JP2014512685A - 太陽電池モジュール用2層フィルム - Google Patents

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Abstract

本発明は:ポリオレフィン主鎖を含むポリアミドグラフト化ポリマーで作製されたカプセル材(22)と;ヤング率が1.1GPaよりも高く、好ましくは1.3GPa以上であるポリマーで作製された層を含むバックシート(26)とを含む、太陽電池モジュール用の2層熱可塑性フィルムに関する。本発明は、そのようなフィルムを組み込んだ太陽電池モジュールと、同じ目的のための前記フィルムの使用にも関する。

Description

本発明の1つの対象は、太陽電池モジュール用の2重層(カプセル材−バックシート)フィルムであって、この適用例に最適な性質を有するフィルムである。本発明は、前述の2重層フィルムの他に「フロントシート」を形成する隣接層を含む、より一般には「フロントシート」、カプセル材、および「バックシート」で示される3つの連続した層を含む、太陽電池モジュールにも関する。
化石燃料により放出された温室効果ガスに関連がある地球温暖化は、例えば太陽電池モジュールなど、その動作中にそのようなガスを放出しない代替エネルギーソリューションの開発をもたらしてきた。太陽電池モジュールは「太陽電池セル」を含み、このセルは、光エネルギーを電気に変換することが可能なものである。
多くのタイプの太陽電池パネル構造がある。
図1には、従来の太陽電池セルが示されているが;この太陽電池セル10は複数のセル12を含み、1つのセルが太陽電池センサ14を含有しており、この太陽電池センサ14は一般に、光電的性質を得るために処理されたシリコンをベースにし、その太陽電池センサの上に配置された電子コレクタ16(上方コレクタ)とその太陽電池センサの下に配置された電子コレクタ16(下方コレクタ)とに接触している。1つのセルの上方コレクタ16が、一般に金属合金からなる伝導バー18によって別のセル12の下方コレクタに接続される。これら全てのセル12は、太陽電池セル10を形成するために、直列および/または並列に互いに接続される。太陽電池セル10が光源の下に配置されると、このセルは連続電流を送出し、この電流をセル10の端子19で回収することができる。
図2を参照すると、太陽電池モジュール20は、「カプセル材」に包封された図1の太陽電池セル10を含み、このカプセル材は、上方部分および下方部分から構成される。上方保護層24(「フロントシート」という用語で知られており、以後、この用語も使用する。)と、モジュールの裏面にある保護層(「バックシート」)という用語で知られており、以後、この用語を使用する。)26とが、カプセル封入されたセルの両面に位置決めされている。
太陽電池セル10の衝撃および水分保護は、一般にガラスで作製された上方保護層24によって与えられる。
バックシート26は、外部環境とのいかなる接触も防止するように、太陽電池モジュール20の水分保護およびセル12の電気絶縁に寄与する。
カプセル材22は、太陽電池モジュールの効率を制限する可能性のある空気の存在を回避するために、太陽電池セル10と保護層24および26との間に存在する空間の形状に完全に順応しなければならない。カプセル材22は、セルの腐食を抑えるために、セル12と水および空気中の酸素との接触も防止しなければならない。カプセル材22の上方部分は、セル10と上方保護層24との間にある。カプセル材22の下方部分は、セル10とバックシート26との間にある。
太陽放射の存在下、温度上昇がソーラーモジュール内に生成され、80℃(またはそれ以上)の温度を実現する可能性があり、そのためモジュールのライフサイクル全体を通して層を互いに完全に結合する必要がある。
現在、太陽電池モジュールを製造するために、一まとめに組み立てられることになる3つの層、即ち連続して設けられる「フロントシート」、カプセル材、および「バックシート」を、別々に生成する。これらの層は、通常は真空ラミネーションプロセスにより実施されるモジュール製造ステップ中に、組み合わされる。
層間、特にバックシートとカプセル材との間の接着を促進させるために、2つの層の間に結合剤を付加することによるもしくは特定の接着促進剤による「化学的」技法、またはコロナもしくはプラズマ処理などの物理的表面処理技法を使用する。
これら2つの方法は、僅かとは言えない追加コスト(材料、特定のツール、実施時間)とは別に、しばしば期待外れの結果のために場合によっては複雑な操作からなるので、満足のいくものではない。さらに物理的表面処理は、経時的に安定ではなく、貯蔵および取扱いに関する予防措置をとる必要がある。
さらに、カプセル材は、モジュールの3つの層(「フロントシート」、カプセル材、および「バックシート」)の組立て時に太陽電池セルの組込みを可能にしなければならない材料である。2つの主なタイプのカプセル材:熱可塑性カプセル材と架橋性カプセル材とが存在する。どちらの場合も、カプセル材は、活性層を包封するために、太陽電池モジュールのラミネーションステップ中に融解する。
多数のフィルムの取扱いの他に、このタイプの太陽電池モジュール製造プロセスには、カプセル材フィルムの収縮に関連した欠点がある。事実、カプセル材フィルムは、ほとんどの場合に10%までまたはさらに場合によっては50%まで到達し得る、収縮を示すことが知られている。この収縮は、気泡、しわ、膨れ、縁部でのカバー欠陥、またはセル間のコネクタの破損など、太陽電池モジュールに欠陥をもたらす可能性がある。これら全ての欠陥は、モジュールの製造中の不良品の原因であり、またはモジュールの耐用寿命およびモジュールの効率を低減させる可能性がある。特にカプセル材中の気泡は、太陽電池モジュールのライフサイクルおよび効率をもかなり低減させる腐食点の原因になり得る。収縮現象は、カプセル材内で、1つまたは複数の太陽電池セルを破壊する可能性があり、特に太陽電池セルが直列に取り付けられることに起因して太陽電池モジュールの動作性の取返しのつかない低下を引き起こす可能性のある、応力を引き起こす。
これらの問題を抑制するために、カプセル材フィルムの製造業者は、押出し速度を犠牲にして、したがってフィルムのコストを犠牲にして、この収縮を抑制するためにポストキュアステップを含む押出しプロセスを使用することを求めている。
本発明は、単一操作で生成されかつカプセル材層およびバックシート層を含む、2重層フィルムを提供することによって、従来技術の太陽電池モジュールのカプセル材の問題を解決しようとするものである。
本出願人によって、様々な実験および操作の後に、特定の構造が、一方ではモジュールの製造プロセスに関連した問題および他方ではカプセル材−バックシート層の組合せの固有の欠陥に関連した問題の克服を可能にする、最適な結果を単独で示すことができることが観察されてきた。
したがって本発明は、1つの層がカプセル材を形成し、もう1つの層がバックシートを形成している2つの層を含み、このカプセル材−バックシートのアセンブリが100μm(マイクロメートル)よりも大きい厚さを有している、太陽電池モジュール用の2重層熱可塑性フィルムであって:
a)カプセル材が、ポリアミドグラフトポリマーからなり、このポリアミドグラフトポリマーが、このポリアミドグラフトポリマーの50重量%から95重量%に相当するポリオレフィン主鎖を含み、少なくとも1つの不飽和モノマー(X)の残基、および前記ポリアミドグラフトポリマーの5重量%から50重量%に相当する少なくとも1つのポリアミドグラフトを含有し:
− ポリアミドグラフトが、少なくとも1個のアミン末端基および/または少なくとも1個のカルボン酸末端基を有するポリアミドとの縮合反応を介して反応することが可能な官能基を含む不飽和モノマー(X)の残基によって、ポリオレフィン主鎖に付着され;
− 不飽和モノマー(X)の残基が、グラフト化または共重合によって主鎖に付着され、
− ポリオレフィン主鎖およびポリアミドグラフトは、前記ポリアミドグラフトポリマーが75℃以上および160℃以下の流れ温度を有するように選択され、この流れ温度は、ポリアミドグラフトおよびポリオレフィン主鎖の融解温度およびガラス転移温度の中で最高温度と定義され;
