JP2015508657A - ゲノムプロファイリングのシステムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ゲノムプロファイリングのシステムおよび方法に関し、不均質で多クローン性の新生物細胞集団、好ましくはフローソートされたホルマリン固定パラフィン包埋サンプルのゲノムの鑑別において特に有用である。本発明は、多様な癌腫のゲノムおよび/または異種細胞集団における異常を同定する解像度を改善する方法を包含する。また本発明は、ゲノムの解像度、ならびに多様な集団および/または異種の細胞集団におけるゲノム異常を同定する能力を改善するように設計されたキットも包含する。

Description

本発明は、ゲノムプロファイリングのシステムおよび方法に関する。本システムおよび方法は、不均質(異種性:heterogeneous)且つ多クローン性の腫瘍性(新生物:neoplastic)細胞集団のゲノムプロファイリングにおいて効果的である。特定の実施態様において、本システムおよび方法は、より具体的には、フローソートされたホルマリン固定パラフィン包埋臨床サンプルのディープゲノムプロファイリングに関する。
記録保管目的でサンプルを保存するためには、臨床組織サンプルはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)処理される。このようなFFPE組織サンプルは、腫瘍からのサンプルを包含するが、これらは正常細胞と腫瘍細胞とがかなり混合された状態であることが多い。FFPE組織サンプルは、診断および治療結果などを含む患者の経過観察データと共に臨床的に注釈が付けられたサンプルの巨大な資源である。そのようなわけで、これらのサンプルは、患者管理を改善して、個別化された治療剤を選択するための分子機構を提供できる高精細度のゲノミクス用途のための非常に望ましい有用な材料の一つである。十分な注釈が付けられた保管サンプルの利用可能性は、ヒト癌の治療応答の原理および臨床経過を研究するのに非常に好都合な資源の一つである。しかしながら、抽出されたFFPE材料の場合、DNAテンプレートのフラグメントサイズは極めて小さい。
近年の全エキソームおよび全ゲノム技術の開発は、癌を有する患者のための処置および診断の改善における進歩にとって絶好の機会を提供している。これまでの慣例的手順で調製されたFFPE組織サンプルを使用する際の主な欠点の一つは、対象のサンプルから抽出されたDNAの品質のばらつきが大きいことである。加えて、ヒト試料からのバイオマテリアルの高解像度分子分析は、試料の細胞の組成に大いに依存する。例えば、腫瘍組織において周囲の正常細胞の割合が多いと、癌ゲノムを高精細度分析するのに十分な数の新生細胞を単離することが難しくなる可能性がある。
研究に使用可能な膨大な数のFFPEサンプルの効果的な利用を妨げる障害は、FFPEサンプルからのDNAの品質が悪いことや、腫瘍サンプル中の異種の腫瘍が高い割合で含まれることである。現在のところ、サンプルの劣化や正常細胞と腫瘍細胞との重度の混合状態のために、次世代配列決定へのFFPEの使用は極めて限定的である。現在の次世代配列決定における努力は、リード数を増やすことにより(例えば、>100×)組織の不均質性を克服することに注がれている。しかしながら、リード数を増加させれば、低い品質のサンプルに伴うエラーを増産するだけである。
近年の研究では、先進アレイと配列決定技術を用いてFFPEサンプルを照合する様々な方法を説明している。これらの方法では、典型的には、例えばH&E染色スライドの評価、マクロ解剖(macrodissection)の使用、または分析前のレーザー捕獲アプローチなどの組織学的な方法に基づいて、腫瘍細胞含量の閾値を超えるサンプルが選択される。サンプルが選択されたら、典型的には、パラフィン除去、架橋物質の除去、それに続いてDNA抽出および精製からなる様々なプロトコールを使用してサンプルをバルクで抽出する。典型的には、適切なシグナル対ノイズレベルを達成するために、これらのサンプルのアレイおよび配列決定分析は比較的大量の出発原料を必要とする。しかしながら、多くのサンプル、特に固形組織中に発生した腫瘍は、反応性間質、炎症性細胞、および腫瘍細胞と直接接触している部分の壊死が様々に混合された状態の高度な組織の不均質性を示す。
さらに、生検は、形態学だけでは区別できない新生細胞の複数のクローン集団を含有することが多いということが定説になっている。その結果として、組織学ベースの方法では、腫瘍中の異常が、単一の癌ゲノム中に存在するのかどうか、またはそれが複数のクローン集団中に分布しているのかどうかを容易に区別できない。したがって、現在のFFPEサンプルを使用する癌ゲノム分析のアプローチは限定的であり、個々の患者の腫瘍の臨床的な状況を決定する能力はない。
臨床診断の状況においても同じような問題がみられる。組織固定によってDNAが分解する問題はなくとも、高解像度の遺伝学的プロファイリングを提供する困難さがなお存在する。1つのアプローチは、組織培養または異種移植片に腫瘍生検を通すことである。この方法は、患者サンプル中に存在する細胞とクローンとの複合混合物に選択圧力をかけるものであり、時間がかかり、労働集約的であり、ほとんどの臨床条件における緊急的な展開で処理できない。その結果として、うまく増殖させた異種移植片の数は部位によって異なり、最終処理サンプルにおいて患者サンプルの生物学的な複雑さと臨床的な状況が反映されていない可能性がある。
フローサイトメトリーベースのセルソーターは、フローストリーム中で、蛍光および光散乱パラメーターによって客観的に定義される望ましい特徴を使用して、例えば細胞または核などの個々の粒子を選択し、客観的に測定し、ソートすることが可能である。近年のこの技術の進歩は、ハイスループットの流速と薄い混合サンプル中での比較的まれな事象の検出を実現化し、インビボにおけるヒト癌の高精細度分析へのフローサイトメトリー適用を可能にする。様々な報告から、DNA含量ベースのアッセイを使用して、腫瘍細胞をFFPEサンプルから効率的にソートできることが示されている。ソートされたFFPEサンプルは、PCRベースのアッセイおよびSNPアレイに使用されている。しかしながら、これらのアプローチは、典型的には、照合される遺伝子および遺伝子座の数については限定的な解決にしかならない。さらに、SNPアレイの使用は、複雑さを減少させたサンプルの使用が必要である。
近年、膵臓癌細胞の濃縮のために、さらに原発性乳房腫瘍のクローン組成物を研究するために、フローソーティングとゲノム分析との組み合わせが使用されている。しかしながら、これらの研究は、それらのゲノム分析において許容できるシグナル対ノイズ比を達成するために、大規模な遺伝子情報科学的分析、プラットフォーム特異的なサンプル調製物、または比較的大量の投入材料を要する。さらに、FFPEサンプルに適用する場合、このような研究の方法は、追加でDNAの劣化問題があるためによりいっそう実現不可能になる。細胞および組織サンプルにおける異常、特にFFPEから取り出された複合的で多様な癌腫ゲノムにおける異常を同定する改善されたシステムおよび方法の必要がある。本発明の目的の1つは、これらの異常の識別と同定が容易になるような、解像度が改善されたシステムおよび方法を提供することである。例えば、Ibrahim、SFら(2007)、「Flow cytometry and cell sorting」. Adv Biochem Eng Biotechnol 106:19〜39;Navin Nら(2010)、「Inferring tumor progression from genomic heterogeneity」. Genome Res 20:68〜80;および、Boyd ZSら(2009)、「A tumor sorting protocol that enables enrichment of pancreatic adenocarcinoma cells and facilitation of genetic analyses」. J Mol Diagn 11:290〜297を参照されたい(これらはそれぞれ、あらゆる目的で参照により本明細書に組み入れられる)。
Ibrahim、SFら(2007)、「Flow cytometry and cell sorting」. Adv Biochem Eng Biotechnol 106:19〜39 Navin Nら(2010)、「Inferring tumor progression from genomic heterogeneity」. Genome Res 20:68〜80 Boyd ZSら(2009)、「A tumor sorting protocol that enables enrichment of pancreatic adenocarcinoma cells and facilitation of genetic analyses」. J Mol Diagn 11:290〜297
本発明は、ゲノムプロファイリングの方法を提供する。特定の実施態様において、本方法は、多様な癌細胞のゲノムサンプルにおける異常を同定するのに使用できる。本方法は以下の工程を含む:正常および/または異常細胞を含む癌性腫瘍サンプルを得る工程;フローソーティングに好適な脱凝集した細胞核の懸濁液を作製する工程;少なくとも核中の遺伝物質の定量化に基づいて、複数の画分(例えば、2、3、4、または5つの画分など)に核をソートする工程;ソートされた核の少なくとも一部(例えば、少なくとも約10,000、25,000、または50,000個)から遺伝物質を抽出する工程;抽出された遺伝物質と参照サンプルとを差次的に標識する工程;特徴比較用(feature comparative)のゲノムハイブリダイゼーションアレイ上で、標識され抽出された遺伝物質と参照サンプルをハイブリダイズする工程;および標識され抽出された遺伝物質と標識された参照サンプルとを比較して、標識され抽出された遺伝物質に独特な異常を決定する工程。
複数の実施態様によれば、異常は、後述の例で示されるような異常検出アルゴリズムを使用して検出される。
所定の実施形態において、本方法は、複数の画分からの遺伝物質における異常間の比較および/または患者の処置歴に基づき、腫瘍の進展(evolution)を推測する工程をさらに含む。加えて本方法はさらに、抽出された遺伝物質からの全ゲノムライブラリーおよび/またはエキソームライブラリーを含む断片化ライブラリーを調製することにより、抽出された遺伝物質を配列決定する工程;断片化ライブラリーから、複数のフラグメント由来の複数のペアエンドクラスターを作製することによって、断片化ライブラリーを増幅する工程;および、並列配列決定により複数のフラグメントの配列を決定する工程を包含していてもよい。サンプルは、どのような癌性腫瘍または新生物性の腫瘍であってもよく、好ましくは癌腫である。サンプルは、例えば、乳癌、大腸癌、肺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、血液の癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頚部癌、皮膚黒色腫または眼内黒色腫、子宮肉腫、卵巣癌、直腸または結腸直腸癌、肛門癌、結腸癌、ファロピウス管の癌腫、子宮内膜癌、子宮頚癌、外陰癌、膣の癌腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、慢性または急性白血病、軟部組織腫瘍、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌腫、腎臓癌、尿管癌、腎臓の癌腫、腎盂の癌腫、中枢神経腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、骨髄腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、睾丸癌、口腔癌、咽頭癌、およびブドウ膜黒色腫からのサンプルであってもよい。より具体的には、例えば、前立腺腺癌、膵臓腺癌、乳癌、膀胱の癌腫、神経膠芽細胞腫、卵巣の癌腫、または黒色腫である。
