本開示の実施形態は、サーバプロファイルテンプレートを適用するための方法、システム、及び実行可能命令が格納されたコンピュータ読み取り可能媒体を含む。サーバプロファイルは、データセンター及び/又はPOD内の様々なサーバドメインについて作成することが可能である。一方、各サーバプロファイルは、その作成後に管理される。すなわち、IT管理者が、データセンター内への新たな接続(例えば、新規のEthernet接続)を構成し、この新たなリソースを、サーバプロファイルによって固有性(identity)が定義される複数の物理サーバに対して利用可能とすることを所望する場合、該IT管理者は、該新たな接続が適用される各サーバプロファイルを編集しなければならない。該編集は、誤りが生じやすく、及び変更を加えるサーバプロファイルの数に応じて長時間を要し得る、手作業によるものである。複数のサーバに対して適用され及び複製される既存のサーバテンプレートは、同一のネットワーク及びストレージ構成を含む同様のサーバに対してのみ適用されるものである。異なる物理的な接続構成を有する複数のサーバが存在する場合には、テンプレートを適用することができない。現行のテンプレートは、共通の構成のどの部分を各サーバプロファイルに独立して適用することができるかを識別することができないものである。すなわち、全サーバにテンプレート構成全体を適用して置換するか、全く適用しないかの何れかとなる。
これとは対象的に、本開示の実施形態は物理的な接続構成にかかわらずサーバプロファイルテンプレートの適用及び複製を行うことが可能である。本開示の実施形態は、単一のユーザインタフェイス(UI)によりサーバプロファイルの視覚化及び管理を行うことを可能とするものである。本書で開示する1つの方法は、サーバプロファイルテンプレートを定義するためのユーザインタフェイス(UI)を提供するステップを含む。該テンプレートは、テンプレート識別子、共通構成、及び該共通構成を共有する関連する複数のサーバプロファイルのリストを含む。該方法は更に、該UIを使用して該サーバプロファイルテンプレートに基づいて又は一から複数のサーバプロファイルを作成するステップを含む。該テンプレートは、前記共通構成に対する変更が全ての関連付けされたサーバプロファイル(異なる物理的な接続を有する関連付けされたサーバプロファイルを含む)にわたって複製されるように、サーバプロファイルに対して適用される。
図1は、本開示によるサーバプロファイルテンプレートの適用のためのシステム環境の一例である。図1に示すように、組織内で様々な職務を有する複数のユーザ101(例えばIT管理者)は、様々なローカル及び/又はワイドエリアネットワーク(複数のLAN/WAN)114-1,114-2,…,114-Nについてユーザインタフェイス(UI)110を介してネットワーク接続及びパラメータ設定を構成すべくITリソースへのアクセスを試行することが可能である。該ネットワークは、有線及び無線接続を含むことが可能であり、及びイントラネット及びインターネット接続を含むことが可能である。ネットワーク114-1,114-2,…,114-Nの各々には、複数のネットワーク装置を接続することが可能である。例えば、ネットワーク114-1は、管理サーバ116-1及び複数のコンピューティング装置118-1(例えば、デスクトップ、ワークステーション及び/又はラップトップ型モバイル装置その他)、及び複数のファイルサーバ及び/又はデータストレージ120-1を含むものとして図示されている。また、ネットワーク114-2は、管理サーバ116-2、及び複数のコンピューティング装置118-2、及び複数のファイルサーバ及び/又はデータストレージ120-2を有するものとして図示されている。また、ネットワーク114-Nは、管理サーバ116-N、及び複数のコンピューティング装置118-N、及び複数のファイルサーバ及び/又はデータストレージ120-Nを有するものとして図示されている。プリンタ/スキャナ/Fax装置122-1,…,122-N(例えば、オールインワン型のもの)を所与のネットワーク114-1,114-2,…,114-Nにそれぞれ接続することも可能である。
本開示全体を通して指示子「N」は変数を示すために使用されることに留意されたい。該指示子「N」を一貫して使用することにより参照が容易となるが、様々な用途で同一の変数を使用することを意図したものではない。更に、本願の図面は、最初の数字が図番に対応し、残りの数字が図中の要素又は構成要素を識別する番号付与規則に従っている。異なる図面における同様の要素又は構成要素は、同様の数字の使用により識別することが可能である。例えば、101は、図1中の参照要素「01」であり、それと同様の要素は図5中で「501」として参照することが可能である。
