以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。
画像表示装置5の表示領域の始動入賞記憶表示エリア5Hの左側方には、変動中特図表示エリア5Iが設けられている。変動中特図表示エリア5Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア5Iに丸型で青色の画像が表示される。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中図柄表示エリア5Iに丸型で赤色の画像が表示される。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア5Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア5Iにシフトして表示されることとなる。この、変動中特図表示エリア5Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置5の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。更に、パチンコ遊技機1には、電源基板16と、電源中継基板17と、枠装飾中継基板18とが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
電源基板16は、外部電源である交流電源から供給される電力を、主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板に供給するために、交流(AC;alternating current)を直流(DC;Direct Current)に変換するための整流回路や、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば、DC32Vや12V、5Vなど)に変換する電源回路などを備えている。電源基板16が備える電源回路の出力電圧は、電源中継基板17を介して主基板11に入力され、また、枠装飾中継基板18を介して演出制御基板12に入力される。
図3は、電源基板16の構成例を示すブロック図である。電源基板16は、主に、サーミスタ56、コモンモードチョークコイル57、整流部61、直流電源部62、リレー71及びリレードライブ回路72を備えている。また、電源基板16は、電源監視回路91を備えている。
サーミスタ56は、電源投入時に交流電源50から発生する突入電流を抑制するための突入電流防止抵抗である。サーミスタ56は、電流が流れていない状態や電流が流れ始めた過渡状態では抵抗値が大きく、電流が流れ始めてある程度の期間が経過すると、自己発熱により抵抗値が減少する性質を有している。コモンモードチョークコイル57は、ノイズを除去するためのノイズフィルタである。整流部61は、例えば、4つのダイオードをブリッジ接続して形成された全波整流回路で構成され、交流電圧を直流電圧に変換(整流)する。
直流電源部62は、整流部61によって直流電圧に変換された電圧を、例えばDC32Vや12V、5Vなどといった特定の直流電圧に変換するDC−DCコンバータなどによって構成される電源回路を含んでいる。この実施の形態では、一例として、直流電源部62は、主基板11に入力される直流電圧を出力する電源回路として、DC32Vの電圧を出力する電源回路(32V電源回路)と、DC12Vの電圧を出力する電源回路(12V電源回路)と、DC5Vの電圧を出力する電源回路(5V電源回路)とを含んでいる。また、直流電源部62は、演出制御基板12に入力される直流電圧を出力する電源回路として、DC32Vの電圧を出力する電源回路(32V電源回路)と、DC12Vの電圧を出力する電源回路(12V電源回路)と、DC5Vの電圧を出力する電源回路(5V電源回路)とを含んでいる。なお、この実施の形態では、32V電源回路、12V電源回路及び5V電源回路を2つずつ設けたが、各電源回路の数は2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。
リレー71は、例えば、コイルと接点部とから成る電磁リレーであり、コイルに電流が流れると、電磁力によって接点部が開状態から閉状態に切り替わり(オン状態となり)、コイルに電流が流れなくなると、電磁力がなくなって接点部が閉状態から開状態に切り替わる(オフ状態となる)電気部品である。リレー71は、サーミスタ56の両端を短絡可能に設けられている。例えば、コイルに電流が流れて、接点部が閉状態になると、サーミスタ56の両端が短絡してサーミスタ56に電流がほとんど流れない状態、即ちサーミスタの無効状態となる。また、コイルに電流が流れなくなり、接点部が開状態になると、サーミスタ56の短絡が解除されてサーミスタ56に電流が流れる状態、即ちサーミスタの有効状態となる。このように、リレー71は、サーミスタ56を無効化するための電路と有効化するための電路とに切り替え可能に設けられている。
リレードライブ回路72は、例えば、抵抗とトランジスタなどから構成され、直流電源部62のうちの12V電源回路(この実施の形態では、演出制御基板12に入力される12Vの電圧を出力する電源回路)の出力電圧に応じて、リレー71を駆動させる(リレー71のコイルに電流を流して接点部を閉状態にさせる)ための回路である。この実施の形態では、リレードライブ回路72は、例えば、12V電源回路の出力電圧を監視し、当該電圧がDC6Vといった所定の電圧以上となったときに、リレー71のコイルに電流を流して、リレー71の接点部を閉状態とさせる。なお、リレードライブ回路72が監視する対象の電圧は、12V電源回路の出力電圧に限られない。例えば、リレードライブ回路72が監視する対象の電圧は、上記12V電源回路の出力電圧、32V電源回路の出力電圧、5V電源回路の出力電圧その他直流電圧が印加される電路における電圧であれば、いずれの電圧であってもよい。
電源監視回路91は、例えば停電監視リセットモジュールICを用いて構成され、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧(所定の電源回路の電圧)に応じて、電源断信号を出力する回路である。例えば、電源監視回路91は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧(一例として32V電源回路の出力電圧(VSL))が所定値(一例として+21V)を超えると、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。その一方で、所定電源電圧が所定値以下になった期間が、予め決められている時間(一例として56ms)以上継続したときに、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力する。あるいは、電源監視回路91は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値以下になると、直ちにオン状態の電源断信号を出力するようにしてもよい。電源断信号は、例えばローレベルとなることでオン状態となりハイレベルとなることでオフ状態となる負論理の電気信号であればよい。なお、電源監視回路91は、パチンコ遊技機1の立ち下がり時における電力を監視したり、電源投入時において電圧が所定値となるまでの期間における電力を監視したり、所定期間交流電源の供給が途切れたことを監視することができる。すなわち、電源監視回路91は、供給電力が低下した状態を電力低下条件とし、条件を満たす場合に所定の電源断信号を出力すればよい。電源監視回路91から出力された電源断信号は、例えば電源基板16に搭載された出力ドライバ回路によって増幅された後に所定のコネクタや信号ラインを介して、主基板11における電源断信号が入力される入力ポートへと伝送される。このような電源監視回路91が電源基板16に設けられていることにより、付け替え等により柔軟に対応することができ、コストを削減することができる。なお、電源監視回路91は、主基板11に設けられていてもよい。
図4は、電源基板16の構成例を示す回路図である。図4に示すように、電源基板16は、入力端子51a、51b、電源スイッチ52、ヒューズ53、サージアブソーバ54、コンデンサ55、サーミスタ56、コモンモードチョークコイル57、コンデンサ58、整流部61、直流電源部62、出力端子63a〜63g、リレー71、リレードライブ回路72、電源監視回路91及び出力端子92を備えている。
入力端子51aと入力端子51bとの間には、図3に示すように交流電源50が接続される。電源スイッチ52は、スイッチS1とスイッチS2とから構成され、スイッチS1の一端には入力端子51aが接続され、スイッチS2の一端には入力端子51bが接続されている。スイッチS1の他端は、コモンモードチョークコイル57のコイルL2の一端に接続され、スイッチS2の他端は、ヒューズ53の一端に接続されている。ヒューズ53の他端は、サーミスタ56を介してコモンモードチョークコイル57のコイルL1の一端に接続されている。スイッチS1の他端とヒューズ53の他端との間には、サージアブソーバ54とコンデンサ55とが並列に接続されている。コモンモードチョークコイル57のコイルL1の他端とコイルL2の他端との間にはコンデンサ58が接続されている。
整流部61は、ダイオードDa,Db,Dc,Dd,De,Dfから構成される。このうち、ダイオードDa,Db,Dc,Ddは、全波整流回路61aを構成している。また、ダイオードDe,Dfは、全波整流回路61aのダイオードDa,Dbと共に全波整流回路61bを構成している。即ち、この例では、全波整流回路61aと全波整流回路61bとはダイオードDa,Dbを共有している。ここで、ダイオードDaのカソードとダイオードDcのアノードは、ダイオードDfのアノードと共に、コモンモードチョークコイル57のコイルL2の他端に接続されている。また、ダイオードDbのカソードとダイオードDdのアノードは、ダイオードDeのアノードと共に、コモンモードチョークコイル57のコイルL1の他端に接続されている。ダイオードDaのアノードとダイオードDbのアノードは相互に接続され、整流部61の低電圧ノードNLを形成している。ダイオードDcのカソードとダイオードDdのカソードは相互に接続され、整流部61の第1高電圧ノードNH1を形成している。ダイオードDeのカソードとダイオードDfのカソードは相互に接続され、整流部61の第2高電圧ノードNH2を形成している。
直流電源部62は、一例として、32V電源回路62a、12V電源回路62b、5V電源回路62c、32V電源回路62d、12V電源回路62e及び5V電源回路62fを含んでいる。32V電源回路62a、12V電源回路62b及び5V電源回路62c(電源回路62a〜62c)には、整流部61の第1高電圧ノードNH1と低電圧ノードNLとが接続されている。電源回路62a〜62cは、例えば、演出制御基板12、音声基板13、ランプ基板14等、主として演出制御に関与する基板に入力される電圧を出力する。また、32V電源回路62d、12V電源回路62e及び5V電源回路62f(電源回路62d〜62f)には、整流部61の第2高電圧ノードNH2と低電圧ノードNLとが接続されている。電源回路62d〜62fは、例えば、主基板11等、遊技制御に関与する基板に入力される電圧を出力する。電源回路62a〜62fの出力ノードは、それぞれ、出力端子63a〜63fに接続されている。また、整流部61の低電圧ノードNLは、出力端子63gに接続されている。出力端子63gの電圧(低電圧ノードNLの電圧)は、電源回路62a〜62fの基準電圧(GND;ground)となっている。
リレー71は、コイル71Lと接点部71Sとから構成される。接点部71Sの一端は、サーミスタ56の一端に接続され、接点部71Sの他端は、サーミスタ56の他端に接続されている。即ち、リレー71の接点部71Sは、サーミスタ56に並列に接続されている。また、コイル71Lは、リレードライブ回路72に接続されている。
リレードライブ回路72は、一例として、トランジスタ73、抵抗74〜76、ダイオード77及び電解コンデンサ78から構成される。トランジスタ73のエミッタは、整流部61の低電圧ノードNL(出力端子63g)に接続され、トランジスタ73のコレクタは、コイル71Lの一端に接続されている。コイル71Lの他端は、12V電源回路62bの出力ノード(出力端子63b)に接続されている。また、コイル71Lの他端には、抵抗74の一端が接続され、抵抗74の他端には、抵抗75の一端が接続されている。抵抗75の他端には、抵抗76の一端とトランジスタ73のベースとが接続されている。抵抗76の他端は、トランジスタ73のエミッタに接続されている。また、ダイオード77のカソードは、抵抗74の一端に接続され、ダイオード77のアノードは、抵抗74の他端に接続されている。また、電解コンデンサ78の正電極は、抵抗75の一端に接続され、電解コンデンサ78の負電極は、抵抗76の他端に接続されている。
電源監視回路91には、32V電源回路62dの出力ノード(出力端子63d)が接続されている。電源監視回路91の出力ノードは、出力端子92に接続されている。なお、出力端子63a〜63f及び出力端子92は、図示しないコネクタや、電源中継基板17、枠装飾中継基板18などを介して、主基板11や演出制御基板12の入力端子に接続される。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、エラー系スイッチ29、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、エラー系スイッチ29は、例えばセンサと称されるものなどのように、電波や磁石等を検知する任意の構成を有するものであればよい。また、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図5(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図5(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図5(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81YYHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、YYHやXXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的には、変動パターン指定コマンドのEXTデータ(YYH)には、変動パターン毎に予め定められた変動パターン番号(図9参照)が設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図5(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図6は、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100の構成例を示す図である。図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、制御用クロック生成回路106と、リセット/割込みコントローラ109と、乱数回路104と、CPU(Central Processing Unit)103と、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、タイマ回路(PIT)107と、入出力制御回路108と、入出力ポート105とを備えて構成されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103が入出力ポート105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103が入出力ポート105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
