JP2015110092A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の興趣を向上させた遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ遊技機は、選択肢表示演出において、選択肢が表示されていない左領域、中領域、右領域にスーパーリーチA〜Dそれぞれに対応した選択肢A〜Dのいずれかを段階的に補充表示していく。また、選択肢選択演出では、スーパーリーチを実行する場合には、実行するスーパーリーチに対応する選択肢を選択表示し、スーパーリーチを実行しない場合(リーチハズレを実行する場合)には選択肢A〜Dが表示されていない空領域を選択表示する。【選択図】図36

Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。
従来から、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、始動入賞口など)に遊技媒体(例えば、遊技球など)が進入した後に、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄など)の可変表示を開始することを許容する開始条件が成立したことに基づいて、識別情報の可変表示を行い表示結果を導出し、予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄など)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機が知られている。
さらに、このような遊技機は、表示結果を特定表示結果とするか否かを表示結果の導出前に決定する事前決定手段と、事前決定手段の決定結果に基づいて表示結果を導出する導出手段と、を備えることがある。
そして、このような遊技機として、例えば、特許文献1には、導出手段が特定表示結果を導出する可能性を示唆する複数種類の示唆演出(特許文献1では、リーチ演出など)のうちのいずれかを実行可能な示唆演出実行手段と、示唆演出実行手段が実行し得る示唆演出に対応する選択肢(特許文献1では、リーチ演出の選択肢など)を表示する選択肢表示手段と、選択肢表示手段が表示した選択肢のうち示唆演出実行手段が実行する示唆演出に対応する選択肢を選択表示する選択肢選択手段と、を備えるものがある。
特開2011−143203号公報
特許文献1に記載された遊技機では、遊技の興趣を向上させることができない恐れがあった。
本発明は、遊技の興趣を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
(A)上記目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
所定条件が成立したときに遊技者にとって有利な特定状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段(例えば、CPU103が決定した変動パターンなどに基づいてステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記演出に対応する選択肢を表示する選択肢表示手段(例えば、CPU103が決定した変動パターンなどに基づいてステップS530の処理などを実行し、ステップS172で選択演出のうちの選択肢表示演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記選択肢表示手段は、前記選択肢を段階的に表示していくことで複数の前記選択肢を表示可能であり(例えば、選択肢表示演出を参照)、
前記選択肢表示手段により表示される選択肢の数が第1の数よりも前記第1の数よりも多い第2の数の方が、前記所定条件が成立する割合が高い(例えば、図22、図30などを参照。)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、遊技の興趣を向上させることができる。
(1)他の例に係る遊技機は、
識別情報(例えば、特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を開始して表示結果を導出し、前記表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄や大当り組合せの確定飾り図柄)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御する遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを当該表示結果の導出前に決定する事前決定手段(例えば、ステップS239の処理を行うCPU103など)と、
前記事前決定手段の決定結果に基づいて、前記特定表示結果が導出される可能性を示唆する複数種類の示唆演出(例えば、スーパーリーチなど)のうちのいずれかを実行可能な示唆演出実行手段(例えば、CPU103が決定した変動パターンなどに基づいてステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記示唆演出に対応する選択肢(例えば、選択肢A〜Dのいずれかなど)を表示する選択肢表示手段(例えば、CPU103が決定した変動パターンなどに基づいてステップS530の処理などを実行し、ステップS172で選択演出のうちの選択肢表示演出を実行する演出制御用CPU120など)と、
前記選択肢表示手段が表示した前記選択肢のうち前記示唆演出実行手段が実行する前記示唆演出に対応する選択肢を選択表示する選択肢選択手段(例えば、CPU103が決定した変動パターンなどに基づいてステップS530の処理などを実行し、ステップS172で選択演出のうちの選択肢選択演出を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記選択肢表示手段は、前記選択肢が表示されていない複数の所定領域(例えば、左領域、中領域、右領域の3つの所定領域など)に前記選択肢を段階的に補充していくことで前記選択肢を表示し(例えば、選択肢表示演出を参照)、
前記選択肢選択手段は、前記示唆演出実行手段が前記示唆演出を実行する場合には前記選択肢表示手段が表示した選択肢のうち前記示唆演出実行手段が実行する前記示唆演出に対応する選択肢を選択表示し(例えば、変動パターンによって指定されている選択肢を選択する選択肢選択演出を実行する演出制御用CPU120など)、前記示唆演出実行手段が前記示唆演出を実行しない場合には前記選択肢表示手段により前記選択肢が補充されていない前記所定領域(例えば、空領域など)を選択表示し(例えば、変動パターンによって指定されている空領域を選択する選択肢選択演出を実行する演出制御用CPU120など)、
前記選択肢表示手段は、補充する選択肢の数が第1の数よりも前記第1の数よりも多い第2の数の方が、前記特定表示結果が導出される導出割合が高くなるように前記選択肢を補充する(例えば、図22、図30などを参照。)、
ことを特徴とする。
このような構成によれば、選択肢を段階的に補充する過程で、示唆演出が実行されるという遊技者の期待感を向上させるだけでなく、遊技者は、選択肢が補充されていない所定領域が選択されて示唆演出が実行されない可能性が低くなるように感じることが出来るので、遊技の興趣が向上する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記示唆演出実行手段が実行可能な前記複数種類の示唆演出には、実行された場合に前記特定表示結果が導出される導出割合が異なる複数種類の示唆演出(例えば、スーパーリーチA〜Dなど)が含まれ、
前記選択肢表示手段は、第1のタイミングにて第1の示唆演出に対応する選択肢を補充した場合に、前記第1の示唆演出よりも前記導出割合が高い第2の示唆演出に対応する選択肢を、前記第1の示唆演出よりも前記導出割合が低い第3の示唆演出に対応する選択肢よりも、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにて補充しやすい(例えば、図25、図27、図28、図34などの期待度低下組合せなどを参照。)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2の示唆演出に対応する選択肢を第2のタイミングで補充しやすいので、選択肢を段階的に補充する過程で遊技者の期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣が向上する。
(3)上記(1)又は(2)に記載の遊技機において、
前記選択肢表示手段は、補充する選択肢の数が第1の数のときよりも前記第1の数よりも多い第2の数のときの方が、前記特定表示結果が導出される導出割合が高くなるように前記選択肢を補充する(例えば、図22、図30などを参照。)、
ようにしてもよい。
このような構成によれば、補充する選択肢の数が第2の数になると第1の数のときと比べて導出割合が高くなるので、選択肢を段階的に補充する過程で遊技者の期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣が向上する。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
前記示唆演出実行手段は、所定の演出(例えば、救済演出など)を行ってから前記示唆演出を実行可能であり、
前記選択肢選択手段は、前記所定の演出を行ってから前記示唆演出を実行する場合には、前記選択肢が補充されていない前記所定領域を選択表示し(例えば、図11などを参照)、
前記特定表示結果が導出される導出割合は、前記選択肢が表示されていない前記所定領域が選択表示されて前記所定の演出を行ってから前記示唆演出を実行したときの方が、前記選択肢が選択表示されて当該示唆演出を実行したときよりも、高い(例えば、図11などを参照)、
ようにしてもよい。
上記構成によれば、選択肢が表示されていない所定領域が選択されたとしても、特定表示結果が導出される導出割合が高くなる可能性があるので、遊技者の期待感を好適に持続されることができ、遊技の興趣が向上する。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
前記選択肢表示手段は、前記選択肢が選択表示されて前記選択肢に対応した前記示唆演出を実行する場合における前記特定表示結果が導出される導出割合が、前記選択肢及び前記選択肢が補充されていない所定領域の組合せ(例えば、表示する選択肢の組合せなど)が第1の組合せ(例えば、特定態様など)であるときと第2の組合せ(例えば、特定態様以外の態様など)であるときとで異なるように前記選択肢を表示する、
ようにしてもよい
上記構成によれば、選択肢と選択肢が補充されていない所定領域との組合せに応じて、特定表示結果を導出する導出割合が異なることがあるので、遊技者はこの組合せにも注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
前記選択肢選択手段は、実行された場合に前記特定表示結果が導出される導出割合が高い示唆演出に対応する選択肢を含む複数の選択肢が前記選択肢表示手段によって表示された場合に、前記導出割合が特定の基準以上の示唆演出に対応する選択肢を前記導出割合が前記特定の基準未満の示唆演出に対応する選択肢よりも高い割合で選択表示する(例えば、図25、図27、図28、図34などを参照。)、
ようにしてもよい。
上記構成によれば、特定表示結果を導出する導出割合が高い示唆演出に対応する選択肢が表示された場合に、特定の基準以上の導出割合の示唆演出に対応する選択肢が選択されやすいので、前記導出割合が高い示唆演出に対応する選択肢が表示された場合に特定の基準未満の導出割合の示唆演出に対応する選択肢が選択されて遊技者が落胆することを軽減できるので、遊技の興趣が向上する。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。 乱数値MR1〜MR3を説明するための図である。 特図保留記憶部の構成例を示す図である。 特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。 特図表示結果決定テーブル、大当り種別決定テーブルの構成例を示す説明図である。 変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。 変動パターンの構成例を示す説明図である。 選択演出で選択される選択肢と、実行されるリーチ演出と、大当り期待度との関係を示す図である。 大当り変動パターン決定テーブルと小当り変動パターン決定テーブルの構成例を示す図である。 ハズレ変動パターン決定テーブルの構成例を示す図である。 ハズレ変動パターン決定テーブルの構成例を示す図である。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。 第1〜第4決定処理の一例を示すフローチャートである。 特定態様にするか否かの決定テーブルの構成例を示す図である。 特定態様の一覧を示す図である。 補充順序決定テーブルの構成例を示す図である。 補充回数決定テーブルの構成例を示す図である。 補充場所決定テーブルの構成例を示す図である。 補充順序、補充場所決定テーブルの構成例を示す図である。 補充選択肢決定テーブルの構成例を示す図である。 補充順序、補充場所決定テーブルの構成例を示す図である。 補充選択肢決定テーブルの構成例を示す図である。 補充選択肢決定テーブルの構成例を示す図である。 第5決定処理の一例を示すフローチャートである。 補充回数決定テーブルの構成例を示す図である。 補充場所決定テーブルの構成例を示す図である。 補充選択肢決定テーブルの構成例を示す図である。 補充順序、補充場所決定テーブルの構成例を示す図である。 補充選択肢決定テーブルの構成例を示す図である。 可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。 選択演出やリーチ演出などで表示される主な画像の移り変わりを示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容での制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して実行する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を画像表示装置5に実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出(詳しくは後述する、リーチ演出、選択演出など、遊技を盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口に遊技球が進入しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となることもある。
