JP2015094670A - 粒子センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】粒子状物質の検出を簡易に行うことができ、且つ自動クリーニングによって高い検出精度で連続検出できるようにする。
【解決手段】第1の電極7が絶縁プレート9で被覆され、絶縁プレート9の表面は粒子状物質を含む気体が流れる空間10に対向しており、絶縁プレート9の表面には、第1の電極7との間で放電を行う第2の電極11が配置され、絶縁プレート9の表面における第2の電極11と間隔Hを隔てた位置には検出用接地電極12が配置され、第2の電極11と検出用接地電極12との間を露出させる開口14を有して他を被覆するシリコン系接着剤13を備え、第1の電極7と第2の電極11との間の放電により検出用接地電極12に流れる電流を検出する電流センサ21を設け、電流センサ21により計測された検出用接地電極12に流れる電流から開口14に堆積した粒子状物質の粒子量を検出し、且つ、開口14に堆積した粒子状物質を放電によって酸化除去する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスに含まれる粒子状物質を検出する粒子検出センサに関し、さらに詳しくは、粒子状物質の検出を簡易に行うことができ、且つ測定誤差が小さい粒子センサに関する。
煙道からの排気ガスやディーゼルエンジンの排気ガスには煤等の粒子状物質(Particulate Matter:PM)が含まれており、大気汚染の原因になっている。これらの粒子を除去するために、セラミック等で作製されたパティキュレートフィルタ(例えばディーゼルパティキュレートフィルタ:DPF=登録商標)が広く用いられている。
ディーゼルエンジンの不具合等が発生した場合には、排気ガス中の粒子状物質が増加することにより外部に排出される粒子量が増加することが考えられる。このため、排気ガス中の粒子量を検出し、ディーゼルエンジン等の不具合等を早期に認識できるようにすることは重要である。又、パティキュレートフィルタを最適な状態で運転するためにも、パティキュレートフィルタに導入される排気ガス中の粒子量を正確に検出することが好ましい。
排気ガス中の粒子状物質の粒子数(量)を測定するものとしては、粒子の重量、電荷量、光透過(光散乱)等の物理量を検出する測定器は存在しているが、排気ガス中の粒子量を連続して精度良く検出できる粒子センサはなかった。
一方、研究開発中のものとしては、電極間に粒子状物質を付着させて静電容量や抵抗の変化、又は電荷量等の変化を計測するようにした粒子センサが提案されている。
放電を用いて排気ガス中の粒子状物質を検出する粒子状物質検出装置としては、例えば特許文献1に記載のものがある。特許文献1は、板状を呈する一の電極と、該一の電極の一方の面を電極間誘電体で被覆し、該電極間誘電体の表面に粒子状物質を含む気体が流れる空間を介し配設されて一の電極との間に印加をされる電圧によって放電をする二の電極と、電極間誘電体の表面に対向して配設をされた一対の測定電極と、その一対の測定電極の間における電気的特性の測定をする特性測定手段を備えている。
特開2010−032488号公報
特許文献1の粒子状物質検出装置は、一の電極と二の電極の放電により、一の電極と二の電極との間に配置した一対の測定電極の表面及び電極間誘電体の表面に粒子状物質を集塵させ、一対の測定電極の間における電気的特性が、堆積した粒子状物質の量との間に一定の関係を持ちつつ変化することを利用して、電気的特性の変化量を知ることにより集塵をされた粒子状物質の量を検出するというものである。
しかし、特許文献1では、一の電極と二の電極の放電によって、一対の測定電極の夫々の表面及び電極間誘電体の表面に粒子状物質が堆積するため、排気ガス中の粒子状物質の濃度が小さく変化しても、堆積した粒子状物質の状態は変化しないことが考えられ、このために、排気ガスに含まれる粒子状物質の変化を精度良く検出することができないという問題がある。即ち、排気ガス中の粒子状物質の濃度が極めて小さくなった場合に、堆積している粒子状物質によって排気ガス中の粒子状物質の濃度が高い値として検出されてしまう可能性がある。
