JP2015025404A - 軸流蒸気タービンのシール構造 - Google Patents

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村 大 輔 野
Daisuke Nomura
村 大 輔 野
知 彦 佃
Tomohiko Tsukuda
知 彦 佃
立 忠 之 橋
Tadayuki Hashidate
立 忠 之 橋
永 純 一 富
Junichi Tominaga
永 純 一 富
橋 新一郎 大
Shinichiro Ohashi
橋 新一郎 大
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Abstract

【課題】軸流タービンの繊維強化樹脂材料から形成された静止系部材(静翼列に連結された回転しない部材)及び回転系部材(動翼列に連結されて動翼列と一緒に回転する部材)との間のシール構造の簡素化及び漏洩蒸気量の最小化。【解決手段】静止系部材及び回転系部材のうちの一方を第1部材と呼び、他方を第2部材と呼ぶ。第1部材に第2部材に向けて突出する第1突起が設けられる。第1部材の第1突起が第2部材に対面する第1表面部分を有しており、第2部材が第1表面部分に対面する第2表面部分を有しており、第1表面部分と第2表面部分との間にシールが形成される。第1及び第2表面部分(1a,2a)の少なくとも一方に、強化用の繊維を含まない樹脂材料からなる表面層が設けられる。運転中に第1及び第2表面部分が接触した場合に、表面層が削れることにより第1及び第2表面部分間のクリアランスが調整される。【選択図】図1

Description

発明の実施形態は、軸流蒸気タービンのシール構造に関する。
図9は一般的な軸流タービンの一部の断面構造を示している。内輪6と外輪7の間に複数の静翼4が周方向に配列されて静翼列をなしている。また、タービン回転軸8上に複数の動翼5が周方向に配列されて動翼列を成している。静翼列とその下流側の動翼列により一つの段落が構成される。軸流タービンとは、複数の段落を軸方向に連ねてケーシング12内に収めたものである。
各段落において、入口側での圧力がP1の蒸気3は、静翼4を通過する際に、その圧力がP2に減少することで膨張して体積を増し、また、その進行方向がタービン回転方向に転向される。すなわち、入口側の蒸気が持つ圧力エネルギーが、周方向の速度エネルギーに変換される。この周方向の速度エネルギーを持つ蒸気は、動翼5を通過する際に、動翼の回転方向と逆方向に転向させられることによる反力と、その圧力がP3に減少することで更に膨張して流出速度を増すことによる反力とによって、動翼5に回転トルクを与える。
静止系部材と回転系部材とが対面している部分には、少なくとも回転系部材の回転を可能とするだけの隙間を設けることが必須である。このため、蒸気流れ3の一部は、静翼内輪6と回転軸8との間の隙間10、並びに動翼カバー9とケーシング12との間の隙間11を通過してしまう。漏れた蒸気は静翼4で膨張することも無くまた動翼5で出力に寄与することもない。すなわち、このような漏洩蒸気はタービンの損失をもたらす。
通常、金属製の長大な発電用軸流タービンにおいては、高温蒸気による熱変形を考慮し、また、完全に停止した低温状態からのタービン起動後の温度上昇による静止系と回転系の過渡的な軸方向の熱伸び差による相対移動を考慮して、静翼4と動翼5との間に、また、動翼5と次段落の静翼との間に、接触を防止するための隙間14,15がそれぞれ設けられている。また、同様の理由で、内輪6の内周面と回転軸8との間に、また、動翼カバー9の外周面とケーシング12との間に、半径方向の隙間10,11がそれぞれ設けられている。これらの隙間10,11を流れる漏洩蒸気はタービンの損失となる。そこで、静止系部材6,12の表面にシールストリップ13と呼ばれる複数の金属製の薄いフィンが設けられ、静止部材6,12とこれと対面する回転系部材との間にラビリンスパッキンと呼ばれるシール構造を形成し、接触時の機械的損傷を最低限に抑えながら、漏洩蒸気量を低減している。
