JP2016021914A - 植物栽培に適した光強度の判別方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物栽培に適した光強度を、細胞内の葉緑体運動の観察から判別する方法や、かかる判別方法によって判別した光強度の青色光を照射する植物の栽培方法を提供する。
【解決手段】(a)一部を遮光材で被覆した植物の葉を複数準備する工程;(b)工程(a)で準備した葉に対し、それぞれ異なる光強度の青色光を照射する工程;(c)遮光材を除去し、それぞれの葉の光照射領域及び遮光領域における細胞内の葉緑体運動を観察することにより、照射した青色光が弱光か強光かを判別する工程;を備えた方法により、植物栽培に適した光強度を判別する。また、上記方法によって判別した光強度の青色光を、前記判別を行った植物と同じ科に属する植物に照射して栽培する。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物栽培に適した光強度の判別方法や、かかる判別方法によって判別した光強度の青色光を照射する植物の栽培方法をに関し、より詳しくは、(a)一部を遮光材で被覆した植物の葉を複数準備する工程;(b)工程(a)で準備した葉に対し、それぞれ異なる光強度の青色光を照射する工程;(c)遮光材を除去し、それぞれの葉の光照射領域及び遮光領域における細胞内の葉緑体運動を観察することにより、照射した青色光が弱光か強光かを判別する工程;を備えたことを特徴とする植物栽培に適した光強度の判別方法や、かかる方法によって判別した光強度の青色光を、前記判別を行った植物と同じ科に属する植物に照射することを特徴とする植物の栽培方法に関する。
に関する。
近年、植物工場による植物の栽培が盛んに行われるようになってきた。植物工場で栽培される植物は、蛍光灯やLED等の光を用いて生育されているが、植物生理学の理論に則った環境整備は行われておらず、経験と勘によって定めた光源及び光強度により栽培しているのが現状である。その結果、最適な植物生育環境を導き出すことが困難であり、生育不良や生育のばらつきが生じ、これが新規事業者の参入を妨げている原因となっている。
植物の葉では光エネルギーを利用して水と二酸化炭素から有機物を作り出す化学反応が行われている。これは光合成と呼ばれ、植物の生育を左右する極めて重要な反応である。光合成は細胞小器官の葉緑体で行われており、葉緑体は効率良く光を受けるために、光環境や温度環境に応じて細胞内配置を変えることが知られている。
具体的には、弱い光環境下では、光合成活性を高めるために葉緑体は細胞表面に移動(集合運動)し、強い光環境下では、光による障害を避けるために葉緑体は細胞の側壁に移動(逃避運動)することが知られている(非特許文献1参照)。
また、コケやシダ等の一部の植物では、葉緑体が温度変化に応答して細胞内配置を変えることも知られており、20℃前後の弱光下で栽培されているホウライシダやゼニゴケの葉緑体は細胞表面に配置するが、これを0℃付近の環境に移すと、葉緑体は細胞表面から細胞接着面に移動することが報告されている(非特許文献2、3参照)。
ところで、光合成の活性は光強度が強いほど高まるが、光強度が強すぎると植物にとってストレスとなり、生育に悪影響が生じる。したがって、植物の生育において悪影響が生じず、かつ光合成の活性が高い光強度を判別する方法が求められていた。
光強度に関し、例えば、メタルハライドランプを用いてシロイヌナズナに強光若しくは弱光を照射し、葉緑体光定位運動を観察する方法が提案されているが(非特許文献1参照)、かかる方法は、強光や弱光を認識できない変異体を探索することを目的とした技術であり、葉緑体の逃避運動や集合運動を解析するには不十分であり、植物栽培に適した光強度を判別することはできなかった。
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本発明の課題は、植物栽培に適した光強度を、細胞内の葉緑体運動の観察から判別する方法や、かかる判別方法によって判別した光強度の青色光を照射する植物の栽培方法を提供することにある。
