JP2015155469A - 第fviii因子ポリマー結合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】第FVIII因子ポリマー結合体の提供。
【解決手段】本発明は、第VIII因子の炭水化物部分を介して水溶性ポリマーと結合体化された第VIII因子分子を含むタンパク質性構築物、及びそれを調製する方法である。本発明の一実施形態において、水溶性ポリマーはポリエチレングリコール(PEG)、ポリシアル酸(PSA)、またはデキストランから選択される。本発明は、ポリエチレングリコールなどのポリ(アルキレンオキシド)を含めて、少なくとも1個の水溶性ポリマーに結合した凝固第VIII因子(FVIII)を含むタンパク質性構築物に関する。さらに、本発明は、FVIIIの機能的欠陥又は欠損に関連した出血性疾患を有するほ乳動物の血液中のFVIIIのin vivo半減期を延長する方法に関する。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本出願は、2007年3月29日に出願された米国特許出願第11/729,625号の一部継続出願であり、この米国特許出願第11/729,625号は、2006年6月6日に出願された米国仮特許出願第60/790,239号、および2006年3月31日に出願された米国仮特許出願第60/787,968号に対する優先権を主張する。
本発明は、ポリエチレングリコールなどのポリ(アルキレンオキシド)を含めて、少なくとも1個の水溶性ポリマーに結合した凝固第VIII因子(FVIII)を含むタンパク質性構築物に関する。さらに、本発明は、FVIIIの機能的欠陥又は欠損に関連した出血性疾患を有するほ乳動物の血液中のFVIIIのin vivo半減期を延長する方法に関する。
(発明の背景)
凝固第VIII因子(FVIII)は、血漿中をごく低濃度で循環し、フォンウィルブランド因子(VWF)に非共有結合する。止血の間、FVIIIはVWFから分離し、カルシウム及びリン脂質又は細胞膜の存在下で活性化速度を増加させることによって、活性化第IX因子(FIXa)によって媒介される第X因子(FX)活性化の補因子として作用する。
FVIIIは、ドメイン構造A1−A2−B−A3−C1−C2を有する約270〜330kDの単鎖前駆体として合成される。血漿から精製されると(例えば、「血漿由来」又は「血漿の」)、FVIIIは重鎖(A1−A2−B)と軽鎖(A3−C1−C2)で構成される。軽鎖の分子量は80kDであるが、Bドメイン内のタンパク質分解のために、重鎖は90〜220kDの範囲である。
FVIIIは、出血性疾患における治療用の組換えタンパク質としても合成される。種々のin vitroアッセイが、治療薬としての組換えFVIII(rFVIII)の潜在的有効性を決定するために考案された。これらのアッセイは、内在性FVIIIのin vivo作用を模倣している。FVIIIをin vitroでトロンビン処理すると、in vitroアッセイで測定して、その凝血促進(procoagulant)活性が急速に増加し、続いて減少する。この活性化及び不活性化は、重鎖と軽鎖の両方における特異的タンパク質限定加水分解と同時に起き、FVIIIにおける異なる結合エピトープの利用能を変え、例えば、FVIIIがVWFから解離してリン脂質表面に結合できるようにし、又はある特定のモノクローナル抗体に対する結合能力を変化させる。
FVIIIの欠乏又は機能不全は、最も多い出血性疾患である血友病Aに関連する。血友病Aの管理に選り抜きの治療は、血漿由来FVIII濃縮物又はrFVIII濃縮物の補充療法である。FVIIIレベルが1%未満の重度の血友病A患者は、一般に、投薬間のFVIIIを1%よりも高く維持することを目的とした予防療法を受ける。循環中の種々のFVIII製品の平均半減期を考慮すると、これは、通常、FVIIIを2から3回/週投与することによって達成することができる。
血友病A治療用に多数の濃縮物が市販されている。これらの濃縮物の一つは組換え製品Advate(登録商標)である。これは、CHO細胞で産生され、Baxter Healthcare Corporationによって製造されている。この製品の細胞培養プロセス、精製又は最終処方では、ヒトや動物の血漿タンパク質もアルブミンも添加されない。
FVIII濃縮物及び治療用ポリペプチド薬の多数の製造者の目的は、他のすべての製品特性を維持しつつ、薬力学的及び薬物動態学的諸性質が向上した次世代製品を開発することである。
治療用ポリペプチド薬は、タンパク質分解酵素によって急速に分解され、抗体によって中和される。これは、その半減期及び循環時間を短縮し、それによってその治療有効性を制限している。ポリペプチドに可溶性ポリマー又は炭水化物を付加すると、分解を抑制し、ポリペプチドの半減期を延長することが判明した。例えば、ポリペプチド薬のPEG化は、それを保護し、その薬力学的及び薬物動態学的プロファイルを改善する(非特許文献1)。PEG化プロセスは、ポリエチレングリコール(PEG)の繰り返し単位をポリペプチド薬に付加する。分子のPEG化は、薬物の酵素分解抵抗性を増大させ、in vivoでの半減期を延長し、投薬回数を減少させ、免疫原性を低下させ、物理的及び熱的安定性を増大させ、溶解性を増大させ、液体安定性を増大させ、凝集を抑制することができる。
したがって、PEG化などによる可溶性ポリマーの付加は、FVIII製品の諸性質を改善する一手法である。現在の技術水準は、様々な特許及び特許出願によって文書化されている。
特許文献1は、ポリ(アルキレンオキシド)−FVIII又はFIX結合体を記載している。このタンパク質は、前記FVIIIのカルボニル基を介して、ポリ(アルキレンオキシド)に共有結合している。
特許文献2は、FVIIIと生体適合性ポリマーの結合体を調製する方法を記載している。この特許は、Roestin等の刊行物によって補足された(非特許文献2)。この結合体は、モノメトキシポリエチレングリコールで修飾されたBドメイン欠失組換えFVIIIを含む。この結合体は、FVIII機能が低下し、血液凝固活性が修飾度に伴って急速に低下した。
特許文献3は、複数の結合体を含むポリマー−FVIII分子結合体を記載している。各結合体は、FVIII分子に共有結合した1から3個の水溶性ポリマーを有する。FVIII分子はBドメインが欠失している。
特許文献4は、FVIII活性を有するタンパク質を含む不融性結合体が非抗原性リガンドに共有結合した、修飾FVIIIを記載している。
特許文献5は、ポリペプチドと生体適合性ポリマーの結合体を記載している。
特許文献6は、5,000ダルトン以下の好ましい分子量を有するポリエチレングリコールに結合したFVIIIを記載している。
in vivoでのFVIIIの半減期を延長する可溶性ポリマーが結合したFVIII、例えば、非PEG化FVIIIと比べて機能活性を維持しつつin vivoでの半減期が延長されている、10,000ダルトンを超えるPEGが結合体化した完全長FVIIIなどの、PEG化FVIIIが、依然として必要とされている。
米国特許第6,037,452号明細書 欧州特許第1258497号明細書 国際公開第04/075923号 米国特許第4,970,300号明細書 米国特許第6,048,720号明細書 国際公開第94/15625号