ところで、近年、金属以上に高強度で軽量な炭素繊維などで強化されたCFRP等の繊維強化樹脂材料が、航空機業界を中心に多用されてきている。このような繊維強化樹脂材料を、発電用としては蒸気温度が低温でかつ小型の蒸気タービンに活用すると、劇的に軽量な蒸気タービンを実現できる。
繊維強化複合材料は比強度(単位重量当りの強度)が高い反面、金属を機械加工することによって得られるような複雑形状(例えばフィン形状)を製作することが困難である。また、タービンのような高速回転する機器においては、回転する部品と他部品との接触時に強化繊維が切断されると、当該部品の著しい強度低下を招き、当該繊維切断部分を起点として当該部品の破壊に至る可能性もある。特に、ラビリンスパッキンを構成するフィンのような形状を与えることや、フィンと相対する面に複雑な段差形状を与えることは、当該部分の耐久性の観点からは避けることが望ましい。
特開2003−65076号公報
この発明は、簡素な構造と漏洩蒸気量の最小化とを両立しうる軸流蒸気タービンのシール構造を提供することを目的とする。
発明の実施形態によれば、繊維強化樹脂材料から形成された静止系部材及び回転系部材を備えた軸流タービンにおいて静止系部材と回転系部材との間をシールするシール構造が提供される。静止系部材とは、静翼列に連結された回転しない部材であり、回転系部材とは上記静翼列の上流側または下流側にある動翼列に連結されて当該動翼列と一緒に回転する部材である。ここで静止系部材及び回転系部材のうちの一方を第1部材と呼び、他方を第2部材と呼ぶこととする。このとき、このシール構造は以下の特徴を有している、第1部材に第2部材に向けて突出する第1突起が設けられている。第1部材の第1突起が第2部材に対面する第1表面部分を有しており、第2部材が第1表面部分に対面する第2表面部分を有しており、第1表面部分と前記第2表面部分との間にシールが形成される。第1表面部分及び第2表面部分の少なくとも一方に、強化用の繊維を含まない樹脂材料からなる表面層が設けられる。軸流タービンの運転中に前記第1表面部分と前記第2表面部分とが接触した場合に、表面層が削れることにより第1表面部分と第2表面部分との間のクリアランスが調整される。
軸流蒸気タービンの一部の段落の構成を概略的に示す軸方向断面図であって、第1実施形態に係るシール構造について説明する図。 表面層について説明する概略断面図。 軸流蒸気タービンの一部の段落の構成を概略的に示す軸方向断面図であって、第2実施形態に係るシール構造について説明する図。 突起と当該突起と軸方向に対面する部材によりシールを形成する第3実施形態について説明する図。 突起を回転部に設置して静止系部材と半径方向に対面させてシールを形成する第4実施形態について説明する図。 突起を静止部に設置して回転系部材と半径方向に対面させてシールを形成する第5実施形態について説明する図。 半径方向の突起を静止系部材と回転系部材の両方に設置して互いに対面させることによりシールを形成する第6実施形態について説明する図。 軸方向組立タイプのタービンにのみ許容される、互いに嵌合する凹凸部分によりシールを形成する第7実施形態について説明する図。 一般的な金属製のタービンにおけるシール構造について説明する図。
以下に図面を参照して、発明の実施形態について説明する。
まず、図1及び図2を参照して、第1実施形態について説明する。図1は軸流蒸気タービンの軸方向断面を概略的に示している。軸流タービンは、複数の段落から構成され、図1にはその一部だけが示されている。1つの段落をなす複数の静翼4が周方向(タービン軸線を中心とする円周方向を意味する。以下に同じ。)に配列されて静翼列をなしている。静翼列の内周は全体として円筒体の形状を有する内輪6に囲まれ、静翼列の外周は全体として円筒体の形状を有する外輪7に囲まれている。各静翼4の両端は内輪6及び外輪7にそれぞれ連結されている。静翼4、内輪6及び外輪7は、繊維強化樹脂材料により形成されている。
外輪7はケーシング12に連結されている。ケーシング12も繊維強化樹脂材料により形成されている。
