JP2016013465A - 照射計画の策定方法および空間分解放射線量の投与方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度で高コスト効率になる、改良された照射計画、放射線発生装置を提供する。
【解決手段】ビーム生成装置用の放射計画を設定する方法に関する。放射計画は、放射計画を適用するときに生じることのある少なくとも1つの基本パラメータ29と、少なくとも部分的にかつ/または少なくとも一時的に相関する、複数の照射位置33を含む。放射計画の設定の間に、少なくとも1つの基本パラメータ29との相関がより生じやすい、放射位置33の部分が、より多く考慮に入れられる。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射線発生装置用の照射計画を策定する方法に関する。さらに、本発明は、少なくとも1つの放射線発生装置を使用して、少なくとも1つの照射位置において、空間分解放射線量を投与する方法に関する。さらに、本発明は、照射計画を策定する装置、少なくとも1つの放射線発生装置を作動させる装置、ならびに放射線発生装置を作動させる少なくとも1つの装置を含む、放射線発生装置に関する。
今日、あらゆる種類の技術領域において、物体に照射が行われる。具体的な使用要件に応じて、様々な種類の放射線(例えば、光子放射線、粒子放射線など)に加えて、まったく異なる広範囲の照射方法が使用されている。
多くの技術分野において、例えば、放射線ができる限り均一に作用するように、2次元的または3次元的に対象物を照射する必要がある。このような要件は、例えば、材料を硬化させようとするか、またはその材料特性の観点において何らかの別の方法で変化させようとする場合に存在する。食品技術の領域においては、食品製品に、ある種の放射線を使用することによって、より長い貯蔵寿命を与えることが極めて一般的になっている。
その他の技術分野においては、対照的に、照射しようとする対象物の特定の領域を、特有の、通常は非常に高い、線量で照射することだけが必要であり、これに対してその対象物の他の部分はできる限り少なく、またはまったく照射されないようにされる。このような一例が、電磁放射線(場合によっては、はるかX線域およびそれを超える)に加えてイメージングマスクを使用する、マイクロプロセッサまたはその他のマイクロストラクチャもしくはナノストラクチャの構造化である。
局所的に変化する線量分布は、必ずしも2次元的にだけ構造化されることはなく、むしろ、技術分野によっては、それは3次元的にも構造化される。そのような有効放射線の3次元的構造化によって、例えば、身体内にある照射しようとする体積部位(volume area)を、身体(特にその外殻)を損傷したり切開する必要なく、直接的および間接的に照射することが可能である。
このプロセスにおいて、照射しようとする身体(またはその内側に位置する体積部位)が、静的または不動の状態だけでは存在しないという問題がしばしば発生する。それとは逆に、身体または身体の部分(特に、照射しようとする体積部位)が運動しているということも起こり得る。運動は、外部座標系に対して並進的(translatorily)だけでなく、照射しようとする身体の様々な領域の、相対的なずれの形態(ねじれ、変形、圧縮および/または伸長を含む)でも行われる可能性がある。
そのような(本質的に)運動している物体に照射できるようにするために、いわゆる4D照射方法(4次元照射方法)が使用される。実際には、これらは、時間的な変化を有する(時間を第4の次元とする)3次元照射方法である。そのような材料処理方法の例は、高度に集積化された構成要素(特に、マイクロプロセッサおよびメモリチップ)の生産において、また同様に微細構造化またはナノ構造化された機構の生産における材料科学の領域においても見ることができる。
3次元および4次元の照射方法を使用する別の技術分野は、医療技術の分野である。ここでも、概して、身体内部の特定の体積部位、例えば、腫瘍を照射することが必要である。「照射(irradiation)」という用語は、身体内部の体積部位を、放射線、例えば、粒子放射線または光子放射線に露出させることを意味する。特に、特定の体積部位を、最高可能線量に露出させることが必要である。周辺組織の露出は、可能な限り最少程度、または好ましくは基本的に皆無にしなければならない。このことは、周辺組織が、例えば、(通常、技術用語で「リスク臓器」、略語でOAR(organ at risk)と呼ばれる)敏感な臓器のような、いわゆる決定組織(critical tissue)であるときに当てはまる。例えば、これは脊髄、血管または神経節であり得る。
特に、医療技術の領域においては、明白な理由から、使用される方法は、精密かつ誤りなく機能しなくてはならない。医療技術の領域における別の問題は、環境が異なるために(例えば、患者の異なる体格、腫瘍の異なる位置、異なる寸法、異なる特徴)、実際には常に異なる開始条件があることである。これは、各患者の放射線(治療)は、ケース・バイ・ケースで実施しなくてはならないことを意味する。概して、現況の先端技術に基づいて、これらの個々の特性は、いわゆる照射計画を利用して、照射を計画する間に考慮に入れられる。ここで、様々な組織領域に対して医師によって処方される線量分布は、「機械可読パラメータ」に変換される。言い換えると、放射線を発生する装置に対して一組のパラメータが計算されて、医師によって処方される可能な最良の線量分布を受けるために、患者が放射線、例えば、粒子線に露出されるべき要領を示す。この意味合いで、例えば、ビーム位置、ビームエネルギー、ビーム入射方向、粒子ビームの時間管理(走査運動)、粒子の種類、その他が決定される。照射計画を策定する際に、多数の非線形で複雑な相互関係を考慮しなくてはならない。すなわち、例えば、荷電粒子の場合には、ブラッグピーク(Bragg peak)の背後に位置する組織中への線量堆積(実際には望ましくない)を考慮に入れる必要があるが、特にブラッグピークの前方の組織中への線量堆積を考慮に入れる必要がある。さらに、いわゆる相対生物学的効果(RBE:relative biological effectiveness)を、計算上で考慮に入れなければならない。放射線の組織に及ぼす影響は、放射線の種類、粒子の種類、粒子エネルギーおよび被照射組織自体の種類などの、異なるパラメータに依存する。さらに、2次放射による影響を考慮に入れなくてはならない。
すでに存在する複雑さは、照射される患者、または照射される目標体積部位が動く場合には、さらに増大する。精密な治療を実行することをそれでも可能にするためには、特殊な方法が必要となる。現在、2つの特殊な方法が、この問題を解決するのに頻繁に使用され、それは、いわゆるゲーティング法(gating method)、ならびにいわゆるトラッキング法である。ゲーティング法においては、患者の特定の運動状態の観点において、照射計画が最適化される。患者がこの特定の運動フェーズにある場合には、好適な放射線堆積が実行される。しかしながら、患者が別の運動フェーズにある場合には、患者の組織は、「完全に不適切に」そして誤って照射されることになる。一般的には許容されない、そのような誤った照射を避けるために、特定の運動ウィンドウの範囲外となる運動フェーズに患者があるときにはいつでも、照射は行われない。これによって、概して、照射手順の継続期間を大幅に延長することは容易にわかる。これは、(患者は長時間にわたる治療を受けなくてはならないので)患者にとっても不快であるだけでなく、特に、同様に望ましくない、コストの著しい増大にもつながる。
トラッキング方法において、取られた手法は、患者の運動を連続的に追跡することを含む。このプロセスにおいては、患者の運動は、粒子ビームの好適な再配置(repositioning)によって補償される。横方向における再配置は、偏向磁石(deflecting magnet)によって実施することができる。縦方向における再配置は、例えば、エネルギー変調器(energy modulator)によって実施することができる。そのようなエネルギー変調器は、例えば、二重楔ペア(double wedge pair)で構成され、二重楔ペアの個々の楔の互いの相対位置、および粒子ビームまでの相対位置は可変である。楔の位置に応じて、二重楔ペアを通過する粒子ビームは、(エネルギー吸収性の)楔の材料を通過する異なる経路を横断する。粒子のエネルギーは相応して減衰される。このようにして、粒子のエネルギーは、したがって、ブラッグピークの位置は、ある限界の範囲内に設定することができる。トラッキング方法の場合には、やはり必要である照射計画は、特定の参照運動フェーズに対して照射計画を策定することにおいて、実行される。現行運動フェーズと参照運動フェーズの間のずれは、粒子ビームの記述された再配置によって補償される。
