[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球(以下、遊技玉ともいう)を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示(変動)が行われる。よって、演出表示装置9は、識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、可変表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の中央には、下方向(演出表示装置9の画面上、つまり遊技者から見て演出表示装置9の画面の手前)に移動可能に構成された星形の役物200が設けられている。この役物200は、例えば役物落下演出(図示せず)が実行されているときに下方向に移動に移動することによって、役物落下演出が実効されていることを報知する役割を果たす。なお、役物200内部にはLED等が内蔵されており、役物200が移動(動作)しているときに点灯するように構成されている。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(例えば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯する表示器を1減らす。
この実施の形態では、特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態である時短状態(時間短縮状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなる(つまり、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。なお、この実施の形態では、所定の移行条件が成立した場合には、確変状態(つまり、通常状態および時短状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い遊技状態)かつ時短状態(つまり、通常状態および確変状態に比べて特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)である確変時短状態にも移行される。確変時短状態においても、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される。すなわち、遊技球が始動入賞しやすくなるように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。
上記のように、確変時短状態や時短状態において、可変入賞球装置15の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加されるが、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行制御することによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度がより一層高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数がより一層高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
なお、確変時短状態や時短状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、確変時短状態や時短状態において、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
また、プリペイド機能を備えるプリペイドカード等の遊技用記録媒体としての遊技用カードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示省略)。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホール管理用コンピュータ(ホールコンピュータ)等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、大当り(15ラウンド通常大当り、15ラウンド確変大当り、2ラウンド突然確変大当り)や小当り(小当りA〜C)が終了した後の遊技状態や、大当りや小当りが終了した後に実行される演出について説明する。
図4は、大当り種別および小当り種別と、時短の有無と、潜伏演出の内容および長変動タイミングとの関係を示す説明図である。また、図5は、潜伏モード中の大当り種別および小当り種別に応じた継続演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
図4に示すように、この実施の形態では、大当り種別として、「15ラウンドの通常大当り」と、「15ラウンドの確変大当り」と、「2ラウンドの突然確変大当り(以下、単に「突確」という場合がある。)」とが設けられている。
「15ラウンドの通常大当り」とは、大当り遊技状態において大入賞口を15回、所定期間(例えば29秒)開放し、大当り遊技が終了した後に遊技状態を低確率状態(大当り判定において大当りと決定する確率が低い遊技状態)に移行させるような大当りのことをいう。また、「15ラウンドの確変大当り」とは、大当り遊技状態において大入賞口を15回(つまり15ラウンド)、所定期間(例えば29秒)開放し、大当り遊技が終了した後に遊技状態を高確率状態(大当り判定において大当りと決定する確率が高い遊技状態。確変状態ともいう。)に移行させるような大当りのことをいう。また、「2ラウンド突然確変大当り」とは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技が終了した後の遊技状態を高確率状態(確変状態)に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。
また、図4および図5に示すように、この実施の形態では、小当り種別として、「小当りA」と、「小当りB」と、「小当りC」とが設けられている。
「小当り」とは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、例えば確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図4の「時短」の欄に示すように、15ラウンド確変大当り(図4中「15R確変」と示す)では、大当り遊技の終了後、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで、確変状態でありかつ時短状態である確変時短状態(高確高ベース状態)に制御される。また、15ラウンド通常大当り(図4中「15R通常」と示す)では、大当り遊技の終了後からの図柄の変動回数が100回に達するまで時短状態(低確高ベース状態)に制御される。なお、大当り遊技の終了後からの時短状態が継続可能な変動回数(100回)を時短回数という。また、突然確変大当り(図4中「突確」と示す)では、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変時短状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変時短状態(高確高ベース状態)に制御され、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が低ベース状態(通常状態または確変状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変状態(高確率状態であるが時短状態ではない遊技状態)に制御される。
また、小当りA〜Cでは、いずれも、小当りが発生したときの遊技状態を引き継ぐ(すなわち、小当りが発生したときの遊技状態が変化しない)。例えば、小当りが発生したときの遊技状態が通常状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は通常状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が確変時短状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は次回の大当りまで確変時短状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が確変状態であれば小当り遊技が終了した後の遊技状態は次回の大当りまで確変状態であり、小当りが発生したときの遊技状態が時短状態であれば小当り遊技の終了後から残り時短回数の変動が行われるまで遊技状態は時短状態である。
上述したように、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じであるので、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると(突然確変大当り遊技または小当り遊技が行われると)、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できない。従って、遊技者は突然確変大当りの発生によって高確率状態(確変状態や確変時短状態)に制御されたか、小当りの発生によって低確率状態(通常状態や時短状態)に制御されたか、について認識することができないので、突然確変大当りの遊技や小当りの遊技が終了した後の遊技状態を、確変状態が潜伏しているかもしれないとの期待を持たせる遊技状態である潜伏状態(潜伏モード)という。また、潜伏状態において実際は確変状態に制御されている場合(遊技機内部では遊技状態が確変状態に制御されている場合)は潜伏確変状態ともいう。
また、この実施の形態では、図4および図5に示すように、潜伏状態において演出図柄の変動中に実行する演出を「潜伏演出」という。「潜伏演出」は、現在の遊技状態を示唆する演出上のステージ1〜3に分けられている。「ステージ1〜3」の各々は、演出表示装置9の背景画像の種類・色、演出図柄の種類・形・色、変動音(変動中の効果音)、LED25,28a〜28cの点灯パターン、役物200の動き、あるいはそれらの組み合わせというような潜伏演出の演出態様を変化させることによって区分けされる。
「ステージ1」が最も高確率状態に移行している可能性が低いステージであり、「ステージ2」が「ステージ1」よりも高確率状態に移行している可能性が高いステージであり、「ステージ3」が最も高確率状態に移行している可能性が高いステージである。なお、「高確ステージ」は現在の遊技状態が高確率状態に移行していることを報知するステージであり、「通常ステージ」は現在の遊技状態が低確率状態に移行していることを報知するステージである。また、「低確高ベースステージ」は現在の遊技状態が低確率状態でかつ高ベース状態に移行していること(つまり時短状態に移行していること)を報知するステージである。なお、各ステージの具体的な表示例については後述する(図31参照)。
図4に示すように、15ラウンドの確変大当りの遊技が終了した後は、潜伏演出は実行されず(ステージ1に移行されず)、高確ステージに移行される。また、15ラウンドの通常大当りの遊技が終了した後も、潜伏演出は実行されず(ステージ1に移行されず)、低確高ベースステージに移行される。一方、図4および図5に示すように、突然確変大当りや小当りA〜Cの遊技が終了した後は、潜伏演出のステージ1に移行される。そして、突然確変大当りや小当りA〜Cの遊技の終了後の変動回数が10回毎に、潜伏状態(潜伏モード)が継続されるか否かを報知する継続演出を実行する。そして、継続演出において「成功(または継続)」が報知されたときは高確率状態に移行されている可能性の高いステージ(ステージ2,3など)に移行され、継続演出において「失敗(または終了)」が報知されたときは低確率状態に移行されていることを報知する通常ステージに移行される。また、継続演出において連続して3回「成功(または継続)」が報知されると、高確率状態に移行されていることを報知する高確ステージに移行される。なお、継続演出の具体例については後述する(図32参照)。
図4に示す「長変動タイミング」の欄には、継続演出が実行されるタイミング(突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後からの変動回数)を示している。なお、「長変動タイミング」とは、継続演出が実行可能な変動時間(例えば30秒以上)の変動パターンが選択されるタイミングのことを意味している。図4および図5に示すように、「突確」の場合は、突然確変大当り遊技の終了後から10変動目、20変動目および30変動目に継続演出が実行され、全ての継続演出において成功(継続)が報知されることによって高確ステージに移行される。「小当りA」の場合は、小当りAの遊技の終了後から10変動目、20変動目および30変動目に継続演出が実行され、最後の継続演出(30変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。「小当りB」の場合は、小当りBの遊技の終了後から10変動目および20変動目に継続演出が実行され、最後の継続演出(20変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。「小当りC」の場合は、小当りCの遊技の終了後から10変動目に継続演出が実行され、その継続演出において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。
図4に示すように、この実施の形態では、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、突確や小当りが発生した場合は滞在ステージ(現在実行中のステージ)を継続させるように制御する。例えば、小当りBの遊技の終了後におけるステージ2の実行中(例えば小当りBの遊技の終了後からの変動回数が15回目)に小当りAが発生した場合は、小当りAの遊技の終了後にステージ1から開始させるのではなく、滞在ステージであるステージ2を継続させる。この場合、小当りAが発生したタイミングはステージ2の途中(ステージ2に移行してから5変動目)であるが、小当りAの遊技の終了後にステージ2を最初から実行する(すなわち、ステージ2における1変動目からやり直す)。この場合、ステージ2の潜伏演出が15回実行されることになる。そして、小当りAの遊技の終了後からの変動回数が10回目に実行する継続演出において成功(継続)を報知してステージ3に移行させ、小当りAの遊技の終了後からの変動回数が20回目に実行する継続演出において失敗(終了)を報知して通常ステージに移行させる。
この実施の形態では、通常ステージに移行後10回目(小当りAの発生から30回目)の変動(可変表示)では、継続演出が実行可能な変動時間の変動パターン(長変動パターン)が選択されるが、その変動において、リーチ演出を行ったり、当該変動(通常ステージでの長変動パターンによる変動)においてのみ実行され得る演出を行ったり、当該変動においてのみ表示されうる特別な画像を表示してもよい。
他の例として、小当りAの遊技の終了後におけるステージ3の実行中(例えば小当りAの遊技の終了後からの変動回数が23回目)に突然確変大当りが発生した場合は、突然確変大当りの遊技の終了後にステージ1から開始させるのではなく、滞在ステージであるステージ3を継続させる。この場合も、突然確変大当りが発生したタイミングはステージ3の途中(ステージ3に移行してから3変動目)であるが、突然確変大当りの遊技の終了後にステージ3を最初から実行する(すなわち、ステージ3における1変動目からやり直す)。この場合、ステージ3の潜伏演出が13回実行されることになる。そして、突然確変大当りの遊技の終了後からの変動回数が10回目に実行する継続演出において成功(継続)を報知して高確ステージに移行させる。
さらに、他の例として、高確ステージの実行中に突然確変大当りまたは小当りが発生した場合は、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後にステージ1から開始させるのではなく、滞在ステージである高確ステージを継続させる。この場合は、高確ステージ中は変動回数に関係なく継続されるので、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの変動回数を調整する必要はない。
このように、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、突確や小当りが発生した場合は滞在ステージを継続させるとともに、継続演出を最大3回までしか実行しないように構成することによって、既に実行している潜伏演出を途切れさせることがなく、またステージを段階的に変化させることができるので、演出が不自然となって遊技者に違和感を与えてしまうのを防止することができる。
なお、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、突確や小当りが発生した場合は滞在ステージを継続させる構成ではなく、突確や小当りの遊技の終了後は常にステージ1から開始させるように構成してもよい。この場合、最初に潜伏モード突入の契機となる突確や小当りの遊技の終了後の継続演出と、潜伏モード移行後の突確や小当りの発生にもとづく継続演出とを足し合わせると、継続演出が4回以上実行され得ることになる。
なお、低確率低ベース状態(通常状態)、低確率高ベース状態(時短状態)、高確率低ベース状態(確変状態)および高確率高ベース状態(確変時短状態)のいずれの状態も、潜伏状態(潜伏モード)となり得る。例えば、低確率低ベース状態や低確率高ベース状態において小当りが発生したときは、小当り遊技の終了後に潜伏状態(低確率低ベース状態や低確率高ベース状態)となる。また、低確率低ベース状態や低確率高ベース状態において突然確変大当りが発生したときは、突然確変大当り遊技の終了後に潜伏状態(高確率低ベース状態や高確率高ベース状態)となり、高確率低ベース状態や高確率高ベース状態において小当りや突然確変大当りが発生したときは、小当り遊技や突然確変大当り遊技の終了後に潜伏状態(高確率低ベース状態や高確率高ベース状態)となる。
次に、遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施の形態では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム2(MR2):小当りの種類(小当りA〜C)を決定する(小当り種別判定用)(3)ランダム3(MR3):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)(4)ランダム3(MR4):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(5)ランダム5(MR5):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(6)ランダム6(MR6):ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
ステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、(2)の小当り種別判定用乱数、および(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム3、ランダム4)または初期値用乱数(ランダム6)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、パチンコ遊技機1の外部に出力する情報として、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのパチンコ遊技機1に関する情報(データ)を情報出力回路から出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態(最終停止図柄が導出表示される前の状態であって、既に停止表示されている演出図柄により大当り図柄の組み合わせが最終停止される可能性が継続している状態)にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない非確変状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図9(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図9(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図9(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図9(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図9(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図9(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。また、図9(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)である。
大当り種別判定テーブルは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図9(F)は、ROM54に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、小当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、小当りの種別を「小当りA」、「小当りB」、「小当りC」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図10は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図10に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−3,非リーチPA2−1〜非リーチPA2−4の変動パターンが用意されている。非リーチPA2−4の長変動の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において実行される継続演出を実行可能な変動時間30秒が設定されている。後述するように、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において継続演出の実行時間を確保できるように、10変動目、20変動目または30変動目においてはずれが決定されたときは当該長変動の変動パターンが選択される(図24のステップS95C参照)。
また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA3−1〜ノーマルPA3−2、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−8の変動パターンが用意されている。
スーパーPA3−7〜スーパーPA3−8の変動パターンは、後述する特別リーチ演出を含むリーチ変動パターンである。
また、図10に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄(突然確変大当り図柄を除く)になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPB1−1〜ノーマルPB1−2、スーパーPB1−3〜スーパーPB1−8の変動パターンが用意されている。スーパーPB1−3〜スーパーPB1−6の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において実行される継続演出を実行可能な変動時間30秒以上が設定されている。後述するように、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において継続演出の実行時間を確保できるように、10変動目、20変動目または30変動目において大当り(突然確変大当りを除く)が決定されたときはスーパーPB1−3〜スーパーPB1−6の変動パターンのいずれかが選択される(図24のステップS92C参照)。
スーパーPB1−7〜スーパーPB1−8の変動パターンは、後述する特別リーチ演出を含むリーチ変動パターンである。
また、図10に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が突然確変大当り図柄(突確図柄)または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、特殊PC1−1〜特殊PC1−3の変動パターンが用意されている。特殊PC1−3の長変動の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において実行される継続演出を実行可能な変動時間30秒が設定されている。後述するように、突然確変大当りまたは小当りの遊技の終了後からの10変動目、20変動目または30変動目において継続演出の実行時間を確保できるように、10変動目、20変動目または30変動目において突然確変大当りまたは小当りが決定されたときは当該長変動の変動パターンが選択される(図24のステップS92C,S94C参照)。
図10に示す特殊PC1−1〜特殊PC1−3の変動パターンにもとづいて変動が実行される場合は、突然確変大当りであるか小当りであるかについて遊技者が認識できず(または認識困難であり)、また、突然確変大当り遊技または小当り遊技の終了後に潜伏モードに移行させることによって、遊技状態がいずれの状態に移行されたかについて遊技者が認識できない(または認識困難である)。
図11は、演出図柄の変動パターン種別を示す説明図である。図11に示すように、CA1−1は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって短縮なし(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−2は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数2〜4個短縮(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−3は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数5〜8個短縮(低ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−4は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって短縮なし(高ベース中)のときに選択される変動パターン種別であり、CA1−5は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)であって保留記憶数2〜8個短縮(高ベース中)のときに選択される変動パターン種別である。
また、CA1−6は、可変表示態様(表示結果)が非リーチ(はずれ)またはリーチ(はずれ)であって継続演出の実行時に選択される変動パターン種別である。
また、CA2−1は、可変表示態様(表示結果)がリーチ(はずれ)であってノーマルリーチのときに選択される変動パターン種別であり、CA2−2は、可変表示態様(表示結果)がリーチ(はずれ)であってスーパーリーチのときに選択される変動パターン種別である。
また、CB1−1は、可変表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りであってノーマルリーチのときに選択される変動パターン種別であり、CB1−2は、可変表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りであってスーパーリーチのときに選択される変動パターン種別である。
また、CA1−6は、可変表示態様(表示結果)が非確変大当り(通常大当り)または確変大当りであって継続演出の実行時に選択される変動パターン種別である。
また、CC1−1は、可変表示態様(表示結果)が突然確変大当りまたは小当りであって2回開放チャンス目停止(例えば「135」などのチャンス目の停止)のときに選択される変動パターン種別である。
また、CC1−2は、可変表示態様(表示結果)が突然確変大当りまたは小当りであって継続演出の実行時に選択される変動パターン種別である。
図12(A)〜(D)は、大当り変動パターン種別決定テーブル132A〜132Dを示す説明図である。大当り変動パターン種別決定テーブル132A〜132Dは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたとき、および小当り図柄とする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果や小当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り変動パターン種別決定テーブル132A〜132Dには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、CB1−1〜CB1−3、CC1−1〜CC1−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、図12(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Aとして、大当り種別が「通常大当り(非確変大当り)」である場合に用いられる上段のテーブルと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる中段のテーブルと、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる下段のテーブルとが設けられ、各々のテーブルには大当り種別に対応した変動パターン種別CB1−1、CB1−2が設定されている。また、図12(B)に示す継続演出用大当り変動パターン種別決定テーブル132Bとして、大当り種別が「通常大当り(非確変大当り)または確変大当り」である場合に用いられる上段のテーブルと、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる下段のテーブルとが設けられ、各々のテーブルには大当り種別に対応した継続演出用の変動パターン種別CB1−3,CC1−2が設定されている。
また、図12(C)に示す大当り変動パターン種別決定テーブル132Cとして、「小当り」である場合に用いられるテーブルが設けられ、そのテーブルには小当りに対応した変動パターン種別CC1−1が設定されている。また、図12(D)に示す継続演出用小当り変動パターン種別判定テーブル132Dとして、「小当り」である場合に用いられるテーブルが設けられ、そのテーブルには小当りに対応した継続演出用の変動パターン種別CC1−2が設定されている。
図13(A)〜(C)は、はずれ変動パターン種別判定テーブル133A〜133Cを示す説明図である。このうち、図13(A)は、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が0〜1である場合に用いられる変動パターン種別CA1−1,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が2〜4である場合に用いられる変動パターン種別CA1−2,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が低ベース状態であるとともに合算保留記憶数が5〜8である場合に用いられる変動パターン種別CA1−3,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルとを示している。また、図13(B)は、遊技状態が高ベース状態であるとともに合算保留記憶数が0〜1である場合に用いられる変動パターン種別CA1−4,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルと、遊技状態が高ベース状態であるとともに合算保留記憶数が2〜8である場合に用いられる変動パターン種別CA1−5,CA2−1,CA2−2が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルとを示している。図13(C)は、継続演出用の変動パターン種別CA1−6が設定されたはずれ変動パターン種別決定テーブルを示している。
図14は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン決定テーブル134Aと大当り変動パターン決定テーブル134Bを示す説明図である。図14(A)に示すはずれ変動パターン決定テーブル134Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図14(B)に示す大当り変動パターン判定テーブル134Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム4)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、継続演出用の変動パターン種別CA1−6には、変動パターンPA2−4,PA3−3,PA3−4,PA3−5,PA3−6が設定されている。これらの変動パターンは全て30秒以上の変動時間を有する変動パターンである。ただし、継続演出用の変動パターン種別CA1−6には、継続演出の演出時間を確保するために特別に用意した長変動の変動パターンPA2−4のみ設定するようにしてもよい。
また、継続演出用の変動パターン種別CB1−3には、変動パターンPB1−3〜PB1−6が設定されている。これらの変動パターンは全て30秒以上の変動時間を有する変動パターンである。ただし、継続演出用の変動パターン種別CB1−3には、継続演出の演出時間を確保するための長変動の変動パターン(例えば変動時間30秒の変動パターン)を特別に用意し(図10では用意していない)、当該長変動の変動パターンのみ設定するようにしてもよい。
また、継続演出用の変動パターン種別CC1−2には、変動パターンPC1−3が設定されている。この変動パターンは30秒の変動時間を有する変動パターンである。
また、この実施の形態では、継続演出用の変動パターン種別が用意されているが、変動パターン種別を継続演出専用にせずに、継続演出専用の変動パターンを定めてもよい。
なお、図12(A)に示すように、変動パターン種別CB1−2は、確変大当りの場合には、非確変大当り(通常大当り)の場合に比べて高い割合で選択される。また、変動パターン種別CB1−1は、非確変大当りの場合には、確変大当りの場合に比べて高い割合で選択される。そして、図14(B)に示すように、変動パターン種別CB1−2が選択された場合に、変動パターンPB1−7およびPB1−8が選択されうるが、変動パターン種別CB1−1が選択された場合に、変動パターンPB1−7およびPB1−8のうち変動パターンPB1−7のみが選択されうる。
図10に示すように、変動パターンPB1−7およびPB1−8は特別リーチ演出を含むリーチ変動パターンであるが、変動パターンPB1−7は所定演出を含まない。
よって、確変大当りの場合には、非確変大当りの場合に比べて高い割合で、特別リーチ演出および所定演出を含むリーチ変動パターン(変動パターンPB1−8)が選択される。また、非確変大当りの場合には、確変大当りの場合に比べて高い割合で、特別リーチ演出を含むが所定演出を含まないリーチ変動パターン(変動パターンPB1−7)が選択される。換言すれば、所定演出が実行されてから大当り遊技状態に制御されるときと、特別リーチ演出が実行された後所定演出が実行されずに大当り遊技状態に制御されるときとで、異なる遊技価値(この例では、確変状態になる割合)が付与される。
図15および図16は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15および図16に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図8に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、大当り種別および小当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C07(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C07(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド95XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図21参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時にいずれの変動パターン種別となるかを判定する。そして、入賞時判定結果指定結果コマンドのEXTデータに判定結果としての変動パターン種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始指定2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。なお、コマンドB000(H)〜B002(H)を背景指定コマンドという。
コマンドB1XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。なお、この実施の形態では、時短状態に制御されるときは大当り遊技の終了後から所定の時短回数(例えば100回)だけ時短状態が継続する。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図15および図16に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図15および図16に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図17および図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図19(A)は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図19(B)は、ステップS314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図19(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213A)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214A)。なお、ステップS214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態(確変状態を含む)であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS215A)。セットされていれば、そのままステップS218Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままステップS218Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS217A)。そして、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値にもとづいて第1保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS218A)。
なお、ステップS215AまたはステップS216AでYと判定したことによりステップS217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、ステップS218Aにおいて、第1保留記憶数指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンドを送信する制御は行わない。なお、ステップS217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、ステップS215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が通常状態である場合(確変状態でも時短状態でもない場合)にのみステップS217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
次に、図19(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213B)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS214B)。なお、ステップS214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS217B)。そして、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値にもとづいて第2保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて入賞時判定結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS218B)。