本発明者らは、植物工場における代表品種であるレタス(サラダ菜)の細胞観察法を開発する過程で、レタスの葉に青色光を照射し、細胞内の葉緑体を観察することで強光と弱光を判別可能であることを見いだした。さらに、レタスの葉にさまざまな光強度の青色光を照射し、細胞内の葉緑体運動を観察することで強光か弱光を判別し、かかる判別した強光と弱光の青色光でレタスを照射して栽培したところ、弱光で照射したレタスは良好に生育することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下に開示されるとおりのものである。
(1)以下の(a)〜(c)の工程を備えたことを特徴とする植物栽培に適した光強度の判別方法。
(a)一部を遮光材で被覆した植物の葉を複数準備する工程;
(b)工程(a)で準備した葉に対し、それぞれ異なる光強度の青色光を照射する工程;
(c)遮光材を除去し、それぞれの葉の光照射領域及び遮光領域における細胞内の葉緑体運動を観察することにより、照射した青色光が弱光か強光かを判別する工程;
(2)青色光の光源がLED光源であることを特徴とする上記(1)記載の光強度の判別方法。
(3)葉緑体運動を蛍光実体顕微鏡により観察することを特徴とする上記(1)又は(2)記載の光強度の判別方法。
(4)植物がキク科植物であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の光強度の判別方法。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか記載の方法によって判別した光強度の青色光を、前記判別を行った植物と同じ科に属する植物に照射することを特徴とする植物の栽培方法。
本発明の方法により、植物栽培に適した光強度を判別することが可能となる。かかる方法によって判別された光強度の青色光を照射してで植物を栽培することで、植物を適切な光環境で栽培することが可能となり、植物個体あたりの重量の増加や、生育のばらつきの低減や、葉の正常な形態の維持が可能となる。
光強度5μmol/m2/sの青色光を照射した葉の蛍光実体顕微鏡による観察結果を示す図である。 光強度20μmol/m2/sの青色光を照射した葉の蛍光実体顕微鏡による観察結果を示す図である。 光強度12.5μmol/m2/sで青色光を照射した葉の蛍光実体顕微鏡による観察結果を示す図である。 光強度25μmol/m2/sで青色光を照射した葉の蛍光実体顕微鏡による観察結果を示す図である。 (A)光強度5μmol/m2/sの青色光を照射して2週間栽培したレタスの葉の形態を示す図である。(B)光強度50μmol/m2/sの青色光を照射して2週間栽培したレタスの葉の形態を示す図である。(C)蛍光灯及びLED光源による光照射により2週間栽培したレタス1個体の生重量の結果を示す図である。
本発明の光強度の判別方法は、(a)一部を遮光材で被覆した植物の葉を複数準備する工程;(b)工程(a)で準備した葉に対し、それぞれ異なる光強度の青色光を照射する工程;(c)遮光材を除去し、それぞれの葉の光照射領域及び遮光領域における細胞内の葉緑体運動を観察することにより、照射した青色光が弱光か強光かを判別する工程;を備えたことを特徴とする植物栽培に適した光強度の判別方法であれば特に制限されず、植物栽培に適した光強度としては、植物体の茎、葉、根又は果実が良好な形態や重量で成長するのに適した光強度や、植物体がばらつきなく生育するのに適した光強度などの植物を栽培して植物が良好に生育するのに適した光強度を挙げることができる。
