JP2015125643A - 分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置 - Google Patents

分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置 Download PDF

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Abstract

【課題】将来に亘って、エネルギー需要の拡大に対応しながら、投資効果に関し最適化を図ることができる分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置を提供する。
【解決手段】分散型エネルギーシステムの設備計画方法は、エネルギーを複数のエネルギー供給機器21によって供給する分散型エネルギーシステム20の設備計画方法であって、将来の所定期間に亘る前記分散型エネルギーシステムに対する前記エネルギーの予測需要量と前記所定期間に亘る前記エネルギー供給機器の燃料予測価格と前記エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含む評価関数に基づいて、最適な前記複数のエネルギー供給機器を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置に関し、特に、エネルギー供給機器で分散型エネルギーシステムを構築するための分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置に関する。
従来、工業団地、工場および業務用ビルなどの大型施設には、電力や熱などのエネルギーを消費する多くの設備が設けられている。このエネルギーをまかなう供給源として、複数のエネルギー供給機器を組み合わせた分散型エネルギーシステムが提案されている。
たとえば、特許文献1に示す電熱併給システムの設備計画支援装置では、電熱設備情報、電力負荷・熱負荷パターン、最適化目的情報、および、電熱モデルの制約条件を変数として設定している。電熱設備情報には設備の運転コストや導入コストが含まれている。また、電熱モデルの制約情報はエネルギーの需要および供給により定められている。そして、設定された変数を用いた分岐限定法によって、コストに関して最適化するように電熱併給システムを構成する設備を求めている。
また、特許文献2に示すコジェネレーションシステムアルゴリズムでは、エネルギーの需要に応じて発電機および冷凍機の組み合わせを設定している。そして、この組み合わせによるコジェネレーションシステムの運用コストおよび資本コストを算出している。これらの合計したトータルコストが最小になるように、最適化した発電機および冷凍機の組み合わせを求めている。
特開2009−26092号公報 特開平11−39004号公報
ところで、現在、先進国からの投資先あるいは生産拠点の移転先等として新興国が脚光を浴びている。しかし、新興国では、国全体をカバーするようなエネルギーインフラが未整備であるため、分散型のエネルギーインフラに関するビジネス、プロジェクト等が進行している。具体的には、たとえば、新興国においては、工業団地が計画される場合が多い。このような場合、この工業団地において消費されるエネルギーを賄う分散型エルギーシステムを構築することが現実に求められる。このような工業団地においては、通常、工業団地の立ち上げからの時間の経過に従って工業団地の規模は拡大していく。この工業団地の拡大に伴って分散型エネルギーシステムに対するエネルギー需要は伸びる。このようなエネルギー需要量の増加を見据えて、分散型エネルギーシステムを計画することが必要になる。
これに対して、上記特許文献1および2のような従来のシステムでは、エネルギー需要を考慮しているが、このエネルギー需要量は特定の時点のみにおけるものである。このため、時間の経過に従ってエネルギー需要の変化が生じた場合、設備の組み合わせがエネルギー需要に対応しなかったり、コストが高くなってしまったりするという課題があった。この課題は、新興国の工業団地用の分散エネルギーシステムだけではなく、将来に亘ってエネルギー需要が拡大するエネルギー需要家用の分散エネルギーシステムにも共通する課題である。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、将来に亘るエネルギー需要の拡大に対応しながら、エネルギー供給設備の最適化を図ることができる分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置を提供することを目的としている。
本発明のある態様に係る分散型エネルギーシステムの設備計画方法は、エネルギーを複数のエネルギー供給機器によって供給する分散型エネルギーシステムの設備計画方法であって、将来の所定期間に亘る前記分散型エネルギーシステムに対する前記エネルギーの予測需要量と前記所定期間に亘る前記エネルギー供給機器の燃料予測価格と前記エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含む評価関数に基づいて、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求める。
