JP2015212116A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Yuji Kodama
勇司 児玉
正隆 小石
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Abstract

【課題】車両の走行性能を向上すること。
【解決手段】車両装着時での車両内外の向きが指定され、車両外側となるタイヤサイド部11であってタイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向内側にのみ、タイヤ径方向内外に亘って長手状に延在してタイヤサイド部11の外側に突出する外側凸部9をタイヤ周方向に間隔を空けて多数配置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤ周りの空気流を改善する空気入りタイヤに関するものである。
従来、例えば、特許文献1では、タイヤサイド部(タイヤ外側面)に、タイヤ径方向に延びる多数の凸部(突部)を互いにタイヤ周方向に所定間隔をおいて設けた空気入りタイヤが開示されている。車両装着状態では、車両の幅方向外側は空気が後方に向かって一様に流れるが、車両の幅方向内側はタイヤハウス内に配置されるとともに、車軸などの他の部品が周囲に配置されているため空気の流れが乱れやすくなる。そこで、この空気入りタイヤによれば、空気の流れが乱れやすい車両の幅方向内側となるタイヤサイド部に設けた凸部によって空気の流通促進効果および整流効果を得て空気抵抗を低減し、走行時のタイヤの後方に生じる低圧部によって後方に引き戻そうとする抗力を小さくし、燃費の向上を図っている。
特開2010−260378号公報
上述した特許文献1の発明によれば、空気入りタイヤに設けた凸部や凹部により車両走行時のタイヤ周りの空気流を改善することが可能である。ここで、発明者等の研究によれば、凸部の配置を工夫することにより、車両の走行性能にさらなる効果を得られることが見いだされた。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の走行性能を向上することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の空気入りタイヤは、車両装着時での車両内外の向きが指定された空気入りタイヤにおいて、車両外側となるタイヤサイド部であってタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側にのみ、タイヤ径方向内外に亘って長手状に延在して前記タイヤサイド部の外側に突出する外側凸部がタイヤ周方向に間隔を空けて多数配置されていることを特徴とする。
空気入りタイヤをリム組みして車両に装着した場合、車両のタイヤハウス内に配置され、その車両外側のタイヤサイド部がタイヤハウスの側方の開口部からあらわれることになる。この状態において、車両の走行時に、空気入りタイヤの車両外側において空気の流れがよどみ、このよどみを避けるようにタイヤハウス内で上方に向かう空気の流れが生じることで、車両が上方に持ち上げられる力であるリフトが発生する。本発明の空気入りタイヤによれば、車両の走行時に回転移動する外側凸部が、その周辺の空気を乱流化させて上述した空気の流れのよどみを改善するため、タイヤハウス内で上方に向かう空気の流れが車両後側に向かうようになる。この結果、リフトを抑制することができる。このリフトの抑制は、空気入りタイヤの接地性を向上させ、車両の走行性能である操縦安定性能の向上に寄与する。
特に、本発明の空気入りタイヤによれば、外側凸部をタイヤサイド部のタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側にのみ設けることで、タイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側においてタイヤ幅方向内側に凹む部分に生じる空気の流れのよどみを改善することができる。空気の流れのよどみはタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向外側においてタイヤ幅方向内側に凹む部分にも生じ得るが、タイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向外側にも外側凸部を設けると、タイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向外側の外側凸部が空気抵抗の増加の原因となったり、タイヤ重量の増加の原因になったりすることで、転がり抵抗が増加してしまうおそれがある。また、タイヤ最大幅位置のタイヤ径方向外側とタイヤ径方向内側とで外側凸部の回転移動速度が異なることで空気の流れのよどみを改善する作用が低下するおそれがある。従って、外側凸部をタイヤサイド部のタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側にのみ設けることが好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記外側凸部は、前記タイヤサイド部から突出する高さが0.5mm以上10.0mm以下とされ、短手方向の幅が0.5mm以上5.0mm以下とされ、タイヤ周方向の数が6個以上80個以下とされることを特徴とする。
外側凸部の突出高さが上記範囲未満であったり、短手方向の幅が上記範囲未満であったり、外側凸部の個数が上記範囲未満であったりすると、外側凸部が空気の流れに接触する範囲が小さいことから、外側凸部による空気の流れのよどみを改善する効果が得難くなる。一方、外側凸部の突出高さが上記範囲を超えたり、短手方向の幅が上記範囲を超えたり、外側凸部の個数が上記範囲を超えたりすると、外側凸部が空気の流れに接触する範囲が大きいことから、外側凸部が空気抵抗の増加の原因となったり、タイヤ重量の増加の原因になったりし得る。従って、外側凸部の突出高さ、外側凸部の短手方向の幅、外側凸部の個数を適正化することで、外側凸部による空気の流れのよどみを改善する効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記外側凸部は、延在方向がタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度で設けられていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、外側凸部の延在方向をタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度とすることで、タイヤ周方向の多くの部位に外側凸部が掛かって配置されるため、空気入りタイヤのタイヤ周方向での歪みを低減し、その結果ユニフォミティを改善することができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記外側凸部は、正規リムを装着して正規内圧を充填した無負荷状態のときに、タイヤ最大幅位置からリムチェックラインまでのタイヤ径方向寸法に対し、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側に80%の範囲に設けられていることを特徴とする。
