JP2015212593A - 地下水熱利用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】地下水のエネルギー熱効率を高めた高品位な熱資源を簡易に採熱することができる地下水熱利用システムを提供する。
【解決手段】地下帯水層12の地下水14を熱資源として利用する地下水熱利用システム1において、地下帯水層12を貫通して削孔された揚水井2に流入した地下水14を吸上げて削孔された還元井3に流出させ、揚水井2と同じ地下帯水層12か、又は揚水井2とは異なる地下帯水層12に地下水14を還流させる還元水配管4と、還元井3に設けられた第2採放熱管6bと、揚水井2に設けられた第1採放熱管6aとを直列に連結して循環水15を流通させる循環水配管5と、採熱された循環水15の熱エネルギーを放熱させるヒートシンク10と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、地下水熱利用システムに係り、特に、地下帯水層を流れる地下水を熱資源として利用する地下水熱利用システムに関する。
近年、再生可能エネルギーとして地中熱を利用したエネルギーが注目されている。このエネルギーを利用するシステムを広義の「地中熱利用システム」と称す。この広義の「地中熱利用システム」には、地下水や土粒子に貯えられた地中熱をヒートソース(熱源)として直接利用する狭義の「地中熱利用システム」、及び、主に地下水に貯えられた熱を熱源水として利用する「地下水熱利用システム」が含まれる。
狭義の地中熱利用システムとして、例えば、特許文献1に地中熱を高効率で融雪、暖房、給湯等に利用可能な地中熱利用ヒートポンプ装置が開示されている。一般的に、この地中熱利用システムでは地中熱を採取して熱源として利用する地中熱利用ヒートポンプ等を用いるため、設備コストやランニングコストが高くなる。また、ヒートソース(熱源)より地中熱が採熱された後に、新鮮な地中熱がヒートソースに供給されるが、この熱供給は、地下水の他に地中の土粒子や空気などを媒体にするため、地下水のみの場合に比べて熱供給効率が悪く、ヒートポンプ等の運転能力を上げるための費用が嵩む。
一方、地下水熱利用システムには、地下帯水層を流れる地下水を直接汲み上げて熱源水として利用するシステム、及び地下帯水層を流れる地下水から熱交換により採熱し、熱源水として利用するシステムがある。このうち、地下帯水層を流れる地下水を直接汲み上げて熱源水として利用するシステムは、例えば、路面に積もった雪を溶かすために地下水を汲み上げて直接路面に散水するシステムなどである。この地下水熱を利用するシステムは、地中熱を利用するシステムと比べて熱交換能力が高い。また、地下帯水層には温度の高い新鮮な地下水が連続的に供給されるため、有効なヒートソース(熱源)となり得る。しかし、地下水を直接散水することから、地下水に含まれる、例えば鉄分等の含有物の影響により、例えば、粉塵公害や路面の赤褐色化による景観上の問題が生じた。
また、地下帯水層を流れる地下水から熱交換により採熱し、熱源水として利用するシステムの例として、例えば、特許文献2には、構造が簡単で安価な地下水を利用したヒートポンプシステムが開示されている。ここでは、打込工法によって地盤に二つの浅井戸を設けて、冷房時において、一方の井戸から汲み上げた地下帯水層の地下水を、冷媒の熱交換に利用した後、他方の井戸に注入して地下帯水層に還元し、暖房時において、他方の井戸から汲み上げた地下帯水層の地下水を、冷媒の熱交換に利用した後、一方の井戸に注入して地下帯水層へ還流させることが記載されている。このように、地下水等を負荷側に直接送り込むのではなく、熱交換により間接的に地下水熱を熱源として利用し、利用後の地下水は同じ地下帯水層に還流させるシステムが提案されている。
また、地下水熱を利用するシステムの場合、外気と十分に温度差のない「低温熱源水」である地下水を利用する。このため、この低温熱源水から必要な熱エネルギーを取り出すために、重油、電気等多くの化石エネルギーが併用されている。また、温度差の取れない低温熱源水から熱資源を取り出すためにヒートポンプや水―水熱交換器などの設備機器が用いられるのが一般的である。
この低温熱源水から必要な熱エネルギーを取り出すための地下水熱利用システムが提案されている。例えば、特許文献3には、水熱源ヒートポンプの熱源水としてブラインを用い、そのブラインを還元井及び地中熱井を兼用した熱交換器が開示されている。ここでは、水熱源ヒートポンプの熱源水としてブラインを用い、そのブラインを還元井及び地中熱井を兼用した熱交換器において地下水及び地中から熱を吸熱し、さらに水−水熱交換器において地下水と熱交換して地下水から熱を吸熱する。また、地下水脈から抽出した地下水の元の地下水脈に地下水を戻すために還元井にUチューブ熱交換器を挿入し、Uチューブの外とケーシングの間は透水性をもった充填材により充填し、地表部から水が溢れないようにする蓋を擁した還元井及び地中熱井を兼用した装置を用いることが記載されている。
また、特許文献4には、複数の井戸に採熱管と水管を併設する地中熱交換システムが開示されている。ここでは、一つの井戸から吸い上げた地下水を他の井戸の同じ地下水層に還流して地中への蓄熱を防止し、揚水井と還元井の両方の井戸に設けた採熱管を並列に熱交換器に接続して双方の井戸から採熱するシステムが記載されている。
ここでエクセルギーについて説明する。「エネルギー」は熱力学第1法則であるエネルギー保存則によりある系内の全エネルギーは保存され消費されない。しかし、実用上では、使えば消費されるエネルギーを表す概念としてエクセルギーが用いられる。このエクセルギーとは、ある系が周囲の環境平衡状態に達するまでに取り出すことのできる最大の仕事量(エネルギー)をいう。例えば、室温Tの環境に温度Tの系が置かれている場合、熱容量をCとし、熱効率をηとしたときに、微小熱量δQだけエネルギーを放出したとすると、そのうち力学的エネルギーに変換されるのは、δW=ηδQ=(1−T/T)CdTとなる。この式より、熱効率ηを上げてエクセルギーを向上させるには、T/Tを最小にすればよい。すなわち、温度差(T―T)を大きくするか、又は“T”を大きくすればよいことがわかる。
特許文献4には、エネルギー変換機器のエクセルギー損失評価を、エネルギー変換機器を構成する各構成要素をブロック化し、各構成要素のエクセルギー損失を算出し、それらを統合化して全体の評価を行うエネルギー変換機器性能評価システムが開示されている。ここでは、エクセルギーを用いてエネルギー変換機器の性能評価を行うエネルギー変換機器性能評価システムは、入力パラメータに基づいてシミュレーション実行部が出力した各構成要素における熱学演算値を用いて各構成要素のエクセルギー損失を演算出力するエクセルギー演算部と、出力されたエクセルギー損失からエネルギー変換機器の性能評価を行う評価部とが備えられている。