本発明は、以上に説明した構成を有し、将来に亘るエネルギー需要の拡大に対応しながら、エネルギー供給設備の最適化を図ることができる分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明の実施形態1に係る分散型エネルギーシステムの設備計画装置の構成を示すブロック図である。 図1の設備計画装置の処理対象である分散型エネルギーシステム、および、需要家の構成を示すブロック図である。 図1の分散型エネルギーシステムの設備計画装置による設備計画方法の一例を示すフローチャートである。 遺伝的アルゴリズムを用いた図3の最適化演算の一例を示すフローチャートである。 図3の設備計画方法に用いられる遺伝子を模式的に示す図である。 図3の設備計画方法に用いられるエネルギー供給機器の設備情報を示す機器リストである。 図3の設備計画方法に用いられる遺伝子の他の例を示す図である。 図3の設備計画方法に用いられる予測需要電力の一例を示すグラフである。 図3の設備計画方法に用いられる予測需要蒸気量の一例を示すグラフである。 本発明の実施形態3に係る分散型エネルギーシステムの設備計画装置による設備計画方法の最適化演算の一例を示すフローチャートである。 図10の設備計画方法に用いられるタブーリストの一例を示す図である。
本発明の実施の形態に係る分散型エネルギーシステムの設備計画方法は、エネルギーを複数のエネルギー供給機器によって供給する分散型エネルギーシステムの設備計画方法であって、将来の所定期間に亘る前記分散型エネルギーシステムに対する前記エネルギーの予測需要量と前記所定期間に亘る前記エネルギー供給機器の燃料予測価格と前記エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含む評価関数に基づいて、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求める方法である。
この構成によれば、評価関数は、将来の所定期間に亘る分散型エネルギーシステムに対するエネルギーの予測需要量と、所定期間に亘るエネルギー供給機器の燃料予測価格と、エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含んでいる。よって、将来に亘るエネルギー需要の拡大に対応しながら、エネルギー供給設備の最適化を図ることができる。
分散型エネルギーシステムの設備計画方法では、前記評価関数は、前記複数のエネルギー供給機器への設備投資効果の指標であって、前記エネルギーの予測需要量に基づく前記複数のエネルギー供給機器のエネルギー供給収入、設備コストおよび運転コストのキャッシュフローから算出される内部収益率または正味現在価値であってもよい。
この構成によれば、評価関数は、複数のエネルギー供給機器への設備投資効果の指標で表される関数である。よって、将来の需要拡大に合わせて段階的に拡張する分散型エネルギーシステムの設備計画に対しても、任意の期間で設備投資効果を最大化する最適な設備計画を求めることができる。具体的には、評価関数は、いわゆる内部収益率または正味現在価値であるので、これらを最適化することができる。
分散型エネルギーシステムの設備計画方法では、遺伝的アルゴリズム又はタブーサーチ法を用いて前記評価関数を最適化することによって、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求めてもよい。
この構成によれば、遺伝的アルゴリズム又はタブーサーチ法というメタヒューリスティクス(metaheuristics)な手法を評価関数の最適化に用いている。よって、分散型エネルギーシステムの設備計画方法が複雑な非線形の混合整数計画問題であっても、好適に評価関数を最適化することができる。
本発明の実施の形態に係る分散型エネルギーシステムの設備計画方法のプログラムは、エネルギーを複数のエネルギー供給機器によって供給する分散型エネルギーシステムの設備計画方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記分散型エネルギーシステムの設備計画方法は、将来の所定期間に亘る前記分散型エネルギーシステムに対する前記エネルギーの予測需要量と前記所定期間に亘る前記エネルギー供給機器の燃料予測価格と前記エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含む評価関数に基づいて、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求めることを含む。
本発明の実施の形態に係る分散型エネルギーシステムの設備計画装置は、エネルギーを複数のエネルギー供給機器によって供給する分散型エネルギーシステムの設備計画装置であって、将来の所定期間に亘る前記分散型エネルギーシステムに対する前記エネルギーの予測需要量と前記所定期間に亘る前記エネルギー供給機器の燃料予測価格と前記エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含む評価関数に基づいて、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求める演算部を備える。
分散型エネルギーシステムの設備計画装置では、前記評価関数は、前記複数のエネルギー供給機器への設備投資効果の指標であって、前記エネルギーの予測需要量に基づく前記複数のエネルギー供給機器のエネルギー供給収入、設備コストおよび運転コストのキャッシュフローから算出される内部収益率または正味現在価値であってもよい。
分散型エネルギーシステムの設備計画装置では、前記演算部は、遺伝的アルゴリズム又はタブーサーチ法を用いて前記評価関数を最適化することによって、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求めてもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
