JP2015201698A - 通信装置、通信方法、及び、プログラム - Google Patents

通信装置、通信方法、及び、プログラム Download PDF

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Keiichi Hirano
圭一 平野
知浩 香取
Tomohiro Katori
知浩 香取
卓嗣 小林
Takatsugu Kobayashi
卓嗣 小林
輝 彭
Teru Ho
輝 彭
暢宏 金子
Nobuhiro Kaneko
暢宏 金子
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聖 岩崎
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Yuji Ogiwara
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Abstract

【課題】通信の接続状態に応じて発生する無駄な消費電力を低減することができるようにする。
【解決手段】通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、送信要求に対する送信処理を実行するタイミングを判断する遅延判断部と、送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、送信要求を、送信処理を実行する送信処理部に通知する送信要求制御部とを備える通信装置が提供されるようにする。本技術は、例えば、モバイルネットワークを通じてデータ通信を行うことが可能なモバイル機器に適用することができる。
【選択図】図3

Description

本技術は、通信装置、通信方法、及び、プログラムに関し、特に、通信の接続状態に応じて発生する無駄な消費電力を低減することができるようにした通信装置、通信方法、及び、プログラムに関する。
近年、スマートフォン等のデータ通信を行うモバイル機器が普及している。この種のモバイル機器では、低消費電力の要求があることから、省電力化のための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2013−503557号
ところで、この種のモバイル機器では、パケットの送受信をしていないときでも電力を消費している。この電力は、一定ではなく、いつでも通信基地局との間でデータの送受信を行える状態のときは、消費電力は高くなり、逆に、データの送受信の開始前に通信基地局と接続処理を必要とする状態では消費電力は低くなる。そのため、このような通信の接続状態に応じて発生する無駄な消費電力を低減したいという要求がある。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、通信の接続状態に応じて発生する無駄な消費電力を低減することができるようにするものである。
本技術の一側面の通信装置は、通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、前記送信要求に対する送信処理を実行するタイミングを判断する遅延判断部と、前記送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、前記送信要求を、前記送信処理を実行する送信処理部に通知する送信要求制御部とを備える通信装置である。
前記遅延判断部は、将来発生する通信と、データの送受信に続いて発生する接続維持のための電力であるテイルエナジーの予測結果に基づいて、前記送信処理を実行するタイミングを判断することができる。
前記遅延判断部は、あらかじめ定められた判断条件を用い、前記送信処理を実行するタイミングを判断することができる。
前記判断条件は、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含むようにすることができる。
将来発生する通信を予測する通信予測部をさらに備えるようにすることができる。
前記通信予測部は、あらかじめ定められた予測条件を用い、将来発生する通信を予測するようにすることができる。
前記予測条件は、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含むようにすることができる。
特定の判断条件に関する履歴情報に基づいて、前記判断条件を更新する判断条件学習部と、特定の予測条件に関する履歴情報に基づいて、前記予測条件を更新する予測条件学習部とをさらに備えるようにすることができる。
通信の接続状態を監視する通信接続状態監視部をさらに備えるようにすることができる。
前記送信要求を発生させる特定のアプリケーションの動作状態を監視する動作状態監視部をさらに備え、前記通信予測部は、前記特定のアプリケーションの動作状態に基づいて、将来発生する通信を予測するようにすることができる。
本技術の一側面の通信装置は、全要素を単一の装置としてもよいし、有線又は無線の通信を介して複数の装置に要素を分散してもよい。
本技術の一側面の通信方法及びプログラムは、本技術の一側面の通信装置に対応する通信方法及びプログラムである。
本技術の一側面の通信装置、通信方法、及び、プログラムにおいては、通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、前記送信要求に対する送信処理を実行するタイミングが判断され、前記送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、前記送信要求が、前記送信処理を実行する送信処理部に通知される。
本技術の一側面によれば、通信の接続状態に応じて発生する無駄な消費電力を低減することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
通信の接続状態の遷移と消費電力の関係を示す図である。 テイルエナジーを説明するための図である。 本技術を適用した通信装置の一実施の形態の構成を示す図である。 図3の通信装置により実行される基本の送信処理を説明するフローチャートである。 本技術を適用したインターネットラジオ専用端末の機能的な構成例を示す図である。 図5のインターネットラジオ専用端末により実行される第1の送信処理の流れを説明するフローチャートである。 図6のステップS207の判断処理で「Yes」と判断されるケースを示す図である。 図6のステップS208の判断処理で「Yes」と判断されるケースを示す図である。 図6のステップS209の判断処理で「Yes」と判断されるケースを示す図である。 図6のステップS209の判断処理で「Yes」と判断される他のケースを示す図である。 本技術を適用したスマートフォンの機能的な構成例を示す図である。 図11のスマートフォンにより実行される第2の送信処理の流れを説明するフローチャートである。 判断条件更新処理の流れを説明するフローチャートである。 予測条件更新処理の流れを説明するフローチャートである。 本技術を適用したスマートフォンの機能的な構成例を説明する図である。 図15のスマートフォンにより実行される第3の送信処理の流れを説明するフローチャートである。 コンピュータの構成例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.テイルエナジーの発生原理
2.システム構成
3.第1の実施の形態
4.第2の実施の形態
5.第3の実施の形態
6.コンピュータの構成
<1.テイルエナジーの発生原理>
(通信の接続状態の遷移と消費電力の関係)
図1は、通信の接続状態の遷移と消費電力の関係を示す図である。
図1には、現在普及しているLTE(Long Term Evolution)の場合における、モバイル機器の接続状態の遷移を示している。図1においては、「RRC Connected」が通信基地局との間で、パケット(データ)の送受信を行える状態を示し、「RRC Idle」がパケットの送受信の開始前に接続処理を必要とする状態を示している。したがって、RRC Idle状態である場合に、通信の送信要求が発生したときは、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移する必要がある。また、図1に示すように、RRC Connected状態では、消費電力が高くなる一方、RRC Idle状態では、消費電力が低くなる。
モバイル機器において、パケットの送受信が発生すると、それに引き続いてさらにパケットの送受信が発生する可能性が高い。そのため、一旦、RRC Connected状態になると、当該モバイル機器では、しばらくの間、そのまま通信基地局との接続を維持する。そして、RRC Connected状態が一定時間(例えば、数十秒)継続した後に、RRC Idle状態に遷移することになる。
このような、パケットの送受信に続いて発生する接続維持のための電力は、「テイルエナジー」と称されている。図2には、ある1パケットを送信したときの消費電力を模式的に示しているが、当該パケットの送受信後のRRC Connected状態を維持するための電力が、テイルエナジーとされる。
このテイルエナジーが発生すると、消費電力が高くことなることから、省電力の観点からすれば、できるだけテイルエナジーが発生しないようにすることが望ましい。そこで、本技術は、テイルエナジーの発生を抑制して、消費電力を低減することができるようにする。
なお、第3世代移動通信システム(3G:3rd Generation)の場合には、上述のLTEの場合と比べてもう少し複雑な状態遷移が行われるが、通信基地局との接続状態で消費電力が高くなり、切断状態となると消費電力が低くなって、接続状態になった後に、接続を一定時間維持することは、同様に行われている。
<2.システム構成>
(通信装置の基本構成)
図3は、本技術を適用した通信装置の一実施の形態の構成を示す図である。
通信装置10は、例えば、スマートフォンや携帯電話機、携帯型のインターネットラジオ専用端末、携帯音楽プレーヤ、タブレット端末装置等のモバイルネットワークを通じてデータ通信を行うことが可能なモバイル機器である。図3に示すように、通信装置10は、送信要求部101、送信要求制御部102、遅延判断部103、通信予測部104、通信接続状態監視部105、及び、送信処理部106から構成される。
送信要求部101は、ユーザ操作やアプリケーション、システム等の要求に応じて、通信の送信要求を、送信要求制御部102に供給する。
送信要求制御部102は、送信要求部101から通信の送信要求が供給された場合、その送信要求の遅延判断を、遅延判断部103に問い合わせる。送信要求制御部102は、遅延判断部103から、通信の送信要求に対する送信処理を実行すべき判断(以下、「処理判断」という。)を受け取るまで待機し、処理判断を受け取った時点で、通信の送信要求を送信処理部106に供給する。
遅延判断部103は、送信要求制御部102から、通信の送信要求に対する遅延判断の問い合わせを受けた場合、省電力の観点からその送信要求に対する送信処理を今処理するのか、あるいは遅延させて処理するのかを判断する。遅延判断部103は、通信の送信要求に対する送信処理を今処理すると判断した場合、そのタイミングで、処理判断を、送信要求制御部102に通知する。また、遅延判断部103は、通信の送信要求に対する送信処理を遅延させて処理すると判断した場合には、次にどのような条件で処理判断を通知するのかという遅延終了条件を確定する。そして、遅延判断部103は、遅延終了条件を満たした場合には、そのタイミングで、処理判断を、送信要求制御部102に通知する。
ここで、遅延判断部103で用いられる判断条件であるが、通信予測部104から供給される将来の通信予測の結果と、通信接続状態監視部105から供給される通信の接続状態の監視結果を用いることができる。なお、通信予測の結果や通信の接続状態の監視結果は、判断条件の一例であって、通信の送信要求に対する送信処理を行うタイミングを判断できる情報であれば、他の情報を用いることができる。