特開2009−36415号公報 特開2002−54857号公報 特開2008−309382号公報 特開2004−271129号公報 特開2012−37143号公報
上述したように、地下水熱利用システムでは、汲み上げた地下水を同じ地下帯水層か又は異なる地下帯水層へ還流させるため揚水井に対して還元井を設け、還元水配管により揚水井から還元井に地下水を還流させるシステムが採用される場合が多い。ここで、本発明は、この地下水を還流させる箇所としては還元井に限らず還元水が熱交換可能な程度に貯水された箇所であり、例えば、升、水槽、池、河川の一部等をも対象とする。以下、これらの箇所を「還元用水溜り」と称する。
そして、低温熱源水から必要な熱エネルギーを取り出すため、揚水井だけではなく還元用水溜り又は還元井からも採熱するシステムが好ましい。しかし、揚水井から循環水配管により熱交換された地下水は温度が低下するため、還元水配管により還元用水溜り又は還元井に還元された地下水は、熱資源として期待できない、つまり、低品位な熱資源となるという問題がある。
これは、揚水井にて汲み上げた地下水熱を熱資源として採熱する地下水熱利用システムにおいて、採熱した地下水を同じ地下帯水層か又は異なる地下帯水層に水資源として環水する場合、揚水井にて採熱の効率を上げればそれだけ還元用水溜り又は還元井での採熱が低品位になるということである。
そして、低温熱源水から必要な熱エネルギーを取り出す地下水熱利用システムは、そもそも再生可能エネルギーとしての活用が期待される技術である。そのため、化石燃料を消費するヒートポンプ等の設備機器を全く使用しないか、或いは設備機器の負担を極力軽減するような簡易な方法により、高品位な熱資源を採熱すべきである。
本願の目的は、かかる課題を解決し、地下水のエネルギー熱効率を高めた高品位な熱資源を簡易に採熱することができる地下水熱利用システムを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る地下水熱利用システムは、地下帯水層の地下水を熱資源として利用する地下水熱利用システムにおいて、地下帯水層を貫通して削孔された揚水井に流入した地下水を吸上げ、還元用水溜りに流出させて地下帯水層にその地下水を還流させる還元水配管と、還元用水溜りに設けられた第1の採放熱管と、揚水井に設けられた第2の採放熱管とを直列に連結して循環水を流通させる循環水配管と、採熱された循環水の熱エネルギーを放熱させるヒートシンクと、を備えることを特徴とする地下水熱利用システム。
上記構成により、地下水熱利用システムは、還元水配管が地下帯水層を貫通して削孔された揚水井に流入した地下水を吸上げ、還元用水溜りに還元水として還流させる。これによる第1の効果として、揚水井にて循環水と熱交換して温度が低下した井水を還元水として還元用水溜りに流出させて地下帯水層に還流させ、地下帯水層から新鮮で温度の高い地下水を流入させることができる。そして、地下水のエネルギー熱効率を高めることができ、高品位な熱資源として採熱することができる。また、第2の効果として、環元水を水資源としても利用可能となる。なお、還元用水溜りに流出された還元水は、直接地下帯水層へと還流しても良く、還元用水溜りから地盤に漏れ出して地下帯水層へと到達しても良い。
また、揚水井に設けられた第1の採放熱管と、還元用水溜りに設けられた第2の採放熱管とが直列に連結して循環水を流通させる。すなわち、揚水井において、井水から循環水が採熱するという熱交換が行われ、還元用水溜りにおいて、還元水から循環水が採熱するという熱交換が行われるが、これらの熱交換が行われる第1の採放熱管及び第2の採放熱管が直列に連結されることで、地下水のエネルギー熱効率を高めることが可能となり、高品位な熱資源として採熱することができる。
また、地下水熱利用システムは、還元用水溜りが、削孔された還元井であり、この還元井は、揚水井で吸い上げられた地下水を、揚水井と同じ地下帯水層か、又は前記揚水井とは異なる地下帯水層に環流させることが好ましい。すなわち、上述した還元用水溜りは、井戸として削孔された還元井であっても良い。また、この還元井は、揚水井と同じ地下帯水層に削孔され、揚水井で汲み上げられた地下水が還元井で同じ地下帯水層に還流しても良く、揚水井で汲み上げられた地下水が還元井で異なる地下帯水層に還流しても良い。
また、地下水熱利用システムは、循環水配管が第1の採放熱管を流通する循環水が還元用水溜り側又は還元井のヒートソースから第1の熱交換により採熱した第1の熱エネルギーと、第2の採放熱管を流通する循環水が揚水井側のヒートソースから第2の熱交換により採熱した第2の熱エネルギーと、を累積して循環させるが好ましい。このように、第1の熱交換が行われる第1の採放熱管、及び第2の熱交換が行われる第2の採放熱管が直列に連結されることで、地下水のエネルギー熱効率が加算され、より大きな出力温度を得ることができる。この結果、高品位な熱資源として採熱することができる。
また、地下水熱利用システムは、第1の熱エネルギーが揚水井における熱交換により温度が低下した還元水から、ヒートシンクにおいて放熱されて温度がより低下した循環水が、還元水との温度差により採熱する熱エネルギーであることが好ましい。このように、第1の熱交換が行われる第1の採放熱管、及び第2の熱交換が行われる第2の採放熱管が直列に連結され、還元水においても温度差を利用して採熱し、高品位な熱資源とすることができる。
また、地下水熱利用システムは、第1の採放熱管を流通する循環水が揚水井から流出した還元水と対向する流れの部分において向流式熱交換により第1の熱エネルギーを採熱し、第2の採放熱管を流通する循環水は、地下水から汲み上げられた井水と対向する流れの部分において向流式熱交換により第2の熱エネルギーを採熱することが好ましい。このように、循環水配管において向流式熱交換をカスケード的に二重に行い、熱エネルギーを効率よく採熱することができる。
また、地下水熱利用システムは、第1の採放熱管のうち揚水井から流出した還元水と向流式熱交換を行う部分が、循環水を螺旋状に降下させるスパイラル採放熱管であり、第2の採放熱管のうち地下水から汲み上げられた井水と向流式熱交換を行う部分は、循環水を螺旋状に上昇させるスパイラル採放熱管であることが好ましい。これにより、還元用水溜り又は還元井内又は揚水井内において向流式熱交換を行う採放熱管は、螺旋状に上昇又は下降することで還元水又は井水と向流により熱交換する表面積が増加し、向流式熱交換による熱エネルギーの採熱をより効果的に発揮させることができる。
