JP2015039925A - スラスタ用熱エネルギ回収装置 - Google Patents

スラスタ用熱エネルギ回収装置 Download PDF

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【課題】宇宙空間に廃棄される燃焼エネルギを利用して、バスシステムの構成を大きく変更せずに、スラスタの比推力を向上させ、スラスタを含む宇宙機推進系を軽量化できるスラスタ用熱エネルギ回収装置を提供する。【解決手段】内部で推薬を燃焼する燃焼室4と、燃焼により内部で生じたガスを外部に放出するノズル6と、を有するスラスタ8に取り付けられるスラスタ用熱エネルギ回収装置2であって、スラスタ8の燃焼室4又はノズル6の外側を囲み燃焼室4又はノズル6から発生する熱エネルギを電力エネルギに変換する熱電変換素子パネル10と、電力エネルギを消費しスラスタ8の比推力を向上させるデバイスAに供給するための電力エネルギを制御する制御装置12と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、宇宙機の軌道及び姿勢を制御するスラスタに取り付けられるスラスタ用熱エネルギ回収装置に関する。
スラスタとは、人工衛星などの宇宙機に搭載され、宇宙機の軌道制御又は姿勢制御するために、その外部に搭載される宇宙機用の小型液体ロケットエンジンである。宇宙機の寿命は様々であるが、静止衛星は約15年と言われている。その間、スラスタは、単秒時の燃焼を間欠的に繰り返して、宇宙機の軌道や姿勢を制御する。このようなスラスタとして、例えば静止軌道投入用にアポジエンジンが使用されている。
スラスタには、1液式スラスタや2液式スラスタ等がある。
1液式触媒スラスタは、内部に有する触媒層に液体燃料(以下、推薬)が噴出されて触媒と接触することで、触媒反応により高温高圧ガスを発生させ、この高温高圧ガスを外部に噴出することによって姿勢制御や軌道保持・変更に必要な推力を発生させるものである。
2液式スラスタは、四酸化二窒素(MON3)等の酸化剤と推薬とを燃焼室に噴射し、酸化剤と推薬との混合ガスを燃焼室内で燃焼させ、その燃焼ガスをノズルから外部へ噴出することにより推力を得るものである。
また例えば特許文献1のように、燃焼室やノズルの周囲をヒートシールドで覆ったスラスタが従来から使用されている。
ヒートシールドは、燃焼により高温となった燃焼室やノズルから発生する輻射熱により、宇宙機本体が局所的に加熱されないために、設けられている。
特開2002−308200号公報
多機能あるいは高性能な宇宙機を製造するには、様々な機能を有する電子機器を数多く宇宙機に搭載する必要がある。しかしそのためには、宇宙機に搭載するその他のものの重量を減らさなければならない。また、スラスタによる軌道上での姿勢制御期間が宇宙機の寿命を左右する要素の一つとなっており、推薬をできる限り効率的に使用する必要がある。
一般にスラスタは、比推力(推進効率)が高いものほど少量の推薬で多くの運動エネルギを発生させ、宇宙機を制御することができる。推薬の搭載量が少ない分、推薬タンクなどの推進系が軽量化され、別の電子機器を宇宙機に搭載できる。あるいは、同量の推薬であれば、宇宙機を制御可能な期間(軌道上寿命)を延ばすことができることから、より比推力が高いスラスタの開発が求められていた。
スラスタの比推力を上げるには、例えば加圧ポンプで燃焼室への推薬の供給圧力を高め、燃焼圧力を上昇させなければならない。しかし、加圧ポンプを設置するためには、例えば大電力を加圧ポンプに供給するための太陽電池パネルや電源回路改造といった、宇宙機のバスシステムを大幅に変更する必要があった。
一方、スラスタの作動時に燃焼ガスから燃焼室、ノズルの内壁に伝達した熱エネルギは、蓄積すると燃焼室、ノズルが高温化して損傷するため、外部に放出する必要があり、例えば、燃焼室やノズルの壁面から熱輻射により宇宙空間に廃棄される。
主に燃焼室を冷却するため、推薬を燃焼室の壁内部に通して燃焼室を冷却(再生冷却)するスラスタもあり、その結果燃焼室から熱エネルギを回収するスラスタもある。
