JP2015091132A - ユーザ機器のアクセス方法、ユーザ機器及び競合ウィンドウの調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザ機器(UE)のアクセス方法を提供する。
【解決手段】バックオフタイマーの初期値を決定するステップ101と、UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定するステップ102と、UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定し103、現在のチャネルにおける空きRBの数を監視し、監視された空きRBの数が、UEで使用されるRBの数以上である場合、バックオフタイマーの値を1つのバックオフステップサイズだけ減少させ104、バックオフタイマーがクリアされるまで、本ステップを繰り返すステップと、データを送信するステップ105と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動通信技術分野に関し、特に、セルラーネットワークにおけるユーザ機器(UE)のアクセス方法及びUEに関する。
従来のセルラーネットワークは、スケジューリングに基づくシステムである。従来のセルラーネットワークにおいて、UEは、データを送信しようとする時、まず、基地局(eNB)へスケジューリング要求を送信する必要がある。eNBは、このスケジューリング要求を受信すると、該UEに上り伝送リソースを割り当て、専用制御チャネル(PDCCH)によって、割り当てられたリソースを該UEに通知する。UEは、リソース割り当ての通知を得て初めて、データ送信が可能になる。上述したスケジューリング要求送信−リソース割り当て−リソース割り当て結果通知のやり取り過程に起因して、スケジューリングに基づくシステムでは、UEのアクセス遅延は、少なくとも11ミリ秒かかって、かつ、さらに低減することができない。このように長いアクセス遅延は、従来のセルラーネットワークにおいて、システム要求を満たすことができる。
しかしながら、新たなサービスが次々と現れるにつれて、スケジューリングに基づくアクセスメカニズムのアクセス遅延が長くかつ低減できないという問題は、ますます顕著になる。例えば、サービスから見れば、未来のクラウドサービスが大量に展開されることになり、クラウドでの付加的な処理による処理遅延及びデータの伝送遅延の増加に起因して、ユーザは、エンドツーエンド遅延にもっと敏感になる。この場合で、セルラーネットワークにおけるUEのアクセス遅延を低減できれば、機器の処理遅延及びデータの伝送遅延を大きな程度で補償することが可能になる。従って、如何にセルラーネットワークにおけるUEのアクセス遅延を低減させるかが当面の重要な検討課題となっている。
本発明では、UEのアクセス遅延を低減させるUEのアクセス方法を開示している。
本発明の実施例におけるUEのアクセス方法は、バックオフタイマーの初期値を決定するステップと、UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定するステップと、UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定し、現在のチャネルにおける空きRBの数を監視し、監視された空きRBの数が、UEで使用されるRBの数以上である場合、前記バックオフタイマーの値を1つのバックオフステップサイズだけ減少させ、前記バックオフタイマーがクリアされるまで、本ステップを繰り返すステップと、データを送信するステップと、を含む。
ここで、バックオフタイマーの初期値を決定するステップは、競合ウィンドウの大きさCWを決定し、UEの時間領域でバックオフ必要なスロット数aを決定して、aをバックオフタイマーの初期値として設定する、ことを含み、ここで、aは、値が1とCWの間に介在するランダム数である。
ここで、競合ウィンドウの大きさCWを決定することは、基地局がセル内の負荷を監視し、セル内の負荷が重いことを基地局が発見すると、基地局が現在のセル内のUEの数をブロードキャストし、セル内の負荷が重くないことを基地局が発見すると、基地局が現在のシステム利用率をブロードキャストし、現在のセル内のUEの数を受信すると、UEが、システムが飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定し、システム利用率を受信すると、UEが、システムが不飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定する、ことを含む。
UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定するステップは、前記UEのリンク遅延の導関数を求め、前記UEのリンク遅延の導関数がゼロとなる場合の、UEで使用されるRBの数という変数の値を決定して、この値を、UEで使用されるRBの数とする、ことを含む。
UEのリンク遅延は、数式DelayUE=Tbackoff+Ttransmissionによって算出され、ここで、Tbackoffはバックオフ遅延であり、Ttransmissionは、伝送遅延である。
