JP2015045074A - チタン合金多孔体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属多孔体であって、従来に比べて濾過性、耐食性、および耐変形能に優れた金属多孔体のおよび同多孔体の製法を提供する。【解決手段】フィルター用の金属多孔体であって、チタン合金の繊維を含む材料で構成されており、薄板状であることを特徴とするチタン合金多孔体。長さが2mm〜5mm、太さが10μm〜50μmで断面が球状もしくは多角形(断面が多角形の場合、太さは真円形状に換算した値)のチタン合金繊維を成形し、これを焼結することを特徴とするチタン合金多孔体の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、チタン合金製の多孔体に係るもので、特にフィルターとして好適なチタン合金多孔体に係るものである。
金属多孔体は、従来、フィルター材や医療用材料として好適に使用されてきている。この中でも、流体中に含まれる不純物を効率よく濾過できるようなフィルターが望まれている。
例えば、高分子工業では、高粘度ポリマーやモノマーあるいはオリゴマー中のゲルを金属多孔体で事前に分離する操作が行われている(例えば、特許文献1参照)。前記した金属多孔体のフィルター材は、確かに高い粘度を有するポリマー中の不純物を精密に分離するには好適であるものと推察さる。
しかしながら、このようなフィルターを構成する具体的な内部構造に係る記載がなく実施をする上で解決すべき課題が残されているように思われる。
一方、食品業界においては、醤油や酢あるいはビールといった発酵食品においは、粘度や塩分や酸性が高く、これらの食品中の不純物を効果的に濾過する技術が求められている。これらのフィルターは、セラミックやステンレス製繊維で構成したフィルター材が知られている。
しかしながら、耐久性という点では、ステンレスでは不十分であることや、セラミック製では、過度な応力が加わると、破損する場合がありこの点でも耐久性が求められている。
また、他の機能性濾過材としては、例えば、セルロース繊維で構成したフィルターが知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このような有機繊維で構成したフィルター材は、濾過処理の速度を高めるべく高い圧力を流体に印加させることが必要になるが、その際にフィルター中の空隙がつぶれてしまい、濾過できなくなる場合があり改善が求められている。
このように、高粘度のポリマーや発酵食品の精製工程において使用される環境下にておいて、前記濾過効率を効果的に利用できるフィルターが求められている。
このような状況において、フィルターを通過させる流体の速度を高めることにより、流体の処理速度を高めることができるが、前記流体の流れを高めると、フィルター材に及ぼす応力が増加し、その結果、フィルター材に高い応力が印加された結果、フィルター材が変形したり、変形によりフィルターが潰れて目詰まりしたりして、効率の良い濾過作業を進めることができない、という新たな課題が生起される。
このように高速で効率良く流体を流した場合に、所望の空隙率を有しながらも、フィルターの目詰まりが少なく、また、その場合のフィルターの変形を起こさず、かつ耐食性をも有するフィルターに好適な多孔体が求められている。
本発明は、金属多孔体であって、従来に比べて濾過性、耐食性、および耐変形能に優れた金属多孔体のおよび同多孔体の製法の提供を目的とする。
かかる実情に鑑み前記課題について鋭意検討を進めたところ、チタン焼結体を製造する際に、チタン合金繊維を配合し、かつ、製造された焼結体の空隙率を65〜95%とし、更に、同焼結体の通気抵抗を1.5〜20Pa・s/mとすることにより、濾過抵抗に優れ、かつ、濾過に必要な圧力差が小さくても十分な濾過性能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係るチタン多孔体は、多孔体が、チタン合金の繊維を含む材料で構成されており、薄板状であることを特徴とするものである。
本発明においては、前記チタン合金が、アルミニウム、バナジウム、鉄、モリブデン、クロムのいずれか1種以上の元素を含んでいることを好ましい態様とするものである。
本発明においては、前記チタン合金多孔体に係る空隙率が、65%〜95%の範囲とすることを好ましい態様とするものである。
本発明においては、前記チタン合金多孔体に係る通気抵抗が、1.5〜20Pa・s/mの範囲とすることを好ましい態様とするものである。
本発明においては、前記チタン多孔体の通気抵抗Xと空隙率Yとの関係が、次式で表現できることを好ましい態様とするものである。