通信予測部104は、将来発生する通信を予測し、その予測の結果を、遅延判断部103に供給する。この通信予測処理では、例えば、通信の状態、アプリケーションの動作状態等のシステム内部の状態、ユーザの操作状態、位置情報等のセンシング情報、操作履歴等の履歴情報、学習結果、設定条件や設定値などの各種の情報を用いた予測が行われる。
通信接続状態監視部105は、モバイルネットワークを通じた通信基地局との通信の接続状態を常に監視し、その監視の結果を、遅延判断部103に供給する。この監視処理では、例えば、ある時点において電力が低い非接続状態(RRC Idle状態)であるか、あるいは電力が高い接続状態(RRC Connected状態)であるかが監視され、さらに、接続状態(RRC Connected状態)である場合には、その状態がどの時点まで継続するかなどが監視される。
送信処理部106は、送信要求制御部102から供給される通信の送信要求を取得して、当該送信要求に応じて送信処理を実行する。
(基本の送信処理)
次に、図4のフローチャートを参照して、図3の通信装置10により実行される基本の送信処理の流れを説明する。
ステップS101において、送信要求部101は、送信要求制御部102に、通信の送信要求を伝える。そして、送信要求部101からの通信の送信要求が、送信要求制御部102に伝えられると、ステップS102において、送信要求制御部102は、その送信要求に対する遅延判断を、遅延判断部103に問い合わせる。
ステップS103において、遅延判断部103は、送信要求制御部102からの問い合わせに応じて、その送信要求に対する送信処理を今処理するか、あるいは、遅らせて処理するかを判断する。ステップS103において、通信の送信要求に対する送信処理を今処理すると判断された場合、処理はステップS104に進められる。
ステップS104において、遅延判断部103は、ステップS103の判断結果に従い、送信要求制御部102に、処理判断を伝える。そして、遅延判断部103からの処理判断が、送信要求制御部102に伝えられると、ステップS105において、送信要求制御部102は、送信処理部106に、通信の送信要求を伝える。
ステップS106において、送信処理部106は、送信要求制御部102から伝えられる通信の送信要求に応じて、送信処理を実行する。このように、遅延判断部103による処理判断が、今処理すべきとの判断であった場合には、送信処理部106による送信処理は遅延されずに、直ちに実行されることになる。
一方、ステップS103において、通信の送信要求に対する送信処理を遅らせて処理すると判断された場合、処理は、ステップS107に進められる。ステップS107において、遅延判断部103は、次にどのような条件で処理を行うかの遅延終了条件を確定する。ステップS107で、遅延終了条件が確定されると、処理は、ステップS108に進められる。
ステップS108において、遅延判断部103は、ステップS107で確定された遅延終了条件を満たしたかどうかを判断する。ステップS108において、遅延終了条件を満たしていないと判断された場合、ステップS108の判断処理が繰り返し実行される。一方、ステップS108において、遅延終了条件を満たしたと判断された場合、処理は、ステップS104に進められる。
ステップS104乃至S106においては、上述したように、送信要求制御部102からの通信の送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになる。このように、遅延判断部103による処理判断が、遅らせて処理すべきとの判断であった場合には、所定の遅延終了条件を満たすまで送信処理が遅延され、所定の遅延終了条件を満たしてから、送信処理が実行されることになる。
ステップS106の処理が終了すると、図4の基本の送信処理は終了する。
以上、図3及び図4を参照して、基本の送信処理を実行する通信装置10について説明したが、以下、より具体的な送信処理を実行する通信装置の構成について説明する。ここでは、本技術を適用した通信装置として、携帯型のインターネットラジオ専用端末と、スマートフォンの構成を説明する。
<3.第1の実施の形態>
まず、第1の実施の形態においては、本技術を適用した通信装置として、携帯型のインターネットラジオ専用端末について説明する。
ここでは、インターネットラジオ専用端末が、LTE(Long Term Evolution)等のモバイルネットワークを通じて、主として音声で番組が配信されるインターネットラジオ放送を受信する場合に、30秒に1回のサイクルでモバイルネットワークに接続して消費電力の高い、RRC Connected状態に遷移すると想定する。また、インターネットラジオ専用端末は、RRC Connected状態に遷移すると、インターネットラジオ放送の放送コンテンツのリクエスト送信と、放送コンテンツ受信の通信処理を行い、通信処理を終了してから、10秒間はRRC Connected状態を維持し、その後、消費電力の低い、RRC Idle状態に遷移すると想定する。
また、ユーザは、インターネットラジオ放送の放送内容に対して、例えば「好き」や「嫌い」等のフィードバック用の評価を、インターネットラジオ専用端末によって入力し、モバイルネットワークを通じて、放送コンテンツを提供するプロバイダのサーバに送信することができる。
しかしながら、インターネットラジオ専用端末において、通信の接続状態がRRC Idle状態のタイミングで、フィードバックの送信処理を実行すると、通信の接続状態がRRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移することになって、RRC Connected状態に留まる時間を増やしてしまい、消費電力を増大させてしまうことになる。また、インターネットラジオ専用端末において、通信の接続状態がRRC Connected状態であっても、RRC Idle状態に遷移する直前に、フィードバックの送信処理を実行すると、やはり、RRC Connected状態に留まる時間を増やしてしまい、消費電力を増大させてしまうことになる。
そこで、本技術を適用したインターネットラジオ専用端末においては、将来発生する通信を予測し、通信の送信要求に対する送信処理を今処理するか、あるいは、遅らせて、次にどのような条件で処理するかを判断する仕組みを提供することで、インターネットラジオ放送の放送コンテンツの通信処理と、フィードバックの通信処理を同時に実行することによる、通信の接続状態がRRC Connected状態に留まる時間を抑制できるようにする。
(インターネットラジオ専用端末の構成例)
図5は、本技術を適用したインターネットラジオ専用端末の機能的な構成例を示す図である。
インターネットラジオ専用端末10Aは、モバイルネットワークを通じてインターネットラジオ放送の放送コンテンツを受信可能な携帯型の専用端末である。図5に示すように、インターネットラジオ専用端末10Aは、送信要求部101、送信要求制御部102、遅延判断部103、通信予測部104、通信接続状態監視部105、及び、送信処理部106から構成される。
すなわち、インターネットラジオ専用端末10Aの構成は、基本的に、図3の通信装置10と同様の構成とされるが、送信要求部101は、ラジオ放送受信アプリケーション121及びフィードバックアプリケーション122を含んで構成されている。また、インターネットラジオ専用端末10Aにおいて、遅延判断部103は、判断条件131を用いて遅延の判断処理を行い、通信予測部104は、予測条件132を用いて通信の予測処理を行うことになる。
ラジオ放送受信アプリケーション121は、インターネットラジオ放送の放送コンテンツを受信するための専用のアプリケーションである。ラジオ放送受信アプリケーション121は、ユーザ操作等に応じて、放送コンテンツのリクエストをするための通信の送信要求を、送信要求制御部102に供給する。
フィードバックアプリケーション122は、放送コンテンツの内容に対する、例えば、「好き」や「嫌い」等のユーザの評価をフィードバックするためのアプリケーションである。フィードバックアプリケーション122は、ユーザ操作に応じて、ユーザの評価をフィードバックするための通信の送信要求を、送信要求制御部102に供給する。
送信要求制御部102には、ラジオ放送受信アプリケーション121からの放送コンテンツのリクエストの通信の送信要求、又は、フィードバックアプリケーション122からの評価のフィードバックの通信の送信要求が供給される。送信要求制御部102は、放送コンテンツのリクエストの通信の送信要求、又は、評価のフィードバックの通信の送信要求を、送信処理部106に供給するに際して、通信の送信要求のフロー制御を行う。
送信要求制御部102は、ラジオ放送受信アプリケーション121又はフィードバックアプリケーション122から通信の送信要求が供給された場合、その送信要求に対する遅延判断を、遅延判断部103に問い合わせる。送信要求制御部102は、遅延判断部103からの処理判断が通知されるまで、その送信要求を滞留させる。送信要求制御部102は、遅延判断部103からの処理判断が通知された場合、当該処理判断が通知されたタイミングで、滞留(遅延)させていた通信の送信要求を、送信処理部106に供給する。
遅延判断部103は、送信要求制御部102から、通信の送信要求に対する遅延判断の問い合わせを受けた場合、省電力の観点からその送信要求に対する送信処理を今処理するのか、あるいは遅延させて処理するのかを判断する。遅延判断部103は、通信の送信要求に対する送信処理を今処理すると判断した場合、そのタイミングで、処理判断を、送信要求制御部102に通知する。また、遅延判断部103は、通信の送信要求に対する送信処理を遅延させて処理すると判断した場合には、遅延終了条件を確定する。そして、遅延判断部103は、遅延の終了条件を満たした場合には、そのタイミングで、処理判断を、送信要求制御部102に供給する。
ここで、遅延判断部103は、通信予測部104から供給される将来の通信予測の結果と、通信接続状態監視部105から供給される通信の接続状態の監視結果を用いて判断を行う。また、遅延判断部103は、判断条件131を用いて判断を行うことができる。
判断条件131には、例えば、以下の判断条件が列挙されている。
(1)判断条件1:ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求に対する送信処理は遅延させない。
(2)判断条件2:通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態が、RRC Connected状態で、その後6秒以上、RRC Connected状態が継続するのであれば、通信の送信要求に対する送信処理を直ぐに実行する。
(3)判断条件3:通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態で、次の通信予測が4秒後以内であれば、通信の送信要求に対する送信処理を直ぐに実行する。また、次の通信予測が4秒後以降であれば、通信の送信要求に対する送信処理を遅延させる。
(4)判断条件4:フィードバックアプリケーション122の最大遅延許容時間は、10秒とする。
(5)判断条件5:通信の送信要求に対する送信処理の遅延中に、通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移した場合には、直ぐに遅延を終了する。
なお、ここに列挙された判断条件は、判断条件131の一例であって、通信の送信要求に対する送信処理を行うタイミングを判断可能な情報であれば、他の判断条件を用いることができる。例えば、判断条件には、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含むようにすることができる。
