JP2015199310A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より安全で信頼性の高い流体噴射装置を実現する。【解決手段】流体を収容する流体収容部と流体収容部に形成される流体出口とを有する流体容器と、流体収容部を押圧して流体出口から流体を流出させる流体押圧部と、一端が流体出口に接続される接続配管と、接続配管の他端が接続される流体取入口から取り入れた流体をパルス状に噴射する流体噴射部と、接続配管内の流体の流路を開閉する流路開閉部と、流体押圧部が流体収容部を押圧する際の圧力を検知し、圧力に応じたレベルの検知信号を出力する圧力検知部と、流路開閉部に流路を閉塞させた状態で流体押圧部に流体収容部を押圧させ、流体押圧部が流体収容部に接触している時に検知信号が示す圧力が第1判定値未満である場合、あるいは接触していない時に第2判定値以上である場合に圧力検知部が故障していると判定する制御部と、を備えることを特徴とする流体噴射装置。【選択図】図8

Description

本発明は、流体噴射装置に関する。
流体をパルス状に噴射して対象物の切開又は切除等を行う技術が知られている。例えば、医療分野では、生体組織を切開又は切除する手術具として、流体をパルス状に噴射する脈流発生部と、脈流発生部に流体を供給する流体供給部と、流体供給部から脈流発生部への流体供給路と、を備えて構成される流体噴射装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-213422号公報
このような装置では、流体供給路内の流体を適切な圧力に維持し、脈流発生部から適切な強度で流体が噴射されるようにすることが重要である。このため、流体噴射装置は、流体供給路内の流体の圧力を検知するための圧力センサーを有しているが、圧力センサーが故障する可能性もある。
圧力センサーに故障が生じると、流体供給路内の流体の圧力を適切な圧力に制御できなくなるため、脈流発生部から意図しない強度で流体が噴射される可能性がある。
そのため、このような圧力センサーの故障を検知し、より安全で信頼性の高い流体噴射装置を実現するための技術が求められている。
上記課題を解決するための一つの側面に係る流体噴射装置は、流体を収容する流体収容部と、前記流体収容部に形成される流体出口と、を有する流体容器と、前記流体収容部を押圧して、前記流体出口から前記流体を流出させる流体押圧部と、一端が前記流体出口に接続される接続配管と、前記接続配管の他端が接続される流体取入口を有し、前記流体取入口から取り入れた前記流体をパルス状に噴射する流体噴射部と、前記接続配管内の前記流体の流路を開閉する流路開閉部と、前記流体押圧部が前記流体収容部を押圧する際の圧力を検知し、前記圧力に応じたレベルの検知信号を出力する圧力検知部と、前記流路開閉部に前記流路を閉塞させた状態で、前記流体押圧部に前記流体収容部を押圧させ、前記流体押圧部が前記流体収容部に接触しているときに前記検知信号が示す前記圧力が第1判定値未満である場合、あるいは、前記流体押圧部が前記流体収容部に接触していないときに前記検知信号が示す前記圧力が第2判定値以上である場合に、前記圧力検知部が故障していると判定する制御部と、を備える。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明の実施形態に係る流体噴射装置の全体構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る流体噴射装置の全体構成の他の例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るポンプの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るポンプの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る脈動発生部の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る入口流路の形態を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るポンプ制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る圧力センサーの検知信号のレベル及びタッチセンサーの出力信号の推移を示す図である。 本発明の実施形態に係るポンプ制御部の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る圧力センサーの検知信号のレベル及びタッチセンサーの出力信号の推移を示す図である。 本発明の実施形態に係るポンプ制御部の処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るスライダーの構成例を示す図である。
==概要==
本明細書及び図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
流体を収容する流体収容部と、前記流体収容部に形成される流体出口と、を有する流体容器と、前記流体収容部を押圧して、前記流体出口から前記流体を流出させる流体押圧部と、一端が前記流体出口に接続される接続配管と、前記接続配管の他端が接続される流体取入口を有し、前記流体取入口から取り入れた前記流体をパルス状に噴射する流体噴射部と、前記接続配管内の前記流体の流路を開閉する流路開閉部と、前記流体押圧部が前記流体収容部を押圧する際の圧力を検知し、前記圧力に応じたレベルの検知信号を出力する圧力検知部と、前記流路開閉部に前記流路を閉塞させた状態で、前記流体押圧部に前記流体収容部を押圧させ、前記流体押圧部が前記流体収容部に接触しているときに前記検知信号が示す前記圧力が第1判定値未満である場合、あるいは、前記流体押圧部が前記流体収容部に接触していないときに前記検知信号が示す前記圧力が第2判定値以上である場合に、前記圧力検知部が故障していると判定する制御部と、を備えることを特徴とする流体噴射装置が明らかとなる。
このような流体噴射装置によれば、圧力検知部の故障を検知し、より安全で信頼性の高い流体噴射装置を実現することができる。
ここで、前記流体押圧部は、前記流体収容部の押圧方向に移動し、前記流体収容部への押圧を行う移動体と、前記移動体の位置を検出する位置検知部と、を備え、前記第1判定値は、前記移動体が前記流体収容部に接触しない所定位置にあるときに前記圧力検知部が出力した前記検知信号により示される前記圧力に基づいて定められる値であることが好ましい。
このような流体噴射装置によれば、圧力検知部の故障検知を行う際の基準とする圧力が正規の圧力からずれていても、圧力検知部の故障を検知することが可能となる。
また前記第1判定値は、前記移動体が前記所定位置にあるときに前記圧力検知部が出力した前記検知信号により示される前記圧力と、前記圧力の誤差に応じて定められる所定値と、の加算値とすることが好ましい。
このような流体噴射装置によれば、圧力検知部の故障検出の際に、圧力検知部の誤差の影響を排除することができる。
また前記流体噴射装置は、第1の前記圧力検知部と、第2の前記圧力検知部と、を備え、第1の前記圧力検知部及び第2の前記圧力検知部は、前記移動体が前記流体収容部を押圧する際に、前記移動体及び前記流体収容部によって挟圧される位置に、前記移動体の前記押圧方向に積層して配置され、前記制御部は、第1の前記圧力検知部から出力される第1の前記検知信号と、第2の前記圧力検知部から出力される第2の前記検知信号と、のいずれか一方または両方を用いて、前記移動体が前記流体収容部を押圧する際の圧力が所定の目標圧力値になるように前記移動体の前記移動を制御し、第1の前記圧力検知部が故障したと判定した場合には、第2の前記検知信号を用いて前記制御を継続し、第2の前記圧力検知部が故障したと判定した場合には、第1の前記検知信号を用いて前記制御を継続する
ようにすることが好ましい。
このような流体噴射装置によれば、流体噴射装置は、第1の圧力検知部あるいは第2の圧力検知部に故障が発生しても流体噴射部から流体の噴射を継続する制御を行うことが可能となり、流体噴射装置の信頼性を向上させることが可能となる。
また前記制御部は、前記圧力検知部が故障したと判定した場合には、前記流路開閉部に前記流路を開放させることが好ましい。
このような流体噴射装置によれば、仮に流体収容部内の圧力が想定以上の高圧になっていたとしても、流体収容部内の流体を流体噴射部から流出させることで流体収容部内の圧力を低下させることができるので、流体噴射装置の安全性を向上させることが可能となる。
また前記制御部は、前記圧力検知部が故障したと判定した場合には、前記圧力検知部が故障したことを示す警報を出力することが好ましい。
このような流体噴射装置によれば、圧力検知部が故障したことをいち早く術者等のオペレーターに知らせることができ、流体噴射装置の安全性をより一層向上させることが可能になる。
==全体構成==
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る流体噴射装置は、細密な物体や構造物、生体組織等の洗浄あるいは切断等様々に採用可能であるが、以下に説明する実施形態では、生体組織を切開又は切除する手術用メスに好適な流体噴射装置を例示して説明する。したがって、本実施形態に係る流体噴射装置にて用いる流体は、水や生理食塩水、所定の薬液等である。なお、以降の説明で参照する図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
図1は、本実施形態に係る手術用メスとしての流体噴射装置1を示す構成説明図である。本実施形態に係る流体噴射装置1は、流体を供給するポンプ700と、ポンプ700から供給される流体を脈流に変換してパルス状に噴射する脈動発生部(流体噴射部)100と、ポンプ700と連携して流体噴射装置1の制御を行う駆動制御部600と、ポンプ700と脈動発生部100との間を接続し、流体が流れる流路となる接続経路(接続配管)としての接続チューブ25と、を備えている。
また詳細は後述するが、脈動発生部100は、ポンプ700から供給された流体が収容される流体室501と、この流体室501の容積を変更するダイアフラム400と、ダイアフラム400を振動させる圧電素子401と、を備えている。
また脈動発生部100は、流体室501から吐出される流体の流路となる細いパイプ状の流体噴射管200と、流体噴射管200の先端部に装着される流路径が縮小されたノズル211と、を備えている。
