図1Aは、フォトニック集積回路100の例を示すブロック図であり、このフォトニック集積回路100は、出入りする光の結合を可能にするグレーティング型フォトカプラを含む。一般的に、略垂直放射モードの光と結合させるフォトカプラは、表面発光/受光型光電子デバイスのインターフェースとして有用であり、パッケージングのコストを減らし、オフノーマルであることによる複雑さを低減することができる。
フォトニック集積回路100は、基板116上で組み立てられる1つ以上の光学部品を含む。光学部品は、導波路102、第1の反射器領域106、干渉領域110、第2の反射器領域114、および、グレーティング領域120を含む。基板116は、フォトニック集積回路を製造するのに適していればいかなるタイプのものでもよい。例えば、基板116は、シリコンウェハ、シリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハ、ヒ化ガリウム(GaAs)またはリン化インジウム(InP)ウェハなどのIII−V族半導体、あるいは、ガラスウェハであってよい。他の例としては、基板116は、電子集積回路に堆積された受動または能動材料層であってよい。他の例としては、基板116は、他のフォトニック集積回路に堆積された受動または能動材料層であってよい。
一般的に、導波路領域102は、光を特定の方向に導くよう、1つ以上の次元に光を閉じ込める。いくつかの実施態様では、導波路領域102は、光を一次元に閉じ込めてよい。例えば、導波路領域102は、z方向に光を閉じ込めるスラブ導波路であってよい。いくつかの実施態様では、導波路領域102は、二次元に光を閉じ込めうる。例えば、導波路102は、矢印122で示されるようなx方向に光が伝播するように、yおよびz方向に光を閉じ込めるリブ導波路またはチャネル導波路であってよい。本願明細書中で用いられる「x方向に」という表現およびその派生語は、双方向(±方向)、または、一方向(+xまたは−x)を示してよい。さらに、x軸に沿って配置されたマルチモードファイバ内を光が進むとき、光の一部はファイバ内をジグザグに進むが、光全体の方向としてはx軸に沿っているものとみなしてよい。
一般的に、第1の反射器領域106および第2の反射器領域114は、入射光を反射する。例えば、導波路領域102内の光がインターフェース104に入射すると、光の一部は反射されて導波路領域102に戻り、残りの光は、第1の反射器領域106に透過されうる。同様に、第1の反射器領域106内の光がインターフェース108に入射すると、光の一部は反射され、残りの光は、干渉領域110に透過されうる。同様にまた、干渉領域110内の光がインターフェース112に入射すると、光の一部は反射され、残りの光は、第2の反射器領域114に透過されうる。いくつかの実施態様では、反射器は、異なる屈折率を有する2つの媒体の間のインターフェースであってよい。反射器は、設計次第でほぼ0パーセントからほぼ100パーセントの範囲で光を反射してよい。いくつかの実施態様では、第1の反射器領域106または第2の反射器領域114は、高い反射率を有してよい。例えば、第2の反射器領域114は、アルミニウムなどの金属でコーティングされることにより高い反射率を有しうる。他の例としては、光は、臨界角を超えて第2の反射器領域114に入射するが、その場合、光は、全反射で反射されうる。他の例としては、第2の反射器領域114は、さまざまな波長で高反射率をもたらすブラッグ反射器であってよい。他の例としては、第1の反射器領域106は、導波路領域102と干渉領域110とを分離する1つまたは複数のスリットを有してよい。他の例としては、第1の反射器領域106は、分布ブラッグ反射器(DBR)構造を有してよい。他の例としては、第1の反射器領域106は、x方向に複数の高/低屈折率構造を有することによって、干渉領域の波長に依存する光位相を補償し、かつ、動作帯域を広げることができる異常分散型ミラーであってよい。
いくつかの実施態様では、第1の反射器領域106または第2の反射器領域114は、一部透過し、一部反射してもよい。例えば、第1の反射器領域106は、(i)特定の反射率で入射光の一部を反射し、(ii)入射光の残りの部分を透過してよい。例えば、対応する反射器領域における導波路領域102の材料より低い屈折率を有する誘電物質を堆積することによって、部分的に反射する反射器が実現される。反射光と透過光とのパーセンテージは、フレネルの式を用いて計算してよい。
一般的に、干渉領域110は、導波路領域102と第2の反射器領域114との間で定義される共振器長LCavityを有する共振器として動作してよい。いくつかの実施態様では、第1の反射器領域106は、導波路領域102と干渉領域110との間に形成されてよい。その場合、LCavityは、第1の反射器領域106と第2の反射器領域114と間の長さとして定義されてよい。いくつかの実施態様では、導波路領域102の実効屈折率は、干渉領域110の実効屈折率と略等しくてよい。例えば、導波路領域102および干渉領域110は、y−z方向の断面積が同じであるシリコンで形成されてよい。この場合、導波路領域102の実効屈折率は、干渉領域110の実効屈折率と等しくなる。他の例としては、導波路領域102および干渉領域110はいずれもシリコンで形成されてよいが、y−z方向の断面積が異なる。その場合、導波路領域102の実効屈折率と干渉領域110の実効屈折率とは異なってよい。この場合、実効屈折率の差によって生じる、例えば光損失のような性能低下が対象とする用途にとって許容範囲内である限り、導波路領域102の実効屈折率は、干渉領域110の実効屈折率と略等しいものとして扱われてよい。
干渉領域110は、入射光および反射された入射光によって形成された干渉光を閉じ込める。例えば、第1の反射器領域106と第2の反射器領域114との間の干渉領域110内に定常波パターンが形成されてよい。干渉領域110内で干渉を形成するには、第1の反射器領域106から第2の反射器領域114までの第1の経路内で全減衰せずに、光が第2の反射器領域114に到達して反射されるように、共振器長LCavityと、グレーティング領域120のパラメータとを選択する。いくつかの実施態様では、閉じ込めは部分的な閉じ込めであってよく、干渉光の一部は、第1の反射器領域106を透過してから導波路領域102に戻る、および/または、干渉光の一部は、第2の反射器領域114を透過する。入射光および反射された入射光によって形成された干渉光については、図2を参照して詳しく説明する。
いくつかの実施態様では、干渉領域110の光路長は、導波光の波長より長くてよい。いくつかの実施態様では、干渉領域110の光路長は、導波光の波長より短くてよい。例えば、0.4μmの共振器長および3.45の屈折率を有するシリコンからなる干渉領域110は、0.4μm×3.45=1.38μmの光路長を有することになる。導波光の波長が1.55μmの場合、干渉領域110の光路長は、導波光の波長より短くなる。この場合、波長が1.55μmの光は、干渉領域110に閉じ込められた(一部閉じ込められた)光のエバネッセント電界を介してグレーティング領域120に結合されてよい。
一般的に、グレーティング長LGratingを有するグレーティング領域120は、フォトニック集積回路100における光の少なくとも一部と外部媒体130とを結合させるか、あるいは、外部媒体130からの光の少なくとも一部をフォトニック集積回路110に結合させる。
いくつかの実施態様では、グレーティング長LGratingは、共振器長LCavityより短くてよい。他のいくつかの実施態様では、グレーティング長LGratingは、共振器長LCavityと等しくてよい。他のいくつかの実施態様では、グレーティング長LGratingは、共振器長LCavityより長くてよい。例えば、グレーティング領域120は、干渉領域110に形成されてよいが、その一部は導波路領域102、および/または、第1の反射器領域106、および/または、第2の反射器領域114にまで達してよい。本願明細書で使用されている、「グレーティングが領域に形成される」とは、グレーティングが領域上に形成される、または、グレーティングが少なくとも一部領域内に埋め込まれることを意味する。例えば、グレーティングは、グレーティングが配置される領域をエッチングすることにより形成されてよい。
いくつかの実施態様では、干渉領域110およびグレーティング領域120は、同じ材料組成を有してよい。例えば、グレーティング領域120は、干渉領域110の表面に直接グレーティングパターンをエッチングすることにより形成されてよい。いくつかの他の実施態様では、干渉領域とグレーティング領域とは、異なる材料組成を有してよい。例えば、シリコンベースの干渉領域110の表面に二酸化ケイ素を堆積させることによって、グレーティング領域120を形成してよい。そして、二酸化ケイ素の表面にグレーティングパターンをエッチングすることによって、酸化物グレーティングを形成してよい。他の例としては、干渉領域110の表面に金属を堆積させてグレーティング領域120を形成し、その後エッチングして金属グレーティングを形成してよい。他の例としては、屈折率の低い干渉領域110の表面に屈折率の高い材料を堆積させることにより、グレーティング領域120を形成してよい。その結果、光学モードをグレーティング側に引き寄せることによって、グレーティング性能を高めることができる。屈折率が低い材料は、例えば、InPであってよく、屈折率の高い材料は、例えば、シリコン(Si)であってよい。
一般的に、グレーティング領域120は、第1の方向に伝播する光を、第1の方向とは異なる第2の方向に向け直す。いくつかの実施態様では、グレーティング領域120は、第1の方向に伝播する光を、第1の方向と略垂直である第2の方向に向け直してよい。例えば、グレーティング領域120のグレーティング周期を干渉領域110内の定常波パターンの干渉周期に略一致させることにより、グレーティング領域120は、導波路領域102内を矢印122で示されるようなx方向に伝播する光を、矢印123で示されるようなz方向である垂直方向に向け直す。本願明細書にて用いている「略一致」という表現は、不一致によって生じる光損失などの性能の低下が、対象とする用途にとって許容範囲内であることを示す。許容範囲内とは、一桁以内であってよい。いくつかの他の実施態様では、グレーティング領域120は、第1の方向に伝播する光を、第1の方向と略垂直でない第2の方向に向け直してよい。本願明細書中にて用いられている「略垂直」という表現は、対象とする用途にとって許容範囲内である、90度プラス誤差の角度を意味する。
外部媒体130は、光を透過、誘導、検出、または、生成できるいかなる媒体でもよい。例えば、外部媒体130は、光ファイバであってよい。他の例としては、外部媒体130は、光検出器であってよい。他の例としては、外部媒体130は、光源であってよい。いくつかの他の実施態様では、グレーティング領域120と外部媒体130との間にクラッディング124が形成されてよい。クラッディング124は、フォトニック集積回路100を保護するため、あるいは、グレーティング領域120と外部媒体130との間に特定の距離を設けるために形成されてよい。いくつかの実施態様では、グレーティング領域120から発せられた光の断面モードプロファイルは、グレーティング領域120から発せられた光を受けるように構成された外部媒体130の断面モードプロファイルと略一致するよう設計されてよい。例えば、グレーティング領域120から発せられた光のx−y方向における断面モードプロファイルは、単一モードファイバのx−y方向における断面モードプロファイルと略一致するよう設計されてよい。