本発明における植物としては特に制限されないが、植物工場で栽培される植物が好ましく、具体的には、レタス(サラダ菜)、春菊等のキク科植物、水菜、小松菜、オランダガラシ、ブロッコリー等のアブラナ科植物、三つ葉等のセリ科植物、ネギ等のネギ科植物、ナス、トマト、じゃがいも、ピーマン、トウガラシ等のナス科植物、キュウリ、スイカ、かぼちゃ、メロン、ウリ等のウリ科植物、シソ、バジル、ミント、ローズマリー等のシソ科植物、イネ、コムギ、オオムギ等のイネ科植物、ダイズ、アズキ、インゲン、ソラマメ等のマメ科植物、サツマイモ等のヒルガオ科植物、ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、アスパラガス等のユリ科植物、バラ、イチゴ等のバラ科植物、ホウレンソウ、テンサイ等のアカザ科植物、リンドウ等のリンドウ科植物、カーネーション等のナデシコ科植物を挙げることができ、キク科植物を好適に挙げることができ、レタス(サラダ菜)をより好適に挙げることができる。
本発明において、遮光材としては、光の透過性を抑制するものであれば特に制限されないが、光の透過性を完全に抑制するものが好ましく、例えば、遮光テープを貼ったプラスチック板を挙げることができる。
本発明において、一部を遮光材で被覆した植物の葉としては、植物の葉の一部に対して遮光材を載せる、若しくは覆うことにより、葉の一部は遮光材で被覆されており、他の部分は遮光材で被覆されていない状態の葉を挙げることができる。かかる植物の葉は、複数準備すればよいが、好ましくは少なくとも2枚、より好ましくは3枚以上、さらに好ましくは6以上準備すればよい。
本発明において、弱光とは、葉に照射した場合に葉緑体の逃避運動がみられない強度の光を意味し、強光とは、葉に照射した場合に葉緑体の逃避運動がみられる強度の光を意味する。
本発明において、青色光としては、400〜480nm、好ましくは450〜470nmの波長の光を挙げることができる。また、照射する青色光の光強度は、1〜250μmol/m2/s、好ましくは2〜200μmol/m2/s、さらに好ましくは5〜100μmol/m2/sの範囲であり、準備した葉の数に応じて少なくとも2種類、より好ましくは3種類以上、さらに好ましくは6種類以上の異なる光強度を適宜選択することができるが、弱光と強光のいずれもが判別されるように幅広い範囲の光強度を選択することが好ましい。
本発明において、青色光の光源としては特に制限されないが、複数の葉に対してそれぞれ異なる様々な光強度の青色光を容易に照射する観点から、LED光源等の光強度を制御可能な光源であることが好ましい。かかる光強度を制御可能な光源を用いることで、それぞれ異なる光強度の青色光を照射する際に、光源を交換する作業が不要となる。また、LED光源に用いる電源としては、直流安定化電源を好適に挙げることができる。
本発明において、光照射領域とは、遮光材で被覆されておらず、青色光が照射された領域を意味し、遮光領域とは、遮光材で被覆されて、青色光が照射されなかった領域を意味する。
本発明において、細胞内の葉緑体運動とは、青色光の照射前後の葉緑体配置の変化を意味し、特に、青色光の照射により葉緑体が細胞の側壁に移動する変化を逃避運動という。
本発明において、細胞内の葉緑体運動を観察する方法としては特に制限されないが、蛍光実体顕微鏡により観察する方法や、光の透過率を測定することにより観察する方法を挙げることができるが、より高精度に弱光か強光かを判別する観点から、蛍光実体顕微鏡により観察する方法を好適に挙げることができる。
本発明において、照射した青色光が弱光か強光かを判別する方法としては、葉緑体運動を観察して葉緑体の逃避運動が観察されなかった場合には弱光、葉緑体運動を観察して葉緑体の逃避運動が観察された場合には強光と判別する方法であれば特に制限されないが、例えば、蛍光実体顕微鏡により細胞内の葉緑体運動を観察した場合には、光照射領域と遮光領域の赤色のクロロフィル蛍光の強さを比較し、いずれの領域も同様の強さであれば葉緑体の逃避運動がなく弱光と判別でき、光照射領域の方が赤色のクロロフィル蛍光の強度が弱い、若しくは黒い隙間(細胞中の空隙)が観察された場合には葉緑体の逃避運動があり強光と判別できる。なお、上記赤色のクロロフィル蛍光の強度が弱くなることや、黒い隙間(細胞中の空隙)が観察されるのは、葉緑体運動が誘導され、葉緑体の逃避運動により葉緑体が細胞の側壁に移動し、細胞の中心部の葉緑体数が減少することによって生じるものである。
