JP2015088912A - 送信装置及び送信方法 - Google Patents

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Shingo Yamanouchi
慎吾 山之内
細谷 健一
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健一 細谷
真明 谷尾
Masaaki Tanio
真明 谷尾
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Abstract

【課題】周波数帯の数よりも少ない数の増幅器で複数の周波数帯の無線信号を増幅し、その増幅器から出力される各周波数帯の無線信号間の電力差が大きい場合であっても、適切に信号の歪補償を行うことが可能な送信装置を提供する。【解決手段】第1の増幅器2は、複数の周波数帯の無線信号を増幅する。第1の経路3には、第1の増幅器2から出力された無線信号が入力される。第2の経路4には、第1の増幅器2から出力された無線信号が入力される。第2の経路4は、第1の経路3の利得よりも低い利得を有する。複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値以上に必要となる高出力周波数帯の無線信号は、対応する周波数帯ごとに、第1の経路3に入力される。また、複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値よりも小さい低出力周波数帯の無線信号は、対応する周波数帯ごとに、第2の経路4に入力される。【選択図】図1

Description

本発明は、送信装置及び送信方法に関し、特に、複数の周波数帯の無線信号を送信する送信装置及び送信方法に関する。
近年の通信規格では、さらなる高速無線通信の実現に向けて、断片化した複数の帯域を集めて通信に利用するキャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)技術が用いられている(非特許文献1)。このCA技術においては、複数の帯域を束ねることによって広帯域が確保され、通信の伝送速度を高速化することができる。
また、各キャリア周波数が大きく離れた(各キャリア周波数の差Δfが各キャリアの無線信号の変調帯域幅fBBよりも十分に大きい)Inter-band Non-contiguous CAモードにおいては、伝播特性の異なる複数のキャリア周波数で一括して同時並行的に通信することによって、通信の安定性を向上させることができる。また、CA技術を適用することによって、複数の事業者の帯域割当が断続的な場合又は帯域共用する場合にも対応した通信を行うことができる。
上記CA技術を用いた通信システムでは、複数の帯域(バンド)の無線(Radio Frequency:RF)信号を送信するマルチバンドの送信装置及び無線信号送信方法が必要となる。また、装置の小型化及び低コスト化の観点から、CA技術に対応した送信装置は、複数のバンドのRF信号を単一の電力増幅器(Power Amplifier:PA)で増幅し、かつ送信できる事が望ましい。
一方、単一の電力増幅器を用いた送信装置における重要な課題として、送信装置から出力されるRF信号の歪抑制が挙げられる。送信装置の内部において、無線通信に用いるRF信号を増幅する電力増幅器の非線形性が、送信するRF信号を歪ませる大きな要因となっている。RF信号の歪は、送信に用いる所望帯域外への漏洩電力を発生させる。ここで、近年の無線通信規格は、スペクトル効率改善のために線形変調が主流になっている。この線形変調では、RF信号の歪で発生する所望帯域外への漏洩電力に厳しい制限が設定されている。したがって、送信するRF信号の歪を抑制することが、送信装置における重要な技術課題となる。CA技術に対応したマルチバンド送信装置の場合においても、RF信号の歪抑制は重要な課題である。
CA技術に対応したマルチバンド送信装置における信号歪を抑制する技術は、特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献1及び特許文献2においては、複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅し、ディジタル回路による歪補償部(プリディストータ部)を用いて、電力増幅器から出力されるRF信号の歪抑制を行っている。
図16は、特許文献1にかかる送信装置の機能構成図である。図16に示した送信装置700は、2バンド送信機730及びプリディストーション部720の2つのブロックで構成されている。
2バンド送信機730は、キャリア周波数fc1(バンド1)のRF信号と、キャリア周波数fc2(バンド2)のRF信号とを一括して同時並行的に送信する機能を持つ。2バンド送信機730において、バンド1のベースバンド信号715Aは、ローパスフィルタ735Aを経由して、局部発振(LO:Local oscillate)信号発生器740Aとミキサ745Aとで構成される周波数変換器においてキャリア周波数fc1のRF信号に変換される。また、バンド2のベースバンド信号715Bは、ローパスフィルタ735Bを経由して、LO信号発生器740Bとミキサ745Bとで構成される周波数変換器においてキャリア周波数fc2のRF信号に変換される。キャリア周波数fc1及びfc2のRF信号は、電力合成器750において合成されて、電力増幅器760に入力される。電力増幅器760は、キャリア周波数fc1及びfc2のRF信号を一括して同時並行的に増幅し、RF信号770として出力する。
プリディストーション部720は、2バンド送信機730で発生するバンド1及びバンド2のRF出力信号770の歪を補償する機能を持つ。つまり、プリディストーション部720の入出力特性は、2バンド送信機730の入出力特性と逆の非線形特性を持つことで、2バンド送信機730の非線形性を打ち消している。プリディストーション部720は、例えばプロセッサ等のディジタル演算回路で実装され、上記の非線形性を打ち消す信号をディジタル演算回路で算出し出力する機能を有する。
より具体的には、2バンドの信号を一括して同時並行的に送信する場合、2バンド送信機730の非線形性に起因して、2つのバンド間で、周波数ミキシング効果(相互ミキシング)が生じる。これにより、RF出力信号770のバンド1における信号成分(特に非線形性から生じる信号歪)は、2バンド送信機730に入力されるバンド1のベースバンド信号715A及びバンド2のベースバンド信号715Bの両方に依存するようになる。同様の理由により、RF出力信号770のバンド2における信号成分(特に非線形性から生じる信号歪)は、2バンド送信機730に入力されるバンド1のベースバンド信号715A及びバンド2のベースバンド信号715Bの両方に依存する。
上記の信号歪を補正するため、バンド1のベースバンド信号715Aは、プリディストータ725Aによって、バンド1の入力ベースバンド信号710A及びバンド2の入力ベースバンド信号710Bの両方から生成される。同様に、バンド2のベースバンド信号715Bは、プリディストータ725Bによって、バンド1の入力ベースバンド信号710A及びバンド2の入力ベースバンド信号710Bの両方から生成される。
図17は、特許文献2にかかる送信装置の機能構成図である。図17において、送受信機801は、複数の無線周波数帯域の信号を送信する機能と受信機能とを有する。図17において、信号生成部810は、バンド1からバンドN(Nは2以上の整数)までの信号を生成する。信号生成部810において生成される信号成分は0と1の2値で表現されるディジタルデータである。信号生成部810は、歪み補償部811に接続される。歪み補償部811は、信号生成部810から出力される信号の高調波、及びバンド1からバンドNの信号間に生じる相互変調歪みを低減する。この歪み補償部811は、信号生成部810から出力される信号を、送信用高出力増幅器が持つ非線形特性の逆特性となる信号に変換する。
DAC部812は、歪み補償部811から出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換する。増幅部813は、DAC部812の後段に接続され、無線帯域のマルチバンド信号を増幅する。この増幅部813の出力信号においては、任意の高調波や相互変調歪みの出力が低減されている。アンテナ814は、増幅部813から出力されたマルチバンド信号を無線によって送信する。
図16及び図17に記載された回路構成および動作により、複数のバンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅し、電力増幅器から出力されるRF信号の歪抑制が実現される。
無線通信で使用される送信装置における他の重要な課題として、送信装置の省電力化が挙げられる。送信装置内において、送信するRF信号を増幅する電力増幅器が、送信装置の構成要素の中でも特に電力を消費する。そのため、送信装置の開発においては、電力増幅器の電力効率の改善が重要課題とされている。この電力効率の改善は、RF信号の歪抑制つまり線形性の維持と両立して実現される必要がある。
電力増幅器においては、線形性を維持するために、瞬時最大出力(ピーク)電力が飽和出力電力以下になるように、平均出力電力が設定される。つまり、電力増幅器においては、増幅する信号のピーク電力と平均電力との比(Peak-to-Average Ratio:PAR)が大きい値を持つ場合ほど、線形性維持のために、平均出力電力を飽和出力電力から一層低く設定することが必要となる。
しかしながら、一般に、電力増幅器は、平均出力電力を飽和出力電力から低い比率に下げるほど、電力増幅器へ供給される供給電力と電力増幅器から取り出される出力電力との比(すなわち電力効率)が低下する性質を持つ。電力効率の低下は、省電力化の要求に反する問題である。
RF信号のPARは、通信規格毎に固有の値を有している。近年用いられているCDMA(Code Division Multiple Access)、WLAN(Wireless Local Area Network)、地上デジタル放送、LTE(Long Term Evolution)などの高速無線通信においては、PARはおよそ数dBから十数dBという大きな値となる。このようなPARの大きさが、電力増幅器(PA)の電力効率を大きく低下させる要因となっている。
したがって、線形性を維持するため平均出力電力を低い値に設定した場合においても、電力効率を高く維持することが、送信装置の開発において重要な課題となる。ここで、CA技術に対応したマルチバンド送信装置の場合においても、低い平均出力電力に対して電力効率を高く維持することが、同様に重要な課題となる。
