JP2014517006A - ミツバチの寄生ダニ感染を制御するための組成物および方法 - Google Patents

ミツバチの寄生ダニ感染を制御するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

以下に記載するように、本発明は、ミツバチ寄生ダニを制御するため、あるいはミツバチの巣における寄生ダニ感染を処置または予防するための方法および組成物を特徴とする。特定の実施形態では、本発明は、殺ダニ剤送達装置を提供し、本装置は、少なくとも約15%のホップベータ酸のカリウム塩、溶媒および乳化剤を含むストリップである。
【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2011年6月6日に出願された米国仮特許出願第61/493,792号の利益および優先権を主張するものであり、その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ミツバチ(セイヨウミツバチ)は作物の有効な受粉のために必要であり、従って、世界の農業にとって重要である。ミツバチは、蜂蜜や蜜蝋などの経済的に重要な製品も生成する。ミツバチは、外部寄生ダニのミツバチヘギイタダニ(Varroa destructor)などの複数の寄生虫および病原体に感染しやすい。ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)は、蛹や成虫のミツバチに寄生し、蛹の育房で繁殖する。上記ダニは、その口を使用して外骨格に穴をあけ、ミツバチの血リンパを餌とする。外骨格内のこれらの創傷部位は、ヨーロッパ腐蛆病を引き起こすメリソコッカス・プルトン(Melissococcus pluton)などの細菌感染を保有する。それらの寄生効果に加えて、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)は、チヂレバネウイルス(DWV:deformed wing virus)、カシミアウイルス(KBV:Kashmir bee virus)、急性ミツバチ麻痺ウイルス(ABPV:acute bee paralysis virus)および黒色女王蜂児ウイルス(BQCV:black queen cell virus)などの複数のミツバチ病原体の媒介者として働き、それらの宿主の免疫系を弱め、それらを感染症に罹患しやすい状態にするのではないかと考えられている。ミツバチヘギイタダニ(Varroa)感染を処置せずに放置しておくと、典型的にコロニーレベルでの大量死が生じる。受粉のために利用可能な強力なミツバチコロニーの供給を維持することは、140億ドルを超える価値に値する農作物の持続的な生産のために米国の農業には欠かせない。2004年〜2005年の冬の間、ミツバチヘギイタダニ(Varroa)感染が原因で、米国の約40%のミツバチコロニーが弱体化または崩壊した。上記ダニは既存の殺ダニ剤に対して耐性を発達させるため、ミツバチヘギイタダニ(Varroa)感染の現在の処置方法は有効ではないことが分かっている。さらに、そのような殺ダニ剤の使用により、ヒトによる消費を目的とした蜂蜜に有害な化学物質が入り込むことがある。ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)感染を処置および予防するための新しい組成物および方法が緊急に必要とされている。そのような組成物は、ヒトの健康にリスクをもたらさない天然の成分のみを含むことが望ましい。
以下に記載するように、本発明は、ミツバチ寄生ダニを制御するため、あるいはミツバチの巣における寄生ダニ感染を処置または予防するための方法および組成物を特徴とする。一実施形態では、本装置は、ホップ酸(例えば、ベータ酸)を含むストリップである。一実施形態では、本ストリップは、溶媒(例えば、プロピレングリコール)中のベータ酸樹脂と、乳化剤(例えば、ポリソルベート)とを含む液体組成物を含む。一実施形態では、ベータ酸樹脂は、少なくとも約16%のホップベータ酸カリウム塩を含む。本ストリップを、プロピレングリコールもしくは別の溶媒に分散させた等量のベータ酸樹脂とポリソルベート60もしくは別の乳化剤とを含む溶液または安定な乳濁液で湿らせることが好ましい。一実施形態では、最終使用者(例えば、養蜂家)に配達するために本ストリップを包装する。湿らせたストリップをミツバチの巣の中に吊るし、それらを寄生ダニに感染しているミツバチに接触させる。ベータ酸は、接触により寄生ダニを死滅させ、ミツバチは、ミツバチの巣全体にホップベータ酸を分散させる。理論に縛られたくはないが、ミツバチは、毛づくろいおよび体と体との接触の過程でミツバチの巣全体にベータ酸を分散させる。以下に詳細に報告するように、ホップベータ酸は、ミツバチの巣内の寄生ダニ集団を減少させるのに有効であった。
本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
定義
「ダニ類」とは、クモ綱ダニ目を意味し、コダニおよびマダニを含む。
「アルファ酸」は、フムロン、アドフムロン、コフムロンまたはそれらの類似体もしくは誘導体との構造的相同性を有するホップ植物(学名:Humulus lupulus)に由来する有機酸を意味する。フムロン、アドフムロンおよびコフムロンは、3つの最も豊富なアルファ酸類似体である。アルファ酸の他の例示的な誘導体としては、イソアルファ酸、ローイソアルファ酸、テトラヒドロイソアルファ酸およびヘキサヒドロイソアルファ酸が挙げられるが、これらに限定されない。
「ベータ酸」とは、ルプロン、アドルプロン、コルプロンまたはそれらの類似体もしくは誘導体との構造的相同性を有するホップ植物(学名:Humulus lupulus)に由来する有機酸を意味する。ルプロン、アドルプロンおよびコルプロンは、3つの最も豊富なベータ酸類似体である。ベータ酸の他の例示的な誘導体としては、フルポン、ヘキサヒドロベータ酸およびヘキサヒドロフルポンが挙げられるが、これらに限定されない。
「生物学的機能」とは、生物のあらゆる生理活動または行動活動を意味する。例示的な生物学的機能としては、繁殖、呼吸、神経活動、移動運動が挙げられる。蜂蜜の生成は、ミツバチに特異的な生物学的機能である。
本開示では、「含む(comprises)」「含んでいる(comprising)」「含有している(containing)」および「有している(having)」などは、米国特許法に基づく意味を有することができ、「含む(includes)」「含んでいる(including)」などを意味することができ、「本質的に〜からなっている(consisting essentially of)」または「本質的に〜からなる(consist essentially)」も同様に米国特許法に基づく意味を有し、この用語は非限定的であり、列挙されているその基本的もしくは新規な特性が列挙されていないものの存在によって変更されない限り列挙されていないものの存在を認めるが、先行技術の実施形態を除外する。
「接触させること」とは、組成物に接触させること、組成物に関連させることまたは組成物との近接性を有することを意味する。例えば、ホップ誘導体は、ミツバチの巣構造の内側もしくは外側のいずれかでミツバチの巣に接触してもよい。
「制御放出」とは、時間、日、週または月にわたって放出されることを意味する。
「寄生ダニを制御すること」とは、ダニの生存を阻害すること、あるいはダニ集団の成長を低下、減速または安定化させることを意味する。
「ミツバチの巣板」とは、ミツバチの子孫(「ミツバチの子」)を育て、かつ蜂蜜および花粉を貯蔵するのに使用される、蜜蝋でできた六角形の単房からなる部分を意味する。
「有効量の殺ダニ剤」とは、ダニの生物学的機能を破壊するのに有効な量を意味する。
「乳濁液」とは、少なくとも2種の不混和性液体を含む混合物を意味する。典型的には、その液体のうちの一方は、他方の液体中に小さな液滴として分散されている。乳濁液は、2つの相が何時間、何日間または何週間も安定に混合されたままである安定な乳濁液であることが好ましい。乳濁液は、添加乳化剤を含有していても含有していなくてもよい。
「ミツバチの巣」とは、ミツバチのコロニーを含む人工の構造体を意味する。現代の箱型のミツバチの巣は典型的に、底板、覆い、および1つの箱を他の箱の上に積み上げた1つ以上の箱を含む。各箱は内部に、ミツバチの空間で離れた垂直位置に保持される一連のミツバチの巣板すなわち土台の移動可能な枠を含む。
「ミツバチ」とは、ミツバチ属の膜翅類昆虫を意味する。「ミツバチ」という用語は、昆虫の成体形に限定されず、限定されるものではないが、卵、幼虫および蛹などの全てのミツバチの発達段階を包含する。例示的なミツバチ種としては、セイヨウミツバチおよびトウヨウミツバチが挙げられる。
「ミツバチのコロニー」とは、ミツバチの集団を意味する。ミツバチのコロニーは、野生に生じているものであっても、養蜂家によって管理されているものであってもよい。
「ミツバチ寄生ダニ」とは、ミツバチに寄生するかミツバチの巣に寄生するあらゆるダニ類を意味する。例示的なミツバチ寄生ダニとしては、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)およびアカリンダニ(tracheal mite)が挙げられる。