図21は、ステップS217A,S217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、小当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめいずれの変動パターン種別となるか否かを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって大当りやスーパーリーチとなることを予告する連続予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図9(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図19(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217A参照)を実行する場合)には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図19(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217B参照)を実行する場合)には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS224)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS224において、遊技状態が高ベース状態であるか否か(具体的には、時短フラグがセットされているか否か)を判定する。また、CPU56は、合算保留記憶数が0〜1であるか2〜4であるか5〜8であるかを判定する。そして、CPU56は、ステップS224の判定結果に応じて、図13に示すはずれ変動パターン種別決定テーブルを設定する(ステップS225)。なお、ステップS225では、潜伏モード中であるか否かを判定し、潜伏モード中であれば突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後の変動回数を確認し、変動回数が10回、20回または30回であるか否かを判定して、継続演出用はずれ変動パターン種別決定テーブルを設定するようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、図12(C)に示す小当り用変動パターン種別判定テーブル132Cを設定する(ステップS226)。なお、ステップS226では、潜伏モード中であるか否かを判定し、潜伏モード中であれば突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後の変動回数を確認し、変動回数が10回、20回または30回であるか否かを判定して、継続演出用小当り変動パターン種別決定テーブルを設定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS214A,S214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS227)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図19(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217A参照)を実行する場合)には、図9(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図19(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217B参照)を実行する場合)には、図9(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU56は、ステップS227で判定した大当り種別に応じて、図12(A)に示す大当り変動パターン種別決定テーブルを設定する(ステップS228)。なお、ステップS228では、潜伏モード中であるか否かを判定し、潜伏モード中であれば突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後の変動回数を確認し、変動回数が10回、20回または30回であるか否かを判定して、継続演出用大当り変動パターン種別決定テーブルを設定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、ステップS225,S226,S228で設定した変動パターン種別判定テーブルと、ステップS214A,S214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム3)とを用いて、変動パターン種別を判定する(ステップS229)。
なお、はずれ変動パターン種別の場合は、合算保留記憶数の数に応じた判定可能な変動パターン種別が異なるため、入賞時演出処理のステップS229で判定した変動パターン種別と、後述する変動パターン設定処理のステップS102で判定した変動パターン種別とがずれてしまうおそれがある。従って、ステップS229におけるはずれ変動パターン種別の判定では、合算保留記憶数がいずれの数であっても常にスーパーリーチの変動パターン種別が判定される変動パターン種別判定用乱数の値の範囲(図13に示す例では246〜251の範囲)に属するか否かを判定するように構成するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定した変動パターン種別を入賞時判定結果指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。例えば、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(図19(A)に示す第1始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217A参照)を実行する場合)には、ステップS229で「非リーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「00(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「01(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチ大当り」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「02(H)」を設定する処理を行う。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(図19(B)に示す第2始動口スイッチ通過処理で入賞時演出処理(ステップS217B参照)を実行する場合)には、ステップS229で「非リーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「03(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチはずれ」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「04(H)」を設定する処理を行う。また、ステップS229で「スーパーリーチ大当り」と判定した場合には、MODEデータ「95(H)」で構成される入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに「05(H)」を設定する処理を行う。その他、CPU56は、判定した変動パターン種別に応じた値を入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第1保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第1保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS57)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値にもとづいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図9(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、そして、CPU56は、小当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された小当り種別判定用の乱数(ランダム2)の値と一致する値に対応した種別(「小当りA」、「小当りB」または「小当りC」)を小当りの種別に決定する(ステップS64)。また、CPU56は、決定した小当りの種別を示すデータをRAM55における小当り種別バッファに設定する(ステップS65)。そして、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図9(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り(時短あり)」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り(時短なし)」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」(通常大当り図柄)を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」(確変大当り図柄)を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の後の変動回数が10回、20回、30回のいずれかであるか否かを、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかであるか否かによって判定する(ステップS92A)。変動回数カウンタは、突然確変大当り遊技または小当り遊技の後の変動回数をカウントするカウンタであり、突然確変大当りや小当りの遊技の終了時に所定回数の値がセットされ(図29のステップS172B、図30のステップS191参照)、図柄の変動の停止時に1ずつ減算される(図27のステップS130B参照)。変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかでない場合は、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを用いることに決定し(ステップS92B)、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかである場合は、継続演出用大当り変動パターン種別決定テーブル132Bを用いることに決定する(ステップS92C)。なお、大当り変動パターン種別決定テーブル132Aを用いることに決定した場合は、大当り種別を確認して大当り種別(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り)に応じたテーブルを選択する(図12参照)。同様に、継続演出用大当り変動パターン種別決定テーブル132Bを用いることに決定した場合は、大当り種別を確認して大当り種別(確変大当り/通常大当り、突然確変大当り)に応じたテーブルを選択する(図12参照)。その後、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていないときは(ステップS91のN)、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の後の変動回数が10回、20回、30回のいずれかであるか否かを、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかであるか否かによって判定する(ステップS94A)。変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかでない場合は、小当り変動パターン種別決定テーブル132Cを用いることに決定し(ステップS94B)、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかである場合は、継続演出用小当り変動パターン種別決定テーブル132Dを用いることに決定する(ステップS94C)。その後、ステップS102に移行する。
小当りフラグがセットされていないときは(ステップS93のN)、CPU56は、CPU56は、突然確変大当り遊技または小当り遊技の後の変動回数が10回、20回、30回のいずれかであるか否かを、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかであるか否かによって判定する(ステップS95A)。変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかでない場合は、はずれ変動パターン種別決定テーブル133Aまたは133Bを用いることに決定し(ステップS95B)、変動回数カウンタの値が1,11,21のいずれかである場合は、継続演出用はずれ変動パターン種別決定テーブル133Cを用いることに決定する(ステップS95C)。なお、はずれ変動パターン種別決定テーブル133Aまたは133Bを用いることに決定した場合は、現在の遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかをを確認するとともに現在の合算保留記憶数を確認して、遊技状態および合算保留記憶数に応じたテーブルを選択する(図13参照)。なお、遊技状態は時短フラグがセットされているか否かによって確認し、合算保留記憶数は保留記憶数カウンタの値によって確認する。その後、ステップS102に移行する。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92B,92C、S94B,94C、S95B,95Cの処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り変動パターン決定テーブル134B(図14(B)参照)、はずれ変動パターン決定テーブル134A(図14(A)参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム4(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン決定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。
また、特別図柄の変動を開始する(ステップS107)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図25は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当りの種類、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図15参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS112に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を確認し、大当りの種別に応じた表示結果2〜4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111)。なお、大当りの種別は、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータにもとづいて確認する。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS112)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、小当りの種別(小当りA〜C)を確認し、小当りの種別に応じた表示結果5〜7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113)。なお、小当りの種別は、具体的には、小当り種別バッファに設定されたデータにもとづいて確認する。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS112のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS114)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図27および図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、変動回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS130A)。変動回数カウンタの値が0でないときは、変動回数カウンタの値を1減算(−1)する(ステップS130B)。次に、CPU56は、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。なお、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には、ステップS143Aに移行する(ステップS133)。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグ、および時短状態であることを示す時短フラグをリセットし(ステップS134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS136)。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
ステップS143Aでは、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS143A)。時短フラグがセットされている場合には、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS143B)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値にもとづいて時短回数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS143C)。
なお、CPU56は、時短回数指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合、例えば、時短状態に移行した後、演出制御用マイクロコンピュータ100側で時短回数を管理するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、時短状態指定コマンドを受信すると、時短回数カウンタに所定値(例えば100)をセットし、演出図柄の変動表示を実行するごとに時短回数カウンタの値を1減算して、時短回数の残り回数を管理するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変状態指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS146)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに100回をセットする(ステップS168)。また、CPU56は、時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS169)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、大当り種別が15ラウンドの確変大当りであるか否かを確認する(ステップS170)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータによって判定できる。確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットするとともに(ステップS171A)、時短フラグをセットして遊技状態を確変時短状態に移行させる(ステップS171B)。また、CPU56は、確変時短状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS171C)。そして、ステップS173に移行する。一方、確変大当りでなければ(つまり突然確変大当りであれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS172A)。また、CPU56は、変動回数をカウントするための変動回数カウンタに30回をセットする(ステップS172B)。また、CPU56は、確変状態指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS172C)。そして、ステップS174に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S171Bでセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167,S171Bでセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
ステップS173では、CPU56は、変動回数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS173)。この処理によって、15ラウンドの通常大当りや確変大当りの遊技が終了したときは、変動回数カウンタの値が0となり、変動回数カウンタの値を減算する処理が実行されなくなって(ステップS130A,S130B参照)、継続演出用の変動パターンが選択されないようにすることができる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS174)。
図30は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS180)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS184に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットし(ステップS181)、小当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS182)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS183)、処理を終了する。
ステップS184では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS185)。経過していなければ処理を終了する。
小当り終了表示時間を経過していれば(ステップS185のY)、CPU56は、小当り種別に応じた変動回数(具体的には30回、20回または10回)を変動回数カウンタにセットする(ステップS191)。具体的には、小当りAのときは30をセットし、小当りBのときは20をセットし、小当りCのときは10をセットする。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS192)。
次に、潜伏モードへの移行の演出について説明する。
通常ステージに制御されているときに突然確変大当りや小当りが発生した場合は、突然確変大当りや小当りの変動中および突然確変大当り遊技や小当り遊技の実行中において、潜伏モードのステージ1へ制御されることを示す演出、または潜伏モードのステージ1へ制御されるかもしれないと期待を抱かせる煽り演出を実行する。この実施の形態では、大当り種別として突然確変大当りまたは小当りが決定された場合は、変動パターンとしてPC1−1〜1−2が決定され、突然確変大当り遊技または小当り遊技の終了後に潜伏状態に移行するように構成されている。
なお、この実施の形態では、突然確変大当り遊技や小当り遊技の終了後に常にステージ1に移行するように構成していたが、突然確変大当り遊技の終了後に一定の割合で高確ステージに移行するように構成してもよい。
また、潜伏モードに制御されているときに突然確変大当りや小当りが発生した場合は、成功・失敗を報知する継続演出を実行せずに、現在のステージが継続する旨の報知を行う。
次に、潜伏モード中の演出等について説明する。
図31は、潜伏モード中の各ステージの表示態様を示す説明図である。図31に示すように、潜伏モード(潜伏状態)中のステージ1では、演出表示装置9の背景画像が山の背景となっている。ステージ2では、演出表示装置9の背景画像が森の背景となっている。ステージ3では、演出表示装置9の背景画像が街の背景となっている。高確ステージでは、演出表示装置9の背景画像が海の背景となっている。通常ステージでは、演出表示装置9の背景画像が浜(浜辺)の背景となっている。このように、潜伏モード中において所定の変動タイミング(10変動毎)に継続演出を実行し、継続演出において成功(継続)が報知されたときはステージが順に昇格し、3回連続して成功(継続)が報知されたときに高確ステージに移行する。一方、継続演出において失敗(終了)が報知されたときは通常ステージに移行する。
図32は、継続演出の演出態様を示す説明図である。上述したように、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後の変動回数が10回、20回、30回のときに継続演出が実行される。図32に示す例では、継続演出は、「継続」と「終了」が領域に区分けされて表示されているルーレットを回転させ、そこに矢を射る。そして、矢が当った領域の表示が「継続」であるときは継続演出が成功となり、矢が当った領域の表示が「終了」であるときは継続演出が失敗となる。このような演出態様は一例であって、「継続(成功)」と「終了(失敗)」とが明確に認識できるような態様であれば、他の演出態様であってもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図33は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図34は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図15および図16参照)であるのか解析する。
図35〜図38は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、その第1保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第1保留記憶数保存領域に格納する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、受信した第1保留記憶数指定コマンドで示される第1保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、その第2保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を第2保留記憶数保存領域に格納する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、受信した第2保留記憶数指定コマンドで示される第2保留記憶数(具体的には、EXTデータの値)に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが通常状態指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS658)。また、受信した演出制御コマンドが時短状態指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS660)。また、受信した演出制御コマンドが確変状態指定コマンドであれば(ステップS661A)、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS661B)。また、受信した演出制御コマンドが確変時短状態指定コマンドであれば(ステップS662A)、演出制御用CPU101は、確変時短状態フラグをセットする(ステップS662B)。
受信した演出制御コマンドが時短回数指定コマンドであれば(ステップS663A)、演出制御用CPU101は、その時短回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を時短回数保存領域に格納する(ステップS663B)。すなわち、演出制御用CPU101は、時短回数指定コマンドで示される時短状態の残り回数を保存する。
次いで、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じたフラグをセットする。
例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果1指定コマンドであれば(ステップS665)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「00(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞口13への始動入賞時に「非リーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果1フラグをセットする(ステップS666)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果2指定コマンドであれば(ステップS667)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「01(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞口13への始動入賞時に「スーパーリーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果2フラグをセットする(ステップS668)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果3指定コマンドであれば(ステップS669)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「02(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞口13への始動入賞時に「スーパーリーチ大当り」となると判定したことを示す入賞判定結果3フラグをセットする(ステップS670)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果4指定コマンドであれば(ステップS671)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「03(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への始動入賞時に「非リーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果4フラグをセットする(ステップS672)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果5指定コマンドであれば(ステップS673)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「04(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への始動入賞時に「スーパーリーチはずれ」となると判定したことを示す入賞判定結果5フラグをセットする(ステップS674)。
また、例えば、受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果6指定コマンドであれば(ステップS675)、具体的には、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータで「05(H)」が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞口14への始動入賞時に「スーパーリーチ大当り」となると判定したことを示す入賞判定結果6フラグをセットする(ステップS676)。
その他、演出制御用CPU56は、受信した入賞時判定結果指定コマンドに応じた入賞判定結果フラグをセットする。なお、この実施の形態では、入賞時の判定結果が「非リーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「スーパーリーチ大当り」である場合に、連続予告演出を実行するように構成しているので、上記に示した入賞時判定結果1指定コマンド〜入賞時判定結果6指定コマンドについてのみ受信したか否かを確認し、フラグをセットするようにしてもよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS677)。そして、ステップS611に移行する。
図39は、演出制御用マイクロコンピュータ100が用いる乱数を示す説明図である。図39に示すように、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、および特別リーチ演出決定用乱数SR2を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果である停止図柄として、演出表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
特別リーチ演出決定用乱数SR2は、特別演出の種類(具体的には、リーチ状態になった後に表示される演出図柄の候補の画像と所定演出を示唆する所定演出示唆画像との数および種類)を決定するために用いられる乱数である。
図40は、特別リーチ演出の一例を示す説明図である。図40(A)に示すように、演出表示装置9の表示画面における左中右の図柄表示エリア9L,9C,9Rにおいて演出図柄の変動(可変表示)が行われ、図40(B)に示すように、リーチ状態になった後、図40(C)に示すように、特定リーチ演出が実行される。
図40に示す例では、特定リーチ演出は、左右の停止図柄と同じ図柄、左右の停止図柄よりも数字が1つ多い図柄、キャラクタ図柄9b,9cが表示画面の中央部において回転するような演出である。
なお、左右の停止図柄と同じ図柄と、左右の停止図柄よりも数字が1つ大きい図柄は、最終停止する演出図柄の候補の画像の一例であり、キャラクタ図柄9b,9cは、所定演出示唆画像の一例である。また、図40(C)には、2つの演出図柄の候補の画像と2つの所定演出示唆画像とを用いて特定リーチ演出が実行される例が示されているが、2つよりも多い所定演出示唆画像が用いられることがある。
特定リーチ演出が実行された後、図41および図42に示す所定演出が実行されることなく、最終停止図柄が導出表示されることがある(図40(D),(E)参照)。
所定演出が実行される場合には、図40(F),(G)に示すように、所定演出で使用される種類のキャラクタに対応する画像が中の図柄表示エリアに表示された後、図41(H),(I)に示すようにキャラクタa,bを用いた所定演出が実行され、演出図柄の最終停止図柄が導出表示される(図41(J),(K)参照)。
また、所定演出の種類は複数あり、図42に示す例では、キャラクタa,cを用いた所定演出が実行された後(図42(L),(M)参照)、演出図柄の最終停止図柄が導出表示される(図42(N),(O)参照)。
図43は、特別図柄の表示結果がはずれ図柄になる場合に使用される演出パターン決定テーブルを示す説明図である。演出パターン決定テーブルは、ROMに格納されている。演出パターン決定テーブルには、特定演出を示すデータと、それに対応する判定値が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出パターンを用いることに決定する。なお、図43には、判定値そのものではなく、判定値数が記載されている。
また、「リーチ後の回転図柄=4」は、2つの演出図柄の候補の画像と2つの所定演出示唆画像とを用いて特定リーチ演出が実行されることを意味し、「リーチ後の回転図柄=5」は、2つの演出図柄の候補の画像と3つの所定演出示唆画像とを用いて特定リーチ演出が実行されることを意味する。
また、図43(A)は、所定演出ありの場合(変動パターンPB1−8(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用され、図43(B)は、所定演出なしの場合(変動パターンPB1−7(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用される。
図44は、特別図柄の表示結果が通常大当り図柄になる場合に使用される演出パターン決定テーブルを示す説明図である。演出パターン決定テーブルは、ROMに格納されている。演出パターン決定テーブルには、特定演出を示すデータと、それに対応する判定値が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出パターンを用いることに決定する。なお、図44には、判定値そのものではなく、判定値数が記載されている。
また、図44(A)は、所定演出ありの場合(変動パターンPB1−8(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用され、図44(B)は、所定演出なしの場合(変動パターンPB1−7(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用される。
図45は、特別図柄の表示結果が確変大当り図柄になる場合に使用される演出パターン決定テーブルを示す説明図である。演出パターン決定テーブルは、ROMに格納されている。演出パターン決定テーブルには、特定演出を示すデータと、それに対応する判定値が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出決定用乱数の値に一致する判定値に対応する演出パターンを用いることに決定する。なお、図45には、判定値そのものではなく、判定値数が記載されている。
また、図45(A)は、所定演出ありの場合(変動パターンPB1−8(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用され、図45(B)は、所定演出なしの場合(変動パターンPB1−7(図10参照)にもとづいて演出図柄変動が行われる場合)に使用される。
図44および図45に示すように、「リーチ後の回転図柄=5」の場合(所定演出示唆画像の数が3の場合)には、「リーチ後の回転図柄=4」の場合(所定演出示唆画像の数が2の場合)に比べて、所定演出が実行されやすい。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出で表示される所定演出示唆画像の数が多いほど高い割合で所定演出を実行する。
また、リーチ後の回転画像が4種類(すなわち、特別リーチ演出において2つの所定演出示唆画像が使用される。)であって所定演出において2種類のキャラクタ画像が使用される場合には、それらに対応する画像が特別リーチ演出において所定演出示唆画像として使用される。
リーチ後の回転画像が5種類(すなわち、特別リーチ演出において3つの所定演出示唆画像が使用される。)であって所定演出において2種類のキャラクタ画像が使用される場合には、3つの所定演出示唆画像には、所定演出で使用される2種類のキャラクタ画像が含まれる。
演出パターンA−1,B−1,C−1,D−1において所定演出で使用される画像の組み合わせが異なり、また、特別リーチ演出で使用される所定演出示唆画像の組み合わせが異なるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、特別リーチ演出で表示される所定演出示唆画像の組み合わせに応じて、異なる割合で所定演出を実行することになる。
なお、この実施の形態では、所定演出は、特別リーチ演出が実行された後に実行されるが、特別リーチ演出が実行されずに所定演出が実行されるようにしてもよい。
その場合には、一例として、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβの変動パターンコマンドを受信した場合に、抽選によって、所定演出を実行するか否かと、所定演出の種類を決定すればよい。
さらに、特別リーチ演出が実行された後、特別リーチ演出で使用された回転画像(具体的には、所定演出示唆画像:図40(C)に示す例では、キャラクタ図柄9b,9c)を図柄表示エリアに停止表示する状態(図40(F),(G)参照)を経ることなく、直ちに所定演出における具体的な演出(図41(H)〜(K)に例示する演出、または図42(L)〜(O)に例示する演出に移行してもよい。
すなわち、回転表示される所定演出示唆画像を停止させることなく、所定演出に移行してもよい。
図46は、図33に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を潜伏モード中演出設定処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
潜伏モード中演出設定処理演出(ステップS801):潜伏モード中(および通常モード中)に実行する煽り演出(各移行抽選演出、役物落下演出)を設定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図47は、図33に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を潜伏モード中演出設定処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。
図48は、図46に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、いずれかの入賞時判定結果フラグ(入賞時判定結果1フラグ〜入賞時判定結果6フラグのいずれか)がセットされているか否かを確認する(ステップS820A)。いずれかの入賞時判定結果フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、セットされている入賞時判定結果フラグにもとづいて、連続予告演出の実行の有無および連続予告演出の演出態様を決定する連続予告決定処理を実行する(ステップS820B)。連続予告の演出態様は、例えば、複数の演出図柄の変動に亘って、演出図柄の変動開始時に演出図柄を光らせる演出態様である。
次いで、演出制御用CPU101は、RAMの変動パターンコマンド格納領域から、受信した変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。また、RAMの表示結果指定コマンド格納領域から、受信した表示結果指定コマンドを読み出す(ステップS822)。
次に、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示特定指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS823)。演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図51は、演出表示装置9における演出図柄(飾り図柄)の停止図柄の一例を示す説明図である。図51に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。なお、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄(飾り図柄)の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
大当り図柄を決定する際に、具体的には、演出制御用CPU101は、ステップS823の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU101は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