<分散型エネルギーシステムの設備計画装置の構成>
図1は、実施の形態1に係る分散型エネルギーシステムの設備計画装置10を示すブロック図である。図2は、図1の設備計画装置の処理対象である分散型エネルギーシステム20、および需要家30の構成を示すブロック図である。図1および図2に示すように、分散型エネルギーシステムの設備計画装置10は、エネルギー需要およびコストの観点から最適化した分散型エネルギーシステム20の設備計画を作成するための装置である。エネルギーは、一次エネルギー源から変換して生成される二次エネルギーであって、たとえば、電力および蒸気(熱)が例として挙げられる。
分散型エネルギーシステム20は、需要家30にエネルギーを供給する供給源である。需要家30は、エネルギーを消費する設備31により構成されている。需要家30としては、たとえば、工業団地、工場および業務用ビルなどの施設、ならびに、都市などの消費地などが挙げられる。以下では「需要家」を便宜上「施設」と呼ぶことがある。
分散型エネルギーシステム20は、1つまたは複数のエネルギー供給機器21により構成されている。エネルギー供給機器21は、一次エネルギー源から二次エネルギーに変換する装置である。エネルギー供給機器21として、たとえば、石炭火力発電装置(石炭火力)、ガスタービン、ガスエンジン、燃料電池、太陽光発電、吸収式冷凍機、ボイラが挙げられる。
分散型エネルギーシステムの設備計画装置10は演算部11および記憶部12を備えている。分散型エネルギーシステムの設備計画装置10は、たとえば、コンピュータによって構成される。演算部11および記憶部12は、たとえば、それぞれ、コンピュータのCPU及び内部メモリによって構成される。記憶部12には、最適化プログラムおよび設備計画に関する情報が記憶されている。最適化プログラムは、分散型エネルギーシステムの設備計画方法をコンピュータ(演算部11)に実行させるためのプログラムである。なお、最適化プログラムおよび設備計画に関する情報は、コンピュータに内蔵された記憶部12に記憶されたものに限定されず、記憶媒体や他の記憶部に記憶されたものであってもよいし、入力装置によって入力されたものであってもよいし、ネットワークを介して受信されたものであってもよい。
<分散型エネルギーシステムの設備計画方法>
図3は、分散型エネルギーシステム20の設備計画方法の一例を示すフローチャートである。分散型エネルギーシステム20の設備計画方法は分散型エネルギーシステムの設備計画装置10により実行される。この設備計画方法における最適化演算には、たとえば、遺伝的アルゴリズムが用いられる。
分散型エネルギーシステム20の設備計画方法では、図1に示すように、分散型エネルギーシステム20に対する所定期間に亘るエネルギー予測需要量(エネルギー予測需要量)と、所定期間に亘るエネルギー供給機器21の燃料予測価格(燃料予測価格)と、エネルギー供給機器21の設備情報(設備情報)とをパラメータ(助変数)として含む評価関数に基づいて、最適な複数のエネルギー供給機器21が求められる。このため、図3に示すように、まず、パラメータを取得する(ステップS1)。このパラメータとして、エネルギー予測需要量と燃料予測価格と設備情報が挙げられる。これらのエネルギー予測需要量、燃料予測価格および設備情報は、設備計画に関する情報である。
エネルギー予測需要量は、将来の所定期間に亘って分散型エネルギーシステムに対して求められるエネルギーの予測量である。燃料予測価格は、将来の所定期間に亘ってエネルギー供給機器21で使用される燃料の予測価格である。設備情報は、エネルギー供給機器21の設備費やメンテナンス費、エネルギー供給能力の他、燃料消費量を求めるための効率特性などである。
次に、評価関数の最適化演算を行う(ステップS2)。その後、この最適化演算で求めたエネルギー機器の最適な設備計画を出力する(ステップS3)
次に、ステップS2における最適化演算の具体例を図4乃至図9を用いて説明する。図4は、遺伝的アルゴリズムを用いた場合の最適化演算の一例を示すフローチャートである。この最適化演算では、まず、図4に示すように、初期遺伝子を作成する(ステップS21)。この遺伝子は、最適化演算で求めたい設計変数を遺伝子的な数値配列で表現したものである。この設計変数は、エネルギー供給機器21の組み合わせと、エネルギー供給機器21の導入時期とである。遺伝子における数値配列には、一般的に、0と1との2値配列が用いられる。ただし、数値配列を、設計変数をそのまま使って、実数配列あるいは整数配列とすることもできる。この実施例では、設計変数が整数であるため、遺伝子を整数配列で表している。
図5は、遺伝子の一例を示す配列図である。たとえば、分散型エネルギーシステム20に配置できるエネルギー供給機器21の数をN個とする。この場合、図5に示すように、遺伝子は、N個の機器枠を有する。各機器枠に、mおよびyの2つの設計変数が並べられる。iは、1〜Nの整数であって、機器枠の配列順を示す。
遺伝子におけるmは、分散型エネルギーシステム20を構成するエネルギー供給機器21の選択候補を示す識別情報である。この実施の形態では、識別情報に数字を用いるため、識別情報mを機器番号と称する。この機器番号は、エネルギー供給機器21の設備情報と対応付けられている。この設備情報は図6に示されている。
