JP2016012352A - 全体影響解析を支援するシステムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】技術システムの全体影響解析を支援する、改善された方法およびシステムを提供する。【解決手段】コンピュータ読み取り可能保存媒体に保存されたメタモデルを用意し、当該メタモデルは、関連する組の故障モード要素を有する部品を含む1つ以上のアセンブリの技術システムを含み、各故障モード要素は、関連した局所影響要素を有しており、全体影響要素内の局所影響要素をクラスタ化し、メタモデルに保存される全体影響ツリーを生成する。【選択図】図2

Description

本発明は、技術システムの全体影響解析を支援する方法およびシステムに関する。故障モードおよび影響解析(Failure Mode and Effect Analysis)(FMEA解析または単にFMEAともいう)は、技術システムの機能に関して起こりうる故障の結果を検査する。FMEAは異なる用途、たとえば、ソフトウェアまたはプロセスに対して可変であり、定性的または定量的のいずれも可能である。全ての変更は、要素の故障モードおよび解析される技術システムへの影響を解析するという点で共通している。
電気又は電子プログラム可能な電子システムの、ドメインに依存しない用途に関する一般的な定量化FMEAが、非特許文献1に記載されている。定量化を除けば、非特許文献1に記載のFMEAは、解析の定性的バリエーションに対しても一般的である。非特許文献1に記載のFMEAのバリエーションは、故障モード影響および診断解析(Failure Mode Effects and Diagnostic Analysis)、あるいは、故障モード影響および診断範囲解析(Failure Mode Effects and Diagnostic Coverage Analysis)(FMEDA)と呼ばれる。
上記文献に記載のFMEAまたはFMEDAは、典型的には、スプレッドシートを処理するコンピュータシステムによって、人力で維持されるテーブルを用いて開発されている。図1は、このような処理コンピュータシステムのテーブルの例を示す。
図示のテーブルの列C1には、解析される複数の部品が番号付けされている。技術システムSの部品は、たとえば、コンポーネントまたは電子装置によって形成されている。列C2には、解析される部品の種類、たとえば、キャパシタまたは抵抗器が示されている。図1に示されるテーブルの列C3には、部品の電子的種類が示されており、たとえば、キャパシタは10nF/120Vのキャパシタである。列C4では、特定の技術システムの部品を識別するために識別子が用いられており、電子回路図の表示番号、たとえばキャパシタについてC101が示されている。図示のテーブルの列C5には、部品の機能が文章で記載されている。テーブルの列C6には、故障率λ、たとえば、例示的なキャパシタについて、10FIT(故障率、1×10−9/時間)が示されている。図示のテーブルの列C7は、各部品の故障モードを表しており、たとえば、キャパシタの2つの金属コネクタが短絡または損傷しており、開路状態となっている。テーブルの列C8は故障モードに対応する故障の影響を記述するために用いられている。たとえば、キャパシタが開路状態にあるとき、故障は何の帰結ももたらさない。図示のテーブルの列C9は、故障率λ(列C6に示したもの)を個別の故障モードに割り当てるため、たとえば、分けるために用いられている。たとえば、キャパシタの故障率10FITは、キャパシタの2つの故障モードについて均等に分けられる。図示のテーブルの列C10〜12は、故障の影響を異なるカテゴリ、すなわち、「安全」、「危険」および「無視」(または「気にしない」)に分類するために用いられている。図示のテーブルの列C13〜C15は、特定の故障の影響およびカテゴリに関する残存する故障率(安全λ、危険λおよび無視λ)を計算するために用いられる。たとえば、故障モード「短絡」についての故障率λは、10FIT(列C6)×50%(列C9)×1(列C11)=5FITなので、5FITである。
他の列は、対応して計算される。列C16は、危険な故障の影響を検出または緩和可能な、可能な診断対策(diagnostic measure)を記述するために用いられている。たとえば、キャパシタの故障モード「短絡」に対応する故障影響は、パルス化テスト信号によって検出される。列C17は、この対策の有効性を示している。たとえば、キャパシタの開路故障モードの危険な故障影響を検出するパルス化信号は、その故障影響の発生の90%の一部を検出または緩和するのみである。図示のテーブルの列C18は、危険な故障が検出されない、残存する故障率(λdu)を計算するために用いられている。列C19は、危険な故障影響が診断対策によって検出される場合に関する故障率(λdd)を計算するために用いられている。
図1に示される人力で維持されるテーブルは、スプレッドシート用途で実現されたときには自動化可能である。自動化によって、異なる故障率についての値を計算できる。
「故障モード、影響および診断解析」、http://www.2.emersonprocess.com/ siteadmincenter/PM%20Rosemount%20Documents/8732E_V11_FMEDA.pdf、2014年3月30日
現代の安全性が重要な技術システムは複雑さを増す傾向にあるため、自動化およびツール支援についての研究および産業に長い歴史がある。コンパクトな埋め込みシステムが、図1に示されるような人力で維持されるテーブルにおいてFMEAを用いて解析可能であるが、特により大きいまたは異なる開発チームが関与する場合には、より複雑なシステムでは管理できない長いテーブルということになりうる。
さらに、このような従来のテーブルにおける各故障モードは、技術システムおよびその診断対策における単一の影響に対応している。文献的理由のため、この事実は、典型的には、文章的に記述されており、解析されるサブシステムへの影響を記載する局所性を含んでいる。
文章で記述された局所影響(local effect)を用いる従来のFMEA解析では、以下の基本的な問題が生じる。