Harris JM et Chess RB,Nat Rev Drug Discov 2003;2:214−21 Roestin等 ,Bioconj Chem 2000;11:387−96
(発明の要旨)
本発明は、第VIII因子の炭水化物部分を介して水溶性ポリマーと結合体化された第VIII因子分子を含むタンパク質性構築物、及びそれを調製する方法に関する。
本発明の一実施形態においては、結合体化を可能にする条件下で酸化炭水化物部分を活性化水溶性ポリマーと接触させる工程を含む、水溶性ポリマーとFVIIIの酸化炭水化物部分を結合体化する方法を提供する。関連する態様においては、水溶性ポリマーは、PEG、PSA及びデキストランからなる群から選択される。更に別の態様においては、活性化水溶性ポリマーは、PEG−ヒドラジド、PSA−ヒドラジン及びアルデヒド活性化デキストランからなる群から選択される。本発明の別の態様においては、炭水化物部分は、NaIOを含むバッファー中でのインキュベーションによって酸化される。本発明の更に別の態様においては、FVIIIの酸化炭水化物部分は、FVIIIのBドメインに存在する。
本発明の別の実施形態においては、上記方法のいずれかによる方法によって製造される修飾FVIIIが提供される。更に別の実施形態においては、(a)第VIII因子分子と、(b)前記第VIII因子分子に結合した少なくとも1個の水溶性ポリマーとを含み、水溶性ポリマーが、第VIII因子のBドメインに存在する1個以上の炭水化物部分を介して第VIII因子に結合している、タンパク質性構築物が提供される。本発明の関連の態様においては、水溶性ポリマーは、PEG、PSA及びデキストランからなる群から選択される。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
水溶性ポリマーと第VIII因子の酸化炭水化物部分とを結合体化する方法であって、結合体化を可能とする条件下で前記酸化炭水化物部分を活性化水溶性ポリマーと接触させる工程を含む、方法。
(項目2)
前記水溶性ポリマーがPEG、PSA及びデキストランからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記活性化水溶性ポリマーがPEG−ヒドラジド、PSA−ヒドラジン及びアルデヒド活性化デキストランからなる群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記炭水化物部分が、NaIOを含むバッファー中でのインキュベーションによって酸化される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記FVIIIの酸化炭水化物部分が第VIII因子のBドメインに存在する、項目1に記載の方法。
(項目6)
項目1から5のいずれか一項に記載の方法によって製造される修飾第VIII因子。
(項目7)
(a)第VIII因子分子、及び
(b)前記第VIII因子分子に結合した少なくとも1個の水溶性ポリマーを含むタンパク質性構築物であって、前記水溶性ポリマーが、前記第VIII因子のBドメインに存在する1個以上の炭水化物部分を介して前記第VIII因子に結合している、
タンパク質性構築物。
(項目8)
前記水溶性ポリマーが、PEG、PSA及びデキストランからなる群から選択される、項目7に記載のタンパク質性構築物。
図1は、SDS−PAGEとそれに続く免疫ブロットによって測定された、PEGとの結合体化後のrFVIIIの広がり及び質量増加を示す図である。 図2は、血友病マウスにおける非結合体化FVIIIと比較したPEG−rFVIII結合体の薬物動態学を示すグラフである。白抜きの四角:PEGrFVIII、FVIII用量200IU/kg。塗りつぶされた菱形:未変性(native)rFVIII、FVIII用量200IU/kg。 図3は、種々の抗FVIII抗体を用いたSDS−PAGEによる、PEG化部位の詳細な分析を示す図である。 図4は、トロンビンによって誘導される、未変性rFVIII及びPEG化rFVIIIの活性化及び不活性化を示すグラフである。 図5は、未変性rFVIII及びPEG化rFVIIIのドメインを示すバンドを示す図である。 図6は、未変性rFVIII及びPEG化rFVIIIの種々のドメインのPEG化度を示すグラフである。 図7は、未変性rFVIII及びPEG化rFVIIIのトロンビン不活性化速度を示すグラフである。
(発明の詳細な説明)
本発明は、水溶性ポリマーに結合した、完全な(intact)Bドメインの少なくとも一部を有するFVIII分子を含むタンパク質性構築物である。水溶性ポリマーとしては、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキサゾリン、ポリアクリロイルモルホリン、又はポリシアル酸(PSA)、デキストランなどの炭水化物が挙げられる。本発明の一実施形態においては、水溶性ポリマーは、10,000ダルトンを超える分子量を有するポリエチレングリコール分子である。別の実施形態においては、水溶性ポリマーは、10,000Daを超えて約125,000Daまで、約15,000Daから20,000Da、又は約18,000Daから約25,000Daの分子量を有する。一実施形態においては、構築物は、標準の治療用FVIII製品の完全な機能活性を保持し、標準の治療用FVIII製品よりも長いin vivo半減期を与える。別の実施形態においては、構築物は、未変性第VIII因子に対して少なくとも50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140又は150パーセント(%)の生物活性を保持する。関連の態様においては、構築物及び未変性第VIII因子の生物活性は、色素生産活性とFVIII抗原値の比によって求められる(FVIII:Chr:FVIII:Ag)。本発明の更に別の実施形態においては、構築物の半減期は、未変性第VIII因子のin vivo半減期に対して0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9又は10倍減少又は増加する。
本発明の出発材料は、FVIIIである。FVIIIは、ヒト血漿から得ることができ、又は米国特許第4,757,006号、米国特許第5,733,873号、米国特許第5,198,349号、米国特許第5,250,421号、米国特許第5,919,766号、欧州特許第306968号に記載のように組換え操作技術によって製造することができる。
本明細書で使用する「第VIII因子」又は「FVIII」という用語は、完全なBドメインの少なくとも一部を有し、未変性FVIIIに関連した生物活性を示す、任意のFVIII分子を指す。本発明の一実施形態においては、FVIII分子は完全長第VIII因子である。FVIII分子は、第VIII:C因子をコードするDNAとハイブリダイズすることが可能なDNA配列によってコードされるタンパク質である。かかるタンパク質は、ドメインA1−A2−B−A3−C1−C2間又はその中の種々の部位におけるアミノ酸欠失を含み得る(米国特許第4,868,112号)。FVIII分子は、1個以上のアミノ酸残基が部位特異的変異誘発によって置換された、未変性FVIIIの類似体でもあり得る。
