JP2015053720A - 画像符号化装置、画像符号化方法及び画像符号化プログラム、並びに、送信装置、送信方法、及び送信プログラム - Google Patents

画像符号化装置、画像符号化方法及び画像符号化プログラム、並びに、送信装置、送信方法、及び送信プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】動き情報を処理する際の負荷を抑制しつつ、動き情報の符号化効率を向上させる画像符号化装置、方法及びプログラム、並びに、送信装置、方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】第1のモード検出部は、インデックスによって特定される参照ブロックの符号化情報が備える動きベクトルの情報を用いる第1の画像間予測モードにおいて、複数の参照ブロック候補に優先順位を割り当て、当該優先順位に従い、複数の参照ブロック候補のインデックスを出力する。第2のモード検出部は、インデックスによって特定される参照ブロックの符号化情報が備える動きベクトルの情報に基づく予測動きベクトルと符号化対象ブロックの動きベクトルとの差分動きベクトルを用いる第2の画像間予測モードにおいて、複数の参照ブロック候補に優先順位を割り当て、当該優先順位に従い、複数の参照ブロック候補のインデックス及び前記差分動きベクトルを出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、動画像の符号化技術に関し、特にピクチャを矩形ブロックに分割し、ピクチ
ャ間でブロック単位に動き推定、補償を行う画像符号化装置、画像符号化方法及び画像符
号化プログラムに関する。
MPEG(Moving Picture Coding Experts Grou
p)に代表される、ピクチャを矩形ブロックに分割し、ピクチャ間でブロック単位に動き
推定、補償を行う動画像符号化方式では、各ブロックで生成される動きベクトルの符号量
を削減する為に、動きベクトルに対して予測処理が行われる。
MPEG−2では、マクロブロック単位に検出される動きベクトルは、直前に符号化さ
れたマクロブロックの動きベクトルとの差分がとられ、その差分ベクトルを符号化するこ
とで、符号量を削減している。MPEG−4 AVC/H.264では、動きベクトルが
周囲の隣接ブロックの動きベクトルと強い相関があることを利用して、周囲の隣接ブロッ
クからの予測を行い、その差分ベクトルを符号化することによって符号量を削減している
。具体的には、処理対象のブロックの左、上及び右上の隣接ブロックの動きベクトルから
中央値を算出し、その中央値との差分をとることで動きベクトルの予測を実現している。
これらの予測方法では、予測の為の動きベクトルが1つしかないので、予測が当たらな
いと、動きベクトルの差分が大きくなり、発生符号量が増加する課題があった。また、動
きベクトルの符号量は削減されるものの、他の動き情報は処理対象のブロック毎に符号化
される。従って、周囲の隣接ブロックと同一の動き情報を有していても、重複して符号化
されることになる為、効率的な符号化に至っていないという課題があった。
これらの課題を解決する為に、ISO/IEC及びITU−Tにおける動画像符号化の
規格作業の中で新たな2つの技術が検討されている。1つは動きベクトルの予測方法に関
して、符号化済みの周囲の隣接ブロックの動きベクトル及び符号化済みの時間が異なる別
のピクチャの同一位置の周辺ブロックの動きベクトルについて、それぞれを予測動きベク
トルの候補として適用した場合の発生符号量により評価する手法である。
図1(a)、(b)に予測動きベクトルの候補となる隣接ブロックの一例を示す。図1
(a)は同一ピクチャ内の隣接ブロックの例であり、図1(b)は時間が異なる別のピク
チャの同一位置の周辺ブロックの例である。これらのブロックの動きベクトルを予測動き
ベクトルの候補とし、処理対象のブロックの動きベクトルと予測動きベクトルの候補との
差分値の発生符号量を最小とする予測動きベクトルを選択する。そして、当該予測動きベ
クトルとの差分値と、必要であれば、予測動きベクトルを選択した隣接ブロックに関する
付加情報を符号化し、伝送する。
もう1つは、処理対象ブロックの動き情報と、周囲の既に符号化済みの隣接ブロックの
動き情報が同一であれば、処理対象ブロックは自身の動き情報を符号化せずに、隣接ブロ
ックの動き情報を符号化に使用する。具体的には、参照する動き情報を備える隣接ブロッ
クを指定する付加情報を符号化することで、動き情報の符号量を削減する手法である(例
えば、特許文献1参照)。このような手法は、マージ(merge)と呼ばれ、動き情報
の符号量削減の一手法として注目されている。
特開平10−276439号公報
上述した動きベクトルの予測方法やマージ手法では、符号化済みの周囲の隣接ブロック
及び時間が異なる別のピクチャの同一位置の周辺ブロックの動きベクトル、参照するピク
チャを示す参照ピクチャ番号、参照リスト等の符号化情報を使用する。しかしながら、そ
れぞれの技術で参照する周囲の隣接ブロックの位置が異なっている為、符号化済みの符号
化情報を記録しているメモリをアクセスする回数が増加するという難しい面がある。
また、一般的な符号化過程においては、最適な参照先を選択する為に、参照先の隣接ブ
ロックの符号化情報を用いて動き補償を行い、発生符号量と符号化歪を指標として判定す
る。しかしながら、参照する周囲の隣接ブロックが異なると、ブロック数が増加すること
になり、処理負荷が増加するという難しい面がある。更に、復号時に復号済みの符号化情
報を読み出すタイミングが制限されたり、復号済みの符号化情報を記憶する一時メモリが
増加するという難しい面がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、動き情報を処理する
際の負荷を抑制しつつ、動き情報の符号化効率を向上させる技術を提供することにある。
動画像の各ピクチャを分割したブロック単位で動きベクトルを用いて符号化する画像符号化装置であって、符号化対象ブロックの複数の参照ブロック候補の符号化情報を取得する取得部と、インデックスによって特定される参照ブロックの前記符号化情報が備える動きベクトルの情報を用いる第1の画像間予測モードにおいて、第1の所定順位に基づいて前記複数の参照ブロック候補から第1の候補リストを生成し、前記第1の候補リストに登録された参照ブロック候補を特定する為のインデックスを付与し、前記複数の参照ブロック候補のインデックスを出力する第1のモード検出部と、インデックスによって特定される参照ブロックの前記符号化情報が備える動きベクトルの情報に基づく予測動きベクトルと前記符号化対象ブロックの動きベクトルとの差分動きベクトルを用いる第2の画像間予測モードにおいて、第2の所定順位に基づいて前記複数の参照ブロック候補から第2の候補リストを生成し、前記第2の候補リストに登録された参照ブロック候補を特定する為のインデックスを付与し、前記複数の参照ブロック候補のインデックス及び前記差分動きベクトルを出力する第2のモード検出部と、前記第1のモード検出部及び前記第2のモード検出部の出力結果をもとに、前記符号化対象ブロックごとの参照ブロックと画像間予測モードとを決定する予測方法決定部と、前記予測方法決定部により決定された参照ブロックのインデックスと、前記予測方法決定部により決定された画像間予測モードを示す予測モード情報と、第2の画像間予測モードが決定された場合の参照ブロックに対応した前記差分動きベクトルとを符号化する符号列生成部と、を備え、前記第1のモード検出部及び前記第2のモード検出部は、前記複数の参照ブロック候補として、共通の複数のブロックを使用し、前記第1のモード検出部により生成される前記第1の候補リストに前記複数の参照ブロック候補を配列する為の前記第1の所定順位と、前記第2のモード検出部により生成される前記第2の候補リストに前記複数の参照ブロック候補を配列する為の前記第2の所定順位は異なる、ことを特徴とする画像符号化装置を提供する。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記
録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有
効である。
本発明によれば、動き情報を処理する際の負荷を抑制しつつ、動き情報の符号化効率を
向上させることができる。
図1(a)、(b)は、処理対象の予測ブロックと、同一ピクチャ或いは時間が異なる別のピクチャで隣接する予測ブロックの一例を説明する為の図である。 本発明の実施例における動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 図3(a)、(b)は、本発明の実施例における予測モードの分類の定義を説明する為の図である。 本発明の実施例における動画像復号装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例における符号化ブロックの定義を説明する為の図である。 本発明の実施例における参照隣接ブロックの選出方法に関する予測ブロックレベルでのビットストリームのシンタックスパターンを説明する図である。 図7(a)〜(d)は、本発明の実施例における予測ブロックの形状の種類を説明する為の図である。 本発明の実施例における符号化情報格納メモリに記録される符号化情報の保存形式を説明する図である。 図9(a)、(b)は、本発明の実施例における処理対象の予測ブロックに対する参照先となる隣接ブロックの配置を説明する図である。 本発明の実施例におけるインター予測情報検出部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例1におけるマージ検出部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例1のマージ検出部の符号化情報導出部の動作を説明する為のフローチャートである。 実施例1の符号化情報導出部において、同一ピクチャ上の周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為のフローチャートである。 図14(a)〜(c)は、実施例1の符号化情報導出部において、処理対象の予測ブロックの参照ピクチャ番号候補を選出する動作を説明する図である。 実施例1の符号化情報導出部において、処理対象の予測ブロックの参照ピクチャ番号候補から参照ピクチャ番号の選出パターンを列記した図である。 実施例1の符号化情報導出部において、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの符号化情報を選出する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例1の符号化情報導出部において、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの符号化情報を算出する詳細な動作を説明する為のフローチャートである。 colピクチャとその参照ピクチャの距離を処理対象のピクチャとその参照ピクチャの距離に換算して、動きベクトルを処理対象のピクチャに合わせるスケーリングを説明する図である。 実施例1の参照候補リスト作成部において、符号化情報導出部にて選出された、参照隣接ブロックの符号化情報を参照候補リストに登録する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例1において、参照候補リスト作成部で作成される参照候補リストの一例を示す図である。 実施例1の同一情報検出部において、参照候補リストに登録された同一の符号化情報を検出・削除して参照候補リストを更新する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例1のマージ判定部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例1の動きベクトル予測部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例1の動きベクトル予測部の符号化情報導出部の動作を説明する為のフローチャートである。 実施例1の符号化情報導出部において、同一ピクチャ上の周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例1の符号化情報導出部において、同一ピクチャ上の周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為の別手法のフローチャートである。 動きベクトルのスケーリングを説明する図である。 実施例1において、参照候補リスト作成部で作成される参照候補リストの一例を示す図である。 実施例1の同一情報検出部において、参照候補リストに登録された同一の動きベクトルを備える符号化情報を検出・削除して参照候補リストを更新する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例1の動きベクトル算出部の詳細な構成を示すブロック図である。 図31(a)、(b)は、実施例2における処理対象の予測ブロックに対する参照先となる隣接ブロックの配置を説明する図である。 実施例2のマージ検出部の符号化情報導出部の動作を説明する為のフローチャートである。 実施例2の符号化情報導出部において、同一ピクチャ上の周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例2の符号化情報導出部において、処理対象の予測ブロックの参照ピクチャ番号候補を選出する動作を説明する図である。 実施例2の符号化情報導出部において、処理対象の予測ブロックの参照ピクチャ番号候補から参照ピクチャ番号の選出パターンを列記した図である。 実施例2において、マージ検出部の参照候補リスト作成部で作成される参照候補リストの一例を示す図である。 実施例2の動きベクトル予測部の符号化情報導出部の動作を説明する為のフローチャートである。 実施例2の符号化情報導出部において、同一ピクチャ上の周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例2の符号化情報導出部において、同一ピクチャ上の周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為の別手法のフローチャートである。 実施例2において、動き検出部の参照候補リスト作成部で作成される参照候補リストの一例を示す図である。 実施例3において、マージモードと動き検出モードで異なる選出手法により作成された参照候補リストの一例を示す図である。 実施例4のマージ検出部の符号化情報導出部の動作を説明する為のフローチャートである。 実施例4の符号化情報導出部において、同一ピクチャ上の周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例4の動きベクトル予測部の符号化情報導出部の動作を説明する為のフローチャートである。 実施例4の符号化情報導出部において、同一ピクチャ上の周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為の手法のフローチャートである。 実施例5の参照候補リスト作成部において、符号化情報導出部にて選出された参照隣接ブロックの符号化情報を参照候補リストに登録する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例6において、参照候補リスト作成部で作成される参照候補リストの一例を示す図である。 実施例7のマージ検出部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例7の同一情報検出部において、参照候補リストに登録された符号化情報を制限して参照候補リストを更新する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例7のマージ検出部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例7の参照候補リスト作成部において、参照候補リストに登録された符号化情報を制限して参照候補リストを更新する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例7の動きベクトル予測部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例7の符号化情報導出部において、周囲の隣接ブロックを選出する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例7の符号化情報導出部の動きベクトルの算出の詳細な動作を説明する為のフローチャートである。 実施例7の参照候補リスト作成部において、符号化情報導出部にて選出された参照隣接ブロックの符号化情報を参照候補リストに登録する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例7の同一情報検出部において、参照候補リストに登録された符号化情報を制限して参照候補リストを更新する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例7の動きベクトル予測部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例8の参照候補リスト作成部において、符号化情報導出部にて選出された参照隣接ブロックの符号化情報を参照候補リストに登録する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例8において、マージモードと動き検出モードで作成された参照候補リストの一例を示す図である。 実施例9の参照候補リスト作成部において、符号化情報導出部にて選出された参照隣接ブロックの符号化情報を参照候補リストに登録する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例9の参照候補リスト作成部において、変換テーブルの作成・更新する動作を説明する為のフローチャートである。 実施例9の参照候補リスト作成部において、参照候補リストのインデックスと変換テーブルのインデックスの対応関係の一例を示す図である。 実施例9において、参照候補リスト作成部で作成される参照候補リストの一例を示す図である。 実施例12の動きベクトル予測部の詳細な構成を示すブロック図である。 実施例12の参照候補制御部において、参照候補リストに登録された符号化情報を入れ換えを実施する動作を説明する為のフローチャートである。
本発明を実施する好適な動画像符号化装置及び動画像復号化装置について説明する。図
2は本発明の実施例に係る動画像符号化装置100の構成を示すブロック図である。動画
像符号化装置100は、画像メモリ101、動きベクトル検出部102、動きベクトル予
測部103、インター予測情報検出部104、動き補償予測部105、マージ検出部10
6、予測方法決定部107、スイッチ108、第1の符号化ビット列生成部109、残差
信号生成部110、直交変換・量子化部111、逆量子化・逆直交変換部112、復号画
像信号重畳部113、符号化情報格納メモリ114、復号画像メモリ115、第2の符号
化ビット列生成部116及び符号化ビット列多重化部117を備える。尚、各ブロック間
を結ぶ太実線の矢印はピクチャの画像信号、細実線の矢印は符号化を制御するパラメータ
信号の流れを表すものである。
画像メモリ101は、撮影/表示時間順に供給された符号化対象の画像信号を一時格納
する。画像メモリ101は、格納された符号化対象の画像信号を、所定の画素ブロック単
位で、動きベクトル検出部102、予測方法決定部107及び残差信号生成部110に供
給する。その際、撮影/表示時間順に格納された画像は、符号化順序に並べ替えられて、
画素ブロック単位で、画像メモリ101から出力される。
動きベクトル検出部102は、画像メモリ101から供給される画像信号と復号画像メ
モリ115から供給される復号画像(参照ピクチャ)間でブロックマッチング等により、
各予測ブロックサイズ、予測モードごとの動きベクトルを予測ブロック単位で検出し、検
出された動きベクトルを動き補償予測部105、動きベクトル予測部103及び予測方法
決定部107に供給する。ここで、予測モードは図3(a)に示されるように大別されて
おり、図3(a)、(b)中の片方向予測或いは双予測モードの動きベクトルが検出され
る。予測モードは後述するシンタックスの定義にて説明する。
動きベクトル予測部103は、予測モードが動き検出モードの場合にインター予測情報
検出部104にて出力される符号化情報の動きベクトルを予測動きベクトルとして、動き
ベクトル検出部102が検出した動きベクトルと当該予測動きベクトルから差分動きベク
トルを算出し、算出された差分動きベクトルを予測方法決定部107に供給する。更に、
選択された予測動きベクトルを特定するインデックスを予測方法決定部107に供給する
。動きベクトル予測部103の詳細な構成と動作は後述する。
インター予測情報検出部104は、処理対象の予測ブロックが参照する同一ピクチャ上
で処理対象の予測ブロックの周辺に隣接する符号化済みの予測ブロック、或いは時間が異
なる別ピクチャの中で処理対象の予測ブロックと同一位置のブロック周辺に隣接する予測
ブロックの符号化情報を符号化情報格納メモリ114から取得する。符号化情報格納メモ
リ114に記憶されている既に符号化された周辺の隣接ブロック、或いは時間が異なる別
ピクチャの隣接ブロックの符号化情報のうち、処理対象の予測ブロックの位置情報から、
複数の参照先候補の隣接ブロックの符号化情報を検出し、参照先として選択される隣接ブ
ロックの符号化情報とその隣接ブロックを特定するインデックスを、スイッチ108に入
力される動画像符号化装置100により制御される予測モードで切り換えて供給する。イ
ンター予測情報検出部104の詳細な構成と動作は後述する。
動き補償予測部105は、動きベクトル検出部102により検出された動きベクトル或
いはインター予測情報検出部104により検出された参照先として選択される隣接ブロッ
クの符号化情報を用いて、参照ピクチャから動き補償予測により予測画像信号を生成し、
当該予測画像信号を予測方法決定部107に供給する。尚、双予測の場合は、主に前方向
の予測として使われるL0予測、主に後方向の予測として使われるL1予測の2つの動き
補償予測画像信号に適応的に重み係数を掛け算して重畳し、最終的な予測画像信号を生成
する。この重み付け係数は、スライス単位或いは予測ブロック単位で設定される。
マージ検出部106は、予測モードがマージモードの場合にインター予測情報検出部1
04にて取得される処理対象の予測ブロックが参照する隣接ブロック(以下、参照隣接ブ
ロックという)の符号化情報を、処理対象の予測ブロックの符号化情報として利用する為
に、隣接ブロックを優先して参照する順位に並び換えて参照候補リストに登録する。マー
ジ検出部106は、当該参照候補リストの中に登録された符号化情報を処理対象の予測ブ
ロックの符号化情報として検出し、検出された符号化情報の動きベクトル、参照ピクチャ
番号、参照リスト等を動き補償予測部105に供給する。更に、マージ検出部106は、
検出された符号化情報を備える参照隣接ブロックを特定するインデックスを予測方法決定
部107に供給する。マージ検出部106の詳細な構成と動作は後述する。
予測方法決定部107は、参照隣接ブロックの符号化情報、隣接ブロックを特定するイ
ンデックスの符号量、動き補償予測信号と画像信号との間の歪量等を評価することにより
、複数の予測方法の中から、最適な予測ブロックサイズ、分割モード(PartMode
)、予測モード(PredMode)等を含む予測方法を決定する。予測方法決定部10
7は、決定された予測方法を示す情報及び決定された予測方法に応じた差分動きベクトル
等を含む符号化情報を第1の符号化ビット列生成部109に供給する。尚、予測ブロック
サイズ、分割モード及び予測モードの詳細については後述する。
スイッチ108は、動画像符号化装置100により制御される予測モードに応じて、イ
ンター予測情報検出部104により検出された参照先として選択される隣接ブロックの符
号化情報を動きベクトル予測部103或いはマージ検出部106との間で切り換えて供給
する。更に、スイッチ108は、決定された予測方法を示す情報及び決定された予測方法
に応じた動きベクトル等を含む符号化情報を符号化情報格納メモリ114に格納し、決定
された予測モードに応じた動き補償予測画像信号を残差信号生成部110及び復号画像信
号重畳部113に与える。
残差信号生成部110は、符号化する画像信号と予測信号との引き算を行い残差信号を
生成し、直交変換・量子化部111に与える。直交変換・量子化部111は、残差信号に
対して直交変換及び量子化を行い直交変換・量子化された残差信号を生成し、第2の符号
化ビット列生成部116と逆量子化・逆直交変換部112に供給する。
第1の符号化ビット列生成部109は、予測方法決定部107によって決定された予測
方法情報及び当該予測方法情報に応じた差分動きベクトルに関する情報を、規定のシンタ
ックス規則に従って符号化して第1の符号化ビット列を生成し、符号化ビット列多重化部
117に供給する。
尚、必要に応じて予測方法決定部107から供給される重み付け予測の重み付けパラメ
ータ、インターレース符号化の際のフレーム/フィールド予測を識別するフラグ、量子化
の量子化パラメータ、残差信号を符号化したか否かを示すフラグ、直交変換の手法を識別
するフラグ、残差信号の符号化順序を識別するフラグ、デブロッキングフィルタ等のポス
トフィルタの情報等の、符号化情報の予測値と実際に用いる値との差分が第1の符号化ビ
ット列生成部109に供給され、符号化される。更に、残差信号の符号化順序を識別する
フラグ等の、予測された符号化情報を符号化情報格納メモリ114に格納する。
第2の符号化ビット列生成部116は、直交変換及び量子化された残差信号を規定のシ
ンタックス規則に従ってエントロピー符号化して第2の符号化ビット列を生成し、符号化
ビット列多重化部117に供給する。符号化ビット列多重化部117は、第1の符号化ビ
ット列と第2の符号化ビット列を規定のシンタックス規則に従って多重化し、ビットスト
リームを出力する。
逆量子化・逆直交変換部112は、直交変換・量子化部111から供給された直交変換
・量子化された残差信号を逆量子化及び逆直交変換して残差信号を算出し、復号画像信号
重畳部113に供給する。復号画像信号重畳部113は、予測方法決定部107による決
定に応じた予測信号と、逆量子化・逆直交変換部112で逆量子化及び逆直交変換された
残差信号を重畳して復号画像を生成し、復号画像メモリ115に格納する。尚、復号画像
に対して符号化によるブロック歪等の歪を減少させるフィルタリング処理を施して、復号
画像メモリ115に格納されることもある。その場合、必要に応じてデブロッキングフィ
ルタ等のポストフィルタの情報を識別するフラグ等の、予測された符号化情報を符号化情
報格納メモリ114に格納する。
図4は図2の動画像符号化装置100に対応した実施例における動画像復号装置200
の構成を示すブロック図である。当該動画像復号装置200は、ビット列分離部201、
第1の符号化ビット列復号部202、第2の符号化ビット列復号部203、動きベクトル
算出部204、インター予測情報検出部205、マージ判定部206、動き補償予測部2
07、逆量子化・逆直交変換部208、復号画像信号重畳部209、符号化情報格納メモ
リ210、復号画像メモリ211及びスイッチ212を備える。尚、図2の動画像符号化
装置100と同様に、各ブロック間を結ぶ太実線の矢印はピクチャの画像信号、細実線の
矢印は符号化を制御するパラメータ信号の流れを表すものである。
図4の動画像復号装置200の復号処理は、図2の動画像符号化装置100の内部に設
けられている復号処理に対応するものであるから、図4の動き補償予測部207、逆量子
化・逆直交変換部208、復号画像信号重畳部209、符号化情報格納メモリ210及び
復号画像メモリ211の各構成は、図2の動画像符号化装置100の動き補償予測部10
5、逆量子化・逆直交変換部112、復号画像信号重畳部113、符号化情報格納メモリ
114及び復号画像メモリ115の各構成とそれぞれ対応する機能を有する。
ビット列分離部201に供給されるビットストリームは、規定のシンタックスの規則に
従って分離され、分離された符号化ビット列が第1の符号化ビット列復号部202及び第
2の符号化ビット列復号部203に供給される。
第1の符号化ビット列復号部202は、供給された符号化ビット列を復号して予測モー
ド、動きベクトル等に関する符号化情報を出力し、符号化情報を動きベクトル算出部20
4またはインター予測情報検出部205と、動き補償予測部207に与えるとともに符号
化情報格納メモリ210に格納する。
第2の符号化ビット列復号部203は、供給された符号化ビット列を復号して直交変換
・量子化された残差信号を算出し、直交変換・量子化された残差信号を逆量子化・逆直交
変換部208に与える。
動きベクトル算出部204は、予測モードが動き検出モードの場合にインター予測情報
検出部205にて判定され、出力される符号化情報の動きベクトルを予測動きベクトルと
して、第1の符号化ビット列復号部202で復号された差分ベクトル及び当該予測動きベ
クトルから動きベクトルを算出し、当該動きベクトルを動き補償予測部207に供給する
とともに、符号化情報格納メモリ210に供給する。
インター予測情報検出部205は、処理対象の予測ブロックが参照する同一ピクチャ上
で処理対象の予測ブロックの周辺に隣接する復号済みの予測ブロック、或いは時間が異な
る別ピクチャの中で処理対象の予測ブロックと同一位置のブロック周辺に隣接する予測ブ
