JP2015001215A - ガスタービンシステムの制御装置および制御方法 - Google Patents

ガスタービンシステムの制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラントの経年劣化による性能劣化を検知し、自動でその性能劣化を補正するガスタービン制御装置および制御方法を提供することにある。
【解決手段】燃料と圧縮空気を用いて燃焼を行うガスタービンの排気を、排気ダクトを介して後流側の機器に与えるとともに、ガスタービン出口排気温度を設定値に制御すべく燃料量を制御するガスタービンシステムの制御装置であって、ガスタービン出口排気温度を設定値に制御する調節機能部と、調節機能部に与えるガスタービン出口排気温度を補正する排気温度補正部と、ガスタービン出口排気温度と後流側機器の入口排気温度の温度差が所定温度を超えることを検知する補正条件確認部とを備え、温度差が所定温度を超えるときには調節機能部に与えるガスタービン出口排気温度の増加を抑制する方向に補正することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明はガスタービン発電プラントの性能劣化を検知、補正することにより、プラント出力、効率の低下を未然に防ぐためのガスタービンシステムの制御装置および制御方法に関する。
ガスタービンは、長期運転により出力、効率の低下といった性能劣化を生じる。性能劣化の原因には、主として圧縮機効率の低下と高温部品の劣化が挙げられる。
前者の圧縮機効率の低下について、ガスタービンは大気を連続的に取り込むため、大気中に含まれる塵、埃等が圧縮機翼に付着することで、圧縮機吐出圧力が低下し、圧縮機効率を下げるというものである。この解決方法には、圧縮機内に洗浄水を投入し、圧縮機翼に付着した汚れを落とす方法があり、水洗浄系統さえあれば、大掛かりな分解、部品交換作業を必要としない。
後者の高温部品の劣化に関して、ガスタービンの高温部品は1300℃といった高温にさらされるため、熱負荷によってガスタービン動翼先端が損傷し、シュラウドが摩耗することで、翼間隙が拡大するというものである。そして翼間隙が拡大すると、燃焼ガスがこの間隙を通過することで、ガスタービンの熱エネルギー回収率が低下することから出力低下を引き起こす。
また仕事をしない燃焼ガスは高温のまま排気ダクトへ流れていくため、排気温度が高めに検出されることになる。これに対し、ガスタービン制御装置による定格出力での運転では、燃焼温度が一定になるよう燃料流量が制御されるが、燃焼温度を直接計測できる計器は未だ存在しないため、排気温度と空気圧縮機の吐出圧から燃焼温度を推定し、燃料流量を制御している。
このことは、高温部品の経年劣化によって排気温度が高めに計測されると、燃焼温度も計画より高いと判断されることを意味しており、ガスタービン制御装置により投入燃料流量が抑制されてしまうため、出力や効率の一層の低下を招いてしまうことになる。
この高温部品の寿命を診断する方法には、ガスタービン出口での排気温度と排熱回収ボイラ入口温度の温度差の変化により、データベースにあらかじめ蓄積された温度差と高温部品の損傷レベルとの関係を用いる方法が特許文献1により知られている。
特開2011−256734号公報
ガスタービンの高温部品は、高い熱応力や遠心力が作用する過酷な環境下で使用されるため、定期的な交換を行うことが前提にあり、損傷した高温部品は交換することによってのみ、その性能が回復される。この高温部品の交換には、ケーシングを開放する必要があるため、あらかじめ長期的なスケジュールを立て各部品の交換周期を決めた上での交換を行っている。
そのため、次の定期点検が行われるまでの期間では、高温部品の損傷具合を確認することは難しく、性能回復策をとることも困難であり、また高温部品の損傷により性能が未達の状態でも運転継続することを余儀なくされるため、運用に支障をきたしてしまうことになる。然るに発電所にとってプラント効率の低下は収益悪化に直結するため、大きな痛手である。
ガスタービン高温部品の経年劣化は、タービン動翼先端部が熱負荷によって損傷したり、ケーシング内側に設置されるシュラウドが動翼との接触によって削られたり、高温によって減肉することで生じる。これらの経年劣化によってタービン動翼とケーシングとの間隙が拡大し、仕事をしない燃焼ガスが高温のまま下流へ流れていくことによって、タービンの熱回収率が下がり出力低下を招く。
