JP2015037372A - 発電装置 - Google Patents

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Kenichi Furukawa
憲一 古河
貴之 沼宮内
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貴之 沼宮内
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Abstract

【課題】本発明の目的は、磁歪棒の軸方向に一様なバイアス磁界を印加することによって、効率良く発電を行い得る発電装置を提供することにある。
【解決手段】
発電装置1は、磁歪素子10と、磁歪素子10から離間するように磁歪素子10と併設された永久磁石6とを有しており、永久磁石6が、その着磁方向が磁歪棒2の軸方向となるように配置されている。そして、永久磁石6の着磁方向の長さが、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の長さよりも短く、かつ、永久磁石6が、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の途中に対応するよう設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、発電装置に関する。
近年、磁歪材料で構成された磁歪棒の透磁率の変化を利用して発電する発電装置が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
この発電装置は、例えば、併設された一対の磁歪棒と、これらの磁歪棒の両端部を連結する2つの連結ヨークと、各磁歪棒の外周側を囲むように設けられたコイルと、一対の磁歪棒に併設された長尺状のバックヨークと、各連結ヨークとバックヨークとの間に配設され、磁歪棒にバイアス磁界を印加する2つの永久磁石とを備えている。このバックヨークは、連結ヨークに対して永久磁石を介して固定されている。これにより、磁歪棒、連結ヨーク、永久磁石およびバックヨークを通過する磁界ループが形成される。
そして、一方の連結ヨークを固定した状態で、他方の連結ヨークに対して、磁歪棒の軸方向に対して垂直な方向に外力を付与すると、一方の磁歪棒が伸長するように変形し、他方の磁歪棒が収縮するように変形する。この変形の際に磁歪棒に生じる応力(伸長応力または収縮応力)により、各磁歪棒を通過する磁力線の密度(磁束密度)、すなわち、各コイルを貫く磁力線の密度が変化し、これにより、各コイルに電圧が発生する。
しかしながら、特許文献1に記載の発電装置では、磁歪棒に印加されるバイアス磁界の強度分布が、その軸方向(長手方向)にバラついてしまう。すなわち、磁歪棒の軸方向に一様なバイアス磁界が印加されない。そのため、磁歪棒が変形した際の磁束密度の変化量は、印加されたバイアス磁界の強度に依存して、磁歪棒の軸方向でバラついてしまう。その結果、特許文献1に記載の発電装置では、発電効率が悪い。
WO2011/158473
本発明は、上記従来の問題点を鑑みたものであり、その目的は、磁歪棒の軸方向に一様なバイアス磁界を印加することによって、効率良く発電を行い得る発電装置を提供することにある。
このような目的は以下の(1)〜(17)の本発明により達成される。
(1) 磁歪材料で構成され、磁力線を軸方向に通過させる磁歪棒と、該磁歪棒の外周側に巻回され、前記磁力線の密度の変化に基づいて電圧が発生するコイルとを備え、一端部が他端部に対して前記磁歪棒の軸方向とほぼ垂直な方向に相対的に変位可能な磁歪素子と、
前記磁力線を発生し、着磁方向を前記磁歪棒の軸方向として、前記磁歪素子から離間するように前記磁歪棒と併設された永久磁石とを有し、
前記永久磁石の着磁方向の長さが、前記磁歪棒の前記コイルが巻回された領域の前記軸方向の長さよりも短く、かつ、前記永久磁石が、前記領域の前記軸方向の途中に対応するよう設けられていることを特徴とする発電装置。
(2) 前記領域の前記軸方向の長さをA[mm]とし、前記永久磁石の着磁方向の長さをB[mm]としたとき、B≦0.6Aなる関係を満足する上記(1)に記載の発電装置。
(3) 当該発電装置は、さらに、磁性材料で構成され、前記永久磁石が発生した前記磁力線が前記永久磁石に戻るようなループを、前記磁歪素子とともに形成する少なくとも2つのループ形成部材を有し、
前記少なくとも2つのループ形成部材は、前記磁歪素子の前記一端部側に設けられた第1のループ形成部材と、前記永久磁石を介して、前記第1のループ形成部材とは反対側に設けられた第2のループ形成部材とを含む上記(1)または(2)に記載の発電装置。
(4) 前記永久磁石は、前記第1のループ形成部材および前記第2のループ形成部材を介して前記磁歪素子に固定されている上記(3)に記載の発電装置。
(5) 前記領域の前記軸方向の長さをA[mm]とし、前記領域から前記永久磁石までの距離をX[mm]としたとき、X=0.05A〜0.3Aとなる関係を満足する上記(4)に記載の発電装置。
(6) 前記永久磁石は、前記磁歪素子が変位する変位方向とほぼ垂直な方向、かつ、前記磁歪棒の前記軸方向とほぼ垂直な方向に、前記磁歪素子に対して配設される上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の発電装置。
(7) 少なくとも前記磁歪素子が、前記永久磁石、前記第1のループ形成部材および前記第2のループ形成部材から独立し、かつ、これらに対して相対的に変位するように構成されている上記(3)に記載の発電装置。
(8) 前記第1および第2のループ形成部材は、それぞれ、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位した際に、前記磁歪素子と干渉しないように構成されている上記(7)に記載の発電装置。
(9) 前記第1および第2のループ形成部材は、それぞれ、前記磁歪素子と併設された底板部と、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位する変位方向に沿って、前記底板部から立設された少なくとも1つの側板部とを備える上記(8)に記載の発電装置。
(10) 前記底板部と前記側板部とが一体的に形成されている上記(9)に記載の発電装置。
(11) 前記少なくとも1つの側板部は、前記底板部を介して対向し、かつ、前記磁歪素子から離間して配置された2つの前記側板部を含み、
前記2つの側板部の間で、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位するように構成されている上記(9)または(10)に記載の発電装置。
(12) 各前記側板部と前記磁歪素子の前記一端部との間隔の大きさは、0.01〜0.5mmである上記(11)に記載の発電装置。
(13) 前記第2のループ形成部材は、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位可能に前記磁歪素子を支持する上記(7)ないし(12)のいずれかに記載の発電装置。
(14) 前記磁歪素子は、さらに、前記磁歪棒と併設され、前記磁歪棒に応力を付与する機能を有する梁部材を備える上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の発電装置。
(15) 前記磁歪素子は、さらに、前記磁歪棒と併設され、前記磁歪棒に応力を付与する機能を有する梁部材と、磁性材料で構成され、前記磁歪棒および前記梁部材の一方の端部同士を連結する第1のブロック体と、磁性材料で構成され、前記磁歪棒および前記梁部材の他方の端部同士を連結する第2のブロック体とを備え、
前記第2のループ形成部材は、前記第1のブロック体にネジ止めされることにより、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位可能に前記磁歪素子を支持する上記(7)ないし(13)のいずれかに記載の発電装置。
(16) 前記磁歪素子は、さらに、前記磁歪棒と併設され、前記磁歪棒に応力を付与する機能を有する梁部材と、磁性材料で構成され、前記磁歪棒および前記梁部材の一方の端部同士を連結する第1のブロック体と、磁性材料で構成され、前記磁歪棒および前記梁部材の他方の端部同士を連結する第2のブロック体とを備え、
前記第2のループ形成部材は、前記第1のブロック体と一体的に形成されることにより、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位可能に前記磁歪素子を支持する上記(7)ないし(13)のいずれかに記載の発電装置。
(17) 前記梁部材は、磁歪材料で構成された磁歪棒である上記(14)ないし(16)のいずれかに記載の発電装置。
本発明によれば、磁歪棒の軸方向全体にわたって、一様なバイアス磁界を印加することができる。これにより、磁歪棒が変形した際の磁束密度の変化量は、磁歪棒の軸方向全体にわたって均一となり、その結果、発電装置の発電効率の向上を図ることができる。
本発明の発電装置の第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示す発電装置の平面図である。 本発明の発電装置との比較のために例示する発電装置の平面図である。 図2に示す発電装置および図3に示す発電装置において、自然状態における磁歪棒の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布を解析した解析図、および、付与する応力に応じた、磁歪棒の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布を示すグラフである。 本発明の発電装置の第2実施形態を示す斜視図である。 図5に示す発電装置の分解斜視図である。 図5に示す発電装置の平面図である。 図5に示す発電装置の右側面図である。 図5に示す発電装置の正面図である。 図10(a)は、図5に示す発電装置に対して上方向に外力を付与した状態を模式的に示す図であり、図10(b)は、図5に示す発電装置に対して下方向に外力を付与した状態を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態の発電装置の他の構成例を示す斜視図である。 本発明の発電装置の第3実施形態を示す斜視図である。 図12に示す発電装置の平面図である。 図14(a)は、本発明の発電装置の第4実施形態に対して上方向に外力を付与した状態を模式的に示す図であり、図14(b)は、本発明の発電装置の第4実施形態に対して下方向に外力を付与した状態を模式的に示す図である。 実施例1〜10の各発電装置において、磁歪棒に付与した応力(90MPaの伸長応力または90MPaの収縮応力)に応じた、磁歪棒の軸方向におけるバイアス磁界の強度を示すグラフである。 実施例11〜13および比較例の各発電装置において、磁歪棒に付与した応力(90MPaの伸長応力または90MPaの収縮応力)に応じた、磁歪棒の軸方向におけるバイアス磁界の強度を示すグラフである。