本発明はさらに、FFPE組織サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定する方法も対象とする。この特定の実施態様において、本方法は、典型的には、FFPE組織サンプルからパラフィンを取り除くこと;組織サンプルを再水和する工程;組織サンプルを処理して、フローソーティングに好適な脱凝集した核の懸濁液を得る工程(例えば、EDTA、コラゲナーゼ、およびヒアルロニダーゼで組織を加工処理する工程);少なくとも核中の遺伝物質の定量化に基づいて、複数の画分に核をソートする工程;核の倍数体画分と細胞周期画分とをプロファイリングする工程;ソートされた核の少なくとも一部から遺伝物質を抽出する工程;単一プライマー等温増幅により遺伝物質を増幅する工程;およびエンドヌクレアーゼ、好ましくはDNアーゼ1で実質的に均一になるように遺伝物質を消化する工程を包含する。この実施態様はさらに、消化された遺伝物質と参照サンプルとを差次的に標識する工程;特徴比較用のゲノムハイブリダイゼーションアレイで、標識された消化された遺伝物質と参照サンプルとをハイブリダイズする工程;および/または異常検出アルゴリズムを用いて、標識された消化された遺伝物質と標識された参照サンプルとを比較して、標識された消化された遺伝物質に独特な異常を推測する工程を包含していてもよい。
追加の任意選択の工程としては、フローソートされた遺伝物質から、抽出された遺伝物質からの全ゲノムライブラリーまたはエキソームライブラリーを含む断片化ライブラリーを調製する工程;断片化ライブラリーから、複数のフラグメント由来の複数のペアエンドクラスターを作製することによって、断片化ライブラリーを増幅する工程;および並列配列決定により複数のフラグメントの配列を決定する工程が挙げられる。
本方法はさらに、核をソートする前に、例えば4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールで核を染色する工程を包含していてもよい。
例えば、オーバーラップが約0.3、0.4、または0.5を超える場合、抽出された遺伝物質中のコピー数が異常なゲノム区間は、別のサンプル中の区間と類似しているとみなされ、ここで2つの異常区間のオーバーラップは、それらが重なる部分のゲノムの長さを、それら全体のゲノムの長さで割った値である。
本発明はさらに、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定するように設計されたマスターキットも対象とする。マスターキットは、FFPE組織調製用の溶液、DNA抽出キット、単一プライマー等温増幅キット、およびエンドヌクレアーゼを含んでいてもよい。例えば、具体的な実施態様において、マスターキットは、癌性のFFPE組織サンプルの切断された小片を入れるように設計されたマイクロ遠沈管;FFPE組織サンプルからパラフィンを除去するための溶媒;組織サンプルを再水和するためのアルコール;組織サンプル中に存在するタンパク質架橋の除去を容易にするための配位化合物;リン酸緩衝食塩水;組織からの核を取り除くための、例えばコラゲナーゼ、ヒアルロニダーゼ、および緩衝液を含む酵素カクテル;ウシ胎児血清緩衝液;ウシ胎児血清緩衝液に核を再懸濁するためのかきまぜ機;フィルター;4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール;核からデオキシリボ核酸(DNA)を抽出するためのデオキシリボ核酸抽出キット;単一プライマー等温増幅キット;および単一プライマー等温増幅中に抽出されたDNAを断片化するためのエンドヌクレアーゼを含んでいてもよい。
本キットは、デオキシウリジン三リン酸標識キット;参照サンプル;比較用ゲノムハイブリダイゼーションアレイ;DNA剪断機;末端修復および3’アデニル化キット;剪断されたDNAのアデノシンを末端に有する鎖にライゲートするように設計されたインデックス付きのアダプター;インデックス付きのアダプターにライゲートした剪断されたDNAを増幅するためのDNAポリメラーゼ;ペアエンドクラスター作製キット;および/または例えばハイブリダイゼーションによって、増幅したDNAのエキソンを含む部分を選択的に捕獲するように設計されたエキソンの(exonic)リボ核酸プローブをさらに含んでいてもよい。
本発明はさらに、癌を有する対象のための療法を選択する方法も対象とし、本方法は、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)癌性腫瘍サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定すること、および同定された異常を有する癌細胞を処置するのに有効な治療剤を選択することを含む。いくつかの実施態様において、異常は、染色体の1p32〜p31領域にマッピングされる。異常は、c−jun遺伝子にマッピングされる可能性もあり、その癌がベムラフェニブに耐性を有することの指標になり得る。
所定の形態において、異常は、腫瘍遺伝子の発現に影響を与える可能性がある。腫瘍遺伝子は、増殖因子、受容体チロシンキナーゼ、細胞質チロシンキナーゼ、細胞質セリン/スレオニンキナーゼ、調細胞質セリン/スレオニンキナーゼの調節サブユニット、調節GTPアーゼ、または転写因子であってもよい。
図面に本発明の例示的で代表的な実施態様を示す。
図1は、ソートされたFFPE乳癌組織サンプルからの核から抽出されたDNA投入量を増加させる作用を表する。核の数が増加するに従ってシグナル強度が直線的に増加した。サンプルチャネル中のシグナルが増加すると、それに対応してDLRSメトリックが減少し、異常検出のための解像度が改善される。50,000個のソートされたFFPE試料からの核を投入することによりロバストなシグナルが得られた。 図2は、腫瘍壊死因子中のホモ接合性欠失(log比(log2ratio)<−3)を示し、図1からの50kでソートされた乳房サンプルでは、アポトーシスの陰性媒介物質(negative mediator)であるアルファ誘導タンパク質8(TNFAIP8)のみが検出された。 図3は、合致したFFPEおよびFF膵臓癌サンプルに関するフローソートとaCGHとの比較を示す。ヒストグラムは、各サンプルで同じ3.2Nの異数性を示す腫瘍集団が検出されたことを示す。全ゲノムCGHプロットは、ソートされた腫瘍サンプルそれぞれのゲノムが同一であることを示す。 図4は、図3からのソートされたFFPEおよびFFサンプルにおいてADM2アルゴリズムで呼び出された区間におけるオーバーラップの具体例(染色体2p14および染色体9p22.2)を示す。 図5は、同じ患者の組織サンプルから取り出された、細胞株、ソートされたFF増幅、ソートされたFFPE、およびソートされたFFPE増幅A10サンプルのaCGHプロファイルのオーバーラップを示す。 図6は、同じ患者サンプルから取り出された、細胞株、ソートされたFF増幅、およびソートされたFFPE増幅サンプルの全エキソーム配列データのオーバーラップを示す。 図7は、フローソートされたFFPEのPDAサンプルの全ゲノムCGH分析の例を示し:A)転移性PDAのFFPEサンプルからソートされた二倍体(2.0N)および異数性(3.4N)細胞のヒストグラムであり、B〜D)3.4N腫瘍集団におけるCDKN2A遺伝子のホモ接合性欠失を実証する、全ゲノム、9番染色体、および9p21のCGHプロットである。青色の影を付けた領域は、ADM2ステップ・グラム・アルゴリズム(ADM2 step gram algorithm)で呼び出されたコピー数異常領域を示す。 図8は、増幅の前および後での、ソートされたFFPEのPDAサンプルのaCGHプロファイルにおけるADM2区間のオーバーラップの例を示す。 図9は、ソートされたFF、FFPE、およびFFPE増幅PDAサンプルにおける、aCGHプロファイルでADM2により定義された区間のオーバーラップ、およびそれに関連する切断点の例を示す。 図10は、同じ組織からの細胞株、ソートされたFF、およびソートされたFFPEのPDAサンプルにおける、TP53におけるホモ接合体突然変異の検出と、それに対応する17pにコピー数消失がある17番染色体のCGHプロットを示す。 図11は、同じ組織からの細胞株、ソートされたFF、およびソートされたFFPEのPDAサンプルにおける、SMARC4におけるホモ接合体突然変異の検出と、それに対応する19pにコピー数消失がある19番染色体のCGHプロットを示す。 図12は、同じ組織からの細胞株、ソートされたFF、およびソートされたFFPEのPDAサンプルにおける、VWFにおけるヘテロ接合体突然変異の検出と、それに対応する12pにコピー数の増加がある12番染色体のCGHプロットを示す。 図13は、同じ組織からの細胞株、ソートされたFF、およびソートされたFFPEのPDAサンプルにおける、KRASにおけるヘテロ接合体突然変異の検出と、それに対応する12pにコピー数の増加がある12番染色体のCGHプロットを示す。 図14は、同じ組織からの細胞株、ソートされたFF、およびソートされたFFPEのPDAサンプルにおける、CTNNA3におけるホモ接合体突然変異の検出と、それに対応する10番染色体のCGHプロットを示す。 図15は、10,000個の核を使用した、2つのソートされ増幅されたFFPE膵臓癌サンプルに関するaCGHのQCメトリクスを示す。 図16は、25,000個の核を使用した、2つのソートされ増幅されたFFPE膵臓癌サンプルに関するaCGHのQCメトリクスを示す。 図17は、50,000個の核を使用した、2つのソートされ増幅されたFFPE膵臓癌サンプルに関するaCGHのQCメトリクスを示す。 図18は、患者における去勢抵抗性前立腺癌が進化している間のクローン腫瘍集団のパターンを表する。 図19は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織PS034398B2のフローソートされた二倍体および異数性集団の異常検出およびaCGH分析を表し:A)ソートされた2.0Nおよび3.1N集団の細胞周期および倍数性の分析であり、B)ソートされた2.0Nおよび3.1N集団の全ゲノムプロットであり、およびC)3.1NゲノムでのPARD3およびERBB4遺伝子における限局的欠失(focal deletion)を示す遺伝子レベルの観察である。影を付けた領域は、ADM2で定義される異常区間を示す。 図20は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織SS044239A2のフローソートされた異数性集団の異常検出およびaCGH分析を表し:A)ソートされた2.0Nおよび3.4N集団の細胞周期および倍数性の分析であり、B)ソートされた3.4N集団の全ゲノムプロットであり、およびC〜D)3.4NゲノムにUSP25遺伝子座を包含する限局的な21q21.2アンプリコンの染色体および遺伝子レベルの観察である。影を付けた領域は、ADM2で定義された異常区間を示す。 