JP2015516980A - Cd37抗体とベンダムスチンとの併用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、CD37陽性細胞(例えばB細胞)の枯渇を基礎とする免疫療法に関する。本発明は、CD37抗体及びベンダムスチンを併用して、個体/患者でCD37陽性細胞(例えばB細胞)を減少させる方法を提供する。CD37及びベンダムスチンの併用は相乗作用を有することが示される。本出願はさらに、異常なB細胞活性を伴う疾患を治療する材料及び方法を提供する。

Description

本発明は、CD37陽性細胞(例えばB細胞)の枯渇を基礎とする免疫療法に関する。特に、本発明は、CD37抗体(特にA2及びB2)と化学療法との併用、例えばB細胞悪性疾患、他のCD37陽性悪性疾患及び自己免疫症状の治療における療法で使用される特にベンダムスチンとの併用に関する。
モノクローナル抗体(mAb)を用いる免疫療法は、癌及び他の疾患の安全で選択的な治療方法として出現した。特に、B細胞枯渇を基礎とする治療方法におけるモノクローナル抗体の役割、例えばB細胞悪性疾患の治療におけるモノクローナル抗体の役割は、リツキシマブ(Rituvan(商標))(B細胞表面のCD20抗原に対抗する抗体)の導入以来高まった。多くの研究によって、低悪性度NHLにおける単剤療法としての及び併用療法におけるリツキシマブの有効性が確認された。シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニソロン(CHOP)の併用に追加的にリツキシマブを用いる最前線療法は、CHOP単独療法と比較して進行期の濾胞性リンパ腫患者に対する成果を顕著に改善する(Hiddemann W, et al. Blood 2005; 106: 3725-3732 (2005))。フルダラビン、シクロホスファミド、ミトキサントロン(FCM)の併用へのリツキシマブの添加は、FCM単独と比較して、再発した難治性濾胞性リンパ腫及び外套細胞リンパ腫患者で応答率を顕著に高め、延命をもたらす(Forstpointner R, et al., Blood, 2004; 104: 3064-3071)。しかしながら、当該療法には部分的患者群しか応答せず、リツキシマブ治療後に患者の大半が最終的に再発を示す。したがって、CD20抗原に対抗する抗体(リツキシマブ)よりも高い有効性を有する免疫療法を見つけることが希求されている。
本発明は、ベンダムスチンとの併用で使用されるCD37抗体(好ましくはA2及びB2)を記載する。この併用は驚くべきことに相乗的な抗腫瘍作用をもたらす。2つの治療薬剤(CD37及びベンダムスチン)は同時に(場合によって同じ医薬調製物の成分として)投与してもよく、又はベンダムスチンはCD37抗体の投与前若しくは投与後に投与してもよい。
本発明にしたがえば、本発明に記載する抗CD37抗体とベンダムスチンとの新規な併用が提供される。したがって、B細胞悪性疾患に罹患する患者を治療するために本発明の抗CD37及びベンダムスチンの併用が利用される。
B細胞悪性疾患(例えばCLL及びB-NHL)を示す患者における高度な腫瘍殺滅はそのような患者の治療に有益と思われ、そのような薬剤で治療される患者に対して臨床的成果の増進をもたらすと考えられる。ベンダムスチンと併用されたCD37抗体(例えばA2)は、Ramos及びRajiリンパ腫細胞を用いたin vitroアッセイで高度の腫瘍細胞アポトーシスを示す。CD37 mAb及びベンダムスチンの併用における前アポトーシス作用は、それぞれの薬剤単独の該作用より優れている(本出願に開示するデータを参照されたい)。アポトーシス誘発は細胞死の代替パラメーターと考えられ、したがって最終的には腫瘍細胞殺滅及び枯渇をもたらすであろう。ベンダムスチンとの併用におけるA2のこのすぐれた有効性は特に図1及び2で明白であり、それぞれの薬剤単独の有効性よりも明瞭に優れている。
CD37抗体(特にmAb A2又はB2)と化学療法薬(例えばベンダムスチン)との併用の利点は、ベンダムスチン単独療法の有効性をベンダムスチンとCD37抗体(特にmAb A2又はB2)との併用の有効性と比較する臨床試験でさらに示される。前記試験は任意抽出態様で実施される。例えば患者は、ブラインド及び任意抽出形式で2つの異なる処置アームに均等に割り当てられる。治療に対する応答は、対応する指標に対して標準化された応答基準によって規定される。治療の有効性は代替パラメーター、例えば非進行生存(PFS)によって評価される。臨床的に対応する治療効果は、慢性リンパ球性白血病が再発した患者についてベンダムスチン単独と比較してベンダムスチン及びA2又はB2で50%のPFSの延長である(例えば18カ月に対して27カ月のPFS)。
治療方法で用いるために、CD37抗体を適切な医薬組成物に包含し、動物又は人間への投与を容易にする。CD37抗体分子の典型的な処方物は、CD37抗体分子を生理学的に許容できる担体、賦形剤又は安定化剤と、凍結乾燥或いは乾燥処方物、又は水溶液又は水性若しくは非水性懸濁液の形態で混合することによって調製できる。
本発明のCD37抗体とともに使用される医薬的に許容できる担体及びアジュバントには、例えばイオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清蛋白質、緩衝物質、水、塩類又は電解質及びセルロース系物質が含まれる。
担体、賦形剤、改変剤又は安定化剤は用いられる投薬量及び濃度で非毒性である。それらには以下が含まれる:緩衝系(例えばリン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩及び他の無機若しくは有機酸及びそれらの塩)、抗酸化剤(アスコルビン酸及びメチオニンを含む)、保存料(例えばオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサメトニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウム、フェノール、ブチル若しくはベンジルアルコール、アルキルパラベン(例えばメチル若しくはプロピルパラベン)、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール及びm-クレゾール)、タンパク質(例えば血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリン)、親水性ポリマー(例えばポリビニルピロリドン又はポリエチレングリコール(PEG))、アミノ酸(例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリジン)、単糖類、二糖類、オリゴ糖、又は多糖類、及び他の炭水化物(グルコース、マンノース、シュクロース、トレハロース、デキストリン又はデキストランを含む)、キレート剤(例えばEDTA)、糖アルコール(例えばマンニトール又はソルビトール)、塩形成対イオン(例えばナトリウム)、金属複合体(例えばZn-タンパク質複合体)、及び/又はイオン性若しくは非イオン性界面活性剤、例えばTWEENTM(ポリソルベート)、PLURONICSTM又は脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル若しくは糖エステル。有機溶媒(例えばエタノール又はイソプロパノール)もまた抗体処方物に含まれ得る。賦形剤はまた放出改変又は吸収改変機能を有し得る。前記は、医薬的に考えられる許容可能な担体及びアジュバントの完全なリストではなく、当業者は当業界で周知の他の可能なものを認識していよう。
下記実施例3でさらに説明するように、ある実施態様では、CD37抗体A2は、25mMクエン酸ナトリウム、115mM NaCl及び0.04%Tween80(pH6.0)を含むベヒクル中で処方され、PBSで稀釈される。
CD37抗体はまた乾燥させるか(凍結乾燥、噴霧乾燥、噴霧凍結乾燥、臨界超過若しくは近臨界気体による乾燥、真空乾燥、風乾)、沈殿若しくは結晶化させるか、又はマイクロカプセル中、マクロエマルジョン中に封入するか、又は担体若しくは表面上に(例えばpcmc技術(タンパク質被覆微晶質)によって)沈殿若しくは固定することができる。上記マイクロカプセルは、コロイド薬剤デリバリー系(例えばリポソーム、アルブミン微小球、ミクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)において、例えばコアセルベーション技術又は界面重合により、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン及びポリ(メチルメタクリレート)を用いて調製される。前述のような技術は当業界で公知である。
当然、in vivo投与に用いられる該医薬組成物/処方物は無菌的でなければならない。滅菌は、通常の技術、例えば無菌的なろ過膜からろ過することによって達成できる。
CD37抗体の濃度を高めていわゆる高濃度液体処方物(HCLF)を生じることは有用であり得る。そのようなHCLFを作製する多様な方法が報告されている。
CD37抗体分子はまた徐放調製物中に含有させることができる。そのような調製物は、疎水性又は親水性ポリマーの固体、半固体又は液体マトリックスを含み、さらに成型品の形状(例えばフィルム、スティック又はマイクロカプセル)を有することができ、使用装置により適用できる。徐放マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えばポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)又はシュクロースアセテートブチレート)、又はポリ(ビニルアルコール)、ポリラクチド(US3,773,919)、L-グルタミン酸とγエチル-L-グルタメートのコポリマー、非分解性エチレン-ビニルアセテート、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー(例えばLUPRON DEPOTTM(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドを含む注射可能な微小球))、及びポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。ポリマー(例えばエチレン-酢酸ビニル及び乳酸-グリコール酸)は100日間にわたって分子を放出できるが、ある種のヒドロゲルはより短い期間タンパク質を放出する。被包化抗体が長期間体内に留まるとき、それらは37℃で水分に曝露される結果として変性又は凝集することがあり、生物学的活性の低下及び免疫原性の変化の可能性をもたらす。関与するメカニズムに応じて安定化のために合理的対策を考案することができる。例えば、凝集メカニズムが、チオ-ジスルフィド相互変化による分子間S-S結合形成であることが判明したら、安定化は、スルフヒドリル残基の改変、酸性溶液からの凍結乾燥、適切な添加剤による水分含有量の制御、及び特殊なポリマーマトリックス組成の開発によって達成できる。
CD37抗体分子(特にA2及びB2)はまた、他の適用形(例えば分散物、懸濁物又はリポソーム、錠剤、カプセル、散剤、スプレー、経皮若しくは皮内パッチ又はクリーム(浸透強化物有り又は強化物無し)、ウェファース、鼻用、頬部用若しくは肺用処方物、)に取り込むか、又は移植細胞によって若しくは遺伝子治療後に個体自身の細胞によって産生させることができる。
CD37抗体分子(特にA2及びB2)はまた、化学基(例えばポリエチレングリコール(PEG)、メチル若しくはエチル基、又は炭水化物基)を用いて誘導することができる。これらの基は該抗体の生物学的な特徴の改善、例えば血中半減期の延長又は組織結合の強化に有用であり得る。
適用の好ましい態様は、輸液又は注射(静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、皮内)による非経口適用であるが、他の適用態様(例えば吸入、経皮、頬部、経口)もまた利用できる。
