(第1の実施形態)
以下、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態によるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2における遊技領域の下側部分には、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。なお、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されることによる入賞を第1始動入賞と称する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されることによる入賞を第2始動入賞と称する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づいて(第1始動入賞の発生に基づいて)、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第1特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおいて実行される第1特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件(第1実行条件とも称する)が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づいて(第2始動入賞の発生に基づいて)、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出されるとともに、第2特図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおいて実行される第2特図ゲーム(後述)や画像表示装置5において実行される飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件(第2実行条件とも称する)が成立する。なお、第1始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動入賞に基づいて払い出される賞球の個数とは、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
第1特図保留記憶数とは、第1始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第1始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第1始動入賞の発生によって、第1特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第1始動条件は成立した場合であっても、第1始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第1開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第1特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第1始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。なお、第1始動条件は成立したが第1開始条件が成立していない第1始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、保留データ(第1特図保留情報)として記憶(保留)される。
第2特図保留記憶数とは、第2始動入賞の発生時には直ちに実行されずに実行が一旦保留されている可変表示ゲーム(第2始動入賞の発生による可変表示ゲーム)の数である。第2始動入賞の発生によって、第2特図ゲーム(後述)や飾り図柄の可変表示(後述)といった可変表示ゲームを実行するための第2始動条件は成立した場合であっても、第2始動入賞の発生による上述の可変表示ゲームの開始を許容する第2開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した第1開始条件又は第2開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されている場合)には、当該可変表示ゲームの実行は保留される(当該可変表示ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、第2特図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった第2始動入賞の発生による可変表示ゲームのゲーム数である。なお、第2始動条件は成立したが第2開始条件が成立していない第2始動入賞に対応する可変表示に関する情報は、保留データ(第2特図保留情報)として記憶(保留)される。
なお、第1始動入賞口と、第2始動入賞口とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞口」とも称する。また、第1始動入賞と、第2始動入賞とを特に区別しない場合には、単に「始動入賞」とも称する。また、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した保留記憶数を「合計保留記憶数」と称する。第1特図保留記憶数と、第2特図保留記憶数と、合計保留記憶数とを特に区別しない場合には、通常、単に「特図保留記憶数」と称するが、単に「特図保留記憶数」と称した場合に、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数、合計保留記憶数の何れか1つ又は2つを指すこともあるものとする。また、第1始動条件と、第2始動条件とを特に区別しない場合には、単に「始動条件」又は「実行条件」とも称する。また、第1開始条件と、第2開始条件とを特に区別しない場合には、単に「開始条件」とも称する。また、第1特図保留情報と、第2特図保留情報とを、特に区別しない場合には、単に「特図保留情報」とも称する。
遊技盤2における遊技領域の下側部分(普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方)には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
特別可変入賞球装置7が形成する大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能、又は、困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2における遊技領域の右側部分には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aは、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。第1特別図柄表示装置4Aは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。第2特別図柄表示装置4Bについても同様である。なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第1特図」とも称し、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄(特図)を「第2特図」とも称する。また、識別情報の可変表示を伴って実行するゲーム(若しくは、識別情報の可変表示自体)を可変表示ゲームと称する。特に、第1特別図柄表示装置4Aが実行する可変表示ゲーム(第1特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第1特図ゲームとも称し、第2特別図柄表示装置4Bが実行する可変表示ゲーム(第2特図を可変表示させる可変表示ゲーム)を第2特図ゲームとも称する。また、第1特図ゲームと、第2特図ゲームとを区別しない場合には、単に「特図ゲーム」とも称する。
第1特別図柄表示装置4A(第2特別図柄表示装置4Bも同様)は、特図ゲームとして、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。夫々の特別図柄には、夫々に対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す各数字には「0」〜「9」の各図柄番号が付され、「−」を示す記号には「10」の図柄番号が付されていればよい。なお、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されない。例えば、7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(例えば、アルファベットのLやEのような点灯パターン)を予め設定しておき、特別図柄として表示してもよい。
遊技盤2における遊技領域の右側部分(第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bの上部)には、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第1特図保留情報)に基づく第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。例えば、第1保留表示器25Aは、点灯させるLEDの数によって、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第1始動条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第1開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。第2保留表示器25Bは、例えば4個のLEDを含んで構成され、保留データ(第2特図保留情報)に基づく第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。例えば、第2保留表示器25Bは、点灯させるLEDの数によって、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。例えば、新たな第2始動条件の成立によって第2特図ゲームの保留数が1つ増加した場合には点灯数を1つ増やし、新たな第2開始条件の成立によって第1特図ゲームの保留数が1つ減少した場合には点灯数を1つ減らせばよい。
遊技盤2における遊技領域の左側部分には、通過ゲート41と、普通図柄表示器20と、普図保留表示器25Cとが設けられている。通過ゲート41を通過した遊技球は、例えば図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普図保留記憶数(後述)が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、普通図柄表示器20において実行される普図ゲーム(後述)を実行するための普図始動条件が成立する。
普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成される。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。なお、普通図柄を可変表示させる可変表示ゲームを普図ゲーム(又は「普通図ゲーム」)とも称する。なお、普図始動条件は成立したが普図開始条件(後述)が成立していない普図ゲームに関する情報は、保留データ(普図保留情報)として記憶(保留)される。
普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、例えば点灯させるLEDの数によって、保留データ(普図保留情報)に基づく普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数とは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたときには直ちに実行されずに実行が一旦保留されている普図ゲームの数である。ゲートスイッチ21による遊技球の検出によって、普図ゲームを実行するための普図始動条件は成立した場合であっても、普図ゲームの開始を許容する普図開始条件が成立していない場合(例えば、先に成立した普図ゲームが実行中である場合)には、当該普図ゲームの実行は保留される(当該普図ゲームは実行待ちの状態となる)。つまり、普図保留記憶数とは、実行待ちの状態となった普図ゲームのゲーム数である。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の表示領域には、飾り図柄表示エリアが配置されている。飾り図柄表示エリアでは、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。装飾識別情報(飾り図柄)の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。画像表示装置5は、第1特別図柄表示装置4Aが実行する第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)、又は、第2特別図柄表示装置4Bが実行する第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)に対応して、表示領域(飾り図柄表示エリア)において、複数種類の飾り図柄の可変表示を実行する。
一例として、図2に示すように、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。第1特図ゲーム又は第2特図ゲームのうち何れかの特図ゲームの開始に対応して、即ち、第1特図又は第2特図のうち何れかの特図の変動の開始に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームの終了に対応して、即ち、特図の停止表示に対応して、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの夫々において、可変表示結果となる飾り図柄(確定飾り図柄、最終停止図柄とも称する)が停止表示される。つまり、画像表示装置5の表示領域(飾り図柄表示エリア5L、5C、5R)では、第1特図ゲーム(又は第2特図ゲーム)と同期して、飾り図柄の変動が開始され、確定飾り図柄(最終停止図柄とも称する)が停止表示される。
飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。夫々の飾り図柄には、夫々に対応する図柄番号が付されている。一例として、「1」〜「8」を示す各英数字には「1」〜「8」の各図柄番号が付されていればよい。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
なお、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果とも称する)である確定特別図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、飾り図柄の可変表示結果である確定飾り図柄(最終停止図柄)を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示や、普通図柄の可変表示結果(普図表示結果とも称する)である確定普通図柄を停止表示して当該可変表示を終了させる停止表示を、完全停止表示、最終停止表示、又は、導出表示(又は、単に「導出」)とも称する。
なお、完全停止表示(最終停止表示、導出表示)とは異なる停止表示を行ってもよい。例えば、飾り図柄の可変表示を開始してから確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中に飾り図柄を仮停止表示させてもよい。なお、仮停止表示には、変動速度が「0」となった飾り図柄が、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせつつ停留して表示させるものや、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間、微少な揺れや伸縮なども生じさせずに停止表示させるものなどが含まれる。
また、画像表示装置5の表示領域には、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、及び、第2始動入賞記憶表示エリア5HRが配置されている。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第1保留表示器25Aと同様、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第1特図ゲームの数を特定可能に表示する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、第2保留表示器25Bと同様、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する保留表示が行われる。つまり、現在、実行が保留されている第2特図ゲームの数を特定可能に表示する。
なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLでは、例えば右詰めで、保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示を追加するときは(第1始動条件が成立したが第1開始条件が成立していないときは)、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の保留表示がなければ、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの右側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に当該保留表示を追加し、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の保留表示があれば、当該他の保留表示の左側(複数の他の保留表示があれば最も左側の保留表示の更に左側)に当該保留表示を追加するようにしてもよい。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに複数の保留表示がある場合に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示を消化(消去)するときは(第1開始条件が成立したときは)、一番古くから表示されている保留表示(第1始動入賞記憶表示エリア5HLの最も右側に表示されている保留表示)を消化し、他の保留表示の夫々は、消化した保留表示側(例えば、右側)に移動(シフト)される。
また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRでは、例えば左詰めで、保留表示が行われるようにしてもよい。つまり、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに保留表示を追加するときは(第2始動条件が成立したが第2開始条件が成立していないときは)、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の保留表示がなければ、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの左側(画像表示装置5の表示領域の中央側)に当該保留表示を追加し、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに他の保留表示があれば、当該他の保留表示の右側(複数の他の保留表示があれば最も右側の保留表示の更に右側)に当該保留表示を追加するようにしてもよい。また、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに複数の保留表示がある場合に、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示を消化(消去)するときは(第2開始条件が成立したときは)、一番古くから表示されている保留表示(第2始動入賞記憶表示エリア5HRの最も左側に表示されている保留表示)を消化し、他の保留表示の夫々は、消化した保留表示側(例えば、左側)に移動される。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRとを特に区別しない場合には、単に、「始動入賞記憶表示エリア5H」とも称する。
また、画像表示装置5の表示領域には、保留表示のエリアとして、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRの他に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLや第2始動入賞記憶表示エリア5HRから消化された保留表示を表示するエリア、即ち、実行中の飾り図柄の可変表示に対応する保留表示を表示するエリア(非図示。実行中保留表示エリア、今回保留表示エリアとも称する)を配置してもよい。例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLと第2始動入賞記憶表示エリア5HRの間などに実行中保留表示エリアを配置してもよい。
遊技盤2における遊技領域には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口の何れかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
遊技機用枠3の遊技領域の周辺部には、音声出力部材が設けられている。図1に示した一例では、遊技機用枠3の左右上部位置に、スピーカ8UL、スピーカ8URを設置し、上皿の左右斜下部(下皿の左右斜上部)に、スピーカ8LL、スピーカ8LRを設置している。以下、スピーカ8UL、8UR、8LL、8LRの夫々を特に区別しない場合には、単に、スピーカ8と称する。スピーカ8は、音声(音及び声)を出力(再生)する。例えば、スピーカ8は、遊技機1の遊技の進行状況に応じて演出音(効果音とも称する)を出力し、遊技機1の状況に応じて警告音を出力する。
演出音には、音楽、検出音、応答音、報知音などが含まれる。演出音における音楽とは、例えば、遊技の進行状況に応じて出力されるBGM、歌などである。演出音における検出音とは、例えば、スイッチやセンサによる検出結果(例えば、第1始動入賞口等への入賞の検出など)に応じて出力される音、声(セリフ、メッセージ)などである。演出音における応答音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される音、声などである。なお、プッシュボタン31Bへの操作行為は、プッシュセンサによって検出されるものでもあるため、プッシュボタン31Bへの操作行為に応じて出力される応答音は検出音でもある。演出音における報知音とは、例えば、プッシュボタン31Bへの操作行為を要求するために報知する音、声や、リーチ状態(後述)の移行時にリーチ状態に移行する旨を報知する音、声や、大当り遊技状態への移行前に大当り遊技状態に移行する旨を示唆又は予告する音、声などである。
警告音の一例は、遊技球が下皿に過剰に保持(貯留)されているときに出力される警告音、ガラス扉(非図示)が開放しているときに出力される警告音などである。
遊技機用枠3の遊技領域の内部及び周辺部には、演出又は装飾として発光する発光部材(発光体)が設けられている。図1に示した一例では、画像表示装置5の上部位置に発光部材9CC、画像表示装置5の左右位置に発光部材9CL、発光部材9CRを設置し、遊技機用枠3の上部位置に発光部材9U、遊技機用枠3の左右位置に発光部材9SL、発光部材9SRを設置している。以下、発光部材9CC、9CL、9CR、9U、9SL、9SRの夫々を特に区別しない場合には、総称してランプ9と称する。ランプ9は、例えば、1以上のLEDから構成されたものであってもよいし、フラッシュランプから構成されるものであってもよい。発光部材9Uは、回転部を有する回転灯(例えばパトランプ)であってもよい。また、上記以外にも、例えば、遊技領域における各構造物(例えば、振分装置200、特別可変入賞球装置7等)の周囲などに、種々の発光部材を設置してもよい。
上述した画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9などは演出を実行する演出装置であるが、遊技機1は、演出装置として、駆動部を有する演出用模型など他の演出装置を備えていてもよい。
なお、各構成の配置位置(設置位置)は、一例であって、他の位置に配置されていてもよい。例えば、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20が、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。また例えば、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cが、遊技領域の同一側(右側部分又は左側部分)に設けられていてもよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、普図始動条件が成立した後に普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普図ゲームでは、普通図柄の可変表示を開始させた後(普通図柄の変動を開始させた後)、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
パチンコ遊技機1では、第1始動条件が成立した後に第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲーム(第1特図ゲーム)が開始され、第2始動条件が成立した後に第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲーム(第2特図ゲーム)が開始される。特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後(特別図柄の変動を開始させた後)、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくとも何れか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置5の表示領域に配置されている飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームとのうち、何れかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、飾り図柄の可変表示が開始されてから確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間に、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出(又はリーチ演出表示)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8による音声出力動作や、ランプ9などの発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、演出パターンに応じて、リーチ演出後に大当り組合せなどが最終停止表示される可能性(「大当り期待度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)を異ならせてもよい。これにより、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、即ち、いずれのリーチ演出を出現させるかに応じて、大当り期待度を異ならせることができる。一例として、本実施形態では、ノーマルリーチのリーチ態様と、ノーマルリーチに比べて大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ態様とを予め設定(用意)している。
なお、大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる)。
また、リーチ演出とは異なり、何れかのリーチ演出が実行される可能性(飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性)があることや、所定のリーチ演出(例えばスーパーリーチ)が実行される可能性があることや、大当り期待度が高いことなどを、遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示中には、飾り図柄などの可変表示動作によって実現される「滑り(演出)」や「擬似連(演出)」といった可変表示演出が実行可能である。なお、「滑り」や「擬似連」の他にも、飾り図柄などの可変表示動作を利用した各種の可変表示演出が実行されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」又は「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rの何れか一方又は双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件の何れか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄(例えば予め定められた擬似連チャンス目など)を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
また、画像表示装置5では、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、発光(点灯、点滅、消灯)などのように、リーチ演出、「滑り」、「擬似連」などの可変表示演出とは異なる演出動作により、何れかのリーチ演出が実行される可能性があることや、所定のリーチ演出(例えばスーパーリーチ)が実行される可能性があることや、大当り期待度が高いことなどを、遊技者に報知するようにしてもよい。例えば、所定の演出画像の表示や、メッセージとなる画像表示や音声出力、発光などによって、何れかのリーチ演出が実行される可能性があることなどを、遊技者に予め報知(示唆)するための予告演出が実行されることがあるようにしてもよい。
予告演出のうちには、先読予告演出(「事前判定予告演出」ともいう)となるものが含まれていればよい。先読予告演出は、当該予告対象となる可変表示を開始するより前に、当該可変表示を可変表示結果が「大当り」となるか否か等を特図ゲームの保留情報(特図保留情報)などに基づいて判定し(先読みし)、当該判定結果に基づいて実行する予告演出である。以下の説明において、先読みされた特図保留情報をターゲットの保留情報(保留データ)と称し、先読みされた保留情報(特図保留情報)に対応する可変表示をターゲットの可変表示とも称する。なお、先読予告演出は、合計保留記憶数や判定結果などに応じて、ターゲットの保留情報の消化中に実行する場合(ターゲットの可変表示中を含むターゲットの保留情報の消化処理中に実行する場合)と、ターゲットの保留情報の消化中、及び、ターゲットの保留情報よりも前の保留情報の消化中に実行する場合とがある。
ある遊技球の入賞による先読予告演出となる演出動作は、当該遊技球の入賞後(始動条件の成立後)、当該先読予告演出が予告する内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある遊技球の入賞による、リーチ状態となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(又は、非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある遊技球の入賞による、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者に予め報知(示唆)するための先読予告演出となる演出動作は、少なくとも当該遊技球の入賞による確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