図1Bは、フォトニック集積回路100に実装されうるフォトカプラ101の例を示す。フォトカプラ101は、本願明細書を通じて記載されている他のフォトニック集積回路のいずれか、あるいは、本願明細書に記載されていない他のフォトニック集積回路にも実装されうる。
フォトカプラ101は、干渉領域110とグレーティング領域120とを含む。グレーティング領域120は、グレーティング長LGratingを有するグレーティングを形成する凹部118および凸部126を含む。グレーティングの凸部126と凹部118との高差によってグレーティングの高さが決まる。波の伝播方向に沿ったグレーティングの凸部の幅と凹部の幅との合計に対する凸部の幅の比率によってグレーティングのデューティサイクルが決まる。グレーティングの凸部の幅と凹部の幅との合計によって、グレーティングの周期が決まる。グレーティングの高さ、デューティサイクル、周期、形状、グレーティングを覆うクラッディング、または、それらの組合せを調整することによって、グレーティング領域120による発光/受光の指向性およびファーフィールド角度を決めることができる。例えば、グレーティングの高さおよびデューティサイクルは、光の指向性を最適化することによって修正しうる。他の例としては、グレーティングの周期およびデューティサイクルを調整することによって、対象とする用途にとって最適となりうる所望のファーフィールド角度にすることもできる。
いくつかの実施態様では、グレーティングの凸部の高さは、第1の反射器領域106、および/または、第2の反射器領域114の高さより高くてよい。例えば、第1の反射器領域106、干渉領域110、および、第2の反射器領域114は、研磨によって平坦化されてよく、その後、その平坦化された表面に他の金属層を堆積させることにより、パターニングおよびエッチングによってグレーティング領域120を形成することもできる。
いくつかの他の実施態様では、グレーティングの凹部の高さは、第1の反射器領域106、および/または、第2の反射器領域114の高さより低くてよい。図1Cは、フォトカプラ103の例を示す。この例では、グレーティングの凹部119の高さは、第1の反射器領域106および第2の反射器領域114の高さより低くなっている。例えば、第1の反射器領域106、干渉領域110、および、第2の反射器領域114を研磨によって平坦化し、その後、干渉領域110をパターニングおよびエッチングすることによって、平坦化した表面にグレーティング領域120を形成してよい。フォトカプラ103は、フォトニック集積回路100に実装されてよい。フォトカプラ103は、本願明細書中に記載されている他のフォトニック集積回路のいずれか、あるいは、本願明細書には記載されていない他のフォトニック集積回路に実装されてよい。
図1Dは、導波路領域102、干渉領域110、グレーティング領域120、および、第2の反射器領域114を含み、第1の反射器領域106は含まないフォトカプラ105の例を示す。導波路領域102と干渉領域110との境界130を点線で示しているが、これは、いくつかの実施態様では、導波路領域102と干渉領域110とが同じ材料でできているか、または、略同一の実効屈折率を有するからである。
干渉領域110内で光が一巡した後に減衰してしきい値を下回る場合、フォトカプラ105は、第1の反射器領域106を含まない。例えば、第2の反射器領域114に入射する順方向の光と、第2の反射器領域114によって反射された逆方向の光との干渉により、干渉領域110には定常波が生じうる。定常波は、導波路領域102と干渉領域110との境界130近くで小さくなりうる。なぜなら、第2の反射器領域114によって反射された光は、境界130を過ぎると減衰してしきい値を下回るからである。しきい値は、例えば、初期入射光パワーの10%未満であってよい。グレーティング領域120のグレーティングパターンと干渉領域110の定常波パターンとを略一致させることによって、第1の反射器領域106がなくても、フォトカプラ105を用いて、第1の方向に伝播する光を、第1の方向とは異なる第2の方向に向け直すことができる。例えば、フォトカプラ105は、第1の方向と略垂直な第2の方向に光を向け直すのに用いることもできる。いくつかの実施態様では、光が干渉領域110で一巡した後に減衰してしきい値を下まわった場合、第1の反射器領域106がなくても、フォトカプラ105によって効率よく入射光の方向を変えることができる。いくつかの実施態様では、第1の反射器領域106を用いずに効率を高く保つべく、グレーティング領域120によって一巡の間に光を十分減衰させる必要がある。例えば、グレーティング長LGratingは、境界130に達する前に十分な一巡減衰を達成できる長さであることが必要である。
図2は、干渉領域内の定常波205の干渉周期と略一致する干渉パターン207の例を示す。図2の構成は、本願明細書中に記載されたフォトカプラのいずれにも適用できる。一般的に、往復の位相ずれは、光が一巡伝播することによって生じる位相ずれと、反射器によってもたらされる位相ずれとの合計になる。説明を簡単にすべく、反射器によってもたらされる位相ずれをゼロと仮定することにより、「往復の位相ずれ=2mΠ」は、「一巡の位相ずれ=2mΠ」として考えてよい(mは整数)。いくつかの実施態様では、導波路を伝播する光は、二次元に閉じ込めてよい。例えば、図1Aを参照すると、導波路領域102を伝播する光は、yおよびz方向に閉じ込められる。光が干渉領域に入射すると、導波路での閉じ込めが弱まり、光波のように干渉領域を伝播しうる。例えば、干渉領域110は、z方向に光をしっかり閉じ込め、y方向の閉じ込めは緩くするよう設計されてよい。光波が反射器211に到達し、反射され、順方向に伝播する波201と逆方向に伝播する波203との干渉によって、干渉領域内にd1の周期を有する定常波パターン205が形成されてよい。
いくつかの実施態様では、グレーティングパターン207は、定常波パターン205と略一致するよう設計されてよい。定常波パターンと一致させることによって、グレーティングパターン207は、光学アンテナとして機能し、光が干渉領域を出るのに最も有効な手段となりうる。それぞれのグレーティング構造は、光を光波として発するように機能し、個々のグレーティング構造から発せられるすべての光波の波頭を結合させて、損失なく垂直方向に伝播する平面波とする。例えば、理想的な一致のための理論的条件は、d2=2×d1であってよい。
干渉領域およびグレーティング構造の材料品質および物理的寸法に基づき、干渉領域内の共振状態に対して、対応する位相ずれと共に一巡減衰係数αが計算されてよい。例えば、干渉領域は、導波光に対して特定の吸収係数を有する材料から形成されてよく、このことは、一巡減衰係数に寄与しうる。他の例としては、光は、伝播する間にグレーティング領域から発せられてよく、このことも、一巡減衰係数に寄与する。一般的に、光は、干渉領域を一巡した後に(すなわち、境界213から反射器211へと順方向伝播し、反射器211から境界213へと逆方向伝播した後に)一巡減衰係数にしたがって減衰する。本願明細書中で用いられる「一巡減衰係数α」とは、一巡して減衰した後の残りの光パワーと、初期の光パワーとの比率を指す。
いくつかの実施態様では、背面反射による損失を実質的に抑制すべく、反射器領域(例えば第1の反射器領域106)が境界213に配置されてよく、その場合、境界213における反射器領域の反射率は、一巡減衰係数αと略一致する。境界213における反射器領域の反射率をαと略一致させることによって、境界213によって反射されて(213の左側の)入射光源に戻った(213の左側からの)光と、境界213を透過して(213の左側の)入射光源に戻った(213の右側からの)光とは、数回の通過の後に弱めあう干渉によって相殺される。つまり、最初の入射光(213の左側から213と211との間の領域に入射する光)のほぼすべてのパワーが213と211との間の領域に伝達される。いくつかの実施態様では、一巡減衰係数αは、ほぼゼロでよい。その場合、境界213における対応する反射率rはゼロに設定され、図1Dに示されるような第1の反射器領域106を含まないフォトカプラ105に対応しうる。いくつかの実施態様では、境界213における反射率rが反射器211の反射率(例えばほぼゼロ)と同じ高さに設定されることにより、x方向での有効な閉じ込めが可能な共振器を形成することができ、この共振器は、z方向など他の方向を介しての光の出入りを許容する。
いくつかの実施態様では、性能に影響する非理想的要因も存在しうる。例えば、干渉領域にグレーティング領域をエッチングすることにより実効屈折率が変化しうる。他の例としては、エッチング工程でグレーティングの凸部から凹部までの直線を形成しなくてよい。理論的な一致条件がd2=2d1である一方で、現実に実装するにあたっては、正確な条件からのわずかな逸脱も予想されうる。このような逸脱によってフォトカプラの機能性が変わることはないが、効率性に影響する場合もある。しかしながら、理想的な条件からの適度な逸脱は、本開示の範囲内であり、それによって影響された効率性も対象とする用途にとって許容範囲内である。フォトカプラを製造、検査、再設計する工程を繰り返し行うことによってこの問題は改善しうる。
図3Aは、x−y方向の平面におけるグレーティングパターン331の例を示す。図3Aに示される構成は、本願明細書中に記載されるフォトカプラのいずれにも適用できる。グレーティングパターン331は、x方向に沿った一次元グレーティング構造301a−nおよび303a−nからなるアレイを含む(nは1より大きい整数)。いくつかの実施態様では、グレーティング構造301a−nと303a−nとは、異なる材料によって形成されてよい。例えば、グレーティング構造301a−nは、シリコンから形成され、グレーティング構造303a−nは、InPによって形成されてよい。他の例としては、グレーティング構造303a−nは、外部媒体からの光を干渉領域に結合する表面プラズモン効果を生じさせる金属層を含んでよい。301a、303a、301b、303b、、、301n、および、303nの配列によってグレーティング領域にグレーティングが形成される。
図3Bは、x−y方向の平面におけるグレーティングパターン332の例を示す。図3Bに示される構成は、本願明細書中に記載されるフォトカプラのいずれにも適用できる。グレーティングパターン332は、x方向に沿った一次元グレーティング構造305a−nからなるアレイを含む(nは1より大きい整数)。いくつかの実施態様では、グレーティング構造305a−nは、グレーティングの凸部であってよい。いくつかの他の実施態様では、グレーティング構造305a−nは、グレーティングの凹部であってよい。305a、305b、、、305nの配列によってグレーティング領域にグレーティングが形成される。
図3Cは、x−y方向の平面におけるグレーティングパターン333の例を示す。図3Cに示される構成は、本願明細書中に記載されるフォトカプラのいずれにも適用できる。グレーティングパターン333は、二次元の矩形グレーティング構造のアレイを含み、307a〜307nはx方向に沿い、307a〜307kはy方向に沿って並べられている。いくつかの実施態様では、矩形グレーティング構造307aは、グレーティングの凸部であってよい。いくつかの他の実施態様では、矩形グレーティング構造307aは、グレーティングの凹部であってよい。いくつかの実施形態では、矩形グレーティング構造307aは、層308の材料と同じであるシリコンなどで形成されてよい。いくつかの実施態様では、矩形グレーティング構造307aは、層308とは異なる材料で形成されてよい。例えば、矩形グレーティング構造307aは、シリコンで形成され、層308は、InPによって形成されてよい。いくつかの実施態様では、矩形グレーティング構造307aは、四角形または非四角形、あるいは、それらを組み合わせた構造であってよい。x−y平面上に矩形グレーティング構造307a−nおよび307a−kを配列することにより、グレーティング領域にグレーティングが形成される。いくつかの実施形態では、x方向321に沿ったグレーティングの周期と、y方向322に沿ったグレーティングの周期とは、xおよびy方向それぞれにおける層308の干渉パターンと略一致する。