治療的使用のためには、該化合物は、任意の通常的な調剤形中の治療的に有効な量として任意の通常的な態様で投与できる。投与ルートには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):静脈内、筋肉内、皮下、滑膜内、輸液により包膜内、舌下、経皮、経口、局所又は吸入、錠剤、カプセル、カプレット、流動体、溶液、懸濁物、エマルジョン、ロゼンジ、シロップ、再構成可能散剤、顆粒、座薬及び経皮パッチ。そのような調剤形を調製する方法は公知である(例えば以下を参照されたい:H.C. Ansel and N.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 5th ed., Lea and Febiger, 1990)。治療的に有効な量は、体重、代謝及び疾患の重篤度などの因子を基準に当業者が決定できる。
好ましくは、活性化合物は、体重1kg当たり約0.01μgから約500mgで、治療サイクルにつき少なくとも1回、例えば1週間毎に投与される(0.01μgから500mg/kg体重)。より好ましくは、活性化合物は、体重1kg当たり約0.01mgから約40mgで治療サイクルにつき少なくとも1回投与される。
疾患の予防又は治療のためには、抗体の適切な投薬量は、治療されるべき疾患のタイプ、疾患の重篤度及び進行過程、該抗体投与が予防目的又は治療目的か、以前の治療、患者の臨床歴及び当該抗体の応答、並びに主治医の判断に左右されよう。該抗体は、適切には1回又は一連の治療にわたって患者に投与される。
疾患のタイプ及び重篤度に応じて、CD37抗体(特にA2及びB2)の約0.01μg/kgから40mg/kgが、例えば1回以上別々の投与であれ、又は輸液(例えば連続輸液)であれ、患者への投与の最初の投薬量候補量である。数日又はそれ以上に及ぶ反復投与のために、症状に応じて、疾患の症状群の所望の抑制が生じるまで、治療が維持される。しかしながら他の投薬スケジュールも有用であり得る。この治療方法の進み具合は、通常的技術及びアッセイによって、例えばB細胞枯渇の程度を決定することによって(例えばフローサイトメトリーを用いる)容易にモニターできる。A2に関しては、70kgの人の1週間の概算用量は1mgから2800mgの範囲、好ましくは1週間に1mgから400mg、又は2週間毎に2mgから800mgである。70kgの人のB2のための1週間の概算用量は、1mgから2800mgの範囲、好ましくは1mgから1000mg、例えば1週間に100mgから385mg、又は70kgの人について2週間毎に200mgから770mgである。
治療サイクル:治療サイクルは、1から6週間、好ましくは3から4週間、もっとも好ましくは4週間の期間で、ここで患者は少なくとも1用量のCD37抗体及び少なくとも1用量のベンダムスチンを投与される。
CLLのためには、好ましい治療サイクル案は4週間継続し、それによりベンダムスチンが好ましくは100mg/m2体表面の用量で好ましくは1日目及び2日目に投与され、CD37抗体(好ましくはA2又はB2)が上記の用量で少なくとも1回、ベンダムスチン投与の前に、後に又は同時に投与される。同時とは同じ日を意味する。同時にはさらにまた互いに6時間以内若しくは互いに1時間以内、又は同じ注射を意味することができる。さらにまた、CLLのための別の好ましい治療サイクル案は、該治療サイクルの中間で、例えば該治療サイクルのまん中約2週間でのCD37抗体の追加投与を含む。
NHLのためには、好ましい治療サイクル案は3週間継続し、それによりベンダムスチンが好ましくは120mg/m2体表面の用量で好ましくは1日目及び2日目に投与され、CD37抗体(好ましくはA2又はB2)が上記の用量で少なくとも1回、ベンダムスチン投与の前に、投与後に又は同時に投与される。同時とは同じ日を意味する。同時にはさらにまた互いに6時間以内若しくは互いに1時間以内、又は同じ注射を意味することができる。さらにまた、NHLのための別の好ましい治療サイクル案は、中間での、例えば1週間に1回のCD37抗体の追加の投与、したがって各治療サイクルにつき数回、好ましくは3から4回のCD37抗体の投与を含む。
ベンダムスチンは、好ましくは1治療サイクル(長さが好ましくは3−4週間(=21−28日))において連続して2日間投与される。ベンダムスチンの用量は、3から4週間の長さの1治療サイクルの2治療日に50−150mg/m2体表面の範囲である。好ましくは、該用量は1治療サイクルのd1+d2に70−120mg/m2体表面又は100−150mg/m2体表面の範囲である。CLL患者の治療のために、ベンダムスチンは、好ましくは該治療サイクル(例えば3−4週間、好ましくは4週間)の1日目及び2日目に100mg/m2体表面の投薬量で投与される。NHL患者の治療のために、ベンダムスチンは、好ましくは該治療サイクル(例えば3−4週間、好ましくは3週間)の1日目及び2日目に120mg/m2体表面の投薬量で投与される。さらにまた好ましいものは、治療サイクルのd1+d2における60−70mg/m2体表面の範囲の用量である。しかしまた、各治療サイクルでベンダムスチンの1回投与を幾分高用量で実施することもできる(例えば140-400mg/m2)。
該ベンダムスチン用量は、3−4週間の治療サイクルの好ましくは1日目及び2日目に投与される。さらにまた好ましいものは、3−4週間の治療サイクルでCD37抗体投与の後の2日間のベンダムスチンの投与である(例えば1日目に上記の投薬量のいずれかでCD37投与、2日目及び3日目に上記の投薬量のいずれかでベンダムスチン投与)。該ベンダムスチン用量は任意の方法(例えば輸液、非経口又は経口投与)によって投与できる。
投与されるべき抗体の“治療的に有効な量”は、疾患又は異常の予防、緩和又は治療に必要な最小限の量である。
CD37陽性悪性疾患にはCD37を発現する全ての悪性疾患(ただしこれらに限定されない)が含まれる。B細胞悪性疾患はCD37陽性悪性疾患グループに属する。B細胞悪性疾患には以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):B細胞リンパ腫(例えば種々の形態のホジキン病、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)及び関連リンパ腫(例えばヴァルデンストレームマクログロブリン血症(リンパプラズマ細胞性リンパ腫又は免疫細胞腫とも称される)又は中枢神経系リンパ腫))、白血病(例えば急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL、B細胞慢性リンパ球性白血病とも称される)、ヘアリー・セル白血病及び慢性骨髄性白血病)。追加されるB細胞悪性疾患には以下が含まれる:小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパプラズマ細胞性リンパ腫、脾辺縁層リンパ腫、プラズマ細胞骨髄腫、骨の孤立性プラズマ細胞腫、骨外プラズマ細胞腫、粘膜結合リンパ系組織(MALT)の節外辺縁層B細胞腫、リンパ節辺縁層B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、外套細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫、縦隔(胸線)大B細胞リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性浸出リンパ腫(primary effusion lymphoma)、バーキットリンパ腫/白血病、グレイゾーンリンパ腫、悪性性不確定B細胞増殖、リンパ腫様肉芽腫症、及び移植後リンパ球増殖性疾患。さらにまた、CD37陽性悪性疾患にはT細胞リンパ腫、多発性骨髄腫及び急性リンパ球性白血病が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
CD37抗体は、単独でも又はアジュバントと併用して投与してもよい。前記アジュバントは、安定性を強化し、ある種の実施態様では前記を含む医薬組成物の投与を容易にし、溶解又は分散の増進を提供し、活性を高め、補助療法を提供などする。有利には、そのような併用は該活性成分のより低い投薬量の利用を可能にし、したがってあり得る毒性及び有害な副作用を軽減することができる。
Raji細胞におけるアポトーシス誘発。細胞をベンダムスチン(200μM又は400μM)、A2(10μg/mL)、並びにA2及びベンダムスチンの併用により48時間処置した。アポトーシス細胞のパーセンテージは、培養液コントロール及びDMSO存在下におけるバックグラウンドアポトーシスについて修正したアネキシンV陽性細胞として示される。併用処置については、2つの個々の処置の累積作用を計算し(A2+ベンダムスチン計算値)、FACS分析による測定値(A2+ベンダムスチン測定値)と比較した。棒線は独立した3つの実験の平均値を表し、標準偏差が示されている。 Ramos細胞におけるアポトーシス誘発。細胞をベンダムスチン(100μM又は400μM)、A2(10μg/mL)、並びにA2及びベンダムスチンの併用により48時間処置した。アポトーシス細胞のパーセンテージは、培養液コントロール及びDMSO存在下におけるバックグラウンドアポトーシスについて修正したアネキシンV陽性細胞として示される。併用処置については、2つの個々の処置の累積作用を計算し(A2+ベンダムスチン計算値)、FACS分析による測定値(A2+ベンダムスチン測定値)と比較した。棒線は独立した3つの実験の平均値を表し、標準偏差が示されている。 相互作用対比の統計分析。アポトーシス作用を、平均差及び両側95%信頼区間によって定量した。相互作用対比は0.05を超えるp値について相乗的とみなされる。 DOHH2腫瘍増殖カイネティクス。DOHH2担癌マウスを、抗体A2、ベンダムスチン又は抗体A2及びベンダムスチン併用で処置した。腫瘍体積中央値が時間に対してプロットされる。1日目は実験の初日で、16日目は最終日である。最上部の記号は処置が与えられた日を示す。 16日目のウォーターフォールプロット。DOHH2担癌マウスを、抗体A2、ベンダムスチン又は抗体A2及びベンダムスチン併用で処置した。16日目の基準線に対する個々の変化がプロットされている。 時間経過に対する体重の変化。DOHH2担癌マウスを、抗体A2、ベンダムスチン又は抗体A2及びベンダムスチン併用で処置した。時間経過に対する体重の平均変化がプロットされている。1日目は実験の初日で、16日目は最終日である。最上部の記号は処置が与えられた日を示す。
配列リストの説明
配列番号:1(可変(Vh)重鎖核酸配列
配列番号:2(可変重鎖アミノ酸配列)
配列番号:3(可変(Vl)軽鎖核酸配列)
配列番号:4(可変軽鎖アミノ酸配列)
配列番号:5(A2重鎖アミノ酸配列)
配列番号:6(A2軽鎖アミノ酸配列)
配列番号:7(定常重鎖アミノ酸配列)
配列番号:8(定常軽鎖アミノ酸配列)
配列番号:9(A4重鎖アミノ酸配列)
配列番号:10(A4軽鎖アミノ酸配列)
配列番号:11(B2重鎖アミノ酸配列)
配列番号:12(B2軽鎖アミノ酸配列)
配列番号:13(B4重鎖アミノ酸配列)
配列番号:14(B4軽鎖アミノ酸配列)
配列番号:15(CDR1重鎖(H1))
配列番号:16(CDR2重鎖(H2))
配列番号:17(CDR3重鎖(H3))
配列番号:18(CDR1軽鎖(L1))
配列番号:19(CDR2軽鎖(L2))
配列番号:20(CDR3軽鎖(L3))
配列番号:21(代替CDR2重鎖(H2b))
発明の詳細な説明
抗体A2(=mAb A2)は、IgG架橋抗体の非存在下及び存在下の両方で強力なアポトーシス誘発因子である(特許出願WO2009/019312参照)。我々は、アルキル化剤ベンダムスチンの存在下でmAb A2がCD37陽性リンパ腫細胞株Ramos及びRajiでアポトーシスをin vitroで誘発する能力を精査した。Ramos及びRajiリンパ腫細胞を、10μg/mLの濃度のmAb A2、100μM、200μM及び400μMの濃度のベンダムスチン、又は前記の併用とともに48時間インキュベートした。各細胞株について、独立した3つの実験を実施した。平均アポトーシス誘発は図1及び図2に示されている。mAb A2単独は、Raji細胞及びRamos細胞のそれぞれ12%及び9%でアポトーシスを誘発した。単剤ベンダムスチンは、Raji細胞で10%(200μM)及び13%(400μM)のアポトーシス、並びにRamos細胞で19%(100μM)及び35%(400μM)のアポトーシスを引き起こした。mAb A2とベンダムスチンとの併用は、単剤による処置よりも顕著に強いアポトーシスを誘発した。Raji細胞では、mAb A2と200μMベンダムスチンとの併用は35%のアポトーシス細胞をもたらし、mAb A2と400μMベンダムスチンとの併用は37%のアポトーシス細胞をもたらした。Ramos細胞では、mAb A2と100μMベンダムスチンとの併用は50%のアポトーシス細胞をもたらし、mAb A2と400μMベンダムスチンとの併用は73%のアポトーシス細胞をもたらした。該併用の前アポトーシス作用は、個々の量処置の計算累積作用(図1及び図2)よりも驚くほど高かった。相互作用対比の統計的分析は、単剤と併用グループ間の有意な相違を提示し、ベンダムスチンと併用されたmAb A2の相乗活性を示した(図3)。