また、燃焼ガスが高温のまま下流へ流れるため、排気ガス温度は半径方向に高くなるような温度分布を持つ。ガスタービン出力が定格負荷付近に到達すると、排気温度制御によって燃料流量調節弁の制御を支配する。排気温度制御では、測定した排気温度をフィードバックし、圧縮機吐出圧力の関数で定義される排気温度制御線に一致するように運転することで、燃焼温度を一定にするよう燃料流量調節弁を制御している。高温部品の劣化により、測定位置での排気温度が高くなると、計画燃焼温度に達していなくても、排気温度制御により、燃焼温度の規定値に達していると判断するため、結果として、燃料流量が計画よりも抑制される。そのために、ガスタービンの性能が一層低下することになる。
このように高温部品の劣化によって計画燃焼温度に到達しない状態にも関わらず、ガスタービン制御装置は、定格状態での運転であると誤認識してしまうことで、性能劣化が生じるケースが存在する。特に、コンバインドサイクルの運転では、ガスタービンの排気ガス温度が発生蒸気量に大きく依存するため、排熱回収ボイラHRSG入口温度の低下が蒸気タービンの出力低下を招くことによって、プラント全体での効率が大きく低下してしまう。
従って、高温部品の劣化による性能劣化の検出と、その性能劣化を未然に防ぐことができれば、従来よりも効率の良い発電を行うことが可能になる。
以上のことから本発明の目的は、プラントの経年劣化による性能劣化を検知し、自動でその性能劣化を補正するガスタービンシステムの制御装置および制御方法を提供することにある。
燃料と圧縮空気を用いて燃焼を行うガスタービンの排気を、排気ダクトを介して後流側の機器に与えるとともに、ガスタービン出口排気温度を設定値に制御すべく燃料量を制御するガスタービンシステムの制御装置であって、
ガスタービン出口排気温度を設定値に制御する調節機能部と、調節機能部に与えるガスタービン出口排気温度を補正する排気温度補正部と、ガスタービン出口排気温度と後流側機器の入口排気温度の温度差が所定温度を超えることを検知する補正条件確認部とを備え、温度差が所定温度を超えるときには調節機能部に与えるガスタービン出口排気温度の増加を抑制する方向に補正することを特徴とする。
本発明により、ガスタービン高温部品の劣化により生じるプラント性能劣化程度を把握し、自動で性能劣化を計画時の性能へ補正することができる。
一般的なコンバインドサイクル発電プラントとその制御装置のシステム構成図。 燃焼ガス温度とタービン出口排気温度と排熱回収ボイラ入口排気温度の経年変化の関係を示す図。 ガスタービン出口排気温度と排熱回収ボイラ入口排気温度の偏差の経年変化を示す図。 燃焼温度を一定に保つための燃料制御手法を説明するための図。 制御装置内の構成を示す図。
以下、本発明の実施形態を、図を用いて説明する。
図1は、一般的なコンバインドサイクル発電プラントとその制御装置のシステム構成図である。まずコンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービンシステムGTと排熱回収ボイラ7で構成されている。ガスタービンシステムGTは、空気圧縮機1と燃焼器2とガスタービン3と排気ダクト8で構成されている。
ガスタービンシステムGTにおいて、取り込まれた大気Aは空気圧縮機1で圧縮され、圧縮空気ACとして燃焼器2へ供給される。燃焼器2では、燃料調節弁4により供給される燃料Fが圧縮空気ACと共に燃焼し、燃焼ガスG1が発生する。発生した燃焼ガスG1はガスタービン3へと送られ、高温高圧の燃焼ガスG1がガスタービン3を駆動することで、燃焼ガスG1の熱エネルギーはガスタービン3の回転エネルギーに変換される。
仕事をした燃焼ガスG1は排気ダクト8を経由して後流側の機器である排熱回収ボイラ7に送られ、ガスタービン3で回収されなかった熱エネルギーが排熱回収ボイラ7で回収され、図示せぬ蒸気タービンを駆動するための動力源である蒸気発生熱源として再利用される。図1では、ガスタービン出口での燃焼排気ガスをG2と表示し、排熱回収ボイラ7入口での燃焼排気ガスをG3と表示している。なお後流側の機器としてはその他にも幾つかのものがあり、本発明では交流側機器は何であってもよい。
