[1.パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域1100内へ打込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
本例のパチンコ機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打込まれる遊技領域1100が臨むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘(図示は省略)、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖する裏カバー900備えられている。
[1−1.外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1における外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、夫々の枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。本例の外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高められている(図9及び図108を参照)。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を保持し易くすることができるようになっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
本例の外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有している。なお、本例では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右非対称の形状に形成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,13の上端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるようになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定されるようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結することができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
本例の外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片20bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成された支持鉤穴20cと、固定片20a及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁20e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向かって傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図63を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないように隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(右側)の側方から先端中央に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされていると共に、支持鉤穴20cの幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもやや大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図66等を参照)に形成された本体枠軸支穴(図示は省略)が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、本例の外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図93を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、本例の外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えている。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズに案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、本例の外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片20bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材27の弾性部27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されていると共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されている。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20eの内側面と当接しており、ストッパ部27aがく字状に屈曲した支持鉤穴20cの一部を閉塞するようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの最深部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの最深部分に本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本例の上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支ピン633が支持鉤穴20cの最深部分に挿入されてストッパ部27aの先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの最深部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27dへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27dを備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
従って、軸支ピン633がく字状に形成された支持鉤穴20cの傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン633と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材27の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン633がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出片20bの外側に向かって回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもストッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
本例のロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図63を参照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20cに挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの最深部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、本例の外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11とを従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、パチンコ機1を遊技場に列設される島設備に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くすることができ、既存の島設備に本パチンコ機1を問題なく設置することができるようになっている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能となり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図63等を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成することができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることができるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が存在しないので、パチンコ機1を図示しない遊技ホールの島設備に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸機)と密着して取付けることができるようになっている。
[1−2.扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図23を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部装飾ユニット280と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取付けられる球送りユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[1−2A.扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図24乃至図28を参照して説明する。図24(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図25は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図26は扉枠ベースユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図27は扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図28は扉枠と本体枠とを電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
本例の扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に配置される一対のサイドスピーカ130と、サイドスピーカ130を扉枠ベース本体110へ固定するためのスピーカブラケット132と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
なお、扉枠ベースユニット100は、正面視で右側のサイドスピーカ130の外側には、サイドスピーカ130の側面と、右サイド装飾ユニット200等へ接続される配線(図示は省略)の前側とを覆い扉枠ベース本体110の前面に取付けられるカバー部材134を更に備えている。このカバー部材134は、配線をスピーカ取付部111の外周に沿って案内させることができると共に、サイドスピーカ130を取付ける際や取外す際に、配線が邪魔にならないように配線を保持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取付けられハンドル装置500の回転位置検知センサ512と主制御基板4100との接続を中継するハンドル装置中継基板192と、ハンドル装置中継基板192の後側を被覆するハンドル装置中継基板カバー193と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル装置中継基板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体110の後面に取付けられる扉枠ベース基板194と、扉枠ベース基板194の後側を被覆する扉枠ベース基板カバー195と、扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支され扉枠5側と本体枠3側とを接続する配線コード196(図28を参照)の一部を保持する配線保持部材197と、を備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続されると共に、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130,222,262へ出力する増幅回路を備えている。なお、本例では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c、ハンドル装置中継基板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御部4140等とを接続する配線コード196が、扉枠ベース基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で、詳細は後述するが、配線保持部材197に保持されて後方へ延出し、本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図1及び図28を参照)。
本例の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図25及び図26等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能な方形状の切欠部101aが形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体110の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域1100を容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送りユニット580を取付固定するための球送りユニット取付凹部112(図26を参照)と、球送りユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を球送りユニット580へ供給するための球送り開口113と、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハンドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図26に示すように、球送りユニット取付凹部112に下側にハンドル装置中継基板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視で扉枠ベース本体110の下部右側(軸支側)に配置され扉枠ベース基板194を取付けるための基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部111よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着するための防犯カバー装着部119と、を備えている。また、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユニット係止部材190を回動可能に支持するための二つの係止部材取付部110bと、を更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止することができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパチンコ機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって工具の侵入を阻止することができ、パチンコ機1の防犯機能が高められている。また、扉枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に位置決めされるようになっている。
また、扉枠ベース本体110は、図25に示すように、その前面に、装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110eが備えられていると共に、ハンドルブラケット140等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。また、扉枠ベース本体110は、サイドスピーカ130を取付けるスピーカブラケット132を取付けるための取付部110gや、サイドスピーカカバー338を取付けるための取付孔110h(図18等を参照)が、適宜位置に夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、球送りユニット取付凹部112と基板取付部118との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口310g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
更に、扉枠ベース本体110は、その前面側で左右のスピーカ取付部111の上側に形成され、略三角形状に後方へ窪んだ浅い皿状の防犯凹部120を備えている。この防犯凹部120内には、前側から浅い箱状に形成された防犯部材121が挿入されるようになっている。防犯部材121は、金属板を屈曲させて前側が開放された浅い箱状に形成されている。これにより、パチンコ機1の内部に対して不正行為を行うために、例えば、サイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との接合部位から細いドリル等により穴を開けられてしまうのを金属製の防犯部材121によって阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
これらサイドスピーカ130は、その外周が、前側に配置された略円環状のスピーカブラケット132と、後側に配置された扉枠ベース本体110のスピーカ取付部111とによって挟持されることで、扉枠ベース本体110に取付けられるようになっている。なお、スピーカブラケット132は、所定のビスによって、前側から扉枠ベース本体110の取付部110gに取付けられるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板カバー195は、図25乃至図27等に示すように、前側が開放された薄い箱状に形成されていると共に、後側の後面に、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置で前方へ窪んだ段部195aを備えている。この扉枠ベース基板カバー195の段部195aに、配線保持部材197が回動可能に取付けられている。
一方、扉枠ベースユニット100における配線保持部材197は、図27及び図28等に示すように、横方向へ長く延びた板状に形成されていると共に、断面がI字状に形成されており、比較的、硬質の合成樹脂によって形成されている。また、配線保持部材197は、図示するように、上下両端に長手方向へ沿って所定間隔で複数(本例では、上下に夫々三つずつ)の保持孔197aを備えている。この配線保持部材197は、扉枠5を組立てた状態で扉枠5が本体枠3に軸支される側の端部が、扉枠ベース基板カバー195における後面の段部195aに、上下方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支されており、詳細な図示は省略するが、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195側へ回動することで、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195の段部195a内へ収容することができるようになっている。
この配線保持部材197は、その後面側に扉枠5と本体枠3とを電気的に接続するための配線コード196を沿わせた状態で、上下で対になった保持孔197aに所定の結束バンド198を挿通させて、その結束バンド198により配線保持部材197ごと配線コード196を締付けることで、配線コード196を保持することができるようになっている(図1及び図28を参照)。
本例の配線保持部材197は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる方向へ回動させると、配線保持部材197の自由端側が、配線コード196における自由端側から本体枠3へ延びた部分により前方へ押されて扉枠ベース基板カバー195側へ近付く方向へ回動することとなる。これにより、扉枠5が閉まるに従って、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195へ接近すると共に、配線保持部材197の自由端から本体枠3側へ延びだした配線コード196が自由端付近で折れ曲りが大きく(鋭く)なる。そして、本体枠3に対して扉枠5が閉じられた状態となると、配線コード196が配線保持部材197の自由端側で横方向へ二つに折り畳まれたような状態となる。
一方、本体枠3に対して閉じられた扉枠5を開ける場合では、本体枠3と扉枠5とが相対的に遠ざかることとなるので、本体枠3側に接続された配線コード196によって配線保持部材197の自由端側が後方へ引っ張られることとなり、自由端側が扉枠ベース基板カバー195から遠ざかる方向(本体枠3の方向)へ移動するように配線保持部材197がスムーズに回動する。これにより、配線保持部材197の自由端側で折り畳まれた配線コード196が真直ぐに延びるように展開し、配線コード196によって阻害されること無く扉枠5を開くことができるようになっている。
このように、本例によると、配線保持部材197における扉枠5が軸支された側と同じ側の端部を、自由端側が本体枠3側へ移動するように扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支させると共に、扉枠5と本体枠3とを電気的に接続する配線コード196の一部が上下方向へ移動しないように保持するようにしているので、本体枠3に対して扉枠5を開閉させる際に、配線保持部材197の自由端側で配線コード196を横方向へ折り畳んだり、展開したりすることができ、扉枠5の開閉時に配線コード196が引っ掛かったり挟まれたりして不具合(配線コード196の断線、接続コネクタの外れ、等)が発生するのを防止することができるようになっている。
また、本例によると、配線保持部材197を比較的硬質で剛性の高い合成樹脂によって形成するようにしているので、扉枠5の開閉時に、配線コード196を介して力が作用しても、上下方向へブレ難くすることができ、配線コード196を確実に横方向へ折り畳んで不具合の発生を防止することができるようになっている。
更に、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を開閉させると、配線保持部材197によって本体枠3と扉枠5との間に橋が掛けられたような状態となり、配線コード196の一部が配線保持部材197によって架橋された状態となるので、扉枠5を開閉させても配線コード196が垂れ下がるのを防止することが可能となり、配線コード196が垂れ下がることで他の部材に引っ掛かって断線したり扉枠5を閉じることができなくなったりする不具合が発生するのを防止することができ、本体側電気機器としての主制御基板4100、周辺制御部4140、払出制御基板4110等、と扉側電気機器としての各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432、スピーカ130,222,262、貸球ユニット360、ハンドル装置500等、とを接続する配線コード196に不具合が発生するのを可及的に低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、配線コード196の一部を回動可能な配線保持部材197で保持するようにしており、扉枠5を開ける時に、配線コード196が無理に引っ張られても、配線保持部材197が回動することでその力を逃がすことができるので、配線コード196が引っ張られるのを防止することができ、配線コード196が引っ張られて断線したり接続コネクタが外れたりするような不具合が発生するのを防止することができる。また、配線保持部材197によって配線コード196の一部を保持しており、配線コード196は配線保持部材197の回動に伴って単に部分的に曲がるだけなので、従来のもの(例えば、特開2009−213675号公報)のように配線コード196が摺動することは無く、配線コード196が擦れて漏電や断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線保持部材197では、長手方向へ所定間隔で複数配置された貫通する保持孔197aに結束バンド198を挿通し、その結束バンド198によって配線コード196を保持するようにしているので、配線コード196を保持した結束バンド198が保持孔197aによって配線保持部材197の長手方向へ移動(スライド)するのを防止することができ、配線保持部材197から結束バンド198ごと配線コード196が脱落するのを確実に防止することができる。
また、本体枠3や扉枠5から配線コード196が延びだす位置を、扉枠5を軸支した側辺から離れた位置に配置しても、上述したように、配線保持部材197によって配線コード196をガイド(案内)して扉枠5を開閉する際に配線コード196が垂れ下がるのを良好に防止することができるので、扉枠5おける軸支された側辺側の強度・剛性を高めた本体枠3や扉枠5とすることができ、不正行為に対する防犯性の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、配線保持部材197に、長手方向に対して直角方向両端から少なくとも配線コード196が沿う側へ突出した突条を備えるようにしているので、一対の突条と配線保持部材197の板面によって配線コード196の三方を囲むことができ、配線保持部材197に沿って配線コード196を保持し易くすることができる。また、配線保持部材197に突条を備えているので、板状の配線保持部材197の曲げ剛性を高めることができ、扉枠5を開閉する際に配線保持部材197が撓むのを防止して、良好な状態で扉枠5を開閉させることができる。
また、配線保持部材197の基端から先端までの長さを、扉枠5の軸心から基端の軸心までの距離と略同じ長さとすると共に、配線コード196における本体枠3の延出した所定位置を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197の先端よりも扉枠5の軸心側の位置としており、扉枠5の軸心と、配線保持部材197の軸心と、配線保持部材197の先端と、本体枠3における配線コード196が延出した位置とで、パンタグラフ状のリンクが形成されることとなるので、扉枠5を開閉する時の配線保持部材197や配線コード196等の動きをスムーズにすることができ、開閉作業を行い易くすることができると共に、配線コード196等に無理な力が作用するのを低減させて断線等の不具合が発生するのを防止することができる。また、パンタグラフ状のリンクを形成するようにしており、扉枠5を閉じる時に、配線コード196における配線保持部材197の先端から延出した部位が、配線保持部材197と沿うように先端側で折返されるので、扉枠5を閉じた状態では配線コード196を折り畳んでコンパクトに纏めることができ、配線保持部材197や配線コード196に係るスペースを小さくすることができる。
また、配線保持部材197を軸支した扉枠5の扉枠ベース基板カバー195に、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、本体枠3側へ向かって開口するように凹み、配線保持部材197を収納可能な段部195aを備えるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195に備えられた段部195a内へ収納されるので、扉枠5側から本体枠3側への配線保持部材197の突出を殆ど無くすことができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線コード196をコンパクトに纏めることができ、配線コード196が他の部材に引っ掛かるのを抑制して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線コード196を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197における本体枠3側を向いた面に沿って保持させるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、配線保持部材197を扉枠5側(扉枠ベース基板カバー195側)へ可及的に近づけることができるので、これによっても、扉枠5からの配線保持部材197の突出を少なくすることができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線コード196に係るスペースを可及的に小さくすることができる。
また、配線保持部材197を移動(開閉)する扉枠5側に備えているので、扉枠5を開閉させる慣性力や衝撃力等によって配線保持部材197を回動させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、配線保持部材197を扉枠5に備えており、本体枠3に配線保持部材197を備えるためのスペースを確保する必要が無いので、相対的に本体枠3における遊技盤4を保持するスペースを大きくしてより大きな遊技領域1100を有した遊技盤4を保持させることができ、大型の遊技盤4を有して遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図25及び図26等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるようになっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条143が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース502の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されている。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部を挿入させることができるようになっている。従って、ハンドルブラケット140に挿入支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうように延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンドル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図25及び図26に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
この補強ユニット150は、図25に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ向かって折曲した下折曲突片159と(図25を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放側)部に前方へ向かって折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。また、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590のユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されており、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラスユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラスユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よりも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状突片166を備えている(図108を参照)。また、上側補強板金151は、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167を夫々備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる虞があるが、本例の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているので、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるようになっており(図108を参照)、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ機1の防犯機能を高めることができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図25及び図26を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と、当接凹部181の上端に沿って後方に向かって突出する防犯後突片182と、を備えている。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯後端部突片183が夫々備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態でガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール1112の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール1111と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができるようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への衝突を防止することができるようになっている。
これにより、本例では、防犯カバー180で扉枠5におけるガラスユニット590(遊技窓101)の後側下部外周を覆うようにしているので、扉枠5の前側から遊技窓101とガラスユニット590との間に可撓性の高い工具を挿入してパチンコ機1内(遊技領域1100内)に対して不正行為を行おうとしても、防犯カバー180によって工具の侵入を阻止することができ、不正行為等に対してより安全性の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニット590の止め片592aを係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定することで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時において、回転操作する際の指掛りとなっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150における下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル装置中継基板カバー193及び扉枠ベース基板カバー195は、夫々扉枠ベース110の後側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ユニットベース100に対して発射カバー191、ハンドル装置中継基板カバー193、及び球送りユニット580を取付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになっている。
[1−2B.右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図29乃至図31を参照して説明する。図29(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図30は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図31は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装飾ユニット200の外面を形成し略紡錘状の複数の湾曲面を有したサイドレンズ210と、サイドレンズ210の後側に配置されるサイドインナーレンズ212と、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレンズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナーレンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板216の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイド装飾フレーム202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドレンズ210の右上隅に取付けられるサイドアウターカバー202と、サイドレンズ210の前面で且つ遊技窓101の周方向に所定間隔で配置されると共に遊技窓101の略中央を中心として放射状に延びた複数のサイド閃光レンズ204と、サイドインナーレンズ212における左上部とサイドレンズ210との間に配置されるサイド上部インナーレンズ206と、サイド上部インナーレンズ206をサイドインナーレンズ212に取付けるためのインナーレンズブラケット208と、サイド上部インナーレンズ206に取付けられる右上部スピーカ222と、を備えている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイドアウターカバー202、サイド閃光レンズ204、サイド上部インナーレンズ205、インナーレンズブラケット208、サイドレンズ210、及びサイドインナーレンズ212が、透光性の部材によって形成されており、サイドアウターカバー202、サイド上部インナーレンズ205、インナーレンズブラケット208、サイドレンズ210、及びサイドインナーレンズ212が略無色透明に、サイド閃光レンズ204が有色透明(本例では赤色)とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212及びサイド上部インナーレンズ206の表面には、複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、及びサイド上部インナーレンズ206の後側に配置された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装されたLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
本例の右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210は、図示するように、正面視で右端及び上端が扉枠ベース本体110の外周に沿った直線状に形成されていると共に、左端が遊技窓101の右側外周に沿った湾曲状に形成されている。このサイドレンズ210は、略紡錘状の複数の湾曲面からなる周レンズ部210aと、周レンズ部210aを遊技窓101の周方向へ複数に分割すると共に遊技窓101と略同心円状に延びた複数のプリズム面からなる放射レンズ部210bと、を備えている。このサイドレンズ210における複数の放射レンズ部210bは、図示するように、正面視で遊技窓101の中央下部を中心とした放射線上に延びるように形成されていると共に、周レンズ部210aの前面よりも後方へ窪んだ状態に形成されており、その窪みにサイド閃光レンズ204が挿入されるようになっている。
また、サイドレンズ210は、右側面に、前後方向へ延びると共に上下方向へ列設されたサイド拡散レンズ部210cを備えている。このサイド拡散レンズ部210cにより、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216からの光をパチンコ機1の右方向及び上下方向へ広く拡散させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、サイドレンズ210における右上部スピーカ222の下側に該当する部位には、複数の貫通孔が形成されており、右上部スピーカ222からのサウンドを遊技者側へ良好に伝達させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、略無色透明でサイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210aと対応した部位がシワ状に形成されていると共に、放射レンズ部210bと対応した部位が平坦面状に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の周レンズ部210aに対応したシワ状の部位における前方へ突出した山部に複数の小径レンズが形成されている。このサイドインナーレンズ212は、シワ状の部位と複数の小径レンズとによって光を乱屈折及び乱反射させることができ、前側に配置されるサイドレンズ210と協同して右サイド装飾ユニット200の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイドレンズ210の周レンズ部210aと対応する位置に配置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイドレンズ210の放射レンズ部210bと対応する位置に配置されたLED214b,216bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、右サイド上装飾基板214のLED214cは、本例では、赤色と緑色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、サイド上部インナーレンズ206により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持するサイド上部インナーレンズ206は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって延びた円筒状のホーン部を備えており、ホーン部の上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されて正面視では右上部スピーカ222が遊技者側から見えないようになっている。
本例の右上部スピーカ222は、サイド上部インナーレンズ206のホーン部によって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、このサイド上部インナーレンズ206もまた、サイドインナーレンズ212と同様に、その前面がシワ状に形成されていると共に、シワ状の部位における前方へ突出した山部に複数の小径レンズが形成されており、シワ状の部位と複数の小径レンズとによって光を乱屈折及び乱反射させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド閃光レンズ204は、サイドレンズ210の後方へ窪んだ放射レンズ部210bの前側に挿入配置されるようになっており、紡錘状の複数の湾曲面によりゴツゴツした岩場を模したサイドレンズ210にアクセントを付けることができるようになっている。また、サイド閃光レンズ204は、後側に配置される右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216のLED214b,216aの発光により、放射状の発光演出を行うことができると共に、周レンズ部210aを遊技窓101の周方向へ分割させて夫々を強調させることができるようになっている。
[1−2C.左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図32乃至図36を参照して説明する。図32(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図33は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図34は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図35は左サイド装飾ユニットの断面図であり、図36は左サイド装飾ユニットの発光態様を写真で示す説明図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、右側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、左側及び上側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200とは非対称に形成されている。この左サイド装飾ユニット240は、右サイド装飾ユニット200の幅と略同じ幅で遊技窓101の周方向へ延びた複数の大窓枠242a、及び大窓枠242a同士の間に配置される楕円状の小窓枠242bを有した枠状のサイド下装飾フレーム242と、サイド下装飾フレーム242の上側に連続し遊技窓101の周方向へ延びると共に列設された二つの大窓枠244a、及び大窓枠244a同士の間に配置される一つの楕円状の小窓枠244bを有した枠状のサイド上装飾フレーム244と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の各小窓枠242b,244bに対して後側から嵌込まれるサイド閃光レンズ246と、サイド閃光レンズ246を後側から支持すると共にサイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244aに対して後側から嵌込まれる周レンズ部250aを複数有した透明なサイドレンズ250と、サイドレンズ250における周レンズ部250aの後側に配置され遊技窓101の周方向に延びた複数のスリット251aが形成され表面に金属光沢を有するメッキ層を備えたインナー装飾部材251と、インナー装飾部材251の後側に配置され遊技窓101の左右中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズにより形成された拡散部252aを有するサイドインナーレンズ252と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレンズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナーレンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板256の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の前側且つ正面視右上部に配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイドインナーレンズ252の前面右上部に取付けられる透明な上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケット264の前面に取付けられ正面視右上のインナー装飾部材251内に後側から挿入され左右中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズにより形成された拡散部266aを有する右上インナーレンズ266と、を備えている。なお、左上部スピーカ262は、サウンドを透過可能な金属板からなる保護板268を挟むように上部スピーカブラケット264に取付けられている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド下装飾フレーム242、サイド上装飾フレーム244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透光性の部材によって形成されており、インナー装飾部材251の表面には所定色(本例では、銀色)のメッキ層が備えられている。また、サイド閃光レンズ246は、透光性を有し全体が乳白色の合成樹脂により形成されている。また、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカブラケット264、及び右上インナーレンズ266は、略無色透明の合成樹脂によって形成されている。
なお、本例では、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における夫々の小窓枠242b,244bの両側(遊技窓101の左右中央下部を中心とした放射線状の軸線方向に対して小窓枠242b,244bを挟んだ両側)には、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の側面まで切欠いた状態で貫通する開口枠242c,244cが形成されており、小窓枠242b,244b及び両側の開口枠242c,244cが後側からサイド閃光レンズ246によって閉鎖されるようになっている。従って、遊技者側からは、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における小窓枠242b,244b及び開口枠242c,244cの後側が、乳白色のサイド閃光レンズ246によって視認できないようになっている。
一方、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における大窓枠242a,244aには、後側から透明なサイドレンズ250における周レンズ部250aが挿入されて閉鎖されており、透明な周レンズ部250aを通して後側に配置されたインナー装飾部材251が遊技者側から視認できるようになっている。このインナー装飾部材251の後側には、サイドインナーレンズ252の拡散部252aが位置しており、拡散部252aで光が乱屈折することでインナー装飾部材251のスリット251aを通してサイドインナーレンズ252の後側を明確に視認することができないようになっている。つまり、インナー装飾部材251のスリット251aを通してサイドインナーレンズ252の後側に配置された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装されたLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。
また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させることができるようになっている。
本例の左サイド装飾ユニット240におけるサイド下装飾フレーム242は、遊技窓101の左側外周に沿って上下方向へ延びた形態とされ、後側が開放された断面コ字状に形成されている。このサイド下装飾フレーム242は、遊技窓101の外周に沿って延び前後方向に貫通した複数の大窓枠242aと、大窓枠242a同士の間に配置され前後方向へ貫通した略楕円形状の小窓枠242bと、小窓枠242bの両側(遊技窓101側及びパチンコ機1の外側)に配置され前後方向に貫通すると共に側面まで切欠かれた開口枠242cと、を備えており、合成樹脂により形成されている。
サイド下装飾フレーム242は、大窓枠242aにサイドレンズ250の対応する周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっていると共に、小窓枠242b及び開口枠242cに対応するサイド閃光レンズ246が後側から嵌め込まれるようになっている。つまり、サイド下装飾フレーム242は、夫々対応するサイドレンズ250の周レンズ部250aとサイド閃光レンズ246の外周枠を形成することができるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイド上装飾フレーム244は、サイド下装飾フレーム242の上端に連続し遊技窓101の左上側外周から上側外周にかけて延びた正面視が略三角形状の形態とされ、後側が開放された断面コ字状に形成されている。このサイド上装飾フレーム244は、遊技窓101に沿って延び前後方向に貫通した二つの大窓枠244aと、大窓枠244a同士の間に配置され前後方向に貫通した略楕円形状の小窓枠244bと、小窓枠244bの両側(遊技窓101側及びパチンコ機1の外側)に配置され前後方向に貫通すると共に側面まで切欠かれた開口枠244cと、を備えており、合成樹脂によって形成されている。
このサイド上装飾フレーム244は、大窓枠244aにサイドレンズ250の対応する周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっていると共に、小窓枠244b及び開口枠244cに対応するサイド閃光レンズ246が後側から嵌め込まれるようになっている。つまり、サイド上装飾フレーム244は、夫々対応するサイドレンズ250の周レンズ部250aとサイド閃光レンズ246の外周枠を形成することができるようになっている。サイド上装飾フレーム244は、左サイド装飾ユニット240として組立てた状態では、サイド下装飾フレーム242と連続した意匠を形成するようになっている。
なお、本例では、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244は、黒色に着色されており、大窓枠242a,244a、小窓枠242b,244b、及び開口枠242c,244cから臨むサイドレンズ250やサイド閃光レンズ246が強調されて見えるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ250は、サイド下装飾フレーム242とサイド上装飾フレーム244とを組合せた大きさとされ、遊技窓101の左側及び上側で中央よりも左側に亘る大きさとされている。このサイドレンズ250は、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244aに後側から嵌め込まれる周レンズ部250aと、周レンズ部250a同士の間で後側へ窪んだ形態に形成され前側にサイド閃光レンズ246が配置される放射レンズ部250bと、を備えている。サイドレンズ250は、周レンズ部250aが夫々滑らかに湾曲した一つの曲面により形成されており、放射レンズ部250bが略平坦な面により形成されている。また、サイドレンズ250は、透明な合成樹脂により形成されており、後側が視認できるようになっている。
更に、左サイド装飾ユニット240におけるインナー装飾部材251は、サイドレンズ250における各周レンズ部250aの後側に配置され、遊技窓101の外周に沿って延び前後方向に貫通した複数のスリット251aを備えている。インナー装飾部材251は、図示するように、複数のスリット251aが、遊技窓101の外周に沿って延びると共に、遊技窓101の中央を中心として同心円状となるように、その幅方向に対しても複数備えられている。また、インナー装飾部材251は、複数のスリット251aが形成された前面が、サイドレンズ250の周レンズ部250aの内面に略沿った湾曲状に形成されている。なお、本例のインナー装飾部材251は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層を有しており、透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aを通して遊技者側から視認できるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251の後側に配置されると共にサイドレンズ250と略同じ大きさ且つ外形形状とされ、略無色透明な合成樹脂により形成されている。サイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251と対応する部位が各インナー装飾部材251の内部へ後側から挿入されるように前方へ膨出した拡散部252aが形成されている。このサイドインナーレンズ252の拡散部252aは、前面に遊技窓101の左右方向中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズが形成されており、帯状レンズの延びる方向が前側に配置されるインナー装飾部材251のスリット251aの延びる方向に対して交差(略直交)するようになっている。
サイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251のスリット251aを通して拡散部252aが遊技者側から見えるようになっているが、拡散部252aに形成された複数の帯状レンズにより光が乱屈折するため、拡散部252aを通しては後側が明確には見えないようになっている。また、サイドインナーレンズ252は、図示するように、拡散部252a同士の間が略平坦面となっており、後側に配置される左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256からの光を、拡散させたり屈折させたりすることなく前方へ透過させることができるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244a(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の小窓枠242b,244b及び開口枠242c,244c(サイドレンズ250の放射レンズ部250b、つまり、サイド閃光レンズ246)と対応する位置に配置されたLED254b,256bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持する上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部(図示は省略)を備えている。そして、上部スピーカブラケット264におけるホーン部の上端裏側に、左上部スピーカ262が保護板268を介して固定されるようになっており、正面視では、左上部スピーカ262が遊技者側から見えないようになっている。また、金属板からなる保護板268により、左上部スピーカ262にイタズラされたり、左上部スピーカ262のコーンを破ってパチンコ機1内に不正工具が挿入されたりするのを防止することができるようになっている。本例の左上部スピーカ262は、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音になり難いようになっている。
次に、本例の左サイド装飾ユニット240における特徴的な発光演出について説明する。左サイド装飾ユニット240は、上述したように、左サイド装飾ユニット240の外面を形成し湾曲した透明な周レンズ部250aを備えたサイドレンズ250と、周レンズ部250aの後側に配置され表面に金属光沢のメッキ層を有し前後方向に貫通した複数のスリット251aを備えたインナー装飾部材251と、インナー装飾部材251の後側に配置されスリット251aの延びる方向に対して交差する方向へ延びた複数の帯状レンズからなる拡散部252aを備えたサイドインナーレンズ252と、サイドインナーレンズ252の後側に配置され複数のLED254a,256aが実装された左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256と、を備えている(図35等を参照)。これにより、左サイド装飾ユニット240では、LED254a,256aを発光させると、前方へ照射された光が、サイドインナーレンズ252の拡散部252aで拡散された上でインナー装飾部材251のスリット251aを通り、サイドレンズ250の周レンズ部250aから遊技者側へと照射され、左サイド装飾ユニット240の周レンズ部250aを発光装飾させることができるようになっている。
ところで、インナー装飾部材251のスリット251aを通って前方(サイドレンズ250側)へ照射された光は、その一部が透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aを透過して遊技者側へ照射されると共に、残りの光が周レンズ部250aの内面で反射してインナー装飾部材251の前面を照射することとなる。そして、インナー装飾部材251に表面には銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられているので、周レンズ部250aの内面でインナー装飾部材251側へ反射した光が、インナー装飾部材251の表面(前面)で周レンズ部250a側へ反射することとなり、インナー装飾部材251の表面で反射した光の一部が周レンズ部250aを透過して遊技者側へ照射されることとなる。
この際に、本例では、図35に示すように、周レンズ部250a、インナー装飾部材251の前面、及びサイドインナーレンズ252の拡散部252aが、夫々滑らかに湾曲しているので、内面側(後面側)で反射した光は収束し外面側(前面側)で反射した光は拡散することとなり、周レンズ部250aには、インナー装飾部材251のスリット251aを通した直接的な光と、周レンズ部250a及びインナー装飾部材251の前面で反射した間接的な光とが、夫々ずれた位置に照射されることとなる。また、インナー装飾部材251のスリット251aを通過する光は、サイドインナーレンズ252における複数の帯状レンズにより形成された拡散部252aによって、スリット251aの延びた方向に対して縞状に拡散されると共に交差(略直交)する方向へ拡散される。従って、サイドレンズ250における周レンズ部250aには、スリット251aの幅よりも長くスリット251aの延びた方向に対して交差する方向へ延び、濃淡の異なる複数の縞状の光が照射(投影)されることとなり、遠近感のある幻想的な発光装飾をすることができるようになっている(図36を参照)。
[1−2D.上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。上部装飾ユニット280は、図示するように、前後方向に貫通した円環状の中央枠281a、中央枠281aの上部から左右に細長く延出し先端に向かうに従って細くなる枠状の上部延出枠281b、及び中央枠281aの下部から左右に延出し先端に向かうに従って細くなる枠状の下部延出枠281cを備えた前面装飾部材281と、前面装飾部材281の後側に配置され上部延出枠281b及び下部延出枠281cの枠内を閉鎖すると共に中央枠281aの内径よりも小径の貫通孔282aを備えた透光性を有する上部レンズ282と、上部レンズ282の貫通孔282aに挿入される筒状の中央スリーブ283と、中央スリーブ283内に挿入され前方へ膨出した上部中央レンズ284と、上部中央レンズ284の後側に配置され表面に微細なプリズムが複数形成された板状の拡散レンズ285と、拡散レンズ285の外周を保持すると共に上部レンズ282の後側に支持される環状のレンズ支持部材286と、レンズ支持部材286の後側に配置されレンズ支持部材286の内径と略同径の筒部287aを有した遮光部材287と、遮光部材287の後側に配置され遮光部材287の筒部287aの内側と対応した位置に配置された複数のLED288a、及び筒部287aの外側と対応した位置に配置された複数のLED288bが前面に実装された上部中央装飾基板288と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281、上部レンズ282、遮光部材287、及び上部中央装飾基板288を後側から支持するユニットベース289と、ユニットベース289の後側に配置され前面に複数のLED290aが実装された上部サイド装飾基板290と、上部サイド装飾基板290の後面を覆いユニットベース289の後側に取付けられる基板カバー291と、基板カバー291の後面下部に取付けられ後方に延出した取付ブラケット292と、取付ブラケット292の下側に取付けられ前面装飾部材281の下部後端から後方へ延出した上部下カバー293と、上部下カバー293の下側を覆い透光性を有すると共に所定形状に造形された上部下装飾カバー294と、を備えている。
更に、上部装飾ユニット280は、基板カバー291に取付けられると共に前面装飾部材281の上部後端から後方へ板状に延出し、左右方向中央に後端側が開放された切欠き部295aを有する上部上カバー295と、上部上カバー295の切欠き部295aを閉鎖する板状の蓋部材296と、ユニットベース289の正面視右側面に取付けられ所定形状に造形された飾り部材297と、を備えている。
本例の上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の表面に、銀色の金属光沢を有したメッキ層が形成されており、前面装飾部材281が外部からの光によってキラキラ光るようになっている。また、上部レンズ282は、無色透明な合成樹脂により形成されており、貫通孔282aの外周で前面装飾部材281の中央枠281a内に臨む中央環レンズ部282bと、前面装飾部材281における上部延出枠281b及び下部延出枠281cの枠内に臨む延出枠レンズ部282cと、を備えている。上部レンズ282は、中央環レンズ部282bの後面に放射状に延びた複数の帯状レンズが周方向に列設されていると共に、延出枠レンズ部282cの前面に貫通孔282aの軸芯を中心とした同心円状に延びた複数のプリズムが形成されている。これにより、上部レンズ282の複数のプリズムや帯状レンズにより、光を乱屈折させることができ、上部レンズ282の後側が明確には見えないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の上部中央レンズ284は、無色透明な合成樹脂により形成されている。この上部中央レンズ284は、前面側が滑らかな紡錘形状に形成されているのに対して、後面側が同心円状の複数のレンズが形成されており、光を乱屈折させることができるので、後側が明確には見えないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の上部中央装飾基板288は、前面に実装された複数のLED288a,288bが夫々フルカラーLEDとされており、上部中央レンズ284と前面装飾部材281における中央枠281aの枠内で上部中央レンズ284の外周とを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。更に、上部装飾ユニット280の上部サイド装飾基板290は、前面に実装された複数のLED290aが夫々フルカラーLEDとされており、それらLED290aが前面装飾部材281における上部延出枠281b及び下部延出枠281cの夫々枠内と対応した位置に配置されている。この上部サイド装飾基板290は、LED290aを適宜発光させることで、前面装飾部材281の上部延出枠281bや下部延出枠281cを発光装飾させることができるようになっている。
[1−2E.皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図45を参照して説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。図45は、扉枠における皿ユニットの貸球ユニットの部位で切断した断面図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301に貯留した遊技球を球送りユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。本例の皿ユニット300は、図43及び図44等に示すように、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニットベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体312の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられる上皿前部装飾部材316と、上皿前部装飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置される上皿上部インナー装飾部材318と、上皿前部装飾部材316における右側の部位と連続すると共に上皿上部パネル314における右側上部を覆う上皿上部右装飾部材319と、を備えている。
また、皿ユニット300は、上皿上部パネル314における左右中央から右側の下面に取付けられ表面に微細なプリズムが複数形成された板状の基板取付ベース320と、基板取付ベース320の下側に取付けられ上面に複数のLED322aが実装された上皿装飾基板322と、を備えている。この上皿装飾基板322のLED322aを適宜発光させることで、上皿前部装飾部材316の一部と上皿上部右装飾部材319を発光装飾させることができるようになっている。
更に、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326と、下皿本体324の下辺前端を被覆し正面視で右側へ延出した部位に後述する錠装置1000のシリンダ錠1010が臨む錠孔328aを有した下皿カバー328と、下皿カバー328の下端の左右中央左寄りの位置から右側を装飾し下皿カバー328の錠孔328aと同軸上に形成された上開口部330a及び上開口部330aの下側に開口し前方からハンドル装置500が挿入される下開口部330bを備えた下皿右サイドカバー330と、を備えている。
また、皿ユニット300には、下皿本体324の左辺前端及び下皿天板326の左側前端を覆う斜めに延びた下皿左上サイドカバー332と、下皿左上サイドカバー332の下端に配置され前後方向に貫通した開口部334aを有する下皿左下サイドカバー334と、下皿左下サイドカバー334の開口部334aを後側から閉鎖しサウンドが透過可能とされた金属板からなる保護カバー336と、保護カバー336の外周を保持し下皿左下サイドカバー334の後面に取付けられる枠状の保持部材337と、を備えている。なお、下皿天板326の右側前端は、上皿前部装飾部材316によって覆われるようになっている。
また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の左右両端上部に取付けられ右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と下皿サイドカバー330及び下皿左上カバー332の上端とがデザイン的に連続するような形状に形成されると共に扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130と対応する位置に前後方向に貫通した開口部338aを有するサイドスピーカカバー338と、サイドスピーカカバー338の開口部338aを後側から閉鎖し前側へ膨出するように緩く湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体339と、を備えている。
なお、本例では、カバー体339が、所定のパンチングメタルによって形成されているので、表側から押されたり、叩かれたりしても、変形し難いようになっており、サイドスピーカ130を可能な限り保護することができるようになっている。また、サイドスピーカカバー338は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が形成されている。カバー体339は、黒色に着色されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けられ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ機1に隣接して設置された球貸し機(CRユニットとも称す、図示は省略)を作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
本例の皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図43に示すように、左右方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口310d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さとされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されている。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝310fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース310は、図44に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口544aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようになっており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外径よりも若干高くなるようになっている。
従って、本例では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることができなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打込まれた遊技球による遊技に専念させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出した上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310iが、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続されている。
なお、本例では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口310gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310gの前側に溜まった下皿302内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿302内へ供給することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。この上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口310dの上下方向中間位置付近に、夫々位置するように形成されており、上皿球供給口310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な金属製の上皿レール313が取付けられている。この上皿レール313は、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側よりも外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316及び上皿上部インナー装飾部材318を取付けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
上皿前部装飾部材316は、無色透明な合成樹脂により、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に延びた形状に形成されている。この上皿前部装飾部材316は、左右方向中央右寄りの位置から左側が滑らかな形状に形成されているのに対して、右側が紡錘状に湾曲した複数の湾曲面により形成されており岩場のようなゴツゴツした形状に形成されている。また、上皿前部装飾部材316は、詳細な図示は省略するが、複数の湾曲面により形成された右側の後面に複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができると共に遊技者側から後側が明確に見えないようになっている。上皿上部インナー装飾部材318は、上皿前部装飾部材316における左側の滑らかに形成された部位の後側に配置されるものであり、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられている。これにより、上皿上部インナー装飾部材318は、組立てた状態では上皿前部装飾部材316の左側を通して見える部位が遊技者側から明確に見えるのに対して、上皿前部装飾部材316の右側を通して見える部位は遊技者側から不明確で距離感の定まらない感じに見えるようになっている。
また、上皿上部右装飾部材319は、無色透明な合成樹脂により形成されている。この上皿上部右装飾部材319は、表面が上皿前部装飾部材316の右側の部位と同様に、紡錘状に湾曲した複数の湾曲面により形成されており、上皿前部装飾部材316の右側の部位と一体的な形状に形成されている共に、上部右端側が後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の外周を装飾するように形成されている。また、上皿上部右装飾部材319は、裏面(下面)に複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができると共に、遊技者側から下側が明確に見えないようになっている。なお、上皿前部装飾部材316における右側の部位の後側と、上皿上部右装飾部材319の下側には、上皿装飾基板322が配置されており、上皿装飾基板322のLED322aを適宜発光させることで、上皿前部装飾部材316及び上皿上部右装飾部材319を適宜発光させることができるようになっている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板324aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板324aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上る側板324cと、を備えている。この下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上った上端が、前側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板324aの側端から上方へ立上った上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース310の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、黒色の合成樹脂で形成されている。一方、下皿サイドカバー330は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に銀色で金属感(鏡面ではなくサンドブラスト処理をしたような艶消しの状態)のあるメッキ層が備えられている。この下皿サイドカバー330は、下端から後方へ延出し皿ユニット300の底面の一部を形成する板状の部位を備えている。下皿カバー328の錠孔328aと下皿サイドカバー330の上開口部330aとは、本体枠3に取付けられた錠装置1000のシリンダ錠1010と対応した位置に形成されており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔328a及び上開口部330aからシリンダ錠1010の錠穴が臨むようになっている。
また、下皿左上カバー332は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられている。また、下皿左下カバー334は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に赤色の金属光沢を有したメッキ層が備えられており、下端から後方へ延出し皿ユニット300の底面の一部を形成する板状の部位を備えている。下皿左下カバー334の開口部334aは、後述する本体枠3に備えられたスピーカ821の前面に相当する位置に形成されており、スピーカ821からのサウンドを遊技者側へ透過させることができるようになっている。この下皿左下カバー334の開口部334aを閉鎖する保護カバー336は、金属板に複数の孔を穿設したパンチングメタルとされており、内部に不正工具が挿入されるのを防止している。