制御用クロック生成回路106は、制御用クロック信号を生成して、例えばCPU103といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100において遊技の進行を制御する各種回路に供給する。ここで、制御用クロック信号の発振周波数は、主基板11に搭載された乱数用クロック生成回路によって生成される乱数用クロック信号の発振周波数とは異なる周波数となっている。また、制御用クロック信号の発振周波数と乱数用クロック信号の発振周波数とのうち、いずれか一方の発振周波数が他方の発振周波数の整数倍にもなっていない。なお、制御用クロック生成回路106は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部にて乱数用クロック生成回路とは異なるクロック生成回路により生成された外部クロックを、所定の分周比や逓倍数で分周あるいは逓倍することにより、所定の発振周波数を有する制御用クロック信号を生成してもよい。
主基板11では、例えば図4に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。なお、乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。
図6に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるタイマ回路107は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(CH0〜CH3)内蔵して構成され、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とする回路である。例えば、タイマ回路107では、チャネルごとに予め設定したカウント値から所定周期でのカウントダウンを開始し、カウント値が「00」となったチャネルがあるときには、そのチャネルに対応した割込みフラグをオン状態にセットする。このとき、割込許可状態であれば、タイマ回路107がリセット/割込みコントローラ109に対して割込み要求を発生する。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力制御回路108は、入出力ポート105を介した外部装置から遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM101に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、入出力ポート105には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE;InCircuit Emulator)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
一例として、入出力制御回路108は、ROM101における記憶データの全部または一部といった、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しが、入出力ポート105に接続された外部装置から要求されたことを検出する。この読出要求を検出したときに、入出力制御回路108は、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを許可するか否かの判定を行う。例えば、ROM101における記憶データの全部または一部に暗号化処理が施されているものとする。この場合、入出力制御回路108は、外部装置からの読出要求がROM101に記憶された暗号化処理プログラムや鍵データ等に対する読出要求であれば、この読出要求を拒否して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを禁止する。入出力ポート105では、ROM101の記憶データが出力される出力ポートと、内部バスとの間にスイッチ素子を設け、入出力制御回路108が内部データの読み出しを禁止した場合には、このスイッチ素子をオフ状態とするように制御すればよい。このように、入出力制御回路108は、外部装置からの読出要求が所定の内部データ(例えばROM101の所定領域)の読み出しを要求するものであるか否かに応じて、内部データの読み出しを禁止するか許可するかを決定するようにしてもよい。
あるいは、入出力制御回路108は、内部データの読出要求を検出したときに、所定の認証コードが外部装置から入力されたか否かを判定してもよい。この場合には、例えば入出力制御回路108の内部あるいはROM101の所定領域に、認証コードとなる所定のコードパターンが予め記憶されていればよい。そして、外部装置から認証コードが入力されたときには、この認証コードを内部記憶された認証コードと比較して、一致すれば読出要求を受容して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを許可する。これに対して、外部装置から入力された認証コードが内部記憶された認証コードと一致しない場合には、読出要求を拒否して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを禁止する。このように、入出力制御回路108は、外部装置から入力された認証コードが内部記憶された認証コードと一致するか否かに応じて、内部データの読み出しを禁止するか許可するかを決定するようにしてもよい。これにより、検査機関などが予め知得した正しい認証コードを用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データを損なうことなく読み出すことができ、内部データの正当性を適切に検査することなどが可能になる。
他の一例として、入出力制御回路108に読出禁止フラグを設け、読出禁止フラグがオン状態であれば外部装置によるROM101の読み出しを禁止する。その一方で、読出禁止フラグがオフ状態であるときには、外部装置によるROM101の読み出しが許可される。ここで、読出禁止フラグは、初期状態ではオフ状態であるが、読出禁止フラグを一旦オン状態とした後には、読出禁止フラグをクリアしてオフ状態に復帰させることができないように構成されていればよい。すなわち、読出禁止フラグはオフ状態からオン状態に不可逆的に変更することが可能とされている。例えば、入出力制御回路108には、読出禁止フラグをクリアしてオフ状態とする機能が設けられておらず、どのような命令によっても読出禁止フラグをクリアすることができないように設定されていればよい。そして、入出力制御回路108は、外部装置からROM101における記憶データといった遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しが要求されたときに、読出禁止フラグがオンであるか否かを判定する。このとき、読出禁止フラグがオンであれば、外部装置からの読出要求を拒否して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを禁止する。他方、読出禁止フラグがオフであれば、外部装置からの読出要求を受容して、遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部データの読み出しを許可にする。このような構成であれば、ゲーム制御用のプログラムを作成してROM101に格納する提供者においては、読出禁止フラグがオフとなっている状態でデバッグの終了したプログラムをROM101から外部装置に読み込むことができる。そして、デバッグの作業が終了した後に出荷する際には、読出禁止フラグをオン状態にセットすることにより、それ以後はROM101の外部読出を制限することができ、パチンコ遊技機1の使用者などによるROM101の読出を防止することができる。このように、入出力制御回路108は、読出禁止フラグといった内部フラグがオフであるかオンであるかに応じて、内部データの読み出しを禁止するか許可するかを決定するようにしてもよい。
なお、読出禁止フラグを不可逆に設定するのではなく、オン状態からオフ状態に変更することも可能とする一方で、読出禁止フラグをオン状態からオフ状態に変更して内部データの読み出しが許可されるときには、ROM101の記憶データを消去(例えばフラッシュ消去など)することにより、ROM101の外部読出を制限するようにしてもよい。
さらに他の一例として、ROM101の所定領域における記憶データの内容に応じて、ROM101における記憶データの読み出しを禁止するか許可するかを切り替えられるようにしてもよい。例えば、ROM101のユーザプログラム管理エリアにおける先頭アドレスから所定バイト数(例えば8バイトなど)までのスタート領域における記憶データが予め定められた外部読出許可データとなっている場合には、外部装置によるROM101の読み出しを可能にして、内部データの外部読出を許可する。これに対して、スタート領域における記憶データが外部読出許可データとは異なる外部読出禁止データとなっている場合には、外部装置によるROM101の読み出しを不能にして、内部データの外部読出を禁止する。そして、内部データの外部読出を禁止した場合に、入出力ポート105に接続された外部装置から内部データの読み出しが要求されたときには、予め定められた固定値を出力することで、外部装置からは内部データを読み出すことができないようにすればよい。また、スタート領域における記憶データが外部読出許可データや外部読出禁止データとは異なるROM読出禁止データ(例えば全て「00H」)となっている場合には、ROM101自体を読出不能として、ROM101における記憶データの読み出しを防止してもよい。そして、例えば製造段階のROMでは、スタート領域における記憶データをROM読出禁止データとすることで、ROM自体を読出不能としておき、開発用ROMとするのであれば外部読出許可データをスタート領域に書き込むことで、外部装置による内部データの検証を可能にする。これに対して、量産用ROMとするのであれば外部読出禁止データをスタート領域に書き込むことで、CPU103などによる遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部におけるROM101の読み出しは可能とする一方で、外部装置によるROM101の読み出しはできないようにすればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備える入出力ポート105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。一例として、入出力ポート105には、図7に示すようなビット割当てを有する入力ポートIP00〜入力ポートIP02が含まれている。図7(A)に示す入力ポートIP00には、例えば、第0ビット[ビット0]にエラー系スイッチ29の検出信号の一つとして磁石センサ信号1が入力され、第1ビット[ビット1]にエラー系スイッチ29の検出信号の一つとして磁石センサ信号2が入力され、第2ビット[ビット2]にエラー系スイッチ29の検出信号の一つとして磁石センサ信号3が入力され、第3ビット[ビット3]にエラー系スイッチ29の検出信号の一つとして電波センサ信号が入力され、第7ビット[ビット7]にリセット信号が入力される。なお、第4ビット[ビット4]〜第6ビット[ビット6]は空きビットとなっており、例えば、新たに信号が入力される場合など、拡張用に用いられる。なお、エラー系スイッチ29には、磁石センサ信号1を検出するスイッチ、磁石センサ信号2を検出するスイッチ、磁石センサ信号3を検出するスイッチ、電波センサ信号を検出するスイッチといった各種スイッチが含まれている。
図7(B)に示す入力ポートIP01には、例えば、第0ビット[ビット0]に普通入賞口スイッチ1の検出信号が入力され、第1ビット[ビット1]に普通入賞口スイッチ2の検出信号が入力され、第2ビット[ビット2]にカウントスイッチ23の検出信号が入力される。なお、図示は省略したが、普通入賞口は、遊技領域の所定の位置に設けられており、遊技球が入球した場合、所定球数の賞球を払い出すための入賞口である。この実施の形態では、普通入賞口1と普通入賞口2とが設けられており、普通入賞口1に入賞した遊技球は普通入賞口スイッチ1によって検出され、普通入賞口2に入賞した遊技球は普通入賞口スイッチ2によって検出される。また、第3ビット[ビット3]〜第7ビット[ビット7]は拡張用に用いられる。なお、普通入賞口スイッチは、複数の普通入賞口に共通のスイッチであってもよい。例えば、遊技盤2の所定位置(例えば、遊技領域の右側方と左側方)に複数の普通入賞口を設け、いずれの普通入賞口に入賞した場合にも、一つの普通入賞口スイッチにより入賞を検出するようにしてもよい。
図7(C)に示す入力ポートIP02には、例えば、第0ビット[ビット0]に第1始動口スイッチ22Aの検出信号である始動入賞信号SS1が入力され、第1ビット[ビット1]に第2始動口スイッチ22Bの検出信号である始動入賞信号SS2が入力され、第2ビット[ビット2]にゲートスイッチ21の検出信号が入力され、第3ビット[ビット3]に電源確認信号が入力される。なお、第4ビット[ビット4]〜第7ビット[ビット7]は拡張用に用いられる。図7に示すように、この実施の形態では、入力ポートIP00がエラー検出用、入力ポートIP01が払出制御用、入力ポートIP02が可変表示用、といったように、信号の種類に応じて入力されるポートが異なっている。そのため、必要な情報の種類に応じて確認するポートを選択でき、処理負担を軽減させることができる。また、入力ポートIP02では、第1始動口スイッチ22Aからの始動入賞信号SS1と、第2始動口スイッチ22Bからの始動入賞信号SS2とが、それぞれ別個のビットに入力される。この場合、入力ポートIP02に入力された始動入賞信号SS1と始動入賞信号SS2はそれぞれ、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の内部で分岐されて、乱数回路104とCPU103とに伝送されるようにしてもよい。もしくは、入力ポートIP03に入力された始動入賞信号SS1と始動入賞信号SS2は、乱数回路104とCPU103に共通の内部バス上に伝送されることにより、乱数回路104とCPU103の双方に供給できるようにしてもよい。あるいは、第1始動口スイッチ22Aからの始動入賞信号SS1と、第2始動口スイッチ22Bからの始動入賞信号SS2とを、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部でそれぞれ分岐して、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された乱数回路104とCPU103とに伝送されるようにしてもよい。この場合には、入力ポートIP02において、乱数回路104に伝送される始動入賞信号SS1、SS2が入力されるビットと、CPU103に伝送される始動入賞信号SS1、SS2が入力されるビットとを、それぞれ別個に設けるようにしてもよい。
図8は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図8に示すように、この実施の形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4、普図表示結果決定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図16に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図9は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。各変動パターンには、図9に示すように、変動パターンを識別するための変動パターン番号が割り当てられている。
