JP2016007396A - 投影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】使用者にとって、より使いやすい投影システムを提供する。【解決手段】少なくとも可視光領域の波長の光を投影する投影部と、所定の波長の光が照射された領域を検出する検出部と、前記検出した領域に対して投影を行うとともに、前記検出した領域の周辺に対して、前記検出した領域に対するユーザーの作業に供する補助情報を投影するよう前記投影部を制御する制御部と、を備えた投影装置である。【選択図】図1

Description

本開示は、画像を被投影物体に投影する投影システムに関する。
特許文献1は、外科手術を受ける生体の患部を示す画像データを蛍光像撮像装置から出力させ、画像投影装置により上記画像データによる画像を再生し、実際の患部上に表示させる外科手術支援システムを開示する。生体の患部には、所定の波長の光を照射することで蛍光を発する物質が、あらかじめ投与されている。つまり、このシステムは、患部が蛍光発光した蛍光画像を実際の患部に表示することで、病変部の確認の支援をしている。
特開平9−24053号公報
本開示は、使用者にとって、より使いやすい投影システムを提供することを目的とする。
本開示は、少なくとも可視光領域の波長の光を投影する投影部と、所定の波長の光が照射された領域を検出する検出部と、前記検出した領域に対して投影を行うとともに、前記検出した領域の周辺に対して、前記検出した領域に対するユーザーの作業に供する補助情報を投影するよう前記投影部を制御する制御部と、を備えた投影装置である。
本開示における投影システムによれば、使用者にとってより使いやすい投影システムを提供できる。
手術支援システム100の構成を説明する図 光調整装置400の構成を説明する図 光調整装置400の配置位置を説明する図 光調整装置400による光調整を説明する図 光調整前後の赤外蛍光310と可視光レーザー照射光320を説明する図 可視光レーザー220及び、MEMSミラー221による走査パターンを説明する図 患部140の検出に応じた切断補助線321の投影の動作フローチャート 患部140の検出に応じた切断補助線321を投影するイメージ図 患部140の周辺に対する手術補助情報151の投影を説明する図 補助スクリーン材151上への手術補助情報151の投影を説明する図 赤外励起光源250、TOFセンサ260および、可視光レーザー220の、高さ判定結果に応じた動作を説明する図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、出願人は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
<1.手術支援システムの概要>
本開示の投影システムの一例として、実施の形態1にかかる手術支援システムの概要を、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1にかかる手術支援システム100の構成を説明する図である。
手術支援システム100を利用するにあたって、手術を受ける患者には、光感受性物質が血液中などに投与される。光感受性物質は、励起光を受光して蛍光を発する物質である。実施の形態1では、光感受性物質の一例として、インドシアニングリーン(以下、ICGと称する)を用いた場合を説明する。ICGは、医療承認されており、人体への使用が可能な試薬である。ICGは、血液中に投与されると血液やリンパ液の流れが滞っている患部140に蓄積される。ICGは、800nm前後の赤外励起光が照射されることにより、ピーク波長850nm前後の赤外蛍光を発する。従って、赤外蛍光の発している領域を検出することにより、患部140の領域を特定することが可能となる。
手術支援システム100は、ICGの赤外蛍光の発している領域を検出して、患部140の領域を特定するシステムである。手術支援システム100は、特定した患部140の領域が人間に視認可能となるように、特定した患部140の領域に対して可視光を照射する。これにより、手術支援システム100は、手術を行う医師による患部140の領域特定を支援することができる。
<2.手術支援システムの構成>
以下、手術支援システム100の構成について、図1を用いて説明する。手術支援システム100は、病院の手術室内に配置されて使用される。手術支援システム100は、主に、撮像照射装置200、制御装置230、メモリ240、赤外励起光光源250を備えている。また、図示はしていないが、手術支援システム100は、撮像照射装置200を配置する位置を変更するための機構(撮像照射装置200と機械的に接続された駆動アームや、手術支援システム100の一式を載置する台座のキャスターなど)を備えている。
撮像照射装置200は、撮像手段や照射手段を一体的に内包した装置である。撮像照射装置200は、赤外カメラ210、ダイクロイックミラー211、可視光レーザー220、MEMS(Micro Electoro Mechanical System)ミラー221、TOF(Time−of−Flight)センサ260を備えている。
制御装置230は、手術支援システム100を構成する各部を統括制御する装置である。制御装置230は、赤外カメラ210、可視光レーザー220、MEMSミラー221、TOFセンサ260、メモリ240、赤外励起光源250を制御可能なように電気的に接続されている。制御部230は、例えばCPUやMPUで構成され、所定のプログラムを実行することによってその機能を実現する。なお、制御部230の機能は、専用に設計された電子回路により実現されてもよい。
メモリ240は、制御装置230が演算を実行するにあたって、適宜アクセスを行う記憶媒体である。
赤外励起光源250は、少なくともICGの励起波長800nm前後の赤外励起光300を照射する光源である。赤外励起光源250は、制御装置230からの制御信号に従って、赤外励起光300の照射のON/OFFを切り替えることができる。なお、図1に示す例では、赤外励起光源250は、撮像照射装置200の外部に配置されているが、これに限定されない。すなわち、赤外励起光源250は、赤外励起光の照射口が適切に設けられれば、撮像照射装置200の内部に配置されてもよい。