そして脈動発生部100は、駆動制御部600から出力される駆動信号によって圧電素子401を駆動させ、流体室501の容積を変化させることで流体にパルス状に圧力を印加して流体を脈流に変換し、流体噴射管200、ノズル211を通して流体をパルス状に高速噴射する。
駆動制御部600と脈動発生部100との間は制御ケーブル630により接続されており、駆動制御部600から出力される圧電素子401を駆動するための駆動信号は、制御ケーブル630を介して脈動発生部100に伝達される。
また駆動制御部600とポンプ700との間は通信ケーブル640により接続されており、駆動制御部600及びポンプ700は、CAN(Controller Area Network)などの所定の通信プロトコルに従って相互に様々なコマンドやデーターを授受する。
また駆動制御部600は、脈動発生部100を用いて執刀する術者等によって操作される様々なスイッチからの信号の入力を受けて、上記制御ケーブル630や通信ケーブル640を介して、ポンプ700や脈動発生部100を制御する。
駆動制御部600に入力される上記スイッチとしては、例えば脈動発生部起動スイッチ625や、噴射強度切替スイッチ627、フラッシングスイッチ628等がある(不図示)。
脈動発生部起動スイッチ625は、脈動発生部100からの流体の噴射の有無(オンオフ)を切り替えるためのスイッチである。脈動発生部100を用いて執刀する術者によって脈動発生部起動スイッチ625が操作されると、駆動制御部600は、ポンプ700と連携して、脈動発生部100から流体を噴射あるいは停止するための制御を実行する。脈動発生部起動スイッチ625は、術者の足元において操作されるフットスイッチとしての形態をとることもできるし、術者によって把持される脈動発生部100に一体的に配設され、術者の手や指によって操作される形態をとることもできる。
噴射強度切替スイッチ627は、脈動発生部100から噴射される流体の噴射強度を変更するためのスイッチである。駆動制御部600は、噴射強度切替スイッチ627が操作された場合には、脈動発生部100及びポンプ700に対し、流体の噴射強度を増減するための制御を行う。
なおフラッシングスイッチ628については後述する。
また、本実施形態において、脈流とは、流体の流れる方向が一定で、流体の流量又は流速が周期的又は不定期な変動を伴った流体の流動を意味する。脈流には、流体の流動と停止とを繰り返す間欠流も含むが、流体の流量又は流速が周期的又は不定期に変動していればよいため、必ずしも間欠流である必要はない。
同様に、流体をパルス状に噴射するとは、噴射される流体の流量又は移動速度が周期的又は不定期に変動した流体の噴射を意味する。パルス状の噴射の一例として、流体の噴射と非噴射とを繰り返す間欠噴射が挙げられるが、噴射される流体の流量又は移動速度が周期的又は不定期に変動していればよいため、必ずしも間欠噴射である必要はない。
また脈動発生部100が駆動を停止している場合、つまり、流体室501の容積を変更させないときは、流体供給部としてのポンプ700から所定の圧力で供給された流体は、流体室501を通って、ノズル211から連続的に流出する。
なお、本実施形態に係る流体噴射装置1は、ポンプ700を複数備える構成としてもよい。例えば流体噴射装置1がポンプ700を2つ備える場合の構成を図2に例示する。
この場合、図2に示すように、流体噴射装置1は第1ポンプ700aと第2ポンプ700bとを備える。そして、脈動発生部100と第1ポンプ700aと第2ポンプ700bとの間を接続し、流体が流れる流路となる接続経路(接続配管)は、第1接続チューブ25a、第2接続チューブ25b、接続チューブ25、及び三方活栓26、によって構成される。
そして第1接続チューブ25aと接続チューブ25とを連通させるか、または第2接続チューブ25bと接続チューブ25とを連通させるか、を切り替え可能に構成されたバルブを三方活栓26として使用し、第1ポンプ700a及び第2ポンプ700bのうちのいずれか一方のポンプを選択的に使用するようにする。
このように構成することで、例えば第1ポンプ700aを選択的に使用している場合に、故障等の何らかの理由でこの第1ポンプ700aから流体の供給が行えなくなったような場合には、三方活栓26を、第2接続チューブ25bと接続チューブ25とを連通するように切り替えてから、第2ポンプ700bからの流体の供給を開始することで、流体噴射装置1を継続して使用することができ、第1ポンプ700からの流体の供給が行えなくなったことの影響を最小限に抑えることが可能となる。
なお以下の説明では、流体噴射装置1が複数のポンプ700を備える構成であっても、各ポンプ700を区別して説明する必要がない場合には、まとめてポンプ700のように示す。
一方、複数のポンプ700をそれぞれ区別して説明する必要がある場合には、各ポンプ700を、第1ポンプ700a、第2ポンプ700b等のように区別して示し、ポンプ700の参照符号700に適宜a、b等の添え字を付加する。またこの場合、第1ポンプ700aの構成要素の参照符号には添え字aを付加し、第2ポンプ700bの構成要素の参照符号には添え字bを付けて示す。
==ポンプ==
次に本実施形態に係るポンプ700の構成及び動作の概要について、図3を参照しながら説明する。
本実施形態に係るポンプ700は、ポンプ制御部(制御部)710と、スライダー(移動体)720と、モーター730と、リニアガイド740と、ピンチバルブ(流路開閉部)750と、を備える。またポンプ700は、流体を収容する流体容器760を着脱可能に装着するための流体容器装着部770を有して構成されている。流体容器装着部770は、流体容器760が装着された際に、流体容器760が規定の位置で保持されるように形成されている。
なお詳細は後述するが、ポンプ制御部710には、スライダーリリーススイッチ780、スライダーセットスイッチ781、送液レディスイッチ782、プライミングスイッチ783、ピンチバルブスイッチ785が入力されている(不図示)。
流体容器760は、本実施形態においては一例として、シリンジ761及びプランジャー762を備える注射筒として構成されている。
この流体容器760は、シリンジ761の先端部に、円筒を突出させた形状の開口部(流体出口)764が形成されている。そして流体容器760を流体容器装着部770に装着する際には、接続チューブ25の端部を開口部764にはめ込むようにして、シリンジ761の内部から接続チューブ25への流体の流路を形成する。
ピンチバルブ750は、接続チューブ25の経路上に設けられ、流体容器760と脈動発生部100との間の流体の流路を開閉するバルブである。
ピンチバルブ750の開閉はポンプ制御部710により行われる。ポンプ制御部710がピンチバルブ750を開放すると、流体容器760と脈動発生部100との間の流路が連通する。ポンプ制御部710がピンチバルブ750を閉塞すると、流体容器760と脈動発生部100との間の流路が遮断する。
流体容器760を流体容器装着部770に装着した後に、ピンチバルブ750を開放した状態で、流体容器760のプランジャー762をシリンジ761内に押し込む方向(以下、押し込み方向、あるいは押圧方向とも記す)に移動させると、プランジャー762の上記押し込み方向側の先端に装着されている弾性力を有するゴム等の樹脂製のガスケット763の端面と、シリンジ761の内壁と、により囲まれる空間(以下、流体収容部765とも記す)の容積が減少し、この流体収容部765に充填されている流体がシリンジ761の先端部の開口部764から吐出される。そして開口部764から吐出された流体は、接続チューブ25内に充填されるとともに、脈動発生部100に供給される。
一方、流体容器760を流体容器装着部770に装着した後に、ピンチバルブ750を閉塞した状態で、流体容器760のプランジャー762を押し込み方向に移動させると、プランジャー762の先端に装着されているガスケット763とシリンジ761の内壁とに囲まれる流体収容部765の容積が減少し、この流体収容部765に充填されている流体の圧力を上昇させることができる。
プランジャー762の移動は、流体容器装着部770に流体容器760を装着した時にプランジャー762が摺動する方向(上記押し込み方向及び押し込み方向とは反対方向)に沿って、ポンプ制御部710がスライダー720を移動させることにより行われる。
具体的には、スライダー720は、上記プランジャー762の摺動方向に沿ってリニアガイド740に直線状に形成されているレール(不図示)に、スライダー720の台座部721を係合させるように、リニアガイド740に取り付けられており、そしてリニアガイド740が、ポンプ制御部710により駆動されるモーター730から伝達される動力を用いて、スライダー720の台座部721をレールに沿って移動させることによって、スライダー720は、上記プランジャー762の摺動方向に沿って移動する。
また図3に示すように、リニアガイド740の上記レールに沿って、第1リミットセンサー741、残量センサー742、ホームセンサー(位置検出部)743、第2リミットセンサー744が設けられている。
これらの、第1リミットセンサー741、残量センサー742、ホームセンサー743、第2リミットセンサー744はいずれも、リニアガイド740の上記レール上を移動するスライダー720の位置を検出するセンサーであり、これらのセンサーにより検出された信号は、ポンプ制御部710に入力される。
ホームセンサー743は、リニアガイド740上におけるスライダー720の初期位置(以下、ホーム位置とも記す)を定めるために用いられるセンサーである。ホーム位置は、流体容器760の装着や交換等の作業を行う際に、スライダー720が保持される位置である。またホーム位置は、スライダー720がホーム位置にある時には、スライダー720がプランジャー762に接触しないような位置に定められている。
残量センサー742は、スライダー720がホーム位置からプランジャー762の押し込み方向に移動した際に、流体容器760内の流体の残量が所定値以下になる際のスライダー720の位置(以下、残量位置とも記す)を検出するためのセンサーである。残量センサー742が設けられた残量位置までスライダー720が移動した場合には、オペレーター(術者あるいは補助者)に対して所定の警報が出力される。そしてオペレーターの判断により適切なタイミングで、現在使用中の流体容器760を、新たな流体容器760に交換する作業が行われる。あるいは、ポンプ700(第1ポンプ700a)と同様構成の予備の第2ポンプ700bが用意されている場合には、脈動発生部100への流体の供給が予備の第2ポンプ700bから行われるように切り替える作業が行われる。