シングルバンドの送信装置において、低い平均出力電力に対して電力効率を高く維持する技術が、特許文献3において開示されている。図18は、特許文献3にかかる送信装置の回路構成図である。図18で図示された特許文献3の送信装置26は、ドライバアンプ(DA)32と、電力増幅器(PA)34と、スイッチ33,35と、入力端子31と、出力端子36と、電源端子37と、スイッチ制御端子38と、グラウンド(GND)端子39とを有する。高出力動作モード時においては、スイッチ33,35を制御して、入力端子31から入力されたRF信号が、ドライバアンプ32及び電力増幅器34を経由した経路41を介して出力端子36に出力される。一方、低出力動作モード時においては、スイッチ33,35を制御して、入力端子31から入力されたRF信号が、ドライバアンプ32を経由するものの電力増幅器34を迂回する経路42を介して、出力端子36に出力される。低出力動作モード時において、電力増幅器34はオフ状態になり、消費電力は抑制される。これにより、シングルバンドの送信装置の電力効率を改善することができる。
特許文献3と同様の経路切り替え方式をマルチバンド/マルチモード送信装置に適用した例が、特許文献4に開示されている。図19は、特許文献4にかかる送信装置の回路構成図である。図19で示された送信装置400は、4つのシングルバンド送信機440a,440b,340c,340dを有する。これらの4つのシングルバンド送信機が並列に実装されることで、異なる4つのバンドのRF信号(RFout1、RFout2、RFout3、RFout4)を送信するマルチバンド送信機としての機能が実現される。それぞれのシングルバンド送信機440a,440b,340c,340dは、低出力動作モード時の経路(チェーン1)及び高出力時動作モード時の経路(チェーン2及びチェーン3)を備えている。送信出力電力に応じて、低出力動作モード時の経路と高出力時動作モード時の経路とが、スイッチ448a,448b,348c,348dを用いて切り替わる。これによって、特許文献3の送信装置と同様に、省電力化がなされる。
つまり、特許文献4にかかるマルチバンド用の送信装置400は、特許文献3に記載されたシングルバンド用の送信装置26を、複数個並列に実装したような構成になっている。なお、特許文献4にかかるマルチバンド用の送信装置400は、シングルバンド送信機440a,440b,340c,340dの出力にバンド選択スイッチ370を備える。異なる4つのバンドのRF信号(RFout1、RFout2、RFout3、RFout4)のうち、バンド選択スイッチ370によって選択されたRF信号のみが、アンテナ380から送信される。つまり、特許文献4にかかる送信装置400は、複数バンドのRF信号のうち、一つのバンドのみを選択して送信することができる、言い換えると、特許文献4にかかる送信装置400は、複数のバンド(周波数帯)のRF信号を一括して同時並行的に送信する機能は備えていない。
特許文献4と同様の経路切り替え方式を適用したマルチバンド送信装置の例は、特許文献5、特許文献6および特許文献7においても開示されている。また、特許文献8には、マルチキャリア共通増幅器に適用した場合であっても、影像成分によって隣接チャネル漏洩電力比が劣化しない歪補償回路および送信機が開示されている。
マルチバンド送信装置の他の例が、特許文献9に開示されている。図20は、特許文献9にかかる送信装置の回路構成図である。図20の送信装置は、増幅手段501,511,513と、インピーダンス変換手段502,521,522,523,571,572,573と、分岐手段531,532,541,542とを有する。図20の送信装置の入力端子には、f1,f2,f3のキャリア周波数のRF信号が入力される。キャリア周波数(f1、f2、f3)は、f1>fTH_H>f2>fTH_L>f3の関係を満たすとする。分岐手段531,541は、fTH_H以上のキャリア周波数のRF信号をインピーダンス変換手段571に出力し、fTH_H以下のキャリア周波数のRF信号をインピーダンス変換手段522に出力するように構成されている。分岐手段532,542は、fTH_L以上のキャリア周波数のRF信号をインピーダンス変換手段572に出力し、fTH_L以下のキャリア周波数のRF信号をインピーダンス変換手段523に出力するように構成されている。上記の構成により、送信装置の入力端子に入力されたRF信号は、図20内に記載されたとおり、そのキャリア周波数に応じて異なる出力端子へと出力される。
米国特許出願公開第2010/0316157号明細書 特開2012−227881号公報 特開2001−217661号公報 特表2011−512098号公報 特開2012−119903号公報 特表2012−527186号公報 特開2006−033731号公報 特開2004−015310号公報 特許第4867346号公報
三木信彦他、"LTE-Advancedにおける広帯域化を実現するCarrier Aggregation",NTT DoCoMoテクニカルジャーナル,Vol.18,No.2, pp.12−21 P.Colantonio,et.al. ,"A Design Technique for Concurrent Dual-Band Harmonic Tuned Power Amplifier," IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques,vol.56,no.11,pp.2545−2555,2008 S.Kousai,et.al. ,"An Octave-Range,Watt-Level,Fully-Integrated CMOS Switching Power Mixer Array for Linearization and Back-Off-Efficiency Improvement," IEEE Journal of Solid-State Circuits,vol.44,no.12,pp.3376−3392,2009 P.Saad,et.al. ,"Design of a Highly Efficient 2−4GHz Octave Bandwidth GaN-HEMT Power Amplifier," IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, vol.58, no.7, pp.1677−1685,2010
特許文献1及び特許文献2に記載の送信装置は、単一の増幅器で複数の周波数帯の無線信号を、一括して同時並行で増幅する。しかしながら、増幅器から出力される各周波数帯の無線信号間の電力差が大きい場合、電力の小さい無線信号の周波数帯において、信号の歪補償が困難になるという問題がある。
また、特許文献3〜特許文献9に記載の送信装置においては、送信する周波数帯の数が増大した場合、その周波数帯の数に概ね比例した数の増幅器を設置する必要がある。このような場合、特に送信する周波数帯の数が多いとき、必要な増幅器の数が増加してしまうため、送信装置のコスト及びサイズを増大させるという問題がある。
本発明の目的は、このような課題を解決するためになされたものであり、周波数帯の数よりも少ない数の増幅器で複数の周波数帯の無線信号を増幅し、その増幅器から出力される各周波数帯の無線信号間の電力差が大きい場合であっても、適切に信号の歪補償を行うことが可能な送信装置及び送信方法を提供することにある。
本発明にかかる送信装置は、複数の周波数帯の無線信号を増幅する第1の増幅器と、前記第1の増幅器から出力された無線信号が入力される第1の経路と、前記第1の増幅器から出力された無線信号が入力され、前記第1の経路の利得よりも低い利得を有する第2の経路と、前記第1の経路又は前記第2の経路を経由した前記無線信号を送信する送信手段とを有し、前記複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値以上に必要となる高出力周波数帯の無線信号が、対応する周波数帯ごとに、前記第1の経路に入力され、前記複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値よりも小さい低出力周波数帯の無線信号が、対応する周波数帯ごとに、前記第2の経路に入力される。
また、本発明にかかる送信方法は、第1の増幅器によって、複数の周波数帯の無線信号を増幅するステップと、前記第1の増幅器から出力され、送信電力が予め定められた値以上に必要となる高出力周波数帯の無線信号を、対応する周波数帯ごとに第1の経路に入力するステップと、前記第1の増幅器から出力され、送信電力が予め定められた値よりも小さい低出力周波数帯の無線信号を、対応する周波数帯ごとに第2の経路に入力するステップと、前記第1の経路又は前記第2の経路を経由した前記無線信号を送信するステップとを有する。
本発明によれば、周波数帯の数よりも少ない数の増幅器で複数の周波数帯の無線信号を増幅し、その増幅器から出力される各周波数帯の無線信号間の電力差が大きい場合であっても、適切に信号の歪補償を行うことが可能な送信装置及び送信方法を提供できる。
本発明の実施の形態にかかる送信装置の概要を示す図である。 実施の形態1にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる歪補償器の構成の例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる歪補償器の構成の例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる送信装置において、RF信号の全てが低利得経路に振り分けられた状態を示す図である。 単一の電力増幅器が複数バンドのRF信号を一括して同時並行的に増幅する場合に発生する信号歪を示す概念図である。 混変調歪の影響を示す概念図である。 相互変調歪の影響を示す概念図である。 実施の形態2にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態5にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態6にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態7にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態8にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 特許文献1にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 特許文献2にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 特許文献3にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 特許文献4にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。 特許文献9にかかる送信装置の構成を示すブロック図である。