図21は、膀胱の癌腫のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織B33251からのフローソートされた異数性集団の異常検出およびaCGH分析を表する。膀胱の癌腫のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織B33251のフローソーティングであり:A)ソートされた2.0Nおよび3.1N集団の細胞周期および倍数性の分析であり、B)ソートされた3.1N集団の全ゲノムプロットであり、C〜D)3.1Nゲノム中にCCND1遺伝子座を包含する限局的な11q13.3アンプリコンの11番染色体および遺伝子レベルの観察である。影を付けた領域は、ADM2で定義された異常区間を示す。 図22は、多形性神経膠芽細胞腫ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織からのフローソートされた異数性集団の異常検出およびaCGH分析を表し:A)ソートされた腫瘍集団の全ゲノムプロットであり、B〜C)EGFR遺伝子座を包含する限局的な7p11アンプリコンの7番染色体および遺伝子レベルの観察である。影を付けた領域は、ADM2で定義された異常区間を示す。 図23は、卵巣(SCCO)ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織006の小細胞癌からのフローソートされた四倍体集団の異常検出およびaCGH分析を表し:A)FFPEサンプルからソートされた二倍体(青色)および四倍体(赤色)集団であり、B〜C)4.0Nゲノムの全ゲノムおよび1番染色体のaCGHプロットであり、およびD)1p36.22の遺伝子の観察とCASZ1遺伝子座における切断点のマッピングである。影を付けた領域は、ADM2で定義された異常区間を示す。 図24は、アレイCGHで検出されたゲノム異常のFISH(蛍光インサイチュハイブリダイゼーション)による確認を表する。AおよびB)膵臓腺癌B3733でのFISHハイブリダイゼーションであり、A)は、コントロール膵臓組織に比べてCDKN2A遺伝子のホモ接合性欠失があることを明らかにしており、B)には、遺伝子CDKN2A(緑色)およびセントロメア9(赤色)の2つの無傷のコピーがみられる。赤色および緑色の矢印はそれぞれセントロメア9とCDKN2A遺伝子シグナルを指し示す。C)において、膀胱の癌腫B33251にサイクリンD1FISHプローブを用いたFISHハイブリダイゼーションは、CCND1遺伝子のゲノム増幅を示す(緑色の矢印)。赤色および緑色の矢印はそれぞれセントロメア11とCCND1遺伝子シグナルを指し示す。 図25は、黒色腫と診断されベムラフェニブで処置された母親および乳児の臨床経過の要約を示す。 図26は、ベムラフェニブ処置前後の分析に利用可能な母親および乳児からの組織を示す。 図27は、母親および乳児からの組織サンプルの複雑さを表する。リンパ節中の多量のリンパ球のなかに存在する小さい転移性黒色腫の例が矢印で示される。まず細胞の部分集団をソートしない限り、このような組織をゲノムプロファイリングしても黒色腫組織に存在する異常を同定できる可能性は低い。 図28は、黒色腫転移の未画分サンプルにaCGHを行っても、増幅も欠失もまったく検出できないことを表する(図の上の部分)。フローサイトメトリーの支援によりリンパ節細胞(紫色)から黒色腫の核(ピンク色)を精製し、次いでこれをaCGH研究に使用する(図の下の部分)。 図29は、バルクの組織の細胞周期モデルを表しており、小集団がメラニン形成性マーカーに関して染色されたことが示される(赤色、左のパネル)。研究された組織では、対象の集団(赤色)は全体でわずか8%の核しか含まないが、フローの分離により、腫瘍集団の(95%を超える)高レベルの精製を達成できる(赤色のピーク、右のパネル)。 図30は、フローソートされた核のCGHを表する。典型的な混成型の腫瘍試料から精製した核をCGHに利用した。ソーティングにより、低い(染色体の)解像度と高い(単一の遺伝子の)解像度との両方においてゲノムの変化の解像度が強化された。左:未ソートの腫瘍サンプルの分析(上の記録)であり、この分析において、腫瘍細胞はサンプルのわずか8%であり、コピー数異常を同定できなかった。しかしながら、腫瘍の部分集合の精製(下の記録)からは明らかに、いくつかの小さいホモ接合性欠失が実証された。右:30%の腫瘍細胞を含有する第二のサンプルにおいて、未ソートのサンプルでは異常は検出されなかったが(青色)、ソートされたサンプル(赤色)では、それぞれ上と下のパネルで図示されるように、2つの異なるゲノム領域で小さい限局的消失が検出された。 図31は、組織病理学によるクローン生成能の決定を表する。原発性黒色腫としての病理学に基づき読み出された2つの小さい病変の例を示す。しかしながら、これらの発見が「表皮向性」型の転移性黒色腫で観察されていても、多数の生検組織のいずれにおいてもこのような転移性プロセスを示唆するような典型的な発見はなされていない。また、表皮基底層に沿って密集したメラニン細胞も示される。皮膚メラニン細胞は同定されなかった。真皮乳頭層では、重度の日光性弾力線維症の帯状のゾーンが観察される。これらの病変は、MMIS、悪性黒子タイプとは区別できなかったが、この患者では表皮向性転移として発生した。 図32は、多パラメーターによる核のフロー分析を表する。2つの腫瘍集団(上2つの記録)および1つのそれに対応する正常集団(下の記録)の評価を示す。ここで、3つのサンプル全てに見出される異常(黒色の矢印)は、生殖細胞系の多形の指標である点に留意すべきである。下の記録において、青色の矢印は、両方の腫瘍サンプルではみられるが正常サンプルではみられない増幅および欠失を示す。これらのデータは、2つの腫瘍はクローン的に関連していることを示しており、したがって、疾患の転移性の性質を証明するものである。また2つの腫瘍サンプルはさらに、追加の相違する異常も含有しており、この異常は共通ではなかった。これは、これらのクローンが共通の前駆体から分化した後に継続して進展した腫瘍と一致する。 図33は、クローンの進行のゲノム署名を表する。aCGHにおける患者の2種の黒色腫に共通する2つの異常、すなわち染色体6p増幅および10q欠失は、クローン起源が共通であるという概念を裏付けるものである。腫瘍が発達し続けるにつれて、それから派生する追加の異常も発達した。 図34は、母親における少なくとも2種の別個の黒色腫集団を同定するaCGH分析を表する。 図35は、母親の肺の病変と乳児の頭皮の病変とが関連していることを示すaCGH分析を表する。 図36は、ベムラフェニブ(vemurafenib(登録商標))耐性が誘導された母親における独特なゲノム異常(黒色の矢印)を同定するaCGH分析を表する。 図37は、母親における独特なゲノム異常(すなわち、C−JunおよびJak1)を同定するaCGH分析を表する。 図38は、CGHベースの母親および乳児における黒色腫進行モデルを表する。特異的な染色体におけるゲノム異常が示される。 図39は、CGHベースの母親および乳児における黒色腫進行モデルを表する。特異的な遺伝学的突然変異が同定され、分析した腫瘍サンプルにマッピングされた。
これらの図における要素と事実は簡略化するために説明されたものであるため、いずれの特定の順番または実施態様に従ってなされたとは限らない。
発明の詳細な説明
図面および発明の詳細な説明で、本明細書に記載される発明の形態および適用を説明する。具体的に述べられていない限り、明細書および特許請求の範囲内の文言および成句は、適用可能な技術分野における当業者にとって、そのものの一般的な慣習通りの意味を有するものとする。
本発明の好ましい実施態様の所定の適用を最適化するために、FFPEサンプルのフローサイトメトリーの専門知識を照合するための高精細度ゲノムツールが、慣例的手順で処理されたFFPEブロックからの高度精製材料の調製に適用される。いくつかの実施において、様々な保管組織サンプルから二倍体の核および異数性集団を同定して、その後それらをソートするために、DNA含量ベースのアッセイを使用する。DNA抽出および増幅プロトコールを最適化することにより、フローソートされたFFPE腫瘍集団それぞれの比較用ゲノムハイブリダイゼーション(aCGH)と次世代配列決定(NGS)との両方のアレイに高品質のテンプレートが提供される。
所定の実施において、保管FFPEサンプルを使用してこの致死性の高い癌のゲノムをプロファイリングする開示された方法の能力を判定するために、膵管腺癌(PDA)新鮮凍結サンプルとFFPE膵管腺癌(PDA)サンプルとのマッチングを使用する。様々な固形腫瘍組織、例えばトリプルネガティブ乳癌、黒色腫、肉腫、神経膠芽細胞腫、および卵巣小細胞癌を照合して、本方法を確認できる。いくつかの実施において、迅速な病理解剖のPDAサンプルからの、新鮮凍結サンプルとFFPEサンプルとの一連のマッチングが使用され、さらに、初代細胞系とすでに公開されているエキソーム配列とをマッチングして、NGS分析用にソートされたサンプルの使用を確認する。FFPEサンプルからの腫瘍細胞の客観的に定義された高度精製集団のゲノムを高精細aCGHおよびNGSで照合する能力は、患者の治療結果を改善するために解釈することが可能な、選択された異常と脱調節されたシグナル伝達経路を同定するための極めて好都合なアプローチを提供する。これらの方法は、癌患者のための有効でより個別化された療法を推進するのに使用できるインビボにおけるヒト腫瘍の高精細度研究を可能にすることにより、癌の調査に関して広範な用途がある。
従来の方法とは異なり、本明細書で開示されたシステムおよび方法は、対象のサンプルの高精細度分析に使用できるソートされたFFPEサンプルからの全ゲノムおよび/またはエキソームのテンプレートを提供する。標識工程において、テンプレートの低い品質を補うために、FFPEサンプルから抽出されたDNAを大量に投入してきた。アレイ実験に十分な量の標識されたテンプレートを提供するには、典型的には5μgのDNAが必要である。サンプルは、典型的には、慣例的なH&E染色を使用した全体形態(gross morphology)の判定に基づいて選択され調製される。これは、特に例えばPDAなどの固形腫瘍における高精細度のゲノミクスへのFFPEの使用を大きく制限し、なぜならこのような固形腫瘍は、複合的なゲノムや異種の細胞充実性に起因して、癌細胞は、腫瘍中で平均して細胞のわずか25%にしかならないために生検レベルで分子的に特徴付けることが難しい腫瘍タイプであるためである。
本明細書で説明される実施態様によれば、ソート効率は、組織のタイプおよび品質の影響をかなり受ける可能性がある。FFPEサンプルの場合、死細胞片、凝集体、およびスライスされた核の量が多くなるにつれて、ソート効率は減少する可能性がある。ソート効率を比較的高いレベルに(概算で、例えば>約60%、>約70%、>80%)維持するために、コアとシース液との間に差次的な圧力を高めてもよい。しかしながら、いくつかの実施において、ソートされたサンプルの高い収量と純度を維持するためには、これらの2つの間の差次的な圧力は、>1にすることはできない。フローソーティングは、分解された核を包含する死細胞片を排除する。フローストリームの遅いソート速度と差次的な圧力の維持は、ソート効率と全体的な無傷の核の収量を改善する。
