JP2015057653A - 正距方位半球図法の特性を示す世界地図 - Google Patents

正距方位半球図法の特性を示す世界地図 Download PDF

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Abstract

【課題】正距方位半球図法の特性を視覚的に説明可能な一対の半球図から構成される改良された地図を提供する。【解決手段】球体の任意の点を中心とする半球と、その対蹠点を中心とする別の半球とを持つ球体地図は、正距方位半球図法によって作られる。両半球は並んで置かれ、それにより中心点とその対蹠点を通る直線として大円を示す。この地図は、中心点から球上の任意の他の点への正しい方向と距離を示すことが出来、それでありながら、遠隔の大陸であっても現実的で、それと認識できる形で表わされる。それは又、この図法の3つの重要な特性を図で説明する。すなわち、大円上の点から中心点への方向が、中心点からその点への方向の正反対を示すわけではない。中心点からだけではなく、大円上のどのような2点間であっても、それらの距離は正しい。この図法の地図は、平面形から3次元形へと変換可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、世界又は他のあらゆる球体もしくはその他の領域の地図の投影図法に関し、より詳しくは、正距方位図法の改良された地図及び地球儀に関する。
本発明は、出願人が2005年1月10日に出願した米国特許出願11/033,420であって、2008年2月19日に登録された米国特許第7,331,790号、及び2009年1月26日に出願した米国特許出願12/321,795であって、2012年5月8日に登録された米国特許第8,172,575号の両特許に関連し、それを補い改良したものである。
上述の2つの米国特許は、正距方位図法を用い、球形かつ3次元の地球儀を平面の円盤形に変換する方法を示したものである。
正距方位図法は、方位(角度又は方向)を正しく表わし、一般的に円形で描かれる方位図法の一つである。その図法は地球儀上における場所を正距(等しい距離で)法で示し、更に言えば、地図の中心点から他のどのような点へもの距離が等分に増えていくものを言う。そのため、地球上における大円を直線で描くことも可能であり、その点において、波形でしか描けないメルカトール図法その他とは違う。大円とは地球の直径と同じ直径を持つ円で、その上の2点間が地表上における最短距離を構成するものを言う。実際の地球上において上空から見られた場合に大円は常に直線であるのだから、大半の地図上における波形曲線は現実を反映してはいない。
正距方位図法で描かれる通常の世界地図には、この図法の周辺部における重大な歪みの問題がある。これは全ての地形を一つの大きな円の中で描き切ろうとすることによって生じる。この歪み問題を解決するために、上述の2つの米国特許の地図においては、一つの大きな円を直径半分の小さな円二つに分けた。その小さな円の一つは関心のある所定の点を中心とする円で、これは、大きな正距方位図法図の内部の半分の円に相当する本体半球である。もう一つの同じ大きさの小さな円は、対蹠点(地球上の正反対の地点)を中心とする反対半球であり、大きな正距方位図法図の外側のドーナッツ状の部分に相当する。通常の正距方位図法と区別するために、半球を二つ持つ後者の図法を正距方位半球図法と呼ぶ。
米国特許‘790号においては、反対半球を二つに分け、それによって得られた四半球図を本体半球の左右にそれぞれ置いた図法が提供された。これは陸半球を中心において目立たせるためである。
米国特許‘575号においては、世界中の関心のあるどの点もが中心となり得る図法が提供された。しかしながらこの図法においても、上述の米国特許‘790号と同じ過程を踏襲して、反対半球を二つもしくはそれ以上に分けた。
上記の先行特許の他に、「地図と計算器械」と題するプライヤー他の先行技術(米国特許第5,902,113号、1999年5月11日登録)が正距方位図法の2つの半球図を示している。但しそれは、一つの重要な点において、上記の先行特許の地図とは違っている。上記の先行特許の地図は、世界を一望で見れるようになっている。他方プライヤー他の地図は、世界の半分を表側に、他の半分は裏側にくるようにしてある。つまり、2つの半球が裏合わせになっている。表裏に離れて存在する2点間の関係性を見たい場合には、何回も裏返さなければならない。
