JP2016015605A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のアンテナを有する無線通信装置において、送信リソースの確保やガード区間の使用を必要とせず、キャリブレーションすることを目的とする。【解決手段】複数アンテナ素子を備えた無線通信装置において、送信信号のうち、アンテナ間で直交する制御信号又は実データをもつ信号をキャリブレーションに利用し、通常の送信信号として出力し、受信した信号を用いて各アンテナの差を補正することで、アンテナキャリブレーションを行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、無線通信装置のアンテナ補正技術に関する。
近年の移動体通信においては、データトラフィックの急激な増加に対応するために、ペアバンドが必要ないため周波数の割り当てが比較的容易であり、送信信号と受信信号が同じ周波数かつ時分割で通信を行う複信方式であるTDD方式の無線装置が注目されている。
また、複数のアンテナ素子を利用することで通信容量の増加やセルエッジでの通信品質改善を行うマルチアンテナ技術の重要性が高まっている。
マルチアンテナ技術の一つであるビームフォーミングは、複数のアンテナ素子から出力される送信信号に送信アンテナウェイト情報を乗算することで振幅・位相を調整してビームを形成し、目標となる無線装置近傍で電波が強め合うように制御することで、干渉の抑制や通信品質を改善する技術である。
特に、TDD方式を採用している場合は、同一周波数で送受信を行うため、瞬時的に伝搬路の可逆性が成り立ち、受信信号を元に送信信号のチャネル推定が可能となり、送信アンテナウェイト情報の生成が容易となる。
ただし、このマルチアンテナ技術において、送信ビームの生成精度は、送信系毎に異なるRF回路のアナログ誤差等により生じる信号経路の位相・遅延量の影響を受ける。特に、TDD方式を採用する無線装置においては、チャネル推定方法より、無線装置における同じアンテナの送信系/受信系、及びアンテナ間の相対位相・遅延差もチャネル推定の誤差となり、送信ビームの精度が劣化する。このため、高精度なビームフォーミングを実現するためには、各アンテナ間、及び送信系/受信系に対してキャリブレーションが重要となる。また、この特性は、温度変化等のような環境変化や装置の電源ON/OFFによるアクティブデバイスの状態変化によっても変化するため、定期的に補正する必要があり、現在までに様々な補正方法が考案されている。
装置の送信系/受信系を活用し、設置後または運用中の補正を可能にする手段として、特許文献1では、送信系の補正を行うために、送信リソースの空きを検索、または上り信号から下り信号に切り替え区間として設けられている、信号を送信しないガード区間を利用している。空き送信リソース又はガード区間に、アンテナからキャリブレーション信号を送信し、別のアンテナで受信することで位相・遅延量の測定を行い、補正値を求めている。
特許文献2では、空き送信リソースが存在しない場合でもキャリブレーションを実施できるように、通信中の制御信号を利用している。
特開2010−041269号公報 特開2008−166866号公報
特許文献1では、空き送信リソースを使用してキャリブレーションを行うため、トラフィックがひっ迫し、長時間空きリソースが確保できない場合、キャリブレーションが行うことができない。そのため、温度等の環境変化により補正値がずれてしまい、ビームの精度が低下する恐れがある。また、ガード区間を使用する場合も、本来無線装置が送信しないタイミングで、通常の送信信号と異なるキャリブレーション信号が出力される。そのため、通信相手側の無線装置や他システムが共存する場所では、通信相手側の無線装置から出力される信号や他システムから出力される信号等との干渉を引き起こす可能性がある。他にも、空き送信リソースを検出するためのスケジューラの実装やキャリブレーション信号生成手段が必要となる。