いくつかの実施態様において、許容できるソート効率を維持するために、フローソーティング速度と差次的な圧力を、部分的に組織の多様性と源に基づいて変更する。いくつかの実施態様において、フローソーティング速度は、約50〜約1500イベント/秒である。いくつかの実施態様において、フローソーティング速度は、約100〜約1000イベント/秒である。いくつかの実施態様において、フローソーティング速度は、約300〜約700イベント/秒である。いくつかの実施態様において、フローストリームの差次的な圧力(シース/サンプル)は、約0.1〜約1.0である。いくつかの実施態様において、フローストリームの差次的な圧力は、約0.4〜約1.0である。いくつかの実施態様において、フローストリームの差次的な圧力は、約0.6〜約1.0である。いくつかの実施態様において、許容できるソート効率は、少なくとも約60%である。いくつかの実施態様において、許容できるソート効率は、少なくとも約70%である。いくつかの実施態様において、許容できるソート効率は、少なくとも約80%である。いくつかの実施において、ソーティングにおける最大の変動要素は、組織の由来である。したがって、実施態様によれば、乳房サンプルは、それらがFFかまたはFFPEかどうかに関係なく、膵臓サンプルよりも効率的にソートされることが多い。
いくつかの実施において、DNA含量に基づくゲーティングは、対象のサンプルからの腫瘍集団を同定し、続いてソートするためのロバストな定量的測定を提供する。例えば、図18で示されるように、FFのPDAサンプルからソートされた3.0N集団が、同じ組織からのFFPEサンプルで3年後に検出された。示された各集団の分布および倍数性は、ガウス曲線としての各集団のG/GおよびG/Mピークと、幅広なガウス分布としてのS相分布とをフィッティングすることによって決定してもよい。腫瘍組織からのDNA含量のヒストグラムは、典型的には最適ではないか(広範なCVの大量の死細胞片および凝集)、または頻繁な除去作業(skewing)およびガウス以外のピーク形状のために複雑である(複数のオーバーラップするピークおよび細胞周期)。これは、分析が、ホルマリン固定試料から誘導される場合にも当てはまる。
さらに、いくつかの実施態様において、DNA含量のフローサイトメトリーで分析されたほとんどの核懸濁液は、ある程度のダメージを受けた、または断片化した核(死細胞片)を含有するため、結果として通常は二倍体G/Gピークの左に最もよく見えるイベントが生じ、急速にベースラインまで降下する。ほとんどの死細胞片曲線の形状は、指数関数的ではない。再現可能な相の測定のために、少なくとも8,000、より好ましくは少なくとも9,000または10,000のイベントが通常必要である。しかしながら、イベントの実質的な割合が死細胞片または凝集体によるものである場合、正確なカーブフィッティングに必要な最小の無傷の単一の核の数を確実に得るためには、得られたイベント総数がそれ相応に高くなると予想される。
いくつかの実施において、抽出の前に、ソーティングにより無傷の核の調製物が提供される。これにより、全ゲノムの分析および調製のためのDNAテンプレートを調製する前にサンプルは浄化され、分子分析用の高レベル(例えば、>60〜70%)の腫瘍含量に基づいてサンプルを予備選択する必要性がなくなる。それに対して、開示されたシステムおよび方法は、最初の腫瘍含量に関係なく、高度に定量的で客観的な測定を使用して、対象のサンプルから腫瘍細胞集団を同定して、その後精製する。この方法論は、生検の非定量的な形態学的測定に起因するサンプリングで起こり得るエラーを排除し、高精細度のゲノム分析で使用できるサンプルの数を大いに増加させる。
短時間のDNアーゼ1消化を使用することにより、FFPE材料から標識用の均一なテンプレートが得られる。
コピー数分析の解像度は、正確には単一コピー数の変化を検出する際のプローブあたりのエラー数(per probe error)と定義することもできる。これは、全ての染色体Xプローブごとにlog比をプロットし、それに続いて一連の比較、XY/XX対XX/XX、およびXX/XYを行うことによって計算することもできる。染色体Xプローブのlog比に関する各ヒストグラムの分布のオーバーラップは、単一コピー数消失を区別する際のエラー率のことである。
ソートされた高度精製サンプルを用いた開示されたアッセイの解像度は、各腫瘍ゲノムにおいてlog比<−3.0の厳密なカットオフを使用して単一コピー消失とホモ接合性消失との識別を可能にする。さらに、開示されたアッセイではエラー率が比較的低いために、ゲノム全体にわたりアンプリコンと欠失との境界が高解像度でマッピングされる。(例えば、図7〜14を参照)。したがって、所定のアッセイについてプローブと測定密度の関数として解像度を評価するよりも、開示された全ゲノムアッセイでは各測定の解像度を最適化した。これは、癌を有する患者にとって有効なより個別化された療法を推進できる高い精度測定にFFおよびFFPEサンプルの両方を適用することにおける本質的な特徴である。
全ての新鮮凍結サンプルを液体窒素中で回収し、−80℃で保存した。分析前に全ての腫瘍サンプルを病理組織学的に評価した。
FFPEサンプルの調製およびフローソーティング
複数の実施態様によれば、FFPEサンプルは、フローソーティング用に調製される。いくつかの実施において、両側からそれぞれ40〜60μmのスクロール(例えば、40〜60μmのスクロール)で過量のパラフィンをメスで除去し、次いでこれを組織のサイズに応じてそれぞれ3または4つの小片に断片化する。サンプルを断片化することにより、ソート過程中の死細胞片の蓄積が少なくなる。切断された各小片を個々のマイクロ遠沈管に回収して、例えばキシレン(例えば、1mL)で約5分、3回洗浄して、残りのパラフィンを除去する。例えば、連続的なエタノール洗浄(100%のエタノールで5分間で2回洗浄し、次いで95%、70%、50%、および30%のエタノールで洗浄する)で各サンプルを再水和する。
再水和した各サンプルを、一例として、1mLの1mMのEDTA(pH8.0)で2回洗浄する。いくつかの実施において、1mMのEDTA(pH8.0)の1mLのアリコートをサンプルに添加して、約95℃で約80分インキュベートすることにより、FFPE組織中に存在するタンパク質架橋を除去しやすくする。次いでサンプルを約5分より長い時間かけて室温に冷却し、続いて例えば、300μLのPBS7.4を添加し、約3.6rcfで約2分穏やかに遠心分離する。上清を除去して、ペレットを、例えば、1mLのPBS7.4/0.5mMのCaClで3回洗浄して、EDTAを除去する。
いくつかの実施において、例えば、PBS(ph7.4)/0.5mMのCaCl緩衝液中に50ユニット/mLの3型コラゲナーゼ、80ユニット/mLの精製コラゲナーゼ、および100ユニット/mLのヒアルロニダーゼを含有する新たに調製した酵素カクテル1mL中で、各サンプルを一晩(例えば、6〜17時間)消化する。カクテル混合物に添加直前に、各酵素をPBS(ph7.4)/0.5mMのCaCl緩衝液で再水和する。一晩消化した後、各サンプルに約500μLのNSTを添加して、ペレット化しやすくする。サンプルを約3000rcfで約5分遠心分離し、その後ペレットを約750μLのNST/10%ウシ胎児血清に再懸濁し、次いでニードル(例えば、25Gのニードル)に数回(例えば、10〜20回)通過させる。
いくつかの実施において、サンプルを35μmのメッシュに通過させてろ過して、5mLのポリプロピレン製の丸底チューブに回収する。追加量の、例えば750μlのNST/10%ウシ胎児血清でメッシュをすすいで氷上に置く。実施態様によれば、各サンプルのチューブ中の総体積は、およそ1.5mLである。各チューブに等体積の20μg/mLのDAPIを添加して、DAPIの最終濃度を10μg/mLにし、その後、紫外線励起を利用したBDインフラックス(BD Influx)血球計算器(ベクトン−ディッキンソン(Becton-Dickinson)、カリフォルニア州サンノゼ)を用いてフローソーティングする。いくつかの実施において、インフラックスソーターでFFPEサンプルをソートするための設定は以下の通りである:液滴形成は、6〜10ボルトの圧力振幅および30kヘルツの液滴の振動数で達成される。ソート様式は、31.5〜32の液滴遅延での純度収量に設定される。シース液圧力は、典型的には、100μmのノズルを用いて17〜18psiとする。単一パラメーターのDNA含量アッセイの場合、一例として、DAPI放出は>450nmで回収する。次いで、ソフトウェアプログラム、例えば、マルチサイクル(MultiCycle)(フェニックス・フロー・システムズ(Phoenix Flow Systems)、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用してDNA含量および細胞周期を分析する。
DNA抽出
いくつかの実施において、例えばキアゲン(Qiagen)(カリフォルニア州バレンシア)製のQIAamp(登録商標)DNAマイクロキットの補正プロトコールなどのプロトコールを使用して、ソートされた核からのDNAを抽出する。一例として、この補正プロトコールを簡単に説明すると、各ソートされたサンプルを180μlの緩衝液ATLと20μlのプロテイナーゼKに再懸濁し、次いで完全に溶解させるために56℃で3時間インキュベートする。サンプルを合わせて、QIAamp(登録商標)DNAマイクロキットの説明書に従って洗浄し、50μlのddHOに溶出させ、次いで5μlの酢酸ナトリウムと180μlの100%EtOHで一晩沈殿させる。次いで各サンプルを20,000×gで30分遠心分離して、1mLの70%EtOH中で30分、20,000×gで洗浄する。サンプルをデカントして、素早く真空にすることによりDNAペレットを乾燥させ、次いで少量(例えば、10〜50μL)のHOに再懸濁して正確な量子化に好適な最終濃度にする。
DNA増幅
複数の実施態様によれば、ソートされたFFPEサンプルからのゲノムDNAは、例えば単一プライマー等温増幅によって増幅される。例えば、いくつかの実施において、NuGEN(登録商標)テクノロジーズ(カリフォルニア州サンカルロス)製のオベーション(Ovation)(登録商標)WGAのFFPEシステムが使用される。オベーション(登録商標)WGAのFFPE標準プロトコールに従って断片化工程と交互にDNAを処理する。いくつかの実施において、その結果得られた増幅産物を、aCGH分析用テンプレートとして使用する。いくつかの実施において、次世代配列決定に好適なライブラリー用の投入材料として二本鎖の末端が修復されたDNAを作製するために、例えば、NuGENエンコア(Encore)ds−DNAモジュールを用いて結果得られた増幅産物を供給元の説明書に従って処理する。
いくつかの実施において、新鮮凍結サンプルを使用して結果を確認する場合、phi29ベースのイラストラ・ゲノミファイV2(Illustra GenomiPhi V2)増幅キット(GEヘルスケア・バイオサイエンス社(GE Healthcare Bio-Sciences Corp.)、ニュージャージー州ピスカタウェイ)を公開プロトコールに従って使用して、抽出された出典情報付きの新鮮凍結ゲノムDNAを増幅する。例えば開示された方法などのプロトコールで較正または実験されるときに確認を行うことが多い;しかしながら、本方法を使用してFFPE材料の巨大なライブラリーをプロファイリングする場合、新鮮凍結サンプルを利用できないことが多く、したがって、それに相当する新鮮凍結サンプルに関連する作業は省略してもよいことが理解される。いくつかの実施において、増幅したDNAテンプレートを使用してaCGH実験ごとに好適な参照が作製されるようにした増幅プロトコールを用いて、プロメガ(Promega)製の雌性DNAの100ngのアリコートを増幅する。いくつかの実施において、増幅産物の品質は、ゲル電気泳動で判定される。
CGH分析