第1特定遊技状態は、第2特定遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が高いものであればよく、第2特定遊技状態は、第1特定遊技状態よりも遊技者にとっての有利度が高いものであれば、これらの態様は適宜のものであればよい。第2特定遊技状態は、遊技者にとって有利でないものであってもよい。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、時短状態が終了して通常状態になることがある。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、時短状態とはならずに高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が少なくとも時短状態となっており高開放制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御が行われるようにしてもよい。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」(この実施の形態では、大当り種別が「確変」又は「非確変」となる「大当り」であるが、「突確」を含めた「大当り」であってもよい。)となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
この実施の形態では、一例として、リーチハズレ、スーパーA、スーパーB、スーパーC、スーパーDといったリーチ演出が予め設定されている(図10参照)。スーパーA〜Dは、所謂スーパーリーチのリーチ演出である。以下、スーパーAのリーチ演出をスーパーリーチAといい、スーパーBのリーチ演出をスーパーリーチBといい、スーパーCのリーチ演出をスーパーリーチCといい、スーパーDのリーチ演出をスーパーリーチDということがある。リーチハズレのリーチ演出は、可変表示結果がハズレになることを報知するリーチ演出である。以下、リーチハズレのリーチ演出を単にリーチハズレということがある。なお、リーチハズレが実行された場合には、リーチハズレからスーパーリーチへの変更(救済)があることを示す救済演出が実行されてからスーパーリーチC又はDが実行されることがある。以下では、このような救済(救済演出が実行されてからスーパーリーチC又はDが実行されること)があるリーチハズレを救済有りのリーチハズレなどといい、このような救済がないリーチハズレを救済無しのリーチハズレなどということがある。
詳しくは後述するが、どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(本実施形態では、大当り種別が「非確変」又は「確変」である「大当り」であるが、「突確」を含むすべての大当り種別の「大当り」であってもよいし、任意の1以上の大当り種別の「大当り」であってもよい。)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、救済無しのリーチハズレが実行された場合には、可変表示結果がハズレに確定する。スーパーリーチA〜D(スーパーリーチC及びDについてはリーチハズレから救済演出を経て実行される場合も含む)が実行された場合には、可変表示結果が「大当り」になる可能性があるが、この可能性は、リーチハズレから救済演出を経てスーパーリーチDが実行された場合が最も高く、リーチハズレから救済演出を経てスーパーリーチCが実行された場合が次に高く、後は、救済演出を経ないスーパーリーチD、救済演出を経ないスーパーリーチC、スーパーリーチB、スーパーリーチAが実行された順で大当り期待度が高い(図11参照)。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
また、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となったあと、かつ、上記各リーチ演出が実行される前に、選択演出が実行される。この実施の形態では、図36のように、選択演出は、所定領域に上記各スーパーリーチに対応する選択肢を補充することで選択肢を表示する選択肢表示演出と、選択肢表示演出で表示された1以上の選択肢のうちのいずれかなどを選択する選択肢選択演出とを含む。この実施の形態では、画像表示装置5の表示領域を左右方向に3等分した領域である左領域、中領域、右領域が前記所定領域になる。
選択肢表示演出において補充される選択肢は、スーパーリーチA〜Dにそれぞれ対応する選択肢A〜Dである。この実施の形態では、選択肢Aは、スーパーリーチAが実行されることを表すものである。選択肢Bは、スーパーリーチBが実行されることを表すものである。選択肢Cは、スーパーリーチCが実行されることを表すものである。選択肢Dは、スーパーリーチDが実行されることを表すものである。この実施の形態では、各選択肢は、画像表示装置5の表示領域に表示される一定の表示画像であり、文字(数字なども含む)又は図形の少なくとも一方を含む画像から構成される。各選択肢は、対応するスーパーリーチを文字や図形(例えば、対応するスーパーリーチに登場するキャラクター)などによって表現することによって、対応するスーパーリーチを表現する。
選択肢表示演出では、前記所定領域に、選択肢を1つずつ(なお、複数個ずつであってもよい。)段階的に補充表示していくことで、選択肢を段階的に表示していく。選択肢が補充されていない所定領域を、空領域という。選択肢表示演出では、すべての所定領域に選択肢を補充する場合もあれば、選択肢を補充しない空領域を残す場合もある。例えば、3つの所定領域すべてに選択肢が補充される場合には、3回に分けて選択肢が補充され、2つの所定領域に選択肢が補充される場合には、2回に分けて選択肢が補充され、1つの所定領域に選択肢が補充される場合には、選択肢が1回で補充される。
選択肢選択演出では、選択肢が補充された所定領域を選択することで、当該所定領域に補充された選択肢を選択し、また、空領域がある場合には、選択肢の代わりに空領域を選択する場合もある。選択肢選択演出では、例えば、各所定領域を囲む選択用枠をルーレットのように、各所定領域を順次囲むように移動させ(例えば、左領域→中領域→右領域→左領域・・・の順に選択用枠を移動させる。)、選択する所定領域にて選択用枠を停止させる。これによって選択肢又は空領域の選択が行われる。選択肢選択演出において選択された選択肢(選択用枠が停止した所定領域に補充された選択肢)又は空領域(選択用枠が停止した空領域)に対応したリーチ演出が実行される。
図11のように、選択肢選択演出で、選択肢Aが選択された場合には、スーパーリーチAがその後に実行される。選択肢Bが選択された場合には、スーパーリーチBがその後に実行される。選択肢Cが選択された場合には、スーパーリーチCがその後に実行される。選択肢Dが選択された場合には、スーパーリーチDがその後に実行される。また、選択肢が補充されていない空領域が選択された場合には、救済有り又は救済無しのリーチハズレが実行される。救済有りのリーチハズレが実行され救済演出が実行された場合には、上述のようにスーパーリーチC又はDが実行される。なお、選択肢A〜Dのいずれかが選択された場合には、救済演出は実行されない。各リーチ演出についての大当り期待度の関係は、図11や上記で説明したようになる。
選択肢選択演出での選択によって、選択演出の結果として、選択肢又は空領域が選択されることになり、その後に実行されるリーチ演出の種類(選択された選択肢又は空領域に対応するリーチ演出)が報知されることになる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。なお、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されるようにしてもよい。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と同様に、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特図表示結果が「小当り」となるときには、大当り種別が「突確」となる場合と同様に、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図5参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、図5に示す、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図6(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図6(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図6(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば選択演出、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図6(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えば選択演出、リーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じて、始動口入賞指定コマンド、保留数記憶通知コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する演出制御コマンドである第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。さらに、始動口バッファ値が「1」であるときに、CPU103は、演出制御基板12に対して、第1特図保留記憶数(第1保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、CPU103は、演出制御基板12に対して、第2特図保留記憶数(第2保留記憶数カウント値などから特定すればよい)を通知する第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
ここでの第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ここでは、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する演出制御コマンドである合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図7は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図8(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態(確変状態)である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態(確変状態でない状態)である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図8(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて(例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて)、大当り種別を複数種類(第1特図の場合は、「確変」、「非確変」、「突確」、第2特図の場合は、「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図8(B)参照)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかと、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかを判定し(例えば、変動特図指定バッファ値が「1」であるか「2」であるかで判定できる。)、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものである場合(例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合)には、「突確」を大当り種別として決定(選択)し、今回の特図ゲームが第2特図を用いたものである場合(例えば、変動特図指定バッファ値が「2」である場合)には、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
図8(B)では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第2特図には、大当り種別が「突確」とはならない。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が進入しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が進入したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合と比べて、大当り種別が「突確」に決定されにくいように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図8(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」、「突確」の場合には「2」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図3のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図9は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図10は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合や大当り種別が「突確」または可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1−1からPA1−3と、時短時用の変動パターンPB1−1からPB1−2と、が用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、リーチ成立後、選択演出を実行し、選択演出で選択された選択肢のリーチ演出を実行することを指定する変動パターンが用意されている。
より具体的には、リーチ成立後、選択演出(選択肢Aを少なくとも表示する選択演出)を実行し、選択演出の演出結果として選択肢Aを選択し、その後にスーパーリーチAを実行することを指定する変動パターンとして、変動パターンPA2−2(可変表示結果が「ハズレ」になる場合)と、変動PA3−2(可変表示結果が「大当り」になる場合)と、が用意されている。
また、リーチ成立後、選択演出(選択肢Bを少なくとも表示する選択演出)を実行し、選択演出の演出結果として選択肢Bを選択し、その後にスーパーリーチBを実行することを指定する変動パターンとして、変動パターンPA2−3(可変表示結果が「ハズレ」になる場合)と、変動PA3−3(可変表示結果が「大当り」になる場合)と、が用意されている。
また、リーチ成立後、選択演出(選択肢Cを少なくとも表示する選択演出)を実行し、選択演出の演出結果として選択肢Cを選択し、その後にスーパーリーチCを実行することを指定する変動パターンとして、変動パターンPA2−4(可変表示結果が「ハズレ」になる場合)と、変動PA3−4(可変表示結果が「大当り」になる場合)と、が用意されている。
また、リーチ成立後、選択演出(選択肢Dを少なくとも表示する選択演出)を実行し、選択演出の演出結果として選択肢Dを選択し、その後にスーパーリーチDを実行することを指定する変動パターンとして、変動パターンPA2−5(可変表示結果が「ハズレ」になる場合)と、変動PA3−5(可変表示結果が「大当り」になる場合)と、が用意されている。
また、リーチ成立後、選択演出(選択肢を補充しない空領域を残した選択演出)を実行し、選択演出の演出結果として空領域を選択し、リーチハズレ、救済演出、スーパーリーチCを実行することを指定する変動パターンとして、変動パターンPA2−6(可変表示結果が「ハズレ」になる場合)と、変動PA3−6(可変表示結果が「大当り」になる場合)と、が用意されている。
