを受信していれば第一保留記憶領域のN番目の記憶領域、第二変動パターンコマンドを受信していれば第二保留記憶領域のN番目の記憶領域)に格納されている事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。なお、第一特別図柄の変動表示を開始するか又は第二特別図柄の変動表示を開始するかについては変動パターンコマンドによって特定可能(第一変動パターンコマンドであるか第二変動パターンコマンドであるか)となっており、第一変動パターンコマンドを受信したことに基づいて第一特別図柄の変動表示を開始することを特定した場合には第一保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトし、第二変動パターンコマンドを受信したことに基づいて第二特別図柄の変動表示を開始することを特定した場合には第二保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
なお、本例では事前判定テーブルの大当り判定値と後述する大当り判定テーブルの大当り判定値と同一の乱数としたがこれに限られるものではない。例えば、事前判定テーブルの大当り判定値として大当り判定テーブルの大当り判定値の一部だけを含むものや、大当り判定テーブルの大当り判定値の一部又は全部と大当り判定テーブルの大当り判定値とは異なる所定数の乱数値とを含むように構成し、演出事前判定処理において大当りとなる可能性の程度を判定するようにしてもよい。
具体的には、大当り判定値及び大当り判定値とは異なるはずれ判定値(小当り判定値を含んでもよい)のうち一部を高確率乱数グループとしてそれぞれ判別可能とするとともに、該高確率乱数グループとして判別可能とされる上記大当り判定値の上記はずれ判定値に対する割合は、上記大当りの当選確率が決定づけられる上記大当り判定テーブルの割合よりも高く設定されてなる高確率乱数決定付手段、及び乱数取得手段により取得される乱数のうちの当落乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)が上記はずれ判定値と上記大当り判定値とのいずれかに分類判別される上記大当り判定についてはこれを未実行の状態に維持したままで、同判定に供される当落乱数が大当り判定値及びはずれ判定値の混在された上記高確率乱数グループに属する値であるか否かを判断することで、保留の状態とされている判定処理毎に大当りの当選に係る期待度(疑似当選確率)についての先行判定を実行可能とする疑似確率先行判定手段、を備え、上記疑似確率先行判定手段により大当りの当選に係る期待度を先行判定するようにしてもよい。
このように大当り判定値及びはずれ判定値が混在された高確率乱数決定付手段を備えるようにしたことで、未だ保留の状態とされている大当り判定の当落結果についての機密情報が漏出され得るリスクを排除した従来の演出構造を維持しつつも、当該高確率乱数決定付手段における大当り判定値及びはずれ判定値の混在率に応じた上記大当りの当落に係る期待度(疑似当選確率)についてはその先行判定が実行可能とされるようになる。例えば、上記大当り判定の実行(判定処理の消化)に先立って、当該大当り判定に供される当落乱数が高確率乱数グループに属する値(特殊当り判定値)である旨の先行判定がなされなかったときは、該先行判定された特殊当り判定値でない乱数値(高確率乱数グループと対の関係となる低確率乱数グループに属する値)に基づく判定処理が消化されるときの大当りの当選に係る期待度(疑似当選確率)は、上記大当りの期待度(当選確率)よりも低いことが確定されることとなる(疑似的に低くされた当選確率)。
このような高確率乱数グループについての先行判定手法によれば、特定の判定処理が保留の状態とされた時点では、その大当り判定を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じたシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図149は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPUのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記メイン液晶表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図143参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図150は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図150に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて第一特別図柄の変動表示開始が保留の状態にあるか否かの判断を行う。この結果、第一特別図柄の変動表示開始が保留の状態にあると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が格納されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を格納し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に格納されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示開始の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図151は、上記大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図152(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図152(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図152(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、10種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、13種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、3924種類の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。なお、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルには、小当り判定値が設定されておらず、小当りに当選することがない。この低確率時の大当り判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、10種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、3937種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む90種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、19種類の第一特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致し、3838種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の9倍に高められる。なお、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルには、小当り判定値が設定されておらず、小当りに当選することがない。この高確率時の大当り判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む90種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、3857種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS118)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、図152(B)に示すリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図152(B)に示すリーチ判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶され、遊技状態が確変時(高確率状態(高確率非時短状態、高確率時短状態))の場合に使用する確変時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が時短時(低確率時短状態)の場合に使用する時短時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が通常時(通常状態:低確率非時短状態)の場合に使用する通常時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、確変時のリーチ判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、238種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、時短時のリーチ判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、確変時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む6種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、233種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、時短時(低確率時短状態)では、リーチすることを示すリーチ判定値が確変時(高確率状態)よりも高められる。
さらに、通常時のリーチ判定テーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、確変時及び時短時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む7種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、232種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、通常時(通常状態)では、リーチすることを示すリーチ判定値が確変時(高確率状態)及び時短時(低確率時短状態)よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS120a)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS120b)。
図153は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図153に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグ又は小当りフラグがセットされているか否か(ステップS121、S124)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS121で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図152(C)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS123)。
図152(C)に示すように、図柄決定テーブルには、上記事前判定テーブルと同様に、判定結果毎(特定1の2R確変大当り、特定2の4R確変大当り、特定3の5R確変大当り、特定4の6R確変大当り、特定5の7R確変大当り、特定6の8R確変大当り、特定7の10R確変大当り、非特定1の2R通常大当り、非特定2の8R通常大当り)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類、及び決定確率が異なるように設定している。
具体的には、
1.第一大入賞口2005を遊技球が入球困難な態様で開閉制御して2R大当り遊技を実行し、該2R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御を実行するものであって、当選時の遊技状態が通常状態以外の状態(高確率時短状態、高確率非時短状態、低確率時短状態)であれば次に大当りとなるまで時短制御を実行する特定1の2R確変大当り
2.第二大入賞口2006を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して4R大当り遊技を実行し、該4R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御と時短制御との両方を実行する特定2の4R確変大当り
3.第二大入賞口2006を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して5R大当り遊技を実行し、該5R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御と時短制御との両方を実行する特定3の5R確変大当り
4.第二大入賞口2006を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して6R大当り遊技を実行し、該6R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御と時短制御との両方を実行する特定4の6R確変大当り
5.第二大入賞口2006を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して7R大当り遊技を実行し、該7R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御と時短制御との両方を実行する特定5の7R確変大当り
6.第一特別抽選結果であれば第一大入賞口2005を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して8R大当り遊技を実行し、該8R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御を実行するものであって、当選時に時短制御を実行していれば(高確率時短状態、低確率時短状態)次に大当りとなるまで時短制御し、第二特別抽選結果であれば第二大入賞口2006を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して8R大当り遊技を実行し、該8R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御と時短制御との両方を実行する特定6の8R確変大当り
7.第二大入賞口2006を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して10R大当り遊技を実行し、該10R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御と時短制御との両方を実行する特定7の10R確変大当り
8.第二大入賞口2006を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して16R大当り遊技を実行し、該16R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御と時短制御との両方を実行する特定8の16R確変大当り
9.第一大入賞口2005を遊技球が入球困難な態様で開閉制御して2R大当り遊技を実行し、該2R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御を実行しないものであって、当選時に時短制御を実行していれば(高確率時短状態、低確率時短状態)2R大当り遊技の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が所定回数(18回、36回、54回、72回のいずれか)実行されるまで時短制御を実行する非特定1の2R通常大当り
10.第一大入賞口2005を遊技球が入球可能な態様で開閉制御して8R大当り遊技を実行し、該8R大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで確率向上制御を実行しないものであって、当選時に時短制御を実行していれば(高確率時短状態、低確率時短状態)8R大当り遊技の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が72回実行されるまで時短制御を実行する非特定2の8R通常大当り
の10種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、大当りの種類と決定割合とが異なるようにしている。具体的には、図152(C)に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルには、特定1の2R確変大当り、特定6の8R確変大当り、特定7の10R確変大当り、非特定2の8R通常大当りに対して判定値の振分けが設定されているのに対し、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルには、特定1の2R確変大当り、特定2の4R確変大当り、特定3の5R確変大当り、特定4の6R確変大当り、特定5の7R確変大当り、特定6の8R確変大当り、特定8の16R確変大当り、非特定1の2R通常大当りに対して判定値の振分けが設定されている。
また、この実施形態では第一大入賞口2005を開閉制御する大当り遊技であるか第二大入賞口2006を開閉制御する大当り遊技であるかに関わらず、大当り遊技(遊技球が入球可能な態様で開閉制御されるものに限る)ではセンター役物2500の上部における左右方向中央よりも正面視右方に遊技球を打込む、所謂右打ち遊技が行われる。また、上記センター役物2500の右側の右打遊技領域2540内には、障害釘が遊技パネル1100の前面に植設されていない。そして、遊技盤5の構造上、上記第二大入賞口2006を開放したときに、上記第二大入賞口2006を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球を打ち込むと、上記第二大入賞口2006に必ず入賞するようになっている。このため、上記第二大入賞口2006を開閉制御する大当り遊技では、右打遊技領域2540に打ち込んだ遊技球が無駄となる(アウト口1111(2543c)から外部に排出される)ことがなく、短時間で大当り遊技を消化することができる。
一方、右打遊技領域2540と第一大入賞口2005との間には適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1100の前面に植設されているため、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球に様々な動きが付与されて流下するようになっている。そのため、第一大入賞口2005を開閉制御する大当り遊技では、上記第一大入賞口2005を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球を打ち込んだとしても上記第一大入賞口2005に入賞するとは限らず、上記第一大入賞口2005に入賞しなかった遊技球は、遊技領域5aの左右方向中央下端に設けられたアウト口1111(2543c)から外部に排出される。このように、本実施形態では第二大入賞口2006を開閉制御する大当り遊技では、第一大入賞口2005を開閉制御する大当り遊技における第一大入賞口2005と比べて、遊技球が効率良く上記第二大入賞口2006に入賞するようになり、短時間で大当り遊技を消化することができる。
また、本例では、第一大入賞口2005の開閉制御における1回のラウンドで、第一大入賞口2005を開放状態から閉鎖状態に変化させる条件と、第二大入賞口2006の開閉制御における1回のラウンドで第二大入賞口2006を開放状態から閉鎖状態に変化させる条件と、を異ならせている。上記したように、第一大入賞口2005と第二大入賞口2006とは開放状態に制御されてから約30秒が経過すると閉鎖状態に変化させるものであるが、その経過以前であっても第一大入賞口2005や第二大入賞口2006に予め決められている個数の遊技球が入賞した場合には閉鎖状態に変化させる。そして、第一大入賞口2005を開閉制御する大当り遊技では第一大入賞口2005に7個の遊技球が入賞したことに基づいて第一大入賞口2005を閉鎖状態に変化させるのに対し、第二大入賞口2006を開閉制御する大当り遊技では第二大入賞口2006に10個の遊技球が入賞したことに基づいて第二大入賞口2006を閉鎖状態に変化させるようになっている。このように第一大入賞口2005を開閉制御する大当り遊技では最大で7個の遊技球しか第一大入賞口2005に入賞させることができないために1ラウンド当り7個の入賞に対する賞球しか獲得できないものである一方、第二大入賞口2006を開閉制御する大当り遊技では最大で10個の遊技球を第二大入賞口2006に入賞させて1ラウンド当り10個の入賞に対する賞球を獲得でき、第一大入賞口2005を開閉制御する大当り遊技に比べて第二大入賞口2006を開閉制御する大当り遊技ではより多くの賞球の獲得が期待できるようになっている。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、特定1の2R確変大当りに決定した場合には第一特別図柄の2R確変大当り図柄に決定し、特定6の8R確変大当りに決定した場合には第一特別図柄の8R確変大当り図柄に決定し、特定7の10R確変大当りに決定した場合には第一特別図柄の10R確変大当り図柄に決定し、非特定2の8R通常大当りに決定した場合には第一特別図柄の8R通常大当り図柄に決定する。一方、ステップS121で大当りフラグがセットされていなければ、小当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS124)、小当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄の変動停止時の態様として小当り図柄に決定し(ステップS125)、小当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS126)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS127の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS128の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPUは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいてメイン液晶表示装置1600を表示制御する。
