JP2014512181A - 促進されたセルロース分解 - Google Patents

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Abstract

本開示は、セルロースおよびセルロース含有材料の分解に関連する組成物および方法を提供する。CDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチド、ならびに関連するポリヌクレオチドおよび組成物は、本明細書に示されている。CDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチド、ならびに関連するポリヌクレオチドおよび組成物に関連する方法は、さらに本明細書に示されている。

Description

〔関連出願に対する相互参照〕
本願は、参照によってその全体が本明細書に援用される米国仮出願第61/471,627号(出願日:2011年4月4日)および米国仮出願第61/510,463号(出願日:2011年7月21日)の利益を主張する。
〔ASCIIテキストファイルとしての配列表の提出〕
ASCIIテキストファイルに基づく以下の提出物:配列表のコンピュータ読取り可能な形態(CRF)(ファイル名:677792001440SEQLIST.txt、記録日:2012年3月29日、サイズ:194KB)の内容は、参照によってその全体が本明細書に援用される。
〔技術分野〕
本開示は、セルロースおよびセルロース含有材料の分解のための方法および組成物に関する。特に、本開示は、セルロースの分解に関与するポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび組成物、ならびにそれらの使用に関する。
生体燃料は、エネルギー確保、環境維持および世界的な気候変動について増大する懸念に起因して、集中的に研究されている。植物に基づく材料の、生体燃料への生物変換は、化石燃料の化学製品に対する魅力的な代替物とみなされている。
地球上に最も豊富な有機化合物の1つであり、植物の主要な構成要素であるセルロースは、β(1−4)連結されたD−グルコース分子の長鎖から構成されている多糖である。セルロースは、糖に基づくその組成のために、生体燃料および糖に由来する他の生成物の生成にとって潜在的かつ豊富な原材料である。例えば、糖は生物燃料(例えばエタノール)に発酵され得る。生物燃料の生成に使用されるセルロース内の糖のために、セルロースはより小さい分子に切断される必要がある。
セルロースは、化学的または酵素的な手段によって分解され得る。セルロースを加水分解する酵素は“セルラーゼ”と呼ばれ、当該酵素としては、例えばエンドグルカナーゼ、エキソグルカナーゼおよびβグルコシダーゼが挙げられる。
セルロースの分解のための手法は存在しているが、現在の手法は、相対的に非効率であり、高い費用を要し、セルロースに基づく手法の実現を制限している。したがって、セルロース分解の効率を向上させる試薬および手法の開発に大きな関心が寄せられている。セルロース分解の効率を向上させるアプローチの1つは、セルラーゼ酵素の触媒活性を向上させことである。代替的なアプローチ(セルラーゼの触媒活性を向上させることと共同して使用され得る)は、セルロースの分解を促進するためにセルラーゼとともに使用され得る組成物、およびそれらを使用する方法を開発することである。
セルロースの分解を促進するためのポリペプチド、ポリヌクレオチド、組成物および方法が、本明細書に開示されている。これらのポリペプチド、ポリヌクレオチド、組成物および方法は、従来のポリペプチド、ポリヌクレオチド、組成物および方法を超えて、セルロースの分解の著しい向上をもたらす。
第1のドメインおよび第2のドメインを有している天然に存在しないポリペプチドが、本明細書に開示されている。ここで、上記第1のドメインは、CDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインはセルロース結合モジュール(CBM)を含んでいる。これらのポリペプチドは、CDHヘムドメインを含んでおり、かつCBMを欠いているポリペプチドより、セルロースの分解において有効である。
また、CDHヘムドメインおよびCBMドメインを有している、デヒドロゲナーゼドメインを欠いている天然に存在しないポリペプチドが、開示されている。そのようなポリペプチドを利用するセルラーゼ反応は、活性酸素種をより少なく生成するので、酸化的損傷を低減させる。そのような酸化的損傷は、セルラーゼの酵素活性を低下させ得るか、酵素の基質もしくは生成物を化学的に変質させ得るか、および/または所望されない副生成物を生成させ得る。
組換えGH61ポリペプチドおよびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる、組成物が開示されている。これらの組成物は、本明細書に示されている種々のGH61ポリペプチドおよびCDHヘムドメインポリペプチドを含み得る。これらの組成物は、セルロース含有材料の分解を促進するために、セルラーゼおよびセルロース含有材料を含んでいる混合物を含み得る。
種々の組換えGH61ポリペプチドが開示されている。これらのポリペプチドは、セルロース含有材料の分解を促進するために、セルラーゼおよびセルロース含有材料を含んでいる混合物に供給され得る。
銅原子と結合されている組換えGH61ポリペプチドが、本明細書に記載されている。これらのポリペプチドは、銅原子と結合されていないこと以外において対応するGH61ポリペプチドより、セルロースの分解において有効である。
また、CBMを含んでいる種々の組換えCDHヘムドメインポリペプチドが開示されている。いくつかの局面において、これらのポリペプチドは、好気性条件において、嫌気性条件より高い活性を有している。したがって、反応に対する追加の酸素の供給は反応を促進させ得る。そのような酸素は、反応における空気のバブリングまたは標準的な他の手段によって供給され得る。
また、第1のドメインおよび第2のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドが開示されている。ここで、上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインはセルロース結合モジュール(CBM)を含んでいる。一形態において、上記ポリペプチドはデヒドロゲナーゼドメインを含んでいない。また、そのようなポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドが開示されている。
また、第1のドメイン、第2のドメインおよび第3のドメインを有している天然に存在しないポリペプチドが開示されている。上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含み得、上記第2のドメインはCBMドメインを含み得、上記第3のドメインはデヒドロゲナーゼドメインを含み得る。また、開示されているのは、そのようなポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドである。
また、組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が開示されている。ここで、上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドはCBMを含んでいる。上記組換えGH61ポリペプチドは、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含み得る。他の形態において、上記GH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドを含み得る。他の形態において、上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記GH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。これらの組成物はセルラーゼの1つ以上をさらに含み得る。
組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が開示されている。ここで、上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドはCBMを含んでおり、上記CBMは、配列番号32(N. crassaのCDH−1)または配列番号46(M. thermophilaのCDH−1)を含んでいる。上記組成物はセルラーゼの1つ以上をさらに含み得る。
(A)組換えGH61ポリペプチド、ならびに(B)CDHヘムドメインおよびCBMドメインを含んでいる天然に存在しない組換えポリペプチドを含んでいる組成物が、示されている。上記天然に存在しないポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインを必要に応じて含んでいる。上記組成物はセルラーゼの1つ以上をさらに含み得る。
また、(A)CDHヘムドメインを含んでいる第1のポリペプチド、および(B)CBMを含んでいる第2のポリペプチドを含んでいる組成物が、開示されている。ここで、上記第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、安定に相互作用しており、共有結合的に連結されていない。一形態において、上記第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、ロイシンジッパーモチーフを介して相互作用している。一形態において、上記CDHヘムドメインは、配列番号70(N. crassaのCDH−1ヘムドメイン)、配列番号76(N. crassaのCDH−2ヘムドメイン)、配列番号80(M. thermophilaのCDH−1ヘムドメイン)、および配列番号86(M. thermophilaのCDH−2ヘムドメイン)から選択されるアミノ酸配列を含んでおり、上記CBMは、配列番号74(N. crassaのCDH−1 CBMドメイン)または配列番号84(M. thermophilaのCDH−1 CBMドメイン)のアミノ酸配列を含んでいる。他の形態において、これらの組成物はGH61ポリペプチドを含んでいる。他の形態において、これらの組成物はセルラーゼの1つ以上をさらに含み得る。
(A)組換えGH61ポリペプチド、および(B)CBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に開示されている。ここで、上記CDHヘムドメインは、配列番号70(N. crassaのCDH−1ヘムドメイン)、配列番号76(N. crassaのCDH−2ヘムドメイン)、配列番号80(M. thermophilaのCDH−1ヘムドメイン)、および配列番号86(M. thermophilaのCDH−2ヘムドメイン)から選択されるアミノ酸配列を含んでおり、上記CBMは、配列番号74(N. crassaのCDH−1 CBMドメイン)または配列番号84(M. thermophilaのCDH−1 CBMドメイン)のアミノ酸配列を含んでいる。一形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドを含んでいる。一形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)または配列番号28(NCU08760)を含んでいる。他の形態において、上記組成物のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、配列番号32(N. crassaのCDH−1)または配列番号46(M. thermophilaのCDH−1)を含んでいる。これらの組成物はセルラーゼの1つ以上をさらに含み得る。
(A)組換えGH61ポリペプチド、および(B)デヒドロゲナーゼドメインを欠いている、CBMを含んでいる天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に記載されている。ここで、上記CDHヘムドメインは、配列番号70(N. crassaのCDH−1ヘムドメイン)、配列番号76(N. crassaのCDH−2ヘムドメイン)、配列番号80(M. thermophilaのCDH−1ヘムドメイン)、および配列番号86(M. thermophilaのCDH−2ヘムドメイン)から選択されるアミノ酸配列を含んでおり、上記CBMは、配列番号74(N. crassaのCDH−1 CBMドメイン)または配列番号84(M. thermophilaのCDH−1 CBMドメイン)のアミノ酸配列を含んでいる。上記組成物はセルラーゼの1つ以上をさらに含み得る。
(A)組換えGH61ポリペプチド、ならびに(B)デヒドロゲナーゼドメインおよびCBMを含んでいる天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に記載されている。ここで、上記CDHヘムドメインは、配列番号70(N. crassaのCDH−1ヘムドメイン)、配列番号76(N. crassaのCDH−2ヘムドメイン)、配列番号80(M. thermophilaのCDH−1ヘムドメイン)、および配列番号86(M. thermophilaのCDH−2ヘムドメイン)から選択されるアミノ酸配列を含んでおり、上記CBMは、配列番号74(N. crassaのCDH−1 CBMドメイン)または配列番号84(M. thermophilaのCDH−1 CBMドメイン)のアミノ酸配列を含んでいる。上記組成物はセルラーゼの1つ以上をさらに含み得る。
また、(A)組換えGH61ポリペプチド、(B)CBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチド、および(C)セルラーゼの1つ以上を含んでいる組成物が、記載されている。一形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドを含んでいる。一形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。一形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)または配列番号の配列28(NCU08760)を含んでいる。他の形態において、上記組成物のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、配列番号32(N. crassaのCDH−1)または配列番号46(M. thermophilaのCDH−1)を含んでいる。他の形態において、CBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、天然に存在しないポリペプチドである。
GH61ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチド、およびCBMを含んでいるCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる宿主細胞が、本明細書に示されている。一形態において、CBMを含んでいるCDHヘムドメインポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドは、天然に存在しないポリペプチドをコードしている。
セルロースを分解する方法が開示されている。当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上および組成物と接触させて、分解されたセルロースを生じさせることを包含している。ここで、上記組成物は、組換えGH61ポリペプチドおよびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる。一形態において、上記組換えGH61ポリペプチドは、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいる。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドを含んでいる。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、配列番号32(N. crassaのCDH−1)または配列番号46(M. thermophilaのCDH−1)を含んでいる。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメインおよび第2のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドであり、当該第1のドメインは、CDHヘムドメインを含んでおり、当該第2のドメインは、デヒドロゲナーゼドメインを含んでおらず、CBMを含んでいる。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメイン、第2のドメインおよび第3のドメイン含んでいる天然に存在しないポリペプチドである。ここで、上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインはCBMを含んでおり、上記第3のドメインはデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる。上記方法において、上記セルロースはバイオマスに存在し得る。そのような方法において、バイオマスは上記方法によって分解される。バイオマスを用いる方法において、上記バイオマスは前処理ステップに供され得る。
セルロースを分解する方法が示されている。当該方法は、上記セルロースを、セルラーゼの1つ以上および組成物と接触させることを包含しており、ここで、当該組成物は、CDHヘムドメインを含んでいる第1のポリペプチドおよびCBMを含んでいる第2のポリペプチドを含んでいる。上記第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、安定に相互作用しており、共有結合的に連結されていない。上記方法の一形態において、上記第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、ロイシンジッパーモチーフを介して相互作用している。上記方法の他の形態において、GH61ポリペプチドは、上記セルラーゼおよび組成物とともに含まれ得る。上記方法において、上記セルロースはバイオマスに存在し得る。そのような方法において、バイオマスは上記方法によって分解される。バイオマスを用いる方法において、上記バイオマスは前処理ステップに供され得る。
また、バイオマスを発酵生成物に変換する方法が、本明細書に示されている。ここで、当該方法は、上記バイオマスを、セルラーゼの1つ以上および組成物と接触させて、糖溶液を生じさせること、ならびに発酵生成物を生成するための十分な条件において発酵微生物とともに上記糖溶液を培養することを包含しており、当該組成物は、CBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる。この方法において、上記バイオマスは前処理ステップに供され得る。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドである。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。一形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、配列番号32(N. crassaのCDH−1)または配列番号46(M. thermophilaのCDH−1)を含んでいる。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメインおよび第2のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドである。ここで、上記第1のドメインは、CDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインは、CBMを含んでおり、デヒドロゲナーゼドメインを含んでいない。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメイン、第2のドメインおよび第3のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドである。ここで、上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインはCBMを含んでおり、上記第3のドメインはデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる。
バイオマスを発酵生成物に変換する方法がさらに示されている。当該方法は、上記バイオマスを、セルラーゼの1つ以上および組成物と接触させて、糖溶液を生じさせること、ならびに発酵生成物を生成するための十分な条件において発酵微生物とともに上記糖溶液を培養することを包含している。上記組成物は、CDHヘムドメインを含んでいる第1のポリペプチドおよびCBMを含んでいる第2のポリペプチドを含んでおり、当該第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、安定に相互作用しており、共有結合的に連結されていない。この方法において、上記バイオマスは前処理ステップに供され得る。一形態において、上記第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、ロイシンジッパーモチーフを介して相互作用している。上記方法の他の形態において、GH61ポリペプチドは、上記セルラーゼおよび組成物とともに含まれ得る。
セルロース、およびセルラーゼを含んでいる混合物におけるセルロースの分解速度を増加させる方法が、本明細書に示されている。当該方法は、セルロースおよびセルラーゼを含んでいる上記混合物を、組成物と接触させることを包含しており、当該組成物は、組換えGH61ポリペプチド、およびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドである。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。一形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、配列番号32(N. crassaのCDH−1)または配列番号46(M. thermophilaのCDH−1)を含んでいる。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメインおよび第2のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドである。上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインは、CBMを含んでおり、デヒドロゲナーゼドメインを含んでいない。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメイン、第2のドメインおよび第3のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドである。上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインはCBMを含んでおり、上記第3のドメインはデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる。
セルロースおよびセルラーゼを含んでいる混合物においてセルロースの分解速度を向上させる増加させる方法が、本明細書に示されている。当該方法は、セルロースおよびセルラーゼを含んでいる上記混合物を、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含んでいる組成物と接触させることを包含している。上記第1のポリペプチドはCDHヘムドメインを含んでおり、第2のポリペプチドはCBMを含んでおり、当該第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、安定に相互作用しており、共有結合的に連結されていない。一形態において、上記第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、ロイシンジッパーモチーフを介して相互作用している。上記方法の他の形態において、GH61ポリペプチドは上記セルラーゼおよび組成物とともに含まれ得る。
前処理されたバイオマス混合物の粘性を低下させる方法が、本明細書に示されている。当該方法は、上記混合物を、セルラーゼおよび組成物と接触させて、低下した粘性を有している前処理されたバイオマス混合物を生じさせることを包含しており、当該組成物は、組換えGH61ポリペプチド、およびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドである。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。一形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、配列番号32(N. crassaのCDH−1)または配列番号46(M. thermophilaのCDH−1)を含んでいる。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメインおよび第2のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドである。上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインは、CBMを含んでおり、デヒドロゲナーゼドメインを含んでいない。他の形態において、上記方法のCBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメイン、第2のドメインおよび第3のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドである。上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインはCBMを含んでおり、上記第3のドメインデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる。
また、グルコース分子および4−ケトグルコース分子を生成する方法が、本明細書に開示されている。当該方法は、セルロースを、組換えGH61ポリペプチドおよびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、当該組換えGH61ポリペプチドは銅原子と結合されている。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドである。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。
また、セルロース重合体における1−4 グリコシド結合を切断する方法が、本明細書に開示されている。当該方法は、セルロースを、組換えGH61ポリペプチド、およびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、当該組換えGH61ポリペプチドは銅原子と結合されている。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドである。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。
また、グルコース分子における4位の炭素におけるC−H結合を切断する方法が、本明細書に開示されている。当該方法は、セルロースを、組換えGH61ポリペプチド、およびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、当該組換えGH61ポリペプチドは銅原子と結合されている。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドである。一形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記方法の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。
いくつかの局面において、上記方法または組成物における上記GH61ポリペプチドの少なくとも50%は、銅原子と結合されている。いくつかの局面において、上記方法または組成物における上記GH61ポリペプチドの少なくとも90%は、銅原子と結合されている。
また、複数の組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に開示されており、ここで、上記GH61ポリペプチドの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%または99%は、銅原子と結合されている。一形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドである。一形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる。他の形態において、上記組成物の上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる。