「ホップ誘導体」とは、ホップ(学名:Humulus lupulus)に天然に生じるあらゆる分子およびその化学的誘導体を意味する。ホップ誘導体(例えば、アルファ酸、ベータ酸)は、ホップから精製されたものであっても化学合成されたものであってもよい。
「感染」とは、害虫によるある部位のコロニー形成または生物の寄生虫感染を意味する。
「単離されたホップ酸」とは、その天然状態で天然に付随する1種以上の成分から分離された本発明のホップ酸を意味する。本発明の単離されたホップ酸は、例えば天然源からの抽出または化学合成によって得てもよい。純度は、任意の適当な方法、例えば、カラムクロマトグラフィー、分光測定、ポリアクリルアミドゲル電気泳動またはHPLC分析によって測定することができる。
「殺ダニ剤」とは、ダニの生物学的機能を阻害する薬剤を意味する。
「殺ダニ活性」とは、コダニまたは他のダニ類の成長、繁殖または生存を阻害するあらゆる活性を意味する。
「核コロニー(nucleus colony)」とは、少なくとも1匹の女王バチ、1匹以上のミツバチ、蜂蜜の枠、およびミツバチの子を含む枠を含む出荷に適したパッケージを意味する。「ミツバチの子」とは、ミツバチの巣内で発達する卵、胚、幼虫および蛹段階のうちの任意の1つ以上を指す。典型的には、核コロニーは、箱、木枠、または宅配業者もしくは郵便による出荷に適した他の容器に包装される。
「包装されたミツバチ」とは、少なくとも1匹の女王バチおよび1匹以上のミツバチを含む出荷に適したパッケージを意味する。典型的には、包装されたミツバチは、交尾した女王バチおよび/または産卵中の女王バチおよび複数のミツバチ(例えば、1ポンド、2ポンド、3ポンドまたはそれ以上)を含む。本パッケージは、宅配業者または郵便による出荷に適している。
「ダニ感染を予防すること」とは、ダニ感染がミツバチ属コロニーにおいて確立されるという成功を減らすことを意味する。
「ダニ感染を処置すること」とは、ミツバチ属コロニーにおけるダニ集団の成長を低下、安定化または減速させることを意味する。
対照に対するHopGuard(登録商標)によるミツバチの巣の処置後に死滅したダニの平均数を示すグラフである。 従来の殺ダニ剤対照に対するHopGuard(登録商標)によるミツバチの巣の処置後に100匹のミツバチ当たりの死滅したダニの平均数を示すグラフである。 商業的環境における対照に対するHopGuard(登録商標)による処置後に1コロニー当たりの1日に死滅したダニの平均数を示すグラフである。 図4Aおよび図4Bは、ミツバチの巣を処置するために使用されているHopGuard(登録商標)ストリップの写真である。 HopGuardで処置したミツバチパッケージにおける24時間後に死滅したダニおよびミツバチの割合を示すグラフである。
本発明は、ダニ類およびヘギイタダニ科の他の近縁種を制御するための方法および組成物に関する。本発明は、一つには、ホップの天然に生じる成分がミツバチ寄生ダニ感染の予防または処置にとって有用であるという発見に基づいている。
好ましくは、本発明は、ミツバチの巣におけるダニ感染の処置または予防で使用されるホップ酸(例えば、アルファ酸、ベータ酸)を含む液体組成物を含むストリップを提供する。一実施形態では、本ストリップは、等量のベータ酸樹脂、溶媒(例えば、プロピレングリコール)および乳化剤(例えば、ポリソルベート)を含む。一実施形態では、ベータ酸樹脂は、少なくとも約15%のベータ酸カリウム塩および他の抽出物を含む。好ましくは、プロピレングリコールもしくは他の溶媒に分散させた等量のベータ酸樹脂と、ポリソルベート60もしくは他の乳化剤とを含む溶液または安定な乳濁液で本ストリップを湿らせる。湿らせたストリップを養蜂所に配達するために包装する。湿らせたストリップをミツバチの巣の中に吊るし、寄生ダニに感染したミツバチと接触させる。ベータ酸は、接触により寄生ダニを死滅させ、ミツバチは、ホップベータ酸をミツバチの巣全体に分散させる。理論に縛られたくはないが、ミツバチは、毛づくろいおよび体と体との接触の過程において、ベータ酸をミツバチの巣全体に分散させる。以下に詳細に報告するように、ホップベータ酸は、ミツバチの巣内の寄生ダニ集団の減少において有効であった。ミツバチは、ホップベータ酸をミツバチの巣全体に分散させる。理論に縛られたくはないが、ミツバチは、毛づくろいおよび体と体との接触の過程において、ベータ酸をミツバチの巣全体に分散させる。以下に詳細に報告するように、ホップベータ酸は、ミツバチの巣内の寄生ダニ集団を減少させるのに有効であった。
ミツバチ属
ミツバチは、卵、幼虫、蛹および成虫の4つのライフステージを経験する昆虫である。成虫のミツバチは、女王バチ、働きバチまたは雄バチの3つの階級のうちの1つに属する。女王バチは、繁殖を行うことができ、かつ全産卵の責任を担うコロニー内の唯一の雌である。働きバチは、蜂蜜を集め、女王バチの子孫すなわち「ミツバチの子」の世話をする、繁殖能力のない雌である。雄バチは、女王バチと交尾する雄のミツバチである。卵から成虫のミツバチまでのライフサイクルは、働きバチでは21日、雄バチでは24日間である。女王バチは、ミツバチの巣板の1つの単房に各卵を産む。卵は一般に、4日目に幼虫に孵化し、幼虫はその単房内でその発達を続ける。9日目に、発達中の幼虫がいる単房を蝋で蓋をし、幼虫は、蛹へと変態する。21日目に、新しい成体の働きバチが現れる。
ダニ類
ダニ類は、各種植物およびミツバチなどの動物に対して寄生虫として働く小型の寄生性クモ綱である。ミツバチを餌食とする寄生ダニとしては、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)(例えば、Varroa destructor、Varroa jacobsoni)およびアカリンダニ(tracheal mite)(例えば、Acarapis woodi)が挙げられる。アカリンダニ(tracheal mite)は、ミツバチの呼吸気管(respiratory tube)に住みつく、顕微鏡でしか見えない程の小さなダニである。ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)は、ミツバチの血リンパを餌とし、野生および養蜂ミツバチのコロニーに寄生する外部寄生虫である。ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)の繁殖は、育房が蓋で閉められる直前に成虫の雌ダニが育房に入ったときに始まる。働きバチの子よりも大きな単房で育てられる雄バチの子は、優先的にダニ感染の標的にされる。雌ダニは、その卵を産みつける前に幼虫の血リンパを餌にする。ミツバチヘギイタダニ(Varroa)の卵は、密閉された単房の下で孵化し、発達中のダニは、ミツバチの蛹を餌にする。雌のミツバチヘギイタダニ(Varroa)が産んだ最初の卵は発達して雄になる。次の卵は発達して雌になり、その兄弟と交尾する。交尾した雌ダニはその母親と共に、ミツバチが現れたときに蓋で閉められた単房から解放される。雌ダニは典型的に、腹部間または胴体領域間で成虫のミツバチに付着し、ミツバチの血リンパを餌にする。成虫のミツバチは、中間宿主および新しい感染部位への輸送手段として仕える。
望ましくは、ダニの制御に使用される殺ダニ剤は、i)ダニの生存に必要な生理学的機能を破壊しなければならない、ii)成虫のミツバチの死滅を引き起こしてはならない、iii)ヒトの養蜂家またはヒトによる消費を目的とした蜂蜜に対して有害作用を有していてはならない、そして、iv)ミツバチの巣に送達できるものでなければならないという4つの必要性に対処するものでなければならない。
ダニの制御
ミツバチ寄生ダニ感染を制御するために使用される製品は、ミツバチの巣内のダニ集団の成長を低下、安定化または減速させるか、ミツバチ寄生ダニの成長、生存、繁殖または他の生物学的機能を阻害する。殺ダニ剤はダニを死滅させることが好ましい。寄生ダニ感染を測定する方法は、当該技術分野で知られている。複数のパラメータは、ミツバチのコロニー内に存在する感染レベルを示すことができ、感染したミツバチの巣から得たミツバチの試料中に存在するダニの数をミツバチの巣に存在する感染レベルの尺度として使用することができ、活発的な感染を有するミツバチの巣で育てられたミツバチは、感染を有しないミツバチの巣で育てられたミツバチよりも平均的に小さく、従って、ミツバチの大きさまたは重量は、感染の別の尺度として使用することができ、感染したミツバチの巣で生成された蜂蜜の量は、健康なミツバチの巣で生成されたものよりも少なくなることがあり、従って、蜂蜜の生成量は、感染レベルのさらに別の尺度として機能することができ、最終的に、深刻な感染により、コロニーが完全に失われる。従って、コロニーの損失は、ミツバチの巣に存在する感染レベルの尺度になり得る。
寄生ダニ感染を測定する方法は、当該技術分野で知られている。複数のパラメータは、ミツバチのコロニー内に存在する感染レベルを示すことができ、感染したミツバチの巣から得たミツバチの試料中に存在するダニの数をミツバチの巣に存在する感染レベルの尺度として使用することができ、活発な感染を有するミツバチの巣で育てられたミツバチは、感染を有しないミツバチの巣で育てられたミツバチよりも平均的に小さく、従って、ミツバチの大きさまたは重量は、感染の別の尺度として使用することができ、感染したミツバチの巣で生成された蜂蜜の量は、健康なミツバチの巣で生成されたものよりも少なくなることがあり、従って、蜂蜜の生成量は、感染レベルのさらに別の尺度として機能することができ、最終的に、深刻な感染により、コロニーが完全に失われる。従って、コロニーの損失は、ミツバチの巣に存在する感染レベルの尺度になり得る。
