JP2015065292A - 半導体装置および電力増幅器 - Google Patents

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Isao Obe
功 大部
恒和 西明
Tsunekazu Saimei
恒和 西明
一也 小林
Kazuya Kobayashi
一也 小林
雅博 柴田
Masahiro Shibata
雅博 柴田
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Abstract

【課題】エミッタ層の無秩序化を抑制するとともに、エミッタ層の秩序化に伴う自然分極を緩和させることができる半導体装置と電力増幅器とを提供する。【解決手段】バイポーラトランジスタBTを備えた半導体装置では、p型ベース層4は、p型GaAsSbベース層4aとp型GaAsベース層4bとから形成されている。そのp型GaAsベース層4bに接するように、n型InGaPエミッタ層5が形成されている。n型InGaPエミッタ層5は、秩序化されているとともに、圧縮歪(0.78%)を有している。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置および電力増幅器に関し、特に、ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置と、そのような半導体装置を適用した電力増幅器とに関するものである。
近年、携帯端末機等のパワーアンプモジュールを構成するトランジスタとして、ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタが適用されている。この種のバイポーラトランジスタは、HBT(Hetero junction Bipolar Transistor)と称されている。
ここで、そのようなバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の一例として、特許文献1に挙げられている半導体装置について説明する。図26に示すように、バイポーラトランジスタでは、半絶縁性GaAs基板101に接するようにn型GaAsサブコレクタ層102が形成され、そのn型GaAsサブコレクタ層102に接するように、n型GaAsコレクタ層103が形成されている。n型GaAsコレクタ層103に接するように、p型GaAsベース層104が形成され、そのp型GaAsベース層104に接するように、n型InGaPエミッタ層105が形成されている。
n型InGaPエミッタ層105に接するようにn型GaAs層106が形成され、そのn型GaAs層106に接するように、n型AlGaAsバラスト抵抗層107が形成されている。n型AlGaAsバラスト抵抗層107に接するようにn型GaAsコンタクト層108が形成され、そのn型GaAsコンタクト層108に接するようにn型InGaAsコンタクト層109が形成されている。n型InGaAsコンタクト層109に接するように、エミッタ電極113が形成されている。
エミッタ電極113にはエミッタ配線116の一端が電気的に接続され、そのエミッタ配線116の他端は、金属パッド117に電気的に接続されている。金属パッド117は、半絶縁性GaAs基板101の表面に形成されている。ベース層104に接するようにベース電極112が形成され、サブコレクタ層102に接するようにコレクタ電極111が形成されている。コレクタ電極111には、コレクタ配線114が電気的に接続されている。背景技術の一例に係る半導体装置は、上記のように構成される。
このようなp型GaAsベース層104を有するヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の他に、たとえば、特許文献2では、ベース層として、p型GaAs層にアンチモン(Sb)を添加したp型GaAsSbベース層を有するヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置も提案されている。
特開2011−155281号公報 国際公開WO03/009339号
上述した各ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置では、エミッタ層からベース層への電子注入に対するエネルギー障壁を小さくして動作電圧を低くするために、n型InGaPエミッタ層105では、In−PとGa−Pとが交互に隣接して配列された秩序化(Ordered)された層であることが求められる。
ところが、p型GaAsSbベース層では、p型GaAsSbベース層の上に形成されるn型InGaPエミッタ層が無秩序化してしまうという問題があった。一方、秩序化されたn型InGaPエミッタ層では、秩序化されていることに起因して自発分極を起こしてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、一つの目的は、エミッタ層の無秩序化を抑制するとともに、エミッタ層の秩序化に伴う自然分極を緩和させることができる半導体装置を提供することであり、他の目的は、そのような半導体装置を適用した電力増幅器を提供することである。