静翼列の下流側には、当該静翼列とともに1つの段落を構成する複数の動翼5が周方向に配列されて動翼列をなしている。動翼列の外周は全体として円筒形の形状を有する動翼カバー9により囲まれ、各動翼5の先端は動翼カバー9に連結されている。また、動翼列の内周は全体として円筒形の形状を有する動翼支持部8aに囲まれており、各動翼5の基端はタービン回転軸8に設けられた動翼支持部8aに連結されている。従って、タービン回転軸8(動翼支持部8aを含む)、動翼5及び動翼カバー9は一体的に回転する。タービン回転軸8(動翼支持部8aを含む)、動翼5及び動翼カバー9も繊維強化樹脂材料から形成されている。
蒸気タービンの動作原理は、背景技術の項で説明したものと同じである。すなわち、段落の入口側での圧力がP1の蒸気3が、転向されるとともに圧力をP2、P3と下げながら静翼4及び動翼5を通過し、動翼5に回転トルクを与える。また、静止系部材と回転系部材とが対面している部分には、少なくとも回転計部材の回転を可能とするだけの隙間が設けられ、この隙間を通る漏洩蒸気が蒸気タービンの損失となること、そしてこの漏洩蒸気量の低減が求められている点についても、従来の金属製タービンと同じである。
本実施形態では、蒸気タービン用金属材料と比較して熱伸び(線膨張係数)が1/10程度と小さい繊維強化樹脂材料の特性に着目して、回転系部材の回転を可能とする必要最小限の隙間(従来の金属タービンにおける隙間よりも遙かに小さい隙間)を隔てて対面する比較的単純な形状の静止系部材の表面と回転系部材の表面とにより、漏洩蒸気量を十分に低減することができるシールを形成する。以下に、本実施形態に係るシール構造について具体的に説明する。
ノズルダイヤフラムの外輪7の軸方向(タービン回転軸の軸線方向を意味する。以下に同じ。)下流側を向いた周面である下流側端面から、周方向に全周にわたって延びるリング状の突起1が軸方向に突出している。また、外輪7の下流側にある動翼カバー9の軸方向上流側を向いた周面である上流側端面から、周方向に全周にわたって延びるリング状の突起2が突出している。突起1と突起2は互いに軸方向に重なり合っており、突起1は突起2の半径方向外側に位置している。突起1の半径方向内側を向いた円筒面1a(第1表面部分)と、突起2の半径方向外側を向いた円筒面2a(第2表面部分)とが、動翼5及びこれに連結された回転系部品(動翼カバー9、タービン回転軸8)の回転を可能とする必要最小限の隙間を隔てて対面しており、これにより円筒面1a、2a間にシールが形成されている。円筒面1a、2aの表面にフィンないし段差等の凹凸は設けられていない。
以下に、本明細書において、設けられている場所に関わらず、静止系部材に設けられた突起に参照符号「1」を付け、回転系部材に設けられた突起に参照符号「2」を付ける。そしてこれらの突起1,2の互いに半径方向に対面してシールを形成する円筒形の面にそれぞれ参照符号「1a」,「2a」を付けるものとする。
また、内輪6の下流側端面から、周方向に全周にわたって延びるリング状の突起1が軸方向に突出している。また、内輪6の下流側にある動翼支持部8aの上流側端面から、周方向に全周にわたって延びるリング状の突起2が軸方向に突出している。突起1と突起2は互いに軸方向に重なり合っており、突起1は突起2の半径方向外側に位置している。突起1の半径方向内側を向いた円筒面1a(第1表面部分)と、突起2の半径方向外側を向いた円筒面2a(第2表面部分)とが、動翼5及びこれに連結された回転系部品(動翼カバー9、タービン回転軸8)の回転を可能とする必要最小限の隙間を隔てて対面しており、これにより円筒面1a、2a間にシールが形成されている。円筒面1a、2aの表面にフィンないし段差等の凹凸は設けられていない。
本実施形態は、軸流タービンが、回転軸を地上面に対して平行に設置する横置きの蒸気タービンであることを想定している。この場合、ケーシング12及びノズルダイヤフラムは上下2分割される。タービンの設置時には、下半周分のケーシング12に下半周分の静翼4を取り付けた後に、動翼5が全周に配設された回転軸8を上方から降ろしてきて、下半周分のケーシング12に取り付ける。その後に事前に組み立てた、上半周分の静翼4及びケーシング12を上方から降ろしてきて、上半周分のケーシング12を下半周分のケーシング12に取り付ける。