図1に示すように、ユーザインタフェイス(UI)110は、例えば、本開示の実施形態によるサーバプロファイルテンプレートを定義し、作成し、及び/又は管理するためのコンピュータ読み取り可能及び実行可能命令(CRI)(例えばプログラム命令)を含む1つ以上のデータベース112に接続することが可能である。該データベース112は、ブレードサーバ環境の場合のようにサーバプロファイルを含むことも可能であり、該サーバプロファイルに対して本実施形態によりテンプレートを適用することが可能である。上述のように、サーバプロファイルは、様々なサーバドメインについてのコネクティビティ(接続性)を確立し管理するために作成することが可能である。サーバプロファイルは、ネットワーク接続(例えば、Ethernet及びiSCSI)、ファブリック接続(例えば、FC及びFCoE)、並びにMAC/WWNアドレス及びシリアル番号(例えば工場出荷時の番号又は仮想的な番号)の類といった、様々なパラメータ設定を含むことが可能である。本書で開示する実施形態に先立ち、大規模ブレードサーバシステムにおけるサーバプロファイル及びサーバコネクティビティの定義及び維持の複雑さは、大量の管理作業を伴うものである。
業界では、サーバプロファイル及びサーバコネクティビティの定義及び管理を以下に行うかについて幾つかの解決策が示唆されている。その一例として、HP BladeSystem Virtual Connect (VC) 製品群が挙げられる。この製品系列は、複数のサーバ及び仮想マシンをあらゆるLAN又はSAN(Storage Area Network)に接続するためのフレキシブルな方法を提供するものである。本開示の実施形態は、その能力を、異なるエンクロージャの多数のVCサーバプロファイルを顧客が同時に管理することを可能にすることにより拡張させるものである。本開示では、例示のためHP BladeSystem VC製品群について言及するが、これに制限されるものではない。
サーバプロファイルテンプレートを使用した多数のVCサーバプロファイルの同時管理は、同じリソース(例えば、同一のネットワーク、VLAN、及びファブリック)を共有している多数のブレードサーバについて新たな仮想接続サーバプロファイルを作成する場合、又はメンテナンスタスク(例えば、多数の仮想接続サーバプロファイルにより共有される共通構成の視覚化、多数の仮想接続サーバプロファイルにより使用されている既存のネットワーク接続のリネーム、又は幾つかのブレードサーバにより使用されるべき新たなファブリックの追加など)を実行する場合に、有益なものとなる。
メンテナンスタスクに対する従来の手法、例えば、VC相互接続モジュールで利用できる新たなネットワークに対するサーバプロファイルの接続の変更は、VCの顧客が、VC Managerの埋込アプリケーションを介して又はVirtual Connect Enterprise Manager(VCEM)を使用して各VCサーバプロファイルを編集し、その特定のネットワーク接続に対して指定すべき新たなネットワーク名を選択し、次いで該変更を保存することを伴うものとなる。上述のように、この手作業は、誤りが生じやすく、変更が加えられるVCサーバプロファイルの数に応じて時間を要するものとなる。
VC Manager及びVCEMは何れもHPの製品である。VC Managerは、1つの仮想サーバドメインを扱うために使用される埋込アプリケーションである。VCEMは、数百の仮想サーバドメインを扱うことができるソフトウェアアプリケーションである。本書で用いる場合、仮想サーバドメインとは、明確な物理的なドメイン(an express physical domain)又は境界に対する論理的なドメインを意味する。VC Manager及びVCEMアプリケーションは何れも、顧客が多数のVCサーバプロファイルを同時に作成するのを助けるウィザード(ガイド機能)を提供する。しかし、各VCサーバプロファイルは、その作成後には別個に管理されることになる。例えば、IT管理者が、データセンター内に新たなEthernet接続を構成し、及び該新たな接続リソースを、VCサーバプロファイルにより固有性が定義されている物理サーバで使用することを所望する場合、該IT管理者は、各VCサーバプロファイルを編集して、該新たなEthernetネットワークリソースを指し示す新たなEthernet接続を追加すること、又は該新たなEthernetネットワークを指し示すように既存のネットワーク接続を置換することが必要となる。上述のように、この作業は多大な時間を要するものとなる。
他の手法として、複数のサーバに適用し及び該複数のサーバに対して複製することが可能なテンプレートが検討された。しかし、かかる従来の手法は、同一のネットワーク及びストレージ接続を含む同様のサーバに対して厳密に適用されるものである。これら手法では、異なる物理的な接続構成を有するサーバが存在する場合にはテンプレートを適用することができない。