GH61ポリペプチドを生成する方法が本明細書に示されている。当該方法は、GH61ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを含んでいる細胞を、0.1〜1000μMの銅を含んでいる培地において培養すること、および上記GH61ポリペプチドをコードする上記組換えポリヌクレオチドからGH61ポリペプチドを生成するための十分な条件に上記細胞を供することを包含している。上記方法の一形態において、上記培地は100〜800μMの銅を含んでいる。
また、セルロースを分解する方法が本明細書に開示されている。当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、CBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインタンパク質、および組換えGH61ポリペプチドと接触させることを包含している。上記組換えGH61ポリペプチドは、(i)NCU2240/NCU01050クレードのポリペプチド、または(ii)配列番号90(NCU00836)、配列番号26(NCU07898)もしくは配列番号28(NCU08760)からなる群から選択されるアミノ酸配列を、0.1〜500μMの銅の濃度を有している混合物において含んでいる。上記方法の一形態において、上記反応混合物は1〜50μMの銅の濃度を有している。
また、セルロース、セルラーゼ、CMBを含んでいるCDHヘムドメインポリペプチド、およびGH61ポリペプチドを含んでいる混合物におけるセルロースの分解速度を向上させる方法が、本明細書に開示されている。当該方法は、反応混合物に1〜50μMの銅を供給することを包含している。
N. crassaのCDH−1の欠失。(A)AVICEL(商標)による増殖の7日後における、N. crassaの野生型およびΔcdh−1株の培養ろ過物に存在するタンパク質のSDS−PAGE。CDH−1に対応する消失するタンパク質バンドは、四角によって強調されている。(B)DCPIPのセロビオース依存性還元によって評価されたときの、野生型およびΔcdh−1培養物の培養ろ過物におけるCDH活性。値は3つの生物学的な反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。(C)野生型およびΔcdh−1の培養ろ過物のAvicelase活性。値は、手法上の3つ1組において実施された3つの生物学的反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。 Δcdh−1の培養ろ過物に対する、M. thermophilaのCDH−1の添加によるセルロース(AVICEL(商標))分解の刺激。(●)は、外来性のCDHが添加されなかった実験を表し、(○)は、1グラムのAVICEL(商標)につき400μgのM. thermophilaのCDH−1が添加された実験を表す。(A)Δcdh−1のN. crassaの培養ろ過物、(B)野生型N. crassaの培養ろ過物、または(C)N. crassaの由来の精製されたセルラーゼ(CBH−1、GH6−2、GH5−1、GH3−4)の混合物に対する、M. thermophilaのCDH−1の添加ありまたはなしのAvicelaseアッセイ。値は3つの反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。 CDHの他のアイソフォームによるセルロース分解の刺激。(A)M. thermophilaのCDH−1およびM. thermophilaのCDH−2のドメイン構造。CDH−1上にあるの赤いC末端ドメインは、真菌のセルロース結合ドメイン(CBM1)である。(B)M. thermophilaのCDH−1およびCDH−2についてのAVICEL(商標)結合アッセイ。レーン1 M. thermophilaのCDH−1、レーン2 M. thermophilaのCDH−2、レーン3 AVICEL(商標)と結合したCDH−1、レーン4 AVICEL(商標)と結合したCDH−2。(C)CDH−1(○)またはCDH−2(黒塗りの逆三角)の添加による、Δcdh−1の培養ろ過物のセルロース分解能(●)の刺激。(D)M. thermophilaのCDH−1およびM. thermophilaのCDH−2の濃度の、Δcdh−1の培養ろ過物のAvicelase活性に対する作用。値は3つの反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。 CDH−2のドメイン切断によるセルロース分解の刺激。CDH−2(黒塗りの□)、CDH−2フラビンドメイン(黒塗りの逆三角)、または組換えCDH−2ヘムドメイン(◆)の添加による、Δcdh−1の培養ろ過物のセルロース分解能(●)の刺激。値は3つの反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。 M. thermophilaのCDH1によるAvicelase活性の刺激の金属および酸素依存性。(A)10000倍に緩衝液交換されたΔcdh−1の培養ろ過物を、100μMのEDTAを用いて処理し、それから種々の金属イオンを用いて再構成し、45時間の反応後にAvicelase活性を分析した。最も左の2つのカラムを除いて、すべてのサンプルを、EDTAを用いて処理し、それから1.0mMの二価金属イオンを用いて12時間にわたって再構成した。(B)CDHによるAvicelase活性の刺激の酸素依存性。(黒)嫌気的に実施した実験、(灰色)好気的に実施した実験。値は3つの反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。 部分的に精製されたN. crassaのCDH1の、Δcdh−1の培養ろ過物に対する添加によるセルロース分解の刺激。(A)部分的に精製されたN. crassaのCDH1のSDS−PAGE。(B)Δcdh−1の培養ろ過物のAvicelase活性。(○)は、1グラムのAVICEL(商標)につき400μgのN. crassaのCDH1が加えられた実験を表す。(●)は、外来性のCDHが加えられなかった実験を表す。値は3つの反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。 本明細書を通して使用された精製されたタンパク質のSDS−PAGE。すべてのタンパク質は、以下の順:(1)M. thermophilaのCDH−1、(2)M. thermophilaのCDH−2、(3)M. thermophilaのCDH−2フラビンドメイン、(4)N. crassaのCBH−1、(5)N. crassaのGH6−2、(6)N. crassaのGH5−1、(7)N. crassaのGH3−4に、レーン毎に5μgにおいて添加された。 Pichia pastorisにおいて発現された組換えCDH−2ヘムドメインの純度およびスペクトル特性。(A)精製された組換えCDH−2ヘムドメインのSDS−PAGE。(B)酸化されたCDH−2ヘムドメイン(黒色)および還元されたCDH−2ヘムドメイン(灰色)のUV可視スペクトル。 1.0mMのEDTA存在下(○)におけるWT N. crassaの培養ブロスのAvicelase活性(●)。値は3つの反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。 M. thermophilaのCDH−1によるAvicelase活性の刺激の金属依存性。(A)10000倍に緩衝液交換されたΔcdh−1の培養ろ過物を、100μMのEDTAを用いて処理し、それから種々の金属イオンを用いて再構成し、45時間の反応後にAvicelase活性を分析した。最も左の2つのカラムを除いて、すべてのサンプルを、EDTAを用いて処理し、それから1.0mMの二価金属イオンを用いて12時間にわたって再構成した。値は3つの反復実験の平均値である。エラーバーはこれらの反復実験間の標準偏差である。 GH61タンパク質の精製手順。N. crassaのΔcdh−1を、2%のAVICEL(商標)を補ったフォーゲル塩に播いた。7日後に、培養物を、ろ過し、濃縮し、MonoQカラムに通して分離し、それから1.0mMのEDTAを用いて処理し、MonoQカラムに通して再び精製した。CDHの存在に依存するセルラーゼ増強活性を含んでいる画分を、ゲルろ過カラムに通して最後に精製した。 Δcdh−1の培養ろ過物のMonoQ分画。Δcdh−1の培養ろ過物を、25mMのトリス(pH8.5)に緩衝液交換し、NaCl勾配を用いてMonoQアニオン交換カラムに通して分離した。負荷、流出分およびすべての画分を、精製されたN. crassaのセルラーゼおよびAVICEL(商標)の、混合物に対する添加によって、CDHの存在下においてセルラーゼ活性を刺激する能力について試験した。それから、ゲルにおけるトリプシン消化およびLC−MS/MSを実施して、活性画分におけるすべてのタンパク質を同定した。NCU01050、NCU02240、NCU07898およびNCU08760が示されている。 精製N. crassaのGH61タンパク質のゲル。天然の精製されたN. crassaのGH61タンパク質のSDS−PAGE。レーンの見出しは以下の通り:L−ベンチマークタンパク質ラダー、1−NCU01050、2−NCU02240、3−NCU07898、4−NCU08760。 亜鉛によって再構成されたN. crassaのGH61タンパク質のセルラーゼアッセイ。精製に続いて、上記GH61タンパク質を1mMの硫酸亜鉛とともに少なくとも12時間にわたってインキュベートした。純粋なGH61タンパク質(0.02mg/mL)を、M. thermophilaのCDH−1(0.004mg/mL)の存在下において、N. crassaのセルラーゼ(0.05mg/mLのCBH−1、GH6−2およびGH5−1;0.005mg/mLのGH3−4)に加えて、セルラーゼ活性を刺激する能力について調べた。特に断りがない限り、すべてのアッセイを、50mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)および500μMの硫酸亜鉛における10mg/mLのAVICEL(商標)を用いて、40℃において実施した。データは、CDHおよびGH61の両方を欠いているアッセイ分析物に対する、24時間における分解のパーセントとして表されている。アッセイをすべて2つ1組において実施し、エラーバーは両者の範囲を表す。 EDTAを用いて処理されたN. crassaのGH61タンパク質のセルラーゼアッセイ。EDTAを用いて処理された純粋なGH61タンパク質(0.02mg/mL)を、M. thermophilaのCDH−1(0.004mg/mL)存在下において、N. crassaのセルラーゼ(0.05mg/mLのCBH−1、GH6−2およびGH5−1;0.005mg/mLのGH3−4)に加えて、セルラーゼ活性を刺激する能力について調べた。すべてのアッセイを、50mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)および500μMの硫酸亜鉛における10mg/mLのAVICEL(商標)を用いて、40℃において実施した。データは、CDHおよびGH61の両方を欠いているアッセイ分析物に対する、24時間における分解のパーセントとして表されている。アッセイをすべて2つ1組において実施し、エラーバーは両者の範囲を表す。 前処理されたトウモロコシ茎葉を用いた、N. crassaのGH61タンパク質のアッセイ。亜鉛によって再構成された純粋なGH61タンパク質(NCU01050、NCU02240、NCU07898、およびNCU08760、それぞれ0.01mg/mL)を、M. thermophilaのCDH−1(0.004mg/mL)の存在下(右のバー)または非存在下(左のバー)において、N. crassaのセルラーゼ(0.045mg/mLのCBH−1およびGH6−2;0.005mg/mLのGH3−4)を加えて、セルラーゼ活性を刺激する能力について調べた。すべてのアッセイを、50mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)および500μMの硫酸亜鉛における10mg/mLのAVICEL(商標)を用いて、40℃において実施した。データは、CDHおよびGH61の両方を欠いているアッセイ分析物に対する、24時間における分解のパーセントとして表されている。すべてのアッセイは3つ1組で実施し、エラーバーは標準偏差を表す。 NCU01050およびNCU02240に対して配列相同性を有しているGH61タンパク質の複数の配列アライメント。複数の配列アライメントを、T-COFFEE(Notredame C, et al., J. Mol. Biol. 302, pp. 205-217 (2000))を用いて局所的に実施し、Jalviewマルチプルアライメントエディタ(Waterhouse, A.M., et al. Bioinformatics 25, pp. 1189-1191 (2009))を用いて可視化した。アライメントにおける配列は、配列番号52〜69として示されている。GH61タンパク質の複数の配列アライメントのすべてを、分泌のための天然のタンパク質を標的にするために、使用されたN末端シグナルペプチドを欠いている精選された(curated)GH61配列に対して実施した。 NCU02240およびNCU01050に対して配列相同性を示す、選択されたGH61タンパク質の最尤系統学。NCU02240およびNCU01050に対して相同性を有している種々のタンパク質の最尤系統学を、系統推定分析(Dereeper A, et al. Nucleic Acids Res. 36, pp. W465-W469 (2008))によって評価した。複数の配列アライメントのためにT-COFFEEを用いた。アライメントの精選なしで、PhyMLを用いた最尤法を利用してツリーを生成した。TreeDynを用いてツリーを描出した。アライメントの配列は、配列番号52〜59として記載されている。 GH61タンパク質における天然の金属連結の同定。CDH−1の欠失を含んでいるNeurospora crassaを、2%w/vのAVICEL(商標) PH101および5μMの硫酸銅(II)を補ったフォーゲル塩培地によって、25℃および200RPMの振盪において、7日間にわたって増殖させた。0.2ミクロンのPESフィルタを通したろ過によって、培養物から真菌を取り除いた。培養ろ過物を、タンジェントフローフィルトレーションを用いて濃縮し、25mMのトリス(pH8.5)に緩衝液交換した。濃縮され、緩衝液交換されたろ過物を、10/100 GL MonoQカラムに加えて、直線的な塩勾配を用いて5つの画分に分画した。それから、各画分を、銅または亜鉛の存在について分析した。Perkin Elmerの導結合プラズマ原子発光分光器を用いて金属分析を実施した。棒グラフは、MonoQカラムからの各画分における亜鉛および銅の量を示す。2つの棒の各組について、銅は左側にあり、亜鉛は右側にある。画像は各画分のSDS−PAGEである。ゲル状の四角は、既知のGH61タンパク質の周囲にある。これらの実験の結果は、GH61タンパク質を含んでいる画分(流出分(FT)および画分A2)に最大量の銅が認められることを示している。 精製されたNCU01050の金属化学量論。25mMのトリス(pH8.5)および150mMの塩化ナトリウムにおける分離NCU01050ストックを、総容積1mLにおいて〜1mg/mLまで希釈した。硫酸銅、硫酸亜鉛、または銅および硫酸亜鉛の1:1混合物を、各金属の100μMの最終濃度までタンパク質に加え、サンプルを、室温において一晩(12〜16時間)にわたって放置した。それから、サンプルは、26/10脱塩カラムを用いて25mMのトリス(pH8.5)に緩衝液交換された。脱塩されたタンパク質を、3000 MWCOポリエーテルスルホンスピン濃縮器を用いて、2〜2.5mLの最終容積まで濃縮した。それから、280nMにおける吸光度を、総タンパク質濃度を算出するために、記録し、使用した、また、スピン濃縮器からの流出分をブランクとして残しておいた。Perkin Elmerの誘導結合プラズマ原子発光分光器を用いて金属分析を実施した。棒グラフは、銅、亜鉛または混合物(銅および亜鉛)とともにインキュベートしたNCU01050における亜鉛および銅の量を示す。2つの棒の各組について、銅は左側にあり、亜鉛は右側にある。この実験の結果は、銅および亜鉛の両方がNCU01050と結合し得るが、両金属の等モル量の存在下において銅が好ましい金属であることを支持している。 精製されたNCU07898の金属化学量論。25mMのトリス(pH8.5)および150mMの塩化ナトリウムにおける分離NCU07898ストックを、総体積1mLにおいて〜1mg/mLまで希釈した。硫酸銅、硫酸亜鉛、または銅および硫酸亜鉛の1:1混合物を、各金属の100μMの最終濃度までタンパク質に加え、サンプルを、室温において一晩(12〜16時間)にわたって放置した。それから、サンプルは、26/10脱塩カラムを用いて25mMのトリス(pH8.5)に緩衝液交換された。脱塩されたタンパク質を、3000 MWCOポリエーテルスルホンスピン濃縮器を用いて、2〜2.5mLの最終容積まで濃縮した。それから、280nMにおける吸光度を、総タンパク質濃度を算出するために、記録し、使用した、また、スピン濃縮器からの流出分をブランクとして残しておいた。Perkin Elmerの誘導結合プラズマ原子発光分光器を用いて金属分析を実施した。棒グラフは、銅、亜鉛または混合物(銅および亜鉛)とともにインキュベートしたNCU07898における亜鉛および銅の量を示す。2つの棒の各組について、銅は左側にあり、亜鉛は右側にある。この実験の結果は、銅および亜鉛の両方がNCU07898と結合し得るが、両金属の等モル量の存在下において銅が好ましい金属であることを支持している。 精製されたNCU08760の金属化学量論。25mMのトリス(pH8.5)および150mMの塩化ナトリウムにおける分離NCU07898ストックを、総体積1mLにおいて〜1mg/mLまで希釈した。硫酸銅、硫酸亜鉛、または銅および硫酸亜鉛の1:1混合物を、各金属の100μMの最終濃度までタンパク質に加え、サンプルを、室温において一晩(12〜16時間)にわたって放置した。それから、サンプルは、26/10脱塩カラムを用いて25mMのトリス(pH8.5)に緩衝液交換された。脱塩されたタンパク質を、3000 MWCOポリエーテルスルホンスピン濃縮器を用いて、2〜2.5mLの最終容積まで濃縮した。それから、280nMにおける吸光度を、総タンパク質濃度を算出するために、記録し、使用した、また、スピン濃縮器からの流出分をブランクとして残しておいた。Perkin Elmerの誘導結合プラズマ原子発光分光器を用いて金属分析を実施した。棒グラフは、銅、亜鉛または混合物(銅および亜鉛)とともにインキュベートしたNCU08760における亜鉛および銅の量を示す。2つの棒の各組について、銅は左側にあり、亜鉛は右側にある。この実験の結果は、銅および亜鉛の両方がNCU08760と結合し得るが、両金属の等モル量の存在下において銅が好ましい金属であることを支持している。 M. thermophilaのCDH−2の活性は、NCU01050によって促進される。この実験において、0.01mg/mLのMTのCDH−2を、1.0mMのセロビオースとともに30分にわたってインキュベートし、反応の生成物であるセロビオン酸をHPLC(ダイオネクス)によって分析した。CDHが10μMの銅およびセロビオースとともにインキュベートされると、0.24(任意の単位)のセロビオン酸のみが生成される。NCU01050が加えられると、生成されるセロビオン酸の量は、〜36倍の8.74ユニットまで向上される。CDH/NCU01050/銅の混合物に1.0mMのEDTAが加えられると、0.56ユニットのみが形成される。このデータは、NCU01050の存在がCDH−2によるセロビオースの酸化速度を向上させることを示している。 酸化された生成物の銅依存性。NCU01050/GH61−4を、N. crassaのから未変性のまま精製し、EDTAを用いて十分に処理して、すべての金属を除去した。タンパク質は、ICP-AESによって>95%の分離(金属なし)と決定され、それから、10倍モル過剰の硫酸亜鉛または硫酸第1銅を用いて1時間にわたって再構成された。GH61反応物の金属依存性を決定するために、5mg/mLのAVICEL(商標)に対してアッセイを実施した。すべてのアッセイを、10mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)において40℃において実施し、分析物は、N. crassaのCBH−1(0.035mg/mL)およびN. crassaのCBH−2(0.015mg/mL)を含んでいた。それから、CDH(0.005mg/mL)、NCU01050/GH61−4(グラフに挙げられている濃度)、または2つの組合せを、セルラーゼに加えた。30時間のインキュベート後に反応物を遠心分離し、分析物の上清を、5倍に希釈し、ダイオネクスのHPAECに加えた。ダイオネクス分析のために、300mMの酢酸ナトリウムにおける5分間の洗い流し、0mMの酢酸ナトリウムにおける3分間の平衡の後に、CarboPac PA200 HPAECカラムを、0.1MのNaOHにおいて使用し、勾配を、0〜160mMの酢酸ナトリウムにおいて16分にわたって実施した。ピークの明らかな組が20〜23分に溶出され、これらのピークは、CDHおよびGH61の両方を含んでいるサンプルにのみ存在する。滞留時間は、C1炭素におけるCDH酸化から生じるセルラーゼまたはそれらの酸生成物によって生成される任意のセロオリゴ糖より極めて長い。ダイオネクスによるこの新たな生成物は、亜鉛結合酵素と比べて銅結合酵素において非常に大きい。亜鉛の結合した1μMのGH61によってCDHの存在下において生成される新しいピークの面積は、銅の結合したGH61を40倍少なく含んでいる類似の反応とおよそ同じ大きさであった。棒グラフは、ダイオネクスによる新しい生成物のピーク面積の相対的な大きさを示す。2つの棒の各組について、亜鉛を用いて再構成されたGH61タンパク質との反応からの生成物の量は左にあり、銅を用いて再構成されたGH61タンパク質との反応からの生成物の量は右側にある。このアッセイに使用されたすべての試薬は、Sigma Traceselectの品質等級であり、分析物からすべての金属の混入物を除去するために、酵素およびAVICEL(商標)を、十分にEDTA処理し、洗浄した。 GH61ポリペプチドのH−X(4−8)−Q−X−YモチーフのHis残基、Gln残基およびTyr残基は、GH61ポリペプチド活性にとって重要である。H179A(“HA”)、Q188A(“QA”)およびY190F(“YF”)の変異を有しているN. crassaのNCU08760ポリペプチドを、それぞれ調製した。これらの異なる変異体NCU08760ポリペプチドおよび野生型(“WT”)NCU08760を、リン酸によって膨潤されたセルロース(“PASC”)に対する活性についてアッセイした。X軸は酵素および濃度(単位μm)を示し、y軸はPk領域(酸)を示す。
本開示はセルロースを分解する組成物および方法に関する。これらの組成物および方法は、従来のポリペプチド、ポリヌクレオチド、組成物および方法を超えて、セルロース分解の著しい向上をもたらす。いくつかの実施形態において、本開示は、新規のポリペプチドおよび当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。いくつかの実施形態において、本開示は、CDH依存性の修飾セルラーゼ系を同定するための方法に関する。
セロビオースデヒドロゲナーゼ(CDH)ヘムドメインポリペプチドに関わる組成物および方法が、本明細書に開示されている。タンパク質CDHは、Phanerochaete chrysosporium(“P. chrysosporium”)において初めて同定され、CDH相同分子種は、複数種の真菌(Neurospora crassa(“N. crassa”)が挙げられる)において同定されている。
CDHタンパク質は、N末端ヘムドメインおよびC末端デヒドロゲナーゼドメインを含んでいる。また、CDHタンパク質のいくつかは、タンパク質のC末端にセルロース結合モジュール(CBM)を含んでいる。CDHヘムドメインの相同分子種は、真菌のタンパク質のみに見られ、デヒドロゲナーゼドメインの相同分子種は、生物のすべてのドメインの全体にわたるタンパク質に見られ、デヒドロゲナーゼドメインは、より大きなGMC酸化還元酵素スーパーファミリーの一部である。P. chrysosporiumのヘムおよびフラビンドメインの結晶構造は決定されている(Zamocky et al., Curr. Prot. Pept. Sci., Vol. 7, No. 3, pp. 255-280, (2006))。
CDHヘムドメインを含んでいる第1のドメイン、およびセルロース結合モジュール(CBM)を含んでいる第2のドメインを有している天然に存在しないポリペプチドが、本明細書に示されている。これらのポリペプチドは、CBMを欠いていること以外において対応する、CDHヘムドメインを含んでいるポリペプチドより、セルロース分解において有効である。また、CBMを欠いていること以外において対応する、CDHヘムドメインを含んでいるポリペプチドより、少量のこれらのポリペプチドを用いてセルロースの分解を促進し得る。
また、第1のドメインおよび第2のドメインを有しており、デヒドロゲナーゼドメインを有していない天然に存在しないポリペプチドが、本明細書に示されている。上記第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、上記第2のドメインはセルロース結合モジュール(CBM)を含んでいる。これらのポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインを有していること以外において対応する、CDHヘムドメインおよびCBMを有しているポリペプチドと比べて、セルラーゼ反応における分子への酸化的損傷を低減させ得、セルラーゼ反応における活性酸素種の形成を減少させ得る。セルラーゼ反応における分子への酸化的損傷は、例えば、酵素活性の低下、酵素基質もしくは生成物の化学的な変性、または所望されない副生物の生成の1つ以上を引き起こし得る。
本明細書に開示されているCDHヘムポリペプチドは、好気性条件において、嫌気性条件より高い活性を有している。
本明細書に使用されるとき、“CDHタンパク質”は、N. crassaのCDH−1(配列番号32)、N. crassaのCDH−2(配列番号43)、M. thermophilaのCDH−1(配列番号46)、M. thermophilaのCDH−2(配列番号49)のアミノ酸配列を有しているポリペプチド、またはCDHヘムドメイン(後述されている)およびを有している天然に存在する他のポリペプチドを指す。異なる生物におけるCDHタンパク質は、既知のCDHタンパク質に対する配列同一性/配列相同性によって同定され得、CDHタンパク質の例としては、アクセション番号:XM_411367、BAD32781、BAC20641、XM_389621、AF257654、AB187223、XM_360402、U46081、AF081574、AY187232、AF074951およびAF029668のポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。また、“CDHタンパク質”は、天然に存在するCDHタンパク質の保存的に改変されているバリアントを指す。また、“CDHタンパク質”は、天然のシグナルペプチドあり、またはなしのCDHタンパク質を包含している。CDHタンパク質は、細胞によって分泌され得、cDNAの翻訳産物のN末端における短い(約15〜25アミノ酸)シグナル配列を有しており、当該シグナル配列は、当該タンパク質を分泌の対象にし、成熟CDHタンパク質において切断されている。
また、本明細書において、グリコシド加水分解酵素ファミリー61ポリペプチド(“GH61”ポリペプチド)に関わる組成物および方法が、本明細書に開示されている。GH61ポリペプチドは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl04076、NCBI名:glycol_hydro_61、およびPfamのタンパク質ファミリー番号:Pfam03443に示されているように分類されている配列を有しているポリペプチドの大きな集団である。
本明細書に開示されているGH61ポリペプチドは、セルラーゼおよびセルロース含有材料を含んでいる混合物に供給されて、GH61ポリペプチドが加えられていないこと以外において対応する混合物におけるセルロース含有材料の分解と比べて、これらの混合物におけるセルロース含有材料の分解を向上させ得る。
また、銅原子と結合されている組換えGH61ポリペプチドが示されている。これらのGH61ポリペプチドは、銅原子と結合していないこと以外において対応するGH61ポリペプチドより、セルロース分解の促進に有効である。
また、組換えGH61ポリペプチド、およびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が示されている。これらの組成物は、本明細書に開示されている種々のGH61ポリペプチドおよびCDHヘムドメインポリペプチドを含み得る。これらの組成物は、セルラーゼおよびセルロース含有材料を含んでいる混合物とともに含まれて、これらの組成物が加えられていないこと以外において対応する混合物におけるセルロース含有材料の分解と比べて、セルロース含有材料の分解を向上させ得る。