しかし再生冷却するためには、複雑な構造の推薬循環や推薬物性制御が必要であり、結局、それに伴いスラスタの重量増加やスラスタが作動可能な推薬供給圧範囲を制約することになってしまっていた。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、宇宙空間に廃棄される燃焼エネルギを利用して、バスシステムの構成を大きく変更せずに、スラスタの比推力を向上させ、スラスタを含む宇宙機推進系を軽量化できるスラスタ用熱エネルギ回収装置を提供することにある。
本発明によれば、内部で推薬を燃焼する燃焼室と、
前記燃焼により前記内部で生じたガスを外部に放出するノズルと、を有するスラスタに取り付けられるスラスタ用熱エネルギ回収装置であって、
スラスタの燃焼室又はノズルの外側を囲み燃焼室又はノズルから発生する熱エネルギを電力エネルギに変換する熱電変換素子パネルと、
前記電力エネルギを消費し前記スラスタの比推力を向上させるデバイスに供給するための前記電力エネルギを制御する制御装置と、を備える、ことを特徴とするスラスタ用熱エネルギ回収装置が提供される。
また前記デバイスは、前記燃焼室に供する前記推薬を加圧する加圧ポンプを含む。
また熱電変換素子パネルは、燃焼室又はノズルの外壁に接触して設けられている。
また熱電変換素子パネルは、燃焼室又はノズルの外壁から間隔を隔てて設けられている。
上述した本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置によれば、従来は宇宙空間に廃棄していた熱エネルギを電力エネルギに変換し、その電力をスラスタの比推力を向上させるデバイスに供給する。そのため、宇宙機のバスシステムに大型電源を搭載しなくてもデバイスを駆動でき、スラスタの比推力を向上させることができる。
また従来のヒートシールドが設けられていた燃焼室やノズルの周囲に、熱電変換素子パネルをヒートシールドの換わりに設けるので、熱電変換素子パネルにヒートシールドの機能を兼用させることができる。また宇宙機本体にデバイスと制御装置をバスシステムに追加するだけで、既存宇宙機のバスシステムの全体の構成をほとんど変更せずに、スラスタの比推力を向上させることができる。
その上、小さな電源やバスシステムから、スラスタの起動時だけ電力を供給しさえすれば、その後は、スラスタの燃焼によって生じる熱エネルギを利用してデバイスの駆動に必要な電力を発電できる。そのため、発電量に制約のある宇宙機の電力利用を最小限にすることができる。
本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置とそれを取り付けるスラスタの系統図である。 本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置の説明図である。 本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置を使用した場合に発電可能な電力エネルギ量の計算例である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
本発明は、宇宙機のスラスタ8に取り付けられるスラスタ用熱エネルギ回収装置2である。
図1は、本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2とそれを取り付けるスラスタ8の系統図である。
本実施形態のスラスタ8は、例えば図1に示すように、燃焼室4、ノズル6、推薬タンク18、酸化剤タンク20、及び加圧用のガスタンク22を有する2液式スラスタである。
なお、本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2を取り付けるスラスタ8の構成はこれに限らず、1液式スラスタでもよい。
推薬タンク18は、推薬が封入される気密容器であり、推薬を通す推薬ライン24を介して、燃焼室4に連結される。
推薬は、スラスタ8に用いられる周知の液体燃料であり、例えばヒドラジンである。
酸化剤タンク20は、酸化剤が封入される気密容器であり、酸化剤を通す酸化剤ライン26を介して燃焼室4に連結される。
酸化剤は、スラスタ8に用いられる周知の酸化剤であり、例えばMON3である。
ガスタンク22は、推薬タンク18と酸化剤タンク20との内部を加圧する加圧ガスを封入する高圧タンクであり、加圧ガスを通す加圧ガスライン28を介して、推薬タンク18と酸化剤タンク20とに連結される。
加圧ガスは、推薬と直接反応しない不活性ガス、例えば、ヘリウムである。
燃焼室4は、内部で推薬を燃焼する金属製の円筒である。
