JP2015001453A - ナノ粒子脱離イオンプローブ質量分析 - Google Patents

ナノ粒子脱離イオンプローブ質量分析 Download PDF

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Abstract

【課題】分子量の大きなタンパク質や糖鎖などが生体組織切片のように複雑な組成を有する検体中に存在する場合は、その分析が困難である。また、対象物質が絶縁性のメンブレン中に存在する場合も、脱離イオン化効率が低く、その分析が困難である。ナノ粒子を質量分析のプローブに用いて、免疫染色法の検出手法として利用可能な新しい免疫分析・マッピング技術を提供する。
【解決手段】ナノ粒子に対象物質と選択的に結合する機能を付与することでプローブとして用いる。ナノ粒子自身から脱離イオン化するイオンおよびクラスターイオンを質量分析によって検出することで、対象物質の存在や分布を明らかにする。組織切片や分析用メンブレンなど複雑な組成を有し、さらに測定用の導電性基板と電気的に絶縁している測定対象物であっても、脱離イオンを観察できるナノ粒子プローブとする。
【選択図】図5

Description

本発明は、ナノ粒子から脱離するイオンを検出することによって対象物質を検出する分
析方法に関するものである。
各種材料に含まれる特定の物質を検出するためには、対象物質に結合するプローブ物質
が用いられてきた。プローブ物質の種類によって、色素による発色を見る染色法、蛍光性
色素による蛍光染色法、ラジオアイソトープ用いるRI法などが用いられる。
生体試料中に存在する対象物質の分析にはプローブ物質を結合した抗体が用いられる。
特に、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)酵素を結合した抗体は広く市販されている
。HRPは過酸化水素の酸化力を利用して各種基質の酸化が可能な酵素であり、基質の発
色や化学発光によって対象物質の存在を明らかにできる。
また、金ナノ粒子も生体材料に対するプローブ物質として頻繁に用いられる。金ナノ粒
子は化学的に安定であり、特徴的な赤色を呈することから、有用な染色材料である。
抗体は対象物質への選択性が非常に高い。したがって、抗原抗体反応を用いた対象物質
の検出は汎用的な対象物質の検出法、すなわち免疫染色法として広く用いられている。免
疫染色は組織やその切片のみならず、ウエスタンブロッティングやイムノアフィニティク
ロマトグラフなど、生体外で行う分析方法でも重要な役割を果たす。
ウエスタンブロッティング法では電気泳動によって分離したタンパク質をブロッティン
グメンブレンと呼ばれる膜に転写し、その中の対象分子を各種免疫染色で検出する。生体
関連の研究・開発に欠かすことのできない重要な分析手法である。電気泳動やメンブレン
の洗浄・染色のプロセスが必要であり、医療現場や家庭ではあまり用いられない。
イムノアフィニティクロマトグラフによる分析法は、抗体をメンブレンに固定し、ペー
パークロマトグラフの要領で試料溶液を流すことで、対象物質をメンブレンの抗体固定位
置にトラップする方法である。この場合のプローブ物質は金ナノ粒子や着色ゲルビーズで
ある。メンブレンの抗体とは別の抗体を固定したプローブを同時に流すことで、特定の部
位に抗原とプローブを固定する。ほとんどの場合、検出は目視によって行う。検液を数滴
メンブレンに滴下するだけで分析が行えるので、医療現場はもちろん家庭での疾病や妊娠
の初期診断に用いられている。
いずれの分析法でも、色素や金ナノ粒子をプローブに用いた場合は、肉眼で色の変化を
観察する場合が多い。この方法は装置を要せず簡便ではあるが、感度が足りないことがあ
る。
蛍光や化学発光の観察は高感度ではあるが、光検出器が必要であり、中でも化学発光は
感度は高いものの手順が多く煩雑な分析法である。
RI法は放射性同位元素を用いるため、法規制が厳格であり、一般の実験室で行える測
定ではない。
質量分析法は真空中に存在するイオンの質量電荷比を計測する方法である。試料の計測
器への導入方法、イオン化の機構、イオンの分析部分に多くのバリエーションがあり、無
機材料の構成元素の分析から生体分子の分析まで幅広く用いられている。
質量分析は非常に感度の高い分析法であり、数百個のイオンを生成することができれば
、分析が可能であるとされている。さらに、多様な質量電荷比の分子を一つの質量分析器
で測定できることが特徴である。