次に、撮像照射装置200に備わる各構成について説明する。
赤外カメラ210は、赤外領域に分光感度特性を有するカメラである。本開示にかかる手術支援システム200では、ICGからの850nm前後の赤外蛍光を検出する必要がある。そのため、赤外カメラ210は、少なくとも850nm前後の赤外領域に対して分光感度特性を有する。なお、ICGからの赤外蛍光以外の光の受光を回避するために、赤外カメラ210の前方に850nm付近の波長の光のみを通過させるバンドパスフィルターを配置してもよい。赤外カメラ210は、撮像により得られている赤外画像を、制御装置230に伝送する。
可視光レーザー220は、可視光を照射するレーザーである。可視光レーザー220は、人間が視認できる可視光領域の光であれば、任意の波長のレーザーを使用することができる。可視光レーザー220は、一色のレーザーのみにより構成してもよいし、制御装置230からの制御信号に従って、複数の色のレーザーを切り替え可能に構成してもよい。可視光レーザー220は、可視光レーザー照射光320を、MEMSミラー221に向けて照射する。
MEMSミラー221は、多数の微小鏡面を平面に配列したミラーである。MEMSミラー221は、可視光レーザー220から照射された可視光レーザー照射光320を微小鏡面で受けて、微小鏡面の傾斜角度に応じた方向に反射させる。制御装置230は、MEMSミラー221の各微小鏡面の傾斜角度を、水平方向および垂直方向に制御することができる。これにより、制御装置230は、可視光レーザー照射光320を、垂直方向および水平方向の2次元的に走査させることができる。MEMSミラー221の微小鏡面で反射した可視光レーザー照射光320は、ダイクロイックミラー211に到達する。なお、本開示ではMEMSミラーを例示するが、これに限定されない。例えば、ガルバノミラーを用いてもよい。すなわち、水平方向の走査と垂直方向の走査を可能にする光学素子であれば、任意の光学素子を用いることができる。
ダイクロイックミラー211は、赤外カメラ210、MEMSミラー221と対向して配置される。ダイクロイックミラー211は、特定の波長の光を反射する一方、その他の波長の光を透過する機能を備えた光学素子である。本開示においては、ダイクロイックミラー211の水平方向にMEMSミラー221が配置される一方、ダイクロイックミラー211の鉛直方向上方に赤外カメラ210が配置される。ダイクロイックミラー211は、可視光レーザー220から照射された可視光レーザー照射光320は反射する一方、赤外カメラ210の撮像面に向かう赤外蛍光310は透過する光学特性を備える。また、図1に示すように、ダイクロイックミラー211で反射された可視光レーザー320と、赤外カメラ210の撮像面に入射する赤外蛍光310とは光路が一致されている。これにより、赤外蛍光310の発している領域(患部140)に対する可視光レーザー照射光320の照射精度を高めることができる。
TOFセンサ260は、赤外検出光330を照射して、対象物で反射した赤外検出光330を受光するセンサである。TOFセンサ260は、850nm〜950nmの波長の赤外光を、赤外検出光330として用いる。TOFセンサ260は、赤外検出光330を照射してから、対象物で反射した赤外検出光330が受光されるまでの遅延時間と、光の速度とから、対象物までの距離を測定する。或いは、TOFセンサ260は、照射したときの赤外検出光330の電圧値と、対象物で反射して受光したときの赤外検出光330の電圧値との差から、対象物までの距離を測定するようにしてもよい。TOFセンサ260は、測定した対象物までの距離に関する情報を、制御装置230に通知する。
図1に示すように、手術室内には、手術支援システム100の他に、手術台110、無影灯120などが設置されている。手術台110は、患者130を載置する台である。無影灯120は、手術台110に載った患者130の患部140を照明する照明器具である。無影灯120は、医師の作業領域に影を作らないようにするため、高照度(3万〜10万ルクス)の光を照射する。
手術支援システム100は、手術台110に載った患者130の鉛直方向上方に、撮像照射装置200が位置するように配置される。手術支援システム100では、赤外カメラ210による患部140の領域特定精度を担保するため、赤外カメラ210の光学系から定まる焦点距離に基づいて、使用する高さの許容範囲が定まる。本開示では、手術台110に載った患者130の体軸から、撮像照射装置200(TOFセンサ260)までの高さが1000mm±300mmが、使用する高さの許容範囲となる。
2.手術支援システムの起動動作
続いて、手術支援システム100の起動動作について説明する。手術支援システム100は、電源(不図示)がOFFの状態からONの状態へとスイッチされると、制御装置230の起動動作を実行させる。制御装置230は、起動されると、赤外カメラ210、可視光レーザー220、赤外励起光250、TOFセンサ260など、手術支援システム100を構成する各部の起動動作を実行する。
可視光レーザー220は、起動動作が実行されると、可視光レーザー照射光320の増幅動作を開始する。可視光レーザー照射光320の出力が安定してきたら、撮像照射装置200を使用可能な状態となる。
3. 可視光レーザーの照射位置と赤外カメラの撮像位置とのズレ調整
手術支援システム100は、上述のとおり、ICGの赤外蛍光を発している患部140の領域を赤外カメラ210により検出して特定し、特定した患部140の領域に対して可視光レーザー照射光320を照射する。可視光レーザー220は、赤外カメラ210により検出され特定された患部140の領域に対して可視光レーザー照射光320が照射されるように、撮像照射装置200内に配置される。しかしながら、撮像照射装置200の組み立ての結果、可視光レーザーの照射位置と赤外カメラの撮像位置との間には、僅かながら誤差が発生する。従って、手術支援システム100の使用にあたっては、可視光レーザー220の照射位置と赤外カメラ210の撮像位置とのズレを予め調整しておく必要がある。
しかしながら、赤外カメラ210の撮像波長は、850nm前後の赤外領域であり非可視光であるため、人間の眼では視認することができない。そのため、可視光レーザー220の照射位置と赤外カメラ210の撮像位置とのズレを調整することが困難であった。