粒子ビームの再配置に対して必要なパラメータは、通常、照射計画の最適化の一部である。そのようなトラッキング方法を使用すると、現在の目標ラスターボクセル内に投与されると想定される線量を、(位置における変化があるにもかかわらず)実際にそこに投与することができる。しかしながら、1つの問題は、周囲の組織(特に、目標ラスターボクセルに対してビーム方向(風上側)において近接して位置する組織)である。例えば、組織が、運動のために圧縮または伸長されると、通常、参照計画から顕著に逸脱する、生物学的に有効な線量が、それらの特定の領域に堆積されるということが起こる。照射しようとする組織が回転もしている場合には、粒子ビームが、参照計画における場合と異なる組織領域を通過することなり、その結果として、線量が、参照計画において規定されていない領域に堆積される(その逆も成り立つ)。実際に堆積される線量(目標ラスターボクセルの外側も)は、実際の照射の間に測定して、計算することができるが、この実際の線量堆積は、照射前には未知である運動フェーズと、実際に照射された目標ラスターボクセルとの間の相関のために予測不能である。概して、最善でも、統計モデルを使用して、近似化された予測を行うことができるだけである。しかしながら、このようにして、累積線量を(厳密に)予測することは可能ではない。その結果、結果として得られる照射計画は、この領域において不足点がある。これによって、特に、腫瘍領域における潜在的な線量不足および/または周辺組織における潜在的な線量過剰により、照射品質の低下を生じる可能性がある。
すなわち、改良された照射方法および/または改良された計算方法に対するニーズが継続してある。特に、これらの方法は、より高精度および/または高コスト効率になるべきである。
結果的に、本発明の目的は、放射線発生装置用の照射計画を策定するための最新技術と比較して改良された方法、少なくとも1つの放射線発生装置を使用して、空間分解線量を少なくとも1つの照射位置に投与するための最新技術と比較して改良された方法、照射計画を発生するための改良型装置、少なくとも1つの放射線発生装置を作動させるための改良型装置、および/または放射線発生装置を作動させるための、少なくとも1つの装置を備える、改良型放射線発生装置を提案することである。
本発明は、この目的を達成する。
放射線発生装置用の照射計画の策定方法が提案されており、この方法においては、照射計画は、照射計画の実施の時点において存在することのできる少なくとも1つの基本パラメータと、少なくとも部分的に、かつ/または少なくとも時々は、相関する複数の照射位置を含み、前記方法は、照射計画を策定しているときに、照射位置の少なくとも一部に対してより大きな確率で期待することのできる、前記少なくとも1つの基本パラメータとの相関に、より十分な考慮が払われるように、実行される。照射計画を策定することは、数値的に非常に複雑なプロセスである。この理由で、照射計画を計算するときに、この手順を、「重要部分」に限定するのが有利である。ここでいう重要部分とは、特に、比較的頻繁に、例えば、統計的観点では、顕著な変動が発生する部分(例えば、非線形効果のゆえに、特に、例えば、骨領域から「通常組織領域」までの、組織境界、その他)である。
そのような特に関係の深い領域を(特に、その他の領域と比較して)より高い精度(例えば、より細かい計算グリッド、高い数値精度、改善された計算方法、その他)で取り扱えば、計画を策定するのに必要な数値的作業の(実質的な)増大なしで、照射計画の全体精度を改善することが可能である。ある場合には、照射計画の(本質的に)同等またはむしろ改善された品質を維持しながら、照射計画を策定するのに伴う作業の低減を達成することさえも可能である。「より十分な考慮」を、ここでは、広い範囲に対して行うことができる。すなわち、例えば、計算グリッドのより高い精度、および/またはアルゴリズムのより高い精度、および/またはより大きな反復ステップ数を、計算に含めることができる。極端な場合には、関連する相関の「2値的」(または「擬2値的」)強調も、選択肢とすることができる。
そのような場合に、計算(作動パラメータ、現在の目標ラスターボクセルから逸脱する、組織部位における線量堆積、その他)は、発生があり得る、または予期される、または高確率である相関に対してのみ(「2値計算」)、または、あり得る、または予期される、または高確率である相関の近傍にある相関(好ましくは、あり得る、または予期される、または高確率である相関を含む)に対してのみ、実行される(「擬2値計算」)。基本パラメータが、例えば、運動サイクル(例えば、呼吸サイクル)である場合には、様々な照射位置をそれぞれ、運動順序の(好ましくは、「好適な」)運動フェーズと相関させることができる。関係する相関が本当に(ほぼ)発生する時点においてのみ、放射線が許容されると考えられる(いわば、1種の「ゲーティング」方法が実行される)。しかしながら、先の「従来式」ゲーティング方法とは対照的に、結果として得られる方法の効率は、提案された、より大きな確率で予期できる相関について、より十分に考慮することによって、時には、顕著に改善されることができる。
さらに、時々は、「古典的な」トラッキング方法と比べて、顕著に精度を改善することが、特に可能である。このことは、現在照射されている目標点ボクセルの外側に属する、体積部位に特に関係する。この改善は、圧縮・伸長効果および/または組織回転がより大きな役割を演ずるときに、特に明白になる。それぞれが1つの(また、任意選択でいくつかの)相関する基本パラメータを有する、複数の照射位置は、複数のゲーティング時間ウィンドウを備える1種のゲーティング方法と見なすこともできる。ここで、例えば、(照射しようとする運動中の身体の場合には)各運動フェーズに、それ自体のゲートウィンドウを割り当てることができる。全体的に、個々のゲートウィンドウを合計し、その結果として、最終的に、合計照射時間の比較的大きな割合において、照射しようとする身体中に所与の放射線堆積をもたらすことができる。予備実験によると、照射時間の20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%(またはそれを超える)を有効に使用することができることが示された。
さらに、単一のゲートウィンドウ内で、または特定の基本パラメータ値が発生する場合、もしくは基本パラメータ間隔が発生する場合には、「古典的な」トラッキング法が、照射計画をさらに改善する目的で準備され、それに応じて、そのような装置パラメータが計算されて記憶されるように、照射計画を計算することができる。しかしながら、予備実験によれば、(特に、多数の基本パラメータもしくは基本パラメータ間隔、またはゲートウィンドウを用いる場合には、)トラッキングによって誘発される可能性のある不正確さは、時折、提案された方法(または提案された照射計画)で達成することのできる精度をむしろ悪化させることもあり得るので、そのようなトラッキングを(特に、「規則的な」動作状態が存在する場合には)省くことができることが多いことが示されている。
前述した利点(特に、より高い精度および/または少ない数値的作業)に加えて、提案の方法の別の利点は、記憶または処理しなくてはならないデータ量が減少することである。さらに、照射計画を策定する際に、その照射計画を使用して最終的に実行される照射の間に、実際に発生する基本パラメータ(複数を含む)、および照射計画が策定されたときに特定の照射位置と相関すると仮定される、基本パラメータ(複数を含む)が、互いに対応する/対応可能である、少なくとも基本的に、かつ/または適合される/適合可能であるように、照射順序を変えることができることを考慮に入れると、有利である。
その他としては、すでに照射計画が策定されているときに、少なくとも1つの基本パラメータの特定の基本パラメータ範囲、および/または少なくとも1つの基本パラメータと少なくとも1つの照射位置との間の特定の相関を、少なくとも時々かつ/または少なくとも特定の部位において、除外することも可能である(また、概して有利でもある)。このような除外は、後の時点において、特に放射計画を実現する範囲内で、これらの基本パラメータ範囲またはそのような相関が発生しないか、または実施されないという点において、実現することができる。例えば、特定の呼吸フェーズ(例えば、リスク臓器中へのより高い線量堆積がその間に予測されるフェーズ)を完全、または部分的に(例えば、特定のエネルギー層に対して)照射計画から除外することが可能である。このことは、そのような場合に、粒子線を「休止」させる、および/または次の「意味のある」照射堆積に移動させることにおいて、行うことができる。