本例の皿ユニット300は、下皿サイドカバー330と下皿左下カバー334とによって左右方向中央を除いた底面が閉鎖されるようになっており、下皿サイドカバー330と下皿左下カバー334との間の底面が後述する下皿球抜き機構340によって閉鎖されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔314aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342を作動(回動)可能に支持すると共に皿ユニットベース310の前面に取付けられる取付ベース346と、取付ベース346に支持された作動片342の上下動によって上下方向へスライドし後述する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置される上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備えている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342がコイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態となっている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口する開口部344a(図43を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導流路344b(図42及び図44を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向かって延出し遊技球が流通可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿301内に貯留された遊技球を、球送りユニット580へ供給することができるようになっている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接した上端が扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して球送りユニット580の球抜口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310における下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送りユニット580の球抜口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖されている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出した当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aによって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導流路344bを介して、球送りユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口581bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出することができるようになっている。
なお、球送りユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネによって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当接しているので、球抜き部材583の仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で下皿サイドカバー330と下皿左下カバー334との間に配置され皿ユニット300の底面中央部を形成する下皿球抜きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター352を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持された下皿球抜きスライダ353と、下皿球抜きスライダ353の前端に取付けられる下皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター352は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔352bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネ356によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライダ353と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライダ353と当接することで、下皿球抜きスライダ353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネ356の付勢力により下皿球抜きスライダ353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352bが、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライダ353を所定位置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン354を、後方へ押圧すると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライダ353とが後方へスライドすると共に、下皿球抜きスライダ353の後方へのスライドによって開閉シャッター352がコイルバネ356の付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。なお、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜きスライダ353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライダ353が保持機構355によってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライダ353のスライドがロック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなると共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持され、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン354を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライド353の保持が解除されて、下皿球抜きスライド353がスライドすることができるようになり、コイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回動に伴って下皿球抜きスライド353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができるようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。この貸球ユニット360は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸し機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに形成された球貸ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになっている。また、球貸ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備えている。
更に詳述すると、貸球ユニット360は、貸出残表示部363の前面側を覆う透明な前カバー365と、前カバー365の後側に配置され貸出残表示部363が取付けられると共に貸球ボタン361及び返却ボタン362の操作により作動するスイッチが取付けられる貸球ユニット基板366(図45を参照)と、貸球ユニット基板366の後側を覆い皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bの後側に取付けられる後カバー367と、を備えている。なお、防犯カバー装着部364は、後カバー364の後面に備えられている。
この貸球ユニット360が取付けられる皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bには、貸球ボタン361及び返却ボタン362が臨む円形状のボタン開口310mと、ボタン開口310m同士の間に形成され前カバー365によって閉鎖される矩形状の表示開口310nと、二つのボタン開口310mの外周に夫々形成され前方へ突出した突出部310oと、を備えており、表示開口310nを閉鎖する透明な前カバー365を通して後側に配置された貸出残表示部363が遊技者側から見えるようになっている。また、皿ユニットベース310の突出部310oは、図45に示すように、前端が丸く形成されている。
本例の貸球ユニット360は、図示するように、皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bが、上皿301よりも上側で上皿球供給口310cの直上に配置されていると共に、正面を向くように配置されている。また、貸球ユニット360は、返却ボタン362が貸球ボタン361よりも左右方向中央寄りの位置に配置されている。なお、本例では、貸球ボタン361及び返却ボタン362が、皿ユニットベース310(貸球ユニット取付部310b)とは異なる色に着色されている。これにより、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362が認識し易くなっている。
また、貸球ユニット360は、貸球ボタン361及び返却ボタン362の外周から前方(遊技者側)へ突出した突出部310oを備えており、遊技者が上皿301内に手を挿入した際に、手が貸球ボタン361や返却ボタン362に触れる前に突出部310oに触れることとなるので、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362の存在に気付かせることができ、貸球ボタン361や返却ボタン362等を誤操作してしまうのを防止することができるようになっている。
本例の皿ユニット300は、上皿301と下皿302とを備えており、貯留皿を二つ備えた従前のパチンコ機と同様な感じのパチンコ機1とすることができるので、昔ながらのパチンコ機を髣髴とさせることができ、新しいパチンコ機1(新機種のパチンコ機)でも遊技者に与える不安感等を低減させて遊技するパチンコ機として選択し易いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−2F.操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図46乃至図50を参照して説明する。図46(A)は扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部405の下端と連結される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢するバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416bが通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー422の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上側に配置され所定形状に形成されると共に表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられたインナーカバー427と、インナーカバー427の上面を覆う透明な表面カバー428と、を備えている。インナーカバー427及び表面カバー428には、ダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能な円形の開口が形成されている。
更に、操作ユニット400は、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材416のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラーLED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、操作部保持部材416の下側に固定され、ダイヤル操作部401の回転を検知する一対の回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432c、及び押圧操作部405の直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備えている。このボタン装飾基板432は、操作部保持部材416の基板保持爪416gによって操作部保持部材416の下面に係止保持されるようになっている。
本例の操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材により形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端から外方へ延出し表面に所定の装飾が施された円環状の天板部401bと、天板部401bの外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部401cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に連結係止部401e(図48を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるようになっている。
更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部401fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a内へ没入するのを防止することができるようになっている(図50を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部401の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端とボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるようになっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光がボタンキャップ407及びキャップインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416f(図49及び図50を参照)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持部416bから抜けないように、上方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボタン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出しボタン装飾基板432の押圧検知センサ432cによって検知可能な押圧検知片406cを備えている。この押圧検知片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体406(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検知センサ432cによって検知されるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aよりも下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされていると共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径よりも小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ407(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fに当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a内へ没入することができないようになっている(図50を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認することができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材416におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている。この摺動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギアレール416a上に当接させることで、摺動ギア410がボタン支持筒416bと略同心状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア410とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の回転検知片410cを備えている。これら回転検知片410cは、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bによって検知されるようになっており、回転検知片410cと回転検知片410c同士の間に形成されたスリット410dとにより、回転検知片410cに対する各回転検知センサ432a,432bの検知パターンによって従動ギア410すなわちダイヤル操作部401の回転方向を検知することができるようになっている。なお、本例では、回転検知片410cとスリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア410と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ414によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができる。また、回転検知センサ432a,432bからの検知信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モータ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボタン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416f(図49及び図50を参照)と、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416cと、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた回転検知センサ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検知センサ432cが上側から臨む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基板432を係止保持するための一対の基板保持爪416gと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成すると共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することができると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するためのビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決めボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通させてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。また、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができるようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態となっている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成されており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作保持部材416の外周が嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備えている。また、ベース部材420は、図48に示すように、下部凹部420bの外側に下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本例では四つ)の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420fと、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体426を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるための複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようになっている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギアレール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420fが、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるようになっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ機1における前後方向)の一方(パチンコ機1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル部材401等を取付けた状態で、開口422aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うことで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することができるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材420における脚部420d下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ機1における左右方向)両端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に貫通し上カバー422が通過可能な開口426aと、開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材420のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
本例の操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5mm〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるようになっている。
なお、この操作ユニット400は、インナーカバー427及び表面カバー428を外した状態で、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定のビスで取付け、その後、カバー本体426の上面にインナーカバー427及び表面カバー428を取付けるような構造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cが、隣接する回転検知片410c同士の間のスリットにおける周方向の長さと、回転検知片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検知片410の周方向における長さの2.5倍の間隔とされている。これにより、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作することで、一対の回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知・非検知にタイムラグが発生し、各回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転しているのかを検知することができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計周りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、図50に示すように、押圧操作部405を下方へ押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本例の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ407の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401と共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によって遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
本例の操作ユニット400によると、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と押圧操作可能な押圧操作部405とを、金属製のベース部材420によって支持するようにしており、操作ユニット400の強度を高めることができるので、遊技者等が操作部401,405を強く叩いても、操作ユニット400が破損するのを防止することができ、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができると共に、操作部401,405の操作性を向上させることができ、操作部401,405を用いた演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、円環状のダイヤル操作部401の中心に押圧操作部405を配置するようにしており、押圧操作部405を強く叩こうとすると、蓋然的に、ダイヤル操作部401も叩くこととなり、操作部401,405を叩く力をダイヤル操作部401と押圧操作部405とに分散させることができ、叩いた衝撃が集中するのを抑制して、操作ユニット400や皿ユニット300が破損するのを防止することができるので、操作ユニット400の操作部401,405を強打に耐え得るものとすることが可能となり、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができ、操作部401,405の操作性を向上させることができると共に、操作部401,405を用いた演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ユニット400のベース部材420等を皿ユニット300の凹んだ操作ユニット取付部内314cに収容すると共にベース部材420の下端と操作ユニット取付部314cの底面との間で所定量の隙間が形成されるように、ベース部材420に取付けられたカバー本体426を皿ユニット300の上面に固定しており、操作ユニット400の操作部401,405を叩いて衝撃をかけたり、荷重をかけたりした場合、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接するまでは、カバー本体426の弾性変形によって衝撃や荷重を吸収することができ、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接した後には、操作ユニット取付部314cの底部(皿ユニット300)によって衝撃や荷重を受けることができるので、操作部401,405からの衝撃等を分散させて衝撃等が集中するのを回避させることができ、操作ユニット400及び皿ユニット300による耐衝撃性や耐荷重性を高めることができる。
更に、操作部401,405を支持する位置から離れた位置に下方へ突出した複数の脚部420eをベース部材420に備えるようにしており、ベース部材420の脚部420eが皿ユニット300における操作ユニット取付部314cの底面と当接して、操作部401,405からの衝撃がベース部材420にかかっても、衝撃の直下に脚部420eが配置されていないので、ベース部材420における操作部401,405を支持した部位が衝撃によって撓むこととなり、ベース部材420が撓む(弾性変形する)ことで操作部401,405からの衝撃をある程度吸収することができ、ベース部材420から皿ユニット300へかかる衝撃を減少させて皿ユニット300が破損するのを防止することができる。
また、ベース部材420に下側から取付けられる操作部保持部材416によって、ダイヤル操作部401の一部が平面視でベース部材420と重なるようにダイヤル操作部401を保持するようにしているので、ダイヤル操作部401を上側から強打した時に、ダイヤル操作部401を保持する操作部保持部材416がベース部材420から外れて下方へ移動しても、ベース部材420の上面にダイヤル操作部401が当接してベース部材420によりダイヤル操作部401の下方への移動を規制することができ、ダイヤル操作部401が落ち込んでしまうのを良好に防止することができる。
更に、中心に押圧操作部405を配置したダイヤル操作部401を、遊技状態に応じてダイヤル駆動モータ414により回転させるようにしているので、勝手に回転(振動も含む回転駆動)するダイヤル操作部401によって、遊技者を驚かせて操作部401,405による演出に注目させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、ダイヤル操作部401をダイヤル駆動モータ414によって適宜駆動させることで、ダイヤル操作部401(押圧操作部405)を用いた演出をより多様なものとして飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ダイヤル操作部401を従動ギア410及び駆動ギア412を介してダイヤル駆動モータ414によって回転させるようにしており、蓋然的に、ダイヤル駆動モータ414の回転軸の位置をダイヤル操作部401(従動ギア410)の回転軸の位置に対して偏芯した位置とすることができるので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405が強く叩かれても、その衝撃がダイヤル操作部401の回転軸を介して直接ダイヤル駆動モータ414にかかるのを回避させることができ、ダイヤル駆動モータ414(操作ユニット400)が破損するのを防止することができる。
更に、ベース部材420の開口420aをダイヤル操作部401よりも小径とした上で、その開口420aを通して操作部保持部材416のギアレール416aによりダイヤル操作部401を支持するようにしているので、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重によってギアレール416a(操作部保持部材416)が下方へ移動しても、ダイヤル操作部401がベース部材420の開口420a上面に当接することができ、ダイヤル操作部401がベース部材420よりも落ち込んでしまうのを確実に防止することができる。また、ダイヤル操作部401を円環状のギアレール416aによって支持するようにしているので、ダイヤル操作部401と操作部保持部材416(ギアレール416a)との接触面積を増加させることができ、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重を分散させて操作部保持部材416が破損するのを防止することができる。
また、ダイヤル操作部401を回転駆動させるダイヤル駆動モータ414を金属製のベース部材420に取付けるようにしているので、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を頻繁に回転駆動させたり、ダイヤル駆動モータ414により回転駆動させられているにも関わらず遊技者によってダイヤル操作部401の回転が強制的に停止させられていたりすることで、ダイヤル駆動モータ414に対する過度の負荷により発熱量が多くなっても、ダイヤル駆動モータ414から発生する熱を、ベース部材420を介して良好に発散・放熱させることができ、過熱によってダイヤル駆動手段414に不具合が発生するの防止することができると共に、ダイヤル駆動手段414を高い負荷に耐えられるようにすることが可能となり、上述したようなダイヤル駆動手段414を用いたダイヤル操作部401の演出を十分に具現化することができ、遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、ダイヤル操作部401の回転を検知する回転検知センサ432a,432bと、押圧操作部405の押圧を検知する押圧検知センサ432cと、を備えるようにしており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の回転操作や押圧操作を検知することができるので、その検知信号に基いて遊技者の操作に応じた演出を行うことが可能となり、操作部401,405を操作する遊技者に対してより一体感の有る演出を提供することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、操作部401,405を発光装飾させるためのダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板432を備えるようにしており、操作部401,405を発光装飾させることができるので、操作部401,405を発光させることで、遊技者の関心を操作部401,405に引付けることができ、遊技者に対して操作部401,405を操作させ易くすることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405を押圧した時に、押圧操作部405の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが互いに接触するようにしているので、遊技者が押圧操作部405を押圧した時に、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を所定角度範囲内で正転・逆転を繰返させて振動させることで、ダイヤル操作部401の突出部401fと接触した段部407aを介して押圧操作部405も振動させるができる。従って、押圧操作部405を振動させるためのバイブレータ等を別途備えなくても、遊技者に対して押圧操作405に対する操作感を付与することができるので、操作ユニット400を用いた演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、押圧操作部405を押圧操作した時に押圧操作部405が振動するので、勝手には動かないと思っていた押圧操作部405が動くことで遊技者を大きく驚かせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。従って、従来の操作部と違ってダイヤル操作部401や押圧操作部405が勝手に動くことで遊技者の関心を操作ユニット400へ強く引付けることができ、操作ユニット400を用いた演出へ参加させ易くすることができると共に、遊技者に対して操作ユニット400を積極的に操作させることができ、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、押圧操作部405を押圧操作した時に、押圧操作部405とダイヤル操作部401とが互いに接触するようにしているので、押圧操作部405からの力をダイヤル操作部401側へ伝達させることが可能となり、押圧操作部405を強打された場合でも、押圧操作部405にかかった荷重や衝撃をダイヤル操作部401側にも分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。従って、押圧操作部405を強打しても、押圧操作部405が破損するのを防止することができるので、押圧操作部405(操作ユニット400)の破損によって遊技が中断してしまうのを回避させることができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、押圧操作部405を、上下方向へ延びた軸心周りに対して所定角度範囲内のみ回動可能に支持するようにしており、遊技者が押圧操作部405を押圧操作した時に、ダイヤル駆動モータ414によってダイヤル操作部401を回転駆動させても、押圧操作部405がダイヤル操作部401と一緒に回転しようとするのを防止することができるので、遊技者に対して操作ユニット400におけるダイヤル操作部401と押圧操作部405の夫々の役割を確実に認識させることができ、遊技者に対して操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができると共に、押圧操作部405の上面に案内された「PUSH」の文字が回ったり大きく傾いたりすることがなく遊技者側から読み易くすることができ、遊技者に対して押圧操作部405が押圧操作するものであることを確実に認識させることができる。
また、ダイヤル操作部401における内筒部401aの内周から軸心側へ突出した突出部401fを備えると共に、押圧操作部405の外周面に上下方向の所定位置よりも下側を小径とすることで形成する段部407aを備えるようにしているので、操作ユニット400の上端ではダイヤル操作部401の内筒部401aの内周面と押圧操作部405の外周面とを可及的に近付けることができ、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を可及的に小さくして見栄えを良くすることができると共に、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を介して操作ユニット400内へゴミや埃等の異物の侵入をし難くすることができ、異物の侵入によってダイヤル操作部401が回動し難くなったり、押圧操作部405を押圧し難くなったりする不具合の発生を防止することができる。
更に、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を円環状に形成しており、押圧操作部405を押圧操作した際に、ダイヤル操作部401に対して周方向のどの位置でも接触することができるので、押圧操作部405が傾くような感じで押圧(押圧操作部405の中心よりも外周へ偏った位置を押圧)されても、確実にダイヤル操作部401と接触させることができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの回動駆動を押圧操作部405へ確実に伝達させることができる。また、ダイヤル操作部401と押圧操作部405とが円環状に接触するので、押圧操作部405からの荷重を広くダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を、ダイヤル操作部401の回転軸心の方向へ向かって低くなるように傾斜させているので、傾斜していない場合と比較して相対的に接触面積を増やすことができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの駆動力を押圧操作部405側へ伝達させ易くすることができる。また、押圧操作部405からの荷重を、回転軸心の延びた方向に対して直角方向の外側方向へ放射状に分散させることができ、荷重が集中するのを防止して、操作ユニット400における耐荷重性や耐衝撃性を確実に高めることができると共に、操作ユニット400の耐久性を高めることができ、遊技中に不具合が発生するのを可及的に低減させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414を、正転・逆転可能なステッピングモータとしているので、ダイヤル操作部401を単に回転させるだけでなく、簡単に所定位置で停止させたり、正転、逆転の繰返しにより簡単に振動させたりすることができ、上記の作用効果を奏する操作ユニット400(パチンコ機1)を確実に具現化することができる。
また、遊技球を貯留する上皿301を備えた皿ユニット300に操作ユニット400を支持させるようにしているので、蓋然的に、多数の遊技球を貯留するために皿ユニット300の強度剛性が高くなっており、操作ユニット400(押圧操作部405)への強打に対しても充分に対応することができ、操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができる。
[1−2G.ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。図51(A)は扉枠におけるハンドル装置を分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における下皿サイドカバー330の下開口部330bを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対回転可能にハンドルベース502の前側に配置されるハンドル本体504と、ハンドル本体504の前面に配置されると共にハンドルベース502に固定されハンドルベース502と協働してハンドル本体504を回転可能に支持する前端カバー506と、を備えている。
また、ハンドル装置500は、ハンドル本体504の後側でハンドルベース502の前面に取付けられるインナーベース508と、インナーベース508及び前端カバー506とによって後端及び前端が回転可能に支持されると共にハンドル本体504と一体回転可能とされ外周に駆動ギア部510aを有した軸部材510と、軸部材510の駆動ギア部510aと噛合する伝達ギア511と、伝達ギア511と一体回転可能な検知軸部512aを有しインナーベース508とハンドルベース502との間に挟持される回転位置検知センサ512と、を備えている。
更に、ハンドル装置500は、一端側がインナーベース508に取付けられると共に他端側が伝達ギア511に取付けられ伝達ギア511を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aを正面視で時計回りの方向へ付勢する補助バネ514と、インナーベース508の後側に取付けられるタッチセンサ516と、タッチセンサ516とはインナーベース508の後面の異なる位置に取付けられる発射停止スイッチ518と、インナーベース508に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタン520と、一端側がハンドルベース502に取付けられると共に他端側がハンドル本体504に取付けられハンドル本体504を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢するハンドル復帰バネ522と、を備えている。
本例のハンドル装置500のハンドルベース502は、図示するように、前側が開放され後方へ丸く膨出した前端部から後方へ円筒状に延びた後端部を有した形態とされ、後端部の円筒状の外周に軸方向へ延びた三つの溝部502aが形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット140における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部502aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入することで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
ハンドル装置500は、ハンドル本体504に、その回転軸と同心円状に配置された円弧状のスリット504aが形成されていると共に、前端カバー506に、後方へ突出する三つの取付ボス506aが形成されており、これら取付ボス506aがハンドル本体504のスリット504aを通してハンドルベース502の前面に固定されるようになっている。これにより、ハンドル本体504におけるスリット504aの周方向端部が、前端カバー506の取付ボス506aに当接することで、ハンドル本体504の回転範囲が規制されるようになっている。
また、ハンドル装置500は、ハンドル本体504に、後方へ突出する係止突部504bが形成されており、この係止突部504bにコイル状のハンドル復帰バネ522の他端側(前端側)が係止されることで、一端側がハンドルベース502に取付けられたハンドル復帰バネ522によってハンドル本体504が正面視で反時計周りの方向へ回動するように付勢されている。
本例のハンドル装置500は、扉枠ベース本体110のハンドル取付部114に対して、ハンドルブラケット140を介して取付けられるようになっている。この扉枠ベース本体110のハンドル取付部114は、上方から見た平面視において、その取付面が、外側(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けられるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置500を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転位置検知センサ512が可変抵抗器とされており、ハンドル本体504(ハンドル装置500)を回転させると、軸部材510及び伝達ギア511を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aが回転することとなる。そして、検知軸部512aの回転角度に応じて回転位置検知センサ512の内部抵抗が変化し、回位置検知センサ512の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、ハンドル装置500の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域1100内へ打込まれるようになっている。
なお、ハンドル本体504や前端カバー508の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル本体504等に接触することでタッチセンサ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチセンサ516が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル本体504が回動すると、その回動に応じた強さで発射ソレノイド654の回転駆動が制御されて、遊技球を打込むことができるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの方法でハンドル装置500を回転させて遊技球の打込みを行おうとしても、発射ソレノイド654は駆動されず、遊技球を打込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技をすることを防止してパチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができるようになっている。
また、遊技者がハンドル装置500を回転操作中に、単発ボタン520を押圧すると、発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検知し、発射制御部4120(図153を参照)によって発射ソレノイド654の回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル装置500の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除することで、単発ボタン520を操作する前の打込強さで遊技球を発射することができるようになっている。
本例のハンドル装置500は、ハンドル本体504の回転操作を回転位置検知センサ512によって電気的に検知した上で、その回転位置検知センサ512からの回転位置の検知に基いて、発射制御部4120で発射ソレノイド654の回転駆動強さを制御するようにしているので、従来のパチンコ機のように、扉枠5に備えられるハンドル装置500と、本体枠3に備えられる打球発射装置650とを、扉枠5の閉鎖時には互いに連係し、扉枠5の開放時には連係が解除されるように機械的(例えば、ジョイントユニット)な機構を備える必要が無く、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができると共に、ジョイントユニットでの不具合の発生をなくすことができ、遊技球の打込不具合によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
[1−2H.ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52及び図53を参照して説明する。図52(A)は扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)ファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図53は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。本例のファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カバー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図52(B)に示すように、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、第一球入口542aと連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球入口542cと連通しカバーベース542の内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球通路542dと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776と夫々対向する位置に形成されている。なお、カバーベース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベース542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片542gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース540の前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース540の第一球通路542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカバーベース540の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544bと、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるようになっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになっている。
本例のファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを介して上皿301へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを介して下皿302へ供給することができるようになっている(図82を参照)。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出(供給)することができるようになっている。
また、本例のファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動を検知する満タン検知センサ550と、揺動部材548が満タン検知センサ550によって非検知状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は、図53に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、動揺部材548は、収容空間546側とは反対側の側面に外側へ突出する検知片548aが形成されており、この検知片548aが満タン検知センサ550よって検知されるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端を夫々被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の流通による転動抵抗によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本例では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿301へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となった状態で更に遊技球が賞球ユニット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路775側へ遊技球が流通するようになり(図79を参照)、満タン分岐ユニット770の満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検知片548aが、満タン検知センサ550によって検知されると、払出制御基板4110(図153を参照)において賞球ユニット700から遊技球の払出が停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タン検知センサ550による検知片548aの検知が非検知となり、賞球ユニット700からの遊技球の払出が再開されるようになっている。
[1−2I.球送りユニット]
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図54乃至図57を参照して説明する。図54(A)は扉枠における球送りユニットの正面斜視図であり、(B)は球送りユニットの背面斜視図である。また、図55は、球送りユニットの背面図である。また、図56(A)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。更に、図57(A)は球送りユニットにおける不正防止部材の平面図であり、(B)は不正防止部材の正面図であり、(C)は不正防止部材を前から見た斜視図であり、(D)は不正防止部材の作用を示す説明図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送りユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送り開口113を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー581の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材584と、球送り部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本例では、図示するように、正面視で、球送り部材584が進入口581aの右側に配置されており、この球送り部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585が夫々配置されている。
この球送りユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切り上面が球送り部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、仕切部583aの球送り部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部583bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリット581cを通して前方へ突出するように形成されており(図54を参照)、扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送り部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部584bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送り部材54における遮断部584aと球保持部584bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材584の球保持部584bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送り部材584は、球送ソレノイド585の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送り部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部584bが打球供給口582aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部584bが仕切部583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送り部材584が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側への移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送り部材584が保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送りユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿586と、球送り作動桿586における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材584を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク587と、を備えている。この球送りクランク587は、球送り作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部587aと、係合部587aの球送り作動桿586と係合する側とは反対側に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送り部材584における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図56を参照)と係合する伝達部587cと、を備えている。
本例の球送りユニット580は、球送り作動桿586及び球送りクランク587によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送り作動桿586の動きを伝達させて球送り部材584を回動させることができるようになっている。なお、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、この状態では球送り部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド585の駆動時では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材584が保持位置へ回動するようになっている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送り部材584が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。この球送りユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになっている。
また、本例の球送りユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は、錘部583cによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、その回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aによる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部581a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
また、本例の球送りユニット580は、後カバー582における打球供給口582aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部582b(図56(B)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部582b内に不正防止部材588が取付けられている。球送りユニット580の不正防止部材588は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー582の取付凹部582a内に対して後側から脱着可能に取付けられている。この不正防止部材588は、図55等に示すように、背面視における全体の外形が横長の矩形状に形成されており、背面視で左辺側となる先端における上下方向の略中央から反対側の基端側(右辺側)へ向かって所定長さ伸びた分割線588aを境界として上下に分断された上片部588b及び下片部588cと、上片部588b及び下片部588cの先端が互いに遠ざかるように上片部588bの基端側を不正防止部材588の一般面に対して垂直方向(後方)へ屈曲させることで上片部588bと下片部588cとの間に形成されるV字状の切断部588dと、上片部588b及び下片部588cの先端に形成され切断部588dへ向かって傾斜した傾斜部588eと、を備えている。
この不正防止部材588は、図示するように、上片部588bの先端(背面視で左端側)が後方へ移動するように上片部588bの基端側が屈曲されることで、切断部588dが平面視でV字状に形成されており、V字状の内部に不正な遊技球Iに付けられた線材Iwが挿入されるようになっている。この不正防止部材588の切断部588dは、上片部588bの下辺と下片部588cの上辺とが平面視において所定角度で交差した状態となっており、基端側へ向かうに従って隙間が狭くなるように形成されている。
また、不正防止部材588の傾斜部588eは、切断部588dの先端に形成されており、傾斜部588eによって不正な遊技球Iに付けられた線材Iwを切断部588d内へ誘導案内することができるようになっている。本例の球送りユニット580は、不正防止部材588が、図示するように、後カバー582の取付凹部582b内に後側から取付けられていると共に、後カバー582における取付凹部582b内の切断部588dが形成された部位と対応した部位が前後方向に貫通すると同時に打球供給口582aと連通した形態に形成されている。換言すると、後カバー582は、打球供給口582aが取付凹部582b内まで延びだした形状に形成されている。
この不正防止部材588によると、線材Iwが付けられた不正な遊技球Iを球送りユニット580から打球発射装置650へ供給し、打球発射装置650によって不正な遊技球Iを遊技盤4の遊技領域1100内へ向かって打込むと、打球発射装置650によって発射された不正な遊技球Iが発射レール660に沿って正面視で斜め左上へと移動し、外レール1111と内レール1112との間を通って遊技領域1100内に侵入しようとする。この際に、不正な遊技球Iに付けられた線材Iwは、打撃された遊技球Iの勢いによって引張られることとなり、線材Iwは不正な遊技球Iの移動軌跡とは異なり、遊技球の通路内において最短距離で結ぶルート上に沿うように移動することとなる。従って、皿ユニット300から球送りユニット580の打球供給口582aを通って打球発射装置650側へ延びた線材Iwは、遊技球Iが正面視で左上方向(背面視で右上方向)へ移動することで、最短ルート上へ移動しようと打球供給口582aの背面視右上隅の方へと引張られ、打球供給口582aの背面視右上に形成された取付凹部582b内へと移動することとなる。そして、打球供給口582aの背面視で右方へ延出した部位(取付凹部582b内)へ移動した線材Iwは、当該位置に配置された不正防止部材588の一対の傾斜部588eによって、切断部588d内へと案内された上で、更に、不正な遊技球Iの勢いによって背面視右方へと引張られる。
これにより、不正な遊技球Iに付いた線材Iwが、不正な遊技球Iの勢いにより、不正防止部材588の切断部588dで、その隙間が狭くなる方向(正面視で左方向)へ引張られた状態となり、切断部588dにより摩擦や剪断力が作用して、線材Iwが切断されることとなる(図57(D)を参照)。この際に、線材Iwが付いた不正な遊技球Iは、線材Iwに作用する摩擦等によりその勢いが減衰するので、遊技領域1100内へ侵入することなく外レール1111と発射レール660との間を通って排出されることとなる。
従って、不正防止部材588の切断部588dによって、不正な遊技球Iに付いた線材Iwを切断することができるので、遊技領域605内において線材Iwの付いた不正な遊技球Iで不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。なお、仮に不正な遊技球Iが遊技領域1100内へ侵入した場合でも、上述したように、不正防止部材588により線材Iwを切断することができるので、不正行為を行うことができない状態となる。また、仮に不正防止部材588により線材Iwを切断することができなかった場合でも、線材IwがV字状の切断部588dに食込むことで不正な遊技球Iの勢いを減衰させて遊技領域1100内に侵入するのを阻止することができるので、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
上述したように、本例によると、上皿301内に遊技球を貯留させて球送りユニット580へ遊技球を供給した上で、扉枠5の前面に備えられたハンドル装置500を遊技者が操作すると、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動によって遊技球が打球発射装置650へ送られ、打球発射装置650によって遊技球が遊技領域1100へ打込まれることで、扉枠5の遊技窓101を介して視認可能とされた遊技領域1100内で遊技が行われることとなり、遊技者を楽しませることができると共に、扉枠ベースユニット100の後面に送り機構(球送り部材584や球送ソレノイド585等)と排出機構(球抜き部材583)とを備えた球送りユニット580を配置しているので、球送り部材584と球抜き部材583だけでなく球送り部材584と打球発射装置650も可及的に接近した状態となり、上皿球抜きボタン341の操作によって上皿301内の遊技球を排出させた時に、球送り部材584側に残存する遊技球の数を可及的に低減させることができ、遊技者が損した気分となるのを回避させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球抜き部材583を備えた球送りユニット580を扉枠ベースユニット100の後面に配置しているので、皿ユニット300における上皿301の容量を大きくすることが可能となり、遊技球の打込操作によって上皿301内の遊技球が早期になくなったり、上皿301内が遊技球で早期に満タンとなってしまったりするのを抑制することができ、上皿301内の遊技球に対して遊技者が煩わしく感じるのを低減させて興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301の容量を維持した状態で皿ユニット300を小型化することができるので、相対的に遊技領域1100を大きく(広く)して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、球送りユニット580に球抜き部材583を備えるようにしているので、球送り部材584と球抜き部材583とを別々にしたものと比較して、球送りユニット580を取付けるだけで球送り部材584と球抜き部材583を取付けることができ、組立てに係る手間を簡略化することができると共に、送りユニット580を容易に交換することができ、球送り部材584や球抜き部材583に不具合が発生しても、球送りユニット580を交換することで簡単に不具合を解消させることができる。
更に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の後面に球送りユニット580を配置するようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにしたものと比較して、上皿球抜きボタン341の操作を球送りユニット580の球抜き部材584へ伝達させる伝達機構(上皿球抜き機構340)を開閉可能な扉枠5と本体枠3とに跨るように構成する必要がなく、伝達機構にかかる構成を簡略化することができる。また、球送りユニット580を扉枠5側に備えるようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにした場合と比較して、扉枠5を開放する度に伝達機構(上皿球抜き機構340)が遮断されることで伝達機構が早期に消耗して誤作動したり破損したりする虞を回避させることができ、伝達機構や球送りユニット580等の作動に対する信頼性や耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作するものとしているので、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧するだけで上皿301から遊技球を下皿302へ排出させたり、上皿301からの遊技球の排出を停止させたりすることができ、遊技者に対して上皿球抜きボタン341による上皿301内の球抜き操作を楽に操作させることができる。
また、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上下方向へスライドする上皿球抜きスライダ343の動きによって、球抜き部材583の仕切部583aを可動させるようにしており、上皿球抜きスライダ343と共に仕切部583aも上下方向へ可動するので、上皿球抜きスライダ343や仕切部583aに係る水平方向の移動範囲を可及的に小さくすることが可能となり、上皿球抜き機構340や球送りユニット580を小型化することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、上皿球抜きスライダ343を上方へ付勢すると共に、上皿球抜きスライダ343が上昇位置の時に球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと打球供給口582aとを連通させるようにしているので、上皿301から遊技球が勢い良く仕切部583aに当接しても、その衝撃を上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって緩和させることができ、仕切部583a(球抜き部材583)の耐久性を高めることができる。また、上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって仕切部583aに係る衝撃を緩和させることができるので、遊技球が仕切部583aに衝突しても撥ね難くすることができ、遊技球の撥ねにより球送りユニット580等が破損して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、仕切部583aを回動させるようにしているので、仕切部583aをスライドさせるようにした場合と比較して、仕切部583aに遊技球の荷重がかかった時の仕切部583aの移動に係るフリクションロスを低減させることができ、上皿球抜きボタン341の操作を軽くして操作性を向上させることができると共に、平面投影において仕切部583aの移動範囲を小さくすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、仕切部583aを、自重によって進入口581aと球抜口581bを連通する方向へ回動させるようにしているので、仕切部583aや上皿球抜き機構340に不具合が発生した場合、仕切部が自重によって回動することで進入口581aと球抜口581bとを連通させた状態となり、上皿球抜きボタン341を操作していないのにも関わらず上皿301内の遊技球が打球発射装置650側へ送られずに遊技者側へ排出されることとなるため、遊技者に対してパチンコ機1に不具合が発生していることを認識させることができ、不具合の無いパチンコ機1へ移動させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、球抜き部材583において仕切部583aを屈曲した回動棹部583bを介して回動させるようにしているので、遊技球が仕切部583aに衝突した場合、その衝撃を屈曲した回動棹部583bによって分散させたり、回動棹部583bの撓りによって吸収させたりすることで、回動軸へ直線的に衝撃が伝達されるのを防止することができ、球抜き部材583の耐久性を高めることができる。
また、上皿301側と連通する進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、上皿301内の遊技球を排出させる際に、球送りユニット580内での遊技球の左右方向の動きを最小限とすることができ、球送りユニット580内での遊技球の通りを良くして遊技球を良好に排出させることができる。また、進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、球送りユニット580内における遊技球の排出経路を可及的に短くすることができ、球送りユニット580に排出機構としての球抜き部材583を備えても、球送りユニット580が不必要に大型化するのを抑制することができる。
更に、不正防止部材588を、後カバー582の後側の取付凹部582bに取付けるようにしており、不正防止部材588(切断部588d)を打球発射装置650に対して可及的に近い位置に配置することができるので、打球発射装置650によって発射された直後の最も速度の速い(勢いのある)状態の不正な遊技球Iに付着した線材Iwが切断部588dに接触することとなり、切断部588dに対して線材Iwが速く(強く)引張られることで、線材Iwを確実に切断することができると共に、不正な遊技球Iの勢いを減衰させて遊技領域1100内に侵入するのを阻止することができ、不正な遊技球Iによって不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
また、切断部588dを備えた不正防止部材588を、後カバー582の後面から前方へ向かって窪んだ取付凹部582b内に取付けるようにしているので、V字状の切断部588dを形成するために後方へ折曲げられた上片部588bが後カバー582の後端面から後方へ突出しない状態とすることができ、不正防止部材588の上片部588bによって組立て等の際に作業者が怪我をしてしまうのを防止することができる。
また、不正な遊技球Iに付けられた線材Iwを切断することが可能な不正防止部材588において、金属板材の右端から伸びた分割線588aを挟んで上側の上片部588bを後方へ屈曲させることで、V字状の切断部588dを形成するようにしているので、剪断力を発揮することが可能な切断部588dを簡単に形成(加工)することができ、パチンコ機1に係るコストが増加するのを抑制することができる。
[1−2J.ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図108を参照)と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両辺の上部に配置され外方へ板状に延出した二つの止め片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方から係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によってユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対して脱着可能に取付けられるようになっている(図21等を参照)。
[1−2K.扉枠における造形装飾]
次に、扉枠5における造形装飾、つまり、形状的な装飾について主に図17、図19、図20、及び図58を参照して説明する。図58は、扉枠を上下方向略中央で切断して示す断面図である。本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300が配置されている。
扉枠5は、遊技窓101を挟んで両側の外観が大きく異なっており、右側が右サイド装飾ユニット200の外面を形成するサイドレンズ210によりゴツゴツした自然の岩のような感じの外観となっているの対して、左側が左サイド装飾ユニット240の透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aから見えるサイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244により金属質のシャープで人工的な感じの外観となっている。
また、扉枠5は、図58に示すように、右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とでは、前方への突出量が異なっており、右サイド装飾ユニット200の方が左サイド装飾ユニット240よりも大きく前方へ突出している。また、右サイド装飾ユニット200の前端は前方へ尖ったような形状に形成されているのに対して、左サイド装飾ユニット240の前端は緩く湾曲した平面状に形成されている。
これにより、本例の扉枠5は、右前方から見た時には右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とが互いに同じようなボリュウムに見える(図19を参照)のに対して、左前方から見た時には右サイド装飾ユニット200が左サイド装飾ユニット240よりも大きく見える上に左サイド装飾ユニット240の装飾が殆ど見えなくなり、パチンコ機1に対する遊技者の立ち位置によって異なる印象を与えることができるようになっている。つまり、本パチンコ機1に対する遊技者の位置によって本パチンコ機1の外観が変化して見えて機種の異なるパチンコ機のように錯覚させることができるので、遊技するパチンコ機を選択中の遊技者等に対する訴求力を高くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠5の前面外観を左右非対称としているので、例えば、遊技ホールの島設備等で本パチンコ機1を左右方向へ複数列設した場合、島設備全体の外観がのっぺりとしたベタな感じになってしまうのを抑制し異なる形態の右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とが交互に配置されることでリズミカルな印象を与えて遊技者をワクワクさせられる外観(雰囲気)とすることができ、遊技者に対する訴求力を高くして遊技者の関心を強く引付けることができる。
また、扉枠5は、各ユニット200,240,280,300に備えられた装飾基板214,216,254,256,288,290,322等に実装されたLEDを発光させることで、遊技窓101を囲むように任意の発光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240に備えられた装飾基板214,216,254,256に実装されたLEDのうち、サイド閃光レンズ204,246の後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるようになっている。
[1−2L.扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図59及び図60を参照して説明する。図59は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図60は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,288,290,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したように、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿うように配置されていると共に、サイド閃光レンズ204,246が遊技窓101の左右方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部210a,250a同士の間に配置されている。
本例の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210の周レンズ部210aが略紡錘状の複数の湾曲面により形成されているのに対して、左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ250の周レンズ部250aが一つの滑らかな緩い湾曲面により形成されている。また、扉枠5は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の後側に、光を拡散させることが可能なサイドインナーレンズ212,252が配置されている。なお、左サイド装飾ユニット240では、サイドレンズ250における周レンズ部250aとサイドインナーレンズ252との間に複数のスリット251aを有したインナー装飾部材251が配置されている。
