JP2015050261A - 非接触充電装置用アンテナシート及び該シートを用いた充電装置 - Google Patents

非接触充電装置用アンテナシート及び該シートを用いた充電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】充電中の送信側及び受信側の配置について高い自由度を許容し、かつ、受電コイルの共振周波数のずれを防止できる非接触充電装置用アンテナシート及び該シートを用いた充電装置を提供する。
【解決手段】送信側装置の送信側共振器又は受信側装置の受信側共振器として使用される、非接触型充電装置用アンテナシートであって、
共振コンデンサの容量をCとしたとき、共振周波数fで共振するようなピックアップコイルとして機能するコイル状のアンテナが基材上に形成され、
前記基材の前記コイル状のアンテナとは反対側に磁性シートが貼着され、
前記磁性シートを前記基板とで挟み込むように前記磁性シートに均熱シートが貼着されたことを特徴とする。
【選択図】図2A

Description

本発明は、広く給電・充電器側から非接触で電池・端末側に電力を伝送する非接触充電装置に関し、特に、磁気共振方式によって電力を供給する非接触充電装置用アンテナ及びこれを用いた充電装置に関する。
携帯電話や携帯端末、電気髭剃り機、電動歯ブラシ等の機器の電源に使用される二次電池に対する充電は、従来、充電器の接点と二次電池となる電池パックから配線された機器側の接点との導電接触によって通電させて行われていた。
近年、かかる機器等の二次電池に対する充電を非接触方式で行うものが増えている。
特許文献1には、送電側及び受電側には、それぞれ板状の軟磁性材料上に複数のコイルを、隣接するコイルによって形成される磁束の向きがそれぞれ逆方向となるように、送電側及び受電側のコイルを対向させて間隔を設けて配置するとともに、受電側の板状の軟磁性材料は電池缶に直接あるいは絶縁性部材を介して接触させて配置した電磁誘導作用によって非接触状態で電力を供給する非接触充電装置が開示されている。
また、特許文献2には、送電コイルから受電コイルに対して電磁誘導により電力の供給を行なう非接触電力伝送装置において、漏れ磁束の発生を抑え、1つの送電装置で必要とする電力の異なる複数の電子機器の充電に対応可能とする装置が記載されている。この装置は、略同心円状に配置した複数の送電コイル11、12を備え、受電コイル21の外形に一番近い外形の送電コイルと、その内側の送電コイルのみを駆動する構成を備えている。これにより、1つの送電装置で外形の異なる受電コイルに対して電力伝送を行うときでも、漏れ磁束の発生を抑えることができるという効果を奏するものである。
しかしながら、かかる非接触型の充電装置ないし電力伝送装置は、電磁誘導作用を伴う電磁結合によって充電ないし電力伝送を行うものであり、送電側及び受電側の配置には制限があった。つまり、送電側コイルと受電側コイルとは、至近距離でほぼ対向するように配置しなければ充電効率が極端に低下してしまうという課題があった。
一方で、非接触型の充電装置であっても、一次コイル(送電コイル)と二次コイル(受電コイル)とを磁界結合させて充電器側の電力を充電池側に供給する装置がある(特許文献3)。
すなわち、特許文献3には、充電器1に一次コイル103と、この一次コイルに交流電力を供給する手段104、105が設けられ、充電池210を有する無線通信機2に一次コイル103と磁界結合される二次コイル212と、この二次コイルに発生した起電力を充電池210の充電電力とする手段211とが設けられ、一次コイル103と二次コイル212とを磁界結合して充電器1の電力を充電池210に供給して充電を行うようにした非接触型充電装置において、一次コイル103への電力の供給を停止するスイッチ等106、107、213を設け、無線通信機の充電中に、発信が必要とされたとき、あるいは着信があったときには、スイッチを操作することで充電を停止させ、無線通信機に及ぼす磁力の影響をなくして軽い力で無線通信機を充電機から持ち上げて使用することを可能とする装置が開示されている。
しかしながら、特許文献3に開示された装置は、上述の通り、充電時の一次コイルと二次コイルとの間の磁力が極めて大きいために、機器の充電中に、発信が必要とされたとき、あるいは着信があったときには、充電を停止させ、機器に及ぼす磁力の影響をなくして軽い力で機器を充電機から持ち上げることを可能にする必要があった。
また、機器に電力を供給するための基台ケースには、機器を挿入可能な凹部が設けられ、機器を立てた状態で充電装置に載置できるように構成されたものであり、送電側及び受電側の配置関係には制約があった。
更に、受電側については、発明者らの研究により別の課題も生じることが分かった。例えば、受電側の機器として代表的なものに、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器が挙げられるが、これらのモバイル機器において非接触充電機能を実現しようとすると、その設計上の制約等から二次電池(バッテリー)の近傍に受電コイルを配置せざるを得ない場合が多い。
このように、金属ケースや金属箔等で覆われた二次電池の近傍に受電コイルが配置される場合には、コイルの共振周波数がずれてしまうことがある。また、金属に送電側からの電力(磁束)が漏れ流れてしまい、受電コイルにほとんど電力が伝わらなくなる場合もある。バッテリー等の二次電池は受電コイルの近くに配置されることが多いので、上述の影響を最も強く受けるが、二次電池の他にも、モバイル機器の筐体や内部部品からも二次電池と同様の影響を受けうる。
