JP2015095926A - 電力変換システムおよび電力変換システムの初充電方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のサイリスタ変換器は、電源が存在しない無電源系統に連系して運転することはできなかった。【解決手段】電力変換システム104は、サイリスタ変換器116の直流側およびサイリスタ変換器115の直流側を直流線路を介して接続した他励HVDCシステム106と、サイリスタ変換器115の交流側に接続され、かつ、エネルギ貯蔵素子であるコンデンサを備える電圧形変換器108と、サイリスタ変換器115の交流側と無電源系統101との間に接続される開閉器102とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、交流電力を直流電力に、またはその逆に変換する電力変換システムおよび電力変換システムの初充電方法に関する。より具体的には、サイリスタ変換器を用いた他励直流送電システムと電圧形変換器およびその初充電方法に関する。
サイリスタ変換器を用いた他励直流送電システム(以下、他励HVDC(High-Voltage Direct Current)システムと記載している場合がある。)の大容量化が進み、最近では数GW級のシステムが実用化されている。サイリスタ変換器とは、交流電力を直流電力に、またはその逆に変換する交直電力変換回路の一種である。
例えば特許文献1の第2図と第3図には、サイリスタコントロールドリアクトルが、しゃ断器を介してフィックスドコンデンサに並列接続された構成が開示されている。この特許文献1の実施例には、「HVDCが運転中の場合には、スイッチ122は開であるから電力動揺抑制制御は切り離されて、SVCはHVDCが接続された系統の電圧を一定に維持する。」と記載されている。この特許文献1において、SVC(Static Var Compensator)とは、無効電力補償装置のことをいう。
サイリスタ変換器に用いられているサイリスタは、オン制御形パワー半導体素子である。サイリスタにゲート電流や光を用いてターンオンさせることはできるが、このサイリスタをゲート電流や光を用いてターンオフさせることはできない。サイリスタは、外部の交流電圧によってアノード電流が減衰し、かつ、逆バイアスされることによってターンオフする。したがって、サイリスタ変換器を運転するには、外部の交流電圧が必要である。
特許文献1に記載の他励無効電力補償装置は、サイリスタを用いたサイリスタ変換器である。そのため、特許文献1に記載の他励無効電力補償装置は、確立している交流電圧が存在しない場合には運転することができない。
したがって、サイリスタ変換器のみを用いても、または、サイリスタ変換器と他励無効電力補償装置とを並列接続したシステムを用いても、電源が存在しない系統(以下、無電源系統と称する)に連系して運転することはできなかった。
そこで、本発明は、電源が存在しない系統に連系させて、サイリスタ変換器を動作可能とする電力変換システムおよび電力変換システムの初充電方法を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、第1の発明では、第1サイリスタ変換器の直流側および第2サイリスタ変換器の直流側を直流線路を介して接続した他励直流送電システムと、前記第2サイリスタ変換器の交流側に接続され、かつ、エネルギ貯蔵素子を備える電圧形変換器と、前記第2サイリスタ変換器の交流側と無電源系統との間に接続される開閉器と、を備えることを特徴とする電力変換システムとした。
このようにすることで、電源が存在しない系統である無電源系統に連系させて、第1サイリスタ変換器と第2サイリスタ変換器とを動作させることができる。
第2の発明では、第1サイリスタ変換器の直流側および第2サイリスタ変換器の直流側を直流線路を介して接続した他励直流送電システムと、前記第2サイリスタ変換器の交流側に接続され、かつ、エネルギ貯蔵素子を備える電圧形変換器と、前記第2サイリスタ変換器の交流側と無電源系統の間に接続される開閉器と、前記他励直流送電システム、前記電圧形変換器および前記開閉器を制御する制御部と、を備える電力変換システムの初充電方法であって、前記制御部は、前記開閉器を開いたのち、前記第1サイリスタ変換器から前記直流線路に電流を流し、前記第2サイリスタ変換器を介して、前記電圧形変換器に電流を流すことにより、前記電圧形変換器の前記エネルギ貯蔵素子を充電する、ことを特徴とする電力変換システムの初充電方法とした。
このようにすることで、電源が存在しない系統である無電源系統に連系させて、第1サイリスタ変換器と第2サイリスタ変換器とを動作させるために、エネルギ貯蔵素子を充電することができる。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
その他の手段については、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、電源が存在しない系統に連系させて、サイリスタ変換器を動作可能とする電力変換システムおよび電力変換システムの初充電方法を提供可能である。
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、他励HVDCシステムを構成するサイリスタ変換器の一端と、電圧形変換器とが、それぞれ変圧器を介して同一母線に接続している構成である。第1の実施形態によれば、他励HVDCシステムの一端のサイリスタ変換器の交流側に無電源系統が接続されている場合であっても、他励HVDCシステムを運転することができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、他励HVDCシステムを構成するサイリスタ変換器の一端と、電圧形変換器とが、それぞれ変圧器を介して同一母線に接続している構成である。第1の実施形態によれば、他励HVDCシステムの一端のサイリスタ変換器の交流側に無電源系統が接続されている場合であっても、他励HVDCシステムを運転することができる。
図1は、第1の実施形態における電力変換システム104を示す概略の構成図である。
図1に示すように、電力変換システム104は、無電源系統101と交流系統125の間で電力を融通するシステムである。
図1に示すように、電力変換システム104は、無電源系統101と交流系統125の間で電力を融通するシステムである。
無電源系統101は、所定振幅かつ所定周波数の交流電圧を維持する電源を持たない系統である。ただし、無電源系統101は、母線103に確立している所定振幅、所定周波数の交流電圧に対して、任意の振幅・位相の電流を流すことにより、有効・無効電力を発生させる電源を含む場合もある。これらの電源には、例えば、風力発電システムや太陽光発電システムに付随する系統連系インバータなどが含まれる。
以下、電力変換システム104の内部構成を説明する。
電力変換システム104は、他励HVDCシステム106と、電圧形変換器108と、これらを相互に接続する母線103と、遮断器105,107と、無電源系統101との間を開閉する開閉器102とを備えている。電力変換システム104は更に、他励HVDCシステム106などを制御する他励HVDCシステム制御部109と、電圧形変換器108などを制御する電圧形変換器制御部110と、蓄電池111,112とを備えている。電力変換システム104は、無電源系統101と連系して電力の供給を受けて、その電力を交流系統125に対して供給するものである。
なお、各図において他励HVDCシステム制御部109は、「他励HVDC制御部」と記載されている。
電力変換システム104は、他励HVDCシステム106と、電圧形変換器108と、これらを相互に接続する母線103と、遮断器105,107と、無電源系統101との間を開閉する開閉器102とを備えている。電力変換システム104は更に、他励HVDCシステム106などを制御する他励HVDCシステム制御部109と、電圧形変換器108などを制御する電圧形変換器制御部110と、蓄電池111,112とを備えている。電力変換システム104は、無電源系統101と連系して電力の供給を受けて、その電力を交流系統125に対して供給するものである。
なお、各図において他励HVDCシステム制御部109は、「他励HVDC制御部」と記載されている。
他励HVDCシステム制御部109は、制御・通信線122を介して、他励HVDCシステム106を制御する。電圧形変換器制御部110は、制御・通信線124を介して、電圧形変換器108を制御する。他励HVDCシステム制御部109と電圧形変換器制御部110とは、制御・通信線123を介して相互に通信可能である。
蓄電池111は、他励HVDCシステム制御部109に電源を供給する。蓄電池112は、電圧形変換器制御部110に電源を供給する。蓄電池111は、他励HVDCシステム制御部109に含まれる電子回路や図示されていないゲートドライバ回路等を動作させるために充分な電力を供給する能力を有している。蓄電池112は、電圧形変換器制御部110に含まれる電子回路や図示されていないゲートドライバ回路等を動作させるために充分な電力を供給する能力を有している。無電源系統101から電力を供給できない場合であっても、蓄電池111,112により、他励HVDCシステム制御部109や電圧形変換器制御部110を動作させて、他励HVDCシステム106と電圧形変換器108とを駆動制御することができる。
以下、他励HVDCシステム106の内部構成を説明する。
他励HVDCシステム106は、一端にサイリスタ変換器116(第1のサイリスタ変換器)と変圧器114とを備え、他端にサイリスタ変換器115(第2のサイリスタ変換器)と変圧器113とを備え、更にその中間に直流線路インダクタンス117を備えている。
他励HVDCシステム106の一端のサイリスタ変換器115の交流側のu相・v相・w相は、変圧器113と外部の遮断器105とを介して母線103に連系している。
他励HVDCシステム106の他端のサイリスタ変換器116の交流側のa相・b相・c相は、変圧器114を介して交流系統125に連系している。
サイリスタ変換器115の直流側とサイリスタ変換器116の直流側とは、直流線路インダクタンス117を介して接続されている。
他励HVDCシステム106は、一端にサイリスタ変換器116(第1のサイリスタ変換器)と変圧器114とを備え、他端にサイリスタ変換器115(第2のサイリスタ変換器)と変圧器113とを備え、更にその中間に直流線路インダクタンス117を備えている。
他励HVDCシステム106の一端のサイリスタ変換器115の交流側のu相・v相・w相は、変圧器113と外部の遮断器105とを介して母線103に連系している。
他励HVDCシステム106の他端のサイリスタ変換器116の交流側のa相・b相・c相は、変圧器114を介して交流系統125に連系している。
サイリスタ変換器115の直流側とサイリスタ変換器116の直流側とは、直流線路インダクタンス117を介して接続されている。
ここで、直流線路インダクタンス117は、直流架空送電線、直流ケーブル、バスバー、その他、2つのサイリスタ変換器115,116を接続する直流電路のインダクタンスを代表するものである。よって、どのような種類の直流線路を用いても、第1の実施形態の効果を得ることができる。
サイリスタ変換器115は、サイリスタ118up,118un,118vp,118vn,118wp,118wnを三相ブリッジ状に接続して構成した交直変換回路である。同様に、サイリスタ変換器116は、サイリスタ118ap,118an,118bp,118bn,118cp,118cnを三相ブリッジ状に接続して構成した交直変換回路である。
第1の実施形態では、サイリスタ変換器116の直流側(P点、N点)には、電圧Vdcが生じる。また、直流線路インダクタンス117には、電流Idcが流れる。
第1の実施形態では、サイリスタ変換器116の直流側(P点、N点)には、電圧Vdcが生じる。また、直流線路インダクタンス117には、電流Idcが流れる。
以下の説明で特に区別する必要が無い場合、サイリスタ118up,118un,118vp,118vn,118wp,118wnおよびサイリスタ118ap,118an,118bp,118bn,118cp,118cnを、単に「サイリスタ118」と記載している場合がある。
なお、サイリスタ変換器115の出力電圧が、母線103の電圧と等しい場合には、変圧器113を省略することが可能である。同様に、サイリスタ変換器116の出力電圧が、交流系統125の電圧と概ね等しい場合には、変圧器114を省略することが可能である。
以下、電圧形変換器108の内部構成を説明する。電圧形変換器108は、エネルギ貯蔵素子であるコンデンサを備え、貯蔵したエネルギにより他励HVDCシステム106のサイリスタ変換器115,116を動作させるものである。
図1に示した電圧形変換器108の回路方式は、下記文献で示されているMMCC−SDBCである。しかし、他の回路方式の電圧形変換器を用いた場合にも、第1の実施形態の効果を得ることができる。以降、下記文献を、以下「MMCCを分類した文献」と記載する。
図1に示した電圧形変換器108の回路方式は、下記文献で示されているMMCC−SDBCである。しかし、他の回路方式の電圧形変換器を用いた場合にも、第1の実施形態の効果を得ることができる。以降、下記文献を、以下「MMCCを分類した文献」と記載する。
(MMCCを分類した文献)
著者 :H. Akagi
文献名称:"Classification, terminology, and application of the modular multilevel cascade converter (MMCC)"
掲載誌 :Power Electronics,IEEE Transactions on (Volume:26,Issue:11)
発行月 :Nov. 2011
頁番号 :pp. 3119-3130.