第1リミットセンサー741は、スライダー720がホーム位置からプランジャー762の押し込み方向に移動する際の移動可能範囲の限界位置(以下、第1限界位置とも記す)を示す。第1リミットセンサー741が設けられた第1限界位置までスライダー720が移動した場合には、流体容器760内の流体の残量は、スライダー720が上記残量位置にある時の残量よりもさらに少なく、オペレーターに対して所定の警報が出力される。そしてこの場合も、現在使用中の流体容器760を新たな流体容器760に交換する作業、あるいは予備の第2ポンプ700bへの切り替え作業が行われる。
一方、第2リミットセンサー744は、スライダー720がホーム位置からプランジャー762を押し込む方向とは反対方向に移動する際の移動可能範囲の限界位置(以下、第2限界位置とも記す)を示す。第2リミットセンサー744が設けられた第2限界位置までスライダー720が移動した場合にも所定の警報が出力される。
なおスライダー720には、タッチセンサー(接触検知部)723と圧力センサー(圧力検知部)722とが装着されている。
タッチセンサー723は、スライダー720が流体容器760のプランジャー762に接触しているか否か、つまり、スライダー720が流体収容部765に接触しているか否かを検出するためのセンサーである。タッチセンサー723は、スライダー720が流体容器760のプランジャー762に接触しているときにON信号を出力し、接触していないときにOFF信号を出力する。
また圧力センサー722は、シリンジ761の内壁とガスケット763とにより形成される流体収容部765内の流体の圧力、つまりスライダー720が流体収容部765を押圧する際の圧力を検出し、この圧力に応じたレベル(例えば電圧や電圧、周波数)の信号(検知信号)を出力するセンサーである。
ピンチバルブ750を閉めた状態でスライダー720を上記押し込み方向に移動させた場合には、流体収容部765内の流体の圧力は、スライダー720がプランジャー762に接触したのちは、スライダー720の押し込み量を増加させるにつれて上昇する。
一方、ピンチバルブ750を開けた状態でスライダー720を上記押し込み方向に移動させた場合には、スライダー720がプランジャー762に接触した後であっても、流体収容部765内の流体は、接続チューブ25を通じて脈動発生部100のノズル211から流出してしまうため、流体収容部765内の流体の圧力は、ある程度までは上昇するものの、スライダー720をそれ以上押し込み方向に移動させても上昇しない。
なお、タッチセンサー723及び圧力センサー722からの信号は、ポンプ制御部710に入力されている。
また、以下の説明において、スライダー720、モーター730及びリニアガイド740を、流体押圧部731と記す場合がある。流体押圧部731は、流体収容部765を押圧して、流体容器760の開口部(流体出口)764から流体を流出させる。
次に、流体が充填された流体容器760を流体容器装着部770に新たに装着し、流体容器760内の流体を脈動発生部100に供給し、脈動発生部100から流体をパルス状に噴射可能な状態になるまでの準備動作について説明する。
まずオペレーターは、スライダーリリーススイッチ780を操作して、スライダーリリーススイッチ780のON信号をポンプ制御部710に入力する。そうするとポンプ制御部710は、スライダー720をホーム位置に移動させる。
そしてオペレーターは、事前に接続チューブ25と接続しておいた流体容器760を流体容器装着部770に装着する。なおこの流体容器760のシリンジ761には既に流体が充填されている。
そしてオペレーターが接続チューブ25をピンチバルブ750にセットした後に、ピンチバルブスイッチ785を操作してピンチバルブスイッチ785のON信号をポンプ制御部710に入力すると、ポンプ制御部710はピンチバルブ750を閉じる。
次にオペレーターは、スライダーセットスイッチ781を操作して、スライダーセットスイッチ781のON信号をポンプ制御部710に入力する。そうするとポンプ制御部710は、スライダー720を押し込み方向に移動させて、流体容器760内の流体収容部765に収容されている流体の圧力が所定の目標圧力値になるように制御を開始する。
その後オペレーターによって送液レディスイッチ782が押されると、この送液レディスイッチ782のON信号がポンプ制御部710に入力され、流体収容部765内の流体の圧力が上記目標圧力値に対して規定の範囲内(以下、ラフウインドウとも記す)に入っている場合には、ポンプ制御部710は、ポンプ700から脈動発生部100への流体の送液を許可する送液可能状態となる。
そしてポンプ制御部710が送液可能状態である時に、オペレーターの操作によってプライミングスイッチ783のON信号がポンプ制御部710に入力されると、ポンプ制御部710はプライミング処理を開始する。プライミング処理は、流体容器760から接続チューブ25、脈動発生部100の流体噴射開口部212までの流体の流路内を流体で満たす処理である。
プライミング処理が開始されると、ポンプ制御部710は、ピンチバルブ750を開放するとともに、ピンチバルブ750の開放と同時あるいはほぼ同時のタイミング(例えば数ミリ秒ないし数十ミリ秒程度の時間差)で、スライダー720の押し込み方向への移動を開始する。スライダー720の移動は、流体容器760からの流体の単位時間あたりの送出量が一定になるような所定速度で行われる。プライミング処理は、プライミング処理に要する所定時間が経過するまで(あるいはスライダー720が所定距離だけ移動するまで)、あるいはオペレーターがプライミングスイッチ783を操作してOFF信号が入力されるまで行われる。
これにより、流体収容部765内の所定量の流体が、所定の流速(単位時間あたりの流体の吐出量)でポンプ700から送出され、ピンチバルブ750から脈動発生部100までの接続チューブ25内を満たすとともに、脈動発生部100の流体室501や流体噴射管200等も満たす。なお、プライミング処理を始める前に接続チューブ25内や脈動発生部100内に存在していた空気は、接続チューブ25や脈動発生部100内に流体が流入するにつれて、脈動発生部100のノズル211から大気に放出される。
なお、プライミング処理の際にスライダー720を移動させる上記所定速度、所定距離あるいは所定時間は、ポンプ制御部710内に事前に記憶されている。
このようにして、プライミング処理が完了する。
次に、オペレーターの操作によってフラッシングスイッチ628のON信号が駆動制御部600に入力されると、駆動制御部600及びポンプ制御部710は脱気処理を開始する。
脱気処理は、接続チューブ25や脈動発生部100内に残存している気泡を脈動発生部100のノズル211から排出するための処理である。
脱気処理では、ポンプ制御部710は、ピンチバルブ750を開けた状態で、流体容器760からの流体の単位時間あたりの送出量が一定になるような所定速度で、スライダー720を押し込み方向に移動させて、流体を脈動発生部100に供給する。また駆動制御部600は、ポンプ700による流体の吐出と連動して、脈動発生部100の圧電素子401を駆動して、脈動発生部100から流体を噴射する。これにより、接続チューブ25や脈動発生部100内に残存している気泡は、脈動発生部100のノズル211から排出される。脱気処理は、所定時間が経過するまで(あるいはスライダー720が所定距離だけ移動するまで)、あるいはオペレーターがフラッシングスイッチ628を操作してOFF信号が入力されるまで行われる。
なお、脱気処理の際にスライダー720を移動させる上記所定速度や所定時間あるいは所定距離は、駆動制御部600及びポンプ制御部710内に事前に記憶されている。
脱気処理が終了すると、ポンプ制御部710は、ピンチバルブ750を閉じるとともに、流体容器760の流体収容部765に収容されている流体の圧力を検知する。そしてこの圧力が上記目標圧力値になるようにスライダー720の位置を調整する制御を行う。
その後、流体収容部765内の流体の圧力が目標圧力値に対して上記規定の範囲内(ラフウインドウ内)に入っている場合には、脈動発生部100から流体をパルス状に噴射可能な状態になる。
この状態で術者の足によって脈動発生部起動スイッチ625が操作され、脈動発生部起動スイッチ625のON信号が駆動制御部600に入力されると、ポンプ制御部710は、駆動制御部600から送信される信号に従って、ピンチバルブ750を開くともに、ピンチバルブ750の開放と同時あるいはほぼ同時のタイミング(例えば数ミリ秒ないし数十ミリ秒程度の時間差)で、スライダー720を所定速度で押し込み方向に移動させて、脈動発生部100への流体の供給を開始する。一方で駆動制御部600は、圧電素子401の駆動を開始して、流体室501の容積を変化させて脈流を発生する。このようにして脈動発生部100の先端のノズル211から流体がパルス状に高速噴射される。
その後、術者が足により脈動発生部起動スイッチ625を操作して、脈動発生部起動スイッチ625のOFF信号が駆動制御部600に入力されると、駆動制御部600は、圧電素子401の駆動を停止する。そしてポンプ制御部710は、駆動制御部600から送信される信号に従って、スライダー720の移動を停止させるとともにピンチバルブ750を閉じる。このようにして脈動発生部100からの流体の噴射が停止する。
なお、本実施形態に係るポンプ700は、シリンジ761及びプランジャー762を備える注射筒として構成される流体容器760をスライダー720が押圧する構成であるが、図4に示すような構成でもよい。
図4に示すポンプ700は、流体を収容した輸液バッグとして構成される流体容器760を加圧チャンバー800内に装着し、コンプレッサー810から供給されるエアーをレギュレーター811によって平滑化した後、加圧チャンバー800内に圧送することで、流体容器760を押圧する構成を有する。
加圧チャンバー800内のエアーを加圧して流体容器760を押圧した状態で、ピンチバルブ750を開放させると、流体容器760の流体収容部765に収容されている流体は、開口部764から流出して、接続チューブ25を経由して脈動発生部100に供給される。
なお加圧チャンバー800内のエアーは、排気弁812を開放することによって大気に放出される。また、加圧チャンバー800内のエアーの圧力が所定圧力を超えた場合には、排気弁812を開放しなくても、安全弁813が開くことで加圧チャンバー800内のエアーが大気に放出される。
なお図4には示していないが、上述したコンプレッサー810、レギュレーター811、排気弁812、ピンチバルブ750は、ポンプ制御部710によって制御される。