図6は、エネルギー供給機器21の設備情報のリスト(機器リスト)の一例を示す表である。機器リストでは、エネルギー供給機器21を表している識別情報(No)に、そのエネルギー供給機器21の機種、カテゴリ、エネルギー供給能力、設備費、メンテナンス費、効率特性などの設備情報が対応付けられている。この機器リストには、3つの異なる種類のエネルギー供給機器が分散型エネルギーシステム20を構成するエネルギー供給機器21の候補として挙げられている。また、エネルギー供給機器21を表す識別情報(No)には、この実施の形態では、0〜6の整数が用いられている。機器リストの識別情報(No)が遺伝子における機器番号mに用いられる。このため、機器番号mは、この実施の形態では0〜6の7つの整数で表される。
遺伝子におけるyは、エネルギー供給機器21を分散型エネルギーシステム20に導入する時期を示す。導入時期yは所定期間の間の値(ここでは「年度」を表す値)となる。この所定期間は、エネルギー需要量が予測されている(エネルギー予測需要量が求められている)期間である。たとえば、所定期間が15年に設定されている場合、導入時期yは1〜15の整数を採り得る。
この機器番号mおよび導入時期yの2つの設計変数をランダムに決めて、複数の遺伝子を作成する。たとえば、遺伝子における機器枠(y=1、m=1)は、1年度目に1基の石炭火力BG1を導入することを表す。また、機器枠(y=2、m=0)は、2年度目にエネルギー供給機器21を導入しないことを表す。
なお、上記では、図5に示すように、遺伝子を複数の機器枠で構成し、各機器枠に設計変数を並べた。ただし、遺伝子の構成はこれに限定されない。たとえば、図7は、遺伝子の他の例を示している。図7に示す遺伝子では、エネルギー供給機器21の導入時期ごとに、エネルギー供給機器21の導入数nfgを配列する。fは、図6の機器リストにおけるエネルギー供給機器21の機器番号(No)を表す。gは、エネルギー供給機器21の導入時期を表している。この場合、6種類のエネルギー供給機器21があるため、各導入年度に、6つの導入数nfgが並べられている。たとえば、n11は1年度目に導入される機器番号1の石炭火力BG1の数を表している。
このような遺伝子では、エネルギー供給機器21の選択候補が少ない場合に、配列数が短くなる。よって、最適化演算における評価関数の解(評価値)を早く収束させることができる。
次に、遺伝子の情報を復元する(ステップS22)。すなわち、遺伝子は、機器番号mおよび導入時期yを含む機器枠で表されている。このため、各機器枠において、図6の機器リストを参照して機器番号mから機器の機種を求め、導入時期yからその機器の導入時期を求める。これにより、各年度の分散型エネルギーシステム20を構成するエネルギー供給機器21を特定する。たとえば、1年度目は、導入時期y=1と対となる機器番号mのエネルギー供給機器21により分散型エネルギーシステム20は構成される。2年度目は、導入時期y=1および2のそれぞれと対となる機器番号mのエネルギー供給機器21により分散型エネルギーシステム20は構成される。
続いて、各年度における分散型エネルギーシステム20の運用最適化計算を遺伝子毎に行う(ステップS23)。ここでは、エネルギー制約条件のもとで燃料費が最小になるように最適化した各年度の分散型エネルギーシステム20の運用を決定する。なお、具体的な運用最適化計算には、公知の方法を用いることができる。
エネルギー制約条件は、たとえば、図8および図9に示すようなエネルギー予測需要量により定められる。図8の縦軸は予測需要電力(MW)を示し、図9の縦軸は予測需要蒸気量(ton/h)を示し、各図の横軸は時間(hour)を示している。なお、予測需要電力および予測需要蒸気量をまとめてエネルギー予測需要量と言うことがある。この実施の形態では、施設(需要家)30は工業団地である。
将来における所定期間の15年間に亘るエネルギー予測需要量が、3年間における工業団地の開発計画に基づいて予測されている。3年間における工業団地の開発計画では、エネルギー需要の増加を予測されている。この需要増加に基づいて、図8および図9に示すように、エネルギー予測需要量は増えている。このような将来に亘るエネルギー予測需要量の変化に、分散型エネルギーシステム20の機器構成を対応させる必要がある。また、1日におけるエネルギー予測需要量の変化に、分散型エネルギーシステム20のエネルギー出力を対応させる必要がある。たとえば、各エネルギー供給機器21の起動、停止およびエネルギー出力を調整することにより、分散型エネルギーシステム20のエネルギー出力(供給量)をエネルギー予測需要量の増減に対応させることができる。
ここで、分散型エネルギーシステム20のエネルギー出力が、エネルギー予測需要量と等しい、または、エネルギー予測需要量以上になるように、エネルギー制約条件が設定されている。また、仮に分散型エネルギーシステム20を構成する複数のエネルギー供給機器21のうち、1台のエネルギー供給機器21が故障しても、分散型エネルギーシステム20のエネルギー出力がエネルギー需要をまかなう(N−1信頼性)ように、エネルギー需要制約を設定することもできる。さらに、たとえば、この実施の形態のように、図8に示す予測需要電力および図9に示す予測需要蒸気量の複数の制約条件がある場合、これらの制約条件を全て満たすことが求められる。
また、分散型エネルギーシステム20の燃料費は、たとえば、分散型エネルギーシステム20のエネルギー出力、各エネルギー供給機器21の設備情報および燃料予測価格に基づいて求められる。この設備情報は、たとえば、図6の機器リストに示されるエネルギー供給能力、効率特性や負荷特性などである。エネルギー供給能力として、たとえば、電力出力(MW)や蒸気量出力(ton/h)が挙げられる。また、燃料予測価格は、単位量当たりの燃料の価格(単価)である。燃料予測価格は、たとえば、季節や時間帯により異なる場合、それに応じて定められてもよい。燃料は、エネルギー供給機器21の種類によって異なる。たとえば、石炭火力の燃料は石炭であり、ガスタービンやガスエンジンの燃料は天然ガスである。