Y=a1・X+b1(空隙率65〜90%)…(1)
Y=a2・X+b2(空隙率90〜95%)…(2)
ここで、Yは通気抵抗、Xは空隙率、a1、b1、a2、b2は以下に示す定数である。
a1=−0.27〜−0.67
b1=−26.5〜63.0
a2=−0.04〜−0.12
b2=5.6〜13.6
Y=a1・X+b1(空隙率65〜90%)…(1)
Y=a2・X+b2(空隙率90〜95%)…(2)
ここで、Yは通気抵抗、Xは空隙率、a1、b1、a2、b2は以下に示す定数である。
a1=−0.27〜−0.67
b1=−26.5〜63.0
a2=−0.04〜−0.12
b2=5.6〜13.6
本発明においては、前記チタン合金繊維の長さが2mm〜5mm、太さが10μm〜50μmで断面が球状もしくは多角形(断面が多角形の場合、太さは真円形状に換算した値)であることを好ましい態様とするものである。
本発明においては、前記チタン多孔体の抗折力が8MPa〜100MPaであることを好ましい態様とするものである。
本発明においては、チタン多孔体の空隙率と抗折力の関係が、次式で表現できることを好ましい態様とするものである。
(抗折力)=C・FCP(空隙率)…(3)
ここで、FCP(空隙率)は、工業用純チタンの抗折力が空隙率の関数で示されることを示す数式、Cは2.0〜3.5の定数である。
(抗折力)=C・FCP(空隙率)…(3)
ここで、FCP(空隙率)は、工業用純チタンの抗折力が空隙率の関数で示されることを示す数式、Cは2.0〜3.5の定数である。
また、本発明のチタン合金多孔体の製造方法は、長さが2mm〜5mm、太さが10μm〜50μmで断面が球状もしくは多角形(断面が多角形の場合、太さは真円形状に換算した値)のチタン合金繊維を成形し、これを焼結することを特徴とするものである。
上記したような前記多孔体を、粘性の高い食品の分離精製やポリマーの分離に対して効率よく分離することができる、という効果を奏するものである。
本発明の最良の実施形態について以下に詳細に説明する。
本発明に係るチタン多孔体は、フィルター用の多孔体であって、特に、前記多孔体がチタン合金の繊維を含む材料で構成されており、薄板状であることを好ましい態様とするものである。
本発明に係るチタン多孔体は、フィルター用の多孔体であって、特に、前記多孔体がチタン合金の繊維を含む材料で構成されており、薄板状であることを好ましい態様とするものである。
ここでいうところの「薄板状」とは、3次元方向に顕著な大きさを有するものではなく、2次元方向に延在することをいい、具体的には、厚みを1〜20mmの範囲とすることを好ましい態様とするものである。
前記した範囲の薄板状に加工することにより、目的とする形状の装置に組み込むことができるのみならず、高粘度の流体を通過させた場合においても、流通抵抗が小さく、その結果、高速で高粘度の流体を濾過処理させることができる、という効果を奏するものである。
本発明に係るチタン合金多孔体の製造原料である繊維においては、その長さが、2〜5mm、太さが10〜50μmで、断面が球状もしくは多角形のものを使用することを、好ましい態様とするものである。
前記したような態様のチタン繊維を使用することにより、再現性よく本発明に係るチタン合金多孔体を構成することができる、という効果を奏するものである。
本発明に係るチタン合金多孔体は、チタンを主成分とし、さらにアルミニウム、バナジウム、鉄、モリブデン、クロムのいずれか1種以上の合金元素を含んでいることを好ましい態様とするものである。前記したような元素を含む合金としては、Ti−6Al−4Vが好ましいが、その他の合金で構成してもよい。
前記したようなチタン合金は、比強度が高いため従来の材料に比べて薄い形状に構成することできる、という効果を奏するものである。また、その結果、フィルターの厚みを薄くすることができ、その結果、流通抵抗の小さいフィルター材を構成することができ、しかも流体から受ける応力によっても変形しない耐変形能および流体成分に対する耐食性を有する、という効果を奏するものである。
更には、本発明に係るチタン多孔体に係る空隙率を65〜95%の範囲とすることを好ましい態様とするものである。
前記したような空隙率とすることにより、1〜100Pa・sのような高粘度の流体を濾過する場合においても、効率的に濾過することできる、という効果を奏するものである。
また、本発明に係るチタン多孔体の通気抵抗、1.5〜20Pa・s/mの範囲とすることを好ましい態様とするものである。
