JP2015197166A - 多段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】多段変速機が搭載される車両の燃費やドライバビリティ,多段変速機の変速性能,多段変速機の係合要素の耐久性を向上させると共に多段変速機を軽量コンパクト化する。
【解決手段】自動変速機20は、シングルピニオン式の第1,第2遊星歯車21,22と、シングルピニオン式の第3,第4遊星歯車23,24を組み合わせて構成される複合遊星歯車機構25と、クラッチC1〜C4と、ブレーキB1,B2とを有し、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2のうちいずれか3つを係合させると共に残余の3つを解放させることにより、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多段変速機に関し、詳しくは、入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機に関する。
従来、この種の多段変速機として、4つのシングルピニオン式の遊星歯車と4つのクラッチと2つのブレーキとを有し、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを提供するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。こうした多段変速機では、スプレッド(ギヤ比幅=最低変速段のギヤ比/最高変速段のギヤ比)を大きくするほど、多段変速機が搭載される車両の燃費やドライバビリティすなわち車両の加速性能等をより向上させることができる。
米国特許出願公開第2012/0231917号明細書
しかしながら、特許文献1に記載された多段変速機では、最低変速段のギヤ比が4.600であり且つ最高変速段のギヤ比が0.638である場合、スプレッドが7.21となり、最低変速段のギヤ比が4.850であり且つ最高変速段のギヤ比が0.616である場合、スプレッドが7.89となることから、同文献に記載された多段変速機は、車両の燃費やドライバビリティの向上を図るという面で、なお改善の余地を有している。また、特許文献1に記載された多段変速機では、前進第2速段から第6速段および前進第8速段から第10速段の形成に際して、第1遊星歯車(符号14)について特に径の大きいリングギヤが常に高い回転速度で回転することから、そのリングギヤの回転時のイナーシャが大きくなってしまう。このため、ブレーキやクラッチの係合に時間を要したり(変速時間が長くなったり)、そのブレーキ等の係合を伴う変速時にショックが発生したり、ブレーキやクラッチの摩擦材の耐久性が低下したり、そのリングギヤの強度確保に伴う寸法(厚み等)すなわち重量の増加や装置全体の大型化を招いたりするおそれがある。
本発明は、多段変速機が搭載される車両の燃費やドライバビリティ,多段変速機の変速性能,多段変速機の係合要素の耐久性を向上させると共に多段変速機を軽量コンパクト化することを主目的とする。
本発明の多段変速機は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の多段変速機は、
入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機であって、
速度線図上でギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有する第1遊星歯車と、
速度線図上でギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第4回転要素と第5回転要素と第6回転要素とを有する第2遊星歯車と、
第3遊星歯車と第4遊星歯車とにより構成され、速度線図上で前記第3,第4遊星歯車のギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第7回転要素と第8回転要素と第9回転要素と第10回転要素とを有する複合遊星歯車機構と、
それぞれ前記第1,第2遊星歯車および前記複合遊星歯車機構の回転要素のいずれかを他の回転要素または静止部材に接続すると共に両者の接続を解除する第1,第2,第3,第4,第5,第6係合要素と、
を備え、
前記第2遊星歯車の前記第5回転要素および前記複合遊星歯車機構の前記第8回転要素は、前記入力部材に常時連結され、
前記第1遊星歯車の前記第2回転要素は、前記出力部材に常時連結され、
前記第1遊星歯車の前記第1回転要素と前記複合遊星歯車機構の前記第7回転要素とは常時連結され、
前記第1係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第3回転要素と、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
前記第2係合要素は、常時連結された前記第1遊星歯車の前記第1回転要素および前記複合遊星歯車機構の前記第7回転要素と、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
前記第3係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第2回転要素と、前記複合遊星歯車機構の前記第9回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
前記第4係合要素は、前記第2遊星歯車の前記第4回転要素と、前記複合遊星歯車機構の前記第10回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
前記第5係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第3回転要素を前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、
前記第6係合要素は、前記第2遊星歯車の前記第4回転要素を前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、
前記第1,第2,第3,第4,第5,第6係合要素のうちいずれか3つを選択的に係合させることにより、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成する、
ことを特徴とする。
この本発明の多段変速機では、スプレッドをより大きくすることができ、高速段をよりハイギヤにする(変速比を小さくする)と共に低速段をよりローギヤにする(変速比を大きくする)ことにより、燃費を向上させることができると共に加速性能も向上させることができる。また、第1,第2,第3,第4遊星歯車としてリングギヤを有する遊星歯車を用いる場合に、第1速段から第10速段までの前進段および後進段の形成時に特に径の大きいリングギヤが高い回転速度で回転しないようにして、リングギヤの回転時のイナーシャが大きくなるのを抑制することができる。そして、リングギヤの回転時のイナーシャが大きくなるのを抑制することにより、係合要素の係合に要する時間を短縮化したり、その係合要素の係合に伴う変速時のショックを抑制したり、係合要素の摩擦材の耐久性を良好に確保したり、リングギヤの強度確保に伴う寸法(厚み等)すなわち重量の増加や装置全体の大型化を抑制したりすることができる。これらの結果、本発明の多段変速機では、多段変速機が搭載される車両の燃費,ドライバビリティ,多段変速機の変速性能,多段変速機の係合要素の耐久性を向上させると共に多段変速機を軽量コンパクト化することができる。
本発明の一実施形態である多段変速機としての自動変速機20を備える動力伝達装置10の概略構成図である。 自動変速機20における入力軸20iの回転速度に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。 自動変速機20における各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を示す作動表である。 本発明の他の実施形態である多段変速機としての自動変速機20Bを備える動力伝達装置10Bの概略構成図である。 自動変速機20Bにおける入力軸20iの回転速度に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。