次いで、演出制御用CPU101は、継続演出(成否演出)の演出態様を設定する継続演出設定処理を実行する(ステップS824)。
図49は、ステップS824の継続演出設定処理を示すフローチャートである。継続演出設定処理において、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタの値が10,20,30のいずれかであるか否かを確認する(ステップS501)。演出側変動回数カウンタの値が10,20,30のいずれかであれば、現在のステージが通常ステージであるか否かを判定する(ステップS502)。現在のステージが通常ステージであるときは、処理を終了する。通常ステージでないときは、演出制御用CPU101は、突確又は小当り種別(潜伏状態の突入の契機となった当りが突確であるか小当りであるか、または小当りであるときはその種類)と、演出側変動回数カウンタの値に応じた継続演出の内容(成功または失敗)をRAMに継続演出設定領域にセットする(ステップS503)。
例えば、図4および図5に示すように、潜伏状態の突入の契機となった当りが突確であり、かつ、演出側変動回数カウンタの値が10,20または30であれば、「成功(継続)」をセットする。また、図4および図5に示すように、潜伏状態の突入の契機となった当りが小当りBであり、かつ、演出側変動回数カウンタの値が20であれば、「失敗(終了)」をセットする。
次に、演出制御用CPU101は、今回の変動の表示結果が突然確変大当りであるか否かを判定し(ステップS504)、突然確変大当りであれば、継続演出の内容を成功にセットする(ステップS505)。このような処理を行うことによって、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後からの変動回数が10回目、20回目または30回目に突然確変大当りが発生した場合でも、継続演出を実行し、その継続演出において成功(継続)を報知することになる。
さらに、演出制御用CPU101は、今回の変動の表示結果が小当りであるか否かを判定し(ステップS506)、小当りであれば、低確率状態であり、かつ演出側変動回数カウンタの値が30であるか否かを判定する(ステップS507)。低確率状態であり、かつ演出側変動回数カウンタの値が30であるときは、継続演出の内容を失敗にセットし(ステップS508)、高確率状態であるか、または演出側変動回数カウンタの値が30でないときは、継続演出の内容を成功にセットする(ステップS509)。このような処理を行うことによって、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後からの変動回数が30回目に小当りが発生した場合でも、継続演出を実行し、その継続演出において小当り後の遊技状態に応じた内容(成功(継続)または失敗(終了))を報知することになる。
また、演出制御用CPU101は、今回の変動の表示結果が15ラウンド大当りであるか否かを判定し(ステップS510)、15ラウンド大当りであれば、継続演出の内容を失敗にセットするとともに、継続演出の実行後に大当り報知する大当り報知演出をセットする(ステップS511)。このような処理を行うことによって、継続演出の実行タイミングにおいて大当りが発生した場合でも、継続演出を実行するので、継続演出が実行されないときに大当りとなることにより大当りが悟られてしまうことを防止することができる。なお、ステップS511では、継続演出の内容を失敗としているが、成功としてもよい。
ステップS501において、演出制御用CPU101が、演出側変動回数カウンタの値が10,20,30のいずれでもないと判定した場合は(ステップS501のN)、演出側変動回数カウンタの値が30未満であるか否かを判定し(ステップS512)、30未満であれば、今回の変動の表示結果が突確または小当りであるか否かを確認する(ステップS513)。今回の変動の表示結果が突確または小当りであれば、演出側変動回数カウンタの1桁目に0をセットする(ステップS514)。例えば、演出側変動回数カウンタの値が15であれば5を0にセットして10にする。このように、演出側変動回数カウンタの1桁目だけクリアし、2桁目をそのままの値とすることにより、潜伏状態中に突然確変大当りや小当りが発生しても、ステージ1から開始されずにそのままのステージから継続されることになる。
図50は、ステップS825の特別リーチ決定処理を示すフローチャートである。特別リーチ決定処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンが特別リーチ演出を伴うリーチ変動パターン(図10参照)であるか否か確認する(ステップS521)。
特別リーチ演出を伴うリーチ変動パターンである場合には、大当り/はずれ、大当りの種類(確変大当り/通常大当り)に応じた特別リーチ演出決定テーブル(図43〜図45参照)を選択する(ステップS522)。なお、ステップS522の処理で、演出制御用CPU101は、所定演出の有無に応じて異なるテーブルを選択する(図43〜図45参照)。
そして、演出制御用CPU101は、特別リーチ演出決定用乱数を抽出し(ステップS523)、乱数と選択した特別リーチ演出決定テーブルとによって特別リーチ演出の種類を決定する(ステップS524)。なお、所定演出が実行される場合には、ステップS524の処理で、所定演出の種類も決定される。
また、演出制御用CPU101は、特定リーチ演出を実行する旨と特定リーチ演出の種類(所定演出が実行される場合には所定演出の種類も)とをRAMに記憶する(ステップS525)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、継続演出の種類(継続演出を実行する場合)および特別リーチ演出(特別リーチ演出を実行する場合)に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS831)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS832)。
図52は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図52に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27R,27L)の制御を実行する(ステップS1808)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27R,27Lからの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS834)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS835)。
図53は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS840A)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS840B)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS841)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS843)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタの値が10,20,30であるか否かを確認し(ステップS845)、10,20,30であれば、継続演出設定領域にセットされている継続演出の態様に従って継続演出を実行する(ステップS846)。そして、継続演出の内容(成功・失敗)に応じて継続演出実行後のステージを更新し、現在のステージの内容を示すデータをステージ設定領域にセットする(ステップS847)。
次いで、演出制御用CPU101は、連続予告実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS848)。連続予告実行中フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、決定されている演出態様の連続予告演出を実行する(ステップS849)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS853)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS852)、ステップS853に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図54は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタの値が0であるか否かを確認し(ステップS860)、0でなければ演出側変動回数カウンタの値を1加算する(+1する)(ステップS861)。後述するように、15ラウンドの大当りが終了した後は演出側変動回数カウンタの値に0がセットされ(ステップS888A、S891参照)、演出側変動回数カウンタの値に0がセットされているときは、潜伏状態に制御されていないことを示す。ステップS850A,S850Bの処理が実行されることによって、潜伏状態に制御されている可能性があるときには演出側変動回数カウンタの値を1加算する処理が実行されるが、潜伏状態に制御されていないときには演出側変動回数カウンタの値を1加算する処理は実行されない。
そして、演出制御用CPU101は、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行い(ステップS862)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には確定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS863)。次いで、演出制御用CPU101は、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS865)。大当りまたは小当りとすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りまたは小当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りまたは小当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS866)。
大当りにも小当りにもしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS867)。
図55は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンドを受信したことを示す大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンドを受信したことを示す大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS871)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ、大当り開始2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグ)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS874)。
なお、大当り表示用のプロセス処理とは別に小当り表示用のプロセス処理を設けるようにし、小当りである場合には、例えば、所定期間(大入賞口が0.1秒間2回開放するのに十分な時間。例えば0.5秒間)、突然確変大当り時と同様の態様の演出を行うようにしてもよい。
また、小当りや突然確変大当りである場合に、小当り/突然確変大当り開始指定コマンドの受信にもとづいて演出を実行するのではなく、演出制御用CPU101は、例えば、小当り/突然確変大当り用の変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を所定期間実行するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は、小当りまたは突然確変大当りであることを示唆するような演出を行うためのプロセスデータをプロセス時間ごとに切り替え、切り替えたプロセスデータに従って演出を行う。
なお、ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図56は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグ、大当り終了2指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグ)をリセットし(ステップS882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
ステップS885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS886)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了演出時間が経過している場合には(ステップS886のY)、演出制御用CPU101は、セットされていれば、連続予告実行中フラグをリセットする(ステップS887)。また、突確または小当りの終了であるか否かを確認し(ステップS888A)、突確または小当りの終了であれば、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタの値が0であるか否か、または、演出側変動回数カウンタの値が31より大きい値であるか否かを判定する(ステップS888B)。演出側変動回数カウンタの値が0であるということは、現在、潜伏状態に制御されていないことを意味し、また、演出側変動回数カウンタの値が31より大きい値であるということは、現在、通常状態(通常ステージ)に制御されていることを意味している。逆に、演出側変動回数カウンタの値が1以上30以下である場合は、現在、潜伏状態に制御されている可能性があることを意味している。ステップS888Bにおいて、演出側変動回数カウンタの値が0である、または、演出側変動回数カウンタの値が31より大きい値であると判定した場合は、演出制御用CPU101は、演出側変動回数カウンタに1をセットする(ステップS889)。また、ステージ1に変更する(ステップS890)。すなわち、現在のステージの内容を示すデータとしてステージ1を示すデータをステージ設定領域にセットする。これにより、突確・小当り遊技の終了後に潜伏状態に制御されることになる。ステップS888Bにおいて、演出側変動回数カウンタの値が1以上30以下であると判定した場合は、演出制御用CPU101は、ステップS889,S890の処理を実行せずに、ステップS892の処理に移行する。よって、潜伏状態中に突確・小当りが発生したときは、現在のステージが継続される。
突確または小当りでなければ、演出側変動回数カウンタに0をセットする(ステップS890)。これにより、15ラウンド大当り遊技の終了後は潜伏状態に制御されない(ステップS860,S861参照)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS892)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、継続演出を実行するタイミングで変動時間として継続演出を実行可能な変動時間を選択するので、継続演出の実行時間を確保することができる。さらに、突確や小当りの種類に応じて異なる継続演出の実行回数を設定するので、突確・小当りの終了後の演出が単調とならず遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、継続演出の実行タイミングの変動において所定の条件(突確・小当り)が成立したことにもとづいて確変状態(または確変時短状態)に制御されるときは、継続演出と同態様の演出において潜伏演出が継続される旨の報知を行うように構成されているので、既に実行している潜伏演出が途切れることがなく、不自然な演出が実行されてしまうことを回避することができる。
また、この実施の形態では、継続演出の実行タイミングの変動において大当りにすると決定されたときは、継続演出を実行した後に大当り図柄を導出表示するように構成されているので、継続演出の実行タイミングの変動において大当りにすると決定されたときでも、大当り図柄が導出表示されることを遊技者に悟られて演出効果を低下させてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、潜伏演出を実行する変動において所定の条件(突確・小当り)が成立したときは、潜伏演出の現在の態様(ステージ)を継続して実行するように構成しているので、潜伏演出を実行する変動において所定の条件が成立したときでも、既に実行している潜伏演出の態様(ステージ)が引き継がれるので、不自然な演出が実行されてしまうことを回避することができる。
[第2の実施の形態]
図57は、大当り種別および小当り種別と、時短の有無と、潜伏演出の内容および長変動タイミングとの関係を示す説明図である。また、図58は、潜伏モード中の大当り種別および小当り種別に応じた継続演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
第1の実施の形態では、15ラウンドの通常大当りや15ラウンドの確変大当りの遊技の終了後に、潜伏状態(潜伏演出を実行する状態)に移行しないように制御されたが、第2の実施の形態では、15ラウンドの通常大当りや15ラウンドの確変大当りの遊技の終了後も、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後と同様に、潜伏状態(潜伏演出を実行する状態)に移行するように制御される。
図51に示された例では、通常大当り図柄(非確変図柄)は左中右の演出図柄が偶数の同一図柄で揃った図柄の組み合わせであり、確変大当り図柄(確変図柄)は左中右の演出図柄が奇数の同一図柄で揃った図柄の組み合わせであるが、この実施の形態では、通常大当り図柄(非確変図柄)と確変大当り図柄(確変図柄)とを分けずに、左中右の演出図柄が同一図柄で揃った図柄の組み合わせを単に大当り図柄と定義する。そして、15ラウンドの大当り(通常大当り、確変大当り)の遊技後も常に潜伏状態(潜伏モード)に移行する。
図57に示すように、この実施の形態でも、大当り種別として、「15ラウンドの通常大当り」と、「15ラウンドの確変大当り」と、「2ラウンドの突然確変大当り(以下、単に「突確」という場合がある。)」とが設けられている。
しかし、図57および図58に示すように、この実施の形態では、小当り種別として、「小当りA」と「小当りB」とが設けられている。
図57の「時短」の欄に示すように、15ラウンド確変大当り(図57中「15R確変」と示す)では、大当り遊技の終了後、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで、確変状態でありかつ時短状態である確変時短状態(高確高ベース状態)に制御される。ただし、遊技者には、確変状態に制御されることを報知せずに、確変時短状態であるか単なる時短状態であるかはわからない潜伏状態に制御されていることを報知する。また、15ラウンド通常大当り(図57中「15R通常」と示す)では、大当り遊技の終了後からの図柄の変動回数が100回に達するまで時短状態(低確高ベース状態)に制御される。ただし、遊技者には、時短状態に制御されることを報知せずに、確変時短状態であるか時短状態であるかはわからない潜伏状態に制御されていることを報知する。また、突然確変大当り(図4中「突確」と示す)では、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が高ベース状態(時短状態または確変時短状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変時短状態(高確高ベース状態)に制御され、突然確変大当りが発生したときの遊技状態が低ベース状態(通常状態または確変状態)であるときは、次回の大当り(15ラウンド大当り、2ラウンド突然確変大当り)が発生するまで確変状態(高確率状態であるが時短状態ではない遊技状態)に制御される。なお、上記の第1の実施の形態の場合と同様に、突然確変大当り遊技の終了後も潜伏状態(潜伏モード)に制御される。
また、小当りA,Bでは、いずれも、小当りが発生したときの遊技状態を引き継ぐ(すなわち、小当りが発生したときの遊技状態が変化しない)。なお、上記の第1の実施の形態の場合と同様に、小当り遊技の終了後も潜伏状態(潜伏モード)に制御される。
また、この実施の形態でも、図57および図58に示すように、潜伏状態において演出図柄の変動中に実行する演出を「潜伏演出」という。「潜伏演出」は、現在の遊技状態を示唆する演出上のステージ1〜3に分けられている。「ステージ1〜3」の各々は、演出表示装置9の背景画像の種類・色、演出図柄の種類・形・色、変動音(変動中の効果音)、LED25,28a〜28cの点灯パターン、役物200の動き、あるいはそれらの組み合わせというような潜伏演出の演出態様を変化させることによって区分けされる。
「ステージ1」が最も高確率状態に移行している可能性が低いステージであり、「ステージ2」が「ステージ1」よりも高確率状態に移行している可能性が高いステージであり、「ステージ3」が最も高確率状態に移行している可能性が高いステージである。なお、「高確ステージ」は現在の遊技状態が高確率状態に移行していることを報知するステージであり、「通常ステージ」は現在の遊技状態が低確率状態に移行していることを報知するステージである。また、「低確高ベースステージ」は現在の遊技状態が低確率状態でかつ高ベース状態に移行していること(つまり時短状態に移行していること)を報知するステージである。
図57および図58に示すように、15ラウンドの確変大当りの遊技が終了した後は、ステージ1に移行される。また、15ラウンドの通常大当りの遊技が終了した後も、ステージ1に移行される。そして、確変大当りや通常大当りの遊技の終了後の変動回数が10回毎に、潜伏状態(潜伏モード)が継続されるか否かを報知する継続演出を実行する。そして、継続演出において「成功(または継続)」が報知されたときは高確率状態に移行されている可能性の高いステージ(ステージ2,3など)に移行され、継続演出において「失敗(または終了)」が報知されたときは低確率状態に移行されていることを報知する通常ステージに移行される。また、継続演出において連続して3回「成功(または継続)」が報知されると、高確率状態に移行されていることを報知する高確ステージに移行される。このように、この実施の形態では、15ラウンドの大当りの遊技の後も潜伏状態に移行し、10変動毎に継続演出が実行される。
また、図57および図58に示すように、突然確変大当りや小当りA,Bの遊技が終了した後は、潜伏演出のステージ2に移行される。そして、突然確変大当りや小当りA,Bの遊技の終了後の変動回数が10回毎に、潜伏状態(潜伏モード)が継続されるか否かを報知する継続演出を実行する。そして、継続演出において「成功(または継続)」が報知されたときは高確率状態に移行されている可能性の高いステージ(ステージ3や高確ステージ)に移行され、継続演出において「失敗(または終了)」が報知されたときは低確率状態に移行されていることを報知する通常ステージに移行される。また、継続演出において連続して2回「成功(または継続)」が報知されると、高確率状態に移行されていることを報知する高確ステージに移行される。このように、この実施の形態では、第1の実施の形態の場合と異なり、潜伏状態に移行した後は継続演出はステージ2から開始され、継続演出は最大2回しか実行されず、2回連続して継続演出で成功(継続)が報知されたときに高確ステージに移行する。
図57に示す「長変動タイミング」の欄には、継続演出が実行されるタイミング(大当り遊技や小当り遊技の終了後からの変動回数)を示している。なお、「長変動タイミング」とは、継続演出が実行可能な変動時間(例えば30秒以上)の変動パターンが選択されるタイミングのことを意味している。図57および図58に示すように、「15R確変」の場合は、確変大当り遊技の終了後から10変動目、20変動目および30変動目に継続演出が実行され、全ての継続演出において成功(継続)が報知されることによって高確ステージに移行される。「15R通常」の場合は、通常大当りの遊技の終了後から10変動目、20変動目および30変動目に継続演出が実行され、最後の継続演出(30変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。「突確」の場合は、突然確変大当り遊技の終了後から10変動目および20変動目に継続演出が実行され、全ての継続演出において成功(継続)が報知されることによって高確ステージに移行される。「小当りA」の場合は、小当りAの遊技の終了後から10変動目および20変動目に継続演出が実行され、最後の継続演出(20変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。「小当りB」の場合は、小当りBの遊技の終了後から10変動目に継続演出が実行され、その継続演出(10変動目の継続演出)において失敗(終了)が報知されることによって通常ステージに移行される。
図57に示すように、上記の第1の実施の形態の場合と同様に、この第2の実施の形態でも、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、突確や小当りが発生した場合は滞在ステージ(現在実行中のステージ)を継続させるように制御する。なお、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、15ラウンドの確変大当りや通常大当りが発生した場合は滞在ステージ(現在実行中のステージ)を継続させずに、大当り遊技の終了後に新たにステージ1から制御する。15ラウンド大当りの場合は、大当り遊技が15ラウンド実行され、長い時間がかかってしまうため、大当り遊技後に滞在ステージを継続させて潜伏演出が途切れていないように見せることが困難であるからである。ただし、潜伏演出の実行中(つまりステージ1〜3の実行中)や高確ステージの実行中に、15ラウンドの確変大当りや通常大当りが発生した場合は滞在ステージ(現在実行中のステージ)を継続させるようにしてもよい。
図57および図58に示すような制御を実現する場合、図29に示された大当り終了処理において、通常大当りの場合(ステップS166のN)に変動回数カウンタに30をセットし、確変大当りの場合(ステップS170のY)も変動回数カウンタに30をセットし、突然確変大当りの場合(ステップS170のN)は変動回数カウンタに20をセットする。また、図30に示された小当り終了処理のステップS191において、小当り種別A,Bに応じた値、すなわち、小当りAのときは20をセットし、小当りBのときは10をセットする。
以上のように、第2の実施の形態は、大当りや小当りの遊技の終了後に低ベース状態に制御されるときは高ベース状態に制御されるときよりも継続演出の実行回数を少ない回数とし、また少ない回数の継続演出において成功が報知されることによって高確ステージに移行するように構成されているので、低ベース状態にて実行される潜伏演出では確変状態(高確率状態)に制御されている旨を報知するタイミングが早まるため、大当りや小当りになったにもかかわらず低ベース状態になってしまったことによる遊技者の落胆を緩和することができる。
また、第2の実施の形態では、2ラウンドの突確や小当りに制御されるよりも15ラウンド大当りに制御される方が継続演出の実行回数を少ない回数とし、また少ない回数の継続演出において成功が報知されることによって高確ステージに移行するように構成しているので、遊技者に付与する遊技価値の低い突確や小当りが終了した後はに高確率状態に制御されている旨を報知するタイミングが早まるため、遊技価値の低い突確や小当りになってしまったことによる遊技者の落胆を緩和することができる。
また、上記の各実施の形態では、継続演出の実行タイミングの変動は、突確や小当りの遊技の終了後から10回目、20回目、30回目の変動であるが、そのような構成に限られず、8回目、16回目、24回目というように10回とは異なる特定回数毎の変動であってもよいし、5回目、12回目20回目というように特定回数毎の変動でなくてもよい。
また、上記の各実施の形態では、継続演出の実行タイミングの変動において継続演出が実行されないときに、大当りの期待度が高い(または大当り確定)になるようにしてもよい。また、潜伏演出の実行中に突確や小当りが発生したときに、ステージが継続されない場合は高確率状態が確定するようにしてもよい。例えば、ステージ2において突確等が発生した場合は、ステージ2が継続するはずであるが、ステージ2を継続せずにステージ1またはステージ3に移行したときなどは、高確率状態が確定するように制御する。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側(メイン側)と演出制御用マイクロコンピュータ100側(サブ側)の両方で変動回数をカウントするカウンタ(変動回数カウンタ、演出側変動回数カウンタ)を用いていたが、そのような構成に限られるわけではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560側だけカウンタ(変動回数カウンタ)を備え、そのカウンタで変動回数をカウントするようにしてもよい。このとき、遊技制御用マイクロコンピュータ560側では、継続演出を行う変動時には、継続演出専用の変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、継続演出専用の変動パターンを受信したときに、記憶している突然確変大当り・小当りの種類の情報と、現在のステージの情報にもとづいて継続演出を実行する。このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100側の制御処理が簡略化され、制御負担を軽減することができる。
また、上記の実施の形態において、潜伏状態におけるステージの途中で突確・小当りが発生したときは、そのときのステージを継続するが、同じステージにおけるゲーム数(演出側変動回数カウンタの1桁目)をリセットして再びカウントするように構成していた(図49のステップS513,S514参照)。しかし、そのような構成に限らず、ステージにおけるゲーム数をリセットせずに、突確・小当りがステージの途中で発生したか否かにかかわらず、各ステージにおいて10ゲームを消化したときに(各ステージにおける10回の変動が終了したときに)必ず継続演出を実行するように構成してもよい。
図59は、変形例における演出制御用マイクロコンピュータが用いる乱数を示す説明図である。変形例では、擬似連・特別リーチ演出決定用乱数SR2が使用される。擬似連・特別リーチ演出決定用乱数SR2は、特別演出の種類(具体的には、リーチ状態になった後に表示される演出図柄の候補の画像と所定演出を示唆する所定演出示唆画像との数および種類)または擬似連演出(1回の変動中に1回以上演出図柄が仮停止表示および再変動される。)の態様を決定するために用いられる。
図60は、変形例における演出図柄の変動態様の一例を示す説明図である。図60には、チャンス目(例えば、左中右図柄が「1」「1」「2」)で仮停止した後に演出図柄が再変動するリーチなし(再変動あり)の変動態様、リーチ演出が実行された後に擬似連図柄で仮停止した後に演出図柄が再変動し、その後再びリーチ演出が実行されるリーチあり(再変動あり)の変動態様、特別リーチ演出が実行される特別リーチの変動態様、特別リーチ演出と再変動とリーチ演出とが実行される特別リーチ(再変動あり)の変動態様、特別リーチ演出と所定演出とが実行される特別リーチ(所定演出)の変動態様が例示されている。
なお、擬似連図柄は、通常の変動では使用されない図柄であって擬似連演出が実行されるときにのみ使用される図柄であるが、本変形例では、所定演出示唆画像の1つまたは複数と同じである。
また、特別リーチ(再変動あり)の変動態様では、特別リーチ演出において、演出表示装置9の表示画面の中央部で擬似連図柄を含む所定演出示唆画像が回転表示され(回転表示については図40(C)参照)、その後、中図柄として擬似連図柄が仮停止表示された後に再変動が行われる。
図61および図62は、変形例における演出パターン決定テーブルを示す説明図である。図61および図62は、リーチ演出を伴わないはずれの場合に使用されるテーブルと、リーチ演出を伴うはずれの場合に使用されるテーブルとが例示されている。
変形例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、はずれにすることが決定されている場合であって例えばPA3−1(図10参照)の変動パターンを示すコマンドを受信した場合に、100%の割合でリーチなし(再変動あり)の変動態様の変動を実行する。また、PA3−8の(図10参照)の変動パターンを示すコマンドを受信した場合に、上記の実施の形態の場合と同様に特別リーチ演出および所定演出を伴う変動態様の変動を実行するが所定の割合で(図62参照)、リーチあり(再変動あり)の変動態様または特別リーチ(再変動あり)の変動態様の変動を実行する。
図60に示すように、リーチ演出を含む変動パターンに従って可変表示を行うときには、リーチ態様になる前またはリーチ態様になった後に演出図柄を仮停止させることがあるが、リーチ演出を含まない変動パターンに従って可変表示を行うときには、リーチ態様になった後に演出図柄を仮停止させることはない。そのような制御を行うことによって、リーチ態様が表示されて大当りに対する遊技者の期待感が向上した後にリーチ演出が実行されないことによって落胆させられるような状況が発生することは防止される。
なお、図60には仮停止が1回行われる例が示されているが、2回以上の仮停止が行われる変動態様があってもよい。
以上のように、上記の各実施の形態および変形例では、所定演出が実行されてから大当り遊技状態に制御されたときと、特別リーチ演出が実行された後所定演出が実行されずに大当り遊技状態に制御されたときとで、異なる遊技価値(具体的には、確変状態になる割合)が付与されるが、遊技価値は遊技者にとって有利な度合等であれば、遊技価値は確変状態に限られない。
確変状態になる割合以外の遊技価値として、一例として、大当り後の時短回数(時短状態における許容変動回数)や、大当り遊技におけるラウンド数、大当り遊技中や大当り遊技終了後に表示される特殊な画像(遊技者に意外感や期待感を与えるような画像)がある。
また、上記の各実施の形態および変形例では、特別リーチ演出における所定演出示唆画像の数に応じて期待度を異ならせたが、識別情報の候補の画像や所定演出示唆画像のサイズまたは表示順等に応じて期待度を異ならせるようにしてもよい。例えば、大きく表示された識別情報の候補の画像を最終停止表示される可能性が高い画像(図柄)にしたり、遅くに表示される識別情報の候補の画像を最終停止表示される可能性が高い画像(図柄)にしたりしてもよく、特定の所定演出示唆画像が大きく表示されると期待度が高くなったり、特定の所定演出示唆画像が遅くに表示されると期待度が高くなったりするようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態および変形例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、変動パターンを決定するときに、所定演出を含む変動パターンや所定演出を含まない変動パターンを選択するようにしたが(図10参照)、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560が所定演出を実行するか否か決定するとともに決定結果を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、所定演出の有無を演出制御用マイクロコンピュータ100が決定するようにしてもよい。
そのように構成する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定演出の有無の情報を含む変動パターンを選択しない。換言すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって選択され得る変動パターンには、所定演出の有無に関する情報は含まれない。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンにもとづく可変表示が終了した後大当りになるか否かや、確変状態に移行するか否かや、受信した変動パターンコマンドに応じた変動時間等に応じて、所定演出を実行するか否かと、実行する場合の演出態様(所定演出示唆画像の数および種類)、所定演出で使用するキャラクタの態様(キャラクタの数や種類)を決定する。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当りになるか否かや確変状態に移行するか否かを、例えば、受信した表示結果指定コマンド(図15参照)で判定する。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27Lなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入して入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記録装置にプリインストールしておくことで配布される形態をとっても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態をとっても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
前述したパチンコ遊技機1については、パチンコ遊技機1に関する情報(データ)を情報出力回路からパチンコ遊技機1の外部に出力する処理(図7のS29)を行なうことを説明した。このようなS29によりパチンコ遊技機1の外部に出力する情報としては、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれてもよい。
パチンコ遊技機1においては、たとえば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、および、大入賞口(特別可変入賞球装置20)のような複数種類の入賞口が設けられている。そして、これら入賞口への遊技玉の入賞が、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、および、カウントスイッチ23のような入賞検出スイッチにより検出され、検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、入賞検出スイッチから入力される検出信号に基づいて、所定期間中における各入賞口に入賞した遊技玉の個数(入賞個数)を計数して記憶する処理を行なうことが可能であり、このような処理をすることにより、所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を記憶する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような入賞情報に基づいて、所定期間が経過するごとに、各所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号を情報出力回路からパチンコ遊技機1の外部に出力する処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ560において計数記憶し、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号により特定する入賞個数としては、たとえば、10分ごと等の所定の経過時間ごとの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、各1回の大当り遊技状態が発生するまでに要する期間ごとの入賞個数に関する情報(大当り遊技状態が発生するごとに出力する)、各日の電源投入時からの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、および、遊技者ごとの入賞個数に関する情報(遊技用カード情報等の遊技者特定情報により遊技者が特定可能な場合に、各遊技者により遊技終了が選択されたときに出力する)のいずれの情報であってもよい。
なお、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号としては、遊技玉がいずれかの入賞口に入賞するごとに出力される、入賞口と入賞個数(1個)とを特定可能な入賞情報信号であってもよい。
また、入賞情報信号をパチンコ遊技機1の外部に出力するその他の例としては、主基板31の一部の出力端子に、パチンコ遊技機1の外部に設けられた試験装置で動作試験をするための接続部品を接続し、現在の遊技状態での最新の入賞情報を示す入賞情報信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から当該接続部を介して外部に出力されるようにしてもよい。
このように、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号がパチンコ遊技機1の外部に出力されるので、パチンコ遊技機1の外部において、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を認識することができるようになる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態として、第1,第2の実施の形態で説明したパチンコ遊技機1のような遊技制御を遊技制御の一例とするパチンコ遊技機を封入循環式のパチンコ機(パチンコ遊技機)として構成し、当該パチンコ機とカードユニットとを管理するシステムの例を説明する。なお、以下の第3の実施の形態として説明する遊技機、カードユニット、およびそれらを管理するシステムは、第1,第2の実施の形態として説明した遊技機およびカードユニットのいずれに適用してもよい。
以下で説明する実施の形態により示される本発明は、たとえばパチンコ遊技機やスロットマシン等で代表される遊技機であって、互いに通信する第1制御手段および第2制御手段を備えた遊技機、遊技盤および遊技枠に関する。
従来、たとえば、認証用情報管理装置と通信可能に接続された第1制御手段と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段とを含み、第1制御手段と第2制御手段とは、互いにペアの認証用情報、第2制御手段には、ペアの認証用情報の一方が予め記憶されている遊技機が開示されている(特開2012−100763号公報)。