また、扉枠5は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドインナーレンズ212,252の後側に、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256が配置されており、各装飾基板214,216,254,256の前面には複数のLED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256bが実装されている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a,254a,256aと、放射レンズ部210b,250b(サイド閃光レンズ204,246)と対応する位置に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを備えている。本例では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが比較的高輝度のLEDとされている。また、右サイド上装飾基板214における上部右端に配置された二つのLED214cは、緑色LEDと赤色LEDとされている。
なお、本例では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED210a,210b等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED210a,210b等からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をより明るく発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、左右方向中央に配置される上部中央レンズ284と、上部中央レンズ284の外周に配置される環状の中央環レンズ部282bと、中央環レンズ部282bよりも外側で外方へ延びた四つの延出枠レンズ部282cと、を備えている。なお、正面視右下側の延出枠レンズ部282cは前面が上部下装飾カバー294によって被覆されている。
この上部装飾ユニット280は、上部中央レンズ284及び上部レンズ282における中央環レンズ部282bの後側に配置される上部中央装飾基板288と、上部中央装飾基板288よりも左右方向へ延出し上部レンズ282における延出枠レンズ部282c及び上部中央装飾基板288の後側に配置される上部サイド装飾基板290と、を備えている。上部中央装飾基板288には、上部中央レンズ284と対応した複数のLED288aと、中央環レンズ部282bと対応した複数のLED288bとが前面に実装されており、上部中央レンズ284と中央環レンズ部282bとを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。また、上部サイド装飾基板290には、延出枠レンズ部282cと対応した複数のLED290aが前面に実装されており、各延出枠レンズ部282cを夫々発光装飾させることができるようになっている。なお、上部中央装飾基板288及び上部サイド装飾基板290の各LED288a,288b,290aは、フルカラーLEDとされている。
続いて、皿ユニット300では、外側表面が略紡錘状の複数の湾曲面によって形成されており、右サイド装飾ユニット200の外観と連続した外観となっている。この皿ユニット300は、上皿前部装飾部材316の後側に上皿装飾基板322が配置されており、上皿装飾基板322に実装された複数のLED322aによって、上皿前部装飾部材316における右側の部位と、上皿球抜きボタン341の前側外周を装飾する上皿上右装飾部材319を発光装飾させることができるようになっている。なお、本例では、上皿装飾基板322のLED322aは、フルカラーLEDとされている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432が夫々配置されている。ダイヤル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本例では、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本例では、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、本例の扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図59及び図60においてハッチの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103(図59及び図60においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101を囲むように略同心円状に複数(本例では二つ)発光装飾させることができるようになっている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイド閃光レンズ204,246(サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b)と対応したLED214b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図59及び図60において網掛けの範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210の右上隅と対応した右サイド上装飾基板214のLED214cは、報知グループ105とされており、このLED214cを適宜発光させることで、遊技者やパチンコ機1を設置した遊技ホールの従業員等に対して様々な情報を報知させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280における上部中央レンズ284及び中央環レンズ部282bと対応したLED288a,288bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上部中央グループ106のLED288a,288bを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっている。また、上部装飾ユニット280における延出枠レンズ部282cと対応したLED290aは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED290aを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部中央グループ106との境界を発光装飾させることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下側に配置された皿ユニット300の上皿前部装飾部材316及び上皿上右装飾部材319と対応したLED322aは、上皿301を発光装飾させる上皿グループ108とされている。また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置された操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED430b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作部グループ109とされている。この操作部グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることができるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本例では、扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが、夫々が属するグループ102,103,104,106,107,108,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図60に示すように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に102a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,256bは、サイド閃光レンズ204,246(サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b)毎に104a〜104hの8系統に分けられている。また、報知グループ105に属する2個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、上部中央グループ106に属する8個のLED288a,288bは、中央部106a、右部106b、左部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に属する7個のLED290aは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている。
更に、上皿グループ108に属する11個のLED322aは、前後及び左右に108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作グループ109に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLED432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、本例の扉枠5では、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが、42の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,256a,288a,288b,290a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それらLED214a,216a,254a,256a,288a,288b,290a,322a,432dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立した3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また、LED288a,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED288a,430bが属する4つの系統107a,109a,109bでは、高輝度で発光させるために多くの電流を必要とするので、夫々2つの系統が接続されており、実際の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとされており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは緑色LED及び赤色LEDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,105a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数の10系統となっている。
従って、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが属した系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これにより、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グループ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させるような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4に備えられたLED(詳細な図示は省略する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ102のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108において、各系統102a〜102j,103a〜103jを適宜発光させることで、遊技窓101の外周に沿って上部装飾ユニット280の上部中央レンズ284へ向かって光が移動するような、或いは、上部中央レンズ284から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発光演出をしたりすることができる。なお、本例では、第一環状グループ102や第二環状グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(10分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことができる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グループ104の各系統104a〜104hを夫々個々に発光させることで、サイド閃光レンズ204,246(放射レンズ部210b,250b)が周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106や上部中央サイドグループ105を発光させることで、遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば、大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、確変時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことができる。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿301を発光装飾させる発光演出をしたり、操作グループ109と関連させて発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をしたりすることができる。また、操作グループ109におけるダイヤル操作部401と対応した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることができる。更に、操作グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、下部グループ108、及び操作グループ109の系統109cは、フルカラーLEDとされているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情豊かな発光演出を行うことができる。
[1−3.本体枠の全体構成]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図61乃至図67を参照して説明する。図61は、本体枠の正面図であり、図62は、本体枠の背面図である。また、図63は、本体枠の正面斜視図であり、図64は、本体枠の背面斜視図である。更に、図66は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図65は、本体枠の左側面図であり、図67は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
本例の本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端に夫々取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[1−3A.本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図68及び図69を参照して説明する。図68は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図69は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するように形成されている(図65を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くすることができるようになっている。
本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151から後方へ突出した上側の屈曲突片167、及び開放側補強板金153から後方へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部602よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝1156と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図61を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部610を備えている(図69を参照)。この金具取付部610は、図68等示すように、その前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5における扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノイド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本例の本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容されるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図63や図98等に示すように、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本例では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部614は、前側から中継端子板カバー692(図66等を参照)によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取付けられた基板ユニット800の主側中継端子板880と周辺側中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのものである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有したベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図61等に示すように、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690aにおける周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部606よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるようになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検知するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検知することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検知するための本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図69を参照)、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検知することができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フック穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並んだ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上下両端付近と、上下方向の略中央に夫々形成されている。この上側と中央の扉用フック穴620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになっている。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置1000の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出した状態となるようになっている(図63を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が流通可能とされた本体枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニット800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを流通した遊技球が流通するようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[1−3B.上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図66及び図67を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図63等を参照)と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ635(図65及び図109を参照)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパ635が、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴642cと、前方延出部642aの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
本例の下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具644の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支金具642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴642cに、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本例では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[1−3C.打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図70及び図71を参照して説明する。図70は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図71は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図98を参照)と共に、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球された遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ668と、を備えている。本例の打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面がゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
本例の打球発射装置650は、図63や図98等に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、本例の打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4120によりハンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送りユニット580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送り部材584が遊技球を受入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送りユニット580の球送ソレノイド585と略同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)することで、球送りユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
[1−3D.賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図72乃至図79を参照して説明する。図72は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図73は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図74は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図75は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図76は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図77は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図78は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図79は、賞球ユニットにおける球の流通通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ機1を設置する遊技ホールにおける島設備において、島設備側からパチンコ機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基いてパチンコ機1の上皿301へ払出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取付けられ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基いて払出す賞球装置740と、賞球装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝780aと、裏カバー係合溝780aの背面視左側に裏カバー900を締結固定するための裏カバー締結孔780bとが形成されている(図73及び図75等を参照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレールユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されており、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接するように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベース600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状に形成されており、透明な合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース710は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えている。本例では、図75に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース600に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている。
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付けるタンク取付部711と、タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴717と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図76にも示すように、上方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部721と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)のみが矩形状に底壁部721よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722における右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部725と、軸部725の基端付近及び外周壁部722の前側両端に形成され賞球タンク720を賞球ベース710における賞球タンク取付部711へ取付けるための取付部726と、を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を流通する遊技球をならして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク720内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図76にも示すように、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方へ開口する排出口731a(図79を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713に上側から係止される複数の係止突片731c(図74を参照)と、を備えている。
このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つまりタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール731内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731bによって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部734aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット734bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球ならし部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになっており、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿って二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのものであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭くなるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるように軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口732へ流下する時に、二列に整列された遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンクレール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734aを通してタンクレール730内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるのを停止させることができるようになっている。
更に、タンクレールユニット730は、タンクレール731が透明な合成樹脂によって形成されており、外部からタンクレール731内の遊技球等の状態を視認することができるようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基いて皿ユニット300の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図77乃至図79等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741aの下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状態で形成されている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース741よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ744と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743の後側に配置される第一ギア745と、第一ギア745と噛合しユニットベース741に軸支される第二ギア746と、第二ギア746と噛合しユニットベース741に軸支される第三ギア747と、第三ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間741b内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第三ギア747を挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本例では三つ)の検出スリット749aを有した回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球通路741c内を流通する遊技球の数を計測するための計数センサ751と、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の検出スリット749aを検出する回転角センサ752と、回転角センサ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられるセンサ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数センサ751、及び回転角センサ752と払出制御基板4110との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球中継基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球中継基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付けられる基板カバー755と、第一ギア745、第二ギア746、第三ギア747(回転検出盤749)、及びセンサ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベース741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路741a内を流通する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板743を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられることで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dの開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッチ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数センサ751を取付けるためのセンサ取付部741fと、賞球通路741cよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付けることで、球切れスイッチ750の作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するようになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されることで球切れスイッチ750によって供給通路741a内の遊技球の有無を検知することができるようになっている。この球切れスイッチ750により供給通路741a内の遊技球が検知されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第二ギア746、及び第三ギア747(払出回転体748)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部741eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるためのアース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状のアース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を介して供給通路741a内を流通する遊技球の静電気を除去することができるようになっている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態とされている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742aと、上下方向の略中央後面に賞球中継基板754及び基板カバー755を取付けるための中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置されセンサ基板753を取付けるためのセンサ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース741のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本例では、アルミ板とされており、払出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ744で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図78に示すように、周方向に等間隔で夫々一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体748が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748aに収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようになっている。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の三つの検出スリット749aは、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置に夫々形成されており、検出スリット749aを回転角センサ752によって検出することで、払出回転体748の回転位置を検出することができるようになっている。
本例の賞球装置740は、払出制御基板4110に、主制御基板4100からの払出コマンドやCRユニットからの貸出コマンド等が入力されたり、球抜スイッチ860bが操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ機1の後側)へ排出したりすることができるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回転軸744aに固定された第一ギア745を回転すると同時に、第一ギア745と噛合する第二ギア746が回転し、更に第二ギア746と噛合する第三ギア747が回転するようになっている。この第三ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出盤749が、夫々一体回転可能に固定されており、第三ギア747と共に払出回転体748及び回転検出盤749が回転するようになっている。
この賞球装置740は、図78に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体748が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通路741c側へ払出された遊技球は、計数センサ751によって一つずつ数えられた上で賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体748によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後述する満タン振分ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
なお、本例の賞球装置740におけるユニットベース741は、透明な合成樹脂によって形成されており、本体枠3に組立てられた状態でも、透明な賞球ベース710を通して本体枠3の前側から、賞球装置740の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、球抜通路741d等の内部を視認することができ、球詰り等の不具合を簡単に発見することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図74、図75及び図79を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン振分ユニット770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球ユニット740の賞球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部716に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定のビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図79を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路773(図79を参照)と、通常通路773を流通した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路775(図79を参照)と、満タン通路775を流通した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図79を参照)と、球抜通路778を流通した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
本例の満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、夫々扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるようになっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通常通路773内へ流下した遊技球は、通常出口774からファールカバーユニット540の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入することができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
なお、本例の満タン分岐ユニット770は、全体が透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部を視認することができるようになっている。これにより、満タン分岐ユニット770内に侵入した埃やゴミ等の異物や、球詰りの発生等を、満タン分岐ユニット7700を分解しなくても簡単に発見することができるようになっている。
このように、本例の満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとなると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ機のように上皿が満タンとなって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとなると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ機1の後部で払出される遊技球の通路を分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301における遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わせた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ機における上皿の容量よりも小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿301で貯留することができる。従って、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域1100を備えたパチンコ機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませることができるようになっている。
更に、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを左右に並べて配置しているので、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにして受入口(第一球入口542a及び第二球入口542c)を一つのみとした場合でも、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、扉枠5側へ遊技球を送ることができる。従って、本体枠3における遊技球の流路(満タン分岐ユニット770)を変更しなくても、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5を備えたパチンコ機1のラインナップにかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、上述したように、扉枠5に備えられた貯留皿の数を変更しても、本体枠3を変更することなく対応させることができるので、扉枠5の変更にかかるパチンコ機1全体のコストを低減させることができ、多様なパチンコ機1を低コストで提供することができるようになっている。
更に、通常通路773を通って通常球出口774から扉枠5側へ送られる遊技球が、優先的に遊技領域1100内へ打ち込まれるようにしており、貯留皿を一つのみ備えた扉枠5に交換しても、賞球装置740から払出された遊技球を通常通路773及び通常球出口774を介して直ちに貯留皿へ送ることができるので、払出しから貯留までのタイムラグを少なくすることができ、打ち込むための遊技球が不足して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5に対して充分に対応することができるようになっている。
また、上皿301が満タンでない限りは、賞球装置740から払出された遊技球が上皿301へ送られるので、下皿302に貯留された遊技球を上皿301へ移す頻度を低減させることが可能となり、遊技球の打込操作等に遊技者を専念させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを、左右に並んで配置しており、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにした場合でも、第一球入口542a等に相当する受入口の下端の位置を、貯留皿を二つ備えた扉枠5の上皿301と対応した第一球入口542a等と同じ高さとすることができるので、貯留皿の深さが浅くなるのを回避させることが可能となり、貯留皿を深くして充分な遊技球の貯留量を確保することができ、遊技者に対して頻繁に貯留量を気にさせることなく遊技を行わせることができると共に、本体枠3側を変更することなく、異なる数の貯留皿を備えた扉枠5に対応させることができ、パチンコ機1の機種変更等にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、満タン分岐ユニット770における満タン通路775が通常通路773から分岐する位置を、賞球装置740に可及的に近い位置で分岐させるようにしており、上皿301が遊技球で満タンとなり通常球出口774から遊技球が出られなくなっても、通常球出口774から満タン通路775の分岐位置までの間の通常通路773内に貯留される遊技球の量を可及的に多くすることができ、上皿301に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。なお、扉枠5に一つのみ貯留皿を備えるようにした場合では、貯留皿が遊技球で満タンとなって通常球出口774や満タン球出口776から遊技球が出られなくなっても、通常通路773から満タン通路775が分岐する位置を、賞球装置740に対して可及的に近い位置に配置しているので、通常通路773だけでなく満タン通路775にも多くの遊技球を貯留させることができ、貯留皿に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。従って、扉枠5側に備えられた貯留皿の数が異なっていても、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、夫々の扉枠5における遊技球の貯留量を最大限に多くすることができ、異なる扉枠5に対して充分に対応することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770における通常通路773及び満タン通路775を、複数列で遊技球を流通可能な広さとしており、満タン分岐ユニット770内での遊技球の停留量(貯留量)をより多くすることができるので、扉枠5に備えられた貯留皿の数が異なっていても、満タン分岐ユニット770内の遊技球を合わせた実質的な貯留量が少なくなるのを回避させることができ、本体枠3における遊技球の流路を変更することなく、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770を透明樹脂で形成することで通常通路773及び満タン通路775の内部を、外部から視認可能としているので、満タン分岐ユニット770内で遊技球が詰まって不具合が発生した際に、満タン分岐ユニット770の外部から球詰りの箇所を容易に発見することができ、不具合を早期に解消させてパチンコ機1の稼働率を高めることができる。
[1−3E.球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図80乃至図82を参照して説明する。図80は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図81は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図82は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないように取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスライド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター792が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持するための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791cと、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791のクランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部793aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止部793eと、を備えている。
なお、本例の球出口開閉ユニット790は、シャッターベース791及び開閉シャッター792が、透明な合成樹脂によって形成されており、開閉シャッター792が上昇した状態でも、開閉シャッター792を通して後側に配置された満タン分岐ユニット770における通常球出口774や満タン球出口776等が視認できるようになっている。
本例の球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動すると同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになっており、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793dと、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790により賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[1−3F.基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図83乃至図89を参照して説明する。図83は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図84は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図85は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図86は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図87は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。図88(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。また、図89(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取付けられる端子基板ボックス870と、基板ユニットベース810の前面に取付けられる主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882と、を備えている。
本例の基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向かうに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通した開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後面に固定されるスピーカボックス820のスピーカ821と対応する位置で前後方向に貫通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部816と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止することができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになっている。また、基板ベースユニット810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主側中継端子板880と周辺側中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主側中継端子板880と周辺側中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボックス820のスピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになっている。
更に、基板ユニットベース810は、ボックス収容部816が後側に配置される電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付けられたスピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、スピーカ821の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視でスピーカ821の左側に横長矩形状の開放口822が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の通路を介してスピーカ821の後側の空間と連通することで、スピーカ821の後側の音の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、スピーカ821の口径に対してより重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備えている。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に取付けられた各種電子部品が内部に収容されるようになっており、上面及び下面に形成されたスリット830aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。
この発射電源基板ボックス830は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と、後述する電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843とによって形成される上方へ開放された収容凹部内に、上方から脱着可能に収容されるようになっている。これにより、本体枠3を組立てた状態では、発射電源基板ボックス830に不具合が発生した場合、本体枠3の前側から発射電源基板ボックス830を簡単に脱着して交換したり修理したりすることができるようになっている(図63を参照)。
更に、発射電源基板ボックス830を詳述すると、図89にも示すように、発射電源基板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放熱孔としてのスリット830aが形成されている。
また、発射電源基板831の電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されている。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ831aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831を取付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。
電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり、電解コンデンサSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する上面、側面、及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ入り込ませないようにすることができる。従って、電解コンデンサSC0が発する熱をDC/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコンバータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまり、DC/DCコンバータ831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないようにすることができる。従って、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる。従って、発射電源基板831の小型化により取り扱い易くなって発射電源基板831の交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取付けたままの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。
またパチンコ機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消することができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊技を再開することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆動発射が行われるごとに、例えば、1分当たりに100回という頻度において、充放電が繰り返し行われることにより早期に劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、遊技ホール等の島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって比較的早期に寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0と一緒に交換されることを防止することができる。
また、打球発射装置650を制御する電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を、遊技盤4を保持する遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能としているので、打込特性を変化させるために容量の異なる電解コンデンサSC0に変更する不正を行おうとしても、発射電源基板831を脱着させるには遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があり、発射電源基板831を交換し辛くして不正を行い難くすることができ、発射電源基板831が不正改造されて最適化されている打込強さを故意に変化させる不正を抑止することができると共に、不正を行い難くすることで苛立ち等を覚えた遊技者が不正行為等の不正へ発展するのを抑止することが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、発射電源基板831を脱着可能として交換できるようにしているので、仮に、発射電源基板831の電解コンデンサSC0等に対して不正が行われても、発射電源基板831を直ちに交換して不正を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、打球発射装置650を制御する発射制御部4120における電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831が、遊技盤4を保持する本体枠3の遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能とされており、機種変更等により遊技盤4を交換する際に、発射制御部4120の発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)も簡単に交換することができるので、交換する新機種のコンセプト等にマッチした打込特性を実現できる電解コンデンサSC0やDC/DCコンバータ831aを備えた発射電源基板831に交換することで、本体枠3に以前から備えられている打球発射装置650の打込特性を、新しい遊技盤4にマッチしたものとすることができる。従って、遊技球の打込特性を遊技盤4のコンセプトに簡単に合わせることができるので、新機種の遊技盤4による遊技を充分に楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発射制御部4120の発射電源基板831を前側から脱着できるようにしているので、発射電源基板831を交換する際に、遊技ホール等の島設備に対して本体枠3を開ける必要がなく、交換にかかる手間を簡略化することができると共に、短時間で交換することができ、遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。また、発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を脱着可能として交換できるようにしているので、発射制御部4120(払出制御基板4110)全体を交換する場合と比較して、打込特性の変更にかかるコストを低減させることができ、ホール側等の負担を軽減させることができる。
更に、機種等を変更する際に、遊技盤4のみを交換して扉枠5や本体枠3等は以前のものをそのまま使用できるようにしているので、長期間の使用によって発射制御部4120の発射電源基板831の電解コンデンサSC0等が劣化した場合、上述したように、発射電源基板ボックス830を前側から簡単に交換することができるので、劣化によって不具合が発生しても発射電源基板831を直ちに交換して不具合を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本体枠3の遊技盤保持口601を通して発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を支持させるようにしており、発射電源基板831を脱着させるには、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があるので、扉枠5と本体枠3との隙間から不正行為を行うための工具を侵入させても、遊技盤4によって不正な工具が発射電源基板831に到達するのを阻止することができ、発射電源基板831に対して不正行為が行われるのを防止することができると共に、不正行為に対する防御力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技盤保持口601を通して発射電源基板ボックス830を支持させるようにしており、蓋然的に、発射電源基板ボックス830を支持する位置が本体枠3の前面よりも後側となるので、発射電源基板ボックス830を支持するためのスペースを確保し易くすることができ、発射電源基板ボックス830を支持して上記の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしており、発射電源基板831を本体枠3の前側から簡単に脱着することができるので、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給することで電解コンデンサSC0にかかる負荷が大きくなって電解コンデンサSC0が劣化し易くなっても、電解コンデンサSC0(発射電源基板831)を簡単に交換することができ、不具合を早期に解消させて遊技の中断時間を可及的に短くすることができると共に、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベース810の開口部812が排出通路842へ臨む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を流通して基板ユニットベース810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、前ボックス収容部843が基板ユニットベース810のボックス収容部816と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図86に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
また、電源基板ボックス850は、電源基板851における電源スイッチ852の下側に取付けられた電源端子853(図84及び図86を参照)が後側へ臨む開口の下辺に沿って後方へ突出した立壁部850bと、立壁部850bの後端の両側から後方へ突出した突起部850cと、立壁部850bよりも前側且つ下側に配置され電源基板ボックス850の外周との間で配線コード854を挿通可能な隙間を形成する配線ガイド部850dと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、電源基板851に実装された電源端子853は、コネクタ端子855の係止爪と係止する係止片を有しており、それら係止爪と係止片とを係止させることで、電源端子853からコネクタ端子855が外れないようになっている。
この電源基板ボックス850は、立壁部850bが、図87に示すように、電源基板851の電源端子853に配線コード854のコネクタ端子855を接続した状態で、コネクタ端子855の後端よりも若干後方へ突出するように形成されている。本例の電源基板ボックス850では、配線コード854が電源基板ボックス850の前方下側から立壁部850bの後端に引っ掛かるように後側へ回り込んだ状態で、電源基板851の電源端子853にコネクタ端子855が接続されるようになっている。
ところで、基板に取付けられた接続端子に対して、配線コードが延びだしたコネクタ端子を接続した上で、その配線コードを基板側へ引っ張った状態とすると、配線コードから係る張力によってコネクタ端子が接続端子側へ押し付けられるような状態となるので、接続端子からコネクタ端子を外し難くなる問題がある。しかしながら、本例の電源基板ボックス850によると、配線コード854の先端側(電源端子853と接続されたコネクタ端子855側とは反対側)が電源基板851側(本体枠3に対して前側)へ引っ張られても、コネクタ端子855よりも後方へ突出した立壁部850bによって、配線コード854がコネクタ端子855よりも後側へ回り込む(折返す)ように取り回されているので、配線コード854からコネクタ端子855が電源端子853側へ押し付けられるような力が作用するのを防止することができ、電源端子853に接続されたコネクタ端子855を簡単に外すことができるようになっている。
また、電源基板ボックス850は、立壁部850bの後端両側に後方へ突出した突出部850cを備えているので、配線コード854が立壁部850bの後端に沿ってスライドしても、後端の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止することができるようになっている。
また、電源基板ボックス850の配線ガイド部850dに配線コード854を挿入させることで、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化することができる。
なお、電源基板ボックス850及び電源基板ボックスホルダ840は、互いに組付けた状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとなるように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス850の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、本例では、電源基板851を覆う電源基板ボックス850の開口から臨む電源端子853にコネクタ端子855を接続した上で、コネクタ端子855の後端よりも後側へ突出した立壁部850bによってコネクタ端子855の後端から延出した配線コード854を折返させるようにしているので、配線コード854が引っ張られることでコネクタ端子855に作用する張力を、係止爪等により接続が固定された電源端子853との接続を解除するような方向へ作用させることが可能となり、配線コード854によってコネクタ端子855が外せなくなるのを回避させることができ、電源基板851の電源端子853に接続されたコネクタ端子855を外し易くして基板の交換等のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bによって配線コード854を折返させるようにしており、立壁部850bが無い場合と比較して、配線コード854の折曲がり具合を緩くさせることができるので、配線コード854自体に無理な力が作用するのを回避させることができ、無理な力により配線コード854が断線して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、電源端子853が臨む電源基板ボックス850の開口の近傍に立壁部850bを備えるようにしており、蓋然的に、立壁部850bが電源端子853と隣接した位置となるので、電源端子853に接続されたコネクタ端子855から延びた配線コード854を、コネクタ端子855に対して可及的に真直ぐ後側へ延びださせることが可能となり、コネクタ端子855と配線コード854との繋ぎ目が折れて無理な力が作用するのを防止することができ、断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板851を被覆する電源基板ボックス850に立壁部850bを備えるようにしているので、電源基板851に立壁部850bを備える必要が無く、電源基板851の組立作業を容易にすることができる。また、電源基板ボックス850で電源基板851を覆うようにしているので、電源基板851に不具合の発生原因となる埃やゴミ等が付着するのを防止することができると共に、電源基板851に実装された電子部品(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC、CPU、メモリー、等)に対して触れ難くしたり交換し難くしたりすることができ、不正行為に対する防御力を高めることができるようになっている。
また、電源基板851における電源端子853にコネクタ端子855を接続する方向を、基板面に対して略直角方向(前後方向)としており、電源基板851に実装された電源端子853に対して、コネクタ端子855を接続したり取外したりする時にかかる力を電源基板851の面に作用させ易くすることができるので、電源端子853におけるリード部に剪断力が作用するのを防止することが可能となり、リード部が破断して通電不良が発生したり電源基板851から電源端子853が外れてしまったりするのを防止することができ、不具合が発生し難いパチンコ機1とすることができる。
更に、コネクタ端子855と電源端子853との接続を係止爪と係止片とによる固定手段によって固定するようにしているので、配線コード854が立壁部850bによって折返されることで配線コード854を介してコネクタ端子855に電源端子853との接続を解除するような方向へ力が作用しても、コネクタ端子855と電源端子853との接続が解除されてしまうのを防止することができ、コネクタ端子855と電源端子853との接続を確実に維持して接触不良や通電不良等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bにおける配線コード854が折返される後端の両端に、後方へ突出する突起部850cを備えるようにしているので、配線コード854が立壁部850bにおける折返される辺に沿ってスライドしても、辺の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止して上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、電源基板ボックス850に備えられた配線ガイド部850dによって、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるようにしているので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏するようにすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることが可能となり、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化してコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110(図153を参照)と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。従って、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本例では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除スイッチ860a、球抜スイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている(図62を参照)。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取付けられ、背面視左側上部後面に形成された基板取付部871a、及び背面視右端後面に形成された基板カバー取付部871bを有した基板ベース871と、基板ベース871の基板取付部871aに後側から取付けられ後面に周辺パネル中継端子872aが取付けられた周辺パネル中継端子板872と、基板ベース871の基板カバー取付部871bに後側から取付けられ後壁部873aに上下方向へ延びた開口部873bを有する接続端子板カバー873と、接続端子板カバー873の開口部873aから後方へ臨むCRユニット接続端子874aが後面に取付けられた接続端子板カバー873内に支持されるCRユニット接続端子板874と、接続継端子板カバー873と共に基板ベース871の後側を覆う基板ボックスカバー875と、を備えている。
この端子基板ボックス870における周辺パネル中継端子板872は、パチンコ機1を設置する島設備側に備えられたパチンコ機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と本パチンコ機1とを接続するためのものであり、CRユニット接続端子板874は、パチンコ機1と隣接して設置される球貸し機(CRユニットとも称す)と本パチンコ機1とを接続するためのものである。なお、端子基板ボックス870における基板ベース871、接続端子板カバー873、及び基板ボックスカバー875は、夫々透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部の周辺パネル中継端子板872やCRユニット接続端子板874等を視認することができるようになっている。また、基板ボックスカバー875の後面には、パチンコ機1において球詰り等の不具合が発生した場合に、島設備側に設置された度数表示器やCRユニット等に表示されるエラーコードの内容が表示された状態表示シール876が貼り付けられている。
この端子基板ボックス870における基板ベース871は、図88に示すように、基板取付部871aが、後端が開放された薄い箱状に形成されている。この基板ベース871は、基板取付部871aの内側上部に形成され周辺パネル中継端子板872の上端を固定する固定片(図示は省略する)と、基板取付部871aの内側下部に形成され周辺パネル中継端子板872の下端を係止する係止爪871iと、を備えており、固定片と係止爪871iとによって周辺パネル中継端子板872を後側から脱着可能に保持することができるようになっている。
また、基板ベース871は、基板カバー取付部871bが、後側へ開放された薄い箱状に形成されており、その内周の大きさが接続端子板カバー873の外周が挿入可能な大きさとされていると共に、その内周壁が前後方向へ延びた外片部871cとされている。基板ベース871は、背面視右側の外片部871cを左右方向へ貫通する一対の固定孔871dと、基板カバー取付部871bの底壁から後方へ延出しCRユニット接続端子板874の前面と当接する上下方向へ延びた二つの突条871eと、基板カバー取付部871bの背面視左外側に配置され前後方向へ貫通する係止孔871fと、を備えている。この基板ベース871における突条871eは、後方への突出量が外片部871cよりもやや控えた状態となっていると共に、図示するように、CRユニット接続端子板874の両側端に可及的に近い位置となるように配置されている。
更に、基板ベース871は、基板カバー取付部871bの背面視右側後面に上下方向へ離反して配置され基板ボックスカバー875を回動可能に軸支するための一対の軸受部871gと、背面視左端部付近の後面に配置され前後方向へ延びた角筒状の係止部871hと、を備えている。
端子基板ボックス870における接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板872の外周を囲うと共に基板ベース871の外片部871cで囲まれた基板カバー取付部871b内へ挿入可能とされた外壁部873cと、外壁部873cの後端を閉鎖する後壁部873aと、後壁部873aを貫通し上下方向へ延びた矩形状の開口部873bと、開口部873bの内周に略沿って後壁部873aから前方(基板ベース871側)へ延出する内壁部873dと、内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の前面と当接するようにCRユニット接続端子板874を保持し上下の外壁部873cに形成された鉤爪状の一対の基板保持部873eと、を備えている。
また、接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874に取付けられた複数の内部接続端子874bと対応する位置に配置され後壁部873aを貫通した複数の開口部873fと、上下方向の略中央に配置された開口部873fの後側を覆い背面視左側が開放された箱状の保護部873gと、外壁部873cにおける背面視右側端部から外方(右方向)へ延出し基板ベース871の固定孔871d内へ挿通可能とされた一対の固定片873hと、外壁部873cにおける背面視左側端部に形成され基板ベース871の係止孔871fへ係止可能とされた弾性爪状の係止爪片873iと、を備えている。なお、図示は省略するが、保護部873gを備えた中央の開口部873fにおける内周の上下にも前方へ延出した内壁部873dが形成されている。