一例では、雄バチの子の試料採取を行うことができる。蓋で閉められていた雄バチの子をミツバチの巣から取り出し、白色の蛹に対して容易に視覚化されるミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)について調べる。この方法では、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)に感染したミツバチの子の割合を測定する。粘着板上への自然なダニの落下は、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)を監視するために使用される最も一般的な方法である。ミツバチが粘着板に近づけないように金網篩を上に備えた粘着性の板またはワセリンで被覆された板をミツバチの巣の床に置き、その板を一定の期間にわたって適所に置いたままにする。1〜3日後にその板を取り出し、養蜂家が粘着板上のダニの数を数える。24時間のダニの落下数は、ミツバチの巣の感染レベルの尺度を提供する。あるいは、その板を2、3日またはそれ以上の日数にわたって適所に置いたままにして、1日のダニの平均落下数を測定する。
粉砂糖による試料採取は、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)集団を監視する第3の一般的な方法である。この方法では、約300匹の生きている内勤バチ(nurse bee)(1/2カップのミツバチ)の試料を広口瓶ですくい上げて、粉砂糖と共に約1分間優しく振盪する。粉砂糖によりダニがミツバチから剥がれ落ち、ダニを明るい色の皿の中に放り出して計数する。1匹のミツバチ当たりのダニまたは1/2カップの試料当たりのダニの数は、感染レベルの尺度を提供する。
あるいは、試料採取されたミツバチを、アルコールまたは石鹸水による洗浄で死滅させ、その試料を二重ストレーナに通して注ぐ。粗いメッシュでミツバチを捕えるが、ダニを通すことができ、第2のより細かい篩でダニを捕え、液体を流し出すことができる。次いで、試料中に存在するダニを計数する。
一実施形態では、本発明の殺ダニ剤は、ミツバチの巣における感染レベルを少なくとも10%、25%、50%、75%またはさらには100%も低下させる。別の実施形態では、本発明の殺ダニ剤は、少なくとも50%、60%または70%のダニ致死率を誘発する。好ましくは、本殺ダニ剤は、75%、80%、90%、さらには95%または100%のダニ致死率を誘発する。スクリーニング方法を使用して、成虫のミツバチに対する致死作用を最小に抑えると共に、ダニに致死的な(例えば、少なくとも70%のダニ致死率を誘発する)ホップ誘導体の濃度を特定する。
あるいは、本発明の殺ダニ剤は、ダニの繁殖を阻害する。好ましくは、本殺ダニ剤は、ダニの繁殖を少なくとも25%、50%、75%または100%低下させる。別の手法では、本殺ダニ剤は、ダニ類の移動運動に必要な生物学的機能を破壊し、そのような処置により、ダニを捕え、溺死させ、ある領域から分離するか他の方法で除去することができる。本発明は、包装されたミツバチおよび核コロニーにおけるダニの制御をさらに提供する。包装されたミツバチおよび核コロニーは典型的に、交尾した女王バチおよび複数のミツバチ(例えば、1、2、3、4、5ポンド)を含む。包装されたミツバチおよび核コロニーは典型的に、1つ以上のミツバチの巣の開始、拡張または置き換えに使用するために、最終使用者(例えば、養蜂家)に出荷される。多くのミツバチのコロニーはミツバチ寄生ダニに感染しているため、包装されたミツバチおよび核コロニーの出荷により、感染を拡大または増加させる可能性がある。包装されたミツバチおよび核コロニーを本発明の組成物で処置することで、パッケージすなわち核におけるダニ感染を低下させるか、さらには排除することもできる。一実施形態では、本パッケージまたは核は、本発明のストリップを含む。別の実施形態では、本パッケージまたは容器の一部を、単離されたホップ酸またはホップ酸誘導体(例えば、ホップベータ酸)を含む組成物に含浸する。
殺ダニ剤のスクリーニング
ダニ感染を制御するために現在使用されている市販製品は、高濃度で投与した場合、成虫のミツバチを死に至らしめることがあり、ヒトの養蜂家に対して有害作用を有することがあり、ヒトによる消費を目的とした蜂蜜を汚染することがある。従来の殺ダニ剤としては、タウフルバリナート(Tau−Fluvalinate)(選択的接触および消化中毒剤として使用される合成のピレスロイド化合物)および、シラミ、マダニおよびコダニを制御するために動物に使用されるクマホス(全身性有機リン酸エステル)が挙げられる。従来の殺ダニ剤とは対照的に、本発明の組成物は、ホップに由来する安全な天然の生成物を含有する。ホップは、ビールの風味付けのために何世紀もの間使用されてきた。従って、ホップ誘導体を含む製剤は一般に安全である。本発明の殺ダニ組成物は、ヒトの養蜂家またはヒトによる消費を目的とした蜂蜜に悪影響を与えない。
本発明の殺ダニ剤は、それらのライフステージのいずれかの間にミツバチに対して有害作用がほとんどないが、ダニの生物学的機能を奪うか破壊するのに有効なホップ誘導体濃度を含む。本明細書中に報告するように、4%の濃度で送達したベータ酸すなわちホップ誘導体は、成虫のミツバチにおける致死率を0%にすると共に、曝露されたダニの87%を4時間後に死滅させた。1つの手法では、ダニを様々な濃度のホップ誘導体に曝露して曝露されたダニの50%〜100%を死滅させるそれらの濃度を特定する。次いで、成体のミツバチを殺ダニ活性を有するホップ誘導体濃度に曝露して、ミツバチの生存に対して最小の影響を有する濃度を特定する。殺ダニ組成物への曝露後に、少なくとも75%、80%、85%、90%、95%または100%の成虫のミツバチが生存することが好ましい。同様の手法では、ホップ誘導体のダニおよびミツバチの繁殖に対する効果を評価する。スクリーニングアッセイを使用して、雌ダニの産卵数を減少させるか、孵化する卵の数を減少させるか、または繁殖可能な成熟期まで成長するダニの数を減少させる殺ダニ剤の濃度を測定する。その減少は、少なくとも25%、50%、75%、85%、95%または100%であることが好ましい。
ホップ誘導体
ホップ誘導体は、ホップ植物(学名:Humulus lupulus)中に天然に生じるか化学的に誘導された(自然な生合成過程(例えば、生きている生物(例えば、哺乳類、植物、細菌)の代謝)またはヒトの介入(例えば、化学合成)を用いた合成過程による)化合物である。本発明の組成物は、ホップから誘導された1種以上の化合物を含む。特に興味深いのはホップ酸である。ホップは、2種類の主な有機酸クラスすなわちアルファ酸およびベータ酸を含有する。ホップ酸は、ビールの製造で使用されるホップの苦味酸成分である。アルファ酸には3つの主な類似体すなわちフムロン、コフムロンおよびアドフムロンが存在し、ベータ酸には3つの主な類似体すなわちルプロン、コルプロンおよびアドルプロンが存在する。アルファ酸およびベータ酸中に存在する類似体の割合は、品種に依存している。従って、ホップ誘導体およびホップ製品は典型的に、これらの類似体のうちの1種または混合物を含有する。存在する類似体の割合は、誘導体または製品を生成するために使用されるホップの品種に依存している。アルファ酸およびベータ酸は、天然のホップからの精製および従来の方法に係る化学合成によっても調製することができる。例示的なホップ誘導体としては、ベータ酸、ヘキサヒドロベータ酸、ローイソアルファ酸、イソアルファ酸、テトラヒドロイソアルファ酸およびヘキサヒドロイソアルファ酸が挙げられる。ホップ誘導体を含む組成物は商業的にも入手可能である。John I. Haas社のホップ誘導体含有製品としては、Redihop(登録商標)、Isohop(登録商標)、Tetrahop Gold(登録商標)、Hexahop Gold(登録商標)、MgRIAAおよびMgBetaが挙げられる。これらの製品中の有効成分はそれぞれ、ベータ酸、ローイソアルファ酸(RIAA)、イソアルファ酸(IAA)、テトラヒドロイソアルファ酸(THIAA)、ヘキサヒドロイソアルファ酸(HHIAA)、ローイソアルファ酸のマグネシウム塩(MgRIAA)およびベータ酸のマグネシウム塩(MgBeta)である。便宜上、これらの製品の情報を表1に列挙する。これらの製品および/またはホップ誘導体は典型的に、本発明の方法で使用するために所望の濃度まで希釈される。
植物抽出物は、植物(例えば、ホップ)から化合物を精製するために使用することが多い。抽出物は、乾燥後に乾燥材料を切断または粉砕して調製することができる。「抽出物」という用語は、ホップなどの植物の基本的成分の濃縮された調製物を指す。典型的には、抽出物は植物を乾燥および粉末化して調製される。任意に、植物、乾燥した植物または粉末化した植物を溶液中で沸騰させてもよい。抽出物は液体状態で使用してもよく、また他の液体または固体のハーブ抽出物と混合してもよい。あるいは、液体状態から固体の抽出物をさらに沈殿させることにより、抽出物を得てもよい。次いで、溶媒、典型的にはエタノール/水混合物、メタノール、ブタノール、イソブチルアルコール、アセトン、ヘキサン、石油エーテルまたは他の有機溶媒を適当に選択して、浸漬抽出法、浸出抽出法、再浸出抽出法、向流抽出法、ターボ抽出法または超臨界二酸化炭素(温度/圧力)抽出法によって、抽出過程を行ってもよい。次いで、抽出物をさらに蒸発させ、そのように濃縮して、空気乾燥、噴霧乾燥、真空オーブン乾燥、流動床乾燥または凍結乾燥により抽出物製品を得る。