また、地下水熱利用システムは、循環水配管が一つのポンプにより循環水を循環させ、還元水配管は、一つのポンプにより地下水を揚水井に汲み上げて井水とし、揚水井から井水を吸上げて還元用水溜り又は還元井に還元水として吐き出し、還元水を還元用水溜り又は還元井から前記揚水井と同じ地下帯水層か、又は前記揚水井とは異なる地下帯水層に地下水として環流させることが好ましい。これにより、循環水を一つのポンプのみで流通させることでより簡易なシステムとすることができる。また、還元水を一つのポンプにより流通させるだけではなく、地下帯水層から新鮮で地中熱により温度が比較的高い地下水を容易に揚水井に流入させることができ、また、還元水を地下水として容易に環水させることができる。
また、地下水熱利用システムは、ヒートシンクが熱交換器を備え、前記熱交換器は、循環水配管を流通する循環水から熱エネルギーを採熱し、熱源水配管を流通する熱源水に放熱し、熱資源として利用させることが好ましい。このように、ヒートシンクが熱交換器を備えて熱源水配管を流通する熱源水に放熱することで、循環水と熱源水とを異なる液体にすることができる。
また、地下水熱利用システムは、還元水配管が還元水の一部を還元水用ポンプから分岐させ、水資源として利用させることが好ましい。このように、還元水配管から分岐された配下により還元水を熱資源だけではなく水源水としても活用できる。
また、地下水熱利用システムは、還元水配管が一部又は全部が井戸内に挿入され、還元水を流通させるポンプは地上に設けられるか、又は揚水井の内部に水中ポンプとして設けられることが好ましい。これにより、揚水井において熱交換により温度低下した井水が還元水として吐き出されるまでに地中内の比較的高い温度により温められ、還元用水溜り又は還元井からよりエネルギー熱効率の高い高品位な熱資源を揚水井に送ることができる。
また、地下水熱利用システムは、還元水配管及び循環水配管がそれぞれ揚水井、及び、還元用水溜り又は還元井内で複数の採放熱管に分岐して採熱することが好ましい。これにより、採放熱管の内部を流通する循環水と、井水又は還元水との向流式熱交換が行われる採放熱管の表面積が増大し、交換される熱量が増大する。
さらに、地下水熱利用システムは、揚水井が地下帯水層を貫通する部位の外壁に地下水を流入させる複数の開口部を有し、還元用水溜り又は還元井は、地下帯水層を貫通する部位の外壁に地下水として流出させる複数の開口部を有することが好ましい。これにより、揚水井において地下水を容易に井水として容易に吸込み、還元用水溜り又は還元井において還元水を地下水として容易に環元することができる。なお、還元用水溜りについては、この複数の開口部がなく、還元用水溜りから地盤へ地下水が漏れ出しても良い。
以上のように、本発明に係る地下水熱利用システムによれば、地下水のエネルギー熱効率を高めた高品位な熱資源を簡易に採熱することができる地下水熱利用システムを提供することができる。
本発明に係る地下水熱利用システムである連携直列利用モデルの1つの実施形態の概略構成を示す断面図である。 揚水井及び還元井と地下帯水層との関係を示す側面図、及び揚水井及び還元井を図1のA−A断面で示す断面図である。 揚水井のみをヒートソースとする単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム概略構成を示す説明図である。 揚水井及び還元井をヒートソースとして並列させる非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システムの概略構成を示す説明図である。 カスケード的に二重向流式熱交換を説明する連携直列利用モデルによる地下水熱利用システムを示す説明図である。 スパイラル採放熱管を用いた連携直列利用モデルによる地下水熱利用システムの実施例を示す断面図である。 採放熱管内の循環水の深度方向の温度分布のモデルを示す説明図である。 本発明に係る地下水熱利用システムの他の実施形態である、採放熱管が複数本設けられた場合を示す断面図である。 図1に示す地下水熱利用システムの他の実施形態である、揚水井において還元水配管又は還元水用ポンプが水中に設置された場合を示す断面図である。 ヒートシンクの構成の実施例を示す説明図である。 ヒートシンクの構成の実施例において、還元水の一部が水資源として利用される実施例を示す説明図である。
以下に、図面を用いて本発明に係る地下水熱利用システム1の実施形態につき、詳細に説明する。本発明は地下帯水層12の地下水14を熱資源として利用する地下水熱利用システム1である。ここで、揚水井2から汲み上げられた地下水が流出される箇所は、削孔された井戸である還元井3に限らず、還元水が熱交換可能な程度に貯水された、例えば、升、水槽、池、河川の一部等のも含まれる。本実施形態では、例えば、升、水槽、池、河川の一部等を「還元用水溜り」と総称する。そして、本実施形態ではこの地下水が流出される箇所が還元井3である場合について説明するが、還元用水溜りの場合であっても同様に適用される。
(地下水熱利用システムの構成)
図1に、本発明に係る地下水熱利用システム1の1つの実施形態の概略構成を示す。本地下水熱利用システム1は、揚水井2、還元井3、還元水配管4、循環水配管5、採放熱管6a及び6b、還元水用ポンプ8、及び循環水用ポンプ9から構成される。揚水井2は、地下帯水層12を貫通して設けられた井戸であり、流入した地下水14が井水22として揚水井2内に貯まる。還元井3は、揚水井2と同じ地下帯水層12、又は揚水井2と異なる地下帯水層12に設けられた井戸であり、汲み上げられた揚水井2の井水22が還元井3において還元水16として流出する。このように、揚水井2にて汲み上げられた地下水14は、還元井3において揚水井2と同じ地下帯水層12、又は異なる揚水井2と異なる地下帯水層12に再度地下水14として還流される。なお、図1の揚水井2及び還元井3において、地下帯水層12内に記載された白抜きの矢印は、地下水14の地下帯水層12内における流れの方向を示す。これは、以下の図面においても同様である。また、揚水井2が設けられる地下帯水層12と、還元井3が設けられる地下帯水層12とは、同じ地下帯水層12であっても、異なる地下帯水層12であっても、いずれも地下水14として還流されることに変わりがないため、いずれでも良い。
図2(a)に揚水井2及び還元井3と地下帯水層12との関係を側面図で示す。図2(a)の側面図は、揚水井2及び還元井3に共通の側面である。揚水井2及び還元井3の外径は、例えば、略300mmであるが、これに限らない。図2(a)に示すように、揚水井2及び還元井3のうち地下帯水層12を貫通する部分には、井戸の側壁に開口部であるスリット18が設けられる。そして、このスリット18を介して地下水14が揚水井2に流入して井水22となるか、又は還元井3から還元水16が流出して地下水14となる。このスリット18は、揚水井2及び還元井3に設けられた開口部であれば図2(a)の形状に限らず、例えば、揚水井2又は還元井3の側壁に螺旋状に巻かれた巻き線型の開口部等であっても良い。また、揚水井2と還元井3とで異なる形状の開口部であっても良い。図2(b)に示す黒塗りの矢印は、地下帯水層12を流れる地下水14の揚水井2及び還元井3に対する流入又は流出の方向を示す。これは、以下の図面においても同様である。この黒塗りの矢印で示すように、地下帯水層12を流れる地下水14は、揚水井2のスリット18から揚水井2の内部に流入し、還元井3のスリット18から還元井3の外部へ流出する。
