JP2015052662A - 撮像装置および撮像装置の制御方法 - Google Patents

撮像装置および撮像装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像素子の特定領域から読み出した画像信号に基づく位相差検出処理による焦点状態の検出精度の低下を軽減する撮像装置を提供する。
【解決手段】一つのマイクロレンズに対して撮像光学系の射出瞳の分割された異なる領域を通過した光束を光電変換して画像信号を生成する複数の光電変換部を有する画素部を備える撮像素子を備える撮像装置を設ける。撮像装置が、第1の特定領域から読み出された画像信号により得られる2像の位相差の信頼度に基づく位相差の検出に失敗した場合に、画像信号が読み出される特定領域を第1の特定領域の範囲より広い範囲の第2の特定領域に変更する。そして、撮像装置が、第2の特定領域の画素部を間引いて第2の特定領域から画像信号を読み出し、第2の特定領域から読み出されなかった画像信号を補間処理で生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像装置および撮像装置の制御方法に関する。
撮像素子において、1つの画素の中にある、1つのマイクロレンズで集光されるフォトダイオード(PD)を分割することによって、位相差方式の焦点検出を行う技術が提案されている。特許文献1は、1つの画素の中のフォトダイオードを2つに分割し、分割された各々のフォトダイオードが、撮像レンズの異なる瞳面の光を受光するように構成されている撮像装置を開示する。この撮像装置は、2つのフォトダイオードの出力を比較することにより、撮像レンズでの焦点検出をする。
また、特定領域の読み出しが可能な撮像素子を持ち、撮像素子の全領域より小さな領域を読み出すことで、ズームレンズを用いることなく望遠側へズームさせる機能を持つ撮像装置が提案されている。特許文献2は、電子ズームと光学ズームとを組み合わせて制御することにより一方のみで行うよりも広いズーム範囲を実現する撮像装置を開示する。
特開2001−083407号公報 特開2002−314868号公報
特許文献1の技術を特許文献2の技術に適用し、撮像素子の特定領域を読み出してズーム表示用の画像を生成するとともに、1つの画素の中に含まれる複数のPDを利用して位相差検出処理を行う撮像装置(以下、撮像装置Aと記述)が考えられる。当該位相差検出結果に基づいて焦点状態(合焦または非合焦という状態)が検出される。ズーム撮影時の表示領域は、画像信号の読み出し領域である特定領域に含まれる。しかし、撮像装置Aでは、以下のような問題がある。
図9は、撮像装置Aの動作処理を説明する図である。撮像装置が持つ1つの画素の中に含まれるPDを左右2つとした場合、各PDから左画像と右画像という2つの画像が得られる。図9(B)は、左画像ラインデータと右画像ラインデータを示す図である。
撮像装置Aが、図9(A)に示すとおり、撮像素子の全画角を読み出す場合、撮像素子上の座標(X1,Y)から(X4, Y)までのラインデータを利用して、位相差の算出をすることができる。しかし、撮像装置Aが、図9(C)に示すように、撮像素子の特定領域を読み出す場合、位相差の算出に利用できる領域は(X2,Y)から(X3, Y)の範囲に限定されるので、焦点状態の検出精度が低下する。
本発明は、撮像素子の特定領域から読み出した画像信号に基づいて位相差検出処理を行う撮像装置であって、位相差検出処理結果に基づく焦点状態の検出精度の低下を軽減する撮像装置の提供を目的とする。
本発明の一実施形態の撮像装置は、一つのマイクロレンズに対して撮像光学系の射出瞳の分割された異なる領域を通過した光束を光電変換して画像信号を生成する複数の光電変換部を有する画素部を備える撮像素子と、前記画素部から画像信号を読み出す特定領域を設定する設定手段と、前記特定領域から画像信号を読み出す読み出し手段と、前記特定領域から読み出された画像信号により得られる2像の位相差の検出に成功したかを判断する判断手段とを備える。第1の特定領域から読み出された画像信号により得られる2像の位相差の検出に失敗したと判断された場合に、前記設定手段が、前記画像信号が読み出される特定領域を前記第1の特定領域の範囲より広い範囲の第2の特定領域に変更し、前記読み出し手段が、前記第2の特定領域の画素部を間引いて前記第2の特定領域から画像信号を読み出し、前記第2の特定領域から読み出されなかった画像信号を補間処理によって生成する。