すなわち、本実施形態の場合とは異なり、様々な物理接続を有する各サーバプロファイルに対して共通の構成のどの部分を適用することができるかを識別するよう実行することができる命令は提供されなかった。従来の手法では、一致するネットワーク及びストレージ接続を有する全てのサーバに対してテンプレート構成全体が適用されて置換されるか、テンプレートが適用されないかのどちらかとなり、例えば、異なる物理接続を把握する能力は存在しない。
図2は、本開示の該実施形態を実施することができる少なくとも2つの仮想接続ドメインを有するデータセンター内の例示的なインフラストラクチャを示している。図2の例示的な実施形態では、理解を容易にするために小規模化したものが示されている。しかし、かかる実施形態に関して開示する本発明は、大規模なサーバ環境(例えば、数百ものサーバプロファイルと多数の仮想ドメイン及びエンクロージャを伴うサーバ環境)で実施することが可能なものである。
図2の例示的な実施形態では、2つのcクラス「物理」エンクロージャ230-1,230-2(例えば、HP c7000 cクラスエンクロージャ)が示されている。1つのエンクロージャは、「仮想的」に対する「物理的」なものであり、多数のベイ及びサーバを含むものである、ということが理解されよう。所与の1つのエンクロージャは、複数の物理要素(例えば、複数のVCモジュール(コンピュータにより実行されるコード))及びサーバ等を含み、並びに複数の物理要素(例えば、電源やファン等)のためのコネクティビティ及び管理を提供する。図2の例示的な実施形態では、2つの仮想接続ドメイン231-1,231-2が示されている(例えば、仮想接続ドメインA及び仮想接続ドメインB)。本書で用いる場合、仮想接続ドメインとは、ストレージエリアネットワーク(SAN)232及びローカルエリアネットワーク(LAN)233に対してコネクティビティを提供し、及び所与のエンクロージャ(例えば、230-1,230-2)内の複数のサーバに対して仮想的なID(virtual identity)を提供する、ソフトウェアレイヤを意味する。実施形態によっては、仮想接続ドメイン231-1,231-2は、単一のエンクロージャを管理する。しかし、本実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、実施形態によっては、VCモジュールは、幾つかの積み重ねられたエンクロージャを管理することが可能である。説明を容易にするため、仮想接続ドメイン231-1,231-2(例えば、仮想接続ドメインA及び仮想接続ドメインB)は、ストレージエリアネットワーク(SAN)232及びローカルエリアネットワーク(LAN)233に対してコネクティビティを提供し、及び所与の1つのエンクロージャ内の複数のサーバに対して仮想IDを提供するものとして示されている。
多数のVCドメインが存在することが可能であり、及び該多数のVCドメインをVCEMアプリケーションレベルで管理することが可能である。しかし、図2に示すような少なくとも1つの実施形態では、エンクロージャは、各VCドメイン231-1,231-2(例えば、仮想接続ドメインA及び仮想接続ドメインB)の境界となる。複数の異なるVCドメインが同一の「グループ」内に存在することが可能である。本書で用いる場合、「グループ」とは、同一の論理構成(例えば、ネットワークやファブリック等)及び同一のソフトウェア/ハードウェア構成(例えば、VC Ethernet、FCモジュール、及びI/Oロケーション)を共有する複数のVCドメインの集合を意味する。すなわち、特定のVCドメインは、「マルチエンクロージャドメイン(MED)」として幾つかのエンクロージャと重複することが可能である。上述のように、幾つかの積み重ねられたエンクロージャを有するドメインをVCが定義することが可能となるように命令を実行することが可能である。該MED構成は、VCドメインを管理するためにVCEMを使用しないVCの顧客によって大抵使用されるものである。図2の例では、VCドメインA 231-1及びVCドメインB 231-2は、異なる構成(例えば、ネットワーク及びファブリック)を有しており、それ故、同一グループの一部ではない。