このため、排気ガス中の粒子状物質の濃度を精度良く検出するためには、一対の測定電極の表面及び電極間誘電体の表面に堆積した粒子状物質を一旦除去してクリーニングすることが考えられるが、検出の都度クリーニングを行うことは大変であり、実用的ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなしたものであり、粒子状物質の検出を簡易に行うことができ、且つ自動クリーニングによって高い検出精度で連続検出ができるようにした粒子センサを提供することにある。
本発明の粒子センサは、第1の電極が絶縁プレートで被覆され、該絶縁プレートの表面は粒子状物質を含む気体が流れる空間に対向しており、前記絶縁プレートの表面には、第1の電極との間で放電を行う第2の電極が配置され、前記絶縁プレートの表面における第2の電極と間隔を隔てた位置には検出用接地電極が配置され、第2の電極と検出用接地電極との間を露出させる開口を有して他を被覆する耐熱性の電気絶縁材を備え、第1の電極と第2の電極との間の放電により検出用接地電極に流れる電流を検出する電流センサを設け、電流センサにより計測した検出用接地電極に流れる電流から開口に堆積した粒子状物質の粒子量を検出し、同時に、開口に堆積した粒子状物質を前記放電によって酸化除去するようにしたことを特徴とする。
上記粒子センサによれば、第1の電極と第2の電極との間で放電が繰り返される際に、空間には所定量以上の粒子状物質が堆積しないように粒子状物質を酸化除去するクリーニングが行われる。このため、空間には、排気ガスに含まれる粒子状物質の濃度に応じた数の粒子のみが堆積することになり、この堆積した粒子に応じて検出用接地電極に流れる電流(漏れ電流)を電流センサが検出するため、高い精度で粒子量を検出することができる。
上記粒子センサにおいて、第2の電極と検出用接地電極以外の部分は空気との接触を断つように耐熱性の電気絶縁材により被覆しているので、開口以外の不要な部分に粒子状物質が堆積することにより検出精度が低下する問題は防止される。
又、上記粒子センサにおいて、第1の電極に流れる電流を検出する補助電流センサを設け、補助電流センサの検出電流が設定値に達した場合には第1の電極と第2の電極との間にアークを生じさせない電圧を印加することができる。
本発明によれば、第1の電極と第2の電極の間の放電により、第2の電極に堆積する粒子状物質を酸化除去するようにしているので、第2の電極には排気ガスに含まれる粒子状物質の濃度に応じた数の粒子のみが堆積し、この堆積した粒子に応じて放電により検出用接地電極に流れる電流が電流センサで検出されるため、高い精度で粒子量を検出できるという優れた効果を奏し得る。
(a)は本発明の粒子センサを適用するディーゼルエンジンの概略構成図、(b)は(a)の排気管に粒子センサを設置する状態を示す斜視図である。 本発明の粒子センサの一実施例を示す正面図である。 図2の粒子センサをIII−III方向から見た矢視図である。 図2の粒子センサをIV−IV方向から見た矢視図である。 本発明の粒子センサによる電流検出状態の作用を示す側面図である。 本発明の粒子センサにより異常電流が検出された状態の作用を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1(a)は本発明の粒子センサを適用するディーゼルエンジンの概略構成図である。図1(a)中、1はディーゼルエンジン、2は排気管、3は酸化触媒4を備えて排気管2に設置したパティキュレートフィルタであり、排気管2における前記フィルタ3の上流(入口)に粒子センサ5を設けている。6は粒子センサ5に接続されたコントローラである。前記粒子センサ5は、図1(a)に示すように、排気管2における前記フィルタ3の上流(入口)に設けているが、排気管2における前記フィルタ3の下流(出口)に設けることもできる。前記粒子センサ5は、図1(b)に示すように、排気管2に対して半径方向外側から差し込んで設置することができる。
図2〜図4は本発明の粒子センサ5の一実施例を示すもので、粒子センサ5は、第1の電極7が絶縁基板8の上面に設置してあり、第1の電極7の一方の面(上面)は絶縁プレート9によって被覆されている。絶縁プレート9はガラス板、又は樹脂板とすることができる。前記絶縁プレート9の表面(上面)は、粒子状物質を含む排気ガスG(気体)が流れる空間10に対向している。