本実施形態においては、先読予告演出(事前判定予告演出)として、第1始動入賞記憶表示エリア5HLによる保留表示の表示態様を変化させる保留変化演出(「保留表示演出」とも称する)や、飾り図柄の可変表示中又は停止表示中などにおける背景画像の表示態様を変化させる背景変化演出など、が用意されている。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後などに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」とも称する)となる確定飾り図柄が停止表示される。所定の通常大当り組合せとは、例えば、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rによって形成される所定の有効ライン(例えば、横に一直線)上に同一種類の通常図柄(「非確変図柄」とも称する)が揃って最終停止表示する組み合わせである。通常図柄の一例は、図柄番号が「1」〜「8」の8種類の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」の4種類の飾り図柄である。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、何れかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後などに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。換言すれば、特図ゲームにおいて確変大当り図柄が最終停止表示される場合には、所定の確変大当り組合せとなる飾り図柄が最終停止される場合と、所定の通常大当り組合せとなる飾り図柄が停止表示される場合とがある。所定の確変大当り組合せとは、例えば、上記有効ライン上に同一種類の確変図柄が揃って最終停止表示する組み合わせである。確変図柄の一例は、図柄番号が「1」〜「8」の8種類の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」の4種類の飾り図柄である。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御の何れか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。従って、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、第2特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御、及び、高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくとも何れかが行われるときには、特図ゲーム(第2特図ゲーム)が頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)における可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せの何れかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。但し、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。例えば、再抽選演出として、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうち何れかを、確定飾り図柄として最終停止表示させるようにしてもよい。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態において何れかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の識別情報の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8及びランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8からの音声出力動作の全部又は一部、ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部又は一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。なお、遊技機1は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23に加え、同様に主基板11に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉(非図示)の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤2自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)を備えていてもよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3(A)は、本実施形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図3(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図3(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果や大当り種別の決定結果に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける、最終停止図柄を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて第1始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。
コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて第2始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLなどにて第1特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
本実施形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口に始動入賞したか、第2始動入賞口に始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド又は第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。また、合計保留記憶数の増加(又は減少)を通知するための合計保留記憶数加算指定コマンド(合計保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターンの判定結果(変動パターンを種類別に分類した変動カテゴリ)を示す変動カテゴリコマンドである。
本実施形態では、入賞時乱数値判定処理(図16(A)参照)において、始動入賞の発生時に、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否かを判定し、「大当り」に決定された場合には大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて大当りの種別を判定し、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて変動パターン(変動カテゴリ)を判定する。そして、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドのEXTデータに、その判定結果に対応する値を設定し、演出制御基板12に対して送信する制御を行う。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かや大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて変動カテゴリを認識できる。
なお、変動パターン指定コマンドや可変表示結果通知コマンドなどの演出制御コマンドは、演出制御用CPU120が、1以上の演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9など)を制御する際に用いられる。以下、画像表示装置5における画像表示動作の制御に用いられる演出制御コマンドを表示制御コマンド、スピーカ8からの音声出力を制御するために用いられる演出制御コマンドを音声制御コマンド、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を制御するために用いられる演出制御コマンドをランプ制御コマンドとも称する。なお、演出制御コマンドのうちには、表示制御コマンド、かつ、音声制御コマンド、かつ、ランプ制御コマンドであるものが存在してもよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図4は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図4に示すように、本実施形態では、主基板11の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部又は全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図9に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
続いて、飾り図柄の変動パターンについて説明する。以下、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを「ハズレ変動パターン」と称する。ハズレ変動パターンには、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合に対応した「非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」「非リーチ(ハズレ)変動パターン」とも称する)」や、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」となる場合に対応した「リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」とも称する)」が含まれる。
また、可変表示結果が「大当り」又は「小当り」となる場合に対応した変動パターンを「当たり変動パターン」と称する。当たり変動パターンには、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した「大当り変動パターン」や、可変表示結果が「小当り」である場合に対応した「小当り変動パターン」が含まれる。大当り変動パターンとして、大当り種別の夫々に対応した複数の変動パターンを用意しておいてもよい。
非リーチ変動パターンには、合計保留記憶数が多い場合や、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に実行される時短制御に対応し、変動時間が異なる複数の変動パターンを用意しておくとよい。これにより、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、何れかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて変動時間を短縮する制御が可能になる。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンなどのようにリーチ演出を含む変動パターンには、夫々のリーチ演出のリーチ態様に応じた変動パターンが用意されている。なお、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「ノーマルリーチ変動パターン」と称し、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンを「スーパーリーチ変動パターン」と称する。
図5は、本実施形態における変動パターンの具体例を示している。図5において、変動パターン「PA1−1」〜変動パターン「PA1−5」の5つの変動パターンは、非リーチ(ハズレ)変動パターンである。例えば、変動パターン「PA1−1」は、遊技状態が確変状態や時短状態でなく(通常時)、かつ、合計保留記憶数0個である場合に対応する非リーチ(ハズレ)変動パターンである。変動パターン「PA1−2」は、通常時、かつ、合計保留記憶数2〜4個である場合に対応する非リーチ(ハズレ)変動パターンである。
変動パターン「PA2−1」は、「ノーマルリーチ(ハズレ)変動パターン」である。ノーマルリーチ(ハズレ)変動パターンは、リーチハズレ変動パターンであって、かつ、ノーマルリーチ変動パターンである。変動パターン「PA2−2」は、「スーパーリーチα(ハズレ)変動パターン」である。スーパーリーチα(ハズレ)変動パターンは、リーチハズレ変動パターンであって、かつ、スーパーリーチα用のスーパーリーチ変動パターンである。変動パターン「PA2−3」は、「スーパーリーチβ(ハズレ)変動パターン」である。スーパーリーチβ(ハズレ)変動パターンは、リーチハズレ変動パターンであって、かつ、スーパーリーチβ用のスーパーリーチ変動パターンである。
変動パターン「PB1−1」は、「ノーマルリーチ(大当り)変動パターン」である。ノーマルリーチ(大当り)変動パターンは、大当り変動パターンであって、かつ、ノーマルリーチ変動パターンである。変動パターン「PB1−2」は、「スーパーリーチα(大当り)変動パターン」である。スーパーリーチα(大当り)変動パターンは、大当り変動パターンであって、かつ、スーパーリーチα用のスーパーリーチ変動パターンである。変動パターン「PB1−3」は、「スーパーリーチβ(大当り)変動パターン」である。スーパーリーチβ(大当り)変動パターンは、大当り変動パターンであって、かつ、スーパーリーチβ用のスーパーリーチ変動パターンである。変動パターン「PC1−1」は、小当り変動パターン、又は、突確変動パターンである。突確変動パターンとは、大当り変動パターンのうちの大当り種別が突確である場合に対応した変動パターンである。なお、変動パターン「PC1−1」は、開放チャンス目を停止させる。変動パターン「PC1−2」は、突確変動パターンであって、かつ、ノーマルリーチ変動パターンである。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するデータ(例えば、制御コマンドの内容を特定する情報)や、図5に示すようなテーブルを構成するデータ(例えば、夫々の変動パターンを特定する情報)などが記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。本実施形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図6(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル130Aと、図6(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル130Aは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル130Bは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)において可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル130Aでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態又は時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル130Aと第2特図表示結果決定テーブル130Bの夫々では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態又は時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。
第1特図表示結果決定テーブル130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定より、第2特図ゲームでは「小当り」とならないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「小当り」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、第2特図表示結果決定テーブル130Bと、第1特図表示結果決定テーブル130Aとで、異なる所定範囲の決定値が「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル130Aに比べて少ない決定値が「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態における「小当り」の頻発を回避することができる。あるいは、第1特図ゲームと第2特図ゲームとで、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別決定テーブル131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類の何れかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル131では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)を実行するか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)を実行するかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル131の設定例では、第1特図ゲームを実行する場合、すなわち、変動させる特図(変動特図とも称する)が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「82」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられている一方、第2特図ゲームを実行する場合、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第2特図ゲームでは「突確」とならないので、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な「突確」の発生を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止することができる。
なお、変動特図が第1特図である場合と、変動特図が第2特図である場合とで、異なる所定範囲の決定値が「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。これにより、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態における「突確」の頻発を回避することができる。あるいは、変動特図が、第1特図である場合と第2特図である場合とで、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101には、特図表示結果の決定結果や、大当り種別の決定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン決定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちの何れかに決定するために参照される変動パターン決定テーブル(非図示)が記憶される。換言すれば、特図表示結果の決定結果、大当り種別の決定結果、変動パターン決定テーブル、変動パターン決定用の乱数値MR3などに基づいて、図5に示した複数種類の変動パターンの中から何れかの変動パターンが決定される。
図8は、変動パターンの決定割合の設定例を示す図である。例えば、図5に示した複数の変動パターンの中から一の変動パターンが、特図表示結果の決定結果が大当りであって大当り種別が非確変である場合や、特図表示結果の決定結果が大当りであって大当り種別が確変である場合や、特図表示結果の決定結果が大当りであって大当り種別が突確である場合や、特図表示結果の決定結果がハズレである場合の夫々の場合において、図8に示すような割合で決定されるように、変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、複数の変動パターンに割り当てられていればよい。なお、図8に示した設定例では、特図表示結果の決定結果が小当りである場合について省略しているが、例えば、特図表示結果の決定結果が小当りである場合には、変動パターン「PC1−1」の決定割合を100%としてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部又は全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータ(例えば特図プロセスフラグなど)である。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図9に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図9に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム)の保留データ(第1特図保留情報)を記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第1特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム)の保留データ(第2特図保留情報)を記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された乱数値MR1〜MR3を示す数値データなどを保留データ(第2特図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームの保留データ(第1始動条件の成立に基づく第1特図保留情報)と、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームの保留データ(第2始動入賞の成立に基づく第2特図保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームに関する保留データ(普図保留情報)を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データ(普図保留情報)として、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、第1特図保留記憶数を計数するための第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値、第2特図保留記憶数を計数するための第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値、合計保留記憶数を計数するための合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値などが記憶される。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型など)による演出動作を制御するために用いられる複数の演出制御パターンを構成するデータなどが記憶されている。演出制御パターンには、特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターン(先読予告演出制御パターンを含む)、各種演出制御パターンなどが含まれていればよい。
各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。例えば、特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
図10(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部又は外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータ120に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータ120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した演出音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えばランプ9(発光体)の発光動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、ランプ9の発光動作(点灯動作、点滅動作、消灯動作)を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン30といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図10(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8から音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様でランプ9を発光させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図10(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて特図変動時演出制御パターンをセットする。また、演出制御用CPU120は、変動カテゴリコマンドや保留記憶数通知コマンドの指定内容などに基づいて予告パターン(「保留表示演出」や「背景変化演出」などの実行の有無、実行する場合の実行内容に応じたパターン)を決定し、予告パターンに応じた予告演出制御パターンをセットする。特図変動時演出制御パターンや予告演出制御パターンなどの演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値の何れかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8、ランプ9、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123、音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図11(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図11(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施形態では、図11(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。従って、コマンド受信が正常に行われれば、図11(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図11(B)では、バッファ番号「1」〜「5」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示が開始されるごとに1つずつ削除され、バッファ番号(コマンド同士の入賞順)を維持しつつ、以降のコマンドがシフトされる。具体的には、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされ、第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)が1つ削除され、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)が、入賞順(バッファ番号の大小関係)を維持しつつシフトされる。例えば、図11(B)に示す格納状態において第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「1」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「1」にシフトされ、バッファ番号「3」〜「5」に対応した夫々の領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「4」にシフトされる。また、図11(B)に示す格納状態において第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、バッファ番号「2」に対応した領域に格納されているコマンドが削除され、バッファ番号「3」に対応した領域に格納されているコマンドがバッファ番号「2」にシフトされ、バッファ番号「4」〜「5」に対応した夫々の領域に格納されている各コマンドが、バッファ番号「3」〜「4」にシフトされる。
なお、図11(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ194Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図11(B)に示す例では、バッファ番号「2」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図12に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS17)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図13は、特別図柄プロセス処理として、図12に示すステップS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図14は、始動入賞判定処理として、図13のステップS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15は、始動入賞時処理として、図14のステップS208、ステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16(A)は、入賞時乱数値判定処理として、図15のステップS220にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示す特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理において、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS207)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときや(ステップS202;Yes)、ステップS209の処理を実行した後には、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS203)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS203;Yes)、第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留数)が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS204)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS204にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS204;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS210)。
ステップS207の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図15)を実行し(ステップS208)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS209)、ステップS203の処理に進む。ステップS210の処理を実行した後には、始動入賞時処理(図15)を実行し(ステップS211)、始動口バッファの格納値を「0(初期化)」し(ステップS212)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bとにおいて、遊技球の始動入賞を同時に検出した場合であっても、それぞれの検出に基づく処理を完了させることができる。