b)バックシートが、ASTM D638規格によるヤング率が1.1GPa(ギガパスカル)以上であり、好ましくは1.3GPa(ギガパスカル)以上であるポリマーから形成された層を含む
ことを特徴とする、2重層熱可塑性フィルムに関する。
本発明のその他の有利な特徴を、以下に示す:
− カプセル材の前述のグラフトポリマーは、ナノ構造化されており;
− カプセル材の前述のグラフトポリマーの前述のポリアミドグラフトの数平均モル質量は、1000から5000g/molに及ぶ範囲内にあり、好ましくは2000から3000g.mol−1に及ぶ範囲内にあり;
− カプセル材の前述のグラフトポリマーでは、ポリオレフィン主鎖に付着されたモノマー(X)の数が1.3以上および/または10以下であり;
− カプセル材のグラフトポリマーの少なくとも1つのポリアミドグラフトが、少なくとも1つのコポリアミドを含み;
− カプセル材のグラフトポリマーのポリオレフィン主鎖が、融解温度を持たないまたは110℃よりも低い融解温度を有し;
− カプセル材のポリオレフィンのポリエチレンのコポリマーが、その密度が0.865から0.94の間にある(ASTM D 1505規格)エチレン/α−オレフィンコポリマー、またはエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水物コポリマーから選択され;
− バックシート層を形成するポリマーからなるバックシートが、ポリエステルからなるものであってもよく;
− 好ましい形態によれば、バックシートは、実験式(C10のポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリマーの1つがポリエチレンテレフタレートであるコポリマーからなり;
− 本発明により与えられた、1つの特に有利な可能性によれば、バックシートは、二フッ化ビニリデンのホモポリマー、または二フッ化ビニリデンと少なくとも1つのその他のフルオロモノマーとのコポリマーからなる、フルオロポリマーから形成された層も含み;
− バックシートを形成する層は、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、カーボンナノチューブ、ガラス繊維、またはその他の改質されたもしくは改質されていないクレーであって、ナノメートル規模で混合されたものから選択された充填剤を含み;
− カプセル材を形成する層は、有機物、結晶質、または無機物性の、より好ましくは半無機物、半有機物性の、非ポリマー成分からなる接着促進剤を含み;
− 本発明の一実施形態によれば、バックシートおよびカプセル材はそれぞれ単層からなる。
本発明は、太陽電池モジュールにおける上述のフィルムの使用に関する。
最後に、本発明は、電気エネルギーを発生させることが可能な太陽電池セルを含むカプセル材を形成する少なくとも1つの層と、バックシートを形成する1つの層とを有し、これら2つのカプセル材/バックシート層が上述のフィルムを含んでいる、太陽電池モジュールにも関する。
以下の記述は、添付される図を参照しつつ、単なる例示としてかつ非限定的なものとして示される。
既に記述された、太陽電池セルの一例を表し、パート(a)および(b)は斜視図であり、パート(a)は接続前のセルを示し、パート(b)は2つのセルの接続後の図であり;パート(c)は完全な太陽電池セルの上面図である。 既に記述された、太陽電池モジュールの断面図を表し、その「従来の」太陽電池センサは、上方カプセル材フィルムおよび下方カプセル材フィルムによりカプセル封入されている。
カプセル材:
まず、カプセル材に関しては、前述のグラフトポリマーがある。
この前述のグラフトポリマーに関し、好ましくは、ポリアミドグラフトを15重量%から30重量%、および1.3個から10個の間のいくつかのモノマー(X)も使用されることになる。
ポリアミドグラフトポリマーの流れ温度は、ポリアミドグラフトおよびポリオレフィン主鎖の、融解温度およびガラス転移温度の中での最高温度と定義される。主鎖およびグラフトは、ポリアミドグラフトポリマーの流れ温度が75℃以上および160℃以下になるように選択される。
カプセル材に関するポリオレフィン主鎖に関しては、モノマーとしてα−オレフィンを含むポリマーがある。
2から30個の炭素原子を有するα−オレフィンが好ましい。
α−オレフィンとして、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、および1−トリアコンテンを挙げることができる。
シクロペンタン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、および2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの、3から30個の炭素原子、好ましくは3から20個の炭素原子を有するシクロオレフィン;ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、および5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなどの、ジオレフィンおよびポリオレフィン;ビニル芳香族化合物、例えばモノアルキルスチレンまたはポリアルキルスチレン(スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、およびp−エチルスチレンを含む。)と、メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、安息香酸ビニルメチル、酢酸ビニルベンジル、ヒドロキシスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジビニルベンゼン、3−フェニルプロペン、4−フェニルプロペン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、1,2−ジフルオロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、および3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンなどの官能基を含む誘導体も挙げることができる。
本発明の文脈において、「α−オレフィン」という用語はスチレンも含む。プロピレン、および非常に特別にはエチレンが、α−オレフィンとして好ましい。
このポリオレフィンは、単一のα−オレフィンがポリマー鎖に重合される場合、ホモポリマーであってもよい。例として、ポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)を挙げてもよい。
このポリオレフィンは、少なくとも2つのコモノマーがポリマー鎖に共重合される場合、コポリマーであってもよく、これら2つのコモノマーの一方を、α−オレフィンである「第1のコモノマー」と呼び、「第2のコモノマー」と呼ばれる他方のコモノマーは、第1のモノマーと重合することが可能なモノマーである。
第2のコモノマーとして、下記を挙げることができる:
・既に挙げたα−オレフィンの1つであって、第2のコモノマーが第1のα−オレフィンコモノマーとは異なるもの、
・例えば1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネン、およびブタジエンなどのジエン、
・例えば、アルキル(メタ)アクリレートという用語の下に一まとめにグループ分けされたアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル。これらの(メタ)アクリレートのアルキル鎖は、最大30個の炭素原子を有していてもよい。アルキル鎖として、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、ヘキサコシル、ヘプタコシル、オクタコシル、ノナコシルを挙げることができる。メチル、エチル、およびブチル(メタ)アクリレートが不飽和カルボン酸エステルとして好ましい、