(本発明にかかる実施の形態の概要)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明にかかる実施の形態の概要について説明する。本実施の形態は、複数の周波数の信号を一括して同時並行的に送信することが可能なCA技術に対応した送信装置であって、良好な歪補償および省電力化の機能を備えた低コストで小型な送信装置を実現することを主要な特徴としている。
図1は、本発明の実施の形態にかかる送信装置1の概要を示す図である。送信装置1は、第1の増幅器2と、第1の経路3と、第2の経路4と、送信部(送信手段)5とを有する。第1の増幅器2は、複数の周波数帯の無線信号を増幅する。第1の経路3には、第1の増幅器2から出力された無線信号が入力される。第2の経路4には、第1の増幅器2から出力された無線信号が入力される。第2の経路4は、第1の経路3の利得よりも低い利得を有する。送信部5は、第1の経路3又は第2の経路4を経由した無線信号を送信する。
ここで、複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値以上に必要となる高出力周波数帯の無線信号は、対応する周波数帯ごとに、第1の経路3に入力される。また、複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値よりも小さい低出力周波数帯の無線信号は、対応する周波数帯ごとに、第2の経路4に入力される。
このように、本実施の形態にかかる送信装置1は、高い電力で送信することが必要な無線信号を、第1の経路3(高利得経路)を経由して送信し、低い電力で送信することが必要な無線信号を、第2の経路4(低利得経路)を経由して送信する。このようにすることによって、周波数帯の数よりも少ない数である第1の増幅器2で複数の周波数帯の無線信号を増幅し、第1の増幅器2から出力される各周波数帯の無線信号間の電力差が大きい場合であっても、適切に信号の歪補償を行うことが可能となる。
(実施の形態1)
図2は、実施の形態1にかかる送信装置100の構成を示すブロック図である。図2に示すように、送信装置100は、変調器(信号発生器)101と、ドライバアンプ(第1の増幅器)102と、分波器103と、経路切替部(経路切替手段)104と、合成器106,107と、高利得経路108と、低利得経路109と、送信アンテナ110,111と、歪補償器112とを有する。
なお、以下、RF信号132−1〜132−N等の複数ある構成要素を区別することなく説明するときは、単に、RF信号132と記載することがある。
変調器101は、異なるキャリア周波数fc1、fc2、・・・、fcNを持つ複数バンドのRF信号132−1,132−2,・・・、132−Nを生成する。さらに、変調器101は、これらにRF信号132−1〜132−Nを、一括して同時並行的に(同じタイミングで)ドライバアンプ102に対して出力する。ここで、Nは、送信するバンド(キャリア周波数)の数である。また、本実施の形態においては、キャリア周波数fc1、fc2、・・・、fcNの大小関係は任意である。つまり、fci>fcj(i≠j)であってもよいし、fci<fcjであってもよい。
ドライバアンプ102は、変調器101からRF信号132−1〜132−Nを受けつける。ドライバアンプ102は、これらのRF信号132−1〜132−Nを一括して増幅し、RF信号131−1〜131−Nを得る。さらに、ドライバアンプ102は、RF信号131−1〜131−Nを、分波器103に対して出力する。なお、ドライバアンプ102の利得は、可変であってもよい。
分波器103は、ドライバアンプ102からRF信号131−1〜131−Nを受け付けて、これらのRF信号131−1〜131−Nを、キャリア周波数ごとに分離する。さらに、分波器103は、分離したRF信号131−1〜131−Nを、経路切替部104に対して出力する。
経路切替部104は、RF信号131−1〜131−Nを、それぞれ、送信電力に応じて、高利得経路108又は低利得経路109に対して振り分ける機能を有する。例えば、実施の形態1においては、経路切替部104は、バンド(キャリア周波数)の数Nと同数の経路切替スイッチ104−1〜104−Nを有する。経路切替スイッチ104−i(iは1以上N以下の整数)は、分波器103からRF信号131iを受け付ける。経路切替スイッチ104−iは、RF信号131−iの送信電力が予め定められた電力閾値Pth−i以上か否かに応じて、RF信号131−iを、高利得経路108又は低利得経路109に振り分ける。
具体的には、RF信号131−iの送信電力が電力閾値値Pth−i以上である場合、経路切替スイッチ104−iは、RF信号131−iを、高利得経路108に振り分ける。一方、RF信号131−iの送信電力が電力閾値値Pth−i未満である場合、経路切替スイッチ104−iは、RF信号131−iを、低利得経路109に振り分ける。図1に示した例では、経路切替スイッチ104−1は、RF信号131−1を高利得経路108に振り分ける。また、経路切替スイッチ104−2は、RF信号131−2を高利得経路108に振り分ける。また、経路切替スイッチ104−Nは、RF信号131−Nを低利得経路109に振り分ける。
なお、RF信号131−1〜131−Nの振り分け先を高利得経路108とするか又は低利得経路109とするかは、それぞれ、経路切替スイッチ104−1〜104−Nにより、任意に変更する事ができる。また、経路切替スイッチ104−1〜104−Nそれぞれに設定された電力閾値Pth−1〜Pth−Nは、各キャリア周波数について同じ(つまりPth−1=Pth−2=・・・=Pth−N)であってもよいし、それぞれ互いに異なってもよい。
合成器106は、経路切替部104と高利得経路108との間に設けられている。合成器106は、経路切替スイッチ104−1〜104−Nによって高利得経路108に振り分けられたRF信号131を受け付ける。そして、合成器106は、高利得経路108に振り分けられたRF信号131を合成し、高利得経路108に対して出力する。
合成器107は、経路切替部104と低利得経路109との間に設けられている。合成器107は、経路切替スイッチ104−1〜104−Nによって低利得経路109に振り分けられたRF信号131を受け付ける。そして、合成器107は、低利得経路109に振り分けられたRF信号131を合成し、低利得経路109に対して出力する。
高利得経路108は、電力増幅器(第2の増幅器)121とRF信号検出部122とを有する。また、低利得経路109は、RF信号検出部123を有する。低利得経路109よりも高い利得を有する。言い換えると、低利得経路109は、高利得経路108よりも低い利得を有する。
高利得経路108は、RF信号131−1〜131−Nのうち、経路切替スイッチ104−1〜104−Nによって高利得経路108に振り分けられたRF信号131を受け付ける。電力増幅器121は、高利得経路108に振り分けられたRF信号131を増幅し、RF信号141を得る。そして、電力増幅器121は、RF信号検出部122を介して、RF信号141を送信アンテナ110に対して出力する。図1に示した例では、電力増幅器121は、RF信号131−1,131−2を増幅し、それぞれRF信号141−1,141−2として出力する。
低利得経路109は、RF信号131−1〜131−Nのうち、経路切替スイッチ104−1〜104−Nによって低利得経路109に振り分けられたRF信号131を受け付ける。そして、低利得経路109は、低利得経路109に振り分けられたRF信号を増幅せず、そのまま、RF信号検出部123を介して、RF信号141として、送信アンテナ110に対して出力する。図1に示した例では、低利得経路109は、RF信号131−NをRF信号141−Nとして出力する。
送信アンテナ110は、高利得経路108から出力されたRF信号141を、一括して送信する。図1の例では、送信アンテナ110は、RF信号141−1,141−2を一括して送信する。つまり、送信アンテナ110は、高利得経路108を経由した周波数帯のRF信号141を、一括して送信する。送信アンテナ111は、低利得経路109から出力されたRF信号141を、一括して送信する。図1の例では、送信アンテナ111は、RF信号141−Nを一括して送信する。つまり、送信アンテナ111は、低利得経路109を経由した周波数帯のRF信号141を、一括して送信する。
RF信号検出部122は、高利得経路108から出力されるRF信号141を検出し、そのRF信号141に関する情報を、歪補償器112に対して出力する。RF信号検出部123は、低利得経路109から出力されるRF信号141を検出し、そのRF信号141に関する情報を、歪補償器112に対して出力する。
歪補償器112は、検出された、RF信号141−1〜141−Nに関する情報を受け付ける。そして、歪補償器112は、以下に説明するように、RF信号141−1〜141−Nに関する情報に基づいて、RF信号141−1〜141−Nの信号歪を低減するように、変調器101から出力されるRF信号132−1〜132−Nの補正を行う。
図3は、歪補償器112の構成を示すブロック図である。図3に示すように、歪補償器112は、歪補償制御信号生成部220と、入力端子211−1〜211−Nと、出力端子212−1〜212−Nとを有する。歪補償制御信号生成部220は、例えば、プロセッサ等のディジタル演算回路で実装されるが、実装される形式は任意である。
入力端子211−1〜211−Nは、それぞれ、各バンド1〜Nで搬送すべき理想ベースバンド信号z1(t)〜zN(t)を受け付けて、歪補償制御信号生成部220に対して出力する。歪補償制御信号生成部220は、理想ベースバンド信号[z1(t),・・・,zN(t)]から、歪補償用ベースバンド信号[w1(t),・・・,wN(t)]を生成し、出力端子212−1〜212−Nに対して出力する。
変調器101は、出力端子212−1〜212−Nに出力された歪補償用ベースバンド信号[w1(t),・・・,wN(t)]の各成分を受け付ける。変調器101は、歪補償用ベースバンド信号[w1(t),・・・,wN(t)]の各成分を、それぞれ、バンド1〜NのRF信号132−1〜132−Nに搬送した上で出力する。
変調器101から出力されるRF信号132−1〜132−Nそれぞれに、歪補償用ベースバンド信号w1(t)〜wN(t)を搬送させた場合において、送信装置100から送信されるRF信号141−1〜141−Nのベースバンド信号を、y1(t)〜yN(t)とする。このとき、変調器101の出力端子から送信アンテナ110,111までの経路の特性は、以下の式(1)のように表現される。
(1) [y1(t),・・・,yN(t)]=g[w1(t),・・・,wN(t)]