本発明に係る半導体装置は、ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置である。バイポーラトランジスタは、コレクタ層とベース層とエミッタ層とを有している。ベース層は、コレクタ層上に形成されている。エミッタ層は、ベース層上に形成されている。ベース層は、第1ベース層と第2ベース層とを備えている。第1ベース層は、構成元素としてアンチモン(Sb)を含有する。第2ベース層は、第1ベース層上に形成され、構成元素としてガリウム(Ga)およびヒ素(As)を含有し、アンチモン(Sb)を含有しない。エミッタ層は、第2ベース層上に形成されており、構成元素としてインジウム(In)、ガリウム(Ga)およびリン(P)を少なくとも含有し、秩序化されているとともに圧縮歪を有する。
本発明に係る半導体装置によれば、アンチモン(Sb)を含有しない第2ベース層上にエミッタ層が形成されることで、エミッタ層の無秩序化を抑制することができる。さらに、そのエミッタ層が圧縮歪を有していることで、エミッタ層の秩序化に伴う自然分極を緩和させることができる。
エミッタ層は、具体的には、インジウム・ガリウム・リン(InGaP)層から形成されていることが好ましい。
インジウム・ガリウム・リン(InGaP)層におけるインジウム・リン(InP)のモル比は0.48よりも大きく設定されていることが好ましい。
これにより、エミッタ層は圧縮歪を有することができる。
モル比は0.51以上であることがより好ましい。
これにより、エミッタ層は圧縮歪を確実に有することができる。
エミッタ層に接するように、エミッタ層の上に形成されたアルミニウム・ガリウム・ヒ素(AlGa1−xAs(0≦x≦1))層を備えていることが好ましい。
これにより、バイポーラトランジスタが熱暴走により破壊されてしまうのを抑制することができる。
バイポーラトランジスタを複数備え、その複数のバイポーラトランジスタは電気的に並列に接続されていることが好ましい。
これにより、半導体装置として大電力を扱うことができる。
本発明に係る電力増幅器は、上述した半導体装置を実装した電力増幅器である。
本発明に係る電力増幅器によれば、大電力に対応することができる。
本発明の実施の形態1に係る、バイポーラトランジスタを備えた半導体装置の平面図である。 同実施の形態において、図1に示す断面線II−IIにおける断面図である。 同実施の形態において、秩序化されたInGaPエミッタ層を説明するための図であり、図3(A)は、単位結晶格子を模式的に示す斜視図であり、図3(B)は、成長方向に対して直交する方向から見た結晶構造を模式的に示す図である。 第1比較例に係る、バイポーラトランジスタを備えた半導体装置の断面図である。 第2比較例に係る、バイポーラトランジスタを備えた半導体装置の断面図である。 同実施の形態において、秩序化されたInGaPエミッタ層の自然分極を緩和させるメカニズムを説明するための図である。 同実施の形態において、臨界膜厚と圧縮歪との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態2に係る、バイポーラトランジスタを備えた半導体装置の平面図である。 同実施の形態において、図8に示す断面線IX−IXにおける断面図である。 本発明の実施の形態3に係る、バイポーラトランジスタを備えた半導体装置の平面図である。 同実施の形態において、図10に示す断面線XI−XIにおける断面図である。 本発明の実施の形態4に係る、複数のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置におけるバイポーラトランジスタの接続態様を示す回路図である。 同実施の形態において、複数のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の平面図である。 同実施の形態において、図13に示す断面線XIV−XIVにおける断面図である。 本発明の実施の形態5に係る、複数のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の製造方法の一工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図15に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図16に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図17に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図18に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図19に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図20に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図21に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 同実施の形態において、図22に示す工程の後に行われる工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態6に係る、複数のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置が適用された電力増幅器の構成を示すブロック図である。 同実施の形態において、電力増幅器に搭載された半導体装置とその周辺部分とを模式的に示す部分断面である。 背景技術に係る、バイポーラトランジスタを備えた半導体装置を示す断面図である。
実施の形態1
ここでは、ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の第1例について説明する。