ロックの符号化情報を符号化情報格納メモリ210から取得する。符号化情報格納メモリ
210に記憶されている既に復号された周辺の隣接ブロック、或いは時間が異なる別ピク
チャの隣接ブロックの符号化情報のうち、処理対象の予測ブロックの位置情報から、複数
の参照先候補の隣接ブロックの符号化情報を検出し、参照先として選択される隣接ブロッ
クの符号化情報とその隣接ブロックを特定するインデックスを、スイッチ212に入力さ
れる動画像復号装置200により復号された予測モードで切り換えて供給する。インター
予測情報検出部205の詳細な構成と動作は後述する。
マージ判定部206は、予測モードがマージモードの場合にインター予測情報検出部2
05にて取得される処理対象の予測ブロックが参照隣接ブロックの符号化情報を、処理対
象の予測ブロックの符号化情報として利用する為に、隣接ブロックを優先して参照する順
位に並び換えて参照候補リストに登録する。マージ判定部206は、当該参照候補リスト
の中から第1の符号化ビット列復号部202で復号された参照隣接ブロックを特定するイ
ンデックスで指定される隣接ブロックを検出し、その符号化情報を動き補償予測部207
に供給するとともに、符号化情報格納メモリ210に供給する。マージ判定部206の詳
細な構成と動作は後述する。
動き補償予測部207は、動きベクトル算出部204で算出された動きベクトル或いは
マージ判定部206により検出された参照先として選択される隣接ブロックの符号化情報
を用いて、参照ピクチャから動き補償予測により予測画像信号を生成し、予測画像信号を
復号画像信号重畳部209に供給する。尚、双予測の場合は、L0予測、L1予測の2つ
の動き補償予測画像信号に適応的に重み係数を掛け算して重畳し、最終的な予測画像信号
を生成する。
逆量子化・逆直交変換部208は、第1の符号化ビット列復号部202で復号された直
交変換・量子化された残差信号に対して逆直交変換及び逆量子化を行い、逆直交変換・逆
量子化された残差信号を得る。
復号画像信号重畳部209は、動き補償予測部207で動き補償予測された予測画像信
号と、逆量子化・逆直交変換部208により逆直交変換・逆量子化された残差信号とを重
畳することにより、復号画像信号を復号し、復号画像メモリ211に格納する。復号画像
メモリ211に格納する際には、復号画像に対して符号化によるブロック歪等を減少させ
るフィルタリング処理を施して、復号画像メモリ211に格納されることもある。
スイッチ212は、第1の符号化ビット列復号部202で復号された予測モードに応じ
て、インター予測情報検出部205により検出された参照先として選択される隣接ブロッ
クの符号化情報を動きベクトル算出部204或いはマージ判定部206との間で切り換え
て供給する。
以下の実施例では、動画像符号化装置100のインター予測情報検出部104及び動画
像復号装置200のインター予測情報検出部205の中で共通に実施される動きベクトル
の予測方法とマージ手法とで参照する周辺の隣接ブロックの配置を統合し、その中から参
照隣接ブロックを選出する方法の詳細について説明する。
本発明における実施例で参照隣接ブロックの選出方法を説明する前に、本実施例にて使
用する用語を定義する
(本発明にて使用する用語の定義)
・符号化ブロックの定義
本実施例では、図5に示されるように、画面内を同一サイズの正方の矩形ブロックにて
均等分割される。このブロックを符号化ブロックと呼び、符号化及び復号化を行う際の処
理の基本とする。符号化ブロックは画面内のテクスチャに応じて、符号化処理を最適にす
べく、符号化ブロック内を4分割して、ブロックサイズの小さい符号化ブロックにするこ
とが出来る。図5で示される画面内を均等サイズで分割される符号化ブロックを最大符号
化ブロックと呼び、その内部を符号化条件に応じて4分割したものを総じて符号化ブロッ
クとする。符号化ブロックをこれ以上4分割出来ない最小のサイズとなる符号化ブロック
を最小符号化ブロックと呼ぶこととする。
・予測ブロックの定義
画面内をブロックに分割して動き補償を行う場合、動き補償のブロックサイズをより小
さくした方が、よりきめ細かい予測を行うことが出来ることから、いくつかのブロックサ
イズの中から最適なものを選択して、動き補償を行う仕組みを取り入れている。この動き
補償を行うブロックを予測ブロックと呼ぶ。予測ブロックは符号化ブロックの内部を分割
する場合に使用され、動き補償に応じて、符号化ブロック内部を分割せず1ブロックとみ
なす場合を最大とし、水平或いは垂直方向に2分割したもの、水平と垂直の均等分割によ
り4分割したものに分けられる。分割方法に応じて、分割タイプに対応した分割モード(
PartMode)が定義されており、図6に示される。図7(a)〜(d)中の矩形内
部の番号は分割された予測ブロックの番号を表す。最小符号化ブロック内部において、予
測ブロックを管理する為に、0から開始する番号が予測ブロックに対して上から下、左か
ら右の順に割り当てられる。
以上のように、符号化ブロックを動き検出・補償を行う場合、動き検出・補償の単位と
しては、符号化ブロック自身のサイズ、符号化ブロックを2分割或いは4分割した個々の
小ブロック、更に4分割した個々の小ブロックを符号化ブロックとして同様に分割するこ
とで予測ブロックの最小サイズまで再帰的に得られるサイズのブロックとなる。以下の説
明では、特に断らない限り動き検出・補償を行う単位は形状、サイズに関わらず“予測ブ
ロック”とする。
(参照リスト)
次に、参照リストについて説明する。符号化及び復号の際には、参照リストLX毎の参
照インデックスから参照ピクチャ番号を指定して参照する。L0とL1の2つが用意され
ていて、Xには0或いは1が入る。参照リストL0に登録されている参照ピクチャを参照
するインター予測をL0予測(Pred_L0)と呼び、参照リストL1に登録されてい
る参照ピクチャを参照する動き補償予測をL1予測(Pred_L1)と呼ぶ。主として
L0予測は前方向予測に、L1予測は後方向予測として使用され、PスライスではL0予
測のみ、BスライスではL0予測、L1予測及びL0予測とL1予測を平均または重み付
け加算する双予測が使用出来る。以降の処理において出力に添え字LXが付いている値に
対しては、L0予測、L1予測ごとに処理を行うことを前提とする。
(符号化情報の記録)
次に、動き検出・補償により検出される動きベクトル等の符号化情報の記録について説
明する。ここで、符号化情報は、動きベクトルをはじめ、参照リスト、参照リストに登録
されている参照ピクチャを示す参照ピクチャ番号、予測モード等、符号化に使用された情
報から構成される。予測ブロック単位に動き検出・補償が行われるが、検出された動きベ
クトル等の符号化情報は、予測ブロック単位で記録せず、上述した最小予測ブロック単位
で記録する。即ち、予測ブロック内部を構成する複数の最小予測ブロックに同一の符号化
情報を記録するようにする。
予測ブロックのサイズは符号化条件によって変わるので、予測ブロック単位に符号化情
報格納メモリ114、210に記録するには、検出された動きベクトルの他に予測ブロッ
クのピクチャ上での位置、予測ブロックの形状等の付加情報が必要になり、符号化情報を
取得する為のアクセスが複雑化する。その為、情報の重複記録による冗長度はあるが、均
一な最小予測ブロック単位に分割し、記録する方がアクセスが容易である。
図8はピクチャを最小予測ブロックで分割した一例であり、この図を用いて符号化情報
格納メモリ114、210に記録される符号化情報の保存形式を説明する。図8中のwは
ピクチャの幅、hはピクチャの高さを表す。最小予測ブロックの幅及び高さをpとすると
、横方向にw/p個、縦方向にh/p個の最小予測ブロックでピクチャは構成されること
になり、この1つ1つの最小予測ブロックに対応する符号化情報が図8中の太実線で表さ
れるラスタスキャン順に符号化情報格納メモリ114、210に記録される。
ここで、図8中の太線で囲まれた矩形領域を予測ブロック(図8中のハッチングで示さ
れる領域)とする。予測ブロックでは動き検出により動きベクトル等の符号化情報が検出
される。検出された符号化情報は、予測ブロックの中を構成する最小予測ブロックに対応
する符号化情報格納メモリ114、210に記録される。符号化情報格納メモリ114、
210の符号化情報の記録領域の先頭アドレスを図8中の左上を原点とすると、予測ブロ
ックの先頭位置は図6中の黒丸で示される。予測ブロックの先頭位置が最小予測ブロック
単位で原点から右にx個、下にy個の位置にあるとすると、予測ブロックの先頭アドレスは
w/p×y+xで表される。その先頭位置の最小予測ブロックから、ハッチングで示され
る予測ブロック内の最小予測ブロックに対応する符号化情報格納メモリ114、210内
の記憶領域に予測ブロックの符号化情報を記録していく。このようにして、予測ブロック
の中の最小予測ブロックに対応する符号化情報格納メモリ114、210の記録領域に、
同じ符号化情報を記録する。
次に、本発明の実施例における、参照隣接ブロックの選出方法を備える動画像符号化装
置により符号化される動画像のビットストリームのシンタックスについて説明する。
(シンタックスの定義)
上述した図3(a)は予測モードにより符号化を大別したものである。画像間予測(I
nterモード)の場合、まずマージ手法を使用するか否かでマージモードと非マージモ
ードに分けられる。非マージモードはブロックマッチング等の動きベクトルの検出を実際
に行うモードであり、動き検出モードと言い換えることが出来る。マージモードは更にs
kipモードと非skipモードに分けられる。skipモードは参照隣接ブロックの符
号化情報により予測された予測画像信号を復号画像とするので、画像残差信号は0となる
。従って、skipモードは符号化伝送を必要とせず、符号化情報の参照先を表すインデ
ックスのみを符号化伝送するモードである。skipモードの符号化情報はマージモード
と同様であり、ここでは画像残差信号を符号化伝送する場合をマージモードと限定するこ
とにする。Interモードの符号化の対象となる信号を分類した表を図3(b)に示す
。skipモードでは、他のモードとは異なり、画像残差信号の符号化伝送を必要としな
い為、図3(a)の予測モードの分岐順に判定を行うよりも、先にskipモードの判定
を行う方がモード判定に使用されるフラグの符号量を抑えることが出来る。
上述した図6はスライスの中の予測ブロック単位に記述されるシンタックスパターンを
示す。まず、skipモードか否かを示すフラグskip_flagが設置される。sk
ip_flagが真(1)で、更に参照隣接ブロックの候補の総数NumMergeCa
ndが1つを超える場合、skipモードが適用され、符号化情報を参照隣接ブロックの
候補リストであるマージリストのインデックスのシンタックス要素merge_idxが
設置される。NumMergeCandが1の場合は、その1つが参照隣接ブロックとな
るので、merge_idxを伝送せずとも参照隣接ブロックの候補が確定する。
次に、予測ブロックの予測モードが画像間予測(Interモード)の場合、マージモ
ードか否かを示すフラグmerge_flagが設置される。merge_flagが真
(1)で、更に参照隣接ブロックの候補の総数NumMergeCandが1つを超える
場合、マージモードが適用され、符号化情報を参照隣接ブロックの候補リストであるマー
ジリストのインデックスのシンタックス要素merge_idxが設置される。NumM
ergeCandが1の場合は、その1つが参照隣接ブロックとなるので、merge_
idxを伝送せずとも参照隣接ブロックの候補が確定する。
merge_flagが偽(0)の場合、マージモードを適用せず、通常の動きベクト
ル検出を行い、動きベクトルや参照ピクチャ番号等の符号化情報を伝送する(動き検出モ
ードに該当する)。予測ブロック毎に、予測ブロックの属するスライスのスライスタイプ
により、符号化及び復号の際に使用する参照リストを選択する。スライスタイプslic
e_typeが“B”の場合、片方向予測或いは双予測を示すフラグinter_pre
d_flagを設定する。
inter_pred_flagはPred_L0(L0予測)、Pred_L1(L
1予測)或いはPred_BI(双予測)に設定する。inter_pred_flag
に基づいて、参照リストLX(X=0或いは1)を設定する。設定された参照リストごと
に動きベクトル検出にて求められた、参照ピクチャ番号を表すシンタックス要素ref_
idx_lX、及び動きベクトルと予測ブロックの周囲の隣接ブロックの予測動きベクト
ルとの差分動きベクトルのシンタックス要素mvd_lX[i]が設置される。ここで、
Xは0或いは1で参照リストを示し、iは差分動きベクトルの成分を表し、i=0はx成
分を、i=1はy成分を表す。
次に、予測動きベクトルの候補の総数NumMvpCand(LX)が1つを超える場
合に、参照する予測動きベクトルの候補リストであるMVPリストのインデックスのシン
タックス要素mvp_idx_lXが設置される。NumMvpCand(LX)は、参
照リストLX(Xは0或いは1)で予測ブロックの予測動きベクトルの候補の総数を算出
する関数を表す。また、動きベクトルの予測方法により予測動きベクトルの候補の総数N
umMvpCand(LX)が1つの場合に、インデックスmvp_idx_lXは設置
されす、符号化されない。予測動きベクトルの候補の総数が1つであれば、その1つが予
測動きベクトルとなるので、mvp_idx_lXを伝送せずとも参照する予測動きベク
トルの候補が確定する為である。以上のシンタックスに基づいて、動画像のビットストリ
ームの符号化及び復号が可能となる。
次に、動き検出モードにおける参照する予測動きベクトルを備える周囲の隣接ブロック
、或いはマージモードにおける符号化情報の参照先となる周囲の隣接ブロックの配置の一
例を図9(a)、(b)に示す。図9(a)、(b)では、処理対象となる予測ブロック
に対して、隣接するブロックを最小予測ブロックで表している。
この構成は、符号化情報格納メモリ114、210に記録された既に符号化済みの符号
化情報に対して、処理対象の予測ブロックの位置と大きさ(ブロックの幅及び高さ)に基
づいてアクセスする場合に都合が良い。図9(a)、(b)で示される周囲の隣接ブロッ
クについて、処理対象の予測ブロックの左側に隣接するブロックを記号“A”で表し、上
側に隣接するブロックを“B”で表す。添え字の数字は位置を表す。
ブロック“T”は時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの一例であ
る。本発明の実施例では処理対象の予測ブロックに対して別ピクチャの右下に設定するこ
ととする。尚、処理対象の予測ブロックの位置によって、ブロックTがピクチャ外となる
場合は、処理対象の予測ブロックに対して別ピクチャの中央付近の最小予測ブロックの位
置とする。図9(a)は同一ピクチャ上の空間にある隣接ブロックで、5つの候補とし、
時間が異なる別ピクチャにある候補と合わせて6つの候補から構成される。図9(b)は
同一ピクチャ上の空間にある隣接ブロックで、4つの候補とし、時間が異なる別ピクチャ
にある候補と合わせて5つの候補から構成される。
図1のように隣接する全てのブロックを候補としてもよいが、例えば、処理対象の予測
ブロックのサイズが64×64画素で、符号化情報格納メモリ114、210に符号化情
報が記憶されるブロックのサイズを4×4画素とすると、処理対象の予測ブロックに隣接
するブロックは左側で16個、上側で16個、更にコーナーで3個のブロックが参照先と
なる隣接ブロックとなる。ハードウェアで実装する場合、想定出来得る最大のメモリアク
セス回数、メモリ量、及び処理量(処理時間)を考慮する必要がある。
本発明の実施例においては、図9(a)に示すように、左側に隣接するブロック、上側
に隣接するブロックをそれぞれ1つに限定することにより参照する候補を絞り、左斜め下
側、右斜め上側及び左斜め上側に隣接するブロックを候補として加えている。また、図9
(b)では、左側に隣接するブロック、上側に隣接するブロックをそれぞれ図9(a)と
は異なる1つに限定することにより参照する候補を絞り、左斜め下側及び右斜め上側に隣
接するブロックを候補としている。
このように、予め候補を限定することで、本発明の実施例では符号化効率を殆ど低下さ
せることなく、メモリアクセス回数、メモリ量、及び処理量(処理時間)を削減する効果
がある。また、後述する実施例3以降ではメモリアクセス回数、メモリ量、及び処理量(
処理時間)を削減することが出来る上に、マージインデックス、MVPインデックスの符
号量を削減することが出来るので、発生符号量を削減する効果もある。また、本発明の実
施例ではマージモードと動き検出モードでは、候補の位置を共通化することにより、更な
るメモリアクセス回数、メモリ量、及び処理量(処理時間)の削減を図っている。
以下では、図9(a)の配置例を使用して説明を行うものとする。図9(b)の配置例
を使用する場合は、以下の説明においてC0を省略することで、図9(a)の配置例と同
様の処理を行うことができる。尚、参照隣接ブロックの配置は、動画像符号化装置100
及び動画像復号装置200にて矛盾が生じない限り、どのような構成をとってもよい。ま
た、参照隣接ブロックの符号化情報は、動画像符号化装置100で既に符号化済み、動画
像復号装置200で既に復号済みの情報とし、符号化情報格納メモリ114、210に記
憶出来る限り、どのような情報でも良いこととする。
図10は、動画像符号化装置100の構成を示す図2及び動画像復号装置200の構成
を示す図4の中に設置される実施例1のインター予測情報検出部104、205の詳細を
示すものである。図10中の太点線で囲まれる部分はインター予測情報検出部104、2
05を示しており、この図を用いて説明する。インター予測情報検出部104、205は
、処理対象ブロック位置検出部301、隣接ブロック指定部302及び一時メモリ303
を含む。マージモードと動き検出モードの両方のモードで、候補の位置を図9(a)の配
置に共通化し、図9(a)の配置の隣接ブロックの符号化情報を符号化情報格納メモリ1
14、210から取得する手順を説明する。
最初に、処理対象の予測ブロックのピクチャ内での位置とサイズの情報が処理対象ブロ
ック位置検出部301に入力される。処理対象の予測ブロックの位置は、ピクチャの左上
の画素を原点とし、処理対象の予測ブロックの左上の画素までの水平及び垂直方向の画素
単位の距離で表される。更に、処理対象の符号化ブロックの分割モードを表すPartM
odeと符号化ブロックが再帰的に分割された回数により、処理対象の予測ブロックの幅
と高さが算出され、処理対象の予測ブロックが参照する参照隣接ブロックの位置が算出さ
れる。
算出された隣接ブロックの位置に基づいて、隣接ブロック指定部302は符号化情報格
納メモリ114、210にアクセスして、その中から図9(a)に示される隣接ブロック
の位置に該当する符号化情報を一時メモリ303に読み込む。一時メモリ303は、イン
ター予測情報検出部104、205内部に設けられ、処理対象の予測ブロックが参照する
参照隣接ブロックの符号化情報を記憶するメモリである。ここで、算出された隣接ブロッ
クの位置が画面外となる場合は、当該隣接ブロックは存在しないので、“0”を一時メモ
リ303に記録することとする。
以上のように、マージモードと動き検出モードの両方のモードで候補の位置を共通化す
ることで、符号化側では隣接ブロックの符号化情報の一時メモリ303への格納処理量が
削減される。また、予測モード毎に予測方法を変更して、その度に必要な隣接ブロックの
符号化情報を取得する為に、符号化情報格納メモリ114にアクセスする必要が無くなる
。一方、復号側ではマージモードと動き検出モードの判別を行う前に、隣接ブロックの符
号化情報の一時メモリ303への格納処理を開始することが可能となるので、復号処理の
速度を向上することが出来る。
本発明の実施例に係る符号化情報の選出方法を備える動画像符号化装置100及び動画
像復号装置200では、処理対象の予測ブロックの動きベクトルや参照ピクチャ番号等の
符号化情報をそのまま符号化するのではなく、符号化情報格納メモリ114、210に格
納された、既に符号化/復号済みの周囲の隣接ブロックの符号化情報を参照、利用する。
そして、参照隣接ブロックの位置を示すインデックスや動きベクトルを予測する予測動き
ベクトルのインデックスを符号化することで、符号化情報にかかる符号量の削減が実現さ
れる。以下では、インター予測情報検出部104、205により取得された隣接ブロック
の符号化情報から、符号化過程で参照隣接ブロックの位置を示すインデックスや動きベク
トルを予測する予測動きベクトルのインデックスを導出する手法と、符号化過程に対応す
る復号過程で復号された参照隣接ブロックの位置を示すインデックスや動きベクトルを予
測する予測動きベクトルのインデックスに基づいて、符号化情報を取得する手法の具体的
な実施例を示すこととする。
(実施例1)
まず、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例1のマージ検
出部106について説明する。図11はマージ検出部106の詳細な構成を示すものであ
る。図11中の太点線で囲まれる部分はマージ検出部106を示しており、この図を用い
て説明する。マージ検出部106は、符号化情報導出部310、参照候補リスト作成部3
11、同一情報検出部312、出力部313及び参照候補リスト格納メモリ314を含む
最初に、スイッチ108に入力される動画像符号化装置100により制御される予測モ
ードにより、インター予測情報検出部104の出力先がマージ検出部106に切り換えら
れる。インター予測情報検出部104の内部の一時メモリ303に記憶された処理対象の
予測ブロックが参照する参照隣接ブロックの符号化情報が符号化情報導出部310に入力
される。
符号化情報導出部310の動作を図12のフローチャートを用いて説明する。最初に入
力された隣接ブロックの中から処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブロッ
クの符号化情報が有効か否かを判定し、導出する(S100)。
図13に処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブロック毎の判定処理の詳
細な流れを示す。まず、変数Nを初期化する(S200)。変数Nには図9(a)に示さ
れる同一のピクチャ上にある隣接ブロックA1,B1,B0,A0,C0が設定される。
ここで、初期化時にはN=A1に設定することとし、変数Nの更新はB1,B0,A0,
C0の順で行うこととする。
次に、以降の判定で使用する隣接ブロックの符号化情報を格納しておく変数を初期化す
る。ここで、変数は隣接ブロックが有効か否かを示すフラグavailableFlag
N、動きベクトルmvLXN、参照ピクチャ番号refIdxLXN及び参照リストの有
効性を示すフラグpredFlagLXNであり、次のように初期化される(S201)

availableFlagN=0
mvLXN=(0,0)
refIdxLXN=0
predFlagLXN=0
ここで、添え字Xには参照リストを表す0若しくは1が設定される。変数Nの隣接ブロ
ック(以下、隣接ブロックNとする)の位置及び符号化情報を取得する(S202)。
取得された隣接ブロックNの位置に基づいて、隣接ブロックNが有効か否かを判定する
(S203)。例えば、処理対象の予測ブロックがピクチャ左端に位置する場合、処理対
象の予測ブロックの左の隣接ブロックは存在しないので、符号化情報格納メモリ114の
中に該当する符号化情報は無いことになり、無効と判定される。隣接ブロックNが無効の
場合(S203のN)、availableFlagNを“0”に設定する(S207)
。隣接ブロックNが有効の場合(S203のY)、隣接ブロックNの予測モードが画面内
符号化(Intra)モードか否かを判定する(S204)。
隣接ブロックNの予測モードがIntraモードの場合(S204のY)、avail
ableFlagNを“0”に設定する(S207)。隣接ブロックNの予測モードがI
ntraモードでない場合(S204のN)、availableFlagNを“1”に
設定する(S205)。続いて、隣接ブロックNの符号化情報を、refIdxLXN、
mvLXN及びpredFlagLXNに代入して設定する(S206)。
以上のようにして、隣接ブロックNに対する判定処理が終了すると、変数Nが隣接ブロ
ックの最後か否かの判定を実施する(S208)。変数Nの更新はA1,B1,B0,A
0,C0の順に行われるので、ここではNがC0か否かの判定を行う。NがC0であれば
(S208のY)、全ての隣接ブロックに対して判定をしたことになり、処理を終了する
。NがC0でない場合(S208のN)、Nの更新を行う(S209)。上述した隣接ブ
ロックの順番にNを更新して、ステップS201以降の処理を隣接ブロックNについて繰
り返す。以上のようにして、処理対象の予測ブロックと同一ピクチャ上に存在する周囲の
隣接ブロックを参照ブロックとして、その符号化情報が導出される。
続いて、図12に戻り、時間が異なる別のピクチャをマージ候補とする場合の処理対象
の予測ブロックの参照ピクチャ番号を決定する(S101)。この処理は、次に説明する
、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの動きベクトルを参照して処
理対象の予測ブロックがインター予測する際の参照ピクチャを決定する為に行われる。そ
の際、既に符号化済みの隣接ブロックの符号化情報から処理対象の予測ブロックが参照す
るピクチャの参照ピクチャ番号を決定する。ここでは、前の処理(S100)にて導出さ
れた同一のピクチャ上の隣接ブロックの符号化情報に基づく手法を図14を用いて説明す
る。
まず、ステップS100により導出された4つの隣接ブロックを3つのグループに分類
する。グループとしては、処理対象の予測ブロックの左辺に接する隣接ブロックをグルー
プA、上辺に接する隣接ブロックをグループB、及びコーナーで接する隣接ブロックをグ
ループCとして、それぞれのグループで判定を行う。
まず、グループAについて図14(a)を用いて説明する。グループAに属する隣接ブ
ロックはA1であるので、ステップS100でのA1が有効か否かを示すフラグavai
lableFlagA1を調べる(S300)。availableFlagA1が1で
あれば(S300のY)、グループAの参照ピクチャ番号refIdxLXAをA1の参
照ピクチャ番号に設定する。そうでなければ(S300のN)、refIdxLXAを参
照ピクチャ番号が無いことを示す−1に設定する。
同様にして、グループBについて図14(b)を用いて説明する。グループBに属する
隣接ブロックはB1であるので、ステップS100でのB1が有効か否かを示すフラグa
vailableFlagB1を調べる(S301)。availableFlagB1
が1であれば(S301のY)、グループBの参照ピクチャ番号refIdxLXBをB
1の参照ピクチャ番号に設定する。そうでなければ(S301のN)、refIdxLX
Bを−1に設定する。
グループCに属する隣接ブロックはA0、B0とC0であり、図14(c)に示される
ように、B0、A0、C0の順に判定を行う。A1、B1と同様にB0のフラグavai
lableFlagB0を調べる(S302)。availableFlagB0が1で
あれば(S302のY)、グループCの参照ピクチャ番号refIdxLXCをB0の参
照ピクチャ番号に設定し、そうでなければ(S302のN)、A0のフラグavaila
bleFlagA0を調べる(S303)。availableFlagA0が1であれ
ば(S303のY)、グループCの参照ピクチャ番号refIdxLXCをA0の参照ピ
クチャ番号に設定する。そうでなければ(S303のN)、C0のフラグavailab
leFlagC0を調べる(S304)。availableFlagC0が1であれば
(S304のY)、グループCの参照ピクチャ番号refIdxLXCをC0の参照ピク
チャ番号に設定する。そうでなければ(S304のN)、refIdxLXCを−1に設
定する。
尚、図9(b)に示される同一のピクチャ上にある隣接ブロックのように、C0の位置
のブロックが無い場合は、B0とA0の2つの隣接ブロックに対して判定を行うこととす
る。こうして導出された各グループの参照ピクチャ番号refIdxLXN(NはA,B
或いはC)の多数決或いは最小値を選択することで時間が異なる別のピクチャの同一位置
に隣接するブロックの参照ピクチャ番号を決定する。
図15に参照ピクチャ番号refIdxLXNに基づく判定を示す。図15の上から順
に説明する。1〜4行目はrefIdxLXNに同じ値が存在する場合であり、多数決に
より選択する。1行目はrefIdxLXNが全て同じ場合であり、−1であれば0を、
そうでなければrefIdxLXAの値とする。2〜4行目は3つのrefIdxLXN
のうち2つが同じ場合であり、2つが同じ場合の値が−1なら残りの1つのrefIdx
LXNの値を、そうでなければ2つが同じ場合の値とする。
5〜8行目はrefIdxLXNに同じ値が存在しない場合であり、その中から最小値
を選択する。3つの中から−1となっているrefIdxLXNを除き、最小の参照ピク
チャ番号の値を選択する。以上のようにして、処理対象の予測ブロックの参照ピクチャ番
号が決定されるが、この手法以外の手法を用いても構わない。
図12に戻り、次に、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの符号
化情報が有効か否かを判定し、導出する(S102)。図16に処理対象の予測ブロック
と別のピクチャにある隣接ブロックの判定処理の詳細な流れを示す。最初に処理対象の予
