<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に、例えば「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして、例えば「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」、又は「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が所定回数繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」の4種類が設けられており、大当たり種別に応じた回数だけ特定入賞口65aが開放される。また、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、「大当たりD」の4種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」、および「大当たりD」になると、各大当たり種別に応じたラウンド数の特別遊技状態となる。具体的には、「大当たりA」は、特定入賞口(大開放口)65aが3回開放される大当たり(3R大当たり)であり、「大当たりB」は、特定入賞口(大開放口)65aが4回開放される大当たり(4R大当たり)である。また、「大当たりC」は、特定入賞口(大開放口)65aが6回開放される大当たり(6R大当たり)であり、「大当たりD」は、特定入賞口(大開放口)65aが15回開放される大当たり(15R大当たり)である。なお、各大当たりにおいて、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖されてから、次に特定入賞口(大開放口)65aが開放されるまでの期間(インターバル期間)の長さは一定(10秒間)となるように構成されている。また、各大当たりの終了後は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が8回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。更に、大当たり終了後から特別図柄の抽選が12回終了するまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へと移行する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が12回終了するまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。なお、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて特別図柄の確変期間を示す。例えば、特別図柄の抽選が12回終了するまで特別図柄の確変期間となる場合は、特別図柄の確変期間が12回であると記載する。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が8回終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。なお、説明を分かり易くするために、特別図柄の抽選回数を用いて普通図柄の時短期間を示す。例えば、特別図柄の抽選が8回終了するまで普通図柄の時短期間となる場合は、普通図柄の時短期間が8回であると記載する。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず普通図柄の時短期間と、特別図柄の確変期間とを共通とし、その大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を変えている。これに対して、大当たりの種別によらず、ラウンド数を固定としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。例えば、大当たり種別が「大当たりA」になると、その「大当たりA」終了後から特別図柄の抽選が3回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりB」になると、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が6回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりC」になると、その「大当たりC」終了後から特別図柄の抽選が8回終了するまで普通図柄の時短状態が継続され、「大当たりD」になると、その「大当たりD」終了後から特別図柄の抽選が15回終了するまで普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
更に、普通図柄の当たり確率をアップさせる代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。特別図柄の抽選回数に代えて、所定時間(例えば、2分から5分など)が経過するまで、普通図柄の時短状態が継続されるようにしても良い。
本パチンコ機10では、電源の投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」へ移行すると共に、「普通図柄の時短状態」へ移行する。「特別図柄の高確率状態」へ移行すると、その状態は、どの種別の大当たりになっても、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が12回終了するまで継続される。そして、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が12回終了するまでに、新たに特別図柄の大当たりにならかった場合は「特別図柄の低確率状態」に戻る。
なお、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が12回終了するまで継続される。例えば、特別図柄の大当たりになって「特別図柄の高確率状態」に移行した後、2回目の特別図柄の抽選で新たな大当たりになると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から特別図柄の抽選が12回行われるまで継続される。よって、この場合は、新たな大当たりの前に行われた2回の特別図柄の抽選と、新たな大当たりの後に行われる12回の特別図柄の抽選との少なくとも14回の抽選が終了するまで、「特別図柄の高確率状態」が継続されることになる。
また、特別図柄の大当たりになって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が8回終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、所定回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、特別図柄の抽選が8回終了するまで継続される。例えば、特別図柄の大当たりになって「普通図柄の時短状態」に移行した後、5回目の特別図柄の抽選で新たな大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から特別図柄の抽選が8回行われるまで継続される。即ち、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、その度に、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が更新される。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、または、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
なお、本実施形態では、特別図柄の抽選が大当たりであった場合に、大当たり種別によらずに、「0」から「9」までの全ての数字が揃う可能性がある。本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中のラウンド間に行われるインターバル演出と同様の演出(疑似インターバル演出)を、大当たり終了後の所定の期間(特殊変動期間)で実行するように構成されている。この疑似インターバル演出を効果的に行うために、大当たりとなる場合に表示される主図柄の種別によって大当たり種別を予測することが困難となるように構成している。
詳述すると、大当たりが終了してから少なくとも特別図柄の抽選が8回終了するまでの期間を特殊変動期間とし、この特殊変動期間では、第3図柄表示装置81に表示される表示演出として大当たり中のインターバル演出と同様の表示画像を表示させる。また、音声出力装置226より出力される音声や、ランプ表示装置227による点灯および消灯の制御を大当たり中のインターバル演出と同様にする。これにより、特別図柄の確変中に新たに特別図柄の大当たりとなった場合に、大当たりが一旦終了したことを遊技者に対して分かり難くし、大当たりがいつまで続くかを分かり難くすることができる。よって、大当たり中、および疑似インターバル中に、遊技者に対して大当たりがより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、大当たり中のインターバル演出と同様の表示画像とは、例えば、大当たり中のインターバル演出において表示される画像の一部において、主図柄の変動表示を行う態様である。この変動表示は、例えば、遊技者の視認が困難な程に縮小して表示させる等により、遊技者が大当たり中のインターバル演出と見分けることが困難となるように構成されている。
上記構成のパチンコ機10において、特別図柄の低確率状態で当選する大当たり(即ち、第3図柄表示装置81において、変動表示により揃った主図柄を遊技者が容易に認識できる大当たり)の大当たり種別が揃った主図柄の種別によって判別できる構成とすると、少なくとも何ラウンド目まで大当たりが継続するのかを遊技者に把握されてしまう。即ち、例えば今回の大当たりが「大当たりD(15R大当たり)」だと分かれば、遊技者は少なくとも15ラウンド目まで大当たりが継続することを認識できるので、大当たりの15ラウンド目までが単に賞球を得るための作業となってしまう虞がある。これに対して、本実施形態のパチンコ機10のように、揃った主図柄から大当たり種別を予測することが困難な構成としておけば、遊技者に対して大当たりのラウンドが終了する毎に、次のラウンドが開始されること(即ち、大当たりが継続すること)に対する期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、大当たりとなることを変動表示(変動パターン演出)により報知する場合に、大当たり種別によらず、全ての主図柄が選択されるように構成していたが、特定の大当たり種別で選択されやすい主図柄や、特定の大当たり種別で選択されにくい主図柄を設ける構成としてもよい。例えば、「大当たりD(15R大当たり)」では「7」の数字が付された主図柄が揃いやすくし、「大当たりA(3R大当たり)」や、「大当たりB(4R大当たり)」では「7」の数字が付された主図柄が揃いにくく構成してもよい。これにより、変動表示において「7」の数字が付された主図柄が揃う演出が行われた場合に、遊技者に対して、ラウンド数が最も多い「大当たりD(15R大当たり)」を期待させることができる。よって、変動表示において、遊技者に対して「7」の数字が付された主図柄が揃うことを願わせることができるので、遊技者の変動表示(変動パターン演出)に対する興趣を向上させることができる。
図4に戻って説明を続ける。図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下(例えば、2回)、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
まず、図6、および図7を参照し、主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図21参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図31参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203のカウンタ用バッファ203iに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図21参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図31参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられる。即ち、第1当たり乱数テーブル202aは、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)とで構成され、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)と、特別図柄の高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7,107,282」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1に格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
なお、本実施形態では、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1に格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されており、この第1当たり種別カウンタC2の値と、ROM202内に設けられている第1当たり種別選択テーブル202b(図8(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。図8(b)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜16」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「17〜31」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となり、値が「32〜94」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となり、値が「95〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となる。このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、4種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。また、低確率状態では、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。ここで、変動時間とは、特別図柄の変動が開始されてから、図柄が停止表示され、図柄が確定するまでの時間のことを指す。例えば、9.6秒の図柄変動が実行された後で、図柄が0.4秒間だけ停止表示されて図柄が確定する場合には、変動時間が10秒(9.6秒+0.4秒)であると表記する。この変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図31参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図9(b)参照)、および特殊変動パターン選択テーブル202e(図9(c)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている(図8(a)参照)。
変動パターン選択テーブル202d(図9(b)参照)には、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たり用の変動パターンとして、「当たりノーマルリーチ」各種、「当たりスーパーリーチ」各種、「当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターン選択テーブル202dに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。なお、この変動パターン選択テーブル202dに規定されている、5秒〜30秒の変動パターン演出の変動時間としては、例えば、5秒〜30秒の変動時間が規定されている。
特殊変動パターン選択テーブル202e(図9(c)参照)には、上述した疑似インターバル演出を実行する特殊変動期間(即ち、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が8回行われるまでの期間、または、8回以内に次の大当たりとなり、その大当たりの1ラウンド目が開始するまでの期間)において選択される変動パターンが規定されている。詳細については後述するが、特殊変動パターン選択テーブル202e(図9(c)参照)には、特別図柄の抽選回数毎に決まった変動期間の変動パターンが選択されるように構成されているため、特殊変動期間を毎回同じ長さの期間(8秒)とすることができる。また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりが開始してから、1ラウンド目が開始するまでの期間(オープニング期間)が2秒間となるように構成されている。よって、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が8回行われるまでに次の大当たりとなる場合に、大当たりが終了してから、次の大当たりの1ラウンド目が開始するまでの期間を毎回10秒とすることができる。つまり、疑似インターバル演出を経て次の大当たりの1ラウンドが開始されるまでの期間を、大当たり中に実行されるインターバル演出の実行期間(10秒)と一致させることができる。よって、大当たり中に実行されるインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別し難くすることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して分かり難くし、大当たりがいつまで続くかを分かり難くすることができる。従って、大当たり中、および疑似インターバル演出中に、遊技者に対して大当たりがより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、変動パターン選択テーブル202d、および、特殊変動パターン選択テーブル202eには、必ずしも変動の開始から図柄の確定までの期間を規定する必要は無い。例えば、図柄が停止表示される期間を固定値(例えば、0.5秒)とし、図柄が変動している期間のみを変動期間として設定してもよい。また、図柄が変動している期間と、図柄が停止表示される期間とを、それぞれ別のテーブルに規定しておいてもよい。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図9(a)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図21参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図31参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図31参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図30参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図29参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図7に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、確変中カウンタ203eと、時短中カウンタ203fと、特殊変動中カウンタ203gと、先読み確変中カウンタ203hと、カウンタ用バッファ203iとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)し、その始動入賞に応じて各カウンタC1〜C3の各値が取得されると直ちに、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に、その取得された各カウンタC1〜C3の各値から、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報が予測(推定)される。このように、本来の特別図柄の抽選が行われる前に、始動入賞に対応するデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、本来の抽選が行われた場合に得られる各種情報を予測することを、以後、特別図柄の抽選結果を先読みすると記載する。なお、各種情報としては、当否、停止種別、変動パターンなどが該当する。
そして、先読みが終了すると、先読みにより得られた各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を含む入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113へ送信される。入賞情報コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドから、当否、停止種別、および変動パターンを抽出し、それらを入賞情報としてRAM233の入賞情報格納エリア223aに格納する。
本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選により得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を予測(推定)する。
そして、予測した各種情報を入賞情報コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知し、音声ランプ制御装置113が、入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに記憶する。また、入賞情報格納エリア223aに記憶されている入賞情報と、特別図柄保留球数カウンタ223bの値と、特殊変動回数カウンタ223eの値とに基づいて、上述した疑似インターバル演出を8回の変動パターン演出で終了させるか、8回を超えて演出を継続させるかを判別する。具体的には、特殊変動期間中に(即ち、大当たりの終了から特別図柄の抽選が8回行われるまでに)大当たりとならず、且つ、先読みにより大当たりの終了から9〜12回目の特別図柄の抽選において大当たりになると判別された場合に、大当たりとなるまで疑似インターバル演出を延長する。これにより、遊技者に対して演出時間の長さによって大当たりが継続するか否かを予測させることができるので、大当たり中、および疑似インターバル中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、主制御装置110では、始動入賞に応じて取得された各カウンタ値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選により得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)を予測(推定)する処理を主に行っており、その各種情報(当否、停止種別、変動パターン)に基づいて疑似インターバル演出を延長させるか否かを決定する処理など、複雑な処理については、音声ランプ制御装置113で行っている。これにより、主制御装置110における処理を、パチンコ機10の最も重要な処理である、第1入球口64への入球に基づき遷移すべき遊技状態を抽選する抽選処理に集中させることができる一方、音声ランプ制御装置113に処理能力の高いMPU221を使用すれば、疑似インターバル演出の態様を多種多様に設定することができる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値8まで1加算される(図26のS604参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図22のS206、図26のS605参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、普通入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が普通入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図26のS604参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図27のS705参照)。
球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図28のS805)。一方、球が左右何れかの普通入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図28のS803:No)。
確変中カウンタ203eは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すカウンタであり、確変中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。この確変中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミングである(即ち、大当たりの終了タイミングである)と判断される度に12が設定される。即ち、特別図柄の大当たりとなった場合には、確変中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、単に12が設定される。その後、確変中カウンタ203eの値が1以上の間は、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図22のS216)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図23参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、確変中カウンタ203eの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2に基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変中カウンタ203eの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において、大当たりの最終ラウンドにおいて特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖するタイミングである(即ち、大当たりの終了タイミングである)と判断される度に8が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203fの値が幾つであるかに関わらず、単に8が設定される。その後、時短中カウンタ203fの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図22のS218)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203fの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図27のS710,S711参照)。
特殊変動中カウンタ203gは、上述した特殊変動期間であるか否かを示すカウンタである。変動パターン演出の態様を選択するにあたり、特殊変動中カウンタ203gの値が1以上であれば、特殊変動期間(即ち、疑似インターバル演出の実行期間)であることを示すので、特殊変動パターン選択テーブル202e(図9(c)参照)を参照して変動パターン演出の態様が選択される。一方、特殊変動中カウンタ203gの値が0であれば、特殊変動期間外であることを示すので、変動パターン選択テーブル202dを参照して変動パターン演出の態様が選択される。この特殊変動中カウンタ203gの値は、RAM消去スイッチ122を操作して電源投入を行った場合に0にクリアされるので、ホールの開店時等にRAM消去スイッチ122を操作して電源投入を行うと、通常の状態(変動パターン選択テーブル202dを参照して変動パターン演出の態様が選択される状態)から開始される。
なお、上述した通り、特殊変動パターン選択テーブル202e(図9(c)参照)は、特殊変動中カウンタ203gの値毎(即ち、特別図柄の抽選回数毎)に決まった変動期間の変動パターンが選択されるように構成されているため、特殊変動期間(大当たりが終了してから8回の変動パターンが終了するまでの期間、または、8回以内に次の大当たりとなり、その大当たりが開始されるまでの期間)を毎回同じ期間(8秒)とすることができる。よって、大当たりが終了してから特別図柄の抽選を8回行うまでに次の大当たりとなり、その大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(大当たりが開始されるまでの8秒間と、オープニング期間の2秒間との和)と、大当たり中に実行されるインターバル演出の実行期間(10秒)とを一致させることができる。よって、大当たり中に実行されるインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別し難くすることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して分かり難くし、大当たりがいつまで続くかを分かり難くすることができる。従って、大当たり中、および疑似インターバル中に、遊技者に対して大当たりがより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
先読み確変中カウンタ203hは、始動入賞に応じて取得される入賞のデータ(各カウンタC1〜C3の各値)に基づいて、特別図柄の抽選結果を先読みする場合に、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのか、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であるものとして入賞のデータを解析すれば良いのかを示すカウンタである。
先読み確変中カウンタ203hの値が1以上である場合には、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるものとして入賞のデータが解析されて、特別図柄の抽選結果が先読みされる。一方、先読み確変中カウンタ203hの値が0の場合には、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であるものとして入賞のデータが解析されて、特別図柄の抽選結果が先読みされる。この先読み確変中カウンタ203hは、RAMの初期設定(図30のS1014参照)時にゼロに初期化され、先読みされた抽選結果が特別図柄の大当たりであると判定される度に、12が設定される(図26のS612参照)。即ち、特別図柄の大当たりであると先読みされた場合には、先読み確変中カウンタ203hの値が幾つであるかに関わらず、単に12が新たに設定される。その後、先読み確変中カウンタ203hの値が1以上の間は、特別図柄における抽選の先読みが終了する毎に1が減算される(図26のS614参照)。
なお、特別図柄における抽選の先読みが行われる場合に、先読み確変中カウンタ203hの値が1以上であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2、高確率時用の停止種別選択テーブル、および特別図柄大当たり種別テーブルの各テーブルと、始動入賞に応じて取得された入賞のデータとが比較される。一方、先読み確変中カウンタ203hの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1、低確率時用の停止種別選択テーブル、および特別図柄大当たり種別テーブルの各テーブルと、始動入賞に応じて取得された入賞のデータとが比較される。
図5に戻って説明を続ける。上述の通り、主制御装置110のMPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202が設けられている。このROM202について、図8〜図10を参照して説明する。
図8(a)は、主制御装置110に設けられているROM202の電気的構成を示すブロック図である。図8(a)に示した通り、ROM202には、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、第2当たり乱数テーブル202cと、変動パターン選択テーブル202dと、特殊変動パターン選択テーブル202eとが少なくとも設けられている。
第1当たり乱数テーブル202aは、上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値が規定されたテーブルである。この第1当たり乱数テーブル202aに規定されている乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の低確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1)と、特別図柄の高確率時に特別図柄の大当たりか否かを判別するためのテーブル(高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2)とが設けられており、それぞれのテーブルに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なっている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別選択テーブル202bは、(図8(b)参照)は、大当たり種別を決定するための第1当たり種別カウンタC2の判定値が、大当たり種別毎にそれぞれ設定されているデータテーブルである。図8(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタバッファに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が0〜16の範囲であれば、今回の大当たりは「大当たりA(3R大当たり)」と判定され、第1当たり種別カウンタC2の値が17〜31の範囲であれば、今回の大当たりは「大当たりB(4R大当たり)」と判定される。また、第1当たり種別カウンタC2の値が32〜94範囲であれば、今回の大当たりは「大当たりC(6R大当たり)」と判定され、第1当たり種別カウンタC2の値が95〜99の範囲であれば、今回の大当たりは「大当たりD(15R大当たり)」と判定される。
第2当たり乱数テーブル202c(図9(a)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。図9(a)に示した通り、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)は、第2当たり乱数カウンタバッファに格納された第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜28の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64に付随する電動役物が「0.2秒間×1回」だけ開放される。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)は、第2当たり乱数カウンタC3の値が5〜204の範囲の場合に普通図柄の当たりと判定される。なお、上述の通り、普通図柄の当たりと判定された場合は、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64に付随する電動役物が「1秒間×2回」開放される。
変動パターン選択テーブル202d(図9(b)参照)は、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルであり、変動種別カウンタCS1の値毎に表示態様が規定されている。この変動パターン選択テーブル202dには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、図9(b)に示すように、特別図柄の抽選結果が外れであった場合の変動パターンを選択するための外れ時用選択テーブル202d1と、特別図柄の抽選結果が当たりであった場合の変動パターンを選択するための当たり時用選択テーブル202d2とが少なくとも規定されている。
特殊変動選択テーブル202e(図9(c)参照)は、特殊変動期間(即ち、疑似インターバル演出の実行期間)において、変動パターンの表示態様を決定するために用いられるデータテーブルである。この特殊変動選択テーブル202eには、特別図柄の抽選結果に対応した複数の異なるテーブルが規定されている。具体的には、特別図柄の抽選結果が外れであった場合の変動パターンを選択するための外れ時用特殊選択テーブル202d1(図10(a)参照)と、特別図柄の抽選結果が当たりであった場合の変動パターンを選択するための当たり時用特殊選択テーブル202e2(図10(b)参照)とが少なくとも規定されている。これらの外れ時用特殊選択テーブル202e1、および当たり時用特殊選択テーブル202e2について、図10を参照して詳しく説明する。
図10(a)は特殊変動選択テーブル202eに規定されている外れ時用特殊選択テーブル202e1の規定内容を示す図であり、図10(b)は、当たり時用特殊選択テーブル202e2の規定内容を示す図である。
図10(a)に示すように、外れ時用特殊選択テーブル202e1には、特別図柄の抽選回数と、選択される変動パターンの態様(変動時間)とが対応付けられて規定されている。具体的には、大当たりの終了後1回目、または2回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動種別カウンタCS1の値によらずに、変動時間が2秒の変動パターン(特殊変動A)が選択される。また、大当たり終了後3回目、または4回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動種別カウンタCS1の値によらずに、変動時間が1秒の変動パターンが選択される。一方、大当たり終了後5回目〜8回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動種別カウンタCS1の値によらずに、変動時間が0.5秒の変動パターンが選択される。
即ち、大当たりが終了してから8回の特別図柄の抽選が全て外れであった場合は、8回の変動パターン演出を合計8秒(2秒×2+1秒×2+0.5秒×4)かけて実行する。更に、8回の変動パターン演出が終了後の2秒間で、疑似インターバル演出の終了表示を行う。これにより、大当たりの終了後に行われる疑似インターバル演出の演出期間を10秒に固定化することができる。よって、疑似インターバル演出の演出期間と、大当たり中に実行されるインターバル演出の実行期間とを毎回一致させることができるので、大当たり中に実行されるインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。従って、大当たり中、および疑似インターバル中に、遊技者に対して大当たりがより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、特別図柄の抽選回数は、特殊変動中カウンタ203gの値に基づいて判断する。上述の通り、特殊変動中カウンタ203gは、大当たりの終了タイミングで8がセットされ、特別図柄を停止表示させる度に1ずつ減算される。よって、例えば、特殊変動中カウンタ203gの値が8であれば、大当たり終了後に1回も特別図柄の抽選が行われていないので、今回の特別図柄の抽選が1回目の抽選であると判別する。また、例えば、特殊変動中カウンタ203gの値が3であれば、大当たり終了後に特別図柄の抽選が5回実行されたことを示すので、今回の特別図柄の抽選が6回目の抽選であると判別する。
また、図10(a)に示すように、当たり時用特殊選択テーブル202e2にも、特別図柄の抽選回数と、選択される変動パターンの態様(変動時間)とが対応付けられて規定されている。具体的には、大当たりの終了後1回目に行われた特別図柄の抽選が当たりであった場合は、変動種別カウンタCS1の値によらずに変動時間が8秒の変動パターン(特殊変動D)が選択される。また、大当たり終了後2回目に大当たりとなった場合は、変動時間が6秒の変動パターン(特殊変動E)が選択され、大当たり終了後3回目に大当たりとなった場合は、変動時間が4秒の変動パターン(特殊変動F)が選択され、大当たり終了後4回目に大当たりとなった場合は、変動時間が3秒の変動パターン(特殊変動G)が選択される。更に、大当たり終了後5回目に大当たりとなった場合は、変動時間が2秒の変動パターン(特殊変動A)が選択され、大当たり終了後6回目に大当たりとなった場合は、変動時間が1.5秒の変動パターン(特殊変動H)が選択され、大当たり終了後7回目に大当たりとなった場合は、変動時間が1秒の変動パターン(特殊変動B)が選択され、大当たり終了後8回目に大当たりとなった場合は、変動時間が0.5秒の変動パターン(特殊変動C)が選択される。
なお、当たり時用特殊選択テーブル202eに規定されている各変動時間は、前回の大当たりが終了してから次の大当たりが開始されるまでの期間が8秒となるように構成されている。例えば、大当たりが終了してから3回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合は、1回目、および2回目の特別図柄の抽選に対応する変動パターンとして、外れ時用特殊選択テーブル202e1から変動時間が2秒の変動パターン(特殊変動A)がそれぞれ選択される。また、3回目の特別図柄の抽選に対応する変動パターンとして、当たり時用特殊選択テーブル202e2から変動時間が4秒の変動パターン(特殊変動F)が選択される。よって、3回の変動時間の合計が8秒(2秒×2+4秒)となる。
このように構成することで、大当たりが終了してから8回以内の特別図柄の抽選回数で大当たりとなる場合にも、次の大当たりまでの8秒間と、その大当たりのオープニング期間の2秒間(合計10秒間)の間に疑似インターバル演出を行うことができる。即ち、特殊変動期間に大当たりに当選するか否かに関わらず、疑似インターバル演出の演出期間を同一にすることができるので、疑似インターバル演出の結果、大当たりが継続するのか否かを分かり難くすることができる。よって、遊技者に対して、疑似インターバル演出後に大当たりが継続することを期待させながら疑似インターバル演出を最後まで確認させることができる。従って、遊技者の疑似インターバル演出に対する興趣を向上させることができる。
また、大当たりが終了してから8回以内の特別図柄の抽選回数で大当たりとなる場合にも、疑似インターバル演出の実行期間と、大当たり中に実行されるインターバル演出の実行期間とを同一の期間(10秒間)とすることができる。よって、大当たり中に実行されるインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別し難くすることができるので、大当たりが終了したことを遊技者に対して分かり難くし、大当たりがいつまで続くかを分かり難くすることができる。よって、大当たり中、および疑似インターバル中に、遊技者に対して大当たりがより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図5に戻って説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図29参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、払出制御が実行された場合は、払出モータ216により賞球が1個ずつ連続的に払い出される。より具体的には、払出モータ216の回転量が所定量(例えば、1回転)となる毎に、賞球が1個払い出される。また、払出モータ216によって所定個数(10個)の賞球は所定時間(10秒)で払い出されるように払出モータ216の回転速度が設定されている。また、所定個数(10個)の賞球が払い出される度に、所定期間(1秒)だけ賞球の払い出しを休止するように構成されている。これにより、例えば、大当たり中等、多量の賞球を連続的に払い出す必要がある場合に、払出モータ216が休みなく賞球を払い出し続けてしまい、払出モータ216が発熱してしまうことを抑制することができる。よって、払出モータ216の発熱により、パチンコ機10の樹脂部分や弾性体部分が溶けてしまう等により、パチンコ機10が故障してしまうことを抑制することができる。また、払出モータ216において発生した熱がパチンコ機10の可触部(例えば、下皿ユニット15やハンドル51等の遊技者が触れる部分)に伝播し、遊技者に火傷等の怪我をさせてしまうことを抑制することができる。なお、払出モータ216により賞球の払い出しを休止するまでの払い出し個数や払い出しの休止期間は、これに限られるものではなく、払出モータ216の発熱を抑制することができる範囲で任意に定めることができる。例えば、払出モータ216によって5個や25個の賞球が払い出される度に払い出しを休止するように構成してもよい。また、例えば、休止期間を0.5秒や3秒としてもよい。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動パターン演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、図11を参照して、音声ランプ制御装置113のROM222、およびRAM223について説明を行う。図11(a)に示した通り、音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターンテーブル222aと、特殊変動パターンテーブル222bとが少なくとも格納されている。変動パターンテーブル222a、および特殊変動パターンテーブル222bは、主制御装置110から変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動パターン演出の態様に基づいて、変動パターン演出の詳細な態様を選択するために参照されるテーブルである。変動パターンテーブル222aは、大当たりが終了してから9回目以降(つまり、疑似インターバル演出の終了後)に行われる変動パターン演出の態様を選択する際に参照される。一方、特殊変動パターンテーブル222bは、大当たりが終了してから8回以内(つまり、疑似インターバル演出の実行期間内)に行われる変動パターン演出の態様を選択する際に参照される。なお、上述の通り、疑似インターバル演出において行われる変動パターン演出とは、例えば、遊技者の視認が困難な程に主図柄を縮小して変動表示させる態様を指す。このように構成することで、遊技者が大当たり中のインターバル演出と疑似インターバル演出とを見分け難くしている。よって、疑似インターバル演出後に再度特別図柄の大当たりになった場合に、前回の大当たりから特別遊技状態が継続しているかのように感じさせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図11(b)に示した通り、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223aと、特別図柄保留球数カウンタ223bと、変動開始フラグ223cと、停止種別選択フラグ223dとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。本実施形態のパチンコ機10では、特殊変動期間が終了する際に、入賞情報格納エリア223aを参照し、特殊変動期間が終了してから特別図柄の抽選が4回実行されるまでに大当たりとなるかを判別している。そして、大当たりがあると判別した場合は、その大当たりが開始されるまで疑似インターバル演出を延長するように構成している。これにより、遊技者に対して演出時間の長さによって大当たりが継続するか否かを予測させることができるので、大当たり中、および疑似インターバル中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図36のS1607参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図37のS1701参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図39のS1902参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図36のS1604参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図39のS1907参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)が設定される。また、設定された停止種別は、表示用停止種別コマンドによって、表示制御装置114に通知される。表示制御装置114では、音声ランプ制御装置113より受信した表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図36参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
図5に戻って説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図17を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図29参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図12、および図13を参照して、大当たり、および大当たりの終了後の特殊変動期間に実行される疑似インターバル演出の流れについて説明する。図12は、「大当たりD(15R大当たり)」が終了後に実行される疑似インターバル演出において、大当たりが終了したことを示唆する場合(即ち、大当たりの終了後8回の特別図柄の抽選結果が全て外れであった場合)を示した図である。
図12の上側の図は、大当たりの前後において実行される演出の推移と、特定入賞口(大開放口)65aの状態の推移とを対比させて示した図である。図12に示したように、変動パターン演出による図柄変動後に停止表示された図柄が大当たりに対応する図柄であった場合は、大当たりが開始される。大当たりが開始されると、2秒間のオープニング演出が実行される。このオープニング演出では、新たに大当たりに当選したことを祝福する態様の演出が実行される。例えば、通常時は副表示領域Ds2(図4(b)参照)に表示されている男の子が、第3図柄表示装置81の全体に表示され、遊技者に対して「おめでとう」と祝福の言葉を述べる演出等である。
このオープニング演出が終了すると、1ラウンド目のラウンド演出が開始される。大当たりの各ラウンドでは、遊技者が通常時よりも多量の賞球(遊技価値)を得ることが可能なので、ラウンド演出では、賞球(遊技価値)を得ることを示唆する演出が実行される。例えば、通常時は副表示領域Ds2(図4(b)参照)に表示されている男の子が、金銀財宝に埋め尽くされた宝の部屋に入り、多量の宝を獲得して大喜びをする演出等である。また、1ラウンド目が開始されると、通常時には閉鎖されている特定入賞口(大開放口)65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口(大開放口)65aへと球が入賞することにより、遊技者は通常時よりも多量の賞球(遊技価値)を得ることができる。
その後、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件(例えば、30秒経過、或いは、球が10個入賞)が成立すると、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖されると共に、インターバル演出が実行される。詳細については図18〜図20を参照して後述するが、このインターバル演出は10秒間継続し、扉が開くか否かによって、次のラウンドが開始されるか否かを報知する演出が行われる。この扉は、例えば、次の宝の部屋の扉である。そして、扉が開く演出が行われ、次のラウンドの開始が報知されると、2ラウンド目のラウンド演出が開始されると共に、特定入賞口(大開放口)65aが開放される。2ラウンド目のラウンド演出でも、1ラウンド目と同様に、例えば、男の子が扉から宝の部屋に入り、多量の宝を獲得して大喜びする演出等の、遊技者が賞球を得られることを示唆する演出が行われる。
そして、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件(例えば、30秒経過、或いは、球が10個入賞)が成立すると、1ラウンド目と同様に、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖されると共に、インターバル演出が実行される。このインターバル演出は、上述下通り、扉が開くか否かによって、次のラウンドが開始されるか否かを報知する演出である。
そして、3ラウンド目以降も、特定入賞口(大開放口)65aの開閉の状態に連動させて、ラウンド演出とインターバル演出とが交互に実行される。
なお、ラウンド演出は、必ずしも毎回のラウンドで同じ演出を実行する必要はない。例えば、偶数ラウンドでは男の子が宝の部屋で多量の宝を獲得する演出(第1のラウンド演出)を実行し、奇数ラウンドでは、女の子(図示なし)がリゾートビーチで寛ぐ演出(第2のラウンド演出)を実行してもよい。また、例えば、上記2種類の演出を各ラウンドでランダムに選択するように構成してもよい。また、大当たりの最終ラウンド以外のラウンドでのみ選択され得る演出を設けてもよい。例えば、最終ラウンド以外のラウンドでは、上記した第2のラウンド演出を、第1のラウンド演出に比べて低確率で選択されるように構成し、大当たりの最終ラウンドでは第1のラウンド演出のみが選択され得るように構成してもよい。このように構成することで、第2のラウンド演出が表示されることで、大当たりのラウンドが1ラウンド以上残っていることを遊技者に対して認識させることができる。つまり、第2のラウンド演出が表示されるだけで、多量の賞球を得る機会が残り1回以上付与されることを認識させることができるので、第2のラウンド演出が実行されることにより、遊技者に対して大きな満足感を与えることができる。
また、「大当たりD(15R大当たり)」の最終ラウンドである15ラウンド目において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件(例えば、30秒経過、或いは、球が10個入賞)が成立し、大当たりが終了すると、疑似インターバル演出が実行される。この疑似インターバル演出では、演出が開始されてから8秒間で、上記したインターバル演出と同じ演出(即ち、男の子が扉を開く演出)が実行される。その後(つまり、疑似インターバル演出の開始後8秒〜10秒)は、基本的に、扉を開くことに成功する演出、または、扉を開くことに失敗する演出が実行される。なお、詳細については後述するが、疑似インターバル演出中に特別図柄の変動パターン演出を実行する場合は、第3図柄表示装置81の右下部分において、主図柄を縮小した態様で(即ち、遊技者が変動パターン演出を実行していると気付き難い態様で)変動パターン演出を実行する。
この疑似インターバル演出中の制御について、図12の下側の図により詳細に説明を行う。図12の下側に示した通り、大当たり終了後には特殊変動期間が設定される。この特殊変動期間では、上述した通り、特殊変動パターン選択テーブル202e(図9(c)参照)から変動パターン演出の態様を選択する。図12の例では、大当たりの終了後8回の特別図柄の抽選が全て外れとなるので、8回の変動パターン演出の態様は、全て外れ時用特殊選択テーブル202e1(図10(a)参照)から選択される。即ち、大当たりの終了後1回目、および2回目に行われる変動パターン演出では、変動時間が2秒(図柄変動1.6秒+停止表示0.4秒)の変動パターン(特殊変動A)が選択され、大当たり終了後3回目、および4回目に行われる変動パターン演出では、変動時間が1秒(図柄変動0.6秒+停止表示0.4秒)の変動パターン(特殊変動B)が選択され、大当たり終了後5回目〜8回目に行われる変動パターン演出では、変動時間が0.5秒(図柄変動0.1秒+確定表示0.4秒)の変動パターン(特殊変動C)が選択される。