バックオフ遅延Tbackoffは、数式
Figure 2015091132
によって算出され、ここで、RB_total_idleは、監視された空きRBの総数であり、RB_selectedは、UEで使用されるRBの数であり、slotは、1つのスロットの時間である。
又は、バックオフ遅延Tbackoffは、数式
Figure 2015091132
によって算出され、ここで、aは、値が1とCWの間に介在するランダム数であり、RB_total_idleは、監視された空きRBの総数であり、RB_selectedは、UEで使用されるRBの数であり、slotは、1つのスロットの時間である。
伝送遅延Ttransmissionは、数式
Figure 2015091132
によって算出され、ここで、Transmission_sizeは、キューにおける全てのパケットの総長さ、又は、最大伝送ユニットの長さ、又は、最大伝送時間から換算された伝送パケットの大きさであり、RB_selectedは、UEで使用されるRBの数であり、mは、選定された符号化変調方式によって決まった1つのRBの伝送速度である。
UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定することは、前記バックオフステップサイズを、監視された空きRBの総数とUEで使用されるRBの数との商を整数に丸めた値にする、ことを含む。
ここで、データを送信するステップは、UEで使用されるRBの数に基づいて、現在の全ての空きRBの中から、UEで使用されるRBを選択して、選択されたUEで使用されるRBでデータを送信する、ことを含む。
上記方法は、競合ウィンドウの大きさCWを決定した後に、UEが、基地局へサウンディング基準信号(SRS)を送信し、基地局が、UEから報告されたSRSに基づいて、UE間のチャネル相関性の判断を行って、競合ウィンドウ調整指示をUEへ送信し、UEが、競合ウィンドウ調整指示に従って、競合ウィンドウの大きさを調整する、ことをさらに含む。
本発明の実施例では、UEも提供している。このUEは、バックオフタイマーの初期値を決定するバックオフタイマー初期化手段と、UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定するRB数決定手段と、UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定し、現在のチャネルにおける空きRBの数を監視し、監視された空きRBの数が、UEで使用されるRBの数以上である場合、前記バックオフタイマーの値を1つのバックオフステップサイズだけ減少させ、前記バックオフタイマーがクリアされるまで、この処理を繰り返すバックオフ手段と、データを送信するデータ送信手段と、を含む。
特に、本発明の実施例では、競合ウィンドウの調整方法も提供している。この方法は、基地局がセル内の負荷を監視し、セル内の負荷が重いことを基地局が発見すると、基地局が現在のセル内のUEの数をブロードキャストし、セル内の負荷が重くないことを基地局が発見すると、基地局が現在のシステム利用率をブロードキャストし、現在のセル内のUEの数を受信すると、UEが、システムが飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定し、システム利用率を受信すると、UEが、システムが不飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定する、ことを含む。
上述したUEのアクセス方法のフロー及びUEの構成から分かるように、UEは、UEで使用されるRBの数と、検出された現在のチャネルにおける空きRBの数とに基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを動的に調整することができる。これにより、UEは、自局で使用されるRBの数が少なく、及び/又は、空きRBの数が多い場合、時間領域でのバックオフを高速で完成し、アクセス遅延を低減させ、UEの高速アクセスを実現することができる。
本発明の一実施例におけるUEのアクセス方法のフローチャートである。 図1に示すUEのアクセス方法を適用する際に、複数のUEがチャネルを競合するプロセスを示す図である。 本発明の一実施例におけるUEのアクセス方法のシグナリングのフローチャートである。 本発明の他の実施例におけるUEのアクセス方法のフローチャートである。 本発明の一実施例におけるUEの内部構成を示す図である。
前述したように、新たなサービスが現れるにつれて、ユーザは、新たなサービスのエンドツーエンド遅延にもっと敏感になる。従って、UEのアクセス遅延を低減できれば、機器の処理遅延及びデータの伝送遅延を大きな程度で補償することが可能になる。
また、ネットワークのトポロジー構造から見れば、未来には、システム容量を拡大するために、ますます多くのスモールセル(small cell)が本来のマクロ基地局に加入される。このようなトポロジー構造では、各スモールセルそれぞれに対応するマイクロ基地局下のUE数が、本来のマクロ基地局よりも遥かに小さい。競合に基づく(CB)UEのアクセス方法をマイクロ基地局側に導入すると、競合による衝突の問題があまり顕著になることはない。