次に、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である多段変速機としての自動変速機20を備える動力伝達装置10の概略構成図である。同図に示す動力伝達装置10は、前輪駆動車両の前部に横置きに搭載される駆動源としての図示しないエンジン(内燃機関)のクランクシャフトに接続されると共にエンジンからの動力(トルク)を図示しない左右の前輪(駆動輪)に伝達可能なものである。図示するように、動力伝達装置10は、エンジンから入力軸20iに伝達された動力を変速して出力部材としてのカウンタドライブギヤ41に伝達する自動変速機20に加えて、トランスミッションケース(静止部材)11や発進装置(流体伝動装置)12,オイルポンプ17等を備える。
発進装置12は、駆動源に連結される入力側のポンプインペラ14pや、自動変速機20の入力軸(入力部材)20iに連結される出力側のタービンランナ14t,ポンプインペラ14pおよびタービンランナ14tの内側に配置されてタービンランナ14tからポンプインペラ14pへの作動油の流れを整流するステータ14s,図示しないステータシャフトにより支持されると共にステータ14sの回転方向を一方向に制限するワンウェイクラッチ14o等を有するトルクコンバータを備える。さらに、発進装置12は、エンジンのクランクシャフト等に連結されたフロントカバーと自動変速機20の入力軸20iとを互いに接続すると共に両者の接続を解除するロックアップクラッチ15と、フロントカバーと自動変速機20の入力軸20iとの間で振動を減衰するダンパ機構16と、を備える。なお、発進装置12は、ステータ14sを有さない流体継手を有するものであってもよい。
オイルポンプ17は、ポンプボディとポンプカバーとを有するポンプアッセンブリや、発進装置12のポンプインペラ14pに連結される外歯ギヤ(インナーロータ),外歯ギヤに噛合する内歯ギヤ(アウターロータ)等を有するギヤポンプとして構成される。オイルポンプ17は、エンジンからの動力により駆動され、図示しないオイルパンに貯留されている作動油(ATF)を吸引して図示しない油圧制御装置に圧送する。
自動変速機20は、10段変速式の変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸20iに加えて、出力部材としてのカウンタドライブギヤ41や、自動変速機20(入力軸20i)の軸方向に並べて配設されるシングルピニオン式の第1遊星歯車21,シングルピニオン式の第2遊星歯車22,シングルピニオン式の第3遊星歯車23とシングルピニオン式の第4遊星歯車24とを組み合わせて構成されるいわゆるSS−RCタイプの複合遊星歯車機構25を備える。さらに、自動変速機20は、入力軸20iからカウンタドライブギヤ41までの動力伝達経路を変更するための第1係合要素としてのクラッチC1(第1クラッチ),第2係合要素としてのクラッチC2(第2クラッチ),第3係合要素としてのクラッチC3(第3クラッチ),第4係合要素としてのクラッチC4(第4クラッチ),第5係合要素としてのブレーキB1(第1ブレーキ),第6係合要素としてのブレーキB2(第2ブレーキ)を備える。なお、自動変速機20からカウンタドライブギヤ41に伝達された動力(トルク)は、カウンタドライブギヤ41に加えて、カウンタドライブギヤ41に噛合するカウンタドリブンギヤ42,カウンタシャフト43を介してカウンタドリブンギヤ42に連結されたドライブピニオンギヤ(ファイナルドライブギヤ)44,ドライブピニオンギヤ44に噛合するデフリングギヤ(ファイナルドリブンギヤ)45を有するギヤ列40と、デフリングギヤ45に連結されたデファレンシャルギヤ50と、ドライブシャフト51と、を介して左右の前輪に伝達される。
本実施形態において、第1,第2遊星歯車21,22および複合遊星歯車機構25を構成する第3,第4遊星歯車23,24は、発進装置12すなわちエンジン側(図1における右側)から、第2遊星歯車22,第3遊星歯車23,第4遊星歯車24,第1遊星歯車21の順に並ぶようにトランスミッションケース11内に配置される。また、クラッチC1,C2は、例えば第1遊星歯車21に対して第4遊星歯車24とは反対側に配置され、クラッチC3は、例えば、第1遊星歯車21と第4遊星歯車24との間に配置され、クラッチC4は、例えば第4遊星歯車24の径方向外側に配置され、ブレーキB1は、例えば第1遊星歯車21の径方向外側に配置され、ブレーキB2は、例えば発進装置12と第2遊星歯車22との間に配置される。
第1遊星歯車21は、外歯歯車である第1サンギヤ21sと、第1サンギヤ21sと同心円上に配置される内歯歯車である第1リングギヤ21rと、それぞれ第1サンギヤ21sおよび第1リングギヤ21rに噛合する複数の第1ピニオンギヤ21pと、複数の第1ピニオンギヤ21pを自転(回転)かつ公転自在に保持する第1キャリヤ21cとを有する。本実施形態において、第1遊星歯車21のギヤ比(第1サンギヤ21sの歯数/第1リングギヤ21rの歯数)λ1は、例えば、λ1=0.250と定められている。図1に示すように、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cは、出力部材としてのカウンタドライブギヤ41に常時連結(固定)される。
第2遊星歯車22は、外歯歯車である第2サンギヤ22sと、第2サンギヤ22sと同心円上に配置される内歯歯車である第2リングギヤ22rと、それぞれ第2サンギヤ22sおよび第2リングギヤ22rに噛合する複数の第2ピニオンギヤ22pと、複数の第2ピニオンギヤ22pを自転(回転)かつ公転自在に保持する第2キャリヤ22cとを有する。本実施形態において、第2遊星歯車22のギヤ比(第2サンギヤ22sの歯数/第2リングギヤ22rの歯数)λ2は、例えば、λ2=0.500と定められている。図1に示すように、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、自動変速機20の入力軸20iに常時連結される。
複合遊星歯車機構25を構成する第3遊星歯車23は、外歯歯車である第3サンギヤ23sと、第3サンギヤ23sと同心円上に配置される内歯歯車である第3リングギヤ23rと、それぞれ第3サンギヤ23sおよび第3リングギヤ23rに噛合する複数の第3ピニオンギヤ23pと、複数の第3ピニオンギヤ23pを自転(回転)かつ公転自在に保持する第3キャリヤ23cとを有する。本実施形態において、第3遊星歯車23のギヤ比(第3サンギヤ23sの歯数/第3リングギヤ23rの歯数)λ3は、例えば、λ3=0.250と定められている。
複合遊星歯車機構25を構成する第4遊星歯車24は、外歯歯車である第4サンギヤ24sと、第4サンギヤ24sと同心円上に配置される内歯歯車である第4リングギヤ24rと、それぞれ第4サンギヤ24sおよび第4リングギヤ24rに噛合する複数の第4ピニオンギヤ24pと、複数の第4ピニオンギヤ24pを自転(回転)かつ公転自在に保持する第4キャリヤ24cとを有する。本実施形態において、第4遊星歯車24のギヤ比(第4サンギヤ24sの歯数/第4リングギヤ24rの歯数)λ4は、例えば、λ4=0.530と定められている。
図1に示すように、第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sと第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sとは、連結部材を介して常時連結(固定)され、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。また、第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rと第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cとは、連結部材を介して常時連結され、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。これらより、第3遊星歯車23および第4遊星歯車24は、常時連結される第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24s,第3遊星歯車23の第3キャリヤ23c,常時連結される第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rおよび第4遊星歯車24の第4キャリヤ24c,第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの複合遊星歯車機構として機能する。また、第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sは、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sに連結部材を介して常時連結され、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cは、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cおよび自動変速機20の入力軸20iに連結部材を介して常時連結される。
