JP2014512443A - 建材に使用するためのワックスエマルション - Google Patents

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Abstract

【課題】建材に使用するためのワックスエマルションの提供。
【解決手段】水と、パラフィン系炭化水素と、ポリビニルアルコールと、合成オレフィンワックス成分を含むワックス成分とを含む水性ワックスエマルションを開示する。上記合成オレフィンワックス成分は、(i)合成ノルマルα−オレフィンワックス、(ii)炭素数約20以上の炭素鎖長を有する合成オレフィンワックスであって、酸化及び/又は蒸留若しくはストリッピングによる精製によって改質された合成オレフィンワックス、並びに、(iii)それらの組合せからなる群から選択される。上記エマルションは、それを原料として作製される硬化性石膏組成物及び耐水性壁板に有用であり、それらも開示される。また、パラフィン系炭化水素と、ワックス成分と、水と、ポリビニルアルコールとを含む水性モンタン系ワックスエマルションに用いられるモンタンワックス代替物も開示される。上記ワックス成分は、上記ワックス成分中でモンタンワックスを用いる代わりに上記モンタンワックス代替物を上記ワックス成分に対して約1部〜約100%になるよう含み、合成オレフィンワックスを含む。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年4月17日に出願された米国仮特許出願番号61/476,314について米国法典第35編第119条(e)の利益を主張する。この仮特許出願の開示全体を本明細書に参照により引用する。
技術分野
本発明は、モンタンワックスを要せずに、建材に使用する上で優れた耐湿性が得られるワックスエマルションに関する。
合成や天然のワックスは多くの産業で使用されている。そのようなワックスのエマルションは、建材産業における製品、特に防水性石膏壁板や配向性ストランドボードに使用されることが知られている。建材産業において使用される天然ワックス、特に耐水性石膏壁板に使用される天然ワックスのなかでも、モンタンワックスが広く用いられている。モンタンワックスは亜炭ワックスであり、炭素数約24〜30の鎖長を有する長鎖アルキル酸及びアルキルエステルからなる化学成分を含んでいる。加えて、天然モンタンは、樹脂酸、ポリテルペンや、いくらかのアルコール、ケトン及び他の炭化水素を含むため、「純粋」なワックスではない。モンタンは鹸化性ワックスであり、その鹸化価は約92、融点は約80℃である。モンタンワックスは高い効果を示す半面、欠点も有り、純度が常に十分とは限らず、天然ワックスであるが故に配合組成がいくぶんばらつく傾向があり、さらに重要なことには、主にドイツで産出される天然資源から生産されるこのワックスの供給量は限られていることから、モンタンワックスはより高価なものとなってきており、十分な供給量を得ることはこのようなワックスエマルションの製造業者にとって課題となりつつある。
特許文献1には耐水性石膏組成物及びそれ用のワックスエマルションが記載されている。このエマルションは、融点が約40〜80℃のパラフィン系炭化水素と、上記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜200重量部のモンタンワックスと、上記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜50重量部のポリビニルアルコールとを含んでいる。耐水性壁板用ワックスエマルションにモンタンワックスを使用することは、モンタンワックスの使用に関わる他の欠点を考慮したとしても、極めて効果的であり、優れた性能が得られる。
モンタンワックス以外にも、様々な産業で使用される他の天然由来ワックスが知られており、例えば、原油を加工した石油ワックス(マクロクリスタリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン、パラフィンワックス等)が挙げられる。パラフィンワックスも石油由来の天然ワックスであり、炭素数20〜30の平均鎖長を有する直鎖アルカンから主に形成されている。
建材以外のところでも、天然由来ワックスに加えて、合成ワックスが種々知られている。例えば、低分子量、すなわち分子量が約10000未満の合成ポリエチレンワックスや、ワックス様の性質を示すポリエチレンが挙げられる。そのようなワックスは、分子量を制御するのに適した条件下でエチレンを直接重合することで形成できる。分子量が約2000〜4000の範囲のポリエチレンはワックスであり、約4000〜12000の範囲ではワックス樹脂(wax resins)となる。
フィッシャー・トロプシュワックスは、特殊な重合合成、具体的にはフィッシャー・トロプシュ合成(高圧及び高温下、特別な触媒を用いて一酸化炭素を重合して炭化水素を製造した後、蒸留して生成物を液体燃料とワックスに分離する)によって製造されるポリエチレンワックスである。このようなワックス(マイクロクリスタリン系、ポリエチレン系及びポリメチレン系炭化水素ワックス)は、空気酸化などにより化学的に改質したり(酸価30以下、鹸化価25以上とする)、無水マレイン酸やカルボン酸により変性したりすることができる。そのような改質又は変性ワックスは水中でより乳化しやすく、鹸化又はエステル化が可能である。他の合成ワックスとしてはα−オレフィン重合体が知られている。このワックスは、ワックス様の性質を有する炭素数20以上の高級α−オレフィンから形成されるものである。この物質は分岐が多く、分子量分布が広く、融点が約54〜75℃、分子量が約2600〜2800である。従って、ワックスは、基材の性質の他、重合又は合成プロセスや、得られる化学構造(化学的改質の有無や化学的改質の種類も含む)に応じて異なる。
