JP2015047650A - 加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】保持面を汚すことなく、オペレーターがいなくても自動でセットアップ作業をできるようにする。
【解決手段】発光部61が+Y方向へレーザ光70を放射し、受光部62はレーザ光70が測定対象物に反射した反射光を受光する。分割器64は、レーザ光70を−Z方向と+Z方向とに分割し、演算部は、測定対象物にレーザ光70が反射した反射点72,74と発光部61との間の距離を算出する。算出部は、−Z方向へ向かうレーザ光が保持面121に反射することにより算出された距離z2=x2+y2と、+Z方向へ向かうレーザ光がバイト工具30の先端に反射することにより算出された距離z1=x1+y1との和z3=z1+z2から、発光部61から反射点71までの距離x1と、発光部61から反射点73までの距離x2との和x3=x1+x2を差し引いた差を算出することにより、保持面121とバイト工具30の先端との間の距離を算出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、板状ワークを加工する加工装置に関する。
保持テーブルの保持面に保持された板状ワークを加工具により加工する加工装置では、加工具の先端が保持面に接触する高さを基準として、加工具の高さを調整して加工を行っている。加工の基準となる高さを求めるいわゆるセットアップの方式には、加工具を高さ方向に移動させる移動手段により加工具を保持面に接近させ、加工具の先端が保持面に接触したことを検出し、そのときの移動手段の送り量に基づいて、基準となる高さを求める方式がある(例えば、特許文献1参照)。
しかし、加工具を保持面に直接接触させると、保持面に傷がつく場合がある。このため、押し下げられたことを認識するタッチセンサを保持テーブルの保持面に載置し、移動手段により加工具を保持面に接近させ、加工具の先端がタッチセンサに接触したことを検出し、そのときの移動手段の送り量に基づいて、基準となる高さを求める方式も提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、バイト工具を保持面と平行な平面内で回転させることにより加工をする加工装置(例えば、特許文献3参照)においても、同様のセットアップが行われる。
特開2000−15626号公報 特開2001−1261号公報 特開2009−172723号公報
しかし、タッチセンサを保持面に載置すると、保持面が汚れる場合がある。また、バイト工具によりバイト加工をする加工装置の場合、バイト工具の先端を手動でタッチセンサの真上に位置付ける必要がある。このため、オペレーターが必要となり、セットアップ作業を自動化することができない。
本発明は、このような事情にかんがみなされたもので、保持面を汚すことなく、オペレーターがいなくても自動でセットアップ作業をできるようにすることを目的とする。
本発明に係る加工装置は、保持面に板状ワークを保持する保持テーブルと、該保持テーブルに保持された板状ワークを旋削するバイト工具が回転可能に装着される旋削手段と、該旋削手段を該保持テーブルの保持面に接近及び離間させる移動手段と、該保持テーブルを該保持面に平行な方向に移動させる旋削送り手段と、該保持面と該バイト工具の先端との間の距離を測定する測定手段と、を備えた加工装置において、該測定手段は、該保持面に対して平行な方向へ向けてレーザ光を放射する発光部と、該レーザ光が測定対象物に反射した反射光を受光する受光部と、該発光部が放射したレーザ光を該保持面に対して垂直な第1方向へ向かうレーザ光と該第1方向とは反対の第2方向へ向かうレーザ光とに分割する分割器と、を備える測定部と、該測定部を移動させる位置付け部と、該受光部が受光した反射光に基づいて、該測定対象物に該レーザ光が反射した反射点と該発光部との間の距離を算出する演算部と、該発光部から放射され該分割器において該第1方向へ向かったレーザ光が該保持面において反射することにより算出された該発光部から該保持面までの距離と、該発光部から放射された該分割器において該第2方向へ向かったレーザ光が該バイト工具の先端において反射することにより算出された該発光部から該バイト工具の先端までの距離との和から、該発光部から該分割器内で該レーザ光が該第1方向へ方向を変えた位置までの距離と該発光部から該分割器内で該レーザ光が該第2方向へ方向を変えた位置までの距離との和を差し引いた差を算出することにより、該保持面と該バイト工具の先端との間の距離を算出する算出部と、を備える。
本発明に係る加工装置によれば、算出部によって保持面とバイト工具の先端との間の距離を正確に測定することができるので、バイト工具の先端を保持面やタッチセンサに接触させることなく、加工の基準となる高さを求めることができる。したがって、保持面にタッチセンサを載置する必要がないので、保持面が汚れるのを防ぐことができる。また、バイト工具の先端を手動で位置付ける必要がないので、オペレーターがいなくても自動でセットアップ作業をすることができる。