通信予測部104は、将来発生する通信を予測し、その予測の結果を、遅延判断部103に供給する。ここで、通信予測部104は、遅延判断部103による、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求に対する処理判断を用いて通信の予測を行うことができる。また、通信予測部104は、予測条件132を用いて通信の予測を行うことができる。
予測条件132には、例えば、以下の予測条件が挙げられている。
(1)予測条件1:通信の送信要求の処理判断から11秒間は、通信の接続状態がRRC Connected状態になると仮定する。通信の送信要求の処理判断から11秒以降で、30秒後までは、通信の接続状態がRRC Idle状態となり、30秒後に、再度、RRC Connected状態に遷移するサイクルを繰り返すと仮定する。
なお、ここに挙げた予測条件は、予測条件132の一例であって、将来発生する通信を予測可能な情報であれば、他の予測条件を用いることができる。例えば、予測条件には、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含むようにすることができる。
通信接続状態監視部105は、通信基地局との接続状態を常に監視し、その監視の結果を、遅延判断部103に供給する。この監視処理では、例えば、ある時点においてRRC Idle状態であるか、あるいはRRC Connected状態であるかが監視され、さらに、RRC Connected状態である場合には、その状態がどの時点まで継続するかが監視される。
送信処理部106は、送信要求制御部102から供給される通信の送信要求を取得して、当該送信要求に応じて送信処理を実行する。
インターネットラジオ専用端末10Aは、以上のように構成されるが、図5の構成は機能的な構成の一部を示しているため、実際には、インターネットラジオ放送の再生と、フィードバック用の評価を実現するための機能として、放送コンテンツ再生部や入力部、スピーカ、表示部などが設けられている。
(第1の送信処理)
次に、図6のフローチャートを参照して、図5のインターネットラジオ専用端末10Aにより実行される第1の送信処理の流れについて説明する。
ステップS201において、送信要求部101は、ラジオ放送受信アプリケーション121又はフィードバックアプリケーション122等からの通信の送信要求を、送信要求制御部102に伝える。そして、送信要求部101からの通信の送信要求が、送信要求制御部102に伝えられると、ステップS202において、送信要求制御部102は、その送信要求に対する遅延判断を、遅延判断部103に問い合わせる。
ステップS203において、遅延判断部103は、送信要求制御部102からの問い合わせに応じて、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求であるかどうかを判断する。すなわち、ステップS203の判断処理では、判断条件131の判断条件1が用いられている。
ステップS203において、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求であると判断された場合、処理は、ステップS204に進められる。ステップS204乃至S206においては、図4のステップS104乃至S106と同様に、送信要求制御部102からの通信の送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、送信処理を実行することになる。これにより、遅延することなく直ちに、ラジオ放送受信アプリケーション121からの送信要求に応じて、送信処理が行われることになる。
一方、ステップS203において、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求ではないと判断された場合、処理は、ステップS207に進められる。ステップS207において、遅延判断部103は、通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態に基づいて、接続状態が、RRC Connected状態で、かつ、RRC Connected状態が6秒以上継続するかどうかを判断する。すなわち、ステップS207の判断処理では、判断条件131の判断条件2が用いられている。
ステップS207において、接続状態が、RRC Connected状態で、かつ、RRC Connected状態が6秒以上継続すると判断された場合、処理は、ステップS204に進められる。この場合、ステップS204乃至S206においては、送信要求制御部102からの通信の送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになる。
また、ステップS207の判断条件を満たさない場合には、処理は、ステップS208に進められる。ステップS208において、遅延判断部103は、通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態に基づいて、RRC Idle状態で、次の通信が4秒後以内に発生すると予測されるかどうかを判断する。すなわち、ステップS208の判断処理では、判断条件131の判断条件3が用いられている。
ステップS208において、RRC Idle状態で、次の通信が4秒後以内に発生すると予測される場合、処理は、ステップS204に進められる。この場合、ステップS204乃至S206においては、送信要求制御部102からの通信の送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになる。
また、ステップS208の判断条件を満たさない場合には、処理は、ステップS209に進められる。ステップS209において、遅延判断部103は、通信の送信要求がフィードバックアプリケーション122から伝えられた場合に、その最大遅延許容時間(10秒)に達したか、あるいは、通信の送信要求に対する送信処理の遅延中に、通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移したかどうかを判断する。すなわち、ステップS209の判断処理では、判断条件131の判断条件4と判断条件5が用いられている。
ステップS209において、最大遅延許容時間(10秒)に達したと判断された場合、あるいは、接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移したと判断された場合、処理は、ステップS204に進められる。この場合、ステップS204乃至S206においては、送信要求制御部102からの通信の送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになる。
また、ステップS209の判断条件を満たさない場合には、ステップS209の判断処理が繰り返される。そして、ステップS209の判断条件を満たした場合には、処理は、ステップS204に進められ、通信の送信要求に対する送信処理が実行されることになる(ステップS204乃至S206)。
ステップS206の処理が終了すると、図6の第1の送信処理は終了する。
以上、インターネットラジオ専用端末10Aにより実行される第1の送信処理について説明した。この第1の送信処理においては、ラジオ放送受信アプリケーション121又はフィードバックアプリケーション122等からの通信の送信要求が発生した場合に、遅延判断部103によって、判断条件1乃至判断条件5等の判断条件131に基づいた判断処理が行われて、当該送信要求に対する送信処理を今処理すべきと判断された場合に送信処理が行われる一方、遅らせて処理すべきと判断された場合には、遅延終了条件を満たすまで、送信処理が遅延されることになる。
例えば、通信の接続状態がRRC Idle状態のタイミングで、フィードバックの送信処理を実行すると、通信の接続状態がRRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移することになって、消費電力を増大させてしまうことになるが、このような遅延判断処理が行われることで、RRC Connected状態に留まる時間を可能な限り短くして、無駄な消費電力を低減することができる。
また、例えば、通信の接続状態がRRC Connected状態であっても、RRC Idle状態に遷移する直前に、フィードバックの送信処理を実行すると、やはり、消費電力を増大させてしまうことになるが、このような遅延判断処理が行われることで、RRC Connected状態に留まる時間を可能な限り短くして、無駄な消費電力を低減することができる。
すなわち、このような遅延判断処理が行われることで、通信の応答性を損なうことなく、テイルエナジーの発生を抑制して、無駄な消費電力を低減することができる。また、通信の応答性を損なわないことから、ユーザが通信応答性に不便に感じることはない。さらに、ユーザ操作に制約を与えずに、省電力を実現することができる。
(遅延判断結果とその時点での通信の接続状態の関係)
ここで、図7乃至図10を参照して、遅延判断部103による遅延判断結果とその時点での通信の接続状態の関係を、具体的なケースを例示して説明する。
(1)ケース1
まず、図7のタイミングチャートを参照して、図6のステップS207の判断処理で、「Yes」と判断されるケースについて説明する。
図7において、図7Aと、図7Cは、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求と、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求の発生のタイミングを矢印により示している。また、図7Bと、図7Dはともに、通信の接続状態を表しているが、図7Bが現時点での通信の接続状態を表しているのに対して、図7Dが遅延判断部103による遅延判断処理の結果得られる通信の接続状態を表している点で異なる。また、図7において、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。なお、これらの関係は、基本的に後述する他の図でも同様とされる。
図7Cに示すように、現時点において、フィードバックアプリケーション122による通信の送信要求が発生したとき、図7Aに示すように、現時点を基準にして、過去となる3秒前に、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生しており、さらに、27秒後と57秒後にもラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生すると予測されている。
また、図7Bに示すように、判断条件131の判断条件1によって、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求は遅延させないため、当該送信要求が発生すると、通信の接続状態は、RRC Idle状態からRRC Connectedに遷移する。そして、現時点においては、通信の接続状態は、RRC Connectedで、かつ、RRC Connected状態が6秒以上継続するので、図6のステップS207の判断処理において、「Yes」と判断されることになる。
その結果、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになるが、図7Dに示すように、この場合、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求がなかった場合と比べて、RRC Connected状態が3秒だけ長くなるだけで済むと予測されるため、直ぐに処理してもテイルエナジーはそれほど増大しないので、消費電力を低減することができる。
(2)ケース2
次に、図8のタイミングチャートを参照して、図6のステップS208の判断処理で、「Yes」と判断されるケースについて説明する。
図8Cに示すように、現時点において、フィードバックアプリケーション122による通信の送信要求が発生したとき、図8Aに示すように、現時点を基準にして、2秒後と32秒後にラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生すると予測されている。