測ブロックを含むピクチャとは時間が異なる別のピクチャを指定する(S400)。処理
対象の予測ブロックを含むスライスがPスライスの場合、L0予測のみ使用出来るので、
L0の参照リストの中の参照ピクチャ番号0で示されるピクチャを指定する。Bスライス
の場合、L0予測、L1予測の一方及びL0,L1の双予測が使用可能であるが、L0或
いはL1のどちらか一方の参照リストの参照ピクチャ番号0で示されるピクチャを指定す
る。ここでは、Bスライスの場合の時間が異なる別のピクチャの指定について言及しない
が、例えばスライスヘッダー内に、Bスライスの場合にどちらの参照リストを参照するか
を予め決めておくパラメータを挿入する等の手法も考えられる。
続いて、参照する時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの位置を指
定する(S401)。実施例1では、図9(a)で示される参照隣接ブロック“T”を時
間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックとしているので、処理対象の予測
ブロックの位置と分割モードを表すPartModeと分割回数により、処理対象の予測
ブロックの幅と高さが算出され、隣接ブロック“T”の位置が算出される。算出された隣
接ブロックの位置がピクチャ外となる場合は、時間が異なる別のピクチャにおいて、処理
対象の予測ブロックと同一位置の中央付近の位置とする。以下の説明では、時間が異なる
別のピクチャをcolピクチャ、そのピクチャの処理対象のブロックの同一位置に隣接す
るブロックをcolブロックとし、その動きベクトルや参照ピクチャ番号には添え字とし
て“Col”を付けて表すこととする。
colピクチャとその中の処理対象の予測ブロックと同一位置に隣接するブロックco
lブロックの位置に基づいて、colブロックの符号化情報を符号化情報格納メモリ11
4にアクセスして読み込み、符号化情報が有効か否かを判定し、動きベクトルを導出する
(S402)。
図17はそれらの導出の詳細な処理を示し、この図を用いて説明する。符号化情報格納
メモリ114から読み込まれたcolブロックの符号化情報と位置からcolブロックが
有効か否かを判定する(S500)。colブロックが存在しない、或いはcolブロッ
クの予測モードがIntraの場合(S500のY)、colブロックの基準動きベクト
ルmvColを(0,0)、基準有効フラグavailableFlagColを0に設
定し(S501)、ステップS509に進む。そうでない場合(S500のN)、col
ブロックのL0参照リストの有効性を示すフラグpredFlagL0の判定に進む(S
502)。
predFlagL0が0の場合(S502のY)、L0予測が無効なので、L1予測
の符号化情報を選択し、mvColをmvL1、基準参照ピクチャ番号refIdxCo
lをrefIdxL1に設定し(S503)、ステップS507に進む。そうでない場合
(S502のN)、即ちL0予測が有効な場合、colブロックのL1参照リストの有効
性を示すフラグpredFlagL1の判定に進む(S504)。
predFlagL1が0の場合(S504のY)、L1予測が無効なので、L0予測
の符号化情報を選択し、mvColをmvL0、refIdxColをrefIdxL0
に設定し(S505)、ステップS507に進む。そうでない場合(S504のN)、即
ちL0及びL1予測とも有効な場合、Pred_BIモードの場合の導出に進む(S50
6)。Pred_BIモードの場合の導出では、L0予測或いはL1予測のどちらか一方
を選択する。
選択方法は、例えばステップS500にて選択したcolピクチャと同じ参照リストを
選択する、colブロックのL0予測、L1予測のそれぞれの参照ピクチャでcolピク
チャとの画像間距離が近い方を選択する、或いはcolブロックのL0予測、L1予測の
それぞれの動きベクトルが処理対象のピクチャと交差する方を選択する等が挙げられる。
3つ目の判定基準の一例を図18に示す。この例では、処理対象のピクチャがcolブ
ロックの動きベクトルと交差する場合、即ち、colピクチャの参照ピクチャ、処理対象
のピクチャ、colピクチャの時間順に表示され、colブロックに相当するブロックは
必ず処理対象のピクチャ内部に存在することになり、微小時間内で周辺領域の動きを評価
する上では、交差する側の予測を選択する方が動きベクトル予測において近い値が得られ
る信頼性が高いことになる。その為、処理対象のピクチャと交差する動きベクトルの参照
リスト側を選択し、mvCol及びrefIdxColを設定する。
図17に戻り、次に、動きベクトルが存在することから、基準有効フラグavaila
bleFlagColを1に設定する(S507)。参照リストを示す変数Xを0に設定
して(S508)、colブロックのL0及びL1予測の動きベクトルを導出する。上述
の過程で求められた基準動きベクトルmvColと基準参照ピクチャ番号refIdxC
olから参照ピクチャの位置を指定し、colピクチャとの画像間距離colDistを
算出する。
一方、ステップS401にて決定された処理対象の予測ブロックの参照ピクチャ番号r
efIdxLXから参照ピクチャの位置を指定し、処理対象のピクチャとの画像間距離c
urrDistを算出する。currDistとcolDistの比較を行う(S509
)。currDistとcolDistが同じ場合(S509のOK)、基準動きベクト
ルmvColをそのままmvLXColとする(S510)。
currDistとcolDistが異なる場合(S509のNG)、スケーリングに
よる距離換算を施す。スケーリングは隣接ブロックの参照するピクチャの画像間距離を、
処理対象の予測ブロックが参照するピクチャとの画像間距離に合わせて、隣接ブロックの
動きベクトルを距離換算して、処理対象の予測ブロックの動きベクトルとする処理である
。図18にスケーリングの一例を示す。colピクチャ上のcolブロックと処理対象の
予測ブロックのそれぞれ参照するピクチャとの画像間距離がcolDist、currD
istであることから、colブロックの動きベクトルmvColを次式により処理対象
の予測ブロックの画像間距離に合わせて、動きベクトルが算出される(S511)。
Figure 2015053720
・・・(式1)
Xが1か否かを判定する(S512)。Xが1でない、即ち0の場合(S512のN)
、L1予測の方向についても同様の手順で算出する。その為、Xを1に更新して(S51
3)、ステップS509以降を繰り返す。Xが1の場合(S512のY)、処理を終了す
る。
こうして得られた隣接ブロックの符号化情報は参照候補リスト作成部311に入力され
る。実施例1では、参照候補リスト格納メモリ314に参照隣接ブロックの符号化情報の
候補を登録する記憶領域として参照候補リストを設ける。そして、当該参照隣接ブロック
の符号化情報の候補に優先順位をつけて、優先順位の高いものから参照候補リストに、当
該参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録する。これにより、参照候補リストのイン
デックスmerge_idxの符号量を削減することが可能となる。
参照候補リスト中の各要素の位置の高い要素を参照候補リストの前方に配置することで
、符号量を削減する。優先順位を示すインデックスmerge_idxは0から昇順に割
り当てる。例えば、参照候補リストの要素が3個の場合、参照候補リストのインデックス
0を“0”(2進数表記)、インデックス1を“10”(2進数表記)、インデックス2
を“11”(2進数表記)とすることで、インデックス0を表す符号量が1ビットとなり
、インデックス0に発生頻度が高いと考えられる要素を登録することで、符号量を削減す
る。
参照候補リスト格納メモリ314に設けられる参照候補リストは、リスト構造を成し、
参照候補リスト内部の所在を示すインデックスと、インデックスに対応する参照隣接ブロ
ックの符号化情報の候補を要素として格納する配列領域が設けられる。この配列領域はc
andListで表される。インデックスの数字は0から開始され、参照候補リストca
ndListの記憶領域に、参照隣接ブロックの符号化情報の候補が格納される。以降の
処理では、参照候補リストcandListに登録されたインデックスiの符号化情報は
、candList[i]で表すこととし、参照候補リストcandListとは配列表
記をすることで区別することとする。尚、参照候補リストの記憶領域に格納される符号化
情報は、特に断らない限り、参照隣接ブロックの位置名(A0,A1,B0,B1,C0
,T)で表すこととする。
参照候補リスト作成部311の動作を図19のフローチャートを用いて説明する。まず
、変数Nと参照候補リストのインデックスkを初期化する(S600)。変数Nには図9
(a)に示される隣接ブロックA1が初期設定され、kは0に設定される。インデックス
kは参照候補リストの記憶領域に設定される符号化情報の候補の格納領域の優先順位を示
す。
次に、参照隣接ブロックNの有効フラグavailableFlagNの判定が行われ
る(S601)。availableFlagNが1の場合(S601のY)、隣接ブロ
ックNの符号化情報を参照候補リストcandList[k]に登録し(S602)、k
を更新する(S603)。availableFlagNが0の場合(S601のN)、
参照候補リストには登録せず、次に進む。
隣接ブロックNが最後の参照ブロックか否かを判定する(S604)。最後のブロック
である場合(S604のY)、インデックスの値を候補リスト総数NumListCan
dに設定した後(S605)、処理を終了する。最後のブロックで無い場合(S604の
N)、変数Nを更新して(S606)、ステップS601以降の処理を繰り返す。
ここで、変数Nを更新する隣接ブロックの順番が参照候補リストに格納する優先順位と
なっており、実施例1では、マージモードの場合、順番(A1,B1,B0,A0,C0
,T)を設定することとする。優先順位の上位にあるものほど参照候補リストの前方に登
録し、参照候補リスト中のマージ候補を特定するマージインデックスに短い符号長の符号
が割り当てられる。
マージモードの場合は、処理対象の予測ブロックの辺と、符号化情報が最も等しい可能
性が高いと考えられる処理対象の予測ブロックの辺とが接している隣接ブロックA1及び
B1を優先して参照候補リストの前方に登録する。これにより、マージインデックスの符
号量を削減し、符号化効率を向上させる。
以上の処理により、参照候補リストに登録された、参照隣接ブロックが全て有効であれ
ば、図20に示される順番で参照候補リストが作成される。優先順位をインデックスとし
て、各符号語は参照候補リストの右列で表され、最大符号語長はNumListCand
−1となる。図20の場合、NumListCandは6であり、符号語は最大5ビット
で表される。参照隣接ブロックが1つだけ有効となる場合、最大符号語長は0となるので
、インデックスは必要とせず、1つだけ有効と判定された隣接ブロックの符号化情報の候
補が参照先として一意に決定されることになる。
作成された参照候補リストは同一情報検出部312に入力される。同一情報検出部31
2では、参照候補リストの中に格納された符号化情報の候補を比較して、同じ符号化情報
の候補が存在する場合、最も小さい参照候補リストのインデックスを持つ符号化情報の候
補を除いて全て削除される。図21で示されるフローチャートを用いて動作を説明する。
まず、参照候補リストのインデックスを表す変数nとmをそれぞれ0と1に設定する(
S700)。参照候補リストに格納されているインデックスnとmの符号化情報を比較す
る(S701)。ここで、比較する符号化情報は、予測モード、使用されている参照リス
ト、使用されている参照リスト毎の参照ピクチャ番号、及び使用されている参照リスト毎
の動きベクトルである。不一致と判定された場合(S701のN)、ステップS704に
進む。一致と判定された場合(S701のY)、nとmでインデックスの大きい方、即ち
mが既に削除リストに記録されているか判定する(S702)。
mが削除リストに既に記録されている場合(S702のY)、ステップS704に進む
。未だ記録されていない場合(S702のN)、mを削除リストに記録する(S703)
。削除リストは、同一情報検出部312内に設けられた一時記憶用のメモリである。
次に、mに1を加算して、更新する(S704)。mと候補リスト総数NumList
Candの比較を行う(S705)。mがNumListCandでない場合(S705
のN)、ステップS701以降のインデックスnの符号化情報との比較を繰り返す。mが
NumListCandになった場合(S705のY)はnに1を加算して、更新する(
S706)。
次に、nと(NumListCand−1)との比較を行う(S707)。nが(Nu
mListCand−1)でない場合(S707のN)、mを(n+1)に設定して(S
709)、ステップS701以降の符号化情報の比較を繰り返す。nが(NumList
Cand−1)になった場合(S707のY)、削除リストに記録されたインデックスに
該当するリストの格納領域の符号化情報を削除して、インデックス0を基準に、インデッ
クスが小さい候補の順で詰めていき、符号語と参照候補リストの総数NumListCa
ndを更新して(S708)、終了する。
最後に、出力部313が作成された参照候補リストの中のインデックスと符号化情報を
出力する。参照候補リストは、参照候補リストをマージリストとして、リストの中のイン
デックスをマージインデックスとして出力する。動画像符号化装置100では、動き補償
予測部105と予測方法決定部107に出力される。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される実施例1のマージ検出部106に対
応する、動画像復号装置200の中に設置される実施例1のマージ判定部206について
説明する。図22はマージ判定部206の詳細な構成を示すものである。図22中の太点
線で囲まれる部分はマージ判定部206を示している。マージ判定部206は、符号化情
報導出部310、参照候補リスト作成部311、同一情報検出部312、参照候補リスト
格納メモリ314及び選択部を含む。
マージ判定部206は動画像符号化装置100のマージ検出部106と対応しており、
内部の構成は選択部315と出力部313が異なるだけで、それ以外の符号化情報導出部
310、参照候補リスト作成部311、同一情報検出部312及び参照候補リスト格納メ
モリ314は同一の機能を備える。従って、同一情報検出部312までの処理で符号化過
程と同一の参照候補リストが作成されることになる。
以下では、作成された参照候補リストから、マージモードにおける参照隣接ブロックの
符号化情報を取得する選択部315について説明する。選択部315は、作成された参照
候補リストの中から、第1の符号化ビット列復号部202で復号された参照隣接ブロック
を特定するインデックスで指定される参照候補リストの隣接ブロックを選択する。選択さ
れた符号化情報を動き補償予測部207に供給するとともに、符号化情報格納メモリ21
0に供給する。
次に、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例1の動きベク
トル予測部103について説明する。図23は動きベクトル予測部103の詳細な構成を
示すものである。図23中の太点線で囲まれる部分は動きベクトル予測部103を示して
おり、この図を用いて説明する。動きベクトル予測部103は、符号化情報導出部320
、参照候補リスト作成部321、同一情報検出部322、出力部323、参照候補リスト
格納メモリ324及び差分動きベクトル算出部326を含む。
インター予測情報検出部104の内部の一時メモリ303に記憶された処理対象の予測
ブロックが参照する参照隣接ブロックの符号化情報が符号化情報導出部320に入力され
る。符号化情報導出部320の動作を図24のフローチャートを用いて説明する。
最初に入力された隣接ブロックの中から処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある
隣接ブロックの符号化情報が有効か否かを判定し、導出する(S800)。図25に処理
対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブロック毎の判定処理の詳細な流れを示す
。尚、図25の判定処理はL0,L1のリスト毎に独立して行う。
処理対象の予測ブロックの予測モードに応じて、片方向予測でL0予測の場合は参照リ
ストL0に登録されている符号化情報だけを、片方向予測でL1予測の場合は参照リスト
L1に登録されている符号化情報だけを、双予測の場合は参照リストL0,L1に登録さ
れているそれぞれの符号化情報の判定処理を行う。本明細書では、特に注釈をしない限り
、動き検出モード時の判定処理は参照候補リストの一方をLXとして説明することとし、
図で示す参照候補リストも1つだけ挙げることにする。
まず、変数Nを初期化する(S900)。変数Nには図9(a)に示される同一のピク
チャ上にある隣接ブロックA1,B1,B0,A0,C0が設定される。ここで、初期化
時にはN=A1に設定することとし、変数Nの更新はB1,B0,A0,C0の順で行う
こととする。
次に、以降の判定で使用する隣接ブロックの符号化情報を格納しておく変数を初期化す
る。ここで、変数は隣接ブロックが有効か否かを示すフラグavailableFlag
LXN、動きベクトルmvLXN、参照ピクチャ番号refIdxLXN及び参照リスト
の有効性を示すフラグpredFlagLXNであり、次のように初期化される(S90
1)。
availableFlagLXN=0
mvLXN=(0,0)
refIdxLXN=0
predFlagLXN=0
ここで、添え字Xには参照リストを表す0若しくは1が設定される。変数Nの隣接ブロ
ック(以下、隣接ブロックNとする)の位置及び符号化情報を取得する(S902)。
取得された隣接ブロックNの位置に基づいて、隣接ブロックNが有効か否かを判定する
(S903)。例えば、処理対象の予測ブロックがピクチャ左端に位置する場合、処理対
象の予測ブロックの左の隣接ブロックは存在しないので、符号化情報格納メモリ114の
中に該当する符号化情報は無いことになり、無効と判定される。
隣接ブロックNが無効の場合(S903のN)、availableFlagLXNを
“0”に設定する(S908)。隣接ブロックNが有効の場合(S903のY)、隣接ブ
ロックNの予測モードが画面内符号化(Intra)モードか否かを判定する(S904
)。
隣接ブロックNの予測モードがIntraモードの場合(S904のY)、avail
ableFlagLXNを“0”に設定する(S908)。隣接ブロックNの予測モード
がIntraモードでない場合(S904のN)、処理対象の予測ブロックの算出対象の
予測と同じ参照リストで同じ参照ピクチャ番号を用いた予測が隣接ブロックNでも行われ
ているかどうかを判定する(S905)。
行われていない場合(S905のN)、availableFlagLXNを“0”に
設定する(S908)。行われている場合(S905のY)、availableFla
gLXNを“1”に設定する(S906)。続いて、隣接ブロックNの動きベクトルの値
をmvLXNに代入して設定する(S907)。
以上のようにして、隣接ブロックNに対する判定処理が終了すると、変数Nが隣接ブロ
ックの最後か否かの判定を実施する(S909)。変数Nの更新はA1,B1,B0,A
0,C0の順に行われるので、ここではNがC0か否かの判定を行う。NがC0であれば
(S909のY)、全ての隣接ブロックに対して判定をしたことになり、処理を終了する
。NがC0でない場合(S909のN)、Nの更新を行う(S910)。上述した隣接ブ
ロックの順番にNを更新して、ステップS901以降の処理を隣接ブロックNについて繰
り返す。
尚、実施例1では、ステップS905にて処理対象の予測ブロックの算出対象の予測と
同じ参照リストで同じ参照ピクチャ番号を用いた予測が隣接ブロックNでも行われている
かどうかの判定を行った。これは、同一の参照ピクチャ番号及び参照リストの条件であれ
ば、近接している処理対象の予測ブロックと隣接ブロックNの動きベクトルが同一または
近い値になる確率が高いので、動きベクトルの差分値が小さくなり、符号化効率を向上さ
せることになる。
しかしながら、必ずしも同一ピクチャ上に同じ参照ピクチャ番号及び参照リストを用い
た予測を行う隣接ブロックが存在するとは限らず、存在しない場合は、動きベクトルの差
分値を算出することができず、符号化効率を低下させることになる。そこで、ステップS
905の同一の参照リスト及び参照ピクチャ番号の条件で判定を狭めずに、隣接ブロック
で行われている予測が、次の条件を満たす場合においても、隣接ブロックが有効か否かを
示すフラグavailableFlagLXNを1(有効)とし、参照隣接ブロックの候
補として、その符号化情報を導出する。
条件1:同じ参照リストで、同じ参照ピクチャ番号
条件2:異なる参照リストで、同じ参照ピクチャ番号
条件3:同じ参照リストで、異なる参照ピクチャ番号
条件4:異なる参照リストで、異なる参照ピクチャ番号
この場合の処理の流れを図26に示す。図26が図25と異なるのは、図25のステッ
プS905の条件1のみの条件判定を削除した点、ステップS911の条件1から4の条
件判定を行い、条件1または2を満たさない場合は動きベクトルのスケーリング処理(S
912)を追加した点である。それ以外のステップS900からステップS910は図2
5の説明と同等であるので、以下では、変更・追加された箇所について説明する。
隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない場合(S904のN)、ava
ilableFlagLXNを“1”に設定する(S906)。続いて、処理対象の予測
ブロックの算出対象の予測の符号化情報と隣接ブロックNの符号化情報を比較することで
条件1から4を判定する(S911)。条件1または条件2を満たす場合には、隣接ブロ
ックNの同じ参照リスト(条件1に合致した場合)あるいは異なる参照リスト(条件2に
合致した場合)の動きベクトルの値をmvLXNに代入して設定する(S907)。
条件3または条件4を満たす場合、同じ参照リスト(条件3に合致した場合)あるいは
異なる参照リスト(条件4に合致した場合)の隣接ブロックNの動きベクトルのスケーリ
ング処理が実施される(S912)。動き検出モードでは、処理対象の予測ブロックの動
きベクトルをより少ない符号量で伝送する為に、動きベクトル予測が行われる。動きベク
トル予測は、処理対象の予測ブロックの動きベクトルと隣接ブロックの動きベクトルとの
差分をとり、その差分値を符号化する処理である。その際、それぞれ参照するピクチャが
異なると動きベクトルの大きさに影響を及ぼし、差分値が実際の処理対象の予測ブロック
の動きベクトルよりも大きくなってしまうことがある。
そこで、隣接ブロックの参照するピクチャの画像間距離を、処理対象の予測ブロックが
参照するピクチャとの画像間距離に合わせて、隣接ブロックの動きベクトルを距離換算す
るスケーリングが実施される。図27にスケーリングの一例を示す。処理対象の予測ブロ
ックに対して、動きベクトル検出部102で動きベクトル検出が行われ、処理対象の予測
ブロックの動きベクトル、参照ピクチャ番号及び参照リストが検出される。
一方、処理対象のピクチャ上の隣接ブロックは自身の符号化情報が既知であるので、そ
れぞれの参照ピクチャ番号から参照するピクチャを選出する。処理対象のピクチャ上の隣
接ブロックと処理対象の予測ブロックのそれぞれ参照するピクチャとの画像間距離td、
tbが算出され、隣接ブロックNの同じ参照リストLXの動きベクトルmvLX(条件3
に合致した場合)、または異なる参照リストLY(X=0のときY=1、X=1のときY
=0)の動きベクトルmvLY(条件4に合致した場合)を次式により処理対象の予測ブ
ロックの画像間距離に合わせるべく距離換算される。
Figure 2015053720
・・・(式2)
図26に戻り、こうして、換算された動きベクトルmvLXまたはmvLYをmvLX
Nに代入して設定する(S907)。このスケーリング処理を実施することで、処理対象
の予測ブロックに対して、より近い予測動きベクトルを導出して精度向上を図ることが出
来る。以上のようにして、処理対象の予測ブロックと同一ピクチャ上に存在する周囲の隣
接ブロックを参照ブロックとして、その符号化情報が導出される。
図24に戻り、次に、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの符号
化情報が有効か否かを判定し、導出する(S801)。この処理は、マージ検出部106
における符号化情報導出部310のステップS103の処理と基本的に同等である。マー
ジモードの場合、マージ検出部106における符号化情報導出部310では、ステップS
103の処理を行う前に、処理対象の予測ブロックの参照ピクチャ番号の導出(S102
)を行っていた。
これに対して、動き検出モードの場合、処理対象の予測ブロックに対して、動きベクト
ル検出部102で動きベクトル検出が行われ、処理対象の予測ブロックの動きベクトル、
参照ピクチャ番号及び参照リストが検出される。これら検出された処理対象の予測ブロッ
クの符号化情報と既知である時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの
符号化情報から、それぞれの参照ピクチャ番号から参照するピクチャを選出し、処理対象
の予測ブロックとその参照ピクチャとの画像間距離に、時間が異なる別のピクチャの同一
位置に隣接するブロックの動きベクトルを換算して算出する。
こうして得られた隣接ブロックの符号化情報は参照候補リスト作成部321に入力され
る。参照候補リスト作成部321で作成される参照候補リストは、処理対象の予測ブロッ
クのInterモードに応じて、L0予測及びL1予測の2つの参照リストに対してそれ
ぞれ参照候補リストが作成される。Interモードでは片方向予測としてL0予測とL
1予測、双予測としてBi−pred予測が定義されており、Bi−pred予測ではL
0予測及びL1予測の2つの参照リストを使用する。従って、符号化時の予測モードに応
じて、参照候補リスト格納メモリ314に1つないし2つの参照候補リストを設けるよう
にしてもよいし、予めL0予測とL1予測2つ分の参照候補リストを設けておいてもよい
。本明細書では、特に注釈をしない限り、動き検出モード時の参照候補リストは説明の都
合上1つだけを挙げて説明することとし、図で示す参照候補リストも1つだけ挙げること
にする。
実施例1では、参照候補リスト格納メモリ324に、参照隣接ブロックの符号化情報の
候補を登録する記憶領域として参照候補リストを設ける。当該参照隣接ブロックの符号化
情報の候補に優先順位をつけて、優先順位の高いものから参照候補リスト格納メモリ32
4に、当該参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録する。これにより、参照候補リス
トのインデックスmvp_idx_l0及びmvp_idx_l1の符号量を削減するこ
とが可能となる。
優先順位の高い要素を参照候補リストの前方に配置することで、符号量を削減する。参
照候補リスト中の各要素の位置を示すインデックスは0から昇順に割り当てる。参照候補
リスト格納メモリ324に設けられる参照候補リストは、リスト構造を成し、参照候補リ
スト内部の所在を示すインデックスと、インデックスに対応する参照隣接ブロックの符号
化情報の候補を要素として格納する配列領域が設けられる。
この配列領域はcandListLXで表される。インデックスの数字は0から開始さ
れ、参照候補リストcandListLXの記憶領域に、参照隣接ブロックの符号化情報
の候補が格納される。以降の処理では、参照候補リストcandListLXに登録され
たインデックスiの符号化情報は、candListLX[i]で表すこととし、参照候
補リストcandListLXとは配列表記をすることで区別することとする。尚、参照
候補リストの記憶領域に格納される符号化情報は、特に断らない限り、参照隣接ブロック
の位置名(A0,A1,B0,B1,C0,T)で表すこととする。
参照候補リスト作成部321の動作は、マージ検出部106の参照候補リスト作成部3
11と同等であり、符号化情報導出部320にて得られた隣接ブロックが有効か否かを示
すフラグavailableFlagLXNを、動き検出モードで定義された順番A1,
B1,A0,B0,C0,Tに判定し、1(有効)である場合、参照候補リスト格納メモ
リ324に設けた参照候補リストに登録する。
以上の処理により、参照候補リストに登録され、参照隣接ブロックが全て有効であれば
、図20に示される順番で参照候補リストが作成される。優先順位をインデックスとして
、各符号語は参照候補リストの右列で表され、最大符号語長はNumListCand−
1となる。図20の場合、NumListCandは6であり、符号語は最大5ビットで
表される。参照隣接ブロックが1つだけ有効となる場合、最大符号語長は0となるので、
符号語は必要とせず、1つだけ有効と判定された隣接ブロックの符号化情報の候補が参照
先として一意に決定されることになる。
作成された参照候補リストは同一情報検出部322に入力される。同一情報検出部32
2では、参照候補リストの中に格納された動きベクトルを比較して、同じ動きベクトルを
備える候補が存在する場合、最も小さい参照候補リストのインデックスを持つ候補を除い
て全て削除される。図29で示されるフローチャートを用いて動作を説明する。