・カルボン酸ビニルエステル。カルボン酸ビニルエステルの例として、酢酸ビニル、ビニルバーサテート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、またはマレイン酸ビニルを挙げることができる。酢酸ビニルがカルボン酸ビニルエステルとして好ましい。
有利には、ポリオレフィン主鎖は、第1のコモノマーを少なくとも50mol%含み;その密度は、有利には0.91から0.96の間であってもよい。
好ましいポリオレフィン主鎖は、エチレン/アルキル(メタ)アクリレートコポリマーからなる。このポリオレフィン主鎖を使用することによって、優れた耐老化性、耐光性、および耐温度性が得られる。
異なる「第2のコモノマー」がポリオレフィン主鎖に共重合された場合も本発明の範囲外とは考えられない。
本発明によれば、ポリオレフィン主鎖は、縮合反応を介してポリアミドグラフトの酸および/またはアミン官能基で反応することができる、不飽和モノマー(X)の少なくとも1個の残基を含有する。本発明の定義によれば、不飽和モノマー(X)は、「第2のコモノマー」ではない。
ポリオレフィン主鎖に含まれる不飽和モノマー(X)として、下記を挙げることができる:
・不飽和エポキシド。これらの中には、例えば、脂肪族グリシジルエステルおよびエーテル、例えばアリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、マレイン酸グリシジル、およびイタコン酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、およびメタクリル酸グリシジルなどがある。これらは例えば、2−シクロヘキセン−1−グリシジルエーテル、グリシジルシクロヘキセン−4,5−ジカルボキシレート、グリシジルシクロヘキセン−4−カルボキシレート、グリシジル5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボキシレート、およびジグリシジルエンド−cis−ビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシレートなどの、脂環式グリシジルエステルおよびエーテルでもある。不飽和エポキシドとして、メタクリル酸グリシジルが好ましくは使用される;
・不飽和カルボン酸およびその塩、例えばアクリル酸またはメタクリル酸と、これらと同じ酸の塩;
・カルボン酸無水物。例えば、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、シクロヘキサ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、4−メチレンシクロヘキサ−4−エン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ−[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボン酸、およびx−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,2−ジカルボン酸の無水物から選択されてもよい。カルボン酸無水物として、無水マレイン酸が好ましくは使用される。
不飽和モノマー(X)は、好ましくは、不飽和カルボン酸無水物および不飽和エポキシドから選択される。特に、ポリアミドグラフトとポリオレフィン主鎖との縮合を実現するために、ポリアミドグラフトの反応性末端基がカルボン酸官能基である場合、不飽和モノマー(X)は好ましくは不飽和エポキシドである。ポリアミドグラフトの反応性末端基がアミン官能基である場合、不飽和モノマー(X)は、有利には不飽和エポキシドであり、好ましくは不飽和カルボン酸無水物である。
本発明の1つの有利な変形例によれば、ポリオレフィン主鎖に付着された不飽和モノマー(X)の好ましい数は、平均して、1.3個以上および/または好ましくは10個以下である。
したがって、(X)が無水マレイン酸でありかつポリオレフィンの数平均モル質量が15000g/molである場合、この値は、ポリオレフィン主鎖全体の少なくとも0.8重量%、最大でも6.5重量%という無水物の割合に相当することが見出された。ポリアミドグラフトの質量に関連付けられたこれらの値は、ポリアミドグラフトポリマー中のポリアミドおよび主鎖の割合を決定する。
不飽和モノマー(X)の残基を含有するポリオレフィン主鎖は、モノマー(第1のコモノマー、任意選択の第2のコモノマー、および任意選択で不飽和モノマー(X))の重合によって得られる。この重合は、高圧ラジカルプロセスによって、または溶液中、オートクレーブもしくは管状反応器内でのプロセスによって実施することができ、これらのプロセスおよび反応器は当業者に周知のものである。不飽和モノマー(X)がポリオレフィン主鎖に共重合しない場合、このモノマーはポリオレフィン主鎖にグラフト化する。グラフト化は、それ自体が公知の操作でもある。組成は、いくつかの異なる官能性モノマー(X)がポリオレフィン主鎖に共重合しかつ/またはグラフト化した場合、本発明に従うと考えられる。
モノマーのタイプおよび比に応じて、ポリオレフィン主鎖は、半結晶質であっても非晶質であってもよい。非晶質ポリオレフィンの場合、ガラス転移温度のみが観察されるのに対し、半結晶質ポリオレフィンの場合には、ガラス転移温度と融解温度(必然的により高くなる。)が観察される。当業者なら、ポリオレフィン主鎖のガラス転移温度、任意選択で融解温度、および同様に粘度の所望の値を容易に得ることができるようにするために、モノマーの比とポリオレフィン主鎖の分子質量のみを選択すればよいことになる。
好ましくは、ポリオレフィンは、3から400g/10分の間のメルトフローインデックス(MFI)(190℃、2.16kg、ASTM D 1238)を有する。
ポリアミドグラフトは、ホモポリアミドまたはコポリアミドのどちらかであってもよい。
「ポリアミドグラフト」という表現は、特に:
・ラクタム;
・または脂肪族α,ω−アミノカルボン酸;
・または脂肪族ジアミンおよび脂肪族二酸
の重縮合から得られる脂肪族ホモポリアミドを対象とする。
ラクタムの例として、カプロラクタム、オエナントラクタム、およびラウリルラクタムを挙げることができる。
脂肪族α,ω−アミノカルボン酸の例として、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、および12−アミノドデカン酸を挙げることができる。
脂肪族ジアミンの例として、ヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、およびトリメチルヘキサメチレンジアミンを挙げることができる。
脂肪族二酸の例として、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、およびドデカンジカルボン酸を挙げることができる。
脂肪族ホモポリアミドの中で、例としてかつ非限定的に、下記のポリアミドを挙げることができる:ポリカプロラクタム(PA−6);ポリウンデカンアミド(PA−11、Rilsan(登録商標)という商標名でArkemaから販売されている。);ポリラウリルラクタム(PA−12、やはりRilsan(登録商標)という商標名でArkemaから販売されている。);ポリブチレンアジパミド(PA−4,6);ポリヘキサメチレンアジパミド(PA−6,6);ポリヘキサメチレンアゼラミド(PA−6,9);ポリヘキサメチレンセバカミド(PA−6,10);ポリヘキサメチレンドデカンアミド(PA−6,12);ポリデカメチレンドデカンアミド(PA−10,12);ポリデカメチレンセバカミド(PA−10,10)、およびポリドデカメチレンドデカンアミド(PA−12,12)。
「半結晶質ポリアミド」という表現は、脂環式ホモポリアミドも対象とする。
特に、脂環式ジアミンと脂肪族二酸との縮合から得られる脂環式ホモポリアミドを挙げることができる。
脂環式ジアミンの例として、パラ−ビス(アミノシクロヘキシル)メタンまたはPACMとしても知られる4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、またはBMACMとしても知られる2,2’−ジメチル−4,4’ −メチレンビス(シクロヘキシルアミン)を挙げることができる。