本発明において、植物栽培に適した光強度の判別方法としては、上述のように照射した青色光が強光か弱光を判別したうえで、弱光と判別された光強度を、青色光を照射した植物と同じ科に属する植物における植物栽培に適した光強度と判別することができ、弱光と判別された光強度が複数存在する場合には、光合成活性が高まる観点から、弱光と判別された中で最も強い光強度を、青色光を照射した植物と同じ科に属する植物における植物栽培に適した光強度と判別することができ、かかる場合の光強度は、植物栽培に特に適した光強度ともいえる。また、弱光と判別された光強度が存在しなかった場合には、さらに弱い光強度の青色光で本発明の工程(a)〜(c)を行い、弱光と判別される光強度を見いだし、かかる光強度を、青色光を照射した植物と同じ科に属する植物における植物栽培に適した光強度とすることが好ましい。
本発明の植物の栽培方法としては、本発明の光強度の判別方法によって判別した光強度の青色光を、前記判別を行った植物と同じ科に属する植物に照射することを特徴とする植物の栽培方法であれば特に制限されないが、前記判別を行った植物と同じ属に属する植物に照射することが好ましく、前記判別を行った植物と同じ種に属する植物に照射することがより好ましい。また、植物の栽培としては、閉鎖型植物工場における植物の栽培であることが好ましく、光強度以外の栽培条件、すなわち、温度、湿度、栽培期間等の栽培条件は一般的な植物の栽培条件で行うことができる。
(葉緑体運動の観察)
播種から14日目のレタスの葉を2枚用意し、それぞれの一部を、遮光テープを貼ったプラスチック板によって覆った。次に、LED光源(シーシーエス社製)により光強度1μmol/m2/sの青色光(470nm)、光強度20μmol/m2/sの青色光(470nm)を葉に1時間照射した。LED光源に用いる電源としては、直流安定化電源(エーアンド・デイ社製)を用いた。照射後のそれぞれの葉を蛍光実体顕微鏡(ライカ社製)で480/40nmの励起フィルターおよびLP510の吸収フィルターを用い、光照射領域と遮光領域の赤色のクロロフィル蛍光の強さや隙間の有無を比較することにより葉緑体運動を観察した。
(結果)
それぞれの光強度で青色光を照射した葉の蛍光実体顕微鏡による観察結果を図1、2に示す。図中、破線の上側は遮光領域、下側は光照射領域を示す。また白黒画像の図中では、赤色のクロロフィル蛍光の強度が強い場合に白くなり、弱い場合に黒くなる。図1に示すように、光強度5μmol/m2/sの青色光を照射した場合には、遮光領域も光照射領域も赤色のクロロフィル蛍光の強さが同じであり、葉緑体の逃避運動は生じておらず、光強度5μmol/m2/sの青色光は弱光であること判別できた。一方、図2に示すように、光強度20μmol/m2/sの青色光を照射した場合には、細胞の中心部の葉緑体数が減少することによって黒い隙間(細胞中の空隙)が多く観察され、それに伴って、遮光領域と比較して光照射領域において赤色のクロロフィル蛍光の強度が弱くなったことから葉緑体の逃避運動が生じており、光強度20μmol/m2/sの青色光は強光であると判別できた。上記のように、青色光を照射し、光照射領域と遮光領域の赤色のクロロフィル蛍光の強度や黒い隙間の有無を比較し、葉緑体運動を観察することで強光か弱光かを容易に判別することが可能であることが明らかとなった。なお、図2中の黒い線は葉脈である。
(葉緑体運動の観察)
実施例1において、光強度5μmol/m2/sの青色光が弱光、光強度20μmol/m2/sの青色光が強光であると判別できたが、さらに他の光強度で照射し、葉緑体運動を観察した。播種から14日目のレタスの葉を4枚用意し、それぞれの一部を、遮光テープを貼ったプラスチック板によって覆った。次に、LED光源(シーシーエス社製)により光強度12.5、25、50、100μmol/m2/sの青色光(470nm)を葉に1時間照射し、実施例1と同様の方法で蛍光実体顕微鏡を用いて葉緑体運動を観察した。