まず、参照候補リストのインデックスを表す変数nとmをそれぞれ0と1に設定する(
S1000)。参照候補リストに格納されているインデックスnとmの動きベクトルを比
較する(S1001)。不一致と判定された場合(S1001のN)、ステップS100
4に進む。一致と判定された場合(S1001のY)、nとmでインデックスの大きい方
、即ちmが既に削除リストに記録されているか判定する(S1002)。
mが削除リストに既に記録されている場合(S1002のY)、ステップS1004に
進む。未だ記録されていない場合(S1002のN)、mを削除リストに記録する(S1
003)。削除リストは、同一情報検出部322内に設けられた一時記憶用のメモリであ
る。
次に、mに1を加算して、更新する(S1004)。mと候補リスト総数NumLis
tCandの比較を行う(S1005)。mがNumListCandでない場合(S1
005のN)、ステップS1001以降のインデックスnの動きベクトルとの比較を繰り
返す。mがNumListCandになった場合(S1005のY)、nに1を加算して
、更新する(S1006)。
次にnと(NumListCand−1)との比較を行う(S1007)。nが(Nu
mListCand−1)でない場合(S1007のN)、mを(n+1)に設定して(
S1009)、ステップS1001以降の動きベクトルの比較を繰り返す。nが(Num
ListCand−1)になった場合(S1007のY)、削除リストに記録されたイン
デックスに該当するリストの格納領域の符号化情報を削除して、インデックス0を基準に
、インデックスが小さい候補の順で詰めていき、符号語と参照候補リストの総数NumL
istCandを更新して(S1008)、終了する。
差分動きベクトル算出部326は、こうして作成された参照候補リストの中の符号化情
報の動きベクトルを予測動きベクトルとして、動きベクトル検出部102が検出した動き
ベクトルと予測動きベクトルから差分動きベクトルを算出し、算出された差分動きベクト
ルを出力部323に供給する。
最後に、出力部323が、作成された参照候補リストの中のインデックスと差分動きベ
クトルを出力する。参照候補リストは、参照候補リストをMVPリストとして、リストの
中のインデックスをMVPインデックスとして出力する。動画像符号化装置100では、
予測方法決定部107に出力される。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される実施例1の動きベクトル予測部10
3に対応する、動画像復号装置200の中に設置される実施例1の動きベクトル算出部2
04について説明する。図30は動きベクトル算出部204の詳細な構成を示すものであ
る。図30中の太点線で囲まれる部分は動きベクトル算出部204を示している。動きベ
クトル算出部204は、符号化情報導出部320、参照候補リスト作成部321、同一情
報検出部322、参照候補リスト格納メモリ324、選択部325及び動きベクトル加算
部327を含む。
動きベクトル算出部204は、動画像符号化装置100の動きベクトル予測部103と
対応しており、内部の構成は選択部325と出力部323及び動きベクトル加算部327
が異なるだけで、それ以外の符号化情報導出部320、参照候補リスト作成部321、同
一情報検出部322及び参照候補リスト格納メモリ324は同一の機能を備える。従って
、同一情報検出部322までの処理で符号化過程と同一の参照候補リストが作成されるこ
とになる。
以下では、作成された参照候補リストから、動き検出モードにおける参照隣接ブロック
の符号化情報を取得する選択部325について説明する。選択部325は、作成された参
照候補リストの中から、第1の符号化ビット列復号部202で復号された参照隣接ブロッ
クを特定するインデックスで指定される参照候補リストの隣接ブロックを選択する。選択
されたリストの隣接ブロックの符号化情報から動きベクトルを予測動きベクトルとして出
力し、動きベクトル加算部327にて予測動きベクトルと第1の符号化ビット列復号部2
02で復号された差分動きベクトルとを加算して動きベクトルを算出する。当該動きベク
トルを動き補償予測部207に供給するとともに、選択された参照候補リストの隣接ブロ
ックの符号化情報を符号化情報格納メモリ210に供給する。
(実施例2)
図31(a)、(b)に実施例2における処理対象の予測ブロックに対する参照隣接ブ
ロックの配置を示す。各隣接ブロックの記号は、図9(a)、(b)と同様であり、ここ
では図31(a)の配置例を使用して説明を行うものとする。実施例2は、処理対象の予
測ブロックと同一のピクチャ上にある隣接ブロックを、左側に隣接するブロック群(図3
1(a)ではA0とA1)、上側に隣接するブロック群(図31(a)ではB0、B1と
C0)にグループ化して、それぞれのブロック群の中から、ブロック群の代表値として参
照隣接ブロックを1つ選択する。
選択の方法として、隣接ブロックの符号化情報の予測モード及び位置に基づいて、隣接
ブロックが有効か否かを判定することは実施例1、2で同様であるが、ブロック群単位に
1つずつ代表する隣接ブロックを選出する点が異なる。このように、複数の隣接ブロック
から成るブロック群の中から、そのブロック群を代表する隣接ブロックを選出する方法を
スキャンと呼ぶ。このスキャンにより、左側に隣接するブロック群を代表する隣接ブロッ
ク、上側に隣接するブロック群を代表する隣接ブロック及び時間が異なる別のピクチャの
同一位置に隣接するブロックの3つの隣接ブロックが参照候補リストに登録されることに
なる。
従って、参照候補リストに登録する隣接ブロックの総数を実施例1に比べて削減するこ
とが出来、同一情報検出部312での符号化情報の比較回数、及び同一情報検出部322
での動きベクトルの比較回数を削減することができる。更に、参照候補リストのインデッ
クスに割り当てる符号語長が短くなり、参照候補リストのインデックスの符号量を削減す
ることが出来る。更に、左側及び上側に隣接するブロック群の中の隣接ブロックの処理順
番を予測モードに応じて変更することで、予測モードに適した隣接ブロックの選択が可能
となり、符号化効率の改善が期待出来る。
処理順番は予測モードがマージモードの場合、マージ検出部106及びマージ判定部2
06は図31(a)、(b)中の細点線矢印の如く左側に隣接するブロック群は上から下
に、上側に隣接するブロック群は左上の隣接ブロックC0を最後の順としてB1,B0,
C0の順で処理を行う。動き検出モードの場合、動きベクトル予測部103及び動きベク
トル算出部204は図31(a)、(b)中の細実線矢印の如く左側に隣接するブロック
群は下から上に、上側に隣接するブロック群は右から左の順で処理を行う。
マージモードでは、処理対象の予測ブロックと符号化情報が最も等しい可能性が高いと
考えられる隣接ブロックA1,B1を優先して判定処理して選択することで、符号化効率
を向上させる。一方、動き検出モードでは、予測動きベクトルの選択の幅を広げるために
、左側と上側の隣接ブロックの候補間で符号化情報の差が出やすくなるように、左側と上
側の候補間の距離が離れた隣接ブロックA0,B0を優先して判定処理して選択する。こ
れにより、差分動きベクトルの符号量を削減し、符号化効率を向上させる。
以下では、実施例1とは異なる実施例2の動作についてのみ詳細に説明する。まず、動
画像符号化装置100の中のマージ検出部106の動作について説明する。マージ検出部
106は実施例1で説明した図11と同じ構成をなすが、符号化情報導出部310の処理
が実施例1とは異なるので、実施例2における符号化情報導出部310の動作について説
明する。図32は実施例2における符号化情報導出部310の動作を示すフローチャート
である。
最初に、スイッチ108に入力される動画像符号化装置100により制御される予測モ
ードにより、インター予測情報検出部104の出力先がマージ検出部106に切り換えら
れ、インター予測情報検出部104の内部の一時メモリ303に記憶された、処理対象の
予測ブロックが参照する参照隣接ブロックの符号化情報が符号化情報導出部310に入力
される。
入力された隣接ブロックの中から処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブ
ロックの符号化情報が有効か否かを判定し、導出する(S103)。図33に処理対象の
予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブロック毎の判定処理の詳細な流れを示す。実施
例1の図13で示されるフローチャートに対して、ステップS210、ステップS211
、ステップS212、ステップS213及びステップS214が新たに追加された処理で
あり、それ以外は実施例1と同等であるので、ここでは追加された処理のみの詳細を説明
する。
まず、ブロック群Mを初期化する(S210)。ここでは、左側に隣接するブロック群
に設定することとし、Mには左側のブロック群を示す値であるAが設定される。次に、ブ
ロック群の中の変数Nを初期化する(S200)。変数Nは上述したブロック群内の処理
順に応じて設定され、Nの更新時には左側のブロック群でA1,A0、上側でB1,B0
,C0の順に更新されることとする。
図33中のステップS201からステップS209までの処理は基本的に実施例1の図
13と同様であるが、隣接ブロックNの予測モードが画面内符号化(Intra)モード
か否かを判定し(S204)、隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない場
合(S204のN)以降の処理が実施例1と異なる。
隣接ブロックNの予測モードが画面内符号化(Intra)モードか否かを判定し(S
204)、隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない場合(S204のN)
、Mが左側のブロック群か否かの判定に進み(S211)、Mが左側のブロック群である
場合(S211のY)、availableFlagMを“1”に設定し(S205)、
隣接ブロックNの符号化情報をrefIdxLXM、mvLXM及びpredFlagL
XMに代入して設定する(S206)。Mが上側のブロック群である場合にのみ(S21
1のN)、左側のブロック群で選択された隣接ブロックの符号化情報と隣接ブロックNの
符号化情報が同じであるか否かを判定する(S212)。
最初に左側のブロック群を代表する隣接ブロックを選択しているので、その符号化情報
を保持しておき、上側のブロック群の判定に使用する。この処理により、左側のブロック
群を代表する隣接ブロックの符号化情報と重複することが無くなるので、参照先として選
択肢の幅が広がる。尚、処理量の削減のために、ステップS211及びステップS212
の処理を省略して、直接ステップS205に進むことも出来る。
左側のブロック群で選択された隣接ブロックの符号化情報と隣接ブロックNの符号化情
報が異なるか左側のブロック群で選択された隣接ブロックの符号化情報が存在しない場合
(S212のN)、availableFlagMを“1”に設定し(S205)、隣接
ブロックNの符号化情報をrefIdxLXM、mvLXM及びpredFlagLXM
に代入して設定する(S206)。
次に、ブロック群Mの符号化情報が設定された後、次のブロック群、即ち上側に隣接す
るブロック群について処理を行う為に、変数Mが上側のブロック群を示す値であるBか否
か判定する(S213)。MがB(上側)でなければ(S213のN)、MをB(上側)
に更新して(S214)、ステップS200以降の処理を繰り返す。Mが上側であれば(
S213のY)、処理を終了する。
隣接ブロックNが有効でない場合(S203のN)、隣接ブロックNの予測モードが画
面内符号化(Intra)モードでない場合(S204のY)、左側のブロック群で選択
された隣接ブロックの符号化情報と隣接ブロックNの符号化情報が同じ場合(S212の
Y)、availableFlagMを“0”に設定し(S207)、隣接ブロックNが
ブロック群M内の隣接ブロックの最後か否かの判定を実施する(S208)。
変数Nの更新は上述したブロック群内の処理順に応じて設定され、ここではNがA0(
左側のブロック群の場合)或いはC0(上側のブロック群の場合)か否かの判定を行う。
隣接ブロックNが最後のブロックであれば(S208のY)、ブロック群Mの判定に進み
(S213)、そうでなければ(S208のN)、変数Nをブロック群内の処理順に応じ
て更新し(S209)、ステップS201以降の処理を繰り返す。以上のようにして、処
理対象の予測ブロックと同一ピクチャ上に存在するブロック群の隣接ブロックを代表する
参照ブロックとして、その符号化情報が導出される。
図32に戻り、続いて、時間が異なる別のピクチャをマージ候補とする場合の処理対象
の予測ブロックの参照ピクチャ番号を決定する(S104)。実施例1におけるステップ
S101の処理をそのまま利用しても構わないが、ここでは、前の処理(S103)にて
導出された同一のピクチャ上の左側及び上側に隣接するブロック群の符号化情報に基づく
手法を図34(a)、(b)を用いて説明する。
まず、ステップS103にて導出された左側に隣接するブロック群A及び上側に隣接す
るブロック群Bそれぞれのブロック群の隣接ブロックが有効か否かを示すフラグavai
lableFlagM、参照ピクチャ番号refIdxLXMが入力される。ここでMは
A及びBである。
まず、左側の隣接ブロック群Aについて図34(a)を用いて説明する。左側の隣接ブ
ロック群の隣接ブロックが有効か否かを示すフラグavailableFlagAを調べ
る(S1100)。availableFlagAが1であれば(S1100のY)、左
側の隣接ブロック群の隣接ブロックの参照ピクチャ番号refIdxLXAを設定し、そ
うでなければ(S1100のN)、refIdxLXAを−1に設定する。
同様にして、上側の隣接ブロック群Bについて図34(b)を用いて説明する。上側の
隣接ブロック群の隣接ブロックが有効か否かを示すフラグavailableFlagB
を調べる(S1101)。availableFlagBが1であれば(S1101のY
)、上側の隣接ブロック群の隣接ブロックの参照ピクチャ番号refIdxLXBを設定
し、そうでなければ(S1101のN)、refIdxLXBを−1に設定する。
こうして導出された各ブロック群の参照ピクチャ番号refIdxLXM(MはA,B
)の条件に基づいて、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの参照ピ
クチャ番号refIdxLXColを決定する。図35に参照ピクチャ番号refIdx
LXMに基づく判定を示す。図35の1行目はrefIdxLXAとrefIdxLXB
が同じ値であり、−1でない場合であり、refIdxLXAを選択する。2行目はre
fIdxLXAとrefIdxLXBが異なる値であり、共に−1でない場合であり、最
小の参照ピクチャ番号の値を選択する。3行目と4行目はどちらか一方が−1の場合であ
り、−1でない方を選択する。5行目は両方が−1の場合であり、この時は“0”を設定
する。以上のようにして、処理対象の予測ブロックの参照ピクチャ番号が決定されるが、
この手法以外の手法を用いても構わない。
図32に戻り、次に、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの符号
化情報が有効か否かを判定し、導出する(S102)。実施例1のステップS102と同
様であるので説明を割愛する。こうして得られた隣接ブロックの符号化情報は参照候補リ
スト作成部311に入力される。
実施例2でも実施例1と同様に、参照候補リスト格納メモリ314に、参照隣接ブロッ
クの符号化情報の候補を登録する記憶領域として参照候補リストを設け、参照隣接ブロッ
クの符号化情報の候補に優先順位をつけて、優先順位の高いものから参照候補リストに、
参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録する。これにより、参照候補リストのインデ
ックスmerge_idxの符号量を削減する。
参照候補リスト作成部311は実施例1と同様の動作を行い、参照する左側及び上側の
の隣接ブロック群、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの有効フラ
グavailableFlagM(ここでMはA,B,T)の判定を行い、隣接ブロック
の符号化情報を参照候補リストcandListに登録する。ここで、変数Nを更新する
隣接ブロックの順番が参照候補リストに格納する優先順位となっており、実施例2では、
左側、上側、異なる時間の同じ順番(A,B,T)を設定することとする。
以上の処理により、参照候補リストに登録された、参照隣接ブロックが全て有効であれ
ば、図36に示される順番で参照候補リストが作成される。優先順位をインデックスとし
て、各符号語は参照候補リストの右列で表され、最大符号語長は2となる。ここで、参照
候補リスト内部の括弧は、左側或いは上側の隣接ブロック群の中から、符号化情報導出部
310で括弧内の左から右の順に処理され、選択される1つの隣接ブロックを表す。
作成された参照候補リストは、同一情報検出部312にて同一の符号化情報となる参照
候補リストに格納された符号化情報を削除し、参照候補リスト作成部311にて作成され
た参照候補リストの中のインデックスと符号化情報を出力する。参照候補リストは、参照
候補リストをマージリストとして、当該リストの中のインデックスをマージインデックス
として出力される。動画像符号化装置100では、動き補償予測部105と予測方法決定
部107に出力される。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される実施例2のマージ検出部106に対
応する、動画像復号装置200の中に設置される実施例2のマージ判定部206について
説明する。マージ判定部206は実施例1で説明した図22と同じ構成をなし、符号化情
報導出部310の処理が実施例1と異なる。それ以外の参照候補リスト作成部311、同
一情報検出部312、参照候補リスト格納メモリ314及び選択部315は実施例1と同
一の機能を備える。
また、実施例2におけるマージ判定部206の符号化情報導出部310は上述した実施
例2におけるマージ検出部106の符号化情報導出部310と同一の機能を備えているの
で、実施例2におけるマージ判定部206のマージ判定部206の同一情報検出部312
までの処理で、実施例2のマージ検出部106と同一の参照候補リストが作成されること
になる。作成された参照候補リストから、マージモードにおいて参照隣接ブロックの符号
化情報を取得する選択部315について説明する。選択部315は、作成された参照候補
リストの中から、第1の符号化ビット列復号部202で復号された、参照隣接ブロックを
特定するインデックスで指定される参照候補リストの隣接ブロックを選択する。選択され
た符号化情報を動き補償予測部207に供給するとともに、符号化情報格納メモリ210
に供給する。
次に、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例2の動きベク
トル予測部103について説明する。実施例2の動きベクトル予測部103は実施例1で
説明した図23と同じ構成をなすが、符号化情報導出部320の処理が実施例1とは異な
るので、実施例2では符号化情報導出部320の動作について説明する。図37は実施例
2における符号化情報導出部320の動作を示すフローチャートである。
最初に、スイッチ108に入力される動画像符号化装置100により制御される予測モ
ードにより、インター予測情報検出部104の出力先が動きベクトル予測部103に切り
換えられる。インター予測情報検出部104の内部の一時メモリ303に記憶された処理
対象の予測ブロックが参照隣接ブロックの符号化情報が、符号化情報導出部320に入力
される。入力された隣接ブロックの中から処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある
隣接ブロックの符号化情報が有効か否かを判定し、導出する(S802)。図38に処理
対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブロック毎の判定処理の詳細な流れを示す
実施例1の図25で示されるフローチャートに対して、ステップS913、ステップS
914、ステップS915、ステップS916及びステップS917が新たに追加された
処理であり、それ以外は実施例1と同等であるので、ここでは追加された処理のみの詳細
を説明する。
まず、ブロック群の変数Mを初期化する(S913)。ここでは、左側に隣接するブロ
ック群に設定することとし、Mには左側のブロック群を示す値であるAが設定される。次
に、ブロック群の中の変数Nを初期化する(S900)。変数Nは上述したブロック群内
の処理順に応じて設定され、Nの更新時には左側のブロック群でA0,A1、上側でB0
,B1,C0の順に更新されることとする。以降のステップS901からステップS91
0までの処理は基本的に実施例1と同様であるが、隣接ブロックNの予測モードが画面内
符号化(Intra)モードか否かを判定し(S904)、隣接ブロックNの予測モード
がIntraモードでない場合(S904のN)以降の処理が実施例1と異なる。
隣接ブロックNの予測モードが画面内符号化(Intra)モードか否かを判定し(S
904)、隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない場合(S904のN)
、Mが左側のブロック群か否かの判定に進み(S914)、Mが左側のブロック群である
場合(S914のY)、ステップS905の処理に進む。Mが上側のブロック群である場
合にのみ(S914のN)、左側のブロック群で選択された隣接ブロックの動きベクトル
mvLXAと隣接ブロックNの動きベクトルが同じであるか否かを判定する(S915)
最初に左側のブロック群を代表する隣接ブロックを選択しているので、その動きベクト
ルを保持しておき、上側のブロック群の判定に使用する。この処理により、左側のブロッ
ク群を代表する隣接ブロックの動きベクトルと重複することが無くなるので、参照先とし
て選択肢の幅が広がる。尚、処理量の削減のために、ステップS914及びステップS9
15の処理を省略して、直接ステップS905に進むことも出来る。
左側のブロック群で選択された隣接ブロックの動きベクトルmvLXAと隣接ブロック
Nの動きベクトルが同じ場合(S915のY)、ステップS908に進む。異なる場合(
S915のN)、処理対象の予測ブロックの算出対象の予測と同じ参照リストで同じ参照
ピクチャ番号を用いた予測が隣接ブロックNでも行われているかどうかを判定する(S9
05)。
処理対象の予測ブロックの算出対象の動きベクトルを用いた予測と同じ参照リストで同
じ参照ピクチャ番号を用いた予測が隣接ブロックNでも行われている場合(S905のY
)、availableFlagLXNを“1”に設定し(S906)、隣接ブロックN
の動きベクトルをmvLXMに代入して設定する(S907)。ブロック群Mの動きベク
トルが設定された後、次のブロック群、即ち上側に隣接するブロック群について処理を行
う為に、変数Mが上側のブロック群を示す値であるBか否か判定する(S916)。Mが
B(上側)でなければ(S916のN)、MをB(上側)に更新して(S917)、ステ
ップS900以降の処理を繰り返す。MがB(上側)であれば(S916のY)、処理を
終了する。
隣接ブロックNが有効でない場合(S903のN)、隣接ブロックNの予測モードが画
面内符号化(Intra)モードでない場合(S904のY)、左側のブロック群で選択
された隣接ブロックの動きベクトルmvLXAと上側のブロック群の隣接ブロックNの動
きベクトルが同じ場合(S915のY)、同じ参照リストで同じ参照ピクチャ番号を用い
た予測が行われていない場合(S905のN)、availableFlagLXMを“
0”に設定し(S908)、隣接ブロックNがブロック群M内の隣接ブロックの最後か否
かの判定を実施する(S909)。変数Nの更新は上述したブロック群内の処理順に応じ
て設定され、ここではNがA1(左側のブロック群の場合)或いはC0(上側のブロック
群の場合)か否かの判定を行う。
隣接ブロックNが最後のブロックであれば(S909のY)、ブロック群Mの判定に進
む(S916)。そうでなければ(S909のN)、変数Nをブロック群内の処理順に応
じて更新し(S910)、ステップS901以降の処理を繰り返す。以上のようにして、
処理対象の予測ブロックと同一ピクチャ上に存在するブロック群の隣接ブロックを代表す
る参照ブロックとして、その符号化情報が導出される。
実施例2でも実施例1と同様に、隣接ブロックで行われている予測が、次の条件を満た
す場合においても、隣接ブロックが有効か否かを示すフラグavailableFlag
LXMを1(有効)とし、参照隣接ブロックの候補として、その符号化情報を導出するこ
とが可能である。
条件1:同じ参照リストで、同じ参照ピクチャ番号
条件2:異なる参照リストで、同じ参照ピクチャ番号
条件3:同じ参照リストで、異なる参照ピクチャ番号
条件4:異なる参照リストで、異なる参照ピクチャ番号
この場合の処理の流れを図39に示す。上述した図38と異なるのは、ステップS90
5の条件1のみの条件判定を削除した点、ステップS911の条件1から4の条件判定を
行い、条件1または2を満たさない場合は動きベクトルのスケーリング処理(S912)
を追加した点である。
まず、ブロック群の変数Mを初期化する(S913)。ここでは、左側に隣接するブロ
ック群に設定することとし、MにはAが設定される。次に、ブロック群の中の変数Nを初
期化する(S900)。変数Nは上述したブロック群内の処理順に応じて設定され、Nの
更新時には左側のブロック群でA0,A1、上側でB0,B1,C0の順に更新されるこ
ととする。以降のステップS901からステップS910までの処理は基本的に実施例1
の図26と同様である。隣接ブロックNの予測モードが画面内符号化(Intra)モー
ドか否かを判定し(S904)、隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない
場合(S904のN)以降の処理が実施例2の図38と異なる。
隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない場合(S904のN)、即ちI
nterモードの場合は、処理対象の予測ブロックの算出対象の予測の符号化情報と隣接
ブロックNの符号化情報を比較することで条件1から4の判定処理を行う(S911)。
条件1または条件2を満たす場合、Mが左のブロック群か否かの判定処理に進む(S91
4)。一方、条件3または条件4を満たす場合、実施例1の図26のS912と同様に隣
接ブロックNの動きベクトルのスケーリング処理が実施され(S912)、Mが左のブロ
ック群か否かの判定処理に進む(S914)。
Mが左側のブロック群である場合(S914のY)、availableFlagLX
Mを“1”に設定される(S906)。Mが上側のブロック群である場合(S914のN
)、左側のブロック群で選択された隣接ブロックの動きベクトルmvLXAと隣接ブロッ
クNの動きベクトルが同じであるか否かを判定する(S915)。尚、処理量の削減の為
に、ステップS914及びステップS915の処理を省略して、直接ステップS906に
進むことも出来る。
左側のブロック群で選択された隣接ブロックの動きベクトルmvLXAと隣接ブロック
Nの符号化情報が同じ場合(S915のY)、availableFlagLXNを“0
”に設定し(S908)、異なる場合(S915のN)、availableFlagL
XMを“1”に設定する(S906)。
実施例1の図26のステップS907と同様に隣接ブロックNの同じ参照リスト(条件
1に合致した場合)の動きベクトルmvLXあるいは異なる参照リスト(条件2に合致し
た場合)の動きベクトルmvLY、または同じ参照リスト(条件3に合致した場合)のス
ケーリングにより換算された動きベクトルmvLXあるいは異なる参照リスト(条件4に
合致した場合)のスケーリングにより換算された動きベクトルmvLYをmvLXMに代
入して設定される(S907)。
ブロック群Mの動きベクトルが設定された後、次のブロック群、即ち上側に隣接するブ
ロック群について処理を行う為に、変数Mが上側か否か判定する(S916)。Mが上側
でなければ(S916のN)、MをB(上側)に更新して(S917)、ステップS90
0以降の処理を繰り返す。Mが上側であれば(S916のY)、処理を終了する。
availableFlagLXMを“0”に設定した場合(S908)、隣接ブロッ
クNがブロック群M内の隣接ブロックの最後か否かの判定を実施する(S909)。変数
Nの更新は上述したブロック群内の処理順に応じて設定され、ここではNがA1(左側の
ブロック群の場合)或いはC0(上側のブロック群の場合)か否かの判定を行う。隣接ブ
ロックNが最後のブロックであれば(S909のY)、ブロック群Mの判定に進み(S9
16)、そうでなければ(S909のY)、変数Nをブロック群内の処理順に応じて更新
し(S910)、ステップS901以降の処理を繰り返す。以上のようにして、処理対象
の予測ブロックと同一ピクチャ上に存在するブロック群の隣接ブロックを代表する参照ブ
ロックとして、その動きベクトルが導出される。
図37に戻り、次に、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの符号
化情報が有効か否かを判定し、導出する(S801)。これは実施例1のステップS80