著者 :H. Akagi
文献名称:"Classification, terminology, and application of the modular multilevel cascade converter (MMCC)"
掲載誌 :Power Electronics,IEEE Transactions on (Volume:26,Issue:11)
発行月 :Nov. 2011
頁番号 :pp. 3119-3130.
電圧形変換器108は、3個のリアクトル120rs,120st,120trと、3個のアーム121rs,121st,121trと、変圧器119とを備えている。
以下の説明で特に区別する必要が無い場合、アーム121rs,121st,121trを総称して単に「アーム121」と記載している場合がある。同様に、リアクトル120rs,120st,120trを総称して単に「リアクトル120」と記載している場合がある。電圧形変換器108の変圧器119の1次側は、遮断器107を介して母線103に連系している。
以下の説明で特に区別する必要が無い場合、アーム121rs,121st,121trを総称して単に「アーム121」と記載している場合がある。同様に、リアクトル120rs,120st,120trを総称して単に「リアクトル120」と記載している場合がある。電圧形変換器108の変圧器119の1次側は、遮断器107を介して母線103に連系している。
変圧器119の2次側のr点とs点の間には、リアクトル120rsとアーム121rsの直列回路を接続している。アーム121rsには、電圧Vrsが発生する。リアクトル120rsとアーム121rsとには、電流Irsが流れる。
変圧器119の2次側のs点とt点の間には、リアクトル120stとアーム121stの直列回路を接続している。アーム121stには、電圧Vstが発生する。リアクトル120stとアーム121stとには、電流Istが流れる。
変圧器119の2次側のt点とr点の間には、リアクトル120trとアーム121trの直列回路を接続している。アーム121trには、電圧Vtrが発生する。リアクトル120trとアーム121trとには、電流Itrが流れる。
以上より、電圧形変換器108は、リアクトル120とアーム121の直列回路が、r点、s点、t点でΔ結線された回路構成である。
変圧器119の2次側のs点とt点の間には、リアクトル120stとアーム121stの直列回路を接続している。アーム121stには、電圧Vstが発生する。リアクトル120stとアーム121stとには、電流Istが流れる。
変圧器119の2次側のt点とr点の間には、リアクトル120trとアーム121trの直列回路を接続している。アーム121trには、電圧Vtrが発生する。リアクトル120trとアーム121trとには、電流Itrが流れる。
以上より、電圧形変換器108は、リアクトル120とアーム121の直列回路が、r点、s点、t点でΔ結線された回路構成である。
図2は、第1の実施形態におけるアーム121rsを示す回路図である。なお、アーム121st,121trも、アーム121rsと同様の構成である。
アーム121rsは、N個の単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNの直列回路である。以下の説明で特に区別する必要が無い場合、単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNを総称して、単に「単位変換器201」と記載している。
アーム121rsは、N個の単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNの直列回路である。以下の説明で特に区別する必要が無い場合、単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNを総称して、単に「単位変換器201」と記載している。
以下、単位変換器201の内部構成を説明する。
単位変換器201は、4個のスイッチング素子202XH,202XL,202YH,202YLと、4個の環流ダイオード203XH,203XL,203YH,203YLと、コンデンサ204とを備えている。
単位変換器201は、4個のスイッチング素子202XH,202XL,202YH,202YLと、4個の環流ダイオード203XH,203XL,203YH,203YLと、コンデンサ204とを備えている。
スイッチング素子202XHと環流ダイオード203XHの並列回路と、スイッチング素子202XLと環流ダイオード203XLの並列回路とが、x点で直列接続されている。x点は、単位変換器201の一方の出力端子と同一ノードである。以下、これを第1の直列回路と記載する。
スイッチング素子202YHと環流ダイオード203YHの並列回路と、スイッチング素子202YLと環流ダイオード203YLの並列回路とが、y点で直列接続されている。y点は、単位変換器201の他方の出力端子と同一のノードである。以下、これを第2の直列回路と記載する。
第1の直列回路と、第2の直列回路と、エネルギ貯蔵素子であるコンデンサ204とは、並列接続されている。以上より、各単位変換器201は、単相フルブリッジ回路として構成されている。
電圧形変換器制御部110は、各スイッチング素子202XH,202XL,202YH,202YLのゲートを制御して、これらをオン・オフすることができる。
スイッチング素子202YHと環流ダイオード203YHの並列回路と、スイッチング素子202YLと環流ダイオード203YLの並列回路とが、y点で直列接続されている。y点は、単位変換器201の他方の出力端子と同一のノードである。以下、これを第2の直列回路と記載する。
第1の直列回路と、第2の直列回路と、エネルギ貯蔵素子であるコンデンサ204とは、並列接続されている。以上より、各単位変換器201は、単相フルブリッジ回路として構成されている。
電圧形変換器制御部110は、各スイッチング素子202XH,202XL,202YH,202YLのゲートを制御して、これらをオン・オフすることができる。
単位変換器201rs1の端子間には、電圧Vrs1が印加されている。単位変換器201rs1のコンデンサ204には、電圧VCrs1が発生している。
単位変換器201rs2の端子間には、電圧Vrs2が印加されている。単位変換器201rs2のコンデンサ204には、電圧VCrs2が発生している。
以下同様に、単位変換器201rsNの端子間には、電圧VrsNが印加されている。単位変換器201rs2のコンデンサ204には、電圧VCrsNが発生している。
単位変換器201rs2の端子間には、電圧Vrs2が印加されている。単位変換器201rs2のコンデンサ204には、電圧VCrs2が発生している。
以下同様に、単位変換器201rsNの端子間には、電圧VrsNが印加されている。単位変換器201rs2のコンデンサ204には、電圧VCrsNが発生している。
すなわち、コンデンサ204には、電圧VCjk(j=rs,st,tr;k=1,2,…,N)が発生している。なお、符号jは、各単位変換器201が属するアーム121の種別を示している。符号kは、各アーム121における各単位変換器201の番号を示している。単位変換器201の端子間には、出力電圧Vjk(j=rs,st,tr;k=1,2,…,N)が発生している。
以下、スイッチング素子202XH,202XL,202YH,202YLのオン・オフ状態と、単位変換器201の出力電圧Vjkとの関係を説明する。以下の説明は、コンデンサ204が電圧VCjkに充電されている状態を想定している。
スイッチング素子202XHがオン、スイッチング素子202XLがオフ、スイッチング素子202YHがオン、スイッチング素子202YLがオフの場合、出力電圧Vjkは概ね零となる。
スイッチング素子202XHがオン、スイッチング素子202XLがオフ、スイッチング素子202YHがオン、スイッチング素子202YLがオフの場合、出力電圧Vjkは概ね零となる。
スイッチング素子202XHがオン、スイッチング素子202XLがオフ、スイッチング素子202YHがオフ、スイッチング素子202YLがオンの場合、出力電圧Vjkは、コンデンサ204の電圧VCjkと概ね等しくなる。
スイッチング素子202XHがオフ、スイッチング素子202XLがオン、スイッチング素子202YHがオン、スイッチング素子202YLがオフの場合、出力電圧Vjkはコンデンサ204の電圧VCjkの逆極性の電圧(−VCjk)と概ね等しくなる。
スイッチング素子202XHがオフ、スイッチング素子202XLがオン、スイッチング素子202YHがオフ、スイッチング素子202YLがオンの場合、出力電圧Vjkは概ね零となる。
以上より、スイッチング素子202XH,202XL,202YH,202YLのオン・オフ状態を制御することにより、単位変換器201の出力電圧Vjkを、電圧VCjk・零電圧・逆極性の電圧(−VCjk)のいずれかに制御できる。
アーム121は、単位変換器201の直列回路である。アーム121の電圧Vj(j=rs,st,tr)は、各単位変換器201の出力電圧Vjkの和となる。したがって、電圧形変換器制御部110は、各単位変換器201のスイッチング素子202XH,202XL,202YH,202YLを、例えばPWM(Pulse-Width Modulation)制御することにより、各アーム121の電圧Vjを制御できる。
以下、スイッチング素子202XH,202XL,202YH,202YLがすべてオフの場合について説明する。
単位変換器201の出力電圧Vjkは、電流Ij(j=rs,st,tr)の極性に依存する。電流Ijが正の場合、環流ダイオード203XH,203YLが導通することにより、出力電圧Vjkは、電圧VCjkと概ね等しくなる。このとき、電流Ijは、図2の上から下の方向にコンデンサ204を通り、コンデンサ204を充電する。このため、電圧VCjkは上昇する。
単位変換器201の出力電圧Vjkは、電流Ij(j=rs,st,tr)の極性に依存する。電流Ijが正の場合、環流ダイオード203XH,203YLが導通することにより、出力電圧Vjkは、電圧VCjkと概ね等しくなる。このとき、電流Ijは、図2の上から下の方向にコンデンサ204を通り、コンデンサ204を充電する。このため、電圧VCjkは上昇する。
反対に電流Ijが負の場合、環流ダイオード203XL,203YHが導通することにより、出力電圧Vjkは、逆極性の電圧(−VCjk)と概ね等しくなる。このとき、電流Ijの極性を反転した電流は、図2の上から下の方向にコンデンサ204を通り、コンデンサ204を充電する。このため、電圧VCjkは上昇する。
図3は、第1の実施形態における電力変換処理を示すフローチャートである。
電力変換システム104が起動すると、周期的にステップS10〜S14の電力変換処理を行う。
ステップS10において、電圧形変換器制御部110は、各コンデンサ204の電圧VCjkを測定する。
ステップS11において、電圧形変換器制御部110は、測定した各コンデンサ204の電圧VCjkが定格値以上であるか否かを判断する。電圧形変換器制御部110は、電圧VCjkが定格値以上ならば(Yes)、ステップS14の処理を行い、電圧VCjkが定格値未満ならば(No)、ステップS12の処理を行う。
電力変換システム104が起動すると、周期的にステップS10〜S14の電力変換処理を行う。
ステップS10において、電圧形変換器制御部110は、各コンデンサ204の電圧VCjkを測定する。
ステップS11において、電圧形変換器制御部110は、測定した各コンデンサ204の電圧VCjkが定格値以上であるか否かを判断する。電圧形変換器制御部110は、電圧VCjkが定格値以上ならば(Yes)、ステップS14の処理を行い、電圧VCjkが定格値未満ならば(No)、ステップS12の処理を行う。