クラッチC1は、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC2は、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと、第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC3は、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと、第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。クラッチC4は、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sと、第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rと、を互いに接続すると共に両者の接続を解除するものである。
ブレーキB1は、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rを静止部材としてのトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共にこの第1リングギヤ21rをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。ブレーキB2は、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sをトランスミッションケース11に対して回転不能に固定(接続)すると共にこの第2サンギヤ22sをトランスミッションケース11に対して回転自在に解放するものである。
本実施形態では、クラッチC1〜C4としては、ピストン,複数の摩擦係合プレート(例えば環状部材の両面に摩擦材を貼着することにより構成された摩擦プレートおよび両面が平滑に形成された環状部材であるセパレータプレート),それぞれ作動油が供給される係合油室および遠心油圧キャンセル室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧クラッチ(摩擦係合要素)が採用される。また、ブレーキB1,B2としては、ピストン,複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート),作動油が供給される係合油室等により構成される油圧サーボを有する多板摩擦式油圧ブレーキが採用される。そして、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2は、図示しない油圧制御装置による作動油の給排を受けて動作する。
図2は、本実施形態の自動変速機20における入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。なお、図2では、入力軸20iすなわち第2キャリヤ22cの回転速度を値1とした。また、図3は、本実施形態の自動変速機20における各変速段とクラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2の作動状態との関係を示す作動表である。
図2に示すように、シングルピニオン式の第1遊星歯車21を構成する3つの回転要素、即ち、第1サンギヤ21s,第1リングギヤ21r,第1キャリヤ21cは、第1遊星歯車21の速度線図(図2における最も左側の速度線図)上でギヤ比λ1に対応する間隔をおいて図中左側から第1サンギヤ21s,第1キャリヤ21c,第1リングギヤ21rの順に並ぶ。こうした速度線図での並び順に従い、本実施形態では、第1サンギヤ21sを自動変速機20の第1回転要素とし、第1キャリヤ21cを自動変速機20の第2回転要素とし、第1リングギヤ21rを自動変速機20の第3回転要素とする。したがって、第1遊星歯車21は、速度線図上でギヤ比λ1に対応する間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機20の第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有する。
また、シングルピニオン式の第2遊星歯車22を構成する3つの回転要素、即ち、第2サンギヤ22s,第2リングギヤ22r,第2キャリヤ22cは、第2遊星歯車22の速度線図(図2における中央の速度線図)上でギヤ比λ2に対応する間隔をおいて図中左側から第2サンギヤ22s,第2キャリヤ22c,第2リングギヤ22rの順に並ぶ。こうした速度線図での並び順に従い、本実施形態では、第2サンギヤ22sを自動変速機20の第4回転要素とし、第2キャリヤ22cを自動変速機20の第5回転要素とし、第2リングギヤ22rを自動変速機20の第6回転要素とする。したがって、第2遊星歯車22は、速度線図上でギヤ比λ2に対応する間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機20の第4回転要素と第5回転要素と第6回転要素とを有する。
さらに、複合遊星歯車機構25の4つの回転要素、即ち、常時連結される第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24s,第3遊星歯車23の第3キャリヤ23c,常時連結される第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rおよび第4遊星歯車24の第4キャリヤ24c,第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rは、複合遊星歯車機構25の速度線図(図2における最も右側の速度線図)上で第3遊星歯車23のギヤ比λ3および第4遊星歯車24のギヤ比λ4に対応する間隔をおいて図中左側からこの順に並ぶ。こうした速度線図での並び順に従い、本実施形態では、第3サンギヤ23sおよび第4サンギヤ24sを自動変速機20の第7回転要素とし、第3キャリヤ23cを自動変速機20の第8回転要素とし、第3リングギヤ23rおよび第4キャリヤ24cを第9回転要素とし、第4リングギヤ24rを第10回転要素とする。したがって、複合遊星歯車機構25は、速度線図上でギヤ比λ3,λ4に対応する間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機20の第7回転要素と第8回転要素と第9回転要素と第10回転要素とを有する。
そして、自動変速機20では、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2を図3に示すように係合または解放させて上述の第1〜第10回転要素の接続関係を変更することにより、入力軸20iから出力部材としてのカウンタドライブギヤ41までの間に前進回転方向に10通りおよび後進回転方向に1通りの動力伝達経路、即ち、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成することができる。
具体的には、前進第1速段は、クラッチC2,C4およびブレーキB1を係合させると共にクラッチC1,C3およびブレーキB2を解放させることにより形成される。即ち、前進第1速段の形成に際しては、クラッチC2により、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、クラッチC4により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが互いに接続され、ブレーキB1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態(第1〜第4遊星歯車21〜24のギヤ比λ1〜λ4がλ1=0.250,λ2=0.500,λ3=0.250,λ4=0.530である場合、以下同様)において、前進第1速段におけるギヤ比(入力軸20iの回転速度/カウンタドライブギヤ41の回転速度)γ1は、γ1=5.000となる。