局所影響が全体影響(global effect)の解析を妨げる。影響が局所的に記述されるか、または、技術システムのサブシステムの故障モードを局所的に言及して記述されるため、人力のテーブルでは、テーブル内の全体影響のすべての影響力について解析ができない。特に、より大きな技術システムについて、影響はFMEAテーブルの各列に対して異なって記述されるが、1つの全体影響を記している場合がある。典型的には、FMEAテーブルは長いものであり、複雑な技術システムについては数千行を含みうる。また、テーブルは、1人の人間ではなく、技術者および設計者のチームによって埋められる。2つの異なる故障の影響が異なる局所的な結果を含んでいるが、全体規模への影響が同じとなる可能性が非常に高い。たとえば、「増幅率が制限を超える」という影響と「出力が制御できない」という影響とが、図1に示されるような「システムが周囲の損害を引き起こす」という同じ全体影響に終わりうる。全ての局所影響を人力でメンテナンスするテーブルを用いてクラスタ化するため、文章による全体影響は理論的には人力のテーブルで可能であるが、人力でメンテナンスされるクラスタの利用は、ミスおよび不一致の元である。したがって、人力のFMEAテーブルによって、全体解析のために局所影響を利用するという問題を解決することができない。
さらに、従来のFMEA解析では、局所的な対策を全体影響に対して用いることはできない。対策は、典型的には故障モードの一部を管理可能な予防的機能をドキュメント化したものであり、影響を除くまたは防ぐことができる。人力のFMEAは全ての影響の合計を目的とするのみであるが、全体レベルへの個々の単一の影響についての定量的または定性的解析には、全ての対策を用いる必要がある。2つの対策が異なって記述されているが、同じ全体影響を防ぐこととなる可能性が高い。結果として、これらはシステムの全体の解析に対して用いることはできない。たとえば、上述の影響「増幅率が制限を超える」(A)と「出力が制御できない」(B)は同じ全体影響C、たとえば「システムが周囲の損害を引き起こす」を記述している。第1の影響Aは、部品番号1に関する故障モード「短絡」と部品番号2に関する故障モード「開路」に基づいている。これらの影響は、「パルス化テストでこの故障を検出する」という対策によって防がれる。第2の影響B「出力が制御できない」は、同じ全体影響C「システムが周囲の損害を引き起こす」を有するが、(局所および全体)影響を防ぐ対策を有していない。同じ全体影響に対応する局所対策を、局所的に維持されるテーブル内でどのように識別できるかが明確でないため、故障モードのどの程度が全体影響に寄与するかについての情報は、従来のFMEA解析では解析できない。
本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定められ、上述の記載によって何ら影響されない。
本発明の第1に態様によれば、技術システムの全体影響解析を支援する方法が提供され、該方法は、
コンピュータ読み取り可能保存媒体に保存されたメタモデルを用意するステップであって、メタモデルは、関連する組の故障モード要素を有する部品を含む1つ以上のアセンブリの技術システムを含み、各故障モード要素は、関連した局所影響要素を有している、ステップと、
全体影響要素内の局所影響要素をクラスタ化し、メタモデルに保存される全体影響ツリーを生成するステップと、
を含む。
本発明の第1の態様に係る方法の可能な実施形態では、各局所影響要素は、安全カテゴリ分類を有し、かつ、技術システムの実行中の各局所影響の発生を防ぐよう適合化された局所対策要素に関連づけられている。
本発明の第1の態様に係る方法の別の可能な実施形態では、メタモデルに保存された、各生成された全体影響要素は、技術システムへの全体影響を示す全体記述を含む。
本発明の第1の態様に係る方法の別の可能な実施形態では、生成される全体影響ツリーは、論理ゲート要素を介して局所影響要素および関連づけられた局所対策要素に接続された全体影響要素を含む。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
生成される全体影響ツリーの論理ゲート要素は、複数の局所対策影響論理積ゲートおよび各全体影響要素に対して1つの全体影響論理和ゲートを含んでおり、
各局所対策影響論理積ゲートは、局所影響要素と、関連づけられた局所対策要素との対をそれぞれ表しており、
全体影響論理和ゲートは、技術システムへの各全体影響を生じさせる、全ての可能な局所影響要素と局所対策要素の組みあわせの論理和を表している。
本発明の第1の態様に係る方法の別の可能な実施形態では、局所対策要素は、メタモデルの全体対策要素においてクラスタ化されている。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、メタモデルの各局所影響要素は、各局所影響要素に関連づけられた故障モード要素の故障モードインスタンスの、技術システムへの局所影響を示す局所記述を含む。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
メタモデルは、技術システムの汎用部品、一般的故障モード、および、汎用部品と一般的故障モードとの間の関連性を含み、
関連性は、各汎用部品についての、汎用部品と関連づけられた1つ以上の一般的故障モードを示しており、
各一般的故障モードは、技術システムの各汎用部品についての故障の種類を識別する。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、該方法は、
プロセッサを用いて、汎用部品および一般的故障モードをインスタンス化し、技術システムを特定する部品インスタンスおよび故障モードインスタンスをそれぞれ生成するステップと、
部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを保存するステップと、
をさらに含む。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、該方法は、