ステップS12において、電圧形変換器制御部110は、測定した各コンデンサ204の電圧VCjkから各コンデンサ204の充電が必要であるか否かを判断する。電圧形変換器制御部110は、各コンデンサ204の充電が必要であると判断したならば(Yes)、ステップS13の処理を行い、各コンデンサ204の充電は不要であると判断したならば(No)、図3の処理を終了する。
ステップS13において、電圧形変換器制御部110は、電圧形変換器108の初充電処理を行う。電圧形変換器制御部110は、ステップS13の処理が終了すると、図3の処理を終了する。電圧形変換器108の初充電処理は、後記する図5で詳細に説明する。
ステップS14において、他励HVDCシステム制御部109は、他励HVDCシステム106の電力変換処理を行い、図3の処理を終了する。他励HVDCシステム106の電力変換処理は、後記する図4で詳細に説明する。
本明細書では、他励HVDCシステム106から電圧形変換器108の各コンデンサ204を充電することを初充電と記載する。初充電を行う期間を、初充電期間と記載する。
ステップS13において、電圧形変換器制御部110は、電圧形変換器108の初充電処理を行う。電圧形変換器制御部110は、ステップS13の処理が終了すると、図3の処理を終了する。電圧形変換器108の初充電処理は、後記する図5で詳細に説明する。
ステップS14において、他励HVDCシステム制御部109は、他励HVDCシステム106の電力変換処理を行い、図3の処理を終了する。他励HVDCシステム106の電力変換処理は、後記する図4で詳細に説明する。
本明細書では、他励HVDCシステム106から電圧形変換器108の各コンデンサ204を充電することを初充電と記載する。初充電を行う期間を、初充電期間と記載する。
図4は、第1の実施形態における他励HVDCシステム106の電力変換処理を示す図である。この電力変換処理は、図3のステップS14で実行される。
無電源系統101が発電した電力により、電圧形変換器108のコンデンサ電圧は上昇する。他励HVDCシステム106は、このコンデンサ電圧の上昇に応じて電力を変換する。
他励HVDCシステム制御部109は、コンデンサ電圧の指令値Vc*から測定値Vcを減算したものに、所定の比例積分制御を掛けて、電力指令値P*とする。これにより、他励HVDCシステム制御部109は、無電源系統101が発電した電力を交流系統125に供給することができる。
無電源系統101が発電した電力により、電圧形変換器108のコンデンサ電圧は上昇する。他励HVDCシステム106は、このコンデンサ電圧の上昇に応じて電力を変換する。
他励HVDCシステム制御部109は、コンデンサ電圧の指令値Vc*から測定値Vcを減算したものに、所定の比例積分制御を掛けて、電力指令値P*とする。これにより、他励HVDCシステム制御部109は、無電源系統101が発電した電力を交流系統125に供給することができる。
図5は、第1の実施形態における電力変換器の初充電処理を示すフローチャートである。
初充電処理は、単位変換器201のコンデンサ204の電圧VCjkが概ね零である状態から、コンデンサ204を、他励HVDCシステム106から充電する処理のことをいう。
ステップS20において、電圧形変換器制御部110は、無電源系統101と電力変換システム104の間を、開閉器102を開放することによって切り離す。これにより、電圧形変換器制御部110は、初充電時における無電源系統101の干渉を防止することができる。
ステップS21において、電圧形変換器制御部110は、遮断器107を投入し、他励HVDCシステム制御部109は、遮断器105を投入する。
初充電処理は、単位変換器201のコンデンサ204の電圧VCjkが概ね零である状態から、コンデンサ204を、他励HVDCシステム106から充電する処理のことをいう。
ステップS20において、電圧形変換器制御部110は、無電源系統101と電力変換システム104の間を、開閉器102を開放することによって切り離す。これにより、電圧形変換器制御部110は、初充電時における無電源系統101の干渉を防止することができる。
ステップS21において、電圧形変換器制御部110は、遮断器107を投入し、他励HVDCシステム制御部109は、遮断器105を投入する。
ステップS22において、電圧形変換器制御部110は、電圧形変換器108のスイッチング素子202をすべてオフする。
ステップS23において、他励HVDCシステム制御部109は、交流系統125に連系しているサイリスタ変換器116のサイリスタ点弧角を制御し、直流電圧Vdc0を確立する。最初、直流電圧Vdc0は、定格値よりも低い所定値である。これにより、他励HVDCシステム106は、一度に大電流を流すことなく、緩やかに単位変換器201のコンデンサ204を充電することができる。
ステップS23〜S35において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のサイリスタ118up,118vp,118vnのうちのいずれか1つと、サイリスタ118un,118vn,118wnのいずれか1つを点弧する。ただし、サイリスタ118up,118vp,118wpのうち、点弧したサイリスタの相とは異なる相のサイリスタ118un,118vn,118vnを点弧する。
ステップS24において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のu相上アームのサイリスタ118upと、v相下アームのサイリスタ118vnとを点弧する。このときに電力変換システム104に流れる電流については、後記する図6、図7で詳細に説明する。
ステップS25において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS26において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のu相上アームのサイリスタ118upと、w相下アームのサイリスタ118wnとを点弧する。
ステップS27において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS24において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のu相上アームのサイリスタ118upと、v相下アームのサイリスタ118vnとを点弧する。このときに電力変換システム104に流れる電流については、後記する図6、図7で詳細に説明する。
ステップS25において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS26において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のu相上アームのサイリスタ118upと、w相下アームのサイリスタ118wnとを点弧する。
ステップS27において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS28において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のv相上アームのサイリスタ118vpと、w相下アームのサイリスタ118wnを点弧する。
ステップS29において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS30において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のv相上アームのサイリスタ118vpと、u相下アームのサイリスタ118unを点弧する。
ステップS31において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS29において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS30において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のv相上アームのサイリスタ118vpと、u相下アームのサイリスタ118unを点弧する。
ステップS31において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS32において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のw相上アームのサイリスタ118wpと、u相下アームのサイリスタ118unを点弧する。
ステップS33において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS34において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のw相上アームのサイリスタ118wpと、v相下アームのサイリスタ118vnを点弧する。
ステップS35において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS33において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS34において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のw相上アームのサイリスタ118wpと、v相下アームのサイリスタ118vnを点弧する。
ステップS35において、他励HVDCシステム制御部109は、対応する電流が流れなくなるまで待つ。
ステップS36において、他励HVDCシステム制御部109は、直流電圧Vdc0が定格値以上であるか否かを判断する。他励HVDCシステム制御部109は、直流電圧Vdc0が定格値以上ならば(Yes)、図5の処理を終了し、直流電圧Vdc0が定格値未満ならば(No)、ステップS37の処理を行う。
ステップS37において、他励HVDCシステム制御部109は、交流系統125に連系しているサイリスタ変換器116のサイリスタ点弧角を制御し、直流電圧Vdc0を所定量だけ増加させて、ステップS23の処理に戻る。これにより、P点とN点との間の生じる電圧を徐々に増加させることができる。
図5に示す初充電処理により、単位変換器201のコンデンサ204を充電することができるので、電源が存在しない無電源系統101に連系させて、他励HVDCシステム106を運転して、各サイリスタ変換器115,116に電力変換させることが可能となる。
ステップS37において、他励HVDCシステム制御部109は、交流系統125に連系しているサイリスタ変換器116のサイリスタ点弧角を制御し、直流電圧Vdc0を所定量だけ増加させて、ステップS23の処理に戻る。これにより、P点とN点との間の生じる電圧を徐々に増加させることができる。
図5に示す初充電処理により、単位変換器201のコンデンサ204を充電することができるので、電源が存在しない無電源系統101に連系させて、他励HVDCシステム106を運転して、各サイリスタ変換器115,116に電力変換させることが可能となる。
以下、図6、図7を用いて、例えばサイリスタ118upとサイリスタ118vnを点弧した場合の電流経路について説明する。また、併せて、電圧形変換器108のコンデンサ204を充電できる原理を説明する。
図6は、交流系統125に連系するサイリスタ変換器116のサイリスタ118ap,18bnが導通している期間を示す図である。これは、図5のステップS24の処理を行った状態に対応している。
母線103に連系するサイリスタ変換器115のサイリスタ118up,18vnを点弧すると、太線で示した経路で電流が流れる。
最初、交流系統125から、他励HVDCシステム106の変圧器114のA点に流れる。