図10は、この実施の形態における変動パターン種別を示している。図9に示す各変動パターンは、図10に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図10に示すように、各変動パターン種別には、可変表示態様や可変表示の内容に応じて、1つまたは複数の変動パターンが分類される。図9に示す変動パターンの具体的な分類については、例えば図15に示すような変動パターン決定テーブル134の設定から、特定することができる。すなわち、変動パターン決定テーブル134において、各変動パターン種別に応じて決定値が割り当てられた変動パターンは、その変動パターン種別に含まれるように分類されている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図9に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図11は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図11(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図11(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図12は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
図13及び図14は、ROM101に記憶される変動パターン種別決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、変動パターン種別決定テーブルとして、図13(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aと、図13(B)に示す小当り変動パターン種別決定テーブル132Bと、図14(A)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、図14(B)に示すハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとが、予め用意されている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aは、特図表示結果を「大当り」にすると決定(事前決定)されたときに、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別の決定結果が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対する決定値の割当てが異なっている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの決定結果に応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aでは、大当り種別が複数種類のいずれに決定されたかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」又は「確変」である場合には、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2に対しては決定値が割り当てられていない。これに対して、大当り種別が「突確」である場合には、変動パターン種別CA4−1及び変動パターン種別CA4−2に対して決定値が割り当てられている一方で、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−3に対しては決定値が割り当てられていない。これにより、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」に応じて短期開放大当り状態に制御される場合には、通常開放大当り状態に制御される場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
なお、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」や「確変」、「突確」のいずれかに決定された場合に、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aと、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bは、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。ここで、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aは、例えば遊技状態が通常状態であるときに使用テーブルとして選択される。これに対して、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bは、例えば遊技状態が確変状態や時短状態であるときに、時短制御が行われていることに対応する使用テーブルとして選択される。
ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとでは、互いに各変動パターン種別に決定される割合が異なるように、決定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aとハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bとでは、異なる変動パターン種別に決定値が割り当てられている部分がある。これにより、遊技状態が通常状態であるか確変状態や時短状態において時短制御中であるかに応じて、異なる変動パターン種別に決定することができる。
図15は、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブル134の構成例を示している。変動パターン決定テーブル134は、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。変動パターン決定テーブル134では、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、単一または複数の変動パターンに割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等(電断)が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図16に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図16に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR2〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105(図6における入出力ポート105)は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図17(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御基板12に搭載されたRAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御基板12の側において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図15(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図15(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、例えば予告演出といった所定演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図18に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図18に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。また、演出制御バッファ設定部194には、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶される保留データに対応するデータを記憶するための領域である始動入賞時受信コマンドバッファが設けられている。始動入賞時受信コマンドバッファには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられており、各バッファ番号に対応して、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を記憶するための領域が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンドが、主基板11から演出制御基板12へと送信される。演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファの空き領域における先頭から格納していけばよい。
始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている保留データは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「3」に対応した領域にシフトされる。
なお、本実施の形態において、演出制御基板12に搭載されたRAM122は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102と異なり、バックアップ電源によってバックアップされていない。従って、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止すると、RAM122が記憶する内容は全く保存されず消滅してしまうことになる。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
図4に示す電源スイッチ52がオン状態(スイッチS1とスイッチS2とがオン状態)とされることによりパチンコ遊技機1への電力の供給が開始(電源が投入)されると、入力端子51a、51bに接続された交流電源50から突入電流が電源基板16内に流れ込み、サーミスタ56を通過する。なお、電源投入時では、リレー71のコイル71Lに電流が流れておらず、接点部71Sが開状態となっているので、サーミスタ56は有効となっている。電源スイッチ52がオン状態とされる前では、サーミスタ56に電流が流れていないので、サーミスタ56の抵抗値は大きくなっている。従って、電源基板16内に流れ込む突入電流は、サーミスタ56が設けられていない場合と比べて、抑制される。電源スイッチ52がオン状態とされてから(サーミスタ56に電流が流れ始めてから)ある程度の期間が経過すると、サーミスタ56に流れる電流によりサーミスタ56が自己発熱して、サーミスタ56の抵抗値が減少し、サーミスタ56での電力消費が抑えられる。
交流電源50から出力された交流電圧は、サーミスタ56やコモンモードチョークコイル57などを介して整流部61の全波整流回路61a及び全波整流回路61bに入力される。全波整流回路61aに入力された交流電圧は、整流されて直流電圧に変換される。この直流電圧は、第1高電圧ノードNH1と低電圧ノードNLとの間に発生し、直流電源部62の32V電源回路62a、12V電源回路62b及び5V電源回路62cに入力される。また、全波整流回路61bに入力された交流電圧は、整流されて直流電圧に変換される。この直流電圧は、第2高電圧ノードNH2と低電圧ノードNLとの間に発生し、直流電源部62の32V電源回路62d、12V電源回路62e及び5V電源回路62fに入力される。
電源回路62a〜62fに入力された直流電圧は、所定の直流電圧(DC32V、DC12V及びDC5Vのいずれか)に変換されて、出力端子63a〜63fに出力される。なお、電源回路62a〜62fの出力電圧は、電源投入時または電源投入前では0Vであり、電源投入後に0Vから所定の直流電圧に向かって上がっていく。
電源投入後に、12V電源回路62bの出力電圧が、例えば、DC6Vといった所定電圧以上になると、リレードライブ回路72のトランジスタ73が動作して、リレー71のコイル71Lに電流が流れる。即ち、リレードライブ回路72は、12V電源回路62bの出力電圧を監視し、例えば、DC6Vといった所定電圧以上になったときに、リレー71のコイル71Lに電流を流す。具体的には、DC6V以上の電圧が抵抗74〜76にかかるとともに、トランジスタ73のベースに電流(ベース電流)が流れて、トランジスタ73がオン状態(トランジスタ73のコレクタ・エミッタ間に電流が流れる状態)となる。トランジスタ73のコレクタにはコイル71Lが接続されているので、コイル71Lには、トランジスタ73のコレクタに流れる電流(コレクタ電流)と同じ電流が流れる。なお、リレードライブ回路72のトランジスタ73が動作するための出力電圧は、DC6Vに限定されず、DC4VやDC8V、DC10VなどといったようにDC6V以外の電圧であってもよい。DC6V以外の電圧に設定するためには、抵抗74〜76の抵抗値を適宜変更すればよい。
コイル71Lに電流が流れると、コイル71Lの電磁力によって接点部71Sが開状態から閉状態に切り替わる。これによりサーミスタ56の両端が短絡するので、サーミスタ56が無効となる。このようにリレー71が駆動すると、サーミスタ56だけを通る電路から、サーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路に、電路が切り替わる。サーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路では、殆どの電流が接点部71Sを通り、サーミスタ56に流れる電流は僅か(ほぼ0)となる。従って、電路が切り替わることにより、突入電流を抑制するためのサーミスタ56が無効化されることとなる。また、電路が切り替わることにより、サーミスタ56に流れる電流は僅か(ほぼ0)となるので、サーミスタ56による電力消費が殆ど無くなる。従って、主基板11や演出制御基板12といった各種基板(負荷)への電力供給に余裕を持たせることができる。なお、サーミスタ56が無効化されることによって、サーミスタ56による電圧降下がなくなり、その分、各電源回路62a〜62fに入力される直流電圧が高くなるとともに、各電源回路62a〜62fの出力電圧が高くなることがある。
例えば、各種基板(負荷)への電力供給に余裕がない状態で、打球発射装置が備える発射モータの駆動に大電力が消費される場合などには、発射モータの駆動時に一時的に電源回路の出力電圧が著しく低下する。この場合、交流電源50からの電力の供給が途切れていないにもかかわらず、電力低下条件を満たし、電源監視回路91にて電源断信号が誤出力されてしまう可能性がある。しかし、この実施の形態では、上述したようにリレー71によってサーミスタ56の両端が短絡してサーミスタ56による電力消費が殆ど無くなり、各種基板(負荷)への電力供給に余裕を持たせることができるので、電源回路の出力電圧が著しく低下して電源監視回路91にて電源断信号が誤出力されてしまうことを防止できる。あるいは、電源回路の出力電圧と所定電圧(閾値)との差に余裕を持たせることができるので、電源回路の出力電圧が僅かに低下しても、電源監視回路91にて電源断信号が誤出力されてしまうことがない。
このように打球発射装置が備える発射モータの駆動に大電力が消費される場合などであっても、電源回路62a〜62fの出力ノードや出力端子63a〜63f、電源回路62a〜62fの出力ノードから出力端子63a〜63fまでの電路、出力端子63a〜63f以降の電路(主基板11や演出制御基板12における電路など)において、所望の電圧を得ることができる。例えば、大電力が消費されるときであっても、DC32V電源ライン(DC32Vの電圧がかかる電路)においてはDC32V(あるいはほぼ32V)、DC12V電源ライン(DC12Vの電圧がかかる電路)においてはDC12V(あるいはほぼ12V)、DC5V電源ライン(DC5Vの電圧がかかる電路)においてはDC5V(あるいはほぼ5V)の電圧を得ることができる。