即ち、大当たりが終了してから8回の変動パターン演出を合計8秒(2秒×2+1秒×2+0.5秒×4)かけて実行する。これにより、大当たりが終了してから8回の変動パターン演出を実行する期間(特殊変動期間)を8秒間に固定化することができる。よって、疑似インターバル演出の実行期間と、大当たり中に実行されるインターバル演出の実行期間とを毎回一致させることができるので、大当たり中に実行されるインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。従って、大当たり中、および疑似インターバル中に、遊技者に対して大当たりがより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、8回の変動パターン演出が全て終了した後は、疑似インターバル演出を終了する2秒間の終了演出が実行される。具体的には、上述した、扉を開くのに失敗する演出が実行することによって、次のラウンドが開始されない(つまり、前回のラウンドが大当たりの最終ラウンドであった)ことを遊技者に対して示唆する。この終了演出が実行されている際に、変動パターン演出が第3図柄表示装置81の右下部分に縮小された態様で実行されている場合には、終了演出の終了後に、縮小して実行されていた変動パターン演出が通常の表示サイズに戻される。つまり、図4(b)に例示した態様に戻されて、変動パターン演出が実行される。上述した通り、特殊変動期間が経過した後(即ち、大当たりの終了後9回目以降の特別図柄の抽選)は、変動パターン選択テーブル202dを参照して変動パターン演出を選択する。また、変動パターン選択テーブル202dには、5秒〜30秒の変動パターン演出の態様が規定されている。よって、特殊変動期間が終了後に実行される変動実行される変動パターン演出は、終了演出(2秒)よりも長い変動時間となる。この場合に、終了演出が経過したにも関わらず、実行されている変動パターン演出を縮小した態様のままとすると、第3図柄表示装置81の大部分が何も表示されていない状態となってしまう場合があり、遊技者がパチンコ機10に不具合が生じてしまったと誤認してしまう虞がある。従って、疑似インターバル演出が終了後は、変動パターン演出の表示態様を通常のサイズに戻すように構成し、遊技者に対して遊技機に不具合が生じたと誤認させてしまうことを抑制している。
次に、図13を参照して、疑似インターバル演出後に再度大当たりとなる場合について説明する。図13(a)は、大当たりが終了してから1回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合を示した図であり、図13(b)は、大当たりが終了してから3回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合を示した図であり、図13(c)は、大当たりが終了してから12回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合を示した図である。
図13(a)に示した通り、大当たりが終了してから1回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合は、当たり時用特殊選択テーブル202e2(図10(b)参照)から、変動時間が8秒の変動パターン演出が選択される。これにより、大当たりが終了してから次の大当たりが開始されるまでの期間を8秒とすることができる。また、大当たりの開始から1ラウンド目が開始されるまでには2秒間の期間(オープニング期間)が設けられている。よって、大当たりが終了してから次の大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(疑似インターバル演出の期間)と、大当たり中に実行されるインターバル演出の実行期間(10秒)とを一致させることができるので、大当たり中に実行されるインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。従って、大当たり中、および疑似インターバル中に、遊技者に対して大当たりがより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、大当たりが終了してから3回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合は、1回目、および2回目に実行される変動パターン演出の態様が、外れ時用特殊選択テーブル202e1から選択される。また、3回目に実行される変動パターン演出の態様が、当たり時用特殊選択テーブル202e2から選択される。この結果、図13(b)に示した通り、大当たりが終了してから1回目、および2回目に実行される変動パターン演出として、変動時間が2秒の変動パターンが選択され、大当たりが終了してから3回目に実行される変動パターン演出として、変動時間が4秒の変動パターン演出が選択されるので、大当たりが終了してから次の大当たりが開始されるまでの期間を8秒とすることができる。よって、大当たりが終了してから次の大当たりの1ラウンド目が開始されるまでの期間(疑似インターバル演出の期間)と、大当たり中に実行されるインターバル演出の実行期間(10秒)とを一致させることができるので、大当たり中に実行されるインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。従って、大当たり中、および疑似インターバル中に、遊技者に対して大当たりがより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、大当たりが終了してから8回の特別図柄の抽選が全て外れとなり、且つ、特殊変動期間の終了時に、特殊変動期間の終了後4回目に大当たりになることを先読みによって判別した場合は、特殊変動期間中の全ての変動パターン演出の態様が、外れ時用特殊選択テーブル202e1から選択される。これにより、大当たりの終了後1回目、および2回目に行われる変動パターン演出では、変動時間が2秒の変動パターン(特殊変動A)が選択され、大当たり終了後3回目、および4回目に行われる変動パターン演出では、変動時間が1秒の変動パターン(特殊変動B)が選択され、大当たり終了後5回目〜8回目に行われる変動パターン演出では、変動時間が0.5秒の変動パターン(特殊変動C)が選択される。即ち、大当たりが終了してから8回の変動パターン演出を合計8秒(2秒×2+1秒×2+0.5秒×4)かけて実行する。
また、特殊変動期間の終了後1回目〜3回目に実行される変動パターン演出の態様が、外れ時用選択テーブル202d1から選択され、特殊変動期間の終了後4回目に実行される変動パターン演出の態様が、当たり時用選択テーブル202d2から選択される。この場合、特殊変動期間が終了した後も、次の大当たりとなるまで疑似インターバル演出が延長される。即ち、音声ランプ制御装置113により、大当たりが終了してから12回の変動パターン演出にわたって疑似インターバル演出が継続されるように制御される。これにより、遊技者に対して演出時間の長さによって大当たりが継続するか否かを予測させることができるので、大当たり中、および疑似インターバル中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、インターバル演出の期間、および疑似インターバル演出の期間は10秒に限られるものではなく、例えば、5秒や15秒にするなど、任意に定めることができる。
次に、図14を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図14は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図40のS2001参照)の終了後に実行される初期化処理(図40のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図17参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図42(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図40のS2003,S2004参照)。これらの画像は、電源投入後速やかに表示されることが望ましいため、通常時に表示される画像データに比較してデータ量の少ない簡素な表示画像で構成される。
電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、電源投入時主画像の表示画面上に、「○」図柄の電源投入時変動画像と、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は「○」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は「×」図柄を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、「○」図柄と「×」図柄とが交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図14に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。
第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア434に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、ラウンド演出、インターバル演出、疑似インターバル演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりDのいずれかであれば、それぞれの大当たりを示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。インターバル演出は、大当たりの各ラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの間に実行される演出である。疑似インターバル演出は、上述したように、大当たりの終了後に実行される演出であり、インターバル演出と同一の演出が実行される。なお、この疑似インターバル演出中に始動条件が成立した場合は、画面の右下に変動演出が縮小表示される。
デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、ラウンド演出、インターバル演出、疑似インターバル演出、およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図15を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図15は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図15の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図17参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。よって、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
次いで、図16を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図16は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図16のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図16のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図16の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図17参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図16の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図40参照)の中でオンに設定される(図40のS2005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図51(b)のS3705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図42(b)のS2301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図43〜図47参照)および表示設定処理(図48〜図50参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図51(a)のS3601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図51(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図52参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図17参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図17参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図17参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図42(b)のS2303参照)の中で、ポインタ更新処理(図48のS3305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図17参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図17を参照して、描画リストの詳細について説明する。図17は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図16に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像等)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図48のS3307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図40のS2002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図52参照)の中で、1のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図52のS3813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図52のS3814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図53のS3902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の描画処理が実行される度に行われる(図53のS3902参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
次いで、図18〜図20を参照して、第3図柄表示装置81において行われる疑似インターバル演出の例について説明する。以下の説明では、「大当たりA(3R大当たり)」が終了後に実行される疑似インターバル演出を例にとって説明を行う。図18(a)は、疑似インターバル演出の開始時に実行される演出の例を示す図である。図18(a)に示す通り、第3図柄表示装置81の左上部分には、横長の長方形の領域が設けられ、領域の内部に、疑似インターバル演出が開始されるまでに消化したラウンド数が表示されるように構成されている。今回の例では、ラウンド数が3ラウンドの大当たり(大当たりA)後に疑似インターバル演出が実行されているので、「ROUND3」との文字が長方形の領域に表示される。また、第3図柄表示装置81の左下に男の子が出現し、第3図柄表示装置81の中央部分に表示された扉を発見する演出が行われる。疑似インターバル演出では、この扉を男の子が開けようとする演出が実行される。
また、第3図柄表示装置81の右下部には、変動パターン演出が縮小して(つまり、遊技者にとって視認が困難な態様で)表示される。なお、疑似インターバル演出の開始時における第3図柄表示装置81の表示態様と、大当たり中に実行されるインターバル演出の開始時における第3図柄表示装置81の表示態様との相違点は、変動パターン演出が縮小して表示されているという点のみである。即ち、インターバル演出は、大当たり中に行われるため、特別図柄の抽選を行うことがなく、変動パターン演出を実行することもないので、第3図柄表示装置81の右下部分には何も表示されない。よって、変動パターン演出が縮小表示されることを除いては、インターバル演出と疑似インターバル演出とで同一の表示画像が表示され、且つ、変動パターン演出は視認が困難な程度に縮小して表示される。これにより、遊技者がインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別することを困難にすることができる。
なお、変動パターン演出の視認が困難とする方法は、これに限られるものではない。例えば、疑似インターバル演出中には変動パターン演出を半透明な態様で表示することにより視認困難としてもよい。また、疑似インターバル演出中だけでなく、大当たりのインターバル演出中にも、疑似的な変動パターン演出を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示するように構成してもよい。また、第3図柄表示装置81の右下部分に変動パターン演出を縮小表示する場合において、縮小表示される部分が、電動役物等により常時隠された状態となるように構成してもよい。また、電動役物が大当たりのインターバル演出中、および疑似インターバル演出中のみ動作し、第3図柄表示装置81の右下部分を隠すように構成してもよい。これらにより、遊技者がインターバル演出と、疑似インターバル演出とを区別することを困難にすることができる。
また、本実施形態では、単に変動パターン演出を右下部分に縮小表示しているだけだが、異なる態様で表示するように構成してもよい。例えば、疑似インターバル演出中は、主図柄を数字以外の記号で表示するように構成することで、異なる態様としてもよい。これにより、たとえ特殊変動期間中に遊技者に変動パターン演出が縮小表示されていることに気付かれたとしても、変動パターン演出の結果が当たりなのか外れなのかを分かり難くすることができる。つまり、疑似インターバル演出の結果を確認するまでは、再度大当たりが開始されるのか、大当たりとならないのかを分かり難くすることができる。よって、遊技者に対して疑似インターバル演出の結果を興味深く観察させることができる。
また、特殊変動期間中は、停止表示の期間が極めて短くなるように(例えば、0.1秒となるように)構成してもよい。これにより、たとえ特殊変動期間中に遊技者に変動パターン演出が縮小表示されていることに気付かれたとしても、変動パターン演出の結果が視認し難くなり、遊技者にとっては特殊変動期間中に絶えず図柄が縮小されて変動し続けているかのように感じさせることができる。即ち、特殊変動期間中に実行された変動パターン演出の結果が当たりなのか外れなのかを分かり難くすることができる。よって、疑似インターバル演出の結果を確認するまでは、再度大当たりが開始されるのか、大当たりとならないのかを分かり難くすることができる。従って、遊技者に対して疑似インターバル演出の結果を興味深く観察させることができる。
一方、図柄変動の期間が極めて短くなるように(例えば、0.1秒となるように)構成し、遊技者に図柄が変動していることを認識させ難くしてもよい。これにより、右下部分に表示されているのは意味のない数字の羅列に過ぎないと認識させることができ、特殊変動期間中に実行された変動パターン演出の結果が当たりなのか外れなのかを分かり難くすることができる。また、図柄変動の期間を短くする場合において、停止表示の期間にフェイク演出を表示させるように構成してもよい。例えば、一瞬だけ停止図柄を表示させ、残りの時間はフェイクの図柄変動を実行してもよい。また、停止表示中は図柄を透明にするように構成してもよい。これらにより、特殊変動期間中に実行された変動パターン演出の結果が当たりなのか外れなのかを分かり難くすることができるので、疑似インターバル演出の結果を確認するまでは、再度大当たりが開始されるのか、大当たりとならないのかを分かり難くすることができる。従って、遊技者に対して疑似インターバル演出の結果を興味深く観察させることができる。
図18に戻って説明を続ける。特殊変動期間において、特別図柄の大当たりとなる場合は、図18(b)に示す通り、疑似インターバル演出において、男の子が開けようとしていた扉が開放され、扉の中から「+1 ROUND」との表示が出現する演出が行われる。これにより、遊技者は大当たりの新たなラウンドが開始されることを容易に認識することができるので、遊技者を喜ばせることができる。なお、この扉が開かれる演出は、次の大当たりが開始されてから、次の大当たりの1ラウンド目が開始するまでの期間に実行される。なお、擬似インターバル演出を経由して再度大当たりとなった場合には、ラウンド数の表示は、前回終了した大当たりの最終ラウンドの続きから表示されるように構成されている。よって、図18(b)の例(「大当たりA(3ラウンド大当たり)」が終了した後の特殊変動期間において再度大当たりとなった場合)において、「+1 ROUND」との表示が出現した後は、「4ROUND」と表示される。以降、ラウンド数が増える毎に、第3図柄表示装置81の左上部分に設けられた、ラウンド数を表示する領域の表示も1ずつ増えていく。
これに対して、特殊変動期間において特別図柄の大当たりとならなかった場合、特殊変動期間の終了後の特殊変動終了表示期間(図12参照)において、図19(a)に示すように、男の子が扉を開けることができず、泣き出してしまう演出が実行される。更に、男の子が泣き出す演出の後は、図19(b)に示したように、第3図柄表示装置81に女性が出現し、「またね!」との文字が表示される演出が実行される。このように表示することで、遊技者は、大当たりが終了してしまったことを容易に認識することができる。なお、特殊変動期間中の演出は、特殊変動中に大当たりとなった場合と同一とし、特殊変動期間の終了後に実行される演出(即ち、疑似インターバル演出の結果を報知する演出)のみを、大当たりとなるか否かに応じて異なる態様で実行するように構成している。このように構成することで、特殊変動期間中に大当たりになるか否かに関わらず、特殊変動期間中に実行される8秒間の演出を共通化することができるので、表示制御装置114のキャラクタROM234の容量を削減することができる。
また、特殊変動期間において特別図柄の大当たりとならなかった場合であって、先読みにより4回以内の特別図柄の抽選により大当たりになると判別した場合は、図19(a)の、男の子が泣き出す演出の後に、図20(b)に示した演出が実行される。即ち、第3図柄表示装置81の右上に長方形の領域が出現し、「ボタン連打で扉を開け!」との文字が表示される。また、第3図柄表示装置81の右側には、枠ボタン22を押下している手の画像が表示される。これにより、遊技者に対して、大当たりが継続するチャンスが残されていることを容易に認識させることができると共に、枠ボタン22を押下することによって演出に参加させることができる。
枠ボタン22の押下を促す演出(図20(a)参照)は、大当たりとなる変動パターン演出が実行されるまで継続する。そして、大当たりとなる変動パターン演出の終了前の2秒間で、扉が開かれる演出(図18(b)参照)が実行される。更に、大当たりとなってから、1ラウンド目が開始されるまでの期間(オープニング期間)で、図20(b)に示すような、女性が出現し、「やったね」との文字が表示される演出が行われる。この演出により、遊技者は、大当たりが継続することを容易に認識することができる。
なお、インターバル演出、および疑似インターバル演出において行われる演出は、扉を開く演出に限られるものではなく、大当たりが継続すること(または、大当たりが一旦終了し、新たに大当たりになったこと)を示唆する演出と、大当たりが終了することを示唆する演出とが設けられていれば、演出の態様は任意に定めてもよい。例えば、正義の味方が敵と戦いを行う演出を実行し、敵に勝利する演出により大当たりが継続すること(または、大当たりが一旦終了し、新たに大当たりになったこと)を示唆し、敵に敗北することにより、大当たりが終了することを示唆するように構成してもよい。
また、枠ボタン22の押下を促す演出(図20(a)参照)は、必ずしも男の子が泣き出す演出を実行した後で実行する必要はない。男の子が泣き出す演出の後、別の演出を実行し、その後に枠ボタン22の押下を促す演出(図20(a)参照)を実行するように構成してもよい。例えば、男の子が別の扉を発見する演出を行い、その後に枠ボタン22の押下を促す演出(図20(a)参照)を行ってもよい。また、この場合において、先読みにより次の大当たりまでの時間を判別しておき、枠ボタン22の押下を促す演出(図20(a)参照)を実行開始させるタイミングを予め決定しておくように構成してもよい。これにより、枠ボタン22の押下を促す演出(図20(a)参照)の実行期間を毎回同じ期間とすることができる。よって、大当たりまでの時間が長い場合に、枠ボタン22の押下を促す演出(図20(a)参照)が長い時間表示され続け、遊技者が枠ボタンを押下することに疲れてしまうことを抑制することができ、枠ボタン22の押下を促す演出(図20(a)参照)を実行するのに適切な期間だけ演出を実行させることができる。
また、本実施形態では、特殊変動期間中に大当たりとならなかった場合に、大当たりの終了後9回目以降の変動パターン演出の態様を変動パターン選択テーブル202dから選択するように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、9回目〜12回目の特別図柄の抽選(即ち、特殊変動期間が終了した後の特別図柄の高確率状態の残り期間)においては、異なるデータテーブルから変動パターン演出の態様(変動時間)を選択するように構成してもよい。例えば、9回目の特別図柄の抽選結果が外れの場合には、必ず2秒間の変動パターン演出が選択されるように構成してもよい。これにより、疑似インターバル演出の結果、大当たりの終了を報知する場合に、その終了の報知演出(図19(a),(b)参照)の演出期間である2秒間と、9回目の変動パターン演出の変動時間とを一致させることができる。即ち、大当たりの終了を報知する演出(図19(a),(b)参照)の終了タイミングと、9回目の変動パターン演出の終了タイミングとを一致させることができる。よって、9回目の変動パターン演出までは、変動パターン演出を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小表示しておき、10回目以降の変動パターン演出では、演出の開始時点から通常の態様で変動パターン演出を実行すればよいので、変動パターン演出の途中で縮小表示を解除する必要がなくなる。従って、表示制御を単純化することができる。
また、本実施形態では、特殊変動期間の終了時に先読みにより大当たりとなる保留球が存在する場合に、ボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)を実行するように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特殊変動期間中に大当たりとなる場合において、所定の確率(例えば、10%)で、大当たりのオープニング期間を用いてボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)を実行するように構成してもよい。具体的には、オープニング演出の開始時に、図19(a)に示した男の子が泣き出してしまう演出を実行し、その後、ボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)をオープニング期間の残時間にて実行するように構成してもよい。また、オープニング期間においてボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)を実行する大当たりでは、オープニング期間を2秒よりも長く(例えば、10秒等に)設定し、ボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)を長く表示させてもよい。これにより、ボタンを押下すれば大当たりが継続するかのような印象を遊技者に対して与えることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲をより高めることができる。
また、大当たりとなる保留球が存在しない場合にも、一定確率(例えば、5%)でボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)を実行するように構成してもよい。このように構成することで、ボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)が出現しただけでは大当たりが継続するか否かを分からなくすることができるので、演出の結果に対してより興味を抱かせることができる。更に、ボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)の結果が外れとなる場合においても、9回目〜12回目の変動パターン演出のいずれかの終了に合わせて演出が終了するように構成してもよい。この場合において、外れとなる場合は、少ない回数の変動パターン演出の終了に合わせて演出が終了されやすく構成してもよい。つまり、9回目の変動パターン演出の終了に合わせてボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)の結果が外れであることを報知される確率を高く設定し、12回目の変動パターン演出の終了に合わせて外れであることを報知される確率を低く設定してもよい。このように構成することで、ボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)が長時間継続するほどに、遊技者に対して大当たりが継続する期待度が高いと認識させることができる。よって、ボタンの押下を促す演出(図20(a)参照)が長時間継続することを願わせながらボタンを押下させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図21から図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理(S104)、及び、始動入賞処理(S105)の詳細は、図22〜図26を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理(S106)、及び、スルーゲート通過処理(S107)の詳細は、図27および図28を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図22は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図23を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S210)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S211)。停止図柄の設定は、図23を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の停止図柄が設定される。より具体的には、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるか、大当たりCとなるか、大当たりDとなるかが決定される。
なお、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯させ、大当たりDになる場合には赤色のLEDと青色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S211の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の表示(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S212)。そして、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S212:Yes)、大当たりの開始を設定し(S213)、S220の処理へ移行する。S213の処理において行われる設定は、具体的には、音声ランプ制御装置113へ出力するためのオープニング開始コマンドを設定すること等である。オープニング開始コマンドは、大当たりのオープニング期間に実行する演出態様を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドであり、特殊変動期間において大当たりとなったか否かを示す情報を含めて設定される。即ち、S213の処理において、特殊変動中カウンタ203gが0より大きい場合(即ち、現在が特殊変動期間中である場合)は特殊変動期間の大当たりに対応するオープニング開始コマンドが設定され、特殊変動中カウンタ203gが0の場合(即ち、現在が特殊変動期間中でない場合)は通常の大当たりに対応するオープニング開始コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113のMPU221は、このオープニング開始コマンドに基づいて、疑似インターバル演出において扉が開かれ、前回の大当たりから大当たり状態が継続しているかのように見せる演出(図18(b)参照)、または通常のオープニング演出(例えば、大当たりに当選したことを祝福する演出)のいずれかを実行させる。
S213の処理において設定されたオープニング開始コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニング開始コマンドを受信すると、そのオープニング開始コマンドから特殊変動期間の大当たりであるかの否かを判別し、大当たりとなった状態に対応する表示用オープニング開始コマンドを表示制御装置114へ送信する(図36のS1619参照)。表示用オープニング開始コマンドを受信した表示制御装置114は、その表示用オープニングコマンドに基づいて、通常のオープニング(図示なし)、または特殊変動期間用のオープニング(図19(b)参照)を表示する(図43のS2420参照)。
一方、S212の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S212:No)、確変中カウンタ203eの値が0より大きいか否かを判別し(S214)、確変中カウンタ203eの値が0より大きいと判別した場合は(S214:Yes)、確変中カウンタ203eの値を1減算して(S215)、S216の処理へ移行する。一方、確変中カウンタ203eの値が0であれば(S214:No)、S215の処理をスキップして、S216の処理へと移行する。
続くS216の処理では、時短中カウンタ203fの値が0より大きいか否かを判別し(S216)、時短中カウンタ203fの値が0より大きいと判別した場合は(S216:Yes)、時短中カウンタ203fの値を1減算して(S217)、S218へと処理を移行する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であると判別した場合は(S216:No)、S217の処理をスキップして、S218の処理へ移行する。
S218の処理では、特殊変動中カウンタ203gの値が0より大きいか否かを判別し(S218)、特殊変動中カウンタ203gの値が0より大きいと判別した場合は(S218:Yes)、特殊変動中カウンタ203gの値を1減算して(S219)、S220の処理へ移行する。一方、特殊変動中カウンタ203gの値が0であると判別した場合は(S218:No)、S219の処理をスキップして、S220の処理へ移行する。
S213、S218、またはS219の処理後に実行されるS220の処理では、S211の処理で設定された停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様であるLEDの点灯と第3図柄表示装置81の変動停止を同調させるために停止コマンドが設定される(S220)。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図23は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図21参照)の特別図柄変動処理(図22参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている特別図柄の抽選結果、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、RAM203の特殊変動中カウンタ203gの値が0より大きいか否かを判定する(S302)。特殊変動中カウンタ203gは、パチンコ機10が特殊変動状態(即ち、変動パターン演出を実行する場合に、特殊変動パターン選択テーブル202eから変動パターン演出の態様を選択する状態)であるか否かを示すカウンタであり、特殊変動中カウンタ203gの値が0より大きければ、パチンコ機10が特別図柄の特殊変動状態であることを示し、特殊変動中カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が通常状態(即ち、変動パターン演出を実行する場合に、変動パターン選択テーブル202dから変動パターン演出の態様を選択する状態)であることを示す。
S302の処理において、特殊変動中カウンタ203gが0であると判定した場合は(S302:No)、通常変動選択処理を実行する(S303)。ここで、図24を参照して、通常変動選択処理(S303)の詳細について説明する。図24は、通常変動選択処理(S303)を示したフローチャートである。この通常変動選択処理は、変動パターン選択テーブル202dから実行する変動パターン演出の態様を決定するための処理である。
この通常変動選択処理では、まず、S301の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S401)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bに格納されている乱数値とを比較し、4種類ある特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)のうち、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜16」の範囲にあれば、大当たりA(3R大当たり)であると判定し、「17〜31」の範囲にあれば、大当たりB(4R大当たり)であると判定し、「32〜94」の範囲にあれば、大当たりC(6R大当たり)であると判定し、「95〜99」の範囲にあれば、大当たりD(15R大当たり)であると判定する(図8(b)参照)。
S401の処理において、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S401:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S402)。このS402の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD)が停止種別として設定される。
次に、大当たりの変動パターンを当たり時用選択テーブル202d2に基づき決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファ203iに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、変動パターン選択テーブル202d(図9(b)参照)に規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ(長時間用)」、「外れ(短時間用)」、「外れノーマルリーチ」各種、「外れスーパーリーチ」各種、「外れスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりA・大当たりB・大当たりC・大当たりD共用の変動パターンとしては、「共用ノーマルリーチ」各種、「共用スーパーリーチ」各種、「共用スペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりC・大当たりD用の変動パターンとしては、「スペシャルリーチ」各種が規定されている。
S401の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S401:No)、外れの表示態様を設定する(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別を決定する。例えば、停止種別としては、「前後外れリーチ」、「前後外れ以外リーチ」、「完全外れ」などが規定されている。
次に、外れの変動パターンを外れ時用選択テーブル202d1に基づき決定する(S405)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファ203iに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。S403の処理またはS405の処理が終わると、本処理を終了して特別図柄変動開始処理に戻る。
図23に戻り、説明を続ける。特殊変動中カウンタ203gの値が0より大きいと判定した場合は(S302:Yes)、特殊変動選択処理を実行する(S304)。ここで、図25を参照して、特殊変動選択処理(S304)の詳細について説明する。図25は、特殊変動選択処理(S304)を示したフローチャートである。
この特殊変動選択処理では、通常変動選択処理(S303)と同様に、まず、S301の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S501)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S501:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たりの表示態様を設定する(S502)。具体的な内容は、通常変動選択処理(S303)の大当たり時の表示態様の設定(S402)と同様である。なお、大当たりの表示態様の設定(S402)と同様でなくても良く、例えば、通常変動選択処理(S303)で用いた第1当たり種別選択テーブル202bとは異なるテーブルを用意して、大当たりの変動態様を設定するようにしても良い。
次に、大当たり時の変動パターンを当たり時用特殊選択テーブル202e2(図10(b)参照)に基づいて決定し(S503)、本処理を終了する。なお、上述の通り、当たり時用特殊選択テーブル202e2(図10(b)参照)は、特別図柄の抽選回数に応じて固定の変動期間の変動パターンが選択されるように構成されている。具体的には、大当たりの終了後1回目に行われた特別図柄の抽選が当たりであった場合は、変動時間が8秒の変動パターン(特殊変動D)が選択される。また、大当たり終了後2回目に大当たりとなった場合は、変動時間が6秒の変動パターン(特殊変動E)が選択され、大当たり終了後3回目に大当たりとなった場合は、変動時間が4秒の変動パターン(特殊変動F)が選択され、大当たり終了後4回目に大当たりとなった場合は、変動時間が3秒の変動パターン(特殊変動G)が選択される。更に、大当たり終了後5回目に大当たりとなった場合は、変動時間が2秒の変動パターン(特殊変動A)が選択され、大当たり終了後6回目に大当たりとなった場合は、変動時間が1.5秒の変動パターン(特殊変動H)が選択され、大当たり終了後7回目に大当たりとなった場合は、変動時間が1秒の変動パターン(特殊変動B)が選択され、大当たり終了後8回目に大当たりとなった場合は、変動時間が0.5秒の変動パターン(特殊変動C)が選択される。このように構成することで、前回の大当たりが終了してから次の大当たりが開始されるまでの期間を、特別図柄の抽選回数によらずに一定とすることができる。よって、疑似インターバル演出の演出期間と大当たり中に実行されるインターバル演出の演出期間とを毎回一致させることができる。
一方、S501の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S501:No)、外れの表示態様を設定する(S504)。具体的な内容は、通常変動選択処理(S303)の外れの表示態様の設定(S404)と同様である。なお、外れの表示態様の設定(S404)と同様でなくても良く、例えば、通常変動選択処理(S303)で用いた停止種別を決定するテーブルとは異なるテーブルを用意して、外れの変動態様を設定するようにしても良い。
次に、外れの変動パターンを外れ時用特殊選択テーブル202e1(図10(a))に基づいて決定し(S505)、本処理を終了する。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。なお、上述の通り、外れ時用特殊選択テーブル202e1(図10(a)参照)は、特別図柄の抽選回数に応じて固定の変動期間の変動パターンが選択されるように構成されている。具体的には、大当たりの終了後1回目、または2回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動時間が2秒の変動パターン(特殊変動A)が選択される。また、大当たり終了後3回目、または4回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動時間が1秒の変動パターンが選択される。一方、大当たり終了後5回目〜8回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動時間が0.5秒の変動パターンが選択される。このように構成することで、前回の大当たりが終了してから特殊変動期間が終了するまでの期間を、特別図柄の抽選回数によらずに一定(8秒)とすることができる。よって、疑似インターバル演出の演出期間と大当たり中に実行されるインターバル演出の演出期間とを毎回一致させることができる。
図23に戻り、説明を続ける。S303の処理またはS304の処理が終わると、次に、S303の処理またはS304の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S305)。次いで、S303の処理またはS304の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S306)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図31)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S306の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図26は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S601)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S602)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では8)未満であるか否かを判定する(S603)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が8未満でなければ(S603:No)、本処理を終了する。一方、第1入球口64への入賞があり(S601:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が8未満であれば(S603:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S604)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S605)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S605の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1の値を取得し(S606)、RAM203に格納されている先読み確変中カウンタ203hの値を確認する(S607)。
ここで、先読み確変中カウンタ203hが0より大きかった場合(S607:Yes)、特別図柄の大当たりか否かは、S606の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a2(図示せず)に格納されている30の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される(S608)。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
一方、先読み確変中カウンタ203hの値が0であれば(S607:No)、特別図柄の大当たりか否かは、S406の処理で格納された第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a1(図示せず)に格納されている3の乱数値(当たり値)とを1つ1つ比較することによって判定される。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7,107,282」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。
S608またはS609の処理により特別図柄が大当たりか否かを判定した後は、S608またはS609で判定された大当たり判定結果と、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値とを、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S610)。尚、S610の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、S608またはS609で判定された大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドを設定する(S611)。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドから、大当たり判定結果を抽出し、この情報を入賞情報として入賞情報格納エリア223aに格納することで、特殊変動延長表示の判定などに利用する。
S611の処理により入賞情報コマンドを設定した後は、S608またはS609で判定された大当たり判定結果が特別図柄の大当たりであるかを判定する(S612)。S608またはS609で判定された大当たり判定結果が特別図柄の大当たりである場合には(S612:Yes)、先読み確変中カウンタ203hに12を設定して(S613)、本処理を終了する。一方、S608またはS609で判定された大当たり判定結果が特別図柄の外れである場合には(S612:No)、先読み確変中カウンタ203hが0より大きいか否かを判定し(S614)、先読み確変中カウンタ203hが0より大きければ(S614:Yes)、先読み確変中カウンタ203hを1減算して(S615)、本処理を終了する。一方、先読み確変中カウンタ203hが0であれば(S614:No)、S615の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図27は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S701)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S701:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S701:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S702)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S702:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S703)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S704)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S704:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S704:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S705)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S706)。S706の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S707)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203fの値が0より大きいか否かを判定する(S708)。尚、時短中カウンタ203fは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203fの値が0より大きければ(S708:Yes)、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S708:No)、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203fの値が0でない(即ち、1以上である)場合は(S708:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S709)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S709:Yes)、S711の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S709の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S709:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S710)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(a)参照)。
S708の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S708:No)、S711の処理へ移行する。S711の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S711)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(a)参照)。
次に、S710またはS711の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S712)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S712:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S713)。このS713の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203fの値が0より大きいか否かを判定し(S714)、時短中カウンタ203fの値が0より大きいと判定した場合は(S714:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S715)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S715:Yes)、S717の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S715の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S715:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S716)、S719の処理へ移行する。
S714の処理において、時短中カウンタ203fの値が0である場合は(S714:No)、S717の処理へ移行する。S717の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S717)、S719の処理へ移行する。