具体的には、周辺制御MPUは、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち特定7の10R確変大当りを特定した場合には10R確変大当り図柄(左中右の装飾図柄が全て特定の奇数図柄(例えば「7」)となる組合せ)に決定し、特定8の16R確変大当りを特定した場合には16R確変大当り図柄(左中右の装飾図柄が全て特定の奇数図柄(例えば「7」)となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄をメイン液晶表示装置1600に表示制御する。このように、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄として全て特定の奇数図柄となる組合せが変動停止したときには、装飾図柄の停止図柄から特定7の10R確変大当りであって、第一特別抽選結果と第二特別抽選結果とのぞれぞれに起因する大当りの中でラウンド数がもっとも多く、且つ第二大入賞口2006への遊技球の入賞が容易な10R大当り遊技の獲得が確定したことを判別することができる。
また、周辺制御MPUは、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち特定2の4R確変大当りを特定した場合には4R確変大当り図柄(「1」、「3」、「5」、「7」の奇数の同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、大当りのうち特定3の5R確変大当りを特定した場合には5R確変大当り図柄(「1」、「3」、「5」、「7」の奇数の同一の装飾図柄の組合せ。4R確変大当り図柄と共通)に決定し、大当りのうち特定4の6R確変大当りを特定した場合には6R確変大当り図柄(「1」、「3」、「5」、「7」の奇数の同一の装飾図柄の組合せ。4R確変大当り図柄及び5R確変大当り図柄と共通)に決定し、大当りのうち特定5の7R確変大当りを特定した場合には7R確変大当り図柄(「1」、「3」、「5」、「7」の奇数の同一の装飾図柄の組合せ。4R確変大当り図柄、5R確変大当り図柄、及び6R確変大当り図柄と共通)に決定し、大当りのうち第二特別抽選結果に基づいて特定6の8R確変大当りを特定した場合には8R確変大当り図柄(「1」、「3」、「5」、「7」の奇数の同一の装飾図柄の組合せ。4R確変大当り図柄、5R確変大当り図柄、6R確変大当り図柄、及び7R確変大当り図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄をメイン液晶表示装置1600に表示制御する。このように、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄として「1」、「3」、「5」、「7」の奇数の同一の装飾図柄の組合せが変動停止したときには、装飾図柄の停止図柄から特定2の4R確変大当り、特定3の5R確変大当り、特定4の6R確変大当り、特定5の7R確変大当り、特定6の8R確変大当りのいずれかを判別することができないが、第二大入賞口2006を開閉制御する大当り遊技の終了後に高確率状態に制御することを判別することができる。
また、周辺制御MPUは、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち第一特別抽選結果に基づいて特定6の8R確変大当りを特定した場合には8R確変大当り図柄(「2」、「4」、「6」の偶数の同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、大当りのうち非特定2の8R通常大当りを特定した場合には8R通常大当り図柄(「2」、「4」、「6」の偶数の同一の装飾図柄の組合せ。8R確変大当り図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄をメイン液晶表示装置1600に表示制御する。このように、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄として「2」、「4」、「6」の偶数の同一の装飾図柄の組合せが変動停止したときには、装飾図柄の停止図柄から特定6の8R確変大当り、非特定2の8R通常大当りのいずれかを判別することができず、第一大入賞口2005を開閉制御する大当り遊技の終了後に高確率状態に制御するか否かを判別することができない。
また、周辺制御MPUは、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち特定1の2R確変大当りを特定した場合には2R確変大当り図柄(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組合せ(ばらけ目)。具体的には「357」の装飾図柄の組合せ)に決定し、小当りを特定した場合には小当り図柄(はずれ図柄のうち予め定められた装飾図柄の組合せ(ばらけ目)。2R確変大当り図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄をメイン液晶表示装置1600に表示制御する。このように、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄として「357」の装飾図柄の組合せが変動停止したときには、装飾図柄の停止図柄から特定1の2R確変大当り又は小当りのいずれであるかを判別することができず、第一大入賞口2005を用いた2R大当り遊技(遊技球が入球困難な態様での2R大当り遊技)の終了後にもメイン液晶表示装置1600において高確率状態であるか否かを判別困難な遊技演出を実行するため、これらの大当り遊技の終了後に高確率状態に制御するか否かを判別することができない。
また、周辺制御MPUは、メイン液晶表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドからリーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が同一)に決定し、はずれを特定した場合にはリーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄をメイン液晶表示装置1600に表示制御する。
図154は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図154に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS143)、現在の遊技状態に応じた小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS144)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグと小当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、このようにして決定される変動パターンには上記メイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出の内容や特別図柄(この場合には第一特別図柄)の変動表示を開始してから特別図柄(この場合には第一特別図柄)の変動表示を停止するまでの変動時間を示す情報等も含まれている。ステップS149でセットされた変動パターンコマンドを受信することにより周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUは特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が開始されることの他にメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出の内容や特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始してから特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を停止するまでの変動時間を特定するようになっている。また主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。これにより、決定された変動パターンに応じた変動時間だけ第一特別図柄表示器(における第一特別図柄の変動表示)及び上記メイン液晶表示装置1600(における装飾図柄の変動表示)にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、上記事前判定テーブルと同様に、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。具体的には、164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0−163)と一致し、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164−222)と一致し、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223−240)と一致するように上記変動乱数がそれぞれ関連付けられている。なお、スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示が開始されると、次にステップS151の処理として、大当り遊技後の特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動回数を計数する変動回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する。上述したように本例では上記第二特別抽選結果が非特定1の2R通常大当りとなる場合であって当選時に時短制御を実行している場合には2R大当り遊技の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が所定回数(18回、36回、54回、72回のいずれか)実行されるまで時短制御し、第一特別抽選結果が非特定2の8R通常大当りとなる場合であって当選時に時短制御を実行している場合には8R大当り遊技の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が72回実行されるまで時短制御する。そのため、大当り制御処理において非特定1の2R通常大当りを終了する場合には変動回数カウンタに第二特別抽選結果に応じた回数(18回、36回、54回、72回のいずれか)がセットされ、非特定2の8R通常大当りを終了する場合には変動回数カウンタに「72」回がセットされている。ステップS151では大当り遊技後に変動回数カウンタにセットされた回数の変動表示が実行されたかを判断している。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、すなわち大当り遊技後に変動回数カウンタにセットされた回数の変動表示が実行されていなければ該変動回数カウンタをカウントダウン(1減算)した後(ステップS152)、同変動回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS153)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、すなわち大当り遊技後に変動回数カウンタにセットされた回数の変動表示が実行された場合にはその旨を示す終了フラグをセットする(ステップS154)。
上記ステップS151の処理にて変動回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合、即ち非特定1及び非特定2に起因する大当り遊技後に既に変動回数カウンタにセットされた回数の変動表示が実行されている場合や、上記ステップS153の処理にて変動回数カウンタが「0」でないと判断された場合、即ち非特定1及び非特定2に起因する大当り遊技後に未だ変動回数カウンタにセットされた回数の変動表示が実行されていない場合には、その時点でステップS155の処理に移行する。そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。なお、上記特定1〜特定8の大当りに起因する大当り遊技を終了してから次に大当りとなるまで時短制御を実行する場合には大当り制御処理において変動回数カウンタに「0」をセットする一方、時短フラグをセットすることで次に大当りとなるまでは時短制御が継続されるようになっている。
図155は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図155に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図156は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図157に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記メイン液晶表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板1310の主制御MPUは、上記終了フラグがセットされているとき、即ち非特定1及び非特定2に起因する大当り遊技後に変動回数カウンタにセットされた回数の変動表示を実行したときには(ステップS183)、終了フラグをリセットするとともに(ステップS184)、高確率フラグがセットされていれば該高確率フラグをリセットするとともに時短フラグセットされていれば該時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより非特定1及び非特定2に起因する大当り遊技後に変動回数カウンタにセットされた回数の変動表示が実行された後には低確率非時短状態(通常状態)の制御が実行されるようになる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技の開始までの待機時間(大当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。そして、大当り遊技の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットするとともに、高確率フラグがセットされていれば該高確率フラグをリセットし、時短フラグセットされていれば該時短フラグをリセットする(ステップS189)。そして、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS190)、この処理を終了する。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類(2R確変大当り、4R確変大当り、5R確変大当り、6R確変大当り、7R確変大当り、8R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、2R通常大当り、8R通常大当り)に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(2R確変大当り、4R確変大当り、5R確変大当り、6R確変大当り、7R確変大当り、8R確変大当り、10R確変大当り、16R確変大当り、2R通常大当り、8R通常大当り)に応じた大当り開始コマンド(2R確変大当り開始コマンド、4R確変大当り開始コマンド、5R確変大当り開始コマンド、6R確変大当り開始コマンド、7R確変大当り開始コマンド、8R確変大当り開始コマンド、10R確変大当り開始コマンド、16R確変大当り開始コマンド、2R通常大当り開始コマンド、8R通常大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技の演出がメイン液晶表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ921等により実行される。
一方、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記小当りフラグがセットされているときは(ステップS191)、小当り遊技を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS192)、小当り遊技の開始までの待機時間(小当り遊技を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS193)。そして、小当り遊技の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットし(ステップS194)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS190)、この処理を終了する。なお、小当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、ステップS195では、小当り開始コマンドをセットすることにより、小当り開始コマンドによって指示された小当り遊技の演出がメイン液晶表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ921等により実行される。
[9.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUによって実行される処理について説明する。図157は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図157に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPUは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUのRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPUは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板1310から受信したコマンドにもとづいてメイン液晶表示装置1600、ランプ・LED、スピーカ921等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図158は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御MPUは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板1310から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS147、第二特別図柄プロセス処理の第一変動パターン設定処理に対応する処理(第二変動パターン設定処理))でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいてメイン液晶表示装置1600等に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ921等に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから演出駆動基板3043に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから演出駆動基板3043に送信したり、扉枠3に設けられた加振装置242や扉右下駆動モータ272等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、メイン液晶表示装置1600や上皿液晶表示装置244に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶表示制御部1512に送信したり、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数(例えば後述するモノクロ予告演出に関わる抽選処理に用いられる予め決められた数値範囲(例えば0〜99)の予告判定乱数を発生させる乱数カウンタ等の値)を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[10.モノクロ予告演出]
本実施形態では、主制御基板1310から送信される事前判定コマンドに基づいた保留数が消化されるまでの間、その保留に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるごとに、メイン液晶表示装置1600の表示領域に出現させた予告演出がカラーからモノクロ(白黒)に変化するか否かのモノクロ予告演出を実行し、最終的な保留が消化されるよりも前に、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全てがモノクロの予告演出で占有された場合には、最終的な保留に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるときに、メイン液晶表示装置1600の表示領域での背景画像をモノクロとする白黒モードに突入させるという演出を実行している。このモノクロ予告演出について、図159乃至図163を参照して説明する。図159は、周辺制御基板1510で実行されるモノクロ予告実行処理を示すフローチャートである。図160は、モノクロ予告演出の実行における領域占有パターンを決定するために用いる領域占有パターン決定テーブルである。図161は、モノクロ予告演出の実行においてメイン液晶表示装置の表示領域のうち予告演出を出現させる領域を示す一例である。図162及び図163は、モノクロ予告演出が実行されたときの演出例である。
図159に示すように、上記演出制御処理(ステップS602)で実行されるモノクロ予告演出実行処理では、まず、主制御基板1310から送信される事前判定コマンドに基づいた保留数が消化されるまでの間、複数回の装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)にわたって、モノクロ予告演出を実行するか否かを決定するとともに、モノクロ予告演出を実行すると決定した場合には、モノクロ予告演出の結果として白黒モードに突入するか否かを決定する制御を行う。具体的には、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づいて、主制御基板1310から事前判定コマンドが送信されたか否かを判別する(ステップS1300)。ステップS1300で主制御基板1310から事前判定コマンドが送信されたと判別した場合には(YES)、後述するモノクロ予告実行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS1301)。そして、ステップS1301でモノクロ予告実行フラグがセットされていると判別した場合には(YES)、新たな入賞に基づいた保留を除いて、既に保留されている分の変動パターンが、全て、「通常変動」の変動パターンであるか否かを判別する(ステップS1302)。なお、ステップS1300で主制御基板1310から保留数コマンドが送信されていないと判別した場合(NO)、または、ステップS1301でモノクロ予告実行フラグがセットされていないと判別した場合には(NO)、ステップS1308に移行する。