かかる影響を防止するために、受信コイルの裏側に磁性シートを配置し、電力(磁束)のシールドのような役割を果たさせようとする取り組みも存在する。図15に、従来の非接触充電装置用アンテナに磁性シートを適用した場合の適用例を示すが、バッテリー等の二次電池1509に対し、コイル1501が付設された支持体(基板)を遮蔽するように、支持体の裏面(図15中、支持体の上面)に磁性シートを接着剤等により貼付する構成を採用する。このように磁性シートを配置することによって、モバイル機器内の金属からの影響をある程度抑止することはできる。
しかしながら、磁性シートを配置すると、受電コイルの共振周波数は変化するので、防磁シールドの目的で配置した磁性シートが配置された状態で受電コイルの共振周波数の調整を再度行う必要が生じる。
更に、モバイル機器内の特定の回路部品からは、局所的に高い温度での発熱がある場合(いわゆるヒートスポット)があり、これを防ぐために均熱シートと呼ばれる熱伝送性の高い素材を適宜配置して、ヒートスポットからの局所的な熱を放熱することも行われている。図14に、従来のモバイル機器に均熱シートを提供した場合の適用例を示すが、図14において、モバイル機器の筐体1401表面のディスプレイ部1402及びボタン操作部1403の下部にメイン基板1404が実装されるものとして、このメイン基板1404に2カ所のヒートスポットHS3及びHS4が発生するものとする。メイン基板1404の下部であって、筐体1401の底部に当たる位置には二次電池(バッテリ)1405が配置されているので、メイン基板1404の2カ所のヒートスポットからの熱伝導を遮蔽するように均熱シート1407a及び1407bが設けられる(図14)。
しかしながら、一般に均熱シートの厚みは、効果的な放熱性を確保しようとすると、1.6〜2.5mm程度の厚みを要する上に、受電コイルの共振周波数が高周波側へ大きくずれてしまうという課題があった。具体的には、従来の受電コイル及び基板に磁性シートを貼付し、共振周波数13.56MHz(±0.5MHz)を実現しようとすると、単純に従来の均熱シートを貼付しただけでは、共振周波数が高周波側へ1MHz程度もずれてしまう場合がある。
フラットコイルの性能を決める重要な指標の一つとして共振周波数がずれないことが挙げられ、このような要請に対し、受電コイルに対する共振周波数のずれを発生させることなく、コンパクトな設計空間の中で磁束の影響及び熱伝導の影響を適切に抑制できる技術が望まれていた。
特開平11−103531号公報 特開2012−60812号公報 特開平8−19185号公報
そこで、本発明は、充電中の充電器側及び電池側の配置について高い自由度を許容し、かつ、防磁目的での磁性シートや放熱目的での均熱シートを用いた場合に生じやすい受電コイルの共振周波数のずれを防止できる非接触充電装置用アンテナ及びこれを用いた充電装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる非接触充電装置用アンテナシートは、送信側装置の送信側共振器又は受信側装置の受信側共振器として使用される、非接触型充電装置用アンテナシートであって、共振コンデンサの容量をCとしたとき、共振周波数fで共振するようなピックアップコイルとして機能するコイル状のアンテナが基材上に形成され、前記基材の前記コイル状のアンテナとは反対側に磁性シートが貼着され、前記磁性シートを前記基板とで挟み込むように前記磁性シートに均熱シートが貼着されたことを特徴とする。
加えて、本発明にかかる非接触充電装置用アンテナシートは、前記共振周波数fは、13.56MHzであり、前記送信側共振器の共振コンデンサの容量は、1〜5pFであり、前記受信側共振器の共振コンデンサの容量は、70〜100pFであることを特徴とする。
加えて、本発明にかかる非接触充電装置用アンテナシートは、前記共振周波数fは、6.78MHzであり、前記送信側共振器の共振コンデンサの容量は、8〜20pFであり、前記受信側共振器の共振コンデンサの容量は、70〜120pFであることを特徴とする。
本発明にかかる非接触充電装置は、第1の磁性シート上に第1の基材が接着剤で接着され、第1の基材上に共振コイルが形成され、前記接着剤には給電コイルに埋設された送信側アンテナシートと、第2の磁性シート上に第2の基材が接着剤で接着され、第2の基材上に受信コイルが形成され、前記受信側アンテナシートは、前記第2の磁性シートを前記第2の基材とで挟み込むように前記第2の磁性シートに均熱シートが貼着されてなる受信側アンテナシートとを備えたことを特徴とする。
加えて、本発明にかかる非接触充電装置は、前記共振コイル及び受信コイルの共振周波数は、13.56MHzであり、前記送信側アンテナシートの共振コンデンサの容量は、1〜5pFであり、前記受信側アンテナシートの共振コンデンサの容量は、70〜100pFであることを特徴とする。
加えて、本発明にかかる非接触充電装置は、前記共振コイル及び受信コイルの共振周波数は、6.78MHzであり、前記送信側アンテナシートの共振コンデンサの容量は、8〜20pFであり、前記受信側アンテナシートの共振コンデンサの容量は、70〜120pFであることを特徴とする。
本発明にかかる非接触充電装置用アンテナにより、充電中の充電器側及び電池側の配置について高い自由度を許容し、かつ、コイルに金属が近接する場合に生じやすい共振周波数のずれを防止できる非接触充電装置用アンテナ及びこれを用いた充電装置を提供できるという効果を奏する。更に、本発明にかかる非接触充電装置用アンテナ等によれば、送信側の電力を複数の受信側装置に対して同時に供給できるという効果をも奏する。