(結果)
光強度12.5、25μmol/m2/sで青色光を照射した葉の蛍光実体顕微鏡観察結果を図3、4に示す。図中、破線の上側は遮光領域、下側は光照射領域を示す。図3、4に示すように、12.5、25μmol/m2/sの青色光を照射した場合には、遮光領域と比較して光照射領域において黒い隙間(細胞中の空隙)が多く観察され、赤色のクロロフィル蛍光の強度が弱かった。図には示していないが、光強度50、100μmol/m2/sで青色光を照射した葉の蛍光実体顕微鏡観察結果においても同様であった。したがって、12.5、25、50、100μmol/m2/sの青色光は強光であると判別できた。なお、図3、4中の黒い線は葉脈である。
実施例1及び実施例2の結果から、本試験で用いたレタスの葉においては、光強度5μmol/m2/sの青色光が弱光、光強度12.5、20、25、50、100μmol/m2/sの青色光が強光であると判別できた。
(弱光、強光の青色光照射によるレタスの栽培)
弱光、強光の青色光照射によってレタスを照射して栽培し、生育への影響を調べた。
播種から4日目のレタスを2個体用意し、LED光源(シーシーエス社製)により、一方に弱光である光強度5μmol/m2/sの青色光、他方に強光である光強度50μmol/m2/sの青色光を照射した。また、両方の株には、光合成活性を高めるために、上記LED光源により、光強度250μmol/m2/sの赤色光(660nm)を青色光と共に照射した。LED光源に用いる電源としては、直流安定化電源(エーアンド・デイ株式会社製)を用いた。また、LED光源による照射に代えて蛍光灯による照射も同様に行った。LED光源による光照射により10日間栽培したレタスの葉の形態を図5(A)、(B)に、蛍光灯及びLED光源による光照射により2週間栽培したレタス1個体の生重量の結果を図5(C)に示す。
図5(A)に示すように、弱光を照射して栽培したレタスは市販されているような良好な生育の葉の形態となっていたが、図5(B)に示すように、強光で栽培したレタスは葉がまるく変形した形態となっていた。また、図5(C)に示すように、弱光で栽培したレタスは強光で栽培したレタスと比較して生重量が重く、かつばらつきが少ないことが明らかとなった。したがって、弱光である光強度5μmol/m2/sの青色光が植物栽培に適した光強度であると判別することができた。
本発明によると、植物栽培に適した光強度を判別することができ、かかる判別された光強度の青色光を照射して植物を栽培することで、生育がよく均一サイズの野菜の栽培を行うことが可能となることから、植物の栽培、特に植物工場における植物の栽培分野において利用可能である。

Claims (5)

  1. 以下の(a)〜(c)の工程を備えたことを特徴とする植物栽培に適した光強度の判別方法。
    (a)一部を遮光材で被覆した植物の葉を複数準備する工程;
    (b)工程(a)で準備した葉に対し、それぞれ異なる光強度の青色光を照射する工程;
    (c)遮光材を除去し、それぞれの葉の光照射領域及び遮光領域における細胞内の葉緑体運動を観察することにより、照射した青色光が弱光か強光かを判別する工程;
  2. 青色光の光源がLED光源であることを特徴とする請求項1記載の光強度の判別方法。
  3. 葉緑体運動を蛍光実体顕微鏡により観察することを特徴とする請求項1又は2記載の光強度の判別方法。
  4. 植物がキク科植物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の光強度の判別方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の方法によって判別した光強度の青色光を、前記判別を行った植物と同じ科に属する植物に照射することを特徴とする植物の栽培方法。
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