前記した範囲の通気抵抗を持たせることにより、特に高分子ポリマー中のゲルを分離する場合、あるいは、醤油や酢のような発酵食品の精製の際にも、低い圧力差でもって、効率よく濾過することができる、という効果を奏するものである。
本発明においては、前記チタン多孔体においては、空隙率Xと通気抵抗Yとの関係が、次式で表現できることを好ましい態様とするものである。
Y=a1・X+b1(空隙率65〜90%)…(1)
Y=a2・X+b2(空隙率90〜95%)…(2)
ここで、Yは通気抵抗、Xは空隙率、a1、b1、a2、bB2は以下に示す定数である。
a1=−0.27〜−0.67
b1=−26.5〜63.0
a2=−0.04〜−0.12
b2=5.6〜13.2
Y=a1・X+b1(空隙率65〜90%)…(1)
Y=a2・X+b2(空隙率90〜95%)…(2)
ここで、Yは通気抵抗、Xは空隙率、a1、b1、a2、bB2は以下に示す定数である。
a1=−0.27〜−0.67
b1=−26.5〜63.0
a2=−0.04〜−0.12
b2=5.6〜13.2
上記の関係は、本発明を完成する過程で、試験データを解析する中で、導き出されたものである。よって、本発明においては、前記したような関係を利用することにより、目的とする空隙率に対応した空隙率をもった多孔体を構成することにより、所定の流通抵抗を持ったチタン合金多孔体を構成することができる、という効果を奏するものである。
本発明に係るチタン多孔体の抗折力は、8MPa〜100MPaであることを好ましい態様とするものである。
また、チタン多孔体の空隙率と抗折力の関係が、次式で表現できることを好ましい態様とするものである。
(抗折力)=C・FCP(空隙率)…(3)
ここで、FCP(空隙率)は、工業用純チタンの抗折力が空隙率の関数で示されることを示す数式、Cは2.0〜3.5の定数である。
(抗折力)=C・FCP(空隙率)…(3)
ここで、FCP(空隙率)は、工業用純チタンの抗折力が空隙率の関数で示されることを示す数式、Cは2.0〜3.5の定数である。
よって、本発明において、求められる抗折力および通気抵抗に対応した空隙率を有する多孔体を形成させることにより、所望の通気抵抗および抗折力を有した多孔体を製造することができる、という効果を奏するものである。
以上述べたように、本発明に係るチタン多孔体は、腐食性が高く、かつ、粘度の高い食品の精製処理や、高分子ポリマー中の不純物の分離除去に対して、好適に適用することができる、という効果を奏するものである。
以下、実施例および比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定されない。
実施例で使用した設備および条件を以下に列記する。
1.チタン繊維
1)材質:チタン合金(※)、チタン
※チタン合金の組成 : Ti−6wt%Al−4wt%V
2)線径:10〜50μm
3)長さ:2mm〜5mm
2.焼結方法
1)焼結温度:800〜1200℃
2)焼結雰囲気:減圧雰囲気またはアルゴンガス雰囲気
3)焼結時間:1〜10Hr
3.抗折力の測定
1)試験機:万能型精密試験(島津製作所製、オートグラフAG−10XP PLUS)
実施例で使用した設備および条件を以下に列記する。
1.チタン繊維
1)材質:チタン合金(※)、チタン
※チタン合金の組成 : Ti−6wt%Al−4wt%V
2)線径:10〜50μm
3)長さ:2mm〜5mm
2.焼結方法
1)焼結温度:800〜1200℃
2)焼結雰囲気:減圧雰囲気またはアルゴンガス雰囲気
3)焼結時間:1〜10Hr
3.抗折力の測定
1)試験機:万能型精密試験(島津製作所製、オートグラフAG−10XP PLUS)
[実施例1]
上記チタン合金繊維を用いて焼結後、厚み5mm、幅100mm、長さ100mmのフィルターを製造した。同フィルターの抗折力を標記試験機を使用して測定した。測定された抗折力は、8〜100MPaの範囲にあった。
上記チタン合金繊維を用いて焼結後、厚み5mm、幅100mm、長さ100mmのフィルターを製造した。同フィルターの抗折力を標記試験機を使用して測定した。測定された抗折力は、8〜100MPaの範囲にあった。
[比較例1]
実施例1において、チタン合金繊維に代えて、純チタン繊維を使用した以外は、同じ条件下にて製造されたフィルターを製造して、その時の抗折力を測定した。測定された抗折力は、1.0〜7.0MPaの範囲にあった。
実施例1において、チタン合金繊維に代えて、純チタン繊維を使用した以外は、同じ条件下にて製造されたフィルターを製造して、その時の抗折力を測定した。測定された抗折力は、1.0〜7.0MPaの範囲にあった。
[実施例2]