上記手順での組み立てを可能とするため(突起1,2同士が干渉して組み立てが不可能とならないように)、前述したように突起1は突起2の半径方向外側に位置するように設けられており、さらに、組付前時点における突起1の円筒面1aの半径は突起2の円筒面2aの半径とほぼ同じか僅かに大きい。なお、動翼カバー9の上流側端面に対面する外輪7の突起1の表面部分1b(軸方向下流側を向いた表面)と、外輪7の下流側端面に対面する動翼カバー9の表面部分2b(軸方向上流側を向いた表面)との間には比較的大きな隙間が設けられている。
本実施形態では、図2に模式的に示すように、円筒面1a及び円筒面2aの少なくとも一方(好ましくは両方)の表面に、強化用の繊維を含まない樹脂材料からなる表面層21が設けられている。表面層21の下層は、樹脂材料(好ましくは表面層21を構成する樹脂と同じ樹脂材料)をマトリクスとした繊維強化樹脂材料の層22となっている。
本実施形態によれば、円筒面1a及び円筒面2aのうちの少なくとも一方に強化用の繊維を含まない樹脂材料からなる表面層21を設けたので、組立に差し障りの無い範囲内で円筒面1a,2a間の初期クリアランス(新規据え付け時のクリアランス)を最小(概ねゼロ)に設定することができる。運転時には、熱膨張、遠心力、芯ぶれ、蒸気圧力等により円筒面1a,2a同士が干渉しうるが、強化用の繊維を含まない樹脂材料からなる表面層21は比較的容易に削れ、その下層の繊維強化樹脂材料の層22へのダメージは防止される。また、表面層21が削れることにより、円筒面1a、2a間において所謂「擦り合わせ」が行われることとなり、ある程度の運転時間が経過した後には、回転系部材の回転に支障が無く、かつ、漏洩蒸気量を最小とすることができる最小限のクリアランスが円筒面1a及び円筒面2aとの間に自動的に確立される。ラビリンスパッキンのように、製造が面倒で、繊維強化樹脂材料で作成した場合には強度上不安の残るフィン構造を用いる必要はない。また、繊維強化樹脂材料の熱伸びは小さいため、クリアランスは非常に小さくてよいので、ラビリンスパッキンと遜色の無いシール機能が実現できる。
表面層21の厚さは、タービン運転時に生じうる円筒面1a,2a間の相対変位を考慮して、表面層21を越えて下層の繊維強化樹脂材料の層22まで削れてしまうことが無いことが保証される程度の厚さにするべきである。一例として、表面層21の厚さは例えば1〜3mm程度とすることができる。なお、考慮される相対変位は、熱膨張、遠心力、芯ぶれ、蒸気圧力に起因するもの等があり、安定運転状態で生じる相対変位、運転開始から安定運転状態に移行する過渡的状態で生じる相対変位の両方が含まれる。
本実施形態においては、半径方向(翼高さ方向)に微小隙間を空けて対面する円筒面1aと円筒面2aとでシールを形成しているが、その利点は以下の通りである。通常、タービンは多段落で構成されるため、軸方向が半径方向に比べて長い。つまり元々の長さと温度上昇量に比例する熱伸び量は、軸方向に比べて半径方向の方が小さくなる。熱伸びの小さい方向で対面(接触)させた方が、表面層21の摩耗量を小さくすることができ、熱変形による万一の破損の確率も小さくなる。
なお、本実施形態において、静止系部材と回転系部材との間のシールを静翼4の下流及び動翼5の上流側に設置しているのは翼前後の圧力差による変形を考慮してのことである。通常、静翼4はケーシング12(外周側)に固定されており、また、動翼5は回転軸8(内周側)に固定されており、すなわち、片側固定の状態となっている。静翼4には圧力差P1−P2が、そして動翼5には圧力差P2−P3が、軸方向下流側へ押す力として掛かる。つまりタービン運転中は微小ながら静翼4は内輪6と共に矢印16のように外周側を支点として下流側に倒れる。動翼5はカバー9と共に矢印17の様に内周側を支点として下流側に倒れる。動翼5には軽量ながらも回転による遠心力が作用し、外周側への若干の伸び18も考えられる。これらのことにより、図1において突起1、2が接触する方向である半径方向は、運転中の微小な熱伸びと翼に掛かる前後差圧による変形を考慮しても、より強固に押し付けられる方向であり、良好なシール性能が期待できる。