図3Dは、x−y方向の平面におけるグレーティングパターン334の例を示す。図3Dに示される構成は、本願明細書中に記載されるフォトカプラのいずれにも適用できる。グレーティングパターン334は、2次元の任意の形状のグレーティング構造309a〜309nからなるアレイを含む(nは1より大きい整数)。いくつかの実施態様では、任意の形状のグレーティング構造309aは、グレーティングの凸部であってよい。いくつかの他の実施態様では、任意の形状のグレーティング構造309aは、グレーティングの凹部であってよい。いくつかの実施態様では、任意の形状のグレーティング構造309aは、層310とは異なる材料で形成されてよい。例えば、任意の形状のグレーティング構造309aは、二酸化ケイ素で形成されてよく、層308は、シリコンで形成されてよい。いくつかの実施態様では、任意の形状のグレーティング構造309aは、三角形、または、楕円形、あるいは、異なる形状を組み合わせたものであってよい。x−y平面に任意の形状のグレーティング構造309a−nを配列することによってグレーティング領域にグレーティングが形成される。
図3Eは、x−y方向の平面におけるグレーティングパターン335の例を示す。図3Eに示される構成は、本願明細書中に記載されるフォトカプラのいずれにも適用できる。グレーティングパターン335は、二次元の任意の形状のグレーティング構造313a〜313nからなるアレイを含む(nは1より大きい整数)。いくつかの実施態様では、任意の形状のグレーティング構造313a〜313nの形状は、いずれも数値解析を用いて決定されてよい。例えば、有限差分時間領域(FDTD)解析プログラムを用いて任意の形状の構造313a〜313nのそれぞれの形状を設計することにより、結合効率を最適化してよい。いくつかの実施態様では、任意の形状のグレーティング構造313a〜313n同士の間隔は、数値解析を用いて決定されてよい。例えば、有限差分時間領域(FDTD)解析プログラムを用いて任意の形状の構造313a〜313n同士の間隔を決定することにより、結合効率を最適化してよい。x−y平面に任意の形状のグレーティング構造313a−nを配列することによってグレーティング領域にグレーティングが形成される。
いくつかの実施態様では、図3C、3D、および、3Eに示された二次元グレーティングは、干渉領域の同相の波腹の位置がグレーティングの凹部および/または凸部の位置と略一致するよう設計された、(単位格子サイズおよび形状を定義する)格子ベクトルを有しうる。
図4Aは、光源に形成されたグレーティング型フォトカプラを有するフォトニック集積回路400の例を示す。フォトニック集積回路400は、入射光を生成する光源領域430を含む。いくつかの実施態様では、光源領域430は、インコヒーレント光を生成してよい。例えば、III−V族量子井戸または量子ドットレーザダイオードは、電荷キャリアと共に励起されるとインコヒーレント光を生成する活性材料の1つ以上の層を含んでよい。いくつかの実施態様では、インコヒーレント光は、自然放出によって干渉領域410に結合されてよい。いくつかの実施態様では、光源領域430からの光は、干渉領域410に結合された表面を除く他の表面によって閉じ込められてよい。
フォトカプラは、第1の反射器領域406、第2の反射器領域414、干渉領域410、および、グレーティング領域420を有する。第1の反射器領域406、第2の反射器領域414、干渉領域410、グレーティング領域420、および、グレーティング418の構造は、本願明細書を通じて記載される、例えば、図1A〜3Eに示されたいかなる対応する構造によって実現されてよい。いくつかの実施態様では、干渉領域410およびグレーティング領域420は、シリコンまたはIII−V族半導体で形成され、光源は、III−V族半導体で形成され、第1および第2の反射器領域406および414は、DBR構造または金属コーティングを含む。
第1の反射器領域406および第2の反射器領域414は、矢印434で示されたような入射光の伝播方向とは反対の方向に入射光を反射する。干渉領域410は、第1の反射器領域406と第2の反射器領域414との間に形成され、光源領域430に結合される。干渉領域410は、(i)光源領域430によって生成された光を第1の方向(図4Aのx方向)に沿って伝播するように導き、(ii)第1の反射器領域406と第2の反射器領域414との間で反射された光によって形成された干渉光を閉じ込める。
光源領域430で生成された光の一部は、自然放射、または、他の適切な結合機構によって干渉領域410に結合されてよい。干渉領域410に結合された光は、矢印434で示すように、x方向に共振しうる。図1Aに示した動作と同様に、第1の反射器領域406および第2の反射器領域414は、定常波パターンが形成されうる干渉領域410内に共振器を形成する反射表面を提供する。干渉領域410は、固定の共振器長LCavityを有するので、定常波パターンは、特定の波長によってしか形成できない。したがって、干渉領域410は、波長フィルタとして機能しうる。いくつかの実施態様では、光源領域430によって生成されるインコヒーレント光は、干渉領域410では共振しない波長を除去することによって、干渉領域410においてコヒーレント光に変換されうる。
グレーティング領域420は、干渉光の少なくとも一部を閉じ込める領域に形成されたグレーティング418を含む。グレーティング418は、X方向と略垂直のZ方向に光の一部を発する。いくつかの実施態様では、グレーティング418は、干渉領域410の定常波パターンと略一致するように設計され、かつ、グレーティング領域420に形成されてよい。定常波パターンを一致させることによって、グレーティング418は、光学アンテナとして機能し、光が干渉領域410を出るのに最も有効な手段となりうる。それぞれのグレーティング構造は、光を光波として発するように機能し、個々のグレーティング構造から発せられるすべての光波の波頭を結合させて、損失なくz方向に伝播する平面波とすることができる。
図4Bは、グレーティング型フォトカプラを有するフォトニック集積回路401の例を示す。この図では、光源領域431を干渉領域411に埋め込ませることによって干渉領域411に結合させている。光源領域は、GaAsとヒ化アルミニウムガリウム(GaAlAs)との交互層、あるいは、ヒ化ガリウムインジウム(InGaAs)とInPとの交互層などの活性材料層を含む。インコヒーレントまたはコヒーレント光を生じる量子ドット、ワイヤ、井戸構造を形成する活性材料層の他の組合せも本開示の範囲内である。
干渉領域411は、第1の反射器領域416と第2の反射器領域424との間に形成される。第1の反射器領域416および第2の反射器領域424は、例えば、金属層または誘電体層で端面をコーティングするか、あるいは、DBR構造を形成することによって設けられてよい。
干渉領域410の外側で光が生成される図4Aの例と比較すると、図4Bでは、干渉領域411の内側で光が生成されている。生成された光は、干渉領域411内の第1の反射器領域416と第2の反射器領域424との間でx方向に共振し、それによってコヒーレント光が生成され、定常波パターンが形成される。グレーティング領域421は、定常波パターンと略一致するよう設計されてよい。その場合、コヒーレント光は、グレーティング領域421を介し、フォトニック集積回路401からz方向に発せられる。いくつかの実施態様では、基板440が支持層として用いられてよい。いくつかの実施態様では、基板440がDBR構造を有することにより、−z方向に伝播する光をさらに減少させてよい。
図4Cは、光源に一体化されたグレーティング型フォトカプラを有するフォトニック集積回路403の例を示す。この例では、pn接合によって干渉光が制御される。フォトニック集積回路403は、光源領域441、p型ドープ領域442、干渉領域443、n型ドープ領域444、グレーティング領域445、第1の反射器領域446、および、第2の反射器領域448を含む。光源領域441、p型ドープ領域442、干渉領域443、n型ドープ領域444、グレーティング領域445、第1の反射器領域446、および、第2の反射器領域448の構造は、本願明細書を通じて記載される、例えば、図1A〜3Eに示されたいかなる対応する構造によって実現されてよい。
図4Aに示す構成と同様に、光源領域441でインコヒーレント光が生成され、その光の一部は、干渉領域443に結合される。結合された光は、干渉領域443内の第1の反射器領域446と第2の反射器領域448との間でx方向に共振することによって、定常波パターンが形成され、コヒーレント光が生成される。グレーティング領域445のグレーティングは、定常波パターンと略一致するよう設計されている。このグレーティング領域445の設計に基づき、コヒーレント光は、干渉領域443を介し、フォトニック集積回路403から+zまたは−z方向に発せられてよい。
いくつかの実施態様では、n型ドープ領域444およびp型ドープ領域442にわたって電圧または電流を印加することによって、干渉領域443内に電界が形成されてよい。干渉領域443は、自由キャリアの生成、再結合、注入、または、減少によって、n型ドープ領域444およびp型ドープ領域442にわたって電圧または電流を印加させることにより、異なる干渉パターンを形成してもよい。屈折率が変わることによって干渉パターンが変化する場合、干渉領域443は、レーザ光を発するのを停止するか、または、他のレーザ発振波長に対応しうる。したがって、n型ドープ領域444およびp型ドープ領域442にわたって電圧または電流を印加することにより、波長調整可能なレーザ発振機構として機能を提供するか、あるいは、コヒーレント光を変調させることができる。
図4Dは、導波路領域を介して干渉領域に結合された光源を有するフォトニック集積回路405の例を示す。この例では、グレーティング型フォトカプラは、生成された光を放出する。フォトニック集積回路405は、光源領域450、導波路領域451、第1の反射器領域452、第2の反射器領域453、干渉領域454、および、グレーティング領域455を有する。光源領域450、導波路領域451、第1の反射器領域452、第2の反射器領域453、干渉領域454、および、グレーティング領域455の構造は、本願明細書を通じて記載される、例えば、図1A〜3Eに示されたいかなる対応する構造によって実現されてよい。