プライヤー他の地図には、大円上の任意の地点に対し、その対蹠点を指し示すことのできる付属品がついている。付属品の一つを中心点から動かすと、もう一つの付属品も対蹠点から同じ分だけ動くようになっている。同じ中心点の同じ半球図を使いながらも、任意の地点の対蹠点を決めることができる。もしも中心点や対蹠点を自由に動かせるとするならば、計測の開始地点を中心点に限定する必要はない。大円の線上にある限りは、ある点から他の点へはどこであろうとも、その距離は常に正しい。
米国地質調査所の「地図投影図法」というポスターには、「全ての場所への距離と方向は、図法の中心点からのみ正確である。距離は、中心を通る直線上の点の間において正しく、それ以外の全ての距離は正しくない」とある。この文章は正しくはあるのだが、誤解へと導きやすい。大円上においては、あらゆる2点間の距離は正しく、それは中心点からに限らない、ということの重要性をもっと強調すべきである。
しかしながら、同じことが方向には当てはまらない。例えば、フロリダはサンフランシスコの真東に位置するが、その反対に、サンフランシスコはフロリダの真西に位置する、ということにはならはない。大円上の全ての場所からの方向は中心点およびその対蹠点からを除いては正しくない。それは地球が丸いからであり、方位を決めるための南北の線が平行ではないからである。この問題は[発明を実施する形態]の項においてもっと詳しく説明する。
米国特許‘790号の図29は、正距方位図法におけるもう一つのアイデア「二つのどんぶり鉢型半球地図」という実施の形態に関するものである。これは直接地球儀に変換可能な唯一の地図図法であるという長所を持っている。
しかしながら、その変換可能性は、当時充分に熟考されたとは言えない。その他にも、従来の正距方位半球図法は、反対半球が分割されていたり、他の半球の周縁部の周りを同期された方法で回転するかみ合う歯車を必要したりする。
米国特許7,331,790号
米国特許8,172,575号
米国特許5,902,113号
本発明の課題は、従来の知識とアイデアを統合し、更に改良された、正距方位半球図法の特性を視覚的に説明可能な一対の半球図から構成される地図を提供することである。
本発明は、正距方位半球図法の特性を視覚的に説明可能な球体世界を示す一対の半球図から構成される地図である。一対の半球図の第1の半球図は、球体世界の本体半球の地図が正距方位半球図法によって描かれ、本体半球の地図の中心に球体の所定の点を有する。一対の半球図の第2の半球図は、球体世界の反対半球の地図が正距方位半球図法によって描かれ、反対半球の地図の中心に所定の点の対蹠点を有する。第1および第2の半球図は、それぞれに描かれた地図の周縁での隣接点が、球体世界の実際の地理上の地点に対応するように位置合わせされ、それによって、第1および第2の半球図のそれぞれの周縁を接して同時に回転移動することで、所定の点から球体世界の他の地点に至る方向と距離とが正確に示される。更に、平面半球図から地球儀への変換、及びその逆変換とが可能となるように、第1及び第2の半球図は、布地又はゴムなどの伸縮性の材質の上にプリントされる。
本発明によって得られる効果は次のようなものである。
1.世界地図において、中心地点とその対蹠点からの方向が、大円上の全ての他の点からの方向とはいかに違っているかを示し得る。
2.正距方位図法の世界地図においては、大円上のどの2点間の距離をも計測し得る。
3.正距方位半球図法の世界地図において、いかに簡単に球形に変換可能であるかを示す。
4.どの地点をも中心点とする半球世界地図が、即座に得られる。
更にその他にも、種々の実施の形態の効果が以下の記述と図の精査により明らかとなろう。
本発明によれば、伸縮性の材質に半球図を描くことにより、次のような正距方位半球図法の3つの重要な特性を図で説明することができる。
1.大円上の町からの方向は、中心点やその対蹠点からの方向の反対ではない。
2.大円上の2点間の距離は図の中心点からだけに限らず正しい。
3.地図図法は球面体から平面体へと変換するために使われるが、正距方位半球図法においては平面体から球面体への逆の変換が可能である。