本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置の送電系統の構成を斜視図として説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(受信側)の断面構造を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(送信側)の断面構造を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(送信側)の断面構造を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシートの平面構造を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(受信側)において使用される磁性シートの断面構造を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置の外観構成を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置の外観構成を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシートの断面構造を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置の断面構造を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置の外観構成を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置の外観構成を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシートの平面構造を説明する説明図である。 図9Aにかかる非接触充電装置用アンテナシートの詳細構造を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(受信側)に対する磁性シートの添付位置と大きさのバリエーションを説明する説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置における広範なシート配置の自由度を説明する説明図である。 本発明にかかる送信側装置を1又は複数用いた場合の例を説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナをモバイル機器に適用した例を説明する説明図である。 従来のモバイル機器に均熱シートを提供した場合の適用例を説明する説明図である。 従来の非接触充電装置用アンテナに磁性シートを適用した場合の適用例を説明する説明図である。
以下、本発明にかかる非接触充電装置用アンテナシート及び該シートを用いた充電装置を実施するための形態について、図を参照しながら詳述する。
図1に、本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置の送電系統を説明するための構成斜視図を示す。非接触充電装置100は、給電シート101と、受信シート102と、共振シート103とを含み、それぞれのシートは、基材とコイルとを含む。すなわち、一実施例として、給電シート101は、基材1011上に給電コイル1012が形成されており、受信シート102は、基材1021上に受信コイル1022が形成されており、共振シート103は、基材1031上に共振コイル1032が形成されている。
以下、給電シート101、受信シート102、共振シート103を、それぞれ、給電用アンテナシート101、受信用アンテナシート102、共振用アンテナシート103とも言う。
また、給電コイル1012、受信コイル1022、共振コイル1032を、それぞれ、給電アンテナ1012、受信アンテナ1022、共振アンテナ1032、あるいは、給電コイル状アンテナ1012、受信コイル状アンテナ1022、共振コイル状アンテナ1032とも言う。
図1の非接触充電装置において、各基材の材料には、ポリイミドやガラスエポキシを用いることができる。また、コイル状アンテナの材料には、銅、アルミニウムを採用することができる。更に、各コイル状アンテナは、基材上にエッチングして形成することができる。
基材上に形成された各コイル状アンテナは、給電装置(不図示)から供給される電力を送信側から受信側へ伝送する役割を持っている。なお、図1において、一実施形態として、給電コイル1012のインピーダンスZは50Ωであり、受信コイル1022の容量はC1であり、共振コイル1032の容量はC2(可変)である。C1及びC2は、充電装置の設計によって可変の値をとる。なお、受信コイル1022の抵抗値R1は50Ωである。
図1の非接触充電装置において、給電コイル1012と共振コイル1032との間隔は、0.5mmになるよう設計されている。伝送距離H0は、後述するようにかなりの自由度をもたせても効率の良い充電が可能である。また、図1には示していないが、本発明にかかる非接触充電装置用アンテナシートには、後述する通り、磁性シートを用いることができ、更に、均熱シートを所与の条件で用いることができる。
図2Aに、本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(受信側)の断面構造を示す。図2Aに示す通り、非接触充電装置用アンテナシート200は、その構成部材として、受信コイル(状アンテナ)201と、基材202と、磁性シート204と、均熱シート206と、絶縁材207からなる。より詳細には、アンテナシート200は、絶縁材207及び均熱シート206上に磁性シート204が接着剤205で接着され、磁性シート204上に基材202が接着剤203で接着され、基材202上に受信コイル(状アンテナ)201がエッチング等により形成されて構成されている。
なお、後述するように、絶縁材207は省略することができる。
接着剤203には、酢酸ビニルや塩化ビニル等の熱可塑性樹脂あるいは、熱可塑性樹脂成分を有する溶剤を用いることができる。