上記の2つの方面から考慮すると、本発明では、競合に基づくUEのアクセス方法をスモールセルに導入することを提案している。事実上、競合に基づくUEのアクセスメカニズムは、幅広く用いられるアクセスメカニズムであり、現在、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)システムが、競合メカニズムに基づくものである。しかしながら、WLANと長期的進化(LTE)システムとは、物理層に大きな相違があり、競合に基づく従来のUEのアクセスメカニズムをLTEに直接に適用すると、良好な効果を得ることができない。具体的には、LTEとWLANとの物理層における最大の差異として、WLANは、サブキャリア幅が312.5kHzであり、その対応する直交周波数分割多重(OFDM)符号の長さが4マイクロ秒(μs)である一方、LTEは、サブキャリア幅がただ15kHzであり、その対応するOFDM符号の長さが71μsである。スロット(slot)に基づく競合システムでは、1つのslotの長さは、少なくとも、1つのOFDM符号の長さより大きくすべきである。WLANでは、上り・下りの転換を考慮すると、1つのslotの長さは9μsである。LTEシステムでは、1つのslotの長さは、少なくとも71μsである必要がある。このように長いslot値は、競合時の空き遅延及び衝突後のコストが両方とも非常に大きくなるという問題を引き起こすことになる。これは、LTEに競合メカニズムを導入することの最大の問題となっている。
この問題を解決するために、本発明では、時間領域でのバックオフ(backoff)速度を高めることにより、LTEシステムにおいて、slotの長さが長すぎることに起因する、競合時の空き遅延及び衝突後のコストが両方とも非常に大きくなるという問題を解決するUEのアクセス方法を提供している。
本発明の一実施例では、主にLTE/LTE−Aの直交周波数分割アクセス特性を考慮して、周波数領域でのバックオフを増加させることにより、時間領域でバックオフ時間が長すぎるという問題を補償する。当業者に知られているように、WLANシステムでは、UEは、チャネルを使用する機会を一旦得ると、全ての帯域幅を使用することになる。一方、本発明の実施例では、周波数領域でのバックオフを実現するために、UEは、まず、自分の需要に基づいて、自局で使用されるサブキャリアの数を決定する。以下では、説明する際にLTEシステムとの統一に便利にするために、上記のサブキャリアの代わりにリソースブロック(RB)を用いる。つまり、本発明の実施例では、UEは、自分の需要に基づいて、自局で使用されるRBの数を決定する。UEは、競合に成功した後に、自局に必要のRBの数だけ使用することになる。本発明では、このような方式を周波数領域でのバックオフと呼ぶ。特に、UEで使用されるRBの数が少ないほど、該UEの周波数領域でのバックオフが大きいと考えられ、UEで使用されるRBの数が多いほど、該UEの周波数領域でのバックオフが小さいと考えられる。相応的に、UEの周波数領域でのバックオフが大きいほど、該UEの時間領域でのバックオフは速いことが可能になる一方、UEの周波数領域でのバックオフが小さいほど、該UEの時間領域でのバックオフを遅くすべきである。つまり、UEで使用されるRBの数が少ないほど、該UEが時間領域でのバックオフを速く完成できるように、該UEの時間領域でのバックオフステップサイズを大きくすることができる一方、UEで使用されるRBの数が多いほど、該UEが時間領域でのバックオフを遅く完成できるように、該UEの時間領域でのバックオフステップサイズを小さくすべきである。特に、UEが全ての帯域幅を使用するよう選択した場合、該UEの周波数領域でのバックオフがないと考えられ、そこで、該UEの時間領域でのバックオフステップサイズは、従来のWLANと同様に、1のままに保持する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施例におけるUEのアクセス方法のフローチャートである。図1に示すように、本実施例におけるアクセス方法は、主に、以下のステップを含む。
ステップ101で、バックオフタイマーの初期値を設定する。具体的には、本ステップは、下記のサブステップによって実現してもよい。第1サブステップで、競合ウィンドウの大きさCWを決定する。現在実際に使用されるWLANプロトコルによれば、その競合ウィンドウの大きさのデフォルトは、31個のslotである。このため、本実施例では、上記CWは、予め定められた任意の固定値、例えば31個のslotであってもよい。第2サブステップで、UEの時間領域でバックオフが必要なスロット数aを決定して、aをバックオフタイマーの初期値として設定する。本ステップにおいて、UEは、パケットを送信する前に、値が1とCWの間に介在するランダム数aを生成する。競合に基づく従来のUEのアクセスメカニズムでは、UEは、チャネルを連続して監視し、チャネルに累計a個の空きslotがあったことを発見して初めて、自局のパケットを送信することが知られている。