図1および図2に示すように、バイポーラトランジスタBTを備えた半導体装置では、半絶縁性GaAs基板1の表面に接するようにn型GaAsサブコレクタ層2(Si濃度:5×1018cm-3、膜厚:0.6μm)が形成されている。n型GaAsサブコレクタ層2に接するように、n型GaAsコレクタ層3(Si濃度:1×1016cm-3、膜厚:1.0μm)が形成されている。
n型GaAsコレクタ層3に接するように、p型ベース層4が形成されている。p型ベース層4は、p型GaAsSbベース層4a(GaSbモル比:0.1、C濃度:4×1019cm-3、膜厚:100nm)とp型GaAsベース層4b(C濃度:4×1019cm-3、膜厚:50nm)とからなり、p型GaAsSbベース層4aがn型GaAsコレクタ層3に接する。
p型ベース層4(p型GaAsベース層4b)に接するように、n型InGaPエミッタ層5(InPモル比:0.59、Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:30nm)が形成されている。n型InGaPエミッタ層5は、秩序化されているとともに、圧縮歪(0.78%)を有している。なお、秩序化については後述する。そのn型InGaPエミッタ層5に接するように、n型GaAs層6(Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:90nm)が形成されている。
n型GaAs層6に接するように、n型AlGaAsバラスト抵抗層7(AlAsモル比:0.33、Si濃度:1×1017cm-3、膜厚:120nm)が形成されている。n型AlGaAsバラスト抵抗層7により、バイポーラトランジスタの熱暴走による破壊が抑制される。そのn型AlGaAsバラスト抵抗層7に接するように、n型GaAsコンタクト層8(Si濃度:1×1019cm-3、膜厚:50nm)が形成されている。n型GaAsコンタクト層8に接するように、n型InGaAsコンタクト層9(InAsモル比:0.5、Si濃度:1×1016cm-3、膜厚:50nm)が形成されている。エミッタサイズは、3μm×20μmであり、矩形のエミッタとされる。
n型InGaAsコンタクト層9に接するように、エミッタ電極13が形成されている。n型GaAsサブコレクタ層2に接するように、コレクタ電極11が形成されている。p型ベース層4に接するようにベース電極12が形成されている。コレクタ電極11は、AuGe膜(膜厚:60nm)/Ni膜(膜厚:10nm)/Au膜(膜厚:200nm)を積層することによって形成されている。ベース電極12は、Ti膜(膜厚:50nm)/Pt膜(膜厚:50nm)/Au膜(膜厚:200nm)を積層することによって形成されている。エミッタ電極13は、WSi膜(Siモル比:0.3、膜厚:0.3μm)によって形成されている。
半絶縁性GaAs基板1の周辺部には、バイポーラトランジスタBTの外部との電気的な接続を行うための金属パッド17、18、19が形成されている。コレクタ電極11と金属パッド19とが、コレクタ配線14によって電気的に接続されている。ベース電極12と金属パッド18とが、ベース配線15によって電気的に接続されている。エミッタ電極13と金属パッド17とが、エミッタ配線16によって電気的に接続されている。
上述したバイポーラトランジスタBTを備えた半導体装置では、p型GaAsSbベース層4aとn型InGaPエミッタ層5との間に、p型GaAsベース層4bが形成されていることで、n型InGaPエミッタ層5が無秩序化するのを抑制することができる。さらに、圧縮歪を有するn型InGaPエミッタ層5が形成されていることで、エミッタ層の秩序化に伴う自然分極を緩和させることができる。
このことについて、比較例に係る半導体装置との関係で説明する。まず、秩序化について説明する。一般に、バイポーラトランジスタを備えた半導体装置では、エミッタからベースへの電子の注入に対するエネルギー障壁を小さくするために、エミッタ層は秩序化された層であることが求められる。エミッタ層が、III−V族混晶半導体としてn型InGaP層から形成されている場合において、その単位結晶格子の模式図を図3(A)に示す。単位結晶格子では、通常、III族元素のガリウム(Ga)とインジウム(In)が、同族元素のみからなる結晶格子に無秩序で配置されている。
ところが、成長条件により、その結晶格子において、ガリウム(Ga)とインジウム(In)が、秩序配列(秩序化)されることが知られている。秩序化された単位結晶格子において、点線枠を含む平面の法線方向(成長方向に直交する方向)から見た結晶構造の模式図を図3(B)に示す。図3(B)に示すように、秩序化されたInGaPの結晶構造では、インジウム(In)とリン(P)の結合(配列)と、ガリウム(Ga)とリン(P)の結合(配列)とが、隣接して存在することになる。
次に、第1比較例に係る半導体装置について、図4を用いて説明する。図4に示す半導体装置は、図26に示す半導体装置に対応するものである。このため、図26に示す半導体装置と同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
図4に示される半導体装置(バイポーラトランジスタ)において、n型InGaPエミッタ層105が秩序化されている場合、原子の配列が秩序化されていることに起因して、自然分極が発生することになる。すなわち、n型InGaPエミッタ層105とp型GaAsベース層104との界面付近では、プラス電荷が発生する。一方、n型InGaPエミッタ層105とn型GaAs層106との界面付近では、マイナス電荷が発生する。