また、特許文献2では、通信中の制御信号をキャリブレーションに利用している。しかしながら、キャリブレーションのタイミングを、マルチアンテナ技術を利用した送信を行わないタイミングとしているため、キャリブレーションを実施する際には、対象のアンテナ以外は送信を止める必要がある。つまり、特許文献1と同様に、キャリブレーション専用の送信リソースを確保する必要があり、キャリブレーション可能なタイミングが長時間確保できない場合は、やはり送信ビームの精度が低下してしまう。また、キャリブレーションをアンテナ1組毎に順番に実施する必要があるため、近年の多アンテナ化においては、キャリブレーション完了までに時間がかかる可能性がある。
このような事情を鑑み、本発明では、送信リソースの確保やガード区間の使用を必要とせず、キャリブレーションすることを目的とする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下の
とおりである。
複数のアンテナを有する無線通信装置であって、他の無線通信装置との通信に用いられアンテナ間で送受信される、アンテナ間で直交する信号をキャリブレーション信号として用いて、複数のアンテナのキャリブレーションを行う無線通信装置である。
本発明によると、送信リソースやガード区間を使用することなく、アンテナキャリブレーションを実施する手段を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
無線基地局の装置機能ブロック図である。 無線基地局の要部システムブロック図である。 キャリブレーション実施時の動作シーケンス例である。 無線基地局の要部システムブロック図である。 アンテナ2本時の電力減衰器位相・遅延管理テーブルの構成例である。 キャリブレーション実施時の動作シーケンス例である。 アンテナ2本時のCRSマッピング例である。 無線基地局の位相回転量を説明する図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合及び原理的に明らかに必須であると考えられる場合などを除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。本実施の形態では、無線基地局のアンテナキャリブレーション方法を例示する。
図1は、本実施の形態に係る無線通信装置のアンテナキャリブレーションを実施する無線基地局の構成例を示す装置機能ブロック図である。なお、以下の本実施の形態では、アンテナ2系統構成の無線基地局におけるキャリブレーション実施例について説明するが、アンテナ構成等はあくまでも一例であり、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
図1に示すように、無線基地局100は、アンテナ素子110a、b、受信した信号を復調しデジタル部へ渡す受信系130a、b、送信する信号を変調しアンテナ素子へ渡す送信系120a、b、送信系からの信号をアンテナ素子へ通過させ、アンテナ素子からの信号を受信系へ通過させるサーキュレータ140a、b、受信信号の中からキャリブレーション信号を抽出し、位相・遅延量の測定を行うキャリブレーション信号検出部150a、b、送信信号に対して相対位相・遅延の補正を行う位相・遅延補正部160a、b、キャリブレーション信号検出部150a、bから通知されるキャリブレーション信号の位相・遅延量の情報から、各アンテナの送受信系の相対位相・遅延差を算出し、さらに、算出した結果から各アンテナ間の相対位相・遅延が同じとなるよう補正値を導出し、位相・遅延補正部160a、bへ通知するキャリブレーション制御部170、キャリブレーション信号検出部150a、bへキャリブレーションに利用する信号の情報、及びその信号を送信したタイミングを通知するモデム180で構成される。
本実施例では、図1に示すような複数のアンテナ素子を持ち、送受信の分離にサーキュレータ140を使用するTDD方式を採用する無線基地局100において、信号の送信元のアンテナが判別可能な、アンテナ間で相関のない、直交する制御信号又は実データをもつ信号そのものをキャリブレーションに利用する。直交する制御信号又は実データをもつ信号は、無線基地局が端末との通信に用いる信号であって、キャリブレーション専用の信号ではない。以降、アンテナ間で直交する制御信号又は実データをもつ送信信号のうち、キャリブレーションに利用する信号をキャリブレーション信号と記述する。
