JP2016017051A - 乳酸の製造方法 - Google Patents

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準 西川
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央範 岸田
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Haruyuki Uchitani
治行 内谷
武彦 守谷
Takehiko Moriya
武彦 守谷
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【課題】高価な固体触媒を用いることなく、しかも、従来の方法より温和な条件下により高い収率でグリセリンから乳酸を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の乳酸の製造方法は、グリセリンと、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物と、水と、両性元素とを混合・攪拌して、両性元素が溶解した反応溶液を作製する工程と、両性元素を溶解させたアルカリ性の条件下にある該反応溶液中のグリセリンを水熱反応させる工程とを含むことを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリセリンを原料として乳酸を製造する方法に関し、より詳細には、グリセリンから高効率で乳酸を製造する改良方法に関する。
近年、化石燃料の枯渇への懸念から脂肪酸のエステル交換反応によって製造されるバイオディーゼル燃料の需要が増加している。バイオディーゼルは動物油脂や植物油脂などの様々な油脂とアルコールをエステル交換反応させることによって製造される。このようにして製造されるバイオディーゼルは、従来の石油由来の燃料とは異なり、生物由来の燃料であるため、カーボンニュートラルな燃料であるといえる。
上記のようにバイオディーゼルは油脂とアルコールとのエステル交換反応により製造されるため、バイオディーゼルの製造には副産物としてグリセリンが生じる。そのため、バイオディーゼルの生産が増加するのに伴い、生じるグリセリンの量も並行して増加することになる。
グリセリンは、精製して医薬品や化粧品などに利用されるが、経済的な理由から大半が産業廃棄物として焼却処分されている。そのため、グリセリンの供給量が増えても産業廃棄物が増えるだけであるという現状の供給過多の状況を解消するために、これを高付加価値の物質に変換する技術が望まれている。
グリセリンを高付加価値の物質に変換する技術の一つとしてグリセリンを乳酸に変換する技術が報告されている(特許文献1)。
乳酸はバイオプラスチックであるポリ乳酸の原料である。ポリ乳酸は生物由来であるため、カーボンニュートラルであること、生分解性を有していることなどから環境への負荷が小さい素材とされている。
特許文献1には、グリセリンをアルカリ性の物質と共に高温高圧下で水熱反応させることによってグリセリンを乳酸に転換することができることが記されている。
しかしながら、上記の方法によって乳酸を製造するためには250〜350℃、5〜15MPa、アルカリ性といった過酷な反応条件が要求されるため、高強度かつ耐圧性の反応容器および高価な耐腐食性の材質が必要であった。
また、上記の方法を実施した後に得られる生成物含有混合物には、ギ酸、酢酸などの有機酸類およびメタノール、エチレングリコールなどのアルコール類が不純物として含まれており、生成物含有混合物中の乳酸の割合は、最大で約60%であった。
特許文献2にはグリセリンをアルカリ性物質と共に高温高圧下で反応させる際に脱水素触媒として用いられる様々な遷移金属からなる触媒もしくはそれらの遷移金属を担持した担持触媒を加えることで反応温度の低下や乳酸収率の向上がもたらされることが記されている。
上記の方法では反応系内に原料のグリセリンとアルカリ性物質とを加えた上、脱水素触媒として用いられる遷移金属を約5重量%加えることで、180〜240℃、1〜4MPaといった特許文献1に示した反応条件より温和な反応条件にて反応が進行する。その中でも酸化銅(I)を触媒として加えた場合には反応後の溶液中に含まれる乳酸の割合は約80%にも達する。
しかし、用いる触媒としては白金族元素などの高価な固体触媒であり、その上、被毒等により触媒が経時的に劣化する等の問題があった。さらに固体触媒を用いる場合、長期間にわたって使用すると反応容器の閉塞等の危険性があり、連続式の高温高圧反応器において固定触媒として触媒を利用するのは難しい。
国際公開第07/001043号パンフレット 米国特許出願公開第2012/0253067号明細書
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高価な固体触媒を用いることなく、しかも、従来の方法より温和な条件下により高い収率でグリセリンから乳酸を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、かかる従来技術の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、高価な固体触媒ではなく、水に溶解した両性元素を触媒として用いることでより温和な条件下により高い収率でグリセリンから乳酸を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アルカリ性の条件下でグリセリンを水熱反応させる乳酸の製造方法であって、