生体関連物質の質量分析は、生体中の微量金属元素を調べる場合のように構成元素を高
感度に分析する場合もあるが、広く用いられているのは分子量を測定する目的で行われる
。この際に、最も多く用いられるのはマトリックス分子を用いてタンパク質や脂質などの
物質を脱離イオン化し、飛行時間型質量分析装置で分析するマトリックス支援脱離イオン
化飛行時間型質量分析である。この方法はMALDI−TOF−MS法と呼ばれ、分子量
の大きい分子の検出に広く利用されている。
MALDI−TOF−MS法はタンパク質、核酸、脂質の構造を壊さずにソフトにイオ
ン化し、そのまま分子量(質量電荷比)を測定できる方法である。対象物質の脱離イオン
化に適したマトリックス分子が開発されている。さらに、場合によっては数百種類の分子
の同時検出が可能であり、マスシグナルのライブラリー化による自動解析ソフトエアが開
発されている。
MALDI−TOF−MS法による実用分析では、脱離イオン化のプロセスの制御が重
要である。対象物質を選択的に脱離イオン化することができれば、前段の精製プロセスを
省くことができる。ただし、MALDIによる脱離イオン化の詳細なメカニズムは明らか
になっておらず、このプロセスの制御は多分に経験的な知見によるものである。
したがって、実際の分析を行う際には、マトリックスの種類やその調製条件を幅広く最
適化する必要があるが、一般的には、それでも、対象物質の選択的な脱離イオン化は困難
である。特に、分子量の大きなタンパク質や糖鎖は脱離イオン化しにくい上、対象物質以
外の分子が大量に脱離イオン化すると対象物質の検出感度が大幅に下がる場合がある。
このため、組織切片のような複雑な組成を有する被測定物の場合は、脂質、タンパク質
、糖などそれぞれに応じた前処理が必要であり、多様な分子を一度に測定するという質量
分析の特徴を生かす事ができない。
対象物質の脱離イオン化効率を改善する為に色々な工夫が考案されてきた。ひとつは脱
離イオン化を促進する官能基(質量分析用タグ)を対象分子に化学的に結合する方法が報
告されている(特許文献1)。また、糖鎖の水酸基をメチル化すると分析感度が向上する
ことも報告されている(特許文献2)。
MALDI−TOF−MS測定を行う際に用いるプレート側に工夫を施して選択的な分
析を実現する方法も報告されている(特許文献3)。
非特許文献1では金ナノ粒子表面にチオール化合物を固定し、この化合物のイオンを検
出することで対象物質の検出が行える事が報告されている。
従来の方法では、検出するのはいずれも有機物イオンであるので、0010項で述べた
MALDI−TOF−MS測定上の技術的な問題点を完全に克服する事は難しい。
MALDI−TOF−MS測定のもう一つの技術的な問題点は、測定に用いる金属基板
から電気的に絶縁されている層からの脱離イオンの検出効率が低い事である。測定用プレ
ート上にマトリックス分子が厚く堆積すると、シグナル強度が低くなることが知られてい
る。
したがって、絶縁体である不織布の膜を用いるウエスタンブロッティングやイムノアフ
ィニティクロマトグラフで分離固定した抗原を、そのままMALDI−TOF−MS法で
分析することは一般的には難しい。特定部位から抽出し、マトリックス分子と混合して測
定用プレートにキャストするという操作が必要になる。
薄層クロマトグラフはシリカ、アルミナ、ポリアミド樹脂等を薄くコートしたアルミや
ガラスの基板を用いて対象物質の分離と検出を行うものであり、操作が簡便であることか
ら化学反応の進行状態やカラム分離の為の予備実験に用いられる。
アルミの基板を用いた薄層クロマトグラフはそのまま質量分析ができることが知られて
おり、質量分析機器メーカから必要な器具が市販されている。薄層クロマトグラフプレー
トの質量分析には、分離したそのスポットを通常のMALDI−TOF−MS装置で測定
することも可能ではあるが、イメージング質量分析法を用いると薄層クロマトグラフプレ
ート上の物質の分布を可視化できる。
イメージング質量分析法はマイクロメートルオーダーの狭い範囲から脱離イオン化する
イオン種を分析し、その分析位置を少しずつずらしながら2次元的なマッピング測定を行
う分析方法である。MALDI−TOF−MS測定ではパルスレーザー光をイオン化に用
いるので、光を集光することで容易に測定空間を狭くすることができる。また、市販のM
ALDI−TOF−MS装置のほとんどに、測定プレートを移動して試料がキャストして
あるポイントにレーザー光を照射する仕組みが付けてある。すなわち、MALDI−TO