上記チタン合金繊維を用いて厚み5mm、幅100mm、長さ100mmのフィルター を製造した。上記フィルターを配管に装着して粘度50Pa・sの高分子ポリマーを前記配管内に流して、その時の流速と必要となる圧力差の関係を調査した。その結果を表1に示した。
上記チタン合金繊維を用いて厚み5mm、幅100mm、長さ100mmのフィルター を製造した。上記フィルターを配管に装着して粘度50Pa・sの高分子ポリマーを前記配管内に流して、その時の流速と必要となる圧力差の関係を調査した。その結果を表1に示した。
表1に示すように、1気圧の圧力差を印加し25m/秒の早い流速の場合も、問題なく高分子ポリマーの濾過を行うことが出来た。ここでの流速とは、1m2当たりのフィルターに対して、1秒間に通過させる流体の体積を意味する。単位(m/秒)としては、フィルターを通過する流体の線速度を意味する。
[実施例3]
実施例1と同じフィルターを配管に装着して、焼肉のたれの濾過を行った。その時の流速と必要となる圧力差の関係を調査した結果を表2が得られた。この焼肉のたれの粘度は、6Pa・sと見積もられた。焼肉のたれは塩分濃度が高く、ステンレスのフィルターでは腐食をおこすが、本発明のチタン合金フィルターでは、腐食現象は起きなかった。
実施例1と同じフィルターを配管に装着して、焼肉のたれの濾過を行った。その時の流速と必要となる圧力差の関係を調査した結果を表2が得られた。この焼肉のたれの粘度は、6Pa・sと見積もられた。焼肉のたれは塩分濃度が高く、ステンレスのフィルターでは腐食をおこすが、本発明のチタン合金フィルターでは、腐食現象は起きなかった。
[比較例2]
実施例2においてチタン合金繊維の替わりに、純チタン繊維を使用した焼結体を使用した以外は同じ条件下にて流速と圧力の関係を調査した。その結果、配管内を流通させる流体の流速が5m/秒を越えたところで流体ポンプの背圧が急に上昇したため、試験を中断した。配管内に装着しておいたフィルターの中央部が変形していることが確認された。
実施例2においてチタン合金繊維の替わりに、純チタン繊維を使用した焼結体を使用した以外は同じ条件下にて流速と圧力の関係を調査した。その結果、配管内を流通させる流体の流速が5m/秒を越えたところで流体ポンプの背圧が急に上昇したため、試験を中断した。配管内に装着しておいたフィルターの中央部が変形していることが確認された。
[実施例4]
太さφ10μm、長さ2mmのTi−6Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの、空隙率65%、80%、90%、95%時の通気抵抗を空隙率を横軸としてプロットすると、図1の直線Iが得られた。一方、太さφ50μm、長さ5mmのTi−6&Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの、空隙率65%、80%、90%、95%時の通気抵抗を空隙率を横軸としてプロットすると、直線IIが得られた。太さがφ10μm〜φ50μm、かつ長さが2mm〜5mmの合金繊維を原料として得られたチタン合金フィルターの通気抵抗は、全て直線Iと直線IIの間の領域であり、フィルターとしての機能を十分に発揮した。
太さφ10μm、長さ2mmのTi−6Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの、空隙率65%、80%、90%、95%時の通気抵抗を空隙率を横軸としてプロットすると、図1の直線Iが得られた。一方、太さφ50μm、長さ5mmのTi−6&Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの、空隙率65%、80%、90%、95%時の通気抵抗を空隙率を横軸としてプロットすると、直線IIが得られた。太さがφ10μm〜φ50μm、かつ長さが2mm〜5mmの合金繊維を原料として得られたチタン合金フィルターの通気抵抗は、全て直線Iと直線IIの間の領域であり、フィルターとしての機能を十分に発揮した。
[比較例3]
太さφ8μm、長さ1.5mmのTi−6Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの通気抵抗は、空隙率80%の場合、16Pa・s/m(☆マーク)であり、80%の空隙率に対しては通気抵抗が高すぎてフィルターとしての機能が十分でなかった。
太さφ8μm、長さ1.5mmのTi−6Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの通気抵抗は、空隙率80%の場合、16Pa・s/m(☆マーク)であり、80%の空隙率に対しては通気抵抗が高すぎてフィルターとしての機能が十分でなかった。