また流体容器760内の流体の圧力を検知する圧力センサー722や、流体容器760内の流体の残量を検知する残量センサー742から出力される検出信号も、ポンプ制御部710に入力されている。
また図4に示すポンプ700の場合、コンプレッサー810、レギュレーター811、及び加圧チャンバー800が流体押圧部731を構成する。
このような態様のポンプ700を採用することにより、単位時間あたりに脈動発生部100に供給可能な流体の量を増加することが可能となる。また脈動発生部100により高圧に流体を供給することも可能となる上、流体を収容した輸液バッグをそのまま流体容器760として用いるので、流体の汚染を防止することが可能である。また脈動発生部100に対して、脈動を生じることなく、連続送液を行うことも可能となる。
またその他、本実施形態では、駆動制御部600はポンプ700と脈動発生部100とから離間した位置に配設されているが、ポンプ700と一体的に構成される形態としてもよい。
また、この流体噴射装置1を用いて手術をする際には、術者が把持する部位は脈動発生部100である。従って、脈動発生部100までの接続チューブ25はできるだけ柔軟であることが好ましい。そのためには、接続チューブ25は柔軟で薄いチューブであり、また、ポンプ700からの流体の吐出圧力は、脈動発生部100に送液可能な範囲で低圧にすることが好ましい。そのため、ポンプ700の吐出圧力は概ね0.3気圧(0.03MPa)以下に設定されている。
また、特に、脳手術のときのように、機器の故障が重大な事故を引き起こす恐れがある場合には、接続チューブ25の切断等において高圧な流体が噴出することは避けなければならず、このことからも、ポンプ700からの吐出圧力は低圧にしておくことが要求される。
==脈動発生部==
次に、本実施形態による脈動発生部100の構造について説明する。
図5は、本実施形態に係る脈動発生部100の構造を示す断面図である。図5において、脈動発生部100には、流体の脈動を発生する脈動発生手段を含み、流体を吐出する流路としての接続流路201を有する流体噴射管200が接続されている。
脈動発生部100は、上ケース500と下ケース301とをそれぞれ対向する面において接合され、4本の固定螺子350(図示は省略)によって螺着されている。下ケース301は、鍔部を有する筒状部材であって、一方の端部は底板311で密閉されている。この下ケース301の内部空間に圧電素子401が配設される。
圧電素子401は、積層型圧電素子であってアクチュエーターを構成する。圧電素子401の一方の端部は上板411を介してダイアフラム400に、他方の端部は底板311の上面312に固着されている。
また、ダイアフラム400は、円盤状の金属薄板からなり、下ケース301の凹部303内において周縁部が凹部303の底面に密着固着されている。容積変更手段としての圧電素子401に駆動信号を入力することで、圧電素子401の伸張、収縮に伴いダイアフラム400を介して流体室501の容積を変更する。
ダイアフラム400の上面には、中心部に開口部を有する円盤状の金属薄板からなる補強板410が積層配設される。
上ケース500は、下ケース301と対向する面の中心部に凹部が形成され、この凹部とダイアフラム400とから構成され流体が充填された状態の回転体形状が流体室501である。つまり、流体室501は、上ケース500の凹部の封止面505と内周側壁501aとダイアフラム400によって囲まれた空間である。流体室501の略中央部には出口流路511が穿設されている。
出口流路511は、流体室501から上ケース500の一方の端面から突設された出口流路管510の端部まで貫通されている。出口流路511の流体室501の封止面505との接続部は、流体抵抗を減ずるために滑らかに丸められている。
なお、以上説明した流体室501の形状は、本実施形態(図5参照)では、両端が封止された略円筒形状としているが、側面視して円錐形や台形、あるいは半球形状等でもよく、円筒形状に限定されない。例えば、出口流路511と封止面505との接続部を漏斗のような形状にすれば、後述する流体室501内の気泡を排出しやすくなる。
出口流路管510には流体噴射管200が接続されている。流体噴射管200には接続流路201が穿設されており、接続流路201の直径は出口流路511の直径より大きい。また、流体噴射管200の管部の厚さは、流体の圧力脈動を吸収しない剛性を有する範囲に形成されている。
流体噴射管200の先端部には、ノズル211が挿着されている。このノズル211には流体噴射開口部212が穿設されている。流体噴射開口部212の直径は、接続流路201の直径より小さい。
上ケース500の側面には、ポンプ700から流体を供給する接続チューブ25を挿着する入口流路管(流体取入口)502が突設されており、入口流路管502に入口流路側の接続流路504が穿たれている。接続流路504は入口流路503に連通されている。入口流路503は、流体室501の封止面505の周縁部に溝状に形成され、流体室501に連通している。
上ケース500と下ケース301との接合面において、ダイアフラム400の外周方向の離間した位置には、下ケース301側にパッキンボックス304、上ケース500側にパッキンボックス506が形成されており、パッキンボックス304、506にて形成される空間にリング状のパッキン450が装着されている。
ここで、上ケース500と下ケース301とを組立てたとき、ダイアフラム400の周縁部と補強板410の周縁部とは、上ケース500の封止面505の周縁部と下ケース301の凹部303の底面によって密接されている。この際、パッキン450は上ケース500と下ケース301によって押し圧されて、流体室501からの流体漏洩を防止している。
流体室501内は、流体吐出の際に30気圧(3MPa)以上の高圧状態となり、ダイアフラム400、補強板410、上ケース500、下ケース301それぞれの接合部において流体が僅かに漏洩することが考えられるが、パッキン450によって漏洩を阻止している。
図5に示すようにパッキン450を配設すると、流体室501から高圧で漏洩してくる流体の圧力によってパッキン450が圧縮されるとともに、パッキン450がパッキンボックス304、506内の壁にさらに強く押圧されるので、流体の漏洩を一層確実に阻止することができる。このことから、駆動時において流体室501内の高い圧力上昇を維持することができる。
続いて、上ケース500に形成される入口流路503について図面を参照してさらに詳しく説明する。
図6は、入口流路503の形態を示す平面図であり、上ケース500を下ケース301との接合面側から視認した状態を表している。
図6において、入口流路503は、上ケース500の封止面505の周縁部溝状に形成されている。
入口流路503は、一方の端部が流体室501に連通し、他方の端部が接続流路504に連通している。入口流路503と接続流路504との接続部には、流体溜り507が形成されている。そして、流体溜り507と入口流路503との接続部は滑らかに丸めることによって流体抵抗を減じている。
また、入口流路503は、流体室501の内周側壁501aに対して略接線方向に向かって連通している。ポンプ700(図1参照)から所定の圧力で供給される流体は、内周側壁501aに沿って(図6中、矢印で示す方向)流動して流体室501に旋回流を発生する。旋回流は、旋回することによる遠心力で内周側壁501a側に押し付けられるとともに、流体室501内に含まれる気泡は旋回流の中心部に集中する。
そして、中心部に集められた気泡は、出口流路511から排除される。このことから、出口流路511は旋回流の中心近傍、つまり回転形状体の軸中心部に設けられることがより好ましい。
また図6に示すように、入口流路503は湾曲している。入口流路503は、湾曲せずに直線に沿って流体室501に連通するようにしてもよいが、湾曲させることにより流路長を長くし、狭いスペースの中で所望のイナータンス(イナータンスについては後述する)を得るようにしている。
なお、図6に示したように、ダイアフラム400と入口流路503が形成されている封止面505の周縁部との間には、補強板410が配設されている。補強板410を設ける意味は、ダイアフラム400の耐久性を向上することである。入口流路503の流体室501との接続部には切欠き状の接続開口部509が形成されるので、ダイアフラム400が高い周波数で駆動されたときに、接続開口部509近傍において応力集中が生じて疲労破壊を発生することが考えられる。そこで、切欠き部がない連続した開口部を有している補強板410を配設することで、ダイアフラム400に応力集中が発生しないようにしている。
また、上ケース500の外周隅部には、4箇所の螺子孔500aが開設されており、この螺子孔位置において、上ケース500と下ケース301とが螺合接合される。
なお、図示は省略するが、補強板410とダイアフラム400とを接合し、一体に積層固着することができる。固着方法としては、接着剤を用いて貼着する方法としても良いし、固層拡散接合や溶接等の方法としてもよいが、補強板410とダイアフラム400とが、接合面において密着されていることがより好ましい。
==脈動発生部の動作==
次に、本実施形態における脈動発生部100の動作について図1〜図6を参照して説明する。本実施形態の脈動発生部100による流体吐出は、入口流路503側のイナータンスL1(合成イナータンスL1と呼ぶことがある)と出口流路511側のイナータンスL2(合成イナータンスL2と呼ぶことがある)の差によって行われる。
<イナータンス>
まず、イナータンスについて説明する。
イナータンスLは、流体の密度をρ、流路の断面積をS、流路の長さをhとしたとき、L=ρ×h/Sで表される。流路の圧力差をΔP、流路を流れる流体の流量をQとした場合に、イナータンスLを用いて流路内の運動方程式を変形することで、ΔP=L×dQ/dtという関係が導き出される。
つまり、イナータンスLは、流量の時間変化に与える影響度合いを示しており、イナータンスLが大きいほど流量の時間変化が少なく、イナータンスLが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
また、複数の流路の並列接続や、複数の形状が異なる流路の直列接続に関する合成イナータンスは、個々の流路のイナータンスを電気回路におけるインダクタンスの並列接続、または直列接続と同様に合成して算出することができる。