F−MSによるイメージング質量分析は、市販の装置にステージの移動と分析結果を整理
するソフトウエアを追加するだけで実現できるので、多くのアプリケーションが検討され
ている測定法である。
金属ナノ粒子、特に金ナノ粒子は特異的な表面プラズモンバンドを示し、化学的にも非
常に安定なことから、特に生体材料に対するプローブとして多く用いられる。市販のイン
フルエンザ簡易検出キット:イムノアフィニティクロマトグラフのプローブとして用いら
れていることが最も典型的な応用例である。
一方、金属ナノ粒子の光吸収を利用して、対象物質の脱離イオン化を誘起する分析法も
存在する。マトリックス分子を用いず、金属やその酸化物の表面から脱離イオン化する分
子を計測するという意味で「表面支援脱離イオン化飛行時間型質量分析:SALDI−T
OF−MS」と呼ぶことがある。白金、酸化鉄、金、銀、などのナノ粒子を用いたSAL
DI−TOF−MS法が報告されており、融点の高い白金のナノ構造体や酸化鉄ナノ粒子
が有機物の分析に有用であるとされている(非特許文献2、3)。
金ナノ粒子の構造体もSALDI−TOF−MS法に利用できることが報告されている
(特許文献4、非特許文献4)。金ナノ粒子の凝集構造を最適化することによって、高感
度なペプチドの分析ができることが明らかになった。
金ナノ粒子をSALDI−TOF−MS法に用いる場合の問題点は、金クラスターイオ
ンの脱離イオン化が多いということであった(非特許文献2、4)。金クラスターイオン
は測定条件によらず常に観察され、対象物質のシグナルの数百倍の強さを示すことも少な
くなかった。金ナノ粒子からの金クラスターの脱離イオン化は容易に起こる現象であり、
このプロセスを抑制することは大変困難であることが、これまでの我々の研究によって明
らかにされた事実である。
特開2013−068573公報 特開2011−196759公報 特開2009−300449公報 特許公開2012−207954公報
J. R. Lee, J. Lee, S. K. Kim, K. P. Ki, H.S. Park, W.-S. Yeo, Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47,9518. R. Arakawa, H. Kawasaki, Anal. Sci. 2010, 26, 1229. C.-K. Chiang, W.-T. Chen, H.-T. Chang, Chem. Soc. Rev. 2011, 40,1269. Y. Nakamura, Y. Tsuru, M. Fujii, Y. Taga, A. Kiya, N. Nakashima, Y. Niidome, Nanoscale2011, 3, 3793. C.-T. Chen, Y.-C. Chen, Anal. Chem. 2005, 77, 5912. L. C. Chen, J. Yonehama, T. Ueda, H. Hori,K. Hiraoka, J. Mass Spectrom.2007, 42, 346.
分子量の大きなタンパク質や糖鎖などは質量分析法では分析しにくい。特に、これらの
対象物質が生体組織切片のように複雑な組成を有する検体中に存在する場合は、対象物質
以外のイオンが大量に脱離する為に、その分析が困難である。また、対象物質が絶縁性の
メンブレン中に存在する場合も、脱離イオン化効率が低く、その分析が困難である。これ
らの課題をナノ粒子から脱離するイオンを質量分析によって検出するという方法で解決す
る。これにより、従来の免疫染色法の検出限界を超える新しい免疫分析・マッピング技術
を実現することを課題とする。
本発明は、対象物質に結合するプローブ粒子を用い、その粒子自身の脱離イオンを検出
することで対象物質の存在を明らかにすることを最も主要な特徴とする。
本発明に用いる粒子は、何らかのエネルギーを照射することによって、粒子の組成物の
イオンが脱離する材料である。イオン脱離のしきい値が低いことが必要であり、エネルギ
ー吸収効率が高い方がイオン化に有利であり、かつ検体から脱離するその他のイオンとは
異なる質量電荷比を有すると質量分析による識別が容易でという点で好ましい。
粒子には金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子などが表面修飾技術や検体への浸透性という意
味で好ましいが、マイクロメートル以上のサイズの粒子で本発明の測定が行えないという