したがって、脂環式ホモポリアミドの中で、PACMとC12二酸との縮合から得られるポリアミドPACM,12、BMACMとC10脂肪族二酸との縮合、BMACMとC12脂肪族二酸との縮合からそれぞれ得られるBMACM,10、およびBMACM,12を挙げることができる。
「ポリアミドグラフト」という表現は:
・脂肪族ジアミンと、テレフタル酸(T)およびイソフタル酸(I)などの芳香族二酸であって、得られるポリアミドが後に「ポリフタルアミド」またはPPAとして一般に知られるようになるもの;および
・キシリレンジアミン、より具体的にはメタ−キシリレンジアミン(MXD)などの芳香族ジアミンと、脂肪族二酸
の縮合から得られた半芳香族ホモポリアミドも対象とする。
したがって、非限定的に、ポリアミド6,T、6,I、MXD,6、さもなければMXD,10を挙げることができる。
本発明による組成物で使用されるポリアミドグラフトは、好ましくはコポリアミドである。これらのグラフトは、ホモポリアミドを得るために、上述のモノマーの基の少なくとも2つの重縮合から得られる。コポリアミドの本記述中の「モノマー」という用語は、「反復単位」の意味で解釈すべきである。この理由は、PAの反復単位が二酸とジアミンとの組合せから形成される場合が特別だからである。これはジアミンと二酸との組合せ、即ちモノマーに相当するジアミン−二酸の対(等モル量)と見なされる。この状況は、二酸またはジアミンが個々に唯一の構造単位であり、これはポリアミドを得るため重合するのに単独では十分ではないということによって説明される。
このように、コポリアミドは特に:
・少なくとも2つのラクタム;
・少なくとも2つの脂肪族α,ω−アミノカルボン酸;
・少なくとも1つのラクタムおよび少なくとも1つの脂肪族α,ω−アミノカルボン酸;
・少なくとも2つのジアミンおよび少なくとも2つの二酸;
・少なくとも1つのラクタムと、少なくとも1つのジアミンおよび少なくとも1つの二酸;
・少なくとも1つの脂肪族α,ω−アミノカルボン酸と、少なくとも1つのジアミンおよび少なくとも1つの二酸
の縮合生成物を包含し、(1つまたは複数の)ジアミンと(1つまたは複数の)二酸とは、おそらく、互いに独立して、脂肪族、脂環式、または芳香族である。
モノマーのタイプおよび比に応じて、コポリアミドは半結晶質であっても非晶質であってもよい。非晶質コポリアミドの場合、ガラス転移温度のみが観察され、それに対して半結晶質コポリアミドの場合、ガラス転移温度と融解温度(必然的に、より高くなる。)とが観察される。
本発明の文脈において使用することができる非晶質コポリアミドの中で、例えば、半芳香族モノマーを含有するコポリアミドを挙げることができる。
コポリアミドの中で、半結晶質コポリアミド、特にPA−6/11、PA−6/12、およびPA−6/11/12タイプのものも使用されることも可能である。
重合度は、その値がポリアミドであるかまたはポリアミドオリゴマーであるかに応じて、かなりの程度まで様々に変えることができる。
有利には、ポリアミドグラフトは単官能性である。
したがってポリアミドグラフトは、モノアミン末端基を有し、下式
Figure 2014512685

の鎖制限剤を使用するのに十分であり、
式中、
・R1は、水素、または最大20個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝状のアルキル基であり;
・R2は、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基もしくはアルケニル基、飽和または不飽和の脂環式ラジカル、芳香族ラジカル、または前述の組合せである、最大20個の炭素原子を有する基である。制限剤は、例えばラウリルアミンまたはオレイルアミンであってもよい。
したがってポリアミドグラフトは、カルボキシル一酸末端基を有し、式R’1−COOH、R’1−CO−O−CO−R’2、またはカルボキシル二酸の鎖制限剤を使用するのに十分である。
R’1およびR’2は、最大20個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状のアルキル基である。
有利には、ポリアミドグラフトは、アミン官能性を有する1つの末端基を有する。好ましい単官能性重合制限剤は、ラウリルアミンおよびオレイルアミンである。
有利には、ポリアミドグラフトは、1000から5000g/molの間、好ましくは2000から3000g/molの間のモル質量を有する。
上記にて定義された重縮合は、一般に知られているプロセスに従って実施され、例えば、一般に200℃から300℃の間の温度で、真空中または不活性雰囲気中で、反応混合物を撹拌しながら実施される。グラフトの平均鎖長は、重縮合性モノマーまたはラクタムと単官能性重合制限剤との初期モル比により決定される。平均鎖長の計算で、1つの鎖制限剤分子は、通常、1つのグラフト鎖当たりでカウントされる。
当業者は、ポリアミドグラフトのガラス転移温度、任意選択で融解温度、および同様に粘度の所望の値を容易に得ることができるようにするために、モノマーのタイプおよび比を選択しさえすればよいことになり、またポリアミドグラフトのモル質量を選びさえすればよいことになる。
(X)残基を含有するポリオレフィン主鎖上のポリアミドグラフトの縮合反応は、ポリアミドグラフトの1つのアミンまたは酸官能基と(X)残基との反応によって実施される。有利には、モノアミンポリアミドグラフトが使用され、アミドまたはイミド結合が、アミン官能基と(X)残基の官能基との反応によって生成される。
この縮合は、好ましくは融解状態で実施される。本発明により組成物を製造するには、従来の混練および/または押出し技法を使用することが可能である。したがって組成物の成分は、ダイから出るときに任意選択で顆粒化され得る配合物が形成されるように、ブレンドされる。有利には、カップリング剤を配合中に添加する。
ナノ構造化組成物を得るには、例えばポリアミドグラフトと主鎖とを押出し機内で一般に200℃から300℃の間の温度でブレンドすることが可能である。押出し機内での溶融材料の平均滞留時間は、5秒から5分の間とすることができ、好ましくは20秒から1分の間である。この縮合反応の効率は、遊離しているポリアミドグラフト、即ちポリアミドグラフトポリマーを形成するために反応しなかったものの選択的抽出によって評価される。
アミン末端基を有するポリアミドグラフトの調製、および(X)残基を含有するポリオレフィン主鎖へのこのグラフトの添加も同様に、特許文献US 3976720、US 3963799、US 5342886、およびFR 2291225に記載されている。
本発明のポリアミドグラフトポリマーは、有利には、ナノ構造化組織を有する。このタイプの組織を得るために、好ましくは、例えば1000から5000g/molの間、より好ましくは2000から3000g/molの間の数平均モル質量Mを有するグラフトが使用されることになる。
組成物および構造の加工を容易にしかつそれらの製造プロセスの生産性を改善するために、可塑剤を、カプセル材を形成する層に添加してもよい。例として、本発明による組成物の接着強さを改善することも可能にする、パラフィン系、芳香族、またはナフタレン系鉱油を挙げることになる。可塑剤として、フタレート、アゼレート、アジペート、およびリン酸トリクレシルを挙げることもできる。
難燃剤を添加してもよい。着色または白色化化合物を添加することも可能である。
同様にして、必ずしも必要ではないが、組成物の接着強さを改善するために、この接着強さを特に高くしなければならない場合には接着促進剤を有利には添加してもよい。接着促進剤は、非ポリマー成分であり;有機物、結晶質、無機物、より好ましくは半無機物半有機物性とすることができる。後者の中で、有機チタネートまたはシラン、例えばモノアルキルチタネート、トリクロロシラン、およびトリアルコキシシランなどを挙げることができる。有利には、特にこれらの接着促進剤が本発明によるカプセル材−バックシートとのマスターバッチとして提供される場合、エポキシ、ビニル、およびアミン基を含有するトリアルコキシシランを使用することになる。当業者に周知の技法、例えば反応性押出しによってカプセル材を形成する層のポリオレフィンに直接グラフトされる、これら接着促進剤も提供することができる。