図2の例では、仮想接続ドメインA 231-1(ソフトウェアレイヤ)に関して仮想接続モジュール(例えば、HP VC FlexFabric モジュール)を配設することが可能である。図2の例示的な実施形態に示すように、仮想接続ドメインA 231-1は、1つのネットワーク(Net1)及び1つのFCファブリック(FC1)を含む構成234-1を有している。すなわち、仮想接続ドメインA 231-1は、ネットワーク1(Net1)235-1のネットワーク接続とファブリック1(FC1)236-1のファブリック接続とを含む構成234-1を有している。図2に示すように、仮想接続ドメインB 231-2は、2つのネットワーク(Net1,Net2)及び2つのFCファブリック(FC1,FC2)を含む構成234-2を有している。すなわち、仮想接続ドメインB 231-2は、ネットワーク1(Net1)235-2及び更なるネットワーク2(Net2)237-1に対するネットワーク接続と、ファブリック1(FC1)236-2及びファブリック2(FC2)238-1のファブ陸接続とを含む構成を有している。本書で開示する実施形態は、一層多数又は一層少数のネットワーク及びファブリック接続を含むことが可能である。図2の例は、以下で詳述するように、本開示の実施例として適当な実施形態を示すために使用されるものである。
図3Aは、本開示の一実施形態によるサーバプロファイルテンプレート340の一例を示したものである。図3Aに示すように、サーバプロファイルテンプレート340は、テンプレート識別子341、共通構成342(例えば、共通構成設定)、及び共通構成343(例えば、テンプレート構成)を共有する関連付けされたサーバプロファイルのリストを含む。該サーバプロファイルテンプレート340は、データベース(例えば、図1のデータベース112)に格納することが可能である。図3Aの例示的な実施形態に示すように、共通構成342は、ネットワーク接続(例えば、Ethernet接続及びiSCSI接続など)を含むことが可能である。共通構成342は、ファブリック接続(例えば、FC接続及びFCoE接続)を含むことが可能である。共通構成342はまた、アドレス及びシリアル番号情報(例えば、MAC及び/又はWWNアドレスタイプ情報及びシリアル番号(SN)タイプ情報(例えば、工場、デフォルト、又は仮想))を含むことが可能である。しかし、本実施形態は、図3Aに示す実施形態に限定されるものではない。コンピュータ読み取り可能命令(例えば(図5−7に図示し及び同図に関して説明するような)サーバプロファイルテンプレート適用モジュールに含まれるプログラム命令)が処理リソースにより実行されて、上述の情報341,342,343を含むサーバプロファイルテンプレート340が作成され定義される。
図3Bは、本開示の一実施形態によるサーバプロファイルテンプレート(例えば図3Aの符号340)が適用されるサーバプロファイル344(例えば、仮想接続サーバプロファイル)の一例を示している。図3Bの例示的な実施形態に示すように、コンピュータ実行可能命令(例えば、サーバプロファイルテンプレート適用モジュール(例えば、図5−7に図示し同図に関して説明するようなもの)に含まれるプログラム命令)を実行して、サーバプロファイル344により表される特定の物理サーバにサーバプロファイルテンプレート(図3Aの符号340)を指定することが可能である。該プログラム命令の実行は次のように行われる:サーバプロファイルにより表される特定の物理サーバにサーバプロファイルテンプレート(例えば図3Aの符号340)が指定される際に、(例えば、図5−7に図示し同図に関して説明するような)仮想接続モジュールのプログラム命令を実行して、該物理サーバの、Ethernet接続のために割り当てられたMAC、FC接続のために割り当てられたWWN、FCoE接続のために割り当てられたWWN及びMAC、iSCSI接続のために割り当てられたMAC345について(それら全てを共通構成の一部として)該物理サーバから情報を読み出すことが可能である。
更に、プログラム命令の実行は次のように行われる:サーバプロファイルにより表される特定の物理サーバにサーバプロファイルテンプレート(例えば図3Aの符号340)が指定される際に、(例えば、図5−7に図示し同図に関して説明するような)仮想接続モジュールのプログラム命令を実行して、サーバプロファイル名及び仮想シリアル番号346、FCoEブートパラメータ及びFCブートパラメータ347、並びにターゲットベイ割り当て348について(それら全てをVCサーバプロファイルの個別構成の一部として)該物理サーバから情報を読み出すことが可能である。
図4Aは、本開示によるサーバプロファイルテンプレート440の擬似的な一例を示している。図4Aの例示的な実施形態を本書で「擬似的」と称するのは、実際の実施形態ではサーバプロファイルテンプレート440の作成及び定義が本書で説明するものよりも一層多くの属性を含み得るからである。図4Aの実施形態は、図2の例示的なインフラストラクチャの実施形態に関して記述したものである。図3Aに関して説明するように、プログラム命令を実行し、ユーザインタフェイス(例えば、図1の符号110)を使用して、テンプレート識別子441、共通構成442、及び関連付けされたサーバプロファイル443(例えば、VCサーバプロファイル)のリストを含むようサーバプロファイルテンプレート440を作成し定義することが可能である。該関連付けされたサーバプロファイル443は、共通構成442を共有するものである。