また、図8Bに示すように、現時点での通信の接続状態はRRC Idle状態となるが、2秒後にラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生して、通信の接続状態がRRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移することになるので、図6のステップS208の判断処理において、「Yes」と判断されることになる。
その結果、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになるが、図8Dに示すように、この場合、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求がなかった場合と比べて、RRC Connected状態が2秒だけ長くなるだけで済むと予測されるため、直ぐに処理してもテイルエナジーはそれほど増大しないので、消費電力を低減することができる。
(3)ケース3
次に、図9のタイミングチャートを参照して、図6のステップS209の判断処理で、「Yes」と判断されるケースについて説明する。
図9Cに示すように、現時点においてフィードバックアプリケーション122による通信の送信要求が発生したとき、図9Aに示すように、現時点を基準にして、過去となる16秒前に、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生しており、さらに、14秒後と44秒後にもラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生すると予測されている。
また、図9Bに示すように、現時点での通信の接続状態はRRC Idle状態であって、通信の接続状態がRRC Connected状態に遷移するのは、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生する14秒後であると予測される。また、判断条件131に、判断条件4として列挙されているように、フィードバックアプリケーション122の最大遅延許容時間は10秒とされている。
すなわち、この場合、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求に応じた送信処理を直ぐには実行せず、図6のステップS209の判断条件を満たすまで、ステップS209のループが繰り返される。そして、図9Dに示すように、通信の接続状態がRRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移する14秒後よりも先に、フィードバックアプリケーション122の最大遅延許容時間である10秒後に達するので、その時点で、遅延させていた通信の送信要求に応じて、送信処理を実行する。
この場合、図9Eに示すように、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求がなかった場合と比べて、RRC Connected状態が4秒だけ長くなるだけで済むと予測されるため、テイルエナジーはそれほど増大しないので、消費電力を低減することができる。
(4)ケース4
最後に、図10のタイミングチャートを参照して、図6のステップS209の判断処理で、「Yes」と判断される他のケースについて説明する。
図10Cに示すように、現時点においてフィードバックアプリケーション122による通信の送信要求が発生したとき、図10Aに示すように、現時点を基準にして、過去となる10秒前に、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生しており、さらに、20秒後と50秒後にもラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生すると予測されている。
また、図10Bに示すように、現時点での通信の接続状態はRRC Connected状態であるが、RRC Connected状態は6秒以上継続せず、次に、通信の接続状態がRRC Connected状態に遷移するのは、ラジオ放送受信アプリケーション121からの通信の送信要求が発生する20秒後であると予測される。つまり、次の通信予測が4秒後以内でもない。また、判断条件131に、判断条件4として列挙されているように、フィードバックアプリケーション122の最大遅延許容時間は10秒とされる。
すなわち、この場合、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求に応じた送信処理を直ぐには実行せず、図6のステップS209の判断条件を満たすまで、ステップS209のループが繰り返される。そして、図10Dに示すように、通信の接続状態がRRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移する20秒後よりも先に、フィードバックアプリケーション122の最大遅延許容時間である10秒後に達するので、その時点で、遅延させていた通信の送信要求に応じて、送信処理を実行する。
この場合、図10Eに示すように、フィードバックアプリケーション122からの通信の送信要求がなかった場合と比べて、RRC Connected状態が10秒だけ長くなってしまうが、フィードバックアプリケーション122の最大遅延許容時間をキープすることができるので、例えば、インターネットラジオ放送の放送内容に対する「好き」や「嫌い」等の評価を、最大限許容できる遅延時間内で、プロバイダのサーバに送信することができる。つまり、この場合、通信の応答性を損なわないことから、ユーザが通信応答性に不便に感じることはない。
<4.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態においては、本技術を適用した通信装置として、複数のアプリケーションを実行するスマートフォンについて説明する。
ところで、従来のスマートフォンでは、複数のアプリケーションが通信の接続状態に関係なく、通信の送信要求を発生させることから、通信の送信要求の度に送信処理を実行してしまうと、通信の接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移し、パケット(データ)の送受信を終えた後、しばらくの間、パケットの送受信を行っていないにもかかわらず、RRC Connected状態を維持してしまうという状況が高い頻度で発生する可能性があった。このような場合に、RRC Connected状態を維持すると、RRC Connected状態における消費電力の多くが無駄な消費電力となってしまう。
そこで、本技術を適用したスマートフォンにおいては、将来発生する通信を予測し、通信の送信要求に対する送信処理を今処理するか、あるいは、遅らせて、次にどのような条件で処理するかを判断する仕組みを提供することで、複数のアプリケーションで行われる通信処理が、なるべく近いタイミングで実行されるようにする。その結果、RRC Connected状態を維持することによる無駄な消費電力を抑制することができる。また、本技術を適用したスマートフォンにおいては、履歴の学習によって、さらなる省電力通信を実現できるようにする。
(スマートフォンの構成例)
図11は、本技術を適用したスマートフォンの機能的な構成例を示す図である。
スマートフォン10Bは、モバイルネットワークを通じて各種のサービスを提供するサーバ等との間で、パケット(データ)の送受信を行うことが可能な携帯通信端末である。図11に示すように、スマートフォン10Bは、送信要求部101、送信要求制御部102、遅延判断部103、通信予測部104、送信処理部106、状態監視部107、履歴保持部108、判断条件学習部109、及び、予測条件学習部110から構成される。
すなわち、スマートフォン10Bは、基本的に、図3の通信装置10と同様の構成とされるが、送信要求部101は、アプリケーション141−1乃至141−Nを含んで構成される。また、スマートフォン10Bにおいては、図3の通信接続状態監視部105の代わりに、状態監視部107が設けられ、さらに、履歴保持部108、判断条件学習部109、及び、予測条件学習部110が新たに設けられている。さらにまた、スマートフォン10Bにおいて、遅延判断部103は、判断条件151を用いて遅延の判断処理を行い、通信予測部104は、予測条件152を用いて通信の予測処理を行うことになる。
アプリケーション141−1乃至141−N(Nは1以上の整数)は、スマートフォン10Bが実行可能な各種のアプリケーションである。アプリケーション141−1乃至141−Nは、ユーザ操作等に応じて、通信の送信要求を、送信要求制御部102に供給する。
なお、アプリケーション141−1乃至141−Nは、スマートフォン10Bにあらかじめインストールされているか、あるいは、モバイルネットワークを通じて各種のサービスを提供する専用のサーバからダウンロードされる。また、以下、アプリケーション141−1乃至141−Nを区別する必要がない場合、単に、アプリケーション141と称して説明する。
送信要求制御部102は、アプリケーション141からの通信の送信要求を、送信処理部106に供給するに際して、通信の送信要求のフロー制御を行う。すなわち、送信要求制御部102は、アプリケーション141から通信の送信要求が供給された場合、その送信要求に対する遅延判断を、遅延判断部103に問い合わせる。送信要求制御部102は、遅延判断部103からの処理判断が通知されるまで、その送信要求を滞留させる。送信要求制御部102は、遅延判断部103からの処理判断が通知された場合、当該処理判断が通知されたタイミングで、滞留(遅延)させていた通信の送信要求を、送信処理部106に供給する。
送信処理部106は、送信要求制御部102から供給される通信の送信要求を取得して、当該送信要求に応じて送信処理を実行する。
遅延判断部103は、送信要求制御部102から、通信の送信要求に対する遅延判断の問い合わせを受けた場合、省電力の観点からその送信要求に対する送信処理を今処理するのか、あるいは遅延させて処理するのかを判断する。遅延判断部103は、通信の送信要求に対する送信処理を今処理すると判断した場合、そのタイミングで、処理判断を、送信要求制御部102に通知する。また、遅延判断部103は、通信の送信要求に対する送信処理を遅延させて処理すると判断した場合には、遅延終了条件を確定する。そして、遅延判断部103は、遅延終了条件を満たした場合には、そのタイミングで、処理判断を、送信要求制御部102に供給する。
ここで、遅延判断部103は、通信予測部104から供給される将来の通信予測の結果と、状態監視部107から供給される各種の状態の監視結果を用いて判断を行う。なお、各種の状態の監視結果には、通信の状態(例えば通信の接続状態)、アプリケーション141の状態、ユーザの視線、及び、現在位置、定義情報等のスマートフォン10Bやそのユーザに関する各種の状態に関する情報が含まれる。また、遅延判断部103は、判断条件151を用いて判断を行うことができる。
判断条件151には、例えば、以下の判断条件が列挙されている。
(1)判断条件6:特定のアプリケーション141(例えば、アプリケーション141−1)からの通信の送信要求に対する送信処理は、次の通信予測が3秒以内ならば直ぐに送信し、3秒を超える場合には遅延させる。
(2)判断条件7:スマートフォン10Bの表示部(不図示)の画面を、ユーザが見ていないことが検知された場合には、最大遅延許容時間を、1分まで引き延ばす。
(3)判断条件8:特定の場所で通信を実行するアプリケーション141が複数ある場合に、それらのアプリケーション141(例えば、アプリケーション141−2乃至141−4)をグルーピングし、ユーザが特定の場所に来たときには、グルーピングされたすべてのアプリケーション141のリクエストの準備ができるまで、その通信の送信要求に対する送信処理を遅延させる。