わけではない。検体中のイオン化効率と検体由来イオンとの識別性に優れた粒子を検体の
性質に応じて選ぶべきである。
金属ナノ粒子は色々な調製法が知られており、異なるサイズ、色々な表面修飾が可能で
あり、本研究のプローブ粒子として好ましい。特に金ナノ粒子は化学的に安定であり、多
様な生理活性物質を表面に固定する方法が知られており、本研究のプローブ粒子としてさ
らに好ましい。また、パルスレーザー光を照射した時の金イオンおよび金クラスターイオ
ンの脱離効率が高く、プローブ粒子に適している。
銀ナノ粒子もその調製法が広く知られており、本研究のプローブ粒子として好ましい。
パルスレーザー光を照射した時の銀イオンおよび銀クラスターイオンの脱離効率が高く、
プローブ粒子に適している。
一方、白金のナノ粒子は自身の脱離イオン化効率が低く、本発明のプローブ粒子には適
しない。
酸化物半導体・化合物半導体のナノ粒子も強い光吸収を有し、さらに各種表面修飾法が
報告されている(非特許文献5)ことから、本発明のプローブ粒子として利用可能である
粒子分散液を検体に塗布、または検体を粒子分散液に浸漬し、分析試料中の対象物質が
存在する部位に固定する。対象物質との相互作用には、抗原抗体反応、アプタマーの吸着
、タンパク質間のファンデアワールス力による相互作用、DNAあるいはRNAの2本鎖
あるいは3本鎖形成、水素結合、配位結合、合金化、酸化還元反応など、粒子を対象物質
に結合させる反応であれば原理的には何でも利用可能である。
対象物質に結合した以外の粒子は洗浄し、試料から取り除く。粒子が分析対象物質のみ
に結合するように、その他の部分には非特異吸着を抑制する処理、すなわちブロッキング
処理を行う。検体の性質にあわせて、それぞれにブロッキングの材料を選択する必要があ
るが、生体材料の場合は、アルブミンなど安価で非特異的な吸着を起こしにくいタンパク
質を検体に吸着させておくのが一般的な処理である。
粒子からその組成元素のイオンを脱離させるには何らかのエネルギーの照射が必要であ
る。しかし、脱離とイオン化が必ずしも同時に起こる必要はない。誘導結合プラズマのよ
うなイオン化効率の高いイオン化法を検体から物質が脱離した後に用いると、照射エネル
ギーは検体をイオン化するものでなくても、組成物の脱離を誘起できれば本分析は実施可
能である。イオン化には電子衝撃法、化学イオン化法、フィールドディソープション法、
イオンビーム法、粒子衝撃法等の利用が可能である。
対象物質の脱離に用いるエネルギー源は、検体そのものからの物質の脱離とイオン化が
起きにくく、プローブ粒子からの脱離とイオン化を選択的に誘起できるエネルギー源が好
ましい。脱離イオン化が起きやすいプローブ粒子を用いることでエネルギー源の選択の幅
は広がる。検体からの物質の脱離イオン化にレーザー光、好ましくはパルスレーザー光を
用いる方法は簡便で選択的脱離とイオン化の効率が良い。特にパルスレーザーと飛行時間
型質量分析装置を組み合わせた装置は完成度の高い製品が市販されており、本発明に好適
の分析機器である。しかし、その他の質量分析法、例えば四重極質量分析装置、イオント
ラップ質量分析装置、フーリエ変換質量分析装置等を利用しても本発明の計測は可能であ
る。
また、粒子を構成する元素が検体に含まれていなければ、ICP発光分析、原子吸光分析
、蛍光X線分析など元素を識別する分析法を用いても本発明の計測は可能である。
パルスレーザーと飛行時間型質量分析装置を組み合わせは、一般的にはマトリックス分
子を用いたマトリックス支援脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(通称MALDI−M
S)として広く用いられる。広く用いられるレーザーは紫外線のパルスレーザーであるが
、可視光や近赤外光パルスレーザー光を利用したMALDI−MS装置も報告されている
(非特許文献6)。マトリックス分子の役割は目的の物質を脱離イオン化することであり
、マトリックスが存在しない場合はレーザー光を照射しても検体からのイオン脱離効率は
極めて低い。
MALDI−MS装置の紫外線パルスレーザー光を金ナノ粒子や銀ナノ粒子が含まれる
検体に照射すると、金イオンおよび金クラスターイオンもしくは銀イオンおよび銀クラス
ターイオンの脱離が高効率で起こる。この際に検体が有機物である場合は、有機物由来の
イオンはほとんど検出されない。金や銀の選択的イオン化を実現できる。
一般的なMALDI−MS測定の場合は、脱離イオン化効率を高く保つために、試料は