粗製抽出物を本明細書に記載されている殺ダニ活性について試験する。観察される効果に寄与する化学成分を単離するためには、殺ダニ活性を有する有益で主要な抽出物のさらなる分別が必要である。従って、抽出、分別および精製過程の目標は、ダニの生物学的機能を破壊する粗製抽出物中の化学物質の慎重な特性評価および同定である。そのような不均質な抽出物の分別および精製方法は当該技術分野で知られている。所望であれば、当該技術分野で知られている方法に従って、殺ダニ剤として有用であることが分かっている化合物を化学修飾する。
候補化合物の化学合成のために、数多くの方法が利用可能である。そのような化合物は、当業者に知られている標準的な合成技術および方法論を用いて、容易に入手可能な出発物質から合成することができる。本明細書に記載されている方法によって同定される化合物を合成するのに有用な合成化学変換および保護基方法論(保護および脱保護)は、当該技術分野で知られており、例えば、R. Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers (1989)、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd ed., John Wiley and Sons (1991)、L. Fieser and M. Fieser, Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1994)、L. Paquette, ed., Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, John Wiley and Sons (1995)、およびM. Verzele and D. De Keukeleire, Chemistry and Analysis of Hop and Beer Bitter Acids, Elsevier: Amsterdam (1991)に記載されているものが挙げられる。化学合成したアルファ酸およびベータ酸を反応混合物から分離して、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーまたは再結晶化などの方法でさらに精製することができる。当業者には理解されるように、本明細書中の化合物を合成するさらなる方法は、当業者には明らかであろう。さらに、様々な合成工程を別の順序または順番で行なって所望の化合物を得てもよい。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでいてもよく、故に、ラセミ体およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として生じてもよい。これらの化合物の全てのそのような異性体は、明示的に本発明に含まれる。また、本発明の化合物は、複数の互変異性型で表されている場合があり、そのような場合、本発明は、本明細書に記載されている化合物の全ての互変異性型を明示的に含む。そのような化合物の全てのそのような異性体は、明示的に本発明に含まれる。本明細書に記載されている化合物の全ての結晶形は、明示的に本発明に含まれる。本明細書に使用されているように、本明細書に記載されている式の化合物などの本発明の化合物は、誘導体を含むように定義される。誘導体としては、所望の特性を高めるために適当な官能性を付加することにより修正された本発明の化合物が挙げられる。
本発明の化合物の許容される塩としては、許容される無機および有機の酸および塩基から誘導されたものが挙げられる。好適な酸塩の例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸酸、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、パルモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が挙げられる。本発明の化合物およびその許容される酸付加塩を得る際に中間体として有用な塩の調製でシュウ酸などの他の酸を用いてもよい。適当な塩基から誘導された塩としては、アルカリ金属(例えばナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)塩、アンモニウム塩およびN−(アルキル) 塩が挙げられる。本発明は、本明細書に開示されている化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化も想定している。水溶性もしくは油溶性または分散性の製品もそのような四級化によって得てもよい。
特に、少なくとも1年の貯蔵後に、本発明の組成物は、施用時に存在していたホップ酸の少なくとも約95%〜100%を保持していることが分かった。
水溶性ホップ酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩)および水不溶性ホップ酸アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)は、典型的に約0.1%〜約95%の範囲のレベルで希釈剤または担体中に存在する。本明細書中の方法は、所望または規定の殺ダニ効果を達成するために、有効量の化合物または化合物組成物の投与を想定している。好ましくは、有効成分(例えば、ホップ酸アルカリ金属塩、ホップ酸アルカリ土類金属塩またはそれらの組み合わせ)の量を、送達に適した粉末を形成するために、担体材料(例えば、マルトデキストリン、クラスターデキストリン、コーンスターチ、コーンシロップ固形物、グルコース、シクロデキストリン、アラビアゴム、カラギナン(calaginan)、イヌリン、部分的に水素化された大豆油、セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ロジン、ヒプロメロースと組み合わせる。いくつかの用途では、溶液またはスラリーを形成するために、希釈剤(例えば、スクロースもしくはグルコース溶液、水、液汁、他の水溶液、水混和性溶媒(エタノール、クレモフォール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、イソプロピルアルコール(IPA)またはグリセリンおよび他の溶媒))を用いて、本発明の殺ダニ剤を液体として製剤化する。
典型的な殺ダニ製剤は、約1%〜約95%のホップ酸を含有し、ここでは、範囲の下限は5〜94の任意の整数であり、範囲の上限は6〜95の任意の整数であり、ホップ酸は、殺ダニ活性を有する製品の製造方法で使用するのに適した担体(例えば、マルトデキストリン、クラスターデキストリン、コーンスターチ、コーンシロップ固形物、グルコース、シクロデキストリン、アラビアゴム、カラギナン、イヌリン、ロジン、部分的に水素化された大豆油、セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース)に入れて提供される。非水性殺ダニ組成物が望ましい場合、本発明の殺ダニ剤を、ロジンまたは部分的に水素化された大豆油と共に製剤化することが好ましい。例えば水性スラリー中の活性な殺ダニ組成物の徐放のために、そのような組成物を使用してもよい。さらに他の実施形態では、本発明の殺ダニ組成物をセルロース粉末中に分散させる。上記実施形態のそれぞれにおいて、ホップ酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)または他のホップ酸塩を、マルトデキストリン、クラスターデキストリン、コーンスターチ、コーンシロップ固形物、グルコース、シクロデキストリン、アラビアゴム、カラギナン、イヌリン、ロジン、部分的に水素化された大豆油、セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒプロメロースのうちの任意の1種以上と共に、水、エタノールまたは別の希釈剤に分散または溶解する。次いで、本組成物を噴霧乾燥して、1mm未満の大きさの粒子の形成を促進する。粒子が少なくとも約1μm、5μm、10μm、25μm、50μm、75μm、100μm、150μm、200μm、500μm、1mm、2mmまたは5mmの大きさになるように、噴霧乾燥に使用される条件を調整することが好ましい。ホップ酸の担体に対する比は、約1:2〜1:100の範囲である。好ましい比としては、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:20、1:30、1:50、1:75および1:100が挙げられる。あるいは、本発明の組成物は、希釈剤または担体中に少なくとも約1%、10%、20%、30%、50%、60%、75%、80%、90%または95%のホップ酸アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩)またはホップ酸アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩)を含む。ホップ酸の全てが金属の形態である必要はない。本組成物中に存在する5%〜100%の範囲のホップ酸は、任意の所与の時間において金属の形態であり、95%〜0%は遊離酸として存在する。様々な実施形態では、本発明の組成物はホップ酸を含有し、ここでは、90%が金属の形態で存在しかつ10%が酸の形態で存在し、50%が金属の形態で存在しかつ50%が酸の形態で存在し、10%が金属の形態で存在しかつ90%が酸の形態で存在する。