本発明の撮像装置によれば、撮像素子の特定領域から読み出した画像信号に基づく位相差検出処理による焦点状態の検出精度の低下を軽減することができる。
本実施形態の撮像装置の構成例を示す図である。 撮像素子の構成例を概略的に示す図である。 画素アレイの例を示す図である。 撮影レンズの射出瞳から出た光束が撮像素子に入射する様子を表した概念図である。 映像信号処理部の構成例を示す図である。 実施例1の撮像装置の動作処理の例を説明するフローチャートである。 特定領域の設定を説明する図である。 実施例2の撮像装置の動作処理の例を説明するフローチャートである。 特定領域からの画像信号の読み出しを説明する図である。
図1は、本実施形態の撮像装置の構成例を示す図である。撮像装置100が備える構成要素のうち、電源100は、撮像装置100内の各回路に電源供給を行う。カードスロット172は、メモリカード(着脱可能な記録媒体)173が差し込み可能に構成されている。メモリカード173をカードスロット172に差し込んだ状態で、メモリカード173は、カード入出力部171と電気的に接続する。本実施形態では、記録媒体としてメモリカード173を採用しているが、その他の記録媒体、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク、その他の固体メモリを使用してもよい。
撮像レンズ101は、被写体の光学像を撮像素子103に結像させる。レンズ駆動部141は、撮像レンズ101を駆動して、ズーム制御、フォーカス制御、絞り制御などを実行する。メカニカルシャッタ102は、シャッタ制御部142によって駆動され、露光制御を実行する。
撮像素子103は、CMOS撮像素子等で構成される光電変換手段である。撮像素子103は、撮像レンズ101、シャッタ102を有する撮像光学系で形成された被写体像を光電変換し、画像信号を出力する。
図2は、本実施形態の撮像装置が適用する撮像素子の構成例を概略的に示す図である。図2(A)は、撮像素子の全体構成を示す。撮像素子103は、画素アレイ201と、画素アレイ201における行を選択する垂直選択回路202と、画素アレイ201における列を選択する水平選択回路204を含む。本実施形態において、画素アレイ201の行を水平ライン、列を垂直ラインと記述する。読み出し回路203は、画素アレイ201中の画素部のうち垂直選択回路202によって選択される画素部の信号を読み出す。読み出し回路203は、信号を蓄積するメモリ、ゲインアンプ、A(Analog)/D(Digital )変換器などを列毎に有する。
シリアルインターフェース(SI)部205は、各回路の動作モードなどを、CPU131からの指示に従って決定する。垂直選択回路202は、画素アレイ201の複数の行を順次選択し、読み出し回路203に画素信号を取り出す。また水平選択回路204は、読み出し回路303によって読み出された複数の画素信号を列毎に順次選択する。垂直選択回路202と水平選択回路204の動作を適宜変更することにより、特定領域の読み出しを実現できる。垂直選択回路202は、複数の行のうち、特定の区間を選択することもできるし、特定の行を間引いて、行を飛ばし飛ばしで選択することもできるし、その両方を同時に行うこともできる。なお、撮像素子103は、図2に示す構成要素以外に、例えば、垂直選択回路202、水平選択回路204、読み出し回路203等にタイミング信号を提供するタイミングジェネレータや、制御回路等が存在するが、これらの詳細な説明については省略する。
図2(B)は、撮像素子103の画素部の構成例を示す。図2(B)に示す画素部300は、光学素子としてのマイクロレンズ301と、受光素子としての複数のフォトダイオード(以下、PDと略記する)302a乃至302dとを有する。PDは、光束を受光し、当該光束を光電変換して画像信号を生成する光電変換部として機能する。なお、図2(B)に示す例では、1つの画素部が備えるPDの数は4個であるが、PDの数は、2個以上の任意の数であればよい。なお、画素部は、図示された構成要素以外にも、例えば、PDの信号を読み出し回路203に読み出すための画素増幅アンプ、行を選択する選択スイッチ、PDの信号をリセットするリセットスイッチなどを備える。