外側凸部がタイヤ最大幅位置から80%を超える範囲に設けられていると、外側凸部が接地して損傷するおそれがあり、また、外側凸部が空気の流れに接触する範囲が多いことから、外側凸部が空気抵抗となり易い。従って、外側凸部のタイヤ最大幅位置からの配置範囲を規定することで、外側凸部による空気の流れのよどみを改善する効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記外側凸部は、正規リムを装着して正規内圧を充填した無負荷状態のときに、タイヤ最大幅位置におけるタイヤ断面幅からタイヤ幅方向外側に5mm以下の範囲で突出して設けられていることを特徴とする。
タイヤ最大幅位置におけるタイヤ断面幅からタイヤ幅方向外側に5mm以下の範囲を超えて外側凸部が設けられると、外側凸部が空気の流れに接触する範囲が多いことから、外側凸部が空気抵抗となり易い。従って、外側凸部のタイヤ最大幅位置におけるタイヤ断面幅からタイヤ幅方向外側への配置範囲を規定することで、外側凸部による空気の流れのよどみを改善する効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、車両内側となるタイヤサイド部に、タイヤ径方向内外に亘って長手状に延在して前記タイヤサイド部の外側に突出する内側凸部がタイヤ周方向に間隔を空けて多数配置されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、車両内側となるタイヤサイド部に設けた内側凸部により、車両のタイヤハウス内の車両側と空気入りタイヤとの間において、空気の流通促進効果および整流効果を得ることができる。この結果、車両の空気抵抗を低減する空気抵抗低減性能を向上することができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記内側凸部は、前記タイヤサイド部から突出する高さが0.5mm以上10.0mm以下とされ、短手方向の幅が0.5mm以上5.0mm以下とされ、タイヤ周方向の数が6個以上80個以下とされることを特徴とする。
内側凸部の突出高さが上記範囲未満であったり、短手方向の幅が上記範囲未満であったり、内側凸部の個数が上記範囲未満であったりすると、内側凸部が空気の流れに接触する範囲が小さいことから、内側凸部による空気の流通促進効果および整流効果が得難くなる。一方、内側凸部の突出高さが上記範囲を超えたり、短手方向の幅が上記範囲を超えたり、内側凸部の個数が上記範囲を超えたりすると、内側凸部が空気の流れに接触する範囲が大きいことから、内側凸部が空気抵抗の増加の原因となったり、タイヤ重量の増加の原因になったりし得る。従って、内側凸部の突出高さ、内側凸部の短手方向の幅、内側凸部の個数を適正化することで、内側凸部による空気の流通促進効果および整流効果を顕著に得ることができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記内側凸部は、延在方向がタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度で設けられていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、内側凸部の延在方向をタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度とすることで、タイヤ周方向の多くの部位に内側凸部が掛かって配置されるため、空気入りタイヤのタイヤ周方向での歪みを低減し、その結果ユニフォミティを改善することができる。
また、本発明の空気入りタイヤでは、前記外側凸部は、前記内側凸部に対して、突出高さ、短手方向の幅、延在方向の長さ、タイヤ径方向に対する角度、タイヤ周方向の位置、タイヤ径方向の位置、またはタイヤ周方向の間隔の少なくとも一つが異なることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、外側凸部と内側凸部の形状や位置関係を異ならせることで、外側凸部と内側凸部から発生する音圧が周波数の違いにより互いに分散や打ち消しされるため、音圧レベルを低減することができる。
本発明に係る空気入りタイヤは、車両の走行性能を向上することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両外側の一部拡大側面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両外側の一部拡大側面図である。 図4は、凸部の短手方向の断面図である。 図5は、凸部の短手方向の断面図である。 図6は、凸部の短手方向の断面図である。 図7は、凸部の短手方向の断面図である。 図8は、凸部の短手方向の断面図である。 図9は、凸部の短手方向の断面図である。 図10は、凸部の短手方向の断面図である。 図11は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの作用の説明図である。 図12は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両外側の一部拡大側面図である。 図13は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両外側の一部拡大側面図である。 図14は、凸部の拡大側面図である。 図15は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの一部拡大子午断面概略図である。 図16は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両内側の一部拡大側面図である。 図17は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両内側の一部拡大側面図である。 