好ましい実施形態では、本製剤は、担体または希釈剤中に1〜95%(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、25%、75%、80%、90%、95%)のホップ酸を含む。あるいは、そのような製剤は、約20%〜約80%のホップ酸を含有する。アルファ酸またはベータ酸を含有する組成物は、通常の方法で製造される。製品に添加するのに適したホップ酸は、それらの調製中、調製後であって貯蔵前、あるいは業者または消費者へのそれらの販売前の任意の時点で製品に投与するのに適した通常の錠剤、カプセル、固体、液体、乳濁液、スラリー、細顆粒または粉末として製剤化することができる。上に列挙した量よりも少ない量または多い量が必要になることもある。本明細書に詳述されている組成物は、ダニの成長または生存を阻害するのに有効な量で、本明細書に詳述されている式の化合物ならびにさらなる殺ダニ剤(存在する場合)を含む。ダニの阻害が望まれる実質的にあらゆる用途で本発明の殺ダニ組成物を使用してもよい。例えば、本発明の組成物を使用して、ダニの成長、増殖または生存を防止、低下、阻害、減速または安定化させる。
ミツバチに悪影響を与えることなくダニを有効に死滅させるために、本明細書に列挙されているものよりも少ない量または多い量が必要となることがある。具体的な投与量および処置計画は、本明細書に記載されているように経験に基づいて決定する。本発明の組成物は、ダニ感染の確立を防止するため、確立されたダニ感染を処置するため、およびダニ感染に対して以前に処置したミツバチの巣の健康を維持するためにも有用である。
製剤
ホップ誘導体は、複数の好都合な製剤としてミツバチまたはミツバチの巣に与えることができる。一般に、処置用または予防用薬剤をミツバチの巣の中に分散させるための戦略は、i)当該薬剤を餌源(例えば、液体または固体の餌)の中に与えること、ii)当該薬剤を、本組成物をコロニーから除去するように設計された衛生行動を誘発する組成物(ミツバチによって引き裂かれるように設計された小包)の中に与えること、またはiii)当該薬剤を、ミツバチによりコロニー全体に分散される形態(例えば、ミツバチの巣の入り口に設けられた追跡粉末(tracking powder))の中に与えることに依存している。本発明の製剤は、育房またはミツバチの巣において成虫のミツバチの体に付着したダニを標的とするように使用する。本発明の組成物は、ミツバチの巣の中で少なくとも41日間活性であることが望ましい。これにより、典型的には21〜30日の間に完了するダニのライフサイクル全体にわたって本殺ダニ剤を存在させることができる。活性が維持される期間がより短い場合(例えば、7日間、14日間、21日間または30日間)、本発明の組成物の繰り返しの投与が望まれたり必要とされたりすることがある。より長い期間(例えば、2ヵ月、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月または12ヶ月間)活性である組成物も想定されている。ダニ感染の長期間の処置または予防のために、そのような組成物を使用してもよい。
乳濁液
本発明の殺ダニ剤を乳濁液または溶液として提供することもできる。乳濁液製剤は、油中水型(w/o)または水中油型(o/w)として提供することができる。液滴直径は、ナノメートル規模(コロイド分散系)から数百ミクロンの範囲で異なってもよい。通常、各種界面活性剤および増粘剤を本製剤に組み込んで、液滴直径を変更し、乳濁液を安定化させ、かつ放出を変更する。一実施形態では、ホップベータ酸(例えば、ホップベータ酸樹脂、ホップベータ酸のカリウム塩)を溶媒(例えば、プロピレングリコール)に分散させて乳濁液を形成する。所望であれば、乳化剤(例えば、ポリソルベート60、レシチン)を用いて乳濁液を安定化させる。乳化剤は当該技術分野で知られており、本明細書に記載されている。ミツバチ寄生ダニ感染を処置するために使用される好ましい製品の1つはHopGuard(登録商標)である。HopGuardは、33.3%のホップベータ酸樹脂のカリウム塩、33.3%のプロピレングリコールおよび33.3%のポリソルベート60を含む液体の溶液または乳濁液である。好ましくは、ホップベータ酸を、乳化剤として添加されたポリソルベート60を含むプロピレングリコール溶媒中に分散させる。次いで、乳濁液を含む生分解性ストリップをミツバチの巣に運ぶ。本ストリップをホップベータ酸樹脂、プロピレングリコールおよびポリソルベート60に接触させて湿らせる。
粉末状製剤
現在の殺ダニ剤は、幅が約1インチ、長さが9インチ、厚さが1/4インチのプラスチック製の非生分解性ストリップに付着させてミツバチの巣の中に入れられる。ホップ誘導体の送達のために同様の手段を使用することができる。他のストリップ組成物としては、膜、紙、プラスチックおよびポリマーストリップが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、ホップ誘導体を含む組成物は、粉末状製剤として提供される。基板材料をホップ酸の粉末状製剤で被覆し、次いで、その被覆物を粉砂糖などのミツバチにとって魅力的な物質の相で覆う。このストリップをミツバチの巣の内部に置き、そこで成虫のミツバチが粉砂糖を噛み砕き、粉末状ホップ酸が露出される。粉末状ホップ酸は、成虫のミツバチの体に付着し、それにより成虫のミツバチの体表に存在するダニに接触して、ダニを死滅させる。あるいは、ホップ酸がミツバチによって消費され、その血リンパに入り、次いで血リンパがダニによって消費され、それによりダニを死滅させる。
別の手法では、粉末状混合物を「ティーバッグ」に似た半透性小袋に入れて、ミツバチの巣に運ぶ。ミツバチの巣からこの異物を除去するために、ミツバチはこの小袋を引き裂き、それにより粉末が放出される。粉末状ホップ酸が成虫のミツバチの体に付着し、ミツバチの巣全体に分散され、それによりミツバチの体表に存在するダニを死滅させ(またはそれ以外の方法でダニの増殖または生存を妨害し)、ダニ感染を阻害する。
カプセル剤
1つの手法では、ホップ誘導体は、カプセル剤(液体または粉末)として提供される。液体または粉末形態のホップ誘導体を、ミツバチの巣の内部でゆっくりと分解する被覆物でカプセル化することが好ましい。この被覆物により、ホップ誘導体の長期放出が得られる。2〜6週間(例えば、2、3、4、5、6週間)の間に本組成物を放出させることが好ましい。カプセル材料での使用に適した具体的な材料としては、シリカ、真珠岩、タルク、粘土、葉蝋石、珪藻土、ゼラチンおよびゲルなどの多孔性粒子もしくは基材、ポリマー(例えば、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステルなど)、ポリマー粒子またはセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。これらとしては、例えば、上に明記されているホップ誘導体または他の化合物を壁から放出する中空繊維、中空管または管、管の開口部から本化合物を放出する毛管、ポリマーマトリックスから本化合物を放出する異なる形状の、例えば、ストリップ、ブロック、錠剤、円盤状のポリマーブロック、不透過性容器内に本化合物を保持し、かつ測定された透過膜からそれを放出する膜システムおよび上記組み合わせが挙げられる。そのような分配投与組成物の例は、ポリマー積層体、ポリ塩化ビニルペレットおよびマイクロキャピラリーである。養蜂での使用に適したカプセル化法は、例えば、Rieth et al., Journal of Apiculture Research 25(2):78-84 (1986)に記載されている。
カプセル化法は典型的に、化学的または機械的なのものに分類される。カプセル化のための化学的方法の例としては、複合コアセルベーション、ポリマー―ポリマー不相容性(polymer-polymer incompatibility)、液体媒体中での界面重合、原位置重合、液中乾燥、液体媒体中での熱およびイオンゲル化、液体媒体中での脱溶媒和、澱粉系化学的方法、シクロデキストリン包接およびリポソームの形成が挙げられるが、これらに限定されない。カプセル化のための機械的方法の例としては、噴霧乾燥、噴霧冷却、流動床、静電堆積、遠心押出、回転盤もしくは回転懸濁液分離、環状噴流カプセル化、液気もしくは固気界面での重合、溶媒蒸発、溶剤抽出浴内への圧力押出もしくは噴霧が挙げられるが、これらに限定されない。
マイクロカプセルも殺ダニ剤の長期放出に適している。マイクロカプセルは、被覆物すなわちシェルによって囲まれたコア材料すなわち有効成分を含有する小さな粒子である。マイクロカプセルの大きさは典型的に、1〜1000ミクロンの範囲で異なり、1ミクロン未満のカプセルはナノカプセルに分類され、1000ミクロンを超えるカプセルはマクロカプセルに分類される。コア負荷量は通常、0.1〜98重量%の範囲で異なる。マイクロカプセルは、様々な構造(連続コアシェル、多核または一体構造)を有することができ、かつ不規則または幾何学的な形状を有することができる。