前進第2速段は、クラッチC2およびブレーキB1,B2を係合させると共にクラッチC1,C3,C4を解放させることにより形成される。即ち、前進第2速段の形成に際しては、クラッチC2により、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、ブレーキB1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定され、ブレーキB2により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第2速段におけるギヤ比γ2は、γ2=3.333となる。また、前進第1速段と前進第2速段との間のステップ比γ1/γ2は、γ1/γ2=1.500となる。
前進第3速段は、クラッチC4およびブレーキB1,B2を係合させると共にクラッチC1,C2,C3を解放させることにより形成される。即ち、前進第3速段の形成に際しては、クラッチC4により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが互いに接続され、ブレーキB1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定され、ブレーキB2により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第3速段におけるギヤ比γ3は、γ3=2.386となる。また、前進第2速段と前進第3速段との間のステップ比γ2/γ3は、γ2/γ3=1.397となる。
前進第4速段は、クラッチC3,C4およびブレーキB1を係合させると共にクラッチC1,C2およびブレーキB2を解放させることにより形成される。即ち、前進第4速段の形成に際しては、クラッチC3により、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cとが互いに接続され、クラッチC4により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが互いに接続され、ブレーキB1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第4速段におけるギヤ比γ4は、γ4=1.800となる。また、前進第3速段と前進第4速段との間のステップ比γ3/γ4は、γ3/γ4=1.325となる。
前進第5速段は、クラッチC3,C4およびブレーキB2を係合させると共にクラッチC1,C2およびブレーキB1を解放させることにより形成される。即ち、前進第5速段の形成に際しては、クラッチC3により、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cとが互いに接続され、クラッチC4により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが互いに接続され、ブレーキB2により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第5速段におけるギヤ比γ5は、γ5=1.377となる。また、前進第4速段と前進第5速段との間のステップ比γ4/γ5は、γ4/γ5=1.307となる。
前進第6速段は、クラッチC2,C3およびブレーキB2を係合させると共にクラッチC1,C4およびブレーキB1を解放させることにより形成される。即ち、前進第6速段の形成に際しては、クラッチC2により、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、クラッチC3により、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cとが互いに接続され、ブレーキB2により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第6速段におけるギヤ比γ6は、γ6=1.143となる。また、前進第5速段と前進第6速段との間のステップ比γ5/γ6は、γ5/γ6=1.205となる。
前進第7速段は、クラッチC1,C2,C3を係合させると共にクラッチC4およびブレーキB1,B2を解放させることにより形成される。即ち、前進第7速段の形成に際しては、クラッチC1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、クラッチC2により、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、クラッチC3により、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cとが互いに接続される。本実施形態において、前進第7速段におけるギヤ比γ7は、γ7=1.000となる。また、前進第6速段と前進第7速段との間のステップ比γ6/γ7は、γ6/γ7=1.143となる。
前進第8速段は、クラッチC1,C3およびブレーキB2を係合させると共にクラッチC2,C4およびブレーキB1を解放させることにより形成される。即ち、前進第8速段の形成に際しては、クラッチC1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、クラッチC3により、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cと第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cとが互いに接続され、ブレーキB2により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第8速段におけるギヤ比γ8は、γ8=0.818となる。また、前進第7速段と前進第8速段との間のステップ比γ7/γ8は、γ7/γ8=1.222となる。
前進第9速段は、クラッチC1,C2およびブレーキB2を係合させると共にクラッチC3,C4およびブレーキB1解放させることにより形成される。即ち、前進第9速段の形成に際しては、クラッチC1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、クラッチC2により、常時連結された第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sおよび第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、ブレーキB2により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第9速段におけるギヤ比γ9は、γ9=0.667となる。また、前進第8速段と前進第9速段との間のステップ比γ8/γ9は、γ8/γ9=1.227となる。
前進第10速段は、クラッチC1,C4およびブレーキB2を係合させると共にクラッチC2,C3およびブレーキB1を解放させることにより形成される。即ち、前進第10速段の形成に際しては、クラッチC1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、クラッチC4により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが互いに接続され、ブレーキB2により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、前進第10速段におけるギヤ比γ10は、γ10=0.618となる。また、前進第9速段と前進第10速段との間のステップ比γ9/γ10は、γ9/γ10=1.079となる。そして、自動変速機20におけるスプレッド(ギヤ比幅=最低変速段である前進第1速段のギヤ比γ1/最高変速段である前進第10速段のギヤ比γ10)は、γ1/γ10=8.096となる。
後進段は、クラッチC1,C4およびブレーキB1を係合させると共にクラッチC2,C3およびブレーキB2を解放させることにより形成される。即ち、後進段の形成に際しては、クラッチC1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rと第2遊星歯車22の第2リングギヤ22rとが互いに接続され、クラッチC4により、第2遊星歯車22の第2サンギヤ22sと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとが互いに接続され、ブレーキB1により、第1遊星歯車21の第1リングギヤ21rがトランスミッションケース11に対して回転不能に固定される。本実施形態において、後進段におけるギヤ比γrevは、γrev=−4.195となる。また、前進第1速段と後進段との間のステップ比|γrev/γ1|は、|γrev/γ1|=0.839となる。