図4Aは、サーバプロファイルテンプレート440にテンプレート識別子441「テンプレート1」が与えられたことを示している。図4Aは更に、ユーザ(例えば、IT管理者)がUIを介して複数の共通構成設定442を作成することが可能となるようにプログラム命令が実行される一例を示している。図示の共通構成442は、ネットワーク接続(例えば(1つ以上のネットワーク名、ポート速度、PXE等のためのパラメータを有する)Ethernet接続)を含む。
図4Aでは、プログラム命令が実行されて、2つのネットワーク接続(例えば、Network[1],Network[2])が共通構成442の一部として作成され定義される。また、これらネットワークNetwork[1],Network[2]に関する更なる情報が、上記パラメータ(例えば、1つ以上のネットワーク名、ポート速度、PXE)に関して提供される。該命令が更に実行されて、ネットワーク名及びポート速度のためのパラメータ設定を含むiSCSI接続が共通構成442の一部として提供される。図4Aに示すように、テンプレートは、共通構成442の一部として、ファブリック名、I/Oベイ、及びポート速度のための設定を含むFC及びFCoEファブリック接続を含むように作成され定義されている。この例では、サーバプロファイルテンプレート440は、1つのFC接続(例えば、設定FC1,Bay3を有するFabric[1])、並びに2つのFCoE接続(例えば、設定FC1,Bay1,Auto及びFC2,Bay2,Autoをそれぞれ有するFabric[1]及びFabric[2])を含むよう作成され定義されている。
図示のサーバプロファイルテンプレート440は更に、アドレス及びシリアル番号タイプ情報を含むよう作成され定義されている。すなわち、MAC及びWWNアドレスタイプがシリアル番号(SN)タイプと共に提供される。その各々は、1つのパラメータ設定(例えば「仮想」)を有するものとして示されている。
最後に、図4Aの例示的な実施形態に示すように、プログラム命令が実行されて、共通構成442を共有することになる関連付けされたサーバプロファイル443(例えば、サーバプロファイルのリスト)を識別すべく定義される。図4Aでは、関連付けされたサーバプロファイル443は、VCServerProfile_A及びVCServerProfile_Bを含む。
図4Bは、図4Aのサーバプロファイルテンプレート440を図2の仮想接続ドメインAの一例(例えば231-1)に適用するためのプログラム命令の実施形態の実行を示している。図3Bに関して説明したように、ユーザ(例えば、IT管理者)は、UI(図1の符号110)を使用して、名称、ブートタイプ、及びベイ等をサーバプロファイルの一部としてサーバに指定すべく命令を実行することが可能である。更に、図3Bに関して説明したように、サーバプロファイルテンプレート440が仮想接続ドメインA内のVCServerProfile_Aのサーバプロファイルに指定される場合、プログラム命令は、その情報をサーバから読み出してVCServerProfile_A 450に適用するよう実行される。図4Bは、仮想接続ドメインA内のサーバプロファイルテンプレート440の擬似的な一例と称される。これは、仮想接続ドメインAについてのサーバプロファイルが、図示するものよりも一層多数の属性を定義し得るからである。
図4Bに示すように、仮想接続ドメインA内のVCServerProfile_A 450に対するサーバテンプレート440の適用は、サーバプロファイル名451及びターゲットベイ指定458(例えば、Bay:VCDomain_A:1)をプログラム命令に読み出させるものとなる。
更に図4Bに示すように、テンプレート440がサーバプロファイルVCServerProfile_Aに対して指定される場合には、プログラム命令が実行されて、ブートタイプ、ベイ情報、並びに適用されるサーバプロファイルテンプレート440において作成され定義された共通構成設定455,457に関連する該物理サーバのEthernet接続のために割り当てられたMAC、FC接続のために割り当てられたWWN、FCoE接続のために割り当てられたWWN及びMAC、及びiSCSI接続のために割り当てられたMAC等が、物理サーバから読み出される。
図2の例示的なインフラストラクチャの実施形態を参照すると、仮想ドメインAのみが、1つのネットワーク接続Net1及び1つのファブリックFC1のための構成を有している。このため、該実施形態によれば、プログラム命令が実行されて、適用されるサーバプロファイルテンプレート440により利用可能となり提供される利用可能なネットワーク接続Network[2]が無視され又は「未指定」456のままとされる。同様に、プログラム命令が実行されて、適用されるサーバプロファイルテンプレート440により利用可能となり提供される利用可能なファブリックFabric[2]が「未指定」459のままとされる。