(バリアント、配列同一性および配列類似性)
比較を目的とした配列のアライメントの方法は当該分野において周知である。例えば、任意の2つの配列間におけるパーセント配列同一性の決定は、数学的なアルゴリズムを用いて実施され得る。そのような数学的なアルゴリズムの非限定的な例は、Myers and Miller (1988) CABIOS 4:11 17のアルゴリズム、Smith et al. (1981) Adv. Appl. Math. 2:482の局所的な相同性アルゴリズム、Needleman and Wunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443 453の相同性アライメントアルゴリズム、Pearson and Lipman (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. 85:2444 2448の類似性検索法、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873 5877のように変更されているKarlin and Altschul (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 872264のアルゴリズムである。
これらの数学的なアルゴリズムのコンピュータによる実行は、配列同一性を決定するための配列の比較に利用され得る。そのような実行としては、PC/Geneプログラム(Intelligenetics, Mountain View, Calif.から入手可能);ALIGNプログラム(Version 2.0)におけるCLUSTAL、ならびにWisconsin Genetics Software Package, Version 8(Genetics Computer Group (GCG), 575 Science Drive, Madison, Wis., USAから入手可能)におけるGAP, BESTFIT, BLAST, FASTAおよびTFASTAが挙げられるが、これらに限定されない。これらのプログラムを用いたアライメントは、初期設定のパラメータを用いて実施され得る。CLUSTALプログラムはHiggins et al. (1988) Gene 73:237 244 (1988)、Higgins et al. (1989) CABIOS 5:151 153、Corpet et al. (1988) Nucleic Acids Res. 16:10881 90、Huang et al. (1992) CABIOS 8:155 65、およびPearson et al. (1994) Meth. Mol. Biol. 24:307 331によって、十分に説明されている。ALIGNプログラムは、上述のMyers and Miller (1988)のアルゴリズムに基づいている。PAM120置換残基表(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティ、および4のギャップペナルティは、アミノ酸配列を比較する場合にALIGNプログラムとともに使用され得る。Altschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403のBLASTプログラムは、上述のKarlin and Altschul (1990)のアルゴリズムに基づいている。本発明のタンパク質をコードするヌクレオチド配列と相同なヌクレオチド配列を得るために、BLASTのヌクレオチド検索は、BLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12を用いて実施され得る。本発明のタンパク質またはポリペプチドと相同なアミノ酸配列を得るために、BLASTのタンパク質検索は、BLASTXプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて実施され得る。比較を目的としてギャップのあるアライメントを得るために、(BLAST2.0における)Gapped BLASTは、Altschul et al. (1997) Nucleic Acids Res. 25:3389に記載の通りに利用され得る。代替的に、(BLAST2.0における)PSI-BLASTは、複数の分子間における隔たりの関係を検出する反復検索を実施するために使用され得る。上述のAltschul et al. (1997) を参照すればよい。BLAST、Gapped BLASTまたはPSI-BLASTを利用する場合に、それぞれのプログラム(例えば、ヌクレオチド配列用のBLASTN、タンパク質用のBLASTX)の初期設定のパラメータが使用され得る。またアライメントは検査によって手動で実施され得る。
2つの核酸配列またはポリペプチド配列に関して、本明細書に使用されるときの配列同一性または同一性は、指定された比較ウィンドウの全体にわたって最大の一致のために整列化されているときに、同じである2つの配列における残基に対する言及をなしている。配列同一性のパーセンテージがタンパク質に対する言及に使用されている場合、アミノ酸残基が類似の化学特性(例えば、電荷または疎水性)を有している他のアミノ酸残基と置換されている保存的なアミノ酸置換によってしばしば異なる、同一ではない残基の位置は、分子の機能的な特性を変更しないと認識されている。配列が保存的置換において異なる場合、配列同一性のパーセントは、置換の保存的な性質について補正するために、上方に調整され得る。そのような保存的置換によって異なる配列は、配列類似性または類似性を有しているといわれる。この調整を行う手段は当業者に周知である。典型的に、これは、保存的置換を完全なミスマッチというより部分的なミスマッチと記録し、配列同一性のパーセンテージ増加させることを含んでいる。したがって、例えば、同一のアミノ酸が1のスコアを付与され、非保存的な置換が0のスコアを付与される場合に、保存的な置換は0と1との間のスコアを付与される。保存的な置換の得点は、例えばPC/Geneプログラム(Intelligenetics, Mountain View, Calif.)のプログラムに実行される通りに、算出されている。
酵素バリアントの機能的な活性は、酵素生成物を分析するために、分子生物学の標準的な手法(薄層クロマトグラフィーおよび光束液体クロマトグラフィーが挙げられる)を用いて評価され得る。酵素活性は、基質(セロビオース、結晶セルロース(例えばAVICEL(商標))、およびリグノセルロース材料が挙げられる)を用いて決定され得る。
(CDHヘムドメイン)
CDHヘムドメインを含んでいるポリペプチドが、本明細書に示されている。本明細書に使用されるとき、“CDHヘムドメイン”は、CDHタンパク質のヘムドメインのアミノ酸配列と同一であるか、または相同性のアミノ酸配列を有しているポリペプチドを指す。CDHヘムドメインは、十分に性質決定されており、当業者にとって公知である。Phanerochaete chrysosporiumのCDHタンパク質に由来するCDHヘムドメインの結晶構造は、決定されており(Hallberg, B.M. et al. Structure(9), pp. 79-88 (2000);および(Zamocky, M. et al., Curr. Prot. Pept. Sci., (7), 3, pp. 255-280, (2006)))、多くのCDHヘムドメインの配列が同定されている。CDHヘムドメインのアミノ酸配列の例としては、配列番号1〜23、配列番号70(N. crassaのCDH−1ヘム)、配列番号76(N. crassaのCDH−2ヘム)、配列番号80(M. thermophilaのCDH−1ヘム)、配列番号86(M. thermophilaのCDH−2ヘム)が挙げられる。
CDHヘムドメインは、およそ175〜225アミノ酸の長さであり、メチオニンおよびヒスチジン残基を介して配位されるヘム補欠分子族を有している。さらに、CDHヘムドメインは、ヘム基の保存されているメチオニン/ヒスチジン配位に起因して、保存されているスペクトル特性を有している。CDHヘムドメインは、種々の手法(既知のCDHヘムドメインに対するアミノ酸または核酸の配列相同性、既知のCDHヘムドメインと比べたときのスペクトル特性、既知のCDHヘムドメインと比べたときの3次元構造が挙げられる)によって同定され得る。当業者によって理解される通り、低いアミノ酸配列類似性を有しているポリペプチドは、非常に類似したスペクトル特性および/または3次元構造を依然として有し得る。
本明細書に示されているときの“CDHヘムドメイン”は、配列番号1〜23、配列番号70(N. crassaのCDH−1ヘム)、配列番号76(N. crassaのCDH−2ヘム)、配列番号80(M. thermophilaのCDH−1ヘム)、配列番号86(M. thermophilaのCDH−2ヘム)に示されているアミノ酸配列を有しているポリペプチドを包含している。また、“CDHヘムドメイン”は、少なくとも約4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性/配列類似性を、配列番号1〜23、配列番号70、配列番号76、配列番号80、配列番号86に示されているポリペプチドのいずれかに対して有しているポリペプチドを包含している。また、“CDHヘムドメイン”は、メチオニンおよびヒスチジン残基を介して配位されるヘム基を有しており、配列番号1〜23、配列番号70、配列番号76、配列番号80、配列番号86に示されているポリペプチドのいずれかと相同性またはオルソロガスであると当業者に同定させるスペクトル特性および/または3次元特性を有しているポリペプチドを包含している。
(セルラーゼ結合モジュール(CBM))
セルロース結合モジュール(CBM)を含んでいるポリペプチドが、本明細書に示されている。CBMは、炭水化物結合活性を有している3次元構造を示しており、炭水化物と関連する酵素活性を有しているより巨大なタンパク質の一部であり得るアミノ酸配列である。本明細書に使用されるとき、“CBM”は、炭水化物結合活性をともなった不連続なひだ(discrete fold)を有している任意のポリペプチドを指す。一局面において、本開示のCBMはセルロースと結合し得る。
CBMは、アミノ酸配列、タンパク質の折り畳み構造、および/または結合特異性に基づいて種々のCBM“ファミリー”に整理されている。CBMについての情報は、例えば、Boraston A. et al., Biochem. J. 382, pp. 769-781 (2004)、およびShoseyov O. et al., Micro. Mol. Biol. Rev. (70) 2, pp.283-295 (2006)に与えられている。
本開示のCBMは“CBMファミリー1”のCBMを包含している。CBMファミリー1のCBMは、約40アミノ酸の長さであり、ほぼ真菌にのみ天然に存在する。CBMファミリー1のCBMは、十分に性質決定されているセルロース結合特性を有している。CBMファミリー1のCBMは、National Center for Biotechnology Information(NCBI)の保存されているドメインの識別子:cl02521、およびNCBI名:CBM_1を有している。また、CBMファミリー1のCBMは、InterProタンパク質データベースのアクセション番号:IPR000254、およびPfamタンパク質データベースのファミリー番号:pf00734を有している。
また、本開示のCBMは“CBMファミリー2”のCBMを包含している。CBMファミリー2のCBMは、約100アミノ酸の長さであり、主に細菌において天然に存在する。CBMファミリー2のCBMは、十分に性質決定されているセルロース結合特性を有している。CBMファミリー2のCBMは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl02709、およびNCBI名:CBM_2を有している。また、CBMファミリー2のCBMは、InterProタンパク質データベースのアクセション番号:IPR001919、およびPfamタンパク質データベースのファミリー番号:pf00553を有している。
本開示のCBMは“CBMファミリー3”のCBMを包含している。CBMファミリー3のCBMは、約150アミノ酸の長さであり、バクテリアにおいて天然に存在する。CBMファミリー3のCBMは、十分に性質決定されているセルロース結合特性を有している。CBMファミリー3のCBMは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl03026、およびNCBI名:CBM_3および有している。また、CBMファミリー3のCBMは、InterProタンパク質データベースのアクセション番号:IPR001956、およびPfamタンパク質データベースのファミリー番号:Pfam00942を有している。
本開示のCBMは“CBMファミリー8”のCBMを包含している。CBMファミリー8のCBMは、粘菌Dictyostelium discoideumにおいて同定されている。例えば、GenBankアクセション番号:AAA52077.1のポリペプチドは、CBMファミリー8のCBMを含んでいる。
本開示のCBMは“CBMファミリー9”のCBMを包含している。CBMファミリー9のCBMは、約170アミノ酸の長さであり、キシラナーゼにおいて同定されている。CBMファミリー9のCBMは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cd00005、CD09620およびCD09619、ならびにNCBI名:CBM9_like_1、CBM9_like_3およびCBM9_like_4を有している。また、CBMファミリー9のCBMは、InterProタンパク質データベースのアクセション番号:IPR003305、およびPfamタンパク質データベースのファミリー番号:pf02018を有している。
本開示のCBMは“CBMファミリー10”のCBMを包含している。CBMファミリー10のCBMは、約50アミノ酸の長さである。CBMファミリー10のCBMは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl07836、およびNCBI名:CBM_10を有している。CBMファミリー10のCBMは、InterProタンパク質データベースのアクセション番号:IPR002883、およびPfamタンパク質データベースのファミリー番号:Pfam02013を有している。
本開示のCBMは“CBMファミリー11”のCBMを包含している。CBMファミリー11のCBMは、約180〜200アミノ酸の長さである。CBMファミリー9のCBMは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl04062、およびNCBI名:CMB_11を有している。また、CBMファミリー9のCBMは、Pfamタンパク質データベースのファミリー番号:Pfam03425を有している。
本開示のCBMは、“CBMファミリー16”、“CBMファミリー30”、“CBMファミリー37”、“CBMファミリー44”、“CBMファミリー46”、“CBMファミリー49”、“CBMファミリー59”、および“CBMファミリー28”のCBMを包含している。
本開示のCBMは“CBMファミリー4”のCBMを包含している。CBMファミリー4のCBMは、約150アミノ酸の長さであり、細菌において天然に存在する。CBMファミリー4のCBMは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl03406、およびNCBI名:CBM_4_9を有している。また、CBMファミリー4のCBMは、InterProタンパク質データベースのアクセション番号:IPR003305、およびPfamタンパク質データベースのファミリー番号:Pfam02018を有している。
本開示のCBMは“CBMファミリー6”のCBMを包含している。CBMファミリー6のCBMは、約120アミノ酸の長さである。CBMファミリー6のCBMは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl02697、およびNCBI名:CBM_6を有している。また、CBMファミリー6のCBMは、InterProタンパク質データベースのアクセション番号:IPR005084、およびPfamタンパク質データベースのファミリー番号:Pfam03422を有している。
本開示のCBMは“CBMファミリー17”のCBMを包含している。CBMファミリー17のCBMは、約200アミノ酸の長さである。CBMファミリー17のCBMは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl04061、およびNCBI名:CBM_17_28を有している。また、CBMファミリー17のCBMは、InterProタンパク質データベースのアクセション番号:IPR005086、およびPfamタンパク質データベースのファミリー番号:Pfam03424を有している。
本開示のCBMは、N. crassaのCDH−1のCBMまたはM. thermophilaのCDH−1のCBMアミノ酸配列を有しているポリペプチドを包含している。N. crassaのCDH−1のCBMアミノ酸配列は、配列番号74に示されており、M. thermophilaのCDH−1のCBMは、配列番号84に示されている。
本開示のCBMドメインは、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上のか、または完全な(100%の)配列同一性/配列類似性を、配列番号74(N. crassaのCDH−1のCBM)または配列番号84(M. thermophilaのCDH−1のCBM)のポリペプチドに対して有している組換えポリペプチドを包含している。
(デヒドロゲナーゼドメイン)
デヒドロゲナーゼドメインを含んでいるポリペプチドが、本明細書に示されている。また、デヒドロゲナーゼドメインは、本明細書において“酸化的ドメイン”と呼ばれる。また、デヒドロゲナーゼドメインを有しているポリペプチドは、本明細書において“デヒドロゲナーゼ”と呼ばれる。デヒドロゲナーゼは、基質を酸化し(例えば、基質に電子を減らさせ/酸化数を上昇させ)得、受容体を還元し(例えば、受容体に電子を得させ/酸化数を低下させ)得る。
本開示のデヒドロゲナーゼドメインは、GMC酸化還元酵素スーパーファミリーのデヒドロゲナーゼドメインである。本開示のデヒドロゲナーゼドメインは、GMC酸化還元酵素Nスーパーファミリーのデヒドロゲナーゼドメインを包含している。GMC酸化還元酵素Nスーパーファミリーデヒドロゲナーゼドメインは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl02950、およびNCBI名:GMC_oxred_Nを有している。また、GMC酸化還元酵素Nスーパーファミリーデヒドロゲナーゼドメインは、Pfamタンパク質データベースのファミリー番号:pf00732を有している。本開示のデヒドロゲナーゼドメインは、GMC酸化還元酵素Cスーパーファミリーのデヒドロゲナーゼドメインを包含している。GMC酸化還元酵素Cスーパーファミリーデヒドロゲナーゼドメインは、NCBIの保存されたドメイン識別子:cl08434、およびNCBI名:GMC_oxred_Cを有している。また、GMC酸化還元酵素Nスーパーファミリーデヒドロゲナーゼドメインは、Pfamタンパク質データベースのファミリー番号:pf00732を有している。
本開示のデヒドロゲナーゼドメインは、N. crassaのCDH−1、N. crassaのCDH−2、M. thermophilaのCDH−1、M. thermophilaのCDH−2のデヒドロゲナーゼドメインを包含している。N. crassaのおよびM. thermophilaのCDHデヒドロゲナーゼドメインの両方に、フラビン基が存在する。また、本明細書に使用されるとき、N. crassaのCDH−1、M. thermophilaのCDH−1、および相同なCDHタンパク質のデヒドロゲナーゼドメインは、“フラビン”ドメインと呼ばれる。
本開示の他のデヒドロゲナーゼドメインは、CDH様ヘムドメイン、グルコース/ソルボソンデヒドロゲナーゼドメインおよび真菌のセルロース結合ドメインを有している、Coprinopsis cinera(“C. cinera”)のポリペプチド XP_001837973.1(配列番号50)のグルコース/ソルボソンデヒドロゲナーゼドメインでである。
本開示のデヒドロゲナーゼドメインは、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上のか、または完全な(100%の)配列同一性/配列類似性を、配列番号72(N. crassaのCDH−1のデヒドロゲナーゼドメイン)、配列番号78(N. crassaのCDH−2のデヒドロゲナーゼドメイン)、配列番号82(M. thermophilaのCDH−1のデヒドロゲナーゼドメイン)、配列番号88(M. thermophilaのCDH−2のデヒドロゲナーゼドメイン)、または配列番号51(C. cinera XP_001837973.1のデヒドロゲナーゼドメイン)のポリペプチドに対して有している組換えポリペプチドを包含している。
(本開示のポリペプチド)
本明細書に使用されるとき、“ポリペプチド”は、重合されている連続した複数のアミノ酸残基(例えば、重合されている連続した、少なくとも15のアミノ酸残基)を含んでいるアミノ酸配列を指す。ポリペプチドは、修飾されているアミノ酸残基、コドンによってコードされていない天然に存在するアミノ酸残基、および天然に存在しないアミノ酸残基を必要に応じて含んでいる。
本明細書に使用されるとき、“タンパク質”は、天然に存在するか、または合成のアミノ酸配列、オリゴペプチド、ポリペプチドまたはそれらの部分を指す。
本明細書に使用されるとき、“天然に存在しない”ポリペプチドは、天然にみられない全体としてのアミノ酸配列を有しているポリペプチド配列を指す(すなわち、ポリペプチドが天然にみられる部分配列を有してさえ、ポリペプチドの全体としてのアミノ酸配列が天然にみられない場合、当該ポリペプチドは、本明細書に使用されるとき“天然に存在しない”ポリペプチドとみなされる)。
本明細書に使用されるとき、“組換え”ポリペプチドは、以下の(a)〜(c)の少なくともいずれか1つが真である場合のポリペプチド配列を指す。(a)ポリペプチドの配列は、所定の宿主細胞にとって外来性である(すなわち当該宿主に天然にみられない)か、(b)ポリペプチドの配列は、所定の宿主細胞において天然にみられ得るが、異常な(例えば、予想を超えて多い)量であるか、または(c)ポリペプチドの全体的な配列は天然に存在しない。
本明細書に使用されるとき、天然に存在する配列に“由来する”ポリペプチドは、天然に存在する配列と同一であり得るか、または天然に存在する配列と異なり得る。
(CDHヘムドメインポリペプチド)
CDHヘムドメインポリペプチドが、本明細書に記載されている。本明細書に使用されるとき、“CDHヘムドメインポリペプチド”は、CDHヘムドメインを有している任意のポリペプチドを包含している。
CDHヘムドメインポリペプチドは、組換えCDHタンパク質を包含している。また、CDHヘムドメインポリペプチドは、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチド(後述されている)を包含している。CDHヘムドメインポリペプチドは、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを欠き得る。
(天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチド)
天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドが、本明細書に記載されている。天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CDHヘムドメインを含んでおり、全体としてのアミノ酸配列が天然にみられない任意のポリペプチドである。
天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、天然に存在する関係と互いに異なる関係において、天然に存在しないCDHヘムポリペプチド鎖に配置されている、ポリペプチドの2つ以上の天然に存在する部分配列および/またはドメインを含み得る。一形態において、天然に存在しないポリペプチドにおける部分配列および/またはドメインは、天然に存在しないCDHヘムポリペプチド鎖において、天然に存在するポリペプチドに存在するアミノ酸より少ないアミノ酸によって隔てられている。他の形態において、天然に存在しないポリペプチドにおける部分配列および/またはドメインは、天然に存在するポリペプチドに存在するアミノ酸より多いアミノ酸によって、天然に存在しないCDHヘムポリペプチド鎖において隔てられている。他の形態において、天然に存在しないポリペプチドにおける部分配列および/またはドメインは、天然に存在しないCDHヘムポリペプチド鎖において、天然に存在するポリペプチドに存在する順序と異なる順序になっている。他の形態において、天然に存在しないポリペプチドにおける部分配列および/またはドメインは、天然に存在しないCDHヘムポリペプチド鎖において、天然に存在するポリペプチドに存在する順序と異なる順序になっている。他の形態において、天然に存在しないポリペプチドにおける部分配列および/またはドメインは、天然に存在するポリペプチドにおいてともに存在していない。
CDHヘムドメインおよびCBMを含んでいる天然に存在しないポリペプチド
CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドが、本明細書に記載されている。CDHヘムドメインおよびCBMを有しているCDHヘムドメインポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインを必要に応じて含み得る。
CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないポリペプチドにおいて、CDHヘムドメインは、ポリペプチド鎖においてCBMと直接的に連結され得る。他の形態において、CDHヘムドメインおよびCBMは、1つ以上のアミノ酸によってポリペプチド鎖において隔てられ得る。いくつかの局面において、CDHヘムドメインおよびCBMは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000のアミノ酸によって、ポリペプチド鎖において隔てられ得る。
CDHヘムドメインおよびCBMは、CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないポリペプチドのポリペプチド鎖において、任意の順序に配置され得る。例えば、CDHヘムドメインは、ポリペプチド鎖においてCBMに対してN末端にあり得、ポリペプチド鎖においてCBMに対してC末端にあり得る。
CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないポリペプチドのCDHヘムドメインおよびCBMは、同じ種のCDHタンパク質に由来し得る(例えば、同じCDH遺伝子から得られる)。例えば、CDHヘムドメインが配列番号70の配列を有しており、かつCBMが配列番号74の配列を有しているように、CDHヘムドメインおよびCBMは、N. crassaのCDH−1(配列番号32)に由来し得る。他の例としては、CDHヘムドメインが配列番号80の配列を有しており、かつCBMが配列番号84の配列を有しているように、CDHヘムドメインおよびCBMは、M. thermophilaのCDH−1(配列番号46)に由来し得る。
他の形態において、CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないポリペプチドのCDHヘムドメインおよびCBMは、同じ種のCDHタンパク質に由来しない。例えば、CDHヘムドメインはCDHタンパク質に由来し得、CBMは非CDHタンパク質に由来し得る。他の例において、CDHヘムドメインは一方の種のCDHタンパク質に由来し、CBMは他方の種のCDHタンパク質に由来する(例えば、2つの異なるCDH遺伝子のCDHから得られる)。
CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないポリペプチドは、CBMを欠いている対応するポリペプチドまたは類似のポリペプチドより、セルロース分解の促進に有効であり得る。CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないポリペプチドは、CBMを欠いている対応するポリペプチドまたは類似のポリペプチドより、セルロース分解の促進において少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%、または1000%有効であり得る。