CPU103は、始動入賞時処理(ステップS208、S211)として、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS215)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。ステップS215の処理に続いて、合計保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS216)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS216の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する(ステップS217)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS218)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データがセットされる。
ステップS218の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS219)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS219の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS220)。その後、例えばROM101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS221)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図12に示すステップS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、入賞時乱数値判定処理(ステップS220)として、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(図16(A)のステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル130A又は第2特図表示結果決定テーブル130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」又は「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS402)。例えば、始動口バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットする。一方、始動口バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットする。その後、図15のステップS217にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、その乱数値MR1を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS404)。CPU103は、ステップS402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS405)。
ステップS404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う(ステップS407)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」又は「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S407、S410の処理の何れかを実行した後には、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、ROM101に記憶される変動パターン決定テーブルと、を用いて乱数値MR3が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS412)。
ステップS412では、例えば、変動パターン決定テーブルを設定して、いずれの変動パターンに決定されるかの判定を行う。そして、その変動パターンがPA1−1〜PA1−5の何れかである場合には、非リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPA2−1〜PA2−3の何れかである場合には、リーチハズレの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPB1−1〜PB1−3の何れかである場合には、大当りの変動カテゴリであると判定する。また、変動パターンがPC1−1、PC1−2の何れかである場合には、突確・小当りの変動カテゴリであると判定する。なお、ステップS412では、変動カテゴリが非リーチハズレ、リーチハズレ、大当り、突確・小当り、のいずれの変動カテゴリに含まれるかを判定しているが、より細かい判定を行ってもよい。例えば、リーチを伴う変動パターンである場合には、ノーマルリーチとなるかスーパーリーチとなるかによって異なる変動カテゴリと判定するようにしてもよい。
その後、ステップS412の処理による判定結果に応じて、図16(B)に示す変動カテゴリコマンドの何れかを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
以上のように、図14及び図15に示す始動入賞判定処理や図16(A)に示す入賞時乱数値判定処理では、図15におけるステップS219の処理を実行した後に、ステップS220にて図16(A)に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図16(A)におけるステップS405、S407、S410、S413の処理を実行し、さらに図15におけるステップS221の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図12に示すステップS17のコマンド制御処理を実行することにより、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS17のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
つまり、本実施形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理(図13のステップS110、図17)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理(図13のステップS111)において、飾り図柄の具体的な可変表示態様(変動パターン)の決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS220の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示するか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様(変動カテゴリ)の判定などを行う。これにより、ある始動入賞に基づく特図ゲームや飾り図柄の可変表示が実際に開始されるより前に、導出表示される確定特別図柄、確定飾り図柄、飾り図柄の可変表示態様などを予測(可変表示の開始前に判定)し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読予告演出(例えば、保留変化演出、背景変化演出)の実行の有無や、実行する内容などを決定することができる。
図13のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」又は「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)などが行われる。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」又は「小当り」とするか否かの事前決定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを図5に示す複数種類の何れかに決定する処理や、第1変動開始コマンド(又は第2変動開始コマンド)、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンドなどを送信するための送信設定処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄、及び、飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲーム(第1特図を用いた特図ゲーム)であるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲーム(第2特図を用いた特図ゲーム)であるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特図ゲームや第2特図ゲームにおける特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」又は「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8、ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図17は、特別図柄通常処理として、図13のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。即ち、CPU103は、第2特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS231の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。即ち、CPU103は、第1特図ゲームが保留されているか否かを判定する。例えば、ステップS235の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
このように、ステップS235の処理を、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行するようにしているため、第1特図ゲームと第2特図ゲームとが保留されている場合に、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行されることになる。なお、第2特図ゲームが第1特図ゲームよりも優先して実行される態様に限定されず、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)を遊技球が進入(通過)して始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が発生した順に、特図ゲーム(第1特図ゲーム、第2特図ゲーム)が実行されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図ゲームと第2特図ゲームのいずれを実行するかが決定できればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図16(A)に示すステップS402の処理と同様に、特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS239)。即ち、ステップS402の処理では、始動口バッファ値(「1」又は「2」)に応じて第1特図表示結果決定テーブル130A又は第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットしたが、ステップS239の処理では、変動特図指定バッファ値が「1」である場合には第1特図表示結果決定テーブル130Aを使用テーブルにセットし、変動特図指定バッファ値が「2」である場合には第2特図表示結果決定テーブル130Bを使用テーブルにセットすればよい。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた決定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS240)。
ステップS240にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS241)。そして、「大当り」であると判定された場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類の何れかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別決定テーブル131を選択してセットする(ステップS243)。こうしてセットされた大当り種別決定テーブル131を参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを、「非確変」、「確変」、「突確」の各大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(ステップS244)。
こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(ステップS245)、決定された大当り種別を記憶させる。一例として、大当り種別が「非確変」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「確変」であれば「1」とし、「突確」であれば「2」とすればよい。
ステップS241にて「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS241;No)、その特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS246)。そして、「小当り」であると判定されたときには(ステップS246;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS247)。
ステップS246にて「小当り」ではないと判定された場合や(ステップS246;No)、ステップS245、S247の処理のいずれかを実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS248)。
ステップS248にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS249)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS250)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図18のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図18に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンド等を受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンド等となる制御信号を取り込む。
このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8からの音声出力動作、ランプ9における発光動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理に戻る。
図19は、コマンド解析処理として、図18のステップS74にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認することなどにより、中継基板15を介して伝送された主基板11からの受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS501)。このとき、受信コマンドがなければ(ステップS501;No)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS501にて受信コマンドがある場合には(ステップS501;Yes)、例えば受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、その受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS502)。そして、第1始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS502;Yes)、第1保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS503)。例えば、ステップS503の処理では、第1保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、演出制御タイマ設定部192に設けられたコマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS502にて受信コマンドが第1始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS502;No)、その受信コマンドは第2始動口入賞指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS504)。そして、第2始動口入賞指定コマンドであるときには(ステップS504;Yes)、第2保留記憶数通知待ち時間を設定する(ステップS505)。例えば、ステップS505の処理では、第2保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、コマンド受信制御タイマにセットされればよい。
ステップS504にて受信コマンドが第2始動口入賞指定コマンドではない場合には(ステップS504;No)、その受信コマンドは図柄指定コマンドであるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(ステップS506;No)、その受信コマンドは変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(ステップS507)。ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(ステップS507;No)、その受信コマンドは第1保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS508)。そして、第1保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS508;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第1保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS509)。
ステップS508にて受信コマンドが第1保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS508;No)、その受信コマンドは第2保留記憶数通知コマンドであるか否かを判定する(ステップS510)。そして、第2保留記憶数通知コマンドであるときには(ステップS510;Yes)、例えばコマンド受信制御タイマによる計時動作を初期化することなどにより、第2保留記憶数通知待ち時間をクリアする(ステップS511)。
ステップS506にて受信コマンドが図柄指定コマンドである場合や(ステップS506;Yes)、ステップS507にて受信コマンドが変動カテゴリコマンドである場合(ステップS507;Yes)、あるいはステップS503、S505、S509、S511の処理の何れかを実行した後には、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭に格納してから(ステップS512)、ステップS501の処理に戻る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンド又は第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド又は第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
ステップS510にて受信コマンドが第2保留記憶数通知コマンドではない場合には(ステップS510;No)、その他の受信コマンドに応じた設定を行ってから(ステップS513)、ステップS501の処理に戻る。
始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンド又は第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド)のように、始動入賞が発生したときに主基板11から受信する演出制御コマンドは、始動入賞時のコマンドともいう。また、保留記憶数通知コマンドや始動口入賞指定コマンドは、保留記憶情報ともいう。また、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。なお、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。
図20は、演出制御プロセス処理として、図18のステップS75にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS150)。図21は、始動入賞判定処理として、図20のステップS150にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図21に示す演出制御プロセス処理における始動入賞判定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックし(ステップS151)、新たな受信コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS152)。ステップS152にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(ステップS152;No)、新たな受信コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS153)。ステップS153にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していないと判定したときは(ステップS153;No)、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS152にて第1始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(ステップS152;Yes)、第1保留変化演出決定処理(図22)を実行し(ステップS160)、第2保留変化演出決定処理(図24)を実行し(ステップS161)、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに新たな保留表示を追加する保留追加処理(後述)を実行し(ステップS162)、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS153にて第2始動口入賞指定コマンドを受信していると判定したときは(ステップS153;Yes)、保留変化演出初期化決定処理(図27)を実行し(ステップS164)、第2始動入賞記憶表示エリア5HRに新たな保留表示を追加する保留追加処理を実行し(ステップS165)、始動入賞判定処理を終了する。
図22は、第1保留変化演出決定処理として、図21のステップS160にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。以下の説明において、第1演出モードは、通常時の演出モードである。第1演出モード、第2演出モード及び第3演出モードの各演出モードにおいては、夫々異なる演出が実行される。具体的には、第2演出モードは、先読予告演出(背景変化演出)として用意された演出モードである。第2演出モードにおいては第1演出モードや第3演出モードとは異なる背景画像が表示される。第3演出モードは、所定の条件下(例えば図29参照)における特別演出として用意された演出モードである。第3演出モードにおいては第1演出モードや第2演出モードとは異なる背景画像が表示される。第2演出モード及び第3演出モードにおいて「大当り」になった場合、「大当り」になった後に第1演出モードに移行される。また、第3演出モードでは、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示は非表示にしてもよい。例えば、第3演出モードでは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示は非表示にしてもよい。
第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示に対応する飾り図柄が変動されるときなどには(第1特図ゲームに同期して飾り図柄が変動されるときなどには)、第1演出モード又は第2演出モードに制御される。一方、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示に対応する飾り図柄が変動されるときなどには(第2特図ゲームに同期した飾り図柄の変動されるときなどには)、第1演出モード又は第3演出モードに制御される。つまり、第1演出モードは、第1始動入賞に基づく変動(第1始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく可変表示)、及び、第2始動入賞に基づく変動(第2始動領域を遊技媒体が通過したことに基づく可変表示)の何れにも対応する演出モードであり、第2演出モードは、第1始動入賞に基づく変動に対応する演出モードであり、第3演出モードは、第2始動入賞に基づく変動に対応する演出モードである。なお、第3演出モードは、所定の条件下における特別演出であると説明したが、例えば、第3演出モードは、時短中などにおいて第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が実行されるときに実行される演出モードと同一のものであってもよい。なお、設定中の演出モードの判定などは、例えば、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグによって実現すればよい。
また、第1保留変化演出とは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示の表示態様を、先読予告演出(背景変化演出)として用意された第2演出モードに移行されることを示唆する第1態様に変化させる演出である。即ち、第1保留変化演出は、他の先読予告演出(第2演出モード)が実行されることを示唆する、先読予告演出(保留変化演出)である。第1保留変化演出や第2保留変化演出(後述)は、「大当り」になった後には、初期化(例えば、通常態様として、白色、文字表示無にて再表示)されるようにするとよい。
図22に示す第1保留変化演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第2演出モード中であるか否かを判定する(ステップS601)。具体的には、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値が、第2演出モードに応じた値であるか否かを判定すればよい。ステップS601にて第2演出モード中であると判定したときは(ステップS601;Yes)、第1保留変化演出決定処理を終了する。ステップS601にて第2演出モード中でないと判定したときは(ステップS601;No)、第3演出モード中であるか否かを判定する(ステップS602)。具体的には、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値が、第3演出モードに応じた値であるか否かを判定すればよい。ステップS602にて第3演出モード中であると判定したときは(ステップS602;Yes)、第1保留変化演出決定処理を終了する。ステップS602にて第3演出モード中でないと判定したときは(ステップS602;No)、第1保留変化演出の内容(実行前対象保留データ、実行中対象保留データ)を記憶しているか否かを判定する(ステップS603)。具体的には、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、何れかの第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、何れかの第1始動入賞の保留データに関連する情報として)、「第1保留変化演出(ゾーン!)」(後述)を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報、「第1保留変化演出(ゾーン?)」(後述)を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報などが格納されているか否かを判定すればよい。ステップS603にて第1保留変化演出の内容を記憶しているときは(ステップS603;Yes)、第1保留変化演出決定処理を終了する。なお、第1保留変化演出決定処理において第1保留変化演出パターンを決定しない場合(ステップS601;Yes,ステップS602;Yes,ステップS603;Yes)には、初期値(例えば「HPA−6」)が設定される。
ステップS603にて第1保留変化演出の内容を記憶していないときは(ステップS603;No)、第1保留変化演出パターンを決定する(ステップS604)。第1保留変化演出パターンは、第1保留変化演出の実行の有無と、第1保留変化演出を実行する場合の第1保留変化演出の内容と、背景変化演出の実行の有無(第2演出モードへの移行の有無)と、に対応付けられている演出パターンである。換言すれば、ステップS604の処理では、第1保留変化演出を実行するか否かの決定と、第1保留変化演出を実行する場合における演出内容の決定と、背景変化演出を実行するか否かの決定(第2演出モードへ移行するか否かの決定)が行われる。
一例として、ステップS604の処理では、第1保留変化演出パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された第1保留変化演出決定テーブル(非図示)を選択してセットする。第1保留変化演出決定テーブルでは、当該始動入賞の保留情報(始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶された変動カテゴリコマンドや保留記憶数通知コマンドの指定内容など)に応じて、第1保留変化演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数の第1保留変化演出パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した第1保留変化演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、例えば、図23に示すような割合で、第1保留変化演出パターンを決定すればよい。
図23は、第1保留変化演出パターンの決定割合の設定例を示す図である。具体的には、大当り時(新たな受信コマンドとして受信した変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、当該始動入賞に基づく可変表示の可変表示結果が「大当り」となると判定した時)の第1保留変化演出パターンの決定割合、及び、ハズレ時(新たな受信コマンドとして受信した変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、当該始動入賞に基づく可変表示の可変表示結果が「ハズレ」となると判定した時)の第1保留変化演出パターン決定割合の設定例を表している。