この接続端子板カバー873は、外壁部873cと後壁部873aとによって、前側が開放された薄い箱状となっている。また、接続端子板カバー873は、開口した前側からCRユニット接続端子板874を内部へ挿入することで、内壁部873dの前端によってCRユニット接続端子板874が後方へ移動するのを規制することができると共に、一対の基板保持部873eによってCRユニット接続端子板874が前方へ移動するのを規制することができ、而して、CRユニット接続端子板874を脱着可能に保持することができるようになっている。更に、接続端子板カバー873は、その固定片873hを基板ベース871の固定孔871d内へ挿入した上で、係止爪片873iを基板ベース871の係止孔871fへ係止させることで、基板ベース871の基板カバー取付部871bへ脱着可能に取付けることができるようになっている。
端子基板ボックス870におけるCRユニット接続端子板874は、その表面側(後面側)に、パチンコ機1と遊技ホールの島設備側に設置されたCRユニットとを接続するためのCRユニット接続端子874aの他に、払出制御基板4110や、貸球ユニット360等と接続するための複数の内部接続端子874bが備えられている。なお、本例のCRユニット接続端子板874では、図示するように、CRユニット接続端子874aが係止機能を有したD−subコネクタとされており、内部接続端子874bが角形ツーピースコネクタとされている。
また、端子基板ボックス870における基板ボックスカバー875は、基板ベース871の後面全体を略覆う大きさで全体が前側へ開放された薄い箱状に形成され、背面視右側面に配置され基板ベース871の軸受部871gに回動可能に軸支される一対の軸部875aと、接続端子板カバー873における開口部873bと対応し前後方向へ貫通した貫通口875bと、貫通口875bの左右両側端から前方へ延出する衝壁875cと、基板ベース871の係止部871hに係止される係止片875dと、を備えている。
この基板ボックスカバー875は、一対の軸部875aを基板ベース871の軸受部871gに軸支させることで、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後面を開閉可能に覆うことができるようになっている。また、基板ボックスカバー875は、軸部875aに近い側(軸支された側)の衝壁875cが基板ベース871の後面まで延出する長さとされており、軸部875aから遠い側の衝壁875cが接続端子板カバー873の後面まで延出する長さとされている。つまり、本例の端子基板ボックス870では、基板ボックスカバー875を閉じた状態とすると、夫々の衝壁875cの前端が、基板ベース871や接続端子板カバー873の後面に略当接した状態となるようになっている。
本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874のCRユニット接続端子874aをD−subコネクタとしているので、図88に示すように、CRユニット接続端子板874の後面に対してCRユニット接続端子874aの本体が浮いた状態となっており、CRユニット接続端子874aから延びたリード部がCRユニット接続端子板874の後面側でも外部に露出した状態となっている。また、CRユニット接続端板874の内部接続端子874bは、角形のツーピースコネクタとされており、図示するように、後方から嵌合接続できるように取付けられている。
そして、本例の端子基板ボックス870は、図88に示すように、組立てた状態では、CRユニット接続端子板874の前面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニット接続端子板874の後面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の軸部875a側の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となるようになっている。従って、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aに対する不正行為を確実に防ぐことができるようになっている。
また、この端子基板ボックス870は、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようになっているので、CRユニット接続端子874aとして取付けられたCRユニット接続端子板874との間に隙間が形成されるD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、端子基板ボックス870は、基板ベース871の後面に回動可能に軸支された基板ボックスカバー875に、CRユニット接続端子874aが臨む貫通口875bの軸部875a側に、一対の軸部875a間に跨る長さの衝壁875cを備えており、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで一対の軸部875aの間に隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができるようになっている。
更に、本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874の中央付近の内部接続端子874bの後側を接続端子板カバー873の保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、ツーピースコネクタとされた内部接続端子874bに配線コード側の接続端子が嵌合接続された状態で接続端子のコネクタ本体と配線コードとの隙間を通して針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、保護部873gと基板ボックスカバー875とによって電極の挿入を阻止することができ、内部接続端子874bに対する不正行為も防止することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の後面にCRユニット接続端子板874を収容した端子基板ボックス870を取付けるようにしているので、パチンコ機1の表側から外枠2と本体枠3との間等を介して不正な工具を挿入して、パチンコ機1の裏面側へ不正な工具の先端を侵入させても、端子基板ボックス870によって、収容されたCRユニット接続端子板874を保護することができ、CRユニット接続端子板874に対する不正行為を確実に防ぐことができる。
また、端子基板ボックス870内にCRユニット接続端子板874を収容した状態では、CRユニット接続端子板874の前面(基板の裏面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニット接続端子板874の後面(基板の表面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となり、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aや内部接続端子874bに対する不正行為を確実に防ぐことが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようにしているので、CRユニット接続端子874aとして基板との間に各リード部が露出するようなD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
更に、端子基板ボックス870に、基板ベース871の後面に一方の端部が回動可能に軸支されて接続端子板カバー873の後面を開閉可能に覆うと共に、接続端子板カバー873の開口部873bと対応した貫通口875bにおける軸支された側の側端から前方へ基板ベース871の後面まで延出する板状の衝壁875cを有した基板ボックスカバー875を更に備えるようにしているので、基板ボックスカバー875における基板ベース871に対して軸支された部位同士の間に、ドライバー等を差し込んで隙間を形成して不正な工具を侵入させようとしても、衝壁875cによって不正な工具が接続端子板カバー873(CRユニット接続端子板874)側へ到達するのを阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができる。
また、端子基板ボックス870内のCRユニット接続端子板874を取出すには、基板ボックスカバー875を開けた上で接続端子板カバー873を開けなければならず、CRユニット接続端子板874を取出し難くすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。また、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができる。
更に、CRユニット接続端子板874の内部接続端子874bに接続された配線コード側の端子における被コネクタ本体と配線コードとの隙間を通して、針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、対応した開口部873fの後側、すなわち、被コネクタ本体の配線コードと沿った隙間の開口の後側を保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、端子基板ボックス870の外側(後側)から被コネクタ本体の隙間へ針状の電極を挿入することができず、接続された配線コードの端子に対して不正行為が行われるのを防止することができ、防犯能力の高いものとすることができる。
また、接続端子板カバー873の外壁部873cに、CRユニット接続端子板874を保持する基板保持部873eを備えると共に、外壁部873cをCRユニット接続端子板874よりも前側へ延出させているので、不正行為を行うために接続端子板カバー873と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させても、CRユニット接続端子板874が接続端子板カバー873と共に後側へ移動するため、接続端子板カバー873における外壁部873cの前端とCRユニット接続端子板874との位置関係は変化することが無く、CRユニット接続端子板874の外周が外壁部873c(接続端子板カバー873)で保護されたままとすることができ、CRユニット接続端子板874の後面のCRユニット接続端子874a等に対して不正行為を行うことができず、CRユニット接続端子板874やCRユニット接続端子874a等を狙った不正行為を防止することができる。
更に、端子基板ボックス870を、透明樹脂によって形成しており、外側から端子基板ボックス870内を視認することができるので、端子基板ボックス870を分解しなくても、端子基板ボックス870の外側から、内部に収容されたCRユニット接続端子板874や周辺パネル中継端子板872等に対して不正な工具が挿入されていないか、CRユニット接続端子板874等自体が不正なものに交換されていないか、或いは、CRユニット接続端子板874等に実装された電子部品(例えば、ROM、IC、抵抗器、コンデンサ、等)が不正なものと交換されていないか、等を簡単に点検することができ、不正行為を発見し易くすることができると共に、不正行為が発見し易くなるので、不正行為を行うものに対して不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、本体枠3の裏面側に、CRユニット接続端子板874等の表面が後側を向く方向となるように端子基板ボックス870を取付けているので、メンテナンス等の際に外枠2に対して本体枠3を前側へ回動させて本体枠3の後側が現れると、端子基板ボックス870に収容されたCRユニット接続端子板874等が作業者側(遊技者側)を向いた状態となり、CRユニット接続端子板874等や端子基板ボックス870を点検し易くすることができる。
基板ユニット800における主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御部4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3側や扉枠5側へ接続するための複数の接続端子を備えており、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付けることで、それら接続端子が本体枠ベース600の前面から前側を向くようになっている。
なお、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、図61及び図63等に示すように、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通して、扉枠5側と接続するための接続端子のみが前側へ臨むようになっており、それらの接続端子に配線コード196が接続されるようになっている(図1及び図28を参照)。
また、主側中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500の回転位置検知センサ512、タッチセンサ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タン検知センサ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺側中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432、及び操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432cと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御部4140との接続を中継するためのものである。
[1−3G.裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図90乃至図92を参照して説明する。図90(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。また、図91は、裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図であり、図92は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するものである。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部902と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部に夫々形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝780aとに夫々係合する係合片908と、下側の係合片908の近傍に裏カバー900を本体枠3に対して開閉不能に締結するための締結機構920とを備えている。
裏カバー900における締結機構920は、図91及び図92等に示すように、裏カバー900の本体部902における下側の係合片908の背面視で左側に前後方向へ貫通した円形の挿通孔921と、挿通孔921の背面視で左側に所定距離はなれて配置され前後方向へ貫通した縦長矩形状の係止口922と、係止口922に対して後側から弾性係止される係止片923aを一端側に有すると共に他端側に挿通孔921と対応した横長の長孔923bを有する板状のガイド部材923と、ガイド部材923の長孔923bへ後側から挿通され本体部902の挿通孔921を介して賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bへ螺合される雄ねじ部924aを有した締結部材924と、締結部材924の雄ねじ部924aにガイド部材923を挟むように取付けられる保持部材925と、を備えている。なお、締結機構920におけるガイド部材923は、軟質の合成樹脂によって形成されており、曲がり易くなっている。
また、締結機構920は、ガイド部材923の係止片923aが、本体部902の係止口922に対して遊嵌状態で係止されるようになっており、ガイド部材923が所定の範囲内で遊動することができるようになっている。また、締結機構920は、締結部材924の雄ねじ部924aに取付けられた円盤状の保持部材925によって、締結部材924が長孔923bを通してガイド部材923に支持された状態となり、長孔923bに沿って左右方向へスライドすることができると共に、長孔923bから脱落しないようになっている。この締結機構920は、本体部902の係止口922へ後側からガイド部材923の係止片923aを係止させると、ガイド部材923の長孔923bを介して前側へ突出した締結部材924の雄ねじ部924aが、本体部902の挿通孔921へ挿通された状態となるようになっている。
本例の裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉することができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。なお、裏カバー900を閉じた状態とすると、締結機構920における挿通孔921と賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bとが略一致した状態となるようになっている。
この裏カバー900を閉じた状態では、挿通孔921へ後側から前側へ挿通された締結部材924の雄ねじ部924aが、裏カバー締結孔780b内へ自然と螺合されることがないので、裏カバー900を閉じても雄ねじ部924aの先端が裏カバー締結孔780bの後端で止まった状態となり、締結部材924が裏カバー900の本体部902から後方へ突出することとなる。ところで、本例では、締結部材924が裏カバー900の本体部902に係止されたガイド部材923の長孔923b内に支持されているので、締結部材924が裏カバー900から脱落することなく、本体部902の後側に位置した状態が維持されるようになっている。
そして、この状態から締結部材924の雄ねじ部924aの先端を裏カバー締結孔780bへ挿入して締結部材924を回転させることで、雄ねじ部924aが裏カバー締結孔780b内へとねじ込まれて(螺合されて)、裏カバー900を締結固定することができるようになっている。なお、本例の締結機構920は、締結部材924を裏カバー締結孔780bへねじ込む時に、締結部材924を支持するガイド部材923が本体部902に対して斜めになっていても、締結部材924を長孔923bで支持しているので、締結部材924(雄ねじ部924a)を裏カバー締結孔780bの軸心に対して真直ぐに位置させることができ、締結部材924を裏カバー締結孔780bへ良好にねじ込むことができるようになっている。
また、本例では、裏カバー900を、一箇所の締結機構920によって本体枠3側へ締結固定するようにしているので、一箇所の締結部材924を操作するだけで簡単に締結したり締結を解除したりすることができ、裏カバー900の開閉に係る手間を簡略化してメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端で上方へ矩形状に切欠かれた接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視上側で矩形状に貫通した確認用開口部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と、を備えている。
この裏カバー900は、図5に示すように、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切欠部910を通して遊技盤4における主制御基板ボックス1170のRAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の後面に貼り付けられた基板管理シール1178(図101を参照)が後側へ臨むようになっていると共に、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176が臨むようになっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基板ボックス1170及び主制御基板4100の作動確認や外観確認、管理状態確認等を行うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリット916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本体枠3(パチンコ機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。なお、図示するように、中央から正面視でやや左寄りの位置に、幅広で上下方向へ長く延びた左右方向へ所定間隔で列設された複数の透孔918を備えている。これら透孔918は、裏カバー900を本体枠3に対して閉じた状態とすると共に、本体枠3内に遊技盤4を収容保持させた状態で、遊技盤4におけるメイン液晶表示装置1900の後側に備えられた周辺制御部4140や液晶制御部4150を冷却するための冷却ファンの後側に位置するようになっており、周辺制御部4140等からの熱を良好に排気することができるようになっている。因みに、透孔918の幅は、遊技球の外径よりも小さい幅とされており、透孔918を通してパチンコ機1内へ遊技球が侵入しないようになっている。
これにより、本例では、本体枠3に保持された遊技盤4の後側を閉鎖する裏カバー900を本体枠3へ締結する締結部材924を、裏カバー900に取付けられたガイド部材923に対して遊動可能に保持させているので、本体枠3に遊技盤4を保持した状態で、本体枠3の後側から裏カバー900を開いて遊技盤4の後側をメンテナンス等を行う際に、本体枠3に対して裏カバー900を締結固定している締結部材924の締結を解除して本体枠3の裏カバー締結孔780bから締結部材924を分離させても、締結部材924がガイド部材923を介して裏カバー900に保持された状態となり、締結部材924を紛失してしまったり、パチンコ機1内に取残してしまったりするのを防止することができ、裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、開いた裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することができるので、メンテナンス等の際に、締結を解除した締結部材924を所定位置に保管する必要が無く、ガイド部材923を介して裏カバー900の挿入孔921の近傍に保持することができ、メンテナンスを行い易くすることができる。
また、ガイド部材923の長孔923bを、少なくとも係止口922側とは反対側へ延びるようにしているので、ガイド部材923が裏カバー900の面に対して傾いた状態となっていても、締結部材923の雄ねじ部924aを裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ真直ぐに位置させることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを正しい状態で確実に締結させることができる。従って、本体枠3に裏カバー900をきちんと締結させることができ、裏カバー900による防犯効果を確実に発揮させることができる。
更に、締結部材924の頭部と協働して締結部材924をガイド部材923に対して遊動可能に保持させる保持部材925を締結部材924の雄ねじ部924aに取付けるようにしているので、締結部材924の頭部と保持部材925とでガイド部材923が挟まれた状態となり、締結部材924の雄ねじ部924aがガイド部材923の長孔923bから抜けるのを確実に防止することができると共に、保持部材925との隙間と長孔923bによってガイド部材923に対して締結部材924を遊動可能に保持させることができる。
また、裏カバー900における挿通孔921の周囲に保持部材925を収容可能な収容凹部を備えるようにしており、締結部材924の雄ねじ部924aを、裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ締結させる際に、締結部材924の頭部とでガイド部材923を挟んだ保持部材925を、収容凹部内へ収容することができるので、裏カバー900とガイド部材923とを密着させて裏カバー900からの突出を可及的に少なくすることができ、ガイド部材923や締結部材924の突出した部位に他の部材が当接する可能性を低くして不具合が発生するのを低減させることができると共に、見栄えを良くすることができる。
また、本体枠3の裏カバー締結孔780bを雌ねじ部として、締結部材924の雄ねじ部924aとねじ結合するようにしているので、単なる係止爪による係合と比較して、引っ張っただけでは締結を解除することができず裏カバー900を取外し難くすることができ、裏カバー900による防犯効果をより高めることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、可撓性を有したガイド部材923としており、ガイド部材923が撓むことができるので、裏カバー900(挿通孔921)に対する締結部材924の動きの自由度を更に高めることが可能となり、締結部材924の雄ねじ部924aを本体枠3の裏カバー締結孔780bに対して真直ぐな位置に位置させたり、雄ねじ部924を裏カバー締結孔770bに対して真直ぐに移動させたりするのをし易くすることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを確実に締結させることができる。
また、ガイド部材923の係止片923aが、裏カバー900の係止口922における挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた内壁に沿って当接した状態で、係止口922へ弾性係止されるようにしているので、遊動可能に取付けられたガイド部材923の先端側(長孔923b側)を、挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた軸心周りを回動するように動かすことができ、係止口922に対して係止片923aが軸支されたようにすることができる。従って、ガイド部材923の先端側の長孔923bに保持された締結部材924を、裏カバー900の挿通孔921、すなわち、本体枠3の裏カバー締結孔780bを開閉するように回動させることができるので、挿通孔921や裏カバー締結孔780bに対して締結部材924の雄ねじ部924aを挿入し易くすることができ、締結部材924による締結作業を行い易くすることができる。
更に、本体枠3における裏カバー締結孔780bとは異なる位置に複数の裏カバー係合溝718,780aを更に備えた上で、裏カバー900に裏カバー係合溝718,780aと夫々弾性係合する複数の係合片908を更に備えるようにしており、裏カバー900の係合片908を本体枠3の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、締結部材924による締結とは別に、裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、締結部材924を用いて締結する箇所を一箇所のみとして締結作業を可及的に少なくすることができ、組立てやメンテナンス等の作業性を高めることができる。また、上述したように、締結部材924とは別に係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係合によって裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、閉鎖範囲の広い裏カバー900でも締結部材924による締結箇所を増やすことなく良好な状態で本体枠3における遊技盤保持口601の後側(遊技盤4の後側)を閉鎖させることができる。
また、本体枠3(本体枠ベース600)の裏カバー軸支部623に裏カバー900の軸支ピン906を軸支させることで、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支できるようにしているので、裏カバー900を閉じる方向へ回動させて本体枠3における遊技盤保持口601の後側を閉鎖するだけで、裏カバー900の挿通孔921と本体枠3の裏カバー締結孔780bとを簡単に一致させることができ、挿通孔921を通して裏カバー900に保持された締結部材924を簡単に裏カバー締結孔780bへ締結させることができる。また、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支するようにしているので、メンテナンス等の際に、締結部材924による締結を解除して裏カバー900を開けた場合でも、裏カバー900を本体枠3に軸支させた状態のままとすることができ、裏カバー900を本体枠3から取外す必要が無く、裏カバー900の開閉にかかる手間を簡略化することができる。
[1−3H.側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図66及び図67を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側板片952aと、側板片952aの前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側板片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952dと、を備えている(図108を参照)。この本体952は、側板片952a、前端片952b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されており、中片952cと後端片952dとの間に遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150との正面視左側側部が挿入されるようになっている(図108を参照)。
本例の側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側において本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止することができるようになっている(図108を参照)。また、側面防犯板950の本体952は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備えているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の前面を扉枠5で閉鎖した状態とすると、側面防犯板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるので、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bに当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することが可能となり、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠3における金属により形成された側面防犯板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、パチンコ機1における防犯性能を高めることができる。また、遊技盤4を支持する本体枠ベース600を合成樹脂により形成した上で、扉枠5を軸支する側(軸支側)の側面防犯板950を金属により形成するようにしているので、本体枠3全体を金属によって形成するようにした場合と比較して、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、詳細は後述するが、本体枠3に対して扉枠5を施錠する錠装置1000の扉枠用フック部1041を、上下両端と上下両端の間の一箇所で扉枠5における補強ユニット150のフックカバー165と係止させるようにして、錠装置1000側(開放側)における扉枠5と本体枠3との間を三つの扉枠用フック部1041によって係止するようにしているので、開放側がバール等の不正な工具によって抉られても扉枠5と本体枠3との間が広がるのを良好に防止することができ、扉枠5が無理やり抉じ開けられるのを防止することができる。
また、側面防犯板950における側板片952aの後端を、遊技盤4の前面(遊技領域1100)よりも後方へ延出させるようにしており、側板片952aの前後方向の寸法が長くなることで前後方向へかかる荷重に対する曲げ剛性が強くなるので、側面防犯板950全体の強度・剛性をより高めることができ、側面防犯板950が無理やり曲げられて不正行為が行われるのを防止することができる。
また、金属製の押出型材によって本体枠3の側面防犯板950を形成するようにしているので、前端片952bや中片952cを有した所定断面形状の側面防犯板950(本体952)を簡単に形成することができ、パチンコ機1の防犯性能を高めてもコストが増加するのを抑制することができると共に、金属板を屈曲させた場合と比較して、加工時に生ずる強度低下等の欠陥を可及的に少なくすることができ、耐久性や強度の高い側面防犯板950とすることができる。
[1−3I.錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図93乃至図97を参照して説明する。図93(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図94(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図95は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図96は、錠装置における扉枠用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図97は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部605の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図68に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付部625と、に取付られるようになっている。
図93乃至図95に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるように折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくすることができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている。
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面した状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。これにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605と接する側面1001b(図95を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1001a(図95を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面1001a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動させると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するようになっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着することで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから周壁部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図94(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図94(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部1007と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、周壁部605と接する側面1001bに貫通した挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022と、が夫々形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部1007は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退するようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とされている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成された錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようになっている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材1023,1032は、図95に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口1020とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体1001の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図97(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができるようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ1035によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴1036とが夫々穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されたバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢されるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉枠用摺動杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部1041を備えている。扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に扉枠用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定した時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図63及び図68等を参照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示するように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガイド突起1043と、を備えている。この扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通されるようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆1040は、ガイド突起1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止されたスプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051のスプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されるようになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040がガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1053と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フック部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作においてガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材1052の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット1006を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成することができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガタ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット用長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。また、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴1036とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図96及び図97を参照して説明する。図96に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図96(A)に示すように、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図96(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図96(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図96(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図96(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行うことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の扉枠3の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、本例の錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図97を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図97(A)に示すように、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図97(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図97(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図97(A)に示す状態となる。これにより、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正工具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の周壁部605で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定することができるようになっている。
なお、本例の錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴611の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強固に固定することができる。
また、本例の錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものを示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と同様の作用効果を奏することができる。
上述したように、本例の本体枠3によると、本体枠ベース600の後側に後方(前後方向)へ延出した周壁部710aを有する透明な賞球ベース710と、賞球ベース710の上側に本パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備側から供給された遊技球を貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720から排出された遊技球を整列させ賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる透明なタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730から放出された遊技球を所定の払出指示に基いて扉枠5の上皿301へ払出し賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる一部が透明の賞球装置740と、本体枠ベース600の後端へ延出した側部904を有し後面がタンクレールユニット730や賞球装置740の後面と略同一面状に配置された透明な裏カバー900とを備えているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して本体枠ベース600の遊技盤保持口601に保持された遊技盤4の後側と後側側面とを視認することができ、遊技盤4の後側を覆う裏カバー900を開けなくても簡単に遊技盤4の後側を点検(目視点検)することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側(後面)だけでなく遊技盤4の後側側面も視認することができるので、本体枠ベース600の遊技盤保持口601へ前側から遊技盤4を脱着した際に、遊技盤4と裏カバー900との間にドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、残留物によって何らかの不具合が発生するのを防止することができる。
更に、上述したように、遊技盤4の後面や後側側面を外側から視認することができるので、遊技盤4の後側や側面等に不正行為を行うための不正な装置や工具等が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができると共に、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置等の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、遊技盤4の後側を賞球ベース710や裏カバー900で覆うようにしているので、遊技機4を設置した島設備内の他の部材が遊技盤4と接触したり、遊技盤4の後側にゴミや埃等の異物が付着したりするのを防止することができ、遊技盤4を良好な状態に維持して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、賞球タンク720の後面が本体枠ベース600の奥行きD(図65を参照)に対して、本体枠ベース600の前端から約2倍の奥行きの位置となるようにしている、つまり、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側や後側側面をより見易くすることができ、上記した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、本体枠ベース600を伏せた時の高さを可及的に低くして平坦な形状とすることができ、本体枠ベース600の後側へ賞球ベース710や裏カバー900、タンクレールユニット730、賞球装置740等を取付ける取付作業を行い易くすることができる。
更に、透明な裏カバー900の後面(本体部902)を、賞球ベース710に取付けられた賞球タンク720、タンクレールユニット730、及び賞球装置740等の後面と、略同一面状となるようにしているので、パチンコ機1の後面を略フラットな面とすることができ、後方への突起物を無くすことで設置される島設備内の他の部材に引っ掛かったり当接したりするのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。また、パチンコ機1の後面が略フラットとなるので、パチンコ機1を搬送する際に、単純な形状の緩衝材を用いることができると共に、集積効率(収納効率)を高くすることができ、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
また、裏カバー900に、複数のスリット916や透孔918を備えるようにしており、スリット916等を介して遊技盤4の後側や後側側面等を直接視認することができるので、遊技盤4の後側等を更に見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600に保持された遊技盤4の後側を裏カバー900で覆っても、裏カバー900のスリット916等を介して遊技盤4からの熱を外部へ放出することができるので、遊技盤4からの熱が蓄積されるのを防止することができ、熱によって遊技に関する制御が不安定になったり、合成樹脂等の部材が変形したりして不具合が発生するのを抑制することができる。更に、裏カバー900のスリット916や透孔918を、遊技球が通過不能な大きさとしているので、例えば、島設備内でパチンコ機1の後側に遊技球がこぼれても、スリット916等を通して遊技球がパチンコ機1内へ侵入するのを阻止することができ、遊技球の侵入によって不具合が発生するのを防止することができる。
[1−4.遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図98乃至図107を参照して説明する。図98は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図99は、遊技盤の正面図であり、図100は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図101は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図102(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。
また、図103は、図100等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図104は、図103を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図105は、図103の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。更に、図106は図103等の例とは異なる実施形態の前構成部材を用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図107は図106を後から見た遊技盤の分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図98乃至図105での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図110乃至図117等を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[1−4A.前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図98等に示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の入賞口(一般入賞口、始動口、大入賞口、役物入賞口、等)に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口542eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正工具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正工具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯版950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤4を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[1−4B.遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニヤ合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図101を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようになっている。
[1−4C.基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル11520の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図101に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[1−4D.主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1171の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図101等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや試験用端子4100f、周辺制御基板4010や払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む試験用端子4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[1−4E.機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図102(A)に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第一始動口2201への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第一始動口2201への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第二始動口2587bへの遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第二始動口2587bへの遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、遊技球によるゲート部2585aの通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器1188の下側に配置され遊技球がゲート部2585aを通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に第一大入賞口2102や第二大入賞口2509の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第一始動口2201へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる二つの第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第二始動口2587bへ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる二つの第二特別図柄記憶ランプ1187,1187bを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第一始動口2201や第二始動口2587bへの遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2585aを遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2585aを遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなる2ラウンド表示ランプ1190aと、15ラウンド表示ランプ1190bとを備えており、夫々のランプが点灯することで「大当り」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図102(A)に示すように、遊技盤4をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板1191(図153を参照)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット300に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
また、パチンコ機1の機能表示ユニット1180としては、図102(B)に示すような形態としても良い。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器1184と第二特別図柄記憶表示器1187を、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器1188を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニット1180でも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を八つのLED群で構成するようにしているので、7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニット1180で表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニット1180の表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
[1−4F.遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図103乃至図105を参照して説明する。なお、図103乃至図105における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したものと同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
この遊技パネル1200におけるパネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。更に、パネル板1210は、詳細は後述するが、アタッカユニット2100やセンター役物2500等の表ユニット2000を取付けるための前後方向へ貫通した複数の開口部を備えており、開口部に対して前側からアタッカユニット2100等が挿入固定されるようになっている(図示は省略)。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を備えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図104に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3010のフランジ状の固定部3010c(図114等を参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3010cがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠3(パチンコ機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3010における前面のフランジ状に形成された固定部3010cから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。なお、図103に示すように、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図104を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘の植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニット2000のみを支持するようにしているので、表ユニット2000の荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[1−4G.前構成部材の第二実施形態]
次に、上記した遊技盤4における前構成部材1110とは異なる形態の前構成部材1110Aについて、図106及び図107を参照して説明する。なお、図106及び図108における遊技パネル1200、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、パネル板1210の外形とパネルホルダ1220の貫通口1222の内形が、図103乃至図105の実施形態と異なるのみで、図103乃至図105の例と同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。
図106及び図107に示す前構成部材1110Aは、上記の前構成部材1110と比較して、前後方向に貫通した内周形状の一部が異なっている他に、機能表示ユニット1180を備えていない点が大きく異なっている。なお、その他の構成については、前構成部材1110と同様であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。また、この前構成部材1110Aを用いた遊技盤4では、機能表示ユニット1180が、遊技盤4における表ユニット2000又は裏ユニット3000の何れかに備えられるようになっている(本例では、表ユニット2000に備えられている)。
この前構成部材1110Aは、図示するように、枠状の内周形状が、アウト口誘導面1115を基点として正面視で時計回りの方向へ内レール1112及び外レール1111の衝止部1114までの形状が、前述の前構成部材1110と同じ形状に形成されており、衝止部1114から時計回りの方向へアウト口誘導面1115までの形状が、前述の前構成部材1110とは異なる形状となっている。具体的には、衝止部1114から衝止部1114の直下に配置された右側の証紙貼付部1125の直上までの間が緩やかな円弧状に形成されていると共に、円弧状の下端からアウト口誘導面1115までの間がアウト口誘導面1115へ向かって低くなるように傾斜した直線状に形成されている。
本例の前構成部材1110Aは、前述の前構成部材1110と比較して、遊技領域1100がより広く確保することができるようになっており、広い遊技領域1100によって遊技者をより楽しませることができるようになっている。
なお、図106及び図107の例では、前構成部材1110Aの後側に遊技パネル1200を取付けるものを示したが、これに限定するものではなく、前構成部材1110Aの後側に図100及び図101に示すような一枚の板からなる遊技パネル1150を取付けるようにしても良い。
[1−5.パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図108及び図109を参照して説明する。図108は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図109は、本体枠内に遊技盤を収容した状態で後から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図108に示すように、本体枠3における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)の側面に取付けられる金属製の側面防犯板950と、扉枠5における合成樹脂によって形成された扉枠ベース110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット150とによって構成されている。
本体枠3の側面防犯板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤4における前構成部材1110(1110A)と遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠3の側面を形成する板状の側板片952aと、側板片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側板片952aから前端片952bに沿って延びた中片952cと、側板片952aの後端から略直角方向内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、側面防犯板950の前端は、前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側板片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
一方、扉枠5の補強ユニット150は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポット溶接やリベット等を用いて扉枠5における遊技窓101の外周を囲うように枠状に形成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口した断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット150の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠5が本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。これに対して、本例の防犯構造は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、側面防犯板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(進入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるようになっている。これにより、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bの後面側に当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することができるので、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、本体枠3における金属により形成された側面防犯板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、側面防犯板950における側板片952aの後端が遊技盤4における遊技パネル1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側板片952aの後端よりも後側の本体枠ベース600が破壊されても、側板片952aの後端から遊技盤4(遊技パネル1150)の前面の遊技領域1100内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることができず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、図108に示すように、側面防犯板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接しているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは側板片952cの後端よりも後側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図109に示すように、遊技盤4を収容する本体枠3における賞球ベース710、タンクレール731、賞球装置740のユニットベース741、満タン分岐ユニット770、及び裏カバー900が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠3内に収容された遊技盤4の後側や側面側を、遊技盤4を本体枠3から取外したり裏カバー900を開けたりしなくても、本体枠3の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤4の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠3の後側から遊技盤4の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うために本体枠3に対して遊技盤4を脱着した際、本体枠3と遊技盤4との間に、ドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止することができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
[2.遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図110乃至図117を参照して説明する。図110はパチンコ機における遊技盤の正面図であり、図111は遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図112は遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。また、図113は、遊技盤を後から見た斜視図である。更に、図114は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め前から見た斜視図であり、図115は遊技盤を構成する主な部材毎に分解して斜め後から見た斜視図である。また、図116は遊技盤を上下方向の略中央で切断して上側から見た断面図であり、図117は遊技盤を左右方向の中央で切断して右側から見た断面図である。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域1100の内周を区画形成する枠状の前構成部材1110Aと、前構成部材1110Aの後側に遊技領域1100を閉鎖するように取付けられ遊技領域1100と対応する位置に所定形状で前後方向へ貫通した複数の開口部1158(図114及び図115等を参照)を有し遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、を備えている。
本例の遊技パネル1150は、ベニヤ板等の木製の合板により形成されている。
また、遊技盤4は、遊技パネル1150の開口部1158に対して前側から取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能なメイン液晶表示装置1900と、裏ユニット3000の下部を後側から覆うように遊技パネル1150の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
本例の遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の下部でアウト口1151の正面視右上に配置されたアタッカユニット2100と、アタッカユニット2100の左側でアウト口1151の直上に配置された始動口ユニット2200と、始動口ユニット2200の左側で遊技領域1100の内周に沿って円弧状に延びた表サイドユニット2300と、表サイドユニット2300に取付けられ遊技状態を表示可能な機能表示ユニット1180と、遊技領域1100の略中央部分に配置された枠状のセンター役物2500と、を備えている。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後側に取付けられ前側が開放されると共に後壁3010aにメイン液晶表示装置1900の表示画面が臨み前後方向に貫通する開口3010bが形成された裏箱3010と、裏箱3010の後壁3010aに取付けられるパネル中継基板3020、ランプ駆動基板3021、モータ駆動基板3023、及び表ランプ中継基板3025と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内に取付けられサブ液晶表示装置3111を有した裏下中演出ユニット3100と、裏下中演出ユニット3100の左右両側に取付けられる裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3300と、裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3300の前面に取付けられる球排出ユニット3400と、裏箱3010内の左右両側に夫々取付けられる裏後演出ユニット3500と、裏後演出ユニット3500の前側に夫々配置される裏左演出ユニット3600及び裏右演出ユニット3700と、裏後演出ユニット3500の前側に取付けられる裏上演出ユニット3800と、を備えている。
また、遊技盤4におけるメイン液晶表示装置1900の後側には、詳細は後述するが、周辺制御部4140及び液晶制御部4150を有した周辺制御基板4010(図153を参照)を収容する周辺制御基板ボックス1910を備えている。
本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4は、遊技領域1100内の略中央にメイン液晶表示装置1900が遊技者側へ臨むように、枠状のセンター役物2500が遊技パネル1150に取付けられている。このセンター役物2500は、正面視左右両端の夫々少なくとも一部が、遊技領域1100の内周まで延出しており、遊技領域1100を上下に分断している。なお、詳細は後述するが、遊技領域1100内へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の窓部2501の左右外側を流下することができる。そして、遊技領域1100内には、センター役物2500の正面視左上の領域と、下側から左側の上下方向の略中央までの領域が、遊技球が流通可能な比較的広い領域に形成されており、これらの領域に複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されている。
本実施形態の遊技盤4は、遊技球を、センター役物2500の周壁部2502における最も高くなった部位よりも正面視左側つまり左ルート1100L側へ打込むと、センター役物2500の複数の突出部2512の間を通ってセンター役物2500の左側を流下する。そして、センター役物2500の周壁部2502に開口したワープ入口2503へ進入すると、ステージ2506へ供給するワープ出口2505側か遊技領域1100内へ戻す放出口2508側かの何れかに振分ける振分部材2520へ供給されて、何れか一方に振分けられる。これにより、ワープ入口2503へ進入した遊技球が、振分部材2520によってワープ出口2505側(ステージ2506側)へ振分けられるか否かを気にさせて遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者に遊技球の動きを楽しませることができる。なお、本実施形態では、遊技球がワープ出口2505側へ高い確率で振分けられる。
振分部材2520によってワープ出口2505側へ振分けられた遊技球は、ステージ2506へと供給される。このステージ2506へ供給された遊技球はステージ2506上を左右方向へ転動した後に遊技領域1100内へ放出され、障害釘による動きとは異なる動きを楽しませることができると共に、ステージ2506のチャンス出口2506dから遊技球が遊技領域1100内へ放出されると、高い確率で始動口ユニット2200の第一始動口2201へ入賞させることができる。
また、左ルート1100L側へ打込まれた遊技球が、ワープ入口2503へ進入しなかった場合、進入口2507へ進入して振分部材2520よりも下側の放出口2508から遊技領域1100内へ放出される。遊技領域1100の左ルート1100L側へ打込まれてセンター役物2500の放出口2508から放出された遊技球は、表サイドユニット2300の左棚部2302によって遊技領域1100の左右方向中央側へ誘導され、表サイドユニット2300の一般入賞口2301へ入賞する可能性がある。
一方、遊技球を、センター役物2500の周壁部2502における最も高くなった部位よりも正面視右側つまり右ルート1100R側へ打込むと、センター役物2500の右側外周と遊技領域1100の内周との狭い隙間を通って、前構成部材1110Aの衝止部1114付近に開口したアタッカ通路2509a内へ進入し、第二始動口ユニット2580のゲート部2585aの直上へ放出される。つまり、右打ちを行うことで、極めて高い確率でゲート部2585aに遊技球を通過させることができる。
また、詳細は後述するが、ゲート部2585aを遊技球が通過してゲートセンサ2586により検知されると、極めて短時間で普通抽選結果が抽選されて実行されるようになっているので、普通抽選結果が「普通当り」であれば、扉部材2589が回動して第二始動口2587bへの遊技球の受入れが可能となり、ゲート部2585aへ進入した遊技球を第二始動口2587bに入賞させることができる。なお、普通抽選結果が「普通ハズレ」の場合は、ゲート部2585aを通過した遊技球が、第二始動口2587bを閉鎖する扉部材2589の前面を流下して誘導部材2584によりアタッカユニット2100の第一大入賞口2102側へ放出される。従って、右打ちによって、第二始動口2587bや第一大入賞口2102を直接的に狙った遊技を行うことができる。
更に、第一始動口2201や第二始動口2587bに遊技球が入賞した場合、特別抽選結果の抽選が行われ、小当り・大当り遊技等の遊技者が有利となる特別有利遊技状態が発生する特別抽選結果が抽選されると、第一大入賞口2102やアタッカ通路2509a内に配置された第二大入賞口2509が、所定のパターンで遊技球の受入れが可能となる。そして、第一大入賞口2102や第二大入賞口2509が受入可能となった時には、右打ちをすることで、極めて高い確率で第一大入賞口2102や第二大入賞口2509に遊技球を入賞させることができる。
このように、本実施形態の遊技盤4では、センター役物2500の右側と左側とでは、異なる印象の遊技を行うことができるようになっており、多彩な遊技を提供して飽き難くすることができる。
[2−1.表ユニットの全体構成]
次に、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の表ユニット2000の全体構成について、図118及び図119を参照して説明する。図118は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、図119は遊技盤における表ユニットを後から見た斜視図である。
遊技盤4における表ユニット2000は、遊技領域1100内の左右方向略中央下部でアウト口1151の右上側に配置され遊技パネル1150の前面に支持されるアタッカユニット2100と、遊技領域1100における左右方向略中央でアウト口1151の直上に配置され遊技パネル1150の前面に取付けられる始動口ユニット2200と、始動口ユニット2200の左側に配置され遊技領域1100の内周に略沿って円弧状に延びた表サイドユニット2300と、表サイドユニット2300の前面で上下方向の略中央に取付けられた機能表示ユニット1180と、遊技領域1100の略中央に配置され遊技パネル1150に支持される枠状のセンター役物2500と、を備えている。
表ユニット2000のアタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球を常時受入可能とした一般入賞口2101と、一般入賞口2101の下側に配置された可変入賞口としての第一大入賞口2102とを備えている。アタッカユニット2100の第一大入賞口2102は、詳細は後述するが、第一始動口2201や第二始動口2587bへの遊技球の受入れにより抽選される特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる。
また、図110,111に示すように、アタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球を常時受入可能とした第一始動口2201aを、第一大入賞口2102の右側上方に備えている(図118,119では図示せず)。また、後述するような第一始動口2201に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ3422と同様のセンサ(不図示)が、第一始動口2201aにも設けられている。前述したように、右打ちが行われてゲート部2585aを通過した遊技球は、第二始動口2587bに受入れられなかった場合に扉部材2589の前面を流下して誘導部材2584によりアタッカユニット2100の第一大入賞口2102側へ放出されるが、このような遊技球を第一大入賞口2102に到達するまでの間に受入可能な位置に第一始動口2201aが配置される。更に詳細な配置位置としては、誘導部材2584によって第一大入賞口2102側に放出された遊技球が、所定の入球割合(例えば、1/20〜1/5程度)で第一始動口2201aに入球するような位置であることが好ましい。