このように、本実施形態の自動変速機20では、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2の係合および解放により、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成することができる。そして、この自動変速機20では、スプレッドをより大きくする(本実施形態では8.096)ことができ、高速段をよりハイギヤにする(変速比を小さくする)と共に低速段をよりローギヤにする(変速比を大きくする)ことにより、燃費を向上させることができると共に加速性能も向上させることができる。
また、本実施形態の自動変速機20では、6つの係合要素すなわちクラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2のうちいずれか3つを係合させると共に残余の3つを解放させることによって第1速段から第10速段までの前進段および後進段を形成する。これにより、例えば6つのクラッチやブレーキのうちの2つを係合させると共に残余の4つを解放させることによって複数の変速段を形成する変速機に比して、変速段の形成に伴って解放される係合要素の数を減らすことができる。この結果、変速段の形成に伴って解放された係合要素における部材間の僅かな接触に起因する引き摺り損失を低減させて、自動変速機20における動力の伝達効率をより向上させることができる。
さらに、本実施形態の自動変速機20では、第1〜第4遊星歯車21〜24として、第1〜第4リングギヤ21r〜24rを有する遊星歯車が用いられるが、図2に示すように、第1速段から第10速段までの前進段および後進段の形成時に特に径の大きい第1〜第4リングギヤ21r〜24rが高い回転速度で回転しないようにして、第1〜第4リングギヤ21r〜24rの回転時のイナーシャ(入力軸20iに対する等価イナーシャ)が大きくなるのを抑制することができる。これにより、係合要素の係合に要する時間を短縮化したり、係合要素の係合を伴う変速時のショックを抑制したり、係合要素の摩擦プレートやセパレータプレートの耐久性を良好に確保したりすることができる。また、径の大きい第1〜第4リングギヤ21r〜24rの回転時のイナーシャが大きくなるのを抑制することにより、第1〜第4リングギヤ21r〜24rの強度確保に伴う寸法(厚み等)すなわち重量の増加や自動変速機20の大型化を抑制することができる。これらの結果、変速性能および耐久性を向上させると共に自動変速機20を軽量コンパクト化することができる。
加えて、第1〜第4遊星歯車21〜24をシングルピニオン式の遊星歯車として構成することにより、これらを例えばダブルピニオン式の遊星歯車として構成する場合に比して、第1〜第4遊星歯車21〜24における回転要素間の噛み合い損失を低減させて自動変速機20における動力の伝達効率をより向上させると共に、部品点数を削減して自動変速機20の重量の増加を抑制しつつ組立性を向上させることができる。
以上説明した本実施形態の自動変速機20によれば、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2のいずれか3つを係合させると共に残余の3つを解放させることによって第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成する。これにより、スプレッドをより大きくすることができ、高速段をよりハイギヤにする(変速比を小さくする)と共に低速段をよりローギヤにする(変速比を大きくする)ことにより、燃費を向上させることができると共に加速性能も向上させることができる。また、第1速段から第10速段までの前進段および後進段の形成時に特に径の大きい第1〜第4リングギヤ21r〜24rが高い回転速度で回転しないようにして、第1〜第4リングギヤ21r〜24rの回転時のイナーシャが大きくなるのを抑制することができる。そして、第1〜第4リングギヤ21r〜24rの回転時のイナーシャが大きくなるのを抑制することにより、係合要素の係合に要する時間を短縮化したり、係合要素の係合を伴う変速時のショックを抑制したり、係合要素の摩擦材の耐久性を良好に確保したり、第1〜第4リングギヤ21r〜24rの強度確保に伴う寸法(厚み等)すなわち重量の増加や自動変速機20の大型化を抑制したりすることができる。これらの結果、自動変速機20が搭載される車両の燃費,ドライバビリティ,自動変速機20の変速性能,自動変速機20の係合要素の耐久性を向上させると共に自動変速機20を軽量コンパクト化することができる。
図4は、本発明の他の実施形態に係る多段変速機としての自動変速機20Bを備える動力伝達装置10Bの概略構成図であり、図5は、自動変速機20Bにおける入力軸20iの回転速度(入力回転速度)に対する各回転要素の回転速度の比を示す速度線図である。図4に示す動力伝達装置10Bの自動変速機20Bは、上述の動力伝達装置10の自動変速機20における、シングルピニオン式の第3,第4遊星歯車23,24を組み合わせて構成されるいわゆるSS−RCタイプの複合遊星歯車機構25を、シングルピニオン式の第3,第4遊星歯車23,24を組み合わせて構成されるいわゆるSR−CCタイプの複合遊星歯車機構25Bに置き換えたものに相当する。
図4に示すように、自動変速機20Bにおいて、自動変速機20と同様に、第1遊星歯車21の第1キャリヤ21cは、出力部材としてのカウンタドライブギヤ41に常時連結され、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cは、自動変速機20Bの入力軸20iに常時連結(固定)される。
また、図4に示すように、自動変速機20Bにおいて、自動変速機20とは異なり、第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sと第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rとは、連結部材を介して常時連結され、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。また、第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cと第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cとは、連結部材を介して常時連結され、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。これらより、第3遊星歯車23および第4遊星歯車24は、第4遊星歯車24の第4サンギヤ24s,第3遊星歯車23の第3リングギヤ23r,常時連結される第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4キャリヤ24c,常時連結される第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rを4つの回転要素とするいわゆる4要素タイプの複合遊星歯車機構として機能する。また、第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rは、第2遊星歯車22の第2キャリヤ22cおよび自動変速機20Bの入力軸20iに連結部材を介して常時連結される。第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sは、第1遊星歯車21の第1サンギヤ21sに連結部材を介して常時連結され、常時一体(かつ同軸)に回転または停止する。
図5に示すように、複合遊星歯車機構25Bの4つの回転要素、即ち、第4遊星歯車24の第4サンギヤ24s,第3遊星歯車23の第3リングギヤ23r,常時連結される第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4キャリヤ24c,常時連結される第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rは、複合遊星歯車機構25Bの速度線図(図5における最も右側の速度線図)上で第3遊星歯車23のギヤ比λ3および第4遊星歯車24のギヤ比λ4に対応する間隔をおいて図中左側からこの順に並ぶ。こうした速度線図での並び順に従い、この実施形態では、第4遊星歯車24の第4サンギヤ24sを自動変速機20Bの第7回転要素とし、第3遊星歯車23の第3リングギヤ23rを自動変速機20Bの第8回転要素とし、常時連結される第3遊星歯車23の第3キャリヤ23cおよび第4遊星歯車24の第4キャリヤ24cを自動変速機20Bの第9回転要素とし、常時連結される第3遊星歯車23の第3サンギヤ23sおよび第4遊星歯車24の第4リングギヤ24rを自動変速機20Bの第10回転要素とする。したがって、複合遊星歯車機構25Bは、速度線図上でギヤ比λ3,λ4に対応する間隔をおいて順番に並ぶ自動変速機20Bの第7回転要素と第8回転要素と第9回転要素と第10回転要素とを有する。