(4)判断条件9:画像データのリクエストの通信の送信要求は、最大遅延許容時間を10秒とする。
(5)判断条件10:特定のアプリケーション141(例えば、アプリケーション141−4)からの通信の送信要求に対する送信処理は遅延させない。
(6)判断条件11:状態監視部107から取得される通信の接続状態が、RRC Connected状態で、その後6秒以上、RRC Connected状態が継続するのであれば、通信の送信要求に対する送信処理を直ぐに実行する。
(7)判断条件12:状態監視部107から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態で、次の通信予測が4秒後以内であれば、通信の送信要求に対する送信処理を直ぐに実行する。また、次の通信予測が4秒後以降であれば、通信の送信要求に対する送信処理を遅延させる。
(8)判断条件13:特定のアプリケーション141(例えば、アプリケーション141−5)の最大遅延許容時間は、10秒とする。
(9)判断条件14:通信の送信要求に対する送信処理の遅延中に、状態監視部107から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移した場合には、直ぐに遅延を終了する。
なお、ここに列挙された判断条件は、判断条件151の一例であって、通信の送信要求に対する送信処理を行うタイミングを判断可能な情報であれば、他の判断条件を用いることができる。例えば、判断条件には、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含むようにすることができる。
例えば、判断条件6では、判断条件の時間を3秒としたが、例えば5秒など、アプリケーション141ごとに異なる判断条件を保持しておくことができる。また、判断条件7の引き延ばし時間は、1分に限らず、30秒など、アプリケーション141ごとに異なる判断条件を保持しておくことができる。さらに、判断条件7のユーザが画面を見ていないことを検知する方法としては、視線センサ等によるセンシング情報やユーザの行動の認識情報などを用いることができる。
また、例えば、判断条件8では、ユーザが特定の場所に来たかどうかは、GPS(Global Positioning System)などの位置情報を用いて判断することができる。また、複数のアプリケーションをグルーピングする条件は、特定の場所で通信を実行することに限らず、他の条件を用いてもよい。さらに、判断条件9において、画像データはデータの種別の一例であって、画像データのほか、例えばテキストや音声データなど、データの種別ごとに、最大遅延許容保持時間を保持しておくことができる。
通信予測部104は、状態監視部107から供給される各種の状態の監視結果を用いて、将来発生する通信の予測を行う。ここで、各種の状態の監視結果には、通信の状態(例えば通信の接続状態)、アプリケーション141の状態、ユーザの視線、及び、現在位置、定義情報等のスマートフォン10Bやそのユーザに関する各種の状態に関する情報が含まれる。また、通信予測部104は、予測条件152を用いて通信の予測を行うことができる。
予測条件152には、例えば、以下の予測条件が列挙されている。
(1)予測条件2:特定のアプリケーション(例えば、アプリケーション141−2)において、その状態が状態Aである場合、通信パターンA1、通信パターンA2、又は、通信パターンA3のいずれかの通信パターンが発生し、その状態が状態Bである場合には、通信パターンB1、通信パターンB2、又は、通信パターンB3のいずれかの通信パターンが発生すると仮定する。
(2)予測条件3:現在の時間は、モバイルネットワークを通じてリクエストを送信した特定のサーバからのレスポンスには、3秒かかると仮定する。
なお、ここに列挙された予測条件は、予測条件152の一例であって、将来発生する通信を予測可能な情報であれば、他の予測条件を用いることができる。例えば、予測条件には、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含むようにすることができる。
例えば、予測条件2では、特定のアプリケーション141の状態に応じた通信パターンを一例に説明したが、他のアプリケーション141についても同様に、状態に応じた通信パターンを予測条件とすることができる。つまり、アプリケーション141ごとに、予測条件を保持することができる。また、例えば、予測条件3では、現在の時間において、特定のサーバからのレスポンスは3秒かかるとしたが、このレスポンスにかかる時間は時間帯ごとに変動するものである。つまり、時間帯ごとに変動する予測条件を保持することができる。
状態監視部107は、通信の状態(例えば通信の接続状態)、アプリケーション141の状態、ユーザの視線、及び、現在位置等のスマートフォン10Bやそのユーザに関する各種の状態を常に監視し、その監視の結果を、遅延判断部103、通信予測部104、及び、履歴保持部108に供給する。例えば、ユーザの視線情報は、視線センサ等によるセンシング情報により得られる。また、現在位置は、GPSなどの位置情報から得られる。
履歴保持部108は、状態監視部107から供給される各種の状態の監視結果を、履歴情報として時系列で保持する。履歴保持部108は、判断条件学習部109又は予測条件学習部110からの要求に応じて、保持している履歴情報を、判断条件学習部109又は予測条件学習部110に供給する。
判断条件学習部109は、履歴保持部108から供給される履歴情報に基づいて、現時点での判断条件151の内容とは別の判断条件を用いた場合に、より省電力となるかどうかを解析して学習する。判断条件学習部109は、判断条件の解析結果に従い、現時点での判断条件151の内容とは別の判断条件を用いた場合に、より省電力になるとの解析結果が得られたときには、判断条件151の内容を、別の判断条件の内容に更新する。
予測条件学習部110は、履歴保持部108から供給される履歴情報に基づいて、各種の状態の監視結果についての履歴の統計を取って、これまでの予測条件がもっとも起こりうるパターンであったかどうかを解析して学習する。予測条件学習部110は、予測条件の解析結果に従い、必要に応じて、予測条件152の内容を、別の予測条件の内容に更新する。
スマートフォン10Bは、以上のように構成されるが、図11の構成は機能的な構成の一部を示しているため、実際には、例えば音声通話や画像撮影などを実現するための機能として、音声通話部やカメラ部、入力部、スピーカ、表示部などが設けられる。
また、図11の構成では、履歴保持部108、判断条件学習部109、及び、予測条件学習部110は、スマートフォン10Bの内部に設けられるとして説明したが、例えば、履歴保持部108、判断条件学習部109、及び、予測条件学習部110の機能の一部又は全部を外部のサーバに設けるようにしてもよい。
この場合、例えば、スマートフォン10Bにおいて、状態監視部107により取得される各種の状態の監視結果が、モバイルネットワークを通じて外部のサーバに記録され、更新用の判断条件や予測条件は、所定の更新のタイミングで、外部のサーバから取得されることになる。また、外部のサーバは、スマートフォン10Bについての履歴情報だけでなく、例えば他のスマートフォンについての履歴情報も管理することで、複数のスマートフォンから得られる履歴情報をまとめて学習して、最適な判断条件や予測条件を提供できるようにしてもよい。
(第2の送信処理)
次に、図12のフローチャートを参照して、図11のスマートフォン10Bにより実行される第2の送信処理の流れについて説明する。
ステップS301において、送信要求部101は、アプリケーション141からの通信の送信要求を、送信要求制御部102に伝える。そして、送信要求部101からの通信の送信要求が、送信要求制御部102に伝えられると、ステップS302において、送信要求制御部102は、その送信要求に対する遅延判断を、遅延判断部103に問い合わせる。
ステップS303において、遅延判断部103は、送信要求制御部102からの問い合わせに応じて、特定のアプリケーション141からの通信の送信要求であるかどうかを判断する。すなわち、ステップS303の判断処理では、判断条件151の判断条件10が用いられている。
ステップS303において、特定のアプリケーション141からの通信の送信要求であると判断された場合、処理は、ステップS304に進められる。ステップS304乃至S306においては、図4のステップS104乃至S106と同様に、送信要求制御部102からの送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、送信処理を実行することになる。これにより、遅延することなく直ちに、特定のアプリケーション141からの要求に応じて、送信処理が行われることになる。
一方、ステップS303において、特定のアプリケーション141からの通信の送信要求ではないと判断された場合、処理は、ステップS307に進められる。ステップS307において、遅延判断部103は、状態監視部107から取得される通信の接続状態に基づいて、接続状態が、RRC Connected状態で、かつ、RRC Connected状態が6秒以上継続するかどうかを判断する。すなわち、ステップS307の判断処理では、判断条件151の判断条件11が用いられている。
ステップS307において、接続状態が、RRC Connected状態で、かつ、RRC Connected状態が6秒以上継続すると判断された場合、処理は、ステップS304に進められる。この場合、ステップS304乃至S306においては、送信要求制御部102からの通信の送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになる。
また、ステップS307の判断条件を満たさない場合には、処理は、ステップS308に進められる。ステップS308において、遅延判断部103は、状態監視部107から取得される通信の接続状態に基づいて、RRC Idle状態で、次の通信が4秒後以内に発生すると予測されるかどうかを判断する。すなわち、ステップS308の判断処理では、判断条件151の判断条件12が用いられている。
ステップS308において、RRC Idle状態で、次の通信が4秒後以内に発生すると予測される場合、処理は、ステップS304に進められる。この場合、ステップS304乃至S306においては、送信要求制御部102からの通信の送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになる。
また、ステップS308の判断条件を満たさない場合には、処理は、ステップS309に進められる。ステップS309において、遅延判断部103は、通信の送信要求が特定のアプリケーション141から伝えられた場合に、その最大遅延許容時間(10秒)に達したか、あるいは、通信の送信要求に対する送信処理の遅延中に、状態監視部107から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移したかどうかを判断する。すなわち、ステップS309の判断処理では、判断条件151の判断条件13と判断条件14が用いられている。
ステップS309において、最大遅延許容時間(10秒)に達したと判断された場合、あるいは、接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移したと判断された場合、処理は、ステップS304に進められる。この場合、ステップS304乃至S306においては、送信要求制御部102からの通信の送信要求が、送信処理部106に伝えられるので、送信処理部106は、通信の送信要求に応じて、送信処理を実行することになる。