UV放射は、前記モジュール用のカプセル材として使用される組成物に僅かな黄変をもたらす可能性があるので、その耐用寿命中にカプセル材の透明性を確実にするために、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、およびその他のヒンダードアミンなどのUV安定化剤およびUV吸収剤を添加してもよい。これらの化合物は、例えばベンゾフェノンまたはベンゾトリアゾールをベースにすることができる。これらの化合物は、組成物の全重量の10重量%未満、好ましくは0.1重量%から5重量%の量で添加することができる。
カプセル材製造中の黄変を抑制するために、リン含有化合物(ホスホナイトおよび/またはホスファイト)およびヒンダードフェノールなどの抗酸化剤を添加してもよい。これらの抗酸化剤は、組成物の全重量の10重量%未満、好ましくは0.1重量%から5重量%の量で添加することができる。
同様に、難燃剤を、カプセル材層、およびバックシートを形成する層(以下に記述する。)にも添加してもよい。これらの薬剤は、ハロゲン化されていてもハロゲン化されていなくてもよい。ハロゲン化した薬剤の中で、臭素化生成物を挙げることができる。非ハロゲン化薬剤として、リン酸アンモニウム、ポリリン酸塩、ホスフィン酸塩、またはピロリン酸塩などのリンをベースにした添加剤、シアヌル酸メラミン、ペンタエリスリトール、ゼオライト、およびこれらの薬剤の混合物も使用することができる。組成物は、これらの薬剤を、組成物の全重量に対して3%から40%に及ぶ割合で含んでいてもよい。
例えば、着色または白色化化合物などの顔料を、組成物の全重量に対して一般に5%から15%に及ぶ割合でカプセル材層に添加することも可能である。
バックシート:
このバックシート層に関しては、ASTM D638規格によるヤング率が1.1GPa以上であり、好ましくは1.3GPa以上であるポリマーがある。
このポリマーは、実験式(C10のポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリマーの1つがポリエチレンテレフタレートであるコポリマーからなるものであってもよい。ポリエステル系列のこの熱可塑性ポリマーは、その非晶質または半結晶質ポリマー形態で存在することができる。本発明の文脈において、PETは、その物理化学的形態に関して制約されるものではない。
PETのモノマー、ビス−β−ヒドロキシテレフタレートは、当業者に周知の技法によって、例えば水性媒体中でのテレフタル酸とエチレングリコールとのエステル化反応によって、またはメタノール溶液中でのエチレングリコールとテレフタル酸ジメチルとのエステル交換反応によって得られる。重合は、当業者に完全に公知でありかつ制御される手法によっても実施され、例えばモノマーの重縮合反応によっても実施され、モノマーが得られた直後に実施される。
ポリエチレンテレフタレートをベースにしたコポリマーに関して、コポリマーPET−CHDM(ジメタノールシクロヘキサン)またはPET−イソフタル酸ポリマーを挙げることになる。
一般に、バックシート層を形成するポリマーは、ポリエステル(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)またはポリ(エチレンナフタレート))、ポリカーボネート、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、熱可塑性ポリオレフィン、高密度ポリエチレン、環状ポリオレフィン)、ポリスチレン(例えば、シンジオタクチックポリスチレン)、スチレン/アクリレートコポリマー、アクリロニトリル/スチレンコポリマー(例えば、ABSまたはASA)、ポリスルホン(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリ(ウレタン)(脂肪族エーテルまたは脂肪族エステルまたは芳香族エーテルまたは芳香族エステルまたはエステルポリウレタンの熱可塑性樹脂)、アクリル(PMMA)、ポリ塩化ビニル(例えば、ポリ塩化ビニリデン)、ポリ(フェニレンオキシド)(PPE)、ポリアミドをベースにした樹脂、ポリイミドをベースにした樹脂、またはポリアミド−イミドをベースにした樹脂からなるものであってもよい。当然ながら、本発明によるバックシートを形成するポリマーは、上記にて非包括的に列挙されたこれら成分の混合物からなるものであってもよい。
本発明により提供される1つの可能性によれば、バックシートは、ポリマーにより形成された前述の主要な層に隣接して補足層を含むことになり、そのモジュールは1.1GPaよりも大きく(ASTM D638規格)、好ましくは1.3GPa以上であり、特に、二フッ化ビニリデンのホモポリマー、二フッ化ビニリデンと少なくとも1種のその他のフルオロモノマーとのコポリマー、または不均質なフッ化ビニリデン(VF)/フルオロコモノマーのコポリマーなどの、フルオロポリマーからなる。
この追加の層はさらに、カプセル材とのいかなる接触もなしに、即ちカプセル材の反対側に位置付けられることになり、したがって、カプセル材を形成する層に接触することになるバックシートのグラフトポリマー層が常に在ることになる。
本発明による組成物に組み込まれるフルオロポリマーは、下記のどちらかによって調製される:
1) 式(I)の(1つまたは複数の)モノマーの重合による:
Figure 2014512685

(式中:
・Xは、HまたはFを示し;
・XおよびXは、H、F、Cl、式C−のフルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基CO−を示し、但しnは、1から10の整数であり、mは、1から(2n+1)の整数であり、pは、値2n+1−mを有する。)。
モノマーの例として、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VDF、CH=CF)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、パーフルオロアルキルビニルエーテル、例えばCF−O−CF=CF、CF−CF−O−CF=CF、またはCF−CFCF−O−CF=CFなど、1−ヒドロペンタフルオロプロペン、2−ヒドロペンタフルオロプロペン、ジクロロジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン(VF)、1,1−ジクロロフルオロエチレン、およびこれらの混合物、またはフッ素含有ジオレフィン、例えば、パーフルオロジアリルエーテルおよびパーフルオロ−1,3−ブタジエンなどのジオレフィンを挙げることができる。
フルオロポリマーの例として:
− TFEホモポリマーまたはコポリマー、特に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン/テトラフルオロエチレンコポリマー)、およびTFE/PMVE(テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(メチルビニル)エーテルコポリマー)、TFE/PEVE(テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(エチルビニル)エーテルコポリマー)、TFE/PPVE(テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(プロピルビニル)エーテルコポリマー)、およびE/TFE/HFP(エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンターポリマー)コポリマー;
− VDFホモポリマーまたはコポリマー、特に、PVDFおよびVDF/HFPコポリマー;
− CTFEホモポリマーまたはコポリマー、特に、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)およびE/CTFE(エチレン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー)
を挙げることができる。