以下、本発明の発電装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の発電装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の発電装置の第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す発電装置の平面図である。
なお、以下の説明では、図1中の上側および図2中の紙面手前側を「上」または「上方」と言い、図1中の下側および図2中の紙面奥側を「下」または「下方」と言う。また、図1中の紙面右手前側および図2中の左側を「先端」と言い、図1中の紙面左奥側および図2中の右側を「基端」と言う。
図1および図2に示す発電装置1は、磁歪素子10と、磁歪素子10から離間するように磁歪素子10と併設された永久磁石6と、磁歪素子10の基端部側に設けられ、磁歪素子10と永久磁石6とを連結する第1のループ形成部材7と、磁歪素子10の先端部側に設けられ、磁歪素子10と永久磁石6とを連結する第2のループ形成部材8とを有している。
以下、各部の構成について説明する。
磁歪素子10は、併設された2つの磁歪棒2、2と、各磁歪棒2の外周側(外周)に巻回されたコイル3と、磁歪棒2の基端側に設けられた第1のブロック体4と、磁歪棒2の他端側に設けられた第2のブロック体5とを備えている。この磁歪棒2は、磁歪材料で構成され、磁力線を軸方向に通過させる。
磁歪素子10は、第1のブロック体4側(一端部)を固定端とし、第2のブロック体5側(他端部)を可動端として、その軸方向とほぼ垂直な方向(図1中、上下方向)に相対的に変位可能となっており、この変位により磁歪棒2が伸縮する。このとき、逆磁歪効果により磁歪棒2の透磁率が変化し、磁歪棒2を通過する磁力線の密度(コイル3を貫く磁力線の密度)が変化することにより、コイル3に電圧が発生する。
磁歪棒2は、磁歪材料で構成され、磁化が生じ易い方向(磁化容易方向)を軸方向として配置されている。本実施形態では、この磁歪棒2は、長尺の平板状をなしており、その軸方向に磁力線を通過させる。
このような磁歪棒2は、その厚さ(横断面積)が軸方向に沿ってほぼ一定となっている。磁歪棒2の平均厚さは、特に限定されないが、0.3〜10mm程度であるのが好ましく、0.5〜5mm程度であるのがより好ましい。また、磁歪棒2の平均横断面積は、0.2〜200mm程度であるのが好ましく、0.5〜50mm程度であるのがより好ましい。かかる構成により、磁歪棒2の軸方向に磁力線を確実に通過させることができる。
磁歪材料のヤング率は、40〜100GPa程度であるのが好ましく、50〜90GPa程度であるのがより好ましく、60〜80GPa程度であるのがさらに好ましい。かかるヤング率を有する磁歪材料で磁歪棒2を構成することにより、磁歪棒2をより大きく伸縮させることができる。このため、磁歪棒2の透磁率をより大きく変化させることができるので、発電装置1(コイル3)の発電効率をより向上させることができる。
かかる磁歪材料としては、特に限定されないが、例えば、鉄−ガリウム系合金、鉄−コバルト系合金、鉄−ニッケル系合金等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、鉄−ガリウム系合金(ヤング率:約70GPa)を主成分とする磁歪材料が好適に用いられる。鉄−ガリウム系合金を主成分とする磁歪材料は、前述したようなヤング率の範囲に設定し易い。
また、以上のような磁歪材料は、Y、Pr、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tmのような希土類金属のうちの少なくとも1種を含むのが好ましい。これにより、磁歪棒2の透磁率の変化をより大きくすることができる。
かかる各磁歪棒2、2の外周には、その両端部21、22を除く部分を囲むようにコイル3が巻回(配置)されている。
コイル3は、線材31を磁歪棒2の外周に巻回することにより構成されている。これにより、コイル3は、磁歪棒2を通過している磁力線が、その軸方向に通過する(内腔部を貫く)ように配設されている。このコイル3には、磁歪棒2の透磁率の変化、すなわち、磁歪棒2を通過する磁力線の密度(磁束密度)の変化に基づいて、電圧が発生する。
線材31としては、特に限定されないが、例えば、銅製の基線に絶縁被膜を被覆した線材や、銅製の基線に融着機能を付加した絶縁被膜を被覆した線材等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
線材31の巻き数は、特に限定されないが、100〜500程度であるのが好ましく、150〜450程度であるのがより好ましい。これにより、コイル3に発生する電圧をより大きくすることができる。
また、線材31の横断面積は、特に限定されないが、5×10−4〜0.126mm程度であるのが好ましく、2×10−3〜0.03mm程度であるのがより好ましい。このような線材31は、その抵抗値が十分に低いため、発生した電圧によってコイル3を流れる電流を効率良く外部に流すことができ、発電装置1の発電効率をより向上させることができる。
なお、線材31の横断面形状は、例えば、三角形、正方形、長方形、六角形のような多角形、円形、楕円形等のいかなる形状であってもよい。
磁歪棒2の基端側には、第1のブロック体4が固定されている。この第1のブロック体4を介して、磁歪素子10が第1のループ形成部材7に固定されている。
この第1のブロック体4は、第1のループ形成部材7の基端部側の一部とともに、振動を発生する振動体に固定するための固定部として機能する。第1のブロック体4および第1のループ形成部材7を介して発電装置1を基体に固定することにより、磁歪棒2は、その基端を固定端、先端を可動端として片持ち支持されている。
図1に示すように、第1のブロック体4は、平板状をなしている。第1のブロック体4の先端側には、その高さ方向(図1中、上下方向)の略中央に上下2つのスリット41、42が形成されている。各スリット41、42には、各磁歪棒2の基端部21が挿入され、接着剤等により固定されている。
一方、磁歪棒2の先端側には、第2のブロック体5が固定されている。この第2のブロック体5を介して、磁歪素子10が第2のループ形成部材8に固定されている。
この第2のブロック体5は、第2のループ形成部材8とともに磁歪棒2に対して外力や振動を付与する錘として機能する部位である。振動体の振動により、第2のブロック体5に対して、上下方向への外力または振動が付与される。これにより、磁歪棒2は、その基端を固定端とし、先端が上下方向に往復動(先端が基端に対して相対的に変位)する。
図1に示すように、第2のブロック体5は、平板状をなしている。第2のブロック体5の基端側には、その高さ方向(図1中、上下方向)の略中央に上下2つのスリット51、52が形成されている。各スリット51、52には、各磁歪棒2の先端部22が挿入され、接着剤等により固定されている。なお、スリット51、52間の離間距離は、第1のブロック体4のスリット41、42間の離間距離とほぼ等しく構成されている。これにより、発電装置1の自然状態(磁歪素子10に外力が付与されていない状態)における側面視において、磁歪棒2、2が一定の距離離間した状態で互いに平行となるように配置されている。
第1のブロック体4および第2のブロック体5の構成材料としては、それぞれ、磁歪棒2の端部21、22を確実に固定することができ、磁歪棒2に対して、一様な応力を付与し得る十分な剛性を備え、かつ、磁歪棒2に永久磁石6からのバイアス磁界を付与し得る強磁性を備える材料であれば、特に限定されない。上記の特性を備える材料としては、例えば、純鉄(例えば、JIS SUY)、軟鉄、炭素鋼、電磁鋼(ケイ素鋼)、高速度工具鋼、構造鋼(例えば、JIS SS400)、ステンレス、パーマロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第1のブロック体4のスリット41とスリット42との離間距離は、0.3〜10mm程度であるのが好ましく、0.5〜3mm程度であるのがより好ましい。また、同様に、側面視において、第2のブロック体5のスリット51とスリット52との離間距離は、0.3〜10mm程度であるのが好ましく、0.5〜3mm程度であるのがより好ましい。
各ブロック体4、5のスリット間の離間距離を上記範囲内とすることにより、発電装置1の小型化を図りながら、各磁歪棒2に巻回されるコイル3の体積を十分に確保することができる。かかる発電装置1では、コイル3の体積を十分に確保することができるため、コイル3の線材31として、比較的線径が大きいものを用いることができるとともに、線材31の巻き数を多くすることができる。線径が大きい線材31は、抵抗値(負荷インピーダンス)が小さいため、コイル3に発生した電圧を効率良く取り出す(利用)することができる。また、線材31の巻き数を多くすることにより、コイル3に発生する電圧を大きくすることができ、その結果、発電装置1の発電効率を向上させることができる。
また、各ブロック体4、5の幅(図1中、各ブロック体4、5の左右方向の長さ)は、磁歪棒2の幅とほぼ同じになるように設計されている。このような各ブロック体4、5の幅は、1〜20mm程度であるのが好ましく、2〜10mm程度であるのがより好ましい。
かかる構成の磁歪素子10では、併設された2つの磁歪棒2、2が、対向する梁として機能し、第2のブロック体5の変位に伴って、各磁歪棒2が同一方向(図1中、上方向または下方向)に変位する。このような構成により、2つの磁歪棒2のうちの一方の磁歪棒2は、他方の磁歪棒2に応力を付与する梁部材としての機能を発揮し、一方の磁歪棒2の変位に伴って、他方の磁歪棒2には伸長応力または収縮応力のいずれかの応力が発生する。これにより、各磁歪棒2を通過する磁力線の密度が変化する。