汎用部品および一般的故障モードをインスタンス化するステップは、
汎用部品および一般的故障モードを表すクラスから、オブジェクトとしての、部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを構築するステップ、または、
汎用部品および一般的故障モードを特定するデータベース内容から、データベースエントリとしての、部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを生成するステップ
をさらに含む。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、該方法は、
メタモデルに保存された汎用部品と一般的故障モードとの間の関連性に基づいて、各故障モードインスタンスを部品インスタンスの各1つと関連づけるステップであって、1つ以上の部品インスタンスが複数の故障モードインスタンスと関連づけられる、ステップと、
各部品インスタンスについて故障挙動を定量化するステップと、
故障モードインスタンスに対応する、故障モードインスタンスに関連づけられた部品インスタンスの定量化された故障挙動の部分を示す割合を、各故障モードインスタンスに保存するステップと、
をさらに含む。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、該方法は、
複数の局所影響要素を生成し、各局所影響要素を1つ以上の故障モードインスタンスと関連づけるステップと、
関連づけられた故障モードインスタンスの技術システムへの影響に関する情報を各局所影響要素に保存するステップと
をさらに含む。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、該方法は、
技術システムの動作中のイベントをロギングするステップと、
ロギングされたイベントに基づいて、記録された影響を保存するステップと、
各記録された影響を局所影響要素と関連づけるステップと、
記録された影響の頻度に基づいて、局所影響要素に関連づけられた、部品インスタンスの故障率、故障モードインスタンスの故障率、または、部品インスタンスおよび故障モードインスタンスの両方の故障率を監視するステップと、
をさらに含む。
本発明の第1の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、該方法は、
対応する局所影響要素、故障モードインスタンスおよび部品インスタンスに対して、記録された影響を追跡するステップと、
所定の故障率を超える部品インスタンスを識別し、技術システムを故障率制限に適合させるために、当該識別した部品インスタンスを修復または置換するステップと、
をさらに含む。
本発明は、さらに、第2の態様では、技術システムの全体影響解析を支援するシステムを提供し、該システムは、
メタモデルを保存するよう構成されたデジタルデータ保存媒体と、プロセッサとを備えており、
メタモデルは、関連する組の故障モード要素を有する部品を含む1つ以上のアセンブリの技術システムを含み、
各故障モード要素は、関連した局所影響要素を有しており、
プロセッサは、全体影響要素内の複数の局所影響要素をクラスタ化して全体影響ツリーを生成し、当該生成した全体影響ツリーを保存するよう構成されている。
本発明の第2の態様に係る方法の可能な実施形態では、
保存されたメタモデルは、技術システムの汎用部品、一般的故障モード、および、汎用部品と一般的故障モードとの間の関連性を含み、
関連性は、各汎用部品について、汎用部品に関連づけられた1つ以上の一般的故障モードを示しており、
各一般的故障モードは、各汎用部品についての故障の種類を識別する。
本発明の第2の態様に係る方法の別の可能な実施形態では、
プロセッサは、
汎用部品および一般的故障モードをインスタンス化して、技術システムを特定する部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを生成し、
部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを保存する
よう構成されている。
本発明の第2の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
プロセッサは、
汎用部品および一般的故障モードを表すクラスから、オブジェクトとしての、部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを構築することにより、または、
汎用部品および一般的故障モードを特定するデータベース内容から、データベースエントリとしての、部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを生成することにより、
汎用部品および一般的故障モードをインスタンス化するようさらに構成されている。
本発明の第2の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
プロセッサは、
メタモデルに保存された汎用部品と一般的故障モードの間の関連性に基づいて、部品インスタンスの各1つと各故障モードインスタンスを関連づけ、この際、1つ以上の部品インスタンスが複数の故障モードインスタンスと関連づけられ、
各部品インスタンスについての故障挙動を定量化し、
故障モードインスタンスに対応する故障モードインスタンスと関連づけられた部品インスタンスの定量化された故障挙動の部分を示す割合を、各故障モードインスタンスに保存する、
ようさらに構成されている。
本発明の第2の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
プロセッサは、
新たな一般的故障モード、および、対応する汎用部品と当該新たな一般的故障モードとの関連性を、メタモデルに加え、
新たな一般的故障モードを自動的にインスタンス化して、対応する汎用部品の従前にインスタンス化した全ての部品インスタンスとの関連性および新たな故障モードインスタンスを生成する、
ようさらに構成されている。
