図1に、本発明を実装することのできる通信ネットワークの一例として、標準3GPP LTEに従う通信ネットワークCNを示す。
前記通信ネットワークCNは、基地局BS1〜BS3、ユーザ端末UE1〜UE4、サービング・ゲートウェイSGW、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGW、およびモビリティ管理エンティティMMEを備える。
前記ユーザ端末UE1〜UE4のそれぞれは、無線接続を介して前記基地局BS1〜BS3のうちの1つまたは複数に接続され、図1ではそれがカギ矢印線によって象徴化されている。基地局BS1〜BS3は、いわゆるS1インターフェースを介して、サービング・ゲートウェイSGWと、モビリティ管理エンティティMME、すなわち進化型パケット・コア(EPC)とに接続される。
基地局BS1〜BS3は、いわゆるX2インターフェースを介して互いに接続される。
サービング・ゲートウェイSGWはパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWに接続され、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWは外部IPネットワークIPNに接続される。
S1インターフェースは、基地局BS1〜BS3、すなわちこの例ではeNodeBと、進化型パケット・コア(EPC)との間の標準化されたインターフェースである。S1インターフェースは、基地局BS1〜BS3とモビリティ管理エンティティMMEとの間のシグナリング・メッセージの交換のためのS1−MMEと、基地局BS1〜BS3とサービング・ゲートウェイSGWとの間のユーザ・データグラムの移送のためのS1−Uという二種類のものを有する。
主にハンドオーバ中にユーザ・プレーン信号および制御プレーン信号を転送するために、3GPP LTE規格でX2インターフェースが追加される。
サービング・ゲートウェイSGWは、基地局BS1〜BS3とパケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWとの間でIPユーザ・データのルーティングを実施する。さらに、サービング・ゲートウェイSGWは、異なる基地局間、または異なる3GPPアクセス・ネットワーク間でハンドオーバ中にモバイル・アンカ・ポイントとして働く。
パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWは、外部IPネットワークIPNに対するインターフェースを表し、ユーザ端末(UE1〜UE4)と、それぞれのサービング基地局(BS1〜BS3)との間で確立される、いわゆるEPSベアラ(EPS=進化型パケット・システム)を終了する。
モビリティ管理エンティティMMEは、加入者管理およびセッション管理のタスクを実施し、異なるアクセス・ネットワーク間のハンドオーバ中にモビリティ管理も実施する。
図2に、本発明を実装することのできるユーザ端末UEおよび基地局BSの構造の概略図を示す。
基地局BSは、例として、3つのモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3および制御ユニット・ボードCU1を備え、制御ユニット・ボードCU1はメディア依存アダプタMDAを備える。
3つのモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3は、制御ユニット・ボードCU1に接続され、いわゆる共通公衆無線インターフェース(CPRI)を介して、それぞれのリモート・ラジオ・ヘッドRRH1、RRH2、またはRRH3に接続される。
リモート・ラジオ・ヘッドRRH1、RRH2、およびRRH3のそれぞれは、例として、無線インターフェースを介するデータの送信および受信のために2つのリモート・ラジオ・ヘッド・アンテナRRHA1およびRRHA2に接続される。図2では、簡単のために前記2つのリモート・ラジオ・ヘッド・アンテナRRHA1およびRRHA2をリモート・ラジオ・ヘッドRRH1のみについて示す。