本方法を用いて、個々の照射位置への分割および/または照射位置の群への分割が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に時間ベースで、かつ/または少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に基本パラメータの関数として、行われる場合には、それは有利である。概して、時間ベース分割は、特に簡便に、かつ迅速に実施することができる。対照的に、基本パラメータ依存分割を用いると、利用可能な任意の従来知識を、意義のあるように考慮に入れることができる。一例としては、照射しようとする目標体積部位のサイクル運動の場合に、照射位置または照射位置群への分割が、目標体積部位の運動の関数として、特に目標体積部位の運動フェーズの関数として行われる場合がある。
例えば、目標体積部位がその間に緩慢に運動している(例えば、吸い込んだ状態または吐き出した状態の)運動フェーズと相関する、照射位置または照射位置群を、(特に、それらが覆う時間ウィンドウの点において)比較的大きく選択することができる。対照的に、目標体積部位がその間に迅速に運動している(例えば、吸い込み中または吐き出し中)時点においては、照射位置または照射位置群は、比較的小さくすることができる。この「大きいこと」または「小さいこと」は、特に、時間軸と関係させて、その結果、特に上述の例においては、空間解像度が基本的に一定となるようにすることができる。
照射計画が策定されているときに、少なくとも1つの放射線発生装置によって発生される放射線の時間可変線量率が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、考慮に入れられ、かつ/または照射計画が策定されているときに、安全マージンが考慮に入れられれば、これも有利となり得る。特に、非連続的に動作するか、または間欠的に動作する粒子加速器を用いると、粒子数は、必ずしも一定のままではないこと(例えば、シンクロトロン内における、いわゆる粒子漏洩(particle spill)の時間依存過程)がわかっている。しかしながら、粒子漏洩の形態は、1つの粒子漏洩から次のものまで、比較的一定のままとすることができる。照射計画中にこのことを考慮に入れれば、最終的に実行される照射の品質を、さらに改善することさえできる。特に、照射計画の策定中に、安全マージンを考慮に入れると、実際の運用において完全に避けることはできない、仮定された基本パラメータ順序と実際の基本パラメータ順序の間の変動を、概して、実際の照射の間に、非常に有利に補償することができる。結果として、最終的に実行される照射の品質を大幅に改善することが時々、可能である。
照射計画を策定しているときに、統計的またはその他の考えに基づいて、基本パラメータを考慮に入れることは可能であるが、概して、少なくとも1つの基本パラメータが、好ましくは測定によって得られたデータを使用しながら、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、照射計画中に組み入れられるように、本方法が実行されれば、実際的である。例えば、照射計画を策定する前に、診断法(例えば、コンピュータトモグラフィ法および/または核磁気共鳴トモグラフィ法などのイメージング診断法)を利用して患者を試験することができる。例えば、このプロセスにおいて、データは、問題の患者に典型的である運動パターン(例えば、通常の呼吸サイクル)について得る(4D取得)こともできる。このデータは、照射計画の策定に適当に組み入れられる。特に、ここで得られる時間関係挙動は、運動フェーズと照射点の間の特に有利な相関を得るのに使用することができる。ここで適当な安全マージンが考慮に入れられると、最終的に実行される照射計画は、通常、より急速またはより緩慢な運動順序を、後の照射中に補償できるように、適合させることができる。
本方法が、照射計画がいくつかのステップで、少なくとも時々かつ/または少なくとも特定の部位において、策定されるように実行されるときに、特に有利である。特に、少なくとも1つの照射位置に対して、照射計画の少なくとも1つの策定ステップおよび/または少なくとも1つの部分照射計画の少なくとも1つの策定ステップ、および/または少なくとも1つの照射位置に対して、照射計画の少なくとも1つの最適化ステップ、および/または少なくとも1つの部分照射計画の少なくとも1つの最適化ステップを実行することが可能である。このようにして、概して、この工程において照射計画の品質を(過剰に)低下させることなく、計算時間を(特に、特定の重要時点において)節約することができる。「初期照射計画」の初期策定は、計算の点で特に要求が大きいことがわかっている。このステップは、好ましくは、一回だけで実行されるべきである。
しかしながら、概して、最初に策定された「初期照射計画」からの軽度から中程度の逸脱は、最適化方法を使用して生成することができる。しかしながら、この最適化は、(例えば、実行すべき反復ステップがより少ないので)数値的な要求ははるかに小さく、その結果として、ここで計算時間を節約することができる。適用可能であれば、その後の最適化を、放射線発生装置および/または実際の基本パラメータ順序の「当日挙動(current-day behavior)」(例えば、特に、所与の日における患者の現行呼吸運動などの、現行運動順序)について、データがすでに利用可能であれば、患者が固定された後に、照射の直前に行うことができる。
追加的に、または代替案として、少なくとも1つの放射線発生装置を使用して少なくとも1つの照射位置において、空間分解された放射線量を投与する方法を、少なくとも1つの照射位置において、少なくとも1つの放射線発生装置によって堆積される線量率が、投与の時点で存在する少なくとも1つの基本パラメータと相関して、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に変化するように、実行することが提案される。放射線発生装置としては、ビーム発生装置、特に好ましくは、粒子ビーム発生装置を使用するのが好ましく、その理由は、概して、(帯電された)粒子は多かれ少なかれ顕著なブラッグピークを有し、その結果として粒子ビームの「運動」が、縦方向においても可能であるからである。さらに、放射線発生装置に、時間的に変動する出力強度を持たせることもできる。さらに、実際の運用において、生物学的系においては、何らかの変化が実際、常に起っていることがわかっている。
例えば、同一の個人における呼吸サイクルは、1つのサイクルと次のサイクルで比較的類似していることが多いが、にもかかわらず、呼吸サイクルが、例えば、温度効果、精神不安、その他のせいで短縮または延長されることが起こり得る。これら両方の効果の結果は、走査方法が使用されるときには、照射位置(照射しようとする目標体積の位置)と、この照射位置において線量がその間に堆積される、運動フェーズとの間に偶然の相関が発生し得る。結果として、前述したように、運動があるにもかかわらず、前記線量を、実際に照射しようとする照射位置において、確かに堆積させることが可能である。しかしながら、望ましくないが不可避である、周囲の組織中への(特に、粒子ビーム方向において、照射位置に近接して位置する組織領域中への)線量堆積は、(正確には)予測できない。現在まで、このことは、解決することのできない本質的な問題と見なされていた。特に、患者の呼吸をビーム発生装置の特性に適合させることを提示した、ある数の以前に行われた実験は失敗であった。