建材分野において、特許文献2は中質繊維板(MDF)の作製に使用される組成物に関するものである。該組成物は、配向性ストランドボードやMDFへの用途において、表面張力を低減し、寸法安定性を改善する成分を有する。上記表面張力剤は、炭素数2〜6のフッ素化炭化水素化合物、又は、アルキルフェノール若しくはアルキル化アセチレンジオールのアルコキシレートのいずれかである。これらの物質は、モンタンワックスと他のワックスとの組合せと、鹸化するための水酸化アンモニウムと、水と、ポリビニルアルコールとを含む組成物に加えられる。該組成物には、パラフィンワックスやスケール又はスラックワックス(石油由来)等の非鹸化性ワックスを用いることもできる。使用できる鹸化性ワックスとして、モンタン、石油ワックス及び各種天然ワックスが挙げられる。
特許文献3には、防水性石膏ボード用エマルションへのアルキルフェノールの使用が開示されている。上記アルキルフェノールは、炭素鎖長24〜34のフェノール環を有する長鎖炭化水素鎖である。上記文献には、リグノスルホン酸及び硫酸マグネシウムの使用が記載されている。そのワックス成分はパラフィンとモンタンの組合せとすることもできる。上記特許文献3は、本発明者らによる先行する特許文献4のように、デンプンを使用しなくても上記組成物が安定であると主張している。上記組成物中のワックスとして、融点が約120°F(48.9℃)〜150°F(65.6℃)、低揮発性、高分子量、炭素鎖長36以上の各種市販ワックスを使用することもできる。炭化水素ワックス成分として、石膏スラリーの分野において既知のワックスが挙げられている。
特許文献5には、炭化水素ワックスと、ポリオレフィン/無水マレイン酸グラフト重合体と、ポリビニルアルコール及び/又はポリ酢酸ビニルとを含む石膏製品用水性エマルションが記載されている。上記マレイン酸変性物質はFLOZOL(R)として知られている。上記炭化水素ワックスとして、パラフィン、ポリエチレンワックス、マレイン酸化炭化水素ワックス、又は、それらの組合せを用いることができる。また、上記ワックスとして合成ワックスエステル又は酸ワックスを用いることもできる。上記ポリオレフィン/無水マレイン酸グラフト共重合体は、炭素鎖50〜500のグラフト共重合体であり、上記ワックスエマルションに加えると、最終石膏製品の撥水性を向上させると説明されている。
特許文献6には、エマルションに代えて、種々のワックスを水に添加した懸濁液が記載されている。この懸濁液は直接石膏に混合される。ワックスの説明において、上記懸濁液はポリエチレンワックス、マレイン酸化炭化水素等のワックスの他、ワックスの組合せを含むことができる。
特許文献7には、建材分野以外の用途でのポリオレフィンワックスの使用が記載されており、プラスチック加工用、具体的にはPVC用滑剤として使用されている。上記ワックスは、極性を改質(酸化)した又は極性試薬によるグラフト化を施した各種α−オレフィンの単独重合体や共重合体であると説明されている。上記ワックスは単独で使用することも、他のワックス(モンタンワックス、脂肪酸誘導体、パラフィン等)と組み合わせて使用することもできる。
特許文献8は、エマルションへのトリグリセリドの使用を記載しており、先行技術で使用されているのは、フィッシャー・トロプシュワックスやポリエチレンワックス等の石油ワックスや合成ワックスであると指摘している。それらのワックスは特許文献8の発明と同様の目的で使用されており、様々な結果が得られている。
広い意味でワックスのカテゴリーに含まれるものとして、化学的に改質されたワックス等、様々な種類のα−オレフィン及び他のオレフィン系合成ワックスが知られており、耐水性壁板分野以外にも様々な用途で使用されている。これらは多種多様であり、内容物や化学構造が異なる。上述したように、耐水性壁板製品には、通常、パラフィン又はモンタンが単独の組成で、又は、それら2つを組み合わせて、又は、上述した特許文献例に記載されているような他のパラフィン系若しくは合成ワックスと組み合わせて使用される。建材分野において、特にモンタンワックスの使用に替わる適切な代替物を見つけるという目的がある場合において、一般的にワックスエマルション用として種々のワックスやワックス代替物が使用又は試用されているものの、これまで採用されたワックスにはノルマルα−オレフィンワックス又は酸化α−オレフィンワックスは含まれていない。
当該分野においては、耐水性石膏組成物や配向性ストランドボード等の建材に使用されるワックスエマルションのさらなる開発を望むニーズや、供給量が限られ且つ天然資源であるが故に品質のばらつきが生じ得る高価なモンタンワックスの使用に替わるものでありながら、なおモンタンワックスと同等な防水性及びその望ましいワックスエマルション特性を発揮する代替物を提供してほしいとの要望がある。
米国特許第5,437,722号明細書 米国特許出願公開第2007/0181035号明細書 米国特許出願公開第2007/0245931号明細書 米国特許第6,663,707号明細書 米国特許第6,890,976号明細書 米国特許出願公開第2004/0083928号明細書 米国特許第7,192,909号明細書 米国特許出願公開第2006/0196391号明細書