分散型エネルギーシステム20のエネルギー出力に応じて、各エネルギー供給機器21のエネルギー供給能力に基づき各エネルギー供給機器21の供給エネルギーが決められる。このエネルギー供給機器21の供給エネルギー量を出力するために消費する一次エネルギー源の量(燃料消費量)を効率特性に基づいて求める。そして、燃料消費量と燃料予測価格からエネルギー供給機器21の燃料費を求める。各エネルギー供給機器21の燃料費を合計することにより、分散型エネルギーシステム20の燃料費を算出する。
このように、エネルギー予測需要量、設備情報および燃料予測価格を参照しながら、分散型エネルギーシステム20のエネルギー出力がエネルギー制約条件を具備し、かつ、燃料費が最小になるように、各遺伝子について分散型エネルギーシステム20の運用を最適化する。また、最小の燃料費を求める。各遺伝子について、各年度の分散型エネルギーシステム20の構成(エネルギー供給機器21)は、ステップS22において既に特定されている。
ここで、仮に遺伝子の示す分散型エネルギーシステム20の構成では各年度のエネルギー制約条件を満たせない場合、ペナルティ関数法などに従って燃料費にペナルティを課してもよい。これにより、エネルギー制約条件を満たせない遺伝子は、その評価値が悪くなり、最適化演算の最適解から外される。
なお、分散型エネルギーシステム20の運用を最適化する際、エネルギー供給機器21の性能情報が考慮されてもよい。この場合、機器情報においてエネルギー出力に、エネルギー供給機器21の出力変化速度(応答速度)や起動および停止に要する時間などの性能情報が含まれる。これにより、たとえば、エネルギー予測需要量の変化速度が大きい場合には、エネルギー出力の変化速度が大きいエネルギー供給機器21の出力配分を大きくするように、分散型エネルギーシステム20の運用が設定される。
次に、各年度における分散型エネルギーシステム20のキャッシュフロー計算を遺伝子毎に行う(ステップS24)。k年度のキャッシュフローCFは、以下の式(1)で計算される。
CF=(エネルギー供給収入)−(燃料費)−(メンテナンス費)−(設備費)(1)
ここで、エネルギー供給収入は、各年度において分散型エネルギーシステム20のエネルギー出力に対して得た金銭である。このエネルギー出力は、エネルギー予測需要量に基づいて求められ、具体的には、ステップS23において運用最適化計算により算出される。エネルギー出力を販売している場合には、その売上高がエネルギー供給収入になる。また、エネルギー出力を工業団地(需要家30)自身の稼働に用いる場合、仮にそのエネルギーを、電力会社など他のエネルギー供給会社から購入したときのコストに相当する額がエネルギー供給収入になる。
燃料費は、ステップS23において運用最適化計算により求められている。メンテナンス費は、エネルギー供給機器21を整備・保守する運転コストである。メンテナンス費およびその発生時期は、エネルギー供給機器21の設備情報に含まれている。通常、メンテナンス費の発生時期は、エネルギー供給機器21の導入年度の次の年度から必要となる。よって、k年度のキャッシュフローCFには、(k−1)年度までに導入されたエネルギー供給機器21のメンテナンス費が計上される。
設備費は、エネルギー供給機器21の本体費や工事費などの設備コストであって、エネルギー供給機器21の設備情報に含まれている。この設備費は、エネルギー供給機器21を稼働する年度の前の年度に計上する。このため、k年度のキャッシュフローCFには、(k+1)年度に導入するエネルギー供給機器21の設備31が計上される。
そして、各遺伝子において、年度毎の分散型エネルギーシステム20の各エネルギー供給機器21について、エネルギー供給収入、燃料費、メンテナンス費および設備費を求める。これらの金額を上記式(1)に代入して、各年度の分散型エネルギーシステム20のキャッシュフローCFを算出する。
続いて、分散型エネルギーシステム20の適応度計算を遺伝子毎に行う(ステップS25)。この適応度は、下記式(2)の評価関数から求められる。この評価関数は、複数のエネルギー供給機器21への設備投資効果の指標を表した関数である。この実施形態では、この指標に、複数のエネルギー供給機器21のエネルギー供給収入、設備コストおよび運転コストのキャッシュフローから算出される正味現在価値(NPV)を用いる。ここで、CFはk年度のキャッシュフローであり、CFは0年度のキャッシュフロー(初期投資額)である。rは割引率(資本コスト)である。この実施形態では、r=0.05(5%)とした。spanは評価区間であって、この実施の形態では、エネルギー予測需要量が求められている所定期間、たとえば、15年である。

Figure 2015125643
上記式(2)に前記キャッシュフローCFを代入し、NPVを求める。また、他の全ての遺伝子についても同様に、NPVを求める。
次に、終了か否かを判定する(ステップS26)。この終了判定方法は任意の方法が採り得る。たとえば、所定計算回数におけるNPVの最大値(最大の適応度)の変化率と所定の閾値との比較が終了判定方法に用いられる。この比較の結果、NPVの最大値の変化率が所定の閾値以上であれば、終了していないと判定する(ステップS26:NO)。