前記絶縁プレート9の表面(上面)には、第1の電極7によって放電(沿面放電)が行われる第2の電極11が配置してあり、更に、前記絶縁プレート9の表面における第2の電極11と間隔Hを隔てた位置には検出用接地電極12が配置されている。第2の電極11と検出用接地電極12との間隔Hは任意に選定できるが、例えば2mm程度とすることができる。第2の電極11は、絶縁プレート9を挟んで第1の電極7と対峙する上側部11aと、該上側部11aから前記絶縁基板8の下側に位置するように延びて図4に示すコの字状を呈する下側部11bを備えている。
前記絶縁プレート9の上面は、第2の電極11及び検出用接地電極12と同等の厚さの耐熱性の電気絶縁材であるシリコン系接着剤13で被覆してあり、このとき、第2の電極11の上側部11aの上面と検出用接地電極12の上面、及び、第2の電極の上側部11aと検出用接地電極12との間にはシリコン系接着剤を設けないことにより開口14を形成している。第2の電極11の下側部11bはシリコン系接着剤13により被覆している。15はケーシング部材である。従って、第2の電極11の上側部11aと検出用接地電極12以外の部分は、シリコン系接着剤13により被覆することで空気との接触が断たれた構成を有している。
第1の電極7の端子16は、交流高電圧を発生する電圧制御器17に接続されている。電圧制御器17は例えば1KHzの高周波数の交流高電圧を発生するようにしており、電圧制御器17はアース18に接続されている。又、第2の電極11の端子19もアース18に接続されている。
検出用接地電極12の端子20は、アース18に接続されており、更に、端子20の途中には電流センサ21が設けられている。電流センサ21は、第1の電極7と第2の電極11との間で放電した際に検出用接地電極12に流れる電荷による電流(放電電流)を検出するようにしている。このとき、放電によって開口14における第2の電極11と検出用接地電極12との間に粒子状物質が堆積する。ここで、第2の電極11及び検出用接地電極12にも粒子状物質が堆積することが考えられるが、第2の電極11及び検出用接地電極12に対する粒子状物質の堆積は少ないと考えられる。
開口14に粒子状物質が堆積すると、検出用接地電極12に流れる電流(漏れ電流)は大きくなるため、検出用接地電極12に流れた電流から開口14に堆積した粒子状物質の粒子量を測定することができる。電流センサ21により検出した電流値は前記コントローラ6に入力される。コントローラ6からは、検出した電流値により演算した粒子量22が出力される。又、空間10を流動する排気ガスGの流量がコントローラ6に入力されている場合には、コントローラ6からは粒子濃度を出力することができる。
又、第1の電極7の端子16には、第1の電極7に流れる電流を検出する補助電流センサ23が設けてあり、該補助電流センサ23の検出電流はコントローラ6に入力されている。前記補助電流センサ23の検出電流が設定値に達した場合には、開口14に多量の粒子状物質が堆積したことを表わすので、第1の電極7と第2の電極11との間の電圧がアークを生じさせない電圧になるように、コントローラ6からの指令によって電圧制御器17を制御している。
以下に、図2〜図3に示す実施例の作用を説明する。
本発明では、第1の電極7と第2の電極11との間に交流高電圧を掛けて放電(沿面放電)させると検出用接地電極12にも僅かな電流(放電電流)が流れるので、この検出用接地電極12の電流を電流センサ21により検出している。電流センサ21は、例えば周波数1KHzの放電の放電電流を検出することから、早い検出速度で検出用接地電極12に流れる電流を検出することができる。
第1の電極7と第2の電極11との間で放電を行うと、第2の電極11の周囲の排気ガスGの分子はプラスイオンとマイナスイオンに分離し、排気ガスGに含まれる粒子状物質は荷電されて第2の電極11と検出用接地電極12の間の露出した表面である開口14に静電気力により集塵されて堆積する。