また、電源投入後、32V電源回路62dの出力電圧が、例えば、DC21Vといった所定値(閾値)を超えると、電源監視回路91は、オフ状態(ハイレベル)の電源断信号を出力する。なお、32V電源回路62dの出力電圧が、例えば、DC21V以下になって56msといった期間が経過すると、オン状態(ローレベル)の電源断信号を出力し、32V電源回路62dの出力電圧が、再度所定値を超えると、電源監視回路91は、オフ状態の電源断信号を出力する。
なお、パチンコ遊技機1への電力の供給が停止(遮断)されると、リレー71のコイル71Lに電流が流れなくなって、接点部71Sが閉状態から開状態に切り替わる。これによりサーミスタ56の短絡が解除されるので、サーミスタ56が有効となる。
主基板11では、電源基板16からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。
遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図19のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図19に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定するスイッチ処理を実行する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、スイッチ処理の実行結果に応じて主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR5といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、スイッチ処理の実行結果に応じて普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図20は、図19に示すステップS11にて実行されるスイッチ処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過等の各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図20に示すスイッチ処理において、CPU103は、まず、設定されているポート番号が「03」であるか否かを判定する(ステップS900)。ポート番号が「03」である場合(ステップS900;Yes)、設定中のポート番号を「00」にクリアして(ステップS904)、スイッチ処理を終了する。一方、設定されているポート番号が「03」でない場合(ステップS900;No)、設定されているポート番号を入力ポート番号として指定する(ステップS901)。ステップS901の処理を実行した後は、入力ポート確認処理を実行する(ステップS902)。
図21は、図20に示すステップS902にて実行される入力ポート確認処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す入力ポート確認処理において、CPU103は、まず、図20のステップS901で指定したポート番号の入力ポートに入力されているデータを入力し、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS921)。ポートバッファは、今回入力したポートの内容が格納されるバッファである。
次いで、RAM102に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS922)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS923、S924)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポートのデータを入力し(ステップS925)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS926)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS927)。ステップS922〜S927の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS923,S924の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS923,S924の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。このように、所定期間経過後に再度入力ポートのデータを入力するため、データの信頼性を向上させることができる。
さらに、CPU103は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS928)。排他的論理和の演算結果において、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。CPU103は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS929)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
ステップS929の処理を実行した後は、電源断信号が入力されるポートを確認する(ステップS930)。そして、電源断信号が入力されているか否かを判定する(ステップS931)。電源断信号が入力されていないと判定した場合、ステップS929における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS932)、ステップS927における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットして(ステップS933)、入力ポート確認処理を終了する。以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(例えば4ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。一方、ステップS931にて電源断信号が入力されていると判定した場合(ステップS931;Yes)は、上記ステップS932およびS933の処理を実行せずに、入力ポート確認処理を終了する。
図20に戻り、ステップS902の処理を実行した後は、ポート番号を1加算し(ステップS903)、ステップS900の処理に戻る。すなわち、ポート番号が「03」になるまで、ステップS900〜S903の処理が繰り返し行われ、入力ポートIP00〜入力ポートIP02の各入力ポートについて入力ポート確認処理が行われる。したがって、入力ポート毎に電源断信号の有無を確認するため、電源断信号の入力状況が変化した場合にも対応することができる。したがって、電源断信号が入力され動作が不安定な場合、上記ステップS932およびS933の処理が実行されないため(すなわち検知信号の入力状況は取得されないため)、取得した検知信号の信頼性を向上することができる。
図22は、特別図柄プロセス処理として、図19に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図23は、始動入賞判定処理として、図22のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図23に示す始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。変動パターン決定用の乱数値MR4は、変動パターンを決定するために用いられる。CPU103は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図19に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図19に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図22のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図24は、特別図柄通常処理として、図22のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン決定用の乱数値MR4を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR4を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、変動特図指定バッファ値に対応する特図表示結果決定テーブルを選択してセットする(ステップS239)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。また、CPU103は、現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータを選択すればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS239では現在の遊技状態に対応した特図表示結果決定用テーブルデータが選択されていることから、ステップS240の処理では、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる決定用データを用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定される。例えば、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が通常状態又は時短状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が通常状態又は時短状態の場合に対応するテーブルデータが、通常決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。これに対して、特図ゲームなどの可変表示が開始されるときの遊技状態が確変状態であるときには、第1特図表示結果決定テーブル130Aや第2特図表示結果決定テーブル130Bにおいて遊技状態が確変状態の場合に対応するテーブルデータが、特別決定用データとして選択され、これを参照して乱数値MR1に対応する特図表示結果を決定する。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
ステップS244の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、可変表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。一例として、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」ではないと判定された場合には、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS246にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「非確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち通常大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変」とする決定結果に応じて、通常開放ラウンド大当り図柄のうち確変大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「突確」とする決定結果に応じて、短期開放大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図25は、変動パターン設定処理として、図22のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図25に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンであれば(ステップS261;Yes)、変動パターン種別を複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを選択してセットする(ステップS262)。また、例えば遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み取ることなどにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかを特定する(ステップS263)。
ステップS261にて大当りフラグがオフであるときには(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS264)。そして、小当りフラグがオンであれば(ステップS264;Yes)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bを選択してセットする(ステップS265)。
ステップS264にて小当りフラグがオフであるときには(ステップS264;No)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否かを判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(ステップS266)。そして、時短制御中ではないときには(ステップS266;No)、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(通常時)133Aを選択してセットする(ステップS267)。ステップS266にて時短制御中である場合には(ステップS266;Yes)、ハズレ変動パターン種別決定テーブル(時短制御中)133Bを選択し、変動パターン種別を決定するための使用テーブルにセットする(ステップS268)。なお、ステップS267、S268の処理のいずれかを実行したときには、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定するとよい。
ステップS263、S265、S267、S268の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、使用テーブルにセットされた変動パターン種別決定テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS269)。ここで、ステップS269の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターン種別を決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン種別決定用となる共通の乱数値MR3を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定することができる。
大当りフラグがオンであるときには、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを構成するテーブルデータのうちから、ステップS263の処理により特定された大当り種別に対応するテーブルデータを選択し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「大当り」にする決定結果に対応して予め複数用意された変動パターン種別のうちから、いずれかの変動パターン種別に決定できればよい。