ここで、gは、ベクトル[w1(t),・・・,wN(t)]をベクトル[y1(t),・・・,yN(t)]に変換する写像である。ドライバアンプ102(及び電力増幅器121)で複数のバンドのRF信号を一括して同時並行的に増幅する場合、各バンドi(=1〜N)の入力信号wi(t)と出力信号yi(t)とは、成分ごとに独立して対応しない。つまり、送信装置100の入力信号w1(t)〜wN(t)と出力信号y1(t)〜yN(t)との関係は、式(1)で与えられるような、ベクトル間の関係となる。
また、歪補償制御信号生成部220は、理想ベースバンド信号[z1(t),・・・,zN(t)]と歪補償用ベースバンド信号[w1(t),・・・,wN(t)]との関係は、以下の式(2)を用いて与えられ得る。
(2) [w1(t),・・・,wN(t)]=g-1[z1(t),・・・,zN(t)]
ここで、g-1は、式(1)で与えられた写像gの逆写像である。ここで、式(1)と式(2)とを組み合わせると、以下の式(3)で表される。
(3) [y1(t),・・・,yN(t)]
=g[w1(t),・・・,wN(t)]
=g[g-1[z1(t),・・・,zN(t)]]
=[z1(t),・・・,zN(t)]
つまり、送信装置100の出力に搬送されたベースバンド信号[y1(t),・・・,yN(t)]は、理想ベースバンド信号[z1(t),・・・,zN(t)]と一致する。したがって、送信装置100の出力信号[y1(t),・・・,yN(t)]の歪補償が実現される。言い換えると、ドライバアンプ102(及び電力増幅器121)を用いて複数のバンドのRF信号を一括して同時並行的に増幅する場合、式(2)で与えられるような、複数のバンドのRF信号の一括処理を、歪補償制御信号生成部220が行うことによって、歪補償が実現される。
なお、上記では、ドライバアンプ102(及び電力増幅器121)で複数のバンドのRF信号を一括して同時並行的に増幅する場合、各バンドiの入力信号wi(t)と出力信号yi(t)とは、成分ごとに独立して対応しないと説明した。その理由は、複数のバンドのRF信号を一括して同時並行的に増幅する場合、複数のバンド間の相互ミキシングが生じるためである。一方、複数のバンドのRF信号を一括して同時並行的に増幅する場合においても、以下に説明するように、複数のバンド間の相互ミキシングが弱ければ、バンドごとに歪補償を行ってもよい。
図4は、歪補償をバンドごとに行う場合における、歪補償器112の構成の例を示すブロック図である。この場合、図4に示すように、歪補償制御信号生成部220は、各バンドに対応した歪補償制御信号生成部220−1〜220−Nで構成されている。歪補償制御信号生成部220−i(i=1,・・・,N)は、バンドiの理想ベースバンド信号z(t)から歪補償用ベースバンド信号w(t)を生成する機能を有する。
ドライバアンプ102(及び電力増幅器121)における複数のバンド間の相互ミキシングが弱い場合、変調器101から出力されるバンドiのRF信号132−iに搬送されたベースバンド信号w(t)と、送信装置100から送信されるバンドiのRF信号141−iのベースバンド信号yi(t)との関係は、以下の式(4)で与えられる。
(4) yi (t)=gi[wi(t)] (i=1,・・・N)
ここで、giは、yi(t)とw(t)との関係を表す関数である。このとき、歪補償制御信号生成部220−iは、以下の式(5)で与えられる関数を用いて、歪補償用ベースバンド信号wi(t)を生成することが望ましい。
(5) wi(t)=gi -1[zi(t)] (i=1,・・・N)
ここで、gi -1は、式(4)で与えられた写像giの逆写像である。ここで、式(4)と式(5)とを組み合わせると、以下の式(6)で表される。
(6) yi(t)=gi[wi(t)]=gi[gi -1[zi(t)]]=zi(t)
つまり、送信装置100の出力に搬送されたバンドiのベースバンド信号yi(t)は、理想ベースバンド信号zi(t)と一致する。したがって、送信装置100の出力信号yi(t)の歪補償が実現される。
実施の形態1にかかる送信装置100は、互いに異なるキャリア周波数fc1〜fcNに関する複数のバンドのRF信号141−1〜141−Nを、一括して同時並行的に、かつ、信号歪を低減した状態で送信する。さらに、実施の形態1にかかる送信装置100は、RF信号141−1〜141−Nのうち、大きな電力で送信することが必要なRF信号141を、高利得経路108を経由して送信する。一方、実施の形態1にかかる送信装置100は、RF信号141−1〜141−Nのうち、小さな電力で送信してもよいRF信号141を、低利得経路109を経由して送信する。
ここで、本実施の形態においては、ドライバアンプ102から出力されるRF信号131−1〜131−Nのそれぞれは、同程度の平均電力レベルを持つことが望ましい。この場合、電力増幅器121の利得をG(dB)とすると、RF信号141−1〜141−Nのうち、高利得経路108から出力されるRF信号141(図1の例ではRF信号141−1及び141−2)の平均電力レベルは、低利得経路109から出力されるRF信号141(図1の例ではRF信号141−N)の平均電力レベルと比較して、G(dB)高い電力となる。すなわち、本実施の形態においては、高利得経路108と低利得経路109との利得差つまり電力増幅器121の利得Gにより、高利得経路108と低利得経路109とから出力されるRF信号の平均電力レベルに差を設けている。
なお、電力増幅器121を可変利得増幅器とすることによって、電力増幅器121の利得G(dB)を可変にしてもよい。このようにすることによって、高利得経路108と低利得経路109とから出力されるRF信号の平均電力レベルの差を調整することが可能となる。
また、本実施の形態においては、ドライバアンプ102及び電力増幅器121として、例えば、複数のキャリア周波数fc1〜fcNに対応して設計されたマルチバンド電力増幅器を用いてもよい。例えば、ドライバアンプ102及び電力増幅器121として、非特許文献2において開示されているような、2つ以上の周波数で入出力の整合設計を行った電力増幅器を用いても良い。
また、本実施の形態においては、送信装置100は、送信するバンドの数によらず、1個のドライバアンプ102及び電力増幅器121を用いて複数のバンドのRF信号141−1〜141−Nを送信することが可能である。一方、特許文献3〜特許文献8に記載された関連技術にかかる送信装置においては、送信されるバンドの数に概ね比例した数のドライバアンプおよび電力増幅器が必要となる。したがって、本実施の形態においては、関連技術よりも低コストで小型であり、かつ複数のバンドの一括送信に対応した送信装置を提供することが可能となる。
また、本実施の形態にかかる送信装置100においては、RF信号141−1〜141−Nの全てを小電力で送信すればよい場合は、図5で示すように、RF信号131−1〜131−Nの全てが低利得経路109に振り分けられる。このような場合、高利得経路108の電力増幅器121は使用される必要はない。そのため、電力増幅器121はオフ状態であってもよい。オフ状態にした電力増幅器121は、電力を消費しない。つまり、本実施の形態の送信装置100では、送信されるRF信号141の電力レベルに応じて電力増幅器121をオフ状態にすることによって、特に、送信されるRF信号の電力レベルが低い場合において、省電力化を図ることが可能となる。
上述したように、特許文献1及び特許文献2に記載された関連技術にかかる送信装置は、単一の電力増幅器で複数のバンドのRF信号を、一括して同時並行で増幅していた。この場合、単一の電力増幅器から出力される各バンドのRF信号間で電力差が大きいとき、電力の小さいRF信号のバンドにおいて、信号の歪補償が困難になるという問題があった。一方、本実施の形態においては、以下に説明するように、このような信号の歪補償を適切に行うことが可能となる。
まず、特許文献1及び特許文献2に記載された関連技術にかかる送信装置において、電力増幅器から出力される各バンドのRF信号間で電力差が大きい場合に、電力の小さいRF信号のバンドにおける信号の歪補償が困難になる理由について説明する。
図6は、単一の電力増幅器602が、変調器(信号発生器)601から出力される複数のバンドのRF主信号603−1及び603−2を一括して同時並行的に増幅する場合において、電力増幅器602において発生する信号歪を示した図である。
図6(a)に示すように、電力増幅器602は、キャリア周波数がそれぞれfc1及びfc2であるRF主信号603−1及び603−2をそれぞれ増幅し、RF主信号604−1及び604−2として出力する。図6(b)に示すように、このとき、バンド1(キャリア周波数fc1)に関連するRF主信号604−1について、相互変調歪605及び混変調歪606の2つの信号歪が発生する。同様に、バンド2(キャリア周波数fc2)に関連するRF主信号604−2についても、相互変調歪607及び混変調歪608の2つの信号歪が発生する。
相互変調歪605,607は、単一バンドのRF主信号の自己ミキシングによって発生する歪である。例えば、バンド1における相互変調歪605は、電力増幅器602の非線形性により、バンド1のRF主信号603−1の自己ミキシングによって発生する。同様に、バンド2における相互変調歪607は、電力増幅器602の非線形性により、バンド2のRF主信号603−2の自己ミキシングによって発生する。また、図6(c)に示すように、相互変調歪605の強度は、RF主信号603−1の振幅ain1(t)の3乗に比例する。同様に、相互変調歪607の強度は、RF主信号603−2の振幅ain2(t)の3乗に比例する。
混変調歪606,608は、複数バンド間のRF主信号の相互ミキシングによって発生する歪である。例えば、バンド1における混変調歪606は、電力増幅器602の非線形性により、バンド1のRF主信号603−1とバンド2のRF主信号603−2との相互ミキシングによって発生する。同様に、バンド2における混変調歪608は、電力増幅器602の非線形性により、バンド1のRF主信号603−1とバンド2のRF主信号603−2との相互ミキシングによって発生する。これにより、図6(c)に示すように、バンド1における混変調歪606の強度は、バンド1におけるRF主信号603−1の振幅ain1(t)に比例し、かつバンド2におけるRF主信号603−2の振幅ain2(t)の2乗に比例する。また、バンド2における混変調歪608の強度は、バンド2におけるRF主信号603−2の振幅ain2(t)に比例し、かつバンド1におけるRF主信号603−1の振幅ain1(t)の2乗に比例する。
ここで、電力増幅器602から出力される各バンドのRF信号間で電力差が大きい場合に、電力の小さいRF信号のバンドで信号の歪補償が困難になる原因となる因子は、電力の小さいRF信号のバンドで生じている混変調歪である。混変調歪が信号の歪補償を困難にする理由は、以下において説明される。
図7は、混変調歪が信号の歪補償を困難にする理由を説明するための概念図である。