なお、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づいて、主制御基板1310から事前判定コマンドが送信されることにより、その入賞に基づいた保留に関する事前判定情報(大当りや小当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りや小当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)を特定することが可能になっており、周辺制御基板1510が事前判定コマンドを受信したときには、その入賞に基づいた保留を消化するまでの間、事前判定コマンドから特定される事前判定情報を周辺制御基板1510のRAMに記憶するようにしている。また、事前判定情報として「はずれ」に分類されていることが特定された場合には、その保留で実行される変動パターンが、装飾図柄の変動表示としてリーチを形成することなく(リーチ演出を実行することなく)、ハズレ図柄を停止表示することが設定された「通常変動」の変動パターンであることを判別し、事前判定情報として「大当り1」〜「大当り12」、「リーチ1」〜「リーチ4」のいずれかに分類されていることが特定された場合には、その保留で実行される変動パターンが、装飾図柄の変動表示としてリーチを形成した後にリーチ演出を実行し、大当り図柄(「大当り1」〜「大当り12」)またはハズレ図柄(「リーチ1」〜「リーチ4」)を停止表示することが設定された「リーチ変動」の変動パターンであることを特定することができる。そして、ステップS1302では、周辺制御基板1510のRAMに記憶されている事前判定情報に基づいて変動パターンの種別を特定することにより、既に保留されている分の変動パターンの全てが、「通常変動」の変動パターンであるかを判別するようになっている。
また、ステップS1302で新たな入賞に基づいた保留を除いて、既に保留されている分の変動パターンの全てが、「通常変動」の変動パターンであると判別した場合には(YES)、事前判定コマンドに基づいた保留数が消化されるまでの間にモノクロ予告演出を実行するか否かを決定するために用いるモノクロ予告判定テーブル(図示しない)を選択する(ステップS1303)。そして、選択したモノクロ予告判定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出したモノクロ予告判定乱数とを比較し、モノクロ予告演出を実行するか否かを判別する(ステップS1304)。具体的には、モノクロ予告判定乱数がモノクロ予告判定テーブルに設定された判定値と一致した場合には、モノクロ予告演出を実行すると判別し(ステップS1304にてYES)、一致しなかった場合には、モノクロ予告演出を実行しないと判別する(ステップS1304にてNO)。なお、モノクロ予告判定テーブルでは、新たな入賞に基づいた保留についての変動パターンが、「通常変動」の変動パターンであるか、「リーチ変動」の変動パターンであるか、に応じて、モノクロ予告演出を実行するか否かを判別するようにし、「リーチ変動」の変動パターンである場合には、「通常変動」の変動パターンである場合よりもモノクロ予告演出を実行すると判別する確率が高くなるように設定されている。ただし、モノクロ予告判定テーブルでは、新たな入賞に基づいた保留についての抽選結果が、大当りで(または小当り)あるか、ハズレであるか、に応じて、モノクロ予告演出を実行するか否かを判別するようにし、大当り(または小当り)である場合には、ハズレである場合よりもモノクロ予告演出を実行すると判別する確率が高くなるように設定されていてもよい。
また、ステップS1304でモノクロ予告演出を実行すると判別した場合には(YES)、事前判定コマンドから特定される保留数に応じたテーブルとして、複数種類の領域占有パターンのうちいずれかの領域占有パターンを決定するために用いる領域占有パターン決定テーブル(図160)を選択する(ステップS1305)。この領域占有パターンには、モノクロ予告演出の実行中において装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるごとに、メイン液晶表示装置1600の表示領域のどの領域に予告演出を出現させるか、及びその出現させた予告演出をカラーからモノクロ(白黒)に変化させるか否かが設定されている。そして、保留数コマンドに応じて選択した領域占有パターン決定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出した領域占有パターン決定乱数とを比較し、領域占有パターンの種別を決定する(ステップS1306)。また、モノクロ予告演出を実行すると判別した場合には、モノクロ予告演出の実行中である旨を示すモノクロ予告実行フラグをセットし、周辺制御基板1510のRAMに記憶している(ステップS1307)。
一方、ステップS1302で新たな入賞に基づいた保留を除いて、既に保留されている分の変動パターンのいずれかが、「通常変動」の変動パターンではない(「リーチ変動」の変動パターンが含まれている)と判別した場合(NO)、または、ステップS1304でモノクロ予告演出を実行しないと判別した場合には(NO)、モノクロ予告演出を実行することなく、ステップS1308に移行する。上記したように、ステップS1302で新たな入賞に基づいた保留を除いて、既に保留されている分の変動パターンの全てが、「通常変動」の変動パターンであると判別した場合のみ、モノクロ予告演出を実行することを可能にすることで、「通常変動」の変動パターンに基づいた装飾図柄の変動表示ではリーチすら形成されず、大当りとなる期待を高めることができないが、そのような「通常変動」の変動パターンに対してモノクロ予告演出が実行されることにより、後述する白黒モードに突入する可能性があり、白黒モードに突入する期待を高めることができ、「通常変動」の変動パターンが繰り返されることによるつまらなさを解消することができる。
図160に示す領域占有パターン決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されており、事前判定コマンドから特定される保留数に応じたテーブルとして、複数種類の領域占有パターンのうちいずれかの領域占有パターンを決定するために用いるテーブルである。具体的には、保留数が1であるときに新たな入賞に基づいて保留が追加された場合に使用する領域占有パターン決定テーブルとして、図160(A)に示すように、領域占有パターン1〜4が設定されたテーブルが設けられ、保留数が2であるときに新たな入賞に基づいて保留が追加された場合に使用する領域占有パターン決定テーブルとして、図160(B)に示すように、領域占有パターン1〜18が設定されたテーブルが設けられ、保留数が3であるときに新たな入賞に基づいて保留が追加された場合に使用する領域占有パターン決定テーブルとして、図160(C)に示すように、領域占有パターン1〜39が設定されたテーブルが設けられている。
また、領域占有パターン決定テーブルに設定される領域占有パターンには、モノクロ予告演出の実行中において装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるごとに、メイン液晶表示装置1600の表示領域のどの領域に予告演出を出現させるか、及びその出現させた予告演出をカラーからモノクロ(白黒)に変化させるか否かが設定されている。具体的には、図160(A)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、既に保留されている1つの保留が消化される間に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のそれぞれの領域に予告演出が出現するように設定され、図160(B)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、既に保留されている2つの保留が消化される間に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のそれぞれの領域に予告演出が段階的に出現するように設定され、図160(C)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、既に保留されている3つの保留が消化される間に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のそれぞれの領域に予告演出が段階的に出現するように設定されている。
また、領域占有パターンを決定する際には、モノクロ予告演出の実行契機となった保留(新たな入賞に基づいて保留が追加された場合にモノクロ予告演出を実行することを決定したその保留)についての変動パターンが、「通常変動」の変動パターンであるか、「リーチ変動」の変動パターンであるか、に応じて、領域占有パターン決定テーブルから決定されることが可能な領域占有パターンが異なるようになっている。具体的には、図160(A)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、「通常変動」の変動パターンである場合に、領域占有パターン1,2のいずれかを決定し、「リーチ変動」の変動パターンである場合に、領域占有パターン3,4のいずれかを決定するようになっている。また、図160(B)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、「通常変動」の変動パターンである場合に、領域占有パターン1〜10のいずれかを決定し、「リーチ変動」の変動パターンである場合に、領域占有パターン11〜18のいずれかを決定するようになっている。また、図160(C)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、「通常変動」の変動パターンである場合に、領域占有パターン1〜22のいずれかを決定し、「リーチ変動」の変動パターンである場合に、領域占有パターン23〜39のいずれかを決定するようになっている。
上記のように、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンが「通常変動」の変動パターンである場合には、モノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されるよりも前に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のそれぞれの領域に予告演出が出現しながらも、その出現させた予告演出の一部または全部に対して特定演出(本例では、予告演出に対して点棒が突き刺さる演出)が実行されないようにし、その出現させた予告演出の一部または全部をカラーからモノクロ(白黒)に変化させないことで、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部がモノクロの予告演出で占有されないようにしている。つまり、モノクロ予告演出のガセを実行することで、白黒モードに突入する期待をもたせながらも、実際には白黒モードに突入しないようになっている。
また、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンが「リーチ変動」の変動パターンである場合には、モノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されるよりも前に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のそれぞれの領域に予告演出が出現し、その出現させた予告演出の全部に対して特定演出(本例では、予告演出に対して点棒が突き刺さる演出)が実行されることを契機として、その出現させた予告演出の全部をカラーからモノクロ(白黒)に変化させることで、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部がモノクロの予告演出で占有されるようにし、白黒モードに突入するようにしている。つまり、モノクロ予告演出を実行することにより、白黒モードに突入したときには、その装飾図柄の変動表示として必ずリーチを形成し、リーチ演出を実行することから、大当りとなる期待を高めることができるようになっている。また、メイン液晶表示装置1600の表示領域のそれぞれの領域に出現させた予告演出の全部に対して特定演出を実行した場合には、必ずメイン液晶表示装置1600の表示領域の全部がモノクロの予告演出で占有されるとともに、必ず白黒モードに突入することから、予告演出が出現したときに特定演出が実行されるかどうかに注目させることができるようになっている。一方、モノクロ予告演出のガセを実行したときには、白黒モードに突入することがなく、その白黒モードではない装飾図柄の変動表示としてリーチを形成することがなく(リーチ演出を実行することがなく)、大当りとなる期待を高めることができない。すなわち、白黒モードに突入したときには、大当りとなる期待(大当り期待度)が高いことを示唆する状態であり、白黒モードに突入しなかったときには、大当りとなる期待度(大当り期待度)が低いことを示唆する状態であるといえる。また、モノクロ予告演出では、メイン液晶表示装置1600の表示領域のそれぞれの領域に予告演出が段階的に出現しているが、その出現させた予告演出をカラーからモノクロ(白黒)に変化させることで、メイン液晶表示装置1600の表示領域に対してモノクロの予告演出が段階的に占有するようになり、モノクロの予告演出で占有された領域が広くなるほど、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部がモノクロの予告演出で占有される状態に近づくことから、白黒モードに突入する期待を高めることができる。また、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現する際に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち広い領域に対して予告演出が出現するほど、その出現させた予告演出をカラーからモノクロ(白黒)に変化させることで、その広い領域に対してモノクロの予告演出が占有することが可能となり、その広い領域に対してモノクロの予告演出が占有した場合には、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部がモノクロの予告演出で占有される状態に近づくことから、白黒モードに突入する期待を高めることができる。
また、領域占有パターン決定テーブルに設定される領域占有パターンには、モノクロ予告演出の実行契機となった保留を除いて、既に保留されている一部の保留が消化されるときに、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現しないように設定されている領域占有パターンがある。具体的には、図160(B)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、領域占有パターン1,2,11,12、図160(C)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、領域占有パターン1〜10,23〜30において、モノクロ予告演出の実行を決定したとしても、既に保留されている1つ目の保留が消化される際に、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現することがなく、既に保留されている次回以降の保留が消化される際に、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現するように設定されている。また、図160(B)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、領域占有パターン3,4、図160(C)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、領域占有パターン3,4,17〜22において、既に保留されている最後の保留が消化するよりも前に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のそれぞれの領域に予告演出が出現するようにし、既に保留されている最後の保留が消化される際に、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現しないように設定されている。これにより、既に保留されている保留に対して、モノクロ予告演出がいつ開始されるかや、いつ終了するかが分かり難くなることから、常にモノクロ予告演出が実行される期待をもって遊技を行うことができるようになっている。
ところで、領域占有パターンにおいて、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち予告演出を出現させる領域については、図161に示している。図161に示すように、メイン液晶表示装置1600の表示領域が四等分されており、表示領域の上方が領域A、表示領域の左方が領域B、表示領域の下方が領域C、表示領域の右方が領域Dに設定されている。本実施形態では、メイン液晶表示装置1600の表示領域を等分しているが、等分でなくてもよく、また、予告演出を出現させる領域の一部または全部がそれぞれ重複するように設定されていてもよい。
また、領域占有パターン決定テーブルに設定される領域占有パターンには、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち一部の領域に予告演出が出現した後、既に保留されている次回以降の保留が消化される際に、その既に予告演出が出現した一部の領域とは異なる領域において、新たな予告演出が出現するように設定されている。そして、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部の領域を予告演出が占有するまでは、予告演出が占有していない領域において、新たな予告演出が段階的に出現するように設定されている。例えば、図160(C)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、領域占有パターン31において、領域Cに予告演出が出現した後、既に保留されている2つ目の保留が消化される際に、領域Cとは異なる領域Dに予告演出が出現するようにし、さらに既に保留されている3つ目の保留が消化される際に、領域C,Dとは異なる領域A,Bに予告演出が出現するようにしている。このように、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち、予告演出が占有している領域とは異なる領域において、新たな予告演出が出現することから、その新たな予告演出を認識しやすく、複数種類の予告演出が同時期に出現したとしても、そのいずれの予告演出も遊技者が見逃しがたくなっている。また、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部の領域を予告演出が占有するまでは、予告演出が占有していない領域において、新たな予告演出が段階的に出現することを可能にすることで、予告演出が占有していない領域が存在する限りは、新たな予告演出が出現するかどうか(その出現させた予告演出に対して特定演出(本例では、予告演出に対して点棒が突き刺さる演出)を実行することを契機として、その出現させた予告演出をカラーからモノクロ(白黒)に変化させることで、その予告演出を出現させた領域がモノクロの予告演出で占有されるかどうか)に注目させることができるようになっている。
なお、領域占有パターン決定テーブルに設定される領域占有パターンには、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち一部の領域に予告演出が出現した後、既に保留されている次回以降の保留が消化される際に、その既に予告演出が出現した一部の領域が含まれるように、予告演出が出現するように設定してもよい。例えば、図160(C)に示す領域占有パターン決定テーブルでは、領域占有パターン37〜39において、領域B,C,Dのいずれかに予告演出が出現した後、既に保留されている3つ目の保留が消化される際に、その領域B,C,Dが含まれるように表示領域の全画面に対して、予告演出が出現するようにしている。
また、領域占有パターン決定テーブルには、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現することがなく、その予告演出が出現していない全画面(背景画像)に対して特定演出(本例では、全画面(背景画像)に対して点棒が突き刺さる演出)が実行される領域占有パターン(例えば、図160(A)に示す領域占有パターン決定テーブルにおける領域占有パターン3)が設定されている。このような領域占有パターンでは、領域A,B,C,Dに対して予告演出が出現しておらず、表示領域の全体に背景画像が表示されているが、その表示されている背景画像に対して特定演出(本例では、背景画像に対して点棒が突き刺さる演出)を実行することにより、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部がモノクロの背景画像で占有されることが可能になっている。そして、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部がモノクロの背景画像で占有された場合には、モノクロの予告演出で占有された場合と同じく、白黒モードに突入するようにしている。このため、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現しなかった場合には、大当りとなる期待を高めることができないが、一転して特定演出が実行される可能性が残されることで、白黒モードに突入する期待を高めることができる。また、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現し、その出現させた予告演出に対して特定演出が実行される場合(例えば、図160(A)に示す領域占有パターン決定テーブルにおける領域占有パターン4)よりも、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現することがなく、その予告演出が出現していない全画面(背景画像)に対して特定演出が実行されることを契機として、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部がモノクロの背景画像で占有された場合(例えば、図160(A)に示す領域占有パターン決定テーブルにおける領域占有パターン3)のほうが、実行される確率は低いが、白黒モードの突入後に大当りとなる確率が高くなっている。すなわち、大当りとなる場合には、はずれとなる場合よりも、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現することがなく、その予告演出が出現していない全画面(背景画像)に対して特定演出が実行される領域占有パターンを決定する確率が高くなっている。このため、メイン液晶表示装置1600の表示領域に予告演出が出現しなかった場合であっても、一転して特定演出が実行された場合(白黒モードに突入した場合)には大当りとなる確率が高く、大当りとなる期待を維持することができるようになっている。
また、領域占有パターン決定テーブルには、メイン液晶表示装置1600の表示領域の領域A,B,C,Dのそれぞれに予告演出が出現する領域占有パターン(例えば、図160(A)に示す領域占有パターン決定テーブルにおける領域占有パターン4)が含まれている。メイン液晶表示装置1600の表示領域の領域A,B,C,Dのそれぞれに予告演出が出現する領域占有パターンでは、領域A,B,C,Dに対して1つまたは複数の予告演出が出現し、1回の装飾図柄の変動表示でありながらも、その出現させた予告演出の全部に対して特定演出(本例では、予告演出に対して点棒が突き刺さる演出)を実行することにより、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部がモノクロの予告演出で占有されることが可能になっている。なお、メイン液晶表示装置1600の表示領域の領域A,B,C,D(全画面)に対して1つの予告演出が出現したときには、メイン液晶表示装置1600の表示領域の領域A,B,C,D(全画面)に対して複数の予告演出が出現したときよりも、白黒モードの突入後に大当りとなる確率が高くなっており、白黒モードに突入したときに大当りとなる期待をさらに高めることができるようになっている。