図1の実施形態のスラスタ8は2液式スラスタであるため、酸化剤と推薬とを燃焼室4に噴射し、燃焼室4内で、酸化剤と推薬との混合ガスを燃焼させる。
ノズル6は、燃焼により燃焼室4の内部で生じたガスを外部に放出するためのノズルである。
燃焼室4と、ノズル6の上流側とは特に高温になる高温領域である。このノズル6と燃焼室4の高温領域は、例えば耐酸化用シリサイドコーティングを施したニオブ合金で形成されることが好ましい。しかし高温領域の燃焼室4とノズル6とは、これに限らずその他の素材で形成されてもよい。
図2は、本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2の説明図である。(A)は燃焼室4の中心軸Bを含む平面によるスラスタ用熱エネルギ回収装置2の断面図、(B)は燃焼室4とノズル6との斜視図、(C)は熱電変換素子パネル10の断面図である。
本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2は、熱電変換素子パネル10と制御装置12とを備える。また、スラスタ用熱エネルギ回収装置2は、熱電変換素子パネル10とデバイスAとの間に、整流回路32、蓄電回路34、モータ制御回路36を有することが好ましい。
熱電変換素子パネル10は、スラスタ8の燃焼室4又はノズル6の外側を囲み燃焼室4又はノズル6から発生する熱エネルギを電力エネルギに変換する。
熱電変換素子パネル10は、燃焼室4又はノズル6の外壁に接触して設けられていることが好ましい。もしくは、熱電変換素子パネル10は、燃焼室4又はノズル6の外壁から間隔を隔てて設けられていてもよい。
熱電変換素子パネル10は、図2(B)に示すように、6枚の台形形状のパネルが組み合わされて構成されるものが考えられる。
なお、熱電変換素子パネル10の構成はこれに限らず、必要な電力エネルギを発生できる限りにおいて、円錐型など他の形状でもよい。
また熱電変換素子パネル10は、図2(C)に示すように、N型半導体10bとP型半導体10cを有するN/P型素子、絶縁材10a、及び電極10dを備えるペルチェ素子などの熱電変換素子であることが好ましい。熱電変換素子パネル10は、従来のスラスタのヒートシールドが設置されていた位置に、燃焼室4又はノズル6の外側を囲むように設置される。
それにより熱電変換素子パネル10は、ヒートシールドの機能を兼ね備えることができる。
また熱電変換素子パネル10は、燃焼室4が宇宙機本体C(図2(A)を参照)に接続するためのエンジンI/Fフランジ38に、従来のヒートシールドと同様の固定方法で固定される。
なお、熱電変換素子パネル10の宇宙空間側には、放熱を促進させるためのヒートシンクを設けることが好ましい。
制御装置12は、電力エネルギを消費しスラスタ8の比推力を向上させるデバイスAに供給するための電力エネルギを制御する。なお、制御装置12は、バスシステムの制御装置を使用することが好ましいが、バスシステムとは別に、スラスタ用熱エネルギ回収装置2専用の制御装置を設けてもよい。
スラスタ用熱エネルギ回収装置2専用の制御装置12を設ける場合、起動時の制御装置12を駆動するための電力は、バスシステムの電源(バス電源30)から供給することが好ましい。その後の制御装置12を駆動するための電力は、バス電源30から供給してもよく、また熱電変換素子パネル10で変換した電力エネルギを使用してもよい。
また、スラスタ用熱エネルギ回収装置2が整流回路32、蓄電回路34、及びモータ制御回路36を有する場合には、制御装置12は、モータ制御回路36を制御することによりデバイスAに供給するための電力エネルギを制御する。
発電した電力エネルギを推薬の加圧に使用する場合、デバイスAは、スラスタ8の電力エネルギが必要な周辺機器であり、燃焼室4に供する推薬を加圧する加圧ポンプ14を含む。加圧ポンプ14は、例えばモータMとポンプユニットPとを有することが好ましい。
なお、デバイスAはこれに限らず、エンジンなどを冷却するためのペルチェ素子、もしくは推薬加熱分解ヒータであってもよい。この場合、変換された電力エネルギは、例えば、ペルチェ素子によるエンジンの局所的冷却、推薬加熱分解ヒータの駆動、等に使用される。
また、スラスタ用熱エネルギ回収装置2が整流回路32、蓄電回路34、及びモータ制御回路36を有する場合、熱電変換素子パネル10、整流回路32、蓄電回路34、モータ制御回路36、及び加圧ポンプ14が、図1に示すように、電力ケーブル40で接続される。