以下に図3〜図8を参照して他の実施形態について説明するが、以下に示す他の実施形態においては、シール構造(突起)を設ける場所、シール面同士が対面する方向(半径方向または軸方向)が第1実施形態に対して異なるが、シール面に表面層21を設けて当該表面層21の摩耗による擦り合わせ効果によりシール部のクリアランスの最適化が自動的に行われる点においては他の実施形態の全てにおいて第1実施形態と同じである。
[第2実施形態]
図3に示す第2実施形態では、動翼カバー9の下流側端面に円筒面2aが設けられ、当該動翼カバー9により覆われる動翼5が属する段落よりも1つ下流側の段落の静翼4の外輪7の上流側端面に円筒面1aが設けられており、これらの円筒面1a,2a間にシールが形成されている。また、動翼支持部8aの下流側端面に円筒面2aが設けられ、当該動翼支持部8aにより支持される動翼5が属する段落よりも1つ下流側の段落の静翼4の内輪6の上流側端面に円筒面1aが設けられており、これらの円筒面1a,2a間にシールが形成されている。円筒面1aと円筒面2aとは半径方向(翼高さ方向に)対面している。この第2実施形態においても、動翼前後差圧による倒れ17、遠心力による伸び18、及び次段の静翼4の倒れ16を考慮しても、ほぼ第1実施形態と同様のシール性能が得られるものと考えられる。
なお、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせて、静翼4の上流側及び下流側、並びに動翼5の上流側及び下流側に突起1,2を設けてそれぞれシールを構成してよい。
[第3実施形態]
第1及び第2実施形態においては、半径方向(翼高さ方向)に対面する突起1,2の表面1a,2a間にシールを形成していたがこれには限定されない。第3実施形態を表す図4に示すように、突起1,2のいずれか一方(図4の例では突起2)の軸方向を向いた表面(図4の例では表面2b)と、当該表面と対面する静止系部材または回転系部材の表面(図4の例では静止系部材である外輪7の下流側端面のうち突起2が形成されていない部分)との間にシールを形成してもよい。
通常の長大な大型蒸気タービンでは多段落により軸方向に長い形状となるが、小型の蒸気タービンでは単段落もしくは数段落の構成もある。つまり軸長が非常に短いコンパクトな構成となり、軸方向の熱伸びも極めて小さい場合がある。この場合、軸方向に対面する面をシール面としても、当該シール面間に運転中の熱伸びによって大きな隙間が空くことで、漏洩量が増加する懸念は少ない。
第3実施形態においては、シールを形成しない対向面の間(図4の例では、突起1の軸方向を向いた表面1aとこれに対面する動翼カバー9の上流側端面のうち突起2が形成されていない部分との間、並びに、突起1,2の半径方向に対面する表面1a,2aの間)には、回転系部材の回転に対する過度の摩擦抵抗が生じることを防止するために、十分な間隔を空けておくことが好ましい。
この第3実施形態においても、(1)静翼4の内輪6の下流側端面と動翼支持部8aの上流側端面との間、(2)動翼カバー9の下流側端面とこれに隣接する次段落の静翼4の外輪7の上流側端面との間、にも上記と同様のシールを形成することができる。(3)動翼支持部8aの上流側端面と、これに隣接する次段落の静翼4の内輪6の上流側端面との間にも、図4に示したものと同様の構成のシールを形成することができる。
[第4実施形態]
上記第1〜第3実施形態においては、タービンの回転軸方向に対面する静止系部材の表面と回転系部材との表面との間にシールを形成したが、これには限定されない。第4実施形態を表す図5に示すように、タービンの半径方向(翼高さ方向)に対面する静止系部材の表面と回転系部材との表面との間にシールを形成してもよい。第4実施形態では、回転軸8の外周面に半径方向外向きに突出するとともに円周方向に全周にわたって延びるリング状の突起1’を形成し、当該突起1’の円筒面からなる外周面と、これと半径方向に対面する静翼4の内輪6の内周面との間にシールを形成している。また、動翼カバー9の外周面に半径方向外向きに突出するとともに円周方向に全周にわたって延びるリング状の突起1’を形成し、当該突起1’の円筒面からなる外周面と半径方向に対面するハウジング12の内面との間にシールを形成することもできる。
[第5実施形態]