ステップ102で、UEで使用されるRBの数を決定する。本ステップにおいて、UEで使用されるRBの数は、直接にパケットの待機遅延及び伝送遅延に影響する。例えば、UEで使用されるRBの数が多い場合、パケットの待機遅延が大きくなり、その伝送遅延が小さくなる一方、UEで使用されるRBの数が少ない場合、パケットの待機遅延が小さくなり、その伝送遅延が大きくなる。このため、本ステップでは、該パケットのリンク全体の遅延が最小となるように、即ち、パケットが媒体アクセス制御(MAC)キューに入ってから、基地局がこのパケットを受信するまでの全体の遅延が最小となるように、RB数の値を選択してもよい。言い換えれば、本発明の一実施例では、リンク遅延の最適化を最終的な目標として、UEで使用されるRBの数を決定する。説明すべきものとして、上記の最適化目標は、UEで使用されるRBの数を決定するための具体的な一実施例にすぎず、実際の応用では、実際のシステムの需要に応じて、他の最適化目標を選択することにより、UEで使用されるRBの数を決定するようにしてもよい。
以下、具体的な一例を介して、UEで使用されるRBの数を如何に決定するかを詳しく説明する。
本例では、UEのリンク遅延は主に下記の3つの部分からなり、つまり、UEのリンク遅延DelayUEは、下記の数式1によって算出できる。
[数式1]
DelayUE=Tbackoff+Ttansmission+Tfrozen
ここで、Tbackoffはバックオフ遅延である。UEは、チャネルの空きを監視によって発見すると、そのバックオフタイマーが、1つのステップサイズを引いたものになる。バックオフ遅延Tbackoffは、バックオフの開始からバックオフタイマーが0になるまでかかる時間である。Tfrozenはバックオフタイマー凍結遅延である。UEは、チャネルが他のUEで使用されていることを監視によって発見すると、自局のバックオフタイマーを凍結する。バックオフタイマー凍結遅延Tfrozenは、バックオフタイマーの凍結された総時間長である。Ttransmissionは、伝送遅延であり、UEがこのパケットを送信してから、基地局がこのパケットを受信するまでの時間である。
ここで、バックオフ遅延Tbackoffは、平均値によって算出してもよいし、リアルタイムのバックオフ遅延によって算出してもよい。平均値によって算出する場合、下記の数式2に示す通りである。
Figure 2015091132
リアルタイムのバックオフ遅延によって算出する場合、下記の数式3に示す通りである。
Figure 2015091132
ここで、a=random(1,CW)であり、即ち、aは、値が1とCWの間に介在するランダム数であり、RB_total_idleは、監視された空きRBの総数であり、RB_selectedは、UEで使用されるRBの数であり、slotは、1つのスロットの時間であり、LTEシステムでは71μsにしてもよい。
また、伝送遅延Ttransmissionは、下記の数式4によって算出できる。
Figure 2015091132
ここで、Transmission_sizeは、具体的な伝送方式によって決まり、その値が、キューにおける全てのパケットの総長さであってもよいし、WLANにおける最大伝送ユニット(MTU)に類似する最大伝送ユニットの長さ、又は、最大伝送時間(WLANにおける競合ストリーム伝送機会(TxOP)に類似)から換算された伝送パケットの大きさなどであってもよい。mは、選定された符号化変調方式によって決まった1つのRBの伝送速度である。例えば、LTEでは、単一アンテナの場合で、64QAM及び3/4のコードレートが選択されたとき、1つのRBの伝送速度mは、0.76Mbpsである。
RB_selectedがRB_total_idleより小さくなると、タイマーは、特定のステップサイズでバックオフする。このため、本実施例では、凍結遅延Tfrozenを0と記し、つまり、この場合では、DelayUE=Tbackoff+Ttransmissionとなる。
上記の説明を基に研究して発見されたように、リンク遅延を減少させるという凸最適化問題には、実際にRB_selectedという1つの変数だけある。単一変数の凸最適化問題の最適解は、UEのリンク遅延DelayUEの導関数を求めるだけで得られる。
従って、本ステップでは、まず、DelayUEの導関数を求め、DelayUEの導関数がゼロとなる場合のRB_selectedの値を決定して、この値を、UEで使用されるRBの数とするようにしてもよい。
ステップ103で、UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定する。本ステップにおいて、下記の数式5によって、UEの時間領域でのバックオフステップサイズstepを決定してもよい。説明すべきものとして、UEの時間領域でのバックオフステップサイズは、下記の数式5の計算結果を整数に丸めた値であるべきである。
Figure 2015091132
UEで使用されるRBの数を決定した後、チャネル競合の段階に入ることの開始が可能になる。
ステップ104で、現在のチャネルにおける空きRBの数を監視し、監視された空きRBの数が、UEで使用されるRBの数以上である場合、バックオフタイマーの値を1つのバックオフステップサイズだけ減少させ、そして、バックオフタイマーがゼロになるまで、ステップ103に戻って繰り返す。つまり、バックオフタイマーがクリアされた場合、ステップ105に進み、バックオフタイマーがクリアされていない場合、ステップ103に戻る。本ステップでは、バックオフステップサイズがバックオフタイマーの現在値より大きい場合、直接にバックオフタイマーをクリアする。