また、リーチ成立後、選択演出(選択肢を補充しない空領域を残した選択演出)を実行し、選択演出の演出結果として空領域を選択し、リーチハズレ、救済演出、スーパーリーチDを実行することを指定する変動パターンとして、変動パターンPA2−7(可変表示結果が「ハズレ」になる場合)と、変動PA3−7(可変表示結果が「大当り」になる場合)と、が用意されている。
さらに、可変表示が「ハズレ」のときにのみ選択される変動パターンとして、選択演出(選択肢を補充しない空領域を残した選択演出)を実行し、選択演出の演出結果として空領域を選択し、救済無しのリーチハズレを実行する変動パターンPA2−1が用意されている。つまり、空領域が選択されてリーチハズレが実行され、救済がない場合には、可変表示結果は必ず「ハズレ」になる。
さらに、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」のときと、可変表示結果が「小当り」のときと、に選択される変動パターンとして、非リーチから短期開放チャンス目を導出表示することを指定する変動パターンPC1−1が用意されている。
図9に示すステップS262の処理では、例えば図12(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が、「非確変」又は「確変」と、「突確」とのいずれであるかに応じて(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り種別が「非確変」又は「確変」と、「突確」と、のいずれであるかに応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、大当り種別バッファ設定値が「0」又は「1」のときには変動パターンPA3−6を選択し、大当り種別バッファ設定値が「2」のときには変動パターンPC1−1を選択する。
図9に示すステップS264の処理では、例えば図12(B)に示す小当り変動パターン決定テーブルを用いて、小当り時の変動パターンが決定される。小当り変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と共通の変動パターンPC1−1に対して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)がすべて割り当てられている。
なお、大当り種別が「突確」となる場合に決定可能な変動パターンには、可変表示結果が「小当り」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。あるいは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定可能な変動パターンには、大当り種別が「突確」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図9に示すステップS265の処理では、遊技状態が時短状態以外である場合(時短中以外の場合)と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図13に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図14に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値などから特定すればよい。
CPU103は、例えば、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、時短中以外と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中以外のときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「196」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「2」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図13に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図14に示すハズレ変動パターン決定テーブルでも、合計保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図12及び13から分かるように、大当り種別が「確変」又は「非確変」のときの「大当り」時には、変動パターンを選択する割合(決定割合)が、変動パターンPA3−7、PA3−6、PA3−5、PA3−4、PA3−3、PA3−2の順で高い(PA3−7が最も高い)。一方で、「ハズレ」のときの決定割合は、変動パターンPA2−7、PA2−6、PA2−5、PA2−4、PA2−3、PA2−2の順で低い(PA2−7が最も低い)。このことから、大当り期待度は、空領域が選択されて、リーチハズレ、救済演出を経てスーパーリーチDが実行される場合が最も高く、次いで、空領域が選択されて、リーチハズレ、救済演出を経てスーパーリーチCが実行される場合、選択肢Dが選択されてスーパーリーチDが実行される場合、選択肢Cが選択されてスーパーリーチCが実行される場合、選択肢Bが選択されてスーパーリーチBが実行される場合、選択肢Aが選択されてスーパーリーチAが実行される場合、の順で高い(図11参照)。また、空領域が選択されて、救済無しのリーチハズレを実行することを指定する変動パターンは、ハズレ時にしか選択されないようになっているので(変動パターンPA2−1参照)、空領域が選択されて、リーチハズレのみが実行される場合(つまり、救済演出やスーパーリーチBが実行されない場合)、可変表示結果はハズレ確定になる。
図9に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図10に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域(例えば遊技制御タイマ設定部)に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。なお、他の時間設定も、タイマ値を設定するなどすることによって適宜行われればよい。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図3のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの現在の経過時間を特定する処理(例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理、他の経過時間についても適宜同様。)などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したとき(例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になったとき、他の経過時間についても適宜同様。)には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図3のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグや小当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理や、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にし、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理が含まれる。
また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオフ状態である場合に、時短フラグがオン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減らし、減らした後のカウント値が「0」である場合に時短フラグをオフ状態にし、時短状態を終了させる処理や、小当りフラグがオン状態である場合に、小当り開始時演出待ち時間(小当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する制御コマンドである当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「8」に更新する処理や、大当りフラグ及び小当りフラグがオン状態でない場合、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。
前記送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時や小当り時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
図3のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定する処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定する処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定する。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの現在の経過時間(上記で計測開始された経過時間)を特定する処理や、その特定した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの現在の経過時間を特定する処理などが含まれている。そして、特定した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間(例えば、ステップS115で閉鎖状態に戻したときに設定される。)になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することなどが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理には、大当り終了時演出(エンディング演出)待ち時間(大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての後述のエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間であり、予め設定された時間)が経過したか否かを判定する処理が含まれる。大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ、そのまま大当り終了処理を終了する。大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、大当り種別が「非確変」であれば(大当り種別バッファ設定値が「0」であれば)、確変フラグをオフ状態のままにして時短フラグをオン状態にし、大当り種別が「確変」又は「突確」であれば(大当り種別バッファ設定値が「1」又は「2」であれば)、確変フラグ及び時短フラグをオン状態にする。このようにして、大当り種別が「非確変」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、時短制御のみの低確高ベース状態になり、大当り種別が「確変」又は「突確」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変制御及び時短制御がある高確高ベース状態になる。また、時短フラグをオン状態にした場合に、時短回数カウンタにカウント初期値(例えば、100回)を設定する。大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には、最後に特図プロセスフラグの値が「0」に更新される。
時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
図3のステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったこと、大入賞口を開放状態にするタイミングになったこと(例えば、上記で設定された小当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。また、小当り開放前処理では、例えば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」などに設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われる。大入賞口を開放状態とする処理などが行われると、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。ステップS118が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの現在の経過時間(上記で計測開始された経過時間)を特定する処理や、その特定した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS118で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻したタイミングからの現在の経過時間を特定する処理、特定した経過時間が予め設定された時間になった場合に再び大入賞口を開放状態とする処理などが実行される。再び大入賞口を開放状態とする場合には、上記経過時間を特定する処理や、上記大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などを再度行う。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、小当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである小当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS118が繰り返し行われ、ステップS119が繰り返し行われることによって、小当り遊技状態が実現される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理(待ち時間が経過するまで小当り終了処理を終了する)などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、始動入賞が発生したときに主基板11から伝送された、第1始動口入賞指定コマンド及び第1保留記憶数通知コマンドと、第2始動口入賞指定コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドと、のいずれかを受信した場合には、保留記憶の数が1増えているので、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ増やし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ増やす。始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第1保留表示によって特定可能となっている第1特図保留記憶数を1つ増加させる。始動口入賞指定コマンドが第2始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第2保留表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ増加させる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う処理が再度実行される。