小当りフラグがオンであるときには、小当り変動パターン種別決定テーブル132Bを参照し、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を示す数値データに対応する決定値が割り当てられた変動パターン種別を決定できればよい。こうして、CPU103は、特図表示結果を「小当り」にする決定結果に対応して予め用意された変動パターン種別に決定できればよい。
大当りフラグと小当りフラグがともにオフであるときには、ステップS269の処理にて変動パターン種別を決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、ステップS269の処理には、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
ステップS269にて変動パターン種別を決定した後には、決定した変動パターン種別と変動パターン決定用の乱数値MR4を示すデータとに基づき、変動パターン種別に応じた変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS270)。ステップS270の処理では、第1始動条件が成立したことに基づき第1特別図柄表示装置4Aにより第1特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するか、第2始動条件が成立したことに基づき第2特別図柄表示装置4Bにより第2特図を用いて実行される特図ゲームに対応した飾り図柄の変動パターンを決定するかにかかわらず、共通のランダムカウンタなどによって更新される変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。また、ステップS270の処理では、ステップS269における変動パターン種別の決定結果にかかわらず、変動パターン決定用となる共通の乱数値MR4を示す数値データを用いて、共通の処理モジュールにより変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができる。
ステップS270にて変動パターンを決定した後には、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS272)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。
ステップS272の処理を実行した後、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS273)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS273の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(ステップS274)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS275)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS274でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図19に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。なお、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば可変表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板16から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図26のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図26に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図27は、演出制御プロセス処理として、図26のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図4に示す12V電源回路62bの出力電圧が、例えば、DC6Vといった所定電圧以上になると、リレードライブ回路72のトランジスタ73が動作して、リレー71のコイル71Lに電流が流れる。コイル71Lに電流が流れると、コイル71Lの電磁力によって接点部71Sが開状態から閉状態に切り替わる。これによりサーミスタ56の両端が短絡するので、サーミスタ56が無効となる。このようにリレー71が駆動すると、サーミスタ56だけを通る電路から、サーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路に、電路が切り替わる。サーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路では、殆どの電流が接点部71Sを通り、サーミスタ56に流れる電流は僅か(ほぼ0)となる。従って、突入電流を抑制するためのサーミスタ56が無効化されることとなる。また、サーミスタ56に流れる電流は僅か(ほぼ0)となるので、サーミスタ56による電力消費が殆ど無くなる。従って、例えば、打球発射装置が備える発射モータの駆動に大電力が消費される場合であっても、各種基板(負荷)への電力供給に余裕を持たせることができ、電源回路62a〜62fの出力ノードや出力端子63a〜63f、電源回路62a〜62fの出力ノードから出力端子63a〜63fまでの電路、出力端子63a〜63f以降の電路(主基板11や演出制御基板12における電路など)において、所望の電圧を得ることができる。
なお、例えば、交流電源50からの電力が供給されてから所定時間経過後にリレー71を駆動させてサーミスタ56を短絡する場合には、経過時間によっては電流が流れ始めた過渡状態でサーミスタ56が短絡して突入電流が抑制されないことがある。従って、電源回路62a〜62fの出力ノードや出力端子63a〜63f、電源回路62a〜62fの出力ノードから出力端子63a〜63fまでの電路、出力端子63a〜63f以降の電路などにおいて、所望の電圧を得ることができない。一方、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、電源回路の出力電圧といった特定の電圧を監視して、当該電圧が、定常状態であることを示す所定電圧(上記実施の形態ではDC6V)となったときにリレー71を駆動させてサーミスタ56を短絡させるので、電流が流れ始めた過渡状態でサーミスタ56が短絡することがない。従って、電源回路62a〜62fの出力ノードや出力端子63a〜63f、電源回路62a〜62fの出力ノードから出力端子63a〜63fまでの電路、出力端子63a〜63f以降の電路などにおいて、所望の電圧を得ることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えばCPU103は、図22の特別図柄プロセス処理を実行し、演出制御用CPU120は、図27の演出制御プロセス処理を実行する。また、CPU103は、ステップS931にて電源断信号ありと判定された場合にステップS932、933の処理をスキップする処理や、電断復旧後に、図30に示すステップS503〜S508Aの処理を実行する。このようにパチンコ遊技機1への電力の供給状態に応じて処理を行うことができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図21に示す入力ポート確認処理のステップS931にて電源断信号ありと判定された場合には(ステップS931;Yes)、ステップS932、S933の処理をスキップする。したがって、電源断信号が入力され動作が不安定な場合、上記ステップS932およびS933の処理が実行されないため(すなわち検知信号の入力状況は取得されないため)、取得した検知信号の信頼性を向上することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、例えば図1に示すように可変入賞装置として特別可変入賞球装置7を1つ設けたが、特別可変入賞球装置の数は1つに限定されず、2つ以上であってもよい。例えば、変形例として、上特別可変入賞球装置と下特別可変入賞球装置7B(図29参照)とを設けてもよい。この場合には、図28に示すように上大入賞口スイッチ23A、下大入賞口スイッチ23B、上大入賞口扉用のソレノイド82A及び下大入賞口扉用のソレノイド82Bを設ける。
上特別可変入賞球装置は、図28に示す上大入賞口扉用のソレノイド82Aによって開閉駆動される上大入賞口扉を備え、その上大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する上大入賞口を形成する。一例として、上特別可変入賞球装置では、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオフ状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、上特別可変入賞球装置では、上大入賞口扉用のソレノイド82Aがオン状態であるときに上大入賞口扉が上大入賞口を開放状態にする。上特別可変入賞球装置に形成された上大入賞口に進入した遊技球は、図28に示す上大入賞口スイッチ23Aによって検出される。
下特別可変入賞球装置7Bは、図28に示す下大入賞口扉用のソレノイド82Bによって開閉駆動される下大入賞口扉171(図29参照)を備え、その下大入賞口扉171によって開放状態と閉鎖状態とに変化する下大入賞口を形成する。一例として、下特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオフ状態であるときに下大入賞口扉171が下大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、下特別可変入賞球装置7Bでは、下大入賞口扉用のソレノイド82Bがオン状態であるときに下大入賞口扉171が下大入賞口を開放状態にする。下特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口に進入した遊技球は、図28に示す下大入賞口スイッチ23Bによって検出される。
また、一例として、図29に示すように下特別可変入賞球装置7Bの内部に、遊技球が、所定の確変領域を通過して、あるいは通過せずに、排出経路まで誘導される誘導経路を設けてもよい。この場合、例えば図28及び図29に示すように確変領域スイッチ24A、排出スイッチ24B及び確変領域蓋用のソレノイド82Cを設ける。さらに、確変領域蓋用のソレノイド82Cによって駆動される確変領域蓋172を設ける。確変領域は、確変領域蓋172によって、遊技球が通過可能な開放状態と通過不可能な閉鎖状態とに変化すればよい。一例として、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオフ状態であるときに確変領域蓋172が確変領域を塞ぐ(閉鎖する)位置(規制位置)に移動し、確変領域を閉鎖状態にする(図29(A))。その一方で、確変領域蓋用のソレノイド82Cがオン状態であるときに確変領域蓋172が確変領域を塞がない(閉鎖しない)位置(許容位置)に移動し、確変領域を開放状態にする(図29(B))。
下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球は、まず入賞した遊技球を検出するための下大入賞口スイッチ23Bが設けられた経路を通過したのち、確変領域への誘導路と、確変領域を通過せず排出経路に誘導される誘導路と、への分岐点に誘導される。図29(A)に示すように確変領域が閉鎖状態にあるときに分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過せずに共通排出経路174に誘導され、下特別可変入賞球装置7Bから排出される。この場合、遊技球は共通排出経路174への誘導路に設置された排出スイッチ24Bによって検出される。
また、図29(B)に示すように確変領域が開放状態にある時に分岐点に到達した遊技球は、確変領域を通過する。このとき、遊技球は、確変領域に設置された確変領域スイッチ24Aによって検出される。そして、確変領域を通過した遊技球は、遊技球の流下速度を減速して共通排出経路174への到達を遅延させる遅延部173を通過し、共通排出経路174に誘導されて、下特別可変入賞球装置7Bから排出される。このように下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過して、確変領域スイッチ24Aが遊技球を検出したことにもとづいて、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立してもよい。
なお、遊技球が下特別可変入賞球装置7Bに進入する割合(下大入賞口が開放状態となる割合)や、確変領域蓋173が許容位置にある時間の長さ、確変領域蓋173が許容位置となるタイミングなどを調節することによって、確変制御条件が成立する割合を好適に設定すればよい。
このようなパチンコ遊技機1では、例えばステップS115の大当り開放中処理において、例えば第1〜第13ラウンドや第15ラウンドといった通常開放ランドでは、上大入賞口を開放状態にする処理が実行される。また、例えば第14ラウンドや第16ラウンドといった確変開放ラウンドのときに、下大入賞口を開放状態にする処理や下大入賞口入賞検出処理が実行される。下大入賞口入賞検出処理は、例えば下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の数と下特別可変入賞球装置7Bから排出された遊技球の数とにもとづいて下特別可変入賞球装置7B内の遊技球を計数する処理や、遊技球の確変領域への通過を検出したか否かを判定する処理、確変領域が有効なときに確変領域の通過を検出した場合に確変確定フラグをセットする処理などを含んでいる。
図30は、下大入賞口入賞検出処理の一例を示すフローチャートである。下大入賞口入賞検出処理では、CPU103は、まず、下大入賞口スイッチ23Bがオン状態であるか否かを判定する(ステップS501)。ステップS501にて下大入賞口スイッチ23Bがオン状態であると判定された場合(ステップS501;Yes)、CPU103は、下大入賞口スイッチ無効フラグ(RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152など)に設けられたフラグ)がオンにセットされているか否か判定する(ステップS502)。下大入賞口スイッチ無効フラグは、例えば下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを足した数と、が一致せず、所定期間が経過して入出力エラー状態に制御される場合などに対応して、オンにセットされるフラグである。
ステップS502にて下大入賞口スイッチ無効フラグがオンにセットされていないと判定された場合(ステップS502;No)、CPU103は、下特別可変入賞球装置7B内の遊技球の数を示すカウンタである役物遊技中入賞個数カウンタ(RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部153など)に設けられたカウンタ)を1加算する(ステップS502A)。役物遊技中入賞個数カウンタの値は、下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数から、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを減算した数に制御される。