複数の実施態様によれば、比較用ゲノムハイブリダイゼーション分析が行われる。いくつかの実施において、クレノーベースの標識付けの前に、新鮮凍結phi29増幅DNAおよびFFPE未増幅DNAを、DNアーゼ1で処置する。いくつかの実施において、高分子量phi29テンプレートを30分消化し、一方で、それより小さい断片化したFFPEサンプルを1分だけ消化する。いずれの場合においても、7μlのDNAサンプルに1μlの10×DNアーゼ1反応緩衝液および2μlのDNアーゼI希釈緩衝液を添加し、室温でインキュベートし、次いで30分かけて70℃にして、DNアーゼIを失活させる。それに対して、増幅したFFPE由来のDNAは、クレノーベースの標識付けの前に、DNアーゼ1処置をしなくてもよい。例えば、バイオプライム(BioPrime)標識キット(インビトロジェン(Invitrogen)、カリフォルニア州カールスバッド)を公開プロトコールに従って使用して、サンプルおよび参照テンプレートをそれぞれCy−5dUTPおよびCy−3dUTPで標識する。
いくつかの実施において、ナノドロップ(Nanodrop)アッセイ(ナノドロップ(Nanodrop)、デラウェア州ウィルミントン)を使用して標識反応を判定して、その後、混合して、65℃の回転式オーブン中で所定期間(例えば40時間)、CGHアレイ、例えば400kのCGHアレイ(アジレント・テクノロジーズ(Agilent Technologies)、カリフォルニア州サンタクララ)にハイブリダイズさせる。
いくつかの実施において、例えば、アジレント2565C DNAスキャナーを使用してマイクロアレイスライドをスキャンして、例えば、デフォルト設定を使用したアジレント・フィーチャー・エクストラクション(Agilent Feature Extraction)バージョン10.7で画像を分析する。いくつかの実施において、一連のQCメトリクスでaCGHデータを判定し、次いで異常検出アルゴリズム(ADM2)(18)を使用して分析する。いくつかの実施において、後者は、ゲノム区間中の全てのプローブの平均の正規化した対数比にこれらのプローブの数の平方根を掛けた値から得られた統計スコアに基づいて、所定サンプルにおける一貫して高いまたは低い対数比を有する全ての異常区間を同定する。このスコアは、正規化した対数比の平均のその期待値ゼロからの偏差を示し、ゲノム区間の高さh(絶対平均対数比)と、その区間におけるプローブ数の平方根とに比例する。
エキソームライブラリーの調製
複数の実施態様によれば、エキソームライブラリーが調製される。いくつかの実施において、260/280比が1.8〜2.1の高品質ゲノムDNA(3μg)を、例えばコバリス(Covaris)E210システム(ウォバーン(Woburn)、マサチューセッツ州)で150〜200bpの目標サイズに断片化する。いくつかの実施において、2%TAEゲルで断片化を検証し、断片化したサンプルを、例えば、ニューイングランド・バイオラボ(New England Biolab)(マサチューセッツ州イプスウィッチ)のNEBネクスト(NEB Next)キットを使用して末端修復する。いくつかの実施において、修復されたサンプルを、例えば、NEBネクストキットを使用して3’末端でアデニル化する。いくつかの実施において、例えばイルミナ(Illumina)(カリフォルニア州サンディエゴ)のインデックス付きのアダプターなどのアダプターをアデニル化末端処理産物にライゲートする。例えばヘラクレスII(Herculase II)ポリメラーゼを使用してサンプルをPCRで増幅し、精製する。次いで、いくつかの実施において、例えばアジレント・バイオアナライザーにサンプルを流し、増幅を検証しサンプルを定量する。いくつかの実施において、一例として、エキソン含有RNAプローブに24時間ハイブリダイズさせるために、例えば、202,124種のエキソンを標的とする561,823種のプローブを含有するアジレントのシュアセレクト・オール・エキソン50Mbプラスキット(SureSelect All Exon 50Mb Plus kit)を使用して、サンプルを147ng/μlに調節する。次に捕捉された産物をPCR用に選択して、精製し、PCRで増幅する。例えばアジレント・バイオアナライザーを使用して、最終的なライブラリーを検証し、定量する。
全ゲノムライブラリーの調製
複数の実施態様によれば、全ゲノムライブラリーが調製される。いくつかの実施において、260/280比が1.8〜2.1の高品質ゲノムDNA(1μg)を、例えば、コバリスE210システムで300〜400bpの目標サイズに断片化する。いくつかの実施において、2%TAEゲルで断片化を検証する。断片化したサンプルを、例えば、イルミナのTruSeq DNAサンプル・プレップキット−A(TruSeq DNA Sample Prep Kit-A)を使用して処理する。いくつかの実施において、断片化したサンプルを3’末端で末端修復し、アデニル化し、例えばイルミナアダプターなどのペアエンドアダプターにライゲートする。ライゲーション産物を精製し、400および450bpのサイズで選択し、PCRで増幅し精製する。例えばアジレント・バイオアナライザーでライブラリーを確認する。
ペアエンド次世代配列決定
いくつかの実施において、例えば2NのNaOHを使用してライブラリーを変性させ、例えばHT2緩衝液(イルミナ)で希釈する。いくつかの実施において、各レーンに1%の変性させて希釈したphiXを加えて、エラー率を報告させるようにすることができる。いくつかの実施において、例えば、イルミナのcBotおよびHiSeqペアエンドクラスター作製キットを使用して、クラスター作製を行う。例えば、イルミナのHiSeq2000で、イルミナのHiSeq配列決定キットを使用して、フローセルをペアエンド配列決定する。
いくつかの実施において、例えば、イルミナHiSeq2000シーケンサーから配列決定の生データが得られ、これを例えば、CASAVAパイプラインを例えばカスタムスクリプトで使用して標準的なフォーマットに変換する。いくつかの実施において、品質を整えた後、各ペアエンドのリードの終了ごとに104ベースのリードを85ベースに調整する。例えば、UCSCゲノムブラウザ(http://genome.ucsc.edu/)からダウンロードしたヒトゲノムのhg18(build 36)に対してデータを並べ、例えばBWAアライナー、ピカール(picard)、GATK、および数種のカスタムスクリプトを包含するゲノム分析ソフトウェアパッケージを使用する複数のスクリプトからなるカスタムパイプラインを使用して並べる。いくつかの実施において、2つのコーラー:SAMツール(Li H.、Handsaker B.、Wysoker A.、Fennell T.、Ruan J.、Homer N.、Marth G.、Abecasis G.、Durbin R.および1000 Genome Project Data Processing Subgroup(2009)The Sequence alignment/map (SAM) format and SAMtools. Bioinformatics、25、2078〜9.[PMID:19505943])、およびVarScan(ワシントン大学のゲノム・インスティテュート(Genome Institute at Washington University))を使用して変異体の呼び出しがなされる。当業界において通常の技術を有するものであれば明らかになると思われるが、呼び出された変異体を、公知または推定の変異体リストと比較する。
例示的な結果
以下の結果は、保管FFPEサンプルの腫瘍集団からのフローソーティングに関するものであり、これは単に一例として示したものであって限定ではない。
以前の研究から、DNA含量ベースのフローアッセイは、例えば、対象の新鮮凍結生検からの二倍体、異数性、倍数性、および高含量の4N(G/M)画分などの倍数性に基づく集団の識別を可能にすることが示されている。これらのアッセイは、典型的には、同定された各集団のヒストグラムにおいて+/−0.2Nの変動係数(c.v.)を有し、慣例的手順で回収された対象のサンプルから二倍体の部分集団と異数性集団とをソートするための組織および/または腫瘍特異的なマーカーと組み合わせることができる。これらのソートされた集団から、各癌ゲノムにおける体細胞の異常を高解像度で検出するための最適なテンプレートが得られた。
例えば、客観的な閾値(例えば、log比<−3.0)を使用するaCGH実験では、非腫瘍細胞が高度に混合された状態(例えば、>90%)のサンプルでさえも、ホモ接合性欠失が意味を持って検出される。まずFFPE材料サンプルからパラフィンを取り除き、連続的なエタノール洗浄で再水和し、EDTAで処置し、次いで例えばコラゲナーゼおよびヒアルロニダーゼの酵素カクテルで処理して、フローソーティングに好適な単一の核の懸濁液を得た。各サンプルで、核をDAPI NST中に再懸濁し、25ゲージのニードルで脱凝集させ、次いで、30〜40μmのメッシュフィルターを通過させてろ過し、その直後に紫外線励起を利用したインフラックス血球計算器で分析し、>450nmでDAPI放出を回収した。流速は典型的には1000イベント/秒未満であるため、ソート効率、対象の各ピークのサイズおよび幅、ならびに様々な量の死細胞片の存在に基づいてサンプルごとに流速を調節した。ソフトウェアプログラムのマルチサイクル(フェニックス・フロー・システムズ、カリフォルニア州サンディエゴ)37を使用して、DNA含量および細胞周期をこれまでに説明したようにして分析した。この研究でプロファイリングされる倍数体画分および細胞周期画分(G/G、S、G/M)などの各サンプルの表現型につき複数のデータを回収した。
次いで、アジレント・オリゴヌクレオチド・アレイを使用したaCGH実験に最適化したプロトコールを使用してソートされたFFPE画分から抽出されたDNAを処理した(例えば図15〜17を参照)。簡単に言えば、各DNAサンプルを均一になるまでDNアーゼ1で消化し、次いでクレノー標識反応でCy5色素で標識した。最初の実験によって、ロバストなaCGHの結果を提供するのに必要なソートされた核の数を決定した。単一のFFPE乳房サンプルから10,000、25,000、および50,000の二倍体および異数性(3.2N)の核を有する2連のアリコートをソートし、各ソートされたサンプルからのDNAをaCGH用に処理した。プールした市販の46,XX参照を用いて全てのハイブリダイゼーションを行った。各ソートされたFFPEサンプルのaCGH分析における有用性を判定するために、例えば図1に示されるような、バックグラウンドを差し引いた色素に正規化したシグナル強度、実験ごとの対数比の拡散(DLRS)、および各ゲノムに異常区間をマッピングする能力などの一連のメトリクスを比較した。
ソートされた乳房サンプルのシグナル強度が、核の数が増加するに従って直線的に増加した。50,000個のソートされたFFPE試料からの核を使用してロバストなシグナルを得た。サンプルチャネル中のシグナルが増加すると、それに対応してDLRSメトリックが減少し、異常検出のための解像度が改善された。例えば、図2からわかるように、高レベル(log比>1)のアンプリコンが検出され、3つ全てのサンプルにマッピングされたが、それよりも弱いシグナルとより幅広の比率分布から、より低いレベルのアンプリコン検出の進行性の消失、欠失、および切断点のマッピングが達成された。