1と同様なので説明を割愛する。こうして得られた隣接ブロックの符号化情報は参照候補
リスト作成部321に入力される。参照候補リスト作成部321で作成される参照候補リ
ストは、L0予測及びL1予測の2つの参照リストに対してそれぞれ参照候補リストが作
成される。本明細書では、特に注釈をしない限り、動き検出モード時の参照候補リストは
説明の都合上1つだけを挙げて説明することとし、図で示す参照候補リストも1つだけ挙
げることにする。
実施例2では、参照候補リスト格納メモリ324に、参照隣接ブロックの符号化情報の
候補を登録する記憶領域として参照候補リストを設ける。参照隣接ブロックの符号化情報
の候補に優先順位をつけて、優先順位の高いものから参照候補リスト格納メモリ324に
、参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録する。これにより、参照候補リストのイン
デックスmvp_idx_l0及びmvp_idx_l1の符号量を削減することが可能
となる。
優先順位の高い要素を参照候補リストの前方に配置することで、符号量を削減する。優
先順位を示すインデックスは0から昇順に割り当てる。参照候補リスト格納メモリ324
に設けられる参照候補リストは、リスト構造を成し、参照候補リスト内部の所在を示すイ
ンデックスと、インデックスに対応する参照隣接ブロックの符号化情報の候補を要素とし
て格納する配列領域が設けられる。この配列領域はcandListLXで表される。イ
ンデックスの数字は0から開始され、参照候補リストcandListLXの記憶領域に
、参照隣接ブロックの符号化情報の候補が格納される。以降の処理では、参照候補リスト
candListLXに登録されたインデックスiの符号化情報は、candListL
X[i]で表すこととし、参照候補リストcandListLXとは配列表記をすること
で区別することとする。尚、参照候補リストの記憶領域に格納される符号化情報は、特に
断らない限り、参照隣接ブロックの位置名(A0,A1,B0,B1,C0,T)で表す
こととする。
参照候補リスト作成部321は実施例1と同様の動作を行い、参照する左側及び上側の
の隣接ブロック群、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの有効フラ
グavailableFlagLXM(ここでMはA,B,T)の判定を行い、隣接ブロ
ックの符号化情報を参照候補リストcandListLXに登録する。ここで、変数Nを
更新する隣接ブロックの順番が参照候補リストに格納する優先順位となっており、実施例
2では、左側、上側、異なる時間の同じ順番(A,B,T)を設定することとする。以上
の処理により、参照候補リストに登録された、参照隣接ブロックが全て有効であれば、図
40に示される順番で参照候補リストが作成される。
優先順位をインデックスとして、各符号語は参照候補リストの右列で表され、最大符号
語長は2となる。ここで、参照候補リスト内部の括弧は、左側或いは上側の隣接ブロック
群の中から、符号化情報導出部320で括弧内の左から右の順に処理され、選択される1
つの隣接ブロックを表す。参照隣接ブロックが1つだけ有効となる場合、最大符号語長は
0となるので、符号語は必要とせず、1つだけ有効と判定された隣接ブロックの符号化情
報の候補が参照先として一意に決定されることになる。
作成された参照候補リストは、同一情報検出部322にて同一の符号化情報となる参照
候補リストに格納された符号化情報を削除し、差分動きベクトル算出部326にて作成さ
れた参照候補リストの中の符号化情報の動きベクトルを予測動きベクトルとして、動きベ
クトル検出部102が検出した動きベクトルと予測動きベクトルから差分動きベクトルを
算出し、算出された差分動きベクトルを出力部323に供給する。
最後に、出力部323が、作成された参照候補リストの中のインデックスと差分動きベ
クトルを出力する。参照候補リストは、参照候補リストをMVPリストとして、リストの
中のインデックスをMVPインデックスとして出力する。動画像符号化装置100では、
予測方法決定部107に出力される。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される実施例2の動きベクトル予測部10
3に対応する、動画像復号装置200の中に設置される実施例2の動きベクトル算出部2
04について説明する。動きベクトル算出部204は図30と同じ構成をなし、符号化情
報導出部320の処理が実施例1と異なる。それ以外の参照候補リスト作成部321、同
一情報検出部322、参照候補リスト格納メモリ324、選択部325及び動きベクトル
加算部327は実施例1と同一の機能を備える。
また、符号化情報導出部320は上述した実施例2における動きベクトル予測部103
の符号化情報導出部320と同一の機能を備えているので、動きベクトル算出部204の
同一情報検出部322までの処理で、実施例2の動きベクトル予測部103と同一の参照
候補リストが作成されることになる。作成された参照候補リストから、動き検出モードに
おいて参照隣接ブロックの符号化情報を取得する選択部325について説明する。選択部
325は、作成された参照候補リストの中から、第1の符号化ビット列復号部202で復
号された参照隣接ブロックを特定するインデックスで指定される参照候補リストの隣接ブ
ロックを選択する。選択された参照候補リストの隣接ブロックの符号化情報から動きベク
トルを予測動きベクトルとして出力し、動きベクトル加算部327にて予測動きベクトル
と第1の符号化ビット列復号部202で復号された差分動きベクトルとを加算して動きベ
クトルを算出し、動き補償予測部207に供給するとともに、選択されたリストの隣接ブ
ロックの符号化情報を符号化情報格納メモリ210に供給する。
尚、実施例2では、各ブロック群から1つの隣接ブロックを、参照隣接ブロックの代表
として選出したが、複数個の隣接ブロックを選出しても構わない。但し、ブロック群の中
のブロック数を超えない範囲で設定する。
(実施例3)
実施例3では、予測モードに応じて参照隣接ブロックの選択方法を変える。図31(a
)の隣接ブロックの配置を用いて説明する。マージモードでは6つの隣接ブロックA0,
A1,B0,B1,C0,Tの中から1つの隣接ブロックの符号化情報を参照先として選
択する。動き検出モードでは6つの隣接ブロックA0,A1,B0,B1,C0,Tのう
ち、A0とA1を左側に隣接するブロック群、B0、B1とC0を上側に隣接するブロッ
ク群に分類し、各ブロック群の中から1つを代表する隣接ブロックとして選択する。左側
及び上側に隣接するブロック群の各代表ブロックとTの3つの隣接ブロックから1つの隣
接ブロックの符号化情報を参照先として選択する。即ち、マージモードは実施例1の手法
を、動き検出モードは実施例2の手法をそれぞれに適用する混合手法である。
マージモードでは、参照隣接ブロックの候補の符号化情報をそのまま用いて、画像間予
測を行うので、選択の余地を残す為に、動き検出モードよりも多くの候補をリストに登録
する。これは、マージモードは動き検出モードと比較して、多くの情報(動きベクトル、
参照インデックス、参照リスト)をわずかな符号量で伝送出来る為であり、マージインデ
ックスの符号量を削減するよりも、隣接ブロックの候補を残して選択の幅を広げた方が符
号化効率が向上するからである。一方、動き検出モードでは、参照隣接ブロックの候補の
符号化情報をそのまま用いるのではなく、差分動きベクトルをはじめとする符号化情報を
符号化するので、スキャンを行い候補を絞ってリストに登録する。これは、候補を絞るこ
とにより、MVPインデックスの符号量を削減した方が符号化効率が向上するからである
実施例3で作成される候補リストは、参照隣接ブロックが全て有効であった場合、予測
モード別に図41のように表される。マージ検出部106及び動きベクトル予測部103
でそれぞれ参照候補リストが作成され、候補リスト総数も異なるので符号語も3項目以降
で異なるが、それぞれ最適な符号語として作成されているので、符号化効率の改善が期待
出来る。また、符号語長が長くなるが、動き検出モードの符号語“11”(2進数表記)
を同じ行のマージモードの“110”(2進数表記)に合わせて、出現する符号語の種類
を共通化しても良い。
(実施例4)
実施例4は、処理対象の予測ブロックと同じピクチャ上にある隣接ブロック(以下、空
間の隣接ブロックとする)から2つのブロックを代表する隣接ブロックとして選択する方
法である。この点は実施例2と同様であるが、実施例2では空間の隣接ブロックを2つの
ブロック群に分けて定義し、ブロック群単位に1つずつ代表する隣接ブロックを選出した
。実施例4では空間の隣接ブロック全体を1つのブロック群とし、この中から2つの代表
する隣接するブロックを選出する点が異なる。
実施例2と同様に処理対象の予測ブロックと同じピクチャ上にある隣接ブロックを代表
する2つの隣接ブロック及び時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの
3つの隣接ブロックが参照候補リストに登録されることになる。参照候補リストに登録す
る隣接ブロックの総数を実施例1に比べて削減することが出来るので、同一情報検出部3
12での符号化情報の比較回数、同一情報検出部322での動きベクトルの比較回数を削
減することができる。更に、参照候補リストのインデックスに割り当てる符号語長が短く
なり、参照候補リストのインデックスの符号量を削減することが出来る。更に、隣接ブロ
ックの選出処理順番を予測モードに応じて変更することで、予測モードに適した隣接ブロ
ックの選択が可能となり、符号化効率の改善が期待出来る。
処理順番は予測モードがマージモードの場合、マージ検出部106及びマージ判定部2
06は図9(a)のA1,B1,B0,A0,C0(またはB1,A1,A0,B0,C
0)の順序で処理を行う。動き検出モードの場合、動きベクトル予測部103及び動きベ
クトル算出部204は図9(a)のB0,A0,A1,B1,C0(またはA0,B0,
B1,A1,C0)の順序で処理を行う。
マージモードでは、隣接ブロックA1,B1を優先して選択し、候補リストに登録する
。これは、隣接ブロックA1,B1は、処理対象の予測ブロックと辺が接しているため、
他の隣接ブロック(A0,B0,C)よりも、処理対象の予測ブロックと符号化情報が等
しい可能性が高く、可能性の高い候補を登録することが、マージモードでの符号化効率向
上に寄与する。一方、動き検出モードでは、隣接ブロックA0,B0を優先して選択し、
候補リストに登録する。隣接ブロックA0,B0は、隣接ブロックの中で候補間の距離が
最も離れており、異なる性質の動きベクトルを登録できる可能性が高く、予測動きベクト
ルの選択の幅を広げることが可能である。これにより、差分動きベクトルを伝送する際に
大きな符号量が発生しにくくなり、動き検出モードでの符号化効率向上に寄与する。
実施例4の動画像符号化装置100及び動画像復号装置200の構成は実施例1、2と
同じである。また、実施例4の動作は図11及び図22の符号化情報導出部310、図2
3及び図30の符号化情報導出部320の動作を除き実施例2と同一である。以下では、
実施例2とは異なる実施例4の動作についてのみ詳細な説明をする。
まず、動画像符号化装置の中のマージ検出部106の動作について説明する。マージ検
出部106は実施例2の図11と同じ構成をなすが、符号化情報導出部310の処理が実
施例2とは異なるので、実施例4における符号化情報導出部310の動作について説明す
る。図42は実施例4における符号化情報導出部310の動作を示すフローチャートであ
る。
最初に、スイッチ108に入力される動画像符号化装置100により制御される予測モ
ードにより、インター予測情報検出部104の出力先がマージ検出部106に切り換えら
れ、インター予測情報検出部104の内部の一時メモリ303に記憶された、処理対象の
予測ブロックが参照隣接ブロックの符号化情報が符号化情報導出部310に入力される。
入力された隣接ブロックの中から処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブ
ロックの符号化情報が有効か否かを判定し、2つの隣接ブロックを導出する(S105)
。図43に処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブロック毎の判定処理の詳
細な流れを示す。
まず、選択された隣接ブロックを示す変数FをS0に設定し、カウンタkを0に設定す
る(S1600)。選択された隣接ブロックを示す変数FのS0は最初に選出される第1
候補の隣接ブロックを示し、S1は2番目に選出される第2候補の隣接ブロックを示す。
次に、処理中の隣接ブロックを示す変数NをA1に初期化する(S1601)。処理中
の隣接ブロックを示す変数NはA1,B1,B0,A0,C0の処理順に応じて設定され
、Nの更新時にはこの順に更新されることとする。
次に、以降の判定で使用する隣接ブロックの符号化情報を格納しておく変数を初期化す
る(S1602)。ここで、変数は隣接ブロックが有効か否かを示すフラグavaila
bleFlagF、動きベクトルmvLXF、参照ピクチャ番号refIdxLXF及び
予測方向の有効性を示すフラグpredFlagLXFであり、次のように初期化される

availableFlagF=0
mvLXF=(0,0)
refIdxLXF=0
predFlagLXF=0
ここで、添え字Xには予測方向を表す0若しくは1が設定される。処理中の隣接ブロッ
クを示す変数Nの隣接ブロック(以下、隣接ブロックNとする)の位置及び符号化情報を
取得する(S1603)。
取得された隣接ブロックNの位置に基づいて、隣接ブロックNが有効か否かを判定する
(S1604)。例えば、処理対象の予測ブロックがピクチャ左端に位置する場合、処理
対象の予測ブロックの左の隣接ブロックは存在しないので、符号化情報格納メモリ114
の中に該当する符号化情報は無いことになり、無効と判定される。
隣接ブロックNが無効の場合(S1604のN)、availableFlagFを“
0”に設定する(S1613)。隣接ブロックNが有効の場合(S1604のY)、隣接
ブロックNの予測モードが画面内符号化(Intra)モードか否かを判定し(S160
5)、隣接ブロックNの予測モードがIntraモードの場合(S1605のY)、av
ailableFlagFを“0”に設定する(S1613)。
隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない場合(S1605のN)、即ち
Interモードの場合は、FがS0か否かの判定(S1606)に進み、FがS0の場
合(S1606のY)、availableFlagF(availableFlagS
0)を1に設定する(S1608)。
FがS0でない場合(S1606のN)、既に選択された隣接ブロックの符号化情報と
隣接ブロックNの符号化情報が同じであるか否かを判定する(S1607)。既に選択さ
れた隣接ブロックの符号化情報と隣接ブロックNの符号化情報が同じ場合(S1607の
Y)、availableFlagFを“0”に設定する(S1613)。
具体的には、空間の隣接ブロックの最大数を2とした場合、最初に第1候補として選択
された符号化情報を保持しておき、第2候補の選出の際の比較判定に使用する。この処理
により、第2候補の隣接ブロックの符号化情報が代表する第1候補の隣接ブロックの符号
化情報と重複することが無くなるので、より多くの候補を参照先として選択可能になる。
尚、処理量の削減のために、ステップS1606及びステップS1607の処理を省略し
て、直接ステップS1608に進むことも出来る。
第1候補として選択された隣接ブロックの符号化情報と隣接ブロックNの符号化情報が
異なる場合(S1607のN)、availableFlagF(availableF
lagS1)を“1”に設定する(S1608)。続いて、隣接ブロックNの符号化情報
をrefIdxLXF、mvLXF及びpredFlagLXFに代入して設定する(S
1609)。
次に、カウンタkに1を加算することで更新し(S1610)、カウンタkが空間の候
補の最大候補数である2より小さいか判定する(S1611)。カウンタkが空間の候補
の最大候補数である2の場合(S1611のY)、選択された空間の隣接ブロックの候補
数を示す変数NumListCandをkに設定し(S1616)、処理を終了する。
availableFlagFを“0”に設定した場合(S1613)、隣接ブロック
Nが隣接ブロックの最後か否かの判定を実施する(S1614)。また、kが空間の候補
の最大候補数である2より小さい場合(S1611のN)、FをS1に更新し(S161
2)、隣接ブロックNが隣接ブロックの最後か否かの判定を実施する(S1614)。変
数Nの更新は上述したA1,B1,B0,A0,C0の処理順に応じて設定され、ここで
はNがC0か否かの判定を行う。
隣接ブロックNが最後のブロックであれば(S1614のY)、選択された空間の隣接
ブロックの候補数を示す変数NumListCandをkに設定し(S1616)、処理
を終了する。隣接ブロックNが最後のブロックでなければ(S1614のN)、変数Nを
A1,B1,B0,A0,C0の処理順に応じて更新し(S1615)、ステップS16
02以降の処理を繰り返す。以上のようにして、処理対象の予測ブロックと同一ピクチャ
上に存在するブロック群の隣接ブロックを代表する2つの参照ブロックとして、それぞれ
の符号化情報が導出される。
図42に戻り、ステップS105に続いて、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣
接するブロックの符号化情報を候補とする場合の、処理対象の予測ブロックの参照ピクチ
ャ番号を決定する(S104)。このステップS104の処理は実施例1、2のステップ
S104と同様である。次に、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロック
の符号化情報が有効か否かを判定し、導出する(S102)。この実施例4のステップS
102の処理も実施例1、2のステップS102と同様である。
こうして得られた隣接ブロックの符号化情報は参照候補リスト作成部311に入力され
る。実施例4でも実施例2と同様に、参照候補リスト格納メモリ314に、参照隣接ブロ
ックの符号化情報の候補を登録する記憶領域として参照候補リストを設ける。参照隣接ブ
ロックの符号化情報の候補に優先順位をつけて、優先順位の高いものから参照候補リスト
に、参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録する。これにより、参照候補リストのイ
ンデックスmerge_idxの符号量を削減する。
参照候補リスト作成部311は図19のフローチャートに示す実施例1、2と同様の動
作を行う。但し、実施例4の変数Fの値を図19の変数Nの値として設定して動作させる
。空間の第1候補の隣接ブロックS0、空間の第2候補の隣接ブロックS1、及び時間が
異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックTの有効フラグavailableF
lagN(ここでNはS0,S1,T)の判定が行われ、隣接ブロックの符号化情報を参
照候補リストcandListに登録する。ここで、変数Nを更新する隣接ブロックの順
番が参照候補リストに格納する優先順位となっており、実施例4では、同じ時間の第1候
補、同じ時間の第2候補、異なる時間の同じ順番(S0,S1,T)の順序で設定するこ
ととする。
実施例1、2と同様に、作成された参照候補リストは、同一情報検出部312にて同一
の符号化情報となる参照候補リストに格納された符号化情報を削除し、出力部313にて
作成された参照候補リストの中のインデックスと符号化情報を出力する。参照候補リスト
は、参照候補リストをマージリストとして、リストの中のインデックスをマージインデッ
クスとして出力する。動画像符号化装置100では、動き補償予測部105と予測方法決
定部107に出力される。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される実施例4のマージ検出部106に対
応する、動画像復号装置200の中に設置される実施例4のマージ判定部206について
説明する。マージ判定部206は実施例2の図22と同じ構成をなし、符号化情報導出部
310の処理が実施例2と異なる。それ以外の参照候補リスト作成部311、同一情報検
出部312、参照候補リスト格納メモリ314及び選択部315は実施例2と同一の機能
を備える。
また、マージ判定部206の符号化情報導出部310は上述した実施例4におけるマー
ジ検出部106の符号化情報導出部310と同一の機能を備えており、マージ判定部20
6の参照候補リスト作成部311は上述した実施例4におけるマージ検出部106の参照
候補リスト作成部311と同一の機能を備えており、マージ判定部206の同一情報検出
部312は上述した実施例4におけるマージ検出部106の同一情報検出部312と同一
の機能を備えているので、マージ判定部206の同一情報検出部312までの処理で、実
施例4のマージ検出部106と同一の参照候補リストが作成される。
実施例2と同様に選択部315では、作成された参照候補リストの中から、第1の符号
化ビット列復号部202で復号された、参照隣接ブロックを特定するインデックスで指定
される参照候補リストの隣接ブロックを選択する。選択された符号化情報を動き補償予測
部207に供給するとともに、符号化情報格納メモリ210に供給する。
次に、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例4の動きベク
トル予測部103について説明する。動きベクトル予測部103は実施例2の図23と同
じ構成をなすが、符号化情報導出部320の処理が実施例2とは異なるので、実施例4に
おける符号化情報導出部320の動作について説明する。図44は実施例4における符号
化情報導出部320の動作を示すフローチャートである。
最初に、スイッチ108に入力される動画像符号化装置100により制御される予測モ
ードにより、インター予測情報検出部104の出力先が動きベクトル予測部103に切り
換えられる。インター予測情報検出部104の内部の一時メモリ303に記憶された、処
理対象の予測ブロックが参照隣接ブロックの符号化情報が符号化情報導出部320に入力
される。
入力された隣接ブロックの中から処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブ
ロックの符号化情報が有効か否かを判定し、2つの隣接ブロックを導出する(S803)
。図45に処理対象の予測ブロックと同じピクチャにある隣接ブロック毎の判定処理の詳
細な流れを示す。図45に示す処理を処理対象のブロックの予測モードに応じて、L0予
測の場合について行い、L1予測の場合について行い、L0予測とL1予測の両予測の場
合それぞれについて行う。
まず、空間候補インデックスFをS0に設定し、カウンタkを0に設定する(S170
0)。空間候補インデックスFのS0は最初に選出される第1候補の隣接ブロックを示し
、S1は2番目に選出される第2候補の隣接ブロックを示す。
次に、ブロック群の中の変数NをA1に初期化する(S1701)。処理中の隣接ブロ
ックを示す変数NはB0,A0,A1,B1,C0の処理順に応じて設定され、Nの更新
時にはこの順に更新されることとする。
次に、以降の判定で使用する隣接ブロックの符号化情報を格納しておく変数を初期化す
る(S1702)。ここで、変数は隣接ブロックが有効か否かを示すフラグavaila
bleFlagF、動きベクトルmvLXF、参照ピクチャ番号refIdxLXF及び
予測方向の有効性を示すフラグpredFlagLXFであり、次のように初期化される

availableFlagLXF=0
mvLXF=(0,0)
refIdxLXF=0
predFlagLXF=0
ここで、添え字Xには予測方向を表す0若しくは1が設定される。処理中の隣接ブロッ
クを示す変数Nの隣接ブロック(以下、隣接ブロックNとする)の位置及び符号化情報を
取得する(S1703)。
取得された隣接ブロックNの位置に基づいて、隣接ブロックNが有効か否かを判定する
(S1704)。例えば、処理対象の予測ブロックがピクチャ左端に位置する場合、処理
対象の予測ブロックの左の隣接ブロックは存在しないので、符号化情報格納メモリ114
の中に該当する符号化情報は無いことになり、無効と判定される。
隣接ブロックNが無効の場合(S1704のN)、availableFlagLXF
を“0”に設定する(S1715)。隣接ブロックNが有効の場合(S1704のY)、
隣接ブロックNの予測モードが画面内符号化(Intra)モードか否かを判定し(S1
705)、隣接ブロックNの予測モードがIntraモードの場合(S1705のY)、
availableFlagLXFを“0”に設定する(S1715)。
隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない場合(S1705のN)、即ち
Interモードの場合は、処理対象の予測ブロックの算出対象の予測と隣接ブロックN
の符号化情報を比較することで条件1から4の判定処理を行う(S1709)。条件1ま
たは条件2を満たす場合、FがS0か否かの判定処理に進む(S1706)。一方、条件
3または条件4を満たす場合、実施例2の図39のS912と同様に隣接ブロックNの動
きベクトルのスケーリング処理が実施され(S1710)、FがS0か否かの判定処理に
進む(S1706)。
FがS0の場合(S1706のY)、availableFlagLXF(avail
ableFlagLXS0)を1に設定する(S1708)。FがS0でない場合(S1
706のN)、既に選択された隣接ブロックの動きベクトルと、隣接ブロックNの動きベ
クトルまたは隣接ブロックNの動きベクトルがスケーリングされた動きベクトルmvLX
Nが同じであるか否かを判定する(S1707)。
既に選択された隣接ブロックの動きベクトルと隣接ブロックNの動きベクトルが同じ場
合(S1707のY)、availableFlagLXFを“0”に設定する(S17
15)。具体的には、空間の隣接ブロックの最大数を2とした場合、最初に第1候補とし
て選択された動きベクトルを保持しておき、第2候補の選出の際の比較判定に使用する。
この処理により、第2候補の隣接ブロックの符号化情報が代表する第1候補の隣接ブロッ
クの動きベクトルと重複することが無くなるので、参照先として選択肢の幅が広がる。尚
、処理量の削減のために、ステップS1706及びステップS1707の処理を省略して
、直接ステップS1708に進み、availableFlagLXF(availab
leFlagLXS1)を“1”に設定することも出来る(S1708)。
第1候補として選択された隣接ブロックの動きベクトルmvLXS0と隣接ブロックN
の動きベクトルmvLXNが異なる場合(S1707のN)、availableFla
gLXF(availableFlagLXS1)を“1”に設定する(S1708)。
隣接ブロックNの同じ参照リスト(条件1に合致した場合)の動きベクトルmvLXある
いは異なる参照リスト(条件2に合致した場合)の動きベクトルmvLY、または同じ参
照リスト(条件3に合致した場合)のスケーリングにより換算された動きベクトルmvL
Xあるいは異なる参照リスト(条件4に合致した場合)のスケーリングにより換算された
動きベクトルmvLYをmvLXMに代入して設定される(S1711)。
カウンタkに1を加算することで更新し(S1712)、カウンタkが空間の候補の最
大候補数である2より小さいか判定する(S1713)。カウンタkが空間の候補の最大
候補数である2の場合(S1713のN)、選択された空間の隣接ブロックの候補数を示
す変数NumListCandをkに設定し(S1718)、処理を終了する。
availableFlagFを“0”に設定した場合(S1715)、隣接ブロック
Nが隣接ブロックの最後か否かの判定を実施する(S1716)。また、kが空間の候補
の最大候補数である2より小さい場合(S1713のY)、FをS1に更新し(S171
4)、隣接ブロックNが隣接ブロックの最後か否かの判定を実施する(S1716)。
変数Nの更新は上述したB0,A0,A1,B1,C0の処理順に応じて設定され、こ
こではNがC0か否かの判定を行う。隣接ブロックNが最後のブロックであれば(S17
16のY)、選択された空間の隣接ブロックの候補数を示す変数NumListCand
をkに設定し(S1718)、処理を終了する。隣接ブロックNが最後のブロックでなけ
れば(S1716のN)、変数NをB0,A0,A1,B1,C0の処理順に応じて更新
し(S1717)、ステップS1702以降の処理を繰り返す。以上のようにして、処理
対象の予測ブロックと同一ピクチャ上に存在するブロック群の隣接ブロックを代表する参
照ブロックとして、その符号化情報が導出される。
図44に戻り、次に、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの符号
化情報が有効か否かを判定し、導出する(S801)。この実施例4のS801の処理は
実施例1のS801と同様なので説明を割愛する。
こうして得られた隣接ブロックの符号化情報は、参照候補リスト作成部321に入力さ
れる。参照候補リスト作成部321で作成される参照候補リストとして、予測モード(L
0予測、L1予測、両予測)に応じて、L0予測及びL1予測の2つの予測方向に対して
いずれか一方、または両方のそれぞれの参照候補リストが作成される。本明細書では、特