図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御が行われた後では、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、又は、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別が「突確」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口短期開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口短期開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における各種の演出制御(大当りや小当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口短期開放時処理では、例えば主基板11からの大当り遊技状態終了コマンド又は小当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS175の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図16は、可変表示開始設定処理として、図15のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば短期開放チャンス目、所定のリーチ組合せなどといった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。なお、ステップS523では、短期開放チャンス目などといった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定しないようにしてもよい(例えば、このような組合せを決定してしまったら、これらの組合せには該当しない、予め用意した非リーチ組合せを構成する飾り図柄を確定飾り図柄として決定(選択)するようにする。)。
ステップS526における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
「突確」の場合や「小当り」の場合に、所定のリーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄を導出してもよく、この場合には、このような変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを用意し、ステップS526における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより、このような変動パターンが指定された場合に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される所定のリーチ組合せ決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のリーチ組合せ決定用のテーブルを参照することなどにより、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した所定のリーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい(この場合、ステップS523では、所定のリーチ組合せなどといった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定しないようにしてもよい。)。あるいは、このような変動パターンが指定された場合に、ステップS524と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS524とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目又は「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した所定のリーチ組合せに含まれてもよい。
なお、「突確」となる場合や「小当り」となる場合に対応して所定のリーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄を導出する変動パターンが指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS526の処理では、このような変動パターンが指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このとき、例えば、可変表示結果通知コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S526、S527の処理のいずれかを実行した後には、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから決定する変動パターン決定処理を実行する(ステップS530)。
図17は、変動パターン決定処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン決定処理では、まず、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが選択演出を含む変動パターンであるかを判定する(ステップS541)。具体的には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが変動パターンPA2−1〜PA2−7、PA3−2〜PA3−7のいずれかであるかを判定する。
例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、変動パターンPA2−1〜PA2−7、PA3−2〜PA3−7のいずれかである場合には、指定された変動パターンが選択演出を含む変動パターンであるので(ステップS541;Yes)、演出制御用CPU120は、指定された変動パターンが選択肢Aを選択してスーパーリーチAを実行するものであるか(例えば指定された変動パターンがPA2−2又はPA3−2であるか)を判定する(ステップS542)。
指定された変動パターンがPA2−2又はPA3−2であるなどして、指定された変動パターンが選択肢Aを選択してスーパーリーチAを実行するものである場合には(ステップS542;Yes)、演出制御用CPU120は、後述の第1決定処理を実行して(ステップS543)、変動パターン決定処理を終了する。
指定された変動パターンがPA2−2又はPA3−2以外であるなどして、指定された変動パターンが選択肢Aを選択してスーパーリーチAを実行するものでない場合には(ステップS542;No)、演出制御用CPU120は、指定された変動パターンが選択肢Bを選択してスーパーリーチBを実行するものであるか(例えば指定された変動パターンがPA2−3又はPA3−3であるか)を判定する(ステップS544)。
指定された変動パターンがPA2−3又はPA3−3であるなどして、指定された変動パターンが選択肢Bを選択してスーパーリーチBを実行するものである場合には(ステップS544;Yes)、演出制御用CPU120は、後述の第2決定処理を実行して(ステップS545)、変動パターン決定処理を終了する。
指定された変動パターンがPA2−3又はPA3−3以外であるなどして、指定された変動パターンが選択肢Bを選択してスーパーリーチBを実行するものでない場合には(ステップS544;No)、演出制御用CPU120は、指定された変動パターンが選択肢Cを選択してスーパーリーチCを実行するものであるか(例えば指定された変動パターンがPA2−4又はPA3−4であるか)を判定する(ステップS546)。
指定された変動パターンがPA2−4又はPA3−4であるなどして、指定された変動パターンが選択肢Cを選択してスーパーリーチCを実行するものである場合には(ステップS546;Yes)、演出制御用CPU120は、後述の第3決定処理を実行して(ステップS547)、変動パターン決定処理を終了する。
指定された変動パターンがPA2−4又はPA3−4以外であるなどして、指定された変動パターンが選択肢Cを選択してスーパーリーチCを実行するものでない場合には(ステップS546;No)、演出制御用CPU120は、指定された変動パターンが選択肢Dを選択してスーパーリーチDを実行するものであるか(例えば指定された変動パターンがPA2−5又はPA3−5であるか)を判定する(ステップS548)。
指定された変動パターンがPA2−5又はPA3−5であるなどして、指定された変動パターンが選択肢Dを選択してスーパーリーチDを実行するものである場合には(ステップS548;Yes)、演出制御用CPU120は、後述の第4決定処理を実行して(ステップS549)、変動パターン決定処理を終了する。
指定された変動パターンがPA2−5又はPA3−5以外であるなどして、指定された変動パターンが選択肢Dを選択してスーパーリーチDを実行するものでない場合には(ステップS548;No)、演出制御用CPU120は、指定された変動パターンが空領域を選択して救済有り又は救済無しのリーチハズレを実行するものであるか(例えば指定された変動パターンがPA2−1、PA2−6、PA2−7、PA3−6、PA3−7のいずれかであるか)を判定する(ステップS550)。
指定された変動パターンがPA2−1、PA2−6、PA2−7、PA3−6、PA3−7であるなどして、指定された変動パターンが空領域を選択して救済有り又は救済無しのリーチハズレを実行するものである場合には(ステップS550;Yes)、演出制御用CPU120は、後述の第5決定処理を実行して(ステップS551)、変動パターン決定処理を終了する。また、指定された変動パターンがPA2−1、PA2−6、PA2−7、PA3−6、PA3−7以外であるなどして、指定された変動パターンが空領域を選択して救済有り又は救済無しのリーチハズレを実行するものでない場合には(ステップS550;No)、演出制御用CPU120は、変動パターン決定処理をそのまま終了する。
例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、変動パターンPA2−1〜PA2−7、PA3−2〜PA3−7のいずれかでもない場合には、指定された変動パターンが選択演出を含む変動パターンでないので(ステップS541;No)、演出制御用CPU120は、指定された変動パターンに応じて、選択演出を実行することを含まない演出制御パターンを使用パターンとして決定(設定)し(ステップS552)、変動パターン決定処理を終了する。ステップS552において、演出制御用CPU120は、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのうち、選択演出の実行を含まない演出制御パターンであって、指定された変動パターンに対応した演出制御パターンをこれからの演出(飾り図柄の変動についての演出)の実行に使用する使用パターンとして決定する。
次に、第1〜第4決定処理について説明する。これら処理は、選択演出の内容を決定する処理であり、参照されるテーブルなどが異なるだけで、処理の内容は共通する。従って、第1〜第4決定処理については、図18を参照しながら、まとめて説明する。ここで、決定される選択演出の内容は、特に、選択肢表示演出において補充表示する選択肢をいずれの選択肢にするか、選択肢表示演出において補充場所や補充順序をどのようにするかなどである。選択肢選択演出で選択される選択肢は変動パターンによって指定される。
図18は、第1〜第4決定処理の一例を示すフローチャートである。第1〜第4決定処理では、まず、演出制御用CPU120は、選択肢の提示態様(表示する選択肢の組合せ)を特定態様(特定の組合せ)とするかを決定する(ステップS601)。
特定態様は、選択演出で選択される選択肢によって異なる(つまり、第1〜第4決定処理のいずれが実行されているかで異なる)。図20のように、選択される選択肢が選択肢Aの場合(つまり、変動パターンが選択肢Aを選択してスーパーリーチAを実行することを指定している場合)の特定態様では、左領域、中領域、右領域それぞれに選択肢Aが補充されて表示される。選択される選択肢が選択肢Bの場合(つまり、変動パターンが選択肢Bを選択してスーパーリーチBを実行することを指定している場合)の特定態様では、左領域、中領域、右領域それぞれに選択肢Bが補充されて表示される。選択される選択肢が選択肢Cの場合(つまり、変動パターンが選択肢Cを選択してスーパーリーチCを実行することを指定している場合)の特定態様では、左領域、中領域、右領域それぞれに選択肢Cが補充されて表示される。選択される選択肢が選択肢Bの場合(つまり、変動パターンが選択肢Dを選択してスーパーリーチDを実行することを指定している場合)の特定態様では、左領域、中領域、右領域それぞれに選択肢Dが補充されて表示される。
なお、特定態様としたときに選択される選択肢は、この実施の形態では、中領域に表示された選択肢で固定であるが(図20参照)、乱数値や決定テーブルを用いて選択する選択肢を3つの所定領域に表示された選択肢のうちのいずれかに決定するようにしてもよい。
例えば、ステップS601では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される特定態様にするか否かの決定用の乱数値SR1(「1」〜「100」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された特定態様にするか否かの決定テーブルを参照することなどにより、選択肢の提示態様を特定態様にするか否かを決定する。
一例として、特定態様にするか否かの決定テーブルでは、図19に示すように、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」と、可変表示結果が「ハズレ」と、のいずれであるかに応じて(可変表示結果通知コマンドなどによって特定できる。)、乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、「特定態様にする」又は「特定態様にしない」のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR1を示す数値データと、可変表示結果と、に基づいて、特定態様にするか否かの決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」と、可変表示結果が「ハズレ」と、のいずれであるかに応じて乱数値SR1に該当する決定値に割り当てられた決定結果を選択することによって、特定態様にするか否かを決定すればよい。例えば、乱数値SR1が「50」である場合、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」である場合には、選択肢の提示態様を「特定態様にする」と決定し、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、選択肢の提示態様を「特定態様にしない」と決定する。