磁性シート204には、扁平軟磁性材料粉末と樹脂とからなる磁性シートを用いることができる。図4に磁性シート204の詳細構造を示す。図4において、磁性シート204は、マトリクス樹脂2041に扁平軟磁性材料粉末2042が混合されている。磁性シート204には、扁平軟磁性材料粉末と樹脂とからなる様々な磁性シートを使用することができるが、一例として、出願人により別途出願された特開2009−59752号公報に開示されているように、(A)扁平軟磁性材料粉末1000重量部、(B)エポキシ樹脂10〜30重量部、(C)エポキシ樹脂硬化剤1〜60重量部、(D)硬化促進剤0.03〜1.5重量部、(E)グリシジル(メタ)アクリレート2〜6重量%を含むTg(ガラス転移温度)が−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるエポキシ基含有アクリル系共重合体45〜200重量部、(F)分散剤3〜20重量部、(G)有機ホスフィン酸塩化合物30〜70重量部及び(I)金属水酸化物50〜90重量部を含有することを特徴とする難燃化ノイズ抑制シートを用いることができる。
図2Bに、本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(送信側)の断面構造を示す。図2Bに示す通り、送信側の非接触充電装置用アンテナシート250は、その構成部材として、共振コイル(状アンテナ)251と、基材202と、磁性シート204とからなる。より詳細には、アンテナシート250は、磁性シート204上に基材202が接着剤203で接着され、基材202上に共振コイル(状アンテナ)251がエッチング等により形成されて構成されている。また、給電コイル(状アンテナ)255が接着剤203に埋設されている。
接着剤203や磁性シート204の材料については、上述した通りである。
図2Cに、本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(送信側)の断面構造を示す。図2Cに示す通り、送信側の非接触充電装置用アンテナシート280は、その構成部材として、共振コイル(状アンテナ)251と、基材282a、282bと、磁性シート204とからなる。より詳細には、アンテナシート280は、磁性シート204上に基材282bが接着剤203で接着され、空隙層283を挟んで設けられた基材282a上に共振コイル(状アンテナ)251がエッチング等により形成されて構成されている。また、給電コイル(状アンテナ)255が接着剤203に埋設されている。
実装上、空隙層283には、発砲スチロールが充填される。
ここで、アンテナシート250とアンテナシート280の作用効果上の相違について説明する。発明者らの実験によれば、共振コイル251における共振周波数が6.78MHzの条件下では、アンテナシート250のように給電コイルと共振コイルとの距離が近いほうが伝送効率が良く、共振コイル251における共振周波数が13.56MHzの条件下では、アンテナシート280のように給電コイル255と共振コイル251との間(又は、基材282aと基材282bとの間)に空隙層(厚み5mm程度)設けた方が、伝送効率が良い。
図3に、本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシートの平面構造を示す。図3に示すように、アンテナシート200は、基材202上に渦巻き状のアンテナ201がエッチング等によって形成されている。アンテナ201が薄膜エッチング等で基材202上に形成された場合には、アンテナ201は、基材202と略同一平面内に形成されることとなり、薄型のシートを実現できる。また、アンテナ201を基材202に埋設するよう形成することもできる。また、図3においては、コイル状アンテナ201に電気回路上必要な抵抗(R)やコンデンサ(C)は、外部素子として接続されることにより実現される。
図5Aに、本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置の外観構成を示す。図5Aに示すように、非接触充電装置500は、送信側装置501と受信側装置502とで構成されている。
すなわち、送信側装置501は、磁性シート5012上に基材5014が接着剤5013で接着され、基材5014上に送信コイル(状アンテナ)5015がエッチング等により形成されて構成されたアンテナシートが、送信側制御回路基板5011の上に実装されている。また、受信側装置502は、均熱シート5027上に磁性シート5022が接着剤5026で接着され、磁性シート5022上に基材5024が接着剤5023で接着され、基材5024上に受信コイル(状アンテナ)5025がエッチング等により形成されて構成されたアンテナシートが、受信側制御回路基板5021の上に実装されている。そして、図5Aにおいて、非接触充電装置500は、送信側装置501と受信側装置502とが、それぞれのアンテナ面が対向するように配置されている。また、送信側装置501のアンテナの巻き方向と、受信側装置502のアンテナの巻き方向とは、互いに逆向きになっている。
図5Bに、本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置の外観構成を示す。図5Bに示すように、非接触充電装置550は、送信側装置551と受信側装置552とで構成されている。受信側装置552は、均熱シート5527上に磁性シート5522が接着剤5526で接着され、磁性シート5522上に基材5524が接着剤5523で接着され、基材5524上に受信コイル(状アンテナ)5525がエッチング等により形成されて構成されたアンテナシートが、受信側制御回路基板5521の上に実装されている。
送信側装置551は、図2Bで示したものと同様のアンテナシートが、送信側制御回路基板5511の上に実装されている。すなわち、送信側装置551は、磁性シート5512上に基材5514が接着剤5513で接着され、基材5514上に送信コイル(状アンテナ)5515がエッチング等により形成されている。なお、給電コイル(状アンテナ)5516は、接着剤5513内に埋設されており、図5Bにおいて、接着剤5513の層から取り出された給電コイルの両端が送信側制御回路基板5511へ接続されている。以上のアンテナシート層が、送信側制御回路基板5511の上に実装されている。