こうして構成される自動変速機20Bにおいて、第1〜第4遊星歯車21〜24のギヤ比λ1〜λ4をλ1=0.250,λ2=0.500,λ3=0.377,λ4=0.530とすることにより、前進第1速段から第10速段までの前進段および後進段におけるギヤ比等を上述の自動変速機20と同様(図3参照)にすることができる。そして、自動変速機20Bにおいても、自動変速機20と同様の効果を奏することができる。
上述の自動変速機20,20Bでは、クラッチC1〜C4およびブレーキB1,B2は、摩擦係合要素(油圧クラッチ,油圧ブレーキ)として構成されるものとしたが、これらのうち少なくとも1つが噛み合い要素(ドグクラッチ,ドグブレーキ)として構成されるものとしてもよい。例えば、自動変速機20,20Bでは、前進第7速段から前進第10速段までの形成に際して連続して係合されると共に後進段の形成に際して係合されるクラッチC1や、前進第1速段から前進第4速段の形成に際して連続して係合されると共に後進段の形成に際して係合されるブレーキB1が、ドグクラッチやドグブレーキとして構成されるものとしてもよい。
上述の自動変速機20,20Bでは、第1,第2,第3,第4遊星歯車21,22,23,24におけるギヤ比λ1,λ2,λ3,λ4として上述の値を用いるものとしたが、ギヤ比λ1,λ2,λ3,λ4はこの値に限定されるものではない。
上述の自動変速機20,20Bでは、第1〜第4遊星歯車21〜24は、シングルピニオン式の遊星歯車として構成されるものとしたが、少なくとも1つがダブルピニオン式の遊星歯車として構成されるものとしてもよい。
次に、本発明の多段変速機について説明する。
本発明の多段変速機は、入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機であって、速度線図上でギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有する第1遊星歯車と、速度線図上でギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第4回転要素と第5回転要素と第6回転要素とを有する第2遊星歯車と、第3遊星歯車と第4遊星歯車とにより構成され、速度線図上で前記第3,第4遊星歯車のギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第7回転要素と第8回転要素と第9回転要素と第10回転要素とを有する複合遊星歯車機構と、それぞれ前記第1,第2遊星歯車および前記複合遊星歯車機構の回転要素のいずれかを他の回転要素または静止部材に接続すると共に両者の接続を解除する第1,第2,第3,第4,第5,第6係合要素と、を備え、前記第2遊星歯車の前記第5回転要素および前記複合遊星歯車機構の前記第8回転要素は、前記入力部材に常時連結され、前記第1遊星歯車の前記第2回転要素は、前記出力部材に常時連結され、前記第1遊星歯車の前記第1回転要素と前記複合遊星歯車機構の前記第7回転要素とは常時連結され、前記第1係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第3回転要素と、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第2係合要素は、常時連結された前記第1遊星歯車の前記第1回転要素および前記複合遊星歯車機構の前記第7回転要素と、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第3係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第2回転要素と、前記複合遊星歯車機構の前記第9回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第4係合要素は、前記第2遊星歯車の前記第4回転要素と、前記複合遊星歯車機構の前記第10回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、前記第5係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第3回転要素を前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第6係合要素は、前記第2遊星歯車の前記第4回転要素を前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、前記第1,第2,第3,第4,第5,第6係合要素のうちいずれか3つを選択的に係合させることにより、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成する、ことを特徴とする。
この本発明の多段変速機では、スプレッドをより大きくすることができ、高速段をよりハイギヤにする(変速比を小さくする)と共に低速段をよりローギヤにする(変速比を大きくする)ことにより、燃費を向上させることができると共に加速性能も向上させることができる。また、第1,第2,第3,第4遊星歯車としてリングギヤを有する遊星歯車を用いる場合に、第1速段から第10速段までの前進段および後進段の形成時に特に径の大きいリングギヤが高い回転速度で回転しないようにして、リングギヤの回転時のイナーシャが大きくなるのを抑制することができる。そして、リングギヤの回転時のイナーシャが大きくなるのを抑制することにより、係合要素の係合に要する時間を短縮化したり、その係合要素の係合に伴う変速時のショックを抑制したり、係合要素の摩擦材の耐久性を良好に確保したり、リングギヤの強度確保に伴う寸法(厚み等)すなわち重量の増加や装置全体の大型化を抑制したりすることができる。これらの結果、本発明の多段変速機では、多段変速機が搭載される車両の燃費,ドライバビリティ,多段変速機の変速性能,多段変速機の係合要素の耐久性を向上させると共に多段変速機を軽量コンパクト化することができる。
こうした本発明の多段変速機において、前記第2係合要素と前記第4係合要素と前記第5係合要素との係合により前進第1速段が形成され、前記第2係合要素と前記第5係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第2速段が形成され、前記第4係合要素と前記第5係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第3速段が形成され、前記第3係合要素と前記第4係合要素と前記第5係合要素との係合により前進第4速段が形成され、前記第3係合要素と前記第4係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第5速段が形成され、前記第2係合要素と前記第3係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第6速段が形成され、前記第1係合要素と前記第2係合要素と前記第3係合要素との係合により前進第7速段が形成され、前記第1係合要素と前記第3係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第8速段が形成され、前記第1係合要素と前記第2係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第9速段が形成され、前記第1係合要素と前記第4係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第10速段が形成され、前記第1係合要素と前記第4係合要素と前記第5係合要素との係合により後進段が形成される、ものとすることもできる。
このように、第1,第2,第3,第4,第5,第6係合要素のうちいずれか3つを係合させると共に残余の3つを解放させることによって第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成することにより、例えば6つの係合要素のうち2つを係合させると共に残余の4つを解放させることによって複数の変速段を形成する変速機に比して、変速機の形成に伴って解放される係合要素の数を減らすことができる。この結果、変速段の形成に伴って解放された係合要素における引き摺り損失を低減させて、多段変速機における動力の伝達効率をより向上させることができる。