メディア依存アダプタMDAは、モビリティ管理エンティティMMEと、サービング・ゲートウェイSGWとに接続され、したがって、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWとに接続され、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWは、外部IPネットワークIPNに接続される。
ユーザ端末UEは、例として、2つのユーザ端末アンテナUEA1およびUEA2と、モデム・ユニット・ボードMU4と、制御ユニット・ボードCU2と、インターフェースINTとを備える。
2つのユーザ端末アンテナUEA1およびUEA2は、モデム・ユニット・ボードMU4に接続される。モデム・ユニット・ボードMU4は制御ユニット・ボードCU2に接続され、制御ユニット・ボードCU2はインターフェースINTに接続される。
モデム・ユニット・ボードMU1〜MU4および制御ユニット・ボードCU1、CU2は、以下で説明するタスクを実施するように動作可能とするために、例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)と、デジタル信号プロセッサ(DSP)と、マイクロプロセッサと、スイッチと、例えばダブル・データ・レート同期型ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DDR−SDRAM)などのメモリとを備えることができる。
リモート・ラジオ・ヘッドRRH1、RRH2、およびRRH3は、いわゆる無線装置、例えば、デルタシグマ変調器(DSM)およびスイッチ・モード増幅器などの変調器および増幅器を備える。
ダウンリンクでは、外部IPネットワークIPNから受信したIPデータが、EPSベアラ上で、パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイPDNGWから、サービング・ゲートウェイSGWを介して、基地局BSのメディア依存アダプタMDAに送信される。メディア依存アダプタMDAは、例えばビデオ・ストリーミングまたはウェブ・ブラウジングなどの異なるメディアの接続性を可能にする。
制御ユニット・ボードCU1は、測定およびセル再選択、ハンドオーバおよびRRCセキュリティおよび完全性などの、レイヤ3、すなわち無線リソース制御(RRC)レイヤ上のタスクを実施する。
さらに、制御ユニット・ボードCU1は、運用および保守のためのタスクを実施し、S1インターフェース、X2インターフェース、および共通公衆無線インターフェースを制御する。
制御ユニット・ボードCU1は、サービング・ゲートウェイSGWから受信したIPデータを、さらに処理するためにモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3に送る。
3つのモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3は、例えばヘッダ圧縮および暗号化を受け持つレイヤ2、すなわちPDCPレイヤ(PDCP=パケット・データ収束プロトコル)上、例えばセグメント化および自動再送要求(ARQ)を受け持つRLCレイヤ(RLC=無線リンク制御)上、およびMAC多重化およびハイブリッド自動再送要求(HARQ)を受け持つMACレイヤ(MAC=メディア・アクセス制御)上のデータ処理を実施する。
さらに、3つのモデム・ユニット・ボードMU1〜MU3は、物理レイヤ上のデータ処理、すなわち符号化、変調、ならびにアンテナおよびリソース・ブロック・マッピングを実施する。
符号化および変調後データがアンテナおよびリソース・ブロックにマッピングされ、そして、無線インターフェースを介する伝送のために、モデム・ユニット・ボードMU1〜MU3から、共通公衆無線インターフェースを介して、それぞれのリモート・ラジオ・ヘッドRRH1、RRH2、またはRRH3、およびそれぞれのリモート・ラジオ・ヘッド・アンテナRRHA1、RRHA2に、符号化および変調後データが伝送シンボルとして送られる。
共通公衆無線インターフェース(CPRI)は、分散アーキテクチャの使用を可能にし、いわゆる無線装置制御を含む基地局BSが、好ましくはCPRIデータを搬送する無損失ファイバ・リンクを介して、リモート・ラジオ・ヘッドRRH1、RRH2、およびRRH3に接続される。困難な環境にある場所に置く必要があるのは、例えば増幅器などのいわゆる無線装置を含むリモート・ラジオ・ヘッドRRH1、RRH2、およびRRH3だけであるので、このアーキテクチャは、サービス・プロバイダに対するコストを低減する。フットプリント、気候、および電力の可用性をより容易に管理できるような、配置困難でない場所において、基地局BSを中央に配置することができる。