他励HVDCシステム106内において、この電流は、変圧器114のa点→サイリスタ118ap→P点→直流線路インダクタンス117→サイリスタ118up→変圧器113のu点の経路で流れる。この電流は、遮断器105→母線103のU相→遮断器107の経路で、電圧形変換器108に流れる。
電圧形変換器108内において、この電流は、変圧器119→r点→リアクトル120rs→アーム121rs→s点→変圧器119の経路で流れる。この電流は更に、遮断器107→母線103のV相→遮断器105→他励HVDCシステム106の変圧器113の経路で流れる。
他励HVDCシステム106内において、この電流は、変圧器113のv点→サイリスタ118vn→N点→サイリスタ118bn→変圧器114のb点の経路で流れる。この電流は、変圧器114のB点から交流系統125に流れる。
母線103に連系するサイリスタ変換器115のサイリスタ118up,18vnを点弧すると、太線で示した経路で電流が流れる。
最初、交流系統125から、他励HVDCシステム106の変圧器114のA点に流れる。
他励HVDCシステム106内において、この電流は、変圧器114のa点→サイリスタ118ap→P点→直流線路インダクタンス117→サイリスタ118up→変圧器113のu点の経路で流れる。この電流は、遮断器105→母線103のU相→遮断器107の経路で、電圧形変換器108に流れる。
電圧形変換器108内において、この電流は、変圧器119→r点→リアクトル120rs→アーム121rs→s点→変圧器119の経路で流れる。この電流は更に、遮断器107→母線103のV相→遮断器105→他励HVDCシステム106の変圧器113の経路で流れる。
他励HVDCシステム106内において、この電流は、変圧器113のv点→サイリスタ118vn→N点→サイリスタ118bn→変圧器114のb点の経路で流れる。この電流は、変圧器114のB点から交流系統125に流れる。
図7は、サイリスタ118up,118vnを点弧したときに、アーム121rsを流れる電流の経路を示す図である。
各単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNにおいて、電流は、x点→環流ダイオード203XH→コンデンサ204→環流ダイオード203YL→y点の順に流れる。この電流は更に、コンデンサ204を充電する。コンデンサ204の充電により電圧が上昇すると、アーム121rsの電圧Vrsも上昇する。
アーム121rsの電圧Vrsが電圧Vdcを上回ると、電流Idcが減少する。電流Idcが概ね零となった時点で、サイリスタ変換器115のサイリスタ118up,118vnが消弧する。これは、図5のステップS25の処理に対応している。以上の説明は、アーム121を流れる電流Irs,Ist,Itrが正となる場合である。
各単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNにおいて、電流は、x点→環流ダイオード203XH→コンデンサ204→環流ダイオード203YL→y点の順に流れる。この電流は更に、コンデンサ204を充電する。コンデンサ204の充電により電圧が上昇すると、アーム121rsの電圧Vrsも上昇する。
アーム121rsの電圧Vrsが電圧Vdcを上回ると、電流Idcが減少する。電流Idcが概ね零となった時点で、サイリスタ変換器115のサイリスタ118up,118vnが消弧する。これは、図5のステップS25の処理に対応している。以上の説明は、アーム121を流れる電流Irs,Ist,Itrが正となる場合である。
図5のステップS30で示したようにサイリスタ118vp,118unを点弧すると、アーム121rsには電流Irsが負方向に流れる。このときの電力変換システム104の各部の動作を説明する。
各単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNにおいて、電流は、y点→環流ダイオード203YH→コンデンサ204→環流ダイオード203XL→x点の順に流れる。この電流は更に、コンデンサ204を図7と同一の方向に充電する。コンデンサ204の充電により電圧が上昇すると、アーム121rsの電圧Vrsは逆極性の負電圧となり、その絶対値が上昇する。
アーム121rsの電圧Vrsの絶対値が電圧Vdcを上回ると、電流Idcが減少する。電流Idcが概ね零となった時点で、サイリスタ変換器115のサイリスタ118un,118vpが消弧する。これは、図5のステップS31の処理に対応している。
各単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNにおいて、電流は、y点→環流ダイオード203YH→コンデンサ204→環流ダイオード203XL→x点の順に流れる。この電流は更に、コンデンサ204を図7と同一の方向に充電する。コンデンサ204の充電により電圧が上昇すると、アーム121rsの電圧Vrsは逆極性の負電圧となり、その絶対値が上昇する。
アーム121rsの電圧Vrsの絶対値が電圧Vdcを上回ると、電流Idcが減少する。電流Idcが概ね零となった時点で、サイリスタ変換器115のサイリスタ118un,118vpが消弧する。これは、図5のステップS31の処理に対応している。
図5のステップS28で示したようにサイリスタ118vp,118wnを点弧すれば、正方向に流れる電流でアーム121stのコンデンサ204を充電できる。図5のステップS34で示したようにサイリスタ118wp,118vnを点弧すれば、負方向に流れる電流でアーム121stのコンデンサ204を充電できる。
図5のステップS32で示したようにサイリスタ118wp,118unを点弧すれば、正方向に流れる電流でアーム121trのコンデンサ204を充電できる。図5のステップS26で示したようにサイリスタ118up,118wnを点弧すれば、負方向に流れる電流でアーム121trのコンデンサ204を充電できる。
図5のステップS32で示したようにサイリスタ118wp,118unを点弧すれば、正方向に流れる電流でアーム121trのコンデンサ204を充電できる。図5のステップS26で示したようにサイリスタ118up,118wnを点弧すれば、負方向に流れる電流でアーム121trのコンデンサ204を充電できる。
サイリスタ変換器116のサイリスタ点弧角を制御して、直流線路の電圧Vdcをランプ関数状に増加させつつ、サイリスタ変換器115の点弧させるサイリスタ118up,118vp,118wp,118un,118vn,118wnの組み合わせを順次切り替えれば、3つのアーム121rs,121st,121trのコンデンサ204を概ね零から充電できる。このようにすることで変圧器113,119に正方向電流と負方向電流とを流しながら、3個のアーム121の各コンデンサ204を充電することができる。これにより電力変換システム104は、他励HVDCシステム106から電圧形変換器108のコンデンサ204を充電することができる。
初充電によって、各アーム121rs,121st,121trのコンデンサ204が定格値まで充電されたら、電圧形変換器制御部110は、電圧形変換器108の各スイッチング素子202のスイッチングを開始する。電圧形変換器制御部110は、例えばPWM制御によって、電圧Vrs,Vst,Vtrが、三相平衡、所定振幅かつ所定周波数の正弦波電圧となるように制御する。
この状態で、開閉器102を投入し、無電源系統101と母線103とを接続すると、電圧形変換器108の各アーム121の電圧Vrs,Vst,Vtrが、変圧器119を介して母線103と無電源系統101に印加される。
その後、電圧形変換器108が母線103に確立した概ね三相平衡、所定振幅かつ所定周波数の正弦波電圧を利用して、サイリスタ変換器115が整流器運転、またはインバータ運転を開始する。
その後、電圧形変換器108が母線103に確立した概ね三相平衡、所定振幅かつ所定周波数の正弦波電圧を利用して、サイリスタ変換器115が整流器運転、またはインバータ運転を開始する。
以下、サイリスタ変換器115のサイリスタ118を消弧できる原理、また、これによってサイリスタ変換器115を整流器またはインバータとして運転できる原理を説明する。
例として、電流Idcが正であり、かつ、サイリスタ118up,118wnが導通している状態から、サイリスタ118upが消弧するまでを説明する。電圧形変換器108によって母線103に確立された概ね三相平衡、所定振幅かつ所定周波数の正弦波電圧は、変圧器113を介してu点、v点、w点にも現れる。サイリスタ118upが導通状態にある場合、サイリスタ118vpのアノード電位は、u点の電位と等しくなっている。
例として、電流Idcが正であり、かつ、サイリスタ118up,118wnが導通している状態から、サイリスタ118upが消弧するまでを説明する。電圧形変換器108によって母線103に確立された概ね三相平衡、所定振幅かつ所定周波数の正弦波電圧は、変圧器113を介してu点、v点、w点にも現れる。サイリスタ118upが導通状態にある場合、サイリスタ118vpのアノード電位は、u点の電位と等しくなっている。
時間の経過と共に、u点の電位よりもv点の電位が高くなると、サイリスタ118vpが順バイアス状態となる。しかし、サイリスタ118vpにゲート電流または光が与えられない限り、サイリスタ118vpは、点弧しない。
u点の電位よりもv点の電位が高くなった時刻、または、その時刻から所定電気角だけ遅れた時刻に、サイリスタ118vpにゲート電流または光を与えると、順バイアス状態にあるサイリスタ118vpは点弧する。これにより、サイリスタ118upとサイリスタ118vpとが共に点弧している状態となる。
u点の電位よりもv点の電位が高くなった時刻、または、その時刻から所定電気角だけ遅れた時刻に、サイリスタ118vpにゲート電流または光を与えると、順バイアス状態にあるサイリスタ118vpは点弧する。これにより、サイリスタ118upとサイリスタ118vpとが共に点弧している状態となる。
v点の電位はu点の電位よりも高いため、v点→サイリスタ118vp→サイリスタ118up→u点の経路で電流が流れる。以下、この電流を、転流電流成分と記載する。
転流電流成分は、この転流電流成分の経路に存在する不図示のインダクタンスによって制限される。転流電流成分は、u点とv点の電位差の時間積分に比例するため、時間とともに増加する。
転流電流成分は、この転流電流成分の経路に存在する不図示のインダクタンスによって制限される。転流電流成分は、u点とv点の電位差の時間積分に比例するため、時間とともに増加する。
サイリスタ118upには、サイリスタ118vpが点弧する前にサイリスタ118upに流れていた電流Idcと、転流電流成分とが重畳した電流が流れる。
サイリスタ118upを流れる電流は、当初は電流Idcと等しい値である。サイリスタ118upを流れる電流は、転流電流成分の増加に伴って時間とともに減少して、概ね零に達する。これにより、一方でサイリスタ118upは消弧する。他方でサイリスタ118vpを流れる電流は、電流Idcと等しくなる。
サイリスタ118upを流れる電流は、当初は電流Idcと等しい値である。サイリスタ118upを流れる電流は、転流電流成分の増加に伴って時間とともに減少して、概ね零に達する。これにより、一方でサイリスタ118upは消弧する。他方でサイリスタ118vpを流れる電流は、電流Idcと等しくなる。
以上のように、サイリスタ118up,118vp,118wpのうちの1つのサイリスタ118から他のサイリスタ118に、電流Idcを転流させることができる。
また、電圧形変換器108によって確立しているu点、v点、w点の電位の変動に基づいて、サイリスタ118up,118vp,118wpを順次点弧することにより、電流Idcをu相、v相、w相のうちいずれに流すかを制御できる。N点に接続されているサイリスタ118un,118vn,118wnも概ね同様に制御できる。