別の手法では、ホップ誘導体は、油系送達システムとして提供される。油とホップ誘導体の混合物を固体基材上に堆積させ、ホップ誘導体を含むこの基材をミツバチの巣の中に置き、次いでそこでダニに接触させてダニを死滅させる。油放出基材としては、植物油および/または鉱油が挙げられる。一実施形態では、基材は、本組成物を水の中に容易に分散可能にする界面活性剤も含有する。そのような界面活性剤としては、湿潤剤、乳化剤、分散剤などが挙げられる。
あるいは、本発明の殺ダニ剤は、固形錠剤として製剤化してもよく、油、タンパク質/炭水化物材料(好ましくは野菜系)、甘味料およびミツバチにおける寄生虫感染の予防または処置に有用な有効成分を含む(好ましくは、本質的にそれらからなる)。そのような組成物の製造方法は当該技術分野で知られており、例えば、米国特許出願公開第20060008492号に記載されている。一実施形態では、本発明は固形錠剤を提供し、油、タンパク質/炭水化物材料(好ましくは、野菜系)、甘味料、ダニ感染の予防または処置に有用な有効成分(例えば、ホップアルファおよび/またはベータ酸またはそれらの組み合わせもしくは誘導体)を含む(好ましくは、本質的にそれらからなる)。錠剤は典型的に、約4〜40重量%(例えば、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%)の油(例えば、トウモロコシ油、ヒマワリ油、落花生油、オリーブ油、ブドウ種子油、キリ油、カブ油、大豆油、綿実油、クルミ油、椰子油、ヒマシ油、アースアーモンド油、ヘーゼルナッツ油、アボカド油、胡麻油、ハズ油、カカオ脂、亜麻仁油、ナタネ油およびカノーラ油などの植物油およびそれらの水素化誘導体、石油由来の油(例えば、パラフィンおよびワセリン)および他の水不混和性炭化水素(例えば、パラフィン))を含有する。錠剤は、約5〜40重量%(例えば、5重量%、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%)の植物系タンパク質/炭水化物材料をさらに含有する。上記材料は、炭水化物部分(例えば、小麦、ライ麦、大麦、カラス麦、トウモロコシ、米、粟、モロコシ、粒餌、蕎麦、アルファルファ、ムラサキウマゴヤシ(mielga)、トウモロコシ粉、大豆粉、穀粉、小麦シャープス、小麦ふすま、トウモロコシグルテンミール、藻類粉、乾燥酵母、豆、米などの穀物に由来するもの)とタンパク質部分の両方を含有する。当該材料を構成している各部分の相対的割合は異なってもよいが、当該材料は、炭水化物およびタンパク質の少なくとも一部を含むものでなければならない。
錠剤は、約10〜75重量%(10、15、20、25、50、75重量%)の甘味料も含有する。本明細書に使用されている「甘味料」という用語は一般に、天然および人工の甘味料の両方を指す。好ましくは、甘味料は、グルコース、フラクトース、スクロース、ガラクトース、ラクトースおよび反転糖(reversed sugar)などの糖である。糖は、グラニュー糖(白糖)、黒糖、粉砂糖(confectioner's sugar)、微糖(impalpable sugar)、粉砂糖(icing sugar)およびそれらの組み合わせからなる群から選択されることが好ましい。また、グリセリンなどのアルコール類および澱粉などの複合糖質を「甘味料」成分として使用してもよい。甘味料は主に昆虫の誘引剤として使用されるが、特に甘味料が糖である場合、甘味料は、錠剤に粒状構造を与えるのにも役立つ。先に述べたように、この粒状構造により、十分な力を与えると錠剤は徐々に粉々に砕けることができる。
有効成分の送達を支援するため、または錠剤に適当な構造を与えるために、各種賦形剤および結合剤を任意に使用することができる。好ましい賦形剤および結合剤としては、無水ラクトース、微結晶性セルロース、コーンスターチ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびそれらの混合物が挙げられる。
本発明に係る錠剤は、全ての成分を一緒に混合した後、混合物を圧縮して特定の用途のための所望の形状および大きさの錠剤にして製造する。錠剤は、約2〜5インチの直径および約0.5〜2インチの厚さを有する円板状であることが好ましい。手動または自動の圧縮装置により圧縮を達成してもよい。混合物に加えられる圧力は、錠剤を自己持続体(self-sustaining body)に形成するのに十分なものでなければならない。
有効成分を本発明に係る昆虫に送達する方法は、先に述べた有効成分を含有する固形錠剤を提供する工程と、錠剤を昆虫がそれに直接接触し得る位置に置く工程とを含む。一般に、製造されたミツバチの巣にコロニー形成されたミツバチを処置する際には、錠剤をミツバチの巣の内部に置くことが好ましい。
錠剤をミツバチの巣の中に配置した後の次の数週間にわたって、ミツバチが錠剤を噛み砕き、有効成分が他のミツバチに曝露される。錠剤のくずが、蜂蜜用巣箱からミツバチの子箱全体に剥がれ落ちる。錠剤全体が約30〜45日で崩壊することが好ましい。
本発明の殺ダニ剤は、ミツバチにとって魅力的であり、かつ摂食行動を誘発するシロップの形態で送達することもできる。本発明で使用されるシロップは、糖および水を含むことが好ましい。50%w/vのスクロース溶液が特に好ましい。ホップ酸を50%のスクロース水溶液を含む糖シロップ中に分散させて、液体組成物を形成する。本組成物はミツバチ用の飼料添加物(feed supplement)として使用し、ミツバチの巣の中または近くの好適な位置に置くことができる。
本発明の殺ダニ剤は、ミツバチの衛生行動を誘発するのに適した小包に入れて送達することもできる。ホップ酸および糖の微粉末をミツバチが切り裂くことができる多孔性材料に封入して、そのような小包を調製する。好ましくは、多孔性材料は、パラフィン紙または濾紙でできている。好適な濾紙としては、アバカ繊維、木材パルプおよびセルロースレーヨン繊維を含むものが挙げられる。所望であれば、コポリマーと混合したポリエチレン、コポリマーと混合したポリプロピレン、または100%ポリプロピレンで紙を被覆する。
他の実施形態では、殺ダニ剤を散粉組成物または粉末として調製する。散粉組成物は典型的に、糖を微粉末に粉砕し、それを粉末ホップ酸の中に混合して調製する。あるいは、散粉組成物は、マルトデキストリンに関して実施例3に記載されているように調製し、噴霧乾燥によって粉末を得る。当業者は、ミツバチへの送達を容易にする大きさの粒子または顆粒を達成するために、噴霧乾燥工程で使用される条件を調整する。粉末は、ミツバチおよびその身体部分(例えば、関節、溝、剛毛)全てを被覆する微粒子を含むことが望ましい。散粉組成物は、ミツバチの枠の上部、ミツバチの巣内のミツバチの巣板、またはミツバチの巣の内面に直接散布することができ、あるいはミツバチの群れに直接散布してもよい。
あるいは、ホップ酸を任意の好適な液体中に分散させて形成される液体スプレー組成物として、本殺ダニ剤を調整する。好ましくは、ホップ酸を水中に分散させる。所望であれば、当該スプレー組成物は、噴霧装置を詰まらせることなくスプレーを効率的に分散させることができる界面活性剤も含む。本組成物を使用して、ミツバチの巣の内部またはミツバチの巣板を噴霧したり、それを使用してミツバチの群れに直接噴霧したりすることができる。
別の手法では、本発明の殺ダニ剤は、蒸気の形態で送達される。そのような蒸気をミツバチの巣に送達する方法については、例えば、米国特許出願公開第20020151249号に記載されている。
殺ダニ剤の送達
害虫駆除剤をミツバチまたはミツバチの巣に送達する装置は、当該技術分野で知られている。そのような送達装置としては、ストリップ、制御放出ストリップ、錠剤、貯蔵容器、ポリマーディスク(polymer disc)、トレイおよび蒸発装置が挙げられる。所望であれば、本送達装置を生分解型として提供する。好ましい一実施形態では、本発明は、ホップベータ酸を含む生分解性ストリップを提供する。好ましくは、ストリップを約16%のホップベータ酸のカリウム塩を含む液体組成物で湿らせる。一実施形態では、本液体組成物は、等量の(すなわち33.3%)のホップベータ酸樹脂、プロピレングリコールおよびポリソルベート60を含む乳濁液である。ホップベータ酸を含む湿らせたストリップをミツバチの巣箱の枠に吊り下げる。一実施形態では、1、2、3、5、7、10日間処置を行う。別の実施形態では、2、3、4、5、6、8、10または12週間処置を行う。所望であれば、乾き切った後にストリップを交換する。当該処置を必要に応じて繰り返す。典型的には、10個の枠当たり2本のストリップを使用するが、それよりも大きい、または小さい数を使用してもよい。一実施形態では、使用されるストリップは、長さが約17インチ、幅が1+1/4インチである。特定の実施形態では、本ストリップは、液体を容易に吸収する繊維を含む生分解性ストリップである。例えば、本ストリップは、紙、段ボール紙、チップボードまたは他の同様の材料でできている。本ストリップを液体ホップベータ酸組成物(例えば、33.3%のホップベータ酸樹脂、33.3%のプロピレングリコール、33.3%のポリソルベート60)で湿らせ、耐湿性の箔小包に入れて最終使用者(例えば、養蜂家)に船で送るか他の方法で送る。一実施形態では、本ストリップは、幅が約1〜2インチ(例えば、1、1.25、1.5、1.75、2.0インチ)、長さが1〜2フィート(例えば、12、16、18、20、24インチ)である。