本発明の第2の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
プロセッサは、
複数の局所影響要素を生成し、各局所影響要素を1つ以上の故障モードインスタンスと関連づけ、
関連づけられた故障モードインスタンスの技術システムへの局所影響に関する情報を各局所影響要素に保存する
ようさらに構成されている。
本発明の第2の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
プロセッサは、局所影響要素の安全カテゴリ分類を各局所影響要素に保存するようさらに構成されている。
本発明の第2の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
プロセッサは、
技術システムの動作中のイベントをロギングし、
ロギングしたイベントに基づいて、記録された影響を保存し、
各記録された影響を局所影響要素と関連づけ、
記録された影響の頻度に基づいて、局所影響要素と関連づけられた、部品インスタンスの故障率、故障モードインスタンスの故障率、または、部品インスタンスおよび故障モードインスタンスの両方の故障率を監視する、
ようさらに構成されている。
本発明の第2の態様に係る方法のさらに別の可能な実施形態では、
プロセッサは、
対応する局所影響要素、故障モードインスタンスおよび部品インスタンスに対して、記録された影響を追跡し、
所定の故障率を超える部品インスタンスを識別し、技術システムを故障率の制限に適合させるために、識別した部品インスタンスを修復または置換する、
ようさらに構成されている。
本発明は、さらに、第3の態様では、メタモデルと、コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令とが保存された1つ以上のコンピュータ読み取り可能な不揮発性保存媒体を含むコンピュータプログラム製品が提供され、
メタモデルは、関連する組の故障モード要素を含む部品を含む1つ以上のアセンブリの技術システムを含み、
前記各故障モード要素は、関連づけられた局所影響要素を含み、
命令の実行によって、コンピュータシステムは、技術システムの全体影響解析を支援する動作を実行し、
命令は、全体影響要素内の局所影響要素をクラスタ化して全体影響ツリーを生成し、当該生成された全体影響ツリーを保存することを含む。
従来の人力でメンテナンスされるFMEAテーブルを示す。 本発明の可能な例示的実施形態に係るFMEAのための可能なメタモデルを示す。 本発明に係るシステムにより解析可能な調査対象の技術システムの簡単なFMEAテーブルの例を示す。 図3に示されるFMEAテーブルのための本発明に係る方法およびシステムにより生成される全体影響ツリーの例を示す。 本発明に係る技術システムの全体影響解析を支援するための方法およびシステムの実施例を示す。
図2は、本発明の種々の態様に係る方法およびシステムによって使用可能な例示的なメタモデルMMの概略図を示す。図2に示されるメタモデルMMは、コンピュータ読み取り可能な保存媒体に保存される。図2に示されるメタモデルMMは、技術システムS、特に、複数のサブシステム、部品を含む複雑な技術システムS(たとえば産業プラントまたは自動車)の全体影響解析に用いることができる。技術システムSは複数のアセンブリASを含みうる。各アセンブリASは、論理ユニットを構築する技術システムSの解析可能な要素の組である。アセンブリASの各要素は、種々の数の部品(1..1)からなり、部品Pたとえば電子装置を形成する。各部品Pは故障モードFの関連した組を有している。故障モードFは、部品Pを含みうる特定の種類の故障を記述している。部品Pは定量化された故障の挙動(FITという)を含むため、故障モードFは部品Pの定量化された故障挙動の一定の割合部分を特定の故障モードFに割り当てる割合を有している。各故障モードFは、関連した局所影響要素LEを含んでおり、これは、可能な実施形態では、技術システムSへの故障モードインスタンスの局所影響に関する情報「局所記述」を保持している。局所影響LEは、1つのカテゴリ、たとえば、安全カテゴリに分類および定量化されている。可能な例示的実施形態では、局所影響は、害がない(安全)、解析の結果に影響がない(気にしない)または有害である(危険)を示すカテゴリ「安全」、「危険」および「気にしない」を含む種々の安全カテゴリにカテゴリ分類されている。さらに、局所影響LEは、関連した、いわゆる局所対策LMを含んでいる。局所対策要素LMは局所影響が生じることを防ぐ。たとえば、局所影響LEが解析対象の技術システムSの動作中に検出されるときに、技術システムSは、局所影響LEを防ぐために停止状態(安全状態)に設定される。技術システムの動作中の故障モードインスタンスを検出するメカニズムは100%有効ではないため、局所影響LEは、関連した有効性、たとえば、定量化された割合値(診断範囲)を有しうる。
たとえば、MySQL(登録商標)やACCESS(商標)などのデータベースにおいて局所影響LEのクラスタ化をプログラム的に可能とするため、図2に記載のメタモデルMMの全ての要素は、可能な実施形態では、これらを明確に識別可能にする識別子を有している。図2に示されるように、全体影響GEは、関連した局所影響LEを有している。全体影響要素GEは、1つの全体影響内の特定の局所影響をクラスタ化し、システムSへの全体影響に関する自動化された解析を可能とする。全体影響要素GEは、可能な実施形態では、解析者によって使用可能な全体影響GEの全体記述も保持している。
全体解析を実行するため、全ての全体影響GEが全体影響ツリーGET内に含まれている。図2に示されるようなメタモデルMM内に保存される全体影響ツリーGETを生成するために、局所影響要素LEは、全体影響要素GE内でクラスタ化されている。各生成された全体影響ツリーGETは、局所影響要素LEおよび関連した局所対策要素LMに論理ゲート要素を介して接続されている全体影響要素GEを含んでいる。全体影響ツリーGETの例が図4に示されている。