S712の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S712:No)、外れ時の表示態様を設定する(S718)。このS718の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S719の処理へ移行する。
S719の処理では、時短中カウンタ203fの値が0より大きいか否かを判定し(S719)、時短中カウンタ203fの値が0より大きければ(S719:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S720)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203fの値が0であれば(S719:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S721)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S702の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S702:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S722)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S720の処理またはS721の処理によって予め設定された時間である。
S722の処理において、変動時間が経過していなければ(S722:No)、本処理を終了する。一方、S722の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S722:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S723)。S723の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S713の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S718の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S723の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図31参照)の第2図柄表示更新処理(S1108参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S713の処理またはS718の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S724)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S724:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S725)、本処理を終了する。S725の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図31参照)の電動役物開閉処理(S1106参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S724の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S724:No)、S725の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図28は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、普通入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S801)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S801:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S802)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S803)。
球が普通入球口67を通過していないか(S801:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S803:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S801:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S803:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S804)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S805)、本処理を終了する。尚、S805の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図29は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S901)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図30を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図30は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1002)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1003)。
その後、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1004)、オンされていれば(S1004:Yes)、処理をS1012へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1004:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1005)、記憶されていなければ(S1005:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1012へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1005:Yes)、RAM判定値を算出し(S1006)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1007:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1012へ移行する。なお、図31のS1115の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1012の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1012)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1013,S1014)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1013,S1014)を実行する。RAMの初期化処理(S1013,S1014)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1013)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1014)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1010の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1004:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1005:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1007:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1008)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1009)、S1010の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1010の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S1011)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図31を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図31は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1101〜S1108の各処理が実行され、その残余時間でS1111,S1112のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図21参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1101)。具体的には、タイマ割込処理(図21参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図22参照)や始動入賞処理(図26参照)で設定された保留球数コマンドや、始動入賞処理(図26参照)で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図32参照)で設定されたラウンド数コマンド、ラウンド間演出開始コマンド、特別遊技演出終了コマンドや、特殊変動制御処理(図33参照)で設定された特殊変動終了コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1102)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1103)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1104)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。最終ラウンドにおいて特定入賞口65aを閉鎖した後は、大当たりの終了を設定する。この大当たりの終了の設定には、特殊変動期間の開始の設定が含まれる。一方、最終ラウンド以外のラウンドにおいて特定入賞口65aを閉鎖する場合は、ラウンド間演出開始コマンドを設定する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理(S1104)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、特殊変動期間における変動パターン演出(特殊変動)が終了したことを音声ランプ制御装置113へ通知する特殊変動制御処理を実行する(S1105)。特殊変動制御処理では、大当たりの終了後に設定された特殊変動の終了タイミングであるかどうかを判定し、特殊変動の終了タイミングであれば特殊変動終了コマンドを設定する。この特殊変動終了コマンドを設定することで、特殊変動期間の中で最後に実行される特殊変動の終了を契機に特殊変動終了表示(図19(a))または特殊変動延長表示(図20(a))を表示することができる。尚、本実施形態では、特殊変動制御処理(S1105)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1106)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図27参照)のS725の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS716の処理またはS717の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1107)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS305の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS305の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図23参照)の通常変動選択処理(S303)または特殊変動選択処理(S304)によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1108)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図27参照)のS720の処理またはS721の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図27参照)のS723の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図27参照)のS713の処理またはS718の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S11)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1109:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1110)、既に所定時間が経過していれば(S1110:Yes)、処理をS1101へ移行し、上述したS1101以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1110:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1111,S1112)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1111)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1102の処理と同一の方法によって実行する(S1112)。
ここで、S1101〜S1108の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1109の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1109:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図29のNMI割込処理が実行されたということなので、S1113以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1113)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1114)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1115)、RAM203のアクセスを禁止して(S1116)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1109の処理は、S1101〜S1108で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1111とS1112の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1101の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1101の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1001)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1101の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1104)を説明する。図32は、この大当たり制御処理(S1104)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1104)は、メイン割込処理(図31参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理では、まず、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1201)。具体的には、特別図柄変動処理(図22参照)のS213の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始される。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1201の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1201の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1201:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定する(S1202)。新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1202:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを開放し(S1203)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S1204)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1202の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでなければ(S1202:No)、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したかを判定する(S1205)。具体的には、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、特定入賞口(大開放口)65aを開放した後に球が所定数(例えば、10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判定する。
S1205の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S1205:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1205の処理において、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖条件が成立したと判定した場合は(S1205:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖して(S1206)、今回の特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖が最終ラウンドのものであるか否か(即ち、大当たりの全てのラウンドが終了したか否か)を判定する(S1207)。
特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖が最終ラウンドのものであると判定された場合には(S1207:Yes)、大当たりの終了を設定し(S1208)、各種カウンタに大当たり後に対応した値を設定する(S1209)。即ち、確変中カウンタ203eに12を設定することにより、大当たりの終了から特別図柄の抽選が12回行われるまで特別図柄の高確率状態となるように設定する。また、時短中カウンタ203fに8を設定することにより、大当たりの終了から特別図柄の抽選が8回実行されるまで普通図柄の高確率状態(時短状態)となるように設定する。更に、特殊変動中カウンタ203gに8を設定することにより、大当たりの終了から特別図柄の抽選が8回実行されるまで特殊変動期間となるように設定する。各種カウンタ値の設定後は、本処理を終了する。
また、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖したラウンドが最終ラウンドでないと判定した場合は(S1207:No)、ラウンド間演出開始コマンドを設定し(S1210)、本処理を終了する。このラウンド間演出開始コマンドは、大当たりのラウンドが終了してから、次のラウンドが開始されるまでの10秒間に実行されるインターバル演出(ラウンド間演出)を開始させるためのコマンドである。
なお、S1210の処理により設定されたラウンド間演出コマンドはRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド間演出コマンドを受信すると、表示用ラウンド間演出コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド間演出コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてインターバル演出(ラウンド間演出)が開始される。
次に、図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特殊変動制御処理(S1105)を説明する。図33は、この特殊変動制御処理(S1105)を示すフローチャートである。この特殊変動制御処理(S1105)は、メイン割込処理(図31参照)の中で実行され、大当たりの終了後に設定される特殊変動期間中の変動パターン演出(特殊変動)の終了タイミングを判定し、特殊変動期間終了時の演出である特殊変動終了表示(図19(a))または特殊変動延長表示(図20(a))を開始させるための処理である。
まず、特殊変動制御処理では、特殊変動の終了タイミングであるかを判定する(S1301)。具体的には、特殊変動選択処理(S304)で選択された第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S1301)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて(変動パターンコマンドに応じて)決められており、この特殊変動の変動時間が経過していれば(S1301:Yes)、特殊変動終了コマンドを設定し(S1302)、本処理を終了する。一方、特殊変動の変動時間が経過していない(即ち、特殊変動期間でない、または特殊変動期間において、特殊変動の終了タイミングでない)と判別した場合は(S1301:No)、S1302の処理をスキップし、本処理を終了する。
S1302の処理において設定された特殊変動終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特殊変動終了コマンドを受信すると、特殊変動期間が終了したか否かを判定し、特殊変動期間が終了したと判定した場合に、表示用特殊変動終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用特殊変動終了コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において特殊変動終了時の演出である特殊変動終了表示(図19(a))または特殊変動延長表示(図20(a))が開始される。ここで、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ送信される表示用特殊変動終了コマンドには、特殊変動終了表示(図19(a))または特殊変動延長表示(図20(a))のどちらを表示させるかを示す情報が含まれる。
本実施形態では、特殊変動制御処理(S1105)において、大当たりの終了後の特殊変動期間に実行される変動パターン演出(特殊変動)が終了する毎に特殊変動終了コマンドを出力しているが、特殊変動期間の最後の変動パターン演出の終了タイミングにのみ特殊変動終了コマンドを設定するように構成してもよい。これにより、特殊変動期間においての最後に実行される特殊変動以外の特殊変動の終了時に特殊変動終了コマンドを出力する処理を省略できるので、MPU201の処理負荷を軽減することができる。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図34から図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図34は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1401)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1516の電源断処理(図35参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1402)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図35のS1513参照)、S1516の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1516の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1402:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1403)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1406の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1403:Yes)、S1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1403:No)、S1408へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1403:Yes)、S1404へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1403:No)、S1408へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1402:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1517の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1404の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1404)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1405:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1406)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1405:No)、RAM223の異常を報知して(S1407)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1408の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1408)。電源断フラグはS1516の電源断処理の実行時にオンされる(図35のS1515参照)。つまり、電源断フラグは、S1516の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1516の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1408:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1409)、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1408の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1408:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1409をスキップして、処理をS1410へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1410)、割込み許可を設定して(S1411)、メイン処理へ移行する。
なお、S1409のクリア処理をスキップするのは、S1404からS1406の処理を経由してS1408の処理へ至った場合には、S1404の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS1501の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1501)、1m秒以上経過していなければ(S1501:No)、S1502〜S1510の処理を行わずにS1511の処理へ移行する。S1501の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1502〜S1510が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1511のコマンド判定処理や、S1512の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1511の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1512の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1501の処理で1m秒以上経過していれば(S1501:Yes)、まず、S1503〜S1512の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1502)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1508の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1503)、その後電源投入報知処理を実行する(S1504)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1505の処理へ移行する。
S1505の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1506)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1507)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1507の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1508)、その後音編集・出力処理を実行する(S1509)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1509の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1510)、S1511の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1508のランプ編集処理が実行される。なお、S1509の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1511の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1511)。このコマンド判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。
そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S1512)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図39を参照して後述する。
S1512の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1513)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1513の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1513:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1515)、電源断処理を実行する(S1516)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1517)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1513の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1513:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1514)、RAM223が破壊されていなければ(S1514:No)、S1501の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1514:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1511)について説明する。図36は、このコマンド判定処理(S1511)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1511)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1511)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1601)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1601:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出し設定する表示用変動パターンコマンド設定処理を実行し(S1602)、メイン処理に戻る。
ここで、図37を参照して、表示用変動パターンコマンド設定処理(S1602)について説明する。図37は、この表示用変動パターンコマンド設定処理(S1602)を示したフローチャートである。
表示用変動パターンコマンド設定処理(S1602)では、まず、RAM223の変動開始フラグ223cをオンに設定する(S1701)。その後、受信したコマンドから変動パターンを取得し(S1702)、その取得した変動パターンが特殊変動であるか否かを判定する(S1703)。そして、取得した変動パターンが特殊変動でないと判別した場合には(S1703:No)、ROM222の変動パターンテーブル222aから変動パターン種別を抽出する(S1704)。一方、取得した変動パターンが特殊変動である場合には(S1703:Yes)、ROM222の特殊変動パターンテーブル222bから変動パターン種別を抽出する(S1705)。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図39参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
図36に戻り、説明を続ける。変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1601:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1603)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1603:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S1604)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1605)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図39参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1603:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1606)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1606:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S1607)。また、S1607の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1607の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1607の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1607の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1606の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1606:No)、次いで、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したか否かを判定する(S1608)。そして、入賞情報コマンドを受信した場合には(S1608:Yes)、受信したコマンドから特別図柄における大当たり判定結果を入賞情報として抽出し入賞情報格納エリア223aの最初のエリアに格納し(S1609)、メイン処理に戻る。尚、S1609の処理では、特別図柄保留球カウンタ223bの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
上述したように、本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)すると、主制御装置110において各カウンタC1の値が取得され、その取得されたカウンタC1と先読み確変中カウンタ203hの値によって特別図柄の大当たりの抽選を行い、その大当たり判定結果を特別図柄保留球格納エリア203aに記憶する。先読み確変中カウンタ203hが0より大きいは、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて特別図柄の大当たりの抽選を行い、先読み確変中カウンタ203hが0の場合は低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて特別図柄の大当たりの抽選を行う。そして、主制御装置110において先読みが終了すると、先読みにより得られた大当たり判定結果を含む入賞情報コマンドが、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信される。なお、先読みにより得られた特別図柄の大当たり判定結果はあくまで予測とし、本来の特別図柄の大当たり抽選とは別に設けるものであっても良い。
一方、S1608の処理において、入賞情報コマンドを受信していない場合には(S1608:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S1610)。そして、ラウンド数コマンドを受信した場合には(S1610:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S1611)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定して(S1612)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。
一方、S1610の処理において、ラウンド数コマンドを受信していない場合には(S1610:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド間演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1613)。そして、ラウンド間演出開始コマンドを受信した場合には(S1613:Yes)、第3図柄表示装置81へインターバル演出(ラウンド間演出)を表示させるための表示用ラウンド間演出開始コマンドを設定して(S1614)、本処理を終了する。ここで設定された表示用ラウンド間演出開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド間演出開始コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81においてインターバル演出(ラウンド間演出)を開始する。
一方、S1613の処理において、ラウンド間演出開始コマンドを受信していない場合には(S1613:No)、特別遊技演出終了コマンドを受信したかを判定する(S1615)。そして、特別遊技演出終了コマンドを受信した場合には(S1615:Yes)、第3図柄表示装置81において疑似インターバル演出を開始させるための表示用特別遊技演出終了コマンドを設定して(S1616)、本処理を終了する。ここで設定された表示用特別遊技演出終了コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用特別遊技演出終了コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において、疑似インターバル演出を開始する。
一方、S1615の処理において、特別遊技演出終了コマンドを受信していない場合には(S1615:No)、特殊変動終了コマンドを受信したかを判定する(S1617)。そして、特殊変動終了コマンドを受信したと判定した場合には(S1617:Yes)、表示用特殊変動終了コマンド設定処理を実行し(S1618)、本処理を終了する。
ここで、図38を参照して、表示用特殊変動終了コマンド設定処理(S1618)について説明する。図38は、この表示用特殊変動終了コマンド設定処理(S1618)を示したフローチャートである。この表示用特殊変動終了コマンド処理は、特殊変動期間の終了に基づいて、表示制御装置114に対して疑似インターバル演出の終了演出を実行させるための表示用特殊変動終了コマンドを設定するための処理である。
表示用特殊変動終了コマンド設定処理(S1618)では、まず、特殊変動期間の終了タイミングであるかを判定する(S1801)。具体的には、特殊変動期間の終了タイミングであるかは、特殊変動が所定回数(本実施形態では8回)実行されたか否かで判断する。なお、特殊変動の実行回数は、特殊変動終了コマンドに含めて主制御装置110より受信するよう構成してもよいし、大当たりの終了から所定時間(例えば8秒)が経過したか否かで判断するものであってもよい。
S1801の処理において、特殊変動期間の終了タイミングでないと判定された場合には(S1801:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特殊変動期間の終了タイミングであると判定された場合には(S1801:Yes)、RAM223の入賞情報格納エリア223aの第1〜第4エリアの入賞情報を取得して(S1802)、大当たりを示す入賞情報があるかを判定する(S1803)。
S1803の処理において、大当たりを示す入賞情報があると判定された場合には(S1803:Yes)、特殊変動終了の表示態様として特殊変動延長表示(図20(a))を設定し(S1804)、S1806の処理へ移行する。ここで設定される特殊変動延長表示はS1802の処理で取得した入賞情報に基づき、大当たりである所定の停止表示に合わせて特殊変動延長表示が終了するものとする。具体的には、第1、第2および第4エリアの入賞情報が外れで第3エリアの入賞情報が大当たりの場合に、例えば、外れの変動時間は10秒、大当たりの変動時間は15秒のように大当たり判定結果によって一意に変動時間が決定されるよう構成しておき、大当たりである所定の停止表示が表示される35秒で特殊変動延長表示が終了するものとしても良いし、大当たりである所定の停止表示を表示するための変動パターンコマンドを受信するまで特殊変動延長表示を表示し続けるものとしても良い。
一方、S1803の処理において、大当たりを示す入賞情報が無いと判定された場合には(S1803:No)、特殊変動終了の表示態様として特殊変動終了表示(図19(a))を設定し(S1805)、S1806の処理へ移行する。なお、特殊変動終了表示は2秒間固定の演出であり、図19(a)に示すように、男の子が扉を開けることができず、泣き出してしまう演出が実行された後で、図19(b)に示したように、第3図柄表示装置81に女性が出現し、「またね!」との文字が表示される演出が実行される。特殊変動終了表示を2秒間の演出とすることで、疑似インターバル演出が終了するまでの期間を10秒間(特殊変動期間8秒間+特殊変動終了表示2秒間)とすることができるので、大当たり中のインターバル演出の演出期間とあわせることができる。
なお、特殊変動終了表示は必ずしも2秒の演出に限られるものではなく、S1802の処理で取得した入賞情報に基づき、第1〜第4エリアに対応する変動において、最後に停止表示される第4エリアの停止表示に合わせて特殊変動終了表示が終了するものとしてもよい。具体的には、第1〜第4エリアの入賞情報が外れでの場合に、例えば、外れの変動時間は10秒のように大当たり判定結果によって一意に変動時間が決定されるよう構成しておき、最後に停止表示が表示される40秒で特殊変動終了表示が終了するものとしてもよいし、最後に停止表示を表示するための変動パターンコマンド、即ち4回後の変動パターンコマンドを受信するまで特殊変動終了表示を表示し続けるものとしてもよい。
S1806の処理では、S1804の処理またはS1805の処理にて設定された特殊変動終了の表示態様を表示用特殊変動終了コマンドとして設定し(S1806)、本処理を終了してコマンド判定処理(図36参照)に戻る。ここで設定された表示用特殊変動終了コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図35参照)のコマンド出力処理(S1502)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用特殊変動終了コマンドを受信すると第3図柄表示装置81において特殊変動終了表示(図19(a))または特殊変動延長表示(図20(a))を開始する。
図36に戻り、説明を続ける。S1617の処理において、特別変動終了開始コマンドを受信していない場合には(S1617:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1619)、メイン処理に戻る。その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。その他のコマンドの具体例としては、例えば、上述したオープニング開始コマンドが挙げられる。S1619の処理では、オープニング開始コマンドから特殊変動期間中の大当たりであるかの否かの情報を抽出し、抽出した情報に対応する表示用オープニング開始コマンドを表示制御装置114へ送信するように、コマンドの設定を行う。
次に、図39を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1512)について説明する。図39は、この変動表示設定処理(S1512)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1512)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S1901)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1906の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S1901:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S1902)、次いで、コマンド判定処理(図35参照)の表示用変動パターンコマンド設定処理(S1602)において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1903)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1904)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトする(S1905)。S1905の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、S1906の処理へ移行する。
S1906の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S1906)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1906:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S1906:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S1907)、次いで、コマンド判定処理(図36参照)のS1605の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1908)。
次に、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1909)、S1910の処理へ移行する。
S1909の処理では、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定し(S1910)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図40から図53を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図40を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図40は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図41を参照して、ブート処理(S2001)について説明する。図41は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2102)。これにより、MPU231は、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図40のS2001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図40のS2002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図41に示すブート処理では、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2103〜S2105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2101及びS2102の処理を含めて複数回繰り返した後、S2103〜S2105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2101及びS2102の処理を行わずに、S2103〜S2105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図40の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S2003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図51(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図51(a)のS3602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図42(b)参照)において、簡単な電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、簡単な電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2005の処理の後、割込許可を設定し(S2006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図42(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図42(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図42(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図42(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図17参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図42(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、簡単な電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2302)を実行し、次いで、表示設定処理(S2303)を実行する。
コマンド判定処理(S2302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド判定処理の詳細については、図43〜図47を参照して後述する。
表示設定処理(S2303)では、コマンド判定処理(S2302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図48〜図50を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2304)。このタスク処理では、表示設定処理(S2303)もしくは簡易表示設定処理(S2309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図51および図52を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2306)。この描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示とから、図17に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図53を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2307)。そして、V割込処理を終了する。S2307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、その他外れ時の表示)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S2301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、簡単な電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2309)を実行して、S2304の処理へ移行する。