特に、n型InGaPエミッタ層105とn型GaAs層106との界面付近に発生するマイナス電荷によって、この界面付近では、キャリアが減少したり空乏化が生じ、エミッタ抵抗が設計値よりも高くなることがある。エミッタ抵抗が所望の抵抗値よりも高くなると、たとえば、バイポーラトランジスタを適用した携帯端末機等では、パワーアンプの電力負荷率や、DC電源から高周波電源への変換効率が下がってしまうという問題が生じる。
次に、第2比較例に係る半導体装置について、図5を用いて説明する。低消費電力化の一環で、バイポーラトランジスタの動作電圧を下げるために、たとえば、特許文献2では、図5に示すように、ベース層にアンチモン(Sb)を添加したp型GaAsSbベース層204が形成された半導体装置が提案されている。なお、図4に示す第1比較例に係る半導体装置と同一部材には同一符号を付し、必要である場合除き、その説明を繰り返さないこととする。
第1比較例において説明したように、ベース層の上に形成されるエミッタ層は秩序化されていることが求められる。ところが、アンチモン(Sb)が添加されたp型GaAsSbベース層204の上にn型InGaPエミッタ層を形成させようとすると、p型GaAsSbベース層204との界面付近では、無秩序化したn型InGaPエミッタ層105aが形成されてしまい、伝導帯端のエネルギーレベルが増加する。伝導帯端のエネルギーレベルの増加は、電子に対するエネルギー障壁として作用するため、バイポーラトランジスタの動作電圧が高くなってしまう。
このように、エミッタからベースへの電子の注入に対するエネルギー障壁を小さくするためには、n型InGaPエミッタ層105を秩序化させる必要があるところ、動作電圧を下げるために、アンチモン(Sb)を添加したp型GaAsSbベース層204では、無秩序化したn型InGaPエミッタ層105aが形成されてしまうという問題がある。さらに、秩序化されたn型InGaPエミッタ層105では、自然分極が生じてエミッタ抵抗が高くなってしまうという問題がある。
第1比較例および第2比較例に対して、実施の形態1に係る半導体装置では、まず、ベース層として、アンチモン(Sb)が添加されたp型GaAsSbベース層4aと、アンチモン(Sb)が添加されていないp型GaAsベース層4bとの二層構造のp型ベース層4が形成されている。n型InGaPエミッタ層5は、アンチモン(Sb)が添加されていないp型GaAsベース層4bの表面に形成されている。
アンチモン(Sb)が添加されていないp型GaAsベース層4bの表面にn型InGaPエミッタ層5が形成されることで、アンチモン(Sb)に接することに起因する、n型InGaPエミッタ層5の無秩序化を阻止することができる。これにより、エミッタからベースへの電子の注入に対するエネルギー障壁を小さくすることを維持することができ、バイポーラトランジスタの動作電圧が高くなるのを防止することができる。
さらに、n型InGaPエミッタ層5は、n型InGaPエミッタ層5におけるInPのモル比が、たとえば、0.59になるように形成されることで、約0.78%の圧縮歪を有することになる。なお、n型InGaPエミッタ層5が圧縮歪を有することで、n型InGaPエミッタ層5の格子定数は、p型GaAsベース層4bの格子定数よりも大きくなる。
n型InGaPエミッタ層5が圧縮歪を有することで、n型InGaPエミッタ層5には分極が発生する。圧縮歪に伴う分極のプラス電荷およびマイナス電荷の分布は、秩序化に伴う自然分極のプラス電荷およびマイナス電荷の分布とは反対である。すなわち、n型InGaPエミッタ層5とp型ベース層4(p型GaAsベース層4b)との界面付近では、マイナス電荷が発生する。一方、n型InGaPエミッタ層5とn型GaAs層6との界面付近では、プラス電荷が発生する。
これにより、図6に示すように、秩序化に伴う自然分極のプラス電荷およびマイナス電荷が、圧縮歪に伴う分極のプラス電荷およびマイナス電荷によって相殺されるか、弱められることになる。その結果、n型InGaPエミッタ層5の上方に位置するn型GaAs層6等におけるキャリアの減少や空乏化を防止することができる。
こうして、実施の形態1に係る半導体装置では、n型InGaPエミッタ層5の無秩序化を抑制するとともに、n型InGaPエミッタ層5の秩序化に伴う自然分極を緩和させることができる。
なお、圧縮歪を有するn型InGaPエミッタ層5では、膜厚が厚くなると、ミスフィット転位が発生してしまうことがある。このため、臨界膜厚よりも薄くなるように、n型InGaPエミッタ層5を形成する必要がある。臨界膜厚dは、圧縮歪をε(%)とすると、d=49.9ε-1.18を満たす膜厚であることが、発明者らの評価によって求められている。その臨界膜厚d(nm)と圧縮歪との関係(グラフ)を図7に示す。n型InGaPエミッタ層5にミスフィット転位を発生させないようにするには、n型InGaPエミッタ層5の膜厚として、圧縮歪(%)に対してグラフよりも下方の領域の膜厚に設定する必要がある。
実施の形態2
ここでは、ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の第2例として、第1例に係る半導体装置におけるn型GaAs層6を省いた構造の半導体装置について説明する。