次いで、モノクロ予告演出実行処理では、モノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されるまでの間、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立するごとに、ステップS1306でモノクロ予告演出の領域占有パターンとして決定されたメイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部に出現させる予告演出の種別を決定するとともに、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全てがモノクロの予告演出で占有された場合には、モノクロ予告演出の結果として白黒モードに突入させる制御を行う。具体的には、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立したことに基づいて、主制御基板1310から変動開始コマンドが送信されたか否かを判別する(ステップS1308)。ステップS1308で主制御基板1310から変動開始コマンドが送信されたと判別した場合には(YES)、モノクロ予告実行フラグがセットされているか否かを判別する(ステップS1309)。ステップS1308で主制御基板1310から変動開始コマンドが送信されていない場合(NO)、ステップS1309でモノクロ予告実行フラグがセットされていない場合には(NO)、モノクロ予告実行処理を終了する。
また、ステップS1309でモノクロ予告実行フラグがセットされている場合には(YES)、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立したことに基づいて、主制御基板1310から変動開始コマンドが送信されることにより、モノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されるか否かを判別する(ステップS1310)。ステップS1310でモノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されるよりも前であると判別した場合には(NO)、ステップS1306で決定した領域占有パターンに基づいて、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち予告演出を出現させる領域として、モノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されるまでの残りの保留数に対応した領域を決定し、その領域に出現させる予告演出の種別が設定された予告演出パターンを決定するために用いる予告演出パターン決定テーブル(図示しない)を選択する。この予告演出パターンには、領域占有パターンとして決定した領域を占有することが可能であるように、単数または複数の予告演出の種別が設定されている。そして、領域占有パターンとして決定した領域と、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンの種別と、に基づいて、予告演出パターン決定テーブルを選択し、その選択した予告演出パターン決定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出した予告演出パターン決定乱数とを比較し、領域占有パターンとして決定した領域を占有するための予告演出の種別(予告演出パターン)を決定する(ステップS1311)。ここでは、モノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されるよりも前であって、主制御基板1310から変動開始コマンドが送信されることにより、「通常変動」の変動パターンに基づいて装飾図柄の変動表示が実行されるが、そのような装飾図柄の変動表示の実行中において、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部に、ステップS1311で決定した予告演出の種別を出現させるように演出を実行する(ステップS1312)。
なお、予告演出パターン決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されており、領域占有パターンとして決定した領域に応じたテーブルとして、その領域に出現させる予告演出の種別が設定された予告演出パターンを決定するために用いるテーブルである。具体的には、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域Aに予告演出が出現する場合に使用する予告演出パターン決定テーブルとして、領域Aを占有することが可能な予告演出が設定されたテーブルが設けられ、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域Bに予告演出が出現する場合に使用する予告演出パターン決定テーブルとして、領域Bを占有することが可能な予告演出が設定されたテーブルが設けられ、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域Cに予告演出が出現する場合に使用する予告演出パターン決定テーブルとして、領域Cを占有することが可能な予告演出が設定されたテーブルが設けられ、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域Dに予告演出が出現する場合に使用する予告演出パターン決定テーブルとして、領域Dを占有することが可能な予告演出が設定されたテーブルが設けられている。
また、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域A及び領域Bなどの複数の領域にまたがって予告演出が出現する場合には、領域A及び領域Bのいずれも占有することが可能な予告演出や、領域Aを占有することが可能な予告演出と領域Bを占有することが可能な予告演出との組み合わせ、が設定された予告演出パターン決定テーブルが設けられている。すなわち、モノクロ予告演出の実行時における予告演出は、領域占有パターンとして決定した領域を占有することが可能であればよく、複数の領域にまたがって出現する予告演出や、複数の予告演出の組み合わせであってもよい。
ここで、モノクロ予告演出の実行時において、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部に出現させることが可能な予告演出は、モノクロ予告演出の実行時以外にも同様に、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部に出現させることが可能となっている。このように、モノクロ予告演出の実行時以外には、大当りとなるか否かや、リーチ演出を実行するか否かの変動パターンに基づいて、複数種類の予告演出のそれぞれを実行するかを決定することで、予告演出の種別によって、大当りとなる期待度の高い予告演出と、大当りとなる期待度の低い予告演出と、があり、大当りとなる期待度の高い予告演出が出現したときには、大当りとなる期待を高めることができるようになる。
そして、モノクロ予告演出の実行時において、ステップS1311で領域占有パターンとして決定した領域に出現させる予告演出の種別を決定する際には、モノクロ予告演出の実行時以外における大当りとなる期待度の低い予告演出を高い確率で決定するようにしている。これにより、モノクロ予告演出の実行時以外において、大当りとなる期待度の低い予告演出が出現したとしても、大当りとなる期待を高めることができないが、大当りとなる期待度の低い予告演出が出現した後、その出現させた予告演出がカラーからモノクロ(白黒)に変化したときには、単なる予告演出ではなく、モノクロ予告演出の一環として実行されていることを判別することができ、大当りとなる期待度の低い予告演出が出現したとしても、モノクロ予告演出が実行される期待を高めることができるようになる。
また、モノクロ予告演出の実行時において、ステップS1311で領域占有パターンとして決定した領域に出現させる予告演出の種別を決定する際には、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンが、「通常変動」の変動パターンであるか、「リーチ変動」の変動パターンであるか、に応じて、モノクロ予告演出の実行時以外における大当りとなる期待度の高い予告演出を決定する確率が異なるようにしている。具体的には、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンが「リーチ変動」の変動パターンであるときに、「通常変動」の変動パターンであるときよりも、モノクロ予告演出の実行時以外における大当りとなる期待度の高い予告演出を高い確率で決定するようにしている。上記したように、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンが「リーチ変動」の変動パターンである場合には、白黒モードに突入するようにしているため、大当りとなる期待度の高い予告演出が出現した後、その出現させた予告演出がカラーからモノクロ(白黒)に変化したときには、モノクロ予告演出の結果として白黒モードに突入する確率が高くなり、その白黒モードに突入する期待を高めることができるようになる。
また、モノクロ予告演出の実行時において、ステップS1311で領域占有パターンとして決定した領域に出現させる予告演出の種別を決定する際には、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンが「リーチ変動」の変動パターンのうち、大当りとなる期待度の高いリーチ演出を実行する変動パターンであるか、大当りとなる期待度の低いリーチ演出を実行する変動パターンであるか、に応じて、モノクロ予告演出の実行時以外における大当りとなる期待度の高い予告演出を決定する確率が異なるようにしている。具体的には、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンが「リーチ変動」の変動パターンのうち、大当りとなる期待度の高いリーチ演出を実行する変動パターンであるとき(例えば、事前判定情報として「大当り1」〜「大当り12」、「リーチ1」〜「リーチ4」のうち「大当り3」、「大当り4」、「大当り7」、「大当り8」、「大当り11」、「大当り12」、「リーチ3」、「リーチ4」のいずれかに分類されていることが特定されている場合)に、大当りとなる期待度の低いリーチ演出を実行する変動パターンであるとき(例えば、事前判定情報として「大当り1」〜「大当り12」、「リーチ1」〜「リーチ4」のうち「大当り1」、「大当り2」、「大当り5」、「大当り6」、「大当り9」、「大当り10」、「リーチ1」、「リーチ2」のいずれかに分類されていることが特定されている場合)よりも、モノクロ予告演出の実行時以外における大当りとなる期待度の高い予告演出を高い確率で決定するようにしている。このため、大当りとなる期待度の高い予告演出がカラーからモノクロ(白黒)に変化することにより白黒モードに突入した場合には、大当りとなる期待度の高い予告演出がカラーからモノクロ(白黒)に変化することにより白黒モードに突入した場合よりも、白黒モードの実行中において大当りとなる期待度の高いリーチ演出を実行する確率が高くなり、大当りなる期待を高めることができる。
なお、モノクロ予告演出の実行時において、ステップS1311で領域占有パターンとして決定した領域に出現させる予告演出の種別を決定する際に、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての抽選結果が、大当りであるか、ハズレであるか、に応じて決定してもよく、その大当りであるか、ハズレであるか、に応じて、モノクロ予告演出の実行時以外における大当りとなる期待度の高い予告演出を決定する確率が異なるようにしてもよい。具体的には、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての抽選結果が大当りであるときに、ハズレであるときよりも、モノクロ予告演出の実行時以外における大当りとなる期待度の高い予告演出を高い確率で決定するようにしてもよい。このような場合にも、大当りとなる期待度の高い予告演出がカラーからモノクロ(白黒)に変化することにより白黒モードに突入した場合には、大当りとなる期待度の高い予告演出がカラーからモノクロ(白黒)に変化することにより白黒モードに突入した場合よりも、白黒モードの実行中において大当りとなる確率が高くなり、大当りなる期待を高めることができる。
また、モノクロ予告演出の実行時において、ステップS1311で領域占有パターンとして決定した領域に出現させる予告演出としては、ステップアップ予告演出を用いることもできる。ステップアップ予告演出とは、複数段階の各々に対応した演出画像を設け、大当りとなるか否かや、リーチ演出を実行するか否かの変動パターンに基づいて、複数段階のうち最初の段階から所定の段階に対応した演出画像を順次、出現させる演出である。また、ステップアップ予告演出では、所定の段階が高い段階であるほど、大当りとなる期待度が高くなるように設定されている。そして、複数段階のうち第1段階に対応した演出画像、第2段階に対応した演出画像、第3段階に対応した演出画像、第4段階に対応した演出画像のそれぞれを、例えば、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域A、領域B、領域C、領域Dに出現させるようにし、ステップアップ予告演出の段階が進行するほど、メイン液晶表示装置1600の表示領域において予告演出で占有される領域が増加するようにしている。
なお、上記のステップアップ予告演出を用いた場合について、複数段階のうち第1段階に対応した演出画像、第2段階に対応した演出画像、第3段階に対応した演出画像、第4段階に対応した演出画像のそれぞれを、例えば、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域A、領域A,B、領域A,B,C、領域A,B,C,Dに出現させるようにし、ステップアップ予告演出の段階が進行したときには、段階が進行する前の領域よりも大きくした領域に演出画像を表示することで、メイン液晶表示装置1600の表示領域において予告演出で占有される領域が増加するようにしてもよい。また、ステップアップ予告演出の第1段階が開始されたときには、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域Aに演出画像を出現させ、第2段階に進行したときには、領域Aから領域Bにまで演出画像を拡大させ、第3段階に進行したときには、領域A,Bから領域Cにまで演出画像を拡大させ、第4段階に進行したときには、領域A,B,C,Dにまで演出画像を拡大させるようにし、ステップ予告演出の段階が進行したときには、その予告演出の演出画像が表示される領域を拡大することで、メイン液晶表示装置1600の表示領域において予告演出で占有される領域が増加するようにしてもよい。また、ステップアップ予告演出の段階が進行したにも関わらず、メイン液晶表示装置1600の表示領域において予告演出で占有される領域が増加しなかったときには、大当りとなる確率を高くすることで、ステップ予告演出の段階が進行するか否かだけでなく、その予告演出で占有される領域が増加するか否かにも注目させることができるようになる。
一方、ステップS1310でモノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されると判別した場合には(YES)、そのモノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されるよりも前に、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全てがモノクロの予告演出で占有された場合には、メイン液晶表示装置1600の表示領域での背景画像をモノクロとする白黒モードに突入させるという演出を実行し、一方、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部がモノクロの予告演出で占有されなかった(モノクロ予告演出のガセであった)場合には、白黒モードに突入することなく、メイン液晶表示装置1600の表示領域での背景画像をカラーとし、通常時の背景画像を維持するという演出を実行する(ステップS1313)。また、モノクロ予告演出の実行契機となった保留が消化されると判別した場合には、モノクロ予告実行フラグをリセットし、周辺制御基板1510のRAMに記憶している(ステップS1314)。
上記したように、モノクロ予告演出の実行契機となった保留の消化時において、白黒モードに突入した場合には、メイン液晶表示装置1600の表示領域での背景画像をモノクロとし、白黒モードに突入しなかった場合には、通常時(白黒モード以外)の背景画像と同じく、メイン液晶表示装置1600の表示領域での背景画像をカラーとしており、背景画像の色数が異なるようにしている。このように、モノクロ予告演出を実行することにより、白黒モードに突入した場合には、その白黒モードでの装飾図柄の変動表示として必ずリーチを形成し、リーチ演出を実行することから、大当りとなる期待を高めることができるものであるが、背景画像がモノクロとなり、通常時よりも背景画像の色数が少なくなることで、通常時とは異なる印象を遊技者に与えることができ、大当りとなる期待と相まって期待を高めることができる。また、白黒モードに突入した場合には、背景画像がモノクロになるのに対して、その背景画像の前面には、通常時と同じく、装飾図柄の変動表示や、白黒モードの突入後に出現させることが可能な予告演出の画像がカラーで表示されることで、それらの抽選結果に関わる画像を背景画像に対比して際立たせることができる。すなわち、白黒モードに突入した場合には、それらの抽選結果に関わる画像を遊技者に認識しやすくすることにより、装飾図柄の変動表示や、予告演出の画像が出現したときにはその予告演出の画像に対して、通常時よりも遊技者に注目させることができる。一方、白黒モードに突入しなかった場合には、装飾図柄の変動表示としてリーチを形成することがなく(リーチ演出を実行することがなく)、大当りとなる期待を高めることができなくなっている。このため、白黒モードに突入しなかった場合には、装飾図柄の変動表示に期待ができず、また予告演出の画像が出現する確率が低いために予告演出にも期待ができないが、背景画像がカラーとなり、白黒モード時よりも背景画像の色数が多くなることで、予告演出の画像などが出現しなくても、遊技者に賑やかな印象を与えることができ、大当りとなる期待のなさを軽減することができる。
モノクロ予告演出の具体的な演出例について、図162及び図163を参照して説明する。図162及び図163には、保留数が2であるときに新たな入賞に基づいて追加された保留(モノクロ予告演出の実行契機となった保留)についての変動パターンが「リーチ変動」の変動パターン(事前判定情報として「大当り1」〜「大当り12」、「リーチ1」〜「リーチ4」のいずれかに分類)であり、図160(B)に示す保留2時の領域占有パターン決定テーブルを用いて、領域占有パターン15が決定された場合を示す。保留2時の領域占有パターン決定テーブルの領域占有パターン15では、既に保留されている1つ目の保留が消化される間に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域A,Bに予告演出が出現するように設定され、既に保留されている2つ目の保留が消化される間に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域C,Dに予告演出が出現するように設定されている。
まず、図162(A)に示すように、保留数が2であるときに新たな入賞に基づいて保留が追加された場合において、既に保留されている1つ目の保留が消化されることにより、メイン液晶表示装置1600の表示領域では、装飾図柄の変動表示が開始される。そして、装飾図柄の変動表示中においては、図162(B)に示すように、保留2時の領域占有パターン決定テーブルの領域占有パターン15に基づいて、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域A,Bにまたがった予告演出が出現する。具体的には、領域A,Bにまたがった予告演出として、麻雀をしている人物が麻雀牌を捨てるとともに、「これでどうだ!」と叫ぶという演出が実行される。このとき、領域A,Bにまたがった予告演出の実行中において、図162(C)に示すように、出現している予告演出に対して麻雀の点棒が突き刺さるという演出(特定演出)を実行することにより、その出現している予告演出をカラーからモノクロ(白黒)に変化させる。これにより、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域A,Bには、モノクロの予告演出が占有し続けることになり、図162(D)に示すように、メイン液晶表示装置1600の表示領域では、装飾図柄の変動表示がハズレ図柄(本例では、「153」の図柄)で停止される。この装飾図柄の変動表示については、カラーの色合いを維持することで、装飾図柄の変動表示が視認し難くなることを防止している。
次いで、次回の装飾図柄の変動表示が開始されるよりも前には、図162(E)に示すように、メイン液晶表示装置1600の表示領域の略中央において、「白黒チャンス!」という文字が小さく、且つ濃淡が薄くなった態様で表示されるとともに、メイン液晶表示装置1600の表示領域の上下左右のそれぞれに麻雀の点棒が出現することにより、領域A,Bにまたがった予告演出が単なる予告演出(モノクロ予告演出以外における予告演出)ではなく、モノクロ予告演出の実行が開始された旨を認識することができる。
次いで、図162(F)に示すように、次の保留(モノクロ予告演出の実行契機となった保留が追加されたときに既に保留されている2つ目の保留)が消化されることにより、メイン液晶表示装置1600の表示領域では、装飾図柄の変動表示が再び開始される。このとき、メイン液晶表示装置1600の表示領域の上下左右のそれぞれに出現していた麻雀の点棒は、その表示領域の領域外に飛散する。そして、装飾図柄の変動表示中においては、図162(G)に示すように、保留2時の領域占有パターン決定テーブルの領域占有パターン15に基づいて、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域C,Dにまたがった予告演出が出現する。具体的には、領域C,Dにまたがった予告演出として、麻雀をしている人物が麻雀牌を眺めながら、「勝てる!」と叫ぶという演出が実行される。このとき、領域C,Dにまたがった予告演出の実行中において、図162(H)に示すように、出現している予告演出に対して麻雀の点棒が突き刺さるという演出(特定演出)を実行することにより、その出現している予告演出をカラーからモノクロ(白黒)に変化させる。このように、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域A,Bだけでなく、領域C,Dにも、モノクロの予告演出が占有することにより、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全ての領域がモノクロの予告演出で占有されることになる。なお、モノクロ予告演出のガセである場合には、領域C,Dにまたがって出現している予告演出に対して点棒が突き刺さることがなく、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部の領域がモノクロの予告演出で占有されないことで、白黒モードに突入することがない。