本発明に有用であるFVIII分子としては、完全長タンパク質、そのタンパク質の前駆体、そのタンパク質の生物学的に活性な又は機能的なサブユニット又は断片、及びその機能的誘導体、並びに本明細書の以下に記述するその変異体が挙げられる。FVIIIという表記は、かかるタンパク質のすべての潜在的な形態を含むものとする。ここで、FVIIIの形態の各々は、完全な未変性Bドメイン配列の少なくとも一部又は全部を有する。
本発明による「組換え第VIII因子」(rFVIII)という用語は、組換えDNA技術によって得られる、異種若しくは天然に存在する任意のrFVIII、又はその生物活性誘導体を含み得る。ある特定の実施形態においては、この用語は、上記タンパク質、及び本発明のrFVIIIをコードする核酸を包含する。かかる核酸としては、例えば、遺伝子、プレmRNA、mRNA、多形変異体、対立遺伝子、合成及び天然に存在する変異体が挙げられるが、それだけに限定されない。rFVIIIという用語に包含されるタンパク質としては、例えば、本明細書の上記のタンパク質及びポリペプチド、上記核酸によってコードされるタンパク質、(1)(成熟未変性タンパク質の406個のアミノ酸の完全長配列まで)少なくとも約25、約50、約100、約200、約300、約400個以上のアミノ酸の領域にわたって、本明細書に記載の基準核酸又はアミノ酸配列によってコードされるポリペプチドに対して約60%を超える、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%以上のアミノ酸配列相同性を有するアミノ酸配列を有し、及び/又は(2)本明細書に記載の基準アミノ酸配列を含む免疫原、その免疫原性断片、及び/又はその保存的に修飾された変異体に対して生成された抗体、例えばポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体に特異的に結合する、種間ホモログ及び別のポリペプチドが挙げられるが、それだけに限定されない。
本発明のrFVIIIをコードするポリヌクレオチドとしては、(1)厳密なハイブリダイゼーション条件下で、本明細書に記載の基準アミノ酸配列、及びその保存的に修飾された変異体をコードする核酸と特異的にハイブリダイズし、(2)(成熟タンパク質の1218個のヌクレオチドの完全長配列まで)少なくとも約25、約50、約100、約150、約200、約250、約500、約1000個以上のヌクレオチドの領域にわたって、本明細書に記載の基準核酸配列に対して約95%を超える、約96%、約97%、約98%、約99%以上のヌクレオチド配列相同性を有する核酸配列を有する、ポリヌクレオチドが挙げられるが、それだけに限定されない。
本明細書で使用する「内在性FVIII」は、治療を受けようとするほ乳動物に由来するFVIIIを含む。この用語は、前記ほ乳動物に存在する導入遺伝子又は任意の他の外来性DNAから転写されたFVIIIも含む。本明細書で使用する「外因性FVIII」は、前記ほ乳動物に由来しないFVIIIを含む。
変異体(又は類似体)ポリペプチドは、1個以上のアミノ酸残基が本発明のFVIIIアミノ酸配列に付加した挿入変異体を含む。挿入は、そのタンパク質の一方若しくは両方の末端に位置し得、及び/又はFVIIIアミノ酸配列の内部領域内に位置し得る。一方又は両方の末端に追加の残基を有する挿入変異体としては、例えば、融合タンパク質、及びアミノ酸タグ又は別のアミノ酸標識を含むタンパク質が挙げられる。一態様においては、FVIII分子は、特にその分子がE.coliなどの細菌細胞で組換え発現されるときには、N末端Metを場合によっては含み得る。
欠失変異体においては、本明細書に記載のFVIIIポリペプチドの1個以上のアミノ酸残基が除去される。欠失は、FVIIIポリペプチドの一方若しくは両方の末端において、及び/又はFVIIIアミノ酸配列内の1個以上の残基の除去によって、引き起こすことができる。したがって、欠失変異体としては、FVIIIポリペプチド配列のすべての断片が挙げられる。
置換変異体においては、FVIIIポリペプチドの1個以上のアミノ酸残基が除去され、代替残基によって置換される。一態様においては、置換は、本質的に保存的であり、このタイプの保存的置換は当技術分野で周知である。あるいは、本発明は、非保存的でもある置換を包含する。例示的な保存的置換は、Lehninger,[Biochemistry,2nd Edition;Worth Publishers,Inc.,New York(1975),pp.71−77]に記載されており、すぐ下に述べる。
あるいは、例示的な保存的置換をすぐ下に述べる。
「天然に存在する」ポリヌクレオチド又はポリペプチド配列は、典型的には、霊長類、例えばヒト;げっ歯類、例えばラット、マウス、ハムスター;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ又は任意のほ乳動物を含むが、ただしそれだけに限定されないほ乳動物に由来する。本発明の核酸及びタンパク質は、(例えば、非相同で野生型配列若しくはその変異体をコードする、又は天然に存在しない)組換え分子とすることができる。基準ポリヌクレオチド及びポリペプチド配列としては、例えば、UniProtKB/Swiss−Prot P00451(FA8_HUMAN)、Gitschier J et al.,Characterization of the human Factor VIII gene,Nature,312(5992):326−30(1984)、Vehar GH et al.,Structure of human Factor VIII,Nature,312(5992):337−42(1984)、及びThompson
AR.Structure and Function of the Factor
VIII gene and protein,Semin Thromb Hemost,2003:29;11−29(2002)が挙げられる(参照によりその全体を本明細書に援用する)。
本明細書で使用する「生物活性誘導体」又は「生物活性変異体」は、結合性などの、分子の実質的に同じ機能的及び/又は生物学的特性、及び/又はペプチド骨格、または基本重合単位などの同じ構造基盤を有する、前記分子の任意の誘導体又は変異体を含む。
本明細書で使用する「血漿由来FVIII」又は「血漿の」は、凝固経路を活性化する性質を有する、ほ乳動物から得られる血中に見出されるすべての形態のタンパク質を含む。
種々の態様においては、rFVIIIの製造は、(i)遺伝子操作による組換えDNAの製造、(ii)それだけに限定されないが、例えば、形質移入、電気穿孔法又は微量注入によって、組換えDNAを原核細胞又は真核細胞に導入する工程、(iii)前記形質転換細胞を培養する工程、(iv)例えば構成的に又は誘導によって、rFVIIIを発現させる工程、及び(vi)精製rFVIIIを得るために、(v)例えば培地から、又は形質転換細胞を収集する工程によって、前記rFVIIIを単離する工程、の当技術分野で公知の任意の方法を含む。
別の態様においては、rFVIIIは、薬理学的に許容されるrFVIII分子を産生することを特徴とする、適切な原核生物又は真核生物宿主系における発現によって製造される。真核細胞の例は、CHO、COS、HEK293、BHK、SK−Hep、HepG2などのほ乳動物細胞である。