そこで、発明者は、簡単にズレ調整を行えるようにするため、光調整装置400を発案した。光調整装置400によれば、赤外カメラ210の撮像波長である850nm前後の赤外領域を、簡単に可視化することができる。これにより、可視光レーザー220の照射位置と赤外カメラ210の撮像位置とのズレを容易に調整すること可能となった。
以下、光調整装置400の構成および、光調整装置400を用いた調整作業について、順に説明する。
3−1.光調整装置400の構成
図2は、光調整装置400の構成を説明する図である。図2(A)は、光調整装置400の外観イメージ図である。図2(B)は、光調整装置400の分解イメージ図である。
図2(A)に示すように、光調整装置400は、LED照明光340が出射される出射面を一面に備えた箱状の装置である。図2(B)に示すように、光調整装置400は、白色LED(Light Emitting Diode)410、拡散板420、開口マスク430、スクリーン材440、保護ガラス450を順に重ねあわせた構造を内部に備えている。
白色LED410は、白色のLED照明光340を発光する半導体素子である(図2(A))。白色LED410が発光する光の波長は、可視光領域のみならず、非可視光領域(赤外領域を含む)まで及ぶ。本開示では、白色LED410を用いるが、これに限定されない。可視光領域および非可視光領域(赤外領域を含む)の分光特性を有し、可視光と赤外光とを同軸で出射可能な光源であれば、光調整装置400に任意の光源を用いることができる。
拡散板420は、白色LED410から出射される光の輝度ムラを低減して面発光させることができる。拡散板420は、白色LED410に対向して光調整装置内に配置される。なお、光調整装置400は、拡散板420を備えていなくても、光調整を行うことは可能である。
開口マスク430は、開口460と遮光面470とを有する部材である。開口マスク430は、拡散板420を介して白色LED410に対向して光調整装置内に配置される。開口460は、白色LED410と対向する所定サイズの孔であって、白色LED410から発光される光を透過する。遮光面470は、開口460を取り囲む領域であって、白色LED410から発光される光を遮光する。開口460のサイズや、開口マスク430上における場所は、測定の目的に応じて決定される。例えば、ずれが2mm以下であるか否かを確認するためには、2mm以下のサイズの開口460を開口マスク430に形成する。
スクリーン材440は、白色LED410から発光された少なくとも可視光領域の光を散乱させる部材である。これにより、白色LED410から発光されている光を人間が視認することができる(図2(A)の可視光照射領域A)。スクリーン材440は、開口マスク430に対向して配置される。スクリーン材440は、例えば、紙により実現される。紙の色は任意であるが、照射するレーザーの色に応じて視認が容易となる色であることが望ましい。なお、スクリーン材440としては、紙に替えて布でもよい。少なくとも可視光領域の光を散乱させて、赤外光は散乱が少ない材料であればスクリーン材440として適用可能である。
保護ガラス450は、スクリーン材440をキズから保護するガラスである。なお、光調整装置400は、スクリーン材440を備えていなくても、光調整を行うことは可能である。
3−2.光調整装置を用いた調整作業
続いて、光調整装置400を用いた調整作業について図3及び図4を用いて説明する。
図3は、手術支援システム100に対する光調整装置400の配置位置を説明する図である。図4は、光調整装置400による光調整を説明する図である。
本調整作業は、撮像照射装置200或いは、手術支援システム100のメーカーが工程段階で行う。すなわち、撮像照射装置200或いは、手術支援システム100の出荷品は、すでに調整済みの状態となっている。また、工程段階ですでに調整済みではあるが、実際の手術の直前に、念のための確認作業として、本調整作業を行う。
図3に示すように、調整作業者は、撮像照射装置200の直下であって、赤外カメラ210の撮像面や、可視レーザー照射光320の照射口と対向した位置に、光調整装置400を配置する。このとき、赤外カメラ210の焦点距離に基づいて定まる高さ許容範囲を、例えば、1000mm±300mmとしたとき、撮像照射装置200の下面からの距離が1000mmになる位置にて、光調整装置400を配置する。
光調整装置400の配置が完了すると、調整作業者は、白色LED410からのLED照射光340の照射を開始する。LED照射光340の照射が開始されると、 スクリーン材440では、白色LED410から直接照射された可視光の散乱光が視認される(図4(A)、可視光照射領域A)。
白色LED410から照射されたLED照射光340は、赤外領域の波長の光を含んでいる。LED照射光340のうち赤外領域の波長の光は、ダイクロイックミラー211を透過して、赤外カメラ210により撮像される。赤外カメラ210が撮像する画像には、赤外領域の波長を発光している領域が写り込むことになる。赤外カメラ210は、撮像画像を制御装置230に伝送する。
制御装置230は、赤外カメラ210から伝送されてくる撮像画像から、赤外領域の波長を発光している領域の座標(例えば、撮像画像の一頂点からのXY座標)を特定する。赤外カメラ210から伝送されてくる撮像画像における座標に対して、可視光レーザー照射光320を照射する走査座標は、1対1に対応付けられている。制御装置230は、特定した座標に対して、可視光レーザー照射を行うようMEMSミラー221を制御する。これにより、赤外領域の波長を発光している領域、すなわち光調整装置400に対して、可視光レーザー照射光320が照射される(図4(A)、可視光照射領域B)。以上により、図4(A)に示すように、光調整装置400のスクリーン材440上には、LED照射光340による可視光照射領域Aと、可視光レーザー照射光320による可視光照射領域Bとが、合わせて視認されるようになる。
LED照射光340による可視光照射領域Aと、可視光レーザー照射光320による可視光照射領域Bとは一致すべきであるが、組み立て誤差等により、実際には図4(B)に示すように、両者の位置にズレが発生する。