そして、図5Bにおいて、非接触充電装置550は、送信側装置551と受信側装置552とが、それぞれのアンテナ面が対向するように配置されている。また、送信側装置551のアンテナの巻き方向と、受信側装置552のアンテナの巻き方向とは、互いに逆向きになっている。
図6に、本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシートの断面構造を示す。アンテナシート600は、コイル(状アンテナ)と制御回路基板との間の配線を簡便かつ容易なものとするために、磁性シートと接着剤と基板とからなる層に穴あけを行い、コイル(状アンテナ)から層の下部へ抜ける端子を設けたことが特徴となっている。
図6において、コイル(状アンテナ)604から外部接続用端子605a、605bが基材603を貫通して磁性シート601と接着剤602に開けられた穴から突出している様子が示されている。外部接続用端子605a、605bは、磁性シート601の下部に設置される制御回路基板との電気的接続を簡便かつ容易なものとする。なお、最下層には、均熱シート607が接着剤606で磁性シート601に貼着されている。
図7に、本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置の断面構造を示す。非接触充電装置700は、制御回路基板701と、その上に接続されたアンテナシート600とで構成されており、図7に示すように、制御回路基板701上の接続端子702a、702bと、アンテナシート600の外部接続用端子605a、605bとが、はんだ703a、703bによって電気的に接続されている。また、図7において、磁性シート601と制御回路基板701とを遮蔽するように、均熱シート707が磁性シート601の下面(図中)に接着剤706で貼着されている。
図8A及び図8Bに、本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置の外観構成を示す。非接触充電装置800は、図6に示したような外部接続用端子を備えたアンテナシートや、図7に示したような接続端子を備えた非接触充電装置を801及び/又は802として適用した実施例である。なお、図示の便宜上、図8Aに示した送信側装置801は、給電アンテナの図示を省略し、共振アンテナ8015の配線がよく分かるように図示している。一方で、図8Bに示した送信側装置801は、共振アンテナの図示を省略し、給電アンテナ8515の配線がよく分かるように図示した。
また、受信側装置802は、均熱シート8027上に磁性シート8022が接着剤8026で接着され、磁性シート8022上に基材8024が接着剤8023で接着され、基材8024上に受信コイル(状アンテナ)8025がエッチング等により形成されて構成されたアンテナシートが、受信側制御回路基板8021の上に実装されている。
図8Bにおいて、給電アンテナ8515の両端は、磁性シート8012、接着剤8013(及び、必要に応じて基材8014)の層に開けられた穴から突出した外部接続用端子(図8Bにおいて不図示)から送信側制御回路基板8011上の接続端子(図8Bにおいて不図示)まで、はんだを介して電気的に接続されている。
また、図8A及び図8Bにおいて、受信側装置802は、受信アンテナ8025の両端が、均熱シート8027、接着剤8026、磁性シート8022、接着剤8023及び基材8024の層に開けられた穴から突出した外部接続用端子(図8A、図8Bにおいて不図示)から受信側制御回路基板8021上の接続端子(図8A、図8Bにおいて不図示)まで、はんだを介して電気的に接続されている。
図9Aに、本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシートの平面構造を示す。アンテナシート900は、基材902上にアンテナ901がエッチング等により配線されているが、アンテナ901は、コンデンサ素子9011a〜9011cを有するアンテナ部分901aと、コンデンサ素子9012a〜9012c(図9Aにおいて不図示)を有するアンテナ部分901bとから構成されている。図3に示したアンテナシート200は、電気回路上必要な抵抗(R)やコンデンサ(C)は、外部素子として接続されることにより実現されることを説明したが、アンテナ901は、アンテナ部分901a、901bがそれぞれコンデンサ素子を有しているので、外部素子を接続する必要はない。
図9Bに、アンテナ部分901a、901bのコンデンサ素子部分の構造を更に詳細に示す。図9Bにおいて、アンテナ部分901aはコンデンサ素子9011a、9011b、9011cを有し、アンテナ部分901bは、コンデンサ素子9012a、9012b、9012cを有し、コンデンサ素子9011aとコンデンサ素子9012aとが容量素子として機能する。同様に、コンデンサ素子9011bとコンデンサ素子9012bとが容量素子として機能し、コンデンサ素子9012cとコンデンサ素子9012cとが容量素子として機能する。
図9A、図9Bにおいて、説明の便宜上、コンデンサは3つとして記載したが本発明はこれに限定されるものではなく、必要に応じて1以上の任意の数のコンデンサ素子を備えることができる。
また、図9A、図9Bにおいて説明したコンデンサ素子は、アンテナとの配線を断線することで簡単にコンデンサ機能を除去することができるので、容量調整が容易であるという利点を有する。例えば、コンデンサ素子を多めに形成し、容量を測定しながら、所望の容量が得られるまで、コンデンサ素子を1つずつ断線することで、簡便に容量を調整することができる。