図8および図9に示すように、バイポーラトランジスタBTを備えた半導体装置では、p型ベース層4に接するように、n型InGaPエミッタ層5(InPモル比:0.59、Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:30nm)が形成されている。そのn型InGaP層5に接するように、n型AlGaAsバラスト抵抗層7(AlAsモル比:0.33、Si濃度:1×1017cm-3、膜厚:120nm)が形成されている。
n型AlGaAsバラスト抵抗層7に接するように、n型GaAsコンタクト層8(Si濃度:1×1019cm-3、膜厚:50nm)が形成されている。なお、これ以外の構成については、図1および図2に示す半導体装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
上述した半導体装置では、p型ベース層4は、p型GaAsSbベース層4a(GaSbモル比:0.1、C濃度:4×1019cm-3、膜厚:100nm)とp型GaAsベース層4b(C濃度:4×1019cm-3、膜厚:50nm)とからなり、n型InGaPエミッタ層5は、p型GaAsベース層4bに接するように形成されている。
これにより、実施の形態1において説明したように、n型InGaPエミッタ層5を形成する際に、秩序化されたn型InGaPエミッタ層5を形成することができ、エミッタからベースへの電子の注入に対するエネルギー障壁を小さくすることを維持することができ、バイポーラトランジスタの動作電圧が高くなるのを防止することができる。
また、n型InGaPエミッタ層5が、圧縮歪(0.78%)を有することで、秩序化に伴う自然分極のプラス電荷およびマイナス電荷が、圧縮歪に伴う分極のプラス電荷およびマイナス電荷によって相殺されるか、弱められることになる。その結果、n型InGaPエミッタ層5の上方に位置するn型AlGaAsバラスト抵抗層7におけるキャリアの減少や空乏化を防止してエミッタ抵抗の増大を抑制することができる。
実施の形態3
ここでは、ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の第3例として、第1例に係る半導体装置におけるn型AlGaAsバラスト抵抗層7を省いた構造の半導体装置について説明する。
図10および図11に示すように、バイポーラトランジスタBTを備えた半導体装置では、p型ベース層4に接するように、n型InGaPエミッタ層5(InPモル比:0.59、Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:30nm)が形成されている。そのn型InGaP層5に接するように、n型GaAs層6(Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:90nm)が形成されている。
n型GaAs層6に接するように、n型GaAsコンタクト層8(Si濃度:1×1019cm-3、膜厚:50nm)が形成されている。なお、これ以外の構成については、図1および図2に示す半導体装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除き、その説明を繰り返さないこととする。
上述した半導体装置では、p型ベース層4は、p型GaAsSbベース層4a(GaSbモル比:0.1、C濃度:4×1019cm-3、膜厚:100nm)とp型GaAsベース層4b(C濃度:4×1019cm-3、膜厚:50nm)とからなり、n型InGaPエミッタ層5は、p型GaAsベース層4bに接するように形成されている。
これにより、実施の形態1において説明したように、n型InGaPエミッタ層5を形成する際に、秩序化されたn型InGaPエミッタ層5を形成することができ、エミッタからベースへの電子の注入に対するエネルギー障壁を小さくすることを維持することができ、バイポーラトランジスタの動作電圧が高くなるのを防止することができる。
また、n型InGaPエミッタ層5が、圧縮歪(0.78%)を有することで、秩序化に伴う自然分極のプラス電荷およびマイナス電荷が、圧縮歪に伴う分極のプラス電荷およびマイナス電荷によって相殺されるか、弱められることになる。その結果、n型InGaPエミッタ層5の上方に位置するn型GaAs層6におけるキャリアの減少や空乏化を防止してエミッタ抵抗の増大を抑制することができる。
実施の形態4
ここでは、ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の第4例として、第1例に係る半導体装置を複数備えた半導体装置について説明する。
比較的大きな電力が扱われる、携帯端末機のパワーアンプでは、並列接続された複数のバイポーラトランジスタによってパワーアンプが構成される。この場合、図12に示すように、複数のバイポーラトランジスタBTでは、それぞれのベース、エミッタおよびコレクタが互いに電気的に接続される態様で並列接続される。
次に、第1例に係る半導体装置のバイポーラトランジスタを単位バイポーラトランジスタとして、このバイポーラトランジスタを複数備えた半導体装置について具体的に説明する。
図13および図14に示すように、複数のバイポーラトランジスタBTのそれぞれでは、p型ベース層4に接するように、秩序化されたn型InGaPエミッタ層5(InPモル比:0.59、Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:30nm)が形成されている。そのn型InGaP層5に接するように、n型GaAs層6(Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:90nm)が形成されている。