なお、図1中、上下2つの磁歪棒2のうちのいずれか一方の磁歪棒2を、磁歪材料以外の材料で構成された梁部材としてもよい。このような梁部材としては、磁歪棒2に応力を付与するだけの剛性を有していればよく、また、非磁性材料でもよい。例えば、各ブロック体4、5を構成する材料で構成されたものを用いることができる。
なお、磁歪棒2の端部(基端部21、先端部22)を各ブロック体4、5のスリットに固定する方法としては、上述した接着剤による接着に限られず、カシメ、拡散接合、ピンの圧入、ろう付け、溶接(レーザ溶接、電気溶接等)等でも良い。
第1のブロック体4は、第1のループ形成部材7を介して永久磁石6の基端部と連結している。
前述したように、第1のループ形成部材7は、第1のブロック体4とともに、振動体に固定され、振動体の振動により、磁歪素子10の先端部が基端部に対して変位する。第1のループ形成部材7および第1のブロック体4を取り付ける振動体としては、例えば、ポンプや空調用ダクト等の各種振動体が挙げられる。振動体の具体例については、後述する。
このような第1のループ形成部材7は、磁性材料で構成され、第1のブロック体4の側面(図2中、下側の側面)に固定される第1の固定部71と、永久磁石6の基端側の端面に固定される第2の固定部72と、第1の固定部71と第2の固定部72とを連結し、平面視においてL字状をなす連結部73とを備えている。
第1のループ形成部材7は、例えば、帯状(長尺の平板状)の板材を用意し、プレス加工、曲げ加工または鍛造加工等により、まず、平面視においてL字状をなすように加工する。そして、その板材の両端部を、連結部73に相当する部位に対して、それぞれ、L字の外側方向に約90°屈曲させることにより形成することができる。
第1の固定部71は、第1のブロック体4の基端側の側面と、例えば、接着剤等による接着により固定されている。この第1の固定部71の高さ(図1中、上下方向)は、第1のブロック体4の高さとほぼ同じであり、発電装置1を振動体に取り付ける際には、例えば、第1のブロック体4、第1の固定部71のそれぞれの下面を振動体に接着剤等による接着により固定することができる。また、第1の固定部71と第1のブロック体4との接着面積を十分に確保して、これらの接合強度を高めて、発電装置1の耐久性を向上することができる。
第2の固定部72は、永久磁石6の基端側の端面と、例えば、接着剤等による接着により固定されている。この第2の固定部72の先端側の表面(固定面)の表面積は、永久磁石6の端面の表面積よりも大きく構成されており、永久磁石6はその端面全体で第2の固定部72に固定されている。
平面視においてL字状の連結部73は、一方の片部731が第1の固定部71の先端部と連結し、他方の片部732が第2の固定部72の基端部と連結している。
なお、第1のブロック体4と第1の固定部71とを固定する方法、また、第1のループ形成部材7(第1の固定部71)および第1のブロック体4を振動体に固定する方法は、上述したような接着剤等による接着に限られず、ネジ止め、カシメ、拡散接合、ピンの圧入、ろう付け、溶接(レーザ溶接、電気溶接等)等でも良い。
かかる第1のループ形成部材7の構成材料としては、前述した各ブロック体4、5を構成する各種磁性材料と同様の材料を用いることができる。
永久磁石6(図2中、左側の永久磁石6)の先端側、すなわち、永久磁石6を介して、第1のループ形成部材7とは反対側には、第2のループ形成部材8が配置されている。第2のループ形成部材8は、第2のブロック体5と永久磁石6とを連結し、かつ、永久磁石6を介して第1のループ形成部材7と固定されている。
前述したように、第2のループ形成部材8は、第2のブロック体5とともに、磁歪棒2に対して外力や振動を付与する錘として機能する。
第2のループ形成部材8は、磁性材料で構成され、第2のブロック体5の側面(図2中、下側の側面)に固定される第1の固定部81と、永久磁石6の先端側の端面に固定される第2の固定部82と、第1の固定部81と第2の固定部82とを連結し、平面視においてL字状をなす連結部83とを備えている。
このような第2のループ形成部材8は、例えば、帯状(長尺の平板状)の板材を用意し、プレス加工、曲げ加工または鍛造加工等により、まず、平面視においてL字状をなすように加工する。そして、その板材の両端部を、連結部83に相当する部位に対して、それぞれ、L字の外側方向に約90°屈曲させることにより形成することができる。
第1の固定部81は、第2のブロック体5の先端側の側面と、例えば、接着剤等による接着により固定されている。この第1の固定部81の高さ(図1中、上下方向)は、第2のブロック体5の高さとほぼ同じに構成されている。これにより、第1の固定部81と第2のブロック体5との接着面積を十分に確保して、これらの接合強度を高めて、発電装置1の耐久性を向上することができる。
第2の固定部82は、永久磁石6の先端側の端面と、例えば、接着剤等による接着により固定されている。この第2の固定部82の先端側の表面(固定面)の表面積は、永久磁石6の端面の表面積よりも大きく構成されており、永久磁石6は、その端面全体で第2の固定部82に固定されている。
平面視においてL字状の連結部83は、一方の片部831が第1の固定部81の基端部と連結し、他方の片部832が第2の固定部82の基端部と連結している。
なお、第2のブロック体5と第1の固定部81とを固定する方法は、上述したような接着剤等による接着に限られず、ネジ止め、カシメ、拡散接合、ピンの圧入、ろう付け、溶接(レーザ溶接、電気溶接等)等でも良い。
かかる第2のループ形成部材8の構成材料としては、前述した各ブロック体4、5を構成する各種磁性材料と同様の材料を用いることができる。
第1のループ形成部材7と第2のループ形成部材8との間には、円柱状をなし、磁歪棒2にバイアス磁界を印加する永久磁石6が固定されている。本実施形態では、第1のループ形成部材7と第2のループ形成部材8との間には、2つの永久磁石6が、直列に配設されており、これらは、磁力により互いに連結し、さらに、接着剤等により固定されている。
各永久磁石6は、磁歪素子10(磁歪棒2)が変位する変位方向とほぼ垂直な方向、かつ、磁歪棒2の軸方向とほぼ垂直な方向に磁歪素子10に対して配設される。
永久磁石6には、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石や、それらを粉砕して樹脂材料やゴム材料に混練した複合素材を成形してなる磁石(ボンド磁石)等を用いることができる。このような永久磁石6は、その基端側において、第1のループ形成部材7(第2の固定部72)と固定され、また、その先端側において、第2のループ形成部材8と固定されている。これらの部材の固定方法としては、例えば、接着剤による接着等により固定することができる。
図2に示すように、各永久磁石6は、S極を図2中左側(第2のループ形成部材8側)に、N極を図2中右側(第1のループ形成部材7側)にして配置されている。これにより、発電装置1では、永久磁石6が、その着磁方向が磁歪棒2の軸方向となるように配置されている。
かかる構成の発電装置1では、図2に示すように、2つの永久磁石6が発生した磁力線が、第1のループ形成部材7、磁歪素子10(第1のブロック体4、磁歪棒2および第2のブロック体5)および第2のループ形成部材8を通過して永久磁石6に戻るような、反時計回りの磁界ループが形成される。
なお、前述したように、永久磁石6は、その両端面全体が第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8の第2の固定部72、82と接合している。そのため、磁界ループを形成する磁力線の流れが、永久磁石6と第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8との間で損失するのが防止される。これにより、磁歪棒2を通過する磁力線の密度を十分に高くすることができ、磁歪棒2が変形した際に、磁歪棒2を通過する磁力線の密度の変化量を十分に大きくすることができる。その結果、発電装置1の発電効率が向上する。
発電装置1は、第1のブロック体4および第1のループ形成部材7(主に、第1の固定部71)が振動体に固定される。この状態において、振動体の振動により、第1のブロック体4に対して、第2のブロック体5が上方に向かって変位(回動)すると、すなわち、磁歪棒2の基端に対して先端が上方に向かって変位すると、下側の磁歪棒2が軸方向に伸長するように変形し、上側の磁歪棒2が軸方向に収縮するように変形する。一方、第2のブロック体5が下方に向かって変位(回動)すると、すなわち、磁歪棒2の基端に対して先端が下方に向かって変位すると、下側の磁歪棒2が軸方向に収縮するように変形し、上側の磁歪棒2が軸方向に伸長するように変形する。その結果、逆磁歪効果により各磁歪棒2の透磁率が変化して、磁歪棒2を通過する磁力線の密度(コイル3の内腔部を軸方向に貫く磁力線の密度)が変化する。これにより、コイル3に電圧が発生する。
かかる発電装置1では、前述したように、永久磁石6が、その着磁方向が磁歪棒2の軸方向となるように配置されている。そして、永久磁石6の着磁方向の長さが、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の長さよりも短く、かつ、永久磁石6が、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の途中に対応するよう設けられている。本実施形態では、側面視において、永久磁石6が、磁歪棒2にコイル3が巻回された領域の中央付近に包含されるように配設されている(図2参照)。
上述した永久磁石6が発生する磁力線の大部分は、第1のループ形成部材7、磁歪素子10および第2のループ形成部材8を通過する磁界ループを形成するが、その一部は、永久磁石6の周囲に漏れ磁束(磁界)として存在して強磁界領域を形成する。上記構成の発電装置1では、図2に示すように、永久磁石6の強磁界領域が磁歪棒2と重なり、その漏れ磁束が、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の中央付近(磁歪棒2の軸方向の中央付近)を通過する。すなわち、永久磁石6からの漏れ磁束が、磁歪棒2の軸方向の中央付近に、磁歪棒2中の磁力線の通過方向とほぼ同じ方向に印加される。
磁歪棒2の軸方向の中央付近は、磁界ループを形成する磁気回路としては、永久磁石6から最も離れた位置にある。そのため、磁界ループを形成する磁力線の強度は、磁歪棒2の軸方向の中央付近が最も弱くなるが、ここに永久磁石6の漏れ磁束が印加されることにより、磁界強度が補填される。これにより、磁歪棒2の軸方向全体にわたって、一様なバイアス磁界を印加することができる。