PD302aおよびPD302cは、受光した光束を光電変換して左画像信号を出力する。PD302bおよびPD302dは、受光した光束を光電変換して右画像信号を出力する。すなわち、1つの画素部が備える複数のPDのうち、右側のPDが出力する画像信号が右画像信号であり、左側のPDが出力する画像信号が左画像信号である。
本実施形態の撮像装置が、ユーザに立体画像を鑑賞させる構成をとる場合、左画像信号に対応する画像データは、ユーザが左目で鑑賞する左目用画像データとして機能する。また、右画像信号に対応する画像データは、ユーザが右目で鑑賞する右目用画像データとして機能する。撮像装置100が、左目用画像データをユーザに左目で鑑賞させ、右目用画像データをユーザに左目で鑑賞させるようにすれば、ユーザに立体画像を鑑賞させることができる。撮像装置が、複数のPDの出力を選択して加算するようにしてもよい。例えば、撮像装置が、PD302aとPD302c、PD302bとPD302dのPD出力を各々加算し、2つの出力としてもよい。なお、画素部300は、図示の構成要素以外にも、例えば、PD信号を読み出し回路303に取り出す画素増幅アンプや、行選択スイッチ、PD信号のリセットスイッチなどを備える。
図3は、画素アレイの例を示す図である。画素アレイ201は、2次元画像を提供するため、図3に示すように、水平方向にN個、垂直方向にM個の画素部を複数2次元アレイ状に配列して構成される。画素アレイ201の各画素部300は、カラーフィルタを有している。この例では、奇数行が、赤(R)と緑(G)のカラーフィルタの繰り返し、偶数行が、緑(G)と青(B)のカラーフィルタの繰り返しである。すなわち、画素アレイ301が備える画素部は、予め決められた画素配列(この例ではベイヤー配列)に従って配置されている。
次に、図3に示す画素構成を有する撮像素子の受光について説明する。図4は、撮影レンズの射出瞳から出た光束が撮像素子に入射する様子を表した概念図である。符号501は、3つの画素アレイの断面を示す。各々の画素アレイは、マイクロレンズ502、カラーフィルタ503、PD504、505を有する。PD504は、図2(B)中のPD302aに相当する。また、PD505は、図2(B)中のPD302bに相当する。
符号506は、撮影レンズの射出瞳である。この例では、マイクロレンズ502を有する画素部に対して、射出瞳506から出た光束の中心を光軸509とする。射出瞳506から出た光は、光軸509を中心として撮像素子103に入射される。符号507、508は、撮影レンズの射出瞳の一部領域を表す。一部領域507、508は、撮像光学系の射出瞳の分割された異なる領域である。
光線510、511は、一部領域507を通過する光の最外周の光線である。光線512、513は、一部領域508を通過する光の最外周の光線である。射出瞳から出る光束のうち、光軸509を境にして、上側の光束はPD505に入射され、下側の光束はPD504に入射される。つまり、PD504とPD505は、各々、撮影レンズの射出瞳に対する別の領域の光を受光するという特性を有する。
この特性を生かして、撮像装置100は、視差のある少なくとも2つの画像を取得することができる。例えば、撮像装置100は、画素部内の領域において、複数の左側のPDから左画像信号を第1ラインデータとして取得し、複数の右側のPDから右画像信号を第2ラインデータとして取得する。そして、撮像装置100は、この2つの画像信号の位相差の検知を行なって位相差AF(オートフォーカス)を実現する。
上述した説明から、撮像素子103は、一つのマイクロレンズに対して、各々が、撮像光学系の射出瞳の異なる領域を通過した光束を光電変換して画像信号を生成する複数のPDを有する画素部を、水平方向および垂直方向に並べて配置した撮像素子である。
図1に戻って、映像信号処理部121は、撮像素子103が出力した画像信号に基づいて、表示用の画像データを生成する。
図5は、映像信号処理部の構成例を示す図である。映像信号処理部121は、位相差検出部601、画像加算部602、トリミング処理部603、現像処理部604、補間処理部605を備える。位相差検出部601は、撮像素子103が有する画素部の特定領域から出力される2像(左画像信号と右画像信号)の位相差を検出し、検出結果をメモリ132に出力する。特定領域は、画素部からの画像信号の読み出し対象となる領域である。