加工装置を示す正面視断面図。 レーザ光の経路を示す正面図。 演算部が算出する距離を示すグラフ。 別の加工装置を示す正面視断面図。
図1に示す加工装置10は、基台11と、XY平面に平行な保持面121にウェーハなどの板状ワークを保持する保持テーブル12と、保持テーブル12に保持された板状ワークを旋削するバイト工具30が装着される旋削手段13と、旋削手段13を±Z方向に移動させて保持テーブル12の保持面121に接近及び離反させる移動手段14と、保持テーブル12を保持面121に平行な±X方向に移動させる旋削送り手段15と、保持面121とバイト工具30の先端との間の距離を測定する測定手段16とを備えている。
旋削手段13は、バイト工具30が装着されるバイトホイール131と、±Z方向に平行な回転軸139を中心としてバイトホイール131を回転させるモータなどの回転手段132とを備える。バイト工具30は、側部が傾斜し、下端が尖った形状となっている。
測定手段16は、レーザ光70を放射し反射光を受光する測定部160と、測定部160をXY平面内で移動させる位置付け部165と、レーザ光70が測定対象物において反射した反射点までの距離を算出する演算部167と、演算部167が算出した距離に基づいて保持面121とバイト工具30の先端との間の距離を算出する算出部168とを備える。
位置付け部165は、回転軸169を中心として測定部160を回動させる挿入手段65と、挿入手段65を±Y方向に移動させる進退手段66とを備えている。挿入手段65は、測定部160を回動させることにより、保持面121の上方に測定部160を位置付けるとともに、保持面121の上方から測定部160を退避させることができる。また、挿入手段65が進退手段66によって±Y方向に移動するのに伴い、測定部160も±Y方向に移動する。
測定部160は、±Z方向に対して垂直な方向(保持面121に平行な方向)にレーザ光70を放射する発光部61と、発光部61が放射したレーザ光70が測定対象物に反射した反射光を受光する受光部62と、発光部61が放射したレーザ光70を−Z方向(第1方向)へ向かうレーザ光と+Z方向(第2方向)へ向かうレーザ光とに分割する分割器64と、分割器64を発光部61から所定の距離離れた位置に配置する梁部63とを備えている。
発光部61が放射したレーザ光70が測定対象物に当たると、レーザ光70が拡散反射する。受光部62は、例えば複数の受光素子が±X方向に並んで配置された一次元イメージセンサを備え、XY平面内で発光部61から少し離れた位置に配置されている。受光部62においては、三角測量を応用した方式により、発光部61から反射点までの距離に応じて、受光する反射光の強度が最大になる受光素子が変化する構成となっている。これにより、発光部61から反射点までの距離を求めることができる。
分割器64は、入射したレーザ光の一部を正反射し一部を透過するビームスプリッター641と、入射したレーザ光を正反射するミラー642とを備えている。ビームスプリッター641は、いわゆるハーフミラーであり、反射面が平面であり45度の角度で斜め上向きに配置され、発光部61が放射したレーザ光70の一部を+Z方向へ反射し、+Z方向に位置する測定対象物に反射した反射光の一部を受光部62の方向へ反射する。ミラー642は、反射面が平面であり、45度角度で斜め下向きに配置され、ビームスプリッター641を透過したレーザ光70を−Z方向へ反射し、−Z方向に位置する測定対象物に反射した反射光を受光部62の方向へ反射する。この光の一部がビームスプリッター641を透過して、受光部62に到達する。
演算部167は、上述した原理に基づいて、発光部61から反射点までの距離を算出する。ここで、発光部61が放射したレーザ光70が分割器64で2つに分割されているので、2種類の反射光が受光部62に到達する。このため、演算部167は、一回の測定で2つの距離を算出する。
図2に示すように、発光部61が放射したレーザ光70の一部は、ビームスプリッター641で正反射し、分割器64から見て+Z方向に存在するバイト工具30などの測定対象物に当たって拡散反射する。このため、演算部167は、発光部61からビームスプリッター641における反射点71までの距離x1と、ビームスプリッター641における反射点71から測定対象物における反射点72までの距離y1との合計値z1=x1+y1を、測定対象物までの距離として算出する。
また、発光部61が放射しビームスプリッター641を透過したレーザ光は、ミラー642で正反射し、分割器64から見て−Z方向に存在する保持面121などの測定対象物に当たって拡散反射する。このため、演算部167は、発光部61からミラー642における反射点73までの距離x2と、ミラー642における反射点73から測定対象物における反射点までの距離y2との合計値z2=x2+y2を、測定対象物までの距離として算出する。
算出部168は、演算部167が算出した2つの距離z1,z2に基づいて、保持面121とバイト工具30の先端との間の距離y3を算出する。距離y3は、2つの距離y1,y2の合計値y1+y2と等しい。