生成された全体影響ツリーGETの論理ゲート要素は、可能な実施形態では、局所対策影響論理積ゲートLMECGおよび全体影響論理和ゲートGEDGを有しており、局所対策影響論理積ゲートLMECGは論理影響要素LEと関連した局所対策要素LMの対を表しており、全体影響論理和ゲートGEDGは技術システムへの全体影響をそれぞれ生じる、全ての可能な局所影響と局所対策の組み合わせの論理積を表している。メタモデルMMの全体影響要素GEによって、1つの全体影響GE内の特定の局所影響LEをクラスタ化し、全体影響に関する技術システムSの自動解析をすることができる。全体影響要素GEは、解析により用いられる各全体影響の全体記述をさらに保持している。
全体解析を可能とするため、全ての全体影響GEが全体影響ツリーGET内に含まれている。要素「全体影響ツリー」GET、全体影響論理和ゲートGEDGおよび局所対策影響論理積ゲートLMECGを用いて、データ構造が構築され、これを、技術システムの定量的または定性的解析のために用いることができる。可能な第1のステップでは、メタモデルMMの必要な上述の要素、すなわち、FMEDA、アセンブリAS、部品P、故障モードF、局所対策LMおよび局所影響LEを用いて、MySQL(登録商標)またはACCES(商標)などのリレーションを可能とするデータ構造においてFMEAが実行される。第2のステップで、FMEAの開発プロセス中に、局所影響を全体影響に関連づけることができる。この情報を用いて、全体影響ツリーGETを自動的に生成できる。生成されたデータ構造は、全ての全体影響について解析可能である。これらの全体影響は、全体影響ツリーの要素に関連している。
可能な実施形態では、各全体影響要素GEについて、新たな論理ゲート要素が作成可能であり、たとえば、図2に示されるような「全体影響論理和ゲート」GEDGが作成可能である。この論理ゲート要素GEDGは、全体影響解析を実行するための、すべての可能な局所影響と局所対策の組み合わせの論理和を表している。たとえば、ブールツリーが解析のための望ましい構造として選択され、この論理ゲート要素は各ツリーにおけるORゲートとして表される。各全体影響論理和ゲート要素GEDGは関連した複数の局所対策影響論理積ゲート要素LMECGを得る。
各局所対策影響論理積ゲート要素LMECGは、全体影響論理和ゲート要素GEDGに属する全体影響要素に関連する各局所影響についての局所影響LEと局所対策LMの1つの対を表している。たとえば、ブールツリーが解析のための望ましい構造として選択される場合、この論理積ゲート要素はツリー内のANDゲートとして表され、ブールツリー内の全体影響論理和ゲート要素GEDGによって表されるORゲートへの入力として関連する。局所対策影響論理積ゲート要素LMECGは対策が適用された後に残存する影響を表す。これを表すため、対応する故障モード要素FM、部品要素Pおよび局所対策要素LMを識別し、局所対策影響論理積ゲート要素LMECGに関連づけるために、データ構造が用いられる。必要な故障モードF、局所対策要素LMおよび部品要素Pと関係している局所影響要素LEと関係している全体影響要素GEと関係している全体影響論理和ゲート要素GEDGに、局所対策影響論理積ゲートLMECGが関係していることから、これは実行可能である。図2の全体対策要素GEは、さらに、各対策の全体の文章での記述を用いて全体的に対策をクラスタ化するために用いられうる。局所対策は、全体解析において理解することが難しい可能性のある局所影響に特有の対策を記述していることから、これにより、ユーザの解析における特定の対策のよりよい理解を支援できる。
メタモデルMMの1つのFMEAは、実世界での全てのシステムのインスタンスまたは製品を解析的にカバーする。診断を可能とするため、実世界の故障モードの影響が記録されてもよい。各技術システムは、種々の故障モードFを含む可能性があり、したがって、技術システムの動作中に種々の影響を記録可能である。技術システムの動作中の実際のまたは現在の故障率を監視するため、これらの記録された影響REは、FMEAにてドキュメント化された影響に関連づけられる。
図2に示されるメタモデルMMの関連性の方向は、相関性をドキュメント化している。図2に示される矢印の方向は、概念的なものに過ぎず、メタモデルMMの実施は、たとえばデータベース構造において、双方向で機能する。関連性に接続された定量化は、例示に過ぎず、FMEAの種々のドメインまたは種々の種類に対して変わりうる。たとえば、記録されたイベントREとシステムSとの間の関連性は、1つの記録されたイベントREがシステムSに属しており、各記録されたイベントがちょうど1つのシステムに属しているが、各システムは0個のまたは任意の数の記録されたイベントREを有しうることをドキュメント化している。
図2に示されるようなメタモデルMMの使用および全体影響ツリーGETの生成を示すため、FMEAおよび得られる全体影響ツリーGETに関する簡単で単純な例が図3および4を参照して記載されている。図3は、単純な技術システムのFMEAテーブルを示す。各列は、特定の部品Pの故障モードF、その影響および対応する対策をドキュメント化している。さらに、図3に示されるように全体影響が挿入されている。
図4は、ブール表記を用いた対応する全体影響ツリーGETを示す。図4に示される全体影響ツリーGETは、図3に示されるFMEAデータ構造の、2つの関連づけられた全体影響要素AおよびBを示す。各全体影響A、Bについて、ORでラベル付けされた要素によって表される1つの全体影響論理和ゲート要素GEDGが全体影響に関連づけられている。この要素は、&符号でラベル付けされた関連する局所対策影響論理積ゲート要素LMECGを含み、これは各局所影響およびその対応する対策について1つである。メタモデルMMおよびデータ構造によって、対策m1およびm2の影響力を含む影響a1、a2、a3またはb1およびb2についての全体解析が可能となる。定量的解析のため、部品Pの故障率FIT、故障モードに関係する故障率の一部(割合)および対策の有効性(診断範囲)を、各局所影響対策論理積ゲートLMECGをたとえば下記式で定量化するために用いることができる:
FIT(&)=FIT(故障モード)×割合(局所影響)×割合(対策)
従って、全体影響論理和ゲートGEDGは下記式で示される:
FIT(OR)=FIT(&1)+...+FIT(&n)
図5は、本発明の態様における技術システムの全体影響解析を支援するためのシステムの例示的実施を示す図を示す。図5は、1つ以上の技術システムSのFMEAデータベースDBを示す。コンピュータシステムLSは図5に示されるようなFMEAデータベースへのアクセスを有して用いられうる。コンピュータシステムLSは1つ以上のシステム構成に、有線または無線接続を介して接続されている。図5の例示的実施形態では、コンピュータシステムLSは、2つの異なるシステム構成または技術システムS1、S2に、たとえば、イベントロギングメカニズムを用いて、有線または無線接続を介して接続されている。可能な実施形態では、システムS1、S2などのシステムを構築するために使用可能な一般的故障モード(generic failure mode)および汎用部品(generic part)は、図5に示されていないコンポーネントデータベースにおいて接続されてもよい。役割R、たとえば、解析者、設計者および/または技術者は、コンポーネントデータベースを用いて、FMEAデータベースDBに保存された特定の技術システムのFMEA解析を生成および/または解析することができる。フィールドデータはシステム構成S1、S2への無線または有線接続を用いて、特定の技術影響と関連づけることができる。図2の文脈で記載されているメタモデルMMの全ての要素は、ユニークな識別子を用いることによって、不一致を避けるために、要素のリレーションおよび関連性をデータベースシステムにおいて用いることができる。部品の故障モードの数を増やす必要がある場合、新たな故障モードは、対応する汎用部品への関連性とともに、一般的故障モードとしてコンポーネントデータベースに組み込み、たとえば、挿入することができる。全ての部品インスタンスは汎用部品のユニークな識別番号IDを記すことから、欠けている故障モードインスタンスは、特定のFMEA解析において各部品インスタンスについて自動的に挿入可能である。解析、設計および/または技術チームの役割Rには、すべての故障モードが各部品インスタンスについてリストされ、かつ、モデルが一致していることが保証される。これらの一致した故障モードに基づいて、特定のシステムに対する影響要素がFMEAデータベースから選択できる。このようにして、影響要素、特に、局所影響要素LEおよび/または全体影響要素GEは、何度も用いることができる。また、影響要素は、多くの故障モードインスタンスと影響要素を関連づけることにより用いることができる。また、影響要素は、複数の特定のシステムの解析のために用いることができる。コンピュータシステムLSは自動的に解析し、この際、影響要素が解析に用いられる。故障率が各影響要素について個別に計算可能であるため、この解析はより詳細なものにもなる。再使用された影響要素および一致した故障モードを含む一致したFMEAデータベースを用いて、技術システムの各実施についての故障影響対策を、関与する部品の対応する故障モードについて追跡できる。推定される故障率を超え、かつ、解析における望ましい故障率制限に技術システムの構成を維持するために修復されまたは置換されうるコンポーネントおよび電子装置を識別するために追跡は役立つ。
可能な実施形態では、本方法は、コンピュータシステムLSのプロセッサを用いて、汎用部品および一般的故障モードをインスタンス化して、技術システムを特定する部品インスタンスおよび故障モードインスタンスをそれぞれ生成することを含む。生成された部品インスタンスおよび故障モードインスタンスは、データベースに保存されうる。
可能な実施形態では、汎用部品および一般的故障モードのインスタンス化は、汎用部品および一般的故障モードを表すクラスのオブジェクトとして部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを構築することを含む。あるいは、部品インスタンスおよび故障モードインスタンスは、汎用部品および一般的故障モードを特定するデータベース内容のデータベースエントリとして生成される。
可能な実施形態では、各故障モードインスタンスは、メタモデルMMに保存された一般的故障モードと汎用部品との間の関連性に基づいて、部品インスタンスの各1つと関連づけられており、1つ以上の部品インスタンスが、複数の故障モードインスタンスと関連づけられている。可能な別のステップで、各部品インスタンスについての故障挙動が定量化される。可能な実施形態では、各故障モードインスタンスの割合は保存されており、この割合は、故障モードインスタンスと関連づけられた部品インスタンスの定量化された故障挙動の部分を示している。
可能な実施形態では、本方法は、局所影響要素LEを生成し、各局所影響要素を1つ以上の故障モードインスタンスと関連づけ、関連づけられた故障モードインスタンスの技術システムSへの影響に関する情報を各局所影響要素LEに保存することをさらに含む。可能な実施形態では、技術システムの動作中のイベントが、ロギングされる。さらに、ロギングされたイベントに基づく記録された影響が保存される。各記録された影響は、その後、局所影響要素LEと関連づけられる。最後に、記録された影響の頻度に基づいて、局所影響要素と関連づけられた、部品インスタンス、故障モードインスタンス、または、部品インスタンスと故障モードインスタンスの両方が監視される。
可能な実施形態では、対応する局所影響要素LE、故障モードインスタンスおよび部品インスタンスに対して記録された影響が追跡される。最後に、技術システムを所定の故障率制限に適合させるため、所定の故障率を超える部品インスタンスが識別され、識別された部品インスタンスが修復または置換される。
上述の方法はコンピューティングシステムLSの1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令が保存された1つ以上の読み取り可能保存媒体を含むコンピュータプログラム製品によって実現可能である。命令の実行は、コンピュータシステムLSに上述の方法の各ステップに対応する動作を実行させる。