光源領域450で生成されるインコヒーレント光の一部は、導波路領域451に結合される。例えば、光源領域450は、シリコン導波路に結合されたInGaAs、量子井戸(QW)、または、量子ドット(QD)構造を含んでよく、その場合、量子井戸によって生成された光は、シリコン導波路に結合される。結合された光は、干渉領域454における第1の反射器領域452と第2の反射器領域453との間で共振し、それによってコヒーレント光が生成され、定常波パターンが形成される。例えば、第1の反射器領域452および第2の反射器領域453の導波路構造は、干渉領域454では高次モードを除去することができる単一モード伝播を支持するよう設計されてよい。グレーティング領域455のグレーティングは、定常波パターンと略一致するよう設計されている。コヒーレント光は、光源領域450によって生成された光の共振方向と略垂直な方向に沿い、グレーティング領域455を介してフォトニック集積回路405から発せられてよい。いくつかの実施態様では、干渉領域内にテーパ領域を設け、広いグレーティング領域と狭い導波路領域とのかけ橋としてよい。狭い導波路領域は、高次モードを抑制するために用いられ、広いグレーティング領域は、外部結合装置を異なるビーム形状、領域、開口数の要件に適合させるために用いられてよい。このテーパ領域についての説明は、本願明細書を通じて記載されるフォトカプラのいずれにも当てはまる。
図4Eは、グレーティング領域466を介してグレーティング型フォトカプラに結合された光源領域を有するフォトニック集積回路407の例を示す。フォトニック集積回路407は、光源462、第1の反射器領域478、第2の反射器領域476、干渉領域472、境界474、および、グレーティング領域466を有する。光源462、第1の反射器領域478、第2の反射器領域476、干渉領域472、および、グレーティング領域466の構造は、本願明細書を通じて記載される、例えば、図1A〜3Eに示されたいかなる対応する構造によって実現されてよい。
光源領域462で生成されたインコヒーレント光は、自然放出または他の適切な結合機構によって干渉領域472に結合される。結合されたインコヒーレント光は、反射器領域476および478によって反射され、x方向に共振する。レーザ発振しきい値に達すると、コヒーレント光は、グレーティング領域466の設計によって+z方向または−z方向に発せられることができる。いくつかの実施態様では、グレーティング領域466は、光をもっぱら−z方向に向けるよう設計されており、それによって、発せられた光が光源領域462に再び結合されないようにできる。
いくつかの実施態様では、反射器478は、反射器476より低い反射率を有する部分反射器であってよい。光源領域462で生成されたインコヒーレント光は、自然放出によって干渉領域に472に結合されて、方向470に共振してよい。レーザ発振しきい値に達すると、コヒーレント光は、x方向に伝播し、境界474を介して部分反射器478へと入り、その後、導波路へ入り、同時に+zまたは−z方向に伝播してさらなる処理のために外部媒体へと入る。
図4Fは、図4Bと同様の積層を有するフォトニック集積回路408の例を示す。干渉領域491は、インコヒーレント光を生成するIII−V族半導体のような活性材料からなる。インコヒーレント光は、第1の反射器領域486と第2の反射器領域484との間でx方向に共振し、コヒーレントになる。下方に伝播する光を減少させるためにDBR構造494が用いられているので、コヒーレント光は、グレーティング492を介して上方に放出される。
従来のレーザダイオードの基本的な機能原理は、2つの端子(pおよびn)または電極から、例えば、利得材料となるIII―V族半導体などの少なくとも1つの光子放出材料(PEM)を含む光源領域内に、電荷キャリアを供給することによるものである。端子は、通常、順方向バイアスがかけられることにより、光子放出材料中で電子と正孔とを衝突させ、再結合させ、光子を発せしめる。図1Aに示したように、第1の反射器領域106および第2の反射器領域114は、共振構造(すなわち、干渉領域または共振器110)を画定する。向け直された光が垂直方向123に放出される一方で、この共振構造は、横方向に延びる。干渉領域110が光子放出材料層を含み、干渉領域110内で光子が生成されるように2つの端末が設けられる場合、これらの光子は、2つの反射器106および114の間で横方向に共振しうる。本開示では、ゲート端子(従来の2つの端子は「導電端子」として見なしてよい)として機能する第3のタイプの端子が含まれることにより、特定のタイプのキャリアをゲート領域に引き寄せる/跳ね返す/発射する/取り込むので、再結合されるキャリアの量が調整される。この端子の電気コンタクトは、例えば、直接的な金属コンタクト(例えばMESFET型)、接合型(例えばJFET型)、あるいは、界磁制御用の誘電体を介するもの(MOSFET型)など、さまざまな形態をとりうる。この制御端子には多くの実施態様が考えられるが、その中心概念は、光子を生成するキャリアを注入するために用いられる第1の電界に加えて、再結合されたキャリアの量を変更するための第2の電界を提供することにある。このような「ゲート制御」スキームは、従来のようにレーザダイオードを直接変調するより速く、また、異なるパワーレベルの出射光を生じさせるために、複数レベルの電圧/電流をゲートに印加してデータの複数ビット(オン/オフ)を符号化することにより、複数の変調スキームを可能とすることができる。このタイプの変調は、ゲートに異なる電圧レベルを印加することによって実現する振幅変調と同様である。以下に、このゲート制御可能な横方向共振光エミッタ構造を実現するためのさまざまな例示的実施形態をさらに詳しく記載する。
図5Aは、発光用の光学装置561の例を示す断面図である。発光用光学装置561は、光子放出材料層572を含む光源領域570を有する。光源領域570は、2つの反射器で囲まれた干渉領域であってよい。光学装置561は、光源領域570に結合された第1の電極591、光源領域570に結合された第2の電極592、および、光源領域570に結合された第3の電極593をさらに備える。図5Aに示されるように、第1の電極591は、導電層591aとドープ領域591bとを有する。導電層591aは、例えば、金属層であり、ドープ領域591bは、例えば、n型ドープ領域である。同様に、第2の電極592は、導電層592aと、ドープ領域592bとを有する。導電層592aは、例えば、金属層であり、ドープ領域592bは、例えば、p型ドープ領域である。つまり、第1の電極591と第2の電極592とは、キャリア(電子および正孔)が光源領域570に注入されるように異なる極性を有する。電子と正孔とが光子放出材料層572内で結合されて光子が生成されるように、例えば、電子は、n型ドープ領域591bを介して光子放出材料層572に注入され、正孔は、p型ドープ領域592bを介して光子放出材料層572に注入される。第3の電極593は、導電層593aと、絶縁層593bとを有する。絶縁層593bは、導電層593aと光源領域570との間に設けられる。いくつかの実施態様では、導電層593aは、ドープポリシリコンまたは金属を含み、絶縁層593bは、酸化物、窒化物、または、半絶縁性III−V族半導体を含む。図5Aに示すように、第1の電極591には電圧V1が印加され、第2の電極592には電圧V2が印加され、第3の電極593には電圧V3が印加される(V2>V1)。いくつかの実施態様では、最低電圧の電極が接地として用いられてよい。いくつかの実施態様では、V3>V2である場合、第3の電極593が電子を引き寄せ(点線で示している)、電子量を減らすことによって第2の電極592からの正孔と再結合する。いくつかの実施態様では、V2>V3>V1である場合、第3の電極593は、第2の電極592および第1の電極591のどちらからの正孔も引き寄せる。いくつかの実施態様では、V3<V1の場合、第3の電極593は、第2の電極592からの正孔を引き寄せる。いくつかの実施態様では、V3がV2より大きいことが意図される場合、第3の電極593は、P型であり得、V3がV1より小さいことが意図される場合、第3の電極593はn型であり得る。
従来の2つの導電電極以外に第3の電極も有する他の同様の構造も可能であり、本発明の概念に従う限りにおいて本開示に含まれることに留意されたい。図5B〜5Gは、さらなる例を示すブロック図である。一実施態様に従う発光用光学装置は、通常、再結合のために電荷キャリアの量を調整する第3の電極と、前出の例に示したような光の共振のための横方向光共振器構造とを有する。
図5B〜5Eは、横方向共振器を有する発光用光学装置を示すブロック図である。これらの例において、「導電」電極(つまり第1の電極591および第2の電極592)に印加する電圧としてV1およびV2を用い、「変調」電極(つまり第3の電極)に印加する電極としてV3を用いることにより、光子を発するために再結合される電荷キャリアの量を制御する。説明をより包括的にするために、ここではpまたはn型の説明は省く。2つの矢印のついた実線は、再結合がおきる領域を示している。この領域は、通常、III−V族半導体、III−V族半導体量子井戸構造、III−V族半導体量子ドット構造、あるいは、直接バンドギャップを有する他の材料の内側にある。図5Bに示すように、第1の電極591および第2の電極592は、干渉領域570の対向端部に配置されている。ここでは説明しないが、光子放出材料は、干渉領域570の内部に一部埋め込まれているものと考えてよい。第1の電極591と第2の電極592との間に第3の電極593が配置されていることにより、第1の電極591と第2の電極592との間の電荷キャリアが変調される。図5Cの他の実施態様では、第3の電極593は、第1の電極と第2の電極との接続経路の外側に配置されている。この構成では、第3の電極593は、キャリア再結合領域からキャリアを引き寄せることによって、まだ変調機能を果たすことができている。図5Bおよび5Cに示す例では、電極は、同じ高さに配置されている。図5Dおよび5Eの例では、電極のうちの少なくとも1つは、他の電極とは異なる層に配置されている。図5Aに示す例と同様に、第1の電極591は、導電層とドープ領域とを有する。つまり、第1の電極591と第2の電極592とは、極性が異なるので、電荷キャリア(電子および正孔)を光源領域に注入することができる。第3の電極593は、導電層と絶縁層とを有し、絶縁層は、導電層と干渉層570との間にある。さらに、図5B〜5Eに示す例では、干渉領域570の対向する面であって図5Dに示す実線の矢印に対応する方向に光反射器(図示せず)が配置されている。第1の電極591と第2の電極592との間に電流または電圧を印加した後、光子が生成され、図5Dに示す反射器によって囲まれた実線の領域で共振しうる。第3の電極593に電圧または電流が印加されることにより、(点線で示された)キャリアが引き寄せられるかまたは跳ね返されるので、電子または正孔の量が変化する。その結果、干渉領域における再結合がなされ、変調機能が果たされる。図5Dの例に対し、図5Eは、1つの導電電極の位置と1つの変調電極の位置とを切り替えることによる他の実施形態を示している。それによって注入経路(実線)および変調経路(点線)も変化する。
図5F〜5Kは、電極配置が異なるいくつかの実施態様による発光用光学装置のブロック図であり、図5A〜5Eと同様の符号および記号を用いている。図5Fは導電電極591および592を上下に配置し、変調電極593を側壁に配置した構成を示す。図5Gは、側壁に電極591および592を配置し、上部に変調電極593を配置した構成を示す。図5Hは、変調電極593が複数配置されていることを除き図5Fと同じ構成を示している。図5Iは、2つの導電経路(実線)を有し、変調電極593が底部に配置されている構成を示す。図5Jは、2つの導電経路(実線)を有し、変調電極593が底部に配置されている構成を示す。図5Kは、2つの導電経路(実線)を有し、変調電極593が側壁に配置されている構成を示す。