包装されたミツバチの処置のために、ホップベータ酸を含むストリップを出荷中にミツバチパッケージの中に吊るす。
特に、本発明の組成物を寄生ダニ、ミツバチまたはミツバチの巣に送達するのに適した装置については、例えば、米国特許出願公開第20070059333号、第20070026765号、第20060141904号、第20060009122号、第20060008492号、第20050095954号、第20050090560号、第20050048093号、第20040229542号、第20040077291号、第20030190860号、第20030044443号、第20030027490号、第20020182977号、第20020151249号、第20020094756号、第20010014346号および第20020151249号に記載されている。制御放出のための分配投与手段および好適な組成物については、米国特許第6,843,985号、第5,750,129号、第4,775,534号、第5,849,317号、第5,348,511号、第6,037,374号、第7,137,864号、第6,837,770号、第6,820,773号、第6,702,645号、第6,646,014号、第6,620,025号、第6,595,828号、第6,585,557、第6,475,061、第6,468,129号、第6,277,371号、第6,221,375号、第6,204,283号、第6,096,350号、第6,037,374号、第6,010,390号、第5,312,622号、第5,230,894号、第5,227,162号、第5,135,758号、第5,070,091号、第5,069,651号、第5,023,359号、第4,876,265号、第4,867,731号、第4,837,216号、第4,682,380号および第4,299,816号に記載されており、これらの開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
キット
本発明は、ダニ感染の処置または予防のためのキットを提供する。一実施形態では、本キットは、感染部位(例えば、ミツバチの巣)への送達に適した形態で有効量のホップ誘導体を含有する組成物を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、殺ダニ剤を含む容器を含み、そのような容器は、箱、アンプル、瓶、バイアル、管、袋、小袋、ブリスター包装または当該技術分野で知られている他の好適な容器形態であってもよい。そのような容器は、殺ダニ剤を保持するのに適したプラスチック、ガラス、ラミネート紙、金属箔または他の材料でできていてもよい。
一実施形態では、本キットは、感染部位(例えば、ミツバチの巣)への送達に適した形態で有効量のホップ誘導体を含有する組成物を含む。いくつかの実施形態では、本キットは、殺ダニ剤を含む容器を含み、そのような容器は、箱、アンプル、瓶、バイアル、管、袋、小袋、ブリスター包装または当該技術分野で知られている他の好適な容器形態であってもよい。そのような容器は、殺ダニ剤を保持するのに適したプラスチック、ガラス、ラミネート紙、金属箔または他の材料好適でできていてもよい。
特定の実施形態では、本発明は、ホップベータ酸で湿らせるか、それに浸漬するか他の方法で含浸したストリップ(例えば、紙、段ボール紙、チップボードまたは他の同様の材料あるいは当該技術分野で知られている任意の他の吸収材料)を特徴とするキットを提供する。例えば、本ストリップは、単独または他のホップ誘導体と組み合わせた約15〜20%(例えば、15、16、17、18、19、20%)のホップベータ酸(例えば、HopGuard(登録商標))を含む。一実施形態では、本ストリップは、寄生ダニ感染を処置または予防するための制御放出組成物を含み、上記組成物は、ミツバチ寄生ダニへの送達に適した形態で有効量のホップ誘導体を含む。本ストリップは、生分解型であることが好ましい。一実施形態では、本ストリップをホップ酸組成物に予め浸漬した後、本ストリップを湿った状態に維持するための箔、プラスチックまたは同様の材料に包装する。所望であれば、本発明の殺ダニ剤を、それを感染部位に投与するための説明書と共に提供する。説明書は一般に、ダニ感染の処置または予防のための本組成物の使用に関する情報を含む。他の実施形態では、説明書は、本殺ダニ剤に関する説明、ダニ感染の処置または予防のための投与計画および投与方法、使用上の注意、警告、調査研究に関する記載および/または参考のうちの少なくとも1つを含む。説明書は、容器(存在する場合)の上に直接印刷されているか、容器に貼り付けられたラベルとして、あるいは容器の中に入れるか容器と共に提供される別個のシート、パンフレット、カードまたは折り畳み印刷物として存在してもよい。
実施例1:ホップベータ酸樹脂のカリウム塩を含むストリップによりミツバチの巣のダニ感染が低下した
アリゾナ州トゥーソンにあるCarl Hayden Bee Research Facilityにおいて、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)に対する有効性について3種類のホップ製剤および未処置対照を試験した。油溶性の80%ベータ酸樹脂すなわちHopGuardとして製剤化されたホップ製品およびキサンタンガムで凝固させたベータ酸樹脂のカリウム塩(KBR)を用意した。HopGuardは、33.3%のベータ酸樹脂のカリウム塩、33.3%のプロピレングリコールおよび33.3%のポリソルベート60を含む液体である。
ホップ製剤中に24時間浸漬した段ボール紙ストリップ(8.5×長さ1.25インチ)を用いて、5つの枠を含む核サイズのコロニー内に製剤を送達した。木製棒を用いて、1つのミツバチの巣につき2枚のストリップを枠の間に吊るした。
未処置対照を含む全てのコロニーにおいて、処置前のダニの数を粘着板法を用いて48時間監視した。コロニーから得られたダニの数を使用して、コロニーを中位および大きなダニの数を有するコロニーに分けた。等しいダニの数を有するコロニーを、1種の処置剤につき4つの複製を用いる各処置に割り当てた。処置剤を粘着板と共にコロニー内に置いて、48時間放置した後、粘着板を取り出して板の上に落ちたダニを計数し、データを記録した。
ダニの落下数を1日平均ダニ落下数として表す。処置前のダニの落下数を平均すると1日25〜50匹であった。結果を図1に示す。ダニの落下数を1日200匹のダニまで増加させたHopGuardを除いた全ての処置剤では、処置後の落下数は処置前の落下数と同様であった。試験中、全ての処置済コロニーにおいて正常なコロニーミツバチ挙動を観察した。ダニの落下数におけるこの有意な増加は、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)感染の処置においてHopGuardが有効であったことを示している。
実施例2:ホップベータ酸樹脂のカリウム塩により1匹のミツバチ当たりのダニの数が有意に減少した
この試験は、米国農務省農業研究局(USDA−ARS)試験と共にハワイで行った。ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)に対する有効性について3種類のホップ製剤を試験し、2種類の市販製品および未処置対照と比較した。ホップ製剤のうちの2つは固体であり、3つ目は製剤中に24時間浸漬したHopGuardストリップ(8.5インチ×1.25インチ)であった。全てのホップ処置剤(1つの箱につき4枚のストリップ)を下の箱のみの枠の間に吊るした。
未処置対照を含む全てのコロニーにおいて、100匹のミツバチ当たりの存在する生きているダニの数が得られるアルコール洗浄法を用いて、処置前のダニの数を監視した。等しいダニ数を有するコロニーを1種類の処置剤につき12個の複製を用いる各処置に割り当てた。処置剤をコロニー内に48時間置いた後、ダニの計数のために試料を取り出し、データを記録した。
ダニの数は、100匹のミツバチ当たりのダニの平均数として表す。処置前の数は、100匹のミツバチ当たり4.6〜5.3匹のダニであった。処置から2日後に、その数は、HopGuardおよびCheckmite(クマホス)の両方では0.5以下に低下したが、他の処置剤では1.5以上のままであった。結果を図2に示す。ハワイではクマホスは使用されていないが、ダニ集団における耐性は存在しないため、クマホスはハワイではなお有効性を有していることに留意することが重要である。2日後にミツバチおよびミツバチの子の死滅が明らかとなり、Hivastanによるこれらの影響が時間の経過と共に増幅したHivastanを除く全ての処置済コロニーにおいて正常なコロニー挙動が観察された。
実施例3:ホップベータ酸樹脂のカリウム塩により商業的環境におけるダニ感染が有意に低下した