また、ステップS309の判断条件を満たさない場合には、ステップS309の判断処理が繰り返される。そして、ステップS309の判断条件を満たした場合には、処理は、ステップS304に進められ、通信の送信要求に対する送信処理が実行されることになる(ステップS304乃至S306)。
なお、図12の第2の送信処理においては、ステップS303,S307,S308,S309の判断処理において、判断条件151の判断条件10乃至14が用いられる例を説明したが、他の判断条件が用いられるようにしてもよい。例えば、遅延判断部103は、判断条件151の判断条件6を用いて、特定のアプリケーション141からの通信の送信要求である場合には、次の通信予測が3秒以内であるかどうかを判断することができる。これにより、次の通信予測が3秒以内ならば直ぐに送信処理を実行する一方、3秒を超える場合には送信処理を遅延させることができる。
また、遅延判断部103は、判断条件151の判断条件7を用いて、スマートフォン10Bの表示部(不図示)の画面を、ユーザが見ていないことが検知された場合に、引き延ばされた最大遅延許容時間(例えば1分)に達したかどうかを判断することができる。これにより、当該最大遅延許容時間に達したと判断された場合には、遅延させていた送信処理を実行させることができる。
さらに、遅延判断部103は、判断条件151の判断条件8を用いて、特定の場所で通信を実行するアプリケーション141が複数ある場合に、ユーザの現在位置がその特定の場所の範囲内にあって、かつ、グルーピングされた複数のアプリケーション141のすべてのリクエストの準備ができたかどうかを判断することができる。そして、ユーザの現在位置が特定の場所の範囲内にあって、かつ、グルーピングされた複数のアプリケーションのすべてのリクエストが準備できたと判断された場合には、遅延させていた送信処理を実行させることができる。
さらにまた、遅延判断部103は、判断条件151の判断条件9を用いて、画像データのリクエストの通信の送信要求が伝えられた場合に、最大遅延許容時間(例えば10秒)に達したかどうかを判断することができる。これにより、画像データのリクエストの通信の送信要求が伝えられた場合に、最大遅延許容時間に達したと判断された場合には、遅延させていた送信処理を実行させることができる。
ステップS306の処理が終了すると、図12の第2の送信処理は終了する。
以上、スマートフォン10Bにより実行される第2の送信処理について説明した。この第2の送信処理においては、複数のアプリケーション141−1乃至141−Nからの通信の送信要求が発生した場合に、遅延判断部103によって、判断条件6乃至判断条件14等の判断条件151に基づいた判断処理が行われて、当該送信要求に対する送信処理を今処理すべきと判断された場合に送信処理が行われる一方、遅らせて処理すべきと判断された場合には、遅延終了条件を満たすまで、送信処理が遅延されることになる。
例えば、通信の接続状態がRRC Idle状態のタイミングで、特定のアプリケーション141からの通信の送信要求に対する送信処理を実行すると、通信の接続状態がRRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移することになって、消費電力を増大させてしまうことになるが、このような遅延判断処理が行われることで、RRC Connected状態に留まる時間を可能な限り短くして、無駄な消費電力を低減することができる。
また、例えば、通信の接続状態がRRC Connected状態であっても、RRC Idle状態に遷移する直前に、通信の送信要求に対する送信処理を実行すると、やはり、消費電力を増大させてしまうことになるが、このような遅延判断処理が行われることで、RRC Connected状態に留まる時間を可能な限り短くして、無駄な消費電力を低減することができる。
すなわち、このような遅延判断処理が行われることで、通信の応答性を損なうことなく、テイルエナジーの発生を抑制して、消費電力を低減することができる。また、通信の応答性を損なわないことから、ユーザが通信応答性に不便に感じることはない。さらに、ユーザ操作に制約を与えずに、省電力を実現することができる。
(判断条件更新処理)
次に、図13のフローチャートを参照して、判断条件学習部109が履歴情報を用いた学習を行った結果、判断条件151の内容を更新する際に実行される判断条件更新処理の流れについて説明する。なお、この判断条件更新処理は、例えばユーザの設定などに応じて定期的に繰り返し実行される。
ステップS341において、判断条件学習部109は、履歴保持部108から、判断条件151に含まれる特定の判断条件(例えば、判断条件6乃至判断条件14など)に関する履歴情報を取り出す。
ステップS342において、判断条件学習部109は、ステップS341の処理で取り出した履歴情報に基づいて、特定の判断条件について、閾値のパラメータを少し大きくした場合と、小さくした場合を想定し、閾値のパラメータを少し大きくした場合と、小さくした場合とで、現在の閾値よりも省電力となるケースが多いか、あるいは少ないかを判断する。
ステップS342において、閾値を変更した場合に、省電力となるケースが多いと判断された場合、処理は、ステップS343に進められる。ステップS343において、判断条件学習部109は、省電力となるケースが多い閾値で、判断条件151に含まれる特定の判断条件(例えば、判断条件6乃至判断条件14など)を更新する。ステップS343の処理が終了すると、図13の判断条件更新処理は終了する。
一方、ステップS342において、特定の判断条件についての閾値の変更と、省電力の因果関係が不明であると判断された場合、ステップS343の処理はスキップされ、図13の判断条件更新処理は終了する。この場合、判断条件151に含まれる特定の判断条件は更新されないことになる。
以上、スマートフォン10Bにより実行される判断条件更新処理について説明した。この判断条件更新処理においては、定期的に判断条件151に含まれる判断条件の内容を最適な内容に更新できるので、遅延判断部103による遅延判断処理の精度を向上させることになり、結果としてさらなる省電力通信を実現することができる。
(予測条件更新処理)
次に、図14のフローチャートを参照して、予測条件学習部110が履歴情報を用いた学習を行った結果、予測条件152の内容を更新する際に実行される予測条件更新処理の流れについて説明する。なお、この予測条件更新処理は、例えばユーザの設定などに応じて定期的に繰り返し実行される。
ステップS381において、予測条件学習部110は、履歴保持部108から、予測条件152に含まれる特定の予測条件(例えば、予測条件2乃至予測条件3など)に関する履歴情報を取り出す。
ステップS382において、予測条件学習部110は、ステップS381の処理で取り出した履歴情報に基づいて、特定の予測条件について、通信結果の統計を取り、これまでの予測条件が、最も起こりうる通信発生パターンであったかどうかを判断する。
ステップS382において、これまでの予測条件が、最も起こりうる通信発生パターンではなかったと判断された場合、処理は、ステップS383に進められる。ステップS383において、予測条件学習部110は、最も起こりうる通信発生パターンで、予測条件152に含まれる特定の予測条件(例えば、予測条件2乃至予測条件3など)を更新する。ステップS383の処理が終了すると、図14の予測条件更新処理は終了する。
一方、ステップS382において、最も起こりうる通信発生パターンであると判断された場合、ステップS383の処理はスキップされ、図14の予測条件更新処理は終了する。この場合、予測条件152に含まれる特定の予測条件は更新されないことになる。
以上、スマートフォン10Bにより実行される予測条件更新処理について説明した。この予測条件更新処理においては、定期的に予測条件152に含まれる予測条件の内容を最適な内容に更新できるので、遅延判断部103による遅延判断処理の精度を向上させることになり、結果としてさらなる省電力通信を実現することができる。
<5.第3の実施の形態>
最後に、第3の実施の形態においては、本技術を適用した通信装置として、ソーシャルネットワーキングサービスを利用するためのアプリケーション(以下、「SNSアプリケーション」という。)を実行するスマートフォンについて説明する。
近年、インターネット上の交流を通して社会的なネットワークを構築する、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS:Social Networking Service)が普及している。この種のサービスを利用するためのSNSアプリケーションが、スマートフォン等の携帯通信端末向けにも提供されている。
ここで、スマートフォンにおいて、SNSアプリケーションを実行し、例えば友人の最新の投稿から過去の投稿までを閲覧するに際して、ユーザが、スクロール操作を行う場合を想定する。SNSアプリケーションを使用するユーザが、どれだけ過去の投稿に遡って投稿を閲覧するかは、SNSアプリケーションにとっては未知であること、また、友人の最新の投稿から過去のすべての投稿を一度に取得するには、膨大な通信量が必要となることから、この種のSNSアプリケーションでは、ユーザがスクロール操作を行う度に、一定量の先読み通信を行うことが想定される。この先読み通信によって、ユーザがスクロール操作を行うと、直ぐに過去の投稿などの情報が表示されるという利便性と、通信量の抑制を両立させることを実現している。
しかしながら、従来のスマートフォンでは、通信の接続状態や今後の通信に関係なく、ユーザによるスクロール操作に合わせて通信の送信要求を発生させていたことから、スクロール操作の度に、テイルエナジーが発生し、無駄に電力を消費してしまう可能性があった。また、スマートフォンでは、例えば新着メッセージの定期確認用のアプリケーション(以下、「メッセージ確認アプリケーション」という。)や、ユーザが特定の場所にいることを定期的にクラウド上の地図を管理する専用のサーバに記録するアプリケーション(以下、「位置記録確認アプリケーション」という。)など、他のアプリケーションが同時に実行されていることがあり、それらのアプリケーションが別個に通信の送信要求を発生させると、それぞれテイルエナジーが発生し、電力を無駄に消費してしまうことになる。
そこで、本技術を適用したスマートフォンにおいては、将来発生する通信を予測し、通信の送信要求に対する送信処理を今処理するか、あるいは、遅らせて、次にどのような条件で処理するかを判断する仕組みを提供することで、SNSアプリケーションのスクロール操作に応じた通信と、メッセージ確認アプリケーションや位置記録確認アプリケーション等の他のアプリケーションによる複数の通信を時間的に近いタイミングで処理することができるようにする。その結果、テイルエナジーの発生を抑制することができる。
(スマートフォンの構成例)
図15は、本技術を適用したスマートフォンの機能的な構成例を示す図である。
スマートフォン10Cは、モバイルネットワークを通じて各種のサービスを提供するサーバ等との間で、パケット(データ)の送受信を行うことが可能な携帯通信端末である。図15に示すように、スマートフォン10Cは、送信要求部101、送信要求制御部102、遅延判断部103、通信予測部104、通信接続状態監視部105、送信処理部106、及び、SNSアプリ動作状態監視部111から構成される。
すなわち、スマートフォン10Cは、基本的に、図3の通信装置10と同様の構成とされるが、送信要求部101は、SNSアプリケーション161と、アプリケーション162−1乃至162−Mを含んで構成される。また、SNSアプリ動作状態監視部111が新たに設けられている。さらにまた、スマートフォン10Cにおいて、遅延判断部103は、判断条件171を用いて遅延の判断処理を行い、通信予測部104は、予測条件172を用いて通信の予測処理を行うことになる。