に注釈をしない限り、動き検出モード時の参照候補リストは説明の都合上1つだけを挙げ
て説明することとし、図で示す参照候補リストも1つだけ挙げることにする。
実施例4では、参照候補リスト格納メモリ324に、参照隣接ブロックの符号化情報の
候補を登録する記憶領域として参照候補リストを設ける。参照隣接ブロックの符号化情報
の候補に優先順位をつけて、優先順位の高いものから参照候補リスト格納メモリ324に
、参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録する。これにより、参照候補リストのイン
デックスmvp_idx_l0及びmvp_idx_l1の符号量を削減することが可能
となる。
優先順位の高い要素を参照候補リストの前方に配置することで、符号量を削減する。優
先順位を示すインデックスは0から昇順に割り当てる。参照候補リスト格納メモリ324
に設けられる参照候補リストは、リスト構造を成し、参照候補リスト内部の所在を示すイ
ンデックスと、インデックスに対応する参照隣接ブロックの符号化情報の候補を要素とし
て格納する配列領域が設けられる。この配列領域はcandListLXで表される。イ
ンデックスの数字は0から開始され、参照候補リストcandListLXの記憶領域に
、参照隣接ブロックの符号化情報の候補が格納される。
以降の処理では、参照候補リストcandListLXに登録されたインデックスiの
符号化情報は、candListLX[i]で表すこととし、参照候補リストcandL
istLXとは配列表記をすることで区別することとする。尚、参照候補リストの記憶領
域に格納される符号化情報は、特に断らない限り、参照隣接ブロックの位置名(A0,A
1,B0,B1,C0,T)で表すこととする。
参照候補リスト作成部321は図19のフローチャートに示す実施例1、2と同様の動
作を行う。但し、実施例4の変数Fの値を図19の変数Nの値として設定して動作させる
。空間の第1候補の隣接ブロックS0、空間の第2候補の隣接ブロックS1、及び時間が
異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの有効フラグavailableFl
agLXN(ここでNはS0,S1,T)の判定が行われ、隣接ブロックの符号化情報を
参照候補リストcandListLXに登録する。ここで、変数Nを更新する隣接ブロッ
クの順番が参照候補リストに格納する優先順位となっており、実施例4では、同じ時間の
第1候補、同じ時間の第2候補、異なる時間の同じ順番(S0,S1,T)を設定するこ
ととする。
実施例1、2と同様に、作成された参照候補リストは、同一情報検出部322にて同一
の符号化情報となる参照候補リストに格納された符号化情報を削除し、差分動きベクトル
算出部326にて作成された参照候補リストの中の符号化情報の動きベクトルを予測動き
ベクトルとする。動きベクトル検出部102が検出した動きベクトルと予測動きベクトル
から差分動きベクトルを算出し、算出された差分動きベクトルを出力部323に供給する
最後に、出力部323が、作成された参照候補リストの中のインデックスと差分動きベ
クトルを出力する。参照候補リストは、参照候補リストをMVPリストとして、リストの
中のインデックスをMVPインデックスとして出力する。動画像符号化装置100では、
予測方法決定部107に出力される。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される実施例4の動きベクトル予測部10
3に対応する、動画像復号装置200の中に設置される実施例4の動きベクトル算出部2
04について説明する。動きベクトル算出部204は実施例2の図30と同じ構成をなし
、符号化情報導出部320の処理が実施例2と異なる。それ以外の参照候補リスト作成部
321、同一情報検出部322、参照候補リスト格納メモリ324、選択部325及び動
きベクトル加算部327は実施例2と同一の機能を備える。
また、符号化情報導出部320は上述した実施例2における動きベクトル予測部103
の符号化情報導出部320と同一の機能を備えており、マージ判定部206の参照候補リ
スト作成部311は上述した実施例4におけるマージ検出部106の参照候補リスト作成
部311と同一の機能を備えており、マージ判定部206の同一情報検出部312は上述
した実施例4におけるマージ検出部106の同一情報検出部312と同一の機能を備えて
いるので、動きベクトル算出部204の同一情報検出部322までの処理で、実施例4の
動きベクトル予測部103と同一の参照候補リストが作成される。
実施例2と同様に選択部325は、作成された参照候補リストの中から、第1の符号化
ビット列復号部202で復号された、参照隣接ブロックを特定するインデックスで指定さ
れる参照候補リストの隣接ブロックを選択する。選択された参照候補リストの隣接ブロッ
クの符号化情報から動きベクトルを予測動きベクトルとして出力し、動きベクトル加算部
327にて予測動きベクトルと第1の符号化ビット列復号部202で復号された差分動き
ベクトルとを加算して動きベクトルを算出し、動き補償予測部207に供給するとともに
、選択されたリストの隣接ブロックの符号化情報を符号化情報格納メモリ210に供給す
る。
尚、実施例4では、2つの隣接ブロックを、参照隣接ブロックの代表として選出したが
、マージモード、動き検出モードそれぞれ別々に1個または3個以上の隣接ブロックを代
表として選出することにしても構わない。但し、ブロック群の中のブロック数を超えない
範囲で設定する。尚、本発明の説明に使用している図9の配置では、代表の数は6個が最
大数となる。マージモードの場合、代表の数を6個に設定すると、実施例1と等価となる
。動き検出モードでは2個の空間の隣接ブロックを代表とし、マージモードでは3個以上
の空間の隣接ブロックを代表とするなど、動き検出モードよりもマージモードで多くの空
間の隣接ブロックを代表とすることにより、以下のような効果を得ることができる。
即ち、マージモードでは、参照隣接ブロックの候補の符号化情報をそのまま用いて、画
像間予測を行うので、選択の余地を残す為に、動き検出モードよりも多くの候補をリスト
に登録する。これは、マージモードは動き検出モードと比較して、多くの情報(動きベク
トル、参照インデックス、予測方向)をわずかな符号量で伝送出来る為であり、マージイ
ンデックスの符号量を削減するよりも、隣接ブロックの候補を残して選択の幅を広げた方
が符号化効率が向上するからである。
一方、動き検出モードでは、参照隣接ブロックの候補の符号化情報をそのまま用いるの
ではなく、差分動きベクトルをはじめとする符号化情報を符号化するので、マージモード
よりも候補を絞ってリストに登録する。これは、候補を絞ることにより、MVPインデッ
クスの符号量を削減した方が符号化効率が向上するからである。
マージモードで、3個以上の空間の隣接ブロックを代表として選出するとした場合、図
43のステップS1607では、すべての既に選択されたそれぞれの隣接ブロックの符号
化情報と、隣接ブロックNの符号化情報が同じであるか否かを判定する。動き検出モード
で、3個以上の空間の隣接ブロックを代表として選出するとした場合、図45のステップ
S1707では、すべての既に選択されたそれぞれの隣接ブロックの動きベクトルと隣接
ブロックNの動きベクトルまたは隣接ブロックNの動きベクトルがスケーリングされた動
きベクトルmvLXNが同じであるか否かを判定する。
マージモードの場合は実施例4の手法を用いて、動き検出モードの場合は他の実施例の
手法を用いることも可能である。同様に、動き検出モードの場合は実施例4の手法を用い
て、マージモードの場合は他の実施例の手法を用いることも可能である。特に、マージモ
ードの場合は実施例1の手法を用いて、動き検出モードの場合は実施例4の手法を用いた
場合、実施例3と同様の効果を得ることができる。
即ち、マージモードでは、参照隣接ブロックの候補の符号化情報をそのまま用いて、画
像間予測を行うので、選択の余地を残す為に、動き検出モードよりも多くの候補をリスト
に登録する。これは、マージモードは動き検出モードと比較して、多くの情報(動きベク
トル、参照インデックス、予測方向)をわずかな符号量で伝送出来る為であり、マージイ
ンデックスの符号量を削減するよりも、隣接ブロックの候補をできるだけ残して、できる
動き情報の候補を増やすことが符号化効率向上に寄与する為である。
一方、動き検出モードでは、参照隣接ブロックの候補の符号化情報をそのまま用いるの
ではなく、差分動きベクトルをはじめとする符号化情報を符号化するので、スキャンを行
い候補を絞ってリストに登録する。これは、動き検出モードでの候補は予測ベクトルに使
用されるだけである為、隣接ブロックの候補を多く残しても、候補間で近い動きベクトル
を登録しても差分動きベクトルの符号量を減らすことが出来ず、MVPインデックスの符
号量が増加するだけである。その為、リストに登録する候補を絞ることにより、MVPイ
ンデックスの符号量を削減することが符号化効率向上に寄与する為である。
マージモード、動き検出モードともに、隣接ブロックが参照先候補として利用可能であ
るかどうかの情報のみを用いてリストに登録する候補を決定することが出来る為、複雑な
判定を行う必要がなく、マージモード、動き検出モードそれぞれについて、適切な候補を
リストに登録することが可能である。
更に、実施例4は、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックのみを別
扱いとして参照候補リストの最後に登録する。同じピクチャ上にある隣接ブロック同士は
同じ符号化情報を持つ可能性が高く、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブ
ロックはそれらと異なる符号化情報を持つ可能性が高いので、別途候補として登録する効
果が高いといえる。例えば、同じピクチャ上にある隣接ブロックがすべて、イントラの場
合でも、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックはインター予測の符号
化情報を持つ可能性が高い。ただし、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブ
ロックは、処理対象の予測ブロックと同じピクチャ上にある隣接ブロックに比べて、処理
対象の予測ブロックと符号化情報が等しい或いは近い可能性が低いので、優先順位を下げ
ている。
(実施例5)
動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例5のマージ検出部1
06について説明する。マージ検出部106は実施例1で説明した図11と同じ構成をな
すが、参照候補リスト作成部311の処理が実施例1とは異なるので、実施例5における
マージ検出部106の参照候補リスト作成部311の動作について説明する。参照候補リ
スト作成部311は、参照候補リスト格納メモリ314に、参照隣接ブロックの符号化情
報の候補を登録する記憶領域として参照候補リストを設け、参照隣接ブロックの符号化情
報の候補に優先順位をつけて、優先順位の高いものから参照候補リストに、参照隣接ブロ
ックの符号化情報の候補を登録する。これにより、参照候補リストのインデックスmer
ge_idxの符号量を削減する。
優先順位の高い要素を参照候補リストの前方に配置することで、符号量を削減する。優
先順位を示すインデックスは0から昇順に割り当てる。ここで、マージモードの場合、順
番(A1,B1,B0,A0,C0,T)を設定することとする。マージモードの場合は
、処理対象の予測ブロックの辺と、符号化情報が最も等しい可能性が高いと考えられる処
理対象の予測ブロックと辺とが接している隣接ブロックA1及びB1を優先してリストの
前方に登録することで、マージインデックスの符号量を削減し、符号化効率を向上させる
参照候補リスト格納メモリ314に設けられる参照候補リストは、リスト構造を成し、
参照候補リスト内部の所在を示すインデックスと、インデックスに対応する参照隣接ブロ
ックの符号化情報の候補を要素として格納する配列領域が設けられる。この配列領域はc
andListで表される。インデックスの数字は0から開始され、参照候補リストca
ndListの記憶領域に、参照隣接ブロックの符号化情報の候補が格納される。以降の
処理では、参照候補リストcandListに登録されたインデックスiの符号化情報は
、candList[i]で表すこととし、参照候補リストcandListとは配列表
記をすることで区別することとする。尚、参照候補リストの記憶領域に格納される符号化
情報は、特に断らない限り、参照隣接ブロックの位置名(A0,A1,B0,B1,C0
,T)で表すこととする。
図46は実施例5における参照候補リスト作成部311の動作を示すフローチャートで
ある。実施例5では、参照候補リスト作成前に、図31(a)で示される隣接ブロックの
中から左側及び上側のブロック群に分類し、それぞれのブロック群の参照隣接ブロックの
個数NA及びNBを設定する。ここで、左側のブロック群の隣接ブロックはA0,A1、
上側のブロック群の隣接ブロックはB0,B1,C0であり、NA及びNBをともに1に
設定する。即ち、それぞれのブロック群から1つの隣接ブロックを選択することを意味す
る。尚、NA及びNBはそれぞれのブロック群の中の隣接ブロック総数を超えないことと
する。
まず、変数Nと参照候補リストのインデックスkを初期化する(S1200)。変数N
には予測モードに対応した最も優先順位の高い隣接ブロックが初期設定される。マージモ
ードではA1、動き検出モードではA0である。kは0に設定される。インデックスkは
参照候補リストの記憶領域に設定される符号化情報の候補の格納領域の優先順位を示す。
次に、左側及び上側のブロック群のカウンタna及びnbを0に初期化する(S120
1)。最初に、隣接ブロックNが左側或いは上側のブロック群に属する隣接ブロックか否
かの判定が行われる(S1202)。属しない場合(S1202のN)、ステップS12
06に進み、属する場合(S1202のY)、左側或いは上側のどちらのブロック群に属
するかを判定する(S1203)。
左側の場合、カウンタnaとNAの比較に進み(S1204)、naがNAより小さい
場合(S1204のY)、ステップS1206に、そうでない場合(S1204のN)、
ステップS1210に進む。上側の場合、カウンタnbとNBの比較に進み(S1205
)、nbがNBより小さい場合(S1205のY)、ステップS1206に、そうでない
場合(S1205のN)、ステップS1210に進む。
na及びnbがNA及びNB以上の場合は、各ブロック群で参照候補リストに選出され
る隣接ブロック数を超えたことを示し、この場合、参照候補リストに登録するか否かの判
定はせず、登録されない。
隣接ブロックNの有効フラグavailableFlagNの判定が行われる(S12
06)。availableFlagNが1の場合(S1206のY)、隣接ブロックN
の符号化情報を参照候補リストcandListLX[k]に登録し(S1207)、k
を更新する(S1208)。更に、隣接ブロックNが左側或いは上側のブロック群に属す
る場合はカウンタna或いはnbを更新する(S1209)。availableFla
gNが0の場合(S1206のN)、参照候補リストには登録せず、ステップS1210
に進む。
隣接ブロックNが最後の参照ブロックか否かを判定する(S1210)。最後のブロッ
クである場合(S1210のY)、インデックスの値を候補リスト総数NumListC
andに設定した後(S1211)、処理を終了する。最後のブロックで無い場合(S1
210のY)、変数Nを更新して(S1212)、ステップS1202以降の処理を繰り
返す。
以上の処理により、参照候補リストに登録される。ここでは、参照候補リストに登録さ
れる最大数はNA+NB+1で表される。最初に設定したNAとNBに異なる時間の候補
が1つ加算されることになり、ここではNA,NBともに1としたので、最大3となる。
参照隣接ブロックが1つだけ有効となる場合、最大符号語長は0となるので、符号語は必
要とせず、1つだけ有効と判定された隣接ブロックの符号化情報の候補が参照先として一
意に決定される。
上記の処理において、例えば隣接ブロックA1の有効フラグavailableFla
gA1が0の場合、優先順位はA1,B1,B0,A0,C0,Tなので、参照候補リス
トには優先順にB1,A0,Tが登録される。実施例2で同じ条件で処理を行うとA0,
B1,Tとなる。実施例5の方が元の優先順位を保ちつつ、処理対象の予測ブロックと符
号化情報が最も等しい可能性が高いと考えられる隣接ブロックを優先して参照候補リスト
の前方に登録することで、インデックスの符号量を削減し、符号化効率を向上させる。
また、この場合、左側及び上側に隣接するブロック群を代表する隣接ブロック及び時間
が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックの3つの隣接ブロックが参照候補リ
ストに登録されることになり、参照隣接ブロックの総数を実施例1に比べて削減すること
が出来るので、割り当てる符号語長が短くなり、符号化効率を改善することが出来る。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される実施例5のマージ検出部106に対
応する、動画像復号装置200の中に設置される実施例5のマージ判定部206について
説明する。マージ判定部206は実施例1で説明した図22と同じ構成をなし、参照候補
リスト作成部311の処理が実施例1と異なる。それ以外の符号化情報導出部310、同
一情報検出部312、参照候補リスト格納メモリ314及び選択部315は実施例1と同
一の機能を備える。
また、参照候補リスト作成部311は上述した実施例5におけるマージ検出部106の
参照候補リスト作成部311と同一の機能を備えているので、マージ判定部206の同一
情報検出部312までの処理で、実施例5のマージ検出部106と同一の参照候補リスト
が作成されることになる。
作成された参照候補リストから、マージモードでの参照隣接ブロックの符号化情報を取
得する選択部315について説明する。選択部315は、作成された参照候補リストの中
から、第1の符号化ビット列復号部202で復号された、参照隣接ブロックを特定するイ
ンデックスで指定される参照候補リストの隣接ブロックを選択する。選択された符号化情
報を動き補償予測部207に供給するとともに、符号化情報格納メモリ210に供給する
次に、本発明の動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例5の
動きベクトル予測部103について説明する。動きベクトル予測部103は実施例1で説
明した図23と同じ構成をなすが、参照候補リスト作成部321の処理が実施例1とは異
なる。参照候補リスト作成部321はマージ検出部106の参照候補リスト作成部311
と基本的に同一の機能を備えているので、参照隣接ブロックの符号化情報の候補が有効か
否か判定し、参照候補リストに登録する動作は同様であるので、説明を割愛する。
参照候補リスト作成部321がマージ検出部106の参照候補リスト作成部311と異
なるのは、参照候補リスト格納メモリ324に設けられた参照候補リストに、参照隣接ブ
ロックの符号化情報の候補を登録する場合の優先順位である。動き検出モードの場合、参
照候補リスト作成部321では、A0,B0,A1,B1,C0,Tの順番に設定される
動き検出モードは、差分動きベクトルを伝送する為のモードであり、予測動きベクトル
の選択の幅を広げる為に、左側と上側の隣接ブロックの候補の動きベクトルの差が大きく
なるように、左側と上側の候補間の距離を離して登録することで、差分動きベクトルの符
号量を削減し、符号化効率を向上させる。この動き検出モードでの優先順位の決定方法は
、出来るだけ同一の符号化情報である確率の高い隣接ブロックを優先候補として登録する
マージモードとは目的が異なる。以上のように、優先順位をつけて、優先順位の高いもの
から参照候補リストに、参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録することで、参照候
補リストのインデックスmvp_idx_l0及びmvp_idx_l1の符号量を削減
する。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される実施例5の動きベクトル予測部10
3に対応する、動画像復号装置200の中に設置される実施例5の動きベクトル算出部2
04についても、動きベクトル算出部204の参照候補リスト作成部321は、対応する
動きベクトル予測部103の参照候補リスト作成部321と同一の機能を備えているので
、動きベクトル予測部103と同一の参照候補リストが作成されることになる。
作成された参照候補リストから、動き検出モードにおいて参照隣接ブロックの符号化情
報を取得する選択部325について説明する。選択部325は、作成された参照候補リス
トの中から、第1の符号化ビット列復号部202で復号された、参照隣接ブロックを特定
するインデックスで指定されるリストの隣接ブロックを選択する。選択されたリストの隣
接ブロックの符号化情報から動きベクトルを予測動きベクトルとして出力し、動きベクト
ル加算部327にて予測動きベクトルと第1の符号化ビット列復号部202で復号された
差分動きベクトルとを加算して動きベクトルを算出し、動き補償予測部207に供給する
とともに、選択されたリストの隣接ブロックの符号化情報を符号化情報格納メモリ210
に供給する。
尚、実施例5では、NA及びNBをともに1に設定したが、それぞれのブロック群の隣
接ブロック総数を超えない数を設定してもよく、更に、予測モードでそれぞれ設定を変更
してもよい。
(実施例6)
実施例6では、実施例2とは異なる参照隣接ブロックのブロック群を定義し、その中か
らそれぞれ1つを代表する隣接ブロックとして選択する方法を変えるものである。図31
(a)の隣接ブロックの配置を用いて説明する。図31(a)で配置される6つの隣接ブ
ロックA0,A1,B0,B1,C0,Tを、A1を左側に隣接する代表ブロック、B1
を上側に隣接する代表ブロック、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロッ
クT、処理対象の予測ブロックのコーナーに位置する隣接ブロックA0,B0とC0をコ
ーナーに隣接するブロック群とする。そのブロック群の中から1つを代表する隣接ブロッ
クとして選択する。左側、上側、異なる時間及びコーナーの4つの隣接ブロックから1つ
の隣接ブロックの符号化情報を参照先として選択する。
処理対象の予測ブロックの辺と、符号化情報が最も等しい可能性が高いと考えられる処
理対象の予測ブロックの辺とが接している隣接ブロックA1及びB1を優先して参照候補
リストの前方に登録し、相対的に可能性が低いコーナーの3つの隣接ブロックをグループ
化して、インデックスの符号量を削減し、符号化効率を向上させるので、特にマージモー
ドの場合に有効な手法である。
動画像符号化装置100の中に設置される実施例6のマージ検出部106と、対応する
動画像復号装置200の中に設置される実施例6のマージ判定部206の参照候補リスト
作成部311、及び動画像符号化装置100の中に設置される実施例6の動きベクトル予
測部103と、対応する動画像復号装置200の中に設置される実施例6の動きベクトル
算出部204の参照候補リスト作成部321の中で、処理対象の予測ブロックのコーナー
に位置する隣接ブロックA0,B0とC0をコーナーに隣接するブロック群と定義する。
A1,B1,(B0,A0,C0),Tの順に優先順位を設定し、優先順位の高いものか
ら参照候補リストに参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録することで、参照候補リ
ストのインデックスの符号量を削減する。ここで、参照候補リスト内部の括弧は、左側或
いは上側の隣接ブロック群の中から、括弧内の左から右の順に処理され、選択される1つ
の隣接ブロックを表す。
参照候補リスト作成部311及び321では、コーナーに隣接するブロック群から代表
する隣接ブロックの選択として、例えば、実施例2で説明したように、ブロック群の中の
隣接ブロックを予め決められた処理順にスキャンする。隣接ブロックが有効であり、且つ
Intraモードでない条件を満足するか判定し、この条件を満足する最初の隣接ブロッ
クを選択してもよい。ここでは、処理順をB0,A0,C0とするが、必ずしもこの順番
である必要はない。また、コーナーに隣接するブロック群の中の隣接ブロックB0,A0
,C0の符号化情報の比較を行い、同一の符号化情報を備える隣接ブロックを選択しても
よい。即ち、ブロック群の中で多数決を行い、同一の符号化情報を備える隣接ブロックの
うち、処理順B0,A0,C0で先になる方を隣接ブロックとして選択する。実施例6で
作成される参照候補リストは、参照隣接ブロックが全て有効であった場合、図47のよう
に表される。
(実施例7)
実施例7は、参照候補リストに登録された、参照隣接ブロックの数を制限するものであ
る。実施例1、3(実施例はマージモードの場合)の参照候補リストに登録される、参照
隣接ブロック数は、図9(a)或いは図31(a)の隣接ブロックの配置の場合、最大6
個存在する。この中から隣接ブロックを選択すると、インデックスで最大で5ビットの符
号量を必要とする為、符号化効率が向上するとは言えない。そこで、実施例2、4等と同
様に作成された参照候補リストの中の上位の隣接ブロックの符号化情報のみ使用するよう
に限定する。
最初に、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例7のマージ
検出部106について説明する。図48は図11で示される実施例1の動画像符号化装置
100のマージ検出部106に参照候補制限部318を追加したマージ検出部106の構
成を示す。図48で示される各部は図11で示される各部と同じ機能を備えているので、
ここでは参照候補制限部318の機能についてのみ説明する。
参照候補制限部318は、同一情報検出部312にて参照候補リストの中から同一の符
号化情報を備える参照隣接ブロックを削除した参照候補リストが入力される。参照候補制
限部318は、参照候補リストの中から、設定された制限数分のインデックス上位の隣接
ブロックを残し、それ以外を削除するか、或いは選択外として判定する。例えば、実施例
1で同一の符号化情報が存在しない場合の参照候補リストの一例を示す図20に対し、マ
ージモードの場合で3個に制限すると、インデックス0から2までの上位3個の隣接ブロ
ックを参照候補とし、残りは使用しないので参照候補の対象から外す。
以上のようにして、参照候補として隣接ブロックが参照候補リストに制限されて登録さ
れることになり、参照隣接ブロックの総数を実施例1に比べて削減することが出来るので
、割り当てる符号語長が短くなり、符号化効率を改善することが出来る。また、参照候補
リストの優先順位の高い隣接ブロックに絞り込んで制限するので、符号化効率の低下を抑
えることが出来る。参照候補リストの制限数は、例えばSPS(Sequence Pa
rameter Set)やSlice Headerといったヘッダー情報に制限数を
設定してもよい。また、符号化側と復号側で暗黙的な条件として設定してもよく、符号化
側と復号側で矛盾が生じないよう設定されれば方法を制限するものではない。また、予測
モードに従ってそれぞれ制限数を設定してもよい。更に、処理対象の予測ブロックが参照
する符号化済み或いは復号済みの隣接ブロックの符号化情報に基づいて、参照候補リスト
の制限数を適応的に変更してもよい。
以上のように、同一情報検出部312の直後に参照候補制限部318を設けることで、
参照候補を制限する手法を説明したが、参照候補制限部318をマージ検出部106の中
に設けずに、同一情報検出部312の中に参照候補制限部318の機能を備えるようにし
ても同等の効果が得られる。この場合、同一情報検出部312では、参照候補リストの中
に格納された符号化情報の候補を比較して、同じ符号化情報の候補が存在する場合、最も
小さい参照候補リストのインデックスを持つ符号化情報の候補を除いて全て削除されると
ともに、最も小さい参照候補リストのインデックスを持つ符号化情報の候補を参照候補リ
ストに再登録し、その登録数が制限数に達した場合に処理が終了する。
図49は実施例7における同一情報検出部312の動作を示すフローチャートであり、
実施例1の図21に示す動作を行う同一情報検出部312に対して、実施例7の参照候補
の制限する機能を追加したものである。図21のフローチャートに対して、新たにステッ
プS710からステップS712の処理ステップが追加され、これら追加された処理につ
いて説明する。
参照候補リストのインデックスを表す変数nとmの設定後に、削除リストに記録される
参照候補リストの候補数を表すカウンタsを0に設定する(S710)。次に、ステップ
S702にて、mが既に削除リストに記録されているか判定し、mが未だ削除リストに記
録されていない場合(S702のN)、mを削除リストに記録するとともに、カウンタs
に1加算して更新する(S711)。
次にsが閾値THと等しいか否かを判定する(S712)。ここで、閾値THは候補リ
スト総数NumListCandから制限数を引いた数を表す。即ち、参照候補リストに
制限数の候補を残し、削除リストに記録された候補数の最大数を表す。sがTHと等しく
なった場合(S712のY)、参照候補リストに制限数分の候補が残ることになるので、
同一情報判定の処理を終了して、ステップS708に進み、削除リストに記録されたイン