図2(b)に揚水井2及び還元井3を図1のA−A断面で示す。図2(b)の断面は、揚水井2及び還元井3をそれぞれ個別に示している。還元水用ポンプ8は、還元水配管4により揚水井2から吸い上げた井水22を還元井3に還元水16として吐き出し、再び地下水14に還流させる。図2(b)に示すように、還元水用ポンプ8は、揚水井2に向かう方向に地下水14を吸引し、還元井3から離れる方向に地下水14を吐出する。なお、本明細書では、揚水井2に流入した地下水14を井水22と称し、還元井3に流出された地下水14を還元水16と称し、揚水井2と同じ地下帯水層12か、又は異なる地下帯水層12に還流された還元水16を地下水14と称して区別する。なお、揚水井2が設けられる地下帯水層12と、還元井3が設けられる地下帯水層12とは、同じ地下帯水層12であっても良く、異なる地下帯水層12であっても良い。
図1に示す循環水配管5は、還元井3の内部に設けられたU字管である第1採放熱管6a、揚水井2の内部に設けられたU字管である第2採放熱管6b、及び第1採放熱管6aと第2採放熱管6bとを直列に連結する連結採放熱管6c,6dから構成される。第1採放熱管6aはヒートソース(熱源)11aから熱エネルギーを採熱し、第2採放熱管6bはヒートソース(熱源)11bから熱エネルギーを採熱する。本実施形態では、循環水配管5は一つの循環水用ポンプ9により循環水15を循環させる。循環水配管5を流通する液体は、例えば、ブライン等の不凍液であり、これを循環水15と称する。図1に示すように、循環水15は循環水ポンプ9により、還元井3内の第1採放熱管6a、連結採放熱管(往路)6c、第2採放熱管6b、連結採放熱管(復路)6dという循環ルートを循環する。ヒートシンク10は、連結採放熱管(復路)6dに設けられる。この循環ルートの方向は、揚水井2内を循環する第2採放熱管6bを通過後すぐにヒートシンク10に向かう方向が好ましく、逆回りの循環ルートであると熱交換効果は低減される。ヒートシンク10では、後述するように、循環水配管5により流入した循環水15の熱エネルギーが採熱されて熱資源として利用される。また、図2(b)に示すように、還元井3内の第1採放熱管6a、及び揚水井2内の第2採放熱管6bは、それぞれ戻り管と送り管の2本が還元水配管4と共に配設される。
(地下水熱利用システムの特徴)
図1に示した地下水熱利用システム1の特徴を説明する。まず、基本的な特徴である「連携直列利用」という点を説明する。そして、この特徴を「エクセルギー」により理論的に説明し、さらに「2重向流式熱交換方式」及び「カスケード熱移動方式」というキーワードにより具体的に説明する。
本発明の特徴である連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aについて説明するうえで、比較のために、単純熱交換モデルの地下水熱利用システム1b、及び非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム1cをそれぞれ説明する。
(単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム)
図3に、単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム1bを示す。この単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム1bでは、揚水井2において地下水14を汲み上げて還元水用ポンプ8により還元井3に吐き出し、揚水井2と同じ地下帯水層12か、又は揚水井2とは異なる地下帯水層12に地下水14として還流させる。そして、揚水井2のみをヒートソース(熱源)11bとして揚水井2に流入した地下水14である井水22と、循環水配管5の第2採放熱管6b内を流通する循環水15とを単純に熱交換させる。この単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム1bは、地下水環境を乱さない点は、地中のヒートソースから熱源水を汲み上げて直接負荷に供給する従来の地下水熱利用システムの問題点を改善している。また、この単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム1bは、従来の地中熱利用システムよりも高品位な熱資源を採熱できるシステムである。これは、揚水井2において既に熱交換され水温が低下した井水22を汲みあげて還元井3に吐き出すことで、地下帯水層12から新鮮でより高品位な熱資源が確保できるからである。ここで、「高品位な熱資源」とは、本明細書では、後述するエクセルギー値が高い熱源をいい、採熱する際により温度差の大きな熱源をいう。すなわち、新鮮な地下水14とは、熱交換により水温が低下していない地下水14をいう。
この単純熱交換モデルについて地下帯水層12も含めた3次元FDM(有限差分法)解析モデルによりシミュレーションを行った結果、揚水井2のヒートソース11bの温度を15℃とした場合に、ヒートシンク10に供給されて熱利用される循環水配管5内の循環水15が9℃であり、ヒートシンク10で熱利用されて排出される循環水配管5内の循環水15は3℃であった。また、還元水配管4内の還元水16は9℃であった。つまり、ヒートシンク10において9℃から3℃に低下した循環水15は、15℃のヒートソース11bにおける採熱により温度が9℃に上昇する。
(非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム)
図4に、非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム1cを示す。このモデルでは、揚水井側ヒートソース11bだけではなく還元井側ヒートソース11aからも採熱する。ここでは、還元井側循環水ポンプ9a及び揚水井側循環水ポンプ9bによりそれぞれ独立して熱エネルギーを採熱する。つまり、揚水井2側と還元井3側とは非連携であり、並列的に熱エネルギーを採熱するシステムである。一方、揚水井2において汲み上げられた井水22は、還元水用ポンプ8により還元井3に還元水16として吐き出され、揚水井2と同じ地下帯水層12か、又は揚水井2とは異なる地下帯水層12に地下水14として還流される。このように、揚水井2において熱エネルギーを採熱されて低温となった還元水16が連続的に還元井3に供給されるため、還元井側ヒートソース11aは揚水井側ヒートソース11bに比べて低い温度となる。