重要なことに、50kサンプルでは、腫瘍壊死因子におけるホモ接合性欠失(log比<−3)、アポトーシスの陰性媒介物質であるアルファ誘導タンパク質8(TNFAIP8)しか検出されなかった。開示されたアッセイのいくつかの実施において、より小さい体積のアレイを使用して、シグナル対ノイズレベルを増加させた。アジレント400kフィーチャーCGHアレイ(400k feature CGH array)を使用して、最適レベルのシグナル対ノイズ比およびプローブカバレッジ(probe coverage)を得た。これらのアレイの表面積は、体積1mLのより大きい表面を有するアレイ(すなわち、244kおよび1000k)と比較して400μlの体積のハイブリダイゼーションを必要とする。例えば100μLの4×180Kアレイなどのより小さい表面のアレイもシグナル対ノイズ比を高めるが、これらは、アレイ上でのより低いプローブカバレッジと、推奨される65℃でのハイブリダイゼーション中のハイブリダイゼーション溶液の過剰な損失を回避するために、ハイブリダイゼーション時間をより短くする必要性があるため(40時間に対して24時間)限定的である。
固形組織FFPEサンプルをソートする方法をさらに評価するために、これまでに新鮮凍結材料、フローソーティング、およびaCGHを使用して特徴付けが済んでいる組織から膵管腺癌(PDA)サンプルを選択した。それぞれのサンプルから最小限の50kの異数性の核をソートした。例えば図3からわかるように、二倍体および異数性(3.2N)のピークのヒストグラムの幅はFFPEサンプルのものよりも広く、これは、OCTに包埋した新鮮凍結サンプルと比べてサンプルの品質が低いことを示している可能性がある。ソートされた新鮮凍結サンプルからのDNAをphi29法を使用して増幅し、その後、DNアーゼIで消化し、標識し、ハイブリダイズした。それに対して、FFPEの核から抽出された低分子量のDNAは、ハイブリダイゼーションの前に増幅を行わずに消化し、標識した。
ハイブリダイゼーションおよび特徴抽出の後に、ステップ・グラム・アルゴリズム(ADM2)を使用して、ソートされた各サンプルのCGHプロファイルにおける有意な区間を同定した。ADM2からのアウトプットを使用して、FFPEおよびFFサンプルのマッチングにおけるaCGHデータの再現性を測定した。2つの異常区間のゲノム領域が0.5より多くオーバーラップする場合、それらの区間は、類似すると称される。2つの区間のオーバーラップは、それらが重なる部分のゲノムの長さを、それら全体のゲノムの長さで割った値と定義することもできる。この分析のために、FFPEサンプルにおいて上位20種にランク付けされたアンプリコンを選択した。これらの20種のアンプリコンのうち19種において、ソートされた新鮮凍結サンプルにおける同じADM2で定義された区間とのオーバーラップは>0.9であった。これらの区間は、公知および推定の腫瘍遺伝子を標的化する、2番、9番、18番および19番染色体上の一連の限局的なアンプリコンを包含していた(一例として、図4に、このような2番および9番染色体の区間のうちいくつかを示す)。
次いでこれらの方法を多数の異なる組織に適用して、本明細書で開示されたFFPEアッセイの全体的な有用性を判定した。これらのサンプルは、トリプルネガティブ乳癌、黒色腫、神経膠芽細胞腫、および卵巣小細胞癌を包含する。これらのばらつきの大きい臨床サンプルを異なる腫瘍バンクから得た。それぞれのケースにおいて、ソートされたサンプル中の異常を、新鮮凍結サンプルを用いた場合と同様にして同じ解像度で識別した。それぞれ、異なるレベルの不安定さならびに異常の数および程度を有するばらつきの大きいゲノムを有していた。これらは、EGFRにおける高度に限局的なアンプリコン、ならびにJMJD1C、CDKN2A、およびPTENにおけるホモ接合性欠失などの臨床的に重要な異常を含んでいた。
次世代配列決定(NGS)
複数の実施態様によれば、並列配列決定などの次世代配列決定を使用して、エキソームおよび/またはゲノム配列を確認した。一例として、以下に次世代配列決定が使用される実例を示す。
現行のNGS法は、典型的には、投入材料として比較的大量のDNAテンプレートを必要とする。さらにより広く使用されている方法は、効率的なライブラリー構築のための投入材料として高度に均一な品質のゲノムDNAテンプレートが必要である。新鮮凍結サンプルの場合、phi29を使用して、aCGH実験用の高分子量テンプレートを作製できる。この線形増幅方法は、例えば高品質な新鮮凍結生検用サンプルなどの無傷のテンプレートが必要である。しかしながら、典型的には、慣例的なFFPEサンプルから単離されたDNAの小さいフラグメントサイズは、例えばphi29などの高度に先進的な酵素を用いた線形増幅に適していない。
ソートされたFFPEサンプルからaCGHと次世代配列決定の両方に適したテンプレートを作製するために、単一プライマー等温増幅(SPIA)の使用を調査した。この方法を試験するため、aCGHデータと、対応するFF、非増幅FFPE、およびSPIAFFPEサンプルとの比較を繰り返した。SPIA反応にとって最小の投入量を決定して、aCGH実験で使用できるテンプレートを得た。個々の膵臓FFPEサンプルのソート中に10,000、25,000、および50,000個の核のアリコートを回収した。ソートされた各アリコートを抽出して、標識し、次いで400kのCGHアレイにハイブリダイズした。
各ケースにおいて、各サンプルの特異的な活性によって判定された通りに、増幅産物を高特異性に分類した。例えば図5で示した通り、サンプル(Cy5)チャネル中の色素で正規化したバックグラウンドを差し引いたシグナルのヒストグラムによって測定したところ、そのアレイで50,000個の核サンプルからロバストなシグナルが得られた。それに対して、より少ない投入量のサンプルで得られたアレイデータ中には第二の非特異的なピークが存在した。これは、効率的に標識されているにもかかわらずCGHプローブの独特なヒト配列にハイブリダイズしなかった非特異的な産物が、増幅反応中に存在したことを示唆している。これらもまた、アレイデータからのlog比の分布および各ゲノムの異常ゲノム区間を検出する能力と相関する。いずれの場合においても、それぞれのサンプルで同じ区間が検出された。これらのデータは、少なくとも10,000、より好ましくは少なくとも25,000、最も好ましくは50,000個の核の投入量が、腫瘍サンプルの全ゲノムの線形増幅に十分なテンプレートを提供することを示す。
NGS用のSPIAで増幅したソートされたFFPEサンプルの有用性を判定するために、それに対応するソートされた新鮮凍結サンプル(JHU A10−46)が存在するFFPEのPDAサンプル(JHU A10−AT)、加えて同じ組織から取り出された細胞株(JHU A10−74)から50,000個の核を再ソートした。50,000個のFFPEの核を投入してSPIA増幅を繰り返した。phi29プロトコールを用いてソートされた新鮮凍結サンプルから、さらに細胞株から抽出された未増幅のゲノムDNAから100ngのゲノムDNAを増幅することにより、配列決定用のテンプレートを調製した。ADM2によって決定された区間と腫瘍細胞の倍数体の存在によって判定したところ、これらの3つのサンプルそれぞれのCGHプロファイルは同一であった。加えて、その細胞株のエキソームがこれまでに報告されている。次いで、SPIAで増幅したFFPE、phi29で増幅したFF、および細胞株のゲノムDNAの3μgのアリコートを、エキソームのサンプリングおよび全ゲノムライブラリー調製のための投入材料として使用した。
3つのサンプルのそれぞれにおける独特なペアエンドのリードの比較から、20倍のカバレッジで、リードのほぼ80%がゲノムの独特な領域にマッピングされたことが示された。これは、一例として、図6で実証されている。3サンプル全てにわたり、これまでに報告された34種の非同義突然変異を比較した。そのうち10のケースにおいて、変異体コーラーによる呼び出しはなされなかった。これらは全て、アジレントのシュアセレクトの試薬中でキャプチャーオリゴヌクレオチドでカバーされていない領域にマッピングされた。一方で、興味深いことに、残りの24種の突然変異はいずれも各サンプル調製物で検出された。それぞれのケースにおいて、突然変異のヘテロ接合性またはホモ接合性の状態は、全てのサンプル調製物にわたり一致していた。
乳房の癌腫、膀胱の癌腫、神経膠芽細胞腫、および卵巣の癌腫からのフローソートされた集団の異常検出およびaCGH
様々な組織サンプルを用いたFFPEアッセイの万能な有用性を判定するために、TNBC、膀胱の癌腫、神経膠芽細胞腫、および卵巣小細胞癌(SCCO)を分析し(図19〜23)、FISH(蛍光インサイチュハイブリダイゼーション)によって選択された異常を検証した(図24)。蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)は、これまでにRuizら(2011)Proc Natl Acad Sci USA 108:12054によって述べられたようにして行われた。ハイブリダイゼーションとハイブリダイゼーション後の洗浄は、「LSI法」(バイシス(Vysis)、イリノイ州アボットパーク)に従って行われた。9p21(ZytoLight SPEC p16/CEN9デュアルプローブ、ザイトビジョン(Zytovision))およびサイクリンD1(ZytoLight SPEC CCND1/CEN11デュアルプローブ、ザイトビジョン)FISHプローブを用いたハイブリダイゼーションを、加湿したチャンバー中で、37℃で一晩行った。全てのFISH分析を2人で独立して評価した。63倍の対物レンズとアクシオカム(Axiocam)MRmカメラ(ツァイス(Zeiss))とを備えたアクシオスコップ(Axioskop)40蛍光顕微鏡(ツァイス、オーバーコッヘン、ドイツ)の使用によって画像を得た。
複数の腫瘍バンクから得た腫瘍サンプルには、様々な量の死細胞片と非腫瘍細胞とが含まれていた。単一パラメーターのDNA含量アッセイを使用して、各サンプル中に存在する二倍体、異数性、および4N細胞集団を検出してソートした。いずれのケースにおいても、ホモ接合性欠失と部分的な欠失とが識別され、マッピングされた切断点とアンプリコンとの境界が、腫瘍細胞含量に関係なくソートされたサンプル中で単一の遺伝子レベルにあることが同定された。これらは場合により、例えばEGFR、USP25、およびCCND1の限局的なアンプリコン、ならびにPARD3、CDKN2A、およびPTENにおけるホモ接合性欠失などの臨床的に関連する異常を含む可能性がある。これらの後者の異常は、単一のエキソン欠失を包含する。際立った例外の一つはSCCOであり、これは、若い女性や少女に存在するまれな腫瘍である。SCCOゲノムは、限局的なアンプリコンまたはホモ接合性欠失をまったく含有していなかった。しかしながら、FFPEサンプルを用いたアッセイの解像度により、単一コピー消失によって生じた1p36.22の切断点を、神経芽細胞腫に関与するCASZ1遺伝子座のジンクフィンガー遺伝子にマッピングすることができた(図23)。
黒色腫における経胎盤移行とベムラフェニブ耐性を引き起こすクローンの進展
腫瘍内の多様性は、単一の腫瘍生検サンプルから描かれる腫瘍ゲノミクスの特徴の過小評価を引き起こす可能性があることから、個別化された医療やバイオマーカーの開発に大きな課題を示しているといえる(Ruiz、Cら(2011)PNAS 108:12054)。腫瘍内の多様性は、異種タンパク質の機能に関連して、ダーウィン淘汰により腫瘍の適応と治療の失敗を促進する可能性がある(Gerlingerら(2012)N Engl J Med 366:883)。これはさらに、それに続く母親およびその母親の乳児で診断された黒色腫の分析で例示されている。