第4実施形態とは逆に、第5実施形態として、図6に示すように、静翼4の内輪6の内周面に半径方向内向きに突出するとともに円周方向に全周にわたって延びるリング状の突起1’を形成し、当該突起1’の円筒面からなる内周面と、これと半径方向に対面する回転軸8の外周面との間にシールを形成することもできる。また、ハウジング12の内面に半径方向内側に突出する円周方向に全周にわたって延びるリング状の突起1”を形成し、当該突起1”の内周面と半径方向に対面する動翼カバー9の外周面との間にシールを形成することもできる。
[第6実施形態]
第6実施形態として、図7に示すように、第4実施形態における突起1’と半径方向に対面する静止系部材(6または12)または回転系部材(8または9)の内周面または外周面に、突起1’に向かって突出する突起1”を設け、突起1’と突起1”との半径方向に対面する表面の間にシールを形成してもよい。同様に、第5実施形態における突起1”と半径方向に対面する静止系部材または回転系部材の内周面または外周面に、突起1”に向かって突出する突起1’を設け、突起1”と突起1’との半径方向に対面する表面の間にシールを形成してもよい。
上記第1〜第6実施形態のシール部の構成は、軸流タービンが、回転軸を地上面に対して平行に設置する横置きの蒸気タービンであり、前述した設置方法を適用することを前提としている。しかしながら、ガスタービン等において見られるように、回転軸8を軸方向に各段毎に分割した円盤状にして、円筒ケーシング内に軸方向から順番に挿入する手法(軸方向スタッキング)を採用することも可能である。その場合にはシール部の形状自由度は増し、例えば図8に示した相補的な凸部と凹部を組み合わせる等の軸方向挿入の場合にのみ組立可能な構成も可能である。
上記の実施形態において、繊維強化樹脂材料は例えばCFRP(炭素繊維強化樹脂)とすることができ、マトリックスとなる樹脂としては例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を用いることができる。勿論、材料はこれに限定されるものではなく、強化用繊維としては、炭素繊維の他に、アラミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維等を適宜用いることができ、マトリックス樹脂としては、PEEKの他に、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリアセタール等を適宜用いることができる。
上記実施形態で用いる繊維強化樹脂材料は、様々な方法で製造することができる、任意の公知方法が適用可能である。例えば、マトリックス樹脂を含浸させた繊維織物をレイアップ(積層)して、オートクレーブ等の成形手段を用いて成形することができる。成形にあたっては、複数の部材を一体的に成形してもよいし、個別に製造した複数の部材を互いに接着、ねじ止め等の手段により結合してもよい。
制御された厚さの表面層21は、以下手法に限定されるものではないが、例えば、(1)プリプレグシートの積層体の表面に強化用繊維を含まないマトリックス樹脂のフィルムを積層した後に加熱成形すること、(2)プリプレグシートの積層体の表面に液状のマトリックス樹脂を塗布した後に加熱成形すること、(3)繊維強化樹脂材料からなる部品本体(芯材)を作成した後に、この部品本体を型にセットして、マトリックス樹脂を型内に射出し、部品本体の周囲をマトリックス樹脂層で覆うこと、(4)繊維強化樹脂材料からなる部品本体(芯材)を作成した後に、この部品本体の周囲にマトリックス樹脂のシートを溶着すること等の手法により設けることができる。
表面層21を設ける工程は非常に簡単に(金属材料の表面に異種材料を設ける場合に比べて)実行することができる。また、表面層21を設ける工程は、部品の成形と一体不可分の工程として設けることができ、その場合には、表面層21を設けることに伴う部品のコストアップは殆ど無い。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、実施形態は例示的なものであり、本発明の範囲は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1 静止系部材に設けられた突起
2 回転系部材に設けられた突起
4,6,7,12静止系部材