ステップS502Aの処理を実行した後や、ステップS501にて下大入賞口スイッチ23Bがオン状態でないと判定された場合(ステップS501;No)、ステップS502にて下大入賞口スイッチ無効フラグがオンにセットされていると判定された場合(ステップS502;Yes)、CPU103は、確変領域スイッチ24Aがオン状態であるか否か判定する(ステップS503)。ステップS503にて確変領域スイッチ24Aがオン状態であると判定された場合(ステップS503;Yes)、CPU103は、物遊技中入賞個数カウンタを1減算する(ステップS504)。次に、CPU103は、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であるか否か判定する(ステップS505)。ステップS505にて役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であると判定された場合(ステップS505;Yes)、CPU103は、過排出検出時エラー処理を実行して(ステップS512)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。過排出検出時エラー処理では、CPU103は、例えば役物遊技中入賞個数カウンタを0に設定するとともに、ホールの管理コンピュータに対して所定のエラー信号を出力したり、演出制御基板12に対してエラーコマンドを送信したりすればよい。
また、ステップS505にて役物遊技中入賞個数カウンタが0以上であると判定された場合(ステップS505;No)、CPU103は、確変領域検出有効フラグ(RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152など)に設けられたフラグ)がオンにセットされているか否か判定する(ステップS506)。確変領域検出有効フラグは、例えば確変領域蓋用のソレノイド82Cを制御する確変領域ソレノイド制御処理においてオン状態・オフ状態に切り替えられるフラグであり、大当り遊技状態において確変領域の有効・無効を所定のタイミングで切り替える制御を実行するために用いられる。
ステップS506にて確変領域検出有効フラグがオンにセットされていると判定された場合(ステップS506;Yes)、CPU103は、確変確定フラグ(RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部152)に設けられたフラグ)をオンにセットする(ステップS508)。ステップS508において確変確定フラグがオン状態にセットされることにより、実行中の大当り遊技状態終了後に遊技者に有利な確変状態に制御される。次に、CPU103は、確変状態となることが確定したことを指定する確変確定指定コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS508A)。
なお、ステップS508Aの処理が実行されることによって、確変開放ラウンド(例えば第14ラウンド、第16ラウンド)において下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが送信される。
なお、上記実施の形態で説明したように、RAM102はバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。従って、大当り遊技のラウンド中に停電等(電断)が発生して電力復旧した場合、RAM102に保存されていた特図プロセスフラグの値などにもとづいて電断発生時に実行していたラウンドから大当り遊技が再開される。そのため、確変開放ラウンド(例えば第14ラウンド、第16ラウンド)の実行中に電断が発生して電力復旧した場合には、その電断発生時に実行していた確変開放ラウンドから大当り遊技が再開される。そして、大当り遊技の再開後の確変開放ラウンドにおいて、さらに下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過すると、ステップS508Aの処理が実行され、確変確定指定コマンドが送信されることになる。
ステップS508Aの処理を実行した後や、ステップS503にて確変領域スイッチ24Aがオン状態でないと判定された場合(ステップS503;No)、ステップS506にて確変領域検出有効フラグがオンにセットされていないと判定された場合(ステップS506;No)、CPU103は、排出スイッチ24Bがオン状態であるか否か判定する(ステップS509)。ステップS509にて排出スイッチがオン状態であると判定された場合(ステップS509;Yes)、CPU103は、役物遊技中入賞個数カウンタを1減算する(ステップS510)。次に、CPU103は、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であるか否か判定する(ステップS511)。ステップS511にて役物遊技中入賞個数カウンタが0未満であると判定された場合(ステップS511;Yes)、CPU103は、過排出検出時エラー処理を実行して(ステップS512)、下大入賞口入賞検出処理を終了する。
また、ステップS509にて排出スイッチがオン状態でないと判定された場合や(ステップS509;No)、ステップS511にて役物遊技中入賞個数カウンタが0未満でないと判定された場合(ステップS511;No)、CPU103は、下大入賞口入賞検出処理を終了する。
図30の下大入賞口検出処理では、役物遊技中入賞個数カウンタが0未満である場合(下大入賞口スイッチ無効フラグがオンになっていない有効時に下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数が、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを足した数より少ない場合)に、過排出検出時エラー処理(ステップS512)を実行することによって役物遊技中入賞個数カウンタを0に戻してエラー状態を回復することができる。また、確変領域スイッチ24Aが不正行為によって遊技球を検出した場合でも、その検出によっては確変状態に制御されないので、不正行為に対するセキュリティを高めることができる。
また、このようなパチンコ遊技機1では、例えばステップS74のコマンド解析処理において、主基板11から確変確定指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5において確変確定報知を行うための確変確定表示を重畳表示する制御などが行われる。
図31は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、まず、確変確定指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS681)。ステップS681にて確変確定指定コマンドを受信したと判定された場合(ステップS681;Yes)、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグ(RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部191)に設けられたフラグ)がオンにセットされているか否かを判定する(ステップS682)。ステップS682にて確変確定報知中フラグがオンにセットされていないと判定された場合(ステップS682;No)、演出制御用CPU120は、画像表示装置5において、確変確定報知を行うための確変確定表示の重畳表示を開始する(ステップS683)。ステップS683では、例えば、画像表示装置5において「確変確定!」などの画像を背景画像などに重畳して表示する。次に、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグをオンにセットする(ステップS684)。
なお、上記変形例では、確変確定報知として、画像表示装置5において「確変確定!」などの確変確定表示を行う場合を示しているが、確変確定報知は上記のような態様にかぎられない。例えば、確変状態に移行されることが確定したことを認識可能な態様であれば、画像表示装置5においてキャラクタなどを用いた演出を実行してもよいし、スピーカ8L、8Rから所定の演出音を出力することにより確変確定報知してもよい。また、例えば、遊技効果ランプ9を所定の点灯・点滅パターンで制御することにより確変確定報知してもよい。
ステップS684の処理を実行した後や、ステップS681にて確変確定指定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS681;No)、ステップS682にて確変確定報知中フラグがオンにセットされていると判定された場合(ステップS682;Yes)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS685)。ステップS685にて大当り終了指定コマンドを受信したと判定された場合(ステップS685;Yes)、演出制御用CPU120は、確変確定報知中フラグがオンにセットされているか否かを判定する(ステップS686)。ステップS686にて確変確定報知中フラグがオンにセットされていると判定された場合(ステップS686;Yes)、演出制御用CPU120は、確変確定表示を消去し(ステップS687)、確変確定報知中フラグをオフにリセットする(ステップS688)。
ステップS688の処理を実行した後や、ステップS685にて大当り終了指定コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS685;No)、ステップS686にて確変確定報知中フラグがオンにセットされていないと判定された場合(ステップS686;No)、演出制御用CPU120は、その他のコマンド解析処理を実行してから(ステップS689)、コマンド解析処理を終了する。
上記したようにステップS681〜S688の処理を実行することで、確変確定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が実行される。例えば、ステップS682の判定処理にて確変確定報知中フラグがオンにセットされていないと判定されたことを条件として(既に確変確定報知の実行中でないことを条件として)確変確定報知を開始する処理が実行されるので、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに確変確定報知の実行が開始され、2つ目以降の確変確定指定コマンドを受信しても重ねて確変確定報知が実行されないようになっている。そして、確変確定報知は、大当り終了指定コマンドを受信するまで継続される。従って、上記変形例では、確変確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が1回実行されるように制御される。
なお、上記実施の形態で説明したように、演出制御基板12に搭載されたRAM122はバックアップ電源によりバックアップされていないので、大当り遊技中に確変確定指定コマンドを1度受信して確変確定報知を開始した後であっても、パチンコ遊技機1への電力供給が停止してしまうと確変確定報知中フラグは保存されない。そのため、電断後に電力復旧した後に、再び確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信した場合には、ステップS682にてNoと判定され、再び確変確定報知が開始されることになる。
また、上記変形例では、仮に大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信された場合に、ノイズやコマンドのデータ化けなどの理由により演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを正常に受信できなかった場合には、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドを認識できていないのであるから、ステップS683の確変確定報知を開始する処理も行われず、ステップS684の処理も実行されないことから確変確定報知中フラグもオンにセットされない。そのため、この場合には、2つ目以降の確変確定指定コマンドを受信したときに、演出制御用CPU120は、ステップS682にてNoと判定し、ステップS683の処理を実行して確変確定報知を開始するとともに、ステップS684の処理を実行して確変確定報知中フラグをオンにセットすることになる。
次に、確変領域を遊技球が通過したときの確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングについて、図32〜図34を参照して説明する。
図32は、正常な動作が行われている場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングを示す説明図である。図32に示すように、確変開放ラウンド(例えば第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御基板12に送信される(ステップS508A参照)。また、図32に示すように、演出制御用CPU120は、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示(確変確定報知)を開始する(ステップS681〜S684参照)。そして、図32に示すように、大当り終了指定コマンドを受信するまで確変確定報知が継続される。このように確変確定指定コマンドを受信したことにもとづいて、確変確定報知が1回実行される。
なお、上記変形例では、大当り終了指定コマンドを受信するタイミングまで確変確定報知を継続する場合を示しているが、確変確定報知の継続期間は、大当り終了指定コマンドを受信するタイミングまでにかぎられない。例えば、大当り終了指定コマンドを受信した後、さらに大当り終了報知演出(エンディング演出)を終了するまで確変確定報知を継続するようにしてもよい。また、例えば、最初に確変確定指定コマンドを受信して確変確定報知を開始した後、所定期間(例えば、30秒)を経過したことにもとづいて確変確定報知を終了するようにしてもよい。さらに、確変確定報知を開始したラウンド中のみ確変確定報知を実行するようにしてもよい。例えば、第14ラウンドで確変確定報知を開始した場合には、第14ラウンドが終了するまで確変確定報知を継続し、第14ラウンドを終了すると確変確定報知を終了するようにしてもよい。また、例えば、第16ラウンドで確変確定報知を開始した場合には、第16ラウンドが終了するまで確変確定報知を継続し、第16ラウンドを終了すると確変確定報知を終了するようにしてもよい。
図33は、大当り遊技中に電断が発生した場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングを示す説明図である。図33に示すように、確変開放ラウンド(例えば第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御基板12に送信される(ステップS508A参照)。また、図33に示すように、演出制御用CPU120は、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信したときに、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示(確変確定報知)を開始する(ステップS681〜S684参照)。
