JP2015159760A - 核酸増幅チップ - Google Patents

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枝 亮 日
谷 政 彦 長
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Abstract

【課題】ウェルに試薬等を収納する回数を削減して、ウェルの汚染を防止することのできる核酸増幅チップ及び前記チップの使用方法の提供。
【解決手段】核酸増幅チップは、2本鎖核酸の増幅のための複数のウェル3が形成された基板2を備え、複数のウェル3のそれぞれは、底面に沿って区分けされた複数の物質収納部4を有する。複数の物質収納部4のうち少なくとも2つの物質収納部4には、2本鎖核酸の増幅に用いられるそれぞれ異なる物質が収納され、少なくとも一つには、プライマが収納され、他の少なくとも一つには、励起光の照射時に2本鎖核酸の数に応じた光量の蛍光を生じさせる試薬が収納される。
【選択図】図3

Description

本発明は、2本鎖核酸を増幅させる核酸増幅チップに関する。
膨大な数の遺伝子配列の中から特定の遺伝子配列を選択的に増幅させる技術として、PCR(Polymerase Chain Reaction)法と呼ばれる技術が知られている。PCR法では、2本鎖DNAを1本鎖DNAに変性させた後、特定の1本鎖DNAの特定の部位にのみ結合するプライマを用いて、特定の2本鎖DNAのみを増幅させる技術である。増幅させた特定の2本鎖DNAに蛍光分子を結合させると、2本鎖DNAの増幅数が多いほど蛍光量が増加するため、この蛍光量を測定することで、増幅した2本鎖DNAを有する病原体等を特定することができる。
PCR法は、増幅に要する時間が2時間ほどと短く、増幅のプロセスも簡易であるため、全自動の卓上用のPCR測定装置で2本鎖DNAの増幅と特定とを行うことができる。従来のPCR測定装置では、例えばチューブの中に、検体、複数の試薬、酵素およびプライマなどを収納して、蛍光の光量を測定していた。PCR法では、2本鎖DNAを1本鎖DNAに変性させる際には高い温度に設定し、また1本鎖DNAにプライマを結合させた後は冷却する必要があり、温度を迅速に変化させることが測定時間の短縮化のためにも重要となる。
特開2008-232899号公報 特開2010-32487号公報
PCR測定装置では、2本鎖DNAの増幅を行わせるために核酸増幅チップを用いる。マイクロウェルタイプの核酸増幅チップには複数のウェルが設けられており、各ウェルには、それぞれ異なるプライマが収納された状態でPCR測定装置にセットされ、その状態で、各ウェルに複数の試薬と検体が複数回に分けて入れられて、2本鎖DNAの増幅処理が開始される。
このように、従来は、ウェルに試薬や検体を複数回に分けて収納しており、試薬等の収納の際に汚染物質がウェルに混入するおそれがあった。特に、試薬等をウェルに収納する回数が多いほど、汚染すなわちコンタミネーションの可能性が高くなるという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ウェル内の汚染を防止可能な核酸増幅チップを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様では、2本鎖核酸の増幅のための複数のウェルが形成された基板を備え、
前記複数のウェルのそれぞれは、区分けされた複数の物質収納部を底面に有する核酸増幅チップが提供される。
前記複数の物質収納部のうち少なくとも2つの物質収納部には、2本鎖核酸の増幅に用いられるそれぞれ異なる物質が収納されてもよい。
前記複数の物質収納部の一つには、前記複数のウェルのそれぞれごとに異なる1本鎖核酸の特定の部位に結合するプライマが収納され、
前記複数の物質収納部の他の一つには、励起光の照射時に2本鎖核酸の数に応じた光量の蛍光を生じさせる試薬が収納されてもよい。
前記複数の物質収納部は、対応する前記ウェルの底面に形成される複数の凹部であってもよい。
前記複数の物質収納部は、対応する前記ウェルの底面に形成される凸部および凹部の少なくとも一方を用いて形成される領域であってもよい。
前記複数の物質収納部の内壁の少なくとも一部は曲面であってもよい。