このことは、「ソフトな」方法が使用される(例えば、患者にある方法で呼吸することを要請する)ときに、特に当てはまる。この意味合いで、麻酔下での通気をするなどの、いくつかの「リジッドな」方法が、すでに実行されているが、これらは患者にとって極めて面倒であることに加えて、負担となり、その結果として、これらの方法は批判にさらされている。したがって、本発明者らは、照射が実行されるときに、照射の途中において行われる、(時には変化している)基本パラメータ(患者の呼吸など)への適合は、放射線発生装置(特に、その線量率または照射休止の長さ)が再調節されるように行われるべきであると提案している。このことは、基本パラメータにおいて何らかの変動(例えば、運動など)が発生する場合にでも、運動フェーズと照射位置との間の「名目上」の関係が(少なくとも合理的な近似として)保持されることを可能にする。照射位置と基本パラメータとの間の「名目上の」関係(すなわち、その相関)が保持されるので、照射計画が、例えば、現行照射位置の外側での線量堆積を、「予測的に」に考慮に入れることも可能になる。このようにして、照射の精度が、顕著に改善できることが多い。
空間解像された放射線量を投与する方法が、少なくとも1つの照射計画を使用している間に、空間分解された放射線量の投与が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、かつ/または少なくとも特定の部位において行われるように、実行されれば特に有利である。特に、上述のタイプの照射計画は、この意味合いで使用することができる。正確には、照射計画の策定が、実際の照射中(それらの時間経過を含む)に発生する基本パラメータに関して、(例えば、先行する測定によって求められる)有利な仮定を行うことを伴っていたとき、および好適な安全マージンが好ましく考慮に入れられたときに、特に精密な照射を実行することが可能であり、その場合に、特に、実際の照射位置の外側に位置する堆積部位における線量堆積、したがって最終的に得られる蓄積線量分布も非常に正確に予測することができる。
特に、少なくとも1つの基本パラメータが、少なくとも1つの照射位置の運動、特に、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に発生する、少なくとも1つの照射位置の周期的運動を表わし、かつ/または少なくとも1つのビーム発生装置の線量率、特に、少なくとも1つの放射線発生装置の時間変化最大線量率を表わし、かつ/または前記放射線発生装置によって生成される線量率の時間変動を表わすように、本方法を実行することを提案するものである。予備実験によって、基本パラメータが、少なくとも1つの照射位置の運動、かつ/または放射線発生装置の線量率を表わすとき、提案の方法(個別に、ならびに組合せで)が、特に有効であることが示された。
少なくとも1つの照射位置(または、目標体積部位)が運動する場合には、その運動が、少なくとも部分的に周期的かつ/または定期的に発生すれば、(特に、実施しなくてはならない計算回数の低減の意味において)それは特に有利である。ここで、合計サイクルまたは合計周期は、特に有利に個々の部分区間に分割することができる。少なくとも1つの放射線発生装置の線量率が変動する場合には、これは、特に、少なくとも1つの放射線発生装置の時間変化する最大線量率とすることができる。これは、例えば、粒子シンクロトロンにおける、いわゆる粒子漏洩の間に、単位時間当たりに放出される粒子数とすることができる。
少なくとも時々かつ/または少なくとも特定の領域において、少なくとも1つの照射位置の運動が、並進的運動、回転運動、または互いに相対的にずれる運動、圧縮運動および/または伸長運動、ならびに/または密度における変化であるときに、本方法(単数または複数)を使用すれば、特に有利である。これまで知られていた方法が、重大な問題を起こすことが多く、その結果として、本発明によって、特に明白な改善が可能になるのは、まさにそのような運動についてである。
さらに、少なくとも1つの放射線発生装置が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、粒子放射線を発生すれば、特に少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、ハドロン(hadron)放射線を、好ましくは、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、プロトン放射線、ヘリウムイオン放射、カーボンイオン放射線、ネオンイオン放射線、酸素イオン放射線、パイオン(pion)放射線、メソン(meson)放射線および/または重イオン放射線を発生すれば、それは有利になり得る。粒子放射線、特に上述のタイプの粒子放射線は、過去において、腫瘍の治療に特に有効であることがすでに証明されている。これは、特に、粒子放射線の、特に上述の粒子放射線の非常に明白なブラッグピーク(Bragg peak)によるものである。しかしながら、そうでない場合も、提案された粒子放射線は、通常、腫瘍細胞に対して高い破壊効果を有し、これは有利である。
放射線発生装置によって生成される線量率を変化させることによって、かつ/または、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に線量堆積を中断することによって、堆積された線量率が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に変化させられれば、これも有利である。提案された、線量を適合させる方法は、特に有効であるか、または実施するのが比較的容易であることがわかった。
この方法により、標準条件の下で、最大可能線量率よりも小さい線量率が堆積されれば、それは有利である。一般的に、線量率を適合させることは、より大きなまたは小さな程度まで粒子を「除去すること」によって、またはより大きなまたは小さな程度まで粒子の投与を控えることによって、比較的容易に、技術的に達成することができる。(例えば、ビームの適用を短時間中断することができる。)提案された本方法の改善によると、今は存在するバッファのおかげで、バッファを利用して、「より高い線量率」の方向に変化を起こすことができる。これによって、本方法の柔軟性および/または精度を、もう一度、増大させることができる。勿論のこと、安全マージンの大きさは、その量に比例して治療の継続期間が長くなるので、大きすぎるように選択すべきではない。予備実験においては、最大線量率に比較して10%〜20%の低減が、好ましい値であることがわかっている。
少なくとも1つの照射位置と少なくとも1つの基本パラメータの間の相関、特に、少なくとも1つの照射位置と、その少なくとも1つの照射位置の少なくとも1つの運動フェーズの間の相関を、確立することも提案するものである。実験によれば、特に、そのような相関によって、特に大きい、そうでなければ頻繁に発生する、誤りを解消するか、または少なくとも顕著に低減することができる。
照射が、走査方法、特にラスター走査方法の形態で行われれば、特に有利である。これは、提案の方法(複数を含む)と合わせれば、特に有利であることがわかっている。しかしながら、特に、いわゆるスポット走査方法に加えて、連続走査方法も使用することができる。
さらに、放射線量を投与する方法の範囲内で、一種の一時的緊急スイッチ停止を提供することができる。例えば、患者が「不規則な」運動をした場合には、患者を、誤った照射から保護することができる。例えば、患者の肺腫瘍の治療中に、呼吸(例えば、胸またはその他の運動)を監視することができる。患者が咳をした場合には、粒子ビームのスイッチを(短時間)切断することができる。このことは、通常、そのような不規則運動(例えば、特に速い運動)に対して、適当な照射計画を策定することができないので、特に有利である。
さらに、不規則運動の場合には、基本パラメータと照射位置との間に意味のある相関を確立することは実際的に不可能である。そのような短時間の照射中断の後に、概して、現行呼吸フェーズが、中断前に到達したフェーズと同一となるまで、照射を休止するのが適当である。追加的または代替的に、そのような一時的照射中断を、基本パラメータ(例えば、患者の呼吸運動)の少なくとも1つが、照射計画において準備されていない値に到達する場合に、使用することもできる。そのような場合は、そのような値が照射計画の策定中に行われる測定中に発生しなかった場合には、発生する可能性がある。
すなわち、例えば、実際の治療中に患者が、少なくとも時々、照射計画が策定されていたときに、その患者が予備試験中に行ったよりも大きな振幅で呼吸すること(「特別に深い呼吸」)はまれではない。呼吸軌跡が特定の運動フェーズにも達しない、反対の場合には(または別の基本パラメータが特定の値に達しない場合には)、適用可能であれば、これらのフェーズに対して1種の「緊急トラッキング」を使用することができる。次いで、これらのフェーズの間の照射を、例えば、好ましくは隣接する運動フェーズ(基本パラメータフェーズ)中に好適なトラッキングパラメータを使用している間に、実行することができる。