図23に示した第1保留変化演出パターン「HPA−1」(単に「HPA−1」とも表記する)は、保留表示を特別態様(文字「ゾーン!」の表示)に変化させる第1保留変化演出(「第1保留変化演出(ゾーン!)」とも称する)を実行する旨、及び、背景変化演出を実行する旨を示したパターンである。第1保留変化演出パターン「HPA−2」(単に「HPA−2」とも表記する)は、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する旨、及び、背景変化演出を実行しない旨を示したパターンである。第1保留変化演出パターン「HPA−3」(単に「HPA−3」とも表記する)は、保留表示を特別態様(文字「ゾーン?」の表示)に変化させる第1保留変化演出(「第1保留変化演出(ゾーン?)」とも称する)を実行する旨、及び、背景変化演出を実行する旨を示したパターンである。第1保留変化演出パターン「HPA−4」(単に「HPA−4」とも表記する)は、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する旨、及び、背景変化演出を実行しない旨を示したパターンである。第1保留変化演出パターン「HPA−5」(単に「HPA−5」とも表記する)は、第1保留変化演出を実行しない旨、及び、背景変化演出を実行する旨を示したパターンである。第1保留変化演出パターン「HPA−6」(単に「HPA−6」とも表記する)は、第1保留変化演出を実行しない旨、及び、背景変化演出を実行しない旨を示したパターンである。なお、保留表示の通常態様は、例えば、白色、文字表示無である。
図23の設定例によれば、大当り時には、「HPA−1」は50%、「HPA−2」は0%、「HPA−3」は4%、「HPA−4」は16%、「HPA−5」は5%、「HPA−6」は25%の割合で決定され、ハズレ時には、「HPA−1」は1%、「HPA−2」は0%、「HPA−3」は0.4%、「HPA−4」は1.6%、「HPA−5」は1%、「HPA−6」は96%の割合で決定される。
図23の設定例では、大当り時とハズレ時とで、「第1保留変化演出(ゾーン!)」の実行割合を異ならせている。具体的には、ハズレ時に比べ、大当り時の「第1保留変化演出(ゾーン!)」の実行割合を高くしている。即ち、ハズレ時の「第1保留変化演出(ゾーン!)」の実行割合を1%(「HPA−1」「HPA−2」の決定割合の合計)としているのに対し、大当り時の「第1保留変化演出(ゾーン!)」の実行割合を50%(「HPA−1」「HPA−2」の決定割合の合計)としている。また、図23の設定例では、大当り時とハズレ時とで、「第1保留変化演出(ゾーン?)」の実行割合を異ならせている。具体的には、ハズレ時に比べ、大当り時の「第1保留変化演出(ゾーン?)」の実行割合を高くしている。即ち、ハズレ時の「第1保留変化演出(ゾーン?)」の実行割合を2%(「HPA−3」「HPA−4」の決定割合の合計)としているのに対し、大当り時の「第1保留変化演出(ゾーン?)」の実行割合を20%(「HPA−3」「HPA−4」の決定割合の合計)としている。
また、図23の設定例では、大当り時とハズレ時とで、第1保留変化演出(「第1保留変化演出(ゾーン!)」又は「第1保留変化演出(ゾーン?)」)の実行割合を異ならせている。具体的には、ハズレ時に比べ、大当り時の第1保留変化演出の実行割合を高くしている。即ち、ハズレ時の第1保留変化演出の実行割合を3%(「HPA−1」「HPA−2」「HPA−3」「HPA−4」の決定割合の合計)としているのに対し、大当り時の第1保留変化演出の実行割合は70%(「HPA−1」「HPA−2」「HPA−3」「HPA−4」の決定割合の合計)としている。
また、図23の設定例では、[「第1保留変化演出(ゾーン!)」:「第1保留変化演出(ゾーン?)」:第1保留変化演出の非実行]の決定比率は、大当り時は[50:20:30]であり、ハズレ時は[1:2:97]である。即ち、大当り期待度(信頼度)は、「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行される場合が最も高く、「第1保留変化演出(ゾーン?)」が実行される場合が次に高く、第1保留変化演出が実行されない場合が最も低くなっている。
さらに、図23の設定例では、大当り時とハズレ時とで、背景変化演出の実行割合(第2演出モードへの移行割合)を異ならせている。具体的には、ハズレ時に比べ、大当り時の背景変化演出の実行割合を高くしている。即ち、ハズレ時の背景変化演出の実行割合を2.4%(「HPA−1」「HPA−3」「HPA−5」の決定割合の合計)としているのに対し、大当り時の背景変化演出の実行割合を59%(「HPA−1」「HPA−3」「HPA−5」の決定割合の合計)としている。つまり、[背景変化演出の実行、背景変化演出の非実行]の決定比率は、大当り時は[59:41]であり、ハズレ時は[2.4:97.6]である。即ち、大当り期待度(信頼度)は、背景変化演出が実行される場合(第2演出モードに移行される場合)の方が、背景変化演出が実行されない場合(第2演出モードに移行されない場合)よりも高くなっている。
また、図23の設定例では、「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行される場合と、「第1保留変化演出(ゾーン?)」が実行される場合とで、背景変化演出の実行割合(第2演出モードへの移行割合)を異ならせている。具体的には、「第1保留変化演出(ゾーン?)」が実行される場合(「HPA−3」又は「HPA−4」が決定される場合)に比べ、「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行される場合(「HPA−1」又は「HPA−2」が決定される場合)の背景変化演出の実行割合を高くしている。即ち、例えば、大当り時において、「第1保留変化演出(ゾーン?)」が実行される場合(「HPA−3」又は「HPA−4」が決定される場合)に占める背景変化演出が実行される場合(「HPA−3」が決定される場合)の割合を20%(4/20)としているのに対し、「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行される場合(「HPA−1」「HPA−2」が決定される場合)に占める背景変化演出が実行される場合(「HPA−1」が決定される場合)の割合を100%(50/50)としている。ハズレ時においても同様である。
また、図23の設定例では、第1保留変化演出(「第1保留変化演出(ゾーン!)」又は「第1保留変化演出(ゾーン?)」)が実行される場合と、第1保留変化演出が実行されない場合とで、背景変化演出が実行される割合を異ならせている。具体的には、第1保留変化演出が実行されない場合(「HPA−5」又は「HPA−6」が決定される場合)に比べ、第1保留変化演出が実行される場合(「HPA−1」「HPA−2」「HPA−3」「HPA−4」の何れかが決定される場合)の背景変化演出の実行割合を高くしている。即ち、例えば、大当り時において、第1保留変化演出が実行されない場合(「HPA−5」又は「HPA−6」が決定される場合)に占める背景変化演出が実行される場合(「HPA−5」が決定される場合)の割合を約17%(5/30)としているのに対し、第1保留変化演出が実行される場合(「HPA−1」「HPA−2」「HPA−3」「HPA−4」の何れかが決定される場合)に占める背景変化演出が実行される場合(「HPA−1」又は「HPA−3」が決定される場合)の割合を約77%(54/70)としている。また、ハズレ時において、第1保留変化演出が実行されない場合(「HPA−5」又は「HPA−6」が決定される場合)に占める背景変化演出が実行される場合(「HPA−5」が決定される場合)の割合を約1%(1/97)としているのに対し、第1保留変化演出が実行される場合(「HPA−1」「HPA−2」「HPA−3」「HPA−4」の何れかが決定される場合)に占める背景変化演出が実行される場合(「HPA−1」又は「HPA−3」が決定される場合)の割合を約46%(1.4/3)としている。
また、図23の設定例では、[「第1保留変化演出(ゾーン!)」、「第1保留変化演出(ゾーン?)」]、第1保留変化演出の非実行]の決定比率は、大当り時(ハズレ時)において、背景変化演出が実行される場合は[50(1):4(0.4):5(1)]であり、背景変化演出が実行されない場合は[0(0):16(1.6):25(96)]である。即ち、背景変化演出が実行される期待度(信頼度)は、「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行される場合が最も高く、「第1保留変化演出(ゾーン?)」が実行される場合が次に高く、第1保留変化演出が実行されない場合が最も低くなっている。
なお、図23の設定例によれば、「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行される場合における、[背景変化演出の実行、背景変化演出の非実行]の決定比率は、大当り時(ハズレ時)において、[50(1):0(0)]である。即ち、「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行される場合には、背景変化演出が常に実行されるようにしている。
ステップS604の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS604の処理において第1保留変化演出の実行を決定したか否かを判定する(ステップS605)。即ち、ステップS604の処理において、「HPA−1」「HPA−2」「HPA−3」「HPA−4」の何れかを決定したか否かを判定する。第1保留変化演出の実行を決定していたときは(ステップS605;Yes)、第1保留変化演出を実行する保留記憶を決定する(ステップS606)。
具体的には、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が1個もないときは(始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに当該始動入賞による第1始動口入賞指定コマンド以外に他の第1始動口入賞指定コマンドが1個も格納されていないときは)、当該始動入賞による第1始動口入賞指定コマンドに対応する保留データ(当該第1始動入賞の保留データ)において第1保留変化演出を実行すると決定する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLの1個の保留表示があるときは(始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに当該始動入賞に対応する第1始動口入賞指定コマンド以外に他の第1始動口入賞指定コマンドが1個格納されているときは)、当該他の1個の第1始動口入賞指定コマンドに対応する保留データ(唯一存在する他の第1始動入賞の保留データ)において第1保留変化演出を実行すると決定する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLの複数個の保留表示があるときは(始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに当該始動入賞に対応する第1始動口入賞指定コマンド以外に他の第1始動口入賞指定コマンドが2個以上格納されているときは)、当該複数個の第1始動口入賞指定コマンドのうち先頭から2番目の保留データ(複数存在する他の第1始動入賞の保留データのうち2番目に古い保留データ、即ち、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて右から2番目の保留表示に対応する保留データ)において第1保留変化演出を実行すると決定する。
ステップS606の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、第1保留変化演出の決定内容を記憶する(ステップS607)。具体的には、実行する第1保留変化演出の種類、第1保留変化演出を実行する保留データなどが特定される情報を記憶する。一例として、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、ステップS606において第1保留変化演出を実行すると決定された保留データ(当該第1始動入賞の保留データ、唯一存在する他の第1始動入賞の保留データ、又は、複数存在する他の第1始動入賞の保留データのうち2番目に古い保留データ)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、ステップS604において決定された第1保留変化演出(「第1保留変化演出(ゾーン!)」又は「第1保留変化演出(ゾーン?)」)を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納すればよい。
なお、飾り図柄の可変表示の開始などにより、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が削除されるときには、当該バッファ番号に関連する情報として、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに格納されている情報も削除される。第2保留変化演出用のバッファ(後述)に格納されている情報、背景変化演出用のバッファ(後述)に格納されている情報なども同様である。また、飾り図柄の可変表示の開始などにより、あるバッファ番号に対応付けられている保留データ(1セットのコマンド)が他のバッファ番号にシフトされるときには、当該バッファ番号に関連する情報として、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに格納されている情報も当該他のバッファ番号にシフトされる。第2保留変化演出用のバッファ(後述)に格納されている情報、背景変化演出用のバッファ(後述)に格納されている情報なども同様である。
ステップS607の処理を実行した後、又は、第1保留変化演出の実行を決定していないときには(ステップS605;No)、演出制御用CPU120は、ステップS604の処理において背景変化演出の実行を決定したか否かを判定する(ステップS608)。即ち、ステップS604の処理において、「HPA−1」「HPA−3」「HPA−5」の何れかを決定したか否かを判定する。背景変化演出の実行を決定していたときは(ステップS608;Yes)、背景変化演出の決定内容を記憶する(ステップS609)。具体的には、背景変化演出(第2演出モード)の実行を開始する保留データ、背景変化演出(第2演出モード)の実行を終了する保留データ(ターゲットの保留データ)などが特定される情報を記憶する。例えば、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、ステップS606において第1保留変化演出を実行すると決定された保留データのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報(第2演出モードに移行させる保留データである旨の情報)を格納するとともに、当該始動入賞の保留データのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を終了する保留データ(実行終了保留データ)である旨の情報(第2演出モードを終了させる保留データである旨の情報)を格納する。
ステップS609の処理を実行した後、又は、背景変化演出の実行を決定していないときは(ステップS608;No)、第1保留変化演出決定処理を終了する。
図24は、第2保留変化演出決定処理として、図21のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。第2保留変化演出とは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示の表示態様を、何れかのリーチ演出が実行される可能性があることや、所定のリーチ演出(例えばスーパーリーチ)が実行される可能性があることや、大当り期待度が高いことなど示唆する第2態様に変化させる演出である。
図24に示す第2保留変化演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、第2演出モード中であるか否かを判定する(ステップS621)。具体的には、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値が、第2演出モードに応じた値であるか否かを判定すればよい。ステップS621にて第2演出モード中であると判定したときは(ステップS621;Yes)、第2保留変化演出決定処理を終了する。ステップS621にて第2演出モード中でないと判定したときは(ステップS621;No)、第3演出モード中であるか否かを判定する(ステップS622)。具体的には、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値が、第3演出モードに応じた値であるか否かを判定すればよい。ステップS622にて第3演出モード中であると判定したときは(ステップS622;Yes)、第2保留変化演出決定処理を終了する。ステップS622にて第3演出モード中でないと判定したときは(ステップS622;No)、第1保留変化演出決定処理(図22)のステップS604において第1保留変化演出の実行を決定したか否かを判定する(ステップS623)。即ち、ステップS604の処理において、「HPA−1」「HPA−2」「HPA−3」「HPA−4」の何れかを決定したか否かを判定する。
第1保留変化演出の実行を決定しているときは(ステップS623;Yes)、当該入賞は第1保留変化の対象であるか否かを判定する(ステップS624)。即ち、第1保留変化演出決定処理(図22)のステップS606において、該始動入賞による第1始動口入賞指定コマンドに対応する保留データにおいて第1保留変化演出を実行すると決定したか否かを判定する。具体的には、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、当該始動入賞による第1始動口入賞指定コマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、当該第1始動入賞の保留データに関連する情報として)、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報や、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されているか否かを判定する。当該入賞は第1保留変化の対象である場合(ステップS624:Yes)、第2保留変化演出決定処理を終了する。つまり、当該入賞の保留表示に対して第1保留変化演出を実行する場合には、第2保留変化演出を実行しない。なお、第2保留変化演出決定処理において第2保留変化演出パターンを決定しない場合(ステップS621;Yes,ステップS622;Yes,ステップS624;Yes)には、初期値(例えば「HPB−4」)が設定される。
一方、第1保留変化演出の実行を決定していないときは(ステップS623;No)、第2保留変化演出パターンを決定する(ステップS625)。また、当該入賞は第1保留変化の対象でない場合(ステップS624:No)、第2保留変化演出パターンを決定する(ステップS626)。つまり、第1保留変化演出を実行しない場合か、当該入賞の保留表示以外の保留表示に対して第1保留変化演出を実行する場合には、第2保留変化演出パターンを決定する。第2保留変化演出パターンは、第2保留変化演出の実行の有無と、第2保留変化演出を実行する場合の第2保留変化演出の内容と、に対応付けられている演出パターンである。換言すれば、ステップS625、ステップS626の処理では、第2保留変化演出を実行するか否かの決定と、第2保留変化演出を実行する場合における演出内容の決定が行われる。
一例として、ステップS625、ステップS626の処理では、第2保留変化演出パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された第2保留変化演出決定テーブル(非図示)を選択してセットする。第2保留変化演出決定テーブルでは、当該始動入賞の保留情報に応じて、第2保留変化演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数の第2保留変化演出パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した第2保留変化演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、例えば、ステップS625の処理においては図25に示すような割合で第2保留変化演出パターンを決定し、ステップS626の処理においては図26(A)に示すような割合で第2保留変化演出パターンを決定すればよい。
図25(図26(A)も同様)は、第2保留変化演出パターンの決定割合の設定例を示す図である。具体的には、大当り時の第2保留変化演出パターンの決定割合、及び、ハズレ時の第2保留変化演出パターン決定割合の設定例を表している。図25(図26(A)等も同様)に示した第2保留変化演出パターン「HPB−1」(単に「HPB−1」とも表記する)は、保留表示を特別態様(赤色、文字表記無)に変化させる第2保留変化演出(「第2保留変化演出(赤)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。第2保留変化演出パターン「HPB−2」(単に「HPB−2」とも表記する)は、保留表示を特別態様(黄色、文字表記無)に変化させる第2保留変化演出(「第2保留変化演出(黄)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。第2保留変化演出パターン「HPB−3」(単に「HPB−3」とも表記する)は、保留表示を特別態様(青色、文字表記無)に変化させる第2保留変化演出(「第2保留変化演出(青)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。第2保留変化演出パターン「HPB−4」(単に「HPB−4」とも表記する)は、第2保留変化演出を実行しない旨(通常態様のまま表示する旨)を示したパターンである。なお、保留表示の通常態様は、例えば、白色、文字表記無である。
図25の設定例によれば、大当り時には、「HPB−1」は20%、「HPB−2」は20%、「HPB−3」は20%、「HPB−4」は40%の割合で決定され、ハズレ時には、「HPB−1」は2%、「HPB−2」は4%、「HPB−3」は6%、「HPB−4」は88%の割合で決定される。図26(A)の設定例によれば、大当り時には、「HPB−1」は10%、「HPB−2」は10%、「HPB−3」は10%、「HPB−4」は70%の割合で決定され、ハズレ時には、「HPB−1」は1%、「HPB−2」は2%、「HPB−3」は3%、「HPB−4」は94%の割合で決定される。
図25の設定例では、[「第2保留変化演出(赤)」:「第2保留変化演出(黄)」:「第2保留変化演出(青)」:第2保留変化演出の非実行]の決定比率は、大当り時は[20:20:20:40]であり、ハズレ時は[2:4:6:88]である。また、図26(A)の設定例では、[「第2保留変化演出(赤)」:「第2保留変化演出(黄)」:「第2保留変化演出(青)」:第2保留変化演出の非実行]の決定比率は、大当り時は[10:10:10:70]であり、ハズレ時は[1:2:3:94]である。即ち、図25及び図26(A)の設定例において、大当り期待度(信頼度)は、「第2保留変化演出(赤)」が実行される場合が最も高く、「第2保留変化演出(黄)」が実行される場合が次に高く、「第2保留変化演出(青)」が実行される割合が次に高く、第2保留変化演出が実行されない場合が最も低くなっている。
図25の設定例と図26(A)の設定例を比較すると、図26(A)の設定例では、図25の設定例に比べ、「第2保留変化演出(赤)」の決定割合、「第2保留変化演出(黄)」の決定割合、「第2保留変化演出(青)」の決定割合が、何れも低くなっている。換言すれば、図26(A)の設定例では、図25の設定例に比べ、第2保留変化演出が実行される割合を制限している。
ステップS625の処理を実行した後、又は、ステップS626の処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、ステップS625(又はステップS626)の処理において第2保留変化演出の実行を決定したか否かを判定する(ステップS627)。即ち、ステップS627の処理において、「HPB−1」「HPB−2」「HPB−3」の何れかを決定したか否かを判定する。第2保留変化演出の実行を決定していないときは(ステップS627;No)、第2保留変化演出決定処理を終了する。第2保留変化演出の実行を決定しているときは(ステップS627;Yes)、第2保留変化演出の決定内容を記憶する(ステップS628)。具体的には、実行する第2保留変化演出の種類、第2保留変化演出を実行する保留データなどが特定される情報を記憶する。一例として、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、第2保留変化演出を実行する保留データ(具体的には、当該入賞の保留データ)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、ステップS625(又はステップS627)において決定された第2保留変化演出(「第2保留変化演出(赤)」「第2保留変化演出(黄)」「第2保留変化演出(青)」)を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納すればよい。ステップS627の処理を実行した後は、第2保留変化演出決定処理を終了する。
第2保留変化演出決定処理(図21のステップS161、図24)に続く、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに新たな保留表示を追加する保留追加処理(ステップS162)では、演出制御用CPU120は、第2保留変化演出を実行する。具体的には、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファを参照し、追加する保留表示に対する第2保留変化演出の実行要否や実行態様を判定し、判定結果に応じて第2保留変化演出を実行する。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、追加する保留表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第2保留変化演出(赤)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されている場合には、新たな保留表示として赤色の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。即ち、追加する保留表示が、「第2保留変化演出(赤)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)に基づく保留表示に該当するときは、赤色の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。また、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、追加する保留表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第2保留変化演出(黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されている場合には、新たな保留表示として黄色の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。即ち、追加する保留表示が、「第2保留変化演出(黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)に基づく保留表示に該当するときは、黄色の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。また、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、追加する保留表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第2保留変化演出(青)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されている場合には、新たな保留表示として青色の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。即ち、追加する保留表示が、「第2保留変化演出(青)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)に基づく保留表示に該当するときは、青色の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。
また、図21の保留追加処理(ステップS162)において、演出制御用CPU120は、赤色の保留表示を追加したときは、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに格納されている、「第2保留変化演出(赤)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第2保留変化演出(赤)」を実行している(赤色にて表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。また、演出制御用CPU120は、黄色の保留表示を追加したときは、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに格納されている、「第2保留変化演出(黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第2保留変化演出(黄)」を実行している(黄色にて表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。また、演出制御用CPU120は、青色の保留表示を追加したときは、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに格納されている、「第2保留変化演出(青)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第2保留変化演出(青)」を実行している(青色にて表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。
また、図21の保留追加処理(ステップS162)において、演出制御用CPU120は、追加する保留表示が、第1保留変化演出を実行するものである場合(即ち、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに他の保留表示がない場合)には、第1保留変化演出を実行する。具体的には、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファを参照し、追加する保留表示に対する第1保留変化演出の実行要否や実行態様を判断し、判断結果に応じて第1保留変化演出を実行する。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、追加する保留表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されている場合には、新たな保留表示として文字「ゾーン!」の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。また、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、追加する保留表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されている場合には、新たな保留表示として文字「ゾーン?」の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。