我々はまた、C.B-17 scidマウスのヒト濾胞性リンパ腫(DOHH2)モデルにおけるベンダムスチン化学療法と併用される抗体A2の有効性を精査した。このデータは実施例3で提供及び考察される。
抗体A2及びベンダムスチンを週に2回腹腔内に投与した。皮下注射により培養DOHH2細胞から腫瘍を樹立させた。ノギスを用いて腫瘍体積を週に3回測定した。化合物に対する寛容の指標として同じ日にマウスの体重を測定した。1日は当該実験の初日で、16日目は最終日である。抗体A2及びベンダムスチンの併用は、抗体A2による又はベンダムスチンによる単剤処置よりも顕著に有効であった。抗体A2又はベンダムスチンのどちらかにより処置された7つの全ての腫瘍の各々が増殖を抑制されたが、併用により処置された7つの腫瘍のうち6つが完全に退縮し、7つのうち1つはわずかに9mm3の体積に部分的に退縮した。重要なことに、統計分析は併用処置の相乗作用を示した。したがって、ベンダムスチンとin vivoで併用されたmAb A2には相乗活性が存在する。
本特許出願で報告する実験から得られた重要な発見は、mAb A2は、単剤としても及びベンダムスチンとの併用においてもともに、IgG架橋抗体を必要としないでその前アポトーシス活性を示すという事実である。in vitroにおけるIgG架橋は、in vivoにおける免疫エフェクター細胞(例えばNK細胞)による架橋を模倣すると考えられる。文献に記載されているいくつかの抗体は、アポトーシス誘発のためにIgG架橋に依存し、特にCD37を標的とする抗体様分子CAS024はIgG架橋を必要とする(欧州特許EP2132228B1参照)。in vivo癌患者では、免疫エフェクター細胞の存在は、特に化学療法剤で治療された患者では限界があるか又は低下し得る。したがって、IgG架橋剤の非存在下でアポトーシスを誘発できる抗体は、特に化学療法剤(潜在的に免疫エフェクター細胞活性を傷害する)と併用される場合に、IgG架橋に依存する抗体と比較して有利であると考えられる。A2は、ベンダムスチンとの併用でIgG架橋を必要とすることなく(癌患者の治療に有益と考えられる)、いずれの薬剤単独よりも累積的アポトーシスをはるかに超えるアポトーシスを誘発できる抗体である。
in vivoCB-17 SCIDマウスモデルで、CD37抗体(例えばmAb A2又はB2、好ましくはmAb A2)及びベンダムスチンの併用は、単剤処置の抗腫瘍作用を超える改善された抗腫瘍作用を示している。これらの結果は、CD37抗体(例えばmAb A2又はB2、好ましくはmAb A2)及びベンダムスチンの併用は、単剤処置と比較して優れた抗腫瘍有効性をもたらすことを示している。
定義
本明細書で特段に規定されない用語には、当該開示及び当該文脈に照らして当業者がそれらに与える意味が与えられるべきである。一般的な表現“comprising”又は“comprised”は、より具体的な表現“consisting of”を包含する。さらにまた、単数形及び複数形は限定的態様では用いられない。しかしながら、本明細書で用いられるように、特段の規定がなければ以下の用語は当該指定の意味を有し、さらに以下の申し合わせにしたがう。
“ベンダムスチン”又は(より具体的には)“ベンダムスチン塩酸塩”は化学療法剤を言う。ベンダムスチン(INN、商品名リボムスチン及びトレアンダ;SDX-105としても知られている)は、血液学的悪性疾患(例えば慢性リンパ球性白血病及びリンパ腫)の治療で使用されるナイトロジェンマスタードである。前記はアルキル化剤と称される薬剤ファミリーに属する(前記薬剤は悪性新形成(癌)の治療に広く用いられる)。その化学質量式はC16H21Cl2N3O2で、358.262g/molの分子質量を有する。系統的(IUPAC)名称は4-[5-[ビス(2-クロロエチル)アミノ]-1-メチルベンゾイミダゾール-2-イル]ブタン酸である。ベンダムスチンの化学構造は以下のとおりである:
Figure 2015516980
“CD37”(テトラスパニンスーパーファミリーのメンバーである)は、濃密にグリコシル化された細胞表面分子であり、4つのトランスメンブレンドメイン及び2つの細胞外ループを有する。CD37はB細胞及びB細胞悪性疾患で顕著に発現され、低レベルのCD37発現がT細胞、顆粒球及び単級で報告されている。高レベルのCD37発現が、慢性リンパ球性白血病(CLL)及び異なるサブタイプの非ホジキンリンパ腫(NHL)(外套細胞リンパ腫(MCL)を含む)の患者サンプルで観察されている(Schwartz-Albiez et al, Journal Immunol 140: 905-914, 1988;Barrena et al., Leukemia 19: 1376-1383, 2005)。この発現パターンがCD37を抗体媒介癌療法の重要な標的にしている。CD37特異的mAbと癌細胞との結合は多様な作用メカニズムを始動させ得る。第一に、抗体がCD37抗原の細胞外ドメインと結合した後、該抗体は補体カスケードを活性化し標的細胞を溶解させることができる。第二に、抗CD37抗体は、標識細胞に対する抗体依存細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を媒介することができる。前記細胞傷害は、結合抗体のFc部分が免疫系の細胞傷害性細胞上の適切なレセプターによって認識された後で生じる。第三に、該抗体はB細胞が抗原又は他の刺激に応答する能力を変化させることができる。最後に、抗CD37抗体はプログラムされた細胞死(アポトーシス)を開始させることができる。
“CD37陽性”、“CD37陽性細胞”又は“CD37陽性悪性疾患”は、CD37の検出が、免疫組織化学、フローサイトメトリー(例えばFACS(蛍光活性化細胞分類装置)分析(例えば血液、骨髄又は細胞懸濁物のFACS分析))又は代替技術によって可能であるか、実現できることを意味する。CD陽性細胞/悪性疾患を検出する適切なアッセイは当業者には周知である。
本発明で用いられる“CD37抗体”、“CD37抗体分子”、“抗CD37抗体”及び“抗CD37抗体分子”という用語は、特にCD37抗原に対して結合特異性を有する抗体に関する。そのような抗体の例は当業界で公知であり、下記でさらに詳細に述べる。
“抗CD37抗体分子”、“抗CD37抗体”、“CD37抗体”及び“CD37抗体分子”という用語は互換的に用いられる。
“CD37抗体”又は“抗CD37抗体分子”という用語は、複数の抗CD37抗体及び抗CD37抗体フラグメント並びに抗体分子との複合物を包含する。本発明の趣旨では、抗体にはキメラモノクローナル抗体及びヒト化モノクローナル抗体が含まれる。「抗体」という用語(前記は「抗体分子」と互換的に用いることができる)は以下を包含するであろう:完全な免疫グロブリン(それらはリンパ球によって産生され、例えば血液の血清中に存在するようなもの)、ハイブリドーマ細胞株によって分泌されるモノクローナル抗体、宿主細胞で組換え体発現によって生成されるポリペプチド(免疫グロブリン又はモノクローナル抗体の結合特異性を有する)、及び改変又は更なるプロセッシングによってそのような抗体から誘導されてあるが、なおそれらの結合特異性を保持している分子。
ある種の実施態様では、本発明の抗体分子はキメラCD37特異的抗体であり、前記は、ヒト重鎖定常領域IgG1と融合したa)又はb)で規定される非ヒト抗体の重鎖可変領域、及びヒト軽鎖定常領域カッパと融合したa)又はb)で規定される非ヒト抗体の軽鎖可変領域を有する。該CD37抗体はまた複合物の形態にあってもよい。すなわち前記複合物は、細胞傷害性薬剤、特に腫瘍細胞の細胞傷害(例えばアポトーシス又は有糸分裂停止)を誘発する細胞傷害性薬剤と化学的に結合した抗体分子である。正常な薬理学的クリアランスメカニズムの結果として、医薬複合物(“イムノコンジュゲート”)で用いられた抗体は、限定された量だけが標的細胞と接触し、これと結合する。したがって、該複合物で用いられる該傷害性薬剤は、十分な細胞殺滅をもたらし治療効果を引き出すために高度に細胞傷害性でなければならない。US2004/0241174に記載されているように、そのような細胞傷害性薬剤の例には以下が含まれる:タキサン(例えばWO01/38318及びWO03/097625を参照されたい)、DNAアルキル化剤(例えばCC-1065アナローグ)、アントラサイクリン、チュブリシンアナローグ、デュオカルマイシンアナローグ、ドキソルビシン、オーリスタチンE、リシンAトキシン、及び反応性ポリエチレングリコール部分を含む細胞傷害性薬剤(例えば以下を参照されたい:Sasse et al., 2000;Suzawa et al., 2000;Ichimura et al., 1991;Francisco et al., 2003;US 5,475,092;US 6,340,701;US 6,372,738;並びにUS 6,436,931;US 2001/0036923;US 2004/0001838;US 2003/0199519;及びWO01/49698)。
好ましい実施態様では、該細胞傷害性薬剤は、メイタンシノイド、すなわちメイタンシンの誘導体(CAS35846538)である。メイタンシノイドは当業界で公知であり、メイタンシン、メイタンシノール、メイタンシノールのC-3エステル、並びに他のメイタンシノールアナローグ及び誘導体を含む(例えばUS 5,208,020及びUS 6,441,163を参照されたい)。
抗CD37抗体イムノコンジュゲートは、抗FAPイムノコンジュゲートについてのWO2007/077173に記載されているように設計及び合成することができる。
さらに別の実施態様では、本発明の抗CD37分子は放射能標識して放射性イムノコンジュゲートを形成することができ、前記は抗CD37抗体MB-1について推奨されたアプローチである(Buchsbaum et al., 1992(上記参照))。有利な放射能特性を有する放射性核種は当業界で公知であり、例えばリン-32、ストロンチウム-89、イットリウム-90、ヨウ素-131、サマリウム-153、エルビウム-169、イットリビウム-175、レニウム-188であり、前記は首尾よくかつ安定的にMAbに結合させることができる。本発明のCD37抗体は、US6,241,961に記載されたように、当業界で公知の直接標識又は間接標識方法を用いて多様な放射性核種で標識できる。本発明で役立つ、新規な放射能標識抗体複合物を作製し利用する技術に関する概説は“Goldenberg and Sharkey”(2007)で提供される。本発明の抗体分子はまた(Fcが操作されているか否かにかかわらず)二特異性であり得る。すなわち2つの異なる標的と結合する抗体分子であって、該標的の一方はCD37であり、他方は、例えばT細胞によって発現される表面抗原(例えばCD3、CD16及びCD56)から選択される。
“抗体”という用語は、モノクローナル、ポリクローナル、マルチ特異性抗体、及び単鎖抗体、並びに前記のフラグメント、例えばFab、Fab’、F(ab’)2、Fc及びFc’フラグメント、軽鎖(L)及び重鎖(H)免疫グロブリン鎖、並びにその定常、可変又は超可変領域、並びにFv及びFdフラグメントを含む。“抗体”という用語は、ヒト又は非ヒト起源抗体(ヒト化及びキメラ抗体)、さらにFc操作抗体又はFc融合分子を含む。Fab(fragment antigen binding=Fab)フラグメントは、隣接する定常領域によって一緒に保持される両鎖の可変領域から成る。それらは、例えばプロテアーゼ(例えばパパイン)による処理又はDNAクローニングによって通常の抗体から生成できる。他の抗体フラグメントはF(ab’)2フラグメントであり、前記はペプシンによるタンパク分解消化によって生成できる。