グリセリンと、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物と、水と、両性元素とを混合・攪拌して、両性元素が溶解した反応溶液を作製する工程と、
両性元素を溶解させたアルカリ性の条件下にある該反応溶液中のグリセリンを水熱反応させる工程と
を含むことを特徴とする方法に関するものである。
本発明において、乳酸の原料となるグリセリンは、いかなる由来のものであってもよく、例えば、油脂由来のもの、あるいは石油由来のものであってもよく、また精製されたグリセリンであってもよいし粗製のグリセリンであってもよい。
本発明の方法において、アルカリ性の条件にするためにアルカリ物質が用いられる。アルカリ物質としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物が好ましい。反応後に得られる乳酸は、これらの金属元素による乳酸塩水溶液として得ることができる。
本発明において触媒として用いられる両性元素としては、両性元素であれば特に限定されるものではないが、例えば、亜鉛、鉛等が挙げられる。これらの両性元素は、アルカリ性の溶液に容易に溶解することができる、これらの元素を含む化合物として存在してよい。例えば、酸素や硫黄などの元素と化学的に結合した、酸化物や硫酸化物のような化合物の形態、あるいは、塩化物等の形態が挙げられる。また、これらの元素を含む化合物は、溶解させる前にはいかなる形態を有するものであってもよいが、好ましくは、粉末の形態である。
上記反応の形態としては、連続式、回分式、半回分式のいずれであってもよく特に限定されるものではない。
両性元素は、反応を行う前に溶解させておく必要がある。このためには、溶解度以下の量の両性元素を用いるか、または、過剰量の両性元素をアルカリ溶液に投入した後、溶解しない過剰分を除去するかのいずれかにより行うことができる。
上記両性元素の使用量は、両性元素の種類、反応条件などに応じて適宜決定すればよい。両性元素の溶解量が大きくなれば、反応時間を短くすることができる。
上記の両性元素は、反応を行った後、pH制御等によって溶液から回収し、繰り返し触媒として用いることができる。
本発明の方法は、水熱条件下に反応を行うことによりグリセリンから乳酸を得るものであるが、ここで、水熱反応は、密閉容器内の高温高圧の液状の熱水の存在下の反応を意味する。
本発明により水熱反応を行う際の反応温度や反応圧力などのより詳細な諸条件は、触媒の種類やその使用量に応じて適宜決定すればよい。本発明の方法では、触媒を使用することにより、反応温度は、通常100〜320℃程度、好ましくは200〜260℃であり、触媒を用いない場合の水熱反応より温度条件を低くすることができる。
反応圧力は、反応器内の水の全てが蒸発して液体状態のものがなくならないように、反応温度に対する水の飽和蒸気圧以上の圧力とされる。通常は0.1〜13.0MPa、好ましくは1.6〜5.0MPaである。
反応時間は、特に限定されるものではなく、設定した他の条件により異なってくるが、反応時間(または滞留時間ともいう)は、通常0.1〜10時間、好ましくは0.5〜5時間である。
反応溶媒である水と原料であるグリセリンとのモル比は、通常1〜50(水/グリセリン;mol/mol)程度、好ましくは2〜40、より好ましくは3〜30である。
アルカリ性物質とグリセリンのモル比は、OHの当量として、通常0.2〜20(OH/グリセリン;mol/mol)、好ましくは0.5〜10、より好ましくは1.0〜5である。
本発明の乳酸の製造方法では、触媒として両性元素を加えなかった条件により反応させた場合と比べて、アルコールや他の有機酸などの不純物の割合が低く、乳酸含有率が高い。さらに、比較的低温度かつ低圧力の反応条件でグリセリンから乳酸を製造することができる。
したがって、本発明では、グリセリンから乳酸を製造するに際して、安価な両性元素を用いながら、不純物の含有量を少なくすることができ、かつ、より低温度/低圧力の反応条件とすることができる。本発明は、高価な金属を使用せず、比較的安価な亜鉛や鉛等の両性金属を用いる点で、経済的に有利な乳酸の製造方法である。
本発明の乳酸の製造方法を実施するための反応装置の構成の一例を示す図である。
以下に本発明を具体的に説明するための実施例および本発明の方法と比較するための比較例を挙げて本発明をより明確に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(反応装置)
図1は、本発明の乳酸の製造方法を実施するための反応装置の構成の一例を示す図である。
本発明の実施例および比較例に使用される反応装置は、高圧反応器(1)を有しており、その容積は300mLである。この高圧反応器(1)は、その内部に反応液を仕込んだ後に、密閉した状態とし加熱により高圧になっても耐えることができるような耐圧性を有している。
高圧反応器(1)内には、仕込まれた反応液を攪拌することができるように攪拌機(3)が設置されており、また、高圧反応器(1)内の温度を測定する温度計(4)および高圧反応器(1)内の圧力を測定する圧力計(5)が設けられている。
また、高圧反応器(1)の周囲には、高圧反応器(1)を加熱するためのヒータ(2)が設けられている。
(反応の実施方法)