図4Cは、図4Aのサーバプロファイルテンプレート440を図2の仮想接続ドメインBの実施形態(例えば231-2)に適用するためのプログラム命令の実施形態の実行を示している。この場合も、ユーザ(例えば、IT管理者)は、UI(図1の符号110)を使用して命令を実行して、名称、ブートタイプ、及びベイ等をサーバプロファイルの一部としてサーバに指定することが可能である。図4Cにおいて、サーバプロファイルテンプレート440が仮想接続ドメインB内のVCServerProfile_Bのサーバプロファイルに指定される場合には、プログラム命令が実行されて、その情報がサーバから読み出されてVCServerProfile_B 460に適用される。図4Cも、仮想接続ドメインB内のサーバプロファイルテンプレート440の擬似的な一例と称される。これは、仮想接続ドメインBについてのサーバプロファイルが、図示のものよりも一層多数の属性を定義し得るからである。
図4Cに示すように、仮想接続ドメインB内のVCServerProfile_B 460に対するサーバテンプレート440の適用は、サーバプロファイル名461(VCServerProfile_B)及びターゲットベイ指定468(例えば、Bay:VCDomain_B:1)をプログラム命令に読み出させるものとなる。
図4Cにおいて、サーバプロファイルテンプレート440がサーバプロファイルVCServerProfile_Bに対して指定される場合には、プログラム命令が実行されて、ブートタイプ、ベイ情報、並びに適用されるサーバプロファイルテンプレート440において作成され定義された共通構成設定465,467に関連する該物理サーバのEthernet接続のために割り当てられたMAC、FC接続のために割り当てられたWWN、FCoE接続のために割り当てられたWWN及びMAC、及びiSCSI接続のために割り当てられたMAC等が、物理サーバから読み出される。
この場合も、図2の例示的なインフラストラクチャの実施形態を参照すると、仮想ドメインBは、2つのネットワーク接続Net1,Net2及び2つのファブリックFC1,FC2のための構成を有している。このため、該実施形態によれば、プログラム命令が実行されて、適用されるサーバプロファイルテンプレート440により利用可能となり提供される利用可能なネットワーク接続Network[1],Network[2]の両方のためのパラメータ設定がサーバから読み出されて適用される。同様に、プログラム命令が実行されて、適用されるサーバプロファイルテンプレート440により利用可能となり提供される利用可能なファブリックFabric[1],Fabric[2]の両方のためのパラメータ設定がサーバから読み出されて適用される。
図5は、本開示によるサーバプロファイルテンプレートを適用するための方法の一例を示すフローチャートである。図5の例示的な実施形態におけるブロック510に示すように、コンピュータ読み取り可能命令を処理リソースにより実行してユーザインタフェイス(UI)(例えば図1の符号110)を提供することが可能であり、該UIを使用してサーバプロファイルテンプレート(例えば、図3Aの符号340及び/又は図4Aの符号440)を定義することが可能である。上述のように、プログラム命令を実行して、テンプレート識別子、共通構成、及び該共通構成を共有する関連付けされたサーバプロファイルのリストを含むサーバプロファイルテンプレートを作成し定義することが可能である。該プログラム命令を実行して、ネットワーク接続(例えば、Ethernet,iSCSI)、ファブリック接続(例えば、FC,FCoE)、MAC及びWWNアドレスタイプ、シリアル番号タイプ等のリストとして、共通構成(例えば、図3Aの符号342及び/又は図4Aの符号442)を定義することが可能である。
ブロック520で、本方法は、プログラム命令を実行し、UIを使用して複数のサーバプロファイル(例えば図3Aの符号344、図4Bの符号450、及び/又は図4Cの符号460)を作成するステップを含む。一実施形態では、プログラム命令を実行して1つのサーバプロファイルテンプレートから複数のサーバプロファイルを作成し定義することが可能である。別の実施形態では、プログラム命令を実行して新たなサーバプロファイルを一から作成することが可能である。
ブロック530で、本方法は、プログラム命令を実行して、共通構成に対する変更が全ての関連付けされたサーバプロファイル(異なる物理接続を有する複数のサーバを含む)にわたって複製されるようにサーバプロファイルテンプレートを複数のサーバプロファイルに(例えば、図3B及び/又は図4B,4Cに示すように)適用するステップを含む。本実施形態によれば、プログラム命令を実行して、各サーバプロファイルに適用することができる共通構成を識別し、及び各サーバプロファイルに適用することができない共通構成を無視する(例えば図4B,4C)。