好ましくは、フルオロポリマーは、VDFホモポリマーまたはコポリマーである。
有利には、VDFと共重合することができるフルオロコモノマーは、例えば、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン(VF);クロロトリフルオロエチレン(CTFE);1,2−ジフルオロエチレン;テトラフルオロエチレン(TFE);ヘキサフルオロプロピレン(HFP);パーフルオロ(アルキルビニル)エーテル、例えばパーフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、およびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE)など;パーフルオロ(1,3−ジオキソール);パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(PDD)、およびこれらの混合物から選択される。
好ましくは、フルオロコモノマーは、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン(VF)、およびテトラフルオロエチレン(TFE)、およびこれらの混合物から選択される。コモノマーは、有利には、VDFと十分に重合しかつ良好な熱機械的性質に寄与することが可能になるという理由でHFPである。好ましくはコポリマーは、VDFおよびHFPのみ含む。
好ましくは、フルオロポリマーは、VDFを少なくとも50重量%、有利にはVDFを少なくとも75重量%、好ましくはVDFを少なくとも90重量%含有する、VDFホモポリマー(PVDF)、またはVDF/HFPなどのVDFコポリマーである。例えば、より具体的には、VDFを75%超含有しかつ残りがHFPである、下記のVDFホモポリマーまたはコポリマー:Arkemaから販売されているKynar(登録商標)710、Kynar(登録商標)720、Kynar(登録商標)740、Kynar Flex(登録商標)2850、およびKynar Flex(登録商標)3120を挙げることができる。
有利には、VDFホモポリマーまたはコポリマーは、100Pa.sから3000Pa.sに及ぶ粘度を有し、この粘度は、細管レオメータを使用して、100s−1の剪断勾配で230℃で測定したものである。この理由は、このタイプのポリマーが押出しに十分適するからである。好ましくはポリマーは、500Pa.sから2900Pa.sに及ぶ粘度を有し、この粘度は、細管レオメータを使用して、100s−1の剪断勾配で230℃で測定したものである。
2)または、式(I)の1つもしくは複数のモノマーと、式(II)の1つもしくは複数のアルキルビニルエーテルモノマーとの重合による:
式(II):アルキルビニルエーテルモノマー:CH=CH(OR)(式中、R基は、脂肪族もしくは脂環式アルキル基、または−R’OHタイプの基であり、但しR’は脂肪族アルキル基である。)。
この記述に該当するフルオロポリマーの中で、Lumiflon(登録商標)の名称で旭硝子社から販売されている、クロロトリフルオロエチレンと1つまたは複数のアルキルビニルエーテルモノマーとのコポリマーを挙げることができる。
このタイプのフルオロポリマーは、アルキルビニルエーテルモノマーの水酸化物と架橋剤との反応を介して架橋されてもよい。架橋剤の例として、シラン、チタネート、およびイソシアネートを挙げることができる。架橋剤とアルキルビニルエーテル基の水酸化物基との反応を促進させるために、触媒を調合物に添加してもよい。例えば、フルオロポリマーの水酸化物基とイソシアネート架橋剤との反応を加速させるために、ジブチルスズジラウレートなどのスズをベースにした触媒を使用してもよい。
フルオロポリマーが、少なくとも1種の顔料を含む場合、「充填剤」は、メタクリル酸メチル(MMA)のホモポリマーもしくはコポリマーであってもよい追加のポリマーの形で、または無機粒子の形で存在する。
MMAポリマーに関しては、メタクリル酸メチル(MMA)ホモポリマーと、少なくとも50重量%のMMAおよびMMAと共重合できる少なくとも1つのその他のモノマーを含有するコポリマーが、有利に使用される。
MMAと共重合できるコモノマーの例として、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレン、またはイソプレンを挙げることができる。アルキル(メタ)アクリレートの例は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版(1991)、第1巻、第292〜293頁、および第16巻、第475〜478頁に記載されている。
有利には、MMAポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)は、好ましくはアクリル酸メチルおよび/またはアクリル酸エチルであるC〜Cアルキル(メタ)アクリレートを、重量で0から20%、好ましくは5%から15%含む。MMAポリマー(ホモポリマーまたはコポリマー)は、官能化することができ、即ち、例えば酸、酸塩化物、アルコール、または無水物官能基を含有する。これらの官能基は、グラフト化することによってまたは共重合によって導入されてもよい。有利には、官能基は特に、アクリル酸コモノマーによって導入された酸官能基である。脱水して無水物を形成することができる、2個の隣接するアクリル酸官能基を含むモノマーを使用することもできる。官能基の割合は、MMAポリマーの0から15重量%とすることができ、例えば0から10重量%である。
MMAポリマーは、有利には、少なくとも1種の耐衝撃改良剤を含有していてもよい。耐衝撃性があると言われる商用グレードのMMAポリマーがあり、このポリマーは、多層粒子の形をしたアクリル性耐衝撃改良剤を含有する。したがって耐衝撃改良剤は、販売されるときはMMAポリマー中に存在する(即ち、製造プロセス中にMMA樹脂に導入される)が、フィルムの製造中に添加されてもよい。耐衝撃改良剤の量は、MMAポリマー70から100部当たり、0から30部まで、合計で100部になるように様々に変える。
コア−シェル粒子としても一般に知られている多層粒子タイプの耐衝撃改良剤は、少なくとも1つのエラストマー(または軟質)層、即ち−5℃よりも低いガラス転移温度(Tg)を有するポリマーから形成された層と、少なくとも1つの剛性(または硬質)層、即ち25℃よりも高いTgを有するポリマーから形成された層とを含む。粒子のサイズは、一般に1μm未満であり、有利には50から300nmの間である。コア−シェルタイプの多層粒子の形をとる耐衝撃改良剤の例は、下記の文献:EP 1 061 100 A1、US 2004/0030046 A1、FR−A−2446296、またはUS 2005/0124761 A1に見出されることになる。軟質エラストマー相を少なくとも80重量%有するコア−シェルタイプの粒子が好ましい。
MMAポリマーのMVI(メルトボリュームインデックス)は、荷重3.8kgの下、230℃で測定した場合、2から15cm/10分の間であってもよい。
フルオロポリマー組成物中のMMAポリマーの含量は、1から55重量%の間、有利には5から50重量%の間、好ましくは10から45重量%の間、より好ましくはさらに20から40重量%の間である。
無機粒子に関しては、金属酸化物、例えば、二酸化チタン(TiO)、シリカ、石英、アルミナ、炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ドロマイト(CaCO・MgCO)、モンモリロナイト(アルミノシリケート)、BaSO、ZrSiO、Feなど、およびこれらの混合物を使用することが可能である。
無機充填剤は、UV/可視範囲で不透明にする機能を有する。充填剤の保護作用は、UV吸収剤の作用に相補的である。TiO充填剤は、この観点から特に非常に好ましい。
例えばTiOタイプの無機充填剤は、不透明なフィルムを持つために、主にUV線だけでなく可視光の散乱/反射によって、ソーラーフィルタとして作用する。