5,8,8a,9 回転系部材
4 静翼
5 動翼
6 静翼の内輪(円筒体)
7 静翼の外輪(円筒体)
8 回転軸
8a 回転軸の動翼支持部(円筒体)
9 動翼カバー(円筒体)
21 表面層
22 表面層の下層の繊維強化樹脂層

Claims (12)

  1. 繊維強化樹脂材料から形成された静止系部材及び回転系部材を備えた軸流蒸気タービンにおいて前記静止系部材と前記回転系部材との間をシールするシール構造であって、
    前記静止系部材が静翼列に連結された回転しない部材であり、前記回転系部材が前記静翼列の上流側または下流側にある動翼列に連結されて当該動翼列と一緒に回転する部材であり、
    前記静止系部材及び前記回転系部材のうちの一方を第1部材と呼び、他方を第2部材と呼ぶこととした場合に、
    前記第1部材に前記第2部材に向けて突出する第1突起が設けられ、
    前記第1部材の前記第1突起が前記第2部材に対面する第1表面部分を有しており、前記第2部材が前記第1表面部分に対面する第2表面部分を有しており、前記第1表面部分と前記第2表面部分との間にシールが形成され、
    前記第1表面部分及び前記第2表面部分の少なくとも一方に、強化用の繊維を含まない樹脂材料からなる表面層が設けられ、前記軸流タービンの運転中に前記第1表面部分と前記第2表面部分とが接触した場合に、前記表面層が削れることにより前記第1表面部分と前記第2表面部分との間のクリアランスが調整されることを特徴とするシール構造。
  2. 前記第2部材に前記第1部材に向けて突出する第2突起が設けられ、前記第2表面部分は前記第2突起の一部である、請求項1記載のシール構造。
  3. 前記第1部材は前記静翼列の外周または内周を囲む第1円筒体であり、前記第1突起は前記第1円筒体の下流側端面から軸方向に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、
    前記第2部材は前記動翼列の外周または内周を囲むとともに前記第1円筒体と軸方向に対面する第2円筒体であり、前記第2突起は前記第2円筒体の上流側端面から軸方向に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、
    前記第1突起の前記第1表面部分と前記第2突起の前記第2表面部分とが翼高さ方向に対面して両者の間にシールが形成される、請求項2記載のシール構造。
  4. 前記第1部材は前記動翼列の外周または内周を囲む第1円筒体であり、前記第1突起は前記第1円筒体の下流側端面から軸方向に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、
    前記第2部材は前記動翼列が属する段落の次の段落の静翼列の外周または内周を囲むとともに前記第1円筒体と軸方向に対面する第2円筒体であり、前記第2突起は前記第2円筒体の上流側端面から軸方向に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、
    前記第1突起の前記第1表面部分と前記第2突起の前記第2表面部分とが翼高さ方向に対面して両者の間にシールが形成される、請求項2記載のシール構造。
  5. 前記静翼列の外周または内周を囲む第1円筒体と、前記動翼列の外周または内周を囲むとともに前記第1円筒体と軸方向に対面する第2円筒体とを備え、
    前記第1円筒体に、その下流側端面から軸方向に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起が設けられ、前記第2円筒体に、その上流側端面から軸方向に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起が設けられ、
    前記第1円筒体の前記リング状突起と前記第2円筒体の前記リング状突起は異なる半径方向位置に配置されて軸方向に互いに重なっており、
    前記第1円筒体および前記第2円筒体のうちの一方が前記第1部材であり、他方が前記第2部材であり、前記第1円筒体および前記第2円筒体のうちの前記一方の前記リング状突起が前記第1突起であり、この第1突起の軸方向を向いた端面が前記第1表面である、請求項1記載のシール構造。