この実施の形態では、ステップS601で参照される特定態様にするか否かの決定テーブル及び乱数値SR1は、第1〜第4決定処理において共通のものを使用する。図19のように、可変表示結果が「大当り」のときには、「特定の態様にする」と決定するときの決定割合が、「特定の態様にしない」と決定するときの決定割合よりも高く、可変表示結果が「ハズレ」のときには、その逆となるので、同じスーパーリーチが実行されるときの大当り期待度が、特定態様にした方が、特定態様にしない場合よりも、高くなる。ステップS601で参照される特定態様にするか否かの決定テーブル及び乱数値SR1は、第1〜第4決定処理において、異なるものとしてもよいが、その場合であっても大当り期待度に関する前記条件は満たすようにするとよい。
ステップS601のあと、演出制御用CPU120は、ステップS601で選択肢の提示態様を特定態様にすると決定したかを判定し(ステップS602)、特定態様にすると決定した場合には(ステップS602;Yes)、選択肢の補充順序を決定する(ステップS603)。特定態様にする場合には、左領域、中領域、右領域のすべてに選択肢が補充されるので、3つの領域への選択肢の補充順序をステップS603で決定する。
例えば、ステップS603では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充順序決定用の乱数値SR2(「1」〜「60」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充順序決定テーブルを参照することなどにより、選択肢の補充順序を決定する。
一例として、補充順序決定テーブルでは、図21に示すように、乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、予め用意された補充順序のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。なお、図21中、「左」は、左領域に選択肢を補充することを示し、「中」は、中領域に選択肢を補充することを示し、「右」は、右領域に選択肢を補充することを示す(図24、26、33などについても同じ。)
演出制御用CPU120は、乱数値SR2を示す数値データに基づいて、補充順序決定テーブルを参照することにより、乱数値SR2に該当する決定値に割り当てられた補充順序を選択することによって、補充順序を決定すればよい。例えば、第1決定処理では、乱数値SR2が「50」である場合、演出制御用CPU120は、まず右領域に選択肢Aを補充し、次に中領域に選択肢Aを補充し、最後に左領域に選択肢Aを補充するという、補充順序を選択する。なお、決定処理に応じて補充される選択肢が異なることは上述の通りである。
この実施の形態では、ステップS603で参照される補充順序決定テーブル及び乱数値SR2は、第1〜第4決定処理において共通のものを使用するが、第1〜第4決定処理において異なるものが使用されてもよい。
ステップS602にて特定態様にしないと決定した場合には(ステップS602;No)、演出制御用CPU120は、選択肢の補充回数(選択肢を補充する回数であり、補充する選択肢の数でもある。)を決定する(ステップS604)。
例えば、ステップS604では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充回数決定用の乱数値SR3(「1」〜「70」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充回数決定テーブルを参照することなどにより、補充回数を決定する。
一例として、補充回数決定テーブルでは、図22に示すように、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」と、可変表示結果が「ハズレ」と、のいずれであるかに応じて(可変表示結果通知コマンドなどによって特定できる。)、乱数値SR3と比較される数値(決定値)が、補充回数1回〜3回のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR3を示す数値データと、可変表示結果と、に基づいて、補充回数決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」と、可変表示結果が「ハズレ」と、のいずれであるかに応じて乱数値SR3に該当する決定値に割り当てられた補充回数を選択することによって、選択肢の補充回数を決定すればよい。例えば、乱数値SR3が「50」である場合、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」である場合には、補充回数を「3回」と決定し、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、補充回数を「2回」と決定する。
この実施の形態では、ステップS604で参照される補充回数決定テーブル及び乱数値SR3は、第1〜第4決定処理において共通のものを使用する。図22のように、可変表示結果が「大当り」のときには、補充回数が多い方がその決定割合が高く、可変表示結果が「ハズレ」のときには、その逆となるので、同じスーパーリーチが実行されるときの大当り期待度は、選択肢の補充回数が多い方が高くなる。ステップS604で参照される補充回数決定テーブル及び乱数値SR3は、第1〜第4決定処理において、異なるものとしてもよいが、その場合であっても大当り期待度に関する前記条件は満たすようにするとよい。
ステップS604のあと、演出制御用CPU120は、ステップS604で決定した補充回数が1回であるかを判定する(ステップS605)。補充回数が1回である場合(ステップS605;Yes)、選択肢の補充場所を決定する(ステップS606)。なお、補充される選択肢は、現在の処理が第1〜第4決定処理のいずれであるかによって当然異なる。第1決定処理であれば選択肢Aが補充され、第2決定処理であれば選択肢Bが補充され、第3決定処理であれば選択肢Cが補充され、第4決定処理であれば選択肢Dが補充される。そして、補充された選択肢が選択演出の結果として選択されることになる。
例えば、ステップS606では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充場所決定用の乱数値SR4(「1」〜「30」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充場所決定テーブルを参照することなどにより、補充場所を決定する。
一例として、補充場所決定テーブルでは、図23に示すように、乱数値SR4と比較される数値(決定値)が、補充場所である所定領域、左領域、中領域、右領域のいずれかに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR4を示す数値データに基づいて、補充場所決定テーブルを参照し、乱数値SR4に該当する決定値に割り当てられた補充場所を選択することによって、選択肢の補充場所を決定すればよい。例えば、乱数値SR4が「10」である場合、演出制御用CPU120は、補充場所を「左領域」と決定する。
この実施の形態では、ステップS606で参照される補充場所決定テーブル及び乱数値SR4は、第1〜第4決定処理において共通のものを使用するが、これらは、第1〜第4決定処理において、異なるものとしてもよい。
補充回数が1回でない場合(ステップS605;No)、ステップS604で決定した補充回数が2回であるかを判定し(ステップS607)、2回である場合には(ステップS607;Yes)、選択肢の補充順序及び補充場所を決定する(ステップS608)。
例えば、ステップS608では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充順序、補充場所決定用の乱数値SR5(「1」〜「60」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充順序、補充場所決定テーブルを参照することなどにより、補充順序、補充場所を決定する。
一例として、補充順序、補充場所決定テーブルでは、図24に示すように、乱数値SR5と比較される数値(決定値)が、補充順序及び補充場所を特定した決定結果のいずれかに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR5を示す数値データに基づいて、補充順序、補充場所決定テーブルを参照し、乱数値SR5に該当する決定値に割り当てられた補充順序及び補充場所を特定した決定結果を選択することによって、選択肢の補充順序及び補充場所を決定すればよい。例えば、乱数値SR5が「10」である場合、演出制御用CPU120は、1回目に左領域に選択肢を補充し、2回目に中領域に選択肢を補充することを決定する。
この実施の形態では、ステップS608で参照される補充順序、補充場所決定テーブル及び乱数値SR5は、第1〜第4決定処理において共通のものを使用するが、これらは、第1〜第4決定処理において、異なるものとしてもよい。
ステップS608のあと、演出制御用CPU120は、2つの所定領域に補充する選択肢(補充選択肢)を決定する(ステップS609)。例えば、ステップS609では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充選択肢決定用の乱数値SR6〜SR9のいずれかを示す数値データを抽出する。第1決定処理では乱数値SR6(「1」〜「65」のいずれかを取り得る乱数値)が抽出され、第2決定処理では乱数値SR7(「1」〜「65」のいずれかを取り得る乱数値)が抽出され、第3決定処理では乱数値SR8(「1」〜「85」のいずれかを取り得る乱数値)が抽出され、第4決定処理では乱数値SR9(「1」〜「85」のいずれかを取り得る乱数値)が抽出される。その後、抽出した乱数値に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された補充選択肢決定テーブルを参照することなどにより、補充選択肢を決定する。
補充選択肢決定テーブルは、第1〜第4決定処理それぞれに対応して用意されている。一例として、第1決定処理では、図25(A)の補充選択肢決定テーブルが参照され、第2決定処理では、図25(B)の補充選択肢決定テーブルが参照され、第3決定処理では、図25(C)の補充選択肢決定テーブルが参照され、第4決定処理では、図25(D)の補充選択肢決定テーブルが参照される。各補充選択肢決定テーブルでは、乱数値SR6〜SR9のいずれかと比較される数値(決定値)が、1回目及び2回目に補充される補充選択肢の組合せに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、前記抽出された乱数値SR6〜SR9のうちのいずれかを示す数値データに基づいて、現在の決定処理に応じた補充選択肢決定テーブルを参照し、前記抽出された乱数値SR6〜SR9のうちのいずれかに該当する決定値に割り当てられた補充選択肢の組合せを選択することによって、補充選択肢(特に補充選択肢の組合せ)を決定すればよい。例えば、今回抽出された乱数値が「30」である場合、演出制御用CPU120は、第1決定処理中には、1回目に選択肢Aを補充し、2回目に選択肢Bを補充することを決定し、第2決定処理中には、1回目に選択肢Bを補充し、2回目に選択肢Cを補充することを決定し、第3決定処理中には、1回目に選択肢Cを補充し、2回目に選択肢Dを補充することを決定し、第4決定処理中には、1回目に選択肢Aを補充し、2回目に選択肢Dを補充することを決定する。なお、演出結果として選択される選択肢は、ここでは固定であるが(各補充選択肢決定テーブルにおけるドットが付された選択肢、例えば、図25(A)の1〜20に割り当てられた補充選択肢では1回目に補充される選択肢Aが選択される。)、選択させる選択肢と同じ種類の選択肢が2つ補充される場合(例えば、第1決定処理において1回目に選択肢Aを補充し、2回目にも選択肢Aを補充する場合)には、いずれの選択肢を選択するかを乱数値や決定テーブルなどを用いて決定してもよい。
ステップS604で決定した補充回数が2回でない場合(3回である場合)には(ステップS607;No)、3回の補充回数に対応して、選択肢の補充順序及び補充場所を決定する(ステップS610)。
例えば、ステップS610では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充順序、補充場所決定用の乱数値SR10(「1」〜「60」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充順序、補充場所決定テーブルを参照することなどにより、補充順序、補充場所を決定する。
一例として、ここでの補充順序、補充場所決定テーブルでは、図26に示すように、乱数値SR10と比較される数値(決定値)が、補充順序(3回分の順序)及び補充場所を特定した決定結果のいずれかに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR10を示す数値データに基づいて、図26の補充順序、補充場所決定テーブルを参照し、乱数値SR10に該当する決定値に割り当てられた補充順序及び補充場所を特定した決定結果を選択することによって、選択肢の補充順序及び補充場所を決定すればよい。例えば、乱数値SR10が「10」である場合、演出制御用CPU120は、1回目に左領域に選択肢を補充し、2回目に中領域に選択肢を補充し、3回目に右領域に選択肢を補充することを決定する。
この実施の形態では、ステップS610で参照される補充順序、補充場所決定テーブル及び乱数値SR10は、第1〜第4決定処理において共通のものを使用するが、これらは、第1〜第4決定処理において、異なるものとしてもよい。
ステップS610のあと、演出制御用CPU120は、3つの所定領域に補充する選択肢(補充選択肢)を決定する(ステップS611)。例えば、ステップS611では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充選択肢決定用の乱数値SR11〜SR14のいずれかを示す数値データを抽出する。第1決定処理では乱数値SR11(「1」〜「105」のいずれかを取り得る乱数値)が抽出され、第2決定処理では乱数値SR12(「1」〜「105」のいずれかを取り得る乱数値)が抽出され、第3決定処理では乱数値SR13(「1」〜「195」のいずれかを取り得る乱数値)が抽出され、第4決定処理では乱数値SR14(「1」〜「190」のいずれかを取り得る乱数値)が抽出される。その後、抽出した乱数値に基づいて、ROM121に予め記憶されて用意された補充選択肢決定テーブルを参照することなどにより、補充選択肢の組合せを決定する。
補充選択肢決定テーブルは、第1〜第4決定処理それぞれに対応して用意されている。一例として、第1決定処理では、図27(A)の補充選択肢決定テーブルが参照され、第2決定処理では、図27(B)の補充選択肢決定テーブルが参照され、第3決定処理では、図28(A)の補充選択肢決定テーブルが参照され、第4決定処理では、図28(B)の補充選択肢決定テーブルが参照される。各補充選択肢決定テーブルでは、乱数値SR11〜SR14のいずれかと比較される数値(決定値)が、1回目〜3回目に補充される補充選択肢の組合せに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、前記抽出された乱数値SR11〜SR14のうちのいずれかを示す数値データに基づいて、現在の決定処理に応じた補充選択肢決定テーブルを参照し、前記抽出された乱数値SR11〜SR14のうちのいずれかに該当する決定値に割り当てられた補充選択肢の組合せを選択することによって、補充選択肢を決定すればよい。例えば、乱数値SR11〜SR14のうちの今回抽出された乱数値が「30」である場合、演出制御用CPU120は、第1決定処理中には、1回目に選択肢Aを補充し、2回目に選択肢Bを補充し、3回目に選択肢Bを補充することを決定し、第2決定処理中には、1回目に選択肢Bを補充し、2回目に選択肢Cを補充し、3回目に選択肢Cを補充することを決定し、第3決定処理中には、1回目に選択肢Cを補充し、2回目に選択肢Dを補充し、3回目に選択肢Dを補充することを決定し、第4決定処理中には、1回目に選択肢Bを補充し、2回目に選択肢Dを補充し、3回目に選択肢Dを補充することを決定する。なお、演出結果として選択される選択肢は、ここでは固定であるが(各補充選択肢決定テーブルにおけるドットが付された選択肢、例えば、図28(A)の1〜20に割り当てられた補充選択肢では1回目に補充される選択肢Cが選択される。)、選択させる選択肢と同じ種類の選択肢が2つ補充される場合(例えば、第1決定処理において1回目に選択肢Aを補充し、2回目にも選択肢Aを補充し、3回目に選択肢Bを補充する場合)には、いずれの選択肢を選択するかを乱数値や決定テーブルなどを用いて決定してもよい。