第1のポリペプチドが第2のポリペプチドより“セルロース分解の促進において有効である”例としては、(i)等しい数の第1および第2のポリペプチドの分子が、同じ反応条件をともなっている、セルラーゼを含んでいる2つの別の反応に供給され(第1のポリペプチドが一方の反応に加えられ、第2のポリペプチドが他方の反応に加えられるように)、かつ第2のポリペプチドがその反応におけるセルロース分解の速度を向上させるより、第1のポリペプチドは、その反応におけるセルロース分解の速度を向上させる場合;(ii)等しい数の第1および第2のポリペプチドの分子が、同じ反応条件をともなっている、セルラーゼを含んでいる2つの別の反応に供給され(第1のポリペプチドが一方の反応に加えられ、第2のポリペプチドが他方の反応に加えられるように)、かつ第2のポリペプチドがその反応におけるセルロース分解の程度を向上させるより、第1のポリペプチドは、その反応におけるセルロース分解の程度を向上させる場合;(iii)第2のポリペプチドより少ない第1のポリペプチドが、セルロースを含んでいる反応におけるセルロース分解の速度を、セルロース分解の目標の速度まで向上させるために必要である場合が挙げられるが、これらに限定されない。
また、CBMを欠いている対応するポリペプチドまたは類似のポリペプチドよりセルロース分解を促進する、CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないポリペプチドが示されている。例えば、CDHヘムドメインおよびCBMを有している天然に存在しないポリペプチドは、同じ反応条件において、CBMを欠いている対応するポリペプチドまたは類似のポリペプチドより、セルロースの分解を、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%または1000%向上させ得る。
CDHヘムドメインおよびCBMを有しているがデヒドロゲナーゼドメインを欠いている天然に存在しないポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインを有していること以外において対応するポリペプチドより、セルラーゼ反応における分子に対する少ない酸化的損傷を生じ得る。
CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる、天然に存在しないポリペプチド
また、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドが、示されている。
これらのポリペプチドにおいて、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインは、ポリペプチド鎖において直接的に連結され得る。代替的に、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインの1つ以上は、1つ以上のアミノ酸によってポリペプチド鎖において隔てられ得る。例えば、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950または1000のアミノ酸によって、ポリペプチド鎖において互いから隔てられ得る。
CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインは、ポリペプチド鎖において任意の順序に配置され得る。例えば、CDHヘムドメインは、ポリペプチド鎖においてCBMおよびデヒドロゲナーゼドメインの両方に対してN末端にあり得るか、またはCDHヘムドメインは、ポリペプチド鎖においてCBMおよびデヒドロゲナーゼドメインの両方に対してC末端にあり得るか、またはCDHヘムドメインは、ポリペプチド鎖においてCBMおよびデヒドロゲナーゼドメインの間にあり得る。同様に、CBMは、ポリペプチド鎖においてCDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインの両方に対してN末端にあり得るか、またはCBMは、ポリペプチド鎖においてCDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインの両方に対してC末端にあり得るか、またはCBMは、ポリペプチド鎖においてCDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインの間にあり得る。同様に、デヒドロゲナーゼドメインは、ポリペプチド鎖においてCDHヘムドメインおよびCBMの両方に対してN末端にあり得るか、またはデヒドロゲナーゼドメインは、ポリペプチド鎖においてCDHヘムドメインおよびCBMの両方に対してC末端にあり得るか、またはデヒドロゲナーゼドメインは、ポリペプチド鎖においてCDHヘムドメインおよびCBMの間にあり得る。
CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインは、同じ種のCDHタンパク質(例えば、同じCDH遺伝子)に由来し得る。
代替的に、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインは、同じ種のCDHタンパク質に由来しない。一形態において、CDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインは、同じ種のCDHタンパク質に由来し、CBMは、非CDHタンパク質に由来する。他の形態において、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインのそれぞれは、異なる種のCDHタンパク質に由来する(例えば、3つの異なるCDH遺伝子から得られる)。他の形態において、CDHヘムドメインおよびCBMは、同じ種のCDHタンパク質に由来し、デヒドロゲナーゼドメインは、非CDHタンパク質に由来する。
CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメインおよびCBMは、N. crassaのCDH−1(それぞれ配列番号70および配列番号74)に由来し、デヒドロゲナーゼドメインは、非CDHタンパク質に由来し得る。他の形態において、CDHヘムドメインおよびCBMはN. crassaのCDH−1に由来し、デヒドロゲナーゼドメインは、C. cinereaから得られる推定のグルコース/ソルボースデヒドロゲナーゼ(配列番号51)に由来する。
他の形態において、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメインおよびCBMは、M. thermophilaのCDH−1(配列番号80および配列番号84)に由来し、デヒドロゲナーゼドメインは、非CDHタンパク質に由来し得る。他の形態において、CDHヘムドメインおよびCBMは、M. thermophilaのCDH−1に由来し、デヒドロゲナーゼドメインは、C. cinereaから得られる推定のグルコース/ソルボースデヒドロゲナーゼ(配列番号51)に由来する。
CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインは、CBMを本来的に欠いている同じ種のCDHタンパク質に由来し、CBMは、CDHまたは非CDHタンパク質に由来し得る。一局面において、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインは、N. crassaのCDH−2に由来し、CBMは、CDHまたは非CDHタンパク質に由来する。他の局面において、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインは、N. crassaのCDH−2に由来し、CBMは、CDHまたは非CDHタンパク質に由来する。さらなる他の局面において、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインは、M. thermophilaのCDH−2に由来し、CBMは、N. crassaまたはM. thermophilaのCDH−1タンパク質に由来する。
一形態において、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインは、N. crassaのCDH−2(それぞれ配列番号76および配列番号78)に由来し、CBMは、N. crassaまたはM. thermophilaのCDH−1タンパク質(それぞれ配列番号74または配列番号84)に由来する。
他の形態において、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを有している天然に存在しないポリペプチドにおける、CDHヘムドメインおよびデヒドロゲナーゼドメインは、M. thermophilaのCDH−2(それぞれ配列番号86および配列番号88)に由来し、CBMは、N. crassaまたはM. thermophilaのCDH−1タンパク質(それぞれ配列番号74または配列番号84)に由来する。
本開示の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、さらなるポリペプチド配列をさらに含み得る。本開示の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、当該ポリペプチドの分泌のためのシグナルペプチドおよび/またはタンパク質精製のためのポリペプチド“タグ”を、特に限定されることなく、さらに含み得る。
また、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでいる組成物が、示されている。ここで、当該CDHヘムドメインおよびCBMは、同じポリペプチド鎖の一部ではなく、共有結合的に連結されておらず、非共有的な相互作用を介して安定に相互作用している。同じポリペプチド鎖の一部ではないCDHヘムドメインおよびCBMは、例えばロイシンジッパーモチーフを介して、非共有結合的に安定に相互作用している2つの別のポリペプチドにあり得る。
ロイシンジッパーモチーフは、当業者に周知であり、ポリペプチドの二量体化に関与する一般的な構造である。ロイシンジッパーモチーフは、モチーフにおける約7つのアミノ酸おきにロイシン残基を有しており、2つの二量体化パートナーが相互作用するアルファヘリックスを形成している。
(GH61ポリペプチド)
また、組換えGH61ポリペプチドが本明細書に示されている。本開示の組換えGH61ポリペプチドの例は、GH61−1/NCU02240(配列番号24)、GH61-2/NCU07898(配列番号26)、GH61-4/NCU01050(配列番号30)、GH61−5/NCU08760(配列番号28)、NCU02916(配列番号64)、NCU00836(配列番号90)のアミノ酸配列、またはそれらの部分配列を有しているポリペプチドである。
本開示は、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上のか、または完全な(100%の)配列同一性/配列類似性を、配列番号24(GH61−1/NCU02240)、配列番号26(GH61-2/NCU07898)、配列番号28(GH61−5/NCU08760)、配列番号30(GH61-4/NCU01050)、NCU00836(配列番号90)、または配列番号64(NCU02916)のポリペプチドに対して、有している組換えポリペプチドを提供する。
また、本開示のGH61ポリペプチドとしては、GH61−1/NCU02240、GH61-2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU00836、およびNCU02916のポリペプチドの保存的に改変されているバリアントである組換えポリペプチドが挙げられる。本明細書に使用されるときの“保存的に改変されているバリアント”は、化学的に類似のアミノ酸とのアミノ酸の置換を生じる、ポリペプチド配列に対する個々の置換、欠失または付加を含んでいる。機能的に類似のアミノ酸をもたらす保存的な置換の表は、当該分野において周知である。保存的に改変されているそのようなバリアントは、本開示の多型バリアント、種間相同物およびアリール(これらを除外していない)の他にある。以下の8つの群は、互いにとって保存的な置換であるアミノ酸の例を含んでいる。(1)アラニン(A)、グリシン(G);(2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);(3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);(4)アルギニン(R)、リジン(K);(5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);(6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);(7)セリン(S)、スレオニン(T);(8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton, Proteins (1984)を参照)。
本開示は、NCU02240またはNCU01050と相同またはオルソロガスなGH61ポリペプチドを提供する。NCU02240またはNCU01050と相同なポリペプチドの配列アラインメントは、図17に示されており、図18は、NCU02240またはNCU01050に対する選択されたGH61タンパク質の最尤系統樹を示す。
NCU02240およびNCU01050のポリペプチドと、特徴的な特定のモチーフを共有しているタンパク質は、“NCU02240/NCU01050クレード”と呼ばれ得る。NCU02240/NCU01050クレードのメンバーであるタンパク質は、NCU02240またはNCU01050の基準の配列を第2の配列と比較(例えば、BLAST配列アラインメントによって)し、当該第2の配列におけるモチーフを同定することによって同定され得る。
本明細書に示されているように、“NCU02240/NCU0150クレード”に属するGH61ポリペプチドは、以下のモチーフの、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上または7つすべてを、ポリペプチド配列に有している。
モチーフ1:HTIF(配列番号34);(シグナル配列が切断された後におけるNCU02240ポリペプチドの残基1〜4に対応する)。
モチーフ2:R−X−P−[ST]−Y−[ND]−G−P(配列番号35);(シグナル配列が切断された後におけるNCU02240ポリペプチドの残基21〜28に対応する);Xは任意のアミノ酸であり、[ST]はSまたはTであり、[ND]はNまたはDである。
モチーフ3:C−N−G−X−P−N−[PT]−[TV](配列番号36);(シグナル配列が切断された後におけるNCU02240ポリペプチドの残基39〜46に対応);Xは任意のアミノ酸であり、[PT]はPまたはTであり、[TV]はTまたはVである。
モチーフ4:D−X−X−D−X−[ST]−H−K−G−P−[TV]−X−A−Y−[LM]−K−K−V(配列番号37);(シグナル配列が切断された後におけるNCU02240ポリペプチドの残基75〜92に対応する);Xは任意のアミノ酸であり、[ST]はSまたはTであり、[TV]はTまたはVであり、[LM]はLまたはMである。理論によって縛られることなく、このモチーフにおけるヒスチジンは、文献における構造的な性質決定から、必須の金属イオンを結合すると知られている。
モチーフ5:G−W−[FY]−K−I−[QS](配列番号38);(シグナル配列が切断された後におけるNCU02240ポリペプチドの残基104〜109に対応する);[FY]はFまたはYであり、[QS]はQまたはSである。理論によって縛られることなく、これらの残基は、予想されている活性部位から遠く離れており、NCU02240/NCU01050クレードの構造的な安定性に重要と考えられている。
モチーフ6:I−P−X−C−I−X−X−G−Q−Y−L−L−R−[AG]−E−[ML]−[IL]−A−L−H−X−A−X−X−X−X−G−A−Q−[FL]−Y−M−E−C−A−Q−[IL]−N−[IV]−V−G−G(配列番号39);(シグナル配列が切断された後におけるNCU02240ポリペプチドの残基134〜177に対応する);Xは任意のアミノ酸であり、[AG]はAまたはGであり、[ML]はMまたはLであり、[IL]はIまたはLであり、[FL]はFまたはLであり、[IL]はIまたはLであり、[IV]はIまたはVである。モチーフにおける最初のシステインはジスルフィド結合している。このモチーフにおけるヒスチジンは、予想された活性部位の近傍にあり、ほぼすべてのGH61において高度に保存されている。このモチーフにおける中ほどのグルタミンは、すべてのGH61タンパク質において完全に保存されており、文献から活性に重要と知られている。このモチーフにおける2番目のチロシンは、必須な活性部位の金属に非常に近く、多くのGH61クレードにわたって高度に保存されている。
モチーフ7:T−[VY]−S−[FI]−P−G−[AI]−Y−X−X−X−D−P−G−X−X−X−X−[IL]−Y(配列番号40);(シグナル配列を切断した後のNCU02240ポリペプチドの残基185〜204に対応する);Xは任意のアミノ酸であり、[VY]はVまたはYであり、[FI]はFまたはIであり、[AI]はAまたはIである。理論によって縛られることなく、このモチーフにおける(最終的な位置における)最後のチロシンは基質結合に重要と考えられている。
上述のモチーフにおいて、一般に認められているIUPACのアミノ酸の一文字略号が採用されている。
“NCU02240/NCU01050クレード”のメンバーであるGH61ポリペプチドの例としては、配列番号24、30、52、53、54、55、56、57、60、63、66、68および69のポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示は、NCU02240/NCU01050クレードのメンバーであるGH61ポリペプチドの保存的に改変されているバリアントをさらに提供する。
本明細書に開示されているGH61ポリペプチドは、モチーフH−X(4−8)−Q−X−Y(配列番号92)を含んでいるポリペプチド(Xは任意のアミノ酸であり、X(4−8)は4〜8の任意の数である)を包含している。このモチーフのHは、シグナル配列が切断された後におけるNCU02240ポリペプチドの残基153に対応する。理論によって縛られることなく、このモチーフのH、QおよびY残基は、銅の結合、基質の結合/位置決め、および/または一般酸としての作用に重要であり得る。GH61ポリペプチドにおけるこのモチーフのH、Q、Y残基のいずれかの変異は、GH61ポリペプチドの機能を大きく低下させ得る。
本開示のGH61ポリペプチドは、全長cDNAの翻訳されたバージョンのGH61ポリペプチド配列、およびシグナルペプチドを欠いている対応するGH61ポリペプチド配列の両方を包含している。細胞において翻訳された当初に、本開示のすべてのHG61ポリペプチドは、ポリペプチドを細胞外分泌の対象にするN末端の短いシグナルペプチドを有している。このポリペプチドは、GH61ポリペプチドが細胞から外へ輸送されるときに、翻訳された本来のGH61ポリペプチドから切断される。
GH61ポリペプチド上のシグナルペプチドの同定方法は、例えばSignalP予測ツールを用いることによって、当該分野に公知である。例えば、“Locating Proteins in the cell using TargetP, SignalP, and related tools” Olof Emanuelsson, Soren Brunak, Gunnar von Heijne, Henrik Nielsen Nature Protocols 2, 953-971 (2007)を参照すればよい。
予測されるシグナルペプチドの手動の確認は、すべての成熟GH61ポリペプチドが、シグナルペプチドの切断後にN末端ヒスチジンを含んでいると示している。SignalPの予測されるN末端残基がヒスチジンではない場合、GH61の手動の予測が実施され、これは、N末端から約10〜30アミノ酸、一般的にN末端から15〜25アミノ酸にヒスチジン残基によってなされ得る。
このヒスチジンは、金属結合に必要であり、イミダゾール側鎖およびN末端アミンを介して触媒的に必要な金属を結合する。したがって、欠失(または不適切なシグナル切断現象よるN末端に対する余分の配列)のためにN末端ヒスチジンを欠失しているGH61配列は、非機能的になっている。
シグナルペプチドは、配列番号24(NCU02240)のアミノ酸番号1〜15、配列番号26(NCU07898)のアミノ酸番号1〜15、配列番号28(NCU08760)のアミノ酸番号1〜20、配列番号30(NCU01050)のアミノ酸番号1〜15、配列番号64(NCU02916)のアミノ酸番号1〜16、および配列番号90(NCU00836)のアミノ酸番号1〜18を構成している。
本明細書に示されているのは、NCU02240/NCU01050クレードのGH61ポリペプチド、ならびに完全なシグナルペプチドを有しているGH61ポリペプチドNCU02240、NCU07898、NCU08760、NCU01050、NCU02916およびNCU00836である。また、本明細書に示されているのは、NCU02240/NCU01050クレードのGH61ポリペプチド、ならびにシグナルペプチドを欠いているGH61ポリペプチドNCU02240、NCU07898、NCU08760、NCU01050、NCU02916およびNCU00836である。
(銅と結合されているGHポリペプチド)
本明細書に示されているのは、銅原子と結合されているGH61ポリペプチドである。銅原子を結合し得るGH61ポリペプチドとしては、GH61−1/NCU02240、GH61-2/NCU07898、GH61-4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、GH61-6/NCU02916、およびGH61-3/NCU00836挙げられるが、これらに限定されない。
また、本明細書に示されているのは、複数の組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物である。ここで、GH61タンパク質の50%以上は、銅原子と結合されている。本明細書にさらに示されているのは、複数の組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物であり、ここで、GH61タンパク質の55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%は、銅原子と結合されている。
また、複数の組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物が示されており、ここで、当該組成物におけるGH61タンパク質に対する銅原子の比率は、1に対して0.5(すなわち、2つのGH61タンパク質につき1つの銅原子)以上である。一形態において、複数の組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物が示されており、ここで、当該組成物におけるGH61タンパク質に対する銅原子の比率は、1に対して、0.6、0.7、0.8、0.9、1(すなわち1つのGH61タンパク質につき1つの銅原子)、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、6、7、8、9、10(すなわち1つのGH61タンパク質につき10の銅原子)以上である。GH61タンパク質に対する銅原子の比率が1を超える組成物において、当該組成物における少なくともいくつかの銅原子はGH61タンパク質と結合されていない。理論によって縛られることなく、単一の銅原子は、GH61タンパク質のそれぞれによって安定に結合され得る。
(本開示のポリヌクレオチド)
本明細書に使用されるとき、“ポリヌクレオチド”、“核酸配列”、“核酸の配列”という用語、およびこれらの変化形は、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含んでいる)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含んでいる)、プリン塩基またはピリミジン塩基のNグリコシドであるポリヌクレオチドの任意の他の型、ならびにDNAおよびRNAに見られるような塩基対合および塩基スタッキングを可能にする構成において核酸塩基を含んでいるという条件の非ヌクレオチド骨格を含んでいる他の重合体の総称である。したがって、これらの用語は、核酸配列修飾(例えば、天然に存在するヌクレオチドの1つ以上の、類似物を用いた置換)およびヌクレオチド間の修飾の、公知の型を包含している。本明細書に使用されている通り、ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドにとっての記号は、IUPAC-IUB Commission of Biochemical Nomenclatureによって推奨されている記号である。
本開示のポリヌクレオチドは、当業者に公知の好適な任意の方法(例えば、直接の化学合成またはクローニングが挙げられる)によって調製される。直接の化学合成に関して、核酸の重合体の形成は、伸長しているヌクレオチド鎖の末端5ヒドロキシ基に対する、3’ブロックおよび5’ブロックされたヌクレオチド単量体の連続的な追加によって典型的に生じる。追加のそれぞれは、追加される単量体の3位に対する伸長している鎖の末端5’ヒドロキシ基の求核攻撃によってもたらされる。そのような方法論は、当業者に公知であり、適切な教科書および文献(例えば、Matteucci et al., (1980) Tetrahedron Lett 21:719-722;米国特許第4,500,707号明細書;米国特許第5,436,327号明細書;および米国特許第5,700,637号明細書)に記載されている。ポリヌクレオチドのクローニング手法は、当該分野に公知であり、例えば、Sambrook, J. et al. 2000 Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Third Edition)に記載されている。ポリヌクレオチドのクローニング手法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるポリヌクレオチドの増幅、制限酵素によるポリヌクレオチドの酵素的な切断、およびリガーゼによるポリヌクレオチドの酵素的な連結が挙げられるが、これらに限定されない。本開示のポリヌクレオチドは、1つの技術または複数の手法の任意の組合せによって調製され得る。
本開示のポリヌクレオチドのそれぞれは、発現ベクターに組み込まれ得る。“発現ベクター”または“ベクター”は、宿主細胞を形質導入するか、形質転換するか、または感染させ、これによって細胞にとって本来的ではないか、または細胞にとって本来的ではない様式において、核酸および/またはタンパク質を細胞に発現させる化合物および/または組成物を指す。“発現ベクター”は、宿主細胞によって発現される核酸の配列(通常、RNAまたはDNA)を含んでいる。また、必要に応じて、発現ベクターは、宿主細胞への核酸の進入を補助する材料(例えば、ウイルス、リポソームまたはタンパク質被覆など)を含んでいる。本開示における使用について意図されている発現ベクターとしては、好ましいか、または必要な任意のオペレーショナルエレメントとともに核酸配列が挿入され得る発現ベクターが挙げられる。さらに、発現ベクターは、宿主細胞に移され、宿主細胞において複製され得る発現ベクターである必要がある。好ましい発現ベクターは、プラスミド(特に、核酸配列の転写に好ましいか、または求められるオペレーショナルエレメントを含んでおり、十分に立証されている制限酵素部位を有しているプラスミド)である。そのようなプラスミドおよび他の発現ベクターは、当業者にとって周知である。
個々のポリヌクレオチドの、ベクターへの組込みは、例えば発現ベクター(例えばプラスミド)における特定の部位を切断するための制限酵素(BamHI、EcoRI、HhaI、XhoIおよびXmaIなど)の使用を含んでいる公知の方法を介して実施され得る。制限酵素は、切断された発現ベクターの末端に対して相補的な配列を有している終端を有しているポリヌクレオチド、または当該配列を有するために合成されているポリヌクレオチドとアニールされ得る1本鎖の末端を生成する。アニーリングは適切な酵素(例えばDNAリガーゼ)を用いて行われる。当業者によって十分に理解される通り、発現ベクターおよび所望のポリヌクレオチドの両方は、多くの場合に同じ制限酵素を用いて切断され、これによって発現ベクターの末端およびポリヌクレオチドの端部が互いに相補的であることを保証する。さらに、DNAリンカーは、発現ベクターへの核酸配列の連結を容易にするために使用され得る。
本開示は、ポリヌクレオチドが発現ベクターに組み込まれる過程に関して、限定されない。当業者は、ポリヌクレオチドを発現ベクターに組み込むために必要な手段に精通している。典型的な発現ベクターは、リボソーム結合部位(例えば、E. coliにおける開始コドンの3〜11ヌクレオチド上流に配置されている、長さ3〜9ヌクレオチドのヌクレオチド配列)とともに、1つ以上の制御領域が前に置かれている所望のポリヌクレオチドを含んでいる。Shine and Dalgarno (1975) Nature 254(5495):34-38およびSteitz (1979) Biological Regulation and Development (ed. Goldberger, R. F.), 1:349-399 (Plenum, New York)を参照すればよい。