なお、発電装置1では、コイル3の内腔部を軸方向に貫く磁力線の密度変化によって、コイル3に電圧が生じる。そのため、効率良く発電する観点から、必ずしも磁歪棒2の軸方向全体に一様なバイアス磁界が印加される必要はなく、少なくとも磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向全体に一様なバイアス磁界が印加される構成であればよい。
以下に、磁歪棒に対する永久磁石の配設位置およびその着磁方向に応じた、磁歪棒の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布について説明する。
図3は、本発明の発電装置との比較のために例示する発電装置の平面図である。
なお、図3中の紙面手前側を「上」または「上方」と言い、紙面奥側を「下」または「下方」と言う。また、図3中の左側を「先端」と言い、図3中の右側を「基端」と言う。
図3に示す発電装置200は、本発明の発電装置1との比較のために例示する発電装置である。
発電装置200は、本発明の発電装置1と同様の磁歪素子10を備えており、さらに、一対の磁歪棒に併設された長尺状のバックヨーク9と、各ブロック体4、5とバックヨーク9との間に配設され、磁歪棒2にバイアス磁界を印加する2つの永久磁石6とを備えている。このバックヨーク9は、各ブロック体4、5に対して永久磁石6を介して固定されている。
発電装置200では、基端側の永久磁石6が、S極を図3中下側(バックヨーク9側)に、N極を図3中上側(第1のブロック体4側)にして配置されている。また、先端側の永久磁石6が、S極を図3中上側(第2のブロック体5側)に、N極を図3中下側(バックヨーク9側)にして配置されている。これにより、磁歪素子10、2つの永久磁石6およびバックヨーク9を通過する反時計回りの磁界ループが形成される。
なお、このような発電装置200も、磁歪素子10の基端部(第1のブロック体4)に対して先端部(第2のブロック体5)が、その軸方向とほぼ垂直な方向に相対的に変位することにより、磁歪棒2が伸縮する。このとき、逆磁歪効果により磁歪棒2を通過する磁力線の密度(コイル3を貫く磁力線の密度)が変化することにより、コイル3に電圧が発生する。
図4は、図2に示す発電装置および図3に示す発電装置において、自然状態(磁歪棒に応力が付与されていない状態)における磁歪棒の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布を解析した解析図、および、付与する応力に応じた、磁歪棒の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布を示すグラフである。
具体的には、図4(a−1)は、図3に示す発電装置200において、自然状態における磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布を解析した解析図であり、図4(a−2)は、磁歪棒2に付与した応力(90MPaの伸長応力または90MPaの収縮応力)に応じた、磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度を示すグラフである。また、図4(b−1)は、図2に示す発電装置1において、自然状態における磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布を解析した解析図であり、図4(b−2)は、磁歪棒2に付与した応力(90MPaの伸長応力または90MPaの収縮応力)に応じた、磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度を示すグラフである。なお、図4において、発電装置1および発電装置200は、いずれも磁歪棒2の長さ(第1のブロック体4の先端から第2のブロック体5の基端までの距離)が10mmのものを用いて評価を行った。
また、図4(a−1)および(b−1)中、白黒の濃淡により、磁歪棒2の軸方向における印加されたバイアス磁界の強度が示されており、濃淡の差が大きいほど、バイアス磁界の強度差が大きいことを示す。また、図4(a−2)および(b−2)は、磁歪棒2のコイル3が巻回される領域の軸方向の先端(0mm)から基端側への距離と、磁界強度との関係を示す。
図3に示す発電装置200では、各永久磁石6が、磁歪素子10の基端部(第1のブロック体4)および先端部(第2のブロック体5)の側面に、その着磁方向が磁歪棒2の軸方向と直交するように配設されている。かかる構成では、永久磁石6からの漏れ磁束による強磁界領域は、磁歪棒2の基端側および先端側に発生し、かつ、永久磁石6からの漏れ磁束は、磁歪棒2を通過する磁力線の方向とほぼ直交する。このため、永久磁石6の漏れ磁束が、磁歪棒2中の磁力線の通過方向に印加されることはなく、発電装置200では、磁歪棒2の軸方向の中央付近と基端側および先端側とのバイアス磁界の強度差が大きくなる(図4(a−1)参照)。
さらに、発電装置200では、磁歪棒2に応力(90MPaの伸長応力または90MPaの収縮応力)が付与されると、自然状態(応力:0MPa)での磁歪棒2よりも、さらにその軸方向の中央付近と基端側および先端側とのバイアス磁界の強度差が大きくなる(図4(a−2)参照)。
このような発電装置200では、磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度差が大きい、すなわち、バイアス磁界の強度分布のバラつきが大きい。特に、このバラつきは、磁歪棒2に応力が付与されて、磁歪棒2が変形する際に顕著となる。したがって、発電装置200では、磁歪棒2が変形した際の磁束密度の変化量が、印加されたバイアス磁界の強度に依存して、磁歪棒の軸方向でバラついてしまう。その結果、発電装置200では、発電効率を十分に高くすることができない。
これに対して、本発明の発電装置1では、永久磁石6からの漏れ磁束が、コイル3が巻回された領域の軸方向の中央付近に、磁歪棒2中の磁力線の通過方向とほぼ同じ方向に印加される。そのため、磁歪棒2の軸方向の中央付近と基端側および先端側とで、バイアス磁界の強度のバラつきは極めて少なく、特に、発電に寄与するコイル3が巻回された領域では、軸方向全体にわたって一様なバイアス磁界が印加される(図4(b−1)参照)。
さらに、発電装置1では、磁歪棒2に応力(90MPaの伸長応力または90MPaの収縮応力)が付与された場合でも、自然状態(応力:0MPa)での磁歪棒2と同様に、磁歪棒2の軸方向全体にわたって一様なバイアス磁界が印加される(図4(b−2)参照)。
図4(b−2)に示すように、発電装置1では、自然状態および磁歪棒2に応力が付与された状態のいずれにおいても、磁歪棒2の軸方向全体にわたって一様なバイアス磁界が印加される。これにより、磁歪棒2が変形した際の磁束密度の変化量は、磁歪棒2の軸方向全体にわたって均一になるため、発電装置1では、効率良く発電することができる。特に、かかる発電装置1では、磁歪棒2の材料特性から、あらかじめ磁歪棒2中の磁束密度の変化量が最大となるバイアス磁界の強度を求め、求めた強度のバイアス磁界を磁歪棒2に印加するように構成することにより、高い発電量で効率良く発電することができる。
発電装置1では、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の長さをA[mm]とし、永久磁石6の着磁方向の長さ(本実施形態では、直列に配列された2つの永久磁石6の配列方向の長さ)をB[mm]としたとき、B<Aの関係を満足している。AとBとの関係は、上記関係を満足すればよいが、特に、B≦0.6Aなる関係を満足するのが好ましく、0.1A≦B≦0.6Aなる関係を満足するのがより好ましい。これにより、永久磁石6の周囲に存在する強磁界領域が、磁歪棒2の軸方向の中心付近と、より広範囲にわたって重なり、磁歪棒2の軸方向の中心付近に十分な強度の漏れ磁束を印加することができる。そのため、磁歪棒2の軸方向全体にわたって、より一様なバイアス磁界を印加することができる。
また、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域から永久磁石6までの距離をX[mm]としたとき、この距離Xは、特に限定されないが、X=0.05A〜0.3Aなる関係を満足するのが好ましく、X=0.1A〜0.2Aなる関係を満足するのがより好ましい。これにより、永久磁石6の周囲に存在する強磁界領域が、磁歪棒2の軸方向の中心付近と十分に重なり、磁歪棒2の軸方向の中心付近に十分な強度の漏れ磁束を印加することができる。そのため、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向全体にわたって、より一様なバイアス磁界を印加することができる。
なお、かかる発電装置1において、磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度を測定した際に、その強度分布の標準偏差は、3000[A/m]以下であるのが好ましく、100〜2000[A/m]であるのがより好ましい。上記条件を満足する発電装置1では、磁歪棒2の軸方向全体にわたって十分に均一なバイアス磁界が印加されており、磁歪棒2が変形した際の磁束密度の変化量は、磁歪棒2の軸方向全体にわたって均一になる。これにより、発電装置1では、効率良く発電することができる。
なお、発電装置1を取り付ける振動体としては、例えば、蒸気、水、燃料油、気体(空気、燃料ガス等)等をパイプやダクトを通して移動(排気、換気、吸気、廃液、循環)させる装置であり、大型施設、ビル、駅等に設置される配管や空調用ダクトが挙げられる。また、配管や空調用ダクト以外には、例えば、輸送機(貨物列車や自動車、トラックの荷台)、線路を構成するレール(枕木)、高速道路やトンネルの壁面パネル、架橋、ポンプやタービン等の機器等が挙げられる。
これらの振動体に発生する振動は、目的とする媒体(空調用ダクトの場合、ダクト内を通過する気体等)の移動には不必要な振動であり、騒音や不快な振動を発生させる原因となっている。このような振動体に上記発電装置1を取り付けることにより、この不必要な振動(運動エネルギー)を電気エネルギーとして変換(回生)して得ることができる。