すなわち熱電変換素子パネル10で発生した電力エネルギは、整流回路32、蓄電回路34、モータ制御回路36を介して加圧ポンプ14に送電される。
なお、加圧ポンプ14の起動時には、図1に示すように、バス電源30から蓄電回路34に充電された電力が使用される。
このように本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2は、燃焼室4とノズル6との周囲、もしくはそれらに接触する形で、熱電変換素子パネル10を配置し、燃焼室4とノズル6とから発生する熱を受けて電力エネルギに変換する。
それにより本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2は、燃焼に伴う燃焼室4とノズル6の千数百度もの熱エネルギを、直接、もしくはその放射熱として、熱電変換素子パネル10で受け、電力エネルギに変換する。そしてスラスタ用熱エネルギ回収装置2は、その電力エネルギを制御装置12で制御し、デバイスAに供給する。
すなわち本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2は、排熱を回収し、電力エネルギに変換することで、スラスタ8の起動時以外は宇宙機のバスシステムに電力エネルギを依存することなく、自力で電力エネルギを供給することができる。それにより、スラスタ用熱エネルギ回収装置2は、将来のスラスタ高性能、高機能化に伴うさらなる高効率化や電力需要に対応できる。
また従来のバスシステムを改造する場合でも、本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2を使用することにより、最小限の改造で、比較的容易に比推力の良いスラスタ8へ換装することが可能となる。
また従来のヒートシールドの代わりに熱電変換素子パネル10を使用することで、スラスタ用熱エネルギ回収装置2をヒートシールド兼用の発電ユニットとすることもできる。
また推薬を燃焼室4の壁内部に通して燃焼室4を冷却するスラスタ8でも、熱エネルギを電力エネルギとして回収し、再生冷却に係るデバイスAに利用できるため、従来のスラスタよりもエネルギ効率をより向上させることができる。
図3は、本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2を使用した場合に発電可能な電力エネルギ量の計算例である。(A)は本計算例に使用する熱電変換素子の一ユニットあたりの出力を示すグラフであり、(B)は(A)から算出した、本発明の熱電変換素子パネル10の高温側と低温側との温度差と、その熱電変換素子パネル10で発電可能な総発電量との関係を示した表である。
本計算例は、ポンプ入口圧が1MPa、ポンプ出口圧が3MPa、必要電力量が0.71kwの加圧ポンプ14と、図3(A)に示す変換素子出力の熱電変換素子パネル10を使用して計算した。図3(A)に示す熱電変換素子パネル10の高温側と低温側との温度差が735℃(高温側温度が800℃、低温側温度が65℃)のときの最大発電効率は、3.1W/cmである。
本計算例に使用する熱電変換素子パネル10は、台形形状の熱電変換素子(一枚当たりの面積が28000mm、大きさが短辺80mm×長辺200mm×高さ200mm)を6枚使用した6面体であり、その総面積は、168000mmである。
したがって、整流回路32、蓄電回路34、モータ制御回路36、電力ケーブル40、等の付属ユニット側の総合変換効率を0.6と仮定した場合の本計算例に使用するスラスタ用熱エネルギ回収装置2の必要発電量は、1.18kw(=0.71kw/0.6)である。
この結果を図3(B)と照らし合わせると、熱電変換素子パネル10の高温側と低温側との温度差が300℃以上あれば、本計算例に使用した加圧ポンプ14を駆動できることが分かる。
従来のヒートシールドを有するスラスタを使用したヒートシールド温度試験の計測により、ヒートシールドの高温側(すなわち燃焼室4とノズル6側)の温度が約800℃になることが確認されている。ヒートシールドの低温側(宇宙空間側)の温度は、ヒートシンク、等を設けて放熱させることにより500℃以下にすることが可能であるため、本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2で加圧ポンプ14を駆動できる電力エネルギを十分に発生させることができる。