本明細書に使用されるとき、“作動可能に連結されている”という用語は、制御配列がコード配列の発現を進行させるように、DNA配列またはポリヌクレオチドのコード配列に対して適切な位置に制御配列が配置されている構成を指す。
調節領域としては、例えば、プロモータおよびオペレータを含んでいるそれらの領域が挙げられる。プロモータは、所望のポリヌクレオチドと作動可能に連結され、これによってRNAポリメラーゼ酵素を介したポリヌクレオチドの転写を開始させる。オペレータは、プロモータに隣接する核酸の配列であり、リプレッサタンパク質が結合可能なタンパク質結合ドメインを含んでいる。リプレッサタンパク質の非存在下において、転写がプロモータを介して開始する。存在する場合、オペレータのタンパク質結合ドメインに特異的なリプレッサタンパク質は、オペレータと結合し、これによって転写を阻害する。このように、転写の制御は、使用される特定の制御領域および対応するリプレッサタンパク質の存在もしくは非存在に基づいて、実現されている。例としては、ラクトースプロモータ(Ladリプレッサタンパク質は、ラクトースと接触したときに高次構造を変化させ、これによってオペレータに対するLadリプレッサタンパク質の結合を妨げる)、トリプトファンプロモータ(トリプトファンと複合体化したとき、TrpRリプレッサタンパク質はオペレータと結合する高次構造を有しており、トリプトファンび非存在下において、TrpRリプレッサタンパク質はオペレータに結合しない高次構造を有している)が挙げられる。他の例は、tacプロモータ(de Boer et al., (1983) Proc Natl Acad Sci USA 80(1):21-25を参照すればよい)である。当業者によって十分に理解される通り、これらおよび他の発現ベクターは、本発明に使用され得、本発明はこの点において限定されない。
任意の好適な発現ベクターが、所望の配列を組み込むために使用され得るが、容易に入手可能な発現ベクターとしては、プラスミド(例えば、pSClOl、pBR322、pBBRlMCS−3、pUR、pEX、pMRlOO、pCR4、pBAD24、pUC19);バクテリオファージ(例えば、Ml 3ファージおよびλファージ)が挙げられるが、これらに限定されない。もちろん、そのような発現ベクターは、特定の宿主細胞に好適であるに過ぎない。しかし、当業者は、任意の特定の発現ベクターが任意の所定の宿主細胞に適しているか否かを、通常の実験を介して容易に決定し得る。例えば、発現ベクターは、宿主細胞に導入され得、それから当該ベクターに含まている配列の存続性および発現について観察される。さらに、発現ベクターおよび任意の特定の宿主細胞に対するそれらの適合性について記載している関連する教科書および文献に対して、参照がなされ得る。
本明細書に使用されるとき、“組換え核酸”、“異種核酸”、“組換えポリヌクレオチド”、“組換えヌクレオチド”または“組換えDNA”は、以下の(a)〜(c)のいずれか1つが真である核酸の重合体を指す。(a)核酸の配列は、所定の宿主細胞にとって外来性である(すなわち天然にみられない)か;(b)配列は、所定の宿主細胞に天然にみられるが、異常な(例えば、予想を超えて多い)量であるか;または(c)核酸の配列は、自然状態では互いに同じ関係においてみられない2つ以上の部分配列を含んでいる。一局面において、本開示は、宿主細胞への発現ベクターの導入について説明している。ここで、当該発現ベクターは、宿主細胞に通常みられないタンパク質をコードする核酸配列を含んでいるか、または細胞に通常みられるが、異なる調節配列の制御下にあるタンパク質をコードする核酸を含んでいる。したがって、宿主細胞のゲノムに関して、上記タンパク質をコードする核酸配列は組換え体である。
ポリペプチド配列およびポリヌクレオチド配列の関係は、当該分野において周知である。アミノ酸は、3つの核酸の“コドン”によってコードされている(それぞれの核酸をコードするコドンは、例えば、JM Berg, JL Tymoczko, and L Stryer, Biochemistry, 5th edition (2002)に記載されている)。したがって、所定のポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を同定するか、または生成することは、当業者にとって通常のことである。一部のアミノ酸は、2つ以上のコドンによってコードされている。本開示のポリヌクレオチドにおいて、所望のアミノ酸をコードする任意の核酸の配列(任意のコドン)は、ポリヌクレオチド配列に使用され得る。いくつかの局面において、同じアミノ酸をコードする他のコドンより、宿主生物において好ましく利用される特定のコドンが使用される。
(CDHヘムドメインポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド配列)
CDHヘムドメインポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドが、本明細書に示されている。本開示の組換えポリヌクレオチドは、本明細書に開示されているポリヌクレオチドの任意の調製方法によって調製され得る。
本開示は、CDHヘムドメインポリペプチドをコードする任意の組換えポリヌクレオチドを包含している。一形態において、本開示は、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドをコードする任意の組換えポリヌクレオチドを包含している。一形態において、本開示の組換えポリヌクレオチドは、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでおり、デヒドロゲナーゼドメインを含んでいない、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドをコードしている。一形態において、本開示の組換えポリヌクレオチドは、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドをコードしている。
CDHヘムドメインポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、配列番号33(N. crassaのCDH−1)、配列番号42(N. crassaのCDH−2)、配列番号45(M. thermophilaのCDH−1)、配列番号48(M. thermophilaのCDH−2)、配列番号71(N. crassaのCDH−1ヘムドメイン)、配列番号77(N. crassaのCDH−2ヘムドメイン)、配列番号81(M. thermophilaのCDH−1)、および配列番号86(M. thermophilaのCDH−2)が挙げられる。
GH61をコードするポリヌクレオチド
本開示は、GH61ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドを包含している。本開示の組換えポリヌクレオチドは、本明細書に開示されているGH61ポリペプチドをコードする任意のポリヌクレオチドを含んでいる。GH61ポリペプチドをコードする組換えポリヌクレオチドは、本明細書に開示されているポリヌクレオチドの任意の調製方法によって調製され得る。
本開示のポリヌクレオチドとしては、配列番号24(GH61−1/NCU02240)、配列番号26(GH61-2/NCU07898)、配列番号30(GH61-4/NCU01050)、配列番号28(GH61−5/NCU08760)、配列番号64(NCU02916)または配列番号90(NCU00836)のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが挙げられる。また、本開示のポリヌクレオチドとしては、配列番号25(GH61−1/NCU02240ポリペプチドをコード)、配列番号27(GH61-2/NCU07898ポリペプチドをコード)、配列番号31(GH61-4/NCU01050ポリペプチドをコード)、配列番号29(GH61−5/NCU08760ポリペプチドをコード)、および配列番号91(NCU00836ポリペプチドをコード)のポリヌクレオチドが挙げられる。
また、本開示の組換えポリヌクレオチドは、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上のか、または完全な(100%の)配列同一性/配列類似性を、配列番号25、配列番号27、配列番号31、配列番号29、および配列番号91のポリヌクレオチドに対して有しているポリヌクレオチドを包含している。
本開示のポリヌクレオチドとしては、NCU02240/NCU01050クレードのメンバーであるGH61ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドがさらに挙げられる。また、本開示のポリヌクレオチドとしては、モチーフH−X(4−8)−Q−X−Yを含んでいるGH61ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが挙げられる。
本開示のポリヌクレオチドとしては、GH61−1/NCU02240、GH61-2/NCU07898、GH61-4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916、NCU00836の保存的に改変されているバリアントをコードするポリヌクレオチド、およびNCU02240/NCU01050クレードのGH61タンパク質の保存的に改変されているバリアントをコードするポリヌクレオチドが挙げられる。
NCU02240/NCU01050クレードのGH61ポリペプチド、ならびに完全なシグナルペプチドを有しているGH61ポリペプチドNCU02240、NCU07898、NCU08760、NCU01050、NCU02916およびNCU00836をコードするポリヌクレオチドが、示されている。
また、NCU02240/NCU01050クレードのGH61ポリペプチド、ならびにシグナルペプチドを欠いているGH61ポリペプチドNCU02240、NCU07898、NCU08760、NCU01050、NCU02916およびNCU00836をコードするポリヌクレオチドが、示されている。
(本開示の組換えポリペプチドの発現および本開示の宿主細胞)
本開示は、本開示のポリペプチドの発現をさらにもたらす。本開示のポリペプチドは、標準的な分子生物学的な手法(例えば、Sambrook, J. et al. 2000 Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Third Edition)に記載されている手法)によって調製され得る。組換えポリペプチドは、トランスジェニックの発現系において発現され得、当該発現系から精製され得る。トランスジェニックの発現系は、原核生物または真核生物であり得る。いくつかの局面において、トランスジェニックの宿主細胞は、宿主細胞外にポリペプチドを分泌し得る。いくつかの他の局面において、トランスジェニック宿主細胞は、発現されたポリペプチドを宿主細胞に保持し得る。
本開示の組換えポリペプチドは、宿主細胞または宿主細胞の増殖培地から、部分的または実質的に単離され得る。本開示の組換えポリペプチドは、タンパク質の精製を容易にするためのタンパク質“タグ”(例えば、GSTタグまたはポリHisタグ)をともなって調製され得る。また、本開示の組換えポリペプチドは、細胞外へのポリペプチドの輸送を導くシグナル配列をともなって調製され得る。組換えポリペプチドは、部分的にのみ精製され得る(例えば、<80%の純度、<70%の純度、<60%の純度、<50%の純度、<40%の純度、<30%の純度、<20%の純度、<10%の純度、<5%の純度)か、または高純度まで精製され得る(例えば、>99%の純度、>98%の純度、>95%の純度、>90%の純度など)。組換えポリペプチドは、当業者にとって公知の種々の手法(例えば、イオン交換クロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィおよび親和性クロマトグラフィが挙げられる)を用いて精製され得る。
さらに、本開示は、本開示のポリペプチドの1つ以上をコードする組換えポリヌクレオチドを含んでいる宿主細胞にさらに関する。宿主細胞は、1つ以上のCDHヘムドメインポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチド、および/または1つ以上の組換えGH61ポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含み得る。
組換えポリヌクレオチドを含んでいる宿主細胞が示されており、当該組換えポリヌクレオチドは、GH61−1/NCU02240(配列番号24)、GH61−2/NCU07898(配列番号26)、GH61−4/NCU01050(配列番号30)、GH61−5/NCU08760(配列番号28)、NCU02916(配列番号64)、NCU00836(配列番号90)、N. crassaのCDH−1(配列番号32)、またはM. thermophilaのCDH−1(配列番号46)のアミノ酸配列を有しているポリペプチドをコードしている。また、本明細書に示されているのは、2つ以上の組換えポリヌクレオチドを含んでいる宿主細胞であり、当該2つ以上の組換えポリヌクレオチドは、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有している1つ以上のポリペプチド、ならびにN. crassaのCDH−1またはM. thermophilaのCDH−1のアミノ酸配列を有している1つ以上のポリペプチドをコードしている。
“宿主細胞”および“宿主微生物”は、組換えDNAまたはRNAの挿入によって形質転換され得る生物学的な生細胞を指すために、本明細書において交換可能に使用される。そのような組換えDNAまたはRNAは、発現ベクターにあり得る。本明細書に記載のような宿主生物または宿主細胞は、原核生物または真核細胞であり得る。
任意の原核宿主細胞または真核宿主細胞が、核酸配列を用いた形質変換後に生存可能である限り、本開示に使用され得る。宿主細胞は、必要な核酸配列の形質導入、タンパク質(例えばトランスポータ)の続く発現、または生じた中間体によって悪影響を受けないことが好ましい。好適な真核細胞としては、真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞または哺乳類細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
宿主細胞は真菌株であり得る。本明細書に使用されるとき、“真菌”としては、子嚢菌門、担子菌門、ツボカビ門および接合菌門、ならびに卵菌門およびすべての栄養胞子の真菌が挙げられる。宿主細胞は、酵母細胞(Candida、Hansenula、Kluyveromyces、Myceliophthora、Neurospora、Pichia、Saccharomyces、Schizosaccharomyces、TrichodermaまたはYarrowiaの菌株が挙げられる)であり得る。
代替的に、上記宿主細胞は原核生物であり得、一部の局面において、原核生物は、E.coli、Bacillus subtilis、Zymomonas mobilis、Clostridium sp.、Clostridium phytofermentans、Clostridium thermocellum、Clostridium beijerinckii、Clostridium acetobutylicum(Moorella thermoacetica)、Thermoanaerobacterium saccharolyticumまたはKlebsiella oxytocaである。
本開示の宿主細胞は、組換え核酸が宿主細胞に導入されており、したがって遺伝的に改変されている宿主細胞は天然に存在しない点において、遺伝的に改変され得る。
適切な宿主細胞は、異なる機能にとっての1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の核酸構築物を発現可能な細胞である。
宿主細胞は、本開示のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを天然に生成し得る。所望のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、宿主細胞にとって異種であり得るか、または宿主細胞にとって内因性だが、当該宿主細胞においてポリヌクレオチドのより高い発現を生じさせる異種のプロモータおよび/または制御領域と作動可能に連結され得る。他の形態において、宿主細胞は、所望のポリペプチドを天然に生成せず、ポリペプチドの生成に必要な1つ以上のポリヌクレオチドを発現可能な異種の核酸構築物を含んでいる。
(組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび/または組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物)
組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に示されている。また、組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に示されている。組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドの両方を含んでいる組成物が、本明細書にさらに示されている。
本開示の組成物は、GH61ポリペプチドのアミノ酸配列を有している組換えポリペプチドを含み得る。一形態において、上記組成物のGH61ポリペプチドのアミノ酸配列を有している組換えポリペプチドは、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいる。一形態において、上記組成物のGH61ポリペプチドのアミノ酸配列を有している組換えポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドである。一形態において、上記組成物のGH61ポリペプチドのアミノ酸配列を有している組換えポリペプチドは、GH61−1/NCU02240またはGH61−4/NCU01050のアミノ酸配列を有している。一形態において、上記組成物のGH61ポリペプチドのアミノ酸配列を有している組換えポリペプチドは、GH61−2/NCU07898、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有している。
本開示の組成物は、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを含み得る。一形態において、上記組成物の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CBMを含み得る。一形態において、上記組成物の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CBMを含んでおり、デヒドロゲナーゼドメインを欠き得る。一形態において、上記組成物の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを含み得る。
本開示の組成物は、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916、NCU00836のアミノ酸配列を有している組換えポリペプチド、および組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含み得る。
GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916およびNCU00836のアミノ酸配列を有している2つ以上の組換えポリペプチド、および組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に示されている。
組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に示されており、当該組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、CBMを含んでいる。一形態において、上記組成物の組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、天然に存在するCDHタンパク質のアミノ酸配列を有している。一形態において、上記組成物の組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、N. crassaのCDH−1またはM. thermophilaのCDH−1のアミノ酸配列を有している。他の形態において、上記組成物の組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインおよびCBMを欠いている。
また、組換えGH61ポリペプチドおよび2つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物が、本明細書に示されている。ここで、2つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチドの少なくとも1つは、デヒドロゲナーゼドメインおよびCBMを欠いている。
本開示の他の組成物は、組換えGH61ポリペプチドおよび天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる。いくつかの形態において、これらの組成物は、2つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる。
また、本開示の組成物は、組換えGH61ポリペプチドおよび天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物を包含しており、ここで、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでおり、デヒドロゲナーゼドメインを欠いている。
また、本開示の組成物は、組換えGH61ポリペプチドおよび天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物を包含しており、ここで、上記天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる。
組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物は、セルラーゼの1つ以上の酵素をさらに含み得る。
また、本開示の組成物は、単一のポリペプチド鎖として共有結合的に連結されている組換えGH61ポリペプチドおよびCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物を含んでいる。そのような組成物は、セルラーゼの1つ以上の酵素をさらに含み得る。
セルラーゼ
セルラーゼは、セルロースを加水分解し得る酵素である。セルラーゼとしては、エキソグルカナーゼ(セロビオヒドロラーゼ)、エンドグルカナーゼおよびβグルコシダーゼが挙げられるが、これらに限定されない。セルラーゼは、多くの異なる生物(主に真菌および細菌の種)によって天然に産生される。
エンドグルカナーゼは、セルロース内の1−4 βグリコシド結合を加水分解し、これによってセルロース重合体の長さを短縮させ、セルロース重合体の露出された末端の総数を増加させる。エンドグルカナーゼの例としては、Trichoderma reesei(“T. ressei”)由来のEGI/Cel7B、EGII/Cel5A、EGIII/Cel12A、EGIV/Cel61AおよびEGV/Cel45Aのポリペプチド、Phanerochaete chrysosporium(“P. chrysosporium”)由来のEG28、EG34、およびEG44のポリペプチド、ならびにNeurospora crassa(“N. crassa”)由来のNCU00762、NCU05057およびNCU07190のポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
エキソグルカナーゼは、セルロース重合体の末端付近の1−4 βグリコシド結合を加水分解し、これによってセルロース由来のグルコース重合体の短鎖(“セロデキストリン”と呼ばれる)生成する。最も一般に生成されるセロデキストリンは、“セロビオース”(2つのグルコース分子)であるが、より長いセロデキストリン(セロトリオース(3つのグルコース分子)、セロテトラオース(4つのグルコース分子)、セロペンタオース(5つのグルコース分子)、セロヘキサオース(6つのグルコース分子)、およびより長いセロデキストリンが挙げられる)が、同様に生成され得る。エキソグルカナーゼの例としては、T. resseiのCBHII/Cel6AおよびCBHI/Cel7AのポリペプチドおよびN. crassaのNCU07340およびNCU09680のポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
βグルコシダーゼは、セロデキストリンをグルコースに加水分解する。βグルコシダーゼの例としては、T. resseiのTRBLG2、Clostridium cellulovoransのCCBGLA、N. crassaのGH3−4/NCU04952およびNeotermes koshunensisのNKBL1のポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示のセルラーゼは、天然に存在するセルラーゼ、および向上された性質(例えば、向上された触媒作用率、向上された耐熱性など)を有するために改変されているセルラーゼの両方を包含している。一局面において、本明細書に示されているのは、少なくとも1つのエンドグルカナーゼ、少なくとも1つのエキソグルカナーゼ、および少なくとも1つのβグルコシダーゼを含んでいるセルラーゼの組成物である。
セルラーゼが精製され得る生物および/またはセルラーゼをコードする遺伝子がクローン化され得る生物の例としては、真菌:Aspergillus niger、Aspergillus oryzae、Chaetomium globosum、Chaetomium thermophilum、Formitopsis palustris、Humicola insolens、Myceliophthora thermophila、N. crassa(Neurospora crassa)、Penicillium spp.、Phanerochaete chrysosporium、Pisolithus tinctorius、Pleurotus ostreatus、Podospora anserine)、Postia placenta、Saccharomyces cerevisiae、Sporotrichum thermophile、Sporobolomyces singularis、Talaromyces emersonii)、Thielavia terrestris、Trametes versicolor、Trichoderma reesei(テレオモルフ:Hypocrea jecorina);および細菌:Acidothermus cellulolyticus、Anaerocellum thermophilum、Bacillus pumilis、Caldibacillus cellovorans、Caldicellulosiruptor saccharolyticum、Clostridium thermocellum、Halocella cellulolytica、Streptomyces reticule、Thermotoga neapolitanaが挙げられるが、これらに限定されない。
1つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドおよび1つ以上のセルラーゼ酵素を含んでいる組成物が、本明細書に示されている。また、本明細書に示されているのは、NCU02240/NCU01050クレードの1つ以上の組換えGH61ポリペプチドおよび1つ以上のセルラーゼ酵素を含んでいる組成物である。また、本明細書に示されているのは、NCU02240またはNCU01050のアミノ酸配列を有している組換えポリペプチドセルラーゼの1つ以上の酵素を含んでいる組成物である。
また、本開示の組成物は、1つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチド、1つ以上の組換えGH61ポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼ酵素を含んでいる組成物を包含している。
また、1つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチド、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有している1つ以上のポリペプチド、ならびにセルラーゼの1つ以上の酵素を含んでいる組成物が、本明細書に示されている。