調整作業を開始するにあたって、調整作業者は、ズレ未調整時のLED照射光340の照射位置(すなわち、MEMSミラー221の走査位置)を、制御装置230をしてメモリ240に記憶させる。この照射位置(走査位置)を未調整位置と呼ぶことにする。
調整作業者は、スクリーン材220に映し出された可視光照射領域Aと可視光照射領域Bとを見ながら、両者の位置が一致するように、操作部(不図示)を操作して制御装置230に指示を送る。具体的には、X軸上或いはY軸上での移動量についての指示を送る。制御装置230は、調整作業者からの指示を受けて、可視光レーザー照射光320の照射位置が変更されるようMEMSミラー221による走査位置を変更指示する。この作業を、調整作業者が、スクリーン材220に映し出された可視光照射領域Aと可視光照射領域Bとの位置が一致したと確認するまで行う。
調整作業が完了すると、調整作業者は、ズレ調整時のLED照射光340の照射位置(すなわち、MEMSミラー221の走査位置)を、制御装置230をしてメモリ240に記憶させる。この照射位置(走査位置)を調整位置と呼ぶことにする。
制御装置230は、メモリ240に記憶させた未調整位置と調整位置とから、ズレ補正量を把握する。具体的には、未調整位置と調整位置との差分がズレ補正量となる。図4(B)の例で説明すると、ΔxおよびΔyがズレ補正量となる。
制御装置230は、可視光レーザー照射光320の照射位置を、把握したズレ補正量を用いて補正して決定することができる。実際の手術のおいてはICGの蛍光である赤外光を検出した領域に対して可視光レーザー照明光320を照明するが、調整作業時には、光調整装置400の白色LED410に含まれる赤外光をICGの赤外蛍光に見立てて行う。これにより、可視光レーザー220の照射位置と赤外カメラ210の撮像位置とのズレを容易に調整することができる。その結果、赤外カメラ210により検出され特定された患部140の領域に対して可視光レーザー照射光320を的確に照射することが可能となる。
なお、上記において、調査作業者が、操作部を操作することにより、可視光照射領域Aと可視光照射領域Bとの位置合わせを行うようにしたが、これに限定されない。可視光カメラにより可視光領域Aおよび可視光領域Bの位置を特定して、制御装置230が自動的に位置合わせを行うようにしてもよい。
また、上記において、ズレ補正量として、ΔxおよびΔyをメモリ240に記憶する場合を説明したが、これに限定されない。可視光照射領域Aと可視光照射領域Bとの位置合わせにおいて、回転角度下θを変更したり、照射倍率Zを変更したりした場合には、ΔθおよびΔZをメモリ240に記憶してズレ補正量として把握させてもよい。
4.可視光レーザー220およびMEMSミラー221による走査動作
手術支援システム100を用いた手術においては、無影灯120による照明や、医師の頭部に装着される照明など、高照度(3万〜10万ルクス)の照明装置が合わせて利用される。通常のプロジェクタ装置に用いられる光源では、数百ルクス程度と照度が低く、高照度環境下では投影映像が埋もれてしまって視認できなくなってしまう。一方、非常に高い照度の光を患部140の同じ領域に連続して当て続けることは、安全上好ましくない。
そこで、発明者は、安全を考慮しながらも、高照度環境下でも視認容易とするため、手術支援システム100の照明源として、可視光レーザー220とMEMSミラー221とから構成されるレーザー走査式プロジェクションを採用することを発案するに至った。具体的には、可視光レーザー220による高照度の光を供給可能としながらも、MEMSミラー221により、赤外カメラ210で検出して特定した患部140の領域の内部或いは、境界のみに対して、可視光レーザー照射光320を走査させる。これにより、安全を考慮しながらも、高照度環境下でも視認容易とする手術支援システム100を提供することができる。
以下、可視光レーザー220およびMEMSミラー221による走査動作について図1、図5および図6を用いて説明する。図5は、光調整前後の赤外蛍光310と可視光レーザー照射光320を説明する図である。図6は、可視光レーザー220及び、MEMSミラー221による走査パターンを説明する図である。
図1に示すように、患者130を載せた手術台110は、撮像照射装置200の直下であって、赤外カメラ210の撮像面や、可視レーザー照射光320の照射口と対向した位置に、配置される。このとき、赤外カメラ210の焦点距離に基づいて定まる高さ許容範囲を、例えば、1000mm±300mmとしたとき、撮像照射装置200の下面からの距離が1000mmになる位置にて、患者130の体軸が位置するように、撮像照射装置200の使用高さ或いは、手術台110の使用高さを調整する。
患者130は、血液中にICGを投与済みであり、ICGは患部140に蓄積されているとする。患者130は、患部140に対してメスを入れる体部を上面にして、手術台110の上に載っているとする。
まず、制御装置230は、赤外励起光源250を制御して、患者130の患部140付近に対して、ICGの励起波長800nm前後の赤外励起光300を照射させる。患部140に蓄積されたICGは、赤外励起光300を受光することにより励起反応を起こし、ピーク波長850nm付近の赤外蛍光310を発光する。患部140に蓄積されたICGから発光した赤外蛍光310の一部は、ダイクロイックミラー211を透過して、赤外カメラ210によって撮像される。赤外カメラ210が撮像する画像には、赤外領域の波長を発光している領域が写り込むことになる。赤外カメラ210は、撮像画像を制御装置230に伝送する。
制御装置230は、赤外カメラ210から伝送されてくる撮像画像から、赤外領域の波長を発光している領域の座標(例えば、撮像画像の一頂点からのXY座標)を特定する。このとき、制御装置230は、メモリ240に記憶してあるズレ補正量であるΔx、Δyを読み出す。そして、制御装置230は、赤外カメラ210から伝送されてくる撮像画像に基づいて特定した座標に対して、メモリ240から読み出したズレ補正量の分を補正した補正座標を演算する。赤外カメラ210から伝送されてくる撮像画像における座標に対して、可視光レーザー照射光320を照射する走査座標は、1対1に対応付けられている。