他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ118up,118vp,118wpと、サイリスタ118un,118vn,118wnとを、上記の原理によって制御することにより、サイリスタ変換器115によって有効電力を融通させるように運転できる。
また、電圧形変換器108によって確立しているu点、v点、w点の電位の変動に基づいて、サイリスタ118up,118vp,118wpを順次点弧することにより、電流Idcをu相、v相、w相のうちいずれに流すかを制御できる。N点に接続されているサイリスタ118un,118vn,118wnも概ね同様に制御できる。
他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ118up,118vp,118wpと、サイリスタ118un,118vn,118wnとを、上記の原理によって制御することにより、サイリスタ変換器115によって有効電力を融通させるように運転できる。
以下、電圧形変換器108のコンデンサ204の電圧を所定値に維持する方法を説明する。
例えば、無電源系統101が有効電力を消費する負荷である場合、電圧形変換器108のコンデンサ204は、無電源系統101に有効電力を供給する。供給された有効電力によって、電圧形変換器108のコンデンサ204の電圧は低下する。電圧形変換器108のコンデンサ204の電圧低下を補うため、サイリスタ変換器115はインバータ運転を行い、サイリスタ変換器116は整流器運転を行う。
例えば、無電源系統101が有効電力を消費する負荷である場合、電圧形変換器108のコンデンサ204は、無電源系統101に有効電力を供給する。供給された有効電力によって、電圧形変換器108のコンデンサ204の電圧は低下する。電圧形変換器108のコンデンサ204の電圧低下を補うため、サイリスタ変換器115はインバータ運転を行い、サイリスタ変換器116は整流器運転を行う。
例えば、無電源系統101が風力・太陽光・太陽熱発電システムの系統連系インバータなどの発電システムを含む場合、無電源系統101は、電圧形変換器108が母線103に確立した電圧と同位相の電流を母線103に流して、電圧形変換器108に有効電力を供給する。供給された有効電力によって、電圧形変換器108のコンデンサ204の電圧は上昇する。電圧形変換器108のコンデンサ204の電圧上昇を抑えるように、サイリスタ変換器115は、整流器運転を行う。サイリスタ変換器116は、インバータ運転を行う。
以上、無電源系統101に連系する場合においても、他励HVDCシステム106が備えるサイリスタ変換器115,116を運転できる原理を説明した。
以上、無電源系統101に連系する場合においても、他励HVDCシステム106が備えるサイリスタ変換器115,116を運転できる原理を説明した。
第1の実施形態において、電圧形変換器108のコンデンサ204を充電している期間で、電流の経路を確保するため、遮断器105,107の投入状態を保持する必要がある。初充電期間においては、専用線503に現れる電圧が概ね所定振幅、所定周波数の正弦波交流電圧とは異なる電圧となるため、図示されていない継電器等が不足電圧等を検出してしまう虞がある。そのため、初充電期間には、継電器などの信号を一部または全部をマスクしておくことが好適である。
また、第1の実施形態において、開閉器102として、遮断器、断路器、またはその組み合わせを用いることが好適である。
さらに、第1の実施形態において、遮断器105,107として、遮断器単体という構成だけでなく、遮断器と断路器の組み合わせを用いることが好適である。
さらに、第1の実施形態において、遮断器105,107として、遮断器単体という構成だけでなく、遮断器と断路器の組み合わせを用いることが好適である。
第1の実施形態において、例えば、無電源系統101を洋上ウィンドファーム(洋上風力発電所)としてもよい。この洋上ウィンドファームは、遮断器105と、変圧器113と、サイリスタ変換器115と、遮断器107と、電圧形変換器108とを洋上に設置する。これ以外の変圧器114とサイリスタ変換器116とは、陸上に設置して、サイリスタ変換器115との間を直流線路で接続する。これにより、陸上の交流系統125に対して電力を供給する電力変換システム104を構成できる。電力変換システム104は、直流線路を送電することにより、交流送電するよりも低損失となり、かつ、大量の電力を長距離に送電可能である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、他励HVDCシステム106を構成するサイリスタ変換器116の一端と、電圧形変換器108とが、それぞれ変圧器を介して専用線503に接続している構成である。電圧形変換器108のコンデンサを充電する際に、母線103には電圧が印加されない。これによって、母線103に接続されている不図示の他装置に、初充電の電圧が印加されることを防ぐことができる。よって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、初充電の電圧による他機器の故障を未然に防止できるという効果が得られる。
本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、他励HVDCシステム106を構成するサイリスタ変換器116の一端と、電圧形変換器108とが、それぞれ変圧器を介して専用線503に接続している構成である。電圧形変換器108のコンデンサを充電する際に、母線103には電圧が印加されない。これによって、母線103に接続されている不図示の他装置に、初充電の電圧が印加されることを防ぐことができる。よって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、初充電の電圧による他機器の故障を未然に防止できるという効果が得られる。
図8は、第2の実施形態における電力変換システム104Aを示す概略の構成図である。ここでは、第1の実施形態の図1との相違点に絞って説明する。
図8に示すように、第2の実施形態の電力変換システム104Aと、第1の実施形態の電力変換システム104(図1参照)の相違点は、他励HVDCシステム106と電圧形変換器108が、それぞれ遮断器105,107を介して、専用線503に連系しており、専用線503と母線103が開閉器502を介して接続している点である。
図8に示すように、第2の実施形態の電力変換システム104Aと、第1の実施形態の電力変換システム104(図1参照)の相違点は、他励HVDCシステム106と電圧形変換器108が、それぞれ遮断器105,107を介して、専用線503に連系しており、専用線503と母線103が開閉器502を介して接続している点である。
初充電期間においては、開閉器102に加えて、開閉器502も開放状態にする。
この場合、初充電の際に、他励HVDCシステム106から電圧形変換器108に流れる電流は、専用線503を流れ、母線103には流れない。初充電期間において母線103には電圧が現れない。したがって、母線103に接続されている不図示の他装置に、初充電の際の電圧が印加されることを防止できる。
この場合、初充電の際に、他励HVDCシステム106から電圧形変換器108に流れる電流は、専用線503を流れ、母線103には流れない。初充電期間において母線103には電圧が現れない。したがって、母線103に接続されている不図示の他装置に、初充電の際の電圧が印加されることを防止できる。
第2の実施形態において、開閉器502として、遮断器、断路器、または、それらの組み合わせを用いることが好適である。また、第2の実施形態において、遮断器105,107として、遮断器単体という構成だけでなく、遮断器と断路器との組み合わせを用いることが好適である。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、他励HVDCシステム106を構成するサイリスタ変換器の一端と電圧形変換器とが、単一の変圧器の2次巻線と3次巻線とを介して母線に連系している構成である。第3の実施形態によれば、第1、第2の実施形態と同様の効果に加えて、変圧器の台数を削減できるという効果が得られる。
本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、他励HVDCシステム106を構成するサイリスタ変換器の一端と電圧形変換器とが、単一の変圧器の2次巻線と3次巻線とを介して母線に連系している構成である。第3の実施形態によれば、第1、第2の実施形態と同様の効果に加えて、変圧器の台数を削減できるという効果が得られる。
図9は、第3の実施形態における電力変換システム104Bを示す概略の構成図である。ここでは、第1の実施形態の図1との相違点に絞って説明する。
図9に示すように、第3の実施形態の電力変換システム104Bと、第1の実施形態の電力変換システム104(図1参照)の相違点は、他励HVDCシステム106Bの変圧器113Bが3次巻線を備えていることである。
変圧器113Bの2次巻線(所定次の巻線)には、サイリスタ変換器115が連系している。変圧器113Bの3次巻線(所定次の巻線とは異なる巻線)には、遮断器605を介して電圧形変換器108Bが連系している。
図9に示すように、第3の実施形態の電力変換システム104Bと、第1の実施形態の電力変換システム104(図1参照)の相違点は、他励HVDCシステム106Bの変圧器113Bが3次巻線を備えていることである。
変圧器113Bの2次巻線(所定次の巻線)には、サイリスタ変換器115が連系している。変圧器113Bの3次巻線(所定次の巻線とは異なる巻線)には、遮断器605を介して電圧形変換器108Bが連系している。
初充電期間において、他励HVDCシステム制御部109は、遮断器105を開放する。初充電期間において、他励HVDCシステム106Bから電圧形変換器108Bのコンデンサ204に流れる電流は、変圧器113Bの2次巻線と3次巻線とを介して流れる。遮断器105の開放により、電圧形変換器108Bのコンデンサ204を充電する際の電圧は、母線103に印加されなくなる。これによって、母線103に接続されている不図示の他装置に、初充電の際の電圧が印加されることを防止できる。初充電の際の電圧は、通常運転の際に印加される所定振幅かつ所定周波数の正弦波電圧とは異なり、不図示の他装置に影響を与える虞があるためである。これにより、通常運転時の所定振幅かつ所定周波数の正弦波電圧とは異なる電圧が印加されることを防止できるという効果が得られる。
第1、第2の実施形態の電力変換システム104は、2台の変圧器113,119で用いる。この第3の実施形態の電力変換システム104Bは、単一の変圧器113Bのみを用いるため、変圧器の台数を削減できるという効果が得られる。
第3の実施形態において、遮断器105,605として、遮断器単体という構成だけでなく、遮断器と断路器との組み合わせを用いることが好適である。
第3の実施形態において、変圧器113Bの2次巻線にサイリスタ変換器115が接続されており、変圧器113Bの3次巻線に電圧形変換器108Bが接続されている場合を説明した。以上の説明における「2次巻線」および「3次巻線」は、説明のための便宜上の名称であり、他の名称である場合にも、第3の実施形態の効果が得られる。