また、従来、たとえば、遊技機の遊技状態を制御するメインCPUとたとえば可変表示装置を制御するサブCPUとの間で、共通鍵暗号方式による暗号電文の送受信を行なうものがあった(特開2004−89701号公報)。
遊技機において、第1制御手段と第2制御手段とで互いに通信を行なう場合に、両制御手段間の通信が途切れて両者間で通信不能な状態となる可能性がある。このような状況を想定し、両者間で通信不能な状態となった後の復帰手順を予め定めておく必要がある。この場合、一方で生成され、他方へ送信する予定であった所定情報が他方へ到達していなければ、復帰の際には当該所定情報が他方へ送信される復帰処理を定めなければならない。
ところが、このような復帰処理を制御手段が実行するユーザプログラムに含めたのでは、ユーザプログラムを実行する制御手段の制御負担が増大する。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、第1制御手段と第2制御手段との間で通信不能な状態となった後の復帰処理に関する制御負担を軽減することである。
(1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図88に示す送信データバッファ613F、図89に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F,700F)とを有し、
前たはビジターカードを受付けている(即ち挿入されている)状態で、パチンコ遊技機701で返却操作(返却ボタン752の操作)が有ると(S201でYES)、該パチンコ遊技機701からカードユニット750に対して前記返却要求信号が送信され(S202)、カードユニット750が該返却要求信号を受信すると、返却処理を開始して、返却操作有り報知(たとえばD1に示す『返却ボタンが操作されました』)をディスプレイ7123に表示する。このように、返却要求を受信したことに基づいて、返却処理を実行することにより、パチンコ遊技機701は返却ボタン752の操作により返却要求信号を発信するという通常の処理を行なうだけなので、該パチンコ遊技機701を変更する必要が無い。また返却ボタン752が操作された旨が報知されるので、他人が返却ボタン752を操作した旨を遊技者が発見することができる。
次にカードユニット750の制御部は、前記返却設定手段として機能するEEPROMの記憶内容に基づいて、「確認操作が必要」と設定されているか否かを判定する(S204)。ここで「確認操作が不要」と設定されている(NO)と判定した場合、即ち確認操作を受付けたことを条件とせずに返却処理を行なう第2返却処理を実行すると設定されている場合には、前記受付けている(即ち挿入されている)会員カードまたはビジターカードを返却し、返却表示(たとえばD3に示す『カードをお取り下さい』)をディスプレイ7123に表示して(S209)、処理を終了する。
一方、「確認操作が必要」と設定されている(YES)と判定した場合、即ち確認操作を受付けたことを条件として前記返却処理を行なう第1返却処理を実行すると設定されている場合には、計時を開始して(S205)、確認操作要記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、前記所定情報を送信する際に、当該所定情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報を併せて送信(図94:払出制御部171Fに対して前回送信した通番(主制御通番=n+1)を含む電源投入通知のコマンドを送信)し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方の前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するときに、前回送信した前記到達確認情報を再送(図94:電源投入通知のコマンドに対する電源投入受信のレスポンスを送信)し、
他方の前記通信制御回路を含む前記第1制御手段または前記第2制御手段は、通信不能な状態から復帰するときに受信した前記到達確認情報と、通信不能となる前に受信した前記到達確認情報とが所定の関係にない場合(図94:主制御通番=n+1と払出制御通番=nとが一致しない場合)に、前記復帰処理によって前記一方の通信制御回路が送信した前記所定情報に基づいた情報の更新処理(図94:リカバリ処理を実行する)を実行する。
上記構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに受信した到達確認情報と、通信不能となる前に受信した到達確認情報とが所定の関係にない場合に、復帰処理によって一方の通信制御回路が送信した所定情報に基づいた情報の更新処理を実行するので、第1制御手段と第2制御手段との通信の負担を軽減することができる。
(4) 上記(1)〜(3)において、
前記情報記憶部は、不揮発性記憶領域(たとえば、図88に示す送信データバッファ613F、図89に示すデータ受信レジスタ713F)と揮発性記憶領域(たとえば、図88に示す送信データバッファ613F以外のレジスタ、図89に示すデータ受信レジスタ713F以外のレジスタ)とを有する。
上記構成によれば、情報記憶部は、不揮発性記憶領域と揮発性記憶領域とを有するので、通信を再開する際のリカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。
(5) 上記(1)〜(4)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図89:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(6) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図88に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図91のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図91のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(7) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図89に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図91のSF292:リカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図91のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図88に示す送信データバッファ613F、図89に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)とを有し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、他方が送信した前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む。
上記構成によれば、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、通信制御回路の暗号化手段で情報記憶部に記憶された情報を暗号化し、他方の復号手段で送信した暗号化情報を復号するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−2) 上記(8−1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−3) 上記(8−1)または(8−2)において、
前記通信制御回路は、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理(たとえば、図91に示す電源投入時に行なわれる認証シーケンスよって暗号鍵および復号鍵が生成される)と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行する(図91に示す認証シーケンス後、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が可能)。
上記構成によれば、通信制御回路が、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方において処理を適切に再開することができる。
(8−4) 上記(8−1)〜(8−3)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図89:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(8−5) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図88に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む前記第2制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−6) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図89に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路171bFで暗号化した情報を通信制御回路161bFで復号する)を含む前記第1制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(9−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図66:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図72に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図73:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき、前記遊技点を前記持点に計数する計数処理手段(図73:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図63:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図73:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図73:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図73:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを含む。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)であって、
前記遊技機からの計数要求に基づき、前記遊技点を持点に計数する計数処理手段(図73:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図63:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図73:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図73:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図73:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを備える。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−3) 本発明は、遊技者所有の有価価値を用いて遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)と通信可能に接続され、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)であって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図66:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図72に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図73:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを備え、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき計数した前記持点を、前記遊技用装置で受付けた記録媒体で特定可能に処理し、前記記録媒体を返却する場合に、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることの通知を前記遊技用装置から受付可能(図73:P台2Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報の通知をCU3Fから受ける。)である。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることの通知を、前記遊技用装置から受けるので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−4) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技用装置は、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する報知手段(たとえば、図63に示す表示器312F)を含む。
上記構成によれば、遊技用装置でも記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−5) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技機は、前記遊技用装置からの通知に基づき、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する表示手段(たとえば、図63に示す可変表示装置278F)を含む。
上記構成によれば、遊技機で記録媒体の取り外し待ち状態であることを視覚的に報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−6) 上記(9−1)または(9−2)において、
前記取り外し待ち状態通知手段は、前記遊技用装置または前記遊技機に接続する装置(たとえば、ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に対して、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知する。
上記構成によれば、遊技機や遊技用装置以外に対して記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知することで、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−7) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図63:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けた場合に、前記遊技用装置が設置されている遊技場を特定可能な遊技場特定情報を前記遊技機に通知する遊技場特定情報通知手段(図69:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「店舗コード」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技場特定情報通知手段により通知された前記遊技場特定情報を記憶する遊技場特定情報記憶手段(図69:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「店舗コード」を記憶する。)と、
前記遊技機と前記遊技用装置とが通信できない通信不能状態から回復した後、通信復旧した場合に、前記遊技場特定情報通知手段により新たに通知された前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する遊技場特定情報比較手段(図74:P台2Fは、CU3Fから「店舗コード」を含むリカバリ要求が送信されてくると、当該「店舗コード」と記憶してある「店舗コード」とが一致するか否かを判定する。)と、
前記遊技場特定情報比較手段により、前記遊技場特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する遊技禁止手段(P台2Fは、CU3Fからの「店舗コード」と、記憶してある「店舗コード」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)とを含む。
上記構成によれば、新たに通知された遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で店舗を移動させる不正を防止することができる。
(9−8) 上記(9−7)において、
前記遊技用装置は、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けたとき、および前記通信復旧したときに、前記遊技用装置に含まれている遊技制御装置(たとえば、図64に示すセキュリティ基板325F)を特定可能な装置特定情報(SC基板ID)を前記遊技機に通知する装置特定情報通知手段(図69:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「SC基板ID」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)をさらに含み、
前記遊技機は、
前記装置特定情報通知手段により通知された前記装置特定情報を記憶する装置特定情報記憶手段(図69:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「SC基板ID」を記憶する。)と、
前記通信復旧した場合に、前記装置特定情報通知手段により新たに通知された前記装置特定情報と、前記装置特定情報記憶手段に記憶した前記装置特定情報と比較する装置特定情報比較手段(P台2Fは、CU3Fからの「SC基板ID」と、記憶してある「SC基板ID」とを比較する。)とをさらに含み、
前記遊技禁止手段は、前記装置特定情報比較手段により、前記装置特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する(不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)。
上記構成によれば、新たに通知された装置特定情報と、装置特定情報記憶手段に記憶した装置特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で遊技機を移動させる不正を防止することができる。
(9−9) 上記(9−7)または上記(9−8)において、
前記遊技機は、
遊技に使用する遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報を読取る遊技場特定情報読取手段(たとえば、P台2Fの回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取る。)をさらに含み、
前記遊技場特定情報比較手段は、前記遊技場特定情報読取手段で読取った前記遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する(読取った識別情報により、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定して、不一致の場合、状態情報応答の「不正検知状態3」のBit0を、“1”にする。)。
上記構成によれば、遊技場特定情報読取手段で読取った遊技媒体に付加されている遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致であれば、遊技媒体に他店舗の遊技玉が混入していることを報知することが可能となる。
以下、図面を参照して第3の実施の形態(以下、単に“実施の形態”という)を説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図63を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2Fが併設されている。なお、P台2Fの所定側の側方位置には、該P台2Fに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3Fが1対1に対応設置されている。
P台2Fは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉(遊技玉)を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより、発射モータ18F(図64参照)を駆動させて封入玉を一発ずつ遊技盤26F前面の遊技領域27Fに打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25Fの周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18Fが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25Fの回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27F内に発射される。
打球操作ハンドル25Fの上方には鍵穴10Fが設けられており、遊技場の係員が所持する鍵を挿入して前枠5F(図64参照)の解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより前枠5Fが開放され、ガラス扉(前面部材)6Fの解錠操作(たとえば反時計回り回転)することによりガラス扉6Fが開放される。
図63に示すP台2Fは、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27Fの中央に可変表示装置(以下、特別図柄とも言う)278Fが設けられている。また、遊技領域27Fには、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図63に示す遊技領域27Fには、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271Fと、3つの普通入賞口272F,273F,274Fと、3つの始動入賞口275F,276F,277Fとが示されている。特に、始動入賞口276Fは、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278Fは、各始動入賞口275F,276F,277Fに入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいて変動表示する。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271Fが開放する。
また、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27F内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154Fに回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154Fに回収されたパチンコ玉は再度P台2F内の回収経路(図示略)を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれる。
P台2Fにおける遊技領域27Fの下方位置には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、液晶表示装置で構成されている。なお、表示器54Fは、図63に示すようにCU(カードユニット)3Fから独立してP台(パチンコ機)2Fに取付けられる構成でも、CU3Fと一体に形成され、P台2Fの前面に嵌合させる構成でもよい。CU3Fの表示器54Fを、P台2Fの前面に嵌合させる構成であれば、CU3FとP台2Fとをより強く連結することができるので、さらに不正を防止することができる。
また、この表示器54Fの下方部分に7セグ表示器50Fが設けられている。7セグ表示器50Fは7セグメントLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171Fによって制御される。この7セグ表示器50Fにより、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。
さらに、P台2Fにおける打球操作ハンドル25Fの左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28Fが設けられている。詳しくは後述するが、計数ボタン28Fは、1度押下すると、たとえば100玉だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれ、長い期間押下(長押し)すると、現在有している遊技玉を考慮して押下している時間に対応した玉数だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれる。
このように、計数ボタン28FをP台側に設けているため、計数ボタン28FをCU側に設ける場合に比較して、P台に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
計数ボタン28Fの右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29Fが設けられている。遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器29Fは、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
このように、パチンコ機2Fは、前述のパチンコ遊技機1のような遊技制御を行なう遊技機を封入循環式パチンコ機として構成したものであり、基本的な遊技制御および演出制御は、前述のパチンコ遊技機1と同様の制御(たとえば、保留記憶情報に基づく可変表示制御、保留記憶情報に基づく大当り遊技制御、および、保留記憶情報に基づく確変制御等の制御)が行なわれる。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図63を参照して、本実施形態に係るCU3Fの構成を説明する。このCU3Fは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(以下、一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3Fは、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を「遊技玉のデータ」に変換する機能を有する。P台2Fでは、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、「遊技玉のデータ」とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、「遊技玉のデータ」を貯玉や持玉と同様に、単に「遊技玉」と称する。
CU3Fの前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302F、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305F、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309Fなどが設けられている。このカード挿入/排出口309Fに挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305Fにおいて、遊技者と対向する面には、表示器312Fと、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(以下単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319Fと、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320Fで受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312Fは、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(以下、カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312Fの表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319Fを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落して遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2Fによる遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落されて遊技玉に変換され、P台2Fによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落される。なお、再プレイボタン319Fとは別に、持玉を引落すための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319Fは貯玉引落し専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引落すことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたホールサーバ801F(図65参照)に会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801Fにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801Fに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバ801Fに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28Fが操作されて計数処理が行なわれるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどがある。
紙幣挿入口302Fに挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3Fの前面側には、さらに、玉貸ボタン(以下、貸出ボタンとも言う)321Fとカード返却ボタン322Fとが設けられている。玉貸ボタン321Fは、挿入されたカードに記録されている残高を引落してP台2Fによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322Fは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図64は、カードユニットとパチンコ機との構成を示すブロック図である。図64を参照して、CU3FとP台2Fとの制御回路の概略を説明する。
CU3Fには、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323Fが設けられている。このCU制御部323Fには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323Fには、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801F(図65参照)と通信を行なうための外部通信部(図示略)が設けられているとともに、P台2Fの払出制御基板17Fとセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325Fが設けられている。CU3FにはP台2F側への接続部(図示略)が設けられるとともに、P台2FにはCU3F側への接続部(図示略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325FとP台側の払出制御基板17Fとは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325Fには、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとの通信を制御するための通信制御IC325aFと、P台2Fのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bFが設けられている。セキュリティチップ(SC)325bFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。さらに、SC325bFは、不正検知部1325Fを備え、不正検知部1325FがCU制御部323FからP台2Fに通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800F(図65参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800Fから基板制御情報として通知される。通信制御IC325aFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323F、セキュリティチップ(SC)325bF、および通信制御IC325aFの各RAMは、電源断時にもその記憶データが消去されないバックアップRAMで構成されている。なお、このバックアップRAMの代わりに、EEPROMで構成してもよい。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323Fに入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320Fが受光すれば、その受光信号がCU制御部323Fに入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323Fに入力されるとともに、CU制御部323Fからカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323Fは、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323Fから残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350Fに出力され、表示制御部350Fで表示用データに変換される。表示器312Fに対し、表示制御部350Fで変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312Fが表示する。また、表示器312Fの表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350Fを介してCU制御部323Fに入力される。遊技者が玉貸ボタン321Fを操作することにより、その操作信号がCU制御部323Fに入力される。なお、玉貸ボタン321Fは、CU3Fに設ける構成に限定されるものではなく、P台2Fに設けて操作信号をCU制御部323Fに入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。遊技者がカード返却ボタン322Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。
P台2Fには、P台2Fの遊技の進行制御を行なう主制御基板16F、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17F、払出制御基板17Fの指令に基づいて発射モータ18Fを駆動制御する発射制御基板31F、可変表示装置278F(図63参照)などが備えられている。なお、図64では、主制御基板16Fの指令に基づいて可変表示装置を表示制御する表示制御基板(演出制御基板ともいう)の図示を省略している。
主制御基板16Fは、遊技盤26Fに設けてある。主制御基板16Fには主制御部161Fである遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161Fは、遊技盤26Fに設けられている入賞センサ162F、および電波センサ163Fと接続してある。たとえば、主制御部161Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、FPGA(field-programmable gate array)基板を用いる。なお、遊技盤26Fには、さらに可変表示装置278F等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17Fは、前枠5F(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17Fには、払出制御部171Fである払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。たとえば、払出制御部171Fの払出制御用マイクロコンピュータには、FPGA基板を用いる。
また、払出制御基板17Fに対し、発射玉検出スイッチ(図示略)、アウト玉検出スイッチ701F、ファール玉検出スイッチ330F、計数ボタン28F、電波センサ173F、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fが電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173Fは、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aFを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173Fの検出信号が払出制御基板17Fの入力ポート(図示略)を介して払出制御部171Fへ入力される。玉上げスイッチ(上)41aFは、前述したように、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171Fが、遊技玉数を「1」減算する。従って、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aFが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173Fにより検知する。なお、玉上げスイッチ(上)41aFばかりでなく、発射玉検出スイッチも電波による不正の対象となる虞がある。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にした場合には、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されることになる。しかし、この発射玉検出スイッチにも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されなくなる不都合が生じる。本実施形態では、このような発射玉検出スイッチに対して発信される不正電波も、電波センサ173Fで検出するため、前述の不都合を防止し得る。
ガラス扉開放検出スイッチ12Fおよび前枠開放検出スイッチ13Fの開放回数は、図示していない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2Fの電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6Fや前枠5Fの開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171Fへ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2F内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
また、7セグ表示器50Fが払出制御部171Fに接続されており、払出制御部171Fからの表示制御信号に従って7セグ表示器50Fがガラス扉6Fや前枠5Fの開放回数等を表示する。
主制御基板16Fから払出制御基板17Fに対し、メインチップID(主制御用セキュリティチップID)、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報などが送信される。