図1は、東京を中心とした正距方位半球図法による世界地図であって、東京の真西に位置する大円上の都市からは、東京が真東に位置するわけではないということを説明する図である。 図2は、図1と同じ半球地図であるが、大円上の2点間の距離は中心点からだけではなく正しいということを示すための図である。 図3は、図1と同じ半球地図であるが、平面の地図がどのようにして球面の地図に変換可能であるかを示す図である。 図4は、どのような中心点の半球地図にも変換可能な風船地球儀を示す図である。
図1一対の伸縮性半球世界地図
図1に示すように、正距方位半球世界地図は布地又はゴムなどの伸縮性の材質により作られる。材質の表面には本体半球および反対半球の図がプリントされる。こうした半球の縁には金属製もしくはプラスチック製の硬い輪を取り付ける。輪は縫ったり接着したりすることにより伸縮性材質の縁に付け、図3で示されるような事例に用いられる場合、全ての方向に均等に地図が引っ張られるようにする。
本体半球である第1の半球図41は、正距方位半球図法により、関心のある中心点40が東京である場合を示す。同様に、反対半球である第2の半球図42は、東京の対蹠点43を中心とし、それはアルゼンチンの東、南大西洋の海洋中の地点を示す。地図が伸縮性の材質の上にプリントされ、それぞれの半球図41と42の縁の周りには硬い輪44が取り付けられる。
中心点(東京)40とその対蹠点43を通る大円上の線45は東西方向に並んでいる。大円の両端には指示片46及び47が付けられる。指示片46は真東(E)を指し、指示片47は真西(W)を指している。大円上もしくはその近くの3つの点―インドのブッダガヤ48、ザンビアのルサカ49、アルゼンチンのブエノスアイレス50―は垂直弧線51、52、53と水平弧線54、55、56との交差点により示される。これらの水平弧線は、それぞれの点の東西方向を示す。それ以外の重要な点―北極点57と南極点58―が加えられている。
ついでながら、ブッダガヤは仏陀が悟りを開いた聖地である。日本人が千年以上も前から言ってきたように、インドは本当に日本の真西にあるのだということを証明するつもりでこの地を選んだ。メルカトール図法においては、インドは東京の南西方向にあるように見える。他の2つの都市、アフリカのルサカと南米のブエノスアイレスも同じ理由で選んだ。熱帯のイメージにもかかわらず、それらは全て東京の真西に位置している。
東京からこれらの点への方向は全て真西であるけれども、これらの点から東京への逆方向は真東ではない。このことはメルカトールのような円筒図法による固定観念によって縛られている多くの者には容易に理解されない。そうした図法においては、東西方向は緯線によって示される。例えば東京の東へ旅していくと、サンフランシスコの南2〜300キロの地点へと達する。逆にその地点の西は、そのような地図では東京になるはずである。このことは実用的には正しいが、ある場所の方角を真東や真西の定義によって考慮した場合正しくない。その問題は以下に述べる。
北半球の中低緯度帯のどこかに立ち、レーザー光線で北極点を指したとすると、地球の湾曲により光線が北極点そのものに達することはない。代わりに北極星を指すことになる。北極星の方向はその場所からの真北であり、北極点はその下、ということになる。同様にして、地上のどこか任意の場所に立ち、そこから真東(又は真西)へとレーザー光線で指したとすると、多くの人はメルカトール地図の緯線に沿って東へ向かうと期待するだろうが、それは間違いである。もしもレーザー光線が地表の曲率に沿って曲がり得るものだとすると、それは赤道を横切り、対蹠点を越え、元の場所へと戻る。この仮想の円は、海抜面における大円となる。
[背景技術]の項の冒頭でも述べた如く、大円は正距方位図法においては直線として描かれる。そして正距方位半球図法で描かれた地図は、メルカトール図法における上述の方向の逆が正しくはないことを図によって示すことが出来る。
地上のある地点の真東とは基本方位において真北から90度であるもの、真西とは270度のものと定義される。この東西線は、南北の子午線と直角に交差している。中心点が赤道上にある場合には、その中心点と赤道上の他の任意の点との間の方向は東でも西でも正反対になっている。子午線と直角に交差する全ての点が赤道線と同じだからである。しかしながらこのことは、それ以外の大円におけるその他の場合には通用しない。