本発明は、水と、パラフィン系炭化水素と、合成オレフィンワックス成分を含むワックス成分とを含む水性ワックスエマルションであって、上記合成オレフィンワックス成分は、(i)合成ノルマルα−オレフィンワックス、(ii)炭素数約20以上の炭素鎖長を有する合成オレフィンワックスであって、酸化及び/又は蒸留若しくはストリッピングによる精製によって改質された合成オレフィンワックス、並びに、(iii)それらの組合せからなる群から選択される、水性ワックスエマルションを含む。上記合成オレフィンワックス成分は、炭素鎖長28以上、より好ましくは30以上の上記合成オレフィンワックス(ii)であってもよい。また、上記合成オレフィンワックス成分は、上記合成オレフィンワックス(ii)であって、(a)炭素数約28〜約54の炭素鎖を有するオレフィン、(b)アルデヒド、ケトン、カルボン酸及びカルボン酸エステルから選択される1以上の成分、並びに、(c)炭素鎖長約28〜約54のオレフィンから形成される二量体炭素鎖長が約65〜約108の二量体、のうちの1以上からなる混合物を含んでいてもよい。
ある実施形態においては、上記ワックス成分は、さらにモンタンワックスを上記合成オレフィンワックス成分とのブレンドとして含むか、或いは、天然又は合成カルナバワックス、パームワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、アルケン重合体及び酸化ポリエチレンワックスのうちの1以上と上記合成オレフィンワックス成分とのブレンドであってもよい。別の実施形態においては、上記合成オレフィンワックス成分は、上記ワックス成分の約1〜約100%、好ましくは約20〜約80%、より好ましくは約30〜約70%、最も好ましくは約40〜約60%である。さらに別の実施形態においては、上記エマルションは鹸化剤を含んでもよい。上記鹸化剤は、水酸化カリウム等のアルカリ金属であってもよい。また、上記エマルションは分散剤及び界面活性剤のうち少なくとも1つを含んでもよい。上記分散剤は、硫黄又は硫黄含有基を含むのが好ましく、例えばリグノスルホン酸塩であってもよい。本発明の好ましい実施形態においては、上記パラフィン系炭化水素は、融点が約40℃〜約80℃のパラフィンワックスである。
さらに他の実施形態では、上記エマルションはさらに安定化剤、例えばポリビニルアルコール等を含み、該ポリビニルアルコールは、上記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約20重量部の量で含まれていてもよい。また、上記ポリビニルアルコールは、約97%〜約100%加水分解されたポリビニルアルコールであるのが好ましい。
また、本発明は、(a)100重量部の石膏と、(b)石膏100重量部に対してエマルション固形分が約0.5〜約20重量部となる水性エマルションとを含む、耐水性石膏製品製造に適した硬化性石膏組成物であって、上記水性エマルションは、(i)水と、(ii)パラフィン系炭化水素と、(iii)合成オレフィンワックス成分を含むワックス成分とを含み、上記ワックス成分は、上記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約200重量部の量で含まれる、硬化性石膏組成物を含む。上記合成オレフィンワックス成分は上記と同様であってもよい。ある実施形態においては、上記エマルションはさらにポリビニルアルコールを含み、該ポリビニルアルコールは、上記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約50重量部の量で含まれてもよい。本発明の好ましい実施形態では、上記ポリビニルアルコールは、約97%〜約100%加水分解されたポリビニルアルコールであってもよい。
本発明はさらに、本明細書において上述した石膏組成物型の硬化性組成物を含む耐水性石膏ボードを含む。さらに別の実施形態では、上記ボードは、本明細書において上述した石膏組成物タイプの硬化性組成物を含むコアが一対のライナーの間に挟まれたものであってもよい。
本発明はさらに、耐水性石膏ボードの製造方法であって、(a)(i)100重量部の石膏と(ii)上記石膏100重量部に対してエマルション固形分が約0.5〜約20重量部となる水性エマルションからなる混合物を形成する工程であって、上記水性エマルションは、a.水と、b.パラフィン系炭化水素と、c.上記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約200重量部の量の、合成オレフィンワックス成分を含むワックス成分とを含む、工程、(b)上記混合物から構造体を形成する工程、及び、(c)上記石膏を水和させつつ上記構造体を乾燥して、石膏壁板を形成する工程を含む方法を含む。上記合成オレフィンワックス成分は上記と同様であってもよい。ある実施形態においては、上記構造体はアセンブリであってもよく、上記方法はさらに、上記混合物の層を第一ライナー上に形成し、上記層上に第二ライナーを上記第一ライナーと向かい合うように配置して、上記層が上記第一ライナーと上記第二ライナーの間に挟まれた上記アセンブリを形成する工程を含んでもよい。本発明のさらなる実施形態では、上記エマルションはさらにポリビニルアルコールを含み、該ポリビニルアルコールは、上記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約50重量部の量で含まれてもよい。