ここで、図33に示すように、確変確定報知を開始した後に、確変開放ラウンド(図33の例では、第14ラウンド)中にパチンコ遊技機1への電力供給が停止したものとする。そして、図33に示すように、その後、パチンコ遊技機1への電力供給が復旧し、確変開放ラウンド(図33の例では、第14ラウンド)で下大入賞口が開放している状態から遊技が再開されたものとする。この場合、図33に示すように、電断後に電力復旧した後に、再び下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過すると再び確変確定報知コマンドの送信が行われる。そして、電断前と同様、確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御基板12に送信される(ステップS508A参照)。一方、演出制御基板12に搭載されたRAM122はバックアップ電源によりバックアップされていないので、大当り遊技中に確変確定指定コマンドを1度受信して確変確定報知を開始した後であっても、パチンコ遊技機1への電力供給が停止してしまうと確変確定報知中フラグは保存されない。そのため、図33に示すように、電断後に電力復旧した後に、再び確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドを受信した場合には、その確変確定指定コマンドを受信したタイミングで、ステップS682にてNoと判定され、再び確変確定報知が開始されることになる(ステップS681〜S684参照)。そして、図33に示すように、大当り終了指定コマンドを受信するまで確変確定報知が継続される。
図34は、演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを取りこぼしてしまった場合の確変確定指定コマンドの送信タイミングおよび確変確定報知の実行タイミングを示す説明図である。図34に示すように、確変開放ラウンド(例えば第14ラウンド、第16ラウンド)において、下大入賞口が開放状態とされ、下大入賞口内の確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドが演出制御基板12に送信される(ステップS508A参照)。
ここで、図34に示すように、大当り遊技中に最初に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信された場合に、ノイズやコマンドのデータ化けなどの理由により演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを正常に受信できなかったものとする。この場合、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドを認識できていないのであるから、ステップS683の確変確定報知を開始する処理も行われず、ステップS684の処理も実行されないことから確変確定報知中フラグもセットされない。そのため、図34に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100から確変確定指定コマンドが送信されたにもかかわらず、この1つ目の確変確定指定コマンド送信のタイミングでは確変確定報知は開始されない。
この場合、2つ目以降に確変領域を遊技球が通過して確変確定指定コマンドが送信されたときに、演出制御用CPU120が確変確定指定コマンドを正常に受信すれば、ステップS682にてNoと判定されることから、確変確定報知が開始されることとなる。図34に示す例では、演出制御用CPU120は、2つ目の確変確定指定コマンドを受信したときに、画像表示装置5において確変確定表示の重畳表示(確変確定報知)を開始する(ステップS681〜S684参照)。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、例えばCPU103は、下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過したことにもとづいて、確変制御条件を成立させる。また、下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過したことにもとづいて、遊技球が確変領域を通過したことを特定可能な確変確定指定コマンドを出力する。また、演出制御用CPU120は、確変確定指定コマンドが出力されたことにもとづいて、確変確定報知を1回実行する。そして、確変確定指定コマンドを出力した後に遊技機への電力の供給が停止して、遊技機への電力の供給が再開されたときに、再び下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過したことにもとづいて、再度確変確定指定コマンドを出力する(図33参照)。鬱陶しさを与えることなく確変状態に制御されることを報知することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、電断復旧後であっても遊技球が確変領域を通過したことを演出制御用CPU120に通知することができる。
なお、上記変形例では、2つの特別可変入賞球装置(上特別可変入賞球装置、下特別可変入賞球装置7B)を備え、可変入賞装置として、そのうちの一方(下特別可変入賞球装置7B)にのみ確変領域が設けられている場合を示したが、可変入賞装置は、この変形例で示した態様にかぎられない。例えば、確変領域が設けられた1つの可変入賞装置を備え、大当り種別として、確変領域を遊技球が通過するのが難しく確変状態に制御されるのが稀である「第1大当り」と確変領域を遊技球が通過して確変状態に制御される可能性が高い「第2大当り」とを設定し、「第1大当り」と「第2大当り」とで確変領域蓋172の制御態様を異ならせることによって、「第1大当り」と「第2大当り」とで確変領域の遊技球の通過のしやすさを異ならせるようにし、確変制御条件の成立のしやすさを異ならせるようにしてもよい。また、例えば、3つ以上の特別可変入賞球装置を備え、そのうちの1つまたは複数の特別可変入賞球装置に確変領域を設けるようにし、「第1大当り」と「第2大当り」とで3つ以上の特別可変入賞球装置をどのようなパターンで開放するかを異ならせるようにしてもよい。
上記変形例では、2つの特別可変入賞球装置のうちの下特別可変入賞球装置7Bにのみ確変領域が設けられている場合を示したが、上特別可変入賞球装置と下特別可変入賞球装置7Bとの両方に確変領域を設けるように構成してもよい。そして、上特別可変入賞球装置と下特別可変入賞球装置7Bとで確変領域の形状を異ならせたり確変領域蓋172の制御態様を異ならせたりすることによって確変領域の遊技球の通過のしやすさを異ならせるようにしてもよい。
可変入賞装置とは、遊技機が1つの可変入賞装置(特別可変入賞球装置)を備えている場合にかぎらず、複数の可変入賞装置を備える場合(例えば、上記変形例のように上特別可変入賞球装置と下特別可変入賞装置7Bを備える場合)も含む概念である。そして、上記に示したように、複数の可変入賞装置を備える場合には、それら複数の可変入賞装置のうちの少なくとも1つに確変領域が設けられていればよい。
上記変形例では、出力された確変確定指定コマンドを受信できなかった場合には、次に出力された確変確定指定コマンドにもとづいて確変確定報知を実行する(図34参照)。そのため、確変確定指定コマンドを1度出力した後であっても遊技球が確変領域を通過したことを演出制御用CPU120に通知することができる。また、確変確定指定コマンドを取りこぼしてしまった場合であっても、その後に演出制御基板12側で確変確定報知を実行することができる。
上記変形例では、確変確定指定コマンドを受信したタイミングで確変確定報知を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、確変確定指定コマンドを受信してから所定時間が経過したタイミングで確変確定報知を実行してもよく、確変確定指定コマンドを受信した後の次のラウンドで確変確定報知を実行してもよい。また、例えば、確変確定指定コマンドを受信した後、大当り遊技の終了時(エンディング演出中)に確変確定報知を実行してもよい。
また、遊技機への電力供給が停止した後、電断復旧後に確変確定指定コマンドを受信した場合も同様に、確変確定指定コマンドを受信してから所定時間が経過したタイミングで確変確定報知を実行したり、確変確定指定コマンドを受信した後の次のラウンドで確変確定報知を実行したり、確変確定指定コマンドを受信した後、大当り遊技の終了時(エンディング演出中)に確変確定報知を実行したりしてもよい。
さらに、通常時は上記変形例と同様の態様で確変確定指定コマンドを受信したタイミングで確変確定報知を実行する一方で、電断復旧後に確変確定指定コマンドを受信した場合にのみ、確変確定指定コマンドを受信してから所定時間が経過したタイミングで確変確定報知を実行したり、確変確定指定コマンドを受信した後の次のラウンドで確変確定報知を実行したり、確変確定指定コマンドを受信した後、大当り遊技の終了時(エンディング演出中)に確変確定報知を実行したりしてもよい。
上記変形例では、下特別可変入賞球装置7Bに進入した遊技球が確変領域を通過するごとに確変確定指定コマンドを出力する。そのため、遊技球の確変領域の通過時には一律に確変確定指定コマンドが出力されるので、電断復旧後であるか否かなどの判定処理を行わなくても電断復旧後に確変確定指定コマンドを再度送信することができ、簡易な処理で電断復旧後であっても遊技球が確変領域を通過したことを演出制御用CPU120に通知することができる。
上記変形例では、確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドを送信する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、確変開放ラウンドにおいて最初の確変領域への遊技球の通過に対してのみ確変確定指定コマンドを送信するように構成し、2回目以降に確変領域に遊技球が通過しても確変確定指定コマンドを送信しないように構成してもよい。このように構成した場合であっても、電断復旧後に最初に確変領域を遊技球が通過した場合にのみ再度確変確定報知指定コマンドを送信するようにすればよい。
また、例えば、確変開放ラウンドにおいて最初の確変領域の遊技球の通過と最後の確変領域の遊技球の通過とに対してのみ確変確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、ラウンド中の上大入賞口や下大入賞口への許容入賞数が6個である場合には、最初に確変領域を遊技球が通過したときと6個目に確変領域を遊技球が通過したときにのみ確変確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。このように構成した場合、確変開放ラウンドにおいて最初の確変領域への遊技球の通過にもとづいて確変確定指定コマンドを送信した後に電断が発生した場合であっても、電断復旧後に最後(6個目)の確変領域への遊技球の通過にもとづいて確変確定指定コマンドを送信して演出制御用CPU120に通知することができる。また、確変開放ラウンドにおいて最初の確変確定指定コマンドを取りこぼした場合であっても、最後(6個目)の確変確定指定コマンドにより確変確定報知を実行することができる。なお、最初と最後の確変領域の遊技球の通過に対してのみ確変確定指定コマンドを送信する場合にかぎらず、例えば、2つ目と最後の確変領域の遊技球の通過に対してのみ確変確定指定コマンドを送信したり、最初と最後から2つ目の確変領域の遊技球の通過に対してのみ確変確定指定コマンドを送信したりするなど、様々な送信タイミングの組み合わせが考えられる。
また、例えば、確変開放ラウンドにおいて所定間隔ごとに確変確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、確変領域への遊技球の通過を3回検出するごとに1つの確変確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成した場合、確変確定指定コマンドを送信した後に電断が発生した場合であっても、電断復旧後にさらに確変領域への遊技球の通過を3回検出したことにもとづいて確変確定指定コマンドを送信して演出制御用CPU120に通知することができる。また、確変確定指定コマンドを取りこぼした場合であっても、さらに確変領域への遊技球の通過を3回検出したことにもとづいて送信された確変確定指定コマンドにより確変確定報知を実行することができる。
上記変形例では、特別遊技状態が確変状態である場合を例に説明したが、特別遊技状態は確変状態以外の遊技状態であってもよい。例えば、特別遊技状態が時短状態であるものとし、下特別可変入賞球装置7B内の確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて特別遊技状態として時短状態に移行されることが確定するようにしてもよい。また、例えば、確変状態であっても確変状態の継続回数が複数種類あるように構成し、下特別可変入賞球装置7B内の確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて特別遊技状態として継続回数の多い確変状態に移行されることが確定するようにしてもよい。さらに、例えば、時短状態であっても時短状態の継続回数が複数種類あるように構成し、下特別可変入賞球装置7B内の確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて特別遊技状態として継続回数の多い時短状態に移行されることが確定するようにしてもよい。
上記変形例では、確変確定指定コマンドを出力した後に遊技機への電力供給が停止して、遊技機への電力供給が再開された後にCPU103によって確変確定指定コマンドが出力されたときにも、確変確定報知を実行する。そのため、電断復旧した場合であっても遊技球が確変領域を通過したことを確実に報知することができる。
上記変形例では、電断復旧後に確変確定指定コマンドを受信した場合にも、確変確定報知を実行する場合(図33参照)を示しているが、電断復旧後に確変領域を遊技球が通過したときには確変確定指定コマンドを送信するのみで、演出制御基板12側では確変確定報知を実行しないようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御基板12側でもRAM122をバックアップ電源によってバックアップされるバックアップRAMとして確変確定報知中フラグが保存されるようにし、電断復旧後に確変確定指定コマンドを受信した場合には、図31のステップS682にてYesと判定されることにより確変確定報知を実行しないようにしてもよい。
また、既に最初の確変確定指定コマンドの受信にもとづいて確変確定報知を開始した後に、電断復旧し再度確変確定指定コマンドを受信した場合には、電断前に既に確変確定報知を行っているのであるから全く同様の態様で確変確定報知を再度実行してしまうと却って煩わしい印象を与えてしまうおそれがある。そのため、電断復旧後に確変確定指定コマンドを受信した場合には、電断前の確変確定報知よりも控え目な態様の確変確定報知を実行するようにしてもよい。例えば、電断前よりも小さい文字で「確変確定!」などの確変確定表示を表示したり、スピーカ8L,8Rや遊技効果ランプ9を用いて確変確定報知を行う場合には、電断前よりも小さい音量で所定の演出音を出力したり、控え目な点灯・点滅パターンで遊技効果ランプ9を制御したりしてもよい。
上記変形例では、大当り遊技状態として、下特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させる複数の確変開放ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)を含む遊技状態に制御する。そして、下特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させるラウンドごとに、少なくとも確変確定指定コマンドを1回出力する。例えば、図32〜図34に示すように、確変開放ラウンドである第14ラウンドと第16ラウンドとのそれぞれにおいて、確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドを送信する。そのため、下特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させる1のラウンドで確変確定指定コマンドを受信できなかったとしても、下特別可変入賞球装置7Bを開放状態に変化させる次のラウンドで遊技球が確変領域を通過したことを演出制御用CPU120に通知することができる。例えば、確変開放ラウンドである第14ラウンドで確変確定指定コマンドを受信できなかったとしても、少なくとも次の確変開放ラウンドである第16ラウンドで送信される確変確定指定コマンドにより確変確定報知を実行することができる。また、例えば、第14ラウンドで確変確定指定コマンドを送信した後に電断が発生した場合であっても、電断復旧後に少なくとも第16ラウンドで送信される確変確定指定コマンドにより演出制御用CPU120に通知することができる。