メインチップIDは、P台2Fの主制御基板16Fに記録されているチップIDのことであり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。たとえば、入賞口情報には、入賞口の種類が大入賞口271F(図63参照)に3球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して300球払出しを要求する情報や、始動入賞口275Fおよび始動入賞口277F(図63参照)のそれぞれに1球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して20球払出しを要求する情報が含まれる。なお、普通入賞口272Fなどの入賞口に球が入り、賞球の払出しを要求する入賞口情報が払出制御基板17Fに対して送信された後に電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合であれば、払出制御基板17Fが入賞口情報を既に受信しており、当該入賞口情報に基づく賞球の払出しが可能となる。しかし、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合、払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができず賞球の払出しができない。そのため、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも賞球の払出しができるように、継続して入賞口情報を払出制御基板17Fが受信(情報記憶部に書き込み)可能な有効期間を設定する。これにより、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも有効期間内であれば払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができ浮遊玉に基づく賞球の払出しが可能となる。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16Fと払出制御基板17Fとが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16Fから払出制御基板17Fへ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17Fがその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17Fが動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17Fは、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16Fが遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17Fへ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17Fから主制御基板16Fへ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16Fが正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701Fから払出制御基板17Fへアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、後述するように遊技中玉数(遊技領域27Fに浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ330Fからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17Fでは、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチから払出制御基板17Fへ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、遊技中玉数を減算更新する。
CU3Fのセキュリティ基板325FとP台2Fの払出制御基板17Fとが電気的に接続されており、セキュリティ基板325Fから払出制御基板17Fへ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ要求2、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、リカバリ要求を受けてP台2Fのリカバリ情報をCU3Fに通知する。リカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。通信開始要求は、P台2Fに対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信開始要求を受けてCU3Fに対して通信開始を応答する。通信終了要求は、P台2Fに対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信終了要求を受けてCU3Fに対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、P台2Fに対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、状態情報要求を受けてP台2Fの状態情報をCU3Fに通知する。カード挿入通知は、P台2Fに対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード挿入通知を受けてCU3Fに対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、P台2Fに対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード返却通知を受けてCU3Fに対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、P台2Fに対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信テスト要求を受けてCU3Fに対してテストデータを応答する。
払出制御基板17Fからセキュリティ基板325Fへ、リカバリ応答、リカバリ応答2、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠5F(遊技枠)には、発射制御基板31F、発射モータ18Fが設けられている。発射制御基板31Fは、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることを検出するタッチリング(以下、タッチセンサとも言う)の入力信号が入力されているときに発射モータ18Fへ励磁出力を発し、発射モータ18Fを駆動させる。
払出制御基板17Fから発射制御基板31Fへ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31Fは、発射モータ18Fを励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27Fへ弾発発射される状態となる。
前枠5F(遊技枠)には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fからの表示データを受信し、表示画面を表示させる。なお、このように、本実施形態では、P台側の表示器54FがCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台側に表示器54Fを表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171Fの指令に基づいて表示器54Fを表示制御する。
<パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理>
図65は、パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理を説明するための説明図である。図65に示すP台2Fは、CU3F、ホールサーバ801F、鍵管理サーバ800F、および機歴管理センタ800AFと接続されている。ここで、鍵管理サーバ800Fは、CU3F内部の電子部品のシリアルID(以下、SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800Fは、主制御基板16Fと互いに通信可能なサーバである。機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理する履歴管理システムを含んでいる。
製造メーカ(遊技機メーカ)が前枠5Fおよび遊技盤26Fを出荷して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図65に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップID、主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せた場合の相手のセキュリティチップIDなどが含まれている。なお、セキュリティチップIDは、機歴管理センタ800AFに登録後、変更、削除することができない。
一方、機歴管理センタ800AFには、製造メーカにより出荷した前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報が入力される。具体的に、機歴管理センタ800AFへの出荷情報の入力は、機歴管理センタ800AFに通信回線などを介して接続された端末から入力する。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。異常の報知として、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。なお、前枠5Fおよび遊技盤26FをセキュリティチップIDに関連付けて記憶した情報は、機歴管理センタ800AFへの出荷情報登録後、変更することができない。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報は、ホールに設置する1日前に、機歴管理センタ800AFに登録されていることが望ましい。
同様に、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を撤去して倉庫に保管した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図65に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26FのセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、ホールまたは倉庫業者により撤去した前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
また、中古業者が遊技盤26Fを別のホールに再販して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図65に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、組合せた前枠5FのセキュリティチップIDなどが含まれている。
一方、機歴管理センタ800AFには、中古業者により再販した遊技盤26Fの移動情報(再販情報)が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された遊技盤26Fの移動情報を、遊技盤26Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
さらに、廃棄業者が設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を廃棄した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図65に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)のセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、廃棄業者により廃棄した前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)の撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図66は、CU3F側とP台2F側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図66を参照して、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施形態においては、P台2F側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3F側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2F側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残高(残高)は、CU3F側において管理・記憶している。
図66では、CU3F側のCU制御部323Fに設けられているRAMの記憶データと、P台2F側の払出制御基板17Fに搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ機)2FとCU(カードユニット)3Fとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2F側の払出制御基板17Fは、主制御基板16FからメインチップID(主制御用セキュリティチップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3F側に送信するとともに、払出制御基板17F自体が記憶している払出チップID(払出制御用セキュリティチップID)をCU3F側へ送信する。
CU3F側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3F側とP台2F側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3F側からP台2F側へ送信され、P台2F側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3F側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3F側とP台2F側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2F側からCU3F側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3F側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2Fが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3F側とP台2F側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3F側からP台2F側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2F側において記憶することとなる。
また、CU3F側とP台2F側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が「1」ずつ加算更新され、その通番がCU3F側とP台2F側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3FとP台2Fとの間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、CU3F(一次局)が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、P台2F(二次局)は受信した通番をそのまま送信する。なお、CU3Fは、再送時、通番をカウントアップせず、通番の連続性が成立しない場合、無応答とする。前回最終送信通番は、前回の送受信時に更新された通信番号であり、バックアップされる番号のことである。
本実施形態におけるCU3FとP台2Fとにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3Fは、通番をカウントアップ(+1)してコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信したコマンドの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。そして、P台2Fは、受信したコマンドに対するレスポンスを、受信したコマンドの通番のままでCU3Fに送信する。CU3Fは、受信したレスポンスの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。CU3FおよびP台2Fでは、P台2FからのレスポンスをCU3Fに送信するごとに、このような処理を繰返している。
たとえば、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶するとともに、通番nのままでレスポンスを送信する。CU3F側では返信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶する。次に、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するときに通番をカウントアップ(+1)して通番n+1を送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番n+1を前回最終送信通番として記憶するとともに、通番n+1のままでレスポンスを送信する。P台2F側では送信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信する。CU3F側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番をカウントアップ(+1)して通番n+2のコマンドをP台2F側へ送信する。
P台2F側からCU3F側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2F側の払出制御部171F(図64参照)にあるRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2F側からCU3F側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
なお、バック玉が発生した場合に、そのバック玉を打球発射位置に還元して打球発射位置への玉送りを停止させた状態で打球発射動作を行なってバック玉をすべて遊技領域に発射させるようにし、バック玉が発生してもそのバック玉を加算玉としてカウントしないように制御してもよい。この場合は、「加算玉=賞球玉数×入賞個数」となる。
たとえば、遊技領域27Fに打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16Fから入賞情報が払出制御基板17Fへ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27F内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
あるいは、払出制御部171Fは、計数ボタン28Fの押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
P台2F側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3F側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171FのRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3F側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2F側からCU3F側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17Fは、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3F側に送信する。
CU3F側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(以下単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残高、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2F側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2F側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2Fから送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3Fは、P台2Fより逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3Fは、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2F側から遊技玉数カウンタのカウント値(以下、遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3Fは、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3Fは、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3F側で記憶している遊技玉数をP台2F側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3F側で管理している遊技玉数と、P台2F側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施形態では、CU3F側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2F側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3F側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2F側で記憶している遊技玉数がCU3F側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3F側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3Fと接続されるホールサーバ801Fまたはホール用管理コンピュータによって、CU3F側で記憶している遊技玉数とP台2F側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図64に示すように、CU3Fは、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残高を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323F(図64参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323F(図64参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323F(図64参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321Fの押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落して遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3F側からP台2F側へ送信される。P台2F側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落してドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2F側からCU3F側へ送信される。CU3F側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図67を参照して、CU(カードユニット)3FとP台(パチンコ機)2Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図67には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2Fに対してリカバリ情報を要求するものである。P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してリカバリ情報を通知するものである。
CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。これらリカバリ要求2とリカバリ応答2とは、基本的にはリカバリ処理を実行するときにしか送受信されない。具体的には、前述のリカバリ応答を受信したCU3Fがそのリカバリ応答の情報に基づいてリカバリ処理を実行すると判断した場合にのみCU3FがP台2Fにリカバリ要求2のコマンドを送信する。ただし、リカバリ処理を実行しないと判断した場合でもリカバリ要求2が送られた場合に、CU3F側でリカバリ処理を実行するか否かを再度判断してもよい。リカバリ処理は、CU3FやP台2Fに電源断が発生して通信回線断が検知されたときに実行する必要が生じる。本実施形態では、遊技場の営業開始時に電源を立上げたときにもリカバリ処理を実行しているが、営業開始時に電源を立上げ時には実行せずCU3FやP台2Fに電源断が発生して通信回線断が検知されたときに実行するように制御してもよい。
CU3FからP台2Fに対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して通信開始を要求するものである。P台2FからCU3Fに対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信開始を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して通信終了を要求するものである。P台2FからCU3Fに対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信終了を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2Fに対してCU3Fの状態を要求するものである。CU3Fはこのコマンドを使用して、P台2Fの状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図64に示したCU側からP台側へ向かう加算玉数が含まれている。
P台2FからCU3Fに対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fの情報・状態を通知するものである。情報応答のレスポンスには、図64に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2Fに対してカード挿入を通知するものである。P台2FからCU3Fに対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード挿入を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するものである。P台2FからCU3Fに対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。P台2FからCU3Fに対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを応答するものである。
<CUとP台との間で処理される主なシーケンス>
次に、図68〜図74に基づいて、CU制御部323Fに搭載されたCPU、および払出制御基板17Fに搭載されたCPUで実行される処理によるCU3FとP台2Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図68に示すシーケンス処理は、CU3FとP台2Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3Fの電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2Fでは発射モータ18Fを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリ情報を要求する。P台2Fは、CU3Fより通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2Fは、前回最終送信計数通番を参照して、CU3Fが計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3Fが計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2Fは、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3Fの加算リカバリ処理を実施する。CU3Fは、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2Fに対して、リカバリ要求2をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3FとP台2Fとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3Fは、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2Fは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3Fがコマンドを再送したと判断する。CU3Fはコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2Fから通知された時に通番をバックアップする。P台2Fは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3Fに通知する。P台2Fはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3Fに返信する。さらに、CU3Fは、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2Fでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2Fは、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3Fへ返信する。これ以降、CU3FとP台2Fとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3Fは、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fは、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2Fは、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fは、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3FおよびP台2Fの処理について説明する。図69に示すCU3Fは、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fでは、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3Fで記憶してもよい。
CU3Fは、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801Fに問合せて認証している最中であることを表示器312Fに表示するとともにP台2F側の表示器54Fに表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3Fは、表示器312Fに挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2F側の表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fにより表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3Fは、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323FのRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325Fを通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323FのRAM等に記憶する。
CU3Fは、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信することで、カード挿入中である状態をP台2Fに対して通知する。P台2Fは、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信することで、遊技許可中である状態をCU3Fに対して通知する。
カード挿入中、CU3Fは、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
さらに、カード挿入中に、CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される場合について説明する。まず、CU3Fは、通番=n+x、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、カード挿入中にカード挿入通知のコマンドが送信される場合、送信されるカードIDやカード挿入時刻は、挿入中のカードのカードIDやカード挿入時刻と異なることが多く、P台2Fに記憶しているカードIDやカード挿入時刻を意図的に変更しようとする不正が行なわれている可能性が高い。
そこで、P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップを行なわない。なお、P台2Fでのカード挿入中か否かの判断は、状態情報要求のコマンドに含まれるカード返却準備状態=ONの情報に基づき容易に判断することができる。
次に、P台2Fは、受信したカードID、カード挿入時刻などのバックアップを行なわずに、通番=n+xを含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、カード挿入通知のコマンドで送信したカードID、カード挿入時刻などをCU制御部323FのRAM等に記憶しない。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図70に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3Fは、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3Fは、玉貸ボタン(貸出ボタン)321Fが押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3F側単独で確定する。その後、CU3Fは加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54Fに表示させる。
次に、CU3Fは、P台2Fに対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3Fは、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3Fは、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、CU3Fに対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図73では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下すると、CU3Fは、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下する操作がなされた段階でCU3F側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3Fは、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2Fに通知する。具体的に、CU3Fは、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3Fは、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図72では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3FからP台2Fへ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図72では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3Fは、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fから送信された通番nに対して、P台2Fから通番n+1が返信されている。CU3Fから送信された計数通番mに対して、P台2Fからは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28Fを押下する。この図72では、計数ボタン28Fを1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3FからP台2Fへ送信されている。
P台2Fは、計数ボタン28Fの操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2Fは、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323Fは、表示制御部350Fに対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350Fは、その指令を受けてP台2F側の表示器54Fを表示制御する。その結果、表示器54Fには、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を800から700に更新する。この段階で、P台2Fは計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2Fは2度目の計数要求をCU3Fへ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でもP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2Fは計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3Fへ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3Fへ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3Fは、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3Fは、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2Fへ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図73は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図73では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2Fの遊技玉数が800玉で、CU3FはP台2Fの遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3Fは、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2Fに通知する。さらに、CU3Fは、P台2Fの遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54F等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28Fを押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2Fは、計数ボタン28Fを押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2Fは、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3Fに通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2Fは、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3Fは、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3Fは、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3Fは、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
P台2Fは、CU3Fからの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54F等に表示する。さらに、P台2Fは、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3Fに通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3Fに送信される。