なお、入口流路503側のイナータンスL1は、接続流路504の直径が入口流路503の直径に対して十分大きく設定されているので、イナータンスL1は、入口流路503の範囲において算出される。この際、ポンプ700と入口流路503を接続する接続チューブ25は柔軟性を有するため、イナータンスL1の算出から削除してもよい。
また、出口流路511側のイナータンスL2は、接続流路201の直径が出口流路511の直径よりもはるかに大きく、流体噴射管200の管部(管壁)の厚さが薄いためイナータンスL2への影響は軽微である。従って、出口流路511側のイナータンスL2は出口流路511のイナータンスに置き換えてもよい。
なお、流体噴射管200の管壁の厚さは、流体の圧力伝播には十分な剛性を有している。
そして、本実施形態では、入口流路503側のイナータンスL1が出口流路511側のイナータンスL2よりも大きくなるように、入口流路503の流路長及び断面積、出口流路511の流路長及び断面積が設定されている。
<流体の噴射>
次に、脈動発生部100の動作について説明する。
ポンプ700によって入口流路503には、所定圧力で流体が供給されている。その結果、圧電素子401が動作を行わない場合、ポンプ700の吐出力と入口流路503側全体の流体抵抗値の差によって流体は流体室501内に流動する。
ここで、圧電素子401に駆動信号が入力され、急激に圧電素子401が伸張したとすると、流体室501内の圧力は、入口流路503側及び出口流路511側のイナータンスL1、L2が十分な大きさを有していれば急速に上昇して数十気圧に達する。
この流体室501内の圧力は、入口流路503に加えられていたポンプ700による圧力よりはるかに大きいため、入口流路503側から流体室501内への流体の流入はその圧力によって減少し、出口流路511からの流出は増加する。
入口流路503のイナータンスL1は、出口流路511のイナータンスL2よりも大きいため、入口流路503から流体が流体室501へ流入する流量の減少量よりも、出口流路511から吐出される流体の増加量のほうが大きいため、接続流路201にパルス状の流体吐出、つまり、脈動流が発生する。この吐出の際の圧力変動が、流体噴射管200内を伝播して、先端のノズル211の流体噴射開口部212から流体が噴射される。
ここで、ノズル211の流体噴射開口部212の直径は、出口流路511の直径よりも小さいので、流体は、さらに高圧、高速のパルス状の液滴として噴射される。
一方、流体室501内は、入口流路503からの流体流入量の減少と出口流路511からの流体流出の増加との相互作用で、圧力上昇直後に負圧状態となる。その結果、ポンプ700の圧力と、流体室501内の負圧状態の双方によって所定時間経過後に、入口流路503の流体は圧電素子401の動作前と同様な速度で流体室501内に向かう流れが復帰する。
入口流路503内の流体の流動が復帰した後、圧電素子401の伸張があれば、ノズル211からの脈動流を継続して噴射することができる。
<気泡の排除>
続いて、流体室501内の気泡の排除動作について説明する。
上述したように、入口流路503は、流体室501の周囲を旋回しつつ流体室501に近づくような経路で流体室501に連通している。また出口流路511は、流体室501の略回転体形状の回転軸近傍に開設されている。
このため、入口流路503から流体室501に流入した流体は、流体室501内を内周側壁501aに沿って旋回する。そして流体が遠心力により流体室501の内周側壁501a側に押し付けられ、流体に含まれる気泡が流体室501の中心部に集中する結果、気泡は出口流路511から排出される。
従って、圧電素子401による流体室501の微小な容積変化においても、気泡によって圧力変動が阻害されることなく、十分な圧力上昇が得られる。
本実施形態によれば、ポンプ700により所定の圧力で入口流路503に流体が供給されるため、脈動発生部100の駆動を停止した状態においても入口流路503及び流体室501に流体が供給されるため、呼び水動作をしなくても初期動作を開始することができる。
また、出口流路511の直径よりも縮小された流体噴射開口部212から流体を噴出するため、液圧を出口流路511内よりも高めることから、高速の流体噴射を可能にする。
さらに、流体噴射管200が、流体室501から流動される流体の脈動を流体噴射開口部212に伝達し得る剛性を有しているので、脈動発生部100からの流体の圧力伝播を妨げず、所望の脈動流を噴射することができるという効果を有する。
また、入口流路503のイナータンスを、出口流路511のイナータンスよりも大きく設定していることから、入口流路503から流体室501への流体の流入量の減少よりも大きい流出量の増加が出口流路511に発生し、流体噴射管200内にパルス状の流体吐出を行うことができる。従って、入口流路503側に逆止弁を設けなくてもよく、脈動発生部100の構造を簡素化できるとともに、内部の洗浄が容易になる他、逆止弁を用いることに起因する耐久性の不安を排除することができるという効果がある。
なお、入口流路503及び出口流路511双方のイナータンスを十分大きく設定することにより、流体室501の容積を急激に縮小すれば、流体室501内の圧力を急激に上昇させることができる。
また、容積変更手段としての圧電素子401とダイアフラム400とを用いて脈動を発生させる構成とすることにより、脈動発生部100の構造の簡素化と、それに伴う小型化を実現できる。また、流体室501の容積変化の最大周波数を1KHz以上の高い周波数にすることができ、高速脈動流の噴射に最適である。
また、脈動発生部100は、入口流路503により流体室501内の流体に旋回流を発生させることで、流体室501内の流体を遠心力により流体室501の外周方向に押しやり、旋回流の中心部、つまり、略回転体形状の軸近傍に流体に含まれる気泡を集中させ、略回転体形状の軸の近傍に設けられる出口流路511から気泡を排除することができる。このことから、流体室501内に気泡が滞留することによる圧力振幅の低下を防止することができ、脈動発生部100の安定した駆動を継続することができる。
さらに、入口流路503を、流体室501の周囲を旋回しつつ流体室501に近づくような経路で流体室501に連通させるように形成していることから、流体を流体室501の内部で旋回させるための専用の構造を用いることなく旋回流を発生させることができる。
また、流体室501の封止面505の外周縁部に、溝形状の入口流路503を形成しているので、部品数を増やすことなく旋回流発生部としての入口流路503を形成することができる。
また、ダイアフラム400の上面に補強板410を備えていることにより、ダイアフラム400は補強板410の開口部外周を支点として駆動するため、応力集中が発生しにくく、ダイアフラム400の耐久性を向上させることができる。
なお、補強板410のダイアフラム400との接合面の角部を丸めておけば、一層、ダイアフラム400の応力集中を緩和することができる。
また、補強板410とダイアフラム400とを積層し、一体に固着すれば、脈動発生部100の組立性を向上させることができる他、ダイアフラム400の外周縁部の補強効果もある。
また、ポンプ700から流体を供給する入口側の接続流路504と入口流路503との接続部に、流体を滞留する流体溜り507を設けているために、接続流路504のイナータンスが入口流路503に与える影響を抑制することができる。
さらに、上ケース500と下ケース301との接合面において、ダイアフラム400の外周方向離間した位置にリング状のパッキン450を備えているために、流体室501からの流体の漏洩を防止し、流体室501内の圧力低下を防止することができる。
==圧力センサーの故障検知==
上述したように、本実施形態に係る流体噴射装置1は、流体収容部765に収容されている流体の圧力が所定の目標圧力値に対して規定の範囲内(ラフウインドウ)に入っており、ポンプ700から脈動発生部100への流体の送液を許可する送液可能状態になっている場合に、術者によって脈動発生部起動スイッチ625のON信号が駆動制御部600に入力されると、駆動制御部600が圧電素子401の駆動を開始して、脈動発生部100の先端のノズル211から流体をパルス状に高速噴射する。
流体噴射装置1は、このように、流体収容部765内の流体の圧力がラフウインドウに入っているように制御することで、脈動発生部100からの流体の噴射が適切な強度でなされるようにしている。
従って、流体収容部765内の流体の圧力を検知する圧力センサー722が何らかの理由で故障した場合には、流体収容部765内の流体の圧力を制御することができなくなるので、術者の想定外の強度で脈動発生部100から流体が噴射される可能性がある。
なお本実施形態において、圧力センサー722が故障しているとは、圧力センサー722の出力特性が正規の特性を有していない場合をいう。
圧力センサー722の正規の出力特性とは、圧力センサー722に印加される圧力と、圧力センサー722から出力される検知信号のレベルと、の対応関係が、正常とされる所定の範囲内にあるような特性をいう。
本実施形態に係る流体噴射装置1は、圧力センサー722の故障を検知することができる。
詳細は後述するが、本実施形態に係る流体噴射装置1は、例えば、ピンチバルブ(流路開閉部)750を閉塞した状態でスライダー(移動体)720を押圧方向に移動させて流体収容部765を押圧する際に、スライダー720がプランジャー762に接触しているときに圧力センサー722により検知される圧力が第1判定値未満である場合、あるいは、スライダー720がプランジャー762に接触していないときに圧力センサー722により検知される圧力が第2判定値以上である場合に、圧力センサー722が故障していると判定する。
以下、図7〜図12を参照しながら、本実施形態に係る流体噴射装置1による圧力センサー722の故障検知処理について具体的に説明する。
まず、図7を参照して、ポンプ制御部(制御部)710の構成を説明する。
ポンプ制御部710は、CPU(Central Processing Unit)711、メモリー712、AD(Analog/Digital)コンバーター713を有して構成されている。
ポンプ制御部710は、流体押圧部731が流体容器760の流体収容部765を押圧する際の圧力に応じたレベルの検知信号を圧力センサー722から取り込んで、流体押圧部731の制御を行う。例えばポンプ制御部710は、スライダーセットスイッチ781のON信号が入力された際には、ピンチバルブ750を閉じた状態で、流体押圧部731に所定の駆動信号を出力することでモーター730を駆動してスライダー720を押し込み方向に移動し、圧力センサー722によって検出された流体収容部765内の圧力が所定の目標圧力値になるように、モーター730を制御する。なお、流体押圧部731は、スライダー720、モーター730及びリニアガイド740を有して構成されている。