そして、遺伝子操作を行う(ステップS27)。この操作には公知の方法を用いることができる。ここでは、遺伝子の選択、交叉および突然変異の処理を行う。すなわち、NPVが大きく適応度が高い複数の遺伝子を選択する。選択した複数の遺伝子をランダムに選択して交叉させ、新たな遺伝子を生成する。新たな遺伝子のうちのいくつかの遺伝子の設計変数を変化させる。
再び、ステップS22の処理に戻り、ステップS22〜S27までの処理を繰り返す。そして、ステップS26の処理において、たとえば、NPVが収束し、NPVの最大値の変化率が所定の閾値より小さければ、終了と判定する(ステップS26:YES)。なお、終了の判定は、閾値による判定に限定されない。たとえば、世代の繰り返し回数が所定の回数に到達することにより、終了と判定することができる。
このときの最大の適応度を示す遺伝子を選ぶ。この遺伝子によって、投資効果に関して最適化したエネルギー供給機器21の組み合わせが求められ、最適な分散型エネルギーシステム20を設計することができる(ステップS3)。
<作用、効果>
分散型エネルギーシステム20の最適化演算では、将来の所定期間における分散型エネルギーシステム20のエネルギー予測需要量およびエネルギー供給機器21の燃料予測価格、ならびに、エネルギー供給機器21の設備情報に基づいてエネルギー供給機器21の組み合わせおよびその導入時期の最適化計算を行っている。これにより、将来に亘ってエネルギー需要の増加に応じて、エネルギー供給機器21を分散型エネルギーシステム20に無駄なく計画的に導入していくことができる。この結果、分散型エネルギーシステム20はエネルギー需要の増加に対応してエネルギーを供給することができる。
さらに、評価関数に、エネルギー供給機器21のエネルギー供給収入、設備コストおよび運転コストのキャッシュフローから算出された正味現在価値(NPV)を用いた。これにより、投資効果に関して最適化した分散型エネルギーシステム20を実現することができる。
具体的には、特許文献2のような従来技術では、設備コストを所定の期間で割って、設備コストを1日当たりのコストに換算している。そして、この設備コストと運転コストとの和(トータルコスト)を最小化することによって、分散型エネルギーシステム20を最適化している。
しかしながら、エネルギーシステムのような長期運用を行う設備については、貨幣の時間的価値は無視できない。これを考慮せず、単純に前記のようなトータルコストでエネルギーシステムの構成を評価すると、設備コストに重きを過度においたシステム構成が算出されるおそれがある。
これに対して、本実施の形態では、正味現在価値を評価関数に用いている。これにより、貨幣の時間的価値を考慮し、導入年度に発生する設備コストと将来に亘って発生する運用コストと共に現在の価値基準で評価することができる。このため、正味現在価値に関してトータルコストを最小化した分散型エネルギーシステム20をより的確に求めることができる。
また、正味現在価値に基づいて分散型エネルギーシステム20の構成を評価している。この正味現在価値は経済的価値を判断する一般的な指標であるため、分散型エネルギーシステム20を評価し易い。
さらに、エネルギー供給機器21の機器番号(m)およびエネルギー供給機器21の導入時期(y)により規定される遺伝子を評価関数で評価している。この評価の結果、最も適応度の高い遺伝子の機器番号(m)および導入時期(y)に従って、分散型エネルギーシステム20にエネルギー供給機器21を計画的に導入することができる。
また、分散型エネルギーシステム20の最適化に遺伝的アルゴリズムを用いた。これにより、正味現在価値のような非線形の評価関数であっても、線形近似などの必要がなく、高い精度で効率的に最適化した分散型エネルギーシステム20を求めることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、正味現在価値を評価関数に用いた。実施の形態2では、この正味現在価値に代えて内部収益率を評価関数に用いる。
内部収益率(IRR)は、複数のエネルギー供給機器21への設備投資効果の指標である。内部収益率は、複数のエネルギー供給機器21のエネルギー供給収入、設備コストおよび運転コストのキャッシュフローから算出される。具体的には、内部収益率は、上記式(2)において正味現在価値(NPV)=0となるときの割引率rである。
図4に示す分散型エネルギーシステム20の設備計画方法において、初期遺伝子の作成(ステップS21)、遺伝子情報の復元(ステップS22)、運用最適化計算(ステップS23)、キャッシュフロー計算を遺伝子毎に行う(ステップS24)。そして、分散型エネルギーシステム20の適応度計算を遺伝子毎に行う(ステップS25)。ここで、各遺伝子について上記式(2)に、たとえば、NPV=0、ステップS24で求めたキャッシュフローCFおよびCF、ならびに、評価区間span=15を代入する。この結果、算出される割引率r(IRR)を適応度とする。
次に、終了か否かを判定する(ステップS26)。終了と判定されるまで(ステップS26:NO)、ステップS22〜S27までの最適化演算を繰り返す。そして、ステップS26の処理において、たとえば、IRRが収束し、IRRの最大値の変化率が所定の閾値より小さくなれば、終了と判定する(ステップS26:YES)。この最大の適応度を示す遺伝子によって、投資効果に関して最適化したエネルギー供給機器21の組み合わせが求められる(ステップS3)。なお、終了の判定は、閾値による判定に限定されない。たとえば、世代の繰り返し回数が所定の回数に到達することにより、終了と判定することができる。