導電性の測定用プレートの上に1ミリメートル以下の厚さの薄膜とする。金ナノ粒子から
脱離する金イオン/金クラスターイオン、または銀ナノ粒子から脱離する銀イオン/銀ク
ラスターイオンは1ミリメートル以上の絶縁性の薄膜からも高感度に検出可能であり、こ
れらの金属ナノ粒子は優れた質量分析用プローブ粒子として機能する。
この金属ナノ粒子の優れた脱離イオン化特性を利用して生体組織切片の分析が可能であ
る。金属ナノ粒子を用いて組織切片を前記の方法で染色し、これをMALDI−MS装置
に導入し、紫外線パルスレーザー光を照射すると1ミリメートルを超える厚みの組織切片
中から脱離イオン化する金属イオン/金属クラスターイオンを計測可能である。対象物質
と結合する適切な表面処理が行われていれば、組織切片中の分析対象物質の存在を検出す
る。
イムノアフィニティクロマトグラムの原理を用いて、インフルエンザや各種疾病、妊娠
を検査する方法が広く行われている。これらの手法で用いるマーカーは抗体を表面就職し
た金ナノ粒子であることが多く、肉眼で金ナノ粒子の赤色の発色を観察する。このクロマ
トグラムを行うメンブレンをMALDI−MS測定用の基板上に固定し、レーザー光照射
を行うと金イオン/金クラスターイオンの脱離を観察できる。肉眼で観察できない極めて
少量の金ナノ粒子も検出できることから、分析感度が大幅に向上する。
ブロッティング法はDNA、RNA、タンパク質をメンブレンに転写して分析する手法
である。ブロッティング用メンブレンに転写した対象物質に金属ナノ粒子を結合させるこ
とで、脱離イオン化する金属イオン/金属クラスターイオンの検出が可能である。通常の
染色法よりも高感度であり、化学発光と同レベルの分析感度を有する分析手法となる。
酵素結合免疫吸着法、いわゆるELISA法は試料中に含まれる抗体あるいは抗原を基
板表面に固定し、その濃度を検出・定量する際に用いられる方法である。ELISA法用
プレートに固定した対象物質に金属ナノ粒子を結合させることで、脱離イオン化する金属
イオン/金属クラスターイオンの検出が可能である。ブロッティング法の場合と同様に、
通常の染色法よりも高感度であり、化学発光と同レベルの分析感度を有する分析手法とな
る。
レーザー光を集光し、狭い面積からの脱離イオンを検出し、試料のレーザー照射位置を
走査して行くことで、対象物質の分布の2次元的なマッピングが可能である。この機能は
MALDI−MS装置ではイメージング質量分析機能として、検体の移動と質量分析シグ
ナルの保存と2次元マッピング図としての可視化がパッケージとして提供されている。前
述の粒子プローブを利用した分析法についてもイメージング質量分析が可能であり、プロ
ーブ粒子の分布を2次元的な図として可視化することが可能である。
本発明の質量分析プローブは、組織切片のように複雑な組成を有する検体や、メンブレ
ンのように一定の厚みを有する絶縁性の検体中に存在する対象物質の存在を質量分析によ
って高感度に検出できるという利点がある。さらに、イメージング質量分析の技術を用い
て対象物質の分布を可視化できるという利点がある。
図1はITO基板上、組織切片上のPSS-NR由来の金のマスシグナル。(実施例1) 図2はPSS-NRを投与していないマウスの肝臓切片のマスシグナル。(実施例2) 図3は濃度の異なる金ナノ粒子を投与した場合の組織切片から金由来のマスシグナル。(実施例3) 図4はメンブレン中に存在する金ナノ粒子の所在を質量分析イメージング。(実施例4) 図5は導電性を有しないメンブレン中からもマーカーイオンの脱離の模式図。(実施例4)
以下、実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態をより詳細に説明する。
(実施例1)
(組織切片に含浸したナノロッドの検出)
400 mMのCTAB水溶液中で合成された棒状の金ナノ粒子、金ナノロッド水分散液1 ml
(金含有量0.3 mg/ml)を遠心管に入れ、15000 (×g,)の相対遠心加速度で10分間遠心分離
して金ナノ粒子を遠心管の底に沈降させ、CTABを含む上澄み液を除去した。沈降した金ナ
ノロッドに水を添加して再分散させ、金ナノロッド水分散液1 mlを得た。この操作を2回
繰り返し、余剰のCTABを除去した金ナノロッド水分散液1 mlを得た(NR水分散液、金含有
量0.3 mg/ml)。
上で得られた金ナノロッド水分散液1mlに、濃度2mg/mlのポリスチレンスルホネート(PS
S、重合平均分子量70000)水溶液1mlを添加し、25℃で1時間攪祥してPSSで被覆された金