ユーザ端末アンテナUEA1、UEA2は伝送シンボルを受信し、受信したデータをモデム・ユニット・ボードMU4に供給する。
モデム・ユニット・ボードMU4は、物理レイヤ上のデータ処理、すなわちアンテナおよびリソース・ブロック・デマッピング、復調、ならびに復号化を実施する。
さらに、モデム・ユニット・ボードMU4は、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)およびMAC(MAC=メディア・アクセス制御)多重分離を受け持つレイヤ2、すなわちMACレイヤ上、例えば再構築および自動再送要求(ARQ)を受け持つRLCレイヤ(RLC=無線リンク制御)上、および例えば復号およびヘッダ圧縮を受け持つPDCPレイヤ(PDCP=パケット・データ収束プロトコル)上のデータ処理を実施する。
モデム・ユニット・ボードMU4上の処理の結果、IPデータが得られ、IPデータは制御ユニット・ボードCU2に送られ、制御ユニット・ボードCU2は、測定およびセル再選択、ハンドオーバおよびRRCセキュリティおよび完全性などの、レイヤ3、すなわち無線リソース制御(RRC)レイヤ上のタスクを実施する。
IPデータは、出力およびユーザとの対話のために、制御ユニット・ボードCU2からそれぞれのインターフェースINTに送信される。
アップリンクでは、データ伝送が、ユーザ端末UEから外部IPネットワークIPNへの逆方向でアナログ式に実施される。
次に、従来技術および本発明の実施形態による、基地局とユーザ端末との間の基準信号ならびに制御およびユーザ・データの伝送のための、サブフレーム内のOFDMシンボルの使用を説明する。
原理上は、本発明は、復号化のための基準信号、制御チャネル、データ・チャネル、および時間フレーミングをサポートするOFDMベースのシステムに適用可能である。
図3に、従来技術によるいくつかの連続するサブフレームでの基準信号のブーストを伴う、基準信号、制御データ、およびユーザ・データのダウンリンク送信電力を例示的に示す概略図を示す。
LTEでは、各フレームが10サブフレームに再分割され、各サブフレームは14個のOFDMシンボルを含む。LTEでのダウンリンク・システム帯域幅は、例えば帯域幅10MHzでは、50個のリソース・ブロックからなり、各リソース・ブロックは12個の副搬送波からなる。
図3では、簡単のために1つの副搬送波のみについての4つのサブフレームのOFDMシンボルを示す。図3に示す例では、3GPP LTE1から4に従って、制御領域PDCCHのためにOFDMシンボルを予約することができるので、各サブフレームの最初の3つのOFDMシンボルは共に制御領域を構築し、制御領域は、基準信号および制御データの伝送のために使用される。各サブフレームの追加のOFDMシンボル、この例では11個のOFDMシンボルが、参照符号およびユーザ・データの伝送のために使用される。
例えばいわゆるセル特有の基準信号(CRS)などの基準信号が、サブフレームごとに送信され、ダウンリンク伝送のコヒーレント復調に関するチャネル推定のために、およびハンドオーバのための近隣セル測定と、初期アクセス前の測定の両方のためのセル探索測定のために使用することができる。
上記で既に触れたように、LTEリリース8では、ダウンリンクで基準信号をブーストし、上位レイヤ・シグナリングによって基準信号の送信電力についてユーザ端末に通知することも可能であるが、欠点は、シグナリングがかなり低速であり、したがって基準信号のブーストが、1つのサブフレームだけについてではなく、いくつかのサブフレームについて実行される可能性があることである。図3では、サブフレーム2、3、および4について基準信号のブーストを例示的に示す。
ブーストの欠点は、近隣セルに関する追加の干渉の発生、および基準信号をブーストすることにより、データ信号に関するダウンリンクでの送信電力を低減しなければならず、またはサブフレーム内のいくつかのデータ信号を全く使用することができないことである。したがって、基準信号ブーストは、有益であるサブフレームのみで実施される。