図7において、上限613は、通信規格が満たすべき歪量の上限を示している。この歪量の上限613は、RF主信号との電力比611で定義される。また、RF主信号との電力比611は、通信規格により定められている。例えば、通信規格がWCDMA(登録商標) up−linkの場合、RF主信号との電力比611は、−33dBcと定められる。したがって、歪量の上限613は、RF主信号604−1から33dB低い値に定められる。他の例として、通信規格がWCDMA(登録商標) down−linkの場合、RF主信号との電力比611は−44.2dBcと定められる。図7において、通信規格を満たすためには、混変調歪606は、歪量の上限613より低い値まで低減されなければならない。また、図7において、歪低減量612は、通信規格を満たすために必要な歪低減量を表している。
信号歪量の低減は、図6に示した歪補償器610によって実現される。図6において、RF信号検出部609が電力増幅器602の出力側に設けられる。RF信号検出部609は、電力増幅器602から出力されるRF信号を検出する。歪補償器610は、RF信号検出部609において検出された電力増幅器602の出力RF信号に基づいて、変調器601から出力されるRF信号の補正を行う。変調器601から出力されるRF信号の補正により、電力増幅器602から出力されるRF信号の歪(相互変調歪605,607及び混変調歪606,608)の低減が実現される。
ここで、図7には、バンド1及びバンド2それぞれのRF主信号604−1及び604−2と、バンド1における混変調歪606とが記載されている。ここで、バンド1及びバンド2それぞれのRF主信号604−1と604−2とで電力差がない状況から、バンド1のRF主信号604−1の強度をX(dB)低減し、バンド2のRF主信号604−2の強度をX/2(dB)増加させた場合を仮定する。
このとき、バンド2のRF主信号604−2の電力と比較して、バンド1のRF主信号604−1の電力は、3X/2(dB)低い値となる。ここで、バンド1における混変調歪606の強度は、バンド1におけるRF主信号603−1の振幅ain1(t)に比例し、かつバンド2におけるRF主信号603−2の振幅ain2(t)の2乗に比例する(図6(c))。したがって、バンド1における混変調歪606の強度は、Xの値によらず変化しない。また、図6(c)より、通信規格を満たすために必要な歪低減量612は、X(dB)増大する。
歪補償器610は、必要となる歪低減量612より大きな歪低減能力を有する必要がある。しかしながら、実際には、歪補償器610が実現できる歪低減能力には限界がある。歪補償器610をデジタル歪補償技術(デジタルプリディストーション)で実装する場合、実現できる歪低減能力は、通常、20dB程度である。つまり、30dBの歪低減能力を持つ歪補償器を実現することは、きわめて困難である。
図7において説明したように、バンド2のRF主信号604−2の電力と比較してバンド1のRF主信号604−1の電力を3X/2(dB)低くなるように両者の電力に差を設けた場合、通信規格を満たすために必要な歪低減量612は、X(dB)増大する。このため、バンド2のRF主信号604−2の電力と比較してバンド1のRF主信号604−1の電力が極めて小さい場合、通信規格を満たすために必要な歪低減量612が、歪補償器610が実現できる歪補償能力(通常は20dB以下)を超過するという問題が生じる。例えば、バンド2のRF主信号604−2の電力と比較して、バンド1のRF主信号604−1の電力を20dB低くなるように差を付けた場合、通信規格を満たすために必要な歪低減量612は、30dB増大する(X=30に相当)。この歪低減量612の増大分は、歪補償器610で実現できる歪補償能力(通常は20dB以下)を超過している。
言い換えると、単一の電力増幅器602が複数バンドのRF信号を受け付け、かつ電力増幅器602から出力される各バンドのRF信号間の電力差が大きい場合、出力電力の小さいRF信号のバンドにおいて、相対的に大きな(歪補償器で実現できる歪補償能力を超過する)混変調歪が残留する。したがって、信号の歪補償が困難になる。逆に言えば、電力増幅器602から出力される各バンドのRF信号間の電力差が大きくなければ、上記の歪補償が困難になる問題は生じない。
本実施の形態においては、送信装置100は、RF信号141−1〜141−Nのうち、高い電力で送信されることが必要なRF信号を、高利得経路108を経由して送信し、低い電力で送信されることが必要なRF信号を、低利得経路109を経由して送信する。この、送信電力に応じて信号を増幅および送信する経路を振り分けるという構成により、本実施の形態にかかる送信装置においては、電力差の大きい複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器(図1では電力増幅器121)で増幅し送信することを回避している。これによって、本実施の形態においては、複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する場合における歪補償の問題が解消される。
また、ドライバアンプ102から出力されるRF信号131−1〜131−Nのそれぞれは、同程度の平均電力レベルに設定してよい。したがって、ドライバアンプ102においても、複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する場合における歪補償の問題は発生しない。
なお、上述したように、図6の相互変調歪605の強度は、RF主信号603−1の振幅ain1(t)の3乗に比例する。このため、図8で示すように、バンド1のRF主信号604−1の強度をX(dB)低減すると、相互変調歪605の強度は、3X(dB)低減する。つまり、バンド1のRF主信号604−1の強度を低減した場合、相互変調歪605の強度は、バンド1のRF主信号604−1の強度と比較して大きく低減する。このため、バンド1のRF主信号の強度が低い場合において、相互変調歪605の存在は問題にならない。したがって、バンド1のRF主信号の強度を下げた場合においても残留する混変調歪606が、信号歪を困難にする要因となる。
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2にかかる送信装置100の構成を示すブロック図である。実施の形態2においては、実施の形態1における高利得経路108を、複数の高利得経路108−1〜108−Nに置き換えている。高利得経路108−i(i=1,・・・,N)は、電力増幅器121−iと、RF信号検出部122−iとを有する。また、高利得経路108−iの出力には、送信アンテナ110−iが設けられている。なお、実施の形態1と実質的に同様の構成部分については同じ符号を付し、説明を省略する(以下の他の実施の形態においても同様)。
また、実施の形態2にかかる送信装置100では、経路切替部104の経路切替スイッチ104−iは、ドライバアンプ102から出力されたバンドiのRF信号131−iを、高利得経路108又は低利得経路109に振り分ける。各バンドのRF信号141−1〜141−Nにおいて、RF信号141−iを大電力で送信する必要がある場合、つまり、RF信号141−iの送信電力が電力閾値Pth−i以上である場合、経路切替スイッチ104−iは、RF信号131−iを高利得経路108へ振り分ける。一方、RF信号141−iを小電力で送信する必要がある場合、つまり、RF信号141−iの送信電力が電力閾値Pth−i未満である場合、経路切替スイッチ104−iは、RF信号131−iを低利得経路109へ振り分ける。
つまり、実施の形態2にかかる送信装置100においては、各高利得経路108−iのそれぞれが、単一バンドのRF信号131−iを受け付ける。そのため、実施の形態1において高利得経路108の前に設けられていた合成器106は、省略され得る。言い換えれば、実施の形態2にかかる送信装置100は、高利得経路108及び送信アンテナ110をそれぞれバンド数に対応して複数設けたこと、及び、高利得経路108−iのそれぞれで単一バンドのRF信号を送信するようにして合成器106を省いたことを除けば、図2に示す実施の形態2と同一の構成を有する。
上述したように、実施の形態2にかかる送信装置100は、RF信号131−iについて、高い送信電力が必要な場合は、このRF信号131−iを高利得経路108−iに振り分け、低い送信電力が必要な場合は、このRF信号131−iを低利得経路109に振り分ける。これにより、電力差の大きい複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器(図8では電力増幅器121−i)で増幅し送信することを回避している。これによって、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する場合における歪補償の問題が解消される。
また、実施の形態2にかかる送信装置100においては、RF信号131−iについて、低い送信電力が必要な場合は、このRF信号131−iを低利得経路109に振り分け、高利得経路108−iに振り分けない。このとき、高利得経路108−iは使用されない。したがって、高利得経路108−iの電力増幅器121−iはオフ状態であってもよい。オフ状態にした電力増幅器121−iは、電力を消費しない。つまり、実施の形態2にかかる送信装置100では、送信されるRF信号141−iの電力レベルに応じて電力増幅器121−iをオフ状態にすることによって、省電力化を図ることが可能となる。
ここで、実施の形態1では、全てのバンドのRF信号141−1〜141−Nが小電力でなければ、電力増幅器121をオフ状態にできなかった。一方、実施の形態2においては、単一バンドのRF信号141−iが小電力であれば、個別に電力増幅器121−iをオフ状態にできる。したがって、実施の形態2においては、実施の形態1よりも、制御の粒度を細かくして、省電力化をより効率的に行うことができる。
また、実施の形態2にかかる送信装置100においては、送信するバンドの数によらず、1個のドライバアンプ102を用いて複数のバンドのRF信号141−1〜141−Nを送信することが可能である。一方、特許文献3〜特許文献8に記載された関連技術にかかる送信装置においては、送信されるバンドの数に概ね比例した数のドライバアンプが必要となる。したがって、本実施の形態においては、関連技術よりもコスト及びサイズを抑制することが可能となる。
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3にかかる送信装置100の構成を示すブロック図である。実施の形態3においては、低利得経路109が電力増幅器124を有する点で、実施の形態1と異なる。この点を除けば、実施の形態1と実施の形態3とで、構成は共通である。