また、天然に存在しない1つ以上のCDHヘムドメインポリペプチド、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいる1つ以上のGH61ポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼ酵素を含んでいる組成物が、本明細書に示されている。
1つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチド、1つ以上の組換えGH61ポリペプチド、およびセルラーゼを含んでいる、本明細書に示されている組成物は、1つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチド1つ以上の組換えGH61ポリペプチドを欠いており、セルラーゼを含んでいること以外において対応する組成物より、セルロース含有材料の分解において有効である。
さらなる成分
また、本開示の組成物は、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでおり、かつGH61ポリペプチドをさらに含んでいる組成物を包含しており、上記CDHヘムドメインおよびCBMは、共有結合的に連結されておらず、非共有結合の相互作用を介して安定に相互作用している。
また、本明細書に開示されているのは、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでいる組成物であり、ここで、上記CDHヘムドメインおよびCBMは、共有結合的に連結されておらず、ロイシンジッパーモチーフを介して安定に相互作用している2つのポリペプチドの一部である。上記組成物は、GH61ポリペプチドをさらに含み得る。
また、本明細書に開示されているのは、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでおり、かつGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有している1つ以上のポリペプチドをさらに含んでいる組成物であり、ここで、上記CDHヘムドメインおよびCBMは、共有結合的に連結されておらず、非共有結合を介して安定に相互作用している。
また、本明細書に開示されているのは、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでおり、かつGH61ポリペプチドセルラーゼの1つ以上をさらに含んでいる組成物であり、ここで、上記CDHヘムドメインおよびCBMは、共有結合的に連結されておらず、非共有結合を介して安定に相互作用している。
また、本明細書に開示されているのは、1つ以上の組換えGH61ポリペプチド、1つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチド、およびセルラーゼを排出する真菌から得られた培養培地を含んでいる組成物である。そのような組成物において、1つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、1つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドであり得る。
また、本明細書に開示されているのは、1つ以上の組換えGH61ポリペプチド、1つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチド、およびセルラーゼを排出する真菌によって分泌された1つ以上のタンパク質を含んでいる組成物を含んでいる組成物である。そのような組成物において、上記1つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、1つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドであり得る。
セルラーゼを排出する真菌としては、Myceliophthora thermophila、N. crassa(Neurospora crassa)、Phanerochaete chrysosporiumおよびTrichoderma reeseiが挙げられるが、これらに限定されない。
(方法)
セルロースおよびセルロース含有材料(例えばバイオマス)を、単糖およびオリゴ糖に分解する方法が、本明細書に示されている。さらに、そのような目的の(例えば、例えばセルロースおよびセルロース含有材料を分解して可溶性の糖を生成する)ための、本開示のポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび組成物の方法および使用が、本明細書に開示されている。
本明細書に使用されるとき、セルロースおよびセルロース含有材料の“分解(degrading)”および“分解(degradations)”は、セルロースの解重合および/または、セルロース多糖からの単糖もしくはオリゴ糖の放出を生じる任意の機序を指す。セルロースの分解としては、セルロースの加水分解およびセルロースの酸化的切断が挙げられるが、これらに限定されない。
(セルロースを分解する方法)
セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
一局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有している組換えポリペプチド、および組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドのアミノ酸配列を有している組換えポリペプチド、および組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいる組換えGH61ポリペプチド、および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916およびNCU00836のアミノ酸配列を有している2つ以上の組換えポリペプチド、ならびに組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、およびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および天然のCDHタンパク質のアミノ酸配列を有している組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、およびN. crassaのCDH−1もしくはM. thermophilaのCDH−1の組換えポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインおよびCBMを欠いている。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および2つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、2つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチドのうちの少なくとも1つは、デヒドロゲナーゼドメインおよびCBMを欠いている。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および2つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでおり、デヒドロゲナーゼドメインを欠いている。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドおよび1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、GH61ポリペプチドおよび1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。一局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有しているポリペプチド、ならびにセルラーゼの1つ以上と接触させることを包含している。一局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、NCU02240/NCU0105クレードのポリペプチドのアミノ酸配列を有しているポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、GH61ポリペプチド、ヘムドメインおよびCBMを含んでいる分子、ならびにセルラーゼの1つ以上と接触させることを包含している。いくつかの局面において、ヘムドメインを含んでいる分子は、電子を伝達可能なヘム基を含んでいる分子であり得る。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、ルイス酸、ヘムドメインおよびCBMを含んでいる分子、ならびにセルラーゼの1つ以上と接触させることを包含している。いくつかの局面において、ヘムドメインを含んでいる分子は、電子を伝達可能なヘム基を含んでいる任意の分子であり得る。ルイス酸は電子対受容体である分子である。
他の局面において、セルロースを分解する方法が示されており、当該方法は、セルロースを、ルイス酸、CBMを有しているCDHタンパク質、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。ルイス酸は電子対受容体である分子である。
(セルロースの分解を促進する方法)
セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61およびCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含している。一局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61ポリペプチドおよび天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有しているCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、NCU02240/NCU0105クレードのポリペプチドのアミノ酸配列を有しているCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいるGH61ポリペプチド、およびCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含している。
他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61ポリペプチド、およびCBMを有しているCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61ポリペプチド、およびCBMを有している天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含している。
セルロース分解は、CBMを欠いている対応するか、または類似のCDHヘムドメインポリペプチドを供給することより、CBMを有しているCDHヘムドメインポリペプチドを供給することによって、高い程度において促進され得る。そのような例において、CBMを有しているCDHヘムドメインポリペプチドは、天然に存在しなくてもよい。
セルロースの分解を促進する例としては、セルロース分解の速度を向上させること;セルロース分解の程度を向上させること;特定の反応時間内におけるセルロース分解の程度を向上させること;セルロース分解の所定の程度を達成するために必要なセルラーゼの量を減少させること;および特定の反応時間内におけるセルロース分解の所定の程度を達成するために必要なセルラーゼの量を減少させることが挙げられるが、これらに限定されない。
他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61ポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、2つ以上のGH61ポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有しているポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドのアミノ酸配列を有しているポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、セルロースの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルロースおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいるGH61ポリペプチドを供給することを包含している。
セルロースを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している、セルロースを分解する方法は、セルロースを、組換えGH61ポリペプチドおよび/または組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含していないこと以外において対応する方法より、セルロースの分解において有効であり得る。
(セルロースの分解を促進するために必要なCDHヘムドメインポリペプチド量を減少させる方法)
また、セルロースの分解を促進するために必要なCDHヘムドメインポリペプチド量を減少させる方法が、本明細書に示されており、ここで、CBMを有しているCDHヘムドメインポリペプチドは、セルロースの分解を促進するために、セルロース、セルラーゼ、およびGH61ポリペプチドを含んでいる反応混合物に供給され、CBMを欠いている対応するか、または類似のCDHヘムドメインポリペプチドに求められるより少ない量の、CBMを有しているCDHヘムドメインポリペプチドが、促進されたセルロース分解に必要とされる。そのような方法において、CDHヘムドメインポリペプチドは、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドであり得る。
(セルラーゼ反応における分子に対する酸化的損傷を低減させる方法)
セルラーゼ反応における分子に対する酸化的損傷を低減させる方法およびセルラーゼ反応における活性酸素種を減少させる方法が示されている。セルラーゼ反応における分子としては、タンパク質および炭水化物が挙げられるが、これらに限定されない。
一局面において、セルラーゼ反応における分子への酸化的損傷を低減させる方法は、セルロース、セルラーゼおよびGH61ポリペプチドを含んでいる反応混合物に、CDHヘムドメインおよびCBMを有しており、デヒドロゲナーゼドメインを欠いている天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含している。CDHヘムドメインおよびCBMを有しており、デヒドロゲナーゼドメインを欠いている天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CDHヘムドメインおよびCBMを有しているとともにデヒドロゲナーゼドメインを有している、対応するか、または類似の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドより、セルラーゼ反応において分子に対する酸化的損傷を、少なくもたらし得る。
セルラーゼ反応における活性酸素種の形成を減少させる方法は、セルロース、セルラーゼおよびGH61ポリペプチドを含んでいる反応混合物に、CDHヘムドメインおよびCBMを有しており、デヒドロゲナーゼドメインを欠いている天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを供給することを包含し得る。CDHヘムドメインおよびCBMを有しており、デヒドロゲナーゼドメインを欠いている天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CDHヘムドメインおよびCBMを有しているとともにデヒドロゲナーゼドメインを有している、対応するか、または類似の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドより、セルラーゼ反応における活性酸素種を、少なく生じさせ得る。
(バイオマスを分解する方法)
バイオマスを分解する方法が示されている。本明細書に使用されるとき、“バイオマス”は、セルロースを含んでいる任意の材料を指す。また、本明細書に開示されているセルロースに関する方法は、バイオマスを含んでいる組成物に適用可能である。
バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、本開示の1つ以上の組換えポリペプチドと接触させることを包含している。一局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび組換えGH61ポリペプチドと接触させることを包含している。他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチドと接触させることを包含している。他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、CDHヘムドメインポリペプチドならびにGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916およびNCU00836のアミノ酸配列を有している1つ以上のポリペプチドと接触させることを包含している。他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、CDHヘムドメインポリペプチドおよびNCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドのアミノ酸配列を有している1つ以上のポリペプチドと接触させることを包含している。他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、CDHヘムドメインポリペプチドおよびH−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいる1つ以上のGH61ポリペプチドと接触させることを包含している。
本開示の方法をともなった使用に好適なバイオマスとしては、任意のセルロース含有材料(Miscanthus、スイッチグラス、スパルティナ、ライグラス、クサヨシ、エレファントグラス、一般的なヨシ、麦わら、大麦わら、キャノーラわら、エンバクわら、トウモロコシ茎葉、ダイズ茎葉、エンバク殻、サトウモロコシ、もみ殻、ライムギ殻、コムギ殻、サトウキビバガス、コプラのひき割り、コプラのペレット、パーム核のひき割り、トウモロコシ繊維、可溶性物質を有している乾燥蒸留穀物残渣(DDGS)、ウシクサ、トウモロコシの穂軸、松材、カバ材、ヤナギ材、アスペン材、ポプラ材、エネルギーケイン、紙屑、おがくず、林業廃棄物、都市固形廃棄物、紙屑、作物残渣、他の草本および他の木材が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。
バイオマスを1つ以上の本開示のポリペプチドと接触させる前に、バイオマスは、1つ以上の前処理ステップに供され得る。前処理ステップは、当業者に公知であり、物理的処理および化学的処理を含んでいる。前処理ステップとしては、酸加水分解、アンモニア繊維爆砕(AFEX)、リグノセルロースの難分解性を解決するための亜硫酸前処理(SPORL)、水蒸気爆発およびオゾン前処理が挙げられるが、これらに限定されない。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチドおよび組換えCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる組成物と接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有している組換えポリペプチド、および組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、NCU02240/NCU0105クレードのポリペプチドのアミノ酸配列を有している組換えポリペプチド、および組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいる組換えGH61ポリペプチド、および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えCDHヘムドメインポリペプチド、およびGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有している2つ以上の組換えポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、およびCBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および天然のCDHタンパク質のアミノ酸配列を有している組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、およびN. crassaのCDH−1もしくはM. thermophilaのCDH−1の組換えポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインおよびCBMを欠いている。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスをセルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および2つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、2つ以上の組換えCDHヘムドメインポリペプチドの少なくとも1つは、デヒドロゲナーゼドメインおよびCBMを欠いている。
他の局面において、バイオマスを分解する方法であって、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している方法が示されている。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および2つ以上の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインを欠いており、CDHヘムドメインおよびCBMを含んでいる。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、セルラーゼの1つ以上、組換えGH61ポリペプチド、および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドと接触させることを包含しており、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドは、CDHヘムドメイン、CBMおよびデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドおよび1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、GH61ポリペプチドおよび1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有しているポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスをNCU02240/NCU0105クレードのポリペプチドのアミノ酸配列を有しているポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、GH61ポリペプチド、ヘムドメインを含んでいる分子、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。ヘムドメインを含んでいる分子は、電子を伝達可能なヘム基を含んでいる任意の分子であり得る。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、ルイス酸、セルラーゼの1つ以上、ならびにヘムドメインおよびCBMを含んでいる分子と接触させることを包含している。いくつかの局面において、ヘムドメインを含んでいる分子は、電子を伝達可能なヘム基を含んでいる任意の有機分子であり得る。ルイス酸は電子対受容体である分子である。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、バイオマスを、ルイス酸、CBMを有しているCDHタンパク質、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含している。ルイス酸は電子対受容体である分子である。
他の局面において、バイオマスを分解する方法が示されており、当該方法は、第一に、バイオマスを、CDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチドと接触させて、反応混合物を作製すること、ならびに続いて、セルラーゼの1つ以上を反応混合物に加えることを包含している。
(バイオマスの分解の間における酸化的損傷を低減させる方法)
バイオマスの分解に関わる反応における分子に対する酸化的損傷を低減させる方法が示されており、当該方法は、CDHヘムドメインポリペプチド、GH61ポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼが、バイオマスとともに反応混合物に対して同時に加えられたときに生じる、反応における分子に対する酸化的損傷に比べて、当該酸化的損傷を低減させるために、第1に、バイオマスを、CDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチドと接触させて、反応混合物を作製すること、ならびに続いて、セルラーゼの1つ以上を反応化合物に加えることを包含している。
(バイオマスの分解を促進する方法)
バイオマスの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、バイオマスおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61ポリペプチドを供給することを包含している。一局面において、バイオマスの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、バイオマスおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、2つ以上のGH61ポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、バイオマスの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、バイオマスおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有しているポリペプチドを供給することを包含している。他の局面において、バイオマスの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、バイオマスおよび1つ以上のセルラーゼを含んでいる反応混合物に、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドのアミノ酸配列を有しているポリペプチドを供給することを包含している。
一局面において、バイオマスの分解を促進する方法が示されており、当該方法は、セルラーゼの1つ以上および天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチドを含んでいる反応混合物に、GH61ポリペプチドを供給することを包含している。
(セルロースおよびバイオマスを発酵生成物に変換する方法)
また、セルロースおよびバイオマスを発酵生成物に変換する方法が示されており、セルロースまたはバイオマスは、糖溶液(単糖、二糖およびオリゴ糖を含んでいる)を生じさせるために、セルラーゼおよび本開示の1つ以上のポリペプチドと接触させられ、かつ糖は発酵生成物に変換される。
糖は、化学発酵または微生物発酵によって発酵生成物に変換され得る。発酵微生物としては、真菌および細菌の種が挙げられる。一例において、発酵微生物はSaccharomyces cerevisiaeである。
本明細書に使用されるとき、“糖”としては、単糖、二糖およびオリゴ糖が挙げられる。いくつかの局面において、糖はグルコース単量体である。
本開示の発酵生成物は、セルロースの分解によって得られた糖から生成され得る化学生成物を包含している。本開示の発酵生成物は生体燃料であり得る。本開示の発酵生成物は、アルコール(エタノール、n−プロパノール、イソ−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ペンタノールおよびオクタノールが挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。本開示の発酵生成物はケトンまたはアルデヒドであり得る。
(前処理されたバイオマス混合物の粘度を低下させる方法)
また、本明細書に示されているCDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチドは、例えば生体燃料生成において、単糖およびオリゴ糖への分解の前に、バイオマス混合物を前処理するために使用され得る。