また、位相差検出部601は、算出した位相差の信頼性を出力する。位相差検出部601が、検出結果を、メモリ132でなく、位相差検出部601の内部メモリに出力するようにしてもよい。すなわち、位相差検出部601は、特定領域から読み出された画像信号に含まれる左画像信号と右画像信号との位相差を検出し、検出した位相差と該位相差の信頼度を出力する検出手段として機能する。具体的には、位相差検出部601は、設定された特定領域の水平方向1ライン分の画像信号に含まれる左画像信号と右画像信号との位相差を検出する。また、信頼度は、左画像信号と右画像信号との類似度に対応する。信頼度は、左画像信号と右画像信号との類似度が高いほど高い。
画像加算部602は、右画像信号と左画像信号との加算合成を行い、1つの画像データとして出力する。トリミング処理部603は、画像加算部602が出力した画像データの一部を切り取る処理(トリミング処理)を実行する。本実施形態では、トリミング処理部603は、特定領域に含まれる表示用画像の生成に用いる領域以外の領域をトリミング対象に設定してトリミング処理する。
現像処理部604は、トリミング処理部603が出力したトリミング処理結果(デジタル画像データ)に対して、ホワイトバランス、色補間、色補正、γ変換、エッジ強調、解像度変換、画像圧縮等の処理を実行する。補間処理部605は、垂直選択回路202によって間引かれた(読み出されなかった)行の画像データを補間処理によって生成する。補間処理部605は、読み出されなかった画素の周辺画素の出力信号を補間処理に用いる。補間処理部605は、特定領域から読み出された画像信号と、補完処理によって生成した画像信号とに基づいて、表示用の画像データを生成する。
図1に戻って、メモリ132は、映像信号処理部121が出力する表示用の画像データを記憶する。また、メモリ132は、CPU131が各種処理を行う際にデータを一時的に記憶する。タイミングジェネレータ143は、撮像素子103、映像信号処理回路141にタイミングを提供する。バス150には、レンズ駆動部141、シャッタ駆動部142、撮像素子103、タイミングジェネレータ143、映像信号処理部121、CPU131、電源110、メモリ132、表示制御装置151が接続される。また、バス150には、メインスイッチ161、第1レリーズスイッチ162、第2レリーズスイッチ163、ライブビュー開始/終了ボタン164、AF開始/終了ボタン165、上下左右選択ボタン166、決定ボタン167、カード入出力部171が接続される。
CPU131は、撮像装置100全体を制御する。例えば、CPU131は、撮像素子103の画像信号読み出し処理、映像信号処理部121、メモリ132の動作タイミングを制御する。表示制御装置151は、液晶表示素子からなるTFT152、VIDEO出力端子153、HDMI(登録商標)端子の駆動および制御をする。また、表示制御装置151は、CPU131の指示にしたがって、メモリ132に記憶されている表示用画像データを、表示装置へ出力する。メモリ132内の表示用画像データ領域をVRAMと呼ぶ。表示制御装置151が、VRAMをTFT152に出力することを通じて、表示用画像が更新される(表示更新処理が実行される)。
ユーザが、メインスイッチ161をオンにすると、CPU131が、所定のプログラムを実行する。ユーザが、メインスイッチ161をオフにすると、CPU131が、所定のプログラムを実行し、カメラをスタンバイモードにする。
第1レリーズスイッチ162は、レリーズボタンの第1ストローク(半押し状態)でオンとなる。第2レリーズスイッチ163は、レリーズボタンの第2ストローク(全押し状態)でオンとなる。また、CPU131は、上下左右選択ボタン166、設定ボタン167の押下と撮像装置100の動作状態に応じて制御を行う。ユーザは、ライブビュー中に、上下左右選択ボタン166でオートフォーカスの対象とする被写体を指定することができる。ユーザが、上下左右選択ボタン166と設定ボタン167を用いて、グラフィカルユーザインタフェースでの選択と設定を行うことで、ライブビュー撮影を通常モードとズームモードのいずれかに切り替え設定することができる。ズームモードに設定された場合のライブビュー撮影を、ズームライブビュー撮影と記述する。
ズームライブビュー撮影時には、映像信号処理部121には、撮像素子103の所定の特定領域から読み出された画像信号が映像信号処理部121に入力される。また、CPU131が、映像信号処理部121が出力する画像データを所定のズーム倍率にしたがって拡大処理し、表示用画像データとする。