再び上述のインド・ブッダガヤを例にとろう。ブッダガヤの真北は、北極点に向かって経線51を辿る。上述の定義によれば、この場所の真東は真北から90度である。それは弧線54の右側方向であり、東京への方向ではない。この同じ規則は、上述のアフリカのルサカやブエノスアイレスを含め全ての場所に適用される。例外は赤道であり、そこでの全ての点は東又は西全て正反対になる。ここで真西と真東の場合だけを述べたが、同じことが全ての他の方向にも言える。例えば北西(南東)、北北西(南南東)などなど。
サウジアラビア・メッカ中心の正距方位半球図法の地図さえあれば、世界中のイスラム教徒は、メッカの方向を知るためにそれを使えそうなものである。しかしどの場所からの方向も、メッカからの方向の逆ではない。というわけで、地球上のどの場所を中心とする地図であっても、他の場所からその方向を指し示すものとして使うことは出来ない。
大円に関しては、他にも注目すべき特性がある。真東西を示す大円上の線は所定の点やその対蹠点において最も高緯度(赤道から一番遠く、両極に一番近い)の点である。大円はまた、所定の点の経度から90度右と90度左の2地点において赤道を交差する。
図2―大円上の2地点間の距離は計測可能である
図2は図1と同じ半球地図だが、両半球は新しい位置にと移動している。図2において、他の町が東京を通るもう一つの大円線45'の線上もしくはその近くにあるような地図を示す。中国の北京59、パキスタンのイスラマバード60、アラブ首長国連合のアブダビ61、コンゴ共和国のキンシャサ62などがそうした町の例である。どのような2つの町(東京からだけではなく)の距離も、それらの実際の距離を反映した正しい距離である。もちろん、同じ規則は図1のどの町の間の距離にも適用される。
この新しい大円線の方角を示すために、両半球の周りに羅針方位63を付ける。羅針方位63は、紙、プラスチック、木材、金属その他印刷可能な材質の、半球図の下地のシート(背景板)64の上に印刷によって刻記される。「方位」の語は、水平方向においてどれだけ真北あるいは磁北(又は南)から東(又は西)にずれているかを度数によって表わすものと定義される。しかしここにおいては、東西線が南北の基準線に取って代わり、それが0とされる。
指示片46'と47'は、新しい方位に位置し、東西線から各半球の頂上方向へと移動している。指示片46と46' 間の長さは指示片47と47' の間の長さと同じである。方位のマークされた度数(東又は西を通る北と南との間の0,30,−30,60…)65は、東西の基準線から指示片がどれだけ離れているかを示す。それらは北に向け0から90度まで、南に向け0から−90度まで記されている。右の半球の方位がさかさまになっていることに注意されたい。すなわち半球の上が南(S)で、下が北(N)になっている。
図2では、指示片47'は真西から北へ18度移動していることを示している。それは、北京、キンシャサ他、大円線45'に沿った町が全て、東京の西18度北寄り(西北西近く)の方向にあることを意味している。また、この大円線の東の方向をたどり、別の指示片46'から、東18度南寄り(東南東近く)であると読み取ることもできる。
伸縮性材質上にプリントできるかは、地図の正確さにおいて妥協を要する問題であるかもしれない。このことは図4において後述する。そこで、図1及び図2に関連した特性を図で説明するためだけに地図が使われるならば、紙やプラスチックのような固い材質の方がその目的のためにはより適っているかも知れない。それに加えて、米国特許‘575号の定規とかみ合う歯車とを組み合わせると地図は更にうまく作動する。定規と歯車と上述の羅針方位とは、中心点からの距離と方向を測定する場合に、両半球の回転をより容易、より正確にする最適な組み合わせである。
図3―地図から半地球儀への変換
知られているように、地図図法は3次元の球体を2次元の平面上に示すために使われる。その目的のために百以上の違った図法があるが、3次元の球体に変換可能な平面地図というのがあったことはない。しかし正距方位半球図法は、この逆変換が可能である。「正距」の術語が示すように、この図法においては、中心点から半球の縁への距離は同じ比率で増加する。正距方位半球図法のこの長所が、この図法による平面地図から半分大の地球儀への変換を、水平、垂直方向に均等に引き伸ばされるならば、可能にする。