第3の実施形態において、変圧器113Bの2次巻線にサイリスタ変換器115が接続されており、変圧器113Bの3次巻線に電圧形変換器108Bが接続されている場合を説明した。以上の説明における「2次巻線」および「3次巻線」は、説明のための便宜上の名称であり、他の名称である場合にも、第3の実施形態の効果が得られる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施例について説明する。第4の実施形態と第1の実施形態と相違点は、電圧形変換器108BとしてMMCC−SDBC(Modular Multilevel Cascade Converter based on Single-Delta Bridge Cells)ではなく、MMCCを分類した文献による表記を用いれば、MMCC−DSBC(Modular Multilevel Cascade Converter based on Double-Star Bridge Cells)を用い、MMCC−DSBCの直流側を他励HVDCシステム106Bの直流側に接続した点である。第4の実施形態によれば、第1の実施形態〜3と同様の効果が得られることに加えて、MMCC−DSBCによって、より大きな有効電力の融通が可能となるという効果が得られる。
本発明の第4の実施例について説明する。第4の実施形態と第1の実施形態と相違点は、電圧形変換器108BとしてMMCC−SDBC(Modular Multilevel Cascade Converter based on Single-Delta Bridge Cells)ではなく、MMCCを分類した文献による表記を用いれば、MMCC−DSBC(Modular Multilevel Cascade Converter based on Double-Star Bridge Cells)を用い、MMCC−DSBCの直流側を他励HVDCシステム106Bの直流側に接続した点である。第4の実施形態によれば、第1の実施形態〜3と同様の効果が得られることに加えて、MMCC−DSBCによって、より大きな有効電力の融通が可能となるという効果が得られる。
図10は、第4の実施形態における電力変換システム104Cを示す概略の構成図である。ここでは、第1の実施形態の図1との相違点に絞って説明する。
図10に示すように、第4の実施形態の電力変換システム104Cと、第1の実施形態の電力変換システム104(図1参照)の相違点は、電圧形変換器108CとしてMMCC−DSBCを用いた点である。
図10に示すように、第4の実施形態の電力変換システム104Cと、第1の実施形態の電力変換システム104(図1参照)の相違点は、電圧形変換器108CとしてMMCC−DSBCを用いた点である。
以下、電圧形変換器108Cの内部構成を説明する。
電圧形変換器108Cは、アーム704とリアクトル705の直列回路の一端が交流各相に接続され、これら直列回路の他端が直流端子に接続されて構成される。
アーム704rpとリアクトル705の直列回路の一端と、リアクトル705とアーム704rnの直列回路の一端とがr点で直列接続され、第1の直列回路を構成している。このr点は、変圧器703の2次巻線に接続している。アーム704rpとリアクトル705の直列回路の他端は、サイリスタ変換器115の直流正極側に接続される。リアクトル705とアーム704rnの直列回路の他端は、サイリスタ変換器115の直流負極側に接続される。すなわち、電圧形変換器108Cの直流側は、他励HVDCシステム106の直流線路に接続している。
電圧形変換器108Cは、アーム704とリアクトル705の直列回路の一端が交流各相に接続され、これら直列回路の他端が直流端子に接続されて構成される。
アーム704rpとリアクトル705の直列回路の一端と、リアクトル705とアーム704rnの直列回路の一端とがr点で直列接続され、第1の直列回路を構成している。このr点は、変圧器703の2次巻線に接続している。アーム704rpとリアクトル705の直列回路の他端は、サイリスタ変換器115の直流正極側に接続される。リアクトル705とアーム704rnの直列回路の他端は、サイリスタ変換器115の直流負極側に接続される。すなわち、電圧形変換器108Cの直流側は、他励HVDCシステム106の直流線路に接続している。
アーム704spとリアクトル705の直列回路の一端と、リアクトル705とアーム704snの直列回路の一端とがs点で直列接続され、第2の直列回路を構成している。このs点は、変圧器703の2次巻線に接続している。アーム704spとリアクトル705の直列回路の他端は、サイリスタ変換器115の直流正極側に接続される。リアクトル705とアーム704snの直列回路の他端は、サイリスタ変換器115の直流負極側に接続される。
アーム704tpとリアクトル705の直列回路の一端と、リアクトル705とアーム704tnの直列回路の一端とがt点で直列接続され、第3の直列回路を構成している。このr点は、変圧器119の2次巻線に接続している。アーム704tpとリアクトル705の直列回路の他端は、サイリスタ変換器115の直流正極側に接続される。リアクトル705とアーム704tnの直列回路の他端は、サイリスタ変換器115の直流負極側に接続される。
すなわち、第1〜3の直列回路は、並列接続されてサイリスタ変換器115の直流側に接続している。サイリスタ変換器115の直流正極側から電圧形変換器108Cの直流正極側には、電流Idc2が流れる。
電圧形変換器108Cは、リアクトル705とアーム704とが直列に接続された6個の直列回路が、三相ブリッジ状に接続されていると言い換えてもよい。
電圧形変換器108Cは、リアクトル705とアーム704とが直列に接続された6個の直列回路が、三相ブリッジ状に接続されていると言い換えてもよい。
図11は、アーム704rpの内部構成である。
以下の説明で特に区別する必要が無い場合、アーム704rp,704rn,704sp,704sn,704tp,704tnを総称して、単にアーム704と記載する。
以下の説明で特に区別する必要が無い場合、アーム704rp,704rn,704sp,704sn,704tp,704tnを総称して、単にアーム704と記載する。
アーム704rpは、第1の実施形態のアーム121(図2参照)とは、概ね同一である。アーム704rpは、N個の単位変換器201rp1,201rp2,…,201rpNの直列回路である。各単位変換器201は、第1の実施形態の各単位変換器201rs1,201rs2,…,201rsNと同様に構成される。
第4の実施形態の電力変換システム104Cは、電圧形変換器108Cのコンデンサ204を充電する際に、サイリスタ変換器116が確立した電圧Vdcを用いて、電圧形変換器108Cに電流Idc2を流す。これにより、各単位変換器201rp1,201rp2,…,201rpNの環流ダイオード203XH、コンデンサ204、環流ダイオード203YLに電流が流れ、コンデンサ204を充電する。コンデンサ204を充電する期間は、初充電期間である。
初充電期間において、他励HVDCシステム制御部109は、サイリスタ変換器115のサイリスタ118up,118un,118vp,118vn,118wp,118wnは全て点弧させず、遮断器105を開放する。電圧形変換器制御部110は、遮断器107を解法する。これにより、第2、第3の実施形態と同様に、電圧形変換器108Cのコンデンサ204を充電する際に、母線103に接続されている不図示の他装置に、初充電の電圧が印加されることを防ぐことができる。よって、第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果に加えて、初充電電圧による他機器の故障を、未然に防止できるという効果が得られる。
第4の実施形態の電力変換システム104Cは、電圧形変換器108Cのコンデンサ204を充電した後に、サイリスタ変換器115と電圧形変換器108Cを並列運転することによって、より大きな有効電力を融通できるという効果が得られる。しかし、これに限られず、第4の実施形態の電力変換システム104Cは、第1の実施形態と同様の方法によって、電圧形変換器108Cとサイリスタ変換器115の運転を開始してもよい。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態と、第1の実施形態との相違点は、電圧形変換器としてMMCC−SDBCではなく、2レベル変換器を用いた点である。
第1〜第3の実施形態では、電圧形変換器として、3つの単相変換器であるアーム121rs,121st,121trを用いて、MMCC−SDBCを構成する。このため、アーム121rs,121st,121trの単位変換器201に含まれるコンデンサ204は、単相瞬時電力に含まれる2倍周波数変動に対応する静電エネルギを貯蔵する必要があった。
本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態と、第1の実施形態との相違点は、電圧形変換器としてMMCC−SDBCではなく、2レベル変換器を用いた点である。
第1〜第3の実施形態では、電圧形変換器として、3つの単相変換器であるアーム121rs,121st,121trを用いて、MMCC−SDBCを構成する。このため、アーム121rs,121st,121trの単位変換器201に含まれるコンデンサ204は、単相瞬時電力に含まれる2倍周波数変動に対応する静電エネルギを貯蔵する必要があった。
一方、第5の実施形態の2レベル変換器は、三相変換器である。三相瞬時電力は所定値を保ち、2倍周波数変動をほとんど含まない。このため、2レベル変換器を用いた第5の実施形態では、MMCC−SDBCに比較してコンデンサの静電エネルギを低減できるという効果が得られる。
図12は、第5の実施形態における電力変換システム104Dを示す概略の構成図である。ここでは、第1の実施形態の図1との相違点に絞って説明する。
図12に示すように、第5の実施形態の電力変換システム104Dと、第1の実施形態の電力変換システム104(図1参照)の相違点は、電圧形変換器として、2レベル変換器で構成された電圧形変換器108Dを備えている点である。
図12に示すように、第5の実施形態の電力変換システム104Dと、第1の実施形態の電力変換システム104(図1参照)の相違点は、電圧形変換器として、2レベル変換器で構成された電圧形変換器108Dを備えている点である。
以下、電圧形変換器108Dの内部構成を説明する。
電圧形変換器108Dは、2レベル変換器904と、変圧器119とを備えている。この電圧形変換器108Dにおいて、2レベル変換器904は、変圧器119と遮断器107とを介して母線103に連系している。
電圧形変換器108Dは、2レベル変換器904と、変圧器119とを備えている。この電圧形変換器108Dにおいて、2レベル変換器904は、変圧器119と遮断器107とを介して母線103に連系している。
以下、2レベル変換器904の内部構成を説明する。
スイッチング素子202RHと環流ダイオード203RHの並列回路と、スイッチング素子202RLと環流ダイオード203RLの並列回路とが、r点で直列接続され、r相直列回路を構成している。r点は、変圧器113の2次巻線のうちの1相に接続されている。
スイッチング素子202SHと環流ダイオード203SHの並列回路と、スイッチング素子202SLと環流ダイオード203SLの並列回路とが、s点で直列接続され、s相直列回路を構成している。s点は、変圧器113の2次巻線のうちの1相に接続されている。
スイッチング素子202RHと環流ダイオード203RHの並列回路と、スイッチング素子202RLと環流ダイオード203RLの並列回路とが、r点で直列接続され、r相直列回路を構成している。r点は、変圧器113の2次巻線のうちの1相に接続されている。
スイッチング素子202SHと環流ダイオード203SHの並列回路と、スイッチング素子202SLと環流ダイオード203SLの並列回路とが、s点で直列接続され、s相直列回路を構成している。s点は、変圧器113の2次巻線のうちの1相に接続されている。
スイッチング素子202THと環流ダイオード203THの並列回路と、スイッチング素子202TLと環流ダイオード203TLの並列回路とが、t点で直列接続され、t相直列回路を構成している。t点は、変圧器113の2次巻線のうちの1相に接続されている。