図4の非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム1cについて、地下帯水層12も含めた3次元FDM(有限差分法)解析モデルによりシミュレーションを行った結果、揚水井側ヒートソース11bの温度を15℃とした場合に、揚水井側ヒートシンク10bに供給されて熱利用される循環水配管5内の循環水15が9℃であり、揚水井側ヒートシンク10bで熱利用されて排出する循環水配管5の循環水15は3℃であった。また、還元井側ヒートシンク10aに供給されて熱利用される循環水配管5の循環水15が6℃であるのに対し、還元井側ヒートシンク10aで熱利用されて排出する循環水配管5の循環水15は3℃であった。さらに、還元水配管4の還元水16は10℃であった。つまり、揚水井側ヒートシンク10bにおいては、図3の単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム1bと同様に、9℃から3℃に低下した循環水15は、15℃の揚水井側ヒートソース11bからの採熱により温度が9℃に上昇する。一方、還元井側ヒートシンク10aにおいては、6℃から3℃に低下した循環水15は、10℃の還元井側ヒートソース11aからの採熱により温度が6℃に上昇するが、上述したように還元水16の影響で採熱効率は揚水井側ヒートシンク10bよりも低くなる。
(連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム)
図1に示す、連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aについて、「連携」「直列」という2つの特徴を、図4の非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム1cと比較しながら説明する。第1の特徴は、図4が「並列」利用モデルであるのに対し、図1が「直列」利用モデルである点である。つまり、非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム1cは、並列であるためヒートシンク10a,10bが2つに分離され、循環水配管5の循環ループも2つに分離される。一方、本連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aは、直列であるためヒートシンク10が一つに集約され、循環水配管5の循環ループが一つに集約される。すなわち、循環水15は一つの循環水用ポンプ9により還元井3内の第1採放熱管6a、連結採放熱管(往路)6c、第2採放熱管6b、連結採放熱管(復路)6dという循環ルートを循環する。このように熱源が「直列」であることにより、熱源が「並列」である場合に比べて装置やシステムが簡略化され、熱資源を簡易に採熱できる。
第2の特徴は、図4が「非連携」利用モデルであるのに対し、図1が「連携」利用モデルである点を特徴である。つまり、図4の「非連携」利用モデルによる地下水熱利用システム1cは、2つのヒートソース11a,11bにおける熱交換が非連携で独立しているため、双方の熱源から採熱した熱エネルギーは加算されない。一方、図1の「連携」利用モデルによる地下水熱利用システム1aは、2つのヒートソース11a,11bにおける熱交換が連携であり結合されるため、双方の熱源から採熱した熱エネルギーが一つの熱源として加算される。このように熱源が「連携」することにより、ヒートシンク10には双方の熱源から採熱した熱エネルギーが加算され、より高い、高品位な熱源を得ることができる。
図1の連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aについて地下帯水層12も含めた3次元FDM(有限差分法)解析モデルによりシミュレーションを行った結果、揚水井2のヒートソース11bの温度を15℃とした場合に、ヒートシンク10に供給されて熱利用される循環水配管5内の循環水15が11℃であるのに対し、ヒートシンク10で熱利用されて排出する循環水配管5内の循環水15は3℃であった。また、還元井3に流入する循環水配管5内の循環水15が3℃であるのに対し、還元井3から流出する循環水配管5内の循環水15は8℃であった。また、揚水井2に入る循環水配管5の循環水15が8℃であるのに対し、揚水井2から出る循環水配管5内の循環水15は11℃であった。さらに、還元水配管4の還元水16は9℃であった。すなわち、ヒートシンク10に入る循環水配管5の循環水15は、非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム1cが9℃であったのに対し、連携直列利用モデル1では熱エネルギーが加算されて11℃となった。
ここで、上述したエクセルギーにより、連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aと非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム1cとの比較を行ってみる。上述したように、熱効率ηを上げてエクセルギーを向上させるには、T/Tを最小にすればよい。すなわち、温度差(T―T)を大きくするか、又は“T”自体を大きくすればよい。ここで、Tは系が置かれている環境温度又は室温であり、Tはそのモデルの温度である。シミュレーション結果では、図1の直列モデルによる地下水熱利用システム1aではヒートシンク10にT=11℃の循環水15が流入する。また、図3の単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム1bではヒートシンク10にT=9℃の循環水15が流入する。さらに、図4の非連携並列利用モデル1cでは揚水井側ヒートシンク10bにT=9℃の循環水15が流入し、還元井側ヒートシンク10aにT=6℃の循環水15が流入するという結果になった。このヒートシンク10,10a,10bにおける周囲の気温(T)が冬季であり0℃とすると、Tが高いほど熱効率ηが上がりエクセルギーが向上することがわかる。これらのシミュレーション結果からは、連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aは、単純熱交換モデルによる地下水熱利用システム1b、及び非連携並列モデルによる地下水熱利用システム1cより高い温度(T)を得ることができる。つまり、非連携並列利用モデルによる地下水熱利用システム1cが2つの熱源からそれぞれ個別に採熱するのに対し、連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aはそれらの熱源を集約してより高品位な熱資源を簡易に採熱できることが分かる。