前記複数のウェルのそれぞれには、検体と、この検体に含まれる2本鎖核酸を抽出する試薬と、特定の1本鎖核酸の特定の部位に結合するプライマと、励起光の照射時に2本鎖核酸の数に応じた蛍光を生じさせる試薬と、前記2本鎖核酸の転写を促す酵素と、が収納されてもよい。
本発明によれば、ウェルに試薬等を収納する回数を削減するため、ウェルの汚染を防止できる。
本発明の一実施形態に係る核酸増幅チップ1の上面図。 図1のA−A線断面図。 図2の一部の拡大断面図。 物質収納部4の一変形例を示す拡大断面図。 本実施形態による核酸増幅チップ1を用いたPCR法の処理手順の一例を示すフローチャート。 相補的に結合した2本鎖DNAを示す図。 相補的に結合した2本鎖DNAが1本鎖DNAに分離されることを示す図 。 1本鎖DNAにプライマが結合した様子を示す図。 2つの2本鎖DNAが生成された様子を示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更したり、誇張してある。
図1は本発明の一実施形態に係る核酸増幅チップ1の上面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は図2の一部の拡大断面図である。
本実施形態に係る核酸増幅チップ1は、例えばPCR法による2本鎖DNAの核酸増幅を行うものであり、図1に示すように、基板2の一主面に沿って離隔して配置される複数のウェル3を備えている。図1では、一主面に4つのウェル3を設ける例を示しているが、ウェル3の数には特に制限はない。
核酸増幅チップ1は、例えば矩形状の基板2を用いて構成されており、基板2の一辺は10〜15mm程度で、その厚さは0.5〜3.0mm程度である。また、ウェル3の開口径は1〜2mm程度、ウェル3の深さは1.0〜2.0mm程度である。なお、核酸増幅チップ1の縦横サイズと厚さ、およびウェル3の開口径と深さには特に制限はない。ただし、本実施形態では、一つのウェル3内に収納可能な試薬の量をできるだけ少なくすることを念頭に置いており、例えば、ウェル3内に収納される試薬の総量を0.5〜3.0μリットル程度に抑えることを想定している。
後述するように、核酸増幅チップ1は、ウェル3内の温度を短時間で50℃以上上下させる必要があるため、基板2の材料として、熱伝導性に優れていることと、例えば0〜100℃程度の温度範囲での耐熱性が求められる。
本実施形態による核酸増幅チップ1が増幅する対象となる核酸とは、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)、その他のオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドなどである。以下では、DNAを増幅する例について説明する。
図3に示すように、複数のウェル3のそれぞれは、底面に沿って区分けされた複数の物質収納部4を有する。図3では、各物質収納部4が凹部5である例を示しているが、物質収納部4の具体的な形状は図示されたものに限定されない。例えば、図4(a)に示すように、底面に一つまたは複数の凸部6を形成して、凸部6を側面とする領域に物質収納部4を設けてもよい。あるいは、図4(b)に示すように、ウェル3の底面に凹部5と凸部6を形成して、凸部6の側面とウェル3の内壁面とで形成された物質収納部4と、凹部5の内部に形成された物質収納部4とを設けてもよい。あるいは、図4(c)に示すように、ウェル3の底面に複数の凸部6を形成して、凸部6間に形成された物質収納部と、凸部6とウェル3の内壁面とで形成された物質収納部4とを設けてもよい。あるいは図4(d)に示すように、複数の凸部6の間に凹部6を形成して、この凹部6内の物質収納部4としてもよい。このように、物質収納部4の形状および配置場所には種々の変形例が考えられるが、ウェル3の底面に凹部5と凸部6の少なくとも一方を用いて形成された物質収納部4であればよい。
また、図3では、各凹部の内壁が半球状の例を示しているが、各凹部の内壁形状は図示されたものに限定されない。同様に、各凸部の具体的な形状も問わない。
各ウェル3内の複数の物質収納部4には、それぞれ別種類の物質が収納される。これら物質は、PCR法等の遺伝子解析法で用いる試薬等であり、具体的な試薬の種類は個々の遺伝子解析法の種類によって変わりうる。