デックスに該当するリストの格納領域の符号化情報を削除して、インデックス0を基準に
、インデックスが小さい候補の順で詰めて、符号語を更新して終了する。尚、参照候補リ
ストの総数NumListCandは制限数に更新される。
また、参照候補制限部318を同一情報検出部312の直前に設けてもよい。この場合
、参照候補リスト作成部311にて作成された参照候補リストの中の参照候補を制限して
候補数を絞り込むので、同一情報検出部312で同一情報を検出する最大回数が削減され
る為、処理量が削減される効果がある。
図50は図11で示される実施例1の動画像符号化装置100のマージ検出部106を
基に、実施例7の参照候補制限部318を追加したマージ検出部106の構成を示す。図
50で示される各部は図11で示される各部と同じ機能を備えている。上述した図48の
構成と参照候補制限部318の位置が異なるだけであり、参照候補制限部318の動作も
同様である。参照候補制限部318は参照候補リスト作成部311にて作成された参照候
補リストの中から、設定された制限数分のインデックス上位の隣接ブロックを残し、それ
以外を削除するか、或いは選択外として判定する。
以上のように、同一情報検出部312の直前に参照候補制限部318を設けることで、
参照候補の制限する手法を説明したが、参照候補制限部318をマージ検出部106の中
に設けずに、参照候補リスト作成部311の中に参照候補制限部318の機能を備えるよ
うにしても同等の効果が得られる。この場合、参照候補リスト作成部311では、符号化
情報導出部310にて導出された、参照隣接ブロックの符号化情報を、参照候補リストに
登録するとともに、参照候補リストに登録された、参照隣接ブロックの数をカウントし、
その数が制限数に達した場合に処理を終了する。
図51は実施例7における参照候補リスト作成部311の動作を示すフローチャートで
あり、実施例1の図19に示す動作を行う参照候補リスト作成部311に対して、実施例
7の参照候補の制限する機能を追加したものである。図19のフローチャートに対して、
新たにステップS607の処理ステップが追加され、この追加された処理について説明す
る。
まず、変数Nと参照候補リストのインデックスkを初期化する(S600)。インデッ
クスkは参照候補リストの記憶領域に設定される符号化情報の候補の格納領域の優先順位
を示す。
次に、参照隣接ブロックNの有効フラグavailableFlagNの判定が行われ
(S601)、availableFlagNが1の場合(S601のY)、隣接ブロッ
クNの符号化情報を参照候補リストに登録し(S602)、kを更新する(S603)。
次に、kが制限数に達したか否かの判定が行われる(S607)。kが制限数未満であ
れば(S607のN)、まだ参照候補リストに制限数分の符号化情報が登録されていない
ので、ステップS604に進む。kが制限数に達した場合(S607のY)、参照候補リ
ストに制限数分の符号化情報が登録されたので、インデックスの値を候補リスト総数Nu
mListCandに設定した後(S605)、処理を終了する。
尚、実施例1のマージ検出部106に対して参照候補制限部318を追加した例で説明
したが、他の実施例においても、参照候補制限部318を追加することは可能である。ま
た、マージ検出部106に対応する動画像復号装置200の中に設置される実施例7のマ
ージ判定部206に参照候補制限部318を追加することも可能であり、マージ判定部2
06の中に参照候補制限部318を設けず、マージ判定部206の参照候補リスト作成部
311或いは同一情報検出部312の中に、参照候補制限部318の機能を備えるように
しても同等の効果が得られる。但し、符号化側と復号側で参照候補制限部318を設置す
る位置或いは参照候補制限部318の機能を備える処理部は同じにする必要がある。
次に、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例7の動きベク
トル予測部103について説明する。図52は図23で示される実施例1の動画像符号化
装置の動きベクトル予測部103を基に、実施例7の参照候補制限部328を追加した動
きベクトル予測部103の構成を示す。図52で示される各部は、基本的には図23で示
される各部と同じ機能を備えているが、符号化情報導出部320及び参照候補リスト作成
部321の処理は実施例1とは異なる。実施例7における符号化情報導出部320及び参
照候補リスト作成部321と新たに追加した参照候補制限部328の機能について説明す
る。
図53は実施例7における符号化情報導出部320の動作を示すフローチャートである
。実施例1における符号化情報導出部320では、処理対象の予測ブロックの予測モード
に応じて、片方向予測でL0予測の場合は参照リストL0に登録されている符号化情報だ
けを、片方向予測でL1予測の場合は参照リストL1に登録されている符号化情報だけを
、双予測の場合は参照リストL0,L1に登録されているそれぞれの符号化情報の判定を
、L0とL1のリスト毎に独立して行っていた。
実施例7では、まず、リストに関わらず隣接ブロックの有効性を判定し、その後に処理
対象の予測ブロックの予測モードに応じて、符号化情報を検出して取得する。この処理に
より、隣接ブロックの有効性判定をリスト毎に行う必要が無くなり、処理工数を削減する
ことが可能となる。
まず、変数Nを初期化する(S900)。変数Nには図9(a)に示される同一のピク
チャ上にある隣接ブロックB0,A0,A1,B1,C0が設定される。ここで、初期化
時にはN=B0に設定することとし、変数Nの更新はA0,A1,B1,C0の順で行う
こととする。
動き検出モードは、差分動きベクトルを伝送する為のモードであり、予測動きベクトル
の選択の幅を広げる為に、左側と上側の隣接ブロックの候補の動きベクトルの差が大きく
なるように、左側と上側の候補間の距離を離して登録することで、差分動きベクトルの符
号量を削減し、符号化効率を向上させる。この動き検出モードでの優先順位の決定方法は
、出来るだけ同一の符号化情報である確率の高い隣接ブロックを優先候補として登録する
マージモードとは目的が異なる。
次に、変数Nの隣接ブロック(以下、隣接ブロックNとする)の位置及び符号化情報を
取得する(S902)。取得された隣接ブロックNの位置に基づいて、隣接ブロックNが
有効か否かを判定する(S903)。例えば、処理対象の予測ブロックがピクチャ左端に
位置する場合、処理対象の予測ブロックの左の隣接ブロックは存在しないので、符号化情
報格納メモリ114の中に該当する符号化情報は無いことになり、無効と判定される。
隣接ブロックNが無効の場合(S903のN)、availableFlagNを“0
”に設定する(S908)。隣接ブロックNが有効の場合(S903のY)、隣接ブロッ
クNの予測モードが画面内符号化(Intra)モードか否かを判定する(S904)。
隣接ブロックNの予測モードがIntraモードでない場合(S904のY)、即ち、I
nterモードの場合、availableFlagNを“1”に設定する(S906)
。続いて、動きベクトルの算出が行われる(S916)。動きベクトルの算出後、隣接ブ
ロックNの符号化情報をrefIdxLXN、mvLXN及びpredFlagLXNに
代入して設定する(S907)。
以上のようにして、隣接ブロックNに対する判定処理が終了すると、変数Nが隣接ブロ
ックの最後か否かの判定を実施する(S909)。変数Nの更新はB0,A0,A1,B
1,C0の順番に行われるので、ここではNがC0か否かの判定を行う。NがC0であれ
ば(S909のY)、全ての隣接ブロックに対して判定をしたことになり、処理を終了す
る。NがC0でない場合(S909のN)、Nの更新を行う(S910)。上述した隣接
ブロックの順番にNを更新して、ステップS902以降の処理を隣接ブロックNについて
繰り返す。
ここで、動きベクトルの算出過程について図54のフローチャートを用いて説明する。
まず、L0予測の隣接ブロックNの符号化情報を格納しておく変数を初期化する。ここで
、変数は隣接ブロックNの動きベクトルmvL0N、参照ピクチャ番号refIdxL0
N及び参照リストの有効性を示すフラグpredFlagL0Nであり、次のように初期
化される(S920)。
mvL0N=(0,0)
refIdxL0N=0
predFlagL0N=0)
次に、処理対象の予測ブロックのInterモードが片方向のL0予測或いはBi−p
red予測(双予測)か否か判定される(S921)。Bi−pred予測ではL0予測
及びL1予測の2つの参照リストを使用するので、片方向のL0予測或いはBi−pre
d予測の場合(S921のY)、隣接ブロックNの動きベクトルmvL0Nの算出に進む
(S922)。
処理対象の予測ブロックと隣接ブロックNの参照ピクチャ番号及び参照リストが同一で
ある場合には、隣接ブロックNのL0予測の動きベクトルをmvL0Nに代入して設定す
る。処理対象の予測ブロックと隣接ブロックNの参照ピクチャ番号及び参照リストが同一
でない場合、隣接ブロックNの動きベクトルのスケーリング処理が実施される。スケーリ
ング処理については実施例1で説明したので、ここでは割愛する。スケーリング処理を実
施することで、処理対象の予測ブロックに対して、より近い動きベクトルを導出して精度
向上を図ることが出来る。以上のようにして、スケーリング処理された動きベクトルをm
vL0Nに、隣接ブロックNのL0予測の符号化情報をrefIdxL0N及びpred
FlagL0Nに代入して設定する。
片方向のL0予測でもBi−pred予測でもない場合(S921のN)、L1予測の
動きベクトル判定に進む。続いて、L1予測の隣接ブロックNの符号化情報を格納してお
く変数を初期化する。ここで、変数は隣接ブロックNの動きベクトルmvL1N、参照ピ
クチャ番号refIdxL1N及び参照リストの有効性を示すフラグpredFlagL
1Nであり、次のように初期化される(S923)。
mvL1N=(0,0)
refIdxL1N=0
predFlagL1N=0
次に、処理対象の予測ブロックのInterモードが片方向のL1予測或いはBi−p
red予測(双予測)か否か判定される(S924)。Bi−pred予測ではL0予測
及びL1予測の2つの参照リストを使用するので、片方向のL1予測或いはBi−pre
d予測の場合(S924のY)、隣接ブロックNの動きベクトルmvL1Nの算出に進む
(S925)。
処理対象の予測ブロックと隣接ブロックNの参照ピクチャ番号及び参照リストが同一で
ある場合には、隣接ブロックNのL1予測の動きベクトルをmvL0Nに代入して設定す
る。処理対象の予測ブロックと隣接ブロックNの参照ピクチャ番号及び参照リストが同一
でない場合、隣接ブロックNの動きベクトルのスケーリング処理が実施される。スケーリ
ング処理については実施例1で説明したので、ここでは割愛する。以上のようにして、ス
ケーリング処理された動きベクトルをmvL1Nに、隣接ブロックNのL1予測の符号化
情報をrefIdxL1N及びpredFlagL1Nに代入して設定する。片方向のL
1予測でもBi−pred予測でもない場合(S924のN)、処理を終了する。
以上のようにして、処理対象の予測ブロックと同一ピクチャ上に存在する周囲の隣接ブ
ロックを参照ブロックとして、その符号化情報が導出される。時間が異なる別のピクチャ
の同一位置に隣接するブロックの符号化情報の導出は実施例1と同様であるので、ここで
は説明を割愛する。
こうして得られた隣接ブロックの符号化情報は、参照候補リスト作成部321に入力さ
れる。参照候補リスト作成部321で作成される参照候補リストとして、処理対象の予測
ブロックのInterモードに応じて、L0及びL1予測の2つの参照リストに対してそ
れぞれ参照候補リストが作成される。実施例1では参照候補リストを参照リスト毎に作成
したが、実施例7では以降の判定に使用する隣接ブロックの有効性を示すフラグを参照リ
ストに関わらず1つのフラグavailableFlagNで表すので、L0,L1両予
測の参照候補リストを一度に作成することが可能となり、処理工数を削減することが出来
る。
参照候補リスト作成部321の動作を図55のフローチャートを用いて説明する。まず
、変数Nと参照候補リストのインデックスkを初期化する(S600)。変数Nには図9
(a)に示される隣接ブロックB0が初期設定され、kは0に設定される。変数Nは参照
候補リストに格納する優先順位を表し、隣接ブロックB0,A0,A1,B1,C0の順
番に行われる。インデックスkは参照候補リストの記憶領域に設定される符号化情報の候
補の格納領域の番号を表し、優先順位と対応している。
次に、参照隣接ブロックNの有効フラグavailableFlagNの判定が行われ
る(S601)。availableFlagNが1の場合(S601のY)、隣接ブロ
ックNの符号化情報をL0及びL1予測の2つの参照候補リストcandListLX[
k]に同時に登録し(S602)、kを更新する(S603)。ここで、添え字Xは0或
いは1を表す。availableFlagNが0の場合(S601のN)、参照候補リ
ストには登録せず、次に進む。隣接ブロックNが最後の参照ブロックか否かを判定する(
S604)。最後のブロックである場合(S604のY)、インデックスの値を候補リス
ト総数NumListCandに設定した後(S605)、処理を終了する。最後のブロ
ックで無い場合(S604のN)、変数Nを更新して(S606)、ステップS601以
降の処理を繰り返す。
参照候補制限部328には、同一情報検出部322にて参照候補リストの中から同一の
動きベクトルを備える参照隣接ブロックを削除した参照候補リストが入力される。参照候
補制限部328は、参照候補リストの中から、設定された制限数分のインデックス上位の
隣接ブロックを残し、それ以外を削除するか、或いは選択外として判定する。例えば、実
施例1で同一の動きベクトルが存在しない場合の参照候補リストの一例を示す図28にお
いて、動き検出モードの場合に3個に制限すると、インデックス0から2までの上位3個
の隣接ブロックを参照候補とし、残りは使用しないので参照候補の対象から外す。
以上のようにして、参照候補として隣接ブロックが参照候補リストに制限されて登録さ
れることになり、参照隣接ブロックの総数を実施例1に比べて削減することが出来るので
、割り当てる符号語長が短くなり、符号化効率を改善することが出来る。また、参照候補
リストの優先順位の高い隣接ブロックに絞り込んで制限するので、符号化効率の低減を抑
えることが出来る。参照候補リストの制限数は、例えばSPS(Sequence Pa
rameter Set)やSlice Headerといったヘッダー情報に制限数を
設定してもよい。
また、符号化側と復号側で暗黙的な条件として設定してもよく、符号化側と復号側で矛
盾が生じないよう設定されれば方法を制限するものではない。また、予測モードに従って
それぞれ制限数を設定してもよい。更に、処理対象の予測ブロックが参照する符号化済み
或いは復号済みの隣接ブロックの符号化情報に基づいて、参照候補リストの制限数を適応
的に変更してもよい。
以上のように、同一情報検出部322の直後に参照候補制限部328を設けることで、
参照候補を制限する手法を説明したが、参照候補制限部328を動きベクトル予測部10
3の中に設けずに、同一情報検出部322の中に参照候補制限部328の機能を備えるよ
うにしても同等の効果が得られる。この場合、同一情報検出部322では、参照候補リス
トの中に格納された符号化情報の候補を比較して、同じ動きベクトルを備える候補が存在
する場合、最も小さい参照候補リストのインデックスを持つ符号化情報の候補を除いて全
て削除するとともに、最も小さい参照候補リストのインデックスを持つ符号化情報の候補
を参照候補リストに再登録し、その登録数が制限数に達した場合に処理を終了する。
図56は実施例7における同一情報検出部322の動作を示すフローチャートであり、
実施例1の図29に示す動作を行う同一情報検出部322に対して、実施例7の参照候補
を制限する機能を追加したものである。図29のフローチャートに対して、新たにステッ
プS1010からステップS1012の処理ステップが追加され、これら追加された処理
について説明する。
参照候補リストのインデックスを表す変数nとmの設定後に、削除リストに記録される
参照候補リストの候補数を表すカウンタsを0に設定する(S1010)。次に、ステッ
プS1002にて、mが既に削除リストに記録されているか判定し、mが未だ削除リスト
に記録されていない場合(S1002のN)、mを削除リストに記録するとともに(S1
003)、カウンタsを1加算して更新する(S1011)。
次にsが閾値THと等しいか否かを判定する(S1012)。ここで、閾値THは候補
リスト総数NumListCandから制限数を引いた数を表す。即ち、参照候補リスト
に制限数の候補を残し、削除リストに記録された候補数の最大数を表す。sがTHと等し
くなった場合(S1012のY)、参照候補リストに制限数分の候補が残ることになるの
で、同一情報判定の処理を終了して、ステップS1008に進み、削除リストに記録され
たインデックスに該当するリストの格納領域の符号化情報を削除して、インデックス0を
基準に、インデックスが小さい候補の順で詰めて、符号語を更新して終了する。尚、参照
候補リストの総数NumListCandは制限数に更新される。
また、参照候補制限部328を同一情報検出部322の直前に設けてもよい。この場合
、参照候補リスト作成部321にて作成された参照候補リストの中の参照候補を制限して
候補数を絞り込むので、同一情報検出部322で同一情報を検出する最大回数が削減され
る為、処理量が削減される効果がある。
図57は図23で示される実施例1の動画像符号化装置の動きベクトル予測部103を
基に、実施例7の参照候補制限部328を追加した動きベクトル予測部103の構成を示
す。図57で示される各部は図23で示される各部と同じ機能を備えている。上述した図
52の構成と参照候補制限部328の位置が異なるだけであり、参照候補制限部328の
動作は同様である。参照候補制限部328は参照候補リスト作成部321にて作成された
参照候補リストの中から、設定された制限数分のインデックス上位の隣接ブロックを残し
、それ以外を削除するか、或いは選択外として判定する。
以上のように、同一情報検出部322の直前に参照候補制限部328を設けることで、
参照候補を制限する手法を説明したが、参照候補制限部328を動きベクトル予測部10
3の中に設けずに、参照候補リスト作成部321の中に参照候補制限部328の機能を備
えるようにしても同等の効果が得られる。この場合、参照候補リスト作成部321では、
符号化情報導出部320にて導出された参照隣接ブロックの符号化情報を、参照候補リス
トに登録するとともに、参照候補リストに登録された参照隣接ブロックの数をカウントし
、その数が制限数に達した場合に処理を終了する。参照候補リスト作成部321は、処理
対象の予測ブロックの予測モードに応じて、L0及びL1予測の参照候補リストを同時に
作成することが出来ることを除けば、実施例7における参照候補リスト作成部311の動
作を示す図51のフローチャートと同じ動作を行うので、ここでは説明を割愛する。
(実施例8)
実施例8では、実施例2、5とは異なる、参照隣接ブロックのブロック群を定義し、そ
の中からK個の代表する隣接ブロックを選択するものである。図31(a)の隣接ブロッ
クの配置を用いて説明する。実施例4と同様に、図31(a)で配置される6つの隣接ブ
ロックA0,A1,B0,B1,C0,Tから、処理対象の予測ブロックと同じピクチャ
上にある隣接ブロックA0,A1,B0,B1,C0を1つのブロック群とし、そのブロ
ック群の中からK個の代表する隣接ブロックを選択する。
選択された同じピクチャ上の代表するK個の隣接ブロックと、時間が異なる別のピクチ
ャの同一位置に隣接するブロックTのK+1個の隣接ブロックの符号化情報を参照候補と
して参照候補リストに登録する。実施例4では符号化情報導出部310、符号化情報導出
部320でK個(2個)の代表する隣接ブロックを選択しているのに対し、実施例8では
実施例1と同様に、符号化情報導出部310及び符号化情報導出部320はすべての隣接
ブロックを選択し、参照候補リスト作成時以降の処理で、K個(2個)の代表する隣接ブ
ロックを選択している点が異なる。
実施例8は、参照候補として選出する隣接ブロックの数に制限をかける実施例7を、処
理対象の予測ブロックと同一ピクチャ上のブロック群に適用した場合と等価であるが、時
間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックのみを別扱いとして参照候補リス
トの最後に登録する点が異なる。同じピクチャ上にある隣接ブロック同士は同じ符号化情
報を持つ可能性が高く、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックはそれ
らと異なる符号化情報を持つ可能性が高いので、別途候補として登録する効果が高いとい
える。例えば、同じピクチャ上にある隣接ブロックがすべて、イントラの場合でも、時間
が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックはインター予測の符号化情報を持つ
可能性が高い。ただし、時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックは、処
理対象の予測ブロックと同じピクチャ上にある隣接ブロックに比べて、処理対象の予測ブ
ロックと符号化情報が等しい或いは近い可能性が低いので、優先順位を下げている。
その為、同一ピクチャ上のブロック群から選択される隣接ブロックよりも優先順位を低
く設定し、参照候補リストの下位の位置に登録する。以下では、実施例8は、実施例7で
説明された動画像符号化装置100及び動画像復号装置200と同様の構成をなすものと
して説明する。但し、実施例7の参照候補制限部318及び328は設置せず、参照候補
制限部の機能を参照候補リスト作成部311、321、或いは同一情報検出部312、3
22の中に設け、処理対象の予測ブロックと同じピクチャ上にある隣接ブロックのブロッ
ク群に適用することとする。
動画像符号化装置100の中に設置されるマージ検出部106と、対応する動画像復号
装置200の中に設置されるマージ判定部206の参照候補リスト作成部311、及び動
画像符号化装置の100中に設置される動きベクトル予測部103と、対応する動画像復
号装置200の中に設置される動きベクトル算出部204の参照候補リスト作成部321
の中で、処理対象の予測ブロックと同じピクチャ上にある隣接ブロックA0,A1,B0
,B1,C0を同一ピクチャ上のブロック群と定義する。同一ピクチャ上のブロック群を
代表する隣接ブロック、Tの順に優先順位を設定し、優先順位の高いものから参照候補リ
ストに参照隣接ブロックの符号化情報の候補を登録することで、参照候補リストのインデ
ックスの符号量を削減する。
まず、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例8のマージ検
出部106について説明する。マージ検出部106は実施例1で説明した図11と同じ構
成をなすが、参照候補リスト作成部311の処理が実施例1とは異なる。実施例8におけ
るマージ検出部106の参照候補リスト作成部311の動作について説明する。
図58は実施例8における参照候補リスト作成部311の動作を示すフローチャートで
ある。実施例8では、参照候補リスト作成前に、同一ピクチャ上のブロック群の、参照隣
接ブロックの参照候補リストに登録する数Kを設定する。ここで、Kは2に設定する。尚
、Kは同一ピクチャ上のブロック群の中の隣接ブロック総数を超えないこととする。
まず、変数Nと参照候補リストのインデックスkを初期化する(S1300)。変数N
には予測モードに対応した最も優先順位の高い隣接ブロックが初期設定される。マージモ
ードにおける優先順位はA1,B1,B0,A0,C0としているので、A1が設定され
、Nの更新はこの順番で行われる。kは0に設定される。インデックスkは参照候補リス
トの記憶領域に設定される符号化情報の候補の格納領域の優先順位を示す。
最初に、隣接ブロックNの有効フラグavailableFlagNの判定が行われる
(S1301)。availableFlagNが0の場合(S1301のN)、参照候
補リストには登録せず、ステップS1305に進む。availableFlagNが1
の場合(S1301のY)、隣接ブロックNの符号化情報を参照候補リストに登録し(S
1302)、kを更新する(S1303)。
kの更新後、kとKの比較に進む(S1304)。kがK未満(S1304のY)、即
ち参照候補リストに登録される隣接ブロックの数が設定数Kに達していない場合はステッ
プS1305に進む。kがK以上の場合(S1304のN)、参照候補リストに登録され
る隣接ブロックの数が設定数Kに達した場合なので、参照候補リストに登録するか否かの
判定から抜け、ステップS1307に進む。
次に、隣接ブロックNが最後の参照ブロックか否かを判定する(S1305)。隣接ブ
ロックNが最後のブロックで無い場合(S1305のN)、変数Nを更新して(S130
6)、ステップS1301以降の処理を繰り返す。隣接ブロックNが最後のブロックであ
る場合(S1305のY)、ステップS1307に進む。
同一ピクチャ上のブロック群の登録判定終了後に、時間が異なる別のピクチャの同一位
置に隣接するブロックTの有効フラグavailableFlagTの判定が行われる(
S1307)。availableFlagTが1の場合(S1307のY)、隣接ブロ
ックTの符号化情報を参照候補リストに登録し(S1308)、kを更新する(S130
9)。availableFlagTが0の場合(S1307のN)、参照候補リストに
登録せず、ステップS1310に進む。参照候補リストに登録した数を候補リスト総数N
umListCandに設定した後(S1310)、処理を終了する。
以上の処理により、参照候補リストに登録される。ここでは、参照候補リストに登録さ
れる最大数はK+1で表される。参照隣接ブロックが1つだけ有効となる場合、最大符号
語長は0となるので、符号語は必要とせず、1つだけ有効と判定された隣接ブロックの符
号化情報の候補を参照先として一意に決定される。
上述した動画像符号化装置100の中に設置されるマージ検出部106に対応する、動
画像復号装置200の中に設置される実施例8のマージ判定部206について説明する。
マージ判定部206は実施例1で説明した図22と同じ構成をなし、参照候補リスト作成
部311の処理が実施例1と異なる。それ以外の符号化情報導出部310、同一情報検出
部312、参照候補リスト格納メモリ314及び選択部315は実施例1と同一の機能を
備える。
また、参照候補リスト作成部311は上述した実施例8におけるマージ検出部106の
参照候補リスト作成部311と同一の機能を備えているので、マージ判定部206の同一
情報検出部312までの処理で、実施例8のマージ検出部106と同一の参照候補リスト
が作成されることになる。作成された参照候補リストから、マージモードにおける参照隣
接ブロックの符号化情報を取得する選択部315について説明する。選択部315は、作
成された参照候補リストの中から、第1の符号化ビット列復号部202で復号された参照
隣接ブロックを特定するインデックスで指定される参照候補リストの隣接ブロックを選択
する。選択された符号化情報を動き補償予測部207に供給するとともに、符号化情報格
納メモリ210に供給する。
次に、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例8の動きベク
トル予測部103について説明する。動きベクトル予測部103は実施例1で説明した図
23と同じ構成をなすが、参照候補リスト作成部321の処理が実施例1とは異なる。実
施例8における参照候補リスト作成部321の動作について説明する。
参照候補リスト作成部321は上述したマージ検出部106の参照候補リスト作成部3
11と同様に、処理対象の予測ブロックと同じピクチャ上にある隣接ブロックA0,A1
,B0,B1,C0を1つのブロック群とし、そのブロック群の中からK個の代表する隣
接ブロックを選択する。マージ検出部106の参照候補リスト作成部311と比較して、
L0及びL1予測それぞれの参照候補リストを同時に作成する点が異なっているが、処理
の流れに大差はないので、ここでは説明を割愛する。尚、動き検出モードでの優先順位は
B0,A0,A1,B1,C0としている。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される動きベクトル予測部103に対応す
る、動画像復号装置200の中に設置される実施例8の動きベクトル算出部204につい
ても、動きベクトル算出部204の参照候補リスト作成部321は、対応する動きベクト
ル予測部103の参照候補リスト作成部321と同一の機能を備えており、動きベクトル
予測部103と同一の参照候補リストが作成されることになるので、ここでの説明は割愛
する。
以上の処理により、実施例8で作成される候補リストは、参照隣接ブロックが全て有効
であった場合、予測モード別に図59ように表される。マージモード、動き検出モードと
もに同一ピクチャ上のブロック群の参照隣接ブロックの個数を2とした場合の一例であり
、それぞれの予測モードの優先順位の高い有効な隣接ブロックが参照候補リストに登録さ
れる。
実施例8では、優先順位をマージモードの場合はA1,B1,B0,A0,C0、動き
検出モードの場合はB0,A0,A1,B1,C0の順番としたが、必ずしもこの順番で
ある必要はない。但し、マージモードの場合は、処理対象の予測ブロックの辺と、符号化
情報が最も等しい可能性が高いと考えられる処理対象の予測ブロックの辺とが接している