次いで、図43〜図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2302)の詳細について説明する。まず、図43は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図43に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2401)、未処理の新規コマンドがなければ(S2401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2403)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2404)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2405)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図44(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2405)の詳細について説明する。図44(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理(図44(a)参照)では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S2502)。そして、各変動パターンに対応する変動表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2501の処理によって設定された変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2503)。表示設定処理では、S2503の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2504)、ポインタ233fを0に初期化する(S2505)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2506)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S2501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2504の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図43の説明に戻る。S2404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2406)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2407)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図44(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2407)の詳細について説明する。図44(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA、大当たりB、大当たりC、大当たりD、その他外れ時の表示)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図42(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定して(S2603)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理(図43参照)に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2603によって設定された停止図柄判別フラグからS2602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
図43に戻り、説明を続ける。S2406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S2408)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S2408:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S2409)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図45(a)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S2409)の詳細について説明する。図45(a)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2701)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2702)。
そして、S2701の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2703)、ポインタ233fを0に初期化する(S2704)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2705)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図43の説明に戻る。S2408の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S2408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド間演出開始コマンドがあるか否かを判別し(S2410)、表示用ラウンド間演出開始コマンドがあれば(S2410:Yes)、ラウンド間演出開始コマンド処理を実行して(S2411)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図45(b)を参照して、ラウンド間演出開始コマンド処理(S2411)の詳細について説明する。図45(b)は、ラウンド間演出開始コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド間演出開始コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド間演出開始コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81においてインターバル演出(ラウンド間演出)を表示させるための処理である。
ラウンド間演出開始コマンド処理では、まず、表示用ラウンド間演出開始コマンドによって示されるインターバル演出(ラウンド間演出)の表示態様に対応したラウンド間表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド間表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2802)。そして、各ラウンド間演出の表示態様に対応するラウンド間表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2801の処理によって設定されたラウンド間表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他のラウンド間表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2803)。表示設定処理では、S2803の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド間表示データテーブルが、どのラウンド間演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド間表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2804),ポインタ233fを0に初期化する(S2805)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2806)、ラウンド間演出開始コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図43の説明に戻る。S2410の処理において、表示用ラウンド間演出開始コマンドがないと判別されると(S2410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用特別遊技演出終了コマンドがあるか否かを判別し(S2412)、表示用特別遊技演出終了コマンドがあれば(S2412:Yes)、特別遊技演出終了コマンド処理を実行して(S2413)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図46(a)を参照して、特別遊技演出終了コマンド処理(S2413)の詳細について説明する。図46(a)は、特別遊技演出終了コマンド処理を示すフローチャートである。この特別遊技演出終了コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用特別遊技演出終了コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81に疑似インターバル演出を表示させるための処理である。
特別遊技演出終了コマンド処理では、まず、表示用特別遊技演出終了コマンドによって示される特別遊技演出終了時に実行する特殊変動の表示態様に対応した特別遊技演出終了表示データテーブルを決定し、その決定した特別遊技演出終了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S2902)。そして、各特別遊技演出終了時に実行する特殊変動の表示態様に対応する特別遊技演出終了データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2901の処理によって設定された特別遊技演出終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の特別遊技演出終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2903)。表示設定処理では、S2903の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された特別遊技演出終了表示データテーブルが、どの特別遊技演出終了演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S2901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された特別遊技演出終了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S2904),ポインタ233fを0に初期化する(S2905)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2906)、特別遊技演出終了コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図43の説明に戻る。S2412の処理において、表示用特別遊技演出終了コマンドがないと判別されると(S2412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用特殊変動終了コマンドがあるか否かを判別し(S2414)、表示用特殊変動終了コマンドがあれば(S2414:Yes)、特殊変動終了コマンド処理を実行して(S2415)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図46(b)を参照して、特殊変動終了コマンド処理(S2415)の詳細について説明する。図46(b)は、特殊変動終了コマンド処理を示すフローチャートである。この特殊変動終了コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用特殊変動終了コマンドに対応する、特殊変動終了表示(図19(a))または特殊変動延長表示(図20(a))を特殊変動終了時に表示させるための処理である。
特殊変動終了コマンド処理では、まず、表示用特殊変動終了コマンドによって示される特殊変動終了時に実行する、特殊変動の終了表示または延長表示の表示態様に対応した特殊変動終了表示データテーブルを決定し、その決定した特殊変動終了表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S3001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3002)。そして、各特殊変動終了の終了表示または延長表示の表示態様に対応する特殊変動終了データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3001の処理によって設定された特別遊技演出終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の特別遊技演出終了表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S3003)。表示設定処理では、S3003の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された特別遊技演出終了表示データテーブルが、どの特別遊技演出終了演出の表示態様に対応するものであるかを容易に判断することができる。
次いで、S3001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された特別遊技演出終了表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3004),ポインタ233fを0に初期化する(S3005)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S3006)、特殊変動終了コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
ここで、図43の説明に戻る。S2414の処理において、表示用特殊変動終了コマンドがないと判別されると(S2414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2416)、背面画像変更コマンドがあれば(S2416:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2417)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図47(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2417)の詳細について説明する。図47(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S3603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S3101)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S3102)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理(図52参照)では、S3101の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S3102の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S3102によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S3102の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図43の説明に戻る。S2416の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2418)、エラーコマンドがあれば(S2418:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2419)、S2401の処理へ戻る。
ここで、図47(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2419)の詳細について説明する。図47(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理(図47(b)参照)では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S3201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S3202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S3201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S3202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S3202に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図43の説明に戻る。S2418の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2418:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2420)、S2201の処理へ戻る。なお、その他の未処理のコマンドに対する処理(S2420)としては、例えば、上述した表示用オープニング開始コマンドを受信した場合の処理が挙げられる。具体的には、S2420の処理において、表示用オープニング開始コマンドを受信したと判別した場合に、通常変動期間の大当たりであれば通常のオープニングの態様(例えば、新たに大当たりに当選したことを祝福する態様)でオープニング演出を表示し、特殊変動期間中の大当たりであれば大当たりが継続しているかのような態様(例えば、図19(b)に示す態様)でオープニング演出を表示するよう処理するものである。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2401:Yes)、再びS2402〜S2420の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2402〜S2420の処理が繰り返し実行され、S2401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図42(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2309)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、簡単な電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図44(a)参照)および停止種別コマンド処理(図44(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図44(a)参照)では、S2501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2302の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図48〜図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2303)の詳細について説明する。図48は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図48に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S3301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S3301:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S3302〜S3304の処理をスキップし、S3305の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S3301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S3302)、S3303〜S3304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S3303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S3303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S3303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S3304)。
ここで、図49を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図49は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S3401)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S3401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S3402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図48の説明に戻る。警告画像設定処理(S3304)の後、又は、S3303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S3303:No)、次いで、S3305の処理へ移行する。
S3305では、ポインタ更新処理を実行する(S3305)。ここで、図50を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図50は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S3501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S3501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S3502)。その結果、End情報であれば(S3502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S3503)、デモ用表示データテーブルであれば(S3503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3504)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S3505)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S3503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S3503:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S3506)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S3502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S3502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図48に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を展開する(S3306)。タスク処理では、先に展開された警告画像などと共に、S3306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S3307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S3308)。そして、計時カウンタ233hの値が0より大である場合は(S3308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S3308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S3309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S3309:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S3312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S3313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S3314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S3315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
尚、S3315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S3315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S3309の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S3309:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S3316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S3316:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S3317)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S3318)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S3319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S3320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S3321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S3316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S3316:No)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、V割込処理(図42(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた簡単な電源投入時変動画像の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図51及び図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2305)の詳細について説明する。まず、図51(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図51(b)を参照して後述する。
一方、S3601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S3603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図52を参照して後述する。
次いで、図51(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3602)について説明する。図51(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3701)、転送指示を送信していれば(S3701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3702)。このS3702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3702:Yes)、S3703の処理へ移行する。また、S3701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3701:No)、S3703の処理へ移行する。
S3703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3704)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3705)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図42(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図42(b)のS2308参照)および簡易表示設定処理(図42(b)のS2309参照)ではなく、コマンド判定処理(図43〜図47参照)および表示設定処理(図48〜図50参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図52参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図51(a)のS3601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2305)の一処理である通常画像転送設定処理(S3603)について説明する。図52は、この通常画像転送設定処理(S3603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2303)のポインタ更新処理(S3305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3802)、転送データ情報であれば(S3802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3804)、S3805の処理へ移行する。
また、S3802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3802:No)、S3803及びS3804の処理をスキップして、S3805の処理へ移行する。S3805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3805)、転送指示を設定していれば(S3805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3806)。
このS3806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3806:Yes)、S3807の処理へ移行する。また、S3805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3805:No)、S3807の処理へ移行する。
S3807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3807)、転送開始フラグがオンであれば(S3807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3808)、S3803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S3813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S3811)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S3812)、S3813の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3813の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3813)。このS3813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S3814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S3815)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2306)の詳細について説明する。図53は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2305)により設定された転送指示から、図17に示す描画リストを生成する(S3901)。即ち、S3901の処理では、タスク処理(S2304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3902の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S3903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図42(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりの終了後に、疑似インターバル演出を行うように構成されている。この疑似インターバル演出は、特殊変動期間(大当たりが終了してから8回の変動パターン演出が終了するまで、または、大当たりが終了してから特別図柄の抽選を8回行うまでに当選した大当たりが開始するまでの期間)に実行される演出であり、大当たりの各ラウンドの間に実行されるインターバル演出と同一の演出が行われる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりが終了してから特別図柄の抽選を8回行うまでに大当たりに当選した場合は、1回目〜8回目のいずれの回数で大当たりとなった場合でも、大当たりが終了してから、次の大当たりの1ラウンド目が開始するまでの期間が10秒となるように構成されている。この10秒間で、疑似インターバル演出が実行され、大当たりが継続することが示唆表示される。一方で、大当たり中に実行されるインターバル演出も、演出期間が10秒間に固定されており、10秒間の演出の中で、大当たりが継続し、次のラウンドが開始することが示唆表示される。つまり、疑似インターバル演出と、大当たり中のインターバル演出とは、演出期間、演出内容がいずれも同一となるように構成している。これにより、インターバル演出と疑似インターバル演出とを区別し難くすることができるので、遊技者は、演出によって大当たりの継続が示唆された場合に、ラウンド数の多い大当たりに当選したのか、一旦大当たりが終了し、特別図柄の抽選が8回行われるまでに再度大当たりに当選した結果、大当たりが長く継続しているのかを区別し難くなる。よって、大当たりのラウンドがどこまで続くかわからなくすることができるので、大当たりが長く続くことに対する期待感を抱かせながら遊技を行わせることができる。従って、遊技者の大当たり中の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、特殊変動期間の終了時に先読みを行い、特殊変動の終了から4回の特別図柄の抽選の中に大当たりとなる抽選結果が存在するか否かを判別している。そして、大当たりとなる抽選結果が保留されていると判別した場合は、その大当たりまで疑似インターバル演出を延長するように構成している。これにより、疑似インターバル演出において大当たりの終了を示唆する演出(即ち、図19(a)に示す、男の子が泣き出す演出)が表示されたとしても、遊技者に対して疑似インターバル期間が延長されることを期待させることができる。よって、遊技者の遊戯に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態では、特殊変動期間が必ず8秒となるように、特殊変動パターン選択テーブル202e(図9(c)参照)を構成していたが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特殊変動期間を10秒とし、更に、特殊変動中に大当たりとなる場合には、オープニング期間を省略することにより、大当たりの終了から次の大当たりの1ラウンド目が開始するまでの期間が10秒となるようにしてもよい。
また、本実施形態では、インターバル演出の実行期間と、疑似インターバル演出の実行期間とを一致させるために、特殊変動中カウンタ203gの値に応じて定められた変動時間の変動パターン演出が実行されるように構成していたが、疑似インターバル演出の実行期間を、インターバル演出の実行期間と一致させるための制御方法はこれに限られるものではない。例えば、大当たりが終了してから経過した時間を計時可能なタイマを設けておき、変動パターン演出の態様を選択する場合は、経過時間に基づいて変動期間を設定するように構成してもよい。具体的には、例えば、特殊変動期間が5秒残っている状態で変動パターンの態様を選択する場合は、5秒以下(例えば、1秒や2秒等)の変動時間、または5秒の変動時間のいずれかを選択するように構成すればよい。
また、インターバル演出の期間、および疑似インターバル演出の期間は10秒に限られるものではなく、例えば、5秒や15秒にするなど、任意に定めることができる。また、大当たり中のインターバル演出の期間が毎回ランダムに設定されるように構成してもよい。これにより、疑似インターバル演出の演出期間を固定期間とする必要がなくなるので、特殊変動期間中に変動パターン演出を選択するためのテーブルを、例えば、通常時と共通化することができる。
また、本実施形態では、特殊変動期間が終了するタイミング(大当たり終了から8秒)と、特別図柄の変動が終了するタイミングとを合わせているが、必ずしもタイミングを合わせる必要はない。例えば、特殊変動期間を固定期間(例えば、8秒)としておき、変動パターン演出は固定期間(例えば、8秒)に関係なく変動パターン選択テーブル202dから選択するように構成してもよい。即ち、変動パターン演出の途中であっても、固定期間(例えば、8秒)が経過することで特殊変動期間を終了するように構成してもよい。このように構成することで、変動パターン演出の態様を選択するためのデータテーブルを通常時と共通化することができるので、ROM202の容量を削減することができる。また、特殊変動期間を固定期間(例えば、8秒)とすることで、大当たり中のインターバル演出と疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。よって、大当たりがいつまで続くのかを分からなくすることができ、遊技者に対して大当たりが長く継続することに対する期待感を抱かせることができる。なお、この場合において、特殊変動期間中に特別図柄の抽選結果が大当たりとなり、且つ、その大当たりを報知するための変動パターン演出の演出期間が、特殊変動期間を超える場合には、大当たりとなるまで疑似インターバル演出を延長するように構成してもよい。これにより、大当たりが一旦終了したことを遊技者に認識させ難くすることができるので、大当たりが長く継続しているかのように感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施形態では、特殊変動期間において大当たりとならない場合は、外れ時用特殊選択テーブル202e1(図10(a)参照)から変動パターン演出の態様を選択するように構成し、特殊変動期間において大当たりとなる場合には、当たり時用特殊選択テーブル202e2(図10(b)参照)から変動パターン演出の態様を選択するように構成していたが、共通のテーブルから変動パターンの態様が選択されるように構成しても良い。例えば、特別図柄の抽選結果に関わらず、外れ時用特殊選択テーブル202e1(図10(a)参照)から変動パターン演出の態様が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、当たり時用特殊選択テーブル202e2を省略することができるので、ROM202の容量を削減することができる。また、外れ時用特殊選択テーブル202e1は、特別図柄の抽選回数が多くなるほど、変動期間が短い変動パターン演出が選択されるように構成されている。これにより、特殊変動期間の前半の4秒では比較的長い変動パターン演出が実行されるため、特別図柄の抽選が2回しか行われないのに対して、後半の4秒では、比較的短い変動パターン演出が実行されるため、特別図柄の抽選が6回行われる。つまり、特殊変動期間の後半の方が、特別図柄の抽選回数が多くなるので、特殊変動期間中に大当たりとなる場合は、特殊変動期間の後半で大当たりとなりやすくなる。よって、特殊変動期間において、変動パターン演出の態様を、特別図柄の抽選結果によらずに外れ時用特殊選択テーブル202e1(図10(a)参照)から選択したとしても、特殊変動期間中に当たりとなる場合は、特殊変動期間の後半で当たる可能性を高くすることができる。よって、当たりとなる場合であっても、特殊変動期間の長さから疑似インターバル演出であるか否かを分かり難くすることができる。
また、本実施形態では、特殊変動期間の終了時に行う先読みの結果、4回の特別図柄の抽選が行われるまでに大当たりとなる場合は、疑似インターバル演出を延長するように構成していたが、特殊変動期間の終了時に大当たりとなる保留球が存在しない場合にも、所定の確率で疑似インターバル演出を延長するように構成しても良い。これにより、疑似インターバル演出が延長されただけでは、疑似インターバル演出の終了後に大当たりとなることが確定しないので、遊技者に延長後の疑似インターバル演出の結果を最後まで見届けさせることができる。
<第2実施形態>
次いで、図54〜図60を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、特殊変動期間において特別図柄の抽選回数毎に固定の変動期間の変動パターン演出が選択されるように構成していた。これにより、特殊変動期間において大当たりとなるか否かに関わらず、特殊変動期間が大当たりの終了から8秒で終了するように構成していた。言い替えると、第1実施形態では、変動パターン演出が間隔無く実行されることが前提となっていた。
これに対して第2実施形態では、特殊変動期間の途中であっても、所定の時間(8秒)を経過した場合には、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して疑似インターバル演出の終了タイミングであることを通知するように構成している。即ち、特殊変動期間において、始動条件が成立せず、且つ、保留球数がゼロという状態(無変動の状態)になったとしても、疑似インターバル演出の実行期間をインターバル演出と一致させることができるように構成している。これにより、8回の変動パターン演出が実行されないがために、疑似インターバル演出が延々と続いてしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では、特殊変動期間において、無変動の状態となり、且つ、遊技者が遊技を停止していることを検出した場合には、所定の時間(8秒)が経過していなくても疑似インターバル演出の終了が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと通知されるように構成している。これにより、球が次に第1入球口64へと入賞しない限り、大当たりとなる可能性が無いことを特殊変動期間が終了する前に、遊技者に認識させることができる。よって、例えば、大当たりが継続するか否かの演出に集中するため等の理由により、遊技を停止していた遊技者に対して、遊技球を打ち出させることができるので、遊技が停止されている状態を短くすることができる。
また、大当たりが長く継続した場合、休憩を取ることなく大当たり中の遊技を続けなければ、遊技者が損をしてしまう可能性がある。特定入賞口(大開放口)65aが開放されてから一定時間(例えば、30秒)が経過すると、特定入賞口(大開放口)65aに球が所定の個数(例えば、10個)だけ入賞していなくとも、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖されてしまい、賞球を獲得する機会を逸してしまうからである。本実施形態では、遊技者が球を打ち出さない限り大当たりとなる可能性が無い状態を、より早期に知ることができるので、遊技者が休憩を取りやすくすることができる。よって、遊技者に対してメリハリのついた遊技を実行させることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110において、RAM203の構成が変更されている点、MPU201により実行されるタイマ割込処理(図21参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なっている点、MPU201により実行されるメイン処理(図31参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なっている点である。その他の構成や、主制御装置110によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成について>
まず、図54を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201に内蔵されているRAM203について説明する。図54は、RAM203の構成を示すブロック図である。図54に示した通り、第2実施形態におけるRAM203には、第1実施形態におけるRAM203の構成に加えて、計時カウンタ203jと、停止期間カウンタ203kと、特殊変動中フラグ203lとが設けられている。
計時カウンタ203jは、大当たりの終了から8秒が経過したか否かを判別するために用いられるダウンカウンタである。この計時カウンタ203jは、大当たり制御処理2の中で、大当たりの終了時に8秒に対応するカウンタ値が設定され(図59のS1221参照)、第2実施形態におけるメイン処理(図58参照)が実行される度に、特殊変動制御処理2の中で1ずつ減算される(図60のS1311参照)。
停止期間カウンタ203kは、大当たりが終了した後に設定される特殊変動期間において、遊技者が遊技を停止している期間の長さを判別するダウンカウンタである。この停止期間カウンタ203kの値に基づいて、疑似インターバル演出を通常よりも早期に終了させるか否かを判別する。この停止期間カウンタ203kは、大当たり制御処理2の中で、大当たりの終了時に2秒に対応するカウンタ値が設定される(図59のS1221参照)。また、特殊変動期間において、遊技者によるハンドル51の操作を検出した場合(即ち、タッチセンサ51aがオンされていると判別した場合)にも、2秒に対応するカウンタ値が再設定される。一方、パチンコ機10が特殊変動期間において、変動中でなく、保留球が0の状態であり、且つ、遊技者によるハンドル51の操作も行われていない場合には、第2実施形態におけるタイマ割込処理(図55参照)が実行される度に、期間短縮処理の中で1ずつ減算される(図57のS4004参照)。
特殊変動中フラグ203lは、特殊変動期間中であるか否かを示すフラグであり、その状態がオンであれば特殊変動期間中であることを示し、オフであれば通常の状態(つまり、特殊変動期間の終了後)であることを示す。この特殊変動中フラグ203lは、大当たりの終了時にオンに設定される(図59のS1222参照)。一方、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力する特殊変動終了コマンドが設定されると、特殊変動中フラグ203lはオフに設定される(図57のS4007、図60のS1313参照)。また、特別図柄の大当たりに当選した場合は、大当たりが開始される前にオフに設定される(図56のS232参照)。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図54〜図60のフローチャートを参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図54は、第2実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、上述の通り、2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
このタイマ割込処理のうち、S101〜S103、およびS105〜S109の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるタイマ割込処理(図21参照)におけるS101〜S103、およびS105〜S109の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態におけるタイマ割込処理では、第1実施形態における特別図柄変動処理(S104)に代えて、特別図柄変動処理2(S111)が実行される。
次いで、図56を参照して、上記した特別図柄変動処理2(S111)について説明する。図56は、この特別図柄変動処理2(S111)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理2(S111)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(S104)と同様に、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理2(S111)のうち、S201〜S220の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)と同一の処理が実行される。
そして、第2実施形態における特別図柄変動処理2では、S204の処理において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であると判別した場合に(S204:No)、次いで、期間短縮処理を実行して(S231)、本処理を終了する。この期間短縮処理(S231)は、特殊変動期間において、ハンドル51の操作状況に応じて疑似インターバル演出を短縮して終了させるための処理である。
更に、第2実施形態における特別図柄変動処理2では、S213の処理により大当たりの開始を設定すると、次いで、特殊変動中フラグ203lをオフに設定し(S232)、処理をS220へと移行する。大当たりが開始される前に、特殊変動中フラグ203lを一旦オフとしておくことにより、大当たり中に特殊変動期間中の演出や制御が誤って実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図57を参照して、特別図柄変動処理2(図56参照)の中で実行される期間短縮処理について説明する。図57は、この期間短縮処理を示すフローチャートである。上述した通り、期間短縮処理は、特殊変動期間において、ハンドル51の操作状況に応じて疑似インターバル演出を短縮して終了させるための処理である。
期間短縮処理では、まず、計時カウンタ203jの値が0より大きいか否かを判別することにより、大当たりの終了から8秒以内であるかを判別する(S4001)。そして、計時カウンタ203jの値が0より大きくない(即ち、0である)と判別した場合は(S4001:No)、既に疑似インターバル演出の終了を音声ランプ制御装置113に対して通知した後であることを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、S4001の処理において、計時カウンタ203jの値が0より大きいと判別した場合は、次いで、遊技者がハンドル51を操作しているか否かを、タッチセンサ51aの検出結果に基づいて判別する(S4002)。S4002の処理において、遊技者がハンドル51を操作していると判別した場合は(S4002:Yes)、停止期間カウンタ203kの値に、2秒間に対応する値を設定して(S4003)、本処理を終了する。なお、停止期間カウンタ203kは、タイマ割込処理(図55参照)の実行間隔である2ms毎に1ずつ減算される。よって、2秒間(即ち、2000ms)に対応するカウンタ値は、1000である。
一方、S4002の処理において、遊技者がハンドル51を操作していないと判別した場合は(S4002:No)、停止期間カウンタ203kの値を1減算し(S4004)、減算後の停止期間カウンタ203kの値が0であるか否かを判別する(S4005)。そして、停止期間カウンタ203kの値が0でない(即ち、1以上の値である)と判別した場合は(S4005:No)、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S4005の処理において、停止期間カウンタの値が0であると判別した場合は(S4005:Yes)、遊技者が2秒の間、ハンドル51を操作していない(即ち、遊技者が2秒間球を打ち出していない)ことを意味するので、疑似インターバル演出を短縮して終了するために、特殊変動終了コマンドを設定し(S4006)、特殊変動中フラグ203lをオフに設定して(S4007)、本処理を終了する。
疑似インターバル演出を短縮して終了させることにより、球が次に第1入球口64へと入賞しない限り、大当たりとなる可能性が無いことを、特殊変動期間が終了する前に遊技者に認識させることができる。よって、例えば、大当たりが継続するか否かの演出に集中するため等の理由により、遊技を停止していた遊技者に対して、遊技球を打ち出させることができるので、遊技が停止されている状態を短くすることができる。
また、大当たりが長く継続した場合、休憩を取ることなく大当たり中の遊技を続けなければ、遊技者が損をしてしまう可能性がある。特定入賞口(大開放口)65aが開放されてから一定時間(例えば、30秒)が経過すると、特定入賞口(大開放口)65aに球が所定の個数(例えば、10個)だけ入賞していなくとも、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖されてしまい、賞球を獲得する機会を逸してしまうからである。本実施形態では、遊技者が球を打ち出さない限り大当たりとなる可能性が無い状態を、より早期に知ることができるので、遊技者が休憩を取りやすくすることができる。よって、遊技者に対してメリハリのついた遊技を実行させることができる。
次に、図58を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行されるメイン処理について説明する。図58は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、上述の通り、4ms周期で遊技の主要な制御を実行する処理である。
このメイン処理(図58参照)のうち、S1101〜S1103、およびS1106〜S1116の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるタイマ割込処理(図31参照)におけるS1101〜S1103、およびS1106〜S1116の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態におけるメイン処理では、第1実施形態における大当たり制御処理(S1104)に代えて、大当たり制御処理2(S1121)が実行され、更に、特殊変動制御処理(S1105)に代えて、特殊変動制御処理2(S1122)が実行される。これらの処理の詳細については、続く図59、および図60を参照して説明する。
まず、図59を参照して、上述の大当たり制御処理2について説明を行う。図59は、この大当たり制御処理2を示すフローチャートである。この大当たり制御処理2は、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)と同様に、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの開閉の設定を行ったり、新たなラウンドの開始を音声ランプ制御装置113に通知するためのラウンド数コマンドを設定したりする処理である。