下記に説明する全ての実施例および比較例において、高圧反応器(1)に反応液を仕込んで密閉した状態とし、ヒータ(2)により温度計(4)による測定温度が所定の温度に達した時点を反応開始時間とし、全ての実施例および比較例において反応継続時間を4時間とした。反応後の生成物含有液を含む高圧反応器(1)は、氷水を用いて冷却され、高圧反応器(1)から生成物含有液を取り出した。取り出した生成物含有液を、孔径0.45μmのフィルタに通してろ過し、ろ液を分析に供した。
(分析条件)
反応後の生成物含有溶液の分析には、液体クロマトグラフィーを用いた(液体クロマトグラフ装置:「e2695」(ウォーターズ社製)、分析カラム:「Shodex SH-1011」(昭和電工株式会社製)、ガードカラム:「SH-G」(昭和電工株式会社製)、検出器:UV(ultra violet)およびRI(Refractive Index))。
反応前後のグリセリン濃度と乳酸濃度とをそれぞれ算出し、これらの算出結果に基づいてグリセリンの転化率と乳酸選択率を算出した。
グリセリン転化率、乳酸選択率および不純物選択率は、それぞれ、次の式に基づいて算出した。
Figure 2016017051
(実施例1)
200mLビーカーにて、グリセリン27.7g(0.30mol)、水酸化ナトリウム18.1g(0.45mol)、水54.2g(3.0mol)、および過剰量の酸化亜鉛を混合し、常温で1時間ほど撹拌した後、静置し、上清を取り、これを反応溶液とした。
この反応溶液を高圧反応器(1)内に移し、攪拌機(3)により撹拌しながら、ヒータ(2)により高圧反応器(1)内を加熱した。温度計(4)による測定値が220℃になった時点を反応開始時間とし4時間にわたってこの温度に維持した。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は62.7%であり、乳酸選択率は92.4%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は7.6%であった。
(実施例2)
高圧反応器(1)内の温度を240℃に維持した以外は、実施例1と同様の条件として反応液を反応させた。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は93.1%であり、乳酸選択率は91.5%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は8.5%であった。
(実施例3)
200mLビーカーにて、グリセリン27.7g(0.30mol)、水酸化ナトリウム18.1g(0.45mol)、水54.2g(3.0mol)、および酸化亜鉛0.1gを混合し、酸化亜鉛が溶解するまで撹拌した。
得られた溶液を高圧反応器(1)内に移し、攪拌機(3)により撹拌しながら、ヒータ(2)により高圧反応器(1)内を加熱した。温度計(4)による測定値が240℃になった時点を反応開始時間とし4時間にわたってこの温度に維持した。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は66.7%であり、乳酸選択率は86.5%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は13.5%であった。
(実施例4)
酸化亜鉛の量を0.5gとした以外は、実施例3と同様の条件として反応液を反応させた。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は72.9%であり、乳酸選択率は90.3%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は9.7%であった。
(実施例5)
200mLビーカーにて、グリセリン27.7g(0.30mol)、水酸化ナトリウム18.1g(0.45mol)、水54.2g(3.0mol)、および過剰量の一酸化鉛を混合し、常温で1時間ほど撹拌した後、静置し、上清を取り、これを反応溶液とした。
この反応溶液を高圧反応器(1)内に移し、攪拌機(3)により撹拌しながら、ヒータ(2)により高圧反応器(1)内を加熱した。温度計(4)による測定値が220℃になった時点を反応開始時間として4時間にわたってこの温度に維持した。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は75.6%であり、乳酸選択率は91.9%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は8.1%であった。
(実施例6)
高圧反応器(1)内の温度を240℃に維持した以外は、実施例5と同様の条件として反応液を反応させた。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は97.1%であり、乳酸選択率は90.5%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は9.5%であった。
(実施例7)
200mLビーカーにて、グリセリン27.7g(0.30mol)、水酸化ナトリウム18.1g(0.45mol)、水54.2g(3.0mol)、および一酸化鉛0.1gを混合し、一酸化鉛が溶解するまで撹拌し、これを反応溶液とした。
得られた反応溶液を高圧反応器(1)内に移し、攪拌機(3)により撹拌しながら、ヒータ(2)により高圧反応器(1)内を加熱した。温度計(4)による測定値が240℃になった時点を反応開始時間とし4時間にわたってこの温度に維持した。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は51.0%であり、乳酸選択率は84.9%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は15.1%であった。