CPU711は、ポンプ制御部710の全体の制御を司るもので、メモリー712に記憶される各種の動作を行うためのコードから構成されるプログラムを実行することにより、本実施形態に係る各種機能を実現する。
メモリー712は、上記プログラムの他、各種データーを記憶している。例えばメモリー712は、上記目標圧力値の他、上述した第1判定値(圧力値)に相当するレベル(例えば電圧)を示す第1判定値レベルデーター(例えば電圧値)、第2判定値に相当するレベルを示す第2判定値レベルデーターなどを記憶している。
ADコンバーター713は、圧力センサー722から出力される検知信号が入力され、この検知信号のレベルを示すデーターを出力する。具体的には、圧力センサー722は、スライダー720が流体収容部765を押圧する際の圧力を検知し、この圧力に応じたレベル(例えば電圧)の検知信号を出力しているが、ADコンバーター713は、圧力センサー722から出力される検知信号のレベルを示す検知レベルデーター(例えば電圧値)を出力する。
<第1の故障検知処理>
以下、図8及び図9を参照しながら、本実施形態に係る圧力センサー722の第1の故障検知処理の流れについて説明する。なお図8は圧力センサー722の検知信号のレベル及びタッチセンサー723の出力信号の変化の様子を示す図であり、図9は、第1の故障検知処理の流れを示すフローチャートである。
なお以下の説明では、スライダーリリーススイッチ780のON信号がポンプ制御部710に入力された時点から第1の故障検知処理の流れを説明する。
まずCPU711は、スライダーリリーススイッチ780のON信号が入力されたことを検知する(図8の(B)、図9のS1000)。そうすると、CPU711は、流体押圧部731に対して所定の駆動信号を出力することにより、スライダー720を押し込み方向とは反対向きにホーム位置に向けて移動させる(図9のS1010)。そうすると、流体収容部765内の流体の圧力によってプランジャー762が押し込み方向とは反対向きに移動し、それに伴って流体収容部765内の流体の圧力が低下する(図8の(C))。
CPU711がスライダー720をホーム位置に向けて移動している間に、スライダー720がプランジャー762から離れると、タッチセンサー723からの出力信号がOFFに変わり(図8の(D))、流体収容部765内の流体の圧力の低下が止まる(図8の(E))。
その後も引き続きCPU711がスライダー720を押し込み方向とは反対向きにホーム位置に向けて移動し続けていると、スライダー720がホームセンサー743の位置に到達する。そしてこのとき、CPU711は、ホームセンサー743から出力されるON信号を検知する。そしてCPU711は、スライダー720をホーム位置で停止させる(図8の(F)、図9のS1030)。
そしてCPU711は、この時点で、タッチセンサー723から出力される信号がONであるかOFFであるかを判定する(図9のS1040)。スライダー720はこの時点でホーム位置に停止しているので、CPU711は、タッチセンサー723から出力される信号がONである場合は、タッチセンサー723が故障していると判定し(図9のS1050)、故障処理を実行する(図9のS1060)。
CPU711は、故障処理において、例えば所定の警報を出力する。例えばCPU711は、タッチセンサー723が故障した旨の音声メッセージをスピーカ790から出力する。あるいはCPU711は、所定の警告灯(不図示)を点灯させる。
このような態様により、タッチセンサー723が故障したことをいち早く術者等のオペレーターに知らせることができ、流体噴射装置1の安全性をより一層向上させることが可能になる。
図9のS1040において、タッチセンサー723から出力される信号がOFFである場合は、続いてCPU711は、圧力センサー722から出力されている検知信号のレベル(電圧)を示す検知レベルデーター(電圧値)をADコンバーター713から取得する(図9のS1070)。
そしてCPU711は、この検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター以上であるか否かを判定する(図9のS1080)。
この時点では、スライダー720はホーム位置にあるのでプランジャー762に接触しておらず、流体収容部765内の圧力は低圧(後述する第2判定値により示される圧力よりも低圧)であるはずなので、検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター以上である場合は、圧力センサー722は流体収容部765内の圧力を正しく検知していないことになる。
このため、CPU711は、検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター以上である場合は、圧力センサー722が故障していると判定し(図9のS1090)、所定の故障処理を実行する(図9のS1100)。
なお、第2判定値は、事前に実験等を行って適切な値に定めておくことが可能である。例えば、タッチセンサー723からの出力信号がONとOFFとの間を切り替わる際の流体収容部765内の圧力を計測しておき、このときの圧力に基づいて第2判定値を定めておくとよい。例えば、タッチセンサー723からの出力信号がONとOFFとの間を切り替わる際の圧力に所定値(第2所定値)を加算した値を第2判定値として定めておくと良い。
このように定めておくことにより、流体収容部765内の圧力を減圧している場合には、タッチセンサー723からの出力信号がONからOFFに切り替わる前に、流体収容部765内の圧力が第2判定値を下回り、流体収容部765内の圧力を増圧している場合には、タッチセンサー723からの出力信号がOFFからONに切り替わった後に、流体収容部765内の圧力が第2判定値を上回るようにできるため、圧力センサー722の故障の誤検知を防止することが可能となる。
CPU711は、圧力センサー722が故障していると判定した場合には、故障処理(図9のS1100)において所定の警報を出力する。例えばCPU711は、圧力センサー722が故障した旨の音声メッセージをスピーカ790から出力する。あるいはCPU711は、所定の警告灯(不図示)を点灯させる。
このような態様により、圧力センサー722が故障したことをいち早く術者等のオペレーターに知らせることができ、流体噴射装置1の安全性をより一層向上させることが可能になる。
図9のS1080において、圧力センサー722の検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター未満である場合には、CPU711は、第1判定値(圧力値)を示す第1判定値レベルデーター(電圧値)を設定する(図9のS1110)。
この第1判定値は、以下に続く処理でスライダー720がプランジャー762に接触している時に圧力センサー722の故障を判定するために用いる判定値である。
第1判定値についても、第2判定値と同様に、例えばタッチセンサー723からの出力信号がONとOFFとの間を切り替わる際の流体収容部765内の圧力を事前の実験等によって計測しておき、このときの圧力に基づいて定めておようにしてもよい。例えば、タッチセンサー723からの出力信号がONとOFFとの間を切り替わる際の圧力に第1所定値を減算した値を第1判定値として定めておいても良い。
このように定めておくことにより、流体収容部765内の圧力を減圧している場合には、タッチセンサー723からの出力信号がONからOFFに切り替わった後に、流体収容部765内の圧力が第1判定値を下回り、流体収容部765内の圧力を増圧している場合には、タッチセンサー723からの出力信号がOFFからONに切り替わる前に、流体収容部765内の圧力が第1判定値を上回るようにできるため、圧力センサー722の故障の誤検知を防止することが可能となる。
あるいは、圧力センサー722の検知信号のレベルは温度や製造誤差等によってばらつくことがあるため、スライダー720がホーム位置で停止している時の圧力センサー722から出力される検知信号のレベルを基準とした相対値として第1判定値を設定するようにしてもよい。この場合は、圧力センサー722の出力特性にばらつきがあっても圧力センサー722の故障の誤検知を防止することが可能となる。
本実施形態では、スライダー720がホーム位置にあるとき(つまり、スライダー720が流体収容部765に接触しない所定位置にあるとき)に圧力センサー722が出力した検知信号により示される圧力に、第3所定値を加算して得られる値を第1判定値としている。本実施形態では、圧力センサー722から出力される検知信号に含まれ得る最大誤差に、なるべく小さな正の値を上乗せ分として加えた値を、上記第3所定値としている。
このようにすることにより、圧力センサー722の誤差の影響を排除しつつ、タッチセンサー723がONである時の圧力センサー722の検知信号のレベルの異常を正しく検知することが可能となる。
なお、第1判定値の算出に用いられる上記第3所定値は、圧力センサー722の誤差だけでなく、ADコンバーター713の誤差(例えば量子化誤差など)を考慮して定めるようにすることがより好ましい。
CPU711は、以上のようにして定められる第1判定値を示す第1判定値レベルデーターをメモリー712に記憶する(図9のS1110)。
その後、CPU711は、スライダーセットスイッチ781のON信号が入力されたことを検知する(図9のS1120)。そうすると、CPU711は、流体押圧部731に対して所定の駆動信号を出力することにより、スライダー720を押し込み方向に移動させる(図9のS1130)。
そしてCPU711は、タッチセンサー723から出力される信号がONであるかOFFであるかを判定する(図9のS1140)。スライダー720がプランジャー762に当接してプランジャー762の押圧が開始されると(図8の(G))、タッチセンサー723からON信号が出力される(図8の(H))。
そうするとCPU711は、タッチセンサー723からON信号が出力されたことを検知し、圧力センサー722から出力されている検知信号のレベル(電圧)を示す検知レベルデーター(電圧値)をADコンバーター713から取得する(図9のS1150)。
そしてCPU711は、この検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター以上であるか否かを判定する(図9のS1160)。