図18は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両内側の一部拡大側面図である。 図19は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両内側の側面図である。 図20は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両内側の側面図である。 図21は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの車両内側の側面図である。 図22は、本発明の実施例に係るシミュレーション試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、この実施形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤの子午断面図である。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸P(図12参照)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸Pに向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸Pから離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸Pを中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、回転軸Pと平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、空気入りタイヤ1の回転軸Pに直交するとともに、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。タイヤ幅は、タイヤ幅方向の外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。本実施形態では、タイヤ赤道線にタイヤ赤道面と同じ符号「CL」を付す。
空気入りタイヤ1は、図1に示すように、トレッド部2と、その両側のショルダー部3と、各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部4およびビード部5とを有している。また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルト補強層8とを備えている。
トレッド部2は、ゴム材(トレッドゴム)からなり、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出し、その表面が空気入りタイヤ1の輪郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面には、トレッド面21が形成されている。トレッド面21は、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なストレート主溝である複数(本実施形態では4本)の主溝22が設けられている。そして、トレッド面21は、これら複数の主溝22により、タイヤ周方向に沿って延び、タイヤ赤道線CLと平行なリブ状の陸部23が複数形成されている。また、図には明示しないが、トレッド面21は、各陸部23において、主溝22に交差するラグ溝が設けられている。陸部23は、ラグ溝によってタイヤ周方向で複数に分割されている。また、ラグ溝は、トレッド部2のタイヤ幅方向最外側でタイヤ幅方向外側に開口して形成されている。なお、ラグ溝は、主溝22に連通している形態、または主溝22に連通していない形態の何れであってもよい。
ショルダー部3は、トレッド部2のタイヤ幅方向両外側の部位である。また、サイドウォール部4は、空気入りタイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出したものである。また、ビード部5は、ビードコア51とビードフィラー52とを有する。ビードコア51は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー52は、カーカス層6のタイヤ幅方向端部がビードコア51の位置で折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
カーカス層6は、各タイヤ幅方向端部が、一対のビードコア51でタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返され、かつタイヤ周方向にトロイド状に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス層6は、タイヤ周方向に対する角度がタイヤ子午線方向に沿いつつタイヤ周方向にある角度を持って複数並設されたカーカスコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。カーカスコードは、有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。このカーカス層6は、少なくとも1層で設けられている。
ベルト層7は、少なくとも2層のベルト71,72を積層した多層構造をなし、トレッド部2においてカーカス層6の外周であるタイヤ径方向外側に配置され、カーカス層6をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト71,72は、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば、20°〜30°)で複数並設されたコード(図示せず)が、コートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。また、重なり合うベルト71,72は、互いのコードが交差するように配置されている。
ベルト補強層8は、ベルト層7の外周であるタイヤ径方向外側に配置されてベルト層7をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に略平行(±5°)でタイヤ幅方向に複数並設されたコード(図示せず)がコートゴムで被覆されたものである。コードは、スチールまたは有機繊維(ポリエステルやレーヨンやナイロンなど)からなる。図1で示すベルト補強層8は、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うように配置されている。ベルト補強層8の構成は、上記に限らず、図には明示しないが、ベルト層7全体を覆うように配置された構成、または、例えば2層の補強層を有し、タイヤ径方向内側の補強層がベルト層7よりもタイヤ幅方向で大きく形成されてベルト層7全体を覆うように配置され、タイヤ径方向外側の補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成、あるいは、例えば2層の補強層を有し、各補強層がベルト層7のタイヤ幅方向端部のみを覆うように配置されている構成であってもよい。すなわち、ベルト補強層8は、ベルト層7の少なくともタイヤ幅方向端部に重なるものである。また、ベルト補強層8は、帯状(例えば幅10[mm])のストリップ材をタイヤ周方向に巻き付けて設けられている。