このように、第一始動口2201aは、第二始動口2587bに入球し得る遊技球の流路上に配置されることで、小当り遊技、大当り遊技や有利状態(後述する高確率時短状態)において遊技者によって右打ちが行われた際に、特別な遊技技術を要することのない態様で、かつ、入球を避けることができない態様(換言すれば遊技者が遊技球の受入先を選択不能な態様)で、第一始動口2201aに遊技球が受入れられることを特徴としている。なお、第一始動口2201aへの遊技球の受入によって行われる処理(例えば、入球1個ごとに3個の賞球払出や、第一特別抽選の実行等)は、後述する第一始動口2201への遊技球の受入の場合と同一であるので、以後、個別に言及する場合を除いて、第一始動口2201に関する処理によって説明を省略する。
また、第一始動口2201aへの遊技球の入球が想定される状況は、右打ちによって遊技が行われる遊技状態であって、具体的には、小当り、大当り遊技中及び有利状態(後述する高確率時短状態)である。本実施形態のパチンコ機1では、それ以外の通常の遊技状態(後述する低確率非時短状態)では、遊技球の大多数がセンター役物2500の右側まで到達しない程度の強さで遊技球を打込む操作(所謂、「左打ち」や「天打ち」)が推奨され、第一始動口2201に遊技球を入球させることで遊技が進行する。本実施形態のパチンコ機1では、通常の遊技状態であっても右打ちすることによって第一始動口2201aへの遊技球の受入を期待できるようになっているが、「左打ち」や「天打ち」による第一始動口2201への遊技球の入球よりも、「右打ち」による第一始動口2201aへの遊技球の入球が容易となることは、遊技仕様の観点から好ましくない。より具体的に説明すると、「右打ち」による第一始動口2201aの入球率が高くなりすぎると、通常の遊技状態でも右打ちを行った方が、遊技者にとって有利に遊技が進行されてしまうため、遊技機本来の打込操作が守られなくなるおそれがある。従って、第一始動口2201aの配置については、上記した「所定の入球割合」だけに基づいて決めることなく、通常の遊技状態において推奨される遊技進行(「左打ち」や「天打ち」)による第一始動口2201への遊技球の入球率よりは、「右打ち」による第一始動口2201aへの遊技球の入球率が低くなるように配慮することが望まれる。このような条件を満たすように第一始動口2201aが配置されることで、小当り、大当り遊技中及び有利状態でのみ右打ちが推奨されるという、パチンコ機1の本来の遊技方法を遊技者に守らせることができる。
また、表ユニット2000の始動口ユニット2200は、詳細は後述するが、上方へ開口し遊技球を常時受入可能な第一始動口2201を備えている。この第一始動口2201は、遊技領域1100における左右方向の略中央で、センター役物2500のステージ2506におけるチャンス出口2506dの直下に配置されており、チャンス出口2506dから放出された遊技球を高い確率で受入れることができる。
更に、表ユニット2000の表サイドユニット2300は、詳細は後述するが、遊技球を常時受入可能とされた三つの一般入賞口2301を備えている。また、表サイドユニット2300は、機能表示ユニット1180が取付けられる機能表示ボンネット2307の上面に、遊技球を中央側へ誘導する左棚部2302を備えている。
また、表ユニット2000のセンター役物2500は、詳細は後述するが、遊技パネル1150の略中央に形成された大きな開口部1158に取付けられ、後側に配置されたメイン液晶表示装置1900の表示画面等が遊技者側から視認することができる窓部2501を有した枠状に形成されている。このセンター役物2500には、枠内へ遊技球が侵入するのを阻止する周壁部2502と、周壁部2502の正面視左側外周面の所定位置に開口したワープ入口2503と、ワープ入口2503へ進入した遊技球が流通するワープ通路2504と、ワープ通路2504を流通した遊技球を放出可能なワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球を左右方向へ転動させた後に遊技領域1100内へ放出して還流させるステージ2506と、ワープ入口2503へ進入した遊技球をワープ出口2505側又は遊技領域1100内に放出する放出口2508側の何れかに振分ける振分部材2520と、を備えている。
また、センター役物2500は、周壁部2502の正面視右側外周面に開口し遊技球が流通可能なアタッカ通路2509aと、アタッカ通路2509a内に配置され可変入賞口としての第二大入賞口2509と、アタッカ通路2509aの下流端の直下に配置され遊技球の通過を検知可能なゲート部2585aと、ゲート部2585aの直下に配置され可変入賞口としての第二始動口2587bと、を備えている。センター役物2500の第二始動口2587bは、ゲート部2585aを遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる。また、センター役物2500の第二大入賞口2509は、第一始動口2201や第二始動口2587bへの遊技球の受入れにより抽選される特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる。また、第二第入賞口2509内には、特賞入賞口としての特定領域2509bが設けられている。特定領域2509bには、ユニットベース2571に取付けられ特定領域2509bに受入れられた遊技球を検知可能な特定カウントセンサ2578aと、特定カウントセンサ2578aの上方に取付けられ水平方向に移動することで特定領域2509bへの遊技球の受入を調整可能な可動片2578bとが配置される。特定領域2509bの詳細については、図146〜148を参照して[2−5]で後述する。
[2−2.アタッカユニット]
次に、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のアタッカユニット2100について、図120乃至図132参照して説明する。図120はアタッカユニットを前から見た斜視図であり、図121はアタッカユニットを後から見た斜視図である。また、図122はアタッカユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図123はアタッカユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本例の表ユニット2000における遊技盤4のアタッカユニット2100は、遊技パネル1150の下部における左右方向中央よりも右側に形成された開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に固定されるものである。このアタッカユニット2100は、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球が受入可能とされた一般入賞口2101と、一般入賞口2101の下側に配置された第一大入賞口2102とを備えている。アタッカユニット2100の第一大入賞口2102は、後述する横長板状の開閉部材2104によって開閉可能とされている。
アタッカユニット2100の一般入賞口2101は、図示するように、遊技球の直径よりもやや広い幅で上方へ向かって開放されており、遊技球を常時受入可能な状態となっている。アタッカユニット2100の第一大入賞口2102は、正面視左右方向が遊技球の直径に対して4〜6倍の長さで上下方向が遊技球の直径よりもやや長い横長矩形状で前方へ向かって開放されており、その開放された開口が板状の開閉部材2104によって開閉可能とされている。この第一大入賞口2102は、開閉部材2104が、下辺を回転軸として回動可能とされており、開閉部材2104が略垂直な状態となると遊技球の受入れが不能となり、開閉部材2104が略水平な状態となると遊技球の受入れが可能となるようになっており、所謂、可変入賞口とされている。
本実施形態のアタッカユニット2100について、更に詳述する。アタッカユニット2100は、遊技パネル1150の前面に当接し第一大入賞口2102が貫通した横長板状の台板2104a、台板2104aの上部に取付けられると共に一般入賞口2101を構成し台板2104aの前面から前方へ突出し上方及び後方が開放された箱状の受部2104b、及び受部2104bの後端下部から後方へ演出し遊技球を誘導可能な樋部2104cを有したアタッカベース2104と、アタッカベース2104の台板2104aに開口した第一大入賞口2102を閉鎖可能とされた横長板状の開閉部材2104とを備えている。アタッカベース2103の樋部2103cは、一般入賞口2101へ受入れられた遊技球を後述する裏ユニット3000の球排出ユニット3400へ受け渡すことができる。
開閉部材2104は、左右両端の下部から外方へ延出した軸部2103aと、正面視右端における軸部2103aよりも斜め下後の位置から右方向へ延出した作用ピン2103bとを備えている。開閉部材2104は、軸部2103aが後述する上ケース2105及び下ケース2106によって回動可能に支持されることで、第一大入賞口2102を開閉することができる。
また、アタッカユニット2100は、開閉部材2104の軸部2104aを支持可能な一対の軸受部上2105a、第一大入賞口2102と対応し前方及び下方が開放された横長箱状の収容部上2105b、及び収容部上2105bの後側でアタッカベース2103の樋部2103cの後方の略直下に形成され遊技球が通過可能な上下方向に貫通した通過孔上2105cを有し、アタッカベース2104における台板2104aの後側に取付けられる上ケース2105を備えている。
また、アタッカユニット2100は、上ケース2105の軸受部上2105aと協働して開閉部材2104の軸部2104aを回動可能に支持する一対の軸受部下2106a、上ケース2105の収容部上2105bと対向し前方及び上方が開放された横長箱状の収容部下2106b、収容部下2106bの後側で上ケース2105の通過孔上2105cと連通し遊技球が通過可能な上下方向へ貫通した通過孔下2106c、及び通過孔下2106cよりも正面視左側の位置で収容部下2106bの底壁を上下方向に貫通し遊技球が通過可能な貫通孔2106dを有し、上ケース2105に下側から組合わせられると共にアタッカベース2104における台板2104aの後側に取付けられる下ケース2106とを備えている。この下ケース2106は、収容部下2106bの底壁が貫通孔2106dへ向って低くなるように傾斜している。
アタッカユニット2100の上ケース2105及び下ケース2106は、組合わせることで、軸受部上2105a及び軸受部下2106aによって、開閉部材2104の軸部2104aを回動可能に支持することができ、開閉部材2104を回動させることで第一大入賞口2102を開閉可能とすることができる。また、上ケース2105及び下ケース2106の収容部上2105b及び収容部下2106bによって、第一大入賞口2102の後側に遊技球を収容可能な空間を形成することができ、収容した遊技球を貫通孔2106dを通して下方へ排出することができる。なお、上ケース2105及び下ケース2106は、透光性を有した材料で形成されている。
また、アタッカユニット2100は、上ケース2105及び下ケース2106によって挟持され左右方向へ進退可能なプランジャ2107aを有し第一アタッカソレノイド2107と、第一アタッカソレノイド2107のプランジャ2107aの進退を伝達させて開閉部材2104を回動させるリンク部材2108とを備えている。第一アタッカソレノイド2107は、右端からプランジャ2107aが進退するように通過孔上2105c及び通過孔下2106cの正面視右側に配置されている。
また、リンク部材2108は、第一アタッカユニット2107の進退するプランジャ2107aの先端近傍に配置され上ケース2105及び下ケース2106によって前後方向へ延びた軸芯に対して回動可能に支持された回動軸2108aと、回動軸2108aの軸芯から偏芯した位置に配置されると共に回動軸2108aと一体回動しプランジャ2107aの先端と係合する被係合部2108bと、被係合部2108bとは異なる位置で且つ回動軸2108aの軸芯から偏芯した位置に配置されると共に回動軸2108aと一体回動し周方向に離間した一対の作動ピン2108cとを備えている。リンク部材2108の一対の作動ピン2108cは、前方へ延出しており、アタッカユニット2100を組立てた状態では一対の作動ピン2108cの間に開閉部材2104の作用ピン2104bが位置している。
また、アタッカユニット2100は、下ケース2106の下面に取付けられ貫通孔2106dを通った遊技球を受けた上で、貫通孔2106dよりも後側で下方へ放出する通路部材2109と、上ケース2105の上面で通過孔上2105cの直上に取付けられ遊技球を検知可能な予備センサ2110と、下ケース2106の貫通孔2106dに取付けられ第一大入賞口2102に受入れられた遊技球を検知する第一カウントセンサ2111とを備えている。
なお、本実施形態では、アタッカユニット2100の予備センサ2110へは遊技球が供給されない。
更に、アタッカユニット2100、上ケース2105及び下ケース2106の後側を跨ぐようにアタッカベース2103における台板2103aの後面に取付けられ透光性を有した基板カバー2112と、基板カバー2112の後面に取付けられ前面に複数のLEDが実装された第一大入賞口装飾基板2113と、上ケース2105の上面に取付けられ第一アタッカソレノイド2107、予備センサ2110、及び第一カウントセンサ2111とパネル中継基板3020との接続を中継するアタッカユニット中継端子板2114とを備えている。なお、第一大入賞口装飾基板2113は、裏ユニット3000のランプ駆動基板3021に接続されている。
本例のアタッカユニット2100は、通常の状態では、第一アタッカソレノイド2107のプランジャ2107aが伸長した状態となっている。この状態では、開閉部材2104の作用ピン2104bがリンク部材2108の一方の作動ピン2108cによって下方へ押された状態となり、板状の開閉部材2104が直立した状態となって第一大入賞口2102を閉鎖した状態となっている。
この通常の状態から、小当り及び、大当り遊技等により第一アタッカソレノイド2107へ通電すると、プランジャ2107aが正面視左方向へ移動して没入した状態となる。このプランジャ2107aが正面視左方向へ移動することで、プランジャ2107aの先端に係合したリンク部材2108の被係合部2108bにより、リンク部材2108が回動軸2108aの軸芯を中心に正面視時計回りの方向へ回動することとなる。リンク部材2108が正面時計回りの方向へ回動すると、リンク部材2108の一対の作動ピン2108cが上昇する方向へ公転し、この作動ピン2108cの上昇に伴って開閉部材2104の作用ピン2104bが上昇する方向へ軸部2104aを中心として回動することとなる。これにより、開閉部材2104は、軸部2104aを中心としてその上辺が前方へ移動するように回動し、第一大入賞口2102への遊技球の受入れが可能な状態となる。
また、アタッカユニット2100は、第一大入賞口装飾基板2113に備えられたLEDを発光させることで、透光性を有した開閉部材2104と共に第一大入賞口2102を発光装飾させることができる。
[2−3.始動口ユニット]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000の始動口ユニット2200について、主に図124乃至図127を参照して説明する。図124は表ユニットの始動口ユニットを前から見た斜視図であり、図125は表ユニットの始動口ユニットを後から見た斜視図である。また、図126は始動口ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図127は始動口ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。本例の始動口ユニット2200は、図示するように、遊技領域1100における左右方向の中央でアウト口1151の直上に配置されており、上方へ向って開口した常時遊技球を受入可能な第一始動口2201を備えている。
本例の始動口ユニット2200は、図示するように、遊技パネル1150の前面に取付けられる板状の始動口ベース2202と、始動口ベース2202の前面に取付けられると共に前方へ膨出し上部に第一始動口2201が配置された始動口ボンネット2203と、始動口ベース2202の後側に取付けられた透光性を有するレンズ部材2204と、レンズ部材2204の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された第一始動口装飾基板2205と、第一始動口装飾基板2205と始動口ボンネット2203との間に配置され前後方向へ延びた筒状のリフレクタ2206と、第一始動口装飾基板2205の後側を被覆しレンズ部材2204の後側に取付けられる基板カバー2207とを備えている。
始動口ユニット2200の始動口ベース2202は、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されていると共に、金属光沢を有したメッキ層が形成されている。また、始動口ベース2202は、略中央の位置で前後方向へ貫通しリフレクタ2206が通過可能な挿通孔2202aと、始動口ボンネット2203の正面視外側の位置で前後方向に貫通しレンズ部材2204が臨む複数の開口2202bとを備えている。
また、始動口ユニット2200の始動口ボンネット2203は、後側が開放された箱状に形成されており、前面に所定の装飾が施されている。また、始動口ボンネット2203は、第一始動口2201を形成し上方及び後方に開放された箱状の受部2203aを上部に備えている。この始動口ボンネット2203は、全体が透光性を有した材料で形成されており、前面における受部2203aよりも下側の略中央を除いた部位に金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
始動口ユニット2200のレンズ部材2204は、上端に形成され第一始動口2201に受入れられた遊技球を後方へ誘導する樋部2204aと、樋部2204aの下側で始動口ベース2202の挿通孔2202aと略一致するように前後方向へ貫通しリフレクタ2206が通過可能な挿通孔2204bと、前方へ膨出し始動口ベース2202の開口2202bから遊技者側へ臨む装飾部2204cとを備えている。このレンズ部材2204は、第一始動口装飾基板2205の外周付近に備えられたLEDからの光を誘導して始動口ベース2202の開口2202b及び始動口ボンネット2203の側面を発光装飾させることができる。
始動口ユニット2200のリフレクタ2206は、透光性の低い材料で形成されており、レンズ部材2204の後面に取付けられている。このリフレクタ2206は、第一始動口装飾基板2205の中央付近に備えられたLEDからの光が、外側へ漏れるのを防止することができると共に、第一始動口装飾基板2205の外周付近に備えられたLEDからの光が、内側へ漏れるのを防止することができ、始動口ボンネット2203の前面中央のみを発光装飾させることができる。
本実施形態の始動口ユニット2200は、第一始動口2201を形成する始動口ボンネット2203の受部2203aに遊技球が受入れられると、始動口ボンネット2203から後側のレンズ部材2204における樋部2204aを介して後述する裏ユニット3000の球排出ユニット3400へ受渡すことができる。
[2−4.表サイドユニット]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000の表サイドユニット2300について、主に図128乃至図130を参照して説明する。図128(a)は表ユニットの表サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は表ユニットの表サイドユニットを後から見た斜視図である。また、図129は表サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図130は表サイドユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
遊技盤4の表ユニット2000における表サイドユニット2300は、遊技パネル1150のパネル板1210における遊技領域1100内の左右方向中央よりも左側で上下方向中央から下寄りの位置に、遊技領域1100の内周(内レール1112の正面視右側面)と接するように遊技パネル1150の前面に固定されている。この表サイドユニット2300は、正面視の外形が遊技領域1100の内周に沿った円弧状に形成されている。
本実施形態の表サイドユニット2300は、遊技球を常時受入可能とされ遊技領域1100の内周に沿って円弧状に配列された三つの一般入賞口2301と、三つの一般入賞口2301よりも正面視左側且つ上側へ配置され右側が低くなるように傾斜した遊技球が転動可能な左棚部2302と、遊技領域1100の左右方向中央に近い二つの一般入賞口2301に跨って配置され右側が低くなるように傾斜した遊技球が転動可能な右棚部2303と、を備えている。
また、表サイドユニット2300は、遊技パネル1150の前面に取付けられると共に全体が円弧状に形成され三つの一般入賞口2301を有した表サイドベース2304と、表サイドベース2304の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された表サイド装飾基板2305と、表サイド装飾基板2305の後側を覆い表サイドベース2304の後側に取付けられる基板カバー2306と、最も上側の一般入賞口2301よりも正面視左側且つ上側で表サイドベース2304の前面に取付けられ後方が開放された浅い箱状の機能表示ボンネット2307と、を備えている。本実施形態の表サイドユニット2300は、機能表示ボンネット2307の後側に機能表示基板1191が取付けられている。
表サイドユニット2300の表サイドベース2304は、夫々前方へ突出し、上下方向の略中央からやや下側に配置され一つの一般入賞口2301を形成する上受部2304aと、上受部2304aよりも下側に配置され二つの一般入賞口2301を形成する下受部2304bと、上受部2304a及び下受部2304bの後側から夫々後方へ延出し各一般入賞口2301に受入れられた遊技球を後方へ案内する樋部2304cとを備えている。上受部2304aは、一つの一般入賞口2301が上方へ開口するように形成されている。下受部2304cは、正面視で上受部2304aに近い側の一般入賞口2301が、斜め左上へ開口するように形成されていると共に、上受部2304aから遠い側の一般入賞口2301が、右方へ開口するように形成されている。また、下受部2304cの上面は、右側が低くなるように傾斜しており、遊技球を誘導可能な右棚部2303とされている。
また、表サイドベース2304は、上受部2304aの正面視左側に機能表示ボンネット2307を取付けるための扇形の枠状のボンネット取付部2304dを備えている。この表サイドベース2304は、ボンネット取付部2304dを除いた前面に、透光性を有した所定の装飾が施されている。
表サイドユニット2300の機能表示ボンネット2307は、正面視の形状が遊技領域1100の内周に沿った円弧を有する扇形に形成されており、右側が低くなるように傾斜した上面が左棚部2302とされている。また、機能表示ボンネット2307は、前面に機能表示基板1191に実装された複数のLEDと対応した複数の開口2307aを備えている。なお、詳細な図示は省略するが、機能表示ボンネット2307は、後側に各開口2307aを囲むように後方へ延出し、一つの開口2307aと対応した機能表示基板1191のLEDからの光が他の開口2307aへ漏れるのを防止するリフレクタ片を備えている。本実施形態では、機能表示基板1191及び機能表示ボンネット2307によって機能表示ユニット1180を構成している。
本実施形態の表サイドユニット2300は、遊技領域1100内におけるセンター役物2500の左側、詳しくは、放出口2508から放出されて流下してきた遊技球を、左棚部2302及び右棚部2303によって右方向(遊技領域1100の左右方向の中央)へ案内することができる。また、表サイドユニット2300は、表サイドユニット2300の三つの一般入賞口2301に受入れられた遊技球を、夫々の樋部2304cによって遊技パネル1150の後側へと送り、後述する裏ユニット3000の球排出ユニット3400へ受渡すことができる。
[2−5.センター役物]
続いて、本実施形態のパチンコ機1の遊技盤4における表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図131乃至図148を参照して説明する。図131は表ユニットのセンター役物の正面図であり、図132はセンター役物を前から見た斜視図であり、図133はセンター役物を後から見た斜視図である。また、図134はセンター役物を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図135はセンター役物を主な部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。また、図136はセンター役物の振分部材を前から見た斜視図であり、図137はセンター役物の振分部材を後から見た斜視図である。更に、図138は、センター役物における左ルートをワープ通路の一部と共に示す正面断面図である。また、図139は、センター役物における下ワープ通路部材及びステージ部材を示す斜視図である。また、図140(a)はセンター役物の第二アタッカユニットを前から見た斜視図であり、(b)は第二アタッカユニットを後から見た斜視図である。更に、図141はセンター役物の第二アタッカユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図142はセンター役物の第二アタッカユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
また、図143(a)センター役物の第二始動口ユニットを前から見た斜視図であり、(b)はセンター役物の第二始動口ユニットを後から見た斜視図である。また、図144はセンター役物の第二始動口ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図145はセンター役物の第二始動口ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図146(a)はセンター役物における右ルートを示す正面断面図であり、(b)は(a)におけるB−B断面図である。また、図147(a)はセンター役物の第二始動口が開状態の時の右ルートの要部を拡大して示す正面断面図であり、(b)は(a)における第二始動口の部位で切断した側面断面図である。更に、図148(a),(b)は、センター役物における第二大入賞口が開状態の時の右ルートの要部を拡大して示す正面断面図である。図148(a)は、特定領域2509bに遊技球が入球できない場合を示し、図148(b)は、特定領域2509bに遊技球が入球する場合を示している。
本実施形態のセンター役物2500は、遊技パネル1150の略中央を広く貫通した開口部1158に対して、前側から挿入された上で、遊技パネル1150の前面に取付けられるものであり、遊技パネル1150に取付けることで遊技領域1100を上下に分割することができる。このセンター役物2500は、図110等に示すように、遊技者側から後側が視認可能な窓部2501を備えており、この窓部2501によって全体が枠状に形成されている。
センター役物2500は、遊技パネル1150に取付けた状態で遊技パネル1150よりも前方へ膨出し窓部2501内へ遊技球が侵入するのを阻止可能とされた周壁部2502と、周壁部2502の正面視左側外周面に開口し遊技球が進入可能なワープ入口2503と、ワープ入口2503に進入した遊技球が流通可能なワープ通路2504と、ワープ通路2504を流通した遊技球を放出可能とされ周壁部2502の内周面(窓部2501内)に開口したワープ出口2505と、ワープ出口2505から放出された遊技球のみが供給されると共に窓部2501内の下部に配置され、供給された遊技球を転動させた後に遊技領域1100内へ還流放出させるステージ2506と、を備えている。
センター役物2500のステージ2506は、正面視左端にワープ出口2505が配置されると共に左右方向へ湾曲状に延び遊技球を前方へ放出可能とされた第一ステージ2506aと、第一ステージ2506aの前側且つ下側に配置されると共に左右方向へ湾曲状に延び遊技球を前方の遊技領域1100内へ放出可能とされた第二ステージ2506bと、第一ステージ2506aの第一始動口2201の直上と対応した位置に開口し遊技球が進入可能なチャンス入口2506cと、チャンス入口2506cへ進入した遊技球を遊技領域1100内へ放出し第二ステージ2506bの前側且つ下側で第一始動口2201の直上と対応した位置に開口したチャンス出口2506dと、を備えている。
ステージ2506の第一ステージ2506a及び第二ステージ2506bは、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、夫々第一始動口2201の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1150に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状に形成されている。また、第一ステージ2506aの最も低くなった部位は、第二ステージ2506bの最も低くなった部位よりも左右方向の外側となるように形成されている。
また、ステージ2506は、図139等に示すように、第一ステージ2506a及び第二ステージ2506bの所定位置に配置され前方へ向って低くなるように傾斜した複数の案内部2506eと、第一ステージ2506a及び第二ステージ2506bにおける案内部2506eが配置された部位を除いた前端に配置され上方へ突出した堤部2506fとを備えている。ステージ2506の案内部2506eは、第一ステージ2506a及び第二ステージ2506bの最も低くなった位置と、第二ステージ2506bにおける第一始動口2201の直上と対応した位置に夫々備えられている。
このセンター役物2500は、周壁部2502の上部外周形状が、正面視左右方向中央よりも左寄りの位置から右側へ向かって前構成部材1110Aの衝止部1114と対応した位置までは遊技領域1100の内周に沿った円弧状に形成されており、その円弧状に形成された部位の左側では下方へ所定距離窪んだ上で、左方へ向って低くなるように傾斜した形状に形成されている。これにより、前構成部材1110Aの外レール1111と内レール1112との間を通って遊技領域1100の上部へ打込まれた遊技球は、周壁部2502によって窓部2501の正面視左側を通る左ルート1100Lと、窓部2501の正面視右側を通る右ルート1100Rの何れかを流通する。
また、センター役物2500は、図示するように、左右両端の一部が遊技領域1100の内周まで延出しており、ワープ入口2503の正面視左側の遊技領域1100の内周付近で且つ下流側に開口した進入口2507と、進入口2507へ進入した遊技球を遊技領域1100内へ放出し後述する振分部材2520の下側の位置に開口した放出口2508と、窓部2501の正面視右側で周壁部2502の上部における遊技領域1100の内周に沿った円弧状の部位の右端からアタッカユニット2100の上流側まで遊技球を誘導すると共に通路内に第二大入賞口2509(図146等を参照)が配置されたアタッカ通路2509aとを備えている。これにより、遊技領域1100に打込まれた遊技球は、左ルート1100L又は右ルート1100Rの何れを流通しても、センター役物2500内を流通する。
センター役物2500は、図134及び図135等に示すように、遊技パネル1150の開口部1158に前側から取付けられ周壁部2502の一部を備えると共にワープ通路2504の後壁を形成する枠状のセンターベース2510と、センターベース2510の前面でワープ通路2504内に取付けられる振分部材2520と、振分部材2520の前側を覆いワープ通路2504の前壁を形成する左通路カバー2530と、振分部材2520の後方の位置でセンターベース2510の後側に取付けられ遊技球を誘導可能な左通路後カバー2540と、振分部材2520よりも下流側でセンターベース2510の後側に取付けられワープ通路2504の一部を構成すると共にワープ出口2505を有した下ワープ通路部材2550と、センターベース2510の下辺後側に取付けられステージ2506を有したステージ部材2560とを備えている。
また、センター役物2500は、センターベース2510の正面視右辺後側に取付けられる第二アタッカユニット2570と、第二アタッカユニット2570の下側に配置されセンターベース2510の右辺下端に取付けられる第二始動口ユニット2580と、センターベース2510の正面視右辺前側に取付けられ第二アタッカユニット2570の一部を被覆可能な右通路カバー上2600と、右通路カバー上2600の下側に配置されると共にセンターベース2510の前面に取付けられ第二アタッカユニット2570及び第二始動口ユニット2580の夫々一部を被覆可能な右通路カバー下2605と、第二アタッカユニット2570の後側に取付けられ前方へ向って光を照射可能なセンター右発光ユニット2610と、センターベース2510に後側から取付けられる分岐センサ2620とを備えている。
更に、センター役物2500は、振分部材2520の上側でセンターベース2510の後側に取付けられ前後方向へ延びた円筒状のリフレクタ2630と、リフレクタ2630の外周に広がると共にセンターベース2510の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたセンター左装飾基板2632と、センター左装飾基板2632の後側を覆いセンターベース2510の後側に取付けられるセンター左基板カバー2634と、センターベース2510とリフレクタ2630とで挟持され磁気を検出可能な磁気検出センサ2636とを備えている。センター左装飾基板2632及びセンター左基板カバー2634には、リフレクタ2630の後端が挿通可能な孔が形成されている。
また、センター役物2500は、第二アタッカユニット2570の正面視左側に隣接するようにセンターベース2510の後側に取付けられ発光装飾可能なセンター右発光装飾ユニット2640と、センター右発光装飾ユニット2640及びセンターベース2510の後側に取付けられ窓部2501を通って後側へ遊技球が侵入するのを阻止する透明板状の保護カバー2650と、保護カバー2650の正面視左側面へ向って光を照射可能な複数のLEDが実装され前後方向及び上下方向へ板状に延びた保護カバー左装飾基板2652と、保護カバー左装飾基板2652の後端を保持しセンターベース2510の後側に取付けられる基板カバー2654と、を備えている。
更に、センター役物2500は、センターベース2510の前側における枠内上部に取付けられパチンコ機1のコンセプトに沿ったロゴの装飾が施され遊技状態に応じて可動するセンター上演出ユニット2660を備えている。
次に、センター役物2500を構成する各部材について詳細に説明する。センター役物2500のセンターベース2510は、遊技パネル1150よりも前方へ膨出する周壁部2502が、下辺のステージ部材2560が取付けられる部位を除いて略全周に配置されている。また、センターベース2510は、ステージ部材2560が取付けられる下辺が遊技パネル1150の前面に沿った板状に形成されており、第一始動口2201の直上と対応した位置にチャンス出口2506dが開口している。
本実施形態のセンターベース2510は、ワープ通路2504におけるワープ入口2503から振分部材2520までの通路の後壁を形成し窓部2501の正面視左端に沿って上下方向へ延びると共に後方へ凹んだ通路凹部2510aと、通路凹部2510aの左端から左方へ延出した板状の左延出部2510bと、左延出部2510b及び通路凹部2510aの下側に形成され横長で後方へ窪むと共に内部に振分部材2520が取付けられる振分空間凹部2510cと、振分空間凹部2510cにおける正面視右端底部に下方へ開口し遊技球が通過可能な右開口部2510dと、右開口部2510dよりも大きく振分空間凹部2510cにおける左右方向中央から左側の位置で後方へ開口した左開口部2510eとを備えている。
また、センターベース2510は、左延出部2510bの上端から前方へ板状に延出し左端が低くなるように傾斜した棚部2510fと、棚部2510f左端の下方且つ振分空間凹部2510cよりも上側の位置で左延出部2510bを前後方向に貫通し遊技球が通過可能な通過口2510gと、通過口2510gの下端から前方へ延出し後方へ向って低くなるように傾斜した誘導片2510hと、左延出部2510bにおける棚部2510fの下側の位置で前後方向へ貫通しリフレクタ2630が通過可能な通過孔2510iとを備えている。
更に、センターベース2510は、窓部2501の正面視右側で周壁部2502の一部を形成すると共に遊技球が流通可能なアタッカ通路2509aを形成し前方へ延出した板状の通路壁2510jを備えている。このセンターベース2510は、図146等に詳しく示すように、周壁部2502における上部の円弧状に形成された部位に沿って正面視右方向へ流下した遊技球を案内し通路壁2510jによってクランク状に形成された分岐進入通路2510kと、分岐進入通路2510kの下端と連通すると共に分岐進入通路2510kの下端直下に分岐センサ2620が配置され通路壁2510jによって形成された所定広さの分岐空間2510lと、分岐空間2510lの右下隅と連通すると共に通路壁2510jによって形成され遊技球を下方へ案内する略円弧状に延びた連絡通路2510mと、連絡通路2510mの下端と連通すると共に下端が遊技領域1100内と連通し第二大入賞口2509が配置され通路壁2510jによって形成された所定広さの第二アタッカ空間2510nとを備えている。
また、センターベース2510は、第二アタッカ空間2510nの上部と連通すると共に第二アタッカ空間2510nの正面視左側を通って下端が遊技領域1100内と連通し通路壁2510jによって形成された遊技球が流通可能なバイパス通路2510oと、第二アタッカ空間2510nの内壁の一部を形成すると共に第二大入賞口2509へ向って低くなるように傾斜し連絡通路2510mを流通した遊技球を誘導する誘導部2510pと、正面視右端が第二大入賞口2509の上端を形成すると共に左端がバイパス通路2510oの入口端部を形成し右端側が低くなるように傾斜した傾斜部2510qと、傾斜部2510qの下側で前後方向に貫通し第二アタッカユニット2570の一部が後側から挿入される挿入孔2510rとを備えている。センターベース2510の誘導部2510pは、傾斜した面の延長線が第二大入賞口2509を通るように形成されている。
更に、センターベース2510は、周壁部2502の上部における正面視左右方向中央から左側の下方へ窪んだ部位の後端から遊技パネル1150の前面に沿うように外方へ延出した板状の上延出部2511と、上延出部2511から前方へ突出した複数(本例では三つ)の突出部2512と、上延出部2511の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたセンター左上装飾基板2513と、センター左上装飾基板2513の後側を覆いセンターベース2510の後側に取付けられる基板カバー2514とを備えている。
センター役物2500の振分部材2520は、センターベース2510の振分空間凹部2510c内に取付けられるものであり、ワープ入口2503に進入した遊技球をワープ出口2505側又は放出口2508側の何れかに振分けるものである。この振分部材2520は、図136及び図137に示すように、左右方向へ延びると共に左右方向の中央が低くなるように湾曲し遊技球が転動可能な転動面2521と、転動面2521の最も低くなった部位に配置され後方へ向って左右方向へ広がると共に低くなった扇状の放出部2522と、放出部2522の後側且つ下側に配置され前後方向へ延びた稜部2523と、稜部2523の左右両側から夫々斜め下方へ向って延出し遊技球を誘導可能な誘導面2524と、転動面2521の後端における放出部2522を除いた部位から上方へ突出した突部2525と、を備えている。
この振分部材2520の左右方向へ延びた転動面2521は、正面視左右方向中央から右寄りの位置が最も低くなるように形成されている。また、振分部材2520の転動面2521は、最も低くなった部位に対して正面視右側が左側よりも水平からの傾斜角度が大きく形成されている。
センター役物2500の左通路カバー2530は、センターベース2510の通路凹部2510aの前側に配置されワープ入口2503とワープ通路2504の上部前側を形成し透光性を有した上ワープ通路カバー2531と、上ワープ通路カバー2531から正面視左方へ離間して配置され進入口2507及び進入口2507へ進入した遊技球をセンターベース2510の誘導片2510hまで案内し透光性を有した案内通路カバー2532と、案内通路カバー2532及び上ワープ通路カバー2531の下側に配置されセンターベース2510の振分空間凹部2510cの前側を閉鎖する透明板状の振分空間カバー2533と、振分空間カバー2533の上側で且つ上ワープ通路カバー2531と案内通路カバー2532の間に配置され前方へ膨出した半球状で透光性を有したセンター左装飾体2534とを備えている。
左通路カバー2530の上ワープ通路カバー2531は、上側、下側、及び後側が開放されると共に上下方向へ延びた箱状に形成されており、センターベース2510の通路凹部2510aと協同することで、ワープ入口2503に進入した遊技球を前後方向へジクザグ状に流下させることができる。また、案内通路カバー2532は、上側、下側、及び後側が開放されると共に上下方向へ延びた箱状に形成されており、センターベース2510の左延出部2510bにより後側が閉鎖されることで遊技球を案内する案内通路2532aを形成することができる。
また、左通路カバー2530のセンター左装飾体2534は、透明な半球状の前面側が滑らかな面に形成されていると共に、後面側が大きさや形状の異なる複数の三角形の面によって多面に形成されている。これにより、半球状の部位の板厚が不均一となり、各三角形の部位毎にレンズが形成された状態となり、透過する光を乱屈折させることができる。また、センター左装飾体2534は、半球状の前面外周に金属光沢を有したレリーフ状の装飾を有している。このセンター左装飾体2534は、センターベース2510の通過孔2510iの前方に配置されるものであり、リフレクタ2630の筒内を通して後側に配置された裏ユニット3000における裏左演出ユニット3600の裏左可動装飾体ユニット3610からの光によって発光装飾可能とされている。
センター役物2500の左通路後カバー2540は、前側が開放された箱状に形成されており、センターベース2510における左開口部2510eと通過口2510gの後側を覆うことができる。この左通路カバー2540は、センターベース2510の誘導片2510hに誘導されることで通過口2510gを通過してセンターベース2510の後側へ誘導された遊技球を、正面視斜め右下の左開口部2510eの略下辺の高さまで誘導する誘導壁2541と、誘導壁2541によって誘導された遊技球を前方へ案内し緩やかに傾斜した放出スロープ2542とを備えている。
左通路後カバー2540の放出スロープ2542は、センターベース2510における左開口部2510eの下辺まで後側から延出しており、誘導壁2541によって放出スロープ2542へ誘導された遊技球は、放出スロープ2542の傾斜により前方へ転動して左開口2510eを通って放出口2508から遊技領域1100内へ放出される。
センター役物2500の下ワープ通路部材2550は、透光性を有し上下方向へ延びた角筒状に形成されており、図139に示すように、上部に遊技球が通過可能な開口2551が形成されていると共に、正面視右側面下部にワープ出口2505が開口している。この下ワープ通路部材2550の開口2551は、組立てた状態でセンターベース2510の右開口部2510dと一致し、右開口部2510dを通った遊技球が下ワープ通路部材2550内を流通することができる。
センター役物2500のステージ部材2560は、第一ステージ2506a及び第二ステージ2506bを備えた透明なステージ本体2561と、ステージ本体2561の後側及び下側を覆う透明なステージ裏カバー2562と、ステージ裏カバー2562とステージ本体2561との間に配置され前面に複数のLEDが実装されたステージ装飾基板2563とを備えている。
ステージ部材2560のステージ本体2561は、第一ステージ2506aにおけるチャンス入口2506cを除いた後端から上方へ板状に延出した後壁部2561aを備えている。ステージ本体2561の後壁部2561aによりステージ2506に供給された遊技球がステージ2506の後側へ脱落するのを防止することができる。このステージ本体2561は、詳細な図示は省略するが、第一ステージ2506a、第二ステージ2506b、及び第一ステージ2506aと第二ステージ2506bとの間で上下方向に延びた部位の裏側に、断面が半円形状で前後方向、及び上下方向へ延びた複数のレンズ部2561bを備えている。これらレンズ部2561bによりステージ2506の下側を視認し難くすることができると共に、ステージ装飾基板2563のLEDからの光によってステージ2506全体を発光装飾させることができる。
また、ステージ部材2560のステージ裏カバー2562は、チャンス入口2506cとチャンス出口2506dとを連絡するチャンス通路2562aと、ステージ本体2561の後壁部2561aの上端から前方へ突出した返し部2562bとを備えている。更に、ステージ部材2560のステージ装飾基板2563は、詳細な図示は省略するが、ステージ2506の後側で且つ第一ステージ2506aの下側に配置されている。
センター役物2500の第二アタッカユニット2570は、図140乃至図142に示すように、センターベース2510の後側に取付けられるユニットベース2571と、ユニットベース2571の前面下部の所定位置に前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される第二開閉部材2572と、第二開閉部材2572の前側に配置されると共にユニットベース2571の前面に取付けられる透明板状の前カバー2573と、ユニットベース2571の後側に配置され進退可能なプランジャ2574aを有した第二アタッカソレノイド2574と、第二アタッカソレノイド2574のプランジャ2574aの先端に取付けられプランジャ2574aの進退を伝達して第二開閉部材2572を回動させるリンク部材2575と、を備えている。
また、第二アタッカユニット2570は、第二アタッカソレノイド2574を後側から収容支持しユニットベース2571の後側に取付けられるソレノイドベース2576と、ソレノイドベース2576の前側に取付けられ第二アタッカソレノイド2574の前面を覆うソレノイドカバー2577と、ユニットベース2571に後側から取付けられ第二大入賞口2509に受入れられた遊技球を検知可能な第二カウントセンサ2578と、第二カウントセンサ2578に検知されてユニットベース2571の後側へ誘導された遊技球を下方へ誘導しユニットベース2571の後側に取付けられる通路カバー2579と、を備えている。
第二アタッカユニット2570のユニットベース2571は、正面視の形状が、下端が広がった三日月状に形成されており、後側が開放された浅い箱状に形成されている。このユニットベース2571は、下部の前面から前方へ僅かに突出し外形がセンターベース2510の挿入孔2510rと対応した板状の挿入面2571aと、挿入面2571aの略中央で前後方向へ貫通し第二開閉部材2572を回動可能に支持する軸孔2571bと、軸孔2571bの外周に沿って円弧状に貫通し後述する第二開閉部材2572の作用ピン2572cが挿通される開口部2571cと、軸孔2571bの正面視左側の位置で矩形状に前後方向へ貫通し第二大入賞口2509に受入れられた遊技球が通過可能な通過口2571dと、通過口2571dの上辺を除いた外周から前方へ突出した受部2571eと、受部2571eの左右上端から夫々左右外方へ延出し受部2571e内へ向って低くなるように傾斜した誘導部2571fと、誘導部2571fよりも下側で受部2571eの対向した左右側面に形成され第二カウントセンサ2578を保持するセンサ保持部2571gと、受部2571eの底面から上方へ延出し後方へ向うに従って低くなるように傾斜した三角形の誘導片2571hと、を備えている。
また、ユニットベース2571は、軸孔2571bの正面視右下の位置から前方へ突出した右下突出部2571iと、右下突出部2571iと正面視右側の誘導部2571fに夫々形成され第二開閉部材2572の回動範囲を規制する一対のストッパ部2571jと、右下突出部2571iの下端から受部2571eの正面視右側面の略中央と下端へ夫々延びた板状のリブ2571kとを備えている。これら右下突出部2571i、ストッパ部2571j、及びリブ2571kの前端は、受部2571eの前端と同じ位置まで前方へ突出している。これら受部2571e、誘導部2571f、右下突出部2571i、及びリブ2571kの前側を覆うように前カバー2573が取付けられる。
更に、ユニットベース2571は、後面から後方へ延出すると共に後方へ開放され通過口2571dを通過した遊技球を正面視右方向へ誘導する球通路2571lを備えている。この球通路2571lの後端には、後端の正面視右端に遊技球が通過可能な開口が形成されるように通路カバー2579が取付けられる。
ユニットベース2571の挿入面2571aは、第二アタッカユニット2570をセンターベース2510に取付けると、その前面が第二アタッカ空間2510nの後面と前後方向の位置が略一致するように前方へ突出している。また、ユニットベース2571における正面視右側の誘導部2571fの右端は、第二大入賞口2509の下端を形成している。更に、右側の誘導部2571fと右下突出部2571iとに夫々形成されたストッパ部2571jは、軸孔2571bの軸芯を中心とした円弧に沿って対向するように配置されていると共に、軸孔2571bの軸芯を中心に約90度の角度に離間して配置されている。これら一対のストッパ部2571jに第二開閉部材2572のストッパ片2572cが当接することで第二開閉部材2572の回動範囲を規制することができると共に、第二開閉部材2572を開位置と閉位置とに位置決めすることができる。
第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572は、第二大入賞口2509を開閉する流滴状の羽根部2572aと、羽根部2572aの基端から後方へ延出しユニットベース2571の軸孔2571bに挿入支持される軸部2572bと、軸部2572bとは偏芯した位置で羽根部2572aの後側から後方へ延出した作用ピン2572cと、羽根部2572aの基部から羽根部2572aの先端とは軸部2572bを挟んで反対側へ延出したストッパ片2572dとを備えている。
第二開閉部材2572は、ユニットベース2571の前側から、作用ピン2572cがユニットベース2571の開口部2571cを貫通するように、軸部2572bをユニットベース2571の軸孔2572bへ挿入することで、回動可能に支持されると共に、ストッパ片2572dがユニットベース2571における一対のストッパ部2571jの間に位置し、羽根部2572aと伴に回動するストッパ片2572dがストッパ部2571jに当接することで所定角度範囲内でのみ回動することができる。
第二開閉部材2572は、作用ピン2572cの後端が、リンク部材2575のスリット2575c内に摺動可能に挿入される。これにより、リンク部材2572が第二アタッカソレノイド2574のプランジャ2574aにより左右方向へ進退すると、作用ピン2572cの後端がリンク部材2575のスリット2575c内を上下方向へ摺動し、第二開閉部材2572が軸部2572bを中心に回動する。
また、第二開閉部材2572は、ストッパ片2572dが、組立てた状態でユニットベース2571における一対のストッパ部2571jの間に位置し、羽根部2572aが略垂直に立上がって第二大入賞口2509を閉状態とした時にはストッパ片2572dが右下突出部2571iのストッパ部2571jに当接し、羽根部2572aの先端が正面視右方向へ移動して第二大入賞口2509を開状態とした時にはストッパ片2572dが右側の誘導部2571fの下側のストッパ部2571jに当接することで、第二開閉部材2572の回動範囲が規制される。
第二アタッカユニット2570の第二アタッカソレノイド2574は、プランジャ2574aが正面視右方向へ伸長する向きに配置されている。また、第二アタッカユニット2570のリンク部材2575は、第二アタッカソレノイド2574におけるプランジャ2574aの先端に取付けられるプランジャ取付部2575aと、プランジャ取付部2575aの前端から正面視右方向へ板状に延出した延出片2575bと、延出片2575bを前後方向へ貫通すると共に上下方向へ延び第二開閉部材2572の作用ピン2572cが摺動可能に挿入されるスリット2575cとを備えている。
第二アタッカユニット2570のソレノイドベース2576は、前方が開放された箱状に形成されており、第二アタッカソレノイド2574を収容すると共に、ソレノイドカバー2577と協同してリンク部材2575を左右方向へスライド可能に保持する。
本実施形態の第二アタッカユニット2570は、センターベース2510に取付けることで、センターベース2510の傾斜部2510qと、ユニットベース2571の誘導部2571fとで第二大入賞口2509を形成する。
図146〜148に示すように、第二大入賞口2509内には、特定領域2509bが設けられており、特定領域2509bを遊技球が入球することにより、特定の役物条件装置が作動する。図146〜148に示すように、特定領域2509bには、ユニットベース2571に取付けられ特定領域2509bに受入れられた遊技球が通過可能なセンサであって、当該通過した遊技球を検知可能な特定カウントセンサ2578aと、特定カウントセンサ2578aの上方に取付けられ水平方向に移動することで特定領域2509bへの遊技球の受入を調整可能な可動片2578bとが配置される。
可動片2578bは、駆動装置(図示せず)によって水平方向に作動可能にされ、通常時は、図148(a)に示すように、相対的に左側の待機位置に固定される。可動片2578bが待機位置にあるとき、第二アタッカユニット2570内に入った遊技球が特定領域2509bに入球できない態様、すなわち、特定カウントセンサ2578aで検知されない態様となる。また、駆動装置は、第一特別図柄表示器1185又は第二特別図柄表示器1186に特別抽選における当選を示す特別抽選結果が表示された場合に、予め定められた作動制御に従って、可動片2578bを固定位置よりも右側の作動位置まで移動させる。図148(b)に示すように、可動片2578bが作動位置にあるとき、第二アタッカユニット2570内に入った遊技球が特定領域2509bに容易に入球可能な態様となり、すなわち、特定カウントセンサ2578bで検知されやすい態様となる。可動片2578bの動きについて具体的には例えば、第一特別抽選又は第二特別抽選によって「特定領域の短時間開放」に対応付けられた大当りが選ばれた場合には、特定の大当りラウンド(例えば2ラウンド目及び10ラウンド目の第二大入賞口2509開放時)に、第二開閉部材2572が開状態となるとほぼ同時に0.2秒間だけ、駆動装置は可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す制御を行う(短時間のV開放制御)。一方、第一特別抽選又は第二特別抽選によって「特定領域の長時間開放」に対応付けられた大当りが選ばれた場合には、特定の大当りラウンド(例えば2ラウンド目及び10ラウンド目の第二大入賞口2509開放時)に、第二開閉部材2572が開状態になった0.5秒後から以後3秒間に亘って、駆動装置は可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す制御を行う(長時間のV開放制御)。
大当り遊技状態において第二開閉部材2572が開状態になった場合、第二大入賞口2509へ受入れられた遊技球は、可動片2578bが作動位置にあるときは、特定領域2509bに向かい、特定カウントセンサ2578aで遊技球の通過が検知されることにより、特定領域2509bに入球した(通過した)と判定される(V入賞)。その後、V入賞した遊技球は、誘導片2571hにより後方へ誘導され、ユニットベース2571の通過口2571dを通って後側の球通路2571lへ進入し、球通路2571lの正面視右端から後方へ放出される。但し、上記の短時間のV開放制御の場合は、第二開閉部材2572が開状態になったと同時に遊技球が第二アタッカユニット2570内に入ったとしても、0.2秒後には可動片2578bが待機状態に戻ってしまうことから、V入賞することはほぼ期待できず、実質的には、長時間のV開放制御が行われる大当りでのみ、V入賞する機会がある。なお、遊技球がV入賞した場合は、特定カウントセンサ2578aによる検知情報がパネル中継基板3020を介して主制御基板4100に入力され、主制御基板4100(主に主制御MPU4100a)によって、当該大当り終了後の遊技状態が高確率状態に制御され、10000回の時短状態も合わせて設定される。
また、大当り遊技状態において第二開閉部材2572が開状態になった場合、第二大入賞口2509へ受入れられた遊技球は、可動片2578bが待機位置にあるときは、特定領域2509bに入球することはできず、ユニットベース2571の誘導部2571fにより受部2571e内へ誘導され、第二カウントセンサ2578により検知された後に、誘導片2571hにより後方へ誘導される。そして、誘導片2571hにより後方へ誘導された遊技球は、ユニットベース2571の通過口2571dを通って後側の球通路2571lへ進入し、球通路2571lの正面視右端から後方へ放出される。
なお、第二大入賞口2509へ受入れられた遊技球の入球個数(入賞個数)は、特定カウントセンサ2578aで検知されて特定領域2509bに入球した遊技球の個数(V入賞個数)と、特定領域2509bに入球せずに第二カウントセンサ2578に検知された遊技球の個数(V非入賞個数)とを合計した個数と見なされ、所定の賞球が入賞個数に応じて払い出される。従って、第二大入賞口2509の開放条件として、規定時間の開放とともに上限入球個数が定められている場合は、V入賞個数とV非入賞個数との合計数を用いて上限入球個数との比較が行われる。また、第二大入賞口2509への入賞個数を検出するためのセンサの配置方法は特に限定されず、例えば、図146〜148に示すように、特定カウントセンサ2578aで検知されるV入賞個数と第二カウントセンサ2578で検知されるV非入賞個数とを別々のセンサで検知して検知数を合計するようにしてもよく、又は、特定カウントセンサ2578aとは別に、第二大入賞口2509への合計入賞個数を検知するようなセンサを設けるようにしてもよい。この場合は、特定カウントセンサ2578aを通過した遊技球も検知できるような位置、又は特定カウントセンサ2578aを通過するか否かを関係なく第二第入賞口2509に受入れられた遊技球を検知できるような位置に、第二カウントセンサ2578を配置すればよい。以後の説明において、特段の断りがない限りは、第二第入賞口2509へ受入れられた遊技球に対する賞球の払出しについては、第二カウントセンサ2578によって合計的に入賞個数がカウントされて払出しが行われるとして説明する。
また、第二アタッカユニット2570は、通常の状態では、第二アタッカソレノイド2574のプランジャ2574aが図示しないバネの付勢力により正面視右側へ前進した状態となっており、プランジャ2574aの前進によりリンク部材2575を介して第二開閉部材2572の羽根部2572aが略垂直に立上がった状態となっている。これにより、第二大入賞口2509が第二開閉部材2572によって閉鎖された状態となっている。一方、小当り及び、大当り遊技等によって第二アタッカソレノイド2574に通電すると、プランジャ2574aが第二アタッカソレノイド2574内へと後退し、リンク部材2575を介して第二開閉部材2572が正面視時計回りの方向へ回動する。これにより、第二大入賞口2509が開状態となる。小当り遊技状態において第二開閉部材2572が開状態になった場合、第二大入賞口2509へ受入れられた遊技球は、可動片2578bが待機位置にあるときは、特定領域2509bに入球することはできず、ユニットベース2571の誘導部2571fにより受部2571e内へ誘導され、第二カウントセンサ2578により検知された後に、誘導片2571hにより後方へ誘導される。そして、誘導片2571hにより後方へ誘導された遊技球は、ユニットベース2571の通過口2571dを通って後側の球通路2571lへ進入し、球通路2571lの正面視右端から後方へ放出される。また、小当り遊技状態において第二開閉部材2572が開状態になった場合、第二大入賞口2509へ受入れられた遊技球は、可動片2578bが作動位置にあるときは、特定領域2509bに向かい、特定カウントセンサ2578aで遊技球の通過が検知されるが、特定領域2509bに入球した(通過した)と判定されない(V非入賞)。その後、特定領域2509bを通過した遊技球は、誘導片2571hにより後方へ誘導され、ユニットベース2571の通過口2571dを通って後側の球通路2571lへ進入し、球通路2571lの正面視右端から後方へ放出される。
センター役物2500の第二始動口ユニット2580は、図143乃至図145に示すように、第二アタッカユニット2570の下側でセンターベース2510の後側に取付けられ左右方向略中央に前後方向へ貫通すると共に上下方向へ延びた開口部2581aを有するユニット台板2581と、ユニット台板2581の正面視略中央から左側の前面に取付けられる逆三角形状の右下前カバー2582と、右下前カバー2582の後側に配置され前面にLEDからなる普通図柄表示器1189が実装された普通図柄表示基板1191aと、普通図柄表示基板1191aを後側から保持し右下前カバー2582の後側に取付けられる基板ホルダー2583と、右下前カバー2582の正面視左側でユニット台板2581の前面における開口部2581aの下部に取付けられる誘導部材2584とを備えている。
また、第二始動口ユニット2580は、ユニット台板2581の後側に取付けられユニット台板2581の開口部2581aを通して前方へ突出し上下に列設されたゲート部2585a及び障壁部2585bを有したゲート部材2585と、ゲート部材2585のゲート部2585aに取付けられ遊技球の通過を検知するゲートセンサ2586と、ゲート部材2585の後側に取付けられゲート部2582aを通過して後方へ案内された遊技球を前方へ案内する案内通路2587a、案内通路2587aの下側に開口した第二始動口2587b、及び第二始動口2587bを通過した遊技球が流通する排出通路2587cを有し、正面視右側が開放された箱状の通路部材2587と、通路部材2587の正面視右端に取付けられると共にゲート部材2585の後側に取付けられる板状の通路蓋2588とを備えている。
更に、第二始動口ユニット2580は、通路部材2587と通路蓋2588とで回動可能に支持され第二始動口2587bを開閉する扉部材2589と、通路部材2587における案内通路2587aの後側に取付けられ上下方向へ進退可能なプランジャ2590aを有した始動口ソレノイド2590と、始動口ソレノイド2590のプランジャ2590aの進退に伴って上下方向へ移動する第一リンク部材2591と、第一リンク部材2591の上下方向の移動を伝達して扉部材2589を回動させる第二リンク部材2592と、通路部材2587の第二始動口2587bの後側に支持され第二始動口2587bを通過した遊技球を検知する第二始動口センサ2593と、通路蓋2588の正面視右側に取付けられ第二リンク部材2592を覆うリンクカバー2594とを備えている。
また、第二始動口ユニット2580は、通路部材2587及び通路蓋2588の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された第二始動口装飾基板2595と、第二始動口装飾基板2595の後側を覆いユニット台板2581の後側に取付けられる第一基板カバー2596と、ユニット台板2581の後側に配置され前面に複数のLEDが実装された逆L字状の表右下装飾基板2597と、表右下装飾基板2597とユニット台板2581との間に配置されるリフレクタ2598と、表右下装飾基板2597の後側を覆いユニット台板2581の後側に取付けられる第二基板カバー2599と、を備えている。
第二始動口ユニット2580のユニット台板2581は、透光性を有した材料によって形成されており、開口部2581aの正面視右側で右下前カバー2582と対応する位置に前後方向へ貫通した貫通口2581bを備えている。また、ユニット台板2581は、右下前カバー2582が取付けられる部位よりも正面視左側の前面には、装飾が施されている。
遊技球通路変更部2582eは、遊技球通路変更部ソレノイド2582fが所定の駆動パターンに従って駆動することによって可動し、第二始動口に入球しやすくなるかどうかが決まる。駆動パターンに関しては後述する。上記第二始動口ユニット2580の右下前カバー2582は、上面に第二アタッカ空間2510nの底部を形成し正面視左側が低くなるように傾斜した傾斜面2582aと、ゲート部材2585のゲート部2585aと対応する高さの位置で前後方向へ貫通し普通図柄表示基板1191aの普通図柄表示器1189が前方へ臨む表示孔2582bと、正面視右辺に沿って円弧状に延び前後方向へ貫通した貫通口2582cと、貫通口2582c内を上下方向へ複数に区画する板状の区画片2582dとを備えている。
第二始動口ユニット2580の誘導部材2584は、正面視略L字状に形成されており、第二始動口2587bに受入れられなかった遊技球を正面視左方向へ誘導することができる。
第二始動口ユニット2580のゲート部材2585は、ユニット台板2581の開口部2581aを貫通して前方へ突出し遊技球を受取って後方へ誘導するゲート部2585aと、ゲート部2585aの下側に配置され開口部2581aを貫通して前方へ枠状に突出した障壁部2585bと、ゲート部2585aの下端から障壁部2585bよりも下側へ延びると共に前後方向へ貫通した貫通口2585cと、貫通口2585cの左右両側から後方へ延出し通路部材2587及び通路蓋2588を保持する保持片2585dとを備えている。また、ゲート部材2585は、ゲート部2585aの上部にゲートセンサ2586を後側から保持するセンサ保持部2585eを備えている。このゲート部材2585は、透明な材料によって形成されており、遊技者側からゲート部2585a内や第二始動口2587bを視認することができる。
第二始動口ユニット2580の通路部材2587は、ゲート部材2585のゲート部2585aにより後方へ誘導された遊技球を前方へ案内し後方へ円弧状に膨出した案内通路2587aと、案内通路2587aの下側で前後方向へ開口し遊技球が通過可能とされた第二始動口2587bと、第二始動口2587bを通過した遊技球を後方へ案内した上で下方へ排出する排出通路2587cと、第二始動口2587bを通過した遊技球を検知する第二始動口センサ2593を保持するためのセンサ保持部2587dと、始動口ソレノイド2590を保持するためのソレノイド保持部2587eと、を備えている。通路部材2587は、ソレノイド保持部2587eによって始動口ソレノイド2590をプランジャ2590aが下面から下方へ進退するように保持することができる。
第二始動口ユニット2580の通路蓋2588は、左右方向へ貫通し第一リンク部材2591の延出部2591b及び第二リンク部材2592の後端が挿通される第一開口2588aと、第一開口2588aの前側で左右方向へ貫通し扉部材2589の延出片2589bが挿通される第二開口2588bとを備えている。
第二始動口ユニット2580の扉部材2589は、第二始動口2587bを前側から閉鎖可能な扉部2589aと、扉部2589aの下端且つ正面視右端から後方へ延出した延出片2589bと、延出片2589bの後端から右方向へ突出した伝達ピン2589cとを備えている。この扉部材2589は、扉部2589aの下端の左右両側が、第二始動口2587aの前端下部の位置で通路部材2587及び通路蓋2588によって左右方向へ延びた軸回りを回動可能に支持される。また、扉部材2589の延出片2589bは、通路蓋2588の第二開口2588bを通って後端が通路蓋2588の正面視右側へ延出する。更に、伝達ピン2589cは、第二リンク部材2592の伝達スリット2592d内へ摺動可能に挿入される。
第二始動口ユニット2580の第一リンク部材2591は、始動口ソレノイド2590のプランジャ2590aの先端が取付けられ通路蓋2588によって上下方向へ移動可能に支持されるプランジャ取付部2591aと、プランジャ取付部2591aの正面視右端から下方へ延出した延出部2591bと、延出部2591bの下端から正面視右方へ突出したリンクピン2591cとを備えている。第一リンク部材2591の延出部2591bは、通路蓋2588の第一開口2588aを通って下端が通路蓋2588の正面視右側へ延出する。また、リンクピン2591cは、第二リンク部材2592のリンクスリット2592c内へ摺動可能に挿入される。
第二始動口ユニット2580の第二リンク部材2592は、前後方向へ帯板状に延びた本体2592aと、本体2592aの後端に形成され第一リンク部材2591の延出部2591bよりも後側の位置で通路部材2587及び通路蓋2588によって左右方向へ延びた軸回りを回動可能に支持される軸部2592bと、軸部2592bから前端寄りの位置に形成され本体2592aを貫通すると共に本体2592aの長手方向へ延びた長孔状で第一リンク部材2591のリンクピン2591cが摺動可能に挿入されるリンクスリット2592cと、本体2592aの前端に形成され本体2592aを貫通すると共に本体2592aの長手方向へ延びた長孔状で扉部材2589の伝達ピン2589cが摺動可能に挿入される伝達スリット2592dと、を備えている。
第二始動口ユニット2580の表右下装飾基板2597は、ユニット台板2581の貫通口2581bに対応した位置と、ユニット台板2581の上端よりも上側の位置とに複数のLEDが位置するように逆L字状に形成されている。これにより、右下前カバー2582の貫通口2582c内と傾斜面2582aの上側を発光装飾させることができる。
本実施形態の第二始動口ユニット2580は、通常の状態では、始動口ソレノイド2590のプランジャ2590aが下方へ突出し、扉部材2589の扉部2589aが略垂直に立上がった状態となっており、扉部材2589によって第二始動口2587bが閉鎖されている(図146を参照)。通常の状態では、遊技球通路変更部2582eに遊技球がはじかれることで、遊技球が第二始動口に導かれにくくなる。一方、ゲート部材2585のゲート部2585aに上から進入した遊技球が、ゲートセンサ2586に検知された上で、ゲート部2585aから後側の通路部材2587の案内通路2587aへと送られ、その案内通路2587aにより前側のゲート部2585aの下側の障壁部2585bへと送られる。そして、障壁部2585bの枠内を通ると共に扉部材2589により閉鎖された第二始動口2587bの前側を通って、誘導部材2584へ送られ、誘導部材2584により正面視左方向へ誘導されて遊技領域1100内へ放出される。
第二始動口ユニット2580は、通常の状態から、遊技球通路変更部ソレノイド2582fが通電すると、遊技球通路変更部2582eに遊技球がはじかれることなく、遊技球が第二始動口に向けて導かれる。そして、始動口ソレノイド2590に通電すると、プランジャ2590aが始動口ソレノイド2590内へ没入するように上昇し、プランジャ2590aと共に第一リンク部材2591も上昇する。そして、第一リンク部材2591が上昇することで第一リンク部材2591のリンクピン2591cが第二リンク部材2592のリンクスリット2592c内を摺動すると同時に、リンクスリット2592cを介して第二リンク部材2592が後端の軸部2592bを中心として先端が上昇する方向へ回動する。第二リンク部材2592の先端が上昇する方向へ回動すると、第二リンク部材2592の先端の伝達スリット2592d内を扉部材2589の伝達ピン2589cが摺動すると同時に、伝達ピン2589cが上昇する方向へ扉部材2589が回動する。これにより、遊技球通路変更部2582eが下降する方向に向けて回動し、そして、扉部材2589の扉部2589aの上端が前方へ移動する方向へ回動することとなり、扉部2589aによって閉鎖されていた第二始動口2587bが開状態となって、第二始動口2587aへの遊技球が受入可能となる(図147を参照)。
センター役物2500の右通路カバー上2600は、透明板状で、前面に装飾が施されている。この右通路カバー上2600は、アタッカ通路2509aにおける第二アタッカ空間2510nよりも上側の前面とバイパス通路2510oの前面とを閉鎖している。また、センター役物2500の右通路カバー下2605は、透明板状で、前面に装飾が施されている。この右通路カバー下2605は、アタッカ通路2509aの第二アタッカ空間2510nの前面を閉鎖すると共に第二始動口ユニット2580における右下前カバー2582の前面を覆っている。
センター役物2500のセンター右発光ユニット2610は、第二アタッカユニット2570の後側で右通路カバー上2600の後方と対応した位置に配置され前面に複数のLEDが実装された表右上装飾基板2611と、第二アタッカユニット2570の後側で第二アタッカユニット2570の下端に沿うように配置され前面に複数のLEDが実装された表右中装飾基板2612と、表右上装飾基板2611の後側を覆う右上基板カバー2613と、右上基板カバー2613の後側下部に取付けられ表右中装飾基板2612の後側を覆う右中基板カバー2614と、右上基板カバー2613の後側に配置される表中継基板2615と、表中継基板2615の後側を覆い右上基板カバー2613の後側に取付けられる基板カバー2616とを備えている。
センター役物2500のセンター右発光装飾ユニット2640は、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタを立体的に模し透光性を有したセンター右装飾体2641と、センター右装飾体2641の後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたセンター右装飾基板2642と、センター右装飾基板2642の後側に配置されセンター右装飾体2641を後側から支持すると共にセンターベース2510の後側に取付けられる基板カバー2643と、基板カバー2643の後側に配置され保護カバー2650の正面視右側面へ向って光を照射可能な複数のLEDが実装された保護カバー右装飾基板2644と、保護カバー右装飾基板2644を支持し基板カバー2643の後側に取付けられる基板支持部材2645とを備えている。
センター役物2500のセンター上演出ユニット2660は、センターベース2510に取付けられるセンター上駆動ユニット2670と、センター上駆動ユニット2670の前側に配置されセンター上駆動ユニット2670によって昇降するセンター上可動装飾体ユニット2690と、センター上可動装飾体ユニット2690の上側でセンター上駆動ユニット2670の前面に取付けられるセンター上装飾体2700とを備えている。
センター上演出ユニット2660のセンター上駆動ユニット2670は、詳細な図示は省略するが、センターベース2510の前面側に取付けられ左右方向へ延びると共に前方が開放された浅い箱状のユニットベース2671と、ユニットベース2671の後側に取付けられ回転軸がユニットベース2671を貫通して前側へ延出した表上駆動モータ2672と、表上駆動モータ2672の回転軸に固定される駆動ギアと、駆動ギアと噛合しユニットベースにより回転可能に支持され後方へ板状に延出した検知片を有した従動ギアと、従動ギアと噛合しユニットベースにより回転可能に支持されると共に、回転中心から偏芯した位置に前方へ突出した作用ピンを有する作用ギアとを備えている。
また、センター上駆動ユニット2670は、作用ギアの作用ピンが摺動可能とされた作用スリット、作用スリットから離間した位置に配置されユニットベースによって前後方向へ延びた軸芯周りに回転可能に支持される第一軸部、第一軸部から作用スリットよりも遠ざかった位置まで長く延出した第一棹部、第一棹部の先端に形成され回転中心を通る線に沿って延びた第一伝達スリット、及び第一軸部を挟んで第一棹部が延びた方向とは反対側に形成され第一軸部から作用スリットまでよりも短い半径の円周に沿って円弧状に配置された第一ギア部を有した第一リンク部材と、第一リンク部材の第一ギア部と噛合すると共に第一ギア部と同じ半径の円周に沿って円弧状に配置された第二ギア部、第二ギア部の中心に配置されユニットベースによって回転可能に支持される第二軸部、第二軸部から第二ギア部とは反対方向へ第一リンク部材の第一棹部と同じ長さに延びた第二棹部、及び第二棹部の先端に形成され回転中心を通る線に沿って延びた第二伝達スリットを有した第二リンク部材とを備えている。第一リンク部材及び第二リンク部材は、左右方向に列設されており、第一軸部及び第二軸部に対して夫々の第一棹部及び第二棹部が左右方向外側へ延出している。
更に、センター上駆動ユニット2670は、ユニットベース2671の前側に取付けられ、駆動ギア、従動ギア、作用ギア、第一リンク部材、及び第二リンク部材の前側を覆うユニットカバーと、ユニットカバー及びユニットベース2671によってユニットベース2671の左右両端付近の位置で上端及び下端が夫々支持され上下方向へ延びた昇降シャフトと、ユニットベース2671の後側に取付けられると共に後面に表上駆動モータ2672が取り付けられるモータベースと、ユニットベース2671に取付けられ従動ギアの検知片を検知することでセンター上可動装飾体2690の昇降位置を検知する昇降位置検知センサと、ユニットベース2671とユニットカバーとの間でセンター上装飾体2700と対応した位置に配置され前面に複数のLEDが実装されたセンター上装飾体装飾基板とを備えている。ユニットカバーは、左右両端における昇降シャフトから中央側寄りの位置に下方へ上下方向に延びると共に開放された切欠部を備えている。
また、センター上演出ユニット2660のセンター上可動装飾体ユニット2690は、詳細な図示は省略するが、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のロゴが形成され透光性を有したロゴ装飾体2691と、ロゴ装飾体2691の後側に配置され透光性を有した透過ユニットと、透過ユニットの後側に配置され前面に複数のLEDが実装されたセンター上可動装飾体装飾基板と、センター上可動装飾体装飾基板の後側を覆いロゴ装飾体2691の後側に取付けられる裏カバーと、裏カバーの後側から後方へ突出しセンター上駆動ユニット2670における第一リンク部材の第一伝達スリット及び第二リンク部材の第二伝達スリット内へ夫々摺動可能に挿入される一対の伝達ピンと、一対の伝達ピンよりも左右方向外側の位置で裏カバーの後側に夫々取付けられセンター上駆動ユニット2670におけるユニットカバーの切欠部を通して昇降シャフトにより昇降可能に支持される一対の昇降スライダとを備えている。
センター上可動装飾体ユニット2690の透過ユニットは、ロゴ装飾体2691の後側に配置され透光性を有した前拡散シートと、拡散シートの後側に配置されロゴの文字に沿った枠状に形成された前リフレクタと、前リフレクタの後側に配置されロゴの文字と対応した開口を有し透光性を有した有色のカラーフィルタと、カラーフィルタの後側に配置されロゴの文字と対応した開口を有し光を拡散可能な後拡散シートと、後拡散シートの後側に配置されロゴの文字に沿った形状に形成された後リフレクタとを備えている。
このセンター上可動装飾体ユニット2690は、昇降スライダがセンター上駆動ユニット2670の昇降シャフトに支持されることで、上下方向へスライド(昇降)することができる。
更に、センター上演出ユニット2660のセンター上装飾体2700は、前面に所定の装飾が施され後側が開放された容器状の装飾体本体と、装飾体本体の後側に配置されセンター上装飾体装飾基板からの光を拡散させる拡散部材と、拡散部材の後側に配置される枠状のリフレクタと、装飾体本体の前側に取付けられる透光性を有した飾り部材とを備えている。
本実施形態のセンター上演出ユニット2660は、表上駆動モータ2672を回転駆動させると、駆動ギア及び従動ギアを介して作用ギアが回転し、作用ギアの作用ピンが所定半径で公転する。そして、作用ピンが公転することで、作用ピンが第一リンク部材の作用スリット内を摺動し、その摺動に伴って第一リンク部材が第一軸部を中心に所定方向へ回動する。この第一リンク部材が回動することで、第一リンク部材の第一ギア部と噛合した第二リンク部材の第二ギアにより第二リンク部材が第二軸部を中心として第一リンク部材とは逆方向へ回動することとなる。従って、第一リンク部材及び第二リンク部材の第一棹部及び第二棹部の先端は、互いに同じ高さを維持したままで、上下方向へ回動することとなり、第一棹部及び第二棹部の先端に備えられた第一伝達スリット及び第二伝達スリット内をセンター上可動装飾体2690の伝達ピンが摺動すると同時にセンター上可動装飾体が上下方向へ移動する。この際に、センター上可動装飾体2690の一対の昇降スライダが、夫々センター上駆動ユニットの昇降シャフトによってスライド可能に支持されているので、センター上可動装飾体はスムーズに昇降することができる。