ユーザがライブビュー開始/終了ボタン164を押すと、CPU131が、定期的(例えば1秒に30回)に撮像素子103から画像データを取り込み、VRAMへ配置する。これにより、リアルタイムに撮像素子103から取り込んだ画像を表示することができる。ライブビューが動作している状態で、ユーザがライブビュー開始/終了ボタン164を押すと、ライブビューが終了する。ユーザが、AF開始/終了ボタン165を押すと、撮像装置100がオートフォーカス動作を開始する。すなわち、AF開始/終了ボタン165は、自動焦点調節処理の実行開始を指示する指示手段として機能する。本実施形態の撮像装置の制御方法は、図1に示す撮像装置100が備える処理部の機能によって実現される。
図6は、実施例1の撮像装置の動作処理の例を説明するフローチャートである。CPU131が、ライブビュー開始/終了ボタン164の押下を検知して、ズームライブビュー撮影を開始する(ステップS100)。続いて、CPU131が、特定領域を設定する設定手段として機能する(ステップS101)。
図7は、特定領域の設定を説明する図である。図7(A)中の太線で囲まれた領域R1が、ステップS101において設定される特定領域(第1の特定領域)である。特定領域R1は、撮像素子上の水平方向にX2からX3までの区間に対応する領域である。ハッチングを施した領域である表示領域は、表示用データを生成するための領域である。図7(A)に示す例では、表示領域は、特定領域Rと一致している。もちろん、表示領域を、特定領域R1に含まれ、かつ特定領域R1より小さい領域に設定してもよい。CPU131は、垂直選択回路202及び水平選択回路204によって、特定領域以外の領域からの読み出しがスキップされるように制御する。
次に、CPU131が、AF開始/終了ボタン165がONになったかを判断する(ステップS102)。AF開始/終了ボタン165がONになっていない場合は、再度ステップS102に戻る。
AF開始/終了ボタン165は、焦点調節処理の開始を指示する指示手段として機能し、このボタンがONになったことは、自動焦点調節処理の実行開始が指示されたことを意味する。したがって、AF開始/終了ボタン165がONになった場合、ステップS101で設定された特定領域R1から読み出された左画像信号と右画像信号との位相差を検出し、位相差とその信頼度を出力結果としてメモリ132に記憶する。そして、処理がステップS103に進む。
ステップS103において、CPU131が、位相差検出部601の出力結果をメモリ132から読み出す(ステップS103)。続いて、CPU131が、位相差検出部601の出力結果に含まれる位相差の信頼性に基づいて、位相差の検出に成功したかを判断する(ステップS104)。位相差の信頼度が閾値を超える場合に、CPU131は、位相差の検出が成功したと判断する。また、位相差の信頼度が閾値以下の場合に、CPU131は、位相差の検出が失敗したと判断する。CPU131が、位相差の検出に成功したと判断した場合は、ステップS105に進む。そして、CPU131が、検出した位相差に基づいて、撮像レンズ101のフォーカス制御量を算出し、レンズ駆動部141を通じて、フォーカス制御を行う(ステップS105)。すなわち、CPU131が、検出された位相差に基づいて焦点調節処理を実行する調節手段として機能する。
フォーカス制御が完了すると、処理がステップS106に進む。そして、CPU131が、TFT152に合焦完了したことを表示して(ステップS106)、ステップS116に進む。
CPU131が、位相差の検出に失敗したと判断した場合は、ステップS107に進む。そして、CPU131が、特定領域を、ステップS101で設定した特定領域R1から、特定領域R1の範囲より広い範囲を有する特定領域R2(第2の特定領域)に変更する(ステップS107)。具体的には、CPU131は、例えば、図7(B)に示すように、図7(A)中の特定領域R1より水平方向に広い、X1、X4の区間に対応する特定領域R2を、次の位相差の検出処理対象の特定領域として設定する。なお、特定領域R2を、特定領域R1より水平方向および垂直方向に広い領域を有する領域(例えば、撮像素子の全画角の領域)としてもよい。