図10に、本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナシート(受信側)に対する磁性シートの添付位置と大きさのバリエーションを示す。図10(A)は、縦H、横Wの基材202上にコイル状アンテナ201が幾重にも巻かれて配線されている様子を示している。アンテナ201が幾重にも巻かれた結果、幅はTになっている。
図2に示したように、磁性シートは、図10から見ると基材202の下側に接着剤で貼り付けられるが、どの大きさ及び形状で貼り付けられるについては、図10(B)に示すように、コイル状アンテナ201の外周を完全に覆う形で磁性シート204aを貼り付けるパターンと、図10(C)に示すように、コイル状アンテナ201の形状に合わせて中抜き環状の磁性シート204bを貼り付けるパターンとがある。このとき、中抜き環状の磁性シート204bの環の幅はTと同じか、あるいは若干多め(+α)に設計される。
図11に、本発明の他の実施形態にかかる非接触充電装置における広範なシート配置の自由度を示す。本発明にかかる非接触充電装置は、その送信側装置と受信側装置の配置関係に関し、大きな自由度を許容するという特徴を有している。説明の便宜上、図1、図5A、図5B、図8A、図8Bにおいて、送受信側装置は、それぞれのアンテナ面が対向するように配置して説明したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、図11(A)のように送信側装置1001に対して受信側装置1002aまでの伝送距離Hが、図1に示したH0よりも長くなっても効率よく電力を送信することができる。あるいは、図11(B)に示すように、送信側装置1001に対して受信側装置1002bを斜めに平行移動させても、あるいは、図11(C)に示すように、送信側装置1001に対し、受信側装置1002bの位置から略90度回転させるように受信側装置1002cを配置しても効率よく電力を送信することができる。
更に、送信側装置1001に対し、様々な距離と角度をもって配置された複数の受信側装置(一例として、図11(C)における1002c、1002d及び1002e)に対しても、それぞれの距離と角度に応じて電力が配分されるものの、送信側の電力を同時に供給できるという大きな利点を有する。
[共振条件等]
以上述べた通り、本発明にかかる非接触充電装置用アンテナシート及び該シートを用いた充電装置は、配置自由度の高い非接触充電が可能となるが、かかる充電を可能にする共振条件等について、以下に詳述する。
非接触給電装置の基本的動作は、一般的に、400kHz〜20MHzの周波数環境を有する電磁界において、所定の共振周波数f1を有する送信側装置の送信側共振器と、所定の共振周波数f2を有する受信側装置の受信側共振器との間で発生する磁界結合により、送信側の送電装置にて発生する電力を非接触で送信装置側から受信装置側に供給するものである。
一般に、送電装置の構成は、送電側共振器、発信器、電力増幅器、方向性結合器、バンドパスフィルタ(一例として、進行波用BPF、反射波用BPF等)、分配器(一例として、進行波用分配器、反射波用分配器)、演算器、ローパスフィルタ、位相変化検出器、振幅差検出回路、平滑コンデンサ、リンクコイル、インピーダンス可変素子、制御部等を備えるものであるが、本発明における送電装置には既知のものを使用できるので、ここでは、送電装置についての詳細説明は省略する。
そして、送信側共振器では、共振周波数をf1とし、ピックアップコイルのインダクタンスをL1、共振コンデンサの容量をC1としたとき、次式(1)の関係を満たす。
Figure 2015050261
また、受信側共振器では、共振周波数をf2とし、ピックアップコイルのインダクタンスをL2、共振コンデンサの容量をC2としたとき、次式(2)の関係を満たす。
Figure 2015050261
受信側装置で電磁誘導によってピックアップコイルL2において非接触により取り出された電流は、制御部(不図示)によって定電流として制御され、必要に応じてインピーダンス変換されて負荷に電力を供給する。
かかる基本原理に基づいて、本発明では、共振周波数を13.56MHz及び6.78MHzの2種類設定し、送信側(共振)コイルの共振コンデンサC1及び受信側コイル(タイプ1、タイプ2の2種類を用意)の共振コンデンサC2を様々に設定し、上述する本発明の効果を十分奏することができる条件を検証した。その結果を下表1にまとめる。
なお、受信側コイル(タイプ1)は、外形が60mm×60mmで、コイルの太さLは、1mmであり、コイル線の間隔Sは、0.5mmである。また、受信側コイル(タイプ2)は、外形が30mm×40mmで、コイルの太さLは、0.4mmであり、コイル線の間隔Sは、0.2mmである。コイルの巻き数は、共振コンデンサの容量に対し、それぞれ共振周波数を満たすようなインダクタンスが得られる巻き数となっている。
また、検証においては、受信側アンテナシートに様々なタイプの磁性シートを貼付して、高い電力効率が得られる条件も検討した。
Figure 2015050261
検証の結果、磁性シートを使用しない場合には、共振周波数13.56MHzの場合で、共振コイルのコンデンサ容量C1が1〜5pFで、受信コイルのコンデンサ容量が、タイプ1、タイプ2共に70〜100pFである場合に、良好な電力供給効率が得られた。
一方で、共振周波数が6.78MHzの場合では、共振コイルのコンデンサ容量C1が8〜20pFで、受信コイルのコンデンサ容量が、タイプ1、タイプ2共に70〜120pFである場合に、良好な電力供給効率が得られた。
また、磁性シートを使用する場合には、図10に基づいて説明したシートパターン(図10(B)、図10(C))の双方で、磁性シートの厚みが略70μmの場合に良好な電力供給効率が得られた。
更に、磁性シートの厚みを略200μmとすると、受信側での磁束漏れをより強力に抑止することができ、更に高い電力供給効率が得られた。