例えば生体燃料生成における、供給原料として使用されるバイオマスは、バイオマスのセルロース性成分の加水分解を妨げる高レベルのリグニンを一般的に含んでいる。バイオマスは、加水分解に対するセルロース成分の接触性を向上させるために、例えば高温および/または高圧を用いて、典型的に前処理される。しかし、前処理は粘性の高いバイオマス混合物を一般的に生じさせる。また、前処理されたバイオマス混合物の高い粘性は、前処理されたバイオマス混合物の効率的な加水分解を妨げ得る。好都合なことに、本開示のCDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチドは、バイオマスのさらなる分解の前に、前処理されたバイオマス混合物の粘性を低下させるために、セルラーゼとともに使用され得る。いくつかの局面において、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、およびGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有しているGH61ポリペプチドは、前処理されたバイオマス混合物の粘性を低下させるために使用される。いくつかの局面において、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、セルラーゼ、およびGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有しているGH61ポリペプチドは、前処理されたバイオマス混合物の粘性を低下させるために使用される。いくつかの局面において、本開示の天然に存在しないCDHヘムドメインポリペプチド、H−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいるGH61ポリペプチド、およびセルラーゼは、前処理されたバイオマス混合物の粘性を低下させるために使用される。
したがって、本開示の一局面は、初期の粘性を有している前処理されたバイオマス混合物を、本開示のCDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチドと接触させること;ならびに前処理されたバイオマス混合物の初期の粘性を低下させるための十分な条件において、接触させたバイオマス混合物をインキュベートすることによって、前処理されたバイオマス混合物の粘性を低下させる方法に関する。また、本開示は、初期の粘性を有している前処理されたバイオマス混合物を、本開示のCDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61ポリペプチドおよびセルラーゼと接触させること;ならびに前処理されたバイオマス混合物の初期の粘性を低下させるための十分な条件において、接触させたバイオマス混合物をインキュベートすることによって、前処理されたバイオマス混合物の粘性を低下させる方法を提供する。
開示されれている上記方法は、前処理過程の一部として実施され得る。前処理過程は、バイオマスを前処理するステップの後に、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、本開示のGH61ポリペプチド、およびセルラーゼを前処理されたバイオマス混合物に加えること;ならびに混合物の粘性を低下させるための十分な条件において、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、本開示のGH61ポリペプチドおよびセルラーゼとともに、前処理されたバイオマスをインキュベートことをさらなるステップとして包含し得る。ポリペプチドまたは組成物は、混合物の温度が高い間、または混合物の温度が低下した後に、前処理されたバイオマス混合物に加えられ得る。いくつかの局面において、上記方法は、前処理が実施されたときと同じ容器(vessel)または容器(container)において実施される。他の局面において、上記方法は、前処理が実施されたときと別の容器または容器において実施される。
いくつかの局面において、上記方法は、高濃度の塩の存在下、または1つ以上の界面活性剤、スルフィドリル試薬の存在下において実施される。高濃度の塩は、例えば、飽和濃度の塩を含んでいる溶液、少なくとももしくはおよそ以下の濃度:0.1M、0.2M、0.3M、0.4M、0.5M、1M、1.5M、2M、2.5M、3M、3.5Mもしくは4Mの塩化ナトリウムを含んでいる溶液、またはおよそか、もしくは以下の濃度:0.1M、0.2M、0.3M、0.4M、0.5M、1M、1.5M、2M、2.5M、3.0Mもしくは3.2Mの塩化カリウム(KCl)を含んでいる溶液、および/またはイオン性の液体(例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウムリン酸ジメチル([DMIM]DMP)または[EMIM]OAc)である。界面活性剤は、例えば、イオン性の界面活性剤(例えば、SDS、CHAPS)である。スルフィドリル試薬は、例えば、飽和している硫酸アンモニウムの試薬または約0〜1Mの硫酸アンモニウムの試薬である。他の局面において、上記方法は、広い温度範囲(例えば、約20℃〜50℃の間、25℃〜55℃の間、30℃〜60℃の間または60℃〜110℃)にわたって実施される。いくつかの局面において、上記方法は、広いpH範囲(例えば、約4.5〜8.75のpH、7を超えるpHもしくはpH8.5、または少なくとも5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0もしくは8.5)にわたって実施され得る。
(セルロース重合体を特定の生成物に切断する方法)
本明細書にさらに示されているのは、セルロース重合体を特定の切断生成物に切断する方法である。一局面において、本明細書に示されているのは、グルコース分子および4−ケトグルコース分子を生じさせるためにセルロース重合体を切断する方法である。セルロース重合体の切断から生じるグルコース分子および4−ケトグルコース分子は、より短いセルロース重合体の一部として残り得、より長いセルロース重合体の切断から生じる当該より短いセルロース重合体の両端に位置している。他の局面において、本明細書に示されているのは、セロデキストリンを得るためにセルロース重合体を切断する方法である。他の局面において、本明細書に示されているのは、4−ケトグルコースを含んでいる非還元糖末端を有しているセロデキストリンを生じさせるためにセルロース重合体を切断する方法である。
グルコース分子および4−ケトグルコース分子にセルロース分子を切断する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチドよって接触させられ得る。いくつかの局面において、グルコース分子および4−ケトグルコース分子にセルロース分子を切断する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチドおよび本開示のCDHヘムドメインポリペプチドによって接触させられる。他の局面において、グルコース分子および4−ケトグルコース分子にセルロース分子を切断する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチド、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼによって接触させられる。他の局面において、グルコース分子および4−ケトグルコース分子にセルロース分子を切断する方法において、セルロースは、本開示のCDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有しているGH61ポリペプチドによって接触させられる。他の局面において、セルロース分子をグルコース分子および4−ケトグルコース分子に切断する方法において、セルロースは、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、セルラーゼの1つ以上、およびGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有しているGH61ポリペプチドによって接触させられる。
(セルロースにおける特定の結合を切断する方法)
本明細書にさらに示されているのは、セルロース重合体および関連分子における特定の結合を切断する方法である。一局面において、本明細書に示されているのは、セルロース重合体においてグルコース分子を連結している1−4 グリコシド結合を切断する方法である。他の局面において、本明細書に示されているのは、グルコース分子の4位のC−H結合を切断し、これによって4−ケトグルコース分子の生成を促進する方法である。
いくつかの局面において、セルロース重合体におけるグルコース分子を結合する1−4 グリコシド結合を切断する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチドによって接触させられる。他の局面において、セルロース重合体におけるグルコース分子を結合する1−4 グリコシド結合を切断する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチドおよび本開示のCDHヘムドメインポリペプチドによって接触させられる。他の局面において、セルロース重合体におけるグルコース分子を結合する1−4 グリコシド結合を切断する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチド、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼによって接触させられる。他の局面において、セルロース重合体におけるグルコース分子を結合する1−4 グリコシド結合を切断する方法において、セルロースは、本開示のCDHヘムドメインポリペプチドおよびGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有しているGH61ポリペプチドによって接触させられる。
グルコース分子の4位のC−H結合を切断し、これによって4−ケトグルコース分子の生成を促進する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチドと接触させられ得る。いくつかの局面において、グルコース分子の4位のC−H結合を切断し、これによって4−ケトグルコース分子の生成を促進する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチドおよび本開示のCDHヘムドメインポリペプチドによって接触させられる。他の局面において、グルコース分子の4位のC−H結合を切断し、これによって4−ケトグルコース分子の生成を促進する方法において、セルロースは、本開示のGH61ポリペプチド、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼによって接触させられる。他の局面において、グルコース分子の4位のC−H結合を切断し、これによって4−ケトグルコース分子の生成を促進する方法において、セルロースは、本開示のCDHヘムドメインポリペプチド、およびGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916もしくはNCU00836のアミノ酸配列を有しているGH61ポリペプチドによって接触させられる。
(銅と結合されているGH61ポリペプチドを生成する方法)
本明細書に示されているのは、銅原子と結合されているGH61ポリペプチドを生成する方法である。一局面において、銅原子と結合されているGH61ポリペプチドは、銅原子を含んでいる培地において培養される細胞において生成される。他の局面において、銅原子と結合されているGH61ポリペプチドは、銅を含んでいる溶液においてGH61ポリペプチドをインキュベートすることによって生成される。銅原子と結合されている、生成され得るGH61ポリペプチドとしては、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、GH61−6/NCU02916、およびGH61−3/NCU00836が挙げられるが、これらに限定されない。また、銅原子と結合されている、生成され得るGH61ポリペプチドとしては、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドおよびH−X(4−8)−Q−X−Yモチーフを含んでいるGH61ポリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。銅原子と結合されているGH61ポリペプチドは、組換え体であり得るか、または天然に存在し得る。
本明細書にさらに示されているのは、複数の組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物を生成する方法であり、GH61タンパク質の50%以上は、銅原子と結合されている。また、本明細書に示されているのは、複数の組換えGH61ポリペプチドを含んでいる組成物を生成する方法であり、GH61タンパク質の55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%は、銅原子と結合されている。銅原子と結合されているGH61ポリペプチドは、銅原子がGH61ポリペプチドにとって利用可能な状態にされる任意の方法によって生成され得る。
銅原子と結合されているGH61ポリペプチドは、銅原子を含んでいる培地において培養される細胞において生成され得る。銅原子を含んでいる培地において培養される細胞は、少なくとも0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000μMの銅を含んでいる培地において培養され得る。銅原子を含んでいる培地において培養される細胞は、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000μM以下の銅を含んでいる培地において培養され得る。いくつかの局面において、銅原子を含んでいる培地において培養される細胞は、0.1〜1000μM、100〜800μM、0.1〜500μM、または1〜50μMの銅を含んでいる培地において培養され得る。
また、本明細書に開示されているのは、GH61ポリペプチドを生成する方法であり、GH61ポリペプチドは、銅を含んでいる溶液においてインキュベートされる。GH61ポリペプチドは、あらかじめ結合している金属をGH61ポリペプチドから除去するために、銅を含んでいる溶液におけるインキュベーションの前に、金属キレート剤(例えば、EDTAまたはEGTA)にさらされ得る。
銅を含んでいる溶液においてインキュベートされるGH61ポリペプチドは、少なくとも0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000μMの銅を含んでいる溶液においてインキュベートされ得る。銅を含んでいる溶液においてインキュベートされるGH61ポリペプチドは、0.05以下、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、または10000μMの銅を含んでいる溶液においてインキュベートされ得る。いくつかの局面において、銅を含んでいる溶液においてインキュベートされるGH61ポリペプチドは、0.1〜1000μM、100〜800μM、0.1〜500μM、または1〜50μMの銅を含んでいる溶液においてインキュベートされ得る。
本明細書に示されている方法において、銅は、液体に銅の塩を溶解させることによって加えられ得る。
本明細書に開示されている方法とともに使用され得る銅の塩としては、水に溶解する任意の銅の塩(硫酸銅、酢酸銅、炭酸銅、塩化銅、水酸化銅および硝酸銅が挙げられるが、これらに限定されない)が挙げられる。
(銅と結合されているGH61ポリペプチドを用いて、セルロース含有材料を分解する方法)
本明細書に使用されるとき、“セルロース含有材料”は、バイオマスなどのセルロースを含んでいる任意の材料を包含している。本明細書に示されているのは、セルロース含有材料を分解する方法であり、当該方法は、セルロース含有材料を、本開示の組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび組換えGH61ポリペプチドと接触させることを包含しており、GH61ポリペプチドは銅原子と結合されている。本明細書に示されているのは、セルロース含有材料を分解する方法であり、当該方法は、セルロース含有材料を、本開示の複数の組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび複数の組換えGH61ポリペプチドと接触させることを包含しており、GH61タンパク質の50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%は、銅原子と結合されている。本明細書に示されているのは、セルロース含有材料を分解する方法であり、当該方法は、セルロース含有材料を、本開示の複数の組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび複数の組換えGH61ポリペプチドと接触させることを包含しており、GH61タンパク質の55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%は、銅原子と結合しており、GH61ポリペプチドの1つ以上がGH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有している。
また、本明細書に示されているのは、セルロース含有材料を分解する方法であり、当該方法は、セルロース含有材料を、本開示の組換えCDHヘムドメインポリペプチド、本開示の組換えGH61ポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含しており、GH61ポリペプチドは銅原子と結合されている。本明細書にさらに示されているのは、セルロース含有材料を分解する方法であり、当該方法は、セルロース含有材料を、本開示の複数の組換えCDHヘムドメインポリペプチド、本開示の複数の組換えGH61ポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含しており、GH61タンパク質の50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%は、銅原子と結合されている。本明細書にさらに示されているのは、セルロース含有材料を分解する方法であり、当該方法は、セルロース含有材料を、本開示の複数の組換えCDHヘムドメインポリペプチド、本開示の複数の組換えGH61ポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含しており、GH61タンパク質の55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%は、銅原子と結合しており、GH61ポリペプチドの1つ以上は、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836のアミノ酸配列を有している。
また、本明細書に示されているのは、セルロース含有材料を分解する方法であり、当該方法は、セルロース含有材料を、本開示の組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび組換えGH61ポリペプチドと接触させることを包含しており、銅原子が反応混合物に存在する。本開示のセルロース含有材料、組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび組換えGH61ポリペプチドを含んでいるいくつかの反応混合物において、銅の濃度は、少なくとも0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000μMである。本開示のセルロース含有材料、組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび組換えGH61ポリペプチドを含んでいるいくつかの反応混合物において、銅の濃度は、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000μM以下である。本開示のセルロース含有材料、組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび組換えGH61ポリペプチドを含んでいるいくつかの反応混合物において、銅の濃度は、0.1〜1000μM、100〜800μM、0.1〜500μMまたは1〜50μMである。
また、本明細書に示されているのは、セルロース含有材料を分解する方法であり、当該方法は、セルロース含有材料を、本開示の組換えCDHヘムドメインポリペプチド、本開示の組換えGH61ポリペプチド、および1つ以上のセルラーゼと接触させることを包含しており、銅原子が反応混合物に存在する。セルロース含有材料、本開示の組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび本開示の組換えGH61ポリペプチドを含んでおり、セルラーゼの1つ以上をさらに含んでいるいくつかの反応混合物において、銅の濃度は、少なくとも0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000μMである。セルロース含有材料、本開示の組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび本開示の組換えGH61ポリペプチドを含んでおり、セルラーゼの1つ以上をさらに含んでいるいくつかの反応混合物において、銅の濃度は、0.05、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000μM以下である。セルロース含有材料、本開示の組換えCDHヘムドメインポリペプチドおよび本開示の組換えGH61ポリペプチドを含んでおり、セルラーゼの1つ以上をさらに含んでいるいくつかの反応混合物において、銅の濃度は、0.1〜1000μM、100〜800μM、0.1〜500μMまたは1〜50μMである。
(GH61ポリペプチドの銅含量を分析する方法)
本明細書にさらに示されているのは、GH61ポリペプチドの銅含有量を分析する方法である。複数のGH61ポリペプチドを含んでいる組成物におけるGH61ポリペプチドの銅含有量を決定するために、種々の手法がを使用され得る。当該手法は、以下の(1)〜(4)のステップを一般的に包含している。(1)所定のGH61ポリペプチドを含んでいる組成物のサンプルを入手すること;(2)上記組成物におけるGH61ポリペプチドの濃度を決定すること;(3)上記組成物における銅原子の濃度を決定すること;および(4)サンプルに存在するGH61ポリペプチドおよび銅原子の量に基づいて、1つのGH61ポリペプチドについての銅原子の量を算出すること。
サンプルにおけるGH61ポリペプチドの濃度は、組成物のタンパク質含量を測定するアッセイ(例えば、Bradfordアッセイ、Lowryアッセイまたはビシンコニン酸(BCA)アッセイ)の使用を介して決定され得る。組成物におけるタンパク質含量の質量および所定のGH61ポリペプチドの分子量を考慮すれば、当業者は、サンプルにおけるGH61ポリペプチドの濃度を容易に決定し得る。
サンプルにおける銅原子の濃度は、組成物における金属含有量の測定を行う任意の手法(例えば、誘導結合プラズマ原子発光分析または誘導結合プラズマ質量分析)の使用を介して決定され得る。
組成物におけるGH61ポリペプチドの濃度および同じ組成物における銅原子の濃度を考慮すれば、当業者は、組成物における銅原子と結合されているGH61ポリペプチドのパーセンテージを容易に決定され得る。理論によって縛られることなく、GH61ポリペプチドのそれぞれは1つの銅原子と結合している。例えば、精製されたGH61ポリペプチドを含んでいる組成物の分析は、1マイクロリットルのサンプルにつき約80000のGH61ポリペプチドおよび100000の銅原子を組成物が含んでいることを示している場合、これは、サンプルにおける80%のGH61ポリペプチドが銅原子と結合されていることを示している。
(セルロース含有材料の分解に使用されるGH61ポリペプチドの量を減少させる方法)
本明細書に示されているのは、セルロース含有材料の分解に使用されるGH61ポリペプチドの量を減少させる方法である。いくつかの局面において、セルロース含有材料の分解に使用されるGH61ポリペプチドの量を減少させる方法は、複数の組換えGH61ポリペプチドを供給することを包含しており、GH61ポリペプチドの50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%は、銅原子と結合されている。いくつかの局面において、セルロース含有材料の分解に使用されるGH61ポリペプチドの量を減少させる方法は、GH61−1/NCU02240、GH61−2/NCU07898、GH61−4/NCU01050、GH61−5/NCU08760、NCU02916またはNCU00836の配列を有している複数の組換えGH61ポリペプチドを供給することを包含しており、GH61ポリペプチドの50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%は、銅原子と結合されている。いくつかの局面において、銅原子と結合されているGH61ポリペプチドは、銅原子と結合されていないGH61ポリペプチドより、セルロースの分解を効率的に促進する。したがって、銅原子と結合されているGH61ポリペプチドが、セルロースの分解に使用される場合、銅原子と結合されていないGH61ポリペプチドと比べて、より少ないポリペプチドが、セルロースの分解を促進するために必要とされ得る。
(CDH依存性の修飾セルラーゼ系の同定)
他の実施形態において、本明細書に開示されているのは、CDH依存性の修飾セルラーゼ系を同定する方法である。本明細書に示されている通り、アクセサリセルラーゼ系は、セルロース、セルラーゼ、およびその他の分子を含んでいる反応においてセルロースの分解を促進する組成物である。CDH依存性の修飾セルラーゼ系は、セルロースの分解を促進するためにCDHヘムドメインポリペプチドの存在を典型的に必要とする組成物である。いくつかの局面において、CDH依存性の修飾セルラーゼ系は、1種類の分子によって構成されている。いくつかの局面において、CDH依存性の修飾セルラーゼ系は2種類以上の分子によって構成されている。
一局面において、CDH依存性のセルラーゼ系を同定する方法は、CDH依存性の修飾セルラーゼ系を同定するために、以下の(i)〜(v)のステップを包含している。(i)セルラーゼを分泌する菌(“セクレトーム”)によって分泌されるタンパク質のサンプルを入手すること;(ii)サンプルの一部を、EDTAまたはシアン化カリウムと接触させること;(iii)EDTA処理またはシアン化カリウム処理されたサンプルのセルラーゼ活性を測定すること;(iv)EDTA処理またはシアン化カリウム処理されていないサンプルのセルラーゼ活性を測定すること;(v)EDTA処理またはシアン化カリウム処理されたサンプルのセルラーゼ活性と、EDTA処理またはシアン化カリウム処理されていないサンプルのセルラーゼ活性を比較すること。EDTA処理またはシアン化カリウム処理されたサンプルおよび対応する非処理サンプルの間におけるセルロース分解の程度における有意差の、この方法を用いた同定は、サンプルにおけるCDH依存性のセルラーゼ系の存在を示唆している。異なる濃度のEDTAまたはシアン化カリウム(0.001mM、0.01mM、0.1mM、1mM、10mM、および100mMのEDTAまたはシアン化カリウムが挙げられるが、これらに限定されない)は、CDH依存性の修飾セルラーゼ系についてアッセイするために使用され得る。
一局面において、CDH依存性のセルラーゼ系を同定する方法は、CDH依存性の修飾セルラーゼ系を同定するために、以下の(i)〜(v)のステップを包含している。(i)セルラーゼを分泌する菌(“セクレトーム”)によって分泌されるタンパク質のサンプルを入手すること;(ii)サンプルの一部を嫌気性条件にさらすこと;(iii)嫌気性条件におけるサンプルのセルラーゼ活性を測定すること;(iv)嫌気性条件にさらされていないサンプルのセルラーゼ活性を測定すること;(v)嫌気性条件にさらされたサンプルのセルラーゼ活性と、嫌気性条件にさらされていないサンプルのセルラーゼ活性を比較すること。嫌気性条件にさらされたサンプルおよび嫌気性条件にさらされていない対応するサンプルの間におけるセルロース分解の程度における有意差の、この方法を用いた同定は、サンプルにおけるCDH依存性のセルラーゼ系の存在を示唆している。
嫌気性条件は、嫌気容器(例えば、Coy Laboratory Products,Inc(Grass Lake, Michigan)から提供されている)の使用を介して、もたらされ得る。いくつかの局面において、緩衝液は、溶存酸素を除去するために、非酸素ガス(例えば窒素)を用いてスパージングされ得る。いくつかの局面において、緩衝液は、溶存酸素を除去するために、長時間にわたって嫌気性容器において激しく撹拌され得る。
以下の実施例は、単なる例証であり、本開示の任意の局面をなんら限定するとは意図されていない。
〔実施例1:NCU00206、cdh-1の欠失を含んでいるN. crassaの株の生成〕