更に別の態様においては、多種多様なベクターが、rFVIIIの調製に使用され、真核生物及び原核生物発現ベクターから選択される。原核生物発現用ベクターの例としては、pRSET、pET、およびpBADなど、ただしそれだけに限定されないプラスミドが挙げられる。ここで、原核生物発現ベクターに使用されるプロモーターとしては、それだけに限定されないが、1個以上のlac、trc、trp、recA又はaraBADが挙げられる。真核生物発現用ベクターの例としては、(i)酵母における発現の場合、AOX1、GAP、GAL1、またはAUG1など、ただしそれだけに限定されないプロモーターを使用する、pAO、pPIC、pYES、またはpMETなど、ただしそれだけに限定されないベクター、(ii)昆虫細胞における発現の場合、PH、p10、MT、Ac5、OpIE2、gp64、polhなど、ただしそれだけに限定されないプロモーターを使用する、pMT、pAc5、pIB、pMIB、またはpBACなど、ただしそれだけに限定されないベクター、及び(iii)ほ乳動物細胞における発現の場合、CMV、SV40、EF−1、UbC、RSV、ADV、BPV、βアクチンなど、ただしそれだけに限定されないプロモーターを使用する、pSVL、pCMV、pRc/RSV、pcDNA3、またはpBPVなど、ただしそれだけに限定されないベクター、及び一態様においては、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルスなど、ただしそれだけに限定されないウイルス系由来のベクターが挙げられる。
ある特定の態様においては、FVIII分子は、種々の化学的方法のいずれかによって水溶性ポリマーと結合体化される(Roberts JM et al.,Advan Drug Delivery Rev 2002;54:459−76)。例えば、一実施形態においては、FVIIIは、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルを用いて、PEGとタンパク質の遊離アミノ基との結合体化によってPEG化される。別の実施形態においては、水溶性ポリマー、例えばPEGは、マレイミド化学反応、又は前酸化の後のPEGヒドラジド若しくはPEGアミンとFVIIIの炭水化物部分とのカップリングによって、遊離SH基とカップリングされる。
別の実施形態においては、FVIIIは、別の水溶性ポリマーと結合体化される。その水溶性ポリマーは、例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリオキサゾリン、ポリアクリロイルモルホリン、ポリシアル酸(PSA)またはデキストランなどの炭水化物又は多糖である。水溶性ポリマーのカップリングは、タンパク質との直接カップリングによって、又はリンカー分子を介して、実施することができる。化学リンカーの一例は、炭水化物選択的ヒドラジドとスルフヒドリル反応性マレイミド基とを含むMBPH(4−[4−N−マレイミドフェニル]酪酸ヒドラジド)である(Chamow et al.,J Biol Chem 1992;267:15916−22)。
結合体化は、安定な結合の形成下で、水溶性ポリマーと第VIII因子の直接カップリング(又はリンカー系を介したカップリング)によって実施することができる。さらに、分解性、遊離性又は加水分解性のリンカー系を本発明で使用することができる(Tsubery et al.J Biol Chem 2004;279:38118−24、Greenwald et al.,J Med Chem 1999;42:3657−67、Zhao et al.,Bioconj Chem 2006;17:341−51、国際公開第2006/138572号A2、米国特許第7259224号B2、米国特許第7060259号B2)。
本明細書で考察するように、本発明の実施形態は、活性化可溶性ポリマーとFVIIIの酸化炭水化物部分とのカップリングである。「活性化水溶性ポリマー」という用語は、本明細書では、水溶性ポリマーとリンカー又は直接的に(活性アルデヒド基を含む)FVIIIとの化学結合体化を可能にする、活性官能基を有するFVIIIとのカップリングに使用される水溶性ポリマーを指すのに使用される。本明細書で使用する「酸化炭水化物部分」という用語は、NaIOなどの酸化剤によって生成される遊離アルデヒド基を含むFVIIIを指す。本発明の一態様においては、(活性アルデヒド基を含む)アルデヒド活性化デキストランを、ジヒドラジドリンカーを介してFVIIIのアルデヒド基とカップリングさせる。
FVIIIのグリコシル化パターン(Lenting et al;Blood,92:3983−96(1998))によれば、炭水化物部分を介したFVIIの結合体化は、FVIIIのBドメインで起こる可能性が高いはずである。BドメインはFVIIIの活性に役割を果たさないので、Bドメインをかかる結合体化反応の標的にすることが望ましい。酵素による糖結合体化(glycoconjugation)は、米国特許出願公開第2008/00700275号に記載されている。
本発明の一実施形態においては、FVIIIは、コハク酸スクシンイミジル、グルタル酸スクシンイミジル、またはプロピオン酸スクシンイミジルなどの活性N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS)を含むポリエチレングリコール誘導体を使用することによって、リジン残基を介して修飾された。これらの誘導体は、安定なアミド結合を形成することによって、穏和な条件下でFVIIIのリジン残基と反応する。本発明の一実施形態においては、PEG誘導体の鎖長は5,000Daである。線状構造及び分枝構造を含めて、500から2,000Da、2,000から5,000Da、5,000を超えて10,000Daまで、又は10,000を超えて20,000Daまで、又は20,000を超えて150,000Daまでの鎖長を有する別のPEG誘導体が種々の実施形態に使用される。
アミノ基のPEG化の別法は、ウレタン結合を形成することによるPEGカルボナートとの化学結合体化、又は第二級アミド結合を形成する還元アミノ化によるアルデヒド又はケトンとの反応である。
本発明では、FVIII分子は、市販PEG誘導体を用いて化学修飾される。これらのPEG誘導体は、線状構造又は分枝構造を有することができる。NHS基を含むPEG誘導体の例を以下に示す。
以下のPEG誘導体は、Nektar Therapeuticsから市販されているものの例である(Huntsville,Ala.、www.nektar.com/PEG reagent catalog;Nektar Advanced PEGylation,price list 2005−2006参照)。
分枝構造を有するこの試薬は、Kozlowski等によってより詳細に記述されている(BioDrugs 2001;5:419−29)。
PEG誘導体の別の例は、NOF Corporation(東京、日本。www.nof.co.jp/english:Catalogue2005参照)から市販されている。