係る構成のコンバインドサイクル発電プラントに対し、その制御装置9はガスタービン出口での燃焼排気ガスG2の温度T1と、排熱回収ボイラ7入口での燃焼排気ガスG3の温度T2とを入力して、燃料調節弁4により供給される燃料Fを制御している。制御装置9の具体的構成を図5に示し、後述する。
ここでガスタービン出口に設置された温度計S1は、ガスタービン出口での燃焼排気ガスG2の温度T1を測定するために設置されており、また排熱回収ボイラ入口に設置された温度計S2は、均一化された温度分布を持つ排熱回収ボイラの入口における排気温度を計測するためのものである。
なおガスタービン出口での燃焼排気ガスG2の温度T1は、その計測位置により大きく変化しており、一般には外周部において高温であり、中心部で低温が計測される傾向にある。温度計S1は、外周部の高温領域に設置されてこれを計測する。これに対し、下流側の排熱回収ボイラ入口での排気温度は均一化されており、排熱回収ボイラ入口に設置された温度計S2は、均一化された排気温度を計測している。
温度計S1、S2で測定された排気温度T1、T2は、プラント性能監視装置である制御装置9内に取り込まれる。制御装置内にはガスタービン出口での排気温度T1と排熱回収ボイラ入口での排気温度T2の偏差ΔTと、排気温度の計画温度との偏差の関係が、過去の様々なプラントでの運転データを基に、データベースとして蓄積されている。
図2は燃焼ガス温度T0とタービン出口排気温度T1と排熱回収ボイラ入口排気温度T2の経年変化の関係を示す図である。この図の横軸は経過時間tを示し、縦軸にガスタービン燃焼温度T0、ガスタービン出口排気温度T1、排熱回収ボイラ入口排気温度T3を表示している。また時刻t0は新品状態での各温度を示している。
これらの温度の時系列的な変化について説明する。まず、ガスタービン出口排気温度T1は、プラント性能監視装置である制御装置9による温度一定制御の結果として一定に保持され、時系列変化しない。これに対し、排熱回収ボイラ入口排気温度T2は高温部品劣化により、ガスタービン運転時間が長くなるほど低くなる傾向を示す。この理由は以下のようである。
まずガスタービンは長期運転に伴い、タービン動翼やシュラウドといった高温部品の劣化が生じる。タービン動翼が熱負荷によって先端が損傷し、またシュラウドがタービン動翼との接触によって摩耗することによって、ケーシングと動翼の間隙が拡大する。この間隙を燃焼ガスが通過することによって、仕事をしないまま下流へ流れるため、排気ディフューザ壁面に沿った領域での排気ガス温度は高くなる。つまり劣化が進展するほど、間隙からの漏れによる仕事をしない燃焼ガスが多くなり、外周部の排気ガス温度のみが高くなる傾向を示す。
ところでガスタービン出口の排気は、半径方向に温度分布を持つが、高温部品の劣化が進行することにより、この温度分布は外周部の温度がより高くなり、顕著に現れる。これに対し、ガスタービンの出口排気温度T1を測る計器S1は、排気ダクト外周部に設置されているため、同一断面でも高めの排気温度が検出され、制御装置9にガスタービン出口排気温度T1としてとりこまれることになる。
他方、排熱回収ボイラ入口排気温度T2についてみると、燃焼排気ガスはガスタービン出口を出た後に、ある程度距離を持った排気ダクト8内を流れることによって、温度が均一化される。このため、排熱回収ボイラ入口排気温度T2はガスタービン出口排気温度T1よりも、低い値で検出される。このように流路断面で均一化されたガスタービン出口排気温度T2は、実質的には低下傾向にある分、燃焼温度は計画よりも低くなっており、性能劣化を生じる。
さらにそのうえ、ガスタービン出口排気温度T1を一定に制御する制御装置9による影響が上乗せされる。制御装置9の帰還信号であるガスタービン出口排気温度T1は、ガスタービンに形成された間隙からの漏れによる仕事をしない燃焼ガスの温度であり、局所的に高くなっている排気温度である。このため制御装置9は、経年変化の影響を受けて高温化したガス温度を検出してこれを一定に制御することになる。
制御装置9での制御の結果、ガスタービン出口排気温度T1は一定に保たれる。但し、経年変化により高めに検知されたガスタービン出口排気温度T1を一定にするために燃料流量Fを減少させることになり、この結果燃焼温度は時系列的に低下する。またガスタービン出口排気温度T1は外周部は高いが内部は低い傾向が一層顕著になり、実質的には低下傾向にあることもあって、排熱回収ボイラ入口排気温度T2も時系列的に低下する。