(実施例8)
一酸化鉛の量を0.5gとした以外は、実施例7と同様の条件として反応液を反応させた。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は77.3%であり、乳酸選択率は91.0%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は9.0%であった。
(比較例1)
高圧反応器(1)にグリセリン46.0g(0.5mol)、水酸化ナトリウム40g(1.0mol)、および水90g(5.0mol)を仕込んで密封した。
攪拌機(3)により攪拌しながら、ヒータ(2)により高圧反応器(1)内を加熱した。温度計(4)による測定値が220℃になった時点を反応開始時間として4時間にわたってこの温度に維持した。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は11.1%であり、乳酸選択率は44.0%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は56.0%であった。
(比較例2)
高圧反応器(1)にグリセリン27.7g(0.30mol)、水酸化ナトリウム18.1g(0.45mol)、および水54.2g(3.0mol)を仕込んで密封した。
攪拌機(3)により攪拌しながら、ヒータ(2)により高圧反応器(1)内を加熱した。温度計(4)による測定値が240℃になった時点を反応開始時間として4時間にわたってこの温度に維持した。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は12.1%であり、乳酸選択率は61.2%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は38.8%であった。
(比較例3)
高圧反応器(1)内の温度を260℃に維持した以外は、比較例2と同様の条件として反応液を反応させた。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は24.3%であり、乳酸選択率は54.8%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は45.2%であった。
(比較例4)
高圧反応器(1)内の温度を280℃に維持した以外は、比較例2と同様の条件として反応液を反応させた。
反応後の溶液を分析した結果、グリセリンの転化率は97.1%であり、乳酸選択率は34.5%であった。一方、不純物であるギ酸、酢酸、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを合わせた不純物選択率は65.5%であった。
(実施例1〜8および比較例1〜4のまとめ)
上記の実施例1〜8および比較例1〜4を実施した結果を下記の表1にまとめる。
Figure 2016017051
なお、上記の表1中、触媒濃度は、水熱反応を行う前の常温時の濃度を意味している。
表1に示したように、本発明の乳酸製造方法に従う実施例1〜8では、比較例1〜4と比べて220℃といった低い温度でもグリセリン転化率および乳酸選択率の双方ともに大きく向上した結果が得られた(実施例1、5および比較例1の結果参照)。
また、酸化亜鉛および一酸化鉛を触媒として用いた場合において、触媒の濃度を高くすることによりグリセリン転化率および乳酸選択率のいずれも向上した結果が得られた(実施例2〜4(ZnO)、実施例6〜8(PbO))。
以上の実施例に示したように、本発明の乳酸製造方法では、高価な固体触媒を用いることなく、安価な両性元素を含む化合物を溶解させたものを反応溶液中の触媒とすることで従来公知の技術よりも温和な反応条件でかつ高収率で乳酸を製造することが可能となる。
1 高圧反応器
2 ヒータ
3 攪拌機
4 温度計
5 圧力計

Claims (4)

  1. アルカリ性の条件下でグリセリンを水熱反応させる乳酸の製造方法であって、
    グリセリンと、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物と、水と、両性元素とを混合・攪拌して、両性元素が溶解した反応溶液を作製する工程と、
    両性元素を溶解させたアルカリ性の条件下にある該反応溶液中のグリセリンを水熱反応させる工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記両性元素が、ZnまたはPbである、請求項1に記載の乳酸の製造方法。
  3. 反応溶媒である水とグリセリンのモル比が1〜50(水/グリセリン;mol/mol)であり、アルカリ性の条件とするために用いられるアルカリ性物質とグリセリンのモル比が、OHの当量として、0.2〜20(OH/グリセリン;mol/mol)である、請求項1または2に記載の乳酸の製造方法。
  4. 前記水熱反応を200〜260℃の温度で行う、請求項1〜3のいずれか1つに記載の乳酸の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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