このように、開口14に粒子状物質が堆積すると、粒子状物質の堆積量に応じて検出用接地電極12に流れる放電電流の値が増加するようになる。このとき、開口14に対する粒子状物質の堆積量と検出用接地電極12に流れる電流の大きさの関係を予め求めてコントローラ6に入力しておく。
従って、電流センサ21で検出した検出電流がコントローラ6に入力されると、コントローラ6は、予め入力されている粒子状物質の堆積と検出用接地電極12に流れる電流の大きさの関係から、堆積した粒子量22を演算して出力することができる。具体的には、交流高電圧の周期ごとに電流センサ21により検出される電流値のピークをサンプリングし、移動平均から粒子状物質の粒子量を求めて出力することができ、或いは粒子濃度を求めて出力することができる。
尚、第2の電極11と前記検出用接地電極12が空間10に露出するようにシリコン系接着剤13に開口14を設けたことにより、粒子状物質は開口14に制限されて堆積するようになるので、開口14に堆積した粒子状物質に基づいて検出用接地電極12に流れる電流を計測することによる検出精度を高めることができる。
一方、第1の電極7と第2の電極11との間で放電が繰り返されることで、周辺空気によって作り出される活性酸素、オゾンにより堆積した粒子状物質は酸化され、更に、第2の電極11及び開口14の表面温度が上昇することにより、堆積した粒子状物質は順次酸化(燃焼)されるようになる。このため、開口14には粒子状物質が堆積するが、所定量以上には堆積しないように常にクリーニングされるようになる。即ち、開口14に対する粒子状物質の堆積によって変化する電流が検出用接地電極12によって検出されるのと同時に、開口14は自動クリーニングされる。
このため、開口14には、図5に示すように、排気ガスGに含まれる粒子状物質の濃度に応じた数の粒子Sのみが堆積するようになる。従って、排気ガスGに含まれる粒子状物質の濃度が僅かに変化した場合にも、それに応じて堆積した粒子Sから精度良く粒子状物質を検出することができる。
又、第1の電極7の端子16に設けた補助電流センサ23が設定値を超える電流値を検出した場合には、図6に示すように、第2の電極11と検出用接地電極12との間の開口14に多量の粒子状物質が堆積したと判断して、コントローラ6は第1の電極7と第2の電極11との間にアークを生じさせない電圧になるように電圧制御器17を制御する。具体的には、補助電流センサ23が異常電流を高い頻度で検出した場合には、電圧制御器17による電圧を下げる、或いは電源を停止する。上記補助電流センサ23を備えることにより、第1の電極7と第2の電極11との間にアークを生じさせない電圧に制御することができる。
尚、本発明の粒子センサは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
5 粒子センサ
7 第1の電極
9 絶縁プレート
10 空間
11 第2の電極
12 検出用接地電極
13 シリコン系接着剤
14 開口
21 電流センサ
23 補助電流センサ
G 排気ガス

Claims (2)

  1. 第1の電極が絶縁プレートで被覆され、該絶縁プレートの表面は粒子状物質を含む気体が流れる空間に対向しており、前記絶縁プレートの表面には、第1の電極との間で放電を行う第2の電極が配置され、前記絶縁プレートの表面における第2の電極と間隔を隔てた位置には検出用接地電極が配置され、第2の電極と検出用接地電極との間を露出させる開口を有して他を被覆する耐熱性の電気絶縁材を備え、第1の電極と第2の電極との間の放電により検出用接地電極に流れる電流を検出する電流センサを設け、電流センサにより計測した検出用接地電極に流れる電流から開口に堆積した粒子状物質の粒子量を検出し、同時に、開口に堆積した粒子状物質を前記放電によって酸化除去するようにしたことを特徴とする粒子センサ。
  2. 第1の電極に流れる電流を検出する補助電流センサを設け、補助電流センサの検出電流が設定値に達した場合には第1の電極と第2の電極との間にアークを生じさせない電圧を印加するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の粒子センサ。
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