図5(A)は、ズレ補正量の分を補正しなかった場合の、ICGの赤外蛍光310の領域および、可視光レーザー照射光320の領域を示している。ズレ補正量の分を補正しなかった場合には、可視光レーザー照射光320は、ICGの赤外蛍光310の領域からΔx、Δyの分ズレた位置に照射されてしまうことになる。
一方、図5(B)は、ズレ補正量の分を補正した場合の、ICGの赤外蛍光310の領域および、可視光レーザー照射光320の領域を示している。ズレ補正量の分を補正した場合には、可視光レーザー照射光320は、ICGの赤外蛍光310の領域に対して、的確に照射される。
以上のように、補正座標を用いることで、赤外蛍光310を発光する患部140の領域に対して、可視光レーザー照射光320を的確に照射することが可能となる。
続いて、可視光レーザー220およびMEMSミラー221によるレーザー走査パターンについて説明する。図6に示すように、手術支援システム100では、レーザー走査パターンとして、ラスター走査および、ベクター走査を設定可能である。
ラスター走査は、赤外蛍光310を発光する患部140の領域内部のみに対して、面を塗るようにして、可視光レーザー照射光320の往復照射動作を行う走査である。ラスター走査では、照度倍率は1倍となる。また、25ルーメンで発振したときにおいて、照射面照度は、照射面積が最大値(100mm四方)を取るときに約0.25万ルクス、照射面積が最小値(10mm四方時)を取るときに約25万ルクスとなる。
ベクター走査は、赤外蛍光310を発光する患部140の領域の境界のみに対して、線を描くようにして、可視光レーザー照射光320の照射動作を行う走査である。ベクター走査では、照度倍率は20倍となる。また、25ルーメンで発振したときにおいて、照射面照度は、照射面積が最大値(100mm四方時)を取るときに約5万ルクス、照射面積が最小値(10mm四方時)を取るときに約500万ルクスとなる。 医師は、手術内容等に応じて、ラスター走査による可視光レーザー照射を行うか、ベクター走査による可視光レーザー照射を行うかを切り替え操作することができる。
なお、図6では、走査パターンとして、ラスター走査および、ベクター走査を例示しているが、これに限定されない。例えば、ラスター走査の派生パターンとして、赤外蛍光310を発光する患部140の領域内部のみに対して走査するのであるが、適宜走査の間引きを行ったパターンを採用してもよい。或いは、ラスター走査或いはベクター走査の派生パターンとして、同じ部位に対して連続して複数回の走査を行ってから、他の部位へと照射位置をシフトさせるパターンを採用してもよい。
制御装置230は、設定されている走査パターンにより、赤外蛍光310を発光する患部140の領域に対して、可視光レーザー照射光320を照射する。このとき、制御装置230は、設定されている走査パターンに基づいて、可視光レーザー照射を行うようMEMSミラー221を制御する。制御装置230は、赤外蛍光310を発光する患部140の領域の面内或いは、境界に対する走査が一巡した後も連続して走査動作を継続する。
手術支援システム100では、照射光源として高照度なレーザー光源を用いるため、無影灯120などの他の照明装置による高照度環境下であっても、視認性を高めることができる。更に、特定の領域の内部或いは境界のみに対して走査を行うため、広範な領域に対して照射することに比べて照度を得ることができ、視認性を高めることができる。また、高照度な可視光レーザー照射光320を、同一箇所に照射し続けるのではなく、照射位置を走査させる。これにより、安全性を考慮しながらも、高照度環境下でも視認容易とする手術支援システム100を提供することができる。
5.患部の検出に応じた切断補助線の投影
医師は、患部140の手術を開始するにあたって、メスを入れる切断位置を判断する必要がある。そこで、医師は、患部140とメスを入れる切断位置との関係を画像解析装置等により確認するという作業をしている。このとき、医師は、患部140に対して一定距離の余裕を見てメスを入れるよう切断位置の計画を立てる。そして、医師は、計画した切断位置を頭に記憶しておいて、手術に臨む。
しかしながら、手術の開始前に計画を立てた切断位置を正確に再現することは容易ではなく、医師に負担がかかっていた。また、手術開始にあたって時間を費やしてしまう原因になっていた。
そこで、発明者は、ICGを蓄積した患部140への可視光レーザー照射光320の投影に加えて、メスを入れる切断位置の判断を支援する切断補助線321を投影することを発案するに至った。これにより、手術の開始前に計画を立てた切断位置の再現を支援することができ、医師の負担を軽減することが可能となる。また、手術開始にあたって費やしていた時間を短縮することができる。
以下、患部140の検出に応じた切断補助線321の投影について、図7、図8を用いて説明する。図7は、患部140の検出に応じた切断補助線321の投影の動作フローチャートである。図8は、患部140の検出に応じた切断補助線321を投影するイメージ図である。
医師は、手術を開始するに先立って、患部140に対して一定距離の余裕(以下、切断余裕幅と称する)を見てメスを入れるよう切断位置の計画を立てる。そして、医師は、計画した切断余裕幅を、不図示の操作手段を用いて、手術支援システム100に入力する。すなわち、医師は、手術支援システム100に切断補助線321の条件を入力する(S400)。例えば、計画した切断余裕幅が2センチメートルであれば、医師は、手術支援システム100に、切断余裕幅は2センチメートルであると入力する。これにより、手術支援システム100の制御装置230は、入力された切断余裕幅を、メモリ240に記憶させる。
続いて、詳細は上述したように、赤外カメラ210は、赤外励起光300を受光したことによりICGから発光される赤外蛍光310を検出する(S401)。そして、制御装置230は、赤外カメラ210から伝送されてくる撮像画像から、赤外領域の波長を発光している領域の座標を特定する。そして、制御装置230は、赤外カメラ210から伝送されてくる撮像画像に基づいて特定した座標に対して、メモリ240から読み出したズレ補正量の分を補正した補正座標を演算する。