本発明は、実施形態および実施例を参照して詳細に説明した。しかし、変更および修正は請求項に記載される本発明の本質および範囲においてなし得る。
請求項に記載された要素および特徴は同様に本発明の範囲内にある新たな請求項に異なるやり方で組み合わされてもよい。すなわち、添付の特許請求の範囲において従属請求項がただ1つの独立または従属請求項に従属していても、従属請求項は、代わりに、代わりの形式で、従属または独立のものとして、前のまたは後の請求項に従属されてもよく、このような新たな組み合わせは本願の一部を形成すると理解されるべきである。
本願は、種々の実施形態を参照して詳細に説明したが、多くの変更および修正を記載した実施形態についてなしうる。したがって、上述の記載は限定ではなく例とみなされるべきであり、実施形態の全ての均等物および/または組み合わせは、本明細書中に含まれる。
技術システムの全体影響解析を支援するための本方法および本システムは、いかなる複雑な技術システム、たとえば、産業用プラントまたは自動車などの複雑な工業製品に対して用いられてもよい。
LS コンピュータシステム、 S1、S2 システム、 DB データベース

Claims (25)

  1. 技術システムの全体影響解析を支援する方法であって、
    コンピュータ読み取り可能保存媒体に保存されたメタモデルを用意するステップであって、前記メタモデルは、関連した組の故障モード要素を有する部品を含む1つ以上のアセンブリの技術システムを含み、前記各故障モード要素は、関連した局所影響要素を有している、ステップと、
    全体影響要素内の局所影響要素をクラスタ化し、前記メタモデルに保存される全体影響ツリーを生成するステップと、
    を含む、
    ことを特徴とする方法。
  2. 各局所影響要素は、安全カテゴリ分類を有し、かつ、前記技術システムの実行中の前記各局所影響の発生を防ぐよう適合化された局所対策要素に関連づけられている、請求項1記載の方法。
  3. 前記メタモデルに保存された、各生成された全体影響要素は、前記技術システムへの前記全体影響を示す全体記述を含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記生成される全体影響ツリーは、論理ゲート要素を介して局所影響要素および関連づけられた局所対策要素に接続された全体影響要素を含む、請求項1記載の方法。
  5. 前記生成される全体影響ツリーの前記論理ゲート要素は、複数の局所対策影響論理積ゲートおよび各全体影響要素に対して1つの全体影響論理和ゲートを含んでおり、
    前記各局所対策影響論理積ゲートは、局所影響要素と、関連づけられた局所対策要素との対をそれぞれ表しており、
    前記全体影響論理和ゲートは、前記技術システムへの各全体影響を生じさせる、全ての可能な局所影響要素と局所対策要素の組みあわせの論理和を表している、
    請求項4記載の方法。
  6. 前記局所対策要素は、前記メタモデルの全体対策要素においてクラスタ化されている、請求項1記載の方法。
  7. 前記メタモデルの各局所影響要素は、前記各局所影響要素に関連づけられた前記故障モード要素の故障モードインスタンスの、前記技術システムへの前記局所影響を示す局所記述を含む、請求項1記載の方法。
  8. 前記メタモデルは、前記技術システムの汎用部品、一般的故障モード、および、前記汎用部品と前記一般的故障モードとの間の関連性を含み、
    前記関連性は、各汎用部品についての、前記汎用部品と関連づけられた1つ以上の一般的故障モードを示しており、
    各一般的故障モードは、前記技術システムの各汎用部品についての故障の種類を識別する、
    請求項1記載の方法。
  9. プロセッサを用いて、前記汎用部品および前記一般的故障モードをインスタンス化し、前記技術システムを特定する部品インスタンスおよび故障モードインスタンスをそれぞれ生成するステップと、
    前記部品インスタンスおよび前記故障モードインスタンスを保存するステップと、
    をさらに含む、請求項8記載の方法。
  10. 前記汎用部品および前記一般的故障モードをインスタンス化するステップは、
    前記汎用部品および前記一般的故障モードを表すクラスから、オブジェクトとしての、前記部品インスタンスおよび前記故障モードインスタンスを構築するステップ、または、
    前記汎用部品および前記一般的故障モードを特定するデータベース内容から、データベースエントリとしての、前記部品インスタンスおよび前記故障モードインスタンスを生成するステップ
    をさらに含む、請求項9記載の方法。
  11. 前記メタモデルに保存された前記汎用部品と前記一般的故障モードとの間の関連性に基づいて、各故障モードインスタンスを前記部品インスタンスの各1つと関連づけるステップであって、1つ以上の部品インスタンスが複数の故障モードインスタンスと関連づけられる、ステップと、
    各部品インスタンスについて故障挙動を定量化するステップと、
    前記故障モードインスタンスに対応する、前記故障モードインスタンスに関連づけられた前記部品インスタンスの前記定量化された故障挙動の部分を示す割合を、各故障モードインスタンスに保存するステップと、
    をさらに含む、請求項9記載の方法。
  12. 複数の局所影響要素を生成し、各局所影響要素を1つ以上の故障モードインスタンスと関連づけるステップと、
    前記関連づけられた故障モードインスタンスの前記技術システムへの影響に関する情報を各局所影響要素に保存するステップと
    をさらに含む、請求項9記載の方法。
  13. 前記技術システムの動作中のイベントをロギングするステップと、
    前記ロギングされたイベントに基づいて、記録された影響を保存するステップと、
    各記録された影響を局所影響要素と関連づけるステップと、
    前記記録された影響の頻度に基づいて、前記局所影響要素に関連づけられた、前記部品インスタンスの故障率、前記故障モードインスタンスの故障率、または、前記部品インスタンスおよび前記故障モードインスタンスの両方の故障率を監視するステップと、
    をさらに含む、請求項12記載の方法。