これらのプロパン誘導体は、1,2置換パターンを有するグリセロール骨格を示す。本発明では、1,3置換を有するグリセロール構造、又は米国特許出願公開第2003/0143596号A1に記載の別の分枝構造に基づく分枝PEG誘導体を使用することもできる。
Tsubery等(J Biol Chem 2004;279:38118−24)及びShechter他(国際公開第04089280号A3)によって記述された分解性(例えば、加水分解性リンカー)を有するPEG誘導体を本発明に使用することもできる。
目ざましいことに、本発明のPEG化FVIIIは、in vivoでの長いFVIII半減期と一緒に十分な機能活性を示す。さらに、PEG化rFVIIIは、トロンビン不活性化に対してより抵抗性であると考えられる。これは、種々のin vitro及びin vivo方法によって示された。そしてそれは以下の実施例で説明される。
本明細書で使用する「シアル酸部分」は、水溶液又は懸濁液に可溶であり、薬学的に有効な量のPSA−FVIII結合体の投与によってほ乳動物に副作用などの悪影響をほとんど又は全く及ぼさない、シアル酸モノマー又はポリマー(「多糖」)を含む。本発明に従って使用されるシアル酸単位に特別な制限はない。ポリマーは、一態様においては、1から4単位を有する特徴がある。ある特定の態様においては、異なるシアル酸単位が鎖に結合される。
本発明の種々の態様においては、シアル酸部分は、例えば、参照により本明細書に援用する米国特許第4,356,170号に記載の方法によって、FVIIIに結合する。本発明の種々の実施形態においては、多糖化合物は、天然に存在する多糖、天然に存在する多糖の誘導体、又は天然に存在する多糖誘導体である。一般に、化合物における糖残基のすべては、シアル酸残基である。
PSAとポリペプチドをカップリングさせる別の技術も公知である。例えば、米国特許出願公開第2007/0282096号は、例えばPSAの、アミン又はヒドラジド誘導体をタンパク質と結合体化することを記載している。さらに、米国特許出願公開第2007/0191597号は、基質(例えば、タンパク質)との反応のためのアルデヒド基を還元末端に含むPSA誘導体を記載している。
本発明の一実施形態においては、多糖化合物のポリシアル酸部分は極めて親水性であり、別の実施形態においては、化合物全体が極めて親水性である。親水性は、主に、シアル酸単位のペンダントカルボキシル基、並びにヒドロキシル基によって付与される。糖単位は、アミン、ヒドロキシル、または硫酸基などの別の官能基又はその組合せを含み得る。これらの基は、天然に存在する糖化合物に存在し得、又は誘導体多糖化合物に導入し得る。
本発明の特定用途の多糖化合物は、一態様においては、細菌によって産生されるものである。これらの天然に存在する多糖の一部は、糖脂質として知られる。一実施形態においては、多糖化合物は、末端ガラクトース単位が実質的に無い。
本発明の一実施形態においては、タンパク質性構築物のin vivo半減期が延長される。関連実施形態においては、水溶性ポリマーと結合していないFVIIIに比べて、タンパク質性構築物のin vivo半減期が少なくとも2倍延長され、別の実施形態においては、in vivo半減期が少なくとも3倍延長される。
一実施形態においては、本発明のタンパク質性構築物は、静脈内、筋肉内、腹腔内注射などの注射によって投与することができる。
本発明のタンパク質性構築物を含む組成物をヒト又は試験動物に投与するために、一態様においては、該組成物は、1種類以上の薬学的に許容される担体を含む。「薬学的に」又は「薬理学的に許容される」という用語は、安定であり、凝集や、分解産物などのタンパク質分解を阻害し、さらに以下に示すように、当技術分野で周知である経路によって投与したときにアレルギー反応や他の有害反応を生じない、分子実体及び組成物を指す。「薬学的に許容される担体」は、上に開示した薬剤を含めて、任意及びすべての臨床的に有用である溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤、および抗真菌剤、等張化剤、および吸収遅延剤などを含む。
本明細書で使用する「有効量」は、上で概説した出血性疾患を有するほ乳動物の治療に適切な用量を含む。
組成物は、経口的に、局所的に、経皮的に、非経口的に、吸入噴霧によって、経膣的に、経直腸的に、又は頭蓋内注射によって、投与することができる。本明細書で使用する非経口という用語は、皮下注射、静脈内、筋肉内、大槽内注射又は注入技術を含む。静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、腹腔内、鞘内(intrathecal)、眼球後、肺内注射、及び又は特定部位における外科的移植による投与も同様に意図される。一般に、組成物は、発熱物質、及びレシピエントに有害である可能性がある他の不純物を本質的に含まない。
組成物の単回又は複数回投与を実施することができ、その用量レベル及びパターンは、治療する医師によって選択される。疾患の予防又は治療の場合、適切な投与量は、上述したように、治療する疾患タイプ、疾患の重症度及び経過、薬物を予防目的で投与するか治療目的で投与するか、以前の治療、患者の病歴及び薬物に対する反応、並びに主治医の裁量によって決まる。
本発明は、有効量の上で定義したタンパク質性構築物を含む医薬組成物にも関する。医薬組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤、塩、緩衝剤又は賦形剤を更に含み得る。医薬組成物は、上で定義した出血性疾患の治療に使用することができる。本発明の医薬組成物は、溶液又は凍結乾燥製品であり得る。医薬組成物の溶液は、任意の適切な凍結乾燥プロセスに供し得る。
追加の態様として、本発明は、被検体への投与のための使用を容易にするようにパッケージ化された本発明の組成物を含むキットを含む。一実施形態においては、かかるキットは、密封された瓶又は容器(vessel)などの容器(container)にパッケージされた本明細書に記載の化合物又は組成物(例えば、タンパク質性構築物を含む組成物)を含み、方法を実施する際の化合物又は組成物の使用を記述したラベルが容器(container)に貼られ、又はパッケージに含まれる。一実施形態においては、キットは、タンパク質性構築物を含む組成物を含む第1の容器と、第1の容器の組成物のための生理的に許容される再構成溶液を含む第2の容器とを含む。一態様においては、化合物又は組成物は単位剤形としてパッケージされる。キットは、さらに、特定の投与経路に従って組成物を投与するのに適切な装置を含み得る。好ましくは、キットは、治療用タンパク質又はペプチド組成物の使用を記述したラベルを含む。
(実施例1)
mPEGコハク酸スクシンイミジルを用いたrFVIIIのリジン残基のPEG化
Advate製造プロセス由来のrFVIIIバルクの溶液(3,400U/ml)を、0.5%スクロース及び0.1%ポリソルベート80を含む20mM Hepesバッファー、150mM NaCl、pH7.4を用いたEcono−Pac 10DGカラム(Bio−Rad)を使用してゲルろ過した。次いで、この溶液に鎖長5,000DaのmPEGコハク酸スクシンイミジル(Abuchowski et al.Cancer Biochim Biophys 1984;7:175−86)(PEG−SS5000)を静かに撹拌しながら添加し(PEG−SS 5mg/mgタンパク質)、0.5M NaOHを滴下してpH値を7.4に調節した。次いで、静かに撹拌しながらPEG化を室温で1時間実施した。