本実施例では、全アンテナから通常の送信信号として同時に出力し、各アンテナ素子110a、bにて他のアンテナ素子から出力された送信信号を同時に受信し、受信系130a、bに入力する。その後、A/D変換されデジタル部に実装されたキャリブレーション信号検出部150a、bにて、モデム180から通知されたキャリブレーションに用いる信号の情報とタイミングを利用し、所望のアンテナ素子から送信されたキャリブレーション信号を抽出する。そして、キャリブレーション信号を送信した送信系と信号を抽出した受信系までのアンテナ間伝搬路特性として位相・遅延量を測定する。この測定は、全ての送受信アンテナの組み合わせで実施し、キャリブレーション制御部170にて各アンテナ素子における送信系120a、bと受信系130a、bの相対位相・遅延差を算出する。さらに、算出した結果から各アンテナ素子間での相対位相・遅延が同じになるように補正値を導出する。このようにして導出した補正値をデジタル部に実装する位相・遅延補正部160a、bに通知し、受信系の特性を含むチャネル情報から推定した送信アンテナウェイト情報を乗算した送信信号に適用する。これにより、各アンテナの送信系と受信系、及び各アンテナ素子間の差の補正、つまりアンテナキャリブレーションが可能となる。
このように、アンテナ間で直交する送信信号そのものを使用してアンテナキャリブレーションを行う。これにより、送信リソースの確保やガード区間の使用を必要とせずに、アンテナキャリブレーションが可能となる。これにより、ビーム精度の低下や干渉の可能性を低減することができる。さらに、空き送信リソースを検出するためのスケジューラや、キャリブレーション信号発生手段を必要としない。
また、キャリブレーション対象のアンテナ以外の送信を止める必要がなく、アンテナ1組毎に実施する必要がないため、複数のアンテナ(又は全てのアンテナ)を同時にキャリブレーションすることができる。これにより、キャリブレーション完了までの時間を短縮できる。
次に、図1の無線基地局100においてアンテナキャリブレーションを行う際の動作について、図2に示すシーケンス図を参照して説明する。
まず、送信系120a−受信系130b間の位相・遅延量の測定について述べる。図1の無線基地局100では、モデム180から送信系120aを介してアンテナ素子110aから送信される信号が送られる(シーケンス201)。キャリブレーションには、この送信信号の中からアンテナ間で直交する制御信号又は実データをもつ信号を利用する。モデムはキャリブレーション信号が送信された際に、アンテナ1系のキャリブレーション信号検出部150bへキャリブレーション信号の情報、及びキャリブレーション信号を送信したタイミングを通知する(シーケンス202)。モデム180からアンテナ0系へ送られた信号は、アンテナ素子110aから送信され、アンテナ素子110bにて受信される(シーケンス203)。アンテナ素子110bにて受信した信号には、アンテナ素子110aから送信されたキャリブレーション信号以外の信号も含まれる。例えば、アンテナ数が増加した場合には、所望のアンテナから送信された信号以外も受信信号に含まれる。通常の信号であれば送信されたアンテナの識別は困難だが、本実施例の場合はアンテナ間で直交する制御信号又は実データをもつ信号をキャリブレーションに利用することで、キャリブレーション信号を送信したアンテナの識別が可能となる。このキャリブレーション信号を受信信号から抽出するため、シーケンス202にてモデム180から取得した所望のアンテナから送信されたキャリブレーション信号の情報を用いて、キャリブレーション信号検出部150bにてキャリブレーション信号を抽出する(シーケンス204)。なお、図1では、一受信系につき、一キャリブレーション信号検出部としたが、複数アンテナから送信されたキャリブレーション信号を同時に抽出、測定を行う場合には、一受信系に対し、複数のキャリブレーション信号検出部を設けてもよい。また、受信した信号を保持しておき順に抽出・測定を行ってもよいし、受信タイミングを変えて順に抽出・測定を行ってもよく、キャリブレーション信号検出部の数等に制限はない。