各ウェル3内の物質収納部4の数は、PCR測定装置等の遺伝子解析装置にセットする前に、予め核酸増幅チップ1内の各ウェル3に収納しておく物質の数によって依存する。例えば、PCR法の場合、各ウェル3に2つの物質収納部4が設けられ、そのうちの一つにはプライマが収納され、他の一つには、二本鎖DNAの数に応じた光量の蛍光を生じさせるPCR反応用の試薬が収納される。なお、遺伝子解析手法としてPCR法を採用する場合であっても、各ウェル3に設ける物質収納部4の数は必ずしも2つに限定されない。後述するように、PCR法には、複数の試薬や酵素を使用するため、そのうちの3つ以上を収納する物質収納部4を各ウェル3に設けてもよい。したがって、本実施形態では、各ウェル3に2つ以上の物質収納部4を設けることに特徴がある。また、一つの物質収納部4には、1種類の試薬や酵素が収納されるのが原則であるが、化学反応を起こさない試薬や酵素であれば、2種類以上の試薬や酵素を一つの物質収納部4に収納してもよい。
遺伝子解析の対象となる検体は、核酸増幅チップ1を遺伝子解析装置にセットした後に、各ウェル3に入れることになるため、その際、検体と混合する必要のある試薬は、予めウェル3に入れておくのは望ましくない。よって、検体と混合してからウェル3に入れる必要のある試薬以外の試薬や酵素の少なくとも一部を、予め物質収納部4に収納しておくことになる。
本実施形態による核酸増幅チップ1は、PCR測定装置等の遺伝子解析装置にセットされた後に、各ウェル3内に、検体やその他の試料が入れられて混合され、遺伝子解析が開始される。
各ウェル3内の複数の物質収納部4に収納される各物質は、遺伝子解析装置にセットされるまでは、混ざり合わないようにするのが望ましい。すなわち、拡散増幅チップ1は、ウェル3内に予め試薬を入れた状態で、各試薬に適した保存条件や組成で保存することを想定している。そのため、遺伝子解析装置にセットする前にウェル3内の試薬が混合してしまうと、その保存条件や組成が変わってしまうことが容易に想像できる)。このため、物質収納部4の側壁の傾斜角度は、少なくとも開口部付近では、ウェル3の底面に対して、できるだけ急峻な構造にするのが望ましい。これにより、多少の振動では、各物質収納部4内の各物質が混合しなくなる。なお、混ざり合っても構わない試料や酵素だけを予め複数の物質収納部4に収納しておく場合は、物質収納部4の形状は特に問わない。
各物質収納部4のサイズは、遺伝子解析にて使用する各物質の量に依存して決定される。例えば、物質収納部4に収納される物質が、ウェル3内に収納される試料等の総量の20%程度であれば、物質収納部4の体積は、ウェル3の体積の20%程度でよい。
核酸増幅チップ1を遺伝子解析装置にセットした後に、核酸増幅チップ1内の各ウェル3に入れられる検体やDNA抽出用の試薬等は、予めウェル3内の物質収納部4に収納されていた各物質と混ぜ合わせる必要がある。ウェル3の径が小さくて物理的な手法により混合することは困難なため、ウェル3に熱を加えたときの対流により、ウェル3と物質収納部4内の各試薬等は混合されることになるが、図3に示すように物質収納部4の内壁の少なくとも一部を曲面にするのが望ましい。これにより、ウェル3と物質収納部4内の各試薬等が対流で均一に混合しやすくなる。
なお、図3や図4では、物質ごとに物質収納部4を1個ずつ設ける例を説明したが、少なくとも一部の物質については、複数個の物質収納部4に分けて収納してもよい。例えば、複数の物質収納部4に収納する複数の物質の中に、他の物質よりも使用量が多い物質が存在する場合は、この物質については、複数の物質収納部4に分けて収納してもよい。これにより、ウェル3内に設ける各物質収納部4のサイズを同じにすることができ、核酸増幅チップ1の作製が容易になる。あるいは、作製は困難になる可能性があるが、各物質の使用量に合わせて、サイズがそれぞれ異なる複数の物質収納部4をウェル3内に設けてもよい。また、拡散増幅チップ1内の各ウェル3には通常はそれぞれ別個の病原体等の1本鎖核酸の特定の部位に結合するプライマが収納されるが、特に重要なプライマについては、2以上のウェル3のそれぞれに収納してもよい。この場合、このプライマを上述した物質収納部4に収納してもよい。