また、図21の保留追加処理(ステップS162)において、演出制御用CPU120は、文字「ゾーン!」の保留表示を追加したときは、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに格納されている、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行している(文字「ゾーン!」を表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。また、演出制御用CPU120は、文字「ゾーン?」の保留表示を追加したときは、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに格納されている、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行している(文字「ゾーン?」を表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。
図27は、保留変化演出初期化決定処理として、図21のステップS164にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図27に示す保留変化演出初期化決定処理において、演出制御用CPU120は、当該入賞は大当りであるか否かを判定する(ステップS640)。例えば、新たな受信コマンドとして受信した変動カテゴリコマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、当該入賞が「大当り」となるか否かを判定する。ステップS640にて当該入賞は大当りでないと判定したときは(ステップS640;No)、保留変化演出初期化決定処理を終了する。
ステップS640にて当該入賞は大当りであると判定したときは(ステップS640;Yes)、第1保留変化演出の内容(実行前対象保留データ、実行中対象保留データ)を記憶しているか否かを判定する(ステップS641)。具体的には、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、何れかの第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、何れかの第1始動入賞の保留データに関連する情報として)、「第1保留変化演出(ゾーン!)」又は「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報や、「第1保留変化演出(ゾーン!)」又は「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報が格納されているか否かを判定すればよい。第1保留変化演出の内容を記憶しているときは(ステップS641:Yes)、当該記憶内容を初期化する(ステップS642)。つまり、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに格納されている、上記の情報を削除(消去)する。
また、ステップS642の処理において、「第1保留変化演出(ゾーン!)」又は「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報を削除したときは、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値を、第3演出モードに移行させるための値としてもよい。
ステップS642の処理を実行した後、又は、第1保留変化演出の内容を記憶していないときは(ステップS641:No)、第2保留変化演出の内容を記憶しているか否かを判定する(ステップS643)。具体的には、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、何れかの第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、何れかの第1始動入賞の保留データに関連する情報として)、「第2保留変化演出(赤)」又は「第2保留変化演出(黄)」又は「第2保留変化演出(青)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報などが格納されているか否かを判定すればよい。第2保留変化演出の内容を記憶しているときは(ステップS643:Yes)、当該記憶内容を初期化する(ステップS644)。つまり、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに格納されている、上記の情報を削除(消去)する。ステップS644の処理を実行した後、又は、第2保留変化演出の内容を記憶していないときは(ステップS643:No)、保留変化演出初期化決定処理を終了する。
図20及び図21に示したステップS150の始動入賞判定処理を実行した後には、例えば演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理の何れかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が初期値である“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。飾り図柄の可変表示を開始すると判定したときには、演出プロセスフラグの値を“1”に更新する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。その後、演出プロセスフラグの値を“2”に更新する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、可変表示開始設定処理において決定された演出制御パターンに基づいて、各種の制御データを読み出し、各種の演出制御(例えば、飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示制御)を行う。具体的には、演出制御用CPU120は、読み出した制御データに基づき、映像信号(演出画像)を画像表示装置5に出力して画面上に表示させる制御、演出音信号を音声制御基板13に出力してスピーカ8から演出音を出力させる制御、電飾信号をランプ制御基板14に出力してランプ9を点灯/消灯/点滅させる制御といった各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値を“3”に更新する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読み出し、ステップS172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号などを出力するなどして、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読み出し、ステップS172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号などを出力するなどして、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読み出し、ステップS172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号などを出力するなどして、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づいて、各種の制御データを読み出し、ステップS172の可変表示中演出処理と同様に、映像信号や演出音信号や電飾信号などを出力するなどして、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図28は、可変表示開始設定処理として、図20のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図28に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS522)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS522;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにおけるEXTデータを読み取ることなどにより、指定された変動パターンが飾り図柄の可変表示態様を「非リーチ」とする場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS523)。
ステップS523にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS523;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。なお、ステップS524の処理では、変動図柄予告を実行中である場合に対応して、所定のチャンス目図柄となる非リーチ組合せの確定飾り図柄を決定すればよい。
ステップS523にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS523;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定の中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算又は減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS522にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS522;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、又は、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS526)。「突確」又は「小当り」であると判定されたときには(ステップS526;Yes)、例えば開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1、PC1−2の何れかが指定された場合に対応して、複数種類の開放チャンス目のうち、何れかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、演出制御カウンタ設定部193に設けられたランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121などに予め記憶された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、開放チャンス目の何れかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526にて「突確」又は「小当り」以外の「非確変」又は「確変」であると判定されたときには(ステップS526;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS528)。一例として、ステップS528の処理では、まず、演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、続いてROM121などに予め記憶された所定の大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上で「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかや、大当り中における昇格演出の有無などに応じて、異なる飾り図柄を確定飾り図柄とする決定が行われるようにしてもよい。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうち何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。また、大当り種別が「確変」である場合には、複数種類の通常図柄又は確変図柄のうちから何れか1つの飾り図柄を選択して、非確変大当り組合せ又は確変大当り組合せを構成する確定飾り図柄に決定すればよい。このとき、非確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において確変状態に制御される旨の報知が行われず、大当り遊技状態に対応して実行される大当り中昇格演出などにより確変状態に制御される旨が報知されればよい。他方、確変大当り組合せの確定飾り図柄に決定された場合には、可変表示中の再抽選演出において、あるいは再抽選演出を実行することなく、確変状態に制御される旨の報知が行われる。
ステップS524、S525、S527、S528の処理の何れかを実行した後には、モード切替実行設定処理を実行する(ステップS530)。図29は、モード切替実行設定処理として、図28のステップS530にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、まず、受信した変動開始コマンドが、第1変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS701)。即ち、今回の飾り図柄の可変表示は、第1特図ゲームに同期したものであるか否かを判定する。
ステップS701にて第1変動開始コマンドであると判定したときは(ステップS701:Yes)、背景変化演出の実行を開始するか否かを判定する(ステップS702)。具体的には、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、今回の飾り図柄の可変表示に対応するコマンドのバッファ番号(即ち、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号)に関連する情報として、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報(第2演出モードに移行させる保留データである旨の情報)が格納されているか否かを判定する。ステップS702にて背景変化演出の実行を開始すると判定したときは(ステップS702:Yes)、第2演出モードへの移行を実行設定し(ステップS703)、モード切替設定処理を終了する。ステップS703の処理には、背景変化演出(第2演出モード)を実行するための演出制御パターン(先読予告演出制御パターン)を実行設定する処理や、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値を第2演出モードに応じた値とする処理などが含まれる。上記の演出制御パターンを実行設定する処理においては、例えば、背景変化演出(第2演出モード)用として予め用意されている、画像表示装置5における背景演出表示動作、背景演出表示動作中のスピーカ8における音声出力動作、背景演出表示動作中のランプ9の発光動作などが使用パターンとしてセットされる。
ステップS702にて背景変化演出の実行を開始しないと判定したときは(ステップS702:No)、背景変化演出の実行を終了するか否かを判定する(ステップS704)。具体的には、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、今回の飾り図柄の可変表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を終了する保留データ(実行終了保留データ)である旨の情報(第2演出モードを終了させる保留データである旨の情報)が格納されているか否かを判定する。ステップS704て背景変化演出の実行を終了すると判定したときは(ステップS704:Yes)、第1演出モード(通常時の演出モード)への移行を実行設定し(ステップS705)、モード切替設定処理を終了する。なお、ステップS705の処理には、第1演出モードを実行するための演出制御パターンを実行設定する処理や、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値を第1演出モードに応じた値(初期値)とする処理などが含まれる。上記の演出制御パターンを実行設定する処理においては、例えば、例えば、第1演出モード用として予め用意されている、画像表示装置5における背景演出表示動作、背景演出表示動作中のスピーカ8における音声出力動作、背景演出表示動作中のランプ9の発光動作などが使用パターンとしてセットされる。
ステップS704にて背景変化演出の実行を終了しないと判定したときは(ステップS704:No)、第3演出モード中であるか否かを判定する(ステップS706)。具体的には、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値が、第3演出モードに応じた値であるか否かを判定すればよい。ステップS706にて第3演出モード中でないと判定したときは(ステップS706;No)、モード切替設定処理を終了する。ステップS706にて第3演出モード中であると判定したときは(ステップS706;Yes)、ステップS705の処理と同様、第1演出モード(通常時の演出モード)への移行を実行設定し(ステップS707)、モード切替設定処理を終了する。
ステップS701にて第1変動開始コマンドでないと判定したときは(ステップS701:No)、第2演出モード中であるか否かを判定する(ステップS710)。具体的には、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値が、第2演出モードに応じた値であるか否かを判定すればよい。ステップS710にて第2演出モード中でないと判定したときは(ステップS710;No)、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに第1態様の保留表示があるか否かを判定する(ステップS711)。具体的には、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、何れかの第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、何れかの第1始動入賞の保留データに関連する情報として)、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行している(文字「ゾーン!」を表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報や、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行している(文字「ゾーン?」を表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報が格納されているか否か、及び、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値が、第3演出モードに移行させるための値であるか否かを判定する。即ち、第1保留変化演出用のバッファに、上述の実行中対象保留データである旨の情報が格納されている場合、上述の実行中対象保留データである旨の情報が格納されている場合、上述の演出モードフラグの値が第3演出モードに移行させるための値である場合の、何れかの場合には、第1態様の保留表示があると判定する。ステップS711にて第1態様の保留表示がないと判定したときは(ステップS711;No)、モード切替設定処理を終了する。
ステップS710にて第2演出モード中であると判定したとき(ステップS710;No)、又は、ステップS711にて第1態様の保留表示があると判定したときは(ステップS711;Yes)、第3演出モード(特別演出モード)への移行を実行設定し(ステップS712)、モード切替設定処理を終了する。なお、ステップS712の処理には、第3演出モードを実行するための演出制御パターン(先読予告演出制御パターン)を実行設定する処理や、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値を第3演出モードに応じた値とする処理などが含まれる。上記の演出制御パターンを実行設定する処理においては、例えば、例えば、第3演出モード用として予め用意されている、画像表示装置5における背景演出表示動作、背景演出表示動作中のスピーカ8における音声出力動作、背景演出表示動作中のランプ9の発光動作などが使用パターンとしてセットされる。
ステップS530の処理を実行した後には、保留消化処理を実行する(ステップS531)。ステップS531の処理では、演出制御用CPU120は、今回の飾り図柄の可変表示が第1特図ゲームに同期したものであるときは、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示を消化(消去)する。第1始動入賞記憶表示エリア5HLの複数の保留表示があるときには、一番古くから表示されている保留表示を消化する。また、今回の飾り図柄の可変表示が第2特図ゲームに同期したものであるときは、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示を消化する。第2始動入賞記憶表示エリア5HRの複数の保留表示があるときには、一番古くから表示されている保留表示を消化する。
また、ステップS531の処理では、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて、消化する保留表示の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいてシフトし、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおいて、消化する保留表示の他に保留表示があるときは、当該他の保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおいてシフトする。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HL(第2始動入賞記憶表示エリア5HRも同様)において消去した保留表示は、実行中保留表示エリアにシフトしてもよい。実行中保留表示エリアの保留表示は、当該可変表示の開始時や実行中や終了時などに消去すればよい。
また、ステップS531の処理では、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示をシフトさせる場合であって、少なくとも2個以上の保留表示がある場合において、先頭(第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて一番右側)、又は、先頭から2番目(第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおいて右から2番目)の保留表示が、第1保留変化演出の対象であるが第1保留変化演出を実行していないものである場合には、当該保留消化処理において第1保留変化演出を実行する。具体的には、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファを参照し、該当する保留表示に対する第1保留変化演出の実行要否や実行態様を判断し、判断結果に応じて第1保留変化演出を実行する。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、先頭の保留表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されている場合には、当該先頭の保留表示を実行中保留表示エリアへシフトするとともに当該保留表示の表示態様を文字「ゾーン!」に変化させる。また、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、先頭から2番目に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されている場合には、当該先頭から2番目の保留表示を先頭へシフトするとともに当該保留表示の表示態様を文字「ゾーン!」に変化させる。「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されている場合についても同様である。
また、図28の保留消化処理(ステップS531)において、演出制御用CPU120は、表示態様を文字「ゾーン!」に変化させたときは、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに格納されている、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行している(文字「ゾーン!」を表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。また、演出制御用CPU120は、表示態様を文字「ゾーン?」に変化させたときは、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに格納されている、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行している(文字「ゾーン!」を表示している)保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。
ステップS531の処理を実行した後には、演出制御パターンを選択する(ステップS532)。具体的には、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンなどに対応して複数用意された特図変動時演出制御パターンの何れかを選択し、使用パターンとしてセットする。つまり、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示動作、可変表示動作中のスピーカ8における音声出力動作、可変表示動作中のランプ9の発光動作などが設定される。
ステップS532の処理を実行した後には、その他の可変表示中における演出の実行設定を行う(ステップS533)。一例として、ステップS533の処理では、大当り告知音や大当り告知発光によって可変表示結果が「大当り」となることを直ちに告知(確定的に報知)する「一発告知演出」の実行設定を行うようにしてもよい。大当り告知音の一例は、アラーム音、チャイム音、サイレン音などである。大当り告知発光の一例は、発光部材9CCを構成するフラッシュランプの発光などである。また、ステップS533の処理では、可変表示結果が「大当り」となるか否かにかかわらず、例えば賑やかしのために所定態様の演出が実行されるように設定してもよい。例えば、所定のランプ9(例えば、発光部材9SL、9SR)が発光するような態様の演出が実行されるように設定してもよい。
ステップS533の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、演出制御タイマ設定部192に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS534)。続いて、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う変動表示等開始設定処理を実行する(ステップS535)。例えば、図29のモード切替実行設定処理において使用パターンとしてセットされた、各演出モード(第1演出モード、第2演出モード、第3演出モード)を実行するための演出制御パターン(先読予告演出制御パターン)や、図28のステップS532の処理において使用パターンとしてセットされた特図変動時演出制御パターンに含まれる、表示制御データが指定する表示制御指令やを表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の変動を開始させるための設定や、上記先読予告演出制御パターンや特図変動時演出制御パターンに含まれる音声制御データが指定する演出音信号を音声制御基板13に伝送することなどによりスピーカ8における音声出力を開始させるための設定や、上記先読予告演出制御パターンや特図変動時演出制御パターンに含まれるランプ制御データが指定する電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送させることなどによりランプ9における発光を開始させるための設定を行う。
ステップS535の処理を実行した後には、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに格納されているコマンドを消化する(ステップS536)。具体的には、演出制御用CPU120は、第1特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのうち最も小さいバッファ番号に対応した領域に格納されたコマンド(1セット)を削除するとともに、削除されたコマンドのバッファ番号よりも大きいバッファ番号に対応した領域に格納されているコマンド(第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド、第2始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンド)を、入賞順を維持しつつシフトする。第2特図ゲームに同期して飾り図柄の可変表示が開始されるときも同様である。また、ステップS536の処理では、コマンドの削除やシフトに応じて、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファや第2保留変化演出用のバッファや背景変化演出用のバッファに格納されている情報の削除やシフトも行われる。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS537)、可変表示開始設定処理を終了する。
図30は、第1保留変化演出、第2保留変化演出の制御を説明するための説明図である。図30は、第1保留変化演出、第2保留変化演出の制御を説明するための説明図である。図30(A)は、第1始動入賞記憶表示エリア5HL、第2始動入賞記憶表示エリア5HR、実行中保留表示エリアにおける保留表示の表示位置を模式的に表したものである。#11〜#14は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示の各表示位置である。#21〜#24は、第2始動入賞記憶表示エリア5HRにおける保留表示の各表示位置である。#0は、実行中保留表示エリアにおける保留表示の表示位置である。
図30(B)〜図30(E)の夫々は、夫々の場面における、保留表示の表示態様の変化などを説明したものである。図30(B)は、第1特図保留記憶数が2であるときに(表示位置#11、表示位置#12に保留表示があるときに)の第1始動入賞があり、当該第1始動入賞による保留表示(表示位置#13に追加する保留表示)に対し、表示態様を黄色に変化させる第2保留変化演出パターン「HPB−2」を決定し、表示位置#12の保留表示(次回のシフトで表示位置#11にシフトされる保留表示)に対し、保留態様を文字「ゾーン!」に変化させる第1保留変化演出パターン「HPA−1」を決定した場面における、保留表示の表示態様の変化などを説明したものである。枠内(囲み内)に示したように、当該追加する保留表示の表示態様は、表示位置#13に追加されるときから、第2保留変化演出パターン「HPB−2」に従って、黄色で表示される。また、表示位置#12に表示されていた保留表示の表示態様は、表示位置#11にシフトされるときから、第1保留変化演出パターン「HPA−1」に従って、文字「ゾーン!」で表示される。
図30(C)は、第1特図保留記憶数が0であるときに(表示位置#11〜表示位置#14に保留表示がないとき)の第1始動入賞があり、当該第1始動入賞による保留表示(表示位置#11に追加する保留表示)に対し、保留態様を文字「ゾーン!」に変化させる第1保留変化演出パターン「HPA−1」を決定した場面における、保留表示の表示態様の変化などを説明したものである。枠内(囲み内)に示したように、当該追加する保留表示の表示態様は、表示位置#11に追加されるときから、第1保留変化演出パターン「HPA−1」に従って、文字「ゾーン!」で表示される。
図30(D)は、第2特図保留記憶数が1であるときに(表示位置#21に保留表示がないとき)の第2始動入賞があった場面における、保留表示の表示態様の変化などを説明したものである。第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示については、第1保留変化演出パターンや第2保留変化演出パターンなどを決定しないため、枠内(囲み内)に示したように、白色、文字表示無(初期色)で表示される。なお、図30(E)については後述する。