この大当たり制御処理2のうち、S1201〜S1210の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)におけるS1201〜S1210の各処理と同一の処理が実行される。そして、第2実施形態における大当たり制御処理2では、大当たりの終了を設定し(S1208)、確変中カウンタ203eや、時短中カウンタ203f、特殊変動中カウンタ203gにそれぞれ12、8、8を設定すると(S1209)、次いで、計時カウンタ203jに8秒に対応するカウンタ値を設定すると共に、停止期間カウンタ203kに2秒に対応するカウンタ値を設定する(S1221)。ここで、計時カウンタ203jは、メイン処理(図58参照)の度に(即ち、4ms毎に)1ずつ減算されるカウンタであるので、8秒(つまり8000ms)に対応するカウンタ値は2000である。また、上述の通り、停止期間カウンタ203kは、2ms毎に実行されるタイマ割込処理(図55参照)の中で1ずつ減算されるカウンタであるので、2秒(つまり2000ms)に対応するカウンタ値は1000である。S1221の処理により、各カウンタの設定が終了すると、特殊変動フラグをオンに設定して(S1222)、本処理を終了する。
次に、図60を参照して、第2実施形態におけるメイン処理(図58参照)の中で実行される特殊変動制御処理2(S1122)について説明する。図60は、この特殊変動制御処理2を示すフローチャートである。特殊変動制御処理2は、計時カウンタ203jの値に基づいて、疑似インターバル演出を終了させるタイミングであるか否かを判別し、終了タイミングであれば、疑似インターバル演出を終了させるための特殊変動終了コマンドを設定する処理である。
この特殊変動制御処理2では、まず、特殊変動中フラグ203lがオンであるか否か()を判別し(S1311)、特殊変動中フラグ203lがオフであると判別した場合は(S1311)、既に疑似インターバル演出の終了が設定された後であることを意味するので、そのまま本処理を終了する。一方、S1311の処理において、特殊変動中フラグ203lがオンであると判別した場合は(S1311:Yes)、次いで、計時カウンタ203jの値を1減算する(S1312)。
S1312の処理が終了すると、次いで、減算後の計時カウンタ203jの値が0であるか否かを判別し(S1313)、0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S1313:No)、疑似インターバル演出の終了を設定するタイミングに達していない(即ち、大当たりの終了から8秒以内である)ことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、計時カウンタb203jの値が0であると判別した場合は(S1313:Yes)、疑似インターバル演出の終了を設定するタイミングであること(即ち、大当たりの終了から8秒が経過したこと)を意味するので、特殊変動終了コマンドを設定し(S1302)、特殊変動中フラグ203lをオフに設定して(S1314)、本処理を終了する。このように、大当たりの終了から8秒が経過した時点で、特殊変動終了コマンドを設定するように構成することで、特殊変動期間において、始動条件が成立せず、且つ、保留球数がゼロという状態(無変動の状態)になったとしても、疑似インターバル演出の実行期間をインターバル演出と一致させることができる。よって、8回の変動パターン演出が実行されないがために、疑似インターバル演出が延々と続いてしまうことを抑制することができる。なお、S1302の処理によって設定された特殊変動終了コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図58参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特殊変動終了コマンドを受信すると、表示用特殊変動終了コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用特殊変動終了コマンドが受信されると、疑似インターバル演出を終了する演出が実行される。
以上説明した通り、第2実施形態のパチンコ機10では、計時カウンタ203jにより、大当たりが終了してからの経過時間をカウントできるように構成している。ここで、特殊変動中に変動パターン演出が間隔なく実行される場合は、特殊変動期間が大当たり終了後8秒で終了し、疑似インターバル演出を終了させることができるが、特殊変動期間において、始動条件が成立せず、且つ、保留球数がゼロという状態(無変動の状態)になった場合には、特殊変動期間の終了条件が成立しないため、疑似インターバル演出が延々と続いてしまう虞があった。
これに対して本実施形態では、特殊変動期間の途中であっても、計時カウンタ203jのカウント値によって、所定の時間(8秒)を経過したと判別した場合には、疑似インターバル演出の終了を設定するように構成している。このように構成することで、特殊変動期間において、始動条件が成立せず、且つ、保留球数がゼロという状態(無変動の状態)になったとしても、疑似インターバル演出の終了を設定することができるので、特殊変動期間の終了条件が成立せず、疑似インターバル演出が延々と続いてしまうことを抑制することができる。
加えて、本実施形態では、特殊変動期間において、無変動の状態となり、且つ、遊技者が遊技を停止していることを検出した場合には、所定の時間(8秒)が経過していなくても疑似インターバル演出の終了が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと通知されるように構成している。これにより、球が次に第1入球口64へと入賞しない限り、大当たりとなる可能性が無いことを、特殊変動期間が終了する前に遊技者に認識させることができる。よって、例えば、大当たりが継続するか否かの演出に集中するため等の理由により、遊技を停止していた遊技者に対して、遊技球を打ち出させることができるので、遊技が停止されている状態を短くすることができる。
また、大当たりが長く継続した場合、休憩を取ることなく大当たり中の遊技を続けなければ、遊技者が損をしてしまう可能性がある。特定入賞口(大開放口)65aが開放されてから一定時間(例えば、30秒)が経過すると、特定入賞口(大開放口)65aに球が所定の個数(例えば、10個)だけ入賞していなくとも、特定入賞口(大開放口)65aが閉鎖されてしまい、賞球を獲得する機会を逸してしまうからである。本実施形態では、遊技者が球を打ち出さない限り大当たりとなる可能性が無い状態を、より早期に知ることができるので、遊技者が休憩を取りやすくすることができる。よって、遊技者に対してメリハリのついた遊技を実行させることができる。
本実施形態では、大当たりが終了してからの経過時間を、主制御装置110のRAM203に設けられた計時カウンタ203jによりカウントするように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113のRAM223にカウンタ手段を設けておき、音声ランプ制御装置113により経過時間を計測するように構成し、所定期間(8秒)が経過したと判断した場合に疑似インターバル演出を終了するように構成してもよい。これにより、主制御装置110の処理負荷を軽減することができるので、特別図柄の抽選を実行する処理等の、遊技において重要度の高い処理を確実に実行することができる。また、この場合において、特殊変動期間における変動パターン演出を、通常時と同様に変動パターン選択テーブル202dから選択するように構成してもよい。また、所定期間が経過する前に、大当たりを示す変動パターンコマンドが主制御装置110から出力された場合には、音声ランプ制御装置113により、少なくともその大当たりの変動パターン演出が終了するまで疑似インターバル演出を延長するように構成してもよい。これにより、特殊変動パターン選択テーブル202eを省略することができるので、ROM202の容量を削減することができる。
本実施形態では、特殊変動期間において、始動条件が成立せず、且つ、保留球数がゼロという状態(無変動の状態)になった場合に、疑似インターバル演出の終了表示を設定するように構成していたが、全く系統の異なる演出を表示させてもよい。例えば、遊技者に対して休憩を促すような態様の演出を実行してもよい。また、例えば、疑似インターバル演出を短縮して終了させる前に、ハンドル51への操作を遊技者に促す表示を第3図柄表示装置81へ表示するように構成してもよい。操作を促す表示とは、例えば、操作を行わなければ、疑似インターバル演出が終了する旨を示唆する表示である。これにより、遊技者が演出をじっくり堪能したいと考えて操作を停止していた場合には、操作を再開させることにより演出を最後まで確認させることができる。また、大当たりと疑似インターバル演出とが長く連続した場合等により、遊技者が休憩を取ることなく遊技を続けていた場合には、演出が途切れ、休憩を取ることができるタイミングであると認識させることができる。
本実施形態では、特殊変動期間において、始動条件が成立せず、且つ、保留球数がゼロという状態(無変動の状態)が2秒間続いた場合に、疑似インターバル演出を終了するように構成していたが、演出を終了する条件はこれに限られるものではなく、2秒間より長い期間としてもよいし、短い期間としてもよい。また、大当たりの終了時に先読みを行い、保留球に大当たりとなる抽選結果が存在しない場合(または、保留球数が0の場合)は、大当たりの終了時に終了表示(または、遊技者に対して休憩を促すような態様の演出等)を行うように構成してもよい。このように構成することで、大当たりのラウンドが終了し、一段落がついたタイミングで遊技者に対してきりよく休憩を取らせることができる。
また、特殊変動期間中、または大当たり終了時において始動条件が成立せず、且つ、保留球数がゼロという状態(無変動の状態)になった場合に、終了表示(または、遊技者に対して休憩を促すような態様の演出等)を行うか否かを遊技者が選択できるように構成してもよい。例えば、大当たり中に枠ボタン22を操作する等の所定の操作を行った場合に、遊技者に対して休憩を促すような態様の演出等が実行可能となるように構成してもよい。これにより、十分な休憩を取ったばかりの遊技者に対して、短い時間間隔で再度休憩を促す演出等が表示されてしまい、遊技者が煩わしさを感じてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、大当たりが終了してから最大で8秒が経過すると、疑似インターバル演出の終了を設定するように構成しているが、疑似インターバル演出を終了したとしても、所定回数(8回)の変動パターン演出が実行されるまでは、特殊変動パターン選択テーブル202eから変動パターン演出の態様(変動時間)が選択される。この場合において、8回(または、特別図柄の高確率状態が終了する12回)の変動パターン演出が終了するまでの間、通常時とは異なる演出を実行するように構成してもよい。通常時とは異なる演出としては、例えば、疑似インターバル演出において開くことができなかった扉とは別の扉を探す演出等である。また、この通常時とは異なる演出が実行されている間は、疑似インターバル演出中と同様に変動パターン演出を第3図柄表示装置81の右下部分に縮小して表示するように構成してもよい。このように構成することで、1秒や0.5秒等の通常時(即ち、変動パターン選択テーブル202dから、5秒〜30秒の変動時間の変動パターン演出が選択される状態)よりも短い変動パターン演出が連続して第3図柄表示装置81の全体で実行されてしまい、遊技者が違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。また、遊技者に対して、一旦大当たりは終了したが、再度大当たりとなる期待が持てる(つまり、特別図柄の高確率状態中である)ことを認識させることができる。
本実施形態では、計時カウンタ203jの更新を4ms毎に実行されるメイン処理(図58参照)の特殊変動制御処理2(S1122)の中で行うように構成しているが、2ms毎に実行されるタイマ割込処理(図55参照)の中で行うように構成してもよい。これにより、計時カウンタ203jの更新をより細かい時間幅で行うことができる。
また、本実施形態では、停止期間カウンタ203kの値を、タイマ割り込み処理(図55参照)の中で更新するように構成しているが、メイン処理(図58参照)の中で行うように構成してもよい。停止期間カウンタ203kの値は、疑似インターバル演出を短縮して終了させるか否かを判別するために用いられるものであり、短縮して終了させるという判断が数ms遅れたとしても、通常の疑似インターバル演出が続くに過ぎず、不利益は生じないからである。
<第3実施形態>
次いで、図61〜図71を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、特定入賞口(大開放口)65aを、第1入球口64の直ぐ下に設けていた。これにより、大当たりの各ラウンドでは、遊技者が特定入賞口65aに球を入賞させようとして球を打つので、大当たり中に第1入球口64に球が入球しやすく構成されていた。これにより、大当たり中に保留球数を増やしやすくできるので、大当たりの終了後に設定される特殊変動期間において、保留球数が存在せず、変動が行われないという状況を発生しにくくしていた。即ち、特殊変動期間の終了条件が成立せず、疑似インターバル演出が延々と続いてしまうことを起こりにくくしていた。
これに対して第3実施形態では、2種類の入球口(第1入球口64、および第2入球口640)を設ける構成とし、一方の入球口(第2入球口640)を特定入賞口(大開放口)65aの真上に設ける構成としている。更に、第2入球口640に付随する電動役物640aが、大当たり中に開放されやすくなるように構成している。これにより、大当たり中に遊技者が打ち出した球を、第2入球口640へと入賞させやすくすることができるので、大当たりの終了後に設定される特殊変動期間において、保留球数が存在せず、変動が行われないという状況をより発生しにくくすることができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13において、第2入球口640、および第2入球口640に付随する電動役物640aが設けられている点、主制御装置110において、ROM202の第1当たり種別選択テーブル202bの内容が一部変更されている点、状態設定テーブル202fが新たに追加されている点、RAM203に特別図柄1保留球格納エリア203a1、特別図柄2保留球格納エリア203a2、特別図柄1保留球数カウンタ203c1、特別図柄2保留球数カウンタ203c2、および状態移行カウンタ203mが設けられている点、およびメイン処理(図31参照)に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なっている点である。その他の構成や、主制御装置110によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。なお、以下では、第1入球口64へ入球したことに基づいて行わる特別図柄の抽選を特別図柄1(特図1)の抽選(特図1)と表記し、第2入球口640へ入球したことに基づいて行われる特別図柄の抽選を特別図柄2(特図2)の抽選と表記する。
まず、図61を参照して、第3実施形態における遊技盤13について説明する。図61は、第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の概要を示す図である。図61に示す通り、第3実施形態の遊技盤13では、特定入賞口(大開放口)65aが正面視右下部分に設けられている。そして、その特定入賞口(大開放口)65aの真上に、第2入球口640が設けられている。この第2入球口640には、電動役物640aが付随しており、普通図柄の当たりとなることにより、この電動役物640aが遊技盤13に対して垂直な方向を軸として回動し、球が第2入球口へと入賞しやすい状態となる。
上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、特定入賞口(大開放口)65aの真上に第2入球口640が設けられているので、大当たり中は、特定入賞口(大開放口)65aを狙って打ち出された球が、第2入球口640へと入球しやすくなる。更に、大当たり中は、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすく構成されているので、大当たりの終了時点で保留球数が最大(4個)となりやすくなる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次いで、図62〜図64を参照して、第3実施形態における主制御装置110のROM202の構成について説明する。図62(a)は、第3実施形態における主制御装置110のROM202の電気的構成を示すブロック図である。図62(a)に示した通り、本実施形態のROM202には、第1実施形態のROM202の構成に加えて、状態設定テーブル202fが規定されている。この状態設定テーブル202fは、大当たりの終了後の状態を設定するために参照されるデータテーブルである。詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり種別に応じて大当たり終了後等の設定が異なるように構成されている。状態設定テーブル202fには、設定すべき状態に対応付けて、設定値が規定されている。
また、図62(b)は、第3実施形態における主制御装置110のRAM203の電気的構成を示すブロック図である。図62(b)に示した通り、本実施形態のRAM203には、第1実施形態のRAM203に設けられていた特別図柄保留球格納エリア203aに代えて、特別図柄1保留球格納エリア203a1、および特別図柄2保留球格納エリア203a2が設けられている。これらはそれぞれ、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有して構成されている。
特別図柄1保留球格納エリア203a1には、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値が取得され、それぞれの値が格納されるエリアである。一方、特別図柄2保留球格納エリア203a2には、球が第2入球口640へ入賞したタイミングで取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納されるエリアである。
また、本実施形態のRAM203には、第1実施形態のRAM203に設けられていた特別図柄保留球数カウンタ203cに代えて、特別図柄1保留球数カウンタ203c1、および特別図柄2保留球数カウンタ203c2が設けられている。特別図柄1保留球数カウンタ203c1は、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタであり、特別図柄2保留球数カウンタ203c2は、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
更に、本実施形態のRAM203には、第1実施形態のRAM203に設けられていた時短中カウンタ203fに代えて、状態移行カウンタ203mが設けられている。この状態移行カウンタ203mは、普通図柄の低確率状態中であるか否かを示すカウンタであり、状態移行カウンタ203mの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の低確率状態中であることを示す。一方、状態移行カウンタ203mの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態(時短状態)中であることを示す。詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において普通図柄の高確率状態に設定され、一部の大当たり(大当たりE)となった場合に、その大当たりの終了後に所定回数(100回)の普通図柄の低確率状態が設定されるように構成している。この状態移行カウンタ203mは、この所定回数が経過したか否かをカウントするために用いられる。
次いで、図63を参照して、本実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。本実施形態では、大当たりの終了後に、特別図柄の高確率状態へも、普通図柄の高確率状態(時短状態)へも移行しない「大当たりE」が追加されている。図63に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜8」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「9〜16」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となり、値が「17〜47」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」となり、値が「48,49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」となり、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりE」となる。つまり、大当たりとなった場合は、半数が「大当たりE」となるように構成されている。
上述の通り、「大当たりE」となると、大当たりの終了後に特別図柄の低確率状態へと移行すると共に、普通図柄の通常状態へと移行するので、大当たりの終了後に短い間隔で再度大当たりとなる確率が低い。即ち、他の大当たり種別に比べ、遊技者にとって不利となる大当たりである。詳細については後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、大当たり中を普通図柄の高確率状態とすることで、大当たり中に保留球数が最大となりやすくしている。また、遊技規則において、いわゆる通常状態(RAM消去スイッチ122を押下してパチンコ機10に電源を投入した場合に移行する状態)における普通図柄の状態と、大当たり中における普通図柄状態とが一致している必要がある旨規定されているため、本実施形態のパチンコ機10では、通常状態においても普通図柄の高確率状態としている。このため、大当たりの終了後に普通図柄の低確率状態へと移行する「大当たりE」を設けなければ、遊技中は常に普通図柄の高確率状態となってしまい、ホールに不測の不利益を与えてしまう虞がある。これに対し、本実施形態では、大当たり終了後に普通図柄の低確率状態へと移行する「大当たりE」を設けているので、ホールに不測の不利益を与えてしまうことを抑制することができる。
次いで、図64を参照して、本実施形態におけるパチンコ機10のROM202に規定されている状態設定テーブル202fについて説明する。図64(a)は、この状態設定テーブル202fに規定されている内容を示す図である。
図64(a)に示した通り、パチンコ機10の状態として通常状態を設定する場合や、大当たりを設定する場合は、特別図柄の低確率状態に設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。ここで、通常状態を設定する場合とは、例えば、RAM消去スイッチ122を押下した状態で電源が投入された場合や、大当たり終了後に所定回数の普通図柄の低確率状態が設定された後、特別図柄の抽選回数が所定回数に達した場合等である。また、大当たり開始時にも、特別図柄の低確率状態に設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定されるので、大当たり中に保留球数が最大となり易く構成されている。
また、大当たりA〜Dの終了後には、特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。特別図柄の高確率状態は、特別図柄の抽選が12回行われるまで継続し、その後、特別図柄の低確率状態が設定される。なお、本実施形態のパチンコ機10では、通常状態において、普通図柄の高確率状態であるので、大当たりA〜Dの終了後に普通図柄の状態は通常状態と同じ状態に設定されている。即ち、普通図柄の状態が、大当たり中と同じとなる。よって、普通図柄の状態に着目したとしても、大当たり中と、大当たりA〜Dの終了後とでは何ら変化が無いので、大当たり中のインターバル演出と、大当たり終了後の疑似インターバル演出とを見分けることをより困難とすることができる。なお、大当たりA〜Dが終了後の普通図柄の高確率状態(通常状態)は、少なくとも次に大当たりとなるまで継続する。
一方、大当たりEの終了時には、特別図柄の低確率状態が設定されると共に、普通図柄の低確率状態が設定される。特別図柄の低確率状態は、少なくとも次に大当たりとなるまで継続する。また、普通図柄の低確率状態は、特別図柄の抽選が100回行われるまで継続する。なお、特別図柄の抽選が100回行われた後は、通常状態が設定される。即ち、普通図柄の高確率状態が設定される。
次いで、図64(b)を参照して、本実施形態のパチンコ機10の遊技の流れについて説明する。図64(b)に示すように、本実施形態では、3種類の状態を相互に行き来するように構成されている。具体的には、通常状態と、確変状態と、低確状態である。通常状態とは、上述した通り、RAM消去スイッチ122を押下した状態で電源投入した場合等に移行する状態のことである。また、確変状態とは、特別図柄の高確率状態のことであり、大当たりA〜Dのいずれかが終了した場合に設定される状態である。更に、低確状態とは、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の低確率状態を指し、大当たりEが終了した場合に設定される状態である。
また、各状態名の右側にカッコ書きで記載した「右打ちナビ」、または「左打ちナビ」の文字は、各状態において遊技者に対して球を打ち出す方向を示唆表示する際の方向を示している。つまり、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81に、遊技者が球を打ち出すべき方向が表示される。このナビは、各状態において遊技者にとって有利となる方向が表示されるように構成されている。
まず、通常状態では、右打ちナビ、つまり、遊技球を盤面の右側に打ち出すことを推奨する表示が、第3図柄表示装置81に表示される。つまり、遊技盤13に対して正面視右側に設けられている第2入球口640を狙って球を打ち出すように示唆表示が行われる。通常状態では、普通図柄の高確率状態であり、球が第2入球口640へ入賞しやすくなるので、第2入球口640を狙って球を打ち出した方が遊技者にとって有利だからである。この通常状態は、いずれかの大当たりとなるまで継続する。
通常状態において、大当たりA〜Dのいずれかになった場合は、その大当たりの終了後に、確変状態へと移行する。この確変状態でも、第3図柄表示装置81に右打ちナビが表示される。この確変状態は、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が12回実行されるか、大当たりEに当選するまで継続する。なお、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が12回実行された場合には、通常状態へと移行し、大当たりEに当選した場合は、大当たりの終了後に低確状態へと移行する。
通常状態、または確変状態において大当たりEに当選した場合に移行する低確状態では、左打ちナビ、つまり、遊技球を盤面の右側に打ち出すことを推奨する表示が、第3図柄表示装置81に表示される。つまり、遊技盤13の中央下部に設けられている第1入球口64を狙って球を打ち出すように示唆表示が行われる。低確状態では、第2入球口640よりも、第1入球口64の方が球を入賞させやすいからである。この低確状態は、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が100回実行されるか、大当たりA〜Dのいずれかに当選するまで継続する。なお、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が100回実行された場合は、通常状態へと移行し、大当たりA〜Dのいずれかに当選した場合は、確変状態へと移行する。
なお、図示については省略したが、大当たりの各ラウンドにおいても、右打ちナビが表示されるように構成している。本実施形態では、特定入賞口(大開放口)65aが、遊技盤13において、正面視右側に設けられているため、球を右側に打ち出さなければ球を特定入賞口(大開放口)65aへ入賞させることが困難だからである。
また、上述した通り、大当たり中は通常状態に設定されるので、普通図柄の高確率状態が設定される。よって、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすくなるので、特定入賞口(大開放口)65aに向けて打ち出された球が、特定入賞口(大開放口)65aの真上に位置する第2入球口へと入賞しやすくなる。このため、ほとんどの場合、大当たりの終了までに保留球数が最大値である4となる。更に、保留球の中に大当たりとなる抽選結果が存在する場合は、50%の確率で「大当たりE」となる(図63参照)。よって、大当たりと疑似インターバル演出とを長く繰り返されることを抑制することができるので、パチンコ機10を設置するホールに対して不測の不利益を生じさせてしまうことを抑制することができる。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次いで、図65〜図71を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図65を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行されるタイマ割り込み処理について説明する。図65は、このタイマ割り込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理は、上述の通り、2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
このタイマ割込処理のうち、S101〜S103、およびS107〜S109の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるタイマ割込処理(図21参照)におけるS101〜S103、およびS107〜S109の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態におけるタイマ割込処理では、第1実施形態における特別図柄変動処理(S104)、始動入賞処理(S105)、および普通図柄変動処理(S106)に代えて、特別図柄変動処理3(S121)、始動入賞処理2(S122)、および普通図柄変動処理2(S123)が実行される。
次いで、図66を参照して、上記した特別図柄変動処理3(S121)について説明する。図66は、この特別図柄変動処理3(S121)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理3(S121)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
特別図柄変動処理3のうち、S201,S202,S209〜S215、およびS218〜S220の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)におけるS201,S202,S209〜S215、およびS218〜S220の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における特別図柄変動処理3では、S202の処理において、特別図柄の変動中でないと判別した場合は(S202:No)、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(第2入球口640への入賞に基づく特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得する(S221)。次に、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0よりも大きいか否かを判別し(S222)、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値が0よりも大きいと判別した場合は(S222:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)の値を1減算し(S223)、減算後の特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)の値を示す保留球数コマンドを設定する(S225)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S225の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄2保留球格納エリア203a2に格納されたデータをシフトし(S225)、特別図柄変動開始処理を行って(S208)、本処理を終了する。なお、データをシフトする方法については、上述した第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のS207の処理と同様である。
一方、S222の処理において、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0であると判別した場合は(S222:No)、次いで、特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(第1入球口64への入賞に基づく特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S225)。
そして、S225の処理により取得した特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(N1)が0よりも大きいか否かを判別し(S226)、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)が0であれば(S226:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)が1より大きいと判別した場合は(S226:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(N1)の値を1減算し(S227)、減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(N1)の値を示す保留球数コマンドを設定する(S228)。ここで設定された保留球数コマンドも、上記S224の処理により設定された保留球数コマンドと同様に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S228の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄1保留球格納エリア203a1に格納されたデータをシフトし(S229)、特別図柄変動開始処理を行って(S208)、本処理を終了する。なお、データをシフトする方法については、上述した第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のS207の処理と同様である。
このように、本実施形態の特別図柄変動処理3では、特別図柄1の保留球数と、特別図柄2の保留球数とを別々に管理し、変動開始時は特別図柄2の保留球を優先的に減算するように構成している。これは、特別図柄2の抽選が優先的に実行されるように構成しているからである。
また、本実施形態における特別図柄変動処理3では、確変中カウンタ203eの値が0であると判別された場合(S214:No)、または、確変中カウンタ203eの値が0より大きいと判別され(S214:Yes)、確変中カウンタ203eの値を1減算した場合に、処理をS230へと移行するように構成されている。このS230の処理では、状態移行カウンタ203mの値が0より大きい値であるか否かを判別する(S230)。
S230の処理において、状態移行カウンタ203mの値が0より大きいと判別された場合は(S230:Yes)、状態移行カウンタ203mの値を1減算し(S231)、処理をS218へと移行する。一方、S230の処理において、状態移行カウンタ203mの値が0より大きくない(即ち、0である)と判別された場合は(S230:No)、S231の処理をスキップして処理をS218へと移行する。上述の通り、本実施形態のパチンコ機10では、この状態移行カウンタ203mの値に基づいて、現在が普通図柄の低確率状態であるか否かを判別している。
次に、図67を参照して、上記した始動入賞処理2(S122)について説明する。図67は、この始動入賞処理2(S122)を示すフローチャートである。始動入賞処理2(S122)は、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
この始動入賞処理2のうち、S601の処理では、第1実施形態における始動入賞処理(図26参照)におけるS601の処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における始動入賞処理2では、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(特別図柄1における変動表示の保留回数N1)を取得する(S621)。そして、特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(N1)が上限値(即ち、4)未満であるか否かを判定する(S622)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(N1)が4未満でない(即ち、4である)と判別した場合は(S603:No)、S626へと処理を移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S601:Yes)、且つ、特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(N1)が4未満であれば(S622:Yes)、特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(N1)を1加算する(S623)。そして、演算により変更された特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値を示す保留球数コマンドを設定する(S624)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S624の処理により保留球数コマンドを設定した後は、タイマ割込処理(図65参照)のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1の値を取得する(S625)。
S625の処理により、第1当たり乱数カウンタC1の値を取得した場合、S601の処理により、第1入球口64への入賞がないと判別された場合(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄1保留球数カウンタ203c1の値(N1)が4未満でない(即ち、4である)と判別した場合は(S603:No)は、次いで、球が第2入球口640へ入賞したか否かを判別する(S626)。
S626の処理において、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S626:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(特別図柄2における変動表示の保留回数N2)を取得する(S627)。そして、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)が上限値(即ち、4)未満であるか否かを判定する(S628)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S626:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判別した場合は(S628:No)、S632へと処理を移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S626:Yes)、且つ、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)が4未満であれば(S628:Yes)、特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)を1加算する(S629)。そして、演算により変更された特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値を示す保留球数コマンドを設定する(S630)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図69参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S630の処理により保留球数コマンドを設定した後は、タイマ割込処理(図65参照)のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1の値を取得する(S631)。
S631の処理により、第1当たり乱数カウンタC1の値を取得した場合、S626の処理により、第2入球口640への入賞がないと判別された場合(S626:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても特別図柄2保留球数カウンタ203c2の値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判別した場合は(S628:No)は、先読み処理を実行して(S632)、本処理を終了する。この先読み処理(S632)は、始動入賞に基づいて取得した各カウンタ値から、特別図柄の抽選結果を予め判別するための処理である。この先読み処理について、続く図68を参照して説明する。
図68は、上述した先読み処理(S632)を示すフローチャートである。この先読み処理では、まず、第1入球口64、または第2入球口640へ球が新たに入賞したか否かを判別する。そして、第1入球口64、および第2入球口640のどちらにも新たな入賞がないと判別した場合は(S4101:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、第1入球口64、または第2入球口640のいずれかに新たな入賞があった場合は(S4101:Yes)、S4102〜S4110の各処理が実行される。なお、これらS4102〜S4110の各処理では、それぞれ第1実施形態における始動入賞処理(図26参照)のS607〜S615の各処理と同一の処理が実行される。
このように、第3実施形態では、球が入球した入球口の種別に応じて、保留球数を別々に管理し、いずれの入球口への始動入賞に対しても、先読みを実行するように構成している。
次いで、図69を参照して、上述した普通図柄変動処理2(S123)について説明する。図69は、この普通図柄変動処理2(S123)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理2(S123)は、第1実施形態における普通図柄変動処理(図27参照)と同様に、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理2(S123)のうち、S701〜S707、S712,S713,S718、およびS722〜S725の各処理では、それぞれ第1実施形態における普通図柄変動処理(図27参照)におけるS701〜S707、S712,S713,S718、およびS722〜S725の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における普通図柄変動処理2では、S707の処理において、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得すると(S707)、次いで、状態移行カウンタ203mの値が1より大きいか否か(即ち、普通図柄の低確率状態であるか否か)を判別する(S731)。
S731の処理において、状態移行カウンタ203mの値が0より大きいと判別された場合は(S731:Yes)、現在が普通図柄の低確率状態であることを示すので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の抽選結果を取得する(S732)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(a)参照)。
一方、S731の処理において、状態移行カウンタ203mの値が0であると判別された場合は(S731:No)、現在が普通図柄の高確率状態(時短状態)であることを示すので、S707の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S733)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図9(a)参照)。S732の処理、またはS733の処理が終了した後は、処理をS712へと移行する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりの開始を設定する際に、状態移行カウンタ203mの値をリセットする(つまり、0クリアする)ように構成されている。このため、特別図柄の大当たり中は、状態移行カウンタ203mの値が0と判別されるので、大当たり中は高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて普通図柄の当たりか否かが判別される。即ち、大当たり中は、普通図柄の低確率状態に比べて普通図柄の当たりとなる確率が高くなる。よって、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすくなるため、大当たり中に第2入球口640へと球を入賞させやすくすることができる。従って、大当たりの終了までに保留球数が最大値(即ち、4個)となりやすくすることができる。
S712の処理により、普通図柄の当たりであると判別され(S712:Yes)、S713の処理により当たり時の表示態様を設定すると(S713)、次いで、状態移行カウンタ203mの値が0より大きいか否かを判別する(S734)。そして、状態移行カウンタ203mの値が0より大きいと判別した場合は(S734:Yes)、パチンコ機10が普通図柄の低確率状態であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S735)、S737の処理へ移行する。一方、状態移行カウンタ203mの値が0であると判別した場合は(S734:No)、パチンコ機10が普通図柄の高確率状態(時短状態)であるので、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S736)、S737の処理へ移行する。
なお、上述した通り、大当たり中は状態移行カウンタ203mの値に0が設定されているので、大当たり中に普通図柄の当たりとなった場合は、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定する。よって、大当たり中に第2入球口640へと球が入賞し易くなるため、大当たりの終了までに保留球数が最大値(即ち、4個)となりやすくすることができる。
S737の処理では、状態移行カウンタ状態移行カウンタ203mの値が0より大きいか否かを判別する(S737)。そして、状態移行カウンタ203mの値が0より大きい(即ち、普通図柄の低確率状態中である)と判別した場合は(S737:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S738)、本処理を終了する。一方、状態移行カウンタ203mの値が0である(即ち、普通図柄の高確率状態中である)と判別した場合は(S737:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S739)、本処理を終了する。
なお、上述した通り、大当たり中は状態移行カウンタ203mの値に0が設定されているので、大当たり中に普通図柄(第2図柄)の変動を実行する場合は、普通図柄の低確率状態中に比較して短い変動期間(3秒)が選択される。よって、大当たり中に普通図柄の変動回数を増やすことができるので、大当たり中に普通図柄の当たりとなる回数も増やすことができる。従って、大当たり中に第2入球口640へと球が入賞し易くなるため、大当たりの終了までに保留球数が最大値(即ち、4個)となりやすくすることができる。
次いで、図70を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行されるメイン処理について説明する。図70は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、上述の通り、4ms周期で遊技の主要な制御を実行する処理である。
このメイン処理(図70参照)のうち、S1101〜S1103、およびS1105〜S1116の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図31参照)におけるS1101〜S1103、およびS1105〜S1116の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態におけるメイン処理では、第1実施形態における大当たり制御処理(S1104)に代えて、大当たり制御処理3(S1131)が実行される。この大当たり制御処理3の詳細については、続く図71を参照して説明する。
図71は、この大当たり制御処理3を示すフローチャートである。この大当たり制御処理3は、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)と同様に、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの開閉の設定を行ったり、新たなラウンドの開始を音声ランプ制御装置113に通知するためのラウンド数コマンドを設定したりする処理である。
この大当たり制御処理3のうち、S1201〜S1208、およびS1210の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)におけるS1201〜S1208、およびS1210の各処理と同一の処理が実行される。そして、第3実施形態における大当たり制御処理3では、大当たりの終了を設定すると(S1208)、次いで、状態設定テーブル202f(図64(a)参照)に基づいて大当たり後の状態に対応する設定値を読み出して設定し(S1231)、本処理を終了する。状態設定テーブル202f(図64(a)参照)に、状態に応じた設定値を規定しているので、このS1231では、単に状態設定テーブル202f(図64(a)参照)のうち、設定する状態に対応する設定値を選択するという単純な処理を実行するだけで足りる。よって、例えば、状態に応じた設定値を演算するプログラムを実行する場合等に比較して、MPU201の処理負荷を軽減することができる。従って、大当たり終了後の状態を遅滞なく設定することができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、2種類の入球口(第1入球口64、および第2入球口640)のうち、第2入球口640を特定入賞口(大開放口)65aの真上に設ける構成としている。そして、通常状態において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすくなる(つまり、普通図柄の高確率状態となる)ように構成している。このように構成することで、普通図柄の状態を通常状態と同一の状態とする必要がある大当たり中に、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放されやすくすることができる。これにより、大当たり中に遊技者が打ち出した球を、第2入球口640へと入賞させやすくすることができるので、大当たりの終了後に設定される特殊変動期間において、保留球数が存在せず、変動が行われないという状況が発生し難くすることができる。よって、特殊変動期間が終了せず、延々と疑似インターバル演出が継続してしまうことを抑制することができるので、遊技者が違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、8回の変動パターン演出が実行されたか否かによらずに、所定時間(10秒)で疑似インターバル演出を終了させるように構成した場合、無変動の状態(変動パターン演出が実行されず、且つ、保留球も存在しない状態)が発生しやすくなるほど、疑似インターバル演出中に実行される特別図柄の抽選回数が減ってしまう。よって、疑似インターバル演出を経て再度大当たりとなる可能性が低くなってしまう。これに対して本実施形態では、上述の通り、大当たり中に球が第2入球口640へ入賞しやすくなるので、特別図柄2の保留球数が最大となりやすく構成されている。よって、疑似インターバル演出中に、無変動の状態となってしまうことを抑制することができるので、疑似インターバル演出を経て再度大当たりとなる可能性を高めることができる。従って、見た目上、大当たりの状態が長く続いているかのように遊技者に感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機10では、「大当たりE」(つまり、他の大当たり種別に比較して、大当たりの終了後に遊技者にとって不利な状態へと移行する大当たり)となる振り分けを、大当たりであった場合の50%としているが、これに限られるものではなく、任意に定めてもよい。例えば、「大当たりE」の振り分けが50%では、出球率が高くなりすぎてしまうと判断した場合等は、「大当たりE」となる割合を、例えば60%や70%とすることで、遊技者にとって不利となる大当たりを増やす構成としてもよい。逆に、出球率が低くなりすぎてしまうと判断した場合等は、「大当たりE」となる割合を、例えば40%や30%とすることで、遊技者にとって不利となる大当たりを減らす構成としてもよい。
本実施形態のパチンコ機10では、球が入賞した入球口の種別によらず、大当たりとなった場合の第1当たり種別カウンタ値CS1の値が同一であれば、同一の大当たり種別が選択されるように構成していたが、入球口の種別に応じて異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。例えば、球が第1入球口64へ入賞したことに基づいて大当たりとなった場合は、球が第2入球口640へ入球したことに基づいて大当たりとなった場合よりも大当たりEが選択されにくく構成してもよい。これにより、大当たりEが連続しにくくできる。よって、遊技者にとって不利な普通図柄の低確率状態が延々と繰り返されてしまうことを抑制できるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを削いでしまうことを抑制することができる。また、球が第1入球口64へ入球したことに基づいて大当たりとなった場合よりも、球が第2入球口640へ入球したことに基づいて大当たりとなった場合に大当たりEが選択され易く構成してもよい。これにより、大当たりA〜Dが連続し、遊技者にとって有利な普通図柄の高確率状態が長く繰り返されることを抑制することができる。よって、パチンコ機10の出球率が高くなりすぎて、ホールに不測の不利益をもたらしてしまうことを抑制することができる。
<第3実施形態の変形例>
次いで、図72、および図73を参照して、第3実施形態の変形例について説明する。上記第3実施形態では、2種類の入球口(第1入球口64、第2入球口640)を設ける構成とし、大当たり中に普通図柄の高確率状態へと設定することにより、第2入球口640へと球が入球し易くしていた。これにより、大当たり中に保留球数が最大値(即ち、4)となりやすく構成していた。
これに加えて、本変形例では、2種類の特定入賞口(特定入賞口65a、特定入賞口650a)を設ける構成とし、大当たり中に特定入賞口650aへと球が入賞した場合に、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行するように構成している。また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合と、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合とで、特定入賞口650aの開放パターンが異なるように構成している。即ち、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合と、特別図柄2の抽選により大当たりになった場合とで、特別図柄の高確率状態への移行しやすさを異ならせている。詳細については後述するが、特別図柄の高確率状態へ移行しにくい入球口を設けることにより、出球率が高くなりすぎてしまうことを抑制することができる。また、特別図柄の高確率状態へ移行しやすい入球口を設けることにより、その入球口へと球が入球することで、遊技者に対して特別図柄の高確率状態への期待感を抱かせることができる。