本実施の形態においては、送信電力に応じてRF信号を送信する経路を高利得経路108又は低利得経路109に振り分けることで、複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する場合における歪補償の問題が解消される。ここで、高利得経路108が低利得経路109よりも高い利得を有すれば、上記の問題を解決でき、したがって、低利得経路109の利得の値そのものは任意でよい。そのため、実施の形態1のように、低利得経路109に電力増幅器を設けなくてもよいし、実施の形態3のように、低利得経路109に電力増幅器124を設けてもよい。ここで、高利得経路108に設けられた電力増幅器121の利得GHPは、低利得経路109に設けられた電力増幅器124の利得GLPよりも高い。つまり、GHP>GLPである。
本実施の形態においては、高利得経路108と低利得経路109との利得差により、高利得経路108と低利得経路109とから出力されるRF信号の平均電力レベルに差を設けている。上述したように、実施の形態1においては、電力増幅器121の利得G(dB)により、高利得経路108と低利得経路109との間に利得差が設けられる。一方、実施の形態3においては、電力増幅器121の利得GHP(dB)と電力増幅器124の利得GLP(dB)との差によって、高利得経路108と低利得経路109との間に利得差が設けられる。
なお、電力増幅器121及び電力増幅器124を可変利得増幅器とすることによって、電力増幅器121の利得GHP(dB)及び電力増幅器124の利得GLP(dB)を可変にしてもよい。このようにすることによって、高利得経路108と低利得経路109とから出力されるRF信号の平均電力レベルの差を調整することが可能となる。
実施の形態3においても、上述した実施の形態と同様の利点が得られる。つまり、実施の形態3においては、(1)複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する場合における歪補償の問題が解消される。また、(2)送信電力レベルに応じてRF信号が振り分けられない経路の電力増幅器121又は1024をオフ状態にすることによって、省電力化を図ることができる。さらに、(3)送信するバンドの数が増加してもドライバアンプ102及び電力増幅器121,124を増加させる必要がないので、装置のコスト及びサイズを抑制することができる。
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4にかかる送信装置100の構成を示すブロック図である。実施の形態3においては、分波器103の前に経路選択部113が設けられている点で、実施の形態1と異なる。この点を除けば、実施の形態1と実施の形態3とで、構成は共通である。
経路選択部113は、ドライバアンプ102から出力されたRF信号131−1〜131−Nを受け付ける。そして、経路選択部113は、受け付けたRF信号131−1〜131−Nを、合成器106に出力するか、合成器107に出力するか、分波器103に出力するかを選択する。さらに、経路選択部113は、RF信号131−1〜131−Nを、選択に応じて、出力対象(合成器106、合成器107又は分波器103)に対して出力する。
経路選択部113は、ドライバアンプ102から出力されたRF信号131−1〜131−Nの全てを高利得経路108に出力する場合は、出力先を合成器106と選択する。このとき、経路選択部113は、全てのRF信号131−1〜131−Nを、合成器106に対して出力する。
また、経路選択部113は、ドライバアンプ102から出力されたRF信号131−1〜131−Nの全てを低利得経路109に出力する場合は、出力先を合成器107と選択する。このとき、経路選択部113は、全てのRF信号131−1〜131−Nを、合成器107に対して出力する。
また、経路選択部113は、ドライバアンプ102から出力されたRF信号131−1〜131−Nを高利得経路108及び低利得経路109のいずれかに振り分ける必要がある場合は、出力先を分波器103と選択する。このとき、経路選択部113は、全てのRF信号131−1〜131−Nを、分波器103に対して出力する。
ここで、経路選択部113は、全てのRF信号131−1〜131−Nの送信電力が予め定められた高電力閾値TH以上である場合、出力先を合成器106と選択する。言い換えると、全てのRF信号131−1〜131−Nの送信電力が高電力閾値TH以上である場合、RF信号131−1〜131−Nの全てが高利得経路108に出力される。
また、経路選択部113は、全てのRF信号131−1〜131−Nの送信電力が予め定められた低電力閾値TH以下である場合、出力先を合成器107と選択する。言い換えると、全てのRF信号131−1〜131−Nの送信電力が低電力閾値TH以下である場合、RF信号131−1〜131−Nの全てが低利得経路109に出力される。
一方、上記以外の場合、つまり、全てのRF信号131−1〜131−Nの送信電力が高電力閾値TH以上でなく、低電力閾値TH以下でもない場合、経路選択部113は、出力先を分波器103と選択する。言い換えると、この場合、RF信号131−1〜131−Nは、高利得経路108及び低利得経路109のいずれかに振り分けられる。
経路選択部113の出力先として合成器106又は合成器107が選択された場合、RF信号131−1〜131−Nの経路として、分波器103及び経路切替部104を迂回することができる。これにより、特に、全てのRF信号131の送信電力が高電力又は低電力である場合に、RF信号131−1〜131−Nの電力損失を抑制することが可能となる。
また、この電力損失を抑制することに加えて、実施の形態4においても、上述した実施の形態と同様の利点が得られる。つまり、実施の形態4においても、(1)複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する場合における歪補償の問題が解消される。また、(2)送信電力レベルに応じてRF信号が高利得経路に振り分けられない場合に電力増幅器121をオフ状態にすることによって、省電力化を図ることができる。さらに、(3)送信するバンドの数が増加してもドライバアンプ102及び電力増幅器121を増加させる必要がないので、装置のコスト及びサイズを抑制することができる。
(実施の形態5)
図12は、実施の形態5にかかる送信装置100の構成を示すブロック図である。実施の形態5においては、経路切替部104が省略され、分波器103の出力が合成器106又は合成器107に接続されている点で、実施の形態1と異なる。実施の形態5においては、各バンドのRF信号131−1〜131−Nのそれぞれが高利得経路108及び低利得経路109のいずれに振り分けられるかは、予め定められている。図12の例では、バンド1及びバンド2のRF信号131−1及び131−2は高利得経路108に振り分けられ、バンドNのRF信号131−Nは低利得経路109に振り分けられている。
通常、送信するRF信号のキャリア周波数と送信電力とは、通信規格によって予め定められている。例えば、送信するRF信号のキャリア周波数は、携帯電話であれば800MHz帯及び2GHz帯、無線LANであれば2.4GHz帯及び5GHz帯、センサーネットワーク(Zigbee(登録商標)等)であれば900MHz帯が使用される。また、送信するRF信号の送信電力は、携帯電話では1W程度、無線LANでは0.1W程度、センサーネットワークでは1mW〜1mW程度である。このように、送信するRF信号のキャリア周波数と送信電力との対応関係が通信規格によって予め定められている。したがって、どのバンドのRF信号を高利得経路108及び低利得経路109のいずれに振り分けるべきかということは、使用する送信規格によって、予め定められている。
上記のような例において、例えば、携帯電話(800MHz帯及び2GHz帯)と無線LAN(2.4GHz帯及び5GHz帯)のRF信号を、本実施の形態にかかる送信装置100を用いて同時並行的に送信することを仮定する。ここで、携帯電話におけるRF信号の送信電力(1W程度)は、無線LANにおけるRF信号の送信電力(0.1W程度)よりも大きい。したがって、送信装置100は、携帯電話の周波数帯のRF信号を、高利得経路108を経由して送信し、無線LANの周波数帯のRF信号を、低利得経路109を経由して送信すればよい。さらに、上述したように、RF信号のキャリア周波数と送信電力との対応関係は、通信規格(携帯電話、無線LAN又はセンサーネットワーク)に応じて、予め定められている。したがって、各バンドのRF信号131−1〜131−Nを、それぞれ、高利得経路108及び低利得経路109のいずれに振り分けるかを固定しても、特に大きな問題は生じない。
実施の形態5において、通信に使用しないバンドのRF信号132については、変調器101において出力を停止するといった制御を行うことも可能である。このとき、通信に使用しないバンドによっては、高利得経路108又は低利得経路109にRF信号が入力されない場合もある。このような場合、RF信号が入力されない経路内に含まれる電力増幅器は、オフ状態にしてもよい。例えば、使用される通信規格がセンサーネットワークのみである場合、送信するRF信号の送信電力が小さいので、RF信号131は、低利得経路109のみに入力され、高利得経路108は使用されない。つまり、電力増幅器121をオフ状態にすることができる。このように、実施の形態5においても、通信に使用しないバンドの選択に応じて電力増幅器をオフ状態にする事で、省電力化が実現される。
また、実施の形態5においては、経路切替部104を省くことによって、経路切替部104が設けられている他の実施の形態と比較して、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。さらに、経路切替部104において生じるRF信号131の電力損失を低減することが可能となる。
さらに、実施の形態5においても、上記で説明した利点に加えて、上述した実施の形態と同様の利点が得られる。つまり、実施の形態5においては、(1)複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する場合における歪補償の問題が解消される。また、(2)送信電力レベルに応じてRF信号が振り分けられない経路の電力増幅器をオフ状態にすることによって、省電力化を図ることができる。さらに、(3)送信するバンドの数が増加してもドライバアンプ102及び電力増幅器121を増加させる必要がないので、装置のコスト及びサイズを抑制することができる。
(実施の形態6)
図13は、実施の形態6にかかる送信装置100の構成を示すブロック図である。実施の形態6においては、実施の形態5から、さらに、合成器106及び合成器107が省かれている。