この時点では、スライダー720はプランジャー762の押圧を開始しており、流体収容部765内の圧力は、第1判定値により示される圧力よりも高圧であるはずなので、検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター未満である場合は、圧力センサー722は流体収容部765内の圧力を正しく検知していないことになる。
このため、CPU711は、検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター未満である場合は、圧力センサー722が故障していると判定し(図9のS1170)、所定の故障処理を実行する(図9のS1180)。
CPU711は、圧力センサー722が故障していると判定した場合には、故障処理(図9のS1180)において所定の警報を出力する。例えばCPU711は、圧力センサー722が故障した旨の音声メッセージをスピーカ790から出力する。あるいはCPU711は、所定の警告灯(不図示)を点灯させる。
このような態様により、圧力センサー722が故障したことをいち早く術者等のオペレーターに知らせることができ、流体噴射装置1の安全性をより一層向上させることが可能になる。
図9のS1160において、圧力センサー722の検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター以上である場合には、CPU711は故障検知処理を終了する。
なお、CPU711は、圧力センサー722が故障していると判定した場合には、故障処理(図9のS1100、S1180)において、ピンチバルブ750を開放するようにしてもよい。
このようにすれば、仮に流体収容部765内の圧力が想定以上の高圧になっていたとしても、流体収容部765内の流体を脈動発生部100のノズル211から流出させることで流体収容部765内の圧力を低下させることができるので、流体噴射装置1の安全性を向上させることが可能となる。
また、CPU711は、故障処理(図9のS1100、S1180)においてピンチバルブ750を開放する際に、流体噴射装置1を送液可能状態にするようにしてもよい。
このようにすれば、圧力センサー722が故障した場合であっても、術者は、脈動発生部起動スイッチ625を操作して脈動発生部起動スイッチ625のON信号を駆動制御部600に入力することで、脈動発生部100から流体をパルス状に高速噴射させることができるようになる。
この場合例えば、術者は、脈動発生部100から流体を試験的に噴射させて噴射の強さを確かめ、そして術者の判断により、圧力センサー722が故障している場合であっても手術を継続するようにすることも可能になる。
なお、スライダー720がプランジャー762に接触してプランジャー762を押圧し始めるタイミングは、タッチセンサー723がOFFからONに切り替わるタイミングと同一でない場合がある。あるいは、スライダー720がプランジャー762から離れるタイミングは、タッチセンサー723がONからOFFに切り替わるタイミングと同一でない場合がある。
このような場合は、圧力センサー722が故障していなくても、タッチセンサー723がONである時に圧力センサー722が検知した圧力が第1判定値未満になる場合や、タッチセンサー723がOFFである時に圧力センサー722が検知した圧力が第2判定値以上になる場合がある。
たとえば、図10に例示するケースでは、流体収容部765内の圧力が低下している際に(図10の(C))、流体収容部765内の圧力が第1判定値未満(図10の(D))になった後に、タッチセンサー723がOFFになる(図10の(F))。また流体収容部765内の圧力が上昇する際に、タッチセンサー723がONになった後に(図10の(H))、流体収容部765内の圧力が第1判定値以上になる(図10の(J))。つまり図10に示すような場合、タッチセンサー723がONであるにもかかわらず、圧力センサー722が検知した圧力が第1判定値未満となる期間がある(図10の(D)〜(F)、(H)〜(J))。
このような場合は、図10に示すように、流体収容部765内の圧力が低下している際には、流体収容部765内の圧力が第1判定値未満(図10の(D))になってから所定時間t1が経過するまでの間は、タッチセンサー723がONであるかOFFであるか否かを判定しないようにすると良い。
また同様に、流体収容部765内の圧力が上昇する際には、タッチセンサー723がON(図10の(H))になってから所定時間t2が経過するまでの間は、流体収容部765内の圧力が第1判定値未満であるか否かを判定しないようにすると良い(図9のS1140、S1150、S1160)。
このような態様により、圧力センサー722の故障の誤検知を防止することが可能となる。
なお、第1判定値及び第2判定値は、異なる値としてもよいし、同じ値にしてもよい。第1判定値と第2判定値とを異なる値にした場合には、例えば流体収容部765の加圧時と減圧時とで圧力の変化の特性が異なるような場合であっても、より正確に圧力センサー722の故障を検知することが可能となる。一方、第1判定値と第2判定値とを同じ値にした場合には、圧力センサー722の故障判定条件を簡易に設定することが可能となる。
<第2の故障検知処理>
次に、本実施形態に係る第2の故障検知処理について図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下に説明する第2の故障検知処理は、第1の故障検知処理と同様に、ピンチバルブ(流路開閉部)750を閉塞した状態でスライダー(移動体)720を押圧方向に移動させて流体収容部765を押圧する際に、スライダー720がプランジャー762に接触しているときに圧力センサー722により検知される圧力が第1判定値未満である場合、あるいは、スライダー720がプランジャー762に接触していないときに圧力センサー722により検知される圧力が第2判定値以上である場合に、圧力センサー722が故障していると判定するものであるが、スライダーリリーススイッチ780やスライダーセットスイッチ781を操作しなくても、圧力センサー722の故障を検知することを可能とするものである。
まずCPU711は、圧力センサー722から出力されている検知信号のレベル(電圧)を示す検知レベルデーター(電圧値)をADコンバーター713から取得する(図11のS2000)。
そしてCPU711は、タッチセンサー723からの出力信号がONであるかOFFであるかを判定する(図11のS2010)。
タッチセンサー723からの出力信号がONである場合は、CPU711は、検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター以上であるか否かを判定する(図11のS2020)。
検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター以上である場合は、CPU711は故障検知処理を終了する。
一方、検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター未満である場合は、CPU711は、タッチセンサー723からの出力信号がONであり、かつ、検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター未満である状態が、第1所定時間以上継続しているか否かを判定する(図11のS2030)。
未だ第1所定時間以上継続していない場合には、CPU711は、再び、タッチセンサー723からの出力信号がONであるかOFFであるかを判定処理に戻る(図11のS2010)。
第1所定時間以上継続している場合は、CPU711は、圧力センサー722が故障していると判定し(図11のS2040)、所定の故障処理を実行する(図11のS2050)。故障処理は、第1の故障検知処理と同様で良い(図9のS1100、S1180)。
例えばCPU711は、圧力センサー722が故障していると判定した場合には、故障処理(図11のS2050)において所定の警報を出力する。例えばCPU711は、圧力センサー722が故障した旨の音声メッセージをスピーカ790から出力する。あるいはCPU711は、所定の警告灯(不図示)を点灯させる。
このような態様により、圧力センサー722が故障したことをいち早く術者等のオペレーターに知らせることができ、流体噴射装置1の安全性をより一層向上させることが可能になる。
一方、S2010において、タッチセンサー723からの出力信号がOFFである場合は、CPU711は、検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター未満であるか否かを判定する(図11のS2060)。
検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター未満である場合は、CPU711は故障検知処理を終了する。
一方、検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター以上である場合は、CPU711は、タッチセンサー723からの出力信号がOFFであり、かつ、検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター以上である状態が、第2所定時間以上継続しているか否かを判定する(図11のS2070)。
まだ第2所定時間以上継続していない場合には、CPU711は、再び、タッチセンサー723からの出力信号がONであるかOFFであるかを判定処理に戻る(図11のS2010)。
第2所定時間以上継続している場合は、CPU711は、圧力センサー722が故障していると判定し(図11のS2040)、所定の故障処理を実行する(図11のS2050)。
このように、第2の故障判定処理では、タッチセンサー723からの出力信号がONであり、かつ、検知レベルデーターが第1判定値レベルデーター未満である状態が、第1所定時間以上継続している場合、あるいは、タッチセンサー723からの出力信号がOFFであり、かつ、検知レベルデーターが第2判定値レベルデーター以上である状態が、第2所定時間以上継続している場合に、圧力センサー722が故障していると判定する。
これにより、図10に例示したように、スライダー720がプランジャー762に当接するタイミングあるいはスライダー720がプランジャー762から離れるタイミングが、タッチセンサー723がON、OFFするタイミングと一致していない場合であっても、圧力センサー722の故障検知を適切に行うことが可能となる。
しかも、スライダーリリーススイッチ780やスライダーセットスイッチ781が操作されるような特定の場合に限定されることなく、圧力センサー722の故障を検知することができる。