図25、図27、図28に示す各テーブルによれば、補充される選択肢に対応するスーパーリーチの大当り期待度が後のタイミングで前のタイミングよりも下がる補充選択肢の組合せが選択されにくくなっている。具体的には、上記各テーブルによれば、前記大当り期待度が後のタイミングで前のタイミングよりも下がることが含まれる補充選択肢の組合せ(期待度低下組合せ)に割り当てられた決定値の範囲が、前記大当り期待度が後のタイミングで前のタイミングよりも下がることがない(上がる、又は、同じ)組合せ(期待度低下組合せ以外の組合せ)に割り当てられた決定値の範囲よりも狭くなっている。例えば、図27(A)では、1回目に選択肢Cを補充し、2回目に選択肢Bを補充し、3回目に選択肢Aを補充する補充選択肢の組合せに割り当てられた決定値の範囲が、他の1つの補充選択肢の組合せに割り当てられた決定値の範囲よりも狭くなっている。
また、図25、図27、図28に示す各テーブルによれば、選択肢Aが選択される選択演出を実行するとき(第1決定処理が実行されるとき)には、補充選択肢が選択肢A〜Cに限られ、選択肢Dが補充選択肢となることはない(図25(A)、図27(A)参照)。選択肢Bが選択される選択演出を実行するとき(第2決定処理が実行されるとき)には、補充選択肢が選択肢A〜Cに限られ、選択肢Dが補充選択肢となることはない(図25(B)、図27(B)参照)。一方で、選択肢Cが選択される選択演出を実行するとき(第3決定処理が実行されるとき)と、選択肢Dが選択される選択演出を実行するとき(第4決定処理が実行されるとき)と、では、補充選択肢に制限はない。このようにして、大当り期待度の比較的高いスーパーリーチDに対応する選択肢Dが表示されるときには、選択肢C又は選択肢Dが選択されることになり、一定以上の大当り期待度のスーパーリーチC及びDに対応する選択肢のみが選択されるようになっている。
ステップS603、ステップS606、ステップS609、ステップS611の後、演出制御用CPU120は、上記各ステップで決定された決定結果に応じた演出制御パターンであって、指定された変動パターンに対応した演出制御パターンを使用パターンとして決定(設定)し(ステップS612)、第1〜第4決定処理を終了する。ステップS552において、演出制御用CPU120は、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのうち、上記各ステップで決定された決定結果に応じた演出制御パターンであって、指定された変動パターンに対応した演出制御パターンをこれからの演出(飾り図柄の変動についての演出)の実行に使用する使用パターンとして決定(設定)する。
例えば、第1決定処理において、変動パターン指定コマンドによって変動パターンPA3−2が指定され、ステップS603で左領域→中領域→右領域の順で選択肢を補充表示すると決定した場合には、リーチ成立後、選択肢表示演出として左領域→中領域→右領域の順で選択肢Aを補充表示し、選択肢選択演出として中領域の選択肢Aを選択したあと、スーパーリーチAを実行する演出制御パターンを使用パターンとして決定(設定)する。
例えば、第2決定処理において、変動パターン指定コマンドによって変動パターンPA3−3が指定され、補充回数を1回として決定してステップS606で中領域に選択肢Bを補充表示すると決定した場合には、リーチ成立後、選択肢表示演出として中領域に選択肢Bを補充表示し、選択肢選択演出として中領域の選択肢Bを選択したあと、スーパーリーチBを実行する演出制御パターンを使用パターンとして決定(設定)する。
例えば、第4決定処理において、変動パターン指定コマンドによって変動パターンPA3−5が指定され、補充回数を3回として決定してステップS610で左領域→中領域→右領域の順で選択肢を補充表示するとし、ステップS611で1回目に選択肢Aを補充し、2回目に選択肢D(選択される選択肢)を補充し、3回目に選択肢Dを補充すると決定した場合には、リーチ成立後、選択肢表示演出として、左領域に選択肢Aを補充表示し、その後に中領域に選択肢Dを補充表示し、最後に右領域に選択肢Dを補充表示してから、選択肢選択演出として中領域の選択肢Dを選択したあと、スーパーリーチDを実行する演出制御パターンを使用パターンとして決定(設定)する。
次に、第5決定処理について説明する。第5決定処理は、空領域が選択される選択演出の内容を決定する処理であり、図29を参照しながら説明する。ここで、決定される選択演出の内容は、特に、選択肢表示演出において補充表示する選択肢をいずれの選択肢にするか、選択肢表示演出において補充場所や補充順序をどのようにするかなどである。選択肢選択演出で選択される選択肢は変動パターンによって指定される(ここでは、空領域が選択されることが指定されている。)。
図29は、第5決定処理の一例を示すフローチャートである。第5決定処理では、まず、演出制御用CPU120は、選択肢の補充回数(選択肢を補充する回数であり、補充する選択肢の数でもある。)を決定する(ステップS701)。
例えば、ステップS701では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充回数決定用の乱数値SR15(「1」〜「30」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充回数決定テーブルを参照することなどにより、補充回数を決定する。
一例として、ステップS701で参照される補充回数決定テーブルでは、図30に示すように、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」と、可変表示結果が「ハズレ」と、のいずれであるかに応じて(可変表示結果通知コマンドなどによって特定できる。)、乱数値SR15と比較される数値(決定値)が、補充回数1回〜2回のいずれかの決定結果に、割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR16を示す数値データと、可変表示結果と、に基づいて、補充回数決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」と、可変表示結果が「ハズレ」と、のいずれであるかに応じて乱数値SR16に該当する決定値に割り当てられた補充回数を選択することによって、選択肢の補充回数を決定すればよい。例えば、乱数値SR16が「20」である場合、演出制御用CPU120は、可変表示結果が「非確変」又は「確変」の「大当り」である場合には、補充回数を「2回」と決定し、可変表示結果が「ハズレ」である場合には、補充回数を「1回」と決定する。
図30のように、可変表示結果が「大当り」のときには、補充回数が多い方がその決定割合が高く、可変表示結果が「ハズレ」のときには、その逆となるので、同じスーパーリーチが実行されるときの大当り期待度は、選択肢の補充回数が多い方が高くなる。
ステップS701のあと、演出制御用CPU120は、ステップS701で決定した補充回数が1回であるかを判定する(ステップS702)。補充回数が1回である場合(ステップS702;Yes)、選択肢の補充場所を決定する(ステップS703)。
例えば、ステップS703では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充場所決定用の乱数値SR16(「1」〜「30」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充場所決定テーブルを参照することなどにより、補充場所を決定する。
一例として、ステップS703で参照される補充場所決定テーブルでは、図31に示すように、乱数値SR16と比較される数値(決定値)が、補充場所である所定領域、左領域、中領域、右領域のいずれかに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR16を示す数値データに基づいて、図31の補充場所決定テーブルを参照し、乱数値SR16に該当する決定値に割り当てられた補充場所を選択することによって、選択肢の補充場所を決定すればよい。例えば、乱数値SR16が「10」である場合、演出制御用CPU120は、補充場所を「左領域」と決定する。
ステップS703のあと、演出制御用CPU120は、所定領域に補充する選択肢(補充選択肢)を決定する(ステップS704)。例えば、ステップS704では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充選択肢決定用の乱数値SR17を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充選択肢決定テーブルを参照することなどにより、補充選択肢を決定する。
一例として、補充選択肢決定テーブルでは、乱数値SR17のいずれかと比較される数値(決定値)が、選択肢A〜Cのいずれかに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR17を示す数値データに基づいて、補充選択肢決定テーブルを参照し、乱数値SR17に該当する決定値に割り当てられた補充選択肢を選択することによって、補充選択肢を決定すればよい。例えば、乱数値SR17が「30」である場合、演出制御用CPU120は、選択肢Cを補充選択肢と決定する。なお、補充回数が1回の場合には、空領域が2つ残ることになるので、空領域は、例えば、左→中→右の優先順で選択対象とする。なお、いずれの空領域を選択するかを乱数値や決定テーブルなどを用いて決定してもよい。
補充回数が1回でない(2回である)場合(ステップS702;No)、選択肢の補充順序及び補充場所を決定する(ステップS705)。
例えば、ステップS705では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充順序、補充場所決定用の乱数値SR18(「1」〜「60」のいずれかを取り得る乱数値)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充順序、補充場所決定テーブルを参照することなどにより、補充順序、補充場所を決定する。
一例として、ステップS705で参照される補充順序、補充場所決定テーブルでは、図33に示すように、乱数値SR18と比較される数値(決定値)が、補充順序及び補充場所を特定した決定結果のいずれかに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR18を示す数値データに基づいて、図33の補充順序、補充場所決定テーブルを参照し、乱数値SR18に該当する決定値に割り当てられた補充順序及び補充場所を特定した決定結果を選択することによって、選択肢の補充順序及び補充場所を決定すればよい。例えば、乱数値SR18が「10」である場合、演出制御用CPU120は、1回目に左領域に選択肢を補充し、2回目に中領域に選択肢を補充することを決定する。
ステップS705のあと、演出制御用CPU120は、2つの所定領域に補充する選択肢(補充選択肢)を決定する(ステップS706)。例えば、ステップS706では、演出制御用CPU120は、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される補充選択肢決定用の乱数値SR19を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された補充選択肢決定テーブルを参照することなどにより、補充選択肢を決定する。
一例として、補充選択肢決定テーブルでは、図34のように、乱数値SR19と比較される数値(決定値)が、1回目及び2回目に補充される補充選択肢の組合せに割り当てられていればよい。
演出制御用CPU120は、乱数値SR19を示す数値データに基づいて、図34の補充選択肢決定テーブルを参照し、乱数値SR19に該当する決定値に割り当てられた補充選択肢の組合せを選択することによって、補充選択肢(特に補充選択肢の組合せ)を決定すればよい。例えば、今回抽出された乱数値が「30」である場合、演出制御用CPU120は、1回目に選択肢Aを補充し、2回目に選択肢Bを補充することを決定する。
図34に示すテーブルによれば、補充される選択肢に対応するスーパーリーチの大当り期待度が後のタイミングで前のタイミングよりも下がる補充選択肢の組合せが選択されにくくなっている。具体的には、前記大当り期待度が後のタイミングで前のタイミングよりも下がることが含まれる補充選択肢の組合せ(期待度低下組合せ)に割り当てられた決定値の範囲が、前記大当り期待度が後のタイミングで前のタイミングよりも下がることがない(上がる、又は、同じ)組合せ(期待度低下組合せ以外の組合せ)に割り当てられた決定値の範囲よりも狭くなっている。例えば、図34では、1回目に選択肢Bを補充し、2回目に選択肢Aを補充する補充選択肢の組合せに割り当てられた決定値の範囲が、他の1つの補充選択肢の組合せに割り当てられた決定値の範囲よりも狭くなっている。
また、図34テーブルによれば、補充選択肢が選択肢A〜Cに限られ、選択肢Dが補充選択肢となることはない。このようにして、空領域が選択されるときには、選択肢Dが表示されることはなく、第1〜第4決定処理と合わせて、大当り期待度の比較的高いスーパーリーチDに対応する選択肢Dが表示されるときには選択肢C又は選択肢Dが選択されることになり、一定以上の大当り期待度のスーパーリーチC及びDに対応する選択肢のみが選択されるようになっている。
ステップS704、ステップS706の後、演出制御用CPU120は、上記各ステップで決定された決定結果に応じた演出制御パターンであって、指定された変動パターンに対応した演出制御パターンを使用パターンとして決定(設定)し(ステップS707)、第5決定処理を終了する。ステップS707において、演出制御用CPU120は、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのうち、上記各ステップで決定された決定結果に応じた演出制御パターンであって、指定された変動パターンに対応した演出制御パターンをこれからの演出(飾り図柄の変動についての演出)の実行に使用する使用パターンとして決定(設定)する。
例えば、変動パターン指定コマンドによって変動パターンPA3−7が指定され、ステップS705で左領域→中領域の順で選択肢を補充表示すると決定し、1回目には選択肢Bを補充し、2回目には選択肢Cを補充すると決定した場合には、選択肢表示演出として、左領域に選択肢Bを補充表示し、その後に中領域に選択肢Cを補充表示してから、選択肢選択演出として右領域である空領域を選択したあと、リーチハズレ、救済演出、スーパーリーチDを実行する演出制御パターンを使用パターンとして決定(設定)する。