重鎖可変(VH)及び軽鎖可変(VL)領域のみから成る短縮抗体フラグメントを遺伝子クローニングによって作製することもまた可能である。前記はFv(fragment variable=可変部分のフラグメント)フラグメントとして公知である。定常鎖のシステイン基を介する共有結合はこれらのFvフラグメントではあり得ないので、それらはしばしば何らかの他の方法によって安定化される。この目的のために、重鎖及び軽鎖の可変領域はしばしば、約10から30アミノ酸(好ましくは15アミノ酸)の短いペプチドフラグメントの手段によって結合される。前記によって、VH及びVLがペプチドリンカーによって結合された単一のポリペプチド鎖が生成される。そのような抗体フラグメントはまた単鎖Fvフラグメント(scFv)と称される。scFv抗体の例は当業界で公知である。
これまで何年かにわたって、マルチマーscFv誘導体を作製するために複数の方法が開発された。その目的は、薬理学的特性が改善され結合アビジチーが高められた組換え抗体を作製することである。scFvフラグメントのマルチマー化を達成するために、それらフラグメントはマルチマー化ドメインを有する融合タンパク質として生成される。マルチマー化ドメインは、例えばIgGのCH3領域又はヘリックス構造(“コイルドコイル構造”)、例えばロイシンジッパードメインであり得る。他の方法では、scFvフラグメントのVHとVL領域間の相互作用がマルチマー化に用いられる(例えばジアボディ、トリボディ及びペンタボディ)。
“ジアボディ”という用語は、当業界では二価ホモダイマーscFv誘導体を指すために用いられる。scFv分子のペプチドリンカーの5から10アミノ酸への短縮は、VH/VL鎖の重ね合わせによってホモダイマーを生じる。このジアボディはさらに二亜硫酸塩架橋の挿入によって安定化させることができる。ジアボディの例は文献で見出すことができる。
“ミニボディ”という用語は、当業界では二価ホモダイマーscFv誘導体を指すために用いられる。前記は、ダイマー化領域として免疫グロブリン、好ましくはIgG、もっとも好ましくはIgG1のCH3領域を含む融合タンパク質から成る。ダイマー化領域は、ヒンジ領域(同じくIgGのヒンジ領域)及びリンカー領域の手段によって該scFvフラグメントを結びつける。そのようなミニボディの例は当業界で公知である。
“トリアボディ”という用語は当業界では三価ホモトリマーscFv誘導体を指すために用いられる。リンカー配列を用いないVH-VLの直接融合はトリマーの形成をもたらす。
二価、三価又は四価構造を有する、当業界でミニ抗体として知られているこのフラグメントもまたscFvフラグメントの誘導体である。このマルチマー化は、ダイマー、トリマー又はテトラマーコイルドコイル構造の手段によって達成される。
さらにまた、当業界で公知の“スキャホールドタンパク質”又は“スキャホールド抗体”が存在する。前記用語を用いるとき、スキャホールドタンパク質は、遺伝子クローニングによって、又は別のタンパク質若しくは別の機能を有するあるタンパク質との共同翻訳プロセスによって結合される、タンパク質(特に抗体)の任意の機能的ドメインを意味する。
抗体/抗体分子の“相補性決定領域”又は“CDR”という用語は、免疫グロブリンの超可変領域(相補性決定領域とも称され、“CDR”と略記される)を意味する。CDRは最初Kabatらによって、多数の抗体配列の配列多様性の程度を基準にして定義された(“Sequences of Proteins of Immunological Interest” Kabat, E., of al., U.S. Department of Health and Human Services, 1983;及びKabat E. A., Wu T. T., Perry H. M., Gottesman K. S. and Foeller C. Sequences of Proteins of Immunological Interest (5th Ed.). NIH Publication No. 91-3242. U.S. Department of Health and Human Services, Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD 1991)。CDRはある抗体の標的抗原と接触し、主として結合に必要であると考えられている。Chothiaらは、超可変領域又はCDRのまた別の定義を提供した(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol., 196:901- 917, 1987)。Chothiaの定義は抗体の三次元構造でループを構成する残基を基準にする。
具体的には、本発明ではKabatシステムを基準にしてCDRが決定される。配列番号:2及び配列番号:4に示される可変領域の配列から、CDR配列はKabata配列データベースを配列の特色について検索することによって型どおりに決定できる。配列番号:2に示される可変重鎖内に含まれる3つのCDRは、好ましくは31−35位(H1、配列番号:15)、50−66位(H2、配列番号:16)又は50−62位(H2b、配列番号:21)、及び99−105位(H3、配列番号:17)を含み、配列番号:4に示される可変軽鎖内に含まれる3つのCDRは、好ましくは24−34位(L1、配列番号:18)、50−56位(L2、配列番号:19)、及び89−97位(L3、配列番号:20)を含む。
“治療サイクル”という用語は1から6週間、好ましくは3から4週間、もっとも好ましくは4週間の期間を言い、ここで患者は少なくとも1用量のCD37抗体及び少なくとも1用量のベンダムスチンを投与される。
“用量”及び“投薬量”という用語は互換的に用いられる。
“NHL”及び“B-NHL”という用語は互換的に用いられる。
具体例
本発明は、CD37陽性悪性疾患、好ましくはB細胞悪性疾患、もっとも好ましくは慢性リンパ球性白血病(CLL)又はB細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)を罹患する患者の治療方法で、ベンダムスチンと併用して使用されるCD37抗体に関し、該CD37抗体は、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
具体的な実施態様では、CD37抗体はキメラ抗体である。好ましくは、前記キメラ抗体はヒト定常重鎖アミノ酸配列、配列番号:7及びヒト定常軽鎖アミノ酸配列、配列番号:8を含む。
好ましい実施態様では、CD37抗体は、重鎖アミノ酸配列、配列番号:5及び軽鎖アミノ酸配列、配列番号:6を含む(=>A2)。
具体的な実施態様では、CD37抗体はヒト化抗体である。好ましくは、前記ヒト化CD37抗体は、重鎖アミノ酸配列、配列番号:11及び軽鎖アミノ酸配列、配列番号:12を含む(=>B2)。
具体的な実施態様では、患者は少なくとも1用量のCD37抗体及び少なくとも1用量のベンダムスチンを1治療サイクル中に投与され、1治療サイクルは約1から6週間、好ましくは3から4週間、もっとも好ましくは4週間である。
さらに別の具体的な実施態様では、CD37抗体はベンダムスチン投与と同時に前記患者に投与される。
別の実施態様では、CD37抗体は、ベンダムスチンの投与後に、好ましくはベンダムスチン投与後24時間以内又は36時間以内に前記患者に投与される。
さらに別の実施態様では、CD37抗体は、ベンダムスチンの投与前に、好ましくはベンダムスチン投与前24時間以内又は36時間以内に前記患者に投与される。
別の好ましい実施態様では、CD37抗体は、ベンダムスチンの2日間の連続適用後に、好ましくは第二のベンダムスチン投薬量の投与後24時間以内に又は36時間以内に前記患者に投与される。別の好ましい実施態様では、CD37抗体は、ベンダムスチンの2日間連続適用の後の日に前記患者に投与され、ここで後の日とは、ベンダムスチンの投与後24時間以内又は36時間以内を意味する。好ましくは、ベンダムスチンは1から6週間の治療サイクル、より好ましくは3−4週間の治療サイクル、もっとも好ましくは4週間の治療サイクルの1日目及び2日目に前記患者に投与され、さらにCD37抗体は該治療サイクルの3日目に投与される。
さらに別の好ましい実施態様では、CD37抗体は、ベンダムスチンの2日間の連続適用前に、好ましくは第一のベンダムスチン投薬量の投与前24時間以内に又は36時間以内に前記患者に投与される。別の好ましい実施態様では、CD37抗体は、ベンダムスチンの2日間連続適用の前の日に前記患者に投与され、ここで前の日とは、ベンダムスチンの投与前24時間以内又は36時間以内を意味する。好ましくは、ベンダムスチンは1から6週間の治療サイクル、より好ましくは3−4週間の治療サイクル、もっとも好ましくは4週間の治療サイクルの2日目及び3日目に前記患者に投与され、さらにCD37抗体は該治療サイクルの1日目に投与される。
具体的な実施態様では、CD37抗体は、該治療サイクルの中間で、好ましくは該治療サイクルのまん中約2週間に少なくとももう1回、追加的に投与される。別の実施態様では、CD37抗体は、治療サイクルの間に、好ましくは該治療サイクルのまん中約2週間に少なくとももう1回又は1週間に1回、追加的に投与され、ここで該治療サイクルは1から6週間、好ましくは3から4週間、もっとも好ましくは4週間の期間である。該治療サイクルは1から6週間、好ましくは3から4週間、もっとも好ましくは4週間の期間であり、ここで患者は少なくとも1用量のCD37抗体及び少なくとも1用量のベンダムスチンを投与される。
CD37抗体(好ましくはA2(配列番号:5及び6を含むCD37抗体)及びB2(配列番号:11及び12を含むCD37抗体)、もっとも好ましくはA2)は、約0.01μg/kgから40mg/kgの用量で投与される。患者への投与は、1回以上の別々の投与によってもたらされ得る。例えば前記は輸液(例えば連続輸液)によってもたらされ得る。A2(配列番号:5及び6を含むCD37抗体)については、70kgの人の1週間の概算用量は、1mgから2800mgの範囲、好ましくは1週間に1mgから400mg、又は2週間毎に2mgから800mgの範囲である。70kgの人に対するB2(配列番号:11及び12を含むCD37抗体)の1週間の概算用量は、1mgから2800mgの範囲、好ましくは1mgから1000mgの範囲、例えば、70kgの人のために1週間に100mgから385mg、又は2週間毎に200mgから770mgである。
ベンダムスチンは、好ましくは1治療サイクル(好ましくは長さが3−4週間(=21−28日))で連続して2日間投与される。ベンダムスチンの用量は、3から4週間の長さの1治療サイクルの2治療日に50−150mg/m2体表面の範囲である。好ましくは、ベンダムスチンの用量は1治療サイクルのd1+d2に70−120mg/m2体表面又は100−150mg/m2体表面の範囲である。
CLL患者の治療のために、ベンダムスチンは、好ましくは該治療サイクル(好ましくは長さが3−4週間、もっとも好ましくは4週間)の1日目及び2日目に100mg/m2体表面の投薬量で投与される。
NHL患者の治療のために、ベンダムスチンは、好ましくは該治療サイクル(好ましくは長さが3−4週間、もっとも好ましくは3週間)の1日目及び2日目に120mg/m2体表面の投薬量で投与される。
さらにまた好ましいものは、治療サイクルのd1+d2における60−70mg/m2体表面の範囲のベンダムスチン用量である。
さらに別の具体的な実施態様では、ベンダムスチンは、1治療サイクルにつき1回投与として、好ましくは70-400mg/m2体表面の用量で投与される。
上記に記載したベンダムスチン用量は、3−4週間の治療サイクルの好ましくは1日目及び2日目に投与される。さらにまた好ましいものは、好ましくは3−4週間の長さの治療サイクルでCD37抗体投与に続く2連続日における上記記載のベンダムスチン用量の投与である(例えば1日目に上記に記載の投薬量のいずれかでCD37を投与、2日目及び3日目に上記に記載の投薬量のいずれかでベンダムスチンを投与)。