続いて、0.5%スクロース及び0.1%ポリソルベート80を含む20mM Hepesバッファー、150mM NaCl、pH7.4に平衡化したイオン交換クロマトグラフィー樹脂(Fractogel EMD TMAE650M/Pharmacia XK−10カラム、ベッド高15.0cm)に反応混合物を適用した。次いで、カラムを20CVの平衡化バッファーで洗浄して過剰の試薬を除去し、PEG化rFVIIIを溶出バッファー(20mM Hepes、1.0M NaCl、0.5%スクロース、0.1%ポリソルベート80、pH7.4)で溶出させた。再生セルロースからなる分子量カットオフ30kDの膜を使用し、20mM Hepes、150mM NaCl、0.5%スクロース、pH7.4からなるバッファー系を用いて、限外ろ過/透析ろ過(diafiltration)によって溶出物を濃縮した。
(実施例2)
PEG化rFVIIIのin vitroでの生化学的特性分析
Advate製造プロセス由来のrFVIIIを、実施例1に従ってPEG化し、PE
G化FVIII生成物を生化学的に特徴づけた。PEG−rFVIIIの機能活性を、FVIII色素形成アッセイを使用して決定した(Rosen S,Scand J Haematol 1984;33(Suppl40):139−45)。この方法は、Ph.Eur.5th edition(5.05)2.7.4 Assay of Blood Coagulation Factor VIIIに基づく。
第VIII因子(FVIII:C)を含む試料を、カルシウムを含むバッファー中でトロンビン、活性化第IX因子(FIXa)、リン脂質及び第X因子(FX)と混合する。FVIIIはトロンビンによって活性化され、続いてリン脂質、FIXa及びカルシウムイオンと結合体を形成する。この結合体は、第X因子を第Xa因子に活性化して、次いで第Xa因子は、色素形成基質FXa−1(AcOH*CH3OCO−D−CHA−Gly−Arg−pNA)を切断する。遊離したパラ−ニトロアニリン(pNA)の時間的経過をマイクロプレートリーダーによって405nmで測定する。反応の傾きは、試料中の第VIII因子濃度に比例する。軽微な変更を加えた市販ELISAシステム(Cedarlane、Hornby、Ontario、Canada)を使用して、FVIII抗原値を測定した。これらの値からFVIII色素体/FVIII抗原比を計算した。調製物中のタンパク質含有量を、280nmにおける光学濃度を測定することによって決定した。これらのデータから、タンパク質含有量を計算し(Hoyer LW in:Human Protein Data.Installments 1−6;Heberli Ed.;Wiley VCH,Weinheim,Germany,1998)、mg/mlで表した。
表1のデータによれば、PEG化rFVIII調製物においては、(FVIII色素形成活性とFVIII抗原の比で表される)生物活性は、未変性rFVIIIの生物活性(100%)に比べて90%を超えるまで回収される。
(実施例3)
SDS−PAGE及び免疫ブロット技術によるPEG化rFVIIIの特性分析
Invitrogen(Carlsbad、Calif.、USA)から入手した4〜12%ポリアクリルアミド勾配ゲルを使用し、製造者の指示に従って、還元条件下でSDS PAGEによって未変性rFVIIIの特性を分析した。分子量マーカー(MW)として、Bio−Rad(Hercules、Calif.、USA)から入手したPrecision Plusマーカー(10kD〜250kD)を使用した。次いで、そのタンパク質を、Bio−Rad(Hercules、Calif.、USA)から入手したPVDF膜上にエレクトロブロッティングによって移し、続いてCedarlane(Hornby、Ontario、Canada)から入手したポリクローナルヒツジ抗ヒトFVIII:C抗体と一緒にインキュベートした。免疫染色手順の最終段階は、Accurate(Westbury、N.Y.、USA)から入手したアルカリホスファターゼ(ALP)結合体化抗ヒツジ抗体と一緒のインキュベーションと、それに続くALP基質キット(Bio−Rad、Hercules、Calif.、USA)の使用による最終可視化であった。結果を図1に要約する。このブロットは、未変性rFVIII及びPEG化rFVIIIのドメイン構造を示す。PEG化rFVIIIは、未変性組換えタンパク質よりも広いバンド及びより高い分子量を有することが判明した。
(実施例4)
FVIII欠損ノックアウトマウスモデルにおけるPEG化rFVIIIの薬物動態学
Bi等(Nat Genet 1995;10:119−21)によって詳述されたFVIII欠損マウスを重度ヒト血友病Aのモデルとして使用した。5匹のマウスの群(複数)に、実施例1に従って調製されたPEG−rFVIII(PEG−SS、5K)又は未変性rFVIIIをFVIII200IU/kg体重の用量で尾静脈を介してボーラス注射した(10ml/kg)。麻酔後の心臓穿刺によるクエン酸塩血漿を、それぞれの群から、注射5分、3、6、9及び24時間後に調製した。血漿試料中のFVIII活性レベルを測定した。この実験結果を図2に要約する。平均半減期は1.9時間(未変性rFVIIIについて)から4.9時間(PEG化rFVIIIについて)に増加し、曲線下面積(AUC)は13.0から25.2時間*IU/mlに増加した。MicroMath Scientistの、薬物動態学的ライブラリー由来のモデル1(MicroMath、Saint Louis、Mo.、USA)を使用して半減期計算を実施した。
(実施例5)
SDS−PAGE及び免疫ブロット技術によるrFVIIIのPEG化の詳細な分析
未変性及びPEG化rFVIIIを1nMトロンビンを用いて60℃で60分間消化すると、FVIII分子の特異的切断が起こり、明確に定義された分解産物が生成した。これらの重鎖及び軽鎖断片を、実施例3に記載のように、SDS−PAGE、続いてエレクトロブロッティングによって分離した。切断断片を可視化するために、重鎖A1およびA2ドメイン、Bドメイン及び軽鎖N末端A3ドメインに対するポリクローナル抗体並びにモノクローナル抗体を適用した。
図3に示すように、程度の差はあるが、3つのすべてのドメインがPEG化された。Bドメインは強力にPEG化された。重鎖のA1とA2ドメインの両方は部分的にPEG化された。種々のPEG化度(モノ−、ジ−、トリ−...)を軽鎖A3ドメインに観察することができた。実施例6に一致して、PEG化FVIIIは、トロンビンに対してより抵抗性であると考えられた。
(実施例6)
PEG化rFVIIIのトロンビン抵抗性
FVIIIをin vitroでトロンビン処理すると、その凝血促進活性が急速に増加し、続いて減少する。活性化と不活性化の速度は、トロンビン濃度及びFVIIIの完全性に依存し、以下のようにFIXa補因子アッセイによってモニターされた。