次いで、図163(I)に示すように、メイン液晶表示装置1600の表示領域の略中央において、「白黒モードスタンバイ」という文字が表示されることにより、モノクロ予告演出の結果として白黒モードに突入することが予告されている旨を認識することができる。そして、図163(J)に示すように、メイン液晶表示装置1600の表示領域では、装飾図柄の変動表示がハズレ図柄(本例では、「153」の図柄)で停止される。その後、次回の装飾図柄の変動表示が開始されるよりも前には、図163(K)に示すように、メイン液晶表示装置1600の表示領域の略中央において、「白黒モード突入」という文字が大きく、且つ濃淡が濃くなった態様で表示されることにより、次回の装飾図柄の変動表示では、モノクロ予告演出の結果として白黒モードに突入する旨を明確に認識することができる。
次いで、図163(L)に示すように、次の保留(モノクロ予告演出の実行契機となった保留)が消化されることにより、メイン液晶表示装置1600の表示領域では、装飾図柄の変動表示が再び開始される。このとき、メイン液晶表示装置1600の表示領域には、白黒モードに突入することにより、背景画像がモノクロとなり、白黒モード以外の通常時の背景画像であるカラーとは異なる印象を与えることで、遊技者の期待を煽っている。そして、白黒モードに突入した場合には、図163(M)に示すように、モノクロ予告演出の実行契機となった保留についての変動パターンが「リーチ変動」の変動パターンであることに基づいて、装飾図柄の変動表示としてリーチ(本例では、「7」の図柄)を形成し、その後にリーチ演出を実行することから、大当りとなる期待を高めることができる。なお、抽選結果が大当りである場合には、装飾図柄の変動表示が大当り図柄(本例では、「7」の中図柄)で停止され、抽選結果がハズレである場合には、装飾図柄の変動表示がハズレ図柄(本例では、「7」以外の中図柄)で停止されるようになる。
なお、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部の領域に出現している予告演出に対して麻雀の点棒が突き刺さる前後においては、その出現している予告演出をカラーからモノクロ(白黒)に変化させるのみであり、予告演出として描写されているキャラクタなどの画像自体には変化がない。メイン液晶表示装置1600の表示領域における描写の座標位置を指定するデータや、その描写の配色を指定するデータについては、周辺制御基板1510のROMに記憶されているが、モノクロ予告演出の実行においては、メイン液晶表示装置1600の表示領域における描写の座標位置を指定するデータを共通して用いることができ、周辺制御基板1510のROMに記憶されるデータ量が増大することを防止することができる。
また、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部の領域に出現している予告演出に対して麻雀の点棒が突き刺さることにより、その領域をモノクロの予告演出が占有した際に、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうちモノクロの予告演出が占有した面積の割合を示すようにしてもよい。例えば、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち領域A,Bについて、モノクロの予告演出が占有したときには、サブ液晶表示装置3114の表示領域(メイン液晶表示領域1600の表示領域であってもよい)において、モノクロの予告演出が占有した面積の割合として「50%」と表示することで、モノクロの予告演出が占有した面積の割合や、モノクロの予告演出が占有しなければならない残りの面積の割合を明確に認識することができる。また、サブ液晶表示装置3114の表示領域において、モノクロの予告演出が占有した面積の割合を表示する場合において、メイン液晶表示装置1600の表示領域の一部または全部の領域をモノクロの予告演出が占有するよりも前に予告的に表示してもよく、このような場合には、サブ液晶表示装置3114の表示領域にも注目させることができ、モノクロの予告演出が占有するまでの過程を遊技者が安心して視認することができる。
また、本実施形態では、モノクロ予告演出の結果として白黒モードに突入した装飾図柄の変動表示のみが、白黒モードの対象となっており、白黒モードに突入した装飾図柄の変動表示が終了した時点で、白黒モードも終了するようになっているが、白黒モードに突入した装飾図柄の変動表示だけでなく、白黒モードに突入してから複数回の装飾図柄の変動表示にわたって白黒モードを継続するようにしてもよい。例えば、保留が途切れた場合であっても、複数回の装飾図柄の変動表示が行われるまで、白黒モードを継続するようにしてもよい。このように、白黒モードに突入してから複数回の装飾図柄の変動表示にわたって白黒モードを継続した場合には、白黒モードに突入した装飾図柄の変動表示において、大当りが得られなかったとしても、次回以降の装飾図柄の変動表示でも白黒モードが継続されることで、大当りとなる期待を持続させることができる。
以上の説明では、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部の領域をモノクロの予告演出が占有したとき、次回の装飾図柄の変動表示の開始時から白黒モードに突入するようにしたが、これに限られない。例えば、単数または複数回の装飾図柄の変動表示においてモノクロ予告演出を実行するようにし、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部の領域をモノクロの予告演出が占有したタイミングで、すなわちモノクロの予告演出が占有した時点での装飾図柄の変動表示内で、白黒モードに突入するようにし、白黒モードに突入したときにはその装飾図柄の変動表示内でリーチを形成(リーチ演出を実行)することで、モノクロの予告演出が占有した時点での装飾図柄の変動表示に対しても、大当りとなる期待を高めることができる。また、例えば、メイン液晶表示装置1600の表示領域に出現させることが可能な予告演出のうち、大当りとなる期待度(大当り期待度)が高く、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全部の領域(全画面)に表示される特定の高期待予告演出が出現した場合において、その特定の高期待予告演出に対して麻雀の点棒が突き刺さったときには、メイン液晶表示装置1600の表示領域の全ての領域がモノクロの予告演出で占有されることによって白黒モードに突入するようにすることで、保留が記憶されていない場合であっても、白黒モードに突入する期待を高めることができるようになる。
[11.保留予告演出]
本実施形態では、主制御基板1310から送信される事前判定コマンドに基づいた保留に関して、その保留が追加されてから当該保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行が終了するまでの間、メイン液晶表示装置1600に保留表示として表示しているが、その期間に装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるごとに保留表示の態様が変化することを可能にする保留予告演出を実行し、保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行時に表示されている最終的な保留表示の態様により、その装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に対する大当り期待度を示すという演出を実行している。すなわち、本実施形態では、装飾図柄の変動表示の待機中だけでなく、その待機していた装飾図柄の変動表示の実行が開始された後にも、メイン液晶表示装置1600に保留表示として継続して表示されるものであり、メイン液晶表示装置1600には、装飾図柄の変動表示の待機中である個数分(保留数分)の保留表示と、装飾図柄の変動表示が実行された後に継続して表示される保留表示として、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示と、がそれぞれ表示されるようになっている。この保留予告演出について、図164乃至図170を参照して説明する。図164は、周辺制御基板1510で実行される保留予告実行処理を示すフローチャートである。図165は、保留予告演出の実行における保留予告パターンを決定するために用いる保留予告決定テーブルである。図166は、周辺制御基板1510で実行される態様変化演出実行処理を示すフローチャートである。図167は、態様変化演出の実行における態様変化演出パターンを決定するために用いる態様変化演出決定テーブルの一例である。図168は、周辺制御基板1510で実行される態様変化示唆演出実行処理についてその手順を示すフローチャートである。図169は、周辺制御基板1510で実行される擬似連続変動時演出実行処理を示すフローチャートである。図170は、擬似連続変動時演出の実行における擬似連続変動時演出パターンを決定するために用いる擬似連続変動時演出パターン決定テーブルの一例である。
図164に示すように、上記演出制御処理(ステップS602)で実行される保留予告演出実行処理では、まず、主制御基板1310から送信される事前判定コマンドに基づいて保留を追加し、当該保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行を終了するまでの間、メイン液晶表示装置1600に表示される保留表示に対して保留予告演出を実行するか否かを決定する制御を行う。具体的には、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づいて、主制御基板1310から事前判定コマンドが送信されたか否かを判別する(ステップS1401)。ステップS1401で主制御基板1310から事前判定コマンドが送信されていないと判別した場合には(NO)、メイン液晶表示装置1600に保留表示を追加することがなく、ステップS1409に移行する。また、ステップS1401で主制御基板1310から事前判定コマンドが送信されたと判別した場合には(YES)、モノクロ予告実行フラグがセットされていることによりモノクロ予告演出の実行中であるか否か、または、後述する保留予告実行フラグがセットされていることにより保留予告演出の実行中であるか否かを判別する(ステップS1402)。そして、ステップS1402でモノクロ予告演出または保留予告演出の実行中であると判別した場合には(YES)、メイン液晶表示装置1600に保留表示を追加するが(ステップS1408)、当該保留表示に対しては保留予告演出を実行することがなく、ステップS1409に移行する。
上記のように、本実施形態では、メイン液晶表示装置1600に表示される保留表示のうち二個以上の保留表示に対して保留予告演出を同時に実行することがないが、メイン液晶表示装置1600に既に表示される保留表示に対して保留予告演出の実行中である場合であっても、新たに追加して表示される保留表示に対して保留予告演出を実行することを可能としてもよい。ただし、メイン液晶表示装置1600に表示される二個以上の保留表示のうちいずれか一つの保留表示に対して、後述する態様変化演出、態様変化示唆演出、擬似連続変動時演出のいずれかの演出を実行する場合には、その一つの保留表示を除いた保留表示に対しては、態様変化演出、態様変化示唆演出、擬似連続変動時演出のいずれの演出も実行しないようにする。これにより、メイン液晶表示装置1600の表示領域において、二個以上の保留表示に対して態様変化演出、態様変化示唆演出、擬似連続変動時演出を同時に実行することがなく、演出が混在するのを防止している。
一方、ステップS1402でモノクロ予告演出及び保留予告演出のいずれも実行中ではないと判別した場合には(NO)、保留表示に対して保留予告演出を実行するか否かを決定するために用いる保留予告判定テーブル(図示しない)を選択した後、その選択した保留予告判定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出した保留予告判定乱数とを比較し、保留予告演出を実行するか否かを判別する(ステップS1403)。具体的には、保留予告判定乱数が保留予告判定テーブルに設定された判定値と一致した場合には、保留予告演出を実行すると判別し(ステップS1403にてYES)、一致しなかった場合には、保留予告演出を実行しないと判別する(ステップS1403にてNO)。なお、保留予告判定テーブルでは、事前判定コマンドに基づいた保留についての抽選結果が、大当りで(または小当り)あるか、ハズレであるか、に応じて、保留予告演出を実行するか否かを判別するようにし、大当り(または小当り)である場合には、ハズレである場合よりも保留予告演出を実行すると判別する確率が高くなるように設定されている。
また、ステップS1403で保留予告を実行すると判定した場合には(YES)、主制御基板1310から送信された事前判定コマンドに応じた保留予告決定テーブル、すなわち事前判定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)及び事前判定情報(ハズレ、大当り1〜大当り12、リーチ1〜リーチ4)に対応した保留予告決定テーブルを選択した後(ステップS1404)、その選択した保留予告決定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出した保留予告決定乱数とを比較し、保留予告決定テーブルに設定された保留予告パターンの種別を決定する(ステップS1405)。そして、保留予告演出の実行中である旨を示す保留予告実行フラグをセットするとともに、ステップS1405で決定した保留予告パターンの種別をセットし、保留予告パターンに基づいた保留表示の態様でメイン液晶表示装置1600に保留表示を追加して表示する(ステップS1407)。なお、保留予告実行フラグや保留予告パターンの種別については、周辺制御基板1510のRAMに記憶されているが、保留予告演出の終了時、すなわち保留予告演出の実行対象である保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行が終了するときに、リセットするようにしている。
一方、ステップS1403で保留予告を実行しないと判定した場合には(NO)、メイン液晶表示装置1600に保留表示を追加するが(ステップS1408)、当該保留表示に対しては保留予告演出を実行することがなく、ステップS1409に移行する。なお、保留表示に対して保留予告演出を実行しない場合には、メイン液晶表示装置1600に表示される保留表示の態様として、保留表示が白色(基本色)で表示されるようになっている。
図165に示す保留予告決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されており、保留表示に対して保留予告演出を実行する場合において、主制御基板1310から送信された事前判定コマンド毎、すなわち保留数(保留記憶数)及び事前判定情報(ハズレ、大当り1〜大当り12、リーチ1〜リーチ4)毎に保留予告パターンの種別を決定するために用いるテーブルである。具体的には、保留1点灯時(保留数=1)に使用する保留予告決定テーブルとして、図165(A)に示すように事前判定情報毎に対応するテーブルが設けられ、保留2点灯時(保留数=2)に使用する保留予告決定テーブルとして、図165(B)に示すように事前判定情報毎に対応するテーブルが設けられ、保留3点灯時(保留数=3)に使用する保留予告決定テーブルとして、図165(C)に示すように事前判定情報毎に対応するテーブルが設けられ、保留4点灯時(保留数=4)に使用する保留予告決定テーブルとして、図165(D)に示すように事前判定情報毎に対応するテーブルが設けられている。
ここで、事前判定コマンドに応じた保留予告決定テーブル、すなわち事前判定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)及び事前判定情報(ハズレ、大当り1〜大当り12、リーチ1〜リーチ4)に対応した保留予告決定テーブルに設定された複数種類の保留予告パターンについて説明する。これらの保留予告パターンには、保留予告演出の実行中において装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるごとに(保留が消化されるごとに)、メイン液晶表示装置1600に表示される保留表示の態様がどのように変化するのかが設定されている。また、本実施形態では、保留予告の実行対象である保留が消化される前だけでなく、当該保留を消化する際、その消化に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行中においても、メイン液晶表示装置1600に保留表示を継続して表示するようにしている。このため、保留1点灯時(保留数=1)に使用する保留予告決定テーブルには、保留予告の実行対象である保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示が終了するまでの間に装飾図柄の変動表示が1回開始されることから、保留表示の態様が1回変化することを可能とするように2回分の保留表示の態様が設定された保留予告パターンが関連付けされ、保留2点灯時(保留数=2)に使用する保留予告決定テーブルには、保留予告の実行対象である保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示が終了するまでの間に装飾図柄の変動表示が2回開始されることから、保留表示の態様が2回変化することを可能とするように3回分の保留表示の態様が設定された保留予告パターンが関連付けされ、保留3点灯時(保留数=3)に使用する保留予告決定テーブルには、保留予告の実行対象である保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示が終了するまでの間に装飾図柄の変動表示が3回開始されることから、保留表示の態様が3回変化することを可能とするように4回分の保留表示の態様が設定された保留予告パターンが関連付けされ、保留4点灯時(保留数=4)に使用する保留予告決定テーブルには、保留予告の実行対象である保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示が終了するまでの間に装飾図柄の変動表示が4回開始されることから、保留表示の態様が4回変化することを可能とするように5回分の保留表示の態様が設定された保留予告パターンが関連付けされるかたちで記憶されている。
また、保留予告パターンに設定された保留表示の態様としては、保留表示が白(基本色)、青色、緑色、赤色、てんとう虫柄のいずれかで表示されるように五個の態様が用意されている。そして、保留予告決定テーブルから保留予告パターンを決定する際には、保留表示の態様が最後まで変化した結果として、白色→青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、事前判定情報として抽選結果が大当り(大当り1〜大当り12)と特定したときに最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様(例えば、赤色やてんとう虫柄)となる保留予告パターンを高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果がハズレ(ハズレ、リーチ1〜リーチ4)と特定したときに最終的な保留表示の態様として大当り期待度の低い態様(例えば、青色)となる保留予告パターンを高い確率で決定することにより、最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様が表示されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
なお、保留予告パターンには、保留表示の態様が白色→青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序とは逆の順序で変化しない(すなわち、大当り期待度が低下しない)ように設定されており、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)が実行されるごとに(保留が消化されるごとに)保留表示の態様が維持されるか、又は大当り期待度の高い態様となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い態様で保留表示の態様が表示されたとしても、保留予告の実行対象である保留の消化に基づいた装飾図柄の変動表示が終了するまでは保留表示の態様が大当り期待度の高い態様に変化する可能性が残されており、保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告パターンには、必ずしも保留表示の態様を白色(基本色)で表示した後に青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序で変化させる必要はなく、途中の態様から開始する(例えば、保留1点灯時の保留予告パターン番号5により突然、赤色で開始する)、途中の態様を経由することなく次の態様に変化する(例えば、保留1点灯時の保留予告パターン番号6により白色からてんとう虫柄に変化する)ようにも設定されている。このため、保留表示の態様が変化する機会(保留数)が少なかったとしても、大当り期待度の高い態様で保留表示の態様が表示されることを可能としている。また、大当り期待度の低い態様で保留表示の態様が表示されたとしても、次の態様がいずれの態様に変化するかを予測することができず、保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告決定テーブルには、保留数コマンドから事前判定情報として大当り1〜8を特定した場合のみ、最終的な保留表示の態様としててんとう虫柄となる保留予告パターン(保留1点灯時の保留予告パターン番号6,7、保留2点灯時の保留予告パターン番号8〜11、保留3点灯時の保留予告パターン番号11〜15、保留4点灯時の保留予告パターン番号11〜15)を決定することが可能に設定されている。このため、保留表示の態様がてんとう虫柄で表示された場合には、当該保留表示の消化時に抽選結果が特定2〜8の大当り、非特定2の大当りのいずれかであり、大当り遊技のうち多くの賞球を獲得することが可能な大当り遊技(例えば、第一大入賞口2005又は第二大入賞口2006を遊技球が入球可能な態様で開閉制御する4R〜16R大当り遊技)を実行することが確定し、大当り遊技に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報としてハズレを特定した場合、保留表示に対して保留予告演出を実行するとしても、必ず、最終的な保留表示の態様として青色で表示する保留予告パターン(保留1〜4点灯時の保留予告パターン番号1)を決定するのに対し、事前判定コマンドから事前判定情報として大当り1〜12又はリーチ1〜4を特定した場合、最終的な保留表示の態様として青色で表示する保留予告パターン以外の保留予告パターンも決定することが可能に設定されている。このため、保留表示の態様が緑色、赤色、てんとう虫柄のいずれかの態様で表示された場合には、当該保留表示の消化時に少なくともリーチとなってリーチ演出を実行することが確定し、大当り遊技に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報として大当り9〜12を特定した場合よりも大当り5〜8を特定した場合、さらに大当り1〜4を特定した場合のほうが、最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様となる保留予告パターン(例えば、保留1点灯時の保留予告パターン番号4〜7、保留2点灯時の保留予告パターン番号5〜11、保留3点灯時の保留予告パターン番号7〜15、保留4点灯時の保留予告パターン番号7〜15)を高い確率で決定するように設定されている。このため、保留表示の態様が大当り期待度の高い態様で表示された場合には、当該保留表示の消化時に抽選結果が大当りとなった際に、その大当りが大当り1〜4(特定7,8の大当り)である確率が高くなり、大当り遊技のうちラウンド数の多い大当り遊技(例えば、特定7の大当りでの10R大当り遊技や、特定8の大当りでの16R大当り遊技)を実行する確率が高く、大当り遊技に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報としてリーチ1,4,7を特定した場合よりもリーチ2,5,8を特定した場合、さらにリーチ3,6,9を特定した場合のほうが、最終的な保留表示の態様として大当り期待度の高い態様となる保留予告パターン(例えば、保留1点灯時の保留予告パターン番号4,5、保留2点灯時の保留予告パターン番号5〜7、保留3点灯時の保留予告パターン番号7〜10、保留4点灯時の保留予告パターン番号7〜10)を高い確率で決定するように設定されている。このため、保留表示の態様が大当り期待度の高い態様で表示された場合には、当該保留表示の消化時に大当り期待度の高いリーチ演出(例えば、特定以外の強SPリーチや、特定の強SPリーチ)を実行する確率が高く、大当り遊技に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