この得られた電気エネルギーをセンサー、無線装置等の電源に用いて、施設居住空間の照度、温度、湿度、圧力、騒音を計測し、無線装置で検出データを送信して、各種制御信号やモニタリング信号として利用することができる。また、車両の各部の状態を監視するシステム(例えば、タイヤ空気圧センサー、シートベルト着装検知センサー)としても利用することができる。また、このように不必要な振動を電力に変換することで、振動体からの騒音や不快な振動を軽減する効果も得られる。
また、上記のような振動体からの振動を回生する以外にも、振動体以外の基体に固定し、発電装置1の先端(第2のブロック体5)に直接外部から力を与える構造を付加し、無線装置と組み合わせることで人が操作するスイッチとして用いることができる。
このようなスイッチは、電源、信号線の配線をしなくとも機能し、例えば、住宅照明用無線スイッチ、住宅セキュリティー用システム(特に、窓やドアの操作検知を無線で知らせるシステム)等に用いることができる。
また、車両の各スイッチに発電装置1を応用することで、電源、信号線の配線がなくなり、組立工数の削減だけではなく、車両に設ける配線に必要な重量を軽減し、車両等の軽量化を得て、タイヤ、車体、エンジンにかかる負荷を抑制し、安全性にも寄与することができる。
なお、発電装置1の発電量は、特に限定されないが、20〜1400μJ程度であるのが好ましい。発電装置1の発電量(発電能力)が上記範囲内であれば、例えば、無線装置と組み合わせることで、上述した住宅照明用無線スイッチや住宅セキュリティー用システム等に有効に利用することができる。
なお、本実施形態の発電装置1では、第1のループ形成部材7と第2のループ形成部材8との間に、直列に連結された2つの永久磁石6を配設しているが、1つの永久磁石6を配設した構成であってもよい。例えば、永久磁石6として、優れた保持力を有するとともに、比較的高い最大エネルギー積を有する、アルニコ磁石、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石等の希土類磁石を用いる場合には、1つの永久磁石であっても、磁歪棒2に十分な強度のバイアス磁界を印加することができる。なお、上記最大エネルギー積とは、磁石が持つエネルギーの大きさを示す指標であり、各磁石のB−H減磁曲線(B:磁束密度、H:磁場(磁界))における磁束密度と磁場との積の最大値のことである。
<第2実施形態>
まず、本発明の発電装置の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の発電装置の第2実施形態を示す斜視図、図6は、図5に示す発電装置の分解斜視図、図7は、図5に示す発電装置の平面図、図8は、図5に示す発電装置の右側面図、図9は、図5に示す発電装置の正面図、図10(a)は、図5に示す発電装置に対して上方向に外力を付与した状態を模式的に示す図、図10(b)は、図5に示す発電装置に対して下方向に外力を付与した状態を模式的に示す図である。
なお、以下の説明では、図5、図6、図8、図9および図10(a),(b)中の上側および図7中の紙面手前側を「上」または「上方」と言い、図5、図6、図8、図9および図10(a),(b)中の下側および図7中の紙面奥側を「下」または「下方」と言う。また、図5および図6中の紙面左手前側および図7、図8および図10(a),(b)中の左側を「先端」と言い、図5および図6中の紙面右奥側および図7、図8および図10(a),(b)中の右側を「基端」と言う。
以下、第2実施形態の発電装置について、前記第1実施形態の発電装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5および図6に示す発電装置1は、磁歪素子10と、磁歪素子10の基端部を支持する第1のループ形成部材7と、永久磁石6と、永久磁石6を介して第1のループ形成部材7と反対側に設けられた第2のループ形成部材8とを有しており、第1のループ形成部材7を、振動を発生する振動体等の基体に固定して使用される。この磁歪素子10は、その先端部が基端部に対して変位可能に第1のループ形成部材7に支持されている。
かかる発電装置1では、第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8が磁性材料で構成されており、永久磁石6が発生した磁力線が、第2のループ形成部材8、磁歪素子10および第1のループ形成部材7を通過して永久磁石6に戻るようなループ(磁界ループ)が形成されている。
以下、各部の構成について説明する。
磁歪素子10は、第1のブロック体4が、そのスリット41、42の基端側において、スリット41、42と離間した位置に、その幅方向(図6中、左右方向)に貫通する貫通孔43が形成されている以外は、前記第1実施形態の磁歪素子10と同じ構成を有している。
この第1のブロック体4は、第1のループ形成部材7に固定され、これにより、磁歪素子10は、その先端部(第2のブロック体5)が基端部(第1のブロック体4)に対して変位可能に第1のループ形成部材7に片持ち支持されている。また、第1のループ形成部材7は、振動体に固定され、振動体の振動により、磁歪素子10の先端部が基端部に対して変位する。第1のループ形成部材7を取り付ける振動体としては、例えば、前述した各種振動体が挙げられる。
このような第1のループ形成部材7は、磁性材料で構成され、振動体に固定される基部74と、基部74の基端側の上面に設けられ、第1のブロック体4を収容する収容部75とを備えている。
基部74は、その基端側の短手方向(図6中、左右方向)に張り出した一対の張出部(ブラケット部)741を備え、平面視においてT字状をなしている。また、収容部75は、一対の張出部741同士の間の領域に設けられており、底板751と、底板751から立設した一対の側板752とで構成され、正面(背面)視形状が略コの字状をなしている。第1のブロック体4は、この一対の側板752同士の間に収容される。
収容部75は、基部74の基端側の上面に底板751を当接させるようにして、例えば、溶接等により基部74に固定されている。
基部74は、その先端部において永久磁石6と接触する部材であり、先端部の厚さが、先端部以外の部分の厚さよりも厚くなるように構成されている。具体的には、その先端部の横断面形状は、永久磁石6の横断面形状とほぼ同じになるように構成されている。そのため、磁界ループを形成する磁力線の流れが、永久磁石6と第1のループ形成部材7との間で損失するのが防止される。これにより、磁歪棒2を通過する磁力線の密度を十分に高くすることができ、磁歪棒2が変形した際に、磁歪棒2を通過する磁力線の密度の変化量を十分に大きくすることができる。その結果、発電装置1の発電効率が向上する。
また、一対の張出部741には、それぞれ、厚さ方向に貫通する貫通孔742が設けられている。雄ネジ743を、貫通孔742に挿通し、振動体に螺合することにより、第1のループ形成部材7を振動体に固定(ネジ止め)することができる。
収容部75は、一対の側板752同士の間の距離が、第1のブロック体4の幅とほぼ同じになるように構成されている。各側板752の略中央には、その幅方向に貫通する貫通孔753が設けられている。一対の側板752間に第1のブロック体4を挿入し、雄ネジ754を貫通孔753および第1のブロック体4の貫通孔43に挿通して、ナット755を螺合する。これにより、第1のブロック体4が収容部75にネジ止めされ、磁歪素子10が第1のループ形成部材7に固定されている。
なお、第1のループ形成部材7を振動体に固定する方法、また、磁歪素子10を第1のループ形成部材7に固定する方法は、上述したようなネジ止めに限られず、接着剤による接着、カシメ、拡散接合、ピンの圧入、ろう付け、溶接(レーザ溶接、電気溶接等)等でも良い。
かかる第1のループ形成部材7(基部74および収容部75)の構成材料としては、前述した第1実施形態の第1のループ形成部材7を構成する各種磁性材料と同様の材料を用いることができる。
第1のループ形成部材7の基部74の先端部には、四角柱状をなす永久磁石6が第1のループ形成部材7に固定されている。
永久磁石6としては、前述した第1実施形態における永久磁石6と同様の各種磁石を用いるこができる。このような永久磁石6は、その基端側において、第1のループ形成部材7(基部74)と固定され、また、その先端側において、第2のループ形成部材8と固定されている。これらの部材の固定方法としては、例えば、接着剤による接着等により固定することができる。
図8に示すように、永久磁石6は、S極を図8中右側(第1のループ形成部材7側)に、N極を図8中左側(第2のループ形成部材8側)にして配置されている。すなわち、永久磁石6は、第1のループ形成部材7と第2のループ形成部材8との間に、その着磁方向が第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8が配設された配設方向となるように、そして、永久磁石6が、その着磁方向が磁歪棒2の軸方向となるように配置されている。
永久磁石6の先端側には、第2のループ形成部材8が配置されており、永久磁石6を介して第1のループ形成部材7と固定されている。
このような第2のループ形成部材8は、磁性材料で構成され、磁歪素子10と併設された底板部84と、底板部84の先端側に底板部84を介して対向して配置され、鉛直上方に立設する一対の側板部85とを備えている。
本実施形態では、底板部84と一対の側板部85とが、いずれも帯状(長尺の平板状)をなしており、側板部85の方が、底板部84よりも肉薄に構成されている。このような底板部84と一対の側板部85とは、溶接等により連結した構成であってもよいが、一体的に形成されているのが好ましい。
底板部84は、その基端部において、永久磁石6にその磁力により固定されている。底板部84の基端部の厚さは、基端部以外の部分の厚さよりも厚くなるように構成されている。具体的には、その基端部の横断面形状は、永久磁石6の横断面形状とほぼ同じになるように構成されている。これにより、磁界ループを形成する磁力線の流れが、永久磁石6と第2のループ形成部材8との間で損失するのが防止される。これにより、磁歪棒2を通過する磁力線の密度を十分に高くすることができ、磁歪棒2が変形した際に、磁歪棒2を通過する磁力線の密度の変化量を十分に大きくすることができる。その結果、発電装置1の発電効率が向上する。