上述したシミュレーション結果は、温度Tに影響を与える多くの設定値が変数として設定されている。例えば、揚水井2及び還元井3の井戸としての径、及びスリット18の大きさ、還元水配管4による還元水16の流速(Vp)及び流量(Mp)、循環水配管5による循環水15の流速(Vq)及び流量(Mq)などである。実際に地下水熱利用システム1を設計する際に、シミュレーションによりこれらの設定値を決定し、地下水熱利用システム1の施工値とすることができる。このように、地下水熱利用システム1の施工に際して連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aの設定値をシミュレーションにより探索し、より高品位な熱源を得ることができる。
(二重向流式熱交換方式)
図5に、二重向流式熱交換を説明するため、連携直列利用モデルによる地下水熱利用システム1aをモデル化して示す。ここで「向流式熱交換」とは、熱交換における一つの伝熱形式であり、内部流体と外部流体とが伝熱面に沿って平行に流れ、高温流体と低温流体とが反対方向に流れて熱交換を行う形式をいう。図5には「向流式熱交換」の説明図として、揚水井2、還元井3、ヒートシンク10、還元水配管4、循環水配管5、第1採放熱管6a,第2採放熱管6b、連結採放熱管(往路)6c,連結採放熱管(復路)6d、地下水入口24、及び地下水出口25を示す。ヒートシンク10を出た循環水15は、ポイントM1(温度Ta),M2(温度Tb),M3(温度Tc),N1(温度Td),N2(温度Te),N3(温度Tf)の順で図中の矢印のように循環する。また、還元水配管4では、還元水用ポンプ8により、揚水井2の底部において井水22を吸込み、還元井3の底部において還元水16を吐き出す。このため、揚水井2内の井水22には下方に向う水流が発生し、還元井3内の還元水16には上方に向う水流が発生する。
この還元水16、井水22、循環水15の流れのなかで、還元井3側に向流式熱交換う域23aが発生し、揚水井2側に向流式熱交換領域23bが発生する。すなわち、内部流体である循環水15と外部流体である井水22又は還元水16とが伝熱面である第1採放熱管6a又は第2採放熱管6bに沿って平行に流れる。また、ポイントMでの循環水15の温度Taは3℃であり、ポイントMでの循環水15の温度Tbは還元水16との熱交換によりTb=6℃〜8℃となる。さらに、ポイントMでの循環水15の温度TcはTbとほぼ同じ温度であるか、若干高い温度Tc=8℃となる。一方、還元水16の温度(Tx)は9℃であり、比較的高温である。つまり、還元井3側の向流式熱交換領域23aでは、比較的高温な流体である還元水16が図に向かって上向きに流れ、比較的低温な流体である循環水15の一方が図に向かって下向きに流れる。そして、それぞれ反対方向に流れることで向流式の熱交換が行われる。
また、ポイントNでの循環水15の温度Tdは8℃であり、ポイントNでの循環水15の温度Teは井水22による高温領域での熱交換によりTe=9℃〜11℃となる。さらに、ポイントNでの循環水15の温度TfはTeとほぼ同じ温度であるか、若干高い温度Tf=11℃となる。一方、井水22の温度(Ty)は15℃であり、比較的高温である。つまり、揚水井2側の向流式熱交換領域23bでは、高温流体である井水22が図に向かって下向きに流れ、低温流体である循環水15の一方が図に向かって上向きに流れる。そして、それぞれ反対方向に流れて向流式の熱交換が行われる。この地下水熱利用システム1aは、還元井3側に向流式熱交換領域23aが設けられ、揚水井2側に向流式熱交換領域23bが設けられる。そして、これらを直列に連携することで二重向流式熱交換となる。すなわち、第1採放熱管6aを流通する循環水15は、揚水井2から流出した還元水16と対向する流れの部分において向流式熱交換により第1熱エネルギーを採熱し、第2採放熱管6bを流通する循環水15は、地下水14から汲み上げられた井水22と対向する流れの部分において向流式熱交換により第2熱エネルギーを採熱する。これにより効率的な熱交換、つまりエネルギー熱効率を高めた高品位な熱資源を容易に採熱することができる。
この図5に示すU字管を用いた連携直列利用モデルを用いた地下水熱利用システム1aでは、U字管を構成する戻り管又は送り管のいずれか一方向の配管が向流式熱交換を行う。他方向の配管は、必然的に井水22又は還元水16の流れの方向と一致するため向流式熱交換にはならない。しかし、還元水配管4による吸込み及び吐き出しにより還元井3内又は揚水井2内に上昇又は下降する水流を発生させ、循環水配管5の採放熱管6a,6bと向流させることで熱交換を促進させることができる。
(実施例:スパイラル採放熱管)
図6に、スパイラル採放熱管20を用いた地下水熱利用システム1dの実施例を示す。この実施例では、向流式熱交換を行う還元井3側の採放熱管を螺旋状の第1スパイラル採放熱管20aとし、他方向の配管は、第1採放熱管(戻り管)20cとする。また、向流式熱交換を行う揚水井2側の採放熱管を螺旋状の第2スパイラル採放熱管20bとし、他方向の配管は、第2採放熱管(送り管)20dとする。このように、U字管のうち向流式熱交換を行う部分を螺旋状のスパイラル採放熱管20とする。これにより、還元水16又は井水22と向流により熱交換する採放熱管6の表面積が増加し、向流式熱交換による熱エネルギーの採熱をより効果的にすることが可能となる。
(カスケード熱移動方式)
ヒートシンク10では、還元井3において、第1採放熱管6aの循環水15が揚水井2において熱放出した還元水16から第1熱交換により採熱し、揚水井2に流通させた第1熱エネルギーと、揚水井2において、第2採放熱管6bの循環水15が井水22から第2熱交換により採熱した第2熱エネルギーを加算して熱交換する。このことは、あたかも滝が連鎖的に伝搬する状態とのアナロジーから「カスケード熱移動方式」と称する。以下、図7を用いてこの「カスケード熱移動方式」を説明する。
図7に、採放熱管6内の循環水15の深度方向の温度分布のモデルを図示する。縦軸は地表面からの深度(d)であり、横軸はその深度(d)における温度(t)を示す。一点波線(L)は、揚水井2に流入した地下水14、つまり井水22の一般的な温度分布をモデル化して示す。この揚水井2内の井水22の温度分布は地表面近くでは、例えば大気の温度等に影響されるが本モデルではこの影響を無視して記載した。また、井水22の温度分布は地下深くなるほど温度が上がることから、ほぼ直線にモデル化した。