該ベンダムスチン用量は任意の方法、例えば輸液、非経口又は経口投与によって投与できる。好ましくは、ベンダムスチンの経口投与のための用量範囲は、10から1000mgの範囲、より好ましくは25から600mg、又は50から200mg、もっとも好ましくは約100mgである。CD37抗体用量は、任意の態様、例えば輸液(例えば連続輸液)、皮下注射、吸入、非経口又は経口投与によって投与できる。
本発明の具体的な実施態様では、CD37抗体は第一線治療としてベンダムスチンと併用投与される。第一線治療は、第一の治療選択肢(他の治療選択肢の前に実施又は用いられる)としての治療を意味する。本発明の好ましい実施態様では、CD37抗体は、CLLの第二線治療としてベンダムスチンと併用投与される。
本発明の別の具体的な実施態様では、CD37抗体は、第二若しくは第三若しくは第四線治療又はそれより後の治療選択肢としてベンダムスチンと併用投与される。第二、第三、第四線治療又はさらに別の治療選択肢は、1つ以上の他の治療が既に実施又は用いられた後の第二、第三、第四の又はその後の/さらに別の治療選択肢としての投与を意味する。
CLL罹患患者の治療のために、好ましい治療サイクル案は4週間継続し、それによりベンダムスチンは好ましくは100mg/m2体表面の用量で好ましくは1日目及び2日目に投与され、さらに少なくとも1回のCD37抗体(好ましくはA2又はB2)が上記に記載の用量でベンダムスチン投与の前に、後に又は同時に投与される。同時とは同じ日を意味する。同時にとはさらにまた互いに6時間以内若しくは互いに1時間以内、又は同じ注射を意味することができる。さらにまた、CLLのための別の好ましい治療サイクル案は、該治療サイクルの中間で、例えば該治療サイクルのまん中約2週間でのCD37抗体の追加投与を含む。
NHL罹患患者の治療のために、好ましい治療サイクル案は3週間継続し、それによりベンダムスチンは好ましくは120mg/m2体表面の用量で好ましくは1日目及び2日目に投与され、さらに少なくとも1回のCD37抗体(好ましくはA2又はB2)が上記に記載の用量でベンダムスチン投与の前に、投与後に又は同時に投与される。同時とは同じ日を意味する。同時にとはさらにまた互いに6時間以内若しくは互いに1時間以内、又は同じ注射を意味することができる。さらにまた、NHLのための別の好ましい治療サイクル案は、中間での、例えば1週間に1回のCD37抗体の追加の投与、したがって1治療サイクルにつき数回、好ましくは3から4回、もっとも好ましくは4回のCD37抗体の投与を含む。
本発明はさらにCD37陽性細胞(より具体的にはB細胞)を減少させる方法に関し、前記方法は、B細胞をCD37抗体及びベンダムスチンの併用に暴露する工程を含み、前記CD37抗体は、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
本発明はさらにある細胞集団からCD37発現B細胞を枯渇させる方法に関し、前記方法は、前記細胞集団にa)CD37抗体又はCD37抗体を含む医薬組成物、及びb)ベンダムスチンを投与する工程を含み、さらに前記CD37抗体は、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
本発明はさらにCD37陽性細胞を減少させる方法に関し、前記方法は、a)CD37陽性細胞をCD37抗体に曝露する工程、及びb)CD37陽性細胞をベンダムスチンに曝露する工程を含み、工程a)の前記CD37抗体はi)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びii)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
本発明はさらにまたB細胞を減少させる方法に関し、前記方法は、a)B細胞をCD37抗体に曝露する工程、及びb)B細胞をベンダムスチンに曝露する工程を含み、工程a)の前記CD37抗体はi)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びii)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
具体的な実施態様では、CD37抗体はキメラ抗体である。好ましくは、前記キメラ抗体は、ヒト定常重鎖アミノ酸配列、配列番号:7及びヒト定常軽鎖アミノ酸配列、配列番号:8を含む。
好ましい実施態様では、CD37抗体は、重鎖アミノ酸配列、配列番号:5及び軽鎖アミノ酸配列、配列番号:6を含む(=>A2)。
具体的な実施態様では、CD37抗体はヒト化抗体である。好ましくは、前記ヒト化CD37抗体は、重鎖アミノ酸配列、配列番号:11及び軽鎖アミノ酸配列、配列番号:12を含む(=>B2)。
前記方法のいずれかの具体的な実施態様では、該CD37陽性細胞はCD37抗体及びベンダムスチンに同時に曝露される。前記CD37陽性細胞は好ましくはB細胞である。
前記方法のいずれかの別の実施態様では、該CD37陽性細胞は、それらがベンダムスチンに暴露された後で、好ましくはそれらがベンダムスチンに曝露された後24時間以内に又は36時間以内に該CD37抗体に曝露される。前記CD37陽性細胞は好ましくはB細胞である。
前記方法のさらに別の実施態様では、該CD37陽性細胞は、それらがベンダムスチンに暴露される前に、好ましくはそれらがベンダムスチンに曝露される前24時間以内に又は36時間以内に該CD37抗体に曝露される。前記CD37陽性細胞は好ましくはB細胞である。
具体的な実施態様では、前記方法はin vivoで実施される。
具体的な実施態様では、前記方法はin vitroで実施される。
本発明はさらにCD37陽性細胞を減少させるキットに関し、前記キットは、a)CD37抗体を含む容器及びb)ベンダムスチンと併用してCD37陽性細胞を減少させるために該キットを使用するプロトコールを含み、前記CD37抗体は、i)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びii)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。前記CD37陽性細胞は好ましくはB細胞である。
本発明はさらにまたCD37陽性細胞を減少させるキットに関し、前記キットは、a)CD37抗体を含む第一の容器、及びb)ベンダムスチンを含む第二の容器、及びc)CD37陽性細胞を減少させるために該キットを使用するプロトコールを含み、前記CD37抗体は、i)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びii)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。前記CD37陽性細胞は好ましくはB細胞である。
具体的な実施態様では、工程c)のプロトコールは、CD37抗体及びベンダムスチンを同時に投与することを指示する。
別の実施態様では、工程c)のプロトコールは、ベンダムスチンの前、好ましくはベンダムスチンの投与前24時間以内又は36時間以内にCD37抗体を投与することを指示する。
さらに別の実施態様では、工程c)のプロトコールは、ベンダムスチンの後、好ましくはベンダムスチンの投与後24時間以内又は36時間以内にCD37抗体を投与することを指示する。
具体的な実施態様では、工程c)のプロトコールは、CD37陽性悪性疾患、好ましくはB細胞悪性疾患、好ましくは慢性リンパ球性白血病(CLL)又はNHL、もっとも好ましくはCLLを罹患する患者に該キット成分を投与することを指示する。
さらに別の具体的な実施態様では、工程c)のプロトコールは、少なくとも1用量のCD37抗体及び少なくとも1用量のベンダムスチンを1治療サイクルの間に患者に投与し、1治療サイクルは、約1から6週間、好ましくは3から4週間、もっとも好ましくは4週間の期間であることを指示する。
さらに別の具体的な実施態様では、工程cのプロトコールは、記載のCD37抗体を第二の治療として使用するために、上記に記載の治療サイクル及び/又は投薬案を指示する。
本発明はさらに、CD37抗体及びベンダムスチン及び上記に記載の方法を指示する付せんを含む製造物品に関し、該CD37抗体は、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
本発明はさらにまた、CD37抗体、ベンダムスチン及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物に関し、該CD37抗体は、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
具体的な実施態様では、該医薬組成物は、活性成分としてCD37抗体及びベンダムスチン並びに追加の医薬的に許容できる担体を含み、該CD37抗体は、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
本発明はさらに、医薬として使用される、上記に記載の医薬組成物に関する。
本発明はさらにまた、B細胞悪性疾患に罹患する患者を治療する方法で使用される、好ましくは慢性リンパ球性白血病(CLL)患者を治療する方法で使用される、上記に記載の医薬組成物に関する。
本発明はさらにB細胞悪性疾患を治療する方法に関し、前記方法は、その必要がある患者に治療的に有効な量のCD37抗体をベンダムスチンと併用投与する工程を含み、該CD37抗体は、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
本発明はさらにまた、B細胞非ホジキンリンパ腫、B細胞慢性リンパ球性白血病及び多発性骨髄腫から選択されるB細胞悪性疾患罹患患者を治療する方法に関し、前記方法は、本発明の医薬組成物の有効量を前記患者に投与する工程を含む。
本発明はさらにB細胞悪性疾患を治療する方法に関し、前記方法は、その必要がある患者に治療的に有効な量のa)CD37抗体及びb)ベンダムスチンを投与する工程を含み、該CD37抗体は、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む。
前記治療方法の具体的な実施態様では、患者は、少なくとも1用量のCD37抗体及び少なくとも1用量のベンダムスチンを1治療サイクルの間に投与され、1治療サイクルは約1から6週間、好ましくは3から4週間、もっとも好ましくは4週間の期間である。
前記方法のいずれかの具体的な実施態様では、該B細胞は、CD37抗体及びベンダムスチンに同時に曝露される。
前記方法のいずれかの別の実施態様では、該B細胞は、それらがベンダムスチンに暴露された後で、好ましくはそれらがベンダムスチンに曝露された後24時間以内に又は36時間以内に該CD37抗体に曝露される。
前記方法のさらに別の実施態様では、該B細胞は、それらがベンダムスチンに暴露される前に、好ましくはそれらがベンダムスチンに曝露される前24時間以内に又は36時間以内に該CD37抗体に曝露される。
具体的な実施態様では、前記方法はin vivoで実施される。
具体的な実施態様では、前記方法はin vitroで実施される。
ベンダムスチンと併用してCD37抗体を第二の治療として使用するために上記に記載した投薬スケジュールは、本発明の記載の治療方法に同様に適用される。
本発明はさらに、該CD37抗体が、a)配列番号:2に示すアミノ酸配列を含む可変重鎖及びb)配列番号:4に示すアミノ酸配列を含む可変軽鎖によって規定されるキメラ抗体であり、該定常重鎖及び軽鎖が好ましくはヒト起源である、記載のCD37抗体、記載の方法のいずれか、記載のキット、記載の製造物品、記載の医薬組成物、及び記載の治療方法に関する。
本発明はさらにまた、該抗体が、配列番号:5のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:6のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、記載のCD37抗体、記載の方法のいずれか、記載のキット、記載の製造物品、記載の医薬組成物、及び記載の治療方法に関する。
本発明はさらにまた、該抗体が、配列番号:2と融合した配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:4と融合した配列番号:8のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、記載のCD37抗体、記載の方法のいずれか、記載のキット、記載の製造物品、記載の医薬組成物、及び記載の治療方法に関する。