さらに、上述の説明による方法を実行するように構成、および装備されている、照射計画を策定するための装置が提案される。次いで、照射計画を策定する装置は、既述の利点および特性を同様に有する。
さらに、少なくとも1つの放射線発生装置を作動させる装置、および/または1つの放射線発生装置であって、その放射線発生装置を作動させる少なくとも1つの装置を備える、放射線発生装置が提案され、該装置は、結果として得られる放射線発生装置が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、上述の種類の方法を実行するように、構成かつ装備されている。少なくとも1つの放射線発生装置を作動させる前記装置および/または前記放射線発生装置は、既述の利点および特性を同様に有する。
以上、基本的に(ヒトの)患者の治療に焦点を当てて詳細説明を行ってきたが、勿論のこと、これらの提案を、動物、生物学的試料(例えば、細胞培養物)、患者ダミー、ファントムおよび/または機械的加工品に使用することも可能である。
以下には、有利な態様に基づくとともに、添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図1は、照射計画の策定の先行手順の概略フロー図である。 図2は、運動中の目標体積の照射のための照射計画を実施する手順の概略フロー図である。 図3は、照射を実行するための装置の概略斜視図である。 図4は、休止時間を変化させることによって照射速度を適合させる方法の説明図である。 図5は、放射率を変化させることによって照射速度を適合させる方法の説明図である。
図1は、照射計画を策定するための先行手順1の概略図を示す。先行手順1は、通常、実際の処理(実際の照射手順2)の前に、しばしば異なる場所において、実行される。通常、先行手順1は、実際の照射手順2(図2を参照)の数日前に実行される。
先行手順1の間に、まず最初に、処理しようとする組織の精密な位置および寸法が、試験ステップ3において求められる。試験ステップ3の範囲内で、例えば、イメージング方法が使用され、特に、コンピュータトモグラフィ法および/または核磁気共鳴トモグラフィ法である。さらに、ここで示す態様においては、計画データは、時間分解法によって(すなわち、例えば、4Dコンピュータトモグラフィ法または4D核磁気共鳴トモグラフィ法を用いて)取得される。さらに、運動置換用(例えば、患者22の胸部のまわりに設置される歪ゲージ用)のデータが、同時に取得されれば、有利である。
このようにして取得されたデータは、ディジタル化ステップ4において、数値的に照射計画を策定するのに適するデータフォーマットに変換される。これは、例えば、アナログデータのディジタル化とすることができる。ディジタルデータがすでに存在する場合でも、照射計画を策定するのに適するデータフォーマットへの変換には、時には複雑なものになる、計算が必要になることがある。例えば、照射計画を策定するには、組織境界を特定することが必要、または適当であることがある。数値的方法を、このために使用することができるが、それに加えて、またはその代替として、人による(応用可能であれば、対話型での)入力も必要となることがある。
これと並行して(図1には示さず)、方法ステップ3において得られた試験結果は、医師が、実際の照射手順2(図2を参照)の間に投与される線量を処方するのに、使用することもできる。
予備照射計画(初期照射計画)を策定するために、ディジタル化ステップ4中に取得されたデータが、医師によって処方される線量を同時に考慮しながら、次の方法ステップ5において使用される。ステップ5における初期照射計画は、例えば、一般的に知られている方法を使用して策定される。例えば、「古典的な」トラッキング照射計画を、基準位置を仮定して策定することができる。
次の方法ステップ6では、ステップ5において設定された初期照射計画に基づいて、一連の「部分照射計画」が生成される。細分割の種類、それに加えて「部分照射計画」の数も、この場合には、具体的な場合において存在する境界条件に基づく。この意味合いで、個々の「部分照射計画」は、ある数の照射位置33(応用可能であれば、個々の照射位置33も)を参照する。初期照射をいくつかの部分照射計画に分割する間に、試験ステップ3において得られた測定値を考慮に入れることができれば、特に有利である。例えば、患者22の肺領域内の腫瘍に照射しようとする場合、一連の部分照射計画を策定する際に、患者の呼吸運動29を考慮に入れなければならない。有利には、運動する腫瘍の場合には、初期照射計画の部分照射計画への「分割」は、腫瘍または周辺組織の運動パターンを考慮に入れながら実行される。すなわち、腫瘍が例えば、2mmだけ動いた後に、新しい部分照射計画を準備することができる。結果として、腫瘍組織の固有の速度を、部分照射計画の策定に、間接的に組み入れることができる。概して、部分照射計画は、それゆえに等時間間隔ではない。単に例示としてだけであるが、患者22の完全吸気状態(低腫瘍速度)と相関する部分照射計画は、患者が現在吸入している(高腫瘍速度)、患者22の運動状態30と相関する部分照射計画よりも、より多数の照射位置に関係する。
しかしながら、ある境界条件下では、部分照射計画が、(少なくとも時々は)等時間間隔であるのが有利なこともある。
照射システム14の照射速度が、部分照射計画の策定に(したがって、最終照射計画に)組み込まれると、それは好ましい。このことは適切に知ることができるか、または、変動する場合には、実際の治療の時間に接近して測定することができる。
さらに、個々の部分照射計画の時間順序は、ここでは、個々の部分照射計画に基づいて策定された全体照射計画が、先に計算された形態で、特に照射システム14の最大線量率と比較して低減された線量率で、実行することのできように、構成される。典型的な値は1であり、この場合に、照射計画は、10%〜20%低減された線量率で実行することができる。この「安全補完」によって、一方では、患者22の(例えば、緊張により生ずる)より速い呼吸運動29を、それに加えて照射システム14自体の時間変化する線量率を、補償することが可能である。勿論のこと、そのような「安全補完」を備える照射計画は、照射システムがより高い線量率を有する場合にも実行することができる(例えば、ビームがその間に照射されない休止間隔32を、適当な量および/または好適な間隔長で挿入することができる)。この対策によって、腫瘍の運動フェーズ30と、照射計画において「仮定」される問題の照射位置との間の相関を、後に実行される照射2の間、維持することもできる。
ステップ6における部分照射計画の各計算に対して、実際の要件に応じて、(ステップ5において策定される初期照射計画に基づいて)最適化アルゴリズムを使用することができる。そのようなアプローチによって、通常、大きな品質の損失なしに、数値計算作業の顕著な低減を達成することができる。しかしながら、特定の境界条件下では、(例えば、初期照射計画を策定するためにステップ5において用いられた方法を利用して)完全に新しい部分照射計画を計算することが有利であることもわかっている。しかしながら、こうして必要となる追加の時間によって、労力が増大する。しかしながら、概して、このより大きな時間要求は患者にとっては無関係であり、その理由は、通常、先行手順1と実際の照射手順2の間には、いずれにせよ数日間があり、大規模な計算を実行するのに利用可能な時間が十分にあるからである。
最適化ステップ6において、トラッキング計画の適合パラメータ(例えば、粒子ビームの横方向および/または縦方向のシフト)を、全体的、部分的にのみ考慮に入れるか、あるいはまったく考慮に入れないことが可能である。
例えば、深層変調(粒子ビームの縦方向シフト)を考慮に入れないことの利点は、例えば、照射中に技術的に複雑な粒子エネルギーの適合が必要ではないことであり得る。照射点(実際に照射される目標体積)と運動フェーズとの間の既知の相関の結果として、最終的に使用される線量分布の品質は、それでも十分に高くすることができる。
完全を期すためだけであるが、適当なアルゴリズムが使用されるときには、最終照射計画を、(追加の最適化アルゴリズムの実行を伴う、方法ステップ6なしで)直接的に策定することも可能であることを指摘しておかなければならない。