図3や図4に示す物質収納部4を形成するには、例えば、基板2を一体成形するための成形型を用意し、この成形型に予めウェル3の形状と、ウェル3の底面部分の物質収納部4の形状とを作り込んでおき、この成形型に硬化性樹脂等を流し込んで硬化させることにより、図3の物質収納部4を有するウェル3を基板2とともに一体成形することができる。あるいは、基板2にエッチングや切削加工等によりウェル3を形成した後に、ウェル3の底面にレーザ加工等により複数の物質収納部4を形成してもよい。あるいは、他の手法により複数の物質収納部4を形成してもよい。
基板2の材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリエステルなどが用いられ、これらの材料に熱伝導性を向上させるための導電性フィラー(熱伝導率の高いフィラー)を含有させるのが望ましい。
図3や図4に示すように、ウェル3の底面に複数の物質収納部4を設けると、ウェル3の底面の表面積が増大することから、基板2の裏面側に配置される不図示の熱源からの熱がウェル3に伝達しやすくなる。これにより、熱源の温度に応じて、迅速にウェル3内の試薬の温度を調整できるようになる。なお、熱源としては、例えばペルチェ素子が用いられる。ペルチェ素子は、基板2の裏面側に例えば2層に分けて配置され、これら2層に流す直流電流の向きを変えることで、発熱と吸熱を切り替えることができる。あるいは、熱源として、温度を調整可能な液体が流れる流路をウェル3の底面に沿って配置して、液体の温度を変えることで、ウェル3の温度を調節してもよい。
図5は本実施形態による核酸増幅チップ1を用いたPCR法の処理手順の一例を示すフローチャートである。図5のフローチャートは、不図示のPCR測定装置にて行われる。
PCR測定装置に、核酸増幅チップ1をセットするにあたって、遺伝子解析を行う対象である検体とDNA抽出用の試薬とを所定の容器に入れて混合し、その一部を核酸増幅チップ1の各ウェル3内に注入する(ステップS1)。なお、各ウェル3内には、それぞれ別個のプライマが予め収納されているものとする。プライマは、特定の1本鎖DNAの特定の部位に結合する性質を持っている。よって、例えば、核酸増幅チップ1に4個のウェル3があり、各ウェル3に別種類のプライマをそれぞれ収納しておけば、検体に4種類のプライマのいずれかに対応する1本鎖DNAが含まれているか否かを検出できることになる。なお、場合によっては、2つ以上のウェル3内に、同一のプライマを入れておいてもよい。
この他、ウェル3内には、2本鎖DNAの数に応じた光量の蛍光を発生させるためのPCR反応用の試薬や、二本鎖DNAの転写を促す酵素であるポリメラーゼも収納される。このように、ウェル3には、検体と、DNA抽出用の試薬と、プライマと、PCR反応用の試薬および酵素とが少なくとも収納される。なお、DNA抽出用の試薬で抽出されるDNAは、図6に示すように、相補的に結合した2本鎖DNA11である。
次に、ウェル3内の温度を上げることで、図7に示すように、検体中の2本鎖DNAを1本鎖DNAに分離させる(ステップS2)。このときの温度は90℃以上に設定される。2本鎖DNAが分離されることで、2つの1本鎖DNA12が生成されることになる。
次に、温度を40〜65℃程度に下げて、図8に示すように、分離した1本鎖DNAの特定の部位にプライマ13を結合させる(ステップS3)。
その後、温度を70℃程度にまで上げて、図9に示すように、プライマ13部分の2本鎖DNAを伸長させる(ステップS4)。この2つの1本鎖DNAのそれぞれが2本鎖DNA11になるため、元の2本鎖DNA11が2倍に増えたことになる。ステップS4の処理が終了すると、ステップS2の処理に戻って、所定回数に達するまでステップS2〜S4の処理が繰り返される。
このように、図5のステップS2〜S4の処理を行うたびに、2本鎖DNAを2倍に増やすことができる。PCR法では、ステップS2〜S4の処理を30回程度繰り返して、2本鎖DNAの数を増幅する。一つのウェル3内で増幅する2本鎖DNAは、そこに収納されているプライマに依存する1種類だけであるため、それぞれ異なるプライマを入れた複数のウェル3では、それぞれ異なる2本鎖DNAを増やすことができる。よって、例えば、検体の中に、ある特定の病原体が含まれているか否かを検査する際には、この特定の病原体に対応した1本鎖DNAに結合するプライマをいずれかのウェル3の中に入れておけば、このウェル3内の2本鎖DNAの数が増えるかどうかで、検体に特定の病原体が含まれているか否かを検出できる。