本発明はさらにまた、該抗体が、配列番号:9のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:10のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、記載のCD37抗体、記載の方法のいずれか、記載のキット、記載の製造物品、記載の医薬組成物、及び記載の治療方法に関する。
本発明はさらにまた、前記抗体が、ヒト抗体から誘導される前記CDRを支持するフレームワークによって規定されるヒト化抗体であり、さらに該定常重鎖及び軽鎖がヒト抗体由来である、記載のCD37抗体、記載の方法のいずれか、記載のキット、記載の製造物品、記載の医薬組成物、及び記載の治療方法に関する。
本発明はさらにまた、該抗体が、配列番号:11のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:12のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、記載のCD37抗体、記載の方法のいずれか、記載のキット、記載の製造物品、記載の医薬組成物、及び記載の治療方法に関する。
本発明はさらにまた、該抗体が、配列番号:13のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:14のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、記載のCD37抗体、記載の方法のいずれか、記載のキット、記載の製造物品、記載の医薬組成物、及び記載の治療方法に関する。
本発明はさらにまた、該CD37陽性悪性疾患が、B細胞リンパ腫、攻撃性B細胞リンパ腫、ホジキン病、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)、リンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症(リンパプラズマ細胞性リンパ腫又は免疫細胞腫とも称される)、中枢神経系リンパ腫、白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL、B細胞慢性リンパ球性白血病(BCLL)とも称される)、ヘアリー・セル白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄腫、多発性骨髄腫、T細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパプラズマ細胞性リンパ腫、脾辺縁層リンパ腫、プラズマ細胞骨髄腫、骨の孤立性プラズマ細胞腫、骨外プラズマ細胞腫、粘膜結合リンパ系組織(MALT)の節外辺縁層B細胞腫、リンパ節辺縁層B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、外套細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫、縦隔(胸線)大B細胞リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性浸出リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、グレイゾーンリンパ腫、悪性性不確定B細胞増殖、リンパ腫様肉芽腫症、及び移植後リンパ球増殖性疾患から成る群から選択され、該CD37陽性悪性疾患が、好ましくはB細胞悪性疾患、好ましくはB細胞非ホジキンリンパ腫、B細胞慢性リンパ球性白血病であり、該B細胞悪性疾患がもっとも好ましくは慢性リンパ球性白血病(CLL)である、記載のCD37抗体、記載の方法のいずれか、記載のキット、記載の製造物品、記載の医薬組成物、及び記載の治療方法に関する。
本発明の実施には、特段の指定がなければ、医学、薬学、化学、生物学、腫瘍学、細胞生物学、分子生物学、細胞培養、免疫学などにおける、当業者の技量範囲内である通常的技術が用いられるであろう。これらの技術は最新の文献に十全に開示されている。
以下の実施例は限定的なものではない。それらは単に本発明の可能な実施態様を示す。当業者は条件を容易に調整して、当該条件を他の実施態様に適合させることができよう。
実験
材料と方法
抗体及び試薬:抗体A2はDHFR欠損チャイニーズハムスター卵巣(CHO)DG44懸濁細胞で無血清条件下にて発現させ、MabSelectタンパク質Aアフィニティークロマトグラフィー(GE Healthcare)により精製した。該抗体はクエン酸緩衝液にて10mg/mLの濃度で処方し、4℃から8℃で保存した。ベンダムスチン(リボムスチン)はムンジファーマ社(Mundipharma, Limburg, Germany)から購入した。ベンダムスチンのストック溶液(50mM)を溶媒としてDMSOで調製した。ストック溶液のアリコットを-20℃で保存し、使用直前に細胞培養媒体を用いて最終アッセイ濃度に稀釈した。Ramos(ATCC #CRL-1596)及びRaji(ATCC #CCL-86)バーキットリンパ腫細胞は、供給業者の推奨にしたがって培養した。
アポトーシスアッセイ:アポトーシスは、ベンダムスチンの存在下又は非存在下で抗体と48時間インキュベートした後、アネキシンV及びヨウ化プロピジウム(PI)染色によってRamos及びRajiバーキットリンパ腫細胞で決定した。アネキシンV染色を用いるアポトーシスの決定のために、100μLの細胞(培養媒体(10%FCS含有RPMI1640)中で1x106細胞/mLの濃度)を96ウェルの丸底プレートに播種した。100μLの抗体稀釈物、ベンダムスチン及びコントロール(培養媒体にて)を該細胞に添加した。インキュベーションは湿潤CO2インキュベーターにて37℃で48時間実施した。その後、100μLの上清を各ウェルから取り出した。アポトーシス細胞の染色は、VybrantTMアポトーシスアッセイキット(Invitrogen # V13241)を用いて実施した。5μLのAlexa Fluor(商標)488アネキシンV(成分A)及び1μLのヨウ化プロピジウム(PI)(アネキシンV結合緩衝液で1:10に稀釈した100μg/mLのPIストック)を該細胞に添加し、暗所にて室温で15分インキュベートした。150μLの氷冷アネキシンV結合緩衝液を各ウェルに添加した。BD FACS CantoTM IIフローサイトメーターを用いて、サンプルを直ちにFACS分析に付した。アポトーシスの程度は総細胞に対するアネキシンV陽性細胞のパーセンテージで規定した。
統計分析:併用効果の評価:統計分析は、ソフトウェア製品SAS(SAS Institute, Cary, NC USA)、バージョン9.2を用いて実施した。統計分析は、それぞれの細胞株で各化学療法剤について別々に実施した。統計摘要(観察数、平均、中央値、標準偏差及び変動係数)を各アッセイについて実験グループ毎に個々に計算するとともに、3つのアッセイ全てのプールデータについても計算した。これらのデータを一因子分散分析(ANOVA)によって分析し、続いて0からの偏差について興味深い線状対比を概算し両側検査を実施した。対比の範囲を規定し、ペア毎の比較とともに併用療法が累積効果より大きな効果(小さな効果)をもたらすか否か(相互作用対比)の疑問を精査した。効果は、平均差異及びそれらの両側95%信頼区間によって定量した。相互作用対比は0.05より小さいp-値について有意とみなした。
ベンダムスチン併用mAb A2の前アポトーシス作用
Ramos及びRajiバーキットリンパ腫細胞を、10μg/mLの濃度のmAb A2、100μM、200μM及び400μMの濃度のベンダムスチン、又は前記の混合物と48時間インキュベートした。各細胞株について独立した3実験を実施した。平均アポトーシス誘発は図1及び図2に示されている。mAb A2単独は、Raji細胞の12%及びRamos細胞の9%でそれぞれアポトーシスを誘発した。ベンダムスチン単剤は、Raji細胞で12%(200μM)及び13%(400μM)のアポトーシス、さらにRamos細胞で19%(100μM)及び35%(400μM)のアポトーシスを誘発した。mAbとベンダムスチンとの併用は、単剤による処置よりも顕著に強いアポトーシスを誘発した。Raji細胞では、mAb A2と200μMベンダムスチンとの併用は35%のアポトーシス細胞をもたらし、mAb A2と400μMのベンダムスチンとの併用は37%のアポトーシス細胞をもたらした。Ramos細胞では、mAb A2と100μMベンダムスチンとの併用は50%のアポトーシス細胞をもたらし、mAb A2と400μMのベンダムスチンとの併用は73%のアポトーシス細胞をもたらした。この併用における前アポトーシス作用は、それぞれの処置の両方において計算で得られた累積作用よりも顕著に高かった(図1及び2)。相互作用対比の統計分析は、単剤と併用グループ間の有意な差異を示し、ベンダムスチンと併用したmAb A2の相乗活性を提示した(図3)。
Figure 2015516980
Figure 2015516980
ヒト腫瘍異種移植モデルにおけるベンダムスチン併用mAb A2の抗腫瘍作用
ヒト腫瘍異種移植モデルを利用して、免疫低下マウスでヒト腫瘍に対する抗癌剤の有効性を評価した。DoHH2腫瘍細胞は、濾胞性B細胞リンパ腫患者に由来するCD37陽性Bリンパ芽球様細胞株である。CB-17SCIDマウスの左又は右大腿部外側に、例えば100μL体積中の1x107腫瘍細胞を注射筒で注入することによって、該腫瘍細胞を皮下に移植する。ノギスを用いて腫瘍体積を週に3回測定することによって腫瘍の増殖をモニターする。腫瘍が一定の体積(例えば100mm3)に達した後、動物を各グループにつき10匹の別個のグループに任意に割り当て、抗体A2、ベンダムスチン又はその併用で処置する。ベヒクル処置マウスは腫瘍増殖のコントロールとして供する。10mg/kg用量で週に2回の抗体A2、10mg/kgで週2回ipのベンダムスチン、又は前記の併用でマウスを処置する。
コントロール処置動物は迅速な腫瘍増殖を示し、処置開始から2−3週間後に腫瘍が1500mm3の危機的な腫瘍サイズに達したときにそれらをサクリファイスする。mAb A2及びベンダムスチン単剤処置は、コントロール処置動物と比較して有意な抗腫瘍作用(例えば腫瘍増殖遅延)を示す。mAb A2とベンダムスチンとの併用は、単剤処置の作用より顕著に改善された抗腫瘍作用を示す。これらの結果は、mAb A2とベンダムスチンとの併用は単剤処置と比較して優れた抗腫瘍有効性をもたらすことを示す。
ヒト濾胞性リンパ腫マウスモデルにおけるベンダムスチン化学療法併用mAb A2の有効性
実験の目的
本実験の目標は、C.B-17scidマウスのヒト濾胞性リンパ腫(DOHH2)モデルで、ベンダムスチン併用A2抗体の有効性を評価することであった。
実験の設計
Figure 2015516980
材料と方法
抗体A2の単一バッチを本実験に使用した。ベンダムスチン(リボムスチン(商標))はムジファーマ社から購入した。雌のC.B-Igh-1 b /IcrTac-Prkdc scid マウスを用いた。抗体A2及びベンダムスチンは週に2回腹腔内に投与した。腫瘍は皮下注射により培養DOHH2細胞から樹立させた。腫瘍体積はノギスを用いて週に3回測定した。該化合物に対する寛容性の指標として同じ日にマウスの体重を測定した。1日目は実験の初日、16日目は最終日であった。
主な結果
以下の表は、2サイクルの治療後(実験の16日目)の腫瘍体積及び体重について得られた結果の要旨である。
Figure 2015516980
Figure 2015516980
結論
単剤としての抗体A2はDOHH2濾胞性リンパ腫の増殖を有意に抑制し、さらに良好な寛容を示した。単剤として投与されたベンダムスチンは有意な腫瘍増殖抑制を示したが、体重低下をもたらした。抗体A2とベンダムスチンの併用は、どちらの単独療法よりも顕著により有効であり、全ての動物で腫瘍の退縮を誘導した。統計分析は併用治療の相乗作用を示した。体重低下はベンダムスチン単独よりもわずかに大きかった。
1. 序