また、パラフィン系炭化水素と、ワックス成分と、水と、ポリビニルアルコールとを含む水性モンタン系ワックスエマルションに用いられるモンタンワックス代替物であって、上記ワックス成分は上記モンタンワックス代替物を含み、上記モンタンワックス代替物は、(i)合成ノルマルα−オレフィンワックス、(ii)炭素数約20以上の炭素鎖長を有する合成オレフィンワックスであって、酸化及び/又は蒸留若しくはストリッピングによる精製によって改質された合成オレフィンワックス、並びに、(iii)それらの組合せからなる群から選択される合成オレフィンワックス成分を含む、モンタンワックス代替物も本発明の範囲に含まれる。
本発明の出願人は、好適なモンタンワックス代替物について鋭意検討した結果、驚くべきことに、そのような代替物に、建材分野の用途ではこれまで採用されなかった合成オレフィンワックス成分を用いることができ、それにより建材用ワックスエマルション中で優れた効果が発揮されて、良好な耐水性が得られ、供給能力が向上し、コストが削減されることを見出した。このように、上記合成オレフィンワックス成分は優れたモンタンワックス代替物と言える。
そのような物質には、合成オレフィンワックス成分が含まれ、該合成オレフィンワックス成分は好ましくは、ノルマルα−オレフィンワックス等の合成α−オレフィンワックス、及び/又は、本明細書に記載の合成オレフィンワックスを含む。この一般的なカテゴリーに属するものとして有用なものは例えばChevron−Phillips Chemical Company LP(テキサス州ザウッドランズ)から供給され、入手可能である商品名30+HA変性ワックス(CAS No.1003863−31−7;品番0001103509及び0001103513)が挙げられる。他に、耐水性石膏壁板等の建材用の上記ワックスエマルションに用いられる好ましい物質は、Chevronの米国特許出願公開第2007/0095723号明細書にオイル等の炭化水素系配合用の好ましい流動点降下剤として記載されている。この文献では、流動点降下剤として数種類が検討されているが、本明細書で使用できる注目すべき合成オレフィンワックスは、エチレンオリゴマー化や重質ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス)の熱分解によりオレフィン流として形成されるもの、パラフィンとオレフィンの混合物の他、ノルマルα−オレフィンワックス及び酸化ワックスである。
最も好ましいのは上記合成オレフィンワックスであり、具体的には、炭素数約28〜約54の鎖長を有するオレフィン;不飽和型若しくは飽和型のいずれか又は両方のアルデヒド、ケトン、カルボン酸及びカルボン酸エステルのうちの1以上;並びに、炭素鎖長約28〜約54のオレフィンから形成される二量体炭素鎖長が約65〜約108の二量体、から構成される混合物からなるものである。
上記流動点降下剤としての合成オレフィンワックス、ノルマルα−オレフィンワックス及び酸化ワックスを記載する米国特許出願公開第2007/0095723号明細書の開示の関連部分を本明細書に参照により引用する。Chevronによって、炭素数20超のChevron製α−オレフィンの誘導体は流動点降下剤として使用するものとして指定されている。Chevronは、上記ワックス分の化学的改質が可能であるとも述べている。Chevronの部類の合成オレフィンのなかでも好ましいのは、炭素鎖長約20以上、より好ましくは約26〜約28及びそれ以上、最も好ましくは鎖長30+のα−オレフィン(当該分野において流動点降下剤として使用されるものであってもよい)、並びに、炭素数約26以上のα−オレフィン合成物質(化学的に改質したものも含む)である。上述した上記物質の全てが本明細書における「合成オレフィンワックス成分」の範囲に含まれる。
他に好適なワックスとして、The International Group,Inc.(カナダ、オンタリオ州アジンコート)から入手可能なIGI R−4706Gが挙げられる。これは、炭素数約30以上の炭素鎖長を有する酸化α−オレフィンワックスでもあり、接着性が良好となるよう官能基が導入されている。
本明細書において合成オレフィンワックス成分中で単独又は様々な組合せで使用される合成ノルマルα−オレフィンワックス及び合成オレフィンワックスは、炭素数約20以上、より好ましくは約26以上、最も好ましくは約30以上の炭素鎖長を有するのが好ましく、また、酸化による改質、及び/又は、種々のストリッピング法、蒸留法等の当該分野で既知の若しくは今後開発される様々な方法によって分子量分布を狭めることによる上記ワックスの精製による改質、より好ましくは酸化及び精製による改質を施されているのが好ましい。さらにより好ましくは、上述した通り、オレフィン、飽和又は不飽和のケトン、アルデヒド、カルボン酸及び/又はカルボン酸エステル、並びに、オレフィン系二量体、から構成される混合物からなる合成オレフィンワックスであってもよい。
そのような化合物を含む好ましい物質は、既に建材分野で使用されているモンタンワックスを主体とするものと同等又は類似の性質を有するワックスエマルションの範囲に含まれる物質である。該物質はモンタンワックス又は他のモンタンワックス代替物に対する機能的代替物として使用してもよい。