一対の側板部85同士の間の距離は、図9に示すように、第2のブロック体5の幅よりも大きく設定されており、磁歪素子10の先端部(第2のブロック体5)は、各側板部85から離間した状態で、これらの間に位置している。このような構成により、磁歪素子10の先端部が基端部(第1のブロック体4)に対して上下方向に変位した際に、これらと接触しないように構成されている。また、この際に、磁歪素子10の先端部は、底板部84とも接触しないように構成されている。すなわち、磁歪素子10の先端部が基端部に対して上下方向に変位した際に、第2のループ形成部材8は、磁歪素子10と干渉することがないように構成されている。
なお、第2のループ形成部材8が変位する磁歪素子10と「干渉しない」とは、第2のループ形成部材8が変位する磁歪素子10と完全に離間した状態を維持している構成であることはもちろんのこと、第2のループ形成部材8が変位する磁歪素子10と接触した状態となっているが、磁歪素子10の変位が第2のループ形成部材8により阻害されないような構成も含まれる。
後者の場合、磁歪素子10が変位する際に、第2のブロック体5が各側板部85に摺接しつつ変位する。したがって、各側板部85は、第2のブロック体5の上下方向への変位をガイドするガイド部として機能して、他の方向(左右方向)に変位するのを防止することができる。このため、付与された外力によって、確実に磁歪素子10の先端部を上下方向に変位させることができるとともに、その変形量をより大きくすることができる。その結果、発電装置1の発電効率をより向上させることができる。
第2のループ形成部材8は、磁性材料で構成されるとともに、第2のブロック体5と非接触であるが、これに十分に接近している。このため、永久磁石6が発生した磁力線を第2のブロック体5に受け渡すこと、言い換えれば、永久磁石6からのバイアス磁界を第2のブロック体5に印加することができる。したがって、発電装置1では、図8に示すように、永久磁石6が発生した磁力線が、第2のループ形成部材8、磁歪素子10(第2のブロック体5、磁歪棒2および第1のブロック体4)および第1のループ形成部材7を通過して永久磁石6に戻るような、時計回りの磁界ループが形成される。
このような発電装置1は、図8に示すように、雄ネジ743により第1のループ形成部材7が振動体の筐体100に固定される。この状態において、振動体の振動により、第1のブロック体4に対して、第2のブロック体5が上方に向かって変位(回動)すると(図10(a)参照)、すなわち、磁歪棒2の基端に対して先端が上方に向かって変位すると、下側の磁歪棒2が軸方向に伸長するように変形し、上側の磁歪棒2が軸方向に収縮するように変形する。一方、第2のブロック体5が下方に向かって変位(回動)すると、すなわち、磁歪棒2の基端に対して先端が下方に向かって変位すると、下側の磁歪棒2が軸方向に収縮するように変形し、上側の磁歪棒2が軸方向に伸長するように変形する。その結果、逆磁歪効果により各磁歪棒2の透磁率が変化して、磁歪棒2を通過する磁力線の密度(コイル3の内腔部を軸方向に貫く磁力線の密度)が変化する。これにより、コイル3に電圧が発生する。
かかる構成の発電装置1においても、前述した第1実施形態の発電装置1と同様に、永久磁石6が、その着磁方向が磁歪棒2の軸方向となるように配置されている。また、永久磁石6の着磁方向の長さが、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の長さよりも短く、かつ、永久磁石6が、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の途中に対応するよう設けられている。本実施形態では、図7に示すように、平面視において、永久磁石6が、磁歪棒2にコイル3が巻回された領域の中央付近に包含されるように配設されている。
これにより、発電装置1では、永久磁石6の漏れ磁束が、磁界ループを形成する磁力線の強度が最も弱い磁歪棒2の軸方向の中央付近に印加されることにより、磁界強度が補填される。そのため、磁歪棒2の軸方向全体にわたって、一様なバイアス磁界を印加することができ、磁歪棒2が変形した際の磁束密度の変化量は、磁歪棒2の軸方向全体にわたって均一になる。その結果、発電装置1では、効率良く発電することができる。
さらに、発電装置1では、磁歪素子10の先端部が、磁歪素子10とともにループ(磁界ループ)を形成する部材(永久磁石6、第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8)に対して、独立して変位することができる。そのため、付与された外力を効率良く磁歪素子10(磁歪棒2)の変形に用いることができる。
特に、発電装置1では、磁歪素子10の先端部の質量が、第2のブロック体5の質量のみであり、比重が高い材料で構成され、比較的大きな質量を有する永久磁石6や第2のループ形成部材8の質量は含まれない。このような比較的質量の大きい部材が磁歪素子の先端部に連結し、磁歪素子の先端部とともに変形する構成では、連結した部材を変形させるための弾性エネルギーおよび変形に伴う構造減衰が発生し、発電効率が低下してしまう。これに対して、発電装置1では、第2のブロック体5以外の部材を動かすための変形に伴う構造減衰が発生しないため、付与された外力により、効率良く磁歪素子10を変形させることができる。
さらに、磁歪素子10の先端部は、発電装置1を構成する他の部材と干渉することなく、具体的には、他の部材に対して非接触な状態で変位することができる。そのため、磁歪素子10の先端部の変位に伴って、部材同士の接触によりその接触面に発生する摩擦のようなエネルギーロスが発生するのを防止することができる。
したがって、かかる構成の発電装置1では、付与された外力をロスすることなく、効率良く磁歪棒2の変形に用いることができる。
上述したように、発電装置1では、磁歪棒2全体にわたって均一なバイアス磁界が印加されることによって、磁歪棒2が変形した際に、磁歪棒2の軸方向全体にわたって均一な磁束密度変化が生じ、発電効率に優れる。その上、発電装置1に付与された外力をロスすることなく磁歪棒2の変形に用いることができるので、発電装置1の発電効率をさらに向上させることができる。
さらに、発電装置1では、磁歪素子10の先端部の質量として、永久磁石6や第2のループ形成部材8の質量が含まれないため、付与された外力に対する磁歪素子10の変形特性は、付与される外力と、磁歪素子10の機械的パラメータ(振動周波数、減衰率、ヤング率、比重、断面2次モーメント等)とで決まる。そのため、発電装置1の発電量は、磁歪素子10の構成部材の機械的パラメータを変更することにより、自由に設計することができ、所望の発電量を有する発電装置1の設計が容易である。
また、発電装置1では、第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8のうち、第1のループ形成部材7のみが振動体に固定されており、第2のループ形成部材8は、振動体に固定されない。かかる構成では、第2のループ形成部材8に、振動体と固定するための部位を設ける必要がないため(例えば、第1のループ形成部材7の張出部741に相当するようなブラケット部、フランジ部等の部位を設ける必要がない)、発電装置1の先端側の構造を小さく(スリム化)することができる。その結果、発電装置1の省スペース化(小型化)を図ることができる。
さらに、かかる構成では、第2のループ形成部材8は、振動体の振動により、上下方向に振動する。この第2のループ形成部材8の振動の固有振動数を、第2のブロック体5の振動の固有振動数と同程度とすることにより、音叉と同様の共鳴現象を発生させることができる。これにより、第2のブロック体5の振動の減衰が抑制されるため、発電装置1では、振動体から付与された外力によってさらに効率良く発電することができる。特に、振動体の振動が連続的ではなく、断続的に発生する場合であっても、その少ない振動により第2のブロック体5を長時間にわたって振動させ続けることができ、発電装置1の発電効率をさらに向上させることができる。
なお、本実施形態の発電装置1では、自然状態(磁歪棒2に応力が付与されていない状態)において、併設された2つの磁歪棒2のうち、図8中下側の磁歪棒2のコイル3が巻回された領域から永久磁石6までの距離をX[mm]としたとき、この距離Xは、特に限定されないが、X=0.05A〜0.3Aなる関係を満足するのが好ましく、X=0.1A〜0.2Aなる関係を満足するのがより好ましい。なお、Aは、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の長さである。
これにより、永久磁石6の周囲に存在する強磁界領域が、図8中上下に併設された各磁歪棒2の軸方向の中心付近と十分に重なり、磁歪棒2の軸方向の中心付近に十分な強度の漏れ磁束を印加することができる。そのため、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向全体にわたって、より一様なバイアス磁界を印加することができる。
上述したように、一対の側板部85の離間距離は、第2のブロック体5の幅よりも大きく設計されており、各側板部85と第2のブロック体5とが離間している。各側板部85と第2のブロック体5との間隔の大きさは、0.01〜0.5mm程度であるのが好ましく、0.03〜0.2mm程度であるのがより好ましい。これにより、永久磁石6が発生した磁力線を、側板部85(第2のループ形成部材8)から第2のブロック体5に十分に受け渡すことができるとともに、磁歪素子10が変形する際に、磁歪素子10と側板部85とが接触するのをより確実に防止することができる。
また、一対の側板部85は、第2のブロック体5に、永久磁石6が発生した磁力線を十分に受け渡すことができるように、側面視における、第2のブロック体5との重なり面積が大きく設計されているのが好ましい。具体的には、側面視において、側板部85と自然状態における磁歪素子10の第2のブロック体5との重なり面積をS、第2のブロック体5の側面の面積をSとしたとき、S/Sの値が、0.1以上であるのが好ましく、0.3〜1であるのがより好ましい。これにより、第2のループ形成部材8(側板部85)と磁歪素子10(第2のブロック体5)との間で磁気抵抗が変化するのを確実に防止することができ、永久磁石6が発生した磁力線をより十分に第2のブロック体5に受け渡すことができる。
このように、発電装置1では、振動体の振動が振動体側に設けられた部材(第1のループ形成部材7、永久磁石6および第2のループ形成部材8)に伝わって、これらの部材の振動により磁歪素子10が変位する。すなわち、磁歪素子10が、これらの部材に対して相対的に変位する。