高利得経路108及び低利得経路109を経由して送信するバンドの数がそれぞれ1つのみである場合は、その前に設けられる合成器106及び合成器107を省いてもよい。図13に示した例では、高利得経路108にバンド1のRF信号が振り分けられ、低利得経路109にバンド2のRF信号が振り分けられている。つまり、高利得経路108及び低利得経路109に、それぞれ1つのバンドのRF信号が割り当てられている。
なお、図13では、合成器106及び合成器107の両方が省略されているが、合成器106及び合成器107のどちらかのみを省略してもよい。つまり、高利得経路108を経由して送信するバンドの数が1つである場合は、その前に設けられる合成器106を省いてもよい。同様に、低利得経路109を経由して送信するバンドの数が1つである場合は、その前に設けられる合成器107を省いてもよい。
実施の形態6においては、合成器106及び合成器107を省くことによって、合成器106及び合成器107が設けられている他の実施の形態と比較して、装置の小型化及び低コスト化を実現できる。さらに、合成器106及び合成器107において生じるRF信号131の電力損失を低減することが可能となる。
さらに、実施の形態6においても、上記で説明した利点に加えて、上述した実施の形態と同様の利点が得られる。つまり、実施の形態6においては、(1)複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する場合における歪補償の問題が解消される。また、(2)送信電力レベルに応じてRF信号が振り分けられない経路の電力増幅器をオフ状態にすることによって、省電力化を図ることができる。さらに、(3)送信するバンドの数が増加してもドライバアンプ102及び電力増幅器121を増加させる必要がないので、装置のコスト及びサイズを抑制することができる。
(実施の形態7)
図14は、実施の形態7にかかる送信装置100の構成を示すブロック図である。実施の形態7においては、実施の形態1における変調器101が、各バンド1〜Nにそれぞれ対応する複数の変調器101−1〜101−Nを有するように構成されている。また、実施の形態1におけるドライバアンプ102が、各バンド1〜Nにそれぞれ対応するドライバアンプ102−1〜102−Nに置き換わっている。さらに、実施の形態1における歪補償器112が、歪補償器112−1,112−2に置き換わっている。実施の形態7の上記以外の構成については、実施の形態1と共通である。
ドライバアンプ102−i(i=1,・・・,N)は、変調器101−iから出力されたバンドiのRF信号132−iを増幅してRF信号131−iを得る。さらに、ドライバアンプ102−iは、RF信号131−iを、経路切替部104の経路切替スイッチ104−iに対して出力する。
実施の形態7においては、ドライバアンプ102の出力は、バンドごとに分離している。したがって、実施の形態1における分波器103を省略してもよい。分波器103を省略することによって、RF信号131−iの電力損失を低減することができる。また、分波器103を省略することによって、装置のコスト及びサイズを低減することができる。
実施の形態7においては、変調器101の出力から低利得経路109の出力までの経路上では、1つのドライバアンプに対し1つのバンドのRF信号が増幅される。このため、変調器101の出力から低利得経路109の出力までの経路上では、複数バンド間のRF信号の相互ミキシングは生じない。したがって、低利得経路109の出力に設けられた歪補償器112−2については、複数バンド間のRF信号の相互ミキシングが弱い場合に有効な、図4に示された内部構成の歪補償器を用いるのが望ましい。
一方、実施の形態7においては、変調器101の出力から高利得経路108の出力までの経路上では、1つの電力増幅器121によって複数バンドのRF信号が一括して増幅される。このため、変調器101の出力から高利得経路108の出力までの経路上では、複数バンド間のRF信号の相互ミキシングが生じ得る。したがって、高利得経路108の出力に設けられた歪補償器112−1については、複数バンド間のRF信号の相互ミキシングが無視できない場合に有効な、図3に示された内部構成の歪補償器を用いるのが望ましい。
さらに、実施の形態7においても、上記で説明した利点に加えて、上述した実施の形態と同様の利点が得られる。つまり、実施の形態7においては、(1)歪補償の問題が解消される。また、(2)使用されないドライバアンプをオフ状態にすることによって、省電力化を図ることができる。さらに、(3)送信するバンドの数が増加しても電力増幅器121を増加させる必要がないので、装置のコスト及びサイズを抑制することができる。
(実施の形態8)
図15は、実施の形態8にかかる送信装置100の構成を示すブロック図である。実施の形態8においては、実施の形態7から、経路切替部104を省略した構成となっている。実施の形態8に係る構成は、経路切替部104を省略したことを除いて、実施の形態7と共通である。
実施の形態8においては、実施の形態5と同様に、各バンドのRF信号131−1〜131−Nのそれぞれが高利得経路108及び低利得経路109のいずれに振り分けられるかは、予め定められている。したがって、実施の形態8に係る構成は、実施の形態5と同様に、どのバンドのRF信号を高利得経路108及び低利得経路109のいずれに振り分けるべきかということが予め定められている場合に、適用され得る。したがって、実施の形態8においても、実施の形態5と同様の利点が得られる。
さらに、実施の形態8においても、上記で説明した利点に加えて、上述した実施の形態と同様の利点が得られる。つまり、実施の形態8においては、(1)歪補償の問題が解消される。また、(2)使用されないドライバアンプをオフ状態にすることによって、省電力化を図ることができる。さらに、(3)送信するバンドの数が増加しても電力増幅器121を増加させる必要がないので、装置のコスト及びサイズを抑制することができる。
(まとめ)
上述したように、本実施の形態にかかる送信装置は、上記特許文献1〜特許文献9において開示されている送信装置に比べて、以下の改善効果がある。
特許文献1,2にかかる送信装置においては、複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で同時並行的に増幅する際、電力増幅器から出力される各バンドのRF信号間で電力差が大きい場合、電力の小さいRF信号のバンドにおいて、信号の歪補償が困難になるという問題があった。一方、本実施の形態にかかる送信装置は、高い電力で送信することが必要なRF信号を、高利得経路を経由して送信するようにし、低い電力で送信することが必要なRF信号を、低利得経路を経由して送信するように構成されている。これによって、電力差が大きい複数バンドのRF信号を単一の電力増幅器で増幅する事を避け、信号の歪補償の困難を解消している。すなわち、つまり、特許文献1,2にかかる送信装置と異なり、本実施の形態においては、電力差が大きい複数バンドのRF信号を一括して同時並行的に送信する装置において良好な歪補償が実現されるという改善効果がある。
また、特許文献3ないし特許文献8の送信装置の場合、送信するバンドの数が増大した場合、そのバンドの数に概ね比例した数のドライバアンプ及び電力増幅器を設ける必要があった。このことは、特に送信するバンドの数が多い場合において、必要なドライバアンプと電力増幅器の数が増えてしまうため、送信装置のコスト及びサイズを増大させるという問題を引き起こしていた。一方、本実施の形態においては、送信するバンドの数によらず、ドライバアンプ及び電力増幅器は1つで良いので、複数バンドを送信する送信装置を低コストかつ小サイズで実現することが可能になるという改善効果がある。
また、特許文献9の送信装置においては、電力効率を改善する手段及び歪補償の手段を備えていないという問題があった。一方、本実施の形態においては、使用しないドライバアンプ及び電力増幅器をオフ状態にして省電力化できる手段を備えている。つまり、特許文献9では実現できない省電力化が、本実施の形態では実現できるという改善効果がある。また、特許文献9では、送信信号の経路選択は周波数のみに応じて行われ、送信電力のレベルに応じた経路選択は実装されていない。一方、本実施の形態においては、送信電力のレベルに応じて高利得経路又は低利得経路を選択して送信することで、良好な歪補償を実現できる。したがって、本実施の形態においては、複数バンドのRF信号を同時並行的に送信する場合において、特許文献9の方式では実現できない良好な歪補償を実現できるという改善効果が得られる。
(変形例)
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。各実施の形態の構成は、他の実施の形態に互いに適用可能である。例えば、実施の形態2の構成は、実施の形態3においても適用可能である。
また、前述の各特許文献等に開示されている内容は、本発明に引用をもって繰り込むことも可能とする。本発明の全開示(特許請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施の形態の変更・調整が可能である。また、本発明の特許請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせあるいは選択も可能である。すなわち、本発明は、特許請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって、当業者であればなし得ることが可能な各種変形、修正を含むことは勿論である。
また、上述した実施の形態においては、高利得経路108に電力増幅器121を設けることによって、高利得経路108の利得を低利得経路109の利得よりも大きくし、これによって、高利得経路108と低利得経路109とから出力されるRF信号の平均電力レベルに差を設けた。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されない。例えば、高利得経路108に増幅器を設けずに低利得経路109に減衰器を設けることによって、高利得経路108の利得を低利得経路109の利得よりも大きくしてもよい。また、高利得経路108に増幅器を設け、さらに低利得経路109に減衰器を設けることによって、高利得経路108の利得を低利得経路109の利得よりも大きくしてもよい。このように、低利得経路109に減衰器を設けることによって、高利得経路108と低利得経路109とから出力されるRF信号の平均電力レベルに差を設けてもよい。
また、上述した実施の形態2においては、高利得経路108が複数設けられているとしたが、低利得経路109が複数設けられてもよい。つまり、送信装置100は、低利得経路109−1〜109−Nを有してもよい。これによって、合成器107を省略することが可能である。また、このとき、実施の形態3のように、複数の低利得経路109それぞれが電力増幅器を有してもよい。この場合、RF信号131−iについて、高い送信電力が必要な場合は、このRF信号131−iを高利得経路109に振り分け、低利得経路109−iに振り分けない。このとき、低利得経路109−iは使用されない。したがって、低利得経路109−iの電力増幅器はオフ状態であってもよい。よって、送信されるRF信号141−iの電力レベルに応じて電力増幅器をオフ状態にすることによって、省電力化を図ることが可能となる。