最終的に、取得されたデータ(すなわち、特に初期照射計画に加えて、個々の部分照射計画)が記憶される7。ハードドライブ、CD、DVD、ブルーレイディスク、ソリッドステートメモリ装置(例えば、USBスティック)、その他の任意所望の記憶媒体を、この目的で使用することができる。ついでに、照射計画自体を策定するために、市販のコンピュータ類(PC、ワークステーション、その他)を使用することができる。勿論、照射計画の少なくとも部分を策定するために専用化されたハードウェアを使用することも可能である。
図2は、同様に、実際の照射手順2を概略フロー図の形態で示す。
照射手順2の開始点において、最初に準備対策8が実行される。すなわち、患者22は、実際の治療現場21において固定されて、先行手順1の間に計算された照射計画が、照射システム14に読み込まれる。さらに、ここで示す態様においては、本方法をさらに実行するために、照射しようとする目標体積の現在の運動挙動(例えば、肺領域における腫瘍の治療の場合には、呼吸運動29)および加速器14の抽出挙動(照射速度)が、もう一度、較正される。この対策によって、一方では、特定の日または治療サイクルに対して最新の腫瘍運動の状態を、他方では、照射システム14(特に、重イオン加速器15)の状態を特定することができる。特に、これらの2つの影響の大きい変数は、所与の照射点33と運動フェーズ30との間の相関を、本質的に決定する。この意味合いで、特に可能な時間変化線量率に関して、個々の粒子漏出量について熟考すべきである。このステップも、特に、その挙動が十分に正確であるか、または再現可能である重イオン加速器15の場合、およびその腫瘍軌跡29が適切に再現可能である患者22の場合には、省略することも可能である。精度を向上させるためには、任意選択で、先行手順1の間に計算された、準備された照射計画を、試験目的で、空のCAVE(登録商標)(または、患者ダミーおよび/またはファントム中)に入れることも可能である。別の任意選択の方法ステップは、患者22の完全な時間分解測定を(例えば、4次元コンピュータトモグラム、その他の形態で)もう一度実施することである。ここで、任意選択で、後続の治療の精度をさらに向上させることができる。しかしながら、これに伴う余分の作業の観点において、このような反復された完全な測定は、通常、例外的な場合に限定される。
次に、ここで提示される照射手順2の態様において、先行手順1の間に策定された照射計画の再最適化が、後続の方法ステップ9において実行される。この再最適化9は、図2においてより詳細に説明される、いくつかのサブステップの形態で実行される。再最適化9を実行するか、否かについての決定は、存在する基本パラメータ(特に、患者22の解剖学的構造、患者22の現在の呼吸29および/または現在の加速器状態などの)の関数として特別に行うことができる。
最初に、(特に、患者22の現在の運動パターン29に加えて、その特定の日における照射システム14の重イオン加速器15またはその他の部分についての現在の挙動に関して)準備対策8の間に得られたデータおよび測定結果に基づいて、その特定の日についての運動フェーズ順序30に対する現行の時間間隔31、32が決定される10。ここでも、照射計画の再最適化9に加えて、個々の運動フェーズ30への分割10が、続いて再最適化9しようとする照射計画が、照射システム14の特別に低減された線量率で実施できるように、実行される。本明細書で提示される照射手順2において、照射速度は、照射計画中に休止フェーズ32(図4を参照)を、特に、運動間隔30毎に少なくとも1つの休止フェーズ32を組み入れることによって、適合される。このことは、例えば、時間スパンtB,iにわたり、運動フェーズ30iの間に照射しようとする点33が、安全マージンtsafetyだけ低減されている時間スパンtB,i−tsafetyの間に照射され得るようにすることで、行うことができる。実際の照射中に、休止フェーズ32tsafetyを変化させることによって、照射を、変動が発生した場合においても、運動フェーズ30iの間に照射しようとするラスタポイント33を照射することができるように、実行することができる。結果的に、概して、個々の運動フェーズ30iの時間スパンtB,iは、照射計画において仮定された時間スパンtB,iから逸脱する。しかしながら、ラスタポイント33と運動フェーズ30の間の(照射計画で仮定された)相関は、(実際の運用において、一般に、良好ないし優れた近似で)維持することができる。
追加で、または代替として、治療の間に腫瘍運動(図5を参照)の変化に実時間で(十分に速く)、線量率を適合させることができる、照射システム14が使用される場合には、照射速度を適合させるために、(照射システム14の最大線量率より下の)修正最大線量率で、計画を動作させることができる。
方法ステップ10の後、いずれの対応する運動フェーズ30中に、いずれのラスタポイント33が照射されるかが明白である。さらに、(休止フェーズ適合が使用されるとき、)単一の時間間隔当たり(ゲートウィンドウ;長さtB,i−tsafety)、1つの単独運動フェーズ30だけが存在することが保証される。
次のステップは、先行手順1の間に決定された4次元照射計画(一連の個々の部分照射計画)に基づいた、更新された照射計画の策定である(ステップ11)。更新された照射計画は、第1のステップにおいて、先行手順1の間にすでに取得されたデータを再ソートすることによって、そして、このようにして再ソートされた照射計画に対してその後に実行される最適化ステップの間に、策定することができる。ここで、更新された照射計画の再最適化9は、例えば、生物学的効果(RBE=生物学的効果比率(relative biological effectiveness))の非線形影響などの、非線形効果を含めて実行される。更新照射計画の策定のステップ11は、数値的に要求が厳しいが、その範囲は、固定された患者22において再最適化手順9を実行することができる程度に、なお限定されている。これが特に可能であるのは、先行手順1の範囲内において、初期データベースがすでに作成されており、再最適化手順9の間のその初期データベースの最適化は、先行手順1の間に、最初に策定するよりも比較的、複雑度は低いからである。
照射安全性をさらに向上させるために、試験照射ステップ(ここでは別個に策定されない)においては、ステップ9において再最適化された照射計画を、(現在、測定された身体運動を含む)実際の患者データに基づくのに加えて、粒子加速データにも基づいて、ダミーに対して実施することができる。
実際の医療用照射12または次に施される治療は、いわば、ゲーティングされた照射として実行されるが、それによれば、(「古典的」ゲーティング方法で当てはまるように)全運動サイクルに対して使用される単一のゲートウィンドウではなく、むしろ複数のゲートウィンドウ31a、31b、…が使用され、これらのウィンドウはそれぞれ、患者22の異なる運動フェーズ30に適用される(ここで、実行されることのある試験照射は、好ましくは、複数回、ゲーティングされる照射として施されるべきである)。上述のように、ゲーティング休止32の長さを適合させることによって、ラスター点33と運動フェーズ30との相関が得られることが保証される。結果的に、大体において、「古典的」なゲーティング照射と比較して、通常は少ない時間損失を伴う、実質的に連続的な照射が達成される。(同じことが、追加的かつ/または代替的に線量率変調を使用することにも同様に当てはまる。)
ステップ12における患者の照射は、勿論のこと、関係する照射パラメータのすべてが記録されて、照射12の後に、実際に堆積された線量が再構築できるようにして、実行される。この知識を、将来(例えば、次の数日後)に任意選択で実行される可能性のある、その他の照射サイクルの照射計画に組み入れることができる。結果として、いくつかの照射サイクルによって実行される合計照射の品質を、さらに改善することができる。
このように同時に記録されたデータは、後続の方法ステップ13において、(例えば、CD、DVD、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ装置、その他に)記憶される。
実際の照射12の間に、例えば、患者が咳をする、かつ/または特に深く呼吸をする場合に、患者が不規則な運動をすることが起こり得る。これらの運動が極めて不安定であり、また極めてまれに起こるという理由から、通常は、そのような急速な、または特に「広範な」、運動に対する部分的照射計画はない。そのような不規則な運動が記録される場合には、高速スイッチオフ機構によって、治療が一時的に中断される。これによって、手順がわずかに長引くことになるが、健康な組織中への望ましくない線量の堆積が回避される。