発光部61からビームスプリッター641における反射点までの距離x1は、測定部160の構造によって定まる一定の値である。発光部61からミラー642における反射点までの距離x2も、同様に、測定部160の構造によって定まる一定の値である。算出部168は、2つの距離x1,x2の合計値x3=x1+x2を、あらかじめ記憶しておく。
算出部168は、分割器64が分割したレーザ光がバイト工具30の先端に当たったときに算出された2つの距離z1,z2を合計した距離z3=z1+z2を算出する。z1=x1+y1、z2=x2+y2であるから、z3=x1+x2+y1+y2である。算出部168は、算出した距離z3から、あらかじめ記憶している距離x3を差し引いた差z3−x3を算出する。x3=x1+x2であるから、z3−x3=y1+y2である。すなわち、算出部168が算出する差z3−x3は、バイト工具30の先端と保持面121との間の距離y3である。
次に、分割器64が分割したレーザ光がバイト工具30の先端に当たったことを検出する方式について説明する。
まず、バイト工具30の先端と保持面121との間に分割器64が入る余地がある所定の位置に、移動手段14が旋削手段13を移動させる。次に、挿入手段65が測定部160を回動させて、分割器64をバイトホイール131と保持面121との間に位置付ける。そして、回転手段132がバイトホイール131を回転させると同時に、進退手段66が測定部160を−Y方向(あるいは+Y方向)に少しずつ移動させながら、発光部61がレーザ光70を放射して、演算部167が2つの距離z1,z2を測定する。
図3に示すように、演算部167は、2つの距離81,82を算出する。
距離82は、上述した距離z2、すなわち、発光部61からミラー642における反射点73までの距離x2と、ミラー642における反射点73から保持面121における反射点までの距離y2との合計値である。進退手段66が測定部160を移動させても、測定部160の±Z方向における位置は変わらず、保持面121はXY平面に平行であるため、距離82は、一定である。
一方、距離81は、上述した距離z1、すなわち、発光部61からビームスプリッター641における反射点71までの距離x1と、ビームスプリッター641における反射点71から測定対象物における反射点72までの距離y1との合計値である。バイトホイール131の回転や、測定部160の移動により、分割器64の+Z方向における反射点が変化するので、距離81は、時間の経過とともに変化する。
例えば、分割器64の±Y方向における位置がバイトホイール131の回転軸139に近すぎると、バイトホイール131を回転させても、分割器64から+Z方向に放射されたレーザ光は、バイト工具30に当たらず、バイトホイール131の下面(−Z方向の側の面)に当たる。進退手段66が測定部160を−Y方向に移動させることにより、分割器64から+Z方向に放射されたレーザ光がバイト工具30に当たる位置まで来ると、バイトホイール131の回転によりバイト工具30が分割器64の真上を横切った間だけ、分割器64から+Z方向に放射されたレーザ光がバイト工具30に当たり、距離81が小さくなる。
バイト工具30の先端は、バイト工具30のなかで最も−Z方向に位置するので、分割器64から+Z方向に放射されたレーザ光がバイト工具30の先端に当たったとき、距離81は最も小さくなる。したがって、距離81が最小値811になったときが、分割器64から+Z方向に放射されたレーザ光がバイト工具30の先端に当たったときである。
このように、回転手段132がバイトホイール131を回転させるのと並行して、位置付け部165が測定部160を少しずつ移動させて、スキャンすることにより、バイト工具30の先端を自動的に見つけることができる。
算出部168は、距離81の最小値811と、そのときの距離82とを合計し、算出した合計z3から、発光部61からビームスプリッター641における反射点71までの距離x1と発光部61からミラー642における反射点73までの距離x2との合計x3を差し引くことにより、バイト工具30の先端と保持面121との間の距離y3を算出することができる。
このように、レーザ式距離測定によって測定した距離に基づいて、保持面121とバイト工具30の先端との間の距離y3を算出するので、保持面121とバイト工具30の先端との間の距離y3を正確に算出することができる。そして、この距離y3が所望の値となるように、移動手段14が旋削手段13の±Z方向の位置を制御することにより、バイト工具30を所望の±Z方向の位置に位置付けて保持手段12に保持された被加工物を加工することができる。
また、発光部61が放射したレーザ光70を、分割器64によって2つに分割することにより、保持面121までの距離と、バイト工具30の先端までの距離とを、1つの測定部160で同時に測定することができる。これにより、加工装置10の部品点数を減らすことができるので、加工装置10を小型化し、製造コストを削減し、信頼性を向上することができる。