本明細書における配合物を用いて水性エマルションを調製する際、本発明の水性エマルションは、パラフィン系炭化水素と合成オレフィンワックス成分と水とを含むのが好ましい。様々な用途のためにエマルションに従来用いられてきた他の添加剤を加えてもよい。そのような添加剤としては、例えば、エマルションの形成を助ける乳化剤(ポリビニルアルコール(好ましくは98%以上加水分解されたもの)等の安定化剤等)や、エマルションの安定化を助ける他の既知の又は今後開発される有用な物質、レオロジー調整剤、増粘剤、相溶化剤、着色剤、充填材、防腐剤、鹸化剤、分散剤、界面活性剤等が挙げられる。
上記パラフィンワックスは、上記合成オレフィンワックス及び得られるワックスエマルションと相溶性を示して機能する好適なパラフィン系ワックスであれば特に限定されないが、融点が約40℃〜約80℃であるものが好ましく、この特性は耐水性壁板製造に有利である。但し、配向性ストランドボード等の他の建材用途には他のパラフィンワックスを使用してもよい。
本明細書におけるエマルションを調製する際、上記エマルションのワックス成分はモンタンワックス代替物を主体とするものではあるが、必要に応じて、モンタンワックス、又は、本明細書の実施例に記載されるような別の好適なモンタンワックス代替物、例えば、天然カルナバワックス、パームワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、アルケン重合体及びその誘導体、シロキサン(触媒剤又は他の添加剤が添加されていてもされていなくてもよい。米国特許出願公開第2006/0035112号明細書等に記載されるように耐水性石膏壁板の作製において耐水性ワックス配合代替物としての使用が知られているもの)、漂白若しくは精製モンタンワックス、並びに、合成カルナバワックス等を上記合成オレフィンワックス成分とのブレンドとして含んでもよい。そのようなブレンドは、合成オレフィンワックス成分と別の代替モンタンワックス又はモンタンワックスの比が約99:1〜約1:99、好ましくは約80:20〜約20:80、さらに好ましくは約70:30〜約30:70、最も好ましくは60:40〜40:60であってもよい。但し、モンタン100%の配合ではない。上記合成オレフィンワックス成分(すなわち、合成オレフィンワックスとモンタンワックス又は別のモンタンワックス代替物とのブレンド)は、配合物中に上記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約200重量部、好ましくは約1〜約50重量部の合計量で含まれるのが好ましい。
好ましい実施形態では、上記エマルションに安定化剤が加えられる。該安定化剤はポリビニルアルコール又は類似物質、好ましくはポリ酢酸ビニルの加水分解により得られるポリビニルアルコールであるのが好ましく、ほぼ完全に又は全て加水分解されたポリビニルアルコールであるのが好ましい。より好ましくは、上記安定化剤は約90%以上加水分解されたポリビニルアルコールであり、さらに好ましくは97%〜100%加水分解されたポリビニルアルコールである。中でも特に好ましくは、使用されるポリビニルアルコールは、約60℃〜約90℃の高温では水に溶解するが、冷水には不溶のポリビニルアルコールである。上記ポリビニルアルコールは、上記パラフィンワックス100重量部に対して約1〜約50重量部、好ましくは約1〜約20重量部の量で含まれてもよい。上記ポリビニルアルコールによって耐水性を向上させることができる。
上記水性エマルションを調製するのに使用される水は、通常、上記エマルションの約35〜約80重量%、好ましくは約50〜約65重量%の量で使用される。
本発明のエマルション中で使用できる好適な乳化剤として、アルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤や、鹸化脂肪酸等の陰イオン性界面活性剤が挙げられ、使用する場合には上記エマルションの約0.1〜約5重量%の量で含まれてもよい。ワックスエマルションに有用であって配合物に有害な影響を及ぼさない他の公知の乳化剤又は今後開発される乳化剤を使用することもできる。
本発明のエマルション中で使用できる好適な鹸化剤としてアルカリ金属が挙げられ、好ましくは水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、硫酸マグネシウム、水酸化ナトリウム又は類似物質、より好ましくは水酸化カリウムである。鹸化剤は、上記エマルションの約5重量%以下、好ましくは約2重量%以下、より好ましくは約0.01〜約1重量%の量で含まれてもよい。ワックスエマルションに有用であることが知られている他の既知の又は今後開発される鹸化剤を使用することもできる。
当該分野において既知のタイプの分散剤又は界面活性剤を使用することもできる。好ましい分散剤としては、スルホン酸類(R−S(=O)−OH(R基は、ヒドロキシル基、カルボキシル基又は他の有用な結合基によって官能化されていてもよい))及びそれらの塩等、化合物内に硫黄又は硫黄含有基を有するものが挙げられるが、これらに限定されない。リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、これらのスルホン酸塩、並びに、これらの誘導体及びこれらに官能基を導入したもの等の高分子量のスルホン酸化合物が好ましい。また、ワックスエマルションに使用できる当該分野で既知の他の分散剤、例えば、硫酸マグネシウム;ヘプタモリブデン酸アンモニウム/デンプンの組合せ;非イオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤及びそれらの混合物;並びに、アルキル4級アンモニウムモンモリロナイトクレーの他、他の既知の分散剤等も使用できる。また、配合成分と相溶性を有し、配合成分とともに良好な性能を示すものであれば、類似の物質を本明細書中で使用することもできる。