この試験は、商業的環境でミツバチヘギイタダニ(Varroa)に感染したコロニー対するその効果を測定するために、HopGuardを用いて北カリフォルニアで行った。コロニーは、10個の枠および2つの箱で構成されていた。この試験では全部で16個のコロニーを使用し、8個のコロニーをHopGuardで試験し、8個のコロニーを未処置のままにした。HopGuardを段ボール紙ストリップ(17.0インチ×1.25インチ)に付着させて送達した。本ストリップを半分に折って、中央の枠(1箱につき2本のストリップ、1つのミツバチの巣につき4本のストリップ)に吊るした。
粘着板法を用いて、未処置対照を含む全てのコロニーにおいて処置前のダニの数を48時間監視した。コロニーから得られたダニの数を使用して、コロニーを中位および大きなダニの数のコロニーに分けた。等しいダニの数のコロニーを1つの処置剤につき8つの複製を用いる各処置に割り当てた。処置剤を粘着板と共にコロニー内に置き、48時間放置した後、粘着板を取り出して板に落ちたダニを計数し、データを記録した。
ダニの数を1日平均ダニ落下数として表す。結果を図3に示す。処置前のダニの落下数を平均すると、未処置および処置済コロニーのそれぞれについて1日15〜20匹であった。HopGuard処置済コロニーから得られた1日のダニ落下数を平均すると、2日間の処置では1日500匹を超えたが、未処置コロニーは低数で落下し続け、平均すると1日33匹のダニであった。試験中に、全ての処置済コロニーにおいて正常なコロニー挙動が観察された。
実施例4:HopGuard(登録商標)送達用ストリップの調製
半分に折って前もって包装された17.5インチ長さの段ボール紙ストリップに液体製品を吸収させた。ストリップは、1つのコロニーにつき4本のストリップ(10個の枠を含む1箱当たり2本のストリップ)の割合で施用しなければならない。施用のために、折られたストリップを開いて、それをストリップの半分の一方が枠の片側にある状態で枠の真ん中近くの中央のミツバチの子の枠のうちの1つに吊るす(図4A)。ストリップ位置間に3〜4インチの若干の距離を残したまま、隣接する中央の枠への第2のストリップの施用を繰り返す(図4B)。本ストリップは、枠の間に吊るさなければならない。それらを枠の上に横たえて置いてはならない。本ストリップをミツバチの巣に3〜4週間放置する。ストリップは最終的に乾燥し、ミツバチによって除去されるか、養蜂家が除去することができる。施用を必要に応じて繰り返してもよい。
実施例5:ミツバチパッケージにおいてホップベータ酸樹脂のカリウム塩によりミツバチヘギイタダニ(Varroa)が有意に減少した
毎年、商業養蜂家は、複数の要因により非常に高いコロニーの損失を被るが、その要因のうちの1つは、大きな数の寄生ダニのミツバチヘギイタダニ(Varroa destructor)である。養蜂家はこれらの損失したミツバチの巣を交換しなければならなず、これを行う方法のうちの1つは、ミツバチパッケージを購入することである。ミツバチパッケージは、製造者から養蜂家に出荷される箱に入れられた交尾した女王バチと10,000匹のミツバチで構成されている。ミツバチパッケージの製造者は、それらのコロニーにおけるミツバチヘギイタダニ(Varroa)感染を免れることができず、ミツバチ産業における最も大きな問題の1つは、ミツバチヘギイタダニ(Varroa)が混入したミツバチパッケージの使用によりミツバチヘギイタダニ(Varroa)が拡散することである。現在のところ、ミツバチパッケージに有効に使用することができる利用可能なミツバチヘギイタダニ(Varroa)処置剤はなく、故に、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)が製造者のコロニー中に存在した場合、ミツバチヘギイタダニ(Varroa mite)は、ミツバチと共にそれらの新しい家に出荷されてしまう。ミツバチパッケージにおいてHopGuardを試験した。この試験の結果を図5に示す。これらの結果は、ミツバチパッケージをHopGuardストリップで48時間処置することは、女王バチを死滅させることなくダニ感染レベルを低下させるのに非常に有効であることを示している。そのデータからも、HopGuardで処置したミツバチパッケージにおけるミツバチの死滅率レベルが非常に低いことが分かった。HopGuardをミツバチパッケージに施用して、ミツバチおよび女王バチに悪影響を与えることなく輸送中にミツバチヘギイタダニ(Varroa)を死滅させることができる。
本発明の化合物は、本質的に上に記載した方法と一般的なスキームで調製する。本明細書中の可変部分に関する任意の定義における化学基の列挙の記載は、列挙されている基の任意の単一の基または組み合わせとしてのその可変部分の定義を含む。本明細書中の可変部分に関する実施形態の記載は、任意の単一の実施形態として、あるいは任意の他の実施形態またはその部分との組み合わせたその実施形態を含む。別の実施形態は、本明細書中のスキームおよび実施例に例示されている方法を含む本明細書に詳述されている方法によって調製された本明細書中の式のいずれかの化合物である。本発明の別の側面は、本明細書に詳述されている殺ダニ剤として使用される本明細書中のいずれかの式の化合物である。
他の実施形態
上記記載から、様々な使用および状況に適応させるために本明細書に記載されている本発明を変形および修正し得ることは明らかであろう。そのような実施形態も以下の特許請求の範囲に含まれている。
本明細書中の可変部分に関する任意の定義内の要素の列挙の記載は、任意の単一の要素または列挙されている要素の組み合わせ(または部分的組み合わせ)として、その可変部分の定義を含む。本明細書中の実施形態の記載は、任意の単一の実施形態として、あるいは任意の他の実施形態またはその部分と組み合わせたその実施形態を含む。
本明細書で言及した全ての特許および刊行物は、各独立の特許および刊行物が参照により組み込まれることが具体的かつ個々に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (23)

  1. 少なくとも約15%のベータ酸、溶媒および乳化剤を含む液体組成物を含む、ミツバチ寄生ダニ感染を低下させるのに使用されるストリップ。
  2. 前記液体組成物は、ホップベータ酸のカリウム塩を含む、請求項1に記載のストリップ。
  3. 前記液体組成物は、ホップベータ酸樹脂を含む、請求項1に記載のストリップ。
  4. 前記液体組成物は、溶液または乳濁液である、請求項1に記載のストリップ。
  5. 前記液体組成物は、約30〜35重量%のプロピレングリコール、約30〜35重量%のモノオクタデカン酸エステルおよび約30〜35%のホップベータ酸樹脂を含む、請求項4に記載のストリップ。
  6. 前記液体組成物は、等量のホップベータ酸樹脂、プロピレングリコールおよびポリソルベート60を含む、請求項5に記載のストリップ。
  7. 紙、段ボール紙または別の製紙用パルプ系材料を含む、請求項1に記載のストリップ。
  8. 約30〜35重量%のプロピレングリコール、約30〜35重量%のポリソルベート60および約30〜35%のホップベータ酸樹脂を含む液体組成物。
  9. 吸収性ストリップを請求項8に記載の液体組成物に浸漬して調製したストリップ。
  10. 吸収性ストリップを請求項8に記載の液体組成物に浸漬し、前記ストリップおよび液体を耐湿性パッケージに包装して用意した箔パッケージ。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のストリップを含む人工のミツバチの巣。
  12. 請求項11のミツバチの巣で生成されたミツバチの生成物。
  13. ミツバチの巣を請求項1〜7のいずれかに記載のストリップに接触させ、それにより前記ミツバチの巣におけるミツバチ寄生ダニ感染を低下させることを含む、ミツバチの巣におけるミツバチ寄生ダニ感染を低下させる方法。
  14. 10個の枠当たり2枚のストリップを提供することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ストリップを前記ミツバチの巣内の枠に吊り下げる、請求項13に記載の方法。
  16. 請求項1〜7のいずれかに記載のストリップを含む、寄生ダニ感染の処置または予防のためのキット。
  17. 前記ストリップは耐湿性材料で包装されている、請求項16に記載のキット。
  18. 少なくともミツバチの女王バチと、パッケージのミツバチ寄生ダニ感染を処置するのに有効な量のホップ酸とを含むミツバチパッケージ。
  19. ホップベータ酸を含む請求項18に記載のミツバチパッケージ。
  20. 少なくともミツバチの女王バチと、1つ以上の枠と、コロニーのミツバチ寄生ダニ感染を処置するのに有効な量のホップベータ酸とを含む核コロニー。
  21. 核コロニーを請求項1〜7のいずれか1項に記載のストリップに接触させることを含む、核コロニーすなわちミツバチパッケージのミツバチ寄生ダニ感染を低下させる方法。
  22. ミツバチまたはコロニー核を含むパッケージを請求項1〜7のいずれかに記載のストリップと接触させ、出荷のために前記ミツバチを包装することを含む、ミツバチまたはコロニー核の包装方法。
  23. ミツバチまたはコロニー核を含むパッケージを請求項1〜7のいずれかに記載のストリップに接触させ、前記パッケージを輸送することを含む、ミツバチの輸送方法。
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