これらの例に示されるすべての主要構成要素を組み合わせることにより、2つの従来の導電電極を用いるかまたは追加の変調電極を含む他の設計または構成とすることができる。図示された、例えば、共振器に対する光子放出材料の量子井戸または量子ドット構造の向き(共振領域に対して平行または垂直など)、テーパ領域(図4Dの454)の大きさまたは位置、および、グレーティング形状などは、本開示の多くの実現可能な実施態様の範囲内である。したがって、本開示の概念に従ういかなる設計/構造も本開示の範囲内であると考えられるべきである。また、異なる電極およびコンタクトが異なる層に配置されてよく、その場合横方向および縦方向のいずれの配置でもよい。図に示したものは設計例であって、単純化して示すために実際の尺度では描かれていないことに留意されたい。また、干渉領域(共振器)は、例えば、GaAs、InGaAsP、InP、InGaAs、シリコンナノ結晶、ガリウムナノ結晶などの光子放出材料(PEM)、あるいは他の材料を含んでよく、その場合、光子放出材料層は、干渉領域の上に追加されるか、または、結合または材料の成長を通じて干渉領域に少なくとも一部が埋め込まれる必要がある。さらに、動作帯域幅を広げるために、共振方向に沿って複数の共振器を縦続接続してよい。したがって、請求項に記載された概念に従ういかなる実施形態も本開示の範囲内であるとみなされるべきである。
図6Aは、正面変調型グレーティングレーザ素子661の一例を示す断面図である。レーザ素子661は、干渉領域670に光学的に結合される光子放出材料672としてのGaAsとGaAlAsとの交互層、または、InGaAsPとInPとの交互層などの活性材料層を含む。インコヒーレントまたはコヒーレント光を生じる量子ドット、ワイヤ、および、井戸構造を形成する活性材料層の他のいかなる組み合わせも本開示の範囲内である。レーザ素子661は、第1の反射器666と第2の反射器674とに囲まれた干渉領域(共振器)670を有する。図の例では、レーザ素子661は、干渉領域670の上部に形成されたグレーティング領域680をさらに備える。また、レーザ素子661は、第1のコンタクト691と、第2のコンタクト692と、第3のコンタクト693とを有する。第1のコンタクト691および第2のコンタクト692は、干渉領域670の両端に配置され、第3のコンタクト693は、干渉領域670の上であって、第1のコンタクト691と第2のコンタクト692との間に配置される。第1の電極691は、導電層691aとドープ領域691bとを有する。導電層691aは、例えば、金属層であり、ドープ領域691bは、例えば、n型ドープ領域である。同様に、第2の電極692は、導電層692aと、ドープ領域692bとを有する。導電層692aは、例えば、金属層であり、ドープ領域692aは、例えば、p型ドープ領域である。つまり、第1の電極691と第2の電極692とは、キャリア(電子および正孔)が干渉領域670に注入されて光子放出材料692内で再結合されるような異なる極性を有する。例えば、電子はn型ドープ領域691bを介して注入され、正孔はp型ドープ領域692bを介して注入されることによって、電子と正孔とが再結合されて光子が生成されてよい。第3の電極693は、導電層693aと絶縁層693bとを有する。絶縁層693bは、導電層693aと干渉領域670との間に形成される。さらに、導電層693aは、ドープポリシリコンまたは金属を含み、絶縁層693bは、酸化物または窒化物、あるいは、他の半絶縁性III−V族半導体を含む。いくつかの実施態様では、干渉領域は、コンタクトから注入されたキャリアが再結合のために光子放出材料領域に移動して光子が生成されるような導電材料を含む。
第1のコンタクト(電極)691の例をn型、第2のコンタクト692の例をp型とすると、電子は、n型コンタクト691から注入され、正孔は、p型コンタクト692から注入される。その際、電圧V1が第1のコンタクト691に印加され、電圧V2が第2のコンタクト692に印加される(V2>V1)。その結果、電子と正孔とが再結合されるときに、活性材料層672において光子が生成される。第3のコンタクト693に印加される電圧V3がV2より高い場合、第3のコンタクト693は、(点線で示すように)電子を引き寄せ、電子の量を減らすことにより、p型コンタクト692からの正孔と再結合させる。V2>V3>V1の場合、第3のコンタクト693は、n型コンタクト691からの電子と、p型コンタクト692からの正孔との両方を引き寄せる。V3<V1の場合、第3のコンタクト693は、p型コンタクト692からの正孔を引き寄せる。このように、第3のコンタクト693は、レーザ素子661のキャリア変調のために用いられる。第3のコンタクト693は、媒体694によって干渉領域670と分離されてもよく、その結果、干渉領域670を貫通している電界を調整することができる。PN(接合型)またはMS(直接金属コンタクト型)のようなキャリア直接変調機構が適用される場合は、媒体694は、なくてもよい。図6Aに示すようなレーザ素子661では、第1のコンタクト691および第2のコンタクト692にそれぞれ適切な電圧が印加される場合、キャリア(電子または正孔)は、干渉領域670に光学的かつ電気的に結合された光子放出材料672に注入される。
第1の反射器666、第2の反射器674、干渉領域670、および、グレーティング領域680の構造は、例えば、図1A〜3Eに示される対応する構造のような、本願明細書を通じて記載されているいかなる対応する構造によって実現されてよい。いくつかの実施態様では、干渉領域670は、III−V族半導体によって形成されてよく、第1の反射器666および第2の反射器674の少なくとも1つは、コーナーミラー、DBRミラー、分散型ミラー、導波路ループミラー、または、金属層からなる。生成された光は、干渉領域670における第1の反射器666と第2の反射器674との間に延びる方向に共振することにより、コヒーレント光が生成され、定常波パターンが形成される。グレーティング領域680は、定常波パターンと略一致するように設計されてよい。その場合、コヒーレント光は、グレーティング領域680を介して、レーザ素子661から共振方向とは異なる方向に発せられる。いくつかの実施態様では、グレーティングは、格子ベクトルを有するので、干渉領域670内の光の同相の波腹の位置は、グレーティングの凹部および/または凸部の位置と略一致する。いくつかの実施態様では、第3のコンタクト693は、方向を変えられたコヒーレント光を透過できる透明材料(例えばインジウムスズ酸化物(ITO))であってよい。
図6Bは、正面変調型グレーティングレーザ素子662の例を示す断面図である。レーザ素子662は、グレーティング領域680が干渉領域670の底部に配置されていることを除き、図6Aに示すものと同様である。図6Bに示す図6Aと同様の要素は、簡潔さのために図6Aと同様の参照符号を付し、同様の材料/組成/機能を有するものとする。さらに、図6Bに示すレーザ素子662では、第1のコンタクト691と第2のコンタクト692とは、縦の方向に異なる層に配置されるよう、異なるエピタキシ成長層と接触している。いくつかの実施態様では、第1の電極691は、n型III−V族半導体と接触し、第2の電極692は、p型III−V半導体と接触してよい。n型およびp型の材料は、どちらもその場ドーピングによる有機金属CVD法(MOCVD)または分子線エピタキシ(MBE)によって成長させてよい。
図6Cおよび6Dは、正面変調型グレーティングレーザ素子663および664を示す。レーザ素子663および664は、光子放出材料672内の量子井戸構造の配列がキャリア注入方向または共振方向と平行(図6D)または垂直(図6C)であることを除いて図6Aのものと同様である。図6Cおよび6Dでは、光が電極(V3)の1つを透過するので、この電極の材料は、光に対して透明であるはずである。例えば、第3の電極693が発光経路と重なる場合に、出射光の波長が850nmより長いときは、酸化物などの絶縁材料、および、ポリシリコンなどの導電材料を用いてよい。
図6Eおよび6Fは、正面変調型グレーティングレーザ素子665および667の例を示す斜視図である。端子の1つ(例えば第3の電極693)が発光方向と意図的にオフセットされることにより光を遮らないようにしていることを除き、図6Eに示されたレーザ素子665の量子井戸の向きは、図6Cに示された量子井戸の向きと同様であり、図6Fに示されたレーザ素子667の量子井戸の向きは、図6Dに示された量子井戸の向きと同じであってよい。この端子の材料は、図6Cおよび6Dに示すものより広い選択肢から選ばれてよい。
図6Gは、正面変調型グレーティングレーザ素子668の例を示す斜視図である。2つの導電電極691および692が異なる層と接触し、(導電電極691と導電電極692との間の)キャリア注入方向が第1の反射器666と第2の反射器674とに囲まれた(2つの電極693)の間の光共振方向と異なることを除いて、このレーザ素子668は、図6Aに示すものと同様である。この例では、キャリアは、主に導電電極691および692から注入されて再結合されることによって、光子が生成される。光子は、2つの反射器666と674との間で共振し、機構におけるグレーティング領域680を介して発せられることは、上記と同様である。変調電極693は、グレーティング放出領域から離れて配置されることにより、光が遮られるのを防ぐことができる。いくつかの実施態様では、グレーティング領域680は、変調電極の一部として部分的に機能してよい。
図7Aは、背面変調型グレーティングレーザ素子の例を示す断面図である。第3のコンタクト794が干渉領域760の底部(背面)に形成され、上記したような機構におけるグレーティング領域780を介し、干渉領域760の上部(正面)からコヒーレント光が発せられることを除き、レーザ素子761は図6Aに示すものと同様である。図には示していないが、第1のコンタクト791および第2のコンタクト792も、図6Bと同様に異なるエピタキシ成長層と接触してよい。さらに、方向性が適宜設計されていれば、グレーティング領域780は、図6Bと同様に干渉領域760の底部に配置されてもよい。図に示すような正面発光構造を有する背面変調方式では、変調電極が発光経路と重ならないので、その材料組成の選択肢はより広がる。
図7Bおよび7Cは、背面変調型グレーティングレーザ素子762および763の例を示す斜視図である。図に示すこれらのレーザ素子は、光子放出材料772内の量子井戸の向きを好適に変更でき、第3の変調電極793が干渉領域770の底部と接触しているという点で、図6Eおよび6Fに示すものと同様である。
図8Aは、光検出器と一体化されたフォトカプラを有するフォトニック集積回路500の例を示す。フォトニック集積回路500は、干渉領域510、第1の反射器領域506、第2の反射器領域514、および、グレーティング領域520を含む。干渉領域510は、干渉領域510内の光の少なくとも一部を吸収する光吸収領域を含む。干渉領域510、第1の反射器領域506、第2の反射器領域514、および、グレーティング領域520の構造は、例えば、図1A〜3Eに示される対応する構造のような、本願明細書を通じて記載されているいかなる対応する構造によって実現されてよい。フォトニック集積回路500は、基板530上に形成されてよい。
グレーティング領域520は、グレーティング518を含む。いくつかの実施態様では、グレーティング518は、外部媒体から、矢印536にて示される方向に伝播する光を受けてよい。光は、第1の領域506と第2の領域514との間に形成された干渉領域510に結合されてよい。干渉領域510は、第1の反射器領域506と第2の反射器領域514とによって反射される、矢印534で示された方向の光によって形成される干渉光を閉じ込める。