分散剤及び/又は界面活性剤は、上記ワックスエマルションの約0.01〜約2重量%、好ましくは約0.1〜約2重量%の量で含まれるのが好ましい。
上記水性エマルションの一製造方法において、上記パラフィン系炭化水素及び上記合成オレフィンワックス成分(すなわち他のブレンドされたワックス)はそれぞれ加熱して溶解状態とした後、一緒にブレンドされる。その後、上記乳化剤や安定化剤等を含むポリビニルアルコールの高温水溶液を上記高温ワックスブレンドとともにコロイドミルに通過させてもよく、得られたエマルションは冷ます。
別の方法として、コロイドミルの代わりにホモジナイザーを使用してもよい。このようなホモジナイザーは、牛乳や他の製品を均質化するのに使用される装置と同じ一般的なタイプの装置であってもよい。このような方法では、ワックス成分と乳化成分の混合物を高圧下(典型的には約1500psi〜約3500psi)で供給して、ワックスを乳化し、コロイドミルを使用した場合に通常得られる粒径よりも小さい粒径とする。上記開示によって、当該分野で既知の又は今後開発される他の製造方法、他のタイプの装置及び他のエマルション調製手順も使用できることが当業者には理解されるであろう。本発明のエマルションは、該エマルションの乳化した成分が貯蔵時に分離した場合には、撹拌によって容易に再形成することもできる。
上記エマルションを用いて石膏壁板を作製する際、石膏材料の水性スラリーを調製する。本発明の水性エマルションを上記スラリーに添加し、石膏100重量部に対してエマルション固形分が約0.5〜約20重量部となる割合で上記スラリーと共に混合する。この組成は、石膏製造分野において必要となる従来の石膏配合条件に応じて変更してもよい。上記スラリーは、発泡剤、分散剤、硬化促進剤等の他の成分を含んでいてもよい。
上記硬化性石膏組成物から壁板を作製する際、石膏スラリーと本発明のエマルションの混合物を1枚目の壁板ライナーに塗布することでその上に上記石膏混合物の層を形成することができる。次に、その配置した層の上に2枚目のライナーを配置して、壁板アセンブリの状態となるように、すなわち、1枚目と2枚目が対向して互いに向かい合い、それらの間に上記石膏混合物の層が位置するように構造体を形成してもよい。別の方法としては、プレス−イン−プレイス成形や類似の方法等の製造方法を用いて、上記石膏スラリーからライナーのない壁板構造体を直接作製してもよく、従って、本明細書の石膏壁板とは、ライナーで覆われた壁板に限定されない。しかしながら、例えば外面に標準ライナーの代わりにガラスマットを用いて製造される壁板等のように、硬化性石膏配合物を含む壁板を作製するためのあらゆる製造法が本明細書に記載の本発明の範囲に含まれることは当業者に理解されるはずである。
次いで、得られた構造体又はアセンブリをオーブン乾燥などにより乾燥させて、石膏の水和に不要な余分な水分を除去して、石膏壁板の完成品を得てもよい。ライナーを使用する場合、ライナーは紙で形成されていてもよく、又は、繊維ガラス若しくは有機繊維マットを含むこともできる。以下に、本願を下記実施例を参照して説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
表1に示すような標準的な市販のモンタンワックス配合を用いて種々のモンタンワックス代替物候補の比較試験を行った。表2には、モンタンワックス対照と比較した本発明の種々の実施例1〜4とその結果を示す。表3には、他のモンタンワックスの代替物候補の比較例を結果と共に示す。
Figure 2014512443
上記実施例では、様々な基準及び特性、具体的には吸水率(単位:%、71°Fでの2時間の浸漬試験により測定)、スラリー粘度(No.4フォードカップを使用してその秒数を測定)、配合物粘度(標準ブルックフィールド粘度)、pH及び粒径(分析装置を使用して測定し、体積平均を求めた)を評価した。配合物の固形分比率は約38〜約42重量%の標準的な目標範囲に保った。また、各種試料のエマルション安定性及び発泡安定性を観察した。耐水性石膏壁板用途において評価される基準(吸水率は重要な基準と見なされる(好ましい吸水率は約6%以下、最も好ましくは約5%以下の吸水率))や、コスト面から見た利用のしやすさ及び他の工業的用途要素の基準に関して、試料をモンタンの代替物候補又は良好な代替物であると評価した。
Chevron Phillipsから得た各種合成オレフィンワックスの試料を評価した後、本発明の実施例で使用するために好ましい試料を幾つか選択した。好ましい物質には、Chevron Phillips H1413−86−5(本発明の実施例1及び2で使用)及びChevron Phillips H1413−91A(本発明の実施例3で使用)が含まれる。それらの実施例を下記表2に示す。
Figure 2014512443