SNSアプリケーション161は、SNSサービスを利用するためのアプリケーションである。SNSアプリケーション161は、ユーザ操作等に応じて、通信の送信要求を、送信要求制御部102に供給する。また、SNSアプリケーション161は、友人の最新の投稿から過去の投稿までを、ユーザがスクロール操作によって閲覧する際に、スクロール操作の度に、一定量の先読み通信を行う機能を有している。
アプリケーション162−1乃至162−M(Mは1以上の整数)は、スマートフォン10Cが実行可能な各種のアプリケーションである。アプリケーション162−1乃至162−Mは、ユーザ操作等に応じて、通信の送信要求を、送信要求制御部102に供給する。
ここでは、アプリケーション162−1は、新着メッセージを2分に1回の周期で確認する機能を有するメッセージ確認アプリケーション162−1であるとして説明する。また、アプリケーション162−2は、スマートフォン10Cの所在する場所を示す位置情報を、5分に1回の周期でクラウド上の地図を管理する専用のサーバに通知する位置記録確認アプリケーション162−2であるとして説明する。
なお、SNSアプリケーション161、メッセージ確認アプリケーション162−1、及び、位置記録確認アプリケーション162−2は、スマートフォン10Cにあらかじめインストールされているか、あるいは、モバイルネットワークを通じて各種のサービスを提供する専用のサーバからダウンロードされる。また、以下、メッセージ確認アプリケーション162−1と、位置記録確認アプリケーション162−2と、アプリケーション162−3乃至162−Mを区別する必要がない場合、単に、アプリケーション162と称して説明する。
送信要求制御部102は、SNSアプリケーション161又はアプリケーション162からの通信の送信要求を送信処理部106に供給するに際して、通信の送信要求のフロー制御を行う。すなわち、送信要求制御部102は、SNSアプリケーション161又はアプリケーション162から通信の送信要求が供給された場合、その送信要求に対する遅延判断を、遅延判断部103に問い合わせる。送信要求制御部102は、遅延判断部103からの処理判断が通知されるまで、その送信要求を滞留させる。送信要求制御部102は、遅延判断部103からの処理判断が通知された場合、当該処理判断が通知されたタイミングで、滞留(遅延)させていた送信要求を、送信処理部106に供給する。
送信処理部106は、送信要求制御部102から供給される通信の送信要求を取得して、当該送信要求に応じて送信処理を実行する。
遅延判断部103は、送信要求制御部102から、通信の送信要求に対する遅延判断の問い合わせを受けた場合、省電力の観点からその送信要求に対する送信処理を今処理するのか、あるいは遅延させて処理するのかを判断する。遅延判断部103は、通信の送信要求に対する送信処理を今処理すると判断した場合、そのタイミングで、処理判断を、送信要求制御部102に通知する。また、遅延判断部103は、通信の送信要求に対する送信処理を遅延させて処理すると判断した場合には、遅延終了条件を確定する。そして、遅延判断部103は、遅延終了条件を満たした場合には、そのタイミングで、処理判断を、送信要求制御部102に供給する。
ここで、遅延判断部103は、通信予測部104から供給される将来の通信予測の結果と、通信接続状態監視部105から供給される通信の接続状態の監視結果を用いて判断を行う。また、遅延判断部103は、判断条件171を用いて判断を行うことができる。
判断条件171には、例えば、以下の判断条件が列挙されている。
(1)判断条件15:SNSアプリケーション161からの通信の送信要求に対する送信処理は、次の通信予測が3秒以内ならば直ぐに送信し、3秒を超える場合には遅延させる。ただし、画像データのリクエストの通信の送信要求は、最大遅延許容時間を10秒とし、その他のデータのリクエストの通信の送信要求は、最大遅延許容時間を5秒とする。
(2)判断条件16:メッセージ確認アプリケーション162−1からの通信の送信要求に対する送信処理は遅延させない。
(3)判断条件17:位置記録確認アプリケーション162−2からの通信の送信要求に対する送信処理は、次の通信予測が2秒以内ならば直ぐに送信し、2秒を超える場合には遅延させる。ただし、最大遅延許容時間は1分とする。
(4)判断条件18:通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態が、RRC Connected状態で、その後6秒以上、RRC Connected状態が継続するのであれば、通信の送信要求に対する送信処理を直ぐに実行する。
(5)判断条件19:通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態で、次の通信予測が4秒後以内であれば、通信の送信要求に対する送信処理を直ぐに実行する。また、次の通信予測が4秒後以降であれば、通信の送信要求に対する送信処理を遅延させる。
(6)判断条件20:通信の送信要求に対する送信処理の遅延中に、通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移した場合には、直ぐに遅延を終了する。
なお、ここに列挙された判断条件は、判断条件171の一例であって、通信の送信要求に対する送信処理を行うタイミングを判断可能な情報であれば、他の判断条件を用いることができる。例えば、判断条件には、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含むようにすることができる。
通信予測部104は、将来発生する通信を予測し、その予測の結果を、遅延判断部103に供給する。ここで、通信予測部104は、遅延判断部103による、SNSアプリケーション161又はアプリケーション162からの通信の送信要求に対する処理判断を用いて通信の予測を行う。また、通信予測部104は、SNSアプリ動作状態監視部111から供給されるSNSアプリケーション161の動作状態を用いて通信の予測を行う。さらにまた、通信予測部104は、予測条件172を用いて通信の予測を行うことができる。
予測条件172には、例えば、以下の予測条件が列挙されている。
(1)予測条件4:SNSアプリケーション161において、友人の投稿の閲覧状態にある場合に、SNSアプリケーション161からの画像データ(パケット)の先読み要求(通信の送信要求)に対する送信処理が実行されたときには、その後、C1,C2,C3,C4,C5の通信がそれぞれ、D1,D2,D3,D4,D5のタイミングで発生すると仮定する。
(2)予測条件5:SNSアプリケーション161において、友人の投稿の閲覧状態にある場合に、SNSアプリケーション161から投稿テキストの送信要求(通信の送信要求)に対する送信処理が実行されたときには、その後、C6,C7,C8の通信がそれぞれ、D6,D7,D8のタイミングで発生すると仮定する。
(3)予測条件6:メッセージ確認アプリケーション162−1は、前回の通信から2分後に次の通信を行うと仮定する。
(4)予測条件7:位置記録確認アプリケーション162−2は、前回の通信から5分後に次の通信を行うと仮定する。
なお、ここに列挙された予測条件は、予測条件172の一例であって、将来発生する通信を予測可能な情報であれば、他の予測条件を用いることができる。例えば、予測条件には、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含むようにすることができる。
通信接続状態監視部105は、通信基地局との接続状態を常に監視し、その監視の結果を、遅延判断部103に供給する。この監視処理では、例えば、ある時点においてRRC Idle状態であるか、あるいはRRC Connected状態であるかが監視され、さらに、RRC Connected状態である場合には、その状態がどの時点まで継続するかが監視される。
SNSアプリ動作状態監視部111は、SNSアプリケーション161の動作状態を常に監視し、その動作状態を、通信予測部104に供給する。例えば、SNSアプリ動作状態監視部111は、SNSアプリケーション161が投稿の閲覧状態にあるかどうかを監視する。
スマートフォン10Cは、以上のように構成されるが、図15の構成は機能的な構成の一部を示しているため、実際には、例えば音声通話や画像撮影などを実現するための機能として、音声通話部やカメラ部、入力部、スピーカ、表示部などが設けられる。
なお、図15の構成には示していないが、スマートフォン10Cにおいては、上述したスマートフォン10B(図11)と同様に、履歴保持部108、判断条件学習部109、及び、予測条件学習部110を設けることで、履歴の学習によって、さらなる省電力通信を実現することができる。
(第3の送信処理)
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のスマートフォン10Cにより実行される第3の送信処理の流れについて説明する。ここでは、第3の送信処理が、例えば、スマートフォン10Cを所持しているユーザが、SNSアプリケーション161を使用して、友人の最新の投稿から過去の投稿までを、スクロール操作をしながら閲覧している際に、当該スクロール操作によって、SNSアプリケーション161から画像データ(パケット)の先読み要求が発生したときに実行される場合を一例に説明する。
ステップS401において、送信要求部101は、SNSアプリケーション161で画像データの先読み要求が発生した場合、SNSアプリケーション161からの画像データの先読み要求(通信の送信要求)を、送信要求制御部102に伝える。そして、送信要求部101からの通信の送信要求が、送信要求制御部102に伝えられると、ステップS402において、送信要求制御部102は、その送信要求に対する処理判断を、遅延判断部103に問い合わせる。
ステップS403において、遅延判断部103は、送信要求制御部102からの問い合わせに応じて、メッセージ確認アプリケーション162−1からの通信の送信要求であるかどうかを判断する。すなわち、ステップS403の判断処理では、判断条件171の判断条件16が用いられている。
ここでは、SNSアプリケーション161から、画像データの先読み要求(通信の送信要求)が伝えられた場合を例に説明しているので、ステップS403において、メッセージ確認アプリケーション162−1からの通信の送信要求ではないと判断され、処理はステップS407に進められる。なお、メッセージ確認アプリケーション162−1からの通信の送信要求が伝えられた場合には、処理は、ステップS404に進められ、直ちに送信処理が実行されることになる(ステップS404乃至S406)。
ステップS407において、遅延判断部103は、通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態に基づいて、接続状態が、RRC Connected状態で、かつ、RRC Connected状態が6秒以上継続するかどうかを判断する。すなわち、ステップS407の判断処理では、判断条件171の判断条件18が用いられている。
ステップS407において、接続状態が、RRC Connected状態で、かつ、RRC Connected状態が6秒以上継続すると判断された場合、処理は、ステップS404に進められ、送信処理が実行されることになる(ステップS404乃至S406)。
また、ステップS407の判断条件を満たさない場合には、処理は、ステップS408に進められる。ステップS408において、遅延判断部103は、通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態に基づいて、RRC Idle状態で、次の通信が4秒後以内に発生すると予測されるかどうかを判断する。すなわち、ステップS408の判断処理では、判断条件171の判断条件19が用いられている。
ステップS408において、RRC Idle状態で、次の通信が4秒後以内に発生すると予測される場合、処理は、ステップS404に進められ、送信処理が実行されることになる(ステップS404乃至S406)。