n型GaAs層6に接するように、n型AlGaAsバラスト抵抗層7(AlAsモル比:0.33、Si濃度:1×1017cm-3、膜厚:120nm)が形成されている。n型AlGaAsバラスト抵抗層7に接するように、n型GaAsコンタクト層8(Si濃度:1×1019cm-3、膜厚:50nm)が形成されている。半絶縁性GaAs基板1の周辺部には、金属パッド17、18、19が形成されている。
複数のバイポーラトランジスタBTのそれぞれのコレクタ電極11が、コレクタ配線14によって金属パッド19に電気的に接続されている。複数のバイポーラトランジスタBTのそれぞれのベース電極12が、ベース配線15によって金属パッド18に電気的に接続されている。複数のバイポーラトランジスタBTのそれぞれのエミッタ電極13が、エミッタ配線16によって金属パッド17に電気的に接続されている。なお、これ以外の構成については、図1および図2に示す半導体装置と同様なので、同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
上述した、複数のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置では、複数のバイポーラトランジスタBTが並列に接続されていることで、半導体装置として大電力を扱うことができる。
そのバイポーラトランジスタBTのそれぞれでは、実施の形態1において説明したように、n型InGaPエミッタ層5は、p型GaAsベース層4bに接するように形成されていることで、n型InGaPエミッタ層5を形成する際に、秩序化されたn型InGaPエミッタ層5を形成することができる。これにより、エミッタからベースへの電子の注入に対するエネルギー障壁を小さくすることを維持することができ、バイポーラトランジスタの動作電圧が高くなるのを防止することができる。
また、n型InGaPエミッタ層5が、圧縮歪(0.78%)を有することで、秩序化に伴う自然分極のプラス電荷およびマイナス電荷を、圧縮歪に伴う分極のプラス電荷およびマイナス電荷によって相殺させるか、弱めることによって、n型GaAs層6等におけるキャリアの減少や空乏化を防止して、エミッタ抵抗の増大を抑制することができる。
なお、上述した半導体装置における複数のバイポーラトランジスタBTのそれぞれとして、実施の形態1において説明した半導体装置のバイポーラトランジスタBTを例に挙げて説明したが、実施の形態2または実施の形態3において説明した半導体装置のバイポーラトランジスタBTを適用しても、同様の効果を得ることができる。
実施の形態5
ここでは、実施の形態4において説明した半導体装置の製造方法の一例について説明する。
まず、半絶縁性GaAs基板の表面上に、サブコレクタ層、コレクタ層、ベース層、エミッタ層およびコンタクト層等となる所定の層が、それぞれ有機金属気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法等のエピタキシャル成長法によって形成される。
図15に示すように、半絶縁性GaAs基板1の上に、サブコレクタ層となるn型GaAs層2a(Si濃度:5×1018cm-3、膜厚:0.6μm)が形成される。n型GaAs層2aに接するように、コレクタ層となるn型GaAs層3a(Si濃度:1×1016cm-3、膜厚:1.0μm)が形成される。n型GaAs層3aに接するように、ベース層となる、p型GaAsSb層4aa(GaSbモル比:0.1、C濃度:4×1019cm-3、膜厚:100nm)とp型GaAs層4bb(C濃度:4×1019cm-3、膜厚:50nm)が形成される。
次に、p型GaAs層4bbに接するように、エミッタ層となるn型InGaP層5a(Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:30nm)が形成される。ここで、InPモル比が0.59になるようにn型InGaP層5aを形成することで、n型InGaP層5aは約0.78%の圧縮歪を有することになる。また、アンチモン(Sb)を含有しないp型GaAs層4bbの表面にn型InGaP層5aを形成することで、n型InGaP層5aを秩序化することができる。
そのn型InGaP層5aに接するように、n型GaAs層6a(Si濃度:3×1017cm-3、膜厚:90nm)が形成される。n型GaAs層6aに接するように、バラスト抵抗層となるn型AlGaAs層7a(AlAsモル比:0.33、Si濃度:1×1017cm-3、膜厚:120nm)が形成される。n型AlGaAs層7aに接するように、コンタクト層の一部となるn型GaAs層8a(Si濃度:1×1019cm-3、膜厚:50nm)が形成される。n型GaAs層8aに接するように、コンタクト層の他の一部となるn型InGaAs層9a(InAsモル比:0.5、Si濃度:1×1019cm-3、膜厚:50nm)が形成される。
次に、図16に示すように、高周波スパッタ法を用いてタングステンシリサイド(WSi)膜(Siモル比:0.3、膜厚:0.3μm)13aが、n型InGaAs層9a上の全面に堆積される。次に、所定のフォトリソグラフィー処理と、CF4を含むガスを用いたドライエッチング処理を施すことにより、図17に示すように、複数のバイポーラトランジスタのそれぞれのエミッタ電極13が形成される。