  14. 対応する前記局所影響要素、前記故障モードインスタンスおよび前記部品インスタンスに対して、記録された影響を追跡するステップと、
    所定の故障率を超える前記部品インスタンスを識別し、前記技術システムを故障率制限に適合させるために、当該識別した部品インスタンスを修復または置換するステップと、
    をさらに含む、請求項13記載の方法。
  15. 技術システムの全体影響解析を支援するシステムであって、
    メタモデルを保存するよう構成されたデジタルデータ保存媒体と、プロセッサとを備えており、
    前記メタモデルは、関連する組の故障モード要素を有する部品を含む1つ以上のアセンブリの前記技術システムを含み、
    前記各故障モード要素は、関連した局所影響要素を有しており、
    前記プロセッサは、全体影響要素内の複数の局所影響要素をクラスタ化して全体影響ツリーを生成し、当該生成した全体影響ツリーを保存するよう構成されている、
    ことを特徴とするシステム。
  16. 前記保存されたメタモデルは、前記技術システムの汎用部品、一般的故障モード、および、前記汎用部品と前記一般的故障モードとの間の関連性を含み、
    前記関連性は、各汎用部品について、前記汎用部品に関連づけられた1つ以上の一般的故障モードを示しており、
    各一般的故障モードは、各汎用部品についての故障の種類を識別する、
    請求項15記載のシステム。
  17. 前記プロセッサは、
    前記汎用部品および前記一般的故障モードをインスタンス化して、前記技術システムを特定する部品インスタンスおよび故障モードインスタンスを生成し、
    前記部品インスタンスおよび前記故障モードインスタンスを保存する
    よう構成されている、請求項16記載のシステム。
  18. 前記プロセッサは、
    前記汎用部品および前記一般的故障モードを表すクラスから、オブジェクトとしての、前記部品インスタンスおよび前記故障モードインスタンスを構築することにより、または、
    前記汎用部品および前記一般的故障モードを特定するデータベース内容から、データベースエントリとしての、前記部品インスタンスおよび前記故障モードインスタンスを生成することにより、
    前記汎用部品および前記一般的故障モードをインスタンス化するようさらに構成されている、請求項17記載のシステム。
  19. 前記プロセッサは、
    前記メタモデルに保存された前記汎用部品と前記一般的故障モードの間の前記関連性に基づいて、前記部品インスタンスの各1つと各故障モードインスタンスを関連づけ、この際、1つ以上の部品インスタンスが複数の故障モードインスタンスと関連づけられ、
    各部品インスタンスについての故障挙動を定量化し、
    前記故障モードインスタンスに対応する、前記故障モードインスタンスと関連づけられた前記部品インスタンスの前記定量化された故障挙動の部分を示す割合を、各故障モードインスタンスに保存する、
    ようさらに構成されている、請求項17記載のシステム。
  20. 前記プロセッサは、
    新たな一般的故障モード、および、対応する汎用部品と当該新たな一般的故障モードとの関連性を、前記メタモデルに加え、
    前記新たな一般的故障モードを自動的にインスタンス化して、前記対応する汎用部品の従前にインスタンス化した全ての部品インスタンスとの関連性および新たな故障モードインスタンスを生成する、
    ようさらに構成されている、請求項17記載のシステム。
  21. 前記プロセッサは、
    複数の局所影響要素を生成し、各局所影響要素を1つ以上の故障モードインスタンスと関連づけ、
    前記関連づけられた故障モードインスタンスの前記技術システムへの局所影響に関する情報を各局所影響要素に保存する
    ようさらに構成されている、請求項17記載のシステム。
  22. 前記プロセッサは、前記局所影響要素の安全カテゴリ分類を各局所影響要素に保存するようさらに構成されている、請求項17記載のシステム。
  23. 前記プロセッサは、
    前記技術システムの動作中のイベントをロギングし、
    前記ロギングしたイベントに基づいて、記録された影響を保存し、
    各記録された影響を局所影響要素と関連づけ、
    前記記録された影響の頻度に基づいて、前記局所影響要素と関連づけられた、前記部品インスタンスの故障率、前記故障モードインスタンスの故障率、または、前記部品インスタンスおよび前記故障モードインスタンスの両方の故障率を監視する、
    ようさらに構成されている、請求項17記載のシステム。
  24. 前記プロセッサは、
    前記対応する局所影響要素、前記故障モードインスタンスおよび前記部品インスタンスに対して、記録された影響を追跡し、
    所定の故障率を超える前記部品インスタンスを識別し、前記技術システムを前記故障率の制限に適合させるために、前記識別した部品インスタンスを修復または置換する、
    ようさらに構成されている、請求項17記載のシステム。
  25. メタモデルと、コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令とが保存された1つ以上のコンピュータ読み取り可能な不揮発性保存媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、
    前記メタモデルは、関連する組の故障モード要素を含む部品を含む1つ以上のアセンブリの技術システムを含み、
    前記各故障モード要素は、関連づけられた局所影響要素を含み、
    前記命令の実行によって、前記コンピュータシステムは、前記技術システムの全体影響解析を支援する動作を実行し、
    前記命令は、全体影響要素内の局所影響要素をクラスタ化して全体影響ツリーを生成し、当該生成された全体影響ツリーを保存することを含む、
    ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
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