また、ステップS408の判断条件を満たさない場合には、処理は、ステップS409に進められる。ステップS409において、遅延判断部103は、通信の送信要求がSNSアプリケーション161から伝えられた場合に、その最大遅延許容時間(10秒等)に達したか、あるいは、通信の送信要求の遅延中に、通信接続状態監視部105から取得される通信の接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移したかどうかを判断する。すなわち、ステップS409の判断処理では、判断条件171の判断条件15と判断条件20が用いられている。なお、通信の送信要求が位置記録確認アプリケーション162−2から伝えられた場合には、最大遅延許容時間は、1分とされる(判断条件171の判断条件17)。
ステップS409において、最大遅延許容時間に達したと判断された場合、あるいは、接続状態が、RRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移したと判断された場合、処理は、ステップS404に進められ、送信処理が実行されることになる(ステップS404乃至S406)。また、ステップS409の判断条件を満たさない場合には、ステップS409の判断処理が繰り返される。そして、ステップS409の判断条件を満たした場合には、処理は、ステップS404に進められ、送信処理が実行されることになる(ステップS404乃至S406)。
ステップS406の処理が終了すると、図16の第3の送信処理は終了する。
以上、スマートフォン10Cにより実行される第3の送信処理について説明した。この第3の送信処理においては、SNSアプリケーション161又はアプリケーション162等から通信の送信要求が発生した場合に、遅延判断部103によって、判断条件15至判断条件20等の判断条件171に基づいた判断処理が行われて、当該送信要求に対する送信処理を今処理すべきと判断された場合に送信処理が行われる一方、遅らせて処理すべきと判断された場合には、遅延終了条件を満たすまで、送信処理が遅延されることになる。
例えば、通信の接続状態がRRC Idle状態のタイミングで、SNSアプリケーション161又はアプリケーション162からの通信の送信要求に対する送信処理を実行すると、通信の接続状態がRRC Idle状態からRRC Connected状態に遷移することになって、消費電力を増大させてしまうことになるが、このような遅延判断処理が行われることで、RRC Connected状態に留まる時間を可能な限り短くして、無駄な消費電力を低減することができる。
また、例えば、通信の接続状態がRRC Connected状態であっても、RRC Idle状態に遷移する直前に、通信の送信要求に対する送信処理を実行すると、やはり、消費電力を増大させてしまうことになるが、このような遅延判断処理が行われることで、RRC Connected状態に留まる時間を可能な限り短くして、無駄な消費電力を低減することができる。
すなわち、このような判断処理が行われることで、通信の応答性を損なうことなく、テイルエナジーの発生を抑制して、消費電力を低減することができる。また、通信の応答性を損なわないことから、ユーザが通信応答性に不便に感じることはない。さらに、ユーザ操作に制約を与えずに、省電力を実現することができる。
<6.コンピュータの構成>
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
図17は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。バス904には、さらに、入出力インターフェース905が接続されている。入出力インターフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及びドライブ910が接続されている。
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、例えば、記録部908に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インターフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータ900が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
ここで、本明細書において、コンピュータ900に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、前記送信要求に対する送信処理を実行するタイミングを判断する遅延判断部と、
前記送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、前記送信要求を、前記送信処理を実行する送信処理部に通知する送信要求制御部と
を備える通信装置。
(2)
前記遅延判断部は、将来発生する通信と、データの送受信に続いて発生する接続維持のための電力であるテイルエナジーの予測結果に基づいて、前記送信処理を実行するタイミングを判断する
(1)に記載の通信装置。
(3)
前記遅延判断部は、あらかじめ定められた判断条件を用い、前記送信処理を実行するタイミングを判断する
(2)に記載の通信装置。
(4)
前記判断条件は、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含む
(3)に記載の通信装置。
(5)
将来発生する通信を予測する通信予測部をさらに備える
(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の通信装置。
(6)
前記通信予測部は、あらかじめ定められた予測条件を用い、将来発生する通信を予測する
(5)に記載の通信装置。
(7)
前記予測条件は、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含む
(6)に記載の通信装置。
(8)
特定の判断条件に関する履歴情報に基づいて、前記判断条件を更新する判断条件学習部と、
特定の予測条件に関する履歴情報に基づいて、前記予測条件を更新する予測条件学習部と
をさらに備える(7)に記載の通信装置。
(9)
通信の接続状態を監視する通信接続状態監視部をさらに備える
(1)乃至(8)のいずれか一項に記載の通信装置。
(10)
前記送信要求を発生させる特定のアプリケーションの動作状態を監視する動作状態監視部をさらに備え、
前記通信予測部は、前記特定のアプリケーションの動作状態に基づいて、将来発生する通信を予測する
(5)乃至(9)のいずれか一項に記載の通信装置。
(11)
通信装置の通信方法において、
前記通信装置が、
通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、前記送信要求に対する送信処理を実行するタイミングを判断し、
前記送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、前記送信要求を、前記送信処理を実行する送信処理部に通知する
ステップを含む通信方法。
(12)
コンピュータを、
通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、前記送信要求に対する送信処理を実行するタイミングを判断する遅延判断部と、
前記送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、前記送信要求を、前記送信処理を実行する送信処理部に通知する送信要求制御部と
として機能させるためのプログラム。
10 通信装置, 10A インターネットラジオ専用端末, 10B スマートフォン, 10C スマートフォン, 101 送信要求部, 102 送信要求制御部, 103 遅延判断部, 104 通信予測部, 105 通信接続状態監視部, 106 送信処理部, 107 状態監視部, 108 履歴保持部, 109 判断条件学習部, 110 予測条件学習部, 121 ラジオ放送受信アプリケーション, 122 フィードバックアプリケーション, 131 判断条件, 132 予測条件, 141,141−1乃至141−N アプリケーション, 151 判断条件, 152 予測条件, 161 SNSアプリケーション, 162,162−1乃至162−M アプリケーション, 111 SNSアプリ動作状態監視部, 171 判断条件, 172 予測条件, 900 コンピュータ, 901 CPU

Claims (12)

  1. 通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、前記送信要求に対する送信処理を実行するタイミングを判断する遅延判断部と、
    前記送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、前記送信要求を、前記送信処理を実行する送信処理部に通知する送信要求制御部と
    を備える通信装置。
  2. 前記遅延判断部は、将来発生する通信と、データの送受信に続いて発生する接続維持のための電力であるテイルエナジーの予測結果に基づいて、前記送信処理を実行するタイミングを判断する
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記遅延判断部は、あらかじめ定められた判断条件を用い、前記送信処理を実行するタイミングを判断する
    請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記判断条件は、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含む
    請求項3に記載の通信装置。
  5. 将来発生する通信を予測する通信予測部をさらに備える
    請求項4に記載の通信装置。
  6. 前記通信予測部は、あらかじめ定められた予測条件を用い、将来発生する通信を予測する
    請求項5に記載の通信装置。
  7. 前記予測条件は、通信の状態、アプリケーションの動作状態、ユーザ操作の状態、及び、センシング情報のうちの1つを少なくとも含む
    請求項6に記載の通信装置。
  8. 特定の判断条件に関する履歴情報に基づいて、前記判断条件を更新する判断条件学習部と、
    特定の予測条件に関する履歴情報に基づいて、前記予測条件を更新する予測条件学習部と
    をさらに備える請求項7に記載の通信装置。
  9. 通信の接続状態を監視する通信接続状態監視部をさらに備える
    請求項3に記載の通信装置。
  10. 前記送信要求を発生させる特定のアプリケーションの動作状態を監視する動作状態監視部をさらに備え、
    前記通信予測部は、前記特定のアプリケーションの動作状態に基づいて、将来発生する通信を予測する
    請求項5に記載の通信装置。
  11. 通信装置の通信方法において、
    前記通信装置が、
    通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、前記送信要求に対する送信処理を実行するタイミングを判断し、
    前記送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、前記送信要求を、前記送信処理を実行する送信処理部に通知する
    ステップを含む通信方法。
  12. コンピュータを、
    通信の送信要求が発生した場合に、将来発生する通信予測の結果、及び、通信の接続状態に基づいて、省電力の観点から、前記送信要求に対する送信処理を実行するタイミングを判断する遅延判断部と、
    前記送信処理を実行するタイミングであると判断された場合、前記送信要求を、前記送信処理を実行する送信処理部に通知する送信要求制御部と
    として機能させるためのプログラム。
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