次に、パチンコ遊技機1における制御の具体的な一例について説明する。
パチンコ遊技機1の主基板11の側では、CPU103は、始動条件の成立後(遊技球が第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bにより検出されたときに)、図13及び図14に示す始動入賞判定処理(ステップS101)において、図14及び図15に示す始動入賞時処理(ステップS208、ステップS211)を実行する。始動入賞時処理では、始動入賞口に応じた始動口入賞指定コマンドや、ステップS217にて抽出された乱数値MR1やMR2を示す数値データに基づく判定結果に応じた図柄指定コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)や、ステップS217にて抽出された乱数値MR3を示す数値データに基づく判定結果に応じた変動カテゴリコマンド(入賞時判定結果指定コマンド)や、保留記憶数通知コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して送信するための設定が行う。その後、CPU103が、図12に示すコマンド制御処理(ステップS17)を実行することにより、始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドや保留記憶数通知コマンドなどが、主基板11から演出制御基板12に伝送される。
また、CPU103は、開始条件の成立後(特図プロセスフラグの値が“0”のときに)、図13及び図17に示す特別図柄通常処理(ステップS110)において、ステップS232又はステップS236にて抽出された乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定し(ステップS240)、「大当り」であると決定した場合には、ステップS232又はステップS236にて抽出された乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれとするかを決定する(ステップS244)。また、CPU103は、図13に示す変動パターン設定処理において、ステップS232又はステップS236にて抽出された乱数値MR3を示す数値データに基づいて、飾り図柄の変動パターン(変動パターン「PA1−1」〜変動パターン「PC1−2」の何れか)を決定する(ステップS111)。その後、CPU103が、図12に示すコマンド制御処理(ステップS17)を実行することにより、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどが、主基板11から演出制御基板12に伝送される。
パチンコ遊技機1の演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120は、始動条件の成立後(主基板11から始動口入賞指定コマンドや図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドや保留記憶数通知コマンドを受信したときに)、図20及び図21に示す始動入賞判定処理(ステップS150)において、始動口入賞指定コマンドなどに基づいて、第1保留変化演出決定処理(ステップS160)や第2保留変化演出決定処理(ステップS161)や保留変化演出処理化決定処理(ステップS164)や保留追加処理(ステップS162、ステップS165)を実行する。保留追加処理(ステップS162)では、第1保留変化演出決定処理や第2保留変化演出決定処理の決定結果などに応じて、追加させる保留表示の表示態様を変化させる。
また、演出制御用CPU120は、開始条件の成立後(演出プロセスフラグの値が“1”のときに)、図20及び図28に示す可変表示開始設定処理(ステップS171)において、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドなどに基づいて、可変表示の最終停止図柄を決定し(ステップS524、ステップS525、ステップS527、ステップS528)、演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)を選択し、使用パターンとして設定する(ステップS532)。また、演出制御用CPU120は、可変表示開始設定処理(ステップS171)において、モード切替実行設定処理(ステップS530)や、保留表示消化(ステップS531)を実行する。モード切替実行設定処理(ステップS530)では、第1保留変化演出決定処理の決定結果や現在の演出モードなどに応じて、移行させる演出モードの実行設定が行われる。また、保留表示消化では、第1保留変化演出決定処理の決定結果などに応じて、シフトさせる保留表示の表示態様を変化させる。
図31〜図34は、画像表示装置5における表示動作例を示す図である。具体的には、図31の(a)〜(f)は、画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものである。図32の(a)〜(c)は、画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものであって、図31の続きである。図33の(a)〜(f)は、画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものである。図34の(a)〜(e)は、画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものであって、図33の続きである。なお、図31〜図34(図35等も同様)において画像表示装置5内の矢印「↓」は、飾り図柄が変動中であることを表している。また、図31〜図34(図35等も同様)において、第2演出モードは、画像表示装置5の表示領域の上部において、「〜 先読みゾーン中!! 〜」なる画像を表示(例えば、横にスクロール表示)する演出モードであるものとし、第3演出モードは、画像表示装置5の表示領域の上部において、「〜 戦闘モード 〜」なる画像を表示(例えば、横にスクロール表示)する演出モードであるものとし、第1演出モードは、上述の第2演出モード又は第3演出モードでないときの演出モードであるものとする。
図31の(a)は、実行中保留表示エリアに保留表示M0(白色)が表示され、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示M1(白色)、及び、保留表示M2(白色)が表示されている場面である。図31の(a)の場面から第1始動条件が成立したときは(第1始動入賞があったときは)、演出制御用CPU120は、第1保留変化演出決定処理(ステップS160)を実行する。第1保留変化演出決定処理では、現在、第2演出モード中でも第3演出モード中でもなく(ステップS601;No,ステップS602;No)、第1保留変化演出の内容も記憶していないため(ステップS603;No)、図23に示すような決定割合で、第1保留変化演出パターンを決定する(ステップS604)。上記決定処理において、例えば、「第1保留変化演出(ゾーン!)」と背景変化演出とを実行する「HPA−1」を決定したものとする。続いて、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの2個の保留表示があるため、先頭から2番目の保留データ(保留表示M2)において第1保留変化演出を実行すると決定する(ステップS606)。続いて、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、ステップS606において第1保留変化演出を実行すると決定された保留データ(保留表示M2)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、ステップS604において決定された「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納する(ステップS607)。続いて、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、ステップS606において第1保留変化演出を実行すると決定された保留データ(保留表示M2)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報(第2演出モードに移行させる保留データである旨の情報)を格納するとともに、当該始動入賞の保留データ(保留表示M3)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を終了する保留データ(実行終了保留データ)である旨の情報(第2演出モードを終了させる保留データである旨の情報)を格納する。
続いて、演出制御用CPU120は、第2保留変化演出決定処理(ステップS161)を実行する。第2保留変化演出決定処理では、現在、第2演出モード中でも第3演出モード中でもなく(ステップS621;No,ステップS622;No)、先の第1保留変化演出決定処理(ステップS160)において、当該入賞の保留表示(保留表示M3)以外の保留表示(保留表示M2)において「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行すると決定しているため(ステップS623;Yes、ステップS624;No)、図26(A)に示すような決定割合で、第2保留変化演出パターンを決定する(ステップS626)。つまり、第1保留変化演出を実行しない場合(ステップS623;No)の決定割合(図25)に比べ、第2保留変化演出の実行割合を制限した決定割合(図26(A))に基づいて、第2保留変化演出パターンを決定する。上記決定処理において、例えば、「第2保留変化演出(黄)」を実行する「HPB−2」を決定したものとする。続いて、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、当該始動入賞の保留データ(保留表示M3)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、ステップS626において決定された「第2保留変化演出(黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納する(ステップS628)。
続いて、演出制御用CPU120は、保留追加処理(ステップS162)を実行する。保留追加処理では、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、追加する保留データ(保留表示M3)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第2保留変化演出(黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されているため、新たな保留表示として黄色の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。図31の(b)は、保留追加後の場面である。また、図31の(c)は、保留表示M0による確定飾り図柄(「4」「8」「2」)が停止表示された場面である。
図31の(c)の場面から第1開始条件が成立したときは、演出制御用CPU120は、モード切替実行設定処理(ステップS530)を実行する。モード切替実行設定処理では、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、今回の飾り図柄の可変表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、保留データ(保留表示M1)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として)、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報や、景変化演出の実行を終了する保留データ(実行終了保留データ)である旨の情報が格納されていないため(ステップS702;No,ステップS704;No)、また、現在、第3演出モード中でもないため(ステップS706;No)、他の演出モードへの実行設定は行わない。
続いて、演出制御用CPU120は、保留消化処理(ステップS531)を実行する。保留消化処理では、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(保留表示M1、保留表示M2、保留表示M3)をシフトする。また、当該保留消化処理では、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、先頭から2番目の保留データ(保留表示M2)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されているため、当該保留表示(保留表示M2)をシフトするとともに表示態様を文字「ゾーン!」に変化させる。また、上述の「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。図31の(d)は、保留表示M1による可変表示中の場面である。また、図31の(e)は、保留表示M1による確定飾り図柄(「5」「1」「7」)が停止表示された場面である。なお、図31の(d)のM2(「ゾーン!」)は、当該保留表示M2の表示態様が、文字「ゾーン!」を表した表示態様である旨を表している。他の図においても同様である。
図31の(e)の場面から第1開始条件が成立したときは、演出制御用CPU120は、モード切替実行設定処理(ステップS530)を実行する。モード切替実行設定処理では、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、今回の飾り図柄の可変表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、保留データ(保留表示M2)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として)、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報が格納されているため(ステップS702;Yes)、第2演出モードへの実行設定を行う(ステップS703)。
続く保留消化処理(ステップS531)では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(保留表示M2、保留表示M3)をシフトする。なお、当該保留消化処理では、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、先頭の保留データ(保留表示M2)や、先頭から2番目の保留データ(保留表示M3)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」や「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されていないため、表示態様は変化させない。図31の(f)は、保留表示M2による可変表示中の場面である。図31の(f)では、第2演出モード(「〜 先読みゾーン中!! 〜」の表示)にモード移行している。また、図32の(a)は、保留表示M2による確定飾り図柄(「3」「7」「1」)が停止表示された場面である。
図32の(a)の場面から第1開始条件が成立したときは、演出制御用CPU120は、モード切替実行設定処理(ステップS530)を実行する。モード切替実行設定処理では、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、今回の飾り図柄の可変表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、保留データ(保留表示M3)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として)、背景変化演出の実行を終了する保留データ(実行終了保留データ)である旨の情報が格納されているため(ステップS704;Yes)、第1演出モードへの実行設定を行う(ステップS705)。
続く保留消化処理(ステップS531)では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(保留表示M3)をシフトする。なお、保留消化処理では、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、先頭の保留データ(保留表示M3)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」や「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されていないため、表示態様は変化させない。図32の(b)は、保留表示M3による可変表示中の場面である。図32の(b)では、第1演出モードにモード移行している。また、図32の(c)は、保留表示M3による確定飾り図柄(「5」「6」「5」)が停止表示された場面である。
図31及び図32は、第1始動入賞があった場合の例であったが、第2始動入賞があった場合について説明する。図33の(a)は、図31の(a)と同様の場面である。図33の(b)は、図31の(b)と同様の場面である。図33の(c)は、図31の(c)と同様の場面である。図31の(d)の場面から第2始動条件が成立したときは(第2始動入賞があったときは)、演出制御用CPU120は、保留変化演出初期化決定処理(ステップS164)を実行する。保留変化演出初期化決定処理では、当該入賞は大当りであるか否かを判定する(ステップS640)。上記判定において、大当りでないと判定したものとする(ステップS640;No)。
続いて、演出制御用CPU120は、保留追加処理(ステップS165)を実行する。第2始動条件の成立時に実行する保留追加処理(ステップS165)では、第1始動条件の成立時に実行する保留追加処理(ステップS162)とは異なり、単に、新たな保留表示(保留表示M4)として白色(初期色)の保留表示を第2始動入賞記憶表示エリア5HRに追加する。図33の(d)は、保留追加後の場面である。また、図33の(e)は、保留表示M1による確定飾り図柄(「5」「1」「7」)が停止表示された場面である。
図33の(e)の場面から第2開始条件が成立したときは、演出制御用CPU120は、モード切替実行設定処理(ステップS530)を実行する。モード切替実行設定処理では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに第1態様(文字「ゾーン!」)の保留表示(保留表示M3)があるため(ステップS711;Yes)、第3演出モードへの実行設定を行う(ステップS712)。
続く保留消化処理(ステップS531)では、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示(保留表示M4)を実行中保留表示エリアにシフトする。なお、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(保留表示M2、保留表示M3)はシフトしないため、保留表示M2の表示態様(文字「ゾーン!」)や、保留表示M3の表示態様(黄色)は変化させない。図33の(f)は、保留表示M4による可変表示中の場面である。また、図34の(a)は、保留表示M4による確定飾り図柄(「0」「6」「3」)が停止表示された場面である。なお、図33の(f)及び図34の(a)に示すように、第3演出モード中(「〜 戦闘モード 〜」の表示中)は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示(保留表示M2、保留表示M3)は非表示になっている。
図34の(a)の場面から第1開始条件が成立したときは、演出制御用CPU120は、モード切替実行設定処理(ステップS530)を実行する。モード切替実行設定処理では、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、今回の飾り図柄の可変表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、保留データ(保留表示M2)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として)、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報が格納されているため(ステップS702;Yes)、第2演出モードへの実行設定を行う(ステップS703)。
続く保留消化処理(ステップS531)では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(保留表示M2、保留表示M3)をシフトする。なお、当該保留消化処理では、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、先頭の保留データ(保留表示M2)や、先頭から2番目の保留データ(保留表示M3)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」や「第1保留変化演出(ゾーン?)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されていないため、表示態様は変化させない。図34の(b)は、保留表示M2による可変表示中の場面である。図34の(b)では、第2演出モード(「〜 先読みゾーン中!! 〜」の表示)にモード移行している。なお、以下、図34の(c)〜図34の(e)は、図31の(a)〜図31の(c)と同様であるため、説明を省略する。
図33及び図34は、第2始動入賞が大当りとならない場合の例であったが、第2始動入賞が大当りとなる場合について説明する。第2始動入賞が大当りとなる場合には、図34に代えて、例えば、図35のようには表示される。即ち、図33の(a)→図33の(b)→、…、→図33の(f)→図35の(a)→図35の(b)→図35の(c)のようになる。
図33の(c)の場面から第2始動条件が成立したときは、演出制御用CPU120は、保留変化演出初期化決定処理(ステップS164)を実行する。保留変化演出初期化決定処理では、当該入賞は大当りであるか否かを判定する(ステップS640)。上記判定において、大当りであると判定したものとする(ステップS640;Yes)。
続いて、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、何れかの第1始動口入賞指定コマンドに対応付けられているコマンドのバッファ番号に関連する情報として、保留表示M2に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報が格納されているため(ステップS641:Yes)、当該記憶内容を初期化する(ステップS642)。また、ステップS642の処理では、演出制御用CPU120は、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報を削除するため、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値を、第3演出モードに移行させるための値とする。また、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、保留表示M3に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第2保留変化演出(黄)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報が格納されているため(ステップS643:Yes)、当該記憶内容を初期化する(ステップS644)。
続いて、演出制御用CPU120は、保留追加処理(ステップS165)を実行する。図33の(d)は、保留追加後の場面である。また、図33の(e)は、保留表示M1による確定飾り図柄(「5」「1」「7」)が停止表示された場面である。図33の(e)の場面から第2開始条件が成立したときは、演出制御用CPU120は、モード切替実行設定処理(ステップS530)を実行する。モード切替実行設定処理では、演出モードフラグの値が第3演出モードに移行させるための値であるため(ステップS711;Yes)、第3演出モードへの実行設定を行う(ステップS712)。
続く保留消化処理(ステップS531)では、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示(保留表示M4)を実行中保留表示エリアにシフトする。図33の(f)は、保留表示M4による可変表示中の場面である。図35の(a)は、保留表示M4による確定飾り図柄(「7」「7」「7」)が停止表示された場面である。図35の(b)は、大当り遊技状態の開始を示す演出画像(「大当り!!」)が表示された場面である。図35の(c)は、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示(保留表示中(保留表示M2による可変表示中)の場面である。なお、図33の(f)及び図35の(a)に示すように、第3演出モード中(「〜 戦闘モード 〜」の表示中)は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示(保留表示M2、保留表示M3)は非表示になっている。また、図35の(c)に示すように、保留表示M2の表示態様や、保留表示M3の表示態様は、「大当り」になった後に初期化(白色)される。なお、図35の(c)に示す、保留表示M5、保留表示M6、保留表示M7は、例えば、ラウンド遊技中などに入賞したものである。
以上、本発明の第1の実施形態による遊技機1について説明したが、第1の実施形態による遊技機1では、ステップS161の第2保留変化演出決定手段において、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに、文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様の保留記憶がある場合には、図25に示した決定割合に比べて、赤色(HPB−1)や黄色(HPB−2)や青色(HPB−3)の決定割合が制限された図26(A)に示した決定割合に従って、赤色(HPB−1)、黄色(HPB−2)、青色(HPB−3)、白色(HPB−4)の何れかを決定(ステップS626)することにより、赤色や黄色や青色の保留表示を追加する演出やシフト時に保留表示を赤色や黄色や青色に変化させる演出の実行を制限している。当該構成により、文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様の保留記憶よりも後に消化される保留記憶の表示態様について、赤色、黄色、青色への変化が制限される。よって、背景変化演出の実行(第2演出モードへの移行)の可能性を示唆するとともに、以後の保留記憶に対して期待感を好適に維持することができる。なお、図26(A)の設定例では、大当り時にもハズレ時も、図25の設定例に比べ、赤色(HPB−1)や黄色(HPB−2)や青色(HPB−3)の決定割合を制限しているが、大当り時又はハズレ時の何れか一方において、赤色(HPB−1)や黄色(HPB−2)や青色(HPB−3)の決定割合を制限してもよい。
また、ステップS626の処理において、図26(A)に示した決定割合に従って第2保留変化演出パターンを決定することに代えて、図26(B)に示した決定割合に従って第2保留変化演出パターンを決定するようにしてもよい。図26(B)の設定例の場合、図25の設定例に比べ、赤色(HPB−1)と黄色(HPB−2)の決定割合は制限されておらず、青色(HPB−3)の決定割合が制限されている。なお、大当りの期待度は、青色(HPB−3)<所定の割合(特定割合)<黄色(HPB−2)となるようにしてもよい。当該構成により、背景変化演出のターゲットである保留記憶の表示態様が、大当り期待度が余り高くない青色などに変化することが制限される。よって、期待感の低下を防止することができる。また、図26(B)の設定例では、大当り時にもハズレ時も、図25の設定例に比べ、青色(HPB−3)の決定割合を制限しているが、大当り時又はハズレ時の何れか一方において、青色(HPB−3)の決定割合を制限してもよい。
なお、第1の実施形態による遊技機1では、始動入賞があった場合に、当該始動入賞の保留表示に対し、赤色や黄色や青色に変化させているが、他の保留表示に対し、赤色や黄色や青色に変化させるようにしてもよい。具体的には、例えば、演出制御用CPU120は、ステップS626の処理において、図26(A)や図26(B)に示した決定割合に従って、当該始動入賞に対する第2保留変化演出パターンを決定することに加え、図36(A)に示した決定割合に従って、当該始動入賞時において既に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに青色にて表示されている1以上の保留表示に対する格上演出パターンを決定する。格上演出パターンにおける格上演出とは、既に表示されている大当り期待度が低い表示態様(例えば、青色)の保留表示を、より大当り期待度が高い表示態様(例えば、赤色や黄色)に変化(格上、昇格)させる第2保留変化演出の一態様である。なお、単に、第2保留変化演出というときに格上演出を含む概念である場合もある。
図36(A)に示した格上演出パターン「HPD−1」(単に「HPD−1」とも表記する)は、保留表示を青色から赤色に変化させる格上変化演出(「格上演出(青→赤)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。格上演出パターン「HPD−2」(単に「HPD−2」とも表記する)は、保留表示を青色から黄色に変化させる格上変化演出(「格上演出(青→黄)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。格上演出パターン「HPD−3」(単に「HPD−3」とも表記する)は、青色の保留表示を変化させない格上変化演出(「格上演出(青のまま)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。
図36(A)の設定例によれば、大当り時には、先に実行した第1保留変化演出決定処理(ステップS160)において「HPA−1」を決定しているときは「HPD−1」は10%、「HPD−2」は40%、「HPD−3」は50%の割合で決定され、先に実行した第1保留変化演出決定処理(ステップS160)において「HPA−3」を決定しているときは「HPD−1」は0%、「HPD−2」は30%、「HPD−3」は70%の割合で決定される。また、ハズレ時には、先に実行した第1保留変化演出決定処理(ステップS160)において「HPA−1」を決定しているときは「HPD−1」は5%、「HPD−2」は20%、「HPD−3」は75%の割合で決定され、先に実行した第1保留変化演出決定処理(ステップS160)において「HPA−3」を決定しているときは「HPD−1」は0%、「HPD−2」は10%、「HPD−3」は90%の割合で決定される。
図36(A)の設定例によれば、ハズレ時に比べ大当り時の方が、格上演出が実行され易くなっている。また、図36(A)の設定例によれば、赤色への格上演出に比べ、黄色への格上演出が実行され易くなっている。また、図36(A)の設定例によれば、「第1保留変化演出(ゾーン?)」が実行される場合に比べ「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行される場合の方が、格上演出が実行され易くなっている。
また、演出制御用CPU120は、ステップS626の処理において、図36(A)に示した決定割合に従って、既に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに青色にて表示されている1以上の保留表示に対する格上演出パターンを決定することに代えて、又は、加えて、図36(B)に示した決定割合に従って、既に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに白色にて表示されている1以上の保留表示に対する格上演出パターンを決定してもよい。図36(B)に示した格上演出パターン「HPE−1」(単に「HPE−1」とも表記する)は、保留表示を白色から赤色に変化させる格上変化演出(「格上演出(白→赤)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。格上演出パターン「HPE−2」(単に「HPE−2」とも表記する)は、保留表示を白色から黄色に変化させる格上変化演出(「格上演出(白→黄)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。格上演出パターン「HPE−3」(単に「HPE−3」とも表記する)は、保留表示を白色から青色に変化させる格上変化演出(「格上演出(白→青)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。格上演出パターン「HPE−4」(単に「HPE−4」とも表記する)は、白色の保留表示を変化させない格上変化演出(「格上演出(白のまま)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。