このように構成される空気入りタイヤ1は、車両100(図11参照)に装着した場合、タイヤ幅方向において、車両100の内側および外側に対する向きが指定されている。向きの指定は、図には明示しないが、例えば、サイドウォール部4に設けられた指標により示される。このため、車両100に装着した場合に車両100の内側に向く側が車両内側となり、車両100の外側に向く側が車両外側となる。なお、車両内側および車両外側の指定は、車両100に装着した場合に限らない。例えば、リム組みした場合に、タイヤ幅方向において、車両100の内側および外側に対するリム50(図11参照)の向きが決まっている。このため、空気入りタイヤ1は、リム組みした場合、タイヤ幅方向において、車両内側および車両外側に対する向きが指定される。
図2および図3は、本実施形態に係る空気入りタイヤの車両外側の一部拡大側面図である。本実施形態の空気入りタイヤ1は、図2および図3に示すように、車両外側となるタイヤサイド部11において、当該タイヤサイド部11の表面よりタイヤの外側に突出する外側凸部9が多数設けられている。
ここで、タイヤサイド部11とは、図1において、トレッド部2の接地端Tからタイヤ幅方向外側であってリムチェックラインRからタイヤ径方向外側の範囲で一様に連続する面をいう。また、接地端Tとは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填するとともに正規荷重の70%をかけたとき、この空気入りタイヤ1のトレッド部2のトレッド面21が路面と接地する領域において、タイヤ幅方向の両最外端をいい、タイヤ周方向に連続する。また、リムチェックラインRとは、タイヤのリム組みが正常に行われているか否かを確認するためのラインであり、一般には、ビード部5の表側面において、リムフランジよりもタイヤ径方向外側であってリムフランジ近傍となる部分に沿ってタイヤ周方向に連続する環状の凸線として示されている。
なお、正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、あるいは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。また、正規荷重とは、JATMAで規定する「最大負荷能力」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、あるいはETRTOで規定する「LOAD CAPACITY」である。
外側凸部9は、車両外側となるタイヤサイド部11の範囲において、タイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向内側にのみ設けられている。この外側凸部9は、タイヤ径方向内外に亘って長手状に延在して形成されたゴム材(タイヤサイド部11を構成するゴム材であっても、当該ゴム材とは異なるゴム材であってもよい)からなる突条として形成され、かつタイヤ周方向に所定間隔をおいて多数配置されている。
ここで、タイヤ最大幅位置Hとは、タイヤ断面幅Sの端となり、最もタイヤ幅方向の大きい位置である。タイヤ断面幅Sとは、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、かつ正規内圧を充填した無負荷状態のときに、最もタイヤ幅方向の大きいタイヤ総幅からタイヤ側面の模様・文字などを除いた幅である。なお、リムを保護するリムプロテクトバー(タイヤ周方向に沿って設けられてタイヤ幅方向外側に突出するもの)が設けられたタイヤにおいては、当該リムプロテクトバーが最もタイヤ幅方向の大きい部分となるが、本実施形態で定義するタイヤ断面幅Sは、リムプロテクトバーを除外する。
なお、外側凸部9は、リムプロテクトバーが設けられたタイヤにおいて、タイヤ径方向内側の端部がリムプロテクトバーに至らない構成、タイヤ径方向内側の端部がリムプロテクトバーの突出の途中まで至る構成、タイヤ径方向内側の端部がリムプロテクトバーの頂部まで至る構成などがある。
外側凸部9は、図2に示すように、長手状の延在方向に沿って直線状に形成されていてもよく、図3に示すように、長手状の延在方向で湾曲して形成されていても、図には明示しないが長手状の延在方向で屈曲して形成されていてもよい。また、湾曲部分や屈曲部分は、1箇所に限らず、複数箇所にあって長手状の延在方向に沿ってS字状、波状またはジグザグ状に形成されていてもよい。なお、外側凸部9の延在方向は、図2および図3に示すように、タイヤ径方向内側の端の短手方向(長手方向に交差する方向)中央とタイヤ径方向外側の端の短手方向中央とを結んだ直線の延びる方向とする。従って、湾曲部分や屈曲部分があっても延在方向の規定は同様である。
外側凸部9は、その短手方向の断面形状が、例えば、図4〜図10の凸部の短手方向の断面図に示すように形成されている。図4に示す外側凸部9は、短手方向の断面形状が四角形とされている。図5に示す外側凸部9は、短手方向の断面形状が三角形状とされている。図6に示す外側凸部9は、短手方向の断面形状が台形状とされている。その他、図には明示しないが、外側凸部9の短手方向の断面形状は、四角形状の頂部が三角形であったり、四角形状の頂部がジグザグ状であったりする様々な形状であってもよい。また、外側凸部9の短手方向の断面形状は、曲線を基にした外形であってもよい。図7に示す外側凸部9は、短手方向の断面形状が半円形とされている。その他、図には明示しないが、外側凸部9の短手方向の断面形状は、例えば、半楕円形状であったり、半長円形状であったりする様々な形状であってもよい。また、外側凸部9の短手方向の断面形状は、直線および曲線を組み合わせた外形であってもよい。図8に示す外側凸部9は、短手方向の断面形状が四角形の角を曲線とされている。図9に示す外側凸部9は、短手方向の断面形状が三角形の角を曲線とされている。その他、図には明示しないが、四角形状の頂部が波形であったりする様々な形状であってもよい。また、外側凸部9の短手方向の断面形状は、図8〜図10に示すように、タイヤサイド部11から突出する根元部分を曲線とした形状とされていてもよい。また、外側凸部9は、長手方向に断面形状(タイヤサイド部11からの突出高さや短手方向の幅)が一様に形成されていてもよく、または長手方向に断面形状が変化して形成されていてもよい。