続いて、制御装置230は、演算した補正座標に基づいて、可視光レーザー照射光320の照射を開始する。このとき、制御装置230は、S400においてメモリ240に記憶させておいた切断余裕幅を読み出す。そして、制御装置230は、患部140であると特定した領域に対するレーザー走査を行うとともに、患部140であると特定した領域から切断余裕幅だけ離した位置に切断補助線321を照射するようMEMSミラー221を制御する(S402)。このとき、制御装置230は、TOFセンサ260が検出している高さ情報に基づいて、投影倍率を調整する。切断余裕幅を2センチメートルと設定していた場合には、制御装置230は、患部140であると特定した領域から2センチメートルだけ離した位置に切断補助線321を照射するようMEMSミラー221を制御する。これにより、患部140であると特定した領域の周囲には、患部140であると特定した領域に相似するよう2センチメートルだけ離れた位置に切断補助線321が照射される。
図8(A)は、切断余裕幅が比較的短めに設定された場合における、患部140の検出に応じた切断補助線321の投影のイメージ図である。一方、図8(B)は、切断余裕幅が比較的長めに設定された場合における、患部140の検出に応じた切断補助線321の投影のイメージ図である。このように、手術支援システム100は、医師による切断位置の計画(切断余裕幅)に応じて、切断補助線321を照射する位置を変更することができる。
制御装置230は、S401およびS402の動作を、医師等により終了指示がなされるまで繰り返す(S403におけるNo)。終了指示がなされた場合(S403におけるYes)、制御装置230は、可視光レーザー照明光320の照射動作を終了する。
以上のように、手術の開始に先立って医師が入力した切断余裕幅に基づいて、患部140であると特定した領域に対する照射に加えて、切断補助線321を照射することができる。これにより、手術の開始前に計画を立てた切断位置の再現を支援することができ、医師の負担を軽減することが可能となる。また、手術開始にあたって費やしていた時間を短縮することができる。
上記では、切断余裕幅が2センチメートルと設定されていた場合に、患部140であると特定された領域に対して一律に2センチメートル離れた位置に切断補助線321を照射するようにしたが、これに限定されない。患部140であると特定された領域に対して切断補助線321を照射すべき位置は、位置に応じて変化させるようにしてもよい。
上記において、患部140であると特定した領域に対して可視光レーザー照明光320を照射している間、医師等の操作に応じて、切断補助線321の照射を適宜ON/OFFできるようにしてもよい。OFFした場合には、切断補助線321の照射はなされず、患部140であると特定した領域に対する可視光レーザー照明光320の照射のみが行われることになる。
上記では、手術の開始に先立って、切断補助線321の条件(切断余裕幅)を入力するようにしたが、これに限定されない。すなわち、手術中に、医師等の操作に応じて、切断補助線321の条件を変更できるようにしてもよい。
6.患部の周辺への手術補助情報の投影
医師は、患者130のバイタルデータを適宜確認しながら、手術を行う。バイタルデータには、血圧、心拍数(脈拍数)、酸素濃度、心電図などがある。医師は、バイタルデータを確認することで、患者130の容態変化に応じた手術を行うことができる。
また、医師は、患者130の検査画像を適宜確認しながら、手術を行う。検査画像には、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、CT(Computed Tomography)、X線などによる画像がある。医師は、検査画像を確認することで、患者130の検査結果に応じた手術を行うことができる。
また、医師は、必要に応じて、手術手順や、手術における注意事項などを記載したメモを確認しながら、手術を行う。
以上のように、医師は、バイタルデータ、検査画像、手術手順などの手術補助情報を適宜確認しながら、手術を行う。図9(A)は、従来における手術のイメージ図である。手術補助情報は、モニタ142に映し出される。医師は、モニタ142に映し出される手術補助情報を確認しながら、患者130の手術を行う。このとき、医師には、モニタ142と患者130とで視線移動させながら手術を行うため、医師に負担がかかるとともに、確認時間を費やすことになっていた。
そこで、発明者は、患部140であると特定した領域に対する投影に加えて、患部140の周辺に手術補助情報151を合わせて投影することを発案するに至った。これにより、医師は、手術中における視線移動を低減させることができる。その結果、医師の負担を低減し、確認時間を短縮することが可能となる。
以下、患部の周辺への手術補助情報の投影について、図9、図10を用いて説明する。図9は、患部140の周辺に対する手術補助情報151の投影を説明する図である。図10は、補助スクリーン材151上への手術補助情報151の投影を説明する図である。
手術支援システム100の制御装置230は、各種のバイタルデータを取得する医療機器(不図示)と通信可能に接続されている。これにより、制御装置230は、手術に必要なバイタルデータをリアルタイムに取得することができる。
また、医師等は、予め、患者130の検査画像データおよび、手術手順等のメモをメモリ240に記憶させておく。これにより、制御装置230は、手術に必要な検査画像データおよび、手術手順等のメモを取得することができる。
図9(B)は、本開示にかかる手術補助情報151の投影のイメージ図である。図9(B)に示すように、手術を開始するにあたって、医師は、患者130の患部140の周辺に補助スクリーン材150を配置する。補助スクリーン材150は、投影映像を表示可能な素材であれば、任意の素材を用いることができる。また、補助スクリーン材150は、患部140の付近に配置できるのであれば、任意の形状、サイズのものを用いることができる。図9(B)に示す例では、医師から見て患部140の右方に補助スクリーン材150を配置しているが、これに限定されない。医師の利き腕や、確認のし易さ、或いは手術内容に応じて、患部140の周辺の任意の場所に配置することができる。