図3に示す実施形態では、例えば図1のユーザ端末UE1などの、セル境界エリア内の、非常に悪いチャネル条件を有するユーザ端末が、サブフレーム2でのダウンリンク伝送のみに関してスケジューリングされると仮定する。したがって、サブフレーム3および4でも従来技術のように基準信号ブーストを適用することは有益ではない。
本発明の一実施形態によれば、良好でないチャネル条件を有するユーザ端末の場合であって、制御情報が制御チャネルで送られる場合、サブフレームの制御チャネルおよびデータ・チャネル・メッセージの復調をサポートするために、考慮するサブフレームの制御領域内の基準信号および制御データのみがブーストされる。
図4に、本発明の実施形態による単一のサブフレームの制御領域内の基準信号および制御データのブーストを伴う、基準信号、制御データ、およびユーザ・データのダウンリンク送信電力を例示的に示す概略図を示す。
例えば図1のユーザ端末UE1などの、セル境界エリア内の、非常に悪いチャネル条件を有するユーザ端末が、サブフレーム2でのダウンリンク伝送のみに関してスケジューリングされると仮定する。したがって、本発明の実施形態によれば、基準信号および制御データのブーストが、サブフレーム2の制御領域のみで適用される。
3GPP LTEなどの規格が使用されるとき、HARQを適用してユーザ・データを再送信することができるので、ダウンリンク伝送のコヒーレント復調に関するチャネル推定の品質を向上させるための、サブフレーム2のユーザ・データ領域内の基準信号のブーストは必ずしも必要ではない。
原理上は、基準信号または制御データのダウンリンク送信電力が、それぞれのユーザ端末のチャネル品質に応じて制御され、チャネル品質は、雑音密度当たりのシンボル・エネルギーとして定義され、例えば基準信号によって求められる。それぞれのユーザ端末のチャネル品質が低いほど、制御チャネルの許容されるブロック誤り確率を達成するために、基準信号または制御データのダウンリンク送信電力が高くなければならない。
チャネル品質と、基準信号または制御データの適切なダウンリンク送信電力との間の相関は、例えばシミュレーションまたは測定によって求めることができる。まず、目標のブロック誤り確率に対して必要なチャネル品質が求められ、必要なチャネル品質を達成するために必要な基準信号または制御データのダウンリンク送信電力が求められる。
図4に示す本発明の実施形態の代替では、サブフレームの制御チャネルおよびデータ・チャネル・メッセージの復調をサポートするために、考慮するサブフレームの制御領域内の基準信号のみがブーストされ、制御データはブーストされない。これは、干渉を低減するという利点を有し、一方で制御データに関するブロック誤り確率がわずかに増加する、というトレードオフの関係がある。
本発明の別の実施形態によれば、良好でないチャネル条件を有するユーザ端末の場合であり、制御情報が制御チャネルで送られる場合、基準信号のダウンリンク送信電力制御が考慮するサブフレームのすべての基準信号を参照すること、すなわちサブフレームの制御チャネルおよびデータ・チャネル・メッセージの復調をサポートするために、考慮するサブフレームのすべての基準信号がブーストされることがさらに提案される。考慮するサブフレーム内のすべての基準信号をブーストすることにより、ユーザ・データ領域に関するチャネル推定の精度も向上し、ユーザ・データに関するブロック誤り確率が低下する。
図5に、本発明の一実施形態による単一のサブフレーム内の基準信号および制御データのブーストを伴う、基準信号、制御データ、およびユーザ・データのダウンリンク送信電力を例示的に示す概略図を示す。
図4に示した実施形態と同様に、例えば図1のユーザ端末UE1などの、セル境界エリア内の、非常に悪いチャネル条件を有するユーザ端末が、サブフレーム2でのダウンリンク伝送のみに関してスケジューリングされると仮定する。したがって、図5に示す本発明の実施形態によれば、基準信号および制御データのブーストが、サブフレーム2全体にわたって適用される。
3GPP LTEなどの規格が使用されるとき、HARQを適用してユーザ・データを再送信することができるが、ダウンリンク伝送のコヒーレント復調のためのチャネル推定の品質を向上させるための、サブフレーム2のユーザ・データ領域内の基準信号のブーストが有利である。それにより、ユーザ・データのブロック誤り確率が低下するからである。