次に、この抽出したキャリブレーション信号をもとに、送信系120a−受信系130b間の位相・遅延量の測定を行う(シーケンス205)。測定した位相・遅延量は、キャリブレーション信号検出部150bからキャリブレーション制御部170へ通知される(シーケンス206)。キャリブレーション制御部170では、キャリブレーション信号検出部150bから通知される送信系120a−受信系130b間の位相・遅延量を取得、保持する(シーケンス207)。
続いて、送信系120b−受信系130a間の位相・遅延量についても同様に測定を行う。図1の無線基地局100では、モデム180から送信系120bを介してアンテナ素子110bから送信される信号が送られる(シーケンス208)。キャリブレーションには、この送信信号の中からアンテナ間で直交する制御信号又は実データをもつ信号を利用する。モデムはキャリブレーション信号が送信された際に、アンテナ0系のキャリブレーション信号検出部150aへキャリブレーション信号の情報、及びキャリブレーション信号を送信したタイミングを通知する(シーケンス209)。モデム180からアンテナ1系へ送られた信号は、アンテナ素子110bから送信され、アンテナ素子110aにて受信される(シーケンス210)。アンテナ素子110aで受信した信号には、アンテナ素子110bから送信されたキャリブレーション信号以外の信号も含まれるので、この信号からキャリブレーション信号を抽出するため、シーケンス209にてモデム180から取得した所望のアンテナから送信されたキャリブレーション信号の情報を用いて、キャリブレーション信号検出部150aにてキャリブレーション信号を抽出する(シーケンス211)。次に、この抽出したキャリブレーション信号をもとに、送信系120b−受信系130a間の位相・遅延量の測定を行う(シーケンス212)。測定した位相・遅延量は、キャリブレーション信号検出部150aからキャリブレーション制御部170へ通知される(シーケンス213)。キャリブレーション制御部170では、キャリブレーション信号検出部150aから通知される送信系120b−受信系130a間の位相・遅延量を取得、保持する(シーケンス214)。
なお、キャリブレーション実施時には、全ての送受信アンテナの組み合わせについて、位相・遅延量の測定が必要となる。組み合わせ毎の測定順は任意であり、同じタイミングで行ってもよい。
キャリブレーション制御部170では、以上のようにして測定した各送受信系の位相・遅延量から、各アンテナの送受信系の相対位相・遅延差を算出し、その結果から各アンテナ間の相対位相・遅延が同じとなるよう補正値を導出する(シーケンス215)。詳細な導出方法については後述する。導出した補正値をキャリブレーション制御部170から位相・遅延補正部160a、bへ通知し(シーケンス216)、この補正値の情報をもとに、位相・遅延補正部160a、bは受信系の特性を含むチャネル情報から推定した送信アンテナウェイト情報を乗算した送信信号に対して補正値を適用する(シーケンス217、218)。
図3は、本実施の形態に係る無線通信装置のアンテナキャリブレーションを実施する無線基地局の要部を示すシステムブロック図である。図3を用いて、アンテナキャリブレーション実施時の各部の詳しい機能を説明する。なお、以下の本実施の形態では、アンテナ2系統構成の無線基地局におけるキャリブレーション実施時の各部の機能について説明するが、該機能の実現方法はこれに限定されるものではない。
キャリブレーション信号検出部150a、bは、受信した信号から所望のアンテナ素子より送信されたキャリブレーション信号の抽出を行う。本実施例では、キャリブレーション信号の抽出方法として、モデム180から通知されたキャリブレーションに用いる信号の情報やその信号を送信したタイミングを利用し、所望のアンテナ素子から送信されたキャリブレーション信号を全受信信号から抽出するマッチドフィルタ350a、bを用いているが、同機能を実現するものであれば、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。マッチドフィルタを用いると、モデム180から通知されたキャリブレーションに用いる信号との相関値が最も高い信号として、キャリブレーション信号を抽出できる。次に、位相・遅延量測定部351a、bは、キャリブレーション信号を送信した送信系120a、bと信号を抽出した受信系130a、bまでの位相・遅延量の測定を行う。ここでは、モデム180から通知されたキャリブレーションに用いる信号とマッチドフィルタにて抽出した信号との差分が位相・遅延量として測定される。この位相・遅延量は、特定の周波数、例えば中心周波数で送信されるキャリブレーション信号を用いて測定されたものである。