このように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、車両100への装着時での車両内外の向きが指定され、車両外側となるタイヤサイド部11であってタイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向内側にのみ、タイヤ径方向内外に亘って長手状に延在してタイヤサイド部11の外側に突出する外側凸部9がタイヤ周方向に間隔を空けて多数配置されている。
ここで、図11の本実施形態に係る空気入りタイヤの作用の説明図に示すように、空気入りタイヤ1をリム50に組み込んで車両100に装着した場合、車両100のタイヤハウス101内に配置され、その車両外側のタイヤサイド部11がタイヤハウス101の側方の開口部からあらわれることになる。この状態において、車両100の走行時に、空気入りタイヤ1の車両外側において空気の流れがよどみ、このよどみを避けるようにタイヤハウス101内で上方に向かう空気の流れが生じることで、車両100が上方に持ち上げられる力であるリフトが発生する。
このような現象に対し、本実施形態の空気入りタイヤ1によれば、車両100の走行時に回転移動する外側凸部9が、その周辺の空気を乱流化させて上述した空気の流れのよどみを改善するため、タイヤハウス101内で上方に向かう空気の流れが車両100の後側に向かうようになる。この結果、リフトを抑制することができる。このリフトの抑制(リフト低減性能)は、空気入りタイヤ1の接地性を向上させ、車両100の走行性能である操縦安定性能の向上に寄与する。
特に、本実施形態の空気入りタイヤ1によれば、外側凸部9をタイヤサイド部11のタイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向内側にのみ設けることで、タイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向内側においてタイヤ幅方向内側に凹む部分に生じる空気の流れのよどみを改善することができる。空気の流れのよどみはタイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向外側においてタイヤ幅方向内側に凹む部分にも生じ得るが、タイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向外側にも外側凸部9を設けると、タイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向外側の外側凸部9が空気抵抗の増加の原因となったり、タイヤ重量の増加の原因になったりすることで、転がり抵抗が増加してしまうおそれがある。また、タイヤ最大幅位置Hのタイヤ径方向外側とタイヤ径方向内側とで外側凸部9の回転移動速度が異なることで空気の流れのよどみを改善する作用が低下するおそれがある。従って、外側凸部9をタイヤサイド部11のタイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向内側にのみ設けることが好ましい。
ところで、外側凸部9は、長手状の延在方向で湾曲して形成されていても、図には明示しないが長手状の延在方向で屈曲して形成されていてもよく、湾曲部分や屈曲部分は、1箇所に限らず、複数箇所にあって長手状の延在方向に沿ってS字状、波状またはジグザグ状に形成されていてもよいと上述した。このように構成すると、タイヤ径方向に対して外側凸部9の剛性を弱めて、タイヤ径方向に対して外側凸部9の柔軟性を向上させることができ、外側凸部9および外側凸部9周辺の耐久性を向上することができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図4〜図10に示すように、外側凸部9は、タイヤサイド部11から突出する高さhが0.5mm以上10.0mm以下とされ、短手方向の幅wが0.5mm以上5.0mm以下とされ、かつタイヤ周方向の数が6個以上80個以下とされることが好ましい。
外側凸部9の突出高さhが上記範囲未満であったり、短手方向の幅wが上記範囲未満であったり、外側凸部9の個数が上記範囲未満であったりすると、外側凸部9が空気の流れに接触する範囲が小さいことから、外側凸部9による空気の流れのよどみを改善する効果が得難くなる。一方、外側凸部9の突出高さhが上記範囲を超えたり、短手方向の幅wが上記範囲を超えたり、外側凸部9の個数が上記範囲を超えたりすると、外側凸部9が空気の流れに接触する範囲が大きいことから、外側凸部9が空気抵抗の増加の原因となったり、タイヤ重量の増加の原因になったりし得る。従って、外側凸部9の突出高さh、外側凸部9の短手方向の幅w、外側凸部9の個数を適正化することで、外側凸部9による空気の流れのよどみを改善する効果を顕著に得ることができる。
なお、外側凸部9の高さhや、幅wや、延在方向の形状は、タイヤ周方向に多数配置される各外側凸部9で同一であっても異なっていてもよい。各外側凸部9で高さhや、幅wや、延在方向の形状を異ならせると、各外側凸部9から発生する音圧が周波数の違いにより互いに分散や打ち消しされるため、音圧レベルを低減することができる。
また、外側凸部9は、タイヤ周方向でのピッチ(間隔)が、トレッド部2のラグ溝のタイヤ周方向でのピッチ(間隔)に対して等ピッチでも、異なるピッチでもよい。外側凸部9のタイヤ周方向でのピッチを、トレッド部2のラグ溝のタイヤ周方向でのピッチに対して異ならせると、外側凸部9から発生する音圧と、ラグ溝による音圧とが周波数の違いにより互いに分散や打ち消しされるため、ラグ溝により発生するパターンノイズを低減することができる。ここで、トレッド部2のラグ溝とは、複数の主溝22によりタイヤ幅方向に複数のリブ状の陸部23が設けられ、これら陸部23に設けられたラグ溝に相当する。そして、外側凸部9のタイヤ周方向でのピッチを異ならせるラグ溝は、全てのラグ溝を含む。ただし、ラグ溝により発生するパターンノイズを低減する効果を顕著に得るには、外側凸部9に最も近くに配置されるタイヤ幅方向最外側のラグ溝のピッチに対して外側凸部9のタイヤ周方向でのピッチを異ならせることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、外側凸部9は、延在方向がタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度θで設けられていることが好ましい。