この場合に、ガスタービン出口排気温度T1について実質的な排気温度低下を判断することができないが、均一化された温度である排熱回収ボイラ入口排気温度を監視することによって、排気温度の低下分を確認することが可能である。排熱回収ボイラ入口排気温度は、図2の低下特性のように、実質的な排気温度低下分だけ低下し、燃焼温度も低下する傾向が表れている。
以上のことから本発明においては、ガスタービン出口排気温度T1だけではその実質的な排気温度低下を判断することができないが、排熱回収ボイラ入口排気温度T2との関係では、経年劣化を把握することが可能であるという点に着目している。つまり、新品時におけるガスタービン出口排気温度T1と排熱回収ボイラ入口排気温度T2の温度差ΔT0の、その後の変化を監視すれば時間経過とともに増大する傾向があり、これが所定値より増大すればそれは劣化と判断することができる。またこの判断結果を制御装置9での制御に反映することが可能である。
図3はガスタービン出口排気温度T1と排熱回収ボイラ入口排気温度T2の偏差ΔTの経年変化を示した図である。図2で説明したように、ガスタービン出口排気温度T1は経年変化しないことに対し、排熱回収ボイラ入口排気温度T2は時間経過により低下する傾向を示すため、両者の偏差ΔTは時間の経過に従って増加する傾向となる。
この偏差ΔTが増加傾向を示す理由は前述のとおりであり、高温部品の劣化が生じていない状態でも、ガスタービン出口排気温度T1と排熱回収ボイラ入口温度T2の偏差ΔTは生じるが、劣化が進行することによって、偏差は大きくなる傾向となる。
図3の横軸は時間、縦軸はガスタービン出口排気温度T1と排熱回収ボイラ入口排気温度T2の偏差ΔTである。この図3によれば、新品時の初期状態での温度差はΔT0である。以後時間経過とともに温度差ΔTが増加していく。
時間経過と温度差ΔTの上記関係を把握、利用して本発明では適宜運転態様を変更する。まずこの図において、温度差ΔTが第1の設定温度差ΔTbよりも小さい時間範囲(t0−t1)は、健全運転範囲であり、経年劣化が進展していない状態であるので通常運転を実施する。
これに対し、温度差ΔTが第1の設定温度差ΔTbと第2の設定温度差ΔTcの間にある時間範囲(t1−t2)は経年劣化が進展した状態であり、補正制御の適用範囲である。この範囲では、高い値に検知されたガスタービン出口排気温度T1により燃料流量が不必要に減少されていることを阻止し、この結果として燃焼温度T0、排熱回収ボイラ入口温度T2の温度低下を阻止し、効率アップを図る。
上記制御をおこなってもなお、温度差ΔTが第2の設定温度差ΔTc以上となる時間範囲(t2−tn)は、ある意味放置範囲であり、次のガスタービンの定期点検を待つ状態に入る。この状態でどのように運転するか、あるいは停止するかは適宜判断されるのがよい。
図4は、燃焼温度を一定に保つための燃料制御手法を採用した排気温度制御についての説明図である。同図は横軸が空気圧縮機1の吐出圧力Pc、縦軸がガスタービン出口排気温度T1を示している。
ガスタービンは定格出力付近では、許容される燃焼温度範囲内で、最大効率での運転となるように、燃焼温度T0が一定になるように燃料流量が制御される。しかし、燃焼温度T0は、1300℃と非常に高温であり、直接測定することは不可能であるため、空気圧縮機吐出圧力Pcとガスタービン出口排気温度T1から推定して制御されている。
実質的には計測した排気温度T1を利用して、燃焼温度T0の管理を行っているため、高温部品の劣化等によって排気温度T1が高めに検出されてしまうと、計画燃焼温度に達していなくても、排気温度T1は図4に示す排気温度制御線に一致するため、それ以上、燃料を投入することができなくなってしまい、その結果、燃焼温度T0低下による出力、効率の低下を招いてしまう。
この性能劣化を防ぐために、プラント性能監視装置である制御装置9内には、ガスタービン出口排気温度T1と排熱回収ボイラ入口温度T2との偏差ΔTと燃焼温度低下幅の関係がデータベース化され蓄積されている。また制御装置9内には、図3に示すように、あらかじめ、燃焼温度の補正を行う範囲を任意に定めておくことができ、回避したい出力・効率低下に相当する排気温度偏差ΔTb、ΔTcが制御装置9内に設定されることで、自動で対象となる性能劣化を検知することが可能である。