CU3Fは、遊技者がカード返却ボタン322Fを押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28Fを押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3Fは、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n+3、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3Fに返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3Fに返信後、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3Fは、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2Fから受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801Fなどに報告する。CU3Fは、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309Fにカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3Fに設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3Fは当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801Fへ送信し、ホールサーバ801Fが当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3Fから返却されたカードは、カード挿入/排出口309Fから抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309Fから突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3Fは、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309Fの近傍に取付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3Fは、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。そのため、CU3Fは、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。これを受けて、P台2Fは、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278Fに表示する。また、P台2Fは、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカで「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2Fは、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。なお、CU3Fは、P台2Fに対してカード抜き取り可能状態であることを通知するだけでなく、CU3FまたはP台2Fに接続する装置である、ホールコンピュータ、P台2F上に取付けられた呼び出しランプなどの装置に対してカード抜き取り可能状態であることを通知してもよい。これにより、CU3FやP台2F以外に対してもカード抜き取り可能状態であることを通知することで、カード抜き取り(記録媒体の取り外し)忘れをさらに防止することができる。
カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがON状態であれば、CU3Fは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309Fからカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがOFF状態となるので、CU3Fは、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
これを受けて、P台2Fは、可変表示装置278Fに表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2Fは、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。
なお、図73で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<<異常系シーケンス>>
次に、図74を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図74は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報要求が未到達(CU3FからP台2Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
図74を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、CU3Fは、通番=nを含む状態情報要求をP台2Fに送信している。それを受けて、P台2Fは、遊技台情報をCU3Fに通知するため、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答をCU3Fに送信する。P台2Fは、前回遊技台情報となる前回最終送信通番を“n”に更新する。
CU3Fは、通番=nの状態情報応答を受け、前回最終送信通番を“n”に更新してバックアアップする。また、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23の情報に基づいて、自ら記憶している遊技玉数や加算玉数、減算玉数を更新する。
そして、遊技中においてP台2Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む状態情報要求がCU3FからP台2Fへ送信された場合に、P台2Fが電源断の状態であるためにその状態情報要求を受信できない。それ以降P台2Fからの状態情報応答が送信されてこないためにCU3Fは、3秒後に通信回線断を検知して停止する制御を行なう。P台2Fが状態情報応答のレスポンスをCU3Fに送信してから、電源断発生までの間、P台2Fにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
その後、P台2Fの電源断が復旧してONの状態になってP台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801Fを経由して鍵管理サーバ800F)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、前回最終送信通番=n、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していると判断でき、この場合には、その状態情報応答に含まれる遊技情報に基づいてCU3F側でも遊技情報が更新されていることになる。このため、この場合には、P台2Fは、遊技情報格納無(具体的には前回遊技台情報無)としてリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。仮に、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが不一致の場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していないと判断できるため、このような場合には、遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)として遊技情報を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
図74において、CU3Fは、リカバリ応答に含まれる遊技情報格納がないため、加算リカバリ処理は行なわない。なお、リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。遊技情報格納がないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(最新遊技台情報である遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3Fに通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3Fは、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。
<遊技機の管理>
次に、出荷から廃棄までの遊技機の履歴を管理するシステムについて説明する。図75は、本実施形態に係る遊技機の出荷から廃棄までの履歴情報(機歴情報)の流れを説明するための図である。ここで、履歴を管理する遊技機の対象は、前述の封入循環式遊技機(P台2F)に限定されるものではなく、従来のCR遊技機も含まれる。もちろん、当該対象の遊技機には、パチンコ遊技機だけでなく、後述するP台2Fに対応するS台(スロットマシン)2SFや、従来のパチスロなども含まれることは言うまでもない。
図75を参照して、遊技機メーカからホールAに対して遊技機が出荷された場合、遊技機メーカのサーバ(図示せず)は、その出荷された遊技機に関する出荷情報を、通信回線を利用して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該出荷情報をサーバの記憶領域に登録する。
図76は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに出荷情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。
図76を参照して、ホールAは、遊技機メーカに遊技機を発注する際には、売買契約書を遊技機メーカに送付する。遊技機メーカは、ホールAから送付された売買契約書を受取ると、当該売買契約書に従う遊技機の受注を確認する。遊技機メーカは、当該受注を確認すると、保証書と検定通知書の写しをホールAに送付するとともに、遊技機の生産を開始する。遊技機メーカは、生産した遊技機は、遊技機メーカからホールAに出荷される(ホールAに納品される)。また、ホールAに出荷するための遊技機が運送業者に引き渡された後、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する出荷情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該出荷情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図77は、出荷情報の具体的な内容の一例を示す図である。具体的には、図77(a)は、出荷情報として登録される項目を示す図である。図77(b)は、登録種別に含まれる登録分類を示す図である。
図77(a)を参照して、出荷情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、主制御チップID番号(メインチップID)と、主制御製品コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、払出制御チップID番号(払出チップID)と、払出制御製品コードと、出荷日と、事業者コードと、ホールコードと、取消フラグとを含む。
登録種別は、出荷する遊技機が従来のCR遊技機であるか、封入循環式遊技機(P台2F)であるか、および、部品交換した遊技盤であるか、遊技機枠であるかを指定するための情報である。具体的には、図77(b)では、登録種別の番号が「11」〜「14」の場合には、出荷される遊技機はCR遊技機であり、「21」〜「25」の場合には、出荷される遊技機はP台2Fであることを示している。さらに、登録種別番号「11」〜「14」は、それぞれ部品交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤(部品交換)であることを示している。また、登録種別番号「21」〜「25」は、それぞれ交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤の部品、遊技機枠の部品であることを示している。遊技盤の基板または遊技機枠の基板を交換する場合には、基盤を交換した場合に交換後の基板管理番号を設定して登録される。なお、遊技盤、および遊技機枠の製造番号が変更されるような部品交換は、新規の出荷として登録される。なお、登録種別によって、遊技機メーカ名および遊技機の型式名が特定される。
遊技盤製造番号および主基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。
主制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(従来のCR遊技機では設定不要)。主制御製品コードは、主制御チップの製品コードである(従来のCR遊技機では設定不要)。
遊技機枠製造番号および払出基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。なお、払出基板管理番号は、従来のCR遊技機では設定不要である。
払出制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(CR遊技機では設定不要)。払出制御製品コードは、払出制御チップに書込んだ製品コードである(CR遊技機では設定不要)。
出荷日は、遊技機が出荷された日であり、出荷が確定した日付である。事業者コードは、運送業者名を特定するための情報である。ホールコードは、納品先のホール名を特定するための情報である。取消フラグは、出荷情報を登録する場合には「0」が、登録した出荷情報を取消す場合には「1」が設定される。遊技機メーカは、誤った出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録してしまった場合、誤った出荷情報の取消フラグを「1」に設定して、機歴管理センタ800AFに再度登録する。
機歴管理センタ800AFは、取消フラグが「1」に設定された出荷情報を受付けた場合、受付けた出荷情報と同じ内容で、取消フラグが「0」に設定された出荷情報の登録を取消す。つまり、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報が機歴管理センタ800AFの記憶領域から削除される。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができる。
さらに、機歴管理センタ800AFは、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報の受付を所定条件が成立するまで可能とすることができる。つまり、所定条件が成立した以降、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録することができない。
ここで、所定条件としては、たとえば、時刻や期間などがある。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消したい出荷情報を登録した日の午後8時まで、「1」が設定された取消フラグを含む当該出荷情報を受付けるように設定することができる。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができるとともに、所定条件が成立した以降(たとえば、登録日の午後8時以降)に出荷情報を不正に改ざんされることを防止することができる。
なお、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)の場合、主制御チップID番号または払出制御チップID番号が、遊技機の個体を特定するための特定情報となり、遊技機が従来のCR遊技機の場合、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技機枠製造番号、払出基板管理番号の少なくとも1つの番号が遊技機の個体を特定するための特定情報となる。
また、出荷情報を図77(a)のように、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)であっても、従来のCR遊技機であっても同じ形式にすることで、機歴管理センタ800AFにおいて、封入循環式遊技機(P台2F)および従来のCR遊技機の履歴を統一的に管理することができる。
再び、図75を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品され、当該遊技機がホールAに設置された場合、ホールAのサーバ(図示せず)は、通信回線を介してその設置された遊技機に関する設置情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該設置情報と、出荷時に登録された出荷情報とを関連付けてサーバの記憶領域に登録する。
図78は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。具体的には、図78(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータ(図示せず)と機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図78(a)では、主に従来のCR遊技機の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図78(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図78(b)では、主に封入循環式遊技機(P台2F)の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図78(a)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。遊技機メーカが遊技機受渡書の控えを受領すると、遊技機メーカから通信回線を介して遊技機の設置情報が機歴管理センタ800AFに入力され、当該入力された設置情報がサーバの記憶領域に登録される。なお、機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されると、登録した結果が通信回線を介して、または書類として出力される。また、ホールAにおいては、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。
図78(b)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。その後、ホールAにおいて、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線を介して接続可能に構成されていることから、ホールAに設置された遊技機の電源が投入されると自動的にホール用コンピュータから機歴管理センタ800AFに設置情報が送信される。機歴管理センタ800AFは、受信した設置情報と出荷時に登録した出荷情報とを関連付けて記憶領域に登録する。
図79は、図78(a)において機歴管理センタ800AFに入力される設置情報の内容の一例を示す図である。図79を参照して、設置情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、設置日と、ホールコードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、ホールコードと、取消フラグとは、図77で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
上述したように、図78(a)の場合には、主に、ホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定されるため、登録種別の番号は「11」〜「14」となる。設置日は、たとえば、保証書の開店予定日である。
以上から、図78(a)の場合には、機歴管理センタ800AFには、遊技機メーカから入力される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、設置日、および設置先ホール名が登録される。
また、図78(b)の場合には、機歴管理センタ800AFには、ホール用コンピュータから自動的に送信される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、設置日、設置先ホール名、主制御チップID、および払出制御用IDが登録される。なお、機歴管理センタ800AFは、設置情報として上記の一部の情報を受信し、出荷情報と共通する情報については、出荷情報を参照して登録する場合であってもよい。
再び、図75を参照して、ホールAに設置された遊技機が撤去された場合には、ホールAから撤去情報を書類などに記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFに送付された撤去情報に基づき、機歴管理センタ800AFの入力手段(図示していない端末など)から必要な情報を入力することで撤去情報をサーバの記憶領域に登録する。なお、当該書類が機歴管理センタ800AFに送付されない場合には、後述する中古移動情報または廃棄情報が機歴管理センタ800AFに登録されたときに、ホールAから遊技機が撤去されたと判断して、撤去情報を登録してもよい。
図80は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに撤去情報が登録されるまでの流れを示す図である。具体的には、図80(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図80(a)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図80(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図80(b)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図80(a)を参照して、ホールAに設置された遊技機を撤去する場合には、発行された変更承認申請書に基づいて遊技機が撤去される。遊技機が撤去されると、ホールAから撤去情報を含む書類が機歴管理センタ800AFに送付される。機歴管理センタ800AFは、送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録する。
図80(b)を参照して、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていることから、機歴管理センタ800AFは、記憶領域に登録されている設置情報に基づいて、ホールAに設置されているはずの遊技機と通信不能な状態が一定期間(例えば、1カ月間)経過した場合には、当該遊技機が稼働しておらず撤去された状態であると判断して、記憶領域に撤去情報を登録する。なお、図80(a)と同様に、機歴管理センタ800AFは、ホールAから送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録してもよい。
従来のCR遊技機が撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、撤去日、および撤去ホール名が登録される。また、P台2Fが撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
再び、図75を参照して、ホールAから撤去された遊技機が販売業者の倉庫に入庫され、当該入庫された遊技機を別のホールBに出庫する場合には、販売業者が申請書類に中古移動情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、送付された申請書類に基づいて、機歴管理センタ800AFの入力手段から中古移動情報をサーバに登録する。なお、機歴管理センタ800AFと販売業者が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに中古移動情報を入力してもよい。
販売業者から出庫された遊技機が別のホールBに納品され、当該遊技機が別のホールBに設置された場合には、別のホールBにおいても、図78で説明したような流れで設置情報が機歴管理センタ800AFのサーバに登録される。また、ホールBに設置された遊技機が撤去された場合にも、図80で説明したような流れで撤去情報が機歴管理センタ800AFに登録される。
次に、ホールAから撤去された遊技機が処理会社によって回収され、その回収された遊技機が廃棄される場合には、処理会社から廃棄情報を申請書類に記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、自装置内の入力手段から必要な情報を入力することで廃棄情報を記憶領域に登録する。なお、機歴管理センタ800AFと処理会社が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに廃棄情報を入力してもよい。
また、遊技機メーカによってホールAから下取りした遊技機が廃棄される場合には、ホール用コンピュータは、通信回線を介して廃棄される遊技機に関する廃棄情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該廃棄情報をサーバの記憶領域に登録する。
図81は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに廃棄情報が登録されるまでの流れを示す図である。
図81を参照して、遊技機メーカからホールAに遊技機の下取りの受け入れ了承通知がなされると、当該遊技機がホールAから遊技機メーカに引き渡される。遊技機メーカでは、当該遊技機を回収し保管した後、廃棄する場合には処理会社(廃棄業者)に廃棄処理を依頼する。遊技機メーカは、処理会社から遊技機の廃棄処理が完了した旨の連絡(処理明細等)を受けると、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する廃棄情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該廃棄情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図82は、機歴管理センタ800AFに入力される廃棄情報の内容の一例を示す図である。
図82を参照して、廃棄情報は、登録種別と、廃棄日と、遊技盤製造事業者コードと、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造事業者コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、事業者コードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、取消フラグとは、図77で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
廃棄日は、遊技機が廃棄された日である。遊技盤製造事業者コードは、遊技盤を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。遊技機枠製造事業者コードは、遊技機枠を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。事業者コードは、廃棄処理を実施した事業者を特定するための情報である。典型的には、処理会社(廃棄業者)の事業者コードであるが、遊技機メーカで廃棄処理した場合には、遊技機メーカの事業者コードとなる。
従来のCR遊技機が廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、廃棄日、および処理業者名が登録される。また、P台2Fが廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
<前枠および遊技盤の管理>
前述の機歴管理センタでは、遊技機(P台2F)の履歴を管理する構成について説明したが、P台2Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るため、前枠5Fと遊技盤26Fとに分けて履歴を管理することも可能である。そこで、以下に前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理について説明する。
図83は、本実施形態に係る前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を説明するための概略図である。図83に示す機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を図84に示すテーブルに記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理している。機歴管理センタ800AFは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)8001Fと、そのCPU8001Fの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)8002Fと、CPU8001Fのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)8003Fと、I/Oポート(Input/Output Port)8004Fと、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置8005Fとが設けられている。
図84は、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を行なうため、前枠5Fの情報および遊技盤26Fの情報を記憶するテーブルの概略図である。図84に示すテーブルには、払出制御基板17FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する払出側テーブル(図84(a))と、主制御基板16FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する主制御側テーブル(図84(b))とが含まれている。
以下、図83および図84を用いて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を具体的に説明する。まず、出荷・設置時について、(1)半導体チップメーカ190Fは、払出制御用半導体チップ17aFを製造して、前枠5Fの製造メーカである枠メーカ191Fに出荷する。また、(2)半導体チップメーカ190Fは、主制御用半導体チップ16aFを製造して、遊技盤26Fの製造メーカである遊技盤メーカ192Fに出荷する。なお、払出制御用半導体チップ17aFおよび主制御用半導体チップ16aFは同じ半導体チップメーカ190Fが製造する場合に限定されず、別々の半導体チップメーカ190Fが製造してもよい。
(3−1)半導体チップメーカ190Fは、製造した払出制御用半導体チップ17aFの払出制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDを入力して、払出側テーブルを更新する。同様に、(3−2)半導体チップメーカ190Fは、製造した主制御用半導体チップ16aFの主制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDを入力して、主制御側テーブルを更新する。
(4)枠メーカ191Fは、払出制御用半導体チップ17aFを前枠5Fに組込み、前枠5Fを製造する。さらに、枠メーカ191Fは、製造した前枠5Fをホール193Fに出荷して、設置する。(5)枠メーカ191Fは、ホール193Fに設置した前枠5Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。なお、前枠5Fを特定する情報として、図84(a)に示すように、前枠製造番号、払出基板管理番号、払出制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。さらに、前枠5Fを特定する情報に、枠の形式名、製品コード、およびメーカーコードを含んでもよい。
(6)遊技盤メーカ192Fは、主制御用半導体チップ16aFを遊技盤26Fに組込み、遊技盤26Fを製造する。さらに、遊技盤メーカ192Fは、製造した遊技盤26Fをホール193Fに出荷して、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて設置する。(7)遊技盤メーカ192Fは、ホール193Fに設置した遊技盤26Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、遊技盤26Fを特定する情報として、図84(b)に示すように、遊技機の形式名、製品コード、メーカーコード、遊技盤製造番号、主制御基板管理番号、主制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。
(8)ホール193Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。(9)鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、半導体チップメーカ190F、枠メーカ191Fおよび遊技盤メーカ192Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図84(a)に示す(3−1),(5)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに払出側テーブルに含まれるペアの主制御用セキュリティチップIDの情報(図84(a)に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fの管理状態(ステータス)は、払出側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
同様に、機歴管理センタ800AFは、主制御側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図84(b)に示す(3−2),(7)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに主制御側テーブルに含まれるペアの払出制御用セキュリティチップIDの情報(図84(b)に示す(9)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、遊技盤26Fの管理状態(ステータス)は、主制御側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
次に、保管時について、(10)ホール193Fは、新しい前枠5Fおよび遊技盤26Fに入替える場合、設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去して倉庫に保管する。(11)倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した前枠5Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した遊技盤26Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの保管情報として、図84に示すように、遊技機の製造業者、設置元ホール、撤去日、保管日、および保管場所が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fがホール193Fから撤去されると、稼働情報が鍵管理サーバ800Fに送信されなくなる。つまり、撤去された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、倉庫業者194Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる保管日などの情報(図84に示す(11)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「保管」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして撤去する必要はなく、いずれか一方を取外して撤去してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(11)(図84参照)の情報のみが更新される。
次に、再販時について、(12)ホール193Fは、倉庫業者194Fが保管している前枠5Fおよび遊技盤26Fを、中古業者195Fに再販を依頼する。中古業者195Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、当該ホールに設置する。(13)中古業者195Fは、再販した前枠5Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、中古業者195Fは、再販した遊技盤26Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの再販情報として、図84に示すように、設置元ホール、撤去日、設置日、および販社名が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが再販されると、別のホールに設置され、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せてP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。また、鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、中古業者195Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御販テーブルに含まれる販社名などの情報(図84に示す(13)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「再販」と判断し、さらに払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれるペアのセキュリティチップIDの情報(図84に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして再販する必要はなく、いずれか一方を再販してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(13)(図84参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合に限定されず、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販してもよい。また、再販時の再出荷は行なわない。
次に、廃棄時について、(14)ホール193Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを、廃棄業者196Fに廃棄を依頼する。廃棄業者196Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを適切な方法で廃棄する。(15)廃棄業者196Fは、廃棄した前枠5Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、廃棄業者196Fは、廃棄した遊技盤26Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの廃棄情報として、図84に示すように、設置元ホール、引き取り日、および廃棄日が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが廃棄されると、稼働情報は鍵管理サーバ800Fに送信されない。つまり、廃棄された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、廃棄業者196Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図84に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして廃棄する必要はなく、いずれか一方を取外して廃棄してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(15)(図84参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合に限定されず、ホール193Fに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄してもよい。
<機歴管理センタの異常判定>
機歴管理センタ800AFは、前述したように遊技機設置情報および未稼働情報と更新した情報とを照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。具体的に、機歴管理センタ800AFが異常であるか否かを判定する処理について、フローチャートを用いて説明する。図85は、機歴管理センタ800AFが前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。図86は、図85に示すフローチャートで参照するテーブルを説明する図である。
まず、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる情報に基づき、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を判断する(SF211)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図84に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、前回判断した管理状態から今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるか否かを確認する(SF212)。遷移禁止テーブルは、図86(a)に示すように、前回判断した管理状態から遷移が禁止されている管理状態を示している。具体的に、枠メーカ191Fが前枠5Fを製造して出荷した場合、当該前枠5Fが廃棄や再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「出荷」から「廃棄」や「再販」へ遷移することを禁止している。また、一度、設置、保管および再販された前枠5Fが、枠メーカ191Fから出荷されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「設置」、「保管」および「再販」から「出荷」へ遷移することを禁止している。さらに、廃棄された前枠5Fが、出荷、設置、保管および再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「廃棄」から「出荷」、「設置」、「保管」および「再販」へ遷移することを禁止している。なお、前述の遷移禁止テーブルのでは、前枠5Fを例に説明したが、遊技盤26Fについても同様である。