このため、本実施形態は、共通構成及びサーバプロファイルテンプレートに関連付けされる複数のサーバプロファイルを単一のUIから管理するための実行可能な命令を提供する。Ethernet、iSCSI、FC、及びFCoE接続の追加、削除、若しくは更新、及び/又はMAC、WWN、及びSNアドレスタイプの更新を含む、共通構成に対する変更は、全ての複数の関連付けされたサーバプロファイルに対して実施し及び自動的に複製することが可能である。
プログラム命令は、サーバプロファイルテンプレートをコピーし及び/又は削除するために実行することが可能である。特定のサーバプロファイルテンプレート(例えば、図4Aの符号443)に対するサーバプロファイルの関連付けは、共通構成が個々のサーバプロファイルレベルで直接変更された(例えば、Ethernet接続を削除し又は変更した)場合に自動的に削除される。所与のサーバプロファイルに対する更なる接続の追加は許容され、これは共通構成を変更するものではない。このため、同一のサーバプロファイルテンプレートを、異なる仮想接続ドメインからの複数のサーバプロファイルにより、及び異なる物理接続を有する複数のサーバ間で、共有することが可能である。
図6は、本開示の一例によるシステムを示している。図6は、処理リソース614、メモリリソース616、及び本開示の特定の動作及び機能を実行時に行うことができるコンピュータ実行可能命令を有するモジュールが格納された持続性マシン読み取り可能媒体618を示すブロック図である。処理リソース614及びメモリリソース616は、ネットワークセキュリティプラットフォーム、ネットワークコントローラ、管理サーバ(例えば、図1の符号116)、又は(例えば既述のような)その他のネットワーク装置といった、ネットワーク装置に対してローカルなものとすることが可能である。マシン読み取り可能媒体618及び/又はメモリリソース616は、処理リソース614により実行することが可能なプログラムの実施形態(例えば、ソフトウェアやファームウェアなど)を格納する。マシン読み取り可能媒体618は、ネットワーク装置に対してローカルなもの又はリモートなものとすることが可能である。マシン読み取り可能媒体618がネットワーク装置に対してリモートなものである実施形態では、該ネットワーク装置のメモリリソース616内へ命令をロードすることが可能である。
本書で用いる場合、処理リソース614は、1つのプロセッサ又は並列処理システムの場合のように複数のプロセッサを含むことが可能である。メモリリソース616は、マシン読み取り可能命令618(例えば、プログラム命令)を実行するために処理リソース614によりアドレス指定可能なメモリを含むことが可能である。メモリリソース616は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、ハードディスク、フロッピーディスク、及び/又はテープ記憶手段等の磁気記憶手段、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュメモリ、及び相変化メモリといった、不揮発性メモリを含むことが可能である。
図6に示すように、マシン読み取り可能媒体618は、サーバプロファイルテンプレート(例えば、図3A及び図4A)を作成し定義するための及び/又はサーバプロファイルテンプレートのデータベースプール(例えば、図1のサーバプロファイルテンプレートモジュール112)における既存のサーバプロファイルテンプレートにアクセスするためのユーザインタフェイス(UI)(例えば、図1の符号110)を提供するために処理リソース614により実行される特定の命令セットを含むサーバプロファイルテンプレートモジュール620を含むことが可能である。
サーバプロファイルテンプレートモジュール620は、図3A及び/又は図4Aに関して説明したようなテンプレート識別子、共通構成、及び該共通構成を共有する複数の関連付けされたサーバプロファイルのリストを有するサーバプロファイルテンプレートを作成し定義するための命令を実行する。該サーバプロファイルテンプレートモジュールは更に、テンプレート識別子、共通構成、及びサーバプロファイルのリストを含む既存のサーバプロファイルテンプレートに対してアクセス、読み出し、及び/又は変更を行うための命令を実行することが可能である。
図6の例示的な実施形態では、サーバプロファイルテンプレートモジュール620は、共通構成に対する変更がサーバプロファイルテンプレートに関連付けされた全てのサーバプロファイルにわたって複製されるように特定のサーバプロファイルテンプレートをそれに関連する(例えば、図3B、図4B、及び図4Cに示すような)複数のサーバプロファイルへ適用するための命令を実行する。上述のように、命令は、テンプレートをコピー及び/又は削除するために実行することが可能である。