上記変形例では、確変開放ラウンドとして第14ラウンドと第16ラウンドとの2つのラウンドがあり、第14ラウンドおよび第16ラウンドのいずれのラウンドであっても、確変領域を遊技球が通過するごとに確変確定指定コマンドを送信する場合を示したが、各確変開放ラウンドにおいて少なくとも確変確定指定コマンドを1回送信すればよく、例えば、各確変開放ラウンドにおいて最初に確変領域の遊技球が通過したときにのみ確変確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、第14ラウンドで最初に確変領域を遊技球が通過したときに確変確定指定コマンドを送信すると、第14ラウンドにおいて2つ目以降に確変領域を遊技球が通過しても確変確定指定コマンドを送信しないようにし、次に第16ラウンドで最初に確変領域を遊技球が通過したときに確変確定指定コマンドを送信し、以降、第16ラウンドにおいて2つ目以降に確変領域を遊技球が通過しても確変確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。さらに、各確変開放ラウンドにおいて最初に確変領域の遊技球が通過したときにのみ確変確定指定コマンドを送信する場合にかぎらず、例えば、各確変開放ラウンドにおいて所定個数目(例えば、3つ目)に確変領域の遊技球が通過したときにのみ確変確定指定コマンドを送信するようにしてもよく、最後に確変領域の遊技球が通過したときにのみ確変確定指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、上記のように、確変開放ラウンドにおいて確変確定指定コマンドを1回のみ送信するように構成した場合には、例えば、最後の確変開放ラウンドである第16ラウンドにおいて既に確変確定指定コマンドを送信した後に電断が行われた場合には、電断復旧後に確変確定指定コマンドが送信されず演出制御手段に通知できなくなる事態も考えられる。そのため、最後の第16ラウンドに限っては確変領域を遊技球が通過する毎に確変確定指定コマンドを毎回送信するように構成してもよい。そのように構成すれば、第16ラウンドにおいて電断が発生した場合であっても、電断復旧後に確変確定指定コマンドを送信して演出制御用CPU120に通知できるようにすることができる。
上記変形例では、下大入賞口が開放状態となる確変開放ラウンドが2ラウンド(第14ラウンド、第16ラウンド)である場合を示したが、そのような態様にかぎらず、3ラウンド以上の確変開放ラウンドがあるように構成してもよい。また、例えば、大当り遊技中の確変開放ラウンドが1ラウンドのみであるように構成しても構わない。
上記変形例では、第14ラウンドで確変領域を遊技球が通過した場合と第16ラウンドで確変領域を遊技球が通過した場合とを特に区別することなく、同様の態様で確変確定報知を実行する場合を示しているが、確変確定報知の態様を異ならせてもよい。例えば、第14ラウンドでは確変確定指定コマンドを受信することなく、第16ラウンドで確変確定指定コマンドを受信して確変確定報知を開始する場合には、第14ラウンドで送信された確変確定指定コマンドを取りこぼした可能性があることや、第16ラウンドから報知を開始したのでは大当り遊技終了まで期間が短いことから、第14ラウンドで確変確定報知を開始するときと比較して、より目立ちやすい態様で確変確定報知を実行するようにしてもよい。例えば、第14ラウンドで報知を開始するときと比較して大きな表示で確変確定表示を表示したり、大きな音量で所定の演出音を出力したり、目立ちやすい点灯・点滅パターンで遊技効果ランプ9を制御したりすることにより、遊技者が確変確定であることを気づきやすくするようにしてもよい。
上記変形例では、確変開放ラウンドにおいて、下大入賞口スイッチ23Bが検出した遊技球の数と、確変領域スイッチ24Aが検出した遊技球の数と排出スイッチ24Bが検出した遊技球の数とを足した数と、が一致して役物遊技中入賞個数カウンタが0になった場合には、図30の下大入賞口入賞検出処理にてステップS508をスキップして確変領域スイッチがオンであっても確変確定フラグをセットしない。このような構成によれば、不正を防止することができる。
上記変形例では、確変領域を通過した遊技球が共通排出経路174に到達するまでの経路に遅延部173を備えているので、異なるタイミングで下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球の一方が確変領域を通過し、他方が通過せず、それぞれ共通の共通排出経路174に到達するに際して、到達のタイミングを異ならせることができる。そのため、共通排出経路174に付近にて球詰まりが発生する割合を低減できる。
上記変形例では、下特別可変入賞球装置7Bに入賞した遊技球だけが通過可能な特定領域として、遊技球が通過すると確変状態に制御される確変領域を例にとって説明した。しかし、これに限らず、特定領域は遊技球が通過したことにもとづき遊技者に有利な特別遊技状態に制御される他の領域であってもよい。このとき、特別遊技状態は、確変状態に限らず、普通可変入賞球装置6Bが開放状態(または拡大開放状態)となる回数(電チューサポートの回数)が通常状態より多い遊技状態や、大当り遊技状態に移行した場合に実行されるラウンド遊技の数が通常状態よりも多い遊技状態など、通常状態よりも有利な他の遊技状態であってもよい。
上記変形例では、上大入賞口を形成する上特別可変入賞球装置と下大入賞口を形成する下特別可変入賞球装置7Bとが設けられ、特定回数以外のラウンド遊技では上大入賞口が開放状態に変化する一方、特定回数のラウンド遊技では下大入賞口が開放状態に変化するものとして説明した。しかしながら、上大入賞口や下大入賞口といった複数の大入賞口と、ラウンド遊技の実行態様(開放する大入賞口、大入賞口開放上限時間など)、確変領域通過割合や確変決定割合といった確変制御条件の成立可能性などとの対応関係は、上記変形例とは異なる設定であってもよい。すなわち、複数の大入賞口のうちいずれに遊技球が進入したかに応じて、確変状態となるための確変制御条件が成立する可能性を異ならせたものであれば、それぞれの大入賞口の配置や大当り遊技状態における動作態様などは、任意に変更および修正が可能である。また、第1特図や第2特図といった複数種類の特別図柄を用いた特図ゲームが実行可能な構成において、いずれの特別図柄を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となったかに応じて、確変領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させる割合が異なるように設定されていればよい。
また、上記実施の形態では、リレー71を、例えば、コイルと接点部とから成る電磁リレーで構成したが、リレーは電磁リレーといった有接点リレーに限定されず、例えば、半導体を用いて構成される無接点リレーなどであってもよく、また、有接点リレーと無接点リレーとを組み合わせたもの(ハイブリットリレー)であってもよい。
また、上記実施の形態では、リレー71を、コイルに電流が流れると、接点部が開状態から閉状態に切り替わり、コイルに電流が流れなくなると、接点部が閉状態から開状態に切り替わるもの、即ち、常開接点(A接点やメーク接点などともいう。)の接点部を有するリレーとした。しかし、リレーは、常開接点の接点部を有するリレーに限定されず、常閉接点(B接点やブレーク接点などともいう。)の接点部を有するリレーや、切替接点(C接点やトランスファ接点などともいう。)の接点部を有するリレーなどであってもよい。また、サーミスタ56を無効化するための電路と有効化するための電路とに切り替えるリレーは、1つに限られず、2つ以上であってもよい。この場合、同じ種類(常開接点や常閉接点、切替接点など)の接点部を有するリレーを複数用いてもよく、異なる種類の接点部を組み合わせて用いてもよい。
上記実施の形態では、リレー71の接点部71Sの一端は、サーミスタ56の一端に接続され、リレー71の接点部71Sの他端は、サーミスタ56の他端に接続されていることとした。即ち、サーミスタ56と接点部71Sとを並列接続にした。しかし、サーミスタ56を無効化するための回路は上記のものに限定されない。例えば、リレーが動作した場合には、サーミスタ56を通る電路が遮断される(サーミスタ56の一端側、他端側、又は、一端側と他端側が開放される)とともに、サーミスタ56を通らないで後段のコモンモードチョークコイル57へ向かう電路が形成されるようにしてもよい。この場合、例えば、切替接点の接点部を有するリレーを用いて回路を構成すればよい。例えば、サーミスタ56に並んで電線を設け、この電線とサーミスタ56の一端側に切替接点の接点部を有するリレーを設置する。そして、電線の一端とサーミスタ56の一端とを、切替接点の接点部の他端(2つの接点を有する側の端子)にそれぞれ接続し、接点部の一端を、ヒューズ53の他端に接続する。そして、電線の他端は、サーミスタ56の他端に接続すればよい。なお、電線とサーミスタ56の他端側に切替接点の接点部を有するリレーを設置してもよく、電線とサーミスタ56の一端側と他端側とに切替接点の接点部を有するリレーをそれぞれ設置してもよい。このように、リレーによって、サーミスタ56だけを通る電路と、サーミスタ56を通らない電路とに切り替え可能に構成してもよい。なお、サーミスタ56を無効化するための電路には、上記実施の形態で示したサーミスタ56と接点部71Sとの並列回路を通る電路の他、サーミスタ56を通らない電路が含まれる。
上記実施の形態では、サーミスタ56を1つ設置したが、サーミスタ56を2つ以上設置してもよい。この場合、複数のサーミスタを直列、並列、及び、直列と並列との組合せのいずれかで接続すればよい。サーミスタを無効化させるためのリレーは、複数のサーミスタに対して設けられていてもよく、複数のサーミスタのうちの一部に対して設けられていてもよい。
上記実施の形態では、リレードライブ回路72を、例えば、抵抗やトランジスタなどのハードウェアで構成したが、リレードライブ回路72はハードウェアで構成したものに限定されない。例えば、リレードライブ回路72を、ソフトウェアで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとで構成してもよい。例えば、電源基板16にCPUなどを搭載し、このCPUによって12V電源回路の出力電圧などを監視して、所定電圧となったときに、リレーを動作させてもよい。また、演出制御CPU120などといった他の基板に搭載されたCPUによってリレーを動作させてもよい。
また、リレードライブ回路72を、図4に示すようにトランジスタ73、抵抗74〜76、ダイオード77及び電解コンデンサ78によって構成した。この場合には、12V電源回路の出力電圧がDC6V以上となってからトランジスタ73がオン状態となるまでに遅延が生じることとなる。しかし、トランジスタ73を用いずにリレードライブ回路を構成して、12V電源回路の出力電圧がDC6V以上になったタイミングでリレー71のコイル71Lに電流が流れるようにしてもよい。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、例えば、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、例えば、図33に示すように、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」となるか否かに応じて2つ目のコマンドの種類を異ならせてもよい。また、1つ目のコマンドの種類については、可変表示結果が「大当り」となるか否かに関わらず共通の処理により決定するようにしてもよい。なお、ステップS111の変動パターン設定処理において、まず、2つ目のコマンドの種類を決定し、その後1つ目のコマンドを決定し、それぞれのコマンドの送信設定を行えばよい。
この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、組合せにより複数の変動パターンを作成できるため、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記実施の形態では、入力ポート毎に電源断信号の有無を確認する例を示したが、これは一例である。例えば、入力ポートIP00は、エラー検出用の信号が入力されることから、入力ポートIP00については、電源断信号の有無を確認することなく処理を続行するようにしてもよい。入力ポートIP00に入力される信号は、実際には入賞していないのに制御手段に入賞と誤認させる不具合の発生や不正が行われた場合に入力される信号であるため、このような構成とすることで不具合の発生や不正が行われたことを遊技機の管理者が認識することができる。
また、上記実施の形態では、電源断信号は、電源断信号が入力される入力ポートに入力される例を示したが、これは一例である。例えば、電源断信号は、入力ポートの他に割込端子にも入力されるようにしてもよい。これによれば、電源断信号が割込端子にも入力されることから、即座に電源断信号が入力されたことを検知することができる。
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの画像表示装置を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態や変形例で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、例えば賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。パチンコ遊技機1やスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちのいずれか一種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えばメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。例えばスロットマシンは、メダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
こうしたスロットマシンにおいて、上記実施の形態におけるサーミスタ56やリレー71、リレードライブ回路72などが備えられていればよい。そして、上記実施の形態で説明したように、例えば、12V電源回路62bの出力電圧が、所定電圧(DC6V以上)となったときに、リレー72がオン状態となればよい。このようなスロットマシンにおいても、所望の電圧を得ることができる。また、こうしたスロットマシンにおいて、上記実施の形態で説明したのと同様に、電源監視回路91から電源断信号(低下信号)が入力ポート(入力端子)に入力されているときに、演算結果をスイッチオンバッファにセットすることなど(上記実施の形態ではステップS932、S933の処理など)を制限すればよい。このようなスロットマシンにおいても、電源断信号が入力され動作が不安定な場合、演算結果をスイッチオンバッファにセットする処理などが実行されないため(すなわち検知信号の入力状況は取得されないため)、取得した検知信号の信頼性を向上することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1やスロットマシンといった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。