[比較例4]
太さφ60μm、長さ8mmのTi−6Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの通気抵抗は、空隙率80%の場合、2Pa・s/m(★マーク)であり、通気抵抗は十分であるが、目詰まりがすぐに発生し、フィルターとしての機能が十分でなかった。
太さφ60μm、長さ8mmのTi−6Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの通気抵抗は、空隙率80%の場合、2Pa・s/m(★マーク)であり、通気抵抗は十分であるが、目詰まりがすぐに発生し、フィルターとしての機能が十分でなかった。
[実施例5]
太さφ10〜50μm、長さ2〜5mmのTi−6Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの抗折力は、空隙率の関数として表現することができ、図2に示すとおりである。同様に、工業用純チタンの抗折力も、空隙率の関数として表現することができ、図2に同時に示した通りである。Ti−6Al−4V合金の抗折力と工業用純チタンの抗折力は、いずれも空隙率90%で異なる直線挙動を示す共通点があり、Ti−6Al−4V合金の抗折力は工業用純チタンの抗折力の2.0〜3.5倍である。
太さφ10〜50μm、長さ2〜5mmのTi−6Al−4%V合金繊維を原料として製造したチタン合金多孔体フィルターの抗折力は、空隙率の関数として表現することができ、図2に示すとおりである。同様に、工業用純チタンの抗折力も、空隙率の関数として表現することができ、図2に同時に示した通りである。Ti−6Al−4V合金の抗折力と工業用純チタンの抗折力は、いずれも空隙率90%で異なる直線挙動を示す共通点があり、Ti−6Al−4V合金の抗折力は工業用純チタンの抗折力の2.0〜3.5倍である。
本発明は、粘度の高い高分子ポリマーの精製や、醤油あるいは酢、焼肉のたれのような腐食性が強くかつ塩分濃度の高い流体中の固形分を効率よく分離除去することができる、という効果を奏するものである。
Claims (9)
- フィルター用の金属多孔体であって、前記多孔体が、チタン合金の繊維を含む材料で構成されており、薄板状であることを特徴とするチタン合金多孔体。
- 前記チタン合金が、アルミニウム、バナジウム、鉄、モリブデン、クロムのいずれか1種以上の元素を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金多孔体。
- 前記チタン合金多孔体に係る空隙率が、65%〜95%の範囲とすることを特徴とする請求項1または2記載のチタン合金多孔体。
- 前記チタン合金多孔体に係る通気抵抗が、1.5〜20Pa・s/mの範囲とすることを特徴とする請求項1または2記載のチタン合金多孔体。
- 前記チタン多孔体の空隙率Xと通気抵抗Yとの関係が、次式で表現できることを特徴とする請求項4に記載のチタン合金多孔体。
Y=a1・X+b1(空隙率65〜90%)…(1)
Y=a2・X+b2(空隙率90〜95%)…(2)
ここで、Yは通気抵抗、Xは空隙率、a1、b1、a2、b2は以下に示す定数である。
a1=−0.27〜−0.67
b1=−26.5〜63.0
a2=−0.04〜−0.12
b2=5.6〜13.6 - 前記チタン合金繊維の長さが2mm〜5mm、太さが10μm〜50μmで断面が球状もしくは多角形(断面が多角形の場合、太さは真円形状に換算した値)であることを特徴とする請求項1に記載のチタン合金多孔体。
- 前記チタン多孔体の抗折力が8MPa〜100MPaであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチタン合金多孔体。
- チタン多孔体の空隙率と抗折力の関係が、次式で表現できることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のチタン合金多孔体。
(抗折力)=C・FCP(空隙率)…(3)
ここで、FCP(空隙率)は、工業用純チタンの抗折力が空隙率の関数で示されることを示す数式、Cは2.0〜3.5の定数である。 - フィルター用の金属多孔体の製造方法であって、長さが2mm〜5mm、太さが10μm〜50μmで断面が球状もしくは多角形(断面が多角形の場合、太さは真円形状に換算した値)のチタン合金繊維を成形し、これを焼結することを特徴とするチタン合金多孔体の製造方法。
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