本発明の多段変速機において、前記第1遊星歯車は、第1サンギヤと、第1リングギヤと、それぞれ前記第1サンギヤおよび前記第1リングギヤに噛合する複数の第1ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第1キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第2遊星歯車は、第2サンギヤと、第2リングギヤと、それぞれ前記第2サンギヤおよび前記第2リングギヤに噛合する複数の第2ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第2キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第1回転要素は前記第1サンギヤであり、前記第2回転要素は前記第1キャリヤであり、前記第3回転要素は前記第1リングギヤであり、前記第4回転要素は前記第2サンギヤであり、前記第5回転要素は前記第2キャリヤであり、前記第6回転要素は前記第2リングギヤである、ものとすることもできる。
このように、第1,第2遊星歯車をシングルピニオン式の遊星歯車として構成することにより、これらにおける回転要素間の噛み合い損失を低減させて多段変速機における動力の伝達効率を向上させると共に、部品点数を削減して多段変速機の重量の増加を抑制しつつ組立性を向上させることができる。
本発明の多段変速機において、前記複合遊星歯車機構の前記第3遊星歯車は、第3サンギヤと、第3リングギヤと、それぞれ前記第3サンギヤおよび前記第3リングギヤに噛合する複数の第3ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第3キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記複合遊星歯車機構の前記第4遊星歯車は、第4サンギヤと、第4リングギヤと、それぞれ前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合する複数の第4ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第4キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第7回転要素は、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4サンギヤであり、前記第8回転要素は、前記第3キャリヤであり、前記第9回転要素は、常時連結された前記第3リングギヤおよび前記第4キャリヤであり、前記第10回転要素は、前記第4リングギヤである、ものとすることもできる。また、前記複合遊星歯車機構の前記第3遊星歯車は、第3サンギヤと、第3リングギヤと、それぞれ前記第3サンギヤおよび前記第3リングギヤに噛合する複数の第3ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第3キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記複合遊星歯車機構の前記第4遊星歯車は、第4サンギヤと、第4リングギヤと、それぞれ前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合する複数の第4ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第4キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、前記第7回転要素は、前記第4サンギヤであり、前記第8回転要素は、前記第3リングギヤであり、前記第9回転要素は、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4キャリヤであり、前記第10回転要素は、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4リングギヤである、ものとすることもできる。
これらのように、複合遊星歯車機構の第3,第4遊星歯車をシングルピニオン式の遊星歯車として構成することにより、これらにおける回転要素間の噛み合い損失を低減させて多段変速機における動力の伝達効率を向上させると共に、部品点数を削減して多段変速機の重量の増加を抑制しつつ組立性を向上させることができる。
本発明の多段変速機において、前記出力部材は、車両の前輪に連結されたデファレンシャルギヤに動力を伝達するギヤ列に含まれるカウンタドライブギヤである、ものとすることもできる。即ち、本発明の多段変速機は、前輪駆動車両に搭載される変速機として構成されるものとしてよい。
次に、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施形態では、入力軸20iが「入力部材」に相当し、カウンタドライブギヤ41が「出力部材」に相当し、第1遊星歯車21が「第1遊星歯車」に相当し、第1サンギヤ21sが「第1回転要素」に相当し、第1キャリヤ21cが「第2回転要素」に相当し、第1リングギヤ21rが「第3回転要素」に相当し、第2遊星歯車22が「第2遊星歯車」に相当し、第2サンギヤ22sが「第4回転要素」に相当し、第2キャリヤ22cが「第5回転要素」に相当し、第2リングギヤ22rが「第6回転要素」に相当し、クラッチC1が「第1係合要素」に相当し、クラッチC2が「第2係合要素」に相当し、クラッチC3が「第3係合要素」に相当し、クラッチC4が「第4係合要素」に相当し、ブレーキB1が「第5係合要素」に相当し、ブレーキB2が「第6係合要素」に相当する。そして、自動変速機20では、複合遊星歯車機構25が「複合遊星歯車機構」に相当し、第3遊星歯車23が「第3遊星歯車」に相当し、常時連結された第3サンギヤ23sおよび第4サンギヤ24sが「第7回転要素」に相当し、第3キャリヤ23cが「第8回転要素」に相当し、第3リングギヤ23rおよび第4キャリヤ24cが「第9回転要素」に相当し、第4リングギヤ24rが「第10回転要素」に相当する。また、自動変速機20Bでは、第4サンギヤ24sが「第7回転要素」に相当し、第3リングギヤ23rが「第8回転要素」に相当し、常時連結された第3キャリヤ23cおよび第4キャリヤ24cが「第9回転要素」に相当し、常時連結された第3サンギヤ23sおよび第4リングギヤ24rが「第10回転要素」に相当する。
なお、実施形態の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施形態が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施形態は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、多段変速機の製造産業などに利用可能である。
10,10B 動力伝達装置、11 トランスミッションケース、12 発進装置、14o ワンウェイクラッチ、14p ポンプインペラ、14s ステータ、14t タービンランナ、15 ロックアップクラッチ、16 ダンパ機構、17 オイルポンプ、20,20B 自動変速機、20i 入力軸、21 第1遊星歯車、21c 第1キャリヤ、21p 第1ピニオンギヤ、21r 第1リングギヤ、21s 第1サンギヤ、22 第2遊星歯車、22c 第2キャリヤ、22p 第2ピニオンギヤ、22r 第2リングギヤ、22s 第2サンギヤ、23 第3遊星歯車、23c 第3キャリヤ、23p 第3ピニオンギヤ、23r 第3リングギヤ、23s 第3サンギヤ、24 第4遊星歯車、24c 第4キャリヤ、24p 第4ピニオンギヤ、24r 第4リングギヤ、24s 第4サンギヤ、25,25B 複合遊星歯車機構、40 ギヤ列、41 カウンタドライブギヤ、42 カウンタドリブンギヤ、43 カウンタシャフト、44 ドライブピニオンギヤ、45 デフリングギヤ、50 デファレンシャルギヤ、51 ドライブシャフト、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3,C4 クラッチ。

Claims (6)

  1. 入力部材に伝達された動力を変速して出力部材に伝達する多段変速機であって、
    速度線図上でギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有する第1遊星歯車と、