実線による曲線(M)は、還元井3内における第1採放熱管6a内を流通する循環水15の深度による温度分布の変化を示す。循環水15が還元井3に進入する入口(M1)では、ヒートシンク10により熱交換された直後であるため温度Ta=3℃である。その後、第1採放熱管6aの最下点(M2)までは循環水15の温度は還元水16との第1熱交換により次第に上昇する。そして、最下点(M2)から折り返した循環水15の温度は還元水16との第1熱交換によりやや上昇する。しかし、還元水16は上部になるほど温度が低くなるため、循環水15の温度は緩やかに低下し、循環水15が還元井3を退出する出口(M3)にて還元井3を温度Tc=8℃で退出する。その結果、還元井3内においては、図7に示すループを描く。
また、実線による曲線(N)は、揚水井2における第2採放熱管6bを流通する循環水15の温度分布の変化を示す。循環水15が揚水井2に進入する入口(N1)では、温度Td=8℃である。その後、第2採放熱管6bの最下点(N2)までは循環水15の温度は井水22との第2熱交換により次第に上昇する。そして、最下点(N2)から折り返した循環水15の温度は井水22との第2熱交換により上昇する。しかし、井水22は上部になるほど温度が低くなるため、循環水15の温度は緩やかに低下し、第2採放熱管6bの最上点(N3)にて温度Ta=11℃となり、揚水井2を退出し、ヒートシンク10に向かう。その結果、揚水井2内においては、図7に示すループを描く。
図7に示すように、曲線(M)は、点(M1)から点(M3)へとループを描き、曲線(N)は、点(M3)と同じ点(N1)から点(N3)へとループを描く。すなわち、あたかも滝が連鎖的に伝搬するように、熱エネルギーが累積する。このように、揚水井2と還元井3とを一つのペアとしてその間に還元水配管4を配管し、全ての揚水井2及び還元井3を循環水配管5にて直列に連携させれば、カスケード熱移動方式による地下水熱利用システム1aが出来上がる。
(第2実施形態:複数の採放熱管)
図8に、複数の採放熱管6が設けられた地下水熱利用システム1eの実施形態を示す。還元井3における第1熱交換、及び揚水井2における第2熱交換は、低温で揚水井2又は還元井3に進入した循環水15が、循環水配管5を介してそれぞれ向流式の熱交換を行うことで温度を上昇させてヒートシンク10に向かい熱利用させる。この第1熱交換及び第2熱交換において、循環水配管5の第1採放熱管6a及び第2採放熱管6bが熱交換を行う表面積が大きいほど熱交換が迅速に行われ、ヒートシンク10において熱エネルギーを効率的に熱利用できる。そこで、揚水井2及び還元井3内で複数の採放熱管6に分岐して採熱することが効果的となる。図8に示すように、第1採放熱管6a及び第2採放熱管6bは、それぞれ3本に分岐し、分岐管はそれぞれU字状となって揚水井2又は還元井3に設けられる。この分岐の数は3本に限らず、例えば2本、4本などであっても良い。
(実施例:還元水配管の地中埋設)
図9に、実施例として揚水井2において還元水配管4又は還元水用ポンプ8が井戸内に設置された場合を示す。すなわち、還元水配管4は、揚水井2と還元井3とを接続する部分の一部又は全部が地中内に埋め込まれる。また、還元水16を流通させる還元水用ポンプ8は、図9に示すように水中に設置される。しかし、この還元水用ポンプ8は、水中への設置に限らず、地上に据え付けられても良い。
揚水井2に流入した井水22は、第2採放熱管6bを流通する循環水15と第2熱交換を行い、温度(Tα)に低下した状態で還元水16として還元井3に流入する。還元井3では、還元水16はヒートシンク10により温度(Tβ)に低下して第1採放熱管6aを流通する循環水15と第1熱交換を行う。
この還元井3における第1熱交換の際に熱効率ηを上げてエクセルギーを向上させるには、Tβ/Tαを最小にすればよい。すなわち、温度差(Tβ−Tα)を大きくするか、又は“Tα”を大きくすればよい。上述した3次元FDM(有限差分法)解析モデルによるシミュレーション結果では、Tβ=3℃であり、Tα=8℃である。共に低い温度ではあるものの、この温度差がエクセルギーを生じる。従って、還元水16の温度(Tα)を上げることにより還元井3において採熱される第1熱エネルギーを増加させることができる。つまり、還元水配管4について、揚水井2と還元井3とを接続する部分の一部又は全部を地中内に埋め込むことで地中熱により還元水16の温度(Tα)を上げることができる。
(ヒートシンクの構成の実施例)
図10に、ヒートシンク10の構成の実施例として、ヒートソース(熱源)11から採熱された熱エネルギーを道路や屋根の融雪装置19に用いる場合を示すが、この用途に限らず他の用途であっても良い。ヒートシンク(heat sink)10とは、発熱する機械や電気部品に取り付けて、熱の放散によって温度を下げることを目的とした部品であり、放熱器と称される。本実施形態では、このヒートシンク10を破線で示し、ヒートソース(熱源)11から採熱された熱エネルギーを利用する部分として示す。図10(a)の実施例では、循環水15は、循環水配管5の連結採放熱管(復路)6dにおいて循環水用ポンプ9により融雪装置19の循環水配管5へ直接送られる。融雪装置19を巡って熱エネルギーを放出した循環水15は、第1採放熱管6aに流入し、連結採放熱管(往路)6c、第2採放熱管6b、連結採放熱管(復路)6dへと循環する。このヒートシンク10の構成では、循環水15は水の場合でも良く、水以外の例えば、ブラインなどの不凍液の場合でも良い。
図10(b)には、ヒートシンク10の構成の他の実施例を示す。ここでは、実施例として、例えば路面などの融雪装置19を用いて説明するが、この用途に限らず他の用途であっても良い。上述した地下水熱利用システム1の循環水配管5の連結採放熱管(復路)6dにおいて循環水15は、熱交換器7により融雪装置用循環水17と熱交換する。そして、融雪装置用循環水17は、熱交換器7により融雪装置19の融雪装置用循環水配管21へ送られる。そして、融雪装置19を巡って熱エネルギーを放出した融雪装置用循環水17は、熱交換器7に戻り、熱交換後、再度融雪装置用循環水配管21を循環する。循環水15は、熱交換器7を出ると第1採放熱管6aに流入し、連結採放熱管(往路)6c、第2採放熱管6b、連結採放熱管(復路)6dへと循環する。この構成は、循環水15及び融雪装置用循環水17が水の場合でも良く、水以外の例えば、ブラインなどの不凍液の場合でも良い。さらに、循環水15が水以外の例えば、ブラインなどの不凍液であり、融雪装置用循環水17が水の場合であっても使用できる。
図11に、図10(a)の実施例において、還元水16の一部が水資源として利用される実施例を示す。本実施例では、還元水16の一部が還元水用ポンプ8から分岐し、バルブ28を介して貯水槽26に貯められ、水資源として活用された後に水路等27に排水されるか、又は貯水槽26から直接水路等27に排水される。このように、還元水16の一部が熱資源としてだけではなく水資源としても利用される場合もある。