次いで、保留予告演出実行処理では、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立するごとに、メイン液晶表示装置1600に表示された保留表示をシフトして表示するとともに、その保留表示に対して態様変化演出、態様変化示唆演出、擬似連続変動時演出のいずれかを実行するか否かを決定する制御を行う。具体的には、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立したことに基づいて、主制御基板1310から変動パターンコマンド(変動開始コマンド)が送信されたか否か、すなわち保留を消化して装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を実行するか否かを判別する(ステップS1409)。ステップS1409で主制御基板1310から変動パターンコマンドが送信されておらず、保留を消化しないと判別した場合には(NO)、メイン液晶表示装置1600に表示された保留表示をシフトすることがなく、保留予告演出実行処理を終了する。
また、ステップS1409で主制御基板1310から変動パターンコマンド(変動開始コマンド)が送信されることにより、保留を消化すると判別した場合には(YES)、その変動パターンコマンドから特定される変動パターンに「擬似連続変動」が含まれているか否かを判別する(ステップS1410)。そして、ステップS1410で変動パターンコマンドから特定される変動パターンに「擬似連続変動」が含まれていると判別した場合には(YES)、後述する擬似連続変動時演出実行処理(ステップS1416)を実行した後、保留予告演出実行処理を終了する。
ここで、「擬似連続変動」とは、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の入賞が一回でありながらも、メイン液晶表示装置1600において、複数の装飾図柄列が複数回にわたって変動表示するかのように複数の装飾図柄列を変動表示させる演出であって、複数の装飾図柄列の変動表示が開始された後、所定の装飾図柄が仮停止表示されることを条件に、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始するようになっている。また、複数の装飾図柄列の変動表示では、装飾図柄が左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順に停止表示(仮停止表示)されるが、中装飾図柄が停止表示(仮停止表示)される際に、「擬似連続変動」の所定の装飾図柄として、通常時には出現することのない「擬似連」と描かれた装飾図柄が出現するようになっている。なお、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始する際には、所定の装飾図柄が仮停止表示されることが条件となっているが、このような条件に限らず、再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始されることを示唆するものであってもよい。また、所定の装飾図柄が仮停止表示されることを条件に、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始する回数(再変動回数)としては、1〜3回が設定されており、再変動回数が1回である場合には、複数の装飾図柄列が2回にわたって変動表示するかのように、再変動回数が2回である場合には、複数の装飾図柄列が3回にわたって変動表示するかのように、再変動回数が3回である場合には、複数の装飾図柄列が4回にわたって変動表示するかのように、複数の装飾図柄列が変動表示するようになっている。また、「擬似連続変動」の再変動回数が実行された後には、リーチとなってリーチ演出を実行するか、リーチとならないハズレ図柄を停止表示するか、のいずれかを実行するようになっている。
また、抽選結果が大当り時には、ハズレ時よりも高い割合で「擬似連続変動」が含まれる変動パターンを決定することで、所定の装飾図柄が仮停止表示されることを条件に、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始すると、抽選結果が大当りとなる割合(大当り期待度)が高くなり、大当り遊技に対する期待感を高めることができる。また、抽選結果が大当り時には、ハズレ時よりも高い割合で「擬似連続変動」が含まれる変動パターンを決定する際に、「擬似連続変動」として多くの再変動回数が設定された変動パターンを決定することで、「擬似連続変動」の再変動回数が多く実行されるほど、抽選結果が大当りとなる割合(大当り期待度)が高くなり、大当り遊技に対する期待感を高めることができる。
また、ステップS1410で変動パターンコマンドから特定される変動パターンに「擬似連続変動」が含まれていないと判別した場合には(NO)、保留表示に対して態様変化演出を実行するか否かを決定するために用いる態様変化演出判定テーブル(図示しない)を選択した後、その選択した態様変化演出判定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出した態様変化演出判定乱数とを比較し、保留表示に対して態様変化演出を実行するか否かを判別する(ステップS1411)。具体的には、態様変化演出判定乱数が態様変化演出判定テーブルに設定された判定値と一致した場合には、保留表示に対して態様変化演出を実行すると判別し(ステップS1411にてYES)、一致しなかった場合には、保留表示に対して態様変化演出を実行しないと判別する(ステップS1411にてNO)。そして、ステップS1411で保留表示に対して態様変化演出を実行すると判別した場合には(YES)、後述する態様変化演出実行処理(ステップS1412)を実行した後、保留予告演出実行処理を終了する。なお、態様変化演出判定テーブルでは、保留予告演出の実行中であり、且つ、保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングであるか否かに応じて、態様変化演出を実行するか否かを判別するようにし、そのような保留表示の態様が変化するタイミングであると決められている場合には、保留表示の態様が変化するタイミングではないと決められている場合よりも態様変化演出を実行すると判別する確率が高くなるように設定されている。これにより、保留表示に対して態様変化演出が実行された場合には、保留表示の態様が大当り期待度の高い態様に変化する確率が高く(態様変化演出がガセではない確率が高く)、態様変化演出に対して遊技者の期待が高まるようになっている。
また、ステップS1411で保留表示に対して態様変化演出を実行しないと判別した場合には(NO)、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行するか否かを決定するために用いる態様変化示唆演出判定テーブル(図示しない)を選択した後、その選択した態様変化示唆演出判定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出した態様変化示唆演出判定乱数とを比較し、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行するか否かを判別する(ステップS1413)。具体的には、態様変化示唆演出判定乱数が態様変化示唆演出判定テーブルに設定された判定値と一致した場合には、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行すると判別し(ステップS1413にてYES)、一致しなかった場合には、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行しないと判別する(ステップS1413にてNO)。そして、ステップS1413で保留表示に対して態様変化示唆演出を実行すると判別した場合には(YES)、後述する態様変化示唆演出実行処理(ステップS1414)を実行した後、保留予告演出実行処理を終了する。なお、態様変化示唆演出判定テーブルでは、保留予告演出の実行中であり、且つ、保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングであるか否かに応じて、態様変化示唆演出を実行するか否かを判別するようにし、そのような保留表示の態様が変化するタイミングであると決められている場合には、保留表示の態様が変化するタイミングではないと決められている場合よりも態様変化示唆演出を実行すると判別する確率が高くなるように設定されている。これにより、保留表示に対して態様変化示唆演出が実行された場合には、保留表示の態様が大当り期待度の高い態様に変化する確率が高く(態様変化示唆演出がガセではない確率が高く)、態様変化示唆演出に対して遊技者の期待が高まるようになっている。
また、ステップS1413で保留表示に対して態様変化示唆演出を実行しないと判別した場合には(NO)、メイン液晶表示装置1600に表示された全ての保留表示をシフトして表示する(ステップS1415)。ただし、保留予告演出の実行中である場合には、その保留予告演出の実行対象である保留表示をシフトして表示する際に、保留予告パターンに基づいた保留表示の態様で表示するのに対し、保留予告演出の実行中ではない場合には、保留表示をシフトして表示する際に、保留表示の態様を白色(基本色)で維持して表示する。また、保留予告演出の実行中であり、その保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が変化するタイミングであると決められている場合には、保留表示の態様を変化して表示するのに対し、その保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が変化するタイミングではないと決められている場合には、保留表示の態様を維持して表示する。なお、保留予告パターンに基づいて、保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が変化するタイミングであると決められている場合のうち、ステップS1415のように、その保留表示に対して態様変化演出、態様変化示唆演出、擬似連続変動時演出のいずれも実行しない場合には、その保留表示をシフトして表示する際に(保留の消化時、つまり装飾図柄の変動開始時に)保留表示の態様を変化して表示するが、その保留表示に対して態様変化演出、態様変化示唆演出、擬似連続変動時演出のいずれかを実行する場合には、その保留表示をシフトして表示する際に保留表示の態様を維持して表示した後(保留を消化して装飾図柄の変動表示を開始した後)、いずれかの実行される演出内において保留表示の態様を変化して表示するようになっている。
図166に示すように、上記保留予告演出実行処理のステップS1412で実行される態様変化演出実行処理では、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示に対して態様変化演出を実行する場合において、その態様変化演出内において保留表示の態様を変化可能とする複数回(本例では3回)のタイミングを付与し、各々のタイミングで保留表示の態様をどのように変化させるかを決定する制御を行う。具体的には、保留予告実行フラグがセットされていることにより保留予告演出の実行中であるか否かを判別する(ステップS1501)。そして、ステップS1501で保留予告演出の実行中であると判別した場合には(YES)、保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングであるか否かを判別する(ステップS1502)。
また、ステップS1502で保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングであると判別した場合には(YES)、その保留表示の態様の変化に応じた態様変化演出決定テーブルを選択した後(ステップS1503)、その選択した態様変化演出決定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出した態様変化演出決定乱数とを比較し、態様変化演出決定テーブルに設定された態様変化演出パターンの種別を決定する(ステップS1504)。そして、保留予告の実行対象である保留表示を態様変化演出の実行対象とし、その保留表示をシフトして表示する際に保留表示の態様を維持して表示した後(保留を消化して装飾図柄の変動表示を開始した後)、その保留表示に対して態様変化演出を実行し、その態様変化演出内において保留表示の態様を変化可能とする3回のタイミングで、態様変化演出パターンに基づいて保留表示の態様が変化するように表示する(ステップS1505)。
一方、ステップS1501で保留予告演出の実行中ではないと判別した場合(NO)、または、ステップS1502で保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングではないと判別した場合には(NO)、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうちいずれかの保留表示を態様変化演出の実行対象とするが、保留表示の態様が変化するタイミングではないと決められているため、保留表示に対して態様変化演出が実行されたとしても、その保留表示の態様が変化することがない。すなわち、態様変化演出の実行対象である保留表示をシフトして表示する際に保留表示の態様を維持して表示した後(保留を消化して装飾図柄の変動表示を開始した後)、その保留表示に対して態様変化演出を実行することにより保留表示の態様が変化するかのような演出(態様変化演出ガセ)を実行するが、その態様変化演出内において保留表示の態様を変化可能とする3回のタイミングで、保留表示の態様が変化しないように表示している(ステップS1506)。
本実施形態では、メイン液晶表示装置1600に表示されている全ての保留表示に対して態様変化演出が実行されない場合には、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行中において、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち所定の位置(本例では、表示領域の下方)に、各々の保留表示が固定して表示されている。一方、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうちいずれかの保留表示に対して態様変化演出が実行される場合には、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行開始時において、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち所定の位置(本例では、表示領域の下方)に、各々の保留表示が固定して表示された後、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行中において、メイン液晶表示装置1600の表示領域の中央部付近に、態様変化演出の実行対象である保留表示を移動し、その保留表示の態様が変化するかどうかを認識させる演出を実行している。なお、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうち、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の待機中の保留表示と、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行時の保留表示と、のいずれの保留表示に対しても態様変化演出を実行することが可能になっている。具体的には、態様変化演出では、メイン液晶表示装置1600の表示領域の中央部付近において、保留表示の態様が変化することが可能な位置として第1変化位置、第2変化位置、第3変化位置が設けられており、態様変化演出の実行対象である保留表示が、所定の位置から第1変化位置→第2変化位置→第3変化位置に順に移動するようにし、その後に所定の位置に戻るように表示されている。このように、保留表示に対して態様変化演出が実行されることにより、保留表示が所定の位置から移動した場合には、保留表示の態様が変化する3回のタイミングが付与されることから、保留表示の態様が変化するかどうかに対して期待をもって遊技者に注目させることができる。
上記した態様変化演出決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されており、保留表示に対する態様変化演出の実行中において、保留予告パターンに基づいた保留表示の態様の変化が実行されるように設定された態様変化演出パターンの種別を決定するために用いるテーブルである。例えば、保留予告パターンに基づいて保留表示の態様が白色→てんとう虫柄に変化するタイミングである場合、すなわち保留1点灯時(保留数=1)の保留予告パターン番号6の白色→てんとう虫柄の変化時、保留2点灯時(保留数=2)の保留予告パターン番号8の白色→てんとう虫柄の変化時、保留3点灯時(保留数=3)の保留予告パターン番号11の白色→てんとう虫柄の変化時、保留4点灯時(保留数=4)の保留予告パターン番号11の白色→てんとう虫柄の変化時である場合には、図167に示すように、15種類の態様変化演出パターンが設定された態様変化演出決定テーブルが用いられる。これらの態様変化演出パターンには、態様変化演出の実行中の保留表示が、所定の位置から第1変化位置→第2変化位置→第3変化位置に順に移動するごとに、その保留表示の態様がどのように変化するのかが設定されており、最終的な第3変化位置での保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいた保留表示の態様(図167では、てんとう虫柄)となるように設定されている。なお、本実施形態では、態様変化演出が実行される場合において、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行開始時には、態様変化演出の実行対象である保留表示の態様が所定の位置で変化することはなく、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行中には、態様変化演出の実行対象である保留表示が所定の位置から移動した際に、態様変化演出パターンに基づいてその保留表示の態様が変化することを可能にしているが、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行開始時にも、態様変化演出の実行対象である保留表示の態様が所定の位置で変化することを可能にしてもよい。
なお、態様変化演出パターンには、保留予告パターンと同じく、保留表示の態様が白色(基本色)→青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序とは逆の順序で変化しない(すなわち、大当り期待度が低下しない)ように設定されており、態様変化演出の実行中の保留表示が位置を移動するごとに、保留表示の態様が維持されるか、又は大当り期待度の高い態様となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い態様で保留表示の態様が表示されたとしても、態様変化演出における保留表示の態様が変化する3回のタイミングが終了するまでは保留表示の態様が大当り期待度の高い態様に変化する可能性が残されており、態様変化演出の実行中の保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、態様変化演出パターンには、保留予告パターンと同じく、必ずしも保留表示の態様を白色(基本色)→青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序で順に変化させる必要はなく、途中の態様を経由することなく次の態様に変化する(例えば、態様変化演出パターン番号1により3回目のタイミングで白色からてんとう虫柄に変化する)ようにも設定されている。このため、大当り期待度の低い態様で保留表示の態様が表示されたとしても、態様変化演出の実行中に次の態様がいずれの態様に変化するかを予測することができず、態様変化演出における保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
図168に示すように、上記保留予告演出実行処理のステップS1414で実行される態様変化示唆演出実行処理では、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示に対して態様変化示唆演出を実行する場合において、装飾図柄の変動表示における装飾図柄の停止図柄の色(複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの色)によって保留表示の態様がどのように変化するかを事前に示唆するようにし、その装飾図柄の停止図柄をどのような色の停止図柄で停止表示させるかを決定する制御を行う。具体的には、保留予告実行フラグがセットされていることにより保留予告演出の実行中であるか否かを判別する(ステップS1601)。そして、ステップS1601で保留予告演出の実行中であると判別した場合には(YES)、保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングであるか否かを判別する(ステップS1602)。