干渉領域510は、干渉光の少なくとも一部を吸収する光吸収材料によって形成されてよい。例えば、干渉領域510は、電気通信用の波長における光を吸収するゲルマニウムによって形成されてよい。吸収された光は、印加電界によって集められうる自由キャリアに変換され、入射光のパワーレベルを決定するのに用いられてよい。さらに、第1の反射器領域506と第2の反射器領域514とによって形成される共振器内で光が反射されることにより、有効な光吸収がもたらされる。いくつかの実施態様では、干渉領域510は、光吸収用のシリコンおよび/またはゲルマニウムを含み、グレーティング領域は、誘導表面プラズマモードを生じる金属を含む。
図8Bは、光検出器と一体化されたグレーティング型フォトカプラを有するフォトニック集積回路501の例を示す。この例では、光検出効率は、p−n接合によって調整されうる。フォトニック集積回路501は、干渉領域541、p型ドープ領域546、n型ドープ領域545、グレーティング542、第1の反射器領域543、および、第2の反射器領域544を含んでよい。
図8Aの構成と同様に、外部媒体から光を受けるが、光の一部は、グレーティング542を介して干渉領域541に結合される。結合された光は、第1の反射器領域543と第2の反射器領域544との間の干渉領域541においてx方向に共振する。干渉領域541における光吸収材料は、干渉光を吸収し、自由キャリアに変換する。
いくつかの実施態様では、n型ドープ領域545およびp型ドープ領域546にわたって電圧または電流が印加されることによって、干渉領域541内に電界が形成されてよい。干渉領域541内の光吸収材料の吸収効率は、n型ドープ領域545およびp型ドープ領域546にわたる電圧または電流の印加にしたがって変化しうる。したがって、n型ドープ領域545およびp型ドープ領域546にわたって電圧または電流を印加することにより、変更可能な、または、調整可能な光検出器として機能させることができる。
図8Cは、導波路領域を介して干渉領域に結合される光吸収領域を有するフォトニック集積回路505の例を示す。この例では、グレーティング型フォトカプラは、外部媒体からの光を受けるために設けられている。フォトニック集積回路505は、光吸収領域550、導波路領域551、第1の反射器領域552、第2の反射器領域553、干渉領域554、および、グレーティング領域555を含む。光吸収領域550、導波路領域551、第1の反射器領域552、第2の反射器領域553、干渉領域554、および、グレーティング領域555の構造は、例えば、図1A〜3Eに示される対応する構造のような、本願明細書を通じて記載されているいかなる対応する構造によって実現されてよい。
外部媒体からの光は、グレーティング領域555に結合されてよい。結合された光は、干渉領域554における第1の反射器領域552と第2の反射器領域553との間で共振することにより、定常波パターンが形成されうる。光吸収領域550は、導波路領域551に結合され、導波路領域551からの光は、検出用の光吸収領域550に結合される。例えば、光吸収領域550は、シリコン導波路に接合されたゲルマニウム光検出器であってよく、シリコン導波路を伝播する光は、干渉領域554および導波路領域551内に閉じ込められ、ゲルマニウム光検出器にエバネッセント結合されてよい。
図9は、p−n接合を有するフォトカプラ600の例を示す。フォトカプラ600は、第1の反射器領域606、干渉領域620、および、第2の反射器領域614を含む。干渉領域620は、グレーティング領域630を含む。第1の反射器領域606、干渉領域620、第2の反射器領域614、および、グレーティング領域630は、本出願明細書を通じて記載されるような、対応する領域のいずれを用いても実現されうる。
フォトカプラ600は、さらに、p型ドープ領域621、623、および、625と、n型ドープ領域631、633、および、635とを含む対のp−n接合も含む。一般的に、1つ以上の対のp−n接合を制御することにより、出力パワーおよび出力波長などのパラメータは、電圧印加またはキャリア注入によって能動的に制御されうる。いくつかの実施態様では、対のp−n接合621/631、623/633、および/または、625/635は、よりよい制御性のために、第1の反射器領域606、干渉領域620、および/または、第2の反射器領域614にまで及んでよい。いくつかの実施態様では、p型ドープ領域と、n型ドープ領域とは、交互に配置されることによって、交互嵌合パターンまたは他のパターンを形成してよい。これらのドープ領域の説明は、本願明細書中に記載されたフォトカプラのいずれにも当てはまる。
いくつかの実施態様では、n型ドープ領域631およびp型ドープ領域621にわたって電圧または電流を印加することによって、第1の反射器領域606内に電界が形成されてよい。第1の反射器領域606は、n型ドープ領域631およびp型ドープ領域621にわたる電圧または電流の印加によって異なる反射率を有してよい。
いくつかの実施態様では、n型ドープ領域635とp型ドープ領域625にわたって電圧または電流を印加することによって、第2の反射器領域614内に電界が形成されてよい。第2の反射器領域614は、n型ドープ領域635およびp型ドープ領域625にわたる電圧または電流の印加によって異なる反射率を有してよい。
いくつかの実施態様では、n型ドープ領域633およびp型ドープ領域623にわたって電圧または電流を印加することによって、干渉領域620内に電界が形成されてよい。干渉領域620は、n型ドープ領域633およびp型ドープ領域623にわたる電圧または電流の印加によって干渉光の異なる干渉パターンを有してよい。
例えば、逆バイアス電圧を印加することによって、電界が領域内の自由キャリアを抽出し、その結果、その領域の屈折率が変更されてよい。他の例としては、順バイアス電圧を印加することによって、領域内に自由キャリアが注入され、その結果、その領域の屈折率が修正されてよい。
図10Aは、複数の出力を有するフォトニック集積回路700の例を示す。フォトニック集積回路700は、矢印722で示される方向に光を導く第1の導波路領域702を含む。フォトニック集積回路700は、干渉領域710の片側に形成された第1のグレーティング領域720を含む。フォトニック集積回路700は、干渉領域710の異なる側、例えば、図10Aに示されたような反対側に形成された第2のグレーティング領域721を含む。フォトニック集積回路700は、反射器領域714を含み、また、他の反射器領域706を任意に含んでよい。フォトニック集積回路700は、他の能動および/または受動光学部品に結合されうる第2の導波路領域728を含む。
いくつかの実施態様では、第1の導波路領域702からの光は、干渉領域710に入射し、第1の外部媒体730、第2の外部媒体732、または、第2の導波路領域728に導かれてよい。例えば、図9の構成と同様に、n型ドープ領域およびp型ドープ領域にわたって電圧または電流を印加することによって、干渉領域710内に電界が形成されてよい。この場合、+z方向に発せられた光の一部と、−z方向に発せられた光の一部とは、n型ドープ領域およびp型ドープ領域にわたる電圧または電流の印加によって制御されうる。他の例としては、図9の構成と同様に、n型ドープ領域およびp型ドープ領域にわたって電圧または電流を印加することによって、第2の反射器領域714内に電界が形成されてよい。第2の反射器領域714の反射率は調整可能であり、光は、第2の導波路領域728に透過されてよい。
いくつかの実施態様では、光は、干渉領域710に入射し、第1の外部媒体730、第2の外部媒体732、および/または、第2の導波路領域728に出て行く異なる部分に分割されてよい。例えば、第1のグレーティング領域720のグレーティングは、格子周期がTE偏光の定常波と略一致するよう設計されてよい。同様に、第2のグレーティング領域721のグレーティングは、格子周期がTM偏光の定常波と略一致するよう設計されてよい。フォトニック集積回路700のTE偏光とTM偏光との比率を制御することによって、フォトニック集積回路700から第1の外部媒体730および第2の外部媒体732へと出て行く光の部分が制御されてよい。上記の例は、効率的な偏光ビームスプリッタとして機能しうる。
いくつかの実施態様では、第1のグレーティング領域720と第1の外部媒体730との間に第1の層724が形成されてよい。この第1の層724は、フォトニック集積回路700を保護するか、あるいは、第1のグレーティング領域720と第1の外部媒体730との間に特定の間隔を設けるために形成されてよい。いくつかの実施態様では、第2のグレーティング領域721と、第2の外部媒体732との間に、第2の層716が形成されてよい。この第2の層716は、フォトニック集積回路700を保護するか、あるいは、第2のグレーティング領域721と第2の外部媒体732との間に特定の間隔を設けるために形成されてよい。例えば、第1の層724は、クラッディングであってよく、第2の層716は、フォトニック集積回路700の基板であってよい。他の例としては、第1の層724は、グレーティング領域720より低い屈折率を有してよい。
図10Bは、複数の入力および出力を有するフォトニック集積回路701の例を示す。フォトニック集積回路701は、第1の導波路領域751、第2の導波路領域752、第3の導波路領域753、第4の導波路領域754、p−n接合755〜760および795〜798、第1の反射器領域761、第2の反射器領域762、第3の反射器領域791、第4の反射器領域792、干渉領域770、および、二次元グレーティング780を有してよい。 第1の導波路領域751、第2の導波路領域752、第3の導波路領域753、第4の導波路領域754、p−n接合755〜760および795〜798、第1の反射器領域761、第2の反射器領域762、第3の反射器領域791、第4の反射器領域792、干渉領域770、および、二次元グレーティング780の構造は、例えば、図1A〜4、および、図8〜9に示される対応する構造のような、本願明細書を通じて記載されているいかなる対応する構造によって実現されてよい。
いくつかの実施態様では、第1の導波路領域751および第3の導波路領域753からの光は、干渉領域770に入射し、第2の導波路領域752、第4の導波路領域754、あるいは、外向きの矢印764によって示すz方向のグレーティングの外に導かれてよい。いくつかの実施態様では、第1および第3の導波路領域からの入射光の背面反射を最小限にすべく、第1の反射器761および第3の反射器791の反射率は、初期設計中に、または、力学的電界印加を通じて調整されることにより、x方向に伝播する波の一巡減衰係数と、v方向に伝播する波の一巡減衰係数とを一致させることができる。
いくつかの実施態様では、第1の導波路領域751からの光は、干渉領域770に入射し、異なる部分に分割されて、第2の導波路752、第3の導波路753、および、第4の導波路754に導かれるか、および/または、外向きの矢印764によって示すz方向のグレーティングの外に導かれてよい。例えば、グレーティング領域は、波長に従い、xおよびyの二方向に沿ってそれぞれ伝播する2つの光の部分に光を分割する二次元グレーティング780を含んでよい。他の例としては、グレーティング領域は、偏光に従い、xおよびyの二方向に沿ってそれぞれ伝播する2つの光の部分に光を分割する二次元グレーティング780を含んでよい。他の例としては、二次元グレーティング780は、xおよびyの二方向に沿ってそれぞれ伝播する2つの光を1つに結合してもよい。