なお、磁性シートの厚みは、10〜500μm程度のものを広く使用可能である。
ここで、磁性シートの厚みと給電効率との関係について述べる。磁性シートの厚みは、上記実験のオーダーでは、磁性シートが厚い場合に高い電力供給効率が得られるものと考えられる。また、磁性シートが厚い場合には、漏れ磁束を軽減することができ、制御回路基板への悪い影響を低減させる効果が期待できる。
更に、磁性シートを厚くすればするほど、コイルへの影響が大きくなり、その結果として共振周波数が減少する傾向があるので、本発明を適用した「磁性体一体化コイル」を提供する場合には、設計段階から磁性シートの影響による周波数シフトを考慮してコイルを設計可能であるため、ユーザがコイルと磁性シートとを別々に購入して組み合わせる場合に比べ、取り扱い易いが容易になるという利点がある。
[複数の送信側装置を用いた場合の伝送効率]
本発明にかかる送信側装置は、複数用いることもできる。図12(A)は、上述したように、送信側装置1201aと受信側装置1202aとが一定の間隔を隔てて対向している。一例として、3つの送信側装置を用いる場合は、図12(B)に示すように、送信側装置1201a〜1201cを並べて配置し、受信側装置1202bを送信側装置1201bと一定の間隔を隔てて対向するように配置する。
図12(A)の配置、図12(B)の配置それぞれにおける、送信側装置から受信側装置への伝送効率を下表にまとめる。
Figure 2015050261
このように、複数の送信側装置を用いた場合には、受信側装置は全ての送信側装置から同時に電力の供給を受けることができ、例えば、多数の送信側装置を平面的あるいは立体的に配置した場合には、図11に示した配置の自由度を一層高めることができる。
また、以下に、発明者が実験により得た条件等について付記する。受信コイルの外径=αとしたとき、受信側装置と送信側装置の距離は0以上α以下が好ましく、0以上0.75×α以下がより好ましく、0.25×α以上0.5×α以下が更に好ましい。ここで、受信コイルの外径αとは、長方形の場合は長辺:短辺=1:1〜2:1の比率の場合に限りα=(最外辺の長辺の長さ+最外辺の短辺の長さ)/2である。また、受信コイルの外径αと送信コイルの外径βとの関係については、α>β/3、かつ、α<β×3の関係が成り立つものとする。
[伝送効率を踏まえた均熱シート及び接着剤の厚みの決め方]
フラットコイルの性能を決める重要な指標の1つが「伝送効率」である。伝送効率は、出力電力/入力電力(%)であらわされ、典型的には、その目標値はフラットコイル単体で90%以上、回路に組み込まれた状態で60%以上とされる。また、上述したように均熱シートを貼着することによって伝送効率を下げてしまわないように均熱シートの厚みを決定する必要がある。
一例として、基板と磁性シートとの間の距離(接着剤または粘着剤の厚み)及び磁性シートと均熱シートとの間の距離(接着剤または粘着剤の厚み)を長くする(厚くする)ことで調整される。より具体的には、磁性体がない状態での伝送効率を100%としたとき、磁性体がある状態の伝送効率が95%以上となるように接着剤(粘着剤)厚みを決定することができる。
なお、本実施例における実装環境では、均熱シートの厚みは、150μm程度である。
また、フラットコイルの性能を決める重要な他の指標の1つは、共振周波数がずれていないことであり、本実施例における共振周波数は、13.56MHz程度に設定される。そして、この共振周波数に対し、±0.5MHzのずれまでは許容範囲とされる。従来の受電コイル、基板、磁性シートの層構成において、上記共振スペック(共振周波数13.56MHz)を達成するものがあったとすると、単純に均熱シートを添付しただけでは、共振周波数が高周波数側へ1MHz程度もずれてしまう場合があった。
そこで、低周波数側へ共振周波数を戻すためにコイルの巻き数を「増やす」わけだが、何巻き増やすかは、一実施形態として、次のように決定される。
(第1段階)
S11(反射損失)を測定してその損失がもっとも小さくなってサチレーションを起こす程度まで小さくなるように接着剤の厚みを決める。一般に、接着剤の厚みは、厚くなればなるほどいいが、製品として適当な薄さで実現される。厚みの定量的な決め方としては、上述したように、磁性体がない状態での伝送効率を100%としたとき、磁性体がある状態の伝送効率が95%以上となるように接着剤(粘着剤)厚みを決定することができる。
なお、反射損失とは、高周波回路の1つのポートについて入力電力に対する反射電力の比をdB (デシベル)であらわしたものである。
(第2段階)
次に、共振周波数が13.56MHz±0.5MHzに収まるようにコイルの巻き数を増やす。
ここまでの段階で目標の仕様を実現できなかった場合には、更に次の段階へ進む。
(第3段階)
伝送効率をフラットコイル単体で90%以上、回路に組み込まれた状態で60%以上となるように、基板と磁性シートとの間の距離(接着剤または粘着剤の厚み)及び磁性シートと均熱シートとの間の距離(接着剤または粘着剤の厚み)を更に厚くする。
[磁性シート及び均熱シートを一体の層として実装することの技術的意義]
上述したように、磁性シート及び均熱シートは一体の層(隣接した層)として形成されることにより、設計当所から磁性シート及び均熱シートを一体化した状態でコイルの共振周波数の設計を行っているため(すなわち、均熱シートの影響を折り込み済みで、コイルの巻き数が決定される)、従来、設計後のコイルを実際にモバイル機器に組み込んだときに発生する共振周波数のずれを修正するよう再度チューニングを要していたが、本発明に係るアンテナシートは、磁性シート及び均熱シートという強いシールド部材を考慮した設計がなされるため、バッテリーや機器筐体内の他の部品などからの悪影響を略なくすことができ、組み込み後のチューニングを要することなく当所設計仕様通りの性能を発揮させることができる。