2レベル変換器904は、r相直列回路・s相直列回路・t相直列回路が、コンデンサ905と並列接続されて構成される。
2レベル変換器904は、r相直列回路・s相直列回路・t相直列回路が、コンデンサ905と並列接続されて構成される。
以下、第5の実施形態での初充電期間の電流経路について説明する。第1の実施形態と同様に、第5の実施形態の電力変換システム104Dは、他励HVDCシステム106から電圧形変換器108Dのコンデンサ905を充電できる。
初充電期間において、図6と同様に、サイリスタ変換器115のサイリスタ118up,18vnが点弧する場合を考える。
他励HVDCシステム106内において、この電流は、変圧器114のa点→サイリスタ118ap→P点→直流線路インダクタンス117→サイリスタ118up→変圧器113のu点の経路で流れる。この電流は、遮断器105→母線103のU相→遮断器107の経路で、電圧形変換器108Dの変圧器119に流れる。
変圧器119に流れた電流は、二次側のr点→環流ダイオード203RH→コンデンサ905→環流ダイオード203SL→s点の経路で流れる。これにより、コンデンサ905が充電される。
したがって、2レベル変換器904を用いた第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、コンデンサ905を充電可能である。
他励HVDCシステム106内において、この電流は、変圧器114のa点→サイリスタ118ap→P点→直流線路インダクタンス117→サイリスタ118up→変圧器113のu点の経路で流れる。この電流は、遮断器105→母線103のU相→遮断器107の経路で、電圧形変換器108Dの変圧器119に流れる。
変圧器119に流れた電流は、二次側のr点→環流ダイオード203RH→コンデンサ905→環流ダイオード203SL→s点の経路で流れる。これにより、コンデンサ905が充電される。
したがって、2レベル変換器904を用いた第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、コンデンサ905を充電可能である。
なお、第2〜第4の実施形態におけるMMCC−SDBCで構成した電圧形変換器108を、2レベル変換器904で構成した電圧形変換器108Dに置き換えることにより、第5の実施形態で得られる効果に加えて、第2〜第4の実施形態で得られる効果も得ることができる。
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態と、第5の実施形態との相違点は、電圧形変換器として2レベル変換器ではなく、ダイオードによる中性点クランプを持つNPC(Neutral Point Clamped)インバータである、いわゆる3レベル変換器を用いた点である。
第6の実施形態の3レベル変換器は、交流側各相が3レベルの電圧値を出力可能な変換器である。第5の実施形態の2レベル変換器と比較すると、交流側に出力される電圧に含まれる高調波が少なく、かつ、出力電圧の波形を理想的なサイン波に近づけることができる。3レベル変換器は、更に、正側及び負側アームにおいて自己消弧形スイッチング素子が2個直列となるため、出力電圧の高圧化を図ることができる。
本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態と、第5の実施形態との相違点は、電圧形変換器として2レベル変換器ではなく、ダイオードによる中性点クランプを持つNPC(Neutral Point Clamped)インバータである、いわゆる3レベル変換器を用いた点である。
第6の実施形態の3レベル変換器は、交流側各相が3レベルの電圧値を出力可能な変換器である。第5の実施形態の2レベル変換器と比較すると、交流側に出力される電圧に含まれる高調波が少なく、かつ、出力電圧の波形を理想的なサイン波に近づけることができる。3レベル変換器は、更に、正側及び負側アームにおいて自己消弧形スイッチング素子が2個直列となるため、出力電圧の高圧化を図ることができる。
図13は、第6の実施形態における電力変換システム104Eを示す概略の構成図である。ここでは、第5の実施形態の図12との相違点に絞って説明する。
図13に示すように、第6の実施形態の電力変換システム104Eと、第5の実施形態の電力変換システム104D(図12参照)の相違点は、電圧形変換器として、3レベル変換器906で構成された電圧形変換器108Eを備えている点である。
図13に示すように、第6の実施形態の電力変換システム104Eと、第5の実施形態の電力変換システム104D(図12参照)の相違点は、電圧形変換器として、3レベル変換器906で構成された電圧形変換器108Eを備えている点である。
以下、電圧形変換器108Eの内部構成を説明する。
電圧形変換器108Eは、3レベル変換器906と、変圧器119とを備えている。この電圧形変換器108Eにおいて、3レベル変換器906は、変圧器119と遮断器107とを介して母線103に連系している。
電圧形変換器108Eは、3レベル変換器906と、変圧器119とを備えている。この電圧形変換器108Eにおいて、3レベル変換器906は、変圧器119と遮断器107とを介して母線103に連系している。
以下、3レベル変換器906の内部構成を説明する。
3レベル変換器906は、r相上アーム回路と、s相上アーム回路と、t相上アーム回路とがコンデンサ96Hと並列接続され、r相下アーム回路と、s相下アーム回路と、t相下アーム回路とがコンデンサ96Lと並列接続され、更にコンデンサ96H,96Lが直列接続されて構成される。
3レベル変換器906は、r相上アーム回路と、s相上アーム回路と、t相上アーム回路とがコンデンサ96Hと並列接続され、r相下アーム回路と、s相下アーム回路と、t相下アーム回路とがコンデンサ96Lと並列接続され、更にコンデンサ96H,96Lが直列接続されて構成される。
r相上アーム回路は、スイッチング素子91RHと環流ダイオード94RHの並列回路とスイッチング素子92RHと環流ダイオード95RHの並列回路とが直列接続されて構成される。スイッチング素子92RHのエミッタは、r点に接続されている。r点は、変圧器119の2次巻線のうちの1相に接続される。スイッチング素子91RHのエミッタとスイッチング素子92RHのコレクタの接続ノードは、逆方向接続されたダイオード93RHを介してコンデンサ96Hの負極側に接続される。スイッチング素子91RHのコレクタは、コンデンサ96Hの正極側に接続される。
r相下アーム回路は、スイッチング素子92RLと環流ダイオード95RLの並列回路と、スイッチング素子91RLと環流ダイオード94RLの並列回路とが直列接続されて構成される。スイッチング素子92RLのコレクタは、r点に接続されている。スイッチング素子92RLのエミッタとスイッチング素子92RLのコレクタの接続ノードは、順方向接続されたダイオード93RLを介してコンデンサ96Lの正極側に接続される。スイッチング素子91RLのエミッタは、コンデンサ96Hの負極側に接続される。更にコンデンサ96Lの正極側は、コンデンサ96Hの負極側に接続される。
s相上アーム回路は、スイッチング素子91SHと環流ダイオード94SHの並列回路とスイッチング素子92SHと環流ダイオード95SHの並列回路とが直列接続されて構成される。スイッチング素子92SHのエミッタは、s点に接続されている。s点は、変圧器119の2次巻線のうちの1相に接続される。スイッチング素子91SHのエミッタとスイッチング素子92SHのコレクタの接続ノードは、逆方向接続されたダイオード93SHを介してコンデンサ96Hの負極側に接続される。スイッチング素子91SHのコレクタは、コンデンサ96Hの正極側に接続される。
s相下アーム回路は、スイッチング素子92SLと環流ダイオード95SLの並列回路と、スイッチング素子91SLと環流ダイオード94SLの並列回路とが直列接続されて構成される。スイッチング素子92SLのコレクタは、s点に接続されている。スイッチング素子92SLのエミッタとスイッチング素子92SLのコレクタの接続ノードは、順方向接続されたダイオード93SLを介してコンデンサ96Lの正極側に接続される。スイッチング素子91SLのエミッタは、コンデンサ96Hの負極側に接続される。
t相上アーム回路は、スイッチング素子91THと環流ダイオード94THの並列回路とスイッチング素子92THと環流ダイオード95THの並列回路とが直列接続されて構成される。スイッチング素子92THのエミッタは、t点に接続されている。t点は、変圧器119の2次巻線のうちの1相に接続される。スイッチング素子91THのエミッタとスイッチング素子92THのコレクタの接続ノードは、逆方向接続されたダイオード93THを介してコンデンサ96Hの負極側に接続される。スイッチング素子91THのコレクタは、コンデンサ96Hの正極側に接続される。
t相下アーム回路は、スイッチング素子92TLと環流ダイオード95TLの並列回路と、スイッチング素子91TLと環流ダイオード94TLの並列回路とが直列接続されて構成される。スイッチング素子92TLのコレクタは、t点に接続されている。スイッチング素子92TLのエミッタとスイッチング素子92TLのコレクタの接続ノードは、順方向接続されたダイオード93TLを介してコンデンサ96Lの正極側に接続される。スイッチング素子91TLのエミッタは、コンデンサ96Hの負極側に接続される。
以下、第6の実施形態における初充電期間の電流経路について説明する。第1の実施形態と同様に、電力変換システム104Eは、他励HVDCシステム106から電圧形変換器108Eのコンデンサ96H,96Lを充電できる。
初充電期間において、図6と同様に、サイリスタ変換器115のサイリスタ118up,118vnが点弧する場合を考える。
他励HVDCシステム106内において、この電流は、変圧器114のa点→サイリスタ118ap→P点→直流線路インダクタンス117→サイリスタ118up→変圧器113のu点の経路で流れる。この電流は、遮断器105→母線103のU相→遮断器107の経路で、電圧形変換器108Eの変圧器119に流れる。
変圧器119に流れた電流は、二次側のr点→環流ダイオード95RH→環流ダイオード94RH→コンデンサ96H→コンデンサ96L→環流ダイオード94SL→環流ダイオード95SL→s点の経路で流れる。これにより、コンデンサ96H,96Lが充電される。
他励HVDCシステム106内において、この電流は、変圧器114のa点→サイリスタ118ap→P点→直流線路インダクタンス117→サイリスタ118up→変圧器113のu点の経路で流れる。この電流は、遮断器105→母線103のU相→遮断器107の経路で、電圧形変換器108Eの変圧器119に流れる。
変圧器119に流れた電流は、二次側のr点→環流ダイオード95RH→環流ダイオード94RH→コンデンサ96H→コンデンサ96L→環流ダイオード94SL→環流ダイオード95SL→s点の経路で流れる。これにより、コンデンサ96H,96Lが充電される。
したがって、3レベル変換器906を用いた第6の実施形態においても、第5の実施形態と同様に、コンデンサ96H,96Lを充電可能である。
なお、第2〜第4の実施形態におけるMMCC−SDBCで構成した電圧形変換器108を、3レベル変換器906で構成した電圧形変換器108Eに置き換えることにより、第6の実施形態で得られる効果に加えて、第2〜第4の実施形態で得られる効果も得ることができる。
(変形例)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の変形例として、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上記した実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