具体的に、外側凸部9の延在方向のタイヤ径方向に対する角度θについて、図12および図13の本実施形態に係る空気入りタイヤの車両外側の一部拡大側面図や、図14の凸部の拡大側面図に示す。図12では、直線状に延在する外側凸部9の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜し、かつ多数の外側凸部9がタイヤ周方向で同方向に傾斜した構成を示している。また、図13では、直線状に延在する外側凸部9の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜し、かつ多数の外側凸部9がタイヤ周方向で交互に異なる方向に傾斜した構成を示している。なお、交互に限らず、多数の外側凸部9がタイヤ周方向で異なる方向に傾斜した構成であってもよい。また、図14では、湾曲部分を有してC字状に延在する外側凸部9の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜した構成を示している。なお、図14に示すような湾曲部分を有する外側凸部9や、図には明示しないが屈曲部分を有していたりS字状、波状またはジグザグ状に形成されたりする多数の外側凸部9を、タイヤ周方向で異なる方向に傾斜した構成としてもよい。また、外側凸部9は、タイヤ径方向に対して上記範囲の角度θで設けられる場合、角度θはタイヤ周方向に多数配置された各外側凸部9において一定であってもよく、図には明示しないが、角度θはタイヤ周方向に多数配置された各外側凸部9において異なっていてもよい。このように、外側凸部9の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜した構成において、その角度θが−60度以上+60度以下の範囲である。
外側凸部9の延在方向をタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度θとすることで、タイヤ周方向の多くの部位に外側凸部9が掛かって配置されるため、空気入りタイヤ1のタイヤ周方向での歪みを低減し、その結果ユニフォミティを改善することができる。なお、外側凸部9のタイヤ径方向に対する角度θが上記範囲を超えると、外側凸部9の延在方向がタイヤ周方向に近づくため、外側凸部9による空気の流れのよどみを改善する効果が得難くなる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、外側凸部9は、正規リムを装着して正規内圧を充填した無負荷状態のときに、図1に示すように、タイヤ最大幅位置HからリムチェックラインRまでのタイヤ径方向寸法OHに対し、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向内側に80%の範囲0.8OHに設けられていることが好ましい。
外側凸部9がタイヤ最大幅位置Hから80%を超える範囲に設けられていると、外側凸部9が接地して損傷するおそれがあり、また、外側凸部9が空気の流れに接触する範囲が多いことから、外側凸部9が空気抵抗となり易い。従って、外側凸部9のタイヤ最大幅位置Hからの配置範囲を規定することで、外側凸部9による空気の流れのよどみを改善する効果を顕著に得ることができる。なお、外側凸部9による空気の流れのよどみを改善する効果を顕著に得るため、タイヤ最大幅位置HからリムチェックラインRまでのタイヤ径方向寸法OHに対し、タイヤ最大幅位置Hからタイヤ径方向内側に10%以上80%以下の範囲に外側凸部9が設けられていることがより好ましい。なお、本実施形態において、外側凸部9は、タイヤ最大幅位置Hから外して配置することが空気抵抗を低減するうえで好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、外側凸部9は、正規リムを装着して正規内圧を充填した無負荷状態のときに、図15に示すように、タイヤ最大幅位置Hにおけるタイヤ断面幅Sからタイヤ幅方向外側に5mm以下の範囲で突出して設けられていることが好ましい。
タイヤ最大幅位置Hにおけるタイヤ断面幅Sからタイヤ幅方向外側に5mm以下の範囲を超えて外側凸部9が設けられると、外側凸部9が空気の流れに接触する範囲が多いことから、外側凸部9が空気抵抗となり易い。従って、外側凸部9のタイヤ最大幅位置Hにおけるタイヤ断面幅Sからタイヤ幅方向外側への配置範囲を規定することで、外側凸部9による空気の流れのよどみを改善する効果を顕著に得ることができる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1は、車両内側となるタイヤサイド部11に、タイヤ径方向内外に亘って長手状に延在してタイヤサイド部11の外側に突出する内側凸部10がタイヤ周方向に間隔を空けて多数配置されていることが好ましい。
図16〜図18は、本実施形態に係る空気入りタイヤの車両内側の一部拡大側面図である。図16に示す内側凸部10は、上述した外側凸部9と同様にタイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向内側にのみ設けられている。また、図17に示す内側凸部10は、タイヤ最大幅位置H上を跨ぐようにタイヤ最大幅位置Hのタイヤ径方向外側およびタイヤ径方向内側に設けられている。また、図18に示す内側凸部10は、タイヤ最大幅位置Hよりタイヤ径方向外側にのみ設けられている。
内側凸部10は、図16〜図18に示すように、長手状の延在方向に沿って直線状に形成されていてもよく、図3に例示するように、長手状の延在方向で湾曲して形成されていても、図には明示しないが長手状の延在方向で屈曲して形成されていてもよい。また、湾曲部分や屈曲部分は、1箇所に限らず、複数箇所にあって長手状の延在方向に沿ってS字状、波状またはジグザグ状に形成されていてもよい。なお、内側凸部10の延在方向は、図2および図3に例示するように、タイヤ径方向内側の端の短手方向(長手方向に交差する方向)中央とタイヤ径方向外側の端の短手方向中央とを結んだ直線の延びる方向とする。従って、湾曲部分や屈曲部分があっても延在方向の規定は同様である。
この空気入りタイヤ1によれば、車両内側となるタイヤサイド部11に設けた内側凸部10により、車両100のタイヤハウス101内の車両100側と空気入りタイヤ1との間において、空気の流通促進効果および整流効果を得ることができる。この結果、車両100の空気抵抗を低減する空気抵抗低減性能を向上することができる。