図13(A)に、本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナをモバイル機器に適用した例を示す。図13(B)は、図13(A)における非接触充電装置用アンテナの詳細構成図である。図13(A)において、モバイル機器の筐体1301表面のディスプレイ部1302及びボタン操作部1303の下部にメイン基板1304が実装されており、このメイン基板1304に2カ所のヒートスポットHS1及びHS2が発生している。メイン基板1304の下部には二次電池(バッテリ)1305が配置されており、まずは、メイン基板1304のヒートスポットHS1からの熱伝導を遮蔽するように均熱シート1307が設けられ、二次電池1305の下部には、本発明の一実施形態にかかる非接触充電装置用アンテナ1306が配置される。
図13(B)において、非接触充電装置用アンテナ1306は、更に詳細には、受信コイル(状アンテナ)13061と、基材13062と、磁性シート13064と、均熱シート13066とからなる。より詳細には、受信コイル13061から最も遠い層から順に、図中、均熱シート13066の直下に磁性シート13064が接着剤13065で接着され、磁性シート13064の直下に基材13062が接着剤13063で接着され、基材13062の直下に受信コイル(状アンテナ)13061がエッチング等により形成されて構成される。
100 非接触充電装置
101 給電シート(給電用アンテナシート)
1011、1021、1031、202、282a、282b 基材
1012、255 給電コイル(給電コイル状アンテナ)
102、200 受信シート(受信用アンテナシート)
1022、201 受信コイル(受信コイル状アンテナ)
103 共振シート(共振用アンテナシート)
1032、251 共振コイル(共振コイル状アンテナ)
203 接着剤
204、204a、204b 磁性シート

Claims (13)

  1. 送信側装置の送信側共振器又は受信側装置の受信側共振器として使用される、非接触型充電装置用アンテナシートであって、
    共振コンデンサの容量をCとしたとき、共振周波数fで共振するようなピックアップコイルとして機能するコイル状のアンテナが基材上に形成され、
    前記基材の前記コイル状のアンテナとは反対側に磁性シートが貼着され、
    前記磁性シートを前記基板とで挟み込むように前記磁性シートに均熱シートが貼着されたことを特徴とするアンテナシート。
  2. 前記共振周波数fは、13.56MHzであり、
    前記送信側共振器の共振コンデンサの容量は、1〜5pFであり、前記受信側共振器の共振コンデンサの容量は、70〜100pFであることを特徴とする請求項1に記載のアンテナシート。
  3. 前記共振周波数fは、6.78MHzであり、
    前記送信側共振器の共振コンデンサの容量は、8〜20pFであり、前記受信側共振器の共振コンデンサの容量は、70〜120pFであることを特徴とする請求項1に記載のアンテナシート。
  4. 前記磁性シートは、コイル状の前記アンテナの外周を覆うように前記基材に貼付されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナシート。
  5. 前記磁性シートは、コイル状の前記アンテナの形状に合わせて中抜き環状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンテナシート。
  6. 前記磁性シート層の厚みは、10〜500μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンテナシート。
  7. 第1の磁性シート上に第1の基材が接着剤で接着され、第1の基材上に共振コイルが形成され、前記接着剤には給電コイルに埋設された送信側アンテナシートと、
    第2の磁性シート上に第2の基材が接着剤で接着され、第2の基材上に受信コイルが形成され、
    前記受信側アンテナシートは、前記第2の磁性シートを前記第2の基材とで挟み込むように前記第2の磁性シートに均熱シートが貼着されてなる受信側アンテナシートと
    を備えたことを特徴とする非接触充電装置。
  8. 前記共振コイル及び受信コイルの共振周波数は、13.56MHzであり、
    前記送信側アンテナシートの共振コンデンサの容量は、1〜5pFであり、前記受信側アンテナシートの共振コンデンサの容量は、70〜100pFであることを特徴とする請求項7に記載の非接触充電装置。
  9. 前記共振コイル及び受信コイルの共振周波数は、6.78MHzであり、
    前記送信側アンテナシートの共振コンデンサの容量は、8〜20pFであり、前記受信側アンテナシートの共振コンデンサの容量は、70〜120pFであることを特徴とする請求項7に記載の非接触充電装置。
  10. 前記第2の磁性シートは、コイル状の前記アンテナの外周を覆うように前記第2の基材に貼付されたことを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の非接触充電装置。
  11. 前記第2の磁性シートは、コイル状の前記アンテナの形状に合わせて中抜き環状であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の非接触充電装置。
  12. 前記第2の磁性シート層の厚みは、10〜500μmであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の非接触充電装置。
  13. 前記第1の磁性シート及び接着剤に開けられた穴から突出した外部接続用端子を備えたことを特徴とする請求項7〜12のいずれか1項に記載の非接触充電装置。
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