各実施形態に於いて、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
本発明の変形例として、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
(a) サイリスタ変換器115,116の各サイリスタ118は、単一のサイリスタ素子で構成される。しかし、これに限られず、各サイリスタ118は、複数のサイリスタ素子の直列回路・並列回路・直列回路と並列回路の組み合わせのいずれかで構成されていてもよく、限定されない。
(b) サイリスタ変換器115,116は、6パルス整流回路である。しかし、これに限られず、サイリスタ変換器115,116は、12パルス整流回路や、その他の方式の回路であってもよく、限定されない。
(b) サイリスタ変換器115,116は、6パルス整流回路である。しかし、これに限られず、サイリスタ変換器115,116は、12パルス整流回路や、その他の方式の回路であってもよく、限定されない。
(c) 電圧形変換器が備える各スイッチング素子は、IGBT(Insulated-Gate Bipolar Transistor)に限られず、オン・オフ制御可能なスイッチング素子であればよく、例えばGTO(Gate-Turn-Off)サイリスタ、GCT(Gate-Commutated Thyristor)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)などであってもよい。
(d) 無電源系統101は、風力発電システムや太陽光発電システムに限られず、太陽熱発電システム、潮力発電システム、波力発電システム、水力発電システム、温度差発電システムなどに代表される任意の分散型電源であってもよい。
(d) 無電源系統101は、風力発電システムや太陽光発電システムに限られず、太陽熱発電システム、潮力発電システム、波力発電システム、水力発電システム、温度差発電システムなどに代表される任意の分散型電源であってもよい。
101 無電源系統
102 開閉器
103 母線
104,104A〜104D 電力変換システム
105 遮断器
106,106B 他励HVDCシステム (他励直流送電システム)
107 遮断器
108,108B〜108D 電圧形変換器
109 他励HVDCシステム制御部
110 電圧形変換器制御部
111 蓄電池
112 蓄電池
113,113B 変圧器
114 変圧器
115 サイリスタ変換器 (第2サイリスタ変換器)
116 サイリスタ変換器 (第1サイリスタ変換器)
117 直流線路インダクタンス
118 サイリスタ
119 変圧器
120 リアクトル
121 アーム
122〜124 制御・通信線
125 交流系統
201 単位変換器
202 スイッチング素子
203 環流ダイオード
204 コンデンサ
502 開閉器
503 専用線
605 遮断器
703 変圧器
704 アーム
904 2レベル変換器
905 コンデンサ
906 3レベル変換器
96H,96L コンデンサ
102 開閉器
103 母線
104,104A〜104D 電力変換システム
105 遮断器
106,106B 他励HVDCシステム (他励直流送電システム)
107 遮断器
108,108B〜108D 電圧形変換器
109 他励HVDCシステム制御部
110 電圧形変換器制御部
111 蓄電池
112 蓄電池
113,113B 変圧器
114 変圧器
115 サイリスタ変換器 (第2サイリスタ変換器)
116 サイリスタ変換器 (第1サイリスタ変換器)
117 直流線路インダクタンス
118 サイリスタ
119 変圧器
120 リアクトル
121 アーム
122〜124 制御・通信線
125 交流系統
201 単位変換器
202 スイッチング素子
203 環流ダイオード
204 コンデンサ
502 開閉器
503 専用線
605 遮断器
703 変圧器
704 アーム
904 2レベル変換器
905 コンデンサ
906 3レベル変換器
96H,96L コンデンサ
Claims (15)
- 第1サイリスタ変換器の直流側および第2サイリスタ変換器の直流側を直流線路を介して接続した他励直流送電システムと、
前記第2サイリスタ変換器の交流側に接続され、かつ、エネルギ貯蔵素子を備える電圧形変換器と、
前記第2サイリスタ変換器の交流側と無電源系統との間に接続される開閉器と、
を備えることを特徴とする電力変換システム。 - 前記開閉器を開いたのち、前記第1サイリスタ変換器から前記直流線路および前記第2サイリスタ変換器を介して電流を流すことにより、前記電圧形変換器の前記エネルギ貯蔵素子を充電する制御部、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 前記制御部は、前記第1サイリスタ変換器を制御して前記直流線路に確立する電圧を徐々に上昇させながら、前記第2サイリスタ変換器を介して電流を流すことにより、前記電圧形変換器の前記エネルギ貯蔵素子を充電する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電力変換システム。 - 前記制御部には、蓄電池が接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載の電力変換システム。 - 前記無電源系統は、風力発電システム、太陽光発電システム、太陽熱発電システム、潮力発電システム、波力発電システム、水力発電システムのうちいずれかである、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 前記第2サイリスタ変換器と前記電圧形変換器とは、それぞれ変圧器を介して接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 前記第1サイリスタ変換器または前記第2サイリスタ変換器は、6パルス整流器である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 前記第1サイリスタ変換器または前記第2サイリスタ変換器は、6パルス整流器の直列回路・並列回路・直並列回路のうちいずれかである、
ことを特徴とする請求項5に記載の電力変換システム。 - 前記第1サイリスタ変換器または前記第2サイリスタ変換器は、12パルス整流器である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 前記電圧形変換器は、
前記エネルギ貯蔵素子とスイッチング素子とを備え、前記スイッチング素子のスイッチングによって、前記エネルギ貯蔵素子の電圧、零電圧、または前記エネルギ貯蔵素子の電圧と逆極性の電圧を出力可能な単位変換器を1または複数直列に接続して構成したアームとリアクトルとの直列回路3個がデルタ結線されて構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 前記第2サイリスタ変換器は、変圧器の所定次の巻線に接続され、
前記電圧形変換器は、前記変圧器のうち、前記所定次の巻線とは異なる巻線に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 前記電圧形変換器は、
前記エネルギ貯蔵素子とスイッチング素子とを備え、前記スイッチング素子のスイッチングによって前記エネルギ貯蔵素子の電圧、零電圧、または前記エネルギ貯蔵素子の電圧と逆極性の電圧を出力可能な単位変換器を1または複数直列に接続されて構成されるアームとリアクトルとの直列回路6個が、三相ブリッジ状に接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 前記電圧形変換器の直流側と、前記他励直流送電システムの前記直流線路とを接続した、
ことを特徴とする請求項12に記載の電力変換システム。 - 前記電圧形変換器は、2レベル変換器または3レベル変換器である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力変換システム。 - 第1サイリスタ変換器の直流側および第2サイリスタ変換器の直流側を直流線路を介して接続した他励直流送電システムと、
前記第2サイリスタ変換器の交流側に接続され、かつ、エネルギ貯蔵素子を備える電圧形変換器と、
前記第2サイリスタ変換器の交流側と無電源系統の間に接続される開閉器と、
前記他励直流送電システム、前記電圧形変換器および前記開閉器を制御する制御部と、
を備える電力変換システムの初充電方法であって、
前記制御部は、
前記開閉器を開いたのち、
前記第1サイリスタ変換器から前記直流線路に電流を流し、
前記第2サイリスタ変換器を介して、前記電圧形変換器に電流を流すことにより、
前記電圧形変換器の前記エネルギ貯蔵素子を充電する、
ことを特徴とする電力変換システムの初充電方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013232894A JP2015095926A (ja) | 2013-11-11 | 2013-11-11 | 電力変換システムおよび電力変換システムの初充電方法 |
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JP (1) | JP2015095926A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019132428A1 (ko) * | 2017-12-28 | 2019-07-04 | 효성중공업 주식회사 | Mmc 컨버터 초기충전시 서브모듈 상태 진단방법 |
CN113676061A (zh) * | 2020-05-15 | 2021-11-19 | 南京南瑞继保电气有限公司 | 动态平衡式换流器系统及其控制方法 |
US11329573B2 (en) | 2017-08-04 | 2022-05-10 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Power converter and power conversion system |
-
2013
- 2013-11-11 JP JP2013232894A patent/JP2015095926A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11329573B2 (en) | 2017-08-04 | 2022-05-10 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Power converter and power conversion system |
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US11397218B2 (en) | 2017-12-28 | 2022-07-26 | Hyosung Heavy Industries Corporation | Method for diagnosing sub-module state during initial charge of MMC converter |
CN113676061A (zh) * | 2020-05-15 | 2021-11-19 | 南京南瑞继保电气有限公司 | 动态平衡式换流器系统及其控制方法 |
CN113676061B (zh) * | 2020-05-15 | 2023-06-27 | 南京南瑞继保电气有限公司 | 动态平衡式换流器系统及其控制方法 |
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