また、第2のループ形成部材8(底板部84および側板部85)の構成材料としては、前述した第1実施形態の第2のループ形成部材8を構成する各種磁性材料と同様の材料を用いることができる。
なお、かかる発電装置1は、前述した第1実施形態の発電装置1と同様に、振動体以外の基体に固定し、発電装置1の先端(第2のブロック体5)に直接外部から力を与える構造を付加し、無線装置と組み合わせることで人が操作するスイッチとして用いることができる。この場合、発電装置1では、振動体側に設けられた部材(第1のループ形成部材7、永久磁石6および第2のループ形成部材8)が動かずに、磁歪素子10だけが変位する。すなわち、磁歪素子10が、これらの部材に対して相対的に変位する。
なお、本実施形態の発電装置1では、第2のループ形成部材8の一対の側板部85が、底板部84を介して対向するように設けられているが、第2のブロック体5に、永久磁石6からのバイアス磁界を十分に受け渡すことができるのであれば、上述した構成に限定されない。例えば、図5に示す発電装置1において、一対の側板部85のうちのいずれか一方を省略してもよく、双方を省略してもよい。ただし、本実施形態のように、一対の側板部85を設けることにより、第2のブロック体5に受け渡すことのできるバイアス磁界の大きさを十分に大きくすることができる。また、その他の構成として、以下の図11に示す構成であってもよい。
図11は、本発明の第2実施形態の発電装置の他の構成例を示す斜視図である。
図11に示す発電装置1では、第2のループ形成部材8が、底板部84と、底板部84の先端部から鉛直上方に立設した側板部85とを備えている。かかる発電装置1では、磁歪素子10が変形した際に、側板部85と第2のブロック体5とが接触しないように構成されている。そのため、かかる構成でも、第2のループ形成部材8は、磁歪素子10の先端部と干渉することがなく、上述した本実施形態の発電装置1と同様の効果を得ることができる。
かかる第2実施形態の発電装置1によっても、前記第1実施形態の発電装置1と同様の作用・効果を生じる。
<第3実施形態>
次に、本発明の発電装置の第3実施形態について説明する。
図12は、本発明の発電装置の第3実施形態を示す斜視図、図13は、図12に示す発電装置の平面図である。
なお、以下の説明では、図12および図13中の上側を「上」または「上方」と言い、図12および図13中の下側を「下」または「下方」と言う。また、図12中の紙面左手前側および図13中の左側を「先端」と言い、図12中の紙面右奥側および図13中の右側を「基端」と言う。
以下、第3実施形態の発電装置について、前記第1および第2実施形態の発電装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の発電装置1では、図12に示すように、第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8の構成が異なること以外は、前記第2実施形態の発電装置1と同様である。
以下、第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8の構成について説明する。
第1のループ形成部材7は、図12および図13に示すように、基部74と、各磁歪棒2の基端部21を固定する固定部77と、基部74の両側部と固定部77の下端部とを連結する一対の連結部76とを備え、これらが一体的に形成されている。また、基部74は、その先端側に短手方向(図12中、左右方向)に張り出した一対の張出部(ブラケット部)741を備えている。
本実施形態では、第1のループ形成部材7を構成する基部74、連結部76および固定部77が一体的に形成されている。
第1のループ形成部材7は、磁性材料で構成された略T字状の板材を用意し、例えば、プレス加工、曲げ加工または鍛造加工等により、基部74に対して各連結部76および各固定部77を互いに同じ方向に屈曲させ、固定部77同士が連結するように、板材を屈曲させることにより形成することができる。このような第1のループ形成部材7は、1つの板材をプレス加工等により屈曲させて形成されるため、部材同士を固定するための部品点数および組立工数を少なくすることができる。また、基部74の先端部もプレス加工等により屈曲されている。
また、固定部77の先端側には、その厚さ方向の略中央に幅方向に沿って形成された上下2つのスリット771、772が設けられており、各スリット771、772に各磁歪棒2の基端部21が挿入され、接着剤による接着、またはカシメ等により固定されている。すなわち、本実施形態では、固定部77が磁歪素子10の第1のブロック体を構成している。
第2のループ形成部材8は、前述した第2実施形態における第2のループ形成部材8と同様に、底板部84と、底板部84の先端側において、その両側部から底板部84を介して鉛直上方に立設した一対の側板部85とを備え、本実施形態では、これらが一体的に形成されている。
第2のループ形成部材8は、磁性材料で構成され、平面視においてT字状の板材を用意し、例えば、プレス加工、曲げ加工または鍛造加工等により、底板部84に対して各側板部85を互いに同じ方向に、板材を屈曲させることにより形成することができる。このような第2のループ形成部材8は、1つの板材をプレス加工等により屈曲させて形成するため、部材同士を固定、連結するための部品点数および組立工数を少なくすることができる。底板部84の基端部もプレス加工等により屈曲されている。
かかる第1のループ形成部材7および第2のループ形成部材8を構成する各板材の構成材料としては、それぞれ、前述した第1および第2実施形態の各ループ形成部材7、8を構成する各種磁性材料と同様の材料を用いることができる。
かかる第3実施形態の発電装置1によっても、前記第1および2実施形態の発電装置1と同様の作用・効果を生じる。
<第4実施形態>
次に、本発明の発電装置の第4実施形態について説明する。
図14(a)は、本発明の発電装置の第4実施形態に対して上方向に外力を付与した状態を模式的に示す図であり、図14(b)は、本発明の発電装置の第4実施形態に対して下方向に外力を付与した状態を模式的に示す図である。
なお、以下の説明では、図14(a),(b)中の上側を「上」または「上方」と言い、図14(a),(b)中の下側を「下」または「下方」と言う。また、図14(a),(b)中の左側を「先端」と言い、図14(a),(b)中の右側を「基端」と言う。
以下、第4実施形態の発電装置について、前記第1〜第3実施形態の発電装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の発電装置1では、第1のループ形成部材7および磁歪素子10が備える第1のブロック体4の構成が異なること以外は、前記第2実施形態の発電装置1と同様である。
以下、第1のループ形成部材7および第1のブロック体4の構成について説明する。
第1のブロック体4は、図14(a),(b)に示すように、前述した第2実施形態の第1のブロック体4よりも先端から基端までの長さが長くなるように構成されている以外は、第2実施形態における第1のブロック体4と同様の構成を有している。また、本実施形態では、貫通孔43が、第1のブロック体4の基端部付近に設けられており、各スリット41、42から貫通孔43までの長さが、第1実施形態における各スリット41、42から貫通孔43までの長さよりも長くなるように構成されている。
第1のループ形成部材7は、基部74と、基部74の基端側の上面に設けられ、第1のブロック体4を収容する収容部75と、基部74の長手方向の略中央において、その両側部から鉛直上方に立設する一対の側板部78とを備えている。図14(a),(b)に示すように、本実施形態の第1のループ形成部材7は、基部74の長手方向の長さが、前述した第2実施形態の基部74よりも長く、かつ、上記のような一対の側板部78を備えている以外は、第2実施形態の第1のループ形成部材7と同様の構成を有している。
一対の側板部78は、帯状(長尺の平板状)をなしており、基部74よりも肉薄に構成されている。この一対の側板部78は、基部74と溶接等により連結した構成であってもよいが、一体的に形成されているのが好ましい。なお、このような側板部78も、基部74および収容部75と同じ材料(上述した各種磁性材料)で構成される。
このような一対の側板部78同士の間の距離は、第1のブロック体4の幅よりも大きく設定されており、磁歪素子10の基端部(第1のブロック体4)は、各側板部78から離間した状態で、これらの間に位置している。このような構成により、磁歪素子10の先端部が基端部(第1のブロック体4)に対して上下方向に変位した際に、これらと接触しないように構成されている。すなわち、磁歪素子10の先端部が基端部に対して上下方向に変位した際に、一対の側板部78は、磁歪素子10と干渉することがないように構成されている。
本実施形態の発電装置1では、永久磁石6が発生した磁力線が、第2のループ形成部材8、磁歪素子10、および第1のループ形成部材7の一対の側板部78、基部74(側板部78よりも先端側)を通過して永久磁石6に戻るような、時計回りの磁界ループが形成される。すなわち、本実施形態では、第1のループ形成部材7の収容部75の代わりに一対の側板部78を磁力線が通過するように構成されている。
このように、本実施形態の発電装置1では、第2のループ形成部材8(一対の側板部85)および第1のループ形成部材7の一対の側板部78と磁歪素子10(第1のブロック体4、第2のブロック体5)とが、ともに接触しないように構成されている。かかる構成では、発電装置1の磁界ループを形成する可動側(第2のループ形成部材8および第2のブロック体5)の磁気抵抗と、固定側(第1のループ形成部材7および第1のブロック体4)の磁気抵抗とがほぼ等しくなる。これにより、永久磁石6、第2のループ形成部材8、磁歪素子10および第1のループ形成部材7からなる磁気回路中の磁束密度のバランスが良好となり、発電装置1の固定側と可動側とでバイアス磁界の強度分布がより均一になる。これにより、磁歪棒2全体にわたってより均一なバイアス磁界が印加されるため、磁歪棒2が変形した際に、磁歪棒2の軸方向全体にわたってより均一な磁束密度変化が生じ、発電効率がさらに向上する。
なお、第1のループ形成部材7の一対の側板部78は、第2のループ形成部材8と同様に、変位する磁歪素子10と完全に離間した状態を維持している構成であることはもちろんのこと、変位する磁歪素子10と接触した状態となっているが、磁歪素子10の変位が一対の側板部78により阻害されないような構成であってもよい。