抗体A2はマウス-ヒトキメラFc操作IgG1抗体であり、CD37に対する高い親和性と強力なin vitro細胞傷害性を有する(全血アッセイでアポトーシス、ADCC、腫瘍細胞枯渇)。本実験の目標は、C.B-17scidマウスのヒト濾胞性リンパ腫(DOHH2)モデルで、ベンダムスチン化学療法と併用した抗体A2の有効性を評価することであった。
1.1 実験の設計
モデル:皮下異種移植ヒトバーキットリンパ腫(Ramos)のヌードマウス増殖
Figure 2015516980
1.2 試験化合物
抗体A2(10mg/kg)をこの実験に用い、ベヒクル(25 mMクエン酸ナトリウム、115 mM NaCl 及び0.04% Tween80(pH 6.0)を含む)中で処方しPBSで稀釈した。ベンダムスチン(リボムスチン(商標))はムジファーマ社から購入し、Ampuwa(注射用水)に溶解し、NaOHを用いてpH5に調整した。
1.3 マウス
マウスはTaconic(Denmark)から購入した6週齢の雌のC.B-Igh-1 b /IcrTac-Prkdc scid であった。到着後、実験に使用する前に少なくとも5日間マウスを周囲の状態に慣れさせた。それらマウスを、21.5+/-1.5℃の温度及び55+/-10%の湿度の標準的な条件下で、7匹ずつのグループとしてケージ(Makrolon(商標) タイプIII)に収容した。標準的飼料(PROVIMI KLIBA)及びオートクレーブした水道水を随時与えた。(イソフルラン麻酔下にて)皮下移植したマイクロチップを利用して各マウスを識別した。実験番号を示すケージカード、動物識別番号、化合物及び用量レベル並びに投与ルートは、実験を通して該当動物で維持された。
1.4 腫瘍の樹立、任意抽出
皮下腫瘍を樹立させるために、DOHH2細胞を遠心分離によって採集し、洗浄してPBS+5%FCSに1x108細胞/mLで再懸濁した。続いて1x107細胞を含む100μLの細胞懸濁物をマウスの右大腿部外側に皮下注射した(各マウスに1部位)。腫瘍が良好に樹立され、34から100mm3の体積に達したとき、マウスを任意抽出して処置及びベヒクルコントロールグループに割り当てた。
1.5 試験化合物の投与
抗体A2をPBSで稀釈し、10mL/kgの体積で腹腔内に注射した。ベンダムスチンはAmpuwa(注射用水)で稀釈し、10mL/kgの体積で腹腔内に注射した。溶液は6℃で最大5日間保持した。
1.6 腫瘍増殖及び副作用のモニター
腫瘍の直径をノギスで週に3回(月曜日、水曜日、及び金曜日)測定した。各腫瘍の体積(mm3)を以下の式にしたがって計算した:腫瘍体積=長さ*直径2*π/6。処置の副作用をモニターするために、異常についてマウスを毎日精査し、さらに週に3回(月曜日、水曜日、及び金曜日)体重を測定した。コントロール腫瘍が平均して約1000mm3にサイズに達したとき動物をサクリファイスした。さらに、直径が1.5cmを超える腫瘍サイズを有するか又は20%の体重低下を示す動物は、倫理的理由から安楽死させた。
TGI値は以下のように計算した:
TGI=100x{1−[(処置最終日−処置初日)/(コントロール最終日−コントロール初日)]}
1.7 統計分析
1.7.1 抗腫瘍有効性及び体重の変化
腫瘍抑制の統計的有意の評価のために、作用は一方向でのみ測定可能であろうという仮説(すなわち腫瘍刺激ではなく腫瘍抑制が期待される)に基づき、一テール非パラメーターマン-ウィットニー-ウィルコクソンU検定を実施した。一般的には、U検定は、特定の日の(本実験における)絶対的体積にしたがって、2つのグループの個々の腫瘍のランキングを比較する(グループ間におけるペア毎の比較)。分析は実験の最終日に実施した。統計分析の日までLOCF方法論が適用される腫瘍が当該比較に用いられた。U検定から得られたp-値をボンフェローニ-ホーム修正を用いて調整した。取り決めによれば、0.05以下のp-値は有意な差異を示す。統計計算は、グラフパッドプリズム生物分析ソフト(GraphPad Prism Bioanalytic Software(ウィンドウズ(登録商標)用バージョン5.04, GraphPad Software, San Diego California USA, www.graphpad.com))を用いて実施した。
1.7.2 有効性の相乗作用
種々の日における腫瘍体積パラメーターについて統計評価を実施した。全処置グループについて16日まで全測定が利用可能であった(すなわち16日目まで失われた値は無い)。
記述統計学(descriptive statistics)を基にし、さらに16日までの反復測定混合モデル(MMRM)を用いることによって、腫瘍体積を分析した。
有効観察数、平均、標準偏差、中央値及び幾何平均を提供した。データをログ変換し、時間経過に対して変数を安定化させた。ログスケールのデータ(自然対数、すなわち底eに対する対数)に関しては、平均、標準偏差、中央値、最少及び最大を提示した。
全ての統計分析は探査的であり(exploratory)、多数の試験に対する有意さレベルの調整は行われなかった(すなわち、記載した全てのp-値は記述的及び探査的分析の部分と解されねばならないであろう)。
データをスクリーニングした後、直線性は、対数で表した動物の腫瘍体積の16日目までの動的変化を極めて良好に表現することが認められた。繰り返し測定した腫瘍体積は、反復測定に対する線形混合エフェクトモデルによってログ変換後に解析された。0mm3と測定された腫瘍体積については、無限対数を0に設定し、前記は本来のスケールの1mm3に一致した。処置、時間及び相互作用期間の処置*時間を固定エフェクトとして加え、動物はランダムエフェクトとみなした。基準線のログ変換腫瘍体積は該モデルのコバリエートとして加えた。
Figure 2015516980
式中、Y ijk は、処置グループiの動物jの時間kにおけるログ変換腫瘍体積であり、μは全体的平均であり、αiは処置iの固定エフェクトであり、d ij は処置グループiの動物jのランダムエフェクトであり、τ k は時間kの固定エフェクトであり、(ατ) ik は時間kを有する処置iの固定相互作用エフェクトであり、X ij はコバリアブルとしての基準線におけるログ変換腫瘍体積であり、ε ijk は処置iの動物jの時間kにおけるランダムエラーである。
サブジェクト内共分散行列Rに関しては、分散成分(VC)共分散行列R(i,j)=σ 2 k χ(i=j)が選択された。該VC構造はまた、AIC基準を基にしていくつかの合理的な共分散構造のうちで最良のものとして示された。非構造共分散(UN)行列は正の有限ヘシアン行列に至らず、考慮し得なかった。
共分散パラメーターは、残差(拘束)最大蓋然性(REML)を用いて概算した。ケンワード・ロンガー(KR)法をSAS PROC MIXED方法の自由選択肢のデノミネーターデグリーとして選択した。サンプルサイズが中から小で設計が相応に均衡しているとき、KRはより複雑な共分散構造に関しても相応に良好に機能する。
拮抗作用又は相乗作用を評価するために、ログスケールでの単一療法の足し算として累積処置効果を計算し(logμRef−logμT 1 +logμRef−logμT 2 、対応する併用療法の効果(logμRef−logμT 1 T 2 と比較した。
統計的評価はソフトウェアパッケージSASバージョン9.2(SAS Institute Inc., Cary NC, USA)を用いて実施した。
2. 結果
2.1 腫瘍体積及び体重:処置対コントロール
−16日の処置期間の間に、コントロール腫瘍は、70mm3の中央値体積から1330mm3の体積に増殖した(図4、表1)。コントロール動物は3.7%体重が増加した(図6、表1)。
−1mg/kgの抗体A2を週に2回2週間腹腔に処置したものは、コントロールと比較して腫瘍増殖が有意に遅延した(TGI中央値=73%、p=0.0009)(図4、表1)。ベヒクル処置コントロール動物と比較して、同様な体重増加が観察された(+3.1%;p=0.8048(有意ではない))(図6、表1)。
−ベンダムスチンの2回腹腔内投与(2日目及び6日目)による処置は、コントロールと比較して腫瘍増殖を有意に遅延させた(TGI中央値=57%、p=0.0014)(図4、表1)。体重増加は、ベヒクル処置コントロール動物と比較して有意には相違しなかった(+2.4%;p=0.0530)(図6、表1)。中央値で7.9%までの体重低下が処置の第1週内で出現したので、この処置は2回注射を含む第一サイクルの後停止させた。
−抗体A2及びベンダムスチンの併用による処置は、コントロールと比較して腫瘍増殖を有意に遅延させた(TGI中央値=105%、p=0.0014)(図6、表1)。体重低下は、ベヒクル処置コントロール動物の体重増加と比較して有意には相違した(-7.6%、p=0.0006)(図6、表1)。体重低下が処置の第1週内で出現したので、ベンダムスチンによる処置は2回注射を含む第一サイクルの後停止させた。
2.2 腫瘍体積及び体重:併用療法対単剤療法
抗体A2とベンダムスチンの併用療法の2サイクルは、抗体A2(TGI中央値=73%、p=0.0014)による又はベンダムスチン(TGI中央値=57%、p=0.0014)による単剤処置よりも有意により有効であった(図4、表2)。
抗体A2又はベンダムスチンのどちらかでそれぞれ処置された7つの腫瘍はいずれも増殖を抑制されたが、併用療法を受けた7腫瘍のうち6つは完全に退縮し、7つのうち1つはわずかに9mm3の体積に部分的に退縮した(図5、表2)。
対応する単一療法の累積作用と比較して、抗体A2及びベンダムスチンの併用療法の卓越性は9日目以降統計的に検出することができた(p<0.0001)。
16日目で、併用グループにおける体重低下(-7.6%)は、単剤の抗体A2(+3.1%、p=0.0012)及びベンダムスチン(+2.4%、p=0.0023)と比較して有意に相違した(図6、表2)。
3. 考察
本実験では、用量10mg/kgで週2回の抗体A2による処置の2サイクルは腫瘍増殖を有意に遅延させた(TGI=72%)。処置は良好な寛容を提供した。1サイクルのベンダムスチン処置は有意な有効性を示し(TGI=57%)、中程度の寛容を提供した。
抗体による2サイクルの併用療法及び1サイクルのベンダムスチンは、単剤処置と比較して有効性の改善を示し、相乗作用をもたらした(TGI=105%、7つのうち6つは完全腫瘍退縮及び1つは部分的腫瘍退縮)。併用療法は動物に中程度の寛容を提供すると思われた。
4. 結論
単剤としての抗体A2はDOHH2濾胞性リンパ腫の増殖を有意に抑制し、良好な寛容を提供した。単剤として投与されたベンダムスチンは腫瘍増殖の有意な抑制を示したが、体重低下をもたらした。抗体A2及びベンダムスチンの併用はどちらの単剤療法よりも有意により有効であり、全ての動物で腫瘍退縮を誘発した。統計分析は併用治療の相乗作用を示した。体重低下はベンダムスチン単独よりもわずかに高かった。
Figure 2015516980
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Claims (38)

  1. CD37陽性悪性疾患、好ましくはB細胞悪性疾患、もっとも好ましくは慢性リンパ球性白血病(CLL)又はB細胞非ホジキンリンパ腫(B-NHL)を罹患する患者を治療する方法においてベンダムスチンと併用して使用されるCD37抗体であって、該CD37抗体が、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む、前記C37抗体。
  2. 該患者が、少なくとも1用量のCD37抗体及び少なくとも1用量のベンダムスチンを1治療サイクルの間に投与され、1治療サイクルが約1から6週間、好ましくは3から4週間、もっとも好ましくは4週間の期間である、請求項1に記載のCD37抗体。
  3. 該CD37抗体が前記患者にベンダムスチンの投与と同時に投与される、請求項1又は2に記載のCD37抗体。
  4. 該CD37抗体が、前記患者にベンダムスチンの投与後に、好ましくはベンダムスチンの投与後24時間以内に又は36時間以内に投与される、請求項1又は2に記載のCD37抗体。
  5. 該CD37抗体が、前記患者にベンダムスチンの投与前に、好ましくはベンダムスチンの投与前24時間以内に又は36時間以内に投与される、請求項1又は2に記載のCD37抗体。