特定領域R2は、画素部における垂直方向の所定の範囲に含まれる全ての水平画素の領域である。すなわち、X1、X4の区間は、X2、X3の区間より広いので、特定領域R2からの一行当たりの読み出し量は特定領域R1からの一行当たりの読み出し量よりも増加する。その結果、特定領域R2に含まれる行の全てについて読み出した場合、読み出し時間がかかり、読み出しフレームレートを維持できなくなる。したがって、CPU131は、垂直選択回路202を用いて、特定領域R2における所定の水平ライン(行)を間引いて画像信号を特定領域R2から読み出す。これにより、CPU131は、特定領域からの読み出し量が、特定領域R1から特定領域R2への変更前後で変わらないように特定領域R2からの画像信号の読み出し処理を制御する。
例えば、特定領域R2からの一行当たりの読み出し量が特定領域R1からの読み出し量の2倍である場合、CPU131は、垂直選択回路202を用いて行を一行飛ばしで読み出すようにする。このようにして、読み出しの総量が増えないようにすることができる。つまり、特定領域の水平方向の区間を広くしても、読み出しにかかる時間を抑え、読み出しフレームレートを維持できる。
図6に戻って、ステップS108において、CPU131が、トリミング処理部603の設定を、ステップS101時点での表示領域と等しくなるように変更する。具体的には、CPU131は、図7(B)に示す特定領域R2のうち、ハッチングを施した表示領域以外の領域を、トリミング対象に設定する。これにより、TFT152に表示される画像の画角を変化しないようにすることができる。
次に、CPU131が、垂直選択回路202によって読み出されない特定領域R2のラインの画像信号を補間するように補間処理部605に設定(指示)する(ステップS109)。これにより、補間処理を通じて、表示用の画像データが生成されることになる。
次に、位相差検出部601が、ステップS107における変更後の特定領域から読み出された画像信号に基づいて、位相差を検出し、位相差の信頼度を出力して、出力結果をメモリ132に記憶する(ステップS110)。続いて、CPU131が、位相差検出部601の出力結果をメモリ132から読み出す。
ステップS111において、CPU131が、特定領域を、上記ステップS101において設定された特定領域に戻す。CPU131が、上記ステップS108において行ったトリミング処理の設定を解除する(ステップS112)。続いて、CPU131が、補間処理部605の設定を解除する(ステップS113)。
次に、CPU131が、ステップS110において読み出した位相差検出部601の出力結果に基づいて、上記ステップS104の判断処理と同様の方法で、位相差の検出に成功したかを判断する(ステップS114)。位相差の検出に成功した場合は、ステップS105に進む。位相差の検出に失敗した場合は、ステップS115に進む。
ステップS114において、CPU131が、TFT152に、合焦できないことを示す非合焦表示を行い(ステップS114)、ステップS116に進む。
ステップS116において、CPU131が、AF開始/終了ボタン165がOFFになったかを判断する(ステップS116)。AF開始/終了ボタン165がOFFになっていない場合は、ステップS116に戻る。AF開始/終了ボタン165がOFFになった場合は、ステップS117に進む。そして、CPU131が、TFT152に表示されている表示(合焦完了表示または非合焦表示)を解除し(ステップS117)、ステップS102に戻る。
実施例1の撮像装置によれば、部分読み出しでのライブビューにおいて、位相差を検出する際に、位相差の検出精度と撮像素子からの読み出しフレームレートを確保しながら、オートフォーカス動作を実現することが可能となる。
(実施例2)
図8は、実施例2の撮像装置の動作処理の例を説明するフローチャートである。図8のステップS200およびS201は、図6のステップS100およびS101と同様である。図8のステップS202乃至S204は、図6のステップS103乃至S105と同様である。図8のステップS205乃至S212は、図6のステップS205乃至S212と同様である。
実施例2の撮像装置100は、特定領域が設定された場合に、AF開始/終了ボタン165の押下げを契機とせずに、位相差検出処理を実行する(ステップS202)。また、実施例2の撮像装置100は、フォーカス制御を完了すると(ステップS204)、ステップS202に戻り、再度位相差検出を行う。