ステップ105で、データを送信する。本ステップおいて、バックオフタイマーがゼロになる場合、UEは、現在の全ての空きRBの中から、RB_selected個のRBを選択して、データを送信するようにしてもよい。具体的には、UEは、ランダム選択方式を用いてもよいし、予め定められた準則に従って選択し、例えば、性能の最も良いRBを選択したりしてもよい。
以下、具体的な一例を介して、上述した競合に基づくUEのアクセスメカニズムでは、複数のUEがどのように協働するかを詳しく説明する。スモールセルには3つのUEがあり、システムのRBの総数が10であると仮定する。競合ウィンドウの最適値CWが7であると想定する。この競合ウィンドウの値に基づいて、UE Aで生成されたランダムバックオフスロット数が6であり、UE Bで生成されたランダムバックオフスロット数が4であり、UE Cで生成されたランダムバックオフスロット数が5である。次に、各UEは、自局のトラフィックなどの状況に応じて、上述した方法によって、自局に必要のRBの数を算出する。この例では、UE Aの1回の送信に5つのRBを使用する必要があり、UE Bの1回の送信に3つのRBを使用する必要があり、UE Cの1回の送信に1つのRBを使用する必要があると仮定する。この3つのUEが同時にバックオフを開始すると仮定すると、それらがチャネルを競合する過程は、図2に示す通りである。
図2に示すように、3つのUEは、slot 0に同時にバックオフを開始する。最初に、それらはいずれも、チャネルに10個の空きRBがあることをそれぞれ検出した。UE Cで使用されるRBの数は1であるので、UE Cのバックオフステップサイズが10となり、また、UE Cのランダムバックオフスロット数が5であるので、1つだけのslotを経過すると、UE Cのバックオフタイマーは0になる。そうすると、UE Cは、slot 1に、1つのRBを選択してデータを送信することが可能になる。一方、UE A及びUE Bについて、それらで決定された自局で使用されるRBの数が大きいので、それらは、引き続いてバックオフタイマーのクリアを待たなければならない。slot 1において、UE Bは、9つの空きRBがまだあることを監視によって発見し、また、自局で使用されるRBの数は3であるので、UE Bのバックオフステップサイズが3となる。同様に、UE Aのバックオフステップサイズが1となる。図2に示すように、各slotにおいて、各UEはいずれも、監視された空きRBの数と自局で使用されるRBの数とに基づいて、自局のバックオフステップサイズを調整する。自局のバックオフタイマーがクリアされて初めて、空きRBの中からRBを選択してデータを送信する。
上記のUEのアクセス方法では、UEで使用されるRBの数と、検出された現在のチャネルにおける空きRBの数とに基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを動的に調整することができる。これにより、UEは、自局で使用されるRBの数が少なく、及び/又は、空きRBの数が多い場合、時間領域でのバックオフを速く完成し、アクセス遅延を低減させ、UEの高速アクセスを実現することができる。
説明すべきものとして、上記の実施例のステップ101の第1サブステップでは、さらに、競合アクセスシステムのアクセス遅延の数学的モデルに基づいて、競合ウィンドウの大きさCWを最適化してもよい。現在、競合アクセスシステムのアクセス遅延の数学的モデルの分析は、相対的に成熟している。1種は、飽和状態でのアクセス遅延分析であり、もう1種は、不飽和状態でのアクセス遅延分析である。飽和状態とは、各UEに時時刻刻に無限なパケットを送信すると仮定するものである。また、不飽和状態での分析は、真正なトラフィックモデルに基づいてパケットを生成するものであるとともに、セル内の全てのUEのトラフィック量(セル負荷とも呼ばれる)がシステム全体の飽和スループットより小さいという仮定を満たす。数学的モデルの分析結果によると、飽和状態では、UEの数は、競合ウィンドウの最適値に影響する肝心な要因である。また、不飽和状態では、セル負荷及びUEの数は両方とも、競合ウィンドウの最適値に影響する肝心な要因であり、比較すると、セル負荷による影響がもっと重要である。
上記の認識のまとめに基づいて、本発明の実施例では、上記のステップ101の第1サブステップに適用可能な、競合ウィンドウの大きさを決定するための競合ウィンドウの調整方法を提供している。この方法は、具体的に以下のステップを含む。
まず、基地局(スモールセル基地局)は、セル内の負荷を監視する。基地局は、セル内の負荷が重いこと(例えば、システム利用率が0.7以上である場合)を発見すると、現在のセル内のUEの数をブロードキャストする。一方、基地局は、セル内の負荷が重くないこと(例えば、システム利用率が0.7より小さい場合)を発見すると、現在のシステム利用率(負荷/飽和スループット)ρをブロードキャストする。現在のセル内のUEの数を受信すると、UEは、システムが飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定し、システム利用率ρを受信すると、UEは、システムが不飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定する。