ビームスプリッター641やミラー642は、反射面が平面であり、入射した光の少なくとも一部を正反射するものである。このため、発光部61が放射したレーザ光70の経路に、ビームスプリッター641やミラー642があっても、レーザ式距離測定の正確性を損ねることはなく、発光部61から、ビームスプリッター641やミラー642によって形成された保持面121やバイト工具30の鏡像までの距離を正確に測定することができる。
図4に示した加工装置10Aは、上述した加工装置10の分割器64を、分割器64Aに変更したものである。分割器64Aは、分割器64と同様、入射したレーザ光の一部を正反射し、一部を透過するビームスプリッター641と、入射したレーザ光を正反射するミラー642とを備える。
ビームスプリッター641は、分割器64のビームスプリッター641とは異なり、反射面が45度の角度で斜め下向きに配置され、発光部61が放射したレーザ光70の一部を−Z方向へ反射し、−Z方向に位置する測定対象物に反射した反射光の一部を受光部62の方向へ反射する。一方、ミラー642は、分割器64のミラー642と異なり、45度の角度で斜め上向きに配置され、ビームスプリッター641を透過したレーザ光70を+Z方向へ反射し、+Z方向に位置する測定対象物に反射した反射光を受光部62の方向へ反射する。この光の一部がビームスプリッター641を透過して、受光部62に到達する。
分割器64Aがこのような構成である場合、ビームスプリッター641で反射したレーザ光により保持面121までの距離が測定され、ビームスプリッター641を透過したレーザ光によりバイト工具30の先端までの距離が測定される。加工装置10Aは、この点において上述した加工装置10と異なっているが、演算部167が算出した2つの距離から、算出部168が、保持面121とバイト工具30の先端との間の距離を算出するやり方は、上述した加工装置10と同じでよい。すなわち、算出部168は、演算部167が算出した2つの距離のうち、変動の大きいほうの最小値を求め、そのときの2つの距離の合計に基づいて、保持面121とバイト工具30の先端との間の距離を算出する。
このように、分割器は、発光部61が放射したレーザ光70を、保持面121に対して垂直な−Z方向へ向かうレーザ光と、それとは反対の+Z方向へ向かうレーザ光とに分割する構成であればよい。
なお、発光部61及び受光部62は、図1及び図4に示した回転軸169に近い位置に配置されている必要はなく、梁部63の中央付近や、分割器64に近い位置に配置されている構成であってもよい。
10 加工装置、11 基台、12 保持テーブル、121 保持面、
13 旋削手段、131 バイトホイール、132 回転手段、139 回転軸、
14 移動手段、15 旋削送り手段、
16 測定手段、160 測定部、169 回転軸、
61 発光部、62 受光部、63 梁部、64 分割器、
641 ビームスプリッター、642 ミラー、
165 位置付け部、65 挿入手段、66 進退手段、
167 演算部、168 算出部、
30 バイト工具、
70 レーザ光、71〜74 反射点、81,82 距離、811 最小値

Claims (1)

  1. 保持面に板状ワークを保持する保持テーブルと、
    該保持テーブルに保持された板状ワークを旋削するバイト工具が回転可能に装着される旋削手段と、
    該旋削手段を該保持テーブルの保持面に接近及び離間させる移動手段と、
    該保持テーブルを該保持面に平行な方向に移動させる旋削送り手段と、
    該保持面と該バイト工具の先端との間の距離を測定する測定手段と、
    を備えた加工装置において、
    該測定手段は、
    該保持面に対して平行な方向へ向けてレーザ光を放射する発光部と、該レーザ光が測定対象物に反射した反射光を受光する受光部と、該発光部が放射したレーザ光を該保持面に対して垂直な第1方向へ向かうレーザ光と該第1方向とは反対の第2方向へ向かうレーザ光とに分割する分割器と、を備える測定部と、
    該測定部を移動させる位置付け部と、
    該受光部が受光した反射光に基づいて、該測定対象物に該レーザ光が反射した反射点と該発光部との間の距離を算出する演算部と、
    該発光部から放射され該分割器において該第1方向へ向かったレーザ光が該保持面において反射することにより算出された該発光部から該保持面までの距離と、該発光部から放射された該分割器において該第2方向へ向かったレーザ光が該バイト工具の先端において反射することにより算出された該発光部から該バイト工具の先端までの距離との和から、該発光部から該分割器内で該レーザ光が該第1方向へ方向を変えた位置までの距離と該発光部から該分割器内で該レーザ光が該第2方向へ方向を変えた位置までの距離との和を差し引いた差を算出することにより、該保持面と該バイト工具の先端との間の距離を算出する算出部と、
    を備える、加工装置。
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