図4および5は、先に計算された照射計画(安全マージンを含む)を、放射線の投与の時点における、外れつつある境界条件に適合させるための原理を再び説明している。ここでは、患者22の呼吸29を例として使用する。しかしながら、この原理は、異なる種類の基本パラメータに対しても使用することができる。
図4と同様に図5も、横軸27に沿って時間経過を示す。患者22の呼吸運動29が、縦軸28に沿って示されている。部分図a(図4a、5a)は、それぞれ、予備試験(例えば、先行手順1の間の試験ステップ3)の範囲内で特定された運動順序を示している。部分図b(図4b、5b)は、それぞれ、患者22の呼吸29が、実際の照射(照射手順2を参照)の間に減速するときに生ずる状況を示す。対照的に、部分図c(図4c、5c)は、それぞれ、患者22が、実際の照射2中に、先行手順1の間に仮定されていたよりも、より急速に呼吸するときの状況を示している。
図4は、休止間隔32を使用することによって、照射点と運動フェーズ30の間の関係を(本質的に)維持することを可能にする方法を示している。対照的に、図5は、異なる線量率を使用することによって、照射点33と運動フェーズ30の間の相関を維持することを可能にする方法を示している。これらの2つの手順は、それぞれ独立してだけでなく、組み合わせても使用することができる。概して、実際の運用においては、前記の相関は、個々の手順が使用されるときに加えて、両方の手順の組合せにおいても同様に、良好ないし優れた近似で維持することが可能である。
図4aは、呼吸運動29を複数の運動間隔30a、30b…30f(運動間隔30fの後に、呼吸サイクル29が、運動間隔30aで再び始まる)に分割することを可能にする方法を示している。照射計画を策定する際に、予備試験中に特定されたよりもより速く、患者22が実際の照射中に呼吸することが容易に起こり得ることを考慮に入れなくてはならない。ここで、十分な「余裕(leeway)」を持つために、個々の運動間隔30それぞれに、ある数の点がその間に照射される照射フェーズ31が、まず最初に設けられる。例えば、第1の運動間隔30aにおいて、1〜Nの点33が照射される31a。各照射フェーズ31に、休止フェーズ32が続く。各休止フェーズ32の長さは、好ましくは、対応する運動フェーズ30の継続期間の関数(例えば、それの10%または20%などのある割合)とし、好ましくは、ある最小長さが設けられる。その休止フェーズ32の間は、照射は行われない。本図4においては、図解を分かり易くするために、間隔長は、実寸では描かれていない。
すべての単独運動フェーズ30(例えば、運動フェーズ30a)には別の運動フェーズ30(例えば、運動フェーズ30b)が続き、この運動フェーズ30は、再び、照射フェーズ31で開始されて(例えば、31b)、最後に、別の休止フェーズ32(例えば、32b)に移行する。後続の間隔30の間に、例えば、番号N+1〜Pの照射点33が照射される。
患者22が、実際の照射2の間に、当初から「仮定された」よりも速く呼吸する場合には(図4a〜4cを参照)、この速い呼吸は、休止フェーズ32を短縮することによって(ある程度まで)補償することができる。このような休止間隔32の短縮によって、患者22の呼吸29が変化したのにも関わらず、照射点33と照射フェーズ30の間の相関を維持することが可能になる。具体的には、例えば、第1の運動間隔30aの間では、1〜Nの照射点33が継続して照射され、これに対して第2の運動間隔30bの間では、照射されるのはN+1〜Pの照射点である。このように実際の呼吸に対して照射進行を適合させることには、それぞれの場合に能動照射点33を包囲する組織中への放射線堆積を「予測」することが可能であるという大きな利点がある。
勿論のこと、実際の照射の間に、患者が、照射計画の策定1の範囲内で仮定されていたよりも、より緩慢に呼吸する可能性もある。そのような目的値からの逸脱を補償するために、付随する休止フェーズ32が、適当に延長される。
図5は、「仮定の」運動速度と「実際の」運動速度の間の適合を、照射強度を変化させることによって行うことを可能にする方法を示す。この場合には、応用可能な場合には、休止フェーズ32の使用を、完全に省くこともできる。その代わりに、照射計画の範囲内で「仮定された」呼吸速度(図5a)と比較して、より速い呼吸(図5c)の間の照射強度は、適当に増やされるのに対して、患者22の呼吸速度が緩慢である場合(図5b)には、照射強度は低減される。
より速い呼吸の場合(図5c)に適合を行うことを可能にするために、照射計画を策定するために使用される、修正最大線量率(図5aを参照)は、使用される照射システム14の最大線量率よりも小さくなくてはならない。この意味合いで、好適な値は、10%から20%の安全マージンであることがわかった。勿論のこと、図5に示す方法の使用は、相応して迅速に調整することが可能な照射システム14を前提としている。
図3は、照射手順2を(任意選択で、先行手順1も)有利に実行することのできる、照射システム14の概略斜視図である。照射システム14は、一般的に知られている重イオン加速器15として構成されている。重イオン加速器15は、イオン源16を有する。イオン源16によって発生したイオン17は、最初に直線加速器18によって予備加速されて、シンクロトンリング19中に打ち込まれる。シンクロトロンリング19において、イオン17は、所望の高い目標エネルギーまでさらに加速される。一旦、所望の目標エネルギーに到達すると、シンクロトロンリング19内に位置する粒子は、出射セプタム(extraction septum)20を介して出射される。出射サイクル(いわゆる、粒子漏洩)の定型的な継続期間は、2〜10秒である。出射セプタム20を介して出射されたイオン17は、次いで、患者22がそこに位置する治療室21に移送される。本明細書において提示する態様においては、粒子(イオン17)の適用は、走査手順、特にいわゆるラスター走査手順を使用して、実行される。この目的で、鉛筆の細さの粒子ビーム17が、所望の3次元体積が照射されるように、直線方向、カラム方向、およびスライス方向に動かされる。粒子ビーム17は、各ラスター点に投与しようとする、個々の線量がどれほど高いかに応じて、異なる長さの時間だけ、問題の位置に留まる。
粒子ビームの位置は、一対の偏向コイル23によって横方向に偏向される。縦方向(イオン17のブラッグピークの位置の変化)には、ここでは受動エネルギー変調器24を適当に作動させることによって、変化が与えられる。この場合には、知られている方法で、エネルギー吸収材料で構成された2つの楔形ブロック(異なる数の楔も考えられる)が、エネルギー吸収材料を通過する異なる距離を粒子ビーム17が伝わらなければならないように、動かされる。結果として、受動エネルギー変調器24を通過しているイオン17から、異なる量のエネルギーが抽出される。しかしながら、シンクロトロン19の能動適合によって、(より緩慢な)エネルギー適合を行うことも可能である。現在入手可能なシンクロトロンリング19を用いて、1つの粒子漏洩から次のものへと、エネルギー適合を行うことができる。
照射システム14の個々の構成要素は、データライン25を介して、制御ユニット26と通信する。制御ユニット26は、単独のコンピュータ、またはより多数のコンピュータで構成することができる。コンピュータという用語は、必ずしも古典的なコンピュータ類を指すだけでなく、(部分的に)シングルボードコンピュータ類その他を意味することもできる。制御ユニット26は、必要な計算(例えば、照射手順3の範囲において実行しなくてはならない計算)を実行する。さらに、制御ユニット26において、個々の構成要素16、18、19、20、23、24に対する制御信号が発生される。さらに、制御ユニット26は、好適なセンサ類または測定装置(図3には示さず)によって検出される、測定信号および制御信号を受信して、適当に処理する。
符号の説明
1 先行手順
2 照射手順
3 試験ステップ
4 ディジタル化
5 初期照射計画を策定
6 部分照射計画を策定
7 記憶
8 拡張対策
9 再最適化ステップ
10 ゲーティング分割ステップ
11 実際の照射計画を策定
12 照射
13 記憶
14 照射システム
15 重イオン加速器
16 イオン源
17 イオン
18 直線加速器
19 シンクロトンリング
20 出射セプタム
21 治療室
22 患者
23 スキャナー磁石
24 受動エネルギー変調器
25 データライン