図3は、図1の半球図が球面形へと変換されることを示す。2つのどんぶり鉢型半分球66は、並べて置かれている。そしてその半分球は、透明なプラスチックもしくはガラス製である。本体半球に対応する半分球は伸縮可能な第1の半球図41によって既に覆われている。反対半球に対応する半分球は、第2の半球図42により覆われかけているところである。ここにおいて「半分球」という語は、地図の描かれてない半分の球という意味で使われ、地図付きの「半地球儀」という語と区別する。
この一対の半地球儀は、球形であるにもかかわらず、地球全体をいっぺんに見れるという点では通常の地球儀よりもすぐれている。これらの半球図41、42が半分球66からはずされると、この一対の半地球儀は元の平面地図に戻る。
半地球儀を二つくっつけて通常の地球儀にすることもできる。半分球に、半球図を裏側にかぶせ、透明なプラスチック又はガラスを通して地図を見るならば、一対の凹型半地球儀ができる。当然ながら、米国特許‘790号の図29にある一対の凸型凹型半地球儀、又は、半球地図を両方裏合わせにして、一個の半分球を覆った場合にできる凸凹一体型半地球儀などの組み合わせがあり得る。
ビーチボール、バスケットボール、その他、通常の手ごろなサイズのボールに、半球図をかぶせることにより、仮の半地球儀を作ることができる。本体半球図、反対半球図とでそれぞれを覆った2つのボールを並べて置いたとすれば、地理学を学ぶのに教育的かつ楽しい方法を提供することになる。
平面地図から球体への上述の変換の原理は、地球儀製造法の一つとして使われている。しかし、正距方位図法が地球儀製造に使われているということは、広く知られた事実ではない。更に、本発明の地図とは違ってこの地図製造法は、元の形に戻すという能力を欠いている。
図4―任意の中心へ即座に変換可能な正距方位半球地図
正距方位半球地図の中心点は動かしがたい。そこで、本発明は、関心のある別の地点を即座に中心点とする方法を提供する。このことは、適当なデータとプログラミングを持つコンピュータ・ソフトウェアを使えばできることではあるが、図3における図法の同じ特性を用い、アナログ的に行う方法を提供する。
図4(a)は、ゴム製の風船67の表面にプリントすることが簡単に可能である場合を示す。この場合、世界地図は、ゴム製の風船67の表面に直接プリントされる(明瞭さのために地図は省略)。これは変態温度を持つニッケル・チタン合金であるニチノールのような形状記憶合金製の丸い輪68を使うことによって成し遂げられる。輪68は変態温度以下の低温で元の形から変形し、変態温度以上の常温において元の形に戻る。輪68は低温で変形して、風船の吹き込み口69を通して風船内に挿入される。ニチノールの可塑性が吹き込み口69を通して丸い輪が容易に挿入されるのに充分なだけつぶされる(図示されてない)のを可能にする。つぶれた輪が挿入された後、ニチノールは常温に戻され、再び輪の形を取り戻す。風船の内部に輪が入っていることにより、膨らまされた時には地球儀になり、しぼまされた時には輪と同じ直径の正距方位半球地図となる。
関心のある別の地点を中心点とするためには、風船は輪よりもいくぶん大き目に膨らまされ、風船の内壁から輪を放す。そうなると輪は簡単に動かせるようになり、関心のある新しい地点が輪の中心に来るようにできる。その後に風船を完全にしぼませると、風船は再び新しい中心点を持つ平面の半球地図になる。
このようにして上記の手順により地上のどのような地点もが地図の中心点となることが可能なのだが、ゴム風船の表面に直接世界地図をプリントするのはかなり困難であるかもしれない。実用的な地図または地球儀として使われるためには、より正確なプリントが求められるかもしれない。こうした場合のために、伸縮性かつプリント可能な生地でできている袋70(図4(b))を用いることによってプリントを可能にした。その袋には正距方位半球図法の正反両半球図がプリントされる。図1においては伸縮性材の縁に輪が付けられたが、こうした縁の輪の代わりに、半球図は縁線71に沿って裏合わせに縫い合わされ、袋70となる。小さな開口部72は、形状記憶合金製の丸い輪68を内包する風船67の挿入のために縫わないままに残される。袋の材質は、中に挿入された風船が膨らまされた時に球形になるだけの伸縮性を持ったものでなくてはならない。
普通には、縫う線は赤道に沿ってであろうが、その他にどのような組み合わせの半球の、どのような縁であってもよい。図1に示された半球図が上述の袋として縫い合わされることができる。しかしこの図4においては、中心点を選択することが可能であるのを示すために、中心点71がサンフランシスコである場合の半球地図とした。反対半球は裏側に縫われているが、ここでは示されていない。