図36(A)と図36(B)の設定例によれば、格上対象の保留表示(既に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている保留表示)が白色の場合も青色の場合も、何れかの色への格上演出が実行される割合は同一である。更に、図36(A)と図36(B)の設定例によれば、格上対象の保留表示が白色の場合も青色の場合も、1段階の格上演出が実行される割合(図36(A)の青→黄の決定割合、図36(B)の白→青の決定割合)や、2段階以上の格上演出が実行される割合(図36(A)の青→赤の決定割合、図36(B)の白→黄と白→赤の決定割合)は、同一である。よって、格上対象の保留表示が白色であっても青色であっても、同じように格上演出を期待することができる。なお、格上対象の保留表示が白色の場合と青色の場合とで、何れかの色への格上演出が実行される割合や、1段階の格上演出が実行される割合や、2段階以上の格上演出が実行される割合を、異ならせてもよい。
また、図36(A)は、第1保留変化演出及び背景変化演出の両方を実行する第1保留変化演出パターン(「HPA−1」「HPA−3」)が決定されている場合における、格上演出パターン(「HPD−1」「HPD−2」「HPD−3」)の決定割合を示しているが、第1保留変化演出又は背景変化演出の少なくとも一方を実行しない第1保留変化演出パターン(「HPA−2」「HPA−4」「HPA−5」「HPA−6」)が決定されている場合には、格上演出を実行しない格上演出パターン(「HPD−3」)を決定する。但し、第1保留変化演出又は背景変化演出の少なくとも一方を実行しない第1保留変化演出パターンが決定されている場合において、格上演出を実行する格上演出パターン(「HPD−1」「HPD−2」)が決定される場合があるようにしてもよい。同様に、図36(B)は、第1保留変化演出及び背景変化演出の両方を実行する第1保留変化演出パターンが決定されている場合における、格上演出パターン(「HPE−1」「HPE−2」「HPE−3」「HPE−4」)の決定割合を示しているが、第1保留変化演出又は背景変化演出の少なくとも一方を実行しない第1保留変化演出パターンが決定されている場合には、例えば、格上演出を実行しない格上演出パターン(「HPE−4」)を決定する。但し、第1保留変化演出又は背景変化演出の少なくとも一方を実行しない第1保留変化演出パターンが決定されている場合において、格上演出を実行する格上演出パターン(「HPE−1」「HPE−2」「HPE−3」)が決定される場合があるようにしてもよい。
図37は、画像表示装置5における表示動作例を示す図である。具体的には、図37の(a)〜(e)は、図36(A)及び図36(B)の設定例の格上演出を実行する場合の画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものである。図37の(a)は、実行中保留表示エリアに保留表示M0(白色)が表示され、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示M1(白色)、保留表示M2(白色)及び保留表示M3(白色)が表示されている場面である。図37の(a)の場面から第1始動条件が成立したときは(第1始動入賞があったときは)、演出制御用CPU120は、第1保留変化演出決定処理(ステップS160)を実行する。第1保留変化演出決定処理では、現在、第2演出モード中でも第3演出モード中でもなく(ステップS601;No,ステップS602;No)、第1保留変化演出の内容も記憶していないため(ステップS603;No)、図23に示すような決定割合で、第1保留変化演出パターンを決定する(ステップS604)。上記決定処理において、例えば、「第1保留変化演出(ゾーン!)」と背景変化演出とを実行する「HPA−1」を決定したものとする。続いて、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの3個の保留表示があるため、先頭から2番目の保留データ(保留表示M2)において第1保留変化演出を実行すると決定する(ステップS606)。続いて、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、ステップS606において第1保留変化演出を実行すると決定された保留データ(保留表示M2)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、ステップS604において決定された「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納する(ステップS607)。続いて、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、ステップS606において第1保留変化演出を実行すると決定された保留データ(保留表示M2)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報(第2演出モードに移行させる保留データである旨の情報)を格納するとともに、当該始動入賞の保留データ(保留表示M4)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を終了する保留データ(実行終了保留データ)である旨の情報(第2演出モードを終了させる保留データである旨の情報)を格納する。
続いて、演出制御用CPU120は、第2保留変化演出決定処理(ステップS161)を実行する。第2保留変化演出決定処理では、現在、第2演出モード中でも第3演出モード中でもなく(ステップS621;No,ステップS622;No)、先の第1保留変化演出決定処理(ステップS160)において、当該入賞の保留表示(保留表示M4)以外の保留表示(保留表示M2)において「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行すると決定しているため(ステップS623;Yes、ステップS624;No)、例えば図26(A)に示すような決定割合で、第2保留変化演出パターンを決定する(ステップS626)。上記決定処理において、例えば、「第2保留変化演出(黄)」を実行する「HPB−2」を決定したものとする。続いて、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、当該始動入賞の保留データ(保留表示M4)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、ステップS626において決定された「第2保留変化演出(黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納する(ステップS628)。
更に、ステップS626の処理では、演出制御用CPU120は、格上演出パターンを決定する。但し、図37の(a)に示すように、第1始動入賞記憶表示エリア5HLには青色の保留表示はなく白色の保留表示のみであるため、図36(A)に示した格上演出パターンは決定せずに図36(B)に示した格上演出パターンのみを決定する。また、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている保留表示M1、保留表示M2、保留表示M3のうち、保留表示2は既に「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行すると決定しているため、残る保留表示M1、保留表示M3を対象に格上演出パターンを決定する(ステップS626)。上記決定処理において、例えば、保留表示M1に対して「格上演出(白のまま)」を実行する「HPE−4」を決定し、保留表示M3に対して「格上演出(白→青)」を実行する「HPE−3」を決定したものとする。続いて、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、格上演出を実行する保留データ(保留表示M3)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「格上演出(白→青)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納する(ステップS628)。
続いて、演出制御用CPU120は、保留追加処理(ステップS162)を実行する。保留追加処理では、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、追加する保留データ(保留表示M4)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第2保留変化演出(黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されているため、新たな保留表示として黄色の保留表示を第1始動入賞記憶表示エリア5HLに追加する。図37の(b)は、保留追加後の場面である。また、図37の(c)は、保留表示M0による確定飾り図柄(「4」「8」「2」)が停止表示された場面である。
図37の(c)の場面から第1開始条件が成立したときは、演出制御用CPU120は、モード切替実行設定処理(ステップS530)を実行する。モード切替実行設定処理では、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、今回の飾り図柄の可変表示に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として(即ち、保留データ(保留表示M1)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として)、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報や、景変化演出の実行を終了する保留データ(実行終了保留データ)である旨の情報が格納されていないため(ステップS702;No,ステップS704;No)、また、現在、第3演出モード中でもないため(ステップS706;No)、他の演出モードへの実行設定は行わない。
続いて、演出制御用CPU120は、保留消化処理(ステップS531)を実行する。保留消化処理では、演出制御用CPU120は、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの保留表示(保留表示M1、保留表示M2、保留表示M3、保留表示M4)をシフトする。また、当該保留消化処理では、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、先頭から2番目の保留データ(保留表示M2)に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されているため、当該保留表示(保留表示M2)をシフトするとともに表示態様を文字「ゾーン!」に変化させる。また、上述の「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。
更に、当該保留消化処理では、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、保留表示M3に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「格上演出(白→青)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報が格納されているため、当該保留表示(保留表示M3)をシフトするとともに表示態様を白色から青色に変化(格上)させる。また、上述の「格上演出(白→青)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を、「格上演出(白→青)」を実行している保留データ(実行中対象保留データ)である旨の情報に更新する。図37の(d)は、保留表示M1による可変表示中の場面である。また、図37の(e)は、保留表示M1による確定飾り図柄(「5」「1」「7」)が停止表示された場面である。図37の(e)では、白色であった保留表示M3が青色に格上されている。なお、保留表示数などが異なる点を除き、図31の(e)以下の動作と同様であるため、以下の説明を省略する。
なお、上記説明では、第1保留変化演出を実行すると決定している保留表示よりも先に消化される保留表示も、格上演出の対象としているが、第1保留変化演出を実行すると決定している保留表示よりも先に消化される保留表示は格上演出の対象外としてもよい。例えば、上記例の場合、演出制御用CPU120は、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行すると決定している保留表示M2と当該始動入賞による保留表示M4との間にある保留表示M3のみを格上演出の対象としてもよい。
なお、第1の実施形態による遊技機1による、第2保留変化演出の実行を制限する態様として、第2保留変化演出の決定割合を下げる(ゼロにはしない)例を挙げているが、第2保留変化演出の決定割合をゼロにしてもよい。即ち、例えば、図26(A)に示した決定割合は、図25に示した決定割合に比べ、「第2保留変化演出(赤)」「第2保留変化演出(黄)」「第2保留変化演出(青)」の夫々の決定割合を下げているが(ゼロとはなっていない)が、「第2保留変化演出(赤)」「第2保留変化演出(黄)」「第2保留変化演出(青)」の夫々の決定割合をゼロにしてもよい(即ち、図26(A)において、「HPB−1」を0%、「HPB−2」を0%、「HPB−3」を0%、「HPB−4」を100%としてもよい)。なお、大当り時かハズレ時の何れか一方において上記決定割合をゼロとしてもよいし、大当り時とハズレ時の両方において上記決定割合をゼロとしてもよい。また、例えば、図26(B)に示した決定割合は、図25に示した決定割合に比べ、「第2保留変化演出(青)」の決定割合を下げているが(ゼロとはなっていない)が、「第2保留変化演出(青)」の決定割合をゼロにしてもよい(即ち、図26(B)において、「HPB−3」を0%としてもよい)。なお、大当り時か、ハズレ時の何れか一方をゼロとしてもよいし、両方ともゼロにしてもよい。つまり、第2保留変化演出の実行を制限するというときは、第2保留変化演出を実行しない場合と、実行するものの実行される割合(実行頻度)を少なくする場合とが含まれる。また、第2保留変化演出の実行を制限するというときには、態様が異なる複数の第2保留変化演出(「第2保留変化演出(赤)」「第2保留変化演出(黄)」「第2保留変化演出(青)」)のうちの少なくとも1つについて、実行を制限する(実行しない、又は、実行頻度を少なくする)場合も含まれる。なお、「第2保留変化演出(赤)」「第2保留変化演出(黄)」「第2保留変化演出(青)」の夫々の決定割合を仮にゼロにしようとするときには、当該夫々の決定割合をゼロにすることに代えて、第1保留変化演出の実行を決定しているときに(ステップS623;Yes)、第2保留変化演出決定処理を終了させるようにしてもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)による遊技機1では、第1始動入賞時に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が1つもないときは、当該入賞による保留記憶の表示態様を文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様に変化させる。当該構成により、背景変化演出のターゲットである保留記憶の表示態様が、文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様に変化する場合がある。よって、赤色(HPB−1)などの表示態様の保留記憶に加えて、文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様に変化した保留記憶に対しても期待をさせることができるため、興趣が向上する。
なお、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)による遊技機1では、第1始動入賞時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が1つもないという条件(特別条件)が成立した場合に、当該第1始動入賞時による保留記憶の表示態様を文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様に変化させているが、上記特別条件の内容は上記に限定されない。例えば、第1始動入賞時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が1つもなく、かつ、当該第1始動入賞が「大当り」である場合に、当該第1始動入賞時による保留記憶の表示態様を文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様に変化させるようにしてもよい。また、第1始動入賞時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに1個の保留表示が存在し、かつ、当該1個の保留表示の消化時において背景変化演出を実行(第2演出モードに移行)できない場合(例えば、当該1個の保留表示による可変表示の演出態様が背景変化演出と両立できないものである場合など)や、第1始動入賞時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに2個以上の保留表示が存在し、かつ、それらの保留表示の消化時において背景変化演出を実行できない場合に、当該第1始動入賞時による保留記憶の表示態様を文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様に変化させるようにしてもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)による遊技機1では、図23に示すように、背景変化演出が実行される場合と背景変化演出が実行されない場合とで、文字「ゾーン!」の決定割合や、文字「ゾーン?」の決定割合を異ならせることにより、背景変化演出を実行するか否かに応じて文字「ゾーン!」又は文字「ゾーン?」の何れに変化させるかの決定割合を異ならせるようにしている。当該構成によれば、背景変化演出の実行(第2演出モードの移行)のターゲットとなった保留記憶より前(先)に消化される保留記憶の表示態様が、背景変化演出が実行される可能性に応じて、文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」に変化する。従って、好適な頻度で背景変化演出が実行されることを示唆でき興趣が向上する。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態と、第2保留変化演出パターンの決定割合が異なる(他は共通である)。図38は、第2保留変化演出パターンの決定割合の設定例を示す図である。第2の実施形態では、ステップS626の処理において、図38(A)に示した決定割合に従って第2保留変化演出パターンを決定する。図38(A)の設定例の場合、図25の設定例に比べ、赤色(HPB−1)、黄色(HPB−2)、青色(HPB−3)の決定割合を高くしている。
つまり、第2の実施形態による遊技機1では、ステップS161の第2保留変化演出決定手段において、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに、文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様の保留記憶がある場合には、図25に示した決定割合に比べて、赤色(HPB−1)や黄色(HPB−2)や青色(HPB−3)の決定割合が高い図38(A)に示した決定割合に従って、赤色(HPB−1)、黄色(HPB−2)、青色(HPB−3)、白色(HPB−4)の何れかを決定(ステップS626)することにより、赤色や黄色や青色の保留表示を追加する演出やシフト時に保留表示を赤色や黄色や青色に変化させる演出の実行割合を高めている。当該構成により、文字「ゾーン!」や文字「ゾーン?」を表した表示態様の保留記憶よりも後に消化される保留記憶の表示態様について、赤色、黄色、青色への変化がし易くなる。よって、背景変化演出の実行(第2演出モードへの移行)の可能性を示唆するとともに、以後の保留記憶に対して期待感を好適に維持することができる。なお、図38(A)の設定例では、大当り時にもハズレ時も、図25の設定例に比べ、赤色(HPB−1)や黄色(HPB−2)や青色(HPB−3)の決定割合を高くしているが、大当り時又はハズレ時の何れか一方において、赤色(HPB−1)や黄色(HPB−2)や青色(HPB−3)の決定割合を高くしてもよい。
なお、ステップS626の処理において、図38(A)に示した決定割合に従って第2保留変化演出パターンを決定することに代えて、図38(B)に示した決定割合に従って第2保留変化演出パターンを決定してもよい。図38(A)の設定例の場合、図25の設定例に比べ、大当り期待度が高い態様(赤色(HPB−1)、黄色(HPB−2))の決定割合を高くしている。当該構成により、背景変化演出のターゲットである保留記憶の表示態様が、大当り期待度が高い赤色などに変化し易くなる。また、図28(B)の設定例では、大当り時にもハズレ時も、図25の設定例に比べ、赤色(HPB−1)や黄色(HPB−2)の決定割合を高くしているが、大当り時又はハズレ時の何れか一方において、赤色(HPB−1)や黄色(HPB−2)の決定割合を高くしてもよい。
なお、第2の実施形態による遊技機1では、始動入賞があった場合に、当該始動入賞の保留表示に対し、赤色や黄色や青色に変化させているが、他の保留表示に対し、赤色や黄色や青色に変化させるようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、ステップS626の処理において、図38(A)や図38(B)に示した決定割合に従って、当該始動入賞に対する第2保留変化演出パターンを決定することに加え、図39(A)に示した決定割合に従って、当該始動入賞時において既に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている1以上の保留表示に対する第2保留変化演出パターンを決定する。
図39(A)に示した第2保留変化演出パターン「HPB−1」は、保留表示を赤色に変化させる第2保留変化演出(「第2保留変化演出(赤)」)を実行する旨を示したパターンである。第2保留変化演出パターン「HPB−2」は、保留表示を黄色に変化させる第2保留変化演出(「第2保留変化演出(黄)」)を実行する旨を示したパターンである。第2保留変化演出パターン「HPB−3」は、保留表示を青色に変化させる第2保留変化演出(「第2保留変化演出(青)」)を実行する旨を示したパターンである。第2保留変化演出パターン「HPB−4」は、第2保留変化演出を実行しない旨(元のままま)を示したパターンである。図39(A)の設定例によれば、複数の保留記憶の表示態様が第2態様に変化される場合がある。従って、ターゲットの保留記憶が分かりづらくなるので、複数の保留記憶に期待を持つことができ興趣が向上する。
図39(A)の設定例の第2保留変化演出パターンの対象は、第1保留変化演出の対象となる保留表示、当該始動入賞による保留表示(図38の設定例の第2保留変化演出パターンの対象となる保留表示)以外の保留表示である。例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの3個の保留表示がある状態において、4個目の保留表示となる第1始動入賞があった場合、図39(A)の設定例の第2保留変化演出パターンの対象は、第1保留変化演出の対象となる保留表示(先頭から2番目の保留表示)や、当該始動入賞による保留表示(先頭から4番目の保留表示)に該当しない、2個の保留表示(先頭の保留表示、先頭から3番目の保留表示)である。
なお、第1保留変化演出の対象となる保留表示と、当該始動入賞による保留表示との間にある保留表示を図39(A)の設定例の第2保留変化演出パターンの対象としてもよい。例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの3個の保留表示がある状態において、4個目の保留表示となる第1始動入賞があった場合、第1保留変化演出の対象となる保留表示(先頭から2番目の保留表示)と、当該始動入賞による保留表示(先頭から4番目の保留表示)との間にある1個の保留表示(先頭から3番目の保留表示)が、図39(A)の設定例の第2保留変化演出パターンの対象となる。
また、図39(A)の設定例における「HPB−1」や「HPB−2」や「HPB−3」の決定割合は、図25の設定例と図38(A)の設定例の間の値としているが、図39(A)の設定例における「HPB−1」や「HPB−2」の決定割合を、図25の設定例と図38(B)の設定例の間の値としてもよい。また、図39(A)の設定例によれば、「HPB−1」〜「HPB−4」の決定割合は、第1保留変化演出の決定結果とは無関係であるが、例えば、図36に示した格上演出パターンの決定割合などのように、第1保留変化演出の決定結果に応じた決定割合としてもよい。
また、他の保留表示に対する第2保留変化演出は、当該他の保留表示の表示態様が格下(降格)となる場合であっても格上(昇格)となる場合であっても実行する。例えば、ある他の保留表示(黄色)に対して、図39(A)の「HPB−1」が決定された場合には、当該他の保留表示を黄色から赤色に格上させる。図39(A)の「HPB−2」が決定された場合には、当該他の保留表示を黄色のままとする(「HPB−4」が決定された場合と同様)。図39(A)の「HPB−3」が決定された場合には、当該他の保留表示を黄色から青色に格下させる。図39(A)の「HPB−4」が決定された場合には、当該他の保留表示を黄色のままとする。なお、他の保留表示に対する第2保留変化演出は、当該他の保留表示の表示態様が格下となる場合には実行せずに、格上となる場合にのみ実行してもよい。例えば、ある他の保留表示(黄色)に対して、図39(A)の「HPB−1」が決定された場合には、当該他の保留表示を黄色から赤色に格上させる。図39(A)の「HPB−2」「HPB−3」「HPB−4」が決定された場合には、当該他の保留表示を黄色のままとしてもよい。
なお、第2の実施形態による遊技機1では、始動入賞があったときに1個の保留記憶に対し、夫々、1回、第2保留変化演出を実行しているが、1個の保留記憶に対し、2回以上、第2保留変化演出を実行するようにしてもよい。例えば、演出制御用CPU120は、ステップS626の処理において、図38(A)や図38(B)に示した決定割合に従って第2保留変化演出を実行することに代えて、図39(B)に示した決定割合に従って第2保留変化演出を実行するようにしてもよい。当該構成によれば、保留変化演出が複数回実行されるので、徐々にターゲットとなる保留記憶に対する期待度を上げることができ興趣が向上する。
図39(B)に示した第2保留変化演出パターン「HPB−11」(単に「HPB−11」とも表記する)は、保留表示を赤色に変化させる第2保留変化演出(「第2保留変化演出(赤)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである(図25等の「HPB−1」と同様である)。第2保留変化演出パターン「HPB−21」(単に「HPB−21」とも表記する)、第2保留変化演出パターン「HPB−31」(単に「HPB−31」とも表記する)、第2保留変化演出パターン「HPB−21」(単に「HPB−41」とも表記する)も同様である。 図39(B)に示した第2保留変化演出パターン「HPB−12」(単に「HPB−12」とも表記する)は、保留表示を黄色、赤色の順に変化させる第2保留変化演出(「第2保留変化演出(黄→赤)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。第2保留変化演出パターン「HPB−13」(単に「HPB−13」とも表記する)、第2保留変化演出パターン「HPB−14」(単に「HPB−14」とも表記する)、第2保留変化演出パターン「HPB−22」(単に「HPB−22」とも表記する)、第2保留変化演出パターン「HPB−23」(単に「HPB−23」とも表記する)も同様である。 図39(B)に示した第2保留変化演出パターン「HPB−15」(単に「HPB−15」とも表記する)は、保留表示を青色、黄色、赤色の順に変化させる第2保留変化演出「第2保留変化演出(青→黄→赤)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。第2保留変化演出パターン「HPB−16」(単に「HPB−16」とも表記する)、第2保留変化演出パターン「HPB−17」(単に「HPB−17」とも表記する)、第2保留変化演出パターン「HPB−24」(単に「HPB−24」とも表記する)も同様である。
図39(B)の設定例によれば、大当り時には、「HPB−11」は6%、「HPB−12」は4%、「HPB−13」は4%、「HPB−14」は4%、「HPB−15」は4%、「HPB−16」は4%、「HPB−17」は4%、「HPB−21」は9%、「HPB−22」は7%、「HPB−23」は7%、「HPB−24」は7%、「HPB−31」は30%、「HPB−41」は10%の割合で決定され、ハズレ時には、「HPB−11」は0.75%、「HPB−12」は0.75%、「HPB−13」は0.75%、「HPB−14」は0.75%、「HPB−15」は0%、「HPB−16」は0%、「HPB−17」は0%、「HPB−21」は2%、「HPB−22」は1%、「HPB−23」は1%、「HPB−24」は1%、「HPB−31」は7%、「HPB−41」は85%の割合で決定される。
なお、図39(B)の設定例では、最終的な表示態様を赤色とする第2保留変化演出パターン(「HPB−11」〜「HPB−17」)の決定割合は、図38(A)の設定例における、表示態様を赤色とする第2保留変化演出パターン(「HPB−1」)の設定割合と同一である。最終的な表示態様を黄色とする第2保留変化演出パターンの決定割合、最終的な表示態様を青色とする第2保留変化演出パターンの設定割合についても同様である。つまり、図39(B)の設定例は、図38(A)の設定例と同様の思想(何れかに変化され易くするという思想)に基づく設定例である。なお、図38(B)の設定例と同様の思想に基づいて、熱い演出態様(例えば、最終的な表示態様を赤色など)に変化され易くしてもよい。
他の保留表示を対象として、図39(B)の第2保留変化演出パターンを決定するときには、図39(A)の場合と同様、当該他の保留表示の表示態様が格下(降格)となる場合であっても格上(昇格)となる場合であっても実行してもよいし、当該他の保留表示の表示態様が格下となる場合には実行せずに、格上となる場合にのみ実行してもよい。
図30(E)は、第1特図保留記憶数が2であるときに(表示位置#11、表示位置#12に保留表示があるときに)の第1始動入賞があり、当該第1始動入賞による保留表示(表示位置#13に追加する保留表示)に対し、表示態様を白色、青色、黄色の順に変化させる「第2保留変化演出(白→青→黄)」を決定し、表示位置#12の保留表示(次回のシフトで表示位置#11にシフトされる保留表示)に対し、保留態様を文字「ゾーン?」に変化させる第1保留変化演出パターン「HPA−4」を決定した場面における、保留表示の表示態様の変化などを説明したものである。枠内(囲み内)に示したように、当該追加する保留表示の表示態様は、シフトに応じて、表示位置#12にシフトされるときに白色から青色に変化し、表示位置#11にシフトされるときに青色から黄色に変化される。即ち、表示態様を順に変化させるタイミングとしては、種々のタイミングが考えられるが、一例として、図30(E)に示すように、先頭にシフトするタイミングにて最終的な表示態様に変化するようにしてもよい。