キャリブレーション制御部170の相対位相・遅延計算部370は、キャリブレーション信号検出部150a、bから通知される位相・遅延量をもとに、各アンテナの送受信系の相対位相・遅延差を算出し、その結果から各アンテナ間の相対位相・遅延が同じとなるよう補正値を導出し、位相・遅延補正部160a、bへ通知する。
通知される位相・遅延量からの相対位相・遅延の詳しい算出方法について説明する。まず、図8を用いて相対位相の算出方法について説明する。キャリブレーション制御部170内の相対位相・遅延計算部370での相対位相導出方法として、今回はアンテナ素子が2本の場合を例として取り上げる。
キャリブレーション信号を利用し、測定される送信系120a−受信系130b間の位相量は、
Figure 2016015605
で表される。なお、
Figure 2016015605
は、送信系120aでの位相回転量108a、
Figure 2016015605
は、受信系130bでの位相回転量109b、
Figure 2016015605
は、アンテナ素子110aとアンテナ素子110b間の伝搬路での位相回転量1010aを表している。
同様にして、送信系120b−受信系130a間の位相量は
Figure 2016015605
と表される。
この測定値から、各アンテナ間の相対位相量は
Figure 2016015605
と算出できる。アンテナ素子nの送受信系相対位相差を
Figure 2016015605
と表すと、各アンテナ間の相対位相量は
Figure 2016015605
となる。これを、アンテナ0系を基準とすると、
Figure 2016015605
と表すことができ、これを補正値として位相の補正を行う。具体的には、相対位相量が0となるように補正を行う。なお、アンテナが複数本実装されている場合も同様に、全ての送受信アンテナの組み合わせの測定値から各アンテナ間の相対位相量を求め、この相対位相量が各アンテナ間で0となるよう補正値を導出する。
次に、相対遅延の算出方法について説明する。送信信号を送信するために使用される帯域は、例えば10MHzなど広帯域に及ぶ。一般的にこのように通信で使用する周波数が帯域幅を有する場合、群遅延が発生する。そのため、帯域内での遅延を補正するためには、特定の周波数、例えば中心周波数でのみキャリブレーション信号を送信するのではなく、帯域内の任意の周波数で測定を行う方がよい。そこで、帯域内の任意の周波数で測定した遅延量と中心周波数での遅延量の測定値の差分を算出し、周波数に対する遅延量の傾きを導出する。この遅延量の傾きを用いることにより、帯域内で生じる遅延の補正も可能となる。なお、周波数に対する遅延量の傾きの求め方は、これに限定されるものではない。
位相・遅延補正部160a、bは、送信アンテナウェイト情報を乗算した送信信号に対して、位相分の補正値を適用する位相補正部360a、b、位相補正後の該送信信号に対し、通信帯域内で生じる遅延分の補正値を適用する遅延補正部361a、bを含む。このような信号に対する位相や遅延の補正方法については、例えばオールパスフィルタ等を用いる方法が知られているが、同機能を実現するものであれば、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。なお、送信アンテナウェイト情報は、TDD方式特有の伝搬路の可逆性を利用して推定されるものである。具体的には、端末からの上り信号から各アンテナの受信系の特性を含む伝搬路情報を取得し、当該伝搬路情報から送信アンテナウェイト情報を推定することができる。
なお、図3のアンテナ2系統構成の場合、アンテナ0系を基準として相対位相・遅延を揃えればよいため、位相・遅延の補正を行うのは、アンテナ1系の位相・遅延補正部160bのみでよい。アンテナ1系を基準として相対位相・遅延を揃える場合には、アンテナ0系の位相・遅延補正部160aのみが位相・遅延の補正を行えばよい。