次に、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれないとき(SF212:N)、鍵管理サーバ800Fからの情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの稼働状態を判断する(SF213)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから遊技機設置情報が送信されたときは稼働状態と判断し、鍵管理サーバ800Fから未稼働情報が送信されたとき(遊技機設置情報が送信されないとき)、非稼働状態と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、SF211で今回判断した管理状態、およびSF213で判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているか否かを確認する(SF214)。更新異常テーブル、図86(b)に示すように、SF211で今回判断した管理状態において禁止されている稼働状態を示している。具体的に、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されている場合、営業時間内であれば稼働状態となるが、営業時間外であれば通常未稼働状態であるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「設置」のとき、「営業時間外で稼働」となると異常と判定する。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されていない場合、常に未稼働状態となるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「出荷」,「保管」,「再販」,および「廃棄」のとき、「稼働」となると異常と判定する。
次に、機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているとき(SF214:Y)、異常を報知する(SF215)。SF215で、異常を報知する手段は、機歴管理センタ800AFの表示装置に異常を表示する、音声出力装置から警報音を出力するなど、いずれの手段であってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるとき(SF212:Y)も、異常を報知する(SF215)。
機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれていないとき(SF214:N)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、前枠5Fの履歴情報を払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する払出側テーブルと、遊技盤26Fの履歴情報を主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する主制御側テーブルとを大容量記憶装置8005Fに含み、CPU8001Fが払出側テーブルおよび主制御側テーブルに記憶した情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態の異常を判定する。そのため、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、別々に流通する可能性がある前枠5Fおよび遊技盤26FをそれぞれのセキュリティチップIDに関連付けて履歴を管理することができる。
<主制御部−払出制御部間の通信>
次に、P台2Fにおける主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信についてさらに詳しく説明する。まず、図64に示すP台2Fにおいて、遊技盤26Fに設けられた主制御基板16Fと、前枠5Fに設けられた払出制御基板17Fとの通信は、主制御基板16Fに設けられた主制御部161Fと前枠5Fに設けられた払出制御部171Fとの間で行なわれる。図87は、主制御部161F、払出制御部171F、および通信制御ICとの間で行なわれる通信について説明するための概略図である。
図87に示す主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、ワンチップで構成されているものとして以下説明するが、複数のチップで同様の機能を構成してもよい。主制御部161Fは、主制御回路161aF、通信制御回路161bF、主制御記憶部161cFを備えている。主制御回路161aFは、主制御部161Fで様々な処理(たとえば、入賞センサ162Fからの信号に基づいて入賞球をカウントしたり、電波センサ163Fからの信号に基づいて不正を検出したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路161bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信を行なうための回路である。主制御記憶部161cFは、主制御部161Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などで構成されている。なお、主制御記憶部161cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
一方、払出制御部171Fは、払出制御回路171aF、通信制御回路171bF、払出制御記憶部171cFを備えている。払出制御回路171aFは、払出制御部171Fで様々な処理(発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを制御したり、計数ボタン28Fからの信号に基づいてCU3Fに対して遊技玉から持玉への変換を要求したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路171bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信、および払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間の暗号通信を行なうための回路である。払出制御記憶部171cFは、払出制御部171Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータなどを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAMなどで構成されている。なお、払出制御記憶部171cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
さらに、通信制御回路161bF,171bFについて詳しく説明する。図88は、払出制御部171Fと暗号通信するための通信制御回路161bFの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路161bFは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、前枠5Fの払出制御部171Fとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて主制御部161Fの情報を、払出制御部171Fに渡し、払出制御部171Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部600Fにて払出制御部171Fとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路161bFは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路161bFは、図88に示すように主制御回路161aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部600Fを有している。
通信制御回路161bFに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ611F、認証割込み設定レジスタ612F、送信データバッファ613F、送信データ数レジスタ614F、情報送信クリアレジスタ615F、主制御遊技情報レジスタ616F、払出制御遊技情報レジスタ617F、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ611Fは、主制御部161FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ612Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ613Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fに送信する遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、送信データバッファ613Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ613Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ613Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要である。送信データバッファ613F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ614Fは、主制御部161F払出制御部171Fへ送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ613F内のデータ数をモニタしている。情報送信クリアレジスタ615Fは、送信データバッファ613Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
主制御遊技情報レジスタ616Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ616Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで暗号化されて払出制御部171Fへ送信される。払出制御遊技情報レジスタ617Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ617Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで復号化されたデータである。
リカバリ通信完了レジスタ618Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信が完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fは、払出制御部171Fと通信を行なっている暗号通信制御部600Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171bFは、主制御部161Fと暗号通信するための構成と、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成とに分けられ、主制御部161Fと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b1F、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b2Fとして以下説明する。
まず、図89は、主制御部161Fと暗号通信するための通信制御回路171b1Fの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路171b1Fは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、遊技盤26Fの主制御部161Fとの相互認証、およびCU3Fの通信制御IC325aFとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて払出制御部171Fの情報を、主制御部161Fに渡し、主制御部161Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部700Fにて主制御部161Fおよび通信制御IC325aFとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路171b1Fは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路171b1Fは、図89に示すように払出制御回路171aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部700Fを有している。
通信制御回路171b1Fに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ711F、認証割込み設定レジスタ712F、データ受信レジスタ713F、受信データ数レジスタ714F、情報受信クリアレジスタ715F、払出制御遊技情報レジスタ716F、主制御遊技情報レジスタ717F、リカバリ要求/完了レジスタ718Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ711Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ712Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
データ受信レジスタ713Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信した遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、データ受信レジスタ713Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該レジスタに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、データ受信レジスタ713Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、データ受信レジスタ713Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。データ受信レジスタ713F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
受信データ数レジスタ714Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ713F内のデータ数をモニタしている。情報受信クリアレジスタ715Fは、データ受信レジスタ713Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
払出制御遊技情報レジスタ716Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ716Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで暗号化されて主制御部161Fへ送信される。主制御遊技情報レジスタ717Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ717Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで復号化されたデータである。
リカバリ要求/完了レジスタ718Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fは、主制御部161Fと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171b1Fには、その他、通信タイムアウト時間設定レジスタ719aF、通信インターバル時間設定レジスタ719bF、および主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFが含まれている。
主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定するレジスタである。当該レジスタを設定することで、データ受信レジスタ713Fへの書込みは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても設定した有効時間(たとえば、5秒から15秒程度)行なうことができる。これにより、たとえば、電源断や断線などにより認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。なお、玉の滞留時間が長いステージを有する遊技機の場合でも、浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶することができるように有効期間を長めに設定することができるものとする。
本来、データ受信レジスタ713Fには、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後、セキュリティの観点から暗号通信制御部700F介して情報を書き込むことができない。しかし、データ受信レジスタ713Fでは、たとえば、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に浮遊玉が入賞したことの情報を書き込む必要があった。そこで、通信制御回路171b1Fは、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFに対して有効時間を設定し、暗号通信制御部700Fで本設定することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても有効期間内であれば暗号通信制御部700Fを介して情報をデータ受信レジスタ713Fに書き込むことができる。なお、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFの設定値は、暗号通信制御部700Fで本設定された後であれば読み出すことができる。
図90は、通信制御IC325aFと暗号通信するための通信制御回路171b2Fの構成を説明するためのブロック図である。通信制御回路171b2Fは、図90に示すように、通信制御IC325aFと暗号通信するために、たとえば認証ステータスレジスタ721F、認証割込み設定レジスタ722F、送信データバッファ723aF、データ受信レジスタ723bF、送信データ数レジスタ724F、受信データ数レジスタ725F、リカバリ通信加算球要求レジスタ726F、リカバリ通信減算球要求レジスタ727F、リカバリ要求/完了レジスタ728F、暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729F、通信タイムアウトタイマ−プリスケーラ設定レジスタ729aFおよび通信タイムアウト時間設定レジスタ729bFなどを有している。
認証ステータスレジスタ721Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ722Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ723aFは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信する業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。データ受信レジスタ723bFは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信した業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。
なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFを不揮発メモリで構成することで、払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファおよびレジスタに書込まれた業務電文は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFに書込まれた業務電文を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、払出制御部171Fや通信制御IC325aFの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bF以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ724Fは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ723aF内のデータ数をモニタしている。受信データ数レジスタ725Fは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ723bF内のデータ数をモニタしている。
リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて加算球が発生した場合に加算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、リカバリ通信完了時のみ更新される。リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて減算球が発生した場合に減算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fも、リカバリ通信完了時のみ更新される。
リカバリ要求/完了レジスタ728Fは、通信制御IC−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729Fは、通信制御IC325aFと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
<リカバリ完了確認処理>
次に、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、電源断などの通信不能な状態から復帰するとき、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、主制御記憶部161cFおよび払出制御記憶部171cFに記憶された所定情報を送信するリカバリ処理を実行する。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理の終了を条件に、ユーザプログラムの実行による所定情報の生成を再開するリカバリ完了確認処理を行なう。具体的に、リカバリ完了確認処理についてフローチャートを用いて説明する。図91は、リカバリ完了確認処理を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、電源断などの通信不能な状態から復帰させるために電源が投入されると、主制御回路161aFおよび払出制御回路171aFが認証シーケンスの処理を開始し、認証が完了すると主制御部161Fおよび払出制御部171Fのそれぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証結果が書込まれる。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれているか否かを確認する(ステップSF291)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれていない場合(ステップSF291:NO)、ステップSF291の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれている場合(ステップSF291:YES)、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれているか否かを確認する(ステップSF292)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていない場合(ステップSF292:NO)、ステップSF292の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれている場合(ステップSF292:YES)、ユーザプログラムの処理を開始する(ステップSF293)。なお、ユーザプログラムの処理を開始させる手段として、たとえばユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信して当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段や、ユーザプログラムの処理を停止する停止手段を設け、当該停止手段を解除することで当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段などがある。
前述のように、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理が完了するまでユーザプログラムの処理を開始しないため、リカバリ処理によって復帰させる情報が確定する前にユーザプログラムの処理による新たな情報が書込まれないようにすることでユーザプログラムの処理を適切に再開することができる。
<主制御部と払出制御部との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図92を参照して、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図92には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して電源投入通知という名称のコマンドが送信される。この電源投入通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して電源が投入され通信が開始されることを通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して電源投入受信という名称のレスポンスが送信される。この電源投入受信のレスポンスは、主制御部161Fに対して電源投入通知を受信し、通信が開始されることの応答である。
次に、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して遊技状態通知という名称のコマンドが送信される。この遊技状態通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して遊技状態を通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して遊技状態応答という名称のレスポンスが送信される。この遊技状態応答のレスポンスは、主制御部161Fに対して遊技状態通知を受信したことの応答である。
<主制御部と払出制御部との間で処理される主なシーケンス>
次に、図93および図94に基づいて、主制御部161Fおよび払出制御部171Fで実行される処理による主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<通信シーケンス>>
まず、図93を参照して、電源投入時、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理されるシーケンスを説明する。図93に示すシーケンスは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。
また、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信は、主制御部161Fを一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は200msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。払出制御部171Fは、応答を送信してから1秒経過しても主制御部161Fからの要求コマンドが受信できなかった場合に「通信回線断」とし、遊技を停止させる。
さらに、払出制御部171Fは正常なデータを受信した場合のみ、主制御部161Fへ応答コマンドを送信する。主制御部161Fはポーリング間隔時間内に応答コマンドを受信しなかった場合、初回を含めて最大3回までコマンドを再送する。送受信に用いる通番は、主制御部161F、払出制御部171Fともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で電源投入通知および電源投入受信の通信が行なわれ、さらに認証新シーケンスが開始される。認証シーケンスは、前述したように主制御部161Fおよび払出制御部171FのチップIDが認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことが認証ステータスレジスタ611F,711Fに書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
次に、主制御部161Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。さらに、主制御部161Fは、通番を「n+1」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+1」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。
その後、主制御部161Fは、通番をカウントアップして「n+2」として、遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fへ送信する。そして、払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+2」として、遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fへ返信する。
主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、通番「n」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔、通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+2」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔は、それぞれ200ms間隔である。
<<電源断後のシーケンス>>
次に、図94を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの処理について説明する。図94は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、払出制御部171Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、遊技状態通知が未到達(主制御部161Fから払出制御部171Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図94を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、主制御部161Fは、通番=nを含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信している。それを受けて、払出制御部171Fは、通番=nを含む遊技状態受信を主制御部161Fに送信する。
そして、遊技中において払出制御部171Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む遊技状態通知が主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信された場合に、払出制御部171Fが電源断の状態であるためにその遊技状態通知を受信できない。それ以降、払出制御部171Fからの遊技状態受信が送信されてこないために主制御部161Fは、1秒後に電源断が発生したとして通信を停止する制御を行なう。
その後、電源投入および主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で認証シーケンスが開始されると、主制御部161Fは、通番=1および主制御通番(前回最終送信通番)=n+1を含む電源投入通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、電源断が発生する前に主制御部161Fに送信した遊技状態受信の通番が「n」であったため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nとなる。そのため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nと、主制御部161Fでバックアップしている主制御通番=n+1とが不一致である。払出制御部171Fは、通番が不一致であるとき、主制御部161Fから送信された電源投入通知に含まれるリカバリ遊技情報に基づき払出制御部171Fの情報をリカバリ処理する。その後、払出制御部171Fは、通番=1を含む電源投入受信を主制御部161Fに送信する。
主制御部161Fは、通番=2を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、リカバリ処理後の内容で処理を行なうとともに、通番=2を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。以降同様に、主制御部161Fは、通番=3を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番=3を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。
なお、前述のリカバリ処理は、通番が不一致であったので実施する構成であったが、リカバリ遊技情報に含まれる情報(たとえば、遊技情報数や賞球情報など)が主制御部161Fと払出制御部171Fとで不一致であってもリカバリ処理を行なってもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図95は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を「P台」と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、「S台」とも略称する。
上記の遊技用システムは、遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図95を参照して、S台(スロットマシン)2SFは、本体枠2aSFに対して前面扉2bSFがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図95では図示を省略しているが、S台2SFの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2SFでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2SFにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2SFには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2SFの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2LF、2CF、2RF(以下、左リール、中リール、右リールとも言う)が水平方向に並設されており、これらリール2LF、2CF、2RFに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSFに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2LF、2CF、2RFの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSFの各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510Fが設けられている。この表示器510Fは、P台の表示器54Fに相当する表示器であり、表示器54Fと同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510Fは、図64の表示器54Fと同様にCUの表示制御部350Fに接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510Fは、各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図95に示されるスタートスイッチ7SFよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、この表示器510Fの下方部分に7セグ表示器50SFが設けられている。この7セグ表示器50SFは、P台の7セグ表示器50Fに相当する表示器であり、7セグ表示器50Fと同種の各種情報(前面扉2bSFの開放回数など)が表示される。
また、前面扉2bSFには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5SF、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6SF、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7SF、リール2LF、2CF、2RFの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8LF、8CF、8RFがそれぞれ設けられている。
S台2SFにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残高、持点、あるいは遊技場に預入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落すことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5SF、またはMAXBETスイッチ6SFを操作すればよい。本実施形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510Fの遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7SFの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7SFを操作すると、各リール2LF、2CF、2RFが回転し、各リール2LF、2CF、2RFの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8LF、8CF、8RFを操作すると、対応するリール2LF、2CF、2RFの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そしてすべてのリール2LF、2CF、2RFが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2LF、2CF、2RFの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510Fの遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図95に示すとおり、S台2SFには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28SFが設けられている。なお、玉貸ボタン、返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図64参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510Fに行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510Fに表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号が直接CU3Fへ入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2FやS台2SFを経由して状態情報応答としてCU3Fへ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2SFを制御する主制御部(S台の主制御部161Fに相当)によって決定される。S台2SFの主制御部は、P台2Fに搭載された主制御基板16Fに対応するメイン制御基板に搭載されている。主制御部は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって当選役の有無を決定する。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた信号を払出制御部(図64の払出制御部171Fに相当)へ送信する。払出制御部は、その信号に応じた数の遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2SFの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSFに取付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2SFのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSFとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図96は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図96に示す送受信態様は、P台の構成として説明した図66の用語をS台用に置換えたものであり、その態様は、図66を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