図40及び図41は、画像表示装置5における表示動作例を示す図である。具体的には、図40の(a)〜(f)は、図39(B)の設定例の第2保留変化演出を実行する場合の画像表示装置5における各場面を時系列に並べたものである。図41の(a)〜(e)は、図40の続きである。図40の(a)は、実行中保留表示エリアに保留表示M0(白色)が表示され、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示M1(白色)、保留表示M2(白色)及び保留表示M3(白色)が表示されている場面である。図40の(a)の場面から第1始動条件が成立したときは(第1始動入賞があったときは)、演出制御用CPU120は、第1保留変化演出決定処理(ステップS160)を実行する。上記決定処理において、演出制御用CPU120は、先頭から2番目の保留データ(保留表示M2)に対し「第1保留変化演出(ゾーン!)」と背景変化演出とを実行する「HPA−1」を決定したものとする(ステップS604、ステップS606)。そして、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第1保留変化演出用のバッファに、保留表示M2に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、「第1保留変化演出(ゾーン!)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納する(ステップS607)。また、RAM122などに設けられる背景変化演出用のバッファに、保留表示M2に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を開始する保留データ(実行開始保留データ)である旨の情報(第2演出モードに移行させる保留データである旨の情報)を格納するとともに、保留表示M4に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として、背景変化演出の実行を終了する保留データ(実行終了保留データ)である旨の情報を格納する。
続いて、演出制御用CPU120は、第2保留変化演出決定処理(ステップS161)を実行する。上記決定処理において、演出制御用CPU120は、保留表示M4に対し、「第2保留変化演出(白→青→黄)」を実行する「HPB−24」を決定し、保留表示M3に対し、「第2保留変化演出(白→黄)」を実行する「HPB−23」を決定したものとする(ステップS626)。そして、演出制御用CPU120は、RAM122などに設けられる第2保留変化演出用のバッファに、保留表示M4に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として「第2保留変化演出(白→青→黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納するとともに、保留表示M3に対応するコマンドのバッファ番号に関連する情報として「第2保留変化演出(白→黄)」を実行する保留データ(実行前対象保留データ)である旨の情報を格納する(ステップS628)。
図40の(b)は、保留追加後の場面である。また、図40の(c)は、保留表示M0による確定飾り図柄(「4」「8」「2」)が停止表示された場面である。なお、本フローチャートの例では、「第2保留変化演出(白→青→黄)」を実行する保留表示M4の表示態様を変化させるタイミングとして、先頭から2番目の位置にシフトされるときに最終的な表示態様(黄色)の1つ前の表示態様(青色)に変化させるとともに、先頭にシフトされるときに最終的な表示態様(黄色)に変化させるようにいる。また、「第2保留変化演出(白→黄)」を実行する保留表示M3の表示態様を変化させるタイミングとして、先頭にシフトされるときに最終的な表示態様(黄色)に変化させるようにいる。
図40の(d)は、保留表示M1による可変表示中の場面である。図40の(e)は、保留表示M1による確定飾り図柄(「5」「1」「7」)が停止表示された場面である。図40の(f)は、保留表示M2による可変表示中の場面である。図41の(a)は、保留表示M2による確定飾り図柄(「0」「6」「3」)が停止表示された場面である。図40の(f)では、第2演出モード(「〜 先読みゾーン中!! 〜」の表示)にモード移行している。また、図40の(f)では、第2保留変化演出用のバッファに格納された情報に基づき、保留表示M4が白色から青色に変化し、保留表示M3が白色から黄色に変化している。図41の(b)は、保留表示M3による可変表示中の場面である。図41の(c)は、保留表示M3による確定飾り図柄(「3」「7」「1」)が停止表示された場面である。また、図41の(b)では、第2保留変化演出用のバッファに格納された情報に基づき、保留表示M4が青色から黄色に変化している。図41の(d)は、保留表示M4による可変表示中の場面である。図41の(e)は、保留表示M4による確定飾り図柄(「5」「6」「5」)が停止表示された場面である。図41の(d)では、第1演出モードにモード移行している。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態や第2の実施形態では、ステップS626の処理において、ステップS625の処理とは決定割合は異なるものの、第2保留変化演出(第2態様)としてステップS625の処理と同じ表示態様(例えば、赤色や黄色や青色)を決定していたが、第3の実施形態では、ステップS626の処理において、第2保留変化演出とは異なる第3保留変化演出(第3態様)としてステップS625の処理と異なる表示態様(例えば、下記のキャラクタ画像など)を決定する。例えば、第3の実施形態では、第3保留変化演出パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された第3保留変化演出決定テーブル(非図示)を選択してセットする。第3保留変化演出決定テーブルでは、当該始動入賞の保留情報(始動入賞時受信コマンドバッファ194Aに記憶された変動カテゴリコマンドや保留記憶数通知コマンドの指定内容など)に応じて、第3保留変化演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数の第3保留変化演出パターンなどに、割り当てられていればよい。その後、演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御カウンタ設定部193のランダムカウンタなどから抽出した第3保留変化演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、例えば、図42に示すような割合で、第3保留変化演出パターンを決定すればよい。つまり、第3の実施形態では、ステップS626の処理において、図42に示した決定割合に従って第3保留変化演出パターンを決定する点が異なる(他は、他の実施形態と共通である)。
図42は、第3保留変化演出パターンの決定割合の設定例を示す図である。第3の実施形態では、ステップS626の処理において、図42に示した決定割合に従って第3保留変化演出パターンを決定する。図42は、第3保留変化演出パターンの決定割合の設定例を示す図である。図42に示した第3保留変化演出パターン「HPC−1」(単に「HPC−1」とも表記する)は、保留表示を特別態様(キャラクタ画像。例えば、遊技機1に登場するキャラクタの顔を表した画像、キャラクタの形状を表した画像など)に変化させる第3保留変化演出(「第3保留変化演出(キャラクタ)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。第3保留変化演出パターン「HPC−2」(単に「HPC−2」とも表記する)は、保留表示を特別態様(メインアイテム画像。例えば、遊技機1に登場するメインのアイテムの形状を表した画像など)に変化させる第3保留変化演出(「第3保留変化演出(メインアイテム)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。第3保留変化演出パターン「HPC−3」(単に「HPC−3」とも表記する)は、保留表示を特別態様(サブアイテム画像。例えば、遊技機1に登場するサブ的なアイテムの形状を表した画像など)に変化させる第3保留変化演出(「第3保留変化演出(サブアイテム)」とも表記する)を実行する旨を示したパターンである。第3保留変化演出パターン「HPC−4」(単に「HPC−4」とも表記する)は、第3保留変化演出を実行しない旨(通常態様のまま表示する旨)を示したパターンである。当該構成によれば、表示態様を第1態様に変化させる保留記憶よりも後に消化される保留記憶の表示態様が、いつもとは異なる第3態様(即ち、青色や黄色や赤色とは異なる、キャラクタ画像、メインアイテム画像、サブキャラクタ画像)に変化する。従って、先読み演出が行われることを事前に示唆するとともに、以後の保留記憶に対して期待感を好適に維持することができる。
また、図25の設定例と図42の設定例を比較すると、図42の設定例の「HPC−1」の決定割合は図25の設定例の「HPB−1」の決定割合よりも高く、図42の設定例の「HPC−2」の決定割合は図25の設定例の「HPB−2」の決定割合よりも高く、図42の設定例の「HPC−3」の決定割合は、図25の設定例の「HPB−3」の決定割合よりも高くしている。当該構成によれば、表示態様が第1態様に変化しないときに表示態様が第2態様に変化する割合に比べ、表示態様が第1態様に変化したときに表示態様が第3態様に変化する割合が高くなる。つまり、先読み演出が実行されることを示唆する保留表示の後は保留変化演出が実行され易く、また、目立つようになるので、以後の保留記憶に対して期待感を好適にできる。
なお、図42の設定例では、表示態様をキャラクタ画像とする第3保留変化演出パターン「HPC−1」の設定割合は、図38(A)の設定例における、表示態様を赤色とする第2保留変化演出パターン(「HPB−1」)の設定割合と同一である。また、表示態様をメインアイテム画像とする第3保留変化演出パターン「HPC−2」の設定割合は、図38(A)の設定例における、表示態様を黄色とする第2保留変化演出パターン(「HPB−2」)の設定割合と同一である。また、表示態様をサブアイテム画像とする第3保留変化演出パターン「HPC−3」の設定割合は、図38(A)の設定例における、表示態様を青色とする第2保留変化演出パターン(「HPB−3」)の設定割合と同一である。つまり、図42の設定例は、図38(A)の設定例と同様の思想(何れかに変化され易くするという思想)に基づく設定例である。なお、図38(B)の設定例と同様の思想に基づいて、熱い演出態様(例えば、キャラクタ画像など)に変化され易くしてもよい。
なお、第2の実施形態と同様、第3の実施形態においても、当該始動入賞に対する第3保留変化演出パターンを決定することに加え、当該始動入賞時において既に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている1以上の保留表示に対する第3保留変化演出パターンを決定してもよい。また、第2の実施形態と同様、第3の実施形態においても、1個の保留記憶に対し、段階的に2回以上、第3保留変化演出を実行するようにしてもよい。
なお、各実施形態(第1の実施形態〜第3の実施形態)においては、大当りとなる第2始動入賞があったときに第1演出保留変化演出の内容が記憶されている場合には、保留変化演出初期化決定処理(ステップS164)において、演出制御フラグ設定部191などに設けられた演出モードフラグの値が「第3演出モードに移行させるための値」となるため、モード切替実行設定処理(ステップS530)によって第1始動入賞による可変表示時には制御(移行)されない第3演出モードに制御される。つまり、演出モードが、第1演出モードや第2演出モードから第3演出モードに切り替わる。即ち、第1演出保留変化演出の内容が記憶されている場合に第2始動入賞による可変表示が割り込んだときには、演出の連続性が途切れることになる。従って、遊技者は、演出の対象が異なることを認識することができるとともに、第2演出モード中に第2始動入賞があった場合には、第2演出モードが中断されるので誤解をあたえないようにすることができる。なお、大当りとならない第2始動入賞があったときにも同様の処理を行ってもよい。
また、第3演出モードにおいては、第1始動入賞記憶表示エリア5HLにおける保留表示を非表示としているため、図33の(e)において「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行されていた保留表示M2は、図33の(f)に示すように第3演出モード中(「〜 戦闘モード 〜」の表示中)は非表示となる。また、大当りとなる第2始動入賞があったときに第1演出保留変化演出の内容が記憶されている場合には、保留変化演出初期化決定処理(ステップS164)において、当該記憶内容が初期化されるため、図33の(e)において「第1保留変化演出(ゾーン!)」が実行されていた保留表示M2は、図35の(c)に示すように「大当り」後には初期化(白色)される。従って、特定遊技状態終了後に遊技状態が変化して事前判定手段の判定結果と異なるような演出の不整合の発生を防止することができ、好適に演出が実行できる。なお、大当りとならない第2始動入賞があったときにも同様の処理を行ってもよい。
また、各実施形態(第1の実施形態〜第3の実施形態)においては、大当りとなる第2始動入賞があったときに第1演出保留変化演出の内容が記憶されている場合には、演出制御用CPU120は、始動入賞判定処理(ステップS150)において背景変化演出の実行の有無を決定する第1保留変化演出決定処理(S160)を実行しない。つまり、第1演出保留変化演出の内容が記憶されている場合に第2始動入賞による可変表示が割り込んだときには、第1始動入賞に基づき実行が決定された第1演出保留変化演出に加えて更に、第2始動入賞に基づく第1演出保留変化演出の実行が決定されることはない。これにより、不慮の事態の発生を未然に防止することができる。即ち、第1態様(例えば、文字「ゾーン!」、文字「ゾーン?」など)に変化させた第1始動入賞による保留表示が第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている場合や、第1態様に変化させた第1始動入賞による保留表示に基づく背景変化演出が実行されている場合において、第2始動入賞による第1保留変化演出決定処理の実行を仮に許容してしまうと、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示も第1態様に変化させたり、第1態様に変化させた第2始動入賞による保留表示に基づいて背景変化演出が実行されたりすることもあるため、先に生じた第1始動入賞に基づく第1演出保留変化演出や背景変化演出と、後に生じた第2始動入賞に基づく第1演出保留変化演出や背景変化演出との間に、予期せぬ連続性が出現し、例えば、先読みのターゲット(先の第1始動入賞のターゲット、後の第2始動入賞のターゲットの何れか一方又は両方)が何れであるのかが分かり難くなるという事態が発生し得る。一方、各実施形態(第1の実施形態〜第3の実施形態)では、第1態様に変化させた第1始動入賞による保留表示が第1始動入賞記憶表示エリア5HLに表示されている場合や、第1態様に変化させた第1始動入賞による保留表示に基づく背景変化演出が実行されている場合には、上述の如く、第2始動入賞による第1保留変化演出決定処理を実行しないようにしているため、上述のような事態が発生しない。以上のように、各実施形態によれば、第2始動入賞による可変表示が割り込むことによる、第1始動入賞及び第2始動入賞の先読み演出(第1演出保留変化演出)が交錯することなどによる不慮の事態の発生を未然に防止することができる。換言すれば、第1始動入賞に基づく保留記憶によって背景変化演出が行われることを事前に示唆するとともに、第2始動入賞の割り込みによる不慮の事態にも好適に対応することができる。なお、大当りとならない第2始動入賞があったときにも同様の処理を行ってもよい。
以上、本発明の各実施形態(第1の実施形態〜第3の実施形態)について説明したが、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、図23の設定例では、「第1保留変化演出(ゾーン!)」の実行時における背景変化演出の実行割合を100%とするために、「HPA−2」の決定割合を0%としているが、「第1保留変化演出(ゾーン!)」の実行時における背景変化演出の実行割合は100%でなくてもよい(即ち、「HPA−2」の決定割合を0%としなくてもよい)。
また、図23の設定例に示すように、演出制御用CPU120は、第1保留変化演出の実行の有無や第1保留変化演出の実行内容と、背景変化演出の実行の有無(第2演出モードへの移行の有無)とを同時に決定しているが、第1保留変化演出の実行の有無や第1保留変化演出の実行内容と背景変化演出の実行の有無とを同時に決定しなくてもよい。例えば、第1保留変化演出の実行の有無や第1保留変化演出の実行内容を先に決定し、決定結果に応じて背景変化演出の実行の有無を決定してもよいし、背景変化演出の実行の有無を先に決定し、決定結果に応じて第1保留変化演出の実行の有無や第1保留変化演出の実行内容を決定してもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、第1保留変化演出を実行するか否かを決定し、続いて、第1保留変化演出を実行する保留記憶を決定しているが(ステップS604、ステップS606)、保留記憶数に応じた第1保留変化演出決定テーブルを用意することにより、第1保留変化演出を実行するか否かと第1保留変化演出を実行する保留記憶とを同時に決定してもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、第1保留変化演出、及び、背景変化演出の両演出を実行する場合、第1態様の保留表示が消化されるときに、第2演出モードに移行(背景変化演出を実行)すると説明したが、異なる複数のタイミングのうちの何れかのタイミングにおいて第2演出モードに突入してもよい。例えば、当該第1態様の保留表示が第1始動入賞記憶表示エリア5HLから実行中保留表示エリア(今回保留表示エリア)に移動するタイミング(若しくは、当該第1態様の保留表示に基づく可変表示が開始されるタイミング)、当該第1態様の保留表示に基づく可変表示中の所定タイミング、当該第1態様の保留表示に基づく可変表示の終了タイミング(確定飾り図柄の停止表示時)のうちの何れかのタイミングにおいて第2演出モードに突入してもよい。上述の可変表示中の所定タイミングには、可変表示中に指示に応じてプッシュボタン31Bが押下されたタイミングや、可変表示中に演出の切替時(発展時)にチャンス目が仮停止表示されたタイミングや、擬似連変動として、1回(又は、連続して(若しくは合計して)、所定回数)、チャンス目が仮停止表示されたタイミングなどが含まれる。また、第2演出モードに突入する際には、第2演出モード突入演出を実行してもよい。上述のチャンス目の仮停止表示(仮停止表示されるチャンス目自体、又は、チャンス目が仮停止表示するか否かの煽り演出)も第2演出モード突入演出の一態様であるが、他の態様として、第2演出モードに関係する映像を表示(カットイン)してもよいし、第2演出モードに関係する音声を出力してもよいし、主として第2演出モードにおいて駆動させる演出用模型を駆動させてもよい。また、上述の各タイミングや、上述の第2演出モード突入演出の態様などに応じて、第2演出モードへの突入割合(期待度)を異ならせてもよい。例えば、変動開始の直後にプッシュボタン31Bの押下を指示するメッセージを出力した場合と、変動開始の中盤にプッシュボタン31Bの押下を指示するメッセージを出力した場合とで、プッシュボタン31Bの押下後に第2演出モードに突入する突入割合を異ならせてもよい。また例えば、チャンス目の成立前の煽り演出の強弱に応じて、チャンス目が成立する期待度(即ち、第2演出モードに突入する突入割合)を異ならせてもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、当該変動で第2演出モードに突入する場合(即ち。第1始動入賞時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が存在せず当該入賞の保留表示を第1態様に変化させるとともに背景変化演出の実行を決定した場合)と、当該変動以外(先読み)で第2演出モードに突入する場合(即ち、第1始動入賞時に第1始動入賞記憶表示エリア5HLに保留表示が存在し当該存在する保留表示を第1態様に変化させるとともに背景変化演出の実行を決定した場合)とがあるが、当該変動で第2演出モードに突入した場合と当該変動以外で第2演出モードに突入した場合とで、「大当り」の期待度を異ならせてもよい。即ち、当該変動で第2演出モードに突入した場合には、当該変動以外で第2演出モードに突入した場合に比べて、「大当り」の期待度を高くしてもよい。また逆に、当該変動以外で第2演出モードに突入した場合には、当該変動で第2演出モードに突入した場合に比べて、「大当り」の期待度を高くしてもよい。なお、上記は、上述の如く、保留記憶数に応じた第1保留変化演出決定テーブルを用意することなどにより実現すればよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、第1始動入賞時に、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに2個以上の保留表示があるときは、先頭から2番目の保留表示を第1態様に変化させる保留表示としているが(ステップS606)、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに3個の保留表示があるときは、先頭から3番目の保留表示を第1態様に変化させる保留表示としてもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、第1態様に該当する表示態様として、文字「ゾーン!」を表した表示態様、及び、文字「ゾーン?」を表した表示態様の2個を挙げているが、第1態様の個数、及び、内容は上記に限定されない。第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)における第2態様や、第3の実施形態における第3態様についても同様である。なお、第3の実施形態(第1の実施形態、第2の実施形態も同様)において、2以上の保留表示を表示表示様に関連性を持たせるようにしてもよい。例えば、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに3個の保留表示があるときに、先頭から3番目の表示態様を文字「あ」を表した表示態様とし、先頭から2番目の表示態様を文字「た」を表した表示態様とし、先頭から3番目の表示態様を文字「り」を表した表示態様とすることにより、3個全体で文字「あたり」を表示してもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、第1始動入賞記憶表示エリア5HLの先頭にシフトされるときや、実行中保留表示エリアにシフトされるときに、保留表示を第1態様に変化させているが、先頭から3番目の保留表示を第1態様に変化させる保留表示としたときなどは、先頭から2番目にシフトされるときに、第1態様に変化させてもよい。また、シフト時ではなく、当該保留表示の追加時などに第1態様に変化させてもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、第1態様(例えば、文字「ゾーン!」など)に変化した保留表示は、背景変化演出の実行(第2演出モードへの移行)を示唆しているが、背景変化演出は、第1態様に変化した保留表示によって実行されることが示唆される所定の演出(先読み演出)の一例である。つまり、第1態様は、何らかの先読み演出(映像による演出の他、音声や発光による演出であってもよい)が実行されることを示唆する表示態様である。
また、所定の演出(先読み演出)は、複数種類存在し、複数種類のうちの何れか1以上が実行されるようにしてもよい。例えば、表示態様が異なる背景変化演出(例えば、第2演出モードA、第2演出モードB、第2演出モードC…)を用意しておき、何れか1以上が実行されるようにしてもよい。例えば、通常時(第1演出モード)から背景変化演出を実行して通常時に戻るような場合において、第1演出モード→ある第2演出モード(例えば、第2演出モードA)→第1演出モードと移行してもよいし、第1演出モード→ある第2演出モード(例えば、第2演出モードA)→他の第2演出モード(例えば、第2演出モードC)→第1演出モードと移行してもよい。また、先読み演出によって示唆される内容(示唆内容)は1種類に限定されなくてもよい。例えば、有利度(例えば、出玉の大小、確変/非確変の別、時短の有無/長短)が異なる複数の示唆内容が存在してもよい。なお、出玉の大小は、例えば、1回の大当りによるラウンド数、各ラウンドの開放時間などに関係するため、出玉の大小に関係する、ラウンド数の大小、各ラウンドの開放時間の長短などは、上記有利度の要素である。なお、以下の説明では、便宜上、出玉の大小はラウンド数の大小によるものとする(ラウンド数が多いほど出玉は多いものとする)。
上述の如く、所定の演出として1種類以上が存在し、示唆内容として1種類以上が存在する場合に、所定の演出と示唆内容とは、1対1の対応関係であってもよいし、1対N(Nは整数)の対応関係であってもよいし、N対1の対応関係であってもよいし、N対M(Mは整数。Nと同一であってもよい)の対応関係であってもよい。また、ある所定の演出(例えば、第2演出モードA)と他の所定の演出(例えば、第2演出モードB)とが、異なる示唆内容(複数の示唆内容に対応関係ある場合には一部が異なる場合も含む)に対応付けられていてもよいし、同一の示唆内容に対応付けらていてもよい。一例として、「通常4R大当り」、「確変4R大当り」、「通常16R大当り」、「確変16R大当り」の4種類の大当りがある場合に、第2演出モードAは4種類うちの何れかの大当りになる旨を示唆し、第2演出モードBは4種類うちの何れかの大当りになる旨を示唆し、第2演出モードCは4種類うちの4R大当りである2種類の大当り(「通常4R大当り」、「確変4R大当り」)になる旨を示唆し、第2演出モードDは4種類うちの16R大当りである2種類の大当り(「通常16R大当り」、「確変16R大当り」)になる旨を示唆し、第2演出モードEは4種類うちの確変大当りである2種類の大当り(「確変4R大当り」、「確変16R大当り」)になる旨を示唆してもよい。
また、先読み演出である背景変化演出毎に(若しくは、何れか2以上の背景変化演出の組において)、背景変化演出の期待度(背景変化演出が示唆する示唆内容が実現される期待度)が異なっていてもよい。例えば、上述の例では、第2演出モードAも第2演出モードBも示唆内容は同一であるが、第2演出モードAに比べ、第2演出モードBでは、4種類うちの何れかの大当りになる期待値を高くしてもよい。あるいは、先読み演出である背景変化演出毎に(若しくは、何れか2以上の背景変化演出の組において)、夫々の期待値を同一にしてもよい。即ち、先読み演出毎の出現頻度を同一とし先読み演出毎の期待度を異ならせてもよいし、先読み演出毎の出現頻度を異ならせて先読み演出毎の期待度を同一としてもよいし、また、先読み演出毎の出現頻度も、先読み演出毎の期待度も異ならせてもよい。
また、所定の演出(先読み演出)が、複数種類存在する場合、所定演出と第1態様(例えば、文字「ゾーン!」、文字「ゾーン?」など)とは、1対1の対応関係であってもよいし、1対N(Nは整数)の対応関係であってもよいし、N対1の対応関係であってもよいし、N対M(Mは整数。Nと同一であってもよい)の対応関係であってもよい。また、ある所定の演出(例えば、第2演出モードA)と他の所定の演出(例えば、第2演出モードB)とが、異なる第1態様(複数の第1態様に対応関係ある場合には一部が異なる場合も含む)に対応付けられていてもよいし、同一の第1態様に対応付けらていてもよい。一例として、文字「ゾーン?」の保留表示は第2演出モードA、第2演出モードB及び第2演出モードCの夫々の第2演出モードへの移行を夫々の割合で示唆し、文字「ゾーン!」の保留表示は第2演出モードC、第2演出モードD及び第2演出モードEの夫々の第2演出モードへの移行を夫々の割合で示唆してもよい。なお、第2演出モードCは両方から重複して示唆されているが、全部の第2演出モードが重複して示唆されてもよいし、重複して示唆される第2演出モードがなくてもよい。
なお、1回の始動入賞に基づく先読み演出(背景変化演出)において、上述した様に、第2演出モードA→第2演出モードCの如く移行する場合には、遊技者にとって有利な方に移行するようにしてもよい。具体的には、示唆内容の有利度に基づいて、遊技者にとって有利な方に移行するようにしてもよい。例えば、第2演出モードCが4R大当り(「通常4R大当り」、「確変4R大当り」)を示唆する演出モードであり、第2演出モードDが16R大当り(「通常16R大当り」、「確変16R大当り」)を示唆する演出モードである場合には、「第2演出モードC→第2演出モードD」の移行は許容し(又は移行し易くし)、「第2演出モードD→第2演出モードC」の移行は禁止(又は移行し難く制限)してもよい。また、期待値に基づいて、遊技者にとって有利な方に移行するようにしてもよい。例えば、第2演出モードEが確変大当り(「確変4R大当り」、「確変16R大当り」)を5%の期待値として示唆する演出モードであり、第2演出モードAが何れかの大当り(「通常4R大当り」、「確変4R大当り」「通常16R大当り」、「確変16R大当り」)を30%の期待値として示唆する演出モードである場合には、「第2演出モードE→第2演出モードA」の移行は許容し(又は移行し易くし)、「第2演出モードA→第2演出モードE」の移行は禁止(又は移行し難く制限)してもよい。また、また、示唆内容の有利度と期待値とに基づいて、遊技者にとって有利な方に移行するようにしてもよい。
なお、高ベース状態(例えば時短状態)であるときは、第2始動入賞後に、第1始動入賞後と同様の処理を行ってもよい。即ち、高ベース状態においては、第1始動入賞記憶表示エリア5HLに比べ第2始動入賞記憶表示エリア5HRに保留表示が追加される割合が高く(更に、第2始動入賞記憶表示エリア5HRの保留表示が優先して消化されるため)、第2始動入賞記憶表示エリア5HR上に保留表示に対し第1始動入賞後と同じ様に、第1演出保留変化演出や背景変化演出を実行してもよい。
また、第3の実施形態では、第2保留変化演出パターン決定用の乱数値を用いて第2保留変化演出パターンを決定し、第3保留変化演出パターン決定用の乱数値を用いて第3保留変化演出パターンを決定しているが、共通の乱数値を用いて第2保留変化演出パターンと第3保留変化演出パターンとを決定してもよい。
また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、主基板11側において変動パターン決定用の乱数値MR3を用いて変動パターンを決定しているが、演出制御基板12側において変動パターンを決定してもよい。また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、演出制御基板12側において第1保留変化演出パターン決定用の乱数値を用いて第1保留変化演出パターンを決定しているが、主基板11側において第1保留変化演出パターンを決定してもよい。また、第1の実施形態(第2の実施形態、第3の実施形態も同様)では、演出制御基板12側において第2保留変化演出パターン決定用の乱数値を用いて第2保留変化演出パターンを決定しているが、主基板11側において第2保留変化演出パターンを決定してもよい。また、第3の実施形態では、演出制御基板12側において第3保留変化演出パターン決定用の乱数値を用いて第3保留変化演出パターンを決定しているが、主基板11側において第3保留変化演出パターンを決定してもよい。また、第3の実施形態において、主基板11側において共通の乱数値を用いて第2保留変化演出パターンと第3保留変化演出パターンとを決定してもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。