具体的には、セル内の負荷が重い場合(例えば、システム利用率が0.7以上である場合)、セル内のユーザのトラフィックモデルがfull−bufferモデルに近似すると考えられる。そこで、下記の数式6によって、最適なCWを算出できる。
Figure 2015091132
Nはセル内のユーザ数を表し、MTUは最大伝送ユニットを表し、Data_rateはシステムの伝送速度である。
一方、セル内の負荷が軽い場合(例えば、システム利用率が0.7より小さい場合)、ユーザの具体的なトラフィックモデルに応じて、最適なCWを算出する必要がある。本実施例では、アクセス遅延とCWとの関係を用いて、最適なCWを導出してもよい。シミュレーション検証によって発見されたように、セル内の負荷が重い場合、この方法を用いると、数学的分析によって得られた最適なCWとシミュレーションによって得られた最適なCWとの偏差が大きくなる。このため、セル内の負荷が軽い場合にのみ、この方法を用いる。下記の数式7には、ユーザiのアクセス遅延dと競合ウィンドウとの関係が示されている。
Figure 2015091132
ここで、Nはユーザ数を表し、Cはシステムのサービス速度(即ち、物理層の伝送速度)を表し、Pは最大伝送ユニットの大きさを表し、ρはシステムの飽和時の最大利用率(この値は、CWと関係あり、full−bufferの仮定条件で得ることができる)を表し、ωlとωl (2)はそれぞれパケットの大きさの分布の一次モーメントと二次モーメントを表す。本実施例では、平均アクセス遅延が最小となるCW設定を見つけることを目的とするので、dから、数式8に示すような平均アクセス遅延を得る。
Figure 2015091132
平均アクセス遅延を最小化するという最適化問題には、CWという1つの変数だけあるので、数式8の導関数を求めてこの導関数を0にするだけで、CWの最適値を算出できる。
また、図3に示すように、本発明の実施例では、上記の方法を適用するシグナリングフローを提供している。
ステップ301で、UEは、ランダムアクセスプリアンブル(preamble)を基地局(例えば、マイクロ基地局)へ送信する。ステップ302で、基地局はタイミング調整の指示をUEへ送信する。上記のステップ301と302は、LTEシステムにおけるUE同期メカニズムを参照すればよい。ステップ303で、基地局は、そのセル内のUEの数やシステム利用率などの情報が含まれるシステム情報ブロックをUEへ送信する。ステップ304で、UEは、基地局から送信されたシステム情報ブロックに基づいて、競合ウィンドウの値CWを決定する。ステップ305で、UEは、自局で使用されるRBの数及びバックオフステップサイズを決定して、チャネルを監視し、バックオフタイマーの値がゼロになるまで、空きRBの数が、自局で使用されるRBの数以上であることを監視によって発見すると、バックオフする。ステップ306で、UEは、空きRBの中から、自局で使用されるRBを選択する。ステップ307で、UEはデータを送信する。
上記のフローにおいて、チャネル相関性が高い場合、自局で使用されるRBを選択する際に、UEの準則が性能の最も良いRBを選択することであれば、相関性の高いUEの間で衝突が発生しやすい虞がある。
この問題を解決するために、上記のステップ304で競合ウィンドウの値CWを決定した後に、さらに、UEから基地局へサウンディング基準信号(SRS)を送信してもよい。このように、基地局は、UEから報告されたSRSに基づいて、UE間のチャネル相関性の判断を行って、さらに、競合ウィンドウ調整指示をUEへ送信することが可能になる。そして、UEは、競合ウィンドウ調整指示に従って、競合ウィンドウの大きさを調整することが可能になる。例えば、UE間のチャネル相関性が大きい場合、競合ウィンドウを大きくすることにより、衝突が高すぎるという問題を回避する。
上記の競合ウィンドウの調整方法から分かるように、本発明の方法では、セル内のUE数とUEのトラフィック量とに基づいて、競合ウィンドウの大きさCWを最適化することができる。これにより、セル内のUE数が多く、及び/又は、UEのトラフィック量が重い場合、競合による衝突の確率が小さくなるように、競合ウィンドウの大きさを適宜に大きくし、セル内のUE数が少なく、及び/又は、UEのトラフィック量が軽い場合、UEのアクセス遅延が小さくなるように、競合ウィンドウの大きさを適宜に小さくする。
説明すべきものとして、上記のような競合ウィンドウの調整方法を、競合に基づく従来のUEのアクセス方法に直接に適用してもよい。これによっても、UEのアクセス遅延を小さくすることができる。本発明の他の実施例では、このようなUEのアクセス方法を提供している。その具体的なフローは、図4に示す通りである。この方法は主に以下のステップを含む。ステップ401で、セルの負荷に基づいて、競合ウィンドウの大きさCWを決定する。ステップ402で、UEの時間領域でバックオフが必要なスロット数aを決定する。本ステップにおいて、UEは、パケットを送信する前に、値が1とCWの間に介在するランダム数aを生成する。ステップ403で、チャネルを監視し、チャネルに累計a個の空きslotがあったことを監視によって発見した後に、自局のパケットを送信する。