図5は制御装置内の構成を示す図である。この図を用いて、低下した燃焼温度の補正を自動で行う方法について説明する。図5に示す制御装置9は、3つの機能で構成されている。
このうち9Aは調節機能部であり、ガスタービン出口排気温度設定器91が与えるガスタービン出口排気温度の設定値T10に対して、計測したガスタービン出口排気温度T1との偏差ΔT1を減算回路92で求め、比例積分調節器93を介して燃料流量調節弁4を制御する。これにより、ガスタービン出口排気温度T1をその設定値T10に一致させるように作動する。なお、ガスタービン出口排気温度設定器91は図4の特性を用いて算出されるのがよい。また切替回路94は燃料流量調節弁4の複数の制御信号の中から、通常運転状態において比例積分調節器93からの制御信号を選択する。起動あるいは、停止運転状態などでは図示せず別の制御系からの制御信号が選択される。
また図5において9Bは排気温度補正部、9Cは補正条件確認部であり、これらの回路部分は本発明により追加されたものである。追加回路部分の説明の前に、従来における制御装置各部信号の時系列変化を確認しておく。但し、図5のガスタービン出口排気温度設定値T10は一定値を保持しているものとする。従来ではガスタービン出口排気温度T1が増加傾向を示すことから、減算回路92の温度偏差ΔT1は負の値となり、燃料流量調節弁4を絞り燃料を減少させるように働いてしまう。
つまり従来の回路構成では、排気温度補正部9Bの選択回路95が選択するガスタービン出口排気温度T1(信号X2)は時系列的増加傾向を示すことが原因となって燃料を減少させるように働らく。このため本発明では排気温度補正部9Bの選択回路95により、ガスタービン出口排気温度T1が時系列的増加傾向を示さない信号X2を選択し、燃料を減少させないようにした。なお信号X2は一定である必要はなく、時系列的増加傾向が緩和されていることが要求される。
補正条件確認部9Cは、要するに図3の時間範囲t1からt2の期間に、排気温度補正部9Bの選択回路95が選択するガスタービン出口排気温度信号としてX1を選択したものである。
まず、補正条件確認部9Cの論理について説明する。排気温度偏差ΔTは、図2で説明したガスタービン出口排気温度T1と排熱回収ボイラ入口温度T2との偏差ΔTであり、時系列的に増加する傾向を示す。比較回路99は、図3の関係において温度差ΔTが第1の設定温度差ΔTbよりも大きくなっている時に出力1を与える。同様に比較回路100は、図3の関係において温度差ΔTが第2の設定温度差ΔTcよりも小さい時に出力1を与える。従って論理積回路101は、手動による補正機能が行われているという前提のもとで、温度差ΔTが第1の設定温度差ΔTbと第2の設定温度差ΔTcの間にある時間範囲(t1−t2)において、排気温度補正部9Bの選択回路95が選択するガスタービン出口排気温度信号としてX1を選択せしめるものである。なお、温度差ΔTが第1の設定温度差ΔTbよりも小さいときには、帰還信号としてはX2を選択している。
次に排気温度補正部9Bの動作について数値を用いて説明する。まず、検出されたガスタービン出口排気温度T1は、例えば値が正常状態で10であるところ、11に向かって時系列的増加傾向を示したものとする。他方排気温度補正部9Bの排気温度補正量設定器102は、補正量ΔTXとして0.5の大きさを与えているものとする。このときの補正量ΔTXは、蓄積されたデータベースからガスタービン出口排気温度の補正量を定めたものである。
加算回路96では、10.5から11.5に向かって時系列的増加する信号が得られ、除算回路97には、10/10.5ないし11/11.5なる値が求められる。更に乗算回路98では加算回路96の出力にガスタービン出口排気温度T1が乗算される。このようにして得られた信号X1は、明らかに信号X2よりも小さな信号である。例えば、ガスタービン出口排気温度T1(信号X2)が11に増大した時のガスタービン出口排気温度T1(信号X1)は、10.5程度の大きさに緩和されている。
従って、最終的に選択回路95により選択された信号は、時間経過に伴い一度増加傾向を示すが、選択回路95での切り替え後は増加傾向は示すものの大きさが制限された時系列的変化を示すことになる。