一般的に、実施例1のような無線基地局では、信号の送受信を行うアンテナ素子110a、bは近傍に位置している。無線基地局において、通常の通信中のアンテナ出力は受信信号に対して大きく、送信信号が他のアンテナ素子110a、bにそのまま入力されると、送信電力によっては受信系130a、bを破損させてしまう恐れがある。そこで、実施例2では、送信区間にて受信系130a、bを保護する手段として、電力減衰器を有する無線基地局でのアンテナキャリブレーション方法を例示する。なお、本実施例では、送信区間にて受信系130a、bを保護する手段として電力減衰器を用いるが、同機能を実現するものであれば、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
図4は、本実施の形態に係る無線通信装置のアンテナキャリブレーションを実施する無線基地局の構成例を示す装置機能ブロック図である。図4に示すように、本構成例では、受信部前段に電力減衰器471a、bを実装する。図4では、電力減衰器471a、bのON/OFF等の動作をモデムにて制御しているが、電力減衰器471a、bの制御元はこれに限定されるものではない。
電力減衰器471a、bは、アンテナ素子110a、bへの過入力に対し、受信系130a、bの保護を目的として実装されるため、通常の受信区間においては、電力減衰器471a、bを機能させる必要がない。そのため、電力減衰器471a、bの減衰量を調整したり、スイッチ等を用いて別経路を設けたりすることが考えられる。つまり、電力減衰器471a、bを実装する場合には、通常の受信区間とキャリブレーションを行う送信区間において受信系の信号経路に差異が発生する。受信系の位相・遅延量が電力減衰器471a、b分異なってしまうため、実施例1と同様に位相・遅延量を導出すると、電力減衰器471a、b分の誤差が生じてしまい、相対位相・遅延量を正確に導出できない虞がある。このため、電力減衰器471a、bにおいて発生する位相・遅延を考慮する必要がある。また、電力減衰器471a、bは温度の影響も受けるため、温度によっても補正値に誤差が生じる虞がある。
図4のブロック図例では、キャリブレーション制御部170が、予め取得した電力減衰器471a、bの位相・遅延量を、電力減衰器位相・遅延管理テーブル470に保持する。これにより、送信区間と受信区間で信号経路に差異が生じる場合や、電力減衰器471a、bの減衰量が調整される場合においても、測定値から電力減衰器471a、bの位相・遅延量を減算することにより、正確な相対位相・遅延量を導出することが可能となる。
また、電力減衰器471a、bの温度特性を考慮し、電力減衰器471a、b近傍に温度センサ472a、bを実装する。これにより、電力減衰器471a、b周囲の温度を温度センサ472a、bで測定し、その温度に対応する位相・遅延量を測定値から減算することで、より正確な相対位相・遅延量の導出が可能となる。
図4のアンテナ素子110a、b、送信系120a、b、受信系130a、b、サーキュレータ140a、b、キャリブレーション信号検出部150a、b、位相・遅延補正部160a、b、モデム180の機能は図3と同一であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、図4の受信系前段に電力減衰器471a、bを実装した無線基地局100におけるアンテナキャリブレーション方法について、図6に示すシーケンス図を参照して説明する。
まず、送信区間にて受信系130a、bを保護する手段として、電力減衰器471a(ATT0)、471b(ATT1)を機能させる(シーケンス601、602)。次に、送信系120a−受信系130b間の位相・遅延量の測定を行う(シーケンス603〜609)。この測定方法は、図2で説明した内容と同様であるため、説明を省略する。キャリブレーション制御部170は、位相・遅延量を取得した際の電力減衰器471b周辺の温度を温度センサ472bから読み取る(シーケンス610)。
続いて、送信系120b−受信系130a間の位相・遅延量について測定を行う(シーケンス611〜617)。この測定方法も、図2で説明した内容と同様であるため、説明を省略する。キャリブレーション制御部170は、位相・遅延量を取得した際の電力減衰器471a周辺の温度を温度センサ472aから読み取る(シーケンス618)。