次に、センター役物2500における遊技球の流れについて説明する。まず、センター役物2500における窓部2501の正面視左側では、図138に示すように、左ルート1100L側へ流下した遊技球が、周壁部2502の外周面に開口したワープ入口2503に進入すると、センターベース2510と左通路カバー2530とで形成されたワープ通路2504内を流通することとなる。詳述すると、遊技領域1100内に打込まれてワープ入口2503へ進入した遊技球は、まず、センターベース2510の通路凹部2510aと左通路カバー2530の上ワープ通路カバー2531とによって前後方向へジクザグに転動しつつ下方へ誘導される。このジグザクに誘導される遊技球は、上ワープ通路カバー2531を通して遊技者側から視認することができる。また、ジグザグに遊技球を誘導することで、遊技球の流下速度が速くなるのを抑制することができる。
ワープ入口2503へ進入して通路凹部2510a及び上ワープ通路カバー2531によって誘導された遊技球は、振分空間凹部2510cに配置された振分部材2520における転動面2521の正面視右端に供給される。そして、振分部材2520の転動面2521の左端へ供給された遊技球は、転動面2521の傾斜に沿って正面視左方向へと転動し、最も低くなった放出部2522を通過して放出部2522よりも左側へと転動する。転動面2521における放出部2522よりも左側は、図示するように、左端側が高くなるように傾斜しているので、遊技球は斜面を登ることとなり、転動速度が減衰し、速度が0になると、転動面2521の傾斜に従って右方向へ転動を開始する。
この転動面2521は、放出部2522よりも右側の傾斜角度が左側よりも大きくなっているため、左側から右方向へ転動した遊技球が右側の斜面を登り難いと共に、放出部2522により後方へ誘導されるため、高い確率で稜部2523の左側の誘導面2524へ放出されることとなり、稜部2523により正面視左側(ワープ出口2505側)へ振分けられることとなる。稜部2523に対して左側の誘導面2524へ振分けられて誘導された遊技球は、センターベース2510の右開口部2510dを通って下ワープ通路部材2550の開口2551内へ進入し、下ワープ通路部材2550を通ってワープ出口2505からステージ2506(第一ステージ2506a)へ供給される。
このステージ2506では、第一ステージ2506aの正面視左端にワープ出口2505が配置されているので、ワープ出口2505から第一ステージ2506aの左端に供給された遊技球は、第一ステージ2506aを右方向へ転動を開始し、遊技球の転動の勢いがある間は、第一ステージ2506aを左右方向へ転動する。そして、第一ステージ2506aを転動した遊技球は、案内部2506eから前方へ放出され、第一ステージ2506aの前側且つ下側の第二ステージ2506bへと供給される。この第二ステージ2506bでも、遊技球の転動の勢いがある間は、第二ステージ2506bを左右方向へ転動し、案内部2506eから前方の遊技領域1100内へ放出される。
ところで、第一ステージ2506aの略中央には、チャンス入口2506cが開口しており、第一ステージ2506aを転動する遊技球が、チャンス入口2506cへ進入すると、第二ステージ2506bの下側のチャンス出口2506dから遊技領域1100内へ放出される。このチャンス出口2506dは、図110等に示すように、第一始動口2201の直上に位置しており、チャンス出口2506dから放出された遊技球が、高い確率で第一始動口2201に受入れられる。
一方、振分部材2520の放出部2522から後方へ放出された遊技球が、稜部2523の正面視左側へ振分けられると、稜部2523の左側の誘導面2524により誘導されて、左通路後カバー2540の放出スロープ2542へと供給される。そして、放出スロープ2542に供給された遊技球は、その傾斜に従って前方へ転動しセンターベース2510の左開口部2510eを通って左延出部2510b下端の放出口2508から遊技領域1100内へ放出される。従って、ワープ入口2503に進入した遊技球が振分部材2520の稜部2523により左側つまり放出口2508側へ振分けられると、ステージ2506へ供給されずに、遊技領域1100内へ戻されて左ルート1100Lを再び流下することとなる。
また、遊技領域1100内の上部から左ルート1100Lへ流下し、センター役物2500の周壁部2502に開口したワープ入口2503に進入しなかった遊技球は、ワープ入口2503の左外側で下側に形成されたセンターベース2510の棚部2510fにより、正面視左方向へ誘導されて、遊技領域1100の内周付近に開口した進入口2507へ進入する。そして、進入口2507へ進入した遊技球は、案内通路カバー2532の案内通路2532aにより、センターベース2510の振分空間凹部2510cの上部の一部を形成する誘導片2510h上へ案内される。この進入口2507へ進入して案内通路2532aによって案内されている遊技球は、案内通路カバー2532を通して遊技者側から視認することができる。
これら案内通路2532a及び誘導片2510hは、振分部材2520における転動面2521の正面視左端付近の直上に位置しており、遊技者に対して進入口2507へ進入した遊技球が、あたかも振分部材2520へ案内されるように錯覚させることができる。この案内通路2532aを通って誘導片2510hへ案内された遊技球は、誘導片2510hにより後方へ誘導され、センターベース2510の通過口2510gを通ってセンターベース2510の後側の左通路後カバー2540へ誘導される。そして、左通路後カバー2540へ誘導された遊技球は、振分部材2520の後側で誘導壁2541によって振分部材2520よりも下側に配置された放出スロープ2542へ誘導された上で、放出スロープ2542により前方へ転動してセンターベース2510の左開口部2510eを通って左延出部2510b下端の放出口2508から遊技領域1100内へ放出される。
従って、遊技領域1100内の左ルート1100Lを流下してワープ入口2503へ進入しなかった遊技球は、進入口2507へ進入し案内通路2532a等を通って放出口2508から遊技領域1100内の左ルート1100Lへ再び放出される。
一方、センター役物2500における窓部2501の正面視右側では、図146等に示すように、右ルート1100R側へ流下した遊技球が、センター役物2500の周壁部2502からアタッカ通路2509aにおけるセンターベース2510の分岐通路2510k内へ進入し、分岐空間2510lへと送られる。この分岐空間2510l内には、分岐通路2510kの下流端直下に分岐センサ2620が配置されており、高い確率で分岐センサ2620によって検知される。なお、分岐センサ2620は、通常の遊技状態(分岐センサ有効状態ではない状態)では非検知状態となっている。
センターベース2510の分岐通路2510kへ送られた遊技球は、分岐通路2510kの正面視右下隅から連絡通路2510mを通って第二アタッカ空間2510nへと送られる。第二アタッカ空間2510nの入口には、第二大入賞口2509へ向って低くなるように傾斜した誘導部2510pが形成されており、この誘導部2510pによって遊技球が第二大入賞口2509へ向って流下する。そして、通常の状態では、第二大入賞口2509が第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572によって閉鎖されており、誘導部2510pによって誘導された遊技球は、第二開閉部材2572により第二大入賞口2509への受入れが阻止されて、第二アタッカ空間2510nにおける第二開閉部材2572の正面視左側を下方へ流下することとなる。
この際に、第二開閉部材2572は、ストッパ片2572dがユニットベース2571の右下突出部2571iの左側に備えられたストッパ部2571jに当接しており、正面視反時計周りの方向へ回動するのを阻止された状態となっいる。従って、第二開閉部材2572の羽根部2572aの右側に、誘導部2510pからの遊技球が当接することで第二開閉部材2572を反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用しても、第二回部材2572は反時計回りの方向へ回動することはない。
第二大入賞口2509に受入れられずに第二アタッカ空間2510nを流下した遊技球は、第二アタッカ空間2510nの底部を形成する第二始動口ユニット2580の右下前カバー2582の傾斜面2582aを正面視左方向へ転動し、傾斜面2582aの左端から第二アタッカ空間2510n外となる下方へ放出される。
そして、第二始動口ユニット2580における遊技球通路変更部2582eの左端の直下には、ゲート部材2585のゲート部2585aが配置されており、アタッカ通路2509aの第二アタッカ空間2510nから下方へ放出された遊技球は、高い確率でゲート部2585aを通過することとなる。なお、ゲート部2585aを通過できなかった遊技球は、ゲート部2585aの左右何れかを通って下方へ流下することとなる。ゲート部材2585のゲート部2585aを通過した遊技球は、ゲートセンサ2586により検知された上で後方へ誘導され、後側に配置された通路部材2587の案内通路2587aによりゲート部2585aの下側の枠状の障壁部2585b内へ案内されて第二始動口2587bの前面を流下する。
本実施形態では、ゲートセンサ2586により遊技球の通過が検知されると、普通抽選結果が抽選され、その抽選された普通抽選結果に応じて第二始動口2587bを閉鎖している扉部材2589が開閉する。具体的には、通常の状態では、第二始動口ユニット2580の始動口ソレノイド2590のプランジャ2590aが自重により下方へ下降しており、プランジャ2590aの下降により第一リンク部材2591及び第二リンク部材2592を介して扉部材2589の扉部2589aが略垂直に立上がった状態となって第二始動口2587bを閉鎖している。つまり、通常の状態では、第二始動口2587bが扉部材2589により閉鎖されており、遊技球の受入れが不能の状態となっている。
そして、ゲートセンサ2586による遊技球の検知に基づいて抽選された普通抽選結果が「ハズレ」の場合は、始動口ソレノイド2590に通電されず、プランジャ2590aが下降したままの状態となる。従って、普通抽選結果が「ハズレ」の時は、図146に示すように、扉部材2589が第二始動口2587bを閉鎖しており、ゲート部2585aを通って障壁部2585bから流下してきた遊技球は、第二始動口2587aへ受入れられることなく扉部材2589の扉部2589aの前側を通過して、誘導部材2584上へ流下し、誘導部材2584によって正面視左方向へ放出される。
一方、ゲートセンサ2586による遊技球の検知に基づいて抽選された普通抽選結果が「当り」の場合は、始動口ソレノイド2590に通電されてプランジャ2590aが上昇し、第一リンク部材2591及び第二リンク部材2592を介して扉部材2589の扉部2589aが、その先端が前方へ移動する方向へと回動して、第二始動口2587bが開状態となる(図147を参照)。この状態で、ゲート部2585aを通って障壁部2585bから流下してきた遊技球は、前方へ回動した扉部材2589の裏側に当接して第二始動口2587b側へ誘導され、第二始動口2587bに受入れられることとなる。そして、第二始動口2587bに受入れられた遊技球は、第二始動口センサ2593に検知された上で、排出通路2587cを通って下方へ排出される。
なお、本実施形態では、遊技球通路変更部2582eが下方に向かって回動し、かつ、ゲートセンサ2586により遊技球の通過が検知されると、直ちに普通抽選結果が抽選され、抽選された普通抽選結果が「当り」の場合は、即座に始動口ソレノイド2590に通電されて第二始動口2587bが受入可能となるため、「当り」を抽選した遊技球が極めて高い確率で第二始動口2587bに受入れられる。
また、本実施形態における第二アタッカユニット2570では、第一始動口2201や第二始動口2587bへの遊技球の受入れにより抽選される特別抽選結果に応じて、第二アタッカソレノイド2574に通電されると、プランジャ2574aが第二アタッカソレノイド2574内へと後退し、リンク部材2575を介して第二開閉部材2572が正面視時計回りの方向へ回動する(図148を参照)。この状態では、第二開閉部材2572の羽根部2572aの先端が第二大入賞口2509の上端から正面視右方向へ離れると共に、センターベース2510の誘導部2510pの左端よりも右側に位置した状態となり、第二大入賞口2509へ遊技球が受入可能な状態となる。また、この状態では、第二開閉部材2572は、ストッパ片2572dがユニットベース2571の誘導部2571fに備えられたストッパ部2571jと当接し、正面視時計回りの方向への回動が規制された状態となっている。
そして、センターベース2510の誘導部2510pにより誘導された遊技球は、第二大入賞口2509を通り、ユニットベース2571の誘導部2571fに誘導されて第二カウントセンサ2578によって検知された上で、受部2571eから通過口2571dを通ってユニットベース2571の後側の球通路2571lの下流端から後方へ放出される。この際に、センターベース2510の誘導部2510pから誘導された遊技球は、第二開閉部材2572の羽根部2572aにおける軸部2752bへ当接するため、遊技球が羽根部2572aの先端に当接した場合と比較して、第二開閉部材2572に係るモーメントの衝撃が小さくなり、第二開閉部材2572を破損し難くすることができる。
また、第二アタッカユニット2570では、第二開閉部材2572の下端側を、第二大入賞口2509の下端近傍で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持しているので、第二開閉部材2572を開位置へ回動させると、図148に示すように、第二開閉部材2572の先端(上端)側が誘導部2510pに近付く方向へ回動することとなる。これにより、誘導部2510pと第二大入賞口2509との間に第二開閉部材2572が架渡されたような状態となるので、誘導部2510pによって誘導された遊技球が、誘導部2510pから第二開閉部材2572を転動して第二大入賞口2509へ受入れられることとなり、遊技球の流下によって第二開閉部材2572に作用する衝撃を小さくすることができ、第二開閉部材2572を破損し難くすることができる。
また、第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572が開位置から閉位置へ回動する際には、第二開閉部材2572の先端(上端)が誘導部2510pによって誘導される遊技球の流路を遮るように誘導部2510pから遠ざかる方向へ回動するため、このタイミングで誘導部2510pから誘導された遊技球が第二大入賞口2509へ受入れられるのを阻止することができる。従って、大当り遊技等の際に、所定数以上の遊技球が第二大入賞口2509へ受入れられるのを防止することができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
なお、本実施形態の第二アタッカユニット2570は、第二開閉部材2572が開位置の時に、第二開閉部材2572の先端と誘導部2510pの下側の通路壁2510jとの間に遊技球が通過可能な隙間が形成される。従って、第二開閉部材2572が開位置の時に傾斜部2510q側から第二開閉部材2572へ遊技球が放出されると、第二開閉部材2572と通路壁2510jとの間を遊技球が通過する場合がある。
[2−6.裏ユニットの全体構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の裏ユニット3000について、図149乃至図152を参照して説明する。図149は遊技盤における裏ユニットを前から見た斜視図であり、図150は遊技盤における裏ユニットを後から見た斜視図である。また、図151は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図152は裏ユニットを主な構成部材毎に分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の裏ユニット3000は、遊技パネル1150の後側に取付けられ前側が開放されると共に後壁3010aにメイン液晶表示装置1900の表示画面が臨み前後方向へ貫通する開口3010bが形成された裏箱3010を備えている。裏ユニット3000における裏箱3010は、前側が開放された箱状で後壁3010aに前後方向に貫通した略矩形状の開口3010bと、前端外周から外側へ延出し遊技パネル1150の後側に固定されるフランジ状の固定部3010cとを備えている。裏箱3010の開口3010bは、メイン液晶表示装置1900の正面視外形よりも小さく形成されている。
なお、詳細な説明は省略するが、裏箱3010には、各演出ユニット3100,3200,3300,3500,3600,3700,3800、基板やカバー等を取付けるための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の後壁3010aにおける後面で開口3010bよりも下側且つ正面視左右方向中央から右側の位置に取付けられるパネル中継基板3020と、裏箱3010の後壁3010aにおける後面で開口3010bよりも下側且つ正面視左右方向中央から左側の位置に取付けられるランプ駆動基板3021と、ランプ駆動基板3021の後側を覆い裏箱3010の後面に取付けられるランプ駆動基板カバー3022と、裏箱3010の後壁3010aにおける後面で開口3010bの正面視右側に取付けられるモータ駆動基板3023と、モータ駆動基板3023の後側を覆い裏箱3010の後面に取付けられるモータ駆動基板カバー3024と、モータ駆動基板3023の上側で裏箱3010の後壁3010aの後面に取付けられる表ランプ中継基板3025と、表ランプ中継基板3025の後側を覆い裏箱3010の後面に取付けられる表ランプ中継基板カバー3026とを備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010の後壁3010aにおける前面で開口3010bの上側に取付けられる裏後演出ユニット中継基板3027と、裏箱3010の後壁3010aにおける前面で開口3010bの正面視右側に取付けられる裏後可動装飾体ユニット中継基板3028とを備えている。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の後壁3010aにおける前面で開口3010bの内周に沿って取付けられ、前面に装飾が施された一対の飾り枠3040と、裏箱3010の後壁3010aにおける後面で開口3010bの正面視左側に取付けられメイン液晶表示装置1900を着脱可能に支持するロック機構3050とを備えている。
更に、裏ユニット3000は、裏箱3010内における開口3010cの下側で左右方向の中央に配置され裏箱3010の後壁3010aの前面に取付けられる裏下中演出ユニット3100と、裏下中演出ユニット3100の左右両側に配置され夫々裏箱3010の後壁3010aの前面に取付けられる裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3300と、裏下左演出ユニット3200及び裏下右演出ユニット3300の前面に取付けられる球排出ユニット3400と、裏箱3010内における開口3010cの左右両側に配置され後壁3010aの前面に夫々取付けられる裏後演出ユニット3500と、裏箱3010内における開口3010cの左右両側で且つ裏後演出ユニット3500の前側に夫々配置される裏左演出ユニット3600及び裏右演出ユニット3700と、裏箱3010内における開口3010bの上側で且つ裏後演出ユニット3500の前側に配置される裏上演出ユニット3800とを備えている。
裏ユニット3000の裏下中演出ユニット3100は、サブ液晶表示装置3111を備えたサブ表示ユニット3110と、サブ表示ユニット3110と共に昇降する昇降ユニット3130と、昇降ユニット3130及びサブ表示ユニット3110を遊技状態に応じて昇降させる裏下中駆動ユニット3150とを備えている。
裏ユニット3000の裏下左演出ユニット3200は、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタを模した裏下左内可動装飾体3210と、裏下左内可動装飾体3210の正面視左側に配置され裏下左内可動装飾体3210とは異なるキャラクタを模した裏下左外可動装飾体3220と、裏下左内可動装飾体3210及び裏下左外可動装飾体3220を遊技状態に応じて夫々独立して昇降させる裏下左駆動ユニット3250とを備えている。
裏ユニット3000の裏下右演出ユニット3300は、パチンコ機1のコンセプトに沿った更に異なるキャラクタを模した裏下右内可動装飾体3310と、裏下右内可動装飾体3310の正面視右側に配置され裏下右内可動装飾体3310とは異なるキャラクタを模した裏下右外可動装飾体3320と、裏下右内可動装飾体3310及び裏下右外可動装飾体3320を遊技状態に応じて夫々独立して昇降させる裏下右駆動ユニット3350と、を備えている。
裏ユニット3000の球排出ユニット3400は、アタッカユニット2100の一般入賞口2101、始動口ユニット2200の第一始動口2201、及び表サイドユニット2300の一般入賞口2301に受入れられて遊技パネル1150の後側へ誘導された遊技球を下方へ誘導して排出する球排出通路部材3410と、一般入賞口2101,2301に受入れられた遊技球を検知する一般入賞口センサ3421と、第一始動口2201に受入れられた遊技球を検知する第一始動口センサ3422と、第一始動口2201付近の磁気を検知可能な磁気検出センサ3423と、を備えている。
裏ユニット3000の裏後演出ユニット3500は、パチンコ機1のコンセプトに沿った所定のアイテムを模し左右方向へ裏箱3010の開口3010bの略全幅に亘って延びた裏後可動装飾体3510と、裏後可動装飾体3510の正面視左端を上下方向へ昇降可能に支持すると共に裏箱3010の後壁3010aの前面における開口3010bの正面視左側に取付けられる裏後左駆動ユニット3530と、裏後可動装飾体3510の正面視右端を上下方向へ昇降可能に支持すると共に裏箱3010の後壁3010aの前面における開口3010bの正面視右側に取付けられる裏後右左駆動ユニット3560と、を備えている。
裏ユニット3000の裏左演出ユニット3600は、前面に花を模った複数の装飾が形成された裏左可動装飾体ユニット3610と、裏左可動装飾体3610を遊技状態に応じて正面視裏箱3010の開口3010bの中央側へ回動させる裏左駆動ユニット3650と、を備えている。
裏ユニット3000の裏右演出ユニット3700は、前面に花を模った複数の装飾が形成された裏右可動装飾体ユニット3710と、裏右可動装飾体3710を遊技状態に応じて正面視裏箱3010の開口3010bの中央側へ回動させる裏右駆動ユニット3750と、裏右駆動ユニット3750の前側に取付けられ第二大入賞口2509と第二始動口2587bに受入れられて遊技パネル1150の後側へ誘導された遊技球を下方へ誘導して排出する球排出部材3790と、を備えている。
裏ユニット3000の裏上演出ユニット3800は、前面に花を模った複数の装飾とパチンコ機1のコンセプトに沿った所定のキャラクタを模したレリーフとが形成された裏上可動装飾体ユニット3810と、裏上可動装飾体ユニット3810を遊技状態に応じて正面視裏箱3010の開口3010bの中央側へ回動させる裏上駆動ユニット3850と、を備えている。
[2−7.メイン液晶表示装置]
続いて、本実施形態の遊技盤4におけるメイン液晶表示装置1900について説明する。このメイン液晶表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3010の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。このメイン液晶表示装置1900は、図114や図115等に示すように、左右両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3010の後側に取付けることができる。
具体的には、メイン液晶表示装置1900は、裏箱3010における後壁3010aの後側に形成された凹部内へ後側から挿入されるようになっており、正面視右辺から突出した二つの固定片1902を、裏箱3010の液晶固定部(図示は省略)内に挿入した上で、正面視左片から突出した固定片1902を裏箱3010の後面に支持されたロック機構3050により固定することで裏箱3010に取付けることができる。
また、メイン液晶表示装置1900は、図115等に示すように後側に、周辺制御部4140や液晶制御部4150(図153を参照)等を収容した周辺制御基板ボックス1910と、周辺制御基板ボックス1910の下部から後方へ延出したボリューム1912と、を備えている。このボリューム1912を適宜方向へ回転させることで、扉枠5に備えられた各スピーカ130,222,262や本体枠3に備えられたスピーカ821等から出力される音量を調節することができる。
[3.各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図153を参照して説明する。図153はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いてメイン液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
[3−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図153に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100hと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100eに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100dやRAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一始動口2201へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ3422、第二始動口2587bへ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ2593、及び一般入賞口2101,2301へ受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ3421からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2586、一般入賞口センサ3421、第一カウントセンサ2111、第二カウントセンサ2578、及び磁気検出センサ3423からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3020、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継基板3020を介して始動口ソレノイド2590、第一アタッカソレノイド2107、及び第二アタッカソレノイド2574、遊技球通路変更部ソレノイド2582fに駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3020、及び機能表示基板1191や普通図柄表示基板1191aを介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3422、第二始動口センサ2593、ゲートセンサ2586、分岐センサ2620、第一カウントセンサ2111、及び第二カウントセンサ2578には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3421には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2201や第二始動口2587bに頻繁に入球すると共に、ゲート部2585a及び分岐センサ2620を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3422、第二始動口センサ2593、及びゲートセンサ2586による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3422、第二始動口センサ2593、分岐センサ2620、及びゲートセンサ2586には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる小当り及び、大当り遊技状態が発生すると、第一大入賞口2102や第二大入賞口2509が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、第一カウントセンサ2111や第二カウントセンサ2578による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一カウントセンサ2111や第二カウントセンサ2578にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2101,2301には、一般入賞口センサ3421による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3421には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[3−2.払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図153に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[3−2A.払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図153に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT4111c(外部ウォッチドックタイマ)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ550からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ750、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基板754を介して入力されたりする。
賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及びベースユニット741に形成された賞球通路741c内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。賞球装置740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角センサ752からの検出信号は、まず賞球装置740のセンサ基板753、そして賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出するた本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ550からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
払出制御MPU4111aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4111b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ744に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のベースユニット741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板4110からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主側中継端子板880、そしてCRユニット接続端子板874を介してCRユニットに入力されるようになっている。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、CRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入力されるようになっている。またCRユニットは、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、CRユニット接続端子板874、主側中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[3−2B.発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図153に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
回転ハンドル本体前506に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。またCRユニットとCRユニット接続端子板874とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されるようになっている。回転ハンドル本体前506の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節する回転位置検知センサ512からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基づいて、回転ハンドル本体前506の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送ユニット580の球送部材584が皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送ソレノイド585に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板4110のRAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御基板4110のRAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[3−3.周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図153に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいてメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
[3−3A.周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図153に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板3021に送信したり、遊技盤4に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから裏箱3010の後面に取付けられたモータ駆動基板3023に送信したり、扉枠5に設けられたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力すための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠ベース基板194に送信したり、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤4に設けられた各種演出ユニットの原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号は、裏箱3010の後面に取付けられたモータ駆動基板3023を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠5に設けられた操作ユニット400のダイヤル操作部401の回転を検出する回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検知センサ432cからの検出信号は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して本体枠3に設けられたスピーカ821から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194を介して扉枠5に設けられたスピーカ130,222,262や、本体枠3に備えられたスピーカ821から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPU4140aは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aから裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3021やモータ駆動基板3023に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
この裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3021は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板のLEDに出力したりする。
また、裏箱3010の後面に取付けられたモータ駆動基板3023は、受信した可動体の駆動コマンドに基いて駆動信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤4に備えられた各駆動モータ等や、ソレノイド等に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知する回転検知センサ432a,432bや、操作ユニット400における押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432cからの検知信号が、周辺側中継端子板882及び裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3021やモータ駆動基板3023を介して入力されたりする。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3021やモータ駆動基板3023等及び周辺側中継端子板882を介して扉枠5のサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から、或いは、裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3021やモータ駆動基板3023等を介して本体枠3のスピーカ821から、各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。本例では、上述したように、遊技窓101における下辺の左右両側に配置されたサイドスピーカと、遊技窓101の上側に配置された上部スピーカ222,262と、本体枠3の下部に備えられた低音用のスピーカ821に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。
[3−4.液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010におけるメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111の描画制御を行う液晶制御部4150は、図153に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述したメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4150cを制御してメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従ってメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出してメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に表示する描画データを生成し、この生成した描画データをメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データをメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまりメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されてメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査としてメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、メイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査としてメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[4.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置されたハンドル装置500を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、遊技パネル1150の前面に配置された遊技領域1100内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域1100内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の上側の左側或いは右側の遊技領域1100内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、ハンドル装置500の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1150の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球が、センター役物2500の周壁部2502における最も高くなった部位よりも正面視左側、つまり、左ルート1100L側へ進入すると、センター役物2500の複数の突出部2512の間を通ってセンター役物2500の左側を流下する。そして、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、センター役物2500の周壁部2502の外周面に開口するワープ入口2503へ進入すると、ワープ通路2504内に備えられた振分部材2520の転動面2521へと供給され、転動面2521の略中央に配置された放出部2522が稜部2523へと放出され、ステージ2506へ供給されるワープ出口2505側か遊技領域1100内へ戻される放出口2508側の何れかに振分けられる。なお、本実施形態では、遊技球がワープ出口2505側へ高い確率で振分けられる。
そして、振分部材2520によってワープ出口2505側へ振分けられた遊技球は、ワープ出口2505からステージ2506へと供給される。このステージ2506では、ワープ出口2505からステージ2506における第一ステージ2506aの左端に供給され、第一ステージ2506aを左右方向へ転動した後に最も低くなった案内部2506eの位置から前方へ放出される。そして、第一ステージ2506aから前方へ放出された遊技球は、第一ステージ2506aの前側且つ下側に配置された第二ステージ2506bに供給され、第二ステージ2506bを左右方向へ転動した後に最も低くなった部位から前方で始動口ユニット2200における第一始動口2201よりも上側の遊技領域1100内へ還流放出される。
このステージ2506を転動する遊技球が、第一ステージ2506aの左右方向中央後側に開口したチャンス入口2506cへ進入すると、第一始動口2201の直上に開口したチャンス出口2506dから遊技領域1100内へ放出され、高い確率で第一始動口2201へと受入れられる。そして、遊技球が第一始動口2201に受入れられて第一始動口センサ3422に検出されると、所定数(例えば、3個)の遊技球が、賞球数カウンタのカウント値に一時的に記憶される。なお、所定の払出条件が成立したとき(例えば、前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達した後に大当りとなったとき)には、賞球数カウンタのカウント値に記憶された賞球数が払い出されるよう主制御基板4100から払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が、賞球装置740の払出モータ744を制御して遊技球を上皿301へ払い出すようになっている。
なお、ステージ2506から遊技領域1100内へ放出された遊技球は、第一始動口2201に入賞せずに、第一始動口2201の左側へ流下した場合、下流に配置された表サイドユニット2300の一般入賞口2301に入賞する可能性があり、一般入賞口2301に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ3421に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が、賞球装置740の払出モータ744を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球を上皿301へ払出すようになっている。
また、ステージ2506から遊技領域1100内へ放出された遊技球は、第一始動口2201に入賞せずに、第一始動口2201の右側へ流下した場合、極めて稀にアタッカユニット2100の一般入賞口2101に入賞する場合がある。また、大当り遊技等によって第一大入賞口2102が開状態の時には、高い確率で第一大入賞口2102へ入賞することができる。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2503へ進入しなかった場合、センターベース2510の棚部2510fによって正面視左方向へ誘導され、左端に開口した進入口2507に進入して振分部材2520よりも下側の放出口2508から遊技領域1100内へ放出される。そして、放出口2508から遊技領域1100内へ放出された遊技球は、表サイドユニット2300の左棚部2302によってセンター役物2500の下側で遊技領域1100の中央側へ寄せられ、センター役物2500の下方に配置された表サイドユニット2300の一般入賞口2301に入賞する可能性がある。なお、放出口2508から放出された遊技球は、ステージ2506から遊技領域1100へ放出された遊技球と比較すると確率は低いものの第一始動口2201へ入賞する可能性がある。
一方、遊技領域1100内におけるセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の周壁部2502の最も高くなった部位よりも右側の右ルート1100Rへ進入すると、センター役物2500の右側外周と遊技領域1100の内周との狭い隙間を通って、遊技領域1100の内周における前構成部材1110Aの衝止部1114付近に開口したアタッカ通路2509a内へ進入する。
このアタッカ通路2509aに進入した遊技球は、分岐通路2510k、分岐空間2510l、連絡通路2510m、及び第二アタッカ空間2510nを経て、第二アタッカ空間2510nの下流端から第二始動口ユニット2580のゲート部2585aの直上へ放出される。なお、右打ちによりアタッカ通路2509aへ進入した遊技球は、小当り及び、大当り遊技等によって第二大入賞口2509が開状態の時には、極めて高い確率で第二大入賞口2509へ入賞する。
ゲート部2585aの直上に放出された遊技球は、下降された遊技球通路変更部2582eの配置状態に応じて導かれることによって、極めて高い確率でゲート部2585aへ進入し、ゲートセンサ2586に検知された後に、第二大入賞口2587bの前側を通って、遊技領域1100内へ放出される。
この際に、遊技球がゲートセンサ2586により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板4100では、普通抽選結果としての普通乱数が発生する。この普通乱数に基いて、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189の普通図柄が変動表示(例えば、赤色と緑色の二つのLEDからなる普通図柄表示器1189が交互に発光)し、所定時間(例えば、0.1秒〜1秒の間)経過後に抽出された普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1189の二つのうちの何れかのLEDが発光)される。なお、本実施形態では、第二始動口ユニット2580に備えられた普通図柄表示基板1191aにおいても同様の変動表示が行われる。この普通図柄の変動表示は、所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基いて行われる。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1189が赤色に発光)される。そして、「普通当り」を示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口2587bを閉鎖する扉部材2589が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)開方向へ回動して、第二始動口2587bへ遊技球が入賞可能となる。
なお、本実施形態では、普通図柄の変動時間が従来のパチンコ機と比較して極めて短時間とされている。そのため、ゲート部2585aを通過して「普通当り」を抽選した遊技球が第二始動口2587bを閉鎖する扉部材2589の前側に到達するか否かのタイミングで、扉部材2589が始動口ソレノイド2590により回動して第二始動口2587bへの受入れが可能となり、「普通当り」が抽選された場合は極めて高い確率で第二始動口2587bへ受入れられる。
そして、ゲート部2585aを通過し「普通当り」を抽選して第二始動口2587bへ遊技球が受入れられると、第二始動口センサ2593に検出され、第二始動口センサ2593の検出信号に基づいて所定数(例えば、1個)の遊技球が、第一始動口センサ3422に検出された場合と同じく、賞球数カウンタのカウント値に一時的に記憶される。そして、所定の払出条件が成立したとき(例えば、前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達した後に大当りとなったとき)には、賞球数カウンタのカウント値に記憶された賞球数が払い出されるよう主制御基板4100から払出制御基板4110に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板4110が、賞球装置740の払出モータ744を制御して遊技球を上皿301へ払い出すようになっている。また、上述のように払出の貯留を行うことなく、各入賞口や始動口への遊技球の入球ごとに、所定の賞球数の遊技球を払い出すようにしてもよい。
従って、本実施形態では、遊技球がセンター役物2500の右側を通る打込操作(所謂、右打ち)を行うと、極めて高い確率でゲート部2585aを通過すると共に、ゲート部2585aを通過した遊技球が「普通当り」を抽選すると極めて高い確率で第二始動口2587bへ受入れられるので、初心者や遊技に不慣れな遊技者でも簡単に第二始動口2587bへ入賞させることができ、遊技者を楽しませることができるようになっている。
ところで、上述したように、本パチンコ機1では、遊技者が右打ちをすることで、第二始動口2587bへ遊技球を簡単に入賞させることができるので、第二始動口2587bへの入賞により払出される遊技球が多くなると、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担が大きくなり、本パチンコ機1の設置に躊躇してしまう虞がある。しかしながら、本パチンコ機1では、第二始動口2587bへの遊技球の入賞により払出される遊技球の数を1個としているので、第二始動口2587bへの入賞による特別抽選結果の抽選により遊技者の興趣を高めつつ遊技ホール側の負担を軽減させることができ、問題なく本パチンコ機1を設置させることができる。
また、本実施形態では、普通図柄表示器1189において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ2586で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ2586からの検出信号に基いて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留し、記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を普通図柄記憶表示器1188で表示する。この普通図柄記憶表示器1188は、四つのLEDからなっており、点灯する各LEDの数によって記憶数を示唆することができ、本例では、四つまで記憶して表示することができる。なお、記憶数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ2126の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄される。
一方、ゲート部2585aを遊技球が通過して「普通ハズレ」が抽選された場合は、第二始動口2587bを閉鎖する扉部材2589が、第二始動口2587bを閉鎖したままの状態を維持するので、ゲート部2585aを通過した遊技球は、第二始動口2587bを閉鎖する扉部材2589の前面を流下し、誘導部材2584によってアタッカユニット2100の第一大入賞口2102の正面視斜め右上の遊技領域1100内へ放出される。なお、誘導部材2584から遊技領域1100内へ放出された遊技球は、小当り及び、大当り遊技等によって第一大入賞口2102が開状態の時には、高い確率で第一大入賞口2102へ入賞する。従って、第一大入賞口2102や第二大入賞口2509が受入可能となる小当り及び、大当り遊技等の時には、遊技球が右ルート1100Rを流下するように右打ちを行うことで、簡単に遊技球を第一大入賞口2102や第二大入賞口2509に入賞させることができる。
更には、大当り遊技等によって第二大入賞口2509の開放時に、第二アタッカユニット2570において可動片2578bの長時間の開放制御が行われる場合には、右打ちによって、容易に遊技球を特定カウントセンサ2578aに検知させてV入賞させることができる。
ところで、本実施形態のパチンコ機1の主制御基板4100では、第一始動口2201,2201a、第二始動口2587bに遊技球が入賞して、第一始動口センサ3422、第二始動口センサ2593に検出されると、第一始動口2201,2201aでは所定の第一特別乱数の発生・抽出が、第二始動口2587bでは所定の第二特別乱数の発生・抽出が夫々行われる。そして、第一始動口2201,2201aで抽出された第一特別乱数に基づいて、機能表示ユニット1180の第一特別図柄表示器1185に、特別図柄(第一特別図柄)の変動表示が開始され、当該第一特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果(第一特別抽選結果)として停止表示される。また、第二始動口2578bで抽出された第二特別乱数に基づいて、機能表示ユニット1180の第二特別図柄表示器1186に、特別図柄(第二特別図柄)の変動表示が開始され、当該第二特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果(第二特別抽選結果)として停止表示される。本実施形態のパチンコ機1においては、第一特別図柄及び第二特別図柄は、夫々の特別乱数の抽出に応じて個々に変動表示が開始されるようになっており、第一特別図柄の変動表示と第二特別図柄の変動表示とが同時に実行され得る(特別図柄の同時変動)。
これら第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材2104又は第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できる。なお、一つの遊技球が第一大入賞口2102や第二大入賞口2509へ入賞すると、賞球装置740から所定数(例えば、13個)の遊技球が上皿301へ払出される。
また、これら第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「小当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット2100の開閉部材2104又は第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、小当り遊技)が発生し、その間に第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509へ遊技球を入賞させることで、遊技球を獲得できる。なお、一つの遊技球が第一大入賞口2102や第二大入賞口2509へ入賞すると、賞球装置740から所定数(例えば、13個)の遊技球が上皿301へ払出される。
なお、第一始動口2201,2201a、及び第二始動口2587bにおいても、ゲート部2585aへの遊技球の通過による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口2201,2201aや第二始動口2587bへ遊技球が入賞して第一始動口センサ3422や第二始動口センサ2593で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ3422や第二始動口センサ2593からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数の数を、第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187において表示する。
これら第一特別図柄記憶表示器1184や第二特別図柄記憶表示器1187は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示することができる。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄される。
ここで、本実施形態のパチンコ機1では特別図柄の同時変動が行われるので、第一特別乱数及び第二特別乱数のいずれもが記憶(保留)されている場合、保留された特別乱数は、個々の特別乱数の変動表示の進行度合いに応じて個々に消化される。すなわち、変動中の第一特別図柄が停止すると、第一特別図柄記憶表示器1184に保留されている第一特別図柄の変動が開始され、変動中の第二特別図柄が停止すると、第二特別図柄記憶表示器1187に保留されている第二特別図柄の変動が開始される。
なお、第一特別図柄又は第二特別図柄の何れか一方の特別図柄が大当りを示す表示態様で停止した場合には、同時変動中の他方の特別図柄に対する処理として、以下に示す処理の何れかを行うようにする。すなわち、第一の処理例としては、一方の特別図柄による大当り遊技を制御するとともに、他方の特別図柄の変動を削除する。この場合は、当該大当り遊技が終了した後も、削除された他方の特別図柄の変動は再開されず、他方における次の特別図柄の変動から開始される。第二の処理例としては、一方の特別図柄による大当り遊技を制御するとともに、当該大当り遊技の実行中は他方の特別図柄の変動時間の経過を一時停止する。当該大当り遊技の実行中、変動停止中の特別図柄は、特別図柄表示器1185,1186上で例えば点滅表示される。そして、大当り遊技の終了後に、一時停止していた他方の特別図柄の変動表示を、残りの変動時間から再開する。第三の処理例としては、一方の特別図柄による大当り遊技を制御するとともに、他方の特別図柄の変動時間をリセットし、当該大当り遊技の終了後に再度他方の特別図柄の変動を開始する。
また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3422や第二始動口センサ2593の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(大当り判定テーブルとも称す)と照合することで、その特別乱数が、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別される。また、主制御基板4100では、第一始動口センサ3422や第二始動口センサ2593の検出に基いて抽出された第一図柄乱数や第二図柄乱数の図柄乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(図柄決定テーブルとも称す)と照合することで、「大当り」について、「2R大当り」又は「14R大当り」の何れかであるかが判別される。また、図柄決定テーブルによって、「確変時短無し当り」又は「確変時短当り」等も判別される。
そして、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が、「大当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2104や第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が第一大入賞口2102や第二大入賞口2509に入賞の何れかの条件が充足すると開閉部材2104や第二開閉部材2572を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「14R大当り」であれば14ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。なお、第二大入賞口2509が開放されるラウンド数は予め規定されており、例えば、2ラウンド目と10ラウンド目(14R当りの場合)で第二大入賞口2509を開閉させる一方で、その他のラウンドでは、大一大入賞口2102を開閉させる制御が行われる。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当り」については、抽出された図柄乱数に応じて大当り判定テーブルを高確率時の大当り判定テーブル等と交換することがある。
ところで、本実施形態のパチンコ機1は、抽出された第一特別乱数又は第二特別乱数が「特定大当り」の場合、主制御基板4100では、機能表示ユニット1180の第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において、「特定大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、分岐センサ2620からの遊技球の検知信号を受付可能な状態(分岐センサ有効状態)とし、アタッカユニット2100の開閉部材2104又は第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態の発生を保留する。機能表示ユニット1180の第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186において「特定大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、メイン液晶表示装置1900では大当り(「特定大当り」)を示す画像が表示され、遊技者に対して分岐センサ2620を狙った打込操作(右打ち)を促す画像を表示させる。その後、遊技者によって右打ちされた遊技球がアタッカ通路2509aにおける分岐空間2510l内の分岐センサ2620を通過して検知されると、開閉部材2104や第二開閉部材2572が所定のパターンで開閉動作をする特別有利遊技状態を発生させ、第一特別乱数や第二特別乱数に基いたラウンド数の「特定大当り」遊技が行われる。そして、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が、「小当り」の場合、主制御基板4100は、アタッカユニット2100の開閉部材2104や第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572を開状態とした後に、所定時間(例えば、約1.8秒)経過、或いは、所定回数(例えば、5回)開閉部材2104や第二開閉部材2572を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を繰返す。条件が充足すると開閉部材2104や第二開閉部材2572を閉状態とする。
また、遊技領域1100内へ打込まれた遊技球が、一般入賞口2101,2301、第一始動口2201、第二始動口2587b、第一大入賞口2102、及び第二大入賞口2509の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられてアウト口1151から、遊技盤4の後側下方へ排出される。また、遊技球が、一般入賞口2101,2301、第一始動口2201、第二始動口2587b、第一大入賞口2102、及び第二大入賞口2509の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域1100内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出される。
なお、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186での特別図柄の変動表示は、主制御基板4100によって直接制御されるようになっているのに対して(図153を参照)、メイン液晶表示装置1900等での図柄の変動表示は、主制御基板4100から周辺制御部4140へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御部4140及び液晶制御部4150によって制御される。これにより、特に遊技者が注目するメイン液晶表示装置1900等での図柄の変動表示を周辺制御部4140等で制御するようにしているので、主制御基板4100から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意してメイン液晶表示装置1900等における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当り」遊技中等に表示される「大当り遊技演出画像」等も周辺制御部4140等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板4100における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
図174は、メイン液晶表示装置における図柄変動の表示例を説明する図である。メイン液晶表示装置1900における図柄(装飾図柄)の表示は周辺制御部4140によって制御され、その変動表示内容は、第一特別図柄又は第二特別図柄の変動パターンに基づく。本実施形態のパチンコ機1では第一特別図柄及び第二特別図柄の同時変動が可能であるため、メイン液晶表示装置1900において、各特別図柄の変動に対応して装飾図柄が同時変動するように表示される。本実施形態のパチンコ機1では、通常状態(低確率非時短状態)では、基本的に第二始動口2587bへの遊技球の入球がなく、第二特別図柄の変動表示が行われないため、上記の同時変動は主に、有利状態(高確率時短状態)において実行される。
なお、本実施形態のパチンコ機1では、有利状態において、右打ちが行われて第二始動口2587bへの遊技球の入球が促進されるが、その一方で、第二始動口2587bへの入球を狙って右打ちされたものの第二始動口2587bへ受入れられず誘導部材2584によって第一大入賞口2102側に放出された遊技球の一部が、第一始動口2201aに受入れられるために、(第二特別図柄の変動回数よりは少なくなるものの)少なからず第一特別図柄の変動が行われて、同時変動が実行される。すなわち、第一始動口2201aは、第二始動口2587bに入球し得る遊技球の流路(右打ちした際の遊技球の流路に相当)上に配置されることで、遊技者が第一始動口2201aに遊技球を入球させたくないという意向を抱いていたとしても、遊技者の意向に拘わらず、第二始動口2587bに向けて打出された遊技球の少なくとも一部を第一始動口2201aに受入れることができる。このように、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2201aと第二始動口2587bとの何れに遊技球が受入れられるかを、遊技者の操作によって調整することが困難に構成されている。但し、遊技者の意向に拘わらず第一始動口2201aに遊技球が受入れられることは、遊技者にとって必ずしも不利益ではなく、第二始動口2587に受入れられずに本来はアウト球となる遊技球が第一始動口2201aに受入れられることによって、所定数の賞球(例えば3個)が払い出されるため、付加的な特典が遊技者に付与される効果を奏する。
また、本実施形態のパチンコ機1によれば、第一始動口2201aに遊技球が受入れられるタイミングは有利状態中だけに限らない。図176は、第一始動口及び第一大入賞口の近傍における遊技球の動きを説明するための模式図である。例えば、当該有利状態に制御される前の大当り遊技において、第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509へ遊技球を入球させるべく、遊技者は右打ちを促されるが、このとき、図176に示すように、右打ちされてゲート部2585aを通過し誘導部材2584によって第一大入賞口2102側に放出された遊技球の一部が、第一始動口2201aに受入れられる。前述したように、第一始動口2201aは、誘導部材2584によって第一大入賞口2102側に放出された遊技球が所定の入球割合(例えば、1/20〜1/5程度)で第一始動口2201aに入球する位置に配置されているため、有利状態だけでなく、大当り遊技中においても、第一大入賞口2102側に放出された遊技球が所定の入球割合で第一始動口2201aに受入れられる。そして、大当り遊技中に始動口(ここでは第一始動口2201a)に遊技球が受入れられても特別図柄の変動表示は保留されるため、保留個数の上限に達していない限りにおいて、当該入球に基づいて選ばれた特別乱数(第一特別乱数)は、一時的に記憶されてその表示が保留される。そして、当該保留された第一特別乱数は、大当り遊技終了後に制御される有利状態においてその変動が開始されることになるので、有利状態の開始時には、ほぼ確実に第一特別図柄が保留されている状況となり、特別図柄の同時変動が実行される。このように、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口2201aと第一大入賞口2102(又は第二大入賞口2509)との何れに遊技球が受入れられるかを、遊技者の操作によって調整することが困難に構成されている点を特徴の1つとするが、大当り遊技中に第一大入賞口2102に入球し得る遊技球が第一始動口2201aに入球した場合には、当該入球(入賞)に応じた賞球の払出(例えば、3個)が行われるため、遊技者の持つ遊技球が増加することになる。すなわち、第一大入賞口2102に入るはずの遊技球が第一始動口2201aに受入れられた場合であっても、必ずしも遊技者の不利益にはならず、逆に遊技球が増加するという新たな特典が付与されるものである。
図174(A)〜(E)において、表示領域1900aは、第一特別図柄に対応する第一装飾図柄が変動表示される領域であり、表示領域1900bは、第二特別図柄に対応する第二装飾図柄が変動表示される領域である。そして、表示領域1900cは、第一装飾図柄又は第二装飾図柄のうち、先に停止表示される装飾図柄が表示される領域である。図174(A)〜(E)における下方向の矢印は、図柄が変動中であることを意味している。上述したように、本実施形態のパチンコ機1では、有利状態において右打ちが行われることにより、時短状態の制御によって第二始動口2587bへの遊技球の入球が促進されるとともに、遊技者の意図に拘わらず第一始動口2201aへの遊技球の受入が少なからず行われることで、第一特別図柄及び第二特別図柄が同時変動する環境が作りだされる。
図174(A)では、第一特別図柄及び第二特別図柄が同時に変動中である。図174(B)は、第一特別図柄が停止したときの表示例であり、停止する第一特別図柄に対応して選択された変動パターンの一例として、「1・2・3」の第一装飾図柄が表示領域1900a,1900cに停止表示されている。図174(C)は、第二特別図柄が停止したときの表示例であり、停止する第二特別図柄に対応して選択された変動パターンの一例として、「3・4・5」の第二装飾図柄が表示領域1900b,1900cに停止表示されている。そして、第一特別図柄又は第二特別図柄がはずれ態様で停止する場合は、再度、図174(A)の状態に戻り、次に変動停止する特別図柄に対応した装飾図柄の表示が行われる(図174(B),(C))。また、第一特別図柄又は第二特別図柄が大当り態様で停止する場合は、大当りの特別図柄に対応して選択された変動パターンの装飾図柄が表示領域1900a,1900bの何れか(第一特別大当りの場合は、表示領域1900a、第二特別大当りの場合は表示領域1900b)に表示されるとともに、表示領域1900cにも表示される(図174(C),(D))。このように、本実施形態のパチンコ機1では、特別図柄の同時変動に応じて、メイン液晶表示装置1900において図柄(装飾図柄)も同時変動の表示が行われることにより、複数の図柄変動が並行して行われるとともに、何れの図柄変動が停止するか分からないことによる遊技の楽しさを提供することができる。さらに、第一特別大当りと第二特別大当りとで、遊技の有利度に差が設けられることで、遊技者は、同時変動の表示のうち、より有利な特別図柄の変動が大当りで停止するように期待するようになり、遊技者の興趣を格段に高める効果が期待できる。大当りによる有利度の差異について、詳細は後述するが、具体的には第一特別大当りは不利大当りを少なくとも含む一方、第二特別大当りは全て有利大当りとし、有利状態(高確率時短状態)において、遊技者は、第二特別大当りによる大当り変動の停止に期待することになる。
また、周辺制御部4140では、演出画像の制御の他に、抽選結果に係るコマンドに基いて、表ユニット2000や裏ユニット3000に備えられた駆動モータや駆動ソレノイド、及び装飾基板等を適宜駆動して可動演出や発光演出を行うことができ、可動演出や発光演出によって遊技者を楽しませることができる。
[5.第二大入賞口の特徴的な作用効果]
本実施形態のパチンコ機1によると、センター役物2500におけるアタッカ通路2509a内に配置された第二大入賞口2509へ遊技球が受入れられると所定数の遊技球の払出し等の特典が付与されるので、遊技領域1100内へ遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて(例えば、大当り遊技、等)、第二開閉部材2572によって第二大入賞口2509に対して遊技球が受入可能な開状態となると、遊技者は第二大入賞口2509へ遊技球を受入れさようとして、アタッカ通路2509a内へ遊技球が進入するような打込操作(本実施形態では右打ち)を行なうこととなり、遊技者に対して遊技球の打込操作を楽しませることができる。そして、打込んだ遊技球がアタッカ通路2509a内へ進入して誘導部2510pにより誘導されると、誘導部2510pでは遊技球を第二大入賞口2509へ向って誘導するので、遊技球を極めて高い確率で第二大入賞口2509へ受入れさせることができ、遊技球の受入れにより遊技球の払出し等の特典が付与されることで遊技者を楽しませることができる。従って、第二開閉部材2572により開閉する可変の第二大入賞口2509へ遊技球を受入れさせ易くすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、アタッカ流路2509a内の第二大入賞口2509が開状態の時に、遊技球をアタッカ通路2509a内へ進入させるだけで極めて高い確率で第二大入賞口2509へ受入れさせることができるので、初心者等の不慣れな遊技者でも簡単に第二大入賞口2509へ遊技球を受入れさせることが可能となり、遊技球の打込操作が難しく感じてしまうのを軽減させることができ、遊技を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、第二開閉部材2572によって開閉する第二大入賞口2509が備えられたアタッカ通路2509a上に、障害釘を配置していないので、アタッカ通路2509a内での遊技球の流れ(ルート)を安定させてアタッカ通路2509a内へ進入した遊技球を確実に誘導部2510pへ到達させることができ、誘導部2510pにより遊技球を第二大入賞口2509へ向って誘導させて開状態の第二大入賞口2509へ受入れさせることができる。
なお、[2−5]で前述したように、第二大入賞口2509内には、可動片2578bの移動によって遊技球の入球可否が調整される特定領域2509bが設けられており、可動片2578bの「長時間のV開放制御」が行われている際に開状態になった第二大入賞口2509へ受入れられた遊技球は、特定カウントセンサ2578aで通過を検知され、容易に特定領域2509bに入球(V入賞)するようになっている。すなわち、第二大入賞口2509に遊技球を容易に入賞させることについて上述してきたのと同様に、本実施形態のパチンコ機1によれば、「特定領域の長時間開放」に対応付けられた大当りの遊技中には、特定領域2509bに対して遊技球を容易に入賞させることが可能となる。本実施形態のパチンコ機1では、遊技球がV入賞することによって、大当り遊技後に、遊技者にとって有利な遊技状態(具体的には、高確率時短状態)に制御されるという特別に有利な特典が付与される。従って、遊技者は、長時間のV開放制御が行われる大当り(特定領域の長時間開放に対応付けられた大当り)に当選した際、右打ちを行うだけで、容易にV入賞をさせることが可能となり、V入賞を逃して興趣が低下することを抑制できる。
また、アタッカ通路2509a内へ進入して第二大入賞口2509に受入れられなかった遊技球が、アタッカ通路2509a内から再び遊技領域1100内へ放出されるので、遊技領域1000内における放出された下流側に備えられたゲート部2586a、第二始動口2587b、一般入賞口2101、及び第一大入賞口2102等に受入れられる可能性があり、第二大入賞口2509へ遊技球が受入れられなかったことでがっかりしたとしても、アタッカ通路2509aから放出された下流側の第二始動口2587b等への遊技球の受入れに対して期待感を持たせることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、センターベース2510の誘導部2510pによって遊技球を第二大入賞口2509へ向って誘導しているので、第二大入賞口2509が開状態の時には誘導部2510pから誘導された遊技球が第二開閉部材2572に当接し難くなり、遊技球が当接する衝撃によって第二開閉部材2572が破損するのを低減させることができ、第二開閉部材2572の破損により遊技が中断することで遊技者が苛立ちを憶えて興趣を低下させてしまうのを防止することができる。従って、第二大入賞口2509が所定パターンで開閉する大当り遊技等の際には、通常よりも多くの遊技球が第二大入賞口2509を狙って打込まれるため、通常よりも多くの遊技球が第二開閉部材2572に当接することとなるが、上述したように、誘導部2510pによって開位置の第二開閉部材2572に遊技球が当接し難くなるので、多くの遊技球が打込まれても第二開閉部材2572を破損し難くすることができ、第二開閉部材2572の破損によって遊技が中断されるのを回避させて遊技を継続して楽しませることができる。
更に、正面視右方向へ向って開口した第二大入賞口2509を延長線が通るようにセンターベース2510の誘導部2510pを傾斜させているので、遊技者に対して遊技球が誘導部2510pに誘導されると確実に第二大入賞口2509へ受入れられることを一見して認識させることができ、第二大入賞口2509が開状態の時には、第二大入賞口2509へ遊技球を受入れさせ易いパチンコ機1であると認識させることができる。従って、第二大入賞口2509が開状態の時には、遊技者に対して遊技球がアタッカ流路2509a内の誘導部2510pによって誘導されるように、アタッカ流路2509aを狙った打込操作(右打ち)を積極的に行わせることができ、遊技球の打込操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、上述したように、遊技者に対して遊技球が誘導部2510pに誘導されると確実に第二大入賞口2509へ受入れられることを一見して認識させることができるので、遊技するパチンコ機を選択中の遊技者に対して、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、正面視右方向へ向って開口した第二大入賞口2509を延長線が通るように誘導部2510pを傾斜させているので、誘導部2510pにより誘導された遊技球を、開状態の第二開閉部材2572に当接させることなく第二大入賞口2509へ直接受入れさせることが可能となり、遊技球が開状態の第二開閉部材2572に当接するのを可及的に低減させることができ、第二開閉部材2572が疲労により破損するのを防止することができる。一方、第二大入賞口2509を閉状態とした時には、第二開閉部材2572が略垂直に立上がった状態となるため、誘導部2510pによって誘導された遊技球は第二開閉部材2572に対して横方向から当接することとなり、上方向から当接する場合と比較して第二開閉部材2572に作用する衝撃が小さくなるので、疲労の蓄積を低減させて第二開閉部材2572が破損するのを防止することができる。これらのことから、第二開閉部材2572が破損するのを防止することで、第二開閉部材2572の破損によって遊技が中断するのを防止することができるため、遊技の中断により遊技者が苛立ちを覚えて興趣を低下させてしまうのを回避させることができ、継続して遊技を楽しませることができる。