以上述べたように、通常時は排気温度制御にフィードバックされるガスタービン出口排気温度T1は、測定された温度を利用しているが、図3に示す補正適用範囲内の排気温度偏差ΔTが検出されると、計測したガスタービン出口排気温度が補正される。図3の補正適用範囲にいるということは、高温部品の劣化によって測定領域の排気温度が局所的に高くなっているということであるため、計画時の温度になるように計測された排気温度の補正を行うことで、計画の燃焼温度に修正することが可能である。
図5に示すように、性能補正が行われない通常時は、計測されたガスタービン出口排気温度は、そのまま排気温度制御の演算へとフィードバックされるが、計測された排気温度偏差ΔTが、任意に決めた性能補正適用範囲内におり、かつ性能補正を実施する手動ボタンが押えている状態になると、補正を適用する仕組みとなっている。性能補正に関して、制御装置内に蓄積されているデータベースと測定された排気温度偏差ΔTとの関連性から、ガスタービン出口排気温度の補正量が算出される。
算出された補正量の分だけ、計測されたガスタービン出口排気温度を引き下げることによって、補正適用前よりも排気温度制御線とフィードバックされる排気温度の間に裕度ができるため、投入可能な燃料流量が増加し、燃焼温度を計画温度にまで引き上げることができる。以上の方法により低下した燃焼温度を計画温度にまで修正することによって、プラント性能劣化を補正することが可能である。
また、以上の説明では、コンバインドサイクルプラントでの実施例を説明したが、排熱回収ボイラ入口排気温度を、排気スタック入口排気温度に変更することによって、シンプルサイクルプラントにも同様な性能劣化補正機能を適用することが可能であり、この発明の範囲を限定する趣旨ではなく、単なる説明に過ぎないものである。
このように本発明は、ガスタービンと、ガスタービンの排ガスを利用する排熱回収ボイラとを有するコンバインドサイクル発電プラント、もしくはガスタービンと排気スタックを有するシンプルサイクル発電プラントに用いられ、ガスタービンの高温部品の劣化に伴う性能劣化を自動で補正する機能に関する。
ガスタービンの出口排気温度と排熱回収ボイラの入口排気温度の温度差、もしくはガスタービンの出口排気温度と排気スタックの入口排気温度の温度差を計測し、ガスタービンの運転を制御するプラント制御装置は、測定されたガスタービンの出口側温度と排熱回収ボイラの入口側温度の温度差の変化により、データベースに予め蓄積された温度差と燃焼温度との関係を用いて、計画燃焼温度と現状の燃焼温度の偏差を算出し、測定されたガスタービンの出口排気温度を補正することによって、燃焼温度を計画温度へ補正するように、燃料流量制御弁を制御することによって、ガスタービンの性能劣化を補正するようにしたものである。
かかる方法により、ガスタービン高温部品の劣化により生じるプラント性能劣化程度を把握し、自動で性能劣化を計画時の性能へ補正することができる。
また本発明のプラント制御装置は、データベースに予め蓄積された温度差と燃焼温度との関係を用いて、ガスタービンの計画燃焼温度と現状での燃焼温度の偏差を予測するものである。
さらにプラント制御装置は、燃焼温度が一定となるように、圧縮機出口圧力及び排気温度で設定される排気温度制御線を用いて、ガスタービンの出口側の排ガス温度が排気温度制御線に一致するように制御するようにしたものである。
さらにプラント制御装置は、燃焼温度の低下幅と性能劣化幅から、性能回復に必要なガスタービンの出口排気温度の増加幅を算出し、測定されたガスタービンの出口排気温度を補正することで、燃焼温度を計画温度へ調整するために燃料流量制御弁を制御する。
また本発明は、ガスタービンと、ガスタービンの排ガスを利用する排熱回収ボイラと、プラント制御装置を有するコンバインドサイクル発電プラント、もしくはガスタービンと、排気スタックと、プラント制御装置を有するシンプルサイクル発電プラントに用いられ、ガスタービンの高温部品の劣化に伴う性能劣化を自動で補正する。ガスタービンの出口排気温度と排熱回収ボイラの入口排気温度の温度差、もしくはガスタービンの出口排気温度と排気スタックの入口排気温度の温度差を計測し、ガスタービンの運転を制御するプラント制御装置は、測定されたガスタービンの出口側温度と排熱回収ボイラの入口側温度の温度差の変化により、データベースに予め蓄積された温度差と燃焼温度との関係を用いて、計画燃焼温度と現状の燃焼温度の偏差を算出し、測定された前記ガスタービンの出口排気温度を補正することによって、燃焼温度を計画温度へ補正するように、燃料流量制御弁を制御することによって、前記ガスタービンの性能劣化を自動で補正するようにしたものである。