上記のUEのアクセス方法を基にして、本発明の実施例では、UEも開示している。その構成は、図5に示すように、主に、バックオフタイマーの初期値を決定するバックオフタイマー初期化手段501と、UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定するRB数決定手段502と、UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定し、現在のチャネルにおける空きRBの数を監視し、監視された空きRBの数が、UEで使用されるRBの数以上である場合、前記バックオフタイマーの値を1つのバックオフステップサイズだけ減少させ、前記バックオフタイマーがクリアされるまで、本処理を繰り返すバックオフ手段503と、データを送信するデータ送信手段504と、を含む。
具体的には、バックオフタイマー初期化手段501は、まず、競合ウィンドウの大きさCWを決定し、UEの時間領域でバックオフが必要なスロット数aを決定して、aをバックオフタイマーの初期値として設定するようにしてもよい。ここで、aは、値が1とCWの間に介在するランダム数である。さらに、上記バックオフタイマー初期化手段501は、上記の競合ウィンドウの調整方法に従って、競合ウィンドウの大きさCWを決定してもよい。
RB数決定手段502は、上記のステップ103に従って、UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定してもよい。バックオフ手段503は、前記バックオフタイマーがクリアされるまで、上記のステップ104と105に従って、時間領域でのバックオフを行ってもよい。
前述したように、上記UEは、自局で使用されるRBの数と、検出された現在のチャネルにおける空きRBの数とに基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを動的に調整することができ、これにより、自局で使用されるRBの数が少なく、及び/又は、空きRBの数が多い場合、時間領域でのバックオフを速く完成し、アクセス遅延を低減させ、UEの高速アクセスを実現することができる。
上記は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。本発明の精神と原則内で行われる種々の修正、均等置換え、改善などは全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
501 バックオフタイマー初期化手段
502 RB数決定手段
503 バックオフ手段
504 データ送信手段

Claims (13)

  1. ユーザ機器(UE)のアクセス方法であって、
    バックオフタイマーの初期値を決定するステップと、
    UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定するステップと、
    UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定し、現在のチャネルにおける空きRBの数を監視し、監視された空きRBの数が、UEで使用されるRBの数以上である場合、前記バックオフタイマーの値を1つのバックオフステップサイズだけ減少させ、前記バックオフタイマーがクリアされるまで、本ステップを繰り返すステップと、
    データを送信するステップと、
    を含むことを特徴とするUEのアクセス方法。
  2. 前記バックオフタイマーの初期値を決定するステップは、
    競合ウィンドウの大きさCWを決定し、
    UEの時間領域でバックオフが必要なスロット数aを決定して、aをバックオフタイマーの初期値として設定する、ことを含み、
    ここで、aは、値が1とCWの間に介在するランダム数である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のUEのアクセス方法。
  3. 前記競合ウィンドウの大きさCWを決定することは、
    基地局がセル内の負荷を監視し、
    セル内の負荷が重いことを基地局が発見すると、基地局が現在のセル内のUEの数をブロードキャストし、セル内の負荷が重くないことを基地局が発見すると、基地局が現在のシステム利用率をブロードキャストし、
    現在のセル内のUEの数を受信すると、UEが、システムが飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定し、
    システム利用率を受信すると、UEが、システムが不飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定する、ことを含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載のUEのアクセス方法。