いくつかの実施態様では、二次元グレーティング780は、グレーティング780の周期と、干渉パターンの周期とをx方向およびy方向それぞれで一致させることによって、xおよびyの二方向から来る光を結合させて光を上方に(z方向に)発してよい。いくつかの実施態様では、二次元グレーティング780は、グレーティングパターンをx方向およびy方向でそれぞれ一致させるべく、p型ドープ領域とn型ドープ領域との間に電界を印加することによって、x方向およびy方向の干渉パターンを修正することで、xおよびyの二方向から来る光を結合させて光を上方に(z方向に)発してよい。他の例としては、二次元グレーティング780は、一方向(例えば−z方向)に伝播する光をxおよびyの二方向に伝播する光に分割してよい。
図10Aの構成と同様に、n型ドープ領域およびp型ドープ領域は、n型ドープ領域およびp型ドープ領域にわたって電圧または電流を印加することにより、干渉領域に電界が形成されるよう構成されてよい。その場合、二方向に伝播する光のそれぞれの比率は、n型ドープ領域およびp型ドープ領域にわたる電圧または電流の印加によって制御される。例えば、n型ドープ領域759およびp型ドープ領域756にわたって電流が印加されることにより、入射光のルーティングまたは分割が制御されてよい。いくつかの実施態様では、対応する領域の屈折率を調整する必要がない場合には、1つ以上のドープ領域はなくてもよい。例えば、干渉領域770を動的に変調する必要がない場合には、干渉領域をドープ領域756および759はなくてもよい。
図11は、パッケージングに適したフォトニック集積回路800の例を示す。フォトニック集積回路800は、導波路803に突き合わせ結合されたエッジ発光源801を含む。光は、任意で一体的に設けられる図11に示すようなモジュレータ805によって変調されるか、あるいは、エッジ発光光源801によって直接変調されてよい。変調された光は、前出の図に示されたようなグレーティング型フォトカプラ807に結合される。フォトカプラ807は、エッジ発光源801によって発せられる光の方向と略垂直である方向に光を発するよう設計されているので、フォトニック集積回路800は、標準的な光学機器によって容易にテストされてパッケージングされることができる。例えば、フォトニック集積回路800が組み立てられるダイは、トランジスタアウトラインのメタル缶(TO−Can)の内面に取り付けられてよく、グレーティングは、TO−Canの開口と位置合わせされることによって、光をパッケージから垂直伝播させる。
図12Aは、高反射率のコーナーミラー902を含む光学装置901の例を示す。図12Aの構成は、本願明細書に記載される反射器領域のいずれにも適用できる。一般的に、光は、グレーティング領域920を介して伝播し、コーナーミラー902のファセット931aおよび931bに入射する。ファセット931aおよび931bに入射する光の角度は全反射の角度を超えるので、実質的な光は全反射で反射し、高反射率が実現する。
図12Bは、部分反射率または高反射率の円形または楕円形ファセットを含む光学装置903の例を示す。図12Bの構成は、本願明細書に開示される反射器領域のいずれにも適用できる。
一般的に、光は、湾曲したグレーティング領域921を介して伝播し、ファセット904に入射する。いくつかの実施態様では、ファセット904は、高反射率を提供するよう、金属層でコーティングされてよい。湾曲したファセット904は、高反射率を有するので、導波路領域の方向に戻る光を再合焦させる。
図12Cは、高反射率をもたらす分布ブラッグ反射器(DBR)ミラー906を含む光学装置905の例を示す。図12Cの構成は、本願明細書に開示される反射器領域のいずれにも適用できる。一般的に、光は、グレーティング領域922を介して伝播し、DBRミラー906に入射する。いくつかの実施態様では、DBRミラー906は、さまざまな波長の反射率を高めるよう設計されてよい。
図12Dは、部分反射率または高反射率をもたらすファセット908を含む光学装置907の例を示す。図12Dの構成は、本願明細書に開示される反射器領域のいずれにも適用できる。一般的に、光は、グレーティング領域923を介して伝播し、ファセット908に入射する。コーティングを施さず、フレネルの式を用いて反射率を決定してよい。いくつかの実施態様では、ファセット908は、反射率を高めるよう、1つ以上の材料層でコーティングされてよい。例えば、ファセット908は、金属層でコーティングされることにより、反射率を高めてよい。他の例としては、ファセット908は、複数の誘電体層でコーティングされることにより、さまざまな波長の反射率を高めてよい。他の例としては、ファセット908は、金属層に続いて四分の一波長誘電体層でコーティングすることにより、さまざまな波長の反射率を高めてよい。図12Eは、表面が波形のミラー936を含む光学装置909の例を示す。
図12Eの構成は、本願明細書に開示される反射器領域のいずれにも適用できる。一般的に、光は、グレーティング領域932を伝播し、ミラー936に入射して反射し、干渉パターンを形成する。
フォトニック集積回路に集積されうるいかなるタイプの反射器も図12A〜Eに示される反射器の代替品として用いられうる。例えば、反射器領域は、異常分散型ミラーまたは導波路ループミラーを代わりに有してよい。
図13は、フォトカプラを設計するためのフローチャートの例を示す。プロセス1000は、1つ以上のコンピュータなどのデータ処理装置によって実行されてよい。
システムは、共振器の寸法を得る(1002)。いくつかの実施態様では、対象とする光の偏光/モード/波長/スポットサイズ、および、外部媒体(例えば、第2の側114に接続されたグレーティングまたは導波路の上面のファイバ)に基づき、共振器および基板の寸法および材料が決定されてよい。例えば、約1310nmの中心波長を有する単一モードの光信号では、酸化物層に厚さ250nmを有するシリコン層の共振器が用いられてよい。スポットサイズが約10μmである外部ファイバがグレーティング構造に結合されるようにするためには、共振器の寸法は、10μmくらいかそれより大きい必要がある。
システムは、グレーティングの寸法を決定する(1004)。一般的に、グレーティングの寸法の設計は、共振器内の定常波パターンに依存する。グレーティングパターンの周期は、定常波パターンと略一致している必要があり、デューティサイクルやグレーティング構造の高さおよび形状などの他のパラメータは、入射光のスポットサイズ、光のモードおよび波長、共振器の材料、意図される発光角度などのパラメータに基づき最適化される設計パラメータを含む。定常波パターンは、特定の鏡面反射率を想定して見積もられてよい。
システムは、グレーティング特性を決定する(1006)。例えば、優れた方向性、および、略垂直放射などの意図する放射角度のいずれをも達成するまで、FDTD(時間領域差分法)によるシミュレーションシステムなどの数値解析ツールを用いて設計パラメータを最適化してよい。
システムは、ミラー特性を決定する(1008)。いくつかの実施態様では、FDTDによるシミュレーションシステムなどの数値解析ツールによって設計パラメータを最適化することにより、100%に近い反射を有するバックミラーを設計してよい。例えば、当該設計は、分布ブラッグ反射器(DBR)を有するテーパ導波路、導波路ループミラー、または、シリコン−二酸化ケイ素金属コーティング層であってよい。
いくつかの実施態様では、FDTDシミュレーションシステムは、図2に示したような一巡減衰係数αを決定するために用いられてよい。計算された一巡減衰係数αに基づき、システムは、一巡減衰係数αと略一致する反射率を有するフロントミラーを設計してよい。いくつかの実施態様では、複数のドープ領域は、電界の印加によって領域の特性を修正するためにそれらの領域の近くに配置されてよい。
設計フローチャートのいくつかの実施態様では、共振器の寸法を得た(1002)後、干渉波パターンを形成するために適切なミラー設計(テーパDBR、コーナーミラー、または、金属酸化物コーティングなど)が決定されてよい。そして、干渉領域の上面におけるグレーティング構造は、最初の干渉波パターンに基づき設計されてよい。グレーティング構造を付加することにより、干渉領域の特性が変化し、その結果、干渉領域における干渉波パターンが修正される。したがって、最適化には反復プロセスが必要である。干渉領域およびグレーティングの材料品質および物理的な寸法に基づき、共振状態のための対応する位相シフトと共に一巡減衰係数αが決定されてよい。
干渉領域の他の側に他のミラーまたは反射器が追加されてもよい。
図14は、フォトカプラを製造するためのフローチャートの例を示す。プロセス1100は、製造ステップを実行する1つ以上の装置を制御する1つ以上のコンピュータなどのデータ処理装置を含むシステムによって実行されてよい。
システムは、グレーティングを製造する(1102)。グレーティングの作製は、CMOS互換製造技術によって行われてよい。例えば、投影リソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、コンタクトリソグラフィなどのリソグラフィ技術、あるいは、他の適切なリソグラフィ技術を用いてグレーティングのパターンを形成してよい。他の例としては、ドライエッチング、ウェットエッチングなどのエッチング技術、あるいは、他のいかなる適切なエッチング技術を用いてグレーティングパターンをエッチングしてよい。他の例としては、化学蒸着、プラズマ化学気相成長法、スパッタリングなどの薄膜蒸着技術、あるいは、他の適切な薄膜蒸着技術を用いて、グレーティングに1つ以上の層を蒸着してよい。
システムは、プロセスの中間チェックポイントとして、グレーティング特性を任意で測定してよい(1104)。いくつかの実施態様では、グレーティングの測定は、ダイの上で行われてよい。
いくつかの実施態様では、グレーティング特性の測定は、ウェハの上で行われてよい。いくつかの実施態様では、入射光は、入射端に形成されたグレーティングを介してフォトニック集積回路内に結合され、出射光は、出射端に形成された他のグレーティングを介してフォトニック集積回路から出てよい。いくつかの実施態様では、入射光は、製造されたグレーティングを介してフォトニック集積回路内に結合され、高反射率を有する反射器によって反射されてよい。反射された光は、同じグレーティングを介してフォトニック集積回路から出て、光サーキュレータによって分離される。一巡減衰係数などのグレーティング特性は、出射光と入射光とを比較することによって測定されてよい。いくつかの実施態様では、グレーティング特性の測定は、ある傾斜角の光を形成されたグレーティングに照射し、他の角度で反射された光を測定することによってなされてよい。
システムは、ミラーを製造する(1106)。いくつかの実施態様では、一巡減衰係数を決定した後、システムは、一巡減衰係数と一致する反射器のパラメータを最適化してよい。CMOS互換製造技術を組み合わせることにより、1つ以上の反射器を製造してよい。いくつかの実施態様では、ドープ領域は、リソグラフィによって画定され、電界の印加を介して修正される必要がある領域の近くに埋め込まれて活性化されてよい。