更に、第二大入賞口2509を開閉する第二開閉部材2572を、前後方向へ延びた軸周りに回動させるようにしており、第二大入賞口2509を開閉する際に第二開閉部材2572を開位置、閉位置の何れに回動させても、遊技者側から見える第二開閉部材2572の外形形状は変化することが無くその向きが変化するだけなので、第二開閉部材2572の動きが判り易くなり遊技者に第二大入賞口2509の開閉に気付かせ易くすることができ、第二大入賞口2509の開閉に気付かずに遊技者が損した気分になるのを回避させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、開状態となった第二大入賞口2509に対して速やかに第二大入賞口2509を狙った遊技球の打込操作をさせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第二開閉部材2572の下端側を、第二大入賞口2509の下端近傍で前後方向へ延びた軸周りを回動可能に支持しているので、第二開閉部材2572を開位置へ回動させると、蓋然的に、第二開閉部材2572の先端(上端)側が誘導部2510pに近付く方向へ回動することとなる。これにより、誘導部2510pと第二大入賞口2509との間に第二開閉部材2572が架渡されたような状態となるので、誘導部2510pによって誘導された遊技球が、誘導部2510pから第二開閉部材2572を転動して第二大入賞口2509へ受入れられることとなり、誘導部2510pから第二開閉部材2572へ遊技球が受渡される時に、遊技球の流下によって第二開閉部材2572に作用する衝撃を小さくすることができ、第二開閉部材2572を破損し難くすることができる。また、第二開閉部材2572が開位置から閉位置へ回動する際には、第二開閉部材2572の先端(上端)が誘導部2510pによって誘導される遊技球の流路を遮るように誘導部2510pから遠ざかる方向へ回動するため、このタイミングで誘導部2510pから誘導された遊技球が第二大入賞口2509へ受入れられるのを阻止することができる。従って、所定数以上の遊技球が第二大入賞口2509へ受入れられるのを防止することができ、本パチンコ機1を設置する遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
更に、誘導部2510pによって第二大入賞口2509の下端へ向って遊技球が流下するように誘導しているので、第二大入賞口2509が開状態の時には、誘導部2510pから遊技球を確実に第二大入賞口2509へ受入れさせることができると共に、遊技球が開状態の第二開閉部材2572に当接するのを可及的に低減させることができ、第二開閉部材2572が疲労により破損するのを防止することができる。一方、第二大入賞口2509が閉状態の時には、誘導部2510pから誘導された遊技球が第二開閉部材2572の回動可能に支持された下端付近に当接することとなるのが、第二開閉部材2572の下端側が遊技球の当接による耐衝撃性に優れた状態となっており、第二開閉部材2572を破損し難くすることができる。従って、第二開閉部材2572が破損するのを防止することで、第二開閉部材2572の破損によって遊技が中断するのを防止することができるので、遊技の中断により遊技者が苛立ちを覚えて興趣を低下させてしまうのを回避させることができ、継続して遊技を楽しませることができる。
また、誘導部2510pによってアタッカ通路2509a内を流通する全ての遊技球を第二大入賞口2509へ向って誘導しており、第二開閉部材2572によって第二大入賞口2509が開状態の時に遊技球をアタッカ通路2509a内へ進入させると、全ての遊技球が誘導部2510pによって第二大入賞口2509へ向って誘導されるので、より多くの遊技球を第二大入賞口2509へ受入れさせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、第二大入賞口2509が開状態となった場合、遊技球をアタッカ通路2509a内へ進入させるだけで第二大入賞口2509へ受入れさせることができるので、アタッカ通路2509aを狙った遊技球の打込操作に専念させることができ、飽き難くして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また更に、第二大入賞口2509内の特定領域2509bに入賞可能な大当りにおいても、遊技球をアタッカ通路2509a内へ進入させるだけで、特定領域2509bに容易に受入させることができるので、このような大当りにおいて、アタッカ通路2509aを狙った遊技球の打込操作に専念させることができ、飽き難くして遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、アタッカ通路2509aへは、遊技領域1100内へ所定以上に強く打込んだ遊技球が進入するようにしており、単純な打込操作(右打ち)で簡単にアタッカ通路2509aへ遊技球を進入させることができるので、アタッカ通路2509a内の第二大入賞口2509が遊技状態に応じて開状態の時には、初心者等の不慣れな遊技者でも簡単にアタッカ通路2509a内へ遊技球を進入させて、第二開閉部材2572により開閉する可変の第二大入賞口2509へ遊技球を高い確率で受入れさせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、特典が付与される受入口として、遊技球の受入によって遊技者が有利となる特別有利遊技状態が発生する可能性のある第一始動口2201の直上の上流にステージ2506が配置されており、ステージ2506から遊技球が放出されると高い確率で第一始動口2201へ受入れられることを遊技者に認識させることができると共に、そのステージ2506が備えられた枠状のセンター役物2500の外周に遊技球が進入可能なワープ入口2503が開口しており、ワープ入口2503へ遊技球を進入させるとステージ2506へ遊技球が供給されることを遊技者に対して一見して認識させることができるので、遊技球がステージ2506へ供給されるように、遊技者に対してワープ入口2503を狙った遊技球の打込操作をさせることができ、遊技者に遊技球の打込操作を楽しませることができる。そして、遊技領域1100内へ打込んだ遊技球がワープ入口2503に進入すると、ワープ通路2504内の振分部材2520へと流通し、振分部材2520によってステージ2506へ供給されるワープ出口2505側、又は遊技領域1100内へ戻される放出口2508側の何れかに振分けられるため、ワープ入口2503に遊技球が進入したからと言って確実にステージ2506へ遊技球が供給されるとは限らないので、遊技者の関心を視認できるワープ通路2504内の振分部材2520へと引付けることができ、ステージ2506へ供給される遊技球の動きを楽しませて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ワープ通路2504内の振分部材2520によってワープ入口2503から進入した遊技球を、ステージ2506に供給するワープ出口2505側又は遊技領域1100内へ戻す放出口2508側の何れかに振分けるようにしているので、振分部材2520により遊技球がワープ出口2505側(ステージ2506側)へ振分けられるか否かを気にさせて遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者に遊技球の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、振分部材2520によりワープ出口2505側へ振分けられた遊技球が、ワープ出口2505からステージ2506へ供給されるので、ステージ2506を備えた従来のパチンコ機と同様に、ステージ2506で転動する遊技球の動きを楽しませることができる他に、ステージ2506における第一始動口2201へ高い確率で受入れられる部位から遊技球が放出されるか否かで遊技者をハラハラ・ワクワクさせることができ、振分部材2520とステージ2506とで遊技者を二重に楽しませることが可能となり、これまでのパチンコ機にはない遊技を楽しませることができる。
また、ステージ2506から放出された遊技球が、第一始動口2201へ受入れられると遊技球の払出しと特別有利遊技状態が発生する特別抽選結果の抽選が行われて特別有利遊技状態が発生する可能性があるので、遊技者を良い気分にさせて更に遊技領域1100内へ遊技球を打込ませることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、ワープ通路2504内の振分部材2520に供給された遊技球は、左右方向へ延びると共に両端が高くなるように湾曲した転動面2521により左右方向へ往復転動した後に、放出部2522から放出されて稜部2523によりワープ出口2505側又は放出口2508側の何れかに振分けられるようにしているので、左右方向へ往復転動する遊技球の動きを遊技者に楽しませることができる共に、遊技球が左右方向へ往復転動することでワープ出口2505側又は放出口2508側の何れに振分けられるのかを惑わせることができるので、遊技球の振分けに対して遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、ワープ出口2505側(ステージ2506側)への振分けの期待感を高めさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ワープ入口2503から進入した遊技球が、振分部材2520の転動面2521における左右方向の一端側に供給されるので、転動面2521上で遊技球を確実に左右方向へ往復転動させることができ、遊技者に遊技球の動きを楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、振分部材2520の転動面2521で遊技球が左右方向へ往復転動することで、振分部材2520へ遊技球が供給されてから振分けられるまでの時間を長くすることができるので、遊技者に対して遊技球が振分けられる様子を認識させ易くすることができ、ワープ通路2504内での遊技球の動きを楽しませることができると共に、遊技球が何れに振分けられるのかを見易くして遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、振分部材2520では、転動面2521の放出部2522から放出された遊技球を、稜部2523によってワープ出口2505側へ振分けられる確率を高くしているので、ワープ入口2503へ進入した遊技球が放出口2508側へ振分けられて遊技領域1100内へ戻されてしまうことで遊技者が落胆してしまう回数を低減させることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、たまに遊技球が放出口2508側へ振分けられることで、振分部材2520による遊技球の振分けに対するドキドキ感を高めることができ、遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ワープ入口2503を狙って打込んだ遊技球が、ワープ入口2503へ進入せずにワープ入口2503と遊技領域1100の内周との間を通過すると、センター役物2500の棚部2510fにより誘導されて進入口2507へ進入し、進入口2507から案内通路2532aを通って振分部材2520の転動面2521における右端側の上側へ案内されるので、遊技者に対して遊技球が恰も振分部材2520(転動面2521)に供給されてステージ2506側へ振分けられる可能性があるように思わせることができる。従って、打込んだ遊技球がワープ入口2503へ進入しなかったことで遊技者ががっかりしたとしても下流側の進入口2507へ進入することで救済されたような気分にさせることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
[6.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について説明する。図154(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図154(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板4100はまず、RAMクリアスイッチ4100cが操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタやRAMに格納されているデータを初期化する。RAMクリアスイッチ4100cはパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠3が開放されなければ操作できないようになっている。また、RAMクリアスイッチ4100cは電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板4100に出力し、電源投入時に主制御MPU4100aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御MPU4100aのRAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御MPU4100aのRAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときにRAMクリアスイッチ4100cが操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御MPU4100aのRAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時にRAMクリアスイッチ4100cを操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板4100では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応してメイン液晶表示装置1900で実行される装飾図柄の変動表示にてリーチ(左装飾図柄と右装飾図柄を同一図柄で停止表示して中装飾図柄を未だ停止表示していない状態や、左・中・右の装飾図柄を全て同一図柄となるように同期して変動表示する状態)するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記扉部材2589の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えているとともに、上記特別乱数に基づいて小当りとすると判定された場合に小当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記扉部材2589の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数)等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口2201に始動入賞した場合であっても、第二始動口2587bに始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4ms毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図154(b)は、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図154(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ2586、上記第一始動口センサ3422、上記第二始動口センサ2593、上記第一カウントセンサ2111、上記第二カウントセンサ2578、上記一般入賞口センサ3421など、各種のスイッチからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上述の乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御MPU4100aのRAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS15の処理として、上記扉部材2589の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、特定の大当り遊技状態(後述する特定1〜特定4の大当り)の終了後の所定期間内は、第1及び第2の特別抽選において大当りが選ばれる確率(大当り当選確率)が通常よりも高い高確率テーブルが用いられる状態(高確率状態)に制御するとともに、上記扉部材2589の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短状態)。なお、この実施の形態では、上記の時短状態に制御されている所定期間内だけ上記普通図柄の当選確率を高くするとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮し、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記扉部材2589の開放時間を延長することによって、こうした時短状態を実現するようにしている。また、時短状態の所定期間は、例えば、当該時短状態が開始されてからの第1特別図柄又は第2特別図柄の停止回数が10000回に達するまでと設定されることにする(時短回数10000回)。このような時短回数は、高確率状態における大当り当選確率(後述する図161(A)を例にとれば、120/1171≒1/9.76)と比較すれば、極めて大きな数であることから、当該時短回数が消化されるよりも前に、次回の大当りが確約される。また、時短回数は10000回に限定されるものではなく、次回の大当りを確約できる程度に十分に大きい回数であれば他の回数であってよく、更には、次回の大当りに当選するまでの無期限と設定されてもよい。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御MPU4100aのRAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板4010などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じくRAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板4010などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報(16R大当り、12R大当り、4R大当り)などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS19の処理として、上記第一カウントセンサ2111、上記第二カウントセンサ2578などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板4110に払出制御コマンドを出力する。これにより、上記払出制御基板4110に搭載される払出制御MPU4111aは、払出モータ駆動回路4111dから払出モータ744に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。一方、上記第一始動口センサ3422や上記第二始動口センサ2593の検出信号がオン状態になると、それら信号に応じた賞球を賞球数カウンタのカウント値に一時的に記憶し、所定の払出条件が成立したとき(例えば、前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達した後に大当りとなったとき)に、この賞球数カウンタのカウント値に記憶された賞球数が払い出されるよう上記払出制御基板4110に払出制御コマンドを出力する。すなわち、上記第一始動口センサ3422や上記第二始動口センサ2593の検出信号がオン状態になったとしても、直ぐには遊技者に賞球が払い出されることがなく、所定の払出条件が成立するまでは賞球が払い出されないようになっている。
また、同主制御基板4100の主制御MPU4100aは、次にステップS20の処理として、始動記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図155は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図155に示されるように、この主制御基板4100の主制御MPU4100aはまず、上記第一始動口センサ3422による検出信号がオン状態(第一始動口2201への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ2593による検出信号がオン状態(第二始動口2587bへの入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、分岐センサ有効状態に制御している旨を示す分岐センサ有効フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、分岐センサ有効フラグがセットされていれば、分岐センサ有効状態として分岐センサ2620に遊技球が通過するか否かの監視を行う分岐センサ通過処理(ステップS40)を実行する。
一方、分岐センサ有効フラグがセットされていなければ、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグ、又は払出演出(賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数が遊技者に払い出される旨が通知される演出)の実行中である旨を示す払出演出実行中フラグのいずれかがセットされているか否かを判別し(ステップS36)、大当り実行中フラグ又は払出演出実行中フラグのいずれかがセットされていれば、大当り実行中フラグがセットされていることに基づいて大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS41)を実行した後、大当り遊技状態の終了時において、当該大当り遊技状態が前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達した後に大当りとなったことに基づく大当り遊技状態である場合には、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数の払出しを指示(払出実行フラグをセット)するとともに払出演出実行中フラグをセットし、この払出演出実行中フラグがセットされていることに基づいて払出演出の実行中であるか否かの監視を行う払出演出実行処理(ステップS42)を実行する。
なお、大当り制御処理(ステップS41)では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「2R通常大当り(非特定1)」を示唆する態様となったときに、特定領域の短時間開放による2Rの大当り遊技状態に応じて第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509を開放状態に制御し、「2R確変大当りA(特定1)」、又は「2R確変大当りB(特定3)」を示唆する態様となったときに、特定領域の長時間開放による2Rの大当り遊技状態に応じて第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509を開放状態に制御し、「14R確変大当りA(特定2)」、又は「14R確変大当りB(特定4)」を示唆する態様となったときに、特定領域の長時間開放による14Rの大当り遊技状態に応じて第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509を開放状態に制御する処理を実行する。各大当り遊技状態に応じた開閉制御をより詳細に説明すると、「2Rの大当り遊技状態」では、当該大当り遊技における全ラウンド数を2ラウンドとする処理が行われ、1ラウンド目は第一大入賞口2102が開放状態に制御され、2ラウンド目は第二大入賞口2509が開放状態に制御される。また、「14Rの大当り遊技状態」では、当該大当り遊技における全ラウンド数を14ラウンドとする処理が行われ、1,3〜9,11〜14ラウンド目は第一大入賞口2102が開放状態に制御され、2,10ラウンド目は第二大入賞口2509が開放状態に制御される。また、「特定領域の短時間開放」による大当り遊技状態では、第二大入賞口2509が開放される所定ラウンドにおいて、第二開閉部材2572が開状態となるとほぼ同時に0.2秒間だけ、駆動装置が可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す「短時間のV開放制御」が行われる。既述したことであるが、短時間のV開放制御が行われる際に、特定領域2509bに遊技球が入球することは困難であるので、「特定領域の短時間開放」による大当り遊技ではV入賞に期待することはできない。一方、「特定領域の長時間開放」による大当り遊技状態では、第二大入賞口2509が開放される所定ラウンドにおいて、第二開閉部材2572が開状態になった0.5秒後から以後3秒間に亘って駆動装置が可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す「長時間のV開放制御」が行われる。長時間のV開放制御が行われる際は、特定領域2509bに遊技球が容易に入球するので、「特定領域の長時間開放」による大当り遊技では確実にV入賞させることができる。
図示しないが、大当り制御処理(ステップS41)終了後に、小当り制御処理について行う。小当り制御処理は、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「小当り」を示唆する態様となったときに、第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509を開放状態に制御し、所定時間(例えば、約1.8秒)経過、或いは、所定回数(例えば、5回)開閉部材2104や第二開閉部材2572を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を繰返す。条件が充足すると開閉部材2104や第二開閉部材2572を閉状態とする。
また、大当り制御処理(ステップS41)では、第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであり、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA、特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときにセットされ、次に大当りとなったときに後述する図165に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA、特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数フラグのカウンタ値が「0」になったときに後述する図165に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA、特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときに、時短状態の継続回数として「10000」が時短回数カウンタにセットされる。そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図165に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。前述したように、実際には、時短回数カウンタは「0」になるよりも前に次の大当りとなってリセットされる。
また、大当り実行中フラグ及び払出演出実行中フラグのいずれもがセットされていなければ、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)、又は、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)を実行する。本実施形態のパチンコ機1では、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)と第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)は、個別に実行可能なように構成されており、すなわち、第一特別図柄プロセス処理と第二特別図柄プロセス処理とが同時に実行される「特別図柄の同時変動」が可能なことを特徴とする。
図156は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一始動口センサ3422がオン状態にあり、上記第一始動口2201への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図156に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第一特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS42〜S44の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS42の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS43の処理として、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS44の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS41の処理において、上記第一特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS42〜ステップS44の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図157は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ2593がオン状態にあり、上記第二始動口2587bへの遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図157に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて上述の第二特別図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS52〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS52の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS53の処理として、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS54の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS51の処理において、上記第二特別図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS52〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図158は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPU4100aのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1185に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記メイン液晶表示装置1900に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器1185における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1185に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図154参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図159は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図159に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図160は、上記大当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS111)、図161(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS111)、図161(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS113)、そして、到達フラグが成立しているかどうかを判断して、判定された内容に即した判定テーブルを選択して、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS114)。
図161(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100dに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率非時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、到達フラグが成立しているかどうかを判断して、判定された内容に即した判定テーブルを備える。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、3種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、1168種類の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。なお、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルと同様に、3種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、1168種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む24種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、1147種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の10倍に高められる。図161(A)によれば、低確率状態の大当り確率は、12/1171(≒1/97.6)であり、高確率状態の大当り確率は、120/1171(≒1/9.76)である。なお、特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む24種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、1147種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、小当り及び、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセット、または、大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS116)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、図161(B)に示すリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS117)。
取得した乱数の形態と遊技状態と到達フラグの成立の判定から判定に使用する大当り判定テーブルを決定しているが、取得した乱数の形態と遊技状態から「大当り」または「ハズレ」のどちらかであることを決定した後、「ハズレ」と判定された場合において、到達フラグの成立の判定から「ハズレ」または「小当り」のどちらかを決定を行う段階抽選によって判定値を関連付けてよい。
図161(B)に示すリーチ判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100dに記憶され、遊技状態が時短時(高確率時短状態、低確率時短状態)の場合に使用する時短時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が非時短時(高確率非時短状態、低確率非時短状態)の場合に使用する非時短時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、時短時のリーチ判定テーブルでは、239種類の全てのリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致することがなく、リーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、はずれとすると判定した場合において、リーチはずれとすると判定することがないため、後述のリーチフラグがセットされることがなく、リーチ演出を実行することがない。このため、時短時にリーチを形成し、リーチ演出を実行した場合には、その時点で大当りとなることを認識することができ、リーチ演出を安心して楽しむことができる。なお、本実施形態のパチンコ機1では、上述したように時短時にはずれと判定された場合に必ずリーチ演出が実行されないように、必ずしも設定される必要はなく、例えば、時短時のリーチ判定テーブルにおいて何種類か(例えば6種類)のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致するようにしてもよい。このような場合は、時短時にリーチ演出が発生した時点で大当りと認識することはできないが、リーチとするリーチ乱数を通常時(後段では12種類)よりも少なく設定することにより、リーチ演出発生時に、通常時よりも大当りへの期待感を高めることができる。
また、非時短時のリーチ判定テーブルでは、12種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、227種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、時短時とは異なり、リーチすることを示すリーチ判定値が設けられている。このため、非時短時にリーチを形成し、リーチ演出を実行したとしても、全ての装飾図柄が停止表示するまでは、大当りとなるか否かを認識することができない。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS117)、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS118)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS119)。
図162は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図162に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS121)を判別することにより行う。
主制御MPU4100aは、ステップS121で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と図161(C)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS123)。一方、ステップS121で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS124)。
図161(C)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(非特定1の2R通常大当り、特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA、特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板4100の主制御MPU4100aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.1ラウンド目は第一大入賞口2102が、2ラウンド目は第二大入賞口2509が長時間(例えば、28.5秒又は、9個入賞カウント時まで)開放状態に制御されることで、第一大入賞口2102及び第二大入賞口2509に遊技球が入球可能(容易)な2R大当り遊技状態に制御し、かつ、2ラウンド目は、第二開閉部材2572が開状態となるとほぼ同時に0.2秒間だけ、駆動装置が可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す「短時間のV開放制御」が行われることで、特定領域2509bに遊技球が入球不可(V入賞困難)な特定領域の短時間開放による大当り遊技状態に制御し、2R大当り遊技状態の終了後に低確率非時短状態に制御するものであって、第1始動口2201への遊技球の入球に基づいて抽選される第一特別抽選によって当選する非特定1の2R通常大当り
2.1ラウンド目は第一大入賞口2102が、2ラウンド目は第二大入賞口2509が長時間(例えば、28.5秒又は、9個入賞カウント時まで)開放状態に制御されることで、第一大入賞口2102及び第二大入賞口2509に遊技球が入球可能(容易)な2R大当り遊技状態に制御し、かつ、2ラウンド目は、第二開閉部材2572が開状態になった0.5秒後から以後3秒間に亘って駆動装置が可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す「長時間のV開放制御」が行われることで、特定領域2509bに遊技球が入球可能(V入賞容易)な特定領域の長時間開放による大当り遊技状態に制御し、V入賞した2R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態(時短回数10000回)に制御するものであって、第1始動口2201への遊技球の入球に基づいて抽選される第一特別抽選によって当選する特定1の2R確変大当りA
3.1,3〜9,11〜14ラウンド目は第一大入賞口2102が、2,10ラウンド目は第二大入賞口2509が長時間(例えば、28.5秒又は、9個入賞カウント時まで)開放状態に制御されることで、第一大入賞口2102及び第二大入賞口2509に遊技球が入球可能(容易)な14R大当り遊技状態に制御し、かつ、2,10ラウンド目は、第二開閉部材2572が開状態になった0.5秒後から以後3秒間に亘って駆動装置が可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す「長時間のV開放制御」が行われることで、特定領域2509bに遊技球が入球可能(V入賞容易)な特定領域の長時間開放による大当り遊技状態に制御し、V入賞した14R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態(時短回数10000回)に制御するものであって、第1始動口2201への遊技球の入球に基づいて抽選される第一特別抽選によって当選する特定2の14R確変大当りA
4.1ラウンド目は第一大入賞口2102が、2ラウンド目は第二大入賞口2509が長時間(例えば、28.5秒又は、9個入賞カウント時まで)開放状態に制御されることで、第一大入賞口2102及び第二大入賞口2509に遊技球が入球可能(容易)な2R大当り遊技状態に制御し、かつ、2ラウンド目は、第二開閉部材2572が開状態になった0.5秒後から以後3秒間に亘って駆動装置が可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す「長時間のV開放制御」が行われることで、特定領域2509bに遊技球が入球可能(V入賞容易)な特定領域の長時間開放による大当り遊技状態に制御し、V入賞した2R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態(時短回数10000回)に制御するものであって、第2始動口2587bへの遊技球の入球に基づいて抽選される第二特別抽選によって当選する特定3の2R確変大当りB
5.1,3〜9,11〜14ラウンド目は第一大入賞口2102が、2,10ラウンド目は第二大入賞口2509が長時間(例えば、28.5秒又は、9個入賞カウント時まで)開放状態に制御されることで、第一大入賞口2102及び第二大入賞口2509に遊技球が入球可能(容易)な14R大当り遊技状態に制御し、かつ、2,10ラウンド目は、第二開閉部材2572が開状態になった0.5秒後から以後3秒間に亘って駆動装置が可動片2578bを作動位置に移動させ、その後は待機位置に戻す「長時間のV開放制御」が行われることで、特定領域2509bに遊技球が入球可能(V入賞容易)な特定領域の長時間開放による大当り遊技状態に制御し、V入賞した14R大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態(時短回数10000回)に制御するものであって、第2始動口2587bへの遊技球の入球に基づいて抽選される第二特別抽選によって当選する特定4の14R確変大当りB、の5種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図161(C)に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、非特定1の2R通常大当り、特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りAに対してのみ判定値の振分けが設定されているのに対し、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りBに対してのみ判定値の振分けが設定されている。
なお、本例では、非特定1の2R通常大当りの場合のみ、第二大入賞口2509開放時における特定領域2509bの開放制御として「特定領域の短時間開放」が設定され、それ以外の大当り(特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA、特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)の場合には、第二大入賞口2509開放時における特定領域2509bの開放制御として「特定領域の長時間開放」が設定されている。「特定領域の短時間開放」が対応付けられた大当りでは特定領域2509bへの遊技球の入球(V入賞)が期待できない一方、「特定領域の長時間開放」が対応付けられた大当りでは特定領域2509bへの遊技球の入球(V入賞)が確実に行われることは既述の通りであり、非特定1の2R通常大当りの場合のみV入賞に期待できない『不利な大当り遊技状態(不利大当り)』に制御される一方、それ以外の大当りでは遊技球がV入賞する『有利な大当り遊技状態(有利大当り)』に制御される。従って、本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、大当り時に、「特定領域の短時間開放」又は「特定領域の長時間開放」の何れかに対応づけられた大当りに振り分けられるのに対し、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、大当り時に、常に「特定領域の長時間開放」に対応づけられた大当りに振り分けられる、という特徴がある。図161(C)を参照すると、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて「特定領域の短時間開放」の不利大当りに振り分けられる具体的な確率は、160/200(=80%)である。
なお、詳細は後述するが、非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)では、遊技球がゲート部2301を通過したとしても、扉部材2589の駆動が行われない。そのため、非時短状態では、第二始動口2587bへの遊技球の入賞が発生せず、左打ちすることで第一始動口2201への遊技球の入賞のみが発生することになり、第二特別図柄の保留球がある場合を除き第一特別図柄表示器1185における第一特別図柄の変動表示のみが実行され、第一特別図柄に関連した大当り(非特定1の2R通常大当り、特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA)が発生することになる。一方、時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)では、遊技球がゲート部2301を通過することで、扉部材2589の駆動が行われる。そのため、時短状態では、右打ちすることによって第二始動口2587bに遊技球が入賞しやすい状況となり、第二特別図柄に関連した大当り(特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)の発生に期待できるようになる。なお、時短状態において第一特別図柄と第二特別図柄とが同時変動可能なことは既述した通りである。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、非特定1の2R通常大当りに決定した場合には大当り図柄として2R通常大当り図柄に決定し、特定1の2R確変大当りAに決定した場合には大当り図柄として2R確変大当りA図柄に決定し、特定2の14R確変大当りAに決定した場合には大当り図柄として14R確変大当りA図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、特定3の2R確変大当りBに決定した場合には大当り図柄として2R確変大当りB図柄に決定し、特定4の14R確変大当りBに決定した場合には大当り図柄として14R確変大当りB図柄に決定する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS125の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板4010に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS126の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPU4140aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示するようにメイン液晶表示装置1900を表示制御する。なお、各装飾図柄の停止表示の順序は上記の順序に限定されるものではなく、特定の変動パターンコマンドが選択された場合等に、左・中・右の各装飾図柄を同時に停止表示させるようにメイン液晶表示装置1900を表示制御する等してもよい。
具体的には、周辺制御MPU4140aは、メイン液晶表示装置1900に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち非特定1の2R通常大当りを特定した場合には2R通常大当り図柄(「1」〜「9」の図柄のうち「3」及び「7」を除く同一の図柄の組合せ)に決定し、特定1の2R確変大当りAを特定した場合には2R確変大当りA図柄(「1」〜「9」の図柄のうち「3」の組合せ)に決定し、特定2の14R確変大当りAを特定した場合には14R確変大当りA図柄(「1」〜「9」の図柄のうち「7」の組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄をメイン液晶表示装置1900に表示制御する。このように、メイン液晶表示装置1900に表示される装飾図柄として同一の装飾図柄の組合せが変動停止したときには、装飾図柄の停止図柄から非特定1、特定1、特定2の何れの大当りであるかを判別し、特定1又は特定2の大当り遊技状態の終了後には、高確率時短状態に制御されることを判別することができる。そして、高確率時短状態(確変状態)であることを判別可能な確変中モードに突入し、高確率時短状態に制御していると明確に判別することができる。
また、周辺制御MPU4140aは、メイン液晶表示装置1900に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第二特別図柄に関連した大当りのうち特定3の2R確変大当りBを特定した場合には2R確変大当りB図柄(「1」〜「9」の図柄のうち「3」の組合せ)に決定し、特定4の14R確変大当りBを特定した場合には14R確変大当りB(「1」〜「9」の図柄のうち「7」の組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄をメイン液晶表示装置1900に表示制御する。このように、メイン液晶表示装置1900に表示される装飾図柄として同一の装飾図柄の組合せが変動停止したときには、装飾図柄の停止図柄から特定3、特定4の何れの大当りであるかを判別し、特定3又は特定4の何れの大当り遊技状態の終了後にも、高確率時短状態に制御されることを判別することができる。そして、高確率時短状態(確変状態)であることを判別可能な確変中モードに突入し、高確率時短状態に制御していると明確に判別することができる。
また、周辺制御MPU4140aは、メイン液晶表示装置1900に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドからリーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が同一)に決定し、はずれを特定した場合にはリーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄をメイン液晶表示装置1900に表示制御する。
図163は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図163に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS123で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS143)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS144)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS145)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS146)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1185に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS147)。また、主制御MPU4100aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS149)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1185及び上記メイン液晶表示装置1900、上記サブ液晶表示装置3111にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU4100aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU4100aのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS149の処理として、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、特別図柄乱数(第一特別図柄乱数、第二特別図柄乱数)に関連付けられる特別図柄の変動時間情報について、第一特別図柄か第二特別図柄か、また、時短時(有利状態:高確率時短状態)か非時短時(通常状態:低確率非時短状態)かによって、特徴的な設定がされる。具体的には例えば、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、非時短時には、平均して12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が、第一特別図柄又は第二特別図柄の特別図柄乱数に関連付けられている。一方、時短時には、第一特別図柄の変動時間は、非時短時の第一特別図柄に比べて平均的な変動時間が大幅に長くなるように設定され、具体的には、10秒〜1800秒程度までの複数段階に設定される。また、時短時の第二特別図柄の変動時間は、非時短時に比べて平均的な変動時間が短くなるように設定され、具体的には、2秒〜30秒程度までの複数段階に設定される。なお、大当り時を含むリーチ時の変動パターンテーブル(時短時・非時短時とも)においても、上述の特徴的な設定に従って各特別図柄の変動時間が設定されることが好ましい。
また、本実施形態のパチンコ機1では、有利状態で第二特別図柄による大当りへの期待感を一定以上確保するためにも、特別図柄の変動時間について、以下のような設定が追加されてもよい。これは、有利状態が開始してすぐに、第一特別図柄による変動が停止した場合に、場合によっては第二特別図柄の変動が開始することもなく、第一特別図柄による大当りが発生してしまうことを回避するための設定である。上記のように発生した第一特別図柄による大当りが不利大当りであった場合は、即座に有利状態が終了してしまうため、遊技者の興趣を大幅に低下させてしまうことが考えられる。このような状況を回避するための特別図柄の変動時間の設定として、例えば、有利状態が開始して1回転目の第一特別図柄の変動時間を、第二特別図柄による所定回数程度の変動を確保し得る程度の時間に設定する(又は、専用の変動パターンテーブルを用いる)。具体的には、有利状態が開始して1回転目の第一特別図柄の変動時間を、時短時の第二特別図柄の変動時間のうち最も長い変動時間(30秒)以上にする。このような場合に、有利状態の開始後に第二始動口2587bに遊技球が入球するまでに要する時間を差し引く必要はあるものの、第二特別図柄の変動が行われないまま第一特別図柄が変動停止する状況を抑止して、少なくとも1回は第二特別図柄が変動停止することに期待できる。更に、このような第一特別図柄の変動時間に対する優遇措置(長期化)は、有利状態が開始して1回転目に限定しなくともよく、例えば、4回の変動が経過するまでは同様に30秒以上の変動時間を設定するようにしてもよい。このようにすれば、有利状態において第一特別図柄だけが変動停止を繰り返すという遊技者にとって圧倒的な不利益を与え得る状況を抑止し、所定回数分の第二特別図柄の変動を担保することが可能となる。また、特別図柄の変動時間に関する別の設定として、有利状態の開始後、第二特別図柄の変動が少なくとも1回(又は所定回数)開始されるまで、第一特別図柄の変動を開始させないような特別なフラグをセットする等してもよく、このような特別なフラグをセットすることによって、有利状態において第二特別大当りが発生することへの期待をより確実に担保することができ、遊技者を落胆させないようにする効果が期待できる。
このように特別図柄の変動時間が設定されることと、第一特別図柄及び第二特別図柄の同時変動が可能であることとから、本実施形態のパチンコ機1では、以下のような特徴的な遊技進行を実現することができる。すなわち、高確率時短状態に制御されたとき、非時短時(低確率非時短状態)と比べて、第一特別図柄の変動表示時間が長くされる一方で、第二特別図柄の変動表示時間が短くされることにより、第一始動口2201と第二始動口2587bとに同程度の割合で遊技球が入球したとしても、第二始動口2587bへの入球による第二特別抽選によって第二特別図柄が変動表示される回数のほうが、圧倒的に第一特別図柄が変動表示される回数よりも多くなる。そして、高確率時短状態において、第一特別抽選及び第二特別抽選のそれぞれによる大当りの当選確率に差はないことを考慮すると、第二特別抽選による大当り(第一特別大当り:特定3又は特定4の大当り)が発生する事象が、第一特別抽選による大当り(第二特別大当り:非特定1、特定1又は特定2の大当り)が発生する事象よりも優位であることが明らかである。更に、高確率時短状態では、第二始動口2587bへの遊技球の入球が促進されることを加味すると、より一層、第二特別大当りが発生することが多くなる。但し、高確率時短状態では、右打ちで遊技が進められるため、右打ちされた遊技球の一部は、遊技者の意向の有無に拘わらず第一始動口2201aに受入れられ、また、高確率時短状態に制御される前の大当り遊技において右打ちされた遊技球の一部も第一始動口2201aに受入れられて第一特別図柄の保留状態を生み出す。従って、高確率時短状態において、第二始動口2587bへの遊技球の入球による第二特別抽選のみが実行されるということにはならず、第二特別抽選とは別に第一特別抽選が行われ、特別図柄の同時変動が実行される。
また、前述したように、第一特別大当りについては、80%が「特定領域の短時間開放」に対応付けられた『不利大当り』であって、残りの20%が「特定領域の長時間開放」に対応付けられた『有利大当り』であるのに対し、第二特別大当りについては、100%で「特定領域の長時間開放」に対応付けられた『有利大当り』となることから、第一特別大当りよりも第二特別大当りのほうが、大当りの種別の観点からも優位性を持っている。
このような第二特別大当りによる優位性について改めてまとめると、第二特別大当り(具体的には特定3又は特定4の大当り)の場合は、大当り遊技状態においてV入賞が確実に行われ、かつ、当該大当り遊技状態の終了後に、再び高確率時短状態に制御される。そして、高確率時短状態では、時短回数は、大当りの当選確率(図161(A)では、およそ1/9.76)と比較すると極めて大きな回数である10000回に設定されており、特別図柄の変動表示が行われると残りの時短回数が減算されるとしても、実際には、時短回数が0回になる前に次回の大当りが発生すると考えられる(次回の大当りが確約されている)。すなわち、本実施形態のパチンコ機1では、高確率時短状態において第二特別大当りによる大当りが発生する場合、当該大当りまでに残り時短回数が0回になって時短状態が終了することは現実的ではなく、さらに、第二特別大当りによる大当り遊技状態の終了後には再び10000回の時短回数がセットされた高確率状態に制御されることから、遊技者にとって一切の不利益が与えられることなく、次回の大当りが更に確約されるものである。一方、高確率時短状態で第一特別大当りが発生した場合は、80%の確率で不利大当たり(具体的には、非特定1の大当り)であり、当該不利大当りの大当り遊技状態の終了後には非時短(低確率非時短)状態に制御されることから、大当り遊技によって賞球が付与されることを差し引いても、遊技者にとっての不利益が大きいものである。
このように、本実施形態のパチンコ機1では、第二特別大当りが第一特別大当りに比べて強い優位性を有することで、第一特別大当りが選ばれることなく第二特別大当りだけが選ばれ続ける場合には、第二特別大当りの大当り遊技による賞球の払出しとともに、次回の大当りが確約された高確率時短状態を無限に続けることが可能となる。しかし、本実施形態のパチンコ機1では、特別図柄の同時変動が可能であり、更に、第一始動口2201aが設けられていることから、大当り遊技中及び有利状態で右打ちが行われることによって遊技者が意図するとしないとに拘わらず、右打ちされた遊技球の少なくとも一部が第一始動口2201aに受入れられるため、有利状態において第一特別図柄の変動をほぼ確実に実行させることができる。そして、第一特別抽選によって大当りが選ばれた場合に、第一特別図柄が大当り態様で停止することにより、第一特別大当りが発生する。第一特別大当りは、本例では80%の確率で不利大当り(非特定1)であり、このような不利大当りが発生することで、大当り遊技終了後の遊技状態は通常状態(低確率非時短状態)に制御されることから、有利状態の無限継続を抑止する手段となることができる。以下に、本実施形態のパチンコ機1における遊技状態の遷移を示して詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ機1における遊技状態の遷移について、具体的に説明する。図175は、遊技状態の遷移を説明する図である。図175に示すように、遊技状態は、通常時は通常状態(低確率非時短状態)に制御され(ステップS901)、不利大当り(非特定1大当り)に当選すると、不利大当りの大当り遊技状態に制御されて大入賞口(第一大入賞口2102,第二大入賞口2509)への入球に対する賞球の払出等による特典が付与される(ステップS902)。ステップS902で大当り遊技状態の終了後は、再び通常状態に戻る(ステップS901)。一方、通常状態で有利大当り(特定1〜特定4大当り)に当選すると、有利大当りの大当り遊技状態に制御されて大入賞口(第一大入賞口2102,第二大入賞口2509)への入球に対する賞球の払出等による特典が付与される(ステップS903)とともに、当該大当り遊技状態でV入賞することによって、大当り終了後の遊技状態が有利状態(高確率時短状態)に制御される(ステップS904)。ステップS904の有利状態は、次回の大当りが確約された状態であり、次回の大当りが不利当りであれば、ステップS902に移行し、その大当り終了後は通常状態に制御される(ステップS901)。ステップS904の有利状態で次回の大当りが有利大当りであれば、ステップS903に移行し、その大当り終了後は再度有利状態に制御される(ステップS904)。前述したように、第一特別大当りは、大当りの種別割合として、不利大当りが80%、有利大当りが20%であるので、大当りの種別に応じて、通常状態と有利状態との間を移行する可能性がある。一方、第二特別大当りは、全ての大当りが有利大当りである。さらに、有利状態の時短回数は10000回と極めて大きい回数であり、実際に時短回数が0回になるまで次回の大当りに当選できないことは考えられず(ステップS903からS901への点線に相当)、有利状態における時短状態は、次回大当りまで無期限とほぼ同様に継続する。換言すれば、有利状態における時短状態は、特別抽選が行われても実質的な残回数に影響が出るわけではない。また、本実施形態のパチンコ機1では、有利状態のループ回数に上限回数(リミッタ)が設定されることもない。このことから、有利状態において第二特別大当りが選ばれ続ける限りは、ステップS903,S904の間をループ移行することになり、遊技者にとって不利益なしで、大当りの回数が増加するとともに、次回の大当りが確約された有利状態が無限に継続する可能性が示される。その一方で、本実施形態のパチンコ機1では、第一特別図柄の変動が遊技者の意向に拘わらず発生し、かつ、特別図柄の同時変動が行われるために、有利状態において、第一特別図柄の変動によって第一特別大当りが発生する可能性を常に有している。従って、有利状態(ステップS904)では、必ずしも第二特別大当りが発生して有利なループ状態が継続する(ステップS903,S904)わけではなく、第一特別大当りが発生して有利状態が終了してしまう(ステップS902を経由してのステップS901への移行)パターンが不可避となる。
上述の通り、本実施形態のパチンコ機1では、第一特別図柄の変動によって有利状態の無限継続を抑止するが、悪意を持った遊技者が、有利状態を無限継続させるために、不正な遊技等によって第二始動口2587bだけに遊技球を入球させて第二特別抽選だけを行い、第二特別図柄による第二特別大当りだけを狙おうとすることが考えられる。しかし、このように第二始動口2587bだけを狙い打ったとしても、第二始動口2587bに受入れられなかった遊技球(こぼれ球)の一部が第一始動口2201bに受入れられる可能性を回避することは難しい。更に、本実施形態のパチンコ機1では、有利状態に制御される前に必ず大当り遊技を経由し、当該大当り遊技では右打ちによって特典の付与(大入賞口に対する賞球の払出)が行われる。この大当り遊技において、右打ちされた遊技球は、ゲート部2585aを通過し、誘導部材2584によりアタッカユニット2100の第一大入賞口2102側へ放出された後に、開状態の第一大入賞口2102に受入れられる流れとなっているが、第一大入賞口2102の手前に第一始動口2201bが配置されているため、第一大入賞口2102に向かう遊技球の一部が第一始動口2201bに受入れられてしまうことを、遊技者からは操作・調整することが不可能である。そして、大当り遊技中に第一始動口2201bに遊技球が受入れられることによって、その後の有利状態で第一特別図柄の変動が行われることから、如何様にしても有利状態で第一特別図柄の変動を行わせないようにすることは困難である。このように、本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が第二特別抽選だけを行わせて第二特別図柄による第二特別大当りだけを狙うということができないよう、不正遊技への十分な対策を有する構成になっており、このようなパチンコ機1によれば、遊技者の不正遊技を防止するとともに、適正な遊技を促進して遊技機本来の遊技性を楽しませることが期待できる。
図164は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図164に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図165は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図165に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1185に表示させるための表示制御を行うとともに、上記メイン液晶表示装置1900に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板4010へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、上記時短フラグがセットされているとともに、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する(ステップS183)。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS184)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS185)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短フラグをリセットする(ステップS186)。なお、上記ステップS183の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、上記ステップS185の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS187の処理に移行する。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS187の処理として、前回の大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数がカウントされる変動回数カウンタのカウンタ値をカウントアップする。なお、変動回数カウンタは、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後、特別図柄の変動表示を実行するごとに上記ステップS187でカウントアップされるが、カウンタ値が「390」(特別図柄の変動表示回数が390回)に達しているか否かに関わらず次の大当りとなったときには、後述する図172に示す払出演出実行処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS188)、第一特別図柄に関連した大当りかを判断し(ステップS189)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS190)、大当り遊技状態を開始(大当りラウンド開始コマンドをセット)するまでの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う期間)をインターバルタイマにセットする(ステップS191)。そして次に、上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットし、上記時短フラグがセットされている場合には該時短フラグをリセットし、さらに上記時短回数カウンタのカウンタ値が「0」でない場合には同カウンタ値をリセット(「0」に戻す)した後、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットし(ステップS192)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS193)、この処理を終了する。なお、上記ステップS188の処理にて上記大当りフラグがセットされてないと判断された場合には、その時点でステップS193の処理に移行する。
なお、第一特別図柄停止処理のステップS189では、第一特別図柄に関連した大当り(非特定1の2R通常大当り、特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA)かを判断しているが、図示しない第二特別図柄停止処理でも、第一特別図柄停止処理と同様に、第二特別図柄に関連した大当り(特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)かを判断し、分岐センサ有効フラグをセットし、特別図柄プロセス処理のステップS35で分岐センサ有効フラグがセットされていると判断されるようになり、分岐センサ通過処理(ステップS40)を実行するようになる。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板4010に送信されるコマンドであり、大当りの種類(非特定1の2R通常大当り、特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA、特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)に応じて個々に用意されている。ステップS189では、大当りの種類に応じた大当り開始コマンド(非特定1の2R通常大当り開始コマンド、特定1の2R確変大当りA開始コマンド、特定2の14R確変大当りA開始コマンド、特定3の2R確変大当りB開始コマンド、特定4の14R確変大当りB開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた演出がメイン液晶表示装置1900、サブ液晶表示装置3111、ランプ・LED及びスピーカ130,222,262等により実行される。
また、上記ステップS191では、大当り遊技状態を開始するまでの待機時間をインターバルタイマにセットしているが、このインターバルタイマにセットされた待機時間を経過したときには、図示しない大当り制御処理(ステップS41)において、大当りの種類に応じて上記第一大入賞口2102又は上記第二大入賞口2509を開放状態に制御するとともに、周辺制御基板4010に送信されるコマンドとして大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットする。また、上記第一大入賞口2102又は上記第二大入賞口2509の開放状態から所定時間(例えば、28.5秒)が経過したとき、又は開放状態の上記第一大入賞口2102又は上記第二大入賞口2509に遊技球が9個入賞したときには、図示しない大当り制御処理(ステップS41)において、開放状態の上記第一大入賞口2102又は上記第二大入賞口2509を閉鎖状態に制御するとともに、周辺制御基板4010に送信されるコマンドとして大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットし、全てのラウンド数を終了しない限りは次回のラウンドを開始するまでの待機時間をインターバルタイマに再びセットする。これにより、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示された大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた演出をメイン液晶表示装置1900、サブ液晶表示装置3111、ランプ・LED及びスピーカ130,222,262等により実行することができる。
図172は、上記払出演出実行処理(ステップS194)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS210の処理において、上記払出演出実行中フラグがセットされていないと判断されるとすると、同図172に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS211の処理として、まず、大当り遊技状態の終了時であるか否かを判断する。具体的には、大当り制御処理(ステップS41)において、第一特別図柄に関連した大当り又は第二特別図柄に関連した大当りのいずれかとなったことを契機として大当り遊技状態を実行し、その終了時であるか否かを判断する。
次いで、ステップS211の処理として、大当り遊技状態の終了時であると判断された場合には、ステップS212の処理として、変動回数カウンタのカウンタ値が「390」を超えているか否かを判断する。そして、このカウンタ値が「390」を超えていれば、払出実行フラグをセットするとともに、払出演出実行中フラグをセットした後(ステップS213)、払出演出の実行を開始し(ステップS214)、払出演出の演出時間を演出タイマにセットする(ステップS215)。このように、大当り遊技状態の終了時であると判断し、且つ、当該大当り遊技状態が前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達した後に大当りとなったことに基づく大当り遊技状態であると判断した場合には、ステップS213で払出実行フラグをセットし、後述する賞球処理のステップS307で払出実行フラグがセットされていると判断されるようになり、同賞球処理のステップS308で賞球数カウンタに応じた賞球が遊技者に払い出されるようになる。また、大当り遊技状態の終了時であると判断し、且つ、当該大当り遊技状態が前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達した後に大当りとなったことに基づく大当り遊技状態であると判断した場合には、その大当り遊技状態に応じた演出に続いて、賞球数カウンタに応じた賞球が遊技者に払い出される旨が通知される払出演出を実行しているが、ステップS213で払出演出実行中フラグをセットするとともに、ステップS215で払出演出の演出時間を演出タイマにセットすることで、ステップS210及び特別図柄プロセス処理のステップS36で払出演出実行中フラグがセットされていると判断されるようになり、後述するステップS217で演出タイマが「0」になるまで払出演出を実行するようになる。なお、上記ステップ211の処理において、大当り遊技状態の終了時でないと判断された場合には、大当り遊技状態の実行中であり、賞球数カウンタに応じた賞球が遊技者に払い出されるタイミングでないと判断されることから、その時点で処理を終了する。
また、ステップS211の処理として、大当り遊技状態の終了時であると判断された場合には、ステップS213〜S215の処理を実行したか否かに関わらず、ステップS216の処理として、変動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に戻す)した時点で、この処理を終了する。このように、大当り遊技状態の終了時であると判断された場合には、当該大当り遊技状態が前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達する以前に大当りとなったことに基づく大当り遊技状態であることで、賞球数カウンタに応じた賞球が遊技者に払い出されないような場合であっても、必ず変動回数カウンタのカウンタ値をリセットし、大当り遊技状態の終了後に変動回数カウンタをリセットした状態(「0」)から特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントアップ(「+1」)するように構成されている。
一方、ステップS210の処理において、上記払出演出実行中フラグがセットされていると判断された場合には、ステップS217の処理として、演出タイマが「0」であるか否かを判断する。そして、この演出タイマが「0」であれば、払出演出の実行を終了するタイミングであるとし、ステップS218の処理として、払出演出実行中フラグをリセットした時点で、この処理を終了する。なお、上記ステップS217の処理にて演出タイマが「0」でないと判断された場合には、その時点で処理を終了する。