実施例2の撮像装置によれば、部分読み出しでのライブビューにおいて、位相差を検出する際に、位相差の検出精度と撮像素子からの読み出しフレームレートを確保しながら、連続的なオートフォーカス動作を実現することが可能となる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
100 撮像装置
103 撮像素子
131 CPU

Claims (9)

  1. 一つのマイクロレンズに対して撮像光学系の射出瞳の分割された異なる領域を通過した光束を光電変換して画像信号を生成する複数の光電変換部を有する画素部を備える撮像素子と、
    前記画素部から画像信号を読み出す特定領域を設定する設定手段と、
    前記特定領域から画像信号を読み出す読み出し手段と、
    前記特定領域から読み出された画像信号により得られる2像の位相差の検出に成功したかを判断する判断手段とを備え、
    第1の特定領域から読み出された画像信号により得られる2像の位相差の検出に失敗したと判断された場合に、
    前記設定手段が、前記画像信号が読み出される特定領域を前記第1の特定領域の範囲より広い範囲の第2の特定領域に変更し、
    前記読み出し手段が、前記第2の特定領域の画素部を間引いて前記第2の特定領域から画像信号を読み出し、前記第2の特定領域から読み出されなかった画像信号を補間処理によって生成する
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第2の特定領域は、前記第1の特定領域より水平方向に広い領域を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第2の特定領域は、前記第1の特定領域より水平方向および垂直方向に広い領域を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記第2の特定領域は、前記撮像素子の全画角の領域である
    ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記判断手段は、前記2像の位相差の信頼度が閾値を超える場合に、前記位相差の検出が成功したと判断し、前記2像の位相差の信頼度が閾値以下の場合に、前記位相差の検出が失敗したと判断する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 焦点調節処理の開始を指示する指示手段を備え、
    前記判断手段は、前記指示手段によって前記焦点調節処理の開始が指示された場合に、前記位相差の検出に成功したかを判断する
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 前記読み出し手段は、特定領域からの読み出し量が、前記第1の特定領域から前記第2の特定領域への変更前後で変わらないように前記第2の特定領域からの画像信号の読み出し処理を制御する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8. 前記補間処理によって生成された画像信号に基づいて、表示用の画像データを生成する生成手段を備える
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
  9. 一つのマイクロレンズに対して撮像光学系の射出瞳の分割された異なる領域を通過した光束を光電変換して画像信号を生成する複数の光電変換部を有する画素部を備える撮像素子を備える撮像装置の制御方法であって、
    前記画素部から画像信号を読み出す特定領域を設定する設定工程と、
    前記特定領域から画像信号を読み出す読み出し工程と、
    第1の特定領域から読み出された画像信号により得られる2像の位相差の信頼度に基づいて、前記位相差の検出に成功したかを判断する判断工程とを備え、
    前記位相差の検出に失敗したと判断された場合に、
    前記設定工程では、前記画像信号が読み出される特定領域を前記第1の特定領域の範囲より広い範囲の第2の特定領域に変更し、
    前記読み出し工程では、前記第2の特定領域の画素部を間引いて前記第2の特定領域から画像信号を読み出し、前記第2の特定領域から読み出されなかった画像信号を補間処理によって生成する
    ことを特徴とする制御方法。
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