上述の発明は、LTEまたはLTEAdvanced異種ネットワーク内の小型セルに対して特に有用である。そうしたセルは多くの場合、少数のユーザ端末のみにサービスするからである。小型セルに割り振られるユーザ端末が少数だけである場合、制御領域のあらゆるOFDMシンボルのすべてのリソース要素が使用されるわけではない。この場合、その制御チャネル送信のために最もロバストなコード・レートを既に使用している、良好でないチャネル条件を有するユーザ端末にアドレス指定された制御チャネル・メッセージのダウンリンク送信電力が向上すると共に、送信機の最大電力を維持する。同一のサブフレームでは、図4に示すようにサブフレームの制御領域のみで、または図5に示すようにサブフレーム全体で、基準信号がブーストされる。これにより、制御チャネル・ブロック誤り率、さらにはユーザ・データ・ブロック誤り率が妥当なレベルに低減される。
セルに割り振られるユーザ端末の数が多い場合、基地局のスケジューラは、アドレス指定されるユーザ端末のうちの1つが良好でないチャネル条件を有する場合に少数のユーザ端末のみがアドレス指定されることに注意しなければならず、したがってサブフレーム内の基準信号、好ましくはさらに制御データに関するダウンリンク送信電力の増大を可能にする。
上述の実施形態の代替では、基地局BS1からユーザ端末UE1への基準信号または制御信号の専用ダウンリンク送信電力がブーストされる場合、例えばセル境界エリア内に位置するユーザ端末UE1よりも良好なチャネル条件を有するユーザ端末UE2などの、少なくとも1つの別のユーザ端末のリソース・ブロックまたは制御チャネル要素へのダウンリンク送信電力の割振りが低減される。したがって、最大電力制約を維持しながら、ユーザ端末UE1に対するより高い電力割振りが可能となる。
上述の実施形態の別の代替では、ダウンリンク伝送のために使用されるリソース・ブロックまたは制御チャネル要素の数が、全ダウンリンク送信電力が最大許容電力未満となるように選ばれる。例えば、基地局内のスケジューラが、他のダウンリンク伝送のために帯域幅全体が使用されないようにする場合、同時に、ブロードキャスト制御チャネル・メッセージをブーストすることができる。
上述の実施形態の別の代替では、サブフレームの制御シグナリングのための制御領域が、制御シグナリングに必要なものよりも多くのリソース要素を含み、その結果、ダウンリンクで基準信号または制御シグナリングのためにより高い電力バジェットが利用可能となる。
同一のサブフレームについて、サブフレームのダウンリンク制御データまたはユーザ・データ伝送に関する復調性能を高めるために、基準信号電力割振りまたは制御データ電力割振りが、好ましくはロバストな制御チャネル・メッセージを介して基地局からユーザ端末にシグナリングされる。制御チャネル・メッセージでは、ダウンリンク送信電力またはブースト値についての情報が含まれる。ダウンリンク送信電力またはブースト値について、例えば0dB、3dB、6dB、9dBのブースト値など、幾つかのステップのみが必要となる。さらに、好ましくは、制御チャネル・メッセージは、サブフレーム内のすべての基準信号がブーストされるか、それともサブフレームの制御領域内に位置する基準信号のみがブーストされるか、という情報を含む。制御チャネル・メッセージでは、例えば、上述のシグナリング情報をセル内のすべてのユーザ端末にブロードキャストする、新しい共通のダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットを定義することができる。
前記シグナリング情報を使用して、ユーザ端末は、制御データおよびユーザ・データ伝送の復調、ならびにチャネル品質情報フィードバックの生成のために必要なチャネル測定を向上させるために、サブフレームの制御領域およびユーザ・データ領域内の基準シンボルを使用することができる。
本発明の一実施形態では、基地局内のスケジューラが、仮基準信号ブーストを伴うサブフレームの間のダウンリンク伝送に関する変調方式をQPSKに制限する。ロバストな変調方式QPSKの場合と同じく、ユーザ端末内のエラー・フリー復調の確率は高くなる。