キャリブレーション制御部170では、読み取った電力減衰器471a、b周辺の温度を参考に、キャリブレーション制御部170内の電力減衰器位相・遅延管理テーブル470から電力減衰器471a、bにおいて発生する位相・遅延量を取得する(シーケンス619)。
ここで、図5を参照して、アンテナ素子が2本の場合の電力減衰器位相・遅延管理テーブル470の構成例について説明する。
キャリブレーション制御部170では、該キャリブレーション制御部170内の電力減衰器位相・遅延管理テーブル470にて、電力減衰器471a、bの温度に対する位相・遅延を管理している。電力減衰器471a、bの位相・遅延は部品、温度毎に夫々異なるため、装置出荷時や施工時等に測定器を用いて、事前に電力減衰器471a、bの位相・遅延量を温度別に測定する。なお、これは電力減衰器471a、bの位相・遅延量の導出方法の一例であり、電力減衰器471a、bの遅延量の求め方はこれに限定されるものではない。
また、部品の経年劣化等を含む遅延量の変化を考慮する場合は、運用中に電力減衰器位相・遅延管理テーブル470の情報を更新してもよい。更新方法としては、トラフィックがひっ迫している時間帯を避けながら、受信信号やガード時間等のリソースを使用した信号の送受信を行うことで、キャリブレーション実施時の過入力による受信系130a、b破損を防止しつつ、電力減衰器471a、bの遅延量を導出する方法を用いてもよい。
シーケンス619にて取得した電力減衰器471a、bの位相・遅延量を、ステップ609、617において取得した位相・遅延量から減算する(シーケンス620)。そして、相対位相・遅延計算部270は、シーケンス620で算出した値から、各アンテナの送受信系の相対位相・遅延差を算出し、その結果から各アンテナ間の相対位相・遅延が同じとなるよう補正値を導出する(シーケンス621)。キャリブレーション制御部170は、導出した補正値を位相・遅延補正部160a、bへ通知する(シーケンス622)。この補正値の情報をもとに、位相・遅延補正部160a、bは受信系の特性を含むチャネル情報から推定した送信アンテナウェイト情報を乗算した送信信号に対して補正値を適用する(シーケンス623、624)。
以上のように本実施の形態では、受信系前段に電力減衰器471a、bを実装することにより、アンテナ素子110a、bへの過入力に対し、受信系130a、bの保護を可能とする。
また、電力減衰器471a、bを実装した場合に生じる、受信区間と送信区間での信号経路の差異を考慮して、電力減衰器位相・遅延管理テーブル470を備える。電力減衰器位相・遅延管理テーブル470は、予め取得した電力減衰器471a、bの位相・遅延量を保持するものである。そして、測定値から電力減衰器471a、bの位相・遅延量を減算することにより、正確な相対位相・遅延量の導出を可能としている。
また、電力減衰器471a、bの温度特性を考慮し、電力減衰器471a、b近傍に温度センサ472a、bを実装する。これにより、電力減衰器471a、b周囲の温度を温度センサ472a、bで測定し、その温度に対応する位相・遅延量を測定値から減算することにより、より正確な相対位相・遅延量の導出を可能とする。
LTE(Long Term Evolution)システムにおいて、アンテナキャリブレーションを実施する場合、キャリブレーション信号として利用できる信号の一つに、CRS(Cell−specific Reference Signal)がある。CRSは各アンテナ素子から送信される、伝搬路推定や受信品質測定等に用いられる信号である。CRSは送信系毎に異なる周波数または時間に割り当てられているため、所望のアンテナから送信されたCRSの割り当てられた周波数と時間がわかれば、所望のアンテナから送信されたCRSを抽出できるため、本実施の形態のキャリブレーション信号として用いることができる。アンテナ素子が2本の場合のCRSの割り当てを図7に示す。
CRSをキャリブレーション信号として利用する場合のアンテナキャリブレーション方法について、図1の無線基地局100の装置機能ブロック図を用いて説明する。