26 制御ユニット
27 横軸
28 縦軸
29 呼吸運動
30a、30b 運動間隔
31a、31b 照射フェーズ
32a、32b 休止フェーズ
33 照射位置

Claims (15)

  1. 放射線発生装置(14)用の照射計画であって、該照射計画の実施(12)の時点において存在することのできる少なくとも1つの基本パラメータ(29)と少なくとも部分的に、かつ/または少なくとも時々は相関する、複数の照射位置(33)を含む、前記照射計画を策定する方法(1、2)であって、
    前記照射計画を策定しているときに(1)、前記照射位置(33)の少なくとも一部に対してより大きな確率で期待することのできる、前記少なくとも1つの基本パラメータ(29)との相関に、より十分な考慮が払われることを特徴とする、前記方法。
  2. 照射位置(33)への分割(6)および/または照射位置(33)の群への分割(6)が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に時間方式で、かつ/または少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に基本パラメータの関数として、行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法(1、2)。
  3. 照射計画が策定されているときに(5、6、9)、少なくとも1つの放射線発生装置(14)によって生成される放射線の時間可変線量率が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に考慮に入れられること、および/または前記照射計画が策定されているときに(5、6、9)、安全マージンが考慮に入れられることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法(1、2)。
  4. 好ましくは測定によって得られたデータを利用する間に、少なくとも1つの基本パラメータ(29)が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に照射計画に組み込まれる(3)ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法(1、2)。
  5. 照射計画がいくつかのステップ(5、6、9)において、少なくとも時々かつ/または少なくとも特定の部位において策定され、
    特に、少なくとも1つの照射位置(33)に対する、照射計画(5)の少なくも1つの策定ステップおよび/または少なくとも1つの部分照射計画の少なくとも1つの策定ステップ(6)、および/または
    少なくとも1つの照射位置(33)に対する、照射計画の少なくとも1つの最適化ステップ(9)および/または少なくとも1つの部分照射計画の少なくとも1つの最適化ステップ(9)の形態において、策定されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法(1、2)。
  6. 少なくとも1つの放射線発生装置(14)を使用して、好ましくは少なくとも1つの粒子ビーム発生装置(15)を使用して、少なくとも1つの照射位置(33)において、空間分解された放射線量を投与する方法(1、2)であって、
    前記少なくとも1つの照射位置(33)において、前記少なくとも1つの放射線発生装置(14)によって堆積される線量率が、前記投与(12)時に存在する少なくとも1つの基本パラメータ(29)と相関して、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に変化させられることを特徴とする、前記方法。
  7. 少なくとも1つの照射計画を使用する間、特に請求項1〜5のいずれか一項による照射計画を使用する間に、前記空間分解された放射線量の投与(12)が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、かつ/または少なくとも特定の領域において行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法(1、2)。
  8. 少なくとも1つの基本パラメータが、少なくとも1つの照射位置(33)の運動(29)、特に、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に発生する、少なくとも1つの照射位置(33)の周期的運動(29)を表わし、かつ/または少なくとも1つのビーム発生装置(14)の線量率、特に、少なくとも1つの放射線発生装置(14)の時間変化最大線量率を表わし、かつ/または前記放射線発生装置(14)によって生成される線量率の時間変動を表わすことを特徴とする、請求項6〜7のいずれか一項に記載の方法(1、2)。
  9. 少なくとも時々かつ/または少なくとも特定の領域において、少なくとも1つの照射位置(33)の運動が、並進的運動、回転運動、または互いに相対的にずれる運動、圧縮運動および/または伸長運動、ならびに/または密度における変化であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか一項、特に請求項8に記載の方法(1、2)。
  10. 少なくとも1つの放射線発生装置(14)が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に粒子放射線を発生すること、特に、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的にハドロン放射線、好ましくは、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的にプロトン放射線、ヘリウムイオン放射線、炭素イオン放射線、ネオンイオン放射線、酸素イオン放射線、パイオン放射線、メゾン放射線および/または重イオン放射線を発生することを特徴とする、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法(1、2)。
  11. 放射線発生装置(14)によって生成される線量率を変化させることによって、かつ/または少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に線量堆積を中断することによって、堆積された線量率が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に変化させられることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項、特に請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法(1、2)。
  12. 標準条件の下で、最大可能線量率よりも小さい線量率が堆積されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項、特に請求項6〜11のいずれか一項、好ましくは請求項11に記載の方法(1、2)。
  13. 少なくとも1つの照射位置(33)と少なくとも1つの基本パラメータ(29)の間の相関、特に、少なくとも1つの照射位置(33)と、前記少なくとも1つの照射位置(30)の少なくとも1つの運動フェーズ(30)の間の相関が確立されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法(1、2)。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の、特に請求項1〜5に記載の方法(1、2)を実行するように、構成され、かつ装備されていることを特徴とする、照射計画を策定する装置(26)。
  15. 少なくとも1つの放射線発生装置(14)を作動させる装置(26)、および/または放射線発生装置(14)を作動させる少なくとも1つの装置(26)を含む、放射線発生装置(14)であって、前記放射線発生装置(14)が、少なくとも時々かつ/または少なくとも部分的に、請求項1〜13のいずれか一項に記載の、特に請求項6〜13のいずれか一項に記載の方法を実行するように、構成され、かつ装備されていることを特徴とする、前記装置(26)および/または前記放射線発生装置(14)。
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