なお、内側凸部10は、タイヤサイド部11のタイヤ径方向の範囲において、10%以上80%以下の範囲に設けられていることが、空気の流通促進効果および整流効果を顕著に得るうえで好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、内側凸部10は、外側凸部9と同様に、図4〜図10に示すように、タイヤサイド部11から突出する高さhが0.5mm以上10.0mm以下とされ、短手方向の幅wが0.5mm以上5.0mm以下とされ、かつタイヤ周方向の数が6個以上80個以下とされることが好ましい。
内側凸部10の突出高さhが上記範囲未満であったり、短手方向の幅wが上記範囲未満であったり、内側凸部10の個数が上記範囲未満であったりすると、内側凸部10が空気の流れに接触する範囲が小さいことから、内側凸部10による空気の流通促進効果および整流効果が得難くなる。一方、内側凸部10の突出高さhが上記範囲を超えたり、短手方向の幅wが上記範囲を超えたり、内側凸部10の個数が上記範囲を超えたりすると、内側凸部10が空気の流れに接触する範囲が大きいことから、内側凸部10が空気抵抗の増加の原因となったり、タイヤ重量の増加の原因になったりし得る。従って、内側凸部10の突出高さh、内側凸部10の短手方向の幅w、内側凸部10の個数を適正化することで、内側凸部10による空気の流通促進効果および整流効果を顕著に得ることができる。
なお、内側凸部10の高さhや、幅wや、延在方向の形状は、タイヤ周方向に多数配置される各内側凸部10で同一であっても異なっていてもよい。各内側凸部10で高さhや、幅wや、延在方向の形状を異ならせると、各内側凸部10から発生する音圧が周波数の違いにより互いに分散や打ち消しされるため、音圧レベルを低減することができる。
なお、内側凸部10は、タイヤ周方向でのピッチ(間隔)が、トレッド部2のラグ溝のタイヤ周方向でのピッチ(間隔)に対して等ピッチでも、異なるピッチでもよい。内側凸部10のタイヤ周方向でのピッチを、トレッド部2のラグ溝のタイヤ周方向でのピッチに対して異ならせると、内側凸部10から発生する音圧と、ラグ溝による音圧とが周波数の違いにより互いに分散や打ち消しされるため、ラグ溝により発生するパターンノイズを低減することができる。ここで、トレッド部2のラグ溝とは、複数の主溝22によりタイヤ幅方向に複数のリブ状の陸部23が設けられ、これら陸部23に設けられたラグ溝に相当する。そして内側凸部10のタイヤ周方向でのピッチを異ならせるラグ溝は、全てのラグ溝を含む。ただし、ラグ溝により発生するパターンノイズを低減する効果を顕著に得るには、内側凸部10の最も近くに配置されるタイヤ幅方向最外側のラグ溝のピッチに対して内側凸部10のタイヤ周方向でのピッチを異ならせることが好ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、内側凸部10は、図19〜図21の本実施形態に係る空気入りタイヤの車両内側の側面図に示すように、延在方向がタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度θで設けられていることが好ましい。
図19では、直線状に延在する内側凸部10の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜し、かつ多数の内側凸部10がタイヤ周方向で交互に異なる方向に傾斜した構成を示している。なお、交互に限らず、多数の内側凸部10がタイヤ周方向で異なる方向に傾斜した構成であってもよい。なお、図には明示しないが、直線状に延在する内側凸部10の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜し、かつ多数の内側凸部10がタイヤ周方向で同方向に傾斜した構成であってもよい。また、図20では、湾曲部分を有して(ここではS字状)延在する内側凸部10の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜し、かつ多数の内側凸部10がタイヤ周方向で交互に異なる方向に傾斜した構成を示している。なお、交互に限らず、多数の内側凸部10がタイヤ周方向で異なる方向に傾斜した構成であってもよい。なお、図には明示しないが、湾曲部分を有して延在する内側凸部10の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜し、かつ多数の内側凸部10がタイヤ周方向で同方向に傾斜した構成であってもよい。また、図21では、湾曲部分を有して(ここではS字状)延在する内側凸部10の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜し、かつ多数の内側凸部10がタイヤ周方向で交互に異なる方向に傾斜し反転した構成を示している。なお、交互に限らず、多数の内側凸部10がタイヤ周方向で異なる方向に傾斜し反転した構成であってもよい。なお、図には明示しないが、湾曲部分を有して延在する内側凸部10の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜し、かつ多数の内側凸部10がタイヤ周方向で同方向に傾斜し反転した構成であってもよい。なお、内側凸部10は、タイヤ径方向に対して上記範囲の角度θで設けられる場合、角度θはタイヤ周方向に多数配置された各内側凸部10において一定であってもよく、図には明示しないが、角度θはタイヤ周方向に多数配置された各内側凸部10において異なっていてもよい。このように、内側凸部10の延在方向がタイヤ径方向に対して傾斜した構成において、その角度θが−60度以上+60度以下の範囲である。
内側凸部10の延在方向をタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度θとすることで、タイヤ周方向の多くの部位に内側凸部10が掛かって配置されるため、空気入りタイヤ1のタイヤ周方向での歪みを低減し、その結果ユニフォミティを改善することができる。なお、内側凸部10のタイヤ径方向に対する角度θが上記範囲を超えると、内側凸部10の延在方向がタイヤ周方向に近づくため、内側凸部10による空気の流通促進効果および整流効果が得難くなる。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1では、外側凸部9は、内側凸部10に対して、突出高さh、短手方向の幅w、延在方向の長さ、タイヤ径方向に対する角度θ、タイヤ周方向の位置、タイヤ径方向の位置、またはタイヤ周方向の間隔の少なくとも一つが異なることが好ましい。