また、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、パチンコ遊技機1について前述したような、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号と、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号とが含まれてもよい。なお、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、前述したパチンコ遊技機1のように情報出力回路から外部に出力する構成ではなく、主制御部161Fから払出制御部171Fを介して情報を出力するようにしてもよい。
保留記憶数の情報は、前述したように、主制御基板16Fに設けられた遊技制御用マイクロコンピュータが、加減算処理等のデータ処理をしているため、最新情報を認識している。したがって、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号が、遊技制御用マイクロコンピュータから情報出力回路または払出制御用マイクロコンピュータを介して外部に出力可能である。
また、主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、発射停止信号、電波センサ検出信号、磁石センサ検出信号、不正入賞検出信号、および、遊技状態情報設定完了信号等の各種信号により、各種情報を送信し、払出制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ここで、発射停止信号は、打球操作ハンドル25Fにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき、発射停止スイッチ(操作されると強制的に発射停止制御が実行されるスイッチ)が操作されているとき、打球操作ハンドル25Fが一定回転角度以上回転操作されていないとき、または、カードユニット(CU)3Fとパチンコ機(P台)2Fとが電気的に未接続のとき等の所定の発射停止条件が成立したと遊技制御用マイクロコンピュータで判断したときに出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)163Fからの電波検出信号が主制御基板16に入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
磁石センサ検出信号は、異常な磁気(不正磁気)を検出する磁石センサ(磁石スイッチ)が、主制御基板16F(遊技制御用マイクロコンピュータ)に接続されている構成において、磁石を用いて遊技玉の軌道を変える等の磁石を用いた不正遊技に基づいて、磁石センサからの磁気検出信号が主制御基板16Fに入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、磁石センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
不正入賞検出信号は、大入賞口への入賞玉を検出するカウントスイッチが主制御基板16Fに接続されている構成において、大入賞口が閉じている状態で、入賞センサ162Fのうち大入賞口への入賞玉を検出する入賞センサの検出信号により、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、大入賞口内への入賞玉が検出されたことで不正入賞エラーが判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
遊技状態情報設定完了信号は、パチンコ機(P台)2Fの電源投入時において、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信する各種遊技情報(遊技状態情報)の設定が完了したときに出力される。このような遊技状態情報設定完了信号は、たとえば、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)との通信開始のトリガ信号として使用される。
また、払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータから主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、ガラス枠・本体枠開放信号、入賞数異常信号、不正加算検出信号、電波センサ検出信号、近接センサ異常信号、夜間開放検出信号、計数報知要求信号、カード抜き取り待ち中信号、および、省電力移行要求信号等の各種信号により、各種情報を送信し、遊技制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ガラス枠・本体枠開放信号は、前述のガラス扉開放検出スイッチ12Fまたは前枠開放検出スイッチ13Fからの検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより、払出制御用マイクロコンピュータにおいてガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
入賞数異常信号は、主制御基板16Fから払出制御基板17Fに入力される入賞検出信号による入賞個数について、払出制御用マイクロコンピュータにおいて単位時間当りの入賞個数が所定数以上であるか否かを確認することに基づいて、入賞数異常であるか否かを判定し、入賞数異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
不正加算検出信号は、CU3Fへのカード挿入中以外の状態において、払出制御基板17FがCU3Fから持玉の加算要求を受信したときに払出制御用マイクロコンピュータにおいて不正加算エラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)173Fからの電波検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより払出制御用マイクロコンピュータにおいて電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
近接センサ異常信号は、入賞センサ162F、玉上げスイッチ(上)41aF、ファール玉検出スイッチ330F、アウト玉検出スイッチ701F、および、発射玉検出スイッチが玉の通過による静電容量の変化により遊技玉を検出する近接スイッチで構成されており、このような近接スイッチについて、玉検出個数の齟齬に基づいて異常であるか否かを払出制御用マイクロコンピュータにおいて判定し、異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。たとえば、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にしたときに、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出されたときには、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、近接センサが異常であると判定される。
夜間開放検出信号は、次のように払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのいずれかが開放されたと判定されたときに出力される。パチンコ機2Fが電源OFFとされる夜間には、バックアップ電源により動作する前述の計数カウンタにより、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fから出力される検出信号に基づいて、ガラス扉6F、前枠5Fが開放された回数がそれぞれ計数される。そして、パチンコ機2Fの電源投入時において計数カウンタから払出制御基板17Fへ出力されるそれぞれの開放回数の計数値により、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのうちいずれが開放されたかが判定される。なお、ガラス扉6Fと前枠5Fとのうち一方のみの夜間開放を検出して、夜間開放検出信号を出力するようにしてもよい。
計数報知要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、計数ボタンの操作に応じて計数要求があったと判断したときに、計数値を報知する要求をするために出力される。このような計数報知要求信号は、たとえば、主基板による計数に関する音声出力および数値表示を実行するために使用される。
カード抜き取り待ち中信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、CU3Fでカード抜き取り可能状態となったと判断したときに、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報を通知するために出力される。
省電力移行要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき(たとえば所定期間検出していないとき)、遊技玉数が「0」であるとき、CU3Fにカードが未挿入であるとき、または、変動表示が停止中であるとき等の予め定められた省電力制御移行条件が成立したと判断したときに、たとえば、液晶のバックライトの明るさの減少、および、各種ランプの発光停止等の所定の省電力制御をする省電力状態へ移行する作動要求信号として出力される。
なお、前述したパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の外部に出力する情報として、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれる例を示したが、このような入賞情報信号の外部出力は、パチンコ機(P台)2Fにおいて適用してもよい。
また、前述したパチンコ機2Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明した保留記憶個数信号、発射停止信号、および、電波センサ検出信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機1において適用してもよい。また、パチンコ機2Fの払出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明したガラス枠・本体枠開放信号、および、入賞数異常信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機1において適用してもよい。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図64に示した遊技枠の各種検出スイッチ41aF、701F、33F、発射制御基板31F、および発射モータ18Fは、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施形態では、ドル箱表示する機能が設けられることで、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510Fには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残高、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引落されて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510Fには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5SFの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6SFの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510Fにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、「カード持玉数」とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(4) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CU3Fに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(5) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(6) カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示するのが望ましい。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(7) 計数操作を開始してから計数表示が完了するまでの計数時間は、遊技点が第1基準値よりも少ないときと、遊技点が第1基準値を超えるときとで、遊技点に対する計数時間の増加割合が小さくなるようにしてもよい。これによって、実球を計数するかのような計数表示という演出を行なうことができるとともに、遊技点が多くなることで計数完了までにあまりに時間がかかってしまうことを防止することができる。また、遊技点がある基準値を超えた場合には、計数時間がすべて同一になるようにしてもよい。あるいは、基準値を設けることなく、遊技点の多少に関わらす一律に同じ計数時間を採用してもよい。
(8) 前述の実施形態においては、ガラス扉6Fの開放検出と前枠5Fの開放検出とを別々のガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fにより検出するものを示したが、その代わりに、共通の検出スイッチにより両者を検出するように構成してもよい。
(9) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作がない場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(10) 計数操作ボタンを所定時間未満操作(短時間操作)すると、たとえば、第1の玉数が計数される一方、所定時間以上操作(長時間操作)すると、その操作時間に応じて前記第1の玉数よりも多い第の玉数が計数されるように制御するのが望ましい。たとえば、短時間操作では100玉が計数される一方、長時間操作では100玉を超える所定数、たとえば、200玉や400玉が計数されるようにすることが考えられる。また、計数操作ボタンの長押し時間によって、計数対象の遊技点数が異なるように制御してもよい。たとえば、1秒の長押しで100玉が計数され始め、さらにそのまま5秒間の長押しが継続すると、残りのすべての玉が計数されるようにすることが考えられる。あるいは、1回の操作で所定個数が計数され、5回目の操作では残りのすべての玉が計数されるように制御してもよい。
(11) (A)「所定点数」以上の遊技点が記憶されていないことには、計数操作をしても、遊技点の計数が行なわれず、また、その旨の報知が行なわれる。また、(B)記憶している遊技点が「所定点数」に至るまで遊技点の計数が実行されると、それ以上の計数ができなくなるとともに、その旨の報知が行なわれるように制御するのが望ましい。これら(A)(B)2つの場合の所定点数、すなわち、基準値は、同じものを採用してもよいし、異ならせてもよい。
(12) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるように制御するのが望ましい。しかしながら、さらに、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中の計数操作を無効とするために、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断するのが望ましい。これに代えて、あるいは、これに加えて、遊技中球数(遊技領域27F内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、遊技中であるか否かを判定するようにしてもよい。さらに、加えて、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2LF、2CF、2RFが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2LF、2CF、2RFが停止するまでの期間である。
(13) 大当り中であるか否かに関わらず、遊技玉数が所定数より多いときには、計数操作を促す表示が行なわれるようにしてもよい。
また、計数操作を促す表示が行なわれてから所定時間が経過しても計数操作が検出されない場合、遊技玉の発射を強制的に停止させてもよく、また発射の強制停止までは行なわないようにしてもよい。
(14) 図66を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(15) 計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数してから返却操作をして下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28Fを表示させて点滅するような表示であってもよい。
(16) 遊技玉が所定玉数以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」として、「表示器にて計数操作を促す表示を行なう制御」が実行されるように制御するのが望ましい。ここで、「計数操作を促す」とは、たとえば、「遊技玉数が上限に達したため、計数操作して下さい。」と表示するものや、単に「計数操作が必要です。」と表示するものであってもよい。また、「所定の報知制御」としては、スピーカから計数操作を促す報知音を出力する制御であってもよい。さらに、「報知」としては、「計数操作を促す報知」ではなく、単に、「遊技玉数が上限に達したこと」を通知するのみ(計数操作を促す報知まではしない)であってもよい。
また、遊技点が所定の第1基準値以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」をし、さらに、その後、遊技点が第1基準値よりも多い第2基準値に達した時点で遊技不能状態に制御し、遊技点が前記第1基準値から前記第2基準値に達するまでは遊技を許容(発射禁止しない)するように制御してもよい。なお、遊技機がスロットマシンである場合には、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
(17) 遊技点を用いた遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、遊技点が所定点数(たとえば、250点)以上残っていないと、計数操作が有効化されないように制御するのが望ましい。ここで、所定点数は、250点に限られるものではなく、1点以上であれば、どのような点数であってもよい。ただし、たとえば、1点など、あまりに少なすぎる点数を設定した場合には発射のタイミングと計数のタイミングとがほぼ同時に生じたときに、不具合が生じるため、2〜3点以上とするのが望ましい。あるいは、点数が所定点数以下(たとえば、10点以下)で発射が継続しているときに計数操作が検出された場合には、5点を発射用として残し、残りの点数を計数対象とするように制御してもよい。
また、遊技点が所定点数以上、残っていないために計数操作が無効化されていることに気づいた遊技者が玉の発射動作を停止させたことが検出された際には、先に無効化された計数操作を有効化して計数動作が自動的に開始されるようにしてもよい。つまり、この場合には、計数操作が無効化されたことに気づいた遊技者は、発射操作を停止さえすればよく、再度、計数操作をやり直す必要がない。
(18) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(19) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(20) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(21) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(22) 本実施形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(23) 図66あるいは図96において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(24) 表示器54Fで行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312Fで行なうようにしてもよい。
(25) CUにおいて、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(26) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(27) 計数操作が実行されたとき、持点のカウントアップが開始してから所定時間が経過すると、持点が加速度的にカウントアップするようにしてもよい。あるいは、計数表示を加速させるための速度アップボタンをCU側あるいは遊技機側のタッチパネルの表示器に表示し、その操作が検出されることによって、加速計数表示をしてもよい。このように持点の加速計数表示を行なうことにより、多数の遊技点を計数する際の遊技者の待ち時間を短くすることができる。
(28) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放して下さい」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(29) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(30) 図68〜図74で示したシーケンス制御は、特にセキュリティに関する処理については、CU3F、P台2F、S台2SF等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(31) 前述の実施形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(32) 前述の実施形態においては、いわゆる封入循環式遊技機(P台2FおよびS台2SF)を示したが、それに限定されるものではなく、島の上部から遊技媒体(パチンコ玉等)が遊技機に供給されて入賞によりさらに遊技媒体が払出される一般的な遊技機であってもよい。具体的には、玉貯留皿に貯留された玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、入賞することによって玉が玉貯留皿に払い出され、遊技終了時にその玉貯留皿に払い出され玉を用いて景品交換できるパチンコ機でもよい。また、コイン受け皿に貯留されているコインをコイン投入口に投入して賭数を入力設定し、スタートレバーを操作することによりリールが回転して停止することにより1ゲームが終了し、リールの停止時に表示された表示結果入賞が発生している場合には、コインがコイン受け皿に払い出され、遊技終了時にそのコイン受け皿に払い出されコインを用いて景品交換できるスリットマシンでもよい。つまり、遊技媒体(パチンコ玉、コイン)を使用して遊技が可能であり、遊技の結果に応じて遊技者に遊技媒体が払い出される遊技機であってもよい。
(33) 前述の実施形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(34) 前述の実施形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(35) 前述の実施形態では、各種認証鍵を用いて認証を行なっていたが、この各種認証鍵の代わりに、たとえば認証用のID等を用いて認証を行なうようにしてもよい。
(36) 前述の表示器54F、510Fをタッチパネル付きの表示器で構成してもよい。また、P台とCUとの間で送受信される情報は、前述の実施形態で説明されたものに限定されるのではなく、また、どのような情報をP台からCUへ出力するかを遊技機の表示器54F、510Fのタッチパネルでタッチ操作して入力設定できるようにしてもよい。
また、S台2SFにおいても前述のP台2Fと同様にS台2SFから出力された情報を変換してホールコンへ送信するが、変換対象の情報としては、たとえば、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞や各種小役入賞等の入賞情報、リプレイタイム中を示す情報、図96の加算数や減算数、ゲームスタート回数等である。また、変換対象の情報としては、入賞に伴ってコインを払出すようにした場合のその払出枚数でもよい。
(37) 上記実施形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322Fの操作))を有効化する有効化手段」を含む。
ここで、前記有効化手段は、たとえば、「P台側で遊技点0を確認してCUへカード排出操作許可ONを送信する手段」、あるいは、「CUからカード返却通知を受信したときに遊技玉数=0か否かを判定し、0の場合にはCUに対してカード返却応答を返信することによってカード返却を有効とする手段」、さらには、「計数操作等が行なわれることによって遊技玉数=0とし、そのことによって結果的にカード返却を有効とする条件を成立させる手段」を含む概念である。
(38) 払出制御部171Fが、一周フラグが立つ値(=63)を受信したとき異常制御処理として、以下のa〜cに列挙するもののうちから1つまたは2つ以上を採用して実行するように制御してもよい。
a 払出制御部171Fまたはその払出制御部171Fから異常情報を受けた主制御部161Fにより、P台2Fの表示器(たとえば7セグ表示器50Fや識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置)により表示する。
b 払出制御部171Fから異常情報を受信したCU3Fにおいてエラー番号等の異常報知を行なう。
c CU3Fから異常情報を受信したホール用管理コンピュータ等の上位装置においてエラー番号等の異常報知を行なう。
(39) 本実施形態では、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する前枠5Fの履歴情報として、前枠5Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、前枠5Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。同様に、本実施形態では、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する遊技盤26Fの履歴情報として、遊技盤26Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、遊技盤26Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。
(40) 本実施形態では、製造メーカや倉庫業者などが出荷・設置や保管などの作業が完了した後に、機歴管理センタ800AFに接続された端末から必要な情報(図84に示す、たとえば、出荷日、設置日時、撤去日、販社名、や廃棄日などの情報)を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、製造メーカや倉庫業者などが申請書類に必要な情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付することで、機歴管理センタ800AF内の入力手段(たとえば、内部端末など)から必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。なお、機歴管理センタ800AFに接続された端末とは、機歴管理センタ800AFに対して直接接続されている端末(たとえば、機歴管理センタ800AFにある内部端末)でも、通信回線を介して接続されている端末(たとえば、インターネットを介して接続された倉庫業者や中古業者などの端末)でもよい。
(41) 本実施形態では、1つの大容量記憶装置8005Fに払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、複数の大容量記憶装置に分けて払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶しても、払出側テーブルを記憶する大容量記憶装置と、主制御側テーブルを記憶する大容量記憶装置とに分けてもよい。また、大容量記憶装置に記憶した払出側テーブルおよび主制御側テーブルは、それぞれセキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を消去することができる。たとえ、ペアのセキュリティチップIDに関連付けられていても、セキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を別々に消去することができる。これにより、使用される期間が異なる前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fに比べて使用される期間が長い)であっても個別に削除することができるので、それぞれ適切に管理することができる。
(42) 本実施形態では、ホール以外の製造メーカや倉庫業者などが機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、ホール自体が機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。
(43) 本実施形態では、中古業者が前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、設置する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報として再販情報を記憶する例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fを設置しているホールと同じグループの別のホール(たとえば、同じ法人コードのホール)に移動する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの単なる移動として移動情報を履歴情報に記憶する(管理状態(ステータス)を「設置」から「設置」)だけでもよい。つまり、同じ法人コードのホール間で、前枠5Fおよび遊技盤26Fの設置が移動しても異常と判定されない。さらに、同じ法人コードのホール間で、かつ同一県内に限り前枠5Fおよび遊技盤26Fの移動を認め、同じ法人コードのホール間でも他県に移動する場合は、再販と同じ処理を行なうようにしてもよい。
(44) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFをたとえば以下のように設定する。機歴管理センタ800AFには、システムに登録されているユーザで、クリア認証で認証されたものをシステムにログインさせる。ログイン時における認証は、(a)指定されたユーザIDがシステムに存在すること。(b)指定されたユーザがアカウント有効期限内であること。(c)指定されたユーザがアカウントロックされていないこと。(d)入力されたパスワードが指定されたユーザIDのパスワードと合致すること。(e)現在がパスワードの有効期間内にない場合は、ログインさせるがユーザ自身のパスワード変更とログアウトのみ利用可能とし、パスワード変更が必要である旨をメッセージ表示する。なお、パスワードが変更された場合は、新パスワードを利用確認してもらうため、ログアウトする。
機歴管理センタ800AFは、認証に成功した場合、そのユーザのログイン失敗回数・連続ログインエラー日時をクリアする。一方、機歴管理センタ800AFは、認証に失敗した場合、そのユーザが実在する場合、ログイン失敗回数を記録する。なお、ログイン失敗回数が[ログイン試行上限回数]に達する都度(整数倍となる場合)アカウントをロックした日時を設定する。
機歴管理センタ800AFは、(a)ユーザを新規に登録した場合、(b)パスワードをクリアした場合、および(c)パスワードをユーザ自身が変更した場合、パスワードの有効期限を更新・設定する。更新・設定したパスワードは、その時点から[パスワード有効期間]経過までを有効とする。
機歴管理センタ800AFは、同一のセッションにおいて、認証を[ログイン試行上限回数]失敗した場合、ログイン画面ではなく、ログインNG画面に遷移し、ログインを試行させない。
機歴管理センタ800AFは、ログイン時に、当該ユーザのパスワードが[パスワード期限切れ警告期間]以内に期限切れになる場合、パスワード有効期限が切れる可能性があることを警告する。なお、当該警告は、たとえばログイン完了画面に表示するが、ログイン完了画面に表示すべきメッセージが無い場合は、ログイン完了画面を表示せず、HOMEメニューに遷移する。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザのログイン失敗回数が[ユーザ無効化ログイン失敗回数]を超えている場合(恒久的アカウントロック状態)、または(イ)アカウントロック日時から[ログイン試行拒否時間]が経過していない場合(一時アカウントロック状態)、アカウントロックする。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザを新規に登録した場合、または(イ)ユーザ情報画面から有効期間の更新を行った場合、アカウントの有効期限を更新・設定する。なお、アカウント有効開始日からアカウント有効終了日までの期間、アカウントを利用することが可能となる。
機歴管理センタ800AFは、一度に生成可能なアカウント生成最大数を初期導入時にたとえば20に設定してある。ここで、[ログイン試行上限回数]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば5回に設定してある。[ユーザ無効化ログイン失敗回数]は、連続したログイン試行失敗で恒久的にアカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば100回である。[ログイン試行拒否時間]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする期間で、初期導入時は、たとえば30分である。[パスワード有効期間]は、パスワード変更した時に設定されるパスワードの有効期間で、初期導入時は、たとえば90日である。[パスワード期限切れ警告期間]は、アカウントのパスワード切れ間近をメッセージ通知する期間で、初期導入時は、たとえば14日である。
なお、機歴管理センタ800AFは、パスワードの最小文字数を初期導入時、たとえば8文字とし、パスワードの使いまわしを防ぐ世代数(現在を含む)を初期導入時、たとえば3世代とする。また、機歴管理センタ800AFは、ユーザ情報を登録するには、該当ユーザの事業者情報が登録されていることを条件とする。事業者情報には、機歴管理センタ800AFの業務に関わる各事業者の業種および住所等の属性情報が含まれる。
機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を、入力後、基本的に取消しすることができず、誤操作等により誤りが生じた場合は、「機歴全体備考欄」にコメントを記載することで他の人がわかるようにする。ただし、誤投入の可能性があるため、遊技機ステータス更新画面より投入するステータスに限り、取消を可能とする。取消を可能とする場合、限られた人のみ取消しの実行を可能とするよう、権限により制御する。また、機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を変更するために機歴を検索する場合、検索対象を最新の遊技機の管理状態(ステータス)のみを対象に検索を行なう。
機歴管理センタ800AFでは、データの種類と種類毎の保持期間をたとえば以下のように管理している。
(1)アカウント関連のデータ(たとえば、事業者情報、アカウント情報など):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(2)遊技機機種等のマスタ情報(たとえば、遊技機機種マスタなど):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(3)機歴管理の根拠となる情報(たとえば、遊技機チップ出荷情報、遊技機出荷情報など):基本的に管理が開始されるまでは変更を可能とするが、以後は編集を不能とし、永続的に管理する。
(4)機歴情報(たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報):基本的にファクト情報の入力であるので、入力後の変更は認めず、永続的に管理する。
(5)カードユニット鍵管理センタから通知された情報(たとえば、不正検知など):システムで検知した情報であるので、変更は認めず、永続的に管理する。
(6)システムへの入力ジャーナル(たとえば、Web入力ログ、オンライン入力ログ、システム連携入力ファイルなど):入力の種類別・ノード別に14日間を保持する。
(7)システムからの出力ジャーナル(たとえば、Web出力ログ、オンライン出力ログ、システム送信ファイルなど):出力の種類別・ノード別に7日間を保持する。
(8)集信・配信の業務的通信の記録(たとえば、配布スケジュールなど):7日間を目途に情報を保持する。
(9)システムテンポラリファイル(たとえば、CSVアップロードファイルなど):アプリケーションの挙動後に削除する。ただし、異常終了時等を考慮してクリーニングバッチで不要と確認されたら削除する。
(10)長期間ステータス更新を行なっていない機種情報(たとえば、長期間ステータス更新を行っていない機種情報など):2世代保持する。
機歴管理センタ800AFでは、管理状態(ステータス)の異常について、更新前の管理状態(ステータス)と更新後の管理状態(ステータス)との関係が異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。そのため、ファイル出力した情報に基づいて、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対して連絡するなどの報知を行ない、正しい管理状態(ステータス)に更新されるように対応することができる。なお、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対しては、連絡を行なうのみでなく、ヒアリングして、正しい管理状態(ステータス)を確認した上で対応を行なってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、現在、管理状態(ステータス)の異常が発生している前枠5Fおよび遊技盤26Fのすべてを対象に、連絡するなどの報知を行なう。また、異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの最新情報(ファイル出力時点)は、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードすることができる。
機歴管理センタ800AFでは、長期間管理状態(ステータス)の更新を行っていない前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報に対して、「廃棄」や「その他」以外の管理状態(ステータス)となっている前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。なお、長期間管理状態(ステータス)の更新が行なわれていない異常については、バッチ処理によりその処理時点の情報を抽出し、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードする。また、ダウンロードする1つのファイルは、最大件数の閾値(初期構築時:10万レコード)が設定してあり、当該閾値を超えた場合は別ファイルに出力を行なう。さらに、ファイルをダウンロードする際、同日に処理を行なった結果をまとめて圧縮ファイルとして出力を行なう。
(45) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFに撤去情報を入力する構成を説明したが、本発明はこれに限られず、中古移動情報、廃棄情報や下取り情報などが機歴管理センタ800AFに入力されると、機歴管理センタ800AF内で自動的に撤去情報が登録される構成でもよい。当該構成とすることで、ホールから撤去されていると推定して遊技機の履歴を管理することができ、ホールから履歴管理システムに撤去情報を入力する負担を軽減することができる。
(46) 本実施形態では、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷した後に、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成を示したが、本発明はこれに限られず、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷する情報が入力された時点で、自動的に機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成でもよい。当該構成とすることで、出荷状態の履歴が登録されずに忘れられてしまうのを防止することができる。
(47) 本実施形態では、遊技機メーカが出荷した封入循環式パチンコ機(P台2F)またはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fを含む遊技機をホールに設置した場合、機歴管理センタ800AFが、P台2Fから通知された遊技機設置情報(稼働情報)を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合している。そして、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりなど、当該異常を報知する。しかし、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常を報知する構成だけに限定されるものではなく、異常と判断したP台2FまたはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fでの遊技を禁止する構成でもよい。なお、機歴管理センタ800AFは、異常と判断した場合でも、一定期間、当該P台2Fでの遊技を暫定的に許可して、ホールの営業行為を妨げないように構成してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。