  6. 前記動翼列の外周または内周を囲む第1円筒体と、前記動翼列が属する段落の次の段落の静翼列の外周または内周を囲むとともに前記第1円筒体と軸方向に対面する第2円筒体とを備え、
    前記第1円筒体に、その下流側端面から軸方向に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起が設けられ、前記第2円筒体に、その上流側端面から軸方向に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起が設けられ、
    前記第1円筒体の前記リング状突起と前記第2円筒体の前記リング状突起は異なる半径方向位置に配置されて軸方向に互いに重なっており、
    前記第1円筒体および前記第2円筒体のうちの一方が前記第1部材であり、他方が前記第2部材であり、前記第1円筒体および前記第2円筒体のうちの前記一方の前記リング状突起が前記第1突起であり、この第1突起の軸方向を向いた端面が前記第1表面部分である、請求項1記載のシール構造。
  7. 前記第1部材が前記動翼列の外周を囲む円筒体であり、前記第1突起が前記円筒体の外周面から半径方向外側に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、前記リング状突起の外周面が前記第1表面部分であり、前記第2部材がケーシングであり、前記第2表面部分がケーシングの内側面の一部である、請求項1記載のシール構造。
  8. 前記第1部材がケーシングであり、前記第1突起が前記ケーシングの内側面から半径方向内側に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、前記リング状突起の内周面が前記第1表面部分であり、前記第2部材が動翼列の外周を囲む円筒体であり、前記第2表面部分が前記円筒体の外周面の一部である、請求項1記載のシール構造。
  9. 前記第1部材が前記動翼列の外周を囲む円筒体であり、前記第1突起が前記円筒体の外周面から半径方向外側に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、前記第2部材がケーシングであり、前記第2突起が前記ケーシングの内側面から半径方向内側に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、前記第1突起の外周面が前記第1表面部分であり、前記第2突起の内周面が前記第2表面部分である、請求項2記載のシール構造。
  10. 前記第1部材が回転軸であり、前記第1突起が前記回転軸の外周面から半径方向外側に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、前記リング状突起の外周面が前記第1表面部分であり、前記第2部材が前記静翼列の内周を囲む円筒体であり、前記第2表面部分が前記円筒体の内周面の一部である、請求項1記載のシール構造。
  11. 前記第1部材が前記静翼列の内周を囲む円筒体であり、前記第1突起が前記円筒体の内周面から半径方向内側に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、前記リング状突起の内周面が前記第1表面部分であり、前記第2部材が回転軸であり、前記第2表面部分が前記回転軸の外周面の一部である、請求項1記載のシール構造。
  12. 前記第1部材が回転軸であり、前記第1突起が前記回転軸の外周面から半径方向外側に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、前記リング状突起の外周面が前記第1表面部分であり、前記第2部材が前記静翼列の内周を囲む円筒体であり、前記第2部材が前記静翼列の内周を囲む円筒体であり、前記第2突起が前記円筒体の内周面から半径方向内側に突出する周方向に全周にわたって延びるリング状突起であり、前記第2突起の内周面が前記第2表面部分である、請求項2記載のシール構造。
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