1 地下水熱利用システム、1a 連携直列利用モデル、1b 単純熱交換モデル、1c 非連携並列利用モデル、1d スパイラル採放熱管を用いた地下水熱利用システム、1e 複数の採放熱管を用いた地下水熱利用システム、2 揚水井、3 還元井、4 還元水配管、5 循環水配管、6 採放熱管,6a 第1採放熱管,6b 第2採放熱管、6c 連結採放熱管(往路),6d 連結採放熱管(復路)、7 熱交換器、8 還元水用ポンプ、9 循環水用ポンプ、9a 還元井側循環水ポンプ,9b 揚水井側循環水ポンプ、10 ヒートシンク、10a 還元井側ヒートシンク,10b 揚水井側ヒートシンク、11 ヒートソース,11a 還元井側ヒートソース,11b 揚水井側ヒートソース、12 地下帯水層、14 地下水、15 循環水、16 還元水、17 融雪装置用循環水、18 スリット、19 融雪装置、20 スパイラル採放熱管,20a 第1スパイラル採放熱管,20b 第2スパイラル採放熱管,20c 第1採放熱管(戻り管),20d 第2採放熱管(送り管)、21 融雪装置用循環水配管、22 井水、23 向流式熱交換領域,23a 還元井側向流式熱交換領域,23b 揚水井側向流式熱交換領域、24 地下水入口、25 地下水出口、26 貯水槽、27 水路等、28 バルブ、L 揚水内の井水の温度分布を示す線、M 還元井内の第1採放熱管を流通する循環水の温度分布を示す線、M1,M2,M3 循環水の温度分布を示す線Mのポイント、N 揚水井内の第2採放熱管を流通する循環水の温度分布を示す線、Mp 還元水の流量、Mq 循環水の流量、N1,N2,N3 循環水の温度分布を示す線Nのポイント、T 周囲の環境温度、又は室温、Ta ポイントM1の温度、Tb ポイントM2の温度、Tc ポイントM3の温度、Td ポイントN1の温度、Te ポイントN2の温度、Tf ポイントN3の温度、Tx 還元井内の還元水の温度、Ty 揚水井内の井水の温度、Vp 還元水の流速、Vq 循環水の流速。

Claims (12)

  1. 地下帯水層の地下水を熱資源として利用する地下水熱利用システムにおいて、
    地下帯水層を貫通して削孔された揚水井に流入した地下水を吸上げ、還元用水溜りに流出させて地下帯水層に前記地下水を還流させる還元水配管と、
    還元用水溜りに設けられた第1の採放熱管と、揚水井に設けられた第2の採放熱管とを直列に連結して循環水を流通させる循環水配管と、
    採熱された循環水の熱エネルギーを放熱させるヒートシンクと、
    を備えることを特徴とする地下水熱利用システム。
  2. 請求項1に記載の地下水熱利用システムであって、前記還元用水溜りは、削孔された還元井であり、前記還元井は、揚水井で吸い上げられた地下水を、揚水井と同じ地下帯水層か、又は前記揚水井とは異なる地下帯水層に環流させることを特徴とする地下水熱利用システム。
  3. 請求項1又は2に記載の地下水熱利用システムであって、循環水配管は、第1の採放熱管を流通する循環水が還元用水溜り側又は還元井のヒートソースから第1の熱交換により採熱した第1の熱エネルギーと、第2の採放熱管を流通する循環水が揚水井側のヒートソースから第2の熱交換により採熱した第2の熱エネルギーと、を累積して循環させることを特徴とする地下水熱利用システム。
  4. 請求項3に記載の地下水熱利用システムであって、第1の熱エネルギーは、揚水井における熱交換により温度が低下した還元水から、ヒートシンクにおいて放熱されて温度がより低下した循環水が、還元水との温度差により採熱する熱エネルギーであることを特徴とする地下水熱利用システム。
  5. 請求項3又は4に記載の地下水熱利用システムであって、第1の採放熱管を流通する循環水は、揚水井から流出した還元水と対向する流れの部分において向流式熱交換により第1の熱エネルギーを採熱し、第2の採放熱管を流通する循環水は、地下水から汲み上げられた井水と対向する流れの部分において向流式熱交換により第2の熱エネルギーを採熱することを特徴とする地下水熱利用システム。
  6. 請求項5に記載の地下水熱利用システムであって、第1の採放熱管のうち揚水井から流出した還元水と向流式熱交換を行う部分は、循環水を螺旋状に降下させるスパイラル採放熱管であり、第2の採放熱管のうち地下水から汲み上げられた井水と向流式熱交換を行う部分は、循環水を螺旋状に上昇させるスパイラル採放熱管であることを特徴とする地下水熱利用システム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の地下水熱利用システムであって、循環水配管は、一つのポンプにより循環水を循環させ、還元水配管は、一つのポンプにより地下水を揚水井に汲み上げて井水とし、揚水井から井水を吸上げて還元用水溜り又は還元井に還元水として吐き出し、還元水を還元用水溜り又は還元井から前記揚水井と同じ地下帯水層か、又は前記揚水井とは異なる地下帯水層に地下水として環流させることを特徴とする地下水熱利用システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の地下水熱利用システムであって、ヒートシンクは、熱交換器を備え、前記熱交換器は、循環水配管を流通する循環水から熱エネルギーを採熱し、熱源水配管を流通する熱源水に放熱し、熱資源として利用させることを特徴とする地下水熱利用システム。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の地下水熱利用システムであって、還元水配管は、還元水の一部を還元水用ポンプから分岐させ、水資源として利用させることを特徴とする地下水熱利用システム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の地下水熱利用システムであって、還元水配管は、一部又は全部が井戸内に挿入され、還元水を流通させるポンプは地上に設けられるか、又は揚水井の内部に水中ポンプとして設けられることを特徴とする地下水熱利用システム。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の地下水熱利用システムであって、還元水配管及び循環水配管は、それぞれ揚水井、及び、還元用水溜り又は還元井内で複数の採放熱管に分岐して採熱することを特徴とする地下水熱利用システム。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の地下水熱利用システムであって、揚水井は、地下帯水層を貫通する部位の外壁に地下水を流入させる複数の開口部を有し、還元用水溜り又は還元井は、地下帯水層を貫通する部位の外壁に地下水として流出させる複数の開口部を有することを特徴とする地下水熱利用システム。
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