上記構成によれば、実施の形態1と同様の作用、効果を示す。つまり、所定期間における分散型エネルギーシステム20のエネルギー予測需要量およびエネルギー供給機器21の燃料予測価格、ならびに、エネルギー供給機器21の設備情報に基づいてエネルギー供給機器21の導入時期の最適化計算を行い、将来に亘って分散型エネルギーシステム20はエネルギー需要の増加に対応してエネルギーを供給することができる。さらに、内部収益率を評価関数に用いることにより、投資効果に関しより精度良く分散型エネルギーシステム20の構成を最適化することができる。また、このような内部収益率は経済的価値を判断する一般的な指標であるため、分散型エネルギーシステム20を評価し易くなる。さらに、エネルギー供給機器21およびその導入時期で定められる遺伝子を評価しているため、分散型エネルギーシステム20にエネルギー供給機器21を計画的に導入することができる。また、遺伝的アルゴリズムにより、高い精度で効率的に最適化した分散型エネルギーシステム20を求めることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1および2では、分散型エネルギーシステム20の最適化に遺伝的アルゴリズムを用いたが、これに限定されない。実施の形態3に係る分散型エネルギーシステム20の最適化に、たとえば、タブーサーチ(Tabu Search)などのメタヒューリスティックスな手法を用いることができる。この実施の形態3ではタブーサーチについて説明するが、他のメタヒューリスティックスな手法も同様に用いることができる。
図10は、タブーサーチによる分散型エネルギーシステム20の最適化方法の一例を示すフローチャートである。図10に示すように、タブーサーチによる最適化方法では、まず第1のステップとして、初期解sを作成する(ステップS221)。この実施形態におけるタブーサーチの解は、たとえば、図7の配列で表される。この初期解は、実施の形態1で述べたエネルギー制約条件を満たしていれば、ランダムに生成されてもよい。ここで、最適解s*=sとする。
第2のステップとして、解sの近傍集合N(s)を作成する(ステップS222)。近傍集合N(s)は、エネルギー制約条件を満たす解(近傍解)の集合である。近傍解は、解sの配列の中の1つの要素を1減じ、他の1つの要素を適当な数だけ増やすことにより作成される。なお、解s自身は、近傍集合N(s)に含まれない。
具体的には、解sの配列の中で0(零)でない要素を選択し、その要素の値を1減ずる。これにより構成される分散型エネルギーシステム20がエネルギー制約条件を満たしていれば、これが近傍解となる。
一方、分散型エネルギーシステム20がエネルギー制約条件を満たしていなければ、解sの配列の中からその他の要素をランダムに選択し、この要素の値を増やす。これにより構成される分散型エネルギーシステム20がエネルギー制約条件を満たさなければ、エネルギー制約条件を満たすまで要素の値を増やす。ただし、選択した要素によっては、値をいくら増やしてもエネルギー制約条件を満たさない場合がある。この場合、値を増やす要素を選択し直し、同様の操作を行う。
なお、近傍解を生成する際、タブーリストに含まれている操作で作成された近傍解を近傍集合N(s)から除外する。タブーリストには、現在の解sに至るまで過去一定期間に行った近傍解の作成操作の逆操作が登録されている。このように、タブーリストの操作を禁止することにより、解の探索が後戻りして局所的にループすることを防ぐことができる。
図11は、タブーリストの一例を示す表である。図11のタブーリストにおいて、行は解sの要素を示している。「+」はその要素の値を増やす操作を表し、「−」はその要素の値を減らす操作を表す。
たとえば、タブーリストの1行目は、解sにより示される分散型エネルギーシステム20の設備計画において、1年度目に導入するガスタービンGT2(機器番号4)の台数を減らし、1年度目に導入するガスタービンGT1(機器番号3)の台数を増やす操作を表している。また、タブーリストの4行目は、1年度目に導入されるガスエンジンGE2(機器番号6)の台数を増やす操作を表している。このタブーリストの各行に表される操作を近似解の生成操作に含めることが禁止されている。たとえば、1行目の操作を含む操作、または、4行目の操作を含む操作により、近似解を生成することができない。
第3のステップとして、近傍集合N(s)の各近傍解について、運用最適化計算(ステップS223)およびキャッシュフロー計算(ステップS224)を行い、適応度を求める(ステップS225)。運用最適化計算、キャッシュフロー計算および適応度計算は、実施の形態1の方法と同様に行うことができる。
第4のステップとして、近傍集合N(s)の中で最も高い適合度を示した近傍解s’を選択する。このとき、s’の適合度がs*の適合度よりも高ければ、s*=s’として、最適解を更新する(ステップS226)。
第5のステップとして、解sから近傍解s’を作成した操作の逆操作をタブーリストに追加し(ステップS227)、s=s’として解の遷移を行う(ステップS228)。たとえば、解sにより示される分散型エネルギーシステム20の設備計画において、2年度目に導入する石炭火力BG2(機器番号2)の台数を1減らし、2年度目に導入するガスタービンGT2(機器番号4)の台数を3増やす操作で近似解s’を作成した。この場合、図11のタブーリストの2行目に示すように、導入時期2における機器番号2の欄には「+」が付され、機器番号4の欄には「−」が付される。なお、タブーリストには、具体的な値の増減量までは登録されない。このとき、タブーリストに登録された操作の数がタブーリストの所定サイズを越えたら、登録の古い操作がタブーリストから削除される。