また、ステップS1602で保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングであると判別した場合には(YES)、複数の装飾図柄の停止図柄を決定する際に、それぞれの停止図柄が、抽選結果が大当りであるかどうか、抽選結果がハズレである場合にリーチとするかどうか、に関係して決定するだけでなく、少なくともいずれかの停止図柄が、その変化後の保留表示の態様に対応した色を有するように決定する(ステップS1603)。そして、保留予告の実行対象である保留表示を態様変化演出の実行対象とし、装飾図柄の変動表示を開始するとともに、その保留表示をシフトして表示する際に保留表示の態様を維持して表示した後、複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの停止図柄が停止表示したときに態様変化示唆演出によりその装飾図柄の停止図柄の色が保留表示の態様に影響を及ぼし、その装飾図柄の停止図柄の色と同じ色となるように保留表示の態様が変化するように表示する(ステップS1604)。
一方、ステップS1601で保留予告演出の実行中ではないと判別した場合(NO)、または、ステップS1602で保留予告演出の実行対象である保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングではないと判別した場合には(NO)、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうちいずれかの保留表示を態様変化示唆演出の実行対象とするが、保留表示の態様が変化するタイミングではないと決められているため、装飾図柄の変動表示において態様変化示唆演出が実行されたとしても、その保留表示の態様が変化することがない。すなわち、装飾図柄の変動表示を開始するとともに、態様変化示唆演出の実行対象である保留表示をシフトして表示する際に保留表示の態様を維持して表示した後、複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの停止図柄が停止表示したときに態様変化示唆演出によりその装飾図柄の停止図柄の色が保留表示の態様に影響を及ぼすかのような演出(態様変化示唆演出ガセ)を実行するが、保留表示の態様が変化しないように表示している(ステップS1605)。この場合、複数の装飾図柄の停止図柄を決定する際には、それぞれの停止図柄が、保留表示の態様に対応した色であるか否かは関係がなく決定するようにし、抽選結果が大当りであるかどうか、抽選結果がハズレである場合にリーチとするかどうか、のみに関係して決定している。
上記したように、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうちいずれかの保留表示に対して態様変化示唆演出が実行される場合には、装飾図柄の変動表示における装飾図柄の停止図柄の色(複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの色)によって保留表示の態様がどのように変化するかを事前に示唆するように演出を実行している。なお、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうち、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の待機中の保留表示と、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の実行時の保留表示と、のいずれの保留表示に対しても態様変化示唆演出を実行することが可能になっている。具体的には、複数の装飾図柄として「1」〜「9」の数字図柄が用意されており、「2」「4」「6」「8」の数字図柄が青色で、「1」「5」「9」の数字図柄が緑色で、「3」「7」の数字図柄が赤色で構成されている。すなわち、保留表示の態様として白色(基本色)から変化することが可能な色である青色、緑色、赤色、てんとう虫柄のうち青色に対応した装飾図柄として「2」「4」「6」「8」の青色の数字図柄、緑色に対応した装飾図柄として「1」「5」「9」の緑色の数字図柄、赤色に対応した装飾図柄として「3」「7」の赤色の数字図柄がそれぞれ用意されている。なお、装飾図柄の停止図柄の色数については、保留表示の態様の色数よりも少なくなるように構成されているが、保留表示の態様の色数と同数だけ用意されていてもよい。例えば、装飾図柄の色として白色が用意されていないが、態様変化示唆演出により装飾図柄の停止図柄の白色によって保留表示の態様が白色に変化(維持)したとしても、その白色(基本色)が大当り期待度の低い態様であるため、遊技者が何ら期待をもつことができないといったことを防止することができる。
そして、保留予告パターンに基づいて変化する保留表示の態様が青色である場合には、その変化後の保留表示の態様に対応した装飾図柄の停止図柄(複数の装飾図柄の停止図柄のうち少なくともいずれかの停止図柄)として、「2」「4」「6」「8」の青色の数字図柄のいずれかを決定するようにし、複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの停止図柄が青色の数字図柄で停止表示したとき、態様変化示唆演出によりその装飾図柄の停止図柄の青色が保留表示の態様に影響を及ぼし、保留表示の態様が青色に変化するようにしている。また、保留予告パターンに基づいて変化する保留表示の態様が緑色である場合には、その変化後の保留表示の態様に対応した装飾図柄の停止図柄(複数の装飾図柄の停止図柄のうち少なくともいずれかの停止図柄)として、「1」「5」「9」の緑色の数字図柄のいずれかを決定するようにし、複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの停止図柄が緑色の数字図柄で停止表示したとき、態様変化示唆演出によりその装飾図柄の停止図柄の緑色が保留表示の態様に影響を及ぼし、保留表示の態様が緑色に変化するようにしている。また、保留予告パターンに基づいて変化する保留表示の態様が赤色である場合には、その変化後の保留表示の態様に対応した装飾図柄の停止図柄(複数の装飾図柄の停止図柄のうち少なくともいずれかの停止図柄)として、「3」「7」の赤色の数字図柄のいずれかを決定するようにし、複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの停止図柄が赤色の数字図柄で停止表示したとき、態様変化示唆演出によりその装飾図柄の停止図柄の赤色が保留表示の態様に影響を及ぼし、保留表示の態様が赤色に変化するようにしている。
このように、保留表示の態様がどのように変化するかについて、態様変化示唆演出により装飾図柄の停止図柄の色(複数の装飾図柄の停止図柄のうち少なくともいずれかの停止図柄)を用いて事前に示唆することを可能にすることで、抽選結果がハズレであり、複数の装飾図柄の停止図柄としてハズレ図柄が停止表示される場合であっても、態様変化示唆演出により保留表示の態様が変化するのではないかと遊技者に期待させることができる。例えば、複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの停止図柄が赤色の数字図柄で停止表示したときには、態様変化示唆演出により保留表示の態様が大当り期待度の高い赤色に変化する可能性があり、態様変化示唆演出が実行されるかどうかに対して期待をもって遊技者に注目させることができる。
なお、保留予告パターンに基づいて変化する保留表示の態様がてんとう虫柄である場合には、その変化後の保留表示の態様に対応した装飾図柄の停止図柄(複数の装飾図柄の停止図柄のうち少なくともいずれかの停止図柄)として、通常時には出現することのない、てんとう虫柄が描かれた装飾図柄が出現するようになっている。そして、複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの停止図柄がてんとう虫柄の装飾図柄で停止表示したとき、態様変化示唆演出によりその装飾図柄の停止図柄のてんとう虫柄が保留表示の態様に影響を及ぼし、保留表示の態様がてんとう虫柄に変化するようにしている。
図169に示すように、上記保留予告演出実行処理のステップS1416で実行される擬似連続変動時演出実行処理では、変動パターンコマンドから特定される変動パターンに「擬似連続変動」が含まれていることにより「擬似連続変動」を実行する場合において、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始するごとに、その「擬似連続変動」が含まれる変動表示に対する大当り期待度を示唆する保留表示の態様(以下、「「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様」とする)をどのように変化させるかを決定する制御を行う。また、「擬似連続変動」では、複数の装飾図柄列の変動表示が開始された後、所定の装飾図柄が仮停止表示されることを条件に、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始するという演出を実行しているが、所定の装飾図柄を仮停止表示する際には、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を一旦消去し、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始する際には、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が出現するようにし、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が出現したときにその保留表示の態様が変化することを可能とする擬似連続変動時演出を実行している。具体的には、今回消化する保留に対して保留予告実行フラグがセットされているか否か、すなわち保留予告演出の実行中であるか否かを判別する(ステップS1701)。そして、ステップS1701で今回消化する保留に対して保留予告演出の実行中であると判別した場合には(YES)、「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が保留予告演出の実行対象であり、その保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングであるか否かを判別する(ステップS1702)。
また、ステップS1702で「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様(保留予告演出の実行対象である保留表示の態様)が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングであると判別した場合には(YES)、その保留表示の態様の変化と、変動パターンに設定されている「擬似連続変動」の再変動回数と、に応じた擬似連続変動時演出決定テーブルを選択した後(ステップS1703)、その選択した擬似連続変動時演出決定テーブルと周辺制御基板1510のRAMから読み出した擬似連続変動時演出決定乱数とを比較し、擬似連続変動時演出決定テーブルに設定された擬似連続変動時演出パターンの種別を決定する(ステップS1704)。そして、「擬似連続変動」の実行時の保留表示(保留予告の実行対象である保留表示)を擬似連続変動時演出の実行対象とし、装飾図柄の変動表示として「擬似連続変動」を開始するとともに、その保留表示をシフトして表示する際に保留表示の態様を維持して表示した後、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始するごとに、擬似連続変動時演出パターンに基づいて、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が変化するように表示する(ステップS1705)。
一方、ステップS1701で今回消化する保留に対して保留予告演出の実行中ではないと判別した場合(NO)、または、ステップS1702で「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様(保留予告演出の実行対象である保留表示の態様)が、保留予告パターンに基づいて変化するタイミングではないと判別した場合には(NO)、装飾図柄の変動表示として「擬似連続変動」を実行するが、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が変化するタイミングではないと決められているため、「擬似連続変動」の実行時の保留表示に対して擬似連続変動時演出が実行されたとしても、その保留表示の態様が変化することがない。すなわち、装飾図柄の変動表示として「擬似連続変動」を開始するとともに、「擬似連続変動」の実行時の保留表示をシフトして表示する際に保留表示の態様を維持して表示した後、その保留表示に対して擬似連続変動時演出を実行するが、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始するごとに、保留表示の態様が変化しないように表示している(ステップS1706)。
本実施形態では、「擬似連続変動」を実行する場合において、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示に対して擬似連続変動時演出が実行されるものであり、「擬似連続変動」における複数の装飾図柄列の変動表示の実行開始時には、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち所定の位置(本例では、表示領域の下方)に、「擬似連続変動」の実行時の保留表示が表示されているが、所定の装飾図柄を仮停止表示したときには、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を一旦消去している。そして、所定の装飾図柄が仮停止表示されることを条件に、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始したときには、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち所定の位置とは異なる位置(本例では、表示領域の上方)から、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示が再び出現するようにし、その後に所定の位置に戻るように表示されている。また、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始するごとに、擬似連続変動時演出パターンに基づいて、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が変化することが可能となっている。このように、「擬似連続変動」の実行時の保留表示に対して擬似連続変動時演出が実行されることにより、所定の装飾図柄を仮停止表示したときには、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示が一旦消去されることから、「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が変化するかどうかに対して期待をもって遊技者に注目させることができる。
上記した擬似連続変動時演出決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されており、「擬似連続変動」の実行時の保留表示に対する擬似連続変動時演出において、保留予告パターンに基づいた保留表示の態様の変化が実行されるように設定された擬似連続変動時演出パターンの種別を決定するために用いるテーブルである。例えば、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始される回数(再変動回数)が1回であり、且つ、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて白色→てんとう虫柄に変化するタイミングである場合、すなわち保留1点灯時(保留数=1)の保留予告パターン番号6の白色→てんとう虫柄の変化時、保留2点灯時(保留数=2)の保留予告パターン番号8の白色→てんとう虫柄の変化時、保留3点灯時(保留数=3)の保留予告パターン番号11の白色→てんとう虫柄の変化時、保留4点灯時(保留数=4)の保留予告パターン番号11の白色→てんとう虫柄の変化時である場合には、図170(A)に示すように、1種類の擬似連続変動時演出パターンが設定された擬似連続変動時演出決定テーブルが用いられる。この擬似連続変動時演出パターンには、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を一旦消去し、1回目の再変動に伴って再び保留表示が出現するときに、その保留表示の態様がどのように変化するのかが設定されており、最終的な1回目の再変動での保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいた保留表示の態様(図170(A)では、てんとう虫柄)となるように設定されている。
また、例えば、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始される回数(再変動回数)が2回であり、且つ、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて白色→てんとう虫柄に変化するタイミングである場合には、図170(B)に示すように、5種類の擬似連続変動時演出パターンが設定された擬似連続時演出決定テーブルが用いられる。これらの擬似連続変動時演出パターンには、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を一旦消去し、1,2回目の再変動に伴って再び保留表示が出現するときに、その保留表示の態様がどのように変化するのかが設定されており、最終的な2回目の再変動での保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいた保留表示の態様(図170(B)では、てんとう虫柄)となるように設定されている。また、例えば、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始される回数(再変動回数)が3回であり、且つ、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいて白色→てんとう虫柄に変化するタイミングである場合には、図170(C)に示すように、15種類の擬似連続変動時演出パターンが設定された擬似連続変動時演出決定テーブルが用いられる。これらの擬似連続変動時演出パターンには、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を一旦消去し、1,2,3回目の再変動に伴って再び保留表示が出現するときに、その保留表示の態様がどのように変化するのかが設定されており、最終的な3回目の再変動での保留表示の態様が、保留予告パターンに基づいた保留表示の態様(図170(C)では、てんとう虫柄)となるように設定されている。なお、本実施形態では、「擬似連続変動」を実行する場合において、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示に対して擬似連続変動時演出が実行されるものであり、「擬似連続変動」における複数の装飾図柄列の変動表示の実行開始時には、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が所定の位置で変化することはなく、「擬似連続変動」での再変動に伴って再び保留表示が出現した際に、擬似連続変動時演出パターンに基づいてその保留表示の態様が変化することを可能にしているが、「擬似連続変動」における複数の装飾図柄列の変動表示の実行開始時にも、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が所定の位置で変化することを可能にしてもよい。
なお、擬似連続変動時演出パターンには、保留予告パターンと同じく、保留表示の態様が白色(基本色)→青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序とは逆の順序で変化しない(すなわち、大当り期待度が低下しない)ように設定されており、「擬似連続変動」での再変動に伴って再び保留表示が出現するごとに、保留表示の態様が維持されるか、又は大当り期待度の高い態様となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い態様で保留表示の態様が表示されたとしても、「擬似連続変動」での再変動が繰り返される限りは保留表示の態様が大当り期待度の高い態様に変化する可能性が残されており、「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
また、擬似連続変動時演出パターンには、保留予告パターンと同じく、必ずしも保留表示の態様を白色(基本色)→青色→緑色→赤色→てんとう虫柄の順序で順に変化させる必要はなく、途中の態様を経由することなく次の態様に変化する(図170(C)では、例えば、擬似連続変動時演出パターン番号1により3回目の再変動で白色からてんとう虫柄に変化する)ようにも設定されている。このため、大当り期待度の低い態様で保留表示の態様が表示されたとしても、「擬似連続変動」での再変動に伴って次の態様がいずれの態様に変化するかを予測することができず、「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様に対して最後まで期待をもって注目させることができる。
次に、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示に対して態様変化演出を実行する場合の具体的な演出例について、図171を参照して説明する。この演出例では、保留の消化に基づいて装飾図柄の変動表示を実行する場合において、その装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示に対して保留予告演出の実行中であり、且つ、保留予告パターンに基づいて保留表示の態様が白色(基本色)→てんとう虫柄に変化するタイミングであることにより、態様変化演出を実行すると決定している場合を示す。また、態様変化演出では、保留表示の態様が変化する3回のタイミングで、図167に例示した態様変化演出決定テーブルにおける態様変化演出パターン番号1に基づいて、保留表示の態様が白色(基本色)→白色→白色→てんとう虫柄に変化するように決定されている場合を示す。
まず、図171(A)に示すように、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立したとき、メイン液晶表示装置1600に表示されている全ての保留表示をシフトして表示するとともに、複数の装飾図柄列の変動表示が開始される。その際には、装飾図柄の変動表示を開始する保留表示(装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示)が所定の位置として、メイン液晶表示装置1600の表示領域の下方中央部に表示されている。また、図171(A)では、所定の位置での保留表示(装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示)の態様が、基本色である白色で表示されており、メイン液晶表示装置1600で開始された装飾図柄の変動表示に対する大当り期待度を示唆するようになっている。