上記の第1所定時間や第2所定時間は、事前の実験等によって適切な値に定めておくことが可能である。
なお、上記第1の故障検知処理及び第2の故障検知処理において、CPU711は、タッチセンサー723からの出力信号(ON、OFF)を用いて、スライダー720がプランジャー762に接触しているか否かを判定しているが、タッチセンサー723からの出力信号を用いない形態も可能である。
例えばCPU711は、スライダー720がホーム位置にある時は、スライダー720がプランジャー762に接触していない、と判定するようにしてもよい。またCPU711は、スライダーリリーススイッチ780のON信号が入力されて、スライダー720を押し込み方向とは反対向きに移動開始してから、事前に実験等により求めておいた所定時間が経過した時点で、スライダー720がプランジャー762に接触していない、と判定するようにしてもよい。
またCPU711は、スライダーセットスイッチ781のON信号が入力されて、スライダー720を押し込み方向に移動開始してから、事前に実験等により求めておいた所定時間が経過した時点で、スライダー720がプランジャー762に接触している、と判定するようにしてもよい。
<その他の実施形態>
また本実施形態に係る流体噴射装置1は、以下に記載するように、複数の圧力センサー722を有するスライダー720を用いて実現することもできる。
スライダー720が第1圧力センサー(第1の圧力検知部)722aと第2圧力センサー(第2の圧力検知部)722bとを有する場合の構成図を図12に示す。
図12に示すように、本実施形態に係るスライダー720は、第1圧力センサー722aと第2圧力センサー722bとが、スライダー720の押し込み方向に積層するように配置されて構成されている。
そして、第1圧力センサー722a及び第2圧力センサー722bは、スライダー720が流体収容部765を押圧する際に、スライダー720とプランジャー762とによって挟圧される位置に設けられている。
このため、スライダー720が流体収容部765を押圧する際の圧力は、第1圧力センサー722aと第2圧力センサー722bとの両方によって検知され、第1圧力センサー722aからは第1の検知信号が出力され、第2圧力センサー722bからは第2の検知信号が出力される。
そしてADコンバーター713は、第1の検知信号と第2の検知信号とが入力されると、それぞれに対応する第1の検知レベルデーターと第2の検知レベルデーターとを出力する。
CPU711は、第1の検知レベルデーターおよび第2の検知レベルデーターのいずれか一方または両方を用いて、上述した様々な流体押圧部731の制御を行う。例えばCPU711は、第1の検知レベルデーターおよび第2の検知レベルデーターのいずれか一方または両方を用いて、スライダー720が流体収容部765を押圧する際の圧力が所定の目標圧力値になるようにスライダー720を移動させる。
なおCPU711は、第1の検知レベルデーターおよび第2の検知レベルデーターの両方を用いる場合には、これらの平均値を算出して制御に用いるようにすると良い。このような態様により、第1の検知信号あるいは第2の検知信号のいずれか一方に例えばノイズが混入し、ノイズが混入した方の検知レベルデーターの値が急激に変化したような場合であっても、流体押圧部731に対する安定した制御を継続することが可能となる。
またCPU711は、上述した第1の故障検知処理あるいは第2の故障検知処理によって、第1圧力センサー722aが故障したと判定した場合には、第2圧力センサー722bを用いて上記の制御を継続し、第2圧力センサー722bが故障したと判定した場合には、第1圧力センサー722bを用いて上記の制御を継続する。
このような態様により、流体噴射装置1は、圧力センサー722に故障が発生しても脈動発生部100から流体の噴射を継続する制御を行うことが可能となり、流体噴射装置1の信頼性を向上させることが可能となる。
またこの場合、流体噴射装置1は、圧力センサー722が故障したことを示す旨の警報を出力するようにしてもよいし、出力しないようにしてもよい。前者の場合には、流体噴射装置1は、正常な方の圧力センサー722を用いて制御を継続することはできるものの、もう一方の圧力センサー722が故障したことをいち早くオペレータに知らせることができる。
後者の場合は、流体噴射装置1は、一方の圧力センサー722に故障が発生しても、故障が発生したことを知らせないようにすることで、手術に集中している術者に刺激を与えないようにすることができる。なおこの場合、一方の圧力センサー722に故障が発生したことを、例えばログ情報としてメモリー712に保存しておくようにすると良い。このようにすれば、手術の終了後に流体噴射装置1のメンテナンスを行う際に、圧力センサー722が故障していることを保守員に知らせることが可能となる。
あるいは、本実施形態に係る流体噴射装置1は、例えば、第1の検知レベルデーターと第2の検知レベルデーターとの差分が所定の判定値以上になった場合には、第1圧力センサー722aと第2圧力センサー722bの少なくともいずれか一方に故障が発生していると判定し、所定の警報を出力する等の上述した故障処理を実行するようにしてもよい。
このような態様により、上記第1の故障検知処理や第2の故障検知処理により圧力センサー722の故障を検知する以外にも、上記第1の故障検知処理や第2の故障検知処理を行っていない場合であっても、圧力センサー722の故障を検知することが可能となる。
以上、上記実施形態に係る流体噴射装置1について詳細に説明したが、これらの実施形態に係る流体噴射装置1によれば、圧力センサー722の故障を検知し、より安全で信頼性の高い流体噴射装置1を実現することができる。
なお上述した実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
1流体噴射装置、25接続チューブ、26三方活栓、100脈動発生部、200流体噴射管、201接続流路、211ノズル、400ダイヤフラム、401圧電素子、501流体室、502入口流路管、503入口流路、510出口流路管、511出口流路、600駆動制御部、625脈動発生部起動スイッチ、630制御ケーブル、640通信ケーブル、700ポンプ、710ポンプ制御部、720スライダー、722圧力センサー、723タッチセンサー、730モーター、740リニアガイド、741第1リミットセンサー、742残量センサー、743ホームセンサー、744第2リミットセンサー、750ピンチバルブ、760流体容器、761シリンジ、762プランジャー、763ガスケット、764開口部、765流体収容部、770流体容器装着部、780スライダーリリーススイッチ、781スライダーセットスイッチ、782送液レディスイッチ、783プライミングスイッチ、785ピンチバルブスイッチ、790スピーカ

Claims (6)

  1. 流体を収容する流体収容部と、前記流体収容部に形成される流体出口と、を有する流体容器と、
    前記流体収容部を押圧して、前記流体出口から前記流体を流出させる流体押圧部と、
    一端が前記流体出口に接続される接続配管と、
    前記接続配管の他端が接続される流体取入口を有し、前記流体取入口から取り入れた前記流体をパルス状に噴射する流体噴射部と、
    前記接続配管内の前記流体の流路を開閉する流路開閉部と、
    前記流体押圧部が前記流体収容部を押圧する際の圧力を検知し、前記圧力に応じたレベルの検知信号を出力する圧力検知部と、
    前記流路開閉部に前記流路を閉塞させた状態で、前記流体押圧部に前記流体収容部を押圧させ、前記流体押圧部が前記流体収容部に接触しているときに前記検知信号が示す前記圧力が第1判定値未満である場合、あるいは、前記流体押圧部が前記流体収容部に接触していないときに前記検知信号が示す前記圧力が第2判定値以上である場合に、前記圧力検知部が故障していると判定する制御部と、
    を備えることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の流体噴射装置であって、
    前記流体押圧部は、
    前記流体収容部の押圧方向に移動し、前記流体押圧部への押圧を行う移動体と、
    前記移動体の位置を検出する位置検知部と、
    を備え、
    前記第1判定値は、前記移動体が前記流体収容部に接触しない所定位置にあるときに前記圧力検知部が出力した前記検知信号により示される前記圧力に基づいて定められる値である
    ことを特徴とする流体噴射装置。
  3. 請求項2に記載の流体噴射装置であって、
    前記第1判定値は、前記移動体が前記所定位置にあるときに前記圧力検知部が出力した前記検知信号により示される前記圧力と、前記圧力の誤差に応じて定められる所定値と、の加算値である
    ことを特徴とする流体噴射装置。
  4. 請求項2または3に記載の流体噴射装置であって、
    第1の前記圧力検知部と、第2の前記圧力検知部と、
    を備え、
    第1の前記圧力検知部及び第2の前記圧力検知部は、前記移動体が前記流体収容部を押圧する際に、前記移動体及び前記流体収容部によって挟圧される位置に、前記移動体の前記押圧方向に積層して配置され、
    前記制御部は、
    第1の前記圧力検知部から出力される第1の前記検知信号と、第2の前記圧力検知部から出力される第2の前記検知信号と、のいずれか一方または両方を用いて、前記移動体が前記流体収容部を押圧する際の圧力が所定の目標圧力値になるように前記移動体の前記移動を制御し、
    第1の前記圧力検知部が故障したと判定した場合には、第2の前記検知信号を用いて前記制御を継続し、
    第2の前記圧力検知部が故障したと判定した場合には、第1の前記検知信号を用いて前記制御を継続する
    ことを特徴とする流体噴射装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の流体噴射装置であって、
    前記制御部は、前記圧力検知部が故障したと判定した場合には、前記流路開閉部に前記流路を開放させる
    ことを特徴とする流体噴射装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の流体噴射装置であって、
    前記制御部は、前記圧力検知部が故障したと判定した場合には、前記圧力検知部が故障したことを示す警報を出力する
    ことを特徴とする流体噴射装置。
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