まず、図72を参照して、本変形例のパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図72は、第3実施形態の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13の概要を示す図である。図72に示す通り、第3実施形態の変形例における遊技盤13では、第3実施形態と同様に、特定入賞口(大開放口)65aが正面視右下部分に設けられている。そして、その特定入賞口(大開放口)65aの真上に、第2入球口640が設けられている。この第2入球口640には、電動役物640aが付随しており、普通図柄の当たりとなることにより、この電動役物640aが遊技盤13に対して垂直な方向を軸として回動し、球が第2入球口へと入賞しやすい状態となる。
加えて、本変形例では、第1入球口64の左下方向に、可変入賞装置650が設けられている。この可変入賞装置650は、特定入賞口650aと、その特定入賞口650に付随する電動役物650bとによって構成されており、通常時は電動役物650bによって特定入賞口650aが閉鎖され、球を入球させることが困難な状態とされる。一方で、大当たりの所定のラウンド(例えば、2ラウンド目)において、一定の期間(例えば、0.5秒、または5秒)、電動役物650bが動作して特定入賞口650aが開放される。これにより、球が特定入賞口650aへと入賞し易い状態となり、球を入賞させることができれば、特別図柄の高確率状態へと移行する。この特別図柄の高確率状態は、第3実施形態と同様に、特別図柄の抽選が12回実行されるまで継続する。このように、球が特定入賞口650aへと入賞したか否かによって特別図柄の高確率状態へと移行するか否かが決定されるので、特別図柄の高確率状態へと移行するか否かを視覚的に分かりやすくすることができる。また、遊技者に対して、球を打ち出すタイミング等を工夫させることができるので、遊技者が球を特定入賞口650aへと入球させることができれば、自力で特別図柄の高確率状態を獲得したように感じさせることができ、遊技者に対して満足感や達成感を抱かせることができる。
また、上述の通り、特定入賞口650aは、第1入球口64の左下に配設されているので、特定入賞口650aが開放されるラウンド(例えば、2ラウンド目)では、遊技者が特定入賞口650aへと入賞させようとして打ち出した球が、第1入球口64へも入賞しやすくなる。つまり、上記第3実施形態のパチンコ機10では、大当たりにおいて、特別図柄2の保留球を貯めやすく構成していたが、本変形例では、これに加えて、所定のラウンド(例えば、2ラウンド目)において特別図柄1の保留球を増加させ易く構成している。特別図柄1の保留球数と、特別図柄2の保留球数とは、それぞれ最大で4個ずつ記憶しておくことができるので、本変形例では、大当たり終了までに、保留球が合計で8個という状態になりやすくすることができる。これにより、大当たりの終了後に設定される特殊変動期間において、保留球数が存在せず、変動が行われないという状況を発生し難くすることができる。よって、特殊変動期間が終了せず、延々と疑似インターバル演出が継続してしまうことを抑制することができるので、遊技者が違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、8回の変動パターン演出が実行されたか否かによらずに、所定時間(10秒)で疑似インターバル演出を終了させるように構成した場合、無変動の状態(変動パターン演出が実行されず、且つ、保留球も存在しない状態)が発生しやすくなるほど、疑似インターバル演出中に実行される特別図柄の抽選回数が減ってしまう。よって、疑似インターバル演出を経て再度大当たりとなる可能性が低くなってしまう。これに対して本変形例では、上述の通り、大当たり中に球が第1入球口64、および第2入球口640へ入球しやすくなるので、特別図柄1、および特別図柄2の保留球数が最大となりやすく構成されている。よって、疑似インターバル演出中に、無変動の状態となってしまうことを抑制することができるので、疑似インターバル演出を経て再度大当たりとなる可能性を高めることができる。従って、見た目上、大当たりの状態が長く続いているかのように遊技者に感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図73を参照して、本変形例の第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。上述した通り、本実施形態では、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合と、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合とで、特定入賞口650aの開放パターンを異ならせている。本変形例の第1当たり種別選択テーブル202bでは、大当たり種別と、特別図柄の種別毎の特定入賞口650aの開放パターンとが、第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けて規定されている。なお、本変形例のパチンコ機10では、大当たりの2ラウンド目でのみ、特定入賞口650aが開放されるように構成し、その他のラウンド(1ラウンド目、および3ラウンド目以降)では、特定入賞口65aが開放されるように構成されている。2ラウンド目に開放された特定入賞口650aは、第1当たり種別選択テーブル202bに規定された開放期間が経過することにより閉鎖される。また、大当たりの2ラウンド目には、遊技盤13の左側に球を打ち出すことを遊技者に促す表示(左打ちナビ)が第3図柄表示装置81へと表示されるように構成している。これにより、遊技者が特定入賞口650aを狙い忘れてしまうことを防止できるので、遊技者が特別図柄の高確率状態を獲得する機会を逸してしまうことを抑制できる。
図72に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が0〜8であった場合の大当たり種別は、大当たりのラウンド数が3ラウンドの「大当たりA1」(3R短開放大当たり)となる。また、特別図柄1の抽選において「大当たりA1」に当選した場合は、大当たりの2ラウンド目において、特定入賞口650aが0.5秒だけ開放される開放パターンが設定される。一方、特別図柄2の抽選において「大当たりA1」に当選した場合は、特定入賞口650aが5秒間開放される開放パターンが設定される。
なお、遊技者が特定入賞口650aを狙って球を打ち出してから、打ち出した球が特定入賞口650aまで到達するまでには、0.5秒以上の時間が掛かるため、0.5秒の開放パターンが選択された場合に球を特定入賞口650aへと入賞させることは困難となる。よって、多くの場合、特別図柄1の抽選において「大当たりA1」に当選した場合は、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態が設定されると共に、100回の普通図柄の低確率状態が設定される。つまり、第3実施形態における大当たりEが終了した場合に相当する状態が設定される。一方、5秒の開放パターンが選択された場合は、打ち出した球を特定入賞口650aに到達させるのに十分な時間であるので、多くの場合、遊技者は、2ラウンド目において球を特定入賞口650aへと入賞させることができる。よって、特別図柄2の抽選において「大当たりA1」に当選した場合は、大当たりの終了後に特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の低確率状態が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が9〜17であった場合の大当たり種別は、大当たりのラウンド数が3ラウンドの「大当たりA2」(3R長開放大当たり)となる。「大当たりA2」となる場合は、特別図柄1の抽選であるか、特別図柄2の抽選であるかに関わらず、特定入賞口650aが5秒間開放される開放パターンが設定される。よって、「大当たりA2」の2ラウンド目において、特定入賞口650aへと球を入賞させやすくなるので、多くの場合、大当たりの終了後に12回の特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が18〜24であった場合の大当たり種別は、大当たりのラウンド数が4ラウンドの「大当たりB1」(4R短開放大当たり)となる。「大当たりA1」と同様に、特別図柄1の抽選において「大当たりB1」に当選した場合は、大当たりの2ラウンド目において、特定入賞口650aが0.5秒だけ開放される開放パターンが設定される。一方、特別図柄2の抽選において「大当たりB1」に当選した場合は、特定入賞口650aが5秒間開放される開放パターンが設定される。よって、特別図柄1の抽選において「大当たりB1」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態が設定されると共に、100回の普通図柄の低確率状態が設定される。一方、特別図柄2の抽選において「大当たりB1」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に12回の特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が25〜31であった場合の大当たり種別は、大当たりのラウンド数が4ラウンドの「大当たりB2」(4R長開放大当たり)となる。「大当たりA2」と同様に、「大当たりB2」に当選した場合は、特別図柄1の抽選であるか、特別図柄2の抽選であるかに関わらず、特定入賞口650aが5秒間開放される開放パターンが設定される。よって、「大当たりB2」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に12回の特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が32〜63であった場合の大当たり種別は、大当たりのラウンド数が6ラウンドの「大当たりC1」(6R短開放大当たり)となる。「大当たりA1」や「大当たりB1」と同様に、特別図柄1の抽選において「大当たりC1」に当選した場合は、大当たりの2ラウンド目において、特定入賞口650aが0.5秒だけ開放される開放パターンが設定される。一方、特別図柄2の抽選において「大当たりC1」に当選した場合は、特定入賞口650aが5秒間開放される開放パターンが設定される。よって、特別図柄1の抽選において「大当たりC1」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態が設定されると共に、100回の普通図柄の低確率状態が設定される。一方、特別図柄2の抽選において「大当たりC1」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に12回の特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が64〜95であった場合の大当たり種別は、大当たりのラウンド数が6ラウンドの「大当たりC2」(6R長開放大当たり)となる。「大当たりA2」や「大当たりB2」と同様に、「大当たりC2」に当選した場合は、特別図柄1の抽選であるか、特別図柄2の抽選であるかに関わらず、特定入賞口650aが5秒間開放される開放パターンが設定される。よって、「大当たりC2」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に12回の特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が96,97であった場合の大当たり種別は、大当たりのラウンド数が15ラウンドの「大当たりD1」(15R短開放大当たり)となる。「大当たりA1」、「大当たりB1」、および「大当たりC1」と同様に、特別図柄1の抽選において「大当たりD1」に当選した場合は、大当たりの2ラウンド目において、特定入賞口650aが0.5秒だけ開放される開放パターンが設定される。一方、特別図柄2の抽選において「大当たりD1」に当選した場合は、特定入賞口650aが5秒間開放される開放パターンが設定される。よって、特別図柄1の抽選において「大当たりD1」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態が設定されると共に、100回の普通図柄の低確率状態が設定される。一方、特別図柄2の抽選において「大当たりD1」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に12回の特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の値が98,99であった場合の大当たり種別は、大当たりのラウンド数が15ラウンドの「大当たりD2」(15R長開放大当たり)となる。「大当たりA2」、「大当たりB2」、および「大当たりC2」と同様に、「大当たりD2」に当選した場合は、特別図柄1の抽選であるか、特別図柄2の抽選であるかに関わらず、特定入賞口650aが5秒間開放される開放パターンが設定される。よって、「大当たりD2」に当選した場合は、多くの場合、大当たり終了後に12回の特別図柄の高確率状態が設定されると共に、普通図柄の高確率状態が設定される。
このように、本変形例のパチンコ機10では、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、大当たり種別によらずに、大当たりの2ラウンド目において、特定入賞口650aが比較的長時間(5秒間)開放される。特定入賞口650aへと球を入賞させることができれば、大当たりの終了に基づいて特別図柄の高確率状態が設定されるので、多くの場合、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合は、大当たりの終了に基づいて特別図柄の高確率状態が設定される。
一方、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合の半数は、大当たりの2ラウンド目において、特定入賞口650aが極めて短時間(0.5秒)だけ開放される大当たり(「大当たりA1」、「大当たりB1」、「大当たりC1」、および「大当たりD1」)となる。よって、特別図柄1の抽選においてこれらの大当たりとなった場合は、特定入賞口650aへと球を入賞させることが困難となるので、多くの場合、大当たり終了後に特別図柄の低確率状態が設定される。従って、特別図柄1の抽選に比較して、特別図柄2の抽選で大当たりとなる方が、遊技者にとって有利となる。
また、本変形例のパチンコ機10では、大当たりの2ラウンド目以外のラウンドでは、特定入賞口65aへ球を入賞させるために、右側へと球を打ち出すことを促す表示(右打ちナビ)が表示される。また、本変形例の大当たりは最低でも3ラウンドが付与されるため、遊技者が遊技盤13の右側を狙う機会の方が多くなる。これにより、大当たり中は、特定入賞口65aの真上に設けられている第2入球口640へと球を入球させる機会が、第1入球口64へと球を入球させる機会に比べて多くなる。更に、本変形例では、特別図柄1と特別図柄2の保留球が存在している場合には、特別図柄2の抽選を優先的に実行するように構成されている。よって、大当たり終了後の特殊変動期間においては、特別図柄2の抽選が優先して行われるので、特殊変動期間において大当たりに当選する場合は、特別図柄2の抽選により大当たりとなる可能性が高くなる。従って、大当たりと、特別図柄の高確率状態とが繰り返されやすくする(即ち、大当たりの終了後に実行される疑似インターバル演出を経て、再度大当たりが開始される頻度を高くする)ことができるので、遊技者に対して大当たりが長く継続することに対する期待感を高めることができる。
以上説明した通り、本変形例のパチンコ機10では、2種類の特定入賞口(特定入賞口65a、特定入賞口650a)を設ける構成とし、大当たり中に特定入賞口650aへと球が入賞した場合に、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態へと移行するように構成している。これにより、特別図柄の高確率状態へと移行するか否かを視覚的に分かりやすくすることができる。また、遊技者に対して、球を打ち出すタイミング等を工夫させることができるので、遊技者が球を特定入賞口650aへと入球させることができれば、自力で特別図柄の高確率状態を獲得したように感じさせることができ、遊技者に対して満足感や達成感を抱かせることができる。
また、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合と、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合とで、特定入賞口650aの開放パターンが異なるように構成し、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、遊技者にとって有利となる(即ち、特定入賞口650aへと球を入球させる機会が多くなる)ように構成している。更に、本変形例では、特別図柄1と特別図柄2の保留球が存在している場合には、特別図柄2の抽選を優先的に実行するように構成されている。よって、大当たり終了後の特殊変動期間においては、特別図柄2の抽選が優先して行われるので、特殊変動期間において大当たりに当選する場合は、特別図柄2の抽選により大当たりとなる可能性が高くなる。従って、大当たりと、特別図柄の高確率状態とが繰り返されやすくする(即ち、大当たりの終了後に実行される疑似インターバル演出を経て、再度大当たりが開始される頻度を高くする)ことができるので、遊技者に対して大当たりが長く継続することに対する期待感を高めることができる。
また、特定入賞口650aを、第1入球口64の左下に配設しているので、特定入賞口650aが開放されるラウンド(2ラウンド目)において、遊技者が特定入賞口650aへと入賞させようとして打ち出した球が、第1入球口64へ入賞し易くなる。よって、2ラウンド目において、特別図柄1の保留球を増加させ易くすることができる。これにより、大当たりの終了後に設定される特殊変動期間において、保留球数が存在せず、変動が行われないという状況を発生し難くすることができる。よって、特殊変動期間が終了せず、延々と疑似インターバル演出が継続してしまうことを抑制することができるので、遊技者が違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
また、特殊変動期間において、8回の変動パターン演出が実行されたか否かによらずに、所定時間(10秒)で疑似インターバル演出を終了させるように構成した場合、無変動の状態(変動パターン演出が実行されず、且つ、保留球も存在しない状態)が発生しやすくなるほど、疑似インターバル演出中に実行される特別図柄の抽選回数が減ってしまう。よって、疑似インターバル演出を経て再度大当たりとなる可能性が低くなってしまう。これに対して本変形例では、上述の通り、大当たり中に球が第1入球口64、および第2入球口640へ入球しやすくなるので、特別図柄1、および特別図柄2の保留球数が最大となりやすく構成されている。よって、疑似インターバル演出中に、無変動の状態となってしまうことを抑制することができるので、疑似インターバル演出を経て再度大当たりとなる可能性を高めることができる。従って、見た目上、大当たりの状態が長く続いているかのように遊技者に感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本変形例では、特別図柄1の抽選に比較して、特別図柄2の抽選により大当たりとなった場合に、特別図柄の高確率状態へと移行する可能性が高くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄1の抽選の方が、大当たりとなった場合に特別図柄の高確率状態へと移行する可能性が高くなるように構成してもよい。上述の通り、第3実施形態、および第3実施形態の変形例では、大当たりの終了後に普通図柄の低確率状態が設定された場合は、その普通図柄の低確率状態が終了するまで第1入球口64へと球を入球させるように促す示唆表示が第3図柄表示装置81へと表示される。つまり、特別図柄1の抽選が主として実行されるのは、遊技者にとって不利な普通図柄の低確率状態である。このため、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に特別図柄の高確率状態へと移行しにくい構成とすると、特別図柄の低確率状態が延々と繰り返され、遊技者の遊技に対するモチベーションを削いでしまう虞がある。よって、特別図柄1の抽選により大当たりとなった場合に特別図柄の高確率状態へと移行する可能性を高くしておくことで、遊技者のモチベーションの低下を抑制することができる。
本変形例では、2ラウンド目に特定入賞口650aを0.5秒、または5秒開放するように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンド目や3ラウンド目に開放されるように構成してもよいし、複数のラウンドで開放されるように構成してもよい。また、一部の大当たりでのみ開放されるラウンドを設けるように構成してもよい。例えば、「大当たりD1」、および「大当たりD2」でのみ特定入賞口650aが開放されるラウンドを設けるように構成してもよい。更に、特定入賞口650aの開放期間は本変形例の態様に限られるものではなく、任意に定めることができる。例えば、開放期間として、1秒と10秒とを設ける構成としてもよい。
<第4実施形態>
次いで、図74、および図75を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、特殊変動期間において特別図柄の抽選回数毎に、変動期間が固定の変動パターン演出が選択されるように構成していた。より具体的には、大当たりの終了後1回目、または2回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動時間が2秒の変動パターン(特殊変動A)が選択され、大当たり終了後3回目、または4回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動時間が1秒の変動パターンが選択され、大当たり終了後5回目〜8回目に行われた特別図柄の抽選が外れであった場合は、変動時間が0.5秒の変動パターンが選択されるように構成していた。このように構成することで、外れとなる変動パターン演出を所定回数(第1実施形態では8回)だけ実行するのに要する時間が固定時間(8秒)となるように構成している。また、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が8回行われるまでの間に大当たりとなる場合は、変動時間を残りの所定回数(所定時間までの残時間)に応じて(例えば、1回目なら8秒、2回目なら6秒)設定することで、特殊変動期間が固定時間(8秒)となるように構成していた。言い換えれば、全ての抽選回数において特殊変動期間を所定時間(8秒)とするために、変動時間の異なる大当たりとなる変動パターンを、全ての変動回数に応じて用意しておく必要があった。
これに対して第4実施形態では、特殊変動期間において特別図柄の抽選回数毎に、その抽選結果と保留エリアの抽選結果(先読み結果)とが大当たりか否かに応じて固定の変動期間の変動パターン演出が選択されるように構成している。これにより、大当たりとなる変動パターン演出と、その大当たりの抽選結果(先読み結果)が判別できた時点からの外れの変動パターン演出とで、残りの所定回数(所定時間までの残時間)に応じた演出時間を設定することができる。よって、大当たりとなる変動パターン演出の演出時間の種類を少なくすることができるので、ROM234の容量を節約できる。また、特殊変動期間の途中で大当たりとなるか否かに関わらず、一の特殊変動期間において複数回実行される変動表示の変動時間を漸減させることができる。ここで、第1実施形態では、特殊変動期間中に大当たりとなる場合は、8回目の抽選で大当たりとなる場合を除き、1回前に実行された変動パターン演出よりも変動時間が長い変動パターン演出が選択されるように構成していた。このため、特殊変動期間中に変動時間の長い変動パターン演出が実行されることで、特殊変動期間の途中で大当たりとなったことを遊技者が認識できてしまう場合があり、以降のインターバル演出を楽しむことができなくなってしまう虞があった。これに対して、本実施形態では、特殊変動期間の途中で大当たりとなるか否かに関わらず、特別図柄の抽選回数が増加するにつれて変動パターン演出の変動時間を減少させることができるので、変動時間によって大当たりか否かを予測され難くすることができる。よって、疑似インターバル演出の結果を事前に予測しがたくすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110において、ROM202の特殊変動パターン選択テーブル202eの内容が変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図74を参照して、第4実施形態における特殊変動パターン選択テーブル202eについて説明する。図74は、特殊変動パターン選択テーブル202eを示した図である。この特殊変動パターン選択テーブル202eは、第1実施形態と同様に、特殊変動期間中の変動時間を決定するデータテーブルである。
図74に示す通り、第4実施形態における特殊変動パターン選択テーブル202eは、大当たりが終了した後の特別図柄の抽選回数と、始動球、または保留球に大当たりとなる抽選結果が存在するか否かとに応じて特殊変動期間中の変動時間が規定されている。この特殊変動パターン選択テーブル202eによって、大当たりとなる保留球がある場合に、その保留球の大当たり変動と、その保留球の変動が実行されるまでの外れの変動表示を行う保留球とで、特殊変動期間が固定時間(8秒)となるように構成している。
図75を参照して、具体的に説明する。図74は、大当たりの終了後に実行される疑似インターバル演出中に実行される変動演出、大当たり演出および特定入賞口の状態の対応関係を示したものである。図75(a)は、大当たりが終了してから3回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合を示した図であり、図75(b)は、大当たりが終了してから7回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合を示した図である。例えば、大当たりが終了してから3回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合、即ち、大当たりの終了後1回目に特別図柄の抽選を行う時点で、保留第2エリアに格納された抽選結果が大当たりであることが先読みにて判別されている場合は、1回目に実行される変動パターン演出の態様として、変動時間が4秒の特殊変動Fが選択される。また、特殊変動Fの実行が終了し、保留第1エリアのデータが実行エリアへとシフトされると(即ち、大当たりの終了後2回目の特別図柄の抽選タイミングになると)、保留第1エリアが大当たりの状態となるので、変動時間が2秒の特殊変動Aが選択される。また、大当たりが終了してから3回目に実行される特別図柄の抽選では、実行エリアのデータが大当たりを示す抽選結果となるので、変動時間が2秒の特殊変動Aが選択される(図75(a))。
他のケースとして、大当たりが終了してから7回目の特別図柄の抽選で大当たりとなる場合は、1回目〜3回目に実行される特別図柄の抽選では、保留球に大当たりを示す情報が存在しない。よって、1回目と2回目とは特殊変動A(2秒)、3回目は特殊変動B(1秒)が選択される。また、4回目〜7回目に実行される変動パターン演出の態様は、4回目は確変回数が4回目で保留3が当たり、5回目は確変回数が5回目で保留2が当たり、6回目は確変回数が6回目で保留1が当たり、7回目は確変回数が7回目で始動が当たりとなるので、4回目と5回目とは特殊変動B(1秒)、6回目と7回目とは特殊変動C(0,5秒)が選択される(図75(b))。
以上説明した通り、第4実施形態では、大当たりが終了してから次の大当たりが開始されるまでの期間を8秒とすると共に、変動パターン演出の演出時間の種類が特殊変動A〜Gの7種類必要な第1実施形態に比べ、特殊変動A〜DおよびFの5種類との少ない演出時間の種類で構成することができる。また、一の特殊変動期間において複数回実行される変動表示の変動時間を必ず漸減するようにできる。
従って、各変動パターンの変動時間に応じた表示データテーブルなどの各種テーブルの種類を第1実施形態に比べ少なくすることができ、ROM234の容量を節約できる。また、第1実施形態での、変動表示の変動時間が長くなることで特殊変動期間の途中で大当たりとなったことを遊技者が認識することができ、特殊変動期間の最後の演出に対する遊技者の興趣が下がる虞があるとの問題を生ずることなく、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
<第5実施形態>
次いで、図76〜図84を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上記第1実施形態においては、賞球の払い出し速度を一定に構成していた。つまり、賞球の払い出しを実行する場合は、払出モータ216により連続して10個の賞球が払い出される度に、払い出しを1秒間休止する(1秒間の払出休止期間を設定する)構成としていた。また、払出モータ216により10個の賞球が払い出されるために要する時間が1秒となるように払出モータ216の回転速度が設定されていた。
これに対して、第5実施形態のパチンコ機10では、ラウンド数に応じて賞球の払い出し速度が異なるように構成している。具体的には、ラウンド数が進むにつれて賞球の払い出し速度(払出モータ216の回転速度)が遅くなるように構成し、大当たりの後半になるほど賞球が払い出される期間を長くしている。これにより、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出中も賞球が少しずつ払い出されるようにし、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができるように構成している。即ち、疑似インターバル演出に遊技者の意識が集中することを抑制することにより、大当たり中のインターバル演出と、大当たりの終了後の疑似インターバル演出とをより区別し難くしている。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110において、ROM202に払出速度選択テーブル202gが追加されている点、および、RAM203に払出カウンタ203nが追加されている点、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図31参照)に含まれる一部処理が異なっている点、および、払出制御装置111のMPU211により実行される各種処理が異なっている点である。その他の構成や、主制御装置110によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第5実施形態における電気的構成について>
まず、図76、および図77を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図76(a)は、第5実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110に設けられているROM202の構成を示すブロック図である。図76(a)に示す通り、第5実施形態におけるROM202には、第1実施形態におけるROM202の構成に加え、払出速度選択テーブル202gが設けられている。詳細については図77を参照して後述するが、この払出速度選択テーブル202gは、大当たりの各ラウンドにおいて、賞球を払い出す場合の払出モータ216の回転速度(払い出し速度)を設定するために参照されるデータテーブルである。この払出速度選択テーブル202gを参照することにより、大当たりの後半のラウンドほど賞球の払い出し速度を遅くすることができる。よって、大当たり中における賞球の払い出しが、大当たり終了後(つまり、疑似インターバル演出中)も継続されるので、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができる。よって、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中のインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。
図76(b)は、第5実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110に設けられているRAM203の構成を示すブロック図である。図76(b)に示す通り、第5実施形態におけるRAM203には、第1実施形態におけるRAM203の構成に加え、払出カウンタ203nが設けられている。この払出カウンタ203nは、大当たりのラウンド数に応じて更新されるカウンタである。本実施形態では、この払出カウンタ203nの値と、上述した払出速度選択テーブル202gの規定内容とに基づいて、賞球の払い出し速度を可変するように構成されている。なお、払出カウンタ203nの値が0であれば、大当たり状態以外の通常の状態、または大当たりの1ラウンド目の状態を示す。そして、大当たりのラウンドが進む毎に、払出カウンタ203nの値が1ずつ加算されていく。即ち、払出カウンタ203nの値は、大当たりのラウンド数から1を引いた値となる。払出カウンタ203nの値は、大当たりの終了時に0クリアされる(図80のS1242参照)。また、主制御装置110の立ち上げ処理(図30参照)において、RAM203の初期設定をする際(図30のS1014参照)にも、0が設定される。
次いで、図77を参照して、上記払出速度選択テーブル202gについて説明する。上述した通り、払出速度選択テーブル202gは、大当たりの各ラウンドにおいて、賞球を払い出す場合の払出モータ216の回転速度(払い出し速度)を設定するために参照されるデータテーブルである。
図77に示す通り、払出速度選択テーブル202gには、払出モータ216の回転速度(払い出し速度)が、払出カウンタ203nの値に対応付けて規定されている。具体的には、払出カウンタ203nの値が0であれば(即ち、大当たりの1ラウンド目や通常状態であれば)、払出モータ216の回転速度(払い出し速度)として通常の速度が設定される(1秒間に10個の賞球が払い出される)。また、払出カウンタ203nの値が1であれば(即ち、大当たりの2ラウンド目であれば)、払出モータ216の回転速度(払い出し速度)として「低速1」、つまり、1秒間に8個の賞球が払い出される速度が設定される。また、また、払出カウンタ203nの値が2であれば(即ち、大当たりの3ラウンド目であれば)、払出モータ216の回転速度(払い出し速度)として「低速2」、つまり、1秒間に6個の賞球が払い出される速度が設定される。一方、払出カウンタ203nの値が3〜14であれば(即ち、大当たりの4ラウンド目以降であれば)、払出モータ216の回転速度(払い出し速度)として「低速3」、つまり、1秒間に5個の賞球が払い出される速度が設定される。
このように、大当たりのラウンドが進むにつれて、賞球が払い出される速度が徐々に遅くなっていくように構成されているので、大当たり中における賞球の払い出しが、大当たり終了後(つまり、疑似インターバル演出中)も継続されることとなる。よって、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができる。従って、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中のインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。また、疑似インターバル演出後に大当たりとならなかった場合でも、賞球が払い出され続けることにより、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、大当たりが継続しなかったことに対する失望感を軽減することができる。なお、払い出し速度は本実施形態の払出速度選択テーブル202gに規定されている値に限られるものではなく、任意に定めることができる。また、払い出し速度のバリエーションも、4種類(通常速度、低速1、低速2、および低速3)に限られるものではない。例えば、払い出し速度を2種類にするなど、本実施形態よりもバリエーションを少なくしてもよい。また、例えば払い出し速度を10種類にする等、本実施形態よりもバリエーションを増やしてもよい。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図78〜図80を参照して、第5実施形態における主制御装置110のMPUにより実行される各種処理について説明する。まず、図78は、第5実施形態における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、上述の通り、4ms周期で遊技の主要な制御を実行する処理である。
このメイン処理のうち、S1101〜S1103、および、S1105〜S1116の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図31参照)におけるS1101〜S1103、およびS1105〜S1116の各処理と同一の処理が実行される。そして、第5実施形態におけるメイン処理では、S1103の処理により、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込むと、次いで、払出コマンド設定処理を実行し(S1141)、更に、第1実施形態における大当たり制御処理(S1104)に代えて、大当たり制御処理4(S1141)が実行される。これらの払出コマンド設定処理(S1141)、および大当たり制御処理4(S1142)の詳細については、続く図79、および図80を参照して説明する。
まず、図79を参照して、上述の払出コマンド設定処理について説明する。この払出コマンド設定処理は、払出制御装置111に対して賞球を払い出させるための払出コマンドを設定するための処理である。なお、払出コマンドには、払出モータ216の回転速度(払出速度)を示す情報を含んだ形で設定される。払出制御装置111は、この払出コマンドより、賞球の個数を示す情報と、払出モータ216の回転速度(払出速度)を示す情報とに基づいて、賞球の払い出しを実行する。
払出コマンド設定処理(図79参照)では、まず、入賞情報が存在するか否かを判別する(S4201)。ここで、入賞情報とは、特定入賞口65aに対する球の入賞の他に、第1入球口64、および普通入球口67への入賞情報も含まれる。S4201の処理において、入賞情報が無いと判別した場合は(S4201:No)、そのまま本処理を終了し、メイン処理(図78参照)へ戻る。
一方、S4201の処理において、入賞情報が存在すると判別した場合は(S4201:Yes)、次いで、入賞情報の中に特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を示す入賞情報が存在するか否かを判別する(S4202)。そして、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を示す入賞情報が存在すると判別された場合は(S4202:Yes)、払出カウンタ202nの値を読み出して、払出速度選択テーブル202gの規定内容と比較することにより、今回の賞球の払い出しを行う際の、払出モータ216の回転速度(払い出し速度)を特定する(S4203)。そして、特定した払い出し速度を示す情報と、払い出す賞球の個数を示す情報とを含んだ払出コマンドを設定し(S4204)、本処理を終了する。
S4202の処理において、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を示す入賞情報が存在しない(即ち、第1入球口64、または普通入球口67への入賞情報のみが存在する)と判別した場合は(S4202:No)、通常速度に対応する払い出し速度(即ち、1秒間に賞球が10個払い出される払い出し速度)を示す情報と、払い出す賞球の個数を示す情報とを含んだ払出コマンドを設定し(S4205)、本処理を終了する。S4204、またはS4205の処理により設定された払出コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図78参照)の外部出力処理(S1101)の中で、払出制御装置111に向けて送信される。払出制御装置111は、払出コマンドを受信すると、その払出コマンドから払い出す賞球の個数を示す情報と、払い出し速度を示す情報とを抽出し、抽出した情報に基づいて払い出しを実行する。
次いで、図80を参照して、上述した大当たり制御処理4について説明する。この大当たり制御処理4(図80参照)は、この大当たり制御処理3は、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)と同様に、大当たり中の特定入賞口(大開放口)65aの開閉の設定を行ったり、新たなラウンドの開始を音声ランプ制御装置113に通知するためのラウンド数コマンドを設定したりする処理である。
この大当たり制御処理4のうち、S1201〜S1210の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)のS1201〜S1210の各処理と同一の処理が実行される。そして、第5実施形態における大当たり制御処理4では、新たなラウンドの開始タイミングであると判別し(S1202)、特定入賞口(大開放口)65aの開放設定と(S1203)、ラウンド数コマンドの設定(S1204)とを行うと、次いで、払出カウンタ203nの値に1を加算して(S1241)、本処理を終了し、メイン処理(図78参照)へと戻る。新たなラウンドの開始タイミングにおいて払出カウンタ203nの値を更新することにより、各ラウンドの最初から、払い出し速度を各ラウンドに対応した速度に設定することができる。
また、本実施形態の大当たり制御処理4では、大当たりの終了を設定し(S1208)、各種カウンタ(確変中カウンタ203e、時短中カウンタ203f、特殊変動中カウンタ203g)に大当たり終了後の値を設定すると(S1209)、次いで、払出カウンタ203nの値に0を設定することでリセットし(S1242)、本処理を終了する。
<第5実施形態における払出制御装置の制御処理について>
次に、図81〜図84を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される各種処理について説明する。まず、図81は、払出制御装置111のメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
このメイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4301)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。次に、主制御装置110から送信される払出許可コマンドの受信を待機する(S4302:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S4302:Yes)、RAMアクセスを許可すると共に(S4303)、外部割込ベクタの設定を行う(S4304)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM消去スイッチ122がオンされているか否かを判別し(S4305)、オンされていると判別すれば(S4305:Yes)、バックアップデータをクリア(消去)するべく、処理をS4315へと移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S4305:No)、更にRAM213のバックアップエリアに電源遮断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S4306)、記憶されていなければ(S4306:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS4315へ移行する。バックアップエリアに電源遮断の発生情報が記憶されていれば(S4306:Yes)、RAM判定値を算出し(S4307)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S4308:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS4315へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S4315以降の処理では、RAM213の初期化処理が実行される。この初期化処理では、まず、RAM213の使用領域を0にクリアし(S4315)、RAM213の初期値を設定する(S4316)。その後、MPU211周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S4317)、割込みを許可して(S4318)、後述する払出制御処理へと処理を移行する。
一方、RAM消去スイッチ122が押されておらず(S4305:No)、電源遮断の発生情報が設定されており(S4306:Yes)、且つ、RAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S4308:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、電源遮断時のスタックポインタを復帰させ(S4309)、電源遮断の発生情報をクリアする(S4310)。また、MPU211周辺デバイスの初期設定を行い(S4311)、使用レジスタをRAM213のバックアップエリア513aから復帰させる(S4312)。更に、電源断前に割込みが許可状態にあったか否かを確認し(S4313)、割込みが許可状態であれば(S4313:Yes)、割込みを許可し(S4314)、一方、電源断時に割込みが禁止状態にあれば(S4313:No)、割込みを禁止したまま、処理を電源遮断前の番地へ戻す。
次に、図82のフローチャートを参照して、上述した払出制御処理について説明する。この払出制御処理は、払出制御装置111のメイン処理(図81参照)に続いて実行され、賞球や貸球の払い出しを設定する処理である。この払出制御処理では、まず、主制御装置110からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶し(S4401)、次いで、発射制御装置112に対して発射許可の設定を行う(S4402)。そして、状態復帰スイッチの状態をチェックし、状態復帰スイッチが押下されている場合は、状態復帰動作を実行する(S4403)。ここで、状態復帰スイッチは、球詰まり等の払出エラーが発生した場合に、ホールの店員等が押下することで、払出モータ216に対して状態復帰動作を行わせるためのスイッチである。具体的には、状態復帰スイッチが押下されると、状態復帰動作として、払出モータ216が通常とは逆向きに回転し、球詰まりの解消(即ち、正常状態への復帰)が図られるように構成されている。
その後、下皿ユニット15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S4404)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿ユニット15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S4405)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置111に設けた7セグメントLEDにより報知する(S4406)。
次に、S4407〜S4409の各処理により、賞球を払い出すための処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく、且つ、S4401の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S4407:No,S4408:No)、賞球制御処理を開始する(S4409)。一方、賞球の払出不可状態(S4407:Yes)または総賞球個数が0であれば(S4408:Yes)、貸球を払い出すための処理に移行する。なお、賞球制御処理(S4409)については、図83を参照して後述する。
S4410〜S4412の貸球を払い出すための処理では、貸球の払出不可状態でなく、且つ、カードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S4410:No,S4411:Yes)、貸球制御処理(S4412)を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S4410:Yes)または貸球払出要求を受信していなければ(S4411:No)、後続の球抜き処理を実行する(S4413)。なお、貸球制御処理(S4412)については、図84を参照して後述する。
球抜き処理(S4413)では、状態復帰スイッチをチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ216を駆動させ、球抜き処理を実行する(S4413)。続いて、球詰まり状態であることを条件にタンクレールに設けられたバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する(S4414)。具体的には、タンクレール付近において球詰まりが生じている場合に、バイブレータを駆動することによりタンクレールに対して振動を加え、球詰まりの解消を図っている。その後は、本払出制御処理の先頭に戻り、以降は前述したS4401〜S4414の処理を繰り返し実行する。
次いで、図83を参照して、上述した賞球制御処理について説明する。図83は、この賞球払出処理を示すフローチャートである。この賞球払出処理では、まず、払出モータ216の回転速度を、主制御装置110より出力された払出コマンドに基づく速度で駆動し、賞球の払出を実行する(S4501)。次いで、払出モータ216の回転が正常であるか否かを払出回転センサの検出結果により判別し(S4502)、正常でないと判別した場合は(S4502:No)、払出モータ216を駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ216の停止処理を実行し(S4503)、本処理を終了して払出制御処理(図82参照)に戻る。
また、払出モータ216の回転が正常であると判別した場合は(S4502:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S4504)。そして、遊技球のカウントが正常でないと判別した場合は(S4504:No)、払出モータ216を駆動させてリトライ処理を実行すると共に、払出モータ216の停止処理を実行し(S4505)、本処理を終了して払出制御処理(図82参照)に戻る。
更に、S4504の処理の結果、遊技球のカウントが正常であると判別した場合は(S4504:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達したか否か(即ち、払出コマンドにより指示された賞球の払い出しが完了したか否か)を判別し(S4506)、払出が完了していれば(S4506:Yes)、払出モータ216の停止処理を実行し(S4507)、本処理を終了して払出制御処理(図82参照)に戻る。一方、S4506の処理において、賞球の払い出しが完了していないと判別した場合は(S4506:No)、そのまま本処理を終了し、払出制御処理(図82参照)に戻る。
次いで、図84を参照して、上述した貸球制御処理について説明する。図84は、この貸球制御処理を示すフローチャートである。貸球制御処理では、まず、払出モータ216を駆動させて貸球の払出を実行する(S4601)。次いで、払出モータ216の回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S4602)、正常でないと判別した場合は(S4602:No)、払出モータ216を駆動させてリトライ処理を実行すると共に、払出モータ216の停止処理を実行し(S4603)、本処理を終了して払出制御処理(図82参照)に戻る。
また、S4602の処理において、払出モータ216の回転が正常であると判別した場合は(S4602:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S4604)。そして、S4604の処理において、遊技球のカウントが正常でないと判別した場合は(S4604:No)、払出モータ216を駆動させてリトライ処理を実行すると共に、払出モータ216の停止処理を実行し(S1205)、本処理を終了して払出制御処理(図82参照)に戻る。
更に、S4604の処理において、遊技球のカウントが正常であると判別した場合は(S4604:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払い出しが完了したか否かを判別し(S4606)、払い出しが完了していれば(S4606:Yes)、払出モータ216の停止処理を実行して(S4607)、本処理を終了する。一方、S4606の処理において、所定の貸球個数(25個)の払い出しが完了していないと判別した場合は(S4606:No)、そのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりのラウンドが進むにつれて、賞球を払い出すために駆動される払出モータ216の回転速度(払い出し速度)が遅くなるように構成している。これにより、大当たりの賞球が払い出される時間を長引かせることができるので、大当たりが終了した後(即ち、疑似インターバル演出中)も賞球を払い出させ続けることができる。よって、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができる。従って、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中のインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。また、疑似インターバル演出後に大当たりとならなかった場合でも、賞球が払い出され続けることにより、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、大当たりが継続しなかったことに対する失望感を軽減することができる。
本実施形態では、払出モータ216の回転速度を遅くすることで、1秒当たりに払い出すことができる賞球の個数が少なくなるように構成していた(つまり、賞球を払い出すのに要する時間を長くしていた)が、これに限られるものではない。例えば、払出休止期間の頻度を高くすることにより、払い出し速度を遅くしてもよい。具体的には、例えば、通常時に10個の賞球が払い出される度に設定される1秒間の払出休止期間が設定されているが、大当たりのラウンド数が進むにつれて、8個の賞球の払い出し毎や、5個の賞球の払い出し毎に払出休止期間を設定するように構成してもよい。また、ラウンド数が進むにつれて、払出休止期間が長くなっていくように構成してもよい。