次に、所定のフォトリソグラフィー処理と、ウェットエッチング処理を施すことにより、図18に示すように、エミッタとなる、n型InGaAsコンタクト層9、n型GaAsコンタクト層8、n型AlGaAsバラスト抵抗層7およびn型GaAs層6が所望の形状にパターニングされる。ここで、ウェットエッチング液として、たとえば、リン酸、過酸化水素水および水を混合させた薬液が用いられ、その組成比は、たとえば、リン酸:過酸化水素水:水=1:2:40に設定される。
次に、図19に示すように、蒸着法およびリフトオフ法により、p型GaAs層4bbに接してn型InGaP層5aを貫通するように、ベース電極12が形成される。ベース電極12は、Ti(膜厚:50nm)/Pt(膜厚:50nm)/Au(膜厚:200nm)の積層構造からなる。
次に、所定のホトリソグラフィー処理と、ウェットエッチング処理を施すことにより、図20に示すように、複数のバイポーラトランジスタのそれぞれの、n型InGaPエミッタ層5、p型ベース層4およびn型GaAsコレクタ層3が形成される。ここで、n型InGaP層5aをエッチングする際のエッチング液として塩酸が用いられる。p型GaAsSb層4aa、p型GaAs層4bbおよびn型GaAs層3aをエッチングする際のエッチング液として、リン酸、過酸化水素水および水を混合させた薬液が用いられ、その組成比は、たとえば、リン酸:過酸化水素水:水=1:2:40に設定される。
次に、図21に示すように、蒸着法およびリフトオフ法によって、複数のバイポーラトランジスタのそれぞれのコレクタ電極11が形成される。その後、温度350℃のもとで30分間のアロイが施される。コレクタ電極11は、AuGe(膜厚:60nm)/Ni(膜厚:10nm)/Au(膜厚:200nm)の積層体からなる。これにより、複数のバイポーラトランジスタBTのそれぞれが形成されることになる。
次に、所定のウェットエッチング処理を施すことにより、図22に示すように、アイソレーション溝10が形成される。ここで、ウェットエッチング液として、リン酸、過酸化水素水および水を混合させた薬液が用いられ、その組成比は、たとえば、リン酸:過酸化水素水:水=1:2:40に設定される。次に、半絶縁性GaAs基板における所定の領域に、金属パッド17、18、19(図13参照)が形成される。
次に、図23に示すように、バイポーラトランジスタBTのそれぞれのエミッタ電極13と金属パッド17とを電気的に接続するエミッタ配線16が形成される。ベース電極12と金属パッド18とを電気的に接続するベース配線15が形成される。コレクタ電極11と金属パッド19とを電気的に接続するコレクタ配線14が形成される。これにより、複数のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置の主要部分が形成されることになる。
上述した半導体装置の製造方法では、複数のバイポーラトランジスタBTを並列に接続させることで、大電力を扱うことができる半導体装置を製造することができる。
また、バイポーラトランジスタBTのそれぞれでは、n型InGaPエミッタ層5となるn型InGaP層5aは、p型GaAsベース層4bとなるp型GaAs層4bbの表面に形成される。これにより、実施の形態1において説明したように、n型InGaPエミッタ層5は秩序化されることになり、エミッタからベースへの電子の注入に対するエネルギー障壁を小さくすることを維持することができ、バイポーラトランジスタの動作電圧が高くなるのを防止することができる。
また、n型InGaPエミッタ層5となるn型InGaP層5aを形成する際に、n型InGaP層5aにおけるInPのモル比が、たとえば、0.59になるように成長条件を設定することで、n型InGaPエミッタ層5は、圧縮歪(0.78%)を有することになる。これにより、秩序化に伴う自然分極のプラス電荷およびマイナス電荷を、圧縮歪に伴う分極のプラス電荷およびマイナス電荷によって相殺させるか、弱めることができ、n型GaAs層6等におけるキャリアの減少や空乏化を防止して、エミッタ抵抗の増大を抑制することができる。
実施の形態6
ここでは、実施の形態4において説明した半導体装置を実装した電力増幅器について説明する。
図24に、電力増幅器(モジュール)30の回路のブロック図を示す。図24に示すように、電力増幅器30では、第1増幅回路34と第2増幅回路35との2段の増幅回路を備えている。第1増幅回路34と第2増幅回路35のそれぞれに、複数のバイポーラトランジスタが並列接続された半導体装置が適用されている。
電力増幅器30では、高周波入力端子32から入力された高周波信号が、第1増幅回路34と第2増幅回路35とを経て増幅され、増幅された高周波信号は、高周波出力端子33から出力される。
また、インピーダンス整合を図るため、高周波入力端子32と第1増幅回路34との間には入力整合回路36が設けられ、第1増幅回路34と第2増幅回路35との間には段間整合回路37が設けられ、第2増幅回路35と高周波出力端子33との間には出力整合回路38が設けられている。
次に、第1増幅回路34および第2増幅回路35に適用されている半導体装置のバイポーラトランジスタの周辺の構造について簡単に説明する。図25に示すように、電力増幅器30では、複数の実装基板41、42、43が積層されている。実装基板42上にバイポーラトランジスタBTが形成されている。
また、実装基板43上には、インピーダンスの整合を図る、たとえば、コンデンサやインダクタ等の受動素子48、49が形成されている。さらに、実装基板41、42、43には、バイポーラトランジスタBTや受動素子48、49を電気的に接続するための所定の導体層44、45、46、47が形成されている。なお、図25では、複数のバイポーラトランジスタを、一つのバイポーラトランジスタBTで代表させている。