ナノロッド複合体(PSS-NR)を調製した。攪拝終了後、8000(×g)で10分間遠心分離してPSS
-NRを遠沈管の底に沈降させ、余剰のPSSを除去した。沈降したPSS-NRに水を添加し、PSS
-NRが分散したPSS-NR水分散液1mlを得た(PSS-NR水分散液、金含有量0.3mg/ml)。溶液調製
後、純水で希釈することにより、10 マイクロモルから100 ピコモルの濃度の溶液を作製
した。
凍結乾燥させたマウスの脳をクライオミクロートムによってスライスし、ITO基板上に
固定した。上で得られた各濃度のPSS-NR溶液をITO基板上、マウスの脳の組織切片上にそ
れぞれ1 マイクロリットル滴下し、自然乾燥させTOF-MS測定を行った(測定モード:Refl
ector positive)。
ITO基板上、組織切片上のそれぞれでPSS-NR由来の金のマスシグナルが検出された(図
1)。金ナノロッド由来のマスシグナルの検出限界は、ITO基板上でおよそ100 nM、組織
切片上ではおよそ10 nMであった。また、ITO基板上で測定を行った場合においてPSS-NRの
濃度に対する金のマスシグナル強度のプロットを取るとシグナル強度の線形的な増加が見
られ、ある程度の定量性が確認された。
(実施例2)
(金ナノロッドを投与したマウスの肝臓組織切片のTOF-MS測定)
実施例1と同様にして調製された純水分散CTAB-NR溶液5 mLとスターラーチップをサンプ
ル管に入れ、撹拌しながら2 mg/mL PSS溶液5 mLを滴下した。PSS溶液を滴下した後、2時
間撹拌した。2時間後、遠心分離
(8000×g, 10 min, 摂氏30度)を行い、純水1 mLで再分散させた後、再度同条件で遠心分
離を行い、5 % glucose水容液200 mLで再分散させた。以上の操作により、5 %グルコース
分散PSS-NR溶液を調製した。
尾静脈注射により5 %グルコース分散PSS-NR溶液を300
ml (金ナノロッド19.5 マイクログラム)をマウスへ投与し、14時間後肝臓を回収しOCT co
mpoundに包埋させた。またPSS-NRを投与していないマウスの肝臓にも同様の処理を行った
。これらの組織をミクロトームで10 マイクロメートル及び5 mmの厚さにスライスし、ITO
基板上に貼りつけた。この後、組織切片上のTOF-MS測定を行った(測定モード:Reflecto
r positive, or negative)。
PSS-NRを投与していないマウスの肝臓切片ではシグナルがほとんど得られなかった(図
2)。一方で、投与したマウスでは金由来のシグナルが検出された。厚さ5 mmの切片では
、10 マイクロメートルのものよりも高強度でシグナルが検出された。また、TOF-MSの検
出モードをnegative modeにして測定を行った場合においても金クラスターのマスシグナ
ルを観測することができており、金由来のマスシグナルは、positive、negativeの両モー
ドにおいて検出できることが示された。
(実施例3)
(PSS修飾金ナノ粒子のマウスへの投与、及び肝臓組織切片の作製)
80 mMのCTAC水溶液10 mLと1 mMのHAuCl4水溶液 0.5 mLを加えた溶液に100 mMのNaBH4
30 マイクロリットル加えて速やかに5分間撹拌した。この操作によって金ナノ粒子の種溶
液を作製した。別のサンプル管に240 mMのCTAC溶液8.5 mLと1mM HAuCL4水溶液10 mLを加
え、この溶液に100 mMのアスコルビン酸水溶液1 mLと種溶液を1 mL加え、溶液の色が完全
に赤色に変化するまで撹拌した。以上の操作により、球状金ナノ粒子を作製した。
金ナノロッド分散液にパルスレーザー光(Q-switch Nd-YAG、波長:
1064 nm)を照射し、ロッドの形状を変化させた。レーザー光の照射は金ナノロッド分散
液を撹拌しながら、40 mJ/pulse, 20 Hzで15分間行った。
上で作製した2種類の金ナノ粒子、及び金ナノロッドに実施例2と同様の手順を行うこと
により、PSS修飾金ナノ粒子5 %グルコース分散溶液を調製した。ただし、還元剤を用いて
作製した金ナノ粒子では、最後の遠心分離を(15000×g, 10 min, 摂氏30度)で行い、10
0 マイクロリットルの5 % glucose水容液で再分散させた。
上で作製した3種類のPSS修飾ナノ粒子をICP-MS測定にかけ濃度を算出し、その後希釈す
ることで、3種類のナノ粒子の濃度を金原子濃度で6.0 mMに揃えた。これらの溶液をそれ