例えば、変動パターン指定コマンドによって変動パターンPA2−1が指定され、ステップS705で左領域→中領域の順で選択肢を補充表示すると決定し、1回目には選択肢Bを補充し、2回目には選択肢Cを補充すると決定した場合には、選択肢表示演出として、左領域に選択肢Bを補充表示し、その後に中領域に選択肢Cを補充表示してから、選択肢選択演出として右領域である空領域を選択したあと、リーチハズレのみを実行する演出制御パターンを使用パターンとして決定(設定)する。
演出制御用CPU120は、演出制御パターン決定処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、可変表示開始設定処理を終了する。
なお、可変表示の開始とともに、保留記憶は1つ消化されるので、ステップS532では、主基板11から第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドのいずれを受信したかに応じて、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ減らし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす処理も行われる。具体的には、演出制御用CPU120は、第1変動開始コマンドを受信した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ減らし(左側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、保留記憶の表示によって特定可能な第1特図保留記憶数を1つ減らす。演出制御用CPU120は、第2変動開始コマンドを受信した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ減らし(右側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、始動入賞記憶表示エリア5Hの第2保留記憶表示を変化させ、保留記憶の表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ減らす。
図35は、可変表示中演出処理として、図15のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、現在が選択演出を実行するための選択演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。選択演出実行期間は、ステップS530の処理により決定(設定)された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。選択演出実行期間であるときには(ステップS552;Yes)、選択演出を実行するための動作制御を行う(ステップS553)。図16に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンから、現在のプロセスタイマ値に対応した演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令(各種情報信号も含む。)を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて、選択演出(選択肢表示演出及び選択肢選択演出)を実行できればよい。
ステップS553の後、又は、ステップS552にて選択演出実行期間でないと判定されたとき(ステップS552;No)には、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。リーチ演出実行期間は、図16に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。リーチ演出実行期間であるときには(ステップS554;Yes)、リーチ演出を実行するための動作制御を行う(ステップS555)。ステップS530の処理により決定(設定)された演出制御パターンから、現在のプロセスタイマ値に対応した演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令(各種情報信号も含む。)を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて、リーチ演出を実行できればよい。
ステップS555の後、又は、ステップS554にてリーチ演出実行期間でないと判定されたとき(ステップS554;No)には、例えばステップS530の処理により選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS556)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS565)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS565;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS565にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS565;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS566)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS567)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS568)、可変表示中演出処理を終了する。
上記の演出制御プロセス処理が繰り返し行われることによって、変動パターンに応じて選択された演出制御パターンに基づいて、選択演出、リーチ演出などが実行される。
次に、上記演出制御プロセス処理などによって実行される選択演出、リーチ演出の一例を、図36を参照して説明する。図36は、画像表示装置5の表示領域に表示される主な画像であって、選択演出やリーチ演出などで表示される主な画像の移り変わりを示す図である。飾り図柄の可変表示(画像501参照。矢印は、飾り図柄が変動していることを示す。)のあと、リーチが成立するとともに、選択演出が実行される。
選択演出が始まると、まず、選択肢表示演出が実行される。選択肢表示演出では、選択肢が画像表示装置5の表示領域の所定領域に補充されるように表示されていく。図36では、まず、画像502のように、3つの所定領域のうちの左領域に選択肢A(スーパーリーチAの「A」を示す文字と、スーパーリーチAの大当り期待度に応じた数の星の図形と、からなる。)を補充表示し、次に、画像503のように、3つの所定領域のうちの右領域に選択肢C(スーパーリーチCの「C」を示す文字と、スーパーリーチCの大当り期待度に応じた数の星の図形と、からなる。)を補充表示する。図36では、選択肢A及びCが、2回に分けて段階的に補充される選択肢表示演出が実行されている。
その後、所定領域を囲む選択用枠の画像を、左領域→中領域→右領域→左領域→中領域→右領域→・・・の順で、各領域をルーレットのように移動させ、選択する所定領域で選択用枠を停止させる選択肢選択演出を実行する。例えば、図36の画像504では、右領域に選択用枠を停止させることによって、右領域の選択肢Cが選択されている。このようにして、画像504では、演出の結果として選択肢Cが選択されて、選択肢Cに対応するスーパーリーチCがこれから実行されることが報知される。例えば、図36の画像507では、中領域に選択用枠を停止させることによって、中領域である空領域が選択選択されている。このようにして、画像504では、演出の結果として空領域が選択されて、空領域に対応してリーチハズレが実行されること(又は、いずれのスーパーリーチも実行されないこと)が報知される。
選択肢選択演出で選択肢が選択されると、選択された選択肢に対応したスーパーリーチが実行される。例えば、図36の画像504のように選択肢Cが選択された場合(変動パターンPA2−4又はPA3−4が選択された場合)には、スーパーリーチCが実行される(画像505及び画像506参照)。
選択肢選択演出で空領域が選択されると、選択された空領域に対応してリーチハズレが実行される。例えば、図36の画像507のように、中領域の空領域が選択された場合、リーチハズレ(「残念・・・」の表示を行う演出)が実行され(画像508参照)、救済が無い場合には(変動パターンPA2−1が選択された場合)、そのまま、リーチハズレの組合せの確定飾り図柄が導出表示される(画像509参照)。救済が有る場合(変動パターンPA2−6、PA2−7、PA3−6、PA3−7が選択された場合)には、リーチハズレの実行中又は実行後(実行後の場合には確定飾り図柄が導出表示される前までのタイミング)で、救済演出が実行され(画像510参照)、その後、スーパーリーチC(画像511参照)又はスーパーリーチDが実行される。なお、救済後のスーパーリーチC又はスーパーリーチDは、選択肢C又はDが選択されて実行されたときのスーパーリーチC又はスーパーリーチDの途中から始まるものであってもよい。
本実施の形態では、上記構成によって、パチンコ遊技機1は、可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報(特別図柄や飾り図柄)の可変表示を開始して表示結果を導出し、前記表示結果として予め定められた特定表示結果(大当り図柄や大当り組合せの確定飾り図柄)が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機となっている。
さらに、本実施形態では、上記構成によって、前記表示結果を前記特定表示結果とするか否かを前記表示結果の導出前に決定する事前決定手段(ステップS239の処理を行うCPU103)と、前記事前決定手段の決定結果に基づいて前記表示結果を導出する導出手段(ステップS112の処理を行うCPU103や、CPU103が決定した可変表示結果に基づいてステップS172の処理を行う演出制御用CPU120)と、前記事前決定手段の決定結果に基づいて、前記導出手段が前記特定表示結果を導出する可能性を示唆する複数種類の示唆演出(スーパーリーチA〜Dなど)のうちのいずれかを実行可能な示唆演出実行手段(CPU103が決定した変動パターンなどに基づいてステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120)と、が構成されている。
さらに、本実施形態では、上記構成によって、前記示唆演出実行手段が実行し得る前記示唆演出に対応する選択肢(例えば、選択肢A〜Dのいずれかなど)を表示する選択肢表示手段(CPU103が決定した変動パターンなどに基づいてステップS530の処理などを実行し、ステップS172で選択演出のうちの選択肢表示演出を実行する演出制御用CPU120)と、前記選択肢表示手段が表示した前記選択肢のうち前記示唆演出実行手段が実行する前記示唆演出に対応する選択肢を選択表示する(選択する表示を行うこと)選択肢選択手段(CPU103が決定した変動パターンなどに基づいてステップS530の処理などを実行し、ステップS172で選択演出のうちの選択肢選択演出を実行する演出制御用CPU120)と、が構成されている。
そして、本実施形態では、上記構成によって、前記選択肢表示手段は、前記選択肢が表示されていない複数の所定領域(例えば、左領域、中領域、右領域の3つの所定領域など)に前記選択肢を段階的に補充していくことで前記選択肢を表示することになる(選択肢表示演出)。なお、段階的に補充していく選択肢は、上記実施形態では、1つずつであるが、複数個ずつであってもよい。また、段階的に補充していく複数の選択肢のうちの少なくとも一部の複数の選択肢は、同じ種類の選択肢であってもよい(上記実施形態では、同じ種類の選択肢が段階的に補充されていくこともある。)。
そして、本実施形態では、上記構成によって、前記選択肢選択手段は、前記示唆演出実行手段が前記示唆演出を実行する場合には前記選択肢表示手段が表示した選択肢のうち前記示唆演出実行手段が実行する前記示唆演出に対応する選択肢を選択表示し(変動パターンによって指定されている選択肢を選択する選択肢選択演出を実行する演出制御用CPU120)、前記示唆演出実行手段が前記示唆演出を実行しない場合には前記選択肢表示手段により前記選択肢が表示されていない前記所定領域(空領域)を選択表示することになる(変動パターンによって指定されている空領域を選択する選択肢選択演出を実行する演出制御用CPU120)。なお、前記選択肢が表示されていない前記所定領域(空領域)を選択表示する場合には、示唆演出とは異なるものとして扱われる他の演出が実行されてもよい(上記実施形態では、リーチハズレが実行されるが、その他の演出が実行されてもよい)。
本実施形態によれば、複数の選択肢(同じ種類の選択肢であってもよい。)を段階的に補充する過程(図36などを参照)で、補充される選択肢に対応する示唆演出が実行されるという遊技者の期待感を向上させるだけでなく、遊技者は、選択肢が表示(補充)されていない空領域が選択されて示唆演出が実行されない可能性が低くなるように感じることが出来るので、遊技の興趣が向上する。なお、本実施形態で例示するように、選択肢が選択されて示唆演出が実行された場合の前記導出手段が前記特定表示結果を導出する導出割合を、空領域が選択されて示唆演出が実行されなかった場合の前記導出割合よりも高くするようにすると、前記導出手段が前記特定表示結果を導出する導出割合(上記実施形態では大当り期待度)も関連して、遊技の興趣がより向上する。
そして、本実施形態では、上記構成によって、前記示唆演出実行手段が実行可能な前記複数種類の示唆演出には、実行された場合に前記導出手段が前記特定表示結果を導出する導出割合(大当り期待度)が異なる複数種類の示唆演出(スーパーリーチA〜D)が含まれ、前記選択肢表示手段は、第1のタイミングにて第1の示唆演出に対応する選択肢を補充した場合に、前記第1の示唆演出よりも前記導出割合が高い又は同じ第2の示唆演出に対応する選択肢を、前記第1の示唆演出よりも前記導出割合が低い第3の示唆演出に対応する選択肢よりも、前記第1のタイミングよりも後の第2のタイミングにて補充しやすい(図25、図27、図28、図34などの期待度低下組合せなどを参照。)ようになっている。なお、この構成の他の例として、前記第1の示唆演出よりも前記導出割合が低い第3の示唆演出に対応する選択肢は、前記第2のタイミングで実行されなくてもよい(例えば、図25、図27、図28、図34などのテーブルで期待度低下組合せを無くす)。
本実施形態によれば、第1の示唆演出よりも前記導出割合が高い第2の示唆演出に対応する選択肢を後のタイミングで補充しやすいので、選択肢を段階的に補充する過程で遊技者の期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣が向上する。また第1の示唆演出よりも前記導出割合が高い又は同じ第2の示唆演出に対応する選択肢を後のタイミングで補充しやすいので、第3の示唆演出に対応する選択肢が補充されにくくなり、例えば、選択肢を段階的に補充する過程で第3の示唆演出に対応する選択肢が補充されることで、遊技者が落胆することを防止または軽減できる。
選択肢の補充タイミングを3つ以上にしたときに、隣接する2つのタイミングについてすべて上記条件を満たすことによって、前記効果がより得られる。