1:空気圧縮機
2:燃焼器
3:ガスタービン
4:燃料流量調節弁
7:排熱回収ボイラ
8:排気ダクト
9:制御装置
9A:調節機能部
9B:排気温度補正部
9C:補正条件確認部
91:ガスタービン出口排気温度設定器
92:減算回路
93:比例積分調節器
94:切替回路
95:選択回路
96:加算回路
97:除算回路
98:乗算回路
99,100:比較回路
101:論理積回路
T1:ガスタービン出口排気温度
T2:排熱回収ボイラ入口排気温度
T10:ガスタービン出口排気温度の設定値
ΔT:排気温度偏差
ΔT1:ガスタービン出口排気温度設定値とガスタービン出口排気温度との偏差

Claims (7)

  1. 燃料と圧縮空気を用いて燃焼を行うガスタービンの排気を、排気ダクトを介して後流側の機器に与えるとともに、前記ガスタービン出口排気温度を設定値に制御すべく、前記燃料量を制御するガスタービンシステムの制御装置であって、
    前記ガスタービン出口排気温度を設定値に制御する調節機能部と、該調節機能部に与える前記ガスタービン出口排気温度を補正する排気温度補正部と、前記ガスタービン出口排気温度と前記後流側機器の入口排気温度の温度差が所定温度を超えることを検知する補正条件確認部とを備え、
    前記温度差が所定温度を超えるときには前記調節機能部に与える前記ガスタービン出口排気温度の増加を抑制する方向に補正することを特徴とするガスタービンシステムの制御装置。
  2. 請求項1記載のガスタービンシステムの制御装置であって、
    前記ガスタービン出口排気温度の増加を抑制する方向に補正するときの排気温度補正量は、蓄積されたデータベースから定められることを特徴とするガスタービンシステムの制御装置。
  3. 請求項2記載のガスタービンシステムの制御装置であって、
    前記データベースは、前記ガスタービン出口排気温度と前記後流側機器入口排気温度の温度偏差と、燃焼温度の関係を蓄積しているものであることを特徴とするガスタービンシステムの制御装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスタービンシステムの制御装置であって、
    前記ガスタービン出口排気温度の設定値は、ガスタービンの空気圧縮機出口圧力とガスタービン排気温度から定められることを特徴とするガスタービンシステムの制御装置。
  5. 請求項1または請求項2記載のガスタービンシステムの制御装置であって、
    前記ガスタービン出口排気温度の増加を抑制する方向に補正する処理は、前記ガスタービン出口排気温度と前記後流側機器の入口排気温度の温度差が所定温度範囲内にあるときに実施されることを特徴とするガスタービンシステムの制御装置。
  6. 燃料と圧縮空気を用いて燃焼を行うガスタービンの排気を、排気ダクトを介して後流側の機器に与えるとともに、前記ガスタービン出口排気温度を設定値に制御すべく、前記燃料量を制御するガスタービンシステムの制御方法であって、
    前記ガスタービン出口排気温度を設定値に制御するとともに、前記ガスタービン出口排気温度と前記後流側機器の入口排気温度の温度差が所定温度を超えるときには、前記設定値と比較される前記ガスタービン出口排気温度を、計測した値よりも小さい値に補正して与えることを特徴とするガスタービンシステムの制御方法。
  7. 燃料と圧縮空気を用いて燃焼を行うガスタービンの排気を、排気ダクトを介して後流側の機器に与えるとともに、前記ガスタービン出口排気温度を設定値に制御すべく、前記燃料量を制御するガスタービンシステムの制御方法であって、
    前記ガスタービン出口排気温度を設定値にすべく前記燃料量を制御するとともに、前記ガスタービン出口排気温度と前記後流側機器の入口排気温度の温度差が所定温度を超えるときには、前記燃料量を増やすことを特徴とするガスタービンシステムの制御方法。
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