ぞれ10倍、100倍希釈することにより、濃度が600 nM、60 nMの溶液も作製した。以上の操
作により、濃度、作製法の異なる金ナノ粒子のサンプルを計9種類作製した。この9種類の
サンプルをそれぞれ尾静脈注射により150 マイクロリットルマウスへ投与し、14時間後肝
臓を回収した(マウス:ddYオス、5週齢)。この肝臓をOCT compoundに包埋し、ミクロト
ームで10 マイクロメートルの厚さにスライスして、ITO基板上に貼りつけた。
作製した9種類の肝臓組織切片それぞれにおいて質量分析イメージングを行った(測定
モード: Reflector positive, Laser power: 50 %, スポット間隔: 250 mm, 1スポット:
200 shots)。
本実験で用いた9つ全ての組織切片から金由来のマスシグナルの結果を図3に示す。いず
れも金由来のシグナルが観測され、マッピング像を取得することができた。特に質量電荷
比が393.9(m/z = 393.9)のマスシグナルが得られている箇所からは、m/z = 196.9のマ
スシグナルも現れているものが多く観測されており、組織切片中に存在する金ナノ粒子の
所在をより明確に示していることが確認された。金原子濃度が60 nM以上の試料であれば
、金ナノ粒子の形状に関わらず組織切片中から観測できた。
(実施例4)
(イムノクロマト法を用いた病理診断キットのメンブレンに存在する金ナノ粒子の検出)
検査用の展開溶液を滴下済みのインフルエンザ検査キット(プロラストFlu、三菱化学
メディエンス)のメンブレン(厚さ0.45 mm)を取り出し、両サイドを1 cm程カットした
ものをカーボンテープによってITO基板上に貼り付けた。この後、メンブレンの質量分析
イメージングを行った(測定モード:Reflector positive, Laser power:50 %, 積算200
回, スポット間隔 300 マイクロメートル)。
メンブレン中に存在する金ナノ粒子の所在を質量分析イメージングによって明確に把握す
ることができた(図4)。メンブレンが赤色に染色されておらず、金の存在が視認できな
い箇所からも金由来のマスシグナルを確認することができており、メンブレン中の金ナノ
粒子も高感度で検出できた。0.5 mmほどの厚さを有する導電性を有しないメンブレン中か
らもマーカーイオンの脱離を観察できることを確認した(図5)。
(実施例5)
(ブロッティング用メンブレンからの金クラスターイオンの脱離)
200 mL 2口丸底フラスコに24
mM塩化金酸水溶液を0.5 mL加え、そこに水を49.5 mL加え、オイルバスで加熱した。溶液
が沸騰した後に、5 wt%のクエン酸ナトリウム水溶液を430 マイクロリットル加え、20分
間加熱還流した。冷却後溶液を回収した。520 nm付近に吸収ピークを有する直径約2
0 nmの球状金ナノ粒子を調製した。
メンブレン(Amersham Hybond P、厚さ約0.25 mm)を1 cm2にカットし、メタノール中に
10秒浸漬させ後に、純水中にさらに10分間浸漬させた。1、2、4、10、20、40、100、1000
、10000倍に希釈した金ナノ粒子水溶液にメンブレンを10分、1時間、6時間、24時間浸漬
させ、金ナノ粒子を固定化した。所定の浸漬時間後、メンブレンを水で洗浄し、自然乾燥
した。金の固定量は5 ng/cm2から33 マイクログラム/cm2であった。
MALDI測定用のプレートに貼り付け、TOF-MS測定を行った(Autoflex,
Bruker, 測定モードReflector
positive)。金ナノ粒子濃度が500 ng/cm2以上の時に金クラスターの脱離を確認できた。
(実施例6)
(銀シェル金ナノロッドを利用した)
CTAB分散AuNR溶液1.0 mLを1.5 mLエッペンチューブにとり、遠心分離し (15000 ×g, 1
0 min, 摂氏30度) 、上澄みを除去した後に沈殿を80
mM CTAC 水溶液中に再分散させた。この操作を3回繰り返し、AuNRの長軸由来の極大吸収
波長における吸光度が0.5になるようにCTAC水溶液で希釈した。これをCTAC分散AuNR溶液
(CTAC-NR) とした。80 mM
CTAC水溶液10 mLにCTAC-NR を0.4 mLと100 mMアスコルビン酸水溶液を0.5 mL加えた。摂
氏30度恒温槽中で攪拌しながら0.5 M NaOH水溶液を0.1 mL添加し、AgClコロイド分散液0.