出現した証拠から、癌は、別個の分子的および生物学的な特徴を有する可能性がある分子的に別個の共存する細胞部分集団で構成される動的で多様な進化の生態系であることが示唆される。この問題を評価するために、高解像度ゲノム分析、すなわちアレイベースの比較用ゲノムハイブリダイゼーションおよび次世代配列決定と組み合わせた核のフローソーティングによる細胞部分集団の分離に基づいて、固形腫瘍、具体的には黒色腫における腫瘍の多様性を本発明のアッセイを使用して研究した。
このアプローチを適用して、まれな経胎盤移行した黒色腫のケースを研究した。母親は、妊娠中にBRAFV600E陽性の転移性黒色腫を発症し、出産後にベムラフェニブ処置を開始した。出産から数週間以内に、乳児が複数の皮膚病変を発症し、この病変はBRAFV600E陽性の転移性黒色腫と一致したので、ベムラフェニブを用いた改変プロトコールを開始した。以下に母親および乳児の臨床経過を要約した(図25も参照)。
・対象は、26歳、白人、女性であり、顔の左側に原発性黒色腫があると診断された(場所はAJCC)。対象は広範囲局所切除を受けた。
・対象は、帝王切開術により健康な女児(乳児対象)を主産した。
・対象は、強直間代発作、中枢神経系(CNS)、肺、および骨への複数転移(mets)を起こした;扁平細胞(SQ)と同定された。肺の針生検により黒色腫と確認された。
・全脳放射線療法(WBRT)で脳出血を併発した。
・開頭術を行い転移性脳病変を切除した。
・テモゾロマイド(TMZ)療法を開始した。
・BRAFV600E突然変異が同定された。
・TMZの1回目のサイクルにおいて進行性の疾患であった(撮像により)。
・両親が、3ヶ月齢時に対象乳児の頭皮上にある2つの暗い染みについて心配するようになった。
・対象へのベムラフェニブ800mgの1日2回の経口投与を開始した。
・対象の陽電子射出断層撮影法−コンピューター断層撮影(PET CT)スキャンを比較したところ、複数の肺小結節の解像度、リンパ節と皮下組織における複数の全身腫瘍の減少、およびほぼ全ての病変におけるSUVの減少が示された。
・対象は構音障害を起こした。脳MRIによれば、3つの既存の中枢神経系転移のサイズが増加し、さらに左前頭葉に1.1cmの病変の新しい転移性沈着がみられた。
・対象は、新しい転移性病変への定位放射線手術法(STRS)を受けた。対象の機能的状態は劇的に改善され、対象の痛みは、低用量の麻薬性鎮痛薬で対象の状態が維持できる程度まで有意に解消された。
・対象は、根性の下背部痛、すなわちL5−S1領域における進行性の転移性疾患を悪化させたため、STRSを開始した。
・PET CTスキャンにより、新しい頭皮部分を含む全身性の再発、加えて軟部組織、結節領域、および肺に無数の病変が確認された。すでに述べたように、肝臓転移は同定されなくなった。対象は急速に悪化し、全身性療法も無意味となった。
・進行性の左肩の腫瘤の生検を行った。
・対象が死亡した。
分析に利用可能な母親からの組織は、肺および脳のFFPEサンプル、肩からの凍結生検、および口腔内用綿棒であり、一方で分析に利用可能な乳児の組織は、頭皮からの2つの別々のFFPEサンプルであった(図26を参照)。これらのサンプルは複雑なため、核のフローサイトメトリーなしでは、不可能ではないにしても腫瘍のプロファイリングは難しい(図27を参照)。本発明で開示された方法を使用することによって、サンプルから部分集団を分離し、ゲノム異常を同定することが可能である。この方法は、図28〜30で概説されている。
母親および乳児の両方が、ベムラフェニブに対する初期応答を示した。母親はすぐに再発して急速に進行したが、乳児のベムラフェニブに対する応答は持続した。母親(ベムラフェニブ処置前および進行時)および乳児(ベムラフェニブ処置前)からの黒色腫組織のクローン分析から、母親は、少なくとも2種の関連する、ただし別個のクローンを有するが、乳児ではそのうち一方しか同定されなかったことが示された(図31〜37を参照)。ベムラフェニブ処置は、母親と乳児の両方で共通のクローンを抑制したが、第二の、独特なクローンは母親において進行し、再発を起こした(図38〜39を参照)。第二の独特なクローンは、染色体の1p32〜p31領域にマッピングされるc−jun遺伝子に突然変異を含有することが見出された(図39を参照)。この染色体の領域は、ヒト悪性疾患において転移と欠失の両方に関与する。
これらのデータは、腫瘍の進行、療法に対する応答、および標的化BRAF療法の大きな課題である耐性の発現に関連する主要な臨床イベントの媒介におけるクローンの多様性の役割を説明している。またこれらのデータは、開示された方法により、癌患者における治療的介入の指針が示される可能性も強調している。
特に他の指定がない限り、本明細書に記載の全ての専門用語や科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本発明の実施または試験において本明細書において説明されるものに類似した、またはそれらと同等なあらゆる方法および材料を使用できるが、本明細書では好ましい方法および材料を説明した。引用された全ての出版物、特許、および特許公報は、あらゆる目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
Holley, T.ら(2012)、「Deep clonal profiling of formalin fixed paraffin embedded clinical samples」PLOS ONE、第7巻、第11号、e50586などの本明細書において論じられた出版物は、単に本出願の出願日の前に開示されたために示されたにすぎず、これらはそれぞれ、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み入れられる。本明細書に記載のいかなる内容も、本発明は、先行発明のためにこのような出版物に先行する権利がないことの承認として解釈されないものとする。
本発明をその具体的な実施態様と共に説明したが、さらなる改変が可能であり、本出願は、一般的に本発明の原理に従って、それに加えて本発明が属する技術分野内の公知のまたは慣例的な実施の範囲内に収まるような、上記で説明した必須の特徴に適用されるような、さらに添付の特許請求の範囲に記載されているような本発明の開示からの逸脱を含む本発明のあらゆるバリエーション、使用、または適用を包含することが意図されることが理解されよう。

Claims (38)

  1. 正常および異常細胞を含む癌性腫瘍サンプルを得ること;
    フローソーティングに好適な脱凝集した細胞核の懸濁液を作製すること;
    少なくとも核中の遺伝物質の定量化に基づいて、複数の画分に核をソートすること;
    ソートされた核の少なくとも一部から遺伝物質を抽出すること;
    抽出された遺伝物質と参照サンプルとを差次的に標識すること;
    特徴比較用のゲノムハイブリダイゼーションアレイで、標識され抽出された遺伝物質と参照サンプルとをハイブリダイズすること;および
    標識され抽出された遺伝物質と標識された参照サンプルとを比較して、標識され抽出された遺伝物質に独特な異常を推測すること
    を含む、多様な癌細胞のゲノムサンプルにおける異常を同定する方法。
  2. 癌性腫瘍サンプルが、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)癌性腫瘍サンプルを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 異常が、単一の患者の診断の過程で、異常検出アルゴリズムを使用して検出されるか;または遺伝物質が抽出されるソートされた核の一部が、少なくとも2つの画分を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 複数の画分からの遺伝物質における異常の間の比較および患者の処置歴に基づき、ゲノムレベルの腫瘍進展を推測することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  5. 抽出された遺伝物質を、
    抽出された遺伝物質からの全ゲノムライブラリーおよび/またはエキソームライブラリーを含む断片化ライブラリーを調製すること;
    断片化ライブラリーから、複数のフラグメント由来の複数のペアエンドクラスターを作製することによって、断片化ライブラリーを増幅すること;および
    並列配列決定により複数のフラグメントの配列を決定すること
    によって配列決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記癌性腫瘍が、乳癌、大腸癌、肺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、血液の癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頚部癌、皮膚黒色腫または眼内黒色腫、子宮肉腫、卵巣癌、直腸または結腸直腸癌、肛門癌、結腸癌、ファロピウス管の癌腫、子宮内膜癌、子宮頚癌、外陰癌、膣の癌腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、慢性または急性白血病、軟部組織腫瘍、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌腫、腎臓癌、尿管癌、腎臓の癌腫、腎盂の癌腫、中枢神経腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、骨髄腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、睾丸癌、口腔癌、咽頭癌、およびブドウ膜黒色腫からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記癌性腫瘍が、前立腺腺癌、膵臓腺癌、乳房の癌腫、膀胱の癌腫、神経膠芽細胞腫、卵巣の癌腫、および黒色腫からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 核をソートすることが、フローサイトメーターの使用をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. フローサイトメーターの使用が、約50〜約1500イベント/秒;約100〜約1000イベント/秒;または約300〜約700イベント/秒の流速の使用を含む、請求項8に記載の方法。
  10. フローサイトメーターの使用が、約0.1〜約1.0;約0.4〜約1.0;または約0.6〜約1.0のフローストリームの差次的な圧力(シース/サンプル)の使用を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 少なくとも約60%;少なくとも約70%;または少なくとも約80%の許容できるソート効率を達成することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  12. サンプルからパラフィンを取り除くこと;
    サンプルを再水和すること;
    サンプルを処理して、フローソーティングに好適な脱凝集した核の懸濁液を得ること;および
    少なくとも核中の遺伝物質の定量化に基づいて、複数の画分に核をソートすること
    を含む、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)癌性腫瘍サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定する方法。
  13. 核の倍数体画分と細胞周期画分とをプロファイリングすること;