第6のステップとして、終了条件を具備していなければ(ステップS229:NO)、第2のステップの処理(ステップS222)に戻り、第2〜第6のステップの処理(ステップS222〜S229)を繰り返す。この終了条件には任意の方法が採り得る。たとえば、所定回数、続けて最適解s*が同じであれば、終了と判定することができる。
第7のステップとして、終了条件を具備していれば(ステップS229:YES)、この時の最適解s*によって、投資効果に関して最適化したエネルギー供給機器21の組み合わせが求められる(ステップS3)。
上記実施の形態3によれば、実施の形態1および2と同様の作用、効果を示す。つまり、所定期間(1年度〜最終年度)における分散型エネルギーシステム20のエネルギー予測需要量およびエネルギー供給機器21の燃料予測価格、ならびに、エネルギー供給機器21の設備情報に基づいてエネルギー供給機器21の導入時期の最適化計算を行い、将来に亘って分散型エネルギーシステム20はエネルギー需要の増加に対応してエネルギーを供給することができる。さらに、内部収益率や正味現在価値を評価関数に用いることにより、投資効果に関しより精度良く分散型エネルギーシステム20の構成を最適化することができる。また、このような内部収益率や正味現在価値は経済的価値を判断する一般的な指標であるため、分散型エネルギーシステム20の収支が判断し易くなる。さらに、エネルギー供給機器21およびその導入時期(年度)で定められる解sを評価しているため、分散型エネルギーシステム20にエネルギー供給機器21を計画的に導入することができる。
なお、上記全実施の形態は、互いに相手を排除しない限り、互いに組み合わせてもよい。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置は、将来に亘るエネルギー需要の拡大に対応しながら、エネルギー供給機器の最適化を図ることができる分散型エネルギーシステムの設備計画方法、プログラムおよび装置等として有用である。
10 分散型エネルギーシステムの設備計画装置
11 演算部
12 記憶部
20 分散型エネルギーシステム
21 エネルギー供給機器
30 需要家
31 設備

Claims (7)

  1. エネルギーを複数のエネルギー供給機器によって供給する分散型エネルギーシステムの設備計画方法であって、
    将来の所定期間に亘る前記分散型エネルギーシステムに対する前記エネルギーの予測需要量と前記所定期間に亘る前記エネルギー供給機器の燃料予測価格と前記エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含む評価関数に基づいて、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求める、分散型エネルギーシステムの設備計画方法。
  2. 前記評価関数は、前記複数のエネルギー供給機器への設備投資効果の指標であって、前記エネルギーの予測需要量に基づく前記複数のエネルギー供給機器のエネルギー供給収入、設備コストおよび運転コストのキャッシュフローから算出される内部収益率または正味現在価値である、請求項1に記載の分散型エネルギーシステムの設備計画方法。
  3. 遺伝的アルゴリズム又はタブーサーチ法を用いて前記評価関数を最適化することによって、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求める、請求項1または2に記載の分散型エネルギーシステムの設備計画方法。
  4. エネルギーを複数のエネルギー供給機器によって供給する分散型エネルギーシステムの設備計画方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記分散型エネルギーシステムの設備計画方法は、将来の所定期間に亘る前記分散型エネルギーシステムに対する前記エネルギーの予測需要量と前記所定期間に亘る前記エネルギー供給機器の燃料予測価格と前記エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含む評価関数に基づいて、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求めることを含む、分散型エネルギーシステムの設備計画方法のプログラム。
  5. エネルギーを複数のエネルギー供給機器によって供給する分散型エネルギーシステムの設備計画装置であって、
    将来の所定期間に亘る前記分散型エネルギーシステムに対する前記エネルギーの予測需要量と前記所定期間に亘る前記エネルギー供給機器の燃料予測価格と前記エネルギー供給機器の設備情報とをパラメータとして含む評価関数に基づいて、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求める演算部を備える、分散型エネルギーシステムの設備計画装置。
  6. 前記評価関数は、前記複数のエネルギー供給機器への設備投資効果の指標であって、前記エネルギーの予測需要量に基づく前記複数のエネルギー供給機器のエネルギー供給収入、設備コストおよび運転コストのキャッシュフローから算出される内部収益率または正味現在価値である、請求項5に記載の分散型エネルギーシステムの設備計画装置。
  7. 前記演算部は、遺伝的アルゴリズム又はタブーサーチ法を用いて前記評価関数を最適化することによって、最適な前記複数のエネルギー供給機器の組み合わせとその導入時期を求める、請求項5または6に記載の分散型エネルギーシステムの設備計画装置。
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