図173は、上記賞球処理(ステップS19)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS301の処理にて、上記第一始動口センサ3422、上記第二始動口センサ2593のいずれかの検出信号がオン状態にあり、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれかに遊技球が入賞したと判断されると、同図173に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS302の処理として、まず、上記第一始動口センサ3422、上記第二始動口センサ2593の検出信号に応じた賞球を賞球数カウンタのカウント値に加算する。具体的には、上記第一始動口センサ3422の検出信号がオン状態になると、賞球数カウンタのカウント値に「3」を加算し、上記第二始動口センサ2593の検出信号がオン状態になると、賞球数カウンタのカウント値に「1」を加算するようになっている。すなわち、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれかに遊技球が入賞したとしても、賞球数カウンタのカウント値に加算するだけで、直ぐには賞球を払い出さないようになっている。なお、上記ステップS301の処理にて上記第一始動口センサ3422、上記第二始動口センサ2593の検出信号のいずれもがオン状態ではなく、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれにも遊技球が入賞していないと判断された場合には、その時点でステップS303の処理に移行する。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4110aは、ステップS303の処理として、上記一般入賞口センサ3421の検出信号がオン状態にあるか否か、すなわち上記一般入賞口2301に遊技球が入賞したか否かを判断する。そして、上記一般入賞口センサ3421の検出信号がオン状態にあると判断された場合には、その検出信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるように上記払出制御基板4110に払出制御コマンドを出力する(ステップS304)。これにより、上記払出制御基板4110に搭載される払出制御MPU4111aは、払出モータ駆動回路4111dから払出モータ744に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。具体的には、上記一般入賞口センサ3421の検出信号がオン状態になると、10個の遊技球が上皿301へ払い出されるようになっている。なお、上記ステップS303の処理にて上記一般入賞口センサ3421の検出信号がオン状態ではなく、上記一般入賞口2301に遊技球が入賞していないと判断された場合には、その時点でステップS305の処理に移行する。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS305の処理として、上記第一カウントセンサ2111、上記第二カウントセンサ2578のいずれかの検出信号がオン状態にあるか否か、すなわち上記第一大入賞口2102、上記第二大入賞口2509のいずれかに遊技球が入賞したか否かを判断する。そして、上記第一カウントセンサ2111、上記第二カウントセンサ2578のいずれかの検出信号がオン状態にあると判断された場合には、それらの検出信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるように上記払出制御基板4110に払出制御コマンドを出力する(ステップS306)。これにより、上記払出制御基板4110に搭載される払出制御MPU4111aは、払出モータ駆動回路4111dから払出モータ744に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。具体的には、上記第一カウントセンサ2111、上記第二カウントセンサ2578のいずれかの検出信号がオン状態になると、15個の遊技球が上皿301へ払い出されるようになっている。なお、上記ステップS303の処理にて上記第一カウントセンサ2111、上記第二カウントセンサ2578の検出信号のいずれもがオン状態ではなく、上記第一大入賞口2102、第二大入賞口2509のいずれにも遊技球が入賞していないと判断された場合には、その時点でステップS307の処理に移行する。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS307の処理として、払出実行フラグがセットされているか否かを判断する。そして、払出実行フラグがセットされていると判断された場合には、大当りとなったことを契機として大当り遊技状態を実行したと判断し、且つ、当該大当り遊技状態が前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達した後に大当りとなったことに基づく大当り遊技状態であると判断されることから、賞球数カウンタに応じた賞球が遊技者に払い出されるように上記払出制御基板4110に払出制御コマンドを出力し(ステップS308)、払出実行フラグをリセットした時点で(ステップS309)、この処理を終了する。これにより、上記払出制御基板4110に搭載される払出制御MPU4111aは、払出モータ駆動回路4111dから払出モータ744に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。なお、上記ステップS307の処理にて上記払出実行フラグがセットされていないと判断された場合には、大当り遊技状態の実行後のタイミングでなかったと判断したか、又は、大当り遊技状態の終了時であるが、当該大当り遊技状態が前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が390回に達する以前に大当りとなったことに基づく大当り遊技状態であると判断したかであり、その時点で処理を終了する。
図166は、上記分岐センサ通過処理(ステップS40)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS201の処理において、上記分岐センサ2620による検出信号がオン状態にあり、上記分岐センサ2620への遊技球の通過があったと判断されるとすると、同図166に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS202の処理として、まず、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし、大当り遊技状態を開始(大当りラウンド開始コマンドをセット)するまでの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う期間)をインターバルタイマにセットする(ステップS203)。そして、分岐センサ有効フラグをリセットした後、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットした時点で(ステップS204)、この処理を終了する。このように、上記分岐センサ2620への遊技球の通過があったと判断された場合には、大当り実行中フラグをセットし、特別図柄プロセス処理のステップS37で大当り実行中フラグがセットされていると判断されるようになり、大当り制御処理(ステップS41)を実行するようになる。
本例では、第一特別図柄に関連した大当り(非特定1の2R通常大当り、特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA)と判断された場合において、第一特別図柄表示器1185に第一特別図柄の停止図柄を表示した後であっても、上記分岐センサ2620に遊技球が通過するまでは大当り実行中フラグをセットすることがなく、大当り制御処理(ステップS41)を実行することがないようにしてもよい。同様に、第二特別図柄に関連した大当り(特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)と判断された場合には、第二特別図柄表示器1186に第二特別図柄の停止図柄を表示した後であっても、上記分岐センサ2620に遊技球が通過するまでは大当り実行中フラグをセットすることがなく、大当り制御処理(ステップS41)を実行することがないようにしてもよい。なお、本実施形態のパチンコ機1は、必ずしも分岐センサ2620を備えた構成に限定されるものではなく、分岐センサ2620を備えていない場合には、第一特別図柄又は第二特別図柄に関連した大当りと判断された場合に、第一特別図柄表示器1185又は第二特別図柄表示器1186に大当りの停止図柄が停止した後、大当り実行中フラグをセットし、大当り制御処理(ステップS41)の実行するようにすればよい。
図167は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2586による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2585aへの遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図167に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU4100aのRAM4100eに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器1189に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)
3.普通図柄表示器1189における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器1189に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記扉部材2589が回動して第二始動口2587bへの遊技球の受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図154参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
[天井機能]
本実施形態のパチンコ機1は、所定条件を満たした場合に作動する天井機能を有する。本実施形態のパチンコ機1における天井機能は、所定条件を満たすことを作動契機とし(天井の作動契機)、天井機能が作動している間(天井状態)は、遊技に伴う遊技媒体の消費が抑制又は維持されたり、又は遊技媒体が増加したりする。以下では、このような天井機能について詳しく説明する。
[天井の作動契機]
本実施形態のパチンコ機1における天井の作動契機の例を以下に列挙する。大別すると、特別抽選の結果(第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果)に関する作動契機(下記の(1)〜(4))と、特別抽選の結果に関係しない作動契機(下記の(5)〜(11))とがある。
(1)特別図柄の変動回数が規定回数に到達した場合
前回の大当り終了後からの特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動回数が規定回数(例えば1000回)に到達したことを天井の作動契機とする。なお、規定回数は一通りである必要はなく、例えば、前回の大当り図柄に応じて複数通りの規定回数から選択されるようにしてもよく、また例えば、大当りごとに複数通りの規定回数から選択されるようにしてもよい。また、規定回数のカウントを大当り間に限定せず、パチンコ機1の電源ONやRAMクリア、又は前回の天井作動後の大当り終了時からの通算の特別図柄の変動回数が規定回数に到達したことを天井の作動契機としてもよい。
このように、特別図柄の変動回数が規定回数に到達したことを作動契機とする場合には、大当り間の変動回数が大きくなり、なかなか次回の大当りに当選できないような所謂ハマリ状態に陥ったとしても、救済措置としての天井機能が作動することによって、遊技意欲の低減を抑制し、次回の大当りまで遊技を継続しようとする気持ちを抱かせる効果が期待できる。また、大当り間でハマリ状態になっても天井機能が作動することから、ハマリ状態を恐れずに遊技を継続することができるという安心感を遊技者に与えることが期待できる。
(2)特定の大当りの当選回数が規定回数に到達した場合
特定の大当りとは、例えば、大当り終了後に確率変動状態(高確率状態)に制御されない通常大当りとすれば、通常大当りの当選回数が規定回数(例えば5回)に到達したことを天井の作動契機とすることができる。また、特定の大当りが連続して規定回数当選したことを天井の作動契機としてもよい。
このように、特定の大当りの当選回数が規定回数に到達したことを作動契機とする場合には、例えば、比較的有利な大当り(確変大当り)に当選できない状況が続いて遊技者の不満が高まり得るときに、遊技媒体の消費を抑えられる(又は維持、増加できる)天井機能が作動することにより、遊技者の不満を和らげるとともに、以降の大当り当選までの遊技意欲を維持させることが期待できる。
(3)小当りの当選回数が規定回数に到達した場合
例えば、大当り間に小当りの当選回数が規定回数(例えば10回)に到達したことを天井の作動契機とする。また、大当り間の小当りの当選回数に限定せず、パチンコ機1の電源ONやRAMクリア、又は前回の天井作動後の大当り終了時からの通算の小当りの当選回数が規定回数に到達したことを天井の作動契機としてもよい。また、小当りに関する天井の作動契機の別例として、特定の小当り当選を天井の作動契機としてもよい。
このように、小当りの当選回数が規定回数に到達したことを作動契機とする場合には、上述の(2)のような大当りとは関係しない作動契機によって天井が発動し、さらに、一般的には小当り当選時の大入賞口(第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509)の開放制御は遊技者から気付きにくいことから、遊技者に対して突然に天井機能が作動したような印象を与え、興趣を高め得る。また、運よく小当りに高頻度で当選できれば、上述の(1)のようにハマリ状態を経なくとも天井機能の作動に期待できることから、大当り当選を願う本来の遊技スタイルとは異なる楽しみを遊技者に提供することができる。
(4)特定の変動パターンの当選回数が規定回数に到達した場合
前回の大当り終了後以降、特別抽選に基づいて決定される特別図柄の変動パターンについて、特定の変動パターン(例えば、特定のスーパーリーチが現出される変動パターン)が規定回数(例えば5回)に到達したことを天井の作動契機とする。ここで特定の変動パターンとしては任意の変動パターンを指定することができ、一種のスーパーリーチに限定されず、複数種類の当落演出であってもよいし、又は、装飾図柄の変動表示において当落演出とならないバラケ目が表示されるような変動パターンであるとしてもよい。
このように、特定の変動パターンの当選回数が規定回数に到達したことを作動契機とする場合には、大当り間に特定の変動パターンが現出された際、大当りに当選できなかったとしても、当該変動パターンの現出によって天井の発動に近づくことから、遊技者を大きく落胆させることなく、以降の遊技に対する遊技意欲を維持させる効果が期待できる。また、特定の変動パターンや特定のバラケ目等に対して格別の興味を抱かせることができるため、遊技上の楽しみの幅を広げ、遊技機への興味を高める効果を奏する。
(5)普通図柄の変動回数が規定回数に到達した場合
前回の大当り終了後からの普通図柄の変動回数が規定回数(例えば500回)に到達したことを天井の作動契機とする。なお、規定回数は一通りである必要はなく、例えば、前回の大当り図柄に応じて複数通りの規定回数から選択されるようにしてもよく、また例えば、大当りごとに複数通りの規定回数から選択されるようにしてもよい。また、規定回数のカウントを大当り間に限定せず、パチンコ機1の電源ONやRAMクリア、又は前回の天井作動後の大当り終了時からの通算の普通図柄の変動回数が規定回数に到達したことを天井の作動契機としてもよい。
このように、普通図柄の変動回数が規定回数に到達したことを作動契機とする場合には、始動口(第一始動口2201b、第二始動口2587b)への遊技球の受入れに基づく特別抽選とは異なる処理(具体的には、ゲート部2585aへの遊技球の通過に伴う主制御MPU4100aによる普通図柄抽選)が天井の作動契機となるため、特別図柄及び装飾図柄の変動表示による遊技の進行とは異なるタイミングで天井を作動させることが可能となる。
(6)遊技媒体による特定領域の通過回数が規定回数に到達した場合
遊技領域1100内の特定領域(例えばゲート部2585a)に対する遊技球の通過回数が規定回数(例えば2000回)に到達したことを天井の作動契機とする。なお、特定領域は、上記のような遊技媒体が通過可能なゲート部材でもよいし、遊技媒体を受入可能な入賞口(例えば、一般入賞口2101)であってもよいし、特定の役物内の所定領域であってもよい。また、特定領域は一つに限定されることなく、複数の特定領域を指定して遊技媒体の通過回数(又は受入回数)の合算が規定回数に到達したことを天井の作動契機としてもよい。また、規定回数のカウントは、大当り間に限定してもよいし、大当り間に限定しない(例えばパチンコ機1の電源ONやRAMクリア、又は前回の天井作動後の大当り終了時からの通算)としてもよい。
このように、遊技媒体による特定領域の通過回数が規定回数に到達したことを作動契機とする場合、特定の役物内の所定領域を特定領域とすれば、当該特定の役物における遊技媒体の動きに連動して天井を作動させることができる。具体的には例えば、役物内に進入した遊技媒体を2以上の進路に振分け、遊技者にとって比較的有利な有利遊技状態に移行する際には特定の進路に遊技媒体を誘導するような振分装置を備えた役物において、遊技媒体が当該特定の進路とは異なる進路に誘導された回数を「特定領域の通過回数」としてカウントすることにより、「特定領域の通過回数」が規定回数に到達したときに天井機能を作動させることができる。このような場合、有利遊技状態に移行する特定の進路に遊技媒体が誘導されなかったとしても、特定の進路以外の進路に誘導された回数が蓄積することによって天井機能が作動することで、遊技者を救済する効果が期待できるものであり、遊技者の遊技意欲を持続させる効果を奏する。
(7)所定の特別図柄が連続して規定回数当選した場合
特別抽選(第一特別抽選又は第二特別抽選)に基づいて決定される特別図柄(第一特別図柄又は第二特別図柄)について、所定の特別図柄(複数種類であってよい)が規定回数(例えば1000回)連続して選択されたことを天井の作動契機とする。例えば、この所定の特別図柄を、大当り図柄とは異なる特別図柄(所謂はずれ図柄)とすれば、はずれ図柄が規定回数(1000回)連続して選択されたこと、すなわち、大当りに当選しない特別抽選が1000回連続で行われたことを天井の作動契機とすることができる。
上記のような天井の作動契機とする場合は、前述の(1)と同様の効果を期待することができる。
(8)発射球数が規定数に到達した場合
例えば、前回の大当り終了後から遊技領域1100に打ち込まれた遊技媒体の発射球数が次回の大当りに当選するまでに規定数(例えば5000個)に到達したことを天井の作動契機とする。遊技媒体の発射球数は、例えば、発射ソレノイド654による発射制御が行われる発射制御部4120によって計数可能である。なお、遊技媒体の発射球数を計数の基準とする以外に、例えば、アウト口1151を通過した遊技媒体の個数を計数の基準としてもよい。
このように、発射球数が規定数に到達したことを作動契機とする場合、特に大当り間での発射球数を条件とすれば、大当り間で打ち出した遊技媒体の個数が嵩む状況、すなわち、次回の大当りになかなか当選できないハマリ状態において天井を作動させることができるため、遊技者に対する救済機能の効果が期待できる。また、アウト口1151を通過した遊技媒体の個数に基づいて当該個数が規定数に到達したことを作動契機とする場合には、遊技領域1100に打ち込まれて、何れの入賞口にも受入れられることがなかった遊技媒体の個数を基準とすることから、遊技上の特典に繋がらなかった遊技媒体(いわゆるムダ球)が累積することによって天井の作動契機が近づくことになる。すなわち、「ムダ球」が発生するほど天井の作動契機が近くなるものであり、天井機能の作動という遊技者にとって有利な状況がムダ球によって導かれることから、「ムダ球」を遊技上の無駄とせずに有益な存在とすることができ、新たな遊技性を備えた遊技機を提供することができる。
(9)オーバーフロー球数が規定数に到達した場合
パチンコ機1では、特別図柄表示器(第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186)において特別図柄を変動表示させることができない時に、始動口(第一始動口2201、第二始動口2587b)へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)されるようになっており、第一特別図柄記憶表示器1184で4個、第二特別図柄記憶表示器1187で4個の保留表示が可能となっている。このようなパチンコ機1においては、最大個数の保留表示が行われている場合に追加で始動口に遊技球が受入れられても、特別抽選に基づく大当りの判定は行われず、いわゆるオーバーフロー(溢れ)が発生する。より具体的にいえば、第一特別図柄記憶表示器1184で4個の保留表示が行われている際に、第一始動口2201に遊技球が追加的に受入れられた場合、規定個数の賞球は払いだされるものの、当該受入に基づいて第一特別抽選による大当りが発生することはない。
本実施形態のパチンコ機1では、このようなオーバーフローとなった球数を計数し、オーバーフロー球数が規定数に到達したことを天井の作動契機とすることができる。オーバーフロー球数は、例えば、各始動口(第一始動口2201、第二始動口2587b)への入球数(払い出しカウンタを参照して確認可能)と各特別図柄記憶表示器(第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187)における保留表示の表示個数とに基づいて計数することができる。
このように、オーバーフロー球数が規定数に到達したことを作動契機とする場合、保留表示個数が上限に達している場合であっても、さらなる始動口への受入れを目指すことでオーバーフローが発生して天井の作動に近づくことができるため、遊技者による遊技球の打ち出しを止めさせることなく、継続した打ち出しを促進できる。その結果、ホールは単位時間当たりの遊技媒体の打ち込み個数の増加による売上の向上が期待できるとともに、遊技者は天井の作動に対する期待感を増加させることができる。
(10)払い出し球数が規定数に到達した場合
例えば、大当り間の遊技において、所定の入賞口(第一始動口2201、第二始動口2587b、及び一般入賞口2101)への遊技媒体の受入れに伴う賞球の払い出し個数(払い出し球数)が規定数(例えば1000個)に到達したことを天井の作動契機とする。所定の入賞口及び規定数は任意に設定してよい。
このように、大当り間の払い出し球数が規定数に到達したことを作動契機とする場合、特に大入賞口(第一大入賞口2102、第二大入賞口2509)を「所定の入賞口」から除くときは、大当り間の遊技期間が長くなるほど大当り間の払い出し球数が増加するので、次回の大当りになかなか当選できないハマリ状態において天井の作動契機に到達し易く、ハマリ状態の遊技者を救済する効果が期待できる。
(11)特定態様の保留表示が規定回数に到達した場合
特別図柄の変動表示に関する保留表示が、特定の表示態様で規定回数発生したことを天井の作動契機とする。具体的には例えば、第一特別図柄記憶表示器1184における第一特別図柄の保留表示が1個である状況を「特定態様」として、当該特定態様が通算50回の変動表示に亘って現出したことを天井の作動契機とすることができる。また、別例としては、第一特別図柄の保留表示が最大個数の4個である状況を「特定態様」として、当該特定態様が5回の変動表示に亘って連続したことを天井の作動契機とすることもできる。
このように、特定態様の保留表示が規定回数に到達したことを作動契機とし、第一特別図柄の保留表示が1個である状況を特定態様とする場合には、例えば遊技媒体の始動口への入球率が低く、保留表示の個数が増加しにくいとしても、特定態様の保留表示が繰り返された場合に天井機能が作動することに期待できるため、始動口への入球率が低いことで生じる遊技者の損失感を救済する効果が期待できる。なお、このとき、遊技者が遊技球の打ち出しを意図的に調整して特定態様を維持することを防ぐために、遊技球が発射され続けていることを追加条件としてもよい。また、別例で示したように、第一特別図柄の保留表示が最大個数であることを特定態様とする場合には、保留表示が途切れない(常に最大個数の保留表示となる)ことが天井の作動契機の成立に繋がるため、遊技球の打ち込みを促進することになり、遊技者は天井の作動契機の成立を目指すことによって興趣が高められるとともに、ホールは単位時間当たりの遊技媒体の打ち込み個数の増加による売上の向上が期待できる。
[作動契機に関する補足]
上述したように、天井の作動契機は複数の契機から選択して設定し得るが、何れの場合においても、パチンコ機1において電源OFFやRAMクリアが行われた際には、規定の処理が行われることが好ましい。
具体的には例えば、電源OFFが行われた場合には、OFFが実行される前の状態が維持される(状態の継続)ことが好ましい。また、RAMクリアが行われた場合には、電源OFFの場合と同じく状態が継続されても良いし、または、固定的な再セットや抽選によるセットが行われても良い。固定的な再セットとは、例えば、予め定められた規定数(又は規定回数)が改めてセットされることを示し、初期値がセットされること(リセット)も含まれる。また、抽選によるセットとは、例えば、規定数として500と1000とが用意されているうちから抽選によって何れかが選択されてセットされるといったことを示す。
このように、電源OFFやRAMクリアといった遊技が中断され得る状況において、天井の作動契機に関して規定の処理が行われるようにすることで、不正遊技の実行や、有利な遊技状態(例えば、いわゆるモーニング機能等)を意図的に提供するといった行為を防止することが期待できる。
[天井状態]
本実施形態のパチンコ機1において天井が作動した際の状態(天井状態)について説明する。この天井状態は、幾通りかの方法によって選択的又は混合的に実現可能であり、以下に例示する。なお、天井状態は、主制御基板4100(主に主制御MPU4100a)によって制御される。
[時短状態による天井状態]
まず、第一の例では、天井の作動契機が満たされた場合に、遊技状態が時短状態に制御されることによって天井状態を実現する。この時短状態は、所定種類の大当りの後に制御される時短状態と同様の遊技状態である。具体的には、主制御基板4100の主制御MPU4100aが、扉部材2589の駆動頻度がより高くなるように普通抽選の処理を実行するものであり、時短状態の間は普通図柄の当選確率を高くするとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮し、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記扉部材2589の開放時間を延長することによって、こうした時短状態を実現する。
第一の例による天井状態では、このような時短状態の制御が行われることによって、第二始動口2587bへの遊技球の入球が促進され、遊技媒体の消費が抑えられる。そして、遊技媒体の消費が抑えられたまま第二始動口2587bへの遊技球の入球に基づく第二特別抽選が行われることで、遊技媒体を多量に消費することなく次回の大当りに当選するまでの遊技を提供することが可能となる。
なお、このような天井状態による時短制御は、次回の大当りに当選するまで継続されることが好ましいが、遊技性を広げる等の目的によって、所定期間が経過するまでに限定して制御されてもよく、また、当該所定期間の経過後に再び天井の作動契機が成立したことに基づいて、再度天井状態の時短制御が行われるようにしてもよい(天井の終了条件の多様性)。
[天井状態の具体例(その1)]
上述した時短状態による天井状態を実現するためのより詳細な具体例を説明する。本例では、前回の大当り時に選択された大当りの特別図柄に基づいて、以後の遊技における天井状態(後述する第二時短状態)の設定を行う。
例えば、前回の大当りの特別図柄が特別図柄A(確変大当り)であった場合は、当該大当り終了後、次回大当りに当選するまで高確率時短状態とする(次回まで第一時短状態)。前回の大当りの特別図柄が特別図柄B(確変大当り)であった場合は、当該大当り終了後、高確率状態に制御されるものの、特別図柄の変動表示が50回行われるまでは時短状態に制御せず(第一時短状態なし)、50回転の経過後に第二時短状態(天井状態)に制御する。このような特別図柄Bによれば、いわゆる潜確状態を実現しながら、所定期間の経過後(50回転後)に天井状態として時短状態に制御することが可能となる。
また、前回の大当りの特別図柄が特別図柄C(通常大当り)であった場合は、当該大当り終了後、低確率状態に制御しながら、特別図柄の変動表示が100回行われるまでは時短状態に制御し(第一時短状態)、100回転の経過後に非時短状態に制御され、その後、前回大当り終了後から通算500回転の経過後に第二時短状態(天井状態)に制御される。この第二時短状態は、例えばその後500回転経過までに限定してもよく、また例えば次回の大当り当選まで継続するようにしてもよい。このような特別図柄Cによれば、第一時短状態が100回続き、その後、非時短状態が400回続いた後に、天井状態としての第二時短状態に制御されることになる。なお、このような非時短状態の継続期間(400回)は、大当り確率(本件実施例では12/1172)の確率分母(約97)よりも大きな数であることが好ましい。
[小当りによる天井状態]
次に、第二の例では、天井の作動契機が満たされた場合に、小当りが頻発する遊技状態に制御されることによって天井状態を実現する。
[天井状態の具体例(その1)]
本実施形態のパチンコ機1では、図161(A)に一例を示した大当り判定テーブルのように、天井状態ではない通常状態(到達フラグOFF)では、特別乱数の小当り当選確率は極めて低い当選率に設定されている。具体的には例えば、到達フラグOFFの低確率時、第一特別乱数の小当り当選確率は10/1171であり、第二特別乱数の小当り当選確率も同じく10/1171である。一方、天井状態(到達フラグON)では、特別乱数の小当り当選確率は前述の通常状態に比べて高い当選率に設定されており、特に第二特別乱数で優遇された設定となっている。具体的には、到達フラグONの低確率時、第二特別乱数の小当り当選確率は1000/1171であり、到達フラグOFFのときに比べて100倍も当選し易くされている。
そして、第二の例による天井状態では、天井状態において、変動パターンの選択テーブルを変更する(具体的には、到達フラグONの変動パターンテーブルを選択する)ことにより、第二特別抽選において高い当選確率で小当りに当選させることができる。
さらに、天井状態(到達フラグON)での変動パターンテーブルの選択時には、小当り当選時の第二特別図柄の変動時間を、通常状態(到達フラグOFF)で選択される変動パターンテーブルにおける小当り当選時の第二特別図柄の変動時間よりも短く設定することによって、小当りの当選サイクルを短縮する。
このような天井状態の制御が行われることにより、天井状態のパチンコ機1では、遊技者に第二始動口2587bに向けて遊技球を打ち出させ、第二始動口2587bへの遊技球の受入れに基づく第二特別抽選によって高確率で小当りに当選させ、かつ、当該高当りの当選サイクルを短縮させることにより、小当りに伴う大入賞口(第一大入賞口2102又は第二大入賞口2509)の開放機会を通常状態(非天井状態)よりも圧倒的に高めることができる。その結果、小当りに伴って開放された大入賞口に遊技球が受入れられ、当該受入れに応じた賞球の払い出しが行われることにより、遊技進行に伴う遊技媒体の消費を抑制又は維持することができる(又は遊技媒体を増加できる)。
[天井状態の具体例(その2)]
まず、パチンコ機1では、第一特別図柄と第二特別図柄とが同時に変動表示可能であるとする(同時変動)。このような同時変動の遊技機では、例えば、同時に特別図柄の変動表示が行われていたとしても、一方の特別図柄が変動停止した場合に、他方の特別図柄ははずれ態様で停止されるとする。第二特別抽選における小当りの当選確率は298/300のように極めて高く設定されているとするが、通常状態において、第二特別図柄で小当りに当選した場合には、極端に長い変動時間(例えば18時間)が選択されるものとする。このようにすることによって、通常状態においては、第二特別抽選によって小当りに当選したとしても、長い変動時間が経過する前に第一特別図柄の変動停止が行われることから、実質的に第二特別図柄による小当りの当選を抑制している。
次に、上述したような天井の作動契機が満たされた場合には、遊技状態を天井状態に変更し、第二特別図柄の変動パターン選択テーブルを変更する。なお、このとき、通常状態における第二特別図柄の変動表示を、はずれ図柄で停止させる等して中止させるようにしてもよい。このようにすることで、通常状態で当選した小当りによって、第二特別図柄が長時間に亘って変動表示されてしまうことを防止することができる。ただし、このような処理は必ずしも必要とはしない。
天井状態で選択される変動パターン選択テーブルでは、第二特別抽選による小当り時の変動時間が短縮されている(小当りの当選確率は変更されなくてよい)。具体的には例えば、2〜4秒程度のうちから選択されるとする。このようにすることで、遊技者に第二始動口2587bに向けて遊技球を打ち出させた場合に、第二始動口2587bへの遊技球の受入れに基づく第二特別抽選によって高確率で小当りに当選させ、かつ、当該高当りの当選サイクルを短縮させることにより、同時変動が行われても、第二特別図柄による小当りを頻発させることができる。そして、第二特別図柄による小当りを連続的に発生させることで、大入賞口を連続的に開放させられるため、出玉の付与を実現することができる。
その後、特別抽選によって大当りに当選した場合には、天井状態の制御は終了し、当該大当りに応じた遊技状態に制御される。また、天井状態に所定の制御期間が設定されている場合は、当該制御期間の経過後は、通常状態に移行する。
なお、上述したような実施例では、通常状態における小当り時の第二特別図柄の変動時間を極めて長く設定したために、同時変動を必要な構成としたが、通常状態における小当り時の第二特別図柄の変動時間を遊技進行上許容可能な範囲で長めに設定する場合には(例えば30秒〜60秒程度)、必ずしも同時変動を必要とはしない。
天井機能によって付与される特典は、上述したように時短状態の付与、又は小当りの付与だけに限定されるものではない。他には例えば、大当り確率を向上させたり、大当り後の遊技状態を有利にしたり(例えば、次回の大当りを確変大当りにする等)、Vアタッカーに関する有利な開閉制御を付与したり(例えば、V入賞が確実なロング開放制御の大当り)等がある。
天井機能による特典の付与タイミングについても、以下に示すような各タイミングに制御することが可能である。例えば、大当りの開始時(大当りに関する役物作動時)、大当り遊技のオープニング中(役物連続作動装置の作動時)、特定図柄の表示時(例えば小当りを示す特定図柄の変動停止時)、ハマリ状態(所定期間に亘って大当り等の有利遊技状態に移行しない場合)、又は、特定口通過(一般入賞口やゲート部等の通過時)等のタイミングで、上述したような天井機能を作動させて、特典を付与させるよう制御することができる。
[振り分け部材の動きを変える]
次に遊技球通路変更部2582eが作動される駆動パターンに関する可動制御処理について説明する。この可動制御処理は、図154において図示を省略しているが、ステップS14が実行された後、ステップ15が実行されるまでの間に実行される。なお、以下の説明は、後述する図161に示すように到達フラグが成立している(ONである)状態において第二始動口2587bへの遊技球の入球を契機とする当り抽選において小当りに当選する確率が1000/1171または1146/1171と高くなっていることを前提としている。上述した可動制御処理では、通常の状態、即ち、到達フラグが成立していない通常の状態(OFFである場合)では、所定の周期で駆動している遊技球通路変更部ソレノイド2582fの駆動状態に応じて、遊技球が第二始動口2587bの方向に導かれにくくなっている。ここで、到達フラグが成立すると、即ち、OFFであった到達フラグがONとなると(「天井の作動契機」に相当)、その後、遊技球通路変更部ソレノイド2582fは、上記所定周期とは異なる周期で駆動されることにより、遊技球通路変更部2582eの作動状態を通常の状態とは異なる特定作動状態とし、これにより遊技球が第二始動口2587bの方向に導かれ易くなる。本実施形態では、このような特定作動状態として次のような複数の特定作動状態が用意されている。そのうちの1つの特定作動状態では、遊技球通路変更部ソレノイド2582fが上記所定周期で駆動された場合における遊技球通路変更部2582eの通常の作動態様とは異なる第一の作動態様で遊技球通路変更部2582eが作動される。一方、その他の特定作動状態のうちのある別の特定作動状態では、遊技球通路変更部ソレノイド2582fが上記所定周期で駆動された場合における遊技球通路変更部2582eの通常の作動態様とは異なる別の作動態様で遊技球通路変更部2582eが作動される。上述のような複数の特定作動態様のうちのどの特定作動態様とするかについては、例えば所定の抽選の結果に基づいて選択しても良いし、その他の方法によって選択するようにしてもよい。
[振り分け部材を停止させる]
なお、このような可動制御処理は、上述のような構成を前提として実行される代わりに、例えば、互いに近接する位置に設けられた第一始動口2201及び第二始動口2587bの上流側に配置されている交互振り分け部材によって受け止められた遊技球を第一始動口2201及び第二始動口2587bのいずれか一方の始動口に交互に入球させる構成において実行されるようにしても良い(いわゆる8個保留の構成に相当)。即ち、このような構成において、上記到達フラグが成立していない通常の状態(OFFである場合)では、所定の周期で交互振り分け部材を駆動している図示しない特定ソレノイド(遊技球通路変更部ソレノイド2582fに相当)の駆動状態に応じて、遊技球が交互に第一始動口2201及び第二始動口2587bの一方の始動口の方向に導かれている。ここで、到達フラグが成立すると、即ち、OFFであった到達フラグがONとなると、その後、上記特定ソレノイドは、上記所定周期とは異なる周期で駆動されることにより、交互振り分け部材の作動状態を通常の状態とは異なる特定作動状態として所定の状態で固定し、これにより遊技球が第二始動口2587bの方向に導かれ易くするなった状態で維持するように駆動される。
[振り分け部材が出てくる]
上述した可動制御処理は、上述のような構成を前提として実行される代わりに、次のような構成を前提として実行されるようにしても良い。例えば、上述した可動制御処理では、通常の状態、即ち、到達フラグが成立していない通常の状態(OFFである場合)では、所定の周期で駆動している遊技球通路変更部ソレノイド2582fの駆動状態に応じて、遊技球が遊技球通路変更部2582eの存在によって第二始動口2587bの方向に導かれにくくなっている。ここで、到達フラグが成立すると、即ち、OFFであった到達フラグがONとなると(「天井の作動契機」に相当)、その後、遊技球通路変更部ソレノイド2582fは、通常の状態とは異なる態様で駆動されることにより、遊技球通路変更部2582eが特定作動状態となり、遊技球が遊技球通路変更部2582eの存在によって第二始動口2587bの方向に導かれ易くなっている。
[有利遊技状態からの遊技開始を抑制する]
なお、既述のように電源投入時にRAMクリアスイッチ4100cが操作された場合、既述の各種情報がRAM4100eから完全に消去(クリア)されるようにする代わりに、その一部の各種情報が揮発しないようにバックアップ機能を作動して残存させることによって、上述した遊技球通路変更部ソレノイド2582f(或いは交互振り分け部材の図示しないソレノイド)が従前の駆動状態が継続するようにしても良い。このようにすると、意図的に電源投入時にRAMクリアスイッチ4100cを操作することによって、遊技球通路変更部2582e(或いは交互振り分け部材)が遊技者にとって有利な作動状態である状態から遊技を開始させること抑制することができる。
図168は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2586による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2585aへの遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図168に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS811の処理として、まず、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAM4100eから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS811の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS812〜S814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS812の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS813の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS814の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS811の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS812〜ステップS814の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図169は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図169に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPU4100aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU4100aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2585aへの遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2585aに遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)であれば(ステップS826)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS826)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS825)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS827)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100dに記憶され、遊技状態が時短時(低確率時短状態及び高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態、高確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2585aへの遊技球の通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記扉部材2589が回動して第二始動口2587bへの遊技球の受入れを可能に制御している。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2585aへの遊技球の通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記扉部材2589が回動して第二始動口2587bへの遊技球の受入れを可能に制御することがない。
上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS831)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS832)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS833)、この処理を終了する。
本例では、上記時短状態の制御において、上記普通図柄の当選確率を251/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなるとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を極端に短い所定時間(例えば、0.3秒)に短縮している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2587bを極端に長い所定時間(例えば、5.5秒)の間、開状態として閉鎖する開閉パターンで制御している。つまり、上記時短状態の制御中には、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口21の開状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2587bへ遊技球を入賞させることを格段に容易とし、上記第一始動口2201よりも上記第二始動口2587bを狙ったほうが効率良く遊技球を入賞させることができる。なお、上記非時短状態の制御においては、上記普通図柄の当選確率を0/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなることがなく、上記第二始動口2587bを狙ったとしても上記第二始動口2587bに遊技球を入賞させることができない。
上記したように、上記非時短状態の制御中には、上記第二始動口2587bを狙ったとしても上記第二始動口2587bに遊技球を入賞させることができないため、上記第一始動口2201に遊技球が入賞するように、上記センター役物2500の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)しなければならない。また、上記センター役物2500の左側の遊技領域1100内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル1200の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球に様々な動きが付与されて流下するようになっている。このため、上記第一始動口2201を狙って上記センター役物2500の左側に遊技球を打ち込んだとしても、上記第一始動口2201に入賞するとは限らず、上記第一始動口2201に入賞しなかった遊技球は、遊技領域1100の左右方向中央下端に設けられたアウト口1151から外部に排出される。
一方、上記時短状態の制御中には、上記第一始動口2201よりも上記第二始動口2587bを狙ったほうが効率良く遊技球を入賞させることができるため、上記第二始動口2587bに遊技球が入賞するように、上記センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)しなければならない。また、遊技盤4の構造上、上記第二始動口2587bを開放したときに、上記第二始動口2587bを狙って上記センター役物2500の右側に遊技球を打ち込むと、上記ゲート部2585aを通過した遊技球が、上記第二始動口2587bに極めて高い確率で入賞するようになっている。このため、上記時短状態の制御中では、上記センター役物2500の右側に打ち込んだ遊技球が無駄となる(アウト口1151から外部に排出される)ことが殆どなく、上記非時短状態の制御中における上記第一始動口2201と比べて、遊技球が極めて効率良く上記第二始動口2587bに入賞するようになる。
また、上記時短状態の制御中には、遊技盤4の構造に加え、上記ゲート部2585aを通過したときに、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2587bの開放状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2587bへ遊技球が入賞しやすく、さらに、上記第二始動口2587bへ遊技球が入賞したときに、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間を1秒程度とし、上記非時短状態の制御中における10〜120秒の範囲と比べて極めて短くなるため、短時間で上記特別図柄の変動表示制御(上記特別図柄の変動表示制御の保留)を消化することができる。すなわち、大当り遊技状態の終了後に上記時短状態に制御した場合には、上記第二始動口2587bを狙って上記センター役物2500の右側に遊技球を打ち込むことで、短時間で再び大当りとなって大当り遊技状態に制御し、多くの遊技球の獲得を期待することができる。なお、上記したように本実施形態では、上記第二始動口2587bへの遊技球の入賞により払出される遊技球の数を、1個としているので、上記第二始動口2587bへの遊技球の入賞が頻繁に起きたとしても、遊技者の興趣を高めつつ遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
[7.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図170は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図170に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aのRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16ms定常処理を行う(ステップS504)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信したコマンドにもとづいてメイン液晶表示装置1900、サブ液晶表示装置3111、ランプ・LED、スピーカ130,222,262等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16ms経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上述したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図171は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御MPU4140aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS147、第二特別図柄プロセス処理の第一変動パターン設定処理に対応する処理(第二変動パターン設定処理))でセットされることにより送信された変動パターンコマンド、始動口通過処理(第一始動口通過処理のステップS45,S47、第二始動口通過処理のステップS55,S57)でセットされることにより送信された保留数指定コマンドや乱数指定コマンドを受信したことにもとづいてメイン液晶表示装置1900やサブ液晶表示装置3111に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、スピーカ130,222,262等に関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板3013にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数(例えば先読み乱数)を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS502で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
[8.賞球の払出しに関する処理]
本実施形態のパチンコ機1では、一例として、遊技球の入球に伴って賞球の払出しが確定する場合(遊技球の入賞時)であっても、即座に賞球を遊技者に払い出すことなく、所定の条件成立まで賞球の払出しを留保させた後にまとめて払い出すことができる。以下では、このような賞球の払出しに関する処理を説明する。
図173を用いて説明したように、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれかに遊技球が入賞したとしても、直ぐには入賞口に応じた賞球数を遊技者に払い出すことなく、その入賞口に応じた賞球数を賞球数カウンタのカウント値に加算するようにしている。また、大当り遊技状態の終了後(後述する所定の払出条件が成立し、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出す契機となった大当りに基づく大当り遊技状態の終了後)には、変動回数カウンタを用いて特別図柄の変動表示回数のカウントを開始している。そして、次回の大当り遊技状態の終了時、すなわち第一特別図柄に関連した大当り又は第二特別図柄に関連した大当りとなったことを契機として大当り遊技状態を実行し、この大当り遊技状態を終了したときには、変動回数カウンタのカウント値が所定回数(本例では、390回)を超えているか否かを判別し、所定回数を超えていると判別した場合には、所定の払出条件(所定条件)が成立したとし、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すようにしている。すなわち、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達した後、次回の大当りになることを契機として、所定の払出条件(所定条件)が成立し、その大当りに基づく大当り遊技状態の終了時において、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すようにしている。
一方、変動回数カウンタのカウント値が所定回数(本例では、390回)を超えているか否かの判別において、所定回数を超えていないと判別した場合には、所定の払出条件(所定条件)が成立することなく、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出さないようにしている。すなわち、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達した以前に、次回の大当りとなった場合には、所定の払出条件(所定条件)が成立することなく、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出さないようにしている。また、変動回数カウンタのカウント値が所定回数(本例では、390回)を超えていないと判別した場合には、変動回数カウンタのカウント値をリセット、すなわち特別図柄の変動表示回数のカウントをリセットするが、賞球数カウンタのカウント値をリセットすることはなく、その大当り遊技状態の終了後においても、賞球数カウンタのカウント値を持ち越すようにし、所定の払出条件が成立するまで(賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出す契機となる大当りになるまで)、賞球数カウンタのカウント値への加算を継続するようにしている。
なお、本実施形態では、変動回数カウンタのカウント値が所定回数を超えているか否かの判別において、所定回数が390回に設定されている。すなわち、特別図柄の抽選結果が大当りとなった際、所定の払出条件(所定条件)が成立するか否か(賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すか否か)の境界として、前回の大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が390変動目に設定されている。これは、低確率状態における大当り確率が12/1171(およそ1/97.6)に設定されていることに基づいた値である。
上記したように、本実施形態では、大当り遊技状態の終了後、特別図柄の抽選結果が外れとなる限りは、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれかへの入賞に応じた賞球数を賞球数カウンタのカウント値に加算し続けている。このため、大当り遊技状態の終了後、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bに入賞した数に比例して、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数が増加することになる。また、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bに遊技球が入賞したときには、第一特別乱数又は第二特別乱数の記憶数(保留数)が四つを超えていない限りは、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が行われるため、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bに入賞した数にほぼ比例して、特別図柄の変動表示回数が増加することになる(例えば、いずれの入賞時にも第一特別乱数又は第二特別乱数の記憶数が四つを超えない場合には、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bに入賞した数に比例して、特別図柄の変動表示回数が増加する)。このため、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達した後、次回の大当りになることを契機として、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すものであるが、次回の大当りとなるまでの特別図柄の変動表示回数が多くなるほど、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、多くの賞球数が払い出されることになる。一方、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達する以前に、次回の大当りとなった場合には、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数が少なく、この少ない賞球数が払い出されないようになっている。
上記したように、特別図柄の抽選結果が大当りになった際、前回の大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)を超えている場合のみ、大当り遊技状態とは別個に、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すようになっている。このため、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数を超えるような不調時に陥ったとしても、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、多くの賞球数がカウントされており、大当りとなったことを契機として払い出される賞球数に対して期待し得ることから、その賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を得ようとする遊技者の意欲が高まり、遊技を継続させることができる。また、不調時に陥っている台が仮に空き台であったとしても、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、多くの賞球数がカウントされており、大当りとなったことを契機として払い出される賞球数に対して期待し得ることから、その賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を得ようとする遊技者の意欲が高まり、その台で新たに遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、特別図柄の抽選結果が大当りになった際、前回の大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)を超えていない場合には、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すことがなく、この賞球数については、次回以降の大当りとなるまで(賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出す契機となる大当りになるまで)、持ち越すようにしている。具体的には、低確率状態において、例えば、特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)を超える直前の390変動目に大当りとなった場合には、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、3×390=1170個もの賞球数が、次回以降の大当りに持ち越されることになる。
一方、高確率状態においては、大当り確率が120/1171(およそ1/97.6)に設定されており、この大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値として、大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が約10変動目に大当りとなるものである。このため、高確率状態においては、殆どの場合、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達する以前に、次回の大当りとなるものであり、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出さない確率が高くなっている。そして、特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)を超えていない場合には、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すことがなく、この賞球数については、次回以降の大当りとなるまで(賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出す契機となる大当りになるまで)、持ち越すようにしている。
なお、高確率時短状態(確変状態)などの時短状態においては、遊技球がゲート部2301を通過することで、扉部材2589の駆動が行われるため、所謂右打ちする場合に、第二始動口2587bへの遊技球の入球が促進され、次回の大当りとして第二特別図柄による大当り(特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)が選ばれる可能性が発生する。そして、上記第二始動口2587bへの遊技球の入賞に対する賞球数が1個であることから、第二特別図柄に関連した大当りが発生するまでは、第二特別図柄の変動表示回数に「1」を乗じた賞球数を、賞球数カウンタのカウント値に加算し続けることになる。具体的には、高確率状態において、大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値として10変動目に大当りとなった場合には、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、1×10=10個の賞球数が、次回以降の大当りに持ち越されることになる。
また、大当り遊技状態の終了後に高確率時短状態(確変状態)に制御するように設定された大当り(特定1の2R確変大当りA、特定2の14R確変大当りA、特定3の2R確変大当りB、特定4の14R確変大当りB)が連続(所謂連ちゃん)するほど、その期間に上記第二始動口2587bに応じた賞球数を賞球数カウンタのカウント値に加算し続けることから、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数が増大することになる。このため、高確率時短状態(確変状態)に制御するように設定された大当りが連続した場合には、各々の大当りとなるまでに加算される賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数が少なくても(上記のように、例えば、理論値として10変動目に大当りとなった場合に10個の賞球数であっても)、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、莫大な賞球数となる可能性があり、その莫大な賞球数が、次回以降の大当りに持ち越されることになる。
上記したように、低確率状態において、特別図柄の抽選結果が大当りになった際、前回の大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)を超えていない場合や、高確率時短状態(確変状態)に制御するように設定された大当りが連続した場合、等のように好調時が繰り返されると、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、莫大な賞球数が、次回以降の大当りに持ち越されるようになる。例えば、大当り遊技状態として14R大当り遊技状態を実行した場合には、1800個程度の賞球数が遊技者に払い出されるが、好調時が繰り返された後、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数を超えるような不調時に陥った場合には、大当りとなることを契機として、大当り遊技状態とは別個に、その大当り遊技状態を上回るような莫大な賞球数が遊技者に払い出される可能性がある。このため、好調時が繰り返された後であれば、不調時に陥ったとしても、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、莫大な賞球数がカウントされている可能性があり、大当りとなったことを契機として払い出される莫大な賞球数に対して期待し得ることから、その莫大な賞球数を得ようとする遊技者の意欲が高まり、積極的に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態のように、特別図柄の抽選結果が大当りとなった際、所定の払出条件(所定条件)が成立するか否か(大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数に達した後であるか否か、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すか否か)の境界としては、低確率状態の大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値である98回程度を用いることが好ましい。これは、大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値を上回っても大当りにならないと、本当に大当りになることがあるのかと遊技者が不安に感じるようになり、遊技の継続を躊躇するようになるが、大当りとなったことを契機として払い出される賞球数(賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数)に対して期待し得ることから、そのような躊躇を解消し、遊技を継続させることが可能となるためである。
なお、特別図柄の抽選結果が大当りとなった際、所定の払出条件(所定条件)が成立するか否か(大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数に達した後であるか否か、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すか否か)の境界としては、低確率状態の大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値とは異なるように設定してもよい。例えば、所定回数として、大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値を上回るような回数が設定された場合には、特別図柄の変動表示回数が所定回数に達するまでの回数が多くなるが、ほぼ比例して、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数も増加するため、大当りとなることを契機として、莫大な賞球数が遊技者に払い出される可能性を高くすることができる。一方、所定回数として、大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値を下回るような回数が設定された場合には、大当りとなることを契機として払い出される賞球数(賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数)が少なくなるが、特別図柄の変動表示回数が所定回数に達しやすく、大当りとなることを契機として賞球数が払い出される頻度が高くなり、その賞球数を遊技者が容易に得られるようになる。
また、特別図柄の抽選結果が大当りとなった際、所定の払出条件(所定条件)が成立するか否か(大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数に達した後であるか否か、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出すか否か)の境界としては、低確率状態及び高確率状態のいずれの場合であっても、低確率状態の大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値を用いているが、低確率状態または高確率状態のいずれに制御されているかにより、その境界(特別図柄の変動表示回数としての所定回数)を異ならせるようにしてもよい。ただし、高確率状態においては、殆どの場合、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数に達する以前に、次回の大当りとなるような回数(高確率状態の大当り確率から算出される大当りとなるまでの理論値から大きく離れた回数)であることが好ましい。
また、本実施形態では、一例として、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)を超えるような不調時であっても、特別図柄の変動表示回数が所定回数を超えていないような好調時と同じく、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれかに遊技球が入賞した場合において、直ぐには入賞口に応じた賞球数を遊技者に払い出すことなく、その入賞口に応じた賞球数を賞球数カウンタのカウント値に加算するようにしている。このため、特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)を上回っても大当りにならないと、特別図柄の変動表示回数が多くなり、ほぼ比例して、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数も増加するため、大当りとなることを契機として、莫大な賞球数が遊技者に払い出される可能性を高くすることができる。
なお、本実施形態の一例とは異なり、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)を超えるような不調時には、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれかに遊技球が入賞した場合において、その入賞口に応じた賞球数を賞球数カウンタのカウント値に加算することを停止し、その入賞口に応じた賞球数を遊技者に払い出すようにしてもよい。すなわち、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達した後、遊技球が第一始動口2201に受入れられて第一始動口センサ3422に検出されるか、遊技球が第二始動口2587bに受入れられて第二始動口センサ2593に検出されるかすると、主制御基板4100等を介して賞球装置740から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿301へ払出される。一方、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数に達する前には、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれかに遊技球が入賞した場合において、直ぐには入賞口に応じた賞球数を遊技者に払い出すことなく、その入賞口に応じた賞球数を賞球数カウンタのカウント値に加算することを維持する。このように、不調時において、賞球数カウンタのカウント値への加算を停止したとしても、特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達するまでに、少なくとも3×390=1170個の賞球数が賞球数カウンタのカウント値にカウントされている。このため、不調時に陥ったとしても、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として、特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に至るまでの好調時に加算された多くの賞球数がカウントされており、大当りとなったことを契機として払い出される賞球数に対して期待することができる。また、不調時には、上記第一始動口2201、上記第二始動口2587bのいずれかに遊技球が入賞した場合において、その入賞口に応じた賞球数を遊技者に払い出すことで、特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に至るまでの好調時よりも、遊技者の持ち球の減少が緩和されるようになり、大当りとなったことを契機として払い出される賞球数に対して期待させながら、容易に遊技を継続させることができる。
なお、本実施形態では、第一特別乱数又は第二特別乱数の記憶数(保留数)が四つを超えて、上記第一始動口2201又は上記第二始動口2587bに遊技球が入賞した場合においても、その入賞に応じた賞球数を賞球数カウンタのカウント値に加算するようにしているが、第一特別乱数又は第二特別乱数の記憶数が四つを超えて、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が行われない入賞に対しては、その入賞に応じた賞球数を賞球数カウンタのカウント値に加算することなく、直ぐに払い出すようにしてもよい。この場合、低確率非時短状態(通常状態)においては上記第一始動口2201に遊技球が入賞した数に比例して、高確率時短状態(確変状態)においては上記第二始動口287bに遊技球が入賞した数に比例して、特別図柄の変動表示回数が増加することになる。なお、パチンコ機1の上部には、当日や前日において大当りとなった回数や、大当り遊技状態の終了後からの現在の特別図柄の変動表示回数、過去10回程度における大当り間に要した特別図柄の変動表示回数、等を表示することが可能なデータ表示器(図示しない)が設けられており、このデータ表示器を遊技者が視認することで、大当り遊技状態の終了後からの特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達する以前に次回の大当りになった状態が何回続いているのか、大当り遊技状態の終了後から現在の特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達しているか否か、を遊技者が把握することができる。そして、これらの情報を遊技者が把握することで、賞球数カウンタにカウントされている賞球数がどの位であるのか、大当りとなることを契機として賞球数(賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数)が払い出されることが可能であるのか、等を容易に認識することが可能となり、これらの情報を鑑みながら、その後の遊技を行うか否かを判断することができる。
また、本実施形態の一例では、上記第一始動口2201及び上記第二始動口2587bに応じた賞球数を賞球数カウンタに加算する期間として、時短状態又は非時短状態のいずれに制御されているかに関わらず、全ての期間を対象にしている。例えば、大当り遊技状態のうち長時間開放の大当り遊技状態であれば、その開放される上記第一大入賞口2102又は上記第二大入賞口2509に遊技球を入賞させることが容易であり、上記第一大入賞口2102又は上記第二大入賞口2509への入賞に応じた賞球が短時間で多量に払い出されていることから、直ぐには上記第一始動口2201及び上記第二始動口2587bに応じた賞球数を遊技者に払い出さなくても、その払い出されない実感を与えないようにすることができる。また、時短状態では、長時間開放の大当り遊技状態のように短時間で多量の払出しはないが、所謂右打ちを行わせることで上記第二始動口2587bに遊技球を入賞させることが非常に容易であり、単位時間当たりの特別図柄の変動表示回数が増大することから、特別図柄の抽選結果に遊技者が注目するようになり、直ぐには上記第一始動口2201及び上記第二始動口2587bに応じた賞球数を遊技者に払い出さなくても、その払い出されない実感を与えないようにすることができる。
また、本実施形態の一例では、前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達した後、大当りとなったことを契機として大当り遊技状態を実行した場合には、その大当り遊技状態の終了時点で、メイン液晶表示装置1900を用いて払出演出実行中フラグに基づいた払出演出を実行し、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を遊技者に払い出す旨を通知するようにしている。なお、本実施形態では、メイン液晶表示装置1900又はサブ液晶表示装置3111において、大当り開始コマンドや大当りラウンド開始コマンド等に基づいた演出として、大当り遊技状態の実行中における大当り遊技演出が、払出演出とは別個に、払出演出よりも前に実行されているが、大当り遊技演出と払出演出とが一体的に実行されるようにしてもよい。このように、大当り遊技演出と払出演出との一体的な演出を実行し、その実行中において大当り遊技状態を実行することで、例えば大当り遊技状態として短時間開放の大当り遊技状態を実行する場合において、上記アタッカユニット2100の開閉部材2104又は上記第二アタッカユニット2570の第二開閉部材2572を開放制御していることに気付かれ難くなり、長時間開放の大当り遊技状態とは異なり殆ど賞球が得られないといった損失感を遊技者に与え難くすることができる。また、本実施形態では、メイン液晶表示装置1900又はサブ液晶表示装置3111において、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数を表示するようにしている。これによれば、賞球数カウンタのカウント値に応じた賞球数として多くが表示されているほど、一度に多量の遊技球を得る権利を有することになり、遊技者が期待をもって遊技を行うことができる。
なお、本実施形態の一例では、上記第一始動口2201又は上記第二始動口2587bのいずれかの入賞口に入賞したときに、その入賞口に応じた賞球数を賞球数カウンタに加算して記憶するようにしているが、上記第一始動口2201又は上記第二始動口2587bの各々に入賞した数をカウントして記憶するようにしても同じである。この場合、前回の大当り遊技状態の終了後から特別図柄の変動表示回数が所定回数(本例では、390回)に達した後、大当りとなったことを契機として大当り遊技状態を実行した場合には、その大当り遊技状態の終了時点で、各々の入賞口に入賞した数に基づいて賞球数を算出し、この賞球数を遊技者に払い出すようにすればよい。
また、本実施形態の一例では、上記第一大入賞口2102及び上記第二大入賞口2509を除いた入賞口のうち、上記第一始動口2201及び上記第二始動口2587bに応じた賞球数を賞球数カウンタに加算するようにしているが、上記第一始動口2201及び上記第二始動口2587bの双方の始動口を対象とするのではなく、上記第一始動口2201又は上記第二始動口2587bのいずれか一方の始動口のみを対象としてもよい。例えば、低確率非時短状態(通常状態)などの非時短状態においては、上記第二始動口2587bへの遊技球の入賞が発生しないことから、上記第一始動口2201のみを対象とする一方、高確率時短状態(確変状態)などの時短状態においては、所謂右打ちする限りは上記第二始動口2587bへの遊技球の入賞のみが発生することから、上記第二始動口2587bのみを対象としてもよい。また、上記第一大入賞口2102及び上記第二大入賞口2509を除いた入賞口のうち、上記第一始動口2201及び上記第二始動口2587bだけでなく、上記一般入賞口2301に応じた賞球数も賞球数カウンタに加算するようにしてもよい。また、上記第一始動口2201や上記第二始動口2587b等の入賞口に応じた賞球数の全てを対象とするのではなく、例えば、2回の入賞のうち1回の入賞に応じた賞球数のみを賞球数カウンタに加算したり、賞球数として3個払い出すところを1個だけ直ぐに払い出して残りの2個を賞球数カウンタに加算したり等、するようにしてもよい。この場合、直ぐには上記第一始動口2201及び上記第二始動口2587bに応じた賞球数を遊技者に払い出さなくても、その払い出されない実感を与え難くすることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。