PCR測定装置では、核酸増幅チップ1内の各ウェル3に対して励起光を照射して、蛍光の光量すなわち強度を測定する。2本鎖DNAの数が多いほど、蛍光の光量は増大するため、蛍光の光量により、各ウェル3内で2本鎖DNAが増幅したか否かを判別することができる。PCR測定装置では、各ウェル3に入れたプライマの種類を把握しているため、蛍光の光量により、2本鎖DNAの数が増幅したと判断されたウェル3内のプライマの種類により、検体に含まれる特定の病原体等の遺伝子配列を特定することができる。
図5では、PCR法による遺伝子増幅の処理手順を説明したが、本実施形態は、PCR法以外の遺伝子増幅手法にも適用可能である。より具体的には、本実施形態は、SMAP(SMart Amplification Process)法、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法、ICAN(Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids)法、NASBA(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法、TMA(Transcription-Mediated Amplification)法、TRC(Transcription-Reverse transcription Concerted)法などに幅広く適用可能である。
これらの方法はいずれも、結果として、2本鎖DNAを増幅するため、2本鎖DNAの数に応じた光量の蛍光を発する試薬をウェル3の中に入れておくことで、PCR法と同様に、特定の遺伝子配列が増幅したか否かを判別できる。
上述した実施形態では、2本鎖DNAを増幅する例を説明したが、本実施形態は、DNAではなく、RNAを増幅する場合にも適用可能である。すなわち、本実施形態による核酸増幅チップ1は、DNAまたはRNAからなる2本鎖核酸を増幅する場合に適用可能である。
このように、本実施形態では、核酸増幅チップ1に設けられた複数のウェル3の底面に沿って、区分けされた複数の物質収納部4を設けるため、これら物質収納部4に、遺伝子解析にて使用するいくつかの物質をそれぞれ別個に収納することができる。これにより、核酸増幅チップ1を遺伝子解析装置にセットした後に、ウェル3内に物質を入れる回数を削減でき、ウェル3が汚染される可能性が低くなる。このため、精度の高い遺伝子解析が可能となる。
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 核酸増幅チップ、2 基板、3 ウェル、4 物質収納部、5 凸部、11 2本鎖DNA、12 1本鎖DNA、13 プライマ

Claims (7)

  1. 2本鎖核酸の増幅のための複数のウェルが形成された基板を備え、
    前記複数のウェルのそれぞれは、区分けされた複数の物質収納部を底面に有する核酸増幅チップ。
  2. 前記複数の物質収納部のうち少なくとも2つの物質収納部には、2本鎖核酸の増幅に用いられるそれぞれ異なる物質が収納される請求項1に記載の核酸増幅チップ。
  3. 前記複数の物質収納部の少なくとも一つには、所定の1本鎖核酸の特定の部位に結合するプライマが収納され、
    前記複数の物質収納部の他の少なくとも一つには、励起光の照射時に2本鎖核酸の数に応じた光量の蛍光を生じさせる試薬が収納される請求項2に記載の核酸増幅チップ。
  4. 前記複数の物質収納部は、対応する前記ウェルの底面に形成される複数の凹部である請求項1乃至3のいずれかに記載の核酸増幅チップ。
  5. 前記複数の物質収納部は、対応する前記ウェルの底面に形成される凸部および凹部の少なくとも一方を用いて形成される領域である請求項1乃至3のいずれかに記載の核酸増幅チップ。
  6. 前記複数の物質収納部の内壁の少なくとも一部は曲面である請求項1乃至5のいずれかに記載の核酸増幅チップ。
  7. 前記複数のウェルのそれぞれには、検体と、この検体に含まれる2本鎖核酸を抽出する試薬と、特定の1本鎖核酸の特定の部位に結合するプライマと、励起光の照射時に2本鎖核酸の数に応じた蛍光を生じさせる試薬と、前記2本鎖核酸の転写を促す酵素と、が収納される請求項1乃至6のいずれかに記載の核酸増幅チップ。
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