以上のようにして、正距方位半球図法の特性を図で説明するための世界地図を提供してきた。図1に関連して述べたように、大円線上の点からの逆方向は中心点からの方向の正反対ではないという特性は、日本の地図学専門家の間では広く知られた事実である。図2で述べたように、大円線上のどのような点の間の距離も正しいという別の特性も、プライアー他が知っていたように、地図学専門家には知られていることであるかもしれない。この図法では球形への変換とその元の形への復帰が可能だという第3の特性は、かなりユニークであるかも知れない。
概して言えば、これらの特性は一般大衆に知られていないのが明らかなだけではなく、図などによって視覚的に説明されることは全くない。そしてそれらの特性は、お互いの周辺に沿って回転可能な一対の半球図によって、うまく説明され得るのである。これらの地図によって解決される諸問題は、めったに、あるいは全く述べられたこともないが、メルカトールその他の図法によってもたらされる一般的な誤解を解消できるものである。
正距方位半球図法のその他の特性や利点は以下の通りである。
1.正距方位半球図法による世界地図は、関心のある中心点から地球上のあらゆる他の地点への最短航空路及び正確な方向を、遠隔の大陸であっても現実的かつ判別可能な形で示すことができる。
2.地球上のどのような関心のある地点をも図の中心点として選ぶことができるという点で、他の通常の半球世界地図とは違う。
3.平面世界地図でありながら、それでも地球の丸さを表わしている。
4.対蹠点をはっきり点として示す。
5.中心点及びその対蹠点を通るどのような大円線であっても直線で描ける点で、メルカトール図法その他の図法における波型の線とは異なる。
6.大円線上のどのような2点間の距離も正確に計測可能であり、中心点と対蹠点からの正しい方向を知ることができる。
上の記述は多くの明細を含むとはいえ、これらが本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、単に現時点において発明を実施するための好ましい形態の幾つかを説明したに過ぎない。多くの変形や派生の形態が可能である。
例えば、もしも帯びゴムのような材質製の伸縮可能な定規を作り、定規の両端に糸のこぶを作って取り付け、伸びた場合の最大の長さを1.57(π/2)倍に制限するならば、地球儀のどのような2点間の距離も、また平面半球図の大円上の2点間の距離も測ることが可能になる。
米国特許‘790号において述べたように正距方位半球図法は、火星や月のような他の球体の地図を描く場合にも有用である。この図法の特性を理解できるようになった現在、そうした球体の地図を方向や距離の正確な計測によって描くことが可能である。
伸縮性の材質を使うことにより、他の天体の半球地図を作ることができる。もしも透明などんぶり鉢型半分球と地球の地図の他、火星、月、金星などの地図のセットがあれば、そうした惑星や衛星の地図を半分球に取り替えてかぶせることにより、他の世界の地理を手軽に楽しむことができるようになる。多くの者は、かさばるので、他の惑星の球儀を持つ余裕はない。そこでこうした半分球と積み重ねた惑星地図のセットがあれば、惑星の地理に対する親密度は急速に増すことになるだろう。
風船付きの半球図の袋が上述の交換可能な地図の代わりにあれば、惑星地図の積み重ねとほぼ同等の機能を果たすことになる。このタイプのセットは半分球を必要としないので、仕舞う場所を更に節約できる。その上に、この場所をとらないという長所が、小さい地球型惑星といくつかの衛星との、違うサイズの袋、風船、内部の輪などを実際の天体と同じ比率にした球儀のセットを居間に持つことを可能にする。
こうした比率の正しい天体のセットがあれば、地球地図、地球儀のために使うのと同じ定規を、他の天体の距離を測るためにも使える。例えば、火星探査機の着陸地点からの移動距離を、我々の町からの距離と直接比較することも可能になる。
したがって、本願発明の範囲は、説明された例によってではなく、添付されている特許請求の範囲及びそれと法的に等価なものによって決定されるものである。
40:中心点
41、42:半球図
43:対蹠点
44:輪
45、45':大円線
46、47、46'、47':指示片
51:経線
54:弧線
51、52、53:垂直弧線
54、55、56:水平弧線