図10(A)は、手術補助情報を投影されていない状態の補助スクリーン材150のイメージ図である。図10(A)に示すように、補助スクリーン材150の表面には、マーカ152が付されている。マーカ152は、補助スクリーン材150上において手術補助情報151を表示する領域を示す。手術支援システム100の制御装置230に接続されたカメラ(不図示)は、補助スクリーン材150上に付されたマーカ152を撮像する。当該カメラは、マーカ152の撮像画像を制御装置230に伝送する。当該カメラによる撮像領域と、可視光レーザー220による手術補助情報の投影領域とは、予めお互いの座標の対応関係がメモリ240に記憶されている。制御装置230は、メモリ240に記憶されている対応関係と、伝送されてきた撮像画像からマーカ152の位置の検出結果とから、手術補助情報151を投影すべき領域を特定することができる。そして、制御装置230は、特定した領域に対して手術補助情報151を投影するよう、MEMSミラー221を制御する。これにより、図10(B)に示すように、補助スクリーン材150の表面には、手術補助情報151が投影される。
手術支援システム100は、補助スクリーン材150への手術補助情報151の投影を、患部140であると特定した領域に対する投影とともに行う。これにより、医師は、手術中における視線移動を低減させることができる。その結果、医師の負担を低減し、確認時間を短縮することが可能となり、手術を支援することができる。
上記では、手術補助情報151は、補助スクリーン材150上に投影するようにしたが、これに限定されない。補助スクリーン材150の上ではなく、手術補助情報151を患者の体表に直接投影してもよい。このとき、患者の体表にマーカ152を付与するようにしてもよい。
上記では、マーカ152により手術補助情報151を投影すべき領域を特定するようにしたが、これに限定されない。すなわち、マーカ152を用いずに手術補助情報151を投影すべき領域を特定するようにしてもよい。例えば、患部140に対して可視光レーザー照明光230を照射する位置から、予め医師が設定した距離・方向に離れた位置に手術補助情報151を投影するようにしてよい。例えば、
医師から見て、患部140であると特定した領域の最右端から、右方に20センチメートルの位置に投影するよう、予め設定されていたとする。このとき、制御装置230は、患部140であると特定した領域に対して、予め設定されている位置に手術補助情報151を投影するようMEMSミラー221を制御する。これにより、医師にとって確認しやすい任意の場所に手術補助情報151を投影することができる。 7.撮像照射装置の使用高さの監視
図1に示すように、赤外カメラ210の焦点距離に基づいて定まる高さ許容範囲を、例えば、1000mm±300mmとしたとき、撮像照射装置200の下面からの距離が1000mmになる位置にて、患者130の体軸が位置するように、撮像照射装置200の使用高さ或いは、手術台110の使用高さを調整する。
撮像照射装置200の使用高さが1000mm±300mmの範囲を超えてしまうと、赤外カメラ210による撮像画像のフォーカス精度が保証できなくなってしまう。フォーカス精度が保証できない撮像画像を基づいてICGが赤外蛍光310を発光する領域を特定しようとした場合、可視光レーザー照射光320の照射位置が保証できなくなってしまう。その結果、手術にあたって、安全上の問題が発生する恐れがある。
そこで、発明者は、撮像照射装置200にTOFセンサ260を設置して、手術中において、撮像照射装置200の使用高さを監視することを発案するに至った。手術内容に応じて、患者130の向きを変えたり、手術台の高さ調整したりし得るが、使用高さが許容範囲外になったときに警告を報知することで、安全を確保することが可能となる。
TOFセンサ260は、高さ検出のために、波長850nm〜950nmの赤外検出光330を用いる。TOFセンサ260から発光された赤外検出光330は、患者130の体表等で反射した後、TOFセンサ260に戻って受光される。このとき、患者130の体表等で反射した赤外検出光330は、TOFセンサ260の方向のみならず、赤外カメラ210の方向へも反射し得る。赤外カメラ210が検出するICGの赤外蛍光310の波長(850nm近傍)と、TOFセンサ260による赤外検出光330の波長(850nm〜950nm)とは重なっている。その結果、赤外カメラ210は、受光した光が赤外検出光330であるのにも関わらず、赤外蛍光310であると誤検出してしまうことになる。そして、制御装置230は、誤検出した赤外検出光330に基づいて、可視光レーザー照射光320を照射するよう誤制御してしまうことになってしまう。
そこで、発明者は、可視光レーザー照射による手術支援を実現しながらも、安全な使用高さを監視するために、TOFセンサ260と可視光レーザー220とを相反制御することを発案するに至った。
以下、図11を用いて、撮像照射装置の使用高さの監視における相反制御について説明する。図11は、赤外励起光源250、TOFセンサ260および、可視光レーザー220の、高さ判定結果に応じた動作を説明する図である。図11の横軸は時間軸を表している(t1〜t10)。図11に記載の太線は、段が低い状態が消灯状態、段が高い状態が点灯状態を示している。
手術支援システム100が動作中において、制御装置230は、TOFセンサ260による高さ判定を周期的に実行する。具体的には、図11に示すように、時間t1−t2の期間、時間t3−t4の期間、時間t5−t6の期間、時間t7−t8の期間、時間t9−t10の期間・・・において、高さ判定を実行する(TOFセンサ260は点灯状態)。TOFセンサ260が高さ判定を行っている期間、制御装置230は、赤外励起光源250および、可視光レーザー220は消灯状態に制御する。すなわち、赤外励起光源250および、可視光レーザー220は、TOFセンサ260と相反制御を行う。時間t1−t2の期間、時間t3−t4の期間、時間t5−t6の期間、時間t7−t8の期間、時間t9−t10の期間は、いずれも、例えば、10msec〜100msecの僅かな時間であるため、人間には知覚されにくい。従って、高さ判定期間において相反制御を行ったとしても、可視光レーザー照射光320は継続されているかのように知覚することができる。