まず、送信系120a−受信系130b間、及び送信系120b−受信系130a間の位相・遅延量の測定を行う。測定方法は実施例1と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。本実施例では、モデム180から送信系120a、bを介してアンテナ素子110a、bから送信される信号に、送信信号の一つであるCRSを利用し、キャリブレーションを行う。モデム180から取得したCRSの情報を用いて、キャリブレーション信号検出部150a、bは、アンテナ素子110a、bにて受信した信号からCRSを抽出する。なお、CRSは図7に示すように、異なる周波数または時間に割り当てられているため、この情報をもとに抽出する様な構成としても良い。
この抽出したCRSをもとに、位相・遅延量の測定を行う。測定後、キャリブレーション制御部170にて、実施例1と同様に各アンテナ間の相対位相・遅延が同じとなるよう補正値を導出する。キャリブレーション制御部170での補正値の導出方法やその後の補正方法については、実施例1と同一であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
以上のように本実施例では、CRSをキャリブレーションに利用することにより、送信リソースやガード区間を使用することなく、所望のタイミングにて全ての送受信アンテナで同時にアンテナキャリブレーションを実施する手段を提供する。
100 無線基地局
110a、b アンテナ素子
120a、b 送信系
130a、b 受信系
140a、b サーキュレータ
150a、b キャリブレーション信号検出部
160a、b 位相・遅延補正部
170 キャリブレーション制御部
270 相対位相・遅延計算部
350a、b マッチドフィルタ
351a、b 位相・遅延量測定部
360a、b 位相補正部
361a、b 遅延補正部

Claims (6)

  1. 複数のアンテナを有する無線通信装置であって、
    他の無線通信装置との通信に用いられ前記アンテナ間で送受信される、前記アンテナ間で直交する信号をキャリブレーション信号として用いて、前記複数のアンテナのキャリブレーションを行う無線通信装置。
  2. 請求項1に記載の無線通信装置であって、
    前記複数のアンテナの内の第1のアンテナから、前記アンテナ間で直交する信号を送信する第1の送信部と、
    前記第1のアンテナとは異なる第2のアンテナを介して、前記第1の送信部が送信した信号を受信する第1の受信部と、
    前記第2のアンテナから、前記アンテナ間で直交する信号を送信する第2の送信部と、
    前記第1のアンテナを介して、前記第2の送信部が送信した信号を受信する第2の受信部と、
    前記第1の受信部で受信した信号を用いて、前記第1の送信部から前記第1の受信部までの第1の位相量を測定し、かつ、前記第2の受信部で受信した信号を用いて、前記第2の送信部から前記第2の受信部までの第2の位相量を測定する位相量測定部と、
    前記第1の位相量と前記第2の位相量を用いて、前記第1のアンテナと前記第2のアンテナ間の相対位相量を計算する相対位相量計算部と、を有することを特徴とする無線通信装置。
  3. 請求項2に記載の無線通信装置であって、
    前記無線通信装置は、TDD方式を採用する基地局であり、
    端末からの上り信号に基づいて伝搬路情報を取得し、
    前記伝搬路情報を用いて生成される送信信号に対して、前記相対位相量を補正することにより前記キャリブレーションを行うことを特徴とする無線通信装置。
  4. 請求項2に記載の無線通信装置であって、
    前記受信部を保護するための電力減衰器を有することを特徴とする無線通信装置。
  5. 請求項4に記載の無線通信装置であって、
    前記相対位相量計算部は、前記電力減衰器における位相量を用いて、前記相対位相量を計算すること特徴とする無線通信装置。
  6. 請求項5に記載の無線通信装置であって、
    温度センサをさらに有し、
    温度に対応する前記電力減衰器の位相量を管理する管理テーブルを保持し、
    前記相対位相量計算部は、前記温度センサから取得した温度に対応する位相量を前記管理テーブルから取得し、取得した位相量を用いて、前記相対位相量を計算すること特徴とする無線通信装置。
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