そして、図171(B)に示すように、メイン液晶表示領域1600の表示領域では、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示に対して態様変化演出の実行が開始されると、その保留表示が所定の位置から勢いよく、表示領域の上方へと跳ね上がるように表示される。その後、メイン液晶表示装置1600の表示領域の中央部付近において、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示が、3回にわたって表示領域の左右方向に跳ねながら下方へと移動するようになるが、その保留表示が跳ねる際に、その保留表示の態様が変化することが可能となっている。なお、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示については、表示領域の中央部付近で態様変化演出が実行されることに加えて、表示領域の所定の位置に表示されているときよりも、表示領域の中央部付近において保留表示が跳ねるように表示されているときのほうが、その保留表示の大きさが大きくなるように表示することで、態様変化演出において保留表示の態様が変化するかどうかに注目させやすくしている。また、表示領域の中央部付近では、複数の装飾図柄列の変動表示が高速変動することに伴って、装飾図柄が半透明の態様で表示されており、態様変化演出が実行された場合には、その態様変化演出が実行された保留表示が、変動表示中の装飾図柄の前面を横切るように移動していることで、装飾図柄の変動表示がどのような停止図柄で停止表示されるかに注目している遊技者であっても、その態様変化演出が実行された保留表示に注目させ得るようになっている。
具体的には、図171(C)に示すように、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示の態様が変化することが可能な1回目のタイミングとして、表示領域の左方に向かった保留表示が第1変化位置で右方向に跳ねるように表示されるが、その第1変化位置で保留表示の態様が白色のまま変化しないように表示されている。また、図171(D)に示すように、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示の態様が変化することが可能な2回目のタイミングとして、表示領域の右方に向かった保留表示が第2変化位置で左方向に跳ねるように表示されるが、1回目のタイミングと同じく、その第2変化位置で保留表示の態様が白色のまま変化しないように表示されている。また、図171(E)に示すように、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示の態様が変化することが可能な3回目のタイミングとして、表示領域の左方に向かった保留表示が第3変化位置で右方向に跳ねるように表示されるが、その第3変化位置で保留表示の態様が白色→てんとう虫柄に変化するように表示されている。そして、図171(F)に示すように、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示の態様がてんとう虫柄に変化した後には、その保留表示がてんとう虫柄の態様で所定の位置に戻るように表示されている。
なお、本演出例では、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうち、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示に対して態様変化演出が実行されているが、装飾図柄の変動表示の待機中(実行前)の保留表示に対して態様変化演出が実行される場合もある。また、本演出例では、保留表示に対して態様変化演出を実行する場合において、複数の装飾図柄列の変動表示が開始された後、その変動表示がリーチとなるかどうかよりも前に、態様変化演出を実行するようにしているが、その変動表示が終了(停止)するよりも前であればよく、例えば、変動表示がリーチとなった後、保留表示の態様が変化することが可能な態様変化演出を実行するようにしてもよい。また、装飾図柄の変動表示がリーチとなった後、リーチ演出(例えば、ノーマルリーチ)の実行中に、その装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示に対して態様変化演出を実行するようにし、変動パターンコマンドから特定される変動パターンに大当り期待度の高いリーチ演出(例えば、特定以外の強SPリーチや、特定の強SPリーチ)が含まれている場合のみ、態様変化演出により保留表示の態様が変化するように決定してもよい。このような場合、装飾図柄の変動表示がリーチとなった後、リーチ演出(例えば、ノーマルリーチ)の実行中に、態様変化演出により装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示の態様が変化したときには、その後に大当り期待度の高いリーチ演出(例えば、特定以外の強SPリーチや、特定の強SPリーチ)が実行されるようになり、態様変化演出において装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示の態様が変化するかどうかに注目させることができる。
また、変動パターンコマンドから特定される変動パターンに「擬似連続変動」が含まれていることにより「擬似連続変動」を実行する場合において、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示に対して態様変化演出を実行するようにし、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始する場合のみ、態様変化演出により「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が変化するようにしてもよい。このような場合、複数の装飾図柄列の変動表示が開始された後、態様変化演出により「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が変化したときには、再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始されるようになり、態様変化演出において「擬似連続変動」の実行時の保留表示の態様が変化するかどうかに注目させることができる。
次に、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示に対して態様変化示唆演出を実行する場合の具体的な演出例について、図172を参照して説明する。この演出例では、装飾図柄の変動表示の待機中(実行前)の保留表示のうち、保留1点灯時の保留表示に対して保留予告演出の実行中であり、且つ、保留予告パターンに基づいて保留表示の態様が白色(基本色)→赤色に変化するタイミングであることにより、態様変化示唆演出を実行すると決定している場合を示す。また、態様変化示唆演出では、複数の装飾図柄の停止図柄を決定する際に、右の装飾図柄の停止図柄として、保留表示の態様が赤色に変化することに対応するように、「7」の赤色の数字図柄が決定されている場合を示す。
まず、図172(A)に示すように、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立したとき、メイン液晶表示装置1600に表示されている全ての保留表示をシフトして表示するとともに、複数の装飾図柄列の変動表示が開始される。その際には、装飾図柄の変動表示を開始する保留表示(装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示)が所定の位置として、メイン液晶表示装置1600の表示領域の下方中央部に表示されるとともに、装飾図柄の変動表示の待機中(実行前)の保留表示、すなわち保留1時の保留表示が所定の位置として、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示の右隣となるように表示されている。また、図172(A)では、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示の態様が、基本色である白色で表示されており、メイン液晶表示装置1600で開始された装飾図柄の変動表示に対する大当り期待度を示唆し、その右隣の位置での保留表示(装飾図柄の変動表示の待機中の保留表示)が、同じく基本色である白色で表示されており、メイン液晶表示装置1600で次回に開始される装飾図柄の変動表示に対する大当り期待度を示唆するようになっている。
そして、図172(B)に示すように、メイン液晶表示領域1600の表示領域には、「保留変化チャンス」という文字が表示されることにより、メイン液晶表示装置1600に表示されているいずれかの保留表示に対して態様変化示唆演出を実行することを示している。すなわち、態様変化示唆演出では、装飾図柄の変動表示における装飾図柄の停止図柄の色(複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれかの色)によって保留表示の態様がどのように変化するかが事前に示唆されることから、装飾図柄の停止図柄としてどのような色の停止図柄で装飾図柄が停止表示されるか、複数の装飾図柄の停止図柄のうちいずれの停止図柄の色が保留表示の態様に影響を及ぼすか、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうちいずれの保留表示の態様に影響を及ぼすか、などに注目させることができる。
そして、図172(C)に示すように、メイン液晶表示領域1600の表示領域では、複数の装飾図柄列の変動表示が開始された後、所定時間の経過後に、左の装飾図柄の停止図柄として「1」の緑色の数字図柄が停止表示されるが、左の装飾図柄の停止図柄が停止表示したときには、その停止図柄の緑色が保留表示の態様に影響を及ぼすことがなく、保留表示の態様が変化しないように表示している。また、図172(D)に示すように、左の装飾図柄の停止図柄が停止表示した後には、所定時間の経過後に、右の装飾図柄の停止図柄として「7」の赤色の数字図柄が停止表示されるが、右の装飾図柄の停止図柄が停止表示したときには、図172(E)に示すように、その停止図柄の赤色が、装飾図柄の変動表示の待機中の保留表示に向けて乗り移るように表示されている。そして、図172(F)に示すように、右の装飾図柄の停止図柄が有する赤色によって装飾図柄の変動表示の待機中の保留表示の態様が白色→赤色に変化することで、その保留表示の態様が赤色となるように表示されている。
なお、本演出例では、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示のうち、装飾図柄の変動表示の待機中(実行前)の保留表示に対して態様変化示唆演出が実行されているが、装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示に対して態様変化示唆演出が実行されてもよい。また、本演出例では、複数の装飾図柄列の変動表示が開始された後、左の装飾図柄、右の装飾図柄、中の装飾図柄の順で停止表示するようにし、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行する場合において、右の装飾図柄が停止表示した段階で、その右の装飾図柄の停止図柄の色が保留表示の態様に影響を及ぼすように演出を実行しているが、左の装飾図柄や中の装飾図柄の停止図柄の色が保留表示の態様に影響を及ぼすように実行してもよく、また、左の装飾図柄が停止表示した段階や中の装飾図柄が停止表示した段階(全ての装飾図柄が停止表示した段階)で演出を実行するようにしてもよい。また、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行する場合において、左右の装飾図柄が停止表示した段階で、その左右の装飾図柄の停止図柄の色が揃ったときに、その停止図柄の色が保留表示の態様に影響を及ぼすように演出を実行したり、全ての装飾図柄が停止表示した段階で、その全ての装飾図柄の停止図柄の色が揃ったときに、その停止図柄の色が保留表示の態様に影響を及ぼすように演出を実行したりしてもよい。また、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行する場合において、全ての装飾図柄が停止表示した段階で、左の装飾図柄、右の装飾図柄、中の装飾図柄、のいずれの停止図柄の色が選択されるかの演出を実行し、その選択された停止図柄の色が保留表示の態様に影響を及ぼすようになる煽り演出を実行してもよい。
また、変動パターンコマンドから特定される変動パターンが「通常変動」の変動パターンである場合に、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行することが好ましい。なお、「通常変動」の変動パターンは、抽選結果がハズレである場合にもっとも高い確率で決定される変動パターンであり、リーチにならない装飾図柄の停止図柄で停止表示するようになっている。このような場合、例えば、メイン液晶表示領域1600の表示領域において、図172(B)に示した「保留変化チャンス」という文字が表示されることにより、いずれかの保留表示に対して態様変化示唆演出を実行することが示されたとき、変動表示がリーチとなることがないことから、装飾図柄の停止図柄としてどのような色の停止図柄で装飾図柄が停止表示されるかに集中させることができるようになる。また、変動パターンコマンドから特定される変動パターンが「短縮変動」の変動パターンではない場合に、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行することが好ましい。なお、「短縮変動」の変動パターンは、保留数が所定個数(例えば、3個)以上である場合に決定される変動パターンであり、演出内容は「通常変動」の変動パターンと同じであるが、変動時間が「通常変動」の変動パターンよりも短くなるように設定されている。このような「短縮変動」の変動パターンが実行された場合、例えば、メイン液晶表示領域1600の表示領域において、図172(B)に示した「保留変化チャンス」という文字が表示されることにより、いずれかの保留表示に対して態様変化示唆演出を実行することが示されたとしても、変動時間が短いことから、装飾図柄の停止図柄としてどのような色の停止図柄で装飾図柄が停止表示されるかを楽しむ時間がないためである。また、「短縮変動」の変動パターンが実行された場合に、保留表示に対して態様変化示唆演出を実行してもよいが、そのような保留表示に対して態様変化示唆演出を実行することを事前に示さないようにすることが好ましい。
次に、メイン液晶表示装置1600に表示されている保留表示に対して擬似連続変動時演出を実行する場合の具体的な演出例について、図173を参照して説明する。この演出例では、複数の装飾図柄列の変動表示として「擬似連続変動」を実行する場合において、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示に対して保留予告演出の実行中であり、且つ、保留予告パターンに基づいて保留表示の態様が白色(基本色)→赤色に変化するタイミングであることを決定しており、擬似連続変動時演出を実行する場合を示す。また、「擬似連続変動」の再変動回数が1回であり、擬似連続変動時演出では、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始されるときに、擬似連続変動時演出決定テーブルを用いて決定された擬似連続変動時演出パターンに基づいて、保留表示の態様が白色(基本色)→赤色に変化するように決定されている場合を示す。
まず、図173(A)に示すように、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に関する開始条件が成立したとき、メイン液晶表示装置1600に表示されている全ての保留表示をシフトして表示するとともに、複数の装飾図柄列の変動表示が開始される。その際には、装飾図柄の変動表示を開始する保留表示(装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示)が所定の位置として、メイン液晶表示装置1600の表示領域の下方中央部に表示されている。また、図173(A)では、所定の位置での保留表示(装飾図柄の変動表示の実行時の保留表示)の態様が、基本色である白色で表示されており、メイン液晶表示装置1600で開始された装飾図柄の変動表示に対する大当り期待度を示唆するようになっている。
そして、図173(B)に示すように、メイン液晶表示領域1600の表示領域では、複数の装飾図柄列の変動表示が開始された後、所定時間の経過後に、左の装飾図柄として「1」の数字図柄、右の装飾図柄として「7」の数字図柄、中の装飾図柄として「擬似連」と描かれた装飾図柄の順で仮停止表示されるが、中の装飾図柄として「擬似連」と描かれた装飾図柄が仮停止表示したときには、当該複数の装飾図柄列の変動表示が「擬似連続変動」であり、「擬似連続変動」において再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始されることを認識することができる。また、図173(C)に示すように、中の装飾図柄として「擬似連」と描かれた装飾図柄が仮停止表示された際には、表示領域の所定の位置に表示された、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を一旦消去するように擬似連続変動時演出を実行している。
そして、図173(D)に示すように、メイン液晶表示領域1600の表示領域では、中の装飾図柄として「擬似連」と描かれた装飾図柄が仮停止表示されることを条件に、再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始される。その際には、図173(E)に示すように、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が、表示領域の上方中央部に出現するように表示しているが、表示領域のうち所定の位置(保留表示の消去前の位置)とは異なる位置に表示することで、擬似連続変動時演出において保留表示の態様が変化するかどうかに注目させやすくしている。また、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が出現する際には、その保留表示の態様が変化することが可能であり、図173(E)では、その保留表示の態様が白色→赤色に変化するように表示されている。その後、図173(F)に示すように、「擬似連続変動」の実行時の保留表示が、表示領域の下方中央部である所定の位置に向けて移動するようにし、その保留表示が赤色の態様で所定の位置に戻るように表示されている。また、表示領域の中央部付近では、複数の装飾図柄列の変動表示が高速変動することに伴って、装飾図柄が半透明の態様で表示されており、「擬似連続変動」が実行された場合には、再び複数の装飾図柄列の変動表示が開始されたときに、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が、表示領域のうち所定の位置とは異なる位置に出現して、所定の位置に戻るように移動しているが、その保留表示が、変動表示中の装飾図柄の前面を横切るように移動していることで、装飾図柄の変動表示がどのような停止図柄で停止表示されるか(「擬似連続変動」が継続するかどうか)に注目している遊技者であっても、その保留表示に注目させ得るようになっている。
なお、本演出例では、複数の装飾図柄列の変動表示として「擬似連続変動」を実行する場合において、所定の装飾図柄を仮停止表示する際には、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を一旦消去し、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始する際には、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が出現するように表示しているが、そのような「擬似連続変動」の実行時の保留表示を非表示とする期間については、多少前後してもよく、例えば、所定の装飾図柄を仮停止表示した後に、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を一旦消去し、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始した後に、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が出現するように表示してもよい。また、抽選結果が大当りである場合において、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始した後にも、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を消去したまま(「擬似連続変動」の実行時の保留表示が出現しない)とすることで、抽選結果が大当りである旨を判別できるようにしてもよい。このように、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始した後、「擬似連続変動」の実行時の保留表示を表示しない場合においても、最終的に装飾図柄の停止図柄を停止表示するときには、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示を表示するようにしてもよい。また、本演出例では、複数の装飾図柄列の変動表示として「擬似連続変動」を実行する場合において、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始したときには、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち所定の位置とは異なる位置(本例では、表示領域の上方)で、その「擬似連続変動」の実行時の保留表示が再び出現するようにし、その後に所定の位置に戻るように表示しているが、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始したときには、「擬似連続変動」の実行時の保留表示が消去する前の位置である所定の位置で、出現するように表示してもよい。また、本演出例では、複数の装飾図柄列の変動表示として「擬似連続変動」を実行する場合において、再び複数の装飾図柄列の変動表示を開始する際には、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が出現するようにし、再び「擬似連続変動」の実行時の保留表示が出現したときにその保留表示の態様が変化することを可能としているが、例えば、メイン液晶表示装置1600の表示領域のうち所定の位置とは異なる位置(本例では、表示領域の上方)で、「擬似連続変動」の実行時の保留表示が再び出現したときには、消去する前の保留表示の態様から変化することがなく、その後に所定の位置に戻るまでの間に、その保留表示の態様が変化するように表示してもよい。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。