上述した電力増幅器30では、第1増幅回路34と第2増幅回路35のそれぞれに、複数のバイポーラトランジスタが並列接続された半導体装置が適用されている。これにより、実施の形態4において説明したように、半導体装置として大電力を扱うことができる。
また、バイポーラトランジスタBTのエミッタ層として、秩序化されたn型InGaPエミッタ層5(図14参照)が形成されていることで、バイポーラトランジスタBTの動作電圧が高くなるのを防止することができる。さらに、n型InGaPエミッタ層5が圧縮歪(0.78%)を有することで、エミッタ抵抗の増大を抑制することができる。
なお、上述した各実施の形態に係るバイポーラトランジスタBTのエミッタ層として、0.78%の圧縮歪を有するn型InGaPエミッタ層5を例に挙げて説明した。発明者らの評価によれば、0.78%の圧縮歪を有するn型InGaPエミッタ層5では、InPのモル比は0.59になる。
n型InGaPエミッタ層5におけるInPのモル比は、0.59に限られるものではない。n型InGaPエミッタ層5の秩序化に伴う自然分極を緩和させる観点から、InPのモル比は、0.48よりも大きいことが好ましく、分極をより確実に緩和させるには、InPのモル比は0.51以上であることが好ましい。
また、エミッタ層として、n型InGaPエミッタ層5を例に挙げたが、エミッタ層としては、少なくともインジウム(In)、ガリウム(Ga)およびリン(P)を構成元素として含有していればよく、この他に、たとえば、窒素(N)を含有したInGaNP層を含んでいてもよい。
さらに、p型ベース層4におけるp型GaAsSbベース層4aでは、GaSbのモル比が0.1である場合について説明した。p型GaAsSbベース層4aにおけるGaAsのモル比としては、0より高く0.1以下(0<GaAsのモル比≦0.1)であればよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置に有効に利用される。
BT バイポーラトランジスタ、1 半絶縁性GaAs基板、2 n型GaAsサブコレクタ層、2a n型GaAs層、3 n型GaAsコレクタ層、3a n型GaAs層、4 p型ベース層、4a p型GaAsSbベース層、4aa p型GaAsSb層、4b p型GaAsベース層、4bb p型GaAs層、5 n型InGaPエミッタ層、5a n型InGaP層、6 n型GaAs層、6a n型GaAs層、7 n型AlGaAsバラスト抵抗層、7a n型AlGaAs層、8 n型GaAsコンタクト層、8a n型GaAs層、9 n型InGaAsコンタクト層、9a n型InGaAs層、10 アイソレーション溝、11 コレクタ電極、12 ベース電極、13 エミッタ電極、13a タングステンシリサイド膜、14 コレクタ配線、15 ベース配線、16 エミッタ配線、17、18、19 金属パッド、30 電力増幅器、31 電力増幅回路ブロック、32 高周波入力端子、33 高周波出力端子、34 第1増幅回路、35 第2増幅回路、36 入力整合回路、37 段間整合回路、38 出力整合回路、41、42、43 実装基板、44、45、46、47 導体層、48、49 受動素子。

Claims (7)

  1. ヘテロ接合型のバイポーラトランジスタを備えた半導体装置であって、
    前記バイポーラトランジスタは、
    コレクタ層と、
    前記コレクタ層上に形成されたベース層と、
    前記ベース層上に形成されたエミッタ層と
    を有し、
    前記ベース層は、
    構成元素としてアンチモン(Sb)を含有する第1ベース層と、
    前記第1ベース層上に形成され、構成元素としてガリウム(Ga)およびヒ素(As)を含有し、アンチモン(Sb)を含有しない第2ベース層と
    を備え、
    前記エミッタ層は、前記第2ベース層上に形成されており、構成元素としてインジウム(In)、ガリウム(Ga)およびリン(P)を少なくとも含有し、秩序化されているとともに圧縮歪を有する、半導体装置。
  2. 前記エミッタ層は、インジウム・ガリウム・リン(InGaP)層から形成された、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記インジウム・ガリウム・リン(InGaP)層におけるインジウム・リン(InP)のモル比は0.48よりも大きく設定された、請求項2記載の半導体装置。
  4. 前記モル比は0.51以上である、請求項3記載の半導体装置。
  5. 前記エミッタ層に接するように、前記エミッタ層の上に形成されたアルミニウム・ガリウム・ヒ素(AlGa1−xAs(0≦x≦1))層を備えた、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 前記バイポーラトランジスタを複数備え、
    複数の前記バイポーラトランジスタは電気的に並列に接続された、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の半導体装置を実装した電力増幅器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021019089A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 信一郎 高谷 化合物半導体ヘテロ接合バイポーラトランジスタ

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