また、上述した実施の形態7及び実施の形態8においては、変調器101及びドライバアンプ102が、RF信号の各バンド1〜Nにそれぞれ対応して複数設けられているとした。しかしながら、本発明は、このような構成に限られない。例えば、バンド1〜Nのうち、バンド1〜M(M<N)については、これらのバンド数(M個)の変調器101及びドライバアンプ102によってバンドごとに処理し、残りのバンドM+1〜Nについては、実施の形態1等のように、それぞれ1つの変調器101及びドライバアンプ102によって一括して処理してもよい。
言い換えると、上述した実施の形態1〜6においては、変調器101及びドライバアンプ102が、それぞれ1つであるとした。しかしながら、本発明は、このような構成に限られない。例えば、バンド1〜Nのうち、バンド1〜M(M<N)については、実施の形態7等のように、これらのバンド数(M個)の変調器101及びドライバアンプ102によってバンドごとに処理し、残りのバンドM+1〜Nについては、それぞれ1つの変調器101及びドライバアンプ102によって一括して処理してもよい。
また、上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、無線通信装置内の各回路の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
さらに、上記実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数の周波数帯の無線信号を増幅する第1の増幅器と、
前記第1の増幅器から出力された無線信号が入力される第1の経路と、
前記第1の増幅器から出力された無線信号が入力され、前記第1の経路の利得よりも低い利得を有する第2の経路と、
前記第1の経路又は前記第2の経路を経由した前記無線信号を送信する送信手段と
を有し、
前記複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値以上に必要となる高出力周波数帯の無線信号が、対応する周波数帯ごとに、前記第1の経路に入力され、
前記複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値よりも小さい低出力周波数帯の無線信号が、対応する周波数帯ごとに、前記第2の経路に入力される
送信装置。
(付記2)
前記第1の増幅器の数は、前記複数の周波数帯の数よりも少なく、
前記第1の増幅器の少なくとも1つは、複数の周波数帯の無線信号を一括して増幅する
付記1に記載の送信装置。
(付記3)
前記第1の増幅器から出力された前記無線信号を、複数の周波数帯ごとに分離する分波器
をさらに有し、
前記分波器から出力された複数の周波数帯の前記無線信号それぞれは、送信電力に応じて、対応する周波数帯ごとに、前記第1の経路又は前記第2の経路に入力される
付記2に記載の送信装置。
(付記4)
前記分波器から出力された前記無線信号を、対応する周波数帯ごとに、前記第1の経路又は前記第2の経路に振り分ける経路切替手段
をさらに有する付記3に記載の送信装置。
(付記5)
前記送信手段は、前記第1の経路を経由した前記複数の周波数帯のうちの一部の前記無線信号を一括して送信し、前記第2の経路を経由した前記複数の周波数帯のうちの一部の前記無線信号を一括して送信する
付記1から4のいずれか1項に記載の送信装置。
(付記6)
前記第1の経路は、前記第1の経路に入力された無線信号を増幅する第2の増幅器を有する
付記1から5のいずれか1項に記載の送信装置。
(付記7)
前記第1の経路に前記無線信号が入力されない場合、前記第2の増幅器はオフ状態となる
付記6に記載の送信装置。
(付記8)
前記第2の増幅器は、可変利得機能を有する
付記6又は7に記載の送信装置。
(付記9)
前記複数の周波数帯の無線信号を発生させる変調器と、
前記第1の経路及び前記第2の経路の少なくとも一方において検出された前記無線信号に関する情報に基づいて、前記第1の経路及び前記第2の経路の少なくとも一方から出力される前記無線信号の信号歪を補償するように、前記変調器から出力される前記無線信号を補正する歪補償器と
をさらに有する付記1から8のいずれか1項に記載の送信装置。
(付記10)
前記第1の経路は、複数の周波数帯の数に対応して複数設けられ、
前記第1の増幅器から出力される異なる周波数帯の前記無線信号それぞれは、異なる複数の前記第1の経路にそれぞれ入力される
付記1から9のいずれかに記載の送信装置。
(付記11)
前記複数の第1の経路それぞれは、前記第1の経路に入力された無線信号を増幅する第2の増幅器を有し、
前記複数の第1の経路のうち前記無線信号が入力されない前記第1の経路の前記第2の増幅器は、オフ状態となる
付記10に記載の送信装置。
(付記12)
前記第1の経路は、前記第1の経路に入力された無線信号を増幅する第2の増幅器を有し、
前記第2の経路は、前記第2の経路に入力された無線信号を増幅し前記第2の増幅器よりも利得が低い第3の増幅器を有する
付記1から11のいずれか1項に記載の送信装置。
(付記13)
前記第2の経路に前記無線信号が入力されない場合、前記第3の増幅器はオフ状態となる
付記12に記載の送信装置。
(付記14)
前記第2の経路は、複数の周波数帯の数に対応して複数設けられ、
前記第1の増幅器から出力される異なる周波数帯の前記無線信号それぞれは、異なる複数の前記第2の経路にそれぞれ入力される
付記1から13のいずれか1項に記載の送信装置。
(付記15)
前記複数の第2の経路それぞれは、前記第2の経路に入力された無線信号を増幅する第3の増幅器を有し、
前記複数の第2の経路のうち前記無線信号が入力されない前記第2の経路の前記第3の増幅器は、オフ状態となる
付記14に記載の送信装置。
(付記16)
第1の増幅器によって、複数の周波数帯の無線信号を増幅するステップと、
前記第1の増幅器から出力され、送信電力が予め定められた値以上に必要となる高出力周波数帯の無線信号を、対応する周波数帯ごとに第1の経路に入力するステップと、
前記第1の増幅器から出力され、送信電力が予め定められた値よりも小さい低出力周波数帯の無線信号を、対応する周波数帯ごとに第2の経路に入力するステップと、
前記第1の経路又は前記第2の経路を経由した前記無線信号を送信するステップと
を有する送信方法。
1 送信装置
2 第1の増幅器
3 第1の経路
4 第2の経路
5 送信部
100 送信装置
101 変調器
102 ドライバアンプ
103 分波器
104 経路切替部
106,107 合成器
108 高利得経路
109 低利得経路
110,111 送信アンテナ
112 歪補償器
113 経路選択部
121,124 電力増幅器
122,123 RF信号検出部
220 歪補償制御信号生成部

Claims (10)

  1. 複数の周波数帯の無線信号を増幅する第1の増幅器と、
    前記第1の増幅器から出力された無線信号が入力される第1の経路と、
    前記第1の増幅器から出力された無線信号が入力され、前記第1の経路の利得よりも低い利得を有する第2の経路と、
    前記第1の経路又は前記第2の経路を経由した前記無線信号を送信する送信手段と
    を有し、
    前記複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値以上に必要となる高出力周波数帯の無線信号が、対応する周波数帯ごとに、前記第1の経路に入力され、
    前記複数の周波数帯のうち、送信電力が予め定められた値よりも小さい低出力周波数帯の無線信号が、対応する周波数帯ごとに、前記第2の経路に入力される
    送信装置。
  2. 前記第1の増幅器の数は、前記複数の周波数帯の数よりも少なく、
    前記第1の増幅器の少なくとも1つは、複数の周波数帯の無線信号を一括して増幅する
    請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記第1の増幅器から出力された前記無線信号を、複数の周波数帯ごとに分離する分波器
    をさらに有し、
    前記分波器から出力された複数の周波数帯の前記無線信号それぞれは、送信電力に応じて、対応する周波数帯ごとに、前記第1の経路又は前記第2の経路に入力される
    請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記分波器から出力された前記無線信号を、対応する周波数帯ごとに、前記第1の経路又は前記第2の経路に振り分ける経路切替手段
    をさらに有する請求項3に記載の送信装置。
  5. 前記送信手段は、前記第1の経路を経由した前記複数の周波数帯のうちの一部の前記無線信号を一括して送信し、前記第2の経路を経由した前記複数の周波数帯のうちの一部の前記無線信号を一括して送信する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の送信装置。
  6. 前記第1の経路は、前記第1の経路に入力された無線信号を増幅する第2の増幅器を有する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の送信装置。
  7. 前記第1の経路に前記無線信号が入力されない場合、前記第2の増幅器はオフ状態となる
    請求項6に記載の送信装置。
  8. 前記第2の増幅器は、可変利得機能を有する
    請求項6又は7に記載の送信装置。
  9. 前記複数の周波数帯の無線信号を発生させる変調器と、
    前記第1の経路及び前記第2の経路の少なくとも一方において検出された前記無線信号に関する情報に基づいて、前記第1の経路及び前記第2の経路の少なくとも一方から出力される前記無線信号の信号歪を補償するように、前記変調器から出力される前記無線信号を補正する歪補償器と
    をさらに有する請求項1から8のいずれか1項に記載の送信装置。
  10. 第1の増幅器によって、複数の周波数帯の無線信号を増幅するステップと、
    前記第1の増幅器から出力され、送信電力が予め定められた値以上に必要となる高出力周波数帯の無線信号を、対応する周波数帯ごとに第1の経路に入力するステップと、
    前記第1の増幅器から出力され、送信電力が予め定められた値よりも小さい低出力周波数帯の無線信号を、対応する周波数帯ごとに第2の経路に入力するステップと、
    前記第1の経路又は前記第2の経路を経由した前記無線信号を送信するステップと
    を有する送信方法。
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