隣接ブロックA1及びB1を優先して参照候補リストの前方に登録することで、マージイ
ンデックスの符号量を削減し、符号化効率を向上させることができる。
動き検出モードは、差分動きベクトルを伝送する為のモードであり、予測動きベクトル
の選択の幅を広げる為に、左側と上側の隣接ブロックの候補の動きベクトルの差が大きく
なるように、左側と上側の候補間の距離を離して登録することで、差分動きベクトルの符
号量を削減し、符号化効率を向上させることができる。この動き検出モードでの優先順位
の決定方法は、出来るだけ同一の符号化情報である確率の高い隣接ブロックを優先候補と
して登録するマージモードとは目的が異なる。尚、実施例3で説明したように、マージモ
ードの場合は実施例8を用いて、動き検出モードの場合は実施例2或いは他の実施例を用
いる等、予測モードに応じて組み合わせを変えることも可能である。
(実施例9)
実施例9では、実施例1と同様に、処理対象の予測ブロックと同じピクチャ上にある隣
接ブロック及び時間が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックに対して、隣接
ブロックが有効であれば参照候補リストに登録し、参照候補リストの中から最適な隣接ブ
ロックの符号化情報を選択し、隣接ブロックを表す参照候補リストのインデックスを符号
化、伝送するものである。
図9(a)の隣接ブロックの配置を用いて説明する。実施例1では、参照候補リストを
作成する場合に、隣接ブロックの位置に対して予め決められた優先順位が対応付けられ、
優先順位の順番で隣接ブロックが所定の条件を満たすか否かを判定し、条件を満たす場合
に参照候補リストの前方に登録して、参照候補リストを作成していた。つまり、隣接ブロ
ックの位置に対応付けられた優先順位がそのまま参照候補リストのインデックスに反映さ
れ、優先順位が高い程、小さいインデックスとなる参照候補リストの記憶領域に格納され
ていた。
一般に、処理対象の予測ブロックの周囲の隣接ブロックは、処理対象の予測ブロックに
接している領域が大きい程、処理対象の予測ブロックと符号化情報が最も等しい可能性が
高いと考えられるので、そのような隣接ブロックを優先して参照候補リストの前方に登録
することで、インデックスの符号量を削減し、符号化効率を向上させる。
以上の点から、実施例9では、動き検出モードの場合に、動きベクトル予測の参照候補
リスト作成時に隣接ブロックの有効性を判定する順番と、参照隣接ブロックに対して割り
当てる符号語の順番を別々に定義する。参照候補リスト作成時に隣接ブロックの有効性を
判定する順番は、予測動きベクトルの選択の幅を広げる為に、左側と上側の隣接ブロック
の候補の動きベクトルの差が大きくなるように、隣接ブロック間の距離を離した順位にす
る。
ここでは、動きベクトル予測の参照候補リスト作成時に隣接ブロックの有効性を判定す
る順番をB0,A0,A1,B1,C0,Tとする。一方、参照隣接ブロックに対して割
り当てる符号語は、処理対象の予測ブロックに接している領域が大きい隣接ブロックを優
先してA1,B1,B0,A0,C0,Tの順番に少ない符号語を割り当てることとする
動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例9の動きベクトル予
測部103について説明する。実施例9の動きベクトル予測部103は実施例1で説明し
た図23と同じ構成をなすが、参照候補リスト作成部321の動作が異なる。実施例9に
おける参照候補リスト作成部321の動作について説明する。図60は、実施例9の動き
検出モードにおける参照候補リスト作成部321の動作を示すフローチャートであり、こ
の図を用いて説明する。
参照候補リスト作成部321は基本的に動きベクトル予測部103の中の参照候補リス
ト作成部321と同様の動作を実施する。動き検出モードでは参照リストによりL0予測
とL1予測それぞれの参照候補リストを作成する必要があるので、動き検出モードでの参
照候補リスト作成は、L0予測とL1予測を別個に2回実施する。その為、隣接ブロック
の有効性を判定するステップS601において、隣接ブロックの有効性を示すフラグav
ailableFlagLXN(Xは0或いは1、Nは隣接ブロックを示す記号が記述さ
れる)に参照リストを示すLXの添字が付加されるが、判定動作はマージモードの場合と
同様である。
図60では、動きベクトル予測部103の中の参照候補リスト作成部321の動作を示
す図19のフローチャートに対して、新たに変換テーブルの作成・更新(S608)が追
加されており、この判定部を含め、参照候補リスト作成部321の動作を説明する。但し
、ここでは参照リストの一方のみを説明することし、もう一方の参照リストについては判
定動作は同様であるので説明を割愛する。
まず、変数Nと参照候補リストのインデックスkを初期化する(S600)。変数Nに
は図9(a)に示される隣接ブロックB0が初期設定され、kは0に設定される。インデ
ックスkは参照候補リスト格納メモリ324に設けられる参照候補リストの記憶領域に設
定される符号化情報の候補の格納領域の優先順位を示す。この格納領域は配列構造を成し
、candListで表される。インデックスの数字は0から開始され、参照候補リスト
candListの記憶領域に、参照隣接ブロックの符号化情報の候補が格納される。以
降の処理では、参照候補リストcandListに登録されたインデックスiの符号化情
報は、candList[i]で表すこととする。
次に、参照隣接ブロックNの有効フラグavailableFlagLXNの判定が行
われる(S601)。ここで、Xは0或いは1が入る。availableFlagLX
Nが0の場合(S601のN)、参照候補リストには登録せず、次に進む。隣接ブロック
Nが最後の参照ブロックか否かを判定する(S604)。最後のブロックである場合(S
604のY)、インデックスkの値を候補リスト総数NumListCandに設定した
後(S605)、処理を終了する。最後のブロックで無い場合(S604のN)、変数N
を更新して(S606)、ステップS601以降の処理を繰り返す。ここで、変数Nを更
新する隣接ブロックの順番が参照候補リストに格納する優先順位となっており、実施例9
では、順番(B0,A0,A1,B1,C0,T)を設定することとする。
一方、availableFlagLXNが1の場合(S601のY)、隣接ブロック
Nの符号化情報を参照候補リストcandList[k]に登録し(S602)、変換テ
ーブルの作成・更新(S608)を実施し、kを更新する(S603)。
ここで、変換テーブルの作成・更新(S608)の詳細について説明する。変換テーブ
ルの作成・更新では、動きベクトル予測の参照候補リスト作成時に隣接ブロックの有効性
を判定する順番と、参照隣接ブロックに対して割り当てる符号語の順番とを対応させる変
換テーブルを作成する。変換テーブルは参照候補リスト格納メモリ324に設けられる配
列構造をなす記憶領域であり、参照候補リストのインデックスに対応する符号語を表す変
換テーブルのインデックスを記憶する。
図61を用いて説明する。変数Nと参照候補リストのインデックスkが入力され、変換
テーブルの作成・更新が開始する。最初に、変数Mと変換テーブルのインデックスjを初
期化する(S1400)。変数Mには図9(a)に示される隣接ブロックA1が初期設定
され、jは0に設定される。変数MはA1,B1,B0,A0,C0,Tの順番で更新さ
れる。次に、MとNの同一判定が行われる(S1401)。MがNと異なる場合(S14
01のN)、変換テーブルには登録せず、jを更新する(S1403)。
次に、変数Mが最後の隣接ブロックか否かを判定する(S1404)。最後の隣接ブロ
ックはTであり、MがTである場合(S1404のY)、処理を終了する。最後のブロッ
クで無い場合(S1404のN)、変数Mを更新して(S1405)、ステップS140
1以降の処理を繰り返す。
MがNの場合(S1401のY)、参照候補リストのインデックスkを変換テーブルの
先頭からj番目の記憶領域に登録される(S1402)。インデックスkの登録されると
処理を終了し、図60のkの更新(S603)に戻る。以上の処理により、参照候補リス
トのインデックスkは変換テーブルに登録され、参照隣接ブロックが全て有効であれば、
図62で示される変換テーブルのインデックスで表される符号語に対応付けられる。
この変換テーブルを使って、登録された参照候補リストは、参照隣接ブロックが全て有
効であれば、図63に示される順番で参照候補リストが作成されて、符号語が割り当てら
れる。参照隣接ブロックが1つだけ有効となる場合、符号語は必要とせず、1つだけ有効
と判定された隣接ブロックの符号化情報の候補が参照先として一意に決定されることにな
る。
ここでは、参照候補リスト作成部321にて作成された直後の参照候補リストのインデ
ックスに対して説明したが、本来は同一情報検出部322にて同一の符号化情報を備える
参照候補の隣接ブロックを参照候補リストから削除した後に、参照候補リストのインデッ
クスと変換テーブルのインデックスとを対応付けることが望ましい。同一情報検出部32
2にて削除された参照候補の隣接ブロックの参照候補リストのインデックスに該当する変
換テーブルの記憶領域も削除されて、変換テーブルの先頭方向に詰められる。
例えば、図62において、参照候補リストのインデックス1に該当する隣接ブロックが
削除された場合、参照候補リストのインデックス1に該当する変換テーブルのインデック
ス3の箇所が削除される。変換テーブルのインデックス4及び5がそれぞれ3及び4とな
り、それぞれに対応付けられる符号語も1110及び1111に更新される。
以上のようにして、作成された参照候補リストの動きベクトルを予測動きベクトルとし
て、差分動きベクトル算出部326では、動きベクトル検出部102が検出した動きベク
トルと予測動きベクトルから差分動きベクトルを算出し、算出された差分動きベクトルを
出力部323に供給する。出力部323が、作成された参照候補リストの中のインデック
スと差分動きベクトルを出力する。参照候補リストは、参照候補リストをMVPリストと
して、リストの中のインデックスをMVPインデックスとして出力する。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される動きベクトル予測部103に対応す
る、動画像復号装置200の中に設置される動きベクトル算出部204の中も動きベクト
ル予測部103と同様の機能をなす実施例9の参照候補リスト作成部321或いは同一情
報検出部322が備えられているので、動きベクトル予測部103と同一の参照候補リス
トが作成される。作成された参照候補リストは選択部325に出力する。
選択部325は、作成された参照候補リストの中から、第1の符号化ビット列復号部2
02で復号された参照隣接ブロックを特定するインデックスで指定される参照候補リスト
の隣接ブロックを選択する。選択されたリストの隣接ブロックの符号化情報から動きベク
トルを予測動きベクトルとして出力し、差分動きベクトル算出部326にて予測動きベク
トルと第1の符号化ビット列復号部202で復号された差分動きベクトルとを加算して動
きベクトルを算出し、動き補償予測部207に供給するとともに、選択された参照候補リ
ストの隣接ブロックの符号化情報を符号化情報格納メモリ210に供給する。
(実施例10)
実施例10は、動き検出モードの場合に、参照候補リストの作成時に隣接ブロックの有
効性を判定する順番を、最初の隣接ブロックが有効か否かでその後の隣接ブロックの判定
する順番を変更するものである。図9(a)の隣接ブロックの配置を用いて説明する。実
施例9の参照候補リスト作成時に隣接ブロックの有効性を判定する順番B0,A0,A1
,C0,B1,Tを一例として説明する。
最初に判定する隣接ブロックはB0であり、B0が有効である場合、その後の隣接ブロ
ックの順番は変更されない。B0が無効である場合、その後の隣接ブロックの順番はA0
,B1,C0,A1の順番に変更される。B0が無効となる場合、A0が最初に判定する
隣接ブロックとなり、その次の隣接ブロックがA1である。A1はA0と近い位置にある
ので、A0に近い値の動きベクトルとなる可能性が高く、A1が予測動きベクトルとして
選択される可能性が低くなる。
動き検出モードは、差分動きベクトルを伝送する為のモードであり、参照隣接ブロック
の備えるブロックが近い値であると、予測動きベクトルの選択の幅が狭くなり、適切な予
測動きベクトルが検出されなくなる。その為、B0が無効となる場合、A0の次に判定す
る隣接ブロックは、予測動きベクトルの選択の幅を広げる為に、A0と動きベクトルの差
が大きくなるように、A0と距離の離れた隣接ブロックB1を選択する。このようにして
、出来るだけ予測動きベクトルの候補となる隣接ブロックの距離が離れるように、判定す
る順番を変更する。
(実施例11)
実施例11では、動き検出モードの場合、処理対象の予測ブロックと同じピクチャ上に
ある隣接ブロックを同一ピクチャ上のブロック群と定義し、その中からブロック群を代表
する2つの隣接ブロックを選択する一手法を示す。図9(a)の隣接ブロックの配置を用
いて説明する。参照候補リストの作成時に隣接ブロックの有効性を判定する順番をB0,
B1,C0,A1,A0とする。
最初に、列記した左から右の順番B0,B1,C0,A1,A0(順方向)で隣接ブロ
ックの有効性を判定し、最初に有効と判定された隣接ブロックをまず1つ目のブロック群
を代表する隣接ブロックとして参照候補リストに登録する。次に、列記した順番の逆順、
つまり右から左の順番A0,A1,C0,B1,B0(逆方向)で隣接ブロックの有効性
を判定し、もう1つのブロック群を代表する隣接ブロックとして参照候補リストに登録す
る。
隣接ブロックの有効性を判定する順番が、処理対象の予測ブロックの右上コーナーから
左下コーナーにかけて、隣接ブロックの候補の動きベクトルの差が大きくなるように、有
効性の判定順を逆にして、候補間の距離を離して登録することで、予測動きベクトルの選
択の幅が広がり、差分動きベクトルの符号量を削減し、符号化効率を向上させる。
尚、順方向、逆方向で隣接ブロックの有効性を判定する場合、順方向ではA0、逆方向
ではB0のそれぞれ最後の順番に当たる隣接ブロックの判定を省略してもよい。順方向か
らの判定で最後のA0が選択される場合は、逆方向からの最初の判定で有効となる隣接ブ
ロックであるので、順方向からの判定で選択された隣接ブロックとして適切でない為であ
る。
また、各方向からの判定でC0までの3つの隣接ブロックのみ判定するように制限して
もよい。例えば、順方向からの判定でA0が選択され、逆方向からの判定でA1が選択さ
れた場合、同じ動きベクトルを備える隣接ブロックである可能性が高く、動きベクトル予
測の選択幅が狭くなり、効果的な予測動きベクトルを導出出来なくなってしまう。このよ
うな近接した隣接ブロックの選択を避ける為に、中間位置にあるC0までで有効性の判定
を行う。以上のような有効性判定の制限は、判定する隣接ブロックの数が少なくなるので
、処理工数の削減に繋がる。
(実施例12)
実施例12は、動き検出モードの場合に、実施例9に対して、処理対象の予測ブロック
と同じピクチャ上にある隣接ブロックを同一ピクチャ上のブロック群と定義し、その中か
らブロック群を代表する隣接ブロックとして選択するようにしたものである。実施例12
では、実施例9と同様に、動きベクトル予測の参照候補リスト作成時に隣接ブロックの有
効性を判定する順番と、参照隣接ブロックに対して割り当てる符号語の順番を別々に定義
する。
参照候補リスト作成時には、予測動きベクトルの選択の幅を広げる為に、左側と上側の
隣接ブロックの候補の動きベクトルの差が大きくなるように、隣接ブロック間の距離を離
した順位とし、符号語割り当てでは、処理対象の予測ブロックと符号化情報が最も等しい
可能性が高いと考えられる処理対象の予測ブロックに接している領域が大きい隣接ブロッ
クを優先して小さい符号語を割り当てるようにする。
ここでは、動きベクトル予測の参照候補リスト作成時に隣接ブロックの有効性を判定す
る順番をB0,A0,A1,C0,B1,Tとする。一方、参照隣接ブロックに対して割
り当てる符号語は、処理対象の予測ブロックに接している領域が大きい隣接ブロックを優
先してA1,B1,B0,A0,C0,Tの順番に少ない符号語を割り当てることとする
まず、動画像符号化装置100の構成を示す図2の中に設置される実施例12の特徴と
なる動きベクトル予測部103について説明する。動きベクトル予測部103は図64で
示される構成をなし、実施例9で説明した図23に対して、参照候補リスト作成部321
の直後に参照候補制御部329が追加された点が異なる。
また、実施例12では、処理対象の予測ブロックと同一ピクチャ上にあるブロック群を
代表する隣接ブロックを選択するので、参照候補リスト作成部321は実施例8で説明し
た処理対象の予測ブロックと同一ピクチャ上にあるブロック群からの選択方法と同様の動
作を行う。ここでは、同一ピクチャ上のブロック群からK個の代表する隣接ブロックを選
択する。選択された同一ピクチャ上のブロック群を代表するK個の隣接ブロックと、時間
が異なる別のピクチャの同一位置に隣接するブロックTのK+1個の隣接ブロックの符号
化情報を参照候補として参照候補リストに登録する。
ここでKは2として、参照候補リスト作成部321では、参照候補リストの先頭から同
一ピクチャ上のブロック群を代表する2個の隣接ブロック、及び時間が異なる別のピクチ
ャの同一位置に隣接するブロックの計3個の符号化情報が参照候補リストに登録されたこ
ととして、以下説明する。
図65は参照候補制御部329の動作を示すフローチャートである。参照候補リスト作
成部321で作成された参照候補リストと参照候補リストに登録された参照候補数Num
ListCandが入力される。まず、NumListCandの判定が行われる(S1
500)。NumListCandが2未満の場合(S1500のY)、即ち参照候補リ
ストに登録された参照候補が1であれば、その1つの候補が参照先として一意に決定され
るので、処理を終了する。
NumListCandが2より大きい場合(S1500のN)、参照候補リストの先
頭から2番目に登録された符号化情報CandListLX[1]を備える隣接ブロック
をNとする。ここで、参照候補リストの配列CandListLXは0を参照候補リスト
の先頭インデックスとして開始するので、CandListLX[1]が参照候補リスト
の先頭から登録された2番目の符号化情報が格納される記憶領域となり、添え字Xには参
照リストの参照リストを示す0(L0予測)或いは1(L1予測)が入る。
次に、Nが隣接ブロックA1或いはB1であるか否かを判定する(S1502)。Nが
A1でもB1でない場合(S1502のN)、処理を終了する。NがA1或いはB1の場
合(S1502のY)、参照候補リストの中の符号化情報の入れ換えを実施する(S15
03)。参照候補リストの先頭の符号化情報CandListLX[0]と2番目の符号
化情報CandListLX[1]の入れ換えを行う。
参照候補リストの作成する順番はB0,A0,A1,C0,B1であるので、A1或い
はB1が参照候補リストの2番目にある場合、先頭となる隣接ブロックはA1或いはB1
よりも符号語長が長くなる。これは、隣接ブロックを特定するインデックスの符号語割り
当て順番がA1,B1,B0,A0,C0,Tと定義されているので、符号語長がA1<
B1<B0<A0<C0<Tとなる為である。そこで、A1或いはB1を参照候補リスト
の先頭に入れ換えて、符号語長の短いインデックスの隣接ブロックの参照候補リストの中
での優先を高くし、インデックスの符号量を削減する。
尚、入れ換え前の参照候補リストの中の順番としてA1,B1となる場合にも入れ換え
を実施することになり、符号語の長いB1が参照候補リストの先頭となるが、他の隣接ブ
ロックが参照候補リストの先頭となる場合と比べて符号化効率の損失を抑えることが出来
る。以上のようにして、参照候補リストの中の入れ換えが実施され、参照候補リストの上
位に少ない符号語で隣接ブロックを特定する隣接ブロックを割り当てることが可能となり
、符号化効率を向上させることが可能となる。
以上のようにして、同一情報検出部322の後に、作成された参照候補リストの動きベ
クトルを予測動きベクトルとして、差分動きベクトル算出部326は、動きベクトル検出
部102が検出した動きベクトルと予測動きベクトルから差分動きベクトルを算出し、算
出された差分動きベクトルを出力部323に供給する。出力部323が、作成された参照
候補リストの中のインデックスと差分動きベクトルを出力する。参照候補リストは、参照
候補リストをMVPリストとして、リストの中のインデックスをMVPインデックスとし
て出力する。
上述した動画像符号化装置100の中に設置される動きベクトル予測部103に対応す
る、動画像復号装置200の中に設置される動きベクトル算出部204の中も動きベクト
ル予測部103と同様の機能をなす実施例12の参照候補制御部329が設置されるので
、動きベクトル予測部103と同一の参照候補リストが作成される。作成された参照候補
リストは選択部325に出力される。選択部325は、作成された参照候補リストの中か
ら、第1の符号化ビット列復号部202で復号された参照隣接ブロックを特定するインデ
ックスで指定される参照候補リストの隣接ブロックを選択する。選択されたリストの隣接
ブロックの符号化情報から動きベクトルを予測動きベクトルとして出力し、差分動きベク
トル算出部326にて予測動きベクトルと第1の符号化ビット列復号部202で復号され
た差分動きベクトルとを加算して動きベクトルを算出し、動き補償予測部207に供給す
るとともに、選択された参照候補リストの隣接ブロックの符号化情報を符号化情報格納メ
モリ210に供給する。
以上説明したように本発明の実施例において、動きベクトルの予測方法とマージ手法で
それぞれ参照する周辺の隣接ブロックの配置を統合することで、隣接ブロックの情報を記
憶する一時メモリを削減し、共通化した参照隣接ブロックから各予測手法毎に候補の優先
順位を決定することで、画像間予測における動きベクトルの予測方法とマージ手法の符号
化効率の冗長度を削減すると共に復号時の処理効率を高めることが出来る。また、動き補
償を行う前に、参照する周囲の隣接ブロックの予測モードや位置情報等から、そのブロッ
クを参照する有効性を判定することで、動き補償の処理回数を削減することが出来る。
以下、より具体的に説明する。想定出来得る最大のメモリアクセス回数、メモリ量、処
理量(処理時間)を削減するために、図9(a)に示すように、左側に隣接するブロック
、上側に隣接するブロックをそれぞれ1つに限定することにより候補を絞る。このように
予め候補を限定することで、符号化効率を殆ど低下させることなく、メモリアクセス回数
、メモリ量、処理量(処理時間)を削減する効果がある。
また、メモリアクセス回数、メモリ量、処理量(処理時間)を削減することが出来る上
に、マージインデックス、MVPインデックスの符号量を削減することが出来るので、符
号量も削減する効果がある。また、マージモードと動き検出モードにおいて候補の位置を
共通化することにより、更なるメモリアクセス回数、メモリ量、処理量(処理時間)の削
減を図っている。更に、マージモード及び動き検出モードのそれぞれの特性に応じた配置
で候補リストに候補を格納することで、マージモードではマージインデックスの符号量を
削減し、動き検出モードではMVPインデックス、及び差分動きベクトルの符号量を削減
することで、符号化効率を改善している。
尚、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、例えば上記の動画像符号化/復
号装置の機能をコンピュータに実現させるための動画像符号化/復号プログラムも含むも
のである。この動画像符号化/復号プログラムは、記録媒体から読み取られてコンピュー
タに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込
まれてもよい。
以上述べた実施例の動画像符号化装置が出力する動画像の符号化ビットストリームは、
実施例で用いられた符号化方法に応じて復号することができるように特定のデータフォー
マットを有しており、動画像符号化装置に対応する動画像復号装置がこの特定のデータフ
ォーマットの符号化ビットストリームを復号することができる。
動画像符号化装置と動画像復号装置の間で符号化ビットストリームをやりとりするため
に、有線または無線のネットワークが用いられる場合、符号化ビットストリームを通信路
の伝送形態に適したデータ形式に変換して伝送してもよい。その場合、動画像符号化装置
が出力する符号化ビットストリームを通信路の伝送形態に適したデータ形式の符号化デー
タに変換してネットワークに送信する動画像送信装置と、ネットワークから符号化データ
を受信して符号化ビットストリームに復元して動画像復号装置に供給する動画像受信装置
とが設けられる。
動画像送信装置は、動画像符号化装置が出力する符号化ビットストリームをバッファす
るメモリと、符号化ビットストリームをパケット化するパケット処理部と、パケット化さ
れた符号化データをネットワークを介して送信する送信部とを含む。動画像受信装置は、
パケット化された符号化データをネットワークを介して受信する受信部と、受信された符
号化データをバッファするメモリと、符号化データをパケット処理して符号化ストリーム
を生成し、動画像復号装置に提供するパケット処理部とを含む。
以上、本発明をいくつかの実施例をもとに説明した。それらの実施例は例示であり、そ
れらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそう
した変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
100 動画像符号化装置、 101 画像メモリ、 102 動きベクトル検出部、
103 動きベクトル予測部、 104 インター予測情報検出部、 105 動き補
償予測部、 106 マージ検出部、 107 予測方法決定部、 108 スイッチ、
109 第1の符号化ビット列生成部、 110 残差信号生成部、 111 直交変
換・量子化部、 112 逆量子化・逆直交変換部、 113 復号画像信号重畳部、
114 符号化情報格納メモリ、 115 復号画像メモリ、 116 第2の符号化ビ
ット列生成部、 117 符号化ビット列多重化部、 200 動画像復号装置、 20
1 ビット列分離部、 202 第1の符号化ビット列復号部、 203 第2の符号化
ビット列復号部、 204 動きベクトル算出部、 205 インター予測情報検出部、
206 マージ判定部、 207 動き補償予測部、 208 逆量子化・逆直交変換
部、 209 復号画像信号重畳部、 210 符号化情報格納メモリ、 211 復号
画像メモリ、 212 スイッチ、 301 処理対象ブロック位置検出部、 302
隣接ブロック指定部、 303 一時メモリ、 310 符号化情報導出部、 311
参照候補リスト作成部、 312 同一情報検出部、 313 出力部、 314 参照
候補リスト格納メモリ、 315 選択部、 318 参照候補制限部、 320 符号
化情報導出部、 321 参照候補リスト作成部、 322 同一情報検出部、 323
出力部、 324 参照候補リスト格納メモリ、 326 差分動きベクトル算出部、
328 参照候補制限部、 329 参照候補制御部。

Claims (1)

  1. 動画像の各ピクチャを分割したブロック単位で動きベクトルを用いて符号化する画像符号化装置であって、
    符号化対象ブロックの複数の参照ブロック候補の符号化情報を取得する取得部と、
    インデックスによって特定される参照ブロックの前記符号化情報が備える動きベクトルの情報を用いる第1の画像間予測モードにおいて、第1の所定順位に基づいて前記複数の参照ブロック候補から第1の候補リストを生成し、前記第1の候補リストに登録された参照ブロック候補を特定する為のインデックスを付与し、前記複数の参照ブロック候補のインデックスを出力する第1のモード検出部と、
    インデックスによって特定される参照ブロックの前記符号化情報が備える動きベクトルの情報に基づく予測動きベクトルと前記符号化対象ブロックの動きベクトルとの差分動きベクトルを用いる第2の画像間予測モードにおいて、第2の所定順位に基づいて前記複数の参照ブロック候補から第2の候補リストを生成し、前記第2の候補リストに登録された参照ブロック候補を特定する為のインデックスを付与し、前記複数の参照ブロック候補のインデックス及び前記差分動きベクトルを出力する第2のモード検出部と、
    前記第1のモード検出部及び前記第2のモード検出部の出力結果をもとに、前記符号化対象ブロックごとの参照ブロックと画像間予測モードとを決定する予測方法決定部と、
    前記予測方法決定部により決定された参照ブロックのインデックスと、前記予測方法決定部により決定された画像間予測モードを示す予測モード情報と、第2の画像間予測モードが決定された場合の参照ブロックに対応した前記差分動きベクトルとを符号化する符号列生成部と、
    を備え、
    前記第1のモード検出部及び前記第2のモード検出部は、前記複数の参照ブロック候補として、共通の複数のブロックを使用し、前記第1のモード検出部により生成される前記第1の候補リストに前記複数の参照ブロック候補を配列する為の前記第1の所定順位と、前記第2のモード検出部により生成される前記第2の候補リストに前記複数の参照ブロック候補を配列する為の前記第2の所定順位は異なる、
    ことを特徴とする画像符号化装置。
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