25 mLを添加した。この溶液を3時間摂氏30度恒温槽に保存し、銀シェル金ナノロッドを得
た。
上で得られた銀シェル金ナノロッド水分散液1mlに、濃度2mg/mlのポリスチレンスルホ
ネート(PSS、重合平均分子量70000)水溶液1mlを添加し、摂氏25度で1時間攪祥してPSS
で被覆された銀シェル金ナノロッド複合体を調製した。攪拝終了後、8000(×g)で10分間
遠心分離して銀シェル金ナノロッド複合体を遠沈管の底に沈降させ、余剰のPSSを除去し
た。沈降した銀シェル金ナノロッド複合体に水を添加し、銀シェル金ナノロッド複合体水
分散液1mlを得た(金含有量0.3mg/ml)。溶液調製後、純水で希釈することにより、10 マイ
クロモルから100ピコモルの濃度の溶液を作製した。
実施例1と同様に凍結乾燥させたマウスの脳をクライオミクロートムによってスライス
し、ITO基板上に固定した。上で得られた各濃度のPSS-NR溶液をITO基板上、マウスの脳の
組織切片上にそれぞれ1マイクロリットル滴下し、自然乾燥させTOF-MS測定を行った(測
定モード:Reflector positive)。
組織切片上のそれぞれでPSS-NR由来の金のマスシグナルが検出された。金ナノロッド由来
のマスシグナルの検出限界は、ITO基板上でおよそ100 nM、組織切片上ではおよそ10 nMで
あった。また、ITO基板上で測定を行った場合においてPSS-NRの濃度に対する金のマスシ
グナル強度のプロットを取るとシグナル強度の線形的な増加が見られ、ある程度の定量性
が確認された。
本発明は、ナノ粒子をプローブに用いて、組織切片や分析用メンブレンのように複雑な
組成と厚みを有する検体中に存在する対象物質の存在を質量分析によって高感度に検出し
、さらに、イメージング質量分析の技術を用いて対象物質の分布を可視化することで、従
来の免疫染色法の検出限界を超える新しい免疫分析・マッピング技術およびその目的に設
計されたプローブナノ粒子を提供する。本発明は疾病の診断やバイオサイエンスの研究開
発現場で広く用いられる汎用技術を提供する。

Claims (5)

  1. 分析対象物質と結合する機能を有するナノ粒子であり、好ましくは金、銀、銅の金属ナ
    ノ粒子、あるいはシリコン、ガリウムなどの半導体ナノ粒子、あるいは硫化カドミウム、
    硫化鉛などの化合物半導体ナノ粒子に外部刺激を与えることでその金属あるいは半導体の
    イオンもしくはクラスターイオンを発生させ、そのイオンをマーカーとして用いる事で、
    試料中の分析対象物質の存在、さらにその分布を明らかにする分析方法およびその分析方
    法に適するように設計されたナノ粒子
  2. 用いる外部刺激が、請求項1のナノ粒子に吸収される電磁波であり、測定対象物そのも
    のからではなくナノ粒子を形成する材料の脱離イオン化に最適化されている請求項1に記
    載の分析方法であり、好ましくは10ミリ秒から10フェムト秒のパルス的電磁波、さら
    に好ましくは紫外域から近赤外の波長を有し、100ナノ秒から1ピコ秒のパルス幅を有
    するパルスレーザー光を用いることが特徴である分析法である請求項1の分析方法および
    その分析方法に適するように設計された機能性ナノ粒子
  3. クラスターイオンの検出方法が質量分析であり、好ましくは上記パルスレーザー光を照
    射することによる飛行時間型質量分析である事を特徴とする分析方法であり、さらに好ま
    しくはマトリックス支援レーダー脱離イオン化質量分析装置、いわゆるMALDI-MS装置を用
    いる事を特徴とする分析方法であり、さらに必要であれば質量分析による検出結果を2次
    元的にマッピングした質量分析イメージング法によって分析対象物質の分布を可視化する
    請求項1および2の分析方法およびその分析方法に適するように設計された機能性ナノ粒
  4. ナノ粒子と分析対象物質が選択的に結合にする仕組みが、好ましくは特定のタンパク質
    に対する抗原抗体反応やアプタマーの反応であるか、DNAやRNAの2本鎖形成によることを
    特徴とする方法によって、薄片化した試料中の分析対象物質に対してナノ粒子を結合させ
    る操作を行う事を特徴とする分析方法であり、典型的にはイムノアフィニティクロマトグ
    ラフ用メンブレン、各種ブロッディングメンブレン、あるいは基板表面に存在するタンパ
    ク質、DNA、RNAなどの分析対象物に、前記の方法でナノ粒子を結合させ、必要であれば数
    mm、さらにそれ以上の厚みの試料からのナノ粒子からの脱離クラスターイオンを検出する
    事を特徴とする分析法であり、さらに必要であれば動植物の組織切片あるいは組織そのも
    のを測定可能な請求項1から3の分析方法およびその分析方法に適するように設計された
    機能性ナノ粒子
  5. 複数の種類のナノ粒子に、それぞれ異なる種類の分析対象物質と結合する表面修飾を施し
    、1回の測定で複数の分析対象物質を同時に分析する請求項1から3の分析方法およびそ
    の分析方法に適するように設計された機能性ナノ粒子
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106353394A (zh) * 2016-08-11 2017-01-25 厦门大学 一种电喷雾离子源金属团簇离子的价态分布调节方法
KR20190052844A (ko) * 2017-11-09 2019-05-17 재단법인대구경북과학기술원 생체 조직을 처리하기 위한 방법, 레이저 처리 장치 및 대기압 질량분석 이미징 시스템
WO2022158437A1 (ja) * 2021-01-19 2022-07-28 国立大学法人 鹿児島大学 検出キット及び検出方法

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