図6に示すように、マシン読み取り可能媒体618は、複数のサーバプロファイルを作成し定義するためのユーザインタフェイス(UI)(例えば、図1の符号110)を提供するために処理リソース614により実行される特定の命令セットを含むサーバプロファイルモジュール622を含むことが可能である。例えば、VC Manager及び/又はVCEMを使用して複数のサーバプロファイルを作成し定義することが可能である(が、これには限定されない)。このため、サーバプロファイルモジュール622は、ネットワーク接続、ファブリック、識別子、及び/又はその他のパラメータ設定を個々のVCサーバプロファイルレベルで直接変更するための命令を実行することが可能である。
本実施形態によれば、VCサーバプロファイルテンプレートに対するVCサーバプロファイルの関連付けは、共通構成が個々のVCサーバプロファイルレベルで直接変更された場合に自動的に削除されることになる。しかし、VCサーバプロファイルに対する更なる接続の追加は許容され、これはかかる追加が共通構成を変更しないからである。このため、同一のサーバプロファイルテンプレートを、異なるVCドメインからの複数のVCサーバプロファイルにより、及び異なる物理接続を有する複数のサーバ間で、共有することが可能である。
本書で開示するサーバプロファイルテンプレートの実施形態は、任意のタイプの接続を含むことが可能であり、及び任意のVCドメインにおいてVCサーバプロファイルを作成するための基礎として使用することが可能である。更に、本書で開示するサーバプロファイルテンプレートの実施形態は、複数のVCドメイン(例えば、VC相互接続モジュール)間の物理的な相違、又は各VCファームウェアバージョンで利用可能な機能を考慮する必要のないものである。
このため、サーバプロファイルテンプレートモジュール620を使用してサーバプロファイルテンプレートを作成し定義することが可能であり、顧客は、サーバプロファイルモジュール622を使用して、及び/又はサーバプロファイルテンプレートモジュール620を使用した特定のサーバプロファイルテンプレートに基づいて、複数のサーバプロファイル(異なるVCドメイン(エンクロージャ/ベイなど)に対してそれぞれ指定可能なもの)を作成することが可能である。図4B及び図4Cに示すように、VCサーバプロファイルに関連付けされたサーバプロファイルテンプレートで規定されているあらゆる未サポートの接続タイプは、かかる接続タイプをサポートしない特定のVCドメイン内のサーバに該特定のVCサーバプロファイルを適用する際に単純に無視することが可能である。VCサーバプロファイルの指定時に、共通構成で定義されている接続により使用されているネットワーク又はファブリックがVCドメイン内に存在しないことが検出された場合には、該ネットワーク又はファブリック接続タイプの関連付けは、サーバプロファイルテンプレートに対する関連付けを維持したまま、該特定のVCサーバプロファイルの接続から削除される。
本実施形態によれば、共通構成の定義は、サーバプロファイルテンプレートで効率的に構築して多数のサーバプロファイルに容易に複製することが可能である。新たなサーバプロファイルを一から作成すること又は既存のサーバプロファイルテンプレートの再使用を介して作成することが可能である。共通構成に対する変更(例えば、数百ものサーバプロファイルにより使用されているEthernet接続におけるネットワーク名の変更)は、サーバプロファイルテンプレートレベルから行い及び該サーバプロファイルテンプレートに関連付けられている全てのサーバプロファイルに対して自動的に複製することが可能である。複数のサーバプロファイルにより使用されている共通構成は、単一のユーザインタフェイスにより視覚化すること及び管理することが可能である。
本書では特定の実施形態について図示し及び説明してきたが、当業者には理解されるように、同じ結果を達成するよう計算された構成を本開示の特定の実施形態に替えることが可能である。本開示は、本開示の1つ以上の実施形態の適用例又は変形例を網羅することを意図したものである。上記説明は例示的な態様で行ったものであって限定を目的としたものではないことが理解されよう。上記実施形態の組み合わせ及び本書で特に説明しない他の実施形態は、上記説明を参照することにより当業者には自明となろう。本開示の1つ以上の実施形態の範囲は、上記構成及び方法が使用される他の応用例を含むものである。それ故、本開示の1つ以上の実施形態の範囲は、特許請求の範囲、並びにその等価物の全範囲に関して決定されるべきである。
用語「複数の」とは、「少なくとも1つ含むが、1つには限定されない」と解釈されるべきことを意味するものである。