表2及び本明細書に記載の本発明の代替物を見つけ出すにあたってモンタン代替物候補の評価を行うため、出願人は、カルナバワックス(Carnauba T−3及びT−4)、Sasol製フィッシャー・トロプシュワックス(A1及びA28)、精製モンタンワックス(漂白ワックス)(Clariant(R)EMS、ESL及びSワックス)、パームワックス(HP5401−C、HP5601−A)及び酸化パームワックス(HPX OX−50)などの他のモンタン代替物候補を対照配合物と比較する重要な試験も行った。比較例の代替物候補のほとんどはモンタンワックスと併用した場合にある程度の効果は示したものの、モンタンと完全に置き換えられるというニーズを満たすものではなかった。上記物質の中には、性能が不十分であることが判明したものもあった(パームワックス)。さらに、吸水率に関して性能が良かったものの、非常にコストがかかる代替物(カルナバワックス)及び/又は供給量が不十分若しくは入手困難なもの(漂白モンタン(なおモンタンを精製したものではあるが))であるため、製造上の観点から実際の利用可能性に乏しい代替物もあった。同様に、Sasol製フィッシャー・トロプシュワックスは性能が良いように思われた反面、入手できる量に限りがあり且つ加工が困難である。モンタン代替物候補の比較試験の各例を下記表3に示す。
Figure 2014512443
合成オレフィンワックスの形態の本発明の代替モンタンワックスを用いて作製されたワックスエマルションに関して、その配合物は対照試料と同等又はそれ以上の性能を示し、安価で且つ加工しやすいワックス配合物であって、独特な性質を有するモンタンワックス代替物を主体とする優れたワックスエマルションとして機能するものである。
その広範な発明概念から逸脱することなく、上記実施形態に変更を加えることができることは当業者に認識されるであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲内の改変形態を含むことを意図したものであると理解される。

Claims (33)

  1. 水と、
    パラフィン系炭化水素と、
    合成オレフィンワックス成分を含むワックス成分と
    を含む水性ワックスエマルションであって、
    前記合成オレフィンワックス成分は、(i)合成ノルマルα−オレフィンワックス、(ii)炭素数約20以上の炭素鎖長を有する合成オレフィンワックスであって、酸化及び/又は蒸留若しくはストリッピングによる精製によって改質された合成オレフィンワックス、並びに、(iii)それらの組合せからなる群から選択される、
    水性ワックスエマルション。
  2. 前記合成オレフィンワックス成分は、前記合成オレフィンワックス(ii)であって、炭素鎖長が28以上である、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  3. 前記合成オレフィンワックス成分は、前記合成オレフィンワックス(ii)であって、炭素鎖長が30以上である、
    請求項2記載の水性ワックスエマルション。
  4. 前記合成オレフィンワックス成分は、前記合成オレフィンワックス(ii)であって、(a)炭素数約28〜約54の炭素鎖を有するオレフィン、(b)アルデヒド、ケトン、カルボン酸及びカルボン酸エステルから選択される1以上の成分、並びに、(c)炭素鎖長約28〜約54のオレフィンから形成される二量体炭素鎖長が約65〜約108の二量体、のうちの1以上からなる混合物を含む、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  5. 前記ワックス成分は、さらにモンタンワックスを前記合成オレフィンワックス成分とのブレンドとして含む、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  6. 前記ワックス成分は、天然又は合成カルナバワックス、パームワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、アルケン重合体及び酸化ポリエチレンワックスのうちの1以上と前記合成オレフィンワックス成分とのブレンドである、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  7. 前記合成オレフィンワックス成分は、前記ワックス成分の約1〜約100%である、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  8. 前記合成オレフィンワックス成分は、前記ワックス成分の約20〜約80%である、
    請求項7記載の水性ワックスエマルション。
  9. 前記合成オレフィンワックス成分は、前記ワックス成分の約30〜約70%である、
    請求項8記載の水性ワックスエマルション。
  10. 前記合成オレフィンワックス成分は、前記ワックス成分の約40〜約60%である、
    請求項9記載の水性ワックスエマルション。
  11. さらに安定化剤を含む、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  12. 前記安定化剤はポリビニルアルコールである、
    請求項11記載の水性ワックスエマルション。
  13. 前記ポリビニルアルコールは、前記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約20重量部の量で含まれる、
    請求項12記載の水性ワックスエマルション。
  14. 前記ポリビニルアルコールは、約97%〜約100%加水分解されたポリビニルアルコールである、
    請求項13記載の水性ワックスエマルション。