無機充填剤は、別の機能を有していてもよい。例えば無機充填剤は、例えば酸化アンチモン(Sb、Sb)、Al(OH)、Mg(OH)、ハンタイト(3MgCO・CaCO)、ヒドロマグネサイト(3MgCO・Mg(OH)・3HO)など、難燃剤の機能を有していてもよい。無機充填剤は、電導性充填剤(例えば、カーボンブラック、さもなければカーボンナノチューブ)であってもよい。
充填剤は、平均直径で表した場合に一般に0.05μmから1mmの間、有利には0.1μmから700μmの間、好ましくは0.2μmから500μmの間のサイズを有する。組成物B中の無機充填剤の含量は、0.1から30重量%の間、有利には5から28重量%の間、好ましくは10から27重量%の間、より好ましくはさらに15から25重量%の間である。
バックシート、即ちその第1の層および/または主層と、その任意選択の第2の層は、有利には、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、または硫化亜鉛などの顔料を含むことができる。これらの顔料は、光の反射に関するより良好な性質とより良好な不透明度を得ることを可能にすることができ、その結果、太陽電池モジュールにより生成することができる電気の量を改善することが可能になる。
これら全ての添加剤は、バックシートの層に直接添加してもよく、またはマスターバッチの形で添加してもよい。
充填剤、特に無機充填剤は、組成物の熱機械的耐性を改善するために添加してもよい。シリカ、アルミナ、または炭酸カルシウム、またはカーボンナノチューブ、さもなければガラス繊維が、例として非限定的に示される。ナノメートル規模で混合される、改質されたまたは改質されていないクレーを使用することができ;これはより透明な組成物を得ることを可能にする。
本発明による、カプセル材およびバックシートの架橋/調製と、カプセル材−バックシートフィルムの生成(太陽電池モジュールの全てまたは一部の形成を目的とする。):
カプセル材に関し、架橋は必須ではないが、特に温度が非常に高くなる場合、カプセル材の熱機械的性質をさらに改善するために可能である。したがって、架橋剤が添加される場合は、本発明の範囲外とは考えられない。例として、イソシアネートまたは有機過酸化物を挙げることができる。この架橋は、公知の照射技法により実施されてもよい。この架橋は、当業者に公知の多くの方法の1つによって、特に、熱活性化開始剤、例えば過酸化物およびアゾ化合物、ベンゾフェノンなどの光開始剤の使用によって、光線、UV線、電子ビーム、およびX線と、アミノシラン、エポキシシラン、また例えばビニルトリエトキシシランやビニルトリメトキシシランのようなビニルシランなどの反応性官能基を有するシランとを含む、放射技法によって、および水分架橋によって、実施されてもよい。上記「Handbook of Polymer Foams and Technology」という名称のマニュアルの、第198から204頁には、当業者が参照することのできる追加の情報が示されている。
本発明による多層構造は、フィルム、シート、またはスラブを生成するための従来の技法によって得ることができる。例として、ブローンフィルム押出し、押出しラミネーション、押出しコーティング、キャストフィルム押出し、さもなければシート押出しという技法を挙げることができる。これら全ての技法は当業者に公知であり、所望の形状および所望の厚さを有する本発明による構造を形成するために、様々な技法の加工条件(押出し機、コネクタ、ダイ、およびフィードブロックの温度、スクリュの回転速度、冷却ロールの冷却温度など)をどのように適応させるかがわかるであろう。プレス技法、または溶媒中もしくは水性媒体中での接着剤によるラミネーション技法によって最終構造が得られた場合、または最終構造が相補的なポストキュアステップに供された場合も、本発明の範囲外とは考えられない。
最後に、フルオロポリマーの追加の層を含む多層構造の特別な場合、フルオロ層が水性または溶媒媒体中でコーティングにより堆積された場合、本発明の範囲外とは考えられない(当業者なら、さらなる詳細に関して文献WO 2010/144520を参照することができる。)。
太陽電池モジュールの熱可塑性組成物の使用に関する本発明の態様について、当業者は、例えばHandbook of Photovoltaic Science and Engineering、Wiley、2003を参照することができる。具体的には本発明の組成物は、太陽電池モジュール内のカプセル材またはカプセル材−バックシートとして使用することができ、その構造は、添付される図に関連して記述されている。
試験がなされる調合物を形成するのに使用される材料:
Apolhya Solar(登録商標)LC3UV:Apolhya Solar(登録商標)系列は、ナノメートル規模で得られる共連続性形態に起因した、ポリアミドの性質とポリオレフィンの性質とを組み合わせたARKEMAから販売されているポリマーの系列である。この試験の文脈においては、本出願人により販売された、MFI(メルトフローインデックス)が230℃および2.16kgの下で10グラム/10分であることを特徴とするApolhya Solar(登録商標)系列のグレードの1つであるApolhya Solar(登録商標)LC3UVをここで使用する。この生成物は、周囲温度および融点130℃で、65MPa(メガパスカル)の弾性係数を有する。
二軸延伸PET:会社からの、厚さ250μmの二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)を、主バックシート層として使用した。
Kynarフィルム302 PGM TR:Arkema社から販売された、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)をベースにしたフィルム。
Bostik(登録商標)接着剤:KynarフィルムまたはApolhya SolarとPETとの接着結合では、Bostik(登録商標)からのHBTS ESP877接着剤を、Boscodur 1621硬化剤と組み合わせて使用した。
KPEバックシート:Flexon(登録商標)社からのKynar/PET/EVAバックシートを、参照バックシートとして使用する。
調合物および試験がなされるフィルムを得ること:
・Apolhya Solar(登録商標)LC3UVの、400μmの単層フィルムの押出し
400μm(マイクロメートル)の単層フィルムを、Dr COLLIN(登録商標)ブランドの押出しライン上で、キャストフィルム押出しによって生成した。この押出しラインは、標準的なポリオレフィンスクリュプロファイル、可変共押出しブロック(可変フィードブロック)、および250mmのコートハンガーダイを備えた、3つの押出し機から構成される。
下記のプロセスパラメータを、Apolhya Solar(登録商標)LC3UVの400μm単層フィルムの押出しに使用した
− 押出し温度:150℃(摂氏度);
− 共押出しボックスおよびダイ温度:160℃;
− ライン速度は2.6m/分(分当たりのメートル数)である。
・PET/Apolhya Solar(登録商標)LC3UVバックシート/カプセル材の調製
まず最初に、その表面を「活性化」するために、250μmのPETフィルムをコロナ処理に供する。次いで接着剤30μmを、バーコーターを使用して処理したPET上に堆積する。接着剤は、HBTS ESP 877とBoscodur 1621との相対的割合が、ESP 877が100部でありBoscodur 1621が9部である混合物である。接着剤の溶媒を、換気炉内で50℃で、数分間蒸発させて取り除く。炉から出したら、やはりコロナ処理したApolhya Solar LC3UVのフィルムを、接着剤がコーティングされたPET上に手作業でラミネートする。次いでアセンブリを、80℃で5分間、加熱プレス内でプレスする。最後に、PET/接着剤/LC3UVのアセンブリを、60℃で3日間、ポストキュアする。
フィルム上で実施された試験:
ミニ試験モジュールのアセンブリ