この本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2を、燃焼圧力が約1.1MPa、比推力が328.5秒の従来の500N級スラスタに使用した場合、スラスタ用熱エネルギ回収装置2を取り付けたスラスタ8は、燃焼圧力が約1.4MPa、比推力が333.8秒となる。すなわち、本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2を取り付けたスラスタ8は従来のスラスタより比推力が5.3秒、エネルギ効率が約1.6%上昇する。
なお、本計算例はあくまで実施例であり、加圧ポンプ14や熱電変換素子パネル10として使用するものは、これに限らない。またヒートシンク等を低温側に設けたり、燃焼室4とノズル6とに熱電変換素子パネル10を近付けたりすることにより、適宜、高温側と低温側との温度差を調節することは勿論である。
上述した本発明のスラスタ用熱エネルギ回収装置2によれば、従来は宇宙空間に廃棄していた熱エネルギを電力エネルギに変換し、その電力をスラスタ8の比推力を向上させるデバイスAに供給する。そのため、宇宙機のバスシステムに大型電源を搭載しなくてもデバイスAを駆動でき、スラスタ8の比推力を向上させることができる。
また従来のヒートシールドが設けられていた燃焼室4やノズル6の周囲に、熱電変換素子パネル10をヒートシールドの換わりに設けるので、熱電変換素子パネル10にヒートシールドの機能を兼用させることができる。また宇宙機本体CにデバイスAと制御装置12をバスシステムに追加するだけで、既存宇宙機のバスシステムの全体の構成をほとんど変更せずに、スラスタ8の比推力を向上させることができる。
その上、小さな電源やバスシステムから、スラスタ8の起動時だけ電力を供給しさえすれば、その後は、スラスタ8の燃焼によって生じる熱エネルギを利用してデバイスAの駆動に必要な電力を発電できる。そのため、発電量に制約のある宇宙機の電力利用を最小限にすることができる。
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
2 スラスタ用熱エネルギ回収装置、4 燃焼室、
6 ノズル、8 スラスタ、10 熱電変換素子パネル、
10a 絶縁材、10b N型半導体、10c P型半導体、
10d 電極、12 制御装置、
14 加圧ポンプ、18 推薬タンク、
20 酸化剤タンク、22 ガスタンク、
24 推薬ライン、26 酸化剤ライン、28 加圧ガスライン、
30 バス電源、32 整流回路、34 蓄電回路、
36 モータ制御回路、38 エンジンI/Fフランジ、40 電力ケーブル、
A デバイス、B 中心軸、
C 宇宙機本体、M モータ、
P ポンプユニット

Claims (4)

  1. 内部で推薬を燃焼する燃焼室と、
    前記燃焼により前記内部で生じたガスを外部に放出するノズルと、を有するスラスタに取り付けられるスラスタ用熱エネルギ回収装置であって、
    スラスタの燃焼室又はノズルの外側を囲み燃焼室又はノズルから発生する熱エネルギを電力エネルギに変換する熱電変換素子パネルと、
    前記電力エネルギを消費し前記スラスタの比推力を向上させるデバイスに供給するための前記電力エネルギを制御する制御装置と、を備える、ことを特徴とするスラスタ用熱エネルギ回収装置。
  2. 前記デバイスは、前記燃焼室に供する前記推薬を加圧する加圧ポンプを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のスラスタ用熱エネルギ回収装置。
  3. 熱電変換素子パネルは、燃焼室又はノズルの外壁に接触して設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスラスタ用熱エネルギ回収装置。
  4. 熱電変換素子パネルは、燃焼室又はノズルの外壁から間隔を隔てて設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスラスタ用熱エネルギ回収装置。
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