  15. さらに鹸化剤を含む、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  16. 前記鹸化剤はアルカリ金属である、
    請求項15記載の水性ワックスエマルション。
  17. 前記アルカリ金属は水酸化カリウムである、
    請求項16記載の水性ワックスエマルション。
  18. さらに分散剤及び界面活性剤のうち少なくとも1つを含む、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  19. 前記分散剤は、硫黄又は硫黄含有基を含む、
    請求項18記載の水性ワックスエマルション。
  20. 前記分散剤はリグノスルホン酸塩である、
    請求項19記載の水性ワックスエマルション。
  21. 前記パラフィン系炭化水素は、融点が約40℃〜約80℃のパラフィンワックスである、
    請求項1記載の水性ワックスエマルション。
  22. (a)100重量部の石膏と
    (b)石膏100重量部に対してエマルション固形分が約0.5〜約20重量部となる水性エマルション
    を含む、耐水性石膏製品製造に適した硬化性石膏組成物であって、
    前記水性エマルションは、
    (i)水と、
    (ii)パラフィン系炭化水素と、
    (iii)合成オレフィンワックス成分を含むワックス成分とを含み、
    前記ワックス成分は、前記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約200重量部の量で含まれる、
    硬化性石膏組成物。
  23. 前記合成オレフィンワックス成分は、(i)合成ノルマルα−オレフィンワックス、(ii)炭素数約20以上の炭素鎖長を有する合成オレフィンワックスであって、酸化及び/又は蒸留若しくはストリッピングによる精製によって改質された合成オレフィンワックス、並びに、(iii)それらの組合せからなる群から選択される、
    請求項22記載の硬化性石膏組成物。
  24. 前記合成オレフィンワックス成分は、前記合成オレフィンワックス(ii)であって、炭素鎖長が30以上である、
    請求項23記載の硬化性石膏組成物。
  25. さらに安定化剤を含む、
    請求項22記載の硬化性石膏組成物。
  26. 前記安定化剤は、前記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約50重量部の量のポリビニルアルコールである、
    請求項25記載の硬化性石膏組成物。
  27. 前記ポリビニルアルコールは、約97%〜約100%加水分解されたポリビニルアルコールである、
    請求項26記載の硬化性石膏組成物。
  28. 請求項22記載の硬化性石膏組成物を含むコアが一対のライナーの間に挟まれた耐水性石膏ボード。
  29. 耐水性石膏ボードの製造方法であって、
    (a)(i)100重量部の石膏と
    (ii)前記石膏100重量部に対してエマルション固形分が約0.5〜約20重量部となる水性エマルション
    からなる混合物を形成する工程であって、
    前記水性エマルションは、
    a.水と、
    b.パラフィン系炭化水素と、
    c.前記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約200重量部の量の、合成オレフィンワックス成分を含むワックス成分とを含む、工程、
    (b)前記混合物から構造体を形成する工程、及び、
    (c)前記石膏を水和させつつ前記構造体を乾燥して、石膏壁板を形成する工程
    を含む方法。
  30. 前記混合物中の前記合成オレフィンワックス成分は、(i)合成ノルマルα−オレフィンワックス、(ii)炭素数約20以上の炭素鎖長を有する合成オレフィンワックスであって、酸化及び/又は蒸留若しくはストリッピングによる精製によって改質された合成オレフィンワックス、並びに、(iii)それらの組合せからなる群から選択される、
    請求項29記載の方法。
  31. 前記構造体はアセンブリであり、
    前記方法はさらに、前記混合物の層を第一ライナー上に形成し、前記層上に第二ライナーを前記第一ライナーと向かい合うように配置して、前記層が前記第一ライナーと前記第二ライナーの間に挟まれた前記アセンブリを形成する工程を含む、
    請求項29記載の方法。
  32. 前記混合物は、さらにポリビニルアルコールを前記パラフィン系炭化水素100重量部に対して約1〜約50重量部の量で含む、
    請求項29記載の方法。
  33. パラフィン系炭化水素と、ワックス成分と、水と、ポリビニルアルコールとを含む水性モンタン系ワックスエマルションに用いられるモンタンワックス代替物であって、
    前記ワックス成分は、前記エマルション中の前記ワックス成分に対して約1部〜約100%の量で前記モンタンワックス代替物を含み、
    前記モンタンワックス代替物は、(i)合成ノルマルα−オレフィンワックス、(ii)炭素数約20以上の炭素鎖長を有する合成オレフィンワックスであって、酸化及び/又は蒸留若しくはストリッピングによる精製によって改質された合成オレフィンワックス、並びに、(iii)それらの組合せからなる群から選択される合成オレフィンワックス成分を含む、
    モンタンワックス代替物。
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