時間t1−t2の期間において、TOFセンサ260の検出結果が示す距離が、高さ許容範囲である1000mm±300mm内であるとする。このとき、制御装置230は、高さ判定結果として「通常状態」と判断する。そして、制御装置230は、続く時間t2−t3の期間にて、赤外励起光源250および、可視光レーザー220を共に点灯状態とする。これにより、時間t2−t3の期間において、通常通り手術支援を行うことができる。
次に、時間t3−t4の期間において、TOFセンサ260の検出結果が示す距離が、高さ許容範囲である1000mm±300mmの範囲外であるとする。このとき、制御装置230は、高さ判定結果として「異常状態」と判断する。このときは、安全性の観点から手術支援を継続するのは好ましくない。そのため、制御装置230は、続く時間t4−t5の期間にて、赤外励起光源250および、可視光レーザー220を共に消灯状態とする。これにより、時間t4−t5の期間において、安全性を優先して、手術支援を停止させることができる。続く時間t5−t6の期間(時間t6−t7の期間)においても、時間t3−t4の期間(時間t4−t5の期間)と同様の動作を行う。
次に、時間t7−t8の期間において、TOFセンサ260の検出結果が示す距離が、再び、高さ許容範囲である1000mm±300mm内になったとする。このとき、制御装置230は、高さ判定結果として「通常状態」と判断する。そして、制御装置230は、続く時間t8−t9の期間にて、赤外励起光源250および、可視光レーザー220を共に点灯状態とする。これにより、時間t8−t9の期間において、通常通り手術支援を行うことができる。
上記においては、「異常状態」と判定したときに、赤外励起光源250および、可視光レーザー220をともに消灯状態としたが、これに限定されない。赤外励起光源250および、可視光レーザー220のいずれか一方を消灯とすればよい。赤外励起光源250を消灯状態とした場合は、ICG赤外蛍光310が発光されない。そのため、制御装置230は患部140の領域を特定できず、可視光レーザー220が点灯状態であったとしても、可視光レーザー照射光320は照射されない。また、可視光レーザー220を消灯状態とした場合は、そもそも可視光レーザー照射光320は照射されない。
上記においては、「異常状態」と判定したときに、赤外励起光源250および、可視光レーザー220をともに消灯状態とすることに留めたが、これに限定されない。「異常状態」と判定したときに、医師に「異常状態」であることを報知するようにしてもよい。「異常状態」の報知方法としては、可視光レーザー220を他の波長のものに切り替えて、可視光レーザー照射光320の色を変えるようにしてもよい。或いは、「異常状態」である旨を示すメッセージや警告音をスピーカから発生させるようにしてもよい。
上記では、赤外励起光源250および可視光レーザー220の状態遷移を「点灯状態」「消灯状態」と表現したが、これは光源の電源のON状態/OFF状態の切り替えに限定されない。「点灯状態」「消灯状態」は、光源の電源がON状態に維持されていたとしても、遮光手段による遮光のON状態/OFF状態の切り替えにより実現してもよい。
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1では、手術などの医療用途を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限らない。例えば、工事現場や採掘現場、建築現場、材料を加工する工場など、目視では状態変化を確認できないような対象物に対して作業を行う必要がある場合、本発明を適用することができる。
具体的には、実施の形態1の医療機器に代えて、工事現場や採掘現場、建築現場、材料を加工する工場などにおける、目視では状態変化を確認できないような対象物に蛍光材料を塗布し、練りこみ、或いは流し込んで、赤外カメラ210による撮像の対象である撮像対象物としてもよい。発光ではなく、発熱箇所を熱センサで検出して、その部分だけ或いは、境界だけを走査するようにしてもよい。
上記では、レーザー光源を用いる場合を説明したが、切断補助線の投影や、手術補助情報の投影については、これに限定されない。すなわち、切断補助線の投影や、手術補助情報の投影については、レーザー光源以外の光源による投影を行ってもよい。
上記において、切断補助線の投影や、手術補助情報の投影は、患部であると特定した領域に対する投影の光源と同じ可視光レーザー220を用いる場合で説明したが、これに限定されない。切断補助線の投影や、手術補助情報の投影は、患部であると特定した領域に対する投影とは別の光源による投影を行ってもよい。但し、患部であると特定した領域に対する投影に対応した投影を行うよう制御することは言うまでもない。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において、種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示における投影システムは、医療用途や、工事現場や採掘現場、建築現場、材料を加工する工場など、目視では状態変化を確認できないような対象物に対して作業を行う際に適用可能である。
100 手術支援システム
110 手術台
120 無影灯
130 患者
140 患部
141 医師
142 モニタ
150 補助スクリーン材
151 手術補助情報
152 マーカ
200 撮像照射装置
210 赤外カメラ
211 ダイクロイックミラー
220 可視光レーザー
221 MEMSミラー
230 制御装置
240 メモリ
250 赤外励起光源
300 赤外励起光
310 赤外蛍光
320 可視光レーザー照射光
321 切断補助線
330 赤外検出光
340 LED照射光
400 光調整装置
410 白色LED
420 拡散板
430 開口マスク
440 スクリーン材
450 保護ガラス
460 開口
470 遮光面

Claims (1)

  1. 少なくとも可視光領域の波長の光を投影する投影部と、
    所定の波長の光が照射された領域を検出する検出部と、
    前記検出した領域に対して投影を行うとともに、前記検出した領域の周辺に対して、前記検出した領域に対するユーザーの作業に供する補助情報を投影するよう前記投影部を制御する制御部と、を備えた投影装置。
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