  4. 前記UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定するステップは、前記UEのリンク遅延の導関数を求め、前記UEのリンク遅延の導関数がゼロとなる場合の、UEで使用されるRBの数という変数の値を決定して、この値を、UEで使用されるRBの数とする、ことを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のUEのアクセス方法。
  5. 前記UEのリンク遅延は、数式DelayUE=Tbackoff+Ttransmissionによって算出され、
    ここで、Tbackoffはバックオフ遅延であり、Ttransmissionは、伝送遅延である、
    ことを特徴とする請求項4に記載のUEのアクセス方法。
  6. 前記バックオフ遅延Tbackoffは、数式
    Figure 2015091132
    によって算出され、
    ここで、RB_total_idleは、監視された空きRBの総数であり、RB_selectedは、UEで使用されるRBの数であり、slotは、1つのスロットの時間である、
    ことを特徴とする請求項5に記載のUEのアクセス方法。
  7. 前記バックオフ遅延Tbackoffは、数式
    Figure 2015091132
    によって算出され、
    ここで、aは、値が1とCWの間に介在するランダム数であり、RB_total_idleは、監視された空きRBの総数であり、RB_selectedは、UEで使用されるRBの数であり、slotは、1つのスロットの時間である、
    ことを特徴とする請求項5に記載のUEのアクセス方法。
  8. 前記伝送遅延Ttransmissionは、数式
    Figure 2015091132
    によって算出され、
    ここで、Transmission_sizeは、キューにおける全てのパケットの総長さ、又は、最大伝送ユニットの長さ、又は、最大伝送時間から換算された伝送パケットの大きさであり、RB_selectedは、UEで使用されるRBの数であり、mは、選定された符号化変調方式によって決まった1つのRBの伝送速度である、
    ことを特徴とする請求項5に記載のUEのアクセス方法。
  9. 前記UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定することは、前記バックオフステップサイズを、監視された空きRBの総数とUEで使用されるRBの数との商を整数に丸めた値にする、ことを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のUEのアクセス方法。
  10. 前記データを送信するステップは、UEで使用されるRBの数に基づいて、現在の全ての空きRBの中から、UEで使用されるRBを選択して、選択されたUEで使用されるRBでデータを送信する、ことを含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載のUEのアクセス方法。
  11. 競合ウィンドウの大きさCWを決定した後に、UEが、基地局へサウンディング基準信号(SRS)を送信し、基地局が、UEから報告されたSRSに基づいて、UE間のチャネル相関性の判断を行って、競合ウィンドウ調整指示をUEへ送信し、UEが、競合ウィンドウ調整指示に従って、競合ウィンドウの大きさを調整する、ことをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載のUEのアクセス方法。
  12. ユーザ機器(UE)であって、
    バックオフタイマーの初期値を決定するバックオフタイマー初期化手段と、
    UEで使用されるリソースブロック(RB)の数を決定するRB数決定手段と、
    UEで使用されるRBの数に基づいて、UEの時間領域でのバックオフステップサイズを決定し、現在のチャネルにおける空きRBの数を監視し、監視された空きRBの数が、UEで使用されるRBの数以上である場合、前記バックオフタイマーの値を1つのバックオフステップサイズだけ減少させ、前記バックオフタイマーがクリアされるまで、この処理を繰り返すバックオフ手段と、
    データを送信するデータ送信手段と、
    を含むことを特徴とするUE。
  13. 競合ウィンドウの調整方法であって、
    基地局がセル内の負荷を監視し、
    セル内の負荷が重いことを基地局が発見すると、基地局が現在のセル内のUEの数をブロードキャストし、セル内の負荷が重くないことを基地局が発見すると、基地局が現在のシステム利用率をブロードキャストし、
    現在のセル内のUEの数を受信すると、UEが、システムが飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定し、
    システム利用率を受信すると、UEが、システムが不飽和状態にあると見なして、競合ウィンドウの値を決定する、
    ことを含むことを特徴とする競合ウィンドウの調整方法。
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