    速度線図上でギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第4回転要素と第5回転要素と第6回転要素とを有する第2遊星歯車と、
    第3遊星歯車と第4遊星歯車とにより構成され、速度線図上で前記第3,第4遊星歯車のギヤ比に対応する間隔をおいて順番に並ぶ第7回転要素と第8回転要素と第9回転要素と第10回転要素とを有する複合遊星歯車機構と、
    それぞれ前記第1,第2遊星歯車および前記複合遊星歯車機構の回転要素のいずれかを他の回転要素または静止部材に接続すると共に両者の接続を解除する第1,第2,第3,第4,第5,第6係合要素と、
    を備え、
    前記第2遊星歯車の前記第5回転要素および前記複合遊星歯車機構の前記第8回転要素は、前記入力部材に常時連結され、
    前記第1遊星歯車の前記第2回転要素は、前記出力部材に常時連結され、
    前記第1遊星歯車の前記第1回転要素と前記複合遊星歯車機構の前記第7回転要素とは常時連結され、
    前記第1係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第3回転要素と、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第2係合要素は、常時連結された前記第1遊星歯車の前記第1回転要素および前記複合遊星歯車機構の前記第7回転要素と、前記第2遊星歯車の前記第6回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第3係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第2回転要素と、前記複合遊星歯車機構の前記第9回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第4係合要素は、前記第2遊星歯車の前記第4回転要素と、前記複合遊星歯車機構の前記第10回転要素と、を互いに接続すると共に両者の接続を解除し、
    前記第5係合要素は、前記第1遊星歯車の前記第3回転要素を前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、
    前記第6係合要素は、前記第2遊星歯車の前記第4回転要素を前記静止部材に接続して回転不能に固定すると共に両者の接続を解除し、
    前記第1,第2,第3,第4,第5,第6係合要素のうちいずれか3つを選択的に係合させることにより、第1速段から第10速段までの前進段と後進段とを形成する、
    ことを特徴とする多段変速機。
  2. 請求項1記載の多段変速機であって、
    前記第2係合要素と前記第4係合要素と前記第5係合要素との係合により前進第1速段が形成され、
    前記第2係合要素と前記第5係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第2速段が形成され、
    前記第4係合要素と前記第5係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第3速段が形成され、
    前記第3係合要素と前記第4係合要素と前記第5係合要素との係合により前進第4速段が形成され、
    前記第3係合要素と前記第4係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第5速段が形成され、
    前記第2係合要素と前記第3係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第6速段が形成され、
    前記第1係合要素と前記第2係合要素と前記第3係合要素との係合により前進第7速段が形成され、
    前記第1係合要素と前記第3係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第8速段が形成され、
    前記第1係合要素と前記第2係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第9速段が形成され、
    前記第1係合要素と前記第4係合要素と前記第6係合要素との係合により前進第10速段が形成され、
    前記第1係合要素と前記第4係合要素と前記第5係合要素との係合により後進段が形成される、
    ことを特徴とする多段変速機。
  3. 請求項1または2記載の多段変速機であって、
    前記第1遊星歯車は、第1サンギヤと、第1リングギヤと、それぞれ前記第1サンギヤおよび前記第1リングギヤに噛合する複数の第1ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第1キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第2遊星歯車は、第2サンギヤと、第2リングギヤと、それぞれ前記第2サンギヤおよび前記第2リングギヤに噛合する複数の第2ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第2キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第1回転要素は前記第1サンギヤであり、前記第2回転要素は前記第1キャリヤであり、前記第3回転要素は前記第1リングギヤであり、
    前記第4回転要素は前記第2サンギヤであり、前記第5回転要素は前記第2キャリヤであり、前記第6回転要素は前記第2リングギヤである、
    ことを特徴とする多段変速機。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    前記複合遊星歯車機構の前記第3遊星歯車は、第3サンギヤと、第3リングギヤと、それぞれ前記第3サンギヤおよび前記第3リングギヤに噛合する複数の第3ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第3キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記複合遊星歯車機構の前記第4遊星歯車は、第4サンギヤと、第4リングギヤと、それぞれ前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合する複数の第4ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第4キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第7回転要素は、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4サンギヤであり、前記第8回転要素は、前記第3キャリヤであり、前記第9回転要素は、常時連結された前記第3リングギヤおよび前記第4キャリヤであり、前記第10回転要素は、前記第4リングギヤである、
    ことを特徴とする多段変速機。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    前記複合遊星歯車機構の前記第3遊星歯車は、第3サンギヤと、第3リングギヤと、それぞれ前記第3サンギヤおよび前記第3リングギヤに噛合する複数の第3ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第3キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記複合遊星歯車機構の前記第4遊星歯車は、第4サンギヤと、第4リングギヤと、それぞれ前記第4サンギヤおよび前記第4リングギヤに噛合する複数の第4ピニオンギヤを自転かつ公転自在に保持する第4キャリヤと、を有するシングルピニオン式の遊星歯車であり、
    前記第7回転要素は、前記第4サンギヤであり、前記第8回転要素は、前記第3リングギヤであり、前記第9回転要素は、常時連結された前記第3キャリヤおよび前記第4キャリヤであり、前記第10回転要素は、常時連結された前記第3サンギヤおよび前記第4リングギヤである、
    ことを特徴とする多段変速機。
  6. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の多段変速機であって、
    前記出力部材は、車両の前輪に連結されたデファレンシャルギヤに動力を伝達するギヤ列に含まれるカウンタドライブギヤである、
    ことを特徴とする多段変速機。
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