図15は、光送信機を製造するためのフローチャートの例を示す。まず、干渉領域と光源領域とを形成する(1502)。光源領域の少なくとも一部は、干渉領域に埋め込まれてよい。干渉領域の形成は、ステップ1002に関する説明を参照されたい。干渉領域の対向端部に第1の反射器領域および第2の反射器領域が形成され、その場合、第1および第2の反射器領域は、層の上に形成される(1504)。第1および第2の反射器領域の形成は、ステップ1008またはステップ1106に関する説明を参照されたい。光源領域に電気的に結合された少なくとも3つの電極が形成される(1506)。3つの電極は、それらの相対的な電界を制御することにより、電荷キャリアの密度を調整する。電荷キャリアの再結合によって生成された光は、干渉領域内で第1の方向に共振し、第1の方向とは異なる第2の方向に沿って干渉領域から出て行く。第1の反射器領域と第2の反射器領域との間の干渉領域にグレーティング領域が形成される(1508)。
これまで多数の実施態様が説明された。しかしながら、本開示の趣旨および範囲から逸脱せずにさまざまな変更がなされうることが理解できよう。例えば、上記フローチャートのステップは、順序を変更する、追加する、または、削除することもできる。例えば、図13において、ステップ1008はステップ1004の前に行われてもよい。他の例としては、図14において、ステップ1104は、ステップ1106の後に行われてもよい。他の例としては、図15において、ステップ1506は、ステップ1504の前に行われてもよい。
簡潔化のために、また、例示目的で、二次元断面を用いてさまざまな実施態様を説明してきた。しかしながら、三次元構造内に上記に相当する二次元断面が存在するのであれば、三次元の変形例も本開示の範囲内である。
本願明細書に記載された実施形態および機能操作のすべては、本願明細書に記載された構造およびそれらの均等物を含むデジタル電子回路、または、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、あるいは、それらの1つ以上の組合せにおいて実行可能である。実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム製品、すなわち、データ処理装置によって実行するための、または、データ処理装置の動作を制御するためのコンピュータ可読媒体に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実行されうる。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶装置、機械可読格納基板、メモリ装置、機械可読伝播信号に影響を及ぼす物質の組成、あるいは、それらの1つ以上の組合せであってよい。コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体であってよい。「データ処理装置」という用語は、例としてプログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、あるいは、複数のプロセッサまたはコンピュータを含む、データを処理するためのすべての装置、デバイス、および、機械を包含する。装置は、ハードウェアに加えて、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、あるいは、それらの1つ以上の組合せを構成するコードなどの、コンピュータプログラムの実行環境を作るコードを含んでよい。伝播される信号は、例えば、適切な受信装置に伝送される情報を符号化するための、機械によって生成される電気、光学、または、電磁信号などの人工的に生成される信号であってよい。
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプトまたはコードとしても知られる)は、コンパイラ型またはインタープリタ型言語を含むいかなる形式のプログラミング言語で記述されてよく、また、スタンドアローンプログラム、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、あるいは、コンピュータ環境で用いられるのに適した他の単位を含むいかなる形式で展開されてよい。コンピュータプログラムは、ファイルシステムのファイルに必ずしも対応しなくてよい。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つ以上のスクリプトなど)の一部にファイル形式で格納されてよい。ファイルは、該当するプログラム専用の単一のファイル、または、複数の編集されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、または、コードの一部)であってよい。コンピュータプログラムは、一か所に配置された1つのコンピュータ、または、複数個所に分散され、通信ネットワークで相互接続された複数のコンピュータで実行されるように配置されてよい。
本願明細書中に記載されるプロセスおよびロジックのフローは、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセスによって実行されることにより、入力データに作用し、出力を生成する機能を実行してよい。処理および論理フローは、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)または、ASIC(特定用途向け集積回路)などの特定用途向け論理回路によって実行されてよく、装置は、それらとして実装されてよい。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用および特定用途向けマイクロプロセッサ、および、いかなる種類のデジタルコンピュータの1つ以上のプロセッサを含んでよい。一般的に、プロセッサは、リードオンリーメモリまたはランダムアクセスメモリ、あるいは、両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの基本的な構成要素は、命令を実行するプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つ以上の記憶装置とであってよい。一般的に、コンピュータは、データを受信するか、または、送信するか、あるいは、その両方を行うために、例えば、磁気、光、あるいは、光磁気ディスクなどのデータを格納するための1つ以上の大容量記憶装置を含むかまたはそれらに有効に結合される。しかしながら、コンピュータは、これらの装置を備えなくてもよい。さらに、コンピュータは、例えば、いくつかの例を挙げれば、タブレットコンピュータ、携帯電話、PDA、携帯オーディオプレイヤー、GPSなどの他の装置に埋め込まれてよい。コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適切なコンピュータ可読媒体は、不揮発性メモリ、媒体、および、記憶装置などのすべての形態を含んでよく、例えば、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリデバイスなどの半導体記憶装置;内部ハードディスクまたはリムーバルディスクなどの磁気ディスク;光磁気ディスク;CD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含んでよい。プロセッサおよびメモリは、特殊用途論理回路によって補完されるか、または、それに組み込まれてよい。
ユーザとの対話を実現すべく、実施形態では、コンピュータは、情報をユーザに表示するためのCRT(ブラウン管)またはLCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置、および、ユーザがコンピュータに入力できるようにするためのキーボード、および、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイスを有してよい。ユーザとの対話を実現すべく、他の種類の装置が用いられてもよい。例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または、触覚フィードバックなどの感覚フィードバックの形態でユーザにフィードバックを提供してよく、また、ユーザからの入力は、聴覚、発話、または、触覚入力を含む形態で受け取られてよい。
本開示の実施形態は、コンピュータシステムにおいて実行されてよく、コンピュータシステムは、例えば、データサーバなどのバックエンド構成要素、アプリケーションサーバなどのミドルウェア構成要素、あるいは、ユーザが本開示の技術の実行に関わることができるグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンド構成要素、あるいは、それらバックエンド、ミドルウェア、およびフロントエンド構成要素のいずれの組合せを含んでよい。システムの構成要素は、通信ネットワークなどのデジタルデータ通信のいかなる形態または媒体によって相互接続されてよい。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、および、例えばインターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)を含む。
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含んでよい。クライアントとサーバとは、通常互いに離れており、ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバとの関係は、クライアント・サーバ関係を有するそれぞれのコンピュータで実行されるコンピュータプログラムによって生じる。
本願明細書は、多くの詳細事項を含むが、これらは、限定を意図するものではなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されたい。本願明細書中に記載された異なる実施形態における特定の特徴は、単一の実施形態の中で組み合わせることにより実現されてもよい。これとは逆に、単一の実施形態に記載されたさまざまな特徴は、複数の実施形態で別々に、あるいは、いかなる適切なサブコンビネーションで実現されてもよい。さらに、クレーム要素は、特定の組合せで効果を発揮し、最初はそのように記載されていても、クレームコンビネーションの1つ以上のクレーム要素は、ある場合には、そのコンビネーションから削除されてよく、また、そのクレームコンビネーションは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションに導かれてよい。
同様に、図面中の動作は特定の順序で示されているが、このような動作が特定の順序またはその順序で実行されることが要求されている、あるいは、所望の結果を得るために図示されている動作すべてを実行することが要求されていると理解されるべきではない。ある状況では、マルチタスキングおよび並列処理のほうが有利な場合もある。さらに、上記実施形態におけるさまざまなシステム構成要素の分離がすべての実施形態にも同様に求められていると理解されるべきでなく、また、上記プログラム構成要素およびシステムは、一般的記単一のソフトウェア製品に組み込まれるか、あるいは、複数のソフトウェア製品に実装されると理解されたい。
このように、特定の実施形態を説明してきた。しかしながら、他の実施形態も以下の請求項の範囲内である。例えば、請求項に記載された動作は、異なる順序で実行されても所望の結果を得ることができる。
上記の通りでない場合、あるいは、そのような実施形態が機能および/または構造上互いに矛盾するのでない限り、上記記載の実施形態のいずれも組み合わせることができる。
本発明を特定の例示的実施形態を参照して説明してきたが、本発明は、それらの実施例に限定されず、添付の請求項の趣旨および範囲での修正および変更を加えても実現可能であることが理解されよう。したがって、本願明細書および図面は、限定ではなく例示的なものとして見なされるべきである。