FVIIIを0.5又は1nMトロンビンと一緒に37℃でインキュベートした。副次試料(subsample)を0.5から40分の間の時間間隔で抜き出し、特定のトロンビン阻害剤も含むFIXa、FX、PL小胞及びCaClの混合物に添加して更なるトロンビン媒介性反応を停止させ、3分間インキュベートした。副次試料を色素形成基質に添加した。その色素形成基質は、FXaによって選択的に切断され、更なるXa活性化を停止するEDTAを含んだ。15分間インキュベーション後、反応を酢酸によって終結させた。FXa濃度に比例する吸光度(A405)値をELISAリーダーによって測定し、精製FXa基準曲線を使用してFXa濃度に変換した。得られたFXa濃度をトロンビンとのインキュベーション時間に対してプロットした。
曲線の減衰部を単一指数関数フィット(single expomential fit)によりフィッティングさせて、FVIIIの擬一次不活性化速度を決定した。
図4及び表2に示すように、PEG化rFVIIIは、適用した両方のトロンビン濃度においてより遅い不活性化速度を示した。
(実施例7)
分枝2,3−ビス(メチルポリオキシエチレン−オキシ)−1−(1,5−ジオキソ−5−スクシンイミジルオキシ、ペンチルオキシ)プロパンを用いたrFVIIIのリジン残基のPEG化
150mM NaCl、0.5%スクロース及び0.1%ポリソルベート80を含む20mM HepesバッファーpH7.4中のrFVIIIの溶液を、FVIII489IU/mlを含む、Advate製造プロセス由来のバルク材料から調製した。NOF Corporation(東京、日本)から入手した分子量20kDの分枝PEGグルタル酸スクシンイミジル(PEG−SG)試薬(2,3−ビス(メチルポリオキシエチレン−オキシ)−1−(1,5−ジオキソ−5−スクシンイミジルオキシ、ペンチルオキシ)プロパン)を、この溶液153mlに静かに撹拌しながら添加し(試薬5mg/mgタンパク質)、10分後に0.5M NaOHを滴下してpH値を7.4に調節した。次いで、rFVIIIのPEG化を、静かに撹拌しながら室温で1時間実施した。
続いて、0.5%スクロース及び0.1%ポリソルベート80を含む20mM Hepesバッファー、150mM NaCl、pH7.4に平衡化したイオン交換クロマトグラフィー樹脂(Fractogel EMD TMAE650M/Pharmacia XK−50カラム、ベッド高14.5cm)に線流速1cm/minを用いて反応混合物を適用した。カラムを25CVの平衡化バッファーで洗浄して過剰の試薬を除去し(線流速2cm/min)、PEG化rFVIIIを溶出バッファー(20mM Hepes、1.0M NaCl、0.5%スクロース、0.1%ポリソルベート80、pH7.4)を用いて線流速0.5cm/minで溶出させた。次いで、20mM Hepes、150mM NaCl、0.5%スクロース、pH7.4からなるバッファー系を用いて、再生セルロースからなる分子量カットオフ30kDの膜を用いた限外ろ過/透析ろ過によって溶出物を濃縮した。
(実施例8)
分枝PEG−SG20kDでPEG化されたrFVIIIのin−vitro特性分析
Advate製造プロセス由来のrFVIIIを実施例7に従って分枝PEG−SG試薬を用いてリジン残基を介してPEG化し、PEG化rFVIII生成物を実施例2に記載のように生化学的に特徴づけた。
表3のデータによれば、PEG化rFVIII調製物においては、(FVIII色素形成活性とFVIII抗原の比で表される)生物活性は、未変性rFVIIIの生物活性(100%)に比べて完全に回収された。
実施例3に記載のように、4〜12%ポリアクリルアミド勾配ゲルを用いて、還元条件下でSDS−PAGE及び免疫ブロット技術によって、PEG化rFVIIIの特性を分析した。結果を図5に要約する。このブロットは、未変性及びPEG化rFVIIIのドメイン構造を示す。PEG化rFVIIIは、未変性組換えタンパク質よりも広いバンド及び高い分子量を有することが判明した。
SDS−PAGE及び免疫ブロット技術によるrFVIII調製物のPEG化のより詳細な分析のために、実施例5に記載のように、未変性及びPEG化rFVIIIを1nMトロンビンを用いて60°で60分間消化すると、FVIII分子の特異的切断が起こり、明確に定義された分解産物が生成した。その断片をSDS−PAGE、続いてエレクトロブロッティングによって分離し、異なる抗FVIII抗体によって可視化した。図6に示すように、程度の差はあるが、すべてのドメインがPEG化された。Bドメインは強力にPEG化された。種々のPEG化度(モノ−、ジ−、トリ−PEG化)を軽鎖A3ドメインに観察することができた。その結果から、PEG化rFVIIIは、トロンビンに対してより抵抗性であると考えられた。
実施例6に記載のように、トロンビンによる活性化及び不活性化の速度をFIXa補因子アッセイによってモニターした。曲線の減衰部を単一指数関数フィットによりフィッティングさせて、FVIIIの擬一次不活性化速度を決定した。
図7及び表4に示すように、PEG化rFVIIIは、適用した両方のトロンビン濃度においてより遅い不活性化速度を示した。
(実施例9)
炭水化物部分を介したrFVIIIのPEG化
炭水化物残基を介したPEG−rFVIII結合体の調製のために、rFVIII溶液(最終濃度1.2mg/ml)を25mMリン酸バッファー、pH6.7で調製する。炭水化物残基の酸化のために、NaIOを添加する(最終濃度0.3mM)(Roberts et al.;Advanced Drug Del Rev.;54:459−76(2002);Meir and Wilchek;Meth Enzymol;138:429−42(1987))。最終濃度10%でグリセロールを添加して反応をクエンチし、Amicon Micron−10装置(Amicon、Billerica、MA)を用いて遠心分離を繰り返して過剰の試薬を分離した。PEG−ヒドラジド(MW3300Da/Nektar、Huntsville、Alabama)を添加して、最終濃度1.5mMの試薬を得た。次いで、PEG化を室温で2時間実施した。続いて、得られた結合体と過剰の試薬を、25mMリン酸バッファー、pH6.7を用い、Amicon Micron−10装置による遠心分離を繰り返して分離した。
(実施例10)
PSA−ヒドラジンを用いたrFVIIIのポリシアル化
炭水化物残基を介したPSA−rFVIII結合体の調製のために、rFVIII溶液(最終濃度1mg/ml)を20mM酢酸ナトリウムバッファー、pH6.0で調製する。炭水化物残基の酸化のために、NaIOを添加する(最終濃度0.25mM)。酸化を4℃で暗所で60分間実施する。亜硫酸水素ナトリウム(最終濃度25mM)を添加して反応を停止させる。過剰の過ヨウ素酸ナトリウムをDG−10カラム(Bio−Rad)のゲルろ過によって分離する。続いて、(国際公開第2006/016168号に従って調製した)鎖長20kDのPSA−ヒドラジンを添加する(最終濃度10mM)。ポリシアル化手順を室温で2時間実施する。ポリシアル化rFVIIIをButyl−Sepharose(GE−Healthcare)のHICによって精製する。5M NaCl溶液をその混合物に添加して最終濃度3M NaClにする。この混合物をButyl−Sepharose(GE−Healthcare)充填カラムにかけ、6.7mM CaClを含む50mM Hepesバッファー、pH7.4を使用してrFVIII−PSA結合体を溶出させる。結合体の溶出後、pHをpH6.9に調節する。