本実施形態では、上記構成によって、前記選択肢表示手段は、補充する選択肢の数が第1の数のときよりも前記第1の数よりも多い第2の数のときの方が、前記導出手段が前記特定表示結果を導出する導出割合が高くなるように前記選択肢を補充する(例えば、図22、図30を参照。)ようになっている。
本実施形態によれば、補充する選択肢の数が第2の数になると第1の数のときと比べて導出割合が高くなるので、選択肢を段階的に補充する過程で遊技者の期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣が向上する。なお、補充する選択肢の数(又は選択肢の補充回数であってもよい)が多ければ多いほど前記導出割合を高くすることによって(図22などを参照)、よりこの効果が得られる。
本実施形態では、上記構成によって、前記示唆演出実行手段は、所定の演出(救済演出)を行ってから前記示唆演出(スーパーリーチC又はD)を実行可能であり、前記選択肢選択手段は、前記所定の演出を行ってから前記示唆演出を実行する場合には、前記選択肢が表示されていない前記所定領域を選択表示し(図11などを参照)、前記導出手段が前記特定表示結果を導出する導出割合は、前記選択肢が表示されていない前記所定領域が選択表示されて前記所定の演出を行ってから前記示唆演出を実行したときの方が、前記選択肢が選択表示されて当該示唆演出を実行したときよりも、高い(図11などを参照)、ようになっている。前記所定の演出を行ってから前記示唆演出を実行するとは、上述のように、所定の演出(救済演出)を行ってから示唆演出(スーパーリーチC又はD)を途中から実行してもよいことを含む。
本実施形態によれば、選択肢が表示されていない所定領域が選択されたとしても、特定表示結果が導出される導出割合が高くなる可能性があるので、遊技者の期待感を好適に持続されることができ、遊技の興趣が向上する。
本実施形態では、上記構成によって、前記選択肢表示手段は、前記選択肢が選択表示されて前記選択肢に対応した前記示唆演出を実行する場合における前記導出手段が前記特定表示結果を導出する導出割合(大当り期待度)が、前記選択肢及び前記選択肢が表示されていない所定領域の組合せ(表示する選択肢の組合せなど)が第1の組合せ(特定態様など)であるときと第2の組合せ(特定態様以外の組合せ)であるときとで異なるように前記選択肢を表示する、ようになっている。前記選択肢及び前記選択肢が表示されていない所定領域の組合せは、選択肢や空領域の位置も含んだ組合せでもよいし、位置は関係なく選択肢の種類や数及び空領域の数などの組合せであってもよい。第1の組合せ及び第2の組合せは、選択肢が表示されていない所定領域を含まない組合せも含む。
本実施形態によれば、選択肢と選択肢が表示されていない所定領域との組合せ(選択肢が表示されていない所定領域を含まない組合せも含む。)に応じて、特定表示結果を導出する導出割合が異なることがあるので、遊技者はこの組合せにも注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
本実施形態では、上記構成によって、前記選択肢選択手段は、実行された場合に前記導出手段が前記特定表示結果を導出する導出割合が高い(例えば、第1の基準以上の)示唆演出(スーパーリーチD)に対応する選択肢(選択肢D)を含む複数の選択肢が前記選択肢表示手段によって表示された場合に、前記導出割合が特定の基準(例えば、第2の基準)以上の示唆演出(スーパーリーチC又はD)に対応する選択肢(選択肢C又はD)を前記導出割合が前記特定の基準(例えば、第2の基準)未満の示唆演出(スーパーリーチA又はB)に対応する選択肢(選択肢A又はB)よりも高い割合で選択表示する(図25、図27、図28、図34を参照。)、ようになっている。なお、上記の実施の形態では、選択肢Dが表示される場合には、選択肢A又はBが選択されないようにして、上記構成を実現しているが、図25、図27、図28、図34の各種テーブルを変更するなどすることによって、選択肢Dが表示される場合には、選択肢A又はBが選択肢C又はDよりも選択されにくいようにして、上記構成を実現するようにしてもよい。なお、第1の基準と第2の基準とは同じであってもよいし、異なってもよい。
本実施形態によれば、特定表示結果を導出する導出割合が高い示唆演出に対応する選択肢が表示された場合に、特定の基準以上の導出割合の示唆演出に対応する選択肢が選択されやすいので、前記導出割合が高い示唆演出に対応する選択肢が表示された場合に特定の基準未満の導出割合の示唆演出に対応する選択肢が選択されて遊技者が落胆することを軽減できるので、遊技の興趣が向上する。
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
上記では、示唆演出をスーパーリーチとしたが、他の演出であってもよい。例えば、示唆演出は、擬似連、予告演出などであってもよい。示唆演出は、選択肢が選択されて示唆演出が実行される場合の方が、空領域が選択されて示唆演出が実行されない場合よりも、大当り期待度(特定表示結果を導出する導出割合の一例)が高くなるようにするとよい。
「擬似連」は、例えば、可変表示中に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行う演出である。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。一例として、「擬似連」では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。なお、仮停止表示では、飾り図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに飾り図柄を再変動させることなどによって、遊技者に表示されている飾り図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、一旦表示された飾り図柄が確定したと遊技者が認識する程度に飾り図柄を停留させてから、飾り図柄を再変動させるようにしてもよい。「擬似連」では、擬似連変動(再変動)の回数が多くなるに従って、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなるように設定されているとよい。選択演出では、この擬似連の回数に対応した選択肢を補充表示したり、選択したりする。また、空領域が選択された場合には、擬似連が行われないようにしたりする。示唆演出の種類は、変動回数ごとに分けられる。つまり、変動回数が1回の擬似連と、2回の擬似連と、は、種類の異なる複数種類の示唆演出になる。
「予告演出」は、リーチ演出や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、遊技者に報知するための演出である。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであるとよい。予告演出は、大当り期待度の異なる複数種のものが用意され、それぞれについて対応する選択肢を用意し、選択演出で選択された選択肢に対応する予告演出を実行するようにするとよい。また、空領域が選択された場合には予告演出が実行されないようにしてもよい。
「予告演出」には、ステップアップ表示系の予告演出が含まれる。この予告演出では、飾り図柄の可変表示中に、例えば画像表示装置5の表示領域にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り換えて表示させる演出表示により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)するような演出動作が行われることがある。選択肢は、前記複数段階毎などに用意される。「擬似連」と同様、異なる段階のステップアップ系の予告演出が、種類の異なる複数種類の示唆演出であってもよい。つまり、種類を段階数としてもよい。
(変形例2)
上記実施形態では、空領域が選択された場合には、リーチハズレが実行されているが、ノーマルリーチなど(上述のように、示唆演出よりも大当り期待度の低いものがよい。)が実行されてもよい。つまり、空領域が選択されても、「大当り」になることがあってもよい。また、選択演出は、リーチ成立前に実行され、選択肢が選択された場合には、リーチが成立して選択された選択肢に対応するリーチ演出が実行され、空領域が選択された場合には、非リーチの「ハズレ」が導出されるようにしてもよい。
(変形例3)
上記選択演出では、例えば、表示された複数の選択肢のうちの少なくとも一部の複数の選択肢を選択してもよい。
(変形例4)
選択肢は、上記実施形態のように、文字や図柄などで、示唆演出が実行されることなどを直接表してもよいし、選択肢が選択されたときに対応する示唆演出を高い割合で実行することで、示唆演出が実行されることを、間接的に示唆演出と選択肢とを対応付けてもよい。
(変形例5)
選択演出の実行有無や、選択演出で選択される選択肢(空領域を選択する場合を含む。)や、リーチ演出の種類の決定などは、演出制御基板12側で行っても良い。この場合には、例えば、選択演出及びスーパーリーチが実行される変動パターンの変動時間を共通にしておき、演出制御基板12側で、演出内容を決定する(CPU103と同様に乱数値や決定テーブルを用いて決定を行う。)。選択演出で補充される選択肢などの選択演出の態様を主制御基板11側で行っても良い。この場合には、変動パターンによって選択演出の態様を指定するなどする。
(変形例6)
上記実施の形態では、選択演出における補充される選択肢及び空領域の組合せ(選択肢表示演出で最終的に表示される選択肢及び空領域の組合せ)のうち、大当り期待度が上がる特定態様になる組合せとして、同じ選択肢が3つ補充されたことを例示したが、この組合せは他の組合せであってもよい。例えば、選択肢が1つのみ補充される組合せを特定態様としてもよい。この場合には、空領域が多くなるが、一見空領域が多くなっても、実は大当り期待度が高くなることによって、遊技者に意外な印象を与えることができ、遊技の興趣が向上する。例えば、大当り期待度の高いスーパーリーチDなどに対応する選択肢が2つ以上等、多く補充される組合せを特定態様としてもよい。例えば、すべて種類の異なる選択肢が補充される組合せを特定態様としてもよい。また、特定態様になる組合せは2種類以上あってもよい。また、救済演出を経てのスーパーリーチの大当り期待度も、選択肢が選択されてスーパーリーチが実行される場合と同様に、選択肢表示演出で最終的に表示される選択肢及び空領域の組合せが特定態様となったときに、そうでないときよりも高くするようにしてもよい。また、特定態様となったときには、スーパーリーチの種類などに係わらず、全体的に大当り期待度が上昇するようにしてもよい。
(変形例7)
選択肢が表示される最大数は、3つ以上であってもよく、複数の選択肢を一度に複数の所定領域に補充するようにしてもよい。
(変形例8)
上記実施形態では、所定領域の境界が、選択肢が補充されるまで分からないようになっていたが、選択肢が補充表示されていない所定領域について枠などによって境界をはじめから表現してもよい。また、空領域や、選択肢が補充表示されている所定領域は、選択演出中において、数、大きさ、及び/又は、形状が変化してもよい。
(変形例9)
上記実施形態では、選択肢表示演出の後の選択肢選択演出において選択用枠の表示及び移動を開始させるが、選択肢表示演出の実行中から選択用枠を表示して所定領域間を移動させる演出を実行するようにしてもよい。また、選択用枠の停止タイミングは、プッシュボタン31Bやスティックコントローラ31Aなどの操作部への操作入力を契機としたものであってもよい。例えば、操作受付期間を変動パターンや特図変動時間に応じて設定しておき、前記操作入力があった場合には操作受付期間の終了時に合わせて選択用枠を停止させ、前記操作入力が無くても操作受付期間の終了時に合わせて選択用枠を停止させるとよい。選択される選択肢又は空領域は、上記実施形態と同様に飾り図柄の可変表示開始時に変動パターンなどに基づいて決定される。
(変形例10)
選択肢と示唆演出との対応関係は、1対1の関係でなくてもよい。複数種類の示唆演出に1つの選択肢が対応していてもよいし、1種類の示唆演出に対応する選択肢が複数種類あってもよい。
(変形例11)
空領域は、選択肢が表示されていないものであればよく、背景画像、文字や図柄などを含む所定の画像が表示されていてもよい。
(変形例12)
本発明は、パチンコ遊技機1に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、スロットマシンの筐体外形(例えば節電中報知LED9L、9Rの設置など)を含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機1が有する特徴の一部または全部を備えるように構成されればよい。
(変形例13)
パチンコ遊技機1は、遊技者に賞球となる遊技球が払い出され、払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であってもよいし、遊技に使用するための得点が付与されて、この得点を使用してパチンコ遊技機1の内部に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われる遊技機であってもよい。すなわち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機(上記パチンコ遊技機1もこのような構成の一例である。)において、所定の遊技に用いられる得点が0でないときに、この得点を使用して遊技機内に封入された遊技媒体を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技媒体の打ち込みに応じて得点が減算され、遊技領域に設けられた入賞領域を遊技媒体が通過(進入)することに応じて得点を加算する遊技機にも本発明を適用できる。こうした遊技機は、得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体の記録情報を読み出す遊技用記録媒体処理手段を備えてもよい。
(変形例14)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
1 … パチンコ遊技機
2 … 遊技盤
3 … 遊技機用枠
4A、4B … 特別図柄表示装置
5 … 画像表示装置
6A … 普通入賞球装置
6B … 普通可変入賞球装置
7 … 特別可変入賞球装置
8L、8R … スピーカ
9 … 遊技効果ランプ
11 … 主基板
12 … 演出制御基板
13 … 音声制御基板
14 … ランプ制御基板
15 … 中継基板
20 … 普通図柄表示器
21 … ゲートスイッチ
22A、22B … 始動口スイッチ
23 … カウントスイッチ
100 … 遊技制御用マイクロコンピュータ
101、121 … ROM
102、122 … RAM
103 … CPU
104、124 … 乱数回路
105、125 … I/O
120 … 演出制御用CPU
123 … 表示制御部

Claims (1)

  1. 所定条件が成立したときに遊技者にとって有利な特定状態に制御する遊技機であって、
    複数種類の演出のうちのいずれかを実行可能な演出実行手段と、
    前記演出に対応する選択肢を表示する選択肢表示手段と、を備え、
    前記選択肢表示手段は、前記選択肢を段階的に表示していくことで複数の前記選択肢を表示可能であり、
    前記選択肢表示手段により表示される選択肢の数が第1の数よりも前記第1の数よりも多い第2の数の方が、前記所定条件が成立する割合が高い、
    ことを特徴とする遊技機。
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