本実施形態では、3ラウンド目までは毎ラウンド必ず払い出し速度が遅くなり、3ラウンド目以降は払い出し速度の最も遅い「低速3」に設定されるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、各ラウンドの開始時に、払い出し速度を遅くするか否かの抽選を実行するように構成し、ランダムに払い出し速度が遅くなるように構成してもよい。また、ラウンド数に応じて払い出し速度を増減するように構成してもよい。例えば、ラウンド数の多い「大当たりD(15ラウンド大当たり)」が連続すると、賞球の大半を最も遅い払い出し速度(低速3)で払い出すこととなる。このため、大当たり、および疑似インターバル演出が終了し、通常の変動パターン演出が実行されるようになってからも、延々と賞球の払い出しが実行され続ける場合がある。この場合、遊技者がパチンコ機10の払出制御に不具合が生じているのではないかと不安感を抱かせてしまう虞がある。よって、例えば、「大当たりD」の5ラウンド目〜12ラウンド目では通常の払い出し速度に戻す構成とし、13ラウンド目〜15ラウンド目において、再度1段階ずつ払い出し速度を遅くしていくように構成してもよい。また、「大当たりD」の途中のラウンド(例えば、5ラウンドや10ラウンド)において、払い出し速度が通常速度よりも速くなるように構成してもよい。これらにより、通常の変動パターン演出が実行されるようになってからも賞球の払い出しが実行され続けることを防止することができる。よって、遊技者に対して、パチンコ機10に不具合が生じたと誤認させてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、大当たりの各ラウンドの開始を契機として払い出し速度を遅くしているが、払い出し速度を可変する契機はこれに限られるものではない。例えば、各ラウンドにおいて、球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した回数に基づいて払い出し速度を可変させてもよい。例えば、1回目〜7回目に球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した場合は、通常速度で賞球の払い出しを行い、8回目に球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した場合は、払い出し速度を「低速1」に設定して賞球の払い出しを行い、9回目に球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した場合は、払い出し速度を「低速2」に設定して賞球の払い出しを行い、10回目に球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した場合は、払い出し速度を「低速3」に設定して賞球の払い出しを行うように構成してもよい。これにより、1のラウンド期間において、期間の後半ほど払い出し速度を遅くすることができるので、各ラウンド終了後のインターバル期間中、または疑似インターバル演出中にも賞球を払い出させることができる。よって、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができる。従って、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中に実行されるインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。また、疑似インターバル演出後に大当たりとならなかった場合でも、賞球が払い出され続けることにより、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、大当たりが継続しなかったことに対する失望感を軽減することができる。
また、特定入賞口(大開放口)65aへと球が入賞したことに基づいて払い出される賞球の払い出し速度を、他の入球口(第1入球口64や、普通入球口67等)へと球が入賞したことに基づいて払い出される賞球の払い出し速度よりも遅くし、特殊変動期間にも賞球が払い出され続けるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者の意識を払い出される賞球に向けることができるので、疑似インターバル演出と大当たり中のインターバル演出とを区別することをより困難とすることができる。また、疑似インターバル演出後に大当たりとならなかった場合でも、賞球が払い出され続けることにより、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、大当たりが継続しなかったことに対する失望感を軽減することができる。また、大当たり中は賞球の払い出しが多くなるので、大当たりの後半に払い出し速度を遅くすることで、払出モータ216の過剰な発熱を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、全ての大当たりにおいて一律に、ラウンドが進むにつれて払い出し速度が遅くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり中に先読みを実行し、大当たりとなる抽選結果が保留されていると判別した場合は賞球の払い出し速度を遅くし、大当たり後の疑似インターバル演出中にも賞球が払い出され続けるように構成してもよい。これにより、今回の大当たりと、次の大当たりとの間に実行される疑似インターバル演出において、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができるので、大当たりが一旦終了していることを遊技者に気づかれにくくすることができる。よって、大当たりが長く継続しているように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。逆に、大当たり中の先読みにおいて、大当たりとなる抽選結果が保留されていない間は、ラウンドが進む毎に払い出し速度を遅くしていき、大当たりとなる抽選結果が保留されていると判別した場合は、払い出し速度を通常速度(または、通常よりも速い速度)に設定するように構成してもよい。大当たり中に大当たりとなる抽選結果が保留されていなければ、疑似インターバル演出の結果、大当たりの終了が報知される可能性が有る。この場合に、賞球の払い出し速度を遅くし、大当たりの終了が報知された後も賞球が払い出され続けるようにしておけば、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、大当たりが継続しなかったことに対する失望感を軽減することができる。一方、疑似インターバル演出を経由して再度大当たりになる場合は、次の大当たりにおいても賞球が多量に払い出されるため、賞球を払い出すのに要する時間が長期化してしまう場合がある。つまり、大当たりと疑似インターバル演出との繰り返しが終了した後(つまり、通常の変動パターン演出の実行中)に、賞球の払い出しが長時間実行され続けてしまう虞があり、遊技者に対してパチンコ機10に不具合が起きてしまったと誤認させてしまう虞がある。よって、大当たりとなる抽選結果が保留されていると判別した場合に、払い出し速度を通常速度(または、通常よりも速い速度)に設定することにより、通常の変動パターン演出の実行中に延々と賞球の払い出しが実行され続けることを抑制できる。従って、遊技者に対してパチンコ機10に不具合が生じたと誤認させてしまうことを抑制することができる。
また、大当たりの1ラウンド目において、賞球の払い出し速度を通常速度よりも早くなるように(例えば、1秒間に15個の賞球が払い出される速度となるように)構成してもよい。これにより、大当たり遊技に用いる球をより早く確保することができるので、大当たり遊技中に持ち球がなくなってしまい、遊技者が大当たり中の遊技を行うことができない状況が発生してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対し、大当たり中の遊技をより楽しませることができる。また、疑似インターバル演出を経由して大当たりとなった場合(即ち、前回の大当たりが終了してから短い期間で再度大当たりとなった場合)は、1ラウンド目の払い出し速度を通常速度に設定し、疑似インターバル演出を経由せずに新たに大当たりとなった場合は、払い出し速度が速くなるように構成してもよい。疑似インターバル演出を経由して大当たりとなる場合は、前回の大当たりの終了から短い期間で連続して大当たりとなっているので、大当たり遊技に用いるために十分な個数の球を遊技者が既に確保しているためである。また、1ラウンド目に必ず払い出し速度が速くなる構成とすると、疑似インターバル演出を経由した大当たりにおいて、遊技者が払い出し速度の違いを認識し、現在が1ラウンド目であるか否かを認識できてしまう虞がある。本実施形態では、2ラウンド以下のラウンド数の大当たりが存在しないので、現在が1ラウンド目であると認識できてしまえば、その後の少なくとも2回のインターバル演出において大当たりの継続が示唆表示されると認識できてしまう。つまり、2回分のインターバル演出の結果が先に予測できてしまうため、その2回分のインターバル演出を楽しむことができなくなってしまう。これに対して、疑似インターバル演出を経由して大当たりとなった場合に、1ラウンド目の払い出し速度を通常の速度としておけば、遊技者が新たな大当たりの1ラウンド目であるか否かを認識することが困難とすることができる。よって、毎回のインターバル演出において、大当たりが継続するか否かを注意深く確認させることができる。従って、毎回のインターバル演出において、遊技者を楽しませることができる。
本実施形態では、払出コマンドに賞球の個数を示す情報と、払出モータ216の回転速度を示す情報とを含めていたが、払出コマンドが1個の賞球の払い出しを示す情報となるように構成してもよい。例えば、15個の賞球の払い出しを行わせる場合には、払出コマンドを15回連続して出力するように構成してもよい。また、大当たりのラウンドが進む毎に、1秒間あたりに出力できる払出コマンドの数を少なくしていく(払出コマンドを出力する間隔を長くする)ように構成してもよい。例えば、大当たりの1ラウンド目では、1秒間あたり最大で10回払出コマンドを出力可能に構成し、2ラウンド目では、1秒間あたり最大で8回払出コマンドを出力可能に構成し、3ラウンド目では、1秒間あたり6回払出コマンドを出力可能に構成し、4ラウンド以降は、1秒間あたり5回払出コマンドを出力可能に構成してもよい。これにより、賞球の払い出しが開始されてから終了するまでの時間を遅くすることができるので、疑似インターバル演出中にも賞球の払い出しを行わせることができる。よって、遊技者の意識を払い出される賞球に向けることができるので、疑似インターバル演出を注視されることを抑制することができる。従って、疑似インターバル演出と大当たり中のインターバル演出とを区別することをより困難とすることができる。
本実施形態では、払出コマンドに賞球の個数を示す情報と、払出モータ216の回転速度を示す情報とを含めていたが、払出コマンドには賞球の個数を示す情報のみを含めておき、払出制御装置111によって、払出モータ216の回転速度を可変させるように構成してもよい。具体的には、例えば、特定入賞口(大開放口)65aへ球が入賞したことに基づく払出コマンド(15個の賞球に対応する払出コマンド)の頻度によって、現在がラウンド中であるかインターバル中であるかを判別してラウンド数を把握し、その把握したラウンド数に基づいて賞球の払出速度を遅くしていくように構成してもよい。また、例えば、賞球の払出コマンドが連続的に出力され、新しく出力された払出コマンドに対応する賞球の払い出しが保留されている状況となった場合に、つまり、時間的に前に出力された払出コマンドに対応する賞球の払い出しが続いているために、新しく出力された払い出しコマンドに対応する賞球の払い出しがストックされている状況となった場合に、払出速度を遅くするように構成してもよい。また、この場合において、ストックされている未払い出しの賞球の個数に基づいて払出速度を可変させるように構成してもよい。例えば、未払い出しの賞球の個数が10個となった場合に、払出速度を通常速度よりも遅くする(例えば、低速1にする)ように構成してもよい。また、例えば、未払い出しの賞球の個数が30個となった場合に、払出速度を低速2に設定し、未払い出しの賞球の個数が50個となった場合に、払出速度を低速3に設定するように構成してもよい。このように、払出制御装置111によって払出速度を可変させる構成とすることにより、主制御装置110から出力される払出コマンドの種類を削減することができる。また、大当たり中の主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。よって、大当たり中の主制御装置110の処理負荷が増大し、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖タイミングが遅れてしまったり、逆に、特定入賞口(大開放口)65aの開放タイミングが遅れてしまったりする等の不具合が発生することを抑制することができる。
更に、払出制御装置111においてストックされた未払い出しの賞球の一部を大当たりの終了まで保持しておき、大当たりが終了してからストックされた賞球を払い出すように構成してもよい。これにより、疑似インターバル演出中にも賞球の払い出しを行わせることができるので、遊技者の意識を払い出される賞球に向けることができる。よって、疑似インターバル演出と大当たり中のインターバル演出とを区別することをより困難とすることができる。なお、大当たりが終了した時点でストックされた賞球の払い出しを開始しても良いし、所定の契機に基づいて払い出すように構成してもよい。所定の契機とは、例えば、大当たり終了後最初に実行された変動パターン演出において、図柄が確定表示されたタイミングや、大当たりが終了してから最初に始動入賞したタイミング等が挙げられる。
また、本実施形態では、疑似インターバル演出を行うパチンコ機10に対して払い出し速度を可変させる例について説明したが、疑似インターバル演出の機能を有していない遊技機に対して払い出し速度を可変させるように構成してもよい。具体的には、大当たりのラウンド数が進むにつれて、払い出し速度を遅くすることで、大当たりの終了後にも一定期間賞球の払い出しが続くように構成してもよい。これにより、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第5実施形態の変形例について>
次いで、図85〜図89を参照して、第5実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明する。第5実施形態のパチンコ機10では、払出モータ216の回転速度(払い出し速度)を可変することにより、賞球が払い出されるのに要する期間を可変していた。これにより、疑似インターバル演出中にも大当たりの賞球を払い出させ続け、遊技者の意識が払い出される賞球に向かうようにしていた。
これに対して、本変形例では、パチンコ機10に球を供給する島設備に対して、パチンコ機10より球の供給の停止および開始を実行させる信号を出力可能に構成している。そして、大当たりの終盤において島設備側から球が供給されにくくなるように制御し、大当たり終了後の疑似インターバル演出中にも賞球が払い出され続けるように構成している。これにより、第5実施形態のパチンコ機10と同様に、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができる。よって、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中のインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。また、疑似インターバル演出後に大当たりとならなかった場合でも、賞球が払い出され続けることにより、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、大当たりが継続しなかったことに対する失望感を軽減することができる。
この変形例におけるパチンコ機が、第5実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、外部出力端子板261が主制御装置110、および払出制御装置111に対して電気的に接続されている点、主制御装置110において、ROM202に払出速度選択テーブル202gに代えて、球供給設定テーブル202hが設けられている点、および、RAM203に供給停止フラグ203o、停止期間カウンタ203p、供給期間カウンタ203qが追加されている点、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図78参照)に含まれる一部処理が異なっている点である。その他の構成や、主制御装置110によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については第5実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第5実施形態のパチンコ機10と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第5実施形態の変形例における電気的構成について>
まず、図85〜図87を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図85は、本変形例のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図85に示した通り、本変形例のパチンコ機10では、第5実施形態における電気的構成に加え、外部出力端子261が設けられている。この外部出力端子261は、主制御装置110、および払出制御装置111と電気的に接続され、パチンコ機10に関する各種情報を外部に出力するために用いられる。ここで、パチンコ機10に関する各種情報とは、遊技機が大当たり中であるか否かを示す情報や、特別図柄の変動中であるか否かの情報、賞球の払い出し個数を示す情報、球の供給が必要か否かを示す情報等が挙げられる。これらの情報は、外部出力端子261を介して、島設備やホールコンピュータ等に出力される。
ホールコンピュータは、外部出力端子261を介して出力された情報に基づき、パチンコ機10の出球率を把握したり、パチンコ機10に対する不正の有無を判断することが可能に構成されている。また、島設備は、外部出力端子261を介して出力された情報に基づき、パチンコ機10に対して球の供給、または球の供給停止を行う。なお、パチンコ機10自体にも、球を貯蔵するためのタンクが設けられているが、貯蔵可能な球の数が少ない(例えば、150個)ため、例えタンクが満タンの状態で大当たりが開始されたとしても、大当たりの途中でタンクに貯蔵した球が用い尽くされてしまうように構成されている。よって、少なくとも大当たりの途中からは、島設備より追加の球の供給を受けることにより、大当たりにおける全ての賞球を払い出すことができるように構成されている。
次いで、図86(a)を参照して、本変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110に設けられているROM202について説明する。図86(a)は、本変形例におけるROM202の構成を示すブロック図である。図86(a)に示す通り、本変形例におけるROM202には、第5実施形態におけるROM202に規定されていた払出速度選択テーブル202gに代えて、球供給設定テーブル202hが設けられている。詳細については図87を参照して後述するが、この球供給設定テーブル202hは、大当たりの各ラウンドにおいて、島設備からの球の供給の状態を設定するために参照されるデータテーブルである。この球供給設定テーブル202hを参照することにより、大当たりの後半のラウンドほど賞球の払い出し速度を遅くすることができる。よって、大当たり中における賞球の払い出しが、大当たり終了後(つまり、疑似インターバル演出中)も継続されるので、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができる。よって、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中のインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。
図86(b)は、本変形例におけるパチンコ機10の主制御装置110に設けられているRAM203の構成を示すブロック図である。図86(b)に示す通り、本変形例におけるRAM203には、第5実施形態におけるRAM203の構成に加え、供給停止フラグ203oと、停止期間カウンタ203pと、供給期間カウンタ203qとが設けられている。
供給停止フラグ203oは、島設備からの球の供給が停止されているか否かを示すフラグであり、この供給停止フラグ203oがオフであれば、島設備に対して球の供給を停止させていることを示す。この供給停止フラグ203oは、大当たりのラウンド毎に定められた時間間隔でオンとオフとが切り替えられる。また、大当たりの開始時にオンに設定される。
停止期間カウンタ203pは、島設備に対して球の供給を停止させている場合において、その停止期間をカウントするカウンタである。本変形例では、球の供給停止を指示してから1秒間、供給停止状態を保持する(即ち、供給許可を設定しない)ように構成されている。この停止期間カウンタ203pは、大当たりのラウンド毎に定められた時間間隔で初期値(250)が設定され、メイン処理(図88参照)の度にその値が0となるまで1ずつ減算されるように構成されている。
供給期間カウンタ203qは、島設備に対して球の供給を許可している場合において、その許可期間をカウントするカウンタである。本変形例では、大当たりのラウンド開始後、または、球の供給の停止が解除されてから、ラウンド毎に定められた時間だけ球の供給を許可するように構成されている。この供給期間カウンタ203qは、球の供給を許可するタイミングとなる度に、上述した球供給設定テーブル202h(図87参照)に規定された時間に対応する値が初期値として設定される。
次いで、図87を参照して、上記球供給設定テーブル202hについて説明する。上述した通り、球供給設定テーブル202hは、大当たりの各ラウンドにおいて、島設備からの球の供給を停止させる頻度を設定するためのデータテーブルである。図87に示した通り、球供給設定テーブル202hには、球の供給を停止する頻度が、払出カウンタ203nの値に対応付けて(即ち、大当たりのラウンド数に対応付けて)規定されている。
具体的には、払出カウンタ203nの値が0(即ち、1ラウンド目)の場合、島設備に対して球の供給停止を指示することはない。このため、パチンコ機10のタンク内に貯蔵された球が優先的に払い出される。また、払出カウンタ203nの値が1(即ち、2ラウンド目)の場合は、島設備に対して、10秒間に1回の頻度で球の供給が停止される。より具体的には、2ラウンド目の開始から9秒間だけ球の供給が許可され、9秒後〜10秒の間は球の供給が停止される。そして、以降は9秒間の供給許可状態と、1秒間の供給停止状態とが、ラウンドの終了まで繰り返される。なお、この状態で、賞球の払い出し要求に対して実際の払い出しが遅れていくように、島設備から供給される球の供給量が設定されている。
また、払出カウンタ203nの値が2(即ち、3ラウンド目)の場合は、島設備に対して、5秒間に1回の頻度で球の供給が停止される。より具体的には、3ラウンド目の開始から4秒間だけ球の供給が許可され、4秒後〜5秒の間は球の供給が停止される。そして、以降は4秒間の供給許可状態と、1秒間の供給停止状態とが、ラウンドの終了まで繰り返される。更に、払出カウンタ203nの値が3〜14(即ち、4ラウンド目〜15ラウンド目)の場合は、島設備に対して、2秒間に1回の頻度で球の供給が停止される。より具体的には、各ラウンドの開始から1秒間だけ球の供給が許可され、1秒後〜2秒の間は球の供給が停止される。そして、以降は1秒間の供給許可状態と、1秒間の供給停止状態とが、各ラウンドの終了まで繰り返される。
この払出カウンタ203nを参照して、供給許可状態と、供給停止状態とを設定することにより、大当たりのラウンド数が進むほどに、島設備に対して球の供給を停止する頻度を高くすることができる。即ち、払い出すための球が足りなくなるという状態が起こりやすくなり、賞球の払い出しを中断され易くすることができる。よって、大当たりのラウンドが進むほど、賞球の払い出しが開始されてから払い出しが完了するまでの期間を長くすることができるので、賞球を大当たり終了後(つまり、疑似インターバル演出中)にも払い出させ続けることができる。従って、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることで、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中のインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。
<第5実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図88、図89を参照して、第5実施形態の変形例における主制御装置110のMPUにより実行される各種処理について説明する。まず、図88は、本変形例における主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、上述の通り、4ms周期で遊技の主要な制御を実行する処理である。
このメイン処理のうち、S1101〜S1103、S1105〜S1116、およびS1142の各処理では、それぞれ第5実施形態におけるメイン処理(図78参照)におけるS1101〜S1103、S1105〜S1116、およびS1142の各処理と同一の処理が実行される。そして、本変形例におけるメイン処理では、第5実施形態における払出コマンド設定処理(図79参照)に代えて、球供給設定処理(S1151)が実行される。この球供給設定処理は、大当たりの各ラウンドにおいて、島設備に対する球の供給、または球の供給の停止を設定するための処理である。なお、球供給設定処理(S1151)の詳細については、続く図89を参照して説明する。
次いで、図89を参照して、上述の球供給設定処理について説明する。この球供給設定処理は、上述した通り、大当たりの各ラウンドにおいて、島設備に対する球の供給、または球の供給の停止を設定するための処理である。なお、この球供給設定処理において設定された島設備に対する指示内容は、外部出力端子板261を介して島設備へと出力される。
球供給設定処理(図89参照)では、まず、現在が大当たり中であるか否かを判別し(S4701)、大当たり中でないと判別した場合は(S4701:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4701の処理において、現在が大当たり中であると判別した場合は(S4701:Yes)、次いで、払出カウンタ203nの値が0(即ち、大当たりの1ラウンド目)であるか否かを判別する(S4702)。そして、払出カウンタ203nの値が0であると判別された場合は(S4702:Yes)、島設備に対して球の供給の停止を設定する必要がないので、そのまま本処理を終了する。
S4702の処理において、払出カウンタ203nの値が0でない(即ち、1〜14である)と判別した場合は、次いで、供給停止フラグがオンであるか否かを判別する(S4703)。供給停止フラグがオンであると判別した場合は(S4703)、島設備からの球の供給が停止している状態にあることを意味するので、停止期間カウンタ203pの値を1減算することにより、値を更新し(S4704)、更新後の停止期間カウンタ203pの値が0であるか(即ち、島設備からの球の供給を停止する期間が経過したか)否かを判別する(S4705)。
S4705の処理において、停止期間カウンタ203pの値が0でないと判別した場合は、島設備からの球の供給を停止する期間である1秒間が経過していないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。一方、S4705の処理において、停止期間カウンタ203pの値が0であると判別した場合は、島設備に対して球の供給を再開させるため、供給許可を設定する(S4706)。次いで、払出カウンタ203nの値と、球供給設定テーブル202hとを参照し、供給期間カウンタ203qに初期値を設定する(S4707)。そして、供給停止フラグ203oをオフに設定して(S4708)、本処理を終了する。なお、供給期間カウンタ203qに設定する初期値は、球供給設定テーブル202hに規定されている許可期間に対応する値である。例えば、払出カウンタ203nの値が1であれば、許可期間が9秒なので、9秒に対応するカウンタ値である2250が設定される。
S4703の処理において、供給停止フラグ203oがオフであると判別した場合は(S4703:No)、現在、島設備に対して球の供給を許可している状態であることを示すので、供給期間カウンタ203qの値を1減算することにより値を更新し(S4709)、更新後の供給期間カウンタ203qの値が0であるか(即ち、島設備からの球の供給を許可する期間が経過したか)否かを判別する(S4710)。
S4710の処理において、供給期間カウンタ203qの値が0でないと判別した場合は(S4710:No)、島設備に対して球の供給を許可する期間が経過していないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。一方、S4710の処理において、供給期間カウンタ203qの値が0であると判別した場合は(S4710:Yes)、島設備に対して球の供給を停止させるための供給停止を設定する(S4711)。次いで、停止期間カウンタ203pの値に、1秒間に対応する値である250(1秒÷4ms)を設定し(S4712)、供給停止フラグ203oをオンに設定して(S4713)、本処理を終了する。
この球供給設定処理(図89参照)により設定された球の供給許可、または供給停止は、外部出力端子261を介して島設備へと出力される。島設備は、外部出力端子261を介して電気的に接続されている各パチンコ機10の指示に基づいて、球の供給を行う。
以上説明した通り、本変形例のパチンコ機10では、大当たりのラウンドが進むほど、球を供給する島設備に対して球の供給を停止する頻度が高くなるように構成している。即ち、払い出すための球が足りなくなるという状態が起こりやすくなり、賞球の払い出しを中断され易くしている。よって、大当たりのラウンドが進むほど、賞球の払い出しが開始されてから払い出しが完了するまでの期間を長くすることができるので、賞球を大当たり終了後(つまり、疑似インターバル演出中)にも払い出させ続けることができる。従って、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることで、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中のインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。
本変形例では、球の供給停止の頻度を可変させることにより、賞球の払い出される期間を可変させているが、球の供給停止期間を可変させることにより、賞球の払い出される期間を可変させるように構成してもよい。例えば、ラウンドが進むにつれて、球の供給停止期間を1秒ずつ増やしていってもよい。これにより、本変形例と同様に、大当たりの後半ほど賞球の払い出される期間を長くすることができる。よって、疑似インターバル演出中にも賞球を払い出させ続けることができるので、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができる。従って、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中のインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。
本変形例では、3ラウンド目までは毎ラウンドで球の供給の停止頻度が高くなり、3ラウンド目以降は球の供給停止頻度が最も高く設定されるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、各ラウンドの開始時に、球の供給停止頻度を高くするか低くするかの抽選を実行するように構成し、ランダムに供給停止頻度が変更されるように構成してもよい。また、ラウンド数に応じて球の供給停止頻度を増減するように構成してもよい。例えば、ラウンド数の多い「大当たりD(15ラウンド大当たり)」が連続すると、賞球の大半を最も球の供給の停止頻度が高い状態で払い出すこととなる。このため、大当たり、および疑似インターバル演出が終了し、通常の変動パターン演出が実行されるようになってからも、延々と賞球の払い出しが実行され続ける場合がある。この場合、遊技者がパチンコ機10の払出制御に不具合が生じているのではないかと不安感を抱かせてしまう虞がある。よって、例えば、「大当たりD」の5ラウンド目〜12ラウンド目では球の供給停止を行わない構成とし、13ラウンド目〜15ラウンド目において、再度1段階ずつ球の供給停止頻度を高くしていくように構成してもよい。これらにより、通常の変動パターン演出が実行されるようになってからも延々と賞球の払い出しが実行され続けることを防止することができる。よって、遊技者に対して、パチンコ機10に不具合が生じたと誤認させてしまうことを抑制することができる。
本実施形態では、大当たりの各ラウンドの開始を契機として球の供給停止の頻度を高くしているが、球の供給停止の頻度を可変させる契機はこれに限られるものではない。例えば、各ラウンドにおいて、球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した回数に基づいて球の供給停止の頻度を可変させてもよい。例えば、1回目〜7回目に球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した場合は、球の供給停止が設定されないように構成し、8回目に球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した場合は、10秒に1回の頻度で球の供給停止が設定され、9回目に球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した場合は、5秒に1回の頻度で球の供給停止が設定され、10回目に球が特定入賞口(大開放口)65aへと入賞した場合は、2秒に1回の頻度で球の供給停止が設定されるように構成してもよい。これにより、1のラウンド期間において、期間の後半ほど頻繁に球の供給が停止されることとなる。よって、払い出し速度が遅くなるので、各ラウンド終了後のインターバル期間中、または疑似インターバル演出中にも賞球を払い出させることができる。よって、疑似インターバル演出中に、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができる。従って、遊技者の意識が疑似インターバル演出に集中してしまうことを抑制できるので、大当たり中に実行されるインターバル演出と、大当たりが終了した後の疑似インターバル演出とを区別し難くすることができる。また、疑似インターバル演出後に大当たりとならなかった場合でも、賞球が払い出され続けることにより、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、大当たりが継続しなかったことに対する失望感を軽減することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、全ての大当たりにおいて一律に、ラウンドが進むにつれて球の供給停止の頻度が高くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり中に先読みを実行し、大当たりとなる抽選結果が保留されていると判別した場合は球の供給停止の頻度を高くし、大当たり後の疑似インターバル演出中にも賞球が払い出され続けるように構成してもよい。これにより、今回の大当たりと、次の大当たりとの間に実行される疑似インターバル演出において、遊技者の意識を賞球の払い出しに向けることができるので、大当たりが一旦終了していることを遊技者に気づかれにくくすることができる。よって、大当たりが長く継続しているように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。逆に、大当たり中の先読みにおいて、大当たりとなる抽選結果が保留されていない間は、ラウンドが進む毎に球の供給停止の頻度を高くしていき、大当たりとなる抽選結果が保留されていると判別した場合は、球の供給停止が行われないように構成してもよい。大当たり中に大当たりとなる抽選結果が保留されていなければ、疑似インターバル演出の結果、大当たりの終了が報知される可能性が有る。この場合に、球の供給停止の頻度を高くすることで賞球の払い出し速度を遅くし、大当たりの終了が報知された後も賞球が払い出され続けるようにしておけば、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、大当たりが継続しなかったことに対する失望感を軽減することができる。一方、疑似インターバル演出を経由して再度大当たりになる場合は、次の大当たりにおいても賞球が多量に払い出されるため、賞球を払い出すのに要する時間が長期化してしまう場合がある。つまり、大当たりと疑似インターバル演出との繰り返しが終了した後(つまり、通常の変動パターン演出の実行中)に、賞球の払い出しが長時間実行され続けてしまう虞があり、遊技者に対してパチンコ機10に不具合が起きてしまったと誤認させてしまう虞がある。よって、大当たりとなる抽選結果が保留されていると判別した場合に、球の供給停止が設定されないように構成することで、通常の変動パターン演出の実行中に延々と賞球の払い出しが実行され続けることを抑制できる。従って、遊技者に対してパチンコ機10に不具合が生じたと誤認させてしまうことを抑制することができる。
本変形例では、払出制御装置111のMPU211により行われる各種処理において、第5実施形態のパチンコ機10と同じ処理を実行するように構成していたが、例えば、タンクに球が無い状態となった場合は、リトライ処理を行わないように構成してもよい。本変形例では、島設備からの球の供給量を調節することで、あえて払い出す球が不足するように構成しているので、球が不足する度にリトライ処理が行われてしまうのは無駄だからである。
本変形例では、払い出す球が島設備から供給されたら順次賞球を払い出すように構成していたが、ある程度の量の球が島設備から供給されるまで払い出しを保留しておくように構成してもよい。例えば、パチンコ機10に対して合計で150個の球が供給されるまで払い出しを保留し、150個の球が供給された段階で賞球をまとめて払い出すように構成してもよい。これにより、払い出され方に抑揚をつけることができるので、遊技者を楽しませることができる。また、保留しておいた払い出しを、所定の契機に基づいて払い出すように構成してもよい。所定の契機とは、例えば、大当たり終了後最初に実行された変動パターン演出において、図柄が確定表示されたタイミングや、大当たりが終了してから最初に始動入賞したタイミング等が挙げられる。
また、本変形例では、疑似インターバル演出を行うパチンコ機10に対して球の供給停止の頻度を可変させる例について説明したが、疑似インターバル演出の機能を有していないパチンコ機10に対して球の供給停止の頻度を可変させるように構成してもよい。具体的には、大当たりのラウンド数が進むにつれて、球の供給停止の頻度を高くすることで、大当たりの終了後にも一定期間賞球の払い出しが続くように構成してもよい。これにより、遊技者に対して前回の大当たりの余韻に浸らせることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第1実施形態の変形例>
次に、図90、および図91を参照して、第1実施形態のパチンコ機10の変形例について説明する。本変形例では、第1実施形態に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理が変更されている。具体的には、入賞情報コマンドを受信した場合に、その変動が特殊変動期間を超えて実行される変動であるかを判別して、超える変動であれば、特殊演出を実行するかの決定が実行される。特殊演出では、図20(a)に示したボタンの押下を促す演出が表示される。
まず、図90を参照して、本変形例におけるコマンド判定処理について説明する。図90は、本変形例におけるパチンコ機10のコマンド判定処理を示すフローチャートである。このコマンド判定処理のうち、S1601〜S1608の各処理、およびS1610〜S1620の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36参照)のS1601〜S1608の各処理、およびS1610〜S1620の各処理と同一の処理が実行される。そして、本変形例のコマンド判定処理(図90参照)では、主制御装置110より入賞情報コマンドを受信したと判別した場合に(S1608)、次いで、先読み時間設定処理を実行し(S1650)、本処理を終了する。この先読み時間設定処理については、続く図91を参照して説明する。
図91は、コマンド判定処理(図90)のS1650の処理で実行される先読み時間設定処理(S1650)の内容を示したフローチャートである。先読み時間設定処理(図91、S1650)では、まず、主制御装置110より受信した入賞情報コマンドに基づいて、変動パターン演出の変動時間を算出し、算出した変動時間を入賞情報格納エリア223aへと格納する(S1651)。そして、その変動パターン演出が特殊変動期間として設定されている期間以上の期間まで継続するか否かを判別し(S1652)、特殊変動期間内に終了すると判別した場合は(S1652:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特殊変動期間を超える変動であると判別された場合には(S1652:Yes)、受信した入賞コマンドが示す抽選結果が大当たりであるか判別する(S1653)。そして、大当たりの抽選結果であると判別した場合には(S1653:Yes)、大当たりの変動までの各変動に対して、扉演出を設定する(S1654)。具体的には、変動実行の度に男の子が新たな扉を発見する演出を設定する。また、発見される扉には複数の態様を設けてもよく、例えば、大当たりが継続する場合には金色の豪華な扉を発見し易く構成し、大当たりが継続しない場合には、木の簡素な扉を発見し易く構成してもよい。
S1654の処理が終了すると、次いで、大当たりとなる変動の前の変動パターン演出から、大当たりとなる変動パターン演出にかけて、枠ボタン22の押下を実行することで扉が開放する演出である連打演出を設定する(S1655)。その後、この処理を終了する。
ここでは、枠ボタン22を連打することで、扉が開放して、大当たり遊技が継続していると擬似的に遊技者に思わせる演出が実行される。
また、S1653の処理において、外れの抽選結果であると判別された場合には(S1653:No)、演出カウンタ(0〜198のいずれか)を取得して(S1656)、特殊演出抽選を実行する(S1657)。特殊演出抽選では、取得した演出カウンタの値が0〜39のいずれかであるか判別する。
特殊演出抽選に当選したと判別した場合には(S1657:Yes)、受信した入賞コマンドに対応する演出の変動が終了するまでの期間を設定して、扉演出を設定する(S1658)。ここでは、特殊演出抽選に当選した保留球に対応する前に成立している特別図柄の変動表示に対応して、扉が連続して出現する演出が実行される。そして、複数変動にまたがる、枠ボタン22の押下を促す連打演出の発生を示唆する演出(連打開始前兆予告演出)を設定する(S1658)。その後、この処理を終了する。
このように、先読みを実行した結果により、複数の変動に跨った期間で演出が実行されるので、実際は複数の変動を跨いでいてもその変動の境目を遊技者に分かり難くすることができる。よって、特殊変動期間の演出に、特別図柄が変動されていることを遊技者に分かり難くすることができ、複数の大当たりが1の大当たり演出であるかのように遊技者に思わせることができる。
このように、本変形例では、特殊演出期間を超える場合に、特殊演出である連打演出が実行されるか否かの抽選が実行される。さらに、当否判定結果が当たりである場合には、強制的に特殊演出が設定されるので、遊技者は、特殊演出が表示されると、大当たりが継続するのではと、期待を持って遊技を行うことができる。よって、遊技者が遊技に飽きるのを抑制して遊技を行うことができる。また、先読み処理を実行することで、変動開始前の抽選結果に基づいて、特殊演出期間を設定することができ、より大当たり遊技を継続させる演出を実行できる。
よって、遊技者は大当たり期間が長く継続しているように感じることができ、遊技の興趣の向上を楽しむことができる。また、本実施形態では、複数の変動に対して、扉演出を実行することで、扉演出が複数回連続で設定されることで、遊技者に大当たりが継続することを期待するように構成したが、それに限らず、連打演出が開始されるまでの期間をカウントダウンするような演出を実行してもよい。
上記各実施形態では、大当たりのインターバル期間毎に扉を開く演出(図18(a),(b)参照)を行う構成としているが、扉を開く演出(図18(a),(b)参照)実行するインターバル期間と、扉を開く演出とは異なる演出を実行するインターバル期間とを設けるように構成してもよい。即ち、疑似インターバル演出とは異なる態様の演出をインターバル期間に実行するように構成してもよい。このように構成することで、異なる態様の演出が発生した時点で大当たりのインターバル中であることを遊技者に認識させることができる。よって、演出の終了後に次のラウンドが開始されることを、演出が終了する前に認識させることができるので、遊技者に対して大当たりが継続することに対する安心感を与えることができる。
また、上記各実施形態では、大当たり終了後の特殊変動期間と、特殊変動期間中に当選した大当たりのオープニング期間との合計の期間で疑似インターバル演出を行っていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりのオープニング期間を設けない構成とし、大当たり終了後の特殊変動期間において疑似インターバル演出が完結するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり中のインターバル演出、および疑似インターバル演出の演出期間を短くすることができるので、ラウンド間を短くすることができる。よって、獲得する賞球の増加速度を上げることができる。また、疑似インターバル演出を経由せずに当選した大当たりでのみオープニング期間を設け、疑似インターバル演出を経由して当選した大当たりでは、オープニング期間を設けない構成としてもよい。これにより、最初に当選した大当たりでは、オープニング期間に行われるオープニング演出により遊技者に対して、これから大当たりが開始することに対する期待感を高めることができる。また、大当たりにオープニング期間、およびエンディング期間を設けておき、これらの期間においても擬似インターバル演出を実行するように構成してもよい。また、これらの期間を、擬似インターバル演出の内容等に応じて可変させるように構成してもよい。これにより、擬似インターバル演出の内容等に応じて演出期間を設定することができるので、演出期間と演出内容とがずれること等により遊技者に対して違和感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
上記各実施形態では、大当たり中にラウンド数を表示するように構成していたが、ラウンド数を表示しなくてもよい。このように構成することで、大当たりのラウンドが残り何回付与されるのかをより分かり難くすることができるので、遊技者に対して大当たりがいつまで続くのか分からないという期待感を抱かせながら、大当たり遊技を行わせることができる。また、この場合において、擬似インターバル演出の終了表示を行う際に、大当たりと擬似インターバル演出とが繰り返されている間に遊技者が消化したトータルのラウンド数を表示するように構成してもよい。このように構成することで、消化したラウンド数を遊技者に認識させることができるので、多いラウンド数が表示されれば、遊技者に対して満足感を与えることができるし、少ないラウンド数が表示されれば、次回の大当たり遊技において、より多いラウンド数を獲得することを目標に遊技を行わせることができる。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、上記した各実施形態の一部またはすべてをそれぞれ組み合わせたパチンコ機としてもよい。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(大当たり終了後の疑似インターバル演出の期間を大当たり中のインターバル演出に合わせる)
所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果となった場合に遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態を移行させる特典遊技移行手段と、球が入球することにより所定の有価価値を付与する入球口と、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とを1の前記特典遊技状態において設定する開閉設定手段と、その開閉設定手段により前記入球口の状態を前記閉状態とする期間である閉期間を設定する閉期間設定手段と、前記抽選手段による抽選結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行する前記識別情報の動的表示の実行期間を設定する実行期間設定手段とを備え、前記実行期間設定手段は、前記特典遊技状態が終了した後の所定の期間に、前記特定の抽選結果となる前記識別情報の動的表示を実行する場合は、前記特典遊技状態が終了してから前記閉期間と同じ長さの期間が経過するまでに前記識別情報の動的表示が終了するように前記実行期間を設定可能なものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、所定の抽選を行う抽選手段により特定の抽選結果となった場合に、特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態が移行される。入球口へと球が入球することにより所定の有価価値が付与され、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とが開閉設定手段により1の特典遊技状態において設定され、その開閉設定手段により入球口の状態を閉状態とする期間である閉期間が閉期間設定手段によって設定される。抽選手段による抽選結果を示す識別情報の動的表示が、動的表示実行手段によって実行され、その識別情報の動的表示の実行期間が実行期間設定手段によって設定される。そして、特典遊技状態が終了した後の所定の期間に、特定の抽選結果となる識別情報の動的表示を実行する場合は、特典遊技状態が終了してから閉期間と同じ長さの期間が経過するまでに識別情報の動的表示が終了するように実行期間設定手段によって実行期間が設定される。
これにより、特典遊技状態が終了した後の所定の期間に特定の抽選結果となった場合に、遊技者に対して特典遊技状態が終了したことを認識され難くすることができる。よって、遊技者に対して特典遊技状態がより長く続いているように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記所定の期間において前記閉期間であることを示唆する閉期間示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、所定の期間において閉期間であることを示唆する閉期間示唆演出が示唆演出実行手段によって実行されるので、特典遊技状態が終了した後の所定の期間は、特典遊技状態が終了したことを遊技者に認識され難くすることができる。よって、遊技者に対して特典遊技状態がより長く続いているように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記実行期間設定手段は、前記所定の期間において前記識別情報の動的表示の実行期間を設定する場合に、前記所定の期間において前回設定した前記識別情報の動的表示の実行期間以下の長さの実行期間を設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、所定の期間において識別情報の動的表示の実行期が実行期間設定手段により設定される場合に、所定の期間において前回設定した識別情報の動的表示の実行期間以下の長さの実行期間が設定されるので、所定の期間の後半の方が短い実行期間の識別情報の動的表示が実行される。よって、所定の期間の後半の方が多くの所定の抽選が実行されるので、所定の期間内に特定の抽選結果となり、特典遊技状態へと移行する場合は、所定の期間の後半に移行しやすくなる。従って、次の特典遊技状態が開始されるまでの時間をバラつき難くすることができるので、特典遊技状態が終了したことを遊技者に認識され難くすることができるという効果がある。
遊技機A2又はA3において、前記動的表示実行手段は、前記所定の期間において所定回数を上限として前記識別情報の動的表示を実行するものであり、前記所定回数の前記識別情報の動的表示のうち、最後の前記識別情報の動的表示を実行する場合に、前記閉期間と同じ長さの期間が経過することに基づいてその識別情報の動的表示を終了するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の期間において所定回数を上限として識別情報の動的表示が動的表示実行定手段によって実行される。また、所定回数の識別情報の動的表示のうち、最後の識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行される場合に、閉期間と同じ長さの期間が経過することに基づいて識別情報の動的表示が終了される。
これにより、閉期間示唆演出を実行する期間が、閉期間と同一の長さの期間となるように設定されるので、閉期間であるか、特典遊技状態が終了して閉期間示唆演出が実行されているのかを遊技者に判別させ難くすることができる。よって、遊技者に対して特典遊技状態が終了した後も特典遊技状態中であると感じさせることができるので、遊技者に対して特典遊技状態が長く続いているように感じさせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4において、前記実行期間設定手段は、前記所定の期間において前記特定の抽選結果を示す前記識別情報の動的表示の実行期間を設定する場合に、前記閉期間と同じ長さの期間に対する残り期間を前記識別情報の動的表示の実行期間として設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、所定の期間において特定の抽選結果を示す識別情報の動的表示の実行期間が実行期間設定手段により設定される場合に、閉期間と同じ長さの期間に対する残り期間が識別情報の動的表示の実行期間として設定されるので、所定の期間において特定の抽選結果となるか否かに関わらず、閉期間であるか、特典遊技状態が終了して閉期間示唆演出が実行されているのかを遊技者に判別させ難くすることができる。よって、遊技者に対して特典遊技状態が終了した後も特典遊技状態中であると感じさせることができるので、遊技者に対して特典遊技状態が長く続いているように感じさせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A4又はA5のいずれかにおいて、前記実行期間設定手段は、前記所定の期間において前記識別情報の動的表示の実行期間を設定する場合に、前記所定回数に対する残りの回数に基づいて設定するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5のいずれかが奏する効果に加え、所定の期間において識別情報の動的表示の実行期間が実行期間設定手段によって設定される場合に、所定回数に対する残りの回数に基づいて動的表示の実行期間が設定されるので、閉期間示唆演出の長さをバラつき難くすることができる。よって、閉期間であるか、特典遊技状態が終了して閉期間示唆演出が実行されているのかを遊技者に判別させ難くすることができるという効果がある。
遊技機A2からA6のいずれかにおいて、前記実行期間設定手段は、前記閉期間と同じ長さの期間において前記識別情報の動的表示の実行期間を設定する場合に、前記閉期間と同じ長さの期間が経過するまでの残り時間に基づいて設定するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A2からA6のいずれかが奏する効果に加え、閉期間と同じ長さの期間において識別情報の動的表示の実行期間が実行期間設定手段によって設定される場合に、閉期間と同じ長さの期間が経過するまでの残り時間に基づいて実行期間が設定されるので、閉期間示唆演出の長さをバラつき難くすることができる。よって、閉期間であるか、特典遊技状態が終了して閉期間示唆演出が実行されているのかを遊技者に判別させ難くすることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記閉期間設定手段は、長さの異なる複数の期間から1の期間を選択して前記閉期間として設定するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA4の奏する効果に加え、閉期間設定手段によって、長さの異なる複数の期間から1の期間が選択されて閉期間として設定されるので、閉期間の長さを多様化することができる。よって、閉期間であるか、特典遊技状態が終了して閉期間示唆演出が実行されているのかを遊技者に判別させ難くすることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、1の前記閉期間と同じ長さの期間が終了するまでに前記抽選手段により実行される抽選において前記特定の抽選結果とならなかった場合に、前記特典遊技状態が終了したことを報知する終了報知手段を備えることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、1の閉期間と同じ長さの期間が終了するまでに抽選手段により実行される抽選が特定の抽選結果とならなかった場合に、特典遊技状態が終了したことが終了報知手段によって報知されるので、遊技者に対して特典遊技状態が終了したことを認識させることができるという効果がある。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記動的表示実行手段は、前記閉期間と同じ長さの期間において前記識別情報の動的表示を実行する場合に、前記識別情報を遊技者の視線の中心から外れた位置で動的表示させるものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1からA9のいずれかが奏する効果に加え、閉期間と同じ長さの期間において動的表示実行手段によって識別情報の動的表示が実行される場合に、識別情報が遊技者の視線の中心から外れた位置で時期別情報が動的表示されるので、遊技者によって識別情報の動的表示が実行されていることを認識され難くすることができる。よって、閉期間であるか、特典遊技状態が終了して閉期間示唆演出が実行されているのかを遊技者に判別させ難くすることができるという効果がある。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記特典遊技状態は、前記開閉設定手段により設定される前記開状態の回数が互いに異なる複数の種別を有するものであり、前記特典遊技移行手段は、前記抽選手段により特定の抽選結果となった場合に前記複数の種別の前記特典遊技状態の中から1の種別を選択して設定するものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態は、開閉設定手段により設定される開状態の回数が互いに異なる複数の種別を有する。抽選手段により特定の抽選結果となった場合に、複数の種別の特典遊技状態の中から特典遊技移行手段によって1の種別が選択されて設定される。