(実施例11)
ポリシアル酸の精製及び誘導体化
国際公開第06016161号A1に記載のように、ポリシアル酸をQ−Sepharose FFの陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製した。25mM NaClを含む10mMトリエタノールアミンバッファー、pH7.4(=出発バッファー)50mLにPSA5グラムを溶解させた。この溶液を、出発バッファーで平衡化したQ−Sepharose FF(GE Healthcare、Munich、Germany)を充填したPharmacia XK50カラムにかけた。次いで、カラムを8カラム体積(CV)の出発バッファーで洗浄し、出発バッファー中の3CVの200mM NaCl、350mM NaCl及び500mM NaClで段階的に結合PSAを溶出させた。350mM NaClで溶出された画分は、SDSゲル電気泳動によって示されるように分子量が20kDaであった。この画分を再生セルロースでできた5kD膜(Millipore、Billerica、MA)を用いた限外ろ過によって濃縮し、続いて50mMリン酸バッファー、pH7.2で透析ろ過した。国際公開第05016973号A1に記載のように、PSAをNaIOで酸化し、末端第一級アミノ基を還元アミノ化によって導入した。還元アミノ化のために、2M NHCl溶液11mLを、50mMリン酸バッファー、pH7.2中の酸化PSA58mg/mlを含有する溶液20mLに添加した。次いで、1M NaOH中の5M NaCNBH溶液を添加して、最終濃度75mMにした。反応を室温でpH8.0で5日間実施した。
次いで、混合物を、10mM NaClを含む(NHCO溶液(50mg/L)、続いて5mM EDTAを含む50mMリン酸バッファー、pH8.0で透析した。次いで、末端第一級アミノ基と2−イミノチオラン(Traut試薬/Pierce、Rockford、IL)の反応によってスルフヒドリル基を導入した。5mM EDTAを含む50mMリン酸バッファー、pH8.0中で20倍モル過剰の試薬を用いて室温で1時間反応を実施した。最後に、末端遊離SH基を含むPSA溶液を、再生セルロースでできたカットオフ5kDの膜(Millipore、Billerica、MA)を用いた限外ろ過/透析ろ過に供した。
(実施例12)
ヘテロ二官能性架橋剤を使用したrFVIIIのポリシアル化
PSA−SHとrFVIIIのカップリングのために、炭水化物選択的ヒドラジド及びスルフヒドリル反応性マレイミド基を含むヘテロ二官能性架橋剤MBPH(4−[4−N−マレイミドフェニル]酪酸ヒドラジドHCl/Pierce、Rockford、IL)を使用した(Chamow et al.,J Biol Chem;267:15916−22(1992))。活性スルフヒドリル基を含むPSA−SHを実施例11に従って調製した。
2ml rFVIII(638mg、3.856mg/mlタンパク質濃度)を、脱塩カラム(Bio−Rad Econopac 10DG)を使用して製造者の指示に従って酸化バッファー(50mM酢酸ナトリウム、pH6)に移した。次いで、タンパク質を0.25mM NaIO(Merck)で酸化した(4℃で暗所で1時間)。酸化反応を最終濃度10%のグリセロールを用いてクエンチした。グリセロール及びNaIOを除去し、脱塩カラム(Bio−Rad Econopac 10DG)を使用して製造者の指示に従って、タンパク質を反応バッファー(50mMリン酸ナトリウムpH6.5)に移した。次いで、MBPH1mg/mgタンパク質とPSA−SH(タンパク質に対して200倍モル過剰)を含む混合物を室温でpH6.5で2時間インキュベートした。脱塩カラム(Bio−Rad Econopac 10DG)を使用して製造者の指示に従って過剰のリンカーを除去し、リンカー−PSA結合体を反応バッファー中に移した。
MPBH−PSA結合体を酸化rFVIII(0.105mg/mlタンパク質)に添加し、反応混合物を静かに振とうしながら室温で2時間インキュベートした。rFVIII−PSA結合体を充填済みButyl Sepharoseカラム(GE Healthcare、Butyl HiTrap FF5ml)を用いたHICによって精製した。結合体をButyl Sepharoseと疎水性相互作用させるために、試料を2〜8℃に冷却し、5M NaClを含有する緩衝剤溶液(50mM Hepes、5M NaCl、6.7mM CaCl、0.01%Tween、pH6.9)を添加して、反応混合物のイオン強度を伝導率約185mS/cmに増加させた。(50mM Hepes、3M NaCl、6.7mM CaCl、0.01%Tween80を含む)平衡化バッファーpH6.9で平衡化したカラムに反応混合物を流量1.2cm/minで負荷した。10カラム体積(CV)の平衡化バッファーを使用して非結合試料を洗い流した。低イオン強度のバッファー、pH7.4(50mM Hepes、6.7mM CaCl)を使用して流量1.2cm/minで結合体を溶出させた。クロマトグラフィー工程の間、試料及びバッファーを氷浴によって冷却した。最後に、溶出物のpHを6.9に調節した。
(実施例13)
rFVIIIとデキストランの結合体化
rFVIIIとデキストランの結合体化のために、rFVIII(638mg、3.4mg/mlタンパク質)2mlを、脱塩カラム(Bio−Rad Econopac 10DG)を使用して製造者の指示に従って酸化バッファー(50mM酢酸ナトリウム、pH6)に移した。次いで、そのタンパク質を0.25mM NaIOで酸化した(4℃で暗所で1時間)。酸化タンパク質を、まず、MWCO30kDaのvivaspin限外ろ過スピンカラム(Sartorius Stedim Biotech GmbH)を使用して製造者の指示に従って濃縮した。次いで、試料を反応バッファー(50mMリン酸ナトリウムpH7)で終夜4℃で透析した。
透析後、アジピン酸ジヒドラジド(ADH)(Sigma)26.58mgを添加し(500倍モル過剰)、反応混合物を静かに振とうしながら室温でpH7で2時間インキュベートした。脱塩カラム(Bio−Rad Econopac 10DG)を使用して製造者の指示に従ってADHを除去した。アルデヒド活性化デキストラン(Pierce)10mgを添加し(タンパク質に対して17倍モル過剰)、混合物を室温、pH7で2時間インキュベートした。
結合体をQ−Sepharose HP(GE−Healthcare)のIEXクロマトグラフィーによって精製した。バッファーA(50mMリン酸ナトリウムpH6.8)で平衡化したカラム(6.4mm×3cm、V=1ml)に流量0.5ml/minで試料を負荷した。非結合試料を5CVのバッファーAで洗い流した。最後に、結合体を線形塩勾配(10CVの0〜100%バッファーB[50mMリン酸ナトリウムpH6.8+1M NaCl])を用い流量0.5ml/minで溶出させた。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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