タイヤ周方向の位置やタイヤ周方向の間隔が異なるとは、同一子午断面において外側凸部9と内側凸部10の配置が異なることを意味する。この空気入りタイヤ1によれば、外側凸部9と内側凸部10の形状や位置関係を異ならせることで、外側凸部9と内側凸部10から発生する音圧が周波数の違いにより互いに分散や打ち消しされるため、音圧レベルを低減することができる。
本実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、リフト低減性能、空気抵抗低減性能、および音圧レベル低減性能に関する試験が行われた(図22参照)。
この試験は、モータアシスト付き乗用車のボディモデルに195/65R15のタイヤサイズのタイヤモデルを装着した車両モデルのシミュレーションにおいて、走行速度80km/h相当で走行した場合の風洞試験を行い、その空力抵抗係数により格子ボルツマン法による流体解析ソフトウェアを用いて空力特性(リフト低減性能および空気抵抗低減性能)を算出し、計測結果を指数化した。また、モータアシスト付き乗用車に195/65R15のタイヤサイズの試験タイヤを装着し、走行速度80km/h相当で走行した場合の車外騒音の音圧レベル(音圧レベル低減性能)を計測し、計測結果を指数化した。これらの係数評価は、係数が大きいほどリフト低減性能、空気抵抗低減性能、および音圧レベル低減性能が優れていることを示している。
図22において、比較例の空気入りタイヤは、外側凸部を有し内側凸部を有しておらず、外側凸部がタイヤ最大幅位置H上に掛かって設けられている。ここでの外側凸部は、タイヤ径方向においてタイヤサイド部内の30%から70%の範囲に設けられている。一方、実施例1〜実施例14の空気入りタイヤは、タイヤ径方向に対して直線状に延在する外側凸部がタイヤ最大幅位置Hよりもタイヤ径方向内側にのみ設けられている。そして、実施例1〜実施例10の空気入りタイヤは、内側凸部を有さず、実施例11〜実施例14の空気入りタイヤは、内側凸部を有している。ここでの内側凸部は、実施例11以外は、図21に示す配置形態であり、タイヤ径方向においてタイヤサイド部内の30%から70%の範囲に設けられている。また、実施例1〜実施例8の空気入りタイヤは、タイヤ最大幅位置Hからリムチェックラインまでのタイヤ径方向の範囲に外側凸部が設けられている。そして、実施例2〜実施例14の空気入りタイヤは、外側凸部の高さ、幅、タイヤ周方向個数が規定範囲である。実施例7〜実施例10の空気入りタイヤは、外側凸部の延在方向がタイヤ径方向に対して角度を有している。実施例9〜実施例14の空気入りタイヤは、タイヤ最大幅位置Hからリムチェックラインまでのタイヤ径方向寸法に対し、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側に80%の範囲に外側凸部が設けられている。実施例10〜実施例14の空気入りタイヤは、タイヤ最大幅位置Hにおけるタイヤ断面幅Sからタイヤ幅方向外側に5mmで外側凸部が突出して設けられている。また、実施例11の空気入りタイヤは、外側凸部と内側凸部とが同一位置に設けられている。実施例11〜実施例14の空気入りタイヤは、内側凸部の高さ、幅、タイヤ周方向個数が規定範囲である。実施例12〜実施例14の空気入りタイヤは、外側凸部と内側凸部とが異なる位置に設けられている。
そして、図22のシミュレーション結果に示すように、実施例1〜実施例14の空気入りタイヤは、リフト低減性能、空気抵抗低減性能、および音圧レベル低減性能に優れ、車両の走行性能が改善していることが分かる。
1 空気入りタイヤ
9 外側凸部
10 内側凸部
11 タイヤサイド部
100 車両

Claims (9)

  1. 車両装着時での車両内外の向きが指定された空気入りタイヤにおいて、
    車両外側となるタイヤサイド部であってタイヤ最大幅位置よりタイヤ径方向内側にのみ、タイヤ径方向内外に亘って長手状に延在して前記タイヤサイド部の外側に突出する外側凸部がタイヤ周方向に間隔を空けて多数配置されていることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記外側凸部は、前記タイヤサイド部から突出する高さが0.5mm以上10.0mm以下とされ、短手方向の幅が0.5mm以上5.0mm以下とされ、タイヤ周方向の数が6個以上80個以下とされることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記外側凸部は、延在方向がタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度で設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記外側凸部は、正規リムを装着して正規内圧を充填した無負荷状態のときに、タイヤ最大幅位置からリムチェックラインまでのタイヤ径方向寸法に対し、タイヤ最大幅位置からタイヤ径方向内側に80%の範囲に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記外側凸部は、正規リムを装着して正規内圧を充填した無負荷状態のときに、タイヤ最大幅位置におけるタイヤ断面幅からタイヤ幅方向外側に5mm以下の範囲で突出して設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 車両内側となるタイヤサイド部に、タイヤ径方向内外に亘って長手状に延在して前記タイヤサイド部の外側に突出する内側凸部がタイヤ周方向に間隔を空けて多数配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記内側凸部は、前記タイヤサイド部から突出する高さが0.5mm以上10.0mm以下とされ、短手方向の幅が0.5mm以上5.0mm以下とされ、タイヤ周方向の数が6個以上80個以下とされることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記内側凸部は、延在方向がタイヤ径方向に対して−60度以上+60度以下の角度で設けられていることを特徴とする請求項6または7に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記外側凸部は、前記内側凸部に対して、突出高さ、短手方向の幅、延在方向の長さ、タイヤ径方向に対する角度、タイヤ周方向の位置、タイヤ径方向の位置、またはタイヤ周方向の間隔の少なくとも一つが異なることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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