Neurosporaの機能的なゲノミクスプロジェクトは、相同組換えを介した標的遺伝子の置換を用いて、N. crassaのゲノムにおけるほとんどの遺伝子についてのノックアウト株をもたらした。Δcdh−1のヘテロカリオン株は、Fungal Genetic Stock Center(FGSC)を介して入手可能であるが、多くの試みにも関わらず、子嚢胞子の致死性関連変異のためにホモカリオン株は、生成され得なかった。cdh−1の完全な欠失を実現するために、組換えに関与する非類似性末端に欠損のあるN. crassaの株を、Neurosporaの機能的なゲノミクスプロジェクトによってもたらされたカセットを用いて形質転換した。PCRを用いてcdh−1の欠失を確認するために、抗生物質耐性を示すヘテロカリオン形質転換体の遺伝子型を、PCRによって特定した。形質転換体を、野生型のN. crassaと交雑させ、それからハイグロマイシン抵抗性の20の子孫を、セルロースによる増殖の間におけるCDHの産生についてスクリーニングした。Avicelによる最大の増殖を示し、培養ろ過物におけるCDH活性に欠損のある株の、遺伝子型を特定した。cdh−1が欠失させられている複数のホモカリオン株をPCRによって確認した。
2%のスクロースを補ったフォーゲル塩による、液体培地におけるΔcdh−1株の増殖は、野生型株の増殖と同じであった。結晶性セルロースの純粋な形態であるAvicelによるわずかな増殖の欠陥のみがあった。野生型株およびΔcdh−1株の両方は、光学顕微鏡によって決定された通り、増殖の6〜7日後にすべてのAvicelを完全に分解した。培養ろ過物に存在するタンパク質をSDS−PAGEによって分析し(図1a)、Δcdh−1株によって分泌された細胞外タンパク質は、100〜120kDaのCDH−1バンドの減少を除いて、野生型株の細胞外タンパク質と非常に類似していた。Δcdh−1株において分泌されたタンパク質の総量は、野生型株より〜40%少ない量から野生型株と等しい量まで、異なる形質転換体について変化する。Δcdh−1株の培養ろ過物におけるCDH活性は、野生型の培養ろ過物より、平均して500倍低かった(図1b)。Δcdh−1株および野生型株の標準的なセルラーゼ比活性をそれから比較した。エンドグルカナーゼ活性およびセロビオヒドロラーゼ活性のそれぞれは、アゾ−CMCアッセイおよびMULACアッセイによってそれぞれ評価された通り、等しい量の総タンパク質が加えられた場合、野生型株およびΔcdh−1株について類似であった。Avicelase活性は、等しいタンパク質の基準に基づいて加えらた場合に、Δcdh−1株の培養ろ過物において、野生型株の培養ろ過物より37〜49%低かった(図1c)。24時間の反応時間後における加水分解生成物のHPLCによる分析は、Δcdh−1株の培養ろ過物において、グルコースが生成された主な糖(>90%)であり、次にセロビオースであることを示した。野生型株の培養ろ過物において、グルコースは主な生成物(80%)であり、続いてセロビオース、セロビオン酸、および微量のグルコン酸であった。クロマトグラムにさらなるピークはなかった。
エンドグルカナーゼ活性を、製造者の指示にしたがって、適切に希釈した培養ろ過物をアゾ−CMC試薬(Megazyme SCMCL)に対して混合することによって、決定した。4−メチルウンベリフェリルβ−D−ラクトシド(MULAC)の加水分解速度を、適切に希釈した培養ろ過物の、1.0mMのMULACに対する添加による、蛍光(励起 λ=360nm;発光 λ=465nm)の増大をモニタすることによって決定した。
〔実施例2:CDHによるセルロース分解の刺激〕
セルロースの分解に対するCDH−1の寄与をより直接的に評価するために、精製されたCDHを用いたインビトロ生体外相補性アッセイを実施した。CDH−1は、N. crassaの培養上清から純粋な形態において単離することが困難であり、部分的に精製された形態のN. crassaのCDH−1のみが単離され得た(図6a)。近縁の好熱性真菌Myceliophthora thermophilaにおけるオルソロガスなタンパク質は、純粋な形態においてより容易に単離でき、相補性アッセイのほとんどのために使用された(図7)。M. thermophilaおよびN. crassaのCDH−1は、70%の配列同一性および同じドメイン構造を共有している。両方の酵素は、真菌のC末端セルロース結合ドメインを含んでいる。M. thermophila由来のCDH−1は、Avicelに対する検出不能な活性を有し、部分的に精製されたN. crassaのCDH−1は、低レベルの混入物に起因してわずかな加水分解活性を有していた。
M. thermophilaのCDH−1または部分的に精製されたN. crassaのCDH−1の、Δcdh−1株の培養ろ過物に対する添加は、Avicelの加水分解を十分に刺激した(図2aおよび図6b)。Avicelase活性は、Δcdh−1の培養ろ過物の単独より1.6〜2.0倍高かった。野生型の培養ろ過物に対するCDH−1の添加は、Avicelの加水分解に対する刺激作用を示さなかった(図2b)。さらに、CDH−1は、N. crassaの由来の精製されたセルラーゼ(2つのセロビオヒドロラーゼ(CBH−1およびGH6−2)が挙げられる)(図2c)、エンドグルカナーゼ(GH5−1)、およびβ−グルコシダーゼ(GH3−4)(図7)の混合物を刺激できなかった。
また、M. thermophilaは、セルロースによる増殖の間に、真菌のセルロース結合モジュールを含んでいない(図3a)、他のCDHであるCDH−2を生成する。M. thermophilaのCDH−1およびCDH−2のセルロースと結合する性質を、Avicelを用いたプルダウン実験を用いて分析した(図3b)。M. thermophilaのCDH−1は、Avicelと強固に結合し、M. thermophilaのCDH−2は非常に弱い親和性のみを有している。セルロースに対する親和性を除いて、M. thermophilaのCDH−1およびCDH−2は、非常に類似した定常状態の動態特性を有している。CDHを加えた0.4mg/gのAvicelにおいて、CDH−2はCDH−1と同程度までAvicelの加水分解を刺激できた(図3c)。
Avicelの加水分解を刺激するCDHの能力に対する、セルロース結合モジュールの役割をさらに調べるために、タイトレーション実験を実施した(図3d)。CDH−1は、CDH−2より10倍少ない添加量において、Δcdh−1株の培養ろ過物の活性を刺激できた。Δcdh−1の培養ろ過物におけるAvicelase活性に対する刺激作用は、1グラムのAvicelにつき5μgのCDH−1の添加において認められ、50μgのCDH−2が、同様の刺激に必要であった(図3d)。また、4mg CDH/g Avicelにおいて、M. thermophilaのCDH−1およびCDH−2の両方は、より少ない添加量に対して、Avicelase活性に対する阻害作用を有している。
M. thermophilaのCDH−2のフラビンドメインおよびヘムドメインは、パパインを用いた切断によって分離され得る。活性の刺激に対するヘムドメインの寄与を決定するために、パパインを用いてM. thermophilaのCDH−2を切断し、サイズ排除クロマトグラフィを用いてフラビンドメインを分画した(図7)。フラビンドメインは、2,6−ジクロロフェノールインドフェノール(DCPIP)が電子受容体として使用される場合に、全長酵素と同じ速度においてセロビオースを酸化し得るが、チトクロムcが電子受容体として使用される場合に活性を有しておらず、1つの電子受容体への伝達にとってのヘムドメインの重要性を反映している。フラビンドメインは、全長CDH−2と等しい活性の基準に基づいて加えられる場合に、セロビオン酸の生成にもかかわらず、Δcdh−1株の培養ろ過物によるAvicelの加水分解を刺激し得ない(図4)。全長CDH−2より10倍多い添加量においてさえ、フラビンドメインはAvicelの加水分解を刺激し得ず(データを示さず)、ヘムドメインが刺激作用に必須なことを示唆している。
M. thermophilaのCDH−2のヘムドメインは、全長タンパク質のパパイン消化に基づいて十分に精製され得ず、したがって、Pichia pastorisにおいて組換え発現された。CDH−2由来のヘムドメインは、ニッケル金属親和性クロマトグラフィーによって精製され、全長CDH−2と同じスペクトル特性を有している(図8)。それから、組換えヘムドメインを、Δcdh−1株の培養ろ過物のAvicel加水分解を刺激するその能力について試験した(図4)。最大の刺激に求められる全長CDH−2と同じモル濃度において第2鉄のヘムドメインの添加は、刺激作用を有していなかった。しかし、1μMの添加量において、第2鉄のヘムドメインは、23nMの全長酵素(200μg/g Avicel)とほぼ同程度にAvicelase活性を刺激できた(図4)。
1.0mMのセロビオース、200μMのDCPIP、および100mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)を含んでいる混合物に対する適量のCDHまたは培養ろ過物の添加によって、CDH活性アッセイを、室温において実施した。DCPIPの還元を、530nmにおける吸光度の低下に基づいて、分光光度法によってモニタした。1ユニットは、1分間に還元されるDCPIPのマイクロモル数に相当する。
すべてのAvicelaseアッセイを、50mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)における10mg/mLのAvicel(商標) PH101(シグマ)を用いて3つ1組にして40℃において実施した。アッセイを、総容量1.0mLを有している1.7mLのマイクロ遠心チューブにおいて実施し、分析物を、1分間に20回にわたって反転させた。各分析物は、0.05mg/mLの培養上清、または6:2.5:1:0.5の比率において存在しているCBH−1、GH6−2、GH5−1およびGH3−4を含んでいる0.05mg/mLの再構成されたセルラーゼ混合物を含んでいた。刺激アッセイに使用されたヘムドメインの濃度は、完全に還元されたタンパク質の430nMにおける吸収によって決定されたとき、1.0μMであった。
分析物を、4000rpmにおいて2分にわたって遠心分離して、残存するAvicelをペレット状にし、20μLのアッセイ混合物をウェルごとに取り出した。サンプルを、脱塩され、希釈された100μLのNovozymes 188(Sigma)とともに、20分にわたって40℃においてインキュベートして、セロビオースを加水分解し、それから、Novozymes 188処理された10〜30μLのAvicelaseアッセイ上清を、(4)に記載されている通り、グルコースのオキシダーゼ/ペルオキシダーゼアッセイに用いて、グルコースについて分析した。分解の割合を、10mg/mLのAvicelの理論上の最大変換について測定されたグルコースの量に基づいて算出した。
〔実施例3:CDHによるセルロース分解の刺激に対する酸素イオンおよび金属イオンの依存性〕
CDHの生物学的機能についての主な仮説は、CDHのヘムドメインからの電子が、第2鉄の錯体、キノン、酸素分子またはその他の酸化還元媒介物に受け渡され、セルロースまたはリグニンを非特異的に分解し得るラジカル種の生成を導くことを前提としている。したがって、Δcdh−1の培養ろ過物に対するCDHの添加によって観察した活性の刺激は、セルロースとの直接的な反応、または金属もしくは小分子がCDHによって還元状態になり、続いて分解に寄与する間接的な作用に起因するのかを検討するために実験を行った。
Δcdh−1培養物における小分子の作用について調べるために、10000MWCOスピン濃縮器を用いて培養ろ過物を10000倍に緩衝液交換した。緩衝液交換後に、CDH−1は依然として、Δcdh−1の培養ろ過物の活性を同程度まで刺激できた。刺激について金属依存性の有無を調べるために、Δcdh−1培養物から得た緩衝液交換した培養ろ過物を、100μMのEDTAとともに1時間にわたってインキュベートし、それからAvicelaseアッセイを実施した。EDTAは、Δcdh−1の培養ろ過物のAvicelase活性に作用しなかったが、M. thermophilaのCDH1が、EDTA処理されたΔcdh−1の培養ろ過物に加えられた場合に、刺激作用は観察されなかった(図5a)。野生型株の培養ろ過物に対するEDTAの添加は、〜50%までAvicelase活性を低下させた(図9)。まとめると、これらの結果は、CDHによるセルロース分解の刺激に必須な、タンパク結合金属イオンがあることを示唆している。1.0mMのEDTAをともなったM. thermophilaのCDH−1の一晩のインキュベートは、DCPIPまたはチトクロムcを電子受容体として用いてセロビオースを酸化するその能力に影響しなかった(データを示さず)。
それから、CDHによるAvicelaseの刺激を担う金属の性質を、緩衝液交換され、EDTA処理された1.0mMの濃度におけるΔcdh−1の培養ろ過物に対する種々の金属イオンの添加によって調べた(図5a)。硫酸コバルトまたは硫酸亜鉛の添加は、CDH−1による活性の刺激を完全に回復させ得た。塩化カルシウムおよび硫酸マグネシウムは刺激作用を有していなかった。また、セルラーゼを阻害すると知られている酸化還元金属(Feng et al. AEM 2010)(硫酸第1鉄、硫酸マンガンおよび硫酸第1銅が挙げられる)を調べた。刺激作用は初期に観察され(12時間)、これらの金属による阻害は、より長い時点(45時間)において顕著であった(図10)。
最後に、Δcdh−1の培養ろ過物におけるCDH−1による活性の刺激に対する酸素分子の役割を調べた。Δcdh−1の培養ろ過物のAvicelase活性は、酸素分子の存在に影響されず、野生型の培養ろ過物において、活性は、酸素の非存在下において〜40%低下する。精製されたM. thermophilaのCDH−1が嫌気性条件においてΔcdh−1の培養ろ過物に加えられた場合、Avicelase活性に対する刺激作用は観察されず、刺激作用は、好気性条件下において観察された(図5b)。
室温の嫌気容器(Coy)においてすべてのアッセイを実施したことを除いて、嫌気性のAvicelaseアッセイを上述の通りに実施した。緩衝液は、1時間にわたって窒素を用いてスパージングされ、嫌気容器への導入前に、培養ろ過物を300μLの容積まで20倍を超えて濃縮した。使用前の72時間にわたって、すべての溶液を解放状態において嫌気容器に放置して、溶存酸素を完全に除去した。好気性反応物を、嫌気容器において3mLの反応バイアルに入れて調製し、それから、嫌気容器から取り出し、空気にさらし、密閉し、嫌気容器に戻した。特定の時点に分析物をグローブバッグにおいて遠心分離し、100μLのアッセイ混合物を取り出し、グルコース−オキシダーゼペルオキシダーゼアッセイによって、上述の通りに分析した。
〔実施例4:N. crassaのにおけるセルラーゼの分解を促進する能力を有しているGH61タンパク質〕
AvicelおよびMiscanthusによる増殖におけるN. crassaの培養ろ過物の複数回のプロテオミクス分析は、N. crassaのセクレトームにおける少なくとも4つのGH61タンパク質:GH61−4/NCU01050(配列番号30)、GH61−1/NCU02240(配列番号24)、GH61−2/NCU07898(配列番号26)、およびGH61−5/NCU08760(配列番号28)の一貫した同定をもたらした。
(遺伝子欠失のEDTA処理)
WT N. crassaの培養ろ過物に対する1mMのEDTAの添加は、GH61の触媒活性に必要とされる表面に露出した二価金属の喪失をおそらく介して、セルラーゼ活性を約2倍阻害する。いくつかの二価金属(Zn、Co、Mn、Fe、Cu)の添加は、EDTA処理後におけるセルラーゼ活性を回復させ得る。EDTAは、ΔNCU01050ノックアウトおよびΔNCU02240ノックアウトのセルラーゼ活性を約20〜30%まで低下させ、EDTAは、WT株、ΔNCU07898株およびΔNCU08760株のセルラーゼ活性を約50%まで低下させることを確認した。
(系統学的な分析)
N. crassaの培養ろ過物と異なり、Avicelによる増殖の間におけるM. thermophilaの培養ろ過物は、EDTAを用いた処理によって阻害されない。Avicelによる増殖の間にこれらの真菌の両方が示す転写応答の比較分析は、M. thermophilaは、NCU08760およびNCU07898とオルソロガスな遺伝子を転写し、NCU01050およびNCU02240とオルソロガスな遺伝子を発現させないことを示している。
(生化学的な分画)
Δcdh−1の培養ろ過物を、濃縮し、緩衝液交換し、イオン交換クロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーの手法を用いて分離した。基本的なセルラーゼ活性のCDH依存性刺激を示す能力について、画分をアッセイした。SDS−PAGEおよびトリプシン消化、続く液体クロマトグラフィ−タンデム質量分析法(LC−MS/MS)によって画分をさらにアッセイして、各画分に存在するタンパク質を同定した(図11〜13)。
(セルラーゼアッセイ)
GH61タンパク質、M. thermophilaのCDH−1およびセルラーゼを用いてセルラーゼアッセイを実施した。図14の実験において、亜鉛によって再構成されたN. crassaのGH61ポリペプチドを、Avicel(商標)とともに使用した。図15の実験において、EDTA処理されたN. crassaのGH61ポリペプチドを、Avicel(商標)とともに使用した。図16の実験において、亜鉛によって再構成されたN. crassaのGH61ポリペプチドを、前処理されたトウモロコシ茎葉とともに用いた。NCU01050およびNCU02240は、Avicel(商標)の分解を向上させる最も優れた作用を有しており、NCU02240およびNCU08760は、トウモロコシの茎葉の分解を向上させる最も優れた作用を有していた。
〔実施例5:GH61ポリペプチドの変異による分析〕
His−179、Gln−188またはTyr−190(番号付与は、シグナルペプチドの最初のアミノ酸から開始することを基準とする)に変異を有しているN. crassaのNCU08760ポリペプチド(N. crassaの多糖モノキシゲナーゼ1(“PMO−1”)としても知られる)を調製し、精製した。詳細には、H179A、Q188AまたはY190Fの変異を有しているNCU08760ポリペプチドを調製した。それから、これらの異なるNCU08760の変異体ポリペプチドを、リン酸によって膨潤されたセルロース(“PASC”)に対する活性についてアッセイした。図25は、H179A(“HA”)、Q188A(“QA”)またはY190F(“YF”)の変異体のそれぞれの活性を、野生型(“WT”)のNCU08760の活性を比較するアッセイの結果を示している。アッセイ条件は、5mg/mLのPASC、2mMのアスコルビン酸、50mMの酢酸ナトリウム(pH5)であり、混合することなく、1時間の終点まで40℃においてアッセイを実施した。図25に示すように、HA、QAおよびYのF変異体のそれぞれは、WTのNCU08760と比べて10倍を超える活性の低下を示し、QAおよびYFの変異体は、WTのNCU08760と比べて、50倍を超える活性の低下を示した。したがって、これらの結果は、GH61活性にとってのH−X(4−8)−Q−X−Yモチーフのうちアミノ酸H、QおよびYのそれぞれの重要性を示している。

Claims (37)

  1. 第1のドメインおよび第2のドメインを含んでおり、当該第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、当該第2のドメインはセルロース結合モジュール(CBM)を含んでいる、天然に存在しないポリペプチド。
  2. デヒドロゲナーゼドメインを含んでいない、請求項1に記載の天然に存在しないポリペプチド。
  3. デヒドロゲナーゼドメインを含んでいる第3のドメインをさらに含んでいる、請求項1に記載の天然に存在しないポリペプチド。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の天然に存在しないポリペプチドをコードしている、組換えポリヌクレオチド。
  5. (A)組換えGH61ポリペプチド;および
    (B)CBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチド
    を含んでいる、組成物。
  6. 上記組換えGH61ポリペプチドは、NCU02240/NCU01050クレードのポリペプチドを含んでいる、請求項5に記載の組成物。
  7. 上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号24(NCU02240)または配列番号30(NCU01050)を含んでいる、請求項6に記載の組成物。
  8. 上記組換えGH61ポリペプチドは、配列番号26(NCU07898)、配列番号28(NCU08760)、または配列番号90(NCU00836)を含んでいる、請求項5に記載の組成物。
  9. 上記組換えGH61ポリペプチドは、H−X(4-8)−Q−X−Yのモチーフを含んでいる、請求項5に記載の組成物。
  10. CBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、配列番号32(N. crassaのCDH−1)または配列番号46(M. thermophilaのCDH−1)を含んでいる、請求項5〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. CBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、第1のドメインおよび第2のドメインを含んでいる天然に存在しないポリペプチドであり、当該第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、当該第2のドメインはCBMを含んでおり、上記ポリペプチドは、デヒドロゲナーゼドメインを含んでいない、請求項5〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  12. CBMを含んでいる上記組換えCDHヘムドメインポリペプチドは、天然に存在しないポリペプチドであり、第1のドメイン、第2のドメインおよび第3のドメインを含んでおり、当該第1のドメインはCDHヘムドメインを含んでおり、当該第2のドメインはCBMを含んでおり、当該第3のドメインはデヒドロゲナーゼドメインを含んでいる、請求項5〜9のいずれか1項に記載の組成物。
  13. 第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドを含んでおり、当該第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、安定に相互作用しており、共有結合的に連結されておらず、当該第1のポリペプチドはCDHヘムドメインを含んでおり、当該第2のポリペプチドはCBMを含んでいる、組成物。
  14. 上記第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチドは、ロイシンジッパーモチーフを介して相互作用している、請求項13に記載の組成物。
  15. GH61ポリペプチドをさらに含んでいる、請求項14に記載の組成物。
  16. 上記CDHヘムドメインは、配列番号70(N. crassaのCDH−1ヘムドメイン)、配列番号76(N. crassaのCDH−2ヘムドメイン)、配列番号80(M. thermophilaのCDH−1ヘムドメイン)、および配列番号86(M. thermophilaのCDH−2ヘムドメイン)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでおり、上記CBMは、配列番号74(N. crassaのCDH−1 CBMドメイン)または配列番号84(M. thermophilaのCDH−1 CBMドメイン)のアミノ酸配列を含んでいる、請求項5〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  17. セルラーゼの1つ以上をさらに含んでいる、請求項5〜15のいずれか1項に記載の組成物。
  18. GH61ポリペプチドをコードしているポリヌクレオチド、およびCBMを含んでいるCDHヘムドメインポリペプチドをコードしているポリヌクレオチドを含んでいる、宿主細胞。
  19. セルロースを、セルラーゼの1つ以上および請求項5〜15のいずれか1項に記載の組成物と接触させて、分解されたセルロースを生じさせることを包含している、セルロースを分解する方法。
  20. バイオマスを、セルラーゼの1つ以上および請求項5〜15のいずれか1項に記載の組成物と接触させて、分解されたバイオマスを生じさせることを包含している、バイオマスを分解する方法。
  21. バイオマスを、セルラーゼの1つ以上および請求項5〜15のいずれか1項に記載の組成物と接触させて、糖溶液を生じさせること;ならびに発酵生成物を生成するための十分な条件において、当該糖溶液を発酵微生物とともに培養することを包含している、バイオマスを発酵生成物に変換する方法。
  22. 上記バイオマスは前処理ステップに供される、請求項20または21に記載の方法。
  23. セルロースおよびセルラーゼを含んでいる混合物におけるセルロースの分解速度を向上させる方法であって、セルロースおよびセルラーゼを含んでいる上記混合物を、請求項5〜15のいずれか1項に記載の組成物と接触させることを包含している、方法。
  24. セルロースを分解する方法であって、セルロースを、セルラーゼの1つ以上、ルイス酸、ならびにヘム基およびCBMを含んでいる分子と接触させることを包含している、方法。
  25. 上記ルイス酸は組換えGH61ポリペプチドである、請求項24に記載の方法。
  26. ヘム基およびCBMを含んでいる上記分子は、CBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインポリペプチドである、請求項24に記載の方法。
  27. 前処理されたバイオマス混合物の粘度を低下させる方法であって、前処理された上記バイオマス混合物を、セルラーゼの1つ以上および請求項5〜15のいずれか1項に記載の組成物と接触させて、低下した粘度を有している前処理されたバイオマス混合物を生じさせることを包含している、方法。
  28. 上記GHポリペプチドの少なくとも50%は銅原子と結合されている、請求項19〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 上記GHポリペプチドの少なくとも90%は銅原子と結合されている、請求項19〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 複数の組換えGH61ポリペプチドを含んでおり、当該GHポリペプチドの少なくとも50%は銅原子と結合されている、組成物。
  31. 上記GHポリペプチドの少なくとも90%は銅原子と結合されている、請求項30に記載の組成物。
  32. 複数の組換えGH61ポリペプチドの少なくとも1つは、(i)NCU2240/NCU01050クレードのポリペプチド、または(ii)配列番号90(NCU00836)、配列番号26(NCU07898)、もしくは配列番号28(NCU08760)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでいる、請求項30に記載の組成物。
  33. GH61ポリペプチドを生成する方法であって、
    0.1〜1000μMの銅を含んでいる培地において、GH61ポリペプチドをコードしている組換えポリヌクレオチドを含んでいる細胞を培養すること;および
    上記GH61ポリペプチドをコードしている上記組換えポリヌクレオチドからGH61ポリペプチドを生成するための十分な条件に上記細胞を供することを包含している、方法。
  34. 上記細胞は100〜800μMの銅を含んでいる培地において培養される、請求項33に記載の方法。
  35. セルロースを分解する方法であって、
    反応混合物において、セルロースを、
    (A)セルラーゼの1つ以上、
    (B)CBMを含んでいる組換えCDHヘムドメインタンパク質、および
    (C)(i)NCU2240/NCU01050クレードのポリペプチド、または(ii)配列番号90(NCU00836)、配列番号26(NCU07898)、もしくは配列番号28(NCU08760)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでいる、組換えGH61ポリペプチドと接触させることを包含しており、
    上記反応混合物において0.1〜500μMの銅の濃度を有していることをさらに包含している、方法。
  36. 反応混合物における銅の濃度は1〜50μMである、請求項35に記載の方法。
  37. セルロース、セルラーゼ、CMBを含んでいるCDHヘムドメインポリペプチド、およびGH61ポリペプチドを含んでいる混合物におけるセルロースの分解速度を向上させる方法であって、反応混合物に1〜50μMの銅を供給することを包含している、方法。
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