  6. 該CD37抗体が、ベンダムスチンの2日間の連続適用後に、好ましくは第二のベンダムスチン投薬量の投与後24時間以内に又は36時間以内に前記患者に投与される、請求項1、2及び4に記載のCD37抗体。
  7. 該CD37抗体が、ベンダムスチンの2日間の連続適用前に、好ましくは第一のベンダムスチン投薬量の投与前24時間以内に又は36時間以内に前記患者に投与される、請求項1、2及び5に記載のCD37抗体。
  8. 該CD37抗体が、1治療サイクルの間に、好ましくは該治療サイクルのまん中約2週間に少なくとももう1回、又は週に1回、追加的に投与される、請求項1から7に記載のCD37抗体。
  9. 前記CD37抗体が約0.01μg/kgから40mg/kgの用量で投与される、請求項1から8に記載のCD37抗体。
  10. 70kgの人の1週間の概算用量が1mgから2800mgの範囲、好ましくは1週間に1mgから400mg、又は2週間毎に2mgから800mgの範囲であり、該CD37抗体が好ましくは配列番号:5及び6を含む、請求項1から9に記載のCD37抗体。
  11. 70kgの人の1週間の概算用量が1mgから2800mgの範囲、好ましくは1mgから1000mgの範囲、もっとも好ましくは1週間に100mgから385mgの範囲、又は2週間毎に200mgから770mgであり、該CD37抗体が好ましくは配列番号:11及び12を含む、請求項1から9に記載のCD37抗体。
  12. ベンダムスチンの用量が50−150mg/m2体表面の間の範囲、好ましくは、該ベンダムスチンの用量が70−120mg/m2体表面の間、又は100−150mg/m2体表面の間、又は60−70mg/m2体表面の間の範囲である、請求項1から11に記載のCD37抗体。
  13. 該患者がCLLを罹患する患者であり、さらにベンダムスチンが、好ましくは該治療サイクルの1日目及び2日目に好ましくは100mg/m2体表面の投薬量で投与され、該治療サイクルが好ましくは3−4週間の長さ、もっとも好ましくは4週間である、請求項1から12に記載のCD37抗体。
  14. 該患者がB-NHLを罹患する患者であり、さらにベンダムスチンが、好ましくは該治療サイクルの1日目及び2日目に好ましくは120mg/m2体表面の投薬量で投与され、該治療サイクルが好ましくは3−4週間、もっとも好ましくは3週間である、請求項1から12に記載のCD37抗体。
  15. ベンダムスチンが、好ましくは70-400mg/m2体表面の用量で治療サイクルにつき1回投与として投与される、請求項1又は2に記載のCD37抗体。
  16. CD37抗体及びベンダムスチンが第一線治療として併用投与される、請求項1から15に記載のCD37抗体。
  17. CD37抗体及びベンダムスチンが第二線治療又はそれより後の治療選択肢として併用投与される、請求項1から15に記載のCD37抗体。
  18. a)CD37陽性細胞をCD37抗体に曝露する工程及びb)CD37陽性細胞をベンダムスチンに曝露する工程を含む、CD37陽性細胞を減少させる方法であって、工程a)の前記CD37抗体が、i)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びii)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む、前記方法。
  19. 該CD37陽性細胞が該CD37抗体及びベンダムスチンに同時に曝露される、請求項18に記載の方法。
  20. 該CD37陽性細胞が、それらがベンダムスチンに暴露された後で、好ましくはそれらがベンダムスチンに曝露された後24時間以内に又は36時間以内に該CD37抗体に曝露される、請求項18に記載の方法。
  21. 該CD37陽性細胞が、それらがベンダムスチンに暴露される前に、好ましくはそれらがベンダムスチンに曝露される前24時間以内に又は36時間以内に該CD37抗体に曝露される、請求項18に記載の方法。
  22. CD37陽性細胞を減少させるキットであって、前記キットがa)CD37抗体を含む容器及びb)ベンダムスチンと併用してCD37陽性細胞を減少させるために該キットを使用するプロトコールを含み、前記CD37抗体が、i)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びii)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む、前記キット。
  23. CD37陽性細胞を減少させるキットであって、前記キットがa)CD37抗体を含む第一の容器、及びb)ベンダムスチンを含む第二の容器、及びc)CD37陽性細胞を減少させるために該キットを使用するプロトコールを含み、前記CD37抗体が、iii)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びiv)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む、前記キット。
  24. 工程c)のプロトコールがCD37抗体及びベンダムスチンを同時に投与することを指示する、請求項22又は23に記載のキット。
  25. 工程c)のプロトコールが、ベンダムスチンの前、好ましくはベンダムスチンの投与前24時間以内又は36時間以内にCD37抗体を投与することを指示する、請求項22又は23に記載のキット。
  26. 工程c)のプロトコールが、ベンダムスチンの後、好ましくはベンダムスチンの投与後24時間以内又は36時間以内にCD37抗体を投与することを指示する、請求項22又は23に記載のキット。
  27. 工程c)のプロトコールが、CD37陽性悪性疾患、好ましくはB細胞悪性疾患、好ましくは慢性リンパ球性白血病(CLL)又はB-NHL、もっとも好ましくはCLLを罹患する患者に該キット成分を投与することを指示する、請求項22から26に記載のキット。
  28. CD37抗体及びベンダムスチン及び請求項18−21に記載の方法を指示する付せんを含む製造物品であって、該CD37抗体が、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む、前記製造物品。
  29. CD37抗体、ベンダムスチン及び医薬的に許容できる担体を含む医薬組成物であって、該CD37抗体が、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む、前記医薬組成物。
  30. CD37陽性悪性疾患、好ましくはB細胞悪性疾患を治療する方法であって、前記方法がi)CD37抗体及びii)ベンダムスチンの治療的に有効な量をその必要がある患者に投与する工程を含み、該CD37抗体が、a)CDRを含む可変重鎖が配列番号:15、16又は21及び17を有するもの、及びb)CDRを含む可変軽鎖が配列番号:18、19及び20を有するものを含む、前記治療方法。
  31. 該CD37抗体が、a)配列番号:2に示されるアミノ酸配列を含む可変重鎖、及びb)配列番号:4に示されるアミノ酸配列を含む可変軽鎖によって規定されるキメラ抗体であり、該定常重鎖及び軽鎖が好ましくはヒト由来である、請求項1から17に記載のCD37抗体、請求項18から21に記載の方法、請求項22から27に記載のキット、請求項28に記載の製造物品、請求項29に記載の医薬組成物、及び請求項30に記載の治療方法。
  32. 該抗体が、配列番号:5のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:6のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、請求項1から17に記載のCD37抗体、請求項18から21に記載の方法、請求項22から27に記載のキット、請求項28に記載の製造物品、請求項29に記載の医薬組成物、及び請求項30に記載の治療方法。
  33. 該抗体が、配列番号:2と融合した配列番号:7のアミノ酸配列を含む重鎖、及び配列番号:4と融合した配列番号:8のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、請求項1から17に記載のCD37抗体、請求項18から21に記載の方法、請求項22から27に記載のキット、請求項28に記載の製造物品、請求項29に記載の医薬組成物、及び請求項30に記載の治療方法。
  34. 該抗体が、配列番号:9のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:10のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、請求項1から17に記載のCD37抗体、請求項18から21に記載の方法、請求項22から27に記載のキット、請求項28に記載の製造物品、請求項29に記載の医薬組成物、及び請求項30に記載の治療方法。
  35. 前記抗体が、ヒト抗体から誘導される前記CDRを支持するフレームワークによって規定されるヒト化抗体であり、さらに該定常重鎖及び軽鎖がヒト抗体由来である、請求項1から17に記載のCD37抗体、請求項18から21に記載の方法、請求項22から27に記載のキット、請求項28に記載の製造物品、請求項29に記載の医薬組成物、及び請求項30に記載の治療方法。
  36. 該抗体が、配列番号:11のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:12のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、請求項1から17に記載のCD37抗体、請求項18から21に記載の方法、請求項22から27に記載のキット、請求項28に記載の製造物品、請求項29に記載の医薬組成物、及び請求項30に記載の治療方法。
  37. 該抗体が、配列番号:13のアミノ酸配列を含む重鎖及び配列番号:14のアミノ酸配列を含む軽鎖を有する、請求項1から17に記載のCD37抗体、請求項18から21に記載の方法、請求項22から27に記載のキット、請求項28に記載の製造物品、請求項29に記載の医薬組成物、及び請求項30に記載の治療方法。
  38. 該CD37陽性悪性疾患が、多発性骨髄腫、プラズマ細胞腫、T細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、及びB細胞悪性疾患、例えばB細胞リンパ腫、攻撃性B細胞リンパ腫、ホジキン病、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)、リンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症(リンパプラズマ細胞性リンパ腫又は免疫細胞腫とも称される)、中枢神経系リンパ腫、白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL、B細胞慢性リンパ球性白血病(BCLL)とも称される)、ヘアリー・セル白血病、慢性骨髄性白血病、小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパプラズマ細胞性リンパ腫、脾辺縁層リンパ腫、粘膜結合リンパ系組織(MALT)の節外辺縁層B細胞腫、リンパ節辺縁層B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、外套細胞リンパ腫、びまん性大B細胞リンパ腫、縦隔(胸線)大B細胞リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性浸出リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、グレイゾーンリンパ腫、悪性性不確定B細胞増殖、リンパ腫様肉芽腫症、及び移植後リンパ球増殖性疾患から成る群から選択され、該B細胞悪性疾患がもっとも好ましくは慢性リンパ球性白血病(CLL)である、請求項1から17及び31から37に記載のCD37抗体、請求項18から21に記載の方法、請求項22から27に記載のキット、請求項28に記載の製造物品、請求項29に記載の医薬組成物、及び請求項30に記載の治療方法。
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