これにより、特典遊技状態において開状態が何回設定されるのかを予測し難くすることができる。よって、開状態が複数回設定された場合において、1の特典遊技状態において複数回の開状態が設定されたのか、複数回の特典遊技状態に連続して移行したことにより複数回の開状態が設定されたのかを区別し難くすることができる。従って、開状態が多く設定されることを期待させながら遊技を実行させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴B群>(大当たり後にインターバル演出と同じ演出を実行)
演出を実行する演出実行手段と、所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果となった場合に遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態を移行させる特典遊技移行手段と、球が入球することにより所定の有価価値が付与される入球口と、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とを1の前記特典遊技状態において設定する開閉設定手段と、その開閉設定手段により前記入球口の状態を前記閉状態とする期間である閉期間を設定する閉期間設定手段とを備え、前記演出実行手段は、前記特典遊技状態が終了した後の所定の期間に実行する演出において、前記閉期間に実行する演出において表示する画像である閉期間画像と同一の画像を表示するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により演出が実行される。また、抽選手段により特定の抽選結果となった場合に、特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。入球口へと球が入球することにより所定の有価価値が付与され、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とが開閉設定手段により1の特典遊技状態において設定され、その開閉設定手段により入球口の状態を閉状態とする期間である閉期間が閉期間設定手段によって設定される。特典遊技状態が終了した後の所定の期間に演出実行手段によって実行される演出において、閉期間に実行する演出において表示する閉期間画像と同一の画像が表示される。
これにより、特典遊技状態が終了した後の所定の期間中に、特典遊技状態が続いているように感じさせることができる。よって、遊技者にとって有利な特典遊技状態がより長く続いているように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記特典遊技状態には、前記開閉設定手段により設定される前記開状態の回数が互いに異なる複数の種別を有するものであり、前記特典遊技移行手段は、前記抽選手段により特定の抽選結果となった場合に前記複数の種別の前記特典遊技状態の中から1の種別を選択して設定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、特典遊技状態には、開閉設定手段によって設定される開状態の回数が互いに異なる複数の種別を有し、抽選手段により特定の抽選結果となった場合に特典遊技移行手段により複数の種別の特典遊技状態の中から1の種別が選択され設定されるので、特典遊技状態となった場合に、設定される開状態の回数を予測し難くすることができる。更に、所定の期間において閉期間画像が表示されるので、開期間が複数回設定された場合に、1の特典遊技状態の開期間なのか、所定の期間に特定の抽選結果となって、特典遊技状態に複数回移行した結果として開期間が複数回設定されたのかを遊技者が予測し難くすることができる。よって、開期間が多く設定されることを期待させながら特典遊技状態中の遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記特典遊技状態が終了した後で前記閉期間と同じ長さの期間が経過したか否かを判別する期間判別手段と、その期間判別手段により前記閉期間と同じ長さの期間が経過したと判別された場合に前記特典遊技状態の終了を示唆する終了示唆演出を実行する終了示唆演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、特典遊技状態が終了した後で閉期間と同じ長さの期間が経過したか否かが期間判別手段によって判別され、閉期間と同じ長さの期間が経過したと判別された場合に特典遊技状態の終了を示唆する終了示唆演出が終了示唆演出実行手段によって実行されるので、遊技者に対して特典遊技状態が終了していたことを認識させることができるという効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記演出実行手段により前記閉期間画像が表示されている場合に、前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示は、前記閉期間画像に比較して視認し難い態様で実行されるものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかが奏する効果に加え、演出実行手段により閉期間画像が表示されている場合に、動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示が、閉期間画像に比較して視認し難い態様で実行されるので、閉期間であるか、特典遊技状態が終了した後の所定の期間であるかを遊技者に区別され難くすることができるという効果がある。
遊技機B4において、前記演出実行手段により表示される前閉期間画像、および前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示の一方又は両方を表示画面に表示可能な表示手段を備え、前記表示手段に前記閉期間画像と前記識別情報の動的表示とが表示される場合は、前記識別情報の動的表示を、前記閉期間画像に比較して狭い範囲に表示させるものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により表示される閉期間画像、および動的表示実行手段より実行される識別情報の動的表示の一方又は両方が表示手段によって表示画面に表示される。そして、表示手段に閉期間画像と識別情報の動的表示とが表示される場合は、識別情報の動的表示が、閉期間画像に比較して狭い範囲に表示される。
これにより、識別情報の動的表示が実行されていることを遊技者に認識され難くすることができる。よって、閉期間であるか、特典遊技状態が終了した後の所定の期間であるかを遊技者に区別され難くすることができるという効果がある。
遊技機B4において、前記前記演出実行手段により前記閉期間画像が表示されている場合に、前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示は、前記識別情報が半透明な態様で表示されるものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、演出実行手段による疑似休止示唆演出が実行されている場合に、動的表示実行手段による識別情報の動的表示は、識別情報が半透明な態様で表示されるので、識別情報の動的表示が実行されていることを遊技者に認識され難くすることができる。よって、閉期間であるか、特典遊技状態が終了した後の所定の期間であるかを遊技者に区別され難くすることができるという効果がある。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記付与休止期間において疑似的に識別情報の動的表示を実行する疑似動的表示実行手段を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかが奏する効果に加え、閉期間において疑似的な識別情報の動的表示が疑似動的表示実行手段によって実行されるので、閉期間であるか、特典遊技状態が終了した後の所定の期間であるかを遊技者に区別され難くすることができるという効果がある。
<特徴C群>(先読み結果に基づいて疑似インターバル演出の表示態様を決定する)
演出を実行する演出実行手段と、所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果となった場合に遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態を移行させる特典遊技移行手段と、球が入球することにより所定の有価価値が付与される入球口と、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とを1の前記特典遊技状態において設定する開閉設定手段と、その開閉設定手段により前記入球口の状態を前記閉状態とする期間である閉期間を設定する閉期間設定手段と、前記抽選手段による抽選結果に基づいて識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、前記取得手段により取得された前記情報を前記抽選条件が成立するまで記憶可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を用いて前記抽選条件が成立する前に予め前記所定の抽選を実行する事前抽選手段とを備え、前記演出実行手段は、前記特典遊技状態が終了した後の所定の期間に、前記閉期間であることを示唆する演出である閉期間示唆演出を実行するものであり、前記事前抽選手段により前記特定の抽選結果となった場合に、その特定の抽選結果を示す前記識別情報の動的表示の実行が終了するまで少なくとも前記閉期間示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により演出が実行される。所定条件の成立に基づいて取得手段により取得された情報を用いて、抽選条件の成立に基づき抽選手段により所定の抽選が行われる。抽選手段により特定の抽選結果となった場合に、特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態が移行される。入球口へと球が入球することにより所定の有価価値が付与され、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とが開閉設定手段により1の特典遊技状態において設定され、その開閉設定手段により入球口の状態を閉状態とする期間である閉期間が閉期間設定手段によって設定される。抽選手段による抽選結果に基づいて、動的表示実行手段により識別情報の動的表示が実行され、取得手段により取得された情報が記憶手段により抽選条件の成立まで記憶される。記憶手段に記憶された情報を用いて抽選条件が成立する前に事前抽選手段により予め所定の抽選が実行される。ここで、演出実行手段において、特典遊技状態が終了した後の所定の期間に、閉期間であると示唆する演出である閉期間示唆演出が実行され、事前抽選手段により特定の抽選結果となった場合に、その特定の抽選結果を示す識別情報の動的表示の実行が終了するまで少なくとも閉期間示唆演出が実行される。
これにより、特典遊技状態が終了してから、記憶手段に記憶されている特定の抽選結果を示す情報に基づいて次の特典遊技状態が開始されるまでの期間に閉期間示唆演出が実行されるので、特典遊技状態が終了せず、1の特典遊技状態が続いているように感じさせることができる。よって、遊技者にとって有利な特典遊技状態が長く続いているように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記演出実行手段は、前記所定の期間において、前記情報判別手段により、前記記憶手段に記憶された前記情報の中に所定の抽選結果となる情報があると判別され、その情報に基づいて前記動的表示実行手段により前記所定の期間を超えてから前記識別情報の動的表示が実行される場合に、その識別情報の動的表示が終了するまで前記閉期間示唆演出を延長する演出延長手段を備えていることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、所定の期間において、情報判別手段により記憶手段に記憶された情報の中に所定の抽選結果となる情報が有ると判別され、その情報に基づいて動的表示実行手段により所定の期間を超えてから識別情報の動的表示が実行される場合に、その識別情報の動的表示が終了するまで休止示唆演出が演出延長手段により延長されるので、休止示唆演出の長さが所定の期間よりも長くなると、遊技者に対して特典遊技状態が続く可能性があると認識させることができる。よって、遊技者に休止示唆演出をより楽しませることができるという効果がある。
遊技機C2において、前記所定の期間において、前記情報判別手段により、前記記憶手段に記憶された前記情報の中に所定の抽選結果となる情報があると判別され、その情報に基づいて前記動的表示実行手段により前記所定の期間を超えてから前記識別情報の動的表示が実行される場合に、その識別情報の動的表示が終了するまでの期間を予め判別する期間判別手段を備え、前記演出実行手段は、前記期間判別手段により判別された期間に基づいて、前記演出延長手段により延長された前記閉期間示唆演出の内容を設定するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の期間において、情報判別手段により記憶手段に記憶された情報の中に所定の抽選結果となる情報があると判別され、その情報に基づいて動的表示実行手段により所定の期間を超えてから識別情報の動的表示が実行される場合に、その識別情報の動的表示が終了するまでの期間が期間判別手段により予め判別される。そして、期間判別手段により判別された期間に基づいて、演出延長手段により延長された閉期間示唆演出の内容が演出実行手段によって設定される。
これにより、演出延長手段により延長された閉期間示唆演出の内容を、識別情報の動的表示が終了するまでの期間に応じた内容にすることができる。よって、閉期間示唆演出と特別遊技状態の開始とがずれてしまい、遊技者に違和感を抱かせてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C2又はC3において、前記特典遊技状態が終了した後で前記所定の期間が経過したか否かを判別する期間判別手段を備え、前記演出実行手段は、前記期間判別手段により前記所定の期間が経過したと判別された場合に前記特典遊技状態の終了を示唆する終了示唆演出を実行する終了示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C2又はC3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態が終了した後で所定の期間が経過したか否かが期間判別手段により判別される。また、演出実行手段において、期間判別手段により所定の期間が経過したと判別された場合に特典遊技状態の終了を示唆する終了示唆演出が終了示唆演出実行手段により実行される。
これにより、特典遊技状態が終了したか否かを遊技者が明確に認識することができるという効果がある。
遊技機C4において、前記演出延長手段は、前記終了示唆演出実行手段により実行される終了示唆演出が終了してから、前記所定の抽選結果となる情報に基づいて実行される前記識別情報の動的表示が終了するまで前記閉期間示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、終了示唆演出実行手段により実行される終了示唆演出が終了してから、所定の抽選結果となる情報に基づいて実行される識別情報の動的表示が終了するまで閉期間示唆演出が演出延長手段により実行されるので、終了示唆演出が終了しても特典遊技状態となる可能性が残されていることを遊技者に認識させることができる。よって、終了示唆演出が実行されたとしても、特典遊技状態に対する期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C5において、前記演出実行手段により前記閉期間示唆演出が実行されている場合に、前記動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示は、前記閉期間示唆演出に比較して視認し難い態様で実行されるものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、演出実行手段により閉期間示唆演出が実行されている場合に、動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示は、閉期間示唆演出に比較して視認し難い態様で実行されるので、閉期間示唆演出が実行されている期間と、特典遊技状態中の閉期間とをより区別し難くすることができる。よって、閉期間示唆演出後に特典遊技状態となるか否かに対し、より興味を抱かせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴D群>(発射停止を検出した場合に演出を短縮する)
演出を実行する演出実行手段と、所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果となった場合に遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態を移行する特典遊技移行手段と、球が入球することにより所定の有価価値が付与される入球口と、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とを1の前記特典遊技状態において設定する開閉設定手段と、その開閉設定手段により前記入球口の状態を前記閉状態とする期間である閉期間を設定する閉期間設定手段と、遊技者による操作に基づいて球を発射する発射手段と、その発射手段に対する前記操作の内容を判別する操作判別手段とを備え、前記演出実行手段は、前記特典遊技状態が終了した後の所定の期間に、前記閉期間であることを示唆する演出である閉期間示唆演出を実行するものであり、前記操作判別手段により所定の判別結果であると判別された場合に前記閉期間示唆演出の内容を可変する演出可変手段を備えることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により演出が実行され、抽選手段により特定の抽選結果となった場合に、特典遊技移行手段によって遊技者にとって有利な特典遊技状態へと移行される。そして、入球口へと球が入球することにより所定の有価価値が付与され、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とが開閉設定手段により1の特典遊技状態において設定され、その開閉設定手段により入球口の状態を閉状態とする期間である閉期間が閉期間設定手段によって設定される。遊技者による操作に基づいて球を発射する発射手段に対する操作の内容が操作判別手段によって判別される。演出実行手段において、特典遊技状態が終了した後で、閉期間であることを示唆する演出である閉期間示唆演出が実行され、操作判別手段により所定の判別結果であると判別された場合に疑似休止示唆演出の内容が演出可変手段により可変される。
これにより、遊技者の発射手段に対する操作に応じた演出を実行することができるので、閉期間示唆演出を遊技者の趣向に合わせて可変させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記演出可変手段は、前記閉期間示唆演出の内容を前記特典遊技状態の終了を示唆する内容に可変するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、演出可変手段によって、閉期間示唆演出の内容が特典遊技状態の終了を示唆する内容に可変されるので、特典遊技状態が終了していたことを遊技者に認識させることができる。よって、遊技者に対して、遊技の中断が可能であることを認識させ、休憩等を取らせることができる。従って、メリハリのついた遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記抽選手段による抽選結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報の動的表示が実行されているか否かを判別する動的表示実行判別手段とを備え、前記演出可変手段は、前記操作判別手段により所定の判別結果であると判別され、前記動的表示実行判別手段により前記識別情報の動的表示が実行されていないと判別された場合に、前記閉期間示唆演出の内容を可変するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選手段による抽選結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行され、その動的表示実行手段により識別情報の動的表示が実行されているか否かが動的表示実行判別手段によって判別される。そして、演出可変手段では、操作判別手段により所定の判別結果であると判別され、動的表示実行判別手段により識別情報の動的表示が実行されていないと判別された場合に、閉期間示唆演出の内容が可変される。
これにより、閉期間示唆演出の内容が可変されたことを確認した遊技者に、特典遊技状態が終了していたことを認識させることができる。よって、遊技者に対して、遊技の中断が可能であることを認識させ、休憩等を取らせることができる。従って、メリハリのついた遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記演出可変手段は、前記閉期間示唆演出の内容を可変する場合に、可変後の前記閉期間示唆演出の演出期間が可変前の前記閉期間示唆演出の演出期間よりも短くなるように内容を可変するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかが奏する効果に加え、閉期間示唆演出の内容が演出可変手段により可変される場合に、可変後の閉期間示唆演出の演出期間が可変前の閉期間示唆演出の演出期間よりも短くなるように内容が可変されるので、遊技の中断が可能となることを、より早く認識させることができる。よって、メリハリのついた遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D4において、前記演出実行手段は、前記特典遊技状態が終了してから所定の期間までに前記抽選手段により所定の抽選結果とならなかった場合に、前記特典遊技状態の終了を示唆する終了示唆演出を実行するものであり、前記演出可変手段は、前記閉期間示唆演出の内容を可変する場合に、前記閉期間示唆演出の内容を前記終了示唆演出の内容に可変するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、特典遊技状態が終了してから所定の期間までに所定の抽選結果とならなかった場合に、特典遊技状態の終了を示唆する終了示唆演出が演出実行手段によって実行される。そして、閉期間示唆演出の内容が演出可変手段によって可変される場合に、閉期間示唆演出の内容が終了示唆演出の内容に可変される。
これにより、特典遊技状態が終了したことを、遊技者に対してより早く示唆することができるので、遊技の中断が可能となることを、より早く認識させることができる。よって、メリハリのついた遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1から遊技機D5のいずれかにおいて、前記操作判別手段は、遊技者が一定期間前記発射手段に対して球の発射を行わせるための操作を行っていないと判別した場合に、前記所定の判別結果であると判別するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1から遊技機D5のいずれかが奏する効果に加え、遊技者が一定期間、発射手段に対して球の発射を行わせるための操作を行っていないと判別された場合に、操作判別手段によって所定の判別結果であると判別されるので、特典遊技状態が終了したことを、遊技者に対してより早く示唆し、遊技者に遊技を再開させることができる。よって、遊技機の稼働率が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機D6において、遊技者が前記発射手段に対して球の発射を行わせるための操作を行っているか否かを所定の周期で繰り返し検出する操作検出手段を備え、前記操作判別手段は、前記操作検出手段により遊技者の操作が行われていないことを所定の回数だけ連続して検出し続けた場合に、前記所定の判別結果であると判別するものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、遊技者が発射手段に対して球の発射を行わせるための操作を行っているか否かが操作検出手段によって所定の周期で繰り返し検出され、その操作検出手段により遊技者の操作が行われていないことを所定の回数だけ連続して検出し続けた場合に、操作判別手段によって所定の判別結果であると判別されるので、遊技者が操作を行っているか否かをより正確に判別することができるという効果がある。
遊技機D7において、前記検出手段は、遊技者が前記発射手段に触れているか否かを検出するタッチセンサで構成され、前記操作判別手段は、前記操作検出手段により遊技者が前記発射手段に触れていないことを所定の回数だけ連続して検出し続けた場合に、前記所定の判別結果であると判別するものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、遊技者が発射手段に触れているか否かを検出するタッチセンサで構成された検出手段を備えており、操作検出手段により遊技者が発射手段に触れていないことを所定の回数だけ連続して検出し続けた場合に、操作判別手段によって所定の判別結果であると判別されるので、遊技者が球を発射させようとしているか否かをより正確に判別することができるという効果がある。
遊技機D1からD8のいずれかにおいて、前記閉期間は特定の長さの期間が設定されるものであり、前記演出実行手段は、前記特定の長さの期間と同じ長さの期間で前記閉期間示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D1からD8のいずれかが奏する効果に加え、閉期間と同じ長さの期間で、閉期間示唆演出が演出実行手段により実行されるので、閉期間示唆演出が実行される期間と、閉期間とを区別し難くすることができる。よって、遊技者に対して特典遊技状態が長く続いているように感じさせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴E群>(大当たり中に特図2の保留を貯めやすくする)
球が入球可能な入球口と、遊技状態を、第1状態とその第1状態よりも球が前記入球口へ入球し易い遊技状態である第2状態のどちらかに設定する遊技状態設定手段と、前記入球口へ球が入球することに基づいて情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を用いて抽選条件の成立に基づき所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果になることに基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態を移行する特典遊技移行手段と、前記取得手段により取得された前記情報を前記抽選手段による抽選が行われるまで記憶可能な記憶手段とを備え、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技状態中に、前記第2状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、次の効果を奏する。即ち、遊技状態が、遊技状態設定手段により第1状態とその第1状態よりも球が入球口へ入球し易い遊技状態である第2状態のどちらかに設定される。また、入球口へ球が入球することに基づいて取得手段により情報が取得される。抽選条件が成立すると、取得された情報を用いた所定の抽選が、抽選手段によって行われ、その抽選手段により特定の抽選結果になることに基づいて、特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態が移行される。そして、取得手段により取得された情報は、抽選手段による抽選が行われるまで記憶手段によって記憶される。そして、特典遊技状態中に、遊技状態設定手段によって第2状態が設定される。
これにより、特典遊技状態において、入球口に球が入球し易い遊技状態へと設定されるので、特典遊技状態中に、取得手段により情報が取得され易くなる。よって、特典遊技状態が終了するまでに、より多くの情報が記憶手段によって記憶されるので、特典遊技状態の終了後に、所定の抽選が行われやすくすることができるという効果がある。
遊技機E1において、球が入球することにより所定の有価価値が付与される価値付与入球口と、その価値付与入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とを1の前記特典遊技状態において設定する開閉設定手段と、その開閉設定手段により前記価値付与入球口の状態を前記閉状態とする期間である閉期間を設定する閉期間設定手段と、前記特典遊技状態が終了した後の所定の期間に、前記閉期間であると疑似的に示唆する演出である閉期間示唆演出を実行する演出実行手段を備え、前記所定の期間は、前記抽選手段による抽選が複数回実行可能な長さの期間であることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、価値付与入球口へと球が入球することにより所定の有価価値が付与され、その価値付与入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とが開閉設定手段により1の特典遊技状態において設定され、その開閉設定手段により価値付与入球口の状態を閉状態とする期間である閉期間が閉期間設定手段によって設定される。特典遊技状態が、終了した後の所定の期間に、閉期間であると示唆する演出である閉期間示唆演出が演出実行手段によって設定される。また、所定の期間では、抽選手段による抽選が複数回実行される。
これにより、遊技者に対して、閉期間示唆演出が実行されている間は特典遊技状態が継続しているかのように感じさせることができるので、特典遊技状態が長く続いているように感じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E2において、前記記憶手段は、記憶可能な前記情報の個数に所定の上限値が設けられているものであり、前記所定の期間は、前記抽選手段により前記所定の上限値以上の回数の抽選を少なくとも実行可能な長さの期間であることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、記憶手段に記憶可能な情報の個数には所定の上限値が設けられており、所定の期間において、抽選手段により所定の上限値以上の回数の抽選が実行可能であるので、閉期間示唆演出の実行中に特定の抽選結果となり、特典遊技状態へと移行しやすくすることができる。よって、特典遊技状態と閉期間示唆演出とが繰り返されやすくすることができるので、遊技者に対して特典遊技状態が長く継続しているように感じさせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記入球口は、遊技者が前記価値付与入球口を狙わないで球を打ち出す場合に比べて、前記価値付与入球口を狙って球を打ち出した方が、球が入球し易い位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、遊技者が価値付与入球口を狙わないで球を打ち出す場合に比べて、価値付与入球口を狙って球を打ち出した方が、球が入球し易い位置に入球口が設けられているので、特典遊技状態中に、所定の遊技価値を得るために価値付与入球口を狙って打ち出した球が入球口へと入球し易くなり、取得手段によって情報が取得され易くなる。よって、特典遊技状態中に、より多くの情報を記憶手段に記憶させることができるという効果がある。
遊技機E1からE4のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、遊技機に対する初期設定が実行される場合に前記第2状態を設定するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E1からE4のいずれかが奏する効果に加え、遊技機に対する初期設定が実行される場合に、遊技状態設定手段によって第2状態が設定されるので、特典遊技状態における遊技状態と、初期設定が実行された場合に設定される遊技状態とを一致させることができる。よって、特典遊技状態中の遊技状態を遊技規則に則った遊技状態にすることができるという効果がある。
遊技機E5において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技状態の終了に基づいて前記第1状態を設定可能なものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、特典遊技状態の終了に基づいて遊技状態設定手段により第1状態が設定されるので、第2状態が延々と続き、遊技機の出球率が上がってしまう結果、遊技者の射幸心を過剰に刺激してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴F群>(大当たり中に賞球の払い出し速度を可変する)
所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果になることに基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態を移行する特典遊技移行手段と、球の入球が許可される入球許可状態と、球の入球が制限される入球制限状態のうちどちらかの状態に設定される入球口と、その入球口の状態を、前記特典遊技状態において前記入球許可状態に設定する許可設定手段と、前記入球口へと球が入球した場合に予め定められた所定数の有価物体を払い出す払出手段と、その払出手段により有価物体を払い出すのに要する払出時間を可変させる可変手段とを備えることを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、次の効果を奏する。即ち、抽選手段により特定の抽選結果になることに基づいて、特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態が移行される。特典遊技状態において、許可設定手段により入球口の状態が球の入球が許可される入球許可状態に設定され、入球口へと球が入球した場合に予め定められた所定数の有価物体が払出手段によって払い出され、その払出手段により有価物体を払い出すのに要する払出時間が可変手段によって可変される。
これにより、特典遊技状態中に有価物体の払い出され方に抑揚をつけることができるので、払い出される有価物体の量だけでなく、払い出され方によっても遊技者を楽しませることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記特典遊技状態は、前記入球許可手段により前記入球許可状態に設定される期間である入球許可期間を複数有して構成され、前記可変手段は、1の前記特典遊技状態において設定される複数の前記入球許可期間のうち、後半に設定される前記入球許可期間における前記払出時間が、前半に設定される前記入球許可期間における前記払出時間よりも長くなるように前記払出時間を可変させるものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態では、入球許可手段により入球許可状態に設定される期間である入球許可期間を複数有して構成される。また、可変手段は、1の特典遊技状態において設定される複数の入球許可期間のうち、後半に設定される入球許可期間における払出時間が、前半に設定される入球許可期間における払出時間よりも長くなるように払出時間を可変される。
これにより、特典遊技状態が終了した後も、有価物体を払い出させ続けることができる。よって、遊技者に対して、特典遊技状態が終了した後も、有価物体が払い出されている間は特典遊技状態の余韻に浸らせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記特典遊技状態は、複数の前記入球許可期間と、その複数の前記入球許可期間の間に設定され、前記入球口の状態が前記入球制限状態に設定される期間である入球制限期間とを有して構成され、前記特典遊技状態が終了した後で、前記入球制限期間であることを示唆する演出である制限示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えるものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態は、複数の入球許可期間と、その複数の入球許可期間の間に設定され、入球口の状態が入球制限状態に設定される期間である入球制限期間とで構成される。そして、特典遊技状態が終了した後で、入球制限期間であることを示唆する演出である制限示唆演出が示唆演出実行手段によって実行される。
これにより、特典遊技状態が終了した後も、制限示唆演出が実行されている間は遊技者に対して特典遊技状態中のように感じさせることができる。また、特典遊技状態が終了した後においても、有価物体の付与が続くので、遊技者の意識を付与される有価物体へと向けさせることができる。よって、制限示唆演出が実行されている期間と、入球制限期間とをより区別し難くすることができるので、遊技者に対して特典遊技状態が実際よりも長く続いているように感じさせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記払出手段は、モータを有し、そのモータが所定の回転量だけ回転することにより前記所定の単位数の有価物体を払い出すものであり、前記可変手段は、前記モータの回転速度を可変させることで前記払出時間を可変させるものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、払出手段はモータを有し、そのモータが所定の回転量だけ回転することにより所定の単位数の有価物体が払い出される。そして、可変手段では、そのモータの回転速度が可変されることで払出時間が可変される。
これにより、モータに対する電気的な制御によって、任意の払出時間を正確に設定することができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記払出手段は、モータを有し、そのモータが所定の回転量だけ回転することにより前記所定の単位数の有価物体を払い出すものであり、前記モータが特定の回転量だけ回転したか否かを判別する回転量判別手段と、その回転量判別手段により前記モータが特定の回転量だけ回転したと判別された場合に、前記モータの動作を所定期間だけ停止させる停止手段とを備えることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、払出手段では、モータを有し、そのモータが所定の回転量だけ回転することにより所定の単位数の有価物体が払い出される。そして、モータが特定の回転量だけ回転したか否かが回転量判別手段によって判別され、その回転量判別手段によりモータが特定の回転量だけ回転したと判別された場合に、モータの動作が停止手段によって所定期間だけ停止される。
これにより、多量の有価物体を払い出す場合にも、モータが連続して回転動作し続けることを抑制することができる。よって、連続的な動作によりモータが加熱し、遊技機に不具合が生じてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F5において、前記可変手段は、前記所定期間を可変することで前記払出時間を可変させるものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、可変手段によって、所定期間が可変され払出時間が可変されるので、モータの回転速度を単一化することができる。よって、モータに対する制御を簡素化することができるという効果がある。
遊技機F5において、前記可変手段は、前記特定の回転量を可変させることで前記払出時間を可変させるものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、可変手段によって、特定の回転量が可変され、払出時間が可変されるので、モータに対する電気的な制御により容易に払出時間を制御することができるという効果がある。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記払出時間が、1の前記特典遊技状態において設定される複数の前記入球許可期間の設定回数に対応付けて規定された規定情報を記憶する記憶手段を備え、前記可変手段は、前記規定情報に基づいて前記払出時間を可変させるものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかが奏する効果に加えて、払出時間が、1の特典遊技状態において設定される複数の入球許可期間情報の設定回数に対応付けて規定された規定情報が記憶手段によって記憶され、その規定情報に基づいて可変手段によって払出時間が可変されるので、記憶手段に記憶されている情報を読み出して設定するという単純な処理によって払出時間を可変することができる。よって、可変手段による処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴G群>(島設備へ球の供給を停止する信号を送る)
所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果になることに基づいて遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態を移行する特典遊技移行手段と、球の入球が許可される入球許可状態と、球の入球が制限される入球制限状態のうちどちらかの状態に設定される入球口と、その入球口の状態を、前記特典遊技状態において前記入球許可状態に設定する許可設定手段と、前記入球口へと球が入球した場合に予め定められた所定数の有価物体を払い出す払出手段と、その払出手段により払い出される前記有価物体を遊技機の外部から供給可能な外部供給手段に対して、前記有価物体の供給を指示する供給指示手段とを備え、前記供給指示手段は、所定条件の成立に基づいて前記有価物体の供給を特定の期間だけ停止することを前記外部供給手段に対して指示するものであることを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、次の効果を奏する。即ち、所定の抽選が抽選手段により行われ、その抽選手段により特定の抽選結果となることに基づいて特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態が移行される。特典遊技状態において、許可設定手段により入球口の状態が、球の入球が許可される入球許可状態へと設定される。入球口へと球が入球した場合に予め定められた所定数の有価物体が払出手段により払い出され、その払出手段により払い出される有価物体を遊技機の外部から供給可能な外部供給手段に対して、供給指示手段により有価物体の供給が指示される。ここで、供給指示手段により、所定条件の成立に基づいて有価物体の供給を特定の期間だけ停止することが外部供給手段に対して指示される。
これにより、特典遊技状態中に有価物体の払い出され方に抑揚をつけることができるので、払い出される有価物体の量だけでなく、払い出され方によっても遊技者を楽しませることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1において、前記供給指示手段により前記有価物体の供給を特定の期間だけ停止することを前記外部供給手段に対して指示する契機となる契機条件を設定する条件設定手段を備え、前記特典遊技状態は、前記入球許可手段により前記入球許可状態に設定される期間である入球許可期間を複数有して構成され、前記条件設定手段は、1の前記特典遊技状態において設定される複数の前記入球許可期間のうち、後半に設定される前記入球許可期間において設定する契機条件の方が、前半に設定される前記入球許可期間において設定する契機条件よりも成立しやすくなるように前記契機条件を設定するものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有価物体の供給を特定の期間だけ停止することを外部供給手段に対して指示する契機となる契機条件が条件設定手段により設定される。特典遊技状態は、入球許可手段により入球許可状態に設定される期間である入球許可期間を複数有して構成される。1の特典遊技状態において設定される複数の入球許可期間のうち、後半に設定される入球許可期間において設定する契機条件の方が、前半に設定される入球許可期間において設定する契機条件よりも成立しやすくなるように契機条件が条件設定手段により設定される。
これにより、後半に設定される入球許可期間において、有価物体が付与されるのに要する期間を長くすることができるので、特典遊技状態が終了した後も、有価物体を払い出させ続けることができる。よって、遊技者に対して、特典遊技状態が終了した後も、有価物体が払い出されている間は特典遊技状態の余韻に浸らせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G2において、前記特典遊技状態は、複数の前記入球許可期間と、その複数の前記入球許可期間の間に設定され、前記入球口の状態が前記入球制限状態に設定される期間である入球制限期間とを有して構成され、前記特典遊技状態が終了した後で、前記入球制限期間であることを示唆する演出である制限示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備えるものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態が、複数の入球許可期間と、その複数の入球許可期間の間に設定され、入球口の状態が入球制限状態に設定される期間である入球制限期間とを有して構成される。また、特典遊技状態が終了した後で、入球制限期間であることを示唆する演出である制限示唆演出が示唆演出実行手段によって実行される。
これにより、遊技者に対して特典遊技状態が終了した後も、特典遊技状態が続いているかのように感じさせることができる。また、特典遊技状態が終了した後においても、有価物体の付与が続くので、遊技者の意識を付与される有価物体へと向けさせることができる。よって、制限示唆演出が実行されている期間と、入球制限期間とをより区別し難くすることができるので、遊技者に対して特典遊技状態が実際よりも長く続いているように感じさせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G2又はG3において、前記条件設定手段は、1の前記入球許可期間において、一定の周期毎に前記有価物体の供給を特定の期間だけ停止するものであり、1の前記特典遊技状態において設定される複数の前記入球許可期間のうち、後半に設定される前記入球許可期間において設定する前記一定の周期の方が、前半に設定される前記入球許可期間において設定する前記一定の周期よりも短くなるように前記一定の周期を設定するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G2又はG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の入球許可期間において、条件設定手段により一定の周期毎に有価物体の供給が特定の期間だけ停止される。1の特典遊技状態において設定される複数の入球許可期間のうち、後半に設定される入球許可期間において設定する一定の周期の方が、前半に設定される入球許可期間において設定する一定の周期よりも短くなるように一定の周期が設定される。
これにより、後半に設定される入球許可期間ほど有価物体の供給が停止されやすくなるので、有価物体を付与するのに要する時間を長くすることができる。よって、特典遊技状態が終了した後も、有価物体を払い出させ続けることができるので、遊技者に対して、特典遊技状態が終了した後も、有価物体が払い出されている間は特典遊技状態の余韻に浸らせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G4において、前記一定の周期が、1の前記特典遊技状態において設定される複数の前記入球許可期間の設定回数に対応付けて規定された規定情報を記憶する記憶手段を備え、前記条件設定手段は、前記規定情報に基づいて前記一定の周期を設定するものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、一定の周期が、1の特典遊技状態において設定される複数の入球許可期間の設定回数に対応付けて規定された規定情報が記憶手段に記憶される。そして、規定情報に基づいて一定の周期が条件設定手段により設定される。
これにより、条件設定手段は、記憶手段に記憶された規定情報から周期を選択するという単純な処理によって、一定の周期を設定することができる。よって、条件設定手段の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
<特徴H群>(先読み結果に基づいて、複数変動にまたがる演出を設定)
演出を実行する演出実行手段と、所定条件の成立に基づいて、情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記情報に基づいて、所定の抽選を行う抽選手段と、その抽選手段により特定の抽選結果となった場合に遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態を移行させる特典遊技移行手段と、球が入球することにより所定の有価価値が付与される入球口と、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とのパターンを1の前記特典遊技状態において設定する開閉設定手段と、その開閉設定手段により前記入球口の状態を前記閉状態とする期間である閉期間を設定する閉期間設定手段と、前記抽選手段による抽選結果に基づいて識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、前記取得手段により取得された前記情報を前記抽選条件が成立するまで記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を用いて前記抽選条件が成立する前に予め前記所定の抽選を実行する事前抽選手段とを備え、前記演出実行手段は、前記事前抽選手段により前記特定の抽選結果となった場合に、その特定の抽選結果を示す前記識別情報の動的表示を含む複数の前記識別情報の動的表示に渡って前記閉期間示唆演出の内容を可変可能な演出可変手段を備えるものであることを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、次の効果を奏する。即ち、演出が演出実行手段により実行される。所定の条件の成立に基づいて、取得手段により情報が取得され、その情報が抽選手段により所定の抽選が実行され、その抽選手段により特定の抽選結果となった場合に、特典遊技移行手段により遊技者にとって有利な特典遊技状態へと状態が移行される。そして、入球口へと球が入球することにより所定の有価価値が付与され、その入球口の状態として、球が入球可能な開状態と球の入球が制限される閉状態とのパターンが開閉設定手段により1の特典遊技状態において設定され、その開閉設定手段により入球口の状態を閉状態とする期間である閉期間が閉期間設定手段によって設定される。抽選手段による抽選結果に基づいて識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。取得手段により取得された情報が記憶手段により抽選条件が成立するまで記憶され、その記憶手段に記憶された情報を用いて抽選条件が成立する前に、事前抽選手段により予め所定の抽選が実行される。ここで事前抽選手段により特定の抽選結果となった場合に、その特定の抽選結果を示す識別情報の動的表示を含む複数の識別情報の動的表示に渡って、閉期間示唆演出の内容が演出可変手段によって可変される。これにより、演出可変手段によって演出が可変されれば、遊技者に対して特典遊技状態を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1において、前記演出実行手段は、前記特典遊技状態が終了した後の所定の期間に、前記閉期間であることを示唆する演出である閉期間示唆演出を実行するものであり、前記演出可変手段は、前記閉期間示唆演出の実行中に前記閉期間示唆演出の内容を可変するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技状態が終了した後の所定の期間に、閉期間であることを示唆演出である契機間示唆演出が演出実行手段により実行される。閉期間示唆演出の実行中に平気間示唆演出の内容が演出可変手段により可変される。これにより、複数の特典遊技状態を1の特典遊技状態であるかのように見せることができる。よって、より遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機H1またはH2において、前記事前抽選手段によって前記特定の抽選結果となった場合に、その特定の抽選結果に基づいて前記特典遊技状態が開始されるまでの期間を判別する期間判別手段を備え、前記演出可変手段は、前記期間判別手段により前記所定の期間を超えてから前記特典遊技状態が開始されると判別された場合に前記閉期間示唆演出の内容を可変させるものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1またはH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、事前抽選手段によって特定の抽選結果となった場合に、その特定の抽選結果に基づいて特典遊技状態が開始されるまでの期間が期間判別手段によって判別される。また、期間判別手段により所定の期間を超えてから特典遊技状態が開始されると判別された場合に演出可変手段により閉期間示唆演出の内容が可変される。これにより、閉期間示唆演出の長さが長くなると、特典遊技状態の期待度が高いと認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H3において、前記期間判別手段により判別された前記特典遊技状態が開始されるまでの期間に基づいて、前記演出可変手段により前記閉期間示唆演出の内容を可変させる時期を特定する可変時期特定手段を備えることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、期間判別手段により判別され多特典遊技状態が開始されるまでの期間に基づいて、演出可変手段により閉期間示唆演出の内容を可変させる時期が可変時期特定手段により特定されるので、実行される識別情報の動的表示の回数や実行期間によらず、演出可変手段により可変された後の演出の実行期間を一定とすることができるという効果がある。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。