後者の場合、磁歪素子10が変位する際に、第1のブロック体4が各側板部78に摺接しつつ変位する。したがって、各側板部78は、第1のブロック体4の上下方向への変位をガイドするガイド部として機能して、他の方向(左右方向)に変位するのを防止することができる。このため、付与された外力によって、確実に磁歪素子10の先端部を上下方向に変位させることができるとともに、その変形量をより大きくすることができる。その結果、発電装置1の発電効率をより向上させることができる。
かかる第4実施形態の発電装置1によっても、前記第1〜第3実施形態の発電装置1と同様の作用・効果を生じる。
以上、本発明の発電装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
例えば、本発明では、前記第1〜第4実施形態の任意の構成を組み合わせることもできる。
また、前記各実施形態において、磁歪棒は、いずれも、その横断面形状が長方形状をなしているが、例えば、円形状、楕円形状、三角形状、正方形状、六角形状のような多角形状であってもよい。
また、永久磁石の形状は、前述した円柱状、四角柱状に限定されず、平板状、三角柱状をなしていてもよい。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1〜10)
図2に示す構成の発電装置1において、永久磁石6として、ネオジム磁石を用いて、磁歪棒2のコイル3が巻回された領域の軸方向の長さA[mm]、永久磁石6の着磁方向の長さ(直列に配列された2つの永久磁石6の配列方向の長さ)B[mm]、および磁歪棒2のコイル3が巻回された領域から永久磁石6までの距離X[mm]を下記表1および表2のように設定した。
(実施例11〜13)
図2に示す構成の発電装置1において、永久磁石6として、フェライト磁石を用いて、上記A[mm]、B[mm]、およびX[mm]を下記表3のように設定した。なお、実施例11〜13の発電装置では、永久磁石6の端面の表面積が、上記実施例1〜10における永久磁石6の端面の表面積の3倍程度となるように構成した。
図15および図16は、各実施例の発電装置において、磁歪棒2に付与した応力(90MPaの伸長応力または90MPaの収縮応力)に応じた、磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度を示すグラフである。また、表1〜3には、各グラフに示される磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布の標準偏差σ[A/m]および各実施例の発電装置の発電量を示す。
Figure 2015037372
Figure 2015037372
Figure 2015037372
実施例1〜13は、いずれも、磁歪棒2の軸方向におけるバイアス磁界の強度分布の標準偏差が比較的小さく、磁歪棒2の軸方向全体にわたって一様なバイアス磁界が印加されていることが分かる(表1〜3)。
特に、実施例1〜4と実施例5との比較から、永久磁石6の着磁方向の長さをB≦0.6Aなる関係を満足するように調整することにより、磁歪棒2の軸方向全体にわたって、より一様なバイアス磁界が印加されることが分かる。したがって、上記関係を満足する実施例1〜4では、上記関係を満足しない実施例5に比べて、より発電効率が高く、その発電量も十分に高くすることができる。なお、実施例6〜9と実施例10との比較、および実施例11、12と実施例13との比較からも、同様のことが言える。
また、実施例6〜9と実施例10との比較から、磁歪棒2の長さを変更した場合でも、永久磁石6の着磁方向の長さと磁歪棒2の長さ(コイル3が巻回された領域の軸方向の長さ)との好ましい比率の関係は変わらないことが分かる。
また、実施例1および4と、実施例11および12との比較から、永久磁石6として、ネオジム磁石等の希土類磁石に比べて保持力の低いフェライト磁石を用いた場合でも、本発明によれば、磁歪棒2の軸方向全体にわたって一様なバイアス磁界を印加することができる。その結果、永久磁石6としてフェライト磁石を用いた場合でも、発電効率を向上して、十分な発電量を得ることができる。
1…発電装置 2…磁歪棒 21…基端部 22…先端部 3…コイル 31…線材 4…第1のブロック体 41、42…スリット 43…貫通孔 5…第2のブロック体 51、52…スリット 6…永久磁石 7…第1のループ形成部材 71…第1の固定部 72…第2の固定部 73…連結部 731、732…片部 74…基部 741…張出部(ブラケット部) 742…貫通孔 743…雄ネジ 75…収容部 751…底板 752…側板 753…貫通孔 754…雄ネジ 755…ナット 76…連結部 77…固定部 771、772…スリット 78…側板部 8…第2のループ形成部材 81…第1の固定部 82…第2の固定部 83…連結部 831、832…片部 84…底板部 85…側板部 9…バックヨーク 10…磁歪素子 100…筐体 200…発電装置

Claims (17)

  1. 磁歪材料で構成され、磁力線を軸方向に通過させる磁歪棒と、該磁歪棒の外周側に巻回され、前記磁力線の密度の変化に基づいて電圧が発生するコイルとを備え、一端部が他端部に対して前記磁歪棒の軸方向とほぼ垂直な方向に相対的に変位可能な磁歪素子と、
    前記磁力線を発生し、着磁方向を前記磁歪棒の軸方向として、前記磁歪素子から離間するように前記磁歪棒と併設された永久磁石とを有し、
    前記永久磁石の着磁方向の長さが、前記磁歪棒の前記コイルが巻回された領域の前記軸方向の長さよりも短く、かつ、前記永久磁石が、前記領域の前記軸方向の途中に対応するよう設けられていることを特徴とする発電装置。
  2. 前記領域の前記軸方向の長さをA[mm]とし、前記永久磁石の着磁方向の長さをB[mm]としたとき、B≦0.6Aなる関係を満足する請求項1に記載の発電装置。
  3. 当該発電装置は、さらに、磁性材料で構成され、前記永久磁石が発生した前記磁力線が前記永久磁石に戻るようなループを、前記磁歪素子とともに形成する少なくとも2つのループ形成部材を有し、
    前記少なくとも2つのループ形成部材は、前記磁歪素子の前記一端部側に設けられた第1のループ形成部材と、前記永久磁石を介して、前記第1のループ形成部材とは反対側に設けられた第2のループ形成部材とを含む請求項1または2に記載の発電装置。
  4. 前記永久磁石は、前記第1のループ形成部材および前記第2のループ形成部材を介して前記磁歪素子に固定されている請求項3に記載の発電装置。
  5. 前記領域の前記軸方向の長さをA[mm]とし、前記領域から前記永久磁石までの距離をX[mm]としたとき、X=0.05A〜0.3Aとなる関係を満足する請求項4に記載の発電装置。
  6. 前記永久磁石は、前記磁歪素子が変位する変位方向とほぼ垂直な方向、かつ、前記磁歪棒の前記軸方向とほぼ垂直な方向に、前記磁歪素子に対して配設される請求項1ないし5のいずれかに記載の発電装置。
  7. 少なくとも前記磁歪素子が、前記永久磁石、前記第1のループ形成部材および前記第2のループ形成部材から独立し、かつ、これらに対して相対的に変位するように構成されている請求項3に記載の発電装置。
  8. 前記第1および第2のループ形成部材は、それぞれ、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位した際に、前記磁歪素子と干渉しないように構成されている請求項7に記載の発電装置。
  9. 前記第1および第2のループ形成部材は、それぞれ、前記磁歪素子と併設された底板部と、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位する変位方向に沿って、前記底板部から立設された少なくとも1つの側板部とを備える請求項8に記載の発電装置。
  10. 前記底板部と前記側板部とが一体的に形成されている請求項9に記載の発電装置。
  11. 前記少なくとも1つの側板部は、前記底板部を介して対向し、かつ、前記磁歪素子から離間して配置された2つの前記側板部を含み、
    前記2つの側板部の間で、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位するように構成されている請求項9または10に記載の発電装置。
  12. 各前記側板部と前記磁歪素子の前記一端部との間隔の大きさは、0.01〜0.5mmである請求項11に記載の発電装置。
  13. 前記第2のループ形成部材は、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位可能に前記磁歪素子を支持する請求項7ないし12のいずれかに記載の発電装置。
  14. 前記磁歪素子は、さらに、前記磁歪棒と併設され、前記磁歪棒に応力を付与する機能を有する梁部材を備える請求項1ないし13のいずれかに記載の発電装置。
  15. 前記磁歪素子は、さらに、前記磁歪棒と併設され、前記磁歪棒に応力を付与する機能を有する梁部材と、磁性材料で構成され、前記磁歪棒および前記梁部材の一方の端部同士を連結する第1のブロック体と、磁性材料で構成され、前記磁歪棒および前記梁部材の他方の端部同士を連結する第2のブロック体とを備え、
    前記第2のループ形成部材は、前記第1のブロック体にネジ止めされることにより、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位可能に前記磁歪素子を支持する請求項7ないし13のいずれかに記載の発電装置。
  16. 前記磁歪素子は、さらに、前記磁歪棒と併設され、前記磁歪棒に応力を付与する機能を有する梁部材と、磁性材料で構成され、前記磁歪棒および前記梁部材の一方の端部同士を連結する第1のブロック体と、磁性材料で構成され、前記磁歪棒および前記梁部材の他方の端部同士を連結する第2のブロック体とを備え、
    前記第2のループ形成部材は、前記第1のブロック体と一体的に形成されることにより、前記磁歪素子の前記一端部が前記他端部に対して変位可能に前記磁歪素子を支持する請求項7ないし13のいずれかに記載の発電装置。
  17. 前記梁部材は、磁歪材料で構成された磁歪棒である請求項14ないし16のいずれかに記載の発電装置。
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