    ソートされた核の少なくとも一部から遺伝物質を抽出すること;
    単一プライマー等温増幅により遺伝物質を増幅すること;および
    エンドヌクレアーゼで実質的に均一になるように遺伝物質を消化すること
    をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 消化された遺伝物質と参照サンプルとを差次的に標識すること;
    特徴比較用のゲノムハイブリダイゼーションアレイ上で、標識された消化された遺伝物質と参照サンプルとをハイブリダイズすること;および
    異常検出アルゴリズムを用いて、標識された消化された遺伝物質と標識された参照サンプルとを比較して、標識された消化された遺伝物質に独特な異常を推測すること
    をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  15. 消化された遺伝物質から、抽出された遺伝物質からの全ゲノムライブラリーまたはエキソームライブラリーを含む断片化ライブラリーを調製すること;
    断片化ライブラリーから、複数のフラグメント由来の複数のペアエンドクラスターを作製することによって、断片化ライブラリーを増幅すること;および
    並列配列決定により複数のフラグメントの配列を決定すること
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. サンプルを処理することが、EDTA、コラゲナーゼ、およびヒアルロニダーゼでサンプルを加工処理することを含む、請求項13に記載の方法。
  17. ソートされた核の数が、約50,000個よりも大きいか;少なくとも10,000個であるか;少なくとも25,000個であるか;または少なくとも50,000個である、請求項13に記載の方法。
  18. 核をソートする前に、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールで核を染色することをさらに含み、および/または前記エンドヌクレアーゼが、DNアーゼ1である、請求項13に記載の方法。
  19. 前記癌性腫瘍が、乳癌、大腸癌、肺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、血液の癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頚部癌、皮膚黒色腫または眼内黒色腫、子宮肉腫、卵巣癌、直腸または結腸直腸癌、肛門癌、結腸癌、ファロピウス管の癌腫、子宮内膜癌、子宮頚癌、外陰癌、膣の癌腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、慢性または急性白血病、軟部組織腫瘍、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌腫、腎臓癌、尿管癌、腎臓の癌腫、腎盂の癌腫、中枢神経腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、骨髄腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、睾丸癌、口腔癌、咽頭癌、およびブドウ膜黒色腫からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
  20. 前記癌性腫瘍が、前立腺腺癌、膵臓腺癌、乳房の癌腫、膀胱の癌腫、神経膠芽細胞腫、卵巣の癌腫、および黒色腫からなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
  21. 参照サンプルが、プールされた46,XX参照サンプルである、請求項15に記載の方法。
  22. アレイが、少なくとも400マイクロリットルのハイブリダイゼーション体積を必要とする、請求項15に記載の方法。
  23. 抽出された遺伝物質における異常区間は、オーバーラップが約0.5を超える場合、標識された参照サンプルにおける異常区間と類似しているとみなされ、ここで2つの異常区間のオーバーラップは、それらが重なる部分のゲノムの長さを、それら全体のゲノムの長さで割った値である、請求項15に記載の方法。
  24. ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)癌性腫瘍サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定するキットであって、該キットは:
    サンプルの切断された小片を入れるように設計されたマイクロ遠沈管;
    サンプルからパラフィンを除去するための溶媒;
    サンプルを再水和するためのアルコール;
    サンプル中に存在するタンパク質架橋の除去を容易にするための配位化合物;
    リン酸緩衝食塩水;
    サンプルからの核を取り除くための、コラゲナーゼ、ヒアルロニダーゼ、および緩衝液を含む酵素カクテル;
    ウシ胎児血清緩衝液;
    ウシ胎児血清緩衝液に核を再懸濁するためのかきまぜ機;
    フィルター;
    4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール;
    核からデオキシリボ核酸(DNA)を抽出するためのデオキシリボ核酸抽出キット;
    単一プライマー等温増幅キット;および
    単一プライマー等温増幅中に抽出されたDNAを断片化するためのエンドヌクレアーゼ
    を含む、上記キット。
  25. デオキシウリジン三リン酸標識キット;
    参照サンプル;および
    比較用ゲノムハイブリダイゼーションアレイ
    をさらに含む、請求項24に記載のキット。
  26. DNA剪断機;
    末端修復および3’アデニル化キット;
    剪断されたDNAのアデノシンを末端に有する鎖にライゲートするように設計されたインデックス付きのアダプター;
    インデックス付きのアダプターにライゲートした剪断されたDNAを増幅するためのDNAポリメラーゼ;および
    ペアエンドクラスター作製キット
    をさらに含む、請求項24に記載のキット。
  27. ハイブリダイゼーションによって、増幅したエキソンを含むDNA部分を選択的に捕獲するように設計された、エキソンのリボ核酸プローブをさらに含む、請求項26に記載のキット。
  28. 前記かきまぜ機が、注射器と組み合わされたニードルであり、該ニードルは、およそ25のゲージを有する、請求項24に記載のキット。
  29. ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)癌性腫瘍サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定すること、および同定された異常を有する癌細胞を処置するのに有効な治療剤を選択することを含む、癌を有する対象のための療法を選択する方法。
  30. ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)癌性腫瘍サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定することが、
    サンプルからパラフィンを取り除くこと;
    サンプルを再水和すること;
    サンプルを処理して、フローソーティングに好適な脱凝集した核の懸濁液を得ること;
    少なくとも核中の遺伝物質の定量化に基づいて、複数の画分に核をソートすること;
    核の倍数体画分と細胞周期画分とをプロファイリングすること;
    ソートされた核の少なくとも一部から遺伝物質を抽出すること;
    単一プライマー等温増幅により遺伝物質を増幅すること;および
    エンドヌクレアーゼで実質的に均一になるように遺伝物質を消化すること
    を含む、請求項29に記載の方法。
  31. ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)癌性腫瘍サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定することは、
    消化された遺伝物質と参照サンプルとを差次的に標識すること;
    特徴比較用のゲノムハイブリダイゼーションアレイ上で、標識された消化された遺伝物質と参照サンプルとをハイブリダイズすること;および
    異常検出アルゴリズムを用いて、標識された消化された遺伝物質と標識された参照サンプルとを比較して、標識された消化された遺伝物質に独特な異常を推測すること
    をさらに含む、請求項30に記載の方法。
  32. ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)癌性腫瘍サンプルから取り出された多様な癌細胞のゲノムにおける異常を同定することは、
    消化された遺伝物質から、抽出された遺伝物質からの全ゲノムライブラリーまたはエキソームライブラリーを含む断片化ライブラリーを調製すること;
    断片化ライブラリーから、複数のフラグメント由来の複数のペアエンドクラスターを作製することによって、断片化ライブラリーを増幅すること;および
    並列配列決定により複数のフラグメントの配列を決定すること
    をさらに含む、請求項30に記載の方法。
  33. 前記癌性腫瘍が、乳癌、大腸癌、肺癌、小細胞肺癌、胃癌、肝臓癌、血液の癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部または頚部癌、皮膚黒色腫または眼内黒色腫、子宮肉腫、卵巣癌、直腸または結腸直腸癌、肛門癌、結腸癌、ファロピウス管の癌腫、子宮内膜癌、子宮頚癌、外陰癌、膣の癌腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、食道癌、小腸癌、内分泌癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、慢性または急性白血病、軟部組織腫瘍、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、リンパ球性リンパ腫、膀胱の癌腫、腎臓癌、尿管癌、腎臓の癌腫、腎盂の癌腫、中枢神経腫瘍、中枢神経系原発リンパ腫、骨髄腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、睾丸癌、口腔癌、咽頭癌、およびブドウ膜黒色腫からなる群より選択される、請求項29に記載の方法。
  34. 前記癌が、前立腺腺癌、膵臓腺癌、乳房の癌腫、膀胱の癌腫、神経膠芽細胞腫、卵巣の癌腫、および黒色腫からなる群より選択される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記癌が、黒色腫である、請求項34に記載の方法。
  36. 異常が、染色体の1p32〜p31領域またはc−jun遺伝子にマッピングされる、請求項29に記載の方法。
  37. 異常が、ベムラフェニブに耐性を有する癌の指標であり;腫瘍遺伝子の発現に影響を与える、請求項36に記載の方法。
  38. 腫瘍遺伝子が、増殖因子、受容体チロシンキナーゼ、細胞質チロシンキナーゼ、細胞質セリン/スレオニンキナーゼ、細胞質セリン/スレオニンキナーゼの調節サブユニット、調節GTPアーゼ、および転写因子からなる群より選択される、請求項37に記載の方法。
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