63:羅針方位
64:背景板
65:度数
66:半分球
67:風船
68:輪
69:吹き込み口
70:袋
71:縁線
72:開口部

Claims (10)

  1. 正距方位半球図法の特性を視覚的に説明可能な球体世界を示す一対の半球図から構成される地図であって、
    前記球体世界の本体半球の地図が正距方位半球図法によって描かれ、前記本体半球の地図の中心に球体の所定の点を有する、前記一対の半球図の第1の半球図と、
    前記球体世界の反対半球の地図が正距方位半球図法によって描かれ、前記反対半球の地図の中心に前記所定の点の対蹠点を有する、前記一対の半球図の第2の半球図と、
    からなり、
    前記第1および第2の半球図は、それぞれに描かれた地図の周縁での隣接点が、前記球体世界の実際の地理上の地点に対応するように位置合わせされ、それによって、前記第1および第2の半球図のそれぞれの周縁を接して同時に回転移動することで、前記所定の点から前記球体世界の他の地点に至る方向と距離とが正確に示されるように構成された、地図。
  2. 更に、前記所定の点の真東を示す前記第1の半球図の周縁に取り付けられる第1の指示片と、前記対蹠点の真西を示す前記第2の半球図の周縁に取り付けられる第2の指示片とを含むことを特徴とする請求項1に記載の地図。
  3. 更に、前記第1および第2の半球図に対する背景板を含み、その背景板上には複数の羅針方位が刻記され、前記所定の点と任意の他点とが大円の直線と一致する時に、前記第1および第2の指示片が示す羅針方位の数値を読み取ることにより、前記所定の点から任意の他点への方向の度数が計測されることを特徴とする請求項2に記載の地図。
  4. 前記一対の半球図は、それぞれ復元可能な伸縮性材質によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の地図。
  5. 前記伸縮性材質によって形成された前記一対の半球図に引っ張る力が作用したときに、前記一対の半球図を支持するために、前記一対の半球図のそれぞれの周縁に硬質の丸い輪を設けることを特徴とする請求項4に記載の地図。
  6. 前記球体は、地球、月、惑星、それらの衛星から成るグループから選ばれる天体の一つであることを特徴とする請求項1に記載の地図。
  7. 伸縮性且つプリント可能な材質で形成される袋であって、該袋の表面に球体世界の地図が正距方位半球図法によって描かれた袋と、
    前記袋に内包され、膨張および収縮可能な風船であって、該風船の膨張および収縮に応じて、前記袋を膨張および収縮させることが可能な風船と、
    前記風船内に挿入され、硬質の材料で形成される丸い輪であって、該輪の外縁によって前記風船の内壁を支持可能な輪と、
    からなり、
    前記風船が膨張するときに、前記袋が前記風船の膨張に伴って膨張し、前記袋が3次元的地球儀あるいは天体儀を構成し、
    前記風船が収縮するときに、前記袋が前記風船の収縮に伴って収縮し且つ前記輪によって支持され、前記袋が前記輪の直径に応じた前記球体世界の平面地図を構成し、
    前記風船が、前記輪の直径を超えて膨張するとき、前記輪を前記風船内において移動させることによって前記地図の中心を任意点に変更可能にし、しかる後に前記風船を収縮させることにより、前記任意点を新たな中心とする新たな平面地図を構成する、
    ことを特徴とする地図。
  8. 前記輪は形状記憶合金で形成され、前記風船の吹き込み口から挿入し、挿入後に元の形状に復元可能であることを特徴とする請求項7に記載の地図。
  9. 前記伸縮性且つプリント可能な材質は、弾性的布地で形成されることを特徴とする請求項7に記載の地図。
  10. 前記伸縮性且つプリント可能な材質は、弾性的布地で形成され、前記袋は、前記弾性的布地で形成された、プリントされた第1の表面とプリントのない第1の裏面とからなる本体半球と、前記弾性的布地で形成された、プリントされた第2の表面とプリントのない第2の裏面とからなる反対半球とを備え、前記本体半球の前記第1の裏面と前記反対半球の第2の裏面とが、裏面同士合わされた互いの周辺に沿って縫い合わされ、もしくは接着されることによって形成されることを特徴とする請求項7に記載の地図。
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