ミニ試験モジュールを、Penergy(登録商標)社製の実験室用ラミネーターを使用して組み立てた。2つのタイプのミニ試験モジュールを生成した。第1のタイプは、3mmのガラス層上に、400μmのLC3UV層、結晶質シリコンで作製された活性層の断片および金属コネクタ、第2のLC3UV層、および最後にKPEバックシート層を、連続的に積層することにある。第2のタイプは、3mmのガラス層上に、400μmのLC3UV層、結晶質シリコンで作製された活性層の断片および金属コネクタ、および最後にPET/LC3UVバックシート−カプセル材層を、連続的に積層することにある。
2つのタイプの構造で、適用されるラミネーションサイクルは、下記の通りである:
− 第1のステップ:150℃で300秒間ガス抜きをする;
− 第2のステップ:150℃で160秒間プレスする。
モジュールの品質は、しわ、気泡、膨れ、コネクタの破損など、裸眼で見える欠陥の数によって評価する。
本発明によるフィルムは、先に定義されたカプセル材層とバックシート層との組合せによって少なくとも定義されることに留意されたい。2重層フィルムであって前記層のそれぞれに単一成分を有する2重層フィルムであると定義された本発明の利点は、一方ではカプセル材を形成し他方ではバックシートを形成する組成物の組合せに関して実証されるが、本発明によるこのフィルムの本来の品質は、特にバックシートを形成する層へのPVDF層の付加によって、かつ/または特異的官能性を有する添加剤の添加によって、実質的に改善できることが明らかに理解される。
同様に、本発明によるフィルムの例は全て、スキン層およびコア層に関して同じ厚さを有するが、当業者なら、その厚さを、一方でカプセル材を形成し他方でバックシートを形成する要素間で生じた相乗作用にも関わらず、太陽電池モジュールの適用例とカプセル材およびバックシートの本来の性質に関する太陽電池モジュールの性能とに応じて変えることができることが、明らかに理解される。
本発明を、以下の非限定的な実施例によって、より詳細に例示する。
ラミネーターを使用して、3mmのガラス板、第1の400μm LC3UV層、結晶質シリコン+コネクタのセル、およびLC3UV/PETのカプセル材/バックシート層の積層体を組み立てることにより得られた、ミニ試験モジュール。
比較例1:ラミネーターを使用して、3mmのガラス板、第1の400μm LC3UV層、結晶質シリコン+コネクタのセル、第2のLC3UV層、およびKPEバックシートを組み立てることにより得られた、ミニ試験モジュール。
実施された試験の結果
Figure 2014512685

Claims (15)

  1. 1つの層がカプセル材(22)を形成し、もう1つの層がバックシート(26)を形成している2つの層を含み、カプセル材−バックシートのアセンブリ(22、26)が100μm(マイクロメートル)よりも大きい厚さを有する、太陽電池モジュール用の2重層熱可塑性フィルムであって:
    a)カプセル材(22)が、ポリアミドグラフトポリマーからなり、ポリアミドグラフトポリマーが、ポリアミドグラフトポリマーの50重量%から95重量%に相当するポリオレフィン主鎖を含み、少なくとも1つの不飽和モノマー(X)の残基、および前記ポリアミドグラフトポリマーの5重量%から50重量%に相当する少なくとも1つのポリアミドグラフトを含有し:
    − ポリアミドグラフトが、少なくとも1個のアミン末端基および/または少なくとも1個のカルボン酸末端基を有するポリアミドとの縮合反応を介して反応することが可能な官能基を含む不飽和モノマー(X)の残基によって、ポリオレフィン主鎖に付着され;
    − 不飽和モノマー(X)の残基が、グラフト化または共重合によって主鎖に付着され、
    − ポリオレフィン主鎖およびポリアミドグラフトが、前記ポリアミドグラフトポリマーが75℃以上および160℃以下の流れ温度を有するように選択され、前記流れ温度が、ポリアミドグラフトおよびポリオレフィン主鎖の融解温度およびガラス転移温度の中で最も高い温度と定義され;
    b)バックシート(26)が、ヤング率が1.1GPa超であり(ASTM D638規格)、好ましくは1.3GPa以上であるポリマーから形成された層を含む
    ことを特徴とする、2重層熱可塑性フィルム。
  2. カプセル材(22)の前記グラフトポリマーがナノ構造化されることを特徴とする、請求項1に記載のフィルム。
  3. カプセル材(22)の前記グラフトポリマーの前記ポリアミドグラフトの数平均モル質量が、1000から5000g/molに及ぶ範囲内にあり、好ましくは2000から3000g.mol−1に及ぶ範囲内にあることを特徴とする、請求項1または2に記載のフィルム。
  4. カプセル材(22)の前記グラフトポリマーでは、ポリオレフィン主鎖に付着されたモノマー(X)の数が、1.3以上および/または10以下であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のフィルム。
  5. カプセル材(22)のグラフトポリマーの少なくとも1つのポリアミドグラフトが、少なくとも1つのコポリアミドを含むことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のフィルム。
  6. カプセル材(22)のグラフトポリマーのポリオレフィン主鎖が、融解温度を持たないまたは110℃よりも低い融解温度を有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のフィルム。
  7. カプセル材(22)のポリオレフィンのポリエチレンのコポリマーが、その密度が0.865から0.94の間にある(ASTM D 1505規格)エチレン/α−オレフィンコポリマー、またはエチレン/アルキル(メタ)アクリレート/無水物コポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のフィルム。
  8. バックシート層を形成するポリマーからなるバックシート(26)が、ポリエステルからなるものであってもよいことを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のフィルム。
  9. バックシート(26)が、実験式(C10のポリエチレンテレフタレート(PET)、またはポリマーの1つがポリエチレンテレフタレートであるコポリマーからなることを特徴とする、請求項8に記載のフィルム。
  10. バックシート(26)が、二フッ化ビニリデンのホモポリマー、または二フッ化ビニリデンと少なくとも1つのその他のフルオロモノマーとのコポリマーからなるフルオロポリマーから形成された層も含むことを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか一項に記載のフィルム。
  11. バックシート(26)を形成する層が、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、カーボンナノチューブ、ガラス繊維、さもなければナノメートル規模で混合される、改質されたまたは改質されていないクレーから選択された充填剤を含むことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか一項に記載のフィルム。
  12. カプセル材を形成する層が、有機物、結晶質、または無機物性の、より好ましくは半無機物、半有機物性の、非ポリマー成分からなる接着促進剤を含むことを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のフィルム。
  13. バックシート(26)およびカプセル材(22)がそれぞれ単層からなることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか一項に記載のフィルム。
  14. 太陽電池モジュールにおける、請求項1ないし13のいずれか一項に記載のフィルムの使用。
  15. 電気エネルギーを発生させることが可能な太陽電池セル(10)を含むカプセル材(22)を形成する少なくとも1つの層と、バックシート(26)を形成する1つの層とを有し、これら2つのカプセル材/バックシート層が請求項1ないし13のいずれか一項に記載のフィルム(22、26)を含む、太陽電池モジュール(20)。
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